*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart20

1 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:21:09 ID:30PWtIxv0
☆★☆★☆ 初 め て の人は まず 熟 読 してね ☆★☆★☆

*9が萌えてほしい内容を指定し、*0が萌える思いを書き綴るスレッドです。
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
 まとめwiki ttp://www19.atwiki.jp/910moe/
 別館 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13789/
※ 絡み・談義・テンプレ審議などは絡みスレか別館へ。

ルール
■*9から24時間経過でお流れです。
■*0を踏んだ人物が*9より12時間無反応の場合は権利消滅となります。*0以外の萌えたい人どうぞ。
■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。
■同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。

注意事項
■*9リクはわかりやすいもの推奨。無機物、非生物不問。
■*9*0とも、あからさまに二次創作とわかるような固有名詞は避けましょう。
■テンプレ違反の*9はお流れです。
■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
 別館の「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
■投下者本人以外が続編を書くことは原則禁止です。

・投下、リクの前にはリロードしましょう。
・感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
・979でリク終了、980の萌え以降フリーです。次スレは宣言してから建てて下さい。

*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart19
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1275614715/

>>2 もよく読んで下さいね。

2 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:21:49 ID:30PWtIxv0
●こういう場合はどうするの?

Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!

Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。

Q3 別館に投下された作品にGJしたい。
A3 別館のグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。

Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、別館の*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。

Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A5 数字板の絡みスレや、別館のチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13789/1273068687/
テンプレURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13789/1273207268/

3 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 16:21:30 ID:Acl9jV2/O
>>1

4 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 16:51:34 ID:+VrRYAft0
>>1
mws

5 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 19:14:29 ID:ZhYXfPfzO
いちもつまわし

6 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 19:21:17 ID:pK3XWi5Q0
まわします

7 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 20:11:51 ID:vqiVvF+c0
まわし

8 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 20:12:51 ID:B9BGB74c0
はじめてだから、やさしく踏んでね

9 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 20:19:30 ID:PdvlAca70
七五三

10 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 20:19:59 ID:Uymkewrk0
手をつなぐ

11 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 20:38:21 ID:/ToRc1jKO
初踏み逃げでしたね

12 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 21:02:35 ID:jOJlBiJlO
9取る人は自分も書く可能性を考えて取ればいいよまわし

13 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 21:42:01 ID:qp9ZV0LqO
踏み逃げいくないまわし

14 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 22:05:37 ID:EAJqPFJZO
次に期待mws

15 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 22:28:52 ID:Mq8npe2A0
よくまわっております〜

16 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 23:30:01 ID:PW6YwzU8O
踏み逃げ反対mws

17 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 23:31:40 ID:qz648sQvO
残念。まわし〜

18 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 23:51:42 ID:xuo7O4plO
次どうぞー

19 :風と木の名無しさん:2010/11/15(月) 23:52:27 ID:RPg2YR3lO
可愛かったあの子がオカマに!

20 :1/3:2010/11/16(火) 04:10:02 ID:FWfVsXAk0
小学生の時、同じクラスにサトという男子がいた。
背が低くて痩せていて、
「あの子は女子よりも女子らしい」
と、からかわれたり羨ましがられたりしていた奴だった。
卒業式の後、親の都合で他県の中学に通っていた三年間はサトの姿を見ていなかった。
だから、彼の身に起こった「事件」の噂を聞いても、どうにも信じられなかったのだ。
しかし、
「もー、遊びに来るなら先に言っといてよね! もうメイク落としちゃったんですけどぉ!」
「いや俺ケバいの嫌いだし――って、何が楽しくて男が男に会う時に化粧の心配してるんだよ」
スカートを履いた180センチ超の骨太野郎が女言葉で喋っているのを目の当たりにしてしまっている以上、
認めざるをえない。
『サトが驚異的な成長期の反動でオカマに目覚めた』
この荒唐無稽な現実を。

「けどさー、お前も毎日よくやるよなー。化粧とかムダ毛処理とかめんどくさくないの」
「折角校則ユルユルの学校入ったんだもん。気合入れてオシャレしなきゃ」
「いくら『自由な校風がわが校の伝統です』っていっても自由すぎるだろお前は。めちゃくちゃ有名人だぞ」
「それくらいのほうがいいわよ。キャラとして認知されちゃったっていうかー」
屈託なく笑うサト。化粧をしていなければ、幾分大人びたとはいえ昔とそう変わらない顔だ。
その時ふと、再会してからずっと聞きたかったことを聞いてみる気になった。
「なあ」
「なに?」
「や、なんでそんな、オカマって言うか、女みたいにしてるのかな、と……女になりたいから?」

21 :2/3:2010/11/16(火) 04:14:44 ID:FWfVsXAk0
割と思い切って尋ねたのだが、
「ううんー、別に性転換とかはしたくないのよ?」
サトの返事は思いの外あっさりしたものだった。
「ただね、女子の格好とか喋り方って可愛いじゃない。可愛いのが、好きなだけよ」
好きな物を真似たくなる。嗜好の対象はともかく、理屈が通っているといえば通っているのかもしれない。
一瞬納得しかけるが、
「……え、ちょっと待てよお前」
記憶の中の彼と、今の彼の間に、噛み合わないところを見つけた。
「お前いつから可愛いのが好きになったんだよ」
「え」
隣りに座るサトの肩が、ピクリと動いた。それに構わず言い募る。
「だってお前、小学校の頃『おれは可愛くなくなるんだ!』ってうるさかったじゃん。
『かっこいいとこ見せてやるぜー!』とか言って教室の窓から飛び降りて大事になったのだって覚えてるぞ俺は。
そうだ、修学旅行の出し物で女装するのだって本気で嫌がって――」
「あの頃は!」
突然サトが怒鳴った。思わず言葉を止めて彼の方を見ると、何かをこらえるように膝を抱えていた。
「あの頃は……ずっと、今のままだって、思ってたから」
先ほどとは打って変わって、しぼりだすような声だった。
お互い無言のまましばらく時間がたって、サトはぽつりぽつりと話し始めた。
「好きな奴がいたの。他の子達とおなじように『お前可愛いな』なんて言ってきてたけど、
なんでかな、そいつに言われた時だけは嬉しかったんだ。
だけど、中学入って、背ぇ伸びて、肉もついて、『可愛い』って言われることもなくなってきた。
最初は喜んだよ、けど急に怖くなった。――『可愛く』なくなってたら、あいつおれのことどうでもよくなるんじゃないかって。
それが、ホント、すげー嫌で、だから」
「だから可愛い女子みたいに振る舞いだしたのか」
気づいたら俺は俯いていたサトの両肩を掴んでいた。半泣きの奴と目が合う。
ああ、こいつ相変わらず馬鹿だ。呆れるほどに、いじらしい。

22 :3/3:2010/11/16(火) 04:18:26 ID:FWfVsXAk0
「あのなーサト」
「な、んだよ」
「お前が好きだった奴のことは知らん。けどな、俺に限って言えば、あの頃のお前の見た目で
可愛いとか可愛くないとか言ったつもりはなかったんだぞ?」
「へ……?」
「そういうアホな所とか、変な方向に一生懸命な所とか、今も昔も変わらない所が、お前の……」
今さら何かすごく恥ずかしいことを言っている気がしてきたが、もう後には退けない。
「――お前の可愛いところで、俺はお前のそういうところが好きなんだよバカヤロウ」
半ば逆切れ状態で言い切ると、サトはしばらくぽかんとしていた。が、次の瞬間
「そっかー……了解っ」
ポロポロ涙を零しながら、満面の笑みを浮かべたのだった。

「で、相変わらずオカマキャラは続行、と」
「結構好評だしねぇ。それに、可愛いのが好きになったのはホントなのよ?」
「あっそう……あ、けど」
「え、なになに?」
「化粧薄くなってるな。そっちのほうが、いいんじゃないの?」
「……っ!」
――可愛かったあの子は、オカマになっても可愛い。

23 :風と木の名無しさん:2010/11/16(火) 15:51:34 ID:T+EixXen0
サトちゃんマジ乙女w 切ない恋心の斜め上っぷりがハンパ無いw
マッチョなオカマちゃん可愛いな GJでした!

24 :風と木の名無しさん:2010/11/16(火) 19:14:11 ID:f07NgXACO
やだ…かわいい…www
これはいい乙女。GJ!

25 :風と木の名無しさん:2010/11/16(火) 21:08:23 ID:U2phqtnX0
やだ、凄く萌えちゃった

26 :風と木の名無しさん:2010/11/16(火) 22:05:39 ID:+Qswxvo0O
サトちゃんマジ可愛いw
ゴツかろうと心は乙女なオカマさん大好きです

GJ!

27 :風と木の名無しさん:2010/11/16(火) 22:06:50 ID:FYqu5LWsO
やだ、禿げ萌えちゃった
GJさせてちょうだい!

28 :風と木の名無しさん:2010/11/16(火) 22:08:36 ID:vdSidUic0
もうさっさと踏んじゃってちょうだい!

29 :風と木の名無しさん:2010/11/16(火) 22:11:19 ID:8mvXMEIG0
好きだけど言えない

30 :風と木の名無しさん:2010/11/17(水) 22:37:36 ID:kKDEB4N9O
流れた?

31 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 01:10:52 ID:Dggstq7HO
流れちゃったね

32 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 03:35:01 ID:ex29Uhy3O
残念。まわします〜

33 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 06:11:28 ID:y/9chHrCO
まわし

34 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 07:22:17 ID:C1iW6/vHO
残念。まわします

35 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 16:43:44 ID:Oe8MYrFEO
まわしますね

36 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 17:24:24 ID:XqIll5ifO
まわし

37 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 19:27:45 ID:U1+7uA8XO
王道パターンのような気もしたんだけどね
まわし〜

38 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 20:08:56 ID:Jyp5U6Dp0
踏んじゃやだあ

39 :風と木の名無しさん:2010/11/18(木) 20:10:58 ID:iTSVzMekO
リア充DQN×ネガぼっちねらー

40 :1/3:2010/11/19(金) 02:36:21 ID:Lfzu2c520
誰かと関わるのは面倒臭い。
面白くも無い話に笑ったり、好きでも無い映画の話で盛り上がる。
そんな連中と関わるくらいなら自分の世界を充実させたらいい。
友人なんていなくても、それに代わるツールはいくらでもある。

「なあ、心理学のノート貸してくれない?」
必死で勉強した入ったはずの大学にもこの手の人間がいた。
中身の無い流行を追ってチャラチャラと遊び、
授業のノートもまともに取らず、他人の努力を掠め取ろうとするDQN。

「あっ、あの……ノ、ノート、いま家だから無いしっ……」
緊張して思わず声が大きくなる。
自分の喋り方のキモさにイライラする。
『このDQNめ!今すぐ立ち去れ!そして俺に二度と話しかけるな!』と心の中で毒づく。

「あ、じゃあ取りに行くわ。家近いんでしょ?」
絶句した。
リア充とはDQNとはどこまで図々しい人種なのだ。
空気が読めるのがリア充では無いのか、あえて空気を読まないからリア充でいられるのか。

「あの、俺、今日はちょっと……その用事が……」
「悪いねーじゃ行こうか?」
さっきとは対照的にボソボソと呟いた俺の断りの台詞は届かなかったようだ。
もうなす術は無い、そうだこれは夢だ悪い夢だ、さっさとノートを貸してしまえばこのDQNは消える。
そして俺はまた一人になって自分を取り戻せる。
大学からアパートまで15分、長い人生の中じゃ大した時間では無い。耐えられる俺はきっと耐えられる。

時々話しかけてくるDQNに気の無い返事を返しながら並んであるく帰り道……。

41 :2/3:2010/11/19(金) 02:37:04 ID:Lfzu2c520
「あ、ちょっとコンビニ」
思考回路はショート寸前、いや既にショートして魂が抜けかかっている。
ジュースやお菓子を買い込んだDQNが「お前コーラでいいよな?」と話しかけてきた。
なに?なに?家に上がるつもり?そんな訳無いっすよねー?
ほぼ初対面の人の家にあがるなんていくらDQNでも……。

もう泣きたかった。

現実が怖い。おウチ(実家)に帰りたい。お母さんの作ったお味噌汁が飲みたい。
このまま走って逃げようか。
俺の身長が175cm、DQNはせいぜい165cmくらいか……。
いくら運動大好き、脳みそ筋肉のリア充DQNでもこの体格差ならいざ殴り合っても勝てるかもしれない。

頭の中でありとあらゆる妄想を繰り広げている内に、俺達はアパートの中にいて
DQNは既にくつろいだ様子でジュースを飲みお菓子を広げている。

「ちょっと待ってて」
このままじゃノートを渡しても帰ってくれそうも無い。
観念した俺は寝室のPCから「DQNが俺の部屋に居座っているんだが」というスレを立てた。

安価は「全裸になる」「俺、実はホモなんだ、ヤラナイカ?と告白する」
コイツら完全に面白がってやがる……。
しかしコレを実行すればもう二度とDQNが俺に話しかけてくる事は無いだろう。
大学生活が終わるリスクもあるが俺の大学生活なんて最初から終わってる。

決心をした俺は安価を実行した。
DQNは真っ青な顔をして逃げていく……はずなのに。
「そっか、俺もずっと好きだった嬉しいよ」と全裸の俺を抱きしめた。

え……?

42 :3/3:2010/11/19(金) 02:38:36 ID:Lfzu2c520
完全に思考が停止してしまった。
DQNにキスされ愛撫され抵抗すらできない。
暖かい、くすぐったい、DQNの息が荒い、焦っているような乱暴な手つき。
アソコは俺より小さいな。
もしかしてコイツは案外慣れてないのかな。


硬くなったモノを擦り合わせて扱く。
俺ってホモだっけ?何これ?

随分長い時間に感じたが時計を見たら5分も経っていなかった。
果てる瞬間のDQNの顔は今まで見たどのAVよりもリアルだった。
裸で抱き合いながら何度も「好き」と言われ、何度もキスをされた。

誰かと関わるのは面倒臭い。
自分の世界に閉じ篭っているのは心地良い。

だけど俺は気付いてしまった。
俺は誰かと関わりたかった。
誰かに求められたかった。
だけど怖かった。

高い高い壁を乗り越えてきたのは俺とは正反対のもっとも苦手なタイプの男。
性別の壁すら超えてしまったこの男の温もりは、他の誰かじゃ感じられそうにも無い。
俺は気付いてしまった。
いつもチャラチャラして人に囲まれてるこの男に、
苦手なタイプと見下していたこの男に、
実はずっと恋をしていた事を。

43 :風と木の名無しさん:2010/11/19(金) 06:20:06 ID:ISwAkdCL0
VIPwwww
Gj!

44 :風と木の名無しさん:2010/11/19(金) 09:08:23 ID:xknVj5+oO
VIPPERだったらスレ立て&安価実行は絶対だもんなwww
ノート借りに行ったリア充のことを考えると…棚ぼた万歳!
GJ!久々にツボどストライクが来てうれしかったです。

45 :風と木の名無しさん:2010/11/19(金) 10:08:55 ID:9GiTAC1t0
吹いたwwwGJwwwww
事後報告にきたあとのスレ住民の反応が気になるwww

46 :風と木の名無しさん:2010/11/19(金) 10:54:01 ID:uDt3YfqXO
鬼畜安価が二人を繋げたんだな…GJ
高い高い壁を〜のくだりで不覚にも萌えてしまったw
幸せになってくれ

47 :風と木の名無しさん:2010/11/19(金) 15:39:56 ID:5Yab/5AkO
安価実行したらDQNの彼氏できたwww
みたいな報告だろうか激しく見てみたいw

心のおしゃべりさんな受けが可愛くて萌えましたこれからお互いのことを知って
異文化交流みたいになってくのを想像すると楽しそうだw
GJでした

48 :風と木の名無しさん:2010/11/19(金) 16:26:11 ID:Bc8hd37v0
踏んでいくかい?

49 :風と木の名無しさん:2010/11/19(金) 16:29:49 ID:EMYp0rTfO
眠い寒いはらへった

50 :風と木の名無しさん:2010/11/20(土) 18:07:39 ID:TiR2qjIF0
※電波気味注意


「眠い」
「そうか。ではこのソファで横になると良い。私は君の寝顔を眺めていることにしよう
 安心したまえ、眠る君の頬に口づけをしようなどという邪な考えは抱いていないから」
「寒い」
「それは君の体感温度の話か?それとも今の私の発言に対する君の感想か?
 いずれにせよ、私としては君のその冷え切った眼差しをまずどうにかしたいと考えるのだが」
「腹が減った」
「それはいけない。空腹というものは人を苛立たせる。君の苛立ちは即ち私の痛みだ。可及的速やかに改善するべきだ。
 よし。私は愛しい君の為に、今からコンビニエンスストアへ走り、肉まんを購入して来よう!活目して待っていたまえ!」


「すまない…持ち合わせがなく、一個しか購入できなかった…」


「なんと不甲斐ないことか。あのとき調子に乗ってブラックサンダーを大人買いさえしなければ今頃は、
 肉まんもカレーまんも、デザートのあんまんさえも、君に振舞ってやれていたというのに……!」
「満腹」
「そうなのか?…否、君は優しい男だから私に気を遣ってくれているのだな」
「暖かい」
「肉まんは熱々だったが、しかしその効果も一個分だ。直にまた君の身体は冷えてしまう。
 君の空腹も満たせず、体感温度を改善することも出来ず。私は君に冷たい目で見られるのがお似合いの男だ」
「眠い」
「私に残されていることは、せめて君の安眠を妨げないよう部屋の隅で正しく体育座りを……」
「眠い。眠くて仕方ない。来い、そこのソファで一緒に寝るぞ」

51 :風と木の名無しさん:2010/11/20(土) 18:10:58 ID:TiR2qjIF0
9から24時間経過してたことに気がついてなかった…
スレ汚しすいません。流してください

52 :風と木の名無しさん:2010/11/20(土) 20:40:53 ID:na7hUM5yO
本当だ。もう二十四時間たっていたんだね。
注意書きまでしてくれたのに残念でした。

53 :風と木の名無しさん:2010/11/20(土) 21:01:38 ID:mgl/tmEzO
よくわかんなかった
まわし

54 :風と木の名無しさん:2010/11/20(土) 21:11:22 ID:g0ZomPkCO
ドンマイmws

55 :風と木の名無しさん:2010/11/21(日) 02:28:13 ID:CASXmzr0O
まわすよ!

56 :風と木の名無しさん:2010/11/21(日) 03:19:46 ID:QCpwgl9+0
まわせまわせー

57 :風と木の名無しさん:2010/11/21(日) 09:29:07 ID:VuqwkT1sO
まーわせよまわせーよー

58 :風と木の名無しさん:2010/11/21(日) 10:09:35 ID:Z+G0c1SWO
僕の好意を踏み躙って

59 :風と木の名無しさん:2010/11/21(日) 10:36:35 ID:+SCY8WI00
待ち望んでいた瞬間にたどりついた

60 :1/2:2010/11/21(日) 11:53:21 ID:KxnwuDAK0
カズヒコはにっこりと笑って僕の右手を取った。
「ずっと想っていたよ。夢に見るほどに。ずっと、ずーっとね」
カズヒコは僕の右手に頬ずりしてから軽く接吻する。
「貴方は気付いてくれていた?俺が貴方を想っていたことに」
僕は首を振る。驚きが首の隙間からこぼれて行く。
「俺は貴方を心の底から想っていた。だから貴方を全て肯定する」
僕は首を振る。首の隙間からは空虚な音しかしなかった。
「貴方が誰を想おうと、俺をどう思おうと、そのままで良かった」
カズヒコは僕の左手も取って両手をぎゅうっと握り締めた。
「貴方が幸せに笑っているのなら、俺は良かったんだ。でも」
カズヒコは一瞬だけ泣きそうな顔になる。
「でも、最近の貴方は泣いてばかり、あいつの所為で貴方は泣いてばかりだから」
僕は思い返す。
「泣かされているのに、貴方はあいつの傍を離れなくて、俺にはそれだけが理解できなかった」
僕は彼のことを思い返す。僕は泣いていただろうか?

61 :2/2:2010/11/21(日) 11:54:14 ID:KxnwuDAK0
「ずっと想ってたんだよ。貴方が幸せに笑う夢に見るほどに、貴方のことだけを」
カズヒコは僕の腕をひき、僕を抱き締める。
「けど、最近は貴方の笑顔を思い出せなくなっていた。夢の貴方も泣いていて」
カズヒコは僕の頬を撫でてそのまま僕の髪を梳いた。
「だから、今夜は貴方をつけてた。貴方があいつの家に入るのも見た」
僕を抱き締めている所為で、カズヒコのシャツは赤く染まっていく。
「大丈夫だよ。貴方が飛び出して行った後、あいつの部屋に入った。証拠になりそうな物は全部持ち出した」
僕はそこでようやく、このナイフの出所について合点がいく。
「急いで追いかけてきたら、貴方は笑っていた。嬉しそうに楽しそうに幸せそうに」
カズヒコは笑っている。
「その瞬間を逃したくなかった。今しかないって思ったよ。ずっと待っていたんだ」
カズヒコの腕は暖かいが、僕の身体は冷たくなっていくばかりだ。
「俺は貴方を責めない。貴方の全てを肯定するんだ。ただ貴方が笑ってさえいてくれればそれで」
僕はもう眼を閉じる。カズヒコの言葉はもう聞きたくなかった。
暗闇の中で僕は彼のことを思い返す。結局のところ、僕はこの瞬間を待っていたのかもしれない。
(待っていて。すぐに君の傍に行くから)
(君にはもう、僕だけしか居ない。誰にも邪魔されない、邪魔させない)
(ずっと二人きりだ。ずっと、ずっと―――)

62 :風と木の名無しさん:2010/11/21(日) 22:10:43 ID:k02zFCff0
病んデレナイスファイト

@「あいつ」 ←ナイフで殺害− 「僕」
Aカズヒコが@の証拠を隠滅。ナイフを回収
B「僕」 ←ナイフで殺害− カズヒコ
ってことだろうか?
後は誰かがBの証拠を隠滅してカズヒコを殺害すれば
無限ループって怖くね?の完成だな

63 :風と木の名無しさん:2010/11/21(日) 23:43:45 ID:D2gAKCwVO
ヤンデレかーと思って読んでったらヤンデレ×2だった件
矢印片方向のヤンデレ二人て怖いね
単調な語りとセリフ交互の淡々とした構成が余計に怖かった。gj

64 :風と木の名無しさん:2010/11/22(月) 00:46:04 ID:yuIMgP1kO
カズヒコだけかと思いきや「僕」までヤンデレだったとは
「彼」を刺した後でカズヒコに刺された「僕」はある意味一番救われてるのかもな
残されたカズヒコは自滅するばかりだろうし
冷たい構成にヤンデレ怖いよーってなるけどなんかやり切れないもんも残るな
GJです!

65 :風と木の名無しさん:2010/11/22(月) 03:43:03 ID:pOhInTRv0
ヤンデレ好きの自分にはとんでもないご褒美でした
GJです

66 :風と木の名無しさん:2010/11/23(火) 05:51:51 ID:UWLOSTf10
まわすよー

67 :風と木の名無しさん:2010/11/23(火) 11:24:06 ID:V/vfIvoeO
まわしー

68 :風と木の名無しさん:2010/11/23(火) 11:25:07 ID:ARh0uoK7O
踏んでくかい

69 :風と木の名無しさん:2010/11/23(火) 11:44:11 ID:pXkCvHxz0
どうしてお前あんなのと友達なの?

70 :1/2:2010/11/23(火) 13:58:47 ID:JyTlk0z50
昼休憩から戻ると、前の席に座る先輩が何か言いたげに俺を見ている。

「どうかしました?」
「・・・や、なんもねぇ」
「はぁ、そっすか」

俺がそう答えると、しばらく俺を凝視してから視線をモニターに戻した。
仕事の進め方のせいなのか、いつも昼を過ぎた頃に機嫌が悪くなるこの先輩は、実は俺の想い人だったりする。
モニター越しに盗み見てみると、また眉間に皺を寄せている。
今日も機嫌悪いなあ。と思いながらも、その表情まで可愛く見えてくるから仕方がない。
同僚に「あれが可愛く見えるなんて、おまえは末期だ」と言われたことを思い出した。

「ああ、確かに」

苦笑しながら呟いた声が聞こえたのかそうでないのか、
男にしちゃ長いまつ毛を伏せたまま、モニターから目を離さずに先輩が口を開く。

「前から聞きたかったんだけどさー」
「はい?」
「まぁ、良いやつだとは思うよ」
「はぁ」
「でも・・・どうしてお前あんなのと友達なの?」

先輩の指は、いつも昼食を共にする同僚を指している。
生真面目でむっつりな俺とは違い、フットワークが軽く明るい奴だ。
昔から正反対のタイプと言われ続けているが、高校からずっと一緒だった親友だ。
仲が良くて当然だろう。

「うーん、どうしてと言われましても・・・」

俺がごちゃごちゃと考えている間も、先輩の眉間の皺はどんどん深くなっている。
ああ、やっぱり可愛い。

71 :2/3(1/2じゃ入らなかったゴメン):2010/11/23(火) 14:01:27 ID:JyTlk0z50
「つーか、何でそんなこと聞いてくるんですか?」
「・・・っ」

質問に答えずに聞き返すと、先輩の目が微かに揺れた気がした。

「・・・別になんでもねーけど」

モニターから顔を上げて俺と目を合わせた後、目を伏せながらそう答る。
人の目をじっと見るのは先輩の癖だろうか。
こういった態度をとられると、無理だとわかっているのに期待してしまう。

「そういう表情は先輩の癖なんですかね」
「悪かったな、無愛想で」
「違いますよ、可愛いなあと思いまして」
「・・・あ?」
「・・・あ」

しまった。と思った時には遅かった。
するりと無意識に口から出た言葉は、しっかり先輩に届いてしまったようだ。
やばい、引かれたらどうしよう。
ちらりと先輩を見ると、どういうことか首まで真っ赤になっている。
消え去りかけた期待が、また膨らんできた。もしかして。

「ねえ、先輩」
「・・・なんだよ」
「何で赤くなってるんですか」
「はぁ!?」

あ、また眉間に皺が。
これはもしかしてもしかするのか。

72 :風と木の名無しさん:2010/11/23(火) 14:03:08 ID:JyTlk0z50
「ねぇ先輩って・・」
「あーもう、おまえマジウザい」

俺が言い終わる前に席を立った先輩は、そのままどこかへ行ってしまった。

もしかして、一緒に昼食を食べに出る同僚に嫉妬してくれたのか。
もしかして、いつも昼過ぎに機嫌が悪いのはそのせいなのか。
都合のいい期待がぐるぐる頭を支配しはじめた。

席を立ちながら携帯を取り出してメール作成画面を立ち上げる。
『悪い。明日の昼メシ、一緒に行けなくなった』
気のいい同僚の事だ、理由を話せば笑って許してくれるだろう。

『了解』
同僚からのメールを確認したと同時に、廊下の先に探していた背中を見つけた。
ゆっくり歩いていき、先輩に肩を並べる。

「先輩、明日の昼メシ、何食べましょうか?」

73 :風と木の名無しさん:2010/11/23(火) 16:19:41 ID:GH9a4OpKO
日常にありそうなほのぼのでGJ

74 :風と木の名無しさん:2010/11/23(火) 22:18:14 ID:NZNntpSIO
この先輩は可愛いと言わざるを得ない


75 :風と木の名無しさん:2010/11/24(水) 21:51:59 ID:Oosjl5ca0
ツンデレで陰険で俺様などうしようもない先輩が可愛いよ
後輩の包容力でマジ泣きさせたれw GJでした

76 :風と木の名無しさん:2010/11/24(水) 22:27:17 ID:EDTSda/OO
GJ
最近オイシイSS続きでたまらん

77 :風と木の名無しさん:2010/11/24(水) 23:08:41 ID:tVVyvABy0
ぐるん

78 :風と木の名無しさん:2010/11/24(水) 23:19:16 ID:kYTKJw2fO
しかたないな
踏んでいいよ

79 :風と木の名無しさん:2010/11/24(水) 23:32:34 ID:N7TYgBRF0
想いを口にしたら終わりの関係

80 :1/4:2010/11/25(木) 09:08:15 ID:3Q15MFre0
買い物を済ませて店を出ると、聞き慣れたカラコロという音が耳に飛び込んできた。思わず辺りを見回す
と、案の定こちらに向かってくる見慣れた姿があった。整えればそれなりに男前だろうに、相変わらず野
暮ったいやつだ。
呼びかけると、向こうも気付いて手を上げて応える。いい加減買い替えろというのに一向に聞かない、古
臭い便所草履をカラカラ鳴らしながら近付いてきた男に、俺は声をかけた。
「今日休みだろ? 何してんだ」
「洗剤切れたから、買いに行こうと思って」
「ああ、やっぱり。そろそろかと思って、今買っといた」
ほれ、と手に提げたビニール袋をちょっと持ち上げると、わりィな、と目尻を少し下げた。そこにわずか
にできる笑い皺が、俺は好きだった。
どちらから言い出すわけでもなく、二人肩を並べて家路に着く。
「今日の夕飯、何?」
俺の持ってる袋を覗き込みながら訊いてくる。
「寒いから鍋。水炊きだからって残さず、」
食えよ、という続きは袋と一緒に持っていかれた。隣の男は「俺柏好きじゃねえっつってんのに何で水炊
きなんだよ」と文句を言っている。
「……お前は嫌でも、俺は好きなんだよ。だいたい、好きじゃねえってだけでちゃんと食えるだろ。わが
まま言うな」
「そりゃ柚子胡椒があればの話で……あっ! そういや柚子胡椒切れ、」
「買っといた」
横から送られてくる、恨みがましく粘っこい視線を柳に風とばかりに受け流す俺に何を言っても無駄と悟
ったのか、「……皮はお前が食えよ」と肩を落として呟く。俺は苦笑した。
「お前は俺を太らせたいのか」
「そーだよ。お前はもうちっと太れ」
腹肉を揉もうと伸ばされた不埒な手を、俺はすかさず鞄で素早くガードする。夕刻の住宅街だ、大の男が
二人でじゃれあっても、とりあえず迷惑にはならない。
俺が仕事帰りに買い物してきた荷物を、何も言わずにさっと取り上げるような男とは、中学からの付き合
いだ。同じ高校へ進学し、大学は学部が別れたが疎遠にならない程度に顔を合わせて遊び、そして互いの
就職先が近いと知ったときはもう、笑うしかなかった。ここまで続いた腐れ縁だ、もう、どうせだったら
一緒に住むか? ――言い出したのは向こうだった。俺は頷いた。勢いだった。

81 :2/4:2010/11/25(木) 09:09:14 ID:3Q15MFre0
こいつと『そういう』関係になったのも、勢いだった。
同居生活に特に問題はなかった。俺もこいつも細かいことは気にしない性質だから、部屋が汚れても相手
の習慣に目を剥いてもやり過ごすことができた。長い付き合いで、互いの超えてならないボーダーもよく
わきまえていた。気心知れた相手との同居は楽しいものだった。
ただ、暗黙の了解であるはずの一線が曖昧になることもあった。酒が入ると、つい調子に乗ってしまうの
だ、二人とも。自覚はあったので、浴びるように飲みたいときは自然、宅飲みになった。しこたま飲んで
「もう動けん」と倒れたそいつは、片づけをする俺をぼんやりと見上げていた。
「何だよ」
訊くと、「お前相手ならちゅーできるかなと思って…」などとほざく。飲みながら彼女ができないと嘆い
ていたのを思い出し、俺は笑った。拗ねて身体ごと横を向いたこいつに、侘びだと言ってキスした俺も、
大概酔っていた。動けはしても、しこたま飲んだのは同じだった。
そいつもさすがに驚いたらしく、目を見張っていた。俺はわけのわからない優越感ににやついていたのだ
が、こいつが驚いたのはそんなところじゃなかったらしい。
「……意外と違和感ないな」
呟くなり、腕を引かれて俺は畳に転がった。逆にキスを受けると、酒臭いのは否めないが、なるほど言わ
れた通り違和感はない。
目を瞑ってみると、より一層感触だけに耽溺できることを発見した俺は、つい調子に乗って舌を出した。
一瞬びびったようだが向こうも乗ってきた。ジーンズに手を伸ばされても、飲んだから勃たねえよと思っ
たが、なんと勃ってしまった。勃たされたのが悔しくて手を伸ばすと、俺が触るまでもなくしっかりと反
応していた。そのまま互いのものを擦りあって達した。荒い息を吐く俺に何を言うでもなく、動けないは
ずのそいつは風呂場へ向かった。

82 :3/4:2010/11/25(木) 09:10:29 ID:3Q15MFre0
それ以来、毎回ではないが、飲むと互いに触れるようになった。正直キスは気持ちよかったし、吐精の快
感は言うまでもない。「入れたい」と言い出したときはさすがにぎょっとして、上か下かでかなり揉めた
が、公平を期して交代制ということで決着をつけた。…が、いざ入れる方になってみると俺の息子が役に
立たず、結局いつも受ける側に回っている。
しかしおかしなもので、『腐れ縁』という枠から大いに外れた行為に及ぶようになっても、普段は以前と
変わりない、気楽な日々なのだ。
あの部屋のどこかに、見えないスイッチでもあるんじゃないか、と考えたことがある。オフなら長い付き
合いの親友だが、オンになった途端、まったく違う空気に入れ替わっている。そしてスイッチを入れるの
は、大抵俺じゃなくて、こいつだった。
酒の勢いなんかじゃなくて、こいつは本気なんじゃないかと疑うことはある。だが、決め手がない。肝心
なことは言葉にしないやつだ、そのぶん目を見ればわかると俺は自負してる。けれど、確かめようという
ときに限って、いつも目を逸らされる。
それでも俺は、気の置けない相手と過ごす時間が心地よく、こいつから与えられる優しさが手放せなくて
、ズルズル、ズルズルと、ここまで来てしまった。けれど……
「どうした、ぼっとして?」
腕を掴まれて、ハッとする。
「あ、悪い……話聞いてなかった」
「いいさ。疲れてんだろ? 早く帰ろうぜ」
そういって、カラコロと先に行ってしまう。追おうとすると、足先が何かに突っかかる。普通に歩いてい
ればなんということはない段差だった。しかしさっきのようにぼんやり歩いていれば、蹴躓くだろう。

83 :4/4:2010/11/25(木) 09:11:30 ID:3Q15MFre0
「なあ……」
早足で隣に戻った俺の問い掛けに、相手はなんだという顔を向ける。
――お前がはっきりしないから、俺、告白してくれた会社の子にいまだに返事できねえんだよ。その子は
はっきり言って若くないし、これが最後だと思ってるんだろう。つまり、真剣なんだよ。だから俺もきち
んと応えたいんだ。だけどお前は俺のことどう思ってるかなんて、言わねえし。俺も、お前にほんとうの
こと吐かすような根性ねえから、訊けねえし。だからもう……俺、引っ越そうかと思ってんだ。
よっぽど言ってやろうと思った。しかしこいつはいとも簡単に俺の言葉を封じた。――たった一瞬のキス
で。
掠めるような口付けとはいえ、往来だし、誰が見ているかもわからない。呆然とする俺を放って、またも
一人で先に行ってしまう。慌てて抗議しようとしても、上向いて「あ」と声をあげ、唐突に空を指差す。
「ほら、見てみ」
「は?」
「一番星」
別にそんなもの珍しくも――と言おうとして、言葉を失った。一番星の輝きの強さを見たのは久々な気が
する。西の空に残る赤は見事だが、どこか未練がましく、ふと悲しさが胸をついた。
「空あっかいなー。こんな日はやっぱりキムチだな!」
なにが「やっぱり」だ。往生際悪く苦手なものを回避しようとする男の足掻きに苦笑が洩れる。そんな俺
をあいつが見ているのが、暗がりの中でもわかった。

気がつけば、家はもうすぐそこだった。

84 :風と木の名無しさん:2010/11/25(木) 16:33:54 ID:KoGent9G0
禿萌えたー。自分の好きCPで再生されてしまった。GJ

85 :風と木の名無しさん:2010/11/26(金) 00:53:51 ID:fxaG+jmgO
すっごい好みだわー!
腐れ縁の延長で「こいつとはちゅー出来る気がする」みたいな関係大好きなんだ!

86 :風と木の名無しさん:2010/11/26(金) 14:32:58 ID:hffoWJPgO
禿げた。上下争いとか対等な感じがツボ過ぎる。GJ!

87 :風と木の名無しさん:2010/11/27(土) 16:54:37 ID:xUynTOSg0
おおー萌えー細かいーGJ!

88 :風と木の名無しさん:2010/11/27(土) 17:05:02 ID:DCNesQVeO
本日の踏み台

89 :風と木の名無しさん:2010/11/27(土) 17:08:31 ID:dey8/F2j0
イライラする

90 :風と木の名無しさん:2010/11/28(日) 02:07:05 ID:ylzOuZar0
帰り道、AKBで誰が一番可愛いかについて議論をしていたら、
幼馴染が「あ、」と突然声を上げた。
「どーした」
「俺、更年期障害かも」
「……なんで」
「最近なんかイライラすんだよ」
どうやら教室で、「窪塚(現国教師♀)って超ヒステリー」
「こーねんきしょーがいってやつじゃね」「ギャハハハ」という会話を耳にしたらしい。
「更年期障害は若いうちはならなくね?」
「窪塚センセは若いじゃん」
「女子は時として自分より年上ってだけで他の女を『ババア』呼ばわりするんだよ……」
幼馴染は、テストの点はいい癖にアホである。
しかし原因不明のイライラは心配だ。更年期障害はないにしても、
病の可能性は捨てきれない。
「イライラする時にちゃんとした理由はないわけ?」
「ムカつくこと言われたとか、邪魔な奴がいたとか、そういうのはなかったんだよな。
他になんかある?」
「ほら、ナントカちゃんが他の野郎と仲よさそう! とかさ」
「なにそれ」
「恋」
あ、俺更年期かも。今イラっときた。

91 :風と木の名無しさん:2010/11/28(日) 16:10:56 ID:/j5cux1N0
ワラタwww可愛いwwwGJ!

92 :風と木の名無しさん:2010/11/29(月) 22:57:12 ID:DRgKRfKyO
回すよ。みんないきなりいなくなるとビビるよ

93 :風と木の名無しさん:2010/11/30(火) 00:54:55 ID:Lp2/7mghO
規制でそ。

94 :風と木の名無しさん:2010/11/30(火) 01:25:21 ID:Iu/Oteql0
91はPCの書き込みだから、92も93もいたけど感想書いてないんでしょ?
他の人もだいたいそれと同じだと思うけど
それを規制とかいきなりいなくなるとか言われても・・・
というかこのスレ入ってからはほぼこれくらいの進行ペースだったのに
なぜ突然そんなことを言う???

95 :風と木の名無しさん:2010/11/30(火) 07:22:35 ID:g74eNVCn0
Mawashi

96 :風と木の名無しさん:2010/11/30(火) 18:25:38 ID:fOlbLk/zO
まわすね〜

97 :風と木の名無しさん:2010/11/30(火) 19:05:42 ID:ZxF+X/1c0
まわすよ!

98 :風と木の名無しさん:2010/11/30(火) 20:47:07 ID:dTCccm5JO
踏んでくれないか?

99 :風と木の名無しさん:2010/11/30(火) 20:52:48 ID:e/h1MaAD0
ヤンデレ

100 :風と木の名無しさん:2010/12/01(水) 05:34:27 ID:HsH5wXhQO

「お前が死んだら俺も死ぬよ。だって俺お前のこと愛してるもん」
かつてそう言って笑った男は、今、目の前で呆然とした顔をして立ち尽くしている。

……ねぇ、おい、俺が死んだらお前も死ぬんじゃなかったのかよ?
俺は今すぐにも死にそうなんですけど。後追ってくれるって言ったじゃんか。
死ぬのなんか簡単だろう? 手首を逆さまにして、ほんのちょっと腕を動かせばいいんだ。

うわあ目の前真っ赤っ赤。
これ血の色か。お前の両手も真っ赤に見えるよ、俺の好きな指先が、真っ赤、ああでも
これは錯覚じゃない、そうだ、俺の血だ。

ちょっとした、よくある喧嘩だった。手にした包丁はものの弾みだった。

夢なんてものは持ったことは無かった俺にも思い描く未来はあった。ただしマイホームで子どもが
二人に白い犬、なんて柔らかくてぽやぽやしたもんじゃない。
俺がぼんやりと求めた未来はその死に様だった。
どうせ死ぬなら、恋人に殺されたい。殺されたい。そして俺を殺して、死んでもらいたい。
理想的な悲劇。

だからお前がああ言ってくれたとき、俺がどんなに嬉しかったか、ねえ、分かるだろうか。
こいつなら俺にそれをくれるかもしれないと思ったときの、俺の気持ちを。分かるだろうか。

(だからさあ死んでくれ、今ここで、俺と一緒に)
(早く行って、ここから逃げて、生きて。生きて生きて)

自分が今死んでいくことに、悔いや恨みは全く無い。本当にこいつの手で死ねることが、ただ嬉しい。
ああでも目の前のこの男には。死んでほしい。生きてほしい。
何が何だかもうよく分からなくなって、俺はいよいよ重たくなってきたまぶたをそっと閉じた。
さいごのさいごに俺は、多分、少しだけ笑っていたんじゃないかと思う。


101 :風と木の名無しさん:2010/12/01(水) 11:16:29 ID:zz6KmqoK0
「生きて生きて」でうっかり目頭が熱くなった。GJ!

102 :風と木の名無しさん:2010/12/02(木) 14:44:42 ID:IXAQ1yuz0
語り手が包丁を持ち出し、相手に奪われて逆に刺されて……であってるよね?
病んだ愛情がいいな。GJでした。

103 :風と木の名無しさん:2010/12/02(木) 14:49:03 ID:dMMeiSzu0
屈折してる愛情だなあ…
ヤンデレ好きにはたまらんです

104 :風と木の名無しさん:2010/12/02(木) 16:11:36 ID:iSus4zLQ0
携帯両手持ち可愛い

105 :風と木の名無しさん:2010/12/02(木) 16:19:12 ID:iSus4zLQ0
すまん104は誤爆
>>100
刺しちゃった方も病みそうなシチュエーションで好みだー
相手サイドからの話も見たい!

106 :風と木の名無しさん:2010/12/02(木) 21:55:19 ID:1E22p5EW0
死んでほしい。生きてほしい。
この葛藤がたまらんたまらん
GJ!!

107 :風と木の名無しさん:2010/12/03(金) 02:07:45 ID:1oKtyMUw0
まわしていい?

108 :風と木の名無しさん:2010/12/03(金) 02:33:13 ID:IxOA3k2XO
寝る前に踏まれる

109 :風と木の名無しさん:2010/12/03(金) 02:36:19 ID:NO5tdOUhO
強く噛んで

110 :1/2:2010/12/04(土) 02:04:37 ID:wi6MSNayO
腕まくりをした、清潔そうなシャツから伸びる、すらりとした腕。
別段細くはない、しっかりとした男の腕だ。
でも、力を込めたときに色白の肌から浮かびあがる血管は、たまらなくセクシー。
そんな腕が、猫のしっぽのようにくるくると動いて、目の前のキャンバスにモデルの輪郭をかたどっていく。
本日のモデルさんはこちら。
真っ赤に熟れた、セクシーな・・・リンゴ。
まあ、ヌードモデルとかだったら俺ももうちょっと燃えるんだけど。
相手は旬のリンゴちゃんだから、俺のキャンバスはなんだかまだ真っ白。課題は全然進まない。
まあでも、裸婦デッサンとかだと彼は間違いなく逃げるだろうから、こうやって二人で居残りできるのは、ひとえにこのリンゴのおかげなんだけど。
真っ白なうなじをじっと見つめていたら、形のいい頭がくるっと振り返った。
「進んでる?」
「んー?うん」
「本当に?なんか全然描いてる音聞こえないんだけど」
「そう?」
やる気のない俺の返事にじれたのか、ひとつ盛大に溜め息を吐かれた。
「お前はいいよな。天才肌で。俺なんてただの静物模写でも必死でやらないとダメだし」
「別に天才じゃねえよ」
「その余裕がうらやましいんだよ」
そう言うと、またくるりと俺に背を向け、鉛筆を走らせはじめてしまった。
かわいいお顔が見えなくなって、ちょっと、いやかなり残念。

111 :2/3:2010/12/04(土) 02:12:18 ID:wi6MSNayO
清廉な雰囲気。端正な顔。育ちの良さが伺える話し方。彼のすべては、およそ性的なものには結びつかない。でも、そのすべてが、俺を掻き乱すんだ。
俺が余裕だって?
余裕なんてあるはずない。
本当は今すぐその、お綺麗な首筋に噛みつきたいんだ。
手を伸ばせば届くところにある、糊の効いた襟から覗く白いうなじが、夏の熱気に当てられて、うっすら汗をかいている。その汗をやらしく舐めとりたいって思ったら、もう止まらなかった。
鉛筆を滑らせる音が響く中、ゆっくりと、ことさらゆっくりと、目の前の首に顔を近づける。
口を開けて吸血鬼よろしく、歯がうなじに食い込んだ瞬間。

俺の視界はぐるんと動いた。あ、これ、天井。
ガシャン!と、机と椅子が転がる音が響く。

・・・え?

途端に自覚する、ぶつけた後頭部と、喉元の鋭い痛み。
ギョッとして視線をずらすと、艶やかな黒髪がめちゃくちゃ至近距離にあった。

え?何?痛ぇ!とにかく痛ぇ!!
「ちょ!ちょちょ、何やってんの?」
ギリリと喉に食い込む感覚。これって・・・
目の前の黒髪がゆっくりと動いて、俺の大好きな顔がお目見えした。相変わらずの至近距離で。

「噛むなら、このくらいやってくんなきゃ」

清潔で真っ白な俺の天使ちゃんは、堂々と俺の腹の上で馬乗りになり、今までに見たことない表情で、唇をゆがめた。
その唇が再び近づいてきたかと思うと、恐らく彼の歯形が残ってるであろう俺の喉を、ぞろりと舐める。やらしー舌使いで。
なんで?
さっきまで超健全に鉛筆を握ってた手は、俺の頬をいたずらにするすると撫でた。
「俺、何かと痛い方がいいんだ。だから、やるなら」

しっかりやって。

耳元に囁かれた言葉は、普段俺をしかる言葉とまったく同じなのに、全然違う意味を持って腹の中に入り込む。

112 :3/3:2010/12/04(土) 02:13:50 ID:wi6MSNayO
そのまま、激情のままに目の前の唇に口づける。下唇を噛んで、引っ張って、離して、また噛む。どこまでも甘い甘い唇に夢中になっていると、キスの合間に、彼が言った。

「もっと、強く、噛んで」

唇がくっつくくらいの距離で、やらしー声で。
清潔で、清廉な君のそんな表情、俺は知らない。知らないんだ。
ゾクゾクと背中を駆け上がる、快感みたいな、旋律みたいなものに突き動かされるまま、俺は彼の唇に、強く、強く、強く噛みついた。

113 :風と木の名無しさん:2010/12/04(土) 09:55:45 ID:SA7kX5cYO
噛み返した上でねだるとか色気がいい!
GJ!
しかし『彼』もリンゴで居残りとは、『俺』を狙ってたに違いないww

114 :風と木の名無しさん:2010/12/04(土) 19:26:36 ID:EF6vNyIdO
すごく…エロチックです……
GJ

115 :風と木の名無しさん:2010/12/05(日) 16:03:29 ID:zb6iT3KN0
おお、予想の5倍はやらしかった
GJでした!

116 :風と木の名無しさん:2010/12/05(日) 19:03:03 ID:uxoajQsfO
こういう妖しげなエロスが好きです。
清楚系青年のスイッチが急に入っちゃうとか美味しい。
よくある柔らかい桃じゃなくて、固そうな林檎ってのも良いね。

117 :風と木の名無しさん:2010/12/05(日) 20:46:43 ID:qoeElfuO0
最近は美味しい話続きで嬉しい。
まわせまわせー

118 :風と木の名無しさん:2010/12/05(日) 23:25:47 ID:cYBjsko4O
私は踏み台

119 :風と木の名無しさん:2010/12/05(日) 23:28:18 ID:8Rlxv5870
皮肉の言い合い

120 :風と木の名無しさん:2010/12/07(火) 01:26:29 ID:3vlVDlmD0
残念でした
いいお題だったのに惜しいな

121 :風と木の名無しさん:2010/12/07(火) 14:44:10 ID:Ydbmz7UFO
残念まわし
かなり萌えるシチュなんだけどな
本当は寂しいけど素直になれない男Aが同僚のBに優しくされてつい皮肉を言ってしまう
→せっかく勇気を出して話しかけたのに皮肉を言われたBは恥ずかしいやら悔しいやらで涙目になりながら皮肉を返してしまう
→Aも内心傷つきながらさらに皮肉返し
って感じで皮肉言いあってお互いボロボロに傷ついてたら萌える
両想いなんだけどAもBも臆病だから近付きたいけど余計に相手を遠ざけてしまう
たまに衝動的に寂しくなって相手に電話やメールや誘いをかけても、素直になれるタイミングがお互い合わず皮肉で傷つけ合うだけの不毛な痛い関係
そんな皮肉家カプに凄まじくたぎる
ああ私に文才があれば…

122 :風と木の名無しさん:2010/12/08(水) 09:26:56 ID:bHcjHiELO
ちょ、涙目なりつつ皮肉とか萌えるんですけど!
萌え語り*0も楽しいと思うまわし

123 :風と木の名無しさん:2010/12/08(水) 16:33:55 ID:tZ7YADWjO
まわし

124 :風と木の名無しさん:2010/12/08(水) 18:39:30 ID:F0X5P2i3O
皮肉ってセンスがいるよなーと思って
つい身を引いてしまったスマソ

まわし

125 :風と木の名無しさん:2010/12/08(水) 21:38:53 ID:bgPPXB6f0
そうなんだよ
皮肉といやみって何が違うのかなー、って長考に入ってしまった
>>121はGJだと思う 萌えるよ!

126 :風と木の名無しさん:2010/12/08(水) 23:49:24 ID:hnELm1KRO
うむ、>>121萌えたよ!
皮肉いいね皮肉

127 :風と木の名無しさん:2010/12/09(木) 01:16:07 ID:sEwrfI2lO
なんだかんだ仲悪そうに見えて
ここぞってときに協力するような以心伝心カプも大好物です
でもショートでこの雰囲気は難しいよね

128 :風と木の名無しさん:2010/12/09(木) 01:33:42 ID:UQGelaPp0
こんな時間だが、踏み台になります

129 :風と木の名無しさん:2010/12/09(木) 01:39:40 ID:/DUEHg+ZO
寝込みを襲われたい

130 :1/2:2010/12/09(木) 23:10:52 ID:mb4eP8wIO
おかしい。
狸寝入りのベッドから、薄目を開けて横を見る。
俺に恋愛感情を抱いているという男が、小難しげな本を読みつつスルメを噛んでいる。
ここは俺の家で、2人とも程良く酔っていて、奴が惚れた相手は
スヤスヤ眠っている(ように見える)。
正にゴールガラ空き据え膳状態と言えるだろう。
それを完全スルーとか、明らかに不自然だろどうなってんだ。
そんなに本が大事か、スルメが好きか。
心の中で毒づいていると、奴が立ち上がった。
慌ててしっかり目を閉じる。

こいつは、俺を好きだと言っていながら、全く手を出す気配がない。
それどころか、俺に何度
「お前になんか興味ない」
と言われようが顔色一つ変えない。
本当に好きな相手なら多少なりとも反応するだろうに、こいつは何なんだ。
実は真顔で冗談を言ってるのか。だとしたら振り回されるのも馬鹿らしい。
というわけで、今夜は奴の真意を確かめてやろうと、余裕のある内に奴の寝床を占拠して、
寝込みを襲うのにうってつけの環境を整えたのだ。


131 :2/2:2010/12/09(木) 23:15:19 ID:mb4eP8wIO
なのに、である。
やたら研ぎ澄まされた聴覚が拾ったのは、甘い言葉ではなくガチャガチャと空き缶を片付ける音。
そして奴が横になる気配と、独り言のような「おやすみー」の一言。
――お前も寝るのかよ!!
全力で飛び起きてツッコミを入れたくなったが何とかこらえる。
しばらくすると、規則正しい寝息が聞こえてきた。
そろそろと目を開けると、奴はコートをかぶって床に丸まっていた。
何やってんだこいつ。俺を起こしたくなかったのか。
言われたら片付けだって手伝うし、布団くらい貸すし、
今ならベッドを半分使わせてやっても構わないと思っているのに。
仕方なく起き上がると、俺が使っていた布団をそっとかけてやる。
おかしい。
こいつが俺に惚れているのであって、俺はこいつには何の興味もない。決してない断じてない。
さっきから身体が熱いのは今更酔いが回ってきたからだろうし、
奴の寝顔から目が離せないのは単に動くのがだるいからに違いない。
募る違和感に、無性にむしゃくしゃしてきた。
お前俺に惚れてるんじゃなかったのか。
よっぽど枯れてるのかよっぽどヘタレなのか知らないが、
「……そっちから来ないならこっちから行くぞ?」
無意識に転げ落ちた言葉に、自分で驚く。
目の前の男は相変わらず穏やかな寝顔のまま。
「……このバカやろーが」
キスする瞬間、奴が満足げに笑った気がした。

132 :風と木の名無しさん:2010/12/09(木) 23:57:39 ID:+OYRVADU0
禿げ萌えた…!!
やばいぐらいニヤニヤする何これたまらんGJ!!!

133 :風と木の名無しさん:2010/12/10(金) 02:19:33 ID:h/zVqL6M0
萌えたー!悶々グルグルしてる語り手が可愛くてたまらない
GJGJ!

134 :風と木の名無しさん:2010/12/10(金) 10:59:07 ID:5Ry0oreD0
GJとしか言いようがない。続きが是非読みたい!

135 :風と木の名無しさん:2010/12/11(土) 13:41:47 ID:wlZyGWux0
まわします

136 :風と木の名無しさん:2010/12/11(土) 17:47:08 ID:fUz2ndhl0
まわすよ!

137 :風と木の名無しさん:2010/12/11(土) 20:55:12 ID:eCo34w8qO
初まわしですよ

138 :風と木の名無しさん:2010/12/11(土) 21:08:24 ID:VykpAaRzO
踏んで

139 :風と木の名無しさん:2010/12/11(土) 21:15:36 ID:enzgk9V20
いたらいたでうざいけど、いなきゃいないで寂しい

140 :1/2:2010/12/12(日) 18:40:56 ID:1yu66FIm0
明日の時間、あいつまた忘れてるだろう。
電話してやろうかな。どうせ直前になって「何時からでしたっけ……」なんて情けない声でかけてくるんだろう。
そういう甘やかしがあいつを作った、という自覚はある。
近所で幼なじみの腐れ縁、小学校の便所の世話から面倒見続けて中高、会社も同じになって、
彼女ができたら愚痴もデートも親への挨拶まで相談に乗って、どうにか式まで持ち込んだと安心したら
当日寝坊しやがった。
なんで俺がお前を礼服着て迎えに行かにゃならん。なんで一緒に新婦親に頭を下げんとならん。
お前の周りは俺のことをお前の世話係だと思ってる。
おかしい、と思う隙あらばこそ、もうそれが当たり前となっていた自分が恨めしい。
天才、というか紙一重なお前だから当然美智子さんはしょっちゅう怒って実家に帰る。
それを連れ戻しに行かせる、つまりお前に過ちを説いて美智子さんの剣幕を鎮めて親御さんを取りなして……
はたしてこれは俺が世話を焼くことなのか。
それをおかしいと思わないらしい周りの人間もおかしい。

141 :2/2:2010/12/12(日) 18:43:05 ID:1yu66FIm0
気づけば俺は自分の嫁さんももらわずじまい、俺の人生お前に捧げたっていうことなのか?
お前がいなければ俺も人並みの幸せつかめたのか?
なのに「浩二郎さーん、どうです、今夜」って何事もなかったかのように晩飯誘いに来る神経がわからん。
美智子さんもニコニコ機嫌良く酌いでくれるし、まったく夫婦の仲というものもわからんね。
可愛い嬢ちゃんと三人家族、これが幸せかと思えばなにをか呪わん。
美智子さんにも陽子ちゃんにも恨みはない。お前が元凶である。
うっとうしいことこの上ない、と腹は満ちて心は寒々と帰途につくのである。
小さかった陽子ちゃんも、近頃はいい娘さんになった。
先だって会ったときは実に綺麗になっていた。美智子さんも相変わらず綺麗だった。
喪服は女性を綺麗に見せるというね。お前にも見せたかった。
……そうだ。お前の葬式だった。
今ではかくも立派な、業界の重鎮となったお前の葬儀を俺が取り仕切ったんだった。
最後までお前に面倒かけられっぱなしだった。
俺は積年の思いを込めて、お前の悪事、お前の恥、ありとあらゆるみっともない話を
満場の列席者に暴露してやったんだ。みんな笑ってたなぁ。涙が出るほど笑ってたなぁ。
明日は四十九日、どうせお前のことだから時間も覚えてやしないんだろうけど、もう電話はよかったんだな。
世話もかけさせないなんて、お前らしくないことだ。
甲斐がなければ、俺もどんどん呆けるばっかりだよ、なあお前。

142 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 19:03:55 ID:nFE8DSogO
わああ…テンポ良いなあwと思ってスラスラ読んでたら泣かされた…
こういう、完全な恋愛関係まではいかない二人ってすごく好きだ
GJでした!

143 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 20:20:27 ID:vukuPz/90
こう言う時のためにこの言葉があるのだな。

全 俺 が 泣 い た



144 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 20:40:58 ID:8y16jv2R0
設定から関係から何から何まで好み過ぎてたぎった!
全体に漂う懐かしい雰囲気にほっこりしていたのが一転して
語り手の静かな悲しみが伝わってきて切なかった
これは長編で読みたいですGJ!

145 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 21:02:54 ID:XU2SKIHB0
涙がせり上がってきて鼻が痛い
GJでした

146 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 22:55:54 ID:0TfQaOlX0
久しぶりにこのスレで萌えさせてもらった
ありがとうGJ

147 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 23:03:11 ID:yqERRiIL0
すばらしいよ
GJ

148 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 23:25:59 ID:bqHc3agO0
踏み台になりたい(わけではないがどうぞ)

149 :風と木の名無しさん:2010/12/12(日) 23:26:29 ID:hUDmJWIYO
もうどーでもいい

150 :風と木の名無しさん:2010/12/14(火) 19:47:07 ID:09e953g40
残念、まわし

151 :1/2:2010/12/14(火) 20:38:34 ID:ldutCQS20
もうどーでもいい、と大の字に寝っころがった。
竹下は困った顔をして、「お、おい……俺は、そんなつもり、じゃ」とモゴモゴ言った。
「そんなつもりなんでしょ? もうわかったからさー、1回だけいいって言ってんの」
俺は意地悪くせせら笑った。
竹下のことは嫌いじゃないが、ウジウジとまわりくどいのにたまにイライラさせられる。
もともと竹下が言い出したんじゃないか、俺のことが好きだって。
でも見てるだけでいいから、このまま友達でいさせてって。
わかった、と俺は答えた。正直すごく驚いていたし思いも寄らなかったし、
なにより恋愛感情とか隠しそうなキャラだと思っていたから、男らしいじゃんとちょっと見直しさえした。
ところがだ、その日からジットリ熱視線攻撃がすごい。
講義もそうでない時間もまとわりつくって感じで、そんで話すことが
「藤井は女の子とつきあったことある?」「初恋ってさ、どんなだった?」
「歌手の○○ってさー、ゲイらしいよ」「友情と愛情って何が違うんだろうね?」
……わかりやすい。わかりやすすぎ。

152 :2/2:2010/12/14(火) 20:41:02 ID:ldutCQS20
ほんで他の友達交えて飲みに行こうものなら、隣ずっとキープ。
尻寄せられーの、肩当たりーの。
「なんか俺酔っちゃったぁ、ははははは、藤井大好きー!」なんてしなだれかかりーの。
うそだ、お前そんなに弱くないだろうがっ。ときおり鋭く俺と他の奴を窺う視線が痛いっつーの!
好かれて悪い気はしない、が、いい加減嫌になってきた。
俺が竹下のこと好きだって言うの、待ってるんだよな、これって。
正直言うと、俺は竹下のことかなり好きだった、ただし友人として。
話もノリも合う、気のおけない一番の親友。それじゃ駄目だったのかな。
「俺達……友達じゃん」
何度そうつぶやいたかわからない。どうしてこんなことになったんだろう。
何か打開策はないか、と思っているうちに今日も竹下はうちに来て、晩飯食って飲んで、
風呂まで入っていそいそと布団を敷いて、何かを期待している。
期待に応えることはできない。お前と同じ気持ちにはなれそうもない。
でも友達がしたいって言うなら……親友が望むことなんだから、いいのかな、もう。
だってもう疲れたんだ。前みたいに竹下と馬鹿話ばっかりしたい。
ガンダムとか実家の猫とか、そんなどうでもいい普通の話。
「藤井……本当に……?」
馬鹿が、前言をひるがえしてにじり寄ってくる。
目をつぶった頬に、暖かい体温が感じられる。
はー、はー、と聞いたことのない荒い息が、すぐ側に聞こえる。
……馬鹿は俺だ。もう戻れない。

153 :風と木の名無しさん:2010/12/14(火) 21:35:22 ID:etJjLGQDO
おおGJ
萌えた、というか悲しくなった…
うまく恋愛に発展できればいいが、友情もかけがえないよね

154 :風と木の名無しさん:2010/12/14(火) 21:50:17 ID:ihJKIR1H0
GJ!なんだけど

>ルール
>■*9から24時間経過でお流れです。
>■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
>■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
> 別館の「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。


155 :151:2010/12/14(火) 23:41:13 ID:ldutCQS20
うわ、今日火曜日だ……なんで月曜だなんて思ったんだろう。
スレ汚し失礼しました。0以外さんが萌えるスレに投下しなおします。
どんどんまわしたってください。すみませんでした。教えてくださってありがとうございます。

156 :151:2010/12/14(火) 23:43:37 ID:ldutCQS20
>>153 感想ありがとうございました!テンプレ違反なのにすみませんでした。

157 :風と木の名無しさん:2010/12/15(水) 00:25:21 ID:ccwetclr0
まわします

158 :風と木の名無しさん:2010/12/15(水) 01:03:21 ID:+eLEvlTLO
踏んでって

159 :風と木の名無しさん:2010/12/15(水) 01:10:48 ID:vFlhDsmS0
好きと嫌いの境界線

160 :1/3:2010/12/15(水) 17:31:19 ID:59khsKs80
女の子は好きだ。

白くてかわいいし、触るとやわらかいし。
きゃいきゃいとよく動く口はちょっとうるさいと感じることもあるけど、かわいらしい声でかっこいいとかイケメンだとか言われるとなかなかいい気分にもなれる。

だけど。

藤沢は遠目に見える連れの姿を、すうっと細めた目で見つめた。
藤沢から二十メートルほど離れたところで話す男女。
女の子の方は、なめらかな肩を露出させたオフショルダーのニットと、白いミニスカートに身を包んでいる。
キャメルのブーツを履いた足は見るからに華奢で、いわゆる「モテ系」だとか「愛され系」だとかに分類される感じだ。遠巻きに見ているだけだから、顔かたちはまだよく見えないけど、服装だけならそれはまさに藤沢のストライクゾーンど真ん中。
藤沢はこういうわかりやすい、女の子らしい女の子が好きなのだ。
しかし、今日の藤沢の連れはこの子ではない。
そのモテ系女子の隣で、女の子の方に体を向けるでもなくただただ佇む男。裕哉である。
裕哉は藤沢と同じく今年二十一になろうというのに、体つきはまるで少年めいていて、いまだに高校生や、下手したら中学生に間違われる。
それはおそらく、小学校に上がる前から今もずっと続けている野球のせいで、年中通して日に焼けていることも原因だ。
裕哉の野球バカはそれはもう筋金入りで、寝ても覚めても野球、ご飯を食べているときも野球、授業中もトイレタイムもとにかく野球、野球、野球。
哀れに思った友人が、とっておきの秘蔵本を貸してあげても、「このおっぱい、
公式ボールよりちっせぇな」といった具合だ。
なので、裕哉が女の子と話しているのなんて、小学一年生からの付き合いの藤沢ですら、数えるほどしか見たことがない。というかその気になれば数えられる自信すらある。


161 :2/3:2010/12/15(水) 17:32:21 ID:59khsKs80
そんな裕哉が、藤沢好みのモテ系女子にぐいぐいと言い寄られている、ように見える。
藤沢は裕哉に頼まれたコーラの缶をぐっと握りしめた。
開封前なのでヘコみはしないが、手の中でベコンと間抜けな音をたてる。
それをポンポンと両手でキャッチボールしながら、ゆっくりと二人へと近づいていった。

あの子は可愛くありませんように。あの子は可愛くありませんように。

藤沢は、好みの女の子なら手当たり次第においしくいただく。
知り合う女の子なら可愛いに越したことはない。
でも裕哉に言い寄ってるあの女の子は、できるだけ可愛くありませんように。なぜかそう願った。
二人まであと数メートルといったところ。
間近で見えた女の子の顔は、十人中六人はかわいいと言いそうなレベルだった。
打率で言うと二割そこそこくらい。一軍に上がれるか微妙ってとこだな。いや、
上がれないな。上がれないよ。一軍の世界なめんな。
野球バカの誰かさんみたいなことをイライラつらつら考えていると、裕哉が藤沢に気づき、ホッと安堵の表情を浮かべる。
「なになに?何かおもしろい話?」
藤沢は人好きのする、しかし裕哉には常々うさんくさいと言われる笑顔で、二人に話しかけた。
「んや、駅の場所聞かれてただけ。なんか一人だから一緒に行って欲しいんだと」
言外に露骨にめんどくさそうなニュアンスを含めながら、藤沢連れて行ってあげてくんない?と、十センチ低いところから上目遣いでお願いしてきた。

「駅ならこの通路まっすぐ行った突き当たりだよ。直結の改札があるから、そこから入れる。一人でも迷わないと思うよ。すぐそこだから」

ここは郊外のショッピングモール。しかし郊外と言えど駅直結型なので、構内の案内板さえ見れば駅がどこかなんてわからないはずがないのだ。
わかりやすい逆ナンにも気づいてもらえない女子が哀れだ。でも仕方ない。相手は天下の『ヤラずのハタチ』様だぞ。

モテ系女子は、ありがとうございましたと丁寧に頭を下げると、駅とは反対側に走り出した。
ちょっと離れたところで待ち構えていたらしい友人ら数人と、きゃいきゃい言って盛り上がっている。ほら、やっぱり連れがいるんじゃないか。


162 :3/3:2010/12/15(水) 17:35:08 ID:59khsKs80
「どしたの?あの子はナンパしねーの?」
「うん」
「藤沢らしくねーじゃん。あの子けっこう好きなタイプだろ」
「俺の好み、わかるんだ?」
「だいたいわかる。今の彼女・・・由美ちゃんだっけ?あの子もそんな感じじゃん」
「ああ、由美ちゃんは彼女じゃない」
同じゼミの由美ちゃんは言い寄られたのでおいしくいただいただけだ。その後そのお友達の香奈ちゃんまでもをおいしくいただき、手痛い修羅場を迎えたのはつい最近の話だ。
「裕哉だって久々に女の子と話せて嬉しかったんじゃないの?」
「んや、女の子ってやっぱうるせえ。あっちだって言ってんのになかなか行かねえし」
新しいグローブ早く見てぇのに、と一人ごちる裕哉を見て、こりゃこの先も当分童貞だろうなと藤沢は心中一人でつぶやいた。
しかし、女の子や、まして女の子の服装になんて耳掻きひとさじほどの興味もない裕哉が、意外と藤沢の好みを理解してる。なんだか悪くない。むしろ、けっこう嬉しい。
「じゃ、裕哉ご希望のグローブ見に行きますか」
「おー。ナンパすんなら俺がグローブ見てるときにして」
「ナンパなんてしないよ。なんかそういう気分じゃないし。てか、もう一生しないかも」
「は!?性欲魔神藤沢が何言ってんだよ!」
「なんか俺、女の子嫌いになっちゃった」
「はぁぁ!?」
「んー、なんかボーダーライン越えちゃった感じ?」

女の子は白いし、やわらかいし、かわいい。
でも、俺の裕哉は誘惑しないで。

163 :4/3(入らなかったスマソ):2010/12/15(水) 17:35:52 ID:59khsKs80
「ボーダーライン越えたって、お前枯れるにはまだ早いだろーがよ!まだ二十一だぞ!?」
「枯れたとは違うよ。むしろギンギン。でも女の子はもう嫌い」
「わっけわかんねぇ・・・。てか俺のコーラは?」
「あぁこれ?開ける?俺の愛がブシューッと弾け出すよ」
「お前振ったの!?まじ最悪!!」

白くてやわらかい女の子は、もう嫌い。

黒くて硬くて骨っぽいお前がいい。

だからさ、弾け出す愛を受け止めてくれないかな?

164 :風と木の名無しさん:2010/12/15(水) 23:57:53 ID:ccwetclr0
GJです!青春の1ページだな!
大好きな女の子も嫌いになっちゃうなんて藤沢本気すぎて可愛いw

165 :風と木の名無しさん:2010/12/17(金) 08:38:59 ID:QnoOLJqDO
まわわ

166 :風と木の名無しさん:2010/12/17(金) 09:33:24 ID:CjSY8rypO
藤沢可愛かったよmws

167 :風と木の名無しさん:2010/12/17(金) 14:47:46 ID:4QkHfeGSO
可愛い!どっちが攻めでもいいなと思った!
まわします

168 :風と木の名無しさん:2010/12/17(金) 16:35:28 ID:ibjW7VPMO
踏まれるよー

169 :風と木の名無しさん:2010/12/17(金) 17:02:12 ID:hQ85v2L+0
バンド内恋愛禁止

170 :風と木の名無しさん:2010/12/17(金) 21:20:18 ID:TsAsRpQ40
「ヘイケイヴ、なんだよこのPVの内容は!だからあんなプロデューサーに任せるのは嫌だったんだ」
「しょうがないさジョー、過激なのが俺達のキャラクターなんだから」
「だからってこの内容はあるか!?これじゃ話題性だけ、僕らの言いたいことがひとつも入らない、それに…」
「そのベッドシーン?」
「そう、この大胆すぎる、ね!なんで僕がこんな…これじゃまるでポルノ映画だ!」
「よく言うよ、舞台の上でいつも暴れて俺を殴ったりキスしてくるのはどこのどいつだ?」
「それはただのパフォーマンスだよ、そうすると皆過激だって喜ぶだろ?意味はないよ、分かってるだろケイヴ」
「だからいいじゃないか。これだって意味なんてない、ただ君の暴力的で淫乱なキャラクターがよく表現されるってこと」
「だからってこんなやり方は反対だ」
「往生際が悪いな、周りは皆もうこの方向で動いてるんだぜ?それに、俺とのホモ疑惑だって一掃されるかも」
「女とPVで絡めばホモじゃないってか?馬鹿みたいだ、アレがおったってるかどうかも映しやしないのに」
「ハァー…」
「なんだよ」
「溜め息も出るさ。
へいジョー、真面目な話だ。ライブでハイな気分に任せて俺に絡んでくるのはいい加減やめてくれ」
「いきなりなんだよケイヴ、別に意味はないって言ってるじゃないか」
「嘘をつくなよ。お前が俺のことずっと好きなのは分かってるんだ」
「……。僕だって、お前がそうされて嫌がってないのを知ってる」
「けど、そういうのはバンドにはいらない、だろ?慣れ合いの関係なんか糞くらえだ。
お互い何年も前からそう思ってやってきたはずだ」
「……だからプライベートでは一切何もしちゃいないだろ?ライブのはキャラクターだって」
「未練は断ち切れよ、ジョー。俺は断ち切ったぜ?
未練を断ち切ればそうやってイラつきもしなくなる。俺達はバンドマンなんだ」
「…分かったよ。そうだな。俺がガキだったよ」
「分かったらPVもきっちりやれよ。あのプロデューサーはお前のウリを良く分かってる。
いいPVになるよ、お前の色気で世間を騒がせてやれ」
「ああ。よく見ておけよケイヴ、男も女もみんな僕の虜にしてやるよ」
「俺たちはプロだからな」
「ああ、そうだな」

171 :風と木の名無しさん:2010/12/17(金) 23:39:13 ID:KMfziUPv0
自ジャンルに当てはめて萌えたー!GJです

172 :風と木の名無しさん:2010/12/18(土) 00:56:21 ID:TX8fYKCHO
こんな二人がステージで絡んでたら、自分は間違いなくナマ同人で活動したなww

173 :風と木の名無しさん:2010/12/18(土) 13:42:32 ID:ZzMSGEBKO
ホロ苦いけどカッコいい2人だ。
萌え燃えした。GJ!

174 :風と木の名無しさん:2010/12/18(土) 17:05:15 ID:OvF120Ow0
ケイヴ→洞窟→穴→女役と思うのはさすがに深読みのしすぎ?
なんにせよGJ!

175 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 11:39:18 ID:EZ3GLyIF0
まわします

176 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 12:20:05 ID:ITwfIGgC0
まわせまわせー

177 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 13:32:32 ID:zzwsOnWl0
おらおらーまわれまわれー

178 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 14:42:17 ID:GI1JqOJAO
おらおら〜踏め踏め〜

179 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 14:44:26 ID:VG6yQhnqO
好きなところが3つある

180 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 18:23:22 ID:oAMpNxW+0
「タケってさー、俺のこと本当に好きなの?」
「あぁ…うん。」
「俺のどこが具体的に好きなの?」

このテのウザい質問が大嫌いな俺は、アイツからそう聞かれた時、嫌々ながら答えたのを今も覚えてる。

「…あー、体の相性いいからな俺ら。お前のフェラ、マジ最高だし。」
「ふーん。…それだけ?」
「えー、あとは…、…えー、メシだな!」
「料理うまいだけの奴なんて今時腐るほどいると思うけど。…てかさ、他にないわけ?その二つだけなの?」

あーうぜー。
こいつは何を言わせたいんだよ。この俺に。
好きだとか愛してるだとかそういう暑苦しい言葉が嫌いだって知ってんだろうが。
そこらへんの偏差値低そうなバカップルどもの同類になってたまるかよ。
イラついて虐めてやりたくなったのは至極自然な成り行きだったと思う。

「いいや、三つだ。あと一つだけあるけどな、絶対教えねー。お前が死んだ後で教えてやるよ。」

意地悪くそう言った過去の俺を、だけど、今は力の限り張り飛ばしてやりたい。
俺の回答に落胆しながらも薄く笑んだトモの顔が、今もこんなにはっきりと思い出せるというのに。
…どうして。

「…まさか、本当に逝っちまうなんてな」

181 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 18:23:52 ID:oAMpNxW+0
こんなチンケなツボに収まるくらい小さくなってしまったトモ。
変わり果てた姿のトモを抱きしめても、返ってくるのは固くて冷たい感触ばかり。
本当は、セックスでもメシでもない。
いや、それもあるけど。
本当は…

「お前がお前だから好きだったんだ」

生きて、傍にいてくれるトモだから。
ただ、そこにいてくれるから。それだけで。
好きだったんだとつぶやいた三つめの回答は、もう届かなかった。


182 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 19:57:33 ID:46SsOHuT0
お題から想像もできないほど切ないのきた…!
涙腺大爆発だよもう(´;ω;`)
GJです…!!

183 :風と木の名無しさん:2010/12/19(日) 20:43:41 ID:LlNqrqUaO
最近死にネタの頻度高いね
冬だからかなあ?GJ

184 :風と木の名無しさん:2010/12/20(月) 23:20:25 ID:caDSKjgS0
切ないな…取り返しがつかない感じの切ないネタは大好物です
素直じゃないカプも大好物です 大変ごちそうさまでした
GJGJ!

185 :風と木の名無しさん:2010/12/21(火) 00:37:11 ID:tnYgZONs0
。゚(゚´Д`゚)゚。うぇぇん萌え

186 :風と木の名無しさん:2010/12/21(火) 00:48:48 ID:P6gVlQua0
切なくなりながらまわし

187 :風と木の名無しさん:2010/12/21(火) 17:11:47 ID:vMVavZjbO
ほっぷ

188 :風と木の名無しさん:2010/12/21(火) 17:15:51 ID:LBp9q3Ks0
ステップジャンプ踏み台

189 :風と木の名無しさん:2010/12/21(火) 17:17:06 ID:L+hKtlJ0O
神を信じる人と無神論者

190 :風と木の名無しさん:2010/12/22(水) 00:43:15 ID:wB4x+hEL0
一心に祈りを捧げるその背中に剣を突き立てたらどんな顔をするだろう。
嘆くか、怒るか。その両方か。
神の家と呼ばれるこの場所で、血を流すことに対して。
あるいは穢れを。暴力を。
この世の人間のありとあらゆる欲に蓋をして生きているようなこの男は、自分の末期ですらもそうするのだろうか。
見てみたい、と思った。
人間が勝手に作り出した神という偶像を信じ続けて、そのまま死んでいくのか。それとも。
それとも。
「おや、どうしました、こんな時間に」
「あんたの顔が急に見たくなってさ」
「それは……喜んでいいのやら、悪いのやら」
困ったように浮かべられる、それでも穏やかな微笑みは同じ神とやらを信じる人間に向けるそれと何ら変わらない。
所詮は俺も大多数の、誰かが作り出した神とやらに救われるべき哀れな生き物だということか。
全く、反吐が出る。
「折角ここまで来たのですから、お祈りをされては?」
口を開けばいつも通りの文句。正面から斬りつければこいつは、裏切られたと思うのだろうか。
悲しみに歪む顔が見たい。苦しみでも怒りでもいい。
神とやらを介してではなく、俺という一人がその両眼に映るのなら。

191 :風と木の名無しさん:2010/12/22(水) 01:20:39 ID:gUVx8uuJO
>>190
うわっ美味しいのきた最後の一文やばい滾る…!
「俺」→「こいつ」→神の三角関係なのかなーとか考えると色々燃え萌える
報われないヤンデレスキーな自分にはたまらない御馳走でした
全力でGJ!!

192 :風と木の名無しさん:2010/12/22(水) 23:03:14 ID:Jm8cZ+xY0
萌えがしっかり詰まってるのに短くまとまってて
短い分想像を掻き立てられます
GJGJ!

193 :風と木の名無しさん:2010/12/23(木) 11:08:52 ID:yTTRDXio0
おおうなんか時期的にぴったりのSSきた
思わず続きが読みたくなってしまったお
GJ!

194 :風と木の名無しさん:2010/12/25(土) 03:29:44 ID:0g/dEJCh0
めりーくりすまわし

195 :風と木の名無しさん:2010/12/25(土) 12:52:32 ID:ZFvxDcyLO
まわすよー

196 :風と木の名無しさん:2010/12/25(土) 19:41:53 ID:62N8JTLiO
めりくりまわす

197 :風と木の名無しさん:2010/12/25(土) 21:36:01 ID:4Sp3fSpjO
メリーまわすよ

198 :風と木の名無しさん:2010/12/25(土) 21:48:21 ID:9ABDtPqtO
性夜にメリークリスマスまわし

199 :風と木の名無しさん:2010/12/25(土) 22:02:14 ID:YRgv5kaJ0
胡蝶蘭

200 :風と木の名無しさん:2010/12/26(日) 00:08:19 ID:84GRulTkO
ざんねん
回します

201 :風と木の名無しさん:2010/12/26(日) 18:05:27 ID:OtYeICmb0
まわすのね

202 :風と木の名無しさん:2010/12/26(日) 21:36:36 ID:Iv0jy7jSO
マワされるのね…? ゴクリ

203 :風と木の名無しさん:2010/12/26(日) 22:25:00 ID:QN+AhXRH0
>>200
2時間しか経ってないのに回しちゃダメだよ…

204 :風と木の名無しさん:2010/12/26(日) 23:15:32 ID:KNAYg8/YO
まわします


205 :風と木の名無しさん:2010/12/27(月) 01:07:18 ID:VtExiDWxO
まわせまわせ

206 :風と木の名無しさん:2010/12/27(月) 13:29:53 ID:4VYNhHTVO
>>203
よかった、自分の時間感覚がおかしくなったかと

まわし

207 :風と木の名無しさん:2010/12/27(月) 14:01:53 ID:orrV8HFwO
もう仕方ないよなぁまわし

208 :風と木の名無しさん:2010/12/27(月) 14:08:09 ID:6WpFz7MyO
踏んでくださいな

209 :風と木の名無しさん:2010/12/27(月) 14:32:32 ID:Spd6Rj060
今年最後の一大決心

210 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 14:58:41 ID:3SKt2GJPO
残念まわし
年末だからなかなかタイミング合わないかな

211 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 15:29:55 ID:I8GbkAdI0
というより内容なんじゃないの
最近萌えるCP・シチュというよりお題サイトみたいになってるし
mws

212 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 16:16:53 ID:TDvC8Xaz0
そろそろ年が変わることだし
初心に帰りたいところですねまわし

213 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 17:42:26 ID:lNBY6G0DO
お題も好きだけどねまわし

214 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 22:16:34 ID:atQBlRkcO
具体的な方が萌えやすいけどお題もいいと思うよ
まわし

215 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 23:19:37 ID:XRmi/IcQO
実際9の時って慌ててしまう
つい目の前にあるものを書いてしまう人もいるのではなかろうかまわし


216 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 23:27:32 ID:MEQGEu8W0
自分の見たい萌えシチュを書けばいいじゃないmws

217 :風と木の名無しさん:2010/12/28(火) 23:56:49 ID:M29QETi8O
確かに9取れる時って慌てるmws

218 :風と木の名無しさん:2010/12/29(水) 00:03:19 ID:zEluWuVWO
俺の屍を越えてゆけ

219 :風と木の名無しさん:2010/12/29(水) 00:03:58 ID:9Xzir30r0
裏切り者

220 :1/3:2010/12/29(水) 00:54:36 ID:oSz9C1dJ0
裏切り者→裏切り者に裏切られた過去がある攻め×攻めの過去を知らない受けに萌えてみようじゃない
というか現在進行形で萌えている。たまらん
以下裏切り者の事を裏と呼ぶ事にする

攻めが裏切られた理由は何でも良いし、二人の関係がどんな形でも構わない
会社の同僚、先輩後輩、幼馴染み、元恋人でもいい
ただしいずれにしろ共通項目として欲しいのは
攻めの心に深く傷をつけるくらいの裏切り行為をしてもらいたい

それが原因でしばらくの間相手を信じる事が出来なくなって
その最中に受けに出会って、ようやく心を開けるようになって
受けとの幸せな日々を暮らしている最中に裏が再び攻めの前に現れる

裏は元々攻めの事が大好きで大好きで
言ってしまえば裏切り行為はハメをはずしたヤンデレ行為と言ってもいい
でも攻めはそんなこと知らないから過去のトラウマが蘇って震えると良いよ

普段攻めのそんな姿を見た事がないから受けも不安になるし
その不安の原因が裏だと気付いて
「攻めに近づくな!」なんて事を言って欲しいな

そこからが裏の本領発揮
徹底的に攻めから受けを離す為に犯罪行為ギリギリの事をする
受け、あるいは攻めを軟禁とか、受けを物理的に傷つけるとか
もしくは攻めにあることないこと吹き込んだりとか
とにかく色々な事をするんだけど
絶対に自分の手を汚さない用意周到さを持って動くんだよね

221 :2/3:2010/12/29(水) 00:55:48 ID:oSz9C1dJ0
ここからバッドエンドとハッピーエンドの両方を妄想
バッドエンド嫌いな人は注意



不安感で押しつぶされそうになりながらも受けを信じ続ける攻め
どんなに傷ついても攻めを守ろうとする受け
そんな二人に嫌気がさした裏はとうとう実力行使に出る
自分の手で受けを消す手段に出るんだ

バッド的には受けを殺そうとしたところを攻めが受けを庇ってしまうものいいし
ex.)
「攻め!なんでだ!何で庇った!?」
「俺は、お前を…信じて、愛して、るから」
「嫌だ!死ぬな!攻め!」

攻めと受けを軟禁、受けが衰弱死して
軟禁状態から抜け出せた攻めが受けに寄り添って精神崩壊するのもいいし
ex.)
「受け。ごめん……俺の、俺のせいで、ごめん……」
「攻め、そいつはもう死んでいる。お前には俺がいるだろ?」
「好き、好き、ああ大好きだよ。ずっとずっと一緒だ」
「攻め……?」
「受け、受け、ずっと、ずっといっしょ。なあ、もう離れないからな、愛している受け好きだよおぉ……」

222 :3/3:2010/12/29(水) 00:56:32 ID:oSz9C1dJ0
バッドばかりを考えてしまうけど
最終的にトラウマを克服した攻めが裏と戦って本当の意味で立ち直るのもいいし
ex.)
「いいのか?お前の恋人だって、お前を利用しているかもしれないんだぞ?」
「それでも俺は受けを愛している。今までも、これからもだ」

かっこいい受けが裏に対して攻めは俺のもの宣言を声高らかにするのもいいし
ex.)
「攻めはなぁ?ずうっと俺のものなんだよ!お前に何かやらん!絶対にやらん!」
「攻め!そいつの言っている事は嘘だ!俺だけが攻めを愛してやれる!」
「お前よりも俺の方がずうっと攻めの事愛してやれてるよ!このトラウマ野郎!」

ハッピーエンド後は幸せエチーをして愛を深めて欲しい
それまでが暗い雰囲気だった分甘い雰囲気になって欲しい

取り敢えず絶対に許せない裏切り者と絡む組み合わせがいい
許せる裏切り者だと今度は情が出てしまうから
情もへったくれもないくらい最悪な裏切り者と絡んだらもうたまらん

裏×攻のヤンデレカップル、攻×裏の報復下克上カップル、裏×受の代償カップルでも良し
ただし裏と絡んだ場合は絶対的にバッドエンド
裏としても、攻めとしても、受けとしても、誰も報われないエンドにして欲しい
そんなゲームや漫画に小説が、私は見たい

223 :風と木の名無しさん:2010/12/29(水) 02:42:32 ID:LwsffBwu0
いい語りすぎてマジで握手を交わしたい
GJすぎる…!

224 :風と木の名無しさん:2010/12/29(水) 03:08:41 ID:9p/MIETQ0
萌えとこだわりがびんびん伝わってくる素晴らしい語りだったw
その情熱にGJ!

225 :風と木の名無しさん:2010/12/29(水) 22:20:54 ID:kzow5JKFO
熱い・・・!
「裏切り者」の一言でどこまででも妄想してゆけるその情熱に全力でGJ!!

226 :風と木の名無しさん:2010/12/30(木) 02:13:54 ID:1cYELq180
鬱萌え属性があるんでたまりません・・・!!
裏切りって至上の萌えシチュだと思う
滾る萌え語りをありがとう
GJGJGJ!!

227 :風と木の名無しさん:2010/12/31(金) 09:49:22 ID:WUx2FVJPO
今年中にもうひと萌えまわし

228 :風と木の名無しさん:2010/12/31(金) 10:03:30 ID:/265E+h6O
大晦日に踏んでくれ

229 :風と木の名無しさん:2010/12/31(金) 10:07:02 ID:Qw50AmNyP
年越した瞬間に殴られた

230 :風と木の名無しさん:2010/12/31(金) 22:01:12 ID:dVd2Wzcr0
アメリカマフィアのギラギラした40代の男と妻の間に子ができた。
助産婦「ほら、元気な男の子ですよ」と赤子を渡されたとたん、
そんな男が中学生のようにオドオドした表情、危なっかしい手つきで赤子を抱いて、あやそうとする。
妻はそんな不器用な男を見て、聖母のように微笑む。

ってシチュがたまらなく好きなんですけど、スレの対象外ですか?
ちなみに男のイメージはバグジーことベンジャミン・シーゲルです

231 :風と木の名無しさん:2010/12/31(金) 22:03:50 ID:dVd2Wzcr0
>>230ですがすいませんルールわかってませんでした

232 :1/3:2011/01/01(土) 03:50:46 ID:OAv2YCqJ0
俺は結構な嘘つきだ。
どれぐらい嘘つきかといえば、まだまだ愛が残っているというのによりによってクリスマスにひどいやり方で別れ話を切り出すぐらいといえば分かるだろうか?
さて何故どうしてそんなことになったかという理由はまあ割愛するとして、結果俺はひとり寂しく年越しかといえばそうでもない。
こんな俺にも十年来の友人がいる。名前を山田。
そいつがお屠蘇なんかをご丁寧に作ったうえに年越し蕎麦もセットでネトゲなんかを決め込みながらだらだらしていた俺の家にやってきたのである。
そしてようヒマそうだなひとりもん同士飲もうぜときたものだ。普段なら拒んでいるがなにせ年末の寂しさよ、と家に上げたのが間違いだった。
時計の針が進むにつれ机に置かれたビンから日本酒の量は減ってゆく。それを苦とも思わずにテレビで紅白なんて見ながら酔うがまま色々話をして、
年越し30分前に殴られた。まあ軽いものではある、あるのだが、いやいや待て待てどうしてそうなる。
そしてどうして泣いているんだお前が。どっちかというと泣きたいのは俺だろうが。
「うるせえよ。うるせえ…」
俺のそんな声にもそう言ってさらに山田はすすり上げる。なんだどうしてこうなった。

確か俺はクリスマスのことを否応無しに思い出しつつも結構楽しく飲んだ筈だ。そしてこいつも飲んだ。
だいたい俺もこいつも酒に弱いわけではないので丁度良くほろ酔い気分で話していたはずなのだ。色々と。
酒の力で確かに少しいつもよりは口が滑ったかもしれないが、多分嘘が減ったってわけでもなかっただろう。
そもそもこいつがどうして俺の友人かというと俺の嘘つきをよく知っているからだ。知っている上で俺の隣にいるからなのだ。
そしてそうであるからには俺だってこいつの趣味だとか考えていることがそれなりに分かる。その筈だというのになんでこうなった。俺には全くわけがわからない。

233 :2/3:2011/01/01(土) 03:51:22 ID:OAv2YCqJ0
「だって嘘だろ。嘘じゃねえかぜんぶ」
「全部って何だ失礼な」
そう言いながら何を話していたのかを酔いが幾分か冷めた頭で遡る。しかしまだ酒の緩みは残っていてなかなか肝心の部分まで辿りつかない。
なんだったなんだった。正月の話大学の話バイトの話紅白のメンツが年々よく分からないことにしかし今年の冬は寒い、そういえばクリスマスはホワイトクリスマスだった…で、
そう。そうだ。彼女とホワイトクリスマス、樅の木の前で別れ話をしたときの話をしたんだ。そんで、そんで。
気がついた。
「お前俺のこと好きなの」
「そうだよ馬鹿。だっつうのになんだよもう、諦めたかったのに…嫌いになったから振ったとか嘘だろ。俺には分かるんだからな。
 どうせ彼女に好きな奴でも出来て身をひいたんだろ。どこの漫画の当て馬だよ…」
…流石山田。気持ちいいぐらいにほぼ正解だ。ほぼ。
「ああもう。散々だ…折角お前と飲めたのに。飲めたのに…」
気持ち悪いだろ、笑えよ。彼がそう言う。折角なので笑ってみると、いやそうじゃなくてとか言われた。
その泣き顔があまりにあれで、声だって辛そうだったので口を口で塞いでみる。顔を離すとぽかんとした顔。
さて種明かしをしようか。じつに単純な構図だけれども、実を言うと彼女が好きだったのはお前だ。お前だよ山田裕司。
だから俺は別れた。お前じゃなかったらもう少し粘ったけども、身を引いたのだ。
そこまで言えば、目に涙を貯めたままの山田が、緩く唇を動かして、なんで、と小さく掠れた声を紡ぐので俺はにやりと笑ってやる。
「だってそうだろ。俺はお前が気持ち悪いし、大嫌いだ」

年越した瞬間に殴られた。
理由はひとつ。こんな時ぐらい嘘をつくな、だそうである。
一寸理不尽に思えないでもないがまあ俺も悪いし仕方ない、なので、
「今年もよろしくお願いします」
と、とにかく一言、添えておいた。

234 :風と木の名無しさん:2011/01/01(土) 07:00:48 ID:MHX7BMT0O
あけましておめでとう
もうひとつあるのかと思ったらこれで終わりとのことなので
読みやすかったGJ


235 :風と木の名無しさん:2011/01/01(土) 15:48:18 ID:rOtOOZv5O
嘘つきも大概にな
軽快で面白かったです GJ!

236 :風と木の名無しさん:2011/01/02(日) 14:40:09 ID:c9yewjNkO
まわしてもいいかな

237 :風と木の名無しさん:2011/01/02(日) 17:40:21 ID:tRmXefhP0
遅くなったけどあけおめ
今年もこのスレを生暖かく見守っていくぜまわし

238 :風と木の名無しさん:2011/01/02(日) 18:50:40 ID:quhA+pz9O
新年初踏み台

239 :風と木の名無しさん:2011/01/02(日) 18:56:40 ID:u2egC0ijO
ケダモノに恋をした

240 :風と木の名無しさん:2011/01/03(月) 22:07:28 ID:j8MYtI1MO
年始でみんな忙しいのかな
残念まわし

241 :風と木の名無しさん:2011/01/04(火) 03:57:10 ID:E3F7AQfvO
まわします

242 :風と木の名無しさん:2011/01/04(火) 13:50:40 ID:EtDaWyUVO
色々解釈出来て面白そうだったから残念だね
まわし〜

243 :風と木の名無しさん:2011/01/04(火) 14:13:26 ID:ydBgxJu0O
まわしますね

244 :風と木の名無しさん:2011/01/04(火) 15:39:52 ID:dwEAmAOk0
まわしますよ

245 :風と木の名無しさん:2011/01/04(火) 17:53:03 ID:+tfN8pvI0
まわしまわされ

246 :風と木の名無しさん:2011/01/04(火) 22:38:04 ID:uFaQMYnbO
あんまり人いないねまわし

247 :風と木の名無しさん:2011/01/04(火) 23:53:16 ID:ujvpJ1oYO
まわす

248 :風と木の名無しさん:2011/01/05(水) 00:22:59 ID:IbyCbHFZO
踏み台

249 :風と木の名無しさん:2011/01/05(水) 00:23:48 ID:FfD1Psn+O
殊勝なことを言ってはいるが

250 :風と木の名無しさん:2011/01/05(水) 23:53:25 ID:uoxjxrx7O
「……何でお前が家にいるんだよ」
「マネージャーですから」

エプロン姿で菜箸を扱う仏頂面の男は、当たり前のようにそう答えた。
俺は絶望した。

年末年始は受験生の俺だけ残して父母姉貴で旅行に行く……そう聞いていた。
だから、予備校の仲間との年越しパーティーの後、俺は心なしかわくわくした気分で家に帰ったのだった。
それがどういうことだ。
がらんどうであるはずの家では、幼なじみがおせちを作り溜めながら俺を待っていた。

「答えになってねえよ。たかが陸部のマネージャーが、なんで人ん家まで来てお節作ってんだよ」
「OBの進学実績向上も、部の将来のためには必要不可欠だからな」
「進学実績向上?それがこれと何の関係があるんだよ」
「急激な外気温の変化から、ただでさえこの時期に体調を崩す受験生は多い。最悪の事態を避けることができるか否かは、この時期の生活管理にかかっている。マネージャーとして、できることがあるならやっておきたかった」
「…………つまり、お前は俺が慣れない一人暮らしで風邪とか引かないように家に来てくれたわけ?」
「簡単に言うと、そう」
「なんで俺だけ?幼なじみだから?家が近いから?」
「うちの部で一番成績が芳しくないから」
「……うるせえ、そんなはっきり言うなよ。とにかく飯ぐらい自分で何とかするからお前はもう帰れって」
「いいのか?おばさん、旅行の間の生活費俺に預けていったけど」
「ちっ」
「お前が心配なんだよ。それよりうまいぞ、黒豆」

ひょい、と口に入れられた黒豆は確かに美味かった。
美味かったというか、正直こいつが女なら今すぐにでも嫁に貰いたいような出来だったが、俺は努めてそれを顔に出さないようにした。
騙されてはだめだ。
何やら殊勝なことを言ってはいるが、俺にはもうこいつの目的は分かりきっているのだった。

「……姉貴のどこがそんなに良いわけ?」

藪から棒にそう聞くと、奴は目を丸くしてこちらを振り向いた。

251 :風と木の名無しさん:2011/01/05(水) 23:55:21 ID:uoxjxrx7O
「お前の……姉貴がどうしたって?」
「好きなんだろ。知らないとでも思ったのかよ。
昔っからお前、理由をつけてはよく俺ん家に来たがったよな。分かってたよ、姉貴に会うためだったんだろ?」
「え?……え?」

いつも変わらなかった仏頂面が、焦りからか見たこともないほど崩れていた。
やっぱり図星だったか。

「どんなアホでも流石に気づくわ。小学校の頃俺と同じ塾に入ってきたのも、中学で同じ書道部に入りたがったのも、
……高校になって、運動嫌いなお前がわざわざマネージャー枠使ってまで陸上部に入り込んできたのも……
……つまりは全部、姉貴との接点をなくしたくなかったからなんだろ」
「……それは、どういう」
「それから、こうやって俺の世話ばっかり焼くのもだ!
こないだ姉貴がお前を誉めてたの聞いて全部合点がいったよ。
お前、こうやって少しずつ姉貴と家族にアピールして……最後にはうちの子になるつもりなんだろ!」
「…………」

今や奴はすっかり言葉を失い、複雑な顔で鍋をかき混ぜていた。
それ見たことか。確かに、陸上部のマネージャーとしてのこいつは信じられないほどに献身的ではあったが、
それならば尚更、何の野心も下心もなくそこまでできるはずがなかったのだ。


252 :終わりです:2011/01/05(水) 23:56:07 ID:uoxjxrx7O

「……そりゃ、全く下心がないかって言うと嘘になるけどな」

しばらくして、奴がぽつりと呟いた。
俺は自分の読みが正しかったことですっかり気をよくして、奴の背中を豪快に叩いた。

「心配すんなって、もちろん姉貴には黙っといてやるからさ。あれだよ、男同士の秘密ってやつ?」
「ああ、絶対に言わないでくれ。口が裂けてもだ」
「でもまぁ、そういう下心抜きにしてもさ、お前はいいマネだったと思うわ。現役ん時は、ほんとにありがとな。」
「……え」
「今年も何だかんだで世話かけるような気がするけど、とりあえずよろしく。お前とつるむの、これでも結構好きだしな」
「……」


それから奴は俄かに忙しく動き始めたかと思うと、「料理の邪魔だから」と俺をキッチンから追い出した。
なんだよ、そんなに悔しかったのかよ。
俺は少し不服に思いながらも、やがてキッチンから漂ってきた煮物の旨そうな匂いに期待を膨らませたのだった。

253 :風と木の名無しさん:2011/01/06(木) 13:59:57 ID:v8qX/cSW0
天然な俺様はやっぱええですわw
マネージャーが報われる日が遠そうなあたりが萌える。GJでした!

254 :風と木の名無しさん:2011/01/06(木) 14:43:40 ID:5KqYhbDFO
GJと言わざるを得ない。もどかしさに生殺し感に切なさに、全自分が萌えた。
身の内が萌え焦れそうだ。
もう、こんなKY受けは有無を言わせず押し倒してしまってから事後に告ればいいと思うよ。


255 :風と木の名無しさん:2011/01/06(木) 23:32:40 ID:h3KJkwxb0
まわしちゃうよ〜

256 :風と木の名無しさん:2011/01/07(金) 03:19:51 ID:avmoGxCcO
これはにやけざるをえない
GJまわし

257 :風と木の名無しさん:2011/01/07(金) 09:56:59 ID:HVHe/bzOO
今回9を狙うつもりだったがこれはGJせざるを得ない
マネージャーの報われなさ具合と無意識な俺様がツボですた
違う意味で家族になれる日を願ってGJまわし

258 :風と木の名無しさん:2011/01/07(金) 10:41:48 ID:AZk/KZyf0
踏み台になってやるよ

259 :風と木の名無しさん:2011/01/07(金) 10:46:53 ID:Whn4X0CO0
キレると手がつけられない優等生

260 :風と木の名無しさん:2011/01/08(土) 03:57:55 ID:vbMxQtUm0
「キレる」。
この単語を聞いて真っ先に思い浮かぶ状況といえば、叫びながら暴れるとか、
誰かを殴る蹴るなどするとか、そういったものだろう。ニュースにも出るし。
が、ことこいつにおいてだけは、そのイメージはこれっぽっちも当てはまらない。
「な、なあ……今の、やりすぎじゃねぇ?」
「そう? 僕としては手加減しすぎたと思ってるんだけど」
にこにこと笑っているが、目がちっとも笑ってない。怖ぇ……。
沸点の低さで言えば、評論家いわくの「キレやすい若者」よりも低いんじゃないだろうか。
俺もどっちかといえば短気な方だが、こいつに比べりゃ温厚だ。俺が先にキレたことなんて一度もない。
そして、何よりも怖いのがこいつのキレ方。それは見事な笑顔で近づいて、逃げたり暴れたりしないように
両手を押さえつけて壁とかに拘束したら、怒涛の言葉責めが待っている。
お前の頭の中には罵倒専用プログラムでも入っているのか? と聞きたくなるくらい流暢で、
しかも何時間続けても同じ言い回しが一度たりとも出ないという恐怖の奔流!
何故か腕力が強いため大抵の相手は逃げることも殴ることもできず、時間とともに気力をなくして謝るのだが
こいつの気がすむか俺が止めるかするまでは何時間たっても解放されることはない。
一度でもアレをやられると、本気でトラウマになって二度とこいつに近づけなくなるという。
……そばで見てる俺も正直怖いが、逃げると何されるか分からない。
俺の最大の幸運にして不幸な点は、こいつが幼馴染で、しかも非常に気に入られているというところだ。
「だって、あいつ何て言ったと思う?」
「『どうして君が、こんな頭の悪い不良と付き合っているんだ?』だろ? 別に事実じゃん」
俺がバカで見た目不良なのも、こいつが一流大学だって狙える秀才なのも、どっちもゆるぎない事実だ。
「だからだよ。あの程度の馬鹿に僕の交友関係について口出しできる資格なんてこれっぽっちもないのに」
……俺の記憶が正しければ、さっき泣きながら逃げていったあいつもけっこう頭よかったはずなんですが。
と言うと今度は俺に矛先が向きそうなので、黙っておく。

261 :風と木の名無しさん:2011/01/08(土) 03:58:41 ID:vbMxQtUm0
「それでね、あんな奴を『けっこう頭よかったはず』だなんて評価している君にも怒ってるんだよ、僕は」
げ。読まれてた。
気が付くと、さっきまであの哀れな秀才君と同じように、俺は壁際に追い詰められていた。
ただし、両手を拘束される代わりに体の両側に手をつかれている。
……まあ、こいつ殴ったり逃げたりしたらどうなるか知ってるからやらないけどさ。
「な、なあ、先に謝るから本気で勘弁してくれないか」
「駄目」
即答したくせに、その言葉にしばらく考え込む。……もしや、脈アリ?
「すいません。何でもするんで勘弁してクダサイ」
「……まあ、その条件ならいいけど。本当に何でもいいんだよね」
「ももももちろん」
うなずいた後で、しまったと思う。……俺、もう小遣いほとんどないや。
これで何かおごれといわれて、しかもムリだと言った日には……!
「じゃあ、それで。ちょっと、目つぶってて」
青ざめる俺に構わず、奴は両手で俺の顔をしっかりとホールドした。……頭突きでもするのか?
あわてて目をつぶると、俺の頭がぐいと下に引き寄せられ、暖かいものが顔に近づき――
「!!!?」
驚いて目を開けると、間近に奴の顔があった。
えっ、ちょ、何コレ。
しばらくすると、気がすんだのか俺の頭が解放された。唇をまともに動かせるようになって、俺はあわてて叫んだ。
「何すんだよお前、いや何でもするっていったけどさ、コレはないだろ!」
「いいじゃないか、キスの1つくらい。またとないチャンスなんだから」
「はぁ!? 何で俺とキスするんだよ!?」
「好きだからだよ。前にも言ったじゃないか」
「聞いたよ! 友達としてって思うだろ普通!」
「やれやれ、頭が固いね」
奴は身をひるがえして、さっさと駅に向かって歩き出した。
「帰ろうか。今日は気分がいいから、駅前のファミレスで何かおごるよ。千円以内でね」
「気分がいいって、それさっきまでブチギレてた奴のセリフじゃねぇだろ!」
精一杯に抗議しながらも、俺はあわててその背中を追いかける。
ここで逆らってキレられるよりも、素直におごられた方が絶対にいいに決まっている。

262 :風と木の名無しさん:2011/01/08(土) 11:10:06 ID:v3BVupcE0
これはギャップ萌えだった キレやすい優等生と本当はちょっと賢そうな不良受けがイイ!
GJでした!

263 :風と木の名無しさん:2011/01/08(土) 13:39:09 ID:dq/4/p3Q0
常識家でイイ奴の不良って萌える!
こんなキレやすい危険人物を一人で放っておいたら世間様に
迷惑がかかると溜息吐きながらも一生傍にくっついていればいいと思う。
GJでした!

264 :風と木の名無しさん:2011/01/09(日) 00:11:30 ID:+khuJ0t/0
うおおお萌えました!GJGJ!
幼馴染の扱いわかってる不良とかいいわーこういう関係すっごく好み
数年後とか考えるとニヤニヤがノンストップだ!


265 :風と木の名無しさん:2011/01/09(日) 11:28:06 ID:bW4YC3Ku0
まわすわね

266 :風と木の名無しさん:2011/01/09(日) 14:37:25 ID:wUfUCUyyO
愛のある貧乏くじひいちゃったみたいで、不良可愛いな。
GJ!!

267 :風と木の名無しさん:2011/01/09(日) 22:49:04 ID:pMSvv9mM0
回すよー

268 :風と木の名無しさん:2011/01/09(日) 23:26:26 ID:OHJypDKaO
踏んでもらおうかな

269 :風と木の名無しさん:2011/01/09(日) 23:39:54 ID:SyC3VHVqO
僕(受け)には君(攻め)が眩しすぎる

270 :風と木の名無しさん:2011/01/09(日) 23:40:11 ID:THDalHIn0
新ジャンル ○○デレ

271 :風と木の名無しさん:2011/01/10(月) 22:35:59 ID:7iqSPgbKO
「卒業したら海外に行く。世界中を回って、世界中をこの目で見てみたい」
小さい頃からの夢だから、と、いつもの仏頂面で、でも少しだけ照れくさそうに君は言った。
それは、夢も希望もなく、ただ安定だけを求めて教師になった僕には、眩しすぎる夢だった。

「何考え事してんの?」
「え?」
「こっちに集中しろよ」
「んんっ・・・」
そう言って、高校生とは思えない器用さで僕の体を責めたてる。
僕はその快感を余すところなく受け止めて、あっけなくイッてしまった。
目の前が真っ白になるほどの絶頂に体を震わせているうちに、後孔に脈打つ雄を押し当てられる。
校舎の真北。薄暗く、肌寒い科学準備室。埃くさいセックス。
きっと、これが最後。今日で、君との関係は終わる。
君は今日から、自分の夢に向かって走り出すんだから。
無造作に脱ぎ捨てられたブレザーの、胸に付けられた装花が、僕たちの最後の日を表していた。
「ん、大丈夫・・・来て」
固く張り詰めた彼のもので一気に貫かれる。
「はっ、先生っ・・・、泣いてん、の?」
君がいない校舎。君の匂いが染み付いた場所。
その中で僕は、明日も変わることなく白衣を着て、冴えない授業をするのだろう。
「先生、好きだっ・・・。だから、泣くな・・・」
ありがとう。
僕も好きだよ。

でも、そんな君を縛るような言葉は言いたくないんだ。

返事の代わりに腕をまわして、僕は大きな背中にギュッとしがみついた。

272 :1/2:2011/01/10(月) 23:35:28 ID:K49JRXUr0
光には、人間の可視できる種類として二つ挙げることができる。
太陽光のように全ての波長(色)の要素を均質的かつ強く反射し、白に見える光を白色光。
レーザー光のように一つの波長(色)のみからなる光を単色光。

周りの人間は彼のことを太陽のような人、と喩える事をよく好む。

温厚篤実かつ怜悧、そこに美形とくれば正に八面玲瓏、全てを照らし出す光だ。
しかしそれは私によって創りだされた幻影でしか無い。
私が、どれだけ彼の為に尽くしたか、周りの人間は知る由もないだろう。
いや知ってはならない。これは私と彼との秘め事でなければならない。
彼は豊かすぎるあまり世界に対して唖でつんぼの振りをしていた。
そして穏やかに気力は衰え、持った才能を使う事無くそろそろこの世界から去ろうとしていた。
だが私は、彼の生来の高尚さに酷く感動したので期限が来るまでずっと見ていたく思い、
門戸を私の人生で暫く閉ざすことによってなんとか引き止めた。
美しくて脆弱で、無垢な彼を存在させる機関を作るべく私は暫く人間であることをやめた。
金を集める為には権力が必要だ。権力を握る為には名誉が必要だ。名誉を得る為には頭脳が必要だ。
自分の命などただの電池に過ぎない。働け!働け!働け!
身体の感覚と精神がバラバラになり始めたあたりで漸く何とかなった。
まず場所を与えた。彼は聞くようになった。
次は仲間を与えた。彼は見るようになった。
その後女を与えた。彼は才能を使うようになった。
そして最後に、私を疎むようになった。

273 :風と木の名無しさん:2011/01/10(月) 23:37:34 ID:K49JRXUr0
うっわごめんなさいリロードしてませんでした!
271さん不愉快な思いをさせてしまいすみませんでした!
スレを汚してしまい申し訳ないです

274 :僕には君が眩しすぎて:2011/01/10(月) 23:59:08 ID:acKKof6rO
昔からそうだったな。
僕は石橋を叩かずには渡れず、むしろ叩きながら歩いて前が見えずに障害物にぶつかる質だ。
だけど君は石橋なんてそんなもの気にもかけなかったように渡るんだからな。
歌なんか歌いながらね。まったく参るよ。

もう一度言う。僕は君なんか大嫌いだ。
僕がどんなに頑張ってもできなかった事を、やすやすとこなして
なのに称讃も賛美の声もほっぽって、他人の愛を得てもそれにだって無頓着な君が。

君はいつだって何にもとらわれず何も恐れずつき進み、そこに誰か困ってる奴がいれば助ける。
見返りなんか求めずにな。おかしいだろ。スーパーヒーローかよ。
なんでそんな他人のために一生懸命になれる。誰だって自分が一番可愛いはずだろうに。

だが君は、いつだって自分自身の事は後回しで他人のために尽くしてきたな。
僕に言わせればそんなのは偽善だ。反吐がでる。
でも、君を見てると……、そんな事考える僕がおかしいみたいな気持ちになる。
こんな自分が、嫌になる……。
君なんか、大嫌いだ。
君がそこにいて、立ってるだけで僕は落ち着かない気持ちになるんだ。

だからもう言うなよ、僕の事が好きだとか。そんな馬鹿なこと。
僕がしてきた今までの君への非道−−そうさ全部逆恨みさ。
それを全部お得意の人間愛とやらでチャラにしてくれる
心積もりだったんだろうがそんなのは無用だ。ますます自分が惨めに思えてくる。
さぁなじるなり、復讐するなり好きにすれば良い。

え、まっすぐ顔を見ろって?……いやだ。君の顔なんか見たくない。見られない。
おい!手を離せ。離せよ!君なんか大嫌いだ。

また好きとか言うな。やめてくれ。
僕には君は……眩しすぎる。君を見ていたくないのに、焼き付いて離れない。
もうこれ以上僕の中をめちゃくちゃにしないでくれ……っ!

275 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 00:02:25 ID:acKKof6rO
274です、すみません。書き込みページを開いたままにしていたため
既に書き込みがあるのに気付かず申し訳なかったです。ホントすみません…

276 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 00:23:07 ID:ChUgNDUP0
終わったことは仕方ないさ
気にしない、お疲れ

277 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 12:36:13 ID:R0BTvi0W0
>>271
萌えたよ!先生セツナス!
想ってるけど言わない、みたいな切ない話が大好物です。GJGJ!

誤爆の人はまとめサイトに投下しなおして欲しいんだ。
特に>>272は途中なので是非。

278 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 14:23:26 ID:mi+IXCfkO
>>271
先生は生徒とただならぬ関係になっててもやっぱり大人で、
自分の存在が生徒を潰すようなことになるのは許せないんだろうなって思った。
切なくて素敵でした。GJ!!

誤爆した>>272の続きが気になるぜ…

279 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 14:41:27 ID:Ec8D70qd0
宇宙人×地球人

280 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 20:47:02 ID:eCq3cCPK0
出会い
「*+`:@>#&%+`*?」
「Please speak in English at least. 」
「I came from the andromeda Milky Way for the investigation. 」
「できれば日本語で」
「お前初対面に対して注文多すぎだろ。宮沢賢治も引くわ。」
「しゃべれんじゃん」

君はともだち
「ねえねえ何でのぶ代ドラえもんやめたの?」
「やめたんじゃねーよ世代交代だよ」
「何でこの星の人類って70年くらいしか持たないの?」
「体細胞が決められた分裂可能回数しか持ってないから」
「なんで細胞って不死化したらがん化するの?」
「それ解ったらノーベル賞ものだっつーの」
「ノーベル賞ってどれぐらい凄いの?」
「株式会社やおきん顔パス」
「やべえ」

君はおほもだち
「男でも性交渉ってできるみたいだね!いってみようやってみよう!」
「はっ!?えっちょっあっ」

さようならまた会いましょう
「いい前立腺だった!君とうまい棒の事は忘れないよ!」
「母星が消滅してたらいいのに」
「あと俺これから月一でこっち視察することになったから☆
 普段は単身赴任中って考えてれくれれば!」
「ちょっとまて」

281 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 20:54:42 ID:26vQ8Dhv0
これは良いwww
さすが宇宙人、対応と適応が早すぎる…
>「母星が消滅してたらいいのに」
つまり地球でずっと暮らせばいいのに!って事かw

282 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 21:39:17 ID:5vgUF6h20
出会い吹いたwいいノリだ
GJ!

283 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 21:50:36 ID:qtCdeaCg0
ワロタw
GJ!

284 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 21:54:25 ID:f6j2u4uf0
素敵過ぎて吹いたwww
ハラショー

285 :風と木の名無しさん:2011/01/11(火) 22:31:33 ID:+vNWfX1S0
宇www宙www人www
GJ!

286 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 00:29:35 ID:TxIbtT/O0
憂鬱がふっとんだわー
GJGJ!

287 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 00:58:00 ID:p61aUw6w0
GJせざるをえないwww
これ宇宙人のが長生きっぽいから後のこと考えるとちょっぴり切ないな

288 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 02:07:30 ID:O8aCFB/60
どうか私を踏んでください

289 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 02:11:39 ID:iq1UtVUcO
見違えるほどきれいになった

290 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 10:53:25 ID:ANshj9O2O
「えっ、お前……クロード?」
「はい。見違えましたか?」
目の前の友人に俺はただ戸惑うばかり。
「なんか、全体的にこざっぱりとしたな」
「バッサリ切ったんです。トリートメントもしたんでフワフワになりました」
出会ったときの姿からは想像もつかない変身だった。
『クロード』というより、『田吾作』って感じだったのに…
見た目が変わると印象も激変だ。
「ビックリするくらい変わったでしょ?」
「かなり驚いてます」
「これからも来てくれますか?月一くらい」
「むしろ毎日来ます」
「私に会いに?」
「もちろん。ありがとうございます」

「では本日のお会計は4500円になります」
「ありがとうございました。クロード、行くぞ」
「ワンッ!」

291 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 12:03:09 ID:PDour8yC0
ペット理容師さん、「私に会いに?」ってちょっとww

292 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 14:47:27 ID:U+BMIaTt0
個人的に田吾作っぽい状態というのが気になるw

293 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 16:06:23 ID:2KBVX7Xv0
よし、次はアナルあたりを責めて搾り取ってもらうんだ(肛門腺的な意味で)

294 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 17:47:41 ID:QK4AOlNaO
ワンコはラブラドールぽいイメージだな。犬も飼い主も理容師もかわええ
GJ!!

295 :風と木の名無しさん:2011/01/12(水) 23:06:53 ID:fImqr8m60
飼い主とトリマーはどの程度の仲なのか気になるw

>>294
ラブラドールの毛をばっさり…?

296 :風と木の名無しさん:2011/01/13(木) 14:16:49 ID:bWDwKPjw0
レトリバーなのかしらw
そろそろまわすね

297 :風と木の名無しさん:2011/01/13(木) 14:23:33 ID:TBt9JPA90
ラブラドールもレトリバー
ゴールデンかな
まわし

298 :風と木の名無しさん:2011/01/13(木) 14:38:48 ID:ffTXlpnkO
踏むがいい

299 :風と木の名無しさん:2011/01/13(木) 14:47:40 ID:6xU4U8QU0
大嫌いだけど…仕方がない

300 :1/2:2011/01/14(金) 01:42:51 ID:H0xfYC6v0
「大事な話があるから早く帰ってきてね」普段わがままを言わない受けが
そう言ったから今日だけは急いで帰りたかったのに、そんな時に限って
ミスが発覚して、後始末に時間が掛かってしまった。
もうそろそろ日付も変わろうかという時間だし、夜に弱い受けはもう眠って
しまっただろう。明日は早起きして謝ってから改めて話を聞こう。
そう思ってもう寝ているだろう受けを起こさないようにそっと家に入る。
「ただいま」
小声で言いながら靴を脱ぐと、リビングからガタガタと音をさせながら
足取りの覚束ない受けが顔を出した。
「おかえり、攻め!」
明らかに眠そうな顔で抱きつかれて、そんなにまでして待っててくれたのかと
嬉しさと申し訳なさが入り交じった気持ちで、もう一度ただいまと言った。
「遅くなってごめんな」
「いいよ、今日中に帰って来たから許してあげる。それよりこっちに来てよ」
ぐいぐいと引っ張られるままにリビングに行くと、そこには思いがけない物が
置いてあった。
焦げたり崩れたりして明らかに見栄えが悪いが、俺の好物と思われる物体。
これを受けが作ったんだろうか?不器用で卵すらまともに焼けない受けが…

301 :2/2:2011/01/14(金) 01:45:39 ID:H0xfYC6v0
「下手でごめんね…でも攻めの為に頑張ったんだよ。ほら、ケーキもあるんだ」
そう言って取り出された微妙に白くないケーキには、歪んで何やらエロい形に
なってしまったピンクのハートが描かれていた。
「攻め、誕生日おめでとう!大好きだよ」
これは…食べなければなるまい。
甘いものは苦手だが、そんな事は言っていられない。受けの愛が死ぬほど
こもった手料理だ。残す訳にはいかない。
本当に死ぬほど大嫌いだが、今回は仕方ない。これで死ぬなら男として本望だ。
そう心を決めながら、受けをそっと抱きしめる。
「ありがとう受け。本当に嬉しいよ」
優しく頬にキスすると、幸せそうに笑った受けが小声で囁いた。
「あのね、攻めが甘いもの嫌いだから、ケーキには砂糖の代わりに塩を入れたんだ。
だから攻めも食べられるよ。甘くないから大丈夫」
……うん、大丈夫。これで死ぬなら本望だ。愛してるよ受け。

あれ?何だろう、目からしょっぱいものが…

302 :風と木の名無しさん:2011/01/15(土) 00:42:56 ID:E+Rpmp380
イタチだけどメシマズスレ思い出したwww料理が下手でも愛があれば生きていけるさ!
攻めは本気で死にそうだけど頑張れ。超頑張れ。

303 :風と木の名無しさん:2011/01/15(土) 01:47:43 ID:DXyhr7/40
>>300
これは、ヤンデレなんじゃないかと思えてきた。

304 :風と木の名無しさん:2011/01/15(土) 10:37:01 ID:ycaZsXnbO
メシマズスレwww確かにww
どこかズレてる受けのために、攻めは日々頑張っているんだな…と遠い目になったよ。
GJ!!

305 :風と木の名無しさん:2011/01/15(土) 11:00:00 ID:H/cAejvN0
ヤンデレでもおいしいねw
GJ

306 :風と木の名無しさん:2011/01/16(日) 08:07:37 ID:LP9fkeBM0
まわしまーす

307 :風と木の名無しさん:2011/01/16(日) 11:44:39 ID:OQPWrCFv0
まわれーまわれー

308 :風と木の名無しさん:2011/01/16(日) 12:51:36 ID:g6tZ6sry0
踏み台になるよ!

309 :風と木の名無しさん:2011/01/16(日) 12:57:48 ID:6uhJWEEf0
男前が恋に落ちる瞬間

310 :風と木の名無しさん:2011/01/17(月) 01:30:26 ID:OmadJVnY0
まさか、自分がこんなことになるとは思わなかった。
「先輩、大丈夫ですか? これ飲んでください」
心配そうな表情の後輩が、ストローのささったスポーツドリンクのペットボトルを持ってきてくれた。
「悪い……」
普段は一気飲みすることもあるそれを、ストローでちびちびと飲む。
正直辛いが、一刻も早く熱中症を改善するには水分とミネラルの補給が不可欠だ。
中学の頃からずっとやっているんだから、暑さには慣れているはずなのだが。
油断大敵、といったところだろうか。
今や防具のかわりに冷たいタオルにくるまれて道場の片隅に寝かされ、後輩に世話をやかれている。
ああ、何たる失態。
「おい、タクシー来たから、今からちょっと動かすぞ」
「タクシー、ですか?」
「ああ。もうすぐ大会だからな、体を大事にしてもらわないと。念のため病院で見てもらえ」
熱中症ごときで病院! ばかばかしい。
だが、今の俺には抗議するだけの体力も気力もなかった。

311 :風と木の名無しさん:2011/01/17(月) 01:30:47 ID:OmadJVnY0
「じゃあ、起こすぞ。お前も手伝ってくれ」
「いえ、先輩くらいなら僕1人で運べますよ。先生はお忙しいんですから、無理なさらないで下さい」
後輩はそう言うと、俺の体に両手をかけて、まるでリュックサックでも背負うかのように俺をおぶった。
言っちゃ何だが、俺はそこそこがたいもいいし背も高い。体重もそれなりに重い。
それなのに、この後輩はほっそりとした見た目のくせに軽々と俺を背中に乗せたのだ。
「お、うまいな」
「僕、専攻が介護なんで、人の運び方なんかは習ってるんです」
さすがに、先輩のように体格のいい人ははじめてですけどね。
そう言ったわりには、やや遅いということ以外は普段どおりの安定した歩き方だ。
「先生は、他の先輩方についていてください。もうすぐ大会ですし、先輩の付き添いは僕がしますよ」
「いいのか?」
「はい。僕は大会に出られるほどの腕前じゃありませんし、看護に関してもひととおり習ってます」
「そうか。じゃあ、頼んだぞ。病院についたら、連絡くれ」
「はい」
師範は後輩に一万円札を渡して、道場に戻った。
「じゃあ、行きますか。気分が悪くなったらすぐに僕に言ってくださいね」
「……ああ」
俺をかついで歩き出す後輩が、やけにかっこよく見えた。

312 :風と木の名無しさん:2011/01/17(月) 21:18:03 ID:pK0LGvlZ0
萌えたー! 男前な先輩以上に男前な後輩格好いいよ
そして弱ってるガチムチ?って可愛いよな!
これはGJ!

313 :風と木の名無しさん:2011/01/18(火) 13:20:53 ID:s/ZfwN3c0
もうまわしてもいいかな

314 :風と木の名無しさん:2011/01/18(火) 14:06:24 ID:E64gLiQF0
いいかな?

315 :風と木の名無しさん:2011/01/18(火) 14:08:16 ID:RjjYCdnmO
許す

316 :風と木の名無しさん:2011/01/18(火) 21:36:29 ID:ixorsc8+O
まわし

317 :風と木の名無しさん:2011/01/18(火) 21:57:36 ID:X9hflgF6O
踏み台さーん

318 :風と木の名無しさん:2011/01/18(火) 22:21:47 ID:6NMorpxX0
俺の屍を越えて踏め

319 :風と木の名無しさん:2011/01/18(火) 22:25:41 ID:1an4VgOF0
敵兵をお持ち帰り

320 :風と木の名無しさん:2011/01/19(水) 23:15:25 ID:5r8uoMTk0
あららお流れ

321 :風と木の名無しさん:2011/01/19(水) 23:22:19 ID:xe+awee90
24時間経過か
残念まわし

322 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 00:01:15 ID:4C8FMxYeO
まわすね

323 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 10:51:34 ID:HaTJ3PaK0
まわせまわせ

324 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 12:30:43 ID:TbmaLmzO0
残念まわし、別館に期待

325 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 12:42:13 ID:9Q/Pdnh+O
まわします

326 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 13:26:30 ID:IcjZeQ3DO
かなり好きなお題だったのに残念
最近人減ってるのかな?
まわし

327 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 14:44:10 ID:ySvDFmIFO
よっぽどうまく書かない限り、
回されるから書きたくないなって思うのが自分の本音まわし

328 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 14:53:44 ID:8TKOELGjO
自分は面白いと思ったらすぐレスするけど、コメントや感想が苦手人もいるんだろうと思う
すぐまわされたからうまくないって事じゃないと思うけど、読み手さんも積極的にレスつけるようになったら流れることも減るかもしれないね
まわしつつ踏み台

329 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 15:16:22 ID:QLJDoqYd0
童顔の上司

330 :風と木の名無しさん:2011/01/20(木) 15:16:28 ID:Qbac2Tlw0
見たらだめだ

331 :330 1/3:2011/01/21(金) 14:07:39 ID:eZ0vKSkI0
「主任、ホント童顔でかわいいっすよね〜」
「バカ言え、俺もう30だぞ」
「嘘ですよお、こんな肌もぷりっぷりで、まつげも長くて、唇ピンクで
 もー先輩が女の子だったら絶対彼女にしたいっすもん!」
「お前フラレたからって俺にからむな、めんどくせーな」

顔の割に存外口の悪い上司は、ぐでぐでに酔っぱらって突っ伏した俺の頭をはたいた。
そう、俺は5年付き合ってた彼女にフラレた。理由はわからん。
主任に似てちょっと童顔で、料理がうまくて面倒見のいい子だった。
……主任に似て?いや逆だな、あいつとの付き合いの方が長いんだ、逆だ逆……。

「主任だって、彼女いないじゃないっすかー」
「俺はモテてるからいいんだよ。お前どうすんだよ顔だけしか取り得ないのに
 結婚も考えてるっつってたじゃねーかよ」
「モテてる…ひどい、自慢だ…どーせ俺は顔と身体だけですよー仕事もできませんよー」
「おい身体までは言ってねーぞ勝手に付け足すな」

そう、主任はこの童顔でかわいい顔さえ除けば仕事は鬼で、部下にも自分にも厳しい会社の出世頭だ。
それに比べて俺は顔と身体だけで、営業ひとつ取っても先輩にフォローしてもらって
やっと最低ノルマをクリアできる体たらくで……
今日だって、落ち込んでた俺を、残業続きだったのに主任は家に飲みに誘ってくれた。
明日は休みだから朝まで付き合ってくれるそうだ。この上さらに優しいなんて
主任ったらもう俺の彼女像に完璧じゃないっすか。もう俺の彼女でいいじゃないっすか。

332 :330 2/3:2011/01/21(金) 14:08:11 ID:eZ0vKSkI0
「だいたい、主任が悪いんすよ…」
「ああ?なんだそりゃ」

俺は彼女から送られて来た最後のメールを思い出していた。
『そんなに主任がいいなら、その主任と付き合えば?さよなら二度と連絡しないで』
確かに俺は主任を尊敬していた。彼女との会話も主任の話が多かったと思う。
だって主任は顔も童顔でかわいくてほっぺたもやわらかそうでまつげも長くて
さらに仕事もできて、俺の理想なんだ。
あ、そういやこれもあいつに言って怒られたな。でも大好きなんだ。

ふと静かになったので、どうしたのかと主任の顔を見ると、
酒に強いはずの主任の顔が、りんごみたいにまっかになっていた。

「……主任?珍しいっすね、酔ったんすか?」
「…え?あー、いや、その、お前……」

なぜか目を潤ませて視線を泳がせている。…あれ?これってキスされたい顔じゃね?
気が強いからなかなかしてって言い出せなくて、でもするととろっとろになっちゃうんだ。
あいつはキスが好きじゃないみたいであんまりさせてもらえなかったけど。

唇を合わせてから、上唇を音を立てて吸って、唇を舌でなぞるように舐めると
くすぐったいのか、ぴくりと抱いた身体が震える。
様子をうかがうように目を見ると、長い睫毛が震えていて、俺が見てる事に気がつくと
怒ったように睨んでから、でも恥ずかしいのかすぐ目を逸らすんだ。
それを詰るように舌を差し込んで上顎をつつくと「んんっ」とくぐもった声が零れる。
その声に煽られたように俺は唇を深く重ねて、舌と唾液をしつこく吸い耳を弄り……


333 :330 3/3:2011/01/21(金) 14:08:43 ID:eZ0vKSkI0
「……っ、このバカ野郎!やめろっつってんらろ!」

バチーン!と顔に当たった衝撃で俺ははっと我に帰った。
ここは主任の部屋で、流したままにしていたバレティ番組の声が急に聞こえて来た気がした。
あれ?おれ寝てた?ていうか主任噛んだ?なんで唇のまわりべとべとなんすかエロいなあ…

「エロいのはお前だ!酔い醒ませ!全部口も手も出てんだよ!」
「え?あー…」

状況が飲み込めない。まっかな顔で口を拭う主任と、その主任の肩を抱いた俺と、
ちょっと勃起してる俺のちんこの因果関係がまったくわからない。
主任は童顔でも男で年上で上司でかわいくてかわいくてかわいくて……

「…そっか、童顔だからじゃなくて主任だからかわいいんだ」

ようやく腑に落ちた俺は、そのまま爆睡してしまった。
明日もまたかわいい顔が見られるのかと嬉しそうに笑っていた俺の寝顔を
まだ顔が赤いままの主任にはたかれた事は、憶えていない。

334 :風と木の名無しさん:2011/01/21(金) 15:00:30 ID:MqQELqgv0
滑り込みGJ!


335 :風と木の名無しさん:2011/01/22(土) 00:03:17 ID:SjwtYTppO
心酔しすぎて彼女に振られてるのに気付いてないのがイイ!
主任だから可愛いってそこまで気付いていながら、その先までたどり着いてないのが笑いと涙を誘うなあ

336 :風と木の名無しさん:2011/01/22(土) 00:11:28 ID:A2jGLmTL0
GJ!萌えた!
主任への気持ちにどう気づくのかがすごく気になる
主任も主任馬鹿な主人公もかわいすぎる

337 :風と木の名無しさん:2011/01/22(土) 13:30:21 ID:Lu5GrvpI0
ギリギリGJ
踏み逃げじゃないのを最近見たことがないなぁ

338 :風と木の名無しさん:2011/01/22(土) 17:32:54 ID:KTPxIiqL0
踏んで下さい!

339 :風と木の名無しさん:2011/01/22(土) 17:36:51 ID:Lu5GrvpI0
家庭教師×生徒

340 :風と木の名無しさん:2011/01/23(日) 17:38:38 ID:Tms74c3P0
なんでこんな最低教師に勉強を教わらなければならないのか。

受験間近の今、全国の受験生は最後のスパートにかかってるはずだ。
俺だってその例外じゃない。ないのにさぁ・・・。
「ため息ついてる暇があったら手ぇうごかしな」
そういって目の前の「先生」は傍らの茶を飲みほした。
やる気が全くと言っていいほどない。
俺が今やっている宿題は、俺の目指す高校からすれば正直簡単すぎる。
このダメ教師は、出された茶を飲み俺が宿題をやり終えるのを見届けて
さっさと帰っていく。これでは金の無駄遣いだ。
「先生・・・他人事だと思って放置すんのいい加減やめてください」
「だって他人事だし」
こ の 脳 な し 教 師 !
いい加減むかっ腹が立ってきた俺に、先生は突然聞いてきた。
「お前なんであの高校目指すんだよ」
虚を突かれ、一瞬黙ってしまった俺に、あいつはさらに聞いてきた。
「お前の頭ならもっといいとこ行けるんだから、行けばいいのにと思ってさ」
そういって先生はそっぽを向いて、漫画を読み始めた。

ああくそ、これだから嫌なんだ。
小さいころからあんたに憧れてたから同じところに行きたかったなんて、
言えるわけないだろ!

341 :340:2011/01/23(日) 17:47:25 ID:Tms74c3P0
時間なくて急いで書いたので実は二人は昔馴染みとか先生はそれを覚えてないとか
先生の大学生設定とか書き込めなかった・・・その上2分オーバーという
あと宿題が簡単すぎるとか言ってるわりにまだ上の高校があるらしいとか
結構つっこみどころが多いな

なんかもういろいろすみませんでしたorz


342 :風と木の名無しさん:2011/01/23(日) 18:26:45 ID:IswnDA/80
ああ〜、もうだめだ〜と思っていたから、
投下があったのは嬉しかったよ
内容もかわいい
時間は残念でした!

343 :風と木の名無しさん:2011/01/24(月) 14:17:30 ID:+7FrSvZ80
>>341
だが言い訳はウザイからやめとけ

344 :風と木の名無しさん:2011/01/24(月) 14:51:01 ID:1vlnswUt0
回し

345 :風と木の名無しさん:2011/01/24(月) 17:51:39 ID:b8WjU8WG0
時間に間に合ってないから、多少の言い訳はいいじゃないか
別館の方が理想的ではあったけど

346 :風と木の名無しさん:2011/01/24(月) 22:13:40 ID:BsL9TP5S0
時間は惜しかったな
昔はもうちょっとルーズだった気がしないでもないがまわし

347 :風と木の名無しさん:2011/01/24(月) 22:32:34 ID:SoHFg3HW0
まわし

348 :風と木の名無しさん:2011/01/24(月) 23:16:26 ID:DyQHRHAe0
そっと踏んで欲しい

349 :風と木の名無しさん:2011/01/24(月) 23:17:32 ID:rPfKKPIAO
優しいキスをして

350 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 00:41:32 ID:6BegpRLf0
白百合のように清楚な純白のドレス。みずみずしい摘みたての白薔薇。華奢な金細工のティアラ。朝霧のようなヴェール。
もちろん、忘れてはいけないのは指輪だ。最高級の金剛石をあしらった、プラチナの指輪でなければ。
……うん、完璧。
ヴィルヘルムは、おのれの用意した婚礼用の一式をあらためて眺めて満足そうにうなずいた。
これなら、きっと満足してもらえるだろう。
「さて、これから準備だ。急がないとな」
なにしろ、これはサプライズなのだから。

「……それがコレか。このアホ」
トレイシーは、容赦なくしくしくすすり泣くヴィルヘルムを踏みつけた。
「人の家に忍び込んでドレス着て女装して薔薇しきつめたガラスの棺に入って眠ったあげくに酸欠だと!?
よっぽど見てみぬフリして昇天させてやったほうがよかったかドアホ! てめぇ脳みそ腐ってんだろ!」
昔から頭がおかしい奴だと思ってはいたが、今回ついにコレだ。本気で何かが決定的にかけているとしか思えない。
ある意味泥棒に入られるよりも心臓に悪い。

351 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 00:41:57 ID:6BegpRLf0
「だって……だって……」
「だってじゃねー! キモイんだよてめぇ!」
男が女装して女のように見えるなんてのはただの幻想だ。
顔が綺麗だろうと何をどうまとおうとも、角ばった肩やくびれのない腰はごまかせない。
女が男装しても場合によっては綺麗に見えるが、男の女装ほど気持ち悪いものはない。トレイシーはそう確信している。
「僕はただ……トレイシーにキスしてほしかったんだー!」
「さらにキモイわボケ!」
いきなり復活して襲い掛かる女装男に、トレイシーはカウンターパンチをたたきこんだ。
「おかしいよトレイシー! ガラスの棺によこたわった姫君がいたら、普通優しくキスするだろう!? そして結婚」
「おかしいのはその思考回路だ! 普通警察呼ぶに決まってるだろ!」
それ以前に、いくらガラスの棺によこたわっていても、女装した男は姫君にはなれないだろう。

352 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 00:42:23 ID:6BegpRLf0
……こいつと会話していてもらちが明かない。
トレイシーは額に浮かぶ青筋をごまかそうと努力しながら、にっこりと笑った。
「なあ、ヴィルヘルム。わかったから、ちょっと目を閉じてくれないか?」
「……! もしかして、キス、してくれるのか!?」
ヴィルヘルムはわくわくとした顔で目を閉じた。

ゴチン。

「うむ。やはりフライパンは万能なり」
床とキスをしてそのまま気絶したヴィルヘルムをガラスの棺に放り込み、ガムテープでぐるぐる巻きにする。さすがに、フタは閉めなかった。
「じゃ、おやすみな。ヴィルヘルム」
殴った額に軽くキスをしてやってから、トレイシーはベッドにもぐりこんだ。

353 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 05:44:40 ID:IrM1BVea0
なんというツンデレ!
なにも知らないヴィルヘルムは、翌朝もイジイジ文句を言うんだろうなw
禿萌えた!GJ!

354 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 08:00:54 ID:HJBwetXw0
うおおおかわえええ!!
萌えた! ごち!!

355 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 10:18:18 ID:nG/xjZeEO
かわいいw
竹宮恵子の絵柄で脳内再生された
GJ!

356 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 15:26:00 ID:YnRRcH4p0
GJ!かわいい!
フライパンわろたw

357 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 15:31:59 ID:YD9O676EO
GJ!!
確かに竹宮さんや望都さんっぽいwww
可愛かった。

358 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 16:32:33 ID:aJj6tWqQO
冒頭で「着せるために用意したのか」と思いきや、まさかの本人着用ww
トレイシーのツンデレも好きだ。笑いつつ萌えたよ。GJ!

↓容赦なく踏みつけてくれ

359 :風と木の名無しさん:2011/01/25(火) 16:41:17 ID:ZQ23oi/TO
愛情不足

360 :風と木の名無しさん:2011/01/26(水) 15:27:43 ID:2/hViuBj0
たまには萌え語りでも。

例えば攻めの好物がふわふわで甘じょっぱい系の卵焼きだったとして、
料理があまり得意ではない受けが、攻めの為に頑張ってみるわけです。
料理本のレシピ通りに作ってみたはずなのに何かが足りない。
うまくふわふわにならないのは何故?と悩みつつ、
「ごめん、失敗したかも」とか何とか言いながら食卓に出すと、攻めが
ちょっと笑いながら「お前、愛情が足りて無かったんじゃねえの?」と一言。
受けは「おまえオヤジ臭い」とか軽く突っ込みつつ、そうなんかなー…
と攻めの知らないところでひっそり悩めばいいよ。

361 :風と木の名無しさん:2011/01/26(水) 21:17:29 ID:g/oQAKEu0
らぶらぶですなあ
GJ

362 :風と木の名無しさん:2011/01/26(水) 21:34:35 ID:e2mXp44v0
既に萌え語りじゃなくて作品になってるw
攻めは悩む受けを見て「まさか本当に愛情が足りないのか……」と勘違いするといい
その後妙に優しい攻めに受けがふわふわwになるというオチきぼん

まとめの投下もGJです!

363 :風と木の名無しさん:2011/01/26(水) 23:21:52 ID:WyDUWBNo0
あっさしりた語りなのにすごい萌えた
特に最後の一行、健気すぎる受けに妄想が広がる
好みどんぴしゃでしたGJです

364 :風と木の名無しさん:2011/01/27(木) 00:45:40 ID:z5XpdAAvO
敵兵のお持ち帰り見たかったな回し

365 :風と木の名無しさん:2011/01/27(木) 00:50:54 ID:7ADsxbKM0
受け可愛いな…GJです

366 :風と木の名無しさん:2011/01/27(木) 00:58:28 ID:7ZbDvj/SO
>>364
別館に逝けば幸せになれる

萌え語りもいいね!
お題からシリアスなのを想像してたら意外に可愛いかったw
GJでした!

367 :風と木の名無しさん:2011/01/27(木) 01:09:51 ID:OhYVkARv0
表は「親父くさい」と突っ込むところがいい
あーいう軽口の叩きあい好きだ

>>364
十中八九わざとまわしてんだろうけど勘違いする人がいるといけないから一応いっとくね
>*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
以前の*9に対する一言入れとけばいいわけじゃないからね

368 :風と木の名無しさん:2011/01/27(木) 01:09:55 ID:AKc4KWuJO
短いのに萌えた!
書いた人この設定がマジ萌えなんだな!gj!

369 :風と木の名無しさん:2011/01/27(木) 01:14:00 ID:3fSSvftw0
はきだめの鶴

370 :風と木の名無しさん:2011/01/27(木) 21:20:42 ID:7shkhyRu0
 ああ、むさ苦しい。
 溜息を吐いて机に突っ伏した。
 パイプ椅子が地味に尻に痛い。が、今はそんなことがどうでもいいくらい、鬱々とした気分だった。
 右を見ても筋骨隆々とした男。
 左を見てもひげ面の男。
 前を見てもゴリラ顔の男。
 後ろを見ても――
 何を間違えてこんなところに迷い込んでしまったのだろう。
 いや、自分が選んだ道なのだから仕方ないのだが、それにしても兵隊になろうという男はこんなむさ苦しい男ばかりなのか。
 狭い天幕はむさ苦しい男の臭いが充満していて、それも気分をいっそう鬱にさせた。

371 :370:2011/01/27(木) 21:21:05 ID:7shkhyRu0
 まさか影で選考基準があって、むさ苦しさという点数が高い順に選ばれているのか。
 馬鹿な考えが頭を占拠しだした時だ。
「番号012100から順に隣の天幕へ移動、そこで身体検査を受けた後、本館の大講義室へ移動しなさい」
 天幕に入ってきたのは、年齢不詳の眼鏡を掛けた将校だった。
 思わず顔を凝視したのは眼鏡が珍しかったわけではなく、彼の端正な顔立ちに見惚れたからだ。
 切れ長の眼、艶やかな黒髪、制服に包まれた細身の体。
 一般の基準では充分その将校も男らしい男なのかもしれないが、むさ苦しい男の中にしばらくいたことで俺の基準は狂っていた。
 掃き溜めに舞い降りた鶴。
 まさにそんな表現がぴったりだと、その時は思った。

372 :風と木の名無しさん:2011/01/28(金) 01:27:23 ID:+3YHDhBB0
おおお、GJ!
ガチムチの中の美青年は素晴らしい!
そして個人的に軍隊モノ好きなんだよね。ごちそうさまでした。


373 :風と木の名無しさん:2011/01/28(金) 07:11:49 ID:6fy5CwtCO
眼鏡将校って言葉一つで体があったまりました
萌えは最強のホッカイロですね
GJ!!

374 :風と木の名無しさん:2011/01/28(金) 09:48:34 ID:JmaZTkub0
隊内でも一番の鬼教官だと全私が萌える
訓練内では地獄のような課題を次々と出して
主人公がひいひい言って休憩室でばてているときにそっとプロテイン置いて出てって欲しい

375 :風と木の名無しさん:2011/01/28(金) 10:10:43 ID:k+ZhQWr/0
>>374
なんて素敵な設定
クールビューティな参謀タイプだともっといい

376 :風と木の名無しさん:2011/01/28(金) 16:54:39 ID:2In2t1UX0
萌えたぎるなー!ガチムチの中の綺麗な将校さん!
超GJでした!続きを読みたい

377 :風と木の名無しさん:2011/01/29(土) 02:04:48 ID:4+NQa+ru0
さぁ回すよー

378 :風と木の名無しさん:2011/01/29(土) 02:11:15 ID:Xoqk3m/p0
心をこめて踏んでください

379 :風と木の名無しさん:2011/01/29(土) 02:29:10 ID:qJjt736B0
期限付きの恋

380 :期限付きの恋1:2011/01/29(土) 04:45:09 ID:OF/OfaqD0
妄想してみた。

幼なじみで無二の親友だった攻めと受け。
成長していくうちに相手に対する思いが友情ではなく恋だと気づくが、
それを受け入れてしまえば二人でどこまでも墜ちてしまいそうで、
互いの気持ちに気付きながらも、打ち明けることはなく高校を卒業する二人。
しかしそれからも気持ちは強くなる一方で、親友として一緒に居ることが逆に辛くなってしまい、
段々とギクシャクした関係になり、次第に疎遠になっていく。

そのまま10年くらい経ち、その頃には二人は全く連絡をとらなくなっててお互い地元を離れてるんだけど、
風の噂で攻めが結婚したと知る受け。
どこか胸の奥が痛いが、それが自然なんだと、やはりあの時打ち明けなくて良かったんだと自分を納得させる。

381 :期限付きの恋2:2011/01/29(土) 04:45:37 ID:OF/OfaqD0
しかしある日偶然仕事で再会してしまう二人。
久しぶりの再会を祝おうと攻めに言われ二人で飲むことになるが、
まるで10年会わなかったことが嘘のように、楽しい時間が流れる。
攻めは確かに一年前に結婚したと言っており、ならば早く帰らねばまずいのではと言う受けに、
実は今奥さんが妊娠しており、実家に里帰りしているのだと告げる。
攻めの幸せな報告を聞いて、改めてこれで良かったのだと思う受け。

その流れで受け宅で飲みなおすことになる二人。
しかし部屋で二人になった途端に受けを抱きしめる攻め。
そして苦しそうに「ずっと好きだった…」と告げる。
「ばか…なんでそんなこと言うんだよ…お前奥さんが…子供だってもうすぐ…」
どうにか止めようとする受けの唇を攻めがきつく塞ぐ。
ここで受けも今までの思いが溢れでて、涙とともにずっと言えなかった言葉を言ってしまう。
「おれもずっと好きだったよ攻め…」

二人はこのままなし崩しに体の関係に。
それからは十年以上の思いを埋めるかのように激しくお互いを求めあう日々。
しかしその関係は攻めの奥さんが帰ってくるまでのとても短い期間。
やっと通じ合えた二人だが、既に終わりが見えた期間限定な関係に激しく萌える。

期間が終わった後はもう一生会わない切ないエンドでもいいが、結局関係が続いてしまい、泥沼になるのもいい。

文章めちゃくちゃで読みにくいと思うが、深夜に書き殴ってみた。


382 :風と木の名無しさん:2011/01/29(土) 10:21:46 ID:pT6b3prQO
か、神だ 神がいる…!
取り返しのつかない関係と攻めの小狡さと受けの不憫さがツボすぎて禿げる…!
奥さんが出産を無事終えて帰ってきた後、攻めが受けとのことなどなかったようにいいパパになってしまい受けのことを避け出したら倍率ドン
受けタンはそんな身勝手な攻めを思い出して泣きながらおなぬーすればいい
朝から美味しい萌えをありがとうGJ

383 :風と木の名無しさん:2011/01/29(土) 10:35:47 ID:H0wWa4Y/0
これは泥沼でないとあかんでしょう!
救いのないエンドでもいい。とことんまでいってほしい。
GJ

384 :風と木の名無しさん:2011/01/29(土) 10:55:35 ID:U5mJxJUq0
個人的にはあのときだけの間違いだったんだエンドがいい
転勤とかで住む場所さえ離れてしまって
お互いに昔の仲よさげに映ってる写真を写真立てに入れて飾っておけばいい
同窓会でまた会ったときに、攻めが二人くらいの子供出来てて凄く幸せな家庭が出来てるって話題を
皆で喋ってればいい それを良かったなって受けは攻めに言えばいい

385 :風と木の名無しさん:2011/01/29(土) 14:41:26 ID:ZYqJ3YaPO
切なエロいの大好物です。
実は攻めの家がお金持ちで、嫌々な政略結婚とか邪道ですか。
しかも子供は誰の子でしょね状態。むしろ奥さんにも好きな人がいればいい。
でもみんな大人だしどうしようもないと諦めつつ、痛い想いを抱えてる。
でももちろん会社倒産ハッピーエンド。

386 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 10:50:42 ID:yaj+oJoaO
*0に萌えてたら感想コメも良い妄想しすぎww
それだけ心に響く設定語りGJ!

387 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 14:24:34 ID:fByjfh6R0
奥さんと知らずに奥さんと出会って欲しい。
奥さんが実にいい人で、余計に胸が苦しい系でお願いします。
三人で食事なんてたまらんですね。

388 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 14:34:59 ID:ZOmUWS1a0
さあ踏め!

389 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 14:35:52 ID:wVEL57pQO
そっと手を繋いでみた

390 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 18:09:36 ID:TGZSb7wz0
ノックと言うには強すぎる、ガンガンとドアを叩く音がする。慌てて立ちあがってドアを開けると、そこには寒そうに肩を竦ませてマフラーに口元を埋める彼が居た。
「どうしたの」
「分からないことがあったら聞きに来いって、センセー言っただろ」
そう言いながら見せてきたのは数学のテキストで、僕は戸惑いを隠さな表情で首を傾げる。
「そりゃあ言ったけど……数学のことは、数学の先生に聞いたほうがいいんじゃないのかな。僕は国語しか……」
「センセーのくせにわかんねえの?」
「……いや、」
彼には言うことを聞く気がないのだと察した僕は、緩く首を振って溜息を吐いた。しかたがないな、と呟きながら彼を国語準備室の中に招き入れると、彼はぱあっと明るい顔をしていそいそと入ってくる。
「あったけえ」
「この学校、廊下には暖房がないもんね」
暖房の設定温度を上げ、彼が座れるように机の横に椅子を置いた。慣れた様子でそこへ座り、彼はぐるぐるに巻いたマフラーを解く。
「それで?どこが分からないって?」
「ぜんぶ。……今まで授業まるまる休んでんのに、いきなしこんなの渡されたってわかんねえよ」
ふてくされた顔で彼は呟き、丸めていたせいでクセの付いたテキストの表紙をごしごし擦った。尖らせた唇が、かさかさに乾いている。
彼は僕が受け持つクラスの生徒で、二学期までは学校へ来ていなかった。ほとんど毎日の家庭訪問を経てようやく学校へ来てくれるようになったのだけれど、授業についていけないからと何度も拗ねては僕のところへやってくる。
また学校へ来なくなるよりはと、僕にできる限りのサポートを続けていた。
「うん。そうか、じゃあまずは、簡単なところからだね。最初から少しずつやっていこう」
「少しずつじゃ間に合わないじゃん……」
「だいじょうぶ。何度も言っただろう?」
不安げに瞳を揺らす彼をはげまし、シャープペンを持たせる。ノートは持ってきていないと言うから、不要になったプリントを渡した。
「この裏に書きなさい」
「ありがとセンセー」
屈託なく言った彼に問題を提示して、彼が躓いたところでやり方を教える。

391 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 18:10:13 ID:TGZSb7wz0
「なんだ、センセー数学も出来るんじゃん」
「きちんと習ったのは何十年も前なんだけどねえ……意外と覚えているものだね」
感心したような彼に昔を懐かしみながら答えていると、古ぼけたスピーカーから校長先生が僕を呼び出す放送が流れる。
「呼び出しだ。ちょっといってくるから、君は次の問題をやっていなさいね。すぐに戻ると思うから」
素直に頷いた彼に微笑み、僕は廊下へ出た。


「ごめんごめん、遅くなってしまったね」
すぐに戻ると言ったのに、随分時間をおいてしまった。慌てて準備室へ戻ると、問題を解いていたはずの彼が机にうつぶせている。
「……どうかしたの?」
具合でも悪いのだろうか。そう思って近づき、顔を覗き込んでほっと息を吐く。
彼は眠っていた。すうすうと穏やかな寝息を立て、手にはシャープペンを握りしめたまま。
彼の顔の下でくしゃくしゃになっているプリントをそっと引きぬくと、やっておくように言った問題はきちんと終えている。
「よくできました……と」
机の中から取り出した赤ペンで大きな丸を付け、ふと時計を見上げた。もうすぐ下校時刻になる。今起こしてまた問題の続きをさせても、半端なところで終わってしまうだろう。
それならと、時間ぎりぎりまで寝かせておくことにした。
椅子に掛けて置いたままだった上着をそっと彼の背中に掛け、椅子に腰かけてじっと彼の寝顔を見つめる。
まだあどけなさの残る面立ちを眺めながら目を眇めた。
真夏の暑い日も、雨風のひどい台風の日も、僕は毎日彼の家に通った。教師としては失格かもしれないが、だから僕は彼に対してひときわ強く思い入れがある。もっと言うならば、決して生徒に抱いてはいけない感情もあった。
「できれば君が卒業するまで見守っていたかったんだけれどね……」
小さく呟き、彼の顔を覗き込んだ。
それは叶わない。彼が三年生になる前に、僕はこの学校を定年退職することになっている。僕の想いもそこでおしまいにしなければいけない。
「最後に、君が学校へ来る手伝いができてよかった。……どうか君が、来年になっても元気で登校していますように」
微笑みながら手を伸ばす。
(これくらいなら、許されるだろうか……)
そっと繋いでみた手は、とても暖かかった。

392 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 19:15:24 ID:0dRfvVRe0
>390
禿萌えとはこのことか…!!!!
うおおおおおおもえた!もえた!
定年退職で卒業を見届けられないとか…ちょ…!!
手を繋いだだけの思い出は綺麗なままで先生の中にあるのね…!

いかん興奮しすぎたちょっと落ち着いてくる

393 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 20:24:15 ID:gO071ALE0
>>390
801で初めて涙腺緩んだ
GJ!

394 :風と木の名無しさん:2011/01/30(日) 23:08:03 ID:y5fWIvNl0
心がじんわり温まった
生徒はこの後退職した先生のところへ卒業証書を見せに行ってくれると信じてる
GJでした!!

395 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 15:22:15 ID:BMSH3DypO
切ないけど優しくて暖かいお話…
先生はきっとこの先、生徒に対しての思いを完全に封印して生きていくんだろうな…
そう思うと悲しい。
何かにつけて生徒が先生のところに遊びに来るといいなぁ。
GJでした!!

396 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 16:38:59 ID:3ZvCGWzdO
切ないお…
この生徒が10年後に教師になって先生の元を訪れたりしたらいいな
それでぎゅって握手し返したりして
たまにはプラトニックな関係もいいねGJ

397 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 19:45:19 ID:YTRCXulxO
最後で先生の年齢がわかるのはニクい
年の差萌えにはご褒美

398 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 20:08:36 ID:gBiJKdkc0
踏んでいただいてありがとうございます

399 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 20:15:12 ID:lQC3UV1a0
道化師の恋

400 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 23:20:57 ID:CIhHZ15r0
道化師と聞いてピエロ萌えが爆発して書いてしまった
このスレに住まう神達に先に謝罪します文がおかしい上クソ長いですすいません
 
彼は幼い頃に顔を火傷して以来、
周りからは醜いからと蔑まれ、優しかった親にまで虐げられていた。
そして10才の頃に捨てられ、サーカスに拾われた後はピエロとして世界各地を回っている。
ピエロは顔を白く塗り、醜い素顔は誰にも見せず、人を信じられぬ醜い心も
ひたすら隠してただサーカスという道化の世界の中で生きてきた。

ある国での公演の後、いつものように
手品で花を出し客に配っていた時だった。
会社員の風貌をした男がこちらに近づいて来た。
一人で鑑賞に着ていた彼が少し気になっていたのだが、
ピエロは同じように花を差し出す。

しかし、その顔と同じように白い手は彼の大きな手に掴まれた。
そして「この花は泣きそうな貴方にこそ相応しい」と言われ、
花はピエロの衣装の胸ポケットに差されてしまう。
そして、歯の浮くような台詞に戸惑うピエロに彼は
「いつか本当の笑顔を見せててください」
と子供のように無垢な笑顔を向けられる。

いきなりの告げられた言葉に戸惑うピエロであったが、
道化師は喋ってはならない。
だから、いつもの張り付いた笑顔のまま手を振り、
ピエロは裏方へと戻って行く。

最後に笑ったのはもう10年以上の前の事なのだ。
10年以上張り付いたままのこの偽物の笑顔はいくら望まれても消せないだろう。
あの彼の笑顔、初めて言われた言葉が頭に残っているが、もう会うことはないだろう。
そう思い、ピエロは次の日の公演の準備にかかった。


401 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 23:21:38 ID:CIhHZ15r0
しかし、彼は次の日も現れた。そしてその次の日も。
一週間の公演全てに彼はあの眩い笑顔で現れ、ピエロに話しかけた。

そして迎えた最後の公演の日、彼は悲しそうに言った。
「幼い頃から、僕は女性を好きになれずにいました」
「それを誰にも言えず、自分は普通の男だといい聞かせて生きてきました」
「しかし、10年前に遠い国で貴方を一目見て、好きになってしまいました」
「悲しそうに笑う貴方を、笑顔にしてあげたいと思い、
 幼いころに見た貴方にもう一度会う夢を持ち続けていました」

彼は続けた。ピエロはただ黙って聞いている。

「しかし、ある日家を継ぐために親から縁談の申し出がありました」
「育ての親の彼らを、裏切ることは出来ませんでした」
「僕はずっと自分を偽って生きてきました」
「そして、また偽りの家庭を作り、道化のまま生きる、そう思ってました」
「でも、貴方にもう一度会うという夢が、現実になってしまいました」
「もし、ずっと変わらない泣きそうなあなたを笑顔に出来たら」
「…僕は貴方を追ってこの街を去ると決めていました」

言い終えた後、彼は辛そうに笑った

「でも、結局私は…貴方に何も残せませんでした」

告白を黙って聞いていたピエロは、今までに感じたことのない気持でいた。
彼の存在が頭の中から離れない。彼は、ピエロに大きなものを与えてしまったのだ。
しかし、道化師は喋らない。夢の中でしか生きられない。


402 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 23:23:33 ID:CIhHZ15r0
「分かっています、貴方が道化師なのも」 僕も同じです、彼は言った。
「道化師同士、無意味な恋なのかもしれませんね…すみません」

何も感じない、偽りの世界で生きる自分に意味をくれるのかも知れない
ピエロは、この一週間、彼と関わるうちに変わってしまっていた。
しかし、自分の素顔を彼は知らない。心の内も過去も知らない。
心は全てを諦めていた。この場を去ろうとしていた。しかし、口が、10年来に自然に口から出ていた。

「・・・・私が、私が化物でもいいですか…この…この仮面の下に醜い素顔があっても」

何を言っているのだろう。
私は道化だ。そして今言った通り化物なのだ。
彼を信じてはいけない、でも彼を信じたい。
自分がわからくなっている。
彼はそんなピエロを申し訳なさそうに抱きしめた。

「無理を言いました。ごめんなさい。貴方に無理はしてほしくない。」
「僕は、もう一度、貴方に会いに行きます何年かかっても。」
「まず、僕が変わらないといけませんでした。もう、これ以上自分に嘘はつきません。」
「この街を、家を僕は捨てようと思います。」

名残惜しそうにピエロの体を話した彼は、去っていく。
去っていく彼を追いかけたいと思うが体が動かない。
泣いて呼び止めたいのにさっきまで出ていた声が出ない。
彼を信じてみたくなったのだろうか。それも分からない。

次の公演からは大陸を渡るんです、もう会うことはきっと無いんです。
そう伝えたいのに、体は石のように固まったままだ。
会えない可能性のほうが高いというのに
もし、次に逢えたら彼を信じられるだろうか、そんな期待が頭から消えない。

ピエロも彼も、もう道化ではない。道化師の恋は終わった。

403 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 23:23:58 ID:SFsO22Yb0
切ない…萌えた ありがとう

404 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 23:56:16 ID:lQC3UV1a0
予想以上に素敵なお話をありがとう。

405 :風と木の名無しさん:2011/01/31(月) 23:58:49 ID:96oIiAamO
大作だ…
前置きはなくて大丈夫

406 :風と木の名無しさん:2011/02/01(火) 02:24:35 ID:7cMyA68d0
おお……GJという以外にない萌え作品だ。

407 :風と木の名無しさん:2011/02/01(火) 14:22:16 ID:QRM3SHLPO
あうあう…胸がいたい

408 :風と木の名無しさん:2011/02/01(火) 15:58:48 ID:r7yjVrkP0
うるっときてしまった
GJでした

409 :風と木の名無しさん:2011/02/01(火) 16:18:37 ID:n5CTWuNHO
プラシーボ効果

410 :1/3:2011/02/02(水) 16:16:25 ID:g2Osbl6K0
「というわけで、ここに媚薬がありました」
「さらっと怖いこと言うなよ!てか、媚薬なんてホントにあんのかよ」
「あったんです。赤いハートの形をしてて」
「え?」
「これくらいの大きさの、チョコレートだったんですけど」
「…えーと、中になんか、とろっとしたクリームが入ってた的な?」
「そうです。でも、ないんですよねえ。どこに消えちゃったのかなあ」
「……」
「誰が食べちゃったのかなあ…」
「う、お、お前が悪いんだろ!目の前にチョコがあったら食うだろ普通!」
「まあ、先輩に食べさせようと思って買ったやつだったんですけど。
悪いかなーと思い直しまして、こっちの白いチョコをあげる予定だったんですよ」
「いや、買う前に悪いって気づけよ!そして解毒剤を出せ、今すぐ出せ!」
「ありませんよ、そんなもの。あ、媚薬って毒なんですかね」
「び・やく、だから薬…?ってどうでもいい、とにかく何とかしろ!」
「え、いいんですか?」
「何がどうなるとそんな嬉しそうな顔になるわけ!?」
「だってえ、先輩から誘ってくれるのって初めてじゃないですかあ」
「誘ってねーよってか、何を?ちょ、おい担ぐな!押し倒すな脱がすんじゃねえ!」
「もー、ちゃんとベッドに運んであげたのに。…シたくないんですか?先輩…
俺、これでもかなり待ってるんですけど」
「!ん、…」
「キスは好き、ですよね」
「そりゃ、…こ、こい…び、と…?なら、普通にすることだし…いいだろ」
「はい。先輩は俺の恋人で、愛してますから。…だから、キスより先もしたいんです」
「……、……おい」
「何ですか、先輩」
「……体が熱い」
「効いてきちゃいましたかね。…すみません、初めてなのに薬なんて盛って」
「今更あやまってんじゃねえよ。…もういいから、さっさと責任取れ」
「…先輩?」

411 :2/3:2011/02/02(水) 16:17:09 ID:g2Osbl6K0
「だから!……熱いから。お前の好きに、抱けよ」
「せ…せんぱぁああい!」

―暗転―

「はー、先輩すっごく可愛かったです…こんな狭い中に、俺のを何度も咥え込んでくれて」
「…痛かったんだからな。大体俺は、最初はお前を抱くつもりで」
「でも、ちゃんとおねだりしてくれましたよね」
「そ、それは薬のせいだ!もう二度と嫌だからな!」
「すみません、腰とか中とか…つらいですよね」
「…別に、こんくらい平気だけど。ねだったとか、恥ずかしいこと言ったのとか…あれは忘れろ」
「それは無理です。一生大事に覚えてます」
「そこに反省の気持ちはねえのかよ!」
「あ、口直しにさっきのチョコレート食べます?普通の白いほう。先輩、俺の飲んでくれたから
口の中が変な味でしょう」
「お前だってそうだろ。……口移しなら食う」
「では、お言葉に甘えて。あーんして下さい、先輩」
「ん。…ふ、…ぅ…」
「は…、…美味しいですね、先輩と食べると」
「…赤いのもうまかったぞ。薬さえ入ってなければ」
「先輩ってほんと、可愛いですね」
「うるさい黙れ、もう寝る!」
「はい、起きたら一緒に風呂に入りましょうね。おやすみなさい、先輩」

412 :3/3:2011/02/02(水) 16:18:00 ID:g2Osbl6K0
「……」
「……」
「………」
「………」
「……………なんか硬いのが当たるんだが」
「…そういう先輩も、勃ってません?」
「さ、さっきのでもう足りてるぞ!?」
「俺も一応、満足したはずなんですけど…。……あ」
「あ?」
「もしかして……ああ、やっぱり。先輩、落ち着いて聞いて欲しいんですけど」
「何だ」
「さっき二人で食べた方が、媚薬入りだったみたいです。で、先輩が最初に食べた方は、
普通のやつでした」
「……え?え、えええええ!!」
「嬉しいです、先輩…素面であんなに乱れてくれたんですね」
「なっ、違う!これはあれだ、プレシーボ…ん?ぷ、プレなんとか効果で!」
「プレミアムラブラブ効果ですねえ、俺愛されてるなあ」
「嘘だああああ!!」
「媚薬なしであれって思うと、ありなら何回できますかね」
「無理!もう無理…!」
「これくらい平気だって、言ってくれましたよね?」
「…あああもう埋まりたい穴がなくても埋まりたい!」
「じゃあ、俺は先輩の穴に埋めたいってことで。改めまして、ごちそうさまです」

413 :風と木の名無しさん:2011/02/02(水) 17:15:05 ID:xqQpAZRcO
GJ!騙されまくりの先輩かわゆすw
てかプラシーボ効果って橋の上だと恋に落ちやすいっていうあれじゃなかったんですね…
無知な自分が恥ずかしいので先輩の穴に入ってきます!

414 :風と木の名無しさん:2011/02/02(水) 17:48:15 ID:Xy0yWs5X0
やばい2人とも可愛過ぎるwwwGJ!
>>413それは吊り橋効果だね

415 :風と木の名無しさん:2011/02/02(水) 21:34:41 ID:Ux+E7O3R0
えーと、つまり媚薬なしの初体験で
お互い飲み合った挙げ句何度も結合したと
若さが羨ましいですwGJ!

416 :風と木の名無しさん:2011/02/03(木) 00:05:36 ID:FRm0Mo37O
プレミアムラブラブ効果で吹いたwww
幸せそうな2人に萌えたよ
GJ!

417 :風と木の名無しさん:2011/02/03(木) 22:49:08 ID:mI6oo83a0
まわそかね

418 :風と木の名無しさん:2011/02/03(木) 22:55:26 ID:8KhuaYFGO
や、優しく踏み踏みして…

419 :風と木の名無しさん:2011/02/03(木) 22:57:17 ID:klLqsXh70
あと少しだけ待ってて

420 :1/2:2011/02/04(金) 02:06:36 ID:j2Uz1Pvl0
2001.3.16
「今日、久しぶりに君に会った。
随分と間が空いてしまって申し訳ない。元気なのは元気なんだが、足の調子が良くなくてね。
君が綺麗だと言ってくれた手も、ほら、こんなにも老いぼれてしまった。
そういえば、今朝、庭の桜が蕾を膨らませていたよ。もうすぐ開花するだろうか。
君に見せられないのが残念だ。」

1953.4.2
「今日は君と桜を見に行った。来年も君と居たい。」

1951.5.10
「お互い皺くちゃの爺さんになるまで一緒に居ようと言われたとき、恥ずかしくて笑い飛ばしたけど、本当は嬉しかった。
ずっとずっと君と居たい。」

1952.6.23
「近頃、君は変な咳が続く。心配だ。」

1961.6.27
「まだ君のところへは行けない。会いたい。」

1974.7.11
「漸く君に会いに行く決心がついた。長らく会いに行けず申し訳なかった。
明日、必ず会いに行く。」

421 :2/2:2011/02/04(金) 02:07:12 ID:j2Uz1Pvl0
1952.7.13
「俺だけ皺くちゃの爺さんになれないと、君は笑った。
私は何も言えなかった。
できることなら私が身代わりになりたい。」

1988.8.14
「今日は暑い。でもいい天気だ。
君の大好きな花を持っていくとする。
暑いから枯れてしまわないかが心配だ。」

1952.10.25
「ゆびきりをした。君は先に行ってしまうけど、私は走らない。ゆっくりと歩いていく。」

1952.11.30
「君が」

1952.12.6
「君のいない一日は長い。」

2010.12.14
「最近、君のことばかりを思い出す。君はまだあの約束を覚えてくれているだろうか。
なんて言い方をしたら、また君に怒られるなぁ。
ここまで来るのは長いだろうと思っていたけど、実際に来てみるとあっという間のことだった。
あと少しだけ待っていてくれ。」

422 :風と木の名無しさん:2011/02/04(金) 02:17:01 ID:bA4C32bg0
うおお、泣けた
GJ

423 :風と木の名無しさん:2011/02/04(金) 09:03:26 ID:xavgcSVk0
こういう話に弱いんだよなあ…
二人とも天命を全うしたところがいい
GJです

424 :風と木の名無しさん:2011/02/04(金) 09:15:57 ID:vLaIfhM4O
1951年の時点で付き合ってたということは二人は戦争経験者?
軍隊で知り合ったのかな?
とか考えてたら色々萌え燃えたw
GJ

425 :風と木の名無しさん:2011/02/04(金) 21:40:52 ID:7Ve/hTcWO
それぞれの時期の「私」に思いを馳せたらすごく感慨深かった
GJ

426 :風と木の名無しさん:2011/02/04(金) 21:56:51 ID:vSca1VowO
時代とかシチュエーションとか暖かくて切ない雰囲気とかが凄く好きだ…
もう、素敵。
読めて良かった。ありがとう。


427 :風と木の名無しさん:2011/02/05(土) 05:22:01 ID:lp81BuAhO
じんわりきたよ〜
頭の中で優しい声で再生された
語り過ぎないゆえに色々妄想が膨らみました、GJ

428 :風と木の名無しさん:2011/02/05(土) 12:03:15 ID:uEhstlXo0
確かにじわじわくる
さて、次のお題か

429 :風と木の名無しさん:2011/02/05(土) 12:12:18 ID:c8CahrcyO
独り言から始まる恋

430 :風と木の名無しさん:2011/02/05(土) 12:12:28 ID:Bu1UWDX60
記念日を覚えていない人

431 :風と木の名無しさん:2011/02/05(土) 15:33:58 ID:Bu1UWDX60
おれとおーたが友達かっていうと、多分ちがう。
おれは友達だと思ってるけど、おーた的にはちょっと話すクラスメイトって感じ。だと思う。
おーたは根暗っぽい外見で、見たまんま大人しいけど、おもしろいこと言うし、色々ヘンなこと知ってる。
だからおれはおーたに話しかける。おーたはウザそうにしてるけど、無視しないで相手してくれる。
何でかなーって思って訊いてみたら、今のクラスになってすぐ、イジメの一歩手前みたいな嫌がらせがあったんだけど、
おれがおーたと仲良くなったらなくなったから、おれはイジメっ子避けらしい。
おーたが仲いいっていったのが嬉しかったから、くわしい内容は覚えてない。

二月に入るとみんながバレンタインの話をしだした。
おれは女子の友達がけっこう多い方だと思う。生チョコねだってみたらめんどいからヤダって言われた。
や、板チョコでもべつにいいけどさ。
おーたは甘いもの嫌いらしいから、三日に豆をプレゼントしてみた。
投げつけられた。あ、袋ごとね。おれが鬼なのか。でもちゃんと拾って持って帰ってくれた。

今年のバレンタインは月曜日で、その手前が三連休。
おーたは休みの日は、メールは付き合ってくれるけど遊んでくれない。
三日会えないのはさみしいって言ったら一緒に帰ることになった。おーたは平日はけっこう付き合いがいい。
途中でコンビニ寄って、バレンタインのコーナーを眺めながら出たら、
おーたが何かぼそっと言った。チョコとかなんとか。
どしたのって言ったら、おーたはびっくりしてた。ひとりごとだったのか。
言いたくなさそうにしてたからそれ以上訊かなかったけど、しばらく歩いてたら結局教えてくれた。
おれの頭がチョコ色だって。チョコよりは明るい色じゃないかと思うけど、暗くなってきたからそう見えたのかな。
じゃあバレンタインにはおれをプレゼントするよ、って言ってみた。
頭にリボン巻いてこいって言われた。ねーちゃんリボン持ってるかな。

432 :風と木の名無しさん:2011/02/05(土) 17:44:02 ID:xwP4RXwEO
>>431
ふおお…!
バレンタインネタは学生同士が美味しいね!
個人的にはおーたのツン受けかと思ったんだが頭にリボン巻いたわんこな俺でもいいな!
GJ

433 :風と木の名無しさん:2011/02/05(土) 17:47:54 ID:uEhstlXo0
おおおおお!!
かわいい!ひらがなの量がちょうどいい!
10秒差、おしかったね!GJ!

434 :風と木の名無しさん:2011/02/06(日) 09:41:10 ID:FT8Q38vEO
かわいい!こういう話好きだGJ
おーたって呼び方がかわいいね

435 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 00:05:35 ID:bl6h7ocOO
まわしていいかな

436 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 00:33:30 ID:HbHR+AS2O
踏み逃げになると思ったよ
出来もよくてアッパレ

437 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 07:39:40 ID:BO1ZhTOpO
バレンタイン意識しちゃう男子は可愛いね〜
では踏み台さんいらっしゃい

438 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 08:11:26 ID:RwJrgdSb0
出勤前の一踏まれ

439 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 09:18:19 ID:V2IMTo6gO
スーパー受け様

440 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 11:49:08 ID:lYtzze5N0
こんなシチュな思い浮かんだ

ガード下のおでん屋。
終電と共にくたびれたサラリーマンは去り、わずかばかりの収入があった日だけホームレスは飲みにいく。
いつものように空き缶拾いで得た折り目の入った千円札を握り締めて屋台に近づく。
いつもなら誰もいないのに今日はやけにお上品なスーツがいた。
つるしじゃなくてオートクチュールのもの、布はミラノのあのブランドのものだ。
そういう「お上品」なものを見るとあの子を思い出す。
酒を呑む気分じゃなくなって出直そうかと思った。
「おいアンタ、さっさと座れ」
寡黙な大将が珍しく声をかけてきて、背を押すように木枯らしが寒くて、ホームレスはのろのろとできるだけお上品スーツから離れて腰を下ろした。
こんな場末の屋台にお上品スーツが来るなよ。
落ちぶれたわが身の忸怩さ、あの子への郷愁と戒めで、八つ当たりのように煮込まれる具を睥睨する。
「いつもの」とまだ何も言ってないのに、大将が大根と卵、もち巾着、それと熱燗を出した。
「どうぞ」
声に驚いて横を見ると、お上品スーツが眩しくて、でも愛しくて堪らないとばかりに微笑んでいた。
「あの」
「私は見てのとおりな育ちでしてね。今日以外はおでんなんて人生で子供の頃に1度食べたきりだったんです。
『そんな勉強より子供は夜寝て、昼間遊んで、ゆっくりと大人になればいい。大人といっても頭でっかちじゃだめだよぼっちゃん』
そういってこっそり自分のためにこっそり家を抜け出して買ってきたおでんを、私に食べさせてくれたあの味が、あの人が忘れられないんです」
あんた、いやあんたじゃない。ぼっちゃん。若い頃に働いていた屋敷のぼっちゃんが大人になって座っていた。

441 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 12:04:31 ID:lYtzze5N0
「ぼっちゃん…」
あの小さかった子が立派になって。
俺は震える手を上げ、薄汚れて節くれだってしもやけやあかぎれだらけのそれに触れてはいけないと引っ込めた。
だけどぼっちゃんはそっと右手を包み込むと、いとおしげに中指に触れる。
「汚れちまうよぼっちゃん」
「ふふっ子供の頃は私に『子供は遊んで汚れるもんだ』って無理やり木登りさせて、
案の上僕は木から落ちて、あなたに受け止めたれた。
あのときあなたの指の爪がはがれて、こんな風に爪が歪んでしまって、僕は申し訳ない気持ちでいっぱいだった」
何言ってるんですか。この爪はぼっちゃんと私を結ぶよすがになっていたなんて、ぼっちゃんは知らないでしょう。
「…ぼっちゃんもボンボンのくせに鉛筆の持ち方だけは癖があって、中指にペンだこつくってるじゃねぇですか」
「それは言いっこなしだよ攻めさん。
子供だった私を抱っこして頭を撫でてくれる攻めさんの手が大好きだった。
…今度は私に攻めさんを抱きしめさせてくれませんか」

442 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 17:02:14 ID:ZY4wBznpO
GJまわし

443 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 17:20:24 ID:/8/KUOVo0
GJ!すごく萌えました
このあとはぼっちゃんがお持ち帰りでもぼっちゃんをお持ち帰りでもあえて離れたままでもいい

444 :風と木の名無しさん:2011/02/07(月) 18:41:38 ID:sTyA8k5i0
語りっぽい感じもするし、SSな感じもするし、面白い。
自萌えにストレートに萌えたーって感じがいいね。GJ!

445 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 13:24:36 ID:Sq9OA+UV0
良いね。個人的にすきな感じだ。GJ

446 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 15:26:08 ID:xwZ5NcDM0
まわすよ

447 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 19:25:49 ID:ZJGzd4jj0
まわせー

448 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 20:30:49 ID:77rIps/vO
次の方どうぞ〜

449 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 20:31:10 ID:aEGB4eub0
真面目なバカヒーロー×嫉妬深い無愛想ライバル

450 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 22:44:00 ID:VjzlehL10
怪獣を前に痛手を負い、立ち尽くす俺の前に大きな爆炎が巻き起こった。
そして炎の中からさっそうと現れた奴に、俺は抱えられ、岩場の影へと避難させられた。

「ブラック、大丈夫か!」

レッドの喧しい声が響き渡る。
何でいつもいつも俺がピンチの時に現れるんだ、コイツは。
今回も情報をいちはやく先に掴んで、この事件は俺が一人で解決するはずだったんだよ。

「何で先走って行ってしまったんだ!心配しただろ!」
「うるさい。 俺は一人でもやれるんだ、お前の手なんか借りたくないね」
「何いってんだ、仲間は協力しあうものだろ? お前はよくやったよ、後は俺達に任せてくれ!」

俺の悪態をさらっと躱し、レッドは奴の仲間の元へ駆け戻って行く。

ヒーロー戦隊のブラックという、孤高でクールな好敵手の位置に俺は属している。
・・・・・・はずなのにここ最近は何故か常に守られる側に回っている気がしてならない。
ちびっこたちにブラックが見捨てられるのも、きっと時間の問題だろう。
一人落ち込む俺を他所に、岩場の向こうではアイツらの大活躍が繰り広げられている。

「これ以上俺達の街は破壊させない!くらえ、必殺技!!」

あんなに俺を苦しめた怪獣が、息も絶え絶えに苦しみ、もがいている。
こうしてアイツを前にすると力の差をまじまじと見せつけられる。

レッドは馬鹿だ。真相に気づくのも遅いし、いつも仲間仲間とフザケたことばかり抜かしている。
けど、俺はそんなアイツに助けられる程弱くなってしまっていて、
そんな現状を受け入れると悔しさと怒りが入り交じったなんとも言えない気持ちになってしまう。
必殺技もどんどん思いついて、自分のものにしていく。
なのに、その力を決して自分のためには使わない。
「近づくな」と行っているのに何かと俺に構うし、何度断っても一緒に行動しようと誘ってくる。
俺達はライバルだというのに優しくしようと必死でいちいち気にくわない。

451 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 22:44:25 ID:VjzlehL10

何でいいところをあんな馬鹿なヤツに持って行かれるのだ。
そう自分に問うのだけど、まあ、実は薄々感づいていて。
ライバルの俺がピンチになっても奴は絶対に現れるということも、
仲間を何よりも大事にするアイツこそ真のヒーローだということも、
俺が嫉妬しているのはアイツの才能のことだけではないということも。

「やったぞブラック!これで今日はおしまいだな!」

なんだかんだんであっさり怪獣を倒し、お約束の決め台詞を残してから
レッドは俺の方へ向かってくる。
コイツの事ばかり考えていたからだろうか、ずっと疑問に思っていたことをぶつけてみた。

「・・・・・・どうして、いつも遅れてくるんだよ、お前は」

そう問うとフッと笑い声が聞こえた気がして俺は顔を上げる。
すると頬にコイツの熱い両手が触れた。熱い。
馬鹿にしてるとしか思えない、満面の笑みを浮かべて、恋愛ドラマみたいな空気の中、
奴はこう言った。

「ヒーローって言うのはヒロインがピンチの時に現れるものだからな!」

ヒロインってなんだよ。というかライバルじゃないのか。
なんだか、あまりにも訳が分からなくなった俺は口を開けたまま頷くしかなかった。

・・・・・・ヒロインじゃないと否定したいのに

452 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 23:09:08 ID:WBDGr79/0
ブラックかわいすぎるだろおおGJ!

453 :風と木の名無しさん:2011/02/08(火) 23:49:45 ID:EPAv09ai0
鼻血が出たんだが・・・どうしてくれる

454 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 01:32:30 ID:VfKLWUaaO
この番組はいつ放送されているのですか?
レッドは愛すべきバカだしブラックは可愛いし、本当に全編観たくなったよGJ! GJ!!

455 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 01:42:50 ID:0dM6Xzcd0
ブラック可愛すぎる
そしてレッドバカかっこよすぎる
GJ!!!

456 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 02:17:16 ID:r7X+oWNqO
>>450-451
0点

457 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 08:09:45 ID:Ts24FYLdO
これはいいツン受けの王道w
可愛いです

>>456
別館の方に模範解答をお願いします、先生

458 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 10:42:18 ID:QdHd8NWd0
私を踏みたおしてリクエストドゾー


459 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 11:04:15 ID:TOW20iau0
永遠の3位争い

460 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 14:07:45 ID:Y5rkTCWP0
あいつの一番は親父だ。
普段変わらない表情が父親の前じゃコロコロ変わる。
悩み相談なんてするたちでもないのに父の日にそわそわしながら近づいてきた時があった。
「なぁ……親父のプレゼント、何がいいと思う?」
頼られた嬉しさから顔が締まらないながらなんて返そうか思案する。
なんて聞かれたときにはお前の父さんなら何貰っても喜ぶと思うけど……って言いたい気持ちをグッと抑えて具体的なモノを考える。
「普段使うネクタイとかよくね?」
「それ、いいかも……」
なんて満面の笑顔で返すあいつにちょっと自尊心をくすぐられたりして。
いい気になって「だろー?」って緩みっぱなしの表情でじゃれついた。
長年の付き合いでわかってる……あいつの父親に嫉妬しても仕方ない。あいつの一位はたぶん一生変わらない。

その次がかわいい妹。
妹ちゃんには申し訳ないと本気で思っている。
というのも病弱で碌に外に出ることができない妹ちゃんと俺の妹は大親友だ。
俺の妹はすることがなくて暇だろうと妹ちゃんに本を渡した。あろうことに薄くて高いベーコンレタス的な本を。
最初と惑っていた妹ちゃんは、今では俺の妹とあいつが受けか攻めかで論争するくらいのレベルの豪者になっている。
妹のせいとはいえ、責任を感じた俺はあいつに妹ちゃんの趣味がばれないように協力しているがあいつは勘が鋭い。
ばれるのも時間の問題だろう。
この間不審そうに「おまえ……最近俺の妹と仲良いな」なんて勘繰られた。
妹ちゃんも似たようなことを聞かれたらしい。
そのことについて腐った笑みを浮かべながら感想を漏らした妹ちゃんに戦慄した。
「兄さんったら嫉妬しててかわいい」
あんな儚げな思慮深い美少女を邪の道に導いた俺の妹は罪深い。

461 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 14:08:06 ID:Y5rkTCWP0
そして……その次は。
「うまいか?」
口をもぐもぐ動かしながら頷くあいつがかわいい。
父親は仕事が忙しく妹ちゃんは病院。そのせいかあいつはよく俺の家に料理を食べにくる。
「……うまかった。ごちそーさま」
あいつの母親は妹ちゃんを産んだときに亡くなった。
そのせいかできあいの物より手料理――特に家庭料理――が好きらしくよく俺に作れとねだってくる。
「そりゃよかった……いきなりで悪いけど一つ質問良い?」
「ん? なんだ?」
食器を手にとって運んでる途中のあいつが振り返る。
「お前が一番好きな奴って誰?」
家族を除いての話だけどと付け足しながら聞く。

ガラスが割れる音と金属が落ちる音がする。食器が手から滑ったのだろう。
ガラスの破片も気にせずにあいつに近づき、向き合う。
まるでトマトみたいだ。髪や服で隠れている部分以外真っ赤になっている。
「で、誰?」
「え、ああ……いや、その」
いつになく歯切れが悪い。物影から親指を立てている俺の妹をちらちら見ながら意心地悪そうに俺から視線をそらす。
「身近に、いる人……だな」
身近にいる人……まさか、俺の妹か!
そういうことなら何度も視線を向けていたのにも納得だ。
「そっか」
そう言って背を向けるとあいつの安堵の息を吐くのがわかった。
だけど協力はできない。いくら妹でも負けられない。あいつの3位の座は尊いんだ。
にこにここっちを見る妹を睨みつけながら俺は妹と戦うことを決意した。

462 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 15:39:13 ID:54JvwmYp0
妹wwwww
こいつら可愛過ぎるwwwGJ!!!!

463 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 17:14:47 ID:aoKWqvD4O
ものすごい一人相撲の予感wwwそれもお互いにwww
萌えました、GJ!

464 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 18:15:04 ID:Y5rkTCWP0
460-461の誤字・脱字修正
と惑っていた→戸惑っていた
あいつの→あいつが


465 :風と木の名無しさん:2011/02/09(水) 19:52:35 ID:O/9RCjVC0
いいぞ!妹も「俺」ももっとやれwwwwwww

466 :風と木の名無しさん:2011/02/10(木) 02:35:38 ID:RqEpenFK0
おれの天然ボケっプリにわらたw
気づけよw

467 :風と木の名無しさん:2011/02/10(木) 15:31:23 ID:kQdrdapO0
まわすんでー

468 :風と木の名無しさん:2011/02/10(木) 15:55:47 ID:bdwznE+WO
踏んでくかい?

469 :風と木の名無しさん:2011/02/10(木) 16:04:37 ID:jhNO7aJo0
もう好きにして

470 :1/2:2011/02/10(木) 23:34:18 ID:6GaGEGp80
※軽く暴力表現あります


あの日、彼は唐突に、何の感慨も浮かばない目で言い放った。

「もう好きにしていい」

彼の言葉の意味が理解できなくて、僕の頭はフリーズする。否、本当は理解していたからこそ、理解できないフリをした。
「ぁ、え、と」
目を泳がせて、しどろもどろに声を洩らす僕に、彼は珍しく舌打ちさえもしなかった。
「お前を解放してやるって言ってるんだよ。散々、良いように利用してきた俺が言うのも可笑しいけど、こういうのやっぱ良くねぇよ。
忠犬ごっこはもうおしまい。好きにしていいよ」
彼の真っ直ぐな視線が僕の瞳を射抜いていた。
違うのに。違うのに、違うのに、という思いは頭の中をただぐるぐると巡るばかりで、喉元にすら迫り上がってこない。
彼は間違っている。今まで彼の命に従ってきたのは僕の意思で行なっていたことだ。
彼のたった一人の「犬」であることを僕は誇りに思い、優越感すら覚えていた。
それを取り上げられるのは、僕にとって絶望でしかない。
けれども、この関係な一方的なものであるから、彼が容易く断ち切るだけで壊れてしまう。
あっさりと僕の前から去っていった彼は、いま何をしているのだろう。
鳴らない電話を握り締めて、僕は涙を落とした。

471 :2/2:2011/02/10(木) 23:34:47 ID:6GaGEGp80
*****

「あ、酒切れた」
「アレに持って来させりゃいいだろ」
立ち上がろうとする男を制して、電話を掛けた。アドレスを探すまでもなく、既に覚えてしまっている。
「今すぐ酒買って俺ん家来い」
ワンコールで出たアレに、簡潔すぎる用件だけを伝えてすぐに切る。
馬鹿な話で騒いでいたはずの男たちが、にやついた笑みをこちらに向けていた。
友人とも仲間とも呼べない、一過性の時間を一緒にするだけの存在ども。俺はコイツらが余り好きじゃない。
「随分、わんちゃんがお気に入りなんだな〜」
下衆な笑いに、反吐が出そうになる。
どうしようもなく苛立ったのは、この言葉に酷く動揺してしまったからだ。
「便利だから使ってやってるだけだ。何なら貸してやろうか?」
「あんな気色悪ぃ犬、要らねぇよ」
ゲラゲラと不快な笑いが上がるのに比例して、俺の苛立ちは増した。
「お気に入り」と馬鹿にするように言われて、頭に血が昇ったんじゃない。
触れられたくない傷を、不躾に撫で回されたときの不快感に似ていた。
「遅ぇんだよ!」
30分もしない内に、言いつけ通り酒を持ってきた「犬」を殴りつけた。完全な八つ当たりだ。
「ごめん、次は気をつけるね」
理不尽な言葉と暴力を浴びせられたというのに、「犬」は口角に血を滲ませながら、ヘラリと笑う。
ゾッとした。
虐げられてるにも関わらず、ふにゃふにゃと邪気の無い笑みを浮かべる「犬」にだけじゃない。
それを見て、安堵した自分に、何よりもゾッとした。
本当は気づいていた。
付き合いの希薄なヤツらにまで指摘されるほど、この「犬」に依存していることに。
気づいていて、気づかないフリをするのが、急に恐ろしくなった。

「もう好きにしていい」

メモリから一つ消えた番号を、俺は未だに覚えている。

472 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 00:10:58 ID:LjX8Y/CKO
受けのセリフだと思っていたから、これは新鮮
暴力の注意書きもありがとう
こういう暴力は良くないことではあるけれど
好みでした

473 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 00:13:59 ID:xONHK/xI0
GJ!
このあと二人はどうなるのか妄想がとまらない
寂しさに耐え切れなくなった犬が彼に会いに行くと、ボロボロになった彼を見つけて
それからは暖かい関係をはぐくんで欲しい
もしくは、犬なしでは何もできなくなった彼が犬の前に這いつくばって許しを請い、今度は
立場が逆転して「好きにしていいんだろ……?」と犬に責められて喘がされるのもいいなあ

474 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 00:25:50 ID:vVO8Sb4a0
GJです!
両依存イイよ。犬よりも彼のほうが深く依存していそうなのが更に萌

475 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 04:09:25 ID:FDw+TFxg0
これは前後中の部分が読みたいわ

476 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 07:37:09 ID:JjwMiiRQ0
GJ
好みの話でした

477 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 15:02:09 ID:suoHJC/p0
まわせーまわせー

478 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 15:05:51 ID:Te26JMhU0
今後犬がどうなるのかとか気になるな
踏み台どうぞ

479 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 15:07:07 ID:gmjyJDszO
はじめて同士

480 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 20:40:55 ID:+RMZmM1FO
「え?」
お互いに固まった。
さっきまで、こっちがいいやらあっちがいいやら、明日の初デートに備えてファッションショー。
ベッドの上に散らかした服達の中から選んだジーンズ。
それを手にして顔を上げたら、勢い良くぶつかった。
唇。
ガチンと音がして、口の中が切れたみたいだ。
さっきまでの笑いあっていた空気が、今では音もなく固まっている。
「あー…、ごめんな」
笑ってポンと肩を押す。
「彼女より先に奪っちゃった」
てへっとワザと馬鹿っぽい声も出す。
吉沢は口元を押さえたままで、固まりきっていて反応がない。
ああ、真面目そうだもんな、吉沢。
ショックだったんだろうな。
未だ固まったままの吉沢の目の前で、ヒラヒラと手を振る。
「よぉしざぁーわー?」
ハッとした表情で一瞬ビクリとした吉沢は、ベッドの上であからさまに及び腰。
赤い顔して逃げる様に距離を作って、無言で何度も顔を振る。
日頃のクールぶった態度が嘘みたいだ。
「なに?お前、初めて?」
制服の白いシャツの上から胸元を押す。
さっき以上に慌てふためく様子が可愛い。
選んだブラックジーンズに、ラグランを投げつけ、オレはベッドの上で立ち上がる。

481 :風と木の名無しさん:2011/02/11(金) 20:43:16 ID:+RMZmM1FO
「大丈夫、今のは不可抗力だから。サトコのチューと一緒だべ」
うちの可愛い御年18歳になるサトコお嬢。
オレらよりも2つも年上の、それはそれは怖いけれどもチュー魔で可愛いシーズー。
怒ると踏み踏み足踏みをする。
サトコとチューは毎日だから、それと一緒。
ピョンと勢いつけて、スプリングの利いたベッドから飛び降りる。
さっと両手を広げて足を揃えた見事な着地。
「じゃあな」
見たこともない彼女への嫉妬で泣き出す前に、部屋を出ようとしたオレの手首をがっつりと吉沢が掴む。
なんだ?と思う前に、引き寄せられてキスされた。
「よ…っ」
硬くなって竦んだ首の裏に、吉沢の手が添えられる。
ガチガチに緊張して、唇に歯が当たる痛みに、さっきぶつかった時以上に口の中に血の味が広がる。
オレだってサトコ以外とキスなんてした事ないけれど、こいつのキスがヘタクソだって事だけはわかる。
こんなヘッタクソなキスして、惚れてんのはお前だけだと思うなよ。
彼女どうすんだよ、とは思ったけど、奪えばいいかなんて最初から出ていた結論を胸の中で再確認した。

482 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 13:22:06 ID:0q+1EJQC0
まさに外道
この後のド修羅場を思い浮かべるだけで恐ろしくなってくるわ
はじめて同士って題だからもっとほのぼのした奴想像していたから殺伐しすぎてワロタwww

483 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 13:53:04 ID:37sJoKT6O
彼女どうすんだよwww

484 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 15:07:36 ID:XBxYGrdo0
口から血って痛いんだよなぁ・・・
自分の不注意でもイラッとくるのに、他人にやられたとなると愛情より先に殺意湧きそうだww

485 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 17:46:54 ID:5LUuK42KO
あだっ って感じになるよね

486 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 22:05:48 ID:yak2qFYeO
ごめんねごめんね、カーチャン修羅場楽しみにしててごめんね。
はじめての略奪愛でごめんね。

24時間回ったから回し。
どなた様か足蹴にして行って下さい。

487 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 22:53:03 ID:pxINJMN8O
まわれまーわれメリーゴーランド

488 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 23:05:39 ID:+0CYohQrO
初めてだから優しく踏んでね。

489 :風と木の名無しさん:2011/02/12(土) 23:06:58 ID:Ufe7ajHX0
ずっと隣にいて欲しい

490 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 03:51:26 ID:ytMvZyDP0
B「お前の相棒C、急遽海外だって。」
A「やり♪ そのまま帰ってくんな…って、相棒違げーです。
  目障りなんで清々しますよ。
  今日は職場に一番乗り☆と思ったら、既に一仕事終えたヤツが、
 山積みした書類の陰からコーヒー飲みながら現れた時の 俺の残念な朝といったら…
  正直、やる気無くしますね!」
B「よかったな。明日からお前が一番乗りだ★」
A(なんか腹立つ)

―後日―
A「普通、ひと月で帰ってきますよねぇ…」
B「何の話?」
A「っ…  ……… ………。 Cですよ。」
B「ああ! 聞いた話だけど〜
 そのまま向こうに移動らしいよ。」
A「えっ!!!?」

B「うっそ。」




491 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 12:23:02 ID:Bh7WJKnPO
Aのツン具合たまりません
そしてBさんマジお茶目
GJでした

492 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 16:03:34 ID:/iI0Q2Sp0
で、Bのスピンオフはいつですか

493 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 16:38:18 ID:QmPdno/c0
もうしわけないが、どこが489なのかわからない…

494 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 18:09:14 ID:JekjzJTnO
ずっと一緒にい〜たかった〜♪隣で笑ってい〜たかった〜♪
って意味?

495 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 18:56:23 ID:Wt5w8+uV0
ずっと隣にいてほしい……でも素直になれない///
しばらくたって帰ってこなくてちょっと不安……
なAを応援しつつ、好きだなー奪っちゃおうかなーなんて思ってるBの電波を受信

496 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 19:04:30 ID:d9vaMLYgO
///()

497 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:19:23 ID:QAj9GEZc0
Bはどう思ってるのかも読んでみたい

498 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:23:21 ID:d9vaMLYgO
今回のはハズレだな

499 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:24:41 ID:4mO+UsiC0
辛党と甘党のバレンタイン

500 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:26:42 ID:d9vaMLYgO
まわし

501 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:32:21 ID:d9vaMLYgO
まわーし

502 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:33:49 ID:JpVyxIpRO
明朗元気少年系にしてリーマンのAと、Aに報われない思いを寄せる腹黒B!
こんな組み合わせがツボなんで、大ごちそうでした
つぎはぜひ、飛ばされている間にAを取られないかヤキモキするC視点をお願いします
台詞もなんかセンスあって大好きでした
GJ!GJ!

503 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:37:08 ID:d9vaMLYgO
まわし

504 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:48:04 ID:d9vaMLYgO
688 風と木の名無しさん sage 2011/02/13(日) 20:35:57 ID:4mO+UsiC0
*9*0 502
なんなの…

690 風と木の名無しさん 2011/02/13(日) 20:40:59 ID:JpVyxIpRO
〉〉688
502です
携帯で打ってたらリロミスでした;
すみません半年ポムります


リロードもレスリンクも出来ないカスww
しかもゴミついてますよwwwww
ポムりますwwwwwww
オムライス屋ですか?wwwwww
オムライスはいらないんでROMってください
好きなだけ玉子割ってきてくださいねwwww

505 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 20:51:11 ID:d9vaMLYgO
リロミスも糞も、リロードすらしてないよね

506 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 21:55:08 ID:d9vaMLYgO
まわし

507 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 21:57:37 ID:d9vaMLYgO
まわ

508 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 21:59:55 ID:d9vaMLYgO
踏んでね

509 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 22:18:42 ID:loRKtJGy0
美人×強面

510 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 22:56:23 ID:Wt5w8+uV0
俺は甘いものが苦手だ。
食べられないほど嫌だというわけじゃないが好き好んで口にしようとは思わない。
だからこの日だけはチョコの一つも貰えない自分を誤魔化すことができる。
「完全に負け惜しみじゃないか」
「いや……本当に甘いものは苦手でな」
「でも貰ったら食べるんだろう?」
貰えるんだったら女の子の愛は欲しい。仮に貰ったとしたら喜んで食べる。
こんなことを言うと「そんな厳つい顔した男がよく言うよー」なんて茶化されるが顔は関係ないと思いたい。
「貰ったらな」
それにしても毎年のことながらこの日のこいつはすごい。美人で優しいのが女心くすぐるそうで市販のチョコや手作りチョコ。
本命に義理に友チョコなんでもあれだ。
一切貰えない――どころか目が合っただけで女性に怯えられる――俺を尻目に紙袋いっぱいになるほど貰う。
朝の時点で2袋、仕事後の今はなんと6袋。見てるだけで胸焼けしそうだ。
が、死ぬときは砂糖に埋もれて死にたいとまで豪語する甘党のこいつには余裕らしく3週間で全て食べきるらしい。
なんでこんなモンスターに世の女性は惚れるんだ。聞いてるこっちが吐き気を催しそうだ。


511 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 22:57:17 ID:Wt5w8+uV0
ふと周囲を見渡す。周りの男がこいつを見る目は怨念が篭っており俺を見る目はひどく優しい。
強面の男に恐怖を抱く前に同情するくらい俺の顔は気の抜けた表情をしているらしい。
意識を目の前のこいつから逸らしてこいつの無自覚な自慢から逃れたいなどと思っていると、
それを察したのか苛立たしげな様子で2つの箱を目の前にずずいと押し寄せてきた。
「うわっ! ……なんだいきなり」
「赤い包装にピンクのリボンが隣の部署の佐々木さんが作った奴だ」
「……マジか」
咥えていたタバコをテーブルに落とす。目の前のこいつはひどく仏教面だ。
そりゃそうだろう。なにもこんな日にわざわざ出向いてまで男にチョコレートを運びたくはない。
渋々とはいえ渡しに来てくれただけで御の字だろう。
……と、そうなるともう一つのこれは誰からのだろう。
「箱のは誰からのかわかったがこっちは誰からだ?」
「……私からだ」
「はぁ? なんでまたそんなことを……」
そう聞くと一瞬息を呑んで、すぐにいつもの様子に戻るとバカにするような表情でこう言ってきた。
「どうせ誰にも貰えないだろうから1つくらいやろうと思っただけだ……特に深い意味はない」
「あーそうですか」
相変わらず顔に似合わず失礼だな。せっかくチョコ貰っていい気分だったのに……同情でくれたのかよ。

512 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 22:59:31 ID:Wt5w8+uV0
……ん? あ? いや、せっかく佐々木さんからチョコ貰ったことだしこんな軽口放っておけばいいだけの話だ。
それなのに何故だろう、きつく胸が締めつけられる。
「お前のせいだ」
「は?」
唐突になんだと言いたげなこいつにあわてて口を押さえて。
「いやなんでもない! 違う話だ!」
「……嫌だったか?」
「そうでもなかっ……」
おかしいだろ俺、さっきなんて言おうとした。意味わかんない。
やばい、なんかやばい。このままここに居るともっとやばいことになりそう。
焦りながら伝票片手にレジに行き、走って店を出た。
逃げ出した俺の後ろを、貰ったチョコをそのままに追いかけてきたこいつに壁に押し付けられてキスされるのがその5分後。
その口がチョコレート味だと気がつくのが帰宅後のことだった。

513 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 23:14:30 ID:d9vaMLYgO
499と509要素二つとも入っててうまい
GJ

514 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 23:24:30 ID:3Hv/fXrvO
早くてびっくりした
バレンタインネタも季節感あってナイス

515 :風と木の名無しさん:2011/02/13(日) 23:57:16 ID:0pg8rvjRO
>>510
よく荒らしわいてるときにageで投下できるね
内容はいいのに空気読めないのは致命的

516 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 00:02:49 ID:vbss7rNyO
>>513
お前
自分がその気にならずに大人しくすればスレは平和だと思ってるだろ
あっちでいろいろ言われてたから裏を書くつもりでまともにやってみたんだろうが
基地外は基地外のまま変わらない
スレを自分の思うとおりしたいだけのわがまま女
どうせPCのどれかと連携してるんだろ?くせーんだよ

517 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 00:10:28 ID:vbss7rNyO
ID:d9vaMLYgOさんを見習って自分も荒らしてみるっす!
ID:d9vaMLYgOさんぱねぇっす!
日付変わったからいい子になってもうケータイでは出てこない?

518 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 00:15:08 ID:Ed/4V/u/O
サクサク回すよ
踏んでね

519 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 00:17:51 ID:JTVVOuRY0
ごめんなさい。空気読めなくて

520 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 00:19:06 ID:JTVVOuRY0
本当にごめんなさいsage入れ忘れていたのはわざとじゃありませんごめんなさい。
流してください。とんとにごめんなさい。

521 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:00:28 ID:Ed/4V/u/O
>>520
sageはわざとじゃなくても、519と520に書き込んだのはわざとなんですねわかりますまわし

522 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:08:30 ID:Ed/4V/u/O


523 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:10:14 ID:Ed/4V/u/O


524 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:15:10 ID:Ed/4V/u/O


525 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:19:20 ID:Ed/4V/u/O


526 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:24:04 ID:Ed/4V/u/O
まわ

527 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:42:18 ID:Ed/4V/u/O
まわし

528 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 01:43:23 ID:Ed/4V/u/O
踏んでね

529 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 02:05:46 ID:HuI6cR0DO
好き好き×はいはい

530 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 02:30:15 ID:NiUuQn3kO
這い這い?赤ちゃん?
赤ちゃんも恋愛対象ですかそうですか

531 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 15:56:58 ID:JTVVOuRY0
>>521
言い訳ってとられても仕方がないのですが9と10をとったのは今気がつきました。
昨日の投下と今日の投下本当にご迷惑をおかけしました。

532 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 17:04:12 ID:Ed/4V/u/O
>>531
お前も荒らしの仲間か!
死ね!
二度と書き込むな!

533 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 17:12:13 ID:JTVVOuRY0
>>532
美人×強面との指定の作品をメール欄にsageと書かずに投稿したことと
519-520の連コメについて謝罪しました。
仲間かどうかは知りません。

534 :1/2:2011/02/14(月) 19:17:32 ID:OMv4obM/O
教科準備室で赤ペン片手に黙々と答案用紙と向かい合って三十分。
頬に突き刺さる視線がいい加減むず痒くて堪らない。
「上村、俺は採点中なんだ」
机の横にしゃがみ込んだ視線の主は、俺と目が合うとにこっと笑った。
「大丈夫、先生の顔しか見てないから」
これである。俺は深々とため息を吐いた。
色々と問題があるが、一番の問題はこいつの頭のお花畑だ。
無視していると奴は頬を赤らめもじもじと俯いて机の端をいじりはじめた。
やめろ180センチを優に超えるお前が恥じらってもちっとも可愛くない。
「先生って何しても一生懸命で可愛いよなー」
おまけに口を開けば脳みそ垂れ流し状態なのだから、全く脱力するほかない。
「お前も男なんだから俺が可愛いなんて言われて喜ぶわけないのわかってるだろう」
何が悲しくて自分よりでかい男、しかも生徒に可愛いなどと言われなければいかんのだ。
「じゃあカッコイイ」
「男に言われてもカケラも嬉しくないな」
「キャーセンセーちょーカッコイイーマジイケメンーみたいなぁ?」
「やめろ気色悪い」
妙に尻上がりな裏声に鳥肌が立ち、上村の頭を一発はたいた。
だが懲りない上村は、先生の愛が痛い、などと言って長身をくねらせている。
上村がこんなふうに言ってくるようになったきっかけはわからない。
一年のときは全く接点はなかったし、今年も奴のクラスの英語を受け持つようになったくらいだ。
上村が言うには「劇的で運命的で瞬間ハートがドッキドキ」なことがあったらしいが、生憎聞き流していたので覚えていない。
「俺先生命って言うかもう先生の愛の奴隷だからさ、何でもするよ!」
「じゃあ差し当たってこのひどい点数をどうにかしてくれるかね」
べろんと眼前に奴の答案用紙を突き出してやる。
授業中にやるミニテストはその前の授業の範囲でしか出さないというのに見事にバツばかりだ。
「来年は受験だっつーのにどうすんだこれ。授業聞いてないの丸出しじゃないか」
「先生が好きだから先生ばっか見ちゃうんだー」
「嘘つけ、お前この間一時間ずっと寝てただろ」
ばれてたか、と目を泳がせる上村に俺は苦笑した。

535 :2/2:2011/02/14(月) 19:19:33 ID:OMv4obM/O
上村はアホなことばかり言う、実際アホだがこう見えて苦学生らしい。
夜はいつもバイトに追われ、それも生活費と学費に消える、と。
不真面目な授業態度に憤っていた春頃、上村のクラスメイトがそう教えてくれた。
俺は答案用紙をくるりと巻き、上村の頭を叩いた。「お前ね、学生の本分は勉強なの。授業はちゃんと聞け。
どうしても寝ちまうならいつでも教えてやるから遠慮しないで聞きに来い」
英語は積み重ねだから一度つまづけばなし崩しにわからなくなる。
ミニテストでこの有様なら期末試験は推して知るべし。
せっかく自力で学費を稼いでまで学校に来ているのに、それではあまりに切ない。
と、俺が心配して言ってやるにも関わらず上村はぽやっと俺の顔を見つめてくる。
待て、何だ、何故目をキラキラさせている。
「俺、本当に先生好きだ……」
「はいはいありがとよ」
首を掻きながら答えたら睨まれる。
「先生はいつもはぐらかす。俺真剣なのに!」
「俺先生。お前生徒。何がどう間違ってもそれ以外言えません」
背中を向けて床にのの字を書きはじめた。
「くっそ、そういうつれない口ぶりも可愛い……でもムカつくから今夜は緊縛ブルマin体育倉庫だ」
何やら不穏な単語が聞こえるが上村の脳内に出演するのは俺であって俺でない。
聞かぬふりを貫いた。
「見てろ、今に押し倒してやるからな!」
「アホなこと大声で言うな!」
投げつけたペンは見事上村の頭に直撃した。
過激なことを言うのは俺に意識させようという魂胆だろうが、残念ながら俺はこれっぽっちも危機感を抱けない。
上村がそんなことできない優しい奴だって知ってるからな。
だから後一年辛抱してくれよ。
そしたら俺もだよって返してやるからさ。

536 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 19:54:36 ID:xqLGR28gO
はいはい先生ゴチです!
どれだけ愛を囁いても受け流す先生
軽く流してるくせに耳だけ赤くなって下さい

537 :風と木の名無しさん:2011/02/14(月) 23:18:45 ID:PV6q6TxG0
先生マジ大人だぜ! 年上の包容力たまらん。
この組み合わせは本当に萌えでございました。GJ!

>>531
お題・投下・感想以外のレス(雑談、謝罪、言い訳など)は、貴重なスレを消費してしまわないよう
801板絡みスレや別館(したらば)のチラ裏に書き込む慣例となっています。
テンプレ2を御参考頂きたいと思います。

538 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 01:16:09 ID:WXMUY67/O
卒業後の二人が気になる…!
先生萌えるよ先生

>>533
とりあえずテンプレ読んで、まだなんか言いたい事があるなら次はしたらばの方にきてくれ
そして踏み台どうぞ

539 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 01:18:10 ID:k82qtxuc0
小古見(しょうこみ)学園から矢追(やおい)学園に転入してきた男

540 :1/2:2011/02/15(火) 14:32:26 ID:L98e2Srx0
男子校と聞いていたから女子との出会いなんて期待していなかったが、やはり男ばかりだった。
私立矢追学園は全寮制だ。
この先二年間、野郎だらけの環境で過ごすことを思うと、ちょっと泣けてくる。
友情はもちろん大事だが、ロマンスも欲しいお年頃なのだ。分かって欲しい。
時々、やけに女の子っぽいフワフワキラキラした造形やキレーな顔のやつも見かけるが、
あいつらにも一律にチンコがついているのだ。現実は非情だ。
そんなこんなで俺は新しいクラスメイトに紹介され、壇上に立って自己紹介を終えた。
担任はてっぺんからつま先までじろじろと眺めて、困惑したようにうなった。
「そうだな……鈴木はまだ受か攻か決まってないから、どっち側に座らせたらいいのか……」
「は……?」
ウケ?セメ?何それおいしいの??。
混乱しているのは俺だけのようで、クラスメイトたちはしたり顔で頷いている。
すると、窓際の一番後ろに座っていた生徒が、すっと手を挙げていった。
「先生、俺の右側が空いてます」
「あっ!お前は……!」
今朝方、学校に遅刻しそうになって全力疾走していたときに道でぶつかった食パン男だ。
「なんだ攻村、知り合いか?」
「ええ、まあ。ちょっとした……ね」
なんだか薄気色悪い間をおいて、ちらりと俺に視線をよこす。
道で正面衝突したくらいで、妙に意味ありげな前振りをしないで欲しい。
俺は内心密かに焦っていた。このままではあの変な人と知り合いということになってしまう。
「よし。じゃあ、鈴木は暫定受ということでいいか」
担任が力強く頷き、クラスメイトが温かな拍手を贈る。
俺本人の意に反して、クラス中が承認ムードになってきた。
不幸にも空気の読めるタイプである俺は、なし崩し的に攻村とやらの隣に着席する運びとなった。

541 :2/2:2011/02/15(火) 14:33:50 ID:L98e2Srx0
「よ、よろしくな!」
粘っこい視線とか周囲の雰囲気とか、諸々の嫌な予感を無視して、空元気を振りまいてみる。
攻村は頬杖をつき、斜め45度に顔を固定したまますごい流し目でこちらを見た。
「お前は今日から受だ。俺だけのな」
倒置法の好きな奴だ。というか、そもそも言っている意味が分からない。
言葉の通じない異国に放り出されたようで、ひどく心許ない。
心細さを紛らわそうと、窓越しに外を眺めた。空が青い。
転校前の学校に残してきた仲間を懐かしく思い出す。馬鹿だが楽しい連中だった。
転校早々しんみりしてしまった俺に気を使ったのか、前の席に座っていた茶髪が振り向いた。
「ボクは受宮渚、よろしくね」
小学生みたいな童顔茶髪が、にこりと微笑みかけてくる。愛想のいい奴だ。
「鈴木君、小古見から来たから多分、受とか初めてだよね。
 慣れないうちは大変だと思うけど、分からないことがあったら何でも聞いてね☆
 チンピラに襲われやすい場所とかお勧めの密会スポットとか、色々教えられると思うから」
話の内容はさっぱりだが、親切そうな受宮の様子に打ち解けて、俺は一番の疑問を口にした。
「ところでさ。ウケって何?」

驚愕したような周囲の視線が、針のように降り注いだ。

542 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 15:33:51 ID:cLKUByVgO
>「先生、俺の右側が空いてます」
某ピンクの芸人思い出して吹いたwww
こういう変態臭い攻め好きだ、鈴木の貞操が心配だwGJ!

543 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 18:00:18 ID:SrPUczZ4O
いいとこで切るなw
少コミも結構男女の描写あるよね
今まで女の子にする側だった鈴木が受けにされるとか胸熱
GJですた

544 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 18:38:49 ID:05RnWewTO
攻村の匂い立つスーパー攻様臭に笑いが止まらないw
これから鈴木が801のお約束に遭遇しまくるかと思うとときめく、GJ!

545 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 19:08:12 ID:9oS195Qn0
攻めキモすぎクソワロタwwwwwwwwwwwwwww
こういうの好きだわwwww
GJ!

546 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 22:17:39 ID:xwHH4sed0
おおこれはいいなw
攻村専用の受けが今までいなかったってことは余ってたんだろうか・・・
はい二人組つくってー!であぶれてしまった攻村かわいそす
でも勝手に受け認定された鈴木はもっとかわいそすwwww
GJ

547 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 22:48:06 ID:O/g6mvBZ0
GJ!ホントGJ!!
続き気になる、というか本出して欲しいw

548 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 23:02:51 ID:6JcSWjdrO
801脳VS性コ三脳とか、何がどうなるか非常に気になる

では次の方どうぞ

549 :風と木の名無しさん:2011/02/15(火) 23:08:11 ID:6MVH6Ewh0
チョコレート×マシュマロ

550 :風と木の名無しさん:2011/02/16(水) 15:56:14 ID:o/CZAs++0
冷え切った俺の体と心は、カチカチに固まっていた。
けれどそれは、強い力が加わればたちまちぽきりと折れてしまう脆さでもあった。
そんな俺と一緒になりたいと言うのか。その汚れない身を汚してまでも?
「君が僕を貫いてくれればいい」
恐れを知らぬ眼差しで彼は言った。
「もしくは、僕を潰してくれ。その腕で力一杯抱きしめて」
「馬鹿を言うな、俺は一人が気に入ってるんだ
 それに簡単じゃないぞ、そんなことしたらお前は元のお前じゃなくなる」
拒んだ。たとえようもなく惹かれる気持ちを押し殺して。
なのに、彼は晴れやかに笑うんだ。
「いいんだよ。確かに僕は元の僕じゃなくなるだろう、そして君も。
 でもそれが今より良くないなんて、どうして思うの?」
なんのためらいもなく、白い手が差し出される。
「馬鹿、俺にさわるな」
「どうして?」
小首を傾げた。すべてを受け入れる柔らかな声。
「優しくされるのが怖い? ……僕は、君とひとつになりたい」
思わずよろめいた。言葉は、俺というかたくなな塊を溶かすのに十分な熱を秘めていた。
もはや虚勢は崩れた。俺は両手で顔を覆う。
「……お前を汚したくないんだ」
柔らかい肌が、そっと寄り添う。だめだ、だめだ、俺にさわっては……
「僕は汚れることなんかちっとも構わない……ううん、汚れたなんて思わないよ」
彼は俺を包み込んだ。
俺の指が、頬が……すべてが、彼の中に飲み込まれていく。
暖かい体温に全身が溶かされていく。
ああ、そうだ、と遠い記憶がよみがえる。原始の記憶。形もなく、無垢で純粋だったあの頃……
もはや俺なのか彼なのか、その境は判然とせず、俺は彼の中に。彼は俺を中にはらんで。
彼の舌が淫靡な音をたてて俺を吸う。
「思ったとおりだ……君はとても、甘い」
口元をドロドロに汚して、恍惚とあえいだ。

551 :風と木の名無しさん:2011/02/16(水) 16:01:53 ID:GiK9j+eU0
ちょっとホットチョコレートにマシュマロインしてくる
GJ!

552 :風と木の名無しさん:2011/02/16(水) 20:18:31 ID:BQTLY04h0
なんなんだこのエロさ…!
もう鼻血が止まらんよGJ!!!!

553 :風と木の名無しさん:2011/02/16(水) 20:38:02 ID:piINgL9J0
天才だ…!!GJ!
萌えただけじゃなく、才能に感動した!

554 :風と木の名無しさん:2011/02/16(水) 21:27:48 ID:qcI9p7rC0
えろい…!
お菓子なのに!ただのお菓子なのに!
GJ!

555 :風と木の名無しさん:2011/02/16(水) 22:31:24 ID:f+MatepnO
無機物にだけは萌えるまいと思ってたのに…!
これは明らかにプロの犯行
開眼させてくれてありがとうGJ

556 :風と木の名無しさん:2011/02/17(木) 00:57:47 ID:TuXL5HAVO
チョコとマシュマロでエロいって?
なんだそれあははと思って読んだら本当にエロかったです…GJ


557 :風と木の名無しさん:2011/02/17(木) 13:03:16 ID:MXrGLMNFO
タリー図のマシュマロ入りホットココアをもうそういう目でしか見られない…w
GJGJ

558 :風と木の名無しさん:2011/02/17(木) 13:18:32 ID:ZdeZ0zDkO
マシマロがこんなエロいとは思わなかった
チョコレートを溶かしながら踏まれます

559 :風と木の名無しさん:2011/02/17(木) 13:22:55 ID:M23e3ZZm0
期間限定の恋

560 :1/2:2011/02/17(木) 16:47:20 ID:lakPTcxv0
二月の澄み渡る空に、合唱の声が抜けていく。
仰げば尊し、我が師の恩。
練習をしているのは、卒業を来月に控えた三年生だ。
ピアノの音色が心地よく私の耳に余韻を残す。
彼が卒業した、ちょうど一年前を思い出した。
あの日も、彼はいつもと同じ穏やかな笑顔で私に微笑んでいた。
来月からは大学生ですね。
私は模範的な教師の顔で微笑み返す。
早咲きの桜が、彼の肩で舞っていた。
先生、好きです。
彼はまたそのときも、私に告げた。
そういった彼と、在学中、戯れに唇を重ねたり、気まぐれに肌を重ねることもあった。
いまとなっては、それらはまるで夢のようだ。

561 :1/2:2011/02/17(木) 16:52:06 ID:y/q8mjTyO
身内と友人だけのささやかな披露宴。式とは打って変わって和やかで打ち解けた雰囲気。
壇上では新婦の兄貴が親族代表で挨拶をしている。
そしてこうして座ってる俺の役回りは新婦の兄貴の恋人。クレイジーだ。

「僕の恋人になってくれないかな」
半年前、俺の前に現れた男、久志はそう言った。
「はぁ?」
俺がやっていたのはウリ。二束三文でセックスを提供するだけのお仕事だ。
面倒なのお断り、と逃げようとしたが久志は食い下がった。
「金なら払うよ。それに期間限定。妹の結婚式が終わって家を出ていくまでだよ」
久志が提示した額は破格だった。話がうますぎて逆におれが尻込みしちまうくらい。
「安心させてあげたいんだ」
たった二人の家族だから、妹が結婚しても兄貴は独りじゃないと証明したいらしい。呆れてしまった。
「ゲイの兄貴なんてそのほうが心配するだろ」
「そういうことを気にする子じゃないから大丈夫だよ」
確かに妹は俺を見て驚いても、次の瞬間にはお兄ちゃんもやるね!なんて笑った。
面倒そうなら前金持ってトンズラしようと考えていたから拍子抜けだった。
それから俺達二人のお付き合いは始まった。
火、木と週末は必ず久志の家でメシを食う。それ以外は基本ノータッチ。
時間が空いたとき気が向けばどこかに出かける。シンプルなお付き合いだ。
ただ久志は性的な意味ではいっさい俺に触れなかった。
ノンケだからしゃあないな、と気にしなかったけど。

気がついたのは半年の期間の折り返し地点だったか。
俺があいつらの家に深く入り込んだ第三者で、かつ久志の側にいる人間だったからだと思う。
久志の妹を見る目は兄貴の度合いを超えていた。
その瞬間何もかもに合点がいったね。
つまり久志は、妹が自分の守備範囲じゃないと主張するためだけに、恋人役を男の俺に割り振ったわけだ。
馬鹿じゃねーの。捨て身にも程がある。
妹は気づいちゃいないよ。
あんたどれだけ優しい兄貴やってると思ってんだ。
そんなに好きなのか。態度に出てるって怖くなるくらいあいつが好きなのか。

562 :2/2:2011/02/17(木) 16:53:16 ID:y/q8mjTyO
昨日、初めて久志を押し倒した。
ホテルで久志があんまり苦しそうにしてるから、目隠しして上に乗っかってやった。
「な、何するんだ、いきなり」
「黙ってろよ。目が見えなくて声もなくて相手の身体に触んなきゃ穴は一緒だろ」
女とやったことないから知らないけどな。
初めは久志も抵抗してたけど、手で扱いて舐めてってしてりゃすぐ反応した。
俺のほうも何度もイッちまって、喘ぎ声堪えるのが大変だったくらいだ。
つまり俺達の相性は抜群によくて、これならもっと早く襲えばよかった、なんて思った。

わあっと拍手の音がして我に返ると、挨拶が終わって久志がテーブルに帰ってくるところだった。
昨日のしょぼくれた様子は全く見せず、妹の晴れ姿に誇らしげな兄を見事演じている。
テーブルの下で奴の手を握った。
こっちを向いて、なに、と優しく笑う。
俺も笑おうとして笑えなかった。
ちくしょう。
なんで昨日イクときに俺の名前呼んだんだよ。
恋人のフリはあと少し。
こんなに未練がましく思うのはお前のせいだ。

563 :2/2:2011/02/17(木) 16:57:52 ID:lakPTcxv0
歌声が聴こえなくなった。
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
彼とは、卒業式以降会っていない。
彼の連絡先も進学先も、彼の担任であった私は知っている。
けれどこの一年、私は彼に連絡を取ることをしなかった。
彼もしてこなかった。
先生、好きです。
一瞬の静寂に、彼の声がまざまざと蘇る。
記憶が、一年前に引き戻される。
私は堪らず、両手で顔を被った。
彼は今、きっと楽しいのだろう。
強い彼は、私のことなど、石につまずいたくらいに思うことができるはずだ。
それでいい。
私のことなど、彼は忘れていなければいけない。
彼と私は、生徒と教師という時間の中で夢を食っていたに過ぎないのだから。
その限られた時間の中で、確かに私は恋をしていた。
確かに恋だった。ただ、それだけのこと。

564 :561-562:2011/02/17(木) 17:02:41 ID:y/q8mjTyO
モタモタしてる間に気づかず被ってしまいました
>>560ぶった切ってしまって申し訳ない…!
こんな形であれですが、澄み切っていて美しい空気が好きです
切な萌えしましたGJ

565 :風と木の名無しさん:2011/02/17(木) 23:04:44 ID:dVAHp+VkO
携帯の方、何がなんだかようわからん
いやわかるにはわかるけど、なんか…

566 :風と木の名無しさん:2011/02/17(木) 23:35:33 ID:MXrGLMNFO
>>565
海外の方?

どっちもよかったと思う
GJ

567 :風と木の名無しさん:2011/02/17(木) 23:59:59 ID:DaVgptsF0
綺麗だな……夢を食っていた、ってすごく印象的なフレーズで一生記憶に残りそうだ
美しい文章はいい GJでした

>>561は別館に再投下してもらえるといいなぁ こっちも好きです

568 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 00:38:12 ID:q3YjJw6PO
綺麗なイメージが素敵でした
でもどっちも良かった
GJ

569 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 00:46:42 ID:0zakFbIlO
命令違反

570 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 00:47:28 ID:QZhVoO9k0
憧れから恋愛に変わる瞬間

571 :一応死ネタ注意:2011/02/18(金) 02:17:11 ID:QZhVoO9k0
血と汗と、硝煙の混じった臭いが体中に纏わりつく。
抱き抱えた彼の服は真っ赤に染まり、流れ続ける血液は、妙に非現実的な物に見えた。
「ああ、ドジったな」
そう笑う彼は、血塗れでなければいつもと変わらない口調いつもと変わらない会話だった。
腕の中の彼の鼓動に合わせ、傷口から血液が溢れ出る。
この戦いの間に嗅ぎ慣れてしまった鉄の臭いに、全ての感覚が麻痺していく。
「お前は、生きろ」
真っ白な顔色。
「生き残って、結婚して、年とって。骨と皮の爺になって」
細い呼吸。
「俺の、最後の命令だ」
「………はい」
冷たい手。
「ひとつ、頼まれてくれるか」
「…はい」
血まみれの手で、軍服の釦を一つ引き千切る。
「もし、俺の故郷に行くことがあれば…これを女房に渡してくれないか」
子供が、生まれてる筈なんだ。
そう言って、俺に釦を握らせて彼は動かなくなった。
動かない体。二度と開かない瞳。
なのに、温かい血。

「………ごめんなさい」
貴方の命令はきけません。
貴方が居ない世界に、俺が生きる意味は無い。
貴方の物は、例え釦一つ髪の毛一本でも誰にも渡さない。
やっと俺のものになった。俺だけのものになった。
俺たちが逃げ込んだ場所は火薬庫。
掌の貴方の釦をごくりと飲み込んで、俺は貴方の銃を持って立ち上がった。

+++
リロミスすいませんでした。

572 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 14:13:34 ID:y2B6IJ+n0
GJ!ヤンデレというにはあまりに重いが、切な萌えた

573 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 15:08:36 ID:q3YjJw6PO
早いし、切ないわぁ…
地の文がかっこいい
GJ

574 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 16:02:51 ID:JJQzXTPP0
前半切なくて悶えてたら
後半ヤンデレで悶え滾った
GJ!!!!

575 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 21:50:41 ID:MDtEJDiMO
すげえ…こんな短いのに萌え滾る…!
このスレってさりげに同人板でいう神が多くいる気がするんだな
GJですた

576 :風と木の名無しさん:2011/02/18(金) 23:16:21 ID:IndPt9x30
凄く好きな設定だ…!
釦を飲み込んだのに禿萌えた
GJ!

577 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 00:55:01 ID:u9V210J70
こんな萌えるssを書いてみたいもんだまわし

578 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 01:30:35 ID:yyACwVDS0
俺のまわしを越えていけまわし

579 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 01:37:02 ID:17W9ZhocO
やっと追いついたと思ったのに

580 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 16:28:59 ID:6kr19BXBO
したらばで呼ばれたような気がしたので来ました
まわし

581 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 16:29:46 ID:6kr19BXBO
したらばって、なんでしたらばって言うの?
かに?

582 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 18:04:20 ID:RsptATyX0
>>581
目の前の箱でぐぐるか質問スレへどうぞ

リクお流れなら「受けの左手の火傷痕」でお願いします

583 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 21:31:01.60 ID:6kr19BXBO
>>582
お前はテンプレ嫁o(^-^)o

584 :風と木の名無しさん:2011/02/19(土) 21:32:58.05 ID:6kr19BXBO
>>582
こいつ凄い馬鹿まわし

585 :風と木の名無しさん:2011/02/20(日) 00:55:35.83 ID:o+qxnAR9O
やっと追いついたと思ったら、彼は次に行ってしまう人だった。
自分が四回転に成功したと思ったら、彼は難易度の高い四回転に成功して翌日の新聞に大きく載った。
常に同じ技に挑戦していたから、ファンからは彼の劣化コピーとなじられた。
僕は彼より高い表彰台にのぼった事はない。そして、もうそれは出来ない。

「西谷選手、世界選手権優勝おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「完璧な演技でしたね」「イメージ通りに滑れたのは良かったと思います」
「このプログラムは今は亡き佐武選手の代表作と同じ曲ですが、プレッシャーはありませんでしたか?」
「大事な曲なので大切に滑ろうと思いました」
「もうあの難易度のプログラムを滑る選手は日本からは出てこないのではと言われていましたが」
「一つの形に出来た事には満足しています」
インタビューが続いていく。僕の頭の中では昔の彼の演技がリプレイしていた。
彼に追いつきたくて、やっとここまできたけれど。
「西谷選手が感動の涙です!」
叶うなら、もう一度彼と競い合いたい。言葉にならなくて僕はその場に立ち尽くしていた。

586 :>>1-2を読んで楽しく萌え!:2011/02/20(日) 00:56:22.26 ID:QJE/yAvh0
 ランナーズハイとはよく言ったものだ。
 さっきまで併走していたバンから、あと5キロだと叫んでいた監督の声ももう聞こえない。
 まだ周辺にいるかもしれないがその周辺が目に入らない。
 今どこを走ってるのかわからない。だけど足の裏は地面を蹴っている感覚がある。
 俺が止まらずに走っていられるのは、俺より前を走るあいつの存在があったからだ。
 昔から気に食わなかった。
 中学で知り合って一緒に陸上を始めた。そのときから俺はあいつに追いつけなかった。
 一緒に進学した高校では負けじと上位を競った。それでも勝てなかった。
 大学の陸上推薦の一枠は、あいつが掻っ攫った。
 社会に出ても注目されたのはあいつだ。俺は常に二番手だった。
 一度でいいから、追い抜いてやりたい。その一心でここまで来た。
 公道から観客の待つ運動場に入る。トラックを一周回ってあいつを抜かせれば俺の勝ちだ。
 じりじりと追い上げていく俺と、それから逃れようとするあいつ。
 近いはずの歓声はどこか遠いところから聞こえた。
 ようやく、あいつの姿が俺の目の前からなくなる。薄っすらと視線の端に入る腕が消えた。
 やった勝った! 口元が緩む。俺は嬉しい気持ちで白いテープを探した。が。
『今回はとてつもない試合となりました!ゴール直前の三つ巴戦を制したのは〇〇選手!!』
 気づいたら、俺はトラックの内側の芝生に横たわって、興奮した様子のアナウンサーの声を聞いていた。
 呼ばれたのは俺の名前じゃない。
 あれ? 俺、優勝じゃねえの? だってあいつを抜かし……。
「やっと追いついたと思ったのに」
 タオルでがしがしと頭を拭きながら覗き込んできたのは俺のライバル、と勝手に俺が思ってるだけの、あいつで。
「なんでお前、俺以外に抜かされてんだよバーカ」
 友好的に差し出された手とは対照的にあいつは不機嫌そうで、俺はぽかんと見上げながらその手を握ることしか出来なかった。

587 :風と木の名無しさん:2011/02/20(日) 05:23:57.47 ID:5sQ74tVSO
まわ

588 :風と木の名無しさん:2011/02/20(日) 09:13:59.04 ID:0WAeKO1nO
ピンヒールで踏んでください。

589 :風と木の名無しさん:2011/02/20(日) 09:20:04.20 ID:XSGtIR6Y0
盲目な受け

590 :盲目な受け 1/4:2011/02/20(日) 13:37:31.41 ID:eXo/TU7f0
君は国王直属の騎士になる予定だった。
私が流行り病で視力を失うまでは…。

「王子…時間です」
「あ、はい」
城の外から、民衆たちの歓喜の声が聞こえる。
今日、この国には新しい王が誕生する。
玉座に座るのはもちろん私…ではない。
君が私の手を取る。
いつも剣を振り回している、ゴツゴツとした手。
少し指先が冷たい、大好きな手。
「王子の手を取れるのは自分だけの特権だ」と、君は笑った。
朗らかな声で笑った。
扉が開くと、強い風が私と君の髪を靡かせる。
君の髪が、私の頬をくすぐった。
私が光を失った日から、君は髪を伸ばしていると言ったね。
「王子の瞳に、光が戻ったとき、びっくりさせたくて」
やっぱり君は朗らかに笑った。
肩ぐらいだった君の黒髪…今は、背中を覆うほど伸びているんだ。

石畳が続く廊下を、着慣れない服で歩く。
王家代々に続く、式典の為の礼服は足にまとわり付くような長い裾が特徴だ。
女性ならまだしも、男性までこんな服着るの?…とは思ったけれど、礼服だから仕方ない。
恐る恐る、裾を踏まないように、ゆっくりと歩く。
窓の向こうからは、弟の名を叫ぶ民衆の声が聞こえる。
本当ならば、私の名が叫ばれていたはずだった。
微笑む私の隣で、君は誇らしげに胸を張っているはずだった。
そんなことをぼんやりと考えていると、案の定、長い裾を踏みつけ、前に体勢が崩れる。
「あ!」
石畳に叩きつけられそうになる体。

591 :盲目な受け 2/4:2011/02/20(日) 13:38:47.39 ID:eXo/TU7f0
しかし、その体は、強い力で抱きとめられる。
君の、逞しい腕が、私の体を後ろから抱きしめていた。
「王子…ご無礼をお許しください」
力強く抱きしめられた体が痛い。
抱きしめられた腕は、緩まる気配がなかった。
「シオ…着慣れない服は危なくていけないな…」
「はい…」
「シオ…抱き上げてくれるか?」
「っ!はい、仰せのままに」
私は手探りで君の首筋を探すと、手を回す。
君は下から私の体をすくい上げるように抱きかかえてくれた。
さっきの何倍ものスピードで、風が去っていくのを感じる。

ああ、やっぱり私は…。

民衆の歓声がすぐ近くまで聞こえる。
「シオ、ここでいい」
「はい」
下ろされた場所は柔らかい絨毯の上だった。
「シオ、今までご苦労だったね」
「は?」
「今日からお前は、私の世話役から外れてもらう」
「なっ!」
「その代わり…今日からお前は新国王の傍にあれ!
 王直属の特級騎士だ!」


592 :盲目な受け 3/4:2011/02/20(日) 13:39:48.71 ID:eXo/TU7f0
私は晴れやかに、笑って見せた。
いや、自分では分からない。
鏡が見れない私には、分からない。
もしかしたら、すごく醜い顔をしてるかもな…。
「王位継承式が終わったらすぐ任命式だからね。着替えてきなさい」
急にそれが恐ろしくなって、シオから顔を背ける。
これでいい。
これが、シオのための最良の選択。
私はシオの、足枷にしかならない、疫病神なんだ。
「王子…」
「………。」
「ああ、確かに、俺は世話役失格だな。
 それどころかお前を泣かすなんて、処刑モンだ。
 んー…じゃあ、どうせ処刑になるなら最後に…」

強い力で私の腕が引かれる。
次の瞬間、私の唇に初めての感触が触れた。
柔らかい…もしかして…シオの唇?

「おわっ!!」
突然聞こえた、私でもシオでもない声。
この声は…
「新…国王さま…」
シオの引きつった声が聞こえる。

593 :盲目な受け 4/4:2011/02/20(日) 13:40:25.11 ID:eXo/TU7f0
「兄様…シオ…」
「ちっ!違うんだ!これは!私が命令したことであって!!」
「いや!俺が無理やり!!」
「えっと…」
流れる、気まずい沈黙。
「シオ…君は兄様の事…」
「申し訳…ありません…不敬なことを申し上げますが…」
息を短く吸う音。
 
「愛しています。心から」

彼の、葉が耳に届いた瞬間、私の瞳から驚くほどの雫がこぼれ始めた。
「兄様は…聞かなくても、分かりますね」
苦笑い交じりで、弟は囁いた。
「とりあえず、新国王としての一番初めの仕事は、王族としてあるまじき行為をとった兄様と、
 世話役として不敬を働いた、シオの国外追放だな」
「弟者!待ってくれ!処罰するなら私だけで!!」
必死になって叫ぶ私に、弟は人差し指を立てて言う。
「ただし、期限付き!同性婚に関する法律が整備されるまで…ね。
 確か隣の国は同性恋愛には優しかった気がするから、話つけておきます」
「国王…さま…」
「さあ、いってらっしゃい!次に会うときには、僕も素敵な伴侶を見つけておきます!」
「ありがとう!」
私は、シオの手をとりまっすぐ門へと走り出す。
シオも、しっかりと手を握り返し、走り出す。
「シオ…」
「ん?」
「驚いたよ、君の髪、思った以上に伸びてた」


594 :風と木の名無しさん:2011/02/20(日) 13:57:25.48 ID:ijqNx+4f0
おおう、GJ!
3人共いい!と萌えながら読んでいたら弟者でふいたw

595 :風と木の名無しさん:2011/02/20(日) 17:35:13.18 ID:XSGtIR6Y0
>>590-593
ありがとう!死ぬほど萌えた。
弟者の(未来の)伴侶も、男なんですね分ります。

ちょっと不謹慎だけど、盲目ネタ好きなんだよなー。



596 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:00:41.77 ID:/Tc0rB2sO
どうせ感想はもうこないから回していいよねまわし

597 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:02:23.66 ID:/Tc0rB2sO
まわ

598 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:04:39.90 ID:/Tc0rB2sO
まわすよ

599 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:06:55.20 ID:wAITEs6C0
まるで妖精のような君

600 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:09:55.90 ID:/Tc0rB2sO
受けは鍋の修理が得意

601 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:10:31.67 ID:/Tc0rB2sO
はいまわし

602 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:11:07.77 ID:/Tc0rB2sO
まわし

603 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 01:26:30.40 ID:7tp7GloP0
ID:/Tc0rB2sO必死すぎだろww

604 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 02:37:37.85 ID:/Tc0rB2sO
まわし手伝いしてくれてありがとう

605 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 15:39:25.03 ID:W1PqI2hIO
まわれま〜われメリーゴーランっ♪

606 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 17:40:42.40 ID:KAAntwM70
くるっとまわっていっかいてん

607 :風と木の名無しさん:2011/02/21(月) 23:49:24.06 ID:D/saUpYQ0
まわしまわっし

608 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 00:32:31.11 ID:gzRjE9NgO
貴方に踏んでいただきたいのです、どうか

609 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 00:33:53.49 ID:J3XY1/qH0
怖い顔×怖い顔

610 :1:2011/02/22(火) 02:45:53.79 ID:x3/iMZOOO
「笑う子も泣かす花屋のゴルゴ」とは、母が俺に付けたあだ名だった。
確かに俺は背は高い、眉は太いがそりゃないだろ…と思った。
が、近所の小学生にはすっかりお馴染みになってしまったようで、
悪戯っぽく「ゴルゴ〜!」と叫んでは逃げていく。
背中から撃ったろかクソガキ。

そんなある日、最近転校してきたらしい小学生がひとり、花を買いに来た。
入院中の姉に小さな花束をあげたい、と話すそいつの
やけに長い前髪の隙間から、生々しい傷痕が覗いていて思わず手が止まった。

傷ついた子供は敏感だった。
「これ、怖いでしょ?へへ…」と弱々しく笑う彼に、
何も言えず、ただ花束を造ることしか出来なかった。

その後もそいつは、ウチの店に寄っては、花を買ったり鉢を見たりしていた。
植物が好きらしい、話をしてやれば興味深そうに聞くので、俺もついつい色んな話をする。
常連サービスだと言って花の種を分けてやったら、珍しくいい笑顔を見せたので、
俺までなんだか嬉しくなってしまった。

611 :2:2011/02/22(火) 03:02:47.47 ID:x3/iMZOOO
ある日、小学校から依頼されて花壇の整備をしに行った。
校庭でサッカーをするクソガキが、俺を目ざとく見つけて
「ゴルゴが来たー!」と囃したてる。
その声を聞き付けたのか、校舎から常連が飛び出してきた。
「何しに来たの!?」と嬉しそうに俺にまとわりつく。
それを見たクソガキが、さらに囃し立てる。
「ゴルゴがフランケンと手を組んだぞー!!」
瞬間、暗い顔になった常連を見て、そいつの前髪が長い理由がわかった。
「…しょうがないんだ、へへ…」
と無理矢理笑った顔を見て、何かキレた。
常連をひょいと肩車し、グラウンドに向かって歩く。
からかい調子ではしゃぐクソガキの頭をめっしりと捕まえて
「こいつは俺の友達なんだよ、いじめたら…背中から撃つぞ。」
と、なるべく怖い声ですごんでやった。
青い顔してうなずくクソガキ。
まだまだ子供だ。
常連を肩から降ろし、背中を叩く。
クソガキの1人が
「…お前さぁ〜…サッカー出来る?」と話し掛ける。
俺は振り返らずに花壇に戻り、黙って小学校をあとにした。
子供たちがはしゃぐ声を聞きながら。

612 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 07:21:13.41 ID:bUkX7Fuq0
GJ! ゴルゴ良い奴だ…目から汁が

613 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 08:32:04.51 ID:JQmLH/cv0
初めの五行で好みの臭いがぷんぷんした!
ゴルゴいい奴だー!日常がもっと見たくなった
GJ!

614 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 11:34:38.61 ID:Ul9TQjqM0
花屋のゴルゴで不覚にも噴いた
ゴルゴが普通良い人
この件がきっかけで近所のお茶の間の話題になればいいと思うよ
フランケンのあだ名がフランケンじゃなくなるのも近いかも

615 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 11:50:43.91 ID:J3XY1/qH0
GJ、ガチで萌えた!
ゴルゴもフランケンも可愛い、どっちが受けでもいけるな!

616 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 13:07:22.26 ID:OOifqtag0
5,6年もしたら、フランケンが花屋でバイトするんですよね分かります
萌えたー!GJ!!

617 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 20:48:59.57 ID:5jn6olPB0
GJ!萌えた!
5,6年後が楽しみだ

618 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 22:22:56.98 ID:WO44rjH9O
よし踏め!

619 :風と木の名無しさん:2011/02/22(火) 22:26:41.01 ID:bw1AwTxO0
慣らす

620 :風と木の名無しさん:2011/02/23(水) 22:26:23 ID:5EaTgOFc0
キャベツの味噌汁に文句を言わなくなった。
炒り卵なら自分で作れるようになった。
焼酎を飲むようになった。
肘をついて食べるのをやめた。
俺が納豆を食っても顔をしかめなくなった。
おでんの汁は飯にかける派だとカミングアウトした。

やっと自分の歯ブラシを覚えた。
パジャマを買った。
たまに連れだって外出しても、スパイみたいな挙動不審をしなくなった。
一駅くらいなら歩けるようになった。
そんで次の日筋肉痛を起こさないでいられる体力がついた。
俺の好きなガムを覚えた。
読んだ新聞をたたむようになった。
熱帯魚にやる餌の適量を覚えた。
俺がすすめた本をやっと読んだ。
俺の煙草をやめさせた。

見つめても、すぐには視線をそらさなくなった。
電気さえ消していれば、体を強ばらせなくなった。
好きだと言ってもうつむかなくなった。

621 :風と木の名無しさん:2011/02/23(水) 23:20:39 ID:ZeHYfPTEO
躾けられているwww
料理下手で体力ない受けがかわいいですGJ!

622 :風と木の名無しさん:2011/02/23(水) 23:55:53 ID:fzs0KWawO
ぎこちない歩み寄りというか、何ていうんだろ
同じ生活を送るようになっていくさまに萌えた

623 :風と木の名無しさん:2011/02/24(木) 06:22:55 ID:x3NbUUSrO
GJ! 寂しげな受けが、明るくなっていく過程に見える
時間ギリギリもGJw

624 :風と木の名無しさん:2011/02/24(木) 11:33:15 ID:xZBL59jR0
いいねいいね!
ゆっくり慣れて行くところが見えた
萌えたよーーGJ!

625 :風と木の名無しさん:2011/02/24(木) 17:27:56 ID:bLtvZZNs0
すごく簡素な文なのにとんでもなく萌える!GJ!
いろいろ妄想できておいしい

626 :風と木の名無しさん:2011/02/24(木) 22:08:37 ID:M5ZAXcNI0
ホントに読めば読むほどおいしい…!
あーニヤニヤするwww
GJ!!

627 :風と木の名無しさん:2011/02/24(木) 22:47:10 ID:Gzf8iOAK0
まわしますよ

628 :風と木の名無しさん:2011/02/24(木) 22:57:11 ID:Fg/XY0Y30
さあ、踏むがいい!

629 :風と木の名無しさん:2011/02/24(木) 22:58:42 ID:aiwfWRRJ0
約束を破って

630 :風と木の名無しさん:2011/02/25(金) 04:11:12 ID:4RnWFjHQ0
「今後絶対に俺に告白なんてすんな、バカ!約束だからな!それが出来なきゃ死ね!」
高二のころだった。何をトチ狂ったか、幼馴染の幸生は俺に告白をしてきた。
今も今までもこれからも、ずっとずっとみっちゃんが好きだよ、と帰り道でコンビニの肉まんを食いながら、あいつは言った。
男の幼馴染にまさかそんなことを言われると思っていなかった俺は、そんなことを幸生に言ってしまった。
幸生は見たこともないような悲しそうな表情を浮かべたあと、変な顔で「ごめんね、みっちゃん」と言った。
本当は、好きだと言われて嫌だったわけではない。いや、本当はすごく嬉しかった。俺は素直になれなかった。
俺だって幸生が好きだった。幸生以外と過ごすのなんて退屈で仕方なかった。
でもあの時の俺は、幸生の思いを受け入れられるほど大人じゃなかったし、好きの意味がわからないほど子供でもなかった。
あの出来事があってからも、俺と幸生は仲良くやってきた。
幸生は二度と俺に告白なんてしてこなかったし、俺もその出来事には触れなかった。触れられなかった。
あんなことを言ったくせに、やっぱり好きだなんて、俺にはとても言えなかった。
高校、大学と卒業し、就職もした。いつの間にかお互い三十路手前まで来ても俺たちはまだ、コンビニの肉まんを一緒に食う中だった。
暗い道を歩きながら、告白されたあのことを思い出していた。
「なあ幸生」
俺はいい加減、けじめをつけるべきだ。ごめんな、俺もお前がずっと好きだよ、そういうべきだ。言わねばならない。
「なあ、・・・高校の頃の約束、破っていいんだぜ」
そう思ったのに、口から出てきたのは高校のころと変わらない可愛げのない言葉だった。
俺の言葉を聞いた幸生は食べかけの肉まんを道路に落として、あのころと同じような変な顔で笑いながら、俺を抱きしめた。


631 :風と木の名無しさん:2011/02/25(金) 04:27:14 ID:HXo+SW5tP
うわあああああああああ!!
幼馴染萌えの自分歓喜!!
幸生良かったね GJでした

632 :風と木の名無しさん:2011/02/25(金) 05:05:51 ID:nX5fg37VO
GJ!十年越しの両片思いだなんて!
ツンデレにしてもデレまでが長すぎるwwwwww
可愛いなちくしょうwww


633 :風と木の名無しさん:2011/02/25(金) 08:29:47 ID:8aYr97C1O
もうね肉まんがたまらんですよ

634 :風と木の名無しさん:2011/02/25(金) 22:37:54 ID:H7dBiqxjO
この距離感がいいなぁ
年をとってるのに青い
GJ

635 :風と木の名無しさん:2011/02/26(土) 11:36:02.93 ID:uOq3wHSF0
お題ど真ん中だな それがいい!
GJでした

636 :風と木の名無しさん:2011/02/26(土) 14:19:14.02 ID:+c+0OiN1O
まわします

637 :風と木の名無しさん:2011/02/26(土) 15:57:34.47 ID:5Phq8imp0
俺の屍をこえてゆけ。
(訳:まわします。)

638 :風と木の名無しさん:2011/02/26(土) 17:13:37.07 ID:JrB3uPczO
まわすぜ!

639 :風と木の名無しさん:2011/02/26(土) 17:17:13.81 ID:RPK+vTzG0
正義の味方参上

640 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 17:27:03.11 ID:w6TOdpZmO
流れたかな?残念。

641 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 18:44:13.81 ID:OsrRZUWeO
ヒーロー×悪人とか、優等生眼鏡×いじめられっことか近所の小学校悪ガキ×いじめられっこの高校生
とか色々浮かんだけど萌えの形にはならなかった…
次のお題に期待まわし

642 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 19:06:38.95 ID:rxger6EY0
そうですね、期待まわし

643 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 20:37:57.09 ID:IuCiHcl70
残念まわし
特撮?っぽいネタって時々あるね 戦闘員とか……

644 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 21:30:09.37 ID:M3TfMAdf0
萌えまでつなげるのがムズかった。
まわしま〜す

645 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 21:33:00.92 ID:OxOl/93qO
まわしまわし

646 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 23:10:57.84 ID:twZajb1R0
正義の味方、見てみたかったな。
残念だけどまわし。

647 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 23:18:41.94 ID:n4ApHSgbO
正義の味方自体が昭和の香りで、プラス参上なので
風呂敷を肩にまいたガキ大将しか思い浮かびませんでしたまわし

648 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 23:54:01.95 ID:CZZrT5hf0
さあ!踏んで!!私を容赦なく踏みつけて!!遠慮しないで踏みしだくのよ、さあ!!

649 :風と木の名無しさん:2011/02/27(日) 23:55:12.94 ID:LQjaWMsz0
いまさら言えない

650 :いまさら言えない 1/2:2011/02/28(月) 01:21:30.85 ID:GU8SOJ4v0

「好きだ」

何度口に出そうと思ったか。
でも、お前の想いは知っていたから、言えなかった。
言ってしまえば、優しいお前の事だ…真剣に悩んでくれただろうな。
もしかしたら、身分違いの恋なんて諦めて、俺の傍に居てくれたのかもしれない。
でも、もう遅い。
お前がこの国から居なくなって10年。今日、この国に新たな法律が加わった。
同性同士の婚姻の自由。
記念すべき同性婚第一号はこの国の元王子と、その側近の騎士。
正直、まだ世間の風当たりは厳しい。
心無い言葉で彼らを罵倒する民衆も少なくない。
それでも幸せそうな二人の姿を見て、逆風は収まりつつあった。
ああ、本当に幸せそうで、涙が出る。
悔しいのか?悲しいのか?…分からない。
一つだけ分かるのは、素直に祝福できないという事実だった。

休日、街の市場で最悪な光景を目にしてしまう。
「お!マーロ!久しぶりじゃないか!」
「ああ、こんにちは!マーロ騎士団長」
そこには、市場で仲睦まじく買い物をしている二人の姿があった。
「ああ、どうも」
最悪だ。二人がこの国に戻ってきて数ヶ月、会わないように避けてきたというのに…。
「最近どうだ?騎士団のほうは」
「お前が居なくたって、わが国の騎士団は最強だ」
「そうだな!」
ははっと朗らかに笑う声…ああ、好きだ。

651 :いまさら言えない 2/2:2011/02/28(月) 01:22:30.89 ID:GU8SOJ4v0
「シオ…騎士団に復帰する気はないか?」
「んあ?」
「最近、近隣の強国が戦の準備を始めていると聞く。
 お前の力が必要になるときがくるかもしれない」
「…そうか?俺が居なくてもわが国の騎士団は最強なんだろう?」
「お前が指揮をとれば、より強くなれる」
「……悪いな、マーロ。俺は今まで、確かに国のために全力で戦ってきた。
 でも、ホントは国の為なんて建前で俺は…愛する人を守りたかったんだ」
そう言いながら、シオは俺のほうに視線を向けてはいなかった。
その視線の先には、国よりも自分の欲を選んだあざとい元王子。
みすぼらしい格好に落ちたその姿には、かつての王族の威厳など一つも見えなかった。
こんなのの何処が良いんだか…。
「そうか…残念だよ」
俺はそう言うと、彼らに背を向ける。
「気が向いたらまた声をかけてくれ…」
「ああ、またな」
去り際、二人の会話が聞こえてくる。
「今夜は野菜のスープとパンだね」
「すまんな、ニト…俺に稼ぎがあれば…肉食わせてやれるのに…」
「いいんだよ。元々肉好きじゃないし」
「よっし!たまには狩りにでも出るかな!」
「おお!良いね!私も弓の腕前を見せてあげるよ!視力が戻ってから特訓したからね!」
二人の笑い声に、耳を塞ぎたくなる。
喉元まで出かかった言葉…やっぱり言えなかった。
タイミングを逃してしまった以上、多分、もう、一生口には出来ない。

「結婚…おめでとう…」


652 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 01:39:04.42 ID:IQKjDowvO
早萌えGJ!
なぜか主人公には共感できないなw元王子の方が健気でよし

653 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 01:44:54.63 ID:57DAwb6rO
続きっぽいけど本人でいいのかな?

654 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 01:58:20.52 ID:GU8SOJ4v0
あ、すみません
本人です

655 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 09:26:08.77 ID:lOydcy7UO
続編Ktkr!
前作キャラが幸せそうでnrnrしました
GJ!

656 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 18:22:37.59 ID:XamBWOCe0
まわしー

657 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 20:56:15.04 ID:yEjBXKZ5O
まわれまわれー

658 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 20:58:06.97 ID:SXNtWZiX0
踏んでくだちい

659 :風と木の名無しさん:2011/02/28(月) 21:16:14.22 ID:RY0rdED1O
探偵と○○

660 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 01:38:44.12 ID:Iom0SXARO
777:風と木の名無しさん 2011/03/01(火) 01:33:42.06 ID:shOTakKoO[sage]
*9*0 656-658
ここ最近の流れからして、656はあげてるし十中八九
ルールわかっていながらわざとまわしてるんだろうが、
657と658は、656に流されてまわしてる可能性もあるから、念のため。
(ケータイとPCだし、間隔短いから片方もしくは両方とも荒らしの気もするが)

1嫁。650からまだ24時間経ってないのにまわすな

「続編は0以外へお願いします」というルールがあるから
650が*0としてどうなのか判定微妙なのはわかるけど
明確な荒らしじゃなければときでも特に感想なければ24時間待て
なんのためのルールだよ
もうそろそろまわしてもいい時間だけどスレ状態どうかと確認しにきたらこれだよ

661 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 21:20:00.95 ID:DM9GFyH50
まわします

662 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 22:09:07.46 ID:k4i3ZSYjO
別館の探偵に萌えつつ、まわし

663 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 22:40:57.10 ID:UDm9M0/E0
さて、俺の回転を見せつける時がきたか
まわるぜ

664 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 22:44:57.15 ID:jEK2xZbKO
別館があって良かったまわし

665 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 23:10:06.43 ID:Hnd3xvdU0
まわしまわし

666 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 23:20:28.14 ID:gFd6yUYSP
別館ありがとうまわし

667 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 23:52:27.37 ID:W2uF/7fuO
まわまわ

668 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 23:55:05.50 ID:ll/hL1QW0
好きなだけ踏んでいってください…

669 :風と木の名無しさん:2011/03/01(火) 23:56:16.92 ID:xS6y6MB90
哀愁漂う背中

670 :風と木の名無しさん:2011/03/02(水) 02:27:35.73 ID:z30x6EIP0

「娘さんご結婚、おめでとうございます」
「ああ…」
「寂しくなりますね」
「ああ…」
晴れやかな式のはずなのに、貴方の顔色は優れない。
まあ、死んだ奥さんの忘れ形見を、何処の馬の骨とも知れない男にもってかれちゃぁな。
丸まった背中が、貴方の姿を実年齢よりより老けたように見せる。
寂しい…そんな言葉が背中から聞こえてきた。
「君みたいな好青年だったら、娘を安心して嫁に出せたんだがな…」
「そうですか?案外ああいうチャラけた奴のほうが、純粋で真面目だったりするんですよ?」
「あはは…」
力なく笑った目じりの皺が、愛らしい。

「第二の人生スタートですね」
「もう、そんな気力ないよ」
「何言ってんですか、今時のアラフィフなんて俺たちの世代より元気じゃないですか」
「そうかい?」
「ええ、だから」
骨ばった貴方の手を握る。

「もう一度、恋、してみませんか?」


671 :風と木の名無しさん:2011/03/02(水) 03:39:02.74 ID:wghKqR6e0
オヤジ萌えの自分にはどストライクでした
GJ!

672 :風と木の名無しさん:2011/03/02(水) 05:07:40.63 ID:FFJ+rQlo0
情景が目に浮かんだよー、GJ!

673 :風と木の名無しさん:2011/03/02(水) 06:43:38.89 ID:t/9Z+rDAP
GJGJ!!最後のセリフにズッキュンきた
オヤジ萌え美味しいですありがとうございます

674 :風と木の名無しさん:2011/03/02(水) 11:33:19.87 ID:0cnVbSgQ0
ふおお背中想像して萌えた!GJ!
ちょっとくたびれてそうなところがまた好みだ

675 :風と木の名無しさん:2011/03/02(水) 16:11:57.89 ID:T3PhBhZ10
アラフィフ(笑)
もう一度、恋、してみませんか(笑)

はい次

676 :風と木の名無しさん:2011/03/02(水) 18:15:28.76 ID:FcC/HPtm0
GJです!
しょぼくれた中年を励ます好青年の図を想像して萌えたww




まわしー

677 :風と木の名無しさん:2011/03/03(木) 12:16:50.70 ID:LYumMgPq0
まわします

678 :風と木の名無しさん:2011/03/03(木) 13:18:01.03 ID:RA3ViDtQ0
さあ、踏んでちょうだい!!


679 :風と木の名無しさん:2011/03/03(木) 13:19:38.81 ID:z5hTTiRy0
彼のことも彼女のことも好きだ

680 :風と木の名無しさん:2011/03/03(木) 22:31:04.70 ID:Zeo3lWfgO

拳が震えている。
男らしい無骨な指がぎゅっと丸まっては時折思いあぐねたように緩んで、ジーンズを爪の先で引っ掻くのは彼が何かを我慢している時の癖なのだ。
「……もう限界だ。」
……あ、やっぱし。ついに決壊か、そうか。
「あのな、俺はお前の優しいところを尊敬してるんだ。」
ふむ。上げてから落とす作戦か。

「……だが、これだけは言わせてくれ。いや、言わせろ。恋人とのセックスの最中に!実の妹の自慢をするバカがどこに居るか!いや居ないね!お前はデリカシーを母親の腹の中に落としてきたのか!?」
エクスクラメーションマークだらけの威勢の良い啖呵とは裏腹に、彼の視線は落ち着きなく宙を泳いで俺と目を合わせてくれない。
きっとヨソの女でも男でもない、ただの妹に嫉妬するような自分が後ろめたいのだ。あなたはそういう人だ。

だが待ってほしい。
ならばあなたは俺に妹を愛すなと言うのか。つぶらな瞳はチワワよりも愛らしく、ほっそりとした脚はバンビよりも華奢で、おまけに兄想いの心は清廉で聖女マリアのごとく。
俺の妹がこんなに可愛いはずが有るんです。何故かって俺の妹だから。
バレンタインには手作りのチョコだってくれるのだ。ちなみに舌触りはことごとく水気を奪われた砂漠の砂のようだったがそんなことは問題じゃない。
それにいくら妹が天使のように可愛いからって、所詮家族ですよ。結婚できる訳でもないし……、
「俺ともできねえよバカ!」
あ。声に出てた。ついでに頭目がけて豪速のクッションが飛んできた。

広い肩を縮こめて、このまま地面にズブズブと沈んでいってしまいそうな勢いで俯く彼は怒っているのか悲しんでいるのか分からない。
かわいい人。俺がキスしたいのはあなただけですって、言ったらどんな顔をするだろう。……すみませんちょっと嘘つきました。おでこにおやすみのチューは正直捨てがたい。

ええと、とりあえず今夜のディベートの議題inベッドでは決まりましたね。
家族愛と愛の違いについて、カラダでレクチャー。今夜は教授って呼んでね。なんちゃって。

681 :風と木の名無しさん:2011/03/03(木) 22:36:02.45 ID:y9RZi1S10
この先もなんかいろいろ苦労しそうだけど
とりあえず今夜は楽しくレクチャーされてください。
可愛かったです、GJ!!

682 :彼と彼女:2011/03/03(木) 22:43:40.63 ID:JMQjrptZ0
 清潔なリビングは静まり返り、車のエンジン音だけが響いてくる。
 重苦しい空気に耐え切れず、加賀美は胸ポケットを探った。
 たばこを取り出し、火をつける。正面に座る多田が身じろぎした。
「帰ってくれ」
 かさついた唇が何度目かの台詞を紡ぐ。
 加賀美は動かなかった。黙って床に目を落とす。
 多田はあきらめたように息を吐いた。
 長い栗色の髪がかぶさり、その表情はうかがえない。しかし、加賀美には泣いているように見えた。
 加賀美にとって多田行彦は会社の先輩であり、叶わぬ恋の相手でもある。
 先だって想いを打ち明け、手ひどくふられたばかりだった。
 そんな加賀美が彼を訪問したのには訳がある。多田が会社に携帯電話を置き忘れたのだ。
 加賀美は忘れ物を携えて多田のマンションを訪ねた。少しでも信頼が回復できれば、という下心があったのも事実だ。
 まさか玄関で当人に出くわそうとは。しかも、女の装いをした彼と。
「だから言ったんだ、俺なんかやめとけって」
 きれいにマニキュアが施された指先が震えている。
 加賀美はたばこをもみ消し、身を乗り出した。
「多田さん」
「さわるな!」
 低く一喝され、伸ばしかけた腕をひっこめる。
 そんな加賀美を一瞥し、多田は自嘲的に口角をつり上げた。
「おかしいだろ、気味悪いんだろ? 笑えよ」
 皮肉げな口調がかえって痛々しい。開き直ったように椅子の背にもたれている。
 黒く縁取られた目は一見無表情だが、奥には傷ついた牡がかいまみえた。哀しげな、手負いの獣のようなまなざし。

683 :彼と彼女(続き):2011/03/03(木) 22:46:28.79 ID:JMQjrptZ0
 深呼吸して、加賀美は口をひらいた。
「たしかにびっくりしました。――正直、今もとまどってます」
 多田が再びうつむき加減になる。その姿を見つめたまま、早口に続けた。
「でも、多田さんは多田さんだから」
 多田が驚いたように顔を上げる。加賀美は席を立ち、多田のかたわらにひざまずいた。
「どんなあなたも受け入れます。俺の、恋人になってくれませんか?」
 多田の頬を涙がつたう。マスカラが黒く筋を描いた。
「おまえ、趣味悪すぎ……」
 それ以上言わせず、骨っぽい身体を抱きしめる。
「好きです。彼のことも、彼女のことも、愛してる」
 二度目の告白は今ひとつしまらなかった。しかし、胸にともったぬくもりは本物だ。
 幸福に包まれながら、加賀美は背に相手の腕を感じていた。

684 :風と木の名無しさん:2011/03/03(木) 22:48:48.71 ID:JMQjrptZ0
すみません、一足遅かったですorz

685 :風と木の名無しさん:2011/03/03(木) 23:06:50.72 ID:bbq05UcY0
>>680
どっちも可愛いなwww
このシスコン兄のダメ具合が好きwwGJ!!

>>684
どどんまい!

686 :風と木の名無しさん:2011/03/04(金) 08:11:25.37 ID:BNrLWSEdO
>>680
かわいいよツボったGJ!!
なるほど兄バカときたか〜俺ともできねえよがイイw今夜もまた怒らせそうだw

687 :風と木の名無しさん:2011/03/04(金) 10:11:59.35 ID:YOIqAnL30
妹か〜なるほど
面白かったGJ

688 :風と木の名無しさん:2011/03/04(金) 14:18:28.44 ID:bXOVS57r0
踏み台としての役目を果たしてみせる!

689 :風と木の名無しさん:2011/03/04(金) 14:19:05.35 ID:R6XZrBoh0
兜合わせ

690 :1/2:2011/03/05(土) 07:38:32.78 ID:YcaZegdk0
「それではお二人に兜を合わせていただきましょうか」

チェリー商事の薄田課長が下衆な笑みを浮かべる。
僕の会社801デザイン(株)にとってチェリー商事は大切なお得意様であり生命線。
彼らの命令は絶対と言っても過言では無い。
絶対に逆らえない事を知っていながら薄田は僕と係長に「兜合わせをしろ」と要求している。
なんて卑劣で品性の欠片も無い行為なんだ。

「お言葉ですが薄田課長」
主任が立ち上がって薄田を見据える。
801デザイン(株)きってのキレ者、身長185センチ、鋭く研ぎ澄まされた端正なマスク、
時折見せる優しい笑顔に、女子社員だけでは無く男性社員までもが憧れる存在。

そんな主任といえど、このピンチを乗り切れる術は無いだろう。
主任は薄田のいやらしい視線を挑発するようにベルトを外し下半身を露にした。

僕も覚悟を決めなくては……。
薄田の下品で卑劣な要求に屈するのは屈辱だが「主任とならば」と立ち上がろうとした瞬間、
主任は自らのモノを扱き起立させた。
その光景に一同が息を呑む。

「ご覧の通り私は真性包茎です、残念ながら兜を合わせる事はできません」
冷静かつ堂々とした声に身を震わせたのは僕だけでは無いはずだ。
まるで帝王のような風格。
そうだ主任を征服できる者など誰もいやしないのだ。
さすがの薄田もこれでは手出しはできまい。

691 :2/2:2011/03/05(土) 07:40:37.63 ID:YcaZegdk0
「いえ、そういう意味じゃなく、お二人が広告のモデルと背格好が同じなので、
 撮影の前に兜を試着して確認をしてくださいという意味です」
薄田は淡々と「兜合わせ」が僕達の勘違いであると指摘する。

「それは失礼、では試着の前に私は勃起しておりますのでトイレで抜いて参ります」
主任はうろたえること無く、スマートにそして優雅に会議室を出て行った。
フルチンのままで。
しかも勃起したままで。


「あっ、あの、僕、手伝ってきます!」
僕の仕事は主任のサポート、どんな時だって後をついていくのは当然だ。
でもそれだけじゃない。
勘違いとはいえ僕を庇ってくれた主任への恩返し?
いや違う、これはきっと恋……。

僕も主任を追いかけて会議室を飛び出す。



「課長、あの人達、大丈夫なんですか?」
「ああ、気にしなくていいよ、801デザイン(株)の人はいつもああだから」

チェリー商事の社員達の呆れたような声が聞こえたような気がしたけど気にしない。
だって恋は暴走機関車。
僕達のラブとレインは誰にも止められないのだから――。

おわり

692 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 08:16:22.16 ID:YcaZegdk0
ごめん係長が途中から主任になってしまった

693 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 08:22:09.70 ID:OFodbiTn0
休みの朝からくそワロタwww
>だって恋は暴走機関車。
じゃねーよwwww
萌えも確かにあるんだけど、あまりの笑いに勝てないww
えーと、一応褒めてます

694 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 08:52:42.37 ID:DNZYPLClO
土曜の朝から何てモノを投下してくれるんだww
いやいやいや大好きだけれどwなにも言葉が出てこないよw
チェリー商事側がマトモだったっていうどんでん返しがまたいい

695 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 09:53:31.36 ID:iZV8pcXb0
「僕、手伝ってきます」がツボ
笑えましたGJ

696 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 10:00:02.56 ID:25rTmO650
801デザイン鰍ノ就職したいw
一週間の疲れが全部飛んだ気がするよ ありがとう

697 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 13:26:04.86 ID:1FaL2UYp0
いつも大変そうな薄田課長も
自社の社員にサポートしてもらえばいいと思う
笑いをありがとう、GJ

698 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 13:28:01.28 ID:Fe/yR1Mk0
くそわろたw 完全防備で無敵な主任が素敵だ
GJ!!!!

699 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 13:34:49.61 ID:+UgGeNz+0
3対3

700 :風と木の名無しさん:2011/03/05(土) 21:12:30.77 ID:empPyxuZ0
はあ?イミフ

701 :風と木の名無しさん:2011/03/06(日) 10:19:41.61 ID:nDLOZp5i0
3対3というと、最初に思いつくのは
ストリートバスケットのスリー・オン・スリーでしょう。
公園で遊んでいた3人が、知らない3人組に
「ここは俺達の場所なんだよ」とイチャモンつけられて、
対決するのがベタ。
相手チームにそれまで自分の気になっていた超上手い男がいたら尚良し。
対決後に仲良くなるのが鉄板。
運動系じゃなくて、頭脳で争うのもいい。
高校生クイズで、名門高校同士が知識で争う。
同じチーム内で恋のさや当てもいいけれど、
やっぱり相手チームに好きな相手がいるというのが良い。
ロミオとジュリエット形式は萌える。
途中で相手チームが不正していたのがわかるのも
タイムリーな話題でいいのかも。
個人的には、7人で3対3に分かれるのも好み。
残り一人の争奪戦になるのがいい。
小さい会社のチームで今後の方針で意見が分かれて
最後の一人がどっちにつくかで方針が決まるなんて場合。
自分の意見はA案だけど、B案側には好きな人がいるなんてケースで
仕事と私情の間で悩むといい。
A案側に当て馬のプレイボーイがいるのも鉄板です。

702 :風と木の名無しさん:2011/03/06(日) 15:15:08.34 ID:m413WFz+O
>>701
GJ!そうきたか〜
自分も3on3が浮かんだが難しかった

703 :風と木の名無しさん:2011/03/06(日) 15:52:50.21 ID:U/bkxDSn0
>>701
GJ!すごい!いろんな萌えのバリエーションが!
私はまだまだ修行が足りないな…

704 :風と木の名無しさん:2011/03/06(日) 19:16:04.50 ID:mhy8H/XmO
ロミジュリ好きだよ
いろんなバージョンありがとうGJ

705 :風と木の名無しさん:2011/03/06(日) 23:35:31.72 ID:KZ0qZh9Z0
萌え語りGJでした
なるほどねー! どれも美味しい萌えです ごちそうさまです
いろんな引き出しがあって感心する

706 :風と木の名無しさん:2011/03/06(日) 23:55:15.95 ID:zdJ+WCHgO
まわします

707 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 01:47:40.42 ID:PyOFZPBB0
まわしっしー

708 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 02:11:20.16 ID:SyL4rax/0
*8の自分を思い切り踏みしだいて下さい、我々*8の世界ではご褒美です!

709 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 02:13:31.60 ID:dWEwUL1sO
やおいスレの本気

710 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 02:14:15.91 ID:dKRkch59O
来ない便り(orメール)を待つ

711 :part1:2011/03/07(月) 16:46:37.88 ID:xFGzYTTc0
「何だって!?」

先王の暮らす離宮にルシフェルの声が響き渡った。
宮殿から少し離れた地に在る離宮は、碧のドームが美しい建造物であった。
先王が在位している際、その希望に副うため趣向を凝らして造られたものである。
「王の離宮」として造られたが、退位した先王がそこに定住してしまった。
離宮と言うには宮殿からさほど離れていない。先王は元より退位した後の住処として建造させたのであろう。
その離宮にある先王の謁見の間で、ルシフェルは恐ろしい事を聞いてしまったとばかりに顔を引き攣らせている。今はその顔のまま石像のように固まってしまっていた。
先王は一段高い位置に座しており、呆然と立ち尽くすルシフェルを溜め息混じりに見つめた。

「お前の撒いた種だろう?」
「だが、貴方にも断る事ができたはずだ!」

ルシフェルは勢い込んで抗議したが、首を振る先王は聞く耳を持たないようである。
その仕草にルシフェルは忌々しげに舌打ちをした。
自室で午睡を楽しんでいたのに急に呼び出され、先王が告げた用件はまさに寝耳に水だった。
いや、嫌な予感はしていたのだ、確かにあの天蓋の下で。
先王が告げたのは、

「イーノックがお前をハレムに迎えたいそうだ。」

という恐ろしいものだった。
そこであの叫びだったのだが、先王の『お前の撒いた種』という言葉に引っかかった。

712 :part2:2011/03/07(月) 16:47:37.84 ID:xFGzYTTc0
「どうして貴方は私の撒いた種だと?」
「私が何も知らないとでも思ったか?随分とナンナを困らせていたようだな。」
「!!」
「お前も分かっていると思うが、ナンナは私に告げ口をするような子ではないよ。この離宮の主を誰だと思っている?」
「・・・・」

ルシフェルは悔しげに先王から顔を背けた。
先王の目の届かない所など離宮に限らずこの国にはないだろう。たとえ退位したとしてもその権力までは退いていないのである。ルシフェルは、さぞかし現王にとっても目の上のたんこぶだろう、とイーノックに同情した。

「お前がイーノックと遭遇した経緯はイーノック本人から聞いたが、まさかナンナの私室で女の格好をしていたとは。」

先王は鼻を鳴らしてルシフェルを見た。その仕草にカチンとくる。

「・・・貴方の言いたいことはそれだけか?」
「お前には言いたいことがあるのか?」
「・・・私はナンナに会いに行っていただけだ。」
「そうだろうとも。」
「ならば何故―――――!」

ルシフェルは先王が自分の行動の意味を分かっていながら、イーノックの申し出を断ってくれないことに不満を感じていた。
何だかんだと先王は自分に甘いのだ。なのに何故今回は助けてくれない?
ルシフェルの気持ちを見透かしたように先王が答えた。

「今回は私は助けないよ。自分で何とかするんだ。」
「だからどうして!」
「今回は私の可愛いナンナとイーノックに謝罪する意味で自分で何とかしなさい。」
「なっ・・・!」

713 :part3:2011/03/07(月) 16:51:38.17 ID:xFGzYTTc0
絶句するルシフェルに先王は笑って続けた。何かを企むような嫌な笑いだ。こんな笑顔を見せる時のこの人は碌な事を言わないのをルシフェルは身をもって知っている。

「どうにかして欲しいなら・・・そうだ、お前がしていたという女の格好をして
「断る。」

先王が言い終わら無いうちに踵を返し、ルシフェルは謁見の間をさっさと立ち去った。
立ち去るルシフェルの背中に、「イーノックは明日この離宮へ来るからハレムに行く用意でもしておきなさい。」という声が追いかけて来る。

「断る!」

振り返って大声を出したルシフェルに先王の笑う声だけが被さってきた。
ああ忌々しい。絶対面白がっている!
ルシフェルは足を踏み鳴らして自室に戻ったのだった。

翌日、先王の言った通りイーノックは離宮へやって来た。
ルシフェルは大雨、いや、嵐にでもなってイーノックが来なければいいと思っていたが、都合よく天候が変わることはなかった。
もしかしたら先王が断ってくれるかも知れないという淡い期待を抱いていたルシフェルだったが、その期待はあっさりと打ち砕かれた。
女官が自室にやって来て「先王様と王様がお呼びです。」とルシフェルに淡々と告げる。
溜め息をついてルシフェルは寝そべっていた絨毯から起き上がった。
仕方が無い。昨日から考えていた案を実行するとしよう。

「私は行かない。」

ルシフェルは女官に背を向けて、着ていた服をどんどん脱ぎ捨てていく。
女官は慌てたようにルシフェルの脱ぎ捨てた服を拾い始めた。着替えを手伝おうとするその顔には、心配する表情が浮かんでいる。

「けれどルシフェル様・・・」
「ここに王を呼んでくれ。」

服を拾う手を止めて女官がルシフェルを見上げた。

「私がこれに着替える頃を見計らって王をここへ呼んでくれ。くれぐれもあの人は呼ぶなよ。」

714 :part4:2011/03/07(月) 16:54:27.37 ID:xFGzYTTc0
ルシフェルは手にした衣装を女官に見せてニヤリと笑った。
ついでに「私の事は今日一日『ルシファー』と呼ぶように。」と付け加える。

「ルシファー・・様。ええと、これを・・・お召しになるので?」
「そうだ。」

怪訝そうな顔をする女官を二人の元に返してルシフェルはさっさと着替えた。
全身を確認してベールとマスクを素早くつける。
そして裸足のまま中庭へ走り、身も軽く手近な低木に登った。
後は王が来るのを待つだけだ。
―――――王には悪いが、私は負けず嫌いでね。
先王の言う通り、自分で何とかしてやろうじゃないか。先王の目の前で披露できないのは悔しいが、今の格好を見られるよりはましだろう。
ルシフェルは木の枝に腰を下ろしてイーノックを待った。
身に着けた女性の衣装が風に揺れ、低木を撫でていた。

イーノックがルシフェルの私室へ訪れると、広々とした部屋には誰も居なかった。
たった今まで人が居たと分かるのだが、今はどこを見回しても無人である。
緊張と不安、そして期待を持ってやって来たイーノックは、主の居ない部屋でポカンと立ち尽くした。
「ルシファー?」
恐る恐る呼んでみると、遠くから声が聞こえた。
「こっちだ。」
どうやら屋外から聞こえてくる。
イーノックは部屋を横切り、中庭に面して打ち抜かれた内壁から外へ足を進めた。
広壮とした離宮に相応しい広さの中庭には、密に芝草が生えており、所々に低木が植わっている。
ルシファー―――――ルシフェルが中庭の低木の上に座っていた。
ホッとして思わず微笑がこぼれ、イーノックは足早にルシフェルの元まで歩を進めた。
ルシフェルの腰掛けている低木はイーノックの背丈ほどで、自然とルシフェルがイーノックを見下ろす形となる。

「ルシファー!」
「やあ、王。久しぶりだな。」
「ああ!本当に!」

715 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 17:00:18.74 ID:xFGzYTTc0
連投規制うぜえから強制終了しまーす^p^

716 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 19:14:36.82 ID:vuKyfuUJ0
荒れたままお流れも寂しいのでこんな妄想をしてみた。
ある日、やおいスレにこんなスレが立つ。

***
『腐女子助けてwwww』
1 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:21:09.11 ID:motonoNke0
男を好きになりました\(^o^)/
しかもヒトメボレwwwwおれヤバスwwwwwwwww

2 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:21:11.59 ID:motonoNke0
あ、俺も男な\(^o^)/
***

スレが立った当初は、出張VIPPERの釣りだと疑う者、3次元お断り、
他版への誘導などで大混乱したが、次第にスレ主の真剣さが伝わり、
親身にアドバイスを書き込み始める腐女子達。

***
『腐女子助けてwwwwPART2』
304 :風と木の名無しさん:2010/11/17(水) 23:50:10.05 ID:YaOISaIK0
一緒のゼミかサークル入ってみなよ

***
『腐女子助けてwwwwPART8』
716 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 19:09:54.33 ID:xFGzYTTc0
ケツは洗ったか?

***

その後、本人の決死の頑張りや、貴腐人の暗躍などなんやかんやで
やおいスレの本気により、カップル成立。
電●男ならぬ、やおい男の誕生である。めでたしめでたし。

717 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 20:09:05.59 ID:bfOKJYWOO
途中経過が大事なのに!
え?途中はどこ?って探しちゃいましたよw
GJでした


718 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 20:22:20.18 ID:Sv4myrB20
ID:xFGzYTTc0は転載?乙
>>716
萌えたけど…
つ■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
  別館の「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。

719 :風と木の名無しさん:2011/03/07(月) 20:47:30.28 ID:TbktBBEo0
青年×やんちゃショタ

720 :風と木の名無しさん:2011/03/08(火) 22:36:39.46 ID:MVP8LgkjO
残念
次へ

721 :風と木の名無しさん:2011/03/08(火) 22:54:46.64 ID:h/aYF+Xl0
ショタか……難しいお題になっちゃったのかな
まわします

722 :風と木の名無しさん:2011/03/08(火) 22:54:51.95 ID:KIkMg9u2O
ショタ好きだけどいざ自分が書こうとすると難しいなww
まわしー

723 :風と木の名無しさん:2011/03/08(火) 22:57:33.50 ID:lvaG4b9J0
あららお流れか。残念
ふとショタって何歳までがショタなんだろうと思った

別館メンテ中だね

724 :風と木の名無しさん:2011/03/08(火) 23:20:23.38 ID:mN9apyBxO
小学校4、5年生位までのイメージ
ショタは半端にリアルになるとまずいし加減が難しい


725 :風と木の名無しさん:2011/03/09(水) 00:16:58.81 ID:wtAojLsKO
大人になったら結婚するんだ系?
今の小学生はもう少しクールかなあ


726 :風と木の名無しさん:2011/03/09(水) 06:21:24.95 ID:8c2h9rzjO
半ズボン履いてたらショタだなー
14歳でも半ズボンが眩しかったらアリだ
だってファンタジーだもの

727 :風と木の名無しさん:2011/03/09(水) 12:46:52.10 ID:7CxbSlhzO
私立小学校の制服以外、短パンのショタって最近見ないな〜良くて七分丈。
この時期生足短パンはキツいけどね。まわし。

728 :風と木の名無しさん:2011/03/09(水) 13:10:05.71 ID:+gpYY0AlO
踏み台なんて初めて…優しくしてね

729 :風と木の名無しさん:2011/03/09(水) 13:12:32.45 ID:vUEHG+Sp0
友人だからこその気持ち

730 :風と木の名無しさん:2011/03/09(水) 16:10:24.11 ID:1d4YDa2I0
ここって駄文投下しても絶賛されるんだね
次スレは立てんなよ?

731 :1/3:2011/03/10(木) 01:14:59.96 ID:OTOOtLR60
外は暴風雨で、時折ではあるが、雷鳴さえ轟いている。これでは流石の戦闘機も飛ぶことはできまい。
アキヨシはその事実にほっとするでもなく、喜ぶでもなく、ただそれを事実として淡々と受け入れていた。
辞令は下った。明日は無理でも、明後日にはアキヨシは出撃しなくてはならないのだろう。
それを覆すことなどできはしない。十三の春に入隊をしたときから、アキヨシが国のために散ることは
決まっていたのだから。
そのために様々な技術を叩き込まれ、この食糧不足の世においても一日二回の食事を与えられていたような
ものなのだ。「飼われていた」という言葉が一番しっくり来るが、それでも飢えるでもなく親父に暴力を
振られるでもない環境は、アキヨシにとっては快適といって差支えがなかった。
アキヨシはコーヒーカップに並々と注がれた黒い液体を啜る。
深い苦味のあるそれに顔を顰めると、格好をつけて「ミルクはいい」と言い張った五分前の自分を呪った。
「雨、すげぇな」
荒れた空を窓越しに見上げ、それから背後の男を振り返った。
男はバッジをたくさん付けた軍服を着込んでいたが、その顔は妙に幼い。
それもそのはずだ、エリート街道を突き進み昇格を繰り返しているとはいえ、この男――、ハルナリは
アキヨシと同じ十七歳なのだ。
加えて、もう幾年も続いている世界的な食糧難だが、それはここ数年取り分け厳しく、軍人とはいえ
充分な食事を摂ることさえままならない状況なのだ。
本来ならば筋骨隆々としていなければならないはずの体が比較的細身に保たれるのも道理と言えよう。

732 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 01:15:03.03 ID:fa4IQBLK0
「俺、鈴木さんに告白しようと思うんだ」
「……とりあえず、そのあほらしいタキシードは脱げ。つーかどこから持ってきた」
やけに真面目な表情でそう切り出した高田に、俺は冷静につっこんだ。
鈴木さんは、俺のゼミの先輩だ。美人ではないけれど、笑った顔がかわいいしよく気がつく人だ。
見た瞬間から、ああ高田のストラクゾーンど真ん中だなと思った。
だから、俺は高田を彼女に合わせた。実際その通りで、高田はやけに舞い上がっていた。
「どうしようかなぁ。大丈夫かなぁ」
「鈴木さんは今のところ彼氏はいないって言ってたよ。がんばればいけるって」
もし成功すれば、それこそこいつは天にも昇る心地になるだろう。失敗したとしても、いつも通りに戻るだけだ。
……本当は、失敗してくれればと思う。そうすれば、高田は俺のそばにいてくれる。
でも、それはあくまでも友人としてだ。恋人ではない。
この関係を変化させたいなんて、高田が考えるはずもない。
「お前にクールなセリフなんて似合わないんだからさ、ストレートに『好きです、付き合ってください』というのが一番だな」
「それだとインパクト足りなくないか?」
「背伸びすると後が辛いぞ」
ならせめて、友人として、こいつの幸せを願いたい。
恋人になれなくても、高田が笑っていてくれたら、きっと俺も幸せになれるだろうから。
「来週の木曜日は、ゼミには俺と鈴木さんしか来ないから二人っきりにしてやれるぞ」
「マジか! ありがとう心の友よ!」
「お前はジャイアンか」
抱きついてきた高田に少し胸がときめいたが、俺は冷静さをよそおって突っ込みを入れた。

733 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 01:15:30.86 ID:fa4IQBLK0
しまったかぶったorz
すみません。

734 :2/3:2011/03/10(木) 01:16:20.39 ID:OTOOtLR60
「すまなかった」
ハルナリが、唇を噛み締め言う。涙を溜めた目でアキヨシを見つめると、もう一度「すまない」と言った。
「……なにがだよ」
「私が君にしてやれることは、何もない」
「当たり前だろ。お前はただ偉そうにしてりゃあいいんだよ。俺のことなんかで頭を悩ますな」
アキヨシは苦笑する。
ハルナリとアキヨシは、今まで真逆の人生を歩んできた。
ハルナリは親子四代に渡っての軍人であり、何不自由なく生きてきた。品も学もあり、苦労知らずのお坊ちゃまと
言う表現がしっくりくるような風体をしている。
かたやアキヨシといえば、飲んだくれの親父の暴力に耐えかね、逃げるようにして軍隊へと入隊したのだから、
そもそもの生まれからしてハルナリとは違っているのだ。
そんな二人だがアキヨシが入隊したことによって知り合い、どういうわけか馬が合ってそして友人になった。
アキヨシに出撃の辞令が下ったのは、昨日のこと。
夜に係りの者が部屋を訪れ、最後に食べたいものはないか、欲しいものはないか、
家族への連絡を望むか、と事務的に尋ねた。まるで囚人のようだ。
だからアキヨシはこうしてコーヒーを飲み友人と最後の団欒をすることを望んだわけだ。
家族への連絡は不要と断った。親父は居るが、どこでなにをしているのかもアキヨシにはわからなかったからだ。
「君に辞令が下ることは知っていた。だが、私には、なにも……なにもできなかった」
「お前に何かを望んだりなんかしてねぇよ。余計なことはなにもしなくていい」
「だが、私が父に掛け合えば……、」
「やめろよ!」
アキヨシは声を荒げ、そしてハルナリを睨んだ。

735 :2/3:2011/03/10(木) 01:17:46.32 ID:OTOOtLR60
「やめろよ、お前のお情けで出撃命令を取り下げてもらってもな、俺は少しも嬉しくなんかねぇ」
ハルナリは目を見開き、アキヨシを見た。
「お情けだなんて……」
「そうだろ、俺は入隊してから、何人もの仲間が死ぬのを見たし、そういう話を聞いた。だけど
お前は俺以外の人間が出撃することになったとしても、上に掛け合おうとなんかしなかっただろ」
「それは……!」
「いいか、俺はお前と同等で居たい。同等の立場で居たい。身分も違う、階級も違うが、お前と
同等で居たいんだ。お前が俺の命を救う? それができたとしたら、それはお前が俺の上官で、
親父が立派で、俺よりもお前がエライからできんだよ。そんなことをされた時点で、
俺は、お前の友達ではなくなっちまうだろ」
アキヨシは肩で息をすると、椅子に崩れ落ちた。
暫くの沈黙が落ちる。
外では、雷鳴が鳴り響いている。
「私は……、私は……」
「俺はお前が好きだ」
ハルナリがはっとした顔をし、アキヨシを凝視した。
「この世で一番大事に友人だからな」
アキヨシの言葉に嘘はない。ハルナリは下士官であるハルナリに気さくに話しかけ、頻繁に遊びに誘い、
窮屈な軍隊生活を明るいものにした。ろくなことのない人生だったが、ハルナリと居る時間は、
それなりに楽しかったのだ。
ハルナリはノリのきいた軍服の袖で目元をこするとアキヨシに向き直った。
「知っている。君は私の――、」ハルナリは困ったように笑うと「友達だからな」と結んだ。
荒れた空をもう一度見る。それからハルナリに歩み寄り、その髪をかき回すように指先を突っ込んだ。
綺麗にまとめられた前髪が、無残に乱れた。
「武運を祈る」
「ああ――、大丈夫、戻ってくるさ」
戻ってきたものなど、ほとんど居ない。それをアキヨシはわかっていた。
ハルナリが敬礼をする。アキヨシもそれに応える。

もうすぐ明日がやってくる。

736 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 01:34:31.35 ID:prVLM04L0
GJ
出来れば無事に帰ってきてほしい

0以外スレの人もGJ
こっちも甘切なくていい

737 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 02:49:33.47 ID:VlWQK6zmO
つまんね

738 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 05:42:29.72 ID:XqEJO13GP
GJ! 軍服美味しいですありがとうございます
私も無事に帰ってきて欲しい

0以外のスレの人も萌えをありがとう
>>732も投下したらいいと思う

というわけで、踏んづけちゃって

739 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 06:58:05.61 ID:KzaTuXkYO
名前で呼んでほしい

740 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 15:10:49.43 ID:Qgt+9bri0
ラムネをなくしたな……
ふと大河内はそんなことを考えた。

都内のとある港の倉庫群。
そこに大河内が向かったのは、単純な恐喝にのったからだ。
秘密をばらされたくなかったら、そちらの情報を流せ。
あまりに陳腐な、単純な、そして少々効果的な脅迫文が届いたのは三日前。
日付は今日の指定だった。
勿論応じるつもりはなかったが、大河内の"秘密”は相談できる相手が少なかった。
二時間ほど悩んだ末、彼は神戸の携帯を鳴らし、その上司も行きつけのバーに呼び出した。

「ひとつよろしいですか?」
神戸は、仕事なのかオフなのかはっきりしないバーのやりとりで、上司のまねをして大河内に尋ねた。
「秘密って、何か大河内さんあるんですか?」
「それは……私にも多少人に知られたくないこともあります。」
仕事モードで答えた監察官に、神戸は不満げにふーん、と息を吐いた。
「神戸君、感心しませんねえ……脅しに掛けられている被害者に、それを明かせと迫るのは。」
「お言葉ですが杉下警部、友人として聞くのは構わないんじゃないですか?」
「友人としても節度と言うものがありますよ。」
「でも……」
言い募る神戸に、苦笑して大河内は応えた。今度は友人として。
「仕事のミスじゃ無いから安心しろ……つまらんことだ。」

そして二日間で、特命係は大河内監察官の個人的な頼みをほぼ解決するに至る.

問題は、黒幕からすでに離れて別行動をする実行犯……いわゆる前科者のチンピラ、だった。
黒幕の弱みは既にこちらが握り、黙らせることに成功したが、今度は彼らが多額の金を要求してきたのだ。
「行くって本気ですか大河内さん。」
「しかたない。」
監察官室で、神戸に詰め寄られて大河内は顔をしかめた。
「……連中、何を知っているのかわからんが、わざわざ家の近くまで顔をのぞかせているんでな。私が出向いておとりになるのが手っ取り早いだろう。」
「一課に任せればいいじゃ無いですか、この件で殺人が絡んだことは分かってるんです!」

741 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 15:12:59.00 ID:Qgt+9bri0
「だから早く捕まえるべきだろう。」
「んんもうッそうじゃなくて!」
だん、と神戸が机を叩いた。
「それだけ危ないって言ってるんですよ!」
大河内はだまってピルケースの中のラムネを口に入れた。

たしかに神戸の言うとおり、一課に任せてもよかったかもしれない。
だが大河内は怖かった。
ほんとうに、秘密を彼らが知っていたら。
だからまず自分で確かめたかった。保身のためだった。
――それでこのざまだ。
大きく息を吐いて、大河内はその場にへたり込んだ。
わき腹と、それを押さえる腕が熱い。
背後からわっと喧騒が襲ってきて、たちまち通り過ぎる。
伊丹たちが犯人達を確保しだしたのだ。
結局犯人達は秘密なぞ知らなかった。ブラフだ。
ほっとしながら合図を送り、一課の連中が動き出した直後、それに気付き半狂乱になった犯人がナイフをひらめかせた。
あっと思うまもなくわき腹とそれをかばおうとした腕に切り付けられる。痛みを感じる前に犯人の伸びた腕をつかんで、反射的に投げ飛ばした。
そして今、やたらに脈打つ腹を押さえながら、大河内はとうとう倒れこんだ。

「大河内さんッ!!」

叫んだのは杉下警部だった。
なんとか上体を起き上がらせて、それに応えようとする大河内を、杉下は押し倒して彼のシャツをめくった。
「……ッだいじょうぶです……かすっただけのようです。」
「ですがひどい出血です。待ってください、救急車を呼びましたから……腕は?ちょっと失礼。」
言うと、大河内のスーツとシャツを剥ぎ取る。
「大丈夫です、動きますから。」
二の腕に、ぱっくりと傷が開いているが、筋まで傷ついたようではなかった。
「そのまま。横になっていたほうがいいですね。」
「……はい。」
ふと、何か足りないものに気付いて、横になったまま頭をめぐらす。

742 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 15:15:11.08 ID:Qgt+9bri0
捜査一課の三人組をはじめとする面々、杉下、そして……
「杉下さん、神戸は――」
思わず起き上がった裸の背中に、そっと上着が掛けられる。香水のにおいがした、これは自分のじゃなく。
「んんもうッ…!もうもうもう!おおこうちさんのおばか!」
何故だかぐすぐすと半泣きの神戸の上着だった。
「おい……なに泣いてるんだ。」
「知りませんよ!
おおれ、死体苦手なのに……おおこうちさんが死体になっちゃったらどうすればいいんですッ?!それに血とかッ血とか駄目なのにもう、もおうッ」
ぐいっと袖口で顔をぬぐって、神戸はぶつぶつと何か言っている。
それに呆れて、というか言葉を失って大河内は何もいえない。
「危ないって言ったじゃ無いですか!もうっもうっ」
けたたましいサイレンが届いて、救急車の到着を知らす。間もなく救急隊員が手際よく、ストレッチャーを持ってきた。
「ああ、大丈夫です歩けます。」
「倒れますよ、素直に運ばれてください。」
気付くと傍らにいた伊丹にいわれる。
倒れる、と聞いて、興奮状態だったのかいままで感じなかった痛みが、急に襲ってきて顔をしかめた。痛いというよりどくどくと脈打ち流れる血が熱い。
「すみません、おねがいします。ほら神戸君、もう大丈夫ですよ。」
珍しく優しげな杉下の声がした。
ちらりと振り向くと、神戸と目が合う。
すると切れ長の目から、いきなり涙が溢れ出してきた。
「お、おおこうちさんしんじゃうかとおもったんですからーー」
びーびーと泣き出す神戸に、子供に泣かれたときのようにどうしていいかわからず泡を食う大河内。
ふたりをみて、伊丹は大きくため息をつきながら救急隊員に言った。
「さっさと運んじゃってください。」

■おまけ■
「とくめいがかりなきむしのかんべそんけいぶほー」
「いやそれ言ってるほうが子供っぽいですよ先輩」
「うるせえ」
「てゆーか、関係ないですけど大河内監察官、すっげえ筋肉でしたねー」
「おまえもどうでもいいとこ見てるよな……」

743 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 21:25:20.60 ID:rEuryUf/O
>>740
二次っていいっけ?

744 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 21:39:34.17 ID:Qgt+9bri0
>>743
駄目な理由を簡潔に教えて

745 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 21:45:08.45 ID:kwrOWrZR0
そもそもまったくお題に沿ってない。
棚へどうぞ。

746 :風と木の名無しさん:2011/03/10(木) 22:58:22.50 ID:43GmO70bO
>>1に二次はダメってあるよね
まぁ荒らしなんだろうまわし

747 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 00:13:25.19 ID:eQfxZKqK0
まわれまわれー
>>740も棚に置けば評価されたかもしれないのに

748 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 00:53:49.07 ID:7QmI0J3ZO
ああ二次だったのか
なるほどねw

749 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 00:55:19.53 ID:w/3xhceA0
当て馬同士の恋

750 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 03:30:20.76 ID:qRHkImabO
自分で考えろ

751 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 19:50:57.55 ID:JIZjftVv0
俺は祐樹に告白しようと決断した。

その恋は一目ぼれだった。
7歳のとき、転校してきた祐樹を見て何かの病気じゃないかと心配になるほど心臓が動いたことを思い出す。
おでこを出して笑う祐樹の顔を見るたびに息ができなくなった。
「僕、転校したばかりで不安だったけどまこちゃんがいてよかった。まこちゃんの傍って安心する」と言われてなんと返したのか覚えていない。
ただ、その後歳の離れた姉に泣きじゃくりながら病気で死んでしまうかもしれないと言った日のことを昨日のことのように思い出せる。
この気持ちが恋だと気づくのに結構な時間がかかった。

小学生高学年になってから祐樹がスポーツの中で1番バスケが好きだということを知った。
そう知った俺は、興味のもてなかったバスケを始めた。
祐樹が好きだといったり興味を持った選手はビデオを何度も見直して真似た。
対校試合で負けたとき、顔に悔しさをにじませ体育館の床をたたいていた姿。勝ったときの満面の笑み。全てが俺の気持ちを高揚させた。
喜ぶあまりに抱きつかれた時も頭の中が真っ白になって何の対応もできずにいた。
監督が笑いながらガシガシと音を立てながら俺と祐樹2人の頭を撫でてようやく現実に戻ってきたくらいだ。
その日の夜抱きつかれた記憶が、感触が甦って眠れなくなった。そのときは、こんな時間になっても勝ったことに興奮していて眠れないんだ! なんて思っていた。
まだこの気持ちが恋だってことに気がついていなかった。

自覚しかけたのは中学のフォークダンスの時だった。
学校の女子の数が足らなかったから、身長が低かった祐樹が女子側に行って「やってらんねー。信じらんねーよな、真」とぼやきながらも俺と手を繋いで踊ってくれた。
「だよな」なんて返しながらほかの女の子に感じない気持ちがこみ上げてくるのを不思議に思った記憶がある。
ほかの子に変わったときも俺の意識は祐樹に向いていた。
当たり前だけど前と後に踊った女の子に比べて、握った手は意外と大きくてゴツゴツしていた。
ダンスが終わった後、キャンプファイアーが灯す薄暗い中、見慣れた自分の手をジッと見つめた。

752 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 19:52:05.66 ID:JIZjftVv0
完全に自覚したのは祐樹と聡が付き合い始めてからだった。
それまでは自分の気持ちが本当に恋なのかまだ疑っていた。頭の中でまさか、でも……と繰り返して考えているうちに出遅れてしまった。
聡の隣で幸せそうに笑う姿に胸が痛くなったけど、まだ諦めきれなかったけど、恋人の隣で「俺、変かな?」と聞く祐樹に「別にいいんじゃない? 男同士でも」とだけ返しておいた。
「お前が誰と付き合っていたとしてもさ。俺、お前の友達だし」と付け足しもした。
コレでいいんだと自分の気持ちを取り繕うたびに、どうしようもなくなるくらい、自分が情けなくなった。

聡と祐樹は高校で初めて会ったわけじゃないらしい。
小学1年までずっと一緒に過ごしていたらしく、引っ越す前日には結婚の約束もしていたらしい。
自慢そうに言ってくる聡に相槌を打ち、「結婚なんてできるわけないのになー」と笑う祐樹に聡がちゃちゃをいれ、いちゃつく姿を見て早く昼休みが終わればいいのになんて考えていた。
3人で過ごしているうちに、聡のきな臭い噂や中学時代の同級生の嫉み混じりの「遊び人」と言う声が耳につくようになった。
本当かどうか走らないが噂の内容に対して胸騒ぎがした。祐樹が聞いていないか不安だ。

祐樹に告白しようと思ったのは聡が浮気をしていると知ったときだ。
聡の浮気相手は和弘というらしい。そしてそいつに聡と別れるように要求されたらしい。
泣きながら「もう、俺……どうすればいいのかわかんねー」と相談してくる祐樹の姿を見て、隠していた思いが胸の内に広がる。
俺は祐樹に告白しようと決断した。
「あんな奴やめろよ」と言ったら泣くのをやめてこっちを見た。涙の跡が頬に残っていた。
ハンカチで涙をふき取りながら「好きだ」と言った。

753 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 19:52:34.93 ID:JIZjftVv0
「ごめん……俺。あいつは浮気するし性格は俺様だし最低な奴だけど、それでも……好きなんだ」
ごめん、ごめんと繰り返した後へたり込む俺から目を離しその場を発った。
なんでそんな奴がいいんだろう。……なんで俺じゃだめなんだろう?
偏頭痛と震える足に悩まされながら家に帰った。晩御飯を食べずに眠った。夢で祐樹と笑っていた。
どうしようもなかった。

そして11年の恋が終わった。
結局祐樹は聡の隣に居て今も交際を続けている。それでも諦められない俺が居る。
そしてなぜか聡と浮気をしていた男を慰めている。
「俺は本気だったんだ……本当に好きで、ぐずっ……ううっ」
なんでこいつ慰めてるんだろう。俺だって泣きたいのに。
ただ、失恋して泣く姿を見て放っておけないと思った。

754 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 19:53:58.96 ID:JIZjftVv0
リロード忘れてた\(^o^)/
別館に移しますスレ汚しすみません

755 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 21:33:46.32 ID:XXW4RnPHO
0は12時間経過ですでに権利消滅してるから他の人が投下できるし、
そもそもあらしでノーカウントでいいから問題ないはず
なのでGJ

756 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 23:03:01.52 ID:eQfxZKqK0
GJ。もうみんなまとめて幸せになってほしいよ

757 :風と木の名無しさん:2011/03/11(金) 23:56:59.32 ID:xRyx3oob0
萌えた!!
二人とも泣いて新しい恋をやり直せばいいよ!


758 :風と木の名無しさん:2011/03/12(土) 00:17:56.40 ID:8YQr5k/i0
踏んでください

759 :風と木の名無しさん:2011/03/12(土) 00:22:06.44 ID:Nrvctpil0
抱きしめたら離したくない

760 :風と木の名無しさん:2011/03/13(日) 00:18:39.47 ID:KUgr6t510
「行くな」
 綺麗な虹色の髪の毛が、青年の肩口に埋められた。特別な役割と運命を背負う虹色が、なぜこんなにも普通す
ぎる自分を思ってくれているのか、最後の最後までわからない。
「行くな!」
「無理だよ、僕が行かないと。解ってるだろ」
 青年は冷たく身を離そうとする。
 彼らの所属する軍隊は壊滅寸前で、まともに機動兵器を動かせるのは青年と虹色の彼しか残っていない。
「君は行く。僕は食い止める、ああ、いい年した男が泣くなよ」
 ぎゅうと抱き締めてくる腕が苦しい。押し殺した嗚咽が体に直接響いて、青年まで悲しくなってきてしまう。
「離せよ、くるしいよ」
「離したら、お前が行ってしまう」
 どおんと基地が揺れ、照明が落ちる。いよいよ敵が迫っている事が、青年を焦らせる。隠し持っていたナイフ
で虹色の腹を突き、そのショックで外れた腕から走り逃げ出す。あの程度の傷だと、彼の体なら五分で治るだろ
う、ある意味厄介な体質だと思う。
 擬態用のスーツを頭まで被りスイッチを押すと、見る間に青年は虹色そっくりになった。そして虹色とお揃い
の機体に乗り込み、目を閉じて一瞬彼の無事を祈った後、蜂の様に群れる敵軍へと青年は真っ直ぐに突撃していった。

761 :風と木の名無しさん:2011/03/13(日) 07:18:56.37 ID:r9cjrwfBO
GJ!
相手目線だけど「離したくない」側の心情が伝わってくるのが上手い。
シンプルで説明し過ぎないあたり好きだなー

762 :風と木の名無しさん:2011/03/15(火) 11:37:05.13 ID:mjhZ8qXw0
まわしー

763 :風と木の名無しさん:2011/03/15(火) 11:37:54.76 ID:nyDjxu8S0
くるくるまわすぜー

764 :風と木の名無しさん:2011/03/16(水) 00:19:56.00 ID:ZFqLXcIf0
まわってまわってー

765 :風と木の名無しさん:2011/03/16(水) 15:31:29.36 ID:Fmz8HFI/0
いいわーこういうの好き

766 :風と木の名無しさん:2011/03/16(水) 21:12:57.85 ID:Q6wjouRG0
まわるまわる

767 :風と木の名無しさん:2011/03/17(木) 07:44:41.07 ID:kY3SdoQC0
色々妄想しまくりんぐな内容ですね。
GJ!GJ!ものっそい好みでした!

768 :風と木の名無しさん:2011/03/17(木) 11:51:25.63 ID:lMNxdInQ0
踏む時は強めにお願いします

769 :風と木の名無しさん:2011/03/17(木) 11:57:51.02 ID:ib2HlwXwO
空振りだけどそこがいい

770 :風と木の名無しさん:2011/03/17(木) 20:34:37.21 ID:ZbJxR8Ty0
空振り(からぶり)は、野球やゴルフ等各球技や格闘技など、何らかのスイングの動作のある多くのスポーツにおいて
バットやクラブ、手や足等が目標に当たらず空を切ること。
転じて(訪問などで)目的がかなわずに終わることを空振り、カラブリと使う。

771 :風と木の名無しさん:2011/03/18(金) 21:35:12.37 ID:a6Mj9UQ80
流れたか
まわします

772 :風と木の名無しさん:2011/03/19(土) 08:55:30.83 ID:GdTE2I9JO
まわし

773 :風と木の名無しさん:2011/03/19(土) 10:32:22.53 ID:h6Xb6MVk0
まわれまわれー

774 :風と木の名無しさん:2011/03/19(土) 11:16:06.17 ID:zrqKdWJi0
まわすぞー

775 :風と木の名無しさん:2011/03/19(土) 13:36:05.52 ID:LEXBqOQc0
ぐるぐる。

776 :風と木の名無しさん:2011/03/19(土) 19:49:50.03 ID:TxOYeI/p0
ギュルルルルr

777 :風と木の名無しさん:2011/03/20(日) 00:37:58.50 ID:3qOICDLeO
回し

778 :風と木の名無しさん:2011/03/20(日) 01:19:18.90 ID:1Oe3LsT30
踏んでいってもいいですよ

779 :風と木の名無しさん:2011/03/20(日) 01:21:37.14 ID:v2vgZJaf0
せいろがん

780 :1/2:2011/03/20(日) 18:36:46.91 ID:3qOICDLeO
「おい」
「はい、なんですか先輩」
「てめぇナヨっちい癖にあんまり調子乗ってんじゃねぇぞ」
「ナヨっちい、ですか」
「なんだよ今の世の中はよぉ、やたら優しさだの取っ付きやすさだのばっかり有り難りやがって」
「癒やしブームなんかもありましたしね」
「大事なのは強さだろうが! いざという時優しさで人が苦しみから救われるか!?」
「確かに、優しいばかりじゃ駄目かもしれません」
「駄目なんだよ! なのに最近の奴らは俺が臭いとか身体に悪そうとか、馬鹿げた理由で避けやがる」
「……」
「――悪い。ただの八つ当たりだな、こんなの」
「そんな、謝らないで下さい」
「ま、価値観なんざ時代時代で真逆にだって変わるもんだしな。
今は俺みたいなアクの強いのより、お前みたいな穏やかで見た目もいい奴が――あ、いや」
「先輩、僕のことそんな風に思っててくれたんですか?」
「…………あぁそうだよ! お前色白いし俺と違って臭くもないし安全だし!
正直憧――妬ましかったんだよ!! 笑えよ畜生!」

781 :2/2:2011/03/20(日) 18:39:10.75 ID:3qOICDLeO
「笑うわけないじゃないですか」
「!?」
「僕はただの乳酸菌だから、先輩みたいに歯痛は止められない」
「それはそうだろうが……」
「さっき先輩が言った通り、先輩のアクの強さは効き目の強さの証なんです。
その強さにも、百年愛され続けた歴史にも。僕だって、憧れてるんです」
「なっ、お前、お、俺は別に……っ、変なこと言ってんじゃねぇぞコラ!」
「ふふ、すみません」

「笑ってんじゃねーか! ……ありがとな」
「? 何か言いました?」
「言ってねーよ! ――おら仕事だ、黙っとけ!!」


「え、何でお前んちセヰロガンとビヲフヱルミン両方あんの?」
「症状で使い分けてるんだよ。好きな方飲んでいいぞ」


782 :風と木の名無しさん:2011/03/20(日) 20:44:28.46 ID:KYpHBIM5O
先輩かわいいよ先輩
薬局に行くたびニヤニヤしてしまいそうだGJ!

783 :風と木の名無しさん:2011/03/20(日) 20:52:02.51 ID:Fmo686Dy0
とりあえず、破れ学ランマントに学帽下駄の先輩と、ブレザーの後輩で妄想してみた
素敵な萌えを有難う

784 :風と木の名無しさん:2011/03/20(日) 22:01:05.84 ID:dTourJXTO
どこまでも対照的な二人だな
ちょっと薬局行ってくるGJ

785 :風と木の名無しさん:2011/03/20(日) 23:32:24.24 ID:8OSnKHio0
受けがやっそんでおなか壊しちゃったネタしか思いつかなかった自分は負け組…or2
先輩のあの匂いだけで効きそうなとこが好きだ

786 :風と木の名無しさん:2011/03/21(月) 18:11:51.30 ID:Y4ovssW90
まさかせいろがんに萌える日が来ようとは
GJGJ

787 :風と木の名無しさん:2011/03/21(月) 18:54:32.90 ID:a1lLb0Lf0
いいねいいねー
ニヤニヤがとまらん

788 :風と木の名無しさん:2011/03/21(月) 23:35:46.30 ID:5NJDgEJC0
踏みつけてくれ

789 :風と木の名無しさん:2011/03/21(月) 23:41:14.63 ID:5tEMwT220
「僕はゲイなんだ」

790 :1/3:2011/03/22(火) 19:32:46.40 ID:M5/AToqo0
※多少、病んだ表現あり。

 まさに殺そうとしたその瞬間、背後のドアが蹴破られた。
 ドカドカと派手な音をたてながら、二人の屈強な男たちが部屋になだれこむ。
 あっという間もなく、男のひとりが僕を床に押さえつけ、ナイフを奪い取った。
 もうひとりの男は、僕が床に転がしていた少女を抱き起こして、縄をときはじめている。
 あっけなく、立場が逆転する。
 少女の拘束がはずれた。小柄で可憐な十代の女子高生。いつもは愛らしいその顔も、
今は醜く、くしゃくしゃに崩れている。さんざん泣き叫んだせいだ。
 廊下が騒がしい。息を切らせて誰かがやってくる気配。二秒もしないうちに、
せっぱつまった声をあげながら、何者かが部屋に飛び込んできた。
「――山野、無事かっ……!」
 ぞくりと背筋に走る悪寒。聞きなれた声。間違えようもない。なぜお前まで来た?
 僕の同僚、僕の後輩、僕の友人、僕の愛した……
「中村先生……!」
 あいつの姿を一目見るなり、彼女はいきなりかけだした。
 近づくんじゃねえよ、クソガキが……っ!
 だけど憎しみで人を殴れるはずもなく、ガキは僕の愛しい男に抱きついた。
「先生……先生……っ!」
「山野……大丈夫だ、もう大丈夫だから……」
 中村がきつく彼女を抱きしめる。かける言葉の優しさも、そそぐ眼差しの柔らかさも、
教師が生徒に対する態度にしては、いささか過剰だ。
 僕はその理由を知っている。じゃなきゃ、誰が好き好んで人殺しなんかするものか。
 死ね、ガキ! 生徒が教師に惚れんじゃねえよ! 中村、てめえもだ! 教え子に
手をだすんじゃねえ! 
「やはり、あなたでしたか、黒井先生……」


791 :2/3:2011/03/22(火) 19:35:06.38 ID:M5/AToqo0
 いつの間にか、部屋の人影が増えていた。さえない中年刑事、そう見た目で侮ったのが、
僕のそもそもの敗因か。這いつくばった僕の視線の先に、くたびれた皺だらけの皮靴が見える。
「佐藤絵里さん……三か月前、中村先生のお見合い相手を殺したのも、あなたですね?」
「はっ……!」
 それがどうした。なにが悪い。中村に近づく女だぞ。ああ、でも殺す順番は間違えたかな?
さきに胸糞悪いガキから始末するんだった。
 ……いつまで抱きついてんだよクソガキ! きったねえ体を中村から離せよ!
「黒井先生……」
 不意に中村が僕に声をかけた。複雑そうな顔をしていた。……信用してくれてたもんな、僕のこと。
 ここまで来たってことは、たぶん、お前はもう知ってんだろ? 隣の聡明な中年刑事から、なにもかも
聞かされたんだろ? お前だけには知られたくなかったけど、もうどうしようもない。
 僕は腹をくくった。どんな罵詈雑言も受けとめる覚悟だった。
「どうして、こんなことをしたんですか……?」
 ……は?
「なんで、こんなことをしたんですか! 俺はあなたに、なにかしましたか!
なにか気に障るようなことでも言いましたか! 自惚れ承知で言わせてもらいますが、
俺はあなたに信頼されてると思っていました! なのに、なぜ……っ!?」
 おい、まさか……
「答えて下さい! 黒井先生!」
 まだ、知らないのか……?
 ふと、隣を見れば、例のさえない刑事が、ああ、そういえばと今さらなにかに気がついた
ような顔をしていた。……っざけんなっ! 先に言っとけよこのクソ野郎!
 身体じゅうの血液が凍る。まばたきができない、目が痛い。
 刑事の顔が中村のほうへと、ふりむいた。
 やめろ。

792 :3/3:2011/03/22(火) 19:39:41.50 ID:M5/AToqo0
「うあああああああっ!? やめろっ!? やめろっ!? やめろおおぉおっ!?
言うなっ!? 言うんじゃねえっ!? てめえらまとめてぶっ殺すぞ!?
やめてくれえええぇぇぇぇっ!? ――うごっ!?」
 力を振り絞って叫ぶ僕の口に、突然タオルのような布を詰め込まれた。舌を噛み切らせない
ためだろうが、冗談じゃない! 僕の命なんかどうだっていい!
 頼む! やめてくれ!? 僕が悪かった! 謝る! 土下座だってする! せめて中村の
いないところで話してくれ! 中村は普通の男なんだ! 禁断の恋だなんていいながらも、
ちゃんと異性に恋する男なんだ! 馬鹿正直に僕の秘密を話せば、どう思うかなんてわかるだろ!
 頼む! 頼む! やめてくれ! 誰もが僕の正体が暴かれたその瞬間に見せるあの目……
あんな目をした中村なんてみたくない!
 頼む! 中村、ガキを連れてってでもいいから、どこかに行ってくれ!
 僕は……僕は……!
「――ゲイなんだ」
「え?」
「彼はゲイなんです。あなたに惚れています。嫉妬ゆえの犯行なんです」
 氷がはるように、辺りの時が止まった。誰もなにも言わない。
 僕は唾液にまみれた布を吐きだした。だけど言いたいことはない。
 中村の瞳から光が消える。なにかの間違いかもしれない、そう最後の最後まで僕を信用して
くれた小さな光だ。
 ゆっくりと、中村は僕に視線を向けた。

「――冗談ですよね、黒井先生……?」

 化け物を見るような目だった。



 あるマンションの一室から、男の悲鳴があがった。
 おぞましい金切り声。狂い叫びながら、ひとりの男がベランダから飛び降りた。
 はるか先に、地面がある高さから……

793 :風と木の名無しさん:2011/03/22(火) 23:14:37.29 ID:+a8SCYWU0
ひいいぃぃぃってなった
GJです

794 :風と木の名無しさん:2011/03/22(火) 23:52:58.09 ID:Zq0FhrjqO
予想外に重いよGJ
最後飛び降りたのは黒井先生?

795 :風と木の名無しさん:2011/03/23(水) 00:31:42.66 ID:QX5xmcDaO
GJ!ゾクッとして萌えた
こういう暗い話も好きだ

796 :風と木の名無しさん:2011/03/23(水) 03:01:25.57 ID:A6AJnC6F0
聡明な中年刑事という語に思わぬ萌えをいただきましたありがとうありがとう
中村先生がホモフォビアなのを知ってたから絶対言わなかったんだね黒井先生
いやー、GJでした

797 :風と木の名無しさん:2011/03/24(木) 17:15:30.67 ID:q6G4I3UeO
まわしてみる

798 :風と木の名無しさん:2011/03/24(木) 17:33:12.51 ID:Mz3MPXKUO
踏まれてみる

799 :風と木の名無しさん:2011/03/24(木) 17:42:40.34 ID:neEHC8i40
あっさり受け

800 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 01:07:54.50 ID:2VWONMo50
受田「ァ……ごめん、…イった。」
攻居「・・・・・・ちゃんと我慢してんのか、テメェ(怒)」
受田「シた。したけど……ァ! ヤぁ… ッ…ヤなんだって!ヤメロ(怒)」
攻居「知るか!」

―何が悪かったのか―
 つきあいだしてから、攻居は日に日に凶暴化していった。
 最近はずっと怒ってばかりだ。
 昔はとても優しかった。
受田「もう、…しない方がいいのかもな。」
攻居「ハァ!?(怒)」
受田「しなければケンカしなくて済むだろ。」
攻居「俺のこと嫌いになったのかよ。」
受田「違ッ…。」
攻居「飽きた?愛想尽きたんだろ、そうじゃないかと思ってたよ。お前、薄情だし。」
受田「なっ………そんな風に思ってたのか…。」
 受田の被害者ヅラが火に油を注ぐ。
 苦しそうなフリしてれば、そのうち俺の怒りが収まると思ってやがる。
 本当は何も考えて無いくせに。
攻居「それとも最初から好きじゃなかった。」
受田「違う!!」
  「何で疑うんだよ! 俺怒るようなこと言ったか!?」
攻居「ヤりたくねーんだろ。」
受田「ヤんなくても、恋人だろ?」
 昔に返りたい。心が通じてた昔に返りたい。
 これは罰だ。体を重ねなければ、冷たい目で見られることも無かった。
 ずっと幸せで居られたのに。

801 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 03:43:16.95 ID:PXSBZlUzO
なんか文章下手でよくわからん
()とかいらんよ

802 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 06:50:09.33 ID:LXBkH+AFO
言いたいことはわかった
体だけ許した受けが攻めに冷たくされて苦悩するのは萌える
あっさり、がよくわからないけど、あっさりイッたことか、あっさり体を許したか、どっちかなのかな
まずは視点から勉強してみよう
SSじゃなく萌え語りでもいいのよ

803 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 13:15:27.91 ID:hYE5Fse80
表現のひとつの方法だからいいんじゃない?
抵抗があるのもわかるけど、ここはいろんな形式の萌えがあるからね
あっさりイッただと思ってた

804 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 14:38:32.87 ID:f/sB/Wlo0
表現は相手に伝わらないと無意味だからそのフォローはおかしい
単に下手で萌えなかったってだけでいんじゃね?
ネタは嫌いじゃないけどお題には沿ってないふうに読めた

805 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 16:50:06.41 ID:B5XeKhxSO
愛情表現とか相手への執着とか色んな面で淡泊な「あっさり」かと思ったけど
確かに伝わりづらい

806 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 20:46:40.97 ID:Ljen/x3xO
いつの間にここは批判スレになったんですか?

807 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 21:00:01.68 ID:irwfVUxi0
攻めと受けの苗字に爆笑してしまった
疲れてるんだな自分

808 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 22:27:46.42 ID:Erkcsr+6O
いや、自分もうけたよ。
疲れてない。

809 :風と木の名無しさん:2011/03/25(金) 22:37:13.02 ID:gEbtgvh3O
同情でもいいから

810 :1/2:2011/03/26(土) 03:08:50.24 ID:dJ5/1nAu0
「痛い」
「ちょっとは我慢しろって」
「だって、痛いもんは痛いの」
「わかったわかった。ていうかな、てめぇなぁ、いいかげん学習しろっつうの」
 むくれた頬が赤い。溶けた氷嚢を外すと、すでにうっすらと青く腫れ上がっている
「まったく毎度毎度飽きもしねぇで、もっとロクなやつと付き合えよ」
 言いながら、手の甲に絆創膏を貼っていく。
 こいつの薬指には刺青が入っている。鎖でできた指輪。
 昔はピアスだって嫌だって言ってたくせに。
 "お友達"に進められて入れた、って、あっけらかんと言いやがって。頭悪すぎるだろ。
「ほっといてよ」
「ほっとけるか、馬鹿」
 顔のすり傷やらに薬を塗っていく。ああ、何でこう手馴れてんだ、俺?マジ勘弁して欲しい。
「もう帰っていいよ」
「自分から呼んどいて、その態度はねぇだろ」
「帰れよ」
「帰りません」
「つうか、さぁ、もうむしろ何で来たの?ってレベルなんだけど」
「は?」
 あ、ごめん今マジでむかついた。
 いくらお前でも言っていいコトと悪いコトがあるんだぞ?

811 :2/2:2011/03/26(土) 03:09:12.30 ID:dJ5/1nAu0
「おまえ、今日バイト入ってんじゃん」
「うん」
 お前が替わってくれって言ったもんな。
 職場が同じでなけりゃ、こんなやつと…
「なのにおれのほうに来るとか、ちょっとおかしくね?」
 こんな面倒なヤツと出会ったり、しなかったんだろうな。
「……てか、さぁ、いっつも、おれが、怪我して、…おまえの事、呼ぶじゃん」
「うん」
「いっつもすぐ来てくれんの、何なの?
 夜中とか明け方とか昼とか夕方とか夜とか、飛んできて、
 おれが泣いたり、おかしくなったりしてもさ、ずっと一緒に居てくれんじゃん。
 おれが居てって言ったら、いつまでだって居てくれんじゃん。
 あのさ、前から聞きたかったんだけど、おまえっておれの事、どう思ってんの?
 言っとくけど、おれ−」
「だから何だよ!」
 しがみ付くように細い体を抱きしめる。
 俺が許されてるのはそこまでだから、だから思い切り抱きしめる。
 聞きたくない。だって知ってる。こいつが誰を好きなのかとか
 どうしていつもいつも傷ついた後に俺を呼ぶのかなんて
 そんなの、ずっと見てたらわかる。
「世話ぐらい焼かせろよ…」
 肩に乗った顎が、少しだけずれる。胸の方に。
 少しだけ、こいつが今どんな顔をしているのか気になったけど、体を離すのはやめない。
 俺の顔だって見られたくない。
 タバコの匂いがする。大嫌いなあいつの匂い。
 今度同じのを買って、こいつの前で吸って見せようか。 

812 :風と木の名無しさん:2011/03/27(日) 00:21:54.99 ID:wqf6r57sO
え?え?
何この流れ

813 :風と木の名無しさん:2011/03/27(日) 00:56:30.10 ID:t+OfmycRO
ちょっとお題とイメージ違ってたけど、萌えたよ

814 :風と木の名無しさん:2011/03/27(日) 03:43:28.01 ID:P3kJv7bOi
同情でもいいから、が世話を焼く方の気持ちだと思って読むと、同情でもいいからせめて世話を焼かせてもらってる、って感じで、健気で切なすぎて萌えが爆発した!GJ!

815 :風と木の名無しさん:2011/03/27(日) 07:22:16.14 ID:+Yal9PDx0
自分は「同情でもいいから」が世話を焼かれてるほうの裏の気持ちだと深読み(?)して
萌えてしまったw相手いるんだけど実は、みたいな
まあ違うんだろうけどw


816 :風と木の名無しさん:2011/03/28(月) 15:43:44.00 ID:z5F6StJWO
まわしますよ〜

817 :風と木の名無しさん:2011/03/28(月) 20:14:36.63 ID:ihVxEtKbO
まわし

818 :風と木の名無しさん:2011/03/28(月) 20:33:42.33 ID:rZ+2/rzhO
お願いだ!踏んでくれ!

819 : 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/03/28(月) 20:42:08.48 ID:fLiwtsr80
さよならの季節

820 :風と木の名無しさん:2011/03/28(月) 21:41:54.31 ID:Ml3CN1jT0
もう少しで4月になる。
卒業生は新入生や新入社員となり、
彼らはさよならの言葉を残して新たな旅立ちを迎える。

丁度12年前の今日、卒業式の日、私は大切な友人と別れを迎えた。
高校時代の3年間、初対面から、ひたすら眩しい彼の笑顔に惹かれ続けていた。
地味な私と違って彼は明るく賑やかで、友人も多く、私の記憶の中では彼の周りにはいつも側に誰かがいた。
それなのに、何処が良かったのか彼は私をいたく気に入り、私にだけ、やけにくっついて回った。
彼は私を純粋に、本当の親友のように扱ってくれた、そう思う。
そして、私は親友という文字通りのその関係が心底から、辛かった。

「ずっと好きだった」「もう親友では居られない」
私は彼に想いを告げた。もうそれ以上行き場のない想いを抱えては居られなかった。
「知って欲しかっただけだから」
驚いた彼の顔に怯えた私は、返事も聞かずそう言い残し、
彼の呼び止める声も無視してその場を逃げるように去った。
進学予定の大学名もこの時のためにずっと誤魔化し、伏せていた。
もう二度と会うこともない様に、あの時はそうしたかった。

今でも思い出せる。去り際に見た彼の顔。
あれから10年以上が経っても、この季節になると否応にも思い出してしまう。
返事を聞いていれば違う今があったのかもしれない。
あの後直ぐに直ぐメールアドレスを買えなければ、返事は届いたのだろうか。
彼は優しかったし、驚いても手酷い振り方はしなかったかもしれない。
それなのに、もし彼が同性愛に嫌悪感を示す人間で、辛辣な言葉を浴びせられていたらと考えると、
また今年も電話のボタンを押す手が止まる。

12年越しの返事を尋ねる勇気は未だに沸かない。
彼への気持ちはあの頃と同じまま、来年も同じようにしてこのさよならの季節を迎えるのだろう。


821 :風と木の名無しさん:2011/03/28(月) 21:50:23.10 ID:todVb1TR0
うわああ切ない…!
いったい彼はどんな気持ちだったんだろう
連絡、取って欲しいな

GJでした!

822 :風と木の名無しさん:2011/03/28(月) 23:11:03.12 ID:Q2t1D+yq0
いいなぁ……静かな雰囲気がいい
軽くない思いだからこそ葛藤する、みたいな話が好きで好きでたまらんので、ど真ん中でした
心からGJ!

823 :風と木の名無しさん:2011/03/28(月) 23:50:56.28 ID:fLiwtsr80
819です。規制中だったけど初*9で我慢出来なくて!ninjaでとっちゃいましたが、
こんなに早い時間にしかもステキな萌えレスをいただけると思ってませんでした
あざーした! GJ!

824 :風と木の名無しさん:2011/03/29(火) 03:21:39.89 ID:6FS1dGVSO
両想いでも片想いでも切ない…
彼は主人公を今も探してるといいな
GJでした

825 :風と木の名無しさん:2011/03/29(火) 09:01:55.18 ID:+hW9frO0O
まわしますよ〜

826 :風と木の名無しさん:2011/03/29(火) 09:15:20.61 ID:r0l67Hn/O
この先もずっとためらったまま思い出になるのか、結果はどうあれ一歩踏み出すのか
彼の側からどんな風に感じたのか、想像の余地がありすぎるよ
GJでした

827 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 00:55:20.47 ID:Im39nao2O
片思いの方が好みだな
切ない思いを受け止めてくれる相手と幸せになってくれ

ついでにまわしは投下から24時間以降だ

828 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 01:22:35.48 ID:0X/LcEMH0
俺の背中を踏みしだいていけ

829 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 01:24:37.29 ID:YzQVcsdi0
受けの逞しい筋肉にうっとりする攻め

830 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 07:45:50.07 ID:U2QfG6ngO
素晴らしい。

風呂上がりの彼の姿を見て、いつものことながら見惚れてしまった。
硬く、鍛えられた上腕二頭筋・三頭筋に三角筋。
背中の脊柱起立筋もなかなかに良いフォルムを描いている。
首を動かしたときの胸鎖乳突筋の素晴らしさ。
大胸筋は全てを語っている。

今日の夜は寝かさないってことだろ?

「風邪ひくよ」
春だと言っても夜はまだ寒い。暖房のついた部屋だからと上半身裸の彼に、服を渡す。
「あー、サンキュ」
何故か恥ずかしそうにしながら、受け取った服をモソモソと着る。
服の上からでも、彼の体はとても魅力的だとわかる。
あの体に触りたい。あの体と繋がりたい。
なんて性的な体つきをしているんだろう!


831 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 07:46:11.81 ID:U2QfG6ngO
後ろからそっと近付き、その体を抱きしめる。

「今日、良い?」

今日こそはこの体を…!

「体を見ないなら、良い」

またダメだ。
彼は自分の体がコンプレックスらしい。
俺より背が高くて、俺より体つきが良い。ただそれだけ。
何より、俺が彼の筋肉を褒めるのが気にくわないとか。

「あのねぇ」

―俺が好きなのは君自身で、君の体だからこそ全てが愛しいんだよ。

顔は見えない。
だけど感じる温度はいつも以上だった。

832 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 08:38:12.46 ID:HDWSWHjeO
つまんね

833 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 10:24:15.35 ID:P3HrLOzx0
いや面白かった
こういうの好き
あと個人的にマイカプに当てはめたら滅茶苦茶萌えた
GJ!

834 :風と木の名無しさん:2011/03/30(水) 16:54:28.93 ID:P3Oz7HpD0
そーか、コンプレックスか!いいな萌える。
攻めよりおっきい受け可愛い。GJでした。

835 :風と木の名無しさん:2011/03/31(木) 00:01:24.04 ID:HAsMf2lfO
筋肉フェチな攻めにも筋肉コンプレックスな受けにも萌えた。
お互い分かり合えたらいいね。GJ

836 :風と木の名無しさん:2011/03/31(木) 08:02:54.46 ID:dy2FUlakO
ではまわしますよ

837 :風と木の名無しさん:2011/03/31(木) 09:37:34.71 ID:qkBWNZmmO
まわし

838 :風と木の名無しさん:2011/03/31(木) 10:24:52.16 ID:k1h3b45l0
私を踏んで行くがいい

839 :風と木の名無しさん:2011/03/31(木) 10:27:05.79 ID:O2K1Mugb0
黒い騎士と白い騎士

840 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 11:26:06.81 ID:0fFZY0mPO
流れて残念。まわし。

841 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 11:35:03.71 ID:4DgQXM4u0
読んで見たかったな、残念まわし

842 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 11:55:57.44 ID:B6qI603EO
mawashi

843 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 12:34:03.07 ID:HLq2/XbUO
残念まわし〜

844 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 13:11:01.10 ID:h8oIdfFJ0
お流れ残念ですまわし

845 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 16:01:24.44 ID:ehtiewPs0
残念だー 仕方ないまわすぜ

846 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 16:14:16.93 ID:nNO/yGt40
まわし

847 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 20:29:26.06 ID:KuixJ06nO
まわし

848 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 21:05:58.72 ID:Hci20BsKO
ではどうぞ

849 :風と木の名無しさん:2011/04/01(金) 21:07:06.35 ID:qUlUkbe10
彼のことを、知り合いの誰もが知っているのに僕は知らない

850 : 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/02(土) 15:55:49.41 ID:yaeIYNzo0
――彼は、僕と同じクラスに居るらしい

同じクラスに居るというのに、僕は未だに『彼』が誰だか分からない。
友達は皆話をはぐらかすから、噂話を盗み聞くしか僕に『彼』の情報を手に入れる手段は無い。
彼のことを思うと、胸がチクリと痛む。

――彼は、天然ボケらしい

天然ボケなんてクラスに居ただろうか。思い当たる人物はいない。
そもそも天然ボケってのがなんなのかよく分からない。
そもそもここは特進クラスだ。頭の悪いやつなんかいる訳ないのだが…

――彼は、アイツに下の名前で呼ばれているらしい

正直、うらやましくて仕方が無い。
僕は何度心の中でアイツを名前で呼んだことか。
けれどいざ、アイツの前に立つと照れてしまって結局名字で呼んでしまうのだ。

――アイツは、彼に恋をしているらしい

たまたまそれを耳にした時は、泣きたくなるほど苦しかった。
アイツの事は何でも知っていると思っていたのに、僕は『彼』なんて知らない。
アイツの一番近くにいるのは僕だと、勘違いしていた。滑稽な話だ。

今頃、アイツは彼の隣にいるのだろうか――

「藤…っ、い、いや…そ、宗太っ!」
「え、清水?どうしてここに…」
「ちょっと、聞いて欲しいことがあるんだ。」


――アイツは今日、彼に告白するらしい

851 :風と木の名無しさん:2011/04/02(土) 16:58:23.01 ID:s3QBktY50
ちくしょうやられた そうきたか!
鮮やかに萌えさせてもらった GJGJ!

852 :風と木の名無しさん:2011/04/02(土) 17:13:37.98 ID:f9IRI9pe0
うわあ、超萌えた!
初初しくて良いなあ、頑張れ清水!

853 :風と木の名無しさん:2011/04/02(土) 17:21:30.41 ID:CH8CsZ+j0
本当に上手い!
短いのに的確なポイントで燃えられる文章を書くなんてすごい。
GJGJ!

854 :風と木の名無しさん:2011/04/02(土) 17:22:45.44 ID:NNo3l4GoO
上手い!
そして清水頑張れよー

855 :風と木の名無しさん:2011/04/02(土) 18:23:14.23 ID:QkAHdCTT0
GJ!
青春って感じがしていい雰囲気でした!!
すっごくニヤニヤするわ

856 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 00:14:42.38 ID:m+RX5XKQ0
まわし

857 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 00:50:42.62 ID:4pIZMwJ8O
シンプルな形式が良かったです

まわしは投下から二十四時間後
テンプレ読んで

858 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 01:05:14.81 ID:4sOWgu85O
しょうがないから踏まれてやるよ

859 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 01:06:38.94 ID:pLcnIDC+0
痛々しい

860 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 16:29:39.55 ID:YJVICSe40
あいつは非常識だ。
本人は格好いいと思っているらしいが、客観的にみると痛々しいことこの上ない。
まず豹柄のスーツ。どこで売ってるんだそんなもん。というか何故買った。
そしてご当地モノのキャラクターのネクタイ。
ご当地キャラは別に良い。なんでショッキングピンクに青の配色を選んだ。
そんな格好をするから行く先々で残念なイケメンなんて言われるんだ。

挙句にそんな目立つ格好をしながら毎朝赤いバラを持ってくる。
クサイ。2重の意味でクサイ。しかも渡す相手は男。
痛々しいにもほどがある、なんなんだこの男は。
で当たり前ながら毎回断られる。そのたびに「なんで〜」なんて泣きながら私にすがりつく。
喚くな鬱陶しい。失敗するたびにそうやって引っ付いてくるから近所から変な噂が流れるんですけど。

朝のショックも昼には回復してまたアタックする。本当に懲りない奴だ。いつでもかつでも告白すんな。
当然のことながら撃墜。そして放課後繰り替えす、と。
コレでも今日はまだマシな方で酷い時は授業中に愛の告白。トイレに居るときに付き合ってくれと迫る。
その学習能力のなさは驚異的なほどだ。信じられないバカだ。
なんでそれでOK貰えると思う。

861 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 16:30:01.75 ID:YJVICSe40
「将を射んと欲すればまず馬を射よ、って事だろ。ウゼー」
幼さを残す目の前の青年はケッて顔しながら毒づく。
「兄ちゃんはぜってー渡さねー」
弟よ、ウザイのはわかるがあいつは君に首っ丈だぞ。あいつに首っ丈な私が保証する。
あと尻を撫で回すのを止めなさい。

今日はあいつに上から下までコーディネートした服をあげた。
靴まで合わせたのに「俺の好みじゃない」なんて簡単に切り捨てんな。
「弟の好みでも?」と聞いたとたん簡単に掌返しすんな。
あとグラビア雑誌のお姉さんの顔の部分に弟の顔写真を貼るな。
そんなことさせるためにあげたわけじゃないぞ。

コレで他人だったら笑い話にもできるのかもしれない。
けどこんなでも幼馴染だ。何度振られてもめげない幼馴染だ。
その恋に協力しよう。だから私の言うことを聞いてその格好を止めなさい。
変な格好のキザ男に惚れる私と。キザ男の好きな私の弟と、弟と。
なんて痛々しい。

862 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 17:25:06.21 ID:imzfs46q0
ああ、本当に痛々しい三角関係
3人のうちまず2人が幸せになって
残った1人もいつか痛みを忘れて幸せになってくれるといいな
GJでした

863 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 17:32:36.30 ID:c1LqkGlQO
なんかいいね、みんなまだ幼くて
こういう感じの恋は好き
GJでした

864 :風と木の名無しさん:2011/04/03(日) 23:24:45.50 ID:4pIZMwJ8O
主役と残念君だけかと思ったら弟も出たので二度とおいしい
GJでした

865 :風と木の名無しさん:2011/04/04(月) 20:26:04.10 ID:/hc/R0Iv0
どうにもならない関係に萌えた GJ!

866 :風と木の名無しさん:2011/04/04(月) 23:04:27.02 ID:9F/RHo1iO
ウザキャラ残念イケメンと片思いが好きな私には凄いご褒美でした超GJ!

867 :風と木の名無しさん:2011/04/04(月) 23:08:30.35 ID:HRVUdMXIO
まわします

868 :風と木の名無しさん:2011/04/04(月) 23:10:46.36 ID:fs1kM/uO0
踏みしめて…僕の9

869 :風と木の名無しさん:2011/04/04(月) 23:18:24.46 ID:zNH+m/xAO
色気のある男

870 :風と木の名無しさん:2011/04/05(火) 01:59:25.70 ID:O1kzKNuIO
二重だけどパッチリ系じゃない切れ長の目。
髪は黒髪で、艶があるストレート。仕事では地味な紺のスーツ。中肉中背。
手はきれいかな。細長い白い指をしている。
後ろから耳元で話しかけられるとゾクッとする。なんだっけ、赤い彗星みたいな声っていうの?
それが同じ会社の同じフロアにいる三年下のあいつだ。ごく普通のどちらかと言えば地味系に入るやつだが、かなりのくせ者である。

夜の会社のトイレは注意しなければならない。たまにいかがわしい声が聞こえてくるからだ。
夜だからって職場でやるなよ。しかも男子トイレ。AVかよ。
俺は隣の個室で用をすませて、電気を消して出て行った。何かぶつかる音がしたが、多少の嫌がらせは許されてもいいだろう。

そんなことがあった翌日も注意しなければならない。大抵あいつが俺を待ち伏せしているからだ。
「鈴木さん、おはようございます」
「ああ、おはよう…」
すかさず俺に小さい声で耳打ちしてくる。
「この間は見逃してくれてありがとうございました」
「この間も、だ。いい加減社内はやめろ」
「言い出したのは俺じゃないですよ」
「お前が断りゃすむ話だろ」
「断りますけど、向こうがそんな余裕がないみたいなんですよね」
まあ、お前はフェロモンまき散らしてるみたいなもんだからな。
毎回相手は違う。俺が知っているだけでも何人目になるのか。

871 :2/2:2011/04/05(火) 02:02:02.13 ID:O1kzKNuIO
ふたりだけの残業も気をつけなくてはならない。あいつはやたらと側によってくるからだ。
「そっちはどうですか?終わりそうですか?」
肩に片手をやって、パソコンを覗き込むふりをして後ろから耳元に話しかけてくる。
わかっててやってんだろ。見え見えなんだよ。
「……高橋がさぁ、彼女と別れたって聞いた?」
「へえ、そうなんですか」
「原因作ったのお前だよ?」
「ふうん。もう関係ない人なんですけどね」
サラッと流すコイツは恐ろしい。
「人の嗜好に口出す気はないけど、なんで毎回違う男なの」
「日によってカツ丼を食べたい時もあれば、蕎麦を食べたい時もありませんか?」
「高橋は蕎麦かよ」
「蕎麦じゃないですねえ。強いていうならラーメンかな?」
高橋。お前はラーメンだってさ。安い男だったな。
「男だったら色んなタイプを味見したい。この気持ちわかってくれると思いますけど」
「わかるけど、わかりたくない」
「誓っていいますが、俺からは誘ってないですよ」
「嘘付け。誘ってるだろ」
「違いますって。来る者は拒まずですけどね。自分からはいかない。これは俺のポリシーですから」
これは食べてはいけない禁断の果実だ。俺は絶対に負けてはいけない。
「でも、もうそろそろ主義変えてもいいかなと思ってるんですよね」
両肩にあいつの手が乗るのがわかった。
「鈴木さんって色気がありますよね。男の色気ってやつ」
「なんだそれ」
「我慢できないです」
お前の中で俺は何料理になるんだよ。
聞こうと思ったが、その時にはもう唇はふさがれていた。

872 :風と木の名無しさん:2011/04/05(火) 03:04:09.41 ID:GLQF4BaTO
>>870
おおおおお!
落ちは逆でしたか!
素晴らしい!
読んでてすごくドキドキしました。
とても良い作品をありがとうございました

873 :869:2011/04/05(火) 08:12:31.35 ID:wGYQLaHTO
こんな早くに素敵な萌えをありがとうございます!
色気ある男二人、ほんとドキドキさせてもらいましたー
俺はこのまま落ちるのか?あいつを夢中にさせるのか?まそれともカツ丼扱いで終わるのか・・・この後が気になるところだ

874 :風と木の名無しさん:2011/04/05(火) 09:57:05.69 ID:5AHMv0dA0
手慣れた文章がうますぎで素敵すぎです!おいしく萌えた。
遊び人を振り回す魔性の無自覚が大好きだ。GJ!

875 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 11:57:09.15 ID:T3Dv6ktzO
では回します

876 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 13:03:40.19 ID:vt8QTwYo0
まわすよー

877 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 15:32:27.56 ID:9FLdo4fAO
まわしー

878 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 15:56:36.65 ID:QwKUfCODO
踏まれたい

879 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 16:05:47.19 ID:TEzmd80f0
受けさんはずるい大人です

880 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 22:32:13.21 ID:T6U+6BQC0
喫煙とは、無意識下の自殺である。
 どこのどいつが言ったか知らないが、きっとそいつは一分の隙もなくスーツを着込み、
死の煙で肺を満たしたりはしないんだろう。
 ちょうど今、俺の目の前に立つ、こいつのように。
「なんで……!」
 絶望の表情を浮かべる顔を引き寄せて、ゆっくりと紫煙を吹き付ける。
 やかましく何か囀ろうとした口が、たまらず咽る様子が可笑しい。
「なんでって言われてもねえ」
 二本目の煙草に火をつけて、空っとぼける。
「お前の体、もう飽きたわ」
 そうして、にっこりと微笑んで言ってやる。
 作り笑顔がばれない自信はあった。何て言ったって年季が違う。
 何事もなかったように別れていくのには、慣れている。 
 煙草の毒が俺の致死量を超えて積もり積もったとしても、それが無意識の作用ならば致し方ないのだ。
 知らぬ間に自殺志願者であるらしい俺は、少なくとも理性のある内は泣いたり喚いたりしないことにしている。
 ああだけど、そんな顔を見るのは好きじゃない。
「俺は、あんたのことが……!」
「――坊や。俺と遊ぶのは楽しかったか?」
 毒を捻じ込む。副流煙より強烈な悪意を。
 
 その眼が憎しみに満ちていれば、あるいは軽蔑の色を宿していれば、本当に良かったのに。

「俺の方も、まあまあ楽しめたよ。でも深入りするのは嫌いでね」
 見合いの話、断ったんだってな。 
 お前は馬鹿だ。
 こんないい加減な男に本気になるだなんて。
「……それが、あんたの、望みなんだな?」
 本当にお前は馬鹿だ。
 必死になって泣くまいと我慢しているのが丸解りだ。
 偉そうにしてるくせに、そういうところ、餓鬼だっていつも言ってんだよ。
 手を伸ばして目の淵を拭ってやりたいと思ったけれど、あいにくと今は煙草の煙幕を張るのに忙しい。
 真っ赤になったお前の目からぼろぼろと涙が零れるのを見ても、俺はただ知らない振りをしていた。

881 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 22:59:48.84 ID:9Jh6j0OBO
萌えた!めちゃくちゃ萌えた!
こういうずるくて男前な受け大好きだなー
個人的に文体やセリフの言い回しもすごい好きでしたGJ

882 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 23:27:40.54 ID:MfZfGcZuO
>>880
禿 げ た
こんなに短い文なのにこんなに萌えが凝縮してるなんて…!
ああここが2ちゃんでなければ

883 :風と木の名無しさん:2011/04/06(水) 23:49:16.46 ID:Oi+GMxPvO
この受けはずるいんだろうかとしばらく考えこんでしまった
GJ!

884 :風と木の名無しさん:2011/04/07(木) 00:40:51.96 ID:0UZpM8VD0
1レスでこうも萌えさせる880の手腕ったら!

885 :風と木の名無しさん:2011/04/07(木) 01:52:24.42 ID:BfV3sHSR0
…っかー! 言葉にできないほど萌えました!
文章うまいなあ GJ!!!!!!

886 :風と木の名無しさん:2011/04/08(金) 14:46:45.46 ID:oKbImEaU0
おっそろしく萌えた ここは恐ろしいインターネッツですね

887 :風と木の名無しさん:2011/04/08(金) 17:47:26.15 ID:SqcSS1fr0
まわすよ

888 :風と木の名無しさん:2011/04/08(金) 17:50:02.41 ID:yT3X/w5t0
俺の背中を踏みつけていけ

889 :風と木の名無しさん:2011/04/08(金) 17:55:41.51 ID:OTFzOChW0
男臭い寮生活

890 :風と木の名無しさん:2011/04/08(金) 17:55:56.71 ID:MkFfNQrDO
怖いもの見たさ

891 :風と木の名無しさん:2011/04/09(土) 17:57:45.15 ID:yL0+LCgbO
回しますよ

892 :風と木の名無しさん:2011/04/09(土) 18:06:43.48 ID:TtZQzF4vO
独楽回し

893 :風と木の名無しさん:2011/04/09(土) 18:08:33.66 ID:mCMpm7rJ0
グルグル

894 :風と木の名無しさん:2011/04/09(土) 18:21:10.51 ID:0oba5dDDO
まわるーまーわるーよ

895 :風と木の名無しさん:2011/04/09(土) 20:15:06.33 ID:gmACHo5pO
踏み逃げにお流れか…

896 :風と木の名無しさん:2011/04/09(土) 21:39:52.63 ID:e0sk2+sCO
また踏み逃げ…orz
萌え語りでもいいのにー!
自分が投下する覚悟がないなら9も狙っちゃだめだと思うまわし

897 :風と木の名無しさん:2011/04/09(土) 23:50:52.10 ID:8kcNviVLO
まわしますね

898 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 00:28:53.66 ID:Q2fbXNJe0
俺の背中を踏む前に1度リロードし直せ

899 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 00:31:25.06 ID:sTs3i+3H0
俺が君を壊しました

900 :1/2:2011/04/10(日) 01:36:46.90 ID:9HKT1UGR0
 俺が君を壊しました。

「――実は……その、お前に話したいことがあるんだ。聞いてくれないか」

 その言葉を聞いた時、俺は心から歓喜しました。
 だって君の顔は仄かに赤らんでいて、恥ずかしげな目は俺を見るに見れないでいたし、それは恋心を含んでいることを疑うべくも無かったのだから!
 俺はもう何年も前から君に恋をしていたけど、臆病者だから、恐くて、怖くて、君の一番近くにいる自覚はあったけど、俺は最後の決定打を打つ言葉を告げることができないでいたのです。
 だが俺だけじゃなかったんだ、君も同じ想いを持っていたんだと、俺は本当に、いつもの無表情がだらしなく崩れたのを自覚しながら、情けなくも喜びました。
 だから俺は快諾しましたよ。俺と君以外誰もいない部屋で、俺は君の話を聞くことを。

「……お前の後輩に、秋山光というのがいたろう。――恥ずかしながら……自分でもおかしいのは分かっているんだが……」
「ああ、男相手に初恋なんて、……自分でもどうかしていると分かっているんだ。だが、」

 やはり、君の目は恋をする目に違いなかった。
 ただ、その相手が俺じゃないなんて……本当に予想外でした。しかもまさか、相手が秋山の馬鹿だなんて。

「相談に乗ってくれなんてことは言わない。親友のお前にだけは、隠し事はしておけないから」

 俺はその時、どう答えたんだったかはよく思い出せません。
 親友。親友。
 とても痛い言葉だと思いませんか。俺を狂わすに足る酷い言葉だと思いませんか。
 でも君は何回も何回も俺に言います。親友だって。
 暫くして、俺は耐えられなくて、もう止めてくれと君に言ったのは覚えています。


901 :2/2:2011/04/10(日) 01:40:08.99 ID:9HKT1UGR0
 止めてくれないなら俺はお前に何をしでかすか分からないぞとも言いました。
 彼は次の瞬間、床に倒れていました。
 屈強そうで美しい身体は簡単に倒れないはずですが、火事場の馬鹿力とでも言うのか、案外簡単に俺は君を押し倒すことができたのです。

「うわ! 痛…っ、なに、貴人!? 」

 君の訝しむ声、君の悲鳴、君の身体が軋む音、君の泣き声、君の鳴き声、君の笑い声、君の表情も覚えています。
 自分の言葉ならともかく、君の言葉や君の仕草は、一つとして忘れることはあり得ません。


 色々ありましたが、君は今や、俺と共にいる。今の僕にはそれだけが重要で、あとはどうでも良いことなのです。


 俺と君以外誰もいない部屋で、俺は君を壊しました。
 もしかしたら、俺も壊れたのかもしれません。



902 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 02:08:11.61 ID:JdO1XeUg0
>>900
うわー、こういう話大好きです
色々が気になって仕方ない
GJでした

903 :1/2:2011/04/10(日) 02:31:50.44 ID:NUkFXtSqO
すえた臭いが鼻について離れない。悪いのは洗うつもりもなくおざなりにシンクに重ねた食器か、30分前にしこたま掻いた俺の汗か、それとも腹に絡んでかぴかぴに乾いた白いアレだろうか。
白昼から不健全に締め切った狭い密室だ。空気が淀むのは無理もない。
 あるいは、この酷い臭いは俺達の内側がぐずぐずと腐り落ちている証拠なのかもしれないな。

 俺は汗で湿ったシーツに背をつけて、白い粉を鼻から吸って束の間の天国にトリップする男の白い背中を眺めていた。
 くたびれて色褪せた若草色のカーテンがずれて、昼下がりの陽光が光の柱となって裸の背に降り注ぐ。太陽に暴かれた部屋の埃がキラキラと反射して、むき出しの肩甲骨の輪郭を曖昧に照らしている。
「……天使の羽だ」
 ぼんやり呟いた言葉は、俺のやさぐれた精神状態を反映してか意図せず嫌味っぽい響きになった。
 腕を伸ばして、骨の浮くうなじをくすぐると気だるい瞳が鬱陶しげにこちらに振り向く。
「羽なんてもんが有ったら、とっくに神にもぎとられてるさ」
 ……ああ、ごもっとも。
 お前はジーザスも真っ青な悪事ばかり働いた。浮気にクスリ、盗みにエトセトラ、挙げ句は男と逃避行。そう仕向けたのは俺だ。
 まっとうの更に上を行く、完璧な人生を謳歌していたお前がこうなると誰が予想できただろう。今隣にいるのが生涯を誓い合ったマリアのようなあの女ではなく、ケツの穴にザーメン引っ付けて汚れたベッドに寝転ぶやさぐれた男だなんて。


904 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 02:36:21.55 ID:NUkFXtSqO
うわああバカだ申し訳ない……!orz
時間も時間だしとこんな早撃ちの方がいると思わず完全にうっかりしてましたorz

リロードしようねって流れだったにも関わらず、しかもニアミスどころじゃない時間差で本当にごめんよごめんよ…!

905 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 05:03:07.87 ID:SMxshNJG0
>>900
「俺」の口調がすごくいい
重い罪の告白をしあわせそうな顔でしてるとこを想像した
GJ

>>904
*0以外で待ってる…!

906 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 05:55:28.48 ID:lKZW53icO
文体が壊れている感じがでてて良かった。
GJ

残念だった人も完成系みたいので0以外お願いします。
ふたつもきてホクホク。

907 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 09:02:18.46 ID:k9QjcNtr0
めっちゃおもしろかったああああ!

908 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 12:27:25.26 ID:56DalydlO
一つの題材で二つのお話が読めるなんてうまうまですっ
ゴチでした!

909 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 12:37:51.60 ID:YJBMKMXWO
コンビニ店員×強盗

910 :1:2011/04/10(日) 17:35:41.50 ID:boZTAiWn0
「金を出せ!」
「藤堂和弥?」
 ほぼ同時に響いた声。怯んだのは、強盗の方だった。サングラスとマスクで顔を覆っ
ているため表情は見えないが、あからさまに体を竦ませ後じさった。
「藤堂和弥だろ?」
 ナイフを目の前に突き出されているにもかかわらず、店員の方に動揺は全くない。どこ
ろか、カウンターに片手を付いて身を乗り出した。
「俺のこと忘れちゃった? 同じ高校だった皆川だよ。皆川晋! 久しぶりだなぁ、卒業式
以来だ。結局進路聞けないままだったけど、おまえも上京してたんだな、でもここらじゃ
会ったことないよな、こんなとこで何してんだよって訊くまでもないか!」
 あはは、と緊張感無く店員、皆川が笑う。緊迫感がまるでない。
「ひ、人違いだ!」
 マスク越しでも、ひっくり返っているのが分かる声で怒鳴り散らす。皆川の勢いに気圧
されて弛みかけていた肘を伸ばし、再びナイフを突きつける。
「黙って有り金だせってんだよ!」
 声も震えていたが、ナイフを握った手も小刻みに震えていた。
「えー、どう見ても藤堂じゃん」
 が、皆川は気にした様子も見せず、不満そうに言う。そして無造作に手を伸ばし、強盗
のサングラスとマスクをむしり取った。
「やっぱり藤堂だ」
 にっこり笑う。
 呆気にとられるというのはこういう状態を言うのだろう。強盗、藤堂和弥はあまりのこ
とに言葉を失った。呼吸も止まっていたかもしれない。
「色々と気まずいのは分かるけどさぁ、他人のふりはひどいよ〜」
 わざとなのか何なのか、皆川のずれまくった対応に、藤堂の中にふつふつと怒りがこみ
上げてきた。俺傷ついちゃう、などと付け加えられた日には、そういえばこういう奴だっ
たと怒りが一気に沸点に達した。
「ふざけんのもい――」
「なぁに騒いでんだぁ?」
 怒鳴りかけた藤堂の声に被さり、ドアの開く音と間延びした第三者の声。

911 :2:2011/04/10(日) 17:38:54.71 ID:boZTAiWn0
 バックヤードから皆川と同じ制服を着た店員が出てきた。
「あ、先輩、おつかれさまっす」
 先輩店員の目が、さわやかに挨拶をする皆川とナイフを突き出す藤堂を二巡した。
「えーっと、通報した方がよさげ?」
「いえ、必要ないです。こいつ友達なんですけど、罰ゲームで強盗のふりで俺にどっきり
仕掛けてこいって命令されたらしくって、お騒がせしちゃってすんません」
「なっ」
「あぁ?」
 先輩店員がうさんくさそうに、二人をもう一巡見やる。納得したのか、頭をがりがりと
やると、溜息をついた。
「ったく、なんだそれ」
「すんません」
 再び頭を下げた皆川に、先輩店員がしっしっという風に手を振った。
「わぁったから、退勤オレが付けといちゃるからそいつ連れてとっとと帰れ」
「ありがとうございます」
 言うが早いか、皆川はその場で制服を脱いで先輩店員に渡すと、またもや呆気にとられ
て身動きできずにいた藤堂の腕を掴んでコンビニを出た。

「っ放せよ!」
 コンビニを出てからずっと握られっぱなしだった手を、藤堂が無理矢理引きほどいた。
勢い、握ったままだったナイフが手から滑り落ち、道路の上を滑っていった。
 藤堂は肩で息をしていた。皆川は藤堂に背を向けたまま、さっきまでが嘘のように静か
だった。
「……よく、おれだって分かったな」
 ぽつり、藤堂がこぼす。
「俺が、藤堂を、見間違うはず、ないでしょ」
 小さな声だった。
「なんで、あんなことしたんだ」
 藤堂が顔をゆがませた。
「金が欲しかったからに決まってんだろ」
 言い切った声は、けれど、藤堂自身がうろたえるほど弱々しかった。

912 :ラスト:2011/04/10(日) 17:44:52.68 ID:boZTAiWn0
「ふーん、借金でもあんの」
「わりぃかよ!」
 藤堂はいっそう顔をゆがませ吐き捨てる。
「……どうせまた、碌でもない女にひっかっかったんだろ」
「あ?」
 怒気をはらんだ声に、図星か、と皆川が嘆息する。
「高校の時もそうだったよね。頭の悪そうな女に貢ぎまくって挙げ句捨てられて、何回繰
り返しても学習しないし、挙げ句落ちるとこまで落ちてちゃ笑い話にもなんないだろ」
「っるせぇよ!」
 一気に沸点に達したらしい藤堂が、皆川の方を度ついて胸ぐらを掴みあげた。
「知ったふうにカタッてんじゃねぇ!」
 下から睨み上げて怒鳴った藤堂を、ぞっとするほど冷たい目が見下ろしていた。
「知ってるよ、ずっと見てたんだから」
 藤堂が怯む。
「ねぇ藤堂、忘れてるの? 俺が卒業式に言ったこと」
「なんっ」
 藤堂の顔がさっと青ざめ、手を放して離れようとするが、寸前、皆川の手が藤堂の手を掴んで引き寄せた。
「なんだ、ちゃんと覚えてたんだ。忘れられてるのかと思ってた。さっきも俺に全然気づ
かないし、藤堂って案外友達甲斐のない奴だよね……なんて、俺が友情ぶっ壊したんだけどね」
「は、なせ」
「放さないよ。ここからが本題なんだから」
 ほほえみさえ浮かべながら、皆川は握る手にさらに力を込める。
「ねぇ、そんなに金に困ってんだったら、俺がおまえをかってやるよ」
「は?」
「察しが悪いなぁ、借金代わりに払ってやるから、俺に抱かれろって言ってんの」
「なに、ふざけたこといって」
「ふざけてなんかねぇよ」
 言いながら、掴んでいた皆川の手に口づけを落とす。
「拒絶しないなら承諾したととるが、どうする。ま、強盗するまで追い詰められてんだ、
選択肢なんか他にないだろうがな」
 目の前で、見たこともないような笑みを浮かべる男を、藤堂はただ呆然と見つめることしかできなかった。

913 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 18:39:50.00 ID:NUkFXtSqO
おー…!
笑いながら2レス読んで、最後にやられたー!強引な攻めとチンピラでどうしようもない受け、二人とも可愛すぎるww
続きが気になる二人だww
萌えましたGJ!!

914 :風と木の名無しさん:2011/04/10(日) 18:42:17.07 ID:cG4EP6WK0
うわああー、すごい!
このお題ってどーするんだろうと思ったけど、
お題どんぴしゃだあ。GJでした!


915 :風と木の名無しさん:2011/04/11(月) 10:51:17.17 ID:CTQqEEWvO
萌えた!かなり好きなシチュだ!

ただ無粋だが借金の額が気になる…
コンビニ店員が払える額なんだろうか。
適度な金額で適度な回数抱かれるといい。

916 :風と木の名無しさん:2011/04/11(月) 13:32:07.66 ID:i603V5dOO
金額大きそうだな・・・
むしろ適度な金額でガンガン抱くのを期待、借金を整理させつつ上手くやってほしい
GJでした

917 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 00:53:40.13 ID:4notDgYBO
ではそろそろ

918 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 01:27:06.04 ID:FOnD8XM/0
踏む前に落ち着いてリロードしてから送信しろよ

919 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 01:27:44.82 ID:9fvAp76xO
守られる男

920 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 04:37:36.14 ID:dksQUltR0
 月のない夜は危ないぞ、と言ったのは父だった。
 なぜ、と問う私に、父はただ口元に微笑を刷いて天幕を捲って見せた。
 ――月明かりの下、広がり続ける血の海を、立って眺める男がいた。

 男の名はイーハといい、父の護衛を務める男だった。
 顔こそ品よく美しく整っていたが、実際は手のつけられぬ狂犬で、父以外には決して懐かず、息子の私
にもついに心許すことはなかった。
 何かの間違いで人間に生まれたようなイーハを快く思わぬものは、私以外にもいただろう。しかし多く
の部族が混在し、小競り合いを繰り返すこの地において族長たる父の命を守り続けたのは、他ならぬスー
ハだった。
 父はイーハを大層可愛がって常に傍らに置いた。しかし私には気持ち悪いとしか思えぬ男だった。父を
狙う凶手を斬殺したあの夜の光景が脳裏に残っているからかもしれぬ。息子の私よりも長い時間を父と過
ごしていたことに対する嫉妬かもしれぬ。

 剣の腕がたち、暗器の扱いに長け、薬草に詳しく、気配に聡く鼻の利く、最強と呼ばれて久しかったス
ーハの死は突然だった。
 先祖の霊を祀る陵墓に赴いた父目掛けて一本の矢が走り、気付いたイーハが咄嗟に飛び出して父を守っ
たのだという。
 供はイーハ一人きりだった。父は矢の突き刺さったイーハを連れて村へ戻った。しかし矢尻に塗られた
毒がまわり、その日のうちにイーハの命は呆気なく絶えた。
 イーハならば身を盾にせずとも剣で矢を叩き落とすことができたはず、それができなかったとは、と集
落ではちょっとした話題になった。結局は、イーハも老いたのだ、という結論に落ち着いた。誰もがスー
ハの死を冷静に受け止めていた。イーハを労りはしても、心から悼む者はいなかった。

921 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 04:39:30.62 ID:dksQUltR0
 イーハに家族はない。父が手ずから葬儀の手配をし、執り行った。悲しんでいるようには見えなかった
。むしろどこか喜色を浮かべている様子が奇妙だった。
 埋葬する前日、人払いをして父は棺の中のイーハと最後の時間を過ごした。大抵の者は、イーハの献身
に報ろうとする父の慈悲深さを讃えた。しかし私にはいよいよ訝しかった。母が亡くなったときでさえ、
父はそのようなことをしなかった。
 決定的だったのは、族長の座を私に譲ると言い出したことだった。もう私は一人前の男であり、父の後
を継ぐのに何ら不足はなかった。しかし私は耐えきれず、尋ねた。父上、イーハのせいですか、と。
 父は私の直截な問い方に微笑した後、簡明に語った。

『俺が数多い兄弟を蹴落として族長を継いだのはあれがいたからだ。あれをこの村で生かすにはそうする
しかなかった。それが、蓋を開けてみればどうだ。俺はあれを危険な目に遭わせてばかり。しかし俺が村
を守らねば、そもそも誰も彼も生きられぬ。だから今まで続けた。
だが俺が守っていた、守りたかったあれは死んだ。頃合だ。無用な跡目争いなど起きぬよう、俺がした。
俺に出来なかった分まで、皆を守れ』

 この人は、このまま死ぬつもりなのではないか、という予感が脳裏を過ぎった。しかし父はそのような
選択はせず、老齢と言える年まで生き、病を得て亡くなった。天命を全うしたことに、父の私たちに対す
る誠意を感じた。
 
 族長の座を降りる理由を尋ねた後、私はもうひとつ質問をした。埋葬の前日、イーハと何を話していた
のですか、と。
 父は首を振って何も、と答えた。そして、口外するなと前置きした上で、密やかに笑った。
 ――口接けを。

 恐らく父は、そのただ一度の接吻で、己の恋を殺したのだ。

922 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 07:41:29.67 ID:Sd2Sf1Hk0
スーハとイーハ、どっちが正しい名前か、ちと混乱。
でも、お話自体は萌えました。

923 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 15:57:09.99 ID:9fvAp76xO
ふおお…!
名前や設定諸々が幻想的な世界観で素敵ですた
GJ

924 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 16:19:01.18 ID:dPEzKmLZ0
なあんだ、ただの神か
このふたりはこれでいいんだな GJとしか言いようがない。GJでした!

925 :風と木の名無しさん:2011/04/12(火) 22:35:22.10 ID:Bs7O+UpVO
萌えたぎるこの心を私はどこにぶつけたら良いのでしょうか

なにもかもがGJ

926 :風と木の名無しさん:2011/04/13(水) 00:12:26.75 ID:5KlH0jvU0
お互いに守り守られるなんて
ああああもうGJ!

927 :風と木の名無しさん:2011/04/13(水) 19:59:39.35 ID:XDlhnzkJ0
ファンになりそう
もっと作品を読みたいと思ってしまった

GJでした!

928 :風と木の名無しさん:2011/04/13(水) 21:12:51.81 ID:nRbYedg/O
ふんでいいよ?

929 :風と木の名無しさん:2011/04/13(水) 21:13:06.77 ID:Mj/iaw+w0
成功した喪男×おちぶれたイケメン

930 :風と木の名無しさん:2011/04/14(木) 21:37:23.30 ID:vvUNNdqHO
流れた?

931 :風と木の名無しさん:2011/04/14(木) 22:06:27.98 ID:HJGRpaKlO
お流れ残念…

932 :風と木の名無しさん:2011/04/14(木) 23:55:21.20 ID:YtJdevu90
残念まわし


933 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 01:12:20.80 ID:JRILLgoK0
まわしましょう

934 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 08:02:13.92 ID:lFFQFCZ4O
まわしてみよう

935 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 11:54:53.80 ID:2TypxV8t0
まわしてみる

936 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 14:31:58.48 ID:IkVpF4Ys0
なんでここの人達はこんなに文才があるの?mws

937 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 15:22:35.30 ID:FYKMbmm20
喪男はマツコみたいな辛口コメンテーターとか
自虐小説で喪男代表みたいな小説家になり
いじめっ子の元同級生の雑誌編集者が屈辱の中に寄稿を頼む
みたいなヴァージョンまでは思いついた
まわし

938 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 15:57:31.26 ID:X0eHAVH50
さあおゆきなさい

939 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 15:58:06.14 ID:JBx9Pvw00
無口無表情な受け

940 :風と木の名無しさん:2011/04/15(金) 15:58:07.07 ID:iLe+s2r6O
桜の木×毛虫

941 :940:2011/04/16(土) 01:44:16.27 ID:VRaJEzAh0
あいつはいつも長テーブルの端の席にかけて蕎麦を食べている。
他のみんなの話に相槌をうつでもなく、目線だけ流しながら黙って食べる。
せめて聞いているそぶりでも見せれば、閉じた本のように味気ないなどという
陰口をたたかれることもないだろうに。

食堂のテレビから保健所で処分を待つ犬たちのニュースが流れてくる。
「かわいそう、ほんとに信じられない」
「無責任だな」
おれの周りのやつらが昼食を口に運びながら言い合う。
だが、食べる手を止めて痛ましいニュースに心を傾けたのはあいつだけだ。
やはり無言で。
あいつは、口数も少なく無表情だが、無感情なわけではない。
あいつの心は、ふとした呼吸に、目線に、行動に、表れる。

「お前みたいな奴がなんであんなつまらないやつに構うの?」とよく言われる。
あいつはいつも図書館で専門書を相手に何時間でも座っている。
あいつが取り組む本を見て、あいつのようだといつも思う。
その文体は飾り気がなく硬いものだが、誠実で練られたものだ。読むたびに
新しい発見があるだろう。
表紙を見ただけで内容が分かるような週刊誌やみんなを楽しませるエンターテイメントではない。
だが、おれにとっては何より興味深いものだ。その価値を知っているのは、
おれだけでいい。

黙々と蕎麦を食べて続けているあいつを見る。どれだけ蕎麦が好きなんだろう。
次の週末はうまい信州そばを食べにあいつを誘ってみようか。
最初に飲みに誘ったときは即座に断られた。前々回のメシはほんのちょっとの間の後
断られた。
前回の蕎麦屋は少し目線を泳がせて考えた様子の後、やっぱり断られた。
あいつが返事に迷う時間が、だんだん長くなる。
そのうち気軽に俺の誘いにのってくれるようになるだろうか。
今回断られたとして、少しずつでも、あいつの関心がおれに向けられれば、
それでいい。

942 :風と木の名無しさん:2011/04/16(土) 02:23:25.63 ID:PxtCc4/E0
受け視点が一切無いのに、受けの心情も、すごくよく伝わってくる!GJ!!!

943 :風と木の名無しさん:2011/04/16(土) 04:26:21.40 ID:RJ+yhYMR0
うおーこれはかわいい!積極的な攻と無表情な受は大好物です
思わず攻めがんばれって応援しちゃう GJ!!

944 :風と木の名無しさん:2011/04/16(土) 09:18:12.22 ID:JMdo8eKIO
素晴らしい
攻め視点の受けは良いものですね
踏み逃げだろうなぁなんて思っててゴメンナサイGJ

945 :風と木の名無しさん:2011/04/16(土) 11:33:49.31 ID:wk6LQ3jy0
可愛いなー!萌えた、GJ!
早く、蕎麦を二人で食べる仲になれますようにw

946 :風と木の名無しさん:2011/04/16(土) 14:36:28.87 ID:FjE0RE440
はー……ため息つくほど萌えたぎった。
無口無表情な受がこんなに愛しいとは。攻視点だからこその萌え。
ええもん見せていただきました。GJ!

947 :風と木の名無しさん:2011/04/16(土) 23:44:21.19 ID:ikwroiZoO
何でもない日常の中の話がいいね
GJ!

948 :風と木の名無しさん:2011/04/17(日) 00:33:24.67 ID:s+QmBEUs0
まわし

949 :風と木の名無しさん:2011/04/17(日) 00:36:49.03 ID:qEG0ny1G0
そんなつもりじゃ無いんだけど

950 :1/3:2011/04/17(日) 05:35:04.68 ID:epDZzTSyO
「まいったなぁ、そんなつもりじゃ無いんだけど…」


ああ、やっぱりそうだ。
普段はバカみたいにニコニコ笑ってばかりいるこいつが
眉毛をハの字みたいにして苦笑いしてるとこなんて、今まで見たことがなかった。


こいつとは2年で同じクラスになってから、本当にいつも一緒にいた。
いや、1年の冬に転校してきて学校に馴染めず、一人でいる方が気楽だったおれを、こいつは独りにしてくれなかったんだ。
たまたま同じクラスってだけなのに、休み時間毎に隣にやってきては話し掛けられ
何を聞かれても的外れな言葉を吃音りながら返すことしかできないおれに、こいつは言った。
「おもしれー!井野ちゃんみたいな奴、俺大好き!」

951 :2/3:2011/04/17(日) 05:37:13.29 ID:epDZzTSyO
それ以来こいつは事あるごとにおれに絡んできては、背筋が寒くなるような好意の言葉を浴びせてきた。
「可愛い」、時には「最高のダチ」、挙げ句「抱きたい」と言われたことまである。


それなのに、おれが最初に覚えたコミュニケーションは、こいつに悪態をつくことだった。
「みんなー!今日から井野ちゃんは俺の嫁な!」「お断りだ!」
おれが珍しく人前で声を発したこともあってか、周囲にざわめきが起きた。
それ以来、おれ達のやり取りは夫婦漫才と称され、クラスのちょっとした名物になった。
生まれて初めて、三人以上で遊ぶような友達ができた。女子にも話しかけられるようになった。
こいつがあまりにも色んな言葉で愛情表現をしてくるから、おれも色んなツッコミを考えるようになった。
だが問題は、口から出る悪態とは真逆の感情が芽生えてしまったということだ。


真っ暗闇だったおれの世界を、太陽みたいなこいつが変えてくれた。
おれはもう、こいつ無しでは生きていくことができない。
そう気付いた時、父親から転勤を伝えられた。

952 :3/3:2011/04/17(日) 05:41:42.60 ID:epDZzTSyO
明日、おれは転校する。こいつとはもう会えない。
最後にせめて自分の気持ちを伝えたくて、こいつを屋上に呼んだ。
わかってるよ。こいつにとっておれはただの面白い友達の一人。
わかってるくせに、頭が混乱してるからなのか、自分の願望からか
「『おれも』お前が好きです。付き合って下さい!」なんて言ってしまった。
その返事が「そんなつもりじゃ無いんだけど…」である。


予想通りの結果なのに、今までのツッコミを纏めて返されたみたいで、下を向いたまま動けない。
でもいいんだ。明日からこいつはこんな気持ち悪いホモに会わなくて済むんだ。
ごめんな。ばいばい。おれの大好きなトモダチ…。



「ッたく、おれの初恋を返せよ!」
「うわぁぁぁぁお許しください井野様ぁぁ!」
大学生になったおれは、何の縁かこいつと再会した。
そして再会したその日に、こいつはおれに告白してきやがった。どうやら、おれ達は両想いだったらしい。
こいつは遠距離でおれに辛い思いをさせたくなくて、嫌われた方がスッキリ別れられると思ってあんな事を言ったそうだ。
「じゃあさ、今度の日曜に学ラン着てデートしようぜ!井野ちゃん!」
「そんなつもりじゃ無いんだけど…」
今となっては、これはおれ達の間でお決まりのツッコミとなっている。

953 :風と木の名無しさん:2011/04/17(日) 22:18:09.09 ID:6THtzozmO
最初良かったのにラストに迫るに連れて詰め込み過ぎ感が…

954 :風と木の名無しさん:2011/04/17(日) 22:47:44.41 ID:K/iXOhYJO
うざキャラ良かったよ

955 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 01:32:02.11 ID:w/yvJ/wU0
主任がかわいいよぉぉぉ!!

956 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 01:32:54.46 ID:w/yvJ/wU0
あごめんミスった。

957 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 11:19:50.68 ID:jlFpOMev0
最後詰め込みかあ、なるほど。
個人的には失恋エンドでもOKだったけど、そういう訳にもいかないよね。

958 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 13:20:34.23 ID:eKyn7DliO
踏んでよし!

959 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 13:51:21.37 ID:9rJajFeiO
露出狂×お巡りさん

960 :1/2:2011/04/18(月) 14:42:13.51 ID:F/cA4QMD0
2×××年、ネオ東京801番街。
この街は犯罪に溢れている。
秩序を失ったこの街で僕達は日夜、犯罪者と戦っていた。

事件はビルの隙間から夕日が沈み、夜のネオンが消えかけた深夜に起きた。
「屋良内科ビル付近に不審者がうろついている」との通報を受け、
僕と先輩は小雨の降る中、現場に向かった。

「アイツが今日の獲物か」
先輩がそう呟く視線の先には全裸で太鼓を叩く男の姿があった。

「ソイヤッ!ソイヤッ!」
男は僕達に気づくと逃げるどころか挑発するように股間を隆起させ向かってくる。
天高くそそり立つそれはまさに凶器。

「う、動くな!」
警棒を構え威嚇する僕を先輩が静止する。

「コイツはそんな棒じゃ収まらねぇぜ」
そう言うと先輩は自らも全裸になり股間の警棒を隆起させる。
犯人のモノに負けずとも劣らない立派な警棒だ。

「ホラ、かかってきな変態野郎」
先輩の挑発にニヤリと笑い犯人は股間の名刀を振るった。

「ソイヤッ!ソイヤッ!」
「ハッ!ハッ!」

今の時代、これほど見事なチンコチャンバラをお目にかかる機会はそう無いだろう。
僕は仕事を忘れ、息を飲んでこの名勝負を見守った。

961 :2/2:2011/04/18(月) 14:43:09.66 ID:F/cA4QMD0

「ソイヤッ……んっ!」
激しい応酬に犯人の名刀がビクンと膨らむ。
先輩はその一瞬の隙を見逃さなかった。

「どうだ?ここらでその刀を鞘に収めては?」
さっきまでの精悍な表情とはうって変わって、
憂いを含む優しい眼差しで犯人を見据えた先輩は尻を広げて付きだした。

「ソ、ソイヤッ……!」
「もういいんだ辛かっただろう?」
「ソイヤ……」
「さあ、入れるんだ」
「ソ、ソイヤァァァァァァ!」
「もっと、もっとだ!」
「ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!」
「あああっ!犯人かくほぉぉおおおお」

先輩の中で犯人の凶器は威力を失った。
見事な逮捕劇。
恍惚な表情を浮かべる二人に僕は涙を流してつぶやいた。

「もうヤダこの街……」

ネオ東京801番街。
狂気に満ちたこの街の夜はまだまだ終わらない。

962 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 14:54:51.60 ID:E4xmtWwQ0
屋良内科wwww

963 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 15:01:11.22 ID:gYKyoewoO
くそっ!くそっ!
笑うしかないのに先輩の男前受け具合に萌えちまう!ww

964 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 15:18:12.45 ID:Jlfb6Hk00
ソイヤッの威力がはんぱないwwwww

965 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 15:23:08.01 ID:jlFpOMev0
この発想力に脱帽w

966 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 15:37:38.89 ID:bsJc6w34O
屋良内科で不覚にもww
天才すぎるwwwww

967 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 15:41:51.76 ID:k1C0ot850
この才能がいつの日か世界を救うに違いないwww
犯人の手首ではなくテリンコに括約筋のワッパをかけながらGJ

968 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 16:04:43.99 ID:c+K0X9VP0
ソイヤッで不覚にもwwwwwww

969 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 16:07:02.63 ID:yMajj1UM0
忠誠の誓い

970 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 21:27:57.94 ID:pGdsxdZJ0

 そっと手の甲に口づける。
 この手の主はなによりも尊いものだ。守るためならばどんな罪も犯してみせよう、そう誓い男は立ち上がった。
 辺りはしんとして静かだ。他には、誰もいない。
 草木も眠る夜の中、この男だけは起きている。他は皆眠っている。誰も起きては来ないだろう。
 なぜならそれが約束だった。
 眠る自分に他の誰も近づけるなと、かつて彼はそう言った。そして男は頷いた。

 男は窓を見やる。
 世界は闇のなかにあって、月も、星さえも眠っているようだった。
 だから、朝は未だ遠い。
 守るべき主は眠っている。
 眠っている。どれほどの時間が経ったか忘れてしまったが、一日二日でない事だけは確かだった。
 だから男はずっと、約束を守り続けている。
 最初は側付きの従者だった。その次は彼の幼い弟王子を、兵士を、騎士を。そこから先は、数えていない。
 だが何人も彼には近付けなかった。
 いつの間にかここは随分と静かになって、日中聞こえる音といえば、何かが外を駆ける音、鳥の囀りだとかで、かつてしていた人の声は聞こえなくなった。
 だから男の主は、安心して眠っていられるのだ。
 男は満足げに頷いて、そうして主の手に触れた。最近は随分と痩せてしまって、かつての柔らかな感触はない。
 それでも男は喜ばしかった。主が目を覚まさないのは、自分が約束を守れているからなのだ、と。

971 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 21:40:01.55 ID:gMQO7pzr0
ヤンデレすきーの私としては、もうなんとも言いようがないくらい素晴らしい

972 :風と木の名無しさん:2011/04/18(月) 23:11:06.35 ID:BNtMOVrK0
せつないわぁ〜

973 :風と木の名無しさん:2011/04/19(火) 07:46:08.46 ID:3ySvjzFSO
ヤンデレになるの?
せつないね〜

974 :風と木の名無しさん:2011/04/19(火) 09:55:32.70 ID:MlufF2N6O
書きすぎていないから、いろいろ想像する
主人を盲愛する子供のような戦士に下された優しくも残酷な命令、または
屈強な従者がなにもかも了解した上で狂人のふりをし、運命をともにしようとしているのか
それとも、人外が主の死も知らず何百年と付き従っているのか……
萌えたぎったので長くなってごめん。GJです!

975 :風と木の名無しさん:2011/04/19(火) 10:45:26.02 ID:kxplapPv0
こんな感じの、雰囲気たっぷりで妄想する部分が過分にある作りは大好きです!GJ!!

976 :風と木の名無しさん:2011/04/19(火) 13:34:05.65 ID:ScuauuozO
主人は事情があって今は眠ってる吸血鬼なのかなーとか
普通にもう亡くなっててスーパーヤンデレ化したのかなーとか
色々妄想できて美味しかったれすウシシ

977 :風と木の名無しさん:2011/04/20(水) 00:02:33.48 ID:+WLmfjrWO
ラストリクへ向けてmws

978 :風と木の名無しさん:2011/04/20(水) 01:04:14.88 ID:Z0cY6Ajp0
もうラストか
思いっきり踏んじゃってください!

979 :風と木の名無しさん:2011/04/20(水) 01:05:42.75 ID:eZS3DxvlO
年下イケメンに愛されるフツメン

980 :風と木の名無しさん:2011/04/20(水) 21:44:28.88 ID:WIc32QiiO
「家に帰りなさい。」
もう何度彼に言っただろうか。しかし彼は頑として動かない。
「お前はこっちに来てはいけない。ご両親を悲しませることになる。」
また彼に説得を試みる。しかし彼の顔を見れない。真っ直ぐな彼の目を見ては嘘をつけない。
「お前は若すぎる。」
端正な顔立ち。女子にだって好かれるだろう。
「もっと自分の人生を考えろ。」
嘘だ。本当は。

それを見越したように彼は真っ直ぐな瞳で答える。
「殿!俺は殿の臣として最後までお供する覚悟です!」
忠節のもと死ぬ使命感によって顔が輝いている。
ああ、彼は何を言ってもついてくる気だろう。
私が力ない将でなかったら彼をこんな死地に連れてくることもなかったろうに。
なんと情けない。

私が諦めのため息をつくと彼は子供のような笑みをこぼした。

981 :風と木の名無しさん:2011/04/21(木) 16:28:14.67 ID:ttN38D13O
フツメンなのか……?
でも愛されててよかったです

982 :風と木の名無しさん:2011/04/21(木) 16:34:54.01 ID:SIP4kceC0
織田信長と森蘭丸で再生された

983 :風と木の名無しさん:2011/04/21(木) 18:22:26.20 ID:YIKC4fGgO
織田信長は謙遜しなさそうだから違うかな
歴史に詳しい姐さんならこれっ!って言いそう

984 :風と木の名無しさん:2011/04/21(木) 22:24:44.25 ID:Pu1/8sRHO
歴史の影に萌えありですね

985 : 忍法帖【Lv=5,xxxP】 :2011/04/21(木) 22:38:30.78 ID:VQxmyo7U0
スレ立てってレベルどれくらいいるんだろ?

986 :風と木の名無しさん:2011/04/21(木) 23:29:45.72 ID:X3lLEwQrO
>>980以降はフリーって>>1に有ったけど、雑談のみなのかな?以前のお題投下はルール違反?
別館投下すべき?

987 :風と木の名無しさん:2011/04/21(木) 23:44:29.08 ID:Cm2Im/dPO
>>986
私はどっちでもいいけど、別館に落とした方が無難かも
わっふるわっふる!

988 :風と木の名無しさん:2011/04/21(木) 23:58:21.65 ID:X3lLEwQrO
>>987
ご意見有難うございます。
折角0を踏みそうで書きかけてたのですが間に合わなくて…
書き上げられたら別館に投下してみます。
宜しければ覗いて頂けると嬉しいです。

失礼しました。

989 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 00:20:44.87 ID:JhHrfz42O
別館投下にしないと、wikiもれになっちゃうよ
テンプレ違反になるから

990 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 00:21:45.59 ID:8ccM43vU0
何時の間にか水遁されてたみたいだ・・・
誰か次のスレ立てよろしくお願いします

991 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 00:38:10.47 ID:ZEKHea9i0
立ててみる

992 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 00:39:42.66 ID:ZEKHea9i0
*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart21
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1303400329/

993 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 00:43:11.68 ID:8ccM43vU0
>>992
ありがとう!乙です!

994 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 01:07:32.14 ID:SFIerEIq0
>>992乙!
次スレでもいい萌えに会えますように。まわし。

995 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 01:23:21.45 ID:yun3+xkI0
スレ立て乙でした!
次のスレも無事に素敵な0萌えに出会えますように!

996 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 01:32:16.37 ID:EFQhxG1vO
>>992
乙!大好きだ!!

997 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 08:25:13.49 ID:+ahChHIeO
>>996×>>992

998 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 11:44:59.78 ID:OJe9PrBeO
>>992
乙!!

999 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 12:05:26.82 ID:zSSf4wVg0
>>992
ありがとう!

1000 :風と木の名無しさん:2011/04/22(金) 13:11:37.07 ID:ddrL+QMU0
1000なら次スレでも神萌えに出会える!

1001 :1001:Over 1000 Thread
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iii;;::::ヽ;;,,';;"'';;";;""~"`"`;.";;""'"~"`~"''::;;..,,,
ii;;::;';;"                     `;;


このスレッドは桜にさらわれました。
月が見てるので、新しいスレッドをたててくださいです。。。

カオスでマターリ 
http://yomi.bbspink.com/801/