もう23時か、
2ちゃんねる ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50 [PINK]広告のお問い合わせ(10/20)[/PINK]  
レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。

*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart17

1 :風と木の名無しさん:2009/07/17(金) 23:11:25 ID:CkT1vjiq0
☆★☆★☆ 初 め て の人は まず 熟 読 してね ☆★☆★☆

*9が萌えてほしい内容を指定し、*0が萌える思いを書き綴るスレッドです。
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
 まとめサイト ttp://910moe.web.fc2.com/
 まとめwiki ttp://www19.atwiki.jp/910moe/
※ 絡み・談義・テンプレ審議などは絡みスレかまとめサイトへ。

ルール
■*9から24時間経過でお流れです。
■*0を踏んだ人物が*9より12時間無反応の場合は権利消滅となります。*0以外の萌えたい人どうぞ。
■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。
■同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。

注意事項
■*9リクはわかりやすいもの推奨。無機物、非生物不問。
■*9*0とも、あからさまに二次創作とわかるような固有名詞は避けましょう。
■テンプレ違反の*9はお流れです。
■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
 まとめサイトの「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
■投下者本人以外が続編を書くことは原則禁止です。

・投下、リクの前にはリロードしましょう。
・感想を書き込みたい人のために、*0投下直後の「まわし」は御遠慮下さい。
・979でリク終了、980の萌え以降フリーです。次スレは宣言してから建てて下さい。

前スレ *9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart16
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1239096570/

>>2 もよく読んで下さいね。

2 :風と木の名無しさん:2009/07/17(金) 23:11:52 ID:CkT1vjiq0
●こういう場合はどうするの?

Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。

Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。

Q3 まとめサイトに投下された作品にGJしたい。
A3 まとめサイトのグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。

Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、まとめサイトの*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。

Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A5 数字板の絡みスレや、まとめサイトBBSのチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/4320/1169373142/
テンプレURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/4320/1125066492/

3 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 02:31:48 ID:jjlCF1cCO
では萌えに向かってまわします

4 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 06:32:07 ID:T77MDAqyO
>>1乙! そしてまわし

5 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 06:57:52 ID:tZ9VqrFdO
いちおつまわし!

6 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 07:46:54 ID:6dgR27kz0
1乙〜
まわれまわれ

7 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 08:11:25 ID:fXKIs3L70
新スレ乙〜新しい萌えにwktkしつつ、まわします

8 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 08:48:25 ID:7OJLynKA0
         (⌒,,⌒)〜っ
        (⌒,_, ,⌒て ,,_,)
         ! ノ U。`yヘ_,、_ノ !
        し|~〜〜 。 ヘ⌒iヽフ >>1
            |! ゚o 。.゚(・ω|・ ) 感謝の気持ち
           |! 。o゚ ⊂ ゚ とノ
          |i 。゚ ゚ o .゚|.。|. |
         |i、..゜。。゚ ゚し|'J
.           |,,._二二二_,!
       。゚o



9 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 08:59:04 ID:ekyW46ncO
MP3プレーヤー

10 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 13:22:35 ID:vqNpL0Xx0
山田大嫌い。顔良くて頭良くてでも性格悪くてマジ大嫌い。マジ愛想なさすぎ。マジとっつきにくい。
なのに最近俺の大好きなめっちが妙に山田になついてる。山田マジ邪魔。マジどっか行け山田。
今日もめっちが山田と楽しそうに話してる。
なんか誰かの曲の話になって「えー超いいよ聞いてみ」とアイポッドをポケットから出して「聞いてていいから」とクラスに帰っていった。
しかし山田聞かない。聞こうともしない。アイポッドを触りもせずほっておいてる。
山田最悪。てめえ俺のめっちの好意ムダにしてんな山田。
睨んでいると目があった。すると山田はなぜかアイポッド持ってこっちに来た。
「これ久米に返しといてくれないか」
やだよ。
「お前借りたんだろ聞けよ」
つっけんどんに言い返すと
「聞けない」
山田は言って、ちょっと周りを見渡すと屈んでささやき声になった。
「使い方分かんない」
「マジで」
俺もつられて小声で呟いた。
山田は照れたような顔をして、照れ隠しみたいに続ける。
「機械全然わかんなくて」
「だせえ」
「だよな。これ久米にバレんのやだ」 
笑った。
笑うと冷たそうな感じが取れてちょっと犬っぽい、優しそうな顔になった。
山田実はそんなやなやつじゃないかもしんない。
でも待てよ。めっちにバレんのやだって、お前なにめっちにカッコつけてんの。お前もめっち好きなの。
その後めっちに「山田アイポッド使えねえんだってだっせー」ってバラしてやった。
したら次の日、二人がイヤホン半分つにして聞いてた。
山田とめっちめっちゃニコニコしてた。
俺やっちまった。マジみじめだった。やっぱ山田嫌い。マジ嫌い。

11 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 13:56:39 ID:XsAtUvkB0
カワイソスwwww
でも噛ませキャラって大体こんな心境なんだろうなー
切ない…
GJ!!

12 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 14:25:00 ID:JOz2ZYOmO
かわいそうだけど面白かった。
この子にも好い人現れますように!

13 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 14:41:47 ID:ICet+SX10
かわいいw

14 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 17:16:39 ID:jAvmD1kHO
やばいかわいすぎる!gjでした!
登場人物すべてに萌えたwww

15 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 19:10:00 ID:7OJLynKA0
皆可愛くて萌死んだ…!
友情でも、三人どの組み合わせの掛け算でも可愛いことになる予感

16 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 22:12:34 ID:RLPEsbLSO
書き方が独特でおもしろいな。GJでした。

さあ回れ回れ


17 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 22:41:16 ID:1FVMq0ph0
一つのイヤホンを二人で聴くっていいよねえ
でもそれを第三者の視点で書いてるのがいい
GJ

18 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 23:24:37 ID:qE81sjEW0
俺の屍を……

19 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 23:28:15 ID:dFyGzdk10
売れっ子俳優の弟と普通のサラリーマンな兄

20 :風と木の名無しさん:2009/07/18(土) 23:28:40 ID:fAHrtwCtO
敬語攻め

21 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 07:36:18 ID:a9mspoThO
「違う!!立場とか、関係なく!あなたを僕は好きになったんだ!」

「…だからそんなの、一時的な勘違いだってば。忘れた方がいい」

「どうさたら信じてくれる?こんなに…こんなに…」

「俺だって…ほんとは……好」

「兄ちゃん、その役女だから俺じゃダメだってー」

「あ、ごめん。お前演技うますぎてつい素になっちまったよ」

22 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 09:48:19 ID:HLxKk7Cl0
ID変わってるけど、20=21でOK?
シンプルだけどカワイイ
20=21じゃなかったら、ちょっと早かった

23 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 09:55:11 ID:a9mspoThO
あ、20=21です。

24 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 10:13:20 ID:ADps/ZjA0
かわいい兄弟GJ!
弟が素っぽいのが良いなー
今をときめく若手俳優がタンクトップに半パンでヘアバンドしてにーちゃんにーちゃん言ってると萌

25 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 10:22:53 ID:XInx8qtJO
売れっ子なのに兄ちゃんに芝居の相手させる弟カワユスw

26 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 18:33:11 ID:wvdz+eeF0
投下乙まわし

27 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 20:05:35 ID:GOEqzJiM0
リロミスには気を付けて

28 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 20:15:32 ID:husuDjQtO
行けッ!

29 :風と木の名無しさん:2009/07/19(日) 20:15:54 ID:Np5smlCNO
へたれな君が好き

30 :風と木の名無しさん:2009/07/20(月) 02:31:42 ID:5f3mCU2eO
 えーと、こんな時って何言えば良いんだ?
 頭の中をぐるぐると意味の無い言葉ばっかり回ってる。
 あーっと、えー、うーん……。
 ぱくぱくと、口だけが言葉を発しないまま動く。
 多分、顔も赤いし金魚みたいになってるんじゃないか? おれ。
 アイツは、なんか困ったみたいに笑ってる。
 ゆっくりと近付いて頬に触れた手に、少しだけ体が跳ねた。
「、ごめん」
 直ぐに離れた手。俯いて、ポツリと呟かれた。
 そうじゃないんだ。言おうとしても相変わらず空回りする唇。
 代わりに手を延ばして、おずおずとそいつの腰に腕を回した。
顔を見られないように胸に顔を押し付ける。
「ちがくて、さ」
 やっと言葉が出せた。
 伝えなくちゃ、伝えなくちゃ。気持ちだけが急いてしまう。
 こんな土壇場で怖がって、へたれなおれだけど。
「おまえが嫌なんじゃない。ただ、ちょっと怖くて……」
 言うと、そいつはふわりと笑った。
「大丈夫。そんなとこも好きだから」
 ぎゅう、と抱きしめられてアイツの体に包まれる。
 さっき押し倒された時とは違う、優しい腕の感覚に少しだけ笑えた。
「もうちょい、待ってて」
 顔を上げて、小さな声で言ってからそいつにそっとキスしてみた。
 あー、ダメだ。やっぱ無理。絶対、顔赤い。
 耐えられなくて、直ぐに顔を埋め直す。
 さらさらと髪を撫でる指の感覚は気持ちいいけど……。
 おれのへたれが直る時は、いつか来るのかなぁ。
 少しだけ不安になった。

31 :風と木の名無しさん:2009/07/20(月) 10:20:58 ID:dH3xN2mBO
ぬあー!かわええ!
にやにやしちゃったw

32 :風と木の名無しさん:2009/07/20(月) 16:27:18 ID:tHF3Dv3+O
うわぁあめっちゃ萌えた!
可愛いすぐるっ…!Gjです!

33 :風と木の名無しさん:2009/07/20(月) 17:50:27 ID:pR0phfbjO
ヘタレは攻めなイメージがあったけど、ヘタレ受けもこんなに萌えるものだとは…
いや、この子が攻めでもまた萌えるが
とにかく可愛いなGJ!!

34 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 02:45:46 ID:Ba5XeW/HO
GJしつつ一度age

35 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 11:03:08 ID:Kz+cZw/zO
今日も暑いねまわし

36 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 12:10:13 ID:nuMi2MeKO
投下乙です

37 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 13:33:08 ID:/F9o0k6gO
ほのぼの和みますなあGJ

38 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 13:47:10 ID:NsWpraUmO
さあおいで

39 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 13:49:41 ID:mSfUpGG90
マゾ×サド

40 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 13:49:42 ID:1VBfsAKNO
リア充×鬱

41 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 21:29:06 ID:Ba5XeW/HO
「うん、おいしい」

にこっと笑って一旦フォークを置いた手は、そのまま麦茶へと伸びる。
見惚れるほど流麗な動きだけれど、ほうっと息をついたアキラの顔には色濃い疲れが影を落としていた。
無理もない。日付が変わる頃にしか帰宅できない状態が連日続いてちゃ。
最近彼がロクに眠れなくなって、そろそろ半月が経つんじゃないだろうか。

「……忙しそうで何より」

ああ、またか。俺の馬鹿。
何か労いの言葉一つでもかけてやろうと思うのに、実際口から飛び出すときは妙に皮肉めいてしまう。

「う?うーん。そうだなー」

ちょっと困ったような顔で(それは下唇を噛んだ俺のこと込みなのだろう)、アキラは壁の掛け時計をちらりと見やった。
こいつが命を削るみたいにして働いてる原因の半分は俺にある。

「まあでも今が頑張るべき時だと思うし。好きでやってる仕事だからね」

爽やかに言い切るアキラは、今の俺には眩しすぎた。



42 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 21:35:59 ID:Ba5XeW/HO
「……ごめん、俺、」
「いいんだよ。たつは俺よりも先に頑張りすぎたんだ」

それにね、とほとんど吐息みたいな呟きがダイレクトに心を揺らす。
テーブルを挟んで向かい合っているのに、耳元で囁かれているような安心感。当たり前みたいに包み込まれた手が温かかった。

「こうやって毎日ゴハン作って待っててくれるのが、結構嬉しいんだ」

この、お人よし。
少しはにかんだ笑顔を真っ直ぐには見てられなくて、思わず視線をマグカップに滑らせた。

「……メシ、だけでいいのかよ」
「んー?」
「そろそろ溜まってるだろ」
「随分とストレートですね」
「ストレートですとも」
「…まあ、今日が休みの前日とかなら願ってもないハナシだけど…」
「いっそ明日動けなくなる勢いで搾り取ってやろうか?」
「いやいやいやいや」

顔のパーツが飛んで行きそうな勢いで頭を振るのはやめてくれないかな。冗談だから。
やっと俺の手を離したアキラは、ふう、と息をついてフォークを手に取る。
上手にくるくる絡め取られていくパスタは少しのびてしまっただろう。
バターで柔らかく炒めたパプリカにだけは、冷えても美味しい自信があった。


43 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 21:40:51 ID:Ba5XeW/HO
「8月の最後の週さ」

口元まで運んだ水菜をぴたりと止めて、思い出したようにアキラは言った。

「海行こう。沖縄」
「最終週って30と31日だけだけど?」
「もー!」

子供みたいに頬を膨らませて、呆れたような拗ねたような表情がひどく優しい。
いちいち可愛いんだからー、なんて苦笑するお前の方がよっぽど可愛げあるよ。
ぜったい調子乗るから言ってやらないけど。

「2泊ぐらいしか出来ないと思うけど、きっといい気晴らしになるよ。たつにとっても、俺にとっても」
「うん」
「だからそれまで、また美味しいもの作って、俺のこと支えて?」
「…うん」
「ホント美味しいよ、コレ」
「自信作」
「うん。おいしい」

そしてまたパスタを頬張るアキラの表情があまりにも幸せそうで、つられて俺も笑顔を浮かべていた。



「で、その旅は『欲求不満解消☆2泊3日ハメ通しツアー』だと思ってていいんだよな?」
「いや、泳ごうよ、海…」

44 :風と木の名無しさん:2009/07/21(火) 21:50:50 ID:OltBWnvY0
>>40=>>41じゃないよね?

45 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 00:13:35 ID:zfi3g7BZO
Sにも愛があって、Mも報われてるとこがいい!萌えました。

46 :40:2009/07/22(水) 00:17:20 ID:7sjVPhhk0
うん
投下乙だけど12時間待ってほしかったな

47 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 01:02:59 ID:jA1gxptmO
リロミス投下乙…と思ったけど>>40じゃないのか
こういう時のお決まりのセリフとして、とりあえず>>1

48 :657:2009/07/22(水) 01:07:35 ID:vN6GwYDI0
40だと思っていたら違ったのか。残念。

踏んでいってね。

49 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 01:15:02 ID:ESGoSQxxO
受けの奴浮気しやがった

50 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 01:15:12 ID:1xJVFTCBO
忘れられた恋文

51 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 02:20:39 ID:1xJVFTCBO

叶うことのない恋だと知っていた。
だから、受け入れられた時には天にも昇る気持ちだった。

そもそも出自も違うし、身分だって違っていた。
俺は厳しい環境で育った野良で、あいつは古くから伝わる由緒ある血筋だった。
毎日喧嘩ばかりして、その日食うものを得るにも必死で、
そうやって毎日死に物狂いで生きていた俺と、日々の生活に何ら不自由のない血統書付きのあいつ。
俺が喧嘩でずたぼろにやられて息絶えそうなところをあいつが見つけてくれなければ、
あいつの家が俺を御庭番として雇う事がなかったならば、俺は今頃こうして立っていることなどなかったに違いない。

だから、俺はあいつに感謝していた。
いくつになっても体が小さくて、俺に懐き付き纏って来るあいつを、俺の全てで慈しんでいた。
それはいつしか愛情に変わり、そしてあいつもそう思ってくれている事を知った。
俺達は同性で、幾ら睦み合おうとも子を成す事は出来ない。
それでも、良かった。
あいつが俺を見て「好きだよ」と言って笑う、その遣り取りだけで満たされていた。

なのに。



52 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 02:21:24 ID:1xJVFTCBO

あいつが今日この家を出ていくことを、朝、初めて知った。
そりゃあ前からお見合いをしていたことは知っていたし、それにほとほと参っている事もわかっていた。
「君以上に良い相手なんて、この世にいる筈ないじゃないか」と言って、あいつは笑っていた筈なのに。

いつから他の奴に、あいつは心を奪われていたのだろう。
こんなに傍に居たのに、飽きるほど傍に居たのに、気付くことが出来なかった。
それが悔しくて、気付くことの出来なかった自分が情けなくて、堪らない。

俺の異変を感じた家の当主が、宥める様に俺の頭を優しく撫でる。
仕方のないことなんだ、と当主は俺に向かって言った。
その血統を守るために、あいつは子を成す義務があると。

それでも、相当渋っていたあいつが選んだくらいだ。
俺なんかよりも途轍もなく魅力的で、美しい奴を、選んだのだろう。
所詮あいつも男だったということだ。

ただ、一緒にいることが出来れば。
ただ、あいつが隣にいるというそれだけで。
俺は、幸せだったのに。

一言も言葉を交わす事無くあいつは車に乗り込み、そして車は発進した。
遠ざかっていく車を追いかけることも出来ず、ただただ見詰めることしか出来ない。

後ろの座席からこちらを少しだけ見ている、あいつの名前を呼ぶ。
俺の声は、わん、という音になり、朝の空気にゆっくりと溶けていった。



53 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 02:30:58 ID:dX1AV9Ho0
素早い投下GJ
ぞぬぬこと来たか…切ない…

54 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 02:32:38 ID:ESGoSQxxO
この速さでうまくひねったネタを出してくる手腕に感服
そしてうまい
GJ!

55 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 06:24:15 ID:WPOH6FbCO
おぉぉ手早い上にうまい…!!
文章も見せ方も本当うまくて綺麗です。すげー
大変GJでした

56 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 07:37:38 ID:PSlViaZbO
早いうまい萌える切ない!
しかもひねったネタをこの短時間で投下できるとは、あなたが神か!

57 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 08:16:55 ID:WyN2Rw6N0
わん、がいいですね。GJ

58 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 08:50:51 ID:n2jwWzMnO
動物萌えでまわし

59 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 08:54:15 ID:k1j5vGDpO
ツンデレ×ツンデレ

60 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 18:58:43 ID:Lcf7CRakO
どうしたらいい?
どうしたら素直に感情を表す事ができるんだ
本当は優しくしたい。優しくされたい。
素直に好きだと伝えて、笑いあって。抱きしめて抱きしめられたい。
このままじゃいつか嫌われて、きっとこれまでみたいに又言われるんだ
「お前って本当に厄介だよな」って


 どうしよう。
 いつもいつも口答えしてばっかりだ
 本当はあの人の性格なんて見え透いてて、凄く凄く可愛いのに。
 照れ性で、天の邪鬼。だけど天然で。本当は凄く優しい人。
 イロイロ合ってここまで来れた。本当はもの凄く甘やかしたい。
 なのに。あの可愛い顔で天の邪鬼につかかって来られたら、どうしても素直になれずに
 まるでバカにしてるかのような対応を取ってしまう
 違うんだ。大好きなんだ。なのに、なんでかそうなる。
 このままじゃ又言われるんだ
 「お前といると疲れる」って


これからどうしよう
 これからどうしたらいい?


    本当に伝えたい言葉は一つだけ

     「あなたが大好きです」

61 :風と木の名無しさん:2009/07/22(水) 20:53:18 ID:30jOqzF10
GJー!!全力でGJ!!
どうしたらいい?どうしよう?っていうグルグル加減がたまらん!!
萌えました!!

62 :風と木の名無しさん:2009/07/23(木) 10:38:37 ID:6TPSqGSa0
はあツンデレはいいねえ

63 :風と木の名無しさん:2009/07/23(木) 11:39:47 ID:KtPH6A7Q0
わかっちゃいるけど、デレられなくて悩んでる感じがよい!
GJでした

64 :風と木の名無しさん:2009/07/23(木) 21:06:02 ID:L43MiX7MO
ツンデレは世界平和をもたらすよ

65 :風と木の名無しさん:2009/07/23(木) 21:27:08 ID:sE50FE2N0
体裁が凝ってる
難しいお題だなと思ってた
GJ

66 :風と木の名無しさん:2009/07/23(木) 21:58:21 ID:VUF2+a03O
ツンデレを掛け合わせることによって
相乗効果でツンもデレも二倍になるというわけですな

67 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 00:03:11 ID:nkI4SmXF0
踏み台の前のマットレス

68 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 00:22:53 ID:Ls756Jf20
べ、別にあんたのために回すんじゃないんだからね!

69 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 00:23:46 ID:YTyPxZy9O
素直クール×素直クール

70 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 02:03:30 ID:SZPlkIOJ0
「佐伯」
「どうした、吉祥」
「突然だが、僕は君の事が以前から恋愛感情として好きだ」
あまりにも唐突すぎて一瞬吉祥の言葉の意味が理解できなかった。
が、どうやら俺は愛の告白というものをされてしまったらしい。

「そうか、奇遇だな。俺も初めて出会った時からお前に対して友人以上の感情を持っている」
「…本当か?」
「嘘をついてどうするんだ」
「ならば佐伯。君さえ迷惑でなければ僕と恋人になってほしい」
「俺自身が好意を持っているお前と交際する事に、俺にどんな迷惑がかかると言うんだ」
「…僕は君と違って成績も運動神経も人並みで、君のように他人から慕われていやいやら…」
不愉快な言葉を吐く唇を、思いっきり左右に引っ張り間抜けな顔を作ってやる。
「…ひゃえき?」
「好きな相手への侮辱ほど不愉快な物はない。
 いいか、俺の好きな奴を悪く言う事は、例えお前自身だろうと許さない」
「わ…わあった」



「…しかし、本当に唐突だったな」
「仕方ないだろう。こんな状況で佐伯への気持ちを抑えられるほど僕は紳士じゃない」
「まあ、その気持ちは分からないでもない」
「…………恋人と言うからには、キスのひとつでもするべきなのだろうか」
「そうだな。男同士のセックスには色々と負担が掛かるらしいので、きちんと調べてからでないといけないな」
「その為には一刻も早くここから脱出しないとな」
「ああ。まずは電気が復旧しないと、この止まったエレベーターから出られない」
「ここから出られたら、今度は明るい場所で君の顔を見て告白をやりなおしても構わないか?」
「間抜けなほど赤くなった俺の顔を見て、お前が心変わりしないと誓うならな」

71 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 02:36:54 ID:i2N5OSYg0
ちょwなんという素直クール
萌  え  た
素晴らしすぎるよ、Gj!

72 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 03:29:09 ID:VlMC/ZtLO
淡々としたやりとりに萌える!GJGJ!
二人とも落ち着いた口調なのに顔は真っ赤なんだろうなw

73 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 04:34:45 ID:t/nSN7ZD0
萌えた!
素直クールな会話と、最後のうまいオチにGJ!

74 :風と木の名無しさん:2009/07/24(金) 23:05:15 ID:IRfNmBgK0
あああ萌えた
二人とも大真面目なところがたまらんw

75 :風と木の名無しさん:2009/07/25(土) 05:22:19 ID:1yBa26sL0
今まで素直クールよく知らなかったんだけど萌える
口調カチコチなのにストレートなところが可愛すぎるGJ

76 :風と木の名無しさん:2009/07/25(土) 11:35:41 ID:47V85BE6O
回しますよ

77 :風と木の名無しさん:2009/07/25(土) 11:51:53 ID:JZiU9VhZ0
なななな…っ!!踏み台の踏み台だと!?

78 :風と木の名無しさん:2009/07/25(土) 12:10:39 ID:HDhvxozr0
どんどこしょー

79 :風と木の名無しさん:2009/07/25(土) 12:11:26 ID:m9G07vm50
人相の悪い男

80 :1/2:2009/07/26(日) 09:31:06 ID:dsPWwY2gP
「…またお前告白されたんだって?B組のりさちゃん。あの子可愛いよね〜…」
「ん」
何それ凄い短い返事。
もうちょっと何か言ってくれてもいいんじゃないか、…俺達付き合ってるんだしさあ…
と思いつつ俺は辰巳の顔を見る。
…相変わらず人相の悪い男だ。いつも怒ったような顔をしてる。目つき悪いなあ。
こんなに顔が怖いのに、女の子から割ともてるのはなんでだろう。

…アレかな、こいつ顔は怖いけど性格は優しいから、そのギャップにやられるのかな。
よく聞くもんな、そういう話。
かくいう俺だって…。

「飯食って行くだろう、マモル」
「んー…。あのさあ」
「何?」
顔こええ。顔こええよ。
…聞くのこええよ。
「…何でもない」
また俺は聞けなかった。どうしてなんだろう。
聞けばいいじゃん。
お前は今こうして俺と付き合ってるけど、それは本心なのかって聞けばいいじゃん。
女の子から告白されて、やっぱ女の子の方がいいなあ、とか思ってるんじゃないのかよ。
俺はお前の優しいとことか好きだけど、お前はどうなんだよ。
俺が付き合ってくれって言った時も、お前は「ん」って短い返事だけでさあ。
辰巳はいつも同じ顔してるから、よくわかんねえんだよ、考えてる事。

…って全部言えたらいいのに。

81 :2/2:2009/07/26(日) 09:32:31 ID:dsPWwY2gP
「今日、マモル機嫌悪いよな」
「…そんな事ないけど」
こいつ勘いいよね。顔怖いけど。いや顔関係ないけど。
「だっていつもにこにこしてるのに、今日は全然笑わない」
「……」
普段どんだけわかりやすいんだろうね、俺は。
「そんで考えてたんだけど、マモルが笑わない時って、俺が、告白とかされた時だから」
「………」
そうですね、その通りですね。つーかお前そんな事いちいち気にしてたのかよ。
俺の機嫌とか気にしてたの?ほんと?だったらちょっと嬉しいけど。

「でもやきもちとか妬かなくても俺全部断ってるから!」
凄い早口で辰巳が言った。早すぎて、最後の方あんまりよく聞き取れなかったから
俺の脳内補完なんだけど、
「マモルが好きだから」って言った気がする。ちょっと自分の耳を疑う。
だってあの辰巳が。

だけど多分俺の耳に間違いは無いのだ。

だって辰巳の顔が真っ赤になってるから。
…でも、人相の悪い男が顔を真っ赤にしてる様子なんて、あんまり見られたもんじゃないから、
俺は目を閉じる。
そして辰巳、って名前を呼ぶ。

そしたらきっと更に顔を赤くした人相の悪い男が俺にキスしてくれるだろう。

82 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 09:57:26 ID:fSu7iYtn0
萌えた…いい子だ辰巳
辰巳って名前も萌えたんだぜ何故か

83 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 09:58:38 ID:2OAtTlPJ0
マモルも辰巳も可愛いね〜
GJ

84 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 10:02:10 ID:xMHorgfe0
辰巳の性格可愛いなw

85 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 11:25:22 ID:VEmHWo4lO
これは攻受どっちでもかわいいな
GJ!

86 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 11:46:12 ID:h+qH32xy0
まわしますよ

87 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 11:46:47 ID:h+qH32xy0
スマソ
ageてしまった・・・・

88 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 11:51:28 ID:sEfy6bK0O
投下して半日もしないのにまわすのはあんまりよくない
>>1読んでね

89 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 11:53:40 ID:fSu7iYtn0
理論で説明できないことなど全く信じない科学者

90 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 14:09:35 ID:DTmIqc490
あいつは奇妙な奴だった。
いつも虫取り網を持って裏山を探索するのを趣味とする珍妙な男だった。
私が、何をしているのだ、と聞くとやつは猫のような笑いで(やつはいわゆる「タレ目キャラ」だとされていたが今思えばそれは多分演技だったのだろう)
UFOを探しに行くのだと言った。昨日は隕石が落ちてきたから絶対いるのだ、と
無論、そんなものいるわけない。だいたい昨日のは衛星だ、阿呆め。と内心では思っていた。
しかし無理矢理さらわれて行った裏山の頂上で馬鹿みたいに口を開けて流れ星を探しているおまえを見て、
俺はこいつは何か特別な何かを持ってるんじゃないかと、何故だか漠然と思った。
塾なんてどうでもいいや、と思った。

帰ってから親にこっぴどく叱られ、そんなやつとはつきあうなと言われたが
それでもちょくちょく遊んでいた。
河童を探しに行けば沼にはまり、心霊スポットに行けば独りはぐれ、
なぜ俺ばかりこんな目に遭うのだ、不公平だと嘆いたら僕には幸運の神がついているのだとやつは言った。
まったく、至極論理的でない男であった。何故俺がこいつといて心底楽しかったのかは迷宮入りになってしまった。
俺が受験で忙しくなって、つきあいが悪くなった。
俺が膨大なレポートのため徹夜していたころ、奴は死んだ。
聞けば独りで幽霊を探しに行き、足を滑らせて死んだらしい。あいつは阿呆だ。

死んだら意味が無いではないか。


91 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 14:12:48 ID:DTmIqc490

「…おれは信じない。信じないぞ」
「まァ別に信じなくてもいいんだけどさー。十年来の友人にそれはひどくない?」
「誰だ?立体投写機なんてどこが開発した?理工学部か?じゃあ何で俺の黒歴史を知っているのだ…」
「黒歴史って…。じゃあおまえ、何で俺に告った後逃げたわけ?返事できねぇじゃんよ。何が受験のため、だアホ」
「しかしそんな大きな機械は見あたらないな…。どこから投写を…」
「へー十年越しの想い伝えようとして黄泉がえってきた健気な僕を無視ですか、そうですか。」
踵を返して歩いていくおまえ。どう見たって論理的じゃない、半透明の体。冷たく素通りしていく指。おい、…待ってk
「…いってえな!何しやがる!」
それはあいつに激突されて俺が床の上に押し倒されている状況で、配役が逆だったらよくシミュレーションしたのにと思ったけどそんな場合じゃない。
「あ、やっと反応してくれた。」
そう言って猫顔で笑うおまえ。おい、目が鋭いぞ。やっぱ演技だったんだな?
「やめろ、どけ!んなとこ触るな!男同士なんて論理的じゃない生産的じゃない幽霊なんて…論理的じゃない!」
「ほんと幽霊とか信じないねえ。でもそんなとこが好きだよ」
俺の白い肌に、冷たい指が食い込んでいくのをただ感じていた



92 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 16:55:15 ID:ItxLWgch0
シリアスかと思いきやギャグほのぼの
・・・かと思いきや最後の一文でホラーとは!
最後の冷たさがゾッとしていいな!
GJ!!

93 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 19:35:22 ID:mt//uoHh0
前半でうるっときて、中盤でにまにまして、最後の一文にゾッとした
展開が素晴らしすぎる、GJでした!

94 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 20:09:35 ID:EV1OFivB0
面白かった
けどタレ目キャラとはなんぞ

95 :風と木の名無しさん:2009/07/26(日) 20:41:25 ID:0BRqSSx00
いろいろ考えると切ないが

というか激突で押し倒しってお前が出来るのかー!と思ってしまいました
ごめんなさい
設定が面白かったです

96 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 00:35:40 ID:LnIY0RD60
タレ目キャラは天然とか不思議系とかそんな感じかね
信じないといいつつ押し倒されてる科学者カワユス

97 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 00:38:14 ID:lUxKxnp5O
幽霊なのになんとなくほのぼのした

98 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 01:12:16 ID:WNygFQ0hO
回すよ

99 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 01:12:43 ID:gLT4b6XA0
我慢する

100 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 06:06:15 ID:GwsGzJeL0
「哲、乳首って感じる?」
ワイシャツごしに安田は俺の胸をさすりながら、水あめみたいにねっとりしたと甘ったるい声を俺の耳元で囁く。
普段の教壇に立ってる安田は、こんな風に喋ったりしない。もっとはきはきとしたさくっとした喋り方で授業をしている。
生徒からも、安田の授業は聞きやすいと評判だ。こんなふうに薄気味悪い、けれど後を引くようないやらしい喋り方はしない。
「いままでペニスだけしか弄ってあげなかったけど、そろそろ乳首もいじっていいころかなあって」
布越しにゆっくりと乳首をさすってくる。その直接触れてはこないもどかしさに悶えてしまう。
「んん……!」
「あれ、哲、感じてる?布越しでもやっぱりここ、気持ちいいでしょ?」
「んん、ん…そこ、やめ…」
「やめないよ。だって、哲気持ちいいでしょ?ここ触られてるのってどんな気分?」
「あ、ああ…ん!」
突然指でつままれたかと思えば、爪でかりとひっかかれる。直接的な快感ではなく、どこか甘酸っぱさも伴う、体の中からゾクゾク疼くような快感。
普段とはまた違う快感に眩暈がする。
「も、…はやく、っ…ああ!」
「だって哲、教えてくれないんだもん。ここ弄られてるのってどんな気分?」
「あ、はあ…っ、んん」
「喘いでるだけじゃだめ、哲は作文の成績、いいでしょ。今どういう気分か、先生にわかりやすく教えて?」
「ん、んん!」
「いままでとはどう違う?ペニス弄られるのと、どっちが気持ちいい?」
「い、っえるかっ、あっ、つーの…!」
ぷちぷちとワイシャツのボタンをあっという間にはずし、俺の胸が安田の目の前に晒される。
「あはっ、こんなに真っ赤にしちゃって。ねえ、どんな感じする?」
安田は俺の胸に口を寄せたかと思うと、そのまま胸の突起を口に含んだ。
「ひゃぁあ…!」
ちろちろと生暖かい舌でくすぐられると、ただもう気持ちよくてどうにかなってしまいそうだった。何もかもふっとんでしまうほど刺激的だった。
「も、はやく、下、いじって…」
「おねだるする哲は可愛いけど、だあめ。乳首がどんな風に感じるか言えるまでは我慢するんだよ」


101 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 11:29:23 ID:WiJ+4Uyr0
商業とかでもありそうな濃厚なエロ描写だ
どー反応していいかわからなかったよw

102 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 14:59:42 ID:R2F+Ow3P0
乳首責めktkr!
乳首責め好きにはたまらん。ハァハァ
GJー!!

103 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 14:59:51 ID:5h6BEcXm0
続きがあるのかとwktkしたが
お題が「我慢する」だから寸止めなのか

104 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 15:33:27 ID:xafLfPGEO
こっちまで我慢させられるわけですね
なんという鬼畜w

105 :風と木の名無しさん:2009/07/27(月) 21:06:12 ID:gLT4b6XA0
やっぱ我慢といえば性的にだよ!GJでした

106 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 00:24:09 ID:qjTspJVW0
我慢がこんなに辛いとは知りませんでしたw
読み手として哲が我慢できなくなるのを祈るばかりだ

107 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 00:24:58 ID:KdAH+VtM0
久々に直球エロきた!
先生におねだりはベタゆえにやっぱり萌えるGJ

108 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 00:28:06 ID:qtxw4gJGO
そっと踏んでね

109 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 00:33:45 ID:te+N3e4b0
伝わらない

110 :1/2:2009/07/28(火) 07:24:49 ID:WN24mAjkO
自覚してからは、境界線がどこまでなのか分からなくなってしまった。

学校帰りにコンビニ寄るのは友達。
そこで買ったアイスを一口交換するのは、
16年来の幼なじみとしては、まあ、アリだろう。
だけど、
俺のガリガリ君に近づくその唇を思わず目で追ってしまうのは、
唇からちらっと覗く赤い舌に反応してしまうのは、
汗ではりつくシャツに何故かこっちが汗をかいてくるのは、

最近目を合わせられないのは、


「和田、溶けてる!」
「あ!?うわ!」


111 :2/2:2009/07/28(火) 07:25:41 ID:WN24mAjkO
「バッカ、何ぼうっとしてんだよ」
「何って、」

お前の事考えてんだよ

とは言えないから、溶けたアイスでベタベタになった手を
佐野の腕になすりつけた。

「何すんだバカ!」
「うるせ、バカって言う奴がバカなんですぅ」
「ガキか!お前はほんと昔から変わんねぇな!」

昔と同じようなやりとりをしながら、昔と同じように笑いながら
俺は思う。

変わらないのはお前だけだ。
俺は変わってしまったよ、佐野。
今と違う関係を望むようになった。

その手に触れたいと思うけど、

お前が望むのは幼なじみとしての俺だから、

伝えない。
伝わらない境界線を探して、
明日も幼なじみの顔でお前の肩を叩くよ。


112 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 08:02:38 ID:Zzp85AtPO
これは切ない。切な萌えた……!
いつかうまくいくといいよね。GJでした。

113 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 08:04:37 ID:DhaqQo930
うわー切ない…
でも凄く萌えたよ!GJ!!

114 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 08:31:33 ID:hJWB1efj0
青春だなあ。切ない。GJ

115 :風と木の名無しさん:2009/07/28(火) 15:51:39 ID:r2+kYZHS0
萌えたぁ……自制しちゃうシチュってなんでこんな萌えるんだろう
GJでした!

116 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 01:01:24 ID:WkzWoM030
ガリガリ君がいいな
幼馴染も王道でいい

117 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 08:29:15 ID:aT53ApfvO
萌えたよーGJ

118 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 08:36:17 ID:mkF4XJlTO
踏み台でいいよ

119 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 08:46:37 ID:8//kateM0
下着の上から

120 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 22:35:30 ID:srGgbFayO
脚の間で、俺を下着一枚に剥いた男が中途半端にエロいことをしてる。
「ん、んっ、ぁう……っトモっ」
草食動物に食まれる草って、きっとこんな気持ちだ。
もにもに、もしゃもしゃ、はむはむ、もしゅもしゅ、生殺し。
何度もいたぶられて、ひと思いにがっついてくれないの。
「と、とも、っ……あっ」
もどかしくてたまらない。
トモの厚ぼったい上唇と下唇が、下着越しに長い時間をかけて猛らせた熱を食む。
もにもに、揉み込むような動き。ときどき、舌でぐいぐい押し戻される。じれったい。
下着の前は俺の先走りとトモの唾液でしとどに濡れて色が変わってる。
もう、全部もどかしいしじれったい。
「トモ、トモぉ、も、無理、……いやだっ」
ついに音を上げると、トモがふっと顔をもたげた。にやりと、笑う。
「ひぁっ、あ!」
布地を押し上げている亀頭を微妙な加減で吸い、それから優しくキスされた。
やばいと思った。思った通り、下着の中に嫌な感じが広がる。
「なあ、今のチュー、自分の味した?」
中指と人差し指の腹で、鎮まった竿をくりくり捏ねまわされる。
布の湿り気が気持ち悪いような、気持ちいいような、変な気分だった。
「わ、わかんねぇよ、そ、んなんっ」
ほんとに、わかんなかった。だってさっきの、トモのやわっこい唇の感触でイったんだから。

121 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 22:47:10 ID:4FBMpY2q0
直球勝負!逃げずにGJです!反省した!
えろいな、さすがpink。GJGJ!


122 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 22:59:15 ID:WkzWoM030
本当、直球だ
エロかったです!

123 :風と木の名無しさん:2009/07/29(水) 23:13:24 ID:uluy3Wl30
素晴らしいです
そんな風にエロが書きたい

124 :風と木の名無しさん:2009/07/30(木) 01:16:13 ID:EZcp5XdC0
えっちです。エロいです。GJ!
まとめの人も萌えたよ!何度も読み返してる。エロなくて対照的だよね。

125 :風と木の名無しさん:2009/07/30(木) 10:36:00 ID:2rtBI5S70
エロい!まとめの方も両方良かった!

126 :風と木の名無しさん:2009/07/30(木) 14:09:03 ID:GQvBKETn0
キスでいったのが萌えでしたGJGJ

127 :風と木の名無しさん:2009/07/30(木) 15:29:49 ID:oqfC+CrN0
ナイス直球勝負!
イイヨイイヨー!
エロくて素敵でした。GJ!

128 :風と木の名無しさん:2009/07/30(木) 15:32:54 ID:buIxWWoI0
ナイス直球勝負!
イイヨイイヨー!
エロくて素敵でした。GJ!

129 :風と木の名無しさん:2009/07/30(木) 15:38:47 ID:xO/g+UpV0
敵同士

130 :風と木の名無しさん:2009/07/30(木) 23:46:04 ID:LUOnSB/u0
 振り下ろされた剣を盾で弾き、白鎧の隙を逃さず自身の剣を突き刺した。
 鎧の隙間をぬって確かな手ごたえを感じ、無意識に唇をなめる。
 ――とった。
 剣を引き抜いた反動で相手がバランスを崩したところに再度剣を振り上げる。
 相手の首筋を狙って振り下ろそうとした瞬間、白兜がするりと抜け落ちた。
 まさにいま殺さんとする男の顔が眼前にさらされた瞬間、俺は背筋が凍りついた。
「なぜお前が……!」
 重力に任せて落ちようとする剣を止め、俺は愕然と立ち尽くした。
 勝利を目前に控えた同胞の雄叫びが、急速に遠ざかる。
 だがいまにも薄れ行く彼の息だけは不思議と耳に届いた。
「きみ、だったのか……さすがに良い腕だな」
 ごぼり、と血を吐き倒れこむ彼を俺はあわてて受け止めた。
「なぜ、なぜお前が……」
「わたしの生まれ故郷を、見捨てるわけにはいかない」
「しかしお前は、もう未練はないといったではないか!」
 笑おうとしたのだろうか。彼は少し喉を鳴らすと盛大に咳き込んだ。
 同時にたくさんの血を吐き、俺の黒鎧を赤黒く染めた。
「殺して、くれ。きみの手で。……わたしに、祖国に命を捧げる名誉の死を」
「いやだ! 国を捨てるといってくれただろう!
 なぜだ……なぜその鎧を纏って俺の前に立つのだ」
 ゆっくり首をふって、か細い声で謝罪を口にする。俺はそんな言葉がききたいわけじゃない。
 抱きかかえた腕の中で、彼が苦しげに顔を歪める。
 容赦なく突き刺した剣は確実に彼の命を蝕んでいて、流れる血潮を止める術もない。
 ただひたすら拒否の意思を示す俺と、俺の腕の中で静かになっていく命。
 視界の隅にたくさんの死神が見えて、力いっぱい慟哭して。
 後に待つのは虚無の闇だった。

131 :風と木の名無しさん:2009/07/31(金) 08:06:53 ID:bTlnJ1rX0
知らずに殺しちゃうのは萌える…GJでした!

132 :風と木の名無しさん:2009/07/31(金) 09:08:59 ID:cf3qvyhL0
>>130
これは切なすぎる敵同士
1レス分で二人の背景も見えて凄い

133 :風と木の名無しさん:2009/07/31(金) 11:41:56 ID:n7RJnJfU0
悲しくなってしまった
GJです

134 :風と木の名無しさん:2009/07/31(金) 14:25:06 ID:pK4/NB3RO
短いのに萌が凝縮されている!上手ですね。切なすぎる。
なんだかしょんぼりしてしまった…

135 :風と木の名無しさん:2009/08/01(土) 01:22:30 ID:8PNHmQ6D0
救いが欲しい……そうだな、一生思って生き続けてほしいかな、
そんで今度は彼の守ろうとした国のために命をかけるとかさ、なんていろいろ考えた。
感銘を受けた。GJでした。

136 :風と木の名無しさん:2009/08/01(土) 10:06:20 ID:TLULhitxO
せつないな…

137 :風と木の名無しさん:2009/08/01(土) 17:49:50 ID:mCN+W+Dl0
切ないな…なぜその鎧を纏って俺の前に立つのだ

138 :風と木の名無しさん:2009/08/01(土) 17:50:46 ID:mCN+W+Dl0
途中送信してしまった…
なぜその鎧を纏って俺の前に立つのだ
の台詞が悲しい 

ひと思いに踏んで行って下され

139 :風と木の名無しさん:2009/08/01(土) 17:57:11 ID:zlRxOjYd0
禁断の恋に走る者と愛より安定を選んだ者

140 :1/2:2009/08/01(土) 22:40:10 ID:KDleYWDi0
「骨を拾ってくれないか」
口吻の合間にふと思い付いたので呟くと、どうでも良さそうに私の唇を吸っていた男は
瞳にほんの少し面白がる色を浮かばせた。
「断るよ。しゃぶり尽くされた骨に興味は無い」
にやりと口端を持ち上げた表情は美しいのに、返答はにべも無い。
しかし、男が私のシャツを脱がせる手付きはいつもより滑らかなものになった。
彼は優しいのだ、私と違って。
「誰もしゃぶってくれやしないさ。腐ってだらしなく溶けるんだ」
「なら、尚更要らないね。犬の餌にでもなればいい」
「それは犬が可哀想だろう」
取り留めもない言葉を連ねている内に上半身を裸に剥かれる。
あちこち傷だらけの肌は愛しい人にも見せられないほどみっともないが、
男は気にせず掌を這わせる。
綺麗な手だ。彼は神が芸術の極みを求め造りたもうた作品だと言われたら、
私は一も二もなく信じるだろう。
ただ、人間離れした美しさが彼を幸福にしたのかどうかは分からない。
彼は地位も名誉も財産も充分すぎるほど持っているが、それゆえに他人から敬遠された。
たった一人愛した人は、明日他の者と結婚する。彼はそのお膳立てをし、普段通りの……
いや、およそ最高のものだろう笑顔で祝福をした。本気になれば手に入れられた筈なのに。
「何を考えているんだい?」
「君はどうして、あの子を譲った?」
私の衣服は残らず身体を離れ、彼は私の両足を広げて股間に顔を埋めていた。
そうされるのは初めてだったが、彼は戸惑うこともなく私の性器に舌を絡ませた。
「面倒になったからだよ。幸せになろうと思えば出来るけど、それには他の色々なものを
捨てなくちゃならないから」
「…っ、は…嘘ばっかりだ」
「どっちが?」

141 :2/2:2009/08/01(土) 22:41:40 ID:KDleYWDi0
それきり彼が愛撫に(愛など互いに一ミクロンも無いが)没頭した為、私は答えることも
出来ず(こうして他人の所為にするのが私の狡いところだ)喘いだ。
私の身体を隅々まで知る男の行為は的確で、愛などなくても気持ち良くなれるのだと
いつも教えてくれる。
しかし私は愛に生きたかった。手に入らないと分かっていても、自らの愛を貫きたかった。
男の咥内で果てる瞬間、聞こえる筈のない声が聴こえた気がした。
“…骨の一欠片も残す気は無いんだろう”
今のは幻聴か、問う前に身体を割り開かれる。
執拗に舐られた性器とは真逆に一切慣らされていない孔はギチリと軋んで裂け、
流れ出す鮮血が抽送を助けた。

明日、私がこの世から消えたら、彼はいつまで私のことを覚えているだろうか。
彼と同じく男女の道を外れた想いに身を焦がし、しかし彼とは違い当たって砕けて命を絶つ
迷惑者の話を聞いたら、嘲笑の一つ程度は洩らすだろうか。
私は彼を愛していない。彼は私を愛していない。だから、互いに気遣う必要など一つも無い。
だが、彼の愛する人が結婚生活に飽いて離婚するくらいまで、彼が私の存在を心に住まわせて
いてくれればと思う。

142 :風と木の名無しさん:2009/08/02(日) 08:35:08 ID:vZORhS6+0
詩的だ。
あえてお題の二人を絡んでる二人にしなかったのが素晴らしい。
GJ!


143 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 01:50:52 ID:z8fCxUoUO


144 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 01:51:36 ID:z8fCxUoUO


145 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 01:52:29 ID:z8fCxUoUO


146 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 01:53:09 ID:z8fCxUoUO


147 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 01:53:53 ID:z8fCxUoUO


148 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 01:54:35 ID:z8fCxUoUO


149 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 01:56:57 ID:94wIZvrFO
いいことあるぞ

150 :風と木の名無しさん:2009/08/03(月) 21:57:11 ID:yYlEeUpJO
死ね

151 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 00:40:05 ID:+cXTnZVF0
失恋した。それも自業自得で。
クラスメイトの女子にあいつとの橋渡しを頼まれて、断る事も出来ずに放課後の屋上にあいつを呼び出した。
のこのことやってきたあいつに彼女を紹介して、あいつの反応を見るのが怖くてそのまま屋上から逃げ出した。
息が苦しい。目の奥が熱い。心臓がいたい。
このまま、ばらばらになってしまいそうだ。

俺の方が彼女よりもずっと前からあいつだけを見てたのに。
俺の方があいつの事を好きなのに。
でも、男の俺じゃ駄目なことくらい嫌ってほどわかってる。
「…い、おいッ!!カナメ!」
「…っ?!」
後ろからぐいっと腕を引かれ、そのままの勢いで腕の中に倒れこむ。
「ひ、ろ?」
「何で、逃げてんだよ」
「…あの子は?」
もう告白は終わったんだろうか。ヒロは、あの子になんて答えたんだろうか。

「…お前が俺に用があったんじゃないのかよ」
「………え? いや。あの子がお前に告白…」
「お前は、俺に何か言うことないのかよ」
「えー…っと… 彼女とお幸せ。に?」
とりあえず、後ろから抱き締めるのをやめてほしい。
「………………他には?」
「えーっと…」
他には。他には、あるけど。それだけは言うわけにはいかない。
「お前に呼び出されて、すげードキドキしたんだけど。 お前、いっつも俺みてたし」
ちょっと待て自分。何か自分に都合よく解釈してないか?違う絶対違うからな!勘違いすんなよ俺!
「言いたい事言ってみろよ。多分、いいことあるぞ」
上から覗き込むようににっこりと笑顔を浮かべる。この笑顔に一目ぼれした。
「じゃないと、ずっと離してやらねー」

勘違い。じゃ、ないのかもしれない。

152 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 00:42:47 ID:wYemRhQl0
キュンキュンした〜GJ!

153 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 00:47:41 ID:b6F1f0kRO
>>151
可愛い!お前らこそお幸せにと言いたい!GJ!

154 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 01:01:50 ID:GP6mxmWuO
このまま流れるかと思ってハラハラしたGJ!
ヒロもカナメ君も可愛いGJ
この後ちゃんと言いたい事をヒロ君に伝えても離してくれないんですよね?わかります

155 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 01:37:24 ID:pVCq4xb3O
ときめいた
二人とも可愛いくてたまらない
GJ!!

156 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 01:55:32 ID:lp/Ne4au0
思わずにやけたw
二人とも可愛くていいなぁ
乙!

157 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 11:13:26 ID:b/j5vmip0
カナメの健気さもヒロの押しもたまらん!
お幸せにGJ!!

158 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 14:19:13 ID:Eo9yD+/I0
お次は?

159 :風と木の名無しさん:2009/08/04(火) 14:21:54 ID:zHoaq5hJ0
二人まとめて

160 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 03:39:45 ID:fhzi2UYIO

「兄様」
私が夜枷の術を教えたこの子達は、血の繋がっていない私をそう呼ぶ。
まだ声変りもしていない、少しだけ高く涼しげな声が、二つ。
つい、と藍色の着物の両袖をそれぞれ引かれ振り向けば、案の定そこには二人の少年の姿があった。

「兄様、今日の相手は僕でいいでしょう?」
そう言って笑い、左腕に仔猫のように纏わりついた少年は、それが当然の事であるかのように目を細めて笑う。
プライドが高く、高飛車で、どこか常に人を見下すような態度で他人に常に敵意を抱いている少年。
初めこそそのプライドの高さに手を焼いたが、慣れた今ではこうやって私に対しては本物の猫のように懐いてくる。

「ずるい、今日は僕が相手してもらうんだから」
そう言って私の右腕にぎゅう、と両の腕を絡ませた少年は、小さく細い声だったが強い意志を含んだ目を光らせた。
いつもおどおどとしているこの少年は、人に対して強く出ることが出来ず、伏し目がちに人の意見に従うことが多い。
しかし、どうも私が絡む時だけは譲れない何かがあるらしく、こうして少し尻込みしながらも自分の意見を発するのだ。

「何か最近生意気だぞ、おまえ!」
「そんなことないもん、だって君ばっか…」
「こら、喧嘩しない」
静かな声で二人を諫めると、はい、という返事の後に二人揃ってしゅんと項垂れた。
こういう所は二人ともそっくりで、何だか微笑ましくて、笑ってしまう。

「え、兄様、どうしたの?」
「兄様?具合悪いの?」
声を立てずに俯いて笑う私を心配そうに覗きこむ、二つの顔が可愛らしい。
さあ、今日の相手はどちらにしよう?

161 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 07:02:29 ID:RCrlXn7UO
これはいいハーレムルート…!GJ

162 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 08:42:17 ID:9TQ1PFKs0
どちらとは言わずに二人まとめて…!

と書いたところでこれがお題だったと気付いた
なんというジョセフ…
恐ろしい子ッ

163 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 15:18:18 ID:PUb3f/VgO
お題の生かし方うまい!
GJ!GJ!

164 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 16:35:50 ID:7ft9x3+1O
これは二人まとめてどっちもと言わざるをえない

165 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 16:39:54 ID:2Jy8HCtt0
外見描写のされていない兄様が、えらい男前だということが伝わってくるんですが!
すごいなぁ…

166 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 18:14:59 ID:AaUDRwiQ0
兄様悪い奴めw
耽美ですな……行灯のあかりと和服の緋が似合うようだ。GJです。

167 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 23:07:14 ID:KR3bvFqCO
萌えて禿げた
二人ともまとめて持っていけばいい!

168 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 23:12:22 ID:iiOQ4e060
俺を!俺を踏め!な!

169 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 23:13:07 ID:BiMQyKNnO
神様

170 :風と木の名無しさん:2009/08/05(水) 23:13:36 ID:Zz4m1czj0
夏祭り

171 :170:2009/08/06(木) 02:18:42 ID:NEDeN+0F0
横断歩道、突然目の前に現れた車体。なにが起きたのか判断する間もなく目の前が真っ白に染まり数秒の浮遊感。
あ、もしかしてこれやばい? 思った瞬間固い何かに叩きつけられ一瞬呼吸が止まった。
体中がびりびりと痺れ、あたまの中身が揺れる。
目の前にはコンクリート。赤い何かが広がって、あれ、俺死ぬ?
冗談じゃない神様。俺にはこれからやらなきゃならないことがあるんだ。
今日こそは今日こそは、思い続けて一年間。恋愛運は二重丸。おみくじは大吉。やっと踏ん切りがついたんだ。
あいつに言いたい事があるんだよ。
いっつもからかってばっかりだけど、俺はお前が好きなんだ。笑った顔も怒った顔も困った顔もぼーっとしてるときも、全部好きなんだ。
冗談じゃねえよ、これからあいつに伝えに行くところだったんだよ。待ち合わせの時間がもうすぐなのに、約束破るわけにはいかないんだよ。
初詣の時ぐらいしか祈った事なんかないけどお願いします。せめてあいつに一言だけ、気持ちを伝えさせてくださいおねがいしますかみさま








「ゆー、たぁ…っ! 起きた…!?」
つぎに目が覚めたのは、真っ白い部屋。枕元には顔を涙でぐちゃぐちゃにしたあいつ。
笑った顔も怒った顔も困った顔もぼーっとしてるときも全部好きだけど、泣いた顔は嫌いだな。
体中痛いし、いまいち何が起きたのかはわからない。
首も腕もギプスで動かないし、脚もどうやら吊るされてる。でも、どうやだまだ生きてる。
神様は俺のお願いを聞いてくれたんだ。
「ひろき…」

ありがとうございます神様。これからは善行に励んでひろきも絶対泣かしたりからかったりしません。
「好き だ」



涙いっぱい溜めてまん丸に見開いたびっくり顔が、数秒して笑顔になった。

172 :風と木の名無しさん:2009/08/06(木) 12:39:58 ID:gtUmnR5Q0
リロミス投下お疲れ様でした〜
改行とか、ひらがなで句読点なしとか、空白とか、
表現が独特で面白かった

173 :風と木の名無しさん:2009/08/06(木) 13:22:15 ID:nUrdadlc0
表現って言うか演出かな。

神様ありがとう!GJでした。しかし大吉のおみくじはあてにならんな……大怪我してるじゃんw





174 :風と木の名無しさん:2009/08/07(金) 09:16:18 ID:DpgVI2tGO
踏み逃げせずによく頑張った!
投下乙!

175 :風と木の名無しさん:2009/08/07(金) 12:30:44 ID:7L+fUUJRO
怪我した上で結ばれたのも神様のお導きですかねGJGJ

176 :風と木の名無しさん:2009/08/08(土) 01:50:23 ID:Fj9rcCwB0
そろそろまわし

177 :風と木の名無しさん:2009/08/08(土) 01:54:17 ID:3df5kEoz0
ではお次の方に

178 :風と木の名無しさん:2009/08/08(土) 02:35:40 ID:6QJqnBUx0
こんな時間にばんばばーん

179 :風と木の名無しさん:2009/08/08(土) 02:36:19 ID:G+7PLa0w0
敬語×敬語

180 :風と木の名無しさん:2009/08/08(土) 16:53:49 ID:B8sx+vfE0
「長野先生、その……どうしましょう、とりあえず脱ぎますか?」
「待ってください、池田先生、そんないっぺんに」
「脱ぎすぎですか?じゃ、下着だけ着ておけばいいですかね?パンツだけはいておけば」
「そんなに急がなくてもいいんですよ、僕が少しずつ脱がせ」
「あー!先にお風呂入らないと!長野先生、わかります?
 聞いたんですけど、いろいろ準備が必要なんじゃなかったですか?
 僕は趣味じゃなかったんで不勉強なんですが、その、浣腸が必要とか」
「今日はそこまでは考えてませんので、大丈夫です」
「そうなんですか?あーすみません!僕なんだか先走ってますね?
 なんだか恥ずかしいなあ!照れますよね、こういうの。
 大人の雰囲気っていうの、女の子相手にも苦手ですよ。すぐパニクっちゃって。
 だから僕、生徒にもすぐ『彼女いるのー?』とか『昨日エッチしたのー?』とか
 からかわれてばかりですからね、『赤くなったー!キャー!』なんて」
「池田先生は人気がありますから。
 授業もいいし真面目だし、そういう可愛いところもあって」
「いやぁ人気だなんて。なめられちゃってるだけだと思います」
「……僕も、池田先生のこと可愛いと思ってますから」
「可愛いだなんて!自分ではそろそろいいおっさんだと思ってるんですけど」
「一つ違いだし、おっさんでも可愛いです。生徒より、僕が先生を赤面させたいですね、池田先生」
「あっ……長野先生……お、お風呂入ってから」
「シャワーはもういいじゃないですか?僕はもう待てない気分です」
「でも汚いですよ」
「大丈夫です、出してあげるだけのつもりです」
「出すって!そうなんですか!や、長野先生……長野先生、あっ!
 ちょっと!あの、恥ずかしいですから……待ったッ!」
「池田先生、ちょっと静かに。電気は消しますからね、はい、大丈夫ですよ。
 それと、前から思ってたんですが……そろそろその、先生とか敬語とか、やめません?
 僕達は、好き合っておつきあいしてる恋人同士でしょ」
「でもっ……あっ……急に……変えられないです」
「普段の仕事からこれですもんね……実を言えば、僕も変えがたくって。
 まあいいかな、これも色っぽいかもですね、池田先生」
「あっ!ちょっと……あ……長野先生……!」

181 :風と木の名無しさん:2009/08/08(土) 17:34:48 ID:dxShxKwHO
いいヘタレ受ですね。先生がお互いに先生って言い合うの萌える。
GJでした

182 :風と木の名無しさん:2009/08/08(土) 17:42:55 ID:n4bfDTJ80
ご馳走様でした〜敬語同士でじれったい感じがGJ

183 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 01:27:58 ID:Gql/g90I0
池田先生の狼狽っぷりが初々しい…
ベッドの上で下着一枚になって正座してる先生二人が目に浮かぶw
GJです!

184 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 04:05:22 ID:BnnLPzuvO
なんというヘタレ
もっと大人っぽい話でくるかと思えばwww
カワイイお話GJです!

185 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 10:15:57 ID:4KE7s85E0
GJです!

186 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 10:44:44 ID:XWxACV0z0
お互いに先生呼びが良かったw

187 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 13:36:19 ID:+wgPsY+b0
先生×生徒かと思ったら、先生×先生とは。
GJでした!
本当に出してあげるだけで済むのかも気になるところw


188 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 14:17:59 ID:d6ac9Atm0
お踏みなさい

189 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 14:21:26 ID:FsheuKMe0
花火

190 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:04:45 ID:2LFExlN8O
「あっちいなぁー。」

暑いな。お前なんでサンバイザーなの。ソレ妙に似合うな。

「ヤブ蚊が多いな。」

な。俺はいいんだけど、
お前さっき腕にかけてたのただの8×4だぞ。

「お前花火好きだろ?」

好きだ。特に線香花火だな。地味って言うなよ。

「地味だよなぁ、線香花火好きとか。ネズミ花火とかのが絶対
面白いじゃん。」

うるさい。綺麗だろうが。
何だお前ソレ。まさかここでやるのか。

「ライター借りるよ。」

バカお前、こんなとこで

「ほれ、ついた。綺麗だなぁ。」
…ああ。綺麗だな。

「オレやっぱ線香花火好きだわ。」

うん。俺も好き。


191 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:06:23 ID:2LFExlN8O
「ほら、ここ入れとくぜ。」

あ、バカ!そこは線香供えるとこだっつの!
いや線香だけど線香じゃないだろ!花火だよ!
テングザルは天狗じゃなくて猿だろ!
ったく、絶対やると思った!

大体お盆だしお前が茄子の馬作ってくれたから
嫌いな茄子に乗って俺らの家に帰って来たっつうのに
迎え火だけ焚いてあって誰もいないってどういう事だよ!
俺必死で火消してきたんだぞ!?どうやったか分かんないけど!
まさかと思って墓来たらいるし!いっつもお前は…
「お盆だもんな。帰って来てくれんだろ?迎えに来たんだ。」
「帰ろうぜ、家に。」
「ほら、手出せよ。どうせ見えないからいいだろ。」

…ありがとな。いっつも外では繋げなかったもんな。

「うん。寂しかった。」

…ん?え、聞こえてんの?

「うん。何か聞こえる。」
えぇ、聞こえてたの!?
「うん。相変わらずのツッコミだなぁって思ってた。」
早く言えよ!
「え、会話してたじゃん。ねぇ、」
ん?
「お帰り。」

192 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:12:48 ID:rNuIfc8e0
゚・(ノД`)・゚・。
gj!

193 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:13:26 ID:8r4HIy5i0
うまいなぁ
どきどきさせられてきゅんときた!
GJGJ!!!

194 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:15:09 ID:FsheuKMe0
いいな!いいなこれ!
過剰に説明セリフないのが逆にいい
GJ!

195 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:38:51 ID:MDKP6nzy0
萌える会話ってのはこうでないとね!GJGJ!

196 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:42:58 ID:A3UwiLBuO
まさかこうくるとは!
悲しいような幸せなような不思議な気持ちだ
GJGJ!!

197 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:55:31 ID:d6ac9Atm0
花火がメインじゃないのが小粋ですなGJ

198 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 22:59:48 ID:EyolmgqI0
GJ!踏まれよう

199 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 23:01:43 ID:CHoY6nkg0
地獄に落ちろ

200 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 23:43:51 ID:5axbZHZe0
私のろくでもない…いえ、少々お口がよろしくないご主人様は、いつも決まって「地獄に落ちろ」とおっしゃいます。
人を呪わば穴二つという言葉くらいご存知でしょうに、まったく困った御方です。
ほら、また泣きそうな顔をして走ったりして…転んだらどうするんです、怪我をするようなものなど置いていませんが。
「おい、ピーター!」
いつもの時間、いつもの場所から私の所へ走っていらしたご主人様は、いつものように勇ましく叫びながら
私の目の前でお躓きになりました。
もちろん、私めはご主人様のお体を優しく抱きとめて立たせて差し上げます。
「はい、ご主人様。おやつの時間でございますね」
恭しく礼をする姿は、我ながらよく出来た執事だと思うのですが。
顔を上げればご主人様は可愛らしいほっぺたを林檎色に染めて仁王立ち、それがお約束でございます。
「ピーター、貴様は地獄に落ちろ」
「またそれですか。畏れ多くも申し上げますが、三十路を過ぎた紳士が
地獄に落ちろはいささか幼稚かと思われます」
「うるさい、黙れ!執事は主人の命令を聞くものだろ」
「ですが、地獄に落ちるとご主人様のお世話が出来ませんよ」
ここでぽかすかと可愛らしいパンチが飛んで来るのが常であるため、私はご主人様の手を傷付けないよう
受け止める準備を致しました。
しかし、今日はご主人様のご様子が違います。
何やら真面目なお顔になられて、
「…俺はどうせ地獄に落ちる」
などとおっしゃるではありませんか。ああ、本当にあなたは可愛らしい御方です!
「ご主人様」
私が呼ぶと、ご主人様は決まり悪そうに私を睨み付けました。
そんな表情も私を喜ばせるだけだと、あなたはご存知ではありません。
ですので、私はご主人様の耳元で優しく優しく、まったくもって優しく囁くことに致しました。
「…ご主人様、どうせなら一緒に天国へ参りましょう。
天国に行けば毎日沢山、おなかいっぱいアップルパイが食べられますから」
「こっ、子供扱いするな!地獄に落ちろ、今すぐだ!」
今度こそぽかぽかと殴られましたが、ご主人様のお顔はやっぱり林檎色ですので問題ないでしょう。
そろそろオーブンを止めないと本日のおやつが焦げてしまいますが、
どうかお許し下さい。あなたの傍を離れないこと、それが私の使命ですから。

201 :風と木の名無しさん:2009/08/09(日) 23:57:25 ID:K+IP/cjnO
30過ぎたご主人がいつまでたっても幼稚なのは
ピーターのせいである部分がかなりあると思うw

202 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 00:11:17 ID:/qezAyn70
三十路ご主人様可愛すぎるw

203 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 00:11:26 ID:PwzM2ZKQO
こんな時間に焼きたてのアップルパイが食べたくなったw
GJ!好みの執事でした!

204 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 01:04:23 ID:qizjYHgX0
何故か某パン好きピエロで再生された執事さん
GJです!2連続良作で嬉しいな!

205 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 07:44:37 ID:V40PLg30O
執事いいよいいよー
ご主人も可愛すぎでGJでした!

>>204
自分にはずーっと良作続きなんだぜ?

206 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 08:01:49 ID:64z2Mig70
大変おいしゅうございました
ご主人様大人気ないww
GJでした!

207 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 10:29:44 ID:xHAmRDqSO
天国へ連れてってくれるかとドキドキしちゃったじゃないか!
GJ!

208 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 10:56:37 ID:Ffys3TFo0
最近はやいですね

209 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 11:03:38 ID:wnWu2eViO
こんなはずじゃなかった

210 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 15:20:31 ID:WSJSjK+i0
こんなはずじゃなかった。
大学の先輩から紹介された、ある政治団体の運転手のバイトをしていただけのに。
俺の手に握られているものは何だ?
目の前に倒れているのは、いつもテレビやポスターで薄笑いを浮かべていた政治家か?
俺が、拳銃で、撃ち殺したのか?

そうだ、今日もいつも通り街頭で騒ぐだけの『団体活動』に運転手として同行していた俺は、いつもより物々しい警備隊の雰囲気に違和感を感じていたんだ。
『団体活動』が佳境に差し掛かったころ、あの政治家が現れて、対抗演説のようなことを始めたんだったか。おそらく今度行われる選挙へのパフォーマンスだろう。
団体も、もともと政治家の登場は折込み済みだったのだろう、いつもより過激な論調に加え団体員にガス銃を持たせて威嚇しているようだった。
そして予定調和のように警備隊が雪崩込んできて…、いつの間にか俺の手の中にあった拳銃が、暴発したんだ。
バキューンなんて擬音はではなかった、ただダン、と鈍い音が響いて、俺の手首に衝撃が走った。

『これは戦後最大の…政治テロであり…現代の二・二六とも言える…』
途切れ途切れに聞こえて来るラジオの音源は、俺の起こしたらしい事件を止むことなく伝えている。国家の威信にかかわる事件なのだから当たり前だろう。
そして国民の誰もが犯人の死亡を信じているに違いない。国家を敵に回した一大学生が生きているはずが無いのだ。
しかし、俺は生きていた。
あの混乱の中、誰かに強く腕を引かれるまま闇雲に走り車に乗り、どこへ行くとも知れない大型船の底に乗せられたのだ。

211 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 15:20:52 ID:WSJSjK+i0
その間俺の腕をずっと握っているこいつは誰だ。見たところ日本人か中国人か、東アジア系の顔立ちだ。
「国賊がのんきなものだな」
ふいに彼が流暢な日本語で話した事に驚き、不躾なまでにまじまじと相手を眺めてしまう。
「まだ実感が沸いてないのか?お前は、あの国の60年にわたる平穏を打ち抜いた、国賊なんだぞ?」
「こくぞくこくぞく言われても訳わかんねぇよ、お前はゴキブリを油で焼いた奴を皿に盛って出されて料理と認識できるか?そんなレベルの話なんだよ」
おめでたいことだ、と彼はため息を吐くと俺がまだ握っていた拳銃を奪い、標準をこちらに向けた。
「お前はありとあらゆる団体や国の思惑が重なった上にいたかわいそうなかわいそうな鉄砲玉だ。この拳銃を発射させるための装置に過ぎなかった」
外は時化ているのだろう。通常であれば一発で酔っていたに違いない縦揺れと横揺れが周囲の貨物をきしませている。
もとより照明は裸電球ひとつで、その暗さと揺れの中でも泰然としなおかつ銃口をぶれさせない彼は、素人の俺にも何か特殊な訓練を受けた人物であることが解った。
「ああ、じゃあ殺してくれ。何もかも現実味が無いうちに死なせてくれ」
「駄目だ」
拳銃を掲げたまま、彼は酷薄にしかし心底楽しそうに笑う。
「私も、大罪を犯して逃げている。一人では楽しくないからな、お前も道連れだ」
「いざというときの身代わりと楯、それに国家や権力に対する大きな切り札を手に入れた、と」
俺が一息にそういうと、彼は驚いたようにひゅうと口笛を吹き手を下ろした。
そして、音も無く左手と差し出してくる。
「日本人の大学生にしては使えそうな奴じゃないか、人質から相棒に格上げしてやる。俺の名前は李だ」
「そりゃどうも、まだ何もかもに現実味がねぇから冷静なだけだがな。俺の名前ぐらい知ってんだろ」
「私は名を名乗った、お前も名乗れ。それが礼儀だ」
意を決して差し出された手を握り、李と握手を交わす。思ったよりしなやかで無骨なところの無い手だった。
「俺は、アイダだ」
「明白、請多関照、アイダ」

これから、俺はこの李とどこまで行くのだろうか。
何度、こんなはずじゃなかったと普通の日本人的生活を懐かしむのだろうか。
腕時計を確認して、たった6時間前とのあまりにも深い断絶に俺は首を垂れた。

212 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 19:20:39 ID:OI6jSfxSO
こういうの好きです
GJでした

213 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 19:34:53 ID:G8VEYhAb0
つ、続きは…続きはどこで読めますか!
すごく好みです、GJ

214 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 22:26:35 ID:ebrPEfXnO
おお〜ハードボイルドですなあ
ここでこういう系は久しぶりに見たGJ

215 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 23:14:53 ID:wnWu2eViO
予想の遥か上をいく萌えでした…!これはマジで続きが気になりますGJ!!!

216 :風と木の名無しさん:2009/08/10(月) 23:27:35 ID:hWCjWKxv0
続きが普通に小説で読みたい
GJ

217 :風と木の名無しさん:2009/08/11(火) 03:06:03 ID:6mHQX1vo0
かっこいいなぁ
雰囲気が素敵で引き込まれる
続きが読みたくなるに激しく同意wGJでした!

218 :風と木の名無しさん:2009/08/11(火) 03:23:25 ID:lsEz1nqWO
さあどうぞ

219 :風と木の名無しさん:2009/08/11(火) 03:27:37 ID:jeICkNZT0
無抵抗余裕受け、で萌えてください

220 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 00:10:52 ID:8yeF0wWQO
「いきなり人の上にのしかかってくるとは、良い趣味をしているな。いつの間にゲイになったんだ?
……驚かないのか、だって?驚いているさ。まさかお前がこんな姑息な手段を使ってくるとは思ってもみなかったからな。
しかもただ俺に対して優越感に浸りたいが為に、本来用いるべき手段とはまるで掛け離れたことをしようとしているんだからな?
俺に敵わないと思ったんなら、潔く負けを認めるなり往生際が悪くてもがむしゃらに努力するなり、他にいくらでもあっただろうに、よりにもよってこんな一番くだらないことをしようとしているんだからな。
呆れたよ、失望した。……お前はもっと骨のある奴だと思っていたのにな。……小声で何を言ってるんだって?お前には関係のないことだよ、だから気にする必要なんてない。
だいたいこれから犯そうという奴をこんなにべらべら喋らせてどうするんだ?もしも俺がこの隙に大声で助けでも呼んだら、お前は負けた腹いせに男を襲う変態野郎と皆に言われることになるんだぞ?
それを考えたらさっさと俺を裸にするなり猿轡をするなりして、俺が助けを呼べないような状況にした方がいいんじゃぁないのか?
……なんでそんなに余裕なんだって?こんな卑怯な人間のするようなことでは、俺に刹那のダメージも与えることが出来ないからだ。屈辱も恥も、何もない。
お前が俺に与えられるものなんてもう何もありはしないんだ。だから、抱きたいならさっさと抱けばいい。それは俺に何も――もたらしはしないんだから。」

221 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 00:15:59 ID:6zKXFWTqO
携帯から失礼 >>219

--------------
部室の外、グラウンドにはまだ人の気配がしてる。
机に腰かけている彼の方が、今は僕より目線が低い。
シャワーで汗を流し、額に前髪をはりつかせたまま、だまって見あげてくる彼の瞳が、傾いた陽に透けた。
「……いいの?」
間がもたなくてつい訊いてしまったら、
「野暮だな」
唇だけで笑われた。
ちょっとすねた気分になる。
僕がどんな思いで、それこそ清水の舞台から飛びおりる(むしろ飛びあがってみせる!)ような勢いで、こうして言ったんだってこと、知ってるのかな。
「いちおう確認してみただけだよ」
でも、ありがとう。
そう思ったらちょっと泣きそうになったから、あわててキスした。
彼のまつげが揺れて、それから静かに伏せられる。
そっと重ねてみた手は、振り払われない。
――はじめて彼に触れてる。
ふるえたのは僕の指の方だった。

222 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 00:31:18 ID:K7rvcqUFO
>>221
>>1

223 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 00:37:34 ID:6zKXFWTqO
221ですがリロードし損なってましたごめんなさい!そして>>220 GJ!ハァハァ

224 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 01:24:06 ID:rdWFyiB00
>>220
余裕無抵抗が自分が考えてたの(経験豊富へらへら)と全く展開が違って、面白かった!
というかこの受がツボ過ぎて脳内二次創作が止まりません
無感不感にマグロ的余裕、このまま罵倒(叱咤?)しながらちょっとだけ乱れて余裕
むしろ乗っかりで主導権握る事での余裕
年上上司ロマンスグレー受でもいいし、年下のライバル受としても美味しいし、同窓会で再会してびっくり後とか
とにもかくにも萌えました!こころからGJ!

225 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 04:37:19 ID:ys2RxCir0
コメント長い

226 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 09:52:58 ID:p7P3H4GRO
なんというアダルティーな余裕受…
2人がどういう立場なのかとか妄想が広がります!たまらん!

227 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 13:36:36 ID:8Vv/akB80
余裕受けだけで広がるミラクル・・・!!!
萌えさせていただきました。

228 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 14:06:39 ID:1p4wN5Xy0
僕を乗り越えていっておくれ

229 :風と木の名無しさん:2009/08/12(水) 14:14:09 ID:XZ7Od4KU0
人間×人外

230 :1/2:2009/08/13(木) 00:02:19 ID:lrXI83Hy0
「ほんっと。おまえが俺の膝にいるときが一番幸せだなあ。癒されるー…」

俺の手に触るな。今は夏だから暑いんだ。おまえは体温が高すぎるんだから。

「腹もぷにぷに。最高。」

おまえが餌やりすぎなんだよ。目分量でやるな馬鹿が。
一口でも残すと見せる心配そうな顔見たくないんだよ。

「あー大好き。愛してる。」

この前来てた女がいるだろうが。あの香水くさい女が。
あいつ、オマエが居ない間は俺にオマエの愚痴を言うんだぞ。
知らないだろう。おまえセックス下手らしいな。

「やっぱりさ。女なんて俺、無理だった。いいや、おまえがいれば。」

嘘吐け馬鹿が。俺は猫だしオスだぞ。
人間ならまだしも、俺は何も出来ないんだから。
おまえの問いかけに言葉も返せないんだぞ。

231 :2/2:2009/08/13(木) 00:02:45 ID:lrXI83Hy0
さっさと恋人作って俺に暇をよこせ。
四六時中抱かれたり触られたりしてるとうっとうしいんだよ、馬鹿。
俺をうまく洗える彼女をさっさと探せ。

「あー…おまえが人間だったらさ。男でも、俺はおまえを好きになってたのかな。
絶対好きだったと思うんだよね。最近よく思う。」

きっと、オマエは俺を好きにならないよ。

でも俺はきっと、
馬鹿だけど人一倍努力して
細かく気がきいて
明るくて
馬鹿で
いつも笑顔で
でも傷つきやすいオマエを

きっと愛してるよ。

232 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 00:11:54 ID:ALyMDeHY0
これは可愛い
ちと情けない飼い主いいな

233 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 00:24:54 ID:Xfv+NWL00
かわいい〜
一日だけ人間になれる魔法をかけてもらって…とか
ファンタジーな事を考えてしまった

234 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 01:06:17 ID:Fd3mof8b0
和んだ。でも何か切ないなぁ…。

235 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 01:12:21 ID:f5BG4jwI0
かわいいし、ちょっとせつない
GJでした!

236 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 01:49:42 ID:VntxCyvC0
切ない…その想いが報われればいいな、GJ!
そして猫好きとしてはその腹をぷにぷにさせて下さいというしかない

237 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 03:03:03 ID:6yAgQOXjO
こういう確実な壁があるもの大好きだ
最高でした

238 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 03:37:21 ID:lbUpJBmyO
できればにゃんこにもご主人にも幸せになってほしい!
切ない可愛い萌える!GJでした!

239 :風と木の名無しさん:2009/08/13(木) 03:58:31 ID:nWpL6UttO
絶体絶命

240 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 03:53:12 ID:NfWRRhj3O
リビングのソファでうたた寝をしていて、気付いたら弟にのしかかられていた。
突然のことに動揺しつつも、必死になって弟を押し返そうとする。
たんなる悪戯だとは思わなかったし、思えなかった。
だって、最近弟の俺を見る目が異様に熱っぽかったのを知っているから。
それでも気の所為だと自分に言い聞かせて、知らないふりを決め込んできた。
いくら義理だっていっても、俺にとっては可愛い(例え体育会系で俺より身体が大きくてもだ)弟なんだから。
だけど、弟はもう限界だったみたいで。
だからこうして俺の上に覆いかぶさっているんだろう。
「やめろ、馬鹿なことをするな!」
「馬鹿なことじゃない!しょうがないだろう、ずっと兄さんが好きだったんだ」
いつもは兄貴なんて可愛いげのない呼び方しかしてこないくせに、どうして今、兄さんなんて呼ぶんだ。
甘えればこっちが言うことを聞くとでも思っているのか。
「俺達は兄弟なんだぞ!?血の繋がりなんてなくても、お前は弟なんだ。それ以外の感情なんて持てない奴に組み敷かれてたまるか」
「ごめん、でももう無理だ。今日だけでいいから、犬にでも噛まれたと思ってくれればいいから」
ふざけるな、と言おうとしてそれを唇に防がれた。
半開きの口に容赦なく弟の舌が入り込んでくる。
そのまま暫く口内を蹂躙され、唇が解放されたときにはシャツのボタンが全て開けられていた。
冗談じゃない。このままでは本当にやられてしまう。
「おい!いい加減に……」
しろ、とまでは言えなかった。弟の目に涙が浮かんでいたから。
なんで泣いているんだとか、泣きたいのはこっちの方だとか、言いたい言葉色々あったが全て喉の奥に引っ込んでしまった。
このままでは、俺にもこいつにも後悔しか残らないとわかっているのに、もう抵抗なんて出来そうにもなかった。


241 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 09:18:47 ID:gEWoihb40
弟が健気なだけに、何とか上手く行って欲しいと続きを考えてしまうほどに
感情移入してしまいましたよ。
GJ!


242 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 10:47:14 ID:yHxbl1SbO
GJ


243 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 14:08:14 ID:vQ2054KfO
お流れかと思ってたらGJ!
兄弟モノはおいしいです

244 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 17:35:16 ID:zgtOSbez0
健気な弟の懸命さと優しい兄さんの葛藤に萌えた…
幸せになるといいな!GJでした。

まとめサイトの230続編にもGJ!幸せになりそうでよかった。

245 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 19:57:46 ID:S2tsEWypO
おー、絶体絶命だ!
GJです

246 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 23:58:03 ID:kR3fA4B5O
GJです!
萌えー!(´∀`*)

247 :風と木の名無しさん:2009/08/14(金) 23:59:35 ID:QmeEkpVV0
自演なの?

248 :風と木の名無しさん:2009/08/15(土) 00:28:30 ID:Jt7/b9260
何をもって自演と言ってるのかよくわからない

249 :風と木の名無しさん:2009/08/15(土) 00:33:16 ID:nJ6aqldGO
変態受け

250 :風と木の名無しさん:2009/08/15(土) 03:13:51 ID:TrdVIufqO
彼はいつも一通り暴れてからでないと、僕に身体を許さない。
蹴り、引っ掻き、噛みつき、お陰で情事の度に僕の身体は傷だらけだ。
そうして僕に抵抗し、抵抗し、やがて力尽きてようやく僕に身を任せるのだ。
しかし力で捩じ伏せればそれで終わりかと言うとそうでもない。
僕に押さえ込まれながらもその強い眼は僕を睨み付け、唇は横一文字に引かれたままで、
どんなに刺激を与えようとも声を押し殺そうとするのだ。
そのまま彼を泣かすのもいいのだけれど、彼が余りに強情なので僕はポケットから白い錠剤を取り出す。
「…っ、いや、だ」
「どうして?ケイくんこれ好きでしょう?」
「ん…っ」
頑なな唇を舌で割って無理やり流し込み、ついでに目尻から溢れた涙を舐め取る。
律動を始めると、彼がようやく声を出し始めた。
「あ…っ、は、あぁ…っ」
眉を寄せ、理性を忘れて快感に震える姿は最高にいやらしい。
「あは、これもう後ろだけでイケちゃうんじゃない?ケイくんの変・態」
「ばっ…変態はお前だ…っ、」
「素直になってよケイくん」
「あ、あぁっ」
「ねぇ、好きでしょう?」
「ああぁ…っ!」

眠ってしまった彼の顔は、涙と汗でどろどろだ。それを拭いてやると、彼は小さく唸った。
僕らの情事は常にこうだ。彼は常識人であり、頑なで、そして卑怯だ。
だから彼は言い訳を求め、僕はその言い訳を彼に与える。
力では敵わないから。薬を飲まされたから。
それを確認しないと乱れられない彼を、僕は哀しくも愛しくも思うのだ。
ポケットから残りのビタミン剤を取り出し、サイドテーブルの水で燕下した。
僕も変態だけど君も変態だよ。
「ねぇ、好きでしょう?僕の事。」

251 :風と木の名無しさん:2009/08/15(土) 06:21:09 ID:4iGlZau4O
無理矢理だけど実は、みたいなシチュがツボなんで、最大のGJを捧げるよ!
葛藤を50ページくらい読みたい。
文章も上手くてGJ!

252 :風と木の名無しさん:2009/08/15(土) 11:16:19 ID:niTTK+pVO
ちょっとビタミン剤買ってくる!GJ!

253 :風と木の名無しさん:2009/08/15(土) 16:31:12 ID:ZAbxt+Tn0
攻めの口調にハゲ萌えた・・・!
GJです!!!!!

254 :風と木の名無しさん:2009/08/16(日) 00:54:42 ID:YV9oFkUWO
ハッピーになってほしいけど、これはこれで萌える!

255 :風と木の名無しさん:2009/08/16(日) 08:19:20 ID:GOrXaW7Y0
ビタミン剤だとバレたときのケイ君の葛藤を是非”僕”の前で晒してほしい
GJ!

256 :風と木の名無しさん:2009/08/16(日) 09:17:42 ID:j8NeOTdf0
blらしくていいよいいよ
GJ!

257 :風と木の名無しさん:2009/08/16(日) 11:52:33 ID:N5ZWiLCB0
GJですvvv
続きとか連載予定ないですかね?
まとめ?スレとかあるみたいだし・・・

258 :風と木の名無しさん:2009/08/16(日) 15:59:22 ID:SL9Uwc/QO
踏まれます

259 :風と木の名無しさん:2009/08/16(日) 15:59:58 ID:+5c2nlV70
従者×従者

260 :風と木の名無しさん:2009/08/16(日) 18:31:25 ID:FbFs10yeO
「お前があいつに仕えるというのならば、俺はお前と戦わなくてはならない」
お前のあの時の言葉、今でも思い出せるよ
いつもは無表情で何を考えているのか分からないお前も、あの時ばかりは辛そうな顔に見えた
だけど、仕方のないことがこの世の中にはあるのだ
今の時代じゃお前みたいに、本当に尊敬の念を抱いている主人に忠誠を誓うことなんて稀だ
お前みたいに真っ直ぐな信念を持っている奴には分からないだろうけど
飢えや金欲、そしてたとえば家族のために、この身を捧げなくてはいけない場合もあるのだ
相手がどんなに意地汚くて人を人とも思わないような糞野郎でも
家族を人質に取られたら、俺は糞野郎の右手にキスくらいいくらでもしてやるさ
そう、たとえお前と対立することになっても
「お前は、本当にあいつの元で…」
だから、頼むからそんな顔をしないでくれ
俺はやらなくちゃいけないんだ
他に道なんてないんだ
「…お前にナイフは似合わないよ」
ふっとこぼしたその言葉に、俺は何も返せなかった

261 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 02:48:28 ID:GX1MxYZC0
細身のスーツに包まれた痩身に乗っかった淡い髪のファニーフェイス。
隙あらばケーキやタルトを幸せそうにほおばるその姿は
まさに小動物といった体で非常にかわいらしい。
しかし一度ボスの側近として出陣すると、幻のようなナイフ使いで
相手陣営をなますに切り刻む切り裂き魔と化すマフィアのシリアルキラー。
人呼んで、リッパー・ハニー。

上品なジャケットスタイルは彫りの深い顔立ちを甘く引き立たせ、
大柄な体から発せられる威圧感を和らげている。
立派な体格から繰り出される強力な体術と正確な射撃の腕で、
国内の平定を目指す男をサポートする青年。
通称、黒鷲。

この荒み切った国を実質的に支配している陣営と、和平を模索する一味。
二つの勢力は、外国の思惑も絡んで日々対立を深めていた。
戦争は利益を生み出し、さらにマフィアに依存しきった産業体制があるため、
国内も一枚岩とは言えずにますます混乱の途を極めている。

262 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 02:48:52 ID:GX1MxYZC0
ぴしゃり。
革靴に見せかけたシューズを一歩踏み出すごとに、タールのような液体がスーツの裾にはねた。
薄暗いホテルの五階、豪奢なレストラン。テーブルの上には冷えたシャンパンと軽食。
つい先刻までは国際平和協定のパーティが行われていた場所だが、
今はさざめく声は絶え、死臭と不自然な甘い匂いだけが空気を満たしていた。
血だまりを踏み、死体を蹴り飛ばし、甘い香りを放つ目的地へと黒鷲は一直線に進む。
と、前方から銀の光が無数に走り、一瞬前まで黒鷲が立っていたところに襲い掛かった。
ひどい金属音を立てて落ちたのは食事用のナイフと薄いメスのようなうす金色のナイフ。
「なんだ、避けたの?」
「避けられるように投げたんじゃないのか」
そうだねぇ、そうかもねぇ、とくすくす笑いながらナイフを投げたらしい人物は
テーブルからショコラを一粒取り、たっぷりクリームをすくって口に放り込んだ。
血で赤く染まったテーブルクロスの上にしゃがんで、
手についたクリームを舐める男は、本当に彼なのだろうか。
あの日、自分が似合わないといったナイフを巧みに操るハニー・リッパーなのだろうか!

「あの時は、お前が人質をとられているなんて…っ」
「そのことはもう良いんだよ?」
目にも留まらない速さでナイフを無数に投げたリッパーは楽しそうに笑う。
かろうじて避けたものの、耳と頬に傷を負った黒鷲はなおも言いつなぐ。
「俺と来い。もう…、もうこっちに来れるんだろう?」
ぎろりと絶望と諦念がこもった目で、リッパーは黒鷲を睨みつけた。
アップルフリッターを乱暴に掴んで口に放り込むと、咀嚼しながら下品に言い放つ。
「なんでそんな卑怯な言い方すんの?そうだよ?俺は妹を人質に取られてたよ。
そして今お前が言ったとおり、もう妹は、アイツは…!」
ごくんと菓子を飲み込み、シャツが濡れるのもかまわず乱暴にシャンパンを呷る。
「オマエとおれはもう、敵同士の従者でしかない。敵同士ですらないんだ。
壊しあう人形と人形、それで良いじゃん」

263 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 03:06:58 ID:t9uJTMzq0
文体が違うから、260が続編を投下したって訳じゃないよね?
仮に続きだったとしても

■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。

だからルール違反になるけど。

ナイフ使いだから、印象が混ざって困った…。
260と「人呼んでリッパー・ハニー」はちょっとイメージが…。

264 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 07:51:27 ID:7KXaU2BzO
したらばの方に260が来て、別人だと明言してる
>>261-262は収録されたかったらしたらばの方に投下すれば良かったのにね
260の続きのつもりで書いたなら、それもルール違反だよ

265 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 08:23:41 ID:LZ/NIVoZ0
従者×従者で、同じ主人の従者同士と思い込んでいたので、
敵同士設定にびっくり萌えた。GJ!

266 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 10:24:05 ID:NicrW3XhO
言葉少なながら、状況や切なさがばっちりだ。
切な萌えGJ。いつか自分の信念のままに共闘できるといいな。

267 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 10:48:55 ID:gz8x4UugO
お題とずれててがっかり

268 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 11:42:07 ID:UGYmIhRX0
>>260
心が通じ合ってるのに敵同士は萌えるね。
切羽詰まった感じが切なくて良かった。
短いのに萌える内容でGJです!

269 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 11:48:17 ID:uxMkgZoAO
鼻血

270 :1/2:2009/08/17(月) 12:42:19 ID:eJEzUmeN0
ボタッ

「あーーっ、立花さん!」

あっ、と私が思う前に、いつもの世話焼きな声が飛んできた。
下を向けば、白衣の腹辺りに赤い液体が落ちた跡。

「あー……」
「『あー……』じゃないスよ!何下向いたままになってんスか!鼻血ですよ、鼻血!
実験器具ン中とかに落ちたらどうするんスか!」

私は一応この研究所の先輩のはずなのだけれども、いつの間にかこの杉浦には頭が上がらなくなっている。
飲み干して一日経ったコーヒーカップでもコーヒーを継ぎ足して飲み続けるのが普通だった私の日常は、
杉浦が配属されてからすっかり変わってしまった。
何しろカップを洗うまでこの杉浦が「うわっ信じられない」と言いたいばかりの視線を投げかけてくる。
しぶしぶ洗っても「それじゃ水かけただけっスよ!」と私の手からカップを奪って指をゴシゴシ滑らせて洗う始末。
一事が万事、私に対する杉浦の態度はいつもそんなものだ。

271 :2/2:2009/08/17(月) 12:43:00 ID:eJEzUmeN0

「だから何してるんスか。上向くとか」
「あ、ああ…」

捲し立てられて悪いことをした子供のように立っていた私に、
杉浦がつかつかと近寄ってきて、そのまま私の鼻筋を押さえた。

「ティッシュとかないんで。しばらくこうしておいて下さい」
「いや、しかし、これは」

杉浦を見下ろしたまま私は困って固まってしまった。
杉浦が丸い目で私をじっと見ている。

「こうしてると鼻の血管が抑えられるんですぐ止まるんスよ。
全く立花さんって専門分野の知識は凄いのになんでそんなに生活の知恵とかは知らないんスか。
日常生活歩んで来てますか?ホント心配になりますよもう。
…いいから黙ってこうしてて下さい」

それ以上喋ると私の鼻を押さえた杉浦の手首辺りに私の呼気が当たりそうで、私はただ黙って従った。
抑えられながら、きっとこの後輩から私は世俗離れた変な男だとでも思われているんだろうなあ、とぼんやり思った。
杉浦の白衣姿を後ろから見ていたらつい…だとか、
杉浦の指が触ってたら止まりそうにない、だなんて世俗がましいことを言ったら、
私の世話役みたいなこの後輩は、一体なんて返してくるだろうか。

272 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 12:56:16 ID:H1etTYC7O
萌えた!超GJ!!!
鼻血=暴力的な感じになるかと思ったらほのぼの系で和んだw

273 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 17:41:23 ID:uEEmkdme0
こっちまで貰い鼻血しそうな勢いで萌えた!GJ!
そしてどっちが攻めでどっちが受けか真剣に考えてしまった

274 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 20:57:32 ID:oMba2zquO
私ももらい鼻血しそうだw
GJ!

275 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 22:05:24 ID:W45+JVy90
平和で可愛い鼻血テラGJです!!!
世話好き攻めでも受けでもおいしいという・・・

276 :風と木の名無しさん:2009/08/17(月) 22:15:08 ID:ef0T1XWx0
立花さんかわいいのうかわいいのう

277 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 02:31:54 ID:bznbUhVnO
白衣に鼻血って映える事に気付いたよ!
研究バカ×世話焼き大好きなので萌え転がった。
GJ!

278 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 03:36:11 ID:vc1F9RYvO
踏んでください

279 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 03:36:55 ID:8+WNn4zc0
恋と尊敬の狭間で自己犠牲

280 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 05:56:28 ID:kRyapQ5qO
「――この戦いが終わったら、二人だけで遠くへ旅にでよう」
そう言ってくちづけをくれたあの夜を、僕は忘れない。


立ちはだかる高位悪魔は次々と魔物を召喚し、攻撃を加えることもままならない。
魔神の待ち構える祭壇まであと一歩だというのに、儀式の間に通じる扉にさえ近づけない。
体力自慢のウォルフの顔には疲労の色が浮かび、治癒巫女レナも巫力が尽きかけているようだ。
それでも、なおも果敢に武器を振り上げるアレン様に引きずられるように、誰もが微塵も絶望を感じず、声を張り上げ足を踏み締める。
血と汗でぬめる掌をローブにこすりつけ、僕は龍の腕から作られた杖を握りしめた。
ここを突破すればいよいよ魔神と相対することになる。
世界を滅ぼす諸悪の根源たる魔神を封じることこそ、勇者アレン様の願い。
その考えに共感し、またアレン様の人柄に惹かれて、僕らはここまで共に旅を続けてきた。
アレン様は、こんなところで終わるような方じゃない。
僕の思いに呼応して、杖の指が掴んでいる宝玉が歪んだ虹色に光る。
禁術に手を出し、国を追われた僕に手を差し延べてくれたアレン様。
抱くことさえ許されない思いを胸に宿してしまった僕を察して、抱きしめてくれた優しい勇者様。
このお方のために道を拓くことが、僕の使命。
「ウォルフ!僕を投げられるか?!」
ウォルフは当然とばかり頷いてから、僕の言わんとすることに気付いて渋い顔をした。
だが、彼の腕に無理やりよじ登ったら諦めたようだ。異変に気付いたアレン様が振り返る頃には、僕は空中高く放り投げられていた。
「ザザ?!」
「アレン様、僕が奴を仕留めます!だからどうか、魔神を、世界を!」
「やめろザザ、その術を使うな!ザザぁ――!!」
約束を守れなくてごめんなさい。
そう口にする間もなく、手の中で杖が高らかに吠えた。

禁術の封印が解けたのは本当は事故だったけど、それが僕に宿ったのは運命の必然だったんだ。

悪魔の魂をえぐり取った魔法の刃が僕の身体を吹き飛ばすのを感じながら、僕は唐突にそんなことを理解した。
振り向いた僕が最後に見たのは、泣き出しそうな子供みたいな顔のアレン様だった。

281 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 08:58:12 ID:je6HcrsSO
切ない…アレン様カワイソス…

短いのに情景描写や設定がわかりやすくてすごい。
GJ!

282 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 10:44:37 ID:vQm1uJTF0
GJ!GJ!
それにしても、せつない。
なんとか幸せな展開になってくれないものかと思うけど無理なんだろうな…。

283 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 10:57:43 ID:jI4njtrhO
魔法の力なら2人を何とかしてくれると信じてGJ!

284 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 13:15:25 ID:n9Xckt6XO
久々にオリジナルを読んで涙ぐんだよ、せつないよ、でも全力でGJ!!
一連の展開が映像として頭に浮かんで、萌え以上の感動を感じました
短くまとめあげてこのクオリティを保てる手腕にも感動と嫉妬を覚えました…凄いなぁ

285 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 14:20:13 ID:H+8TcIqj0
この展開では、その後アレン様が暗黒化しそうで怖い…
切ないにも程があるよ
アレン様の心、ザザ知らず
GJ


286 :風と木の名無しさん:2009/08/18(火) 20:29:31 ID:7yOwxDERO
>アレン様の心ザザ知らず
出かかった涙が引っ込んだじゃないかwww
801もファンタジーも両方大好きだし、クオリティに感動した。心の底からGJ!

287 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 00:16:01 ID:LtIJpcH30
某ブログに 涙注意 の前置きつきで掲載されてた!
本当に凄いよ。GJ!

288 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 00:29:18 ID:IrtEGz0pO
そういうのはいいです

289 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 00:30:25 ID:V72ka30n0
初めての…

290 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 00:30:29 ID:A0V7Oxc60
忘れられない人

291 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 00:46:10 ID:A0V7Oxc60

こんなに近くでユウの顔を見たのは初めてで、それだけで心臓が高鳴った。
同い年とは思えないほど大人びたその表情。
強い光を持つその瞳は今は伏せられて、長い睫毛がその目元に影を作って、とても綺麗で見惚れる。
そっと額が合わさる感触、反射的に目を瞑ればただ感じるのは額から伝わる熱だけで。
鼻先を擦り合い、その感触に震えて身を竦める。
少しだけ身を離そうとした俺をユウは逃さない。
その大きな掌が俺の後頭部に回り、固定する。
ユウが、俺の名前を囁く。吐息が、籠る。

「ナツ」

初めて交わした口付けは、さっきまで食べていた水蜜桃の味がした。

292 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 11:25:36 ID:IE0sP/Ms0
0.04秒差*0ゲットの不運にもめげず詩的なお題処理。
良い仕事してますね!

293 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 12:26:20 ID:SDp4fhrYO
素敵な雰囲気だ!GJ
ドキドキした

>>292
4秒差じゃね?w

294 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 12:27:24 ID:kdz2kLaM0
いいねぇ、情景が浮かぶよ
色っぽい文章もとても好みです、GJ!

295 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 12:58:53 ID:9j6YJLS8P
透明感のあるいい雰囲気だ
GJ!

>>293
0.04秒差じゃね?w

296 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 13:04:52 ID:3OfrKLOu0
叙情的だねぇ…薫るようだGJ

>>295
おまいのレス時刻が何時何分何秒か口に出していってみろw

297 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 22:02:48 ID:g/Puu4GA0
僅差で踏んでしまったにもかかわらず、GJ!!
情景が目に見えるようで、ドキドキした
あと、どんな初めてがくるかと思っていたけど、こうきたか!って感じ

298 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 22:30:55 ID:OOHva2700
もってけこの野郎!

299 :風と木の名無しさん:2009/08/19(水) 22:32:24 ID:zWVi6AkH0
なんて男らしい

300 :風と木の名無しさん:2009/08/20(木) 12:59:07 ID:0cXj7dIKO
窓を覆う厚手のカーテン越からのやんわりとした淡い日の光りによって、眠りの世界から浮上した。
まだ意識はぼんやりとしていて。
俺の隣には、まだ眠りの世界にいるらしい男が一人。向かい合うように、こちらを向いて眠っていた。

ふと時計に目をやるとすでに12時をまわっている。
けれど、カーテンに守られた日差しが少ないこの部屋は薄暗く、まだまだ眠気を誘う。
ぼんやりと見ていた天井から、健やかな寝息をたて眠り続けている隣の人物へと目を向けた。
綺麗な瞳は閉ざされているけれど、整った顔立ちは変わらない。

まつげ、ながい。

ちょっとばかし開かれた口が、エロい。

思い出すのは昨日の情事。なんてぼんやり思ってみた。

欲望のまま明け方までフル稼働した身体はずしりと重く、暖かなベットからは抜け出したくない。
だが、徐々に暇になってきたのも確かで。

暇つぶしとなるのはやはり目の前の人物で。

起こしてしまってはかわいそうだとは思うものの、手を伸ばし頬に触れた。
柔らかい感触。
暫し楽しんでみだが、起きる気配はない。
だが、いざ起きないとなると少し悔しい気もする。

ならば少しだけ、起きて、と念じつつ、顔を近づけ柔らかい頬にキス。
キスの雨を降らしていく。
それでも起きることがない。規則正しく動いている身体。

どうも悔しくなって、開かれた唇に狙いを定めた。


301 :風と木の名無しさん:2009/08/20(木) 13:01:17 ID:0cXj7dIKO
10センチ、

5センチ、

2センチ、

0センチ


ドガッ

「……朝から盛ってんじゃねぇ」

僅か数ミリ。
唇が触れる前に腹に衝撃。
「っ、…鳩尾は駄目だって‥」
「朝っぱらから盛ってるからだろ」
踞るように腹を抱えながら顔をあげれば、そこにはまぶたを開けているヒロの顔があった。
起こされたのが不服なのか眉間に皺を寄せながら。

「…ったく、昨日さんざんしただろーが。あ?」

「……はい。」

「次、起こしたら、」

「もうしません。」

よし、と一言残しまた布団を被った頼もしい恋人に、か弱くなれとか、可愛くなれとか言わないから、少しでいいから優しくしてください。

なんて心の中で願った。

302 :風と木の名無しさん:2009/08/20(木) 18:32:35 ID:6h8A977G0
前半の色っぽい雰囲気と後半の男らしさのギャップに萌えて笑った。
GJです!

303 :風と木の名無しさん:2009/08/20(木) 20:26:55 ID:y7Gc1qIp0
ヒロの男らしさに萌えた!攻めも可愛い!
GJです!

304 :風と木の名無しさん:2009/08/20(木) 20:39:23 ID:GUnxKV1h0
これは応援したくなるタイプの良いカプw
男らしいセリフがいいねいいね!GJ!

305 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 09:14:00 ID:SYFG/mYkO
GJ!
そんな受の最中の乱れ具合を想像して禿げ散らかしました
バランス良さそうなカップルだなーw

306 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 14:55:46 ID:WUDqj6F00
855 :風と木の名無しさん :2009/08/21(金) 10:01:51 ID:+xkFcjHzO
2で初めて投下したんだ!!
ずっとROM専だったけど、投下したんだ!
勇気いったし、改行多いって怒られて諦めそうになったけど、投下してよかった!
見直したはずなのに投下後に改行ミスに気付いて、反応が怖くて開けなかったけど、さっき見たら嬉しい反応あったよ!!これはありがたいシステムだね!
今度から自分も萌えたらグジョしよう!!ちゃんとグジョしよう!!!!

本業のナマサイトの運営が嫌になってもやもやしてたから、なんか勇気もらったよ!コメににやにやしてるよ!
ひゃっほーい\(^ω^\)(/^ω^)/
ありがとう!

また投下しにいく時はよろしく!!


反応あったよ!!これはありがたいシステムだね!
反応あったよ!!これはありがたいシステムだね!
反応あったよ!!これはありがたいシステムだね!

307 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 15:05:57 ID:JM6nIcy/0
まあ下手とか萌えないとか思ったらわざわざ言わないもんな
今回そう思って流れるの待ってたけど、これは…
改行ミスって本人が言ってる以外の改行も変だしもう来るな

308 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 15:11:23 ID:fwnXKW+a0
わざわざチラシからひろってくるものか…?
初投下って勇気いるよ
仕切り直して次

309 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 15:20:33 ID:AL5kW+GIO
半袖と長袖

310 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 16:38:39 ID:I5vkKN4i0
「あーーー!!!」

今まさに校門をくぐろうとした所。
大声のした方に振り向くと、井上がバカ面で大口を開け、俺を指差していた。
その指から続く腕は、涼しげな半袖シャツに繋がっていて、周囲の長袖シャツの中、
明らかにその存在は浮いていた。

「ころもがえ!バッカお前今日から衣替えじゃん!なんで言ってくれなかったの!?」
「……今日から衣替えだぞ井上」
「今言ったってしょーがないじゃん!もーバカバカバカ!」
バカにバカと言われる屈辱に耐えながら、下駄箱への道を歩く。
「取り替えてえ〜俺のシャツと木内のシャツ取り替えてえ〜」
無視をしていたら今度はシャツを引っ張り始めた。ズボンから引きずり出された
俺のシャツはもうしわくちゃだ。
「……しわになる。離せ」
声と同じく頭ひとつでかい井上の体躯を手のひらで押しのけ、上履きに履き替えると
教室とは逆の方向へ歩き出した。その横をわあわあと騒ぎながら井上がついてくる。
周囲の目がくすくすと笑っていて痛い。

「大体お前、俺のシャツ小さくて着れないだろ」
「着れるって大丈夫!っていうか今半袖着てるよりマシだし俺が!しんゆーだろ!」
「俺は「衣替えに気づかず半袖を着てきたバカ」にはなりたくない」
「バカ!ひっでえお前今バカっていった!?言葉の暴力だ!俺はきずついた!
 そんがいばいしょーをようきゅうする!」
「損害賠償くらい漢字で言え、半袖バカ」
「バカっていうなー!!」

わあっと大口を開けた瞬間、鍵のかかっていない空き教室の扉を開け
井上を突き飛ばした。

311 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 16:40:12 ID:I5vkKN4i0
「うわっ!?っぃで!……な、なにすんだよ〜」

面白いくらいに転がった井上と共に教室に入ると、内側の鍵をかける。

「……わかった、替えてやるからシャツ脱げよ」
「えっ!……えー……いや、それは嬉しいんだけど、その、木内さん……
 目がエロい事になってるんですけど……?」
「気のせいだろ。授業始まるから早く脱げよ、見ててやるから」
「いっいやいや見ててはくれなくていいですから!」
「脱がせてやろうか?」
「いいいいやいやいや!!」


312 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 16:41:14 ID:I5vkKN4i0
-------------------

3時間目の放課

「おー井上!どこ行ってたのかと思ったら、結局木内に取っ替えてもらったんかよー」
「でもちょっとちっさくね?半袖の方がいんじゃねーの?」
「ううううるさい!いいんだよこれでっ痕が見えんだから!」
「痕?」
「ななななんでもねーよ!!」

「木内もぶかぶかでかわいーな、女の子みたいじゃん」
「ホントだよな〜上級生にいたずらされないように気をつけろよ〜」
「そうだな」

ふと視線が合うと、先程挿入した時と同じように、
びくりと身体を強ばらせた井上を見て、笑みが浮かぶ。

「どんなにバカでも、これでもう明日は忘れないだろ?」

周囲に聞かれないように囁くと、いつもは何か言い返してくる井上が
顔をまっかにして睨みながらも無言で頷いた。

313 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 16:53:52 ID:AX+o56Ty0
>そんがいばいしょーをようきゅうする!」
>「損害賠償くらい漢字で言え、

なんというメタwwww

授業そっちのけでやっそん

314 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 17:06:25 ID:ta12rN1z0
GJ!!
かわええー。和んだ。

315 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 17:08:44 ID:drue23h40
あほの子可愛い。ちっちゃい攻めも可愛い。
ほのぼの学生ものは和むね。
こういうのって意外と難しいと思うので心よりGJです。
しかも仕事早い!

316 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 18:13:26 ID:iQehAKIxO
男らしいちっちゃ攻めにも馬鹿っこ受けににも萌えたぎった!GJ!

317 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 22:31:36 ID:NzK1pjW40
可愛いー!!GJ!!

318 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 22:37:21 ID:ATtRun5B0
かわいいけど、エロいですよね
GJ

319 :風と木の名無しさん:2009/08/21(金) 22:38:19 ID:69NWE1lk0
兄貴に彼女ができました

320 :1/2:2009/08/22(土) 00:41:24 ID:gmW9mDS+0
兄貴に彼女ができた。
さすがに血は争えなかった。実に俺好みの女でくやしかった。
あの奥手が一体どうやって口説いたんだろうと不思議に思っていたある日、
メイド服でチラシを配っている彼女に出会った。
なんだ、そういう店で知り合ったのかと兄貴を多少軽蔑したが、
興味があったので、店に行きたいと言ったら喜んで案内してくれた。
そこには「女装男子バー」と書いてあった。
俺は即座にそいつの性別を確認し、自分の身元を暴露した。

**************

「水越くんは、女装に慣れて外に出た時に、酔っ払いに絡まれたのを助けてくれて…。
私が女だって思ってるから…」
「そりゃ疑わないよ。声も高いし完璧だもん。でもいつまでも通用しないでしょ。
エッチしたくない男なんていないんだからさ」
「そんなことない! 水越くんは私が嫌だって言ったら何もしないもの」
「……あんた、いつの人? 明治? 大正?」
「ひどい」
「あんた、手術とかして女になるつもりなの?」
「違うから! ただ女の子の格好をするのが楽しくなっちゃっただけで……」
「じゃあ、同性が好きなんだ?」
「そういうんじゃなくて…。人間として惹かれたっていうか…」
あー、イライラする。
「兄貴と別れてよ」
「え!? どうして!?」
「どうしても何もないじゃない。あんたは男だし兄貴も男で、あんたは女になる気ない。
なっても俺は反対するけどさ」
「で…でも……」
目の前でボロボロと涙を流されて、一番人気のメイドを泣かせた俺は周囲の客に非難され、
さすがに店から追い出された。

********************

321 :2/2:2009/08/22(土) 00:42:06 ID:gmW9mDS+0
俺は何度か帰りに待ち伏せをし、その度に説得を繰り返した。
メイクとウィッグをとり、白いシャツとジーンズの彼は、華奢で中性的な少年だった。
俺は、「メイクがない方がいい、肌も白くてキレイだし、目もすっきりしてて、
あの小悪魔メイクはいきすぎだ」と言った。本音で言ったのが伝わったんだろう。
彼は首まで真っ赤にして俯いていた。
いじめられた経験があるから自分に自信がなかったこと。
女装をして別人格になったら、自分が変わった気がして嬉しかったこと。
兄貴は自分を大事にしてくれた初めての人だったこと。
そんな話を聞きながら、変な自分を創る必要なんかないと俺は力説していた。
「本当はね。女装してるから水越くんは自分を好きなんだって思うと、少し悲しかったんだ…」
「ありのままのあんたを大切にしてくれる人は絶対にいるって」
「そうかな」
「そう」
「うん。ありがとう」
こいつは俺の前で照れくさそうに笑う。
兄貴を傷つけないよう別れる決心がついたとヤツは言った。

兄貴は振られて自暴自棄になった。そんな様子をあいつは気にしてメールで聞いてくる。
心配はないと言っているのに、なんかむかつく。

兄貴と別れたから、もう連絡する必要はないのに、何故か俺は未だに会っている。
誰某の絵が好きだと聞けば美術館のチケットを用意するし、
遊園地に行きたいと言われれば一緒に行く。

俺といると自由に息が出来るようで嬉しいとヤツは言う。
俺は最近、自分のこの感情がなんなのかわからなくなっている。
でも、俺の前で笑う回数が増えるのが嬉しいから。

ああ、兄貴に彼女が出来たと知った時以上に、困った。困ったぞ。

322 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 00:55:06 ID:mOiXXqUb0
兄貴がかわいそすぎる

323 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 00:57:33 ID:J5YQ/2+/0
せつな萌えとはこのことか

324 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 01:02:33 ID:rSQlsSKLO
兄貴自暴自棄になってるのに心配ないは無いだろ
ひでえ弟

325 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 01:50:18 ID:j9lu1t910
ある意味リアルだがw

326 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 01:57:13 ID:CX/fSLTy0
兄萌えの全俺が泣いたw
弟仲良くな

327 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 07:14:57 ID:xbOzQJrn0
こーいう無意識他者踏み躙り系のカプいるな
兄ちゃん立ち直って幸せになってほしい

328 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 07:33:06 ID:7kEIxFTk0
いらっしゃい

329 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 07:42:45 ID:+YaJxay2O
触手×生贄の青年

330 :1/5:2009/08/22(土) 10:41:56 ID:wS5sV1Nk0
左前の白装束を着て、薄闇へと変わり行く森の中に一人座る。
村の神木を削って作った間に合わせの祭壇は、まだ木屑が粉を吹いている。

一昨年前に、崖から落ちた。
幸い命は助かったものの、左足をひどく痛めて、未だに歩くことは出来ない。
以後は棒を片手でなくては歩けない、農作業は出来ない体になってしまった。
それでも村長の息子だからと、村人たちは何も言わずに、供物のように作物を分け与えてくれた。
しかし、私は知っている、村人達の影での囁きを。
私への嘲りを私は知っている。
将来村を背負う者として生きてきた私に、それは身を刺さされるような現実だった。
どれだけ歩こうとしても、他に貢献できることがないか探そうとしても、全ては徒労に終わった。
村にとって私は、役立たずだった。
それでも私を立てようとする父の傲慢な権力がよりもなお、私を苛んでいた。
だから村の大規模な不作が起こり、森の神を鎮める人身御供が必要になったとき、
私はその役目は自分だけだと頑なに志願した。
必死の形相で引き留める父と、ほっとした、或いは冷やかな村人たちの視線の中、
私はこの白装束に身を包んだ。

331 :2/5:2009/08/22(土) 10:43:01 ID:wS5sV1Nk0
橙から青紫に変わっていく空を、薄く棚引く雲を、高くそびえる樹木たちの間から眺めていた。
長くなる影と共に、得体のしれない何かが近づいてくる気がする。
私はまっすぐに前を見た。

ふいに何かに体を包まれた。
妙に滑らかな、しかしざらついた、ぬめりを帯びた、微かにひんやりとした、
今までに感じたことのない、奇妙な感触。
既に闇で目は効かない。
体を包む力は強まり、すぐに締め付けるほど痛くなった。
声も出ないほどの恐怖に、背がひきつる。

祭壇の床に手を這わす。
足は動かず、これまで足を支えるために肌身離さず持ってきた棒も村に置いてきた。
最早私が移動するには手しかないのだ。
人身御供であることも忘れ、死の本能から逃げようとして、手をなんとか突っかかりのあるものへと伸ばそうとする。
けれども、後方に私の身を引こうとするこの凄まじい力の前では、なす術など何もなかった。
床に爪を立てた。立つのはギィィと木を削る音ばかりだった。
長くのびた爪痕を祭壇に残しながら、私は瞬く間に地面へと引きずり下ろされた。

なおも私は森の奥へと引かれていく。
白装束は乱れ、頭は何度も地面とガツガツぶつかった。
激しく揺れる視界の中、映るものは星の静かな瞬きだけだった。
誰も、何も、見ている者はいない。
私は死ぬのか、村は、村は…。
そこで私の意識は途切れた。

332 :3/5:2009/08/22(土) 10:44:21 ID:wS5sV1Nk0
初めに気がついたのは、顔に滴る水だった。
一滴、二滴と頬を叩くその水に呼び戻されるようにして、意識を取り戻した。
ふわふわとした意識の中で、ぼんやりと目を開く。
ここは、どこだろう。

辺りはかなり濃い霧が立ちこめているようだった。
それでもこの明るさなら、もう太陽は昇っていることは分かった。
手をあちこちにまさぐるようにして辺りを探った。
森の中のようだったが、覚えのない地形だった。
人が踏み入れぬほどの奥深くなのだろうか。
あれだけ頭を打ち、身を引きずってきたにも関わらず、不思議と痛みは体のどこにもなかった。
私は何故生きているのだろうか。
そして、私は気がついた。
すぐ横に、森では見たこともない、奇妙な色の物体がある。

そちらに視線を合わせた瞬間、息を飲んだ。
村の神木と同じ程の大きさだろうか。
それは、人間の肉の色をした、見たこともない、奇っ怪な生き物だった。

何か、繭のようなものがダマのようになっていて、そこから何本も足が生えている。
足と言っても、骨など入っていないかのように、曲がりくねっている。
遠目に見ればまるで死体を重ね合わせたかのようだが、
うねうねと動くのを見るに、恐らく意思を持った生き物だ。
今まで見たことのある生物とは全く違うそれは、
普通ならば何か言いようもない嫌悪感を覚える類の、醜悪な物体だった。

333 :4/5:2009/08/22(土) 10:45:55 ID:wS5sV1Nk0
これが私をここまで連れてきたのだと、私はすぐに理解した。
あの足に身を包まれ、引きずられてきたのだ。

私はそれに引き寄せられるようにして、這って近づいた。
手で触れたら、それはぴくりと動いた。
私が触ったことが分かったようだった。
この感触、やはり私を包んだあの感触と同じだった。

「お前が、森の神…?」

その生き物はゆるりと蠢いた。
私が意識を取り戻したこともとっくに気が付いていたようだった。
まるで異形だったそれが神だとしても、全く不思議はなかった。
けれども力ないその動きは、『違う』と言っているように私は感じた。

「違う、と? では、お前が村を苦しめてきたのか?」

生き物は同じように蠢いた。
やはり、『ちがう』と感じられた。
私は奇妙な生物と問答しているにも関わらず、
まるで魔にでも魅せられたかのように、不思議と少しずつ安堵を感じてきている自分に気が付いていた。

「お前は、なんなのだ?」

それは蠢いた。
何か淋しそうな動きに、私には思えた。

「そうか。お前は神でもなく、村とも関係ないのだな。
ならばどうして、私をここに連れてきたのだ?
神でなく村とも関係なければ、村の人身御供などいるまい?」

334 :5/6:2009/08/22(土) 10:47:56 ID:wS5sV1Nk0
そう言った時、それは私の体を包んだ。
そしてそっと、自分の方へ引き寄せた。
昨夜の強襲とは対照的な、壊れ物を扱うような動きだった。
近くまで引き寄せられた時、私は気がついた。
その生き物には、いくつもの矢が突き立っていた。
全てが相当古いもので、ほとんどが損傷して、矢面が外れていたり、矢じりを残すのみになっていた。
傷は全てこの生き物の命を奪うには至らなかったようで、既に癒えていたが
このとき私は唐突にそれの気持ちが分かったような気がした。

「そうか…」

この醜悪な生き物は、かつて人に追われ、そうしてここに逃れてきたのだ。
そしてきっともうずっと長い間、ここに隠れるように住んでいた。
そして孤独のまま、ついに人を求めるようになった。
そこに帰らぬ覚悟をした私が一人、森へやってきた、というわけだ。

奇妙なことかもしれないが、私は既に、それに対して人間のような感情を抱いていた。
そして同時に、あれだけ背に圧し掛かっていた、村への責任や愛着なども、
消え失せてしまっている自分に気が付いていた。
私とこれは似ている。
他から疎まれ、外界から隔たれた場所へと出ていかざるを得なかった私とこれは似ている。
自分勝手な解釈かもしれなかったが、私にはどうしてもそう思えてならなかった。
私は自分を包んでいるそれの足を、そっと手で抱きしめた。

335 :6/6:2009/08/22(土) 10:49:27 ID:wS5sV1Nk0
「安心しろ。私はお前と共に居ることに決めた。
 どうせもう村に私の居場所はない」

私が何かを含むように笑うと、それが軽く顔を撫でた。
私はありがとう、と言って、穏やかに笑った。
閉塞感の中で死を覚悟していた昨夜までとは全く違う心持ちだった。
役立たずだった男が、奇妙な生き物と二人きり、森の奥で穏やかに残りの人生を過ごす。
悪くはない。私は今一度微笑んだ。
そういえばしばらく村の中ではこんなに穏やかに笑ったことなどなかったな、と思った。

336 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 11:05:59 ID:5LKMIjQxO
うまく言葉が出てきません
とにかくありったけのGJを!

337 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 11:08:15 ID:eLF18WXo0
仕事はやいね!
大作GJでした

338 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 11:10:00 ID:xbOzQJrn0
こんなの3時間くらいで書ける人がいるんだな
すごい。感心するしかない。すごいよ

339 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 11:16:52 ID:rSQlsSKLO
無機物萌え

340 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 17:32:33 ID:L66zHHk20
扇風機の場合

「僕なんかでいいのかな…今年は猛暑だし、クーラーくんの方がいいんじゃ…本当に?
 はい、頑張ります!精一杯、風を送りますね!…え、僕ですか?僕は熱くても全然平気です!
 ……。でもあの…一つだけ、お願いしてもいいですか?……あの…えーとですね……
 その、あなたが、僕に向かってよく言う言葉の、その、続き……て、もしかしたらって…
 …や、やっぱりいいです、僕の勘違いです。本当になんでもないです!すみません」

(僕に向かってあの人がよくやる「あーーーーー」は、愛してるの「あ」……そんなわけ、ないよなぁ…)

341 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 17:46:23 ID:i/WRHU2W0
あーーーーーいすたべたい

342 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 17:59:59 ID:Oef7IYL70
アーーーーワレワレハエイリアンダ

片思い扇風機切ない
しかしかわいい!

343 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 19:55:02 ID:wS5sV1Nk0
まんまと扇風機萌えになってしまいそうです
扇風機健気かわいいよ扇風機

344 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 20:16:14 ID:AxmYskQLO
思わず扇風機買ってきそうになりましたGJ

345 :風と木の名無しさん:2009/08/22(土) 23:14:28 ID:us/KyN+80
すぐ横にある、存在を忘れてつけっぱなしでスイッチも切り忘れるうちの扇風機に
ごめんよ、と呟くとそっぽを向かれました。けどまた戻ってきて風をくれた。
うちの扇風機はツンデレでした。
デレで健気な扇風機可愛いよGJ!

346 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 01:56:05 ID:WC3xbcD80
ちょ…何この萌え!何この萌えぇええ!!
うちの扇風機は二年ほど埃まみれで放っておかれたのに、
今年掃除して出したらものすごく頑張ってくれてる良い子だ
末長くご主人と一緒にいられるといいなー超GJ!!

347 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 02:33:33 ID:/LOWf0c10
けなげ扇風機いいな、GJ!

しかしどこかの板で見た

うちの(扇風機)は勝手に羽根が一枚取れたが、3メートル位離れていたはずの扇風機が、
(重心が狂ってガタつき)いつの間にか背後にあったのに戦慄したw

このレスを思い出したせいで、半壊ヤンデレ化扇風機まで妄想してしまった


348 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 03:04:27 ID:igFyBO4m0
扇風機萌えに目覚めた
健気、ツンデレ、ヤンデレ…いろんなタイプの扇風機がいるもんだ
クーデレとかも見てみたい

踏むかい?

349 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 03:05:04 ID:ZUp+Uyst0
恋愛経験豊富な先輩×何もかも初めての後輩

350 :1/2:2009/08/23(日) 10:28:15 ID:2j8t5T4M0
生まれて初めてごめんなさいと返事された。
放心状態の馬場を相田は楽しそうに、にこにこと眺めている。
「どうする? おれと元サヤしとく?」
「なんで、どうして、神様は俺のこと見放したの。ない。俺がふられるとか、ない。ありえない」
顔と同じに甘い声で相田が囁くのも聞こえずに、馬場は独りで何か口走っている。
こんなとんちんかんなことになっていても、普通この二人にはちょっと近寄りがたい。
ただでさえ容姿が整っているのが、しかも二人、机の上で顔を近付けている。あまり一般的に目にする光景ではない。
けれどその中に、物怖じもせず一人の少年が入ってきた。
「馬場先輩。付き合いましょう」
ぱっと振り返った相田をよそに、馬場はまだ机に突っ伏している。
これが例の佐野くんね、と相田は悟る。瞬間的につむじからつま先まで見渡して、ふうん、と声に出さずに呟いた。
一年生だ。幼さを引きずってはいるけれど、ちょうど今咲き始めている桔梗みたいに背筋が伸びた感じがする。
「付き合いましょう、馬場先輩」
「違うもん、俺さっきふられたもん。生まれて初めてふられたもん」
弱々しく呟く馬場に、佐野は授業中あてられた優等生のようにきびきびと回答する。
「ふってません。僕が少し待ってくれませんかと言って顔を上げたら、もう先輩がいなかっただけです」
佐野の袖を、相田が引っ張った。小声でたずねる。
「ちょっと君、なんで馬場と付き合う気になったのか聞いてもいい」
「馬場先輩は女性に人気があるので僕の学年にも有名なくらいですし、いい勉強になると思いました」
「勉強?」
「僕まだ誰とも付き合ったことがないので、馬場先輩、よろしくご指導お願いします」

351 :2/2:2009/08/23(日) 10:30:08 ID:2j8t5T4M0
これは、と相田は思ったが馬場はもうすっかり立ち直っていた。いきなり佐野の手を握った。
加えて太陽のような、文化祭の客引きなどで女の子を大量虐殺している笑顔で佐野に微笑みかけた。
「なんだ、俺ふられたのかと思って、びっくりした。すごい嬉しい」
けれど佐野は動じない。
「よろしくお願いします」
手を握られたと思っていない。自分も握り返したと思うと、そのまま軽く上下させた。握手した。
馬場はちょっと面食らったが、さすがに怯まず携帯を取り出した。
「じゃあ、とりあえず携帯いいかな。教えてもらっても」
「なんで先輩に教えないといけないんでしょうか」
馬場が携帯を開いたまま硬直した。
慇懃無礼という言葉が相田の脳裏をよぎったが、佐野はメモでも取りそうな勢いで真剣に聞いている。
馬場は百戦錬磨な分、こういう段取りでつまずくことに弱いのだろう。さっきの傷が開いてしまったのか、携帯をポケットにしまうとまたばたんと机に突っ伏した。
佐野はいきなりコミュニケーションを放棄されたことに困惑しきって、馬場と相田を交互にうかがっている。
相田は馬場を思いきりからかってやりたいような、佐野に突っ込みたいような、とりあえず笑いたいような気持ちでいっぱいで、二人を気遣うどころではない。
これはもしかすると、もしかしなくても、佐野が『付き合う』を『恋人として』で理解しているのかどうかさえ怪しいのではないか。
「馬場はさ、恋愛経験が豊富なだけ、だから。困ったらおれに相談に来なよ」
それだけは佐野に伝えると、これは結構楽しくなってきた、と相田はほくそ笑んだ。

352 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 17:26:17 ID:+8H5AO8j0
ほんとうに何もかもはじめてすぐるw

353 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 17:37:52 ID:Yk29Hq5B0
ごめん。一人称で始まったから、馬場の一人称かと思ったら、
基本は相田視点寄りの三人称で、
一度読んだだけじゃ登場人物の関係がよくわからなかった…。
元彼というよりどうもセフレ的な相田がかっこよかったです。


354 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 17:59:36 ID:1QbsVy400
うん、ちょっと視点のブレに戸惑ってしまった…

けど佐野の純粋天然おいしいw萌えたよ!

355 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 20:15:29 ID:2ZhwGjj40
相田男前だなwGJ!

356 :風と木の名無しさん:2009/08/23(日) 23:30:48 ID:ZUp+Uyst0
>349です。GJ!&ありがとう!
経験豊富な馬場が未経験な佐野に振り回されてるのがおもしろい
相田を交えた3人のこれからの日常を覗き見したい気分ですw

357 :風と木の名無しさん:2009/08/24(月) 02:42:28 ID:+hfntQnHP
相田→馬場で妄想しました
GJ

358 :風と木の名無しさん:2009/08/24(月) 02:50:01 ID:tMZXaNtr0
そのうち3Pに発展すればいいと思うよ!

359 :風と木の名無しさん:2009/08/24(月) 02:52:53 ID:+fhvNByCO
誘いマゾ
むしろ襲いマゾ

360 :風と木の名無しさん:2009/08/25(火) 02:19:26 ID:mDp2nAM/0
立花さんはいつも俺に優しくしてくれる。
抱きしめて、いっぱいキスして、俺が怖くないように、痛くないように。
まるで壊れ物を扱うように、そっとそっと触れてくれる。
俺は、それが嫌でたまらない。

「優。降りろ」
「嫌です。ねえいいからこのまま慣らさずに挿れてください。大丈夫手足を縛って猿轡でもかませれば暴れたり叫んだりしても邪魔になりません」
「優」
「無理矢理滅茶苦茶にして痛くしてもいいんですよ?立花さんだっていつも面倒だって思ってるんじゃないんですか?」
「降りなさい」
「じゃあ、せめて道具だけでも使ってください。大丈夫、俺痛いのは慣れ…」
「嫌だ。何故お前はいつも自分から傷付きたがるんだ」

だって、母さんは俺が大事だから好きだから叱るんだっていつも俺に手をあげた。
だって、無理矢理俺を犯した叔父さんは俺が可愛いからこうするんだって言ってた。
俺の背中にカッターナイフで名前を彫った元カノは俺を自分だけのものにしたかったって言ってたから。
俺を好きだって言ってくれた人はみんな俺に痛いことをしたのに、どうして立花さんはしてくれないんだろう。

「痛い方がいいです。そのほうが、いっぱい俺を思ってくれてるような気がする」
立花さん以外何も見ないように、この目をあげてもいい。
立花さん以外何も触れないように、この腕をあげてもいい。
そう言うと、悲しそうな顔で立花さんは笑った。
「そんな風にしなくても、幾らでもお前を好きだって言ってやるよ」

まるで何かから守るように抱きしめられて、立花さんの心臓の音を聞きながら目を閉じる。
「俺はな、お前がもうそれ以上傷を付けるのを見たくないんだ」
抱きしめるその手で肉を抉られたい、キスされながら呼吸を止められて食いちぎられたっていい。
立花さんになら、どんな痛いことでも俺は嬉しいのに。
「俺の言ってる事が分からないなら、分かるまで一生かかっても教えてやる」

『痛くない好き』なんて知らない。
でも、俺の頭を撫でるこの手は嫌いじゃない。

361 :1/2:2009/08/25(火) 02:20:24 ID:NIm5KguUO
「先輩!もう何度目かも分からないですけど、僕諦めません!……好きなんです!僕と付き合って下さい!!」
「お断りだ。一昨日来やがれ」
「だー!!もう何でですか!僕の事キライじゃないって、最初に告白した時に言ってくれましたよね!?」
「あぁ、ルックスはすげぇ俺ごのみ。背ぇ高いし、ガタイいい割にマッチョじゃねぇし、面もイケてる」
「じゃ、何でダメなんですか!いい加減せめて理由位聞かせてもらえないと、僕も踏ん切りつきませんよ」
「そうだな、そろそろ本気でウザくなってきた」
「……何気に酷いですよ先輩……」
「じゃ、理由教えてやる。但しこれは俺のトップシークレットだ。他言したら殺す、社会的な意味で」
「絶対誰にも言いません。つか言えませんよ…」(先輩怖ぇ…)
「……まず1つ目。俺はお前が大学入学してくる直前の、去年の3月まで付き合ってた男がいる。そいつとは別れたけど、未だに俺は未練の塊だ」
「…その人がまだ好きなんです…か?」
「いや、ソイツの事は別に?」
「……へ?」
「焦らねーで最後まで聞け。……2つ目。ソイツはドSで、俺はソイツにいい様に調教されて超ド淫乱なマゾになった」
「……っ!?」


362 :2/2:2009/08/25(火) 02:23:33 ID:NIm5KguUO
「だから、ソイツと別れた今、ソイツはどうでもいいが『奴に仕込まれたSMプレイ』には未練タラタラ」
「…………っ!?」
「お前今、すげぇバカ面…。ま、3つ目。そんな訳で、偶に俺はSM倶楽部に行っては発散してる」
「な……っ!」
「4つ目。俺を綺麗だなんだ言うお前を、俺と付き合わせたら汚すような気がする」
「…っ、ちょっと待って下さい!!それどういう…っ」
「最後まで聞け。5つ目。こういう話をしたらお前はきっと言うだろ。『僕が先輩を満足できる様に頑張ってみせます!』って」
「当たり前です!頑張って先輩を…」
「それじゃダメだろ。お前が犠牲になるだけだ」
「……」
「6つ目。その優し過ぎる性格。ドSには程遠いお前を俺が堕落させるなんてダメだろ」
「…………先輩、それはつまり、俺が大事だから付き合えないって事なんですか?」
「あぁ」
「…バカにしないで下さいよ…。僕だって男です。そういうプレイには興味有りますし、できますよ!」
「……」
「せめて一回、試してみて下さい。それでもダメなら諦めます」
「……マジお前バカ。折角逃がしてやろうとしたのに」
「う、うわっ!?先輩なんですかいきなり」
「試してみるよ。ゴメンな」
「そこで謝らないで下さいよ…。もう黙って」
「あぁ…。満足させてくれよ?」

363 :361-362:2009/08/25(火) 02:25:05 ID:NIm5KguUO
リロードしたんですがかぶってしまいましたごめんなさい!!
スレ汚しすみません……orz

364 :風と木の名無しさん:2009/08/25(火) 02:45:19 ID:msV8ZO9w0
一つで二度おいしい?

上のは続きが気になるな、泣ける…
下のはバカっぷるになるんですね

365 :風と木の名無しさん:2009/08/25(火) 03:04:28 ID:uUBnfz5eO
>361-362
せっかくなんでまとめに再投下するよろし。

>360
超萌えた。無理に痛いことに慣れてしまった受けが切ない……。
攻めの優しさが報われるといいですね。GJ!

366 :風と木の名無しさん:2009/08/25(火) 09:52:34 ID:8YQxmuO80
>>360
なんていうかもう本当にごちそうさまでした

367 :風と木の名無しさん:2009/08/25(火) 11:18:44 ID:lbc/VKMO0
>361-362
まとめ投下でいいと思うよ〜。
>360
立花さんの最後のセリフがいいね。かっこいいです。

368 :風と木の名無しさん:2009/08/25(火) 11:40:31 ID:APAP4KWZO
どんどんいこー

369 :風と木の名無しさん:2009/08/25(火) 11:49:01 ID:gSZ7nqIAO
ゴッホが耳を切った理由

370 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 01:08:52 ID:IftlxeaR0
止めてくれ、と思った。
もう何も聞きたくない。批評する声も、
お前は才能がないと嘲笑う声も、女たちのくすくす笑いももう何もかも聞きたくない。
描けと脳の奥で木霊する自分じゃない誰かの声も。
指の先から溢れる色彩なんて持っちゃいない、真っ白なキャンバスの前で明確な
デッサンが浮かぶわけでもない。
俺はお前の絵が好きだよと遠い記憶の向こうで、それだけを頼りにしてきた誰かの
声ももう聞きたくない。
聞きたくないんだ。
描き出した己の姿は、自分を肯定する声を拾うかの様に耳が歪で、それが心底惨めだった。
もう聞きたくない。
批評も、批判も肯定も否定も神の導きも全て要らない。
削ぎ落とした耳の向こう、歪な形の耳はそれでもまだ音を拾い続けた。
描けよと。
俺はお前の絵がとても好きだよと。


371 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 01:10:58 ID:AtKM64hM0
うおおおお最後の二行に泣いた!
GJ!

372 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 04:07:51 ID:7dDsDcrrO
ゴーギャンを求めてやまないゴッホを非ヤンデレで書く、か
新鮮でいいね

373 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 09:44:54 ID:3UmZ+o6s0
雰囲気が滲み出ててGJ!
いいなぁ、ぐいぐい引き込まれる感じがすごく好き

374 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 10:01:39 ID:TJa4MlgQO
これは2人の背景を知ってるとたまらんですね。
ゴーギャンも意外とツンデレだったりするんでそっち視点の話も読んでみたい。

375 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 12:14:29 ID:nI0o7D4R0
個人的には、テオも入れてあげて欲しい
テオ→ゴッホ→ゴーギャンの一方通行に萌ゆる

自分脳内だと、ゴッホはヤンデレで固定されてたのでちょっと新鮮だった GJ!

376 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 12:25:46 ID:PT9gBT/2O
ここ二次は禁止じゃなかったの?
これ実在の人物で生(干物)だと思うのだけど

377 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 12:34:57 ID:dZ/0Iiba0
本文に名前が入ってないから、同じような関係性の人達って
思えなくもないし、セフセフじゃない?

378 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 12:52:53 ID:geBnBwFv0
*0だけじゃなく*9も気をつけろってことかね
>>1の注意事項にも固有名詞はやめろってあるし

はい踏み台

379 :風と木の名無しさん:2009/08/26(水) 13:04:08 ID:7dDsDcrrO
高すぎる腕枕

380 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 14:45:09 ID:0X79zjBS0
残念お流れ

381 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 15:22:16 ID:A4KqvFkc0
お題自体に萌えたのに残念

382 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 15:31:23 ID:EmGrjISG0
気を取り直してまわし

383 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 16:20:45 ID:SmZEdhsz0
人が少なかったのかも。残念まわし

384 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 16:40:22 ID:0X79zjBS0
まとめのチラシの裏で、考えてしまって萌えられなかったから
書かなかったって人がチラホラいたから、
少なかったって訳ではないと思う。

385 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 16:48:22 ID:X7Prqc2sO
受の上腕二等筋を枕に眠ろうとしたが
思いの外マッチョで失敗する攻とかならありだと思います

386 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 16:52:32 ID:3BGY8cuOO
「腕枕?5万でやったるわ」とかいう高さもいいよw

387 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 18:08:19 ID:il4tmDGg0
「腕枕」だけだと萌えの幅が広がったと思うのだけど。
私もよくわからなかったので、萌えた>>381みたいな人に是非ゲトしてほしかったな。

388 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 18:15:59 ID:+WhXlVHj0
さあ踏んでおくれ

389 :風と木の名無しさん:2009/08/27(木) 18:18:41 ID:3HtCb9pNO
ヤなこと全部押し付けてるようで実はオイシイとこ譲ってくれてる上司

390 :風と木の名無しさん:2009/08/28(金) 10:30:14 ID:vQZtf28Y0
「ヤなこと全部押し付けてるようで実はオイシイとこ譲ってくれてる上司」

上司×部下で。
上司のもとに配属されてきた部下は優等生タイプ。
反対に上司は器は大きいが、細かい事が苦手なタイプ。
上司は内心「おぉ、こんなデキる部下が来てラッキー!」てな感じで、どんどん雑用を
振っていくんだけど、何故か部下は嫌がらせと勘違い。
ツンケンした態度をとりつつ、必死に業務をこなしていく。
端目からは「どう見てもいいコンビです本当に(ry」状態だが、二人は気付かない。
二人は会社の一大プロジェクト(数社競合のコンペ・プログラム開発など何でもおk)
に向け、会社で連日泊まり込みで作業。
上司が部下の寝顔に見とれたり、部下が上司の何気ない優しさにキュンときちゃったり
して距離が近付いていく。
そしてプロジェクトは大成功、社内で表彰される上司。
しかし「この賞をもらうべきは、私でなく彼です」と、部下を引っ張ってくる。
恥ずかしくなる程部下を誉めたたえ、最後には「これからも支えてほしい」的な
言葉でしめる。社員からの賞賛の拍手を受けつつ、ドキドキが止まらない部下。
「これからも支えてほしい、ってまるでプロポーズ!?」と頭がぐるぐる。
その後は「上司or部下の自宅で打ち上げ→告白→Hなだれこみ」でも、
「連日の寝不足がたたって仲良く爆睡→上司の腕で朝を目覚めた部下パニック」
でもお好きな感じで萌えて下さい。

391 :風と木の名無しさん:2009/08/28(金) 19:25:45 ID:LCmgnM+m0
おおおナニソレ萌える
久しぶりに萌え語りですな

392 :風と木の名無しさん:2009/08/28(金) 20:09:59 ID:EowW8pCNO
ちょ、ま、萌える…!!
GJ語り!

393 :風と木の名無しさん:2009/08/28(金) 22:24:01 ID:qfOCG+IRO
萌え語り久々だね!
SSもいいけどやっぱ萌え語りもいいなー

萌えさせていただきました、GJ!

394 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 00:00:04 ID:aSU9HT6Y0
なんて美味しい…
これ、正面切って告白するとしたら上司と部下のどっちが行くんだろう
上司からストレートにでもプロポーズと勘違いした部下からでもいいな
素晴らしく萌えました、GJ!!

395 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 00:05:02 ID:4ZVUXZ5w0
いいねえこれで小説一本書けるね

396 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 08:56:10 ID:2afWVmOY0
次に向かってまわす

397 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 09:50:45 ID:upRnxvrCO
私もまわすよ!

398 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 09:52:13 ID:s1+8c32fO
遠慮することはない。踏むがいい

399 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 09:56:07 ID:EFDn6dfxO
大の大人が半ズボン

400 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 09:57:27 ID:FVUwbhfPO
身長差を気にする年下攻め

401 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 11:33:21 ID:FVUwbhfPO
大の大人が半ズボン、から連想したのが『なんか色々ダメな大人』
大人らしくない大人×しっかりした子供 が好き
普段着がジャージや半ズボン。生活能力皆無
受けがしょっちゅうご飯とか作りに来たりして、(なんか…恋人みたいだな)とこっそり照れてみたりするんだけど
「ああもう先生また何週間も掃除してないでしょ!せめて書類関係は整理してください!」
「悪いな〜。先生掃除とか苦手なんだよ」
のやり取りで 恋人と言うよりオカンと息子じゃないかと一人ツッコミを入れてみたり
「先生お前がいないと全然ダメだな。もう嫁にこいよ」
なんて言われて一喜一憂したりする受け

このままの関係でもいいと思っていたのに、先生に女性の影が
思いあまって告白したけれど、こんな時だけ「生徒とそんな関係にはなれない」と大人になられてしまう
それ以来距離が出来てしまい最低限の会話しかしなくなる二人
そして受けの卒業式。スーツ姿の先生が
「もう一回俺のことを好きになってください」と告白
「あんた馬鹿ですか…嫌いになった事なんか無いですよ大馬鹿!」

と言うのが浮かんだけれど着地点が半ズボン関係なくて申し訳ありません
今後リロミス気を付けます

402 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 12:08:17 ID:dwXVAKTc0
リク被りなのに、萌え語りだ〜
新鮮!お疲れ様でした!

403 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 12:21:32 ID:OSorWuLa0
>>401
この二人のやりとり萌ゆる…
そうだよ、ダメな大人は大人にならなくて良いんだよ先生!
告白された生徒の返しがたまらん

卒業式こそ半ズボンで…!と思ったがそれじゃギャグか

404 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 12:23:57 ID:Dyb8qGMD0
告る時が短パンならいんじゃないかw?
そんなラフな先生が大好きです的な…ともかく乙でしたw

405 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 12:49:28 ID:FFQV0PsH0
普段が半ズボンとか短パンとかラフな格好しかしない人が
ここぞというときにビシッとスーツとかだと萌えるってことなのかな?

406 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 13:21:39 ID:prv3ft6S0
描写されてないはずのスネ毛が見えるよ
いいな…

407 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 14:43:37 ID:gLF/kzGgO
いい年して半ズボン履いてるダメな大人萌える
いい萌え語りGJ!

408 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 15:00:49 ID:BOm0UgIk0
僕を踏みたまえ

409 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 15:01:02 ID:TkxQFibHO
さあ踏め!

410 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 15:27:19 ID:Jh1Lh1m5O
「さあ僕を踏むといいさ」
そう言われて、はいそうですかと踏みつける事ができる人間が一体どの位存在しうるのか
俺は途方にくれて天を見上げた後、目の前でタルーンと寝転がる彼を見つめた
「ふふふ、何を混乱してるんだ?踏め踏め僕の腹をグリグリしろ」
彼は更に仰向けになると身悶えながらじりじりとにじりよって来た
踏めと言われてもなぁ「間違えて腹を蹴ったらどうするんだ」
そう問うと、いきなり涙目になって怯えだした
「酷い、酷いよ、僕をいぢめるの?」
…踏むのはいいのか?
「それはスキンシップだから!愛情だから!!」
愛情なのか…
俺はそっと足を上げ、柔らかい腹にそっと乗せた。そのまま撫でる様に上下させる
いや、本当に足で撫でていたんだ。彼はすこぶる機嫌良さげで嬉しいらしい
さて、もういいだろう。「立ちなさい。お散歩にいくぞ」
「ワ〜イお散歩お散歩〜!!」
飛び起きた彼はキャッキャと跳ね廻る。尻尾は千切れそうな程にブンブンと振り回してる
動物の言葉が分かるというのも、意外に疲れるモノなのだ
ペットショップで泣いていた姿に一目惚れして買ったのだが…
まぁ、幸せだからいいか。
俺はリードを手に玄関に向かった。

411 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 15:31:25 ID:prv3ft6S0
かあわいいいいいいい

412 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 15:32:23 ID:PHLkFmIi0
とてもかわゆい
わんこの犬種が気になる

413 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 16:26:58 ID:M1FE+XM60
犬バカには堪らん…萌え悶えた

414 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 18:35:02 ID:o79zGDo2O
かわいいいいい!GJ!

415 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 21:03:54 ID:Rvxxw+dy0
そうだったのか。今まで踏みたいけど嫌かな?とか思ってたけど
ためらいなく踏んで良いんだな!望んでるんだな!ありがとう>>410
ああ、でもうちのは猫だ。

416 :風と木の名無しさん:2009/08/29(土) 21:40:54 ID:ri0mACzFO
ちょ、ちょっとうちの犬踏んでくる!

417 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 01:28:08 ID:YyDrqKJbO
かわいいぃぃぃ!!
ウチの犬も踏まれるの大好きなんだよな…w
GJでした!

418 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 01:29:26 ID:ADbd7Lmt0
んじゃMの俺を踏んでくれ

419 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 01:30:25 ID:QNkjL/6Y0
思い出のなかに生きる人と見守る人

420 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 03:17:26 ID:rfHOXKWMO
会話の途中で目が不自然に揺れたのに気づいてしまった。
テーブル横の通路をトレーを持った集団が通りすぎる。
夕方のファーストフード店。学生らしき客が多く、店内は雑然としていた。
この席もそうだった。
確か、クラス委員長の山本の彼女が可愛いらしいという会話だった。
「で、可愛いって何系よ?」
何も気づかない振りをして話の続きを促す。
「ん、あー…、あっ○ーな?らしい」
「マジか!それは意外なとこきたな」
だよな、と笑う。さっきの一瞬なんてなかったことになった。
これでいいんだと安心する。
たまに見せる表情に本当は気づきたくなかったんだ。
いつも同じ他校の制服を目で追うことも、その似合わないピアスを触る癖も知ってる。
ワックスを変えた時に微妙に避けられていたのも分かってた。
だけど理由は知らない。知りたくもない。
なぁ、もっとくだらないことを言って笑おうぜ。
その方がお前には合ってると思うんだ。
ポテトをかじりながら山本尾行計画を立てるお前が、そんなお前が好きだよ。

421 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 09:12:05 ID:/j0qLnlG0
色々と想像はめぐるが、頭の悪い自分には微妙に分かりづらい・・・

422 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:35:04 ID:PbKTi0fKO
好きなシチュだ!
ただ漫画にしたらもっと分かりやすい情景になるかもなと思いました。

423 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 09:47:02 ID:T5Iyfg6W0
その微妙な所がよい。GJ

424 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:01:54 ID:QNkjL/6Y0
うん、文脈から見える微妙なラインが堪らない
指定に応えて下さりありがとうございます、GJ!

425 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 13:48:23 ID:V4Q+Tk650
話者→お前→香りのあるワックスを使う他校の誰か で、他校の誰かは既に思い出なんだな。
多くを語らない感じが好きだ。もどかしい関係も大好きだ。

426 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 21:42:23 ID:hWLP2+SF0
ここまで書かれると続きが読みたい
GJでした

427 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 22:05:52 ID:yMnanKXV0
BLともはるき系ともつかない雰囲気が好きです、GJ!
軽い今風な学生なのに、ひどく一途なお前と自分を抑えて見守ることの出来る俺に萌えた。


428 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 22:12:00 ID:2HdtOxW1O
さあ、踏むのです!

429 :風と木の名無しさん:2009/08/30(日) 22:12:19 ID:6KVSsrQg0
バレエダンサー×ストリートダンサー

430 :風と木の名無しさん:2009/08/31(月) 00:10:37 ID:Z1SNFeGo0
超絶に個人的なイメージでこういうキャラクターを想像した↓
<攻:バレエダンサー>
・幼少の頃からバレエ一筋に打ち込んできた
・いい家のお坊っちゃんだが、甘やかされずかなり厳格に育てられた。語学に堪能。ペラですペラ
・自信家だが、それは相応の努力をして熾烈なライバル争いを勝ち抜いてきたため
・自分に厳しく、他人にも厳しい。その対象はバレエは勿論、日常生活にも及ぶ。
 体調管理・体重管理のため、食生活に気を遣う。自炊もする。掃除もきちんとする。若干、神経質
・バレエに誇りを持っており、茶化すような発言をする人間には絶対零度の視線を向ける
 (例:バレエの衣装って、着るの恥ずかしくね?w)
・舞台に立つだけあって表情を作るのは豊かだが、プライベートではあまり笑わない
・「バレエ馬鹿」なので、世間一般の若者的常識には疎い
・父、母、姉。母さんピアノの先生とか、姉さんバイオリン弾けるとか、そういう一家

<受:ストリートダンサー>
・友達と遊び半分で始めたダンスだが、今では本気で取り組んでいる
・家族は「飽きっぽい○○が」と珍しがられている。「勉強もあれくらい頑張ってくれたらねぇ…」
・友達が多く、街へ出れば誰か知り合いがいるという感じ
・日常生活はハッキリ言ってだらしない。週に何回かはファストフード店。部屋汚い
 その一方で、日々の筋トレは欠かさない等、地道な努力もしている。
・ダンスに関しては妥協したくないと思っている。それでチームのメンバーと意見が衝突することも。
・よく笑いよく怒りよく落ち込む。短気。友達を馬鹿にされると頭に上る血の速度が速くなる
 公園で練習しているが、近所迷惑にならないように心がけるなど多少の気遣いが出来るようになってきた。最近
・夢中になっていることはダンスだが、若者らしくいろいろなことに興味がある
・父、母、ちびっこ弟妹、犬。賑やか家族

最初はお互い印象が悪いといい。「いい加減な奴」「偉そうなヤツ」くらい
でもそのうち、バレエはストのひたむきな部分に気付いて彼を見直したり
ストがバレエが抱えるある種の孤独を知ったりする展開希望

それと二人とも足腰が鍛えられてるだろうから、あれのときはアレでアレだろう

431 :風と木の名無しさん:2009/08/31(月) 01:19:03 ID:Wd27C6WsO
>>430
>あれのときはアレでアレだろう にワロタww
お題を見て想像つかなかったから具体的に書かれてて萌えました!
あれのときのアレでアレな二人も見てみたいもんですなあ

432 :風と木の名無しさん:2009/08/31(月) 20:07:13 ID:HgBF2Fa2O
最後の一行w
想像力を掻き立てられる萌え語りGJ!

433 :風と木の名無しさん:2009/09/01(火) 17:21:30 ID:74dz1AB10
ダンサー物は難しいよね〜

434 :風と木の名無しさん:2009/09/01(火) 18:53:13 ID:E2PTchsx0
アレでアレだよな
すごいだろうなwww

435 :風と木の名無しさん:2009/09/01(火) 19:25:39 ID:c/DNhZU90
しばらくアレと言われる都度にやけてしまいそうですw

436 :風と木の名無しさん:2009/09/01(火) 21:25:35 ID:b3tX46M00
すばらしいwww

437 :風と木の名無しさん:2009/09/01(火) 21:48:21 ID:R8DfDtUvO
踏み台の前座

438 :風と木の名無しさん:2009/09/01(火) 22:09:36 ID:TLeqPFfGO
お前の前座を無駄にはしない

踏み台

439 :風と木の名無しさん:2009/09/01(火) 22:12:55 ID:Ffem744w0
どちらかしか選べない

440 :風と木の名無しさん:2009/09/02(水) 22:04:58 ID:71Ng28hc0
「ああああどうしよう! 俺選べないっ!」
アイスクリームのショウウインドウを前に、ユキオが頭を抱えてうんうん唸っていた。
ユキオは、二百円ちょいしか持ってない。俺はおごってやる気なんぞこれっぽっちもない。
だからコーンにアイスをダブルで盛るとか、ましてやトリプルにしてうはうはするなんてもってのほかだ。
ミントかチョコチップ。俺の隣で、彼はどっちにしようか決めかねている。かれこれ二十分。
店内に客は二人。そろそろ、店員さんの笑顔がある手前いづらくなってきた。接客ってなんて大変な仕事なんだ。
「河野ぉ、ねえどっちがいいかなあ。もうおまえ選んで!」
小動物みたいな目でユキオが俺に嘆願してくる。おおげさに肩を竦めて、じゃあミントにしなと頭をぽんぽんした。
素直にユキオがミントを注文し、受け取って隅っこの席に座った。
俺はそれを追わず、自分ぶんのアイスを頼んでからその横に腰を下ろす。
ユキオの手にはミント。俺の手にはチョコチップ。
「ああっ、チョコ! チョコチップ!」
にやっと薄ら笑いを浮かべて、大慌てのユキオにコーンに載っかったチョコチップアイスを見せびらかす。
悔しそうに眉をひそめ、ユキオは自分のミントにかぶりついた。子どもみたいでかわいいやつだ。
俺はチョコチップを、スプーンで深くすくった。
「ほれユキオ、あーん」
ぱあっと、一瞬でユキオの顔が晴れやかになった。明るすぎる笑顔。
やっぱりいいと思う。好きなやつが笑うのを見るのは、すごくいいと思うんだよ。
けど俺はミント嫌いだから、いらねえからな、ユキオよ。

441 :風と木の名無しさん:2009/09/02(水) 22:47:50 ID:ms/TD7pV0
お流れ8分前のGJ!!
どっちもかわいいなあ…
あえてスプーンで分けるところもベタつきすぎず子供同士らしくて良いです。乙!

442 :風と木の名無しさん:2009/09/03(木) 11:40:48 ID:BDv9OLjF0
お流れ直前だったんだ
子供だったのか。なぜか高校生くらいかと思ってた…。
子供なのに自分は子供だと思ってないのがかわいいね。

443 :風と木の名無しさん:2009/09/03(木) 17:43:55 ID:Q2ZrB/JR0
かわいいー!
三角関係系のしか思い浮かばなかったから、
こんなかわいいのがくるなんて思わなかった。
心の底からGJ!

444 :風と木の名無しさん:2009/09/03(木) 23:27:32 ID:ytDJfL3E0
アイスいいなぁ
すごいかわいいです GJ!!
自分はどっちが受けか攻めかでもめてるふたりしか思いつかなかったw

445 :風と木の名無しさん:2009/09/04(金) 13:03:47 ID:Y3zBGrx60
ふみふみしてしまってもいいかな?

446 :風と木の名無しさん:2009/09/04(金) 13:04:37 ID:BzCCueJ10
すごいドロドロくるの予想してたから和んだw

447 :風と木の名無しさん:2009/09/04(金) 14:16:44 ID:HGNDM1RVO
ささ、踏み台の踏み台です

448 :風と木の名無しさん:2009/09/04(金) 14:34:22 ID:U80NGNbX0
こ、今回はしょうがないから俺が犠牲になってやるよ

449 :風と木の名無しさん:2009/09/04(金) 14:43:56 ID:3kgwP2VLO
手と手が触れた

450 :風と木の名無しさん:2009/09/05(土) 00:02:02 ID:fIsvHtmJ0
話しかけてもほぼ無視。あいつは昨日のケンカをまだ引きずってる。
悪いのは僕じゃないって、向こうも分かってるはずだ。だからこちらからは謝らない。
今日のパーティにはただでさえ知り合いが少ないってのに、あいつがあんなんじゃ、喋る人間がいない。
つくづく自分の人見知りっぷりに嫌気がさす。
さり気なく隣に座る。あいつは僕を一瞥して向かいの人間と喋ってる。あいつの社交性が羨ましい。
机の下に置かれた手の横に、さりげなく自分も手を置く。
触れたとき、やつの手が少し動いたところをみると、向こうも気にはなっているらしい。
でも、意地でも話しかけてこないんだな。笑っている横顔にムカついてくる。
誰かが僕の名を呼んだ。
苛ついていた僕はいいきっかけができたとばかりに、席を立とうとした。
でも、できなかった。
机の下であいつが僕の手を掴んで離さない。
あいかわらずこちらを見もせずに、やつは向かいの席の人間と喋ってる。
どうすべきか。

僕は自分の手の上に置かれたあいつの手を握り返した。

451 :風と木の名無しさん:2009/09/05(土) 03:34:34 ID:XsaJZZ0E0
仲直りかわいいよ仲直り
盛装の成人男子二人がそわそわしてるの想像して萌えた
GJ!

452 :風と木の名無しさん:2009/09/05(土) 03:57:44 ID:BPG0WO24O
大人びた小学生からおじ様まで妄想可能でなんておいしいんだw
小学生の場合同い年いとこで
おじ様の場合相手はうんと年下がいいな
GJでした!

453 :風と木の名無しさん:2009/09/06(日) 03:24:40 ID:Gdg8+SwV0
パーティーと聞くと、大正時代とかを妄想しちゃう
落ちぶれ貴族なんてのもいいなぁ

454 :風と木の名無しさん:2009/09/06(日) 07:35:43 ID:Eb6XSmxPO
自分は、海外ドラマなんかでよくある
「大人ぶりたい高校生が集まる夜のパーティー」みたいなのを想像した

二人とも良い具合に青臭くてかわいいなぁ
GJ!

455 :風と木の名無しさん:2009/09/06(日) 15:53:55 ID:Op7e+EDa0
なんとなく親関係で連れて行かれた系を想像した。
親の仕事関係のパーティ。あいつは幼馴染みかご近所さんかな。

456 :風と木の名無しさん:2009/09/06(日) 17:40:42 ID:sQ4t12z5O
西欧の貴族な感じで読んでたが、みんな捉え方が様々でワロタw
GJ!

457 :風と木の名無しさん:2009/09/06(日) 18:10:42 ID:YG5AT4YoO
こういう想像の幅が広がる作品もいいね!
絵にしたら美しい短編マンガになるなぁと思った。
ごちそうさまでした。

458 :風と木の名無しさん:2009/09/06(日) 18:11:38 ID:xHr6yvl10
僕を跨いでいきなよ

459 :風と木の名無しさん:2009/09/06(日) 18:15:53 ID:hnE8xDF30
同僚カップルとその片方に片思いする後輩

460 :風と木の名無しさん:2009/09/07(月) 14:34:24 ID:DFYxCJcX0
「大槻さんってえ、ほんっと超かっこいいすよね。出来る男って感じでえ」
「もっと褒めていいよ」
大分酔ってたけど向こうも酔ってたみたいで、普段真面目な大槻さんが冗談めいたことを言っていた。
俺が注ぎすぎてこぼして、すいませんと言ったのも気に留めてないようだった。
何話したかよく覚えてないけど、とにかく大槻さあん大槻さあんと言っていたら先輩が来た。
「お前どんだけ飲んでんだよ、後輩に情けないとこ見せんな」
大槻さんはふいと顔を背けて、先輩を故意に無視している。まあ二人はそれだけ気安い仲なのだ。
俺は大槻さんの仕草が子供っぽすぎてちょっと笑った。
「早く帰れ。陣内さん一緒の方だろ、今帰るとこだから」
「帰らねーよ」
「帰れアホ」
先輩は口汚くそう言いつつもかいがいしく大槻さんの世話をして、酔ってふらふらな身体を引っ張り上げた。
「ごめんな、こいつ酔うと全然なんだよ」
わざわざ俺を振り返ってそう言ってくれたけど、俺は若干仲間はずれのような気がして寂しかった。

たまたま駅が近くて、先輩と俺も一緒に帰ることになった。まだほろ酔い気分でぽーっと歩いていると、先輩がふいにぽつんと言った。
「大槻につきまとうのやめてくんないかな」
「えっ」
それでいっきに酔いがさめた。
「つきまとってなんか」
先輩は睨むようにこっちを見ていた目をふっと逸らした。
そして少しためらうように間をおいたけれどきっぱり口にした。
「俺たち付き合ってんだよね」
何て言ったらいいのか分からず口ごもっていると、返事も待たずに先輩の方が先に歩き出した。
「ごめん」
そう呟く背中を慌てて追いかける。先輩はこっちを振り返らずに、また小さい声で言う。
「おかしいよな俺、こんなこと急に……おかしいよな」
その時俺は、もしかすると先輩と大槻さんは上手くいってないのかもしれないと思った。
そしてもしかすると先輩は今泣いているのかもしれないと思った。
「確かに俺は大槻さんに憧れてて、好きですよ。うらやましいです。大槻さんみたいな人になりたいです」
俺は誤解をときたくて、焦りすぎて気が動転してしまった。そして余計なことまで言ってしまった。
「だって大槻さんは先輩の恋人じゃないですか」

461 :風と木の名無しさん:2009/09/07(月) 17:01:36 ID:6OoSmzko0
おお、そっちに片思いだったか!
しかし、先輩かわいいな。カミングアウトすることになっても大槻さんを
取られたくないんだなw

462 :風と木の名無しさん:2009/09/07(月) 19:50:31 ID:FQHO62UI0
見事な展開だ、乙
先輩可愛いなぁ

463 :風と木の名無しさん:2009/09/07(月) 21:22:57 ID:aPPK21bRO
無条件に敵意もつとかじゃなくて
好きな相手の恋人もある意味認めて慕ってるのツボだー
切ないなぁ…おまけに先輩に勘違いされて
この直後の先輩のリアクションが気になりすぎる

464 :風と木の名無しさん:2009/09/07(月) 22:19:02 ID:oWH2akzF0
おお、これは良い雰囲気!
片想いいいよ片想いモエ!

465 :風と木の名無しさん:2009/09/07(月) 22:26:26 ID:gpxCAId/0
そうか、先輩の方なのか、そして上手くいってないのか……
渋いな。苦くて切ないって感じだな。先輩の葛藤が禿萌える。
後輩の気持ちもどうしようもなくて良いな。
大人っぽいなー。これはGJ。佳作だなぁ。

466 :風と木の名無しさん:2009/09/08(火) 09:47:15 ID:TxA6zw6s0
個人的にはうまくいってない方がうまくいってくれるといいな。

467 :風と木の名無しさん:2009/09/08(火) 21:01:15 ID:0Va4pVCsO
そのうち大槻さんが本命になる展開も萌える

468 :風と木の名無しさん:2009/09/08(火) 22:15:29 ID:/Fe6iiPS0
どうにでもしていいよ

469 :風と木の名無しさん:2009/09/08(火) 22:16:20 ID:iStGYSt+0
中二病×中二病

470 :風と木の名無しさん:2009/09/09(水) 22:36:12 ID:FOD7ta3c0
お流れ?残念まわし

471 :風と木の名無しさん:2009/09/09(水) 23:04:44 ID:5i2ZVxnc0
残念でしたまわし

472 :風と木の名無しさん:2009/09/09(水) 23:10:51 ID:s+G2cbi/0
厨二病っていうと邪気眼とかエターナルフォースブリザードとかラ・ヨダソウ・スティアーナとかテンプレしか思いつかなくて書けなかった!
読みたかったなあ

473 :風と木の名無しさん:2009/09/10(木) 00:53:19 ID:U0iVJp2m0
まわします

474 :風と木の名無しさん:2009/09/10(木) 05:14:15 ID:vuuW4f8GO


475 :風と木の名無しさん:2009/09/10(木) 06:19:14 ID:eKOI94Ci0
まわしまわし

476 :風と木の名無しさん:2009/09/10(木) 09:12:13 ID:mSTnd35h0
中二病への片思いとかならなんとかなったかもだけど、
中二病同士を絡ませるというのは、無視しあうか、対立して論争か、
意見一致して電波ゆんゆんか、になっちゃって萌えにいたらなかったよ。
次のお題はなんだろな回し。


477 :風と木の名無しさん:2009/09/10(木) 10:20:54 ID:bSDl/Y2H0
どすこい まわし

478 :風と木の名無しさん:2009/09/10(木) 12:22:20 ID:ezpg7piI0
さあ踏め!

479 :風と木の名無しさん:2009/09/10(木) 12:23:40 ID:Ort8jbzp0
家族か恋人か

480 :1:2009/09/11(金) 00:22:23 ID:+Az/O0Ax0
同棲していた恋人と別れた。
理由は、奴が実家から勧められたお見合い相手との結婚を決めたから。
そりゃなあ、銀行関係は結婚して初めて信用できる一人前の銀行員として
認められるそうだから、いつかはこうなることはわかっていたんだが。
わかっていたからと言って、平静でいられるわけじゃないんだよな。

ともかく、奴の部屋は出て行かなければいけなかった。
元々最小限だった荷物を抱えて転がり込んだのは、年子だけど同学年の
弟の裕樹の部屋。
ルームシェアしていた友人が海外赴任で出て行った直後だなんて、すげえ
タイミング良くて笑える。
風呂上りに、共有リビングで共有キッチンの冷蔵庫に冷やされていた裕樹の
ビールを飲む。
俺はいつも発泡酒ばかりなのに、裕樹の奴、エビスなんぞ常備してやがる。生意気な。
俺が5本目のエビスのプルタブを開けたところで、風呂から裕樹が出てきた。
「基樹、風呂に入ったら蓋をしろよ。お湯が冷めて沸かしなおすガス代が
もったいない....って、俺のエビス!」
「大丈夫、風呂上りの一杯用には烏龍茶が残ってるから」
「大丈夫じゃねーよ!あーあ、5本中5本飲むかね、人のビールを」
「いいだろ、家族なんだから」
俺が5本目のビールを掲げて言うと、裕樹は微妙な顔をした。
ちょっと眉根を寄せて、怒ってるのとはちょっと違う...なんだ?まあいいや。
「家族と言っても今の家計は別なんだからな。後できっちり代金払えよ!」
「エビス飲めるお金持ちがせこいこと言うなよ」
「俺にとっては金曜日夜の風呂上りのエビスが唯一の贅沢なんだよ!タバコも、
外での飲みもやめて、自炊に手弁当、車も手放して、唯一の楽しみなんだよ!!」
「何でそんなに切り詰めてんだよ?結婚資金か?ちくしょー、お前も結婚なのか?
いいですねえ、幸せで!」
冷蔵庫から烏龍茶のペットボトルを取り出してソファーに座った裕樹を後ろから
チョークスリーパーで締め上げる。
裕樹は意外に強い力で俺の腕をゆるめると、むっとした顔で言った。
「そんなんじゃない!」

481 :2:2009/09/11(金) 00:23:28 ID:+Az/O0Ax0
「隠すな、隠すな〜。兄ちゃんに言ってみなさい」
「老後資金だよ。俺、一生結婚しないから」
「結婚しない?なんだ、お前もゲイだってか?」
「そうだよ」
思わず、俺は裕樹からぱっと手を離してしまった。
「お前、何冗談言ってんだよ。笑えないぞ」
「本当だよ」
裕樹は背後に立つ俺を、イヤに真剣な顔で見上げながら言った。
俺は今まで見たことのない裕樹の表情から目をそらしながら、その場を誤魔化す
ように笑った。
「やめとけやめとけ、こっちの世界、んなに甘くないんだからさ」
「あのさ。基樹が初めて男とキスする前から、俺、ゲイだって自覚あったんだぜ?」
「ちょっと待て、俺の男とのファーストキスって...」
「高校1年の冬、人気のない放課後の教室で、当時基樹が好きだった同じクラスの
高橋が相手。高橋が彼女とキスしたいけど自信がないって相談してきた時に、『練習
させてやるよ』って....」
「やめやめやめ〜〜!そんな黒歴史二度と口にするんじゃねえ!何でそんなことまで
知ってんだよ?!」
「あの後、彼女と別れた高橋と付き合って聞き出した」
「は?!」
「基樹が好きな奴がどんな奴か、知りたかったんだよ」
裕樹の手が俺の腕を掴む。
ぐいと引き寄せられ酔いも手伝ってバランスを崩した俺の体を、裕樹の腕が抱き止める。
裕樹の顔がすぐ近くにあった。
「俺、ずっと小さな頃から基樹のことだけが好きだったから」
キスされるかと思った。しかし、裕樹は長いこと俺の顔を見下ろした後で、ぎゅっと一度、
俺の体を抱きしめただけで俺の体を解放した。
「そういうわけだから、あんまり隙だらけの姿を見せるなよ。俺の心の安定のために、
基樹はさっさと新しい恋人でも作って出ていくように」

482 :3 end.:2009/09/11(金) 00:24:24 ID:+Az/O0Ax0
「新しい恋人を作れって、お前はそれでいいわけ?裕樹が俺の恋人になりたいとかは
思わないわけ?」
「俺は、家族だから。弟だから。それは何があっても変わらないから、それで十分なんだ。」
「....裕樹、実は酔ってないか?」
「俺の飲みたかったエビスは基樹が全部飲んだ」
「......」
「でも、基樹は酔ってるからさ。これは酔っ払い基樹の夢だと思って忘れてくれ」
裕樹はソファーから立ち上がると、封を開けないままの烏龍茶のペットボトルをテーブルに
置いたまま、自分の部屋に入っていった。
「忘れろだって?忘れられるわけねえだろ...」
取り残されたリビングで、俺はエビスの缶を煽った。
この一缶で記憶が飛んでくれれば、明日どんな顔をして裕樹におはようと言えば良いか
悩まずに済むのにと思いながら。

483 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 01:36:41 ID:BH4XUZfY0
1缶くらい残しといてやれよ兄さんヒドスwwww
双子でも年の差でも萌えるGJ


484 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 01:45:35 ID:gFztZrPq0
>>480
あー、こういうのもありか
でも何か好きだな、こういう感じ
兄弟でくっついちゃうかどうかはともかく、2人とも幸せになって欲しいな

485 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 07:39:49 ID:vulVGscQ0
これは続きが気になる
いつも思うけど皆続きが気になる文章書くの上手すぎw

486 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 12:23:46 ID:KgxlHQeD0
小物使いがうまい!
こんな文章が書けるなんて羨ましいよ
GJ!

487 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 15:47:33 ID:TstrXOvgO
うわーもどかしい!
この後二人がどうなるのかが非常に気になります

488 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 15:49:39 ID:85aLGMRG0
さあさ、私を踏んでって

489 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 15:54:39 ID:zwT9h56BO
黄金時代

490 :1/2:2009/09/11(金) 20:18:59 ID:2K+8zC+90
部屋の掃除をしていたら、高校時代のアルバムが出てきた。
それは禁断の書のように、本棚の奥に眠っていた。
俺はそっとアルバムを開いた。湧き上がる懐かしさには勝てなかった。
写真は見事に俺とあいつばかりだった。しまった、と一瞬後悔した

女子の数が足りなくて、あいつと踊るはめになったフォークダンス。
二年の林間学習の時、こっそり撮ったあいつの寝顔。
一杯のコーラにストローを二本差して、一緒に飲んでいる俺とあいつ。

一緒にコーラを飲んでるのは、確か三年の修学旅行だっけ。
行き先は遊園地でやけにはしゃいでいた気がする。
この写真は確か、変なノリだった俺たちを他の友達が撮ったやつだ。
お前ら何やってんだよ、って馬鹿にしていた笑顔で。
あの時は恋人っぽく振舞っても茶番劇で済まされていたから楽だった。
あいつと俺は卒業後、別々の道をたどった。
俺は地方の会社に就職。あいつは遠方の大学に行った。
最初はこまめに連絡を取っていたが、月日が経つにつれ疎遠になっていった。
仕事の忙しさも相まって、俺はだんだんあいつのことを気にかけなくなった。
あいつも俺のことなんかすっかり忘れて、他の奴らと遊び呆けてるんだろう。

491 :2/2:2009/09/11(金) 20:20:24 ID:2K+8zC+90
俺は昔と今のギャップに耐えられなくなって、アルバムを閉じた。
だけど、昔の思い出はいまだに頭を駆け巡っていた。
王様ゲームで命じられて、あいつと冗談で交わしたキス。
こっそり借りたAVを見ていたら、あいつも俺もおかしな気分になって
そのまま共に過ごした夜。

ふと、全身が熱くなっているのを感じた。
俺はいても立ってもいられなくなって、携帯電話を手に取った。
電話番号が変わってないことを必死に祈りながら、震える手でボタンを押す。
何度も間違っていないか確認してから、発信ボタンに指を乗せた。
一回目のコール。出ない。
二回目のコール。出ない。
三回目のコール。出ない。
四回目のコール――
『もしもし』
出た!
だけど久々に聞いたあいつの声はひどく冷たかった。
それでも何とか凍りついた口を動かす。
「あ……俺だよ、俺。……ちげぇよ、オレオレ詐欺じゃなくて」
あいつはもう俺のことが好きじゃないのかもしれない。
だけど、俺は今でもあいつのことが好きなんだ。
あの時のように気兼ねなく過ごせないかもしれないけど
せめて、一緒にいられるだけでいいんだ。

492 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 20:38:32 ID:ypFAWfYMO
フォークダンスとか二人で借りたAVとか萌え禿げたよ
続きはどこで読めますか?
>>489GJ

493 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 20:39:13 ID:ypFAWfYMO
×>>489
>>490-491

494 :風と木の名無しさん:2009/09/11(金) 23:10:00 ID:vulVGscQ0
>「あ……俺だよ、俺。……ちげぇよ、オレオレ詐欺じゃなくて」

切ないなあ…
とりあえず友達に戻れるといいね
GJ!

495 :風と木の名無しさん:2009/09/12(土) 07:48:56 ID:KXBkpZSTO
オレオレ詐欺が良かったです
切ないな

496 :風と木の名無しさん:2009/09/13(日) 01:33:03 ID:hUNprjBE0
なんだっけ、青春時代が〜ゆめーなんて〜♪ってあったなw

というのはおいといて、失った黄金時代に切な萌えた!
この勢いで突っ走るといいな!
GJでした。いいもん見せてもらいました。

497 :風と木の名無しさん:2009/09/13(日) 01:35:52 ID:QUqxMG7b0
まわしーまわしー

498 :風と木の名無しさん:2009/09/13(日) 01:47:38 ID:aMNJRnms0
オレを踏み越えて行け!

499 :風と木の名無しさん:2009/09/13(日) 01:50:38 ID:Ix/C0fF4O
指舐め

500 :1/2:2009/09/13(日) 10:52:00 ID:BkwUpQ73O
「あっ…、ん…」
下半身に与えられる快感に思わず身体を振るわせる。
すると首輪に繋がっている鎖がジャラと音をならした。
僕を拘束する鎖はご主人様に与えられたものだ。
鎖を意識するとさらに快感が身体中に駆け巡った。
「あぁ…っ」

「汚い…」
達した余韻に浸っていた僕の目の前にずいっと指を近づける。
僕が出した精液がご主人様の指に絡み付いていた。
それを躊躇せず口にくわえ、指の間に舌を這わす。
これは合図だ。
ご主人様が僕に抱かれたいという合図。
一通り指を舐めちゅっと音をさせて口をはなし、手首から肘にかけて唇を這わす。
「自分の精液を舐めるなんて、変態だな…」
ふっと鼻で笑い僕を見下ろす。
汚いものを見るような目付きだが、その奥に興奮の色が見える。
「ごめんなさい…」
言いながらご主人様の股間に顔を埋める。
そこは既に硬くなっており、少し触れるだけで上から吐息が漏れるのを聞いた。
ご主人様は求めているのが分かる。
この僕を求めているのだ。
僕は興奮に身を任せ、目の前の欲望にしゃぶりついた。



501 :2/2:2009/09/13(日) 10:52:51 ID:BkwUpQ73O

全ての行為を終えると、ご主人様は荒い息を吐きながら意識を失った。
意識を失わせるほど激しくしてしまったことに後悔しながら、謝罪の気持ちも込めて腹に出されたご主人様の精液を舐める。
臍の穴にも舌を突き入れ丹念に舐めとっているとご主人様の微かな声が聞こえた。
「……ごめ、ん」
僕に抱かれると必ずご主人様は意識を失いながらもこの言葉を口にする。

「…ごめん、……ごめんな…っ」
そう言うと、最後に掠れた声で僕の名前を呟いた。
ご主人様の身体は、震えている。

ご主人様は後悔していた。
僕の人間としての尊厳を、すべてを奪ったことに。
もしご主人様がいなかったら、僕は普通の社会人として生き、普通の生活を送っていただろう。
でも僕は後悔なんてしてほしくなかった。
だって僕は幸せなんだ。
ご主人様と出会えて、こんなに愛してくれて。
だから、
「泣かないで…」
頬を伝う雫を舌で掬いとった。

502 :風と木の名無しさん:2009/09/13(日) 16:55:02 ID:ohY2GY7A0
お題からしてエロかったけど、エロいなあ。

503 :風と木の名無しさん:2009/09/13(日) 18:06:37 ID:VZL/04MU0
だがそこがいいGJ!

504 :風と木の名無しさん:2009/09/13(日) 23:34:45 ID:5IBaI5+a0
うおお、なんていい主従関係なんだ!

505 :風と木の名無しさん:2009/09/14(月) 08:40:06 ID:xf0MgvsK0
すでに、内面的には主従関係が逆転した我侭なMなんだな。
こういう関係になったきっかけを読みたくなったよ。

506 :風と木の名無しさん:2009/09/14(月) 20:10:53 ID:Wj7Z49Ah0
メンタルリバっていいよね!GJ

507 :風と木の名無しさん:2009/09/14(月) 23:24:06 ID:AcCaEbom0
まわすぜー

508 :風と木の名無しさん:2009/09/15(火) 00:37:07 ID:GwfqSTPy0
人の足元で踏みつけらる、
そんな真のMに僕はなりたい。

509 :風と木の名無しさん:2009/09/15(火) 00:41:24 ID:tQA1CK0I0
クリーチャーの恋

510 :1/2:2009/09/15(火) 22:30:06 ID:L4lsu4MT0
「あいつ、……らしいぜ」
「マジかよ、さすが……だな」
「…んとだよ。あーあーゼッタイ俺かなわねー。でも俺たかが任務で死にたくねーし…じゃなくて良かった」
「シッ…聞こえるぜ」
 ガヤガヤと雑音が鳴る。
 人間じゃないと言われることにはもう慣れた。自分はほんの少し、身体能力が高かっただけだ。
 ほんの少し、人よりも、生きている意味が見つからなかっただけだ。

 三回ノックして、執務室のドアを開ける。ここだけ息が楽だ。空気が柔らかい。
「ボス。ただ今、任務から戻りました」
「お帰り」
「ご報告を」
「うん。それより――こっちへおいで。血が出てる。誰の血?」
 手を取られて俯く。視線を落とすと、胸のあたりから下肢にかけて、べったりと血がついていた。
 ほとんどはかえり血だが、自分のものもあるかもしれなかった。
「痛かった?」
「いえ……」
「そう」
 手を、強く引かれた。そのくらいではびくともしない体が勝手に傾いて、容易にボスに抱きとめられる。
 ほとんど年が変わらないのに、自分とボスは随分と違う。
「体温が高いね。子供みたいだ」
「……」

511 :2/2:2009/09/15(火) 22:30:29 ID:L4lsu4MT0
「お前のウワサを聞いたよ」
「化け物みたいだってことでしょう」
「確かに、獣みたいだな」
 ガツンと頭を殴られた気がした。ドクドクと心臓が動き出す。ボスの前でだけ痛みを感じる。
「危ないことばかりしたがって、なかなか手に負えない。てなづけるにも一苦労だ」
「そんな…」
「でもお前が化け物なら、俺も化け物だね。人を殺めてもなんとも思わない」
 それは違う。ボスは化け物なんかじゃない。
「心臓が動いてる」
 胸に手をあててボスが呟く。胸が痛い。声が出ない。
 この気持ちが恋であると気付かないまま、長い時間、そうしていた。

512 :風と木の名無しさん:2009/09/16(水) 01:26:42 ID:1wIJ0bmz0
あああ…そういうことかあ…なんだろう何か切ない。
こういうの好きだ、GJ!

513 :風と木の名無しさん:2009/09/16(水) 11:39:42 ID:ZyLfjhLR0
どういうクリーチャーなんだろう
せつないけど、多毛の獣だったら、上司もふもふしてそうとか思ってしまった

514 :風と木の名無しさん:2009/09/16(水) 12:07:26 ID:BB8oE95/0
宇宙人とか獣人とかそういう系かと思ってたw
萌えた、GJ

515 :風と木の名無しさん:2009/09/16(水) 14:24:13 ID:CrqFPIdR0
悲劇になりそうなお題なのに、こんなにも、ある意味ほのぼのラブで来るとは。
クリーチャー可愛いな。GJです!



516 :風と木の名無しさん:2009/09/16(水) 23:36:00 ID:YiBbZcPHO
ボスの口調が萌えすぎる…GJ!

517 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 12:58:50 ID:0cKC8vQHO
まわし

518 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 13:04:05 ID:jMiI5NClO
どんどんいこうぜ

519 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 13:08:18 ID:L8HhZOmZO
腹痛

520 :1/2:2009/09/17(木) 19:26:52 ID:DExMSZi20
しまった、腹がいたい……

きっと朝飲んだフルーツ牛乳がいけなかったんだな。
それとも昨日の夜飲みすぎた酒の残滓が今頃、腹の中で暴れだしたんだろうか…。
そんなことを考える間にも、額に冷や汗が玉になって浮かび上がる。
汗はつぅ、と眉頭を越え、メガネの弦を伝ってポタリと滴り落ちた。
落下する雫を目で追うと、それは臙脂のネクタイに着地し、生地を黒ずんだ色に染めた。
伏し目になってそれを睨みつけた俺は、傍目には硬直しているように見えるだろう。
だが、内なる俺は悶絶している。それはもう、もんどりうって転がりまくっている。

電車は中途半端に混んでいる。
座れないけど、不審な動きをすれば注目されてしまう程度には空いている。
いっそ満員だった方が気が紛れただろうに……。

「――大丈夫?」
「……」
「具合悪りぃの?」
不意に横からかけられた柔らかな声に、かろうじて目だけを動かして応える。

横にいたのは思いがけない人物で、俺は束の間、腹の痛みを忘れ、目を驚きに見開いた。

521 :2/2:2009/09/17(木) 19:28:08 ID:DExMSZi20
俺は隣の人物に手を引かれるまま、次の駅で降車した。

木製のベンチに腰を下ろして、フゥッと大きな息をつくと、目の前にハンドタオルが差し出された。
ファンシーなピンク色のタオルで、耳にリボンをつけたネコが刺繍されている。
意図が分からないままぼんやりとタオルに見入っていると、
「汗、拭いたら?」とまた柔らかな声がした。
言われてみれば、俺は気持ちわるいぐらいに汗をかいていた。
汗のせいでメタルフレームのメガネは鼻梁からずり落ちそうになっているし、
スーツの中では、カッターシャツが背中に張り付いている。

「腹、痛ぇの?」
力なく頷くと、目の前に跪く金髪頭は、形の崩れたボストンバッグの中をごそごそと漁り始めた。
「ほら、コレ。このクスリ、水なしで飲めるからさ」
言いながら、俺の手を取り、掌の上に錠剤を2つそっと振り出す。
彼の手がやけに暖かいのは、俺の血の気が失せているせいだろう。

白っぽくなるぐらい染められた金髪は毛先が痛みまくっている。
耳には数え切れないぐらいのピアス。
眩しいほど白いシャツ越しにタトゥーが透けて見える。


電車の中で腹痛に襲われたその日、俺は白シャツの天使に恋をした。
昔からギャップってやつには、ひどく弱いんだ。

522 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 20:57:48 ID:mHxDZWL90
これは良いギャップ萌え!GJ!
まさか腹痛が恋に落ちるきっかけになるとは思わなかったよ
今後の恋模様も気になるなぁ

523 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 21:56:21 ID:t0fsWlWcO
GJ!
同じく続きが気になるwwwメガネが受っぽいが、彼お腹弱いみたいだしなwww

524 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 22:07:38 ID:brPQU5AL0
全力で萌えた!
是非続きが読みたいです・・・!

525 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 22:24:53 ID:RCpg6nmw0
よい眼鏡をありがとう…♪幸せです

526 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 22:26:42 ID:Eopgz+gLO
これは可愛いw

527 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 22:34:27 ID:VnurWaAxO
メガネスーツのへたれ攻めでもおいしいです。GJ!

528 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 22:57:40 ID:ya8fD+N0O
お待たせ

529 :風と木の名無しさん:2009/09/17(木) 23:00:05 ID:UNfIjKfn0
恋人を庇って銃で撃たれる

530 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 03:10:34 ID:3ES+ef51O
お流れかな?残念

531 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 08:21:44 ID:olBAGxCr0
話の一部としてあるなら萌えるシチュだけど、
それがメインとなると
相当な力量がないとあざとくなりそうな気がする

532 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 08:21:45 ID:LdqImLbSO
人がいないのかな
夏休みが終わって閑散としているねまわし

533 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 08:36:20 ID:FidfA5mg0
確かに最近人が減ったねーまわし

534 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 09:13:36 ID:pZ/KY/SA0
まわし

535 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 09:46:04 ID:gF6wgPUL0
シルバーウイークはどうかなまわし

536 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 09:49:53 ID:ILtXS5tN0
人がいないとは思わないけどなあ

537 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 10:16:14 ID:8rb62ftX0
どすこいまわし

538 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 10:22:43 ID:1OPjgQN0O
ふみなすって

539 :風と木の名無しさん:2009/09/19(土) 10:36:01 ID:ILtXS5tN0
高嶺の花

540 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 17:49:09 ID:RLBCuVU+O
これ流れてるよね?いいんだよね?

541 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 17:53:45 ID:N7YWJ0Xs0
お流れが続くね

542 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 17:54:15 ID:oEhbpjLU0
悲しいね

543 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 18:02:41 ID:1qSa7WZOO
切ないね

544 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 20:05:40 ID:CWwVAJBY0
そんな悲しさを回しにつなげて

545 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 20:42:29 ID:buodwxqg0
まわしまする

546 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 21:01:24 ID:oEhbpjLU0
まわしまっする

547 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 21:36:06 ID:XYagPSBDO
まわし

548 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 21:48:52 ID:QrAsVD5e0
連休はまだ半分終わっただけだぜまわし

549 :風と木の名無しさん:2009/09/20(日) 21:52:37 ID:EO0oML170
恋する眼鏡

550 :風と木の名無しさん:2009/09/21(月) 03:23:21 ID:oB+QeugL0
「おはよう」
「お、園村。おはよう。……あれ、お前、眼鏡は?」
「ああ、俺、今日からコンタクトにしたんだ」
「えええー!?な、なんで?」
「なんでって、別に」
「別にって…。マジで?お前マジでもう眼鏡かけねーの?」
「そのつもりだけど…っていうか、杉野、お前のそのリアクションはなんだ?
お前、俺に眼鏡かけて欲しいの?」
「………だって、似合ってたじゃん」
「似合ってた?俺?眼鏡が?」
「うん、園村、眼鏡がすごく似合ってた」
「…………いか」
「え?」
「杉野、この前、俺の眼鏡怖いっていったじゃないか」
「え、そんなこといってねーよ!」
「いった。悪の組織の幹部みたいで怖いって」
「え、それ違う!悪の組織の幹部みたいでカッコイイっていったの!」
「………悪の組織の幹部ってカッコイイのか?」
「カッコイイじゃん、眼鏡幹部。知的でクールで」
「…………そうか、カッコイイか」
「……園村?」
「ああ、俺、明日からまた眼鏡に戻すわ」

551 :風と木の名無しさん:2009/09/21(月) 04:33:09 ID:rWPrB+Kj0
かわいいw なんとも言えず可愛いです、この二人
おいしくイタダキました^^GJ!

552 :風と木の名無しさん:2009/09/21(月) 08:42:16 ID:dLIaR+tNO
なんだこいつら!可愛いなぁ
GJでした

553 :風と木の名無しさん:2009/09/21(月) 13:14:18 ID:G+N1ADf1O
眼鏡で悪の組織の幹部って誰だろう……と思いつつ、
悪人顔なのに可愛い園村に萌えたよ

554 :風と木の名無しさん:2009/09/22(火) 10:11:01 ID:f0ovhy+U0
かわゆす。GJでした

555 :風と木の名無しさん:2009/09/22(火) 13:28:36 ID:SLhzyNmXO
>>553
人がゴミのようだ!しか思い付かないw
ともあれ可愛い小品GJでした

556 :風と木の名無しさん:2009/09/22(火) 17:20:41 ID:IiqO03+K0
恋する眼鏡園村みたいなタイトルで4コマ連載がみたい雰囲気でしたGJGJ

557 :風と木の名無しさん:2009/09/22(火) 22:58:34 ID:aApW9TcrO
>>555
貴様のせいでそれで固定されたww

可愛かったよ、*0GJ!!

558 :風と木の名無しさん:2009/09/22(火) 23:41:43 ID:150zr53B0
ぎゅむっといけ

559 :風と木の名無しさん:2009/09/22(火) 23:43:59 ID:vWH+A4lD0
弁当男子

560 :風と木の名無しさん:2009/09/23(水) 12:50:54 ID:wb/IXI7p0
うん、今日はパンだよ。毎日弁当っつーのも飽きるからさ。ああ、さっき持ってたのは部長用のやつ。
部長去年離婚してたの知らないの? あれ愛妻弁当じゃなくて、俺が作ってんだよ。
タコさんウインナーやうさぎのリンゴがあったって? うん、俺だけど、何か?
何でっていわれてもなあ。ほら、前の飲み会で俺、酔いつぶれたときあったじゃん。
あんとき部長、俺の家知らないから、自分ちに泊めてくれたんだよ。
で、お詫びに朝食作ってやったら、すげえ喜んでくれて。家庭の味だーとか感激しちゃって。
何かずっと外食ばっかだったみたいで、手料理に飢えてたらしいんだ。
俺、料理するの好きじゃん。だから、ちょくちょく部長ん家に行って作るようになったんだ。
今は毎日部長の分の弁当も作ってる。やっぱ、喜んでくれる人がいると作りがいがあるんだよな。

なんだよ、その目。
あ、そうだお前さ、明日の合コン、俺の代わりに出てくれない?
行くつもりだったんだけど、部長がその日鍋食べたいとか言いだしちゃって。俺結構鍋にはこだわりがあるんだよね。
部長の喜ぶ顔が目に浮かぶぜー!

561 :風と木の名無しさん:2009/09/23(水) 14:36:18 ID:4Ke+dNrF0
>>560
可愛いぞーーーー!!!
部長も弁当男子もいつまでも天然にイチャイチャしてればいいよ!
周りは常に生暖かく見守って欲しいよ!
ああ、こんなにもほのぼのと萌えさせてもらって幸せです。

562 :風と木の名無しさん:2009/09/23(水) 14:57:51 ID:7bSLAWY30
立派な主夫(嫁?)になるのを祈るぜ…GJ

563 :風と木の名無しさん:2009/09/23(水) 15:08:51 ID:Cba4DDMmO
密かに合コンにいかせないようにしてる部長かわいいww
もう嫁いでしまうといいのにww

564 :風と木の名無しさん:2009/09/23(水) 21:02:56 ID:4QnQNOgm0
弁当男子が恋愛に無自覚っぽい感じカワユスw
部長のキャラも気になる

565 :風と木の名無しさん:2009/09/23(水) 21:32:46 ID:9A8ZZnO90
聞き手が片思いっぽいのが泣ける

566 :風と木の名無しさん:2009/09/24(木) 08:41:06 ID:AxPDsIIzO
部長に嫉妬した聴き手のここからの盛り返しを願って、あえて聴き手×弁当男子を推してみる。

567 :風と木の名無しさん:2009/09/24(木) 09:42:30 ID:8glrWwJ30
聴き手がお弁当を作ってもらおうと必死になるわけですね分かります

568 :風と木の名無しさん:2009/09/24(木) 10:09:25 ID:NxnnTgtcO
来いやああ

569 :風と木の名無しさん:2009/09/24(木) 10:48:28 ID:i5kj1C1hO
ピエロとブランコ乗り

570 :風と木の名無しさん:2009/09/25(金) 10:39:12 ID:qg4GxJ/I0
ピエロの頬には涙。
ドーランで描いたこの模様だけが、僕が流せる涙なのです。
素敵なブランコ乗り、長いしなやかな体と明るい目を持つ、
次から次へとブランコを飛び渡る彼の芸のように遊び上手なあの男と、
実のない関係を結んでからずっと、僕はちぎれてしまいそう。
笑っていただけるならそれもよし。
綺麗なダンサー達や、艶めかしいライオン使いの娘を横目に、
彼の後ろをおろおろ、ヨロヨロするもんだから、
テーブルから落とした酒瓶とグラスを3つずつ放り投げ、
蹴つまずいてボールに乗っかって、
哀れなピエロは恋しい相手と逆方向へ転がり落ちていくのです。
不実な、とは申しません。これでも僕はピエロです。
捨てられて女のように泣くばかりじゃ、仕込まれた芸が泣くってもんです。
男が男に遊ばれて、尻を抱えて這々の体。
美しい一夜の思い出でございます。
ああ、でも叶うことなら。
あの高い空から落ちては来ぬか。
観客の動揺。駆け寄るダンサー達。すがりつくライオン使い。
一時も早く観客の目から遠ざけるために、
致命的な傷を顧みられることなく抱えられていくブランコ乗り、
そこからさらに目を逸らさせるために、普段の倍も酒瓶もグラスも放り投げて
おどけてみせるピエロ、
しかし誰も注目させられもせず、その頬に崩れて流れる涙模様のドーラン。
転んでひっくり返って大げさに痛がって。
照明が落ちて、それでも芸を。これしかない一世一代の芸を。
などと、彼が手に入らないのならいっそ、と、
ブランコ乗りを見上げながら、この頃の僕は妄想するのです。
しかし、熟練したブランコ乗りが落ちてくることは決してありません。
滑稽なピエロ。
笑っていただけるならそれもよし。

571 :風と木の名無しさん:2009/09/25(金) 11:37:40 ID:v0v72ZHpO
不思議な雰囲気
こういうのもいいな 乙でした

572 :風と木の名無しさん:2009/09/25(金) 14:50:31 ID:LfnNoq1XO
すごい好きだわ、この雰囲気。
サーカスっぽい不思議さだ。

いいものを読ませていただきました。
ありがとう。

573 :風と木の名無しさん:2009/09/26(土) 00:01:53 ID:Mh3w8R2jO
好きな雰囲気です。GJ

574 :風と木の名無しさん:2009/09/26(土) 00:04:21 ID:0zyynIuP0
おおお熟練した感じの文章だな

575 :風と木の名無しさん:2009/09/26(土) 01:56:59 ID:jOs/9U1q0
まわしまーす

576 :風と木の名無しさん:2009/09/26(土) 11:03:40 ID:1mceqMCm0
まわし

577 :風と木の名無しさん:2009/09/26(土) 11:28:17 ID:myLxQsbz0
まわしときまーす

578 :風と木の名無しさん:2009/09/26(土) 11:30:43 ID:EPAVTA+r0
踏まれときまーす

579 :風と木の名無しさん:2009/09/26(土) 11:35:08 ID:qV2ccW5e0
中ボス

580 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 01:00:56 ID:0GCd8sAm0
姫という人質をとり、勇者を我が城へ誘い出すことに成功した。
罠を仕掛け、挟み撃ちにした!これで勇者は終わりだ!
…そう思っていたのに、
「姫を放してもらおうか!」
何故玉座に辿り着いてるんだ!
必死で部下を必死で呼ぶが来ない。
クソ、こんな時に何をやっているんだ…。
まさか、全滅したとでもいうのか?
「放さないというのなら、実力で取り戻してやる」
ええい、どいつもこいつも役に立たない!
仕方ない、我が直々に相手をしてやる。
「やれるものならやってみろ!返り討ちにしてやる…」
「そうやって余裕でいられるのも今のうちだ!」
我は自慢の爪で勇者を切り裂こうと襲い掛かった。
さあ、苦痛で歪む貴様の顔を見せてもらおう!


581 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 01:01:40 ID:0GCd8sAm0

…我が負けた…だと?
立ち上がる体力などなく、勇者の前で無様に倒れてしまうなんて…なんという屈辱だ!
…勇者が我の方へと近寄ってくる。
そうか、止めをさすのだな。
魔王様…お役に立てなくて、申し訳ありません。

「オマエの強さって中途半端だな」

「…何…だと?」
「良くてせいぜい中ボス程度。魔王もこんな奴に俺の討伐任せるなんてナメてるんじゃない?」
クソ、言いたい放題いわれるなんて…
意識が朦朧としていなければ、こんな奴…
「オマエなんて倒す価値もないよ」
そう言って勇者は止めをささずに、人質の姫を連れて行ってしまった。

…許さんぞ!
止めをささなかったことを後悔させてやる。
それまで首を洗って待っていろ!
間違っても我以外の奴なんかに倒されるんじゃないぞ!



582 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 10:15:58 ID:2ymnh3HvO
ウホッ、これはよいツンデレGJ

583 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 10:33:14 ID:R6GZb4CX0
我www
雑魚いところがたまらん

584 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 10:54:10 ID:mWBBo64z0
中ボスかわゆすwww
勇者の顔を思い浮かべては、眠れない夜を過ごしてるといいよ

585 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 13:36:03 ID:4F+nYITA0
これはいずれ勇者の危機に現われて助太刀するフラグと見てよろしいか

586 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 14:17:07 ID:qknQvdXX0
なるほど。その戦いの後、仲間になるフラグですな。
魔王様の情報を詳細に教えちゃうってやつかしら。

587 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 15:35:49 ID:pig6GSlt0
すごい雑魚いなw

588 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 15:44:55 ID:OR7p/Dhh0
どうぞ

589 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 16:01:56 ID:ma80b2RN0
こんなはずじゃなかったのに

590 :1/3:2009/09/27(日) 22:07:05 ID:yVJ7naE40
今度こそは、綺麗好きで温和で優しくて、割と胸の大きい可愛い子と付き合って
薔薇色の日々を過ごすんだと思っていた。
それなのに――。

平日の夜中に遠慮なくインターホンを鳴らすような相手はあいつしかいない。
口元にへばりついていた唾液をウェットティッシュで拭き取りながら
寝ぼけまなこでドアを開けると、案の定そこにはしまりのない笑顔があった。
「岸さん、なんか喰うもんある?」
「……夜中に人んち来て第一声がそれか」
自分勝手で礼儀知らずでだらしない痩せぎすの男と、俺はつるんでいる。
彼の名は筑波。勤め先の会社でアルバイトしている大学生だ。
「なんか小腹すいちゃってさ。財布も携帯も会社に忘れてきちゃったし」
「はぁ? だったら取りに行けよ」
「それが丁度スイカのチャージ切れちゃったところで」
筑波はスニーカーを脱ぎ捨て、躊躇なく部屋に上がりこむ。
彼が裸足であることに気付いた瞬間、ざっと血の気が引いた。
「おい、おまえ素足で靴はいてんのかよ!」
「靴下いま洗濯中なんで」
そういう問題じゃない、きたねえ、ふざけんな、ぶっころすぞ、足洗え――
数々の罵倒が頭の中をよぎる。
怒りの余り口を聞けないでいる俺を見て、筑波は呆れるように笑った。
「あんたね、いい加減それどうにかしないと一生結婚できませんよ」
言い終わるか言い終わらないかのうちに、俺は筑波のこめかみを拳で殴りつけていた。

一ヶ月前、大学時代から付き合っていた女に別れを告げられた。
俺の潔癖症が原因だった。
岸くんと一緒にいると、自分がすっごく汚い人間に思われてるんじゃないかっていつも心配になるの。
あの後も、一生懸命手を洗ってるのを見るとなんだか悲しくなっちゃって……。
そんなのもっと早めに言ってくれよ、とも思ったが、
自分が気付かないうちに彼女を傷つけていたことを初めて知り、大きな衝撃を受けた。
頭がからっぽになったまま、最後のキスをして別れた。触れるだけのキスだった。
唇についた口紅をウェットティッシュで拭った時、やっと胸の底から寂しさが襲ってきた。

591 :2/3:2009/09/27(日) 22:08:21 ID:yVJ7naE40
「潔癖症で感情的って、姑体質なんじゃない?」
「うっせーな、黙って喰え」
テーブルの上には、解凍した白米と作りおきのきんぴら、インスタントの味噌汁が色気なく並べてある。
筑波には足を洗わせて、以前泊まりに来た時に置いていった靴下を渡してやった。
「きんぴら超うまいし。うちの母ちゃんのよりうまいっすよ」
「悪いかよ」
「ねぇ、これ元カノにも作ってあげてたの?」
平気で人の心に土足で上がりこむような質問に、俺はノーコメントを貫くことしした。
何も考えてないのだろうが、わかってやってるんだとしたら余計に性質が悪い。
俺の傷はまだ癒えていないのだ。
「岸さん」
ノーコメント。
「岸さんってば」
ノーコメント。
「お耳まで遠くなっちゃった?」
もう一発殴ってやろうかとつい顔を上げたら、すばやく口付けられた。
ほのかに味噌の香り。こいつ、歯も磨かないで――。俺は拳を固く握りしめた。
が、しかし。
「嫌なこと言ってごめんね、岸さん」
予想外の殊勝な台詞に、握りしめた拳は行き場を失った。

ひとつだけ筑波の好ましい点を挙げるとすれば、綺麗に整った歯だ。
煙草を吸わないから黄ばんでいないし、虫歯になったことすらないらしい。
以前の飲み会で、ビール瓶の蓋を歯で開けるという馬鹿な宴会芸を披露していた。
くだらねえと笑いながらも、少しの歪みもない口元は悪くないな、とも思っていた。
キスを仕掛けられた時に、何故か受け入れてしまうのも、きっとそのせいなのだ。

「こんなはずじゃなかったんだけどな」
深いキスの後、俺の肩に頭をもたれていた筑波が低く呟いた。
俺とキスするはずじゃなかった?
しゅんとして謝ったりする気はなかった?
小憎たらしいことを言うつもりじゃなかった?

592 :3/3:2009/09/27(日) 22:11:52 ID:yVJ7naE40
俺だって本当は、綺麗好きな巨乳と抱き合っているはずだった。
そこに踏み込んできたのはおまえだろうが。
筑波が犬みたいに鼻先を俺の首にこすりつけてくる。
いつもいつも馬鹿にしやがって、気が向いたらかわいこぶりっこかよ、畜生。
「俺はもっとあんたに優しくしたいと思ってるんだけど……」
ああ、もう、本当にそういうのやめろ、おまえ。意味わかんねぇ。
「一緒にいるとひどいことしたくなる」
そのまま首に柔らかく噛み付かれて、背筋を何かが走った。
あの美しく並んだ歯が、俺の皮膚に跡を残そうとしている。
唾液がついた部分がひんやりと冷えていく。
「筑波、おい」
「汚いから嫌? 俺とじゃ嫌?」
髪をつかんで引き剥がすと、筑波は切羽詰った表情をしていた。
「いや、おかしいだろ、こんな……」
「キスしといて何言ってんの。
 岸さんっていつも自分が正しくて俺が間違ってるみたいに言うけど、あんただって大概だよ。
 普通の人は男とキスしたりしないよ、あんた全然嫌がってないじゃん」
やめろ、違う。おかしいのはお前だ。
反論は声にならなかった。
「ね、岸さんってどういうセックスするの」
掌に汗が滲む。筑波の顔が見れない。
「舐めたりできるの、しゃぶらせたりすんの」
「やめろ!」
反射的に怒鳴りつけたら、筑波がいまにも泣き出しそうな顔で笑った。
「俺どんなことでもできるよ、あんたとなら。気持ちいいこと全部やってあげる。
 どろどろのぐちゃぐちゃになって、とんでもなくやらしいことしようよ」
こんな自分勝手で礼儀知らずで、だらしない痩せぎすの男が何を言おうと、ほだされない。
――はずだったのに。
ああやっぱり歯がきれいだな、と考えながら、俺は筑波にキスしてしまったのだった。
どろどろでぐちゃぐちゃの、口紅がつかないキス。ウェットティッシュはもう使わなかった。
こんなはずじゃなかったけど、こんなのも悪くない。そう思った。

593 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 22:37:04 ID:1ZKLCa/J0
筑波とならなんでもできちゃうのか
思いっきり舐めあってしまえ

594 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 23:27:22 ID:ZMdHOtgAO
濃厚ですなあ…!
最初に、自分の唾液ウエットティッシュで拭くか?と思ったらこんな展開がくるとは!
萌えた!GJです!

595 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 23:42:42 ID:KFM4t79K0
GJ!!
もっとこの二人の話が読んでみたいと思った

596 :風と木の名無しさん:2009/09/27(日) 23:45:41 ID:pig6GSlt0
潔癖症の使い方に萌えたGJ

597 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 00:28:04 ID:/J9gZG330
これは萌えた!GJ!

598 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 01:37:12 ID:i24weN4gO
ちんこ除菌で生エッチまで妄想した。GJ!

599 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 01:44:43 ID:bC5LU/NF0
立ち切れ線香

600 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 23:53:51 ID:L4hT41yx0
「第36回文化祭、文化部連のテーマは『恋-LOVE-』だ。
例年通り、舞台・出展人気アンケート各一位には報奨金をやる!以上!」
胡散臭い長髪の文化部連長兼写真部長の一言が事の発端だった。

「何が『恋-LOVE-』やっちゅうねん、ケイタイ小説か」
文化祭まであと二ヶ月といった所で発表されたテーマに不満たらたらなのは、落語研究会員である。
普段は真面目で口数も少ないのだが、それは気性の荒さと方言むき出しの毒舌を隠すための手段に過ぎなかった。
「会議ゆうたかてあの長髪が勝手に一人でテーマ決めて喋っただけやん」
「決まったもんは仕方ねーじゃん、でもこれは俺ら演劇部の圧勝だな。落語で高校生オトせる恋愛噺はキツいだろ?」
演劇部員は頭から湯気を出しそうな連れと真逆に、余裕綽々でゆったりと歩いている。
「ああ?なんやお前、うちの部にケンカうっとんのか!おし、じゃあぜったいアンケートで演劇部に勝ったるわ」
二人肩を並べて会議室から帰っていたが、落研員はくるりと半回転し演劇部員に盛大なタンカを切る。
「へえ、どうやって?勝算あんの?」
「うるさい、成せばなるんや!今から考える」
文化祭終わるまでお前は敵や!と言い残し、肩を怒らせて落研員は部室へ走っていってしまった。

「こらぁ長髪!舐めとんのか!」
落研室の隣は写真部の部室兼暗室だった。
普段なら明かりを入れて良いか確認してからドアを開けるのだが、怒り心頭の落研員はいきなりドアを開けた。
とたんに鼻を突く現像液の刺激臭と、普段は感じない妙なにおいに鼻をつまむ。
「長髪!いるんやろ、でてこい!」
だらだらと長いのが恒例である文化部連会議、その初っ端にテーマだけ宣言して中座した不届き者を大声で呼ぶ。
「ちょいまち!タンマ!」
暗室を区切るカーテンの向こうに人の気配があるので、遠慮なく部屋の奥に進もうとすると鋭い声が上がった。
少し間があり、上半身裸でベルトの金具も外した状態というだらしない格好の長髪が現れる。
「なんやお楽しみやったんかい、なら出直すわ」
「だいじょーぶ、もう終わったから」
「終わったてまた生々しい、ってそんなこと言いにきたんや無い」
がりがりと音を立て椅子を二つ引き寄せた長髪は、取り合えず座るように促す。

601 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 23:54:43 ID:L4hT41yx0
「なんやあのテーマ。不平等もええとこやないか、もうちょい周囲の意見も聞け」
「ええー良いテーマだと思うんだがね。やっぱ青春といえばLOVEでしょう」
「おおさむ、お前真顔でそんな事言うキャラやったんかい信じられへん」
「恋は人を変えるんだよ?」
不意にカーテンが開き、中から生徒会副会長が現れさらに寒いことを言った。
あからさまに情事のあとをにおわせる二人に、落研員は顔をしかめる。
「このテーマは俺の副会長にささげる愛だ!大掛かりでいいだろう?」
「学校の私物化かい」
ムードに当てられながらも、突っ込んでしまうのは落研員の性か。
「それにしても、キミがこんなに面白い子だと知らなかったよ」
「!、あ、いや、そんなことは無いです」
「今更取り繕っても無駄だよ」
すっかり猫をかぶるのを忘れていた落研員はあわてて口をふさぐが、後の祭りである。
くすくす笑う副会長は、さも面白そうに目を細めたのち、いい事を教えてあげると落研員に耳打ちをした。

「演目、立ち切れ線香、なんてどう?」

------------------------------------------------------------------------------------

文化祭当日までとうとう演劇部員は落研員と一回も話すことなく過ごした。
お互いに文化祭の準備で多忙を極めていたせいもあるが、落研員が徹底して顔を合わせるのを避けたためである。
打ち合わせの会議にも別の部員が出るようになり、元々クラスも遠く授業で一緒になることも無かった。
小学校からずっと一緒で何気なく何時も傍にいる存在だったために、
意識して避けられただけでこれだけ会えないとなると絆の危うさを知ってしまった。
メールを打ってもそっけない返事しか帰って来ず、電話に至っては常に留守電。
こころにぽっかりと開いた穴に、自分でも驚きを隠せなった。
完璧に覚えて自分なりのアレンジも加えた演劇の甘い台詞も妙に上滑りしているような感覚がしてならない。
でも、それも今日でお終い。
勝ちでも負けでも明日からは又落研員と並んで過ごせるだろう。

------------------------------------------------------------------------------------

602 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 23:55:58 ID:L4hT41yx0
「首尾はどーだいっ!」
恋愛写メ企画を展示して、見事盛況を勝ち取っている写真部部長・長髪はご機嫌だ。
逆にぎりぎりまで根を詰めて噺を練っている落研員は目の下に隈をつくり、幽鬼のようなありさまである。
今だ副会長と落研の部長と向かい合い、噺の最終調整をしているようだった。
「噺自体は良いのが出来てるんだけどねえ」
副会長が含みのある表情で、長髪を手招きする。
何だ、と近寄るとくすりと笑った後小さな声で囁く。
「彼、恋愛したこと無いんだって。だから役が浮いちゃうんだ」
「ああーまた難題だなあ、そりゃ」
身一つ、音曲もなしで表現する落語は、噺の出来が語り手の資質によって大きく依存してしまう。
テクニックでカバーすることも出来るし、経験不足であることを逆手にとる事も出来るが、
高校生の実力でさらに客も高校生中心となると、やはり素直に感情に訴える事に勝るものは無い。
「うー、このままやと負けてまう。それは嫌や、あいつに舐められんのはいやや」
「あんまり唸ると禿げるぞ!お、丁度もうすぐ演劇部の出演時間じゃないか、敵情視察!」
唸っている落研員を無理に引っ立て腕を掴むと、長髪はずんずんホールへと向かった。
「演劇部はえげつない方法で人気取りしてるぞ」
「へーそうなん」
先輩の話はきちんと聞け、と文化祭パンフレットでぽこんと後輩を殴る。
そのまま渡された演目案内に目を通すと演劇部の欄には『スミレ【椿姫現代版】』とあった。
「俺、演劇とかようわからへんねん。どんな話?」
「すっごい要約すると、娼婦と世間知らずの青年のラブストーリー、ヒロインは死ぬ。かな。
演劇部からの情報によると、生きるために体で稼いでるスミレとお金持ちの天然イケメンが恋に落ちて、
スミレがわざと天然を誤解させて身を引き、しかし最後は天然に見守られながら白血病で死ぬ。みたいな話にしてるらしいぞ」
「それちょっと前に流行ったドラマそっくりやん」
「だからーえげつないって言ったのー」
そうこうしているうちにホールに着き、ホール内に長髪の権限で無理やり進入する。

確かに内容は陳腐寸前だった。
しかしスミレのすねた表面とひたむきな内面が上手く表現されており、
さらに演劇部員が天然イケメンを熱演したことにより、観客の女性は皆夢中になっていた。

603 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 23:56:28 ID:L4hT41yx0
最後、お金も身寄りも保険も無く病院にかかることの出来ないスミレは白みがかった血を流しながらイケメンの胸に崩れ落ちる。
『ばか、私にかかわらないで。ふつうの女の子としあわせになってっていったのに』
『喋らないで、今から俺が病院に連れて行くから。一生かかってもスミレの治療費は俺が払うから』
泣きながら、鼻水さえたらしながらイケメン−演劇部員はスミレを抱きしめる。
ホールには観客のすすり泣く音がさざめき、長髪すら少しぐっときているようだった。
しかし、落研員の胸中は妙に冷め、感動とは程遠い感情に晒されていた。
(なんや、俺がひとりで悶々としとったあいだ、あいつは毎日女の子抱きしめてでれっとした台詞吐いとったんかい)
理性では、自分が落語を愛しているのと同じくらい彼が演劇を愛している事は解っていた。
しかし実際に演技とはいえ、目前でいちゃつかれると穏やかではいられなかった。
意識して避けまくっていたとはいえ、落研部員も二ヶ月間寂しかったのだ。
一人で帰る夜道や一人で乗る通学電車には慣れないし、休みの日もうっかり『一緒遊びいかへん?』と電話しそうになる。
意地を張ってしまった手前、自分から折れることは出来なかった。
でもそれも今日まで、今日勝負がついたらまた何事も無く一緒にいられるだろう。
勝ちたいけど、彼の熱演を見ると負けても仕方ないかという気になってしまった。

「すっきりした顔してどうしたんだい?」
落研の高座控え室で待っていた副会長は、ホールから帰ってきた落研員の表情を見て軟らかく尋ねた。
「ん、いや、演劇部の劇が思ったより凄かってん。もうだー泣いてるお客さんとかおったし。
凄すぎてなんか気負ってたのがあほらしゅうなったわ。俺も二ヶ月頑張ったし、気負わんでさくさくいこかっちゅう気になったんや」
さー着替え着替え、と奥に向かった落研員を横目で見つつ、本当のところはどうなんだと目線で長髪を促す。
「いや、言ってた通りなんじゃないの。普通に感動してたみたいだし」
「そうなのかな?…、で演劇部の彼のほうはちゃんと呼んでるの」
「呼んでなくても来るだろー」

部長、副部長の前座としての一席だったがお客の入りは良かった。
しかも思ったより女性教師や大人の客が多く、いけるんちゃうか、と落研員は心の中で一人ごちた。

604 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 23:57:42 ID:L4hT41yx0
立ちきれ線香。落語の中では珍しく笑いに落とさない悲恋物語である。
真面目一辺倒だった若旦那が親父の代理で出た会合で出会った芸妓に一目惚れ。
その芸妓も小糸という名前の初心な妓で二人は恋に落ち、若旦那は実家の金に手をつけてでも芸妓の元に通うようになる。
さすがに度の過ぎた若旦那の行動に怒った父親は番頭に命じ、百日間息子を蔵に閉じ込める事にする。
「百日間、長いなぁ。そんな百日も……/いやなら乞食になれ、勘当や/
い、嫌やない。嫌やないけど、せめて五十日/なりまへん。こっちおいなはれ!
ガラガラガラ、ピシン! と鍵がかかった」
百日たって、頭の冷えた若旦那は蔵から出ることを許される。
そして番頭からある事実を伝えられた。
「あんさんが蔵へお入りになった次の日、これ(小指)から手紙がまいりました。
次の日が二通それから四通、次は八通と、まぁ倍増しにドンドンドンドン手紙がまいりましたが…、
八十日目にふッつりと途絶えたんですわ」
いてもたってもいられず、若旦那は番頭をまいて芸妓の元へと駆けつけた。
「何やこれ? 位牌なんか出して…、釈尼妙…俗名小糸…、何で死んだんや?
大きな声を…「何で死んだ」やなんて言われたら若旦さん「あんたが殺した」と言ぃとなりますがな
な、なんで?
若旦さんが来られへんようになってから、あの子、もぉご飯も喉通らんよぉになりましてな

手紙の返事も無い、もう若旦さんには会えへん、そう言ってあんたからもろた三味線抱えていけなくなったんや」
熱をいれ、喋っている間、今まで感じたことの無い感情が落研員の胸に湧き上がった。
会いたい。いままでずっと一緒にいたのに、急に遠ざかってしまって。
でも、届かない。まあ自分の場合は勝手に意地を張っているだけだが、寂しさは同じだろう。
小糸、若旦那、やっと俺お前らの気持ちが解ったわ。寂しいな、会いたいな、どうしようもないな。

気持ちがノったまま最後まで演りきると、今まで聴いたことの無いような拍手が客席から沸いた。
なんだかおひねり的なものまで飛んできている。
頭を下げながら袖にはけると落研部長ががば、と抱きついてきた。
「すごいぞ、おまえ本番に強いタイプだったのか!俺このあと演りたくないなー」
「いや、俺もここまで気ぃ入れて演れたんは初めてです」

605 :風と木の名無しさん:2009/09/28(月) 23:59:39 ID:L4hT41yx0
そして、控え室の入り口で入ろうかどうしようか迷っている影。
「なんや、俺の噺聞いとったんか!」
呼びかけると、がらりとドアが開き二ヶ月ぶりに向き合う演劇部員の姿があった。
「うん、良かった。良かった…」
「何やお前泣いとるんか、さっきは二百人以上泣かせとった色男が」
なんだかんだ言いつつも違和感無く接する二人を、周囲は温かく見守った。

「ねえ、あの二人もどかしいんだけど」
「だーいじょうぶまかせて、アンケート結果発表と後夜祭でも作戦がある!」
「じゃあ生徒会の方も前面バックアップするから、教えて」

その後、姑息な先輩カップルに嵌められることになろうとは、このときの二人は知る由も無かった。
でも一つだけはっきりしていることがある
後夜祭のキャンプファイアが消えた後も、噺と違って二人の時間は続いていくのだろう。

606 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 07:11:44 ID:y8f/9xM/O
うわぁ

607 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 07:36:33 ID:cM8DQpIpO
なんという大作……素晴らしい、GJGJ

608 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 07:41:50 ID:cEPgy5FWO
まとめも大漁だったねー。
みんなが時間切れ1時間前狙うとかどんだけww

まとめ共々GJ

609 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 07:44:35 ID:zFuRegU00
筋肉質

610 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 22:14:10 ID:FDIJU2Ey0
 自他共に認める凡人で容姿もまあ並み、惚れた者の目線で言わせて貰えば中の上か上の下ってところだろう。
見ようによっては男らしいと言えないことも無いけれど、下がり眉なのと瞼が重いのとでいつも眠そうな顔に見える。
良く言えば『人に警戒心を抱かせない』、悪く言えば『情けない』部類に入る顔だと思う。背だって僕より2センチ高いくらいだ。
 ……ただ。僕は、彼の後姿が案外好きだ。
 『男は背中で語る』とかいうんじゃないけどね。(彼にそんな器用な真似は出来ない。僕が保証する)
そんな言葉とは関係なく、骨だとか肉だとか、彼を構成するものの動きにつれてうねる影を見ているのが好きだ。
実際、彼は姿勢だけは綺麗なのだ。猫背気味の僕から見れば、正直羨ましい。
多分背中とか胸とか腹とか、そういったところが鍛えられているからなんだろう。
 彼の家の隅にはごつい鉄亜鈴が2つ転がっている。何でも近所に住んでいるお爺さんから貰ったらしいけど、詳しいいきさつは知らない。
とにかく彼はそれをわりと気に入っているらしく、少し時間が空けば重い塊を弄りたおして遊んでいる。
いや、もちろんトレーニングをしているのだろうけど、僕からすれば、どうにも猫が毛糸玉で遊んでいるように見えるのだ。
仕草が妙に楽しげなせいだろうか。
 眠そうな顔をした凡庸な男は、今はぼんやりと窓の外を眺めている。放っておけば何時間でも夜景を眺め続けているか、あるいはまた鉄亜鈴に手を伸ばすかのどちらかだろう。本当に無趣味というか、ある意味退屈を苦としない植物のような男なのだ。
「隆一さん」
「ん?」
 返事から一拍遅れて、彼がのろのろと振り返る。
「こっち、来ませんか」
 僕がぽんぽんと自分の横を叩くと、彼は一回頷いて、ゆっくりと僕の方に歩いてきた。
折角身体の線は綺麗なのに、寒がって服を着込んでいるせいで、今はよく判らない。
まあ、服を剥がした後の彼の身体なんて、知ってるのは僕だけでいいのだけれど。
 冬の長い夜に飽きたら、毛糸玉を弄り倒す猫のように彼を散々に弄り倒して遊んでやろうか。
 近づいてくる彼を見ながら、僕はそんなことを考えている。


611 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 22:39:18 ID:UaDB67eV0
季節先取りでほっこりした
短文なのに登場人物は立ってるわ二重に猫にたとえるわすごく上手い
穏やかな気性の筋肉質受って中々無いんだよなー、ツボど真ん中ですGJ!

612 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 23:25:49 ID:O7qVwe630
眠そうな顔の筋肉質な受け!自分も萌えツボど真ん中です、GJGJ!!

613 :風と木の名無しさん:2009/09/29(火) 23:32:59 ID:3HO6VxTD0
ガチムチ受と聞いて!
大きな猫可愛いな。癒されます。
攻の丁寧語とさんづけもツボった。GJ!!!

614 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 02:23:32 ID:DhMhxvstO
攻めも受けも文体や雰囲気も、すべてがツボ
良い夢見られそうです。GJでした

615 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 02:53:17 ID:r8d8cnZn0
こっそり近所のお爺さんが気になっているのは秘密だ。
GJ。

616 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 02:57:20 ID:ov4ST1uM0
受けのぼーっおした感じも攻めの敬語もものすごくツボだ!乙!

617 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 06:38:06 ID:8lvrJb7d0
近所のお爺さん、鉄亜鈴ありがとう!GJ

618 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 07:22:27 ID:hBzYblsK0
新たな萌えかもんぬ

619 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 07:32:55 ID:o6XaswVF0
花にたとえるなら あなたは

620 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 10:22:56 ID:xXjjelcZ0
花にたとえるなら あなたはソメイヨシノ
あれほど美しいのに 決して結実することの無い
花を咲かせはしても 子孫を残すことの無い徒花

通り過ぎる強い風が枝を揺らし 花びらを震わせ
あられもなく乱し 身も世もなく舞い散らせても
次の年にはまた 何もなかったかのように 静謐に美しく咲く
そんなところも似ている

ソメイヨシノは傷に弱いのに
手折るとできた傷から 腐敗して 死んでしまうのに
それがわかっていても 手折りたくなってしまうほどに
自分のものにしたくなってしまう
そんなところも似ている

花にたとえるなら あなたはソメイヨシノ
ただ 風にかき乱され悶え 狂ったように舞い散る様を私に見せ付ける
触れることを禁じられた花

621 :風と木の名無しさん:2009/09/30(水) 16:45:36 ID:pmhUkJ7nO
詩だ!
なんか耽美な雰囲気が新鮮!


622 :sage:2009/10/01(木) 01:14:05 ID:j/O2KXKS0
たしかに新鮮。意外にもすごいアリだ。
指一本触れないのに、ものすごくエロいJUNEというものは
こんな感じなんだろうか。GJ。

623 :風と木の名無しさん:2009/10/01(木) 09:15:22 ID:CppviyEl0
>>620
これは上手い!GJ
美しくて哀しくてエロくて萌える…

彼は「ソメイヨシノ」に触れることなく
ずっと見つめるだけなのかなーセツナス

624 :風と木の名無しさん:2009/10/01(木) 21:59:20 ID:E571bUmr0
耽美なのだぜ

625 :風と木の名無しさん:2009/10/02(金) 10:31:31 ID:JwfZ23oN0
まわしていいかな?

626 :風と木の名無しさん:2009/10/02(金) 11:38:29 ID:PhC605Xx0
まわそうか

627 :風と木の名無しさん:2009/10/02(金) 11:45:33 ID:YyBdddPm0
まわしちゃおうか

628 :風と木の名無しさん:2009/10/02(金) 11:56:51 ID:NADLl8eNO
お次どうぞ〜

629 :風と木の名無しさん:2009/10/02(金) 11:57:55 ID:GLhB39JCO
結婚指輪のかわりに

630 :風と木の名無しさん:2009/10/03(土) 02:26:46 ID:LUVPsNjh0
女子にとって「けっこんゆびわ」ってのは相当大事らしい。
つーか何?「こんやくゆびわ」とか別にあるってどんだけだよ!
結構なおっさんでも最近指輪してるヤツ多いよな。
あくせさりーなんてモン、俺は付けるシュミねーんだよ。
それに女子も高望みし過ぎ!相場が上がってるって聞くぞ!
指輪なんてなくっていい。幸せって指輪に宿る訳じゃねーだろ。
世間に踊らされんなよな!

「でもよかったな!お前の嫁さんがそこらの女と違ってしっかりした子で!
 お前がブランド女に喰われちゃってたら、親友としては大変かなしいっ!」

アイツの披露宴の二次会、俺今変なテンションだぜ!
もう披露宴も半ばあたりから記憶が飛んでるし!
そんなに飲んだ訳でもねーけど! なんか、頭がフワー!!
そのままアイツに絡んじゃってる俺、イヤッホーーー!!

「じゃ、お祝いに〜、俺からもけっこんゆびわー!末永くお幸せにぃー!」

うん、この引き出物の菓子に付いてたリボン、いいんじゃね?
おっとここは人差し指だ〜 ま、いいや!結んじゃえ!
アハハ!みんなウケてる!相変わらずアホだなってカオしてww
アイツも笑ってるw いやーーー楽しいね!
楽しくて楽しくてバカ笑いだよ!二次会はこうでなくちゃぁね!

あー…、笑いすぎて涙出てきた。笑い上戸から泣き上戸かよ。



俺も世間に踊らされてみたかったな。

631 :風と木の名無しさん:2009/10/03(土) 14:32:35 ID:mYkfIAcF0
切ないなぁ…こっちまで泣けてくるぜ
GJでした

632 :風と木の名無しさん:2009/10/03(土) 15:12:22 ID:Df0E5oSR0
>>630
馬鹿だなぁ……セツナス
明るいのに切なくて萌えるいい*0でした!GJ!!!

633 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 00:18:01 ID:BBdn/pTY0
指輪はアクセサリーだけど
結婚指輪、婚約指輪は
ただアクセサリーてだけじゃないよ
>630さんはチャラチャラした慣習だと
思ってるのかな。世間に踊らされてるなんて表現は

634 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 00:33:41 ID:+9vic6Vt0
結婚指輪の代わりでこう来るとは思わなかった、代わりに何かあげるラブラブ系しか思いつかなかったよGJ

>>633
読解力無いなー、主人公は負け惜しみで結婚指輪を貶めてるんだよ
好きな人が他人と結婚したら、結婚指輪見てちくしょーって思うのは自然なんじゃないか
そしてすねてしまってあのぶどうはすっぱいからいらないもん、皆なんでぶどうなんか欲しがるの信じらんない!
となる でもホントはぶどう食べたいんだけどね、最後の一行がそれ



635 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 01:04:23 ID:GDk9ACVY0
>>633
主人公は、悲しみを友人及び周囲に悟られないためにわざと悪ぶっています。
いわば虚勢を張っているのです。
『アクセサリー』「シュミじゃない』『チャラチャラ』『世間に踊らされ』等、
負け惜しみ、悔し紛れで偽悪的な主人公の気持ちが表れている言葉であって、
普段からそう思っている主人公というわけではありません。
また、当然ながら登場人物の台詞や考え方=作者のもの、ではありません。

そんな主人公が冗談に紛らせて結ぶリボンの切なさ……わかるだろうか。
>630GJでした!

636 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 01:09:07 ID:+s9cSvVBO
自分もお題検索したら、結婚眼鏡だとか見つけて、
笑えるネタしか思いつかなかったから
おお切ない系がきた〜って感じだったな
GJ

637 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 01:28:29 ID:nThdPHaFO
*9*0
煽りがついたら短時間でワラワラと出てくる擁護とGJ
なんだかなー…20時間で今日土曜なのに二個しかついてなかったのに
てかわざとらしい煽りだなあ。先に絡みに絡まれてるのに
良かったんなら煽りつかないうちに感想つければいいのになぁ

638 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 01:36:05 ID:W1rLQNGO0
煽りも誤爆もとりあえず置いといて
お次をどうぞ

639 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 01:36:57 ID:i8driqRi0
攻め×攻めの攻防

640 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 13:27:12 ID:rjmZmqg40
「俺は、男だ」
「わかってますよ。私は、君が男性であることに、一片の疑いも持っていませんよ」
「そんで、あんたも男だ」
「ええ、もちろん。私は自分が男であることに自覚と誇りを持って生きていこうと思っています」
「だからっ……!」
「だから?」
「………………」
「……そうですね。私たちは同性でありながら、お互いに好意を持ってしまった。
背徳的ではありますが、私には悪いことだとはどうしても思えない。
君は、罪悪感を感じているのですか?」
「そうじゃない。そうじゃない、けどっ……」

精一杯の想いをこめて、くちづけをしたのに。
彼は怒ったように頬を紅潮させて、出て行ってしまった。
彼が何を悩んでいるのか、想像はつきます。
けれどそんなことは、些末なことではないでしょうか。
どうするか、どうなるのかは、その時になってみなければわからない。
お互い全く知らないことなのだから、試してみればいい。
そうじゃありませんか?
私は、間違っているのでしょうか……。


641 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 14:52:42 ID:EpET49rH0
どっちが主導権握るのかってのは永遠のテーマだよねw
えちーのリードだけじゃなくてね、精神面に於いて…
しかしどっちも譲る気ないんだよなwこれ
この際、交代で未知の世界を知って頂きたいと願う←

642 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 15:29:11 ID:4L0D2gLQ0
リバ希望
どっちもおいしい

643 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 17:17:55 ID:b4tZXEsgO
582:風と木の名無しさん 2009/10/04(日) 00:34:55 ID:6jPqnIREO[sage]
*0*9萌え633
別に書き手の考え=話じゃないだろ

583:風と木の名無しさん 2009/10/04(日) 00:36:52 ID:EuivwKX90[sage]
*9*0萌え633
何故そうなる・・・

584:風と木の名無しさん 2009/10/04(日) 00:38:06 ID:a2v5oW2K0[sage]
*9*0萌え633
小説の登場人物の考え=作者の考えってわけじゃないと思うんだけどな。
あくまでもフィクションだろう。
それに、あのアクセサリー表現は強がりでしかないっぽくて萌えたんだけどな。
最近どこでも行間を読まないというか、書いてある言葉の通りにしか
受け取れない人が増えたような・・・

644 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 17:47:41 ID:UjoTup8/O
これは萌える。
この二人だったら、固定でもリバでもおいしい。
寝室のカレンダーに日毎上下上下書けばいいよ!

645 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 19:36:50 ID:J2t2qQ1/0
とりあえず兜合わせから初めてあとはジャンケンでいいじゃないの

646 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 20:37:58 ID:CpPD4as00
もうレスリングの要領でいいよ

647 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 22:09:29 ID:SE8VhIYaO
敬語萌え
GJ!

648 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 22:15:27 ID:W1rLQNGO0
ふみたまえ

649 :風と木の名無しさん:2009/10/04(日) 22:16:09 ID:EqTxvUcw0
イケメン絶滅計画

650 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 02:47:09 ID:ZPrdU9HH0
「ああああああああ!もう俺よりイケメンは皆死ね!」
「なんすか、そんな俺への殺意をアラワにして。人類滅亡願うなんて先輩らしくないですよ」
「さり気無く馬鹿にされた!」
「大丈夫。世間には顔より中身が大事だって人は沢山………うん。それなりに沢山いますから」
「慰めてると見せかけて傷口にハバネロ塗りこまれてる!畜生モテの神に愛されたイケメンめ!」
「…で?なんかあったんですか?」
「…………彼女に振られた」
「またっすか」
「また言うな!てか、俺の何が駄目なんだよー…」
「まー、顔はフツメンっすよね。成績も普通、スポーツも人並み、女子供には優しいし男友達も多い。別段目立つ悪い事も、善行アピールもしない。いたって普通」
「お前それ絶対褒めてないよな?」
「褒めてますよ。俺は先輩みたいに皆に平等にとか出来ないし、他人より自分が一番可愛いです」
「うそくせー」
「褒めてますって。こんな、顔に反比例して性格悪い、女に好かれて男に嫌われるイケメン後輩にも優しいじゃないっすか」
「さりげに自己評価高いよなお前」
「俺、先輩好きっすよ」
「どーも。つかこれで5人目だぞ。長くて一週間最短半日ってどーゆーことだ」
「先輩、良い人だけど恋人にはつまんないって事なんでしょ」
「やべー。凄い傷ついた畜生イケメン滅びろ誰でもいいから恋人欲しい!」
「イケメンが死滅しても、先輩が地味なのは変わんないんじゃ?」
「黙れ!恋人より取り見取り掴み取りなお前に何がわかる!」
「俺、これでも入学以来ずっと片思い中っすよ」
「マジで?!」
「マジでマジで。今もこうやってアピールしてんのに気付いてないし」
「…は?」
「俺、先輩好きっすよ」
「…は?」
「I love you」
「…え?」
「誰でもいいんなら、俺とかどうっすか?俺は性格悪いけど恋人には優しいっすよ」
「………しばらく考えさせて貰ってもいい?」
「ういっす」

651 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 03:42:57 ID:FQcsWdsNO
萌えた!
GJです

652 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 03:57:04 ID:gMo5e6Lc0
萌えた!
先輩も可愛いが後輩もいい
後輩自分の売り込み上手すぎww
ずっといちゃいちゃしてて欲しいな

653 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 05:32:32 ID:fFz7WCS80
萌えた!テンポいいなー

654 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 08:08:23 ID:LiZXMShMO
なにこれ可愛い
そのままくるくる言いくるめられてしまえ!

655 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 11:47:06 ID:EBDBPjvkO
萌えた
台詞の言い回しが面白かった!
先輩が今まで振られてたのは、顔に反比例して性格悪い後輩が裏で何かしてたんだとしたら更に萌える

656 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 12:50:11 ID:QpPNZrsU0
先輩の声が神谷浩史で再生されて絶望し....いや、GJ!

657 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 14:26:15 ID:KWUitRBJO
すごくテンポいいし上手いなあGJ!
後輩は先輩に彼女が出来るだひヤキモキしていなのだろうか


658 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 14:48:03 ID:pb37WNsP0
ふんでもいいのよ

659 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 14:50:03 ID:pEu5/kYoO
お前は馬鹿だから解るまい

660 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 17:03:27 ID:f2YaHwccO
「せんぱーい、何で二次会行かないんですか。久しぶりの合コンですよ!?」
「行きたくないからだ、大体帰るのに、何でお前までついて来る」
「だって先輩いないとつまらないじゃないですか」
「よくいう…巨乳の子にでれでれしてただろう」
「そりゃおっぱいは男の浪漫。…あ、先輩!月も真ん丸ですよ!真ん丸おっぱい!」
「………月がきれいだな」
「…?先輩美乳すきなんですか?」
「馬鹿だなお前」

661 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 17:43:23 ID:pI0ht1o3O
先輩いじらしいな、かわゆすGJ

662 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 19:10:31 ID:EbqZL4tYO
何これ!萌える!
全く通じない後輩もそれを分かってて言っちゃう先輩もかわいいなーGJ!

663 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 20:08:37 ID:XouxLsjVO
722:風と木の名無しさん 2009/10/05(月) 17:44:24 ID:rfjHpnkw0[sage]
*9*0 656
声ヲタ自重しろ
最近巣の匂いさせたままレスする奴多すぎ

725:風と木の名無しさん 2009/10/05(月) 18:23:46 ID:8J7dpHsoO[sage]
*9*0 656
あなたのレスに何の意味があるの?
それは感想でもなんでもないだろ
650に失礼すぎる

728:風と木の名無しさん 2009/10/05(月) 18:49:39 ID:HFdXVTT20[sage]
*9*0 656
>>725を見てスレ見に行ってみた
さすがKY厨というか、これだからKY厨はというか
なんというか……呆れてものも言えん

664 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 21:15:54 ID:ijA8oTo/O
もってこなくても…。
夏目漱石を知らなかった時は、意味わからなかったけど、今は大丈夫。
月綺麗でしたね。

665 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 23:19:35 ID:5cFC3swi0
ふとしたきっかけで(後輩の女の子と話してたりとか)
遅ればせながらその意味を知って、ひとりパァアアア!
と赤面する後輩まで想像した。 可愛い二人をありがとう。

666 :風と木の名無しさん:2009/10/05(月) 23:58:43 ID:SaafEU7a0
GJ

667 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 00:37:59 ID:H2xpYKk/O
あーそっか!アイラブユーか!
うわー萌える

668 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 00:39:00 ID:rLiX06ko0
おふみ

669 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 00:41:06 ID:xrPfPmes0
親友が再会したら敵同士

670 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 01:51:08 ID:pzqJNJ0sO
「この国を護るのは僕達しかいないんだ!」
キミはいつもそう言っていた。そう言わないと、プレッシャーに押し潰されてしまいそうだったからだと、今の俺なら解る
でも、当時の俺は今以上に鈍感で馬鹿でどうしようもなくて。キミがそう言って皆を勇気付ける姿に、只々見惚れているしか出来なかった。
だから、偶々キミが泣いてる場面に出くわした時。泣き顔を見られたキミよりも、僕の方が慌てふためいてしまった
見なかったフリをして立ち去ろうとして失敗し、盛大に転んだ俺を見て吹き出したキミ。
誰とでも仲がよく、しかしだからこそ孤独なカリスマだったキミと俺が、いつも連むようになったのはこの日からだったね
あの【学校】で、ESP値の低い俺は劣等生だった。政府の特別兵はおろか、使い捨ての特攻兵にすらなれなかった
そんな者の末路は、【見せしめ】として公開処刑されると決まっていて。
俺は次の【見せしめ】が自分だと宣告された時も「とうとう来たか」位にしか思わなかった。その為に生かされてきてたのだと、薄々感づいていた
なのに、キミは
自分の「輝かしい未来」を棒に振って、俺を連れて逃亡しようとしたんだ
だけど所詮は子供。すぐに見つかり俺は撃たれた。キミの目の前で。
俺の生への本能が爆発するのと、キミが壊れてしまったのは、ほぼ同時だったらしい。
2人のESPが暴走して…俺は意識を失った。目覚めたらレジスタンスに拾われてたんだよ
そして、キミは死んだと聞かされて…。
俺もレジスタンスに入って、この国を壊す立場になったんだ
それから数年後、目の前に現れたESP特別兵。
…目を疑ったよ。表情を無くし、命令のまま動く人形と化したキミを見つけたんだ
キミがそんな【殺人人形】となったのは俺のせいだ。だから、決めた。俺が、俺の手で、必ずキミを救う。ってね
でも結局はキミを散々傷付けて。このザマだ
なんとか破壊したキミのピアス。これで多分、強制催眠からは解放される筈
でももう、俺の時間は足りないみたいだ。視界が霞んで手足が冷たい
横に並んで寝転がってると、昔を思い出してしまう。こうして眠るキミを見るのが好きだったんだ
本当に、大好きだったんだ
あぁ、キミが目を覚ます。霞む視界に…キミの泣き顔、が…

最後まで泣かして、ゴメン、な…

671 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 02:08:48 ID:fbOWpcWg0
エスパーと統制国家に洗脳もの、美味しい設定ギッチリ詰まってていいなこれGJ!こんなBLゲがしたい
これをバッドエンドルートとして、ハッピーエンドも見てみたいなあ

ただ残念なことに私の脳内ではBLじゃなくて、真っ先にラノベ的な孤高女の子×若干駄目男で再生されてしまった…

672 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 02:23:53 ID:RrZMTqftO
http://m.nicovideo.jp/watch/sm7276624

お暇ならドゾー

673 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 12:46:09 ID:J+kWskzlO
766:風と木の名無しさん 2009/10/06(火) 03:28:01 ID:pZwzDXsBO[sage]
*9*0 671
えぇ…
何で最後の一行をわざわざ書いちゃうんだろうか

770:風と木の名無しさん 2009/10/06(火) 06:30:52 ID:GAnzQSvjO[sage]
*9*0
656もあれだけど(さんざん突っ込まれてるけど)、650も二次創作ってことか?
あのスレ固有名詞はダメだけど、キャラすげ替えとか匂わしなら二次ありなの?

771:風と木の名無しさん 2009/10/06(火) 07:22:55 ID:pzqJNJ0sO[sage]
絡み770
あれは勝手に656が化け物語を連想しただけなんでない?
つか二次云々なら指定スレの1に書いてる
自分670書いた奴だが、671-672見るに二次だと思われてんのかな…orz
まぁ、良くあるテンプレ話だから仕方ないか…

772:風と木の名無しさん 2009/10/06(火) 07:49:15 ID:ymUDvI/yO[sage]
絡み771乙…
自分は二次だと思わなかったし、656は単にイメージ浮かんだから声優の名前書いたのかと思ってた
そうか自分で勝手に二次だと思った可能性あるんだな…

674 :風と木の名無しさん:2009/10/06(火) 23:48:25 ID:Tu/18V4qO
>670
悲しい……二人ともに、誰も知らないところでひっそりと生き延びてほしい。



>673
ゴミは死ね

675 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 02:07:00 ID:h7m2Oipb0
まわしていいかな

676 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 02:57:54 ID:m8qBIq3x0
つつがなくまわし

677 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 03:30:25 ID:UQncV9MzO
まわします

678 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 06:36:33 ID:YsTwNP1XO
さあ私をお踏み

679 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 06:55:47 ID:YHR2k2so0
ヤンデレを治したい

680 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 13:29:15 ID:h7m2Oipb0
「弟がおかしい?」
「…そう、だ」
作業着姿の大男はそう言うと水割りを呷った。
「表面的にはまともだから、病院や施設に連れて行っても意味が無い」
だから、お前を頼っている。そう暗に示され適当に逃げようという気は失せた。

同窓会で再会した中学時代の同級生は、昔と変わらず無口で不器用、しかし情に厚い良い奴のままだった。
俺が、精神科医になったという話がどこからか彼に伝わったのだろう。
申し訳なさそうに、携帯に電話が入ったのは一週間前。
『医療関係者を知り合いだからと健康相談所扱いするのは嫌いだ。
しかし、自分の手に負えない事態が起きつつある。謝礼は払うから話を聞いてくれないか』
診察室やカウンセリングルームで話を聞こうとしたが元々無口な彼はそういったところだとさらに口が重くなるだろうと思い、
誘われるまま居酒屋で話を聞くこととなった。

話すことが得手ではない彼に助け舟を出しながら聞き出した話は、まあ良くある恋愛のどろどろだった。

元々彼の弟は兄と似つかず、明るく社交的で人間関係も良好、恋人も適度に居りとても精神的な欠落があるとは思えない人間だったらしい。
しかし、弟の幼馴染に恋人が出来た時から、何ともいえない不安定さを示すようになった、ということだった。
「幼馴染を不必要に長時間拘束」「執拗なまでにかまう」「どうやら幼馴染の恋人を迂遠に攻撃している」
という状況を見て、さすがに彼も異常だと感じるようになったらしい。
「アレはいつもと変わらず今も、充実した毎日を過ごしているようだ。ただ、幼馴染関係の事となると途端に目の色が変わる」
ある日、事件が起きた。
10以上も年の離れた弟には下手に関わらず、遠目に暖かく見守るスタンスを保っていた彼が思わず手を出すほどの事件が。
「あろうことかアレは、幼馴染の恋人を寝取りやがった。それも、わざわざ自宅に引き込んで、俺や幼馴染に直ぐばれるように」
幼馴染は女性受けが悪く、幼馴染の初めての恋人である女の子もまた初心だった。
弟にとっては二人の仲を裂くことなど造作も無かったに違いない。
「俺は初めて奴を殴った。最低だ、とお前のことは兄弟と思いたくないと」
兄が手加減しなかったため、弟は壁に吹っ飛んだ。
しかし、前歯が折れ鼻血に塗れながらもうつろな目で弟は微笑んでいたという。

681 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 13:36:42 ID:h7m2Oipb0
『アイツには俺がいればいいんだよ俺が助けてやる救ってやる愛してやる
女なんて要らないよなセックスだってなんだっておれが相手してやるおまえにとっての一番は俺以外いないんだよ』

「お前の弟はまさにヤンデレだな」
一通り話を聞き終える頃には、手元のウィスキーは氷が丸く小さくなっていた。
「ヤンデレ?」
「好きな人関係のこと限定で病んでる状態になる奴の事だよ。まあ恋愛で異常に思い詰めて破滅しちゃう人だね。
かたく言えば『各種精神疾患の要素を持ちつつも、治療対象に認定されるまでには至らない状態の恋愛に特化した異常性』
まあ一精神科医としての根拠の無い意見だけどね」
「そうか、やはり精神科で解決できる問題ではないんだな…」
「社会的にはうまくやれてるみたいだし、自分で自分のことを病んでるとは思ってないんだろ。
じゃあ精神科で扱う病気じゃないよ、最初にキミが言ったように医療機関では解決できないね」
焼酎をグラスに注ぎながら、彼は幅広い肩を竦め太い溜息を吐いた。
絶縁を突きつけてもやはり可愛い弟には幸せになって欲しいのだろう。

「でも、俺個人として相談に乗ることは出来る」
自分でも予期しない言葉が口をついて出た。
精神を扱う職業柄他人の感情に引きずられる事を厭う俺は、厄介ごとに首を突っ込まない。
しかし、目前の男を助けたいという気持ちが湧いているのは確かなことだった。
「いや、身内の醜い話を聞いてもらっただけでも有難いものだ。これ以上は良い」
「精神科医としてではなく、知り合い…旧友としてだ。遠慮なく頼ってくれないか」
強い視線で、彼に訴えかける。しばらく間のあった後、すまない、恩に着る。と彼の口が動いた。
ぬっと差し出される焼酎をウィスキーの入っていたグラスで受ける。
久しぶりに口にした癖のある液体が、のどを焼いた。

その時点で、カウンセリングも薬も各種療法も効かない、暴走した感情の厄介さに気付かなかった事を心底後悔した。
自分はこの時点で、おぞましい恋愛愛憎劇の舞台に立ってしまっていたのだった。

682 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 14:08:55 ID:CmjqZqiJ0
すげええええ
GJ!!

683 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 18:02:35 ID:Uasqo6XW0
うわぁぁぁ続き読みてぇぇぇ!!!
GJです!

684 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 18:28:40 ID:xw4gY10C0
GJといわざるをえない。が!
なんで続かないんだよぉおおおおおおお!!
ヤンデレの弟と幼馴染も気になるし!!

685 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 19:38:20 ID:TJj90Uo4O
続き!続きを!
ヤンデレ描写うまいなー、GJGJ!

686 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 19:55:23 ID:H582bVed0
上手すぎる!GJ!
兄弟そろってヤンデレぽくてヤンデレ好きにはたまらん!
すごくよかったよ!!

687 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 19:58:42 ID:8esBeJWF0
深いなぁ!!! GJでした!
小物使いにK.Oされましたぜ

688 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 20:05:17 ID:3hL1gqC0O
どうぞー

689 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 20:09:49 ID:AKU1u6c10
台風一過

690 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 22:19:50 ID:a3iGoGW10
「世の中には良い人っているもんだなあ」
 いつも不機嫌そうにしている友人が、妙に嬉しそうにそう話しかけてきた。
頻繁にトンネルの中を走り抜けるこの電車の中は会話には不向きな場所なのだが、それにもかかわらず饒舌に話し続ける。
何でも先月の台風の時、駅で途方に暮れていた友人に傘を渡して、自分は雨の中を走り去った男がいたというのだ。
この傘を使いなさい、安物だから返さなくていいよ、とだけ言い残して。
「走って行ったってことは、予備の傘じゃなくて差してた傘か」
「多分そうだろ」
 そう言ったあとで、友人は何故か、悔しそうな顔になった。
「ただなあ……俺はあの人がどこの誰かも知らないからさ、傘も返せないし、礼も言えないんだよ」
 どんな男だったかと冗談半分に訊いてみれば、髪の長さから背の丈まですらすらと答えるのには少々呆れた。
進級してから半年経っても級友の顔を覚えない奴に、一体何があったというのだろうか。
「そこまで覚えてたら、次に会ってもすぐわかるだろ」
「もう二度と会うこともないんだろうけどなあ」
 眉がハの字に下がった妙な顔で笑う。
何でもこの一ヶ月、早朝や学校が終わった後に駅の周りをひたすら歩き回り、一度見たきりの男を捜し続けたのだという。それこそ雨の日も風の日も、片手には借りた傘。
呆れてしまうほどの努力だった。
「……何でそこまでするんだよ。その人、返さなくていいって言ってたんだろ?」
 俺がそう言うと、やつは黙り込んでしまった。
長い沈黙の後に小さく唇が動いたが、声は電車がトンネルを抜ける轟音にかき消された。


691 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 22:20:41 ID:a3iGoGW10
間の抜けた声で放送が入って、電車が徐々にスピードを落とし始めた。
この駅で乗客の大多数が降りてしまうから、座席には大分空きが出来るはずだ。
 そろそろと電車がホームに滑り込む。早く着けよと内心焦れながら、俺は、ちらりと友人の様子を窺った。
 その時やつの顔に浮かんでいた表情を何と言えばいいのか。驚愕や疑念や歓喜や焦燥が少しずつ入り混じった顔。
空気が抜ける音がしてドアが開く。それを待ちかねたように、友人は人を掻き分けるようにしてホームに飛び降りた。
咄嗟に降りる駅じゃないぞ、と声をかけたが、聴こえもしなかったようだ。
俺は思わず脱力して、吊革に半ばぶら下がるような姿勢になった。ああ、今あいつの視界に入っているのは一人だけだ。
雨の中ずぶ濡れになって駆けてった男。急に息を切らせて椅子の前に立った高校生に、優しそうな顔が軽い驚きの表情を浮かべている。
友人が何か言ったらしく、表情がゆっくりと笑みに変わった。
 そこまで見届けた時に、俺の乗っていた電車が動き出した。友人と男がゆっくりと遠ざかっていく。友人が驚いたように俺のほうを振り返った。あ、忘れてた、てなもんか。軽く嫌味をこめて、満面の笑みで手を振ってやる。
 気まずそうな奴の後ろで、台風が過ぎた後の空が青く輝いていた。


692 :風と木の名無しさん:2009/10/07(水) 22:51:23 ID:YHR2k2so0
GJ
主人公は後日延々とのろけ話を聞かされるようになるんですね

693 :風と木の名無しさん:2009/10/08(木) 09:41:35 ID:naAWawDh0
さわやかなええ話やあ。
GJ!

694 :風と木の名無しさん:2009/10/08(木) 18:49:49 ID:bQMVWsIv0
いいね、いいね!
実は主人公→友人だったみたいなちょっと切ない系になってないところが
更にいい!
本当に台風一過の後の青空みたいにさわやかな話でGJでした!

695 :風と木の名無しさん:2009/10/08(木) 19:46:22 ID:h3tHU+XcO
萌えた!
自分も>>694と同じ感想、爽やかなところが良かったです
GJ!

696 :風と木の名無しさん:2009/10/09(金) 06:37:25 ID:uRJF2gmyO
上手いなー。
文章が上手く表現に過不足がないから、さらりと読めるのに印象が鮮やかだ。
友人が可愛いしね!Gjです!

697 :風と木の名無しさん:2009/10/09(金) 13:11:59 ID:+6oKZu+3O
踏み台の踏み台

698 :風と木の名無しさん:2009/10/09(金) 13:17:33 ID:3sQn7uCr0
じゃあ私めが踏み台に

699 :風と木の名無しさん:2009/10/09(金) 13:24:02 ID:yCMvP4hs0
観察日記

700 :風と木の名無しさん:2009/10/10(土) 08:26:19 ID:i3stMq0w0
「ねぇ、写真とってよ!」
 そんな言葉と共に、満面の笑みでカメラを差し出す白いてのひら。
 言われるままにカメラを受け取ってはみたけれど、何を写せというのだろう。
「写真?」
 首を傾げながら訊ねれば、返ってきたのは笑顔だった。
「これ、おれと一緒に写して」
 その指が示したのは、ガラスケースの中に出来上がった小さな世界。蟻の巣。
「観察日記、つけてるんだ」
 屈託の無い笑み。
 閉じ込められた蟻達は、この間も必死に動き回り、限られた世界の中で自分達の住処を広げる。
 そしていつか壁に突き当たり、この場所が有限である事を知るんだ。
 なんて、残酷なんだろう。でも、この無邪気さがその事実を覆い隠す。
「、ああ」
 カメラを持つ手が、ぬるりと嫌な汗で滲んでいた。
「じゃ、いくよ」
 ガラスケースの蟻と、にこにこと笑うあいつ。
「はい、チーズ」
 パシャリ、シャッターが降りる。
 写真に写された、有限の世界と無限の可能性。

 俺は、きっとガラスケースの蟻。
 恋心という有限の世界に閉じ込められて、いつか壁にぶち当たる。
 そしてこの先もずっと、こいつは自分の残酷さには気づかないんだろう。

701 :風と木の名無しさん:2009/10/10(土) 23:43:23 ID:Q/Z08Fgl0
GJ!なんだかジワジワ来ます
壁に突き当たり、あちこちもがいてはまた壁に…
主人公は一生思いを閉じ込めて生きて行きそうで、
苦しみつつ萌えました

702 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 13:05:31 ID:zsMD6ZdKO
さて、そろそろ回しますか

703 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 14:19:36 ID:RkvpmE36O
グッジョブまわし!

704 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 14:25:28 ID:Kw80zaL/0
まわし

705 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 16:26:23 ID:u7Ft9CYM0
監禁系なお題だなと思ってたけど、いろいろ萌え方はあるんだね

706 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 16:36:20 ID:xsE0BgZZO
生態不明なあいつを観察、みたいなものになると思ったから驚きつつも楽しんだ

707 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 16:55:34 ID:pTZID8SJO
ひょっとして禁断のショタなのかと萌えた
我慢しろよ〜w
GJでした

708 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 17:29:45 ID:80l62vwQ0
さあ、お踏み

709 :風と木の名無しさん:2009/10/11(日) 17:32:19 ID:JsXmvb460
自分は当て馬ポジションだと半ば諦めてたけどそんなことなかった攻め

710 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 17:39:17 ID:mKjDmpINO
頑張ったけど間に合わなんだー(´・ω・`)
なのでまとめに投下しといた。

711 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 21:40:34 ID:QhVpx5Nj0
どんまいwまとめ投下乙です!

712 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 21:47:59 ID:0gPjv1xAO
じゃ、回しますよ


713 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 22:08:56 ID:lu3+BSzFO
まわします

714 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 22:11:09 ID:b4MeBas4O
MWS

715 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 22:25:18 ID:xp4nRjUy0
まわし

716 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 22:27:07 ID:kTWhhkUz0
まわし

717 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 22:45:21 ID:duH3EXnK0
まわし

718 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 23:09:44 ID:XrBgAc7P0
踏み台になろう

719 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 23:10:01 ID:u96HUHJwO
詐欺師

720 :風と木の名無しさん:2009/10/12(月) 23:10:16 ID:7uiBSYzAO
悪い大人につかまっちゃった

721 :720:1/3:2009/10/13(火) 10:12:14 ID:CebGde3xO
その人が亡くなったと知ったのは、バイトを終えて帰宅した夜の十一時頃だった。
首都圏から大きく離れた山間にある俺の町では、日に一度の新聞も大きな娯楽のひとつであるから、日中はそれはもう大騒ぎだったらしい。
母に投げつけられた地方紙の一面には「凶悪詐欺事件多発」の文字。右下に目を向けると小さな枠に、地元の権力者の名前と通夜の場所が簡潔に書かれていた。
(…アドレス、消さなきゃな)
住所は三軒先の大きな家だった。

********************
町外れの工場で火葬をした。このあたりでは、土に埋めるのが当たり前だったけれど、故人の意思を尊重して、とのことらしい。

列席はしていない。
というのも、俺のバイトというのは、お金の余ってそうなおじさんに甘えて、カードの番号やらブラックな資産を聞き出すちょっと後ろめたいものだったから。
そのささやかな詐欺の、3番目の相手があの人だった。



722 :720:2/3:2009/10/13(火) 10:14:16 ID:CebGde3xO

遠くに、ぱちぱちと薪の爆ぜる音が聞こえた。花火の音に似ている。

―――――年の暮れに上がった花火を、窓からじっと見ていたのを覚えている。
「おじさんでも、そういうの綺麗とか思うんだ?」
ちょっと皮肉を込めて言うと、ああ、好きだな、と笑う声。
花火、桜、飴細工。あの人は儚くて美しいものが好きだ。
いくら媚びて甘えても、預金の額、職業、何にも教えてもらえなかったけど、そういうことは知っている。
例えば、首の後ろを撫でるのが、行為の合図だとか。
いつも少しずつ、気が遠くなるくらい執拗に追いつめられた。
指の尖ったところが奥に当たるたび、軽く達してしまう。もうやだ、と泣いてみせても許してくれない。
かさついた手は驚くほど優しく頭を撫でて、そのぬくもりに体の力が抜けているうちに足を抱えられた。
…そこからは、前も後ろも熱くてなんだかわからなくなる。


723 :720:3/3:2009/10/13(火) 10:15:09 ID:CebGde3xO

(どうすんだよ。これ、俺、もう普通じゃないじゃん。おっさん思い出して、勃つとかさ)
足のあいだがずんと重い。目の奥が熱くなる。

塀越しに足音がたくさん聞こえた。あの人の体はもう燃え切ってしまっただろうか。いつも会うのは都心のマンションだった。それが同じ町の、三軒先に住んでる、だなんて笑えない。
初めから気付いていたのだろう。俺のかわいそうな身の上話も、全部嘘だって。

穏やかで良い方だったのに残念ねえ、と誰かの声。
そんなの全部偽物だ。あの人はお金払って、バカ学生とホテル行くような人だ。いつも偉そうだし夏もスーツ着てるし俺がご飯食べてるとき妙に機嫌が良かったり何考えてるかさっぱりわからなかった。
段々、冷静でいられなくなる俺自身のことも。

「詐欺なのは、あんたの方じゃん…」

縁側に膝を抱えてうずくまる。
ふと襟足を触る指に気付く。膝の隙間から、黒いスーツの足が見えた。


724 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 15:41:49 ID:AtxgAcy7O
うおー
生きてるの!?おっさん生きてるの!?
この後の妄想が止まらないっす
GJ!

725 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 16:49:59 ID:8eTTlxNl0
殺した死体の足かと思った…
退廃的で萌えた GJ

726 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 17:04:57 ID:P9ucG/NbO
おっさん幽霊になって会いにきたんじゃ?
なんで死んじゃったのかなぁ。生きてたら救いもあったかもなのに。

727 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 19:47:22 ID:AiSTdLjpO
おっさんは生きてて本当の詐欺師なのかなぁとオモタ
どっちみち悲恋かもしれないけど萌えるよGJ!
お互い騙してるつもりで気付いたら底無し沼に二人ではまってればいいよ

728 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 20:40:20 ID:fcItMxUaO
どうぞー

729 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 20:40:38 ID:WI6NMjzV0
少しずつ死んでいく

730 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 20:58:11 ID:icsiIbpx0
最近、あいつは他の奴と仲が良いようだ。
悪い事じゃない。最近まであいつは俺に気持ち悪いくらいベッタリで、
他に友達くらい作れと散々言ってたのは俺自身だから、それを怒る義理もない。
一緒に帰るという、別に意識もしてなかったいつもの事がなくなって、
今更ながらそれは毎回やってた事で、しかも約束もなしに成立してた事に驚いた。
今日も一人で帰る。
むしろ俺の方が、あいつ以外友達居ない奴みたいじゃないか。

朝も一人。友達は居ない事もないが家が近いのはあいつだけなんで一人だ。
「よう」
席も近いので挨拶をする。あいつはよく知ってる顔で挨拶を返してくる。
まだ大丈夫だ、別に無視されてるわけじゃない。
でもその日の帰りも一緒じゃなかった。
勝手にしやがれバカヤロウ。俺はわざと一人で帰った。

あいつはまたアレと帰っているらしい。
これでもう一週間。さすがに付き合い悪すぎ。他の友達も大事にしろ。

731 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 20:58:35 ID:icsiIbpx0
「お前、最近付き合い悪くないか?」
「なんで? お前が他の奴とも遊べばって言ったんじゃん」
あいつは悪びれもせずに言った。いやだからそうじゃなくて、と言いたいが、
そんな女々しい話もしたくないし、する元気もないので放っておく。

アレとよくつるんでるらしい。
というか昨日、アレがあいつの家に行ってるのを部屋の窓から見た。
俺はゲームで遊んでいる。そういえば最近まともに外出してない。
なんだか寂しい。
さっさと俺と遊べバカヤロウ。

携帯が鳴った。あいつだった。
「最近どうしたんだよ、具合でも悪いのか?」
「死にそう」
むしろもう八割くらいは死んでる。
アレなんて知るか。友達なんて俺一人でいいからさっさと来い。
早く俺を生き返らせろバカヤロウ。

732 :風と木の名無しさん:2009/10/13(火) 22:25:28 ID:0SrtiarK0
裏に渦巻くいろんな感情を妄想してニヤニヤした
GJでした!

733 :風と木の名無しさん:2009/10/14(水) 12:57:34 ID:czu+2hC+0
これは色々想像できて萌える…!
あいつに悪意があるのか無いのか天然なのか、
アレがただの協力者なのかライバル候補なのか何も知らない第三者なのか
まず恋愛感情に気付いているのかどうか、単純計算で2*3*3=18通り考えられるよ
個人的に気付いてない*悪意あり*ただの協力者、が萌ですGJ!

734 :風と木の名無しさん:2009/10/14(水) 19:07:45 ID:Aqz8l3xxO
乙まわし

735 :風と木の名無しさん:2009/10/14(水) 21:24:19 ID:Hr5CfLRH0
GJまわし

736 :風と木の名無しさん:2009/10/14(水) 22:07:01 ID:T5jjc+U9O
可愛らしい死にそうでいいな
GJ!

737 :風と木の名無しさん:2009/10/15(木) 02:13:18 ID:mxgQ/BFC0
これはいいなGJ!まわし

738 :風と木の名無しさん:2009/10/15(木) 03:18:34 ID:UigxzXI50
初めての踏み台

739 :風と木の名無しさん:2009/10/15(木) 03:28:10 ID:zuuzC5IR0
初恋の女の子

740 :風と木の名無しさん:2009/10/15(木) 05:04:04 ID:H/1lMhlu0
「なぁ、また告られたんだって?」
「なに聞こえねー」
昼時の食堂はうるさい。お前の声は低くて良く透るから、
すぐに何を言ってるのか分かったけど、そのまま聞こえなかったことにした。

「俺今日のおすすめ定食にするー。つか、お前ばっかもててつまんねえな。
ここにも男前がいるのに」
そうだよな、お前本当に男前だよな。
ただのクラスメイトがボコられてんの、一人で止めにきて
相手みんな倒しちゃうくらいかっこいいよな。
「とりあえず授業で涎たらすまで熟睡すんのやめればいよね」
「で、どうすんの?あの子いいにおいするよね。いただきます」
「どんだけ接近戦なんだよ。いただきます」
「偵察、偵察!んで、周りもしっかり見えてるよね」
お前もな、良く人みてるよな。おせっかいで、
あんまり他人が突っ込んでこないところにも入ってくるし。
俺人付き合い好きじゃないのに。
「さらに、あの子お前が初恋だとよ。
でも初恋は実らないって、ばぁちゃんがいってたからねぇ」
「まぁ…人によりけりじゃない?
て、何人のおかず取ってるの?」
俺の初恋も実らなさそうだ。


「俺は、初恋は叶うと信じる派」
人が引けたテーブルはうるさ過ぎず静か過ぎず、お前は今度こそ話をそらすことを許さない。
「で、告白するの?」
低い声に首筋がむず痒い。
「どうしようかなって」
のど元まででかかった言葉を
苦手なしいたけと一緒に飲み込んだ。

741 :風と木の名無しさん:2009/10/15(木) 10:01:55 ID:7sL+IILu0
ああ、これは切なくもどかしい…青春ですね

742 :風と木の名無しさん:2009/10/15(木) 11:56:43 ID:XDsCFI9jO
萌えにジャストミートした
二人のキャラが好きだ!

743 :風と木の名無しさん:2009/10/16(金) 19:08:26 ID:gaMlKNiwO
回しのお時間です

744 :風と木の名無しさん:2009/10/16(金) 20:59:30 ID:1oU0GxezO
きちんといただきますする男子二人が可愛い
初恋は実らないって何時から言われ始めたんだろうね

745 :風と木の名無しさん:2009/10/16(金) 22:37:57 ID:S3f8Zh7oO
可愛いなあGJ!回します

746 :風と木の名無しさん:2009/10/16(金) 23:12:26 ID:12e8FVCU0
回ります


747 :風と木の名無しさん:2009/10/16(金) 23:38:29 ID:FT1x7M0X0
回し〜

748 :風と木の名無しさん:2009/10/17(土) 00:11:26 ID:XFnSYpnE0
踏んで!

749 :風と木の名無しさん:2009/10/17(土) 00:14:44 ID:Ktt39k/z0
魔術師の休暇

750 :1/2:2009/10/17(土) 03:31:04 ID:DhGRbyzf0
「ぐえっほ、げほ、げほっ。またぞろひでぇ有様だな、こりゃ」
咳き込みながらカーテンを開けると、差し込んできた光の道が部屋の中にくっきりと浮かび上がった。
つまりそれだけホコリが舞っているということだ。
元々が怪しげな古文書だの魔道具だので埋め尽くされていて
足の踏み場もないような部屋なのに、これではたまったものではない。
俺はそのまま両開きの窓まで開け放った。
いつの間にか錆付いてしまっていた蝶番が嫌な音を立てる。
「仕方ないだろう。何ヶ月帰ってなかったと思ってるんだ」
神経質そうに眉をひそめたこの家の主は、ゾロゾロと長い法衣の袖で口元を覆っていた。
本が散らかってるのはいいのにホコリはダメとか、相変わらず変な奴だ。
「まあいい。私は探し物があるから、お前は適当に他の部屋の掃除でもしててくれ」
「げっ、冗談だろ!?家中こんな有様じゃ3日で終わるわけねーだろ!
 お前休みに帰ってきたんじゃないのか!?」
「他の連中はどうか知らんが、私はそんな事を言ったつもりはない」
今俺達のパーティは、三日間だけの休暇期間中だった。
それというのも、次に向かう予定の場所が場所で……つまり、魔界の魔王城。どう考えても死地だ。
だからその前に、まぁみんなそれぞれやりたい事もあるだろうと思って時間をとった。
そういう訳で他のメンバーはてんでんばらばら故郷に帰ってしまっている。
死出の旅の前に、家族やら友達やらの顔を見てゆっくり過ごすって訳だ。
しかし目下のところ天涯孤独で生まれた土地すら分からない俺は、
同じく親兄弟のないこいつの里帰りに付いて来たのだったが。
「なあ、これじゃ今晩寝るところにも難儀するだろ。大人しく宿でもとろーぜ」
「宿がいいんならお前一人で取れ」
「ああもう。何でお前ってそんな意地っ張りなの?」

早速本棚に食らいついてそこから離れようととしなくなった背中に
これ以上話しかけても虚しいだけだと経験から知っている俺は、仕方なくこちらから折れてやり
とりあえず家中の窓を開けて回るために部屋を出た。

751 :2/2:2009/10/17(土) 03:33:00 ID:DhGRbyzf0
結局それから丸二日間以上俺は掃除に追われ、
気がつくと最期の休日は残すところあと半日と少しになってしまっていた。
こんなはずじゃなかったのにな。もっと、こう、二人でゆっくり話でもして。
そんな事を考えてたのに、あいつはと言えばほとんど書斎から出ようともしなかった。馬鹿野郎。
いまやあらゆる魔法という魔法を操っているお前が、何をそんなに真剣に読むことがあるんだか。
しかも帰れるかどうかも分からないこんなボロ屋の掃除を俺一人に押し付けて。
「なあ、おい。全部掃除終わったぞ。お前もいい加減そこから出ねーか」
「もう少し」
あーあ、いつもこれだよ。最後まで変わんないんだな。
「半年前は」
「ん?」
「半年前までは、分からなかったんだ。この本の内容が。だが今は読める。
 既存のとはまるで違う魔術の方式が書いてあるよ。これが使えたら……」
「ンなもん、今更――!」
「今更、何だ。戦力になるものは少しでも多い方がいいだろう。
 私はお前みたいに死にに行くつもりはないからな」
「……なんだって?俺が?何言ってんだお前」
「自分で気がついてないのか。明日死にますって顔してるぞ、今のお前は」
「バカ言ってんじゃねーよ。そんなわけ」
「お前がどこでどうやって死のうが私には関係ないがな、
 明日一日だけは最後まで生き残ってもらわないと困る。
 そのためにこうやって休み返上で埃まみれの本を読み込んでるんだ」
「…………」
「明後日からは行き倒れるなり食い物に中るなり好きにしろ」
やっとこっちを向いたかと思ったら、途端にとんでもないことを言い始めた奴に
『明後日から』という言葉を聞かされ、俺は愕然とした。
確かに俺は、今の今まで明後日以降のことをひとかけらも考えていなかったんだ。
俺の頭の中で、明日から向こうがぷっつりと途絶えてしまっていた事にたった今気づかされた。
「……う、うるせー!お前こそバカみたいに貧弱なんだから途中でおっ死ぬなよ!?」
自分でさえ分かっていなかった自分の胸中を、こいつはまるきり全部お見通しだったというのが
無性に恥ずかしくて、悔し紛れにそうやって叫んだ。そうだ、こいつに死なれちゃ困る。困る。
思いながら、言いたいことだけ言ってまた本に没頭し始めた背中を睨みつけるように見つめた。

752 :風と木の名無しさん:2009/10/17(土) 12:10:01 ID:oOMNJaGy0
前向きな魔術師いいね。
決戦前夜ってすごく好きなパターンだ。明後日にはお互いのことだけ考えてるといい。
GJ!

753 :風と木の名無しさん:2009/10/17(土) 14:23:09 ID:5nbZImnDO
魔術師にちょっと尻に敷かれてる感じがかわいいな。
生き残って2人で暮らせるといいねGJ!

754 :風と木の名無しさん:2009/10/17(土) 22:33:15 ID:/0q61XzU0
二人で住むために掃除をしたんですね分かります
GJ!

755 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 02:14:34 ID:Gff9id4kO
かっこいいなあ。すごく好きです。

756 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 02:18:21 ID:CCgshe4sO
いいな、魔術師キャラに対する固定観念をいい意味で覆されたよ
昔は理解出来なかった術式が、語り手に出会ったことで理解出来るようになったのならいいなー
戦いが終わってもこの力関係が変わらないといいけど、デレた魔術師も見てみたい…と
先の展開も楽しく想像させて貰いました、GJ!

757 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 10:08:11 ID:n24jiPbk0
まわすぜー

758 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 10:12:09 ID:pP3z/jth0
よっしゃ踏め!

759 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 10:18:54 ID:tPEmP2lrO
手を繋ごう

760 :1/3:2009/10/18(日) 11:49:57 ID:bTI47D6D0
会社を辞めた。
同じ会社の中の営業同士の競争が苛烈なのは当然だが、負けた側が
真っ当ではない腹いせをしてくるのは予想外だった。
最初のうちは単なる噂話で、曰く「アイツは営業先の女子社員を喰いまくって
いるらしい」、「○○社の女の子は妊娠させられて捨てられて自殺したらしい」。
噂を流している奴が誰なのかはバレバレだ。テメエがやったことを俺がやった
ように話してんじゃねえよ。
しかし、あるときから噂の内容が変わった。
曰く、「アイツはホモのオカマだ」「男と同棲している」「営業先で女を喰い
まくっていたのは偽装のためだった」。
俺の身の回りを調査したんだな。ゲイなのは事実だし、男と一緒に住んでいるのも
確かだ。半端に真実が混ざるとこういう噂への対処は難しくなる。
極めつけは「アイツがデカイ契約を取れたのは、取引先の社長にケツを
差し出したからだ」という噂だった。
俺個人への腹いせで、会社と取引先に不利益を与える噂を流すのかと思ったら、
怒るよりも先に呆れるしかなかった。
その噂が取引先の更なる取引相手の耳に入るに至り、俺は決断せざるを得ない
状況になった。俺が会社を辞めても契約関係に影響が出なければ、少なくとも
取引先社長の疑惑は払拭できるだろう。


761 :2/3:2009/10/18(日) 11:50:17 ID:bTI47D6D0
辞表を提出してから数日をかけて、引継ぎや営業先へのあいさつ回りを済ませた。
円満退職する人には用意される送別会も花束もなく、二度と足を踏み入れることの
無いだろう社屋から出ると、杜生が居た。
「おつかれ」
「いつからここに?仕事はどうしたんだよ?」
「今日は店長は休暇にしました。シフト変わってくれた宇田ちゃんには、あとで
ケーキバイキングを奢る約束です」
「なんだよ。心配してくれたのか?」
「さっきまではね。今は、恭輔の表情が思ったよりも明るいからほっとしてる」
「はは。そうだろ。俺、すっきりしてるからな」

仕事は好きだった。営業もやりがいがあった。このようなことになったことを残念にも
思っている。入社10年、俺が今までやってきたことは何だったのかと、無念さを感じて
もいる。
でも、その心残りとは別のところで、ひどく清々しい気持ちになっている俺もいた。
会社に居る時、本当のことを隠している後ろめたさは取り忘れた値札のように
常にそこにあり続けていたと思う。
その後ろめたさから解放されることがこんなにも心を軽くしてくれるのか。


762 :3/3:2009/10/18(日) 11:50:38 ID:bTI47D6D0
「このご時世、再就職も難しいのに、こんなにすっきりしちゃってちゃヤバイんだけどな」
俺が言うと、杜生は笑った。
「いいんじゃない?恭輔一人養うくらいの甲斐性は僕にだってあるよ。さあ、なんか
美味しいもの食べて帰ろうよ」
杜生は俺の方に顔を向けたまま、一歩進んだ。
進んだところで、まだ動かない俺を振り向いて小首をかしげる。
「恭輔?」
「杜生」
「何?」
「手を繋ごう」
自社ビルのまん前、社員も取引先の人も行き来するその場で、俺は杜生に手を差し伸べた。

この場を離れるのに、杜生に手を引いてもらいたいわけじゃない。
今回の事態を杜生のせいだと思っているわけじゃない。
過去を振り切るための一歩ではなく、新しい生活に飛び出す一歩を、この先ずっと一緒に
歩いていきたい杜生と共に踏み出したい。

杜生はちらとビルを見上げてから俺に目を向けた。
「手を繋ごう」
俺はもう一度言いながら笑いかけた。
杜生はすこしはにかんだ笑顔を返してくれながら俺の手を取った。

初めて明るい陽の元で手を繋ぎ、杜生の温もりを掌に感じながら、俺はかつての職場を
振り返ることなく後にした。

763 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 12:23:58 ID:TE2vtL4y0
好きな人を好きって言いたいし、隠したくないですよね
萌えると言うか、泣きました;;

764 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 13:48:04 ID:xNO9/RSD0
うわー、なんだろう。主人公が明るいし前向きだから重くないんだけど、
背後に流れる何かが泣ける。GJ

765 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 16:23:34 ID:GeBul4Nu0
ああ、人生って切ないな。
たったこれだけの話なのに、ふたりの行く末が幸せなものであるよう祈りたい気持ちにさせられる。
なんというGJ!

766 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 19:06:59 ID:+ymTAPn70
普通の読み物としてもよくできてるなー
GJ!!

767 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 21:12:26 ID:pP3z/jth0
すごい。もうこの話だけで、色々と派生話もいっぱい生まれそう。
悲しい話なんだろうけれど、心の底から幸せになってほしいって思える。
GJの言葉しか出ないわ!

768 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 21:38:22 ID:TDq1u8R10
おつぎは?

769 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 21:38:58 ID:owDnriZc0
思われニキビ

770 :1/2:2009/10/18(日) 22:47:43 ID:pP3z/jth0
昔の相方をなくした芸人は、どれぐらいかわいそうなんだろうか。
親兄弟をなくすぐらいなんだろうか。それとも、親友ぐらい?
「つらいでしょ?」とか、「しんどいだろうね」とか、訳知り顔で言ってくる人間や、
俺を痛々しそうに見てくる人間は、どれぐらいだと思っているんだろうか。
というか、何を理解しているんだろうか。
俺とアイツが、どんな関係だったかなんて、知らないくせに。
語るつもりもなければ、分かってもらうつもりもないけど。

それを口に出すと仕事がなくなるから、あいつに関しての質問は、全て曖昧な
笑みでかわしている。

新幹線でため息をつくと、今の相方が俺を見た。
「ため息ついたら、幸せが逃げますよ」
俺は彼の言うことを、無視する。しかし、それでへこむことはない。
「もー、新堂さんは、いつもそうですよ。ひどい」
ふてくされたように言う相方を、俺は「眠たいねん、うっさい」といなす。
隣の席に、相方が座るなんて、昔の相方とは考えられなかった。
今の相方にそれを許したのは、ひとえに、こいつの性格による。
のんびりしている。どこかぬけている。一人だと、眠りこけて、東京から博多まで
寝過ごすとか、普通にやってしまう。しょうがないから、俺が隣につくことになる。
――― あってるよ、今のお前には。
あいつに、今の相方と組むことを言った時に、からかわれるように、そう言われた。
「結局、俺の言うことなんて、何も聞いてないんだから」
――― 結局、お前は、俺の言うことばっかり聞いてるな
ああやって言われたのが、何年前か、何で俺は正確に言えるんだろう。

あいつは、俺を支配するのが好きだった。
田舎から上京する時も、事務所を決める時も、解散する時も、全てあいつが
主導権をとっていた。俺がネタを書いて、俺の方が人気があって、俺の方が
断然評価されていても、あいつは全く変わらなかった。俺の上にいた。
解散する前も後も、昼でも夜でも、かまわずに電話をかけてきて、俺を呼び出した。

771 :2/2:2009/10/18(日) 22:49:25 ID:pP3z/jth0
……俺がどんなに売れて、ピンになっても、そして今の相方とコンビを組んでも、
翌日に仕事が入っていようがいまいが、あいつの呼び出しに応じた理由を、
俺は誰かに説明したことはない。酔っ払ってぐでんぐでんのあいつを、タクシーに
乗せながら、何度悪態をついたか分からないが。結局のところ、…そうやって
呼び出してもらえることが、嬉しかったのか悔しかったのか、今になっても、俺は
よく分からない。

「新堂さん、みかん食べます?」
現実にひきもどすように、今の相方から差し出されたみかんを、黙って受け取った。
冷たい。冷凍みかんだ。
皮をむくと、汁が飛ぶ。
「みかんは、肌のふきでものを治すのにもいいんですよ」
能天気に言う彼の顔を見ると、目があった。彼はにっこり笑う。
ほら、ここにできてるんですよ、と彼が指す。
そう言われて、アゴを触ると、髭に隠れて、アゴのところに何かできていた。
触ると、かなり大きい。
「…ニキビ」
「ふきでものですよ、あなたの年齢だと」
「殺すぞ」
ぶつぶつと言いながら、つい気になって触ってしまう。その手を、やんわりと
取られた。彼はそうして、にっこり笑う。
「触ったら、ますます大きくなって、治りにくくなりますよ。
 …まぁ、アゴにできるニキビは、思われニキビですから。
 誰かに思われてると考えたら、いいのかもしれませんけどね」
にっこり笑った彼の表情を見ながら、あいつの顔を思い浮かべる。

いなくなったあいつに、本当は想われていたとしたら、幸せなんだろうか。
しかしこのニキビが、彼の残滓だと考えたら、背筋がぞっとした。
ぎゅっと握り締めると、みかんが潰れそうになる。
隣の彼は、しばらくしたら、そんな俺の肩をそっと抱き、ぬるくなったみかんを
取り上げた。そして、俺に冷たい方のみかんを渡した。ぬるくなったみかんは、
彼の口の中に放り込まれ、すぐに無くなった。

772 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 23:45:39 ID:GeBul4Nu0
なんかもうすげー……
語り部の複雑な想いとか小道具の生かし方とか今の相方の押しっぷりとか、
ああ、なんつーかGJとしか言いようがありません。GJ!

773 :風と木の名無しさん:2009/10/18(日) 23:53:36 ID:ypuaraXs0
毛色は全然違うけど、切ないの続いたね
今の相方とでも他の誰かとでもいいから、主人公が幸せになれるといいなぁ

774 :風と木の名無しさん:2009/10/19(月) 00:13:46 ID:EF2oF+rj0
にきびがでっかいのは二人分だからかね
うまいなー
素敵

775 :風と木の名無しさん:2009/10/20(火) 00:41:31 ID:2QzlOWGu0
まわしていい?

776 :風と木の名無しさん:2009/10/20(火) 00:43:55 ID:R/GFQOYQ0
まわそう

777 :風と木の名無しさん:2009/10/20(火) 00:50:27 ID:iWKo68zS0
バックストーリーがあれこれ想像できて
つい妄想してしまう。
過去も未来も広がりもある掌編って本当素敵だ。
リアルタイム(?)で感想書けて良かったー。

回す


778 :風と木の名無しさん:2009/10/20(火) 01:56:09 ID:25w1o2bVO
次の人

779 :風と木の名無しさん:2009/10/20(火) 01:57:33 ID:Kpr4bw6B0
元カノの元彼

780 :1/2:2009/10/20(火) 22:59:25 ID:uMsFFV0G0
「あ…」
「あ、こんにちは…」
いつもの散歩コースの帰り道、懐かしい姿を見つけ思わず声を上げてしまった。
相手もその声に気づいて小さく会釈を返す。
「コロンちゃんのお散歩…ですか?」
目の前の男性はずり落ちたメガネを直すと、俺の連れていたポメラニアンを遠慮がちに撫でた。
少しだけ戸惑いの入った声。
当然だ。俺の隣に居るはずの彼女の姿がないんだから。
「ええ、飼い主が育児放棄したもので。」
吐き捨てるようにそう呟くと、彼は元々大きな目をますます大きくする。
「別れました…ってかフラれました」
「あ…そう、ですか…」
俺の言葉に彼は目を伏せて、鼻先を指でこする。
「彼女、気分屋でしたもんねー…」
いろんな感情が篭った複雑な表情と、すべてを知っている声。
「はは…貴方から無理やり奪っといてこのザマですよ」
自嘲気味に、大げさに笑ってみせると、彼は悲しそうに眉をひそめた。
そしてまたいつの間にかずり落ちていたメガネを直すと、眉を寄せたまま小さく微笑む。
「お似合いでしたのに、残念です」
「!!」
罵声の一つや二つ浴びせられるかと思った。
それぐらい当然なことを彼にしたのだから。
それなのに彼は俺を慰めるような表情で、優しく犬を撫でていた。
ああ、そうだ。
この人は優しい人なんだ。
彼女が別れ話を切り出した時だって、この人は眉をひそめたまま小さく笑って…。
「ぅ…」
「え!わ!だっ大丈夫ですか!?」
あっという間に視界がゆれて、鼻がツキンと痛む。


781 :2/2:2009/10/20(火) 23:00:04 ID:uMsFFV0G0
「ご…ごめ…ごめんなさい…おれ…お…」
言葉を紡ぎたくても、喉が揺れてうまく声が出せない。
零れ出るのは涙だけだ。情けない。
「辛かったですね。大丈夫、貴方は何も悪くない。」
歪む視界の中、彼は微笑んだまま俺の背中を優しく叩く。
「よかったらココアでも飲みませんか?
 悲しい時は甘いものが一番です。温まりますよ?」
彼はそういうとコンビニの袋から小さい缶を取り出す。
「…すみません、いただきます…」
素直に缶を受け取ると、彼はにっこり笑ってメガネを直した。
「あの、優しくしてもらって…こんな事言うのも失礼ですけど…」
「はい?」
「貴方、お人好し過ぎますよ」
「あーそれが原因で振られてんですよねー私」
彼は照れたように頭をかく。
「まあ、そこが貴方のいい所なんでしょうけど」
「そ、そうですかね?」
「はい、おかげでなんか、吹っ切れました。新しい恋が出来そうです」
正直、さっきまでフラれたショックを引きずってたけど、なんか新しい扉を開けそうだ。
俺と、彼をフッてくれた彼女に少し、感謝、かな。


782 :風と木の名無しさん:2009/10/20(火) 23:06:16 ID:k1YvFKEP0
優しすぎる…彼の行く末が気になるよ!

783 :風と木の名無しさん:2009/10/20(火) 23:41:44 ID:YlpCowSq0
あああああいい人を!いい人を元彼にっ!
いい人は幸せになってほしいもんだ。
文中の空気が優しくて、なんかほっこりしたよ。
難しいお題クリアにGJ

784 :風と木の名無しさん:2009/10/21(水) 09:19:26 ID:QtUXlCJ50
優しい! したたかそうな主人公もいいなあ!
まとめサイトにもきてるね。両方GJ!

785 :風と木の名無しさん:2009/10/21(水) 23:11:23 ID:ZCnszjOFO
これは元カノの元彼が後の今彼になるフラグと捉えて良いのか…!?

こんな恋の始まりもありですなー
二人(+コロンちゃん)に幸あれ
ほんわかGJ!

786 :風と木の名無しさん:2009/10/21(水) 23:28:52 ID:oaUGsKFU0
まわしますか?

787 :風と木の名無しさん:2009/10/21(水) 23:35:11 ID:ps/FvEbx0
まわしましょう

788 :風と木の名無しさん:2009/10/21(水) 23:39:08 ID:DiFvW5rw0
ではでは

789 :風と木の名無しさん:2009/10/21(水) 23:39:25 ID:VJ3APtGUO
801チンピラ

790 :風と木の名無しさん:2009/10/22(木) 22:37:58 ID:2Sg0C1Pf0
薄暗い倉庫内で、猿轡を噛まされ拘束されている青年をいかにもチンピラ然とした男複数人が取り囲んでいる。
倉庫は現在使われていないのかガランとしており、端におかれたストーブ以外の明かりはなく、その一画だけオレンジに染まっていた。
「こいつ男のくせに色っぽいよな…」
「なあ…やっちまわねえ?」
ただ監禁することに飽いた男たちは、赤く欲望に染まった目を光らせ、のそりと青年に群がる。
抵抗し疲れた青年は、涎にまみれた轡を噛み締め更なる屈辱の予兆に身を屈めた。
乱暴に口を開放されたかと思うと顎をつかまれ、饐えた臭いのする赤黒いペニスを口腔にねじ込まれる。
噛み切ってやろうと必死に顎に力を入れるも、長時間の拘束で下顎に感覚が戻っておらず、また相手も場数を踏んでいるのであろう、
青年の顎を固定したまましゃぶらせることはせず、青年の顎を固定したうえで揺すぶり、オナホールのように扱い始めた。
「誰かゴム持ってねぇ?」
「マジ?やっちゃうの?」
ケラケラと笑う声とともに、俺持ってるぜー、俺も俺もーと言う声が聞こえる。
ジーンズと下着を一気に下げられ、思わずゾっと鳥肌が立つ。
「キレーな尻してんじゃん、やっぱり男とやり慣れてるやつは違うねー」
からかうような声が聞こえ、薄い皮膜に包まれたものが尻穴につきたてられる。
ずるりと入った異物になんともいえない圧迫感がせりあがる。
ぐねぐねと不快な動きをした後に指は抜けていき、一拍おいて男たちが下卑た笑い声をあげた。
「なんだぁ?今日デートだった?浣腸済みとはご大層なこったな」
心底馬鹿にしたような笑いを受け、青年はまた涙が頬を伝うのを感じた。
「じゃ、準備万端ということで遠慮はしねーから」
「据え膳じゃあしかたねーよな」
尻を掴まれたとき、口の中に苦いものが広がった。
ぐにゃりと柔らかくなった物が最後まで中に出してしまおうと咽喉奥まで突っ込まれた後、間髪を入れずに新しい男根を含まされる。
内臓を下から押し上げられるような衝撃と、肛門が引き連れる傷みに青年の腰がのたうつ。
胃からすっぱいものがこみ上げるが、口も自由にならない。
顎を掴み直された瞬間に、視線が横にそれると、四つ這いにされ前後から犯されるという狂態をしっかりと携帯の動画に撮られていることを知ってしまう。

791 :風と木の名無しさん:2009/10/22(木) 22:42:31 ID:2Sg0C1Pf0
「ふ…っう、ぐぅ…っぷ」
「…は…こいつ、女よりいいぜ…!」
もはや、男達にとって青年は欲をはきだすための肉筒となっていた。
間断なく続く責めに、青年は思考を停止し、ただこの時が終わるのを待っていた。

「貴様ら!何をしている!」
「あァ?」
巨大なシャッターの横にある非常口から、懐中電灯の光輪が近づいてくる。
携帯で撮影をしていた男と一度青年の口に吐き出したチンピラが油断無く揺れながら近づいてくる光に近寄っていった。
「すんません、チョット寒かったんで勝手に中入っちゃいましたァ」
「直ぐ出て行きますんで」
しおらしい事を言いながらも、それぞれ特殊警棒を振り上げ近寄ってきた人物に暗闇から襲い掛かる。
腹部と頚部にめり込む筈だった警棒は空を切り、チンピラたちはもつれ合うように転倒した。
闖入者は歩く速度を速め、ストーブへ近づいていく。
「遅かったじゃねーか、ごちそーさま」
冷たいコンクリートの床に投げ出された青年は体液塗れの無残な状態だった。
周囲にいる男達は既に身づくろいをしており、より青年の惨めさが引き立っていた。

カシュ、と音が鳴り侵入してきた男がスプレーをストーブに向けて噴射する。
途端に火柱が立ち、雑多に放り出してあった袋やゴミに引火していく。
慌てたチンピラたちの隙を突き、スプレーを火柱に放った男は青年を自分のジャンパーでくるみ、倉庫を脱出した。
エンジンをかけたまま止めてあった車の後部座席に青年を寝かせ、自身もすばやく乗り込むとアクセルを踏み込んだ。
無人の倉庫街を飛ばし、そのまま高速に入り、隣県のホテルに滑り込むまでスピードを緩めなかった。
息をつめて運転していた男は、車のキーを回すと、深いため息を吐いてハンドルにもたれかかった。
その様子を後部座席からバックミラー越しに見ていた青年は、僅かに体を起こし凝り固まった頬をどうにか動かし、笑みを浮かべた。
「おれは…だいじょうぶだよ」
「大丈夫なわけあるか!畜生!」
ミラー越しに視線が合う。
青年が半裸であることを思い出し、俄かに正気を取り戻した男は、準備していた服を後部座席に投げた。
「取り合えず、それを着てくれ。部屋を取って風呂に入らないと」
このままではどうしようもない。お互いの気持ちも、何もかもが壊れてしまうかしまわないかも。

792 :風と木の名無しさん:2009/10/22(木) 22:46:38 ID:2Sg0C1Pf0
「ねーこのエロビ需要あんの?」
ぶつりとテレビの電源を落とし、眉間にしわを寄せてどてらを着た大学生が振り向く。
視線の先でぬくぬくとコタツに入っているのは、画面の中で一番苛烈に青年を責めたてて火達磨にされた男だ。
「ああいうベタベタな展開はいつだって好かれるんだよ」
「ある特定の女性グループに受けるドラマ仕立てのゲイビデオ…ね」
どてらの長い袖からちょっとだけ手を出し、派手派手しいDVDのパッケージをいじる。
『レイプ!救いの手は間に合わずあわれ青年散る…初回特別映像特典、消毒ホテルH編つき!』等と仰々しく煽ってあるのが目に毒だ。
「ねー、普通のテレビとか舞台のエキストラだけに仕事絞ってよー」
「最近チンピラ顔って仕事少ないんだよ」
コタツに入って猫に絡まれながらうとうとしてる男は、平和極まりない状態でも悪役臭さを漂わせている。
その時、呼び鈴が来客を告げた。
「あけーてー!鍋の材料もってきたよー!」
お互いコタツから出たくない恋人たちは、目線でしばらく争った後、うなずいた。
「じゃーんけーん」
「ぱー」
「ぐー」
口じゃんけんだ。負けたのはチンピラ然としたほうで、汚物を消毒しそうな顔をして玄関に向かう。
安っぽいアパートの鍵を開けると、鍋の材料を抱えたスーツの男と小柄な青年が部屋になだれ込んできた。
「寒い寒い、こたつこたつ!」
「…邪魔する」
勝手知ったるなんとやら、とのごとくずかずかとあがりこみ、二人ともこたつにもぐりこんでしまう。
「何ー、まだ夜の七時だよーこのビデオ見てたのー?」
じゃましちゃった?とにやりとする小柄な青年をチンピラが殴って黙らせる。
「お前も自分があられもない姿になってるDVD、よく振り回せるよな」
「だって俺の仕事だもん、恥じることないし、ね?」
同意を求められたスーツの男がわずかに顎を引く。
そうなのだ、この小柄な青年こそさっきまで画面の中でいたぶられていた張本人なのである。
「チンピラの家に平然と上がりこむやられ役…」
「…現実と映像をごっちゃにしてはいけない…」
軽くめまいを覚えたところに、スーツ野郎が上着を脱ぎながら突込みを入れる。
チンピラ面の彼がいつか立派な役者になり、こんな混沌が起こらないようになることをいのりながら、大学生はどてらのなかに首をすくめた。

793 :風と木の名無しさん:2009/10/23(金) 01:04:12 ID:nLR1dZhC0
うわあ途中までと最後のギャップに萌えに萌えてしまった。
最後の大学生は、どうやってチンピラ面と同棲みたいな状態になったんだろうか。
背景とか考えるだけで萌える。GJGJ!!

794 :風と木の名無しさん:2009/10/23(金) 02:40:11 ID:Lyr7/kkP0
途中までとはうってかわって、まさかのほのぼのエンド
GJでした!

795 :風と木の名無しさん:2009/10/23(金) 06:58:03 ID:VYDl1MkcO
消毒ホテルHにワロタ。GJ!

796 :風と木の名無しさん:2009/10/23(金) 18:29:54 ID:b2VmV1+y0
これはヨイほのぼのww
大学生とチンピラ面の出会い編はマジで読んでみたいなGJでした!

797 :風と木の名無しさん:2009/10/23(金) 21:35:06 ID:BhsUIA9c0
ほのぼのでいいなぁ
このエロビも見てみたいw
GJでしたー



798 :風と木の名無しさん:2009/10/23(金) 21:44:14 ID:pqj8M4cp0
ふんでもいいのよ

799 :風と木の名無しさん:2009/10/23(金) 21:49:18 ID:IKtYcSw0O
敏腕秘書とアラフォー社長

800 :風と木の名無しさん:2009/10/24(土) 10:32:11 ID:6Qlp00RiO
■今日のスケジュール
09:10〜社内朝礼
10:00〜経営報告会議
10:15〜新商品開発会議
11:30〜コラボ企画の業者来客、打ち合わせ


誠は安堵していた。
予定していたスケジュールにそって物事が進むと、自分が肯定されたような、間違ってなかったと感じるのだ。

社長はもともと、いわゆる親方というタイプで、
熱くなるときはとことん熱くなるし、すぐ笑いすぐ泣き、人情に厚い。

そんな優しい人柄のせいもあって、仕事の依頼は多いのだが…
頼まれて利益の低いうま味のない仕事をしたり、
「不況」という言葉を巧みに操る下請けにつけこまれた取引を多くしていた。

社長が僕の勤めていた経営コンサルタントに訪れた時、あまりに途方に暮れた顔をしていたので、思わず笑ってしまった。

「今まで仕事は、一人でやり繰りしていたんだ」
「でもそれが、間違っていたのかな」
「俺はこれから、社員にたくさん保障をしないといけない」
「どうか助けて下さい」

いかにもガテンな若社長は、そう言うとぺこ、と頭を垂れた。

801 :風と木の名無しさん:2009/10/24(土) 11:12:34 ID:6Qlp00RiO
(つづき)
それから、誠は現地に出向しての契約のテコ入れが始まった。
経営戦略・下請と正規金額での再契約・人事の適性配置など…

誠の仕事が順調に進めば進むほど、敵も増えていく。
「あいつにリストラされるんじゃね?」と噂する従業員
「君じゃなくて、社長と直接話がしたい」という、付き合いの長い業者。

それらをなだめすかして調整していくうち、徐々に経営は軌道修正していった。

ついに出向最後の日。
「社員と会社を助けてくれてありがとう」
「業者を助けてくれてありがとう」
「誠がしてくれたことは、今までの僕に足りなかったものばかりだ」

たくさんのありがとうを言われ、思わず目頭が熱くなった。

「今日で最後だなんて思いたくないなぁ、これから不安だよ」
そう言って秘書の求人を検討する社長に、
「あなたなら大丈夫です。あ、人事について少しお話が…」
そう言いながら、誠は後ろ手に持った履歴書を握りしめた。

802 :風と木の名無しさん:2009/10/24(土) 13:10:29 ID:TL5tntrT0
GJ!
いい関係だなあ 心温まった

803 :風と木の名無しさん:2009/10/24(土) 15:25:22 ID:3jUUClJrO
ええ話や…!
読み終わった後の爽やかな感じがなんとも言えず好きだ
まとめの方もGJ!

804 :風と木の名無しさん:2009/10/24(土) 19:16:51 ID:LqLcUPbJ0
こんなに短いのに、お気に入りの小説を一冊読み終えたみたいな充実感
ラストのまとめ方がすごくいい!

805 :風と木の名無しさん:2009/10/24(土) 23:57:24 ID:KKtyGftL0
これは良いほっこり話!GJ!
その履歴書が婚姻届にも匹敵するようで、思わず「お幸せに!」と叫びたくなったw
これからは公私共々最高のパートナーとして末永く歩んでいってほしいよ

まとめの方も規制にめげずに投下GJ!

806 :風と木の名無しさん:2009/10/25(日) 13:13:41 ID:lk66MGqCO
回しますよ

807 :風と木の名無しさん:2009/10/25(日) 13:42:53 ID:U6Tmcdbc0
この後にこうくるだろうな、みたいなラストが良かった。GJ!!
さー次のためにまわし

808 :風と木の名無しさん:2009/10/25(日) 14:16:13 ID:VayED+r3O
くまさんなガテン社長がお世話されてて萌えたよ
まとめは敏腕秘書じゃないような気もしたがGJ

さあ踏んで!

809 :風と木の名無しさん:2009/10/25(日) 14:19:50 ID:SdBZH89+0
はじめてのコンドーム

810 :風と木の名無しさん:2009/10/25(日) 20:36:13 ID:yKMcvifz0
「自分のチンコの最大サイズ把握してなかったの?」
「それは」
「オナニーとかしてたらさ、何となくわかるじゃん」
「その……ちょっと見栄を」
「薬局の店員相手に?」
「……つい」
「そのせいでゆるいわけだが」
「はい」
「病気とか怖いし、アナルはコンドーム買ってからって言ったよね」
「はい」
「盛り上げておいて今更さあ」
「ごめんなさい」
「むしろ俺にぴったりサイズなんだけど」
「はい」
「俺がお前に挿れていいわけ?」
「やめて裂けちゃう」

「10分」
「え」
「服着てコンビニ。10分」
「いってきます!」

811 :風と木の名無しさん:2009/10/25(日) 21:26:15 ID:5SyzukUH0
く、くおおおお。可愛い……っっ。
攻に突っ込まずに10分待ってあげる受に、深い愛を感じるよ!
仏頂面で送りだしておいて、猛ダッシュの攻を
窓から優しい目で見てる受を幻視しました。
大好きGJ

812 :風の木の名無しさん:2009/10/25(日) 22:08:10 ID:T40me2LX0
攻より受の方がビッグサイズという禁じ手ktkr。
初めて見た時はきっと、攻は受の下ろしたパンツを
驚愕と共にそっと戻したに違いないw
可愛いカップルだなぁ、gj!


813 :風と木の名無しさん:2009/10/25(日) 22:20:37 ID:8N1pTNiW0
可愛い〜〜!
なんだかんだで普段から
受けは攻めを甘やかしてるんだろうな、きっと。
攻め<受けに激しく萌えました。GJ!!!

814 :風と木の名無しさん:2009/10/26(月) 01:57:07 ID:YraqyZfgO
ヘタレ攻めw 大好きだ!
どっちも可愛いなぁ、凄く好きだこの雰囲気
GJ!GJ!

>>812
情景が目に浮かんだw いいなそれ

815 :風と木の名無しさん:2009/10/26(月) 08:24:42 ID:PzmeGAeiO
包容力と巨チンを持つ受に萌えた

816 :風と木の名無しさん:2009/10/27(火) 01:56:39 ID:Fs3atKsDO
かわいいw
へたれ攻め好きにはたまらん!GJGJです!

817 :風と木の名無しさん:2009/10/27(火) 10:59:11 ID:+qoQP0yWO
テンポがいいな!
言葉選びがすごく好みだ
GJです!

818 :風と木の名無しさん:2009/10/27(火) 11:33:20 ID:2TT7jvtr0
ふんでいいよ

819 :風と木の名無しさん:2009/10/27(火) 11:34:16 ID:X5sJHLQW0
絶叫系男子

820 :風と木の名無しさん:2009/10/27(火) 12:20:13 ID:bcxtIXdAO
「今日は平日だし、そこそこに空いているのも当然だろうな」
「そうですね!」
「タモさんを目の前にした観客になるな。で、俺をここに連れてきてどうするつもりだ」

「普通、遊園地って行ったら遊ぶもんだと思うよ」
「そりゃそうだけど、男二人で仲良く遊ぶってのもどうなんだ」
「馬鹿だな、女の子と来たらジェットコースター三昧なんて出来ないだろ。お前も嫌いじゃないよな?」
「そりゃ嫌いじゃない。別に特別好きでもないけど」
「またまたー。ほらほらさっさと行くぞ。丁度時間になるっぽいし」
「もう勝手にしろ……」

「あードキドキする!すっげードキドキする!でもこのドキドキがいい!」
「変態か」
「おっ、出発するって。ほんの数分だけどドキドキだね!!」
「ちょっと静かにしろよ……うおっ」
「出発ー!」

「すげえ!こええーー!」
「……っうわ……っ」
「俺はーーー!お前がーーー!好きでえええええええす!!!」
「はぁっ!?」

「どう?どう?どうだった?」
「お前がどれを指してるのか、俺には解からない」
「え、どれって事は、解かってるんじゃん?」
「知るか!」
「ドキドキした?」
「ジェットコースターならな」
「ん、ジェットコースターは好きなんだな、じゃあ俺と恋のジェットコースターに直行!」
「……もう勝手にすればいいよ、お前は……」

821 :風と木の名無しさん:2009/10/28(水) 03:40:06 ID:cjwVxYaIO
可愛いお話、GJです。
なのになぜかくりいむしちゅーで再現してしまったw


822 :風と木の名無しさん:2009/10/28(水) 09:05:09 ID:3+wTXof4O
笑って萌えた!GJ!
つり橋理論を利用して告白するとは、天然なのか狙いなのか…
天然に見せかけて実は強かとか堪らなく好みだ

823 :風と木の名無しさん:2009/10/29(木) 17:37:28 ID:LQbYK72pO
そろそろまわします

824 :風と木の名無しさん:2009/10/29(木) 18:55:07 ID:YrkoySAKO
ローリンローリン

825 :風と木の名無しさん:2009/10/29(木) 21:33:04 ID:amwZhGeaO
まわっしゅ

826 :風と木の名無しさん:2009/10/30(金) 00:32:37 ID:otsvmaAa0
まーわしっ

827 :風と木の名無しさん:2009/10/30(金) 03:18:22 ID:QAc4XpblO
まわし

828 :風と木の名無しさん:2009/10/30(金) 05:31:25 ID:PKDbqgRq0
ふめふめ

829 :風と木の名無しさん:2009/10/30(金) 05:36:35 ID:66Y4Pzk3O
人生3度目のモテ期

830 :風と木の名無しさん:2009/10/30(金) 16:40:46 ID:dlMI9WRa0
今は現代、ネットの波がメディアを揺るがすそんな時代。
ここに、PCと格闘している男子一名。
最近ネットで検索することを覚えた様子。
某巨大掲示板への書き込みもはじめたようで、
でも俺はあんまり深入りはしてほしくない。
お前期末の成績下がったろ。

「なぁなぁ、モテ期占いってしってる?」
画面に視線を落としたまま俺に聞いてくる。
「知らねぇ、勉強始めるぞ、電源落としとけ」
ベッドのうえに置かれてる参考書に目を落とすと
問題を解き始めたと思われる場所が何箇所か見えた。
…範囲間違ってるし。

「質問に答えていって、結果ボタンを押せば、不思議!
モテ期が占えるんだって!」
「あー、俺パソコンは資料作成と調査にしか使わないからな。
早く終わらせろよ」
「エロサイトとかは見ないの?俺ね、おススメのサイト教えてあげるよ?!」
「一応欲はあるから自分で探すよ、で、結果は?」
「聞きたい?ねぇ聞きたい?あと7年後に三度目のモテ期がいらっしゃるんだって!!
しかも、今あなたは二度目のモテ期真っ只中ではありませんか?、だって!
通りで、最近女子の視線が熱いはずだね!」

「お前、俺以外からモテてどうすんの?」
あらら顔真っ赤。耳まで真っ赤。
襟足から見えた、これまた真っ赤なうなじにキスをして、よれよれの服に冷え切った手を差し込む
「こっ、これから宿題見てくれるっていってたじゃん…」
だんだん小さく、か細くなる声を受け流して、
俺は静かにパソコンの電源を切った。

831 :風と木の名無しさん:2009/10/30(金) 20:08:59 ID:FxwsYQU90
おバカ受け、かわいいなぁw
七年後も一緒にいられるといいですね、GJでした!

832 :風と木の名無しさん:2009/10/30(金) 22:38:52 ID:mPWBQZB+0
攻め、男前クールだな!GJ

833 :風と木の名無しさん:2009/11/01(日) 14:14:23 ID:e+bYti4xO
そろそろまわしましょうか

834 :風と木の名無しさん:2009/11/01(日) 14:15:40 ID:y0YVXWFi0
まわっしゅ

835 :風と木の名無しさん:2009/11/01(日) 17:53:00 ID:6XoPDgLSO
今年もあと二ヶ月
まわし

836 :風と木の名無しさん:2009/11/01(日) 17:54:33 ID:RvqyhR5L0
うわぁぁぁ、それは言わないでくれぇええ
まわし

837 :風と木の名無しさん:2009/11/01(日) 18:10:04 ID:KK09y6D60
どういう関係なんだとか、やっぱりゲイ板とかいってるのかな、とか、
深読みすればするほど萌える。GJ!
まわっしまわっし

838 :風と木の名無しさん:2009/11/01(日) 18:20:28 ID:obqttb5I0
トリックor踏み台!

839 :風と木の名無しさん:2009/11/01(日) 18:35:16 ID:UjkPIKEzO
攻め気質と攻め気質でどちらが下になるかの大論争

840 :風と木の名無しさん:2009/11/02(月) 20:12:09 ID:X04mp48cO
お流れですね

841 :風と木の名無しさん:2009/11/02(月) 21:49:01 ID:b00r71bsO
残念まわし

842 :風と木の名無しさん:2009/11/02(月) 22:02:31 ID:dURSMzNp0
まーわしっ

843 :風と木の名無しさん:2009/11/02(月) 23:40:53 ID:IYa6ah9E0
規制もあるししょうがないのう・・・
まわし

844 :風と木の名無しさん:2009/11/02(月) 23:54:19 ID:jFri0s9PO
まわしまし

845 :風と木の名無しさん:2009/11/03(火) 08:33:22 ID:OpSpfXoxO
まわまわ

846 :風と木の名無しさん:2009/11/03(火) 12:09:33 ID:cfKT6Zy5O
まだまだ

847 :風と木の名無しさん:2009/11/03(火) 12:30:57 ID:9Oxy3jGKO
まわし

848 :風と木の名無しさん:2009/11/03(火) 13:12:24 ID:Ti6Ql3IE0
それではどうぞ!

849 :風と木の名無しさん:2009/11/03(火) 13:18:25 ID:4FKTPO4zO
誘蛾灯

850 :風と木の名無しさん:2009/11/04(水) 01:28:39 ID:neSdoQ3U0
私は君に出逢つてしまつた。
君の何処に惹かれてゐるのか説明するのは難しい。
或る雨の夜だつた。
傘を忘れて途方に暮れてゐる私の横で
君の差し出した淡い黄色の傘ばかりが眩しく思へた。
以来、君ばかりを瞳で追つてゐる。

君に近づくようになつて、
私のような男が君の周りには沢山居ると気付いた。
君の優しさに非道く惹かれてゐるのは私ばかりではない。
惹かれてゐるのではなく、君が引き寄せてゐるのではないかと時々考へる。

私が余りにも君のことばかり考へるので、帝大の友人に相談を持ちかけた。
このような気持ちになるのは初めてだが、はづかしいとは思わなかつた。
友人は君からフェロモンでも出ているのではないかと茶化したが、
私はフェロモンが何かわからなかつたので曖昧に濁した。
ただ、理性では抗えない本能的な所で私が君に惹かれていることだけが解かるのみであつた。

今日もまた私は君を目で追つてゐる。
そしてまだ私は君に惹かれてゐる。

851 :風と木の名無しさん:2009/11/05(木) 12:56:08 ID:lU9zgyivO
叙情的イイヨー。GJでした

852 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 01:43:08 ID:Eg2y5LkAO
回していいかな?

853 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 03:08:49 ID:VZHTWbcp0
ぐるぐる

854 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 03:13:49 ID:Ym6z2LA00
まわすまわすよ

855 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 03:29:55 ID:26n7GlqB0
ころころ

856 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 08:39:50 ID:kM0kgAjx0
ごろんごろん

857 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 10:57:12 ID:5O0DwWAZ0
まわす

858 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 11:01:17 ID:8p42Rlot0
てんてこりん

859 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 11:06:59 ID:I7F0nKPqO
元サヤ

860 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 11:07:04 ID:pmCD4l3/O
オカマ

861 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 11:07:47 ID:5O0DwWAZ0
お金で変われました

862 :風と木の名無しさん:2009/11/06(金) 19:49:40 ID:LK5PnxNK0
ぐるぐるまわす

863 :風と木の名無しさん:2009/11/07(土) 10:41:05 ID:AvPEtB0U0
どんとこーい

864 :風と木の名無しさん:2009/11/07(土) 10:51:26 ID:M9iCz6fA0
まわし

865 :風と木の名無しさん:2009/11/07(土) 10:52:36 ID:f/6fmLCn0


866 :風と木の名無しさん:2009/11/07(土) 11:18:56 ID:ohdGOM2HO
>>862-865
ちゃんと>>1読め馬鹿共が
24時間経ってないのにまわすな
ルール理解してないなら書き込みすんな

867 :風と木の名無しさん:2009/11/07(土) 11:21:33 ID:YoAurkqJ0
お流れですねー
元サヤシチュ結構好きだが、いざ具体的にとなると難しいな

868 :風と木の名無しさん:2009/11/07(土) 11:26:16 ID:5tB3jp/rO
踏み台

869 :風と木の名無しさん:2009/11/07(土) 11:29:59 ID:7PoqFAF2O
逆上がりの練習

870 :1/2:2009/11/08(日) 05:21:36 ID:mdhQhI6VO
《なつ休みの目ひょうを立ててみよう!》
「さか上がりをマスターする!!!!」 3‐2 小いけ よしひろ

7月30日(はれ)
クラスで、まださか上がりができないのは、ぼくとかんのくんと大のくんとよし田さんとふくざわさんなので、
ぼくはがんばって、なつ休みにれんしゅうして、さか上がりができるようにがんばりたいです。

7月31日(はれ)
校ていでれんしゅうしたけど、ぼくは60回くらいやったけど、足が上に上がらなかった。

8月1日(はれ)
今日は大のくんとれんしゅうした。そうしたら校ていでサッカーをしていたせきくんがきて、となりの鉄ぼうで
グルッとさか上がりをしたりグライダーしたりすごかった。ぼくはいいなあと思って、でもできなかった。

8月3日(くもり)
今日もとなりの鉄ぼうでせきくんがさか上がりをしていて、ぼくは足がバタンと落ちるだけだから、いやだった。

8月5日(はね)
今日も校ていにせきくんがいて、ぼくはいやだったからかえった。

8月8日(はれ)
今日は1人でれんしゅうした。せきくんはサッカーしていて鉄ぼうにこなくてよかった。

8月9日(はれ)
今日も1人でれんしゅうしていたら、せきくんがとなりにきたから、かえろうと思ったら、せきくんが
「うでをぐっとするんだ」と、おしえてくれた。すこし足が高く上がった。

8月10日(はれ)
今日もせきくんがおしえてくれた。せきくんも前はできなかったけど、今はできると言っていたので、
ぼくはがんばろうと思った。明日もせきくんとれんしゅうするやくそくをした。


871 :2/2:2009/11/08(日) 05:26:23 ID:mdhQhI6VO
8月11日(はれ)
今日もせきくんとれんしゅうした。せきくんがぼくのせ中をせ中でグンとおすと、はじめてぼくは
グルッと回った。せきくんにせ中でおしてもらうと、できるようになった。


「お茶入っ…何ニヤニヤしてんの」
「いや、懐かしいなぁと思って」
「…!?だぁあ!!それ押入れに隠しといたのに!!何勝手に読んでんだよ!!!」
「お前相当な運痴だったもんなぁ、お前に教えるの苦労したよ俺も」
「うるせぇ、大体お前の方から教えて来たんじゃんよ!」
「だって俺小池と仲良くなりたかったんだもん」
「なっ…バカか!死ね関!」


8月21日(はれ)
1人でさか上がりができた!!!!
うでをぐっとひいて、地めんをグンとけったら、グルンとなってできた!もう一回やってもできた!
せきくんもよろこんで、一しょに校ていをはしりました。ぼくはせきくんにありがとうと言った。
なつ休みにがんばって、さか上がりができて、とてもよかったです。
《先生のコメント》
よくがんばったね!たくさんれんしゅうして、さか上がりができるようになったのはとてもすばらしいです。
せきくんととっても良いお友だちになれたのも、良かったね。これからもなか良くね。

872 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 09:05:42 ID:DM/Ks4FWO
子供日記がずっと続くのかと思ったので、途中入った大人時期が良かった!


873 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 09:58:15 ID:BA4iVGyyO
小学生の頃から狙ってたんだね関くん!
二人暮らしするようになってからも出会った頃の思い出を大事にしたくて
持ってきていたのかなーと考えるとにやにやしてしまうw
GJです!

874 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 15:14:15 ID:6keGNfvMO
これは上手い。

875 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 22:01:37 ID:Gz5srgxGO
ひらがな間違ってたりあほの子っぷりがかわいいw
ずっと仲良くね!GJ!

876 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 22:03:19 ID:TxChGLyp0
小学生関君の行動の可愛さとか、
小学生小池君の心の動きの可愛ささかにニヤニヤしてしまった。
GJ!
ラストの前にちょっと入る大人時期と、
その後の〆かたとか凄いと思う。

877 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 22:11:25 ID:LHoomvYG0
幼馴染萌にはたまらん二人でした
酔っ払うごとに逆上がりをはじめマット跳び箱等運痴思い出を披露→即ツッコミしてるといいよ
GJ

878 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 22:32:25 ID:009//UbZO
私を踏めえええ

879 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 22:34:44 ID:angSZb/o0
小型わんこ×大型犬

880 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 22:34:47 ID:iiSu+DGdO
君がいなけりゃ

881 :風と木の名無しさん:2009/11/08(日) 23:59:25 ID:iiSu+DGdO
店の前に出来る小さなつむじ風で、店長は冬の訪れを知る。
店全体が煮詰められたような趣の古びた喫茶店が彼の城だった。
と、いっても何軒か飲食店を経営しているオーナーから雇われている身である。
そのオーナーの意向どおり、白い皿に何種類かある焼き菓子やトルテを乗せ、コーヒーと紅茶を出す、シンプルな喫茶店だ。
裏通りと言う立地も相まって、客は常連か喫茶店で寛ぐ事が好きな人間しか来い。
だが、例外が二人。
くるくると渦を巻くつむじ風を眺めながら店長はその例外を待っていた。
20時に閉店した店をあらかた片付け明日の準備をし終えた後、大きな体をストーブの前に丸めうとうととし始めた頃、がらがらと乱暴にドアベルが鳴り、木枯らしが店内に吹き込んできた。
「松石さん!ごめん遅くなって」
「大丈夫だ」
小柄な高校生が寒気をまとって店長の所へ駆け込んでくる。
それをのっそりと受け止め、ストーブのより近くに座らせてやった。
「親父、怒ってるかな」
「オーナーから連絡が無いから、さあ、解らないな」
本当は閉店間際にオーナーが来ていたのだが、教えない。
親子でよく似ているオーナーも小柄ゆえの上目遣いで店長に
「あいつ、怒ってネェかな」
とぼやいていたのだ。

「親子喧嘩のたびに、私を巻き込むのはやめないか」
結局顔を合わせるなり喧々囂々の親子喧嘩を再開してしまったオーナー親子を暫く眺めた後に、店長は割ってはいる。
いいかげんこの親子のキャンキャン吠え合う喧嘩には慣れてきたが、限度と言うものがある。
「何でだよ、お前がどっちつかずだからいけねぇんだろ!」
「松石さんがはっきりすればいい話なんだよ!」
「勝手に口説いて勝手に押し倒してその台詞が出るのはさすが親子だな」
職に困り、連日職安に通い詰めていた店長を拾って雇ったオーナーには下心があった。
まんまと罠に掛かった店長は、流されるままに雇い主と深い仲になってしまったのだが
その後同じ勢いで、その息子とも肉体関係を持ってしまったのだった。
まあ、してしまったことは仕方が無いとばかりに泰然と構えていたのがいけなかった。
いつしか親子で、店長の取り合いを始めてしまったのだった。
それ以来、つむじ風舞う喫茶店では小型犬二匹が大型犬を追い掛け回す、という恋愛劇が続いているのであった。


882 :風と木の名無しさん:2009/11/09(月) 00:54:12 ID:+zABFwiLO
かぶりだったのに速いなあ。登場人物に混乱したけど三人だったんだね。gj


883 :風と木の名無しさん:2009/11/11(水) 04:05:13 ID:4QQWvkZRO
速さにびっくり。惜しかったから次は取れるといいね!
小型わんこ攻め、しかも親子とは斬新でしたgj!

884 :風と木の名無しさん:2009/11/11(水) 05:13:29 ID:jUP4kw4u0
まわし

885 :風と木の名無しさん:2009/11/11(水) 15:45:16 ID:FEiOD8qJ0
ぐるんぐるん

886 :風と木の名無しさん:2009/11/11(水) 17:58:54 ID:lc9m6QraO
まわし

887 :風と木の名無しさん:2009/11/11(水) 18:21:19 ID:6/lR98A0O
いでよ踏み台!

888 :風と木の名無しさん:2009/11/11(水) 19:06:46 ID:dJ/3P/Sv0
どうもすみません、踏み台です。

889 :風と木の名無しさん:2009/11/11(水) 19:11:19 ID:Fzs/+v8/O
バカップルのシリアス大喧嘩

890 :1/3:2009/11/12(木) 16:42:55 ID:4Cw+cZtc0
「何で逃げた」

「逃げただと?貴様、この我輩が逃げたとぬかしたか」

「ああそうだ。お前は逃げたんだ」

「…ふん、いいだろう。では、我輩が何から逃げたと?」

「俺からだ」

「貴様ごときに我輩が逃げる価値があったとでもいうつもりか。
大した自信だな」

「ああ。あの時のお前にとって、俺は唯一絶対の存在だった」

「……」

「あの小さな辺境の村に似合わない程、お前は優秀だったな。
学問、人望、剣の腕…全てにおいて村の奴らより遥か高みに立っていた。
…俺の次にな」

「貴様…」

「あの時のお前にとって俺は絶対だった。最高に苛立つ敵で、どうしても
届かない羨望の先で、そして、共に力を磨きあう友人だった。
一人で見つからないものも二人でなら発見できたし、いつ追い抜かされるかと
気を張り修行する日々もまた楽しいものだった。
俺の隣に並ぶ者はお前しかいないと俺は思っていたし、お前もそうだと俺は
確信していたんだ。だが、それは幻想だった。
お前が消えた。
お前の敵で、羨望で、友人で、絶対だった俺に何も言わずにだ。
この絶望が分かるか」

891 :2/3:2009/11/12(木) 16:44:09 ID:4Cw+cZtc0
「…その仮定によると、敵で、羨望で、友人で絶対だったのは俺にとっての
貴様だろう。何故、貴様が絶望するのだ」

「分からないか。分からないだろうな。敵の癖に俺を見ず、羨望の癖に声を
聞かず、友人の癖に俺の言葉を信じなかったお前にはな。
俺は言ったぜ。
何度も、何度も繰り返した。
それで何も分からなかったと言うのならば、それは俺のせいではない。
お前が、俺の声を聞かなかったせいだ」

「……貴様の、声なぞ…」

「あの時はそれでもいいと思っていた。お前が俺の横に立ち、俺がお前の横に立つ
のが永遠に続くと思っていたからな。だが、その幻想は砕かれた。
だから俺はもう容赦はしない。
お前を追いかけて、追い詰めて、この手に捕まえる。
耳を塞ぐというのならその手を掴む。こちらを見ぬというのなら瞼をこじ開ける。
俺を信じぬというのなら、信じるまでこの手を掴んでいる。
決して逃がさない。そう決めた。
もう一度言うぜ。俺はあのままでも良かった。
お前が、この均衡を打ち砕いたんだ。」

892 :3/3:2009/11/12(木) 16:45:14 ID:4Cw+cZtc0
「…村の生活を捨ててか」

「お前の居ない村はひどく退屈なものだった」

「……王に膝を付いたと聞いている」

「目的の為だったら自尊心なぞどうでもいい」

「………魔王と、駆け落ちする勇者など聞いたこともない……!」

「だがそれが俺の旅の目的だった。さあ、俺は全て白状したぜ。次はお前の番だ。
問いかけはただ一つ。答えもただ一つだ。さあ答えろ。

…この手を取るか?」


 HAPPY END

893 :風と木の名無しさん:2009/11/12(木) 18:30:28 ID:iY8mI5Dw0
わあバカップル!w
GJ!

894 :風と木の名無しさん:2009/11/14(土) 00:36:48 ID:68qxoro/O
次行ってみようまわし

895 :風と木の名無しさん:2009/11/14(土) 04:05:12 ID:iFTYpvrMO
まわしますね

896 :風と木の名無しさん:2009/11/14(土) 14:39:06 ID:SFyphpNb0
まわし

897 :風と木の名無しさん:2009/11/14(土) 21:24:07 ID:9TsPtDRPO
踏み台来い来い

898 :風と木の名無しさん:2009/11/14(土) 21:46:52 ID:+wrAL2R40
踏まれます

899 :風と木の名無しさん:2009/11/14(土) 21:48:58 ID:Lmj1eZYG0
君だけは笑っていて

900 :死にネタ注意!:2009/11/15(日) 10:51:27 ID:VSamhwfr0
「自分が生まれたとき、周囲の皆は笑っていて自分は泣いていた。
 だから自分が死ぬときは、周囲の皆が泣いて自分は笑っていたい」

そんな言葉があるけれど、俺は…俺の望みは違う。
せめて、最期の時は、最愛の人の笑顔を見届けて逝きたい。
愛してるよって告げて、二人とも笑顔で最期の時を過ごしたい。
だって、君は笑顔が素敵な人だから。

でも現実はそうはうまくいかなくて。

白い壁と天井をバックに、君はいつも泣いている。
俺の顔を見るたびに顔をくしゃくしゃに歪めて、涙を流している。
ああ、せっかくの美男子が台無しだ。
…なんて…その涙の原因は俺なんだけど。
でもやっぱりもう一度笑顔が見たいな。

「わ…ら…って…?」

渾身の力を振り絞って、最期の言葉、最期の願いを君に伝える。
その言葉は君の耳に届いたけれど、願いまでは君に届かなかった。
だって、君はますます顔を歪めて首を何回も横に振ったんだから。
残念だな…最後に見た君の表情が泣き顔なんて…。
ダメな恋人でごめんな…。

往生際が悪い俺は、もう一度だけ君に願う。
向こうの世界に行くまでは君のそばに居るから、
葬儀が終わってからでも……俺のこと忘れてからでもいい。
君だけはずっと、ずっと、笑っていてください。

901 :風と木の名無しさん:2009/11/16(月) 02:30:48 ID:VX42jyBJP
乙!
切な萌えた
これは攻でも受でもどっちでも萌えるな

902 :風と木の名無しさん:2009/11/16(月) 02:33:49 ID:4UJhluWsO
なんで死んじまったんだ

903 :風と木の名無しさん:2009/11/16(月) 23:50:10 ID:3KRVhirdO
そろそろ回しますよっと

904 :風と木の名無しさん:2009/11/17(火) 00:12:14 ID:UEwygD/1O
まわる〜まわる〜よ

905 :風と木の名無しさん:2009/11/17(火) 00:21:34 ID:PIoY9lx2O
せ〜かい〜は〜まわる〜

906 :風と木の名無しさん:2009/11/17(火) 00:28:40 ID:8K5DphOAO
よろーこびーかなしみ

907 :風と木の名無しさん:2009/11/17(火) 00:59:48 ID:YeAUQlUv0
くりかえーええーしー

908 :風と木の名無しさん:2009/11/17(火) 01:29:05 ID:Ald8MobD0
お踏みになって

909 :風と木の名無しさん:2009/11/17(火) 01:31:31 ID:PkQdjqGKO
深夜のテレビ観戦

910 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 01:06:47 ID:SWaTu/8zO
日付が変わっても我が家の電気、主にテレビは稼働中だ。原因はとあるスポーツを愛して止まない同居人である。
ただでさえ深夜の放送であるのに、延長戦にもつれこんだお陰で睡眠時間が着々と削られていっている。
だが先に寝ようものなら、不逞の輩としてしばしチクチクと言われるのだ。困った奴だ。
壁に引っ掛かった時計を横目で見てから、唸ったり捩じれたりしている同居人を見た。細かく暴れる手足は、今にもテレビ画面に飛び掛からんと準備運動をしている様だ。
振り回されるそれを避けるだけで一苦労だ。

「なんで○※○は毎度毎度、自分の仕事しないで××□で△▲な動きを」

何度聞いても覚えられない専門用語を並べたて、画面で動いているいずれかの人間を口汚なく罵る。

そんな乱暴な事言ってるけど、一番のお気に入りの癖に。

横から口を挟むと烈火のごとく怒るので、胸の内で小さく呟いてみる。心で思う事すら怯えがちになる程、このスポーツに関する同居人の言動は激しい。
テレビから、試合終了の合図とそれを追う歓声や悲鳴が上がると同時に、絶望による断末魔を間近で聞いた。思わず近所を気にしてしまう声量だ。
テーブルに突っ伏して動かなくなった死体未満を無言のまま見下ろしていると、枯れきった声で辞世の句(やはり文句)を読み上げた。のち、拳が弛緩した。
死んだ?

「あー…もー……疲れた」

くぐもったセリフでその生と、つつがなくスポーツスイッチがオフになった事を理解する。
もう話しかけても大丈夫。

「そりゃそうでしょうとも」

「燃え尽きた…真っ白にな。…明日、いやもう今日か。とにかくバイト忙しくならなきゃいいなぁ」

「そうだな。でも俺はお前の観察で既に忙しかったよ」

俺も大変疲れました。

911 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 01:20:53 ID:zYx80oh50
コウタのプロレス好きには困ったものだ。
自分一人で楽しんでるなら文句は言わない。
時々、試合観戦に付き合うくらいなら文句は言わない。

しかし、深夜テレビでのプロレス中継の度に
夜中の二時、三時でも叩き起こされ、
最強のレスラーになりきったアイツに締め技をかけられるのには我慢ができない。

「やっぱり最高だよな!マッチョザブリーフ!」
「ん、そうだね」
小学生の頃と変わらない笑顔でそう語りかけるコウタに
俺は気の無い相槌を打った。

「この身体、最強だよなぁホント」
「……」
お気に入りの覆面レスラーの身体をウットリ見つめるコウタを見て俺は何て言えばいい?
ごめんねマッチョじゃなくて。
今度、頭にブリーフ被ってみようか?

まるでオモチャのように腕の関節をありえない方向に曲げられながら
俺は頭に思い浮かんだ言葉を飲み込む。

痛いのは嫌いだが、密着した時に感じるオマエの体温は嫌いじゃない。
テレビに夢中のオマエは嫌いだが、少年のように目を輝かせているオマエは嫌いじゃない。
マッチョザブリーフは嫌いだが、彼の技に興奮しているオマエの息遣いは嫌いじゃない。

912 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 01:21:40 ID:zYx80oh50
「なに反応してんだよw」
放送終了10分前、この日一番の関節技を決めたコウタは、俺の股間の尋常じゃ無い膨らみを見て笑った。
それは、しがみついて耳を噛む反則技まで使ったオマエのせいで、俺がスケベな訳じゃない。


「今度はこっちが反撃する番だからな」
上に乗ったコウタをひっくり返し、俺は強気に手首の自由を縛る。
放送終了9分前。

「1ラウンドも持たないくせにwこの間なんか2分で……」
テレビ観戦を邪魔されて憎まれ口を叩くコウタの唇を塞いだ。
噛み付くようなキスに、抵抗してバタつかせていたコウタの手足から次第に力が抜けていく。


試合開始のゴングは鳴った。


例え貧弱な身体でも、2分しか持たない早漏でも
オマエがいる限り、俺は何度でもリングに上がって勝負してやる。
いつだって俺はオマエにとって一番のヒーローでいたいから。


913 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 01:24:39 ID:zYx80oh50
すみません、リロってませんでした。

914 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 15:41:03 ID:V5N4xO25O
丼米

915 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 17:46:44 ID:uIJlFdBBO
一つ書き込んだら二個目を書き込む前に気付くもんじゃないのか?

916 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 18:42:37 ID:mrbEHk4M0
ネタ投下してる時って気付かない時もある

917 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 18:51:35 ID:C4mKyJ9d0
まぁ、そういうのはまとめの中でやるとして
ここはとりあえず感想書きたい人のためにレスの消費は控えようよ

テイストは違うけどどちらもかわいくて禿げ萌えたよ!
お流れ間近の投下GJでした! そして>>913は超どんまい

918 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 19:31:49 ID:FbzEhttTO
とりあえず踏み台置いときますね

919 :風と木の名無しさん:2009/11/18(水) 19:38:34 ID:LI3lMoQMO
片言の日本語

920 :風と木の名無しさん:2009/11/19(木) 00:53:19 ID:1fHcESGc0
小柄な身体をころりと倒して、彼は読んでいた雑誌を胸元に抱え込む。
こちらを見上げてくる瞳を、「ねずみのようでカワイイです」と言えば「助動詞下手だなお前」
とさらりとかわされた。

「ねずみ、好きか?」
「スキです」

彼は雑誌をページをちらちらと見やりながら、

「お前のスキデス、トキですに聞こえるぞ」
「ツキです?」

私の発音に、彼はむっと顔をしかめる。
君は結構発音に煩いけど、私だって君の愛してるは今でもI rub youにしか聞こえないよ。

すーはこう、と口をすぼめて見せる君の唇をさっと掠めとる。

「チューはこう」
「…………!!」

無言で手に持った雑誌をぶん投げた彼は、ベッドを陣取ってふて寝を始める。
私は頭を掻きながら雑誌を持ち上げて、手持ち無沙汰にぺらぺらと捲った。
一つのページに、几帳面な彼らしく綺麗に折り目が付いている。

「ねずみーらんど行くですか?人混み嫌いなのに」
「行かねーよ!どうせお前の母国にもあんだろ!」

ちょっと涙目の彼は、黒い瞳にふるふると涙を溜めている。
……ああ、私と、だったのか。

「君と、君の国のねずみーらんど、行きたいです」
その身体を抱きこむと「……今度の日曜な」とか細い声が返ってきた。

921 :風と木の名無しさん:2009/11/19(木) 01:35:15 ID:GPxP7pQN0
ぬお!片言の方が包容力があるというのが新機軸だ!
新たな萌えに開眼したっ!!GJ!

922 :風と木の名無しさん:2009/11/19(木) 01:56:43 ID:Kcr7zmhuO
可愛い!!!
互いに互いの片言が可愛いと思ってるんだろうなぁ〜
gjでした!

923 :風と木の名無しさん:2009/11/19(木) 16:36:27 ID:C+p+dqpeO
二人ともかわいいし、お題の消化も上手くていい感じ
GJGJ!

924 :風と木の名無しさん:2009/11/19(木) 23:57:48 ID:Xxg3onbxO
かわいいぃいい!癒される〜
日曜日のデートも妄想が膨らむなぁ
ほっこりGJ!

925 :風と木の名無しさん:2009/11/20(金) 03:55:35 ID:ssTryFKqO
そろそろまわしましょうか

926 :風と木の名無しさん:2009/11/20(金) 06:41:14 ID:3DQ5pgP4O
千葉県民もといねずみ国民です まわし

927 :風と木の名無しさん:2009/11/20(金) 12:06:40 ID:sPeGjL/nO
凄く可愛い話だ!
攻めの包容力にニヤニヤ萌えたよ、GJ!

最近やけに回したがるっていうか、回し宣言が早いような気がする。
一日あいたくらいじゃ見にこれない人もいるだろうし
もう少しゆっくりでもいいんじゃないかなーとちょっと思った。

928 :風と木の名無しさん:2009/11/20(金) 12:58:34 ID:E1VWbnHxO
踏み台

最近規制やら何やらでスレの勢いは落ちてるから何とも言えないなー

929 :風と木の名無しさん:2009/11/20(金) 13:10:54 ID:l2mpQe0f0
世界の終わりの高校生

930 :風と木の名無しさん:2009/11/20(金) 16:25:54 ID:/YY6mUfP0
もうずっとここに座って海を見ている。
色々考えたけれど、もう立ち上がるのさえめんどくさい。
誰かが呼んでいる気がする。何を言っているかは分からない。
もう誰もいないはずなのに。
地平線から人の影が出てきて、形をなしたと思ったらこっちに向かってきた。
ここは僕しかいないはずなのに。
不安になって、思わず立ち上がる。どことなく見覚えのある男が、手を伸ばした。
「お前を迎えにきた。こっちへおいで」
いやだ。あんたは、僕を海へ引きずり込む気だろう? そばに来るな。
「ここにいたって意味がない。助けにきたんだ」
その声は暖かく、優しかった。彼が僕を呼んでいたんだろうか? 
でも、そこは深く暗い海じゃないか。
「この世界にはお前しかいない。独りぼっちだ。何も始まりゃしない。分かってるんだろう?」
それでいいじゃないか。ここは安心だ。そっちはいやだ。
「大丈夫だから。今度こそお前を守ってやる。お願いだから、戻ってきてくれ」
戻る? じゃあ、一体ここはどこなんだ? 僕のいるこの世界は?
頭がぼんやりとしてきた。彼が僕の手を握り、ぐいと引っ張った。

目を開くと、さっきの男が僕を見下ろしていた。泣いている。
「気がついた! お母さん、彼、意識が戻りました!」
白いベッド。横に点滴がある。母さんが抱きついてきて、体を震わせた。
彼は僕の右手を握ったまま、笑顔で涙を流していた。
「お前はまったく。よかったよ。もう頼むからあんなことしないでくれ」
そうだ、僕は確か、学校の屋上から……。
「お前をここまで追いつめてしまったのも、担任である俺の責任だ。これからは全力で守るよ」

あの声は先生だったんだ。
僕はまた暗くて冷たい世界に戻ってきてしまったらしい。
でも、この手の温もりは、この世界で生きる力を少しだけ、蘇らせてくれた。

931 :風と木の名無しさん:2009/11/22(日) 17:24:29 ID:NN5kOUBGO
一人の世界が終わってよかったな
GJでした

932 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 07:44:33 ID:jiMk3bMaO
801かどうかはさておき、未来ある高校生には頑張って欲しいな。GJ

933 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 10:14:17 ID:cXlAYoSKO
まわしてもいいかな?

934 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 13:44:26 ID:aCD+4NVs0
まわ

935 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 18:08:00 ID:nvH8lLKWO


936 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 21:54:04 ID:Fox9IzrMO
まわしまわし

937 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 22:05:20 ID:azlB11W/0
まわすよ!

938 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 22:22:24 ID:YlUkJQxgO
どうぞ!

939 :風と木の名無しさん:2009/11/23(月) 22:34:28 ID:jH/7NzsaO
勤労感謝の日

940 :1/2:2009/11/24(火) 04:23:22 ID:krARESMq0
どこにだって行ける、何にだってなれる。あの頃の俺はそう信じていた。
目的も決めず、行き先も決めず、心地よく低く響くエンジンの振動に任せ、
ただ目の前に続く道を走り続ける事が出来た。

社会人三年目。
これといった才能も無く、大きな野心も無く、
現実の俺は、ただ大きな流れに押し出されるように
社会人になり、給料を貰い、自分がどこに向かっているのかわからないまま
毎日を過ごしている。

居心地は悪く無い。
今の生活に不満がある訳では無い。

ただ、時々ふと大切な何かを忘れてしまっているような気分になる。
我ながら青臭い感傷だとは思うが、ありきたりな日常から逃れるように、
この連休は久しぶりにバイクに跨り、目的も無いまま遠くを目指す事にした。

首都高を抜けて二時間くらい経った頃だろうか、
交通量が少ない国道の路肩に一台のバイクの前で座っている男が目に入った。
俺は行き過ぎた道を少し戻ってバイクの男に声をかける。

「どうした?」
「あっ、あのガス欠で……」
「学生?」
「はい、大学生で、もうすぐ就活なんですけど今三年生で……」
「そっか大変だな」

今にも泣きそうな顔で途方に暮れていた男が安堵の表情を浮かべる。
ライダー同士、困った時はお互い様だと俺は自分用に携帯していた予備のガソリンを分けてやった。

941 :2/2:2009/11/24(火) 04:25:18 ID:krARESMq0
「あの、本当にすみません、誰もいないし、どうしていいかわからなくて俺……」
名前も告げずにカッコ良く去るつもりが、せめて缶コーヒーだけでも奢らせてくれと食い下がられ
自販機の前で仲良く並んでコーヒーを飲むはめになった。


最後の一口のコーヒーを飲む頃に男がポツリと呟いた。
「どこに行くかは決めて無いんです。ただ遠くに行きたくて何かしたくて……」


あの頃の俺がいた。


「あの、俺これからどうしたらいいんでしょう?」
「は?」
「宿も決めてないし、暗くなってきたし、行き先も決めてないし」
「しょーがねーなー、俺が前に言った宿で良ければ連れて行ってやるよ」

あの頃の俺より少し情けない。だけど、どこか憎めない。

「ありがとうございます!!本当に本当に感謝します!一生ついて行きます!!」
「いや一生はいいからw」
「もうほんとマッサージでも何でもします!」

勤労感謝の日と言っても誰かに感謝される事も無く、
特別な事は何一つ無い。
平凡な社会人の俺だけど、大袈裟に感謝する彼の言葉に
何となく少しだけ大きくなった気がした。

馴れない彼のスピードに合わせながら、
こうして二台並んでゆっくり走るのも悪く無いなと、
俺はどこまでも続く道の先に向かって走り出した。

942 :風と木の名無しさん:2009/11/24(火) 22:25:50 ID:aQlTy0BC0
甘酸っぱGJ!
このままずっと二人でツーリングしればいいと思うよ!

943 :風と木の名無しさん:2009/11/25(水) 17:15:07 ID:+LTqvLzV0
まわします

944 :風と木の名無しさん:2009/11/25(水) 21:12:39 ID:fVsLJc8l0
まわしまわし

945 :風と木の名無しさん:2009/11/25(水) 21:19:20 ID:Og9utXkN0
まわしちゃおっかな

946 :風と木の名無しさん:2009/11/25(水) 21:45:00 ID:nUvunSV5O
キュンキュンした〜
包容力ある年上と人懐っこい年下の関係は堪らなく好みだ
今後の2人も気になるなぁ
ほっこりGJ!

947 :風と木の名無しさん:2009/11/26(木) 12:30:46 ID:3vmFjIVt0
バイクが出るとロードムービーっぽいけど普通のリーマンと学生の話なのがいいよ
うまくまとまっててGJGJ

948 :風と木の名無しさん:2009/11/26(木) 12:41:06 ID:AanDzedbO
遠慮しないで踏んできな

949 :風と木の名無しさん:2009/11/26(木) 12:47:46 ID:CMdqGetz0
場末のカラオケ店、夜勤店員の憂鬱

950 :風と木の名無しさん:2009/11/27(金) 01:16:02 ID:QHmM9giH0
「暇っすね」
「そうっすね」
「世間じゃクリスマスだ忘年会だって言ってるのに、この店大丈夫なんっすかね」
「さあ、どうせバイトだし」
「あーあ、今年も一人かぁ」
「この分だと来年も一人かもな」
「何かいい事無いかなぁ」
「無いだろうねー」
「世知辛いなぁ」
「世知辛いねぇ、つかマイクの充電終わった?」

「ん?まだみたい」
「っておい!どこ触ってんだよっ!」
「おおっ、こっちのマイクじゃなかったか」
「下ネタかよ」
「意外と大きいね」
「うるせぇ」

「宝の持ち腐れかぁ」
「腐ってねーし、つか揉むな」
「いいじゃん暇だし」
「意味わかんねーよ」

「あ、硬くなってきた」
「やめろよバカw」

951 :風と木の名無しさん:2009/11/27(金) 01:16:51 ID:QHmM9giH0
「お前のコレあったか〜い」
「自販機かよ。つかマジやめろヤバイ」
「えっ嘘?早くね?」
「溜まってるしな」
「ここで出したら一生の恥だよなぁ」
「やめろやめろw」
「つかお前も触ってんじゃんw」
「いいじゃん暇だし」

「はぁ……俺ら何やってんだろうね男同士で」
「まあ、いいんじゃねーの暇だし」
「嫌になるよな自分が」
「嫌になるな」
「でも気持ちいいな」
「そうだな」
「暇だなー」

「つか出そう」
「出すなよ」
「ごめん出た」
「早いなぁー」
「うわぁパンツ汚れちゃったよ」
「嫌になるな」
「嫌になる」
「変えのパンツロッカーにあるだろ?つか俺のはどうすんのコレ」
「自分で処理すれば?」
「うわぁだりぃ」
「嫌になるな」
「ああ嫌になる」

952 :風と木の名無しさん:2009/11/27(金) 01:47:56 ID:TCA14h1i0
>>950
このカラオケ店はドコニアリマスカ!?
毎日通い詰めたいぞ!GJ!

953 :風と木の名無しさん:2009/11/27(金) 09:24:24 ID:0/hak+XC0
場末感がナイスww


954 :風と木の名無しさん:2009/11/27(金) 09:42:03 ID:227lBoXv0
仕事やる気なさげ感が素敵w

955 :風と木の名無しさん:2009/11/27(金) 15:32:49 ID:4dEwz1A30
ダルさ加減がすごくいいです、GJ!

956 :風と木の名無しさん:2009/11/27(金) 23:07:35 ID:VISr17ni0
朝携帯で読んで、仕事中”あったか〜い”を思い出しニヤッとしてしまった
そしていまもう一回目を通して嫌になるリフレインでまた笑ってしまった

957 :風と木の名無しさん:2009/11/28(土) 18:35:03 ID:qCJx1AVz0
会話だけなのに、どんなカラオケかなんとなく想像できる。
きっと、機種の更新してなくて新曲入ってないんだろうなw
GJ!

958 :風と木の名無しさん:2009/11/28(土) 18:37:14 ID:RvozgHid0
踏んどく?

959 :風と木の名無しさん:2009/11/28(土) 18:41:16 ID:RfMdK2Pd0
休日街で偶然上司に会った

960 :風と木の名無しさん:2009/11/29(日) 18:59:36 ID:abG9A/M0O
お流れかー

961 :風と木の名無しさん:2009/11/29(日) 20:08:15 ID:ktGmg7SDO
オン:バリバリ→オフ:やめて
か、逆の
オン:ダメ上司→オフ:龍がごとく
みたいなテンプレしか思いつかなかったよ
残念まわし

962 :風と木の名無しさん:2009/11/29(日) 21:15:47 ID:trJr1E560
テンプレ大歓迎
奇をてらう必要はないよ
まわし

963 :風と木の名無しさん:2009/11/29(日) 21:31:41 ID:qs8z3lPhO
りゅうwwがwごとくwww

思わず草生やすほど笑っちまったよwwww
まわーし

964 :風と木の名無しさん:2009/11/29(日) 23:28:16 ID:7++ySU220
トゥララーまわしー

965 :風と木の名無しさん:2009/11/29(日) 23:52:25 ID:uStKWW1g0
まわっしゅ

966 :風と木の名無しさん:2009/11/30(月) 02:54:56 ID:3UqjPiBwO
新たな萌えへまわれ〜

967 :風と木の名無しさん:2009/11/30(月) 06:56:58 ID:xzZ6CsowO
まわーし

968 :風と木の名無しさん:2009/11/30(月) 07:04:08 ID:Mk+oIerHP
俺の屍を超えていけ

969 :風と木の名無しさん:2009/11/30(月) 07:06:51 ID:zu3lJVxNO
極悪人と偽善者

970 :1/2:2009/11/30(月) 23:02:54 ID:zFmZIRwi0
「難しいお顔ね。どうなさったの」
女の声がした。華奢な骨格に似合わぬ艶のあるアルトに、からかうような響きが混じっている。
君か、と男は振り向きもせずに言った。女が近付いてきても、特に関心を払う様子はない。
椅子に掛けて脚を組み、放心したように暖炉の炎を眺めている。
女は男の背後に立ち、両腕を回して甘えるようにしなだれかかった。
「どうせ、あの人のことを考えていらしたのでしょう」
「人畜無害にみえて、したたかな男だ。この私を出し抜くとは」
「ふふ、いい気味ですわ」
「君はあの男に味方するのかね」
「だって、愉快じゃありませんか。貴方みたいに傲岸不遜な悪人がいいように振り回されて
 ……自分の尻尾を追いかける仔犬みたい」
女はいよいよ愉快そうに、声を立ててわらい出した。
「ふん。君はよほど奴のことが気に入ったとみえる」
「ええ……そうね。きっと、そうなのだわ。惹かれたとしても、別に不思議なことではない。
 貴方にとってもわたくしにとっても、彼は欠けたピースなのだから」
「馬鹿馬鹿しい。私は私だ、既に完成されている。欠片とやらに用はない」
「なら、あの人に執着なさるのはどうして」
「執着?」
「あの人が邪魔ならば一息に消してしまばいい。けれど、貴方はそれを避けているように見えます。
 こんなことを続けたって、何の得にもなりはしないのに」 
「君は何か思い違いをしているようだ。私はね、単にあの男が嫌いなのだよ。
 あれは大した嘘つきだ。その自覚がない分、私より余程たちが悪い。
 だが、奇麗事の下に隠された醜い本性が私には見える。あの偽善者が全てを暴かれ、
 屈辱にのたうち回る様をこの目で見たい。それだけのことだ」

971 :2/2:2009/11/30(月) 23:04:35 ID:zFmZIRwi0
「詭弁ですわ、お兄さま」
「…………」
男は首をひねって斜に女を見上げた。自分と同じ色の目が、静かに見つめ返してくる。
見透かしたような視線がひどく忌々しい。男は頭痛を堪えるように眉間を指で抑えた。
「奴は、私を"救う"と言ったのだ。思い上がった男だ。私を対等にすら見ていない。
 何様のつもりか知らんが、自分で思っているほど高潔な人間ではないことを思い知らせてやる。
 二度と私に近付こうなどという気が起きなくなるまで、徹底的に叩き潰さなくては」
「そんな顔をなさらないで。お望みなら、わたくしが始末して差し上げましょう」
「あれには手を出すなと言ったはずだ」
「そう仰ると思っていました。けれど、程々になさってくださいね。過ぎた執着は身を危うくします」
「……今日はもう遅い。下がって休むといい」
男は素気なく言って、視線を暖炉へ戻した。
「おやすみなさい。よい夢を」
女は大胆だが引き際を心得ている。素直に抱擁を解いて部屋を出て行った。
「欠けたピース、か。……戯言を」
残された男は椅子に深く身を沈め、憂鬱そうに息をついた。


972 :風と木の名無しさん:2009/11/30(月) 23:42:42 ID:UOS/gFN50
硬質だな
かっこいい。GJ

973 :風と木の名無しさん:2009/12/01(火) 00:10:26 ID:LvdXMisnO
まだ自覚してない感情を持て余してる描写って
どうしてこんなに萌えるのかしら。GJ!

974 :風と木の名無しさん:2009/12/01(火) 10:16:19 ID:qau3qczAO
妹様が無駄にかっけえ
兄さんは荘大なツンデレの予感がする

975 :風と木の名無しさん:2009/12/01(火) 12:36:26 ID:e4H9N5LhO
確かに妹様って感じがする!
こういう脇キャラ好きだー
まとめの人も乙でした。
過疎ってるんだから0書く人がうまくばらければいいのにねえ

976 :風と木の名無しさん:2009/12/01(火) 14:07:12 ID:QdRqqCdnO
ティンとくるお題に書き手が群がるのも、このスレの醍醐味だと思うよ。

977 :風と木の名無しさん:2009/12/01(火) 21:37:38 ID:HoMfPNpj0
背景描写ほとんどないのに、薄暗い室内のちょっと湿っぽい空気感とか
暖炉で燃える炎に照らされる美形兄妹とか、なんかそういうのが目に浮かぶようでしたGJ!

978 :風と木の名無しさん:2009/12/01(火) 21:46:13 ID:Ksrtqx8vO
ふむで

979 :風と木の名無しさん:2009/12/01(火) 21:47:46 ID:Rv/1+mSq0
「勝ち続けた男」と「最後に勝った男」でひとつ

980 :風と木の名無しさん:2009/12/02(水) 21:15:22 ID:erDP4gn7O
「思って、やらないことはなかった。望んだものは必ず手に入れた。
 そうして今まで生きていた。」
そう言って、彼は両手で顔を覆った。
くぐもった声が続く。
「でも……人には逆らえない運命があると知ったよ。
 手に入れたものは永遠じゃない、いつか失われるものだということを
 俺は……忘れていたようだ」
指の隙間を涙が伝う。
長い長い年月を共に過ごしてきて、声を殺して泣く彼を初めて見た。

今、この人を手に入れるのはたやすいことのように思えた。
冷たい涙に濡れた手をそのままに胸に抱き、やさしい慰めの言葉を髪にささやけば、
この人は、今まで忘れていた僕のことを思いだし、
ずっと側にいてほしいと願ってくれるに違いない。
しかし、僕はそれをしない。
あの日、一生気づかせない、想いを告げないと決めたのだ。
そして付き従ってきた、部下として、時に良き友人として、幾年月を。
僕は、最後まで僕の役目を全うしよう。
そしてきっと、笑って終わろう。
それがこの人の望みであり、この人が望んだ僕なのだ。

981 :風と木の名無しさん:2009/12/02(水) 21:53:44 ID:8O8/2qbf0
これは哲学だ・・・難しい
背景がよくわからん
萌えた

982 :風と木の名無しさん:2009/12/03(木) 12:32:34 ID:QxFCk5bWO
よくわからないんだけど攻め×受け←当て馬の、当て馬視点かな?
切ないね GJ

983 :風と木の名無しさん:2009/12/03(木) 21:25:02 ID:QxFCk5bWO
もうまわしていいんだよね

984 :風と木の名無しさん:2009/12/03(木) 21:36:54 ID:qW1C004hO
本人みずから?

985 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 01:43:22 ID:TQF2vugu0
まわしましょう


986 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 01:51:23 ID:VZH74qvV0
「僕」にようやく「この人」を手に入れる機会がきたけど
あえてそれをしないことが「僕」の勝ちっていうか正しさだったってことかな?

987 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 02:56:21 ID:/mOii+JwO
うーん>>980単体は結構好きシチュだったけど、>>979との繋がりが正直よくワカランカッタ


988 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 07:27:50 ID:tSN2Dqr2O
まあ色んな萌え方があるからな
GJ!

お次の方どうぞー

989 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 07:29:32 ID:Z/AG2QfM0
銭湯での珍事件

990 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 12:27:37 ID:STg12QUOO
いや、リクは979で終了だからね。>>1参照

991 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 16:53:45 ID:JaBZ6/P/0
じゃあ次スレ立ててきます

992 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 16:57:19 ID:JaBZ6/P/0
次スレどぞー
*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart18
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1259913385/

993 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 17:21:06 ID:/mOii+JwO
>>992乙です!
そうだったね〜、面白そうな題なので残念だ

994 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 17:39:03 ID:tSN2Dqr2O
>>992さん乙!

988ですが>>989さんごめんなさいorz
番号ちゃんと見てなかった&完全に忘れてました
以後気をつけます

995 :風と木の名無しさん:2009/12/04(金) 20:35:10 ID:NZ+olGLAO
スレ立て乙です!

憧れの可愛い女の子(仮)を男湯で発見してパニクったけど
よく見ると立派なちんこが生えてましたとかいうベタなシチュを想像した
いずれ女の子(仮)から攻様にシフトチェンジするための前段階的な

996 :風と木の名無しさん:2009/12/05(土) 02:21:34 ID:ef5JgPfs0
立て乙でした

997 :風と木の名無しさん:2009/12/05(土) 08:21:22 ID:E+LY+T4C0
>>995
しかも、女の子(仮)の方が自分よりもモノが大きくて落ち込むんですね。

998 :風と木の名無しさん:2009/12/05(土) 09:45:36 ID:FtmuwbHuO
まさにチン事件

999 :風と木の名無しさん:2009/12/05(土) 21:19:11 ID:YqrikpNWO
出会いがそれでもおいしいな。
外国人Welcomeの安旅館に泊まる男、すれ違ったり飯場で軽く挨拶した外国人を可愛いなあとか思う。
大浴場でチン事件。
露骨に言ってしまい若干揉めるがが、それがきっかけになって一緒に観光とか案内とか。


1000 :風と木の名無しさん:2009/12/05(土) 22:02:02 ID:/fQEdn8F0
ちーん

1001 :1001:Over 1000 Thread
:::   ヾ    ;;;  ,;:"
   ;;;   :::: .. ゞ.
;;;; ,,, 、、   ,i'         ○
      ヾヾ   `
ゞゝ;;;ヾ  :::,r'  `  `
i;;;::::′~^        `    `  `
ii;;::i     `      `          `
iii;::i `                `
iii;;::i     `      `          `
iii.;;:i,
iii;;::::ヽ;;,,';;"'';;";;""~"`"`;.";;""'"~"`~"''::;;..,,,
ii;;::;';;"                     `;;


このスレッドは桜にさらわれました。
月が見てるので、新しいスレッドをたててくださいです。。。

カオスでマターリ http://yomi.bbspink.com/801/

306 KB [ 2ちゃんねる 3億PV/日をささえる レンタルサーバー \877/2TB/100Mbps]

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.0.7.8 2008/11/13 アクチョン仮面 ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)