これは、僕個人「シオン=クレイド」の魔法の異様さを書きとめたレポートである。
要点のみを纏めておくと、以下の3点。

1.魔力の籠っていない剣を鍛てない
2.刀剣を視ただけでどのような材質で出来ているか理解できる
3.「癒身の法」の発動方が異常である

上から順に詳細を書いていく。
1であるが、これは別に鍛ち損なったという問題ではない。
魔力の籠っていない剣を鍛った場合、刀身が弾けるからだ。
相対して、魔力を篭めた剣を鍛った場合、例外なく名剣の類になる。
わざと拙い鍛ち方をしたとしてもだ。
真面目にやって絶対ダメになる普通の剣と、適当にやっても絶対巧くいく魔力剣とかもう作ってられねぇ。
理由は不明。初めて鍛冶で普通の剣を作ろうとしたときからこうだったので、高確率で先天的であると推測している。

2の方は聖剣・魔剣・名刀・妖刀などをはじめに、あらゆる刀剣の類を目にするとそれの材質が理解できる。
例えば、僕の魔力剣「フラム」だが、ミスリル銀の類は一切使われていない。
オリハルコニウムであるとか、魔昆石であるとか、そのような鉱物かと思ったが、それでもないようだ。
まぁ、未知の鉱物の他にも、鋼鉄が使われているので、「フラム」は合金でできていると言っていい。
といったような感じで、僕は刀剣に使われている鉱物が百分率で理解できる。自然と頭に数字などが浮かんでくるといってもいい。
刀剣以外の物の場合、一切このような現象は起きないため、刀剣限定で理解できるものであると考えている。
ただし、木刀や竹刀のような、鉱物を使わないものは見ても分からなかった。何故かは不明。

3だが、正直これが一番厄介である。
僕自身が「癒身の法」を使用しようとした場合、必ず魔力剣が必要になる。
それ以外の方法でやろうとした場合、発動寸前になって魔力が完全に霧散する。
故に、魔力剣を媒介にして発動する必要がある。
魔力剣以外にも、魔力が篭もっていない武器、剣以外の魔力が籠った武器でも試したが一切発動しなかった。痛かった。
「フラム」以外の魔力剣で試したところ、問題なく使えたため、発動の要因は「魔力剣」であり、「フラム」ではないと考えられる。
攻撃魔法のみならば、剣を媒介にする必要はないが、基本的に「武具」を根底概念にする必要があった。
蒼の流星にしても、基本が「魔法の「矢」」という概念を利用して初めて使えるようになったものだし、
碧の障壁も、基は「魔法の鎧」だが、何故か「盾」をイメージして使って初めて使用できるようになった。
この辺りに、何かしらの、僕の異常性が浮き出ているのかもしれない。

この異常性の意味は分からないが、異常であるが故に命を狙われるというのは分かる。
というか、正直厄介な能力なだけで変に使えないだけ困った。
今現在の心境を語るなら…
詰み。チェック・メイト。勝負あり。
全く進展がない研究というのもどうしようもない。

個人的には、癒身の法を他人がいる時に使う時にどうしようと考えている。
一応、深く突き刺す必要はなく、最悪刃先が振れれば可能なようなので、屁理屈ごねて刀身を当てて使うのもありかも知れない。
何か、色々と厄介でかつ面倒な魔法の使い方を先天的に持ってるような人っていないかなと思う今日この頃。
どうにも、ヒアさんって人は、使い魔に懐かれやすいって言ってたから、多分何か厄介なものがあるんだと思う。聞けるなら聞いときたい。






下に中の人によるシオンの異常性の説明があります。
説明を見ると、実はあまり異常でないのでがっかりするかもしれません。
中の人的な説明もしている点もあるので、それでもOKな方のみスクロールしてください。
では、見たい方はどーぞ。



中の人の解説
シオンの異常性の理由は実は結構単純である。
1の場合、シオンが意識出来てないレベルで剣に魔力を篭めようとしているため。
中途半端に魔力を籠めるので、剣の強度がおかしくなり刀身が弾けるようになくなってしまう。
魔力剣を作る際には、適当にやってるつもりでも実はやることやってるのでうまく出来て当然。
要は単純に魔力剣を作らない時に変に魔力を籠めてダメにして、魔力剣を作る時は本人いわく適当でもちゃんとやっているだけ。
別に変な事が起こっているわけではない。強いて変なことと言うなら、本人の意識が変なだけ。
2。魔眼。
基本的には“「鉱物」を用いられて作られた「刀剣」”に対して無条件に発動する材質解析魔眼。
先天的に持っていたもので、当時からナイフや包丁の材質が理解できていた。
魔眼なのだが、正直あまり強い部類のものではない。
発動していてもシオンの体に変調をきたすこともないし、他人に対して何か反応もしない。
とりあえず、一応仮にも魔眼なので集中すれば魔力が見える(職業特製:賢者の瞳)。
3。
理由は二つで、まずシオン自身は回復魔法が得意ではない。
次に、シオンの精神集中のイメージが武具で、一番相性が良いものが「刀剣」であるという点。
で、魔力剣で刺したら発動できるというイメージが固定してしまったため、現在は魔力剣を媒介にしないと完全に発動しない。
ちなみに、元々シオンは媒介なしに回復魔法を発動できるほど、回復魔法の才能がない。
発動寸前に魔力が霧散してしまうのは、単純に媒介なしの場合燃費が他の人の数倍に跳ね上がるので他人と同じ魔力の消費だと発動出来ないだけ。
要は、発動に十分なだけの魔力が集まってないので、発動寸前で術が無効になっている。
(CW的に説明すると、媒介なしだとLv10でも適性がないので1回使ったらもう使えない位に燃費が悪い)
シオンは基本的にエンチャンター(武具に対して魔力を付与する)側の人間で、自身で魔力を発動させるのは得意ではない。
(一応、朱の一閃も刀身に魔力を籠めているので、エンチャントに属する魔法)
なお、仮に以前魔力の籠った杖で発動できていれば魔力剣ではなく、杖が媒介で叩けば治せるという感じになっていた。
現在は、単純にシオンが無意識のうちに「魔力剣を使わないと「癒身の法」が使えない」という自己暗示をかけているので、魔力剣以外で使えないだけ。
けれども、シオンの用いる媒介は魔眼の存在もあって、「刀剣」が一番良いので杖などを使うよりも燃費が良い。

多分穴はないのでこれでいいかなぁと思います。
穴があったら適宜直します。