破滅の言霊、予見の双眸  いにしえの予見 いにしえのことば  《大破局》を視た いにしえの人  女は視る 世界の絶望を  隠者は語る それを阻止せんと  集いしは冒険者 竜を背負いし者たち    ひとりは忌み子 竜に焦がれし若者  ひとりは人の子 機械仕掛けのこころ  ひとりは竜の末裔 力づよき青年  ひとりはおさな子 されどその力強く  ひとりは人の子 勇敢なりし乙女  ひとりは水の子 歌とともに生きる  穢れた血の男爵は いにしえの予見を知る  それを阻止せんと 冒険者たちは挑む  賢者の力借りて 冒険者たちは挑む  双眸にうつりし 世界の破滅  穢れた血の男爵は その双眸を欲す  現実と妖精の狭間にて 永き刻生きる科学者  遺跡にありて友の無事祈る いにしえの記憶  穢れた血の男爵は かの者たちを知る者なり  穢れた血の男爵は みずから道化を演ず  ヒトの心持ち続け幾星霜  穢れた血の男爵は 友を見捨てること能ず  遠き地、遠き思い 忘れること叶わず  穢れた心にその身を預けたとて 忘れること叶わず  穢れた心を身体を 自ら統治するもそれは九分    女は数奇なる運命を辿りて今にいたり  隠者はそれを助けんと 力を貸す  されど女の双眸は未来を視る  それは望まぬ力 過分なる力  力を望めば手に入る場にありて それを望まず  女はただ無事を祈るのみ  運命に翻弄されつつも 女は道を知る  家族とは 血のつながりのみを示すにあらず  道化演じし 穢れた血の男爵は  さらに続く道を示し そして散る  いつしかかの男爵の遺せしもの あらわれても  それは多分に おそるるに能ず  今はただ、夢を見る  絶望のない まっすぐな世界の夢を……