水島総  はい今日はスペシャルと致しまして安倍晋三元総理においでいただきまして、特にマスメディアの問題、NHK問題を含めまして、これを中心にお話しを伺いたいと思います。お忙しいところ総理ほんとうに有り難うございます。 安倍晋三  よろしくお願いします。 水島  あの、実は今日議員の皆さんが集まって公共放送の問題についていろいろ話し合ったということで、これちょっとお話しいただけますか? 安倍  あの今日ですね、公共放送あのNHKですね、公平性について考える議員の会ができました。約50名くらい本人が出席しましたね。代理を併せれば100人近くなったと思います(稲田朋美事務局長談「本人出席50人強、代理出席25人」)。これぐらい、解散があるんではないかと言われていて大変忙しい中でよく議員がこんなに沢山集まったなあと思いますね。 きっかけはNHKのNHKスペシャル、JAPANデビューですね、の台湾について扱った番組、あの番組を見て多くの人たちが違和感を感じたと思いますね。あの議員もそうですが特に議員の下には沢山の一般の市民国民からいろんな意見が寄せられました。抗議も寄せられましたね。議員としてNHK放送法上問題があるのではないか、そういう点から検討してもらいたいという、本当に沢山の意見、手紙やメールや電話が寄せられたんです。当然われわれ国民から付託を受けている代表としてですね、この問題をじゃあ勉強しようということで、金美鈴さんにお越しをいただいて議論をしました。 水島  金先生はもちろん台湾の方ですから、この番組ご覧になったと思いますが、どんな感じでお話しになったのですか? 安倍  金さんが仰ったのはですね、放送というのは大変な力を持っている。大きな権力と影響力を持っているにも拘らず、それに携わっている人たちは余りにもそのことに対する自覚がないと、中には非常に無責任な態度で、あるいは兎に角自分の考え方思想をですね、そうした公共の電波を通して押し付けようと、或る意味では気楽に考えている人も居るんだ、という話がありました。 そこでこの番組についてはですね、あまりにも一方的ではないか、ていう話でしたね。台湾の殆どの人たちはですね、日本に対していい感情を持っている。もちろん日本は日清戦争勝利後ですね、当時の清朝から台湾を割譲されたわけですけど、その後日本の統治についてはですね、当然光と陰があるだろうと、当然そうです。陰の部分はある。しかし光と陰合わせて考えれば台湾の近代化には光の部分が今でも残っている。だからこそ、今でもいろんな調査で好きな国ナンバーワンは圧倒的日本なのですね。大きく引き離して米国があるといっていいと思います。親日的な台湾人は沢山居るし、日本の統治時代を経験した台湾人の中で日本が好きな人は沢山いるのに、なぜそういう人たちが一人も登場しないのだと、例えば右代表として李登輝元総統がおられるではないか、なぜ李登輝さんに聞かないのだと、という話がありました。 あと事実関係についていちいち、ひとつひとつ金さんの方からお話があって、この番組は明らかに事実を歪めてるし、特定の人たちしか登場させていない大きな問題があるのではないか、という話がありまして、我々聞いていてその通りだなと思いまして、その通りというよりも或る意味では改めてこの問題を真剣に考えなければいけないと思いましたね。 水島  そういう意味では総理も以前ですね、中川議員と一緒にですね、NHK朝日新聞問題というような形であるんですけど、どうですか全般的に含めてですねマスメディアの一番問題が在るというのは今さっき金先生おっしゃったその問題含めてですね、今何が問われてるって感じをお持ちになっていますか、いま。 安倍  あの特にこの番組についていえばですね、やはり、報道するあるいは放送する側がですね、その影響力をしっかりと自覚をしながらですね、番組を作る際にはそういう意味で放送法に則ってですね、真剣に番組をつくっていく必要があると思いますね。放送法には明確に放送法の3条の2にですね、政治的に公平であることがありますね、そして放送は事実を枉げないですると書いてありますね。この報道は事実を枉げないということにおいても、このNHKの番組は問題があると思いますね。そしてもう一点は、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにする、これが大変大切なことだと思いますね。様々な意見があるのは当然ですね、しかし放送する際にはその番組を作るプロデューサーなりディレクターが自分の考えで作っちゃダメなんですよ。この問題については意見が対立をしているという問題ということであれば、公平に2つの対立している意見を2つとも紹介をしていく、あるいは2つの考え方を紹介していくという姿勢が必要だろうと思いますが、むしろそういう意味においては、場を提供するという役割を番組は示さなくてはいけないのですね。番組自体、あるいは番組を作る人自体が思惑をもって番組を作っているという問題ですね、そしてこれは恐らく3年間の企画でスペシャルが続いていくそうなんですね、DVDにつくって日本だけではなくて世界にもこれは販売されるとなれば、もし台湾の人たちがこの番組を見ればですね、日本に対しては或る意味ではですね、今まで好きだったのに日本ていうのは酷いなあ、日本に対して非常に悪い感情を抱く危険性が私は高いのかなあと思います。 NHKに対しては今水島さんが言いましたが、随分前ですが私がカンボウ大臣のときかな、中川さんが通商産業大臣の時だったと思いますが、あ、経済産業大臣の時だったと思いますが、NHKがNHKの番組、この番組は女性戦犯法廷というですね、とんでもない私から言わせればですね、問題のある番組を作ったんですね。745