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*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart19

1 :風と木の名無しさん:2010/06/04(金) 10:25:15 ID:J6iuzQ280
☆★☆★☆ 初 め て の人は まず 熟 読 してね ☆★☆★☆

*9が萌えてほしい内容を指定し、*0が萌える思いを書き綴るスレッドです。
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
 まとめwiki ttp://www19.atwiki.jp/910moe/
 別館 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13789/
※ 絡み・談義・テンプレ審議などは絡みスレか別館へ。

ルール
■*9から24時間経過でお流れです。
■*0を踏んだ人物が*9より12時間無反応の場合は権利消滅となります。*0以外の萌えたい人どうぞ。
■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。
■同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。

注意事項
■*9リクはわかりやすいもの推奨。無機物、非生物不問。
■*9*0とも、あからさまに二次創作とわかるような固有名詞は避けましょう。
■テンプレ違反の*9はお流れです。
■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
 別館の「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
■投下者本人以外が続編を書くことは原則禁止です。

・投下、リクの前にはリロードしましょう。
・感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
・979でリク終了、980の萌え以降フリーです。次スレは宣言してから建てて下さい。

*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart18
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1259913385/

>>2 もよく読んで下さいね。

2 :風と木の名無しさん:2010/06/04(金) 10:27:39 ID:J6iuzQ280
●こういう場合はどうするの?

Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!

Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。

Q3 別館に投下された作品にGJしたい。
A3 別館のグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。

Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、別館の*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。

Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A5 数字板の絡みスレや、別館のチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13789/1273068687/
テンプレURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13789/1273207268/

3 :風と木の名無しさん:2010/06/04(金) 21:53:02 ID:jmeYkITo0
●お知らせ●
『感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は
御遠慮下さい』という注意が加わりました。

4 :風と木の名無しさん:2010/06/04(金) 23:22:54 ID:j6tbun7dO
だから書くなら感想にしましょう
*0さんをいい気分にさせる感想が荒れないので無難です

5 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 00:17:48 ID:dM2mPhQ40
スレ立て・テンプレお疲れ様ですー


6 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 07:27:52 ID:lFfHBkI4O
別館ができました。なにか議論があれば別館へどうぞ。

7 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 07:40:43 ID:C2MRshwr0
無事立って良かった、>>1

さあ新スレ初萌えに向けてまわすよー

8 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 08:53:17 ID:RriSYEHJ0
踏んで下さい

9 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 08:59:11 ID:igWIk3D1O
絶対に知られたくない人

10 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 12:04:59 ID:oLVksdLrO
僕は知られたくないのだろうか。それとも知って欲しいのだろうか。

絶対に知られたくない人

「おはよう」
「おはよう」
彼は僕の幼馴染みだ。
「はい、これ今日の分」
「・・・こんなの相手にしなくていいって、いつも言ってるのに」
僕の渡した数枚の封筒に、彼はうんざりとした顔をした。
彼はもてる。整った顔立ち、男らしい性格に加えて、文武両道。天が二物も三物も与えたのが彼、だ。
逆に僕は平々凡々、顔立ちも普通だし、性格も無難、成績も中の中。母が、彼の爪の垢でも煎じて飲ませてもらいなさい、と常々言うほどだ。
「そういうわけにはいかないよ。朝イチで待っていてくれる彼女たちをむげに断るわけにもいかないし」
「まぁお前の顔をたてて一応、貰っとくけど」
「焼却炉行き?」
「そうだな。こんなもの、俺には必要ない」
「彼女たちが可哀想だよ」
言いながら、僕は暗い喜びに捕われる。

僕は彼が好きだ。

恋文の橋渡しをしながら、ある日突然それに気付いたというのだから、間抜けなものだ。
それ以来、彼が彼女たちの誰かと恋仲になったらどうしようと思っていたのだけれど、この調子ではそれもなさそうだ。彼の一番近い場所には僕が居続けるのだ。
焼却炉行きの恋文に最初こそ同情したが、今ではそれに暗い喜びを覚える。・・・叶わぬ想いだからこそ、きっと。



この想いは知られてはならない。



11 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 12:38:27 ID:RriSYEHJ0
スタンダードで濁りのない幼馴染みものですね
完璧な子は弓道部かなと勝手に予想
GJ!

12 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 13:59:38 ID:cAQygsiP0
微妙に歪んでるところが滾った

13 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 14:03:45 ID:te92+rcf0
>>10にも萌えたけどお題もよかった
お題見ていろいろストーリーが頭に思い浮かんで萌えたよ
GJ

14 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 14:35:23 ID:lFfHBkI4O
王道なのがよいね。まとめにきてたのもよかった。

15 :風と木の名無しさん:2010/06/05(土) 23:23:13 ID:C2MRshwr0
>>12に同じく。
内面にどろっとしたものが感じられるのがイイ!

16 :風と木の名無しさん:2010/06/06(日) 12:19:06 ID:im3TnkneO
Gjまわしー
二行目はタイトルだったの?w

17 :風と木の名無しさん:2010/06/06(日) 20:14:26 ID:zXYh1mRhO
タイトルってなんだろと思って再度みた。
短編コミックみたいなイメージだったのかな?

18 :風と木の名無しさん:2010/06/06(日) 20:35:54 ID:dxivcOqYO
踏まれます

19 :風と木の名無しさん:2010/06/06(日) 20:37:47 ID:nKWTrX33O
滅びを予感する軍師

20 :風と木の名無しさん:2010/06/07(月) 04:41:21 ID:IZqsjBYh0
彼は暴君だった。
欲望のままに全てを欲しがり、手に入れたものを飽きては捨てる。
軍師である私は、この国を正しい方向に導く役目にも関わらず、国王の暴走を止められないまま国は荒れていくばかりだ。

この国はいずれ滅びる。
その責任は誰にあるのか、彼の欲しがるままに与えた私か、全てを欲しがり捨てる彼なのか。
いくら頭を悩ませようが、この国が母なる大地の怒りに触れるのは時間の問題だろう。
私ができる事は、せめてその時を遅らせる為に、この国を神の目を逸らす事くらいだ。


しかし今、王は私の制止も聞かずにその扉を開けようとしている。


「シュウ君、ふすま開けちゃ駄目!」
「や!」
「ふ・た・り・と・も!!なーにやってるのっ!」
「あ、ママあのね、いま二人でお片付けしようと思ってたの」
「こんなに散らかして!あー壁に落書きしちゃ駄目って言ってるでしょ!シュウ君、めっ!」
「うー……ごめんなしゃい……うわぁぁぁぁん」
「泣いても駄目っ!」
「ママ怒らないでシュウ君まだ小さいんだから!」
「お兄ちゃんも甘やかさないのっ!」


私は駄目な軍師だ。
彼の笑顔を見たい一心でこの国を築いてきたというのに……。
結末は暴走すら止める事が出来ず、崩壊を予感しながらも傍観している事しかできなかった。
そして今は泣き崩れる彼を見守る事しかできない。

せめて共に泣き、この国の残骸を拾い集めよう。
それが私にできる唯一の贖罪なのだから。

21 :風と木の名無しさん:2010/06/07(月) 07:21:59 ID:FA1MEyAoO
良い意味で予想外で萌えた!というか純粋におもしろかった!GJ!
シリアス調なのに題材はほのぼのっていうギャップがツボだ
着眼点すごいなぁ
確かにちびっこは皆少なからず暴君だw
このかわいい軍師もといお兄ちゃんはもう立派なブラコンですね
兄弟の将来も非常に楽しみです

22 :風と木の名無しさん:2010/06/07(月) 16:43:04 ID:7f4iIvM9O
和んだw
子どもにとっての遊びは規模が大きいからね。お兄ちゃん軍師はこれからも可愛い暴君を甘やかしてはお母さんに起こられ続けるんだろいうな
GJ

23 :風と木の名無しさん:2010/06/07(月) 20:21:55 ID:B6/XY0EgO
予想外のやつが来た〜
かわいくて笑っちゃったwまとものは硬派でいろいろあって面白かった


24 :風と木の名無しさん:2010/06/08(火) 01:36:25 ID:yzHpRpEJ0
GJ!
まさに予想外だけど和み萌えた、光景が思い浮かんでにやにやしてしまった

25 :風と木の名無しさん:2010/06/08(火) 07:43:00 ID:e8it+lAHO
可愛かったーGJGJ
ギャップ萌えた
まとめも凄かったー
まとめ投下でもほんとに良かったら普通に何個も感想つくもんなんだね。すごい

26 :風と木の名無しさん:2010/06/08(火) 17:42:43 ID:06rDWWms0
そろそろまわそうかな

27 :風と木の名無しさん:2010/06/08(火) 17:53:28 ID:6Y3we+d9O
シリアスと見せかけてほのぼの萌えますた
てかお兄ちゃんの語り方がかっこよすぎるw

28 :風と木の名無しさん:2010/06/08(火) 18:17:26 ID:u0RVoqI6O
さぁどうぞ

29 :風と木の名無しさん:2010/06/08(火) 18:20:11 ID:Qm8XRqy60
四兄弟

30 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 00:41:19 ID:bM2fBwkDO

「お前んち、四兄弟なの?」と聞かれる度に、「まぁ、そんなもん」と答えている。

両親を田舎に残し、兄弟のいる都会の家に暮らして始めてから1年が経った。
家にいるのは4人だ。商社勤めの大(おお)兄ちゃんに、広告デザイナーのちょっと変な小(ちい)兄ちゃん、こっちの高校に進学したオレ、それから、役所勤めの中野さん。

中野さんは小兄ちゃんの高校からの友人だ。
もともと中野さんも別の場所に住んでいたそうだけど、こっちの家の方が勤め先に近く、何度か遊びに来たり泊まっていったりするうちにいつの間にか居着いてしまったらしい。
……そんなにアバウトで大丈夫なのか、この家は。

「ただいまー、はらへった」
「おかえり。二人とも遅いらしいから先にご飯にしようか」

キッチンから中野さんの声がする。
ダイニングのドアを開けると、テーブルにはハンバーグとミネストローネが並んでいた。

「ハンバーグ!!」
「いっぱいあるよ」

中野さんは、毎日こうして夕飯を作ってくれる。
男だらけのこの家が人並みの清潔を保てるのも、実は中野さんのおかげだったりする。洗濯物が溜まらないのもそうだ。
「定時に帰ってこられるのは自分だけだから」と中野さんは言うが、それだけでここまでさせるのも申し訳ない気がする。
自分も少しは、家事ができるようになるべきだろうか。

「手伝えること?そんな、悪いよ」
「悪くないって。むしろ中野さんに全部させてるこっちの方が悪い」
「いいんだよ、やりたくてやってるんだから。……こんな賑やかで楽しい家に住むの、夢だったし」

中野さんの育った家庭がうちと真反対だったということは、いつだか大兄ちゃんに聞いた。
そういえば確かに、前の家にいたころはあの小兄ちゃんが真剣な顔で何時間も電話してたり、時々血相変えて飛び出したりしていたから、やっぱり色々あったのだと思う。

31 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 00:47:27 ID:bM2fBwkDO
「君にも君のお兄さん達にも本当によくしてもらってる。これぐらいじゃ足りないよ」

中野さんがハンバーグを器用に切り分けながら呟いた。
オレは丸のままのハンバーグにかぶりつきながら反論する。

「うそだ、大兄ちゃんはともかく小兄ちゃんはアイツ、ただのでかいガキじゃん」
「こら。」

中野さんも笑うってことは心当たりがあるんだろう。
これ、小兄ちゃんに言ったら技かけられるだろうな。オレが。

「……それにしてもその呼び方、珍しいよね。」

中野さんがミネストローネをかき混ぜながら言った。
自分のついでに、オレの空の食器にもおかわりを注いでくれる。
こういうところが、うちの兄弟にはないんだよな。

「なんとか兄ちゃんってやつ?だってそう呼ばなきゃ区別つかねーじゃん。あの二人、名前も妙に似てて紛らわしいし」
「中身は全然違うのにね。ふふ」
「……でもそうだな、たしかに、大兄ちゃん小兄ちゃんってきて、いきなり『中野さん』ってのも変だよな。タニンギョーギっていうか」
「え?」
「中野さんはどうだろ……背丈は大兄ちゃんと小兄ちゃんの間くらいだし……中ぐらいの『中兄ちゃん』ってどう?」
「ちゅうにい……」
「あ、ってか名字中野だしちょうどいいじゃん!中兄ちゃん、中野だから中兄ちゃん。決まりな!…………て、中野さん?」
「……洗濯物取り入れ忘れたかも……」


その日、夕飯の途中なのに、中野さんは一時間近くベランダから帰ってこなかった。



32 ::2010/06/09(水) 00:52:33 ID:bM2fBwkDO
「おはよー。……小兄ちゃん何してんの?」

次の朝、キッチンには中野さんでなく小兄ちゃんが立っていた。

「何って朝飯だよ。あいつが起きたら厄介だから目覚ましの電池も抜いてやった」
「うわぁ……」
「俺様の絶品オムレツ食ったらもうあいつの飯なんて食えなくなんぜ、ひひひ」

小兄ちゃんのフライパンからは不吉な煙があがっていた。確かに、違う意味で中野さんの料理が食べられなくなりそうではあった。

「うわ、何の匂いだよ……」

その時、階上から大兄ちゃんの声が聞こえた。続いて階段を下りる音も。
助かった、小兄ちゃんは大兄ちゃんに弱いのだ。

「あ、やべ」

「ヤバい」ってことはやっぱり失敗した自覚があったんじゃないか。
小兄ちゃんは慌ててフライパンを奥に隠すと、嬉々としてコーンフレークを探すオレを「おい」と引き留めた。

「なんだよ」
「何嬉しそうにしてんだよ。俺のミシュランオムレツが食えなくなって残念だと思わねえのか。…………それから」
「ん?」

「お前、あいつのこと幸せにしすぎんなよ」

顔を上げると、言葉とは裏腹なにやにや顔がそこにあった。

オレは黙って笑い返した。
うるさい、分かってるよ。

中兄ちゃんが小兄ちゃんの「友人」じゃないのなんて、とっくに知ってるんだからな。

33 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 00:52:59 ID:UziA4tsC0
泣いたんだな中野さん
なんか最近普通に物語として面白い投下ばかりで困る(いい意味で
GJ!

34 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 02:16:32 ID:ktb2Cu1/O
始めてお母さんって呼んだみたいなもんなんだな
中野さん良かったね

35 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 07:55:45 ID:K413lhkB0
これは良い話。萌えて、うるっとくるわ…

36 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 08:18:53 ID:IbJaqe8eO
初めてお母さんと呼んだかぁ。ナイス表現。
良かったです。GJ!

37 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 10:51:58 ID:W+hx6AKs0
GJ!
この四兄弟の話をもっと読みたくなった。
ツボすぎてもう…!

38 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 11:18:26 ID:S67pihNnO
いい話だ…きゅんとしました。GJ

では踏んでください

39 :風と木の名無しさん:2010/06/09(水) 11:24:59 ID:iLOMXy9U0
肝心のシーンになって初めて
お互いが相手を攻めだと思っていたことに気付きました

40 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 01:22:11 ID:hTDF3NMP0
受け×受けで妄想しても楽しいけど、あえて攻め×攻めで妄想
男にヤられるとかあり得ない!でもアイツだって同じ考えだよな…アイツになら俺…
ここまで覚悟を決めたけど、相手は何故か手を出してこない(お互い自分が受けのつもりだから)
二人っきりなると、お互い
((ハァハァ。相手可愛いよ相手。…いや何考えてるんだ俺!違う!ここはアイツのカッコよさにドキドキすべきだろ俺!))
ちゅーとかしてムラムラするのを我慢して、早く押し倒せよ馬鹿!となる二人
相手が嫌がる事はしない!と固く心に誓う二人
いい加減焦れて家に呼んで、なのに手を出してこないから
「「いいかげん押し倒してこいよ!俺じゃ勃たねーってのかよ!」」
「「…え?」」

結局その日は二人とも受ける気満々だったので攻めの知識が無く、後日一緒に勉強すればいい
「…ヤられんのも結構気持ちいいかも」
「次俺が下なー」
そんなリバっぷるな二人の関係も萌える

41 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 01:38:03 ID:A2DYroSMO
えー…
SSじゃないのか…そうか
うん。いいよね、そんな関係
GJ

42 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 01:40:58 ID:C1zqH4+R0
>>41
>>1

>>40
GJ

43 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 02:11:09 ID:gm9i2zbI0
なんということでしょう…攻め×攻めでお互い受けのつもり…新境地です萌えました
ちょっとのたうちまわってきます

44 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 02:51:34 ID:1JZKz/y6O
SSばっかりで、ここは棚じゃないとか言われたりもした時もあったのに…

久しぶりの萌えがたりで面白かったw
お互いに覚悟決めてたって発想はなかったな

45 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 07:02:14 ID:s7TlwOWM0
似たもの同士の攻め同士リバっぷる萌える…!
自分は本気で受け×受けしか思いつかなかったよ。
>>43と同じく新境地を見た気分だ。そして新境地に目覚めた!

萌え語り読むの大好きだよ、久々に萌え語りが来て嬉しい。
GJ!

46 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 08:59:39 ID:PyeXogiuP
あえて攻め×攻め同士妄想とは!可愛いなあ
GJ

47 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 10:58:16 ID:5fEwpT/K0
>ムラムラするのを我慢して、早く押し倒せよ馬鹿!
ここに本気で萌えたぎった!そんな2人のリバも美味しいです。
これはいい萌え語り!GJでした!

48 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 11:55:56 ID:T6qeEZrvO
よっしゃー私を踏めー!

49 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 12:01:46 ID:VSijN1Q90
チンポ狂いの超淫乱係長

50 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 20:46:13 ID:hTbSYVRP0
係長であるからには、大前提としてリーマン。
白いシャツ、ネクタイ、スラックスに色気の無い革ベルト。
それに眼鏡があると萌える。
髪はきっちりとセットしていてくれればなお良し。
もちろん普段は真面目そうな顔をしている。
真面目そうな外見だから、Yシャツの中にアンダーウェアが透けてもよろしい。
イメージとしては、ドラマえすぴーのこーあん第一科、銀縁眼鏡のたなかいちろう氏。Rは付かない。
そんな係長が、服を脱いだら淫乱。
だけどただの淫乱じゃない。
淫乱な自分の身体に非常に羞恥を感じる性格。
だから言葉責めに弱い。
そして複数での行為が大好き。
愛があればいいけど、愛がなくてもいい。
後から入れられて、口ではねっとりとしゃぶる。
自分の上で、前と後にいる二人がキスしているともっと燃える。
トライアングルに繋がっている、その感じがいい。

そんな妄想をしながら、係長は仕事中に部下を裸に剥いてみる。
部下は当たり前だがノンケだ。
係長は非常に申し訳ない気持ちを感じながら、ちらりと視線を投げかける。
部下の、男らしい顎が自分の首筋に噛み付く様子を想像する。
ラグビーだったかサッカーだったかをやっていたという部下は、厚い胸板と、がっしりした肩甲骨を持っている。
腰は適度に引き締まって、大腿が発達しているから、スラックスが今一しっくりしていないのが余計に好ましい。
ネクタイをほどき、シャツのボタンを外し、ベルトを緩め、スラックスを降ろし、ボクサーショーツを脱がせる。
引き締まった尻、前には剛毛に覆われた猛々しいもの。
それを、ゆっくりと口に…。

そこまで頭の中でなぞって、あえて自分を現実に引き戻す。
社会人なので。役職にも付いているので。時間にして約1分、おやつのように、一瞬の妄想を楽しむ係長。
これの続きはまた夜になってから。
ちゃんとチンポをくわえさせてくれる可愛い二人の男と過ごす時間の前の、食前酒に取っておく。
そんな係長が好きです。

51 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 21:56:30 ID:1JZKz/y6O
エロい…
語りでここまでエロくなるんですね…GJ

52 :風と木の名無しさん:2010/06/10(木) 22:26:59 ID:6eg8oR6O0
すげえよ係長…!
萌えたというよりなんか滾った
GJ!

53 :風と木の名無しさん:2010/06/11(金) 10:27:16 ID:lC4UsXOKO
自分を現実に引き戻すところがw

54 :風と木の名無しさん:2010/06/11(金) 11:22:34 ID:HIO89xUe0
おやつに妄想が素敵。
10時と3時に嬉しそうにお茶をすすりながら……が目に浮かびます
GJな萌え語りごちそうさまでした

55 :風と木の名無しさん:2010/06/11(金) 11:45:21 ID:mSjcZjWr0
淫乱なのに羞恥心を忘れていないところが
とても萌えツボですどうもありがとうございました。
申し訳なく思いながらも部下を妄想のネタに使っちゃう
淫らさと慎ましさのバランスが堪らんです。

56 :風と木の名無しさん:2010/06/11(金) 21:53:21 ID:/aeZRknT0
この係長いいなー彼が主役の話が読みたいGJ!

57 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 04:44:22 ID:lOWNtOZHO
ど真ん中エロスで大変GJでした
出でよ踏み台

58 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 05:14:36 ID:qreqyIx70
踏み台、召喚されますた(`・ω・´)

59 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 05:16:23 ID:H4PBWHO00
ひぎぃぃぃぃぃらめぇええええこわれちゃうぅぅぅぅぅぅっつ

60 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 08:38:55 ID:H4PBWHO00
すみません、荒れてしまったようなのでお題は取り消します。

61 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:14:00 ID:n1MXBkgM0
>>59
KY

62 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:15:06 ID:n1MXBkgM0
>>59
早朝からエロお題かよ

63 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:16:29 ID:n1MXBkgM0
>>59
どんな*0期待してたんだ?このエロ厨

64 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:18:30 ID:n1MXBkgM0
>>59
ルール理解してるなら自分で*0取るなよ

65 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:19:11 ID:n1MXBkgM0
まあこれもルール違反なんだけど

66 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:19:30 ID:ud9Nz/e20
とっととまわし

67 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:21:19 ID:n1MXBkgM0
>>59
荒れてしまったんじゃなくて荒らしたんだろ?

68 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 09:22:55 ID:n1MXBkgM0
これで次の*9も変なお題だったら荒らし
どうせ>>59=ID:H4PBWHO00はもうID変えちゃったんだよねー?

69 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 10:14:51 ID:yXiHirJ9O
24時間

70 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 14:19:51 ID:cibGslp90
あいつはデート、俺は家。
執行猶予は24時間、そう決めた。

俺は男だし、あいつも男だったから、もともと叶う恋なんかじゃないってわかってた。
あいつは俺のことを友人だと思っていたし、俺もそう思われるように振舞っていたから。
気付かれないのも当たり前で、優しいあいつに初めての彼女ができるのも当たり前。
好き合う男女が2人で休日に出かけるのも当たり前。
たとえ今日が俺の誕生日でも、彼女を優先するのは当たり前なんだ。
俺は男で、友達だから。

もういいじゃないかと俺の中の誰かが言った。
もういいじゃないか、お前は頑張ったよ。不毛な片想いを、もう3年目。
それでも相手は気がつかない。そろそろ潮時じゃないか?
わかってる。多分一生気付いてもらえない。一生友達、それで終わり。
でもこの気持ちに気付かれたら友達ですらいられない。

友達になって3年目。今年で卒業、それからは別々の人生。
最後の賭けを、することにした。
日付が変わるまでの24時間、それまでに連絡が無かったら諦めよう。
でも、もし初デートの高揚の中でも連絡をくれるようだったら俺の2年は無駄じゃない。

執行猶予は24時間。
生かすも殺すもあいつ次第。

71 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 15:12:55 ID:eoWZJZQs0
GJ
これは、24時間過ぎた後に友人から電話がくるとみた

72 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 17:16:40 ID:sF+m4mSA0
初デートの報告電話だったらどうするんだよ…!

73 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 18:20:41 ID:C8Dd+jUEO
>>72
「今日さあ、あそこ行ってーあれ見てーあとあれ買ったりしてさー」という報告に落ち込む彼に
「でも楽しいはずなのにお前がいないからつまんなくてさ」という逆転サヨナラ満塁ホームランも有りでしょう

>>70
頑張って諦めようとしている描写に切な萌えた
個人的には想いが通じてほしいなあ
まとめの方もGJでした!

74 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 20:05:35 ID:9eaqiD/FO
失恋ルートしかないと思ってたよ
レスついて開眼しました

75 :風と木の名無しさん:2010/06/12(土) 23:31:35 ID:L+XsJU/d0
>>73
「でも楽しいはずなのにお前がいないからつまんなくてさ」
かなり胸きゅん

GJ

76 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 01:53:17 ID:ymd7xU2T0
やばい。>>73のせいでこんな時間にめちゃ萌えた。
どうしてくれる。

77 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 13:04:06 ID:/JJSvOrq0
>「でも楽しいはずなのにお前がいないからつまんなくてさ」

いいなあこれ・・・萌える

78 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 13:49:29 ID:skyQ3SkY0
私を踏みなさい!

79 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 13:54:56 ID:bQpOmbgpO
ピアノとチェンバロ

80 :1/2:2010/06/13(日) 17:25:13 ID:AQnxgzMc0
彼はとても淡々としている。
いつも静かに、黙々と自分の仕事をこなしている。
周りは彼を「いつも同じ調子」「無表情でつまらない」「愛想が無い」と言う。
でも俺は知っている。
彼の内面が本当はとても複雑で繊細だという事を。彼が音楽をどれほど愛しているのかという事を。

だから「君の方が彼より優秀だ」と言われる度に、俺はどうしようもなく苦しくなる。
そんなことはありませんと言い返しても、周りは「君は優しいな」と笑うだけだ。
違う。俺は優しくなんかない。
彼を舞台から追いやったのは周りの皆ではない。他でもない、俺だ。
俺が彼から光を奪ってしまったのだ。
きっと、彼は俺を怨んでいるだろう。許しを請う資格は俺には無い。

それでも。
それでも、この名を誇る事だけは許してくれますか。
名前でだけでも貴方と繋がっていたいと思っている俺は、浅ましいでしょうか。

-----------------

81 :2/2:2010/06/13(日) 17:26:09 ID:AQnxgzMc0
彼はとても感情豊かだ。
いつも、笑ったり泣いたり怒ったり、表情をくるくると変えている。
彼の周りにはいつも誰かがいて、彼が皆に愛されているのが遠目でもよくわかった。
それを見て、僕はとても嬉しい気持ちになる。
その気持ちを、顔には出さないけれど。……いや、出したくても出せないのだが。

彼の仕事振りを見ていれば、彼が音楽を好きな事はよくわかる。
思うように音楽を奏でるという事は幸せなことだ。幸せなことは、良いことだ。
ただ、彼が僕のことを気にしているのが、少しだけ気がかりだ。
周りが彼に、僕と比較するような事を言っているのを、僕は知っている。
きっと、彼は優しいのだ。
褒められているのだから喜べばいいものを、僕を気にしてか悲しそうな顔をする。

その名前に縛られなくて良い。
君は最初から自由なのだから。そして僕も自由だ。それだけのこと。
君はいつも笑ったり泣いたり怒ったりしているけど、僕は君の笑顔が一番好ましい。


※楽器「ピアノ」の名称の由来は、イタリア語の「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」
 「弱い音と強い音の出るチェンバロ」という意味らしいです。Wikipediaより。

82 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 20:01:51 ID:j+sI186O0
GJ!これは萌える…!

83 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 21:28:59 ID:AAF6C9VCO
感情表現豊かな後輩ピアノと物静かな先輩チェンバロの対比がいいなあ
雰囲気も好きです GJ!

84 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 22:46:45 ID:JpiFXpMuO
これはたまらん…
名前の由来も初めて知ったよ、GJ!

85 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 23:28:59 ID:AyGTVA5e0
GJ!知識も得れて萌えられるとは。。

86 :風と木の名無しさん:2010/06/13(日) 23:37:21 ID:SORrYqVoO
チェンバロの語りに目頭が熱くなった
GJ!

87 :風と木の名無しさん:2010/06/14(月) 16:37:15 ID:YhKfij9w0
まわし

88 :風と木の名無しさん:2010/06/14(月) 16:54:34 ID:QLh3q9FQO
踏んでいきなされ

89 :風と木の名無しさん:2010/06/14(月) 17:06:56 ID:UrzfClhN0
共犯者

90 :風と木の名無しさん:2010/06/14(月) 18:27:36 ID:mAYLJ03n0
「ち、ちいちゃん、どうしようっ」

息を切らしながら俺の家のインターホンを鳴らした瑛はひどく焦っていた。
理由を聞くとどうやら、近所で有名なカミナリジジイの植木鉢を割ってしまったようだ。

「そうだ!俺にいいかんがえがあるぜ」
そういうと俺は割れた鉢を両手でかかえて自分ん家の庭に走り出した。

「ええっ」
「なんだよ、文句あんのかよ。お前のためだぞ」

穴を掘って、割れた植木鉢を埋める。

「しょーこいんめつってコトバ知ってるか?」
「も、もし見つかったら、ちいちゃんも怒られちゃう!やっぱり僕・・・」

「いいの、俺も きょーはんしゃ」


91 :風と木の名無しさん:2010/06/14(月) 18:28:20 ID:mAYLJ03n0
10年たっても変わらない。幼馴染の瑛は相変わらず鈍くさかった。

「ち、ちいちゃんどうしようっ」

勢いよく教室に飛び込んでくる。

「あのなあ、いい加減その呼び方やめろよ」
「ちいちゃんはちいちゃんだよ!じゃ、じゃなくて大変なことになっちゃったんだっ」

10年たっても変わらない。

「あの、あのね、教頭先生の大事な花瓶を割っちゃったんだっ。直す方法とかないかなあ」

「んなこと無理だし、、中庭にでも埋めるか」
「そ、そうだよね。直すなんて…。でも見つかったらちいちゃんもっ」

「いいの、俺も きょーはんしゃ」

なんでだ、俺も変わってないぞ。

92 :風と木の名無しさん:2010/06/14(月) 18:33:22 ID:mAYLJ03n0
ごめんなさい、終わりです。

93 :風と木の名無しさん:2010/06/15(火) 00:08:43 ID:UCjaREi7O
ふたりとも可愛いね。

終わりについてはそのままか、別館チラシの方がよかったかな?

94 :風と木の名無しさん:2010/06/15(火) 17:48:59 ID:XazJq/6Z0
3レス目さえなければ普通にいい話
幼なじみ可愛いよ!
いつまでも変わらずイチャイチャしてればいいよ!GJでした

95 :風と木の名無しさん:2010/06/16(水) 00:22:47 ID:wvTz2IKm0
>>92
なぜ謝ったw

可愛い二人で萌え和んだよ、GJ



96 :風と木の名無しさん:2010/06/16(水) 07:57:34 ID:SWUw/DOjO
そろそろまわそうか

97 :風と木の名無しさん:2010/06/16(水) 08:55:33 ID:C3mgmh4PO
/お客様の中にどなたか踏み台様はいらっしゃいませんか?\

98 :風と木の名無しさん:2010/06/16(水) 09:23:31 ID:ll/vRfj90
さあ、お踏みなさい

99 :風と木の名無しさん:2010/06/16(水) 09:24:55 ID:t0VBDwjk0
クマのぬいぐるみだと思ってたらサルだった

100 :風と木の名無しさん:2010/06/16(水) 17:49:53 ID:CxzRTI4hO
ガタイが良いのにおっとりしててタレ目でいっつも笑ってる。
誰だったかが言ってた。くまのぬいぐるみみたいだって。

――なのに

「――陽っ…!!」
くまのナニガシこと陽太と何故だか体を重ねる関係になって1週間。
「はぁ…はぁ…っはぁ…」
運動部の体力は底無しなのか?貫かれた俺はこんなに息が上がってるのに
「アキちゃん、もいっかい、いい…?」
良くねぇよ。腰がダルくて立てねぇんだよ。
恨みがましい視線を向けても一切通じず。
「――んっ、あぁ…」
ほらまた溺れる俺。
誰がくまのぬいぐるみだって?
これじゃサルじゃねぇか。

101 :風と木の名無しさん:2010/06/17(木) 00:32:41 ID:imuaeU1O0
ガチムチGJ!
好みだー!

102 :風と木の名無しさん:2010/06/17(木) 12:29:09 ID:5VAaH69bO
ガタイよくて運転部つったら柔道か相撲かラグビーか…
なんにしても可愛い

103 :風と木の名無しさん:2010/06/17(木) 13:56:53 ID:zAL4r7RyO
お題処理が良かったよね
くまかわいい

104 :風と木の名無しさん:2010/06/17(木) 17:23:38 ID:ylJoai8OO
お題をどう読み解けばいいか分からなかったから
そうきたか!と感動した
萌えた!

105 :風と木の名無しさん:2010/06/17(木) 23:58:11 ID:ulOsUUv90
処理うまい。あらかじめこのお題にはこれしかなかった!!くらい。
ところで>>99自身はどういう萌えだったのか気になる

106 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 01:25:00 ID:airooah5O
ホントだね。どんな話だったんだろう。

これは強気受けになるのかな?ようやったGJ

107 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 05:17:23 ID:RXq1WWzOO
まわし

108 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 08:31:23 ID:EDF9T1KoO
踏まれるのかよ!

109 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 08:39:49 ID:9AQhEJBn0
ウザカワ受け

110 :1/2:2010/06/18(金) 15:57:32 ID:0dXcZhoPO

「うわーうわー俺はじめて来たよラブホテル!略してラブホ!エロスの宮殿!!」
「よかったな」
「いやあ、男二人でも入れるもんだなあ。ラブホって受付いないもんなの?ぜんぶ機械でピッピッてさ、いや恥ずかしくなくていいけどさ」
「かもな」
「おいあれ見ろよ風呂場!ガラス張りじゃんなにあれなにあれ!覗きプレイか?覗きプレイなのか?この部屋考えたやつスッケベー!」
「そうだな」
「うおおおやべえやべえ普通にテレビでAVやってる!なにこれ高校の修学旅行でゲーセンのコイン必死にねじ込んでエロチャンネル見てた俺たちが馬鹿みてえじゃん!!そんなことしなくてもここならワンボタンでエロスの洪水じゃん!!」
「…………」
「?なあおい聞いてんの?エロスの」
「うるせえちょっと黙ってろ」

腕を掴んで乱暴に押し倒すと、あんなにけたたましかった奴のお喋りはぴたりと止まった。
そのまま至近距離でじっと見つめ合うと、やがて言葉の代わりに一際大きな心音が聞こえてくる。

「……あれえ?あれあれちょっとお兄さんたらちょっと、もしかして発情き」

言いかけた唇を唇で塞いだ。
お前のそういうところがうぜえんだよ、ふざけたフリして震えてんじゃねえか。



111 :2/2:2010/06/18(金) 15:58:14 ID:0dXcZhoPO

「悪いが、な」

言葉を紡ごうとするそばから何度も口腔を舌で抉られ、ついに息も絶え絶えになった奴を見下ろしながら俺は呟いた。

「お前がそうやってどうでもいいことばっか喋ってるのを見ると、妙にムラッとくんだよ。俺ってうざいの趣味なのかな?ねぇどう思う?」

ジーパンの内腿をなぞりながら答えを促すと、奴はぶるっと身震いしながら応じた。

「…………へ」
「へ?」
「変態……なんじゃないかな?ウルトラ級の」

あは、かーわいい。
たまんないわ。そのめいいっぱいおどけようとして失敗している口振りとか、微妙に逸らした目線とか、……実はすっかり固くなってるそれとかさ。

俺は奴にばれないようにくっくっと笑うと、反った首元に吸い付きながらシャツのボタンを外していった。



112 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 18:12:15 ID:G1B7YVCb0
完璧なウザカワ受けに萌えた
ドライな攻めもイイ!
ありがとう GJ

113 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 20:35:52 ID:rd/0uKQhO
ウザカワより強引攻め様にドキドキしました。
かっこいい〜GJ

114 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 21:19:15 ID:3NU4Ojdc0
うざかわに振り回されるのかと思ったら、完全に攻めのペースw
しかも全部お見通しとか。ベストカップルっぷりに激しく萌えた!

115 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 22:00:05 ID:YnY2GYFgO
ウザカワは可愛いし攻めはかっこいいし
ちくしょー! GJ!

116 :風と木の名無しさん:2010/06/18(金) 23:11:28 ID:yZKSRaeyO
攻め大好きだ
力の限りGJ!

117 :風と木の名無しさん:2010/06/19(土) 20:28:45 ID:2/bFEYM/0
うぉおお!萌えたー!
受けかわいいわ、攻め格好いいわ、こういう関係大好きだ!
軽くあしらってるクールな攻めでも、受けに対しての惚れた弱みっぷりが伝わってきて良いなぁ
GJ!

118 :風と木の名無しさん:2010/06/19(土) 20:53:48 ID:+SGHW80S0
踏まれます

119 :風と木の名無しさん:2010/06/19(土) 20:57:58 ID:ZiVok2DKO
「ん?」

120 :1/2:2010/06/19(土) 22:17:49 ID:WYpDMreD0
 詩人でもないのに、そんな柄じゃないのに、時折、ひどく感傷的になることがおれにはあるのだ。
 例えば今夜みたいな、月が半分しか姿を見せていなくて、やけに静かで、呼吸を邪魔するような
ものが何も無い帰り道。おれの履き古したサンダルがアスファルトにこすられて、ざり、と立てる音が、
こいつの履いている黒くなめらかに光る革靴の規則正しいリズムが、誰も居ない街外れの道路に
響くから、おれはおれ一人ではどうしようもなくなってしまう位に、ああ、こんな夜のせいで、
涼しい夜風のせいで、寂しいなどと。つい、思ってしまう。
 さりげなくちらりと盗み見たこいつの顔は、憎らしいほどいつも通りで、多分、頭の中で
先ほど寄ったコンビニのドアの効果音なんかを流してそれにあわせて歩いていたりするのだろう。
 余裕が無いのはいつだっておれのほうだ。コンビニ袋を持った手が軽くこいつの体に掠るだけで、
こんなにも落ち着きをなくしてしまう。
 風が吹いて月が柔く光って、そんな夜だから、今日くらいはこいつの優しさに寄りかかっても
いい、そう思った。

121 :2/2:2010/06/19(土) 22:20:28 ID:WYpDMreD0
「なあ」
「ん?」
「月がさ。綺麗だな」
「ん、」
 すっと視線を上げて、そうだね。と、小さく呟いたので、おれは少しだけ安心した。
 そしてもう一言。
「……なあ」
「ん?」
 月からおれへと、風に枝がしなるように自然な所作で視線を移す。
 こいつの、こういうところが多分、おれと決定的に違っているところで、おれがこいつとこうして
二人きりで歩くようになった、最大の理由なんだろう。
 こいつは決して揺るがない。時を経ても姿を変えても、同じようにおれを見てくれる。
「おれはあんたが好きだよ」
 目をまるく見開いて、驚いたような顔をされて、急に恥ずかしくなってきてしまったので、おれは
わざとらしく視線を逸らして月を見た。うっすらぼやけた、でも確かにそこにある、こいつみたいな。
「ん」
 そうだね。と、先刻と変わらぬ声色で言われて、おれは、ああ、こいつには到底敵わないと。
嬉しいような、悲しいような、そんな気持ちで、また、真っ暗な夜道を、足音を立てて歩いていった。



122 :風と木の名無しさん:2010/06/19(土) 22:23:33 ID:xaC7+/Vb0
おー、GJ!GJ!
いいなあ、夜の匂いがしてきそうだよ、萌えた!
たった一言からこんな風に広げられるってすごい

123 :風と木の名無しさん:2010/06/19(土) 22:32:43 ID:Z46RXvXZ0
はえー仕事はえー
月が綺麗ですね、は801創作では結構鉄板だと思うんだ
いいな!

124 :風と木の名無しさん:2010/06/20(日) 11:45:55 ID:ARsm6epb0
そうだねっていうのがいいね
まとめも良かったです
GJ

125 :風と木の名無しさん:2010/06/21(月) 09:59:27 ID:9hleYHbv0
会話に目がいくけど、最初の方の景色の描写もよかったよ〜

126 :風と木の名無しさん:2010/06/21(月) 15:23:39 ID:/Ed8EvnH0
うん、よかった 一気に夜へdだよ GJ!

127 :風と木の名無しさん:2010/06/21(月) 16:41:40 ID:tsn6EkQI0
まわし

128 :風と木の名無しさん:2010/06/21(月) 17:34:34 ID:MxyL8eTjO
べ、別に*9に踏まれたいなんて思ってないんだからね!

129 :風と木の名無しさん:2010/06/21(月) 17:38:00 ID:NgSPOlen0
手が触れた

130 :1/2:2010/06/21(月) 21:19:04 ID:hIt6H1pD0
 携帯が鳴ってる。俺のじゃない。こんなセンス悪い着メロ、断じて違う。
「あ、奥さんからだ」
 何だっけな、メロディ。聴いたことあるぞ。
 ていうかお前、自分の母さんを奥さんって呼んでるのかよ。
「メール?」
「うん。仕事が終わったから帰るよって」
「仲いいな」
「だろう」
 ふふん、と得意気に笑う。マザコンか、こいつ。
 違うな。多分母親思いなんだろうな。こいつの口から父親の話なんて出てきたことがない。
 だから、きっとこいつの家庭は…。いや、やめとこ。
 ぱちん、と携帯を閉じる音。返信はえーな、おい。
「お前さん、夏休みに入ったら何をするのかね?」
「何だよ、その口調は」
 呆れた。
「いいじゃないの教えなさいよ。母さんとあんたの仲でしょ」
「誰が親子だよ。同い年だろ。電車来るぞ」
「はい、黄色い線の内側に下がりまーす」
 手をぴしっと上げて宣言する姿は、選手宣誓のようだ。
「でも何で黄色い線って言うんだろうな? 俺の目には点字ブロックに見えます」
 うるさい、黙って降りる人に道を譲りなさい。

131 :2/2:2010/06/21(月) 21:19:38 ID:hIt6H1pD0
「お前、あの着メロ何?」
「お、俺のセンスに驚いて感動してる?」
「俺の発言のどの部分を聞いてそんな言葉が出た?」
 この時間、町の中心から離れる電車の中はガラガラだ。
 だからと言って俺たちの他に誰もいないって、切ない。
「昔子供向け番組で流れてたの。俺のお気に入り」
「お前、マイペースすぎんだろ。それが学校で流れたら爆笑もんだぜ」
「俺、最近の流行とか知らんわ。興味ないし」
 何よ、何が流行ってんのよ、教えてごらんなさいな。
 おいこら、何で迫って来るんだよ。仕方ねぇなあ。
「じゃあ、俺の携帯に入ってるの聴かせてやるよ」
 ポケットから取り出して、操作する。
 これこれ、とボタンを押そうとした手に、手が触れた。止められた。
「優先席付近では電源を切るかマナーモード!」
 お前周り見える? 俺とお前の二人で、誰もいないんですけど。
「皆様のご協力をお願いいたします!」
「……分かったよ」
 携帯をポケットに入れて、ため息をついた。
 で、何でお前こっち見てんの。
「お前の手、ごつごつしてんのな。奥さんのとは違うわー。やっぱ男だね」
 何だそりゃ。ああ、そっか。お前んちやっぱ…。


 ちょっと可愛いとか思っただろ。どうしてくれんだ。

132 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 01:00:05 ID:62EiZWkQ0
まわしー投下乙

133 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 01:21:33 ID:zKSVWePu0
なんだか独特の世界……モデルとかいるのかな? 不思議なキャラクターだよね
父親に憧れる友人と同情が何かに変わりそうな主人公の、まだまだな感じが良かったです

134 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 08:01:03 ID:N/KpBbYwO
そうそう、不思議なキャラだよね

135 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 08:41:01 ID:mC7looUj0
電波だと思った
まわし

136 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 16:00:49 ID:ZS+PQ0wA0
mws

137 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 17:27:58 ID:BjTxydvaO
まわすんだよ

138 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 17:54:19 ID:muoZagTc0
どうぞ私をお踏みください

139 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 17:55:40 ID:nGA2L4eMO
好きな人に似た人

140 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 20:58:24 ID:+/0ZhKS6O
「そういえば大野が全然知らないヤツのことまさきと勘違いして話しかけようとしてたよ。俺が止めてなかったら確実話しかけてた。」
「またかよ!!さっきはるとにも「昨日理学部キャンパスいたよな?」って言われたんだけど。行くわけねーじゃん俺法学部よ。」
「マジでお前に似てる人多いんな。」
「毎日のように「まさきに似てるやついた。」とか「昨日○○で見た。」とか言われる。」
「いいじゃん。変なこと目撃されても「それちげーやつだよ。」っつっとけばお前の場合通じるし。」
「いや別にそこ嬉しくないでしょ。俺ってそんなどこにでもいそうな顔してんの?」
「そうなんじゃないの?」
「マジかよー。俺にも個性ってモンあるでしょーよ。みんなもっと俺を見ろ!そして気付け!!!」
「個性ねぇ…。」
「あ、でもそういえば」
「何。」

「お前は間違えないよね。なんで?」



なんでだろ?






141 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 21:18:35 ID:AWrBcjczO
うまい!
お題そのまんまというか逆手に取ったような感じ?
萌えましたGJ!

142 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 21:24:14 ID:EHEMLFnrO
自分は好きだから間違えないのかw
いいね!萌える!GJです

143 :風と木の名無しさん:2010/06/23(水) 23:51:44 ID:TdaWwLOg0
短い掛け合いなのに萌えどころあっていいな

144 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 00:12:54 ID:ELPHle06O
お題逆手ってなんだろ?と思った
確かに自分も普通に「好きな人に似てる」側を書いちゃうかも
なるほどGJ

145 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 00:26:37 ID:wFN9T6vL0
最後の一言がとぼけてて好きだ

146 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 00:27:18 ID:QcwpXmsy0
好きだから見分けがつくっていいよね萌えるよね
そしてどこにでもいそうな顔に噴いたw

147 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 08:10:27 ID:ddaJm9Ya0
そこまで間違いまくる大野くんの心理も気になるGJ

148 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 08:12:18 ID:/ZuCt4wk0
ぐっと来たよGJ!

まとめの方も、最後でゾクゾク来たよ

さあ、お踏みなさい

149 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 08:19:54 ID:L5jb3B8jO
俺の方が好きだよ!

150 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 22:12:57 ID:/ZuCt4wk0
セフレだったはずだ。
次の恋までの繋ぎ、俺も、向こうも。それがいつからこうなったんだろう。
体をつなげた後の、なんとなく別れがたい気持ち。
ぐずぐずとベッドの上からバスルームへ、体を拭いて着替え、キッチンへ。
今までなら、奴はシャワーを浴びたら、脱ぎ捨てた服をまた身に付け、「じゃあな」と言ってドアの向こうへ消えた。
今はキッチンで俺と一緒に、食事の用意をしている。
和食党の奴に合わせて、米を炊いて、魚を焼き、大根のみそ汁を作る。
奴は時々俺の背後から抱きつき、顎を肩に乗せてただ黙って俺の手を覗き込んだりする。
これではまるで、恋人同士のようだ。俺は少なからず動揺する。
好きという気持ちがあるのかどうかすら覚束ないのに、背中の温かみに胸が締め付けられるような気がする。
「案外手つきいいな」
奴が感心したように、耳元で囁く。
「居酒屋バイトを舐めんなよ」
言った途端、耳を舐められ、肩をすくめる。背中を電流のようなものが走る。
「舐めちゃった」
「バカ、危ないって」
「なあ」
「なに」
「俺たち、ちゃんと付き合わねぇ?」
「好きでもないのに?」
「好きじゃないの?」
「……」
「俺が他の奴とこうやってる所想像してみろよ」
想像してみる。……胸がぎりっと痛む。
「な? 俺はお前が好きだよ。俺のこと好きだろう?」
「…うん」
「こっち向いて」
体の向きを変えたら、キスされた。そう言えば、初めてのキスかもしれない。胸が震えた。
そうか、好きってこう言う気持ちだったのか。痛いような、泣きたいような、苦しいような。
身体の繋がりの方が先だったけれど、こう言う恋の仕方もあるのだ。知らなかった。
それならば、たぶん、俺の方が好きの度合いが大きい。
奴の顔は嬉しそうに笑っていて、俺の視界は、落っこちそうな涙で歪んで見えるから。

151 :風と木の名無しさん:2010/06/24(木) 22:57:17 ID:ELPHle06O
いいね。なんかエロかわいいっていうか。こういうシチュ大好きです。
まとめも可愛かった。


152 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 00:24:56 ID:cHHMo3oYO
じ、じんときたー!
好きだってことに気付く過程が丁寧に描かれててよかった。
何回も読んでしまいそうだ。GJ

153 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 02:28:20 ID:CrwGM1GPO
今までの日常が少しずつ変化しながら2人に降り注いで欲しいと願う
GJ

154 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 02:48:36 ID:hWyy6wkW0
感想が言葉にならない
とにかくすごく良かった
心からGJ

155 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 20:02:56 ID:d298JfK00
あああーいいよいいよ、体は大人、中身は純情!
大好きだー!GJでした!

156 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 22:22:30 ID:8pcvAjA40
まわし

157 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 23:09:26 ID:jutOI6DF0
mws

158 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 23:18:24 ID:3Evgg99yO
力いっぱい踏んでくれ

159 :風と木の名無しさん:2010/06/25(金) 23:21:34 ID:QIcLc8sF0
優しい手

160 :風と木の名無しさん:2010/06/26(土) 02:10:48 ID:q3My4LPF0
長男気質で面倒見のいい先輩は普段からスキンシップが多い。
何かと肩や背中を叩いたり、肩を組んだり。
所謂体育会系のノリが苦手な俺も、最初は不快だったそれをいつの間にか受け入れていた。
先輩の大きい手は嫌いじゃない。

なのに、
「お前、運動部のクセに綺麗な髪だよな」
隣に立っていた先輩が何気なく髪に触れて。先輩の指が髪の間を滑り、偶然首筋を撫でた。瞬間。
「っ?!」
背中を走った謎の感覚。
一瞬で顔が赤くなったのが自分で解った。
「え?」
「す、いません…っ ちょっと、俺 顔。洗ってきます」
「…あ、ああ」
頭を撫でたままのポーズのまま固まってしまった先輩を置き去りにして、水飲み場へと逃げる。
「うわ…何でたってんだよ…」
あり得ない。あり得ない。あり得ない。
頭から水を被っても熱い顔と煩い心臓がなおらない。
「最悪だ…」
あんな優しい手に、俺みたいな無愛想な後輩にまで優しい先輩に対して、こんな事あって良いわけ無い。

こんな自覚の仕方、最悪すぎる。

161 :風と木の名無しさん:2010/06/26(土) 08:42:22 ID:ZZyjE2Tg0
おお恋の芽生え可愛いGJ

162 :風と木の名無しさん:2010/06/26(土) 08:48:36 ID:OZ2sc9mS0
体育会系無自覚なテクニシャンに萌えた!兄貴素敵だよ兄貴
GJ

163 :風と木の名無しさん:2010/06/26(土) 09:14:00 ID:US0FZK39O
後輩たったのかwwGJ!w
先輩もこの時恋を自覚したに違いない…!

164 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 00:02:02 ID:z92LmKUXO
なんかこの後輩気持ち悪い

165 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 01:11:45 ID:ncCbMQ/2O
意識してないベタベタいいよね。まとめのも面白かった。

166 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 14:13:21 ID:gxjzDzCA0
別にお前のためにまわすんじゃないんだからな!////

167 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 19:40:00 ID:Kda3JzNc0
マワシ

168 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 20:05:03 ID:9skjhYLrO
ほら、思う存分踏んでけよ

169 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 20:07:25 ID:UQVdMIKA0
あなたの子供が欲しいのに

170 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 21:54:29 ID:ZV5+dYe60
「だから、別れようか」と言ったら殴られた。
「雄太の言い分だと、子供が出来ないって知りながら結婚した夫婦には未来が無いってことだな」
ズキ、と心臓が痛んだ。そう言う意味じゃない、そう言う意味じゃないんだ。
「…でも、男同士じゃ結婚も出来ないし」
「入籍しないで暮らしてる夫婦なんかいくらでもいる」
「男同士だから、一緒に暮らしたら変な目で見られるよ」
「同棲しないで長年恋人を続けてる関係だって、世の中には山ほどあるよ」
涙が頬を伝って落ちた。
一度落ちると、後から後からぽたぽたと落ちてゆく。
ため息をついて、修介が俺の頬を撫でた。
「…なあ、俺はどんな目で見られてもかまわないよ」
「お、俺は気にするよ。それに、どんなに頑張っても、お前に赤ん坊を抱かせてやれない」
「そりゃ、お前も俺も男だし」
「修介、赤ん坊、欲しいだろ?」
「え? 欲しくないけど。なんで俺が子供欲しがってるとか思ったわけ?」
「だって…こないだのショッピングセンターで、羨ましそうに家族連れ見てたから」
「いやいやいやいや」
呆れたように手を振って、修介がまたため息をついた。
「あれはさ、兄貴の所の甥っ子を思い出してたんだよ。少しもじっとしてなくて、すごく大変そうだったろ」
そうだったっけか。修介の様子しか見てなかった。
「それで雄太は俺と別れようとか思ったわけ」
「だって」
「俺が孕めないから?」
「修介、」
「馬鹿じゃねぇの。つっこむだけつっこんどいて、それかよ」
「……ごめん」
「子供がなかろうが、結婚出来なかろうが、一緒に暮らせなかろうが、保証が無かろうが、俺はお前と一緒にいるよ」
涙は止まらず、唇に流れ、殴られた時に切れた口の中の傷に滲みた。
「雄太も俺と一緒にいるって誓え」
「誓う。……修介、ごめん」
いいよ、と言う修介の顔は笑っていた。本当は、俺がお前との子供が欲しかったんだ。
俺はもう一度、小さく、ごめん、と言った。

171 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 22:32:34 ID:u7R131kq0
切な萌え・・・GJ

172 :風と木の名無しさん:2010/06/27(日) 23:47:21 ID:qMKzECSMO
oh…
切ないカップルだ…GJです

173 :風と木の名無しさん:2010/06/28(月) 00:08:33 ID:OLtcF93O0
確かに攻めがそんなことを言うと微妙だな
いろいろ考えてしまった

174 :風と木の名無しさん:2010/06/28(月) 00:33:44 ID:AKDYZz/4O
泣いた

175 :風と木の名無しさん:2010/06/28(月) 17:26:48 ID:Y2ojaSfs0
切ないなぁ…GJ
例えば養子をもらったとしても、それは攻めがほしい子供とは違うんだよね

176 :風と木の名無しさん:2010/06/28(月) 23:57:37 ID:XjcghrWZ0
こうも真っ直ぐ、正しく王道で来るとは思ってもみなかった。GJ

177 :風と木の名無しさん:2010/06/29(火) 00:03:44 ID:ujO3i5zM0
切なす・・・

178 :風と木の名無しさん:2010/06/29(火) 00:07:42 ID:DclTqnfs0
よっしゃ!踏んでけ!

179 :風と木の名無しさん:2010/06/29(火) 00:08:33 ID:ou2D4hO/0
弟バカ

180 :1/2:2010/06/29(火) 03:12:29 ID:x8C0qWvP0
先輩の髪を撫でながら首に顔を埋めると、洗髪剤の香りがした。
それがカビ臭い大学の書庫には不釣り合いで、尚のことイケナイ事をしている気持ちになる。
「先輩…このままいいですよね?」
「ば…バカ…お前、ここを何処だと思って…」
机に押し倒された先輩はすっかり真っ赤になっている。2歳も年上なのに、本当に可愛くて仕方が無い
「大丈夫ですよ、こんなところ誰も来ませんから…それより…」
だが、俺の言葉は無機質な電子音で中断された。無粋な音を不審に思う間もなく、先輩が覆いかぶさって
いた俺を勢いよく跳ねのける。
「…知樹を保育園に迎えに行く時間だ!!」
どうやら携帯のアラームだったらしい。
俺は突然のお預けに閉口しつつも、半ば諦めを覚えていた。
先輩は年の離れた弟のことを言葉では言い尽くせぬほど大事にしている。
なんでも弟さんが産まれて間もなくお母さんが亡くなったとかで、仕事が忙しいお父さんの代わりに
先輩は高校生の頃からずっと弟さんを育ててきたそうだ。
おそらくは兄弟と言うよりも親子に近い感覚なのだろう。
俺も先輩と知りあった頃から行事のカメラ係にと担ぎ出されたり、アルバム片手に思い出話を延々とされたり等々
いろんな目に遭ってきた。
まぁそんな時の先輩は普段の無愛想が嘘のように表情が明るいし、弟の知君も素直でいい子だからいいかと思うが
それにしてもこんな時まで弟の話をしなくてもいいではないか…とやはり考えてしまう。
「…先輩、じゃ…じゃあすぐに済ませますから…それからお迎えに行きましょうよ。それでもいいじゃないですか」
思わず甘えたように手を伸ばすが、直前でピシッと叩かれた。
「何を言う!すぐに行ってやらねば知樹が寂しがるだろう!」
それに何か事件にでも巻き込まれたら…知樹は賢い子だが、なにしろ人を疑うことを知らないから…とまだブツブツ
呟いている。

181 :2/2:2010/06/29(火) 03:14:10 ID:x8C0qWvP0
知っていたけどこれは重症だ。間違いなく弟バカ…いや、失礼。
俺にも弟がいるが、年が1歳しか離れていないせいかろくに可愛いと思ったことも無い。
―弟…?
そこでふと名案を思いついた。
「じゃあ…俺の弟に行かせますよ。先輩も知ってるでしょう?保育士志望の。
知ちゃんとも知り合いだし…確か俺の弟が作ったお菓子も気に行ってくれてたじゃないですか」
「む…だが、急なことで悪いだろう」
「大丈夫ですよ、確か今日は近くまで来ているはずですから…俺達皆で何度か迎えに行ってこともあるから
保育士さん達も弟の顔を覚えてくれているようですし」
ね?俺もっと先輩と一緒にいたいですよ…とちょっと上目遣いで迫ってみれば、頑なな先輩も少しはほだされて
くれたようだ。

結局、俺は弟に先輩の弟を迎えに行くようにメールを送り…先輩も俺と濃厚な時間を過ごすことを了承してくれた。
…とても有意義な時間だった。
そそくさと身支度を整え、さて帰ろうかと思ったところでふと、メールが来ていることに気付く
携帯を開いてみれば弟から。メールの文面が目に入った瞬間、俺は顔面蒼白になった。
「どうした?」
不審に思ったらしい先輩が覗きこんでくるのを慌ててかわしたが、それが余計に気になったのか携帯を奪い取られた。
一瞬の後、先輩の顔は鬼のような形相へと変わっていた。

『Fromm:弟 RE2:迎えに行って来い 本文:兄さん、知ちゃんのお迎え無事に完了しました。
さっき僕が作ったクッキーをあげたら物凄く喜んでくれて、僕をお嫁さんにしてくれるそうです。
折角なので、新婚旅行がてら動物園にでも行ってこようと思います。
追伸:知ちゃんはゾウさんが好きらしいです。可愛いですよね』

バカーーー!!バカ弟ーーー!!!

怒りに我を忘れている先輩をなだめて、弟と知君を探しに行くまで物凄い手間がかかったのは言うまでも無い。


182 :風と木の名無しさん:2010/06/29(火) 14:00:49 ID:CZ8V1KOM0
弟バカとバカ弟が両方入ってる!上手い!
新婚旅行可愛かったよーGJ!

183 :風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 01:39:42 ID:j9MxKwz50
弟君wwwww悪気はないのにバカ弟君wwwww
主人公×先輩に萌えたあとに吹き出しました。非常にGJです…!

184 :風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 02:06:00 ID:GPJbAWrW0
うまーい!そしておもしろいw
超GJ!

185 :風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 02:49:51 ID:Zvv6i87iO
弟達の未来を想像してたぎった GJ

186 :風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 19:42:59 ID:2jCj9edT0
まわします

187 :風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 19:46:17 ID:ppCf3uqu0
もう一組カップルがwwこの兄弟は周りを巻き込んだ騒ぎを起こしそうだ
GJ

188 :風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 20:18:16 ID:aAjB38m8O
ん?踏みたいって?しょうがないなあ、どうぞ

189 :風と木の名無しさん:2010/06/30(水) 20:19:02 ID:Cu4dRXhM0
偽装結婚

190 :風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 19:16:26 ID:kNAvCuxW0
いわゆる限界集落に住んでいる。
子供の頃からの生家ってだけでこだわりもなかったが、田舎だが市内まで一時間強と不便もないので
一昨年親が死んだ後もそのまま暮らしていた。
集落の人は、みんなそれなりにいい人だ。
不幸が続きひとり暮らしとなった俺に、ぽつりぽつりとやれ野菜だ、それよりおかずだ、
米はあるか、酒を飲むかと世話を焼いてくれた。
正直お節介が過ぎることもあったが、兄弟もいない俺が天涯孤独の寂しさからどうにか立ち直れたのは
ひとえにじいさん、ばあさん達のおかげだった。
……いや、違う。あいつもいた。認めがたいが、ひとりで過ごさずに済んだ、という意味では
あいつの世話にもなったのだ。
「集落のタカユキさんからもらった茄子をな、麻婆茄子にしてみた。ビールとあうよ。
 それから食っても食ってもなくならないミニトマト、ごまドレで死ぬ気で食え。
 ミツロウさんが今日も持ってきてくれたからな」
飯係の伊藤は、親父の四十九日が過ぎる頃突然荷物と共にやってきて家に住み着いた同僚だ。
──水漏れがあって今の部屋住めなくなったんだ。一週間でいいから部屋貸して。
その時すでに伊藤はアパートを引き払っていたのだ。
──だって給料安いじゃん、家賃苦しかったんだもーん。
蹴り出そうとする俺にしゃあしゃあと抜かすもんだから、アパートと同額の家賃をふっかけたら
出て行くにも敷金がないときた。
でもやっぱり俺も弱ってたんだろうな。なし崩しにそのまま。
料理をやってくれるのが効いて、いつの間にか2年近くも同居。

191 :風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 19:18:30 ID:kNAvCuxW0
それが、困ったことになった。
「浩之ちゃんもねぇ……いつまでも独り身じゃ寂しいでしょう。
 ほら、あたしの娘の旦那の妹のイトコの子がねぇ……いいお年だって娘が言うから」
見合い話が持ち込まれたのだ。
いや、見合いだけなら特に問題はない。いつもどおり適当に断るだけだ。それを。
「サチヨさんー、もう、困るなぁ見合いなんて」
と、一緒に聞いていた伊藤が口をはさんだのだ。余談だがこいつ、既に集落中の人と茶を飲む仲だ。
「浩之さんはね、見合いなんてしませんよ。……僕たちの仲、察してほしいな」
「あらぁ……まあ……まさかあんたたち……男同士でおかしいと思ってはいたけど……あらまぁ」
「んー、ぶっちゃけ、まあ嫁っていったら俺っていうか。そこは……ね、まぁ」
秘密ですよ、と伊藤が言ったところで、集落中の年寄りが心臓止まる思いするのに3時間もかからなかっただろう。
「──馬鹿たれ! どーすんだよお前、みんな誤解するだろ!」
頭抱えた俺に
「だってサチヨちゃん何度も来るでしょ、めんどくさいし。冗談冗談ーって後から言えるし」
と伊藤は平気な顔でうそぶき、ふと目を伏せて
「そういうことにしときましょうよ……どうせ、嘘でしか言えないでしょこんなこと」
その口元にだけ浮かぶ、奇妙に苦い笑みを見てしまった俺は……今夜からどうしたらいいんだろう。

192 :風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 19:46:01 ID:IjEZwOAi0
伊藤、計画的な気もするwGJ

193 :風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 20:12:04 ID:m+wqs8h70
計画的でなかったら、意思確認もせずに勝手に他人の見合い断ったりしないもんな
普通殴られるぞwお節介とは別次元で

194 :風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 23:27:01 ID:oniqnsOCO
伊藤は学生時代も女の気配がしたら適当なこと言って追い払っていそう

195 :風と木の名無しさん:2010/07/01(木) 23:33:07 ID:4e2EZmSeO
女との結婚しか思い付かなかったよ。うまいなぁ。

196 :風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 00:04:37 ID:ehh+u7a70
うん。このまま流れるかなと思ってたけどGJでした

197 :風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 09:39:31 ID:0bIKqN8S0
廻すよ!

198 :風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 09:47:37 ID:RiZMmBTu0
ちょっと腰が痛いんだ…そーっと踏んでね

199 :風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 09:53:19 ID:6PLfDaUKO
もっと痛くして?

200 :風と木の名無しさん:2010/07/02(金) 10:57:09 ID:r97fprFa0
9が指定

GJ言いたかったのにな。そりゃ別館があるが、あの流れで言いたいんだよ出来れば

201 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 10:32:21 ID:ps7uCPhc0
残念、お流れ

202 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 10:43:02 ID:sKj7Poy/0
お流れ久しぶりな気がする
残念まわし

203 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 10:44:27 ID:/jzdgi2zO
流れちゃったか。
まわし!

204 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 10:45:24 ID:SROCQSxo0
>>197-199
>*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
遠慮しなかったんですね。ルール知らなかった?タイムスタンプ見てください。
199も我慢すればよかったのに。

>>200
>Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
>A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!
GJ言いたかった割に別館を知りながらけっきょく向こうでもGJしてない+
向こうのチラシで弁解もなにもない+投下しなかった
=絡みの誤爆と見せかけた*0踏みの可能性。
早々にまわした197〜にムカついた?確かに>>197には自分もムカついたけれど。


ルール無視の上で取られた*9には踏み逃げ*0がお似合いという話。

205 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 11:26:58 ID:leO+lzXv0
はい、廻します。

206 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 12:50:52 ID:j1qwImwq0
お題自体に罪はないので
そのうち*0以外に投下あればいいね
まわし

207 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 14:19:15 ID:4LsKQZnI0
まわし 梅雨だなあ

208 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 14:22:02 ID:uOmSKPI6O
ささ、お踏みなさい

209 :風と木の名無しさん:2010/07/03(土) 14:25:22 ID:0dyUt4HrO
ペットボトルと缶

210 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 00:48:55 ID:DaLkLmHmO
私はペットボトル。
何回もリサイクルされてるから場数は踏み慣れてるが、昨日飲み干された私は誤ってアルミ缶のゴミ箱に捨てられた。
『んだぁおめー。来るとこ間違ってんでねえのか』
『ここは…貴方は?……ぷっ。ああ、持ち運ぶにも不便な私の先駆者様方でしたか』
周り中に転がる缶の群れ、群れ、群れ……そこからが地獄の始まりだった。

「あああっ……嫌だ………もう嫌だぁ…止めてください………っ!!」
「だとよーおめーら。石油系は軟弱な上に綺麗好きでいけねーな」
「そうっすねえ大将」
「……あヒっ!」
リーダー格だろうその赤い缶の言葉に、上から下から、周りの缶が私にのし掛かってくる。
言葉通り軟弱な私の体はそれだけで押し潰されてしまう。
「ペットボトルさんよ。俺達ぁ容器だぜ?蓋なんか開けっぱなしでなんぼだろうが」
赤い缶が笑う。
「なーんも不自然じゃねぇ。おめーみてーに始終蓋着いてるのが正しいわけじゃあねーのよ」
……ダメだこの顔は……まただ、また来る……!
「うわあああああ!!!」
周りの缶は一斉に開きっ放しの飲み口から、かすかに残った夏場に異臭を放つ醜悪な液体を私の全身に注いだ。
昨日から新入りが来る度にこうして汚され

211 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 00:49:23 ID:DaLkLmHmO
、透明だった体は今や何色だったのか判別出来ようもない。
「おっ新入り早速入ったみたいだぜー。じゃ、第二波いっきまーす」
「いっ、やっ、止めてくれえ!!休ませ…………っ」
「……誰がそんな口きいていいっつった?」
「ぐッ!」
その覇気に、最早潰れた体が更に萎縮する。
いや違う。事実更に押し潰されているのだ。何かしらの意図を持ってのことなのは明白。
「今ので気が変わった」
体が萎み、蓋が弛む。それは則ち、マズイ。マズイ所ではなくマズイ!!!
「次は、おめーの中にぶっ放すことにする」
――先駆者を侮ることは、ここまでに罪が重いのか?
必死に隣に設置されたペットボトル専用ゴミ箱を見ようとするが。アルミの壁を透かして外を見ること叶わず。
「た…たたたた助け………うあぁぁぁぼぐうぼぼごおおっ…かはアっ!」
「ほらほらどうした。オレらよりもよっぽど容量あんだろ?」
「ぐうう!」
私を飲み干した男児よ。
私が貴方に何をした。



ペットボトルが次のゴミ収集日に正しく分別されるまで、あと五日。


212 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 09:46:52 ID:/8WbARSK0
受けたw

213 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 14:30:10 ID:FmeKD1zB0
この発想は素晴らしいwww
久しぶりにここの底力をみた

214 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 19:47:33 ID:sGw+euaH0
こういうのがたまにくるからここが好きなんだ

215 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 20:08:10 ID:G5y6TLLZ0
何という災難w
あと5日頑張れwww

それはそうと、ペットボトルの中身を飲み干したという男児のことも気になるな

216 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 22:44:50 ID:wByQ97kW0
GJw
なんというペットボトル総受けw

217 :風と木の名無しさん:2010/07/04(日) 23:29:52 ID:23BslDnd0
天才だ!100万回のGJを捧げる
おそらくは飲み干した男児も、飲み口をなめ回したり舌を入れたりこぼした汁でベタベタにしたりと
蹂躙の限りを尽くしているはず

218 :風と木の名無しさん:2010/07/05(月) 00:16:49 ID:6egZTCkO0
ショタ攻め…か ショタに踏まれるなら本望だ

219 :風と木の名無しさん:2010/07/05(月) 00:17:22 ID:coAvhlhHO
キスから始まるミステリー

220 :風と木の名無しさん:2010/07/05(月) 09:41:38 ID:w0vRvR2zO

「なあ高橋、起きろって」

週末に、俺の住む汚い6畳1間(風呂トイレ付き)で、同じゼミの友人はごろりと仰向けに転がっていた。
すやすやと、規則正しく吐き出される息は、随分と酒臭い。テレビは、今流行りの海外ドラマ6話目を流しいて、繋いだPS2が、DVDを回しながらウィンウィンと音を立てている。

「一人で観てもつまんねーよ」

観たいって言い出したのお前じゃん。
俺はアルコールでふらつきながら、四つん這いで高橋の顔を覗き込んだ。
わりと普通の、でもちょっとだけイケメンの高橋。茶色かった髪を就活で黒く染めたからか、前よりも子供っぽくなった。
そんな高橋をじーっと見つめていた俺は、なんとなく。本当に、なんとなく。
高橋に顔を近付けて、酒臭い唇に、自分の唇をくっつけた。
「………!!!」
瞬間、自分の行動に驚いて跳び上がる。
なにやってんの俺?
なにやってんだ俺!
心臓がやばいくらいドキドキいってって、体中が冷や汗だらけ。
高橋自身は、未だすやすや夢の中。

俺も高橋も男なのに。
なんでこんなこと。

なんでかなんて、小学生でも分かるはずの謎。
けれど、常識や世間体で凝り固まった俺の脳みそは、その謎を解明しないまま、酔った所為だと結論付けた。



221 :風と木の名無しさん:2010/07/06(火) 00:30:44 ID:MKByxjCq0
>>220
ミステリーは謎解きこそがキモなんだぜ!
なんとなく年季の入った文章だと思った。GJでした

222 :風と木の名無しさん:2010/07/06(火) 01:35:37 ID:Z21c6KkRO
二時間ドラマか、ラノベミステリーみたいなのを思ってたから、こういうアプローチもあるんだなぁと感心したよ。
GJ

223 :風と木の名無しさん:2010/07/06(火) 15:14:24 ID:As8OSQeU0
海外ドラマがミステリーなんか?

224 :風と木の名無しさん:2010/07/06(火) 16:21:59 ID:kL7Y2GSN0
お題に対して凄く王道だと思った いいねいいね!

225 :風と木の名無しさん:2010/07/06(火) 22:20:08 ID:KoVmCRmj0
まわし

226 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 00:59:36 ID:7eB/vrZrO
まわし

227 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:05:29 ID:FZH1lLQf0
まわし

228 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:16:27 ID:JVJCr2pRO
踏みたいんだろ?

229 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:17:15 ID:O2AQ1XKa0
華道家とフラワーアレンジメント講師

230 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:39:16 ID:vkUDWbeSO
残念、お流れですね
まわします

231 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:44:43 ID:vkUDWbeSO
いいお題だったのに残念><

232 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:47:03 ID:vkUDWbeSO
まわしまーす

233 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:48:33 ID:vkUDWbeSO
まわしまわし

234 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:50:33 ID:vkUDWbeSO
まわし

235 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 01:56:19 ID:vkUDWbeSO
まだ24時間たってませんよ!
荒らしやめてください!><

236 :レス代行:2010/07/07(水) 01:58:48 ID:SNpGn4/s0
>>230
えっ

ちょっとへこんだor2

237 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 02:00:03 ID:vkUDWbeSO
書き込んじゃだめですよ!

238 :レス代行:2010/07/07(水) 02:00:35 ID:SNpGn4/s0
誰かが*0以外の方で書いてくれるといいな

239 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 02:04:00 ID:vkUDWbeSO
茶道家と喫茶店のマスター

240 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 04:19:55 ID:EaBVI5cy0
荒らしによる9取りにより無効

241 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 10:23:22 ID:bU+tRzqYO
この場合この時間からのまわしも有効でしょうか

242 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 11:41:53 ID:Zw0EDxnC0
そっとまわしてみよう

243 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 18:33:44 ID:NnczBQJL0
ゆっくりまわしてみるね

244 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 19:06:30 ID:aqDCsTfJ0
まわし

245 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 19:51:01 ID:Hod3n+7QO
まわし

246 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 20:14:03 ID:ljmbTEOi0
まわしてまわされーてまわしてまわされーて

247 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 21:12:41 ID:W0UcAGba0
まわし

248 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 21:47:47 ID:wG6MZMcVO
はい、どうぞ

249 :風と木の名無しさん:2010/07/07(水) 21:49:20 ID:l0zDYRr+O
図書委員

250 :風と木の名無しさん:2010/07/08(木) 00:23:30 ID:JKh0OkbGO
「あれ?高橋ー!部活行かねーの?」
「いや、今日委員会あるから行けない。」
「委員会?お前委員会なんか入ってたの?」
「うん。図書委員。」
「は?」
「だから、図書委員。」
「…似合わねー!」
「うっせーよ。似合うも似合わねーもねーよ。」
「ってか図書委員て何すんの?」
「本棚整理とか貸し出しするやつの判子押したりとか?」
「それひとりですんの?」
「いや、他のクラスの図書委員と二人で。多分今日2組のやつと。」
「2組って俺のクラスじゃん。誰だ図書委員?」
「誰だっけ…伊藤って人?」
「…あー、あの文学少年!って感じの!俺図書委員てああいう子がやるもんだと思ってたわ。」
「偏見だろそれは。」
「でもどうせお前は『部活ダルいし図書委員ぐらいなら楽に部活サボれる口実になるなー。』
 ぐらいの理由だろ!悪いやつだなー!こんなやつと二人なんて伊藤くんがカワイソウ!」
「…。」
「ん?図星かね?君。」
「……お前が今のまんまの理由で図書委員やろっかなとか言ったから…。」
「ん?なんて?声ちっちゃいもう一回。」
「もういいよ。はよ部活行け。」
「へいへい!僕は真面目に部活に行ってきますからね!」

「……記憶力わりー…。本読んで脳鍛えろ。」




251 :風と木の名無しさん:2010/07/08(木) 01:05:19 ID:RqDAQmLCO
高橋切ない…(´;ω;`)
萌えました、GJ!

252 :風と木の名無しさん:2010/07/08(木) 01:31:01 ID:FBe/9KhEO
うおぉー!萌える!
高橋の健気さが切ないGJ!

こうしてアホが部活に励んでる間に、意外に気が合った高橋と伊藤が仲良くなって、アホが自分の気持ちに気付いた頃には時既に遅し…まで妄想した。


253 :風と木の名無しさん:2010/07/08(木) 03:41:57 ID:qORbSeso0
高橋クン、切ないけどなんか可愛い
自分もそう遠くない将来の三角関係を想像してニラニラしました
GJ!

254 :風と木の名無しさん:2010/07/08(木) 10:20:07 ID:umxVWRCG0
アホの子はアホの子で、自分が言ったことなどすっかり忘れて
一緒に部活に行ってくれない高橋に拗ねちゃってるわけだなw
なんの罪もない同じクラスの伊藤君にツンツンしちゃえよ、もう
GJ!

255 :風と木の名無しさん:2010/07/08(木) 17:53:00 ID:fRDN+CMk0
おもしろかった、GJ!
アホな子→高橋くん×伊藤くん、になればいいなぁと思う

256 :風と木の名無しさん:2010/07/08(木) 23:36:28 ID:8X2V9rYSO
うはぁあ、甘酸っぱい!the青春だ!
高橋くんの淡い恋心かわいいな
報われると良いなぁ
GJです!

257 :風と木の名無しさん:2010/07/09(金) 03:53:22 ID:lqBLEBElO
甘酸っぱいかんじがすごくいい!GJ!

258 :風と木の名無しさん:2010/07/09(金) 03:55:43 ID:ETF6f0Jk0
いいなあ!甘酸っぱい!
さあ!踏むがいい!

259 :風と木の名無しさん:2010/07/09(金) 04:13:25 ID:qSxWv/IF0
許させて

260 :風と木の名無しさん:2010/07/10(土) 01:42:37 ID:xTE5sVM/0
毎週末、お前は死んだ恋人の墓に行く
その手の中は花束だったり、恋人の好きだった煙草だったり、お菓子だったり。
そうして、朝早くから日が暮れるまで、何をするでもなくぼんやりと墓の前で紫煙を燻らせる。
そろそろ、一年が過ぎる。
彼の死因はなんだったっけ。
そうそう、お前と喧嘩して、マンションから飛び出して、信号無視の車にはねられたんだっけ。
しかも喧嘩の理由ってアレだよな。恋人の誕生日忘れてたって男の癖に女々しい理由。
ほんと、お前も恋人も馬鹿だ。どうしようもない死に方だよなあ。
朝から晩まで、墓の前でめそめそして、何度も何度も同じことを謝って。
なあ、お前の事、ずっと見てる奴がいるんだけど。
恋人が死んでから、ずっと傍でお前の事支えてた奴がいるだろ?
もうさ、そろそろ死んだ恋人の事は忘れてみないか?
後ろばっかりみるのはやめて、隣とか見てみない?
死んだ恋人と違って、料理も上手だし気もきくしさ、超オススメ物件なんですけど。

ほら、もう日が暮れる。さっさと帰れよ。
「じゃあ、また来週来るから」
もう来なくていいんだってば。
「………ごめんな」
だからさ、別にもう怒ってないんだって。
お前もすげー苦しかったんだろ?
だから、もういいんだって。
可愛い女の子と結婚して、子供を作って幸せな家庭つくれって。
「ごめん…」
頼むよ、もういい加減、お前の中の俺にお前の事許させろよ。

261 :風と木の名無しさん:2010/07/10(土) 02:30:44 ID:3XIdvM1UO
深夜になんてもの読ませてくれるんだ
ちくしょう…目から汁出てきたぞ
力の限りGJ!!!

262 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 05:52:44 ID:cgxDHX0LO
最初の方は語り手を勘違いさせる構成も上手い GJ

263 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 01:31:09 ID:gUcsa5Ib0
最初「え?」ってなって最後に切なくなったGJ!
上手い書き方だとおもった!!


264 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 01:31:10 ID:/ylhxfPb0
260も*0以外41も42もみんなみんなGJ!
許させてって不思議なニュアンスがあるけど、すごく妄想がひろがるな…

265 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 01:45:04 ID:AEYzTUq00
語り手を理解した瞬間切なくなったよ…すごく良かった
余韻に浸りつつGJ

266 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 10:57:23 ID:BDU225nDO
切な萌えたGJ
そろそろ回します

267 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 11:07:49 ID:XMeDPgSuO
お題も上手いし処理も上手い
切な萌えたGJ

268 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 11:27:37 ID:VEQMd/810
さあ、投票に行こう

269 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 11:52:23 ID:lrJGW0dxO
甘やかしてくれる人

270 :1/2:2010/07/11(日) 12:32:37 ID:GxcKd16FO
「あああ…!また喧嘩してきたのかい」
「…………俺はケガしてねえっすよ」
「そんなこと言って、手が酷いことになってるじゃないか!ジャケットもこんなに血まみれで…」
「安堂サン、サツに追われてんだ。中、入れてくんないっすか」
「……治療は受けてくれるんだよね?」
「……どうぞ」
許可するとこの人は、どう見ても年相応に肥えた丸顔のメガネのおっさんの癖に、教会で見たマリア様のような顔を浮かべた。
この人は俺が何をしても、俺の身を案じるだけでそれを咎めることが無い。
教会の神父やシスターどもとはえらい違いだ。
「大助ももう二十歳になるんだから、あまり無茶なことはしないでおくれ」
「夜は昂ってしょうがねえんだよ」
「……教会の人達と、折り合い悪いのかい?」
「そりゃもう餓鬼でもねーのにいつまでも居座ってっからな。タダ飯食えるから居るけど、夜中は居られねえよ」
「ならさ、やっぱり……私が君を……」
安堂サンは俺の血の繋がらない叔父にあたる。
「……安堂サン、俺ァヒロ叔父の代わりはごめんだって何度も言ったよな」
「……!そう、だよね」
何回同じ問答を繰り返しただろう。

271 :2/2:2010/07/11(日) 12:33:08 ID:GxcKd16FO
親父とヒロ叔父が死んでから、引き取る引き取らないの話はいつまでも続いた。
「いや、別に代わりとかじゃ無いんだ」
親父とヒロ叔父は双子だった。
つまり俺とこの人の旦那は似ているから、この人は俺を見過ごせない。
年を経るごとに、似てくるごとに、何をやっても甘やかす。
「話は変わるけど、そんなだからいい加減教会から放れてえンだよ。でも俺金もねーから」
「ああ、なら私が用意してあげるよ」
「……ここは嫌だぜ」
「分かっているよ。一月十万有れば足りるかな?いい部屋探して、決まったらまた連絡しなさい。もう警察もまいただろう」
親切に着せての束縛が滑稽だ。
「これ、心ばかりだけど」
「……いらねっすよ」
「気にしなくていいんだよ。私だって仮にも医者だからこのくらい」
そう言って握らされた三万、いつまで俺のマリア様は見返りを求める慈愛を降り注ぐんだろうか。

俺は家を出ながら、聴こえるように「いい加減枯れろ」と呟いた。

272 :風と木の名無しさん:2010/07/12(月) 01:37:25 ID:PfCDVVSIO
こう来たか

273 :風と木の名無しさん:2010/07/12(月) 05:09:13 ID:RxPKLZTiO
べったべたを想像してたら良い意味で裏切られた。
真意の場所は何処にって感じで上手いなぁ

274 :風と木の名無しさん:2010/07/12(月) 10:25:09 ID:kBHkO48KO
予想してたのと違ったけどこれはこれで面白い
父親と叔父がなんで死んだのか気になる

275 :風と木の名無しさん:2010/07/13(火) 16:42:20 ID:bWQVayZq0
そろそろまわします

276 :風と木の名無しさん:2010/07/13(火) 16:45:13 ID:LkvQH9my0
はいまわし

277 :風と木の名無しさん:2010/07/13(火) 17:45:56 ID:T09h3xMaO
まわーし

278 :風と木の名無しさん:2010/07/13(火) 19:10:40 ID:hII85orEO
そんなに踏んだら恥ずかしいよぉ…///

279 :風と木の名無しさん:2010/07/13(火) 19:20:40 ID:gN9Hfh2h0
だから僕はまた歌う

280 :風と木の名無しさん:2010/07/13(火) 19:21:01 ID:sBewsSSG0
「わかっている!みなまで言うな!」←わかってない

281 :1/2:2010/07/13(火) 23:13:47 ID:sBewsSSG0
僕は歌が好きだった。
だから僕は、僕の歌が好きな僕の為に、歌を歌っていた。
僕は一人ぼっちだったけれど、歌っていれば寂しくはなかった。

ある日、僕のところに男の人が一人やって来た。立派な服を着た、都の人だった。
「歌っていたのはそなたか」
僕が驚いて歌を止め口をつぐんでいると、都の人がそう問うてきた。
頷くと、都の人は僕の傍に腰を下ろして「続けてくれないか」と言う。
僕は嬉しくなって、いつもより張り切って歌った。
歌い終わった後、都の人は「見事なものだ」と言って、優しい笑みを浮かべた。
「そなた、歌が好きか」
問われて僕は直ぐに頷いた。するとその人は何かを考えるように少しの間目を閉じて
「そうだな。好きでなければ歌わぬな。当たり前のことだ」
と、独り言のように言った。
「好きで歌っているものを誰が止められよう」
大きく頷き、その人は僕を撫でて「また来る」と言い置いて、帰っていった。

その日から、僕は、僕の歌が好きな僕とその人の為に、歌を歌うようになった。
僕の歌を褒め、僕の歌を聞くために足を運んでくる人など初めてで、僕は嬉しかった。

僕とあの人の為に歌うようになってからいくらか経った頃、また都から人がやって来た。
けれどその人は僕の歌を褒めてくれる人ではなくて、あの人より少し若くて、少し怖い顔をした別の人だった。
「先ほど辺りにこだましていた歌は、お前が歌っていたのか」
歌を止めて口をつぐんでいると、怖い顔のその人が僕に問うた。
僕は少しだけ迷って、恐る恐る頷く。
「そうか」
その人はますます顔をしかめた。そのまま俯いて、地面を睨む。
「道理で兄上が気に入られるわけだ。これでは……」
小さく呟いてから、その人は顔をあげた。

282 :2/2:2010/07/13(火) 23:15:47 ID:sBewsSSG0
「お前はなぜ歌うのだ」
問いの意味が分からず、僕は瞬きをしてその人を見返した。
「他者を遠ざける為か、それとも引き寄せる為か。歌を以てなんとする」
更に強く重ねられる言葉に、僕は首を傾げる。

その人は黙ったまま僕を睨んでいたが、僕が答えられないでいると、ふいに大きく息を吐き出した。
「ああ、分かっている。本当は分かっているのだ。お前が、ただ歌っているだけだということは」
さっきこの耳で聞いて良く分かったと、その人は言った。
「都でお前が何と噂されているか、知っているか」
僕は首を振る。
「妖しの桜だ。あやかしの、人食い桜。人を惑わし、あちら側へ連れてゆくと」
言葉の意味がよくわからないまま、僕はその人を見つめる。
「お前にそんな意思など欠片もないのだろうな。悪しきものではない。兄上も主上にそう申し上げていた。
 しかしもう、宮中はそれでは収まらぬのだ。他ならぬ、兄上が亡くなってしまわれた」
言いながら、なぜかその人はひどく悲しそうな顔をした。
「私はお前のことを、歌のことも、都に報せなければならぬ。……許せ」

その人が帰ってから、しばらく僕はその人の言葉を何度も思い返したけれど、やっぱりよくわからなかった。
結局僕は考えることを諦めて、いつものように枝に腰掛けて、大きく息を吸い込んだ。

――お前はなぜ歌う。

僕は、僕の歌が好きな僕とあの人の為に、歌を歌っている。
だから僕はまた歌おう。この場所で歌っていよう。
僕は一人ぼっちだけれど、歌っていれば寂しくないし、偶にあの人がやって来てくれれば、それで幸せだ。

283 :風と木の名無しさん:2010/07/13(火) 23:31:49 ID:LkvQH9my0
>>281-282
GJ!すごい素敵だ!サイト持ってるなら教えてほしいくらい好みです。

284 :風と木の名無しさん:2010/07/14(水) 00:46:47 ID:FPh30aiL0
あえて書かない構成がにくいなあ、妄想し始めたら止まらないw
他の人とじっくり語り合いたいくらいどうしようもなく萌えたよ
重複でとっちゃっただけなのに素晴らしい萌えをありがとう!GJ!

285 :風と木の名無しさん:2010/07/14(水) 01:06:47 ID:xPaLxkqO0
GJ!
良いものを読ませてもらった、ありがとう

286 :風と木の名無しさん:2010/07/14(水) 01:28:48 ID:ZAnHtzGiO
人を惑わす者って萌えるなー
最近セイレーンの男版はないものかと探してたから、なおさら萌えた

287 :風と木の名無しさん:2010/07/14(水) 19:46:28 ID:Bdk7IILcO
>>281-282
GJ!!柔らかい雰囲気で素敵でした。

288 :風と木の名無しさん:2010/07/14(水) 20:27:26 ID:fWA9rwyXO
踏むなよ?踏むなよ?絶対に踏むなよ?

289 :風と木の名無しさん:2010/07/14(水) 20:29:22 ID:QwJ4XhmhO
敗者復活戦

290 :1/3:2010/07/15(木) 02:06:42 ID:RfXTkccPO

「先輩の乗ってるの、あれかな」
「方向違ぇだろ」

俺と片野は空港のベンチに呆けたように座りながら、飛んでいく飛行機を眺めた。

何だか気が抜けてしまった。
俺と片野、そして先輩。
1年越しの三角関係が、ついさっき終わった。

サークルに入ってからこっち、俺たちの不毛な争いは絶えることがなかった。
片野が先輩を食事に誘えば、俺が割り込んで無理矢理3人メシにした。
俺が先輩にテスト勉強の手伝いを頼めば、呼んでもないのに片野がノートを持ってきた。
先輩はといえば、そんな俺たちの争いなどつゆ知らず、「卒業してもこのまま3人でつるめたらいいね」なんて、嬉しいような歯痒いようなことをよく口にしていた。
先輩をめぐる、俺と片野のくだらなくも充実した日々。
それは、振り返れば意外と尊いものだったようにも思う。


「同じ学年に好きな人がいるんだ。……男性だから、君たちはびっくりすると思うけど」

その時、俺と片野は面白いほど同じ表情をしたことだろう。
それから、先輩の想い人が恋人になるまでそう時間はかからなかった。
さらには、卒業と同時に一緒に暮らすという話を聞いた時も、俺たちは驚く暇すら与えられなかった。
普段はとろくさい先輩なのに、こういう時だけは妙にてきぱきとして、あれよあれよと言う間に想い人の故郷に飛んで行ってしまったのだった。
……こんな結末、あるかよ。

291 :2/3:2010/07/15(木) 02:11:02 ID:RfXTkccPO
「あいつさ、ちゃんと先輩のこと幸せにできんのかね」

わざと意地悪く聞こえるように、俺は言った。
女々しいのはとうに承知だった。どうせ片野しかいないんだ、少しぐらいカッコ悪いところ見せたって、今更気にもならなかった。

「だってあいつさ」
「ん」
「先輩の好みの飯とか服とか、なんも知んねーだろ。先輩のクセだって、俺たちのがずっと知ってんぜ。あーあ、あんなにわか野郎」
「あぁ」

片野は機嫌が悪いのか、軽蔑からなのか、短い返事しか返さなかった。俺は焦って付け加えた。

「……ごめん、ごめん、分かってんだよほんとは。幸せにできない筈ねーの、先輩が選んだ人なんだから。だからだよ、余計悔しいの、ちくしょう」
「あぁ」
「あーあ、きっとすげぇ幸せに暮らすんだよ。毎日あのほやほやした笑顔でさ、あーあ、あーあ。先輩のばかやろう」
「あぁ」
「? あのさ、お前……」

生返事だと思ったら、片野はまだ空を見ていた。飛行機は、既に見えない。
ズッと、鼻をすする音だけが聞こえた。俺はこの時になって初めて、この好敵手に情けをかける気になった。

「……いいよ」
「なにが」
「見んでやるから、泣けば?」
「泣いてないよ……」
「だから、泣けば?お前のことどんだけ見てたと思ってんの。たった一人の恋敵ですよ?」
「……」

再び、ズッと鼻をすする音が聞こえた。
それから肩にずしりと重みがかかり、遅れて温かいものがシャツ越しに伝わった。
予想外の反応に思わずたじろいだが、片野のことを考えると茶化す気にはなれなかった。
片野を刺激しないように、呼吸にすら気をつかいながら、俺は片野の震える背中に手を添えた。

292 :3/3:2010/07/15(木) 02:16:07 ID:RfXTkccPO
「……カッコ悪いと思っただろ」

俺の肩に顔を埋めたままで、片野が呟いた。
ばか、今更気にすることかよ。

「お前な、こういう時は」
「……けど、先輩が行った後で女々しく愚痴るほど落ちぶれてはいない」
「は?」
「俺はまだお前に負けてない。最後の最後まで、負けてないんだからな……」

なんだそれは。呆れたというべきか、見上げたというべきか。
この期に及んで、こいつはまだ俺と争おうとしているらしい。
しかも、泣いただの愚痴っただのの超低次元な争いで。

「……お前さぁ」
「なんだよ」
「フラれた時点でどっちも負けだろ。敗者同士、負け犬同士なの俺ら。いい加減認めろよ」
「……」
「……」
「…………やだよ〜……」

やだよーってお前。だだっ子か。
しかし、俺の肩に額を擦りつけ柄にもなく弱みを見せている片野は、何故だか妙に俺の心をくすぐったのだった。

「……なぁ負け犬」
「うるさいしね」
「敗者復活戦ってどう思う?」
「は?」


飛行機がまたひとつ飛び立った。
次の飛行機が飛んだら片野を飲みに誘ってやろうと、俺は決めた。

293 :風と木の名無しさん:2010/07/15(木) 07:45:06 ID:TNRTN6eY0
甘酸っぺえええええええ GJ!

294 :風と木の名無しさん:2010/07/15(木) 14:01:03 ID:3/KunXX7O
切ないけど希望があって暖かい気持ちになれた
恋敵だからこそお互いをよく分かってるっていいな、GJ!

295 :風と木の名無しさん:2010/07/15(木) 14:30:06 ID:g3/vniDx0
何度か飲みに行く仲になるけど毎回「お前が誘うから仕方なく付き合ってやる」って感じの片野、
でも「俺」のことを好きだという第三者が現れた時にもやもやとした気持ちを感じて…まで妄想した
GJ!

296 :風と木の名無しさん:2010/07/15(木) 19:14:22 ID:0hMllH7v0
大作GJGJ

297 :風と木の名無しさん:2010/07/16(金) 06:02:53 ID:SsQmmJ860
まわします

298 :風と木の名無しさん:2010/07/16(金) 08:54:47 ID:iyvzU35MO
いってみよう

299 :風と木の名無しさん:2010/07/16(金) 08:58:18 ID:2QLx2339O
見てないようで見てる

300 :1/2:2010/07/16(金) 13:11:26 ID:1TCwHcUK0
「なんだ、もう寝ちまったのか?」
今夜はオールで飲もうって約束してアパートに呼んだのに、同僚の遠野はすっかり夢の中だ。
いつの間に運んだのか、ベッドの上に置いてあったクッションを敷いて寝息を立てている。
俺は半分ほど中身の残ったビールの缶をテーブルに置いた。
テーブルの上には空き缶や食い散らかされたつまみの残骸が散乱している。
あいつコロッケは絶対付けろって言うから、わざわざ買ってきてやったのに…言ったからには全部食えよな
そう思いながら食い残しのコロッケを手づかみで口に運ぼうとするとした。
だがその手を、下から伸びてきた手が制止した。
「…食うな、俺の」
「遠野、起きたのか?」
「寝てない…ずっとみてた…」
そう言いながらも声は寝起き特有の擦れた声だ。
「嘘つけ」
そう言いながら俺は、あいている方の手で平野の額を軽く小突いた。
「お前最近仕事中も寝むそうだよな、ちゃんと寝てんのか?いい加減にしないと注意受けるぞ」
「ん…深夜ドラマ…見てる。でも…仕事中は寝てない。起きてる…」
「あのなー!俺がどれだけフォローしてやってるか知らねえだろ…この間だって…」

301 :2/2:2010/07/16(金) 13:12:16 ID:1TCwHcUK0
「会議の時…俺がさされそうになったから、割り込んで発表してくれた…よな」
「え?」
気付いてたのか?俺には完ぺき爆睡していたように見えたが
「…デスクでうとうとしていた時にも、部長の席から見えないように隠してくれたし…」
「そこまで知ってんのかよ」
遠野の指摘に俺は少し照れた。全然気付かれていないと思っていたのに、何処まで見てるんだよ
月並みだけど背中に第3の目でもついてんのか?
「全部知ってる…お前が、いつも…俺のことばっかり見てる…から」
「なっ…!」
恐らくは眠気ゆえの無意識なのだろう、目を半開きにしてぼそぼそ話していた奴は急に俺がつかんでいた
コロッケの欠片を俺の指ごとくわえた。
ねっとりとした温かい感触に俺はビクリと身を震わせる。
だが当然というか、奴はコロッケを食っただけで満足してしまったらしい
「…うまい」
そう呟くと、目を閉じて再び夢の世界に行ってしまった。

後に残されたのは言いようもない気持ちで座り込む俺とテーブルの上の残骸
「…どうすりゃいいんだよ…」
ため息とともに呟いても、答えてくれる相手にはもう届かない
明日になったらどんな顔をして会えばいいんだろう?
それとも明日になったらコイツは夢うつつの間のことなんてすっかり忘れているだろうか?
そんなことを悶々と考えながら、俺は眠れない夜を過ごしたのだった。

302 :風と木の名無しさん:2010/07/16(金) 14:15:43 ID:q9o3UJOMO
おおおいいね!
お題にきれいにはまっててツボだ!
この二人には早くくっついてほしいなwGJ!

303 :300-301:2010/07/16(金) 16:13:51 ID:pNdP4kWfO
ごめんなさい
一カ所遠野が平野になっていますが、同一人物です

304 :風と木の名無しさん:2010/07/18(日) 00:29:18 ID:HBH1Q9010
>>303
き、気づかなかった…!
深夜のふんいき(ry があまりにも良くてなぁ
GJ!

305 :風と木の名無しさん:2010/07/18(日) 00:43:42 ID:GQIjlJwJ0
まわし〜

306 :風と木の名無しさん:2010/07/18(日) 00:44:14 ID:qzQSpjBD0
まわし

307 :風と木の名無しさん:2010/07/18(日) 08:33:10 ID:hVmtgactO
まわし

308 :風と木の名無しさん:2010/07/18(日) 09:08:25 ID:WCsO8PO7O
ゆっくり踏んでいってね!

309 :風と木の名無しさん:2010/07/18(日) 09:19:56 ID:wcgkAoUuO
あいつなんかより俺を選べよ

310 :1/2:2010/07/19(月) 05:18:43 ID:dl5jcGlY0
体育くらいしか取り得の無い俺でもこの時期は辛い。
昼飯前の空腹と蒸し暑さで頭がフラつく。
だけど俺の顔色が冴えないのはそのせいばかりでもない。

「二人組みで柔軟してそのままパスの練習」
いつも通りの教師の言葉で俺の視線は勇樹を探すが、彼の視線は他の所に向いている。
「佐々木、組もうぜ」
クラスでも目立たない、口数も少ない佐々木がどこか居心地悪そうに頷いている。

勇樹は子供の頃から正義感が強くて人が良い。
一人で孤立している奴がいると放っておけないくらいに。

そろそろ授業が終わる頃、
運動音痴の佐々木がボールを取り損ねて派手に転んでいた。
俺は心の中でざまあみろと呟いた。

吐き気がする。
そんな自分にも、誰にでも優しい勇樹にも、ボールを取り損ねた佐々木にも。

311 :2/2:2010/07/19(月) 05:19:16 ID:dl5jcGlY0
「お前、熱あんじゃね?」
わざわざご丁寧に佐々木を保健室まで連れて行き、
昼飯を買いそびれたお人好しが俺の残した弁当を頬張りながら覗き込む。

「へーき」
そう答えた声はかすれていた。

そうか俺は体調が悪いのか。
弁当を半分残したのも、佐々木に意地悪な気持ちになるのも
勇樹にイライラしてるのも全部体調が悪いからなのか。

「またエアコン付けっぱなしで寝てたんだろ」
「うるせー」
「ま、お前は健康だけが取り得だもんな」
「それより帰りにどっか行かね?」
「うーん、どうしようかな」
「何か予定あんの?」
「いや、佐々木が足挫いただろ?悪そうなら送ってやんなきゃと思ってさ」
「何でお前が?」
「だって怪我させたの俺だしさ、ちょっと心配じゃん?」
「勝手に転んだんだろ?ガキじゃねーんだから放っておけよ」
「まあ、そう言うなよクラスメイトじゃん」

俺だって具合悪いんだけど。
その言葉を飲み込んで机に顔を伏せた。

気付いて欲しい。心配して欲しい。一緒に帰りたい。

今日くらい、あいつなんかより俺を選べよ。

312 :風と木の名無しさん:2010/07/19(月) 11:43:00 ID:UAXFb8qD0
萌えタァァ!!!
勇樹は安心しきってるんだろうね
主人公報われてほしいけど、今の関係性萌えす

313 :風と木の名無しさん:2010/07/20(火) 16:35:29 ID:cXAStyCO0
勇樹は天然なのか、ひどい奴め
主人公報われねー
もういいから爆発しちゃえw

314 :風と木の名無しさん:2010/07/21(水) 13:03:42 ID:gdHz6Km70
まわそうか

315 :風と木の名無しさん:2010/07/21(水) 14:42:27 ID:woIQZV/2O
「あいつなんかより俺を…」は選ばれないフラグだが
「俺なんかよりあいつを…」はまあ脈ありフラグだよねまわし

316 :風と木の名無しさん:2010/07/21(水) 14:58:17 ID:j07nYbBRO
>>315
おお確かにw
その後どうなるのか気になるなあ
GJです!

317 :風と木の名無しさん:2010/07/21(水) 17:51:36 ID:Lc44BUU70
萌えた。最後の一文の「今日くらい」がすごい効いた。
ハッピーエンド好きとしては主人公に幸せになってもらいたい。

318 :風と木の名無しさん:2010/07/21(水) 18:27:08 ID:aK7Ok8+T0
踏みたまえよ

319 :風と木の名無しさん:2010/07/21(水) 18:27:33 ID:ck7xd3QVO
親友を好きなAとAを好きな親友の彼女

320 :1/2:2010/07/22(木) 16:25:45 ID:VheNDFs40
俺達三人は良く似ている。
我侭で自己中で思った事はすぐ口にする。
モラルや常識より自分の気持ちを優先する、傍からみたらどうしようも無い連中だろう。

「だからユウヤが消えればいいんだろ?俺とミサキは恋人同士なんだから」
いつもの居酒屋、6杯目のビールを飲み干したシュウヘイが据わった目で俺を睨む。
俺が好きなのはシュウヘイ、シュウヘイが好きなのはミサキ、
シュウヘイの彼女であるミサキが好きなのは俺。

「だからさ、シュウヘイも一回ガッツリ男と寝てみたら気持ち変わるって」
「それならユウヤだって女と寝てみたら変わるかもよ?」
「お前は黙ってろようるせーな俺はシュウヘイと話してるの」
「いやいやいや浮気は駄目だろ俺達付き合ってるんだから」
「じゃあ私シュウヘイと別れる」
「そうだよ別れなよ。そしたら俺もシュウヘイも、もうミサキと会う事も無いし」
「いやだ俺は絶対別れない!」
「何でそうなるの?シュウヘイと別れても私とユウヤには関係無いじゃん」
「いや俺はお前と友達でもなんでも無いし」

俺とシュウヘイは高校時代から7年の付き合い。
去年、シュウヘイから彼女が出来たとミサキを紹介されて、
その半年後、馬鹿女のミサキが「私シュウヘイよりユウヤが好き」と爆弾発言をしてから
俺達は毎週こんなやりとりをしていた。

321 :2/2:2010/07/22(木) 16:27:24 ID:VheNDFs40
「私もう帰る!」
相手にされないミサキがキレて店を飛び出した。
送るよと後を追いかけようとしたシュウヘイを振り切って。
よし、ここからが俺の出番だ。
ミサキに袖にされてふてくされてるシュウヘイに誘いをかける。

「なあ、今日一緒に寝ようぜ」
「なに言ってんだようぜぇなぁ」
「溜まってるんだろ?抜いてやるからウチに来いよ」
「しつけーよ今日は朝まで飲もうぜ」
「あっそ、じゃあいいよ俺ミサキとできちゃうから」
「なっ!お前……俺達親友だろ?」
「だからぁ、俺が教えてやるって言ってるの」
「なんだよそれ」
「ミサキ言ってたぞお前セックス下手だし早いって」
「そんなのお前に関係ねーだろうが愛があればいいだろ!つーか下手じゃねーし、うるせふぎゃあ」
「泣くなよ」
「泣いてねーよっ!!!」

男のツボは男の方が良く知ってる。
俺のテクニックを100%味わえば俺から離れられなくさせる自信もある。

そして二時間後、俺とシュウヘイはベッドの中にいた。
もちろん裸で抱き合っている。
唯一の誤算は、シュウヘイがテクニックを100%味わう事も無く勝手に果てて勝手に眠ってしまった事だろう。
男は出せば冷める。
目を覚ませばシュウヘイはさっさと服を着てミサキに会いに行くだろう。
それとも俺達がこうして寝ているのに気付いたミサキが怒鳴り込んでくるのが先か。

朝が来るまでもう少し、背を向けて寝ているシュウヘイに寄り添って恋人の気分に浸ろうと
俺は彼の背中にしがみついて泣いた。

322 :風と木の名無しさん:2010/07/22(木) 17:00:02 ID:yQmK21ud0
どうしようもないなこいつらw
でもどうしようもない関係の話って好きなんだーGJ
シュウヘイやミサキ視点も読んでみたい


323 :風と木の名無しさん:2010/07/22(木) 17:27:12 ID:UJc4lRS60
そうだね、どうしようもないねw
でもそこが良い
シュウヘイやミサキ視点いいねえ

324 :風と木の名無しさん:2010/07/22(木) 17:37:51 ID:9td4ebdl0
いいなあ
こういうどうしようもない関係好きだなあ
GJ!!

325 :風と木の名無しさん:2010/07/22(木) 18:09:36 ID:3fpXVYdV0
ユウヤ視点じゃないと許せない話のような気もするが、とりあえずびっちじゃないミサキの言い訳を聞こうかw
いろいろ想像の余地のあるGJな萌えでした。

326 :風と木の名無しさん:2010/07/23(金) 00:10:04 ID:SZfB6q2QO
最後の一行で不意をつかれた。
全体的にヨゴレなのに、結末でほんの一瞬ちらつく純情がずるい。
萌えましたGJ

327 :風と木の名無しさん:2010/07/23(金) 23:02:20 ID:N+/HfKtS0
>>326
感想うまいな!
全く、その結末の妙だと思う。>>320GJでした。
ついでに326GJ

328 :風と木の名無しさん:2010/07/23(金) 23:23:14 ID:SSl8t5Tc0
踏んでイイデスヨ

329 :風と木の名無しさん:2010/07/23(金) 23:23:46 ID:lfZfQxN4O
噂の二人

330 :1/2:2010/07/24(土) 00:34:05 ID:+X5iOf/2O
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
 この小中一貫校で、彼らのことを知らないクラスメイトはいない。
 尤も、九年の間、クラス編成は行われないのだから、知らない者が
居るわけがないのだが。
だが、幼稚園から二人と一緒の田中は、彼らを他の連中よりも、はるかに熟知していた。
 幼馴染と呼ばれる間柄で、家族ぐるみの付き合いもないわけではない。
だから、他のクラスメイトなんかと一緒にされては困る。
田中は誰よりも二人のことをよく知っている。
山田は派手な外見のお調子者で、いつでも馬鹿騒ぎをしている。
だがしかしクラスメイトの人望も厚く、その騒々しさによってクラスが良好な雰囲気に
保たれていることもまた事実であった。
そして佐藤。彼は頭はいいが、少し面白みがない。
頭が固く、少しのルールも、改竄することは許さなかった。それは掃除だろうが日直だろうが同じだ。
こうと決まったルールは、決して崩すことなくその任務を全うした。
その所為かクラスに溶け込めてないとでも言うのだろうか、とにかく佐藤は、
少々浮いた存在だった。そんな事情から、対極に立つ二人が、仲良くお手々繋いでお友達になれるわけなど、なかった。
佐藤は山田が嫌いだ。山田もまた然り。この関係は、わざわざ説明するまでもなだろう。
だが、根底ではこの二人はよく似ていると、田中は知っている。
まず、交互に田中の家にやってくる。
互いのスケジュールを綿密に調べ、その結果、相手が田中の家に来ないと知るとやってくる。
が、その偵察も失敗することがあるらしく、そんな日は観念したように二人そっぽを向いて
田中の自室に居座った。今日は「失敗」したらしい。

331 :2/2:2010/07/24(土) 00:37:29 ID:+X5iOf/2O
「おい、仲良くしろよ。週の初めから気分悪ぃ」田中はコンビニで買った週刊誌を読みながら、言った。
二人は互いの視線を合わせることなく、田中の自室に座り込んでいた。
「おいってば。仲良くしろって」
『だってこいつが……!』二人揃って同じ言葉を発する。と同時に、互いに口をつぐみ、
プイと視線を逸らす。
まったくよく似ているものだと思う。田中はにやりと笑うと、二人に背を向けた。
この二人はよく似ている。
何故この家に来るのか、田中はよく知っていた。
小さな頃から”犬猿の仲”とレッテルを貼られてしまった対極に立つ二人。
互いにプライド高く、周囲が持ったイメージを完璧に演じなければ気がすまない、
素直ではない二人。
山田が派手顔に似合わず本当は人見知りなのも、佐藤にも本当は自堕落な部分が
多々あることも、幼稚園から二人と一緒の田中はよく知っていた。
そして、人の要望に忠実に応えるその律儀な性格も。
頭のいい佐藤は、先生たちの期待に応える生徒を。
クラスメイトのまとめ役は山田が。
案外この二人の存在で、クラスは上手い具合にいっているのだ。
「ちょっと俺、彼女のところに行ってくるわ」
『なんで!?』
二人の質問には答えることなく、田中は財布と自転車の鍵を持つと部屋を出た。
「別に。いってきま〜す」にやりと笑って扉を閉じた。
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
だが、二人が同じ時間を共有する小さな可能性を求めて、
わざわざ毎日田中の家にやってくることもまた、よく知っていたのだった。

332 :風と木の名無しさん:2010/07/24(土) 02:34:31 ID:G2tB8ru4O
最後そう来たか!
田中目線萌えるな…!
すごい好みだ、全力でGJです!!

333 :風と木の名無しさん:2010/07/24(土) 20:28:01 ID:HUj6yCBR0
田中になりたい GJ

334 :風と木の名無しさん:2010/07/25(日) 04:03:50 ID:16wQ+5LN0
田中いいやつだなーGJ!

335 :風と木の名無しさん:2010/07/25(日) 11:41:50 ID:lVhlrFVN0
うまい!
田中目線いいね。GJ!

336 :風と木の名無しさん:2010/07/25(日) 21:54:19 ID:WQCTLzqk0
おもしろいなー田中はどういう思いで二人を見てるんだろう

337 :風と木の名無しさん:2010/07/25(日) 22:27:23 ID:oxqNhA/yO
まわしー

338 :風と木の名無しさん:2010/07/25(日) 22:40:46 ID:J5eJszgAO
ちょっとそこの君、せっかくだから踏んでいきなよ

339 :風と木の名無しさん:2010/07/25(日) 22:46:48 ID:iKlB/CoS0
病的に偏執的

340 :風と木の名無しさん:2010/07/25(日) 22:47:01 ID:Sja2ZBEiO
コンビネーション

341 :風と木の名無しさん:2010/07/26(月) 22:50:01 ID:qv74c7GU0
『何時に終わりますか 一緒に飯食いませんか』
携帯の画面に並ぶシンプルな文字、送信ボタンを押せば届いてしまう。
送っていいのか。この時間は駄目かも知れない。見ないだろうか。返事するのは手間だろうに。
こんなメールは迷惑だろう。
だいたい俺はしつこいのではないか、昨日も一緒に飯を食ったのに。
慢心。増長。よくない傾向だ。
俺と飯を食って楽しいわけもない。嫌がられているのではないか。
俺でいいのか。他にいるのではないか。会社のつきあいがあるのでは?それとも女の子?
……俺でいいのか?本当に?
つきあいたいと言われた。
信じられない。俺はイケメンでも可愛くも、面白くもない、取り柄も何もない。
そう言ったら、健気だと、いつも頑張っている真面目なところがいいと、言われた。
見ててくれた? 俺のこと?……いやいや、良く見せようと飾っている姿を誤解している。
本当の俺を見せていない。本当の俺を見たら嫌いになる? 他の人を好きになる?
あの人に悪い。おこがましい。好かれてるなんて思っちゃいけない。
こんなメールを送ったら他の人と約束できないじゃないか。迷惑。重荷。
まわりに可愛い女の子がいるかもしれないのに。きっと俺のことはなにかの冗談。
遊ばれてる、なんてことどうでもいいけど。俺なんか、きっと遊びでもありがたい。
遊びとしても、俺でいいのか。俺のことを好きだって言った……気の迷い。
俺から言ったんじゃないけど、一般的に見て格好いいイケメンのあんな人が、おかしい。
つきあうっての初めてだからわからない。本当はどうなの。やっぱ……遊びだよなぁ。
本気じゃない。俺だって本気じゃないよ。本気になったら馬鹿みたいだ。
なんか……こんな、こんな感じ、息できないみたいな、少女マンガかよっての。
きっと俺のことなんかどうでもいいはず。一年後にはもう俺の前からいなくなってる。一ヶ月後か?
嫌だ、なんて……思わない。馬鹿みたいだ。きっとこんなの嘘だ。
携帯にメール着信音。
『飯食おー 仕事終わった? 家行って待ってるよ』
ハートの絵文字。
──どうしても信じられない。一人になってしまうのが怖い。
未送信メールばかりが増えていく。疑いたくない。あの人しかいない。
執着しすぎる自分が怖い。止まらない。

342 :風と木の名無しさん:2010/07/27(火) 10:51:05 ID:R1EJS8Q+0
こういう偏執気質の人は好みなので(現実にいたら嫌だが)
良かったです。

ただ、時間が少しオーバーしちゃっているので、
まとめには掲載されないそうです。
別館の方で意見を聞いてみたらどうでしょう?

343 :風と木の名無しさん:2010/07/27(火) 21:49:16 ID:cxtPNI4t0
まわし

344 :風と木の名無しさん:2010/07/27(火) 22:56:37 ID:l4ZxZtKP0
まわし

345 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 00:22:25 ID:1fznB39c0
まわし

346 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 01:24:12 ID:LyhmJxDi0
まわすね

347 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 01:43:05 ID:1fznB39c0
まわし

348 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 01:54:18 ID:UESH4AaV0
こういう葛藤もの好きだーGJ
相手の人はこれから大変そうだけどw

ではどうぞお踏みくださいな

349 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 02:10:36 ID:yFo8T8C7O
放蕩貴族の友人同士

350 :1/3:2010/07/28(水) 03:03:43 ID:0A2J2rg30
「でさぁ、その時の女ときたらもう……」
「お前ほんっとそればっかだな」
毎日のように訊ねてくる悪友に、俺はそっとため息をついた。
こいつの話題と来たら、親兄弟の悪口と娼婦の抱き心地のどちらかしかない。
「しょーがないだろー、こんなこと話せるのお前しかいないんだからさー」
「まあ、お前の家は厳格だからな……」
その点、こんな阿呆でも受け入れるここなどは居心地がいいのだろう。
俺だって継ぎたくはなかったが、一人っ子で両親が病死してしまえば
何をどう言おうが周囲に無理矢理当主にさせられてしまう。
ああ、俺は貴族なんかじゃなくて傭兵とか旅芸人に生まれたかった。
「……じゃなきゃせめて末っ子か庶子」
「何ブツブツ言ってるんだ?」
あいつは勝手に戸棚を開けて酒を取り出し、こぼれるのも構わずにグラスに注いだ。
グラスも、勝手に持ち出したものだ。よく置き場所覚えてるよな。
「おら飲め、辛気臭いぞお前」
「勝手に俺の酒を飲むな」
腹が立ったので、酒ビンを奪ってその場で一気飲みしてやった。
「あ、俺の酒!」
「返すか?」
「ここで吐いたら殴るからな」
流石、俺のやることを分かっている。

351 :2/3:2010/07/28(水) 03:04:43 ID:0A2J2rg30

……あ。
「まずい、冗談じゃなく吐きそうだ」
「おい、笑えない冗談はよせって」
「いやほん……おえっ」
もどした瞬間、奴はけたたましい悲鳴を上げて逃げ出した。薄情者め。
「うっわ、こりゃ昨日の徹夜がたたったか」
「何、夜遊び? 夜這い?」
「お前と一緒にするな。お見合いが嫌で先方が諦めて帰るまでひたすら屋敷中を逃げ回ってただけだ」
使用人も総出で俺を探すものだから、寝る間もなく移動し隠れてまた移動、だった。
もう二度とやらん。次は本気で屋敷から出てく。
「えーやるだけやってサヨナラすればいいじゃないか」
「それができない相手だから逃げてたんだよ」
あー、マズイ。本気で動けなくなってきた。
「しょーがないなーもう。野郎なんざ抱きたくもないってのに」
あいつがため息をついて、荷物でも抱えるかのように俺を肩に担ぎ上げた。
「だったら足繁く野郎の家に通うな。同性愛者かお前は」
「お前知らないのか? 裏の店だと可愛い男の子が並んでたりするんだぞ。俺はやったことないけど」
「そういうこと言ってるんじゃ……」
「はいはい徹夜でバタンキューしてる人は黙りましょうねー。酒飲ますぞ」
「あーそれいいかも」
「死ぬぞマジで。いいから水飲んで寝てろ」

352 :3/3:2010/07/28(水) 03:06:07 ID:0A2J2rg30
1人で寝るには大きすぎる寝台の端に下ろされ、半ば無理矢理水を飲まされて一息ついていると、
不意に奴が寝台の空いている端にもぐりこみだしたので反射的に蹴り出した。
「何するんだよ、痛ってーな」
「やかましい! 俺は野郎と同衾する趣味はねぇ!」
「何考えてんだお前は……ただちょっと眠いだけじゃねえか」
蹴り出したのに、あの馬鹿はまたもぐりこもうとする。
「客間を使え!」
「やだ! お前んところの使用人はあれこれうるさい!」
「ありゃ普通だ!」
ぎゃあぎゃあと喧嘩を続けていると、不意にあいつが掛け布団を奪って俺にかぶせてきた。
「――!」
「いいから寝ろ!」
布団越しにあいつの重みと体温を感じる。
……そういえば、あいつが泥酔したときは、いつもこんな風に俺がおぶっていってたっけか。
そう考えると、なんだかどうでも良くなってきた。
「……わかったよ」
目を閉じて体の力を抜くと、疲れと眠気はすぐにやって来た。

353 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 09:23:28 ID:Gz+WzO8wO
GJ!かわいいな!
仲良くしちゃえばいいよ
萌えました

354 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 12:41:16 ID:uEeuMb800
おもしろかった!
こういう軽口のやり取り大好きだ
いい加減なようでお互い相手が大事なんだろうな
GJでした



355 :風と木の名無しさん:2010/07/28(水) 21:57:32 ID:cQHJq59W0
おお…。なんてことない普段通りの軽口の叩き合いなんだろうに、何というか萌えた。
もっと二人の会話が見たくなるね。GJです

356 :風と木の名無しさん:2010/07/29(木) 21:48:44 ID:LGvgKEuv0
なんだかんだいっても信頼しあっているのが言葉の端々から読み取れてよかったです
恋愛ってよりも友情っぽいのが更に萌えました
GJでした

357 :風と木の名無しさん:2010/07/30(金) 13:07:33 ID:H22lhzU2O
まわしますよ

358 :風と木の名無しさん:2010/07/30(金) 13:21:25 ID:mM4l82ijO
ここは私に任せて踏んでいきたまえ

359 :風と木の名無しさん:2010/07/30(金) 13:23:29 ID:TTotVBWfO
面接に落ち続ける男と若社長

360 :1/2:2010/07/31(土) 02:39:58 ID:ambr8o27O
「フン!」
俺は郵便物入れに入っていた書類を破り去った。
面接まではいつもこぎ着けるのだが、結局またも不合格。
――これで666社目になる。
「おや、またダメだったんですか」
「!!貴様」
玄関の扉から身を乗り出して背後から覗いて来たのは許 明泰だ。
「フン、わざわざ俺の無様な姿を見に来たのか」
「トイレに起きたついでですよ。同棲してるんですからいい加減慣れたらどうです」
「気色悪い!同居といえ同居と!」
「ふぅ…つれないことですな」
こいつは俺が社長を勤めていた会社の元秘書で、今やT.T.C頭取の息子兼若社長。
俺だってこれでも昔は急逝した親父の跡を継いだ、れっきとした社長様だったのだ。
俺は図体と力だけの馬鹿だという自覚があるので、むやみに経営に茶々を出さなかった。
そしたらいつの間にか俺の会社は破産宣告せざるを得なくなり、社員は運良くこの秘書の親父の会社に丸ごと吸収されて、俺は不必要な存在となった。
闘ったらこんな細長い、イタリアンスーツを好んで着るような男なんか何でもないのに、社会ではそうはいかない。
俺はこいつにも社会にも負けたのだ。
書類審査だけなら警備会社なら楽々通るのに面接では落とされるのは、就職相談会に行って思い切って相談したら、「高慢な態度だから」と言われた。
そう育ったんだ仕方がないだろうという言い訳も通じない。社会は厳しい。もう29だし、このままじゃ駄目かもしれない。
だが、いつかは必ず自立はしなくてはならん。
「だから言ってるでは無いですか、克美様」
今のように慇懃無礼でイタリア服なぞ着ている香水臭い香港人に毎日毎日、
「私に素直に養われればいいのだと。はやく養子縁組いたしましょうよ、愛人(アイレン)」
……尻を撫でられないようになるためには!

361 :2/2:2010/07/31(土) 02:45:16 ID:ambr8o27O
「離れんかあぁああ!!!」
「おおっと」
俺より力は弱いはずなのに、動体視力がいいのか俺の攻撃が当たった試しはない。
イタリア男を気取った口髭を弄る手つきが俺の尻を触ったかと思うと糞忌々しい。
一刻もはやくこいつから離れたいのに、破産宣告出したせいで家も財産も差し押さえられ、帰る所が無い。
しかも呆然としているところをこいつのSPに車に担ぎ込まれ、強制的にコイツと同居。会社の後のことを聞かされると同時に体の関係を迫られ、退け……いまは何とか仕事:家事手伝いということで収まってるが。
――ん?思い出すと、こいつやけに段取りが良くないか?
「おい許、まさかお前」
「なんですかな」
問い質そうと振り向いた瞬間、目の前に許のアップがあり、反射的に頭を後退したというのに追い込まれ、キスされた。

「……ぐ、うああ!何をするか馬鹿野郎!!」
必死で口を拭う。鳥肌が立ったじゃないか!
「はっはっは、朝からごちそうさまです」
「……ああもういい!今日はお前朝飯抜きだ!」
「克美様ったら、三十路前にの癖に大人気の無いことを言わないでください。馬可愛いなもう」
「黙らんか阿呆が!!」
まったくこいつは!……ん?俺は今何をこいつに聞こうとしたんだったか。
「そうだ、今日は克美様も私の良く行く店のスーツを見に行きましょうよ。トールサイズもあるのできっと合う服が…いっそオーダーメードでも!」
「馬鹿言うな。面接にそんな格好する奴がいるか!俺でも分かるわ!」
忘れてしまったなら大した用件じゃないんだろう。
まあいいか。


【こうして段段と若社長に懐柔されていく元社長】

362 :風と木の名無しさん:2010/08/01(日) 00:14:02 ID:S4A8fghfO
そして結局流されて体の関係になるんですねw
バカ受け大好きだーGJ

363 :風と木の名無しさん:2010/08/01(日) 15:04:14 ID:vofrZyYZ0
BLレーベルのどこかにありそうな王道カプGJ!
おバカな受がかわいすぐるw

364 :風と木の名無しさん:2010/08/01(日) 17:52:12 ID:FeRw3n0M0
「面接に落ち続ける男」で気弱ヘタレ系しか想像してなかった
こう来るとは!高慢天然男かわいいよGJwww

365 :風と木の名無しさん:2010/08/02(月) 00:54:35 ID:DWBP8LshO
お馬鹿受は私得ですありがとうございました

366 :風と木の名無しさん:2010/08/02(月) 08:59:02 ID:xMUpLT6eO
朝からまわし

367 :風と木の名無しさん:2010/08/02(月) 15:22:04 ID:bB7hR3S40
まわします

368 :風と木の名無しさん:2010/08/02(月) 16:23:32 ID:ckqvtUPbO
よし、踏んでみようか!

369 :風と木の名無しさん:2010/08/02(月) 16:32:09 ID:miWH6LFQ0
バブリーな受けと攻め

370 :風と木の名無しさん:2010/08/03(火) 22:20:23 ID:ZagicTGVO
流れてるよね?

371 :風と木の名無しさん:2010/08/03(火) 22:24:24 ID:ZXKQatYu0
24時間経過かー
流れちゃって残念だ

372 :風と木の名無しさん:2010/08/03(火) 22:31:47 ID:xyA/1hYP0
気づかなかった。
まわすか。

373 :風と木の名無しさん:2010/08/03(火) 23:42:32 ID:sGMBCi6I0
バブルっていうと一昔前のヤンエグアルマーニ攻様×にゃんこ受(きゃるん)しか出てこない
誰かの素敵な萌えを読みたかったよ

374 :風と木の名無しさん:2010/08/03(火) 23:51:59 ID:t+7tMlcJO
お流れか〜
まわしますね

375 :風と木の名無しさん:2010/08/03(火) 23:55:13 ID:iDMxXD8E0
ばぶりーか。あの世代は今頃私のストライクゾーンな年頃になってるんだろうな
ちょっとアホでそこそこの地位に就いててピンチに弱い。そんなイメージしかない

376 :風と木の名無しさん:2010/08/04(水) 06:40:55 ID:t4umBaunO
>>375
それ萌える
今は地味な仕事で節約生活していてバブルのものはマンションも車も何ひとつ残ってなくて
唯一お互いだけがそばに居続けている中年カプを受信した

377 :風と木の名無しさん:2010/08/04(水) 07:18:44 ID:0DUACupqO
早くそれを文章化して私に読ませる作業に移るんだ!!!


378 :風と木の名無しさん:2010/08/04(水) 08:51:45 ID:izkdIvCo0
期待してます踏まれます

379 :風と木の名無しさん:2010/08/04(水) 08:53:14 ID:c5IadHCPO
痛みを愛する

380 :風と木の名無しさん:2010/08/04(水) 12:21:33 ID:+5/gvFYAO
きゃっきゃっと甲高い耳障りな声が聞こえる。

痛い。

公共の場で人目も憚らずはしゃぐカップルも、それを羨ましいと思ってしまう自分も。
羨ましいと思うなら、彼女を作ればいい。そんなことぐらい分かってる。
でも、あいつがまだ俺のことを甘ったるい声で呼ぶから、いつまで経っても俺はあいつに囚われたままなんだ。

心の中でたかし、とあいつを呼べば、あいつは蕩けるような笑顔でなんだよ、と返してくれる。

痛い。

いつまでも過去のことを引きずって、男らしくない。

痛い。痛い。痛い。

痛いと言っておきながら、痛みから抜け出そうとしない自分が。

でも、やっぱり俺はこの痛みを忘れる気はない。
絶対に、忘れたくない。

だって、この痛みは確かにあいつを愛してた証だから。

この痛みを忘れないうちは、あいつを愛していられるから。



381 :風と木の名無しさん:2010/08/04(水) 23:45:02 ID:2pv5g/jx0
ぐわあああああ切ねぇ…
読んでて胸が締め付けられる感じがしたよ
泣きながらGJ

382 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 03:28:57 ID:WmZdsz910
まわし

383 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 07:29:26 ID:ssuCac8X0
短いのに切なさの伝わる文章でいいね。GJ
>>382>>3
>『感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい』

384 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 11:05:26 ID:bNSzMo0X0
痛みを愛するってこういうことだったんだな
深いよ…あいつを愛する切ない気持ちが伝わってきてすごく泣けた
短いのに感動しました。GJです!

385 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 13:43:09 ID:IFZCm3HRO
痛いけど切ない。幸せになって欲しいような、痛みに殉じて欲しいような。
ともあれGJ。

386 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 13:44:59 ID:tqArYCs20
まわし

387 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 20:55:18 ID:tgTfzfcYO
まわし

388 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 21:15:47 ID:049xbVWkO
暑いですね、冷たい足で踏んでください

389 :風と木の名無しさん:2010/08/05(木) 21:15:51 ID:wvViy9A2O
踏み踏みしてほしーの

390 :風と木の名無しさん:2010/08/06(金) 00:25:06 ID:X9naLqTp0
目が覚めたら、二人とも汗まみれだった

391 :1/2:2010/08/06(金) 10:42:57 ID:X9naLqTp0
「ひー、くたびれたー足パンパン」
商店街のお祭りの手伝いで、朝から準備にバタバタし、夕方から夜までずっと純也と二人で焼きそばを焼いた。
部屋に入るなり、純也はラグの上に寝転がった。
立ちっぱなしだったから本当に足がパンパンだ。
アルコールも適度に入ってるから余計だよな。
「なあ、彰司あれやってよ、踏み踏み」
「えー俺も疲れてるんだけど。だいたい、シャワー浴びに来ただけだろ」
「いいじゃん、お願い。プロのお前に踏み踏みしてほしーのよ」
俺の返事を聞く前に、横向きになって上の脚を前に出す、いわゆるシムス位になると、純也は俺の顔を見上げて、お願いっと言った。
立ち上がると、「しょーがねーなー」と言いながら片足で立ち、もう片方を純也の内股の付け根におろす。
足の裏全体で、内転筋にゆっくりと体重をかけ、膝の方へ移動してゆく。
確かにスジがパンパンになっている。
「ひーーー痛ぇーー」
「違うだろ、気持ちいいだろ」
「ひ〜、痛きもちいいー」
「そうそう」
これはどう言うわけか、膝に近い方が痛みが強い。どんなに軽く踏んでも、のたうち回る人がいるくらいだ。
そっと純也の顔を見ると、目をつぶって眉を寄せ、何とも言えない顔で耐えていた。
「痛いーーけど気持ちいいー」
「お前が言うとなんかエロいな」
「ばっか彰司、ほんとに痛いんだぞ」
「知ってるよ、仕事ですから。はい反対」
ううーと呻きながら純也が向きを変える。
俺も足を変えて同じように内転筋に軽く体重をかける。
「あ、こっちはそうでもない。あんまり痛くないわ」
「お前、片方の足に体重かけすぎ」
「わかってるんだけどさー、軸足があるんだって」
純也は商店街の布団屋さんの息子で、貸し布団を車に積む時に、無意識にいつも同じ側で踏ん張る。
それで一度腰を痛めた。

392 :2/2:2010/08/06(金) 10:44:10 ID:X9naLqTp0
サッカーをやっていた純也には結構な痛手で、それで俺はスポーツ整体を仕事にするようになったのだ。
「マッサージもしてやろうか、ついでに」
「ええ? マジ? ラッキー、すまないねえ、彰司も疲れてるのに」
「ま、あとで身体で返してもらいますけど」
「お前が言うとエロいわね」
「マネしないでくれる?」
軽口を叩きながら、ラグに俯せにさせ、仕事の三割程度の軽さでマッサージをしていく。
肩、背中、腰。
引き締まった固い筋肉の中のコリを見つけ、ほぐす。
この仕事をするようになって、わざわざ理由付けする必要なく純也に触れられることに気が付いた。
無防備に俺の前に横たわる純也。
俺が純也を好きなように、純也も俺を特別な目で見てくれているといい、と思うことがある。
90%ない、とわかっているけども、時々、もしかして、と思うことはある。
うぬぼれ、あるいは妄想。たぶんそうだ。わかってる。
だから、こうやって純也に触れる男は俺一人。そう思うことで十分だ。
「おー、気持ちいいー。彰司、サイコー」
半分寝ているような声で、純也が囁く。
寝ろ。寝てしまえ。
「バカ、寝るなよ。シャワー浴びたら祭りの打ち上げ行くんだろうが。皆待ってんぞ」
心とは裏腹の言葉をかける。
いいよ、寝ちゃえよ。
そのまま朝までここにいろよ。そうしたら、俺はお前をひとりじめ出来るから。
「ん〜…」
純也の息が穏やかになり、規則正しくなったのを見計らって、俺は立ち上がり、打ち上げに行けなくなった旨のメールを一本打つと、部屋の電気を消した。

393 :風と木の名無しさん:2010/08/06(金) 14:58:17 ID:AlcMcBoHO
>>392
独占欲なそこはかとないエロスが良かった。GJ。
がんばってくれてありがとう

394 :風と木の名無しさん:2010/08/06(金) 19:27:45 ID:ol6uLs+jO
おお好きなシチュエーションだ。
390も字書きさんぽいね
勘違い乙だけどよかったw

395 :風と木の名無しさん:2010/08/06(金) 22:49:45 ID:ddweRhqh0
えろいい感じだ。GJ!

396 :風と木の名無しさん:2010/08/08(日) 04:31:44 ID:5Ws0lEBxO
まわし

397 :風と木の名無しさん:2010/08/08(日) 17:36:53 ID:DGNenFGgO
犠牲になりましょう

398 :風と木の名無しさん:2010/08/08(日) 18:37:06 ID:X1STN933O
お先にお踏みなさい

399 :風と木の名無しさん:2010/08/08(日) 18:37:49 ID:b5+hhnzE0
友人だけど主従

400 :風と木の名無しさん:2010/08/08(日) 22:06:04 ID:rh98auuQ0
「お前なあ、もう少し危機感持てよ…」
「んー?なんで?」
「なんでって…今どんな状況だか分かってるのか?」
「分かってるよ〜。信頼してた家臣の謀反にあって、お城の周りを取り囲まれてる、でしょ?」
「そうだよ!そう!分かってるなら、なんでそんなお気楽なんだよ!」
「お気楽ってひどいな〜。俺はいつでも真剣だよ?」
「どこがだ!真剣な奴はこんな状況で一人ファッションショーなんてしないだろ!」
「え〜、いいじゃない。ねえ、これとこれどっちが似合う?」
「知らん!というかお前それ俺の服じゃないかよ!」
「バレた〜?王子様の服ってずっと着てみたかったんだよね〜。ふふ、変な服〜」
「うるさい!お前ほんとにどうしたんだよこんな時に…」
「こんな時だからでしょ〜。ねえ、俺たち最初に会った時のこと覚えてる?」
「え?…ああ、まあ…。庭に忍び込んだお前が俺に話しかけてきたんだろ」
「そうそう、覚えてるんだね〜!君は下らないことは覚えてないタイプだと思ってたよ!」
「く、下らないなんて思ってない!…お前が話しかけてくれて…俺は嬉しかったよ…」
「…俺も。…俺も、あの時話しかけて良かったと思ってる」
「なんだよいきなり…恥ずかしい奴だな」
「ううん、別に〜。ねえ、ところでさ、このお城って地下に外に通じる逃げ道があるの知ってた?」
「え!?なんだよそれ!俺聞いたことないぞ!」
「うん、王様がねえ、秘密だぞって教えてくれたんだよね〜。ほら、地図に○がつけてあるでしょ?」
「知らなかった…!そんな道があるなら早く逃げるぞ!他の者たちも連れて…」
「そうだね〜。じゃあ俺が他の人たちを連れてくるから、先に行っててよ」
「え?でも皆で一緒に…」
「だめだよ〜君、走るのすごく遅いじゃん!皆と一緒だったら置いてかれちゃうよ?」
「おいうるさいぞ!…まあ確かに俺は足が遅いが…」
「分かってるならほら、先に行って!あまり遅かったら俺も置いてっちゃうよ!」
「うう、くそ…。じゃあ先に行ってるからな!必ず追いつけよ!」
「うん、人の心配してないで頑張って走るんだよ〜」
「ああもう危機感のない奴め!」

401 :風と木の名無しさん:2010/08/08(日) 22:06:49 ID:rh98auuQ0

どたどたと寝巻のまま駆けていく彼の後姿を見つめて、俺はふっと微笑む。
これが多分、彼を見る最後の姿。
君に伝えたい思いはいくつもあるけど、俺はそんなに器用じゃない。
ごめんね、君の悲しむ顔は絶対に見たくないんだ。

広場を見渡せる窓を開け放つと、眼下に広がるのは反旗を翻した無数の兵たち。
必死に平和を築いてきたこの城を、敵と見なして陥落させようとする民衆たち。
「お前たちの敵はここにいるぞ!」
思い切りそう叫ぶと「王子」の姿に気付いた者たちからいくつもの怒号が浴びせられる。
背格好の似ている俺は今、顔以外は近くから見ても完璧に王子に見えることだろう。
…あとどのくらいで奴らはここまでたどり着くだろう。
それまでにあの足の遅い王子…いや、俺の一番大事な友達は、どこまで逃げられるだろうか。
暖炉で赤々と燃える炭を一つ火ばさみで掴みながら、俺はぼんやりとそんなことを考えた。

402 :風と木の名無しさん:2010/08/08(日) 23:17:28 ID:SOTduqw+0
うまい!キャラもすごい好みだし禿げ萌えた!
前後の話も読みたい。GJでした。

403 :風と木の名無しさん:2010/08/09(月) 01:01:24 ID:wuCU+xRs0
友人いい奴すぎる…
続きが読みたくなるなぁGJ!!

404 :風と木の名無しさん:2010/08/09(月) 06:16:53 ID:amW/4WwyO
まとめにもたくさん来てる!
萌えを補給しすぎてプルプルになった
ごっつぁんです

405 :風と木の名無しさん:2010/08/09(月) 23:23:13 ID:ERKk1yJWO
顔以外は完璧ってことはやっぱり最後の行は伏線?なんだろうか…
力の限りGJです

まとめの方々も萌えました!GJ!

406 :風と木の名無しさん:2010/08/09(月) 23:23:32 ID:kOs4NDyh0
顔だけは似ていない…燃える炭…もしかしたら…
余韻残し過ぎる!すばらしい作品だ!GJ!

407 :風と木の名無しさん:2010/08/10(火) 00:07:48 ID:A9Hj0gC9O
炭で顔焼くんですねわかります
台本形式でなく普通のSS作品で読みたい

408 :風と木の名無しさん:2010/08/10(火) 01:28:51 ID:TolkToUVO
切ない……王子に思いを気取らせない気遣いに泣いた
従者としてじゃなく友人として王子を守ったんだな

409 :風と木の名無しさん:2010/08/10(火) 01:31:24 ID:cMZDFZBJ0
お兄ちゃんと兄貴の境界線

410 :風と木の名無しさん:2010/08/10(火) 01:31:35 ID:fM6Inj+K0
褒めてください、認めてください、俺を信頼してください。

411 :風と木の名無しさん:2010/08/10(火) 04:06:49 ID:fM6Inj+K0
ちいさい頃は、お兄ちゃんお兄ちゃんと自分の後ろをついてまわっていた年の離れた可愛い弟
女の子みたいにかわいくて、でもそんな可愛い可愛い最愛の弟に、自分でも気付かないうちに
兄弟以上の感情を持っていることに気付いてしまった兄
一緒にお風呂に入っているときにも、あらぬ場所へと目が行ってしまう
ああもうマジ可愛い。抱きしめてちゅーして舐めまわしてぇ…
そんな悶々とした思春期を過ごした兄は、高校進学を期に寮に入り弟から離れようとする
なんとか幼い弟に手を出す変質者の烙印を押されることなく、無事に高校卒業。大学も一人暮らし
無事に就職できたと思った矢先、会社は倒産。次の仕事も無く、家賃も払えなくなり実家に帰ることになってしまう
7年ぶりに再会する天使のように可愛いかった弟は今では高校生。
さぞかし美人に育っているだろうと思っていたのに、家に居たのは自分より背が伸び、声も低くなり無愛想ながら男らしく育った弟
昔はお兄ちゃん(はーと) なんて呼んでくれていたのに、生意気にも兄貴なんて呼びやがる
でも、こんなに可愛くなくなったならもう手を出す事も無いだろう
そう思っていたけれど、やっぱり弟は弟。
昔の癖がそのままだったり、何気ないしぐさが兄のツボだったり可愛くないのに可愛い。
再び悩みだす兄。そんなある日弟に押し倒され
「いつになったら、俺は兄貴にとって対等になれるんだよ…」
もう、お兄ちゃんなんて呼んでいた昔の子供じゃない
小さい頃から兄が好きだった
兄が居なくなって、ようやくそれがただの好きとは違う事に気付いた
兄が自分に向けていた、視線の意味が分かった

そんな感じの兄弟モノが好きです
弟×兄の下剋上と見せかけてヘタレ変態兄×男前弟だと萌えます

412 :風と木の名無しさん:2010/08/10(火) 07:45:33 ID:N1G1IxZg0
ウホっいい兄弟語り
11秒違いの誤爆で焦っただろうけど、GJGJ!
ラスト1行に大きく同意。萌えるよ

413 :風と木の名無しさん:2010/08/11(水) 01:01:20 ID:eDYcbyKI0
いい!これはいい!
今まで兄弟萌えはなかったけど、何か目覚めた感じがする

414 :風と木の名無しさん:2010/08/11(水) 01:04:39 ID:1I2i8o3B0
男前弟いいねいいねーGJ

415 :風と木の名無しさん:2010/08/11(水) 14:01:05 ID:uBdOMUuYO
これは萌えた
いい語り頂きました ありがとう

416 :風と木の名無しさん:2010/08/12(木) 14:31:20 ID:HIvUCi630
まわし

417 :風と木の名無しさん:2010/08/12(木) 22:02:20 ID:lFTm1Uv8O
まわーし

418 :風と木の名無しさん:2010/08/12(木) 22:35:19 ID:PNXEFa24O
ゆっくり踏んでいってね!

419 :風と木の名無しさん:2010/08/12(木) 22:35:31 ID:/Am7FpdJ0
似た者カップルと正反対カップル

420 :風と木の名無しさん:2010/08/13(金) 23:19:28 ID:2oBwSmSyO
お流れかな?
残念まわし

421 :風と木の名無しさん:2010/08/13(金) 23:39:10 ID:T3rfk2mqO
残念
まわし

422 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 00:22:18 ID:AiM677GU0
まわし

423 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 01:10:32 ID:uQ8Y+wqvO
残念だ
まわし

424 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 02:11:32 ID:UTh4mQZB0
まーわし

425 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 02:55:42 ID:ZN2SNEDCO
まわれまーわれ

426 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 03:48:29 ID:vzOf7VoH0
めりごーらんまわし

427 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 04:20:40 ID:qPcnurYMO
カモン踏み台

428 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 04:43:57 ID:EalVc0yEO
はいっ踏み台ですっ

429 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 04:44:44 ID:eu/ZO0/V0
くっついたりはなれたりくっついたりはなれたり

430 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 07:00:01 ID:GqLEYayIO
お前が考えろ

はい次

431 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 17:01:19 ID:utpGinweO
「もーやだ!絶対別れる!あんな馬鹿女しらねえ!」
「そっすかー」
「なんだよおまえ!先輩に対して冷たくね!?冷たくね!?」
「ンな事言われても、その喧嘩何回目っすか」
「忘れた!」
「彼女が他の男と遊びに行ったら別れて、三日もしたらよりもどして。
先輩が記念日忘れたら別れて、その日のうちに電話で仲直りして」
いい加減、別れてしまえばいいのに。
別れたって俺にチャンスなんか無いのは知っているけど…

「先輩らが別れる度に泣き付かれる俺は迷惑っす」
「う…それは悪いと思ってるけど…」
別れてしまえばいいのに
何度も飲み込んだ言葉

「もう別れたらいいのに」
不意に口をついてしまった言葉に、先輩が驚いたように目を見開く
一度口にしてしまえばとまらない
「そんなに些細な事で別れたいとか言いだすなんて、もともと二人合ってないんじゃないんすか?」
「そ、そんな事ないって!アイツ我儘だけど許される程度の我儘だし、喧嘩の原因は俺だってあるし」
顔真っ赤にして慌てて否定して
ああもう。本当に彼女が好きなんだよな、この人

「…解ってんじゃないっすか」
「は?」
「そんなに好きならさっさと謝って、いつもみたいに鬱陶しいくらいイチャイチャぶっこいてください」


ばたばたと彼女の元へと走っていく背中。
俺のものになることはない

「つぎはいつ別れてくれるんだろうな」

432 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 18:54:53 ID:c1D4KZjL0
一途な後輩にめちゃくちゃ萌えた
切ないのがまた萌え。GJ!

433 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 19:07:03 ID:GqLEYayIO
なんでわざわざ携帯から投稿?自演だってバレバレだよ?
ゴミ以下の内容だからスルー推奨

読んで貰っただけでも有り難く思いなよ

434 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 19:44:15 ID:qngVhnJkO
お題から、喧嘩ップルが来るかと思ったら…
繰り返しの部分を彼女と後輩に振り分けたんだね
巧いなぁ。GJでした!

435 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 20:02:47 ID:UBzlNTZ+0
>>433
お前は存在自体がゴミ以下だな有難く思え?ゴミクズがなにいってんの
お前が前に投下したねたクソつまんなかったよローカルでブフブフしてろよ
いいからしね今すぐしねお前がしんで板から消えたら喜んであげる構ってやったんだから喜べよ
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしね しねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
  しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねし
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねし ねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね
しねしね

436 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 20:50:42 ID:IbdRb9UCO
切ない!GJでした!
後輩が幸せになることを願う!

437 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 23:41:49 ID:ErhmsbTAO
BLだと女性を出されるのが苦手な人もいるのかもしれないけど
これは先輩の恋人が女なのがいい
お題処理もGJ

438 :風と木の名無しさん:2010/08/14(土) 23:56:51 ID:56wU9rTd0
後輩の健気さにやられた
かなわぬ恋とわかってる風なのがいっそう切ないなあ
切ない萌えをありがとう、GJ

ではではどうぞお踏みなすって

439 :風と木の名無しさん:2010/08/15(日) 00:01:22 ID:p1SiWrJoO
ぴしゃりと叱りつけた

440 :風と木の名無しさん:2010/08/15(日) 23:38:42 ID:2lL9yuk00
 例えば自分が機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在であったなら。
 そう思うことが何度もある。事実今目の前にある画面はそのためのものでありそれ以外の役目は自分に求められないものだというのにそれすら忘れ、そう思うことが本当に何度も何度も。
 どうしてだろう、と思う。とてもとても、どうしてだろう、どうしてこんなことになったのだろう、と、何度も、何度も。
 そう考えながらいつも思わず見つめ続けるのは目の前の特に高かったわけでもない――というよりはそれ以前にこれは支給されたものだ――1920x1200、22インチディスプレイなのだった。
「ねーねー、『センセ』? どうしたの」
そのディスプレイから聞こえる声に、は、と覚醒する。眉を寄せた様子の馴染みの顔がディスプレイから覗いていた。さあ――『仕事』の時間である。
「…ああ、何でもないよ、寧」
 そう答えて微笑む。ほんと? と笑ったのは、二年前からの『常連』、崎本寧である。
 微笑む、といってもこれはポーズのようなものだ。電話の向こうに体ごと思わず礼をするようなもの。まあ一応は、あちらに反映されもするのだが――ディスプレイに映し出された、マスコットの映像、というかたちで。
 向かいにいるのがヒトでないものの効果がどうの統計が云々ロボットセラピーが、という名目で作られた子供だまし。対話システムを搭載したAIがあなたに適切アドバイス。
優秀なAI故にまるで人間を相手にするかのような対話が可能な相談窓口ですお気軽にご相談をご相談を――そんなシロモノがこれだ。実態は簡単、俺みたいな『対象青少年』の、それらに利害を受けない『少しだけ周り』の地域にいるやつが、
まるでAIみたいなふりをしてマニュアル本片手に『ニンゲンを模したAIシステムならでは』の対応、とまあそんなものだ。よくある映画みたいなもんだ。
 給料だって程々に良いし、なんだかんだいってああ自分もそうだったなあという年頃の少年に相談を受けるのは新鮮で、俺はまあルーティンワークのようにこの仕事を続けて――
 いた、わけなのだが。

441 :風と木の名無しさん:2010/08/15(日) 23:40:10 ID:2lL9yuk00
「ふうん。別にいいんだけどさ、『センセ』ってAIらしくないよね。それで人間らしくしてるつもりなのかなあ」
「そういうことは言わないでほしいな、寧」
「まあ、いいけどね。ねえ、『センセ』、今日はさあ――」
 ディスプレイの向こうからまだ子どもの気配を残す声が響く。時に淡々と時にあちこちぶれながら、その報告は続いた。
 まず今日一日の報告をするのがこの子のくせだ。それを聞く。この手の子どもはよくいるけれど、決してそれを疎かに聞いてはならない。
 レコーダを使ってでも記録し応対する。自分は少なくともこの相手には話を聞いてもらえるということを認識させるために。
 たとえ『機械』相手といえど、その安心を得ることは非常に重要だ。
 うん、うん、と相槌を打つ。それから何言か言葉を交わす。どうも部活が忙しいらしく、少し眠たげに話す声は次第に小さくなり、やがて途切れた。
「眠いみたいだね。さあ、もう部屋にお戻り」
「うん――ねえ『センセ』」
 促した会話の終わり、そう呼びかけられて、またか、と俺は思う。
「なんだい?」
 マニュアル通りに聞き返す。避けてはならない。静かに聴かねばならない。
「好きだよ。どんな人より大好きだ」
「………意味が分からないね」
 やっぱりか。
 このやり取りも何度目だろうか――出そうになる溜息を押さえ、いつもどおりの一言を言えば、
ちえっ、つれないなあ、と寧が苦笑した。当たり前である。たとえ俺が素直に返事を返すとしてもそうだろう。
 そして笑いを収めた寧は、ディスプレイにそっと触れる。こちらに手を伸ばし、しかし触れることはない。
「AIだもんな、『センセ』。分かんないよな」
 でもさ、とぽつんと言葉が落ちる。
「好きだよ」
 ほんとうに、大好きだよ。

442 :風と木の名無しさん:2010/08/15(日) 23:41:02 ID:2lL9yuk00
「センセ。センセが――」
 にんげんだったら。にんげんの、女の子でなくてもいいんだ。にんげんだったら。
 前にそういった一言をこらえたか、彼はそれ以上言葉を続けない。
 ただ、ごめんなさい、としばらく経って、そんな言葉を落としただけだった。
 どうしてこんなことになったのだろう。そう思う。一年前、奴がひどく悲しそうにしているときに距離を取り違えたのか。
 それとも半年前、それとも――。
 これは俺のミスだ。画面の向こうの『AI』に不毛な恋をさせてしまっている。気を迷わせている。
 けれど――けれど、これを上に報告するのは。報告するのは。引継ぎだって簡単だ、けれど、けれど――。

「ねえセンセ。好きっていって。嘘でもいいんだ。ただレスポンスを返すだけだよ。ねえ、僕を好きっていって――」

 例えば自分が機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在であったなら。
 そう思うことが何度もある。事実今目の前にある画面はそのためのものでありそれ以外の役目は自分に求められないものだというのにそれすら忘れ、そう思うことが本当に何度も何度も。
 どうしてだろう、と思う。とてもとても、どうしてだろう、どうしてこんなことになったのだろう、と、何度も、何度も。
 そう考えながらいつも思わず見つめ続けるのは無機質な目の前の――支給されたディスプレイで。
 だからその時、俺は静かに目を瞑る。目を瞑って、自分は機械であり彼とは違う次元違う存在のインプットにアウトプットを返すのみの存在で、プログラミングされた通りの返答を正確に返す、それだけ、それだけなのだと――嘘でもいいから。嘘でもいいから。
 そして目を開け静かに息を吸って、叱りつけるのだ。精一杯冷たく――そう、いうならばぴしゃりと。ぴしゃりと叱りつけるのだ。彼と、ひいては彼に向かいあう、ここの、ここにいる、この――。
 そうしてだから俺は今日も、ディスプレイを睨みつける。睨みつけて、ただただ静かに息を吐き――

「馬鹿なことを言うんじゃない」

 その一言だけでもって、彼をぴしゃりと叱りつけて。
 ディスプレイに伸びる、触れる自分の手のことは、努めて静かに無視をした。

443 :風と木の名無しさん:2010/08/15(日) 23:47:18 ID:deRk8SCs0
うわーうわーGJです! めちゃくちゃ切な萌えた!
最後の一文がたまらん、上手すぎる

444 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 01:58:27 ID:XdOO+kZqO
上手いなー…!
凄く面白かったし萌えた!!

とってもGJ!

445 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 09:05:00 ID:PFVelJFZO
センセ(笑)
日本語でおkな文章ばっかw

446 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 11:30:59 ID:Y4eEZ0t60
設定も面白いしセンセの気持ちも切なくて萌えた
寧の方の考えてることも気になるなあ
GJでした

447 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 14:24:53 ID:rCmcMT6a0
設定が面白い。GJ

448 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 15:58:24 ID:40u9ikZMO
ちょっと踏んでくれないかな?

449 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 16:13:42 ID:MSrqY+FMO
田んぼにダイブ

450 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 21:26:04 ID:QCINIT9/O
「おめーそういや、ここに髭さ生えてんのな」
「おー? まあなあ」
夏休みの宿題を二人で片し、駄菓子屋へ向かう道、照り返る陽光にほわほわと揺れる髭が目立った。
明は自分の未だ生えない鼻の下を撫でて、それから佳樹の髭を触る。
「なんだあ、こすぐってぇ」
「俺にゃまだ生えてねえど」
「そのうち生えっぺ。おめげの顔はガキくせえからな。まだなんだろ『せーちょーき』が」
明はムッとした。
顔つきは確かに佳樹のほうが大人びているし、最近とみにゴツくなったが、それでもまだ明のほうが身長が高いのだ。
「どん口でそれを言うだ」
「こん口だ」
にししと笑う佳樹の顔が許せなくて、そのまま髭を一本抜いた。
「っいっで!!!何すっだか!!!」
「ざまあ見さらせっ。舐めた口きくからこうなんだ。ガキの癖して」
「へん!んじゃおめーのが大人だっつうんか」
「そうだぁ」
「んじゃあおめ、キスしたことあんだか」
「あぁ!?」
「ほれ見ろ、ねえんだべ!俺なあこないだ従姉妹の姉ちゃんとしちったんだ〜」
「ぐぬぬ……」
まさか佳樹に先を越されるとは、と思っても口には出さず、負けず嫌いの口を出した。
「俺だってある!」
「……うっそだー」
「マジだ!おめーがしたのは普通のキスだべ?俺なんかベロチューしたし!」
「誰と?」
「え……あの、……姉ちゃんの友達と」
「証拠あんのかあ?」
「んなもんおめげにもねーべ」

451 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 21:30:48 ID:QCINIT9/O
「俺はあっと。なんたって手順を一からレクチャーされたけぇ」
「んなら俺んが上だあ!だってベロチューの仕方分かるしな」
「んじゃあ証明しろ」
「……どうやって」
「俺ん口で」
「……はァ!?」
「んだって他に証明しよーもねーべ」
いささか短絡すぎないか。
「ほんじゃ俺からな」
「えっおま、」
チュー……。
佳樹の唇がタコのように吸い付いた。
我に帰って慌てて身体を離す。
「馬鹿!せめて場所考えれ!往来だど!」
「あ〜そういやそうか。ま、ともかく俺は証明してやったど。明はどうなんだ?」
「だから場所が……」

「あー逃げる気だー」
「るっさい出来るわ俺のがもっとすっげえの!!」
売り言葉に買い言葉で、明は佳樹の肩を掴んだ。
しかしこれからどうしよう。
実際の所、夢の中では実践経験豊富だが、キス自体が明にとって先ほどのがハジメテだった。
だが不思議とショックとかは無い。
「何固まってんだあ。ビビってんのか?」
「るっさい。ムードを作ってんじゃムードを」
もうこのさい後には引けない。
明は夢でアイドルや同級生の女子としたのと同じ手順、つまり相手の目を見つめながらそっと近づく。
「佳樹……」
そっと名前を呼ぶ。
佳樹がぱちくりと目を見開いた。面白い。
髭が触れ、唇が重なった。

452 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 21:32:25 ID:QCINIT9/O
半開きの中に舌を差し込むと、大口を叩いていた佳樹の身体が跳ね上がる。
口腔をまさぐると「ん……ふぅ、む!む!」というくぐもった声と共に胸を叩かれる。
右のほうをまさぐると余計叩かれる。抵抗されているようだ。
……だがもう少し。
…………もう少し……。
「……いい加減にしれー!」
完全に雰囲気に酔った所で、佳樹が無理矢理顔を離し、叫んだ。
「お、おう。……どうだ?これで分かったべ……」
慌てて取り繕うが、佳樹の顔を見るなりまずくなった。
「……ああ……まあ、確かに明のが、すげえよ」
顔を赤くしたままの佳樹の潤んだ瞳、腫れた唇、照れたような仕草に明はやばくなった。
主に股間がやばい。
佳樹が何か言っている。
「どうした明?駄菓子屋行くんだべ?腕離せ」
「お、おお」
「……ん?なんだろ、おめえポケットになんか入れてんのか?何かかてえのが……」
「!!」
明は察した。……そのかたいのは、すなわち僕のボッキちんこと言う物体です。
いぶかしんだ佳樹が下を見る前に!
他に逃げ場はないと分かった明は意を決し、ダッシュして田んぼにダイブした。
この友情にヒビが入ってはならない。
「アイキャンフラァーイっ!!!」
ドボンっ。
「あ、明ァ〜〜!!?」
ああ、青春の一ページ。

453 :風と木の名無しさん:2010/08/16(月) 22:13:01 ID:W0DrLxdUO
吹いたw
グッジョブw

454 :風と木の名無しさん:2010/08/17(火) 00:52:49 ID:wICdJJEbO
アイキャンフライってのどっかで聞いた覚えがある

455 :風と木の名無しさん:2010/08/17(火) 11:22:49 ID:Limj64uUO
ピンポンだね。方言可愛いGJ!!

456 :風と木の名無しさん:2010/08/17(火) 21:58:27 ID:n9zxGO6Z0
すごい可愛かったGJGJ!!

>>454
自分はJAMのSKILLを思い出した。
MottoMottoー!!

457 :風と木の名無しさん:2010/08/17(火) 22:05:37 ID:bk9FPiULO
田舎ののどかな田んぼ道が浮かんだ
夏らしい甘酸っぱい青春も方言も可愛い
GJでした

458 :風と木の名無しさん:2010/08/17(火) 22:09:15 ID:d8cDztvfO
踏んでくかい?

459 :風と木の名無しさん:2010/08/17(火) 22:18:53 ID:qU/DjMDyO
電車の吊革同時タッチ

460 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 00:39:32 ID:ssh1ozhaO
残念まわし

461 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 08:10:02 ID:dMdVQVSvO
まわし

462 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 11:21:31 ID:nFnIAtACO
まわし〜

463 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 12:24:48 ID:h6L7OsSrO
マワシ

464 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 14:30:19 ID:CTFMFTSJ0
お相撲さんが着けているものは?

465 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 14:34:54 ID:lEpdiOL5O
まわしでごわす

466 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 18:23:13 ID:FTXd8JKuO
まわしー

467 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 20:18:24 ID:E3nnyODh0
>>464>>465
不覚にも萌えたまわし

468 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 20:43:54 ID:XleTLdd2O
俺にかまわず踏んでくれ

469 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 20:45:28 ID:Cn2ocIES0
あくびの出そうな朝

470 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 22:01:06 ID:E3nnyODh0
 部活の合宿ともなると、みんなで深夜まで馬鹿騒ぎして、
翌日眠気を引きずりながら朝を迎えるのはよくあることだ。
木田も例によって仲のいい友達の部屋に押し掛け、こっそり
持ちこんだおやつを肴に深夜までカードゲームや雑談に興じていた。
 いつの間に寝ていたのだろう、ハッと目が覚めると友達の
部屋で椅子に座ったままの体勢で寝ていた。あたりに散らばった
トランプや菓子の袋を見て「しまった!」と頭が真っ白になった。
朝になれば起こしに来る先輩や顧問に見つかったら大目玉を
食らうのは目に見えていた。罰としてトレーニングメニューを
増やされたらたまらない。周りの友達を起こそうにもぐっすり
眠っていて起こしたらいけない気がして、木田はこっそり自分の
部屋に戻り、持参した大きなゴミ袋を持ってきた。
 あらかた片付いた部屋を見まわす。
 他の部屋に割り当てられた友達は薄情にも木田を置いて元の
部屋に戻ったようだった。トランプも菓子のゴミも片付いている。
あとは自分が戻ればいいだけだ。同室の奴は先ほど部屋に戻った
時に確認したらぐっすり夢の中だった。誰にもバレずに済みそうだ。
 窓の外は薄明るい。太陽が昇り始めたころだろうか。
 ほっと一息吐いて、音をたてないようにドアを開けた。
「木田?」
 廊下に出た途端に後ろから名前を呼ばれ、びく、と小さく跳ねる。
「……部長」
「なにしてんの?」


471 :風と木の名無しさん:2010/08/19(木) 22:07:46 ID:E3nnyODh0
 振り向いた先には部長が、怪訝な顔をして立っていた。
咄嗟に手元のゴミ袋を隠そうとしたがすでに部長の視界に入っていた。
 ――終わった。
 部長は真面目を絵に描いたような人で、数分の遅刻も嫌う人だ。
合宿におやつを持ってくるなどと言う規則違反ともなればどうなるか
わかったものではない。木田は怒られるのを覚悟した。
「あー、その、ちゃんと片付けたのか、部屋」
 うつむいた木田は、へ、と気の抜けた声を出して顔を上げた。
「あっ……は、はい」
「じゃあそれ、今の内食堂のデカイゴミ箱の奥深くに突っ込んどけ。お疲れ様」
 大していさめることもなく軽い調子で言い放ち、木田の肩を
軽く叩いて、そのまま歩き出した。
「あの部長」
「なに、早く行かないとみんな起きてくるぞ」
「……ありがとうございます!」
 音を立てないように食堂に走りだす木田を見送る。
 本当は木田がゴミ袋をとりに行った段階で気付いてはいた。
しかし、部屋に戻って知らないふりをすればいいところを律儀に
片付けようとする様子がどこかかわいらしく、かつ面白かったために
なんとなく声をかけずにいたのだ。

 ――木田って面白い奴だったんだな。木田の背中を見ながら表情を
緩ませた。
 あくびを抑えながら部長は部屋に戻って行った。
 これからはちょっと絡んだりしてみようとふと思い、残り30分ほどの
眠りの世界に落ちていった。

472 :風と木の名無しさん:2010/08/20(金) 18:21:38 ID:S37SoOtZO
用意周到な木田いい子だよ木田。GJ!


473 :風と木の名無しさん:2010/08/20(金) 18:26:17 ID:yIEVjIt80
文章が読みやすくて好みでした
朝のゆるい感じが良かったです

474 :風と木の名無しさん:2010/08/21(土) 16:23:07 ID:i1kk80aU0
まわすね

475 :風と木の名無しさん:2010/08/21(土) 19:59:34 ID:R5bfKmSW0
まわしー

476 :風と木の名無しさん:2010/08/21(土) 21:34:20 ID:oQ1JXw1oO
まわしまわし

477 :風と木の名無しさん:2010/08/22(日) 06:13:25 ID:nKDO2aV2O
踏み台希望者の方〜?

478 :風と木の名無しさん:2010/08/22(日) 07:42:27 ID:Qe69gXGzO
踏まれるために生まれてきました

479 :風と木の名無しさん:2010/08/22(日) 07:43:40 ID:5Rkywkoy0
元カレの葬式で元カレの今カレと初対面

480 :風と木の名無しさん:2010/08/23(月) 09:07:06 ID:cmwTEG8gO
残念まわし

481 :風と木の名無しさん:2010/08/23(月) 10:41:52 ID:y34NnJvY0
まわしますね

482 :風と木の名無しさん:2010/08/23(月) 10:57:04 ID:/mWH4JzT0
別館期待まわし

483 :風と木の名無しさん:2010/08/23(月) 11:55:08 ID:RXEcgflB0
お流れが多いねえ

484 :風と木の名無しさん:2010/08/23(月) 11:56:53 ID:5tIvzQ550
何故か478×477に萌えたよまわし

485 :風と木の名無しさん:2010/08/23(月) 23:21:31 ID:SztZgjwtO
まわすよ〜

486 :風と木の名無しさん:2010/08/24(火) 00:10:48 ID:jBEYyB34O




487 :風と木の名無しさん:2010/08/24(火) 01:12:48 ID:F2aPLJSv0
まわし

488 :風と木の名無しさん:2010/08/24(火) 01:13:39 ID:Dz85n8560
踏み台

489 :風と木の名無しさん:2010/08/24(火) 01:17:17 ID:+kZaFexA0
メタ

490 :風と木の名無しさん:2010/08/24(火) 21:58:49 ID:a/YSAJ4W0
「僕らは、なんてちっぽけな存在なんだろうね」
「達観してんじゃねーか。いきなり。暗い顔してどうした?変なモンでも食ったか?」
「ノリがいいのは君の長所だけれど、こればかりは冗談にして笑えない」
「そんなこと聞いてみないとわかんねーだろー。なんだよ、話してみろよ」
「ん…何て説明したらいいか……」
「ざっくりで頼むな。俺バカだからあんま難しいこと言われても困るし」
「いま、僕らのしている会話はシナリオなんだ」
「すまん。あんまりザックリすぎても、それはそれでわかんねぇ」
「ルールが決まっているんだ。僕と君は、予め決められた目的の為だけに存在し、会話をしている」
「意味わかんねーんだけど……えーと。お前、どっかの変な電波でも受信したのか」
「義務なんだ。僕が君に話しかけるのも、君が僕に応えるのも」
「はぁ?」
「単純なこと。僕も君も、用意された登場人物で、目的を成立させる為に此処に居る」
「にしては、俺にはそんな実感これっぽっちもねーぞ」
「たしかにそうだね。それは僕も同じだ。だからこそ、僕らはちっぽけな存在で」
「てか、難しすぎて俺にはサッパリ……ま、でもよかったじゃん」
「よかったって……なにが」
「みーんな最初から決まってるんだろ?お前の話だと、俺がいるのもお前がいるのも、喋るのもぜーんぶ」
「のんきに言うんだね、随分と」
「ただ単に俺がバカなだけだ。お前もそんなめんどくせーことで悩むなって」
「め、面倒くさい事って……」
「だからさ、最初から決まってるお前の話し相手が俺でよかったじゃんって、俺は言ってんの」
「けっこう……君って、無意味に自信家だよね……」
「なんだとー!?なんだよそのため息!」
「ノリに他人を巻き込めるのも君の長所だ。……うん、そうだね。君で良かった」
「? なんかわかんねーけど、やっと笑ったな。お前には笑顔の方が似合うぞ」

491 :風と木の名無しさん:2010/08/24(火) 23:05:53 ID:1WevzdnZO
いろんな解釈ができるお題なのでどうなるかと思ったけど萌えました
包容力キャラいいよー
お相手と出会った以上は幸せになってくれ
GJでした

492 :風と木の名無しさん:2010/08/25(水) 01:07:03 ID:dehKKxEkO
たっかんしてるキャラと
てんねん呑気
おもしろす
つかお題の活かし方が独特ね

493 :風と木の名無しさん:2010/08/25(水) 01:45:43 ID:mmbmArb50
たしかにメタだw
てか最初お題見たとき、難しそうなのが来たなーって思ったから
よくこういうの考えつくなあと素直に感心した。
みんなこれ読んで色んな感想持つんだろうけど、自分は
すこし切ない感じがしたなあ。何か胸がきゅってなった。
ごまかしというか仮初め?架空?の幸せ、って雰囲気に切な萌えが止まらないよ。
いいメタフィクションをありがとうGJ!

494 :風と木の名無しさん:2010/08/25(水) 18:12:15 ID:SKF0t+G20
なんか最近ながれが多かったけど、やっと!
がんばって書いてくれている人に感謝。お題が
レベル高かったけど、うまくまとまっていて、
にやけてしまうぐらいのできだった。
ふたりとも幸せになって欲しいと切に願う
いつもはあまり感想とか書かないけど、この作品は、
たのしかったです、GJ!

495 :風と木の名無しさん:2010/08/25(水) 23:35:18 ID:88Exe8ed0
感想の長さに違和感を覚えて、やっと気づいたw
どうやったら、こんなの思いつくんだ。
うなってしまうレベルでした。
しあわせな結末を迎えられると思います、彼らなら。
たのしめました。GJ!

496 :風と木の名無しさん:2010/08/25(水) 23:46:00 ID:rd5LJcxX0
これは純粋に面白いな。乙です
>>492-494もうめえw

497 :風と木の名無しさん:2010/08/26(木) 01:02:24 ID:CKd+Nc3j0
最初に思いついて書いた*0は言わずもがな
それに気づいた上で感想にも仕込む人達に軽く感動した

*8どうぞ

498 :風と木の名無しさん:2010/08/26(木) 01:33:38 ID:rwJd8I9gO
踏めばいーよ

499 :風と木の名無しさん:2010/08/26(木) 01:34:12 ID:9lRYt7bS0
女の子が大好きです

500 :1/2:2010/08/26(木) 19:00:42 ID:1C3o90id0
「決めた、俺やっぱ彼女作るわ」
騒がしい昼休みの食堂。向かいに座る林に井上はそう宣言した。
「なにを言ってるんですか井上さん…既に僕と付き合ってるくせに」
後半は小声でそう続ける林の落ちついた態度が井上には余計にしゃくに障った。
―俺が折角衝撃の告白してるんだから、少しは驚けよ
そういう態度だから俺も女の子と付き合いたくなるんだよ

「うるさい。それは何かの間違いだ、そもそも俺別に男好きなわけじゃないし」
「僕も男好きじゃないですよ井上さんだから好きです」
「あ…今はそういう話はしてないだろ」
「はいはい」
「ほら、純情可憐な女の子と付き合う方が絶対楽しいし」
「僕は井上さんと付き合うまでに何人か女性とお付き合いしましたけど
素直とか純情な女の子なんて都市伝説でしたよ。井上さんの方がよっぽど可愛い」
お前はどさくさにまぎれて何を言ってるんだ。
「じゃなくて!俺は男の固い胸よりも、揉みがいのあるぷるるんと大きな胸が好きだ!女の子が大好きです!」
「はいはい、井上さんの髪も柔らかくてさわさわで撫でがいがありますよ」
「だからー!はぐらかすなよ」
「はいはい」

501 :2/2:2010/08/26(木) 19:01:27 ID:1C3o90id0
「お前と会うまでは普通に女の子と付き合ってたし」
「あー半年周期でふられてましたよね」
「そうそう…なんでお前知ってんの?」
「見てましたから」
「ストーカー!?」
「違います。ほら俺達高校も同じだったんですよ」
「知ってる。お前が高校入学した時から知ってた」
「ストーカーですか?」
「ちげぇよ、にこやかに聞くな。ただちょっと男にしては美人な奴だなーって見てて。
まさか中身がこんな奴だとは当時思いもしなかったけど」
「有難うございます」
「ほめてない。それで当時付き合ってた彼女に浮気疑われて、ふられて…」
「なるほど、それを高校卒業まで繰り返していたわけですね」
「そうそう、俺が女の子と付き合えないのは全部お前のせいなんだよ」
「じゃあいいじゃないですか、俺達は出逢って惹かれあうのが運命だったんですよ」
「えっ…そうなのか?」
「そうですよ。だって井上さんも、僕のこと好きでしょ?」
「す、好きだけど…」
「じゃあいいじゃないですか。これからもよろしくお願いします」
「あ、うん」
「ああ、井上さん…そろそろデザート取りに行ったらどうですか?無くなっちゃいますよ」
「そうだった…俺バナナ味にするけど、お前イチゴでいい?」
「はい、お願いします」

林の返事を聴くと、井上はそそくさと席を立ってカウンターへと駆け出していく。
その後ろ姿を見送りながら林は呟いた。
「…そもそもこんなこと人がいっぱいいるところで語りだしたらそりゃ彼女もできないよね」
林が後ろを見渡すと、2人が座っていたテーブルを遠巻きに見守っていた女子の集団が慌てて目を反らした。
こそこそと何を話しているのかは聞き耳を立てなくてもわかる。
「井上さん、ほら言ったでしょ。純情な女の子なんて都市伝説ですよって」

502 :風と木の名無しさん:2010/08/26(木) 23:33:36 ID:U6PpR+KlO
最後ww公衆の面前www
ツンデレ先輩と全部お見通しな後輩いいな!GJ!

503 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 10:08:02 ID:ABOj8Raz0
林は本当に井上の事好きだなw

504 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 14:13:15 ID:i82brEyPO
もう終始ニヤニヤしっぱなしだったw
ラブラブだなぁ二人とも

505 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 14:43:10 ID:9LFOqsA+0
周りの女子の反応がいいねw
GJ

506 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 14:47:54 ID:Ukh9GgVwO
締め方がいいなぁ。GJ!

507 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 21:48:08 ID:HqhNj49pO
イチャイチャって表現が似合う二人だなwGJ!

508 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 23:31:17 ID:e6Vyul7lO
じゃあいってみる?

509 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 23:33:10 ID:6XrM78wlO
一夜だけ

510 :風と木の名無しさん:2010/08/27(金) 23:33:42 ID:/Fxmn8q70
ワールドカップで日本が優勝したら

511 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 07:38:27 ID:N3rMDyooO
お流れ

512 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 10:29:55 ID:4PWxSY8+O
まわし〜

513 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 10:32:30 ID:WevtTmh70
まとめには来てたけどねえ
踏み逃げはいかんな

514 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 10:57:59 ID:Vr29hSX3O
*9を取る人は自分が書くことになる覚悟で踏めばいいのにまわし

515 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 13:58:14 ID:qJmLLiOxO
まわし

516 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 15:04:13 ID:9fivS2ju0
踏み逃げ駄目!絶対!まわし

517 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 20:57:26 ID:nnm4jdIVO
次に期待まわし

518 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 21:18:01 ID:k+Xb7JiU0
遠慮なく踏むが良い

519 :風と木の名無しさん:2010/08/29(日) 21:19:35 ID:+E2b/kkOO
強くて冷静な配下×最強の武将

520 :1:2010/08/30(月) 02:49:14 ID:IIzH5klZO
たぎったので、語ります。


・最強さんは、あまり身分の高い生まれではなく、給料が良いとかの理由で兵士に志願。
独学と経験で、着実に地位を上げてきた。

・一方で冷静配下は、家が代々指導者とか、指揮官を生み出してきた家系に生まれ、幼い頃から英才教育を受けてきた。
そして、親のコネで、あまり危険がない部署に配属され、そこそこ良さげな地位に納まる。

・ある日、ほとんど顔を合わせた事のない二人が、偶然戦場で共闘する事になった。
互いに異なる戦略と部下に対する考え方に、その時は二人とも、馬が合わないと思い苦手意識が生まれたのだが、なんの縁か、度々共闘作業が増え、二人も徐々に、互いの事を認め始めていた。

・そんなある日、冷静配下が、自分の部下の裏切りによりピンチを迎える。
絶望的な状況の中、最強さんが無謀を承知で彼を助けに現れた。
何故彼がと思いながらも、冷静配下は最強さんが自分を助けに来てくれた嬉しさと安堵から、みごとに戦況をひっくり返した。

・その鮮やかな手並みに、最強さんも驚きと興奮、そして尊敬の念を隠せないでいた。
だが、冷静配下さんに刺客の手が伸びている事に気付いた彼は、体の一部を失いながらも、冷静配下さんを守る事に成功した。

521 :2:2010/08/30(月) 03:17:24 ID:IIzH5klZO

続き

・一方、最強さんが、自分を庇って体を欠損させた事に責任を感じた冷静配下は、彼の部隊に異動し、甲斐甲斐しく世話をするようになった。

・最強さんは、戸惑いつつも、冷静配下の心を汲んで、照れくさいながらも彼の好きなようにさせていた。
そして最強さんは、冷静配下さんの足を引っ張る事の無いよう、更に武術を磨き、本当に一部を欠損しているのか、と周囲を唸らせるような力の持ち主になった。

・冷静さんは冷静さんで、彼がその力を存分に発揮出来るよう、広い視野と明晰な頭脳を駆使し、徹底的に彼のサポートに回った。
勿論、冷静配下も最強さんの足手まといは嫌なので、部下に内緒で、最強さんに特訓して貰っていたりする。

・いつしか二人は、その国で知らぬ者は居ないと言うほどの存在になった。
子供は二人に憧れて、彼らのようになる事を夢見、大人は兵士を志願するものがあとをたたなかった。



みたいな華々しい活躍の裏で、みんなに慕われる最強さんにイライラする配下さんや、妙に女性にモテる配下さんにハラハラしたりする二人を観察したい。

522 :風と木の名無しさん:2010/08/30(月) 05:32:58 ID:4zHzN201O
こういう形式のやつもあるんだ〜と新鮮だった
GJ


523 :風と木の名無しさん:2010/08/30(月) 19:36:18 ID:3hr6A9kAO
>>520>>521
発想が新鮮でたぎった!!
この小説どこに売ってるんですか?ww
GJでした。

524 :風と木の名無しさん:2010/08/31(火) 00:44:07 ID:ictaNYjCO
死ぬほど萌えた……!!

とりあえずいつ発売ですか?

525 :風と木の名無しさん:2010/08/31(火) 17:25:51 ID:sP42pYT/0
ナイス萌え語り!GJ!
最後の1行にもまるっと同意。観察したいよね。

526 :風と木の名無しさん:2010/09/01(水) 09:42:16 ID:t+PMOTMqO
こういう二人がストライクど真ん中です。
萌え燃えGJ!

527 :風と木の名無しさん:2010/09/01(水) 14:35:49 ID:ONswECtRO
そろそろいってみる?

528 :風と木の名無しさん:2010/09/01(水) 14:45:05 ID:2NAu5uDI0
俺お前になら踏まれてもいーよ

529 :風と木の名無しさん:2010/09/01(水) 15:22:40 ID:VNrzdGLuO
夏休みの宿題が終わらない

530 :1/2:2010/09/02(木) 00:01:35 ID:t+PMOTMqO
「よっしゃあ英語終わった!」
「見せて――よし、ちゃんと所々間違えてる。じゃあ次は数学だね、はい」
「えー!? ちょっとは休みたいんですけどー」
「え? どこぞの馬鹿の読書感想文をゼロから書かされてる僕の目の前で、
単純な書き写し作業しかやってない君がどうしたいって?」
「や、何でもないっすスミマセン……」
「全く、どうしてここまで溜め込めたんだよ。
最初から期限に間に合わせる気がなかったとしか思えない」
「いや、そんなつもりはゃなかったよ?
ただ、お前と海行ったり花火やったりしてたら楽しすぎて忘れてたっていうか」
「なっ――人を言い訳に使うなよ。それを言うなら僕だって条件は一緒だ」
「ですよねー……けど手伝ってもらえてホント有難いわ。マジ感謝、マジ愛してる」
「気持ち悪いこと言うな馬鹿、僕は君なんか――はぁ」
「ん? どした? 疲れたなら休めよ?」
「いや……本当は、僕もまだ一つ、終わってない宿題があるんだ」
「え、ウソ!? マジで? なんで?」
「夏休みの前に、休み中に絶対やらなきゃって決めてた。やる機会もいっぱいあった。
けど、どうしても手を出せないまま、ズルズル時間が経って……
今は正直、もうできな

531 :2/2:2010/09/02(木) 00:05:07 ID:SzU59/NtO
「――お前、それはズルいぞ」
「!?」
「俺がこんなに――まあほとんどお前に頼ってるけど――必死になってる目の前で、
お前は無理でしたできませんって逃げるって言うのかよ?」
「それは……」
「そりゃ俺だってぶっちゃけ今も挫けそうだよ。
けど、お前が頑張れって言って、お前も頑張ってくれてるから頑張ってんだよ。
だから俺もお前を応援する、つーかもう読書感想文もちゃんと自分で書くから、
お前はお前のやらなきゃいけないことを諦めずにやってみろよ!」
「……そうだね、君にそこまで言われたら、頑張らないわけにはいかないな。ありがとう
――よし、やる気も出てきたことだし、後1時間で残り全部終わらせよう」
「はぁ!? いくらなんでも無理だろそれ」
「話さなきゃいけないことがあるんだ、このままのペースでやってたら君寝ちゃうだろ」
「いやそうかもしれないけどさ、それよりお前は自分の宿題やれよ。
つーかお前が終わらせてない宿題なんかあったっけ……?」
「それも含めて話すから。ほらペース上げてくよ、手動かして」


532 :1:2010/09/02(木) 00:11:54 ID:zDAZPzsnQ
「やべえ、提出出来ねー」
「は?宿題は僕が教えてあげたでしょ。何が残ってるの」
「一行日記」
「…はあ?書くネタならあるだろ」
「んなあからさまに見下した目すんな」
「夏祭りも植物観察も図書館も海も、そう不足しなかった筈だけど」
「いやネタ不足って言うか…そもそも完成してない訳じゃねえよ、毎日つけてたし」
「余計意味分かんない。」


533 :2:2010/09/02(木) 00:12:47 ID:zDAZPzsnQ
「いや、あのな。夏祭りも海も森も図書館も全部、お前と一緒に行ったろ」
「だから?」
「だから、今見直したら俺の日記は、お前と〜した、ばっかなわけ。」
「ふぅん。…で?」
「え、『で?』って」
「提出出来ない理由」
「だって彼女とかいないのまるわかりだろー?カッコ悪いじゃん」
「…君は不満なの」
「へ」
「君は不満なの、夏休みの大半を僕と過ごしたのが」
「まあそりゃ、俺もお年頃だか…ん?」
「何」
「いや、俺…不満じゃ、ない…っぽいかも。寧ろかなり満足してる、気がする?」
「ならいいでしょ」
「え、あ、そうか?うん、ならいいや」


534 :風と木の名無しさん:2010/09/02(木) 00:14:08 ID:zDAZPzsnQ
うわ、リロってなかった!
ごめんなさい!

535 :風と木の名無しさん:2010/09/02(木) 00:51:32 ID:GCLQIWCZO
どっちも萌えたからニアミスでもなんでもいいや
タイムリーなお題出した9も含めてGJ

536 :風と木の名無しさん:2010/09/02(木) 12:53:00 ID:Avm27/L10
どっちも良かったよ
面倒なのに携帯からありがと

537 :風と木の名無しさん:2010/09/02(木) 16:29:31 ID:H2enh3350
どっちもGJ!
普通に続けて読んでて米読んでから気付いたwww

538 :風と木の名無しさん:2010/09/02(木) 20:45:24 ID:4UkLfIlOO
同じく普通に続いてるのかと思ってたw
どっちも可愛いかったですGJ
二作も読めてお得だったよ

では、踏んでください

539 :風と木の名無しさん:2010/09/02(木) 20:55:45 ID:ZAIixXp/O
実は男だった

540 :風と木の名無しさん:2010/09/03(金) 00:57:46 ID:nRBy+TNJ0
「……何を言っているんだお前は」
「ほ、本当なんだって!今まで言えなかったけど俺本当に男なの!」

信じろ!と泣きそうな顔で俺の肩を揺らすコイツはどう見ても女にしか見えない。
短いが柔らかく触り心地のいい髪、スカートを着ても疑う事も無かった足。
声は、まあ多少女にしては低く重圧があると思ってはいたが
少なくとも大学入学直後から3年経った現在まで、コイツを男と感じる部分は一度も無かった。

突然呼び出されて何用かと思えば、信じがたいカミングアウトが待っていた。
それも「俺、男なんだけど女の子になりたいんだ……」のパターンではなく
延々と男だから信じろ!と懇願されるとは思ってもいなかった。

「……一つ聞いていいか?」
「何だ!?何でも答えるぞ!」
「百歩譲って、お前が男なのは認めるとしよう。ならば何故今の今までそれを言わなかった」

そうだ。女の子になりたい男の娘じゃなければ、この3年間女を演じ続けていた利点が見当たらない。
見た所、女装癖があるとも思わない。兄弟を女の子にしたいと思う姉妹もいない。
そもそもコイツは一人っ子のはずだ。
わざわざその足で服を買いに行っていたのだと思うと、好きでもないのに女装をしていた経緯が見えなかった。

いざ言われてみれば、男らしい所は多々あるように感じる。
いつも長袖で隠していた手は、よく見れば男性特有の堅い甲を持っている。
中性的ではあるが、それでも男か女かと言われれば男と答える位はっきりとした顔立ちをしている。
これら全て、初対面で既に女であるという認識をしていたから感じなかった部分なんだろう。
先入観とは恐ろしい物だ。

541 :2/5 レス数表示忘れてました:2010/09/03(金) 00:59:46 ID:nRBy+TNJ0
意地の悪いプライドが邪魔して平然を装ってはいるが、正直俺自身混乱している。
気兼ねなく話せる女友達が突然「俺は男」と宣言されて混乱しない奴はまずいないだろう。
目の前で困ったようにうろたえるコイツと同じ様に俺もうろたえたい位だ。

どう答えようかと考えているんだろう。眉間に皺を寄せて俯いていたソイツは暫くの間そうしていた。
そして唐突に、まるで決断したかのような目をして俺に向き合い、頬を赤く染めながらはっきりと口にした。

「俺、お前が好きだったんだ。つーか、一目惚れだったの!」
「はぁ?」
「最後まで聞け!文句はそれから聞くから!」

こうも押し切られては何も言えなくなるもので、俺は大人しく話を聞く事にした。

「入試の時さ、俺、参考書忘れて……覚えてないかな、お前から参考書借りたの」
「ああ……あれお前だったのか」

覚えがある。入試の時、俺と同じ教室の男が落ち込んだ様子で廊下に立っていた事を。
緊張とも思えず声をかけると参考書を忘れた、どうしようと焦った顔して言われたな。
その日の試験が終わった後、泣きそうな顔で何度もありがとうと言う姿を思い出した。

「それですっげーいい人だなーって思って、で、格好いいなーとも思って……」
「……」
「だから合格した時、嬉しかったんだけど。それだけじゃなくて、ちゃんとお前に会ってお礼しようと思って……。
でもその時はまだ付き合いたいとか、キスしたいとか、そんなんじゃなくて……いや、俺何言ってんだ…」

脈絡のない、たどたどしく、時々考えるように言葉を詰まらせるコイツの話をただ黙って聞いていた。

「でさ、女装は友達との罰ゲームだったんだ。入学式一日だけ女装って言われて。
すっげー嫌だし恥ずかしいって思ってたんだけど、どうせ一日だけだからいいと思ってたら……」

542 :3/5:2010/09/03(金) 01:02:24 ID:nRBy+TNJ0
入学式、一人集合場所が分からず迷っているコイツを俺が見つけた。
今思えば、入試のときと同じ様な焦った顔をしていたように思う。

「嬉しかったんだ。また会えた!って。で、嫌でもあったんだ。
だって、女装癖のある男なんて思われたら嫌だし、気持ち悪いって思われたらショックだったから」
「……」
「気持ち悪いって思われて、嫌われるくらいなら女のままでいようって…………」

一瞬顔を歪めて、息を飲み込んだ。
先程より目から反射される光が増して来たように感じる。

「で、でも、女としてお前といて、やっぱすげー優しくて、すげー格好よくて。
でもそれは女としての俺で、男としての俺にはきっとここまで優しくないんだろうなって思って」

声が上擦って来ている。入試の時に俺に向けて言った声に凄く似ていた。

「そうしていく内に段々本当に好きになって、4年になったら俺もお前ももっと忙しくなって
今よりもっと会えなくなるから、どうせなら今本当の事を言おうと思って……」

とうとう溢れ出した涙がコイツの頬を伝う。
それでも、一度も俺から目を逸らさずに本当の事を言い切ったコイツを俺は嫌いになれなかった。
気持ち悪い、理解出来ないとは思うけれどそれはあくまで結果論。
そこに行き着くまでの過程を聞いてしまえば、そんなものはもう感じなくなっていた。

「つまり本当は男のお前は俺が好きで、付き合ったりキスしたいと思っている訳と」
「ち、違う!好きだけど付き合うとかそういうのは、うっかりっつーか、間違えたっつーか」
「したくないのか?」

涙で濡れた顔を真っ赤にして否定していたコイツは、俺の言葉に口を開いていた。

543 :4/5:2010/09/03(金) 01:03:04 ID:nRBy+TNJ0
「気持ち悪くないのか?嫌じゃないのか?」
「女装をするお前は気持ち悪いし嫌だ。正直、女装癖だけだったら股間にあるそれをもげって言いたい所だ」
「……なんだよそれ」

困惑するコイツの身体を引き寄せる。
初めて抱きしめた身体はやはり堅い。どう考えても男の身体そのものだった。

「そういう過程で女装をすることになったなら仕方ない。ある意味俺にも責任があるみたいだしな」
「え、いや、何言って」
「振られる嫌われる前提で言ったと思うが、残念な事にここまでの話を聞いて俺はお前に嫌悪感を抱いていない」
「でも俺男!もう女じゃないって!」

近距離で騒がれては堪ったものではない。
うるさいの言葉の代わりにキスで塞ぐと、数秒硬直した後抵抗を始めた。
だが抵抗はあくまで形式だけのものに近い。
本気で逃げようと思えばいつでも逃げれる位弱く抱きしめているのに
コイツは駄々を捏ねる子供のような抵抗しかしなかった。
唇を解放すれば、期待と不安を抱いた目で俺を見ていた。

544 :5/5:2010/09/03(金) 01:03:38 ID:nRBy+TNJ0
「ホモとかゲイとか言われるぞ…」
「構わん。抵抗も嫌悪も無い。自分から言い出したくせに、もう怖じ気づいたか?」
「そんな事ない!」
「じゃあ問題ないだろ?お前は実は男で、俺が好き。それだけじゃないか」

流石に外でいつまでも抱き合うのはあまり宜しい事ではない。
抱きしめていた腕を解くと、コイツは残念そうに俺の腕から離れて行った。

「……お前は、男としての俺の事どう思ってるんだよ」

どう思っているのか。正直な所『わからない』が答えだったりする。
男としてのコイツは嫌いじゃない。ただ、あまりにも異性として接していた時間が長過ぎた。
女としてのコイツは好きだった。出来ることなら付き合いたいくらい好きだったように思う。
だが今の瞬間、好きだった女は実は男である事実を突きつけられたが、それに対して不快感はなかった。
本当の事を聞いた時も、抱きしめた時も、キスをした時も嫌だとは思わなかった。
けれど、これが好きだからで片付けられるものなのか。今は未だ判断がつかない。

「……さあな」
「なんだよそれ!人が一世一代の告白をしたっつーのに!」
「さぞ辛かっただろうな、3年間女装していた事をカミングアウトするのは」
「分かってんなら本当の事言えよ!俺ばっかでお前ずりぃよ!」
「ははは、泣いたら腹減っただろ?飯食いに行くか」
「話逸らすな馬鹿!」

ただ一つだけ言えるのは、女のコイツにも男のコイツにも同じ位、惹かれているという事だけだった。

545 :風と木の名無しさん:2010/09/03(金) 01:47:59 ID:gkfT4uEWO
GJ!
いつの間にかゾッコンラブになってますよーに。

546 :風と木の名無しさん:2010/09/03(金) 09:51:44 ID:0/tCVtqiO
長編うれしい!ほくほく♪
ラブラブ編も読みたくなりました!
GJ!

547 :風と木の名無しさん:2010/09/03(金) 12:46:33 ID:4eCwCDd30
最初見た時、またかぶったのかな?と思ったよw
レス番があって良かった
長編すごい!GJ

548 :風と木の名無しさん:2010/09/03(金) 15:47:17 ID:YyuLP+CBO
踏まれたい そんな気分です

549 :風と木の名無しさん:2010/09/03(金) 15:47:46 ID:TtoisZcU0
貴方が優しいから僕は寂しい

550 :1/3:2010/09/04(土) 16:00:33 ID:Wt4yMpxC0
それから颯太は、ありとあらゆる「親戚に家」を歩き回った。
長くて半年。それを過ぎると、大抵の場合は次の家へと引き渡された。
両親にさえ望まれた存在ではなかった颯太が親戚の間でも鼻摘みもので
厄介ものであることは至極当然のこと。結局のところ、まともな引き取り手に
巡り会えないまま颯太は十五歳になった。
その十年の間、ありとあらゆる、本当に血縁関係があるのかも定かでない
遠縁の遠縁にまでもたらいまわしにされ尽くし、ようやく行き着いたのが、
この『藍田さん』の家なのだ。
藍田は三十七歳で独身、背の高い優しげな顔をした男だ。
颯太にはよく判らなかったが、なにやら絵を描いて生活費を稼いでいるようだ。
いわゆる画家というやつで、それなりに売れているらしい。
が、毎回のように藍田の絵を描く後ろ姿を見つめている颯太だが、
一度たりとも彼の感性を理解できたためしががない。

「藍田さん」
「ん、なに? 教科書代?」
藍田は絵の具のついた顔で振り返り、そう聞いた。
アトリエは絵の具臭く、颯太はあまりこの空間が好きではなかった。
そもそも藍田が絵に没頭することは、すなわち彼の世界から颯太の存在が
消えうせることを意味していた。
颯太が声を掛けなければ、藍田は彼の存在を完全に消失させて
絵に取り組む。颯太はそんな理由からも、このアトリエが好きでなかったのだ。
「違うよ」
颯太は首を横に振る。
藍田はいつも優しかった。颯太の育った環境を配慮してなのか、
とにかく優しくしてくれた。食事もまともにくれるし、話しかけてもくれる。
なによりも、颯太を邪険にしないし、高校の授業料も嫌がらずに出してくれた。
神か仏かと一年前には思ったものだが、今はそれが少し苦しくもあった。
颯太と藍田は対等でない。それが辛く、寂しい。

551 :1/3:2010/09/04(土) 16:08:43 ID:Wt4yMpxC0
コピペミスしました!上記1/3は無視してください。
無駄に書き込んでしまってすみませんでした。

実に単純で、判りやすい話だ。
颯太の母は浮気をして彼を身篭った。どこの馬の骨とも判らぬ男の子供。
もしかした、行きずりの相手だったのかもしれない。
息子である颯太から見ても、母はお世辞にも貞淑とは言いがたく、
どちらかといえばだらしのない女性だった。
そんな母を嫌った父は、ある日の朝、姿を消したのだ。
それを幸いに母は、今まで以上に男遊びに励み、そしてある日、
颯太の父とはまた別の、新しい彼氏とよろしくやるために、
まだ幼い彼を捨ててどこかへ姿を消したのである。
それから颯太は、ありとあらゆる「親戚に家」を歩き回った。
長くて半年。それを過ぎると、大抵の場合は次の家へと引き渡された。
両親にさえ望まれた存在ではなかった颯太が親戚の間でも鼻摘みもので
厄介ものであることは至極当然のこと。結局のところ、まともな引き取り手に
巡り会えないまま颯太は十五歳になった。
その十年の間、ありとあらゆる、本当に血縁関係があるのかも定かでない
遠縁の遠縁にまでもたらいまわしにされ尽くし、ようやく行き着いたのが、
この『藍田さん』の家なのだ。
藍田は三十七歳で独身、背の高い優しげな顔をした男だ。
颯太にはよく判らなかったが、なにやら絵を描いて生活費を稼いでいるようだ。
いわゆる画家というやつで、それなりに売れているらしい。
が、毎回のように藍田の絵を描く後ろ姿を見つめている颯太だが、
一度たりとも彼の感性を理解できたためしががない。

552 :2/3:2010/09/04(土) 16:10:48 ID:Wt4yMpxC0
「藍田さん」
「ん、なに? 教科書代?」
藍田は絵の具のついた顔で振り返り、そう聞いた。
アトリエは絵の具臭く、颯太はあまりこの空間が好きではなかった。
そもそも藍田が絵に没頭することは、すなわち彼の世界から颯太の存在が
消えうせることを意味していた。
颯太が声を掛けなければ、藍田は彼の存在を完全に消失させて
絵に取り組む。颯太はそんな理由からも、このアトリエが好きでなかったのだ。
「違うよ」
颯太は首を横に振る。
藍田はいつも優しかった。颯太の育った環境を配慮してなのか、
とにかく優しくしてくれた。食事もまともにくれるし、話しかけてもくれる。
なによりも、颯太を邪険にしないし、高校の授業料も嫌がらずに出してくれた。
神か仏かと一年前には思ったものだが、今はそれが少し苦しくもあった。
颯太と藍田は対等でない。それが辛く、寂しい。
藍田の背中に顔をうずめ、匂いをかぐ。
「どうしたの? なにか嫌なことでもあった?」
藍田は「颯太は時々子供みたいだね」といいつつも、されるがままでいる。
筆を止め、完全に振り返ると颯太を胸に抱きこみ、あやすように頭を撫でた。
颯太が藍田に告白をしたのは、ふた月前のこと。
驚いた顔をしながらも、藍田はOKしてくれた。
が、彼が一体どういうつもりで快い返事をくれたのかが、颯太には判らなかった。
それらしい触れ合いはなかったし、今までの関係に飛びぬけた変化が訪れることもなかった。
せいぜいこうして、抱きしめてくれるようになったくらいだ。
二人の関係は、ほとんど変わらないままなのだ。
藍田は優しい。颯太が望んだことは何でもしてくれる。ちょっとした我侭だって
微笑みながら聞いてくれる。
では颯太の告白に応えたのは――?
いや、本当は判っているのだ。理解したくないだけで、颯太は充分に判っていた。
哀れみ? 同情? それとも、颯太の不幸を知って無下にはできなかった?
不安が頭の中に広がっていく。

553 :3/3:2010/09/04(土) 16:13:45 ID:Wt4yMpxC0
「藍田さん、僕のこと好き?」
「好きだよ?」
「――どういう風に?」
「どういう風に……って」
顔を持ち上げると、藍田が耳朶を弄る姿が目に留まる。
それは、藍田が困ったときに出すクセ。
つまり、そういうことなのだ。
颯太の気持ちに応えたのは、愛情ではなくおそらく同情だ。
颯太だって馬鹿ではない。それくらいは判っていた。だけど認めたくなかった。
二人の関係は決して対等ではなく、藍田にとって颯太は庇護すべき存在で、
間違っても性的な手出しをすべき相手ではないと。
藍田は颯太の告白を、愛情ではなく家族愛の延長と捉えたのだろう。
一時的な感情に違いないと、そう考えたに違いないのだ。
それでも告白を受け止めたのは「可哀想」な颯太に同情をしたから。
颯太には、それがひどく寂しい。藍田は、きっとこの家に来たのが颯太ではない別の
誰かでも告白には応えただろう。藍田とは、そういう男なのだ。
とても優しくて、とても慈悲深い。でも残酷な、そういう人だ。
「――ごめんね。なんでもない。仕事頑張って」
「颯太?」
呼び声には応えず、颯太は静かにアトリエから出た。
あと二年。あと二年経ったら大人になれる。充分に一人で生活をしていける年齢に颯太はなる。
そうしたら、この家を出よう。藍田にこれ以上、甘えてはいけない。
せめて、藍田を縛り付けることがないようにしなくてはならない。
だから、早く大人になろう。そうすれば、こんなに寂しい気持ちにならずすむだろうから。
颯太は十年そうしてきたように深呼吸を繰り返した。
そうすると、自然と涙が引っ込むのだ。

「あんなに優しくなかったら、寂しくならずにすんだのに」
誰に聞かせるともない呟きは、冷たい廊下に静かに落ちた。
----------------------------------------
しかも24時間経過してました。色々すみませんでした……。

554 :風と木の名無しさん:2010/09/04(土) 16:30:37 ID:aR8zSnv00
個人的にはGJなんだけど、こういう場合はどーなるんだろ
規制で別館に来てたから、別館が優先かな
これは別館の方に転載しておけば大丈夫じゃないのかな?
また投下待ってるね

555 :風と木の名無しさん:2010/09/04(土) 16:35:06 ID:9DY08aDrO
ミスは許容範囲内かと。頑張って投下してくれたんだし。

つーか年の差イイ!颯太カワエエ…GJでした!

556 :風と木の名無しさん:2010/09/04(土) 20:18:39 ID:d1WPw8li0
>>554
今回は24時間経過で無効(+別館で本人が収録辞退)だから
まとめに収録されるのは0以外投下だけだけど
普通は、投下時間に関係なく本スレに投下されたものが正
規制だろうがなんだろうが0以外投下は■扱いですよ。
これまでもそうだった

>>555
ルール違反はルール違反。許容範囲って何?
554が誘導かけてるのにあなたのその言い草のせいで
まとめで文句が出て、それを見た550さんが
「私のせいで不愉快にさせてごめんなさい」と謝ってたじゃないか
これだから携帯は

557 :風と木の名無しさん:2010/09/05(日) 07:59:43 ID:PAD7HCrKO
まあまあ

投下自体はありがたかったし、ちゃんとミスしてごめんなさいってあって、
嫌な感じはなかったので、辞退になっちゃって残念

また萌えたらお願いします

558 :風と木の名無しさん:2010/09/05(日) 12:00:54 ID:s+BAWS6mO
そして踏み台

559 :風と木の名無しさん:2010/09/05(日) 12:12:44 ID:eLlucFiKO
こんな筈じゃ無かったのに

560 :1/2:2010/09/05(日) 19:24:02 ID:xP99YWmH0
2年ぶりにあいつとすれ違ったのは雨の日の夕暮れだった。
背の高い見知らぬ男と傘をさして寄り添い歩くその様子がとても幸せそうだったから
あいつの方はおそらく俺には気付いていなかっただろう
そのまま角を曲がって行く2人の後ろ姿を見つめながら、そうであって欲しいと俺は痛切に願った。

2年前の中学時代、俺は大切な友人を傷つけた。
「君のことが好きなんだ」
オドオドしながらも、はっきりと告げるその声
気の弱いあいつにとってこの告白がどれほどの勇気を振り絞っているのかが
空気を通して痛いほどに伝わってきていた。
夏も終わろうという季節
蝉の声が途切れることなく空に溶けていく
温い空気と頬に伝った汗の雫の冷たい感触が妙に生々しく今も記憶に残っている。
「笑えない冗談はよせよ」
俺の口から出たのはひどい拒絶の言葉だった。
気持ち悪い、吐き捨てるようにそう続けた俺はそう言いながらもあいつの目を
見ることができなかった。
深く傷ついたであろうあいつの表情を見ることがひどく怖かったのだ。
子どもじみた勝手な理由だった、傷つけたのは他でもない俺自身の心無い言葉なのに
そのまま何も言わない俺の様子に耐えきれなかったのだろう
「変なこと言って、ごめん」
絞り出すような声と共に背を向けて駆け出して行ったあいつは、次の日から学校で会っても
俺を避けるようになっていた。
臆病で大人しい性質のあいつにはそれ以外に自分を守る術がなかったのだろう
俺も気まずさが先だって謝ることも出来ず、あいつに話しかけることすらできなくなっていた。
そんな泥沼の日々が続き、俺達の仲は修復されることの無いまま卒業の日を迎えた。
進学した高校が別々だったこともあり、俺とあいつの縁はそれっきり途切れてしまった。

561 :2/2:2010/09/05(日) 19:24:34 ID:xP99YWmH0
それから高校で彼女を作ったりもしたけど、どうしても本気になれずに別れてしまった。
友人もたくさんできたけど、あいつ以上に思える友人はいなかった。
友人達と騒ぎながらも、ふと寂しくなると思い出すのはあいつのことばかりだ。
俺があんな態度をとらなかれば今もあいつと付き合いが続いていたのだろうか?

そんな折だった、あいつが俺とすれ違ったのは
こんな筈じゃ無かった
お前とはもっとずっと一緒にいたかったんだ。

――俺もお前が好きだよ

本当のことを言っていたら、今お前の隣にいるのは俺だったんだろうか

お前と両想いになれたらいいと、ずっと思っていたのに
お前と恋人同士になれたら、いろんなところに遊びに行って朝まで一緒に過ごしたい
そう夢想したのも一度や二度ではなかったはずなのに、俺はそれを現実にするだけの勇気がなかったのだ。
いざ告白を受けてみれば、口から出たのは拒絶の言葉だった。
何であんなことを言ってしまったんだろう
2人の関係が決定的に変わってしまうことへの恐れだったのか
同性同士という壁を乗り越えていく自信が無かったのか
今となっては分からない
――臆病だったのはお前じゃなくて俺だったんだ。

こんな筈じゃ無かったのに

そうして俺は、雨に打たれるのも構わずに今はもう誰もいない街角を見つめ続けた。

562 :風と木の名無しさん:2010/09/05(日) 22:57:33 ID:mcxoGMzkO
泣いた。
描写がリアルすぎて本気で胸が苦しい…

GJ…!!

563 :風と木の名無しさん:2010/09/06(月) 10:21:14 ID:Zq9BpKOh0
せつないねえ
GJ

564 :風と木の名無しさん:2010/09/07(火) 11:05:23 ID:ilmI3xkS0
そろそろまわしていい?

565 :風と木の名無しさん:2010/09/07(火) 11:06:40 ID:g0cVSVua0
いいよ…

566 :風と木の名無しさん:2010/09/07(火) 11:31:59 ID:1oYie+J9O
まわし

567 :風と木の名無しさん:2010/09/07(火) 11:46:38 ID:nvcQhuN4O
踏み台さーん!!

568 :風と木の名無しさん:2010/09/07(火) 12:05:40 ID:lbDViWfNO
いいぜ、踏めよ…

569 :風と木の名無しさん:2010/09/07(火) 12:11:55 ID:C0sVxOMPO
大好きだけどさようなら

570 :1/2:2010/09/07(火) 19:43:36 ID:8reo+3yt0
珍しく深く眠っている彼の前髪は、先ほどまでの行為の名残か汗で少し湿っていた。
眉間に皺を寄せた難しい顔で眠っている彼の頬を、起こさないよう、そっと撫でる。
僕より十も年上のくせに、子供のように安心しきった顔で眠る彼を見ていると、自然に顔が綻んだ。と同時に、目尻が濡れる。
喉がひくりと震え、慌てて口元を押さえた。泣いたりなんかしたら、彼を起こしてしまう。
ゆっくり静かに深呼吸をして呼吸を落ち着け、のそりと体を起こして枕元に置いてあった眼鏡を掛ける。
鮮明になった彼の顔をじっと見つめ、溜息を吐いた。

僕がこのひとに告白をしたのは、半年前の事だ。
大学の准教授をしていた彼に一目惚れをして、興味なんかなかった彼の授業を受けては質問をしに通った。
十も年下の学生で、しかも男など相手にされないだろう。
そう思っていても、日に日に募る思いを打ち明けずにはいられなかった。
一年の片思いを経て思いを告げたあの日の事は今でもよく覚えている。
「お前みたいな子供、半年で飽きるだろうな」
彼は鼻で笑いながらそう言い、眉間に皺を寄せたまま僕に手を差し伸べてくれた。
駄目もとだった僕の告白を、受け入れてくれたのだ。

それからはあっという間に時間が過ぎた。
毎日楽しくて幸せで、彼の隣にいるだけで満たされていたのに、信じられないような幸せを次から次に貰った。
携帯電話を持っていなかった僕に、連絡が取れなくて不便だからと彼の持っていた携帯電話を一台持たせてくれた。
訪ねてきた時にいちいち鍵を開けるのが面倒だからと合い鍵をくれた。
それから初めてこの部屋で抱いて貰った夜、泣いてしまった僕に彼が珍しく慌てていたのを思い出す。
僕の頬を優しい手で拭いながら、「痛いなら止める」と言った彼に、痛いのではなく幸せで涙が出るのだと告げるまでに時間が掛かった。
一日ごとに好きだと思う気持ちは増していき、半年が経とうとしている今では最初の頃の何倍にも膨れあがっている。
きっと明日はもっと好きになる。それではいけない。
(半年経ったら、飽きられるんだ)
一緒にいても、いつだって彼がはじめに言った言葉を引きずっていた。半年、半年後には別れを告げられる。その日を待つのが怖かった。

571 :2/2:2010/09/07(火) 19:44:23 ID:8reo+3yt0
明日でちょうど半年。彼から言われるのを待って彼の前でみっともない姿を晒すより、自分から離れることを決めた。

「大好きです。……でも、さよなら」
聞こえるか聞こえないかの声で、口の中で呟いた。
腰に回されていた腕をそっと除け、静かにベッドを降りる。
鞄の中から貰った合い鍵と携帯とを取り出し、枕元に置いた。
床に脱ぎ散らかしていた服を掴む。寝室を出て、リビングでなるべく音を立てないように手早く服を着た。
カーテンの隙間から見える外はまだ暗い。
早く出ないと。早起きの彼が起きる前に。
あとはこの家を出ればおしまいだ。
ここはオートロックになっているから、合い鍵を置いてきてしまった僕にはもう入れない。
よろけながら玄関へ向かい、靴を履く。立ち上がった途端、ぽたりと目から雫が落ちた。
(いけない、)
慌ててドアノブに手を掛け、外に出る。ふらついていたせいで外に出た途端ドアから手を離してしまった。
「あっ」
小さな声を挙げたと同時に、ドアが閉まる。
堅く閉じたドアの前で僕は呆然と立ち尽くした。
(もう、入れない)
もう二度と彼の隣で眠る事はない。
頬の濡れる感触はあったけれど、体が竦んで拭うことさえ出来なかった。
ぱたぱたと足元に雫が落ちる。

拭ってくれる手の持ち主はもう、僕の傍にはいない。

572 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 13:04:53 ID:yUaHAvXYO
受けの馬鹿野郎!勝手に自己完結して諦めやがって!!
お前なんか攻めに必死で捜されて連れ戻されて一生幸せに暮らせばいいんだ!GJ!


573 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 14:43:23 ID:dcgDGeDS0
この後の展開は攻めが受けを連れ戻す意外に無い筈。
Gj!

574 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 17:42:23 ID:xU4oAqCRO
続きというか攻め視点だとどうなるのかとか色々想像を掻き立てられるな。
萌えた!GJ!

575 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 22:46:35 ID:Jhp6p+wYO
ドアがあっさり閉まってしまったところがなんとも言えない気持ちになった。
続き読みたい!萌えた!ありがとう!

576 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 23:27:42 ID:hnaW2GQK0
何らかの救済があるといいなあ…切ない
GJ

577 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 23:47:23 ID:KrPjXxan0
短いのにすごい綺麗にまとまってて感動した。
>「お前みたいな子供、半年で飽きるだろうな」
この台詞、「お前みたいな子供、半年で(俺に)飽きるだろうな」とも読み取れるのが深いなぁ。
攻め視点も見てみたい!GJでした!

578 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 23:57:14 ID:VgyH1Soi0
私を踏んで

579 :風と木の名無しさん:2010/09/08(水) 23:59:17 ID:HmOxrlzb0
嫌われ者のたった一人の理解者

580 :19-570,571 攻め視点2/2:2010/09/09(木) 01:33:18 ID:H70+Kpur0
彼の笑顔を見るたびほっとする。
居場所がないと感じていた大学内でも、彼が傍にやってくると何故か居心地がいいと感じるようになった。
そんな彼が私を好きだと言ったのはつい半年前の事だ。俯いたまま、か細く震えた声で告げられた。
酷く驚き、嬉しく思った。私も彼に対して、密かに好意を寄せていたからだ。
私は彼に対する気持ちを告げる気はなかった。
年の差もあって同性である私など、思いを告げたところで気味悪がられるだけだろう。
そんな風に思っていたところへの、彼の告白だ。嬉しく思わない筈がない。
けれど彼は若い。自分の専門分野にしか興味のない私のような人間と付き合ったところで長く保つ訳がないと思った。
だから思わず、「お前みたいな子供、半年で飽きるだろうな」と呟いたのだ。
その通りになってしまった。

今時携帯電話一つ持っていないと言う彼の為に、自分のものとは別にもう一つ契約して渡した。わざわざ不審に思われないよう、元々二台持っていたのだという振りをして。
いちいち家に伺ってもいいですか、などと言っていつまでも遠慮がちでなかなか来ようとしない彼に、合い鍵も作った。
どちらも彼の為と言うよりは、自分の不安を少しでも軽減させる為のものだった。
これを置いて行かれた今、私とあの子を繋げる物はない。
まだ夜の明けきらない薄暗い部屋で、携帯電話と鍵とを握りしめたまま項垂れる。
あの子が腕の中からすり抜けても気付かぬほど熟睡していた自分を恨んだ。
別れの言葉すら置いて行ってはくれなかった。
これでは諦めも付かない。
のろのろと顔を上げ、少し前に彼が出て行ったであろうドアを見つめる。

(……もう一度だけ)
こちらから会いに行ってみようか。
この年になって、誰かを追い縋る事になるとは思わなかった。
追いかければきっと醜態を晒すだろう。ますます幻滅されるかもしれない。
(それでも構わない)
落ちていたシャツを拾い上げ、昨日までは彼のものだった携帯電話と鍵とを持って寝室を出る。
外はまだ暗い。
彼は今頃どこにいるのだろうかと考えながら、玄関へ向かった。


581 :風と木の名無しさん:2010/09/09(木) 01:35:43 ID:H70+Kpur0
専ブラでタブ切り替えを誤って誤爆してしまいました……
スレ汚し申し訳ありません……
連投になりますがこの場合>>579を私が投下させて頂いてもよろしいのでしょうか……?

582 :風と木の名無しさん:2010/09/09(木) 01:54:31 ID:xHmAqo8A0
誤爆どんまい。
大変だと思うけど投下待ってる!

あと、ここでやりとりするとその分レスを消費してしまうから
今度から不測の事態で困ったときは別館のチラシスレに来てくれると嬉しい。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13789/1273068687/

583 :嫌われ者のたった一人の理解者1/2:2010/09/09(木) 12:42:03 ID:NZMb0/BzO
「にげろ!あいつだ!」
先生が廊下を歩くと、入院しているちびっ子たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。大きな体を揺らすように、のしのし歩く先生は確かに怖い。
体が大きいだけじゃなくて、目つきも悪いし声も低い。
物言いはぶっきらぼうで、看護師さんたちに対して厳しく怒鳴りつけているところをよく見かける。
そんな先生だけど腕はいいから、このあたりの小児科では一番患者が多かったけれどみんな先生を怖がっていた。

「待たせてすまない……、……なんだ、また君か」
診察室で待たされていた俺のところへ、先生が急ぎ足でやってくる。けれど俺の顔を見た途端、呆れたような顔をされた。
「うん。今日は風邪引いたみたいでさー」
そんなことは気にせず、俺はシャツのボタンを外して先生を待つ。のしのし歩いて、どかりと椅子に座った先生はポケットから聴診器を取り出した。
「……君もいい加減小児科でなく内科に行ったらどうだ。もう高校生だろう?」
「やだ、先生がいい。ところで先生ってば、また子供たちに逃げられてたね。俺も昔は先生のこと怖かったなあ」
昔、虚弱だった俺はこの病院に小児ぜんそくで入院していたことがある。
当時の俺はチビでバカで弱虫だったから、毎日診察にやってくる先生が怖くて泣いてばっかりいた。
「君が僕の患者の中で一番の恐がりだったよ」
先生は俺の服を捲り上げて聴診器を当てながら、苦々しく呟く。俺が笑うと、「静かに」と咎めるようにじろりと睨まれた。
「でも一番懐いてたのも俺でしょ」
「ああ、どこに行くにも着いてくるんで、邪魔だった」
「酷い!」
そこまで言われるほど先生を怖がっていた俺がどうして先生を慕うようになったのかと言うと、入院していたある日の夜、発作を起こした俺に先生が一晩中つきっきりで看ていてくれたからだ。
発作は先生がいち早く気付いて処置してくれたおかげですぐに収まったのに、先生はその後も泣きじゃくる俺の傍でずっと手を握っていてくれた。
「苦しかったな」とか、「もうすぐお母さんのところに帰れるからな」だとか、俺が寝付くまで優しく慰めてくれていたのだ。
たまたま他に入院していた子供がいなかったおかげで、俺はその夜、初めて先生の優しさを知った。

584 :嫌われ者のたった一人の理解者2/2:2010/09/09(木) 12:44:09 ID:NZMb0/BzO

明くる日からよくよく観察してみれば、先生は理由もなく怒る訳じゃないと分かった。
心配しているから怒る。ただ言い方が不器用なだけだ。
どうやらそれを知っているのは、俺だけだったけれど。
それから俺は先生が大好きになって、昔の虚弱ぶりや小ささが嘘のように成長した今でもこの病院に通い続けている。
最初はただ純粋に大好きだった先生に対する気持ちが恋に変わったのはいつだったか、もう忘れてしまった。
子供の頃はあんなに大きく見えていた先生の背だって追い越した。
しかしそのせいか年を追うごとにどんどん体が丈夫になって、近頃じゃ風邪をひくのだって一苦労だ。
真冬に水を被って髪も乾かさず寝たって、ぴんぴんしている。今日も半分は仮病みたいなものだった。
だからそろそろ、先生の元へ通う新しい理由を作らなければいけない。
「大した風邪じゃない。一応薬は出しておこう」
「はーい。……ねえ先生、ところで俺、看護学校受けるって知ってた?」
「いいや、今初めて聞いたな」
先生はちょっと意外そうに眉を上げて、俺の服を直す。
本当は自分で出来るのに、俺は黙って先生にが俺のボタンを一つずつ留めていくのを見ていた。
「とっくに合格圏内なんだ。ねえ、俺、看護師になるからさ、そしたらここで雇ってくれる?」
「…………給料は、安いぞ」
「そんなの、全然いいよ!」
笑ってぶんぶんと首を振る。給料なんか関係ない。俺は先生の一番傍にいて、誤解されやすい先生の一番の理解者でありたいだけだ。
言質を取ったと喜ぶ俺に「全く変わった奴だな君は」と言いながら先生はおかしそうに笑った。



-----

誤爆と連投本当にすみません。
またROMに戻ります。レスくださった方々ありがとうございました!

585 :風と木の名無しさん:2010/09/09(木) 14:53:25 ID:e6Tim7fJ0
誤爆どんまい。そしてぶっきらぼうで不器用な先生萌え。どっちが受けでも萌えるな、これ。

586 :風と木の名無しさん:2010/09/09(木) 21:14:49 ID:YaB0aaJn0
ほのぼの萌えたーGJ!
先生が大好きな主人公がかわいすぎる
誤爆だったのに萌えさせてくれてありがとう

587 :風と木の名無しさん:2010/09/10(金) 14:59:23 ID:QD8fbWrqO
回していこう

588 :風と木の名無しさん:2010/09/10(金) 17:35:46 ID:q1TQpbSx0
にゃにゃにゃにゃん

589 :風と木の名無しさん:2010/09/10(金) 17:40:34 ID:of/Lw84yO
支配する、支配される

590 :風と木の名無しさん:2010/09/11(土) 17:13:36 ID:bdGMq83Y0
ベタベタなお約束で恐縮です。SSというより萌え語り的に受け取ってもらえるとありがたい。


毎度のことだが、「あれ」に支配された体は俺の意志で動かすことができない。
「敵」は結局のところあれの種族の敵なのだが、人間に危害を加えるとなれば俺にとっても敵なのだろう。
「あれ」は俺と物理的に一心同体。
いつかは元に戻れると信じているが、それまでにいったい何度、こんな目にあうのか。
あれは元来「敵」と戦うのが仕事らしい。それを今でも俺の体でやっているのは非常に迷惑なことだ。
(オオッ!)
頭すれすれをかすめた敵の攻撃によろめいた……のは、俺の気持ちだけ。
実際の体は奴の意のままにあり得ない高さに飛び上がり、そのまま反撃を叩き込んでいる。
「ダメージはない、黙っていてくれ」
俺の右足を敵の頭にめり込ませながら、こともなげにあれが言う。
(びっくりしただけだよ! わかってるよ、もう終わったって言うんだろ?)
あれは、こと戦うことに関しちゃ文句なしにエキスパートだから、そこは信用している。
(さあ、帰ろうぜ、晩ご飯には間に合いそうだ)
敵は頭部を砕かれて倒れている。俺は伸びをした……気持ち的に、ということだが。
「いや、まだだ……本体が、抜けている」
緊張した奴の声。本体?
横たわる体の、背中がごっそりえぐれている。
何かが抜けて、どこか行った。どこへ? 言うまでもなく、この廃工場を出て、街へ。

591 :2/2:2010/09/11(土) 17:15:19 ID:bdGMq83Y0
(……おい、まさかあいつも人間にとりつくんじゃないだろうな?)
「私ができたことだ、当然実行するだろう。上手くいかなくても宿主が死ぬだけで養分補給になる」
そのあっさりした口調にカッとなった。基本的に敵もあれも人と相容れない。
エネルギー源、障害物、野生動物……おそらくそんなふうに見ているのだろう。見過ごすわけにはいかない。
(早く! 何してるんだよ、倒しに行くぞ、早く、行けよ!)
「見つける手段はない、人間に接触して騒ぎが起きるのを待つ」
こいつは……お前らに巻き込まれる人間なんか俺一人でたくさんなんだと、なぜわからん。
(バカ、それじゃ遅いって! なんかあるだろ、方法! とにかく他の人より先に見つけろ、お前ならできる)
「無理だ、非能率的だ」
(言うこと聞けよこの野郎……)
早急にこの論戦に勝たねばならない。が、勝機は十分にあった。
この数ヶ月、こいつに振り回され続けた俺はようやく奴のウィークポイントを見つけたのだ。
魔法の言葉、これさえあれば、奴を支配できる。
(今日の夕飯は手巻き寿司だ、あれは難しいぞ? わからんだろう……食べ方が。
 教えてやるから、代わりに俺の言うことを聞け)
向こうには調理という概念がないという。どうもずいぶんと合理的かつ味気ない栄養補給手段らしい。
色とりどり、種類も味もさまざまな「料理」に、あれはハマった。
(──美味いものを、食いたくないか?)
この時ばかりはあれが珍しくうろたえて、やがて誘惑に負ける。
「……仕方がない、君の要求に従う。まったく面倒なものだな、人間とは」
生意気にも奴は肩をすくめてみせた。勝手に使うな、俺の肩だ。

592 :風と木の名無しさん:2010/09/11(土) 18:38:45 ID:Uey8RWxsO
なるほど、ベタベタだけど好きなパターンだわw
GJでした

593 :風と木の名無しさん:2010/09/12(日) 11:19:48 ID:dtdo5Imw0
いいねいいね
こういうの大好きだよ
GJ

594 :風と木の名無しさん:2010/09/12(日) 14:56:03 ID:qQX6MhD40
ちょうもえた、GJすぎる
寄生獣とかアルファオメガとか思い出した


595 :風と木の名無しさん:2010/09/12(日) 16:07:41 ID:HF5J2iCO0
こういうのはベタな方がいいよねw
寄生獣大好き
GJ

596 :風と木の名無しさん:2010/09/13(月) 00:29:39 ID:bZbJnJ+eO
まわしてもいい?

597 :風と木の名無しさん:2010/09/13(月) 00:47:22 ID:O+5sHOagO
萌えがたり的っていうのが面白かった

598 :風と木の名無しさん:2010/09/13(月) 02:12:46 ID:HCFSZL7rO
さあ、踏んじゃいなさい!

599 :風と木の名無しさん:2010/09/13(月) 02:38:36 ID:Xx0yoBYE0
ふたりのことは許してやる

600 :風と木の名無しさん:2010/09/13(月) 02:38:41 ID:OOvfJTTxO
頭を撫でる

601 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 09:42:16 ID:fByjfh6R0
踏み逃げ?

602 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 10:02:40 ID:PIAjH2dM0
残念だけどそうだね。
まわし

603 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 11:14:21 ID:S1ozTK0sO
>>599のやつちょっと見たかったから残念だ
回す

604 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 14:54:44 ID:XgrXknIdO
まわし

605 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 15:08:13 ID:E9T++IXO0
絡み合う人間関係をうかがわせるお題だよね
面白そうなお題だから自分も残念
まわし

606 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 15:40:09 ID:ha9hsQY/0
まわしん

607 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 20:32:30 ID:T9cUY62K0
あとちょっと

608 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 20:49:32 ID:3BkabzgV0
ほら踏めよ

609 :風と木の名無しさん:2010/09/14(火) 20:52:17 ID:1W8ip0GC0
人格者の25歳←25歳に憧れる10歳←25歳のライバル

610 :1:2010/09/15(水) 22:26:17 ID:48TzWHkj0
滾ったので語る。

25歳の2人と10歳の1人は、主従関係でお願いしたいな!
10歳が主、25歳×2が従で。
金持ち坊ちゃんと家人2人でも美味しいですだけど、ここはぜひ次期国王(王子様)+教育係(将来の側近候補達)辺りで。

ちょっと人見知りで引っ込み思案な王子様。
語学や芸術の才能は幼くして素晴らしいものを見せてはいるけれど、
将来の国王としてはその繊細な性質がどうにも頼りない。

国王は、息子の才能を伸ばしつつ、王者として鍛えあげんと2人の若い臣下を教師役に送り込んだ。
それが教育係A(貴族出身の外交官にして文学者、詩人としても有名)、
および教育係B(砲兵上がりの軍略家なんて変り種)。

顔が広く朗らかな芸術家気質のAと、鉄頭の軍人気質のBはそりゃもう水に油。
Aは王子の繊細さを豊かな才を生む泉と見て愛し、
Bは王子の繊細さを才能を枯れさせる弱さと見て叩き鍛えた。

まだ幼い王子様、内気な彼にはつらい事も多かったけれど、父王と教育係の期待に応えようと毎日頑張った。
頑張るとAは、いつも優しく穏やかに褒めてくれる。さすが私の大事な王子様です、と微笑んでくれる。
Bは褒める時もちょっと怖いしなんか頑張ってるのにあなたはまだできる方ですとか言うし笑わないし。
王子はいつしか、淡い初恋をAに覚えていたりするんだよ多分。
王子にとって、穏やかに、明るく、皆に笑顔を振り向けることができるAはお日様みたいな憧れなんだな。

611 :2:2010/09/15(水) 22:27:37 ID:48TzWHkj0
誰に対しても穏やかで、貴族も平民も関わりなくその才でのみ他者を認めるAを、
Bは苛立ちと共にも認めざるを得ない位置から並んで見ている。
で、そのうちにすぐ、我が幼き王子様の視線が向かってる先にも気づいちゃう。

話術で人を惹きつけるのがAの仕事だ、幼き我が主君もまた惹かれるのは当たり前──と思ったって、
気にいらないものは気に入らない。
貴族連中の噂話なんてものも気になんてしないが、
「将来の宰相はやはりA殿」なんて耳に入るのはやはりおもしろくはない。
しかし、王子に媚びて取り入ろうなんて器用な真似もできない。

自分はただ忠実に職務をこなし、王子を正しき道に導くのみ。
将来の陛下にお仕えできる今のこの喜び以上のものを、未来を、かの方の真横の座を、
自身が望めるなぞはなから考えてなどいない。

そう、自分が思い込もうと努力している、ことに気づかないB。
はい不器用、っていうか鈍感、というより25年間そうやって何回恋の花を摘んじゃったのっていうのを気づかない仕事馬鹿。
BがAを認めている中には、王子の繊細さに包みながら、
その才を確実に伸ばしていける──愛しき若君の才のあり方を心の底から認めている、1人の人間として認めることができる姿勢が第一にあるんだな。
Aもまた、Bのあり方を間違っていないと思ってる…のはここでは置いといて。

王子が、いつだって懸命に、時に大きな瞳を潤ませながらも、AやBの教育に心身をかけて応える姿をBは愛してるんだよ。
繊細さと同居する忍耐強さ、王子としてあろうとする心、Aに向ける優しい花のような笑顔、Bには見せない心細げな横顔を、
垣間見る王子のあり方を、本当は誰よりもBは愛してる。

でも気づかないから本人が。王子も気づかないから幼すぎて。
「きみは月のようなのにねえ」
Aがある時、そっと囁いた言葉の意味も、Bにはよくわからない。
とりあえず8年後ぐらいの王子即位からいよいよ本番スタート、といきたい所ですが、滾ったものはこの辺で。

612 :風と木の名無しさん:2010/09/16(木) 00:50:55 ID:L2hzt8HFO
その話もっと読みたいし続きも気になります!
王子が大人になったときにはBの気持ちに気付いてあげてほしいし、
Aともいい主従関係を築いていてほしい。三人とも素敵。
GJでした!

613 :風と木の名無しさん:2010/09/17(金) 10:44:05 ID:jRExBmKL0
10歳が主かあ
いいねいいね
GJ

614 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 00:58:43 ID:n7owrAaV0
まわしちゃダメ?

615 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 02:25:03 ID:W5EVuCLA0
いいよー

616 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 09:50:01 ID:FaaE2NKX0
規制が多いからね

617 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 12:09:04 ID:TDmoHi5w0
まわし

618 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 12:27:58 ID:upiUd6rJ0
やさしく踏んでね?

619 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 12:35:30 ID:hZGFFfYdO
ちょ、痛いって

620 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 14:31:50 ID:w9eJfiRxO
たとえば部屋で寛いでいるとき、二人で眠る前、情事の後なんか。そんなときにあいつは俺の体に噛みついてくる。コンプレックスだった白い肌に目立つ赤い歯形が独占欲の証のように増えていく。
俺はいつも、かすかな痛みと心地良さ、あいつに愛されているだろう事実がもたらす優越感に溺れてしまう。被虐嗜好があるわけでもないけれど、ほんの僅かな間残る跡は見るたび痛みと快感がつのった。
今日もあいつは俺を噛んだ。痛みと歯形が残る程度に、しかし傷にはならない強さで。
「ちょ、痛いって」
「いいじゃん。血だって出てないし、すぐ消えるよ」
そう言ってまた、肩やうなじや指や脇腹に噛み付くのだ。その控えめな歯形が消えるのを、どこか惜しく思いながら見ていた。
いっそ一生ものの跡がついてしまえば、あいつは俺から離れがたくなるんじゃないかなんて、浅ましいけれど、思わずにはいられなかった。

621 :風と木の名無しさん:2010/09/18(土) 17:38:05 ID:FaaE2NKX0
さらっとしていて、好みだ
このシチュだと長々じゃないところがいい
GJ


622 :風と木の名無しさん:2010/09/19(日) 06:17:07 ID:e7OsTLA4O
>>620GJ
痛がる子に萌えたw

623 :風と木の名無しさん:2010/09/19(日) 11:07:31 ID:btQ5SQJN0
歯形いいよね歯形

624 :風と木の名無しさん:2010/09/19(日) 11:19:28 ID:BWm3JzUX0
色白ってやっぱりコンプレックスなのかな
愛咬っていうんだってね、相手を噛むの

625 :風と木の名無しさん:2010/09/20(月) 06:05:13 ID:73QP+MPR0
噛み付くってなんか官能的だよね
萌えました、GJ!

626 :風と木の名無しさん:2010/09/20(月) 14:26:52 ID:8nxhNvkk0
そろそろいいかな?

627 :風と木の名無しさん:2010/09/20(月) 20:57:04 ID:v7G9yzKcO
いいとも〜

628 :風と木の名無しさん:2010/09/20(月) 21:06:57 ID:3soATWjcO
おけおけー

629 :風と木の名無しさん:2010/09/20(月) 21:08:00 ID:e4uQLaOh0
中学生の告白

630 :風と木の名無しさん:2010/09/21(火) 22:00:03 ID:U7R1ppEg0
おやお流れ

631 :風と木の名無しさん:2010/09/21(火) 22:00:54 ID:xuMv5tUzO
通りすがりの者です。
同人作家とマルサ

632 :風と木の名無しさん:2010/09/21(火) 22:04:12 ID:xuMv5tUzO
ごめん。
間違えた。(´Д`)
スレタイとテンプレ100回書いてくる。


633 :風と木の名無しさん:2010/09/21(火) 22:07:24 ID:qt4QyCzG0
どんまい。0になる覚悟はしてまた挑戦してくれ

634 :風と木の名無しさん:2010/09/21(火) 23:19:22 ID:6g0Ux57QO
そうだね。踏み逃げしないなら、どんどん狙ってみて。

635 :風と木の名無しさん:2010/09/22(水) 02:12:02 ID:308EHhs9O
回します〜

636 :風と木の名無しさん:2010/09/22(水) 09:40:50 ID:HqK1XyMbO
まわすよー

637 :風と木の名無しさん:2010/09/22(水) 12:49:19 ID:6VKI3prlO
まわすよー

638 :風と木の名無しさん:2010/09/22(水) 12:53:34 ID:uV4HwAIQ0
踏んで!もっと踏んで!

639 :風と木の名無しさん:2010/09/22(水) 13:01:44 ID:YLrBLT6h0
傷つけ合うことしかできない

640 :風と木の名無しさん:2010/09/23(木) 14:05:33 ID:PdI4A2E90
またお流れ

641 :風と木の名無しさん:2010/09/23(木) 14:52:10 ID:pjmT1dTn0
あら、本当だ

642 :風と木の名無しさん:2010/09/23(木) 14:52:35 ID:MolpE2v/0
まあ、残念

643 :風と木の名無しさん:2010/09/23(木) 17:04:38 ID:NhU6006MO
まわします

644 :風と木の名無しさん:2010/09/23(木) 20:45:11 ID:Kd+6omWU0
ぐるぐる

645 :風と木の名無しさん:2010/09/23(木) 22:32:48 ID:Z1zCGrnDO
最近多いね

646 :風と木の名無しさん:2010/09/24(金) 02:03:27 ID:LLVmwjMPO
みんな規制かな

647 :風と木の名無しさん:2010/09/24(金) 10:12:20 ID:tUoi7yE00
そうかも

648 :風と木の名無しさん:2010/09/24(金) 10:18:07 ID:MSAOvn12O
踏んでく?

649 :風と木の名無しさん:2010/09/24(金) 10:19:08 ID:iLN6SBzY0
見かけによらず・・・

650 :風と木の名無しさん:2010/09/25(土) 04:42:00 ID:XbunkzjqO
思い浮かんだものを羅列してみる。

「フッ……見かけによらず骨のある奴らしいな」
(スーパー攻め様が自分に楯突いてきたパッと見性別受けについて)
「お菓子作りが趣味とか、あいつ見かけによらず可愛い所あるな」
(強面攻めを見直した委員長系眼鏡受けの独白)
「俺、見かけによらず結構純情なのよ?」
(飄々とした遊び人系攻めが冗談めかして)
「騙されるな!あいつは見かけによらず無茶苦茶性格悪いぞ!!」
(腹黒女王受けに一目惚れしたワンコ攻めに対する友人の忠告)
「おやおや……見かけによらず、随分と淫乱なんですね」
(鬼畜攻めがクールビューティー受けをいたぶりながら)

この世にギャップ萌えがある限り、「見かけによらず…」的シチュエーションが滅びることはないと思う。


651 :風と木の名無しさん:2010/09/25(土) 09:13:24 ID:1IJO8yl8O
遊び人は鉄板ですね!
ベタでもいい!大好きだ!

652 :風と木の名無しさん:2010/09/25(土) 09:53:35 ID:YBgfCNHN0
こういういい友人ポジの人大好きだ
出来れば当て馬とかにならずに主人公とずっといい友人でいて欲しい

653 :風と木の名無しさん:2010/09/25(土) 10:02:41 ID:8CDENm120
腹黒女王受けが気になる…
美人系じゃなくてキュート系だったら好みだなあ
GJ

654 :風と木の名無しさん:2010/09/25(土) 22:59:16 ID:IQ9dqRTe0
ギャップ萌よ永遠なれ

655 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 01:32:57 ID:+dTE2oMF0
おやおや・・・がツボです!まわします〜

656 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 10:39:19 ID:cDnZgz+C0
>*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
になったんですよ〜

どのシチュもいいです!

657 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 12:59:40 ID:9QslrW7uO
ここしばらくお流れ続きだったから嬉しい、乙です
ギャップ萌えはいいねぇ

658 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 15:41:45 ID:oHIt3qJsO
と、特別に踏んでいってもいいぞ///

659 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 15:52:16 ID:qq4ztsISO
801世界に生きながら1人フラグもお約束もスルーして頑張る男

660 :1/2:2010/09/26(日) 16:38:05 ID:n4X8Ns0f0
【06:30】両親が再婚して出来た、スポーツマンな同い年の義理の弟の声で起床。
眼鏡の似合う柔らかな雰囲気の義理の兄がエプロン姿で朝食を作っている。
両親は出張で一年は帰ってこない
【07:30】兄に見送られて弟と一緒に登校。昔から俺の後をついてくる番犬みたいな幼馴染も一緒だ。
【07:45】駅に到着。昨日定期を拾ってあげたちょっと抜けた感じのヘタレっぽいいサラリーマンと再会。お礼を言われる。
【07:50】電車が発車する。俺の目の前に立っている見知らぬ女の子みたいなかわいらしい顔の学生の顔が赤い。風邪か?
【08:00】どうやら学生は男のくせに痴漢に遭っていたようだ。
痴漢の手を掴み、睨んでやると逃げていった。学生に涙目でお礼を言われる。
どうやらかなり色々されてしまったらしい、気の毒だ。
【08:13】駅で降りるが、一緒に降りた学生の様子がおかしい。ふらふらとトイレに向かう。ああ、そう言うことか
【08:25】校門前で眼鏡でお堅い風紀委員が見張っている。俺の服装が気に入らないらしい。
面倒なので服装を整える。今の色も飽きたし、そろそろ黒に戻すか
【09:00】転校生が来た。俺の隣の席になったんだが、やけに馴れ馴れしい。
幼馴染が転校生に噛みついている。お前俺に近付く奴ら全員に噛みつくのいい加減やめろ
【11:37】体育の時間、クラスメイトが怪我をする。保健室に連れていくが保険医が居ない。
とりあえず消毒液だけ借りた。
【12:51】昼休み屋上で煙草を吸っている奴がいた。先生に通報した。
【13:46】小テスト中斜め前の奴がカンニングをしていた。
あとで注意すると、何でもするから先生には黙ってて!と泣かれた。
じゃあ勉強しろ と言ってやった。もう二度とするんじゃないぞ
【14:15】学園祭の出し物の話し合い。女装喫茶の案が出たが全力で反対。たこ焼き屋になる
【16:22】帰宅部なのでさっさと帰ってバイトに向かう
【18:21】バイト先のコンビニで、猫みたいな雰囲気で生意気そうな中学生が万引きをした。家出少年らしいが捕まえて通報した。
【19:00】客が来ない。ちょっと柄は悪いけど実は優しいバックルームで先輩と二人きりになる。狭いので外に出る
【22:00】バイト終了。綺麗な顔をした男に声をかけられる。「ねえ、俺の事一晩買わない?」頭おかしいのか


661 :2/2:2010/09/26(日) 16:38:25 ID:n4X8Ns0f0
【22:14】何故かチンピラに絡まれて路地裏に連れ込まれる。急所を全力で蹴って逃げた
【22:21】雨が降ってきた
【22:30】雨に濡れた野良犬みたいな男が座り込んでいる。スルーした
【22:45】家の前に誰かいる。どうやら向かいに引っ越してきた一家らしい
【22:47】なんと、そこの息子は昔俺が女の子だと思ってた相手だった!結婚の約束もしたよなあ、懐かしい。
まあ。男だから無効だな。
【23:00】帰宅。兄の手料理は本当に美味しい。口にソースがついてしまった。指摘される前に自分で気づいて良かった
【23:25】風呂。義弟が一緒に入りたがる、そんなに一番風呂の入りたかったのか。一番風呂を譲ってやる
【24:58】就寝
【26:50】寝ていると、義兄が寝ぼけて俺のベッドに入ってきた。義兄の部屋に運んでやる

今日も特に何も無い穏やかな一日だった。
早く彼女が欲しい。切実に。

662 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 16:40:25 ID:n4X8Ns0f0
>>660
すいませんミス
×【19:00】客が来ない。ちょっと柄は悪いけど実は優しいバックルームで先輩と二人きりになる。狭いので外に出る
○【19:00】客が来ない。ちょっと柄は悪いけど実は優しい先輩とバックルームで二人きりになる。狭いので外に出る

実は優しいバックルームってなによ

663 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 16:57:26 ID:A++aj+CG0
>>660
これは萌えるw
多種多様なフラグ総スルースキル凄すぎGJ!

664 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 17:03:10 ID:Z0e/Toiv0
ちくしょう何から何まで萌えた!
>じゃあ勉強しろ と言ってやった。もう二度とするんじゃないぞ
普通に惚れるだろこれは
個人的には義兄とどうかなって欲しいです!

665 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 17:23:40 ID:KkHtSa/70
笑ったと同時に萌えたw
屋上にいた不良を先生にチクッたあたりからもう我慢できずに吹いてしまったw
GJでした

666 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 17:31:10 ID:eU6dTz5kO
GJすべてに萌えた!
なにげに受け攻め両方のフラグ立ってるのがおいしいなあ
明日も保健医と二人きりになったり家庭教師が来たりするんですねわかります
幼なじみと風紀委員との三つ巴に、義弟と転校生と引っ越してきた向かいの子が乱入してくる明日からの主人公の日常がすごく気になって読みたいww
後、義兄頑張れちょう頑張れ

667 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 18:18:47 ID:yoWBm2Xz0
GJ!!
801道に引きずりこまれる主人公も見たいけど
このまま頑張り続ける日常を追いたい気もするし複雑w
笑ったし萌えた!たくさんのフラグと萌えをありがとう!

668 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 18:21:08 ID:oHIt3qJsO
流れが早いなw
まあ今日はサービスだ、また踏んでってよ

669 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 18:27:28 ID:5fGh1w3mO
半人半獣

670 :1/2:2010/09/26(日) 21:47:19 ID:h+JCoFov0
半人半獣と一口に言っても設定や世界観いろいろあると思いますが、とりあえずここでは現代日本で
『ケモ耳尻尾ではなく人間形態⇔獣形態を持つ獣で、大半の者は人間社会に溶け込んで暮らしている。
基本、人間に正体は明かしていない。そんな半人半獣の中に人間が一人やってきた』
という設定で萌え妄想がわいたので投下します。

○人間
・とある安アパートへ引っ越してきた男。そしたら、住人が一癖もあるやつらばかりで、彼らの秘密を知ってしまう。

○犬「あの俺、今から草野球に行くんだけどさ。一緒に行かない?楽しいぞー」
・陽気で人懐っこい青年。楽しいこと大好き。ただ、楽しくなりすぎるとわーっと前後不覚になる。
 人間形態のとき尻尾はないが、彼が楽しそうなときはエア尻尾が見えるらしい。よく寝癖がついている。
・コンビニでバイトをしている。根が真面目で一度覚えたことはきちんとこなすし、
 年上に対する態度もちゃんとしているので、店長にも認められている。
・人懐っこさもハンパないが、怒られたときのしょぼくれ具合もハンパない。
 怒られたときは、許してもらえるまでちょっと離れてずっと様子を窺っている。
・万引き犯を追いかけるのに夢中になるあまり、原型に戻ってしまったことがある。(ぎりぎり身バレはしなかった)
・アパートの部屋にいるのは、寝るか風呂か食事のときくらい。あとは外。

○猫「……あまり撫でるな。僕の髪なんか、触っても面白くないだろう」
・学校の非常勤講師を務めている。それ以外の時間は一人で本を読んでいることが多い。ねこっ毛。足音があまりしない。
・マイペース。初対面の相手への愛想が悪いので、対人関係的に損をしている。でも本人は気にしてない。
・別に人嫌いというわけではないが、皆がワイワイしてたらちょっと離れた場所にいってしまう。(それを犬が呼びに来る)
・気を許した相手には適度に構われたい性分だが、普段が普段なので、犬のような「全身から構ってオーラ」は無理。
 たまにやってみたいと思わないこともない……がやっぱり無理。内心で「自分のキャラじゃないし…」とか思ってる。
・甘えたいときは後ろからそっと近づいてみる。それでも恥ずかしいので原型に戻り、もの言わず足元に擦り寄る作戦。

671 :2/2:2010/09/26(日) 21:51:48 ID:h+JCoFov0
○鳥「あ、お兄ちゃん!今からお仕事なの? 行ってらっしゃーい!」
・いつも笑顔の元気少年。他人の言葉を信じやすく騙されやすい。騙されてもすぐ忘れる。
・学校には通っていおらず、アパート近辺にいることが多い。管理人さんのお手伝いをよくする良い子。
・歌うのが好き。歌っているときはご機嫌。普通の会話でも節をつけて歌うことがよくある。
・人間形態になっているのを忘れて、高所から「アイキャンフラーイ!」してしまうことがある。
 事情を知らない人がすわ事故か!?と下を覗き込むも、少年の姿は消え、鳥が一羽、羽ばたいていくという。下手したら怪談である。
・鳥頭だが、好きな人に言ってもらったり教えてもらったりした「大事な言葉」はずっと覚えている。

○狼「お前さん、送り狼って言葉をどう思う?ありゃあ酷いな。俺は至って紳士だ」
・見た目はやさぐれたオッサン。グラサン着用率高。何の仕事をしているのかは不明だが、家賃はちゃんと払っている。
・猫と同じくよく一人でいることが多いが、こちらは完全に一匹狼な雰囲気をかもし出している。
・「群れるのは嫌いでな」とか言っているが、実は身内意識が高く、身内と認めた相手は全力で守ろうとする人。
・そのハードボイルドさ(?)の為、犬に「カッコイイです!」と懐かれてしまい、表面上はうるさがっている。
・反対に、鳥には気まぐれで言った冗談(※1)の所為で怖がられてしまっている。
 (※1)「お前はこのアパートじゃ食物連鎖の最下層だ。ま、せいぜい食われないように気をつけろ。俺を含めてな」

○狐「最近はお賽銭も少なくてねぇ……副業でもしないとやってられないんです」
・本業は神社の神主。副業でアパートの管理人もしている。獣人には優先的に、そして格安で部屋を貸し、仕事の斡旋も請け負っている。
・他の者達は「獣人」だが、彼の場合は永い年月を生きて変生した「妖怪」に近い。原型も、尻尾が何本もあるとか無いとか。
・ニコニコしていて温和な物腰だが、人を喰ったような言動も多い。
・生活していくための「お金」に比較的執着が強い。
 「商いは狸の領分なのですけどねぇ」とぼやきつつ、家賃の滞納には容赦が無い。
・家賃収入の嵩上げを行うため、「人間」の男を一人、アパートへ入居させる。「私、ヒトを見る目はあるんですよ?」

672 :風と木の名無しさん:2010/09/26(日) 23:18:05 ID:a45T4NPp0
ヤバい…これゲーム化してほしいぞ切実に…!
どの子もどツボだようわああああああああGJ!!!!!

673 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 00:27:30 ID:nqb5ZiKzO
なにこれもえる
みんなでワイワイ暮らしてる話が読みたいです。
個人的には鳥の子の狼さんに対する誤解が解けて欲しい……!

674 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 00:27:40 ID:d++O1Gsc0
萌えすぎて夏毛が全部抜けたじゃないか…!

675 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 00:37:56 ID:YhjQAhwG0
>>656
すみません;以後気をつけます〜
狐かわいいです。

676 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 08:29:44 ID:hMQQFHsr0
こんな設定のゲーム、どこかで開発してくれたらプレイ用と保存用で二つ買う…!
GJ、猫に超萌えた!

677 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 11:49:26 ID:o/BjCltU0
鳥可愛いよ鳥ww
GJでした!

678 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 12:15:45 ID:xh/Z+3qK0
>恥ずかしいので原型に戻り、もの言わず足元に擦り寄る作戦
こんなことされたら、もうどうにでもしてって感じ

679 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 12:39:11 ID:L5mfYj0tO
貧乏くじだと思ったら大当たり

680 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 12:39:30 ID:P0lz72QW0
攻めにクールに反撃する受けと見せかけて、単にいっぱいいっぱいでテンパってるだけの受け

681 :1/2:2010/09/27(月) 14:29:19 ID:P0lz72QW0
「あ、お前文化祭実行委員に決まったから」
三日寝込んだ風邪もなんとかおさまり久し振りに登校した教室で、大丈夫か?の一言もなく真っ先に掛けられた第一声はそれだった。
「ちょ、何勝手に決めてんだよ!やだよ!」
「他に立候補が居なかったんだよ。残念だったな」
「マジかよ…めんどくせえ」
ここが共学なら、女子と仲良くなるチャンスだと思えるだろう。
だが悲しいかなここは男子校。野郎と仲良くなったって嬉しくもない。
「…んで?もう一人は誰だよ」
「佐伯」
「は?」
「だから、佐伯。ちなみにお前推薦したのも佐伯」
「なんで佐伯が俺を推薦してんだよ」
「俺が知るかよ。まあ精々真面目な眼鏡君に怒られないように気をつけろよ」
「え、マジで?俺佐伯苦手なんだけ…」
「僕が何か?」
「うぉっひゃああああああ?!」
機械みたいに抑揚の少ない声が耳元で響く。
思わず目の前の友人にしがみ付くが、思いっきり跳ねのけられてしまった。なんだよ俺は病みあがりだぞ。
「さ、佐伯…」
無様に床にしゃがみ込んだ俺を見下ろし、描いたみたいに整った佐伯の眉が歪む。
「君が嫌がろうがどうしようが、決まった事は決まった事だ。今日の昼休みは話し合いをするので第三会議室に行く」
「…なんで俺なんだよ。俺は去年も委員やったんだぞ」
「知っている。だからこそお前を推薦した」
「はああ?」
「去年お前のクラスの出し物を見たが、制作スケジュールはグダグダで予算オーバー、当日もつまらないミスや予定外の事態に全く対応できていなかった」
「だから、俺はもう面倒な事はやりたく…」
「でも、お前が提案して計画した企画自体は面白いものだった」
「あ?」
「僕ならお前のアイデアを完璧に成功させる自信がある。去年、お前のクラスを見てそう思った」
自信満々で高慢な笑み。
こいつのこういう所が苦手なんだ。


682 :2/2:2010/09/27(月) 14:30:27 ID:P0lz72QW0
「だから、お前と同じクラスになれて嬉しかった。いいな、お前は俺と同じ文化祭実行委員だ」
苦手なんだけど、な。
「解ったよ。でも、そこまで言うならミスったら殺すぞ」
「当然だ。お前こそつまらないアイデアを出すならヤり殺すぞ」
「当たりま…え?」
「ああ予鈴が鳴ったな、席に戻れ」
「ちょととまて今変な…」
「じゃあ後でな」
「ちょっとまて佐伯」

結果としては何だかんだと問題は起きたものの、俺のクラスの企画は大盛況。
俺にも何故か恋人が出来てしまい、最終的にこの人事は大当たりだったと思う。



+++++
リロミスすいませんでした。

683 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 15:33:29 ID:TemoCuqF0
>>681-682
GJ!
恋人ができた過程をkwsk! と言わざるをえない。

684 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 15:54:59 ID:xh/Z+3qK0
ごめんなさい。踏み逃げになるかと思ってたぁぁぁ!
すごい!青臭い感じがキュンキュンしました!

685 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 20:58:04 ID:xLO6tKjN0
これはたまらん!
結局成功した後でもヤリ殺されてしまえばいいよww

686 :風と木の名無しさん:2010/09/27(月) 21:41:48 ID:XgSESDaR0
大盛況のあとはお祝いとしてヤリ殺されるんですねw
GJ

687 :風と木の名無しさん:2010/09/28(火) 08:25:31 ID:lLr+pPXC0
GJ!これはいい!
眼鏡の罠wに落ちていく過程も読みたい

688 :風と木の名無しさん:2010/09/28(火) 10:52:03 ID:56Ny7iAZO
リロミス投下GJ
さあ、踏んでください

689 :風と木の名無しさん:2010/09/28(火) 10:52:32 ID:T/1srYi90
擬人化

690 :1/2:2010/09/28(火) 22:17:52 ID:eNUQb+Sv0
【包丁】
これまで幾多の食材を切ってきた男。あるときは鮮やかに、あるときは素早く、
またあるときは以前の面影がなくなるほど激しく、食材たちを翻弄してきた。
刃鋭く、態度も言動も尖っているが、その裏では切れ味を衰えさせないため
自己研磨を欠かさないなど、努力を惜しまない一面がある。
「俺に触るな。怪我をするぞ」

【まな板】
目立たないが縁の下の力持ちタイプ。
包丁の激しさを受け止められるのは彼だけなのだが、肝心の包丁本人は
食材を切る事の方に意識がいっており、内心寂しい思いをしている。
料理の後はいつも風呂に入り(※殺菌消毒のため)、一人物思いにふけっている。
「この傷は、あのひとにつけられた傷……」

【圧力鍋】
情熱を語らせたら右に出るものはいない。一度熱が入ると冷めにくい。
どんなお堅い食材も、彼にかかればトロトロになってしまう。
「時間はとらせないから」と誘いをかけ、連れ込んでしまえばもうこちらのもの。
多少のことでは傷つかないタフさも売り。
「さて、それじゃ後は俺に任せて。……終わるまで、蓋は開けないでくれよ?」

691 :2/2:2010/09/28(火) 22:19:36 ID:eNUQb+Sv0
【計量スプーン】
小柄な青年。きっちりと大雑把を場面によって使い分けることが出来る。
小さいながら、彼の気分ひとつで料理の出来が変わってしまう実力を持つ。
しかし本人は「僕がいなくても料理、出来ちゃいますし…」と曖昧に笑う。
『すりきり一杯』を計る際にヘラやスプーンに撫でられる事に滅法弱い。
「……そっ、そんなに強くしたら…、すりきれちゃいます……っ」

【菜ばし】
お呼びとあらば、熱湯だろうが冷水だろうがどこへでもダイブ。
熱に喘ぐ食材を救出したり、掻き混ぜて宥めたりする、名フォロー役。
一仕事した後は一風呂あびてから帰り、フライ返しや木べら達と
今日した仕事について愚痴こぼしつつウダウダ話すのが楽しみ。
「パスタなぁ……アイツを抱えんの一苦労なんだよな。ま、オレしかいねーから頑張るけど」

【鍋と蓋】
誰も邪魔できない鉄壁の相棒……の筈が、ある日を境にそれが揺らぎ始める。
そう、それは「落し蓋」の出現。
煮物に味をしみこませるためにやってきた落し蓋に揺れる鍋の心…
そして蓋もまた、自分よりも鍋に近い場所へ入り込む男の存在に焦りを感じていた…
二人の絆はどうなってしまうのか!?
次週「第四の男、クッキングペーパーの落し蓋!?――蓋の嫉妬心」お楽しみに!

692 :風と木の名無しさん:2010/09/28(火) 23:01:44 ID:IbupqA8N0
わああぁw
次週が楽しみになっちゃったじゃないか!GJ!

693 :風と木の名無しさん:2010/09/28(火) 23:03:47 ID:5yGW6LyN0
食材は総受けなのだろうか…
最近萌え語りが楽しい!GJでした

694 :風の木の名無しさん:2010/09/29(水) 00:14:48 ID:fm6yJMrS0
ちょw これは最高にイイ萌え語りww

695 :風と木の名無しさん:2010/09/29(水) 01:36:26 ID:o5VAy15hO
計量スプーンのセリフがツボりました
鍋の続編はドキドキ
全部良かった!

696 :風と木の名無しさん:2010/09/29(水) 04:47:31 ID:bf6a+VIZ0
すりきれちゃいます……っ、に爆笑しながら
萌えました たまらん

思いをこらえきらなくなったまな板がせっぱつまって
包丁に告白しちゃうのは第何話なんだろーか…

697 :風と木の名無しさん:2010/09/29(水) 12:49:29 ID:ANrDmk+PO
GJ!!
圧力鍋さんがナチュラルにエロくてふいたww
次週を楽しみにしてますwwww

698 :風と木の名無しさん:2010/09/29(水) 15:45:17 ID:rmfG4etCO
さあ、俺の屍を超えていけー

699 :風と木の名無しさん:2010/09/29(水) 16:29:47 ID:jZJBZmoy0
イケメン退治

700 :1/2:2010/09/29(水) 18:53:36 ID:p+BFRnRy0
時は八百井歴801年。
醜男でつとに知られるブ=サイーク王の即位と共に、状況は一変した。
「イケメン死すべし」の号令とともに、王は全国のブサメンに蜂起を呼びかける。
全国的にイケメン狩りが奨励され、それまでこの世の春を謳歌していたイケメン達は次々と駆逐されていった。
報奨金制度が設けられるに至って、イケメン狩りは熾烈を極めた。
生き残った僅かなイケメンは人里離れた僻地に身を潜めたが、密告制度により徐々にその数を減らしていった。

そんな時代、とある鄙びた村落に、チョイ=ブサという貧しい青年がいた。
イケメン潜伏の噂を聞きつけたチョイは、妹の薬代を稼ぐべく、潜伏先の小屋を突き止め乗り込んだ。

「お、お前が最後のイケメンだな、覚悟しろ!そ、そ、そこを動くなよ!絶対に動くなよ!」
男はチョイを顧みた。怯えた様子はない。イケメンはやはりイケメンだった。
ハシバミの双眸に諦念の色を浮かべて、静かに頷いてみせた。
「……ついに来たか。如何にも、僕が最後のイケメン、ビダン=シだ」
チョイは当惑した。イケメンというものが話に聞くような悪魔ではないと分かって、途端に決心が鈍った。
チョイは本来気弱で、心優しい青年だった。
ビダンは黙り込む闖入者を不思議そうに眺めていたが、やがて首を傾げて言った。
「あの、折角だから名前くらい聞いてもいいだろうか」

701 :2/2:2010/09/29(水) 18:54:10 ID:p+BFRnRy0
チョイ青年は急速にビダンと親しくなっていった。
妹の容態が気に掛かったが、言い出せるはずもなく時は過ぎていった。

ある日、約束の時間に小屋を訪れたチョイは、入口の錠が掛かっていないことに気付いた。
不審に思って中を見ると、そこには手にしたナイフで自ら腹部を刺し、床に倒れ伏したビダンの姿があった。
「おい、しっかりしろ!」
チョイは駆け寄り、既に力ない長身を慌てて助け起こす。
ビダンはうっすらと目を開いて微笑んだ。
「僕の首をもって……王の、ところへ……」
「なんで、なんでこんなことを!?」
「……早晩、誰かに殺される運命だった……ならばせめて、君に……」
ビダンはそう言い残すと、チョイに白い封書を託して事切れた。

ふいに、荒々しい靴音が聞こえた。力任せに扉が破られ、武装したブサメン達が姿を現した。
「こいつ……チョイじゃねえか!どうしてこんなところに!?」
「さてはイケメンを匿ってやがったな!?この裏切り者め!」
チョイは一言も抗弁することなく、同胞であるはずのブサメン達の手によって壮絶な最期を遂げた。

襲撃に加わっていたブサメンの一人がふと、チョイが何か握りしめていることに気付いた。
ビダンが生前、チョイに宛てて書いた遺書だった。
血染めのそれを開封してみると、中には端正な筆跡でチョイ青年との思い出が綴られていた。
イケメンではなく一人の人間として接してくれて嬉しく思っていること。
危険を顧みず付き合ってくれたことへの感謝、チョイの人柄を慕う思い、謝罪と別れの言葉。

これを見たブサメン達はイケメンも自分達と同じ人間であることを知り、また二人の絆に涙した。
そうして小高い丘に墓を建てて二人を葬った。

のちにこの話を伝え聞いた王は自らの狭量を恥じ、イケメン達の御霊を篤く弔ったという。

702 :風と木の名無しさん:2010/09/29(水) 19:42:27 ID:7V27cUI10
笑っていいのか泣いていいのかわからん複雑なこの心持ち!
どうしてくれようかGJ!

703 :風と木の名無しさん:2010/09/29(水) 22:39:52 ID:ZFaWTJHaO
泣けるのにイケメンという単語の語感でつい笑ってしまうw

704 :風と木の名無しさん:2010/09/30(木) 18:05:53 ID:nFCBZYRO0
名前がいちいちもう、どうしたら良いのかわからないw
けど、しっかりほのかな萌えがあってすごく面白かった。GJでした!

705 :風と木の名無しさん:2010/09/30(木) 18:42:24 ID:Ciun7OhF0
思い出すカノッ○の屈辱…

すごく面白かったですGJ


706 :風と木の名無しさん:2010/10/01(金) 00:46:58 ID:PTxy7FTzO
( ;∀;)イイハナシダナー
純愛というか殉愛というか、こういう悲恋は萌える


707 :風と木の名無しさん:2010/10/01(金) 10:02:42 ID:bSSeliYR0
名前の勝利w
ビジュアルも想像すると尚楽しい
GJ

708 :風と木の名無しさん:2010/10/01(金) 10:17:56 ID:zYZYbAt+O
あなたに会えて良かった

709 :風と木の名無しさん:2010/10/01(金) 11:05:44 ID:nft8+5r7O
震える手で頬に触れた

710 :1/2:2010/10/01(金) 13:46:51 ID:7c0oeDCe0
たぎったので萌え語り失礼します。
3パターン思いついたので全部投下。

1.拾われた子犬パターン
家族or幼馴染親友なんかに裏切られた少年が公園の片隅で寒さに震えていたとき
眼鏡が似合う優しそうなおじさんがたまたま通りかかって驚きながら
「きみ、どうしたんだい。そんな格好でいては寒いだろう」
と近づいてきて少年の手をとる
少年は手をふりはらう気力もなくされるがままに脱力していて
おじさんの方はとった手が血の気がうせるくらい真っ白になって震えているのに気付いて
とにかく温めなければ!と思うけど、自分は手袋をしていたので
唯一肌が露出していた自分の顔、というか頬に少年の手を無理矢理おしつける
突然のぬくもりに少年が驚いて見上げると「こんなに冷えて……」と
自分のことでもないのにつらそうな顔をしたおじさんがいて戸惑う

当然そのあとは独身貴族なおじさまが少年をお持ち帰りしてお風呂で温めてあげるコース

711 :2/2:2010/10/01(金) 13:47:40 ID:7c0oeDCe0
2.自分は汚れているからパターン
過去のことを何も聞かずに雇ってくれた主のため
人知れず邪魔者を屠ってきた従者だが、ある日それが主にバレる
主に嫌われるのを恐れ距離を失踪しようとする従者に
「そんなのは薄々気づいていた。気付かぬほど俺が無能だというつもりか
 知っていても、お前にそばにいてほしかったのだと、いわねばわからないのか」
と告げられ動揺するも
「私の手は汚れています。あなたにはふさわしくない」
「俺にふさわしいやつは俺が決めるし、お前の手が汚れているかなんて関係あるものか」
「汚い手であなたに触れるわけには」
「汚れがうつるものか。たわけ。それに気づいていてとめなかった俺も同罪だ」
「しかし」
「うるさい。命令だ。俺に触れ」
できません!俺の命令がきけないのか!という紆余曲折がありつつも
おそるおそる手を伸ばして主の頬に触れる従者と、触れられた瞬間微笑んで
「ほら、何を恐れることがある」
とかいっちゃう主と一生涯彼につくした従者の話

3.死ぬ間際パターン
戦場で。あるいは事故に巻き込まれて。もしくは災害のさなか
愛しい人の、しかし愛しいという気持ちはついに告げられなかった腕の中で
涙をたたえて「死ぬな!」と叫ぶ彼をみていいようのない満足感と
泣かせてしまった後悔を抱えながら
もはや声を出すことも叶わない身体を叱咤して腕をのばし
彼の頬に流れる涙をぬぐう
意識が途絶え、手から力が抜けるまで何度も
出すことのできない声のかわりに、溢れる涙をぬぐいつづけた

712 :風と木の名無しさん:2010/10/01(金) 17:21:13 ID:bSSeliYR0
お題を見た時に、死ぬ間際パターンが思い浮かんだんだけど、
他にもこんなシチュがあったんだなあ
やっぱり死ぬ間際が一番好きだけどw
GJ

713 :風と木の名無しさん:2010/10/01(金) 18:51:14 ID:Rfvh1g280
GJ
2に萌えました!

714 :風と木の名無しさん:2010/10/01(金) 20:38:29 ID:nft8+5r7O
GJ!!
どれも素晴らしいけど、オジサマ好きとしては
個人的に1番がドストライクです。
とりあえず連載はいつからでしょうか?

715 :風と木の名無しさん:2010/10/02(土) 12:28:26 ID:cwsXpSJG0
123どれもいいなぁ…
歳を取ったせいか2,3パターンは絶対に泣いてしまうよGJ!

716 :風と木の名無しさん:2010/10/03(日) 13:51:14 ID:KpFMuX630
まわし

717 :風と木の名無しさん:2010/10/03(日) 16:26:56 ID:EpWN79MS0
踏み台の踏み台

718 :風と木の名無しさん:2010/10/03(日) 16:50:08 ID:Gfn1m/UjO
オッス、オラ踏み台!

719 :風と木の名無しさん:2010/10/03(日) 16:59:33 ID:Bv4/qya10
でかいチワワ

720 :1/2:2010/10/04(月) 05:02:05 ID:UhcE2XoV0
フウ…と溜め息を付きながら
体育祭の喧噪を逃れオレはひと気のない校舎裏へ来た。

原因はさっきの仮装リレー。
受け狙いの競技のくせに、以外と得点が高いこの競技。
秘密兵器のアンカーとして送り込まれたアイツは凄かった。
なにせ可愛らしいぶかぶかのチワワの着ぐるみが
他のクラスの特撮ヒーローやら忍者やら海賊やらをごぼう抜きにして
ぶっちぎりの1位でゴールしたんだから。
そのあと、着ぐるみの頭の部分をハズして「やったぜっ!」って手を振ったアイツの笑顔。
クラスの皆でそれを喜びながらも、オレは複雑だった。
そんな笑顔を、他の奴らに見せてほしくない。
これ以上、注目されてほしくない。

なんだかいたたまれなくなったオレは、逃げるように校舎裏へとやってきた。
ようやく少し落ち着いたとき、いきなり後ろからどつかれた。
「…ってぇ、何だよっ!」
半ば八つ当たり気味に怒鳴りながら、振り返ってみて驚いた。
そこには、まだ下半身だけ着ぐるみを着たままのアイツがいた。
背はオレよりも少し高いし、そこそこ筋肉もついてる。
でなければ、こんなものを着てあんなに早く走れるわけがないだろう。
想いが叶わないのに、男としても負けているというのがまた悔しい。


721 :2/2:2010/10/04(月) 05:06:16 ID:UhcE2XoV0
「…ずいぶんでかいチワワだな」
悔しいから精一杯のイヤミを言ってみたが、まったく通じなかった。
「ふふん、見たかオレの勇姿を。ってかおまえ、せっかくのオレの勝利を祝ってくれないのかよ」
「別にクラスみんながさんざん祝ってたじゃねえか」
「みんなじゃなくて、オレはおまえに祝って欲しかったんだけどな〜」
「!」
うそだ。
こんな都合のいい展開があるわけがない。
ただの言葉のアヤで特別な意味ではないんだと、必死で自分に言い聞かせる。
驚きで言葉を返せないでいると、アイツが悪戯っぽい目で笑った。
「おーい、聞こえてるか。こないだオレが1位とったら何でもおごってくれるって言ったよな?」
「…覚えてたのか」
「あったりめーだろうが。その為に頑張ったんだから」
やっぱりな、そんなことだろうと思った。
けどまあ、約束を覚えておいてくれただけでもよしとしよう。
「仕方ねえな、何がいいんだよ」
「オレ、ずっと前から欲しかったものがあってさ」
「え?」

次の瞬間、オレの唇はアイツの唇で塞がれていた。


722 :風と木の名無しさん:2010/10/04(月) 08:27:06 ID:xXSFEZsO0
うおおお萌えた〜!ナイスチワワ!!

723 :風と木の名無しさん:2010/10/04(月) 11:24:52 ID:zL1MBt5p0
久々のSSだー
青春の王道展開に和んだよ GJ!

724 :風と木の名無しさん:2010/10/04(月) 12:56:53 ID:b4Dadl7S0
でかいチワワってどうするんだろうと思ってたけど
なるほど〜
ナイス王道GJ

725 :風と木の名無しさん:2010/10/04(月) 16:13:08 ID:rchS/7It0
王道美味しいですモグモグ

726 :風と木の名無しさん:2010/10/05(火) 00:56:24 ID:smccAILE0
マイカプを思い浮かべながら読んだら禿げた
王道って素晴らしいGJ!

727 :風と木の名無しさん:2010/10/06(水) 01:02:38 ID:lqDNLGiR0
回すよー

728 :風と木の名無しさん:2010/10/06(水) 01:12:22 ID:9BvDHav70
やさしく踏んでね

729 :風と木の名無しさん:2010/10/06(水) 01:18:27 ID:lqDNLGiR0
ゲームに夢中で話を聞いてくれません

730 :1/2:2010/10/06(水) 05:42:02 ID:wnNLsznV0
「なあ」
「はいはい」
「聞いてんの」
「聞いてるよーん?」
「嘘つけ」
「ほーんとほんと」
「こないだのテスト」
「あー」
「お前やばかったよな」
「うん」
「だから俺が今日来たんだよな」
「あー…ちょっくそっ」
「なんでゲームしてんの」
「始めちゃったもんはしょうがないっしょ…」
「あと10分」
「あいよ」

これ以降はもう、返答がない。
この集中力を勉強に使えば、あんな点数取らずに済むのにな。

731 :2/2:2010/10/06(水) 05:42:35 ID:wnNLsznV0
「なあ」
「…」
「昨日のサッカーすごかったな」
「…」
「お前女子アナで誰がいい?」
「…」

「…好きな人とかいんの」

バカらしい。
高校生に、こんなにドキドキして、聞いてないって保険かけて、やっと出た言葉がこれかよ。

「はい、終わったよ。だいたい10分でしょ?」
「あ、ああ…」
「ヒロ兄だよ」
「え?」

コントローラー握ったまんまあいつが笑う。
何のためにテストで毎回毎回赤点取ってると思ってんの?

「それはゲームのせいだろ」

声が震えなくて、本当によかった。

732 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 00:47:30 ID:VR6k25wjO
年下が一枚上手な感じがいいね!
そして二人のこの後が気になりますwwGJ!

733 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 01:36:25 ID:M+hafGDZO
感想ないしもう回していいよね
次おねがいします

734 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 01:38:04 ID:M+hafGDZO
まわし

735 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 02:01:23 ID:M+hafGDZO
まわします

736 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 02:08:08 ID:M+hafGDZO
まわ

737 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 02:13:37 ID:M+hafGDZO
まわします

738 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 02:17:00 ID:M+hafGDZO
まわし

739 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 02:21:33 ID:M+hafGDZO
まわします

740 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 02:37:25 ID:he2eYbqf0
>同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。
>テンプレ違反の*9はお流れです。

ID:M+hafGDZOは>>1を3回声に出して読んだ後半年ROMること
まわし

741 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 10:15:28 ID:UQrpx7zU0
しかも投下後24時間たってなかったね。

742 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 10:45:10 ID:qNx1fVAzO
残念な人もいるもんだまわし

743 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 13:59:40 ID:1WhEbFrL0
いいんだな……本当にまわしても

744 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 16:08:52 ID:liOS4kNRO
もう…いいんです
あなたの自由にして下さい…

745 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 17:04:21 ID:s7rvBwj1O
そんなこと言って…お前もまわしたいんだろう?

746 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 21:17:16 ID:ztmtBzEXO
思いたければそう思えばいい
僕はただ、まわすだけです

747 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 22:44:51 ID:a9LLgHMiO
強情だな
素直にまわしたいって言ってもいいんだぜ?

748 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 22:48:25 ID:ESpTfTtP0
まわ……踏み台ですた

749 :風と木の名無しさん:2010/10/07(木) 22:55:50 ID:mzUHNYhZ0
もういいでしょ

750 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 00:42:11 ID:KUTxB0scO
20××年度
【攻め力検定予想問題集】より抜粋。

問題:次の3つの「もういいでしょ」に対する、攻めの行動を答えよ。

パターン1:悲しみ型。
「もういいでしょ、ほっとけよ」
失恋した受けが、机に突っ伏しながらとても悲しそうな表情で酒を煽っていました。
アナタなら、どう声をかけますか?

答:

パターン2:怒り型

「もういいでしょ、ほっとけよ!」
受けがなんだかヘソを曲げてしまったようです。
何とか宥めないと、ヤッソンお預け一週間目に突入してしまいます。
アナタはどうやってなだめますか?

答:

パターン3:当て馬型

「ふん、もういいでしょ、ほっとけよ」
何だか、きな臭い現場に出くわしました。
どうやら、最近知り合った当て馬が、受けをリンチしている最中のようです。
アナタはまず、何をしますか?
※受けが悲しみそうな回答は、減点します。

答:

(各設問、配点20)

751 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 01:04:32 ID:GD2BUE3PO
新しいw!模範解答はどこですか?GJ


752 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 01:18:36 ID:/8M1M0aEO
攻め力検定w
とりあえず考えてみた

パターン1
A 「よくねぇよ…弱いくせにこんなに飲んで…そんなに辛いのか?…俺じゃダメなのかよ」
(後半になる程小声です)

パターン2
A 後ろから抱きしめて「ほっとけないよ、お前のことが好きだから…」

パターン3
A 当て馬の隙をついて受けを無理やり連れ出し、部屋で手当てをします
(場合によってはやっそんプラグ)
悔しがる当て馬にライバル視されるところまで必要です。

先生、模範解答欲しいです!参加型とは新しい
楽しかったですGJでした!

753 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 05:39:50 ID:TTRQ20lTO
前スレかなんかで攻めの検定って何かあったな〜と思ったら勃起力検定だったw
新しいパターンで面白いです!模範解答欲しい!

754 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 12:07:30 ID:w3L3uEt30
1.一緒に酒につきあう
2.食事をつくって相手が食欲に負けるのを待つ
3.警察を呼ぶ(でも受けに怒られて減点対象か?)

面白かったw攻めキャラで全然違う答えになりそうw

755 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 14:17:39 ID:q3CL02nw0
受け力検定予想問題集も欲しいな
模範解答もぜひ!
新しい萌えのカタチだなーGJ!

756 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 16:34:12 ID:InYLeirz0
A1:「いいよ、飲めよ。俺も飲む。……何か食えよ、体に悪いぞ」
A2:「そういう態度は建設的じゃない。お互いの悪いところを話し合いで改善すべきだ」
A3:「……お望みどおり掘っておいてやらぁ!おらぁ!」


757 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 19:20:55 ID:ISXnlWYo0
パターン1:無口攻め
「………そうか」
とりあえず静かに同意する声をかけない。ただ隣に座って飲む。受けが酔いつぶれたあたりで淡々と勘定を済ませ家に持ち帰り。介抱したり見つめてみたり。 襲うか否かは気の向くまま。
パターン2:うるさいけど色々心得てる攻め
「はいはいじゃあパーッといきましょー!」
あえて話はきかない。図々しく酒をたかる。受けがそれを受け入れた後、深刻モードになったあたりで優しく黙る。

A2:
パターン1:無口攻め
「…放っておこうか?」
まず相手の目を見つめます。真っ直ぐに。真剣に見つめます。 そして真顔のまま、真面目に上記の一言です。ほんの少しだけ受けに分かる程度に寂しさと、真剣さをにじませるのがポイントです。
これによって仲直りできるか、数年後の再会フラグが立つかに分かれます。
パターン2:明るめ大人攻め
「…嫌。うん、それは嫌だ。…ごめんね」
素直に謝ります。あとは時間薬で受けが擦り寄ってくるのを待ちましょう。

A3:
パターン1:元当て馬の攻め
「…うん、ごめん。それは無理だよ。ごめんね」
受けのためというよりほぼ同じことした(しかけた)自分への自戒という名目で救出します。本音は自分のためでも受けのためでもどちらでも。
そのお陰で受けより儚く見える可能性もありますが、逆手にとってなんかあるんだろうな、というのを匂わせて、上手く受けの同情を引いて素直に介抱をうけさせます。
ちなみにこれは後々のイベント幾パターンかを出現させるためのフラグになりますが、まあそれは別の話です。
パターン2:淡々と男前に普通な感じの攻め
「いやそれ無理。普通に無理。友達だろ?」
普通そのような性癖でない人が暴行されている場合、放っといてはいけない、という常識に則って行動。 表面で何を言われていても、友人なら尚更救い出します。
当て馬に注意の言葉も忘れません。 後々どうして助けだした、と聞かれるでしょうが、その時も優しく答えましょう。ブレないことが大切です。 その後親友になるもよし。色々パターンを広げます。

面白かったですw 模範回答欲しい同意 なんといういい仕事な出題形式…!

758 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 19:32:40 ID:ptKCLonz0
>>328
まとめに収録するのはルール通り*0だけでいいと思う
気合い入れて回答書いた人には悪いけど
(多分書いた人も、私のも収録して欲しい!なんてつもりで書いてはいないだろう)
これまでだって面白くてネタっぽい*1〜*8の感想いろいろあったが収録はされてないよね

759 :風と木の名無しさん:2010/10/08(金) 19:33:59 ID:rV+7bGh00
美味しい展開きたああああ

760 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 00:23:47 ID:D519voohO
「先輩!」
「なに?」
「目の前にモンスターが!」
「溜まりに溜まったお前の仕事な」
「というわけで手伝ってください!」
「断る。そして脈絡を持って喋れ。徹夜でやりゃ終わるだろ」
「オレにしねと!?」
「俺はもう帰んだよ」
「おーい」
「?なんだ?」
「………センパイ」
「今、終わりか?」
「ああ」
「ならさ、飲みに行かねぇ?」
「あー…悪い、これからこいつと残業しなきゃならねぇから無理」
「えっ」
「えっ」
「…え?…嫌か?」
「〜〜っ!とんでもないッス!お供しますッ!」
「お共も何もお前の仕事だろうが」
「え、あ、ちょ…」
「じゃあな」
「お疲れ様ッス、センパイ!行きましょう先輩!(美味しい展開きたああああ)」

761 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 18:31:00 ID:cbuJJPg20
読解力なくて悪いんだけど、3人いる?
最初は後輩と先輩1で、仕事に付き合ってくれるのが先輩2?

762 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 18:43:29 ID:8LMQ84fZ0
多分「おーい」から第三者が入ってる…?
セリフだけだと分からん。

763 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 18:47:36 ID:a6GlUs460
http://com.nicovideo.jp/community/co52155

764 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 18:55:08 ID:D9uN358j0
「先輩」と「センパイ」は別人。
「おーい」は後から来たセンパイのセリフ。
センパイは先輩を飲みに誘うが先輩は後輩の残業を手伝うと言って断る。
後輩ほくほく。

ではないだろうか。

765 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 20:23:56 ID:xkJq+VeQ0
後輩「先輩!」
先輩「なに?」
後輩「目の前にモンスターが!」
先輩「溜まりに溜まったお前の仕事な」
後輩「というわけで手伝ってください!」
先輩「断る。そして脈絡を持って喋れ。徹夜でやりゃ終わるだろ」
後輩「オレにしねと!?」
先輩「俺はもう帰んだよ」
センパイ「おーい」
先輩「?なんだ?」
後輩「………センパイ」
センパイ「今、終わりか?」
先輩「ああ」
センパイ「ならさ、飲みに行かねぇ?」
先輩「あー…悪い、これからこいつと残業しなきゃならねぇから無理」
センパイ「えっ」
後輩「えっ」
先輩「…え?…嫌か?」
後輩「〜〜っ!とんでもないッス!お供しますッ!」
先輩「お共も何もお前の仕事だろうが」
センパイ「え、あ、ちょ…」
先輩「じゃあな」
後輩「お疲れ様ッス、センパイ!行きましょう先輩!(美味しい展開きたああああ)」

つまりこうか。輩の文字がゲシュタルト崩壊。

766 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 20:35:19 ID:F87XL8AP0
3人いたのか…全然読解できてなかったよ
先輩が後輩の仕事付き合うことにしたのはセンパイに後輩を
取られるような気がしたからかな〜と思うと萌える

767 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 21:33:57 ID:bFRdad9+O
あああ、そうだったのか!ありがとう!読解力なくてごめん

768 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 21:38:28 ID:/jA1eV6u0
解説助かるな
ついでに俺を踏み台にして進め

769 :風と木の名無しさん:2010/10/09(土) 22:02:27 ID:61nEOedc0
犬と猫

770 :1/2:2010/10/10(日) 07:48:23 ID:Zn44YVk40
 いつも彼の接触は唐突で、そして気紛れだ。

 例えば昼休憩、手洗い場にでも行こうかと席を立ったその時。突然がしっと背後から右肩に腕を回される。
 そして左の耳元に響く、囁くような恋人の笑い声。
「どうした、辛気臭い顔して」
 君のことを考えてたんだ。そう言えたらどれだけいいか。
「……この分だと今日も残業になりそうで。今夜こそ早く帰れると思ってたのにな」
「え、お前残業なのかよ。なんだ、今夜は飲みに誘うつもりだったのに」
 意外にも、とっさに取り繕った別の理由に大きな反応が返ってきた。
 頸を曲げて見上げた彼の表情は心から残念そうにしゅんと沈んでいて、まるで散歩に連れて行ってもらえないと
知ってしょげる犬のよう。
 可愛い。
 どくんと心臓が跳ねた瞬間、密着した彼の体温と匂いを一層強く意識する。こんなのいつものことなのに。
「今から昼食なんだ。手を洗いに行くから」
 それだけで意図が通じたらしく、回された腕がどけられる。だけどほっとする間もなく、次の衝撃がやってくる。
 今度は左の耳たぶに。
「へえ。お前ってここにほくろあったんだな」
 つんつんぷにぷにと指先が僕の耳をいじり回す。くすぐったい。でもそれ以上に、至近距離に迫る彼の眼差しが、
頸にかかる彼の吐息が、僕の背筋にぞわぞわと奇妙な震えを呼ぶ。

 そう、これはいつものこと。いつもいつも彼はこうして、肩に腕を回したり背中を叩いたり耳を撫でたりなどと
ひっきりなしに僕にじゃれついてくる。
 それは恋人同士になる前、ただの同僚だった頃からずっとそうだったけど、今の関係になってからはもっと強烈に
なってきた。周りに人がいないからって、今が真昼間だってことにも、ここが社内だってこともお構いなしだ。
 ――いや、その辺りはまだいい。問題は他にある。

「なあ。帰り、飲みに付き合えよ。残業手伝ってやるからさ」
 遊んで、としっぽを振る犬の幻覚が彼の笑顔と重なる。
 犬っぽいってよく言われる。そう前に彼が口にしたその時は、「確かに」と心中密かに同意したものなのだが。
どうやらそうでもないらしい事を、今の関係になって僕は初めて知った。
 そして、それが一番の問題なのである。

771 :2/2:2010/10/10(日) 07:58:16 ID:Zn44YVk40
「俺は終わったぞ、お前は?」
「こっちもあと少し」
 窓から覗く景色はとっぷりと暮れていて、オフィスに残っているのも僕達二人だけ。気楽な声で呼びかけてきた後、
無造作に彼が席を立って僕のデスクに歩み寄る。
 椅子に座る僕の背後から、操作中のPCの画面を覗き込んでくる。その動作と同時に、ふわりと香る彼の匂い。
 僕の右肩に彼が片手を置く。もう何か手伝う事はないのか、と傍から零された問いかけが左耳をくすぐる。
 もう限界だ。そう思った瞬間には、相手の頭を掴んでその唇を塞いでいた。

「むぐ、うッ」
 口付けは一秒も経たずに引っぺがされた。離れた唇を追いかけて椅子から立ち上がれば、彼が飛びすさるように
後ろへ下がる。薄闇の中でもはっきりと判る赤い頬。かわいい。撫でてしまいたい。
 堪らず手を伸ばせばまた数歩後ずさり。仕方なく歩み寄ったら壁際にまで逃げられる。
「そんなに逃げなくてもいいじゃないか」
「普通逃げるだろ!? なんだよいきなりっ」
 君のせいだ。という言葉の代わりに伸ばした手はまた避けられた。思わずむっとする。
 普段は自分からあんなにひっついてくるくせに、僕が手を伸ばせばすぐ逃げる。まるで野良猫だ。
 嫌われてるわけじゃない。それは、遊び盛りの子犬みたいな昼の君を見れば判る。ただ夜の空気に対して過敏と
いうか、非常に照れ屋なだけなのだ。そう知ってはいるけど不満は燻る。
 いつも、こちらから抱き締めるだけでも一苦労で。なのに昼間はスキンシップの嵐なんてあんまりだ。
 昼は犬で夜は猫。せめてどちらかに統一してくれよ。
「……いきなりキスしたのは謝るから」
 優しく囁きながら、彼に向かって右掌を差し出す。びくっと相手の肩が跳ねる。
「逃げないでくれ。そばに居たいんだ」
 渾身の猫撫で声が効いてくれたのかどうか。
 壁から僅かに彼の背が浮く。伸ばした指先が相手のそれに触れた。

 彼が犬っぽいのか猫っぽいのか、実際のところは僕には判らない。
 でも、理性を飛ばした後の啼き声なんかは子猫のそれに似ているかもしれない。
 また聞きたいな。
 そう僕は思いつつも、やっと腕の中に収まってくれた彼の首筋へとつうっと舌先を這わせてゆく。か細く震える
吐息を聴きながら。
 横に一周、輪を描くように。

772 :風と木の名無しさん:2010/10/10(日) 08:32:43 ID:sHUiKebYO
「犬」と「猫」じゃなくて「犬と猫」なのな。
いろいろ予想外でびっくりした。
最終的には好きシチュの気配がするので、できれば長く読みたかったです。
GJ

773 :風と木の名無しさん:2010/10/10(日) 09:38:34 ID:KNyQzwfl0
GJ!
片方が犬で片方が猫かと思ったら、犬のような猫のような受だったとは
最後の一行もよかった

774 :風と木の名無しさん:2010/10/10(日) 17:13:24 ID:MV9w5HtD0
擬人化かと思って、
「そうか、犬も残業するのか。犬のおまわりさんタイプだな」
と途中まで思っていた…。すみません。
彼氏が色っぽくて良かったです。GJ

775 :風と木の名無しさん:2010/10/10(日) 18:47:26 ID:xHtj/RjG0
「啼き声」に爆笑してしまったww
いいね萌えましたGJ!

776 :風と木の名無しさん:2010/10/11(月) 14:58:46 ID:cb3J7DPc0
犬も猫も魅力的じゃないか。一粒で二度美味しい受GJです。

>>774 残業する犬のおまわりさんに大層萌えたんですがどうしてくれる

777 :風と木の名無しさん:2010/10/11(月) 15:28:47 ID:/sMev2npO
えっ逆!?と思ったけどこれはこれですごく萌えました
色気のある構成にドキドキしたよ。GJでした!

778 :風と木の名無しさん:2010/10/11(月) 16:14:34 ID:dcx+H7AnO
犬と猫どっちも兼ね備えてるなんて魔性すぎますw
萌えたよGJ!!

779 :風と木の名無しさん:2010/10/11(月) 16:34:49 ID:w4taYXPtO
食わせ者同士

780 :風と木の名無しさん:2010/10/12(火) 01:19:14 ID:J8eQyxub0
食わせ者ってよく見かけるけどどういう意味だっけ……
広/辞/苑さんに聞いてみました。

くわせ-もの【食わせ物・食わせ者】クハセ・・
外観はよく見えて、その実はよくない物、または人。いかさまもの。「とんだ―だ」

だそうで。つまりエセ紳士とか、天使の顔した悪魔とか、猫かぶりとか、
受けと見せかけた総攻めとか、いやこれはちょっと違うか。

食わせ者同士ってことはそんな腹に一物ある二人のうち片方は受けになるわけで。
朝は聖人「お早うございます、いい朝ですね(´∀`)」
昼は暴君「あ゛、弁当? テメー俺に豚の餌食えってか(゚Д゚#)」
夜はニャンニヤン「こ、んなはずじゃ……アッー!(///)」
みたいな三段階変化が拝めるということですね、御馳走様です。

学校でなら「敬語委員長VS爽やか運動部員」とか、
社会人なら「詐欺師VS七光り二代目社長」とか、
芸能界なら「アイドルVSドジっ子マネージャー」とか、
異世界なら「聖職者VS落ちこぼれ悪魔」とか、
食わせ者バトルはそこかしこで開催されていますが、
さすがに一つ一つ実況する能力はありません。

------------------------------------------------------------

萌え語りって難しいね。

781 :風と木の名無しさん:2010/10/12(火) 05:43:32 ID:Iu2ekP0aO
ほほぅ、と勉強しながらGJ!

ならば「生徒会長vs風紀委員長」が自分的には食わせ者同士かな。と、考えてみる。

782 :風と木の名無しさん:2010/10/12(火) 18:00:33 ID:9lCu8Olx0
おもしろかった!GJ!
生徒会副委員長vs文化部部長とか、副社長vs副社長とかもどうだろうかと考えてみる
副と名の付く方が食わせ者っぽく感じるのは自分だけか?

783 :風と木の名無しさん:2010/10/12(火) 21:52:25 ID:V6HiUhD+0
へぇ〜へぇ〜へぇ〜ともはや懐かしくGJ

エセ紳士(眼鏡装備)vs天使顔のタラシなんてどうかと考えてみる
いや自分の萌え攻め同士なだけなんですがね

784 :風と木の名無しさん:2010/10/13(水) 21:06:03 ID:uRllnVbvO
そろそろまわします

785 :風と木の名無しさん:2010/10/13(水) 23:11:13 ID:rE/8AryPO
なんだよう
まわすのかよう
(チョイ不良受)

786 :風と木の名無しさん:2010/10/13(水) 23:21:06 ID:MbO9Nubc0
だって君のここが
こんなにまわされたいって言ってるから…
(眼鏡委員長攻め)

787 :風と木の名無しさん:2010/10/13(水) 23:41:52 ID:zyRnvCFlO
……ハァ…
もうまわしたいならまわせば?(面倒臭がり受け)

788 :風と木の名無しさん:2010/10/13(水) 23:58:46 ID:PCWfdnoKO
*9にも*0にも関係ないネタ以外のレスでまわされると
「まわします」一語よりもイラッとくるな

789 :風と木の名無しさん:2010/10/13(水) 23:58:46 ID:Bv38ZORmO
えっ
ほ、ほんとにいいの?
(へたれ攻め)

790 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 00:10:41 ID:zG1ZwZNY0
788タイミングが悪い
それ書きこまなかったら789でお題が出来たのになあ…と思った

791 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 00:11:55 ID:zG1ZwZNY0
というか、文句なら絡みかチラシへ行くべき
788が余計なこと書くからお題が出来なかった…

792 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 00:13:09 ID:zG1ZwZNY0
それに、まわしと一言書くよりも
785-787みたいな方が楽しいのに…と思った

793 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 00:13:51 ID:zG1ZwZNY0
788が書きこまなかったら789がつながって
きれいに次のお題ができたのになあ…

794 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 00:15:44 ID:zG1ZwZNY0
あああああああすいません!!!
書きこみできてないと思って何度も書きなおしてた
&チラシの裏とのタブきりかえ間違えてました!!
すいません789で書きますね!本当にすいません!!

795 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 00:16:59 ID:aTNFhgak0
分かってないのかわざとか知らんけど、どんな内容や誤爆であろうと
>>790>>789をお題にして書くんだよ
ちゃんと>>1

796 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 07:30:18 ID:rNiRX0TJO
あほらし

797 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 07:37:15 ID:rNiRX0TJO
>>788
まわしだけじゃ780がつまらんかったと
暗に言ってるようで気分悪いと
意見が昔あったからわざわざ
攻め受けねたで書いたんだけどな
否定ばっかする方が厨
つながった文章だからただの連投だって
別館でも言われてるwww

798 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 11:34:17 ID:+9bebucm0
もういいよ!
それより早く踏んでよ!

799 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 11:37:09 ID:a9s0Z0eC0
猫耳執事

800 :1/2:2010/10/14(木) 15:48:17 ID:G2iS59ZJ0
「坊ちゃま、引っ張らないでください……とても痛いので」

壮年男性の頭部からにょっきり現れた獣の耳―――シュールだ。
ぴくぴく動くこの三角形はおそらく猫のものだ。髪をかき分けてまじまじと観察してみる。
接着剤や何かでくっつけたわけではなく、頭蓋骨から生えているらしい。
痛いというからには神経も通っているのだろう。
「……どうしてこうなった」
猫耳の起始部を無遠慮に見つめながら、青年は問うた。
「……存じません。朝起きたら生えていたものですから」
執事は俯き、耳を伏せてため息をついた。
頭から猫の耳が生えていることを除けば常と変わらず、有能な使用人達のまとめ役である。
しかし鹿爪顔も優雅な立ち居振る舞いも、この猫耳一対が全てを台無しにしている。
「これは……面白いな」
青年はもはや引っ張るだけでは飽きたらず、柔らかな耳介をつまんだり指で押しつぶしたりし始めた。

「何をしている」
熱心に猫耳を弄る青年の背後から、唐突に声がかかった。
屋敷の主人、青年にとっては父親たる人物である。
「ああ、父さんか。今面白いところだから邪魔しないで欲しいな」
「彼はうちの使用人であってお前の所有物ではない。
 あまり勝手をするようなら、それ相応の罰を与えることになるが」
声音は穏やかなようでいて、芯は凍り付くように冷たい。
これ以上の戯れは危険と判断し、青年は肩を竦めて去っていった。

801 :2/3:2010/10/14(木) 15:50:58 ID:G2iS59ZJ0
「旦那様」
主人が助け船を出すのは珍しいことではあった。
しかし状況が状況だけに、執事は素直に感謝した。
「助かりました。メイド達は私を見てあからさまに笑いを堪えているわ、
 坊ちゃまには好き勝手いたずらされるわで、もう……」
朝からの経緯を説明すると、主人は同情的な微笑を浮かべて肩を叩いた。
「君も大変だったね。息子には私からきつく言っておくから、どうか許してやって欲しい」
「いえ、そんな―――」
「ところで私は猫が好きだ」
執事の言葉を半ばに遮って、唐突に主人は言った。
「そうでしたか、それは初耳です」
執事はさりげなく目を逸らし、努めて無表情を装った。何やら嫌な予感がする。
「君だって猫の耳を生やしている以上、より猫らしく振る舞う義務があるのではないか」
「…………」
「たとえば、語尾に”にゃん”をつけるとか」
「は?」
「”旦那様、ご奉仕しますにゃん”とか、まあそういった感じだ」
猫は人語も喋らなければ”にゃん”などとふざけたことも言わない。
幼児にも分かる世界の常識を、執事はあえて口にしなかった。
端から無駄と分かっていることはやらない主義だ。
「下々の文化に毒され過ぎです。私の語尾が妙な具合になっても、誰も得をしません」
頭から獣の耳が生えるという事態は突拍子もないが、主人の言動は更に予想の斜め上をいく。
冗談か本気か、長年仕える執事にも判断しかねた。

802 :3/3:2010/10/14(木) 15:53:09 ID:G2iS59ZJ0
「でも君、猫になったんだろう? そのくらいはいいじゃないか」
「猫ではありません、執事です。沽券に関わるのでそういうのはご容赦ください」
執事は辛抱強く言葉を重ねたが、主人は何か別のことを考えているふうだった。
基本的に、聞きたいときにしか人の話を聞かない男である。
「ふぅん……」
呟きながら、主人はじりじりと距離を詰めてくる。
執事は反射的に二の腕を掴んで押しとどめようとした。
「ちなみに”下々の文化”では、殊に耳が敏感ということになっている。君の場合はどうなのかな」
主人は猫耳の辺りに触れようとしたが、両腕を抑えられていて文字通り手が出ない。
代わりに顔を近づけ、耳介の内側を舌先でなぞった。
「―――っ!」
執事はきつく目を閉じ、無意識のうちに強く爪を立てて息を殺す。
数秒も続けると、熱っぽいため息が漏れた。主人は漸う満足して身を離した。
「なんだ、やっぱり猫じゃないか。物騒だから、夜伽のときは爪をしまっておいてくれ」
痛む二の腕をさすりながら、主人は苦笑した。

803 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 18:08:38 ID:nmjOEiTW0
下々の文化に詳しすぎる旦那様が素敵です
GJ!!!

804 :風と木の名無しさん:2010/10/14(木) 19:08:19 ID:i8mB/LDC0
このww親子wwww
旦那様も息子も、もちろん執事もおいしすぎる!!
冷静な口調で凄いこと言ってるところがまたいいです
GJ!

805 :風と木の名無しさん:2010/10/15(金) 03:44:06 ID:6KXBcHcS0
年下攻めフラグかと思いきや主従で萌えた! GJ!!!

806 :風と木の名無しさん:2010/10/15(金) 13:48:32 ID:NZxNgyECO
坊ちゃまが執事さんをいじってるのは好きなこをいじめたいドS気質なのか
お父さんが執事といい仲なので執事に嫉妬してこれみよがしにいじめてるのか
そこが問題だ。そこ次第でルートが分岐する

807 :風と木の名無しさん:2010/10/15(金) 14:18:41 ID:NoEfSCqN0
にゃんは可愛いな
自分も耳をいじりたい
GJ

808 :風と木の名無しさん:2010/10/15(金) 14:32:50 ID:fojY3xyW0
尻尾も生えて欲しい
是非ご主人には尻尾も攻めていただきたい
そして次のお題どうぞ↓

809 :風と木の名無しさん:2010/10/15(金) 14:42:16 ID:8ha7/8jL0
戦闘狂

810 :1/2:2010/10/15(金) 22:07:09 ID:xCXuI/fY0
狂→名詞を修飾しそのことに熱中する人の意を表す。
要するに戦闘大好き人間、戦マニア、バーサーカー
一口に「戦闘」といっても色々あるんでしょうが、ここでは命をやりとりするレベルを想定します。戦争とか
まあ戦闘好きなんてのは多少の差はあれ、まともな人間じゃありません。
不幸な過去、いびつな精神構造、憑依体質、卓越した身体能力、神算鬼謀、屍山血河、呪われた武器
―――厨二マインドをくすぐる連想ワードがてんこ盛りです。いい感じに妄想が盛り上がります
様々なタイプの戦闘狂がいますが、共通項は良識派との組み合わせマジお勧めということくらいでしょうか。
以下代表例を3タイプ。

【タイプ1】熱血猪突猛進型
カップリング推奨:冷静沈着参謀タイプ
やってる事とは裏腹に、不思議と殺伐とした印象を(読者に)与えないタイプです。
周囲も「本当に人殺しが好き男だな……」というより「あいつは戦闘馬鹿だからなぁ」みたいな評価。
更なる高みを目指してより強いやつとor修羅場な戦場で戦いたいという闘争本能の昂ぶりを抑えきれない!
……どこかで聞いたことがあるような、と思われた方は「テンプレだから仕方ない」を3回唱えてみてください
基本フェアプレーを好むが、ある程度みなぎってくるとストッパーが外れ、最前線で狂戦士状態。
そんな勢いはあれど若干視野の狭い彼のベストパートナーは勿論、冷静沈着で頭の切れるタイプ。
「君はカッとなると後先見えないからな」とフォローに奔走するのは基本中の基本です。愛です

811 :2/2:2010/10/15(金) 22:08:49 ID:xCXuI/fY0
【タイプ2】血に飢えた厨二型
カップリング推奨:偽悪的な隠れ良識派世話焼きおかん系
壮絶な過去を経て極端に性格がねじ曲がったタイプ。
自覚的に破壊を愉しむ反面、無自覚に自殺願望も抱えていて無茶無謀を好む。
無駄に高過ぎるスペックのため死ぬに死ねない、でも戦い楽しいやめられない止まらない!( ゚∀゚)アヒャ
全身に返り血を浴び、哄笑しながら戦の庭を練り歩く。数多の命を糧にした剣は既に魔性を帯びて云々
そんな厨二的戦闘狂には、悪ぶってるけど倫理観しっかりしてて、世話焼き体質の相方がいるといい
相方の妙に庶民的な感覚に触れて毒気を抜かれたりするといい
一緒にいるときは精神状態が安定しすぎてうっかり普通の子みたいになってたりすると萌える。
そんな大事な相方の危機に際して、ヤンデレパワー大爆発敵方大後悔!なシチュが美味しいです

【タイプ3】倫理欠落型
カップリング推奨:包容力ある揺るぎねえ良識派(愛の鉄拳制裁も辞さない)
生命に関する倫理がおよそ欠落していて、相手方をいかに効率よく潰すかにのみ執心するタイプ。
分布的には前線で活躍する戦闘員よりも、参謀/軍師辺りに多いか。ファンタジー世界なら魔術師系もあり。
身近に良識的な上官/相棒/部下のいずれかがいて、その人に対して病んだ愛情を注いでいる。
で、心理面・戦略的に彼の負担を軽減したいという願望も(無意識的に)あり、血も涙もない作戦を立案実行
他人に冷血漢と陰口叩かれても聞こえてても特に何も感じない。
自分には人間的な感情が無いと本気で思い込んでいる。周囲もそう思い込んでいる
件の上官/相棒/部下からは「(危なっかしくて)駄目だこいつ、自分が何とかしてやらないと」と思われている。
彼が適度に抑制をかけていれば”冷静かつ果敢な判断のできる優秀なブレイン”、
抑えを失うと激情家の本性が徐々に剥き出しになり、戦の狂気に酔って大惨事に発展したりします

812 :風と木の名無しさん:2010/10/15(金) 23:10:20 ID:UPInxiv2O
おおお、素晴らしい
テンプレ大好きです!
参謀役もおいしいね
GJ

813 :風と木の名無しさん:2010/10/15(金) 23:31:41 ID:p6v49SMo0

【タイプ2】血に飢えた厨二型がカプ含めもろ好みだw

814 :風と木の名無しさん:2010/10/16(土) 01:05:14 ID:MzCO5xRo0
良識派とのコンビはやはり鉄板だな!
戦闘狂いは死亡フラグ遭遇率が他よりもかなり高かろうから生き抜いてほしい
(死にネタもそれはそれで燃えるけど)

815 :風と木の名無しさん:2010/10/16(土) 10:26:58 ID:IP/fj3fJ0
王道テンプレはやっぱり鉄板だ
良い萌え語りでした
GJ

816 :風と木の名無しさん:2010/10/16(土) 12:04:35 ID:4+s7uG//O
うわぁぁ禿げ萌えた
ナイス萌え語りでしたGJ!!

817 :風と木の名無しさん:2010/10/17(日) 11:23:49 ID:L1g+PekhO
私も厨ニが一番たぎった
あのタイプが一番戦闘狂って感じがするな。GJ!
まとめにもきてたね

さあ、俺が食い止めているうちに次の踏み台を……!

818 :風と木の名無しさん:2010/10/17(日) 13:31:45 ID:nobcwDIKO
萌えながら踏み台になるとしようじゃないか…!

819 :風と木の名無しさん:2010/10/17(日) 13:32:53 ID:4JXzAF0P0
悪魔落ちした騎士×青年貴族

820 :1/3:2010/10/17(日) 22:53:30 ID:k0i42iLY0
悪魔落ちってこういうことじゃなかったらごめん

------------------------------------------------------------

 今も続く初恋の話をしよう。
 彼と初めて出会ったのは、小さな廃教会だった。風雨を防ぐ役にも立たない古い建物で、俺
はそこで自分以外の人間を見たことがなかった。
 美しい少年だった。侯爵家の跡取りと聞いて納得したものだ。彼は俺が平民だととうに分か
っていただろうし、貴族だからと偉ぶりはしなかった。それでも俺は見栄をはって、自分はい
ずれ国中に名を知られた騎士になってみせる、いずれお前と公の場で話せる身分になる、そう
彼に誓った。彼は喜んでくれたように思う。
 それから俺は、週に一度は廃教会を訪れた。月に一度くらいは彼と会えた。俺たちは叙任式
の真似事をしたり、国の未来について聞きかじりの知識で拙い議論を交わしたりした。俺は彼
をロードと呼び、彼は俺をサーと呼んだ。
 俺が従騎士になったころ、廃教会はついに取り壊された。俺は彼の名を知らなかったし、知
っていたところで会いに行けるはずもなく、俺たちの繋がりは途絶えてしまった。騎士になろ
う、俺は俺に誓った。
 努力をした。それでも足りなかった。どうにか騎士にはなれた、しかし俺はそこまでだった。
国中に知られるどころか、使い捨ての兵隊にしかなれなかった。
 明日から国境で戦えと命じられた日、部屋に彼が現れた。初めは夢かと思い、すぐにそれが
悪魔だと気付いた。最後にあった日から、俺の背はずいぶん伸びて、体つきもずっとしっかり
した。彼だけが変わっていないはずはなかった。
 悪魔は言った、俺を騎士の中の騎士にしてやろうと。俺は悪魔と契約した。それ以来、俺の
体は軽く、周りの動きは鈍くなった。頭は冴えわたり、敵の奸計を容易く見抜いた。心はひど
く穏やかで、誰にも優しく接する俺はさぞかし善人に見えただろう。
 戦場を離れれば、俺は羊のように温厚だった。どんな無礼にも感情に任せて怒ることはなか
った。物欲も薄くなった。女が欲しいと思うこともなくなり、娼館には行かなくなった。勤勉
で、偉ぶらない、優秀な騎士。それが俺だった。ふと自分が色々な感情を失ったことに気付い
たが、彼への思いだけは忘れていなかった。それで十分だった。

821 :2/3:2010/10/17(日) 22:54:45 ID:k0i42iLY0
 俺が今、地位を失い、罪人として裁きを待っているのは、悪魔との契約を知られたからだ。
俺が失った感情の一つ、嫉妬心を持った誰かが、俺の弱みを探していた。妬むことを忘れた俺
に、誰かが俺を妬んでいるなどという考えの湧くはずがなかった。
 明日の昼には形ばかりの裁判が行われて、俺に裁きが下される。看守の噂話によると裁判官
は、侯爵の地位にある若い男だという。もしも許されるなら彼に、最初で最期のキスをしたい。

------------------------------------------------------------

 今も続く初恋の話をしよう。
 彼と初めて出会ったのは、小さな廃教会だった。一人で街を歩いてみたくて、使用人たちか
ら逃げて迷い込んだ、古い建物だった。
 美しいひとだと思った。俺が侯爵家の人間だと聞いても、偉そうな態度を変えなかった。こ
こでしか友人でいられないことを残念がる俺に、いつか立派な騎士になって、堂々と友人を名
乗ろうと言ってくれた。
 十日に一度は廃教会を訪れた。一人で行くのは許されなかったが、使用人は外で待っていて
くれた。女との逢引ならともかく、身分の違う友人と語らうくらいは構うまい、父はそう言っ
て笑った。父は俺の思いを知っているのではないかと、気まずい思いをした。
 しばらくして、廃教会は無くなってしまった。忍び込んだ誰かが怪我をしたという理由だっ
たと思う。お互いの名も知らない俺たちは、繋がりを失ってしまった。それからの俺は、いっ
そう勉学に励んだ。いつの日か騎士として俺の前に現れるだろう彼に、恥ずかしくない自分で
いたかった。

822 :3/3:2010/10/17(日) 22:55:35 ID:k0i42iLY0
 努力を重ねても、どうにもならないことはあった。幾度かの小競り合いと身内の愚かな行い
は、領地をずいぶん小さくした。加えて父が病で亡くなり、俺には落ち目の侯爵家当主という
地位が与えられた。
 品の無い囁きや嘲笑に耐えながら陛下への挨拶を済ませ、屋敷に帰ると、寝室には彼がいた。
幻を見るほど俺は追い詰められていたのかと驚いたが、彼は自らを悪魔だと言った。
 君の騎士に会いたいかい、悪魔は俺に訊いた。俺は聖水を悪魔にぶちまけてやった。彼に顔
向けができなくなるような手段を使うものか。俺は侯爵でなくなるかもしれない、彼は俺を見
つけられないかもしれない、それなら俺が彼を捜せばいい。傭兵にでもなれば、彼と戦場でま
みえる機会はあるだろうか。
 悪魔は去り、二度とは現れなかった。結局俺は生まれ育った屋敷さえ失ったが、名ばかりの
侯爵の名を使い、どうにか職を得た。俺の新たな地位は中央の裁判官で、罪人を捕えることも
ある騎士たちとは会う機会が増えた。俺の目は騎士の姿を追うが、彼らしい人は見つからなか
った。
 ある日騎士たちから、堕ちた騎士の話を聞いた。名声のために悪魔と契約したそうだ。この
国は法治国家なので一応裁判にかけられるが、悪魔との契約は重罪である。まして騎士ともな
れば、彼の行く末は処刑台だろう。
 悪魔と聞くと、かつて現れた彼の幻影を、君の騎士という言葉を思い出す。悪魔の言葉はや
はり甘い。再会が叶ったならば、俺の騎士、そう呼んで彼を抱きしめることが許されるだろう
か。

823 :風と木の名無しさん:2010/10/18(月) 01:31:45 ID:15ofnB9XO
続きはないのかー!
裁判で再会どうなるんだ
個人的には一夜限りの逢瀬とかになったら萌え死ぬ
貴族は悪魔をはねのけた高潔さがツボ
超GJでした!

824 :風と木の名無しさん:2010/10/18(月) 02:16:42 ID:1wQ+mcooO
うわああ好みすぎる…!
それぞれの語り始めの言葉からすでにワクワクしたわ
切な萌えました…!GJ!

825 :風と木の名無しさん:2010/10/18(月) 22:57:26 ID:lm2rVOQb0
こういう話好みです
西洋ファンタジーとか身分差とかたまらない
GJ

826 :風と木の名無しさん:2010/10/18(月) 23:19:25 ID:gfpEiaoa0
切ない!
長編で読みたい設定です
GJ

827 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 11:58:27 ID:m+sNfqI+0
悪魔落ちって自分にもこんなイメージ
切なかったです
GJ

828 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:21:33 ID:rO2Zdf/F0
そろそろ踏まれようかな?

829 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:22:44 ID:sMSgtadS0
ラブリーなおっさん

830 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:29:46 ID:xcP+g41iO
なんか必死にリロードしてました感が気持ち悪いね

831 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:37:03 ID:xcP+g41iO
回すよ

832 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:38:50 ID:xcP+g41iO
おっさんww

833 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:43:09 ID:xcP+g41iO
まわし

834 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:47:39 ID:xcP+g41iO
回します

835 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:48:45 ID:3NqUwMG40
>>830-834
連投バレバレだよ
頭大丈夫?

836 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:51:15 ID:xcP+g41iO
何を言ってるの?
バレバレもなにも全部同じIDでしょ?
なんで「連投と思われてないしめしめ☆」と思ってると思ったの?
頭大丈夫?

837 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 12:58:34 ID:xcP+g41iO
>>835
チラシの裏で叱られてやんのwwww
バーwwカww

838 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:01:45 ID:xcP+g41iO
回し

839 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:03:33 ID:y/iYfRnKO
ラブリーなおっさん

840 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:04:21 ID:xcP+g41iO
まわします

841 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:06:32 ID:xcP+g41iO
>>829
>>839
必死にリロって携帯とPCで二回も同じお題ww

842 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:16:54 ID:xcP+g41iO
まわし

843 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:20:59 ID:xcP+g41iO
まわします

844 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:24:47 ID:xcP+g41iO
0以外スレで書いてもらえばいいのに、同じお題で取るとかww

845 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:27:15 ID:xcP+g41iO
チラシの裏357はぶんもうww
自分に言われたことだってわかってないのねww

846 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:46:59 ID:xcP+g41iO
まわし

847 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:52:09 ID:xcP+g41iO
絡み68と71で自演乙
あと勝手に人を騙らないでくだしあ><
おまえ836じゃねーだろ

848 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:58:01 ID:xcP+g41iO
>>835
こいつ馬鹿ww
荒らしに間違い指摘されて顔真っ赤にして冷静な振りして絡みに書いてるwwww
荒らしにかまう大馬鹿ww
荒らしにかまう人もあらしなんでちゅよー?ww

↓じゃあ、また必死にリロードした馬鹿がお題かいてください

849 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 13:59:35 ID:iZpqbocP0
ラブリーなおっさん


850 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 14:00:16 ID:xcP+g41iO
はいまわし

851 :風と木の名無しさん:2010/10/19(火) 14:13:58 ID:xcP+g41iO
あ、>>850踏んだからお題書くね

攻め「部長、このリボンつけてください」
受け「そんな…やめてよ><こんなおっさんには似合わないよ!」
攻め「嗚呼なんてリボンの似合うラブリーなおっさんなんだ…」



はい終わり
ちゃんとまとめに入れてね?
次のお題どうぞー


852 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 00:00:44 ID:RFfFmo2L0
なんか楽しいね。

853 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 14:37:13 ID:YxIV9u+Y0
通常運営に向けてまわしたい

854 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 20:25:09 ID:zueZlYqKO
まわし

855 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 20:27:04 ID:zjru2kSg0
たわし

856 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 20:46:37 ID:5xaN+CFz0
こないだ暇なときに過去作品読み返したら幸せになったよまわし

857 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 21:04:53 ID:z1X72VKhO
まわし

858 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 21:15:33 ID:XcXaVNVu0
優しく踏んでね?

859 :風と木の名無しさん:2010/10/20(水) 21:17:50 ID:XD9WbmzCO
深夜営業

860 :1/2:2010/10/21(木) 00:41:34 ID:P4IyKzaW0
時間は日付が変わる少し前。深夜のコンビニのレジが俺の仕事。
「いらっしゃいませー」
ドアを入って右手に歩いて行く。ドリンクーコーナーでブラックのコーヒー、菓子コーナーでチロルチョコをひとつ。
そのまままっすぐレジへ。
「あと、こしあんのあんまんひとつ」
…と、あんまん。いつも通り。
「245円になります」
「ああ丁度…あ」
「…はい?」
「いえ、やっぱり足りなかったです」
レジに置かれたのは、100円玉二枚に50円玉一枚
こっそり表情を盗み見ると、俯いた顔は少し不満そうだった。
缶コーヒーをポケットに、チロルチョコを鞄に。
あんまんを片手にドアから出ていく背中を目で追いかける。
ドア横にあるゴミ箱の横に立って、店内に背中を向けて。
食べ終わったあんまんのゴミをゴミ箱に捨てたあの人は、缶コーヒーを飲みながら帰ってく。
いつも通り。
「…今日はちょっと会話しちまった」
毎日同じパターンのこの人が印象に残り出したのは何時からだっただろうか。
最初の頃は、甘いものが好きなんだろうかと思っただけだったのに、何でだろう。気になって仕方ない。


「すんませーん。この中の肉まん全部出して」
「え、あ。あの、あんまんもですか?」
「うん、あんまんもちょーだい」
「は…はい!有難うございます」
時間は11時を少し回った頃。集団でやってきた金髪のにーちゃん達が肉まんを買い占めていった。
「ありがとうございましたー」
時計の針は11時を少し回った頃。この時間に肉まんを作る事はあんまりしない。
「…まあ、売れなかったら俺が買うし」
スチームマシーンにあんまんをひとつ入れて、時計と睨めっこ。
あの人が来るまでに蒸しあがってくれ。

861 :2/2:2010/10/21(木) 00:42:30 ID:P4IyKzaW0

「…あと、こしあんのあんまんひとつ」
「っ…す、すいません…まだ蒸しあがって無くて…」
時間は日付が変わる少し前。ギリギリ間に合わなかった。
いつものように缶コーヒーとチロルチョコをレジに置いたいつもの人が、俺の言葉に少しだけ眉を寄せた。
「…そっか、じゃあこれだけ…」
「あの!あと5分くらいで蒸し上がるんです。だから良かったら…」
何を言ってるんだ俺。ほら、いつもの人だってびっくりしてる。
「…あ、じゃあ、待ちます」
レジの前から斜め横に一歩ずれる。え?もしかしてここで待っちゃうの?
どうしよう。そんな所に居られたら、俺もレジから動けない。

ちらりと、目線を移動させる。
カタカタと携帯を弄る指が長くてきれい。少し伏せた眼が、切れ長でかっこいい。
「…もしかして」
「はい?!」
「俺の事、覚えられてる?」
「え、いや、その…すいません」
「……別に。いいけど」
「あの…いつも同じ物を買われていて、印象に残ってしまって」
「…これ、俺用に作ってくれた?」
スチームマシーンのあんまんを指さして、じっと真っ黒な目がまっすぐに見つめる。
「な、かったら…がっかりされるかと…思って…すいません。なんか押し売りみたいになって」
「いや、嬉しかった」
「そうですか」
よかった。
「それで、もしよかったら」
「はい」
「これからも、一個残しといてくれたら、嬉しい…です」
「はい!」

時間は日付が変わった直後。深夜のコンビニであんまん一つリザーブする仕事が増えた。

862 :風と木の名無しさん:2010/10/21(木) 14:07:27 ID:N3HE0tEH0
>>860
きゅんときてほのぼのした〜GJ!
コンビニ店員の気づかいが可愛すぐる
客の彼もどこか不器用そうでイイ
あと、こしあんのあんまん食べたくなってきた

863 :風と木の名無しさん:2010/10/21(木) 14:12:50 ID:yuA11cAz0
くそー、客に食われるあんまんがうまやらしく思えてきたw

864 :風と木の名無しさん:2010/10/22(金) 19:22:41 ID:uM4LbQ9bO
GJ!!
深夜のコンビニに行って、ニヤニヤしながら眺めていたいww
この二人はマッタリ優しく進んでいきそうで、何だか癒される。

865 :風と木の名無しさん:2010/10/23(土) 16:58:19 ID:Dbt8y63p0
よっしゃまわしたる

866 :風と木の名無しさん:2010/10/23(土) 19:29:31 ID:p5NkaO3j0
まわし

867 :風と木の名無しさん:2010/10/23(土) 23:01:33 ID:kdlZADLrO
まわそうまわそう

868 :風と木の名無しさん:2010/10/23(土) 23:08:54 ID:E9IpScihO
あなたに踏んでいただきたいのです

869 :風と木の名無しさん:2010/10/23(土) 23:12:50 ID:COsD8NPU0
好きなものは最初に食べる派×好きなものは最後に食べる派

870 :風と木の名無しさん:2010/10/24(日) 00:05:16 ID:OlybA0Bg0
「俺、実は童貞なんですよ」
目の前の友人の発言を聞いて、俺は里芋の煮っ転がしを落としてしまった。
「え、だって、お前、彼女いたじゃん。リサ?ちゃん?あのことはどうしたの?」
「嫌いじゃなかったけど、あの子のこと好きになれなかったんだよね。昨日別れたよ」
俺は何もない顔して、平静を装って、落とした煮物を口に入れる。味?そんなものはわからない。苦い気がした。
「でさあ、改めてお前に言いたいことあるんだよね」
そいつは俺の作ったたまねぎの味噌汁を飲み干して、真っ直ぐ俺を見据えた。
「お前のこと好きだよ。ずっと、これからも、永遠に。だって幼馴染暦20年だけど、嫌いになるどころか、好きばっかり積もるもん」
鯵の干物が上手にほぐせない。ぼろぼろ、ぼろぼろ、と無意味に身をほじくるだけだ。
「なあ、俺と付き合えよ」
「信じられねえ・・・一体なにを言ってんだよ・・・つか、お前もう干物食っちゃったの」
「食ったよ。だって、好きなもんは一番に食べたいじゃん。俺の一番は好きなやつにささげたいんだよ。おまえこそなに、何でそんなほじくってんのに干物一口も食べないの」
「俺、・・・好きなものは最後にたらふく食って、幸福感味わいたいから、」
好物を最後に食って、ああやっぱり俺はこれが好きだなあ。これが最高だよなあ。やっぱり譲れないよなあ。そう思いながら食事も、こいつとの関係も、終わらせたいのだ。
「知ってる。お前が最後にとっておく癖、ずっと変わんないな」
ずいっと俺に顔を寄せる。整った綺麗な顔だ。一体どれほどの女から告白されてきたのだろう。
「なあ、俺お前が好きだよ。こうやって真正面から告白するのも、童貞ささげたいと思うのも、一生ずっと一緒にいたいと思うのも、おまえが一番最初だよ」
煮物をもう一度口に入れる。味?わかるわけないだろう。今度はすっぱく感じた。
「・・・その答えさあ、お前が死ぬときに返事してもいい?」
「なんだそれ。・・・まあいいよ、それまでおまえも童貞でいてくれんなら。おまえのはじめてを俺にくれるなら、返事なんかいつだっていいよ」
まだ白飯が茶碗に残っている。鯵の干物にはまだ手をつけない。今一度、里芋の煮っ転がしに手をつける。
煮物はとても甘かった。

871 :風と木の名無しさん:2010/10/24(日) 01:10:02 ID:mn6R+f7/0
やっぱ性的な意味で来たwwwwwうはwwww

872 :風と木の名無しさん:2010/10/24(日) 21:06:30 ID:nHsxCsm20
最後まで残しちゃらめぇw
そこはかとない色気がたまらなかったです。GJ!

873 :風と木の名無しさん:2010/10/25(月) 21:39:35 ID:C5Uj/IyPO
真面目だけど、笑っていいのかw?
初めてw

874 :風と木の名無しさん:2010/10/25(月) 23:53:41 ID:Hlp4lANi0
もどかしいな、だがそこがいいwwwGJです

875 :風と木の名無しさん:2010/10/26(火) 17:43:35 ID:uN/P4IKq0
まわすよ

876 :風と木の名無しさん:2010/10/26(火) 19:29:32 ID:WmqVN3n0O
ぐーるぐる

877 :風と木の名無しさん:2010/10/26(火) 20:05:16 ID:/bwlI95CO
ぐるぐるまわーる

878 :風と木の名無しさん:2010/10/26(火) 20:17:12 ID:9BNpGQjN0
踏んでくれたまえ。

879 :風と木の名無しさん:2010/10/26(火) 20:19:40 ID:LOkaFdxg0
気は優しくて力持ち×短気で鉄砲玉

880 :1/2:2010/10/27(水) 00:05:54 ID:QamLawF60
ちょうど近頃そんなカプに萌えているから色々語る
言ってしまえばこの組み合わせは攻めの包容力なしには語れない
短気ですぐ周りとトラブルが起きてしまう、ちょっと考えを読み違って勢いで突撃とかしちゃう受けを
攻めの優しさとぬくもりで包んで、受けもそれに何だかんだで甘えちゃうのが好き

周りともめ事が起きて落ち込んでも攻めがそっと抱きしめてくれたりとかね!
後は受けの身体もホイホイ担げる位の腕っ節の良さを生かして
そのまま受けを自宅へお持ち帰り後、一緒にご飯食べたり一緒にお風呂入ったり
このときガチュンまではいかなくてもいいかな
攻めは優しいから落ち込んでいる受けに対して無理矢理そんなことしない
取り敢えず傷心中の受けが元気になる事を願ってキスしながら二人で狭いベッドの上で寝ろ

二人きりになると受けも攻めに対して凄い素直になるといい
年下で気は優しくて力持ち×年上短気で鉄砲玉の付加要素付きで妄想するんだけど
年下の攻めに抱かれている年上としてのプライドみたいなものを守る為に
普段は攻めに対してそんなに甘えてこないし、好きだなんて全然言わないくせに
たまに二人きりになると甘えて来ては鉄砲玉の如く攻め好きとか言っちゃうところとかね!素直じゃない
そして攻めもそんな受けが可愛くて甘やかしたくなる。
顔デレデレになって受けを抱きしめたら良いよ

あと攻めの人柄の良さが受けを嫉妬させる原因になるといい
ありがちっちゃありがちだけど、ありがちだからこそ光る物がそこにあるじゃないか
攻めの相手は弱気な男の子でも、熱血系男子でも、攻めに良く面倒を見てもらっているヤンキー系でもいい
とにかく攻めと誰かが仲良くなっているのを見て、でも受けはその誰かとの認識が全然なくて
勢いで、もしかしたら攻めはもう俺に飽きたんだとか思い始めて攻めと喧嘩になれば良い

受「俺よりあいつの方がいいんだろ!もういいよ!別れる!」
攻「受けさん落ち着いて。あれは(ry」
受「言い訳なんて聞きたくねえよ馬鹿!」

881 :2/2:2010/10/27(水) 00:06:32 ID:QamLawF60
勢いで別れるなんて言っちゃうけどやっぱり気になる攻めの事が
攻めは攻めで、受けも大事だけど今は離れるべき時なのかとか思って受けとはあまり顔を合わせなくなるといい
その内攻めと誰かが仲良くいちゃいちゃしているのを見て受けが突撃しに行くから

受「こいつは俺のなんだよ!勝手に取るな!」

きたね、攻めの時代到来
半泣きになりながら、攻めの腕を引っ張って、誰かに向かってこいつは俺の物宣言
攻めだって内心受けは俺の物とか思っているけど性格的にそんなの口に出来ない
攻めの心情を思うと正に俺の時代がやってきただね

そんな感じで、勢いでそんなこと言われてポカーンな誰かだけど
そういうつもりで攻めといた訳じゃないよとか言ってニヤニヤするといい
それで凄い勘違い+俺の物宣言しちゃった受けが顔真っ赤にして叫ぶといい
で、そんな受けを攻めが担いでお持ち帰り、じたばたされたって気にしない
行き先は勿論攻め自宅、そこからは二人の時間が展開される
以降の妄想は各個人のお楽しみあれ

何だかんだで攻めの事がとても大好きな受けと、受けを大切にしている攻めが堪らん

882 :風と木の名無しさん:2010/10/27(水) 09:25:22 ID:Fj7mpjip0
うはああたまらん!
まず一回読んで萌えて
その後マイカプに当てはめたら滅茶苦茶萌えた
二人っきりのときは普段と違って受けがちょっと目逸らしながらぼそっとデレて
その様子見て攻めはにっこり笑うとかもしたらいいな
萌え語りGJ!

883 :風と木の名無しさん:2010/10/27(水) 19:00:16 ID:wI1nuudIO
これは悶える萌え語り!
王道だけどそこが良い組み合わせなんだよね。一生イチャイチャしてろって感じの甘甘がよく合う
私的にはいつもは穏やかな攻めが、受けを思ってめったに見せない怒りを爆発させて
受けが男前っぷりに惚れ直したりすると倍率ドン

884 :風と木の名無しさん:2010/10/28(木) 02:05:19 ID:Xt6ryeqSO
そろそろまわそうかな?

885 :風と木の名無しさん:2010/10/28(木) 22:04:34 ID:/0DlLLmN0
まわし

886 :風と木の名無しさん:2010/10/28(木) 23:38:04 ID:YIOC/Py2O
GJまわし

887 :風と木の名無しさん:2010/10/28(木) 23:59:34 ID:DEox6Fd60
まわす

888 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 00:02:52 ID:reQH9zOl0
よおし、このお題はくれてやる!好きにしろ!

889 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 00:03:33 ID:KsJqKPzeO
ん?

890 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 09:03:06 ID:3bKBBGsSO
人間とロボット(あるいは人工知能)

889ではないんですが書き込みなさそうなので。
0の役目は891にお願いすればいいのかな。間違ってたらごめんなさい。

891 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 10:11:53 ID:LL0gqMXD0
>>890
9以外の指定は無効。>>889が指定のつもりなのか解りにくいというなら同意するが
だとしてもそれを元にして>>890は何か書かなきゃいけなかった。
今回はお流れなのでまわし

892 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 11:38:03 ID:RlrvGYBcO
流れてねーよ回すな

893 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 13:29:55 ID:Z7E6/n/n0
色んなシチュで「ん?」

・天然ノンケな先輩←後輩
「先輩…っ!ご卒業おめでとうございます」
「ありがとう。お前も頑張れよ」
「先輩…俺、ずっと先輩の事を…」
「ん?」
「…………ずっと、尊敬してました」
「はは、何だー?煽てても何にも出ねーぞ?」
「俺も、先輩と同じ高校に行きます…!絶対…」
「ああ、待ってる。…ほらお前が泣いてどうする。笑顔で見送ってくれよ」

・二人っきりになった途端ベタベタしてくる大型犬攻め×ツンデレ受け
「受けさん好き好き好き〜」
「ああもう鬱陶しい!離れろ!暑苦しい!」
「だって受けさん誰も居なくても部屋以外では手を繋ぐのも嫌がるじゃないですか、寂しいんです!受けさん分が足りない!」
「そんな事言ったって大の男が手を繋ぐとか………………… でも……い…なら……」
「…ん?」
「……………本当に誰も居ないんなら、手ぐらいは外でも許してやるよ…」

・ドS攻め×ヘタレ受け
「いやいやいや無理!そんなん無理!入らないから!そして俺は何で縛られてるんですか!何処で縄とか売ってるの?!何処で覚えたの?!攻めさんって器用だよね!
 と言うかなんで手にあるそれは透明なの?!何のために透明で作られてるの?!」
「ん?」
「うわああああん!物凄いキラキラした笑顔で微笑まれたあああ!!畜生可愛い!」

・初めてなのに攻めさんがハッスルした翌朝
「うう…ケツと関節と中とありとあらゆる部分がいてえ…殺す。攻めの野郎殺す…絶対同じ目に合わせてやる…」
「うけ…?おきたの…?おはよ…」
「攻めてめえ…!」
「…ん?」
「…おはよう…」(そんな幸せそうな顔されたら何にも言えねえ…)

894 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 15:10:48 ID:TRv9WpLcO
全部かわいい萌えた!!
個人的にはドS攻めはかわいい顔なのかとにやにやした。

895 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 17:52:38 ID:3bKBBGsSO
ローカルルールの一文勘違いしました。890結果的に踏み逃げで申し訳ない。

>>893
ドSとヘタレに禿げ萌えた!!
ヘタレがテンパり気味なのが可愛いすぎる。


896 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 18:34:12 ID:xLQXWI2Z0
>>895
まず別館見ろ。
踏み逃げとか自分で言わずに0以外に投下すればいい。

>>893
GJ!
色々萌えさせてもらった?

897 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 20:45:05 ID:LXYGTXcL0
>>893
数パターン列挙系好きだから面白かった!

>>895
結果的に踏み逃げ、じゃねえよ。今からでも萌えて0以外に投下しろ
するまでもう9も感想も0もまわしも書くな。このスレに来るな
本当に申しわけないと思っているなら

898 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 22:18:32 ID:ZriRU+mNO
踏んでもらいたい気分です

899 :風と木の名無しさん:2010/10/29(金) 22:20:43 ID:pTwDIertO
高校を卒業したら

900 :風の木の名無しさん:2010/10/30(土) 01:52:54 ID:+PLHkUgw0
「俺さ、大学は東京にしようかと思ってるんだ」

無事高校3年に進級して、いよいよ大学受験が身近になった春、4月。
放課後、図書館で苦手な数式と格闘していた俺の対面で、英語のテキストをぱらぱらと斜め読みしながら、あいつが言った。
なんか余裕って感じでムカツク。
「へぇ、俺と一緒だ」
とは言っても俺とあいつの偏差値は天と地、とまでは行かなくてもスカイツリーと地上、程度には差がある。
───勿論地上にいるのは俺の方だが。
だから目指す大学自体は違って当然だとしても、とりあえずその所在地自体は、東京で一致しているということだ。
俺にとって、先の言葉にそれ以上の意味はなかったのだけれど。
「そうか、一緒なんだ」
どこか嬉しそうにあいつはそう言って、相変わらず意味もなく繰り続けていたテキストをぱたりと閉じた。
「じゃあさ、大学受かったら」
「ん?」
「高校を卒業したら、東京で俺と一緒に暮さない?」

そんな風に言って、照れくさそうに笑って、ついでに返事もしていない俺に勝手にキスまでして、
「これ予約だから。ついでにキャンセル不可だから」
なんて頭はいいくせに、馬鹿みたいに嬉しそうにまた笑うから。
俺はすごく頑張ったんだ。それこそホントに死に物狂いに。
だってあいつは余裕で合格圏内だとしても、俺は相当頑張んないと、ちょっとマジにヤバい感じだったから。
あいつがキャンセル不可なんて、しょうもないこと言ったりするから、だから。
俺はものすごく頑張ったんだ。
それで季節は再びの春、3月。

901 :風の木の名無しさん:2010/10/30(土) 01:53:32 ID:+PLHkUgw0
志望大学の合格証書を手にした俺の隣に、あいつはいない。
頭はいいくせに、ホント馬鹿なんじゃねーの。
俺以外には誰にも見えない幻に姿を変えて、風に紛れて「合格おめでとう」なんて、そんなの誰が喜ぶんだ。
もしかして俺が泣いて喜ぶとでも思ってるのか?
悪いけど、俺は泣いたりしない、絶対に。

泣かない代わりに。
あいつの笑顔とか、低く囁く声とか、俺に触れる時に一瞬だけ躊躇する右手とか。
髪をかきあげる癖も、俺を振り返る仕草も、そういうの何もかも全部。
全部、絶対に忘れない。

高校を卒業しても。
あいつのいない、ひとりきりの遠い街でも。
初恋なんて、誰にとっても忘れられないものなんだからしょうがないだろ。
そう呟いたら幻のあいつはゆらりと揺れて、やっぱり馬鹿みたいに、嬉しそうに笑った。

902 :風と木の名無しさん:2010/10/30(土) 03:38:20 ID:Z6hdhq0M0
ちょっ、早くもスカイツリーの使い方上手いなぁと感心してたら、後半泣かされた。
やばい、こんな時間に泣かすなよぅ。
切な萌えた。GJ!

903 :風と木の名無しさん:2010/10/30(土) 05:22:33 ID:uLMAgQyRO
これからも何度となく彼の幻を見るんだろうな…
切ないの好きなんで萌えました。本当にGJです

まとめの方も切ないのGJ

904 :風と木の名無しさん:2010/10/30(土) 12:48:27 ID:4qgIe5kx0
>>900-901
(´;ω;`)ブワッ
久々の切ない系にマジ泣きしてしまった・・・
胸が凄い締め付けられる感じだぜGJ

905 :風と木の名無しさん:2010/10/31(日) 11:55:40 ID:bqTBo4Zn0
卒業は切ないね

906 :風と木の名無しさん:2010/10/31(日) 20:01:54 ID:4qQ7dYGl0
うわああああせつねええええええええええええ
これから東京に行って新しい出会いがいくつもあるんだろうな
でもたまには思い出してあげてくれ(´;ω;`)

907 :風と木の名無しさん:2010/10/31(日) 22:38:05 ID:PYBAximPO
これは泣ける…GJ!!
幸せになってほしい…けど…忘れないでいてほしい

908 :風と木の名無しさん:2010/10/31(日) 22:45:34 ID:mSrCLVAg0
では僭越ながら、私が踏み台に

909 :風と木の名無しさん:2010/10/31(日) 22:46:07 ID:Q1cFHp/r0
二対二

910 :風と木の名無しさん:2010/10/31(日) 23:29:11 ID:Xwmq1uTy0
……合コンって、普通もっと人数を集めるべきだろう。
そう思ってしまうのは、現在この場に居るのが男女合わせてたったの四人、
つまり男二人に女二人の、二対二という酷過ぎる状況だからだ。
その上、俺以外のもう一人は顔よし性格よしおまけに仕事は銀行勤めという、非の打ち所のない好青年だ。
今を遡ること二十年、俺とこいつがまだお互い小学生だった頃は、
泣きながら俺の後ばかり付いてきていたというのに、一体どうしてこうなってしまったのか。
まったくもって、時の移ろいのはかなさ空しさばかりを感じてしまう次第だ。
ちなみに向かいの席に座っている女の子二人はどちらも容姿のレベルが高く、ついでにプライドも随分とお高いようだ。
よくて中の下、悪くて下の上のフツメン以下の俺など眼中にも無いようで、二人揃ってヤツのことばかりを虎視眈々と狙っている。
「坂元さんって、東部銀行にお勤めなんですよねぇ?」「すごーい」「ねぇ、かっこいいよねー」
補足しておくと現在の会話量は、女Aが4割、女Bが4割、坂元が2割といったところ。

……え、俺ですか。ソレハキカナイデホシイナー。

すいませんすいません。話しかけられないどころか、こっちからもまともに話せないチキンです。
女の子と遊びたいって愚痴ったら、「じゃあ紹介するよ?」って言われて、喜び勇んでホイホイついて行った結果がこれだよ!
しょうがないです。だってコミュニケーション力がないです。女の子どころか男友達だって、坂元くらいです。
……もうやだ。泣きたい帰りたい。っていうか、坂元は気がきく奴なのに、本当に何で二対二なんだ。
せめてもっと人数多くしてワイワイやるとか、多人数でゲームでもすれば、俺でも場に溶け込めるんじゃないんですか。

    ○       ○

「どうだった? 久しぶりの合コンは」
「もう嫌だ、……っつーか、お前と二人で飲んでる方が気楽だしそっちの方がいい…」
「……本気で言ってる」
「いやまあ、八割くらいは」
「そっかー、そっか、……うん。そうだね、翔ちゃん、女の子苦手だしね〜」

あああよかったよかった!彼女欲しいとか言い出してどうしようかと思ったけど作戦成功だよ!!
いいんだよ俺さえ見てれば。俺だけ居ればいいって思ってれば。そのためにわざと居心地悪い空間作ったんだから

911 :風と木の名無しさん:2010/10/31(日) 23:58:20 ID:T3feIUOn0
ナイス坂元www
策士攻め大好物ですGJ!!

912 :風と木の名無しさん:2010/11/01(月) 00:18:30 ID:GMf82BP/O
坂元GJ!
しかしどうやら坂元も中々のヘタレな予感
素敵じゃないっすか

913 :風と木の名無しさん:2010/11/01(月) 00:20:21 ID:U6QLVT8V0
策士ヘタレ×鈍感ヘタレとか最高じゃないかwwww
GJ!!

914 :風と木の名無しさん:2010/11/02(火) 01:51:24 ID:Zb8/Sp5m0
自分は某山●ユギ先生の絵で想像して読んで更に萌え倍増した
続きが気になります GJ!!

915 :風と木の名無しさん:2010/11/02(火) 23:25:20 ID:B61UQ3x+0
坂元ww
たしかにどっちもへたれてるなwww
GJGJ

916 :風と木の名無しさん:2010/11/03(水) 17:33:15 ID:vDlK6WmzO
まわし

917 :風と木の名無しさん:2010/11/03(水) 18:34:11 ID:3DyLLMqzO
まわせまわせ

918 :風と木の名無しさん:2010/11/03(水) 18:51:38 ID:sIE9PQ+HO
お次の方どうぞ〜

919 :風と木の名無しさん:2010/11/03(水) 18:55:33 ID:o19jeaRJ0
止めを刺される

920 :風と木の名無しさん:2010/11/03(水) 22:13:23 ID:z4HTnSfg0
昨日一晩考えた。俺は立石のことをどう思っているのか。
一晩中真剣に考えて真剣に自分の気持ちと向き合ってみた。
…まあ時々体育祭とか、あとついこの間の文化祭の時の立石の写真を見ながらだけど…。
他にも立石から来たなんてことないメールとか、くだらない写メとかも見たけど…。
そしてとりあえず出た結論は、やっぱりあいつ外見も内面もイケメンだわ、だった。
うん、俺の気持ちはほら、あれだな。憧れ。だってあいつマジですげえもんな。
顔はもちろん、努力家で頭もいいしスポーツも好きだし人望だってあるし。
ああ見えて実家が寺だかで結構真面目だし、かといってふざけないわけでもなくノリもいいし。
かっこいいからうらやましいって感じなんだな、うん。
「お、おはよう伊藤」
全く罪な男だぜ畜生…なんて思っていたら、正に張本人の立石が下駄箱の前にいた。
「うわ立石!なんだよびびらせんなよ!」
なんだよなんで下駄箱の前なんかにいるんだよイケメンのくせに!
「そんな驚くなよ〜。教室まで一緒に行こうぜ」
爽やかなイケメンスマイルでそんなこと言うんじゃねえ!心臓バクバクすんだろうが!
「お、おう…。というか、お前あれだな、今日結構早いんだな!」
「ああ、伊藤が今日日直だから、早く来るだろうなと思ってさ」
昨日言ってたCD全部持ってきたんだぜ、なんて歯を見せながら笑うなよ!にやにやすんだろうが!
「あーCDな、うん、サンキュー」
「俺のプレイヤーにも入れてきたからさ、教室で一緒に聴こうぜ」
イヤホン半分こな、とか言うなって!窓から大声で叫びたくなんだろうがっつーの!
「お、おう…ありがとな。CD全部一気に持ってくんのは重かっただろ。悪いな」
必死に冷静なふりを装って返事をした次の瞬間。
「ああ、伊藤のためなら全然重くねえもん」
これでもかというくらいのイケメンスマイルでそう言われた俺は、多分試合で言うなら完全にノックアウト。
止めの一撃を笑顔で決めてくるなんて、やっぱりイケメンってスゴイ、俺は改めてそう思った。

921 :風と木の名無しさん:2010/11/03(水) 22:30:29 ID:BN4bpr00O
GJGJ!
立石が受でも攻でも萌えるなとニヤニヤしながら見てたらまさかのTさんww

922 :風と木の名無しさん:2010/11/03(水) 22:54:34 ID:mMfUm2eVO
寺生まれなんだな立石さんwww

923 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 00:08:32 ID:aU9DQuYz0
>>920
>止めの一撃を笑顔で決めてくるなんて、やっぱりイケメンってスゴイ、俺は改めてそう思った。

この文で笑ったww

924 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 00:23:04 ID:ce3HJany0
これはww
上手いGJwww

925 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 00:31:50 ID:afRmXTRdO
さすがTさんww
実家が寺ってそういう意味かw

926 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 00:39:29 ID:Fysc9WzL0
一度読んで萌えて、二度読んで笑った
>>920はスゴイ、俺はいろんな意味で思った
GJ!

927 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 01:04:06 ID:tx3qXhO40
いいな!笑いが止まらん

928 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 01:17:28 ID:NCnrY+rv0
伊藤可愛いよ伊藤w
流石寺生まれの力は半端ないな

さあ私を踏んでいけ

929 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 01:24:17 ID:Vs+ij5Gt0
二人がかりで

930 :風と木の名無しさん:2010/11/04(木) 10:34:54 ID:R7bEBrH5O
GJwww
流石は寺生まれのTさんwww
801板にまで出張とは死角がありませんなwww

931 :1/2:2010/11/05(金) 00:25:24 ID:ASEzNLYSO
何事も二人がかりで取り組めば、完璧に近い形を作り上げられた。
例えば、夏休みの宿題。
例えば、文化祭での二人司会。
例えば、大学での卒業研究。
一人では不可能に感じることも、二人がかりだと些細な事のように思えてくる。
俺らは自他共に認める最強のコンビで、行く先に怖いものなどない。…はずなのだが。

はぁ、と溜め息を漏らした俺を見て、相棒が困ったように笑った。
「そんなに緊張しないでよ。俺にまで伝わってくるじゃない」
ほら、幸せ逃げちゃうよ? と続けた相棒は、いつも通りへにゃりと表情を崩した。
「この状況で緊張しない方がおかしいんだよ。あー、汗かいてきた」
俺はそう言いながら、黒いスーツに両手を拭いつける。
落ち着かず、ソワソワと体を動かし続ける俺に呆れたのか何なのか。
急に相棒は俺に手を差し出した。
意図を掴めず、呆けた顔を上げた俺に、相棒はこの上なく良い顔で俺に告げたのだ。

「今まで俺とお前、二人がかりで取り組んで不可能な事なんてあったかい?」

途端に全てを理解した俺は、ニヤリと笑って差し出された手を強く握る。

「いや、無いな」

だって俺らは

「「最強のコンビだからな」」

そう言い放って、顔を見合わせた俺らは思わず噴き出した。


932 :2/2:2010/11/05(金) 00:30:48 ID:ASEzNLYSO
一通り笑い終えると、俺はぽつりと言葉を漏らした。
「しかし、立ちはだかるのがお互いのオカンとオトンになるとは…」
困ったように顔をしかめた俺に、やっぱり相棒は飄々とした態度で俺を慰める。
「まぁ、何とかなるでしょ。二人一緒に白タキシードを着させてくれって頼むだけだし」

「…お前が言うと案外簡単そうに思えてくるよ」
「物事はシンプルに考えるべきだよ。そんなに難しい事じゃないはずさ」
「お前が言うのなら、そうなのかもな」

そう呟いた俺は、繋がれたままの相棒の手をぎゅっと握り、空を見た。
そうだ。二人がかりで取り組めば、不可能な事なんて無い。
これまでも、きっとこれからも。

「さぁて、行きますか?」

間延びした相棒の声に促され、俺達は二人がかりの未来へと一緒に足を進めた。


更新出来ていなかったようで、リロミスしてしまいました。本当にすみません。
以降、リロードには気をつけます。


933 :風と木の名無しさん:2010/11/05(金) 00:40:16 ID:HsRPIUnF0
いやいやいやGJ!
最強のコンビ萌えるわー

934 :風と木の名無しさん:2010/11/05(金) 00:42:40 ID:Xvexcn6C0
どうなるかとハラハラしてたが、GJ!
いいなーこういうコンビ爽やかで。

935 :二人がかりで:2010/11/05(金) 00:44:05 ID:GQ4kAaZ3O
見た瞬間に「押さえ付けられて」以外思い浮かばなかったことをお許しください。
で、二人がかりで押さえ付けられるシチュエーションなんかもう一つしか思い浮かばないよね。

二人ということで双子設定を受信。
でもってほとんど見分けがつかないほど瓜二つで、しかも小悪魔系の美少年な双子とか。金髪とかもグー。
あとなにか特殊な能力故に他の人たちから、親からも疎んじられてて、
お互いだけが心の拠り所だったみたいな感じ。

そんな中現れる青年。彼は例えば仕事だったり命令だったり
双子の側にいなきゃいけない関係で、彼らの面倒をみる羽目になる。
でも互いしか自分の世界にいらないと思ってる双子は、青年に反発して
むちゃくちゃ嫌がらせしてみたりして。
で、青年は「くそガキども!……ったく何で俺が。勘弁してくれよ」とか
ブチブチ言いつつ面倒見のいい苦労性タイプで、だもんから双子も
青年の内に秘めた優しさに心を開きはじめちゃったり。

だけども自分が変わっていく事に戸惑いがあったり、青年に心を許してまた
他人に裏切られる事が恐ろしかったりで二人は自分たちの方から青年を排除しようと画策する。

青年を騙して人気のない部屋に連れ込み、二人がかりでガッチュンガッチュン。

押さえ付けられながら「何でこんな事を……」みたいな青年に
「お前が目障りだったんだ!思い知らせてやろうと思ったんだ!」みたいな事を泣きながら言う双子。

ガッチュンはさておき双子が青年を襲撃したことが周囲にバレ、
青年は双子のそばから(彼自身の安全のために)離される。
肉体の痛みと精神の戸惑いはあるものの、青年はなぜか双子を憎めなかった。

彼らが自分に「何か」をずっと求めていた事を分かっていたからだ。
青年は彼なりに双子の事を調べ、彼らが親にも見捨てられずっと顧みられてこなかった事を知った。


936 :935:2010/11/05(金) 00:45:44 ID:GQ4kAaZ3O
本当に申し訳ない
改行エラーが出たので直してるうちにリロミスしました。本当にすみません…っ!

937 :風と木の名無しさん:2010/11/05(金) 21:57:35 ID:GQ4kAaZ3O
まわし

938 :風と木の名無しさん:2010/11/05(金) 21:58:14 ID:GQ4kAaZ3O
誰か踏むがよろし

939 :風と木の名無しさん:2010/11/05(金) 22:23:03 ID:gIdz1EXj0
袴の側面の三角スリット部分に萌えてください

940 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 00:12:29 ID:2AV33HbrO
残念まわし

941 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 00:44:30 ID:PNnqTnlxO
シチュは萌えるが語れるほどの何かが自分にはなかったまわし

942 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 01:04:48 ID:hgknnlmKO
袴は素晴らしいコスチュームなのですがね…
まわしまわし

943 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 01:24:49 ID:k+eP13haO
袴のスリットに衝動的に手を突っ込む攻めと
喧嘩腰になりつつもなんだかんだ仲良い受け(弓道部員)の学生生活のワンシーンしか
浮かばなかったよ、残念まわし

944 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 18:49:31 ID:8JnvcFQ3O
お前そこまで萌えを受信してなぜ語らなかったwwwまわし。


945 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 19:02:19 ID:G3cPJ2eq0
幼稚園児の悪戯で、袴のスリットに手を突っ込まれる剣道教室の先生
とそれを見て動揺する高校生を受信したが2行以上書けんかったまわし

946 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 19:50:37 ID:LXRMxQV30
三角ハァハァ三角

まわし

947 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 20:09:33 ID:hSCxRZN/0
何だかんだでみんな萌えてるんじゃまいかw

どすこいまわし

948 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 20:41:15 ID:lmWF/4Yh0
では踏み台に

949 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 20:41:59 ID:u3UV30/R0
剣の刃を渡る

950 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 22:23:09 ID:2AV33HbrO
「今度はスパイだって?随分と無茶をするんだな」
部屋から出た瞬間、そう話しかけられた。
「ええ、まあ任務ですから」
にこやかに答えると、目の前の男は大きく肩をすくめる。
「いくら百の顔を持つあんたと言えど、さすがに内部調査は危険だろう」
「そうですね…もちろん覚悟の上です」
「これはこれは。素晴らしい忠誠心だ、尊敬するよ」
まるでお手上げだ、とでも言うように男は笑う。
「当然のことですよ」
自分も笑いながら対応する。
「では、私は準備がありますので」
そう言いながら背を向けると、トン、と背中に硬い物が当たる感覚がした。
「…なんの真似です?」
後ろを振り返らず、冷静な声のまま尋ねる。

951 :風と木の名無しさん:2010/11/07(日) 22:25:45 ID:2AV33HbrO
「はは、流石だな。もうとっくにスパイのあんたがこんな物にビビるわけねえか」
先程と変わらないトーンのまま男も続ける。
「分かってるだろ?俺はあんたの正体に気付いてる」
耳元にまで近付けられた口から男は言葉を紡いでいく。
「他の男と同じように俺を誘ったのがいけなかったな。姿は違えど、小さな癖が隠せていなかった」
―酒を飲む時にグラスのふちをなぞる癖…
「わざと…貴方の前でだけわざとその癖を見せていたとしたら?」
「何?」
ふっと微笑んで、振り返りながらゆっくりと男の首に両腕を回す。
音もなく取り出した拳銃を、男のこめかみに突き当てながら。
「貴方はこの組織に置いておくには惜しい人材です。私の組織でも貴方の名は有名ですよ」
「…俺に裏切れと言っているのか?」
「ええ、そうです」
男の持つ拳銃がスーツを沿って、俺の心臓の辺りでぴたりと止まった。
「あまり見くびらないでもらいたいね。俺は自分の飼い主に噛み付くほど馬鹿じゃない」
「それは残念ですね。忠誠心よりも権力や野望を選択する人間だと聞いていたのですが」
今までも交ざり合っていた視線が、異なる色で絡み合う。
「受けた恩義は返す主義でね。あんたこそいい思いをしたんだから、この組織に寝返ったらどうなんだ?」
「私は自分に得をもたらす組織にしか属しません。あちらの待遇は破格ですよ」
互いに表情は崩さず、拳銃を握る手も動かない。
相手の体温も伝わるこの距離で、命を賭けた根比べが静かに始まる。

952 :風と木の名無しさん:2010/11/08(月) 13:45:51 ID:vpy/mY330
ふおおお…!
シチュエーションもツボでもう何これたまらん
GJでした!!

953 :風と木の名無しさん:2010/11/08(月) 23:07:22 ID:lxwzgslFO
やべぇなんだこれ。禿げる。萌え禿げる。
GJすぎるほどGJ!素敵な萌えをありがとう。

954 :風と木の名無しさん:2010/11/09(火) 00:00:25 ID:fLy3NBxT0
これは萌える…!
シチュエーションがすごい好みだわ
超GJ!!

955 :風と木の名無しさん:2010/11/09(火) 00:27:19 ID:BnH13lhE0
ギリギリ感が艶っぽくもありこれはすごい…!GJ!
お題出した949もGJ!!

956 :風と木の名無しさん:2010/11/09(火) 03:48:54 ID:szg0qXO70
まさかのモノローグ?
半端なく萌えさせてもらいました。
かっこいい2人だー!GJ!

957 :風と木の名無しさん:2010/11/09(火) 18:59:17 ID:uEF5/lUQO
そろそろまわすよ〜

958 :風と木の名無しさん:2010/11/09(火) 21:30:04 ID:pSbwFkubO
こ、こんなところで踏まれてたまるか!
俺は部屋に戻るからな!

959 :風と木の名無しさん:2010/11/09(火) 21:30:23 ID:54GlGPbj0
そら涙

960 :1/2:2010/11/10(水) 01:03:28 ID:GanJH5ma0
1年ぶりの町は何も変わっていなかった。電車を降りてこじんまりとした駅に着くと
俺はまっすぐにあいつの元へと向かった。
空はオレンジ色に染まり、そろそろ日が沈もうという頃。田舎の小さな駅だけあって
行き交う人の姿もまばらだ。
そんな駅から歩いて10分程の墓地に、あいつは眠っている。
「去年ぶりだな」
墓石に水をかけて花を供えると、俺は奴に話しかけるようにそう声をかけた。
こうして毎年墓を訪れるようになって、もう5年になる。
「なあ」
一呼吸置いてから、俺は再び口を開いた。これも毎年のことだ。
「…俺はお前なんて嫌いだったよ」
こいつとはこの町で2年と3ヶ月一緒に暮らしたけれど、次第に嫉妬深くなり友人と遊びに
出かけただけで誰と何処へ行ってきたのか、俺に逐一報告させようとするこいつに段々と
嫌気がさしていったのはやむを得ないことだっただろう
暴力をふるわれたり、激しく責め立てたりされることこそ無かったけれど、俺の意思なんて
考えもせずに独占欲でガチガチの愛情で縛り付けてくるだけで、俺はもううんざりだった。

こいつが突然の事故で死んだ時、俺は少しも悲しくなかった。かといって解放された喜びを
覚えることも無く
ぽっかりとあいた空虚だけを感じる以外に何の感情も湧きあがらなかった。
ただ黙って涙を流すばかりの俺に、俺達の関係を知っていた友人たちは、余程深い悲しみに沈んで
いるのだろうと話していたけれど、その涙は何の感情も籠っていない偽りの悲しみだったことを
俺だけが知っていた。

ふわりと風が墓に供えた花を揺らす。
小さな花弁をいくつもつけるその花は、小ぶりながらも賑やかで明るい彩りをしている。
昔、こいつが好きだと言っていた花だ。
―…花もこうして固まって咲いていれば寂しくないのかな
いつだったか、何度目かの喧嘩の後。ベランダのプランターに植えられていた花を見て
こいつはそう呟いていた。
人一倍寂しがりやで自分勝手で、どこにでもあるような愛情では満足できなかった奴のことなんて
俺は嫌いだ。

961 :2/2:2010/11/10(水) 01:03:56 ID:GanJH5ma0
だから時折り、俺を強く抱きしめていた腕がどうしても恋しくなってしまうのは、きっと寂しがり
なこいつが会いに来てくれと呼んでいるからなんだろう。
それに応えるように1年に1度、こいつの墓に花を供えに来てしまう。
「なあ、死んでから俺のこと縛り付けて、これで満足か?俺もう、お前と付き合ってた年数よりも長く
墓参りしてんだよ…毎年もうこれっきりって思ってんのに、なんで来ちまうんだよ…」
いくら責めても嘆いても、無機質な墓石は何の反応も無く、ただ夕日の光を受けて立っているばかりだ。
頬をつたう熱い涙を感じて、俺はシャツの袖でぐっとそれを拭った。
生前はうまくいかない2人だったのに、死んでなにも答える事が出来なくなった途端、こんなにも俺の心を
捕えて離さなくなるなんて。ただ口惜しい。

あの時流した涙がそら涙だったのかどうかは、本当のところは俺にもわからない。

962 :風と木の名無しさん:2010/11/10(水) 17:13:31 ID:z1veMAZd0
相手がいなくなってから気付くのセツナス
GJでした!

963 :風と木の名無しさん:2010/11/10(水) 20:45:40 ID:0Rfw8HVM0
切ないなぁ…
実際、離れ離れになってしまうといなくなった相手の事が
余計に恋しくなってしまうっていう心理があるそうだよ
会いたいのに会えないのは悲しいね…GJ

964 :風と木の名無しさん:2010/11/11(木) 18:03:49 ID:EKPT+ybt0
まわしてもいいかな

965 :風と木の名無しさん:2010/11/11(木) 22:50:28 ID:PN8YINZnO
いいよ

966 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 00:26:02 ID:A7Zfv+i20
お前なんかマワシてやるよ!

967 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 00:55:15 ID:aaSCPxBX0
どすこい

968 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 00:58:51 ID:vYiYhgFj0
久々の踏み台か。腕が鳴るな

969 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 01:03:47 ID:OV4CBsddO
インテリと不良の攻防

970 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 16:15:52 ID:fWtsL2QY0
中学生の頃の黒歴史ノート(オリキャラ量産)でてきたウボァ…
(美形要員)とか一丁前にメタなことが色々書き添えてあった恥ずかしくて死ねる
美形要員様の割に顔面が複雑骨折なのは純粋に技術の問題だから仕方ないとして
登場人物が8割男性なのもまあいいとして、全員オーバー40ってのはどうなんだ
とりあえず紙袋に入れてゴミ袋へ埋葬しておいた。これで一安心だ

971 :1/2:2010/11/12(金) 21:23:50 ID:fWtsL2QY0
踏み出すたびに深く沈み込む、絨毯の感触に閉口する。
最上階が奴のオフィスだ。馬鹿と成金は高いところを好むらしい。
入口に背を向け、硝子越しに夜景を眺める人影に声を掛ける。

「相変わらず羽振りはよさそうだな。ヤクザな商売だ」
人影は特に驚いた様子もなく、ゆっくりとこちらを振り向く。
「どういたしまして。社会正義のために粉骨砕身働いているよ」
奴は備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを二瓶取り出し、一瓶を勧めてきた。
「済まないが、仕事場にアルコールは置かない主義でね」
「…………」
「ああ、別に何も入ってないよ。神に誓ってただの水だ」
ほら、と開封して一口飲んだそれを、押しつけるように手渡される。
少なくとも無害ではあるらしいが、飲みたい気はしなかった。
ただ、ひんやりとした感触が火照った掌に心地いい。
「聞いたぞ。最近黒いお友達が増えてるみたいじゃないか。社会正義が聞いて呆れる」
奴は瓶を開ける手を止めて、小馬鹿にしたように片眉を上げた。
「わざわざそんな噂話を披露しに来たのか。君だって相当なアウトローだと思うけどね」
「あんなポリシーのない連中と一緒にするな」
瓶に口をつけ、奴は一息に水を呷った。
仰向いた鋭角的な横顔が、やけに様になっている。
ごくりとのどを鳴らす音がする。ここはひどく静かだ。空に近く、喧噪は遠い。

「重要なのは美学じゃないよ、法に抵触しているかどうかだ。
 いつか君が罪に問われた時には弁護してあげよう」
「タダでか」
「お代は君の体……安いものだろう?」
「俺にもプライドってもんがある。お前みたいな変態にやられてたまるか」
吐き捨てると、奴は育ちのよさそうな美貌ちにへら、と軽薄な笑みを浮かべ、その節はどうもと一礼してみせた。

972 :2/2:2010/11/12(金) 21:24:33 ID:fWtsL2QY0
途端、いつぞやの記憶が生々しく蘇ってきた。思わず頭を振る。
湿った肌の感触、息づかい、滅多にみせない真顔。獣の本性と、呼ぶ声の柔らかさ。

―――頭痛がしてきた。心なしか眩暈もする。
ふわふわと覚束ない感覚がするのは、やけに高級な絨毯のせいばかりではない。
本格的に具合が悪くなる前に、本題に入った方がよさそうだ。

「お前みたいな男に一度でも抱かれたことを思うと、死にたくなるよ。だが二度目はないぞ」
睨みつけると、笑みはそのままに、そっと目を伏せて息をついた。
その仕草に、わけもなくずきりとする。無意識のうちに手をポケットに突っ込んだ。
「まあ、君の人生だ。好きにすればいい。
 そのへんの無能に君の運命を委ねるのは、僕の本意ではないけどね」
「俺が捕まることを前提に話を進めるな。
 ……じゃあ、ここからはビジネスの話だ。途中で寝るなよ」
ソファに腰を下ろして向かい合う。
「聴いているよ。君の話は、いつだってちゃんと聴いている」
奴は腹の上で両手を組み、こどものように目を閉じた。

973 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 22:32:36 ID:l/HlKea50
おおーう!いいねいいね!
てっきり学生が来るかと思ったのに、大人の不良とインテリってすごく艶がある
萌えさせていただいたよ、ありがとう。GJGJ!

974 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 23:00:49 ID:41HFfrmh0
なにこれ萌える!!こういう関係すげーツボだ
こうくるとは思わなかった
全力でGJ

975 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 23:04:53 ID:4J7hEDTmO
(゚∀゚)イイ!!
この二人の話読みたいわー
GJ!!

976 :風と木の名無しさん:2010/11/12(金) 23:36:29 ID:OV4CBsddO
誤爆おつ!
何かがあった前回も気になるよー。
大人の攻防は色っぽくていいね!

977 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 09:48:13 ID:28A+adlcO
大人の色香たまんねー!!
インテリがまさかの窮地に陥った時の不良の心理とか、いろいろ考えたけなっちゃうよ
すげー萌える
GJでした!

978 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 09:51:41 ID:qGdCgm5iO
大人設定色気あって萌える!
GJでした!

979 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 09:53:50 ID:66NQaeLxO
正統派RPGの勇者と魔王

980 :1/3:2010/11/13(土) 14:44:14 ID:TZWlhh0o0
黒く長い髪に金色に煌めく瞳、豪奢な刺繍の入った漆黒の衣を身に纏う男がひとり、暗闇の中に佇んでいる。
彼は「魔王」だった。人類が文明を築く遥か以前より存在し、数多の魔物を従える魔族の王。
いつしか地上を我がもの顔でのし歩くようになった人類と、過去何度も地上の覇権をかけて争い
その度に勇者の力を持つ人間に倒されては地の底に封印されてきた。
そんなことをもう何百年も繰り返している。
今回もその繰り返しの中のひとつだった。長い時間を経て緩んだ封印を破り、魔王は再びこの世界に姿を現した。
早速各地に魔物を放ち、幾つもの国を支配下に置いた。
魔王城は連日の宴に沸いたが、魔王の心は満たされない。未だ己を倒すに値する「勇者」が現れないのだ。
兆しがあったのは半年ほど前だった。
辺境の国からひとりの少年が旅立った。取るに足らない存在であると思っていたのも束の間、破竹の勢いで
魔王の軍勢を打ち払い、それに応えるかのように人間たちの勢力は盛り返して行った。

そして今、伝説の勇者と呼ばれるようになった少年はついに魔王城へと駒を進め、今まさに王の玉座へと
辿り着こうとしている。
魔王は封印から解かれて初めて血が滾るのを感じていた。
もしかしたら自分は「勇者」に倒されることを待ち望んでいるのかもしれない。
彼は既に繰り返しに飽いていた。たとえそれが再び繰り返される戦いまでのほんの僅かな休止であったとしても
終わりが欲しかった。
そしてその望みは、今まさに叶おうとしている。王の間へと続く廊下に足音が響き、待ち望んだ「勇者」の姿が
魔王の金色の瞳に映り込んだ。
鎧を纏い剣で武装してはいるが、まだあどけなさの残る16、7の少年。何よりも他に仲間を連れずにひとりで
現れたことに魔王は少なからず驚きを覚えた。
今まだの勇者は数人仲間を従えていたのが常であった。それがひとりとは、面白い…魔王にたったひとりで挑もう
というほど、己の実力に自信があるとでも言うのか。
繰替えしの中の僅かな変化すら彼にはひどく好ましい。魔王は密かに笑みを漏らすと「魔王」として勇者に最初に
言葉をかける為に口を開いた。

981 :2/3:2010/11/13(土) 14:45:58 ID:TZWlhh0o0
「君可愛いね」
「…は?」
第一声を勇者に阻まれて、魔王は思わず間の抜けた声をあげた。
聞き間違いかとも思ったが、キラキラとしか形容できない瞳でこちらを見上げる勇者の顔を見ていると、どうやら
本当に勇者の発言に間違いないらしい。
思わぬ事態に呆然とする魔王の手を取ると、勇者は水を得た魚のように生き生きと話し始める。
「何度も地下に封印されては復活する魔王だって聞いたから、どんな蝉モドキかと思ってたのに、まさかこんな
オレ好みの美人さんだったなんて、オレ超ラッキー!やっぱ若い時の苦労はするもんだね!
これぐらいのご褒美がないと勇者なんてやってられないよ」
「そ、そうか」
「うわ〜声も好み!ねえねぇ、声に色気があるって言われたこと無い?あ、ゴメンね自己紹介も無しに
オレは勇者。ゆーちゃんって呼んでいいよ、君は魔王だからまーくんって呼んでもいい?
なんていうか、あだ名で呼び合うとぐっと距離が近づいた気になるよね」
「そ、そうか…じゃない、貴様は辺境の王から派遣された勇者であろう!それがこのような世迷言を口にして
いいと思っておるのか?」
思わず勇者に流されかけた魔王だったが、危ういところで持ち直すと魔族の王らしい威厳をなんとか整えた。
「いいよ別に。王様はろくな装備もくれないくせに、お前は勇者の子孫だ〜云々とか電波受信して
イタイケな少年を過酷な旅に放りだすようなヒトデナシだし、あいつ絶対にドSだね」
頼りの勇者に散々な言われようである。
「それにさ、聞いてよまーくん。うちのパーティ最悪なんだよ。神官は聖職者のくせにタンス漁って捕まるし
魔法使いと戦士は恋愛はじめちゃってさ、苦難を乗り越えるうちに愛が芽生えましたとか、当人たちにとっては
燃え上がるかもしんないけど、あぶれたもんにとっては超気マズイんだよね」
今度は勝手に愚痴りだした。しかも許可してないのに既にまーくん呼びである、お前こそ人から空気が読めない
男って言われたこと無いのか。

982 :3/3:2010/11/13(土) 14:47:25 ID:TZWlhh0o0
「こないだも夕食の時間になっても戻ってこないから、探しに行ったら宿屋の裏でちゅーしてんのちゅーよ?
それもかなり熱烈に。嫌だね今時の若いもんは節操がなくて」
「…貴様にだけは言われたくあるまい」
「そうかな?こう見えてオレ照れ屋さんなんだけど。まあいいや、そんでさ〜あんまり耐えきれなくなったから
宿屋に置いてきちゃったんだ。元々あいつら戦闘中もお互いしか庇ってなかったからね、ひとりで戦うのももう
オレ慣れっこだから…オレも恋人欲しいよう欲しいようって毎晩お星さまにお祈りしてたらこれだよ、やっぱり
神様はちゃんと見ててくれたね、思い描いた通りのドストライクの美人キタよコレ、これはもうモノにしなきゃ
伝説の勇者の名が泣くってもんさ」
多分もう泣いてる…っていうか、仲間がいない理由がそれかよ。
「とにかくオレが言いたいことはさ、仲良くちゃおうよ勇者と魔王がくっつけばもう争いとかなくなるし、オレは
ハッピーになれるし一石二鳥じゃん」
「…私にとっての利益は何も無いように思えるが」
「オレが魔王城にお婿に来てあげるから安心して。まーくんを一生幸せにするからね」
「貴様にとっての利益ばかりではないか!」
「えーお婿って結構譲歩だと思うけどな」

983 :続き 1/2:2010/11/13(土) 14:49:09 ID:TZWlhh0o0
オレ家事担当したっていいよ、料理うまいし…などと続ける勇者を尻目に、魔王はふと先代の勇者を思い出していた。
その時代の彼は人間に化け、正体を隠して勇者の仲間に入っていた。
内側から勇者を滅ぼそうなどという大層な理由では無い、ただほんの気まぐれに人間というものがどういうものかを
体験してみるのもいい暇つぶしになるのではないかと思ったのだ。
だが結果はひどいものだった。始めのうちこそ魔王として冷めた目で勇者たち一行と過ごしていた魔王だったが
いつしか人間達の影響を受け、あろうことか人間達にほだされそうになっていった。
このまま勇者一行と行動を共にすれば、魔王としての己は無くなってしまう…そんな危機感から、魔王は勇者達を
手酷く裏切ると、魔王としての本来の役目に戻って行った。
だが魔王城で再び先代勇者と対峙した時、勇者の態度は魔王にとって意外なものだった。
魔王のことを仲間と呼び、魔族と人類の共存を説いてきたのだ。
『一緒に旅をした過程でわかったんだ、魔王も人間と何も変わらないんだよ』
そう言って伸ばしてきた手を、魔王は払いのけた。
「魔王」が人類を滅びに導き「勇者」がその魔王を倒す。その均衡を崩すことなど、簡単にはできはしないのだ。
『下らぬことを申すな、我ら魔族と貴様ら虫けらが同じなどと、よくもそんな事が言えたものだ』
しかし刃を重ね、傷を負いながらも勇者は諦めずに何度も同じ主張を繰り返した。
ついには魔王にとどめを刺す寸前にまでいっても、先代勇者は瞳を魔王への憎しみで染める事は無かった。
『僕はお前と一緒にいたかっただけなのに、なんでこうなっちゃったんだろう…』
早くとどめを刺せと促す魔王に、勇者は泣きそうな顔でそう呟くと、震える手で刃を突き立てた。

984 :続き 2/2:2010/11/13(土) 14:49:31 ID:TZWlhh0o0
あの先代の勇者は今目の前にいる勇者と同じ瞳をしていた。
そういえば、この少年は勇者の血をひいていると言っていた。魔王が共存に聞く耳を持たなかったからと
今度はこんなからめ手でくるとは、全く人間というものはつくづくこちらの意表を突いてくれる。
魔王は何百年ぶりに込み上げてくる愉悦に喉を鳴らした。
「…いいだろう、貴様と添うてやらんこともない」
「やったー!じゃあ新婚旅行は何処に行こうか、式は盛大にやりたいな〜」
「それは断る」
「えーー」
かくして幾度も気の遠くなるほども繰り返された争いに、多少不本意な形とはいえ初めての大きな変化が生まれた。
この先に何があるのかは、まだ誰も知らない。

985 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 15:25:15 ID:TZWlhh0o0
まとめでご指摘いただいたので、新スレ立てようとしたのですが
規制で出来ませんでした。どなたかよろしくお願いします。
スレタイ *9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart20
☆★☆★☆ 初 め て の人は まず 熟 読 してね ☆★☆★☆
*9が萌えてほしい内容を指定し、*0が萌える思いを書き綴るスレッドです。
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
 まとめwiki ttp://www19.atwiki.jp/910moe/
 別館 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13789/
※ 絡み・談義・テンプレ審議などは絡みスレか別館へ。
ルール
■*9から24時間経過でお流れです。
■*0を踏んだ人物が*9より12時間無反応の場合は権利消滅となります。*0以外の萌えたい人どうぞ。
■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。
■同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。

注意事項
■*9リクはわかりやすいもの推奨。無機物、非生物不問。
■*9*0とも、あからさまに二次創作とわかるような固有名詞は避けましょう。
■テンプレ違反の*9はお流れです。
■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
 別館の「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
■投下者本人以外が続編を書くことは原則禁止です。

・投下、リクの前にはリロードしましょう。
・感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
・979でリク終了、980の萌え以降フリーです。次スレは宣言してから建てて下さい。

*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart19
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1275614715/
>>2 もよく読んで下さいね。

986 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 15:25:58 ID:TZWlhh0o0
●こういう場合はどうするの?

Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!

Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。

Q3 別館に投下された作品にGJしたい。
A3 別館のグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。

Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、別館の*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。

Q5 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A5 数字板の絡みスレや、別館のチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13789/1273068687/
テンプレURL ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13789/1273207268/

987 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:04:06 ID:Wm1a5Q7q0
ハッピーエンドGJ!魔王たん正当派ツンデレになれそうだw

さて、スレ立て挑戦してみます

988 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:11:25 ID:Wm1a5Q7q0
ごめんなさいスレ立て規制中だった……ちょっと改行が抜けていたので1スレ目だけもっかいテンプレのせておく
☆★☆★☆ 初 め て の人は まず 熟 読 してね ☆★☆★☆

*9が萌えてほしい内容を指定し、*0が萌える思いを書き綴るスレッドです。
*0はSS、萌え語りなど、どんな内容でも構わないので萌える思いを語ってください。
 まとめwiki ttp://www19.atwiki.jp/910moe/
 別館 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13789/
※ 絡み・談義・テンプレ審議などは絡みスレか別館へ。

ルール
■*9から24時間経過でお流れです。
■*0を踏んだ人物が*9より12時間無反応の場合は権利消滅となります。*0以外の萌えたい人どうぞ。
■*0の先行ゲトは禁止です。全部書き上がってから投下が原則。
■同一人物による投下以外の連続書き込みは禁止です。

注意事項
■*9リクはわかりやすいもの推奨。無機物、非生物不問。
■*9*0とも、あからさまに二次創作とわかるような固有名詞は避けましょう。
■テンプレ違反の*9はお流れです。
■テンプレ違反の投下はまとめwikiに収録されません。
■*0以外の萌えた方、*9より24時間経過後に萌えた方、投下者による続編は
 別館の「0さん以外の人が萌えを投下するスレ」に投下して下さい。
■投下者本人以外が続編を書くことは原則禁止です。

・投下、リクの前にはリロードしましょう。
・感想を書き込みたい人のために、*0投下後24時間以内の「まわし」は御遠慮下さい。
・979でリク終了、980の萌え以降フリーです。次スレは宣言してから建てて下さい。

*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart19
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1275614715/

>>2 もよく読んで下さいね。

989 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:15:40 ID:30PWtIxv0
きみのためにできること

990 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:20:05 ID:30PWtIxv0
うあ、>>1よく読んでなかったスマン
リク終了なのね
代わりにスレたててきます

991 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:22:40 ID:30PWtIxv0
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/801/1289632869/
たててきた
1熟読しなおしてくるスマソ

992 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 16:31:02 ID:vhUXimiK0
>>980
正統派と思わせたただのギャグかと思ったらやっぱり正統派のいい話じゃないか!

993 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 17:42:59 ID:66NQaeLxO
>>980
ふおおおお!魔王受けktkr
まーくん呼びワロタw勇者さん直球でいいな
先代勇者と魔王も切なくて萌えたけどこの勇者さんとの方が魔王様幸せになれそうw
いい嫁見つかってよかった!ついでに世界平和もよかった!
GJGJ!!

994 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 19:02:04 ID:+e8mV3Tn0
スレたて乙です!

>>980
過去に何回もヤラれてる美人魔王様おいしいです
調教次第でいいツンデレに育ちそうだww
GJでした

995 :風と木の名無しさん:2010/11/13(土) 20:19:25 ID:6RZ21kFZ0
>>980
すっごく面白かったwパーティひどすぎワロタw
魔王が好みすぎる

996 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 11:25:47 ID:YmdcLT8R0
>>980
魔法使い×戦士も勇者×魔王もお幸せにw

>>991
乙です!

997 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 14:49:45 ID:mqM3JW7W0
>>991
スレ立て乙!

>>980
先代との絡みもkwsk…!

998 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 22:24:37 ID:k3nVGEap0
>>991
スレ立て乙です!
>>985>>988も乙でした

次スレでも素敵な萌えに出会えることを願って埋め

999 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 22:25:54 ID:NwqYonk+O
スレ立て乙です。

999なら次スレでも素晴らしい*0に萌え転がる

1000 :風と木の名無しさん:2010/11/14(日) 23:21:56 ID:+VrRYAft0
1000ならみんな幸せ

1001 :1001:Over 1000 Thread
:::   ヾ    ;;;  ,;:"
   ;;;   :::: .. ゞ.
;;;; ,,, 、、   ,i'         ○
      ヾヾ   `
ゞゝ;;;ヾ  :::,r'  `  `
i;;;::::′~^        `    `  `
ii;;::i     `      `          `
iii;::i `                `
iii;;::i     `      `          `
iii.;;:i,
iii;;::::ヽ;;,,';;"'';;";;""~"`"`;.";;""'"~"`~"''::;;..,,,
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