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和風な創作スレ

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 08:25:18 ID:PDdrd/HL

妖怪大江戸巫女日本神話大正浪漫陰陽道伝統工芸袴
口碑伝承剣客忍者伝奇書道風俗和風ファンタジー戦国
納豆折り紙酒巫女巫女俳句フンドシ祭浴衣もんぺ縄文

とにかく和風っぽいものはこちらへどうぞ。二次創作も歓迎

2 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 09:34:06 ID:W3SE2Qde
ファンタジーは夢物語と訳すべきなんじゃねw

3 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 09:38:50 ID:BxPQF1CC
一番勉強しないと書けないジャンル
言葉遣いとか時代知識とか
ファンタジーのほうが楽だよな適当に世界設定作れるから

4 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 12:52:25 ID:FFwBYgcU
取り合えず和風っぽいのを

舞台は現代日本(古名「大八州」)
神代の時代「大凶星天尊八頭大蛇神」率いる国ツ神の軍勢と「天照乃尊」率いる天ツ神の軍勢が戦った
戦いは天ツ神が勝利し、大蛇神は八つの頭にそれぞれ霊石を叩き込まれて封じられる
大蛇神が封じられると国ツ神軍は統制を欠いて瓦解。方々に散って力を失っていった
戦いに勝利した天ツ神は、改心した国ツ神の一派に大蛇神の封印を護るよう命じ、幾つかの武装を残して国を去る
天ツ神から封印守護の任を受けた国ツ神は後に人間と呼ばれるようになり、大八州全域に広がり文明を築いた
それから幾星霜
かつて国ツ神と呼ばれた者の大部分は妖魔と称される異形と化し、人の世に災いを成す存在として暴れまわっている
しかし人々の多くは既に戦う力を失って久しい。跳梁跋扈する妖魔と互角に戦える者は殆ど居なかった
そんな中、天ツ神から封印守護の勅命を受け、武装を引き継いでいた一部の血族は、今尚強力な破魔の力を伝えており
妖魔を狩って人の世の安寧を護ってきた
それが八つの旧家「八代一門」である
八代家の目的は日本列島に古来より存在する8つの要石を護る事
そして力ない人々に代わり、人の世を乱す妖魔を討ち滅ぼす事

だがある時、妖魔の中に恐ろしく強力な存在が現れる
それは自ら「天皇(てんおう)」を名乗り、バラバラだった妖魔を統率して組織的に各地の要石を襲い始めた
八代家は先祖代々伝わる使命に従い、この妖魔軍と戦う事となる


和風っぽくね?

5 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 12:53:27 ID:UKjFahXG
漢字多いなw

6 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 13:01:54 ID:FFwBYgcU
ルビでも振るか

大八州……おおやしま
大凶星天尊八頭大蛇神……だいきょうせい・てんそん・やつがしら・おろちがみ
天照乃尊……あまてらすのみこと
国ツ神……くにツかみ
天ツ神……あまツかみ
八代一門……やつしろ・いちもん
要石……かなめいし
天皇……てんおう

ま、振らんでも読めそうだがな
漢字多いと和風っぱいだろw

7 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 13:03:31 ID:UKjFahXG
確かになw
漢字は和風文化だ

8 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 13:51:19 ID:Y0ti8vVS
俺の屍を越えてゆけ!!!!!

9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 13:55:45 ID:KgZpq8q2
当主様、ご出陣っ!
明日をバーンと信じましょ♪

10 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 14:16:14 ID:GrN786Qm
日本神話的なのとか戦国系とか時代小説系とか
和風っていってもいろいろあるしな

11 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 14:19:37 ID:ict3tT5n
以降をサムライウェスタンが和風かどうかの論争(血で血を洗う)

12 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 16:31:19 ID:W3SE2Qde
>>9
> 明日をバーンと信じましょ♪
片仮名や絵文字を使ってはいけませんよ。

13 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 16:41:49 ID:ict3tT5n
>>9は俺屍ネタ
ゲームをかじったものならおいそれとスルーはできない良作である
>>12の市
お主はそれをわかっていながら

14 名前:4の者だが:2008/09/07(日) 16:52:32 ID:UuwZlAac
ま、折角なんでキャラでも考えてみるか

名前:環凪 華織(かんなぎ・かおる)
性別:男  年齢:18  身長:167
髪色:蒼  瞳色:赤  一人称:僕

華奢で女顔。温厚で一途だが頑固。妖魔には容赦ない
八代一門の一家、環凪家の次男。都立の高等学校3年生。成績は中の上
環凪一族の中でも歴代最強と謳われた母から、強い破魔の力と容貌を継ぐ
4つ上の兄が居るも病弱で戦う事が出来ない為、華織が環凪家の家督相続候補になっている
昼間は学生として生活し、夜は妖魔狩りに奔走する毎日
夜の仕事着は、神主が着る常装(狩衣)の黒バージョン。霊的な加護を持つ。帽子はない
剣術と格闘術を主体とした接近戦闘を得意とし、幼少の頃から数多の妖魔を屠ってきた
多少の妖術(特に炎系)を使えるが、威力は低く、専ら物理攻撃専門
また遠距離戦や索敵行動などは不得手。出撃の際は後方支援系パートナーが必須
朗らかで優しい心根をし人当たりもよいが、変な所で融通がきかない
人に害なす妖魔を倒す事こそを使命とし、それ一本で生きてきた。故に妖魔=悪、悪→滅という絶対の信念を持つ

得物:妖喰天剣草薙(ようがいてんけん・くさなぎ)
肉感的な柄を持ち、中心に青い勾玉の嵌め込まれた神具
天ツ神が用い、八代の始祖に与えた八種闘神器の一つ。環凪家に継承された
美しい片刃の刀身は国ツ神に連なる者を斬れば斬る程に鋭さを増し、その力を強めていく
だが使用者に異常な飢餓感を与え、斬った魔性の血肉を貪りたいという衝動を科す
この衝動に耐えられる者にのみ使用が許される禁宝
尚、人が妖魔の肉を口にすると拒絶反応が起こり、蕁麻疹・吐血・肉体的苦痛等に苛まれる
華織の兄は一時期これを使い戦っていたが、剣からの誘惑に負けて妖魔を喰らい続けた為に体を壊した
(暫くの間、食ってる事を隠していたので、バレた時は既に手遅れの状態に)

15 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 16:58:42 ID:wuhpI24l
江戸時代を舞台にした遊郭ものは一度書いてみたい、とぼんやり思ってる。
いまのところ何も調べていないけれど。

16 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:15:10 ID:cyAzb6N1
>>14結界師を思い出した。

17 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 17:37:26 ID:KgZpq8q2
>>14
中二病スレにスカウトしたいです。

18 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 18:12:29 ID:ya8WGtgx
例えば舞台が現代で、主人公が今時の若者でも、そいつに陰陽師とかそういう設定があれば和風ファンタジーに分類されるのか?

19 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 18:58:32 ID:UuwZlAac
着物着てたり、巫女装束着てりゃ、和風ファンタジなんじゃね

20 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 20:01:04 ID:U461xfdC
戦闘モノ以外ないのか……
読んでて疲れる……

21 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 21:31:12 ID:qJA0gPek
農家の若者(アホでドM)と猫又(猫耳担当)と化け猫(ケモノ担当)の三角関係のドロドロ物


……はやってるとアレな方向に逝きそうなので却下の方向で

22 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 21:35:40 ID:ya8WGtgx
妖怪をテーマにしたミステリとかも和風かね
京極夏彦みたいな

23 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 21:49:30 ID:SM2bfZJd
妖精なら洋風だけど
妖怪なら和風じゃね

24 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/07(日) 21:53:20 ID:PDdrd/HL
和風な要素がそれなりにあればここでいいよ
現代退魔ものでも伝奇ミステリでも和菓子職人の一代記でも

25 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:05:31 ID:tgDDprv+
妖怪退治の専門家な巫女が、剣と魔法とモンスターのファンタジー世界に召喚される
ってのは和風ファンタジー?

26 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 00:31:26 ID:bP+POV8b
>>25
刀と妖術と妖怪ならいいんじゃね?

27 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 03:41:39 ID:psFHSbgn
>>26
> 妖術
陰陽道、密教系の加持祈祷・退魔、神道系の浄化ってところじゃね

28 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 09:16:09 ID:mQG0QGzb
とりあえずどこか和風っぽければいいよ

29 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 09:23:24 ID:YddSkcx0
ONIの新作出ないかな

30 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/08(月) 17:57:23 ID:tgDDprv+
和風って聞くと、最初に陰陽師とか妖怪退治とかイメージしちゃうわん
人と妖怪の橋渡しをする陰陽師の、心温まるハートフルストーリーとか

31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 14:08:43 ID:sjAyE/ex
>>30
いいねー

32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/09(火) 17:32:12 ID:1Y08lGTN
>>30
この場合、主人公は人間と妖怪のハーフって設定になりそうだよね
どっちの気持ちも判るみたいな?

33 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 01:00:14 ID:/YI2agRN
>>30
和風ファンタジーだと、蟲師とかモノノ怪みたいな、戦闘一辺倒でないのもいいな

ファンタジーとまでは行かないが、史実とか考証に忠実ながら現代的なIFストーリーとしては
へうげものも切り口が面白い

34 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/10(水) 14:36:28 ID:eJVaeKv4
和風なものを書きたいが、口調とか名称とかはどう調べればいいの?

35 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/12(金) 20:16:07 ID:F0m1c4cZ
>>34
調べるもなにも現代風でないと思うものを使えば良い。
芥川龍之介の短編集や夏目漱石の夢十夜辺りが参考になるやもしれぬの。

36 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/13(土) 16:54:46 ID:nOP948eZ
皆でキャラとか世界観とかストーリー的なネタを出し合って、何か創作する基盤でも作ってみようぜ
皆のアイディアを結集させての合作みたいな?

37 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 01:52:21 ID:nRF7MPJq
三匹が斬る!みたいなのが読みたい&書きたい
あと鬼太郎の江戸時代バージョン
アイディアはあっても纏まらなきゃ意味ないけど

38 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 04:02:13 ID:RhflLgLj
日本を舞台にしてたら和風なのかな?
先鋭的な機械技術が隆盛の未来日本を、巫女装束の少女が駆けるのは和風なのか?

39 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/14(日) 19:24:27 ID:To3QaYfj
機械技術の根幹がクジラヒゲぜんまい仕掛けのカラクリならおk

40 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 00:57:13 ID:JFofSC6o
個人的な好みを言わせてもらうなら、バイクに跨り疾走する巫女とかイイ
装備は巫女装束、赤いバンダナ、黒革ブーツ、太腿にはサバイバルナイフを隠して
お祓いはしないけど、拳と脚で殴って蹴ってなね

41 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 00:58:50 ID:3ohvt3go
>お祓いはしないけど
なんで巫女装束着てるんだよそいつはw

42 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/15(月) 01:23:08 ID:JFofSC6o
実家が神社で正真正銘の巫女だからさ
でも霊能力とかそういう系の力は皆無なんだよwww

43 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 02:32:25 ID:eiTGaRLE
和風ファンタジーっていうと江戸時代がよく取り上げられるけど、
鎌倉・室町時代とかの方が相応しい感じがする。

44 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 18:08:21 ID:kt1R+7Sq
俺は平安辺りが好き

45 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 18:30:44 ID:nbbo/Al9
古墳時代がさびしそうにこちらをみている!

46 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 18:33:42 ID:j74rC70s
縄文時代あたりもなかなか
精霊信仰おいしいです^^

47 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 18:36:45 ID:ZeovgQHU
そこまでいくと、どんな娯楽があったとか普段何食ってたとかさっぱりわからない

48 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 18:47:04 ID:U+2RbZ8r
星を見てたんだよ

49 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/18(木) 20:50:01 ID:nbbo/Al9
和”風”だからてけとうでええねん、よ?

50 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/28(日) 21:27:41 ID:fsZhxtGl
それっぽい感じでおkということだな

51 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 19:21:23 ID:xXIry8hK
和風と聞くと「わふーっ!」と叫びたくなるのは俺だけではないはず

52 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:55:04 ID:FToO5FP7
           ,. -‐―――‐-、
        γ::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   ヾ\ γ:::::::::_∧_∧_:::::::::::::ヽ  /ノ
   〃 ||(:::::::::/ (((    ((( \::::::::)||  ヽ
   彡/ \:/  <●>  <●>  \ノ \ヾ   わふーっ……?
        |    (__人__)     |
        \    ` ⌒´     /        
         /          ヽ
        (_ ̄\        ヽ       
       ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

53 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 20:59:13 ID:s4dqEWBV
和風というと真っ先に「和菓子」を思い浮かべる。
先日最終回を迎えたテレビチャンピオンの和菓子対決の影響かな…
和菓子から茶道を連想、千利休を主人公にした茶道バトルSSなんてどうだ?

54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/29(月) 21:15:35 ID:p4NdO9iv
それ何てへうげもの
まぁあれは心理戦だが

55 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 10:57:41 ID:Cywudwhz
>>47
漫画だけど、水木しげるの『縄文少年ヨギ』はなかなか面白い。

邪馬台国ネタなんかも割と書きやすそうだな。
古代の方が、わかっていることが少ない分、目茶苦茶やってもボロが出にくいw

56 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/09/30(火) 18:34:37 ID:EwfakEVY
つヤマトタケル

57 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:43:59 ID:963bbJUy
俺の大好きな大正浪漫は和風だろうか?

58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 15:45:30 ID:9yFnb/35
>>1のラインナップに入っているではないか

59 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/02(木) 17:37:27 ID:zg+fYGCK
で、此処は和風の何を何する所なんだ?

60 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:43:06 ID:H9uCjBjS
和風な風景ってどんな表現があるだろう

61 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:46:09 ID:5G4KFzOG
侘び寂びの表現とか?

62 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:47:27 ID:GKJMyiZJ
「どうした備前屋、いつもより多いではないか」
「いえいえ、片岡様あっての備前屋。ほんの気持ちでございます」
「そうかそうか、わしはこの山吹色の御菓子が大の好物でのう」

表現は出来ないが想像はできる

63 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 20:57:44 ID:oLl6/MmU
夏場なら風鈴とかセミの声とか川で冷やしたスイカとかが代表格だな

64 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:06:35 ID:GKJMyiZJ
涼しいから縁側横になっていたらうたた寝してしまって
気がついたら膝枕されて団扇であおがれている訳だな

65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 21:36:44 ID:fURv9uhV
雄大な日本庭園。
降り積もる雪。
そこには白装束の女。
流れる血。
雪の純白に、血の真紅が映える。

……確かキル・ビルでこういうのあったなー。

66 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/05(日) 22:14:21 ID:H9uCjBjS
ちょっと伸びたな。
渓谷にかかる吊橋とかが個人的に和風で好きだ
あと苔むした森の大樹にひっそり寄り添う鳥居とか和風ファンタジーぽくていい

67 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/06(月) 01:40:26 ID:fnb+mOJt
鳥居とか社は和風っぽいな
大樹の注連縄とかお地蔵様とかも
狛犬、狛狐(?)なんかも
結局、神社系が一番イメージしやすいかもね

68 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:20:21 ID:lMILy+zr
陰陽師とかどうだろう。

69 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:23:51 ID:cYugQUYo
陰陽師とか神道とか、調べるのが大変すぎて挫折した経験がある…

70 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:28:18 ID:h9raxNJd
なんちゃって陰陽師でいいんじゃね

71 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 16:44:16 ID:ti/9e67s
狩衣を着て、九字を切りながらお札投げたりすればとりあえずそれっぽくはなる

72 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 17:30:20 ID:O6DE6UKc
巫女装束着て、日本刀振り回すか弓撃ってればおK

73 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:35:28 ID:4P6nLf4s
巫女さんだと神道じゃね?
陰陽師はれっきとした役職だから貴族位ないと駄目なはず
うろおぼえだが

74 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 19:41:17 ID:6nZj5yf0
坊主が後ろで3人踊ってればOK

75 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:22:59 ID:z9T+GvOy
どーまんせーまんかw

76 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:25:57 ID:h9raxNJd
風に吹かれて旅をする盲目の美人琵琶法師の話でも書くか

77 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:34:00 ID:ti/9e67s
>>76
メリー・ポピンズよろしく番傘で空を飛ぶ琵琶法師が目に浮かんだ

78 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/07(火) 20:36:53 ID:gN/zflRz
なんか優雅だなw

79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 16:27:55 ID:yZclMOJy
>>76
もちろん美人=美青年だよな?

80 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/08(水) 16:34:07 ID:92Rtneu/
人外の姉御と高貴な血を持つ少女が縁側でお茶をすすりつつ有り余る暇を花札やカルタで
潰すようなニート生活を送るSSだって和風なはず!

81 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 05:21:39 ID:aqIqwwfy
陰陽師は別に、狩衣着なくてもらしくはなるよ。
式神打って、怪しげな呪文唱えて、御札ピラピラさせたらOKだ!!
あとはそれらしい用語だな。

82 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 10:49:03 ID:tpeHG5yo
悪霊退散
極楽へ逝かせてあげるわ
君に決めた
オンキリソワカ〜

あとなんかある?

83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 11:33:52 ID:aqIqwwfy
急々如律令かな……あと九字切りは『臨・兵・闘……』よりも、『青龍・白虎・朱雀・玄武……』とかの方がいいと思う。


84 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 17:37:38 ID:oHyaLuaZ
その昔、和風ファンタジーを書いていたのだが、その時の主人公の設定が、
白いコートに、大剣が変形するデカイ二丁拳銃。
趣味はギター演奏で好きな音楽は激しいロック。
暇な時はスケボーで遊んでる、乱暴な言葉遣いの若者だったんだが、マスコットにちっちゃな朱雀を一匹つけて、ボロ神社に勝手に住んでいるって設定つけたら一気に和風っぽくなったことがある。

85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/11(土) 19:29:32 ID:gTZrpNsI
それは君の和風の定義がイカれてるだけかと

86 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 02:50:28 ID:FO1ZrcM7
拙僧

弁慶

齢?

三十路を越えていくばくか

主?

おる

おらぬわけなかろう

主は

悲痛

兄に疎まれ

京を追い出された

無体な

可哀想だから

拙僧がお供つかまつる

87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 08:38:20 ID:HLCdf9xV
今までにない新しい文体で衝撃を(ry

88 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 08:42:54 ID:uXcONzC1
和風の携帯小説か

(・∀・)イイ!!かもしれねー

89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 08:49:07 ID:TuOJFuCo
夢枕縛に似てるww

90 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 14:34:11 ID:1vqdCcTd
あたし彼女ならぬ拙僧弁慶かw
新しいw

91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 14:47:44 ID:Do63yJQp
>>86
すげー良作の匂いがするwwよみてぇwwww

92 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/12(日) 16:36:26 ID:cl9bsQpy
和風な携帯小説ってだけならいっぱいあるけどな ランキングも色々あるし
ttp://rknt.jp/utakata/
この板向けのはあんまないかもしんないけど

93 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 22:11:43 ID:GhjgyQGc
やはり和風といえば

陰陽師
妖怪
日本刀


は欠かせないだろう!

94 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 22:49:33 ID:Loc/dU3f
公家、朝廷、帝、京、琵琶法師、虚無僧、江戸っ娘

95 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/18(土) 22:54:44 ID:C2RvC9PE
わらじ
長屋
富くじ

96 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 00:49:39 ID:lTRY21bj
うどん屋

97 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 08:45:50 ID:7NSGCAHA
土の匂い
雨の匂い
路地裏で蠢く何かの気配

が自分の中の和風のイメージ

98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 10:07:05 ID:7GBNbaP7
 二階に客を上げても、まず目に入るのは大黒柱だった。立派な漆の柱には、私が幼い頃
に刻んだ背比べの傷が彫られていた。家に帰れば柱ばかりが気にかかるのは、おそらくは
薄ぼんやりとした記憶の糸を脳が手繰り寄せるからに違いない。
 「それで、例の話……考えて貰えたかい」
 「はい。<大臣殿>には、良く言伝てしておきますね」
 両親の仕事は、お上への口利きだった。いや、それ以外にも仕事はあった筈なのだけれ
ど、私の記憶のどこを探しても━━蛇が出そうなので薮はつつかないが━━それらしい思
い出は無かった。服は呉服屋、世話は乳母といった私の環境の中に、奴等は全く踏み込ん
で来ることは無く、思い出らしい思い出と言えば、いかにもといった風な髭面の男と父が
酒を酌み交わし━━丁度、今の私のように━━光り物を交換しあっている姿だけだった。
 「今月分さ」
 「いいんですか、毎回こんなに」
 「嬢ちゃん、あたしはもう何年も昔からこっちの世界で生きてる。抜けられないのさ。
それこそ、もう足も抜けずに身動きも取れない程にね。でも運の良いことに、両腕までは
浸かって無いさね。自由に振り回すことが出来る。好きな奴だって抱ける」
 煙管の女は続けた。煙管の先から出る靄が、梁まで上って見えなくなった。
 「お得意さんへの挨拶はし過ぎても損は無い。分かるだろう? あたしはそうやってこ
こまで来た。光り物屋なんてやってるとねぇ、綺麗なものも汚いものも、要は使い方次第
だと嫌でも気付くものさ。あんた、綺麗なものは好きかい?」
 女は煙管を口に任せ、着物に手を掛けた。掛け布一つ羽織っていない女の上半身が露に
なる。もう一度、煙管まで手を伸ばすと、近場の薬箱の出っ張りに置いた。いつ消したの
かは皆目見当も付かなかったけれど、もう靄は出ていなかった。火の燻りも消えている。
 「綺麗なものに掛ける金にしては、安いとは思わないかい?」
 ああ、そういえば母は━━

99 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 10:11:07 ID:7GBNbaP7
歴史の評定は2しか取った事がない俺が携帯からテスト

100 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 11:36:16 ID:Z64VmWBq
文章うまいと思う 俺の読解力が低いせいか状況がよくわからんです
親が大臣の口利きで今は光もの屋の女と取引してるということでよいのかな

101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/19(日) 12:50:44 ID:7GBNbaP7
その通り。ついでに言うなら煙管の女はレ(ry
1行40文字にしたはずなんだけど、AASで見たらズレてるね。吊ってくる

102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 14:10:03 ID:3QARJ+RY
キニスンナー やっぱ行そろえたほうがいいのかな 俺めんどいからやらなかったけど
その内なんちゃって和風な話を書いてみよう

103 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/20(月) 22:34:30 ID:lwHL7i52
>>100
「さぁ、そこの柱に手をついて」


104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/24(金) 23:56:17 ID:FSLxWSIT
ファンタジースレが和風な話題になってる

105 名前:破魔巫女銀杏 1-1:2008/10/28(火) 16:02:37 ID:vhFmBAKe
 ビルが切り取る夜空を、黒い雲が覆っている。深夜の街に、バイクの走行音が響いた。
 道路を飛ぶように走る二台のバイクは、追い追われる野獣といったさま。
 追う側のバイクには、巫女がまたがる。上半身の白と下半身の朱が目にまぶしい。
 黒い長髪を振り乱す巫女が、腰に差した刀を抜いた。刀は街の灯りを反射して閃いた。
「おらっ、玄狐(くろこ)! 横につけろ!」
 巫女は細い腕を振って、バイクのタンクをたたいた。
「へーえ、銀杏(いちょう)様」
 バイクはどこからか声を出し、タイヤの回転数を上げた。
 白い顔の巫女・銀杏の黒髪は風で後ろへとなびき、朱の裾がはためく。
 赤信号も無関係に、二台のバイクは弾丸のように突き進んだ。
 直線の道路で、巫女は追われるバイクの左に並んだ。黒いボディのバイクだ。妖しい気配
をともなう運転手は、首から上が無い。
「青龍、白虎、朱雀、玄武……破魔!」
 まつげに縁取られた彼女の黒い瞳に、光が散る。銀杏は唱えつつ刀で闇を斬り裂いた。
 霊刃が飛び、首無しライダーは胴を切断された。
 首無しライダーの姿は黒い霧となってかき消える。
 主をなくした黒いバイクは、かえって速度を増し、銀杏の前を走った。
「やっぱり、バイクが本体だったか」
 カーブに差し掛かって、銀杏は体を右に傾けた。対向車が銀杏を避けて電信柱に激突す
るが、彼女は気にもかけない。
 また直線と見ると両手を離し、銀杏は背から左手に弓をとり、右手に矢をとった。
 矢をつがえ念じ、前を行くバイクに銀杏は狙いを定め弦を引く。
「退邪破魔、貫妖の矢!」
 放たれた矢は輝いて、一直線に的を目指す。
 光る矢が突き刺さると、黒いバイクのエンジンは破裂し、火を吹いた。横倒しになって道
路を滑り、火花を散らす。

106 名前:破魔巫女銀杏 1-2:2008/10/28(火) 16:03:40 ID:vhFmBAKe
 道路標識にぶつかり、黒いバイクは爆発して辺りを明るくした。
 何かの破片が、燃えつつ闇夜にいくつも飛散する。
 大破したバイクから、ぼんやりとした光が浮かび、やがて消えた。
 炎に照らされる巫女は、満足そうにしていた。
「よし、破魔成功。バイクに取り憑いた悪霊か無形の妖怪ってとこかな。まあなんでもいい
や」
「適当な……」
 巫女のバイクから、呆れたような声が響いた。
 事故の騒ぎに、野次馬の市民がたかった。携帯電話で写真を撮る者もいた。
 革靴の足音をきかせ、背広を着た、長身の青年がやってきた。
「お疲れさま、榊さん」
 茶の髪で、すっきりとした顔の、若い男だ。
「おう安倍、報酬と経費、振込んどいてよ」
 銀杏は気分も上々といった様子だ。
「ところで、ノーヘル、赤信号無視、スピード違反、危険運転等など。交通に免許提示して
くれないか」
 安倍と呼ばれた青年は、交通の警察官をさした。
「おまえ!」
 銀杏は白い袖を揺らし、噛み付かんばかりだ。
「僕も公務員なんでね。免許取り消しかな、コレは」
 安倍は勝ち誇ったように笑った。彼は安倍青月(せいげつ)、県警特殊課悪霊妖魔対策係
の刑事だ。
「ま、報酬減らしていいなら、僕が口きいて免停三ヶ月ってところか」
 安倍自身、高い霊能力を持つが、最近は民間に仕事を丸投げしている。
「この悪徳公務員! 庶民の敵!」
 悪態つく銀杏から、警察官が免許を取り、きいた。
「えーと、さかき、ぎんなんさん?」
「いちょうだよ、榊銀杏! そんぐらい読めっ!」
 不機嫌が加速して、銀杏は怒鳴り散らした。
 彼女のバイクから、黒いもやのようなものが出た。それは二つに分かれた尾を持つ狐に
なって、宙に浮かんだ。
「やれやれ、また安倍刑事にやられましたな」
 目を光らせるこの黒い狐は、銀杏に使役される式神、玄狐だ。
「チクショー! 呪ってやる!」
 破魔巫女・榊銀杏の叫びが、夜の街にこだました。

107 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/10/28(火) 16:07:02 ID:vhFmBAKe
レスを見て書いてみた 若干中二病……

 榊銀杏 妖怪・悪霊を退治する破魔で金を稼いでいる。普段は神社で巫女をしている。
 玄狐 銀杏の式神。二またの尾をもつ黒い狐。物質に取り憑き、作動させることができる。
 安倍青月 県警特殊課悪霊妖魔対策係刑事。陰陽師。銀杏にわけ有りの仕事をよく依頼する。約束の報酬は払わないことが多い。


ありがちかな……
一応続きがあるのでその内書く

108 名前:破魔巫女銀杏 2-1:2008/11/02(日) 11:16:14 ID:0rT1CYdC
 厚い雲が空を低くして、赤い鳥居が届きそうにも見えた。
 狛犬が本堂を守るように鎮座している。
 聞こえるのはほうきの音、雀のさえずり。
 巫女の榊銀杏は、神社の境内をほうきではいていた。黒髪、白い顔、黙っていれば美人と
いえなくもない顔立ちだ。
 二股の尾をした黒い狐が、塵取りを構えている。これは式神の玄狐だ。
 竹ぼうきを持つ小柄な巫女のありようは、神社とよく調和していた。
 が、彼女の表情はやや無気力そうに見えた。
 砂利を踏む音がするので、銀杏は顔を上げた。
 落ち葉が散る向こうから、スーツに身を包んで、茶の髪をした長身の男がやってくる。
 一番見たくない人物を見た銀杏は、渋い顔で舌打ちした。
「やあ、おはよう」
 対照的に、安倍はさわやかな笑顔を見せた。手に黒いカバンをさげている。何も知らない
人間には、彼の見た目は好青年と受け取れるだろう。
「今日はいい仕事の話を持ってきたんだ」
「まず、賽銭入れてくれない」
 銀杏は白い袖を振って、賽銭箱を指差した。
「賽銭を強要する気かい? 任意同行求めるよ」
「任意なら行かないよ」
 やれやれと、安倍は賽銭箱へと歩き、一円玉を投げた。
 鈴を鳴らし、安倍は手を打った。
「人類が幸福でありますように」
 わざわざ聞こえるように安倍が願いをいうと、銀杏は吐き気をもよおして苦い顔をした。
「で、仕事の話なんだが」
 少し真面目な顔になって、安倍は銀杏に切り出した。
 近ごろ、落ち武者姿の辻斬りがあらわれるという。
「お前のせいでバイクに乗れないんだけど」
「君の違反のせいだろう。駅から徒歩でいける範囲だよ。歓楽街の裏道によく出るようだ」
 カバンから資料を取り出し、安倍は銀杏に差し出した。
 ほうきをわきにはさみ、資料を受け取り、銀杏は目を通した。
「被害者のデータがないな」
「別にいらないだろう」
「あるならよこしなよ」
 安倍は黙ってカバンに手を入れ、紙を取った。銀杏はひったくるようにして紙をつかみ、
目を動かした。
「弁護士軽傷、金融業勤務重傷、不動産業経営死亡。おーおー、金のにおいがするなあ。
 またなんかわけ有りだろ」
「無差別殺傷事件だよ」
 そっけない安倍のいい方が、逆に何か裏があることを示していた。
「とにかく、仕事は受けるんだね?」
「ちゃんと報酬払ってくれるんならね」
「当たり前じゃないか、僕が信じられないのかい?」
 澄んだ瞳で安倍が笑いかける。よくいうよ、と銀杏はあきれて言葉もなかった。
 安倍が去ると、銀杏は何か思いつつ、掃除の続きをした。

109 名前:破魔巫女銀杏 2-2:2008/11/02(日) 11:19:29 ID:0rT1CYdC
 弓を肩にかけ、刀を腰に差し、矢筒を背に、他の荷物を玄狐に負わせ、日が沈む少し前に
銀杏は神社を出た。
 噂の現場は被害者たちの仕事場からだいたい等距離だ。歓楽街から少しはずれたさびし
げな裏通りだった。
 商店の裏口があり、忘れられたようなポリバケツや、風雨にさらされた段ボール箱が見
られる。
 おそらく歓楽街へ繰り出す近道だろう。まだ時間が早いので、人の気配はない。
 妖気を感じて、銀杏は振り向いた。ほの暗い通りに、枯葉が一枚、舞い落ちた。
 何の変哲もないようで、何かおかしい。近くに街路樹はない。
「銀杏様!」
 玄狐の叫びと同時に、銀杏は横っ飛びした。
 見えない刃は形をとり、刀になって鈍く光った。異様な空気をまとった鎧武者が、刀を構
え直して立っている。
 鎧兜は古びて、錆が目立った。表情はうかがえず、目は不気味にぎらつく。
「出たな、いきなり不意打ちとは、侍にしちゃ卑怯じゃないの?」
 銀杏は腰の刀を抜いた。刀に鍔はなく質素な作りだが、刀身は強く輝いている。
「お前は違う……」
 鎧武者は低い声でいうと、姿を薄くしていった。
「待て!」
 銀杏の刀が一閃し、武者を斬り付けた。かに見えたが、すでに武者は消えていた。
「逃げられた」
 あたりは静かな裏通りだ。鎧武者がいたなどとは信じられない。
 古新聞の切れ端が、風に吹かれていた。

 銀杏は被害者の事務所に向かった。金融業者の事務所だ。
 ごみごみとした通りは、飲み屋や何かの商店がせまぜましく並んでいる。
 雑居ビルの一室、目的の事務所は閉まっていた。ドアの前で、銀杏は玄狐に命令した。
「お前、忍び込んでさ、パソコンに取り憑いてデータ盗んでこいよ」
 黒い狐は頭を振って髭を震わせる。
「ええっ、いやですよ。犯罪じゃないですか」
「誰がお前を捕まえるんだよ。式ならいうこときけ」
 がっくり頭を下げると、背のバッグを置き、玄狐は黒い煙のようになった。
 黒煙はドアの隙間から吸い込まれていく。
 乱雑な事務所の奥にある机に、古い型のパソコンがあった。
 黒い煙はパソコンを覆い、しみ込むように消えていく。
 勝手に電源がつき、パソコンはデータを読み込んでいく。
 人が見ればポルターガイストだと思うだろう。
 関係ありそうなデータを読み取ると、玄狐はまた煙のようになって、パソコンから出て
いった。

110 名前:破魔巫女銀杏 2-3:2008/11/02(日) 11:24:56 ID:0rT1CYdC
 事務所の外で待つ銀杏の足もとに、黒い煙が集まって狐の形を作る。
「おう、どうだった?」
「はあ、最近ですと土地の買収に関して被害者たちと仕事をしたみたいです」
「それ見ろ、被害者には面識がある。これは無差別の辻斬りなんかじゃないんだ」
「その土地売買に何かがあったわけでしょうか」
 その時、固い足音が二人に近づいた。
 白い布で腕を首から吊った、黒スーツの中年男、顔はカタギらしくないこわもてだ。
「あんたさあ、この事務所の人?」
「誰だ、巫女さん」
 男はドスの効いた声を出した。
「私は破魔してる巫女で榊ってんだけど。あんた、悪霊に狙われてるでしょ?」 銀杏にきかれると、金融業の男は顔色を変えたようだった。
「その悪霊、退治してやってもいいんだけど。まあ、諭吉さんと相談になるけどね」
 口を曲げ、男はうなるようにした。この男は牧田といって、確かに武者の亡霊から襲撃を
受けていた。
「銀杏様、報酬の二重どりではないですか」
 しゃべる獣を見て、金融業の男は目を見張り、態度を変えた。
「頼む、たたられてるんだ。知り合いが殺された、次は俺かも知れねえ」
 銀杏は笑いが漏れるのをこらえ、もっともらしくうなずいた。
「うむ、霊視したところ、あんたは最近土地の売買に関する仕事をしたね。それで人に恨ま
れているだろう」
「察しの通りで。なんとかしてくれ、金より命だ」
「よしよし、その土地が近くなら案内してもらおうか」
 へい、とすっかり下手になって、男は自分の車へとうながした。黒くてつやのある車だ。
銀杏は上機嫌で後部座席に座った。
 呆れ返って言葉もない玄狐は、銀杏の足元にうずくまった。


 数分後、車は空き地の前についた。市の中心からやや離れた場所で、建設中の建物が周囲
にいくつか見られる。
 銀杏は車を降り、空き地をながめた。工事の途中らしく、整地されて測量の跡などがある。
 空き地の真ん中あたりには、大きな切り株があった。
 牧田が話しはじめた。
「この土地の持ち主は死にかけのババアだった。県が土地を買おうとしやしたが、ババアは
御神木があるからと断った。どうせ近いうち死ぬんだからほっときゃいいのに、そこがお
役所仕事っつうのか、期日までに土地を買わなきゃならねえと」
「で、あんたらが買収を請け負った、と」
 銀杏が合いの手を打つと、牧田は首を縦に振る。
「へえ。細かいとこははしょるが、とにかく木は切らねえからといって、土地を買取った」
「切られているではないですか」
 二股の尾を揺らし、玄狐は口を動かした。弁解がましく、牧田は荒れた声を出した。
「知らねえよ、おれらは買った土地をまた県に売っただけ、県がまた民間に委託して、駐車
場作るために切ったんだ。この辺に県の役人の宿舎を建てるから、駐車場がいるんだとよ」
「そのばあさんは?」
 銀杏は黒い瞳で切り株を見つめたまま、きいた。
「死んだぜ。顔青くして。ありゃ病死だ、どの道死んでたんだ、たたるのは筋違いだ」
 玄狐は責めるように、鼻息を一つついた。
 銀杏は袖に手を入れ、考え込んだ。
「んでも、なんで婆さんのたたりが鎧武者なんだろうな」

111 名前:破魔巫女銀杏 2-4:2008/11/02(日) 11:29:12 ID:0rT1CYdC
 その時、北東から生暖かい風が吹いた。砂煙が渦を巻いた。
 黒髪を揺らし、銀杏は腰に差した刀を抜いた。
「来たか」
 黒い影は人の形をとり、古い鎧に身を固めた武者が立った。
 武者は異様な気配を振りまき、刀を構える。
 ひぃ、と頭を抱えて牧田は銀杏の後ろに下がった。
「どけ、女」
 刀を構えて、鎧武者は足を擦り、前進する。
「おい、おまえは何だ、死んだ婆さんか?」
 刀を向けて銀杏はきいたが、鎧武者は答えず、踏み込んだ。
 合わせるように、銀杏は刀を振るい、鎧武者の太刀を受けた。
 金属の接触音が高く響いき渡った。互いの刀がしのぎを削って押し合った。
 武者の恐ろしい威圧は周囲の空気を侵していくようだ。
 牧田は恐れて尻をつき、這って逃れた。
 銀杏の瞳は奥から輝きを起こし、気の動きを霊視した。
「玄狐、ちょっと相手しな」
 銀杏は黒塗りの下駄で地を蹴り、後ろへと跳ねた。砂利がいくつか飛ぶ。
 あわてた玄狐は飛び上がり、銀杏の手から刀を口で受け取った。
 武者の刀が空に光の弧を描いて、振り下ろされる。
 玄狐はくわえた刀で武者の一撃を受けた。
 そのすきに、銀杏は弓を構え、矢を背から取り、つがえる。
 狙いを定め弦を引くと、弓はしなって力を貯め込んだ。
「破魔退邪、貫妖の矢!」
 光る矢は彗星にも似て、空を一直線に飛び、切り株に突き刺さった。
 切り株は青い火がついて燃え上がる。
 鎧武者は低いうめき声を上げた。武者も同じように青い火に燃え、形を崩していった。
「おお、これは」
 玄狐は口を開けて、刀を地に落とした。
「こいつは木の霊だったんだ」
 息をつき、銀杏は弓を肩にかけた。
「何百年も生きた木なら、戦場の侍も見ただろう。地主の婆さんを主とでも思ったんだろう
さ」
 銀杏は腰を曲げて、落ちた刀を取り、腰の鞘に納めた。
「へっ、何が神木だ、化けもんの木じゃねえか」
 牧田は手を払い、尻を払うと強がった。
「まあ、神も邪も紙一重さ」
 銀杏は独り言のようにつぶやいた。

112 名前:破魔巫女銀杏 2-5:2008/11/02(日) 11:38:36 ID:0rT1CYdC
 沈黙が訪れたとき、車の音が近づいた。車道の向こうを見ると、黒い車がやってくる。
「ありゃ、霊柩車だ」
 銀杏の口から出た言葉を、牧田は否定した。
「嘘をいうな、屋根がねえじゃねえか」
「屋根がないやつもあるのさ」
 車は空き地の前でとまった。長い車は、確かに霊柩車のようだ。
 運転席から、黒スーツで長身、茶髪の男が降りた。
「安倍じゃないか」
 銀杏を無視して、安倍は車の後部を開けた。上半身を突っ込むと、安倍は棺を引き出した。
 棺を抱えて、安倍は空き地に持ち込んだ。
 安倍が木の棺を開けると、中に小柄な老婆の死骸が見られた。
 青白くなっているが、腐敗はしていない。
 老婆の死骸はぼんやり光ると、光の粒になって分解していった。
 光は無数の蛍のようになって、地面へと吸い込まれていく。
「なんだ、こりゃ」
 銀杏がきくと、安倍はやっと口をきいた。
「このお婆さんは、ここの土地神だったんだよ。開発が進んで、人間としての体は死んでし
まったようだ」
 おお、という武者のうめきが黒くなった切り株からきこえたようだ。
 棺は空になった。
「土地神と神木、まさに主従だったのか」
 銀杏は合点してうなずいた。
 牧田は体を震わせた。
「ババアも化けもんだったのかよ」
「おまえも人のようだが、鬼になっているかもしれないよ」
 微笑する銀杏の鋭い目に射ぬかれたようになって、牧田は身をすくめた。
「ば、馬鹿をいうんじゃねえよ。てめえ、俺に金を払わせようってんだろうが、文句付ける
気か」
「気が変わった。いらない」
「な、なんだと」
 凄味をきかせる牧田に、安倍が近づいた。安倍は懐から警察手帳を出し、開いた。
「僕はこういうものだ。いいたいことがあるなら署で聞こうか」
「げっ、サツかよ」
 牧田は逃げるように車へと走った。牧田が車に乗り込むと、黒い車は走り去っていった。
 安倍は手帳を胸のポケットにしまった。
「君が金いらないなんて、こりゃあ雨でも降るかな」
 安倍は腰に手を当て、背伸びした。ふん、と銀杏は息をついた。
「県が宿舎を作るって? そりゃあ、おまえもやりづらいだろうな」
「まあ、いいじゃないか。それより、本当に降りそうだ。乗っていくかい」
 湿気が増したようで、風が銀杏の黒髪を乱した。あたりはすっかり暗くなっている。
「しょうがないから、乗ってやるよ」
「次はもう少し洒落た車を用意するよ」
「冗談じゃない」
 銀杏のあとに玄狐が入り込むと、霊柩車は雨つぶが落ちはじめた車道を走っていった。

113 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/02(日) 11:45:25 ID:0rT1CYdC
終了。一部改行し忘れた
続きはない。
誰もいないならたまに使わせてもらおうかな、創作意欲向上・実験・腕試し・練習の場として

114 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 04:00:03 ID:tCw9Uc9n
>>105-113
読ませてもらった。
そこそこ面白かった…和オカルトが、強調されてたら、俺好みだなw
あっそれと、最初のバイクの話に出て来る呪文…俺が書いたヤツ使ってくれたんだね、Thank you〜。
関係ないけど、俺は昔安達祐実がやってた、『ゴーストハンター早紀』が好きだった。
『……早紀』の設定パクって、何本か話を考えた事あったなぁ(遠い目)……。
作者、これからも頑張れ!!

115 名前:名無し・1001決定投票間近@詳細は自治スレ:2008/11/03(月) 11:17:22 ID:x8E33itc
>>114
113です レスもらえるとは思わなかったw
呪文とか全然わからんから使わせてもらいました
その内また何か書くつもりだけど、多少勉強しなきゃいかんと思った
やっぱ知識大事だわw

116 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 08:40:41 ID:UiZIsHvX
保守

117 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 08:48:40 ID:7+jhHDdo
保守だけってのはどうよー

和風ってどこか本物じゃないっていう含みがあるのかな
江戸時代以前に和風云々言わないもんなー
洋風に対する和風ってことでいいんだろうけれど
ということでおはよう

118 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 09:16:22 ID:fYpg5FW/
「和」は中国文化から脱却して日本独自の文化が花開いた平安時代以降じゃね?

119 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 09:45:33 ID:7+jhHDdo
ああ、現代の俺らが認識している「和風」の話ですね…
んーと…
「風」の方かな
トルコ風、スペイン風、貿易風(違)みたいに〜風って言うとき、
どこかで贋物だと無意識に感じているのかなってことです

120 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 09:54:13 ID:oIoxd0rh
そのまま再現するのじゃなく、
作り手や受け手の価値観に合うように調整するって感じかな。
トルコ風料理なら、日本人の舌に合うように調味料を変えてみるとか。

121 名前: ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 16:33:56 ID:X6YGS3Ad
誰もいないと思ってたらちょっとのびてるな……
その方がいいんだけど
とりあえず途中まで書いたのを投下する

122 名前:玄浄祓い旅 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 16:47:42 ID:X6YGS3Ad
 世は源平合戦の余韻冷めやらぬといった風。
 源頼朝が征夷大将軍に任じられ、相模鎌倉に幕府が立てられる。
 まだまだ戦後の復興はままならず。
 至る所で怨霊のうらめしげな声はきかれた。
 平家の世は終わり。
 諸行は無常。いつの世も臨むつわもの、闘う者ども、皆前に陳列(なら)びて在り。
 その想いは淀みに浮かぶうたかたのごときといえども、確かにあった。

 ここに語られるは亡き者どもを見聞きできる、若き巫女、玄浄(くろきよ)。
 ならびに浮浪者のごときな身なりの修験者、榊銀盃坊(さかきのぎんばいぼう)。
 二人の旅と奇怪なるさまざまの物事。

 遠くにかすむ山々は連なって、木々は樹齢数百年を思わせて空を隠す。
 鳥、猿の鳴き声がたまにきかれ、鹿が谷を跳ねるのが見られた。
 かぶった笠の、破れた隙間から目を光らせる修験者が山道を歩いている。
 錫杖をついて輪を鳴らす。荷を担ぎ、みすぼらしいなりをして、足の運びは頼りない。
 前をわらじで歩く巫女が一人。赤い袴、白い袖、黒い髪の三色がまぶしいようでよく映え
る。
 長いまつ毛、赤い唇、高すぎない鼻の、かわいげある女であった。
 修験者姿の銀盃坊が荒い声を出した。
「疲れた足が痛い休みたい腹減った」
「うるさいのう。それだけ口が動くなら足も動くじゃろ」
 前を歩く巫女、玄浄が振り向きもせず返す。
「俺ぁ荷をもっとるんだ、いたわらんか」
 玄浄は答えるのも面倒、といったふうで黙って歩く。
「なんとかいわんか、このアマっ、乳もんでやる」
 銀盃坊が骨張った手を伸ばすと、さすがに玄浄は高い声で怒鳴った。
「やめんか、外道!」
 そのとき、何かの気配が二人に近づいた。
 玄浄が気付き、振り返ると、犬のような形をした白いものが何匹も群れて飛んでくる。
「しまった、安倍の式神じゃ」
 玄浄は顔を引きつらせ、雌鹿のごとく駆け出した。
 銀盃坊も打って変わって、猪のごとく駆け抜ける。
「何が疲れたじゃ、エセ入道めが」
「へん、命がかかりゃあいやでも走るわい」
 二人は憎まれ口たたきつつ、山道を走り続けた。

 近江国のとある山村は、大きくはなかったが、段になった畑が目に鮮やか、村人はよく働
いて、栄えているようだった。
 銀盃坊と玄浄は人に聞き、依頼をよこした家を訪ねた。
 家の屋根はわらぶきだが大きい。入ると、囲炉裏のそばに初老の男が座ってきせるをふ
かしていた。
 村の顔役で、陣兵衛という。こぎれいな身なりをしている。
「頼みをくだすった陣兵衛さんじゃな」
 黒髪の巫女はぞうりを脱ぎ、失礼、といい上がった。
「これは出迎えもせず、失礼いたした」
 陣兵衛が立とうとするのを、玄浄は止めた。
 汚いなりをした銀盃坊は荷を投げ出すようにすると、さっさと敷物に座った。
 玄浄がそんな銀盃坊をしかりつける。
「こりゃ、失礼ではないか」
「いいじゃねえか、さっさと仕事の話に入ろうぜ。とっつぁま、湯ぐらい出したらどうだ」
 陣兵衛は小間使いの若い男を呼び、白湯の用意をさせた。
 玄浄も座した。巫女のありようは凛とした一輪の花にも似る。
 修験者のさまときたら盛った泥のようだった。

 陣兵衛は白髪頭を下げ、話し出した。
「だいたいのことはお手紙に書いてあるかと思いますが、つまり、ここらに夜な夜な獣が来
て畑を荒らすのです」

123 名前:玄浄祓い旅 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 16:51:40 ID:X6YGS3Ad
「それだったら狩人の領分だろう」
 銀盃坊が口を挟むと、そういわれることを予期したように陣兵衛はうなずいた。
 小間使いが、湯を入れた椀を二人の前に置いた。弥助という、おとなしそうな顔の若い男
だ。
 陣兵衛は続けた。
「そう思い、まずは狩りのできる若い衆から熟練の者までを呼び集めました。
 ところが、夜、見てみますと、わしもおったのですが、あれはただの獣ではありませんで
した」
「陰の者だったのじゃな」
 玄浄がいうと、陣兵衛はゆっくり首を縦に振った。
「恐ろしや、目が一つの狼だったり腕が何本もある猿だったり。中でも恐ろしいのはそれら
の主らしい、女の怪」
 陣兵衛は体をふるわし、汗を額に光らせた。
「山姫と呼んでおります」
「さようか。何か心当たりはないじゃろうか」
 椀を口に運びつつ、玄浄はきいた。陣兵衛は低い声で言った。
「実は、神石(かみのいし)を狙っておるのではと思うております」
「神石とな。見せてもらおうか」
 赤い袴を動かし玄浄は立った。
「食い物をいただいてからでいいじゃねえか」
 銀盃坊は苦い顔を玄浄に向けた。
「馬鹿者、いい加減にせぬとどこぞの谷に蹴り落とすぞ」
 家に玄浄の通りのよい声が響く。しかたなさげに、銀盃坊は立ち上がった。
 小柄な若い巫女に従う、小汚い修験者という図は何とも奇妙だ。
 陣兵衛と小間使いの弥助は、笑いが漏れそうになるのを我慢した。

 外に出て畑の間を少し歩くと、村の外れ、高台に大きな岩があった。明らかにあとから置
かれた岩だ。締め縄されている。
「安倍様という陰陽師に教えていただき、山から村の若いもんらで運び込んだんです」
 弥助が玄浄に教えた。
「本当は安倍様に来てもらおうとお願いしたのですが、何か忙しいとのことで」
 ここまでいってから、陣兵衛は言葉を切った。
「それでしかたなく、わしらのような無名のお祓いを呼んだというんじゃろう」
 玄浄が笑っていうと、陣兵衛は口の中で何か弁解した。
 玄浄はしなやかな白い手を伸ばして、岩に触れようとした。
 青い火花が散り、玄浄の手を弾くようにした。玄浄はすぐ手を引っ込めた。
 玄浄と銀盃坊は黙ってうなずいた。
「やはり、化け物がその神石を狙っておるのでしょうか」
「そんなところじゃ。わしらは山に入る」
 玄浄がうなずいていうと、弥助が案内を買って出た。
「子供の頃から山で遊んでいましたので」

 弥助を先頭に、玄浄、銀盃坊は山中、道ともいえぬ筋を踏んで歩き進んだ。
 木々の枝葉が空を隠して暗くする。シダなどが生い茂って足を動かしにくくした。
 木の幹にはトカゲが這い、虫がたまに羽音をうるさく聞かせる。
 闇に何かひそむ気配があった。三人を付け狙い、ようすをうかがっている。
 やがて、三人はやや広い岩場に出た。
 馬に乗った何者かが、異様な気配をまとわせて、向こうからやってくる。
 弥助は怯えて短く悲鳴を上げた。

 首がすっぱりと切れた馬が、蹄を鳴らして歩いてくる。
 またがるのは、きらびやかな衣をまとう、長い黒髪の女だ。髪の間から、よく輝く三つの
目がのぞかれた。

124 名前:玄浄祓い旅 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 16:57:55 ID:X6YGS3Ad
 あとから引きつれられて、目が一つの鹿や、頭が二つの鶴、三本足のイタチ、またよくわ
からぬ獣の怪たちがやってくる。
「おまえが山姫じゃな」
 玄浄がきく。首無し馬にまたがる三つ目の女怪は、岩山に開いた穴を吹き抜ける風のよ
うな声を出した。
「人間はそう呼ぶらしいな」
「なぜ畑を荒らすのじゃ」
「近ごろ、山の木々が実を付けなくなった。我の力も弱まっている。我らも生き延びねばな
らぬ」
 山姫がいうと、妖獣たちはそうだそうだと応えるように、奇妙な鳴き声をきかせた。
「我らはまだよい、力なき鳥獣はどうする。あれらに食わせるものを我らが持ち帰らねば、
山が枯れる」

「そうか」
 何か考えをめぐらすような顔で答えると、玄浄は力強くうなずいた。
「わかった、わしらとともに村から作物をいただこう」
 ええっ、と弥助は驚き、目をむいた。
「わしらは別に村に義理はない、よそ者じゃ。きけば大変そうじゃ、力を貸そう」
 玄浄は笑みを見せて山姫に協力を持ちかける。
「おまえらを信用できるのか」
 山姫が三つの目を光らせて問う。
「そうじゃなあ、そこの男を人質にせい」
 玄浄は細い指で弥助をさした。

 げっ、と逃げようとする弥助の腕を、銀盃坊ががっちりつ
かむ。
「悪く思うな。運がねえだけよ」
 銀盃坊は荒い声で笑うと、弥助を山姫の前に引きずりだした。
 猿や兎の怪がたかって、弥助を囲む。弥助は顔を青くし、震えて縮こまった。
「では行こう」
 玄浄は来た道を戻る。銀盃坊もわらじで地を擦って続いた。
 あとを山姫ら異形が列をなす。妖気は渦巻き逆巻き、何とも恐ろしい。
 化け物に囲まれた弥助は生気を失ったようになって、ただ歩いた。

 山を降り村に到着するや、妖獣たちは畑に飛び込み、豆をむしり根菜を引き抜いた。
 村人たちは正体もなくして惑い、逃げるのみ。
 混乱の中、玄浄と銀盃坊は神石に向かって歩いた。
 神石を背に、貴族の格好をした女が立っていた。
「玄浄、銀盃坊。おまえたちの悪事もこれまでよ!」
 ゆったりとした衣に身を包む女は、紙片を手にした。すずやかな目元、赤い唇の、少女と
もいえる女だった。
 すぐそばに、怯える陣兵衛がいた。
「おお、安倍青葉(あべのあおば)。やっとのお越しか、おそかったのう」
 玄浄がおちょくっていう。
「黙りなさい! 村の皆さん、あいつらは人間に化けてるけど、女は狐、男のほうは天狗な
のよ!」
 まさか、と陣兵衛は口を大きく開けた。
「ではお望みの姿を見せようかの」
 玄浄は妖気を発すると、見る見る黒い毛に覆われて、耳を尖らせ鼻を突き出し牙をむい
て、巫女姿の黒い狐になった。赤い袴の後ろから、黒く大きな尾を二本揺らす。

 銀盃坊は顔を真っ赤にし、鼻の頭を長く立派に伸ばした。
「化け物め、食らいなさい」
 青葉は紙片を投げ飛ばした。紙切れは膨らみ、白い犬のようになって玄浄に飛び掛かる。
 玄浄は目を光らせて、爪を振るった。白い犬は切り裂かれて地面に落ち、また紙に戻る。
 青葉は袖から何枚も紙を出すと、次々投げては犬にした。
 獣の怪たちは白い犬に追われ、咬みつかれて叫びを上げた。
「覚悟しなさい、妖の者」
 安倍青葉は腰の短刀を抜いて光らせた。霊波を帯びて刀は青く輝く。

125 名前: ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 17:01:25 ID:X6YGS3Ad
書き貯めてたぶんの投下終了。中途半端でごめん。
なるべく早く終わらせる。

126 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 18:36:32 ID:aU4YDuRz
>>122-124読んだよ
なんか冒頭は朝松健の日本中世伝奇物ぽいノリだ
てか、一輪の花と盛った泥のコンビがいいねw
しかしそっちでいくのかと思いきや意外な展開だな
続き待ってるさー

127 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 20:58:47 ID:tBCPczPN
>>122
文章表現うまいっすね。
妖怪退治かとおもいきや、妖怪は主人公側でしたか。
GJ、続編まってます!

128 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 21:28:45 ID:tBCPczPN
スレの活性化を期待して、自分も投下してみるかな。
つーことで、なんちゃって時代劇をぺたぺた…。

http://34bangai.chips.jp/novel/ns-01-1.html
http://34bangai.chips.jp/novel/ns-01-2.html
http://34bangai.chips.jp/novel/ns-01-3.html
http://34bangai.chips.jp/novel/ns-01-4.html

テーマはお兄ちゃんと剣ということでひとつ…。

129 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 22:16:30 ID:aU4YDuRz
>>128
OK、読み終わった。力作乙だった
てかこれ長さ的にスレには貼れないだろw

モデルは会津藩で安光流と溝口派一刀流なのかな?
殺陣が多くてそれにも緊迫感があって、いい感じだったよ

130 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 22:58:49 ID:WiVqCwb0
>>125
なんか雰囲気がいいねー
微妙に古語が混じってたりするのが和風っぽくてgood

131 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 23:01:34 ID:WiVqCwb0
あ、もうひとつ投下あったのか
気づかなかった読んでみよう

132 名前: ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 23:29:12 ID:X6YGS3Ad
>>128
すげー大作だな! 少しずつ読もう

レスd
ちょっと荒いけど引っ張るほどのものでもないし投下してしまうか
ちなみに>>105>>108と若干つながる話だったりする

133 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 23:31:28 ID:aU4YDuRz
いいよーいいよーおいでー

134 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/17(月) 23:33:18 ID:WiVqCwb0
おお!なんか今日は凄いな

135 名前:玄浄祓い旅 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 23:34:43 ID:X6YGS3Ad
 黒い狐と化した玄浄は二股の尾をなびかせ、青葉に襲い掛かった。
 巫女姿の黒い狐は何とも異様で、陣兵衛は恐怖して頭を抱えた。
 青葉の刀が光の弧を描き、玄浄は爪を弾かれる。青い火花が激しく飛び散った。

 その間に、飛燕のごとくに飛び回る銀盃坊は白い犬の牙を避け、神石の上に立った。
 神石は邪の者を嫌い、霊力を発して銀盃坊を払い落とそうとする。
 稲妻に似た衝撃が銀盃坊の体を走り抜けた。銀盃坊の鼻から青白い閃光が飛んでいく。
「ぎゃあっ、痛ぇ。何とかしろ、玄浄」
 玄浄は黒い風のようになって、神石の締め縄に咬みつき、縄を食いちぎった。
 神石の抵抗が弱まると、銀盃坊は拳を振り上げる。
「食らいやれ、天狗の拳骨!」
 大音響とともに地は揺れ、神石は割れて真っ二つ。

 ああ、と嘆く青葉の首を玄浄が強く打った。
 青葉は気を失い、玄浄の黒い腕に抱かれた。
 白い犬たちは紙に戻って、そこらに散らばった。
「おお、命ばかりはお助け」
 陣兵衛は額を地につけ、手を合わせる。
「何もせんわ。それより、ほれ」
 長い鼻の銀盃坊は割れた神石の中から、六角柱の水晶を取り出した。
 美しく輝く青い結晶に、陣兵衛は恐怖も忘れて見とれた。
 狐の玄浄は黒い手で水晶を受け取ると、山姫のもとへと歩いた。山姫も首無し馬を歩か
せる。

 玄浄は水晶を差し出した。山姫は震える手で、光る結晶を取った。
 とたんに、山姫の恐ろしげな顔は、三つ目のままではあったが、菩薩のごとくに優しげに
なった。
 馬には首ができる。金のたてがみをした、何とも美しい、立派な馬であった。
「我は我を取り戻した。恩に着る」
 優しげな顔の山姫は玄浄に礼を言うと、馬を返し、山へと去っていく。
 妖獣や怪鳥たちも荒々しさをなくし、作物を抱えて主人についていった。
 霧が立ちこめたかと思うと、もう山姫たちはいなくなっていた。

「これは、どうしたことだろう」
 ずっと腰を抜かしていた弥助が口をきいた。
「山姫は山の神であった。だが、おまえらが神石を山から持ち出したので、あのような怪に
成り下がってしまったのじゃ」
 いつのまにか、玄浄は人の姿に戻っていた。銀盃坊も鼻を低くしていた。
「なんと、そうだったのか」
 陣兵衛は袖で顔の汗をぬぐった。
「あの石は山の力の源、それがなくなって山の実りがなくなっちまったもんだから、獣が山
から下りるようになっちまった。
 青葉がおまえらに余計な入れ知恵をしたのが悪いのさ」
 銀盃坊も重ねて説明した。

136 名前:玄浄祓い旅 ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 23:43:02 ID:X6YGS3Ad
 なるほど、と陣兵衛はうなずいた。神石のおかげで畑の作物がよく育つようになったの
も、そういわれればわかる。
「山の神様のたたりのようなものであったのですか。とんでもないことをしていた」
 陣兵衛はゆっくり首を振る。
「しかし、それなら、なぜ最初にそう言ってくださらなかったのです」
 恐れつつも、弥助はやや責めるような口振り。かたや玄浄はすまし顔。
「そりゃあ、あの時はまだどっちが悪いかわからんかったからのう。青葉の困ったところは、
善意で動いていることじゃ。
 実際よいこともするし、かように陰陽の均衡を崩したりもするので、わしらはその後始
末に追われておる」

 ははあ、と弥助、陣兵衛は恐れ入って頭を深く下げた。
「後始末どころか、俺たちゃ本当に追われて殺されかけてんだ。化けもんどもがいなきゃ、
あんな犬の群れ、さばけるもんか。礼金出せ、とっととずらかるぜ」
 銀盃坊は厚い手を出した。
「悪党みたいな言い方しかできんのか、まったく」
 呆れながらも、金は要る。玄浄も陣兵衛に布施を願った。
 いくらか受け取ると、二人は青葉が目を覚まさぬうちに、と村を出るしたくをした。

 弥助と陣兵衛は見送りに、村の外れまでついていった。
「それにしても、あなた方はどういったおかたなのでしょうか。やはり、神仏のお使いなの
でしょうか」
 問う弥助に、玄浄はかぶりを振る。
「わしは玉藻前の眷属で、れっきとした狐じゃ。こっちの馬鹿は元人間だったが、修業の途
中に外道に落ちて、天狗と化したのじゃ」
 外道は六道輪廻の外で、仏に救われることも難しい。ここに
落ちると人は天狗と化す。

「馬鹿呼ばわりするな、俺のおかげで貴様は人間なのだろう」
 荒い声で銀盃坊はなじった。どういうことかと、弥助は首をかしげる。
 玄浄は必要もなかったが、説明してやった。
「わしの妖力を、銀盃坊を通じて外道に流すことで、わしは人でいられるし、銀盃坊は人間
に戻っていられるのじゃ」
「はあ……そういうものなのですか」
 弥助には、そうした陰陽の原理がわからない。

「源平の合戦の裏で、陰陽の合戦があった。酒呑童子、玉藻前、鞍馬山僧正坊。みな殺され、
あるいは封じられた。あと千年もたたぬうちに神も鬼もいなくなる。人間にならねば生き
残れないのじゃよ」
 話す調子はどこか愚痴っぽくもある。玄浄は悲しそうな黒い瞳を、わずかに光らせた。
「まだまだ陰と陽の均衡があちこちで乱れておる。建て直さねばならん」
 巫女は山道をまた歩きだした。
「盛者が必衰なら、衰する者は必ず盛んになるっつうこった。だから俺たちゃ弱い人間にな
ることにしたんだ」
 言い残すと、荷を背負う銀盃坊も山道を歩いていく。
 日は山の向こうへと半分沈む。雲は赤く染まって、星がいくつか輝き始めた。あたりは暗
くなっていった。

 二人の後ろ姿が見えなくなっても、玄浄、銀盃坊の言葉の意味を、弥助は考え続けた。

137 名前: ◆Omi/gSp4qg :2008/11/17(月) 23:48:38 ID:X6YGS3Ad
終了。
破魔巫女銀杏と玄浄祓い旅で未来と過去の話を交互にできたらなあ
とか思ったりしてるがそんなにネタが続くはずないやね。

138 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 00:05:33 ID:aU4YDuRz
>>135-137
乙ー
なるほどこうまとめてきたかw
水上悟志の漫画ぽいw
でもいちいちセリフが民話っぽくて雰囲気でてるのがいいのう

139 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 00:13:51 ID:Fi/GHKtG
確かに民話っぽいというか昔話っぽいなー

ところで数行おきに脈絡無く改行があるのはなんか意味あるの?
こういう風に改行するくらいだったら「」の上下改行とかのほうが読みやすいんだが…

140 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 00:16:01 ID:EXwrgs7d
>>135
これはうまい落とし方だ。
ある種予想できるオチといえるけど、むかしばなし的ってか人間のお節介がネタになってて
妖怪やら神様やらにしてみれば、やっぱりはた迷惑な稼業なんだろなぁ祓い屋拝み屋ってのはw
おもしろかっです!

141 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 00:37:28 ID:EXwrgs7d
おっとっと下げ忘れ。

>>129
早速の感想ありがとうです。
お察しの会津藩モデルの安光流に一刀流溝口派という取り合わせはご名答にゃ。
自分むかし斬られ役やってたので、殺陣の雰囲気を重視したくてそのチョイスしてみた。
少し古風で独自進化っぽい剣術を描こうかなって思ったときに、瀬口派はいじりやすいかなと。

剣術の描写は基本的に自分の武道経験にもとづいて、
双子ネタに走ったのは自分が単に妹スキーだからです。
擬似恋愛的なはなしを匂わせて殺陣の濃度と、甘々〜のギャップで締めくくる狙いがあった。

はたしてうまくいっただろうか?
感想謝々!

142 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 00:50:23 ID:sGmjDv6I
>>141
あー、やっぱり経験者の人かー
そういうとこうまいなあと思ったのぜ
妹のぎこちなさはなかなかツボであったよ

143 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 06:53:43 ID:EXwrgs7d
>>142
ありがとん。
ツンデレ妹を書いたのははじめてで、けっこう勉強になったよー
妖怪ものか忍者もの書いてみてえー

144 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 09:54:09 ID:5J8lQzdj
>>139
体裁をきれいにするの難しいよな。
「」の前後空けるにしても会話が多いとスカスカになるし
会話が少ないとギッシリになるし
時間や場所の移動で空けるのが自然だけど、それがあんまりない場合もあるし
改行しすぎると書き込めなかったりするし……

145 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/18(火) 21:34:20 ID:GXgiK5Hf

【京都】 巫女さん、きゅうりを胸にはさむ指導受ける…比売宮神社(画像あり)
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/kyoto/1181050412/l50
★巫女さん24人、きゅうり封じの接客習う 比売(ひめ)宮神社で研修会
・京都府長岡京市の比売宮神社は、16日来月10日に行われるきゅうり封じの際に参拝者から
 預かるきゅうりの扱い方について巫女の研修会を開き、17−22歳の24人が参加した。
 緋袴と白衣に着替え、本殿でおはらいを受けた後、宮司らから、きゅうり封じの由来や
 参拝者から差し出されたきゅうりの扱い方についての説明を受けた。
 比売宮神社のきゅうり封じは、明治時代まで社内に存続した真言宗寺院から受け継いだもの。
 参拝者の身代わりになるきゅうりに参拝者の病苦を封じ込めおはらいする。
 「きゅうりは参拝者の身代わりですから胸に押しいだくように受け取ってください」との
 指導に、巫女たちは真剣な表情で用意されたきゅうりを胸に押し当てていた。
 ※画像:研修前におはらいを受ける巫女さん
 http://www.kyoto-np.co.jp/static/2008/11/16/P2008111600079.jpg

146 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 19:51:34 ID:Te7H37bp
これも和風な創作?

147 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/19(水) 23:52:13 ID:1TZv+Nqu
創作なのかな…?

148 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/20(木) 23:15:21 ID:q5yq3k9z
元ネタ
【社会】 18〜22歳の巫女さん86人、指導受ける…北野天満宮で研修会(画像あり)
★巫女さん86人、初詣へ接客習う 北野天満宮で研修会
・京都市上京区の北野天満宮は16日、毎年50万人を超える初詣での際にお守り授与を
 手伝う巫女(みこ)の研修会を同天満宮で開き、18−22歳の86人が参加した。
 緋(ひ)袴と白衣に着替え、本殿でおはらいを受けた後、宮司らから、境内の建物や授与
 するお守りの説明を聞いた。「いらっしゃいではなく、ようこそお参りくださいましたと言うように」と
 言葉遣いを指導された。
 来年は天満宮と縁の深い「丑(うし)年」。名物の「撫牛(なでうし)」にちなんだ縁起物の置物も
 授与品として用意される予定で、同天満宮は「例年以上に忙しい年になりそう」という。
※画像:研修前に、おはらい受ける巫女さん(上京区・北野天満宮)
 http://www.kyoto-np.co.jp/static/2008/11/16/P2008111600079.jpg

149 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 21:43:02 ID:gMDwWsnc
巫女さんの胸にきゅうりを挟むという発想は見習いたい。いや見習いたくない。いや見習いたい。

150 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/22(土) 22:17:41 ID:vP3L3foC
あるのかないのかどっちだ

151 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 00:59:52 ID:v2GtpZ5v
ナンダァ?コノウシミテェナチチハ!?
コンナケシカランオッパイハ、ナデテヤル!!!

152 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 01:03:41 ID:6rTYr5o5
もう和風でも何でもないじゃねーかwww
和風でやれよww









おっぱい!おっぱい!

153 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/23(日) 19:16:21 ID:fcctY7u7
>>152
> 和風でやれよww
神社、巫女、きゅうり封じ … 和風要素ばかりだよw

154 名前: ◆Omi/gSp4qg :2008/12/12(金) 20:22:07 ID:J/tInIHZ
誰もいないすきに短いのを投下しておこう
一応>>108-112の続き

155 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 20:23:31 ID:MfJm7PMy
油断したな!wktk

156 名前:破魔巫女銀杏 3-1:2008/12/12(金) 20:23:47 ID:J/tInIHZ
 明るい空の下、まぶしいような赤い鳥居の奥に、こけのむした狛犬が鎮座している。
 境内には石畳が並んで、砂利が敷き詰められ、紅くなった葉が北風に散っていた。
 本堂を拭き掃除する巫女がいた。白い衣に緋の袴、長い黒髪は切りそろえられ、白い顔は
細いあご、瞳は深い漆黒、巫女は飛び抜けた美人というわけではなかったが、どこか印象
的だった。
 砂利が踏まれる音がするので、巫女は黒髪を揺らして顔を上げた。
 巫女の目が向く先には、平凡な青年といったふうの人物がいた。

「すみません、榊銀杏さんでしょうか」
「ああ、そうだけど?」
「自分は町内会のもんで飯島といいますが、破魔をやられているとききまして」

 飯島は頭に手をやり、人の良さそうな顔で愛想笑いした。
 銀杏は紅い下駄をはき、砂利を鳴らして飯島と向かい合った。

「仕事かい?」
「ええ、まあ。お願いできますか」
「言ってみな」

 小柄で細い銀杏だが、口のきき方は気っ風がよく、見た目とちぐはぐだった。

「夜中、商店街に何だか騒音を起こす亡霊かなんかが出て、迷惑しているんです」
「警察に言ったら?」
「それが、ナントカ課が忙しいとかで取り合ってくれませんで」
「被害は騒音だけ? ならほっとけないの?」
「迷惑ですし、幽霊が出るとなると客商売ですから、弱っておるんです」

 飯島は眉を下げ、肩を落とした。

「うちは金とるよ」
 銀杏は容赦ない。
「そこは、このくらいでお願いしたいのですか」

 飯島は計算機に数字を打って、銀杏に見せた。

「ふーん、ま、いいや。じゃあやってみようか」
「よろしくお願いします。亡霊は夜、商店街に出るので、その時また」

 落ち合う時間と場所を決め、飯島は鳥居をくぐって去っていった。

157 名前:破魔巫女銀杏 3-2 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/12(金) 20:25:37 ID:J/tInIHZ
 日が沈み、空が濃い紺に覆われる。
 身を清めた銀杏は改めて巫女装束に身を包み、腰に短刀を差し、背に矢を背負い、弓を肩
にかけて、鳥居の下を歩いて商店街に向かった。
 商店街入り口のゲートで、飯島が待っていた。

「ああ、どうも。じゃ、行きましょうか」

 銀杏は黙ってうなずいた。二人は並んで夜の商店街を歩いた。街頭が等間隔に光る。
 商店街には街路樹が立って、落ち葉を落としている。道の隅に葉が吹きだまっていた。

「掃除しろといってるんですがね、お恥ずかしい」

 飯島がこう言うと、銀杏はおかしなものを見るような目をした。

「あんたは目が悪いのか」
「は? いえ、普通ですが」
「そうか」

 銀杏は何事もないように、また歩いた。飯島は首を傾げ、ついていく。
 二人はしばらく歩いたが、変わったところはなかった。閉まったシャッターの前に、銀
杏と飯島は並んだ。

「今日は出ないかも知れませんねえ」

 飯島はすまなそうに言った。
 銀杏は空を見上げた。
 何だろう、と飯島もつられて見上げた。
 夜空に丸い月が浮かんでいる。

「何かいるんですか」
 飯島が不思議そうにきくと、銀杏はまた言った。
「あんたは目が悪いのか」
「え……、いえ」
「そうか」

 この女はさっきから自分を馬鹿にしているんだろうか、それとも自分には見えない何か
が見えるのか、いずれにせよ飯島はいぶかしみ、早く銀杏と別れたくなった。

「今日はもう……」

 飯島が言い掛けたとき、弦楽器の音が風に運ばれてきた。

「出たか」

 銀杏は白い袖をひるがえし、音源に向かって歩いた。
 恐れつつも、飯島は銀杏のあとをついていった。
 商店街の中ほど、クリーニング屋の前で、何者かが動いていた。
 近づくと、琵琶を抱えて鳴らす老人が確認できた。

158 名前:破魔巫女銀杏 3-3 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/12(金) 20:27:30 ID:J/tInIHZ
 ぼんやりと発光する、頭を丸めた老人は、目を閉じ弦をばちで弾く。
 琵琶はときにゆるやかに、ときに激しく掻き鳴らされる。音色は波打つようで強くなり
弱くなり、高く低くなって何かを訴えるかのようだ。
「お、お化けだ、お願いします」

 怯えた飯島は、銀杏の後ろに隠れた。
 銀杏は目を閉じ、黙っていた。
 琵琶の奏でる音楽ははかなげに、力強く夜空に響く。
 琵琶法師の近くに生える一本の頼りないもみじが、紅い葉を落としている。

「あ、あの、榊さん」
「しゃべるな」

 銀杏に厳しく命令され、飯島は口を結んだ。
 ばちは素早く動いて弦を弾き、変幻自在の音を産み出す。
 銀杏は刀の柄に手をかけ、目を閉じて動かなかった。
 琵琶のきかせる曲はさらに強く激しくなり、かと思うとせつなく哀しげになる。
 飯島はさっさと退治してくれないか、と思うが、銀杏の気配はただならぬもので、声をか
けられなかった。

 曲の調子がゆっくりしたものへと変わっていく。銀杏は目を開き、瞳の奥に稲妻を閃か
せた。
 紅い下駄が歩道を蹴り、緋の袴がはためく。白い衣は白鳥のはばたきにも似た。
 血にも似た真っ赤なもみじが風に舞い飛ぶ、桜吹雪のように。
 琵琶の音色は空へと駆け上がる龍を思わせ、一気に拍子を早くしていく。
 震える弦が紡ぎ出す響きは情熱的で、それでいて今にも壊れてしまうような、死すべき
運命ある者が持つ美を感じさせる。

 銀杏の刀が水平に飛んだ。

159 名前:破魔巫女銀杏 3-4 ◆Omi/gSp4qg :2008/12/12(金) 20:29:17 ID:J/tInIHZ
 琵琶の音楽は消え、突然に静寂がやってきた。
 弦の切れた琵琶が地面に落ちた。
 琵琶法師の姿はどこにもなかった。
 銀杏は短刀をさやにおさめた。

「終わったんですか」
 飯島は恐る恐るきいた。

「ああ」
 短く答えると、銀杏は琵琶を拾った。

「本体は琵琶だった。時間がたって化けた琵琶だ。法師の姿は琵琶の記憶、映像みたいなも
のだ。弦は琵琶の命だからね。これを切ればしまいさ」
「そうでしたか……。まあ、何にせよよかった、これでうるさくて迷惑せずにすみます」

 飯島が安堵して言うと、銀杏は目に敵意のようなものを見せた。

「いい加減にしろ、おまえは耳が悪いのか」
「は?」
「おまえは色づいた葉を見てもゴミにしか見えないのか。あんなに綺麗な月も、おまえには
見えないのか」

 飯島は口を開けたまま、ただ立っていた。

「あの琵琶。あれはよかった。毎晩でも聞きたかった」
 銀杏は目を閉じ、琵琶の音に魂も震わされたというように、深くため息をついた。
「おまえにはうるさいだけなんだろうな。おまえは雪を見ても寒いとしか思わないんだろう。
海を見ても暑いとしか思わないんだろう。虫の鳴くのを聞いてもうるさいとしか思わない
んだろう。かわいそうな奴だ」

 銀杏は髪を揺らし、飯島に背を向けた。

「金はいらない。二度とそのつまらないツラを見せるな」

 銀杏の後ろ姿を、飯島は見つめた。つやのある黒い髪、白い衣、緋の袴。
 赤や黄の葉が風に舞う。漆黒の空にはまぶしいほどに輝く月。

 ああ、我が国の秋はなんと美しい……、と飯島は心を打たれて、深々と頭を下げた。

160 名前: ◆Omi/gSp4qg :2008/12/12(金) 20:31:42 ID:J/tInIHZ
終わり 若干季節を過ぎてしまった
人がいたとは……いたほうがいいんだけどさ

161 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/12(金) 20:33:49 ID:MfJm7PMy
投下乙〜
今夜は図らずも満月だね
俗物をそれと悟らせず描くのがいいなー

162 名前:創る名無しに見る名無し:2008/12/14(日) 04:50:49 ID:rldzxPl3
ど〜も>>114だす。
前回よりも、好きかも知れん…続きを期待する。

163 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:46:50 ID:qI2fP5Hw
和風意識すると古臭くなってしまう俺

164 名前:創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21:57:08 ID:eb+xEO56
古語かっつりになっちゃう感じ?

165 名前: [―{}@{}@{}-] 創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:04:49 ID:qI2fP5Hw
いや大正の京都っぽくなるw

166 名前:創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 22:09:07 ID:eb+xEO56
大正の京都w
ピンポイント過ぎてよくわからんw

167 名前:創る名無しに見る名無し:2009/01/20(火) 21:39:52 ID:OcAq9DrY
保守?

168 名前:創る名無しに見る名無し:2009/01/22(木) 02:20:25 ID:J/NgqInV
若がくのいちに絡めとられるSSきぼん

169 名前:創る名無しに見る名無し:2009/02/26(木) 23:50:17 ID:SUT2g5V2
誰もいないな
設定だけでもいいのかな

170 名前:創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 20:28:37 ID:eRh0f2sl
いいんでないかい

171 名前:創る名無しに見る名無し:2009/02/27(金) 23:38:12 ID:6whF7Bf3
じゃあ君が聞いてくれ
伝奇物のゲーム用に話を考えてみた

主人公は高校生の男子
山の中で負傷した鬼女と遭遇する
鬼女はその場で気絶して動かなくなったが
不思議と恐怖を感じなかった主人公は逃げ出さずに鬼女を匿い手当てしてやった
礼を言い消え去る鬼女
そして帰り道主人公は陰陽師と剣士を名乗る二人の女と出会った
二人は鬼女を捜していたが主人公は何も語らず白を切った…

次の日学校に登校すると今まで交流がなかった超美人の女子が
なぜかとても親しく話しかけてくれるようになった
バレバレだと思うがこいつは鬼女の正体で妖術を操り主人公のために色んなことをしてくれる

172 名前:創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 13:33:16 ID:vSBfJNDM
鬼女の恩返し、というわけですな

173 名前:創る名無しに見る名無し:2009/02/28(土) 13:36:06 ID:WDcNK+jk
読売新聞を鬼女総動員して追い詰めるんですね、わかります

174 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/01(日) 19:26:28 ID:0OZl8zbZ
鬼女違いですね、わかります

175 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/03(火) 21:21:23 ID:BUTAyNhu
>>171
鈴鹿御前とか渡辺綱とかの伝説をモチーフにしてもいいかもね
ありものを無理矢理和風にしてみたら何かできるかも知れん
オズの魔法使いとかをパラレル日本にしたり

176 名前:171:2009/03/10(火) 20:19:15 ID:jbkzEA8p
長いことアクセス規制に巻き込まれて書き込めませんでした。
レスありがとうございます。
とりあえず掴みはOKですかね。?
続きも考えてはいますが何パターンか作ってあるのでどうしようか考え中です。
モデルになった伝説もないこともないですよ↓

http://lovestube.com/up/src/up6554.jpg

オズの魔法使いのパロディ…大洲(おおず)の国の陰陽師とか?w

異世界大洲の国に飛ばされた主人公
式紙と鵺と鎧武者を引き連れ大洲の陰陽師を捜す旅を始める…みたいなw

177 名前: ◆Omi/gSp4qg :2009/03/14(土) 09:58:34 ID:kuhQTczi
ちょっと書いてみた

178 名前:大州の国の大陰陽師1 ◆Omi/gSp4qg :2009/03/14(土) 10:00:49 ID:kuhQTczi
「脳みそをよこせぇ、おまえの脳みそを」
 くぐもった声が闇に響く。悲鳴を上げて、旅人と思われる男は逃げていった。
 わら束で作られた、人間の偽物のような何者かは、乾燥した音を立ててあとを追おうと
する。

「人間を襲うなとあれほどいったじゃないか」
 女の声が制止した。提灯を下げる女は町の娘といった装いで、照らされる顔はまだ幼い。

「の、脳みそがほしい」
 わら束がうめくと、少女は提灯を突き出した。
「ひ、火はやめてくれ、おらあいっぺんに燃えてしまう」
 わら屑を地に落とし、人形はあとずさった。

「おまえは脅かすくらいしか芸がないんだから、いっちょ前に人様から何か奪おうなんざ
考えるんじゃないよ」
「めんぼくない」
 人型のわら束は、頭らしい部分を下げた。女は短くため息をつく。
 符をヨリシロに、えらい術師が昔作った式神がこのわら束でできた人形だ。
 その術師はすでに死に、この式神だけがさまよっていた。そこを女が拾ったわけだ。

「の、脳みそがあれば、おらも人間並になれるんだ」「だから、そのために……」
 女が言い掛けたとき、ぎゃあという悲鳴が闇をつん裂いた。
「あっちもはじめやがった。おい、止めに行くよ」

 女のわらじが地面をこする。このわらじは西の巫女がはいていた、いわくつきのわらじだ。
 あとから式神が、わらの体を揺すって歩く。

「心臓をよこせ、おまえの心臓を……」
 鎧武者が、気を失った旅商人に錆びた刀を突き付けている。

「おやめ、鎧武者」
 女とわら束が二人がかりで鎧武者を押さえ付けた。
 一見、鎧武者は恐ろしげに見えるが、中身は空なので意外に軽い。
「ううむ、心の臓さえあれば、拙者の妻も逃げなんだものを」
 何も入ってない兜がうつむいてみせる。
 昔は人間だったのだが、自分が死んだことも気付かずに戦ううち、肉体をなくしなお鎧を
まとって戦いを重ね、ついには空洞の鎧になってしまったのがこの鎧武者だ。

179 名前:大州の国の大陰陽師2 ◆Omi/gSp4qg :2009/03/14(土) 10:02:04 ID:kuhQTczi
「だから、こうして旅をして、あたしたちゃあ碧玉の都をさがしているんだろう」
 ここ大州の国、中心にあるという碧玉の都、そこに住む大陰陽師はどんな願いでもかなえる
という。

「人を襲うのはもうやめて、旅を続けよう」
 女がいうと式神、鎧武者はうなずいて、歩きだした。
 提灯に照らされる夜道を行くと、だんだんに霧が濃くなった。
 霧の奥から、何かの鳴き声がきかれる。

「なんだろうねえ」
 提灯を前に女が近づいてみると、茂みの向こうで黒い影が葉を散らしていた。
「おお、恐ろしや、恐ろしや」

「なんだあれは」
 女は小声で連れ二人にきく。
 鎧武者が、洞穴を吹き抜ける風のような声を出した。
「さあ。獣か何かのようだが、何か怯えておるようだ。哀れな」
 助けようとし、鎧武者は茂みをかき分けた。
「おい、何を怯えておる」
 闇に浮かぶのは、猿のような顔、熊の体に虎の足、蛇の尾という何とも恐ろしげな怪物
だった。
「恐ろしや、何かがわしから離れぬのだ。こちらをねろうておる。恐ろしや」

 式神が気付き、わらの腕を向けた。
「おい、おまえ。おまえが恐れておるのは、霧に映ったおまえの影ではないか」
 おお、と獣は猿の目を見開く。
「さようであったか。ああ、恐かった」
 つぎはぎの怪物は安堵して身をふるった。

「なんだ、そんななりして情けない」
 女は呆れて腰に手をやった。
「恥ずかしい、わしはいつもこうなのだ。どうしたら恐怖しない丈夫な肝を持てようか」
 獣は恥じ入って小さくなる。同情した鎧武者が教えてやった。

「それならな、碧玉の都へ行けばよい」
 碧玉の都にいる大陰陽師なら、どんな願いもかなえよう。
 こうきくと怪物は頭を地につけた。
「どうか頼む、わしの臆病を治すため、碧玉の都へ連れていってはくれまいか」

「しょうがないねえ」
 迷惑な気もしたが、他の二人に比べれば多少、生気があるだけましか、とも女は思う。
「おまえはなんと呼べばいいんだ? 猿か熊か」
「わしは鵺と呼ばれておる」
「じゃあ、行こうか、鵺」

 女は故郷に帰るため、他の連中は求める物を得るため、大州の国にて碧玉の都をめざす旅は続く。

180 名前: ◆Omi/gSp4qg :2009/03/14(土) 10:03:32 ID:kuhQTczi
女の名前が思いつかんかった
続くと書いておいて続きはない

181 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/14(土) 18:14:14 ID:BWG6nGfX
大州と書いておずと読むのですね、わかります

182 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/16(月) 03:50:30 ID:BP+CUwnA
和風オズの魔法使いかw
これはいいなw

183 名前:創る名無しに見る名無し:2009/03/19(木) 12:01:22 ID:/F70cmTv
蟲師的な雰囲気を目指して、薬草を扱う青年の話を書いたことがある。
青年一人だと華がないので、青年の家に居候する少女を付け足してみた。
青年は無口な感じだったので、少女は躁病気味にしてみた。
更に少女はとある病で体が成長しないという設定も作った。
で、蟲師的に、毎回薬草関係で困ってる人たちと会って、彼らの色々な人生の局面に立ち会うって感じの話にした。

気付いたらそれなんてブラックジャ(ry
本当にありが(ry

184 名前:創る名無しに見る名無し:2009/04/03(金) 13:00:36 ID:O/MWZBOD
age

185 名前:創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 19:55:18 ID:8xszEGjO
>>183
だめじゃんww

途中でピノコ出てきたしw

186 名前:創る名無しに見る名無し:2009/04/25(土) 19:58:32 ID:8xszEGjO
蟲師って、蟲に関わった人達の中に、主人公がおまけ的に登場するって感じだと思う。


187 名前: ◆91wbDksrrE :2009/05/28(木) 16:10:31 ID:ecVRIpfW
「一度怪異に魅入られた者は、そこから抜け出そうと、再び魅入られる事が
 多くなると聞きます」
「では、これもまた怪異の仕業である、と?」
「そう考えるほかなかろうかと。私にわけがわからぬのですから」
 当代一の良医と称された男にそう言われてしまえば、確かにそう考える
以外ないと、父親にも思えた。
 娘は熱を持っていた。時折くしゃみをし、それだけならば風邪(ふうじゃ)による
病かと思えたが、それにしては瞳の腫れが尋常ではない。その、まるでうさぎの
ように赤く染まった瞳からは、涙をとめどなく流し、拭いても拭いてもきりがない
ありさまであった。また、鼻からは、涙と同じと思える程の水が零れ落ち、こちら
も拭いてもきりがなく、元来の美貌が見る影もない。
「このような病、私の知識にはございませぬ」
 故に、物の怪に憑かれているのではないか、と医者は言った。
 水を因果とする物の怪に憑かれた結果、目鼻から溢れんばかりの水を垂れ
流す羽目に陥っているのではないか、と。
「確かに、娘は水妖に誑かされた事がございます。その水妖は、打ち倒され、
 ほうほうの体で山へと逃げ帰ったのですが……」
「ならば、その意趣を返しに、今憑いているのではありませぬか」
「……そうやもしれませぬ」
 結局、医者は陰陽の道に通じる者への紹介を書状にしたため、屋敷を後にした。

188 名前: ◆91wbDksrrE :2009/05/28(木) 16:10:42 ID:ecVRIpfW
 その晩のことである。
「紫姫(ゆかりひめ)、紫姫」
 自らの名を呼ぶ声を聞き、眠っていた娘はその目を開いた。
 昼間よりも熱は下がり、涙や鼻も収まっている事にホッと胸を撫で下ろしながら、
彼女は声の元を探し、首を巡らせた。
「こっちだよ、ゆかり姫。おいらだよ、おいら」
 見れば、開け放たれた縁側の戸から、一匹の河童が顔を覗かせていた。
「あなた様は……」
 その河童に、彼女は見覚えがあった。数年前のことだが、屋敷に押し込め
られて生き、友と呼べる存在を持たなかった彼女を、たまたま山から降りていた
とある河童が見かけ、哀れみ、自らの住む山へと連れ出した事があった。
 その時の河童が、今また彼女の目の前に姿を現していた。
「その折は、どうもお世話に……」
「礼なんかいいって。おいらも楽しかったんだから」
「でも、あの時は何も言えず終いで……」
 結局、数日間を河童と共に過ごしただけで、彼女は発見され、無理やりに
屋敷へと連れ戻される事となり、その際に河童とは別れたきりだったのだ。
「構やしないってば。それよりも、今日は、何か紫姫が困ってるって聞いてさ」
 きょろきょろと、辺りを見回す河童。辺りに人の気配がないのと確認すると、
ぺったんぺったんと足音をさせながら、彼女の床へと近づいてくる。
「涙と鼻水が止まらないんだって?」
「……えぇ。そうなのです。でも、どこでそれを……?」
「おいらたちにゃおいらたちの情報網ってのがあるのさ」
「はぁ……」
 河童は、にこりと笑うと、手にしていた袋を差し出した。
「これ、紫蘇の葉だ。毎日これ食べたら、きっと治るから」
「え……治るとは……涙と、鼻の水が、ですか?」
「そう。時々、おいら達の里でもいるんだよ。何か、花の粉が原因らしい。でも、
 これずっと食べてたら、いつの間にか治っちまうんだ」
「花の粉、ですか……」
「杉の木の花が出す粉が、風邪の病を酷くしたような病気を起こすんだ」
 そういえば、先日河童のいる山とは違う山に、父の物見遊山につれられて
行った事を思い出した。杉の木がたくさん生えた、立派な山だったが……。
「なるほどねぇ。多分、そこでいっぱい花の粉を吸っちゃったんだろうな」
 河童は、得心いったとばかりに頷いた。
「……これを、食べればよろしいのですか?」
 手渡された紫蘇の葉を目の前にかざしながら、彼女は不思議そうに首を傾げた。
「そうそう。白飯に刻んだの混ぜて、ちょっと塩ふって食べたら美味いぜ!」
「まあ、それはおいしそうですね」
 その時だった。
「おい、紫。誰かいるのか?」
 二人の会話を聞きつけたか、足音が近づいてくる。
「やばっ!? んじゃ、おいら帰るから!」
 慌てて、河童は部屋を後にしようとした。だが、彼女はその背に声をかける。
「……また、会えますか?」
 答える言葉はなかったが、河童は振り返ることなく、手をあげる事で答えとした。

 結局、紫姫の体調は、それから程なくして快方に至った。
 その快方に至る切欠となった紫の葉を、一体彼女がどこから手に入れたのか。
彼女自身は、その事を父に問われても、笑って首を横に振るばかりだった。
 その後、その時彼女が好んで食べた、紫蘇の葉を刻んであえたご飯は、彼女の
名にちなんで「紫(ゆかり)ご飯」と呼ばれるようになった。
 そして、河童と彼女がその後どうなったかは――誰も知らない――。

189 名前: ◆91wbDksrrE :2009/05/28(木) 16:11:59 ID:ecVRIpfW
ここまで投下です。

何か思いついたのでざっと書いてみました。
作中で言われてる事は色々とフィクションです。
実在の紫蘇、紫ご飯、日本中世史とは関係ありませんので、
ご注意ください。

190 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/30(土) 06:31:32 ID:/TWGW0jJ
読んだよー
和風のいい雰囲気やね
怪奇物かと思ったらおいwて感じだな
意表つかれたわ

191 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 06:16:22 ID:mBx3HNUw
質問なんですが和装束のキャラが豊富な作家さんって誰がいます?自分の絵の参考にしたいので。
自分としてはるろうに剣心とかが無難かなと思うんですが、他にいい作家さん知ってたら教えて欲しいです。


192 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 11:55:57 ID:Z6XI1EgV
人に訊くより自分で調べた方がやる気も出るし、納得のいく資料が見つかるよ。

193 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/20(土) 18:31:48 ID:ZcXFuR7q
めぼしいもん見っけるために他人のオススメをリサーチすんのは「自分で探す」内に入るだろう。
俺はオススメ思い浮かばんけど。

194 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/21(日) 05:34:24 ID:FsXM5nah
結界師とかバガボンドとか?

195 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/12(日) 20:23:07 ID:liw0Ii2A
作家じゃないといけないの?
漫画家で和服をきちんと描けてる人なんて皆無に等しいし
実物を研究するのが基本だと思うよ

というわけで俺の好きな写真集を一つ
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4473031918/nougakunofuti-22/ref=nosim/

大きい本屋で立ち読みしてみ

196 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/09(金) 12:57:50 ID:1IiQxu0U
虫が鳴いていた
秋の夜風に乗り枯れ尾花が揺れる
都の界隈

朧月が微弱に照らす界隈は誰一人歩かず静寂に包まれるのみ
そこに蠢く巨大な黒い影が一つ
ムシャムシャというくぐもった音を響かせるそれは、都に置いて民から畏れられる異形の存在であった
「其処までだ怪物」
砂利を踏みしめる音と共に一人の若者が現れる
青みがかった黒い髪を短く切った彼は口を真一文字に結び怪物に対峙する
彼の女郎のように美しい唇と同じように真一文字に備えられた腰元の刀
その柄を右手がぎりぎりと握りしめる
すると、骸を貪る下劣な音が止む。
淀んだ黄色い瞳が月光に反射し
巨大な狗の形をした其れは吠恍をあげる
今宵は生者に肉にありつこう

そうとでも言わんばかりに垂れ流される涎
その臭気が男の鼻腔を刺激する

「わかっているわね悠仁」
すると、男の背から少女が一人、影のように姿を現す
艶めくほどの輝きを備えた黒い髪が夜風に揺れる
白い着物を着た少女に生の温もりは感じられなかった
「貴方の刀で鬼神に致命傷を与えられない」
「わかってる。鬼神は姫神でしか倒せない」
「それならいいわ」
少女は男の前に立つと手を翳す
空間に現れる刀
少女は其れを手に取ると再度吠恍をあげる黒い巨大な狗の鬼神目掛けて駆け出した

197 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 23:14:21 ID:mTyr9+WS
何これすげえおもしろいんだけど

198 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/14(水) 20:21:57 ID:2GHn4qXl
いいねえ夢想灯籠を連想した
しかし世間は空前の和風バトル漫画ブームだというのに
このスレの過疎っぷりは泣ける
俺も大好きなジャンルなんだけどなあ

199 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/16(金) 04:10:57 ID:wvDg0Ad9
思いつきで書いてみた姫神だが
平安的なふいんき好きだから設定勉強してみるわ

200 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 21:19:30 ID:pKkej9Lf
もっとやれっていうかやってください

201 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/23(金) 00:10:56 ID:MPK1Nhvu
【和物】和のファッション パート5 【和柄】
http://dubai.2ch.net/test/read.cgi/fashion/1249931725/
参考になる

202 名前:創る名無しに見る名無し:2009/11/08(日) 02:42:18 ID:6aeUv1wb
>>196
伝奇ってやつですな
続きが気になる

203 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/11(金) 20:17:16 ID:/0tfMtEd
質問何ですが、
ここのスレって何レスくらい使用可能でしょうか・・・?

204 名前:創る名無しに見る名無し:2009/12/11(金) 21:13:22 ID:EzEX35Tk
796レス、もしくは414KBだね

205 名前:創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 14:50:46 ID:GqX5AR+D
良スレ

206 名前:創る名無しに見る名無し:2010/03/22(月) 09:22:15 ID:d2A7/9+b
懐かしい


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