To LOVEるでエロパロ Part5

1名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/09(日) 18:19:19 ID:Wr8xmaqX
前スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183904182/
前々スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177506260/
前々々スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1146845418/
保管庫
http://www30.atwiki.jp/to-love-ru-eroparo/

2名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/09(日) 18:42:48 ID:GCw9ORRS(25)
>>1
有難う御座います、乙です。
せっかく切りが良いので、最初から投下したいと思います。

3甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:44:25 ID:GCw9ORRS(25)
―雨が降っていた。

空は肌寒い空気を呼び込んで黒く澱んでいる。
昇降口にて、一人静かに佇む少女―古手川唯は、沈痛な面持ちのまま、どんよりとした空を仰ぎ見る。
「雨、か…」
唯はその小さな唇でそっと静かに呟くと、そのまま視線を落とした。
絶えず地面を打つ雨だれを、唯はぼんやりと見つめ続ける。
「今日は、降らないと思っていたのに…」
放課後、先ほどまでの快晴が嘘のように急に降り始めた雨。
唯はふっとため息をついてしまう。
風紀委員としての仕事を片付け、これから下校しようとしていた矢先のでき事だっただけに、やり切れない感情が沸き上がる。
普段の唯であれば、きちんと折り畳み傘を持参している筈なのだが。
「もう!降水確率0%って、嘘じゃない!」
今朝の天気予報に悪態を吐きながらも、持て余した右手で長い黒髪を耳の上にそっとかけ直す。

降ってしまったものは仕方がない。心を落ち着け、そのままゆっくりと瞼を閉じると、唯は静かに耳を澄ました。
唯は、雨音が好きだった。周囲の余計な雑音を消し、勉強や読書が捗るそれには、確かな情緒があると感じていたからである。
人気の無い校舎。屋根を打つ滴。規則正しく動く、自分自身の鼓動。
だんだんと穏やかになっていく気持ちに、唯は心地よい感覚を覚え始めていた。
「たまにはこうやって、何もしないでのんびりとするのも良いのかもしれないわね」
くすりと呟きながら、そっと自身の肩を抱きすくめる。雨によって運ばれてくるひんやりとした空気に、唯の体は小刻みに震えた。
「ちょっと、寒くなってきたかしら…」
いつまでもこうして立ち竦んでいても仕方が無い。職員室に行って傘でも借りてこよう。
そう思って踵を返す…と、下駄箱に向かって全速力で走ってくる一人の少年―結城リトの姿が目に止まった。
「いけね!遅くなっちまった!」
部活にも委員会にも入っていないリトが、こんな時間まで校舎に残っているとは珍しい。
ずっとここまで走ってきたのだろうか。息を乱しながら下駄箱から靴を取り出すリトに、唯は興味を抱く。
唯は、高くなっていく鼓動を感じながら、そっとリトに近づき、声を掛けた。
「結城君じゃない、こんな遅くまでどうしたの?」
昂ぶる気持ちを抑えて、できるだけ自然に語りかけてみる。
唯の存在に気づいたリトは靴を履く手を止め、はにかんだ笑顔を唯に向ける。
「ああ、古手川。いや、今日の小テストまたぼろぼろでさー、先生に補習喰らってた。しかも俺一人…」
笑いながら恥ずかしがるリトの表情に、唯は半ば呆れながらも、二人っきりで会話が出来るこの状況に心を躍らせていた。
「そうだったの。もう、ちゃんと勉強しなきゃダメよ?次の期末テストまで、あんまり時間も無いんだからね?」
上機嫌な唯は、優しく諭すようにリトにお説教をする。
リトに本当に伝えたいことはこんなお説教ではないのだけれども、素直になれない自分の気持ちにもどかしさを感じ、唯の胸はちくりと痛んだ。
唯のいつもとは異なった様子の穏やかなお説教に、リトは少々困惑しながらも素直に耳を傾ける。
「わ、わかってるよ…ちゃんと次のテストに向けて、頑張って勉強するって」
唯はその返答にふんわりと微笑むと、今度は鞄を持つ手にぎゅっと力を込めてリトを見つめる。
「そ、その…結城くん、今から帰りよね?」
「ああ、そうだけど。古手川も?」
「う、うん。そうなんだけど…」
唯はこくりと頷くと、そっと目を伏せる。
「傘…持ってきてなくて」
いつもリトに対して偉そうにお説教をしてるくせに、傘を持ってきていないだなんて、だらしのない女の子だと思われてしまうのではないか?そんな些細な心配事が、唯の心を曇らせる。
「そうだよな。ふつう今日みたいな日は誰だって持ってきてないって!みんな職員室に行って、落とし物の傘を借りて帰ったらしいぜ?」
リトの、本人は意識していないであろうさりげない心遣いに、唯は救われた気持ちになる。
「そうなの…え?ってことは、もしかして今から職員室に行っても…」
唯はふと思い至った疑問を口にしようとするが、一瞬躊躇った間にリトが述べる。
「ああ、もう品切れだろうな…」
「そ、そうよね…」
流石に、職員室が保管している傘がそんなに多くないことは、容易に想像が付いた。
「ど、どうしようかしら…」


4甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:45:23 ID:GCw9ORRS(25)
再び落ち込む唯。唇をきゅっと結び、思い悩んだ表情のまま俯く。そんな唯を見ていられなかったリトは、思い切って声を掛けた。
「古手川!その…俺ので良ければ使ってくれ!」
そう言うとリトは、唯に対して自分の持っていた折り畳み傘を差し出した。
「え?ゆ、結城くん?」
戸惑いながらも唯はそっと受け取る。
両手に握られた、男物の無骨な傘。それを見やると、やがて唯の心はみるみるうちに暖かくなる。
「偉いのね結城くん。こんな日にまで傘を用意してるだなんて」
珍しく唯から素直に褒められたリトは、恥ずかしそうにして視線を逸らす。
「ち、違うんだ…俺、いつもロッカーの中に一本だけ折り畳み傘を置いとくようにしてるんだ。そ、その…今日みたいな日の為にさ!」
照れながらそう語るリトを見つめがら、唯の心は嬉しさでいっぱいになる。
が、またふと浮かんだ疑問を唯は投げかけずには居られなかった。
「ということは、結城くん…もしかして教科書とかも全部ロッカーに置きっぱなしなんでしょう!?」
「ギクッ!!」
瞬間、図星を付かれたリトは体を硬直させるも、急ぎ靴を履いて昇降口から逃げようとした。
「ちょ、ちょっと待って結城くん!結城くんの分の傘はあるの?」
呼び止められて振り返るリトは、困ったような表情を見せる。
「いや、無いけど…」
じゃあ一緒に…と唯が言おうとするよりも早く
「その傘小さくて、一人しか入れないんだ」
そう述べるリトに対し、唯は複雑な想いを抱く。
確かにリトの言うとおり、この折り畳み傘では、相合い傘は難しいだろう。
「だからって、結城くん一人が濡れながら帰らなきゃいけないだなんて…」
そんな唯の、申し訳なさそうな言葉に対して、リトはニカッと笑って答える。
「気にすんなって!古手川は女の子じゃないか。俺なら全然平気だって!」
「で、でも…」
まだ納得のいかない唯に対してリトは背を向けると、全速力で昇降口から飛び出していった。
「あ、ちょっと結城くん!」
「じゃあな、古手川!また明日!」
そう言い残し、雨の中駈けだしていくリトを見つめながら、唯は貰った折り畳み傘を両手でぎゅっと抱きしめる。
「結城くん…///」
リトの優しさに身を捩らせながら、唯はその背中が見えなくなるまで見送った。

5甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:46:13 ID:GCw9ORRS(25)
「どうしよう…結城くんに、傘借りちゃった…///」

その夜、唯は机に突っ伏しながら、下校時の出来事に想いを馳せる。
いつもであれば、この時間は勉強に励む唯も、この日ばかりはなかなか身が入らないでいた。
机の縁をつぅっと指でなぞりながら、自分に背を向け走り出したリトの姿を思い返す。
「べ、別に、カッコいいとか、そういうことを思ってるわけじゃないんだから!///」
唯は一旦我に返るも、一度紡ぎ出したリトへの想いは止められなかった。
「でも…優しいな…///」
そう言うと唯は、枕元に置いてあるクマのぬいぐるみを手に取って抱きしめた。
柔らかい綿の感触が、溢れる気持ちを更に促す。
「結城くん、か…」
結城リト。
唯は彼のことを、最初こそクラスの風紀を乱す問題児だとばかり思っていたが、彼の純粋な心と優しさに触れ、今となっては特別な存在となっていた。
それが恋なのかと問われれば難しいところだが、唯が何かしらの形でリトに好意を抱いていることは、紛れもない事実であった。
熱っぽくなった心を懸命に静めて、両目を強く瞑る。
これまで男の子と深い仲になったことの無い唯は、嬉しさと戸惑いの入り交じった心境で悶々としていた。

あの後、リトの傘をさしながらご機嫌で帰宅した唯は、玄関先にて兄の遊と入れ違いになった。
「あれ?お兄ちゃんどこに行くの?」
「ああ、今日からサークルの合宿で3日くらい家空けるから、留守番宜しくな」
短く言い放ち、遊はせっせと靴紐を結んでいく。
「そ、そう、今日だったわね。行ってらっしゃい」
「ああ……ん?」
ふと、遊は唯が大事に持つ見覚えの無い傘に視線をやり、更に唯の上気した頬に注目すると瞬時に事情を見抜いたのか、ニヤリと口元を歪めた。
「へぇ、お前男から傘借りたのか。やるじゃん」
「な!?///」
なぜわかったのかと驚いた唯は、それこそ動揺を露わに顔を真っ赤にさせながら口をわなわなと震わせる。
遊はそんな初々しい妹の反応が可笑しくて仕方がないといった様に微笑みながら、くしゃりとその頭を撫でると玄関のドアに手を掛けた。
「きちんと乾かして、それから綺麗に畳んで返してやるんだぞ?男はそういう心遣いに結構弱いからな」
「わ、わかってるわよ!お兄ちゃんには、関係ないでしょ…///」
遊に何もかも見透かされて面白くないのか、唯は視線を逸らすとぷぅっと顔を膨らませる。
「まぁそう怒んなって。じゃあな唯、お土産期待しながら大人しくしていろよ」
「う、うん、気を付けてね」
旅行鞄と傘を手に家を出る遊を、唯は不機嫌ながらも寂しい面持ちで見送った。
遊からのアドバイスは、唯にとっては煩わしくもあり、また頼もしいものでもあった。
遊が自分のことをからかいつつも心配してくれていることは、唯の心にちゃんと伝わっていた。
それだけで、この兄妹は十分だった。


6甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:46:52 ID:GCw9ORRS(25)
今、リトの傘はバスルームに干してある。明日の朝には乾く筈だ。
「ええと、そうしたら、綺麗に畳んで…ああ、それから、何かお礼をしなくちゃいけないわね」
唯は上機嫌にぬいぐるみを抱きしめたまま、リトが喜んでくれそうなプレゼントを思い描く。
「手編みのマフラーなんかどうかしら?ううん、でも今から編むには時間がかかるし、そういうのはクリスマスとかに用意するものよね。どうしよう…」
唯はぎゅうっとぬいぐるみを抱きすくめる…と、ある考えが思いついた。
「そうよ!心が籠もっていれば、別に物じゃなくても良いわよね。例えばうちに招待してあげたり、或いはデートとか…」
そこまで言うと、はっと唯は我に返り、頬を染めながらぬいぐるみに顔を埋める。
「な、何がデートよ…私ったら浮かれすぎ…ハレンチだわ///」
唯は心を落ち着けようと、指先の手入れを始めた。
リトのことを考えると、いつもよりも念入りに仕上げようと気合いが入ってしまう。
オイルでマッサージしてから、甘皮の処理をする。1日の終わりに行う、唯のささやかなおしゃれ。
ネイルは校則違反なので、せめて爪磨きで整えようと、唯は丁寧に手入れをしていく。
「結城くん、風邪ひいたりしてないかしら…」
結城家が学校から近いとは言え、流石にあの雨の中を濡れずに帰れたはずがない。
「大丈夫かしら?明日、学校来れると良いんだけど…」
唯は手入れを終えると、天井の蛍光灯に向けて両手をかざす。
その視線の先に、綺麗に仕上がった自分の指先が映り、唯は満足した様子で頷いた。
「もし結城くんが風邪をひいたら、私がお見舞いに行ってあげなくちゃ///」
リトの為にと、あれこれ看病をする様子を思い描きながら楽しそうに笑うと、唯は机から離れてベッドへと腰掛ける、と
「…っくしゅん!」
くしゃみをした唯は、震える自分の肩を抱きすくめる。
風呂から上がってからというもの、唯は暖かい格好をするのも忘れてリトへの想いに没頭していたのだった。
「湯冷め…しちゃったかしら?もう!私としたことが…早く寝ましょ」
唯はそそくさとベッドに入ると、ぬいぐるみを枕元において声を掛ける。
「うふふ…おやすみなさい、結城くん…///」
ぬいぐるみの頭をよしよしと撫でると、唯は幸せそうに眠りについた。

7甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:47:37 ID:GCw9ORRS(25)
「38.2℃…よくもまぁ、学校に来ることが出来たわねぇ」
唯の脇から取り出した体温計を凝視すると、御門先生が素直に感嘆の声を上げる。
保健室のベッドに横たわった唯は、熱い吐息を吐きながら天井をぼぅっと見つめていた。
「一体どうしたの?もしかして昨日、雨に濡れて帰っちゃったのかしら?」
―いや、雨に濡れながら帰ったのは私じゃなくて結城くんなんだけれど…と、この場に関係のないリトの話題を出せるわけもなく、唯はただ己の体調管理の甘さを嘆いていた。
「ご迷惑をおかけしてすみません…もう大丈夫ですから…」
そう言ってベッドから降りて上履きを履こうとする唯を、御門先生にしては珍しく、慌てて制する。
「ダ、ダメよ、まだ大人しくしていなくちゃ。今薬をあげるから待ってなさい」
唯の体に丁寧に毛布をかけ直すと、御門先生は棚から薬の入った瓶を選び始める。
焦点の定まらない視線を虚空に漂わせながら、唯は今までの出来事を思い出す。
「ええと、朝起きて…頭が痛かったけど、結城くんの傘を畳んで登校して、それから…」
「骨川先生から聞いたわよ。あなた、授業中に突然倒れたんですって?」
唯は思い出した。
数学の授業中、指名されて黒板の問題を解いていた唯は、急にそのまま崩れ落ちるようにして気を失ってしまったのだった。
ついさっきまで意識がなかった唯は慌てて自分の身の回りをチェックする。
辺りを見回すと、自分の物と思しきブレザーが壁際に丁寧にかけられ、寝苦しくならないよう配慮してくれたのか、胸元のリボンも外されていた。
時刻を確認すると、午後3時。今日は半日授業なので、とっくに放課後。
数学の授業は4限だったので、かれこれ3時間以上は眠っていたことになる。
「私…どうやってここへ?」
「うふふ、結城くんが背負って運んでくれたのよ♪」
ふと浮かんだ唯の疑問に対し、御門先生はウインクをして答える。
「えっ、結城くんが…///」
瞬間、唯の鼓動が高鳴る。
「ええ。彼ったら一生懸命、教室から保健室まであなたを運んでくれたのよ。ほんと、優しい彼氏を持ったじゃない古手川さん♪」
御門先生の言い放つ「彼氏」という響きに、唯は顔を真っ赤にしながら慌てて言い繕う。
「そ、そんな…違います!結城くんはそういうのじゃなくて…///」
そんな唯の反応に、御門先生は口に手を当て、楽しそうにころころと笑う。
「噂をすれば、かしら?」
「え?」
唯が疑問を口にすると同時に、保健室のドアが勢いよく開かれた。
「唯ー!大丈夫!?」
「ラ、ララさん!?」
ふわりと胸に飛び込んでくるララの甘い香りが、唯の鼻腔を擽る。
戸惑う唯を尻目に、ララはいきなり自分の額を唯の額へと当てて体温を計る。
「あ、熱ぅ!うわぁ、すごいお熱だねぇ唯。大丈夫?辛くない?」
ララの心配そうな表情に、唯はたじろぎながらも嬉しい気持ちで一杯だった。
「え、ええ…もう大丈夫よ。心配してくれて…ありがとう…///」
唯の感謝の言葉に全身で喜びを露わにしたララは、両手を広げるや否や、ぎゅうっと唯を抱きしめる。
「唯ったら急に倒れちゃったりするんだから。本当に心配したんだよ!」
「もぅ、ララさんったら…///」
恥ずかしそうに身を捩らせて抵抗する唯に、ララはどこから取り出したのか、手にした冷○ピタを唯の額に綺麗に貼り付ける。
ひんやりとした心地よい感触に、唯の不快感は徐々に消え去っていく。
「お熱が出たときには、これを貼ると良いんだよね?どう、唯?気持ちいい?」
「ええ…ありがとうララさん///」
気持ちよさそうな唯の表情に嬉しそうに頷いたララは、まるで姉が妹をあやすかの様にぽんぽんと唯の頭を撫でる。
「ちょ、ちょっと、子供扱いしないでよね///」
「えー、いいじゃなーい♪」
ララからのスキンシップに、唯は熱によって上気した顔を更に赤くさせる。


8甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:48:17 ID:GCw9ORRS(25)
「古手川さん、お加減はどう?」
ララの背中からひょっこりと顔を出したのは春菜だった。
「勝手だったとは思うんだけれど、古手川さんの帰りの準備はしておいたからね」
春菜は手にした唯の鞄を、そっと渡す。
「早く風邪治して、元気になってね!」
そう言うと、春菜は自分の手を唯の手に重ね合わせてぎゅっと握った。
「あ、ありがとう西連寺さん…ララさんも…///」
そう言うと、唯の頬に、つーっと一筋の涙が伝わった。
「え?ちょ、ちょっと唯?」
「こ、古手川さん?」
二人が驚きの声を上げるも、一度溢れだした感情は止められない。
今までずっと孤独だった唯にとって、二人の暖かな優しさは、唯の心を溶かすのには十分だった。
止めどなく流れ出る涙。唯は恥ずかしさで顔を両手で覆う。
「ご、ごめんなさい!私ったら…///」
「そんな!謝ることなんてないよ!」
「ララさんの言う通りよ!」
ララと春菜が、優しく唯の体を、そして心を、包み込むように抱きしめる。
「暖かい…///」
こんなにも自分を想ってくれる友達の存在に、唯は心の底から喜びを感じていた。


一頻り泣いて落ち着いた唯に、御門先生が「どうぞ」と薬を渡す。
「明日は日曜日なんだし、今日のところは早く帰ってゆっくりと休みなさい。お家の方に迎えに来てもらいましょう」
そう言って電話を取ろうとする御門先生に、唯は小さな声で遮った。
「そ、それが…両親は海外へ出張中で、兄もサークルの合宿に行っているので…家には私しか居ないんです…」
俯きながら語る唯の言葉を受けて、御門先生は思案に暮れる。
「そうなの。じゃあ私が…って言いたいところだけど、これから職員会議があるのよねぇ」
人差し指を口元にあてがって考えていた御門先生だが、やがて意を決した様に口を開く。
「じゃあ、結城くんにお願いするわ」
「そうだね!リト、頑張って!」
「ええ、結城くん、悪いけどお願いね」
三人の視線が、保健室の入り口に突っ立っているリトへと向けられた。
「え?…俺っすか?」
リトは自分を指差して聞き返す。
「そうよ。だってあなたじゃない。古手川さんをここまで背負って運んできてくれたのは♪」
御門先生からの「当然でしょ」とでも言いたげな物言いに、やがてリトは観念したように首を縦に振った。
「ありがとう結城くん」
御門先生は満足げに微笑むと「よろしくね」と職員室へと足を向けた。
「じゃあリト、私たちも先に帰るけどー」
「何かあったらいつでも呼んでね結城くん」
ララと春菜はリトにそう言い残すと、唯に「お大事に」と笑顔で手を振って保健室を後にした。

「……………」
「……………」
停止する時間。
唯は恥ずかしさを露わにしながら、震える声でリトに問いかける。
「も、もしかして結城くん…最初からそこに居た?」
「え、えーっと、そのー…」
リトは曖昧な表情をしていたが、やがて引きつった笑顔のまま、申し訳無さそうに頷いた。


9甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:48:53 ID:GCw9ORRS(25)
リトの胸元で、唯が手に持つ二人分の鞄が揺れる。
「ごめんなさい、結城くん。家まで送ってくれるだなんて…」
「気にすんなって。それに古手川、すっげぇ軽いし」
「そ、そう…///」
唯をその背にしっかりと背負いながら帰路につくリト。
負担をかけない様、一歩一歩ゆっくりと歩いていく。
「俺の方こそごめんな。二人分の鞄持たせちまって」
「大丈夫よこれくらい。結城くん、手が塞がっているんだから仕方ないわ」
そう言うと唯は、リトの背中にこつんと額を当てる。
(結城くんの背中って、意外と大きいのね…)
クラスの中でも決して大柄とは言えないリトの背中も、今の唯にとってはとても頼もしく思えた。
「そ、その…さっきは恥ずかしい所を見られちゃったわね///」
唯は火照った頬をリトの肩越しに押しつけるようにして話す。リトに顔を見られることの無いこの体勢が、唯を無意識のうちに素直にさせていた。
「そんなことないって!俺、感動したんだ!女の子同士の友情って、いいなぁって」
迷うことなく自分の気持ちを述べるリトの言葉を受け、唯の頬は更に赤みを増していく。
「ララも西連寺も、古手川の目が覚めるまでずっと待っていてくれたんだぜ?ほんと、二人とも優しいよな」
まるで自分がしてもらったかのように、嬉しそうに話すリト。
「え、ええ…///」
今まで自分を心配してくれる友達など居なかった唯にとって、二人の献身的な優しさは、何物にも代え難い喜びであった。
「…でも、私が教室で倒れたとき、保健室まで運んでくれたのは結城くんなんでしょ?御門先生から聞いたわ」
「え、あ…いや…」
「その…ありがとう…///」
唯からの素直な感謝の言葉に不意を付かれ、一瞬口ごもってしまったリトだったが、しっかりと前を見据えると静かな声で唯に告げる。
「古手川に、お礼がしたかったんだ」
「え?」
「俺が体育祭でケガしたとき、古手川は自分のリレーを棄権してまで付き添ってくれただろ?だから、そのお礼だよ…」
「ゆ、結城くん…///」
自分のことを気遣い、助けてくれたこの少年の存在を、唯はただただ愛おしいと感じていた。
二人はお互いを意識してしまい暫く無言になっていたが、やがてリトの言葉が沈黙を破った。
「それにしても…」
「え?」
リトの含みを持った語り出しに、唯は少し身を強ばらせる。
「なんで昨日傘を使ったお前が風邪ひいてるんだよー!ふつうは逆だろー!」
「な!?そ、それは…///」
―結城くんを想って悶々としているうちに、湯冷めしちゃったのよ…などとは言えるわけもなく、唯はリトの背中で恥ずかしそうに震えた。
今まで我慢していたのか、一気にまくし立てたリトは、心底可笑しそうに盛大に笑い出す。
そんなリトの笑い声に恥ずかしさを抑えきれない唯は、必死に抵抗するかのように、力の入らない手で鞄をリトの胸に叩きつける。
「バ、バカ!私は、結城くんと違って…そ、その…せ、繊細なんだから!///」
「へぇー、ほぉー、ふぅーん…古手川が繊細ねー、そうだったのかー」
「も、もう…知らない!///」

そんな唯の反応を微笑ましく思いながらも、実を言うとリトはかなり切羽詰まっていた。
両の掌に収まるしっとりした太股の肉感。
背中に密着して押しつけられる柔らかい胸の感触。
そして絶えず耳元を擽る、熱を帯びた唯の吐息に、リトの理性は崩壊寸前だった。
唯をからかうことによって気を紛らわそうとしたものの、そんなものは焼け石に水であったことは言うまでもない。
(た、耐えろ俺!古手川の気持ちを踏みにじるな!)

そんなリトが苦境に立っていることなどいざ知らず、唯はゆっくりと流れていく景色に目を見やる。
(小さい頃、よくこうやって、お父さんにおんぶしてもらったっけ…)
くすりと笑うと、その背中をギュッと抱きしめる。リトには気づかれない様に、優しく、そして心を込めて。
遠き日の追憶を辿りながら、唯はどこか懐かしさを感じる安らぎに身を委ねていた。


10甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:49:33 ID:GCw9ORRS(25)
「古手川、入るぞ?」
コンコンと控えめなノックと同時に、リトの声が唯の部屋に響く。
「いいわよ」
唯は濡れた髪の毛を乾かす手を休めると、リトを自室へと招き入れた。
「気分はどうだ古手川………っ!?」
リトは唯の姿を見るやいなや、途端に絶句する。
しっとりと濡れたしなやかな髪、熱によって赤みの差した頬、そして初めて見る唯の可愛らしいパジャマ姿に、リトは扇情的な感慨にとらわれた。
「な、何よ…じろじろ見ないで///」
唯は胸元を隠すようにして身を縮ませる。勿論パジャマはきちんと着ているのだが、家族以外の男性…特にリトに、自分の風呂上がりの格好を見られることが、唯の羞恥心をかき立てた。
「わ、悪い…さっぱりしたか?」
「う、うん。ありがとう」
唯はタオルを丁寧に畳むと、ごそごそとベッドへと入っていった。
「その…お腹空いてないかな?と思って、古手川が風呂入っている間にちょっと作ってみたんだ」
そう言うと、リトは小さなお盆に乗った料理を唯の目の前まで持ってくる。
リトが作ったのは、カボチャのリゾットとレモネードだった。ひんやりとした室内に広がる、食欲を刺激する匂い。
唯は思わず驚嘆の声を上げる。
「こ、これ…結城くんが作ったの?」
「え、あ、いや…俺もお粥なら経験あるんだけど、リゾットの方は作るの初めてなんだ。居間に置いてあったレシピを見ながら、勝手に冷蔵庫の中の物を使わせてもらって、その…余計なお世話だったかな…?」
しどろもどろしながら説明するリトに対し、唯は首を振って答える。
「ううん、そんなことない!結城くん、料理も出来るだなんて凄いわ。その…ちょっと妬けちゃうかも…///」
「そ、そうか」
鈍感なリトは悲しいことに、唯の妬ける対象を理解できなかったものの、褒められた嬉しさを露わにしながら身を乗り出す。
「じゃあさ古手川、食べてくれよ。口開けて」
「へ!?///」
目の前に差し出されたスプーンに唯は一瞬戸惑うも、リトの言葉の意味に気が付き顔を真っ赤にさせる。
「こ、子供扱いしないで!自分で食べられるわよ!///」
「そ、そういう意味で言ったんじゃないって。俺が、その…古手川に食べさせたいんだ…」
「え!?そ、そんな…え、ええと…///」
必死に食い下がるリト。その目は真剣そのものだった。
しばしの沈黙。やがて唯は観念したかのように目を閉じると、リトに向けて口を突き出す。
「古手川…?」
「し、仕方ないわね…ちゃんと食べてあげるけど、こんなことは…もうこれっきりなんだからね!///」
唯のその言葉に満面の笑顔を見せると、リトはリゾットをスプーンで掬って唯の口元へと運ぶ。
「はい古手川、あーんして」
「っ…///」


11甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:50:14 ID:GCw9ORRS(25)
唯は恥ずかしさに眉根を寄せながら、小さな口でスプーンを受けるとゆっくりと咀嚼する。
その仕草に、リトは期待と不安に満ちた眼差しを向ける。
「ど、どう…?」
「うーん…」
何かを考えるようにしながら味わっていた唯だが、やがて咽下すると唇を指でなぞるようにしながら感想を述べる。
「ちょっと、味が濃いかしら…」
「マ、マジで?ごめん!バターと塩の分量間違えたかな…」
そう言いながらリトは面目無さそうに頭をかく。
そんなリトを見た唯は大袈裟に手を振ると、慌てるようにしながらフォローを入れる。
「で、でも美味しいわよ!口の中でとろけるみたいになって、後味も悪くないし、さっきまで私あんまり食欲無かったんだけれど全部食べれそう!本当よ!///」
自分の感想がリトの気に障ったのだと思ったのか、唯は一気にまくし立てると、また口先をリトへと突き出す。
「古手川…」
リトは感動を覚えた。別に大したことはない。古手川に、ただ少しのお礼がしたかっただけなんだ。
そう自分に言い聞かせても、自然と笑みがこぼれそうになるのだった。
「じゃあさ、これも飲んでみてくれよ」
リトは唯の手に、レモネードが入ったコップを持たせる。輪切りにされたレモンがゆったりと浸かっており、唯はそれをスプーンでかき混ぜる。
喉が渇いていたのか、こくこくと美味しそうに喉を鳴らすと一気に飲み干していった。
「冷たくて美味しい…」
「本当は暖かくするもんなんだけどさ、お風呂上がりなら冷たい方が良いかなって思って。古手川、一杯汗かいちゃってたし」
リトの、一つ一つの細やかな心遣いが、唯の心を擽っていく。
「あの、私だけ食べているのも気が引けるし、結城くんも一緒に食べましょ?」
「そうか?わかった。じゃあ、俺の分もここに持ってくるからな」
ベッド脇から立ち上がったリトは、そのままとてとてと台所へと向かっていった。
その後ろ姿を見つめながら、唯は溢れる自分の気持ちを抑えるかのように、枕元のぬいぐるみをぎゅっと胸に抱きしめた。


12甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:50:58 ID:GCw9ORRS(25)
「古手川、洗い物終わったよ」
「うん、ありがとう」

「古手川、洗濯物取り込んだよ」
「う、うん、ありがとう」

「古手川、ゴミ捨て終わったよ」
「う、うん…ありがとう…」

「古手川、これ体拭くお湯とタオルね」
「あ、ありがとう…///」

「古手川、じゃあ俺帰るから」
「へ!?///」

唯の家に来てから早4時間あまり。やるだけのことはやったと満足して帰ろうとするリトの言葉に、唯は慌てふためく。
「も、もっとゆっくりしていっても良いのに…」
「ゆっくりって…お前、それ病人が言う台詞じゃ無いだろ」
リトの言う通りなのだが、唯の心の奥で、リトをこのまま引き留めたいという想いがくすぶっていた。
「それに古手川、家に帰ってから全然眠ってないじゃん」
「そ、それは…そうだけど…」
唯は毛布の端を握りしめると、そのまま引き寄せて顔を埋めていく。
「俺のせいでゴタゴタさせて悪かったな。明日は日曜日だし、もう今日はゆっくり休めって」
「う、うん…」
(せっかく結城くんに家に来てもらったのに、看病と家事だけ押しつけて帰らせるだなんて…)
唯は唇をキュッと噛むと上目遣いにリトを見上げる。
そんな唯の視線にも気が付かないリトは、せっせと帰り支度を始めていた。
「えーっと鞄は持ったし、財布…ケータイ…」
と、そのとき、窓をポツポツと叩く静かな音が部屋に届き、二人は思わず顔を見合わせた。
「え、まさか…」
「雨、かしら…?」
リトは窓辺にかかるカーテンを開けると、外の風景を覗き見る。
突然降り出した雨に、街灯の下を通勤帰りの大人たちが小走りに去っていく姿が見受けられた。
「また雨かよ、こりゃ本降りになる前に早く帰らないと!」
リトはカーテンを閉め、くるりと振り返るとベッド脇に座る。
「じゃあな古手川、お大事に。しっかり眠って早く風邪治せよ」
リトの別れの挨拶にも、唯は俯いたまま答えない。
憮然とした表情。
リトはその心を窺うことが出来なかったが、やがて諦めたように唯の髪をかき回すと「じゃあな」と短く告げ、背を向けて立ち上がる……が、くっとその体が突然止まる。
「行かないで…」
「古手川…」
唯が、リトの制服の袖を、その細い指先で懸命に掴んでいたのだった。
「私を、一人にしないで…」
背中越しに、唯の懇願にも似た声が聞こえてくる。
「お願い、結城くん…」
それが今の唯に出来る、精一杯の抵抗であり、我が儘であり、望みであった。
その切実な願いに、リトの心は鷲掴みにされる。
リトは自分の手をそっと唯の指先に触れる。握り返してくる唯の暖かい手。
こんなにも冷えきった部屋に、誰も居ない家に、たった一人で過ごさねばならない寂しい夜。
そんな孤独を、リトは、この少女に味わわせたくはなかった。
リトは唯に向き直ると、決心したかのように口を開く。
「わかった…今夜は俺、ずっと古手川の傍に居るから」
「ゆ、結城くん…///」
唯は心の底からありがとうを込めて、リトの腰に抱きついた。

13甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:51:39 ID:GCw9ORRS(25)
「ごめんなさい。お兄ちゃんの服、結城くんには大きかったかしら?」
風呂上がりのリトに対し、唯は遊のシャツを差し出した。
「いや、まぁちょっと大きいけど、ゆったりしてて寝るのには丁度いいよ」
「そう、なら良かったわ」
にっこりと微笑む唯。
ふとリトは、今まで思っていた感情をぶつける。
「古手川って、最近変わったよな」
「へ!?///」
思いがけないリトの言葉に、唯は面食らった顔をする。
「なんていうかこう、会ったばかりの頃に比べて柔らかくなったっていうか…」
「な、な、な…///」
口を震えさせるも二の句が継げない唯に対し、リトは更に駄目押しの文句を繋げた。
「だから俺、今の古手川のこと…なんていうかその…素敵だと思うぜ…?」
唯の心はもう、爆発寸前であった。
そんな唯の気持ちを知ってか知らずか、照れくさそうに頬をポリポリとかきながら、リトは就寝の体勢に入った。
唯が用意してくれた布団をせっせと床に敷くと、そそくさと入り込み、ふぅっと息をつける。

「じゃあ寝ようぜ古手川。電気消してくれ」
「………」
「古手川?」
「な、なによ…」
「何で電気消さないんだ?」
「そ、それは…///」
「お前まさか、いつも電気付けっぱなしのまま寝てるのか?」
「…っ!?///」

どうやら当たったらしい。
リトはクスクスと笑うと、それ以上は追求しないようにして、ばさっと毛布を被った。



どれくらいの時間が過ぎたのだろう。
静寂を破ったのは唯だった。
「結城くん、起きてる?」
「ああ…」
(っていうか、明るくて寝れないんだけど)
という言葉を飲み込んで、リトは答える。
「あの…あのね…そ、その…///」
「ん?」
何か言い何か言いたげな唯であったが、なかなかその口からは本題が出てこない。
唯の、ただならない様子に何かを感じ取ったのか、リトは布団から這い出て面目無さそうに謝った。
「ああ、悪いな。俺が居ると眠れないよな。やっぱり俺、廊下で寝るよ」
「ち、違う!そうじゃないの!///」
唯はガバッと布団を跳ね除けて起きあがると、上目遣いにリトを見つめる。
「そ、その…い、一緒に寝てくれない?///」
「……………は?」
唯からの提案がリトの脳内に正確に届くまで、きっかり5秒間は要した。
「だ、だから!私と一緒にベッドで寝て欲しいって言ってるのよ!///」
耳まで真っ赤にさせながら、唯は喚き散らすようにしてリトに言い放つ。
「で、でもね?隙間は5センチくらい空けて…あ、あとハレンチなことは絶対にしないでよね!///」
無理難題な唯の注目に、リトは最初こそ固まっていたものの、やがて頬を引き締め直すと、その瞳を見据えてしっかりと頷いた。



14甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:53:00 ID:GCw9ORRS(25)
「結城くん、起きてる?」
「ああ…」
(だから眠れないってば)
蛍光灯に明るく照らされた室内。
隣には艶っぽい吐息を吐きながら、熱い体を寄せてくる女の子。
どう考えても眠気が来るほうがおかしかった。
リトは明るい天井をぽけーっと見つめながら、唯の言葉に耳を傾ける。
「今日は、本当に色々とありがとう。
ええっと…傘を貸してくれて、
倒れた私を保健室まで運んでくれて、
家に着いてからは看病と家事をしてくれて…
ご飯、本当に美味しかったわ、ご馳走様。
今度、あのリゾットの作り方教えてくれる?それから…」
文字通り熱に浮かされたかのように、唯の感謝の言葉は止まらない。
リトはそれを少々恥ずかしくも誇らしげに聞いていたが、やがて唯の口がピタリと止む。
「…古手川?」
リトは寝返りを打って唯に向き直る。
「ほ、本当はね…」
込み上げてくる胸の熱さに耐えるようにしながら、震える唯の整った唇。
リトは、為す術もなく目を奪われる。
「本当は、私が…私が結城くんの看病をしたかったんだから!///」
「え!?」
唯の決壊した想いは、もう誰にも止められなかった。
「昨日だって、結城くんに傘貸してもらえて嬉しくて、
お礼をしなきゃって思って、結城くんが風邪ひいたと思って、
どうやって看病しようかなって考えていたら湯冷めしちゃって風邪ひいちゃって、
でも結城くんは元気で、逆に私に優しく看病してくれて……もう、私、バカみたいじゃないのよ!!////」
溢れる想いと同時に、唯は泣き出した。
唯の告白とも取れる感情の吐露に打ちひしがれたリトは、無意識のまま、その腕に唯を抱き寄せて包み込んだ。
「結城くんのことが好きなの!好き!好き!大好き!!///」
リトの胸で泣きじゃくりながら、唯は心の赴くままに叫んだ。
「ありがとう…俺も、古手川のことが…」
リトは抱き寄せる腕に力を込めると、すぅーっと深く息をする。
こんなにも自分の事を想ってくれるこの女の子のことが、リトは、ただただ愛おしくて堪らなかった。
「俺も、古手川のことが…好きだ!」
瞬間、リトの背中をぎゅっと唯の両腕が抱きしめる。
「嬉しい…!///」
声を上げて唯は泣き続ける。それは、至上の喜びと同義。
「やっと…やっと言えたよぉ…!///」
唯はリトの胸に顔を埋めて抱きついた。それは本当の意味で、二人の想いが一つに重なった瞬間であった。

15名無しさん@ピンキー :2008/03/09(日) 18:53:28 ID:JDsZ2xd0
【中国】少林サッカー主演女優などスター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml

16甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:54:36 ID:GCw9ORRS(25)
外を降りしきる雨はとどまることを知らず、益々強くなっていく。
雨音と硬質な時計の音だけが、二人っきりの空間に響き渡っていた。
どれほど抱き合っていたのだろうか。
リトは唯に回す腕を緩めると、その小さな体に語り掛ける。
「古手川、起きてるか?」
「バ、バカ…眠れるわけないじゃない///」
(古手川もなのか)
眠れないのは目の前の少女も同じなのかとわかると、リトは顔を綻ばせた。
「古手川って、案外寂しがりやなんだな」
「わ、悪かったわね///」
笑いながら問い掛けるリトの言葉にも、唯は否定しない。
自分を理解してくれるリトの優しさが、どうしようもなく嬉しかったからだ。
リトは唯の体に覆い被さると、その熱い頬に自分の手を重ねる。
互いの吐息がかかるほどに近づいた距離で、二人は見つめ合った。
どくんどくん、と鼓動が徐々に早くなっていくのがわかる。
それが自分のものなのか、相手のものなのかは最早関係ない。同じ事だ。
リトはしっかりと唯を見据えて、その心に刻み付けるように口を開いた。

「俺、古手川を抱きたい…」
「……へ!?///」
素っ頓狂な声を上げる唯に構わずリトは繰り返す。
「古手川を、抱きたいんだ…!」
「そ、そんな…ダメよ結城くん…ハレンチだわ…///」
そう拒むものの、言葉とは裏腹に唯は体をリトに密着させる。
「古手川…」
「ゆ、結城くん…そ、そんな…私たちにはまだ、その…う、うぅ…///」
リトの澄み切った瞳に、唯は吸い込まれるようにして見入ってしまう。
純粋で、真摯で、あどけない少年の輝きを未だに残したその眼は、唯の心に深く染み渡っていった。
「ハ、ハレンチな…!///」
そう言うと唯は、自分の胸にリトを抱き寄せる。
「こ、古手川…?」
てっきり殴られるものだと思ったらしいリトは、意外に満ちた声を上げる。
「い、良いわよ…結城くんに、私を…抱かせてあげる///」
「ほ、本当か!?」
「た、但し…」
驚きの声を上げるリトに対し、唯は覚悟の籠もった口調で遮る。
「優しくして!そして絶対に私を離さないでいて!それから…後でみっちりとお説教なんだからね!///」


17甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:55:53 ID:GCw9ORRS(25)
「んっ…ちゅっ…んふぅ、うぅん…ちゅる…」
二人は唇を重ねると、お互いを貪り合うように深く舌を絡める。
(な、何これ…気持ち良い…)
初めてのキス、しかもディープキスのとろけるような感触に、唯は夢中になってリトに吸い付く。
「ちゅ、ちゅ…んふ、んん…ダ、ダメ…も、もっと…もっとしてぇ…」
唯の激しい攻めに驚いて口を離したリトを、逃がすまいと抱きついて唇を塞ぐ。
「んふ…ちゅる…ちゅ、んん…ちゅ…んん?…も、もぅ…ちゅ…んふぅ…」
ベッドの縁に追いつめられたリトは、負けじと唯のしなやかな黒髪を左手でゆっくりと梳く。
それが気に入ったのか、唯は気持ち良さそうに身を捩らせた。
やがて唇を離すと、二人の間を唾液がつーっと糸を引く。
唯が舌を使ってそれを掬い取るようにして口に含むと、今度は触れるだけの口付けをリトに交わす。
楽しそうに、えへへと笑う唯を、リトはぎゅっと抱きしめた。
「も、もう、結城くんったらさっきから抱きしめてばかりじゃない///」
「し、仕方ないだろ、古手川が可愛いのがイケないんだ…」
「バ、バカ…///」
唯はリトの体から離れると、ころんとベッドに寝っころがる。
高熱によって赤みが差したその体は、いつも以上に唯の色香を醸し出していた。
リトはその上に覆い被さると、唯の胸をパジャマの上から掬い上げるようにしてやんわりと揉みしだく。
「古手川の胸、柔らかくて気持ち良い…」
唯の内面を表すかのような、情熱的な赤い色のパジャマ。
寝るときはブラジャーを付けないのか、唯の熱い乳房を布越しにリトは味わった。
「あっ…ん…ゆ、結城くん…も、もっと…して…」
涙に濡れる瞳で懇願する唯。
その愛らしい表情に、リトは背筋をぞくりとさせる。
リトは緊張に震える手で、唯のパジャマのボタンを一つずつ開けていく。
その手を、唯は優しく両手で包む。
「クスッ、結城くんの手、震えてる…」
「ご、ごめん…俺、その…こういうの全然慣れてなくて…」
指摘されたリトは、申し訳無さそうに唯に謝る。
「え?じゃあ結城くんも…初めてなの?」
「古手川も…?」
二人は同時にこくりと頷き、赤くして俯いた。
「あ、焦らないで良いから、結城くんの好きなようにして、ね?」
優しく促されたリトは恥ずかしそうに微笑むと、唯の口元をそっと持ち上げて、そのままキスをした。
「ありがとう、古手川…」
そうして、唯の上のパジャマをゆっくりと脱がせる。
リトは思わずゴクリと喉を鳴らした。
煌々と照らされた蛍光灯の下に、唯の美しい裸体が晒れる。
「い、いや!そんなに見ないで結城くん!で、電気…電気消してよぉ…///」


18甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:56:40 ID:GCw9ORRS(25)
余程恥ずかしいのか、唯は胸元を両手で隠すと、身をくねらせてリトから逃れようとする。
「ダメだ…古手川の体、すっげぇ綺麗!もっと見せて!」
我慢できなくなったリトは、唯の両肩を掴むと自分の下に組敷く。その体は熱かった。
「あんっ…ゆ、結城くん…んっ…優しくして…」
唯の言葉など耳に入らないリトは、誘われるように乳房を揉みしだく。
「きゃっ…結城くんの手、冷たい…///」
しっとりと汗に濡れた唯の乳房は熱を帯びて熱くなっており、リトの手にしっかりと吸い付いてきた。初めて直に触れる唯の胸に、リトは心の中で歓喜の声を上げる。
「古手川って、結構胸大きいよな…」
「そ、そんなこと…ないわよ…ん、あっ…くぅっ…」
リトの手に収まりきらない、唯の豊満な乳房。
ゆっくりと揉みしだいていると、その手に暖かい唯の手が重ねられる。
「あんっ…だ、大丈夫よ…もっと強く揉んでも…平気よ…」
自分の手で握りしめるようにリトの手を導く唯の手。
リトは指先で唯の桜色の乳首を摘むと優しくこね回す。
「あんっ!んん!はぁっ…気持ち良い…」
「古手川、乳首が好きなの?」
リトの問い掛けに、唯は目を瞑ってぶんぶんと首を振る。
「す、好きだなんて…違うわよぉ…そんな…あ、でも…ダメ!ああっ…」
リトは左の乳房もこね回すように弄りながら、今度は右の乳首に口を付けると吸い付いた。
「ダ、ダメぇ…!そ、そんな、ハレンチ過ぎるわ…んっ…んん…!」
リトはわざと音を立てるようにして乳首を吸い、乳輪をなぞるように下で舐めあげる。
「んあっ…!んん…くっ…こ、こんなの…ダメ、なんだからぁ…あん…!」
唯は両腕でリトの頭を自分の胸へと抑えつけるようにしながら抱きしめる。
「そ…そんなに吸った、って…おっぱい…出ないわ、よぉ……んあ!…」
調子に乗ったリトは、その乳首にそっと歯を立てる。
「ダ、ダメ!…お願い…お願い、だ…から…噛まないで…あ…ああ…す、すご……あんっ…」
しばらく無我夢中で乳首を吸っていたリトだったがやがて口を離すと、涙をいっぱいに溜めた唯の目尻をそっと人差し指で拭う。
「ごめんな、古手川…でも、古手川のおっぱい、すげぇ美味しかった」
「そ、そんなこと言ったって、許してあげないんだから…///」
ツンとそっぽを向く唯。リトは苦笑すると、今度は下のパジャマに手をかける。
「古手川、下も脱がすよ?」
「っ…///」
唯はリトが脱がせやすいように腰をあげる。
「うわ…」
唯のショーツはぐっしょりと愛液に濡れており、秘所の形がくっきりと目に見えてわかった。
リトはショーツの上から割れ目を指先でなぞるようにして這わす。
「んんっ…そ、そこは…んっ、んんっー!」
唯は自分の口を塞ぎ、喘ぎ声を必死に抑えていた。


19甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:57:20 ID:GCw9ORRS(25)
リトが指を立てて押し込む度に、唯の秘所がぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。
「古手川、こんなに濡れたのを穿いていたら気持ち悪いだろ?今脱がしてやるからな…」
「ちょ、ちょっと待って!そこは…あっ…!」
唯が声を上げるも虚しく、ずり下ろされていくショーツ。
秘所からはつーっと愛液が糸を引いていき、その光景にリトは心を踊らす。
ショーツまで奪い去られた唯。身につけているものは黒い色のハイソックスだけになる。
「すげぇよ古手川、こんなに濡れて…感じていてくれたんだ…」
「ち、違うわよ!そ、それは…汗よ!///」
「へぇ、古手川の汗ってこんなに粘っこいんだ」
わざと冷たくリトは言い放つと、指で広げるようにして覗き見る。
「古手川のここ、すげぇ綺麗…」
唯の陰唇は、すでに何かを欲しがるかのように、内部へと誘う様に収縮していた。
初めて間近に見る女の子の大切な場所に、リトの鼓動は一段と高鳴る。
「そ、そんなに…じろじろ見ないでってば…///」
唯はその体全体を真っ赤に染め上げながら、涙混じりの声で訴える。
リトは左の手で広げながら、右の指を唯の秘所にゆっくりと入れていく。
くちゅっという音とともに、唯に飲み込まれる。
第一関節まで入れると、膣内で折り曲げるようにして動かした。
「あっ…ダ、ダメ…結城くん!…かき回さないで…そんな…あ、ああん…!」
肉襞がざわめくようにしてリトの指にきゅうっと絡み付く。
その初めての感触に、リトは驚きの声を上げる。
「古手川、指が痛いって、もうちょっと力抜いてくれよ」
「そ、そんなこと…言われたって…」
唯は空気を求めるように大きく息を吸うと、熱っぽい吐息をゆっくりと吐く。
「自分の指だって…入れたこと無いんだからぁ…///」
(か、可愛い…)
今にも泣き出しそうなその表情がとても愛おしく、リトは唯の頬に優しく手を合わせる。
「可愛いよ古手川…本当に、本当に可愛い!」
「ゆ、結城くん…///」
(そんな…可愛いだなんて…私…)
リトのどこまでも素直な言葉にきゅっと反応する唯の膣内。
「でもこのままじゃ痛いと思うから、ちょっとほぐすな?」
そう言うとリトは、ゆっくりと中指を出し入れするように動かす。
膣内に溜まった唯の愛液が、リトの指でかき出されてシーツを汚していく。
「あっ、あっ…んっ!そ、それ…き、気持ち良いかも…///」
唯の嬉しそうな声に気を良くしたリトは、浅い所を集中的に攻める。
「ふぁ…そこ…ダ、ダメよ…おかしくなっちゃう…んっ…んぁぁっ…!」
やがて、リトは指を動かすペースを緩めると、一番奥まで押し込み、そのまま止める。
「んんっ……結城くん、どうしたの?」
「そろそろかな?と思って」
何が?と唯が言うよりも早く、リトは唯に髪を梳きながら訊ねる。
「古手川と…一つになりたい」
「…///」
顔を真っ赤にさせて戸惑う唯であったが、リトの頬に手を添えると、微笑みながら頷いた。


20甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 18:59:44 ID:GCw9ORRS(25)
「ほ、本当に、こんな体勢でするの?///」
仰向けに寝るリトの上に跨る唯は、不安そうな表情で何度もリトに確認を取る。
「ああ、女の子が初めての場合は騎乗位が良いって聞いたことがあるから」
「そ、そうなの…」
少し訝しむ様にリトを見つめていた唯だが、すごすごと納得するとリトのモノを自分の秘所にあてがう。
「結城くんの、大きい…本当にこれ、私の中に入るのかしら…?」
指先でちょんとリトのモノを突っつく唯。
「くっ…こ、古手川…」
「ご、ごめんなさい結城くん!痛かったかしら?」
「だ、大丈夫。ちょっと驚いただけ…」
リトは笑うと、両手で唯の細い腰を支えるようにして掴む。
「焦らないで良いから、ゆっくり腰を落としてみて?」
「う、うん…」
唯はリトのお腹に両手を付くと、ゆっくりと腰を沈めていく…が、狙いが外れたてリトの太股の上にすとん、と座ってしまう。
「ご、ごめんなさい…///」
そんな唯の恥じらう表情に、リトは我慢出来ずに上体を起こすとぎゅっと抱きしめる。
「きゃっ…結城くん、どうしたの?」
「いや、古手川がすげぇ可愛くて…俺、なんか死にそうだよ…」
「へ!?///」
思わぬ死亡宣言に唯は驚くも、リトの頭をよしよしと撫でてからちゅっと頬にキスをする。
「良くわからないけど…私に好きって言ってくれた以上、簡単に死ぬだなんて言わないでよね!///」
そんな唯の健気な態度に、リトの心は簡単に捕らわれてしまう。
「ごめん、もう言わないって…だから俺がずっと、古手川の傍に居るよ!」
「結城くん///」
唯は微笑みながら頷くと、再びリトの上に跨って挿入を試みる。
くちゅりと音がして、リトの亀頭が唯の秘所に飲み込まれていく。
「は、入った…入ったよ結城くん!」
悦びの声を上げながら、なおも唯は腰を沈める。
リトのお腹に付いた両腕では支えきれなくなってきたのか、苦しそうに下半身をガクガクと震わせる。
「大丈夫か古手川!」
リトも唯の腰を掴んでいた腕に力を込める。
「私は、大丈夫だから…」
そこでピクンと唯の体が止まる。処女膜に当たったのだ。
「古手川、ここから先は痛いと思うけど…」
「大丈夫」
自分を心配してくれるリトに対し、唯は微笑みながら答える。
「だって私、結城くんのことが大好きだもの…それに、これからも結城くんが、ずっと私の傍に居てくれるんでしょ?///」
「古手川…ああ、約束する!俺は、絶対に古手川を離したりなんかしない!」
唯は嬉しさで綻ぶ口元で「ありがとう」と呟くと、今度こそ一気に腰を落とす。
「っーーー!!」
膜を破った感触の後、リトのモノは奥まで突き進む。
暖かく包み込むような肉襞を味わいながらも、リトは心配そうに唯を見上げる。
唯の秘所はリトのモノを根本まで加え込み、結合部からは愛液にまみれた破瓜の証がつーっと垂れ落ちて来た。
「いっ!……んんっ…はぁっはぁっ…!」
唯は痛みに耐えながら、上体を反らして乱れる息を整えた。
「大丈夫か古手川?無理しないでそのままゆっくりしてろ」


21甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 19:00:20 ID:GCw9ORRS(25)
下からの問い掛けに、唯は苦しそうに答える。
「ええ、そうさせてもらうわ…」
唯は気持ちを落ち着ける様に、ゆっくりと息を整えていく。
その度に唯の形の良い乳房が揺れ、膣内がきゅっ、きゅっと蠢く。
「んあっ…くっ…!」
その声を上げていたのはリトだ。
絶えず快感を与えてくる唯の膣内に、リトは射精しそうになるのを何とか堪えていた。
「だ、大丈夫結城くん?もしかして、結城くんも痛いの?」
唯の覗きこむ様な問い掛けに、リトは笑いながら首を振る。
「ち、違うんだ…古手川の膣内、気持ち良すぎて…」
「え?///」
予想外の返答に、唯は体を硬直させる。
「あぅっ…だ、だから、そんなに締め付けるなって…」
「そ、そんなこと言われても///」
勝手に締まってしまうのだから仕方がない。
そう言おうとしたが、リトの我慢する表情に、思わず唯から笑みがこぼれる。
(私の中、気持ち良いんだ…)
唯は腰をグラインドさせるようにして動かし始めた。
「ちょ、ちょっと古手川、動いても平気なのか?っていうか平気じゃないのは俺の方かもしれないけど…」
唯は両手でリトの頬を包み込むようにして、親指でリトの目の下をぐっと押す。
「我慢しないで、私の膣内に出して良いのよ?そ、その…今日は大丈夫な日だから…」
「ほ、本当か?」
ぎこちなく頷く唯。その表情がリトの目にはどこか曖昧に映った。
訝しむも、すぐに下半身を襲ってくる快楽に、リトの気は奪われてしまう。
「う、うわぁ……」
両手をリトのお腹に付け、規則正しく上下に動く唯の体。
それだけでも、リトにとっては十分過ぎる程の快感を与えていた。
「う…んん、あん…はぁん……ど、どう結城くん、気持ち良い…?」
唯の両腕の間で、綺麗な乳房が悩ましげに歪みながら揺れ、リトの目はその二つの膨らみに釘付けだった。
「んんっ…も、もう結城くんったら…おっぱいばっかり見ないでよ…///」
リトは何かに操られるようにしながら、絶え間なく揺れる胸へと手を伸ばす。
「ひゃんっ!ゆ、結城くん…お、おっぱいは…今はそれ、ダメぇ…!///」
乳房を握る度に唯の膣内も反応してきゅんきゅんと締まり、その感触にリトは夢中になって没頭した。
「あっあっあっ……ダ、ダメって…言ってるのに…バカぁ…///」


22甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 19:00:56 ID:GCw9ORRS(25)
リトは指を唯のしっとりした乳房に食い込ませる。張りのある弾力がリトの指を包み込み、またその手を押し返すように弾んだ。
このまま自分の全てを唯に搾り取られてしまうのではないか?そんな錯覚がリトを襲う。
「ゆ、唯…手、出して…」
ずっと揉み続けていた乳房からようやく手を離すと、リトは唯の両手を掴む。
二人は手を繋ぎながら、高みへと上りつめていった。
「あっ…私、もうダメぇ…本当にダメぇ…!」
「お、俺も…もう…だ、出すな!唯の膣内に…!」
「うん!良いわよ!私の膣内に…結城くんの、たくさんちょうだい…!」
リトは下から一気に突き上げると、最奥に欲望を放った。
「あっ…ふ、ふぁぁん…くぅっ…あ、熱い…結城くんのが、上ってくるみたい……」
唯は大きく背中を反らして絶頂に達した。お腹の中を満たしていくリトの精子に下腹部をぶるぶると痙攣させながら味わう。
「はぁはぁはぁ…」
全てを唯の膣内に注ぎ終えると、リトは唯と繋いでた両手をぎゅっと握りしめる。
「唯…その…すげぇ気持ちよかった。本当に全部唯に吸い取られると思ったくらい…」
「わ、私も、最初は痛かったけど…結城くんのが奥に出されたとき、その…気持ちよかったわ///」
恥じらいながらも素直に気持ちを告げる唯。
「それに結城くん、いつの間にか私のこと…唯って呼んでる///」
指摘されて初めて気づいたのか、リトは顔を真っ赤にさせて、言い澱む。
「ご、ごめん!俺、つい古手川のことを…」
唯は嬉しそうに微笑むと、リトの唇に人差し指を当てる。
「謝ることなんて無いわ。そ、その…これからは私のこと、唯って呼んでも、良いわよ…///」
「っ…!」
そんな愛らしく微笑む唯の言葉に、リトは最早我慢の限界だった。
急いで上体を起こして体勢を立て直すと、とん、と唯をベッドに押し倒したのだった。


23甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 19:02:57 ID:GCw9ORRS(25)
ぱさぁっとシーツに広がる、黒く美しい、しなやかな髪。
(すげぇ綺麗…なんか、シャンプーの宣伝みたいだ)
CMと違う点を挙げるとすれば、本当にシャンプーの香りがすること。
そして直に触れることだ。
リトはその黒髪にそっと手を伸ばすと、指を使って優しく梳いていく。
そんなリトの手が気持ちいいのかくすぐったいのか、唯は小さく甘い声をあげるとその身をふるふるっとくねらせた。
「俺、唯の髪すげぇ好きなんだ」
「あ、ありがとう///」
自分の髪には自信があるのか、唯は少し誇らしげに微笑む。
唯の透き通るような白い肌とは対照的な黒い髪が、そこはかとなく映えていた。
リトは慣れない手つきながらも唯の髪を整え終えると、その瞳を見つめて交わりの許可を求める。
「もう一度、唯を抱きたい」
唯はリトの首筋に腕を回すと、熱の籠もった眼差しで見上げた。
「ええ、良いわよ。結城くんの好きなだけ、私の膣内に出して良いから…」
ゴクリと喉を鳴らすリト。
正常位で繋がる二人。
最初はゆっくりと、腰を前後に振り出す。
「あっ、あっ……」
リトが腰を突き出す度、唯の乳房が応える様にして震える。
リトの目の前で揺れるのが恥ずかしいのか、唯は両腕でそれを隠してしまう。
「そんなことしないでくれ!俺、唯のおっぱいが見たい!」
リトは力尽くで唯の腕を退けると、その手を合わせてシーツへと押さえつけてしまう。
「あっ…ちょ、ちょっと…!」
解放された唯の豊かな乳房は、再びリトの下で震え始める。
組み伏せられてしまった格好に、唯は怒ったような、困ったような複雑な表情で睨む。
「バ、バカ…本当に、ハレンチなんだからぁ…///」
可愛く、甘い声で文句を言う唯。
リトは堪らなくなり、最初の気遣いも忘れて欲望の赴くままに腰を打ち付けた。
「あんっ…あぁっ…結城くん…は、激し…す、すご…あっ…んんっ…!」
ぱんぱんっと肉と肉がぶつかり合う音が、二人だけの世界に響きわたる。
すっかりとリトのモノに適応した、唯の膣内。
止めどなく溢れる愛液、そして波を打つようにざわめく肉襞が、リトのモノを奥へ奥へと導き、激しく責め立てて射精を促す。
「んあっ…ダ、ダメ…当たってる…当たってるのぉ…!」
リトが更に奥へと打ち付けると、コツコツと亀頭が子宮口に当たる。
「唯、気持ち良いよ!とろけちまう!」
「あっあっあっあっ………ああんっ!」
リトの言葉も最早耳に入っていないのか、唯は両手を頭の上にあげ、ベッドの縁に掴みながら激しく乱れる。
「俺…もうダメ!!…出すよ唯!」
「あっ…んっ…んんっ…ふぁっ…はぁぁぁぁぁぁんっ…!」
リトは二度目の欲望を唯の膣内へたっぷりと解き放つ。


24甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 19:03:42 ID:GCw9ORRS(25)
唯の呼吸に合わせる様にして収縮する無数の肉の襞、それがリトのモノを限界まで絞り出す。
「くぅっ……んんっ…ふぁぁっ…!」
子宮に送り込まれるリトの精子に、唯は体が浮き上がるような感覚に陥る。
まだ射精を続ける自分のモノに構わず、またリトは激しく腰を動かし始めた。
「はぁはぁ…え?ゆ、結城くん?まだ出るの?」
「ごめん唯、これで最後だから…」
悪戯っぽく笑いながら腰を振り動かすリト。
唯はふんわりと包み込むように抱きしめる。
「わかったわ…結城くんの、残らず私に全部ちょうだい!///」
本当にそうなりそうだ、と思いながら、唯のおへその下を指で撫でる。
「唯のここに、本当に俺のが入ってるんだよな…」
唯もまた、リトの手に重ねるようにして自分の子宮に手を当てる。
「うん、結城くんのが…ずっと私の中で暴れているの…///」
激しく息を乱しながら見つめ合う二人。
そのままキスをすると、深く舌を絡め合わせる。
「ちゅ…ちゅ…ん、んふぅ、んん…ちゅ…ちゅぱ…ちゅ…」
唯の唇を奪いながら、リトはその細い腰には不釣り合いな乳房へと手を伸ばす。
「んふぅ!…ら、らめぇ…おっぱいは…ちゅ…ちゅ…んんんっ…!」
唯の抗議を無視して、無理矢理唇を塞ぐ。
貪欲に絡み付いてくる、唯の膣内。
リトは、一心不乱に、夢中になって唯の体に溺れていく。
ぱちゅぱちゅっと激しい水音が立つのも構わずに腰を突き出す。
「んっ…んんっ…ああっ…はぁぁっ…」
唯の可愛い喘ぎ声が、リトの脳髄を刺激する。
乱暴に腰を打ち付け、唇を吸い、おっぱいを握った。
「くっ…あっ…んあっ…ああん…お、奥…奥が良いのぉ…お願い結城くん…!」
腰をひくリトに対し、唯は自分の腰を持ち上げて最奥へと誘う。
「も、もう私…んっ…イッちゃう…あんっ…結城くん…一緒にぃ…あっ…ああっ…!」
「俺も、もう…出すな!唯の子宮に!」
唯はリトの腰に脚を絡めると、奥へ奥へとリトのモノを導く。
「お願い…出して結城くん!…私、全部、受け止めるから…!」
「唯!唯!唯!」
「結城くん…あっ…はぁぁぁぁん…!」
きゅーっと引き締まる唯の膣内に、リトは三度目となる欲望をぶちまける。
リトは、亀頭を唯の子宮口に擦り付けるようにして断続的に射精する。
「ふぁっ…んっ…くぅっ…あっ…ふぁぁぁん……!」
リトの精子は唯の胎内で渦巻き、子宮を隙間なく埋め尽くしていく。
「ま、まだ出てるよぉ…結城くん…!」
唯はリトの首筋に腕を回して引き寄せる唇を求める。
深く舌をねじ込み、唯と絡め合う。
唾液を送り込み、精子を注ぎ込む。
リトは本当の意味で、唯と一つにとろけ合う感覚に陥った。
「ゆ、結城くん…」


25甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 19:06:04 ID:GCw9ORRS(25)
自分の名を呼び続ける、愛しい少女。
いつまでも離したくない。
そんな想いと共に、リトはしっかりと唯を抱きしめた。


「もう、入りきらないわよ…///」
結合部から、唯の子宮に収まりきらないリトの精子が溢れ出し、空気を含んで気
泡までもが生じている。
全ての欲望を吐き出したリトは、ぐったりと唯の体に倒れ込む。
「ダ、ダメよ結城くん…私、汗臭いわよ…」
「そんなことないって。唯は、本当にいい匂いがする」
嘘ではなかった。
「バカ…///」
言葉とは裏腹に、精一杯の愛情を込めて、唯は愛しい人を抱きしめた。

事が終わった後も、何となくお互いに離れたくなかったのか、二人は繋がったまま長い余韻を味わっていた。
唯が、ハイソックスにくるまれた脹ら脛でリトの背中を撫でると、お返しとばかりにリトは唯のおっぱいを揉む。
腰も打ち付けはしないが、未練がましく擦り合わせる。
その度に唯は甘い矯声を上げ、リトも快感に身を震わせた。
汗に濡れた肌が密着するのも、今の二人にはとても心地良く感じた。
「俺、ずっとこうやって唯と繋がっていたい」
そんなリトを見上げると、唯は艶美にくすくすと笑った。
「結城くんので、お腹の中がいっぱいよ…///」
そう言いながら下腹部を撫でさする唯。
心なしかお腹が重く感じていた。
「それと、結城くんが、こんなに甘えん坊だとは思わなかったわ…」
「え!?」
唐突な唯からの告白に、リトは不意を付かれる。
「結城くんのハレンチ!おっぱい好き!甘えん坊!///」
思い付く限りの罵声をリトに浴びせながら、唯はとろんとした目をリトに向ける。
「でもね…私は…そんな結城くんのことが…本当に…」
唯は震える手でリトの頭を撫でると、最高の笑顔で想いを捧げる。
「大、好き…///」
すとん、と唯の手がベッドへと落ちる。
「唯…?」
リトが唯の肩を揺すって呼びかける…が、しばらくすると、すーすーと穏やかな寝息が聞こえてきた。
「初めてで、しかも風邪ひいてるってのに、無理させちゃったな…」
リトは少し後悔しながら、唯の中から自身を引き抜く。
くちゅっという音と共に、蓋を失った唯の秘所からは止めどなく精子が溢れ出す。
「お、俺、こんなにいっぱい出したのかよ…」
それ程に、唯の体に夢中になった自分。
リトはなんだが気恥ずかしい気持ちになってきた。
その綺麗な肢体をお湯で濡らしたタオルで丁寧に拭いてから服を着せてやる。
「さて、俺も寝るか…」
そう言って欠伸をしたリトの目に、ふと枕元にちょこんと座った、クマのぬいぐるみが目に入る。
「これは…」
どうやら唯の大切にしているぬいぐるみらしい。
それを手に取ると、リトはゆっくりと抱きしめる。
「唯の匂いがする…」
リトは突然、どうしようもない罪悪感に苛まれた。
唯はまだ、こんな可愛らしいぬいぐるみを大好きで、手放すことさえ出来ないほどの純真な女の子だったのだ。
いつもこのぬいぐるみを抱いて寝ているであろう唯のことを考えると、リトの心はズキズキと痛んだ。
「俺が…唯を汚しちまったんだ…」
リトは、すやすやと安らかな寝息を立てながら眠りにつく唯の頭を慈しむように撫でる
「ごめん…ごめんな、唯…」
心の底から、この美しく可愛らしい少女に謝ると、静かに布団をかけ直し、その手をしっかりと握りしめて眠りについた。


26甘い看病 :sage :2008/03/09(日) 19:07:02 ID:GCw9ORRS(25)
「くふっ…あっあっ…うっ…んんっー…!」
唯はシャワーから勢いよく出るお湯を、自身の秘所にあてがって喘ぎ声を上げていた。

唯が目が覚ましたのはちょうど10時を過ぎた頃だった。
唯よりも少し早く起きたらしいリトは、先にシャワーを済ませ、今は食事の準備をしている。

曇りガラスから差し込む陽の光を浴びながら、唯はシャワーを浴びて汗を流していたのだが…。
「んんっ…あっ…結城くんのが、どんどん溢れてくる…///」
昨夜のリトとの初体験では、その迸りを全て膣内で受けた唯。精子を目にするのも初めてであった。
手に取り興味津々に観察する唯。
「ミルクみたいって聞いてたけど、それよりもジャムに似ているんじゃないかしら?でも、こんなので赤ちゃんが出来るだなんて、なんだか素敵ね…///」
止めどなく溢れてくるリトの精子に、唯は顔を赤くする。
「結城くん、こんなにたくさん出してくれたんだ…んんっ…///」
流れ出るのが勿体無いと感じた唯は下腹部に力を込めてそれを止めようとするが、やがて力尽きたように息を吐くと再びそこにシャワーをあてがう。
「妊娠…しちゃったかしら…」
唯は小さな唇で呟く。
リトに、遠慮なく抱いて欲しかった唯は、愚かだとはわかっていたものの、安全日だと、とっさに嘘を付いてしまったのだった。
きゅっと蛇口を捻ってお湯を止める。
唯は自分のお腹を両手で押さえると、穏やかな口調で続ける。
「結城くんは悪くないわ。中に出すことを許した、私の責任だもの…」
唯はバスタオルを取ると、決意に満ちた表情で風呂から上がった。

「じゃあな唯。俺、帰るから」
「あ、待って結城くん!」
帰ろうと身支度を整えるリトを、唯は呼び止める。
「これ、遅くなっちゃったけど…その…ありがとう///」
唯が差し出したのは、一昨日リトが貸した折り畳み傘だった。
唯が綺麗に干してから畳んだのであろう。
まるで新品になって返ってきたかのような折り畳み傘に、リトは目を見張る。
「古手川って器用なんだな!男に貸すと、ふつうぐちゃぐちゃで返ってくるんだけどな!」
リトはニカッと笑うと、嬉しそうに鞄に傘をしまう。
「あの…今度結城くんにお礼をしたいから、その…」
「お礼?そんなの要らないって!それにもう俺、貰ったし…」
一瞬、何のことだろう?と思案していた唯だったが、やがて思いつくと、顔を真っ赤にさせてリトを睨む。
「風邪もすっかり治ったみたいだな。や、やっぱり俺のぶっとい注射のお陰だったりして…」
「ハ、ハレンチな!///」
「げふぅ!」
口元を綻ばせて昨夜の情義に想いを馳せるリトに対して、唯は久しぶりに「ハレンチな!」をお見舞いした。
吹っ飛ぶリトに目もくれず、唯は機嫌を損ねてふんっとそっぽを向いてしまう。
そんな唯をリトは笑いながら見つめていたが、やがてその肩を両手で掴むと真剣な眼差しで語りかける。
「俺、生半可な気持ちで唯を抱いたんじゃない。これからもずっと、俺は唯の傍に居るから。それだけは絶対に約束する!」
「な!?///」
リトの熱の籠もった眼差しに目を奪われていた唯だったが、やがてまたふんっと視線を逸らす。
「わ、わかってるわよ!そんなこと、最初から心配してないわ!///」
リトはそんな唯に満足したかの様に頷くと、とんとんと履いた靴を地面に打ち鳴らして元気良く片手を上げる。
「じゃあな、唯!また明日!」
「うん、また明日///」
唯は、遠くなっていくリトの背中を見送った。

「今度は、絶対に私が看病してあげるんだからね、結城くん…///」

昨夜の雨が嘘のように晴れ上がった空は、まるで澄み切った唯の心をそのまま表しているかの様だった。
太陽の下を走り去っていく恋人の背中を、唯はいつまでも見つめ続けていた。


27名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/09(日) 19:10:15 ID:GCw9ORRS(25)
終わりになります。

前スレの容量に気が付かずに投下してしまい、すみませんでした。
色々と不慣れで申し訳ありません。
また気が向きましたら書かせていただきたいと思います。

長文、駄文で失礼致しました。

28名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/09(日) 20:28:33 ID:X5iiPb9D(2)
前スレ>>572
甘えん坊なてんてーも魅力的!新鮮で良かたです!GJ!!

前スレ>>582
しっぽキター!!なんかむに氏のお力で女体化も全く気にならなくなりました!GJ!!

>>27
俺も唯たんにハレンチ!おっぱい好き!甘えん坊!って言われたいー!GJ!!


ついでに>>1

29むに :sage :2008/03/09(日) 22:27:26 ID:bgsodFVq
>>27
いやいや、GJっすよ、GJ!!
明らかに自分よりうまいんで、駄文なんて言わず自信持って下さい。



それと、(現行スレ作品のみ)ある程度保管庫を更新させときましたんでお知らせしておきます。
m(_ _)m

30名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/09(日) 23:35:12 ID:2QpMHr0O
>>27
俺泣いちゃいましたよwww

31リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス 後編 :sage :2008/03/09(日) 23:41:30 ID:eTZS7pd+(2)
>>27
すげええええええええええ
うめええええええええええええ
これはすごい!ホントにすごいよ!!!!!
マジで感動しました!!よかったらまた書いてください!良いSSですホントに
俺もがんばらなきゃ……

32名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/09(日) 23:51:58 ID:eTZS7pd+(2)
連投すまん、けど言わせて!
「結城くんのハレンチ!おっぱい好き!甘えん坊!///」
唯のこの言葉がすげえいい!!何度も読み返してるよ俺w
ホントにすごいよあんたは

33名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/09(日) 23:54:49 ID:X5iiPb9D(2)
>>むに氏
あんなにたくさん…お手数おかけします
とにかく感謝ですm(_ _)m

34名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/10(月) 00:49:27 ID:4eKFv8rv
おっきしたw
うまいなぁ

35名無しさん@ピンキー :2008/03/10(月) 01:41:56 ID:LqHxcfFq
あなたは天才ですか?

36名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/10(月) 02:27:23 ID:lrcwy/3/
マジで最高です、GJ!!!
あなたはまさに天才です

37名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/10(月) 19:11:36 ID:+DBXxPu7
は、鼻血が…w
唯の告白シーンには感動しました!
超GJ!是非また書いて下さい!

38名無しさん@ピンキー :2008/03/11(火) 08:37:55 ID:2cxE/VfJ
きもっ

39名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/11(火) 16:59:00 ID:6WDyoZzW
上の唯×リトのレベル高いな。何かもっと長編でもいけそうな位内容が詰まってた

40名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/11(火) 18:44:55 ID:D85/a7um
>>27は神

41名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/11(火) 23:50:46 ID:A38N1D+A
>>27
続編書いて欲しい

42名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/11(火) 23:54:16 ID:2iHV68VD
続編なら風邪を移されたリトを看病する話とか良いかもな。
結城家だとコミカルなことになりそうだが。

43名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 00:24:08 ID:g8nQ2ygF(3)
とりあえず>>15に殺意を抱いたのは俺だけじゃないハズだw

44名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 09:32:31 ID:HanGpoNG(2)
レモンは俺の嫁

45名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 11:41:01 ID:g8nQ2ygF(3)
寝言は寝て言え
俺の嫁だ

46名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 14:00:24 ID:HanGpoNG(2)
じゃあリトでもいいです><

47名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 15:10:26 ID:URo83PSJ(2)
レモン……美少女らしいがどんな感じなんだ。まったく分からん

48名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 19:22:49 ID:4YU3AXIo
ここに絵師が降臨すれば
檸檬を描いてくれると信じてる

49名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 21:36:18 ID:URo83PSJ(2)
ここに絵師が光臨する確立なんて限りなくゼロに近い……orz

50名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/12(水) 22:37:14 ID:g8nQ2ygF(3)
SS書いてて絵も描ける人ってのがときどきいるようないないような…

いや、気にしないでくだせぇ

51名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/13(木) 00:48:50 ID:Mfv1vSBg
この前某スレでSS投下したら通りすがりの人が絵を書いてくれたよ
きっとこのスレにもそんな人がいるはずだよ

52名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/13(木) 11:45:12 ID:MDAc6fB6
しかし板的に絵はOKなのか?

53名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/13(木) 12:35:19 ID:tCsa2yNJ
挿絵ならOKじゃね?実際挿絵つきのSS投稿してる人他スレで見かけたし。

54名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/13(木) 16:55:57 ID:YLi9G/Q0
あぁ、絵師よ。今ここに光臨されたし。住人の望みを叶えるために…

55名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/13(木) 21:20:19 ID:Zenv6TQZ
ジャンプのよしみで教えてくれ、Dグレスレはどこにあるんだ

56名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/13(木) 21:45:02 ID:9OXrMt84
ルンリト希望

57名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/13(木) 21:53:31 ID:3iO45YZi
あれ?>>51さんは職人さんですかァ?
とりあえずなんでもイイからキボン

58名無しさん@ピンキー :sag :2008/03/14(金) 19:42:45 ID:nCIraK4l
近親相姦がToloveるで一番萌えるシチュだと思う。
みかんの強がりキャラが壺だわ

59名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/15(土) 13:17:28 ID:W255jqiY
つまり遊唯もアリと

60名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/15(土) 19:34:16 ID:LnYk0ikD
遊唯か…需要あるのかしら?

61名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/15(土) 19:50:40 ID:eUNiEJ0Z
遊×唯はちょっとなぁ…
>>58はリト×美柑が見たいんだろう?

62名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/15(土) 20:29:14 ID:KevlLxp9
しかしラコスポの逆襲の続きはまだかのぉ

63名無しさん@ピンキー :2008/03/15(土) 23:12:58 ID:+t2ib8pB
ザス×ララ誰か…

64:sage :2008/03/16(日) 14:05:01 ID:4c4FaVXF(13)
職人の皆様は執筆段階に入ったかな?
それじゃぁリトララを夜中に投下します

65名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 14:22:29 ID:1NX1ChAi
>>64
リトララキター!!
全裸で待機しとります

66名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 14:41:30 ID:Un/fChGp(2)
>>64
wktk

67名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 16:00:34 ID:nq/38WoU(2)
日曜日は幸せになれる日ですw

68:sage :2008/03/16(日) 23:02:26 ID:4c4FaVXF(13)
話の流れを説明しておこう
回想やらなにやらで順番がごっちゃになるので説明しておきます
1. 御門による調教
2.ヤミの図書室での軽いオナニー
4.ヤミを家に招いてセク(ry
3.リトとララのセク(ry

番号が時間の流れです。
そして降順が投下した順番です

69名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:05:05 ID:4c4FaVXF(13)
リトの家には3人が住んでいる。
一人は結城美柑…結城家の長女であり末っ子である。
もう一人は宇宙からの訪問者ララ・サタリン・デビルーク…
そして最後は一人は結城リト、結城家長男でこの家の家主代理である。
家主は栽培なのだが、今は漫画家であるため連載などに追われて
全く家に帰ってこれない状況だ。
「『さて、親父の状況はどうでもいいが、俺の今の状況はどうしたものか
  なんか、急展開過ぎないか?ってか冒頭でこのシーンはどうよ?』」
今のリトの状況……それは自分の胸に抱きついて眠るララのことだ。

70名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:07:28 ID:4c4FaVXF(13)
この状況になったのは数時間前の出来事である。
いつもどおり、3人でご飯を食べて、順番に風呂に入り、入ってない時はTVを見て、
そんな日常の繰り返しに、とうとう非日常が割り込んできた。
リトは……と言うより男は大体家族でも一番最後に入るのが当たり前になる。
それが年頃の娘二人と男一人ならもっとだ。
まぁ結果的に言うならリトが一番最後に風呂に入ることになるんだが、
問題が起きたのは風呂に上がって自分の部屋に戻ったときだった。
その時は既に10時をまわっていた。
「リト……」
「どうしたんだ?ララ」
髪の毛をタオルで拭きながら扉を開けた俺の目の前にはララが立っていた。
相変わらずララはバスタオルを纏っただけの格好だった。
ペケは机の上で充電状態へと移行していた。
「リトは……」
「ん?」
いつものララとは雰囲気が全く違う……神妙な顔つきで、いやところどころ不安が見える。
「私のこと嫌いなの?」
「えっ?急にどうしたんだ?」
扉を開けた上体の俺から一歩離れてから目を真剣に見てくる。
一瞬時が止まったかのように変な声を上げて別のことを言ってはぐらかそうとするが
全く通用せずに少し眉間に皺を寄せてからリトを見てくる。
こんなララは初めて見た。いつも強いのだが今回は別の意味で気が強い
「答えて」
「嫌いなわけな―――」
「うそっ」
俺が言い終える前に一言で遮られてしまう。その声は震えていた。
自分でも認めたくなかったのだろう。
「………」
「リト、本当は私のこと好きじゃないもん」
そして俺が沈黙すると、今度は確信の篭った目で、声でそう言った。
「違う。そんなことない…俺は、俺は……」
その時反射的に声が上がってしまった。
自分の気持ちがその結末だけは違うと述べているかのようだった。
二人の間に無言の沈黙が訪れる。
『俺がララを不安にさせてしまった……いつも、俺のことを好きだといっていたのに
 俺は…なにも答えてやれなかった、いや、答えようとしなかった。
 あいつの子供だって言う理由だけで、でも今はもう違う…違うはずだ。
 そう、俺は人間だ。だからララのことが…………』
リトはララの目を見つめてから声を発した。
自分の思いをのせて、今までララが俺のことを思ってきたその思いに答えるために、
これから、ララが安心して俺の傍にいられるように…。
「俺はララのことが好きだ」
「りっリト?……嘘だよね?冗談言ってるんでしょ?」
「嘘なんかじゃない、俺は本当にララのことが好きなんだ。」
「リト」
ララの目に涙がたまり始める。とっさに俺はララを抱きしめた。
まだ乾ききっていないララの髪の毛が俺の顔に当たる。髪の毛からはシャンプーの匂いと女性特有の香りが鼻を突いてくる。
「リト、わたし…わたし、怖かったんだよ」
「ララ?」
「怖かった…怖かったんだよ、リトに嫌われてるんじゃないかと思って、
 リトにわたしの事見てもらいたくて、いろいろとやったのにリト振り向いてくれなくて
 わたしのこと飽きたんじゃないかって思い込んで…本当に怖かった」
ララが咽喉を鳴らしながら、何度も同じことを言った。
それだけ不安が積もってたんだろう、怖かったんだろう。
「ララ…ごめんな、でもこれからは安心していいよ…俺がララの近くにいるから」
「約束だよ」
「ああ、約束だ…でも俺ともう1つ約束してくれないか?」
「なに?」

71名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:08:37 ID:4c4FaVXF(13)
ララは胸板から顔を離してから首を傾げてから真顔で聞いてきた。
そこまで見つめられると正直答えにくいが、言わないといけないことだから
先に言っておかないといけない。
「俺はララばかりを好きになれるとは思えないんだ。」
「どういうこと?」
「ララ以外にも俺のこと好きな人は結構いるっぽいから」
「ええっ?そうなの?」
「知ってる限りでは、ヤミとか、ルン…後は春菜ちゃんも視線感じるからな」
「そうだったの…ルンちゃんは分かってたけど、ヤミちゃんも春菜もリトのこと
 好きだったなんて……初めて知った」
驚いたように目を大きくさせてからリトを見る。
「で?ララは許してくれるか?俺がみんなのことを恋愛対象としてみることを」
「うん、いいよ…わたしばっかり、リトを独り占めしたらみんなに悪いし
 それに、好きな人からは嫌われたくないもんね」
これ以上にない笑顔でララはそう言った。
どうやら人に嫌われる痛みが分かってるからそう言えるんだろう。
「でも、今日はわたしだけ見てよ……リト」
「ああ、そのつもりだよ」
リトは髪を拭いていたタオルを自分の部屋に投げ入れた後、自分も入って扉を閉める。
扉が閉まった音と同時にララの巻いているタオルを手にとって取る。
『ハラリ』とタオルが床に落ちてララの肢体が露になる。
「ララ…綺麗だよ」
「リトッ」
本当に綺麗だった整った身体のライン、強調させたかのような双方の胸、
引き締まったお腹、女性なら誰もが憧れる理想の体系と言っても過言ではない。
抱きしめて、見詰め合う。ララが目を閉じるのを合図に唇を重なり合わせる。
扉の前で軽くて甘いキスをする。ララの唇は必要以上なほどに柔らかかった。
「ララ、ベッドに行こうか」
「うん、」
「今日はララのベッドで一緒にいよう…いつも、俺のベッドで寝てるから」
そう言って、クローゼットの中に入りララのベッドに辿り着く。
そこで再び唇を重ねる。今度のは甘くて長いキス…リトはうまくリードして
角度を何度も変えて、下を絡ませあう。もう二人には言葉なんて要らなかった。
唇を離すと唾液の銀色の線が二人の唇を結んでいる。
そして、リトはララをベッドに押し倒すと後は自然の流れに任せた。
ララの胸をかるく揉みながら、首筋に舌を這わせる。
『ビクンッ』とララの身体が跳ね上がり声が口から漏れる。
「んんあっ…ひゃぅ、ああぅん」
リトの行為が激しくなるにつれてララの喘ぎ声も大きくなってくる。
とても、甘い唇から発される甘い声がリトの耳に入り理性という名の糸が切れ始める。

72名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:09:22 ID:4c4FaVXF(13)
ララの首筋に這わせていた舌も、今は胸のところまで下がってきており
舌は野いちごをいつでも収穫可能な領域までに達していた。
『ペロリッ』2つあるうちの1つの野いちごを舐めあげる。
舐めあげた後は口に含んで舌で転がす。
「あああっっ、んんぅぅ」
舌で転がしている野いちごとは反対のほうを指で摘み取り始める。
試食と摘み取りを同時進行で行う。当然、野いちご…乳首ばかりではなく、胸全体も
揉みほぐしている。手からこぼれんばかりの大きさで、揉むのに一苦労だが
揉んだ際の柔らかさは尋常ではない。
あえて、例えるなら肉まんの大きさをしたマシュマロといったところである。
「りぃりっリト……そんなに……したら、んんんぁぁぁ、いっちゃうよ〜」
「いっていいよ」
そう言ってララの乳首を捻り、軽く甘噛みをする。
軽い絶頂を迎える。その絶頂の波が身体の中心……脊髄を直に通って脳に響き渡る。
「あああああんんんんぁぁぁっっ」
背中を仰け反らせながら身体が痙攣する。
同時に秘部から大量に愛液が漏れ出す。もともと行為をされていた所為で漏れていたが、
それを遥かに上回る量だである。
「気持ちよかった?」
「はぁはぁはぁ、んんっ……うん、気持ちよか……ったよ」
仰け反らせた背中をベッドにつけて息を整えながらリトにそう言う。
息を整えてしまうとララは上半身を起こしながらリトのチャックに手をかける。
「今度はリトを気持ちよくしてあげる。」
「どこで、そんな言葉覚えたんだ?」
「えっ?そっその〜…ほっ本で…………」
「嘘は良くないぞ、ララ、他になんで知ったんだ?」
「あと…DVD……………」
目を伏せて顔を真っ赤にさせながらそう言った。
恥じらいが無いと思っていたララにもそう言う面があるのかと感心してしまう。
と、そんな関心をしている場合ではない。今ララはなんと言ったか?
ビデオとは言わなかった。ビデオより鮮明により描写されているDVD、並みの高校生が手に入れるには難しいであろう。
「自分で手に入れたのか?」
「チッ違う、見せてもらったんだもん」
「誰に?」
「そっその………リ――ミ――」
ララは声を小さくさせながら誰かの名前を言うが、途切れ途切れにしか聞こえない。
「聞こえないぞ、もっと大きな声で言わないと」

73名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:10:41 ID:4c4FaVXF(13)
「里紗と未央に…この前一緒に遊んだときに、里紗と未央と春菜で見たの」
「里紗に未央はいいとして、春菜ちゃんも一緒に見たの」
流石のリトも冷や汗をかかずにはいられなかった。
あの清純そうな女の子が、まさかそんなものを見てようとは誰も思わないだろう。
「りっリト、怒ってる?」
「いや、怒ってないよ…ただ、驚きはしたけどなでも、やってもらおうかな」
「えっ?」
「気持ちよくしてくれるんだろ?」
「いっいいの?」
「せっかくララが、がんばって勉強したんだ、その成果を見せてもらうよ」
「うっうん、がんばるから」
ララはベッドから一旦降りてベッドの淵に座るリトのチャックに再び手をかけてから
チャックを下ろす。そこから、パンツをかきわけて一物を取り出そうとするが、
うまく一物が出てきてくれない。
一生懸命に一物を出そうとがんばるララのこの光景に、思わず苦笑してしまう。
「ほら、ちょっと待ってろ」
「うん」
リトは一度立ち上がりズボンとパンツを下ろす。
これでリトの着用しているのは上半身のTシャツのみとなった。
パンツが下ろされ、一物が外界へと出てくる。
ララはそれを慎重にゆっくりと手に取る。まだ硬くなっていない一物を軽く上下にしながら、ララはリトの顔を見ている。少し怯えているのだ。
リトに痛みを与えてないか不安なのである。
それを察したようでリトはララの髪の毛を撫でてから、
「いいよ、好きなようにして、俺は多少痛くても大丈夫だから」
「でっでも……」
「でもは無しだよ、やって」
「うん、分かった。本当に痛かったら言ってよ」
そう言うとララはリトの顔から一物へと視線を変えて
顔を近づけていき『ペロリ』と舌で裏筋を下から亀頭の部分にかけて舐める
すると手の中でリトの一物が膨張して
熱を持ち始めていくのが、膨張して一物全体に硬くなるのが分かる。
裏筋から亀頭部分を、尿道から出てくる我慢汁を吸い取り…
そして口を開けて一物を口の中に入れていく。
亀頭を全部口の中に入れて、舌を使って舐めまわす、ララの唾液が生暖かい。
上目遣いで舐められ精神面で思わず逝ってしまいそうになる。
時たま、歯があたり痛いがそこは『我慢する』と言った以上我慢する。
どうやらDVDでやっていた通りにやっているようだ。
次第に頭を上下させる。手でされるより何倍も気持ちがいい。
ララのほうが多少苦しそうだ、どうやら口の奥のほうまで…咽喉まで上下させている。

74名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:12:12 ID:4c4FaVXF(13)
「おっおい、ララ無理するなよ」
「ふぁヴぃびょうぶヴぇよ」
「なんて言ってるか分からないって」
「ぷっはぁ〜、これくらい大丈夫だよ…でもリトの凄い大きいね」
「比較対象ってDVDの男の人?」
「うん、そうだよ」
ララはDVDの男……AV男優とリトの一物を比較してそう言ったのだ。
ジャンルにもよるがAV男優は一物が大きい人が選ばれる。
まぁその他の要因もあるがこの際無視…。
「どんな内容だったんだ?それ」
「ええっとね、病院にいる看護婦さんと患者さんがHしてたよ」
「マニアック過ぎ」
「ええっ?そうなの?地球じゃ普通だって里紗と未央が」
「ったく里紗と未央は何教えてんだよ、今度会ったらお仕置きが必要だな。
 それじゃぁ看護婦のララには毒抜きしてもらおうかな?」
「毒?」
「そう毒って言ってもララにとっては良い薬だけどね
 今さっきのもう一回やって、咽喉まで咥えこまなくていいから」
「分かった、」
口でリトの一物を咥えこみ、リトに言われたように咽喉まで深くは咥えこまない。
上下運動を開始する。繰り返される上下運動に少しずつ変化を付け加える。
舌を絡ませたり尿道に舌を入れたりとしていくうちにリトにも変化が訪れる。
「『そっそろそろやばいかな、初めてにしてはうますぎだよ、まったく……初めて?
  初めてだよな?多分』」
自分の一物を音を立てながら舐めるララを見てリトは少しの不信感を募らせる。
あまりにも、うますぎてまるで初めてではない、ような感覚に陥る。
「らっララ、うますぎ……くっ、射精すぞ」
「ふぇぇ?んんぐっっぐぇ」
勢いよく精液がララの口内に噴出す。
『ドビュ』っと最初は勢いに乗り少量の精液が咽喉もと近くまで飛んでいく。
この時に、咽喉を通過して胃に入れば良かったが、気管に入ってしまいむせてしまうが、
これは余波にしかすぎなかった。ララがむせる前に本当の射精が始まったのだ。
『ドビュドビュッドビュドビュッ』大量の精液が後を追うように送り出される。
その量は尋常ではなく、あまりにも多い。だが、最初の精液のように勢いは無く
口の中に舌の上に全てが出る。
「ンーーーーー」
ララが目を見開き手をばたばたとバタつかせている。
頭が真っ白となりパニック状態に陥ってしまい、一物から口を離せなくなっていた。
リトは射精の余韻に浸るまもなくパニックに陥り……はしなかった。
すぐにララの額に手を当てて、歯が当たるのを覚悟で思いっきりララを引き離す。
理由は言わなくても分かると思うがリトはベッドの端に座っているため、
腰を引こうにも引けない状態なのだ。

75名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:13:02 ID:4c4FaVXF(13)
「っつつ、大丈夫か、ララ?」
カリの部分に歯が当たり、一瞬の痛みが中枢神経を経由して伝わる。
自分の痛みより先にララの心配をする。
「げほっげほっ、ぐぇほっ」
手を口に当てて咳き込む。すると唾液が…いや主に精液が手に流れ込む。
20秒ほど咳き込むがその間リトが背中を何度もさすってやる。
大分、落ち着いてきて自分の身体の各部が正常に動作、把握でき始めてくる。
触覚は手に乗るにゅるにゅるの精液と背中をさすってくれるリトの手を認識する。
視覚は手に乗るスライムのような白い精液を目の前のリトの一物が目に見える。
聴覚はリトが心配してくれる声が聞こえる。
この3つが最初に戻ってきた。
そして残りの二つがゆっくりとゆっくりと、戻ってきたら少しは対処できただろうが
一気に戻ってきたため、対処のしようが無かった。
対処とは何の対処かというと…。
味覚…味覚は口の中いっぱいに広がる今まで体験したことの無いような味が伝わる。
それと同時に嗅覚も回復した。
その匂いはお魚屋さんの前を通ったときに微かに嗅いだことのあるにおいで
こんなにもダイレクトに嗅いだことが無くあまりにも強力すぎた。
「うっうぇみゅぇにゅ」
今度は言語がやられたらしい…が直ぐにそこの所は戻り
「りっリト、ひどいよ〜、口の中は変な味するし、臭いがくさいよ〜」
「あははっごめんな、そんなにひどい味だったか?」
「リトは舐めたことあるの、これ〜」
「いや、それは舐めたら、いろいろな意味でヤバイから……」
そりゃぁ男が自分の精液舐めたらそれは確かにヤバイ…。
人間やめてもいいほどのレベルだ。
「まぁ慣れてくると、御門先生曰く“おいしい”だそうだ」
「えっ?そうなの?」
「何事も最初は難しいってことだ」
「ん〜」
ララは一生懸命自分の手の上にのっている白い…白濁色の精液を見つめてから
『ぺろりっ』舌で掌にのる精液を掬い舐めとる。
1拍おいて『ゴクリ』咽喉がなり飲み込んでしまう
「うぇぇ」
舌を出してあからさまにおいしくないと言っている。
「無理して飲まなくても良いのに、でもうれしいよ」
「えっ?本当、」
一瞬にしてララのまずいと言った顔から、ぱぁ〜と頬を染めらせて笑顔に変わる。
「ああ、本当だ、じゃぁ今度は俺がララを気持ちよくさせる番だな」
「きゃっ」
リトは床に全裸で座るララを抱え上げてベッドに落として股を開かせる。
「えっえっ?りッリト?」
急な出来事に戸惑ってしまい、うれしいと言われた余韻から立ち直れていないようだ。
股をひらいたリトは秘部を人差し指で一撫で、指にはねっとりとした液体がつく。
それを見ると今度は指を秘部に侵入させていく。

76名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:14:06 ID:4c4FaVXF(13)
「んっ、リト」
「嫌か?」
「いっ嫌じゃないけど、そっその初めてだから、あのえっとね」
「初めてなのか?」
「そうだよ!初めてはリトって決めてたもん」
ララはそう言って目をつぶる。恥ずかしさが顔全体に現れる。
「いや、そうなのか?」
「うん、そうだよ」
そこまで言うと首を横にする。自分の今までの行為がリトに悪印象を浮かべていたのだ。
そう自分の大胆な行為が…。
リトは秘部に指を出し入れを始める。愛液で潤っていたため、簡単に出し入れができる。
出し入れしたり拡げたりする音が室内に響く。
指を抜き股に顔を埋めて、舌を這わせる。指を出し入れするときの何倍もの音が、
ララを責めていく、先ほどまでは2つだったのに今は3つの器官を同時に責められている。
聴覚…水をかき回すような淫乱な音が耳に入り込み、
「んんっあぅ、ひゃぅっ、だっだめだよ、りゅぃと、しょそこ、へんないよ
 (リトそこへんないよ)」
「ここがいいのか?」
一番声が上がったところを何度か責めこむ。
その度に声と悲鳴の狭間のような声が上がっていく、
「あっあっひゃっんあっんんああっっあっ」
完璧なGスポット責めが開始された。
Gスポットを押されて快感が身体がから溢れ出して声と液体となって出てくる。
喘ぎ声が室内に響き渡り、愛液がシーツをどんどんと濡らしていく。
「りゃっだゃめ(だっだめ)」
ララの時間が一瞬とまる。再び動き出したときそれはララの最後を意味していた。
時間が止まったのは一瞬…。そして時間は動き出す。
「んんんんんんんああああああっっっっっっっ」
腰を浮かして足の指先を折り曲げて身体が硬直する。
身体は硬直するが愛液はふんだんに漏れ出していく。
とまることを知らない川の流れのようにどんどんと…。

77名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:15:25 ID:4c4FaVXF(13)
硬直が解けるとともにララはベッドの上でぱたりと横たわり息を整えていく。
「ララ、気持ちよかったか?」
「うん」
「今度は二人で気持ちよくなろう」
リトがララの上に跨り頬を触り、撫で上げる。
ララの温もりが手を伝って這い上がって、身体を温かみをましていく。
「リト………きて」
二人は手をほんの少しだけ重ね合わせてリトは自分の一物の先端を秘部に当てる。
腰を押し進めていく。入り口はあまり狭くないが奥の方にいくにつれて狭くなる。
そして、何かに一物の先端がぶつかる。一物が処女膜にあたったのだ。
処女膜に当たると同時にララの顔が少し歪んだのが分かり、
リトも気づいて腰を落とすのをやめて、ララの耳の傍に唇を近づけてそっと囁く。
「ララ、いくよ」
「うん」
一言返答をすると直ぐに下唇を噛締め目を瞑りこれから来る痛みに備える。
今まで以上に腰を落とす速さを遅くしてララに負担をかけないようにゆっくりと落とす。
処女膜が伸びて伸びて…限界に達して、破ける。
破瓜の刻を迎える、ララの初めては今終わった、初まりが終わりだ。
リトの一物の一番の出っ張り…カリの部分が処女膜跡地を通過していく。
当然、ララは痛みに襲われていた、自分の内部を異物が侵食するその痛みを…。
結合部分を見るとララの膣のリトの一物と間から鮮血が流れ出していた。
通過した後は、スムーズに奥へと進むことができる。
そこで、リトは身体を、腰を落とすのをやめてララと顔をあわせる。
「痛い?」
「んんっっつ、思ってたより痛くなかった」
「そう、良かった」
「リト動いていいよ」
「もう、動いていいのか?」
「うん、もう痛くないから」
リトは腰を浮かせて落とし、ピストン運動を早くしていく。
カリを膣入り口まで引き抜いて一気に奥に突き入れる。
『ズンッ』と身体の芯に突き刺さるかのような衝撃を与える、衝撃があるたびに
それを快感へと少しずつ変換していき、とうとう喘ぎ声が漏れ出す。
「んんっああぅ」
今まで静まり返っていた部屋にもう一度声が響き渡る。
腰を出し入れするスピードがどんどんと速くなり、声も同時に早くなる。
「んあっあああんんっあぅっ」
引き抜いて入れるたびに一筋の鮮血の線に血が供給されていく。
膣を擦りつけ…抉り取るかのようにリトの一物は何度も動いていく。
動いていくたびに、限界へ向かっている。それはララも同じである。
「んんんああ、りっリト、わっわたし…あああぁぁっ…いくくくくくぅっぅぅっっっっ」
「らっララ、俺もうダメだ」
ララが半ば絶叫のような声を上げていってしまう。
声が上がるのと同時に膣内が今まで以上に収縮してリトの一物を締め上げる。
リトはこれはヤバイと思ったらしく一気に一物を引き抜きララの裸体の一部…
腹の上に一物の射線軸を向ける。

78名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:18:29 ID:4c4FaVXF(13)
次の瞬間、リトの精液が開放されてララの腹の上に飛び出していく。
白濁色の液体、精液は止まることを知らないかのように濡らす。
一物は脈を何度もうって精を送り出す。
「はぁ、はぁ、ひどいよ〜リト」
「なんで?」
「中に出してくれなかった」
「ぶほっ…おい、ちょっと待て…。まさか、それも里紗と未央か」
「うん」
「あのな〜ララ…妊娠ぐらい知ってるだろ?」
「ええっと、私の卵とリトのこの精液が合体して子供ができるんだよね」
「そうだ。でも妊娠したら、これから厄介になるんだよ、
 妊娠が厄介じゃなくて学生で妊娠することに問題が山ほどあるんだ。
 だから、もう少し時期がたってから……結婚できるぐらいになったらするよ」
「けっ結婚?」
ララがベッドの上で変な声を上げる。
それは驚きがメインであった。今まで自分が何度も結婚を申し入れたにもかかわらず
一度たりともまともな回答をされたことが無かった。
それなのに、今リトは完璧に自分の気持ちに応えてくれたのだ。
「ああ、そうだ」
「ひぐっえぐっ…うっ嬉しいよ、リト」
「ララを不安にしちゃったね…お詫びと言ったらあれだけど願いを1つ叶えるよ」
「じゃっじゃぁもう一回して、中に出してくれなくていいから
 やっとリトとひとつになったから、もっともっとたくさんひとつになりたいよ」
「いいよ、ひとつになろう」

これが、リトとララの初めての夜、ララはリトの胸に抱きついて眠りにつく
悲しみと不安で始まり喜びでおわる。

79:sage :2008/03/16(日) 23:22:45 ID:4c4FaVXF(13)
第4部無事投下終了です

何部まで続くか未定と言う無謀な話ですが、お付き合い頂きますようお願いいたします。

80名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:26:14 ID:nq/38WoU(2)
GJ!!
続き期待してますぜ

81名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/16(日) 23:58:23 ID:Un/fChGp(2)
>>79
GJ!

82名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/17(月) 01:43:17 ID:mpZLK61S
>>79
GJです!
続きを書いて下さるのであれば、リト×唯が読みたいです

83名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/17(月) 13:14:27 ID:M65iKy0p
やっぱ美柑でエロって少ないのかねぇ

84:sage :2008/03/17(月) 14:13:01 ID:bYsnvLQA
>>83
問題ない

toLOVEるの連載当初に俺が書いて投稿していない リト×美柑があるw
それを現在設定に改変後 第5部or第6部あたりに投下しようとおもう

85名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/17(月) 17:52:49 ID:VCmERlEq
あなたは神ですか?待たせてもらいますよw
つか今週微妙にリトみかんあってよかった。もっと増やしてほしいわ

86名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/18(火) 00:09:16 ID:7P4Hfr+a
すごいよあんた、期待してるZE

87名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/19(水) 02:15:51 ID:+FS5/w9O
待ちに待ったリト美柑の近親相姦か!ワクテカ

88名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/19(水) 02:18:46 ID:kuVhv6PU(2)
この時間だし投下かと思ってきたらやっぱり違ったw

89名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/19(水) 23:13:36 ID:VbycNzM6(6)
エロなしネタ風味の唯メインのやつかいたんだけど投下していい?
意外と長い

90名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/19(水) 23:15:06 ID:7zkN/b6A
>>89
カモン。

91名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/19(水) 23:22:24 ID:kuVhv6PU(2)
俺はイイ
むしろ投下してちょ

92守るべきシークレットゾーン1 :sage :2008/03/19(水) 23:33:21 ID:VbycNzM6(6)
平和で幸福な生活は個人が規律を守ることによってはじめて実現出きる
そう信じている小手川唯にとって規律を守ることは当然のことであり、他人に強要することにもまた当然のことである
たとえ文句を言われようと自分の正義を疑わない
それは自分のためではなく相手を含めた集団全体のためであるからだ
しかし、目の前の状況は彼女の意志とは反するものだった
採南高校の休み時間の教室に規律は存在しない
各々の好き勝手に任せ誰もが校則をやぶっている
特に目立つのは服装の乱れである
単に違反者が多いというだけでなくファッションとしての側面もあるため教員も咎めることはない
しかし服装の乱れは精神の乱れ
まずは服装から正すべきだと判断した
まず自分の服装を正す、注意する側に乱れがあってはどうしようもない
ボタンは外れていないかリボンはほどけていないか
そのとき彼女は何かに気付いた
(あれ?)
校則に規定された服装は正確に把握している
周りを確認する、女生徒はみな制服を着ている
自分の服装を確認する、校則で規定された制服だ

(ひょっとして私……スカート短い?)
今更気付いたらしい

93守るべきシークレットゾーン2 :sage :2008/03/19(水) 23:36:50 ID:VbycNzM6(6)
「やっぱり短い……」
ミニスカよりさらに短い、膝だけでなく太ももも見えている
更に校則で定められている数値より短い、風紀委員にあるまじき服装である
「しかも私モブより更に短いわ」
ハレンチだわ、と心の中で付け加える
間抜けにも入学以来何の疑いもなく短いスカートを穿き続け自分も風紀を乱していたことに気づきショックだった
なぜこんな短いスカートをはいているのか分からない、考えたことなどなかった
しかし彼女はもう一つの重大な事実に気付いた
(でもこれだけ短いとスカートの中が見えるちゃうんじゃ……)
見える、事実見られまくりである
手遅れだった
その事に気づいた瞬間急に羞恥心がこみあげてくる
Q.今朝走った時に後ろから見られなかっただろうか?
A.この長さなら多分見えてる
Q.階段を利用したときはどうだろうか?
A.間違いなく見えてる
Q.一昨日の風の多かった日は?
A.絶対に見えてる
Q.先週転んだ時も?
A.当然見えてる

記憶を遡ると常に見られていた気すらする、これではまるで変態だ
顔が赤くなっていくのが分かる、穴があったら入って埋まってしまいたいほどに恥ずかしさに襲われる
「唯〜、顔赤いよ大丈夫?」
突然話しかけられビクッとした、相手はララ・サタリン・デビルーク、宇宙人だ
「え?だ、大丈夫気にしないで、すぐ治るから」
「つぎ理科室だよ唯も一緒にいこ」
言われて思い出す。いつまでもじっとしているわけにはいかない
次は教室移動、授業に遅れるなんてことはあってはいけない
慌てて立ち上がる
「―――っ!」
立ち上がった時にスカートが翻った―――気がした
慌てて後ろを隠す
「どうしたの?」
落ち着きのない唯に問いかける
「な、なんでもないわ、行きましょう」
しかし歩けばまたスカートがめくれるのではないか、周りの生徒がこちらを見ていないか
などといった考えが巡り動けなくなる
「いかないの?」
いつまでも立ち尽くす唯に当然の質問を投げかける
「も、もちろんいくわ」
覚悟を決めるしかなかった
仕方なく教科書で尻を抑えながら歩く
スカートがめくれないように、少しでも下着が見えないようにするためである
「なんか歩き方変だよ?」
指摘されても唯は下着が見られていないかでいっぱいだった
歩き方もぎこちなくなる。小幅でゆっくり、周りを気にしながら歩く
明らかに挙動不審な彼女にかえって視線が集中する
(いやぁ〜……)
目で犯されていた
もちろん加害者にそんな意図はない
一方ララはスカートの事など気にもせず元気に歩く
「ララさんもう少しゆっくり歩いた方が」
見えちゃう見えちゃう、と他人ごとなのに内心ハラハラである
過去に校内で全裸になっても動じなかった彼女ならパンツくらいはどうということもないのかもしれないが、やはり気づいていないのだろう
彼女だけでなく校内全員の女子が気づいてないのではないか
自分も今まで気づかなかったのだからありえると推測した
これは伝えるべきか?
急に伝えるのは申し訳ない気もするし男子にも広まると更に注目されてしまうのではないか
しかしこのままというわけにもいかない、早急に解決すべき問題である

94守るべきシークレットゾーン3 :sage :2008/03/19(水) 23:40:17 ID:VbycNzM6(6)
「古手川?」
「ひゃう!?」
視姦に耐え、いつの間にか廊下にたどり着いていた事に気づいていなかった
予期せず男子生徒の声に驚きに情けない声が漏れる
声をかけた生徒も予想外の反応に戸惑い
「ゆ、結城くん」
「ご、ごめん!俺何かしたかな」
訳も分からず謝罪をはじめた
「あの、どうかしたの?」
側にはクラス委員長の西蓮寺春菜もいた
彼女もまた短いスカートを履いている
「唯さっきからなんか変だよ、何かあったの?」
「何でもないわ、結城くんもきにしちゃだめ」
「ならいいけど、なんか俺避けられてる?」
彼は数少ない異性の友人だ、避けているつもりはない
が、下着をみられまいと壁に背中を預け対象から不自然ではない程度の距離を保とうとしていた
すでに何度も下着を見られ裸まで見せてしまった相手だけに余計に警戒してしまう
彼の側にいれば何かしらハレンチな被害を受けると学習していた
「……そんな事より次は理科室よね、結城くん先頭歩いて」
自然な話題にシフトしたが不自然な命令が付属している
「え?なんで?」
「いいからほら!」
とにかく彼には見られまいと唯は後ろを歩くことにした、それでも気は抜けない。廊下に生徒は大勢いる
一方結城リトは知らぬ間に自分がまた何かしでかしたのではないかと不安に陥っていた
しかし依然として唯の挙動は怪しいままである
数歩歩けばまた視線が集まりだす
「古手川さん、自然にしといた方がいいよ」
「え?」
急な言葉に戸惑う、それ程までに自分は変だったのだろうか
「あの、さっきから周り気にしてるし、それでかえって目立ってるから
せめて自然に振る舞っておいた方が注目されなくてすむよ」
「あ…そうね」
的確な助言に感謝をしつつ深呼吸して気持ちを落ち着ける
(大丈夫、大丈夫、堂々と歩けば……)
冷静になることで少し調子をとりもどす
可能な限り自然に歩く、でもパンツはみせない。静かに丁寧に歩を進める
周りも多少ぎこちないものの大方いつも通りの彼女に周りも興味を失う
問題の解決にはなっていないがひとまずこのまま理科室に向かうことにした
が、すぐに立ち尽くす
階段だった

95守るべきシークレットゾーン4 :sage :2008/03/19(水) 23:52:01 ID:VbycNzM6(6)
理科室に行くにはこの階段を上る必要があった
(なんのプレイよ……)
兄の見ていたDVDに似たようなシチュエーションがあった
この短いスカートで階段を登れば下からは丸見えになる
階段の周辺にも生徒はかなりいる
彼らが去るまで途方にくれるしかなかった
「古手川さん?」
春菜は先に4段ほど上っていた
既に見えるか見えないかと言った感じだ
「どうしたの?」
「だって…この階段のぼったら…」
見えちゃう、とはいえなかった
気づかない方が幸せかもしれないし、側には結城リトもいる
「階段がどうかしたの?」
春菜は理解できずそこで立ち止まる
「二人ともおそーい」
とリトと共に先頭を歩いていたララが呼びかける
既に階段を登り切っており、下から桃色の下着がはっきり見えていた
「 ―――――っ!」
声にならない悲鳴を上げた
「ど、どうした古手川」
あわててリトが駆け寄る
「いやっ!」
反射的に避けてしまう、男子は恐怖の原因である
しかしそんなことを知らないリトは再び避けられたことにかなりのショックを受けた
唯はその場に崩れワナワナと震えていた
「こ、古手川?」
そして溜めていたもの溢れだした
「ハレンチよハレンチよ!ありえないわなんなのよこの制服は!何でこんなにスカート短いのよ!なんでだれも気にしないのよ
こんなので階段のぼれるわけないじゃない!そんなにパンツ見たいの?短いスカート売ってまで見たいの?
結城くんだって見たいんでしょ?ハレンチ!最低!そんなハレンチだからこの学校の風紀はみだれてるのよ」本人も無茶苦茶いっているとはおもった
八つ当たりまでしてしまったが気づいてから感じていた事を全てぶちまけた。
周りは一名を除き呆然としている
「えーと……」
ひとまず落ち着いて説明することにした




「ふーん、そんな心配してたんだ」
話を聞いた後もララは冷静だ
「ちょっと、あなたの問題でもあるのよ!」
まあまあと春菜がなだめる
「確かに私もこの制服初めて着たときはびっくりしたけど。だいぶ慣れたし、かわいく見えるならいいかなって思うよ」
「でもだからってこんなの……」
「そうだって、それにこの学校のスカート短いけど不思議と思ったほどパンチラしないんだ、
多分普通に生活する分には見えないように設計してあるんじゃないかな
他の生徒も気にしてないし古手川もいつも通りにしてれば自然に見えることはすくないから安心して」
「結城くん……」
頼りないが意外と説得力があった
思ったほどとか少ないとかはフォローになっていないが、唯はそれに気付かなかった
「ほら、急がないと授業遅れるぜ」
「そうね、気にしすぎだったわ
なにか引っかかるけど気にしないでいきましょう」
そう言って唯はララ、春菜と共に階段を上っていく

「まっ、これで一安心か」
リトは後から彼女らについて行く
前を見て自然と顔がほころんだ
僅かな時間だが3つの下着を眺めることができた

96>>89 :sage :2008/03/19(水) 23:54:52 ID:VbycNzM6(6)
以上
携帯からなんでいろいろ手こずりましたすんません

97名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/20(木) 01:54:14 ID:E2J12U7z
とりあえず「しかも私モブより更に短いわ」 に笑ってしまった

98むに :sage :2008/03/20(木) 23:10:11 ID:d7r2yoZ1(15)
レモンは一体どんな感じの娘なのか…。
ボク的イメージでは『リトをそのまま女の子にした感じ』なんですけど…(スタイルは好み♪)、
ホラ、乱○がら○まになるみたいな、あんな感じを考えているんですけど…。
まぁ、そこんトコロは読む人にお任せいたします。こーゆーのはイメージっすよ、イメージ。


ちなみにボクは、絵は書けません。

99むに :sage :2008/03/20(木) 23:12:30 ID:d7r2yoZ1(15)
それでは投下します。
番外編第三弾。今回はリサミオで。

なんかこの二人書きやすい…。

100結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:14:27 ID:d7r2yoZ1(15)
「ホラホラ見てよレモりん♪コレなんか妙にリアルっぽくない?」

「ぅわ…、こんなのもあるんだぁ…。すっご〜…」

「……///」

放課後、(何故か)誰もいない教室で、籾岡里沙と沢田未央が結城リト――もとい、結城レモンに対してある物を見せびらかしていた。


それは――。


「…………………ねぇ籾岡さん、沢田さん…///」

「ん?なぁにレモりん?」

「これは…………一体…?///」

「ピンクローター♪」
「バイブレーター♪」

分かり易く言うとオトナのおもちゃ♪

「んなこたぁ聞いてないの!!何でボクがこんな所でこんなモン見せられなきゃなんないのよ!!
いやその前に学校になんちゅーモン持って来てんのさ!!?あと女の子が恥ずかしげも無くそんなモン見せびらかすなぁ!!///」

ぜーはーぜーはーと息を切らしながら、現在の状況について行けないのと重なって
恥じらいの欠片も無い籾岡と沢田に対しておもわず三段ツッコミをかますレモン。

「いやさぁ〜、この間ネット検索してる時に偶々見つけちゃってさ〜、
それでちょっと興味が湧いちゃって未央とお金出し合って買ってみたんだけどね」

「これがまた素晴らしい出来だったモンだから、せっかくだから他の人にも見てもらいたいなと、こう思いまして――♪」

悪びれも無く、笑顔でレモンのツッコミを流す籾岡と沢田。

「あのさ…、ソレ学生じゃ買えないんじゃなかったっけ?どーやって買ったのさ?」

「そこはまぁ………チョイチョイっと♪」

「世の中ドコにでも『抜け道』という物があるのだよ、レモりん♪」

えっへんと胸を張る二人を見て、レモンは軽く呆れた。

「………つーかさ〜、こんなのを見せる人なら別にボクじゃなくても良かったんじゃ…」

「だって春菜には逃げられちゃったし、唯っちじゃ没収されかねないし――」

「ララちぃにはきっと理解してもらえないだろうしね〜」

「だからって…」

「ボクは君達の考えがイマイチ理解出来ない」ってな感じで、頭を抱えて苦悩するレモン。

101結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:16:55 ID:d7r2yoZ1(15)
「まーまー。そんな事より…」

「ところでレモりん」

「ぅん?何二人共?」

「「ジャーンケーン――」」

「え?え?」


『ポンッ!』


不意に籾岡達からジャンケンを挑まれ、レモンは反射的にチョキを出した。

「あーあ〜、負けちゃった。レモりん強いなぁ〜♪」

「ま、仕方ないよね〜、レモりんが勝ったんだから。あー羨ましいなぁ〜♪」

パーを出して(若干後出し気味)負けたにも関わらず、何故か楽しそうに語り、怪しげな含み笑いを発する籾岡と沢田。

「ぁ…あの〜、イマイチ状況が飲み込めないんだけど…。これってどーゆー……」

不穏な空気を察知して、冷や汗が頬をツツーっと流れ落ちる。
本能的にはあんまり聞きたくはないんだけど、レモンは勇気を振り絞って思い切って尋ねてみた。


すると――。


「「それは――それー♪」」

「きゃあっ!?///」

いきなり二人に机の上に押し倒された。

「なっ何!?何すんのいきなりっ!?///」

「だってレモりん、ジャンケンに勝ったじゃん♪」

「だから一番最初にコレを使わせてあげるね♪」

「なあっ!!?///」

楽しそうにとんでもない事を言い放つ二人に愕然とするレモン。

「いや〜、レモりん運がいいねぇ〜♪あたし達だってまだ使った事無いのに」

「本当ならあたしが最初に使いたかったのに。いーなぁ〜レモりん♪」

「ちょっ、何考えてんのさアンタ達はぁ!!?そんなに言うなら自分達で使えばいいじゃないのさ!!
ボクそんなのやりたくないってぇ!!!///」

「遠慮しない遠慮しない♪一番最初に気持ち良い事が体験出来るんだよ?」

「しかもこんな学校の教室でなんて、なかなか出来ない経験だよ?」

「経験したくもないからぁ!!離してぇーー!!誰かぁーー!!犯されるーーーー!!!///」

102結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:19:25 ID:d7r2yoZ1(15)
机がガタガタ揺れる程にジタバタ抵抗するレモン。
しかし、なにせ二人掛かりで身体を押さえつけられているので上手く身動きが取れない。
大声で助けを呼んでみても、校舎内にはまるで自分達しかいないかの様に人の気配が無く、ただ空しく響いただけに終わった。

「つーかこんな都合上、誰か入ってくる訳無いじゃん。てゆーか入ってこない様になってるから♪」

「そーそー。それじゃこの話成立しないしね♪」

「何の話だよ!!?///」

「「こっちの話♪♪」」

つーかそれはナレーターの言う事ですから。

「んじゃ、まずはコレから♪ほい未央」

「はいな♪」

ピンクローターを二個手に取って、一個を沢田に渡す。

「スイッチ、オーン」

カチッという音と共に、ローターが小刻みに振動を始める。

「いくよ〜、レモりん♪」

「ちょっ……待っ………ひゃんっ…!///」

言いかけたレモンだったが、それよりも早くローターを首筋に当てられ、一瞬身体がビクッと強張った。

「ん……ふぅ………う……ぅん…///」

「ぉお?何か急にしおらしくなっちゃったけど、レモりんもしかしてココが弱いのかなぁ?」

「し……知らないよそんなのっ…。ただ…急に力が抜けて……やんっ…!///」

「ホラホラココ?ココがいいの?ココが♪」

「こ…こらぁ…、あんま調子に……あんっ…!///」

さっきまでのレモンとの変わり様に気を良くしたのか、面白がってレモンが
弱いと思われる部分を集中して撫で回す様にローターを当てる沢田。

「レモり〜ん、コッチもやってあげるね♪」

籾岡が制服の上からレモンの胸をローターで撫で回す。

「あっ…!ぁ……は…ぅん……///」

「へぇ〜、巨乳って感じにくいって良く聞くけど、レモりんはそーでも無いんだね」

「むしろ敏感な方なんじゃない?ホラ、服の上からでもおっぱい固くなってるの分かるもん♪」

「エロいなぁ〜、レモりんは♪」

「だ……だってぇ…///」

103結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:20:58 ID:d7r2yoZ1(15)
(ぅ……可愛い…///)
(そんな目で見られた日にゃあ、あたしは…///)

焦点が合ってなさそうな潤んだ目で二人を交互に見つめるレモン。
その行動が二人の欲を更に掻き立てている事にも気付かず…。

「それじゃレモりん、コレはどうかな?」

若干鼻息が荒くなってる籾岡。今度は乳首があると思われる部分にローターを押し当てた。

「あっ…あっ…ああっ…!な…何か……ビリビリ……ふぁあっ…!///」

身体をよじらせて嬌声を上げるレモン。
もうすっかりさっきまでの勢いは消え失せて、快感の波に飲み込まれてしまってる様だ。

「反対側はあたしがやってあげるね♪」

こちらも若干鼻息が荒い沢田。もう片方の乳首の部分にローターを押し当てる。

「ああっ…!ふ…二つは…ちょっと………やぁあっ…!りょ…両方ビリビリ……ふぅん…!///」

「レモりんって結構感じやすいんだね?服の上からなのにこんなになっちゃうなんて」

「それとも、この『いつ誰が来るかも分からない状況』に興奮しちゃってるとか?」

「えっ、そうなの!?きゃー、レモりんってばスケベ〜〜♪」

「ちっ、違うもんっ!そんなの…///」

顔を赤くして精一杯否定しつつ二人から目を逸らすレモン。
その反応を見て一瞬抱き締めそうになった籾岡と沢田だが、「それはまだ早い」とグッと耐える。

「さてと、そろそろ…」

出来る限り平静を装って下半身の方に目をやる籾岡。
レモンが太ももをぴっちり合わせて、擦り合わせる様にもじもじしているのが目に入った。
不意にニヤ〜リと口元が怪しく緩む。


「にひひひ…♪未央、おっぱいは任せるよん♪」

「オッケ〜♪」

嬉々としながらレモンの足を広げて、その間に潜り込む籾岡。

「レモりん、ちょっとスカート邪魔だから脱がすね♪」

「えっ!?ちょっ――きゃあっ!!?///」

返事を返す前に強引にスカートを剥ぎ取られる。

104結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:22:50 ID:d7r2yoZ1(15)
「おっ、レモりん。パンツにちょっとシミが出来てるじゃん。や〜らし♪」

「やぁっ!ぁ…あんまり……あっ…!あんまり見ちゃ……だめだってぇ…///」

レモンのパンツは、自らの愛液で少し透け気味になって秘部に張り付いてしまっている。
それを指で少し押してやる度に、レモンの秘部からネチャっと厭らしい水音が聞こえてくる。
間近でそれを体験した籾岡は、軽くリミッターが外れてしまった。

「レモりん、もっと気持ち良くしてあげるよ。そしてもっとエッチな液をおもらししなさい♪」

そう言って籾岡は、透けて僅かに見えるレモンの秘部の上部にあるちょこんと飛び出た部分にローターを押し当てた。

「ひゃあぁあっ!あっ…!ぁぁああっ…!はぁあんっ…!そ…それ……だめぇ…!///」

「コレってさぁ、本来は膣内に挿れたりしないでこーやってココに当てるのが正しい使い方なんだって」

「へー、そーなんだ〜。初めて知ったよ、そんな豆知識」

「『マメ』知識!?未央さんウマい事言うねぇ〜♪」

「へ?あ、ゴメン。別に狙って言った訳じゃ無いんだわ」

「ちょっ…ちょっとぉ……、人にこんなコトしながらそんな漫才しないで…ぇええんっ!///」

一応ツッコミを入れようとしたレモンだったが、胸と股間から来る振動に遮られてしまった。

「ホラホラどう?気持ち良いレモりん?」

「し……知らないっ///」

「『知らない』って事はないでしょ?ホラ、何かパンツのシミもさっきより大きくなってるし。うりうり♪」

「ふわぁああっ!や…やらぁ…!お…押しちゃらめぇ…!///」

「レモりん、コッチも忘れちゃダメだよ?」

沢田がレモンの制服のリボンとシャツの上のボタンを外し、胸元に直接ローターを潜り込ませる。

「ああっ!ああっ!だ…だめぇ!そんなコトされたらボク……やぁああっ!///」

「レモりん、イク時はイクって言ってね。見逃したくないから」

どこぞのAVのワンシーンみたいな事を言う籾岡。しかし、最早レモンにはそんな事をツッコむ余裕は残されていなかった。
二人のイイ様に攻め立てられながらも押し寄せる快楽の波に逆らえず、ただただ流される様に――
むしろ自分から求めているみたいに性的欲求に身を委ねてしまっている。
そして、とうとうレモンに限界が訪れ…。

「ぅああっ!だ…だめ!だめだめっ!ボク…ボクもういっちゃあ…!
ふわぁあっ!い…いっちゃう…いっちゃうよぉ!ふぁああぁあーーーーーー!!!///」

レモンの身体が大きく断続的に痙攣する。
それが治まると同時に、頭を沢田の胸に預けてグッタリとなる。息も絶え絶えである。
パンツは最早その意味を成さない位にぐちょぐちょに濡れて秘部に張り付き、大事なトコロが殆ど丸見え状態になっている。
更に、吸い取りきれずに染み出た愛液がレモンの綺麗な内股をなぞりながら床へ滴り落ちていく。
そして二人は、しばらくその卑猥な光景に目を奪われていた。面には出してはいないが、ハッキリ言って理性決壊寸前である。

105結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:24:32 ID:d7r2yoZ1(15)
「イっちゃったね…。気持ち良かった?レモりん」

「ぁ………ぁ…は……ぁ…///」

「レモり〜ん、聞こえてる〜?」

沢田がレモンの顔の前で掌をヒラヒラさせる。

「は………ぁ……………ぇ……?なに…?///」

絶頂したばかりである為なのか、目が虚ろになって意識もハッキリしていない様であるレモン。
しかしそれでも、なんとか二人が言った事を理解しようとぼやけた意識の中で聞き返す。

「だからね?さっきのは気持ち良かったかな?」

今度は、今の状態のレモンでも理解しやすい様にやや大きめの声で出来る限りゆっくり、一言一句ハッキリと伝える。

「はぁ………はぁ………はぁ…………ん…………った…///」

「へ?何?何て言ったの今?」

ボソボソ呟くレモンの言葉を聞き取ろうと、籾岡と沢田が耳をレモンの口元へと近付ける。

「………ぅ……ぅん……気持ち良かった……///」

目尻に涙を溜めながら上目遣い気味に二人の顔を見つめて、顔を真っ赤にしてかなり気恥ずかしそうに…、
それでいて誤魔化し一つ無い素直な感想を述べてコクリと頷くレモン。

「「……」」








『スッポーーン!!』


――という効果音が聞こえてきそうな感じで、籾岡と沢田のネジが豪快にぶっ飛んでしまった。(イメージ的に)

106結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:25:56 ID:d7r2yoZ1(15)
「「か……か……」」

「ぇ…?」

「「カワイイーー!!!///」」
『ギューッ♪』×2

「わっ!?///」

『もう辛抱たまらん』というような具合で、今まで我慢していた分を思いっ切り解放させるかの様な勢いでレモンに抱き付く籾岡と沢田。

「あーもう!!あたしが男だったら絶対ほっとかないのにぃ〜〜〜!!///」

「どーしてそんな事平気でやってのけられる訳!?あたしを悶死させるつもり!?///」

「ぇ……ぇと…///」

まだ意識がぼんやりしている中で、突然二人から抱き付かれて訳が分からず戸惑うレモン。
そんな中で籾岡が――。

「もーダメ…、もーー我慢できない…。レモりん、そろそろコレ行っとこう!」

「へ…?」

その言葉の意味を理解しようと、未だに焦点が合わない目を凝らして、今さっき籾岡が手に取った物に目を向ける。………と。

「な……///」

籾岡が手に取った物――。
それはいわゆる、男性器を模したバイブレーター。
その事が余程衝撃だったのか、虚ろだったレモンの意識は一気に覚醒した。

「ちょっ、ちょっと待って!!?ボクそんなの――!!///」

「大丈夫大丈夫♪コレ細身だから初めてでもそんなにキツく無いはずだよ。レモりんにはピッタリだって♪」

「そっ、そーゆー問題じゃ無くってぇ!!///」

「キャー!レモりんのヴァージンあたしが貰っちゃう〜♪」

「むー、ズルいよリサ〜。あたしだってレモりんのヴァージン欲しかったのに〜」

「へっへー、ざーんねんでした。こーゆーのは早い者勝ちだよ〜ん♪」

必死で抗議するレモンだが全く聞いてもらえない。完全に一つの目的の事で頭がいっぱいになっている様だ。

「じょ…冗談だよね…?幾ら何でも…そんな…///」

「レモりん、ちょっとパンツ邪魔♪」

「きゃあっ!!?///」

あっという間にレモンのパンツを剥ぎ取る籾岡。

107結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:27:26 ID:d7r2yoZ1(15)
「わぁ…、見てよ未央。レモりんのアソコ、キレイなピンク色♪」

「ホントだ。その上ヒクヒクしてエッチな液を垂れ流して…。やーらし〜♪」

「唯っち風に言うと『ハレンチ』だね、レモりん♪」

「や、やだぁ…。二人してそんなにじっと見ちゃ…やだよぉ…///」

籾岡にM字開脚状態に足を広げられ、自らの秘部を露わにされて恥ずかしがるレモン。
反射的に足を閉じようとしたが籾岡にガッチリと押さえられ、手で隠そうとしてもこちらは沢田がしっかりと押さえている。
おまけにさっきのやり取りで身体に全く力が入らず、完全な無防備状態となったレモンは
ただ顔を完熟トマトみたいに赤くして二人から目を逸らす事しか出来なかった。

「レモりん…、絶対狙ってやってるよね…?///」

「そんな事素でやっちゃうモンだからもっとイジメたくなっちゃうんでしょーが…///」

そしてその反応を見て欲情ボルテージのゲージが MAXとなる籾岡と沢田。
目がかなり危ない。

「じゃあレモりん、挿れるよ?挿れちゃうよ?挿れちゃうかんね?」

バイブのスイッチを入れると、無機質な機械音を発しながら先端が回り始め、
籾岡はソレをゆっくりとレモンの秘裂へあてがう。クチュリと厭らしい水音が響き、そして…。

「やぁっ!ちょっ、待っ――!///」

「待たない!てゆーか待てませんっ!!」

籾岡、欲求爆発。
その言葉と共に、レモンの膣内へバイブを射し込んだ。

「う……ぁああっ――!!///」

レモンが嬌声と悲鳴が混じり合った様な声を上げる。
挿入したバイブがズブズブとレモンの膣内をかき混ぜる様に突き進み、処女膜があるらしき部分で止まった。

「レモりん、もうちょっと力抜いて。こーゆーのグズグズするより一気にやっちゃった方が良いって聞いた事あるから」

「そ……そんな事言われても〜…///」

「レモりん、ちょっと深呼吸しよ?こーゆー時はまず落ち着かなきゃ」

「ぅ……ぅん……。すー………はー……///」

沢田に言われた通りに、何回か深呼吸を繰り返すレモン。
徐々に強張っていた身体から力が抜けていく。

「それじゃ、一・二の三で一気に行くから。いいね?」

その言葉に、レモンは無言で頷いた。

「じゃ行くよ?いち!にの!さんっ!!」

カウントスリーと同時に籾岡は勢いをつけてバイブを押し込み、一気にレモンの処女膜を貫いた。

108結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:29:30 ID:d7r2yoZ1(15)
「ぅ゛っ――んっんーーーっ!!///」

瞬間、レモンの顔が歪み、処女膜を失った痛みに耐える様に下唇を噛んだ。
バイブを根元まで深く飲み込んで、結合部から僅かに破瓜の証が滴る。
だが籾岡の勢いは止まる事無く、そのままバイブをピストン運動へと移行させる。


「やっ!はぁあっ!ちょ…ちょっと待って!ぁあ…あんまりっ!は…激しくしないでぇ!!///」

「ゴメンレモりん、あたしもう止まれそうにない!」

「そ…そんなぁ!ああっ!い…痛っ!うぅんっ!ぁ…あれ!?気持ち良い?ぅあぁんっ!わっ分かんないよぉ!!///」

痛みと快感が一遍に来る様な不思議な感覚に戸惑いながら、若干涙声でレモンが喘ぐ。
たっぷり濡れていた事とバイブが細身だった事が幸いしたのか、レモンの顔からはあまり痛々しさは感じられない。
が、それでもやはり痛みの方が勝ってる様で、時たまレモンの顔が見るからに苦痛に染まったり、
嬌声の中に悲鳴に近い様な物も混じっていたりする。

「あ、ちょっと待っててねレモりん。あたしが何とかするから」

沢田が片方の手でレモンの頭を撫でながら、もう片方の手にローターを持つ。
そして、ゆっくりとレモンの身体を撫でる様にローターを降ろしていき、ソレをそっと秘部の突起物にあてがった。

「ひぁあああっ!!な…何コレぇ…!あ…アソコがじんじんしてぇ…!」

「どう?コレなら少しは痛みも和らぐんじゃないのかな?」

沢田が気遣う様に、『大丈夫だよ』と言う様にレモンに笑いかける。
その言葉を証明するかの様に、さっきと比べて僅かに甘い声の度合いが増した様な気がする。

「ふぁあっ!あっ!はぅうぅっ!や、やだ…、ボク…ボク何か……気持ち良いのかなぁ!?///」

「レモりん可愛い♪もっと可愛いトコあたしに見せて///」

じゅぷじゅぷバイブを出し入れしながら、籾岡は無意識の内にレモンの唇に吸い付いた。

「んむっ…!ん…むぅ…ぅ…ふっ…!んんっ…ちゅ……んはぁっ!は……はんぅ……ぅ…!///」

どちらともなくお互いに舌を絡ませ合い唾液を口内へと流し込み合う。
ソレを飲み込んではまた舌を絡ませ合って唾液交換。
そんな深いディープキスを飽きる事無く続けながらもバイブを動かす手は休めない。
むしろレモンとのキスで速度が更に上がっている。

「レモり〜ん…。あたしもぉ…、あたしもレモりんとチュー…♪///」

籾岡と唇を離して、粘っこく引き合う糸が切れない内に今度は沢田がレモンの唇に吸い付いた。

「んんーっ!?ん……むふぅ…!ちゅる……ふわぁ……はぅっ…!んんっ!///」

息継ぎする間も無く沢田に舌をねじ込まれ、少し苦しそうなレモン。
なんとか僅かに開いた隙間から呼吸を続けながら、先程籾岡としていた事と同じ事を今度は沢田とし合う。

「ぢゅる……ん……ふぅっ…!ぅ………ちゅ……んんっ………んはぁ!はぁ……はぁ……はぁ……はうんんっ!///」

109結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:31:43 ID:d7r2yoZ1(15)
沢田と唇を離し、糸を引き合いながら呼吸を整えようとしたが、間髪入れずにまた籾岡がレモンの唇に吸い付く。
そして再びディープキスをし合った後、唇を離したと同時にまた沢田が唇に吸い付き、同じ事をして唇を離すとまた籾岡が――。
そんな事を延々と続けている中でレモンは軽い酸欠になりそうになっているが、それでも舌は休めない。
理性など殆ど残っておらず、ただ自らの性的欲求――本能に導かれるままに二人と舌を絡ませ合う。

「ぷはぁっ!はぁ…レモりん凄ぉい…。どんどんエッチな液が溢れてくる…///」

「おマメの方も……凄く大っきくなってるよぉ…。はむぅ……///」

比例して、レモンの秘裂から大量の愛液が溢れ出して、動かすバイブも速度を上げていき、
突起物を攻め立てていたローターの押し込む力も強くなる。
ほんの数時間前まで他の生徒と一緒に勉強していた学び舎で、今――女三人で淫猥な禁断行為をしている…。
その事に背徳感を感じながらも、それすらもこの行為を更に燃え上がらせる媚薬となって三人の性欲に拍車を掛ける。


そして――。


「ぷはぁっ!ああっだめ止めてぇ!!ま…またぁ!あんっ!ボク……またいっちゃ!ひゃあっ!またいっちゃうよぉ!!///」

「イってぇ!レモりんのイク所、もう一回あたし達に見せてぇ!///」

「遠慮しなくていいよぉ!気にせず思いっ切りイっちゃいなってぇ!///」

「ふぁあああっ!だ、だめだめだめぇ!!もうだめ!もうだめ!もうだめだってぇ!!アァァァーーー――!!!///」







―――――







「………サ…、リサ、いい加減起きなってば」

「………ふぇ?」

ま、当然ながら夢オチな訳で…。
沢田に身体を揺すられて籾岡はようやく目を覚ました。

「ん……ぅ゛ーん…………ぁれ?レモりんは?」

「とっくに帰っちゃったよ、ララちぃと一緒に。今日は部活も無いから春菜もさっさと帰っちゃったし、てゆーか今校内に残ってんの多分あたしとリサ位だよ?時間が時間だしあとヨダレ出てる」

「へ?」

沢田に言われて、制服の袖で涎を拭いながら辺りを見回すと、時計は下校時間ギリギリを指して、
空も既に夕焼けへと変わってカラスがカーカー鳴いていた。

「ぁー……、あたし寝ちゃってたのかぁ…。……て事はやっぱりさっきのは夢…」

冷静になって考えれば可笑しな場面はいっぱいあったのだが、それでもやはりショックだったのかガックリヘコむ籾岡。

110結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:34:49 ID:d7r2yoZ1(15)
「?、どーかしたの?『夢』って何の話?」

「…………聞きたい?」

「うん」

「いや〜………実はね…」

「うん」

「……」

「……」

「……」

「……………リサ?」

「…………………………その前にちょっとトイレ行ってくるわ…///」

「はい?」

疑問符を浮かべる沢田をよそに、籾岡はそそくさと(若干内股気味で)トイレへ向かった――。


――――――


「はぁ〜…、そんなスゴい夢見たんだ…」

「まぁ、今考えれば変な所がいっぱいあったもんね〜。ちょっと残念だけどさ…」

「あれ?って事はさっきトイレに行ったのは――」
「おぉーっと未央サンッ!!それ以上はいけませんよ!?あたしとて清純な乙女なんですからね!!OK!?」

「ぁ………ぅん分かった…。これ以上は何も言わない…」

籾岡の勢いに押されて、マンガみたいな汗を掻きながら口ごもる沢田。

「ところで未央さん、物は相談なんだけど…」

「何かな?」

「実はさぁ〜…、近い内に『ある物』があたしん家に届くんだけどさぁ〜…」

「ある物?それって…?」

「『夢で使ったのと同じ物』……と言えば分かるかな?」

「……っ!!」

籾岡がそう言った瞬間、沢田の身体が硬直する。

「リ……リササン……、それって……どーゆー…」

「フッ…、もうあたしの言う事は分かってるんでしょ相棒?」

111結城零紋の受難 番外編(リサミオ編) :sage :2008/03/20(木) 23:36:52 ID:d7r2yoZ1(15)
口の端が吊り上がり、沢田の肩を両手でガシッと掴む。そして――。




「現実に………してみたくありませんか?」




怪しさ120%の笑顔でハッキリそう告げた。

「そ……そんな……」

沢田はおもわず顔を俯かせ…。

「そんなのって………!」

身体をブルブルと震わせ、そして――。




「面白いに決まってるじゃないですかぁ♪」




こちらも怪しさ120%の笑顔でハッキリそう答えた。

「よっしゃ!流石親友、話が早い♪」

「当然でしょ?こんな楽しそうな事そうそう無いでしょうが♪」


「問題はどーやってその場面まで持って行くかよね〜…」

「まぁ、それは追々考えましょう。時間はまだたっぷりあるんだから♪」

「そうだね、あたしと未央が組めば出来ない事なんか何もないもんね♪」

「そうそう♪あたし達に不可能な事なんか無ぁい!だから今回のこの作戦も――♪」

「「イッヒッヒッヒッヒ――♪」」

二人の怪しげな笑い声が、夕焼け空に響き渡った…。







『ゾクッ!!』

「どしたのリト?」

「いや、何か寒気が…」

112むに :sage :2008/03/20(木) 23:42:48 ID:d7r2yoZ1(15)
投下終了です。

さて、そろそろ本編の方を進めようと思っています。楽しみにしてもらえると幸いです。

113名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/20(木) 23:56:11 ID:Bb/f+yTf
>>112
ヤバいヤバいよ〜番外編で一番ヤバかったよ〜
続き楽しみにしてますぜ!GJ!!

114名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 02:45:25 ID:2RzwNrPA(2)
>>112
レモンキターッ!
GJ以外のことばが見当たらない。本編も楽しみにしてます。

115名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 12:11:34 ID:QFM6FNxw(2)
>>112
GJ!続き楽しみだ

ところで
ザスティン×沙姫とか有るんだが投下していいか?
ちょい長いかも

116名無しさん@ピンキー :age :2008/03/21(金) 13:40:48 ID:H5InmZ5W(2)
>>115
無問題
さぁ、早く投下するんだ

117名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 13:52:43 ID:fntVK9ap(2)
>>115沙姫様の出番が・・・きたー!
早くお願いします!
あと、神絵師が女リトを書いてくれるとうれしかったりする
俺は絵駄目駄目だから無理だ

118名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 14:01:19 ID:QFM6FNxw(2)
115だが。
需要あるようで嬉しい。
今から出かけるから夜になると思うんだが、
できるだけ早く戻ってくるようにする。


119名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 14:03:25 ID:fntVK9ap(2)
よし!頼むぜ!期待してる

120名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 18:12:57 ID:pG0ai2xd
神って複数人いるんですね
初めて知りました

121名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 20:14:35 ID:sIyc0bjW(3)
今帰ってきた。
ザスティン×沙姫投下します。

だいぶ長いと思う

122クイーンの想い 1 :sage :2008/03/21(金) 20:28:28 ID:sIyc0bjW(3)
雨上がりの道路は独特の雰囲気を持っている
花の葉っぱについた雫、溜まった水溜りが太陽の光に照らされて光る。
運がよければ虹も見る事ができるだろう

プラチナブロンドの髪を縦ロールにした、いかにもお嬢様な雰囲気をだし、
天条院沙姫はそんな道を歩いていた

彼女は別に散歩が趣味だからとこの道を歩いているわけではない。

「(き、来ましたわ!)」

電柱の影にそっと隠れるようにして見る。
彼女の視線の先には
自転車カゴの中にたくさんのスーパーの買い物袋をいれてこいでいる
黒服の男・・・ザスティンがいた。

「(今日も、素敵ですわ・・・)」

うっとりとしばらくその姿を眺める。
ここの道をザスティンが毎日通ると知ってからというもの、
これが沙姫のいつも一緒にいる綾や凛も知らない秘密の日課となっていた。

123クイーンの想い 2 :sage :2008/03/21(金) 20:34:50 ID:sIyc0bjW(3)
「(ザスティン様・・・)」
出会って恋に落ち、様々なアプローチを掛けてきたものの、
今のところすべて失敗におわり、
逆に彼に恥ずかしい姿を晒してしまったりしていた

しばらく眺めた後、電柱から顔を出し
何事も無かったかのようにまた歩き出す

短時間ザスティンを眺め、すれ違うだけだが、それでも沙姫は十分だった

しかし、今日はいつもと違った。

いよいよすれ違おうとしたときである

『ビシャ・・・っ!!』

「きゃ・・・?!」

自転車が水溜りの上を走ったのと同時に水が跳ね、
同時に沙姫の服を濡らしていた

124クイーンの想い 3 :sage :2008/03/21(金) 20:58:27 ID:QwI6h9Lv(13)
「・・・っ!申し訳ありません!」

驚いたザスティンが慌てて自転車から降りて謝罪する

「あぁ・・・貴女は」

ザスティン自身、沙姫に見覚えがあるので余計に悪い気がした

「べ・・・別に、構いませんわ・・・っ!」

沙姫はただ、今ザスティンと自分が見つめあい、話している事にドキドキしていた
思っても無い出来事である

「いいえ、私の責任です。本当に申し訳ありません・・・・。」

「そんなに謝らないで・・・」

「いいえ、ララ様のお知り合いの方に風邪など引かせるわけにはいきません。」

しばらく考えるようなしぐさをしてからザスティンは思いついたように言った。

「そうだ。私の家に行きましょうか。
濡れた服を乾かしたりしないといけませんからね。」

「え・・・えっ?!それは・・・本当、ですの?」

「えぇ。責任を取らせてください。
あぁ、家はすぐ近くなので大丈夫ですよ。」

突然降って沸いたチャンスにただ沙姫は喜ぶ事しかできなかった。

「じゃ・・・じゃあ、お言葉に甘えさせていただきますわ。」



なんてことはない、普通の家だったが、そんなことはもう沙姫にとってどうでもよかった

「シャワーはこちらです」

「シャワー・・・?」

「濡れたのは服だけではないでしょう?泥水を被ってしまったんですから。
狭いところですが十分に機能しますから。乾燥機の中に濡れた服を入れていただければいいです。」

"ニコ"と笑う顔に沙姫のドキドキは高まるばかりだった。



脱衣所の中で濡れた服を脱いで言われたとおり乾燥機の中に入れてスイッチを押す

下着はかろうじて濡れてはおらず、ホッとしながらバスルームに入った


125クイーンの想い 4 :sage :2008/03/21(金) 21:13:52 ID:QwI6h9Lv(13)
「今日このようなことになったのは・・・
このチャンスは神様かなにかが与えてくれたものなんですわ・・・」

神などあまり信じているわけではないが、何時までも告白できない自分にはちょうどいいことだと思った

いつも邪魔をするララ達ももいない。
頼りになる凛と綾がいないのは心細いが、告白は自分ひとりでやるものだ。

つまり、本当にチャンスなのかもしれない。

脱衣所においてあったバスローブに身を包んで沙姫は決意した。

「(今日は・・・今日は言うんですわ。)」

+

「あぁ、よかった。バスローブがあって。服どうしようかと思っていたんですよ」

沙姫を椅子に座るように促してから自分も座った。
目の前のテーブルには、暖かそうなお茶。湯冷めを考えたザスティンの優しさだ。

「それ、どうぞ」

「あ、ありがとうですわ・・・」

一つ一つにドキドキを感じながら部屋を見回した。

「余り、物がありませんのね」

見る限りベットなど最低限生活に必要なものはそろっているが、基本的に物が無い
それが沙姫には不思議だった。

「えぇ。ここには本当にたまにしか帰ってきませんから。普段は仕事が忙しく、仕事場で寝泊りばかりで」

「そうなんですの・・・」

「それより、貴女に謝る事がありました。」

「え?」

「以前はお食事に誘っていただいた事もあるのに何も言わずに帰ってしまい・・・」

スポーツフェスティバルでのことだ。
確かにそんな約束をしたものの、ララの所為で恥ずかしいところを見せてしまった事がある

「別に、気にしてませんわ・・・。私こそ、都合も聞かずに頼み込んで・・・」

「そういっていただけると嬉しいです。」

『ピーーー』

乾燥機の音が鳴る。

「ああ、乾いたみたいですね」

乾燥機から沙姫の服を取り出し、そのまま手渡す。

少し指先が触れ、思わず指を引いてしまった。


126クイーンの想い 5 :sage :2008/03/21(金) 21:25:53 ID:QwI6h9Lv(13)
「・・・沙姫殿?」

「は、はいっ。着替えてきますわ」

半ば強引に服を受け取り、再び脱衣所で着替える

「(な・・・名前を呼ばれてしまいましたわ)」

先ほどからドキドキしっぱなしだ。

「(頑張るのです。今日、今日だけがチャンスなのですから)」

+
完全に覚悟を決めた沙姫に待っていたのはつらい現実だった。

「では、そろそろ出ましょうか」
「え・・・・?」

「服も無事に乾きましたし、コレで風邪を引く心配もありません。
今日は本当に申し訳ありませんでした。」

「そ、んな・・・」

だがザスティンの言う事は正しい。
ザスティンは沙姫に風邪を引かせないために家に立ち寄らせただけであり、
特にそれ以外にここにいる意味は無いのだ。

「ちょ・・・ちょっとお待ちになって!」

先に外にでようとしたザスティンを引き止める。

「まだ、何かありましたか」

困り顔で聞いてくるザスティンに沙姫は勇気を出して言った。

「わ、わた・・・私っ!貴方が・・・ザスティン様の事がっ・・・」

「沙姫、殿?」

今日頑張らなければもう一生チャンスは来ないかもしれない。


127クイーンの想い 6 :sage :2008/03/21(金) 21:37:22 ID:QwI6h9Lv(13)
「好き・・・なんですわっ・・・!」

言い切ったあと、短い沈黙が空気を包む。

「・・・・・・・・・・」

無言なのが余計につらかった。
せめて、『ご冗談を』と言ってくれたなら諦めがつく。

「駄目なら・・・駄目ならせめて、せめて一晩でもいいですわ!お願い、お願いですわ。
それならもう・・・あきら、め、ますから」

最後途切れ途切れになったのはなぜだろうか
目が熱いのはなぜだろうか

一晩でもザスティンに愛されるのなら、本望だった。

だが、現実は本当に辛いものだ

「申し訳ありませんが・・・私は恋人以外の方を抱く事は出来ません。
一晩なら、とかそういうわけにはいかないんです」

「・・・っ・・・」

分かっていた事が、こんなにも辛いとは思わなかった。
自然と涙が溢れ出していく。

「すみ、ません・・・すみません・・・」

「そんなに泣くまで、私のことを?」

「・・・貴方に、出会って、から、一目ぼれってヤツ、ですわ・・・
すみません、ご迷惑を、おかけ、しましたわ・・・」

「沙姫、殿・・・」

「私は・・・私は・・・わたくしは・・・」

128名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 21:39:53 ID:QwI6h9Lv(13)
すみません、また用事が・・・;
20分ぐらいして戻ってきてから続き書きます
読んで頂いている方、少し待っててください

129名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 21:44:10 ID:H5InmZ5W(2)
割り込んで済まないが
できれば完成してからいっぺんに投下してくれると有り難い

書きながら投下してるにしちゃ妙に早いがもう完成してるの?

130名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 21:48:43 ID:QwI6h9Lv(13)
ああ。一応完成している。
本当に悪い

131クイーンの想い 7 :sage :2008/03/21(金) 22:19:22 ID:QwI6h9Lv(13)
すみませんでした。今度はラストまで行きます。

----

これ以上惨めな姿を見せたくなくて家を飛び出そうとした。



「な、にを・・・するんですの」

「先ほど私は恋人以外の人を抱く事はできないといいましたね」

「えぇ・・・」

「行かないでください。もう少し、話を聞いてください」

「・・・わかり、ました」

フられた以上、もう何を言われてもいいと思っていた。

「私は、今の私は、貴方を抱く事が出来ます」

「何を・・・」

わけが分からない

「何故だか言いましょうか」

「・・・・」

「私も、貴方が好きだからですよ」

「何を・・・言っていますの?私、意味が分かりませんわ。だって貴方は先ほど・・」

言ったじゃないか"恋人で無いなら抱けない"と―
という言葉はかき消された

急に奪われるような形のキスで。


「ザスティン・・・様・・・?」

何が起こったかわからなかった。

「これでも、信じてはもらえないでしょうか。」



132クイーンの想い 8 :sage :2008/03/21(金) 22:29:33 ID:QwI6h9Lv(13)
信じるも何も、何がなんだか分からない。

「私も・・・その、恥ずかしいのですが以前からララ様に貴女のことを聞いておりまして
話を聞くたびに一度お会いしたいと思いましてね、あなたの車を持ち上げた時、とても素晴らしい方だと思ったんです」

「・・・・・・」

沙姫はただ、話を聞いていた。

「いつも貴女はあの道で歩いているでしょう?
とても素敵な偶然だと思って、毎日会うために私はあの道を通っていたんですよ」

あの道・・・いつも沙姫が待ち伏せして得ていたささやかな幸せの時間。
アレを彼も同じ気持ちで通っていたとは知らなかった。

「いつものようにすれ違うときに、今日はこんなチャンスも訪れた。嬉しかったですよ。」

「なら・・・私のことが好きだというのなら・・・どうして、さっきあんなふうに・・・」

「貴女はとても素晴らしい方です。私を中途半端な憧れで好きだと勘違いされては困ります
貴女の幸せを考えてだったんですが。貴女が本気で私を好きになってくれているとは思いませんでしたから。」

「・・・・・」

「だから、もう迷わないと決めました。そしてキスをした。」

133クイーンの想い 9 :sage :2008/03/21(金) 22:56:16 ID:QwI6h9Lv(13)
「では・・・証拠を見せて、いただけるの?」

「えぇ。貴女が望むなら。」

+

めったに使われないベットは冷たく、沙姫にとっては硬いものだった

「ん・・・ふっ・・・ちゅ、・・・あ」
「ん・・・・」

互いに唇を重ねあい、舌を絡めあう。

「は、ぅ・・・」

「服、いいですか」

こくんと頷く沙姫に承諾をとり、ゆっくりと服を脱がせていく。

「あっ・・・」

首元に顔を埋め、ぺろりと首筋を舐めると、キツく吸って後を残す

「み、見えますわ・・・そんな、ところ・・・ん」

「見せ付けるといいですよ」

「あ、はっ・・・ザス、ティン様っ」

沙姫の胸を片手で揉みしだき、先端を軽く弄ってやると嬌声が漏れた
反応に手ごたえを感じながら、もう片手はスカートの中へ忍ばせる

「あ・・・ひゃっ・・・」

太ももを優しく撫で、下着に触れる。

134クイーンの想い 10 :sage :2008/03/21(金) 23:16:41 ID:QwI6h9Lv(13)
「濡れてますよ・・・こんなだ・・・」

「や、め・・・言わない、でくださ・・・」

スカートと一緒に下着も脱がせ、沙姫の足を立たせる

「あ・・・や、恥ずかし、いですわ、こんな格好・・・」

「いい、ですよ凄く。ココは、どんどん溢れてくる」

舌でぺろりと舐めていく

「ん、んっあ・・・そ、こ熱い・・・なんか熱い、の」

「ココですか?」

指を沙姫の愛液で濡らし、ゆっくりと中に挿れていく

「あ・・・っは、あ・・・あぁっあ・・・」

第二間接あたりまで挿れ、ぐるりと沙姫の中をかき回す
親指で膨れているそこを弄ってやると、耐え切れずに声が溢れる。

「あ、は・・・っあ、や、ザスティン、様、変に、な・・あぅ・・ん
あんっあ・・・はんっ・・・ああんっ」

硬く、狭かった内部もゆっくりと蕩けだし、指を求めだしてくる。

「そろそろ、ですね・・・いいですか」

カチャリと金属音をさせてズボンの中から自分を取り出し、そこにあてがう

「あ・・・ぅ・・・」
「怖い、ですか」
少し、だけですわ。と訴えてくる愛しい人に

「力を抜いていてください。辛いなら、私の肩にツメを立てて構いません」

「は、い・・・・・・ん!!」

一気に突き立てるとさすがに苦しいような顔をする。

「あ、あっ・・・はぁっあ・・・ぅ」

「すみません、キツいですか」

135クイーンの想い 11 :sage :2008/03/21(金) 23:25:48 ID:QwI6h9Lv(13)
「もう、いい・・・ですわ、いい、から・・・っ」

早くという訴えを叶えてやろうとじっくりと腰を使っていく

「あ、ぁぁっあんっは・・・あ、やぁ・・はぁんっ!」
「いい、ですよ凄く。あなたの中は、とてもイイ・・・」

「あ、ぁザス、ティン様、あんっぁはっ・・・あ」

「ここ・・・か」

感じる箇所を的確についていくとさらに淫らな声が聞こえる

「あ、はぅ、ザス、ティン、様、も・・・ぁあんっは・・・イ、イ・・・凄く
もう、は・・・我慢、できな・・・」

「っ・・・私もです・・・いきますよ」

一気に激しく動かし、攻め立てていく

「あ、も・・・駄目、で・・・あぁぁんっ!!」
「・・・・っ」

ビクリと跳ねて沙姫がイくのを見届けると同時に中から取り出し、
沙姫の腹上に射精した

136クイーンの想い 12 :sage :2008/03/21(金) 23:37:53 ID:QwI6h9Lv(13)
「次は、いつ会えるのでしょうか」

ベットの上は行為前の冷たさをなくし、すっかり熱くなっていた。
沙姫はほとんど夢心地みたいに満たされた顔でそういった

「どうしたんですか、そんな事を。いつでも会えるじゃないですか」

「もしかして、また私にあそこの道を通れと言うのですか?もう、恋人なのに・・・」
「そうではないですが・・・」

「それに、家がココだと分かったところでお仕事が忙しいのならここで待っていても駄目ですし」

「不安ですか?」

「・・・少し、だけ」

「安心してください。一晩だけではないと約束したでしょう。そうですね・・・それでは。」
バックの中から携帯電話を取り出すと、番号をメモ帳に書いて渡す。

「これは?」

「私の番号です。会いたいときはコレに電話してください。
―必ず、会いに行きます。」


学園のクイーン天条院沙姫の想いは
こうして見事報われる事になりました。


137名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/21(金) 23:39:34 ID:QwI6h9Lv(13)
終わりです。
長い上に改行多数、途中で抜けるなど
色々ありましたが読んでいただいてありがとうございました。


138名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/22(土) 00:02:35 ID:2RzwNrPA(2)
>>137
いえいえ、GJですよ!

139名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/22(土) 09:55:36 ID:p8YtkdBh
>>137
GJGJ全然GJ!!

最近沙姫様少なかったしありがたや〜ありがたや〜

140名無しさん@ピンキー :2008/03/22(土) 12:38:11 ID:Kz/Tiy7V
本当にGJな作品です!実は、ララ+リト×金色の闇を考えたのですが
・・・やっぱりこのような感じの系統は嫌いですか?

141名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/22(土) 13:11:14 ID:nusJSaaQ
>>140
問題ない
むしろ書いて下さい><

142名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/22(土) 13:30:33 ID:EaAhTXOu
その絡みは一度見たかった。おねがいします。

143名無しさん@ピンキー :age :2008/03/23(日) 11:04:48 ID:KRddH6FD(2)
さぁ日曜日がやってまいりましたw

144名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/23(日) 12:24:55 ID:mK4OTHAS
wktk

145名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/23(日) 23:11:23 ID:4jwi/3eb
日曜日もあと少しで終わるな

146名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/23(日) 23:19:48 ID:KRddH6FD(2)
そもそも期待してる理由が日曜に投下が多いってことだけだしなw

ただ少しでも投下しやすい雰囲気が作れればと…

147名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/24(月) 03:59:23 ID:2JjbpUlH
春菜の話まだでぃすか?

148名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/24(月) 11:39:14 ID:PlipUpvZ
此処ってss職人何人なんでしょうか?

149名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/24(月) 12:49:56 ID:t9s1r6Yt(2)
トリ付けてる人がほとんどいないから詳細は分からないけど、10人以上は書いたんじゃないか?

150名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/24(月) 13:20:08 ID:3A8oVN8l
みかんマダー?

151名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/24(月) 15:16:38 ID:jT8jF3w+
今いるのは
むにさん・ヤミ金さん・妖さん・唯とリトの人・トラブルガールズの人・看病SSの人
他誰かいる?

152名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/24(月) 16:03:19 ID:2VkQUIdx
黒リト日記の人来ないかな〜

153:sage :2008/03/24(月) 23:52:14 ID:SdLcxyBB(2)
ん〜
新しくスレ建てたらいけないだろうか?

154名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/24(月) 23:56:36 ID:t9s1r6Yt(2)
>>153
投下で350くらい食うなら良いんじゃない?

155:sage :2008/03/25(火) 00:06:01 ID:SdLcxyBB(2)
いやいや、そういう投下スレではなく
エロパロ職人育成スレww
正直言うなら俺以外もいると思うけど、1つのスレに密着ってのは少ないと思う
他のスレと掛け持ちが多い

156名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 00:18:35 ID:KiFd4nl+
似たスレは無いのかな。

157名無しさん@ピンキー :age :2008/03/25(火) 00:25:28 ID:OUUcrPEj(5)
エロ無しを立てたらどうかな?

158名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 01:00:53 ID:i+Uo2yi7
ジャンルごちゃまぜだがエロ無しはあるぜよ

159名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 01:39:17 ID:OUUcrPEj(5)
>>155
それは「とらぶる」でエロパロ職人育成ですよね?

>>158
ジャンル?

160:sage :2008/03/25(火) 13:17:45 ID:vxSAVkXd(4)
>>159
いやエロパロ全般職人

161名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 13:33:27 ID:OUUcrPEj(5)
>>160
と、なると俺にはもうよく分からんです…

162:sage :2008/03/25(火) 13:48:26 ID:vxSAVkXd(4)
最近は
『保守』『職人光臨まち』『おまいが書け』
などのレスがほとんどになってきているため

それを防ぐために職人を育成

163名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 13:56:38 ID:J3DuxIwR
職人育成ってどういうこと?

164名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 14:17:59 ID:jRVJ0UI8
SSを練習するための場所を設けるんじゃない?

165:sage :2008/03/25(火) 15:38:09 ID:vxSAVkXd(4)
練習投稿→指摘→改善→練習投稿→おk→職人?

166名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 17:21:40 ID:mfUVITsV
まぁ、ここでする話ではないと思うよ?

167名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 18:42:57 ID:OUUcrPEj(5)
妖氏が立てるにはなんの問題もないケド
自分勝手な意見だがそれで「とらぶるの職人」が増えるとは思いにくいなぁ

てことで妖氏におまかせしますm(_ _)m

168名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 20:44:10 ID:fwozPpxB
悪いけど他力本願

169名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 20:50:36 ID:OUUcrPEj(5)
俺は文才以前の問題でOUTだからな
悪いケド俺も>>168と同意見デス

今は妖氏の書くと言った凛のために生きてる

170名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 21:22:46 ID:diUP7l3g
現状維持で大丈夫だと思うが…職人が0ではないのだから
続きが書き終わらない自分が言っても説得力ないけどねorz

171名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/25(火) 23:54:37 ID:dfQ6F88I
隊長!気をつけてくださいww

172:sage :2008/03/25(火) 23:55:26 ID:vxSAVkXd(4)
おk
じゃぁ俺ががんばって書くわ
後希望あったら言って 可能な限り取り入れるから
5.6話目にいくと、セクロスもまんねりかして
似たような形になるから

173名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 00:16:54 ID:KvR1ajp+(3)
>>172
書いたキャラ
御門・ヤミ・ララ
書く予定のキャラ
春菜・唯・美柑・凛・リサミオ・ルン

今のところこんなカンジ?
順番はお楽しみでつか?

174名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 00:22:49 ID:1bcjC7Gy
複数プレイが読みたいです

175名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 00:46:14 ID:5fljSrUL(2)
複数回プレイ良いね!
自分は唯モノが読みたいであります

176名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 01:31:25 ID:KvR1ajp+(3)
>>174-175
噛み合ってなくないか…?

177名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 01:44:22 ID:5fljSrUL(2)
>>176
すみません
>>174の言う複数を複数人ではなく、なぜだか複数回と認識してしまいました

唯に叱られてきます…

178名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 07:23:54 ID:6SPX0chz(2)
ハレンチな!!

179名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 16:54:40 ID:KvR1ajp+(3)
とりあえず純愛系がイイナー
複数はちょっと…

180名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 17:08:43 ID:ZI0jARcY
俺はどっちでもいいぜ
純愛でキュンキュンもしたいし
複数でハァハァもしたい
(*´Д`*)

181名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 19:22:24 ID:CMzivUpU
女キャラは好きなのに男キャラに好きなのが居ない
オリキャラ出すのもめんどいしなぁ
どうすりゃあいいかな

182名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 19:31:16 ID:6SPX0chz(2)
オリキャラは原則的に禁止なはず…
違ったらスマソ(´・ω・`)
とりあえずルンが見たくて仕方がない。

183名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 20:12:07 ID:EhFO7C7M
禁止というか、メアリー・スー傾向を嫌うから使用しない方がよい、ということだろう。

>>181
そういうときは、書かないのが一番だと思う。

184名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 20:27:02 ID:69XzCia/
オリキャラ起用って「これでやる意味あるの?」って事に陥りやすいからね。
かなりの力量が問われますよ。多分死にネタより難しいと思う。

185:sage :2008/03/26(水) 21:01:45 ID:mc/p8bRS
>>181
なら、自分が理想とするキャラに改変したら?

186名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 21:20:31 ID:4ZhwEFEs
とりあえず檸檬の絵が見れたら何でも良いよ

187名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/26(水) 22:07:36 ID:Ln1GRuNJ
リトを理想のキャラ設定にすれば?
何か委員に入ってたりとかww

188名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 01:01:53 ID:0Bh9Rkr8
リト唯ならどんなにリトのキャラ変わっててもおkなんじゃね

189名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 01:47:56 ID:JvCoDdz3(2)
ララの発明でなんとでもなりそうだぜ。

190名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 01:59:43 ID:N3x4eXLv(2)
とらぶるはお約束展開とご都合主義でできてるから
ある程度ならナニヤってもおk

191名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:25:01 ID:DwMF4jFu(2)
とりあえず>>100-109のレモンを下手なりに書いてみた
スタイルやら顔やらはもろ俺の趣味だが一応ララ以上って設定は守った
ミサリオファンの方々二人適当だからってそんな怒らないで下さい
http://imepita.jp/20080327/438420


192名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:27:38 ID:JvCoDdz3(2)
ちょ、見えないぜ。

193名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:27:56 ID:RrQDCaQ+(4)
男キャラ一覧
リト
レン
猿山
ザスティン
ザスティンの部下
ギド
栽培

流石先生
弄光先輩
池面先輩
骨川先生
ヤング骨川
的目あげる
校長

他にも花婿候補とかの宇宙人達、リトの後輩とかいたけど名前忘れた

194名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:28:47 ID:RrQDCaQ+(4)
>>191
3分で削除とか

195名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:30:46 ID:DwMF4jFu(2)
ミサリオじゃなくてリサミオだった・・・
ミサとか俺デスノート乙

因みに絵は早めに消します

196名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:38:11 ID:RrQDCaQ+(4)
>>195
まず張り直しな

197名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:40:39 ID:IQURxNwb
PCだめなのか
>>191見れなくて俺涙目

198名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 12:43:27 ID:RrQDCaQ+(4)
>>197
ファイル自体なくなってる
ひょっとしたら釣りかもしれんな

199名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 13:27:01 ID:N3x4eXLv(2)
なんだ、誰か投下したと思ったから来たのに…

200名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/27(木) 21:37:47 ID:TuXXTHGG
嫌がらせイクナイ

201名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/28(金) 01:35:19 ID:LhGdaWJ+
無念……!

202名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/28(金) 18:49:04 ID:vgA5m+YI
画力さえっ・・・!画力さえあればこんな俺でもみんなを楽しませられるのにっ・・・!

203名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/28(金) 18:54:40 ID:HIoVsCus
>>202
絵は難しいよね。その気持ちだけで十分だよ
それよりもあなたがSS職人さんならば早く新しいSSを書くのだ!

204名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/28(金) 19:08:37 ID:oiZTTZ7M
一応描けても、なまじ矢吹が神すぎて
みんな目が肥えてる('A`)

205名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/28(金) 19:19:48 ID:2q8eqK+0
リトの目をも少しクリにして髪のばしてチチ出して表情に面影残すカンジ?

206名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/29(土) 20:34:16 ID:mA7uf79w(2)
@ヤミ被レイプ
Aヤミ×みかん【レイプ】
Bリト×ヤミ【レイプ】
Cラコスポ×ヤミ(&ララ)【レイプ】

さぁ好きなものを選ぼうか

207名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/29(土) 20:36:15 ID:mA7uf79w(2)
連投すまない
@を消し忘れた

まぁ選んでもらったら書くがかなり時間がかかるのでそこは覚悟してほしい

208名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/29(土) 20:38:23 ID:967THIYt
じゃあ3で

209名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/29(土) 20:43:45 ID:yJxVg9lC
2or3だな
4は見たくないデスw

210名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/29(土) 21:18:04 ID:HYzwD9td
3で。

211名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/29(土) 21:46:52 ID:NJcdz7Pc
俺の脳内が満場一致で3を可決した

212名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/29(土) 21:55:40 ID:Yir4zVFN
3だな

213名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/30(日) 01:19:39 ID:wlAs6Nsb
今日は一日全裸で過ごします

風邪はもうひいてるので大丈夫です

214名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/30(日) 01:31:45 ID:jyvu7E5+
死ぬぞw

215名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/30(日) 02:51:57 ID:ivkKUHGM
>>206だけど3を今日から書き始めるよ

とりあえず4〜6日くらい毎の投下になると思うけどそこは勘弁

216名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/30(日) 06:30:47 ID:ntYSJVog
レイプ以外の選択肢が無いのに絶望した

217名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 06:01:12 ID:/wJnE4yg
さぁ日曜日

218名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 08:05:49 ID:PyeVViLe(2)
月曜日(´・ω・`)

219名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 08:07:30 ID:TVYqxAqE(2)
(´・ω・`)

220名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 09:16:29 ID:/5b1JYxK(2)
へっくしゅん!

…さ、仕事仕事

221名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 12:50:46 ID:PyeVViLe(2)
>>220
いいんだ…
もういいんだよ。
全裸で待たなくても…

222名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 14:24:27 ID:TVYqxAqE(2)
>>220
花粉症なの?全裸なの?

223名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 18:23:43 ID:R+hOm8rn
今週号





リトが花屋なのは、ヒロインに(子)種を植え付けるからだ
と考えた自分は末期

224名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 18:53:30 ID:/5b1JYxK(2)
花粉症です。全裸でした。今はパンツ一丁です。

あぁ、百合が見たい…

…レモンがいるじゃないか!

225名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 19:43:19 ID:gcT9lQMZ
>>223
その発想は無かった
が、そのせいで俺の股間がヤバいことに

どうしてくれる…


226名無しさん@ピンキー :sage :2008/03/31(月) 20:56:13 ID:I7pYMdE9
>>225
つまり要約するとリトで勃ったから責任取れと?

227名無しさん@ピンキー :age :2008/04/01(火) 12:26:48 ID:bMvljVbk(5)
誰かが唯の官能小説を出し惜しみしてるみたいだぞ

228名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 12:55:49 ID:YKUQOgy2
嘘だったらどうしよう。

229名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 14:52:00 ID:2RSZ84e2
>>227
あぁ、キャラスレで言ってよな誰かが

230名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 16:46:11 ID:bMvljVbk(5)
思い出した
今日は…

orz

231:sage :2008/04/01(火) 19:20:52 ID:SWoyQK45(2)
完成しました。
投下したいと思います。

232名無しさん@ピンキー :age :2008/04/01(火) 20:10:45 ID:bMvljVbk(5)
キッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッター!!!

脱ぎます

233:sage :2008/04/01(火) 20:46:22 ID:SWoyQK45(2)
うそです

今日は・・・・・・・・・・・・・・・・・


だからwww

234名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 20:48:40 ID:/lAmCOgp(2)
チィ…


風邪引くからズボン穿くか…

235名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 20:58:15 ID:/lAmCOgp(2)
連投でスマン

今日は4/1か…今気づいた(ヽ'ω`)

236ジャンプ18号から・・・ :sage :2008/04/01(火) 21:17:53 ID:WuIkuZJm(5)
唯たち一行は北の大地にいる大魔王のもとへ行くため、
森を歩いていた、道中、モンスター、ベロモンと遭遇するも、
唯たちの活躍により、難無く退治し先へ進んで行った。

「なんなのこの世界は・・・非常識だわ!!」

唯はこのデタラメなRPGの世界に呆れていた。

「また結城くんに・・・見られたし・・・。 
それにしても、このハレンチな服なんとかならないかしら!」

先程、美柑の魔法により露にされた胸も、魔法効果が消えるとともに元に戻ったとはいえ、
両サイドに深くスリットが入れられた武闘服は、唯の言うとおりハレンチなものであった。

「え・・・?皆は・・・?」

服に気をとられたいた唯がふと気がつくと、前を歩いていたはずの3人の姿が消えていた。

「やだ・・・はぐれちゃったのかしら?」

辺りを見回したが、3人の姿は見当たらなかった。

「結城くーん!! 西連寺さーん!!」

呼びかけるも反応はなく、小鳥の囀りと草木の揺れる音が静かに聞こえるだけ・・・。

「こんなとこに1人にするなんて・・・!酷いわね・・・」

ガサ!!ガサガサ!!!

「ひぃ!?・・・ ゆ・・・結城くん?・・・」

突然、草木を掻き分ける音がし驚く唯。音のする方向を見てみると、
なにやら黒い影が唯へと向かってくるのが見えた。
その音は1人や2人のものではない・・・、いや1匹や2匹ではないと言った方が正確であった。


237名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 21:43:42 ID:bMvljVbk(5)
妖氏の悪質な嫌がらせwのせいで>>236にも騙されてる気がする
でも服は着ない


そんなことより妖さん早く凛書いてよ

238名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 21:46:12 ID:WuIkuZJm(5)
一応聞いておくが、ここから先はレイプ系になってしまったんだが、
ここの住人はレイプ系は嫌いか?
唯が犯される所見たくない人が多いならうpするのやめとく

239名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 21:49:01 ID:AiFMl9vq
コテ付けてNG出来るようにすればOKじゃないの

240名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/01(火) 21:49:57 ID:bMvljVbk(5)
イヤな人は見なければいい。それか>>239な方向で
俺はおkデス

241ジャンプ18号から・・・ :sage :2008/04/01(火) 21:51:40 ID:WuIkuZJm(5)
「なな・・・な!!!」

目の前に現れた正体は先程倒したのと同じベロモンであった、しかし今回は3匹ではない、
見た限り10数匹はいるであろうベロモンの大群であった。
どうやら仲間がやられたのを知り、報復へやって来たのであろう。

「なな なんなのよ!!! こいつら!!・・・」

後退りする唯は、躓き尻餅をついてしまった。
そんな唯を見るなり、ベロモンたちは集まりなにやら相談をし始めた。
そして、なにかが決まったらしく、唯を見つめながら、その長い舌で舌舐めずりをし、
一斉に襲い掛かって来た。

「キャーーー!!!」

身を起こし必死に逃げだす唯。さっきは退治出来たとはいえ、とっさにでた攻撃であった、
また上手く出来る自信はない。それに今回は数が違いすぎる。
だが、十数匹のベロモンから逃げ切れるわけがなかった。
数匹に回り込まれ、あっという間に袋のネズミにされてしまった。

「はぁ・・・はぁ・・・ ちょっと冗談でしょ!! 誰かぁーー!!!・・・」

助けを呼ぶ声も虚しく、1匹のベロモンが長い舌を伸ばし、唯の左足首に絡ませ、
そのまま引っ張り、唯を地面に転ばせた。

「きゃあっ」

地面に倒れこんだ唯を覗き込むベロモンたち、長い舌からは唾液が溢れ、、
唯の身体にボタボタと滴り落とす。
実はベロモンの唾液には媚薬効果があるのである、
そのことは後で嫌という程思い知らされるのであった。


242ジャンプ18号から・・・ :sage :2008/04/01(火) 22:00:10 ID:WuIkuZJm(5)
「け 汚らわしい!!!」 

咄嗟にベロモンにパンチを繰り出す唯だが、足首を舌で絡めとられているため、
思うような力が出なかった」

「ガルルル?」
「な 効いてない・・・!?」

シュルルル!! 今度は、パンチをした右手首を舌で絡めとられてしまった。

「いやっ!! は はなしなさい!!」

そんな言葉を聞くわけもなく、次から次へと長い舌を伸ばし、唯の身体に絡め付けていった、
左手首、右足首にも巻きつけられ、完全に肢体の自由を奪われた、それだけでは止まらず、
乳房を2つに割るよう、巧みに双乳を舌で巻き取られた。
もちろん、スリットから伸びる白い太ももにもキツく舌が巻きつけられた。

「くっ・・・ヘンタイ!・・・」

唯の身体は舌で軽々宙に浮き上げられ、空中で大の字に拘束されてしまった。
もがき逃れようとも、無駄な抵抗であり、体力を消耗させるだけであった。
そして、残りのベロモン達も唯の身体へ舌を這わせ始めた、

「ひぁっ!?」

二の腕から脇の下を嫌らしく這いずり回し、舌を袖口から服の中へと侵入させる。
また、脚を舐め回してるベロモンは、脹脛、太ももに丹念に唾液をまぶし付けながら、
徐々に陰部のほうへと舌を進めた。

「ち ちょっと!!ど どこ触って・・・あっあ・・・ 」

ショーツの上から上下に舌で執拗に陰部を擦り付け、唯の味を楽しんでいる。
拒絶できない快感が唯の股間に走る。

「やっ!!・・・ ダメ!・・・」

媚薬の効果とベロモンの舐め責めにより、徐々に身体に性的感覚を覚え始める唯。
我慢できずに洩らす唯の色っぽい声を聞き、更に興奮し始め、責めは絶え間なく続いた。
・・・結局、1時間以上も、ただひたすら身体中を舐め尽されていた。
唯の身体はベロモンたちの唾液によりグチョグチョにされ、武闘服が身体に密着している、
快感と不快感が織り交ざる状態のなか、唯は感覚を別に逸らそうと必死であった。


243ジャンプ18号から・・・ :sage :2008/04/01(火) 22:01:57 ID:WuIkuZJm(5)
なんかありきたりな展開でスミマセン
とりあえず、ここまでうpしとく続きはまた今度

244名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/02(水) 02:03:19 ID:GFIUA1CU
>>206ですがおそらく今日の午前中に投下出来るかと思います
遅れても2時には必ず投下します


うん安心してくれ24時は回ってる

245名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/02(水) 02:22:49 ID:AV+7sRPv
>>244
随分と早い仕事ですなw期待してますぜ

>>243
続きはしばらく先になるのか?非常に先が気になる…

246名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/03(木) 00:40:12 ID:ltFzrjcP
こんにちは糸色望先生

247名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/03(木) 00:48:01 ID:0iY9vni3(2)
どうしたんだ突然、絶望ネタなんか持ち出して

248名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/03(木) 00:48:32 ID:0iY9vni3(2)
あぁ誤爆か…

249名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/03(木) 23:30:18 ID:SDygQ6nO
リト×唯のクリスマス編の続きを!読みたい…唯がリトの子できちゃったかも的な…

250名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/04(金) 00:12:00 ID:LcdJKXWj
>>249
同意。あと看病SSの続編書いて欲しい
あれも妊娠フラグだったし

251名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/04(金) 04:56:17 ID:rvZrM8FO
アニメ始まったわけだが、あれがわかないか心配だ

リト×唯はどいらもかなりレベル高いので、続き来たい

252名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/04(金) 07:28:53 ID:eiln/s0U(2)
>>251
日本語でおk

253名無しさん@ピンキー :2008/04/04(金) 11:28:09 ID:vx3XxH0s
リト×唯のクリスマス編見てないから見たいな〜


254名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/04(金) 11:40:57 ID:eiln/s0U(2)
>>253
保管庫

255名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/04(金) 17:35:14 ID:6gtJmjH+
保管庫の萌えつきろ!強姦・レイプ・超性交ってのが見れんのだけどだれか治してくれん?

256名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/05(土) 21:42:16 ID:/f1HKYKU
>>264
見る度に吹くわ
白目マッチョの金髪がレイプして回りそうなタイトルだ

257名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/05(土) 21:51:30 ID:wh5Xf5FO
誤爆か…

258名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/06(日) 13:51:53 ID:nGj3+ZAw(2)
日曜日がやって参りました

259むに :sage :2008/04/06(日) 17:34:38 ID:L2mZp2t5(17)
お待たせしました(?)。

『結城零紋の受難』本編の続き冒頭が出来たので投下したいと思います
(通算その15)

なお、前回までのあらすじが気になる方は保管庫にてご確認下さい。
(物好きな人は番外編も)


そんでもって、またタイトルがちょっと変わります。

260結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:36:54 ID:L2mZp2t5(17)
結城家――。


「ん〜……」

柔らかな日差し、小鳥達のさえずりが心地良い目覚ましとなって、一人の少年……いや『元』少年結城リトは目を覚ました。

「ふぁ〜……ぁふ…………ん…うーーん…」

むくりと起き上がり、欠伸を噛み潰して身体を伸ばし、眠たげな目をくしくし擦りながらベッドから降りる。
この身体になって大分日数も経ったから流石に慣れてきたのか、或いは眠気で頭が回ってないせいなのか、
着崩れたTシャツと下着(パンツのみ)だけという女の子としては何とも霰もない格好を気にする気配が微塵も感じられない。
まぁそれでも、平然と裸で家の中をウロつく居候の宇宙人の女の子よりはマシなのだが…。

(ねむ……)

まだ半分夢の中にいる様な感じで、寝ぼけ眼でしばらくそのまま目の前のドアを無意味にボーーっと見つめてしまう。

(ん〜………とりあえずシャワー浴びよ…)

頭をぽりぽり掻きながら朧気にそう思い、眠気覚ましの為にシャワーを浴びようと
制服とブラジャーを抱えてよたよたおぼつかない足取りで浴室へ――。


――――――


一呼吸置いて、シャワーのバルブを回す。
丁度良い温度のお湯が全身に降り注ぎ、肌がお湯を弾くにつれて少しずつ意識が覚醒していく。

「ふぅ……」

髪を掻き上げて小さく一息つくリト。
窓から差し込む朝日に濡れた肢体が照らされて、その整った女の子独特のプロポーションが更に際立たされる。
その光景はまさに、ぜひ一枚の絵にして眺めていたいと請け合う事間違い無いだろう。
勿論、その『女の子』の中身が『男の子』だという事は知らないという事前提で。



『リトーー!』

シャワーの音に紛れて、扉の向こうからララが呼び掛ける声が聞こえてきた。


「んー?何だー?」


『朝ゴハン出来たから早く食べよー?遅刻しちゃう〜』


「んー、分かったー」

それだけ告げてララが出て行ったと同時に、シャワーのバルブを閉じた。

261結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:38:33 ID:L2mZp2t5(17)
「………うし」

小さく気合を入れてから浴室を出て、丹念に全身を拭いてから下着を身に着けていくリト。……が。

「ん……んんっ?」

ブラジャーのホックを止めようとした時、ある違和感に気付いた。

(何か………ブラがちょっとキツい…。昨日まで何とも無かったのに…)

自身の胸をゆさゆさ触りながらちょっと困った様な顔になる。

(もしかして成長してんのかな…?それとも…)

同時に、頭の中に事ある毎に自分にセクハラを仕掛けてくる二人組の顔が浮かんできた。

(あいつ達が所構わず揉んでくるからか…?どっちにしてもまた新しいの買ってこなきゃダメかなぁ…)

そんな事を考えながらリトは制服に袖を通して、きっちり身嗜みを整えてから浴室を出た――。


――――――


「遅いよリト〜、私お腹ペコペコ〜」

「ごめんごめん、どーも眠気が払えなくて…」

「ほら、話は後にして早く食べちゃってよ。ホントに遅刻しちゃうよ?」

「あーはいはい。んじゃ、いただきます」

「いただきま〜す♪」

美柑に促されて、朝食に箸を延ばす。

「あ、そーいや今日は体育の授業があったんだっけ?はぁ……憂鬱だなぁ…」

「あれ?リトって体育得意じゃ無かったっけ?」

「いや、体育自体は別に嫌いじゃない、むしろ好きな方なんだけどさ…。ただ……佐清がな…」

「佐清センセ?」

「あの人…、何かオレと話すときにさ、オレの目じゃなくて胸ばっかり見てる気がするんだよな…」

「?、それが何か問題なの?私もそんな気はするけどちっとも気にならないよ?」

「それはお前に羞恥心という物が無いからだ!普通の人は気にするの!」

「そんなモンなの?」

「そんなモンなの!」

「でもそれってセンセに限った事じゃ無いでしょ?ガッコの大半の男の子は大体そんな感じだよ?(リトは違うけど)」

「そーなんだよなぁ〜…。いっつも事ある毎に四方八方からヤラしい視線が刺さって…………うぅぅ、思い出すだけで悪寒が…」

262結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:41:45 ID:L2mZp2t5(17)
「どーして男の子って女の子とお話する時に胸ばっかり見るんだろーね〜?」

「オレに聞かれたって解るかよ、そんな奴らの考えなんか…。全く…、コレだから男ってヤツは――」


ふと、ここで急にリトの動きが止まった。


「?リト?」

「……」


……………。


…………。


………。


「『慣れ』って恐ろしい…」

突然深ーい溜め息を吐いて、リトはその場にガックリ突っ伏してしまった。

(いかんなぁ…、気が付かない内に普通に『女の子』としての自分に順応してしまっている…。
つーか何だよさっきの台詞は…、オレだって元々『男』だろーが…)

今の今まで無意識の内に、しかも全く違和感無く『女の子』としての行動を取っていた自分に物凄く苦悩するリト。

「いや〜、あれからもうすぐ一週間位経つけど、リトも大分『女の子』が板についてきたよねぇ〜♪」

そんな兄・リトの様子を見て、ニヤニヤしながら茶化す妹・美柑。

「……今更言うのもなんだけど、お前間違い無く楽しんでるだろ?」

「うん♪」

「言い切りやがったよオイ…」

最早返す言葉も見つからない…。

「リト、もういっそのことこのまま女の子として生活していっても良いんじゃないの?
あたしも実は前々からお姉ちゃん欲しいなぁ〜って思ってたし♪これって何か一粒で二度美味しい的な感じ?」

「何でお前の都合に合わせてオレの今までの『男』としての人生全てを捨てなきゃなんねーんだよ!?」

「でもここ最近のリト、行動がすっかり女の子っぽくなったよね?今日だって、普段のリトなら朝からシャワー浴びたりしないし…」

「ぅぐ…」

ララからの素朴なツッコミに言葉を詰まらす。

「こりゃ近い内に心身共に完全な女の子になる日も近いかなぁ〜?」(ニヤニヤ)

「なってたまるかぁーーい!!」

美柑の悪戯っぽい笑みと台詞に、リトは近所迷惑も考えずに声を張り上げ叫んだ。

263結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:45:26 ID:L2mZp2t5(17)
「そーだよ。リトが男の子に戻ってくれなきゃ、私リトと結婚出来ないじゃん」

「………ォィォィ…///」

直後、ララから面と向かってハッキリそう告げられ、おもわずドキッとなった。
何となくララの顔が見れなくて、顔を赤らめ背けてしまう。

「……ホント、色んな意味で宇宙一の果報者だねぇ、我が兄は。あ、今は『姉』か」

わざわざ『色んな意味で』を強調してリトをからかう美柑。

「な、なに言ってんだよお前はっ!つーかそもそもの原因は――!///」

「あ、もうこんな時間だ。早いトコ片付けて学校行きましょう。ね?『レモンお姉ちゃん』♪」

「今日も一日頑張ろーねリト――じゃなくて、『レモン』♪」

「……」



まぁ、そんなこんなで…。


結城リトの『結城レモン』としての生活は、早くも一週間近く経とうとしていた――。


――――――


彩南高校、二年A組教室――。


「とゆー訳で――!」

「何が『とゆー訳』なのさ?何?いきなり…」

昼休み、お馴染みの面子(リト(レモン)・ララ・春菜・唯・籾岡・沢田)+α(ついでに猿山)で弁当を食べていた時、突然籾岡の声が教室内に響く。
反射的に自分の役割(ツッコミ)を果たしたリトだが、籾岡は気に止めずに話を進める。


「いよいよ明日に迫ってまいりました!一泊二日の温泉旅行〜♪」

「は?温泉?」

264結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:48:26 ID:L2mZp2t5(17)
「あぁ、そっか。そっから説明しなきゃなんないか。実はさ――」





籾岡の説明を要約すると――。


先日、沢田と春菜と一緒に商店街で買い物をしていた所に丁度福引きをやっていたらしく、
軽いノリで三人一回ずつやってみたら、見事春菜が『一泊二日温泉旅行、団体様無料招待券』を獲得したらしい…。





「それで、使わないのも勿体無いから今度の連休を利用してみんなで行こうって話になったって訳♪期限も丁度明日で切れちゃうし。
でもって、今からその参加者を募ろうと思ってるの」

「へぇ〜、そーなんだ。……でも一ついい?」

「何かなレモりん?」

「……何故前日ギリギリになってそれを言う?」

「忘れてました。そりゃあもうスッカリと♪」

「にこやかに言うな」

あっけらかんと答える籾岡に対して、とりあえず呆れ+冷ややかな視線でツッコミを入れておく。

「とゆー事でどう?ララちぃとレモりんも一緒に温泉に行かない?」

「行きたーーい♪」

間髪入れずにララが手を挙げる。

「はいっ、ララちぃ参加っと♪」

「レモりんはどーすんの?」

「えーと、ボクは…」

沢田に聞かれてちょっと考え込むリト。

「行って損は無いよレモりん♪空気は美味しいし景色も最高、編入の思い出作りにはもってこいだし、
何と言ってもここの温泉、美容・健康にも抜群の効果があるらしいから」

「効果って?」

春菜の方を向いて温泉の効能を問う。

「えっと…、主に美肌効果に疲労回復・成長の促進…、後は……肩こり・腰痛等にも効果があるらしいよ」

「肩こりかぁ…、そーいえばボク、何か知らないけど良く肩が凝って仕方ないんだよね〜…」

「あ、レモンも?実は私もなんだ〜」

「ララ…ちゃんも?」

265結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:50:03 ID:L2mZp2t5(17)
「うん。何か分かんないけど気が付いたら肩が凝っちゃってるってゆーか」

「でしょ?別に特別な事やった覚えは無いんだけど無意味に肩が凝っちゃって――」

そんな風に、ララと肩こり談義を繰り広げていると…。

「おーおー、それはまさしく『勝者』独特のお悩みですなぁ〜!羨ましいこって!」

「あーあー、あたしも一度で良いからそんな肩こりについて悩まされてみたいわぁ〜!」

(……あれ?何か急に不機嫌になった?)

籾岡と沢田の唐突な変わり様に戸惑うリト。

「で?レモりんは行くの?行かないの?」

「へ?あぁ、行きます行きます」
(春菜ちゃんと旅行なんてそうそう出来るモンじゃないし…///)

「はい、『巨乳その2』のレモりん参加っと」

「…………あの〜、ボク何か気に障る様な事言ったのかな?」

「「いーえ何にも!♪」」

(笑顔なんだけど目が全然笑ってねー…)

「ぁ……ぁははは…」

最早、苦笑いしか出来ない春菜。

「ぁの……、こっ古手川さんはどうかな?」

そして、空気の流れを変えようと唯に話を振る。

「え?私も?」

「う、うん。せっかくだから一緒に行こ?やっぱりこういうのは大勢いた方が楽しいと思うし」

「私も別に構わないんだけど…、でも学生だけで旅行というのはちょっと問題なんじゃ…」

「あ、それは大丈夫。うちのお姉ちゃんに引率を頼んだから。後、御門先生にもお願いしようと思ってるの」

「そう?……それじゃあ私も行きましょうか」

「唯っち参加っと。春菜のお姉さんと御門先生も合わせてこれで八人だね」

「最高十二人まで使えるからあと四人は誘えるね」

「さて、後は誰を誘うか…」

籾岡と沢田が腕を組んでうーんと考え込む。

「あ、そーいえばララちぃ、結城の奴はどうなの?時間が取れるなら誘っても良いんだけど…」

「ララちぃだって一応結城がいた方が良いでしょ?あたし達はどっちでもいいけど…」

「え゛っ!?えーと〜……」

目線をその当人の方へ向けて助けを求めるララ。

266結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:54:52 ID:L2mZp2t5(17)
「あーそれがね〜…、昨日リトから電話があったんだけど、未だにアトリエに缶詰状態らしくてかなり修羅場ってるみたいなんだ〜…。
だから多分行くのは無理なんじゃないのかなぁ〜…」

「缶詰状態って…、漫画を書くのってそんなに大変な事なの?
てゆーか結城くん、そんな極限状態でちゃんと休めてるの?倒れたりしてないのかしら…」

唯がちょっと心配そうに話に入ってくる。

「ま、まぁリトにとってはそれが日常茶飯事だったから流石に慣れちゃったんじゃないのかな?」

「……」

ふと、何かを考え込む唯。そして――。

「……ねぇ結城さん、前から考えてたんだけど、もし良かったら一度結城くんの様子を見に行
「ダメー!!それはダメェーーー!!!」ぇ……え?」

唯からの嬉しくも冗談ではない申し出におもわず声を荒げて力一杯拒否するリト。
対して、予想外の拒否反応にキョトンとなる唯。

「いい、古手川さんっ!?漫画家の修羅場と化したアトリエっていうのは君が想像してる以上に恐ろしい所なの!!
この間なんか差し入れ持っていてあげた時にアシスタントさんの一人が丸ペン落としただけで
オヤジ――才培の叔父さんに「ウルセェんだよこの×××がぁぁぁ!!!」ってタコ殴りにされてたのを間近で見ちゃったんだからっ!!
そんな危険すぎる所に古手川さんみたいな女の子を放り込むなんて出来る訳無いよ!!リトだってきっとそう言う!!」

「そ、そんな大袈裟――」

「――に言ってると思う!!?」

「……」

唯の両肩をガシッと掴んで、有無を言わさぬ鬼気迫る程の勢いで説得に当たるリト。
実際にその現場を見た事でもあるのか、その言葉は妙に説得力を含み、
唯はその勢いに押されて何も言うことが出来ずにタジタジになる。

「だから気持ちは嬉しいけど自分の命をドブに捨てる様な真似はしないで、お願い!!
リトにはボクが伝えておくから、『古手川さんが心配してた』って!!OK!!?」

「ぁ………ぅん…分かった…」

(ふ〜、やっべぇやっべぇ…)

心の中で汗を拭う動作をしながら、リトは盛大な安堵の溜め息を吐いた。

「………ぇーと……とりあえず今回は結城は来れないって事で良いの……よね?」

「残念だったね、ララちぃ」

「う、うん…。いや〜残念だなぁ〜、リトと一緒に行きたかったなぁ〜…」

物凄くワザとらしく悔しがるララ。これでバレないのだから不思議な物である。

267結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 17:57:33 ID:L2mZp2t5(17)
「うーん、そしたらどーするか…」

「何だったら身内の人を誘っても良いんだけど…」

「あ、それだったら代わりと言っちゃ何だけど、美柑も連れて来ていいかな?」

「ミカン?」

「誰それ?」

「あぁ、オレ――じゃない、リトの妹さんなんだけど…、
あの子いつも家事とかで忙しくしてるからたまには羽を伸ばさせてあげたくてさ。
それに二日も家に一人っきりにさせる訳にもいかないし…」

「あっ、それさんせ〜♪」

「まぁ、そんな事情ならあたしは全然構わないけどさ」

「レモりん優しいんだね。あたしも全然OKだよ♪」

「ありがとう、二人とも♪」

感謝の言葉と共に、二人にニッコリ微笑みかけるリト。

「「ぅ゛…///」」

その笑顔を見て、おもわず顔を赤らめて目を逸らす籾岡と沢田。

(な……なんて凶悪な笑顔を放つんだ、この娘はっ!?おもわず襲い掛かっちゃいそうになっちゃったじゃない…///)

(あっぶな〜…、一瞬意識がアンドロメダまで吹っ飛ぶトコだったよ…///)

「?、どしたの二人とも?顔赤いけど」

「「なっ、何でもないよっ!!///」」

「?」

「そっそれよりも後は誰を誘おっか?///」

「そっそうだね!後は誰がいたっけ?///」

誤魔化す様に籾岡と沢田が腕を組んで再びうーんと(若干ワザとらしく)考え込む。


と――。


「あっ!ヤミちゃんがいるーっ♪おーいヤミちゃ〜〜ん!♪」

ララが窓から中庭のベンチで本を読んでいるヤミを発見した。
手を思いっ切りぶんぶん振って大声でヤミを呼び、それに気付いたヤミが背中に翼を変身させてこちらに飛んでくる。

268結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 18:00:39 ID:L2mZp2t5(17)
「何ですか?プリンセス」

「ねーねーヤミちゃん、ヤミちゃんも一緒に温泉行こーよ〜♪」

「温泉……ですか?」

「うんっ♪」

「いえ、私は…」

「遠慮しておきます」と言おうとしたが、何故かその言葉が口から出ずに押し黙ってしまう。
何故かというと…。


「わくわく♪(キラキラ)」

目をランランに輝かせて『行く』と言ってくれるのを明らかに期待しているララを目の当たりにしてしまって、
この笑顔を崩してしまう罪悪感から、断りの台詞を言うに言えなくなってしまったからだ。

「ヤミちゃん行こーよ〜。美柑も一緒なんだよ〜。きっと楽しいよ〜♪」

「ぇ…」

美柑の名前を出した途端、ヤミの表情が少しだけ柔らかくなった。

「美柑……も来るんですか?」

「うん、来るよ♪」

(おいおい、まだ話通してないだろ?)

――と思ったリトだが、ここでそれを言うのも野暮という物なので心の中に押し留めておく。

「じゃあ……行きます…」

「やったぁー♪」

「ヤミヤミ参加っと。これで十人だね♪」

「あと二人か〜…、他には誰が…」


『ガラッ』
「ララちゃーーん♪」


「あ、レンちゃん」

見計らったかの様なタイミングで突然レンが乱入してきた。

「おぉレンレン、丁度良いところに」

「レンレン、明日ヒマ?」

「へ?明日は特に何の用事も無いけど、どーかしたの?」

269結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 18:02:14 ID:L2mZp2t5(17)
「あぁ、それはね………………ララちぃ、ご説明を」

「え?私が?なんで?」

「「いいからいいから♪」」

二人に促されて、ララは少し腑に落ちないながらもレンに説明を始める。

「あのねレンちゃん、明日みんなで温泉に行こうって話をしてたの」

「温泉?『みんな』って事はララちゃんも行くのかい?」

「うん、行くよ♪」

「しかも今回は結城は欠席だよ」(ボソッ)

籾岡が小声でレンに耳打ちする。

「でね、もし良いのならレンちゃんも「行きます!!是非ララちゃんと一緒に行かせていただきます!!」」

某宇宙刑事の蒸○並のスピードで返事を返してきた。

(チャンス到来っ!!まさかこんな形でララちゃんと親睦を深められる機会が巡ってくるとはっ!!
しかも今回は邪魔な結城がいないなんて…、このチャンス、絶対逃がす訳にはいかないっ!!)

顔をニヤつかせながら、今にも飛び上がりそうな感じで喜ぶレン。
『ララが一緒でリトがいない』という事実が余程嬉しかったのか、心の中でガッツポーズを取っているのが手に取るように解る。

「……」

その一方、そんなレンの態度が何となく気に入らないのか、横目で軽くレンを睨み付ける『来ないと思われているリト』

「……レンくん、随分嬉しそうだね?」

「そりゃ嬉しいさ♪ララちゃんと一緒に旅行なんて初めての経験なんだから。いや〜、楽しみだなぁ〜♪」

「………あっそ」
(何か分かんないけどムカつく…)

そう呟いてプイッとそっぽをむくリト。

「?、レモンちゃん、何でそんなに不機嫌なんだい?」

「別に」
(とりあえずコイツは元に戻ったら力一杯殴り飛ばす…と)

自分でも良く分からない苛立ちに流されながら、リトは何となくそんな決意を固めておいた。

「ほっほ〜う…♪」
「これはこれは…♪」

そんなリト(レモン)の様子を、籾岡と沢田がニヤニヤしながら眺めていた。

270結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 18:05:13 ID:L2mZp2t5(17)
「?、何?」

「いえいえ別にぃ〜♪」
「そっかそっかぁ♪レモりんはそーだったんだぁ。いや〜、青春だねぇ〜♪」

「?」

二人の言ってる意味が解らず頭に?マークを浮かべるリト。完全に何かしらの誤解をされてるみたいだが全く気付く気配が無い。
ま、世の中知らない方が良い事もあるという事で

「さて、これで全員分誘ったかな?」

「そだね。んじゃ、このメンバーで行き「ぅおぉーい、ちょっと待てぇぇぇっ!!!」――ん?」

話をまとめようとした時、いきなり怒号が聞こえてきて、その声が聞こえてきた方を見ると…。

「あれ?猿山いたの?」

「いただろーが最初っからぁ!!場面切り替え時の冒頭の文章にも載ってただろぉ!!」

気になった方はぜひご確認を。

「つーかお前ら、何普通に話まとめようとしてんだよ!!まだ全員分誘ってないだろ!?」

「え?ちゃんと十二人全員誘ったでしょ?ね、未央?」

「えっと、まずあたしとリサでしょ?春菜とそのお姉さん、ララちぃにレモりんに唯っちに御門先生、
それからヤミヤミと結城の妹さん、後は………レンレンとルンルンだね」

「ほら、ちゃんと十二人いるじゃん」

「レンとルンちゃんは二人で一人分だろぉ!!?実質後一人分余るだろ!!」


「あーもう、うっさいなぁ〜。で、何よ?何が言いたい訳?」

「オレも混ぜて♪」

「「え〜…?」」

明らかにイヤそうな顔をする籾岡と沢田。

271結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 18:06:52 ID:L2mZp2t5(17)
「何だよ!リトやレンだったら別にいいのにオレはダメなのかよ!?」

「だってあんた、何かまたロクでもない事考えてるでしょ?あんた連れて行くとなると何か身の危険を感じるんだよね〜」

「結城の場合はララちぃと必ずセットになってるみたいなモンだし、
連れて行かないとララちぃ泣いちゃうもん(今回は不参加みたいだけど)
それにレンレンは半分女の子だしね」

「………確かに猿山くんよりは結城くんの方がマシだと思うけど…」

「そもそもこんな人いましたっけ?」

「ガーーーン!!!」

籾岡・沢田に加え、唯やヤミにまでボロクソに言われて、あまりの再起不能並のショックを受けてその場に突っ伏してしまった。

「猿山くん、ちょっと可哀想…(小声)」

「自業自得っちゃあ自業自得だけど(小声)」

「ぁ……ぁはは……、結城くんも結構冷たいんだね…。解らなくも無いんだけど…(小声)」

「解るんだ西連寺…(小声)」
(春菜ちゃんも結構ヒドい…)

傍観者に徹しているリトと春菜だが、こちらも小声で猿山に対して結構冷たい会話を繰り広げていたりする。
最早この場に味方不在、絶望的状況に追いやられた猿山。


だが、ここで猿山に救いの手が――。


「別にいいじゃん。行きたいなら連れて行ってあげても♪」

『へ?』

「ラッ、ララちゃぁ〜〜〜ん!!(泣)」

ララからのありがた〜いお言葉に伏せた顔を勢い良く上げて、幸せオーラ全開で感謝の涙を流す猿山。

「良いのララちぃ?」

「うんっ♪人数はいっぱいいた方が楽しいじゃん♪せっかくの旅行なんだし」

「いや、でもねぇ〜…」

「ありがとう!!ララちゃんありがとう!!」

馴れ馴れしくララの手を取って、ブンブンと上下に振りながら握手をする猿山。

「仕方ないわねぇ…、特別だかんね猿山」

「もし変な事したらヤミヤミにお仕置きしてもらうから」

「三割引でお引き受けしても良いですけど…」

「分かってる分かってる♪」

手をヒラヒラさせて笑顔で答える猿山。
……………だが…。

272結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 18:08:50 ID:L2mZp2t5(17)
(ぐふふふ…、ララちゃんやレモンちゃんと温泉…。露天風呂で身体を暖めてオレも二人から身体を暖められて………
なんて事になったらどーしよっかなぁ〜〜!!♪)

心の中では物凄く邪な妄想を繰り広げてニヤついていた。予想通りに。
つーかそんな場面、リトだったらまだしもお前みたいな奴じゃあり得るはず無いから。あってもやらないから。

「何だよぉ!!オレだって夢見たっていいだろぉ!!オレにも夢を見る権利を!!」

見ても良いけどシナリオ書くのボクだから。
ですので絶対そんなシチュはやりません。趣味じゃ無いんで。

「キッビシィーーー!!!」


「………何ブツブツ言ってんの?あのサル顔は」

「やっぱ連れて行くの止めた方が良いんじゃない?」

そんな事を話し合ってる籾岡と沢田をよそに――。

(……………何かまた一悶着ありそうな予感…)

今までの経験から、とてつもなくイヤな予感を感じずにはいられないリトだった――。


――――――


「はっ?温泉?しかも明日ぁ?」

「うんっ、そだよ♪」

「ちょっ、ちょっと待ってよ!?そんな事急に言われても!
てゆーか何でそんな大事な事をこんな前日ギリギリになって言ってくるのよ!!?」

「仕方ねーだろ、オレ達だって今日初めて聞かされたんだから!」

その日の夜、『明日みんなで泊まりがけで温泉に行く』という事情を美柑に説明。
あまりに急なイベントに案の定慌てふためいたが…。

「美柑〜、もしかして行きたくないの〜?ヤミちゃんも来るんだよ〜?」

「いや………行きたいけどさ…」

「じゃあ決まりだねっ♪早速準備しよー♪」

「あ、ちょっと、ララさん!?」

ズルズルララに押されて、気が付けば決定事項に。
美柑の呼び止める声など耳に入らず、ララは明日の準備の為にスキップをしながら自分の部屋へと戻っていった。

273結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 18:10:53 ID:L2mZp2t5(17)
「…………リトでしょ?あたしを連れて来るって言ったの」

「まぁな」

「……あのねぇ、何のつもりか知らないけど流石に二日も家を空ける訳にはいかないじゃん。万が一の事があったらどーする訳?
後その間誰かセリーヌにお水あげるのさ!?そこんトコの心配もちゃんと気掛けて――」

「オレから言わせりゃお前一人を家に置いていく方がよっぽど心配だ!」

「………ぇ///」

美柑の言い分を一蹴して自分の偽り無い気持ちを伝えるリト。
その台詞におもわずドキッとなり、美柑の顔が徐々に赤らんでいく。

「家とセリーヌの事はザスティンに任せてあるから、たまには家事の事は忘れて思いっ切り羽を伸ばせ。
いつも世話になりっぱなしじゃ兄貴として情けないからな、これはほんのお礼だよ♪」

そう言って、リトは美柑の頭を優しく撫でた。
その光景は、妹の事を大事に想う兄の気持ちが良く理解出来る。

「……………バカ///」

真っ赤にした顔を俯かせて力無く、聞き取りづらい程の小声で文句を吐き捨てる美柑。
だがそれでも、頭を撫でるリトの手を払いのけたりはしない。むしろ、リトに撫でてもらってるのがとても気持ちよさそうに見える。

「……もういいわ、あたしも早いトコ準備しちゃお」

「おぅ、行ってきな」

その言葉と共に美柑の頭から手を離す。
ちょっと名残惜しそうにしていた美柑だが、その事を悟られない様にそそくさと部屋へと――。

「あ、そーいえばリト。リトはどーするのさ?」

「は?」

――向かおうとしたが、不意に立ち止まってそんな事を聞いてきた。

274結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/04/06(日) 18:12:20 ID:L2mZp2t5(17)
「どーするって何を?」

「だから温泉」

「そりゃ行くさ。オレだって結構楽しみにしてんだぞ?」

「いや、そーじゃなくて」

「へ?」

「お風呂は男湯と女湯、どっちに入るつもりなのよ?」

「……」

「……」


……………。


…………。


………。


「…………………………誰もいない時を見計らって入ります…///」





そんなこんなで、旅行前日の夜は更けてゆく…。

275むに :sage :2008/04/06(日) 18:17:48 ID:L2mZp2t5(17)
投下終了です。
という事で、今回は温泉に行きます♪
どんな感じになるか分かりません&諸事情により更新頻度が下がりますが、楽しみにしてもらえると嬉しいです。
後、エロ要素に関してはあまり期待してくれるな。m(_ _)m



………今気付いたけど、そーいえばお静ちゃん出して無かったね…。
不覚…。

276名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/06(日) 19:18:49 ID:nGj3+ZAw(2)
>>275
神ktkr GJです!
むにさん本当に良く分かっていらっしゃる

277名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/06(日) 20:06:24 ID:C6t/lL6F
これはむりやり風呂場につれてかれる予感!!
次回も楽しみにしてます

278名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/06(日) 20:14:43 ID:gvlFW6gS
>>275
GJ!
次回も期待してます!

279名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/06(日) 21:33:51 ID:ybi0dId1
日曜がスバラシイのではない
むに氏がスバラシイのだ

280名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/06(日) 22:37:45 ID:dd0eE80G(2)
新参者ですが今日明日SS書こうと思います
訳あって携帯からになってしまって時間が掛かると思うけど
長い目で見てくれれば幸いっす

281:sage :2008/04/06(日) 23:17:49 ID:dd0eE80G(2)
そして三時限目が終わり、休み時間になった。
いつもだったら早弁したりするが、今日は違う。
「あのバカ・・・・」
「・・・・誰がバカなの?」
「へっ?」
声のする方を見たら、長い黒髪の女子が立っていた。「お、おう古手川。どうかした?」
「べっ別に・・・・ただ溜息ばかりついてるから・・・・その、具合でも・・・・悪いのかと思って・・・・」
なんつーか予想外だった。「心配してくれてんのか?」
「ちち違うわよ!!私はね!風紀委員だから我慢されて更に具合悪くなられちゃ困るから言ってるの!!」
何で怒るんだよ・・・・
「大丈夫だよ。サンキュ」そう言うとなぜか古手川の顔が赤くなる。
「べ、別に・・・・///」
そう言いながら自分の席に戻っていく古手川。
オレはその背を見ながら苦笑する。
あれが古手川なりの心配なんだろうな。

とは言ったものの、ホントは怠くて仕方がなかった。保健室とかに行っても何にもならないしな・・・・
いっそのコト早退でも・・・・そう思いかけた途端、あるコトを思いつく。

そうだ・・・・保健室だ!!
あそこには御門先生がいる!あの人なら何か・・・・!

ガバっと立ち上がる。
「古手川!やっぱオレ保健室行ってくる!」
「えっ?ちょっ、結城くん!?」
古手川の反応を無視してオレは教室を飛びだす。

「何よ・・・・全然元気じゃない・・・・」


途中で先生に会ったり四時限目開始のチャイムが鳴ったが全部無視して走った。

保健室が妙に遠く感じた。

282名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 00:29:13 ID:5dC+Aw2t(5)
完成してからじゃなくてもいいケド
できればキリのいいところまで仕上がってから纏めて投下して頂きたい

あと2から始まってるが1は抜けてるのか?

283名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 00:30:51 ID:V0jYYnnA(2)
ふつうに誤爆と思われる
まあ焦らずに頑張ってくださいな

284名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 00:44:10 ID:UqNkM44P(2)
これ誤爆……なのか?

285名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 00:47:03 ID:V0jYYnnA(2)
誤爆とは意味合いが違ったな、スマソ

286名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 00:57:59 ID:byjclHPS(9)
あれ?
全部書いたはずだったんだけど・・・・

287名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 01:44:52 ID:5dC+Aw2t(5)
一行目に何も書かないと書き込まれたことにならない
とかだっけ?

288名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 02:02:18 ID:ntomvs6h




289名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 08:53:55 ID:3Ibvh2oU
>>286
1行目を空白にすると何も書き込まれない

290名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 08:58:05 ID:qdfHEBZK



291名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 09:23:49 ID:5dC+Aw2t(5)
 あ

292名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 09:33:23 ID:5dC+Aw2t(5)
















293名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 11:24:40 ID:byjclHPS(9)
>>287 >>289
そうなんですか・・・・
じゃあも一回書くんでよろしく

294名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 12:06:00 ID:UqNkM44P(2)
>>288 >>290-291
ワロタw

295:sage :2008/04/07(月) 12:23:48 ID:byjclHPS(9)
いつもの目覚ましの音。
寝癖のついた頭を掻きながら、オレはララの部屋へ向かう。
「おいララ、起きろ」
ノックをしながら待つが、反応がない。

何だ、起きてんのか。

欠伸をしながらリビングに下りて、キッチンの妹に声をかける。
「おはよ・・・・」
「おはよ、リト」
また欠伸をしながらソファに腰掛ける。
いつもと同じ風景だったが、一つだけ違う。

「あれ?ララは?」



曇り空の下、オレは一人で学校に向かっている。
探したが結局ララは何処にもいなかった。
先に行ったのか?とも思ったが、靴も鞄もあった。
小さな溜息をつく。
「ったくアイツは・・・・」
オレの一人言は濁った空に虚しく吸い込まれて行った。


そうこうしてる内にオレは学校に着いていた。
朝礼までまだ時間がある。アイツが居そうな所を探してみるか。
鞄を置きに教室に向かう。
「おはよう、結城くん」
「よぉ、西連寺」

春菜ちゃんがオレに挨拶を!!・・・・といつもだったら喜んでいたが今日は違う。
「あれ?ララさんは?」

それが朝から居なくて・・・・と言いかけた。が、

「え・・・・となんか用事があるから休むってよ」
「そうなんだ・・・・」
と少し淋しそうな春菜ちゃん。
皆に心配かけたくない。
それにララはオレ一人で見つけてやる。

そしてオレは10分かそこらで学校中を走り回った。
それでもララは見つからない。

それからの授業は殆ど頭に入ってこなかった。
ララの席を見ると不安が募る。

大きな溜息をつく。
何処にいんだよ・・・・

296:sage :2008/04/07(月) 12:25:08 ID:byjclHPS(9)
>>281

297:sage :2008/04/07(月) 12:51:51 ID:byjclHPS(9)
「御門先生!!」
半ば乱暴にオレはドアを開けた。
「あら、結城くんじゃない。ノックぐらいしなさいよ?」
「あ・・・・スイマセン」
「それで?どうしたの?」「実は・・・・」

オレは全部話した。
ララが急に、連絡も無しに居なくなったこと。

「あの・・・・それで・・・・先生なら何か知ってるかもって思って・・・・」
先生は考え込んでるようだ。
「先生は・・・・何か分かりますか?」
「結論から言うと・・・・ごめんなさい、分からないわ・・・・」

・・・・マジかよ・・・・。
先生でも・・・・

「彼女は一応姫だし・・・・気まぐれなトコあるから常に居場所を把握してる、なんてコトは難しいの」
「そう・・・・ですか」
「・・・・大丈夫よ、心配しないで。彼女は直ぐ戻って来るわよ」


それからオレはどうやって教室に戻ったかよく覚えてない。
希望が潰えた気がしたが、どこかで夜になったらひょっこり帰って来るさ、と思っていた。

それからの授業も殆ど頭に入らず、オレは机に突っ伏していた。
「はぁ・・・・」
今日何度目か分からない溜息が出る。

学校って・・・・こんなにつまんなかったっけ・・・・

たかだか6時間程の時間が永遠の様に感じた。


漸く学校が終わり、オレは急いで家に帰った。

「どうだった?ララさん・・・・いた?」
「いや・・・・」
「そう・・・・」
美柑も不安そうだ。
「私もザスティンさんが何か知ってると思ってお父さんに電話したの」
「どうだった!?」
「そしたらザスティンさんも居ないんだって・・・・」
「そうなのか・・・・?」

298:sage :2008/04/07(月) 13:05:33 ID:byjclHPS(9)
「どうしたんだろうね・・・・二人とも」

何なんだ、一体。


「ちょっとオレ、この辺り探してみるよ!」
「わっ私も行く!」

こんな所でジッとしてられっか。


オレ達は二人で手分けしてララの行きそうな場所を探し回った。



気がつくと時刻はもう9時を回っていた。
「美柑、お前は先帰ってろ。オレはもう少し探すから」
「なら私も−」
「こんな時間なんだぞ。危ないだろ」
「わ、分かったわよ・・・・あんたもやり過ぎないでね?」
「ああ」

そう言ってオレはまた走り出した。
色々な所へ行った。
少しでも可能性がある場所にも行った。
何度も。何度も。





そして日付が変わって少し経った時、オレはフラフラと家に向かっていた。
疲労困憊で、制服のまま着替えずにベッドに倒れこんだ。

299:sage :2008/04/07(月) 13:26:57 ID:byjclHPS(9)
いつもの目覚ましの音。
ついさっきベッドに倒れ込んだ気がした。
寝癖のついた頭を掻く。

学校・・・・か。
行きたくねぇなぁ・・・・

ララがいないだけでなにもかもが違って見える。
まだ一日会ってないだけなのに、もう随分と会ってない気がする。
一緒にいるコトに慣れすぎたのかな。
大きな溜息をつく。

ああ、ララに会いたい。

そうなんだよな。
ただ自分で認めたくないだけであって、もしかしたらオレ、ララのコト−

「何やってんの!遅刻するよリト!」
美柑の声だ。
仕方なくリビングに下りる。

ソファに腰掛け、溜息をつく。

「リト・・・・元気出しなさいよ。ララさんは絶対帰って来るから!」

オレは黙っていた。
ああやってオレの為に強がってみせて。
美柑だって悲しいのに。
ごめんな。

「ああ・・・・」
でも今のオレはこんな返事しかできなかった。

と、不意にリビングのドアが開いた。
そこにはなんと−−−

「ララ!!??」
「おはよ〜二人とも!」
「ララさ・・・・え?」
「お、おいララ、お前今まで何処に・・・・」
「え?ザスティンと一緒にデビルーク星行っててついさっき帰って来たんだよ♪」

デビルーク星・・・・??

「・・・・リト?」

「お前なぁ!オレらがどんだけ心配したと思ってんだよ!!」
思ったより大きい声が出ていたのは、ララと美柑がビクッとなったコトで分かった。
「急に居なくなって!!連絡もしねーで!!」

当のララはポカンとしている。

300:sage :2008/04/07(月) 13:48:35 ID:byjclHPS(9)
「ホントにお前は・・・・」
「ちょっ、リト・・・・そんな怒らなくても」

ララはまだえ?という顔をしている。

「連絡っていうか・・・・手紙・・・・書いておいたよ?」

は?手紙?手紙??

「手紙なんて・・・・無かったぞ・・・・?」
「あっ・・・・そっかぁ」

?何がそうなんだ?

「ポストに出しちゃった・・・・」


え?


なんじゃそりゃ・・・・・・・・

「おま・・・・そんなの口で言えばいいじゃねーか・・・・せめて直接渡せよ・・・・」
「え〜?だって手紙ってポストに出すものでしょ??」「いやまぁ・・・・そうだけどさ」
「ふふっ、ララさんらしいね!」
「でも・・・・ごめんね、二人とも。心配かけて」
「ホントに心配したんだから」
ホントだよ、ったく。

「それと・・・・心配してくれてありがとね!」

・・・・ズルいだろ。
そんな笑顔見せられたら怒る気無くすっての。

「まぁその、無事帰って来てなによりだよ」


・・・・ってやべぇ!
もうこんな時間じゃねーか!
「早く行かねーと!遅刻すんぞ!」
「あっ・・・・私もだ・・・・」
「じゃあ行こ、リト!」
ララがオレの手を引いて走り出す。
思わず口元が綻ぶ。

そうだ、これだ。
戻った。一日振りに。


−−いつもの日常が。

301名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 13:53:32 ID:byjclHPS(9)
一応これで終わりです。
設定が変わってたり間違ってる所があるかもしれませんがお許しを
焦って書いたんで誤字とかもあると思うけど
アレって事でお願いします。

最後に、終わりまで見てくれた人に感謝します

302名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 20:09:28 ID:82NfNZHM
(´・д・`)ナノー

303名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 20:36:10 ID:XQ4AGPAY
>>310
楽しく読ませていただきました
こういうほのぼの話大好きですよ

304名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/07(月) 21:12:00 ID:5dC+Aw2t(5)
いやいや、フツーにGJだったぜ

305名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/08(火) 11:55:23 ID:Djf0+qfe
>>285
いや、誤爆はその意味で正しい。

306名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/08(火) 16:18:48 ID:eXGOumgt
>>301
泣いたぜコノヤロウ

307名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 00:01:18 ID:027q1J27
>>301
GJです
やっぱリトララはこうでないと

308名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 00:19:48 ID:Mw1RP4Xb(6)
リト×唯投下します。
急に思いついたものをパパッと文章にしたものなので、
暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。

309リト×唯 :sage :2008/04/09(水) 00:21:19 ID:Mw1RP4Xb(6)
6時間目の授業が終わり、一気に開放感が広がる教室内。
帰りのホームルームを前に、仲の良い友人どおしが集まって
今日どうする?
カラオケでも行こーよ
などと楽しげな会話が教室中で展開されている。

ある一角を除いて―――


「結城君!あなたって人は、また授業中居眠りして!!」

声の主は、古手川唯。
もう少しで腰にまで届こうかという長く美しい黒髪。
整った顔立ち、細く長い脚。
美少女揃いと評判の二ーAでもトップクラスの美少女だ。
しかしこのクラスのいったい何人が彼女の美しさに、
いや、かわいさに気づいているのだろう。
つまり唯はクラスの男子からウケが悪いのだ。
曲がったことが大嫌いでな性格で、風紀にうるさいことから
男子は皆唯を避けている節があり、いつも明るく元気なララや
おっとりした西蓮寺春菜を好みのタイプとしてあげることが多い。

そして唯は今日も今日とて男子に向かって怒っていた。
顔をやや紅潮させ、身を乗り出すようにして声をあげているその先で、
怒鳴られ役の結城リトはぐったりと机に突っ伏していた。
「5時間目は耐えたじゃねーかよ・・・」
「何時間目かは関係ないの! だいたい結城君は―――」

一週間前の席替えで隣どおしになって以来、毎日こんな調子だ。
授業中いつも居眠りしてしまうリトを叱る唯。
「・・・居眠りくらい他のやつもしてるだろう?・・・何で俺だけ?」
リトは不満げというよりも、眠くてしょうがないといった様子で弱弱しく言葉を返す。

310リト×唯 :sage :2008/04/09(水) 00:22:35 ID:Mw1RP4Xb(6)
リトの言い分は、生徒として正しいかどうかは別だが事実ではある。
授業中に寝るものなど一クラスに数人は確実にいるし、
昼食後ともなればその数は増加するのが普通だ。
「そ、それは、あなたがわたしのとなりの席だからよ!」
少し詰まりながら、唯は理不尽極まりない言い分をリトに返す。
ふぁぁ、と大きく一つ欠伸をして、リトはようやく顔を上げ唯に目を向ける。
「そんな顔真っ赤にして怒らなくても・・・」
「な、、何言ってるのよ、結城君!赤くなんてなってないわ///」
ますます頬を染めながら、叫ぶように唯は言う。
寝起きのリトには、そのボリュームはちとキツく、思わず顔をしかめる。
「悪かったよ。これからは寝ないように気をつける」
これ以上怒られるのは遠慮したいし、相手は正しいわけだから素直に降参する。
「分かればいいのよ///」
唯はまだ少し赤い顔をぷいっとリトから背けて、
つぶやくように言うと教室を出て行った。

(やっぱ俺って古手川にとっては未だに問題児なのかなぁ。
最近はだいぶ打ち解けてくれたと思ったのに。ま、オレがわるいんだけどさ)
また怒られてやんのー、とからかいに来た猿山を華麗にスルーしつつ
リトはぼんやりとそんなことを考えていた。

311リト×唯 :sage :2008/04/09(水) 00:23:33 ID:Mw1RP4Xb(6)
一方唯はというと、教室を出たものの特に行くべき場所があるわけではない。
階段の踊り場で手すりに軽く寄りかかり、ハァ、と物憂げなため息を一つ。
(またやっちゃった・・・)
誰が見ているわけではないが、バツの悪い表情になってしまう。
「何で俺だけ?」
リトのその問いに、唯は無理矢理な答えを返すしかなかった。
実際、リト以外のクラスメートだったら、小声で注意くらいはするだろうが
あんな風に毎日大きな声をあげたりはしないだろう。
ましてや、リトは漫画家である父親の手伝いが
忙しいのであろうことも察しがついているのに。
そして、どうして怒ってしまうのか自分ではわかっていなかった。
(わけがわからないわ。これって一体何なのかしら///)

唯はリトと隣の席になってからのこの一週間、
自身の心の異変に動揺しっぱなしなのだった。

リトを見るたびにドキドキする―――。

出会った頃は風紀を乱すものとして、嫌悪感すら抱いていたのに。
その後時間を共有する機会も多くあり、少なくともリトが
風紀を乱そうと思って乱しているわけではないことは理解した。
そしてリトが、とても優しい男の子だということも。
一緒にいると怒ってばかりだけれど、怒った後にはいつも
なんとなく嬉しいような、優しいような気持ちになることも。


「結城君か・・・」
唇に人差し指を当て、足元を見つめながら唯は無意識に呟いた。
「リトがどうかしたのー??」
ビクッと体が震えてしまう。
見ると授業終了と同時に自動販売機へと向かったらしいララ、春菜等
リトを除くお馴染みのメンバーたちが階段の上ってくるところだった。
「べ、べつに何でもないわ///」
唯は意識して不機嫌そうな声を出す。
「さてはまた結城と喧嘩したなー」とリオ。
「喧嘩って言うより、一方的だけどね」とミサ。
「あはは・・・」いつものように苦笑の春菜。
「ゆいー、リトのことあんまり怒らないであげてね。
お父さんの手伝いでつかれてるんだよ」
「それは結城君次第よ。さ、ホームルームの時間よ」
「あ、待ってよー」
スタスタと足早に歩いていく唯を小走りに追いかけるララたち。
(きっとこれは一時の気の迷いなんだわ。結城君なんて、ハレンチだし///)


唯が自分の気持ちに気づくことになるのはもう少し先の話―――

312名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 00:26:09 ID:Mw1RP4Xb(6)
短いですが、投下終了です。
続きがありそうな終わりですが、どうなるかわかりません。
勢いだけで書いてしまったもので・・・。
では、失礼しました。

313名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 03:52:14 ID:m6Khgq5+
>>312
GJ!
普通にいいと思います
出来れば続きも見てみたいです

314名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 07:17:55 ID:ulqVDHf8
>>312
GJ!

315名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 07:49:37 ID:235xotc0
>>312
GJ。この付かず離れずの距離感から縮まるところまでも是非お願いします。

316名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 09:37:39 ID:Q0+57d2k(2)
>>312
唯×リトのこの何ともいえないもどかしさがタマランw
わっふるわっふる

317名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 21:32:11 ID:zkckOuyl
>>312GJ

318312 :sage :2008/04/09(水) 21:48:53 ID:Mw1RP4Xb(6)
コメントくれた皆さんありがとうございます。
需要あるみたいなので続きも頑張ってみます。
ごゆるりとお待ちください。

319名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/09(水) 22:00:52 ID:Q0+57d2k(2)
wktk

320名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 07:02:41 ID:8zwQU05n(2)
これはwktk

321名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 16:28:00 ID:9AtkzS6Z(2)
ちょっと聞きたいんだが、リト×美柑(美柑×リト)ってここではタブーなのかな?今週号の「一緒に寝る?」で色々と妄想が膨らんだのだが。

322名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 16:32:08 ID:nBCVghX4
>>321
NGは基本的に無い。
よく言われるのはスカトロ・猟奇、ここら辺のジャンルを扱う場合は最初に
まず注意文を置いてNGワードを名前欄に入れたりするってくらいだろうか。

323名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 16:50:01 ID:9AtkzS6Z(2)
サンクス、じゃあ大丈夫だな。気長に待っててちょ。

324名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 18:22:18 ID:AhXxeznF
久しぶりのリト美柑!
wktkして待つぜー

325名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 20:14:54 ID:UEdOAR4u(7)
リト×唯を書いたものです。
第2話投下します。なんか思ったより長編になりそう。

326リト×唯 第2話 :sage :2008/04/10(木) 20:17:34 ID:UEdOAR4u(7)
席替えから1カ月が過ぎ、期末テストが1週間後に迫ってきている。
4時間目の教室では数学の授業が展開されている。
それまでロクに授業を聞いていなかった者たちが耳を傾け始め、
諦めている者、テストなどどうでもいい者は寝てしまうので、
授業中の生徒間の話し声が極端に少なくなっている。

リトはと言えば、ようやく父親の手伝いが一段落したところだが、
一難去ってまた一難とはこのことだ。

(ぜんっぜん分からん・・・)
リトの顔を絵にしたなら、目は細められ
顔の右半分には縦線が数本入っていることだろう。
(いつもギリギリで赤は逃れてきたけど、今回はヤバイかも・・・)

もともとリトはそんなに出来がいい方ではない。
しかも今回に関しては、授業中は常に睡魔との闘いだったのでほとんど理解していないのだ。
眠気を誤魔化そうと思いノートを取ったりもしたが今改めてみてみると、
そこには文字として成立していない物体が描かれているだけだった。

リトは今更ノートを取るのも馬鹿らしくなってぼんやりと窓側へと視線を向ける。
視界に入ってくるのは小さな顔、そして艶やかな黒髪。

超真面目型の隣人、古手川唯である。
涼しげではあるが真剣な表情で前方をまっすぐに見つめている唯の横顔に、
リトの心臓が一段ギアをあげる。
(って、何ドキドキしてんだ、俺は///)
リトは目線を逸らし自分でツッコミを入れるが、そうなってしまうのも無理はない。
唯の横顔はまるで彫刻のように美しかったのだから。


327リト×唯 第2話 :sage :2008/04/10(木) 20:18:45 ID:UEdOAR4u(7)
数分の後、ようやく呼吸が収まった頃だ。
授業は終盤に差し掛かっていた。
隣でカチャカチャと音がするのでどうしたのかと見てみると、
唯は筆箱の中に手を入れて何かを探しているようだ。


(おかしいな。お家に置いてきちゃったのかしら)
唯はわずかに眉を寄せ、少し困ったような表情になっている。
探しているのは消しゴムだ。
唯は一般的に筆箱と言われる物を、2種類持ち歩いている。
1つはワインカラーの小型のファスナーペンケースで、
シャープペン、赤ボールペン等必要最低限のもののみが入っており、唯は学校ではこれを主に使っている。
そして今ゴソゴソとしているのはもう1つのほうで、ポーチのような大きめの筆箱だ。
こちらには筆記具だけでなく、ホッチキスやセロテープなども常備している。
色は薄ピンクで、白や黄色の花びらがところどころに散らされた、シンプルながら可愛らしいデザインだ。

唯はいつものようにノートの書き間違えを修正しようとして
小さいほうへ手を伸ばしたのだが、見つからない。
どうやら3時間目に音楽室に移動した際においてきてしまったらしい。
しかし普段唯は2つの筆箱それぞれに消しゴムを保管している。
そこで今度は大きいほうを探してみたのだが、またしても見つからない。
(昨夜お家で使った後戻すのを忘れたのね。減点だわ)
ちなみに唯が日頃から予習復習を欠かさないのは言うまでもない。
仕方がないので後で修正するかと思ったそのとき、
スッと横から手が差し出された。
掌の上には消しゴムと一枚の紙切れ。
紙切れには一言、”使えよ”と書かれていた。

328リト×唯 第2話 :sage :2008/04/10(木) 20:19:54 ID:UEdOAR4u(7)
リトがわざわざ口に出さず、紙に書いたのにはいくつか理由がある。
1つは数学教師が厳しいためで、テスト前ともなれば輪をかけて、である。
2つめは口に出したら唯は素直に受け入れてくれないような気がしたから。
それで言い合いになってしまわないとも限らない。
リトは自身が怒られるのは構わないが、
もし唯まで怒られることになったらそれは本意ではない。
3つめは・・・、もういいか。話を進めよう。

唯はキョトンとした表情でそれらを受け取る。
視界に飛び込んでくるリトの文字。
決して達筆ではないし、飾り気のないわずか3文字ではあるが、
どことなく優しさが滲み出ているように感じてしまう。
唯の顔にゆっくりと赤みがさした。


唯はリトが隣にいることに少しずつ慣れてきて、
席替えをした直後のようにどうしようもなく取り乱してしまうことはなくなった。
それでも席替えする以前と同じようにリトを度々叱っているし、
たまに見せられるリトの優しさを、素直に受け入れられないままだ。

でも今は、リトの厚意を素直に受け入れることができそうな気がした。
言葉ではなく、文字でのやりとりでなら。
唯は借りた消しゴムを使うのも忘れて、少しあわててメモ帳を鞄から取り出すと、
一枚ちぎって書き始める。
”ありがとう”
と、こちらも短くシンプルに、しかしできるだけ心を込めてそう記し、
先生が黒板を向いた隙にリトの机の上へとそれを送る。
リトはそれを読み終えると、自分の予想通りだったこともあり、小さく心の中で笑った。
そしてもう授業に集中しているであろう唯の方へと視線を向けると、
唯はリトの反応が気になるのか、手元も動かさずにチラチラとこちらの様子を伺っている。
そんな唯に対して、リトはニカッと満面の笑みを見せる。

329リト×唯 第2話 :sage :2008/04/10(木) 20:21:17 ID:UEdOAR4u(7)
ドキッ。


一瞬、息が止まってしまう。
唯はリトのこの笑顔に弱いのだ。
狙ってやっているのではなく、本人は無意識なのが余計にタチが悪い。
チラ見だったから良かったものの、
直撃をくらっていたらお弁当が口に入らなくなっていたかもしれない。

一方リトはというと、鈍感な自分でも分かるくらいに
顔を真っ赤にした唯を見て、思わずにやついてしまう。
するとリトの机に2枚目の紙切れが飛んできた。
”何笑ってるのよ”
リトは唯の横書きの小さな文字のすぐ下に書き記す。
”古手川がよろこんでくれたのがうれしくてさ”
いつもなら怒ってしまいそうな言葉も、今はなぜか自然に受け止められた。
3枚目のメモ書き。
”何かお礼をするわ”
これは素直になるとかではなく、単に唯がデフォルトで善人なだけかもしれない。
”いいって、そんなの。たかか消しゴムで”
そしてデフォルト善人がもう一人。
普通唯ほどの美少女からのお礼なら、何も考えずに貰うだろうが!
”お礼するわ”
”いいってば”
”お礼する!”
”いいっての!”
”する!”
”いらない!”
メモの裏面へと攻防が移ったところで、唯はリトをキッと睨み付ける。
もちろん本気で怒っているわけではないが、
その顔には「私は絶対折れない」と書いてあった。
こうなると結局はリトが折れるわけで。
敗北を認めるかのようなため息がリトの口から漏れた。


330リト×唯 第2話 :sage :2008/04/10(木) 20:22:30 ID:UEdOAR4u(7)
するとその直後だ。
”何してほしいかいいなさい”
唯はメモを渡すとリトを無視するようにそっぽを向く。
一方、受け取ったリトは・・・。
(おいおい、これだと何でもしてくれるみたいじゃねーかよ)
リトの妄想タイムの始まりである。
(もしかしたらあんなことも・・・、こんなことも・・・///)
前髪を指先でいじりながら、リトの妄想は飛躍していく。




(って、こんなことしたら「ハレンチな!!」てぶっ飛ばされるっての!)
妄想タイム終了ーーー。

(やれやれ、古手川のやつ、たかが消しゴム借りたくらいでお礼なんて・・・。
ナチュラルでいい奴すぎるんだよなー)
自分のことは棚に上げてリトはそんなことを考える。
いや、リトの場合そもそも自覚していないので棚に上げるというのも変なのか。
(古手川に頼み・・・。古手川が凄いこと・・・)
そのとき、リトの頭上に豆電球マークが現れた。
(あるじゃん。絶好の頼みごとが!)
リトは唯に頼みごとを添えて紙切れを返す。
唯はそれを、期待と不安が入り混じったような表情で受け取る。
”勉強教えてくれ。今日の放課後から、図書室で”
ようやく元に戻りつつあった唯の顔色があっという間に染まっていく。
(それって結城君と二人っきりで!?今日からっていつまで!?
だいたい私、誰かに教えてことなんてないし・・・///)
予想外のお願いに、唯は完全に混乱している。
リトの方へと視線を向けると、その両の瞳が真っ直ぐにこちらを見ている。
リトの口元が「ダメか?」と動いた。

キーンコーンカーンカーン

そのとき授業終了のチャイムが鳴った。
唯は無言で席を立つと、
リトの横を少し過ぎたところで立ち止まり、小さく言った。
「ビシビシいくからね!結城君///」

こうして二人だけの勉強会が始まることとなった―――



p.s. 消しゴムを借りて以降、唯はリトとのやりとりに夢中だったので
ノートが取れず、翌日春菜に写させてもらうことになる。

331リト×唯 第2話 :sage :2008/04/10(木) 20:26:40 ID:UEdOAR4u(7)
今回はここまでです。
なかなか結ばれるところまで行かなくてすいません(笑)
ちなみに「3つめの理由」は筆者が二人に筆談させたかったからw

次回は勉強会です。ではでは。

332名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 20:38:50 ID:8zwQU05n(2)
>>331
何というGJ!
これは次が気になる。

333名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 21:06:58 ID:5mBmgclr
GJGJ!!
唯は仕草一つ想像しただけで萌えるから困るw
続き期待してますぜ

334名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 21:22:57 ID:a+wYPevJ
唯ばっかりでツマンネ

335名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/10(木) 22:16:33 ID:XG+qiORb
文句があるなら、君も職人になろう

336名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 00:24:57 ID:RR1SBxX/
保管庫の作品を全部見てリト×未柑が一番よかったとおもった自分は末期か(いろいろな意味で

337名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 00:38:28 ID:OjGGSI9t
美柑…な

338名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 01:03:22 ID:a5TZ3OSq
トラブルガールズのララ編が好き
ララとリトも好き
つまりリト×ララ好き

339名無しさん@ピンキー :page :2008/04/11(金) 07:12:13 ID:UiktY17p(2)
ひょっとして春菜って少ない?

340名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 07:17:54 ID:10HAWyoY
リトばっかでツマンネ

341名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 08:07:11 ID:UiktY17p(2)
他に男キャラつったら
レン
ザスティン

猿山

百合は却下

342名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 08:26:07 ID:gVU9MJdI
サオ師出せばOK

343名無しさん@ピンキー :2008/04/11(金) 13:48:24 ID:S4zi5qmr(3)
猿はキモイし遊は唯としか接点ないし
レンはとらぶるを代表するクソキャラ四天王の一人だからな
となるとザスティン…?

百合キボン

344名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 18:20:24 ID:YzAB2xtF
リトが一番まともというかほかにまともな男キャラがいないんだよなぁ

やっぱり百合なのか?

345331 :sage :2008/04/11(金) 19:10:58 ID:GYEpwibH(2)
コメントくれた方ありがとうございます。
続きは投下しようと思えば明後日までには可能だと思いますが、
スレの流れ的に、別の話が投下されるまでちょっと待ったほうがいいかな。

自分はリト以外の男キャラでは書けそうにないなあ。
唯以外でチャチャっと短編くらいなら書けるかもしれないけど。


346名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 22:18:05 ID:S4zi5qmr(3)
>>345
そんなことはない。遠慮せず投下してほしい
男だってリトでいいし>>334>>343は無視してくれて構わないから

つまりあれだ
自分のやりたいキャラでやりたいように
やりたいペースでやってくれればそれでいいから住人の意見なんてほっとけ
職人いなけりゃオナニーもできないかわいそうで情けない奴らなんだから



…へっくしゅん

347名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 22:34:53 ID:zy4ZZrZg
>>346
俺の言いたかったことを全て言うとは……。というわけで
>>345
wktkして待つぜ

348名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/11(金) 22:41:15 ID:Cu7dV+Ae
>>343>>346のIDが同じ件について…w

349名無しさん@ピンキー :ID:mpfjq41Qj :2008/04/11(金) 22:48:05 ID:MKu9w6Sb
職人sの作品ならどれでも好きだけど
みんなは誰のどの作品が一番好みかな?

350名無しさん@ピンキー :2008/04/11(金) 23:11:47 ID:S4zi5qmr(3)
>>349
そーゆー話題は控えるべき

351331 :sage :2008/04/11(金) 23:18:32 ID:GYEpwibH(2)
じゃあリト唯の続きは明日か明後日に。
リトララも短編用のネタはあるからそのうち書くかもしれません。
今月は時間あるんで。来月は地獄だけどw
つかケータイじゃないのになんで大文字なんだろ・・・

352名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 00:42:00 ID:GovrpS2e
俺、どういう訳か保管庫に行けん。
誰かお願いだ、
リト×美柑の小説をコピーしてうpしてくれ!!

353名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 01:01:01 ID:+ZAC4fIF(2)
>>352
18歳未満は行けないぞ
そうじゃないなら頑張れ
諦めなけれはかならず行けるから

354名無しさん@ピンキー :ID:mpfj41Qj :2008/04/12(土) 16:58:00 ID:g9hLyB0D
保管庫のカウンターが急激に増えてる!
これがアニメの影響なのか…!!

355名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 17:50:18 ID:aY0016MH(3)
すみません、どうかこの新参に保管庫への行き方を教えて下さい。

356名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 17:59:31 ID:d1+4InUe
>>355
テンプレ見れ。

357名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 18:48:21 ID:aY0016MH(3)
>>355
すみません、ありがとうごさいます。

358名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 18:49:20 ID:aY0016MH(3)
アンカミス
>>356

359名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 18:52:14 ID:g+75I1c2
やっぱりアニメの影響で18歳以下が入ってきたな・・・

360名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 18:53:54 ID:KhZp2Ujy
リトララきぼん
ララは好きじゃないがなぜか抜ける

361名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 19:20:17 ID:RueoBy7X
>>301です。
今度はリト×春菜(微妙に)を書こうとか思ってます。恐らく明日〜明々後日?になり、
例の如く携帯からになってしまいますがよろしくお願いします。

362名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 20:22:58 ID:KJpYHrKV
最近御門先生にハマった
どうしよう

363名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 20:41:33 ID:+ZAC4fIF(2)
>>362
そうか、書け

364名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/12(土) 22:47:55 ID:hHAhcRUX
御門先生いいよな

キョーコもいいがw

365名無しさん@ピンキー :2008/04/13(日) 02:22:39 ID:nBKLtprN
日曜日は職人降臨の日

とりあえず全裸で寝る

366名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 03:25:25 ID:1+AWVTGF(2)
リトララ書こうと思います
…が最近の投下ラッシュが凄すぎて自信が無いorz
とりあえず期待しないでください
今日中に投下出来るかもわからないんで…

367名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 08:57:56 ID:rvr3AVtP
先週のバニー闇タソと美柑のいっしょに寝る発言はロリコンな俺にはたまらなかったんだぜ

と空気を読まずに言ってみる


368名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 10:10:46 ID:bSl+DJOH
さぁ日曜日がやって参りました。

369名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 13:27:41 ID:OEGXWOOY
>>366
待ってるぜ!!!

370名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 21:27:00 ID:iOHKhjrq
西連寺秋穂がリトを誘惑する話キボン

371366 :sage :2008/04/13(日) 21:57:19 ID:1+AWVTGF(2)
ちょっと予定が入ってしまい今日中の投下はムリポです…
できるだけ今週中には投下したいと思います

372名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 22:07:17 ID:c4RFHVRV
>>371
おK、気長に待ってます

373名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 22:56:43 ID:K6ADGOBk(9)
>>351です。
第3話は日付が変わる前には投下します。
しばしお待ちを。

それと保管庫更新してくれた方乙です。
乙なんだけど、名前とIDが途中に入っちゃってるのが気になりまして・・・
編集って誰でもできるんですかね?

374名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/13(日) 23:54:57 ID:K6ADGOBk(9)
さていきますか。
リト×唯、第3話です。
今回もエロまでたどり着かず・・・申し訳ない。


375リト×唯 第3話 :sage :2008/04/13(日) 23:55:45 ID:K6ADGOBk(9)
「それじゃあ、風邪など引かないよう気をつけてください」
骨川先生の言葉でホームルームが終了する。

「リトー、かえろー!!」

効果音をつけるなら間違いなくピョーンだ、
といった感じでララが飛び跳ねながらやってきた。
その瞬間、自分が声を掛けられた訳ではないのに唯の体がビクッと震える。


そう、この後には一大イベント(?)が控えている。
リトとの勉強会が。
しかし勉強会といっても決まっているのは日時が今日で、場所が図書室ということだけ。
となると、ここでのリトの反応は唯にとってとても気になることなのだ。

5時間目も6時間目も唯は放課後のことで頭がいっぱいで、
先生に指された際も周囲から多数の視線を向けられて初めて気づく有様だった。
だから唯は、リトに背を向けて教科書やノートを机から鞄の中へと移す作業をしながらも、
しっかりと耳に意識を集中させていた。

リトはというと、少し困ったような笑顔を浮かべてララに返答する。
「わり、今日はちょっと残ってくから。先に帰ってくれ」

リトの言葉を聞いて、唯の両手が無意識にキュッと握り締められた。


一方ララはキョトンとした表情だ。
リトが放課後学校に残るなんて滅多にあることではないから、当然といえば当然の反応である。
「えっ、何でー?」
リトは目線を合わせず、頬をポリポリとかきながら言葉を返す。
「ちょっと勉強していこうかと思ってな」
「リトが勉強ー??」
ララはもともと大きな瞳をさらに見開き、心底驚いたという表情をする。
「そこまで驚かんでも・・・」
リトは苦笑する。
(だいたい俺がますます勉強しなくなったのはララが現れてからなんだがな・・・)
リトがそんなことを考えているとは知らないララ。
「でも、勉強だったら家に帰ってからでもできるじゃない」
「うっ」
痛いところを突かれた。

376リト×唯 第3話 :sage :2008/04/13(日) 23:56:47 ID:K6ADGOBk(9)
そもそもリトが図書室を指定したのは、静かに勉強ができそうだという理由からである。
家に帰ればララがパタパタと動き回って騒ぎに巻き込まれ、
それを美柑にからかわれることになる可能性が非常に高い。
何せ結城家の「トラブル率」は半端ではないのだ。
が、本人を前にしてそんなことは言えないので言葉に詰まってしまう。
「それに、勉強だったらわたしが教えてあげるよ♪」
とララは明るく言って、満開の花のような笑顔を見せる。


そんな二人のやりとりに、嬉しさで握り締められたはずの唯の両手はワナワナと震え始めていた。
(結城君ったら、自分から頼んできたくせに!結局ララさんの方がいいの?)


確かに勉強を教えてくれと頼んだのはリトだが、
元をただせば唯が何でもしてほしいことを言えと言ったからこうなったのだ。
しかし今の唯には順序だててそんなことを考えることはできない。


(どうして好きな人にそんなに自然な笑顔を見せられるの?)
(結城君は困ってるはずなのに、どうして少し嬉しそうなの?)


唯の胸の中には焼け付くような感情が渦巻いているから。
初めて感じる、いや、初めてしっかりと自覚する、強烈な嫉妬心―――。


唯の感情は今にも爆発しそうだった。
一刻も早くこの場を去りたい。
鞄に手を伸ばそうとしたとき、リトの言葉が聞こえた。
「実は一緒に勉強しようって友達と約束してるんだよ」
伸ばしかけた手がピタリと止まり、ハッとした表情でリトのほうを振り向いてしまう。
リトは目を泳がせていたが、その意識はララではなく、そして唯でもない別の誰かを探していた。

(西蓮寺さん・・・か)
唯の表情が曇る。
胸を小さい針で断続的に刺されているような感覚。


リトとララの会話は続く。
「友達って?」
興味津々、というよりもやや訝しげにララは聞いてくる。
リトの男友達に勉強熱心な者などいない。
春菜の姿はすでに教室にはなかった。
いつの間にかリトの表情がややホッとしたものになっていることに、唯は気づいていた。
「と、友達は友達だよ。それより早く帰らないと、お気に入りのアニメはじまっちまうぞ?」
苦し紛れな言い訳だったが、ララには効果覿面だった。
「あっ、そうだったーー!!じゃあ今日は先に帰るね」
言うやいなやあっという間に遠ざかっていくララの背中を、
リトは安堵と苦笑の混ざったため息とともに見送った。
(ふう、何とかなったな)


377リト×唯 第3話 :sage :2008/04/13(日) 23:57:30 ID:K6ADGOBk(9)
いつの間にか教室にいる人はまばらになっている。
っていうか皆、掃除はどうしたよ・・・
ま、いいや、勉強勉強。リトは気合を入れてから、唯へと声を掛ける。
「古手川、行こうぜ」
「・・・・・・」

反応が返ってこない。
「古手川?」
唯は無言のまま教室を出て行ってしまう。
ポツン、と取り残されるリト。

(俺、また何かやらかしたのか?)
フリーズするリト。
もはや呆れるのを通り越すほどの鈍さだ。
こと恋愛において、リトに対して遠まわしな表現は無意味といえるだろう。

しばらくすると、教室を出て行った唯がドアのところからこっちを睨んでいる。
(早くしろってことなのか?)
リトが慌てて教室を出ると、唯は後ろ手に鞄を持ちスタスタと先を歩いていく。
二人の距離は1メートルほどだ。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

全く会話のないまま図書室へと到着してしまう。
しかしリトは内心ホッとしていた。
(このまま帰っちゃうのかと思ったけど、勉強見てもらえるみたいだ)

二人は図書室へと入っていく。
図書室内にはほとんど生徒の姿はなかった。
リトは普段図書室に全くといっていいほど来ないためいつもより多いのか少ないのかよく分からないが、
テスト前の図書室は想像していたよりもずっと閑散としていた。

リトがキョロキョロしている間に、唯は司書さんと一言二言言葉を交わすと、
なにかを受け取って戻ってきた。
その表情はまだ不機嫌なままだ。
リトにはその原因がさっぱり分からない。
「・・・行くわよ」
「行くって、どこに?」
問いには答えず、唯はまた先を歩き出す。
無視されているにもかかわらず、リトは律儀に唯と1メートルの距離を保って後を追う。
二人は図書室の中を真っ直ぐに最奥まで進むと右に曲がる。
その先にはパッと見ではサウナのような、木でできた扉つきの小部屋が合った。
ちょうど目線の高さに「学習室」の文字。
唯が先程司書と話していたのは、この部屋を借りる手続きについてのことだったのだろう。


378リト×唯 第3話 :sage :2008/04/13(日) 23:58:25 ID:K6ADGOBk(9)
唯が開錠してドアを開け、二人はリト、唯の順に部屋に入る。
部屋の広さは3畳ほどだろうか。
中央に大きめのテーブルがあり、
4人分の椅子が2脚ずつ向かい合わせで置かれている他には何もない。
「こんなところがあったんだ・・・」
リトはもちろん、この部屋に来るのは初めてだ。
部屋を見回した後、入り口から一番近い椅子に座る。


唯はリトの反対側へと回ると、リトの正面の椅子を引いた後何かを思い出したかのように
それを元に戻し、不機嫌さを見せ付けるようにしてその隣の椅子に陣取った。

(わたしは今、怒ってるの!だから簡単に甘い態度なんてとらないんだから!)

二人は対角に位置した状態である。
「あの・・・、古手川・・・?」
「・・・なに?」
唯はリトの方を見ようともしないが、とりあえず反応はしてくれた。
「なんで斜めに座るの?」
「・・・関係ないでしょ。結城君には」
「・・・怒ってる?」
ここで久しぶりに唯はリトに視線を向ける。
若干頬を膨らませている様子が可愛らしいが、そんなことを言ったら本当に帰ってしまいかねない。
「・・・何によ?///」
「いや、俺が聞いてるんだけど・・・」
再び訪れる沈黙の時間。
リトとしては唯がなぜ怒っているのか皆目見当がつかない。
(ララと話して待たせたからか?でも時間なんて約束してなかったしなぁ)


唯は確かに怒ってはいたが、、何に対して怒っているのかよく分からなくなっていた。
原因は、嫉妬。
もしリトがララと勉強すると言い出していたら、
その怒りを胸いっぱいに抱えたまま、唯は教室を飛び出していただろう。
でも、リトは唯と勉強することを選んでくれた。
それも、ララを家に帰して、二人っきりでだ。
唯にはそれが、ものすごく嬉しかった。
それこそ、その直前までの怒りなど全て吹き飛んでしまうほどに。


もしリトが、ララか自分かどちらかを選ばざるをえない状況になったら、
自分を選んでくれるなどとは考えたこともなかった。

自分にはないものをたくさん持っているララ。
明るくて素直で可愛くて、プロポーションもよくって。
何よりリトへの「好き」という気持ちが滲み出ている。
自分はあんなふうに甘えたり、抱きついたりはできない。

口先では嫌がっていても、結城君だって嬉しいんだろうな。
ララさんのこと、好きなんだろうな。
そんな気持ちがあったから。

今まで誰にも、自分自身にさえ知られることのなかった、唯の心の中のフィルタ。
大きな「意地っ張り」を包んだフィルタ。
それに、小さいが確かに穴が開くほどに、リトが自分を選んでくれて嬉しかった。



379リト×唯 第3話 :sage :2008/04/13(日) 23:59:12 ID:K6ADGOBk(9)
それなのに、唯はやっぱり素直になれない。

あの時、ララ以上にリトが意識していたのは、きっと春菜。
春菜を見るリトの表情は、他の誰かを見るときとどこか違っているような気がしていた。
自分とも、ララとも。

春菜には、なぜか自分と同じものを感じていた。
リトへの気持ちを自覚した今なら、それがはっきりとわかる。
必死になってリトへの気持ちを抑えているような、
それでいてどこかで諦めきれずにいるような、そんな態度。

ララと春菜の存在が、唯の前の大きく立ちはだかっていた。


そして唯には、もう一つ引っかかっていることがあった。


(友達って言った・・・)

リトは自分を友達だと、そう言った。
とっさに出た言葉かもしれない。
そもそも、唯とリトは付き合っているわけではないし、
数ヶ月前までの唯ならリトから友達といわれたら怒って否定していたかもしれない。
この1ヶ月で二人の仲はグッと縮まったが、決して妖しい雰囲気にならないようにセーブしてきたのは唯の方だ。
それなのに今は、友達といわれたことを180度違う意味で怒っている自分がいる。


自覚してしまった、強烈な嫉妬心。
笑顔を見るたびに、言葉を交わすたびに、飛び跳ねる心臓。
一方的に無視され、理不尽な扱いを受けてきた今でさえも、
唯を心配そうに見つめている、どこまでも優しいリト。


(わたしは、結城君が、好き・・・)


もはや自分がリトに恋をしていることを認めないわけにはいかなかった。
だから・・・。


(わたしが怒っているのは、身勝手なわたし)
今まで必死になってリトへの想いを否定してきたのに、好きだと認めざるを得なくなったとたん、
自分を好きになってほしいと思う、自分だけを見てほしいと思ってしまう、身勝手なわたし。
結城君は何も悪くないのに、今この瞬間も結城君を困らせ、心配させている、意地っ張りなわたし。



380リト×唯 第3話 :sage :2008/04/13(日) 23:59:43 ID:K6ADGOBk(9)
時計すらないので、秒針の音すらしない学習室。
沈黙が耐え難いという思いは、時間の経過とともに少しずつ和らいでいってはいたが、
リトはやや沈痛な面持ちでぼんやりと唯の鞄を眺めていた。


「でも、しょうがないじゃない・・・」
(そんな簡単に、素直になんかなれないわよ・・・)

「えっ!?」
唐突に発せられた唯の言葉にリトはビックリしてしまう。
落としていた視線を唯に向け、リトは唯の言葉を待つ。

二人の静かな吐息だけが部屋を満たしていった。

その沈黙は1分だけだったような気もするし、5分はたっていたような気もする。

唯は何かを決意するかのように数秒瞳を閉じた後、その小さな唇で言葉を紡いだ。


「結城君は、こんなわたしでも・・・、ホントにいいの・・・?///」
瞳を潤ませ、顔は15度ほどうつむき加減で、上目遣いで。
いつもの強気な唯からは想像もできないようなか弱い表情で、
唯はじっと、リトを見つめてきく。
「な、なな、何言ってんだよ/// 古手川頭いいし、面倒見いいし、字もキレイだし、
えっと、その・・・とにかく、絶対教えるのうまいよ、う、うん///」

(か、かわいい///何だかわけわかんないけど、めちゃくちゃかわいい・・・///)
リトは照れと戸惑いとで顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
その様子を見て唯はクスッと笑みを漏らすと、顔を上げた。
いつものように凛とした表情。
だけど少しだけそれは柔らかい。


「結城君、第一問は不正解ね」
「へ?」
リトは何が何だか分からない。
「不正解ってどういうことだよ?」
「質問に適切に答えられてないんだから、不正解に決まってるでしょ♪」

さっきまでの不機嫌さが嘘のように消え、唯はどこか楽しそうだ。
「さ、始めましょ。まずはテスト初日の国語からでいいわよね」
あっけにとられているリトをよそに、唯はテキパキと準備を進める。


まだ完全に吹っ切れたわけではない。
家に帰れば、切ない気持ちに悩まされることになるだろう。
でも。

唯の、二人の「勉強会」は、これから始まるのだ。



(ホントの答え、いつか聞かせてね・・・結城君・・・)
唯はリトに聞こえないように、そっと呟いた。


381名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/14(月) 00:02:16 ID:K6ADGOBk(9)
今回はここまでです。
書き始めたときはここまで長くなるとは思っても見なかった(汗)
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。



382名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/14(月) 00:11:12 ID:aO+/ROxM
>>381
GJ! これは先が気になる。wktkして待ってます

383名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/14(月) 00:14:59 ID:XdYpBsil
>>381
続くよね?続けろよ?スンマセン続き書いて下さい

GJッス

384名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/14(月) 16:35:55 ID:IquwT+Aq
>>381
流石だな・・・・GJッッッ!!

385名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/15(火) 22:59:40 ID:dxAX9a+W(3)
>>361です
今から書きます。時間が掛かりますがご容赦願います

386:sage :2008/04/15(火) 23:05:02 ID:dxAX9a+W(3)
誰もが朝布団から出れなくなる寒い季節のある日の事一一



窓から射す柔らかい光によってオレは目覚めた。

ちくしょう・・・・まだ10時かよ。

欠伸をしながら寝返る。

でも・・・・こうゆーのがイイんだよな、暖かい布団の中でウトウトすんのが。
さてと、もう一眠り一一

「リトーー!!」

バターンという音と共に、ララがノックもせずに入ってきた。

「うおぃ!!?」
変な声出ちったじゃねーか。
「いっいきなり入ってくんなよ!」
「そんなコトよりリト〜早く起きてよ〜!」
「何で・・・・休みなんだからイイだろ?」
「ダ〜メ!早く起きないと遅れるよ!」

遅れる・・・・?

「ああ、そっか」

そういや今日は12月25日。クリスマスだ。
皆でパーティやるって決めたんだった。

「でも・・・・3時集合だろ?早過ぎだよ」
「いいのいいの!」

そういってララはなんとオレの布団を取りやがった。早く返せコノヤロ・・・・
・・・・ってか寒っ!

ララのハイテンションと寒さのお陰でオレの眠気はすっかり醒めちまった。


リビングに下りると、美柑も起きていた。

「美柑も来ればいいのに〜!」
「私は遠慮しとくよ、ララさん」


ララ、お前それ言うの何回目だよ。
とか考えながら、オレはトーストを齧った。

387:sage :2008/04/15(火) 23:32:49 ID:dxAX9a+W(3)





「あ〜寒ぃ・・・・」
「皆遅いね〜」
「お前なぁ、まだ集合時間の一時間前だぞ?」
「う〜ん」
「ったく、来んのが早過ぎたんだよ」


なんでオレとララが一時間前にデパートのクリスマスツリーの前にいるのかというと。

ララのヤツ、オレが飯食い終わると同時にもう行こうとか言い出した。
オレは踏ん張ったが、不幸なコトに一時間も早く着いちまった。
たかだか30分くらいで着くのに・・・・
これでもオレ、かなり時間稼いだんだぜ?

・・・・で、今に至る。

「幾らなんでも一時間前に来るヤツなんていねーよ・・・・」
「そうかなぁ〜?」

そうだよ。あぁ寒い。




一一漸く15分前。

そろそろ誰か来るんじゃねーかな?
そう思っていると、

「あ、唯〜!こっちだよ〜!」

古手川がやって来た。
「よぉ、古手川」
「二人とも・・・・早いのね。一番かと思ったのに」

そういや古手川が普通にパーティ参加を承諾したのにはビビったな。
意外に女の子っぽい服着るんだよな、古手川って。

「なっ何見てんのよ///」
「え?ああ、いや・・・・」


そして10分、5分前になると春菜ちゃん、籾岡、沢田、猿山、ついでにレンが、そしてなんとヤミも来た。

「わ〜い!ヤミちゃん来てくれたんだ!」
「まぁ・・・・ヒマですし」

ちょい待て。
いつ誘ったんだ!?
しかも猿山のヤツが積極的に話掛けてやがる。

おい猿山・・・・
ヤミは一応殺し屋だぞ・・・・

388:sage :2008/04/16(水) 00:01:24 ID:s2WUWX8H(5)
んでまぁ、後はデパートで買い物したりして、5時に会場(つーかレストラン)に着いた。
少し洒落た店だ。

「こういう所・・・・初めてです」
とヤミ。だろーな。
「私も・・・・」
と春菜ちゃん。
反応を見る限り、古手川も初めてみたいだ。
まぁオレもだけど。

「大丈夫大丈夫!そこら辺のファミレスとかと殆ど同じだから!」

中に入ってみると意外にも沢田の言った通りだった。それぞれが料理を頼み終え、雑談をしていた。


そして食事を終え、デカイケーキを皆で食べている時に猿山が一一

「よーし皆!王様ゲームやろうぜ!」
と9本の割り箸を突き出した。

「プリンセス・・・・王様ゲームって何ですか?」
「私も分かんないよ〜」
「ララちゃん!王様ゲームっていうのはね・・・・」

とレンが説明しだした。
つーか何でお前が知ってんだよ。

「へ〜!面白そう!」
「何でも・・・・ですか。それはいいですね」

今ヤミの目が光った気がすんだけど!オレだけ!?

「それじゃあいくよ〜」
「王様だーれだ!?」

オレじゃない。誰が・・・・

「・・・・私です」

!! ヤミが!?

「では2番の人・・・・」

2番!?オレだっ!
ヤバイ、ヤバイかも・・・・

「・・・・3番の人と握手して下さい」

へっ?握手?

「ヤミヤミ〜もっと厳しくしてイイんだよ〜?」

おい籾岡!余計なコト言うなよ!

「いいです。取り敢えずは」

・・・・助かった。
あ、因みに3番はレンね。

389:sage :2008/04/16(水) 00:24:36 ID:s2WUWX8H(5)
「王様だーれだ!?」
またオレじゃない。
「やりぃ!王様〜!」
籾岡か。
「じゃあねぇ・・・・」
「5番の人が2番の人に後ろから抱き着いて『大好き』って言う!」

だっ、抱き・・・・っ!?
それに「大好き」って!
・・・・もし春菜ちゃんとなったら・・・・!!

・・・・ってオレ7番か・・・・
ホッとしたよーなガックリしたよーな・・・・

「あ・・・・私2番よ」
「おおっと!?古手川さんに抱き着くのは誰だ?」

古手川が顔真っ赤にしてこっちをチラチラ見てくるのは何でだろーな?

「私5番〜!」
「・・・・ララさん!?」
「唯〜!大好きだよ!」
「〜〜〜っ///」
「うーん、ララちぃがやってもあんまりなぁ・・・・」

確かに違和感ないな。


それからまぁ色々あった。猿山がモノマネさせられたりヤミが籾岡に抱き着かれたり・・・・・・・・
後はオレが・・・・その、古手川と沢田に「愛してる」って言わされたり(沢田には笑われたけど古手川は何故か耳を真っ赤にして俯いちまった)。
2連続でだぜ?
信じらんねーよ・・・・


「じゃー最後ね!」
「王様だーれだ!?」
・・・・・・・・
やっぱオレじゃない。
一回も王様になってねーし・・・・

「私だ〜!」
ララか。
なんか嫌な予感が・・・・

「じゃあねぇ〜1番の人が8番の人のほっぺに・・・・キス!」

390:sage :2008/04/16(水) 00:46:39 ID:s2WUWX8H(5)
・・・・んだと!?落ち着けオレ。ララは今何て言った?
・・・・キス!?
キ、キス!?キスってあのキスか!?
だ、大丈夫!こーゆう時のオレは運がいいから・・・・
・・・・ちくしょおぉ!!
やっぱオレか!オレが1番か!
8番・・・・誰だ?
もしかして春菜ちゃん!?
そしたら・・・・そしたら・・・・っ!
ヤベぇ!恥ずかしい!!

「あ・・・・僕が8番・・・・」

春菜ちゃんにキス・・・・・・・・・・・・
一一一え?

「あはは!リトとレンちゃんだ〜!」

おいおい!マジかよ!!?
レンとなんて・・・・!
マジでやんのか!?マジで!?・・・・レンに!?

いやだぁぁああ!!!!








時刻は9時。

取り敢えずまたツリー前に集まる。
なんと信じられないコトに雪が降ってきた。

「リト・・・・大丈夫か?」

猿山・・・・思い出させないでくれ。ホントに。

「これからどうする?」
「んー、取り敢えずコンビニでも行かない?寒いしさ」
「そーだな」
「オレがここ残るから行ってこいよ」

ぶっちゃけあんま動きたくねぇ。

「私も残るよ」

!?春菜ちゃん!?まさか・・・・オレの為?
・・・・なワケねーよな。

「じゃあよろしく!直ぐ戻るから」


二人きりになった。
春菜ちゃんと・・・・
(ドキドキドキドキ)

391:sage :2008/04/16(水) 01:09:14 ID:s2WUWX8H(5)

「あの・・・・結城くん?」
「ななっ何!?」
「・・・・・・・・」
「どうした・・・・の?」
「・・・・・・・・」
顔が赤くなり、唇をキュッと結ぶ春菜ちゃん。
「・・・・・・・・」
「わっ私一」

春菜ちゃんと目が合った瞬間、何故かオレは春菜ちゃんが言おうとしてるコトが分かった。
オレが望んでた言葉一一

「西連寺!」
「!?」
「ど・・・・どうしたの?」

何て言うんだ、オレ?

「いい・・・天気だ・・・ね」
「え?」

何言ってんのオレ!?
何言ってんのオレ!?

「いや・・・・だから・・・・」
「ふふっ・・・・結城くん、あははっ、雪・・・・降ってるよ?」
「え?ああ・・・・」

クスクスと笑う春菜ちゃん。そんな面白いかな?

「うん、まぁ・・・・ね」
「ふふふふっ!」
「ははっ」
オレもつられる。
丁度その時、皆が帰ってきた。
「よーし!次はカラオケに行こー!」
「でも私そろそろ帰らないと・・・・」
「いいじゃん唯♪」
「カラオケ・・・・興味深いですね」

「だってよ。行こーぜ、西連寺」
「・・・・うん!」

何となくララを見る。

ゴメン、春菜ちゃん。
オレ、今の生活が・・・・今の生活がメチャクチャ楽しいんだ。
皆と遊んだり、色々するのが。
ララに引っ張り回されるのが。

だから今はまだ・・・・
もう少しだけ・・・・今までみたいに。
「友達」のままで一一一。

392名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/16(水) 01:18:36 ID:s2WUWX8H(5)
終わりです。
間違いや矛盾点とかはアレって事でお願いします。
なんか勝手に進展もさせちゃったけどそこもアレって事でお願いします。

最後に、終わりまで読んでくれた人に感謝します

393名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/16(水) 01:30:24 ID:lkxJXSIl
次はもうちょっとがんばれ


394名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/16(水) 01:47:49 ID:Vru1Z5T6
>>392
王様ゲーム雰囲気がでててよかったぜ
GJ

395名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/16(水) 07:29:57 ID:7+FS6Zqm
>>392
楽しんで読めたぜ
GJ!

396名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/16(水) 21:33:48 ID:2fh4gjlm
>>392
こいつみたいな言い訳ばっかりの糞SS作家は死ねばいいのに

397名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/17(木) 03:06:12 ID:PNQVu/0M
>>392
問題なく楽しめた
GJ

>>396
アンチは死んでくれ

398名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/17(木) 03:14:31 ID:pkc2Nz+Y
>>392
三点リーダ(…)とかダッシュ(―――)
を使うようにすると文面がスッキリするかも


399名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/17(木) 07:51:39 ID:iw8SJl2v
>>381です。
コメントくれた方々ありがとうございます。
続きもぼちぼち書いてるんで、もうちょいお待ちください。


>>392
GJでした。
to loveるって脇役もアクが強いから
みんなでわいわい的なのも面白いですね。

400名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/17(木) 13:17:20 ID:LQGosyDY
そいですよ職人さん方
サブにも魅力的なのがたくさんいるじゃないですか
お静とか里紗とか凛とか凛とか凛とか…

401名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/17(木) 19:20:38 ID:qvYxTvMM
>>392
GJこれからも頑張ってください

>>399
wktkして待ってます

>>400
凛凛ウッセーんだよ
男なら黙って全裸で「恋せよ乙女」の続き待ってろ!っくしゅん!!

402名無しさん@ピンキー :ID:mpfj41Qj :2008/04/19(土) 01:54:48 ID:b4k8V4jI(6)
ラブラブな新婚リトヤミです!
こういうジャンルもありなのかな?
まぁっ!いっか!

でわ投下〜

403新婚リトヤミ :ID:mpfj41Qj :2008/04/19(土) 01:55:22 ID:b4k8V4jI(6)
「朝です。起きてください…」
リトを揺さぶりながら起こそうとするヤミ
「んん〜…。…後もうちょい…」
枕を抱きしめ、子供のように嘆願するリト
「貴方の(もうちょい)は相当な時間を要します。
だから…今起きないと、強制的に起こしますよ…」
「わかったぁーわかったぁー…」
「…っはぁ〜…」
ヤミは大きな溜息をつき「わかりました」と小さな呆れ声でつぶやく
リトが起きないようにドアを静かに閉めてヤミは台所に向かった


30分が経過し、リトの鼻に朝の匂いが漂ってきた
「ん?…ふぁ〜〜〜〜〜…。…あれ?もう朝かぁ〜」
爆発している寝癖を掻き、開いたり閉じたりする目をこする
そしてしばらくぼ〜っとし、この異常な寝癖を直すため、洗面所に向かった
冷たい水で顔を洗うと、手でグシャグシャと寝癖を簡単に直した…

「あ”〜〜〜〜……」
起きて早々冷たい水を受けたリトは不機嫌な顔つきになる
「そういや、ヤミに何か言われたような…?」
そんなことを考えながら歩いたが、気がつくと台所の傍まで来ていた
「…どれどれ?」


404新婚リトヤミ :ID:mpfj41Qj :2008/04/19(土) 01:56:01 ID:b4k8V4jI(6)
何をしているのか気になったのか、首を伸ばし中を覗くとエプロンを
着たヤミの後ろ姿が見えた…
こちらから見ると手元はぎこちないながらも、一生懸命に料理をしている姿が窺えた
「エプロンかぁ……少しだけ早起きした甲斐があったな…」
不機嫌な顔がいつの間にか、ご機嫌な顔に変わっていた
そして、リトの中で渦巻くイヤラシイ妄想が構造されていく
「よし…!」

覚悟を決めたリトは、気づかれないようにゆっくりとヤミに近づいていく…
だが、元殺し屋のヤミにはその小さな物音と気配に気づき
「何か食べたいものはありますか?」
そうは言っているが、手元の作業に集中しているヤミの向きは変わっていない
それを見て好都合だと思い、リトは後姿のヤミにいきなり抱きついた
「なっ!何ですか!?」
「ヤミのエプロン姿が可愛すぎて…」
そう言いながら、ヤミの胸元に回した両腕を軽く締める
「んっ……ま、まだ朝食の準備が…」
「大丈夫だって!冷めない内に終わらすから…!」
リトはヤミの了承を得ないまま、片手を腰の辺りに這わせ、煽った
「…しょうがないだろ?…ヤミが可愛すぎるのがいけないんだ…」
「……っ…ん!」
エプロンとスカートの間から手を滑り込ませると
両手で腰の感触を確かめながら、服を捲り上げる
やがてリトの右手がスカートの中にある、ヤミの秘部を包む柔らかな生地に到達
「…えっちぃ人は嫌いです…」
ヤミは作業していた事を中断して、自分の胸元に回されていたリトの腕を軽く握った…
それを了承の合図だと受け取ったリトは自分の手をパンティと肌の隙間にスルスルと入れる
柔らかな肌…滑らかな肌…
それらを通り越すと、指を股の間に持っていく
「あ…」
指をL字型に折り曲げ下から持ち上げる様に愛着をした
折り曲げられた指の先が淫裂に潜り込み、その側の柔肉を窪ませる
「気持ちいい?…ヤミ…」
耳元でリトが囁く
「…というか…そういう問題ですか?…」
「声出しても良いよ…我慢しなくても」
「?」
リトはそう言うと中指を花弁の縁をなぞるように動かした
「ん…」








405新婚リトヤミ :ID:mpfj41Qj :2008/04/19(土) 01:56:36 ID:b4k8V4jI(6)
ヤミの口からは耐えるような呻き声が聞こえてきた
リトはそれに気を良くしたのか人差し指、中指、薬指を不規則に動かし
パンティの中を激しく弄繰り回す
徐々にヤミの陰部が湿り気を帯びてくる…
しかし、わざとリトは指を挿入することはなかった…
さっきから指で表面を擦ったたり、中心部を避け、その周りを弄するだけである
「…あ、あの……」
頬を羞恥の色で赤く染めたヤミは微かに呟く…
「わかってるって!」
その反応を待っていたのかリトは指先に力を込め、少しずつだが強く折り曲げていった
肉の花弁を掻き分け、リトを指がヤミの中に入っていく…
それと同時にヤミの胸元に回していた腕に力を込め、乳房を握りこんだ
ゆっくりゆっくりと手を動かすと、服の上からでも柔らかさが味わえる…
それを契機に花弁の奥から溢れ出てくる蜜の量も増加していった…
「…ん、んん…ぁぁ…」
「(なんだかんだで、ヤミもちゃんと感じてるんだな…)」
リトは押し込んだ自らの指を色んな方向に動かし、ヤミの中を掻き回す
…その頃にはリトの肉棒も痛いほどに勃起し、パジャマのズボンを持ち上げていた
二人の腰は密着しているのでヤミにもその感触は十二分に感じることができる
「……ん」
「………」
そのときには二人は無言になっていた…
リトは夢中で愛着をし、ヤミはリトの腕を握り、リトの愛着から来る快楽の声を抑えている
「ぁ…ぁ…」
愛着を続けていく内にヤミは耐えられなくなったのか
終には静かな喘ぎ声が漏れ、段々と腰が曲がっていった
リトの肉棒がヤミの尻部に押し付けられた
それでは我慢できなくなったのか、ヤミへの愛着を続行しながらも細かく腰を揺らし始めた
「………ぅん…え?…あ、あの…」
「…ん…あっ…!ああ…」
ヤミに指摘されてやっと気づいたのかリトは腰の振動をやめる

「…も、もういいよな?」
「…どうせ断っても意味の無いことだと分かっています」
「…うっ!………かもな…」
胸に回していた手でヤミの背中を軽く押し、もう少し腰を折り曲げるように
と要求するとヤミも素直にそれに従った
丁度良い格好になって突き出された尻部に手をやると、掛かっているスカートを捲り上げる
そのまま流れるような作業でパンティもずらしていく…
蜜に濡れた陰部が外気に触れる感覚とほぼ同時に、ヤミの耳元にズルッとパジャマを脱ぐ音が聞こえてきた
そろそろ本番なのだという不安感と焦燥感がヤミの胸に響き、より一層身体を緊張させた




406新婚リトヤミ :ID:mpfj41Qj :2008/04/19(土) 01:57:13 ID:b4k8V4jI(6)
「(よし…)」
露になった男根を握り、リトは一歩前に進む…
「……ぁ」
リトは自分の盛った男根の先端を淫裂の入り口に擦り、上下して弄した
それに伴いヤミの唇から切ない声が漏れ、もどかしげに腰が微かに揺れる
「それじゃあ…いくぜ…」
両手で腰を固定すると、リトは自身の肉棒を一息でヤミの奥まで沈めた
淫猥な水音を立て、充血した肉棒が膣内を押し分け、ヤミの中に浸透していく
「……ぅ!……ぁあ…ん!」
「……ぅく!…」
二人はお互いに歓喜の声を揚げた…
一度最後まで突いた後、男根を肉穴から抜ける寸前まで引き戻すと再び奥まで突き通す
リトにとっては先端のくびれが隆起する膣壁を擦り合う感触が例えようも無く心地よかった
その感触をより多く味わう為にも、引き締まった腰を抱き
腰を引いてはぐいぐい奥まで進むというのを繰り返していた

「…ぁ…うん…んんっ…ぃ」
奥を突く度にヤミの口からは荒い吐息が漏れ、キュッキュッと肉壁が迫り
抜き出していく肉棒を締め付けた
何度も何度も快楽を求め、リトは腰を揺らす
リトがヤミの膣を強引に押し広げていく行為に没頭して暫くが経過した頃、
リトの股間に熱く痺れるような感覚が訪れる
「…っ…あ…!」
先程起きたばかりで余程溜まっていたのか、迫り来る快楽に抵抗する事無く、
そのまま絶頂を向かえ精液を膣内に解き放った
リトは立ったまま踵を浮かし、背を反らせ、身体全体で絶頂を表現した…
「…んん…あ……」
息を激しく乱しながら、ヤミは注ぎ込まれる精液の感覚を受け止めている
収縮する膣内にリトの肉棒は挟まれて、最後の一滴まで搾り取られるような錯覚に陥った
ズルリと萎びた男根を淫裂から抜き取ると…
「…ごめん…ヤミ」
「……?」
不意にリトがヤミに謝った
「ヤミは、まだイってない…だろ……?」
「…え……あっ…」
「俺なら何回ヤってもいいんだ…ただ、ヤミには…気持ち良くなってほしい…」
「リト…」
リトの率直な意見に思わず赤面するヤミ
「じゃ、またいくけど?」
そう言って半勃ちになった肉棒をヤミの股間に押し付けようとしたのだが…
「…ちょっと待ってください」
「…ん?」
「その…ココじゃなくてもっとちゃんとした場所で…」
「お、…おう!」
ヤミが行為を制した心理を理解すると、リトは動きを止めた…かと思うといきなりヤミを両手で抱え上げた
「きゃっ!な、何を///!?」
「だから、ベットまでこれで…」
「し、しかし…こんなカッコ…」
「かなり可愛いと思うよ!」
ヤミとしては気にしない訳にもいかず、顔を紅潮させ照れている
そのままリトは一直線に自分の部屋まで駆けていった…








407新婚リトヤミ :ID:mpfj41Qj :2008/04/19(土) 02:03:47 ID:b4k8V4jI(6)
一様、終わりです。
まだ続きは書けるんですが、まぁ様子見って事で…
あ、あと、自分は「トラブルガールズ」の作者でして、今後書くとしたら
誰を書けばいいか悩んでおります…。
今のところの候補は「凛」「春菜」「ルン」です。
長々と長文申し訳ありませんでした!


408名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 02:08:29 ID:COBX5rhe
>>407
まさかヤミリトの新婚話で来るとは…GJ!
あとルンに一票

409名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 07:54:26 ID:ee9ZZxEA
凛かルン希望

410名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 09:13:25 ID:UOfSrdd9
>>409
自分で書こうと言う気は無いのか?

411名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 09:15:52 ID:JM3u+vWE
凜でおねがいします

412名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 09:23:34 ID:xXPYpQsj
>>410
>>407に対して書いたんだけど…

413名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 10:59:01 ID:gi+SioYq
>>407
エプロンヤミヤミキター!!
もう少し新婚ホヤホヤデレデレなヤミが見たかったですが
そんなこと関係なしでGJです!

リクは凛かルンがイイです

414名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 11:23:14 ID:gDd7Imb8
>>407
えっちい新婚ヤミヤミGJ!!

俺も凛が見たい
キャラ立ってないし書きにくいと思うケド頑張ってほしい>凛書くなら

415名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 14:32:38 ID:O2TRmAOM(11)
リト×唯を書いてるものです
第4話近いうちに投下します(たぶん今日いけるかと)
今回はちょっと重い内容だったりしますが・・・
もうしばらくお待ちを。

>>407
GJでした!

416名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 14:49:11 ID:9ftulN4O
>>407
ヤミリトGJ!やはりヤミは良い!実に良い!

俺はルン希望します!

417名無しさん@ピンキー :2008/04/19(土) 14:54:43 ID:MSKzVEFt(2)
パラレルネタもしくはifネタ希望します

418名無しさん@ピンキー :2008/04/19(土) 14:57:10 ID:MSKzVEFt(2)
>>407
本当に最高DEATH。謝々

419hiro :2008/04/19(土) 18:38:03 ID:p6SeQCQV
>>407凛で

420415 :sage :2008/04/19(土) 19:29:12 ID:O2TRmAOM(11)
リト唯第4話投下します
今回も申し訳ないんですがエロはなしです
ではいきます


421リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:29:51 ID:O2TRmAOM(11)
「はぁ・・・何でこんなめんどくさいことやってんだろうな・・・」
リトは苦笑とともにため息を吐きながら、校門を通り抜ける。

何も1日の始まりである朝から、こんなことを言っているわけではない。
現在の時刻は午後4時20分。
夕日のオレンジが校舎一面を照らす中、テスト前期間のため誰一人として存在しないグラウンドを一人歩く。
向かう先は図書室―――――唯との勉強会だ。

唯との勉強会をめんどくさいとは何事だ、と唯ファンからの怒りの声が飛んできそうだが、
リトは勉強するのが嫌なわけでも、唯の教え方に不満があるわけでもない。
むしろリトは勉強が楽しくなってきてすらいるのだ。

質問をすると、唯は丁寧かつ的確にそれに答えてくれる。
さらに補足として様々な豆知識を、リトの頭脳がパンクしない程度に教えてくれるのだ。
そのうえで次に解くべき問題を指示し、考えさせるときはじっくりと考えさせる。
天才肌でどこか感覚的なララとは違う、勉強が嫌にならないように少しずつ引き込んでいくような教え方だ。
ビシビシいくと言われていたからには多少の罵声や叱責を覚悟していたリトだったが、
実際に教えてくれる唯は「面倒見の良い姉とはかくや」といった感じで、
実に穏やかに、物覚えの悪い自分にもわかりやすく指導してくれた。
リトはナルホドを連発し、8時近くなり司書が帰るように促すまで完全に引き込まれていた。


では、何がめんどくさいのか。それは勉強会2日目にまで遡る。

「わたしと二人きりで勉強してるって知られると、結城君いろいろと困るでしょ?///」
昼休み、突然唯にそう言われたのだ。
「あー、・・・いや、俺は・・・別に・・・」

とはいったものの、正直リトとしてもできれば知られたくはなかった。
教え方がうまいのももちろんだが、他の誰にも入ってきてほしくないほどに唯との勉強会は心地よかったのだ。
ララや春菜に対して負い目が全くないとは言えないのもまた事実ではあるが。

そうすると、ばれたら問題といえば問題である。
昨日はアニメに気を向かせることでララを帰らせることに成功したが、今日からはそうはいかない。
「だから、作戦を考えたわ」
「作戦?」

唯の作戦は次のようなものだった。
帰りのホームルームが終わったら唯はすぐに図書室に向かい、一つしかない学習室を確保する。
一方リトは友達の家で勉強するとララたちに説明し、一度学校を出る。
そして学校に人気がなくなるまで待ってから戻ってきて合流する。

「ちょっと大げさじゃないか?ばれたらばれたで、一緒に勉強すれば・・・」
そこまではしなくてもと思いリトは返したが、唯は無言のままだ。
頬を少し染めているが、リトから視線を外そうとはしない。
「結城君がそれでいいなら、別にいいけど・・・///」
口腔で溶けていくように小さくなっていく声。
いつものような、絶対に自分の意思を曲げない強い唯ではなかった。
ただ、そう言い終えた後、一瞬唯がとても寂しそうな表情をしたようにリトには見えた。
そしてその表情はリトの心からいつまでも離れなかった。
結局その日、6時間目終了直後にリトは作戦の決行を伝えたのだった。
(古手川、ひょっとして俺と二人きりがいいのかな///)
そんなことを考えていたリトはそこで唯の笑顔を期待していたのだが、
唯は表情を変えずに「ええ」と返してきただけだった。

422リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:31:45 ID:O2TRmAOM(11)
ともかくリトはその日から作戦を決行し、自宅とは反対方向へ10分ほど歩いたところにある
小さな公園の土管の中で30〜40分ほど時間を潰してから、周囲に気を払いながら学校へと戻ってくる。
火曜日からはじめ、金曜日の今日で4日目だ。
さすがにめんどくさくもなるが、今日でこんなことをすることもとりあえずはなくなるだろう。
そう考えるとそれが少し寂しく思えてしまい、リトはまた苦笑する。
「よしっ、今日も頑張りますか!」
リトは気持ちを盛り上げるために意図的に口に出すと図書室へと入っていった。

学習室では唯が準備万端といった様子で待っていた。
「遅い!まったく何やってるのよ、時間ないのに・・・」
いきなりやる気を挫く言われようだ。
(古手川サン、そりゃないんじゃ・・・)
と思っていると反論する間もなくルーズリーフが2枚差し出される。
「今日はこれからね。英語の小テスト、制限時間は1枚10分!」
「ち、ちょっと待て」
まだ筆箱も出してないっての。
「はじめっ!!」
リトは大慌てでシャープペンを取り出すと問題と格闘しはじめる。
小テストはもちろん唯のお手製だ。
1枚目が試験範囲の重要な単語と熟語の確認。2枚目は文法のチェックだ。
この勉強会でかなりレベルアップしたリトはほぼ詰まることなく問題を解いていく。
唯は時折リトの様子を確認しつつ、別のルーズリーフに文字を書き連ねている。
「1枚目終わった」
まだ7分程しか経っていない。
「きちんと見直しした?」
「オッケ」
「じゃあ、二枚目は今から10分ね」
「りょーかい!」
リトは再び整った文字列に意識を集中していく。
そして2枚目も制限時間に余裕を持って終了した。
「ふぃー」
充実感を感じながら長めに息を吐き出す。
手ごたえアリ、だ。
唯はさっそく採点を始めていた。
シュッ、シュッ、となるペンの音が心地よく感じる。
「凄いじゃない、結城君!!」
採点を終えた唯の声が弾む。
1枚目100点、2枚目90点。
わずか数日前に今のままなら赤点確実と唯に断言されたのだから、上出来といえる。
しかしリトは悔しそうだ。
「くっそー、全部あのカードにのってる問題だったのに・・・」

あのカードとは、土管に入っている間にも勉強できるようにと、唯が作ってくれた単語・文法カードのことだ。
唯は本当によく気がつくできた女の子だと、リトはつくづく感心した。
そして自分のために頑張ってくれている唯の為にもと思い、それこそ何度も見返して必死になって覚えたのである。
今日も土管の中できっちりと確認していただけに、余計に悔しい。
「でも、ちゃんと成果は出てるわ。何だかわたしも嬉しいな・・・」
そういって唯は口元を綻ばせる。
(っ!///)
リトはそれにドキドキしてしまう。

423リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:32:16 ID:O2TRmAOM(11)
唯が見せているのは自然な表情だ。
だけどリトにとっては、それが特別なのだ。
今まで自分に向けられてきた表情は、どこか無理矢理なものだった。
それでも唯が美少女であることにリトは異論なかったが、
勉強会を始めて以来時折見せる自然な表情の破壊力は、これまでの比ではない。
どんどん唯に惹きつけられていく感じがしていた。

「さ、今日は世界史ね。覚えておくべきところを赤で書いて、カッコで囲ってあるから、
赤いシートを使って覚えてね。あ、分からないところは遠慮せず聞いていいから」
「お、おう・・・。サンキュ」


こんなコがなぜ自分にここまで親身になってくれるのか。
そしてそうしてくれることが、少し不安でもあった。

(古手川自身の勉強は大丈夫なのか?)

そうなのだ。
唯は毎日、前日の復習といっては小テストを作ってきてくれる。
さらに、覚えやすいようにカードを作ってくれたり、数学の公式をまとめたノートを作ってくれたりしている。
今日の世界史だって、相当な手間と時間がかかったはずだ。
それでいて図書室にいる間はリトに教えることを中心に考えてくれているので、
唯自身の勉強はそんなに進んでいないだろう。

「なあ、古手川」
「ん?どこかわからない?」
唯は嫌な顔一つせずすぐ反応してくれる。
「その・・・、大丈夫なのか?」
「?」
シャープペンを唇に軽く当て、キョトンとする唯。
(可愛い・・・じゃなくて!)
咳払いを一つ。

「自分の勉強。時間取れてるのか?」
リトは申し訳なさそうな顔でそう問う。
「・・・またそれ?」
「またって、大事なことだろ?」
唯はため息を吐くと苦笑いのような、バツの悪い表情になる。
リトは更に続ける。
「毎日俺のために、いろいろ作ってきてくれるのは凄く嬉しいんだ。
実際、自分で勉強するより格段にわかりやすいし、楽しいしさ。
でも、俺のために古手川が体調崩したり成績が悪くなったりするのは嫌なんだよ。
自分のこと、一番に考えてくれていいんだぜ?」
真摯な表情、嘘のない言葉。
普段はヌケているくせにこういうところがズルイと、唯は思う。
(結城君が心配してくれて嬉しい。でも・・・)

「大丈夫ったら大丈夫よ」
ついそっけなく返してしまう。

もちろんリトは納得していない。
唯がどういう性格か、リトだってそれなりには理解しているつもりだ。
「・・・」
無言の抗議。
すると唯が痺れを切らしたように今日始めてリトを睨み付けた。
「ちゃんと帰って勉強してるから平気なの!いいから早くナポレオンのことでも覚えなさい!///」
リトはまだ納得しかねている様子だったが、
そこまで言うなら、といった感じでホッチキスでとめられたルーズリーフに視線を戻す。



424リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:33:03 ID:O2TRmAOM(11)
実際のところ、唯の睡眠時間は半分以下に減っていた。
8時頃までリトの勉強に付き合い、家に帰って食事をとればもう9時だ。
普段予習復習を始める時間が9時、終えるのが10時半から11時。
しかしさすがにテスト前だ。
予習復習に加え授業をしっかり聞いている唯だが、
完璧主義者でもあるため、最近は0時近くまで勉強している。
その後いつもならもう眠っている時間にお風呂に入り、リトへの「教材づくり」は1時頃からスタートする。
そして朝起きるのは決まって6時半。
だいたいの睡眠時間がご想像いただけるだろう。

しかし唯には不思議なほど疲れはなかった。
これまでも他人の何倍も規則正しく生きてきたが、これほど毎日が充実していると思えたことがあっただろうかと思うほどに。

一人になれば、リトのことばかりを考えてしまう。
それに付随して、ララのことや春菜のことも。
そうなると、とてもテスト勉強どころではなくなる。
今の唯にとっては、やるべきことに追われているくらいが丁度いいのだ。

ましてそのやるべきことが、好きな人の為ともなれば俄然やる気も出る。
リトは根が素直な分、打てば響く鐘のように教えたことをどんどん吸収してくれる。

(彼を今支えているのはララさんや西連寺さんではなく、わたし)
二人だけの秘密の時間を共有している感覚が、唯にはたまらなく嬉しかった。
笑顔とともに「ありがとう」を聞ければ、それだけで頑張れる。
リトに教えることは自身の復習にもなるし、唯にとって勉強会にマイナス面など一つもなかった。

リトは黙々と世界史の暗記に取り組んでいた。
わからないことがあったら聞けと言われているものの、ルーズリーフは分かりやすく色分けされており、
例によってごちゃごちゃしない程度に補足も書かれている。
細やかな心遣いはここでも健在で、質問する必要がないほどだった。

一段落ついたところでケータイで時刻を確認すると6時半だ。
どうやら2時間近くぶっ続けで暗記していたらしい。
この一週間、帰宅後も家で勉強しているうちに、集中力も高まってきているのかもしれない。
リトは座ったまま大きく両手を上げて伸びをすると、天井へと視線を向けたまま唯に声を掛ける。
「古手川、ちょっと休憩にしないか?」
「・・・」
反応がない。
今日は無視されるようなことをした覚えはないが・・・。
恐る恐る見ると、唯はどうやら机に突っ伏して眠ってしまったようだ。
いくら気力が充実していても、体力には限界というものがある。
さすがの唯も、自覚がないだけで疲れてはいるのだろう。

「はは・・・」
リトは柔らかく笑みを零す。
(自販機で温かいものでも買ってきてやるか)
席を立とうとすると、一枚の紙が目に入った。
身を乗り出すようにして確認してみる。

(・・・結城君ナルホドシート?なんだこりゃ?)
見ると今日までの日付の横にいくつかの正の字が並んでいる。
リトが一日に何度ナルホドと言ったかカウントしていたようだ。
(・・・こんなに声に出してたか?)
毎日正の字が2つ以上完成している。
つまり常に二桁ということだ。
唯がいつ寝てしまったのかはわからないが、今日もすでに正の字が一つ完成していた。
(何をしてるかと思えば・・・)
苦笑いのリトだが、そんな一面を可愛いなと思う。



425リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:33:43 ID:O2TRmAOM(11)
知れば知るほどに、唯は普通の女の子だ。

そう、唯はリトにとって大切な女の子だ。
ただのクラスメートでも、口うるさい風紀委員でも、もはやない。
いつの間にか唯の事を恋愛対象としてみるようになっている自分がいた。
鼓動が速まっていくのを、妙に冷静に感じていた。


「ぅん・・・、結城くん・・・」
唯の安心しきったような寝言でリトの冷静さはあっという間に吹き飛ぶ。
気づけば無防備な寝顔が目の前にあった。

(俺のために毎日遅くまで頑張ってくれてるんだよな。
そしてお前はそれを、恩着せがましく言ったりしない。
絶対に隠し通そうと、バレバレな嘘をつくんだ)

心配すれば何でもないとそっけない態度をとって。
そのくせ自分は誰よりも周囲に気を使って。
俺が素直に喜ぶと少し恥ずかしそうにそっぽを向いて。
それをからかうとムキになって怒って。

確かに他人に厳しい面はあるかもしれない。でもそれ以上に自分に厳しくて、そして凄く優しい女の子なんだ・・・

唯に対する愛しさが、爆発的にこみ上げてくる。
すぐにでも抱きしめたい。  キスしたい・・・。

頭の片隅でわずかに残った理知的な自分が、やめろと警報を鳴らしている。
唯の意思が存在しえないキス。
しかしリトは、もう止まれなかった。

口紅などほとんど塗っていないだろうに、その唇は艶やかで、鮮やかなピンク色だった。
リトは蓮華の花に誘われたミツバチのように、唯に顔を近づけていった。


二人の前髪が触れるか触れないかの辺りまで来たときだ。
ゆっくりと唯の瞳が開かれた。
(!!)
ビックリしたのはリトのほうだった。
唯が目を開けたのは、まさにリトが目を閉じようとした瞬間だった。
二人の視線が、わずか数センチの距離で重なる。

ハレンチなっ!!
リトは唯の瞳を見つめたまま、突き飛ばされる自分を頭の中に描いていた。
しかし実際にはそうはならなかった。
そしてそうされた方が、まだマシだった。

唯は嫌がらない。
その瞳は、まるでリトなど目に入っていないかのように澄んでいた。

(古手川、嫌がってない・・・)
無言でいることを肯定と判断し、目を閉じて唯の唇に触れようとした、次の瞬間―――



426リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:34:45 ID:O2TRmAOM(11)
「どうしてこんなことするの?」

居眠りしているときによく起きる体の痙攣以上の震えが、リトを襲った。
唯の声は、今まできいたことがないほど冷たかった。
わずかにかかった唯の吐息は、氷でも含んでいるかのように冷えきっていた。

リトは何も言葉を返せないでいた。
唯の表情は何も教えてくれなかったから。
悦びも、怒りも、悲しみも、何一つ表に出さず、唯はただ聞いてくる。


「古手川・・・、その、ゴメン・・・」
リトは掠れた声で謝罪する。
急に激しい息苦しさに襲われたのは、自分でも気づいていたからかもしれない。
答えを出せないまま唯に触れようとした、愚かさに。

リトは頭を下げたまま顔を上げられないでいた。
暫しの間の後、唯の声が静かに部屋の中に響いた。
「結城君は・・・買い被りすぎよ」
感情の伴わない声。
「わたしは、結城君が考えているようないいコじゃないの」
「・・・古手川?」
「わたしは、嫌な女なの」
「そんなことねーよ!お前にそんなこと言ってほしくない!
お前が凄く頑張ってること、俺は知ってる」
何で怒られるはずの自分が声を荒げているのだろうか。
(言わせてるのは俺じゃねーか・・・)
そう思いながらも、言わずにはいられなかった。
思わず顔を上げ、唯を見つめてしまっていた。

数秒後、唯の顔に宿ったものは寂しげな笑顔だった。


「じゃあ結城君は、わたしを一番にしてくれるの?」


声には諦めのような色が混ざっていた。
リトはその言葉に、声に、心臓を鷲掴みにされた。
数分前とは全く違う、鼓動の高まり。


「いつもあなたのことばかり考えてるの。
結城君、今何してるかな・・・勉強頑張ってるかなって」
唯はそっとリトに微笑む。
微笑んでくれたのは何度目だろうか。
どうしてこんなに胸が痛むんだろうか。

唯の言葉には、少し熱が篭り始めていた。
「でもダメなんだ・・・。
すぐに頭の中グチャグチャになっちゃうの。
今ララさんと一緒にいるのかな、それとも西連寺さんのこと思ってるのかな」
口調はゆっくりめなのに、何かにせかされているかのように唯は話し続ける。
「笑っちゃうでしょ。
いつもあなたを怒ってばかりなのに、困らせてばかりなのに、
あなたのことを想ってララさんや西連寺さんに嫉妬してるの。
いつもあなたと一緒にいられるララさんに。
あなたに想われている、西連寺さんに」



427リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:35:33 ID:O2TRmAOM(11)
リトは掛ける言葉が見当たらなかった。

(俺は、大馬鹿野郎だ・・・)

最近は、もしかしたらという気持ちがなかったわけではない。
少なくとも自分が、唯に対して好意を持っていることも自覚していた。
そしていつか、この関係に変化が訪れうることも、わかっていた。
なぜなら唯は、逃げるような娘じゃないから。
自分の気持ちと真剣に向き合うやつだから。

(それなのに、俺は逃げた・・・)

唯との時間があまりにも心地よくて。
今の関係を壊したくなくて。
いつまでもぬるま湯に浸っていようとしたんだ。

「ごめんね・・・、また困らせちゃったね・・・」
唯の声はもうほとんどリトには聞こえていなかった。
リトは右拳を硬く握り締めた。
掌に爪が食い込み、血が出るほどに。
何でお前が謝るんだよ。
そう言いたかった。
お前が好きだと伝えたかった。

そして、そうできない自分が情けなくて仕方なかった。


唯には全て見抜かれていた。
リトが、答えを口にできないことを。
不器用で、真正直で、優柔不断な自分を―――


「ごめん。疲れちゃったみたいだから、今日はもう帰るわ」
唯はそう言って素早く身支度を終えると、静かに学習室を出て行った。

ただ立ちすくむことしかできない。
左手にはナルホドチェックシートが握られていた。
それを顔の前に持ってきてぼんやりと眺める。
すると、裏にも何か書かれていることに気づいて、裏返してみる。

”一週間お疲れ様。テスト頑張ろうね”

黒のボールペンで書かれた、唯らしい飾り気のない文字。
それを見た瞬間、抑えていたものが溢れ出した。
リトは必死に歯を食いしばり、声を押し殺して泣いた。


428リト×唯 第4話 :sage :2008/04/19(土) 19:37:31 ID:O2TRmAOM(11)
涙は走っても走っても止まらなかった。
意地を張るのは、学習室を出たところまでが精一杯だった。
唯は上履きのままだった。
図書室を走り抜け、履き替えることもせずに飛び出して、でたらめに路地を走って。
息が苦しいのは走り続けてきたからか、それとも嗚咽のためか。
気づけば公園に来ていた。
唯は知らないが、リトが身を隠すために使っていた公園だ。
リトがいつも入っていた土管の前に、唯はしゃがみ込む。
どんよりとした雲がやけに近く感じ、霧雨が唯の全身を濡らしていた。

あの時唯は夢を見ていた。

二人だけの一時。
リトは何事でもないかのように自然にその手を唯の手に重ね、笑いかける。
会話など何もなくても、互いを感じているだけでよかった。
唯がキスを求めて少し顔を持ち上げると、口付けが優しく降り注いだ。
幸せだった。
夢だと分かっていても。
口付けが終わると、リトは消えてしまう。
ここ数日の、いつものことだった。

唯の意識はゆっくりと覚醒する。
目の前にリトの顔があった。
現実には絶対に起こりえない出来事。
なぜならリトは自分のことを恋愛対象としてみていないと思っていたから。

起こりえないことが起こったというのに、唯は冷静だった。
いや、冷静というのとも少し違う。
待ち望んでいたはずの行為なのに、沸き起こったものは驚きでも歓喜でもなかった。
沸き起こったのは、疑問。
まるで水面に一滴、水を落としたようにそれは広がっていった。


―――どうしてこんなことするの?―――

計算でも何でもない、自然に出た言葉だった。
ただ、純粋に知りたかった。
他に好きな人がいるはずのリトがなぜ、自分にキスしようとしたのかを。
それだけのはずだったのに・・・。


―――じゃあ結城君は、わたしを一番にしてくれるの?―――

求めてしまった。
彼の一番を。
そうしてしまえば、今のささやかな幸せさえも失うことになるとわかっていたのに。
大切な友人を裏切ることにもなってしまうのに。
答えを焦る必要などなかった。
唯が「問題」を出したのはわずか4日前なのだから。
でも、わかっていたけど止められなかった。
自分の気持ちに、もう嘘はつけなかった。つきたくなかった。

そして自分と全く同じ理由から、彼は私に「答え」を返したんだ・・・

雨は強くなることはなく、やむこともなかった。
唯は鞄を胸に抱えてしゃがみ込んだままだ。
「・・・結城君っ・・・」
今も愛しい人の名を、口に出してみる。
いつもは嫌でも浮かんでくる笑顔のリトが、今の唯にはぼやけて見えなかった。


429名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 19:39:22 ID:O2TRmAOM(11)
今回はここまでです
恐らく次回でこの話は終わりです
甘いシーンは最後のお楽しみということで・・・

長々とお読みいただいた方、ありがとうございました
あと少しお付き合いいただけたら幸いです

430名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 20:19:10 ID:AZ48TziP
>>429
なんという焦らしプレイ
だが超GJ
リト×唯シリーズや看病SSに勝るとも劣らない

431名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 21:24:25 ID:fKLj7oeQ
>>429
リトと唯シリーズ、甘い看病の人も好きだけどあなたの描く唯もまるでそこにいるかのように動くね。
やっぱり地の文に力がある文章を読むと活力が湧いてくるw
いつまでも待ちますぜ〜。

432名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 21:32:04 ID:reXnMg0T
>>429
読みやすい文章と丁寧な心理描写が素晴らしいです、GJ!
やはり唯は姉系ですよねw

>>430-431
ほんと、唯のSSはレベルの高い職人によるものが多いよな
唯スキーの俺にとって、ここは本当にオアシスw

433名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 22:00:58 ID:Oad3ewxU
終わっちゃうのが、もったいない

434名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 22:07:56 ID:3WMi/Z+r
>>429
ああもうニヤニヤしてしまっていけねえw
グッジョブだぜ


余計かもしれないけど一つ
「///」はあまり使わない方がいいと思うぜ
いや、表現の方法として否定はしないけどさ、あんたには///ナシでも十分萌えさせれる技量がある
そろそろ卒業してもいいんじゃないかなーって思うんだ

435名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/19(土) 23:31:23 ID:zm+KLdSq
>>434
唯の話を書く人で一番気になるのはそれだよな。>/多用
恥じらったり赤面する様子を文章で表現してほしいのですよ。

436429 :sage :2008/04/20(日) 00:04:34 ID:f1MMtBI4
コメントくれた皆さんほんとにありがとうございます
めっちゃやる気でましたw

///に関しては、自分もそう思うんですけどね
語彙力のなさゆえに頼ってしまうというか・・・
でもせっかくそういっていただけたので、///とオサラバしようと思います

実は第5話は既に結構進んでまして、
もしかしたら明日にでも投下できるかもしれません
もしかしたら、なんで全裸で待たないようお願いしますw
ではでは


437名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/20(日) 00:18:45 ID:l6KmpVc2(3)
>>436
これはwktk
靴下履いて待ってるぜ

438名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/20(日) 01:49:01 ID:s2tddcpK
>>429
超GJ!スゴいなぁ〜上手すぎる。
これはwktk。半裸待機して待ってます

439新婚リトヤミ :ID:mpfj41Qj :2008/04/20(日) 02:06:17 ID:G8yTev1q(5)
リト×唯さんGJ!!!!!!!!
何と素晴らしい構造!かつ読み易い文!とても見ていて飽きません!
第5話も楽しみに待ってます!!

でこっちは続きが出来たので投下〜〜


440新婚リトヤミ 続 :ID:mpfj41Qj :2008/04/20(日) 02:06:51 ID:G8yTev1q(5)
リトの部屋…
ほんの数十分前までリトが眠っていたベットには、服を脱いだヤミが横たわり
そしてその上に倒れ込むようにリトが覆い被さっている
「…ん…んむ…」
二人は自然な動作で唇を重ねる…
そこまで濃厚なキスというわけではないが、ヤミの魅惑的に柔らかい唇と
甘い吐息にリトは十二分に酔いしれていた
二人の身体が接近するとリトの胸板にはヤミの小さな乳房が押しあたり
その感触を直に感じたリトは張り裂けんばかりに肉棒を猛らせる
「……ん…ふぁ…」
やっと唇を離した二人の間には唾液の糸が垂れ、お互いの唇を繋いでいたが
それもすぐに消えてしまった
リトは無言で亀頭をヤミの陰部に密着させる
微かに聞いた淫裂からは先程中出しされた精液がトロトロと逆流してきている
親指で花弁を押し広げるとリトは再び膣内へと進入していった
「…うぉ…ぉ…」
挿入した途端、一度イって敏感になっている男根の先端部分がトロリとした
温かいモノに包まれ、リトは思わず声を上げた
それを見たヤミの顔に喜びの色が浮かぶ
「そんなに…良かったのですか?」
「ああ…」
リトは真顔で答える それだけは彼も真剣だということだろう
腰を進めるとヤミの肉穴がまるで何か別の生き物の様にリトの肉棒を飲み込んでいった
ヤミは大きく息を吐き、それの進入を受け止める
リトもゆっくりと…ジワジワと腰を沈め、挿入していく
桃色の媚肉を捲くり上げ、男根が最奥まで埋没していった…
これ以上深く入らないのにリトはより深くまで進入しようとグイグイ腰を擦りつける
「あ…ふぅ…ん」
「動くよ…ヤミ…」
ゆっくりとしたピストン運動が開始される
抜いては貫き、最奥に達してはゆっくりと引き抜く…
媚肉の間から押し出されるように蜜が溢れ出てきては、陰部や太股の付け根を
伝わりベットのシーツまで滴り落ちた

二人の行為は、それこそ初夜の男女が行うような感覚だった
それだけお互いに真撃な感情で臨んでいたとも言える…
それまで腰を振る事だけに励んでいたリトだが、ふとヤミの顔を見てみた
頬を桃色に染め、控えめにうつむき切なそうな顔をする彼女がそこにいた
「ヤミ…やっぱ可愛いな…」
いつも言っているヤミに対する感想がリトの口から漏れる
「こ!…こんな時に何を…」
「本気だよ…」
リトもいつも言っている言葉とはいえ緊張していた…
ヤミの顔が薄い桃色で染まっていたかと思うと、みるみる内に真っ赤になってしまった
「っ〜〜〜〜〜〜〜」
ヤミは本気で照れているのかうつむいて何も言わない




441新婚リトヤミ 続 :ID:mpfj41Qj :2008/04/20(日) 02:07:22 ID:G8yTev1q(5)
その反応を見逃さず、リトは腰の動きを強めた
肉棒は膣壁をなぞり、柔肉から溢れ出てくる快楽の蜜液を掻き出すかの様に動く
最初はゆっくりだったピストン運動も次第に早くなっている…
「あっ!…んっ!」
収縮する度、上下左右全ての壁が吸い付き、絡み付いてくるかのように襲い掛かってくる
リズミカルな腰の動き…そのペースが速まるにつれ、ヤミの喘ぎ声も大きくなってゆく
「うぅ…ヤミ!」
リトが腰を打ち付ける毎に給合部からは肉のぶつかる音が聞こえ、部屋中に木霊する
その快楽に負けてしまったのか、激しく、まるでえぐる様に、そして狂ったように腰を揺り動かした
赤黒く充血した肉の幹が中に深く沈みこむと、それにあわせて肉の花弁も内側へと押し込まれていく
溢れ出た愛液は花弁にもたっぷりと付き、抜かれる肉棒の周りに纏わりつくことで
男根の根元の部分までその液で濡らすのだった

リトの動きは止まない…いや、先程よりも強く激しく大胆に膣内を責めている
ズブズブと肉の幹が沈んでは現れるのを繰り返しては、
身体の一部が蕩けて無くなってしまいそうな感覚が全身を駆け巡る
「ん…ぁ!ぁ!……ぁ!」
ヤミは自分の体内に高まってきた甘い疼きを感じると…
「リ…ト…」
憂いを秘めたような瞳でヤミはリトを見つめる
「ヤミ……俺もだ…」
お互いに絶頂が近いことを告白すると…

ヤミは腰を少しだけ浮かせリトが挿入し易い姿勢になり、
リトはそれを活かしより膣内全体を刺激するように腰を動かした
二人の動きが激しくなると、ヤミの形の良い乳房が腰の動きに合わせピクンっと反応し
尖った乳首がランダムな図形を描いて揺れている
「ぁ…ぁあ!んん…!!…んくっ!」
ヤミが一歩早く絶頂を迎える
ビクンビクンと背中を震わせ、小さな唇を半開きにして肉欲が満たされたことを告げた…
それと同時に膣内が不規則な動きをして、包み込んでいる肉棒に最後の刺激を与える
急速に放出のうねりが高まってきた…リトは最後にヤミを強く抱きしめ、腰を突き入れた
脳髄から降りてきた感触が背筋を渡り尻の方までくると、
男根の付け根の更に奥から欲望の放出感が一気に押し寄せてきた
「…うっ…っく…!」
ドクドクトヤミの膣内に白濁とした液が満ちていく…子宮まで到達するかもしれない…
数回の律動が収まるまで、リトは自分の肉棒をヤミの中に預けておいた…
暫くしてから二人の給合部から少し萎えかけた男根が引き抜かれる
抜く時には給合部分からお互いの体液の交じり合ったものがドロリとこぼれ出た…


10分後…
二人は力尽きたのかベットに横たわっている…
「なぁ…」
「…何ですか…?」
目を瞑りかけていたヤミに唐突に話しかけるリト
「いや…俺の勝手な考えなのかもしんないけど…
ヤミはもっと俺に甘えてきてもいいんじゃねーの?」





442新婚リトヤミ 続 :ID:mpfj41Qj :2008/04/20(日) 02:10:26 ID:G8yTev1q(5)
「甘える…?」
その言葉にまるで愛着の無いかのように疑問詞を掲げるヤミ
そして少しだけ目をうつむけ、頭を枕に擦りつける
「ヤミ…?」
どうしたのかとリトはヤミの頬を左手で擦る…ヤミはその手を自分の手で被せる
「…甘えるのは苦手です…」
まるで今まで誰にも甘えたことの無いような口調で、とても寂しげな顔色になっていく
目が潤いを見せる頃と同時にヤミは被せていた手を退ける
しかしそれから間を与えず、リトは自らが選んだ愛する者を抱擁した
「…ヤミ…」
「……………」
リトは身を預けてくれるまだ幼い少女の髪を優しく撫でる
撫でられる度に薄らと甘美な声が漏れリトを無意識に誘惑するヤミ
生身の体を刺激する吐息…サラサラな金髪ヘアー…甘えてくれる愛しい人
リトはこの上ない幸福感を味わっていたが、まだ物足りないらしく
「…そーだ!ヤミ!喉乾いてないか?」
「…?喉…ですか?」
そう言ってリトはヤミの返答を待たずに台所へ駆けていった

ぽつんとベットの上に取り残されたヤミ
「…一体何を考えているんだか…」
素直な微笑を浮かべ、リトが駆けていったルートを眺めながら呟く
自分は殺し屋なのに…殺戮マシーンとして扱われていたのに…
ここに来てからはそういった待遇は受けず…逆に…凄く…楽しかった
ララや美柑はこんな自分と友達に…
…リトは自分の荒んだ心を優しい想いで満たしてくれた…一番大切な人
そして自分はどんなに想われているのか…どんなに愛されているのか…
それを改めて実感したヤミはベットのシーツを抱き、潤う目を堪え囁く



       
        …大好きです




「ヤミ〜〜!口移しで水を〜…ってどうかした?…泣いてる?」
なぜだ?と言わんばかりの顔つきで覗いてくる婚約者
そんな惚け顔をしているリトにヤミは近づきキスをした
「…ん!?」
初めてヤミの積極的な行為に戸惑っていたリトだったが、やがてヤミの真意を理解し
そのキスは二人の気の済むまで…日が沈むまで行われた



443新婚リトヤミ :ID:mpfj41Qj :2008/04/20(日) 02:11:09 ID:G8yTev1q(5)
っとまぁ短編でしたけど、読んでくれた人感謝です。
「トラブルガールズ」次回作は希望の多かった「凛」でいきたいと思います。
もしかしたら変更して「ルン」になるかもですが、そこの所はご了承お願いします。



444名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/20(日) 02:33:34 ID:UVm6XsqL


445名無しさん@ピンキー :2008/04/20(日) 02:34:51 ID:Ki20KfRh
>>443
…ふぅ…
乙ww

446名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/20(日) 02:34:59 ID:l6KmpVc2(3)
>>443
GJ!超GJ!!
ヤミヤミは思わず守ってあげたくなっちゃうなぁ

次回作も期待してますぜ

447名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/20(日) 07:36:58 ID:pW8BykEx
ヤミ可愛いすぐるwww
GJ!

448名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/20(日) 08:15:05 ID:VvFU8UaE
>>443
おっきしてしまったw
GJ!

449名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/20(日) 19:51:05 ID:l6KmpVc2(3)
そーいや今日は日曜日じゃねぇか!

450429 :sage :2008/04/20(日) 23:34:58 ID:jr9LtFm8
最終話頑張って書いてますが、とりあえず長いっ
書きたいことがいろいろあって、絞ってはいるんですが
とても今日では終わらないです

前編後編、下手すると前中後編になるかもしれません(どんだけだよw)
どうかもうちょっと待ってやってください、必ず書き上げますので


>>443
GJです!!
ヤミ可愛いなぁ・・・
想像力かきたてられたんで、自分の次回作はヤミかも・・・


451名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/21(月) 00:31:58 ID:qWrG2vw4
>>450
全裸で待ってます。長いなんて気にしませんよ

452名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/21(月) 05:53:44 ID:K/hy4Aq7
今日発売号、とんでもない新キャラが出てきた。
それ以外の点でも、SS書く人は必読。

453名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/21(月) 22:56:12 ID:DlV/JG6/
新キャラはともかくヤミがトランスで胸を大きくできるっぽい発言がやばいと思った。
十分な胸のでかさだと思うがパイズリできていいよね!

454名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 00:33:14 ID:NFKqibKI
妖氏は既に一度ヤミの乳をデカくしている

455名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 00:57:38 ID:OX/4OfJ/
コミックス派の俺には何のことやらさっぱり

456名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 01:01:19 ID:GFScSdYS
>>455
よう、俺。
ジャンプは五年前に読まなくなったぜ。

457名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 01:08:07 ID:2XDVnGMb
人生で一冊しか買ってない人がここに居ます

買った後に気が付いたよ、「これ、前の話しまったく分からないじゃん」
以来コミックス派

458名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 02:19:00 ID:/bnKRRBt
いちいちコミックス派を主張せんでよろしい

459名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 08:03:34 ID:ADPJDDf6(2)
とらぶるなんてコンビニで勃ち読みできるだろ

460名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 09:17:50 ID:W46d92Z2
>>459
ちょっとづつ前屈みになっていくわけですね、わかります

461名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 13:13:36 ID:PEHgZgi6
今回リトの心境に大きな変化があったから、これから書くときは気をつけねばならんね

462名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 14:12:58 ID:ADPJDDf6(2)
春菜「私……結城君のことが好きなの……」
リト「ごめん、俺も春菜ちゃんのことは好きだ、けど………
 ララも蜜柑もヤミもルンも唯もお静も御門先生もみんな好きなんだ」
春菜(キュン)

463名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 20:52:50 ID:wnNiavh2
最終話「みんなのリト」

464名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 21:03:31 ID:mlO/21JB
男肉便器ですね

465名無しさん@ピンキー :ID:mpfj41Qj :2008/04/22(火) 21:04:42 ID:BZyK5Xs2
Nice boat

466名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 21:51:45 ID:0ViKY7F1
事実このスレだとリトはヤリチンだし

467名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/22(火) 22:00:25 ID:6MKipW+r
そりゃ二次創作っすから。

468:sage :2008/04/22(火) 22:21:08 ID:uAs8Ij9+
>>462
俺自重wwww

469名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/23(水) 20:40:07 ID:hdhyXKua(2)
規制?

470名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/23(水) 21:03:35 ID:s3TvpWab
空気読まずにすまないがお尋ねしたいことが・・・
話がドクロちゃんに似ているのは気のせい?

471名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/23(水) 21:40:18 ID:BJR+2hcb
>>462-468
おまいら自重www

472名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/23(水) 22:20:21 ID:hdhyXKua(2)
春菜と春菜姉(名前忘れた)ってマンションに住んでたっけ?

473名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/23(水) 22:25:09 ID:pcGv1S8g
確かマンションだね

474名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/24(木) 08:29:42 ID:+bF2O9q+
>>470
ハーレム漫画ってどれもこんなもんよ

475名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/24(木) 22:33:25 ID:SHzc+3Iw
>>470
キャラの構図(?)を見ていけば瀬戸の花嫁にも似てる。

476名無しさん@ピンキー :ID:mpfj41Qj :2008/04/24(木) 23:46:21 ID:IKFh1Y8X
すももは?

477名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/25(金) 01:11:15 ID:BcVmNGZp
>>470ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪

リトと古手川唯のクリスマス編の続きが読みたい…あれで完結ではないよな

478名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/25(金) 01:21:55 ID:fVZ/stTa
>>477
あと20話くらいで完結すんじゃね?

俺はそろそろむに氏の続きが読みたくなってきた

479名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/26(土) 03:03:51 ID:bzTUAP8R
まだかなまだかな〜、リト×唯の作者さんまだかな〜♪

480名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/26(土) 04:29:15 ID:DebxN34n
あんま急かすのはよくないぞ








まだかな〜

481名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/26(土) 11:08:28 ID:sdz2doDR
wktk

482名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 00:26:35 ID:8Fex7WTW(2)
さぁ日曜日がry
wktk

483名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 00:32:09 ID:5TJGIR22(2)
さぁ日ry
wktk

今日は3作品投下されるであろう…

484名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 00:34:36 ID:wUmjMyTI(5)
携帯で軽く書いたネタを投下します
反応がよければまた書くので感想などお願いします

485宇宙人トラブル相談室(1/2) :sage :2008/04/27(日) 00:36:45 ID:wUmjMyTI(5)
こちらMIB広報担当です
今回はMIBに寄せられた質問に答えていきます
なお守秘義務があるので必ず回答出来る保証はありません
スリーサイズもひ・み・つ(笑)
でもちょっとエッチな質問ならこたえちゃうかも(照)

Q.MIBってな〜に?
A.宇宙人とコンタクトをとったり宇宙人に関する情報を隠蔽・監視する組織です、映画で有名ですね
存在意義がイマイチ不明です

Q.手違いで宇宙人と婚約してしまいましたどうすればいいんでしょうか、困っています
A.デビルーク星はうちゅーいち怖い星です
下手に断ると戦争になっちゃうんであきらめて結婚しちゃってね(はあと)
でも婚約者候補が多数密入星しているそうなので殺されないように気をつけてね(笑)

Q.デビルークが攻めてきたらどうなるの?
A.生物としての能力だけでなく文明も凄く発達しているのであっと言う間に領土にされちゃいます(ガクブル)
領土にされちゃうとこうなります↓



「リト…助けて、リト……」
「見ろよ、このガキ泣いてるぜ」
「犯されて兄の名前呼ぶなんてとんだブラコンだな」
「このままじゃかわいそうだな、おい……」

「はい隊長連れてきましたよ」
「み、美柑!」
「え…リト?」
「お?締まりがよくなったな。お兄ちゃんに見られて感じたか?」
「お前ら、美柑を放せ!」
「ほーら、お兄ちゃんの前で逝っちゃな」
「いやあ、見ないでえぇ!」
「ほーら中出しだ」
ドクッドクッ
「や…ぁ……………」
「まだまだ終わらんぞ、お前は一生肉便器として生きていくんだからな」


なんちゃって(≧∀≦)ゞ^☆

486宇宙人トラブル相談室(2/2) :sage :2008/04/27(日) 00:38:49 ID:wUmjMyTI(5)
Q.ララと結婚したらデビルークの王様にさせらるそうですが具体的にどうなるんでしょうか?

A.デビルークには優秀な人材がたくさんいるので面倒な政治などは部下に任せて遊んでてもかまいません
けどあまりに無能だと部下に見限られて殺されちゃいますよ(本当)
いまのデビルーク王は前線にたち政治も行うすごい方です
そのため部下からの信望は強いのですが
そういうのはきみには無理だから君にできる唯一の王様の仕事を教えます↓

「や…リトおっぱいばっかりぃ」
「ん〜?下も可愛がって欲しいか?」
「ひゃんっ!尻尾じゃなくてぇ〜」
「へー、じゃあどこをどうして欲しいの?」
「もう、リトの意地悪…………私のおま○こにリトのおち○ちんほしいの…」
「しかたないなあ、ララ」
「ん……」
「全部はいったぞ」
「うん……気持ちいい」
「動くぞ」
「あんっ、リト激しいよお」
「ああっ出るっ!」
ドクッドクッ

「赤ちゃん出来てるかな?」
「後継ぎは沢山残しておかないとな」
と言って最後にキスをすれば完璧です
あとデビルークと地球人の子供は簡単にスーパーデビルーク人になれるそうです(嘘)

Q.でも本当は他に好きな子がいるんです

A.デビルーク王は一番偉いのでなにやっても文句いわれません
プリンセスと結婚してから第二妃、第三妃と好きなだけ妻を迎えてください

「結城君、ララさんだけじゃなくて私も……」
「リトくん、次は私の番だよね?」
「私はこんなハレンチなこと…」
「あの、私とも淫行してくれますよね?」
「みんな仕方ないなぁ、ほらお尻向けて」

もう面倒くさいのであとは適当に想像してね(オイ)

さてそろそろ時間です
結城君は早くプリンセスと仲良くなって王様になってね、応援してるよ
お相手は炎の女子高生、霧崎恭子でした
まったねー!(≧∀≦)ノシ

487名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 00:58:06 ID:cu4SxjLQ


488名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 01:21:52 ID:2vNvJRId
…………
…言っちゃ悪いが、ところどころに精神年齢の低さが滲み出てる気がするんだ…(´・ω・`)

489名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 01:59:47 ID:AIaGZ3zu


490名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 02:12:35 ID:5TJGIR22(2)
ココの住人が求めているであろうエロも萌えもなくネタのみだとちょっと反応に困る

勘違いしないでくれよ?
このスレに合ってないだけで面白いのは面白いからまたしっかりした作品も書いてくれ

491名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 06:30:45 ID:wUmjMyTI(5)
>>488
そこは意図的なものだが容赦ないな

>>490
軽い作品が少ないと思って書いたんだけど
やっぱりエロパロ的に萌えは重要だわな

492名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 07:12:13 ID:4eYsIJkh
無理に達観したような意見の言い方はしなくてもいいだろう
一言で言っちまえばつまんねーんだよ

ただ供給側の人間が少ないこと考えるとなぁ
とりあえず投下前にエロなしですよー、くらいは入れてくれればいいかも
読みたくないならスルーするだけのことだしな

493名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 08:42:21 ID:zpSAS8uT
>>488
そりゃ意図的にやってんじゃないの? 最後に

>お相手は炎の女子高生、霧崎恭子でした
>まったねー!(≧∀≦)ノシ

ってある通り、あのおつむの弱そうなキャラがやってたってことになってるし。

494名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 12:46:03 ID:jxboQh43
つまらんとか言うならお前が書け
と言う空気になるからあまり言わない方がいいぞ

495名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 17:07:28 ID:kMIZ0Bod
なんでこんなに偉そうなんだよ、ここのエロソムリエはw

496名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/27(日) 17:55:54 ID:8Fex7WTW(2)
>>495
この上なく同意

497名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/28(月) 00:00:17 ID:wUmjMyTI(5)
どうでもいいや、新しいの
こんどはSS
リトルン
ノーマルエロ(ちょいS)
これも携帯から書き起こし
あと当方エロもの初めてです

498ルンと○○ (1/4) :sage :2008/04/28(月) 00:08:01 ID:JMFMmTYM(8)
「―――と言う訳で、私はどうしたらいいのか」
保健室、私は御門先生に恋の相談をしていた
「本当に彼モテるわね、それで焦ってるわけだ」
「なんかリトくんの周り女の子だらけで、レンは仲悪いし」
「そう?むしろ仲良く見えるわよ」
「どこがですか、しかもよりによってララなんかに惚れちゃって」
「あはは、向こうも似たようなこと考えてるわね、きっと」
「私も積極的にアプローチしてるのに全然答えてくれないし」
「仕方ないわ、彼奥手だから」
むう、この人は真剣に相談に乗ってくれてるのだろうか
本題を切り出しすことにした
「だからリトくんがわたしを見てくれるような薬がほしいんです。御門先生なら持ってますよね?」
「だめよそういうことで薬に頼っちゃ、惚れ薬なんて一時的なものなんだから」
アッサリ断られてしまった、たしかに先生の言うとおりかもしれないけど……
「でもただでさえ最近なかなか会えないのに……」
「弱気にならない!男女が仲良くなる方法は昔から一つよ」
「その方法って……?」




『大切な用事があります
今日の放課後三階空き教室にひとりで必ず来て下さい』

今朝下駄箱に入っていた手紙だ
短い文章だけど、これってラブレターかな?封筒がそんな感じだ
誰だろう、ララはこんなことしないだろう。春菜ちゃん?だったらいいけど筆跡が違う気がする
ヤミや唯は?ありえない、自惚れ過ぎだ
じゃあお静ちゃんかルン?だったらもっとラブレターってわかりやすい文をかきそうなものだけど
ひょっとしてまたトラブルに巻き込まれるんだろうか、やだなぁ
ただのいたずらの可能性も捨てきれないけど
いずれにせよ行けば分かるだろう
「やあ、おはようララちゃん。今日も美しいねそう言えば昨日……」
…今日はレンの日か、じゃあルンじゃないのかな

499ルンと○○ (2/4) :sage :2008/04/28(月) 00:12:58 ID:JMFMmTYM(8)
「え?」
「待ってたよ、リトくん」
放課後、空き教室で待っていたのはルンだった
「あれ?だって今日はレンが」
「うん、だから放課後になってから代わってもらったの
大切な用事だから」
確かにルンは男子の制服を着ている、若干サイズが大きめなのはレンのものだからだろう
彼女の言うとおり放課後になって代わったらしい
「それで、用事って?!」
急に口を塞がれる。目の前にはルンの顔
奪うようなキスだった
「な、なに?」
妖しく微笑む
「あのねリトくん、私うっかりしててほらレンの服装のままなの」
見れば分かる、だから何?
「ほら、ブラもつけてない」
抱きついてくる、薄いシャツ越しに生々しい感触が伝わってきた
「ちょっ……」
「しかも、男子のシャツって胸が苦しくってボタン二つも外さないと苦しくって大変」
嘘だ、シャツは男子も女子も変わらない。
と思いつつもつい視線が谷間に行ってしまう
というか谷間だけじゃなくて……
「ルン、その……見えそう」
視線をそらしながら言う
だがルンは微笑んだまま
「いいよ別に、これがはじめてじゃないし」
確かにルンの裸は何度か見た

けど、だから気にしないということはあるのだろうか
「いや、わざとじゃないんだ」
苦しい言い訳をするわざとじゃなくても事実は変わらない
「知ってる」
そう言いながら俺の股間をなでる
「でもこのままじゃ不公平だから、リトくんのも見せて」
……言われるがままにズボンを脱がされてしまった
女の子に自分のものをみせているのは恥ずかしい
けど、どこか興奮する
「カッチカチだね、レンよりおっきいよ」
「こんなの見ても面白くないだろ、だから……」
「そんなことないよ、興奮する」
「なあルン、このままはさすがに……」
どうにかなっちまいそうだ
「どうして欲しいのかな〜?」
「別にどうも……」
「嘘、おちんちんはこんなに私を欲しがってるのに?」
そういって亀頭をつつく、ちょっと気持ちいい
「ほーら、正直にならないなら一人でオナニーしてもらうよ」
「……く、口でしゃぶって」

500ルンと○○ (3/4) :sage :2008/04/28(月) 00:14:49 ID:JMFMmTYM(8)
耐えきれずお願いしてしまった
本当にルンはやるんだろうか
俺のモノを握りしめ睨んだまま固まっている
「無理にやらなくったっていいんだぞ」
「む、無理なんかじゃないよ」
数秒間俺の股間と睨みあい、決心したような勢いで一気に口いっぱいにくわえ込んだ
「ん、んぐ………」
「あっ、気持ちいい」
唇の柔らかい感触と舌のザラザラした感触がする
股間の刺激と女の口に入れていると言う事実がいっそう興奮させる
「ん……む……はぁ…」
それに結構気持ちいいところを責めてくる
巧い
「なぁルン」
一生懸命にしゃぶってくれている姿に征服感を感じる
「やっぱりこういう経験は豊富なの…がっ!」
痛っ、軽く噛みつかれた
「レンの時の知識があるだけ、リトくん以外にこんなことしないよ」
起こらせちゃった、反省
嬉しいことを言ってくれる
「ごめん悪かった、ただ凄く上手だったからさ」
「ふーん」
すねたような顔でシャツのボタンを全て外す
白く柔らかそうな胸が露わになる、生乳だ
「きれいなおっぱいだと思う」
「ありがと、じゃあこういうのは?」
胸を持ち上げ俺の肉棒を挟み込んできた
「うわっ、これって」
パイズリってやつだ、さっきと興奮の度合いが違う
「これヤバいっ、すぐ逝きそう」
刺激はさっきより弱いが視覚的もすごいものがある
「男の子ってこういうの好きなんでしょ」
「う、うん。なあルン、そのままそれも舐めてくれないか?」
ついつい、お願いしてしまう
「え、う…うん」

501ルンと○○ (4/4) :sage :2008/04/28(月) 00:16:17 ID:JMFMmTYM(8)
男女が仲良くなる方法、それはすごく単純だった
つまり男女の交わりなんだけど、私にはそんな経験はないし
たしかにレンのは知ってるしどうすれば気持ちいいのかも知ってる
けど実際に男のひとのにさわったことなんていままで無かったし
おっぱいだってリトくん以外の男の子にはみせてないんだよ
本当はリトくんにリードしてほしかったけど
待ってるだけじゃリト君は絶対答えてくれないし、その間に他の子に取られちゃう
だから勇気をだして精一杯誘惑して私のペースに持っていってそのまま最後までいけば
きっとリト君は他の子なんか忘れて私だけを見てくれる
だから今日はなんだってしてあげる、してあげるつもりだったけど

も〜、勢いでここまでしちゃたけど恥ずかしいよお……
いきなりしゃぶったり
調子にのっておっぱいでしてあげたり自分でも信じられない
もっとゆっくりムード作りながら処女をあげるつもりだったのに
これじゃあまるで私がエッチな子だよ
「なあルン、そのままそれも舐めてくれないか?」
リトくんがまたエッチなお願いをしてくる
「え、う…うん」
だけど今日はなんでもするって決めたんだ
私は言われたとおりにする
「はぁ……へ……んん………ぷはっ」
あはは、苦い味が舌に伝わってきてるよ
けどなんかおいしい
「はぁ…ルン………」
だらしない声だなぁ、そんなに気持ちいいの?
私のおっぱいそんなにいいの?
「ルン…ルン!」
「んはっ!?」
ピュルッ
おちんちんから粘液が飛びだしてくる
「んっ…………」
それが顔面に飛び散る
すごい臭い
「ご、ごめんルン。きもちよくて」
これがリトくんの精子…
顔についた精液を指で拭い舐める
「これがリトくんの味」
なんだかとても淫らな気持ちになる
「ルン!」
「きゃっ!?」
急に押し倒される
「なあ、ルンいいだろ?俺と一つになろう」
ぎらついた目でこっちを見てる、ちょっとこわい
「もう我慢できないんだね」
でもそれでも嬉しい
ああ、私犯されちゃうんだ
リトくんにむちゃくちゃにされちゃう
そう考えただけで私も我慢できなくなる
「いいよ、来て……」

502ルンと○○ (5/4) :sage :2008/04/28(月) 00:18:27 ID:JMFMmTYM(8)
ズボンを脱ぐ、レンの男物の下着は気持ち悪かったので元々ぬいである
つまりズボンのしたはなにも履いてないわけで
「すご……濡れてる」
「恥ずかしいよ…」
一連の行為で私も興奮していた、こんなになるほどに
「これなら入れても大事だよな」
リトくんのおちんちんはギンギンに勃起してる、苦しそう
私は指でおまんこをひろげてそれを導く
「ゆっくり…そう、そこ」
凄くドキドキする
「い、いくぞ!」
「うん、来て!」
おちんちんが入ってくる……
「ああっ!」
痛みが体中に走る
だけどリトくんはかまわずおちんちんを奥まで沈めていく
「はんっ、あー……」
……私、リトくんに処女あげちゃったんだ
「全部……はいった」
凄いあんなおおきなのが全部入っちゃうんだ
リトくんのを受け入れられてすごく嬉しい
「動くぞ」
私の返事を待たずに動き始めた
「や、ちょっとぉ………んっ……」
リトくん、こんなに必死に私を求めてる
こんなひとりよがりなセックスしちゃって、女の子に嫌われちゃうよ
私は違うけど
「あっ………リトくんの………おちん…ちん、堅くて……おっきい!」
痛みはまだ引かない、だけどリトくんが萎えないように精一杯いやらしくなる
「ルン、気持ちいいよルン」
「リトくん………激し………」理性を失った獣の様に乱暴なセックス
「や………はぁん…ふっ」
すごく怖い、なのに全然いやじゃない
「ひゃん!」
リトくんのてが胸に伸びる
「おっぱい……すごくやわらかい」
そういって乱暴に揉みしだく
「痛い、痛いよぉ」
こんなに乱暴にされているのに
そう考えるほど興奮してくる
「あーっ、あーっ」
絶頂が近づいてくる
「ああっ、ルン!逝く逝く」
それはリト君も同じらしい
「はぁ………はぁ…リトくん、来てぇ!中に出してぇ!」
そして
「はああっ………」
同時に達した

503ルンと○○ (6/4) :sage :2008/04/28(月) 00:21:18 ID:JMFMmTYM(8)
気がつくと外は暗くなっていた
それでも俺たちは抱き合い、余韻にひたっていた
「セックス、しちゃったんだね私達」
「ごめんルン、俺つい……」
「謝らないで、すごくうれしいよ」
そうして口付けを交わす
「んっ……」
「ねぇもっとギュッとして」
「うん」
「結城君の匂いがする」
「ルンの匂いもするぞ」
「髪の毛くすぐったい」
「はは」
今までにない幸福感、意外だった
腕の中の彼女が愛おしく感じられる
「なぁルン……」
言わなきゃだめだろうな、と、思った
「あ、ヤバい」
「どうした?」
「ごめんね、ごめんね、リトくん!クシュン」
ポンっ
「「え?」」
目の前には男の顔、ルンの半身レンだ
「結城リト?何を……嘘、まさか!?」
はだけたシャツ、下ろされたズボン、何をしていたかは明確だった
みるみるうちに青ざめていく
「きっ、きみは!ルンになんてことを!」
「う、うるさい!和姦なんだから問題ないだろ!」
「大有りだ!僕の問題でもあるんだぞ、どうしてくれる?どうしてくれる!」
泣きながら詰め寄ってくる、そんなこといわれても困る
もうやっちゃったことだ
「別にお前に何かしたわけじゃないだろ」
「ルンに何かしたなら僕に何かしたのと一緒だ」
「知るか、誘ってきたのはルンなんだぞ」
「だからって、君にはララちゃんと言う人がいるのに、こんな不貞行為に及ぶなんて」
「ララとはそんな関係じゃねー」

504ルンと○○ (7/4) :sage :2008/04/28(月) 00:21:57 ID:JMFMmTYM(8)
レンの存在を完全に忘れていた
一気に最悪な気分になる、こいつさえいなければもっと…
ガラッ
教室の扉が開く、見ると誰かが立っている
「ち、ちみたちは何をやっとるのかね!」
「え、骨川先生?」
どうやら見回りにきたらしい
俺達を見たままかたまっている「ま………まさか」
俺とレンをの格好をみる、下半身はさらけ出したまま、レンのシャツは完全に開いている
「まさか……まさか、きみたちがそんな関係だったなんてー!」
二人とも服装は乱れたままだった
「ご、誤解です骨川先生、これにはわけがあって」
「結城、話を反らすな!きっちり責任をとってもらうからな」「責任ー!?」
更に驚く先生、とにかくリアクションがでかい
「ややこしくなるからお前は黙ってろ!」
「わ……わしはなにもみとらーん」
そう叫んで骨川先生は脱兎のごとく逃げて行きました
どーすんだよこれ
「まだ話は終わってないぞ!」
「ウッセー馬鹿!」
その後口論は30分続いた

数日後
「それでは席替えですが……どなたか位置を変えてほしい方」
「あの」
「どうしました結城くん」
「なんでレンの隣なんですか」
窓際の一番うしろの席、隣にレン
最悪の配置だ
「クジで決めたらそうなったんじゃ、断じてあの日のことはかんけいない
そもそもあの日がなんなのかさっぱりじゃ///」
分かってるじゃないですか、変に気を使わないで下さい骨川先生
「結城!あの日の責任はちゃんととってもらうからな」
勘弁してくれ……
とはいえ、あの日ルンから誘って来たとは言えそのままセックスに持って行ったのは俺だ
酌量の余地はない、となればやっぱり責任はとるべきだろう
ルンは俺の事が好きだって言ってくれたし、俺もルンのことはきらいじゃない
可愛いし、従順だしそれにエッチも……ってなに考えてんだ俺は
ともかく別に悪い話ではないと思う、でもなぁ…
「ララちゃんに手を出したら絶対に許さないからな!」
ルンと、つき合うにはこいつとも仲良くしないといけないよなぁ
それが唯一の悩みだった

505以上 :sage :2008/04/28(月) 00:30:49 ID:JMFMmTYM(8)
改行が多すぎて分割したら7レスほど消費してしまいました、ごめんなさい
ルンの出番が少ないのでイマイチキャラがつかめてないかもです
俺の考えたルンになってたらすいません

エロSSは初めて書いたけど意外と難しいです
どうやって文章を伸ばせばいいのかわからず挿入してすぐ終わらせてしまいました
何かコツとかとか方法ないかな
しかし、ルンもレンももっと出番ほしい
黒髪も好きだけど

506名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/28(月) 00:42:57 ID:hFe2Uu79(9)
リト×唯の作者です
待っててくれた方ごめんなさい
何とか日曜日に間に合わせたかったのですが・・・あともう少しです

前にも書きましたが、最終話は分割して投下するつもりです
月曜日(つまり日付で言う今日)の夜前編、
火曜日に後編(もしくは中編+後編)になるとおもいます
もうちょっとだけお待ちください

>>505
まだ読めてませんが乙でした
明日にでも読ませていただきます

507トラブルガールズ :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:01:38 ID:DOflNWjy(9)
先発ご苦労さん!(GJ!素晴らしい!)
中継ぎいきます!
抑え待ってます!(かなりの期待!)

投下〜



508トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:02:14 ID:DOflNWjy(9)
突然だが、俺は凛先輩と付き合っている
なぜこのような経緯にあったのかは後に語るとして、俺は今彼女と屋上だ

「ちょっ…!こ、こんなところで何を…」
俺がいきなり屋上へと連れてきた事に慌てふためく凛
何ってもう分かってるくせに…、先輩可愛いなぁ〜
「こ、こんな事して許されると思っているのか!?
私はまだお前に気を許したわけではない!…さ、沙紀様の命令で…」
素直じゃないところも凄く可愛い…

バンッ!
「!」
俺は凛を壁に追い込み、手を顔の横に突き立てる
「ゆ、結城んん…!」
俺は凛の唇をいきなり奪い、凛の自由を束縛した
濃厚なキスに凛は一生懸命対応し、俺は積極的に唾液を送り込む
お互いに舌を絡め合い、休む暇を与えずに続いた

「ん、ぷはぁ…」
長きに渡る淫らなキスにようやく終止符が打たれた
凛は息を冷静に整えながらも、目はとろけ頬も赤一色となっている
俺はもう一度軽くキスを済ませ、可憐な凛の体を包み込んだ
「凛…」
そう耳元で囁くと、凛の鼓動が急激に上がり身体の力は急激に衰えた
「…ん…ハァ…ハァ…」
ギュッと抱きしめる力を強くすると、凛の甘い吐息がさらに放出量を増す
それは首筋に当たり、俺は何とも言えぬ快楽を味わっていた

「ぁ…い、いつまで…こうしてる気だ…」
正気に戻った凛だが、いつもの強気がこの声の弱弱しさからして元の面影も無い
「そ、それに!また抜け抜けと「凛」などと…。…き、気安く…呼ぶな…」
俺は内心にやけていた
…なぜって?…そりゃあ、凛の本当の気持ちを知っているからだ
それをあえて出さず、いつものように強気でいようとする
だが、それが凛なりの素直は気持ちなのかもしれない
どっちにしろ、いつまでも顔の紅色がとれない凛を見ているだけでどうでも良くなってくる


「じゃあ先輩…、授業始まるから先戻るね」
包み込んでいた両手を離し、先程の申し出の通りにした
「ぇ?…ぁ、ああ…そうだな…、私も沙紀様が待っている…」
(やべぇ…先輩こんな顔するのか…、し、したくなっちまう…)
その衝動を抑えるかのように俺は急いでその場を離れる
去り際に見た先輩の表情は、今日のレア顔に入るぐらい可愛かった…

どうせまた昼に会えるのに…、結構寂しがり屋なんだなぁ…先輩









509トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:03:02 ID:DOflNWjy(9)
昼休み


「あ…ふぅ…ぁぁ…」
俺は凛を後ろからグイグイと突く
突く度に漏れる蜜の量が徐々に増え始め、喘ぐ声もそれに比例する
凛は木に手をかけ全体重を任せたが、俺がその手を持ちさらに腰振りは加速した
「ん!ぁああ!…あぁ」
パンパンっという擬音と凛の声…そして学校内の広場…
いつ見つかってもおかしくない現状…

もし見つかったら?…恥?…沙紀様に会わす顔がない?…一生ケダモノ扱い?

少し前までそのような事を思っていた凛だが、
もう頭は真っ白になっていて何も考えられていなかった
「んぁあ!ぁ!あ!んー…」
俺は凛を最奥まで突き、自らの肉棒で膣内を掻き混ぜる
グジュグジュとイヤラシイ音が響き渡る中、俺は我慢できずに果てた…
…が、俺は凛の胸を両手で鷲掴みにし、力強く揉んだ
「んあ!!…な、何を、あん!…ふぅ…ぁん…」
凛の膣内で大きさを取り戻した俺の肉棒は再びシェイクを始める
よがり狂う俺達は正にオスとメス…

「凛…俺の事…好き?」
唐突に聞いてみた…
「ぁぁっ…ぁあ!…え?」
「好き?」
「…な、なぜそんな事を聞く?」
「…」


なぜって…そりゃあ…、あの日に直接聞いてなかったから…
分かってるけど

凛の気持ち…



ー一週間前ー

「…というわけだ。だから今から結城リト!お前の家に居候させてもらう!」
…え〜っと…
あの変人クイーン先輩が、ザスティンの好感度を上げる為…
凛…先輩が刺客として俺の家に泊まりに来ると…そういう事ですか?
「…ぁぁ」
迷惑そうな顔と返事で返答する先輩…同情するよ…

ー結城家ー

「ってなわけで…」
ジト目になられても何も隠すことはしてないぞ!美柑…
当の先輩は俺の家の中を興味深そうに眺めている
「…普通の…」
「あ!…え〜っと…凛!凛だぁ〜〜〜」
あ〜…一番厄介なのが出てきたよ…、っはぁ〜…
「な!…貴様ララ…、(落ち着け…)き、気安く下の名で呼ぶのは止めてくれ」
「どーしたの!?何でうちに来てるのー?」
目を輝かせるララ…
お前は本当にお気楽極楽で良いよなぁ…


510トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:04:01 ID:DOflNWjy(9)
「う…そ、それよりザスティン様はどこだ?」
まぁ、色々な説明は俺より賢い美柑に任せよう


ー夕食ー

「そうか…。それはお前も大変だな」
「そうそう…、なにせ兄が兄だからね〜ぇ」
「可哀想に…」
…ちっ
すっかり意気投合しやがって…
「ん〜〜!おいしーい!リトも凛ももっと食べなよ〜〜」
飯時になるとさらに明るさ+元気が増すララ
もっと食べなよって、まったく…お前が作ったんじゃあるまいし…
「え〜?あ、そっかぁ!リトは私の手料理が食べたいんだね〜!オッケェ〜」
事の重大さを光よりも早く察知した俺は
「…!ま、待て!誤解だ!ララ!お、おい!」
ララは俺の言葉が耳に届いておらず、鼻歌を歌いながら料理?を作り始めた
「?なぜそんなに慌てるんだ?…折角嫁が料理を作ってあげようとしているのに」
俺は「料理」の事と「嫁」の事を同時に話した

「な!何!?それじゃあお前とララは…」
「んな事より早く止めなきゃ殺される〜」

がシャン〜〜!ドゴーン!ズドーン!

……………


「…はぁ〜…」
俺は大きな溜息を一つ
だがいつもの事なので立ち直りは早かった

「…この家は色々と大変だな…」
解けたポニーテールを結び直し、疲労感たっぷりの表情で愚痴をぽつり
「…だが、退屈はしないな…、ふふっ…違うか?」
…!
…初めて見た凛先輩の笑顔…
…いつもの強張った先輩とはまったく別人…
…そしてこの胸の高鳴りは…
凛先輩って…こんなに可愛かったんだ…





511トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:04:46 ID:DOflNWjy(9)
ー6日後ー

凛先輩が来てから家はよりにぎやかになっていた
…まぁ主に俺が被害者になったりいつものトラブルでわいせつ容疑者になったりと…
俺はいつもの2倍は多忙な日を過ごしていた…
が、何となく…いや確実に先輩との距離は縮まっている
だって、俺に向ける笑顔の回数が多いから…ただそれだけの理由で…


ーリトの部屋ー

俺はベットに腰掛け床に就こうとしたが先輩が部屋に入ってきたので中断
「失礼する…」
なぜか先輩はモジモジしながら、そして顔を赤く染めてきた
たぶん男の部屋に入るのは初めてなのだろう…
「…なんでそんな挙動不審なんだよ…先輩」
「な!私が挙動不審だと!?私はいつも堂々としていると思うが…」
前までの先輩なら否定はしなかったが、今の先輩を見ているとそう思えてくる
ここに来てから随分と表情が柔らかくなったし、女らしくなったと言うのか…この場合…
どっちにしろ先輩は良い意味で変わった

「で、どうしたんだ…?」
俺は強引に本題に戻した

「ぁあ…明日で…終わりだな…。このにぎやかな生活も」
「天条院先輩がいる限りにぎやかでしょ?」とはあえて言わず、沈黙を保つ
「…せ、清清するな…」
そう言いながらも自分の服を握り締める…凛…

「…私は静かな方が好きだ…。実家もそうだし…」
イメージは大体できる

「でも…、不覚にも愛着がついてしまった…。この…普通の家に」
…普通…ねぇ

「………もう少しだけ……。いや、もう充分だ…」
先輩は体を縮こまらせ、自分で自分に言い聞かせる

「…そ、それと…お、お前に対する見方が変わった」
…はぁ〜、やっとケダモノ扱いから開放されるのかぁ!
「以外に良い奴だな…お前は…」
にこりと笑顔を向けられ、ドキンと胸が音を立てた
やっぱ先輩の笑顔は可愛い…
俺も返答として笑顔を向ける
…予想以上に先輩は顔を染めてくれた

「ば、バカかお前は!」
あ〜あ…すっかり耳まで赤くしちゃって…





512トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:05:29 ID:DOflNWjy(9)
顔を背ける凛に段々と近づく俺
凛はその気配に気づいたのか、少し身体を強張らせる
しかしそこから動こうとはしない…

「結城リト…お前に聞きたいことがある…」
俺は動きを止めず、凛に抱きつこうとした…が

「もしそのまま…私に抱きついたとしたら…、
色んなモノとの関わりが変わっていくと思うぞ…。大事な人や身近にいる人…。
…とくに…私とは…」

九条…
天条院家に代々仕えるもの達
俺にはそこら辺の事はさっぱり分からない…
だからこそ、凛と一緒に居たいと想う…否、そんな事はどうでもいい
先輩が…凛がどういう家庭で生まれ育ってきたなんて関係ない

俺は…凛と…

「…!…ゆ、き………」

一緒にいられれば…それでいい


俺は後ろから背中越しに引き寄せる感じで、凛を抱きしめた
腕の中にスッポリと入っている凛は俺の袖を握り
「こんな私でもいいのか?…少しも女らしくないし、
お前にだって強くあたってきた…。そして何より…私は………かわいく…」
「うん!すっげー可愛いよ、凛」
「!」

可愛い…?

そんな事は…、だって、…私は…

ー10年前ー


「いや〜沙紀ちゃんはほんと可愛いね〜」
「おーほっほっほっ!当たり前ですわ!
この天条院沙紀の美貌に勝てる奴なんて世界各地を調べてもいやしませんわ!
そうでしょ!凛!」
「はい!」

まただ…

「こりゃあ将来が楽しみですなぁ」
「凄く愛らしいお子さんですね〜」
「可愛いというより美人じゃないのかね?ハハハハハ」

いつも沙紀様は可愛いと言われ、皆にチヤホヤされていた



513トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:06:20 ID:DOflNWjy(9)
私はただ相槌を打ち、沙紀様の傍にいるだけ
沙紀様を守れればそれで良かった…それが私の使命…
九条家に生まれた時からの…宿命だった
私も可愛いとチヤホヤされたいのか?…沙紀様が羨ましいのか?
自分でもよく分からなかった…その時は…



「そっか…、皆見る目ないんだな」
「え?」
凛は俺にキョトンと潤っている目を向けた
「でも、皆に可愛いって言われるより、特別な人に言われた方が嬉しいよな」
「…特別な…人…」

特別な人…それは好きな人にイコールする
俺の特別な人…前までモヤモヤしていた…
ララ?春菜ちゃん?…その二人も特別な人だ
でも、世の中には一番と言うものが存在する
俺にとっての一番…一番大事で愛おしくて好きで…傍にいたい人…

「凛…」


10分後
「痛いなら…止めるけど…」
俺と凛を繋いでいる部分からは赤く染まった血が流出している
凛は無言でそれに耐えて、俺を放さなかった
「い、痛いわけ…ないだろう?…ハァ…ん…」
その凛の無理な笑顔に俺は理性という最終防衛ラインが破られた
俺はいっきに肉棒を凛の最奥まで突きまた突きという作業を繰り返した
その速さは段々と増し、二人は初めて快楽というものに巡り合った
「ぁう…ぁあ!ぁん!…ふぁ…!は、初めてなのに……気持ち…よさすぎ…あん!」
「凛…好きだよ。絶対お前を…」
「ぁ、リトぉ…んぁああああ!!!!」
二人同時にイってしまった
俺は凛を力強く抱きしめ、初めての行為の最高の終わりに酔いしれていた…
ずっと凛を離さずにいたが…俺は突然来た睡魔にあっけなく負けた…
「…まったく…。…ありがとう…リト…」














514トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:06:56 ID:DOflNWjy(9)
ー現在ー

俺達は木に寄りかかり座りながら肩を貸しあう
今は二人しかいない静かな空間…

「凛は静かな方が好きなんだよな…」
「…あぁ。気が楽になる…」

凛の横顔は笑顔で溢れていた


「好き…な方だ…」

…恥ずかしかったのか、俺の胸にうずくまる凛
俺は愛おしい彼女の繊細で美しい髪を撫でた

「…凛…ありがとう。…好きって言ってくれて…」
「い、一々そういう事を言うな///!ばか!」

きっと…今俺の中にいる凛は、最高の笑顔になっているだろう

誰にも負けない凛とした  …最高な笑顔…で…




515トラブルガールズ 凛偏 :ID:mpfj41Qj :2008/04/28(月) 01:10:31 ID:DOflNWjy(9)
トラブルガールズ 凛偏 終了!

ん〜どうでしょう?
凛はまだ素性の知れぬ女ですからね〜…。



516名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/28(月) 01:43:41 ID:6Rvrvjfq
平日になってから投下祭りとは珍しい
>>505
>>515
GJでした!

517名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/28(月) 10:38:52 ID:jfy0p506
余はラコスポの逆襲を所望す!!!

518名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/28(月) 17:00:38 ID:o9tLVLah
編か篇でわ

519rmy :sage :2008/04/28(月) 23:40:45 ID:hFe2Uu79(9)
>>506です
こうやって名乗るのめんどいんで、投下前後はコテつけることにしました

>>505
GJでした!
エロシーンってなかなか難しいですよね
イメージはあるんだけど言葉がついてこないというか・・・

>>515
トラブルガールズさんGJでした!
色んな女の子で書けて凄いなあ・・・
美柑と凛は確かに意気投合しそうな気がするw


さて、なぜか抑え役になってしまいましたが、以下に前編を投下します
5話めなんていう長い話なんで、一応注意書きを

・4話までがベースになっている話なので、そんなの呼んでられるかという方は飛ばしちゃってください
・エロシーンは前編にはありませんのご注意を
・今まで読んでくださってる方、前編は中編・後編のためのスパイスとしてお楽しみください

ではいきます

520リト×唯 第5話・前編 :sage :2008/04/28(月) 23:44:24 ID:hFe2Uu79(9)
朝から空は分厚い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうだった。
今日も太陽は眠りこけているのか、顔を出してはくれない。
あの日からちょうど一週間・・・テスト最終日。
あれから唯との間に会話はなかった。
テスト期間ということで、頭文字が「コ」の唯と「ユ」のリトの席は離れてしまっていた。
両者の心の内を示すかのように。

(だけど、それは今日元に戻るんだ・・・)

必ず戻してみせる。
唯の心を、自分の隣に。

必ず、包んでみせる。
唯の全てを、自分の全てで―――


あの日以降、リトは自身を見つめ続けていた。
想いの全てをぶつけてきてくれた唯ともう一度向き合うためには、とことんまで自分と向き合うしかない。
同情や哀れみは必ず見抜かれるし、考えぬいた末の結論でなければ何より唯に対して失礼だ。

リトは、唯のことが好きだ。
それは紛れもなく、一人の女の子として。
あの時感じた爆発的な愛しさは、決して一時の気の迷いなどではなかったと断言できる。

答えを返せなかったのは、ずっと目を背けてきたからだ。

それは唯だけのことに限ったものではない。
自分に想いを寄せ続けてくれているララに対しても。
いつまでも燻らせ続けてきた春菜への想いについてもそうだ。

ケリをつけなくちゃいけない・・・。


ララ―――
ララが現れてから、リトの生活は大きく変化した。
毎日災難続きだけれど、退屈とは無縁の日々がやってきた。
交友関係も増えたし、今も続く楽しい生活の中心にいる女の子。
そして何より、生まれて初めて「好き」と言ってくれた女の子。
大切じゃないはずがなかった。

春菜―――
かつてただ一人、自分のことを信じてくれた女の子。
中学生時代に好きになってから、ずっと心の中にいた女の子。
リトは春菜に恋をしていた。
それはララが現れてからも、唯と親しくなってからもかわってはいなかった。

仮にいつか、ララがリトの傍を去るときがくれば、何らかの結論を出さなければいけない。
そしてそのときが来たら、リトはララの望むようにするのだろう。
悲しい思いをしてほしくないから。
大切な存在だから。

春菜に関しては、もっと情けなくなる。
春菜を想うことは、いつの間にかリトにとって逃避になっていたのかもしれない。
ララからの、そして唯からの想いと向き合わずにいるための。
今の居心地のいい空間から追い出されないための。
もし春菜が想いを伝えてきてくれても、誰にも悲しい想いをさせないようにとオドオドするだけで結局はどうにもできない気がした。

ララや春菜に対しては、リトは自分の意思を優先できそうにない。
流されるままだ。


521リト×唯 第5話・前編 :sage :2008/04/28(月) 23:48:42 ID:hFe2Uu79(9)
じゃあ、唯に対しては・・・?

彼女は自分が傷つくことなど、これっぽっちも恐れないのだ。
その代わり周囲に迷惑をかけたり、大切な人を傷つけたりすることは極端に嫌う。いや、恐れているとさえいってもいい。
彼女がどこか友人たちの輪に入りきれないのは、深く関わることでいつか傷つけてしまうのが怖いからなのではないだろうか。

ララがリトに想いを寄せていることは、唯だって知っているはず。
リトが春菜に想いを寄せていたことも、唯は知っていたようだった。

それなのに。
唯は自分に精一杯の想いを伝えてきてくれたのだ。
あれほど己を優先せず、犠牲にして、誰にでも献身的に行動する唯が、
別の誰かを(それも大切な友人を)傷つけてでもと、望んでくれたのだ。


(俺の一番になることを―――)


だから俺も、自分の意思に忠実になろう。
誰かを傷つけても、ぬるま湯から抜け出してでも、一番欲しい物に手を伸ばそう。
身勝手だろうと、何と言われようと構わない。

(俺は・・・、古手川唯が欲しい)


意地っ張りで、でも真っ直ぐで、頑張り屋な唯が愛しい。
ぶつぶつ文句を言いながらも、俺の腕の中で顔を真っ赤にして甘える、そんな唯がどうしても欲しい。

だから。
彼女を手に入れるためなら、ズルイことだってしてやる。
大切な人にだって、傷を負ってもらう。
そうしないと、”俺が”いつまでも前に進めないから。
後には莫大な借金が残るだろうが、それは少しずつ返していくしかない。

これが、リトの出した結論だった。


前日の夜―――

「ララ、ちょっといいか」
自分から訪れることなど滅多にない、ララのラボラトリ。
翌日で最終日とはいえテスト期間なのに、ララは新たな発明品の試作に励んでいた。
彼女にしたら、地球の勉強に対策など必要ないのだろう。
「あっ、リトー!どうしたの、こんな時間に」
顔を上げこちらを振り向いたララの表情は、弾けるようないつもの笑顔。
でも、もうこれ以上この笑顔に甘えることは許されないのだ。

「話があるんだ」
「・・・リト?」
ただならぬ雰囲気を察知したのか、天真爛漫なララに珍しく戸惑いの色が浮かぶ。


522リト×唯 第5話・前編 :sage :2008/04/28(月) 23:50:13 ID:hFe2Uu79(9)
「俺は、ララの気持ちに応えられない」
視線は真っ直ぐに、決して下は向かない。
もう、何からも逃げない。
「・・・リ、ト?」
リトは冗談でこんなことを言う人ではない。
突如訪れる、焦燥感と喪失感。
心にコンパスで円が描かれ、そこにぽっかりと空洞ができる。
「リト、私にどこか悪いところが・・・」
その続きは言葉にならなかった。

そうじゃない。
無言でもその瞳が、そう語っていたから。
初めて見る強烈な意思の宿ったリトの瞳に、ララは何もいえなくなってしまった。

「幸せにしたいやつができたんだ」

(私よりも?)
聞くまでもなかった。
「だから俺は、お前の気持ちには応えられない。・・・ごめんな」
リトは全ての言葉を言い終わるまで視線をそらさなかった。
その後静かに頭を下げて、部屋を出て行った。


そして今朝、結城家―――
「リトッ!!」
リビングには朝食が既に並べられている。
響いているのは、エプロン姿の美柑の怒号だ。
「どうしてララさんにそんなこと言ったのよ!」
美柑が怒っているのは、もちろん昨夜のことについてだ。
朝食の時間になってもララが姿を見せないことを不思議に思った美柑が、リトに問うたのがきっかけ。
「あんたが嘘つけない性格だっていうのは知ってる。
好きっていう気持ちがどうにもならないっていうのも、なんとなく想像できる。
でも、タイミングってものがあるでしょ!今日だってテストなんでしょ!?」
「ああ」
「そのうえ唯さんを足止めしてくれって・・・。わけわかんないよ!
あんた自分以外のことはどうだっていいっていうの?」
「ああ、そうだ・・・」
「ああそうだって・・・。もういい、私がララさん起こすから!」

美柑がララに呼びかける声が聞こえる。
リトだって、ララに出てきて欲しい。
いなくなってなど欲しくない。
しかし、ここでリトが懇願するわけにはいかない。
今は信じるしかない。
自分に何ができるかはわからないが、ララが返済のチャンスをくれることを。


523リト×唯 第5話・前編 :sage :2008/04/28(月) 23:51:11 ID:hFe2Uu79(9)
朝食には手がつけられないまま、時刻は8時15分になろうとしていた。
そろそろ出発しないと間に合わない。

その時、ドアが開く音が聞こえた。
「ララさん・・・」
「てへっ。寝坊しちゃった」

なんて分かりやすい嘘なんだ。
目は充血し、鼻の辺りも微かに赤くなっている。

「もういかなきゃ遅刻だー。リト、先に行くねー」
まだ鼻声のまま、ララはあっという間に飛び出していった。
リトは目頭が熱くなるのを感じたが、グッとこらえて玄関に向かう。
「リト、・・・いいの?」
同じく学校へと向かうために美柑も玄関に出てきた。
「ああ・・・、唯の件よろしく頼むな・・・」
リトは実年齢に見合わない精神年齢を持つ妹の頭をクシャッと撫でて微笑みかけると、家を出て行った。
小さな声で、その笑みも儚げだったのに、なぜかいつものような頼りなさはそこにはなかった。
美柑は優しいだけがとりえの兄の出した結論を、応援してあげようと心に決めた。


お前勉強してきたかー?
全然やってねーよ
そういうくせにいつも俺より上だもんなー、ちくしょー
教室に入ると、いつもの喧騒がそこにはあった。
ララも春菜も、そして唯もそこにいた。
遅刻ギリギリだったせいで、1時間目のテストが始まるまでに話しかけてきたのは
「ヤ」を頭文字に持つ前の席の男だけだった。

テストに関しては、リトとしてはこれ程なく順調に解けた。
あの日以降は考え事ばかりだったが、それが煮詰まると唯の教材に自然と手が伸びた。
(俺がまさか気分転換に勉強を使うなんてな・・・)
整った文字列と細部にまで行き届いた配慮。
リトが勉強するためだけに作られたそれに取り組んでいると、心が安らいだ。
先週の貯金もあったお陰で、赤点が心配になる教科は一つもなかった。

2時間目も何事もなく終わり、期末テストは過ぎ去っていった。
一箇所で生まれたざわめきから開放感があっという間に派生し、帰りのホームルームなどあったもんじゃなかった。
結局その日机が元に戻されることはなかった。

しかし唯との関係の方はそうなるわけにはいかない。
リトはそう思いながらも、やっておくべきことがもう一つあった。
自分の気持ちにケリをつけるためだけの、なんとも身勝手な儀式が。

「西連寺、この後ちょっといいか・・・」
「えっ!?・・・うん。大丈夫だけど・・・」
「じゃあ、屋上で待ってるから」

春菜にこんなに自然に話しかけられたことなどなかった。
声が上ずることも、視線をそらすこともなかった。
(今まで自分が決意だと思っていたものが、いかに甘ちゃんな物だったか思い知らされるな・・・)
そんなことを考えながらリトは屋上への階段を登っていった。

そのリトの後姿を、唯は寂しげに眺めていた。



524リト×唯 第5話・前編 :sage :2008/04/28(月) 23:52:47 ID:hFe2Uu79(9)
春菜の心臓は高鳴っていた。
ずっと好きだった人に、屋上に呼び出されたのだから当然だ。
ただ、どこか嫌な予感がしていた。
それは今日のララの態度が、明らかに不自然だったからだろう。
不安が期待を、押しつぶしてしまいそうだった。

屋上では、リトが柵を背にしてこちらを向いて待っていた。
バタンとドアが閉まる音がしたが、春菜はその場を動けない。
リトがゆっくりと近づいてきた。
春菜の前まで来ると目を閉じて、それから徐に話し出した。

「昨日、ララに言ったんだ・・・」
春菜は不安に揺れる瞳でリトの胸の辺りを見ていた。
「お前の気持ちには応えられないって」
(そうか、それで今日のララさんは・・・)

リトの声は小さいが、はっきりと聞こえる。
何かを決意したものの声だ。
春菜の胸には嫌な予感が広がっていく。
普通こういうときには自分を選んでくれたのかもしれないと思うものだろう。
だけど・・・。
(結城君は優しすぎるから・・・)
もし彼がララを選ぶと決めなければ・・・今の状況が長く続けば続くほど、
ララが自分たちの中に溶け込めば溶け込むほど、彼は誰も選べなくなっていくんじゃないだろうか。

(だから、私が選ばれることは絶対にない・・・)
春菜の中にいつしか宿っていた、諦めの気持ち。
それが爆発しそうになって、春菜はついに決意した。
「結城君、私は・・・」
「俺は西連寺が好きだったよ」
「えっ!?」
思いがけないリトの言葉。
視線を胸の辺りから上げていくと、真っ直ぐに見つめてくるリトと目が合った。
「ずっと好きでした」
自分は今、想いを寄せている相手に告白されている。
それなのに、春菜は急速に冷静さを取り戻していった。

リトの言葉は、全て過去形だ―――
やっぱり彼は、誰も選ばないつもりなのか。

リトには誰かを愛して欲しい。
幸せになってほしい。
偽らざる春菜の本心だった。
誰も選ばないなんて私は望まないよ。
そう伝えたかったが、たった今大好きな人からNOを伝えられたのだから言葉など出てこなかった。
一人葛藤の中にいた春菜に、リトの言葉が続けられた。


525リト×唯 第5話・前編 :sage :2008/04/28(月) 23:53:20 ID:hFe2Uu79(9)
「最近、好きなやつができたんだ」

リトの言葉は現在形へと変化していく。
「俺はそいつをたくさん傷つけてきた。いや、違うな。そいつだけじゃない・・・。
今だって、君の心を好き勝手に掻き乱している。
だから俺は、償わなくちゃいけない。傷つけた人たちに対して」
リトはそこで言葉を切り、大きく一つ息を吐いた。
内側から胸を炙られているような熱さがあった。

「でも償うことは多くの人に対してできても、幸せにすることは、ちっぽけな俺じゃ一人しかできない」

そして今度は未来形へと変化する。
「俺には、君以上に幸せにしたい人がいる。だから・・・」
リトが頭を下げようとした、その瞬間。
「謝らないで」
春菜に静止させられた。
「私は、結城君が誰かを好きになってくれて嬉しいの」
「・・・西連寺?」
「結城君は優しすぎるから、結局誰も選ばないんじゃないかって、ちょっと思ってた」
春菜の瞳には涙が溢れてきていた。

「でも、古手川さんがそれを変えたんだね」
「えっ!?・・・何で俺の好きな人が古手川だって?」
春菜は涙が零れ落ちるのにも構わずに微笑んだ。
泣きながら見せる、いつもの困ったような笑顔。
「わかるよ。・・・いつも見てたんだから。結城君、鈍すぎるよ」
今更ながら、リトは春菜の気持ちに気づいた。

春菜はハンカチで濡れた顔を拭うと、再び笑顔を作った。
「行ってあげて。古手川さんのところに」
「西連寺・・・」
リトの胸には再び熱さが込み上げてきていた。
最初は自分の身勝手さに対する怒りの熱さだったが、今度は春菜によってもたらされたそれ。

「古手川さん、きっと待ってるよ。そしてさっきの言葉、伝えてあげて」

そうだ。
俺には何としても手に入れたいものがあるんだ。
この大切な女の子を泣かしてしまった今でも。

リトは春菜の横を通り過ぎ、ドアノブに手をかけた。
「俺、西連寺の事好きになれてよかったよ」
やっぱりその気持ちは逃避なんかじゃなかった。
リトは確かに春菜のことが好きだった。
ただ、それを犠牲にしてでも手にしたいものができただけだった。

リトは屋上を出た。
(余計なこと言ったかな・・・)
少しそう思ったが後悔はしない。
本当の勝負はまだ始まってもいないのだから、後悔している暇などない。
頭の中はもう、唯の事で占められていた。


526rmy :sage :2008/04/28(月) 23:57:52 ID:hFe2Uu79(9)
と、前編はここまでです
焦らしすぎかなw
4話までに伏線を張りすぎた感があってちょっと反省です

中編はもう出来てるんでまた明日にでも投下します
読んでくださった方ありがとうございました

527名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 00:01:40 ID:+HivNYlb
前置き)乙 gj 次もがんばれ(前置きここまで

ト、トラブルのイメージが全て壊されるこのシリアス感……だがそれが良い!!

528名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 00:02:25 ID:pRdV7uop
投下ラッシュwwww
職人方々乙です

529名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 00:05:23 ID:qVu2d/Y2
>>526
GJです
終わってしまうのか…
続きが気になって眠れません…
後編楽しみにしています

530名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 01:18:17 ID:0E03LioD
>>526
何というシリアス展開……GJ!

531名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 02:20:59 ID:RVC5rpA/
>>515
凛が投下されてるぅー!ずっとこの時を待ってました!GJ!!
ところでナゾの女についてですが口調はもう少し柔らかいカンジかな?
普段はリトのこと君って呼ぶみたいだし
氏の続編期待してまし

>>526
なんかもう歌でもできるんじゃないかって文章ですね
感激してますw
早く続きが読みたいでし

532名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 09:09:55 ID:4vi/HijA
>>526
ルンなんてもう眼中に無いみたいだなww
GJ

533名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 21:51:43 ID:WW84oizo
ここいらでグッチャグチャの陵辱もの希望

534名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/29(火) 22:00:53 ID:I0JKWwhP
本編でもいつかこんな展開がありそうな気がする。
そこで涙を流す子は誰か…


とりあえず、GJと言っておくよ。

535rmy :sage :2008/04/29(火) 23:46:15 ID:A42Mfp3v(9)
コメントくれた皆さんありがとうございます
シリアスですねw
3話くらいからかな・・・そう持っていったのは
内容はシリアスですけど本人はゆるーい感じで書いてるんで
あまり真剣に読んでもらわれちゃうと困ってしまうんですが(笑)
楽しんでいただけていたら幸いです。

では中編行きます

536リト×唯 第5話・中編 :sage :2008/04/29(火) 23:47:04 ID:A42Mfp3v(9)
唯はぼんやりと数メートル先の地面を見つめながら家路についていた。
(もう、終わってるのよね・・・)
ちょうど一週間前のあの日、自分とリトの関係は崩壊した。
抑えようのない自らの熱によって。
いつだって、答えを焦り過ぎるとロクなことにはならない。

勉強など手につかなかった。
月曜日、誰よりも早く登校し自分の席に座った。
結城リトという恒星の惑星系からはぐれてしまった、自分の席に。
勉強に没頭しているフリをして、彼とは目も合わせなかった。
これからどんな風に彼と接していけばいいのか。
心の整理など全くできていなかった。
それでもテスト問題ならば、日頃の蓄積により焦ることなく解けてしまう自分が、どこか滑稽に思えた。

学校に行き、静まり返った教室で数十問の問題を解き、家に帰れば布団の上で涙を流して過ごす。
何一つ手につかない。
唯としてはありえてはいけない、怠惰な一週間だった。

今日、リトは屋上へと駆け上がっていった。
席が元に戻らなかったことに戸惑い無意識にリトの姿を探すと、彼は春菜と何事か話していた。

(結城君は、やっぱり西連寺さんを・・・)

分かっていたはずなのに。
もう答えは返されているのに。
今日は家に帰り着く前に涙が零れてしまいそうだった。
あの日と同じような曇り空から、雨が降ってきたらいいのに。

ドンッ
「きゃ」
涙を堪えるのに必死になっていた唯は、交差点で左から歩いてきた女の子とぶつかってしまう。
「ごっ、ごめんなさい!大丈夫?怪我はない?」
電光石火の勢いで尻餅をついた女の子に駆け寄って顔を寄せ、心配そうに声を掛ける。
どんなに悩んでいようと、超善人ぶりは変わらないらしい。

(・・・こりゃ、リトが惚れるのも無理ないなぁ)
その女の子はもちろん美柑だ。
唯は若干やつれていたが、それでも美しさは健在だった。
少し頬がこけているものの、それがどこか儚げで、強気な面を感じさせる普段の唯とのギャップを引き立てていた。
また、その長く美しい黒髪は手入れを怠っていないらしく、絹のような光沢を保っていた。
瞳が潤んでいるのはぶつかったのとは別の理由からだともちろんわかるが、
それでも初対面でかつ同姓である美柑ですら、思わず見とれてしまうほどだった。


537リト×唯 第5話・中編 :sage :2008/04/29(火) 23:47:32 ID:A42Mfp3v(9)
「平気です。こっちこそごめんなさい」
そう言って立ち上がると、そこで初めて唯の制服に気づいた、というフリをする。
「あ・・・、その制服・・・」
ちょっとした演技など美柑にはお手の物だ。
ましてや相手は小学生を疑ってかかるということなど絶対にしない唯だ。
「あの、何年生ですか?」
「・・・2年、だけど・・・」
パァッと美柑の表情が明るくなる。
「じゃあ、リト知ってますか?結城リト!」
「えっ!?」
思いがけないところで出たリトの名に、唯は動揺を隠せない。
そしてそれに付け込まない美柑ではない。
「結城リト、知ってるんですね!」
「えっ・・・あ、ぅ・・・」
今最も考えたくない人物で、関わりたくない人物だ。
知らないといってしまいたい・・・が、唯はそこで嘘をつけない。
しゃがんでいるので、美柑を見上げる格好になっている。
何とも恨めしそうな表情で。
美柑は逆にどこか楽しそうだ。
「実はあいつ、私の兄なんです」
「・・・結城君の、妹さん・・・?」
初耳である。
「はい。私今日家の鍵忘れちゃって・・・。リトが帰ってこないと家に入れないんです。
リト、まだ学校にいますか?」

唯の予測が正しければ、リトはまだ学校にいるだろう。
彼は春菜に告白し、春菜もそれを受け入れて、二人で幸せを噛み締めている頃ではないだろうか。
そう考えるとまた涙線が緩みそうになり、いてもたってもいられなくなる。

「ゆ、結城君は友達と寄り道していくって言ってたから、当分戻らないんじゃないかしら・・・」
「・・・そうですか。困ったな」
シュンとしてしまう美柑。
そんな姿を見せられると、美柑を放っておくことなど唯にはできないわけで。
沈みかけた自らの心を奮い立たせると、俯いている少女に声を掛ける。
「じゃあ、お姉ちゃんとどこかでお昼食べようか」
「へっ? いいんですか?」
「うんっ」
ここで会ったのも何かの縁だし、家で泣いているよりも有意義な時間がすごせる。
もしかしたらリトの新たな一面も知れるかもしれない。
「行こっ」
そういうと唯はにっこりと微笑んで、美柑と手を繋いでやる。
笑えたのは、一週間ぶりだった。

まだ正午前だったが、二人は某ファストフード店に入った。
朝食をとれなかった美柑はフィッシュバーガーを頬張っている。
初対面の二人にとって共通の話題など他にないので、必然的にリトの悪口大会になる。

「あいつ、ホントにヌケてるんですよ。この間だって・・・」
「ふふっ。結城君ってそういうところあるわよね」
唯は食欲こそほとんど戻らなかったが、美柑と話しているうちに元気を貰っていた。



538リト×唯 第5話・中編 :sage :2008/04/29(火) 23:47:56 ID:A42Mfp3v(9)
気づけば時刻は1時を回っていた。
リトはそろそろ帰っているだろうか。

「あの、唯さん。お願いがあるんだけど・・・」
美柑が改まった口調になる。
「なあに?」
逆に唯は出会った数時間前よりもふんわりとした口調。
子供が好きなのかも知れない。
「一緒に見て欲しい映画があるんです」
「映画?」

美柑と一緒に見たのは悲しい恋愛映画だった。
たった一つのボタンの賭け違いが原因で離れ離れになってしまった二人の物語。
唯は映画の開始直後はずいぶんマセた小学生だな、などと考えていたがいつの間にか映画に引き込まれていた。
映画の終盤、二人が最後の口付けをかわしたシーンでは涙が出そうになったほどだ。
一方美柑は大あくびにより涙が出ていた。

映画が終わって外に出ると、夕日が唯に優しく降り注いできた。
なんだか太陽を見たのは久しぶりのような気がする。
「唯さん、今日はほんとにどうもありがとう」
「ううん。わたしも凄く楽しかったわ。こちらこそありがとう」
「もうリト帰ってると思うから、そろそろ帰ります」
「それがいいわ。またね、美柑ちゃん」
唯は微笑むと小さく手を振る。

「未来のお姉ちゃんが、素敵な人でよかった」
背を向ける直前に美柑はいたずらっぽい表情でボソッと呟くと、あっという間に人ごみに紛れてしまった。


「・・・ええっ!?」
しばらくポカンとしていた唯だが、その言葉の意味に気づくと途端に真っ赤になってしまう。
(それって、わたしが結城君と・・・、ケッ、ケ・・・ケッコンするって・・・)
今の状況ではそんなことはありえないと分かっているのに心臓が踊りだす。
ドキドキするのも一週間ぶり。
一緒にいるわけではないのに、彼に自分を動かされている感覚。
(わたしは何でもかんでも結城くん、結城くん・・・。あなたはいつまで居座る気なの・・・?)
ため息が出てしまうが、同時に体の内側から温かさを感じることができた。
そっと目を閉じてみる。
雑踏の真ん中で、音が消える。
リトは唯に背を向けていた。
その表情は窺い知れなかったが、きっと笑っているだろうとその時は思えたのだった。



539リト×唯 第5話・中編 :sage :2008/04/29(火) 23:48:33 ID:A42Mfp3v(9)
(・・・遅いな)
リトは唯の帰りを今か今かと待っていた。
かれこれ5時間ほどになる。
唯の家の近所のおばさんたちにじろじろと見られながらも、リトはこの場を決して動かなかった。
ララと春菜への想いに区切りをつけ、唯に気持ちを伝えるのが今日の目的。いや、ノルマだから。
そのためにリトは美柑にお願いをしたのだが、妹の賢さとしたたかさを読み違えていた。

リトは唯がすぐ家に帰らないように時間を稼いでくれと頼んだだけなのだが、
春菜にも話をつけるのだろうと予測がついた時点で美柑は作戦を思いついたのだ。
唯にはリトの話題を無理なく話させること+映画によってその切なさを増幅してもらう。
リトには身勝手さを反省させる意味も込めて、愛しい人の到着を大いに待たせてやる。
全く、将来有望すぎる小悪魔だ。
「頑張れ、バカ兄貴・・・」
出来の良い妹からの、おしおき込みのエールだった。

唯は家路をゆっくりと歩いていた。
ついさっき僅かに見えたと思えた希望の波はあっという間に引き、また切なさに襲われていた。
体に力が入らない。
脚は鉛のように重く、筆記用具とノート以外何も入っていない鞄も大荷物のように感じていた。
久しぶりに唯を包んでくれた太陽も、その姿を消してしまった。

(あと少し・・・)
次のT字路を右に折れれば家に着く。
そして今日も、涙でシーツを濡らすのだ。
いつまでも引きずっているわけにはいかないことは分かっている。
だけど今日だけは、また唯の心におけるリトの面積が増えてしまった今日だけは、泣かせて欲しかった。

件のT字路を右へ。
そこには、愛しい人が立っていた。
「ゆ、結城くん・・・?」
さきほど目を閉じて見たのと同じ後姿に、思わず声を掛けてしまう。
リトはゆっくりと振り向く。
「おせーよ古手川。待ちくたびれちゃったよ」
困ったような、でも凄く嬉しそうな笑顔だった。
唯の心にいつも柔らかな灯をともし、温めてくれるリトの笑顔。

「ここで・・・何してるの?」
「今言ったじゃん」
リトの口調はまるでいつもと変わらない。
とても一週間会話していない相手に話しかけるようなものではない。
信頼と親しみが篭ったそれ。
「お前を待ってた」
いつもとは逆で、今日は唯が混乱する番だった。
(どうして!?なんで結城君がここに?だってさっき西連寺さんと・・・)
リトは結ばれたはずだ。

リトは表情を引き締めた。
一番大切なものを手に入れるために。
さあ、勝負。



540リト×唯 第5話・中編 :sage :2008/04/29(火) 23:48:59 ID:A42Mfp3v(9)
「やっと解けたから。古手川が出した問題。だから、答えに来た」

ハッとした表情になる唯。
そしてそれはすぐに沈痛なものに変わった。

「酷い・・・。酷いよ結城くん。そんな冗談ってないわ。
だってあなたはあの日、わたしに答えを返したじゃない!!」

リトも、自分の気持ちに嘘をつけるような人じゃない。
思いの丈全てを打ち明けた唯に、リトは何も返してはくれなかった。
そしてそれが、答えだったはずだ。

「それは違うんだ。お前の思い込みだよ。俺は答えを返しちゃいない!」
「だったらどうして、あの時追いかけてもくれなかったのよ!!」
「っ」
一週間前には見せなかった、感情の発露。
涙声の唯が放った矢が、リトの心臓を打ち抜いた。

リトがすぐに答えを出せないことはわかっていた。
ララや春菜への思いはそう簡単に整理がつくものではないだろうから。
でも、それでもいいから、せめて自分を意識して欲しかった。
唯も、ララや春菜と同じ土俵に上がりたかったのに。

それなのにリトは、追いかけてさえくれなかった。
リトは大切な人が目の前で傷つくのを、黙って見過ごせるような人じゃない。
だからそれは唯にとって、拒絶されたのと同義だった。

唯の瞳から、堪えていた涙がポロポロと零れ落ちる。
あの時唯は正解が欲しかったわけではなかった。
ただ、真剣に問題に取り組むことを伝えてやるだけでよかった。
リトはまたしても打ちひしがれ、自分の鈍さを呪った。

しかし、今日のリトはこんなことで負けるわけにはいかない。
なぜならリトの信じている正解はもう、この手にあるのだから。

「古手川・・・、ごめん。本当に悪かった」
唯の決壊した堤防は、次から次へと透明な水を零していた。

「俺は、逃げてたんだ」
リトは言葉を続ける。
「今のみんなとの生活が、お前との関係が心地よすぎてさ。ずっと逃げてた。
ララからも、西連寺からも、・・・お前からも、そして自分自身からも」

一つ唾を飲み込む。
心臓が飛び出してきそうなほど暴れている。

「ずっと逃げてたから、真っ直ぐなお前が眩しかった。
お前が俺のこと想ってくれてるって分かったとき、ほんとにうれしかったんだ」

唯は涙が流れ落ちるのもそのままに、じっとリトを見つめている。
魅入られそうなほど、純粋で無垢な瞳で。


541リト×唯 第5話・中編 :sage :2008/04/29(火) 23:49:24 ID:A42Mfp3v(9)
「俺は古手川のことを、間違いなく大切に想ってた。あの時にはもう、お前が好きだった。
でも、いろんな人に対するいろんな気持ちがグチャグチャに絡みあってて・・・。
それなのにお前に答えを求められたとき、完璧な答えをだそうとしたんだ。できもしないのにさ・・・」

そこで自分の弱さを思い知らされて。
そしてリトの体は動かなくなってしまったのだった。

大きく息を吐き出して、一息ついた。
唯を見る。真っ直ぐに。

唯もじっとリトを見返してくる。
その瞳が、続きを要求していた。


「俺は、お前のことが好きだ」
初球はズバッとストレートを投じる。
唯の瞳は見開かれることはなく、頬も赤く染まりはしない。
しかし、微かに息を呑んだのがわかった。
まずは1ストライク。

「あれっ、今の驚くか悦ぶかして欲しいとこなんだけど・・・」
リトが少し茶化すように言うと、唯は頬を膨らませた。
2球目のボール球の変化球は、見事に見逃されたようだ。

「お前のことが、一番好きだ」
「嘘!」
3球目のストレートに、唯は始めてスウィングしてきた。
「嘘じゃない」
「だったら証明してみせて!」
ここで捕らえられるわけにはいかない。
そのために、ララと春菜を傷つけてきたのだから。
「ララも西連寺も、俺にとって大切な人だ。それはこれからも変わらない。
二人には幸せになってほしいと思ってる」
「・・・」
とりあえず聞く耳は持ってくれた。
リトの言葉に嘘がないことも、唯なら見抜いているだろう。
3球目は目論見どおりファウルだ。これで、追い込んだ。

4球目・・・。勝負球―――

全身の力を集中させ、目を閉じ唯の笑顔だけを心に描く。

「俺が幸せにしたいのはお前なんだよ!
俺以外の奴がお前を幸せにするなんて冗談じゃない!
お前を幸せにすることは、俺にしかできない!俺じゃなきゃ嫌だ!」

渾身の力を込めた、ど真ん中ストレート。

まるでガキっぽい、青臭い言葉。
しかしリトが考え抜いた末に、自分の意思で唯を選んだことを示す言葉だ。
唯の見開かれた両の瞳から、ツーッと涙が伝い落ちていった。


542リト×唯 第5話・中編 :sage :2008/04/29(火) 23:49:56 ID:A42Mfp3v(9)
リトは微笑みかけると、ゆっくりと唯の元へと近づいていった。
手を伸ばせば、触れられる距離まで。

「そういえば、まだ聞いてなかったよな」
唯は微かに身を震わせながらリトを見上げる。
「古手川は、俺のこと好き?」
ボッ、とマッチをする音でもしたんじゃないかと思うほどに、唯の顔が一瞬で朱に染まる。
「な、なにを今更・・・」
唯はそっぽを向いてしまう。
それを見てリトの顔がつい綻ぶ。
(ああ、この感じだ・・・)
たまらなく心地よいやり取り。
「いいから、聞かせて」
リトは別にからかっているわけではない。真剣そのものだ。
「・・・嫌いよ」
唯はそう言うが、声には甘えるような響きが混ざっていた。
それにリトはもう既に、唯を三振に打ち取っているのだ。
勝負の行方は見えていた。

「古手川は意地っ張りな上に天の邪鬼だからな、一度言われたくらいじゃ信用できない」
「結城君なんて・・・嫌いなんだから・・・」
そう言いながら体を倒し、リトの胸にもたれかかって来る唯。
その口から何とかして好きという言葉が聞きたいのだが、どうやら愛しさの方が先に限界に達してしまったようだ。
両手で唯の周りに円を作る。
「古手川、ギュってしていい?」
そう聞きながら半径を小さくしていく。
「もうしてるじゃ、あっ・・・」
彼女が言い終わる前に抱きしめてしまった。
信じられないくらいに柔らかい身体、滑らかな黒髪の感触、女の子特有の甘い匂いと唯の温かな体温。
あまりの幸福に、涙が出てしまいそうだった。
「結城くん・・・結城くんっ」
腕の中で震えながら名をよんでくれる、何よりも愛しい存在。
「もう絶対に泣かさない・・・。嬉し涙ならたくさん流させてやるけどな・・・」
耳元でそっと囁くと、唯はリトの制服のジャケットのポケット辺りを掴んでいた手を腰に回してしがみついてくる。

「・・・わたしで、ホントにいいの・・・?」
「お前がいい。お前じゃなきゃダメなんだ・・・」

リトはより一層の想いを込めて唯を抱きしめ続けた。


543rmy :sage :2008/04/30(水) 00:00:14 ID:A42Mfp3v(9)
中編はここまでです
触れている方もいますが、トラブルでシリアス・王道というのが3話くらいからテーマとなりまして・・・
唯がヒロインなのは1話からの流れに乗っけちゃったからですw
単純に唯が好きと言うことでもありますが

後編は二人が結ばれるわけですが・・・
細かいかけあいとかいろいろ書いてたらまたかなりの長さになってる(しかも未完成)んで
いろいろと削ってからちょいと加筆して投下します
ゴールデンウィーク中のいつかには・・・たぶん

お読みいただいた方ありがとうございました

544名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 00:08:48 ID:XEwHb7+D
>>543
GJ! 唯可愛いよ唯。
>ボッ、とマッチをする音でもしたんじゃないかと思うほどに、唯の顔が一瞬で朱に染まる。
これっすよ、これ! ///よりももっと漫画チックに沸騰する様が想像できて良かった。

545名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 01:16:02 ID:GqSpIzHB
お疲れ様
美柑GJ

546名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 01:19:04 ID:WUN3UtKm
>>543
これは……GJ以外の言葉が見当たらない!本当すごいな、表現力が半端ねぇ

547名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 01:32:27 ID:7g21bL5i
>>543
早く続きが読みたいであります…GJ

ところでこのスレの容量ってどのくらいだったっけ?

548名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 01:56:24 ID:PggohdPL
>>547
500だからまだ余裕あるよ
GWだし投下増えるといいな

そんなことよりrmy氏GJ!
やはりあなたは神だ

549名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 02:20:43 ID:avBwrc7K
職人さん方GJです!!!!
よければ

リトと唯
甘い看病
の続きもいつか…

550名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 05:19:56 ID:BIKd5S8P
テスト

551名無しさん@ピンキー :sage :2008/04/30(水) 11:16:53 ID:/pUEKYK7
中間テスト

552名無しさん@ピンキー :2008/05/01(木) 01:35:07 ID:rnTiDWaf(7)
期末テスト
よしOK。

ケータイからだけど書いてみる

553名無しさん@ピンキー :2008/05/01(木) 02:08:42 ID:9vGCSdp4
rmy氏GJ!
you小説家になっちゃいなYO!

554名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 02:16:14 ID:iWkaVeYY
sage忘れすまん

555爽やかな朝? :sage :2008/05/01(木) 04:26:27 ID:rnTiDWaf(7)
ピピピ、ピピピ、ピピピ…。
カチ。

「う〜ん」

まだ起きようとしない身体をなんとか起こし、布団をずらしつつ身体をのばした。コキコキと関節が鳴っているし、男子としての朝の生理現象も一瞥して確認。いたって健康。
下の階からは、トントンと包丁でまな板を叩く音が聞こえくる、妹が朝飯を作っているんだろう。なんであんなにみそ汁美味いんだろう?なんて考えながら目を擦った。
この少年の名は、結城リト。

いたって普通の高校生である。ちょっと恋愛に対しては奥手ではあるが。

そんな彼であるが今、複雑な状況下にいる。1年くらい前になるだろうかある日突然、ホントいきなり、

風呂が爆発した。

そしてなぜか裸の美少女が現れ、求婚してくる事態になった。
普通の常識を持った人なら、驚くというよりそんなどっかの漫画みたいな話…って思うだろうが、それがリトにとっては事実であり、現実だった。
そしてその美少女は、有り得ないほどの美貌を持っているから大変だ。しかもオレを非常に好いている。成り行きで同棲もしている。
そこまでは世の男子として最高の環境だとリトも少なからず思った。
しかし、彼女は宇宙人だった。

ガシャッ。

そんなことを考えていたらリトの思考はシャットダウンされた。あまり、振り返りたくない記憶は人間拒否反応を示すらしい。最近はシャットダウンされるスピードも速くなってきた。
いい兆候だ。

しかし、シャットダウンどころかフリーズしかけない状況に数秒後になるなんてリトは想像もしていなかった。

「ん?」

鼻孔をくすぐる甘い匂いがする。ほのかに香るシャンプーの匂いだ。
オレが使っているシャンプーと同じ匂いだが、ここまで匂いが残るほど頭を昨晩洗った覚えはない。
でもすぐに答えは見つかる。
「リトと同じシャンプー使うー♪」
婚約者と同じシャンプーを使わなくてどうすんの?
と言って嫌がるオレをニコニコしながら、言い返してきた人物がそういえばいた。

556爽やかな朝? :sage :2008/05/01(木) 04:28:21 ID:rnTiDWaf(7)
下に視線を落としてみると案の定いた、寝息を立てている少女。ララだ。

「ハァ。」

この娘が風呂爆発で現れた少女、自称婚約者ララ・サターン・デビルーク。
ため息をつきたくなるほどの美貌で、少女と呼ぶには相応しくない豊満な体つきをしている。何故わかるのかというと、隣で寝ている子は全裸だから。
しかし、それによるため息ではなかった。

カワイイのは認める。そこらのテレビで持て囃されてるアイドルよりは数倍カワイイ。
今、横でスースー寝息をたてているそのララは有り得ないほどカワイイ。淡いピンクの髪がうつぶせで寝ている彼女の上に拡がり、全裸であらわになった肩に垂れかかっている、口の前にきたピンクの髪は寝息に合わせるようにして揺れていた。
ホントにオレと同じシャンプーなのかと思うほど髪はサラサラしている。その髪の奥にはプルプルした唇が…。
ちょっと下に視線を向けるとうつぶせなのではっきり見ることは出来ないが、潰れた大きなそのなんだ?あの…胸が…。

「ヤバイヤバイっ」

見とれてしまった。
何とか視線をララから外しモゾモゾと動いているララを、頼むから仰向けにはなるなよと思いつつ、チラチラと寝顔を見ていた。寝顔だけ見てれば最高な婚約者になるんだろうなとリトは考えていた。

何故かというと、いかんせん彼女には羞恥心がない。
リトは清楚で恥じらいがある子が好みだ、風呂上がりでタオル一枚で家の中をあのダイナマイトボディーで歩かれちゃ、フリーズしまくるってもんだ。
最近そんな日常に耐性が付きつつあるリトではあったが。

羞恥心がない彼女が、オレが寝ているベットに潜り込むのはある意味当然かもしれない。しかも、オレが寝付いたあとに実行する確信犯である。全裸で潜り込まれるのは思春期の男子としては耐え難いものであるが。
最初の頃は目覚ましのアラームの次はオレの絶叫が響くのが結城家の朝の日常だった。でも耐性が付きつつある彼は冷静に対処するのが一番だと知った。
ララは慌てふためくオレをニコニコしながら楽しんでいるように見えるからだ。最近やけに積極性が増しつつあるララに主導権を握られてはいけない。
そのためにはララを起こさないようにしてベットを抜け出し、全裸のララに寒くないようにシーツをかけてそーっと退室するのが得策だと考えた。
自分の部屋なのにオレが退くのは腑に落ちないがしょうがない。朝一で全裸のダイナマイトボディーに抱き着かれるよりは、全然健康的な朝に出来る。

あいつは抱き着くときにオレの朝の生理現象に気付いてるのか?と疑問に思いながらララを起こさないように布団を抜け出そうとした。

557爽やかな朝? :sage :2008/05/01(木) 04:35:12 ID:rnTiDWaf(7)
「ん?」

ある違和感にリトは気が付いた。
やけに下半身がスースーする、そーっとシーツをめくってみた。
バサッ!直ぐにクローズ。
なんで起きた時に気がつかないんだよ。てゆーかさっき一瞥したじゃん。

なぜかリトは全裸だった。朝の生理現象もまる見えだった。

独りで全裸で寝るのは全然問題ない。寝相わりぃなオレ、ハハハですむ問題だ。
しかし、隣で全裸の少女が寝ているのは全然問題ありだ。大有りだ。
冷静に対処しようとした姿はどこへやらパニックにリトはなりつつあった。

いくらそっち方面に知識が少ないとはいえ、世の男子。思春期ど真ん中。なにかがあったと思うのが当然。
てゆーかやっちまったと思う。
しかも、隣で未だにスースー寝ているカワイイ娘はオレに好意を持っている、自称婚約者だ。
羞恥心がないとはいえそっち方面の知識がないという理由にはならないし、わざと抱き着いている可能性もある。てゆーかそのほうが高いじゃん!なんでこの状況下になってから気がつくんだよ。
しかも、あのダイナマイトボディーが迫ってきて、オレの理性が保ったとは考えにくい。
あいつが来てからというもの満足にオ○ニーも出来なかったし…。ヤバイ!ホントにやっちまったかもしれない!!
あわあわしていろいろ考えてみたし、もう一度シーツをめくって下半身を見たが変化なし。そして隣には全裸のララ。

ちょっとまてっ!ちょっとまてよ!!

落ち着かせるために、自分の部屋を見渡してみる。いつものテレビに勉強机、ちらかったゲーム機と教科書。
その近くにオレのトランクス。ララの下着がないだけマシか。

「………」

また、その近くに丸められた明らかに使用済みのテイッシュ。約5つ程

「っ!!!ウワッ!ウエッ!エッ!えっ!?」

もう訳解んないというか確定じゃん!
シャンプーの甘い香りが現実味を帯びてくる。
香りのもとが動いたから、匂いが強くなったようだ。

「う〜ん〜〜。あっ♪おふぁようりとぉ〜♪」

朝一で、オレの顔を見れたのがそんなにうれしいのか、満面の笑顔で挨拶してきたもう一人の当事者が起床した。
ララはうつぶせのまま、そのまんまるの瞳をトローンとさせ、滑らかで白く纏った肩ごしに上目使いで見つめていた。
一方リトは、反則だぁァァと心の中で叫んでいた。

そして、オレの背中に一筋の冷や汗が流れるのを感じづにはいられなかった。

つづく…

558名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 04:39:54 ID:rnTiDWaf(7)
ケータイからなんでちゃんとPCで表示できているか心配です。
感想お待ちしてます。

あと、オレの職業は自衛官ですw

559名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 04:45:27 ID:rnTiDWaf(7)
ララ・サタリン・デビルークですね
ごめんなさい。間違えました。
慎んで訂正申し上げます。

560名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 05:53:08 ID:IK0aZsvI
乙 
表示=問題なしです。

561名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 06:53:03 ID:2ydhEiZE

面白いがクローズじゃなくフリーズじゃないか?

562名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 08:45:54 ID:rnTiDWaf(7)
シーツを元の状態に戻すってことでクローズ。

563名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 17:39:49 ID:PsJFxpJA(2)
>>558
GJ!面白いw

564名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 21:22:16 ID:FdN/AR2o(2)
さて質問だが
(黒)リトが清純派な春菜に告白して付き合うことになりました。
やっぱ告白当日にセクロスはおかしいよな〜?

565名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 21:41:56 ID:UoYO3YmQ
おかしくない

むしろ遅いくらいだ

566むに :sage :2008/05/01(木) 22:51:46 ID:RJd8mvs8(16)
やっと来れたー!
ちょっとバタバタしまくって、その合間にチマチマ書いていってようやく出来ました。早速投下します。

リト女体化ネタその16。

ただ、前の職人さん達の作品がGJ過ぎて、コレは繋ぎとして成立するのか不安ですが…。

あと、自分も今回は///を外してみました。

567結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 22:55:00 ID:RJd8mvs8(16)
――――――


翌日、彩南高校校門前――。


「「ねむ〜〜〜い…」」

「だらしないなぁ、二人共…」

「うっせー、お前と違って……ふぁ〜…んぅ……こんな朝早くから起きる事に慣れてねーの…」

「うみゅ〜……zzz」

現在空も白みかけてきた早朝午前六時、リト・ララ・美柑の三人は、集合場所である彩南高校の校門前で待ちぼうけていた。
いつも早起きなので割と平気そうな美柑に対して、リトは欠伸を噛み潰し、焦点が合ってなさそうな目をくしくし擦って文句を言う。
ララに到っては、直立したまま首をカックンカックンとフネこぎまくりで半分夢の中。端から見れば立ったまま寝てる様にも見える。
これが漫画の中だったら鼻ちょーちんの一つ位は出してるのでわなかろーか…?

「てゆーか何で集合時間をこんな朝早くにした訳?」

「あー何でもな、その温泉かなりの山奥にある秘湯中の秘湯らしいんだよ。
だからこれ位早く集まって出発しなきゃ丁度良い時間に着かないんだってさ。ふわぁ〜…」

美柑の質問に答えた後、リトはまた大きな欠伸。

「むにゅ〜……zzz」

ララはララでフネをこぐ範囲が更に広がり爆睡モード一歩手前。これでも寝ちゃわない様に必死で頑張ってるんです。

「ララさん、昨日はちゃんと寝れた?」

「ん〜…?あんまりぃ〜……zzz」

「よっぽど楽しみだったのかな?今日の旅行」

「違うよ〜…。昨日は御門センセに色々頼まれて…、その準備してたら寝る時間が無くなっちゃった〜……むにゃむにゃ…zzz」

(寝言…)
(…じゃ無いよね?)

どー見ても寝てる様にしか見えないが、一応起きているという方向で質問を続ける。

「御門先生が?色々頼まれてって何を?」

「ん〜……私も良く分かんな〜い……。ただ今回の旅行に絶対必要だからって………く〜…zzz」

「ふ〜ん…」
(また何か良からぬ事を企んでるんじゃないだろーな、あの人は…)

基本的には何かと頼りになる、身の回りの人間の中で極めて貴重な存在なのだが、
その反面、何かと悪戯好きな所もあるので油断は出来ない。
何故なら大抵その厄介事に巻き込まれるのは自分自身なのだから。

568結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 22:57:32 ID:RJd8mvs8(16)
「みゅ〜……ねむいよ〜…zzz」

「ガムならあるけど食べる?ブラックだけど」

「ん〜……私ソレキライ〜……zzz」

「じゃあもうその辺で寝てたらどうだ?みんなが来たら起こしてやるから」

「ん〜……そーすりゅ〜…zzz」

そう言って、ララはぽすっと寄りかかって寝に入ろうとした。
………リトの胸に。

「……オイ、ララちゃん」

「ん〜…♪ん〜…?」

「……何故いちいちオレの胸に顔を埋める?」

「ココが一番落ち着く〜…。リトのおっぱいマクラ〜…♪」

「いや、オレは落ち着かねーって!つーかどー考えたって寝にくいだろ、お前膝立ちだし――ってひゃんっ!?
こ、こら頭ぁ!!頭動かすんじゃなぁい!!てゆーかお前ホントは起きてんじゃないのか!?絶対ワザとやってるだろお前!?」

「ん〜、すりすり…♪」

事ある毎にリトの胸に顔を埋めてくるララを顔を真っ赤にして引き剥がす。
このやり取りもこの一週間の間で最早恒例になっていた。
端から見たら仲の良い女子二人がじゃれ合ってる様に見えるが、リトは本当に引き剥がそうと必死なのだ。
決してララをワザと受け入れてこの状況を楽しんでる訳ではない。

「だからいい加減コイツを止めてくんないか!?そこでニヤニヤしている我が妹!」

「え〜?でも妹としてわお二人のお邪魔をしちゃ悪いすぃ〜♪
てゆーかリトもなんだかんだで結構楽しんでそうだすぃ〜♪」(ニヤニヤ)

「違うわぁーー!!!」
『ガバッ!!』

「あぁん」

怒りのツッコミと共にララを胸から引き剥がした。

569結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:00:36 ID:RJd8mvs8(16)
「オメーも寝るならあっちで寝なさい!枕ならカバンを使えば良いだろ!?人の胸を枕代わりにするんじゃない!!」

「ぶ〜」

「『ぶ〜』じゃない!」


『プップー♪』


そーこー言ってる間に一台の車がクラクションを鳴らしてリト達の前に止まった。

「ふわぁ〜……やっほ〜、早かったのね結城君達。一番乗りだと思ったのに」

「おはようございます、プリンセス、美柑…。あと結城リト」

「あ、御門センセ〜…」

「ヤミさんっ♪」

「ヲイッ、オレはついでかい」

大きな欠伸と共に、御門先生とヤミが車から出て来た。
三者三様、それぞれ返事を返す。

「つーか先生、まさかそんな寝ぼけ眼で車運転してきたんスか?」

「だってぇ〜…私朝弱いんだもん〜…ぁふ……。ココに来る前にも三回位意識がトんだ覚えがあるんだけど…」

「あからさまな居眠り運転じゃないスか!!良くそれで事故りませんでしたね!?」

「あぁ、それ位大丈夫よ。私勘は良いから♪」

「勘で運転すんなよ、勘で!!アンタ一応教師で引率者でしょ!?命預かる側の人間でしょ!?
もし万が一の事があったらどう責任取るつもりなんスか!!?」

「フッ、心配要らないわ…。人間いざとなったら眠れる力が発揮されるものなのだから…。
大事なのは………心の目を信じる事よ!」(キラーン☆)

「そんな都合の良い話があるかい、漫画じゃあるまいし!!」

「何言ってんの♪そんなモンこの話の作者の都合で何とでも「危ない発言禁止ーー!!!」」

慌てて御門先生の口を塞ぐリト。

「いや〜結城君、朝からトバすわね〜♪」

「アンタがさせてんでしょーが!!」

そんな風にリトを軽くイジった後、御門先生はカバンに頭を置いて寝っ転がってるララの方を向いた。

「あらあら、ララさんも随分眠そうね。大変だったでしょ?」

「みゅ〜……センセ〜…私ガンバった〜……zzz」

力無く片腕を上げてガンバった感をアピールするララ。

570名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 23:04:05 ID:NUR89vs0
ふ〜ん

571結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:04:18 ID:RJd8mvs8(16)
「ごめんなさいね、私のお願いで睡眠時間削っちゃって。でもどうしても必要な事だったから」

「ん〜………これで旅行楽しくなる〜…?」

「ええ、もうバッチリ♪」

とてもスバラシイ笑顔で親指を立てる御門先生。
その笑顔を見てララもニパーっと笑顔になる。
その一方で、端から見てたリトは嫌な予感満面の怪訝顔になる。

「あの…御門先生、ララに一体何を頼んだんスか?」

「ん?とっても大事な事♪薬の事もあるからとても私一人じゃ準備しきれなくて」

「いや、だから何を…」

「ナ〜イ〜ショ♪」

すごーく楽しそうに言う御門先生に、リトはますます不安感が増した。

「そんなに心配しなくても大丈夫よ。結城君に迷惑掛ける様な事じゃ無いから♪今回はコッチ側だしね」

「コッチ側?」

「そ、コッチ側♪」

「……」

結局言ってる事はイマイチ理解出来なかったが、とりあえず警戒だけはしっかりしておこうと心に誓うリトだった…。



「ヤミさんっ、おはよ♪」

「……おはようございます、美柑…」

一方、満面の笑顔でヤミに駆け寄って腕に抱き付く美柑。
それに対していつも通りのポーカーフェイスで挨拶を返すヤミだが、いつもと違い警戒心が全く無い。
表情と纏っている雰囲気が明らかに柔らかな物であり、その姿は殺し屋らしからぬ、
何処にでも居そうな普通の女の子そのものだった。

「えへへ…♪」

「……嬉しそうですね、美柑…」

「だってヤミさんと一緒に旅行に行けるんだよ?嬉しいに決まってんじゃん♪」

「そう……ですか…」

572結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:06:46 ID:RJd8mvs8(16)
「ヤミさんは嬉しくない?あたしと旅行…」

「……いえ、決してそんな…」

(じっ…)

「……」

少し不安そうに上目遣いで見つめる美柑に、胸の辺りがチクッと痛む。
おもわず数秒程目を逸らしてしまったが、ヤミはすぐに自分を諫めて、そんな美柑の目を(少し照れ気味に)真っ直ぐ見据え…。

「私も……嬉しい…ですよ…。美柑と旅行に行ける事が…」

微笑んだりはしなかったが、とても穏やかな目で…、美柑を安心させる様に優しい口調で自分の気持ちを伝えた。

「ホント!?良かった〜♪」

本当に心から嬉しそうに無邪気に喜ぶ美柑。抱き付いた腕に更にぎゅーっと力が篭もる。
その姿は、普段の大人ぶってる姿とは違い、まさしく年相応のお年頃の女の子の姿である。

「……」

そんな美柑が何となく直視出来ず、顔をほんのり赤らめて再び目を逸らすヤミ。
さっきの『罪悪感から』とは違って、明らかに『照れ隠し』である事がバレバレだ。

「くくくく……♪」

端からその一部始終を見ていたリトは、おもわず含み笑いを漏らしてしまった。

「……何が可笑しいんですか?結城リト」

「いやいや、おかしくはねーよおかしくは♪」

「顔をニヤつかせて言われても全く説得力ありませんよ…」

若干ヤミから殺気が放出される。が、すぐ傍に美柑が居るからあまり強くは出られない。
見かねた美柑がヤミに代わってリトに抗議する。

「リト!あんまりヤミさんをおちょくらないで!」

「だから違げーって。ちょっと驚いて嬉しくなっただけ♪」

「は?何で?」

「さぁ何ででしょーねぇ〜?にひひひ…♪」

ワザとらしくトボケてまた含み笑い。そんなリトの様子を二人は『訳分かんない』といった感じで眺める。
でもって、ヤミがおもわず発した一言は――。

「何が可笑しいのか知りませんが、あなたのその格好の方がよっぽど可笑しいと思うのですが…」


『ビキッ!!』


言った瞬間、リト石化。


「え〜?私は可愛いと思うけど?何か今日は一段と『女の子』って感じで♪」

573結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:08:22 ID:RJd8mvs8(16)
「それは………私もそう思いますが…。けどドクター、この人は元々男性なのですよ?
そんな人が堂々と異性の服を着て往来を歩いているのは大問題だと思いますが…」

「好きでこんな格好したんじゃねーよ!!」

何とか復活したリト。顔を真っ赤にして御門先生とヤミに抗議する。

「オレだって最初は普通の――自分の普段着で来ようとしてたんだよ!!それをララと美柑の奴が――!!」

「いや〜、リトがどーしても女の子の格好がしたいって言ってくるモンだから♪」

「ウソ吐くんじゃねーよ!!オメー随分楽しそうに――」


『ゴメ〜ン、間違ってリトの服全部洗濯しちゃった♪だから代わりにララさんの服かお母さんの秘蔵品でも着といて♪』


「――ってワザとらしく言ってたじゃねーか!!それでララと二人してこんな格好に無理矢理――!!」

「しょーがないじゃん。着る服が無いんなら♪」

「幾ら何でもオレの服全部洗濯に出すなんざ無理がありすぎるだろ!?明らかな確信犯じゃねーか!!」

「まぁまぁ、別に良いじゃないの♪とても良く似合ってるわよ『レモンちゃん』♪」

「そーそー、凄く可愛いよ、『レモンお姉ちゃん』♪あたし何か惚れ惚れしちゃうなぁ〜♪ね、ヤミさんもそう思うでしょ?」

「そう……ですね…。似合ってるのは……本当ですよ…、結城『レモン』…」

「だからそんな『似合ってる』なんか言われたって全然嬉しくなんか――!!………ん?」

「ここは一つビシッと言ってやろう」と思って文句を言おうとした時、リトはある三つの違和感に気が付いた。


一つは、皆の自分の呼び方が『リト(結城君)』から『レモン』に変わった事…。


そしてもう二つは――。




何かお尻の辺りがスースーしてる事と胸を鷲掴みにされてる感覚…。
 
 


「ふむ、今日はピンクですかレモりん…」

「レモり〜ん、いい加減あたしが選んだストライプも穿いてみてよ〜」

「……ってのわぁぁぁ!!!お前達どっから湧いて出たぁ!!?てゆーかいきなり何やってんだぁ!!!」

「朝の挨拶も兼ねての下着チェック♪」
「朝の挨拶も兼ねてのバストチェック♪」

「爽やかに言うなぁ!!!」

何時の間にか沢田が背後でスカートを捲って、籾岡がリト(レモン)の胸を後ろから揉みしだいていた。
慌ててそこから飛び退いて、両腕でスカートと胸を押さえながらツッコミを入れるリト。

574結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:09:42 ID:RJd8mvs8(16)
「いやいや、何かレモりんの服が似合ってるだの何だのどーこー言ってたみたいだったから
ちゃんとその服に合うパンツ穿いてんのかなぁ〜って思って確認を♪」

「後レモりんのおっぱいがどれ位育ってるのかの確認も♪ちょっと大っきくなったでしょ?」

「しなくていいっての!!つーか何でアンタ達は毎度毎度オレ……ボクに対してセクハラばっかり――!!」

「ただのスキンシップじゃ〜ん、そんな人聞きの悪い…。別に減るモンじゃ無いんだから♪」

「それにレモりんってば油断してるとすぐ男物に走るでしょ?ダメだよ、女の子がそんなんじゃ――。
そーならない為にあたし達がしっかりと管理を――♪」

「余計なお世話だっての!!!」

全く悪びれた様子も無く手をヒラヒラさせて言う籾岡と沢田を怒鳴りつけるリト。
「多分……いやきっと無駄なんだろーなー…」と心のどこかで思ったりもしてるが、それでも言わずにはいられない。
悲しいかな、ツッコミ属性の本能…。

「先生も!!気付いてたんなら止めて下さいよ!!」

「うふふ〜、ゴメンね〜レモンちゃん♪でも私もレモンちゃんがどんな下着を穿いてるのか気になっちゃって♪」

「アンタねぇ、少しは教師としての自覚を――!!」

「ほら、そーやって油断してると…♪」

「え?――ひゃうっ!!?」

「またセクハラ受けちゃうわよ?――って、ちょっと遅かったわねぇ〜♪」

再びリト(レモン)の胸を鷲掴みにするエロオヤジ籾岡と、スカートの中に顔を突っ込んで、頬でお尻をすりすりするその2沢田。
でも御門先生は全く止める気配が無い。この様子をニヤニヤしながら眺めて、明らかに楽しんでいる。
過去に被害履歴があるヤミも、被害を喰らわない様に美柑を連れて既に遠くへ避難済み。
そしてララは既に爆睡モードに入っており、つまりこの二人を止める者は誰もいない…。

「にっひっひっひっ――♪ええか〜?ええのんか〜?ココがええんやろおじょーちゃん〜♪」

「う〜ん、レモりんお尻もスベスベ〜♪」

「ひゃっ!!?ちょっ……二人共止め……あんっ!せ…せんせ……助け…!!」

「いや〜、仲が良いって微笑ましくてイイ事よねぇ〜♪先生レモンちゃんがちゃんと学校に馴染んでくれてて嬉しいわん♪」

575結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:12:06 ID:RJd8mvs8(16)
「ちょっとぉ!!御門せんせ……あっ…!」

「う〜ん、イイ声♪」

「顔ヨシ、スタイルヨシ、その上感度もバッチリ。完璧だねレモりん♪」

「ただ性格が結城っぽいってのがちょっと戴けないけどね」

「ちょっ……お前達いい加減に……!!」

二人を無理矢理にでも振り解こうと身体をよじらすリト。
だが、何せ二人掛かりで身体を抑えられているから上手く動く事が出来ない。
最早このままなすがままに蹂躙されるしかないのかと思ったその時――。


「朝っぱらから何ハレンチな事やってんの!!」
『スパンッ!スパンッ!!』

「だっ!?」
「あたっ!?」


突然張りの良い音が二つ響いて、籾岡と沢田が頭を抱えてその場に座り込んだ。
その拍子にようやく解放されたリトもその場に座り込み、呼吸を整えながら何が起こったのか確認しようと振り返ると…。

「大丈夫?結城さん」

「こ……古手川さぁ〜ん…」

そこには、リト(レモン)を心配そうに見下ろす唯が立っていた。
どっから出したのか、何故か片手にハリセンを抱えて。

「っ〜〜〜。いきなり何すんのさ唯っち〜」

「頭ヘコんだかと思ったじゃ〜ん」

「五月蝿いっ!!あなた達が朝から結城さんにハレンチな事してるからでしょ!?」

涙目で抗議する二人を軽く一蹴して説教モードに入る唯。

「ただのスキンシップだってば〜。別に男にセクハラされてる訳じゃ無いんだから♪」

「だからって、同性にセクハラなんかして何が楽しいの!?」

「あれ?じゃ異性にならセクハラしてもいいの?それはそれで大問題でしょ?風紀委員さん」

「セクハラ自体が駄目な事でしょうが!!屁理屈言うんじゃないの!!」

ハリセンの先端をビッと二人に向けて怒鳴りつける唯。
そしてその後、御門先生の方へと視線を向ける。

「御門先生!!先生も見てたんなら止めて下さい!!それが教師の役目でしょう!?」

「あ、ゴメンね〜。何か楽しそうだったから放っといても良いかな〜ってつい♪」

笑顔で謝る御門先生。間違い無く『悪い』とは思っていない。確実に。

576結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:15:35 ID:RJd8mvs8(16)
「………はぁ…、どうして朝からこんなに疲れなきゃなんないのかしら…」

「………同感…」


「「はぁ〜〜…」」


おもわず漏らした溜め息は見事にシンクロした。
やはりこの二人、中々ウマが合う。

「分かったわよ、もうレモりんの身体には触らない」

「スカートの中も覗かない」

「分かればいいの」

若干ヤケ気味に言う籾岡と沢田。だが…。

「それじゃあ…」
「代わりに…」

不意に、隅の方で寝ているララに視線を向けて…。

「ララちぃのバストチェックを♪」
「今日のパンツチェックを♪」

「「やめんかい(なさい)」」

全然懲りてないセクハラーズに二人のシンクロツッコミが発動した。


『プップー♪』


そこへ、また車がクラクションを鳴らしてリト達の前に止まった。

「おはよう、結……零紋さん、古手川さん」

(春菜ちゃん…♪)
「お、おはよ西連寺…さん」
「おはよう」

車から出てきた春菜に、たまたま前にいたリトと唯が最初に返事を返す。

「お、春菜やっと来た」
「遅いぞ〜春菜」
「春菜さん、おはよー」
「……どうも」
「ハ〜イ♪」

続けて、残りのメンバー(ララ以外)が声を掛け、春菜は律儀に一人ずつと挨拶を交わしていく。
その間に、例の二人から(恒例の(?))セクハラを受けた事はあえて省略させて頂こう。

577結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:17:37 ID:RJd8mvs8(16)
「ララさん、寝てるの?」

「何か昨日は遅くまで起きてたみたいでさ…。御門先生から何かを頼まれたらしくて…」

「え?それって…」

「一体何を?」と訪ねようとした所――。

「ちょっと春菜、自分の荷物位自分で出してよね!」

「あ、うんっ!ごめん、お姉ちゃん!」

遅れて車から出てきた姉・西連寺秋穂の声に会話を遮られ、春菜は慌てて荷物を降ろしに戻った。

(あの人が春菜ちゃんのお姉さんか…。やっぱ美人だ…)

初めて会う春菜の姉・秋穂の姿に少し見惚れるリト。

「ん?」

(あ゛…)

不意に秋穂と目が合ってしまい、少し焦るリト。
そんなリトをよそに、秋穂が笑顔で近付いて来た。

「キミは……初めましてよね?」

「えっ!?あっ、はい!どうも…」

「いつも妹がお世話になってます。姉の西連寺秋穂です♪」

「い、いえっ!こちらこそお世話になりっぱなしで――!あ、レモンといいます!結城レモン…」

自己紹介と軽いお辞儀をした秋穂に対して、かなりテンパりながらこちらも挨拶を返して軽くお辞儀をするリト。
すると…。

「………ユウキ?」

名乗った瞬間、秋穂が何かに引っかかった様な小難しそうな顔になった。

「キミ……女の子よね?」

「えっ!?えぇ……まぁ…」

「そっかぁ……。じゃ違うのかな……。私てっきり…」(小声)

「ぁ……あの、何か?」

「え?あぁううん、大した事じゃないの。ただ春菜から良くユウキく「お、お姉ちゃんっ!!」」

今度は春菜の声に会話を遮られた。

「お姉ちゃんっ!自分の荷物は自分で降ろしてよ!」

「あーはいはい。さっきと逆になっちゃったわね」

踵を返して車へ戻る秋穂。
その入れ違いで、春菜が荷物を抱えて苦笑い気味に戻って来た。

578結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:19:22 ID:RJd8mvs8(16)
「ご、ごめんね結城く……零紋さん。お話の途中で居なくなっちゃって」

「い、いや、別に良いって。でもお姉さん、さっきは何を言お「そっ、そーいえばさっ!」は、はいっ!?」

「言おうとしたんだろ…」という言葉は、春菜のかなり慌てた声に掻き消された。
春菜のテンパり気味に半分唖然とするリトをよそに、当の本人は何とか誤魔化そうと強引に話を切り替える。

「れ、零紋のその服装、とっても可愛いね」

「………西連寺もそれを言いますか…」

「あ、あれ?結城くん――じゃなかった、零紋さん!?どうしてそんなに落ち込んじゃうの!?」

そしてリトをヘコませて更に慌てる。

「レモンお姉ちゃ〜ん♪良かったね〜、春菜さんが『似合う』って言ってくれてるんだから♪」(ニヤニヤ)

「ぐ…ぐぅぅ……」

原因を作った一人に呑気な事を言われて、軽〜く美柑に「どついたろか」とも思ったが、
春菜から『似合う』と言ってもらって少し嬉しかったのも事実なのであまり強く出られない。
やり場の無い怒りに、リトは手をワナワナさせて悶絶するジェスチャー。

「ぇ……ぇっと………きょ、今日の旅行楽しみだね零紋さん」

「へ?あ、あぁうん」

これ以上リトの精神に負担を掛けない様、再び強引に話を切り替える春菜。しかし、そんな同じ手は何度も通じる筈が無い。
――のだが、リトは春菜に話し掛けてもらえるのが嬉しいあまり、その事に全く気付いておらず、あっさり誘導に引っ掛かる。
これも『恋は盲目』の定義の一つなのだろうか?

「私、温泉に行くのって初めてなんだ。だから昨日はちょっとドキドキしちゃってあんまり寝れなかったんだ」

「あ、そうなんだ。ボクも結構楽しみにしてたんだ」
(何せ春菜ちゃんと一緒に旅行に行けるんだし…♪)

「それに……ね…」

「ん?」

ふと、声がトーンダウンして、顔を赤らめて俯く春菜。そして…。

「それに……………………結城くんも…一緒だから「うおぉぉぉーーーーー!!!」…え?」

モジモジしながらボソッっと漏らした本音は、突然聞こえてきた誰かの雄叫びに掻き消されてしまった。

「な、何だ?」

「………って、何!?あの土煙」

579結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:20:50 ID:RJd8mvs8(16)
唯が指差した方向、遙か遠くから何者かが土煙を巻き上げてこちらに突撃してくる。
その中心にいたのは――。

「ラーーラーーちゅわぁぁぁーーーーん!!!」


『レッ、レンッ(くんっ)!!?』


「うおぉぉはよおぉぉーーーー!!!」
『ズザザザザザ――!!!』

ララへ挨拶をしながら、そのまま校門を通り過ぎて30m付近で急停止した。

「ララちゃんっ!!今日は誘ってくれてありがとう!!ボクは今日という日が待ち遠しくて夜も眠れなかったよ!!
まさかキミと二人で旅行に行けるとは夢にも思わなかったから!!しかも結城などでは無くこのボクを選んでくれるなんて!!
キミはいつも結城結城と言っていつもボクを困らせていたけど、やはり本当はボクの事に気を掛けてくれて――!!」

「すぴ〜……zzz」

「……」

踵を返し、こちらへ歩いてきながら自身の熱き想いを一呼吸の息継ぎの間も無く言い放つレンだが、
肝心のララはぐっすり爆睡中の為返事を返される事は無く、
レンの魂の発言は空しく朝焼けに消えて、当の本人は暗いオーラと共に膝と両手を地面につけてガックリ突っ伏してしまった。
分かりやすく説明するとornである。

「バーカ」(ボソッ)
「ぁ……ぁははは……」

その様子を見ていたリトがおもわず漏らしてしまった感想に春菜苦笑い。
だが…。

「レモりん、妬かない妬かない♪」

「まだまだこれからだって♪レモりんならきっと大丈夫♪」

「は?何が?」

「またまた〜♪隠したい気持ちは分かるけどさぁ〜」

「あたし達はいつでも力になってあげるから、遠慮無く相談してね♪」

「?」

籾岡と沢田からぽんっと肩を叩かれ謎のエールを贈られてキョトンとなる。

(あ、結城くんまた何か厄介な事になってるっぽい…)

察しが良い春菜はなんとなく状況が飲み込めた様で、盛大な勘違いをされているリトを心の中で哀れむ。

「なぁ西連寺、籾岡達は一体何故オレにあんな言い方を?」(小声)

「ぁー…と……き、気にしない方が良いよ。むしろ気にしちゃだめだって。それがきっと結城くんの為だから」(小声)

「???」

春菜の回りくどい言い方に、頭の中が?マークで一杯になるリトだった…。

580結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:22:39 ID:RJd8mvs8(16)
そして、この後猿山も合流して、ようやくメンバーが全員そろ――。

「ちょっと待てやぁ!!何でオレだけ登場シーンがねーんだよぉ!!」

だってもう面倒くさくなったんだもん。良いでしょ?別に。どうせ脇の脇なんだから。

「失礼な事言うなぁ!!!大体お前――!!」


「猿山、一体誰に対してそんな大声で怒鳴り散らしてんのさ?」

「普段からしょーもない事ばっかり考えているからとうとう頭の方が……くっ…」

「そこぉ!!可哀想な人を見る様な目でオレを見るなぁ!!」

「じゃ、みんな揃った所で早速出発しましょーか♪」

「それぞれ五人ずつに別れて御門先生か春菜のお姉さんの車に搭乗してくださーい♪あ、レンレンと猿山はワンセットだから」

「その上ナチュラルに流すなぁーー!!お前達一体オレを何だと――!!」



「ララちゃん、起きて。そろそろ出発するよ?」

「えへへへ……リト〜…♪zzz」

「ほら、さっさと起きる!置いてっちゃうよ?」

「ん……ぅ〜ん………ぁ、リトおはよぉ〜…♪」

「……レモンね」

「え?あ、そっかぁ。えへへへ♪」


「ヤミさんっ♪一緒に乗ろ?」

「……すみません、美柑。私はドクターを抑えなければなりませんので…」

「『抑える』って……何で?」

「………知らない方が良いです」

「そ、そぉ?」


「ララさん、寝ぼけ過ぎ」
「おはよ、ララさん」

「春菜〜♪唯〜♪おはよぉ〜♪」

「はいはい、挨拶はいいから早く車に乗りましょ。遅れちゃうわよ?」

「うんっ♪」

581結城零紋の受難〜湯煙旅情編〜 :sage :2008/05/01(木) 23:23:51 ID:RJd8mvs8(16)
「ほらレンくんも!何時までも固まってないで――!」

「……」

「……」


『スパーン!!』


「あ痛たぁ!!はっ、ボクは今まで一体――!」

「気が付いた?もうすぐ出発するって」

「あ、あぁ。ありがとう」

「猿山くんっ!!猿山くんもそんな所でボケーッとしてないで――!!」




「……………うおぉぉぉぉーーーー!!!みんな薄情だぁぁぁーーーー!!!」


そんな猿山の魂の雄叫びが空高く響き渡り、一同 は一路、温泉旅館を目指して出発した――。



「ところで唯、そのハリセンどっから出したの?」

「………企業秘密よ」

582むに :sage :2008/05/01(木) 23:27:57 ID:RJd8mvs8(16)
投下終了です。
秋穂さん…。情報が少ないんでイマイチキャラが分からないです…。


とりあえずこの後も更新はかなり遅れると思いますが、出来る限り早めにやりたいと思ってますので、
楽しみにしてる方は気長に待っててもらえると幸いです。

583名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 23:31:40 ID:FdN/AR2o(2)
GJすぐる!!

神は・・・・・・職人様は俺を見放してなかった

584名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/01(木) 23:32:23 ID:PsJFxpJA(2)
>>582
GJGJ!これは続きが楽しみだ

585名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/02(金) 00:22:25 ID:eymOP5tK
>>582
やっと来たぁ〜

続き楽しみにしてます

586名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/02(金) 05:02:39 ID:ToM6E8GG
>>582
GJ!!
続きも気長に裸で待ってるぜ

587名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/02(金) 14:56:55 ID:tgIJHFzd
>>582
GJ!!!
でも誰が喋ってるかちょっとわかりにくい…(^^;)

588rmy :sage :2008/05/02(金) 17:41:14 ID:HDv9KpFE
さわやかな朝?氏、むに氏GJでした!
続き楽しみにしてます

それからコメントくれた方ありがとうございます
まあ好き勝手に書いてるんですが、GJ貰えるとやる気が出るものです
ホントありがとう

今回は美柑にいい仕事させました
最近美柑がやけに可愛く思える・・・
初恋話とか書いてみたいなぁ、、相手がいないけどね
あっ、リト唯後編もちゃんと書きますよ あまーいのをw
では、また近いうちに

589名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/02(金) 18:17:05 ID:52QC1Oeu
>>566-582
GJ!!!続編ゆっくり待ってます

590名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/02(金) 19:59:43 ID:lAMYU9sq
帰りのバスの中でデビルーク×美柑という組み合わせが浮かんだ

591名無しさん@ピンキー :2008/05/02(金) 20:07:20 ID:jjZdvUKt(2)
>>582
GJ!いつもニヤニヤして見とります!今回も最高っした!最後はスパイラルねたかな?(考えすぎかも)

昔、別の場所で作品書いたりしてたけどなんかここは意欲がわく良いとこだ。
あんま面白くないだろうがちょこっと書いてみたかったりする。んでだけど、むに神みたいに一行一行間を取った方が見やすいかな?

592名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/02(金) 20:08:39 ID:jjZdvUKt(2)
sage忘れ。ごめん・・・

593名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/03(土) 00:43:06 ID:EbwgklL5
自分の書きやすいスタイルで書くのが一番かと…

職人さんが増えて嬉しいです

594名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/04(日) 01:35:12 ID:y7wHa2AU
今日は……日曜日だ(・∀・)

595名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/04(日) 01:38:58 ID:RZ7p5MUl
つーかGWだから毎日全裸待機

596名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/04(日) 15:31:06 ID:nUr3+YoH
【ついに】犯したい漫画のキャラ5スレ目【復活】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1206802798/l50

597名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/04(日) 18:20:41 ID:/wXRWOKG
http://u.pic.to/q5c9g
>唯の見開かれた両の瞳から、ツーッと涙が伝い落ちていった。
から想像してみた。こういった感じだろうか・・・・似てない、色が薄いなんか想定済みだ。
ただ>591な事を言っておきながら途中でダウン気味だったから描いた。それだけ。

598名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/04(日) 23:07:32 ID:bmbqifhS
>>597
さて檸檬いってみようか

599名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/05(月) 00:51:57 ID:U8XqMrwx
>>597
これはGJ!
いい唯だ
創作意欲が倍増したw俺もGW中に投下……できるようにがんばる

600名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/05(月) 18:36:12 ID:SK0dtFPK
唯の…クリスマス編の作者さんはいらっしゃらないのでしょうか…ぜひ続編を

601rmy :sage :2008/05/05(月) 22:26:45 ID:YniUCOZ1(29)
>>597
素晴らしい!イメージどおり
ss楽しみにしてます

リト唯後編が完成したので投下します
長いです。容量食ってすいません
あと今更ですが話の中での季節は冬です

ではいきます

602リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:27:27 ID:YniUCOZ1(29)
どれくらいそうしていたのだろうか。
確かな熱を依然として感じていながらも、リトはようやく冷静さを取り戻した。
そしてここが、住宅が密集している路上であることを思い出す。
時刻は6時くらいだろうか、今まで人が通らなかったのが不思議なくらいだった。
肌寒さも増してきているようで、体温の高い唯は冷えてしまうかもしれない。

リトは上半身を少しそらして唯と距離をとり、その肩を軽く押した。
「んっ!」
しかし唯はそうされたのが不満なのか、リトの腰に回した両手をガッチリとロックしてしまう。

「あの、古手川?」
唯は耳をリトの胸にピッタリとくっつけ、顔を上げてはくれない。
「それ、凄く可愛いんだけどさ・・・とりあえずどこか暖かいとこに・・・」
と、そこまで言ったところで気づいた。
(暖かいとこって言ったって・・・どこ行こう)
美柑は何も問題ないが、ララがいるのだから結城家へは行けない。
いきなり唯の家に上げてくれなんていうのも気が引けるが、かといってホテルなどは問題外だ。
お金ないし、それ以前に誘えないし。

リトが思案していると、考え事をしているのが気になったのか、
それとも可愛いといわれて嬉しかったのか、いつの間にか唯が顔を上げてくれていた。
まるで小動物のようなか弱い表情で見上げられると、心臓に非常に悪い。

「・・・結城くん、まだ帰らないで・・・?」

ドクンドクン。動脈が高速で動き出す。

(可愛すぎだっつーの!つか、古手川の上目遣いって反則・・・)

この表情を見るためならば、いくら叱責を受けようと理不尽に無視されようと安いものだ。
それにやっと想いが通じあったのだから、一緒にいたい気持ちはリトだって同じだった。
「帰らないよ・・・当たり前だろ」
潤んだ瞳で見上げてくる唯を直視できず、おまけにちょっと上ずった声でリトは返答する。
「じゃあ、わたしの部屋に来て・・・?」
ポソポソと、視線を下げながら消え入りそうな声で。
そしてリトをようやく解放すると、今度はジャケットの裾を引っ張って歩き出した。
まさかの展開に、リトは少しよろめきながらついていく。
(古手川から誘ってくれるなんて・・・)
皮膚にぶつかる肌寒い風を押し返すくらいの熱い風が、体中に広がっていくのを感じていた。

「お、お邪魔します・・・」
真っ暗で明らかに誰もいないのにガチガチに緊張して古手川家の敷居を跨ぐリト。
「ふふっ。結城君、右手と右足同時に出てるわよ」
ほら、やっぱりからかわれた。

「お茶を沸かしてくるから先に行ってて。廊下の突き当りを左に行った部屋だから」
そう言って唯はリビングを抜けてキッチンへ向かう。
(えっと、確かお茶葉は・・・)
と探そうとしたが、いつものような両親のお客さんではなく相手はリトだ。緑茶やほうじ茶はイメージとちょっと違う。
とりあえずやかんを火にかけ、唯はリトの好みを考える。
(・・・そういえば、いつだったかレモンティーを飲んでたわね)
ティーカップを用意し、キッチンカウンターの棚からレモンティーの茶葉を取り出してスプーンで一杯入れる。レモンを薄くスライスしたら後はお湯が沸くのを待つだけだ。


603リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:28:07 ID:YniUCOZ1(29)
「・・・ハァ」
手を動かす必要がなくなると、ため息が漏れてしまう。
唯は自分に降って沸いた幸福に身を震わせた。
リトの告白の一字一句を、しっかりと覚えている。
「結城君・・・」
抱きしめられた感触が、身体から離れない。今だってリトに触れていたい。
やがてやかんから湯気が噴出してきた。
唯は大急ぎでカップにお湯を注ぐとレモンを落とし、お盆に載せて足早にリビングを出る。
カップは程よく揺れているのでちょうど良い蒸らしになるかもしれない。
急いで部屋へ、と思ったらリトは廊下の突き当たりで突っ立っていた。
「結城君・・・?どうかした・・・?」
この一週間は掃除をした記憶がないので、足の踏み場もないほど部屋が汚かったとか・・・
唯は慌てて自室を覗き込むが、そこはいつもどおりだった。自分で言うのもなんだが、よく整頓されている。

「なんか・・・緊張しちゃってさ・・・」
頭を掻きながらリトが告げる。
ララの部屋は女の子の部屋というより特殊空間といったほうが正しいし、春菜の部屋は犬化騒動で覚えちゃいない。
リトが知っている女の子の部屋は妹の部屋くらいのものだった。
そんなリトが、初めて訪れた彼女の部屋(それもきっちりと整頓されている)に先に入って待つとういうのはかなり抵抗があるのかもしれない。

「全く、そんなことでどうするのよ・・・。これからこういうこといくらでもあるんだから・・・」
唯はリトに一秒でも早く触れたくて慌ててきたことが急に恥ずかしくなって、目を閉じてぶつぶつと文句を言う。
「古手川、それって・・・」
「は・・・早くあけてよ。わたし、両手ふさがってるんだから」
自分で墓穴を掘っているので、拗ねた様な声しか出せない。
「お、おう。わり・・・」
二人はようやく部屋の中へ入った。

予想通りというか、唯の部屋はシンプルにまとめられていた。
優しい木の色合いと、白系が半々くらいで程よくマッチしている。
机は小学生の頃に買ってもらったものだろうか、今の唯には少し小さい気がするが
傷もほこりも全くなく、毎日大切に使ってきたのだろうことがよくわかる。
フローリングの床にはクリーム色のカーペットが敷かれ、カーテンの色もお揃いだ。
一人部屋なのに立派なクロゼットがあり、その隣には木製のスタンドミラー。
普段は制服をビシッと着こなしている(スカートの丈は短い気もするが)唯だが、洋服を集めるのが好きなのだろうか。
その代わりというのも何だが、テレビもパソコンもオーディオ機器もない部屋には娯楽と結びつくものは本棚くらいしかない。
しかもマンガはほとんどなく、大抵がリトには馴染みのない参考書と小説だった。
大きいものだけに注目していくと殺風景な部屋だといえなくもないが、そこは女の子だ。
ところどころに可愛らしいぬいぐるみやクッションが置かれ、カラフルな壁掛け時計やカレンダーとともに部屋に彩を与えていた。

(すげえ、女の子の部屋ってこんななんだ・・・)
リトはキョロキョロと唯の部屋を眺めてしまった。
初めて訪れた唯の部屋で、デビュー戦のサラブレッドのようになってしまう。
「結城君、悪いんだけどそこのテーブル開いてくれる?」
「あ、ああ」
唯の声で我に返ったリトは、部屋の隅にきちんと折りたたまれて置かれていたそれを用意してやる。
「ありがとう」
唯はしゃがんでから持ってきたお盆をその上に置くと、カップを蒸らしてから30センチほどの距離を開けて並べる。
その間もリトは突っ立ったままだ。
「座ったら?」
「うん・・・」
とは言うものの、リトは自分が位置すべき場所が分からずにいる。


604リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:28:36 ID:YniUCOZ1(29)
すると唯が何かに気づいたようだ。
「ごめんなさい。わたしったら座布団も出さずに。それに何かお茶菓子も・・・」
まるで高級旅館の若女将のように、洗練されていて無駄がない動きで立ち上がると部屋を出て行こうとする唯。
その腕をリトがそっと掴んだ。
「そんなのはいいから、ここにいてくれ」
普段のリトよりも幾分低い声が、唯の三半規管をダイレクトに揺さぶった。
それほど強く引っ張られたわけでもないのに、お盆を落としてしまう。

ドキドキドキドキ。
唯は頬を紅潮させて俯いてしまう。
そんな様を見せられるとリトもまた緊張してきてしまった。
「座らないとな・・・」
「・・・そうね」
なんなんだこの会話・・・。
「床に座っちゃってもいいか・・・?」
「あっ、じゃあベッドの上に・・・」
ビクッ!
ベッドという単語に激しく反応してしまうリト。いくらなんでも分かりやすすぎである。
「へ、変な勘違いしないでよねっ」
ビシッと人差し指を突きつけられてしまった。
「わ、分かってるよ」
まあリトからすれば、期待するなってのが無理な話で。

唯は掛け布団とタオルケットを素早くたたむと枕とは反対側にまとめて、座るスペースを作ってくれる。
(すげえ、俺今古手川のベッドに座ってる・・・)
いちいち感動してしまうリト。
唯はお盆を拾い上げると、ちょこんとリトの隣に腰を下ろす。
互いを意識せずにはいられなかった。喉が渇いてしょうがない。
自然、目の前のティーカップに救いを求めることになる。

「あ、旨い・・・コレ」
レモンティーを一口飲んだ、リトの感想。
「ほ、ほんと?」
自分は口をつけずにリトの様子を窺っていた唯は、胸に抱えているお盆をキュッと抱きしめてとても嬉しそうだ。
「ああ。これって茶葉使ってるんだろ?やっぱティーパックより旨い気がするな」
表情が一瞬で曇る。
「・・・まあ、そんなのは茶葉のお陰だものね」
急に刺々しくなった唯の声に気づきもせず、レモンティーに夢中なリト。
(まったく、女心って物が全然分かってないんだから!)
そう簡単にこの鈍さは直りはしません。
「飲まないのか?」
かなり熱かったはずなのに、あっという間に飲み干してしまったらしい。
「・・・飲むわよ」
ジト目で数秒リトを睨んだ後、カップを口元へと運ぶ唯。
フーッ、フーッ・・・
さくらんぼのような唇を窄めて冷ましている。唯は猫舌なのだ。
そんな様子をリトはチラチラと横目で眺めている。
さっさと飲んでしまったので手持ち無沙汰らしい。
ここが自宅なら間違いなく残ったレモンにかぶりついているが、唯に怒られそうなので避けている。
今も鼓動はあがりっぱなし、緊張で間がもたない。
今日だけで心臓が過労死するんじゃないだろうか。
これ以上負担をかけないためにも、この後の展開をシミュレートしておくべきだろう。


605リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:29:04 ID:YniUCOZ1(29)
(古手川の方から部屋に入れてくれたって事は・・・)
唯も望んでくれているのかもしれない。
もしそうならば、やはり男の自分から行動に移すべきだろう。
(だけど、そうじゃない可能性もあるよな)
ただ少しでも一緒にいたいという、その気持ちだけかもしれない。
唯からすれば、まさか今日リトと想いが通じ合うなどとは夢にも思っていなかっただろう。
心の準備だってあるだろうし、それに・・・
(俺もそれだけでも満足かも・・・)
ただ唯が隣にいてくれるだけで、今だって言いようのない幸福感に包まれているのだから。
それに二人はまだ互いのことをあまり知らない。
他愛のない話をするだけだって、二人にとって貴重な財産となる。

とにかく、どうなるにしろ―――

(古手川の望むように。望んでくれるなら何でもしてあげよう)
リトはそう誓った。だって今日は、唯の全てを受け入れるつもりで来たのだから。

コトッという音がして、唯がレモンティーを飲み干したことが分かった。
沈黙のカーテンが閉まる。
二人とも次の言葉を捜して逡巡しているような、そんな時間。
そしてリトが意を決した瞬間、カーテンを開けたのは唯の方だった。

「もっとそっちに行ってもいい・・・?」
二人の距離は現在も50センチと離れていない。つまりそれは、唯が肌の触れる距離を要求したということ。
「もちろん」
拒む理由など何もない。
するとその僅かな距離を、コンマ数秒すら惜しむかのようにしてつめてきた。
そして体を反転させると、リトの右肩に背を預けてくる。

その声も表情も行動も、全てがリトの全身に甘い電気を走らせる。
今すぐ背後から抱きしめて、唇を奪って、めちゃくちゃにしてしまいたい・・・。
必死に理性を働かせなければ、ついさっきの誓いすら吹き飛んでしまいそうだった。

リトは目を閉じ静かに深呼吸をしながら暫し間をとる。唯に何かを話し出す気配はない。
無言でいるのも悪くないが、それならばもう少しちゃんとした体勢で触れ合っていたい。

「古手川は・・・この後どうしたい・・・?」
唯の身体がピクリと震える。
「・・・結城君は?」
少し怒ったような声だが、意図的にそうした声を出しているような感じがする。
「俺は、古手川の望むようにしたい」
「・・・そんなの、ズルイわよ・・・」
確かにリトはずるい。
はっきりと望んでいるものがあるのにそれを自分からは口にしないと、そう言っているのだから。
しかし唯は、リトの言葉の響きの前に強く怒ることを封じられてしまった。
まるで全てを許されるような、愛するものへの奥底からの愛情が乗り移ったような響き、とでもいうのだろうか。
吹き飛びそうな理性の中でもそんな声を出せることが、リトの唯への気持ちを物語っていた。

電子機器が何もない部屋は、沈黙が訪れると互いの呼吸音しか聞こえない。
シーツが微かに擦れる音さえやけに大きく聞こえる。

606リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:29:30 ID:YniUCOZ1(29)
(結城君を・・・もっと感じたい)
リトに愛されたい。
それは理性を超越したところにある、女としての本能のようなものかもしれない。
だけど、それを言葉にすることができない。
プライドが邪魔しているなんてことではない。
ただ純粋に、リトの方から求めて欲しいのだ。
いつだって先に行動に移してきたのは唯で、煮え切らないリトに感情を空回りさせてきたのだから。

唯は指先をモジモジとこすり合わせる。何とかしてリトに言わせる方法はないものか。
そしてようやくそれに思い至る。
リトは唯の望むようにすると宣言しているのだから、簡単なことだった。
同じように返せばいいのだ。

「わたしは・・・結城君の好きなようにして欲しい」
「なっ!?」
リトとしてはその台詞は想像の範疇になかった。
唯が肩越しに見返してくる。その瞳は期待と不安で揺れている。

「あなたはわたしを自分の意思で選んでくれたんでしょ・・・?」
キュッと両手で純白のシーツを掴みながら、唯は言葉を続ける。
「今もまだ少し不安なの・・・。さっきのあなたの言葉、胸の奥にしっかりと残ってる。
・・・でもあなたは、ララさんと一緒に暮らしてる・・・」
そこで少しハッとした表情になって唯は慌てて言葉を繋ぐ。
「ララさんにいなくなってほしいとかじゃないの。わたしだってララさんが好き。
そして、結城君の家が彼女の居場所。だから、それに不満があるわけじゃなくて・・・」
唯は少し間をとり、ゆっくりと呼吸する。
リトは半身の体勢のまま、そんな彼女から目を離せないでいた。

「わたしはあなたをもっと知りたいの。何を考えてるの?何を思ってるの?
受け入れられるだけなんて嫌。あなたの意思で、わたしに触れて欲しい、わたしに教えて欲しいの・・・」
瞳を潤ませ必死な表情で心の内をさらしてくる唯。
その不純物が入り込むことなど絶対にできない想いは、リトの受身を打ち砕いた。

自分の意思に、本能の声に従えばいい。
心の底から唯を渇望している、それに。
シーツを掴んでいる唯の両手に己のそれを重ねて、美しい水面を湛えた双眸をしっかりと見つめて。

「古手川が欲しい。古手川に俺を刻み付けたい・・・」

唯の目尻から堪え切れなくなった真珠のような涙が零れ落ちる。
「いいかな?」
ちょっと不安そうな笑顔でリトが訊いてくる。
断れるわけなどないのに。
唯は小さくコクッと頷くとリトにしがみつき、リトの肩に顎をのせる格好で泣いている。
リトは唯の細い肩に左腕を回すと、残ったほうの手で頭を優しくなでてやる。

暫くの間鼻をすすっていた唯だが、やがてゆっくりと身体を離す。
リト曰く”反則的な”上目遣いとともに、その唇が開花を目前にしたモモの花のようにうっすらと開いていた。
(魅了されるって、こういうことなんだな・・・)
リトはそのあまりの美しさに眩暈とともに息苦しささえ覚えたが、唯が待っているのだ。
左腕を唯の右肩へ。右手は唯の左手と指を絡めて。
意を決して、ゆっくりと顔を近づけていく。
「や、やっぱり待って!」
唯からストップがかかる。一週間前と違い、その声からは慌てと照れの響きが読み取れた。


607リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:29:58 ID:YniUCOZ1(29)
リトは何とも不思議な精神状態だった。
さっきまで理性は吹き飛びそうだったのに、今も頭の中が蕩けそうなほどなのに、
それをどこか冷静に、客観的に受け止めている自分がいる。そんな状態。
それはリトにとって何よりも優先すべきは唯だからだろう。
”唯優先主義”とでも言えばいいだろうか。
だからお預けを食らったというのに比較的穏やかに返事ができる。
「どした?」

視線は2つ並んでテーブルに置かれたカップへと逃がしながら。
「名前で呼んでよ・・・」

純粋なお願いは、リトをしっかりと見つめながら。
不満が元になっているお願いは、そっぽを向きながら。
素直じゃないような、素直なような・・・。
ある意味唯の真骨頂かもしれない。

「唯・・・」
リトは恥ずかしさを覚えながらも、すぐに愛しい少女の名を呼んでやる。
「な、なんだよ。望みどおりにしたのに、不満なのか?」
唯はその美しい眉根を下げて、絡めたリトの右手をつねってきた。
「・・・今、軽かった」

(・・・いや、何か分からないけど恥ずかしいんだってば)
好きな人の呼び方を慣れたものから変えるのは、結構恥ずかしいものだ。
「やり直し!」
有無を言わさぬ声の響き。
(・・・俺、なんでちょっと嬉しいんだろ)
めんどくさいと思ってしまいそうなものだが、なぜか表情が緩みそうになってしまう。
リトにだけ与えられる、受け入れることを許された、唯のわがまま。

リトは緩みかけた表情を戻す。
(きっと名前だけを言うから恥ずかしいんだ、うん)
一つ深呼吸をして、しっかりと想いを込めて。

「好きだよ、唯・・・」

いや、そっちの方が恥ずかしいだろ。

しかし今度は抜群の効果があったようだ。
唯は満足げな吐息を漏らすと、ツンと顎を少し持ち上げて目を閉じる。
それが当然だといわんばかりに。
とっている行動はわがままなお嬢様のようだが、そこに高飛車さを感じさせないのが凄い。
姉のような包容力だけでなく、優しく守ってあげたくなる何かを彼女は持っている。

静かに、ゆっくりとリトの唇が唯のそれに重なっていった。
「ん・・・」
そっと触れるだけの、だけど万感の想いを込めたキス。
少しでも動けば離れてしまいそうなキスなのに、相手が自分の中に侵入してくるようにさえ感じていた。
(唯の唇、めちゃくちゃ柔らかい・・・)
その柔らかさが、想いを確かめ合えた嬉しさが、リトの腕に込められる力を強くさせる。


608リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:30:28 ID:YniUCOZ1(29)
数十秒ほどたっただろうか。
どちらからともなく唇が離れる瞬間、唯の両手に加わる力が強まった。
リトは敏感にそれを察知すると素早く息を吸い、余韻を残す間もなくもう一度唯にキスをする。
今度は短く、何度も何度も触れる。
「・・・っふ、ん・・・ん」
リトはどうしても唯が見たくて薄く目を開けてみる。
キュッと目を瞑り、必死に応えてくれる唯がたまらなく可愛い。
唯の力が抜けてきたので、絡めていた右手をそっと離すと腕、肘を経由して肩に到達する。
そしてゆっくりと、唯を純白の凪の上に横たえていく。もちろんその間も唇でつながったままだった。

「ぁ・・・はぁ・・・」
短くて長いキスを解いて、二人は見つめあう。もう頭の中は、互いで埋め尽くされている。
リトは唯の制服のブレザーにそっと手を掛ける。
「じ、自分でする・・・から」
身体を少し起こして、唯は恥ずかしそうに身をよじる。
しかしリトは優しく微笑みながらそれを手で制すと、3つのボタンを外しにかかる。
彩南の制服は近所でも可愛いと評判だ。
そんなものを、リトの主観的(まあ客観的にもだろうけど)超絶美少女にして最愛の人が身に着けているのだ。
自分の手で脱がしたくなるのが男の性というものだろう。
ボタンを外すと唯は窓の方へ視線を向けながらブレザーから腕を抜いてくれる。
さらに唯にばんざいする体勢になってもらってベストも脱がす。
リトは唯を再び横たえた。
次に色はロリエに近いだろうか、グリーンのリボンを外してやる。
猿山に借りたAVではリボンだけ残していたのを見た覚えがあるが、それはまたの機会に。
上半身は下着を除けばブラウスのみになり、リトはどうしても胸へと視線が行ってしまう。
唯の呼吸に合わせて微かに上下する様が、まるで誘っているかのようだった。
「・・・唯、その・・・胸さわってもいいか・・・?」
唯はそっぽを向いたままだが、その横顔が”いちいち訊くな”と語っていた。
「ごめん」
リトは唯と会話しつつ左手をその黒髪に、右手を胸へと伸ばしていった。

触れた瞬間、唯の瞳が僅かに細められた。
左手は毛先の方へと上から下に、右手は円を描くようにそっと動かしてみる。
(すげえ・・・全然抵抗がないや)
美しい髪は指に引っかかる気配すらなく、その胸は直までに2つの隔たりがあるというのに硬さを感じさせない。
サラサラとフワフワのコンビネーションに、リトの興奮は高まるばかりだった。
「んっ・・・くすぐったいよぅ」
通常比・糖度500%な唯の声は、リトの侵攻を早めることになる。
「これも脱がすな」
リトはブラウスに手を掛ける。
「あ、待って。まだ心の準備が・・・」
いくら奥手なリトでも、ここで止まれる筈もない。
今度はあっという間にボタンを外すとそれをはだけさせる。
「やっ」
身を隠すように両手で自分の肩を抱き、横向きになってしまう唯。
リトは一瞬見えた白さに目を眩まされていた。
在り来たりだが、それを表現するのに最も的確なのは、眩しい白い肌。
リトが突然呆けてしまったので、唯は少し不安になる。
「・・・あ、の・・・」
唯の声に、ようやくリトは正気を取り戻す。
意識を失っている場合ではない。
1ミリたりとも唯を不安にさせないようにしなくては。
「ごめん、あまりにも綺麗で見とれてて、さ」
「そ、そんなこと・・・」
こちらを見るためにひねっていた首を唯は竦める。
「そんなことあるよ。・・・なぁ、もっと見せて欲しい」
「ば、ばか・・・」
(そんな風にお願いされたら、断れないじゃない・・・)
まだ肩を抱いたままではあるが、唯は身体の向きを戻したくれた。


609リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:30:59 ID:YniUCOZ1(29)
リトが両肘を掴むと、唯は抵抗しなかった。
「下着も外していい?」
「待って、外す・・・」
今度は待ってやる、というかリトは外し方がわからないので待つしかない。
唯は身体を倒した状態のまま後ろ手で器用にホックを外す。
いよいよだ、そう考えると思わずゴクリと咽喉が鳴ってしまう。
唯はリトのお腹の辺りに視線を置きながら、ゆっくりとブラを取り去る。
もちろんというか、二つのふくらみは腕で隠されている。

リトはそのコントラストに言葉を失っていた。
文字にすれば矛盾している、白と白のコントラスト。
バックグラウンドであるシーツと、透き通るような、神々しささえ感じさせてくれる唯の肌とは、
同じ白でも絶妙な対比をリトに見せてくれた。
(すごく綺麗だ・・・)
頭の中で自分の声が響いていた。
人はあまりにも感動が大きすぎると、声を体外に発することができなくなる。
またしても呆然としてしまったリトだが、唯を不安にさすまいと声を掛けようとする。
が、今度は唯もリトが見とれて声が出ないことに気づいていたようだ。
「結城君も脱いで・・・?」
言われてようやく自分が何一つ脱いでいないことを思い出す。
ブレザーを放り投げ、ネクタイを緩めると輪を解きもせず首から抜いてしまう。
「もう、結城君ったら。制服がかわいそうよ」
こんな状況でも几帳面な唯だ。リトのネクタイを拾って片手で解いていく。
(両手使ってくれていいのにな)
そんなことを思いながらYシャツも脱ぐ。
「今余計なこと考えたでしょ」
ジト目で睨まれてしまう。
唯にからかうための計算など微塵もないのはリトも分かる。
まったくもって鋭いコだ。

「ホントにハレンチなんだから・・・」
そう言いながらも、唯は睨んでいた目を逸らしていく。
リトはどちらかといえば小柄なほうだが、度重なるトラブルで鍛えられたのか程よく筋肉がついていた。
胸板はやや薄いがそれは贅肉が全くないためで、制服時には感じなかった逞しささえ覚えさせられる。
表面的には情けなくても心の底は優しくて頼りになる、リトらしい肉体。
初めて見る兄以外の男の身体を、唯は直視できなかった。

「脱いだぞ」
そう言われても、唯にはどうすることもできない。
再び主導権はリトへと移る。
リトは体温を直接感じたくて、体重を掛けないようにそっと唯に覆いかぶさる。
両肘で自分を支えながら、目を閉じて唯に口付ける。
すると唯が両手をリトの首に回してきた。
リトは自分を支えていた右手を唯の背に回して、もう少しだけ身体を落とす。
二人の身体がそっと触れあった。
「んっ・・・あ、・・・ちゅ・・・はぁ」
唯の唇から甘い吐息が漏れる。
それはキスのせいだけではない。
(結城君のカラダ、ちょっと硬くて・・・あったかい)
自分の身体もかなり熱くなっているはずなのに、リトはとても温かかった。


610リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:31:21 ID:YniUCOZ1(29)
ふたりは唇を離すと見つめ合う。
もう一度唇の甘さを味わうのも悪くないが、そろそろ別の甘さが欲しい。
リトが頭の位置を下げていこうとすると、唯がギュっと抑え込んできた。
目を持ち上げて表情を窺うと、拗ねたような困ったような表情。
男のリトにはさっぱり分からないが、性器よりも胸を見られるほうが恥ずかしいという女の子もいるらしいから、唯も恥ずかしいのだろう。
「んむ―――」
リトは唯の首筋に口付けた。
ビクンと唯の身体が少し跳ねる。
細かく触れるだけでなく、少し強めに吸い付いてみる。
「あっ・・・、そんなの・・・」
口付けたまま鎖骨へと移動し、そこにも同じようにしてみる。
くすぐったいのか気持ちいいのか、唯は身動ぎしている。
リトの首に回されていたはずの手は、頭を撫でる様な位置に移動していた。
顔を上げると、白く美しい胸が目に飛び込んできた。

思わず息を呑む。
唯の胸はサイドは綺麗な丸みを帯びていて、頂点に向かうにつれて少し鋭く尖っていた。
十分なふくらみがあるのに、重力とは無縁であるかのようで張りがありそうだ。
乳輪は小さめで、色は鮮やかなピンクをした唇よりもさらに少し薄い。
神の意思が創ったとしか思えないような、まさに理想的なおっぱいだ。

「あっ、結城くん見ちゃ嫌っ」
唯はすぐに身体をよじって隠そうとするが、リトは先程口付けた鎖骨の辺りを押さえてしまう。
「どうして?こんなにきれいなのに」
「そんなこといわれたって・・・恥ずかしいものは恥ずかしいんだもん」
唯はあまりの恥ずかしさで口調まで変わってしまっていた。
上気した表情と少女の色香。
リトの配線のいくつかがショートしたのは、当然のことだった。
確認をとりもせずに唯のおっぱいにしゃぶりつく。
「ん、はむ・・ちゅ、ちゅ」
もう片方の乳房は、当然ながら揉みしだいていく。
掌に小さな突起の感触。
「ふぇっ!?あ、ち、ちょっと結城く・・・」
リトのあまりの勢いに困惑が生じたが、すぐに快感に取って代わられてしまう。
「あんっ・・・結城く、やさしく・・・はんっ!」
その声は熱とともに憂いを帯び、閉じられた瞳の目じりには涙が滲んでいる。

一体世界中の誰が、古手川唯のこんな声を、姿を想像できるだろうか。
セックスが特別なのはただ気持ちいいからだけじゃない。
愛する人が自分だけに与えてくれる、秘密の宝石達。
リトの興奮は高まるばかりだった。
乳輪を下から舐め上げ、先端の突起を音を立てて啜り、おっぱいをこね回した。
それは甘い味がした。
おっぱいはリトの手の動きに合わせて自在に形を変えたが、一瞬手を離すとすぐに元の形に戻る。
指が沈んでいきそうなほど柔らかいのに、少し力を強めに加えるとその弾力で押し返してきた。
リトがイジワルするたびに唯の身体は撓り、ビクッと震えた。
その味と感触と反応にリトはすっかり虜になり、赤ん坊のように戯れていた。

暫くするとようやく満足したのかリトが口を離した。
唯のおっぱいは唾液でべとべとになってしまっていた。


611リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:31:48 ID:YniUCOZ1(29)
唯はまだ荒い息をしていたが、リトが顔を上げると乱れた呼吸のまま一気にまくしたてた。
「結城君の、、ヘンタイ!!いくら、ハレンチなことしてもいいって、言ったからって、
あんなとこ舐めたり、吸ったりするなんて!信じられない!」

(・・・はい?)
あまりの唯の剣幕にリトはキョトンとしてしまう。
確かにいきなり乳首にむしゃぶりついて弄り倒したのは少しやりすぎた感もあるけれど。
(エッチのときにおっぱいにキスするのって、普通じゃないのか?)
とりあえず弁明しないとここで終わりにされかねない。
それが唯の意思であっても、ここまできて終了ではリトからしたらあんまりというものだ。

「あの・・・さ、いきなりしたのは悪かったよ。ごめんな。
でも、その・・・こういうことってみんなしてると思うんだけど・・・」
「そんなこと言ったって騙されないわよ!」
唯はいつの間に呼吸を整えたのか、しっかりとした口調だ。
(そういや、古手川ってこういうことの知識どれくらいあるんだろ・・・)
リトだって実際にするのは初めてだが、そこは高校生の男だから本やらDVDやらである程度の知識はある。
しかし唯は?
そりゃあ女の子だって興味はあるだろうし、男よりは難しいのかもしれないがそういう物を手に入れることだってできるはず。
ただ、唯がエッチな本やDVDを手に入れる構図というものがリトには思い浮かばない。
(もしかして全く知らないんじゃ・・・)
そう思ったが、一から説明なんてできないし、どうしたものか・・・。
「今のは、えっと・・・準備なんだよ。俺たちが、なんつーか、結ばれるための」
「・・・だからってあんな風に・・・」
(いやらしい音を立てて・・・焦ったように夢中になって・・・)
さっきまでのリトを思い出し、唯の顔がまた一段と熱を帯びる。
「それに唯、めちゃくちゃ可愛かったし・・・」
リトが負けず劣らずの赤い顔をしてボソッと呟く。
「顔なんて見てなかったくせに・・・」
そうは言うが、唯は少し嬉しそうだ。
「・・・見てたよ。それに、可愛いって顔だけのことじゃないだろ?」
唯の喘ぎ声、敏感な反応。
これからしばらくは寝付くのに時間がかかりそうだ。

しかし、今のままではいつまで経っても眠れそうにない。
「唯・・・その、したい・・・」
耳まで真っ赤になる唯。
リトはじっと唯を見つめてくる。
既にもの凄く恥ずかしいことをしたけれど、この後のことは正直少し怖い。
でも、唯もリトにして欲しい。
素肌で触れ合うことでその気持ちはより強くなっていた。

「後ろ向いてて・・・」
「えっ!?・・・あ、ああ」
唯の言葉の意味を理解して後ろを向くリト。
シュルッと言う衣擦れの音にまた心臓が高鳴る。
(っと、俺も脱がないと)
ズボンのベルトをバックル部分だけはずして脱ぎ、トランクスも脱いで窮屈にしていた一物を開放してやる。
唯が声を掛けてくれるまで、一秒経つのがものすごく長く感じた。


612リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:32:09 ID:YniUCOZ1(29)
「いいわよ。振り返っても・・・」
ようやくお許しが出てリトは振り返る。
唯は今度は胸を隠してはいなかった。
右足の脛の内側を左膝に当てるような体勢で横たわっていた。


滑らか。

身に纏ったものが何一つなくなった唯の印象がそれだった。
男のように角張った箇所はどこにもなく、透明感に満ちていた。
鼓動がいつの間にかゆっくりになっていた。
しかし胸を打つ強さが尋常ではない。ドキドキじゃない、バクバクだ。
あまりの美しさに、唯が触れてはいけないもののように思えてしまう。

「結城くん・・・。わたしに準備させて?」

唯が心情を見透かしたかのようにリトを導いてくれた。
唯からのお願いなら、リトは絶対に断らない。

「・・・綺麗だ、すごく」
リトは心の底からそう囁く。
唯は喉を優しく撫でられた猫のように目を細め、幸せそうに身を震わせてくれた。
「じゃあ、触るな・・・」
リトは唯の下腹部へと手を伸ばす。
そこは内腿でピッタリと塞がれていた。
「唯、ちょっと脚広げてくれ」
唯は無言のまま頬をさらに赤らめ、抗議するような視線を向けてくる。
準備させてと自分から言っておきながら、何と理不尽でそして愛おしい表情だろう。
「そうしてると、準備させてあげられないよ?」
困ったように微笑みながら、優しく言ってやる。
「絶対に・・・見ない?」
胸の方が恥ずかしいとか、そういう問題じゃなかったらしい。
「うーん、最終的にはちょっとは見ないと・・・かな」
「ちゃんとやさしく、してくれる?」
この問いには即答できる。
「約束する。絶対にやさしくするから」
リトが真剣な表情で晒す心の内は、いつだって唯の心を解きほぐす魔法だ。
その視線が、声色が、極上の安心感を与えてくれる。
それが唯にはものすごく嬉しいのに、ほんの少し悔しくもある。
だから、ほんの少しだけ脚を開いた。もちろん視線はあさっての方向に向けて。
「唯ってほんとに可愛いな」
そう言ってリトは頬にキスを落とした。
唯は驚いて視線を戻した。
「こ、こら。こんなときに何言ってるのよ・・・」
「世間一般ではこんなときだからこそ言うもんだぞ?」
「もう、知らないっ」
今度は身体ごと横向きになってしまった。
(あっちゃー)
何やってるんだか。

613リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:32:32 ID:YniUCOZ1(29)
纏うものがなくなっても、唯の肢体がものすごく魅力的でも、このやりとりだけはやめられないらしい。
(だって、いちいち唯が可愛いからなぁ・・・)
身体だけでなく、性格だってリトにとって最高なのだ。

リトは一人顔を綻ばせるが、頭の中ではどうやって機嫌を直してもらおうかと考えていた。
と、考える必要などなかった。
リトは唯に倣って横向きに寝る。
「ちょっと身体浮かせてくれるか?」
もちろん本気で怒っているわけではないので、唯はすぐに言われたとおりにしてくれた。
リトは左手をその隙間にもぐりこませる。
「もういいよ」
唯が身体を下ろすと、すぐに背後から右手を回して抱きしめた。
「結城くん!?」
「何そんなに驚いてるんだよ。準備させるって約束だろ?」
唯は見られるのを恥ずかしがっているのだから、こんなに都合の良い体勢もないはずだ。 
リトはすべすべの肌の感触を愉しみながら、唯の秘部へ右手を下ろしていった。

「あっ・・・」
触れた瞬間、唯が微かに声を漏らす。
そこは温かくて、もう潤ってきていた。
(ちゃんと感じてくれてたんだ・・・)
リトはそれだけで嬉しい気持ちになる。その瞬間、唯が左手を握り締めてきてまたもや嬉しくなる。
「痛かったり怖かったりしたらすぐに言ってな・・・」
唯がコクッと首を振ったのを確認すると、ピッタリと閉じている淫裂を指の腹で上からそっと撫でてみる。
初めてだろうから、強い刺激を与えないように、慎重に。
「平気?」
唯がリトの手を握っているほうの手を軽く二度振った。
大丈夫、ということらしい。
「よかった」
ほっとするが、閉じている状態のそれを解してあげなければいけないのはリトにも分かる。
今度は中心に指を当てたまま、円を描くように動かしてみる。
唯の唇からは熱っぽい息が漏れていた。
リトはほんの少しだけ中指を侵入させてみる。
すると唯がまたも結んでいる左手を振った。
大丈夫なようなので、ゆっくりとそれを左右に動かし膣壁を少しずつ広げていく。
まだ入り口の段階だが、唯の身体は緊張と弛緩とを短時間で繰り返していた。
リトは指を少し立てて、もう少し奥へと入れてみる。
「あ、いたっ」
「ご、ごめん!痛かった?」
唯はふるふると首を振るが、声に出てしまっているのだから痛くなかったはずがない。
目を閉じてもう一度唯に心の中で謝る。
すると唯の髪の匂いが鼻腔をくすぐった。
高貴な花のような品があって、優しい香り。それが先走る気持ちを窘めてくれる。
(やさしく、やさしく・・・)
自分に言い聞かせながら、時間をかけて唯の中をそーっと掻き回す。
「・・・あ、んは・・・」
膣奥から愛液とクチュッというくぐもった音が漏れてきて、だいぶほぐれてきた感じがする。
指ももちろんだが、背中から感じるリトの心臓の音や温もりが、唯の身体を開かせていた。


614リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:33:03 ID:YniUCOZ1(29)
(そろそろいいかな・・・)
指を抜く瞬間、まるで名残惜しむかのように唯にキュッと締め付けられた。
中指は透明な液体でヌメヌメと輝いていた。
その白い柔肌もほんのりと朱に染まっていた。

「唯、そろそろ・・・」
唯はリトの方へと身体を回転させて仰向けになる。
「でも、結城君の準備は・・・?」
そんなものが必要だなどとどうして思えるのだろう。
自分にどれほどの魅力があるのか唯はまるで理解していないのだ。
そしてリトはそのままでいて欲しいと心から思った。

「してくれるなら大歓迎だけど・・・」
リトのものは既に天に向かってはち切れんばかりにそそり立っていた。
「きゃっ」
唯は思わず悲鳴をあげてしまった。
(あんなおっきいのが、わたしのなかに・・・?)
ついマジマジと見つめてしまっていた。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど・・・」
言われてようやく気がついて唯はパッと視線をそらしてそこで気づく。
「結城君だって、わたしのいっぱい見たくせに・・・」
いたずらをとがめられた少女のような表情だった。
(下のほうは見てないけどな)
そう思ったが、リトの本能が口を噤ませた。
一秒でも早く唯とつながりたいから―――

リトは本能に支配され始めていた。
しかしリトが次に取った行動は、乱暴に唯の脚を押し広げることではなかった。
お互い初めてだから失敗したらどうしようとか、後ろ向きな気持ちを感じることもなかった。
まあ、失敗したら唯が全く必要のない責任を感じてしまいそうなので、うまくいくに越したことはないのだけれど。

リトがどんな唯も受け入れられると確信しているように、唯もきっと、どんな自分も受け止めてくれると信じている。
それがリトに僅かながらの冷静さを与えてくれていた。

リトが求めるのは、唯が怖い思いをしないこと。
そして溢れそうな自分の気持ちを、彼女の心に深く深く刻み付けること。
それが彼女の望みであり、そして自分の幸せだから。
肉体的な快感など二の次だった。


「キス、しよう?」
リトは唯に覆いかぶさると、うっすらと微笑んでそう言った。
その行為はついさっきまで特別なことだったのに、
リトがあまりにも自然にそう言うから唯は思わず笑ってしまった。
「おかしい?」
「うん、おかしいわよ」
唯はくすくす笑っている。
(さっきは似たような状況で”軽い”って怒ったのに・・・不思議なやつだなぁ)
リトも思わず笑顔になる。
唯は”二人がキスすること”が自然なことになっていくことが嬉しかった。


615リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:33:28 ID:YniUCOZ1(29)
微笑みあいながら口付けを交わす。
リトはおっぱいにしてみたように、唯の唇を吸ってみたり自分の唇で挟むようにしたりしてみる。
ただし、あくまでもソフトにだ。
「んむ・・・ん」
「・・・ふむぅ、んちゅ・・・」
リトはその感触をじっくりと堪能して満足げにほんの少し距離をとる。
と、次の瞬間唯の顔がアップからどアップになったと思ったら唇を押し付けられた。
「ぅ!?・・・ん」
唯の方からしてきてくれるとは思っていなかったので、完全に不意をつかれた。
少し驚いたが、すぐにリトもキスに集中する。
「・・・ん、ちゅ・・・」
しかし唯のサプライズは二段構えだった。
唇の上下に僅かに開いた隙間に、ヌルッとした物が触れた。
唯の舌だ。
そう理解するまでに数瞬を要した。
口を開けて招き入れると、それを自分の舌で絡め取る。
あまりにも甘美な感触と熱さ。
「んぁっ・・・あむぅ・・・ん・・・ちゅ・・・んっ」
「・・・んむ、じゅる・・・」
激しく舌を絡ませ、唾液も交換してからようやく結合が解ける。

(なんか凄かった・・・)
細かな思考能力など完全に無くなってしまった。
唯の舌はその唇や肌と同じように柔らかかったがヌメヌメしていて、多少のザラザラ感も心地よかった。
ほんの少しのレモンの香りと甘酸っぱさに、脳髄が痺れていくようだった。

「結城くん・・・来て・・・」
いつの間にか唯が膝を立て、少しだが脚を広げスペースを作ってくれていた。
その表情からはもはや恐れも恥じらいも感じられなかった。
始めから唯はリトを待っていた。求めていたのだ。
それを抑え込んでいた羞恥心や恐れが、リトと触れ合っているうちに少しずつ取り払われ、
唯から求めた覚悟を決めるかのようなディープキスで完全に消滅した。

"裸"になった唯は、狂おしいほどに美しくて愛おしかった。

リトは唯の空けてくれた場所に身体を入れると、自身を膣口にあてがって照準を合わせた。
一つになるのに、これ以上のタイミングはもう二度と訪れないだろう。
「行くよ・・・」
ゆっくり、ゆっくりと唯の中へと潜っていく。
そこは先程までよりも更に蜜が溢れ出し熱さも増していたが、それでもキツさは半端ではなかった。
「んっ!!・・・くぅぅ」
そのキツさと唯の痛みはきっと比例しているのだろう。
目を閉じて唇をキュッと噛み締め、その両手は枕を握り締めていた。
(痛いよな・・・。ごめんな)
声に出すと強がるだろうから心の中で謝罪する。
ようやく半分まで入った。
「唯、平気か・・・?」
平気なわけなどないけれど、声を掛けずにはいられなかった。
「結城くんっ・・・」
目を閉じたままの唯の両手がリトを求めて宙を彷徨う。
本人は高く上げているつもりなのかもしれないが、それはリトの腰の辺りまでしか上がってこなかった。


616リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:33:54 ID:YniUCOZ1(29)
「唯、好きだ」
その言葉は手を握り締めるまでの僅かな時間の唯の支えとなった。
リトは唯に負担をかけないようにそっと下半身でバランスを取ると、少し状態を傾けて両手を絡めてやる。
膣内は業火の責め苦にあっているだろうに唯は満足そうに微笑んでくれた。
暫くの間ゆっくりと深呼吸して。繋いだ左手を軽く振る。
「一気に来て・・・?」
唯の括約筋の力が緩んだのが分かった。
リトはその言葉通り、一気に最奥まで突き進んだ。
薄膜を無理矢理突き破る感触が、確かにあった。
「んっあ――ああああぅ!」
唯の口から今まで聞いたこともないほどの甲高い声が上がった。
「はあぁ・・・はあ・・・」
互いに何も考えられず、荒い息を繰り返す。

(全部、入った)
唯の中、深くまで埋まった自分を感じていた。
まだ動いてもいないのに背中から射精感が駆け上がってくるのを必死に抑える。
唯の中は信じられないほど熱くて、リトを絶対に離すまいと根本から亀頭までを断続的に刺激してきた。
「唯・・・俺たち、繋がれたよ・・・」
汗で額に張り付いてしまった唯の前髪をそっと撫でてやる。
「うんっ、・・・うん」
唯は痛みのためか嬉しさのためか、恐らく両方だろうが涙を大きな瞳いっぱいにためながらも健気にも微笑んでくれる。
リトはたまらなくなって目を閉じるとゆっくりと上体を倒して、そのままピッタリと抱きしめる。
今自分がどれほど感動していてどんなに幸せか、唯に伝わってくれるように願いながら。
「結城くん・・・」
「・・・ん?」
リトは体勢を変えずに聞き返す。
今唯の幸せそうな顔なんか見たら、自分も泣いてしまいそうだった。
「全然、足りないわ・・・」
「えっ!?」
耳元で聞こえた思いがけない言葉にリトは慌てて体を起こして唯の顔を覗き込む。
不満げな言葉や口調とは裏腹に、その表情は天使のように穏やかだった。
「わたし、まだ刻み付けてもらってないよ・・・?」

唯は最後までしっかりすることを求めてくれた。
涙を堪えることに集中しているうちに、射精感も何とか治まってきた。
今なら動けそうだ。


しかしそこでリトはようやく気づいた。
(また唯に導いてもらってるや・・・)
思い返せばさっきからずっとそうだった。
リトが呆けてしまったりどうしていいかわからなくなる度に、
エッチについてリトよりもずっと知識がない唯が導いてくれた。
(俺が唯のわがままをきいてるつもりだったのに・・・)
本当に主導権を握っていたのは、唯の方だった。
それなのに常にリトの心情を一番に考えて、恥ずかしいことも未知で怖いことも全て受け入れ続けてくれていたのだった。
そして今だって・・・。まだ痛みが残っているだろうに。


617リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:34:14 ID:YniUCOZ1(29)
「あ、ありがとな・・・唯・・・」
「ゆ、結城くん?」
リトは感極まって泣いてしまった。
かっこ悪いけれど、もうどうしようもなかった。
「どうしたの?結城君」
「なんでもないから・・・」
そういって涙を拭いながらだけれどニカッと笑った。
唯の大好きな、リトの満面の笑顔・泣き笑いver.
(結城君、可愛い!!)
キューッと胸が締め付けられリトに対する想いが胸の中で一層激しく踊る。
そうしているうちにリトは涙を拭うと言った。

「じゃあ、等価交換な」
「?」
急に何を言い出すのだろう。
「俺は、今から唯に俺の全てを刻み付ける。これはもう、決まってること」
「え、ええ・・・」
改めて宣言されるとうれしいような恥ずかしいような気持ちになる。
「泣いて暴れようと、絶対に止まらない。唯優先主義はもうおしまい」
「唯優先主義・・・?」
「あーー、こっちの話・・・」
リトはポリポリと頬をかく。照れたときの癖らしい。
「とにかく、俺が今からするのはものすごく大きな事。だから、それに見合う要求を唯にもさせてあげる」
リトは要求される側なのに、ものすごく大きな期待を込めた目で見つめてくる。
「結城くんに刻みつけてほしいっていうのはわたしの要求なんだから、それで等価交換じゃないの?」
ごもっともな意見だが、それじゃあリトにとって意味がない。

なんだかんだ言ってはいるが、つまりはリトは唯に甘えて欲しいのだ。

(さっきまでいっぱいわがまま言ったのに。そんなやさしくされても困っちゃうな、・・・嬉しいケド)
導いてきたなどというという自覚が唯にはない。
リトが望んでくれることを無意識のうちに理解し、実行までしてしまうのは勉強会でも証明済みだ。
唯があまり棘のない目で睨んでくる。
しかしリトとしてはここは譲れない。絶対に唯に甘えてもらうんだ!
頑として譲る気配を見せない。
ララや唯に出会うまでは、リトだって結構頑固な性格だった、はず。

「じゃあ・・・」
唯がようやく要求してくれる気になったらしい。
「キス、して?」
この状況なら、当然ながらその要求は甘いものとなる。
リトにとってはまさに一石二鳥だ。
すぐに艶やかな唇にキスを落とし、5秒ほど触れてすぐに離れる。
「あっ・・・」
名残惜しそうでもあり不満そうでもある唯の反応もあえて気づかないフリをする。
そして、次の要求を待つ体勢に戻る。ちょっとしたイジワル。


618リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:35:00 ID:YniUCOZ1(29)
「・・・もっと、深いのがいい」
リトが笑みを深める。
「さっきの気持ちよかったんだ」
「そ、そんなことっ・・・」
「あの後唯のアソコ、いっぱい潤ってたよ?」
カァッとハロゲンヒーターのように唯の顔が真っ赤になりそっぽを向こうとするが、すぐ近くにいるので顔を抑えられてしまう。
「んむっ、あっ・・・んくっ」
ちょっとだけ強引に、唯の唇を割って入る。
淫靡な水音が静かに響く。
「んむっ、ちゅっ・・・ちゅ・・・ゅい・・・ぷはっ」
「ちゅ・・・ちゅるっ、ゆーひふ・・・んんっ」
互いに息も絶え絶えになってようやく離れる。
二人の間にできた白銀の橋が切れ掛かったのでリトは慌ててそれを吸い込んだが、一部が唯の首元に落ちた。
唯はそれを咎めたりはしなかった。もう瞳がとろんとしている。
熱い唯の唾液を飲みこんで、リトも頭の中に白いもやがかかってしまった。
もう悠長にお願いを聞ける状態ではない。

挿入して大分時間が経ったことと、今のキスで潤滑油が増してくれたことでもう動いても大丈夫そうだった。
もう一度両手を重ねて。
「唯、動くよ」
そう告げると、リトは腰をスライドさせる。
腰を引くたびに唯の中はキュッと締め付けて絡み付いてくる。
「あんっ、結城くん・・・ぁは」
リトは目を閉じて、唯を見ないようにしていた。
唯のそんなハレンチな顔を見たら、規則正しく揺れるおっぱいを見てしまったら、
それだけであっという間に達するのが目に見えているから。
ゆっくり、ゆっくりと打ち付ける。
唯をいたわりたい気持ちももちろんだが、気持ちよすぎて激しくしたらすぐにでもイってしまいそうだった。
「・・・はぅ・・・んあっ」
(やっぱり、まだ痛い・・・)
リトが動くたびに焼かれるような痛みが唯を襲う。
でも、快感の予兆は確かにある。
頭の中に真っ白な小さな点があるような感覚。

リトは今度は少し円を描くように打ち付けてみる。
「くっ・・・うあ・・・唯っ」

あまりの快感に、普段なら出ないような声が出てしまうのは男だって同じ。

(結城君、気持ちいいんだ・・・)
唯の喘ぎがリトを高ぶらせるように、リトの快感は唯を高ぶらせる。
膣が痺れてきて、頭の中の白い点が拡大していく。

「抱いて、結城くんっ」
リトはすぐに望みどおりにしてやる。
「・・・あっ、結城くん、それ・・・ダメェ」
ダメといわれてもリトは言われたとおりに抱きしめただけで特にイジワルをしたわけではない。
二人の身体がピッタリと密着したので、リトの下腹部で唯のクリトリスが刺激されたのだ。
(なんなの、コレ・・・?カラダがピクピクって・・・)
痛みと、痺れと、快感が同時に打ち寄せる感覚に唯は戸惑った。
リトの背中を抱きしめる腕に力が篭る。


619リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:35:47 ID:YniUCOZ1(29)
「んっ・・・あ、ダメェ・・・ああん」
優しくしたいのに、唯の滑らかな肌に指を埋めるたびに、ますます艶やかになっていく声を耳元で聞くたびに、
理性は抗うことの出来ない波に押し流されていった。
リトの腰を打ち付けるスピードが速くなっていく。もうそんなに保てそうにない。
「唯、唯・・・」
唯は声を挙げるのが恥ずかしいのか自身の指で唇を塞いでしまう。
「・・・んぅ、・・・ちゅ、ちゅ・・・ふぅん・・・ちゅる・・・」
キスをするときのような可愛らしい音に、リトは意図的に見ないようにしていた唯の顔を見下ろしてしまった。
その扇情的な表情と、まるで自分が指フェラをさせているような錯覚に痺れが走る。
身体の下では唯のおっぱいが擦れて何ともいえない感触を提供していた。
そんな状況で、初めてのリトが耐えられるわけがなかった。

「・・・唯、俺・・・もう」
限界が近づき、リトは唯の中から自身を引き抜こうとする。
「あっ、ダメ!」
唯は両脚をリトの腰に絡めて出られなくしてしまった。
「ちょ、ちょっと唯!?」
「・・・やくそく。ちゃんと・・・あうっ」
(いや、刻みつけるったってこれはさすがに・・・)
まずい、そう思ったが腰の動きはちっともとめられなかった。
「あっあん・・・お、ねがい・・・ああっ!」
唯が潤んだ瞳でリトを見つめていた。
抽送する毎に、唯に絞り上げられていく。
(もうダメだ・・・)
愛情と欲望が同時にリミッターを振り切った。
そして唯の最奥に突き刺した瞬間―――

「あ・・・やああん!ふぁあっ!」
ドクッドクッドクッ
一度二度三度。
留まることのない欲望を唯の中へと吐き出す。
こんなの知らない。
今まで味わったことがない、意識が飛んでしまうほどの気持ちよさ。
ようやく飛び出すことを許された分身たちが、唯の膣内を駆け上がっていった。
ちゅるんっという音とともに、一物を引き抜く。

「あふっ・・・はあぁ・・・結城くん・・・」
唯が心から満たされた表情で名を呼び、口付けを求めてくれる。
くどいようだが本当に可愛すぎる。
すぐにでも応じたかったが、男としてはどうしても確認したいことが・・・
「その・・・唯、大丈夫か?」
「うん・・・平気。・・・痛かったけど、結城君がギュッてしてくれて・・・
愛されてる感じがして、すごく嬉しかったわ・・・」
それは良かった。
ちなみにリトはよつんばいのような状態で、唯は身体を寝かせたままだ。
「・・・それに、最後のほうは・・・少し気持ちよかった・・・」
顔を真っ赤にして、モジモジしながら打ち明けてくれる。


620リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:36:14 ID:YniUCOZ1(29)
ちくしょう、なんて可愛いんだ。
それに気持ちよかったのなら本当に良かった。男としては何より嬉しい言葉だ。
なんだけど・・・。
「あの・・・それは俺としても嬉しいんだけど、その、膣内に出しちゃって・・・」
目の前にある愛しい人の顔が、すぐにムッとした表情になる。
こんなに喜怒哀楽を見せてくれるのも、リトに対してだけ。

「結城君ってホントにデリカシーがないのね!教育的指導が必要だわ!」
それはそうなのだが、そこは男としてはどうしても気になるわけで。
唯との子供ならもちろん欲しいし、もしそうなれば覚悟を決めるけれど、
高校生でパパになるのはちょっと、いや、ものすごく大変なことだ。
「唯・・・その、ごめん・・・。どっちにしろ準備してなかった俺が悪いんだし、もし何かあっても、唯となら・・・」
最初はアタフタとしていたが、後半部分ははっきりとした口調でそう言う。

「・・・ふふっ。大丈夫よ。今日は安全な日なの」
「ホ、ホントか!?」
つい声が弾んでしまった。
「むー。今唯とならって言ったくせに・・・」
「いや、その・・・それはそうなんだけど・・・」

ぷいっとそっぽを向かれてしまう。
これで今日何度目だろう。
「唯・・・機嫌直してくれよ」
「・・・」
怒っている理由が理由だから、今回ばかりはリトも参った。
そこで怒ってくれること自体は、リトとしても凄く嬉しいのだが。
「等価交換・・・」
「はい?」
「さっきの二つのお願いは帳消し!さらに結城君の借りは増えたんだからね!」
唯なりの仲直りの申し出。
こんなに幸せな借りなら、いくら増えたって構わない。
「ん、わかった」
リトは身体を起こすと、唯の身体が冷えてしまわないようにとタオルケットをとるために後ろを向く。
「キャッ!?」
唯が突然悲鳴をあげた。
「へっ?」
「・・・人が真剣に話をしてるのに、ハレンチすぎるわ!!」
唯は両手で両目を塞いでしまっている。
一体なんだろう。
確かに余韻を愉しむこともせずにあんなことを聞いたのは怒られて当然だが、その後についてはできるだけ誠実に対応したつもりである。
指の隙間からチラリとそこに視線を向けられ、リトはようやく気づいたのだった。

(全っ然萎えてねぇ!?)
リトのそれは熱を保ったままで、血管も浮き出ていた。

確かにリトはヤリたい盛りの高校生で、大好きな女の子と一悶着どころか何悶着も経た末にようやく通じ合えたのだ。
さらに、唯のカラダは最高にリト好みである。
その可愛らしいしぐさは、琴線に触れるどころかジャンジャン掻き鳴らしている。
人生でダントツ一位の射精を経験したといっても一度くらいで萎えないのは当然といえる。
しかし、あの話―――つまり子供ができるのではないかという問題は、男にとって冷や汗どころの騒ぎではない。
いくら相手を愛していようと、どうしてもそれとこれとは別問題なのである。
肝をとことんまで冷やし、デリカシーがないと怒られて、それでも萎えないとはどういうことか。
カラダも心も、全てが唯を求めているとしか言いようがなかった。


621リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:36:38 ID:YniUCOZ1(29)
今までの経験から、ここで謝るのは得策ではないとリトは判断した。
思い上がりかもしれないが、唯だってしたいはず・・・そんな気がしていた。
素直に自分の思っていることを伝えよう。
もう、完全なる敗北を認めてしまおう。
とことんまで唯に甘えて、溺れてしまえばいい。

「唯」「結城くん」
二人の声がものの見事に重なった。
譲り合ったりしなくてもお互いの思いは一緒だと、もう確信していた。
膝立ちの体勢のリトに唯の身体がに引き寄せられていき、両者の額がぶつかる。
「「もう一度」唯が欲し」
”い”までは、言わせて貰えなかった。

強く押し付けられてくる唯の唇。
それを受け止めると、今度はすぐにリトのほうから舌を伸ばしていく。
「んっ、あ・・・ちゅるっ・・・んんぅ!」
いきなりの深いキス。
もうレモンの香りはしない。
だからこそ、蕩けるような唯の甘さのみを味わえる。
「・・・ちゅぷ・・・んぁ、結城くん・・・」
すっかり紅潮した顔で唯が見つめてくる。
その懇願の色が宿った表情は、どんな手を使ってでもまた見たいと思わせるのに十分なものだ。
「今度は・・・最初からギュッてして欲しい・・・」
もう可愛すぎてニヤけることすら出来ない。
両手を後ろにつき、ベッドの上に胡坐をかく体勢に移る。
「おいで・・・」
余裕のあるような台詞だが、実際にはそんなものはない。
とにかく必死に意識してそういう態度を取っていないと、我を忘れて彼女を壊してしまいそうだった。

唯はリトを跨ぐかたちになり、両手を肩に乗せてきた。
「ゆっくりでいいから、そのまま腰落とせる・・・?」
恥ずかしそうだが拒んだりはしない。
男根を持ったリトの右手に自分の左手を重ねて、そっと秘裂にあてがう。
「あっ・・・」
先端が熱く濡れた膣に触れた瞬間、唯が悦びに打ち震えるかのような切ない声を挙げてくれる。
(唯が導いてくれてる・・・)
そのことがリトの熱を昂ぶらせてゆく。
自分が導いてあげたい、甘えて欲しいと思うのに、唯の潜在意識的なリードを感じるたびに惹きつけられて行く。
そのいじらしさに、リトの心は完全に支配されていた。
本当にままならない。

「ん、くふぅ・・・ああっ!」
膜を破ってから一時間と経っていないのに、さほど抵抗なく唯の中へと入っていった。
「・・・ハァ・・・はいった、結城君が・・・来てくれたよぉ・・・」
「・・・ああ、唯の中信じられないくらい気持ちいいよ・・・」
本当に気持ちよすぎる。
膣内は唯の吐息にあわせてギュゥっと絡み付いてきて、侵入時の抵抗の少なさが嘘のようだ。
まさに手厚い歓迎である。
身体をやや倒しているリトを求めて、唯がのしかかってくる。
「ああっ!!」
唯が嬌声を上げた。


622リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:37:00 ID:YniUCOZ1(29)
「痛いのか!?頼むから無理だけはしないでくれな・・・」
いくら二人の相性が良くてもまだ二回目だ。
一度じゃ膜が破れない女性もいるらしいし、痛みが完全になくなるまでにはしばらくかかるはずだ。
身体を預けてきた唯を受け止めて、様子を窺う。
唯は荒い呼吸とともにピクピク小刻みに震えていた。
「平気・・・だけど、しばらくこうさせて・・・?」
リトはすぐに背中に腕を回して抱きしめてやる。
「あっ・・・くすぐったいけど、気持ちいい・・・」
唯が落ち着くまで、大好きな長く美しい黒髪に口付けを繰り返す。
息が少し苦しくなったので、ゆっくりと鼻から空気を吸い込んでみる。
「やだっ・・・匂いなんかかがないでよ」
花のような髪の匂いとさわやかな甘さの唯自身の香り。
サラリとした汗の匂いも、清涼感すら覚えるほどだ。
唯には男を昂ぶらせる要素と同じ分だけ、癒しの成分が含まれているようだ。
アロマテラピーなんてメじゃない。
「・・・汗かいてるのに・・・」
そうは言いながらも、リトから離れようとはしない。
「すごくいい匂いがする」
「結城くんのヘンタイ・・・」
小声でゴニョゴニョと言うのがまた可愛らしい。

「もう痛くない?」
リトが額をあわせながら聞いてくる。
「最初から痛くなんてないわよ・・・」
「へッ!?」
だってさっきあんな苦しそうな声・・・
「・・・その、この格好だと凄く深くて・・・奥が擦れて・・・」
リトの物は唯の中で反り返らんばかりに存在を主張している。
それが唯のスポットを刺激したらしい。
恥ずかしそうに下を向きながら、弱点を晒してしまう唯。
「俺、唯のそういうとこ好きだな・・・」
恋人同士のコトの最中なのに、少年のような声で話し出すリト。
「なによ・・・そういうとこって」
「恥ずかしがるくせに、そうやって墓穴掘るとこ」
「っ!!」
唯はハッとした表情で息を呑むと、両手で顔を覆ってしまう。
他人のことは良い点も悪い点もすぐに気づけるが、自分のことはなかなか分からないもの。
微かに自覚していた自らの欠点(リトからしたらそこは美点なのだが)を指摘され、
ただでさえ真っ赤だった顔がりんご飴のようになってしまう。

「結城くんのイジワル・・・」

その半泣きの声だけで、天にも昇る気持ちになる。
リトは決してSではないが、これにときめかない人間はいない。
「ごめん」
謝罪を口にして、頬に口付ける。
「また、借り増やしちゃったかな?」
その言葉に唯が反応してくれた。
「・・・今のはものすごく大きいからね!・・・一生かけて償ってもらうんだから・・・」
「・・・そんなに?」
オドけた調子で聞き返すが、もういいかげんヤバい。


623リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:37:21 ID:YniUCOZ1(29)
「唯・・・何でもいいから言ってくれ。そろそろ限界・・・」
崩壊しそうだ。
「結城くんの、好きなようにして・・・?」
「っ!」

この期に及んでも唯のお願いはやっぱりリトを導くものだった。
「ギュってしてくれれば、何したっていいよ・・・。
キスだって・・・おっぱいだって・・・好きなだけしていいよ・・・?」
「唯・・・」
唯はいつの間にか健康的な美しさを取り戻していた。
もともと美しかった黒髪は、光を吸収したかのようにきらきらと輝いて見えた。
こけていた頬は絶妙なぷにぷに感を取り戻し、柔らかな肌は熱いのに瑞々しかった。
まるでリトから養分を吸収したかのようだ。

「結城くんなら・・・どこ触られても気持ちいいの・・・。
結城くんだから・・・乱暴にされたって構わないの・・・。
ごめんね。・・・わたしハレンチだね・・・」
唯の表情は柔らかな笑顔。
それは自嘲の表情ではなく、そんな自分を受け入れたものだった。
「そんなこと言うと俺、溺れちゃうよ・・・?」
「・・・いいよ。だって、それが望みなんだもの・・・」
「唯っ!!」
リトだけの天使を前に、愛しさのダムはついに崩壊した。

本能のまま、乱暴に唯を打ち付ける。
「きゃうっ!・・・やんっ、結城くん・・・いきなり・・・」
長い黒髪を振り乱して、唯の身体がリトの上で弾む。
結合部からははやくもグチュグチュと音が響いていた。
「深いよおっ!・・・奥・・・奥が、あん!!」
唯の爪がリトの背中にガリッと傷を作る。
奥は唯の弱点とはいえ、激しく突かれたことなどない。
痛みを伴って当然だ。
リトは唯の胸を激しくこねるように揉みしだく。
親指と人差し指で先端を何度も挟みあげる。
膣の痛みを和らげるためなんて考えちゃいない。本能の赴くままに。

(あの優しい結城君が・・・私を求めて、こんなに乱暴に・・・)
そう思うだけで、唯もどんどん開放されていく。
リトに触れられたところからどんどん身体は熱くなっていく。
「あっ・・・おっぱい気持ちぃ・・・もっとっ」
ぐちゅっ、ずちゅっ
二人の結合の淫らさを示す卑猥な音が響いていた。
さっきまでの初々しさなど消えうせてしまった、激しいセックス。
リトも唯も快感を貪欲にむさぼっている。
「・・・ジュル・・・ちゅっぷ、レロ」
激しく息を吹きかけ、吸い上げ、舌先を尖らせて乳首を舐めまわす。
その豊満な胸を支えるのにはかなりの負担がかかるのではないかと思ってしまうほど
細く括れた腰を強く掴んで、上へ上へと突き上げる。
「くぅぅ!・・・あっあっあっ!」
今度は乳首を甘噛みしてやる。
「やぅ・・・か、かんじゃ・・・らめっ」
唯の振動の幅が、だんだん大きくなってきていた。


624リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:38:06 ID:YniUCOZ1(29)
「あ、あ・・・あっ!やあん。声出ちゃうの恥ずかしい・・・結城くんっ塞いでぇ」
唯が発する声の意味をリトが理解しているかは怪しい。
しかしそろそろ唯の唇が、舌が恋しくなってきていたのだろう。
すぐに唯の望みは満たされた。
結合部はこの間も激しく犯されているのに、リトの舌はどこかやさしい。
上から下へと歯列を確認するように舐め、奥にそっと侵入して唯の舌を絡め取る。
「んちゅ・・・ちゅる、あっ・・・あむっ、あはぁっ・・・結城くん・・・好きぃ」

ようやく聞けた―――唯からのその言葉。
それは獣と化したリトの脳の最深部にまでしっかりと届いた。

「唯・・・俺も好き・・・。ずっと好きだ・・・」
太陽のように眩しくて、温かくて、優しい微笑み。
唯を惹きつけてやまない、リトという名の恒星。
「結城くん・・・嬉しい」
満面の笑顔をリトに返す。
こんな表情を自然に見せられるようになったのも、リトのお陰。
唯はリトへと吸い寄せられる。

(ああ、いいな・・・この感じ)
獣のようなリトも悪くなかったが、優しいリトが唯にとってはやはり一番だった。
リトだけがくれる安心感、満足感、そして責任感とでも言おうか、頑張らなきゃという気持ち。
リトは唯の額に、頬に、瞼に、鼻頭に、そして唇にとびっきりの愛情を込めてキスを落としてくれた。
想いで、身体で、やさしく貫かれて、全力で愛してくれるリトを全身で感じる。
痺れてくる・・・。心も、カラダも。

「んぁ・・・くふぅ・・・あっあん」
(何・・・?何かが来るよぉっ・・・結城くん、助けてっ)
「ん!ちゅ・・・ちゅ・・・あっ結城、くぅん・・・わた、し・・・あふ!」
もうキスをしていても溢れてくる声を止めることなど出来ない。
唯の唇の端に美しい黒髪の毛先がかかり、なんともエロティックな表情だった。
リトはたまらなくなって身体を45度に倒し、尻に力を入れ深く深く突き上げる。
「んんっ!・・・唯、唯!」
白き命たちが尿道を駆け上がってくる。
唯の膣内でリトが膨張したのが分かる。
「来てっ!結城くん!・・・わたしがおかしくなっちゃう前に!」
(唯もイキそうなんだ・・・)
何とかイカせてあげたい。
その想いだけで、歯を食いしばって一秒でも長く射精を食い止める。
でももう限界だ。あと数度唯を突いたら出してしまう。
「・・・おかしくなってよ。おかしくなったって好きだよ・・・」
「あっ・・・ダメェ!!そんな風に言っちゃダメェ!!」
蜜穴がリトをキュキュッと締め上げてくる。
「唯・・・俺だけの唯!俺を全部受け止めてほしい!」
「結城くんっ!ふぁああっ!!ああああん!!」


625リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:38:30 ID:YniUCOZ1(29)
二人はキツく抱きしめあい、同時に絶頂を迎えた。
ハアッ!ハアッ!
二回目だというのに一回目をはるかに凌ぐ量の白濁液が唯の中を駆け上がっていった。
頭の中は濁りのない真っ白で、何も考えられない。
そしてそれは初めて絶頂を迎えた唯も同じだった。
まだ膣内はリトを搾り取ろうと脈動を繰り返していて、唯自身の痙攣もなかなか治まらないようだった。
リトは唯の両頬を優しく包むと、息苦しさにも構わず深く深く口付けた。


「んんっ・・・はあっ・・・凄かった・・・」
まだ夢の中にいるかのような唯の声が、やけに遠くから聞こえたように感じた。
「結城くんにたくさん愛されて・・・いっぱい刻み付けられて。わたし、全部結城くんのものになっちゃった・・・」
「うん・・・。でも、俺だって全部唯のものだよ」
そう返すと、唯は満開の花のような笑顔を見せてくれた。
「・・・等価交換?」
「・・・いや、違うな」
「?」
唯がどういうことかと覗き込んでくる。
「俺の方が、だいぶ軽い。唯に支えられてばっかりでさ・・・」
そこでリトは真剣な表情になる。
「俺、いつか唯にふさわしい男になるから。唯がもっと頼れる、自慢できる、強い男になって見せるから」
決意に満ちた声でそう宣言する。
ところが唯はきょとんとした表情のまま、ボーッとリトを見ている。
「・・・唯?」
「ふふっ・・・くすくす。結城君ってカワイイわね!」
「なっ!?」
人が男らしく宣言をしたというのにカワイイッって、なんじゃそりゃ。
「おい、どういうことだよ?」
「知らない」
「知らないって、そんなわけねーだろ!教えろよ」
「おやすみっ結城君」
タオルケットで身を包むと、枕にポフっと顔を埋めてさっさと横になってしまう。

(ちくしょう、そっちがその気なら・・・こっちは帰ったフリ作戦だ)
無言のままベッドを降り、廊下に出る。
もちろん本気で帰る気などないけれど、意地っ張りな唯もこうすれば放っておけないはず。
(俺が思うに、唯には甘えん坊の資質がある!
今のうちからこうしてそれを引き出してやれば、いずれ頼れる男になったときには可愛い表情見放題だぜ!)

今か今かと唯が呼びに来るのを待つ。
3分経過。
(遅い・・・)
5分経過。
(おいおい、まさかもう寝ちゃったんじゃ・・・)
ドアを少しだけ開けてみる。
「結城君」
(あ、起きてた)
「廊下、寒いでしょ?身体冷えちゃうからこっちに来なさい」
(・・・服着てなかった。アホか俺は)


626リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:38:54 ID:YniUCOZ1(29)
ベッドに戻ると、唯は巻きつけていたタオルケットをリトの側だけ解いてくれる。
一緒に入れ、ということらしい。
少しためらいがちにタオルケットを持ち上げ、中に滑り込む。
月明かりに一瞬だけ照らされた、真っ白な背中にまたどきりとする。
唯はリトに背を向けて横になっている。

もちろん唯はリトを拒んでいるわけではないが、胸に顔をうずめて甘えるのも恥ずかしい。
一方リトは、こんなときにどうすればいいかなど全く分からないので、仰向けのまま気をつけ状態で固まってしまう。
(もう、なんでもっと近くに来てくれないのよ・・・結城君のバカッ!)
微妙な距離感。
想いはもう重なり合ったのに、不器用が故になんともぎこちない両者。

「ん"んっ!」
唯がワザとらしく咳払いをする。
リトはようやくすべきことに気づいて近くによると、肘枕をして唯に寄り添う。
一日ももう終わろうとしているのにまったく艶が衰えないその黒髪を梳いたり、毛先を指先でつまんで弾いてみる。
それだけリトの目は満足感で細められ、唯は幸福に満ちた吐息を漏らす。
重なり合った余韻を、ようやく愉しむ二人。
「結城君って髪の毛触るの好きなの?」
リトがいつまでも飽きずに触れてくるので疑問に思ったのだろう。
「んー、わかんない。でも唯の髪はすげえ好き。触れてるだけで気持ちいいから」
「わたしも、結城君に触られるのす・・・きらいじゃないわ・・・」
「・・・ははっ」
変なところで意地っ張りな唯に思わず笑みが漏れる。
唯の静かな吐息を心地よく感じながら、リトは優しく髪を撫で続けた。

「なあ・・・唯・・・」
「・・・ん?」
急にリトの声に真剣味が増したので、唯は少し身構えてしまう。
「たまにでいいから・・・俺に甘えてくれ、な?」
真面目な表情でリトは想いを言の葉にのせる。
「俺の前では、何も無理しなくていいから。
愚痴ったっていいし、わがまま言ったっていい。
・・・つか、唯のわがままだったら、嬉しいし・・・」
少しも恥じることなく、リトは優しい音色を奏で続ける。
「だからさ、二人っきりのときだけ・・・それも毎回じゃなくたっていいんだ。
一週間に一度でもいいからその、俺に・・・甘えて欲しいんだ」
「結城君・・・」
唯がゆっくりとこちらを振り返る。
心臓が止まるかと思った。
だって唯は本場イタリアの画家たちでも誰も描けない聖母のような微笑を浮かべていたから。
そしてそのままリトの胸に顔を埋め・・・ると思いきや、その直前でストップして俯いてしまう。
(俺に甘えるのって、そんなに抵抗あるのかな・・・)
ちょっと、いやかなりショックを受けているリトに耳に唯の声が届いた。


627リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:39:21 ID:YniUCOZ1(29)
「甘えるの・・・たまにしかダメなの・・・?」
「へっ!?」
今なんとおっしゃいました・・・?
「結城君はわたしにいっぱい借りがあるのに、一週間に一度しか・・・?」
甘えと照れとが絶妙にミックスされた唯の声。
そんなのを潤んだ瞳の上目遣いとともに発せられたらたまったもんじゃない。
「いいいや、唯サンがお望みでありまするなら毎日でも!」
今日は周波数が次から次に変化して本当に心臓に良くない。

「じゃあ、約束・・・」
そう言うと唯は左手を伸ばしてくる。
なんで左手?と思いながらもリトも左手を出して小指を伸ばす。
すると唯が不満げな表情でフルフルと首を振った。
そしてキュッとそれを握り締めてくる。
(ああ、そっか・・・)
リトはしっかりと唯の手を握り返すと出来る限りの微笑みを返して。
そっと繋いだ手を振った。
一回、二回。
それは今日、二人の間に誕生した秘密の合図。
にっこりと笑い合うと唇を重ね合って、静かに眠りにつく―――
はずだったが。

ぐううー きゅうー

キョトンとして顔を見合わせる。
想いは通じ合い、愛欲は満たされた。
そうなると睡眠欲が沸いてくるものだが、二人に降りかかってきたのは食欲だった。
思い出してみると、互いに朝から何も食べていない。
「ゆ、結城君、あなたはどこまでデリカシーが・・・」
「いや、今唯のお腹も鳴ってたよ」
「鳴ってないわ!」
「いや、鳴って・・・」
「鳴ってないの!」
「は、はい・・・。すみません」
やっぱり頭が上がらないリトだったが、それでも良かった。
これから先何年だって、こうしていられたらいいと心から願った。

時刻は9時をとうに回っていた。いつ誰が帰宅してもおかしくない時間だ。
「そういえば、今日ご家族は?」
「お父さんは出張。お母さんは学生時代の友達と旅行。お兄ちゃんは・・・恋人の家」
ってことは・・・誰もいないらしい。
そういうことなら一つ唯に手料理をご馳走してあげよう。
「台所借りていいか?俺何か作るよ。といっても簡単なのしか出来ないけどな」
「えっ?そんな、いいわよ。わたしするから」
「まあそう言わずに。今は美柑にまかせっきりだけど、そこそこ料理できるんだぜ?」
そういうとさっさと制服を身に着けるリト。
「じゃあゆっくり待っててな。服は着なくてもいいぞ?」
「ば、ばかっ!わたしそんなハレンチじゃないんだから!」
にっこり笑うとリトは部屋を出て行った。


628リト×唯 第5話・後編 :sage :2008/05/05(月) 22:39:45 ID:YniUCOZ1(29)
自室に一人残された唯は身体を起こすと、ゆっくりと部屋の中を見回してみた。
昨日までとはまるで違って、全てが鮮やかに色づき輝いて見えた。
シーツにぱったりと顔からダイブしてみた。
悲しみの涙でなくうれし涙で満たされたその海は、リトの陽だまりのような匂いがした。


ねえ、結城君?
あなたはわたしにふさわしくなりたいって言ってくれたけれど、わたしはそんなことどうでもいいの。
あなたに出逢えて、わたしは自分の中にわたしも知らない感情がたくさんあることを教えてもらえたから。
あなたに出逢えなければ、わたしはずっと規律だけを守って日々をすごして、
他人を枠にはめることが天命だと信じながら、感情のほとんど伴わない、彩のない人生を歩んでいたと思う。

だから、あなたを好きになってよかった。
胸がドキドキして、あなたしか考えられなくなって、明日が待ち遠しくて。
いっぱい苦しい思いもしたしいっぱい泣いたけれど、いつかあなたに恋をしたことを良かったと思える日がきっと来ていたって分かるの。
ホントよ?

でもあなたはわたしに愛することを、そして愛されることすらも教えてくれたんだ。
胸がキューってなって、優しくあなたに包まれて、頭も身体も蕩けちゃいそうで。
そして、幸せにしてくれるって、約束してくれた。

でもね。
わたしはあなたにずっと輝いていてほしいんだ。
あなたは太陽だから。
優しくみんなを照らしてくれる、包んでくれる。
みんな助けられてるの。あなたに。
だけど、わたしは欲張りでわがままだから時々独り占めしたくなっちゃうの。
だからその時だけは、わたしだけを見てくれたら、ね。
それだけで頑張れるんだ。
あなたがいるから、わたしは輝けるんだよ?

わたしはずっと、あなただけを見てるから。

優しい月明かりに照らされた部屋の中で、唯はそっと呟いた。
「結城君・・・大好き―――」



629rmy :sage :2008/05/05(月) 22:47:22 ID:YniUCOZ1(29)
と、こんな感じです
いろいろ削ろうかと思ったんですがなんか納得いかなかったので結局フルバージョンで投下させていただきました
二人はこれから始まるということと、そのうち付き合ってる二人を書きたくなるだろうから、という理由から
fin.やらendやらはつけませんでしたが一応一区切りにします

今まで未熟な自分にお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました
しばらく充電して、またこのスレに貢献できればと思います
ではでは


630名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/05(月) 23:04:28 ID:86ceRnQM
>>629
参考になりますね〜GJ!特に心理的や思考的な台詞がとても好きです。
自分も頑張ります。

あと暇つぶしの絵を褒めてくれてありがとうございます。
檸檬・・・・・・・イメージ的には2,3ありますが、やはり『リトをそのまま女にした』と言う表現が難しい。
あまりボサ髪にすると女っぽくないですし・・・・ボサに対抗してハネ髪とか意中的に春菜ベースな髪とかもおもしろそう。
なんにせよ自分も作品投下できるよう頑張ろう。あと絵も要望があるならもっと練習しよう。

631名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/05(月) 23:38:31 ID:0p8mV0XU
>>629には言いたいことがたくさんある

だがあえて簡潔に一言・・・・GJすぎるw

632名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 00:21:49 ID:8L7C1SkI(3)
>>629
いやもう最高GJベリーナイス本当にもうありがとう!
なんて可愛い唯なんだ、>「んっ・・・くすぐったいよぅ」 
こんなこと言われたら俺はもう!

ふう・・・

凄く良かったですよ。
本当にrmy氏が描くキャラは躍動していてすばらしいと思います。
文章を追っていくと自分も同じように気持ちが昂ぶっていくのは
本当に良い作品じゃないとありえないことだと思いますから。
ここで一区切りついても是非またここで書いてほしいと思います。
特にまだ唯は「結城くん」と言っているので、こういったところが進展していく所も読んでみたいです。

633名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 00:29:52 ID:ZNFAVPgg
文才が欲しい……
作品を書けるようにと贅沢は言わない
せめて他人の作品を読んだ後の感動を余すところなく伝えられるだけの文才が欲しい

>>629
GJ以外に言葉が見つからない
唯がリトを「リト」と呼ぶ日をいつまでも待ってるぜ

634名無しさん@ピンキー :2008/05/06(火) 02:17:01 ID:SAjA29wh(2)
>>629
何て言ったらいいのか分からないけどこのスレの小説で一・二を争う出来です
本当にGOOD JOBです。
それにしてもリト然り、唯然り、そして美柑などの活躍が本当に良かったッス

635名無しさん@ピンキー :2008/05/06(火) 02:19:16 ID:SAjA29wh(2)
そして僕もToLOVEるの小説書いてるんですけど、これを見たら感動と同時に僕の小説がモロ駄文に(泣


636名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 03:22:28 ID:QcN0zMZM
素晴らしすぎます、もはや本にして売り出せるレベルかと、次回作を心待ちにさせてもらいます。

637名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 09:54:47 ID:X7wdw3es
ここって500超えたら書き込めなくなるのですか?

638名無しさん@ピンキー :ID:mpfj41Qj :2008/05/06(火) 11:49:12 ID:MYXA3VoS
>>637
俺もそこんところよくわかんないw

639名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 12:01:57 ID:8L7C1SkI(3)
500kBを超えると書き込み不能になるからそろそろ次スレを建てることを考え始めるタイミング。

640名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 13:15:06 ID:YDj6QkD3
>>629
うまいなあGJ!!
表現の仕方とかすごく勉強というか刺激になる
すごいです

>>600
一応もう完成はしてるので
2〜3日後かに投下します。でも、容量の問題が…

641名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 14:55:13 ID:PT0200AN(2)
>>629
こんなにもドキドキしながら読んだのは久しぶりです
なんて可愛い唯なんだ…GJすぎです

>>640
待ってました!


本当に、唯モノの作品ってレベルの高い作者によるものが多くて嬉しい

逆に言うと、唯モノを書くにあたっては、敷居が高いと感じたりもする

642名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 18:21:54 ID:4FcKQ1fH
>>631
確かにちょっとやそっとのじゃ抵抗あるよな

だから自分はリト×ララやリト×春菜で逃げる

643名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 20:14:45 ID:5P/tW5Sk(2)
下手な文章(ここのレベルが高すぎる)だがエロな要素のない(かも)美柑に走る予定。せめて少ないくらいには頑張ってみたい。

644名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 20:28:41 ID:F7jyRk/K
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1210069900/
作ってみた

645名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 20:42:22 ID:pKFOmMu1
何と檸檬のスレを立てたのか……?

646名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 20:48:18 ID:jQAA4ilT
>>642
ならばここらでリト×春菜をお願いしようか。

647名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 20:48:49 ID:iHSwSV2P
>>642
逃げるとか言わんでくれよ
確かにrmy氏のはめちゃくちゃレベル高いが、ララがフラれる辺りでもうキツ過ぎて見れなくなった
読みたいカップリングはそれぞれ違うんだからさ

648名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 21:34:11 ID:PT0200AN(2)
確かにrmy氏、リト×唯、甘い看病など、文章レベルの高い作品が唯に集中している今、俺みたいな唯スキーにとっては良いだろうけど、ちょっとスレとしてのバランスは悪いような…

649名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 21:47:37 ID:8L7C1SkI(3)
書き手が自重する必要は無いけどね。
どんどんララや春菜といったメイン級を書いてくれる人が増えれば問題ないわけで。

650名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 21:59:39 ID:8ZwsbDqI
リトララは保管庫に大量にあるし今でもちょくちょく見るけど、リト春菜は本気で少ないな
と言いつつ俺もリトララしか書いたことないけど…

651名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 22:09:23 ID:32NwWdvj
リト春菜、か。
一度書いてみたたけど、とらぶるは普段古本屋で立ち読みしてるので
「あれ?口調わかんなくなっちゃった」って時に手元に無くて調べられないと言う、ね……

652名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/06(火) 23:27:04 ID:5P/tW5Sk(2)
>>651
なんか分かる・・・自分は買ってるけど手元にない時が多いから見れる時に口調は確認しながら・・・
口調と性格を考えながら行動を考えて作品つくるって難しいよね・・・リトの場合すぐにはやっちゃわないし・・・

653名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/07(水) 00:08:39 ID:KX0S2KFZ
>>644
それ荒れる原因になるから止めた方が良いよ

654名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/07(水) 07:08:24 ID:z2thqrE1
正直に言おう
春菜はかなり書きにくい
性格の面とか
口調とか
そして、リトとの接点とか

まぁエロまで強引に持っていったら問題ないけどね

655名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/07(水) 13:41:58 ID:fp9F9D0F
俺個人だけど
書きやすい
唯・ララ・御門先生 
書きにくい
美柑 性格とかは大丈夫なんだけど、問題なのは口調と思うんだ
   カタカナ交じりと言うか、美柑独特のセリフ回しというか
   そこを間違ったらなんか違うキャラになるんだよなあ
リト 原作がアレだから、どうしてもSSだとキャラを変えざるおえない
   だけど、原作を崩しすぎるとダメだし、その辺のバランスが難しい 

春菜とルンは書いたことないからわからないけど、難しそうだ

656名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/07(水) 17:37:56 ID:pHB0XkSo
でも最近ララを書こうと思っても、本編の方が大きく動いてるから落ち着くまで書くに書けん
そんなことしてる間に連載終わらなきゃいいが

657名無しさん@ピンキー :2008/05/07(水) 18:49:41 ID:4DwvVC6k
>>644
ハルヒのキョンがTS化でキョン子になっててそれが二次創作で定着してるけどそ
れはハルヒが人気になっているからかな…他にもいろんな作品でTS化ネタは見る
けどキョン子程広まっているのは漏れの知っている限りでは知らないな。まあキ
ョンがいろんな意味でかなり人気あると言うことも理由の一つかもしれないけど

後は知っているとしたらFateの士郎やアーチャー、ギルガメッシュのTS化くらい
…まあ探せばマイナーでSHUFFLE!の土見稟や闘鳩2の河野貴明とか月姫の遠野志
貴と言ったらキリがないけど
ToLOVEるは作品が作品なだけに涼宮ハルヒの憂鬱よりも読む人選ぶし名前は知ら
れていても二次創作としてそれ程広がっているようには漏れから見たらそう思え
ないな。まあリトはこの手の作品の主人公としてはかなり好感を持たれてる方だ
けどTS化してまで広まるかと思ったら難しいと思う。マイナー止まりが関の山か
も知れない。まあTS化したらそれはそれで面白いし漏れも広まってほしい。でも
それよりもまずはToLOVEるがこのスレ以外で普通の二次創作の小説や漫画として
広まってほしいな。まあレモンのスレはやれるだけやってみな


658名無しさん@ピンキー :2008/05/07(水) 19:35:20 ID:g7IxQ2WB
もともとレモンの顔が想像できないってことが少し話題になって
誰か描いてくれwみたいな状態になってただけなんだから
ここで話せばいいんだしスレを立てる意味が分からん
せめてPINKでスレタイから『とらぶる』のキーワード外して立てるべき

職人さんにも失礼

659rmy :sage :2008/05/07(水) 21:44:32 ID:SVyZX0Nt
コメントくれた方本当にありがとうございます
しばらく忙しいのですが、リト唯に関しては二人の歩みを書いていけたらと思ってますし、
他のキャラでも短篇とか書いてみたいですね
月末か来月頭くらいに何か書けたら、と思ってます

ここではいろんなララや春菜、唯がいていいと思うので、
皆さんの作品を楽しみにさせていただきます
ではでは


660名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/08(木) 07:14:47 ID:NHfOh04S
ララのネタはあるけれど、春菜は難しいよな。
相思相愛ではあるけれど、どちらも奥手だから。
そんな私は唯派だったりするのだが(苦笑)


661リトと唯 第五話 小さくたって… :sage :2008/05/08(木) 15:29:24 ID:0JbI4yfp(11)
「やだッ」
「あのなァ唯…」
「やだーッ!」
唯はそう言いながら、腕をブンブン振って自分の気持ちをアピールする
リトは溜め息を吐いた
ルンの持ってきたスカンクの影響で、唯を含め、ララや他の生徒の大半が幼児になってしまったのだ
その上、元に戻るのに一日掛かると言われた
「唯。いい子だからおウチに帰ろ、な?」
リトは小さくなった唯と視線を合わせるため、膝を屈めると、やさしく話しかける
けれど、その口調は完全に子供と話すもの
「やだ」
「頼むよ唯…」
唯はほっぺたを膨らますと、ムッとリトを睨む
「だ、だってこんなカッコ、家族になんて話ちたらいいのよッ!!?」
「そうだよなァ…」
リトは頭を抱えた。家の人に宇宙人の仕業でこうなった!なんて言っても信じてくれるはずがない
途方に暮れるリトの腕の中から、ララが身を乗り出す
「じゃー唯、ウチに来るといいよ!今日はお泊りしよ♪」
リトに抱っこされて、その声はうれしそうに弾んでいる
その光景に唯の肩がぷるぷると震える
「ララさん!ゆーきくんから離れなさい!」
「えー!でも抱っこしてくれたのはリトだよ?」
ララを指差しながら唯は、じっとリトを見つめた。その目はゆらゆらと揺れている
「ホント?」
「か、階段上るの大変そーだったから、見かねてさ」
どこかギコチない笑みを浮かべるリトの態度に唯はキュッと手を握り締める
「うぅ…。唯にもそんなコトちてくれたことないのに……」
「えーっと……。唯?」
リトを睨む唯の目にうるうると涙が溢れ出す
「唯も…唯もちてもらってないのに……あーん、ゆーきくんが唯にイジワルするー!!」
リトは慌ててララを下に下ろすと、急いで唯を抱きしめる
「してない!してない!ッてか、そんな事するワケねーだろ?」
「うぅ…ひっく…」
リトは唯の頭を撫でながら必死に言い聞かせる
「誰もお前の事、イジワルなんてしてないよ!だから泣くなって!な?」
リトを見つめる大きな黒い目からは、大粒の涙がぽろぽろとこぼれ出している
「ひッく…ホン…ト?」
「ああ!ウソなんてつかないよ。オレはいつだって唯の味方だから」
「う…ぅ…信じる…」
唯は小さくコクンとうなずいた
その様子を黙って見ていたララは、リトの横から顔を覗かせる
「唯、今日一緒にお泊りできないの?」
少し、寂しそうなララの顔
唯は言葉に詰まるように目を彷徨わせると、助けを求めるようにリトの制服の袖を握る
リトを見つめる唯の顔は不安でいっぱいだ。リトは、そんな唯の頭に手を置くとやさしく笑いかける
「お前の好きなようにすればいいよ。心配すんなって!オレがちゃんとそばにいてやるから」
唯はリトの腕に自分の小さな腕を絡ませると、ギュッとリトに抱きついた
「ゆーきくんと離れるのイヤなの!だからえっと…唯、ゆーきくんのおウチに行きたい」


662リトと唯 第五話 小さくたって… :sage :2008/05/08(木) 15:31:23 ID:0JbI4yfp(11)
「おかえりーって……え?」
帰ってきたリトを出迎えた美柑は、目の前の状況に口をぽかんとさせる
「た、ただいま」
苦笑いを浮かべるリトの隣には、小さくなったララ、そしてリトに抱っこされた唯
「……どーゆうコト?またララさんの発明?」
一人頭を混乱させている美柑に、とりあえず事の次第を説明するリトだった

「…ふ〜ん。便利ってゆーか、迷惑ってゆーか…」
「あ!美柑も小さくなりたいの?」
明るくとんでもない事を言い出すララに、美柑は慌てて首を横に振る
「こ、これ以上、小さくなるなんてホント勘弁してッ。でも…まー、大きくなるケムリなら考えても…」
どこかまんざらでもない顔でララと話す美柑
その横で、唯は一人ソファーに座りながら、足をプラプラさせている
リトが部屋に戻ってからすでに一時間あまり
唯のほっぺは、すっかり膨れてしまっている
しきりに体をそわそわさせては、時計や部屋の入口を気にする唯
少しすると、ガチャリと扉を開けてリトが入ってくる
「あっ」
と、小さく呟いた唯は、ピョンとソファーから飛び下りた
「ゆーきくん、なにちてたの!?」
「へ?なにって服着替えてたんだよ」
ぶっきらぼうに応えるリトに唯のほっぺはますます膨れる
「遅い!」
「ああ。猿山と電話してたからな」
「うぅ…唯がいるのに…」
リトは唯の話しを遮るように美柑へと話しを向ける
「なあ、今日の夕メシなに?」
「えっと、今日は、唯さんいるから唯さんの好きなのにしようって思ってるんだけど…」
「ふ〜ん」
リトはそう応えると、そのまま台所に向かった
その素っ気ない態度に、唯は目を大きくさせると、うるるると涙を滲ませる
そんな唯とリトを交合に見ながら、美柑は慌ててリトの後を追った
「ちょっとリト!」
「なんだよ?」
美柑はリトの顔をじっと見つめると、溜め息を吐いた
「だから何だよ!?」
「……リトあんた、唯さんのコト心配じゃないの?」
きょとんとするリトに美柑はますます溜め息を深くする
「あんたなんにもわかってないんだ!いい?唯さんは今、体が小さくなって、心も子供に戻ってるんだよ?
不安なの!怖いの!あんたのコト頼ってるの!そのあんたが、唯さんの気持ちに気付かなくてどーするのよ!!?」
かなりご立腹な美柑にリトはなにも言い返せない
リトはそっとリビングを覗き見ると 、ララが一生懸命、唯をあやしていた
「ひっく…ゆーき、くんが…唯のコトぐすん…無視する…ひっく」
「よしよし、そんなコトないよ!リトならすぐ唯のそばに来てくれるよ」
そう言いながら、ララは何度も唯の頭を撫でる
それでもぽろぽろとこぼれる涙は止らない
そんな二人の姿がリトの胸にグサリと刺さる
後ろから聞こえてくる美柑の悪態を聞き流しながら、リトは急いで二人のそばに寄った
「あっリト」
リトはララと入れ替わる様に膝を屈めると、唯と顔を合わせる


663リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:33:05 ID:0JbI4yfp(11)
「ゴメンな唯!オレ、全然お前の気持ちに気付いてやれなくて」
唯はまだ泣いている。いつもの強気な態度が嘘の様に今は弱々しく儚げだ
「オレ、お前の事ちゃんと見てなかったな。ホントにゴメンな唯。これからはずっとお前と一緒にいるから」
「ひっく……ホ、ホント…に?」
その小さな小さな涙声に、リトは唯の頬を両手で包みながら力強く応える
「ホントだよ!ずっとお前といる!!」
「い…いつも?ずっと?ホン…ホント、に?」
リトの目をじっと見つめながら、確かめる様に何度も呟く唯
「いつも一緒にいるよ!だから、泣くのはもうやめような。目が真っ赤になっちゃうぞ」
リトはそう言うと指で唯の涙を拭っていく
「…う…うん」
唯は小さくうなずくと、何か言いたげにリトの目をじっと見つめる
「ん?まだ何かあるのか?」
「…ゆーきくん、女のコをあんまり泣ちたらダメなんだからね!」
「ゴ…ゴメン」
返す言葉のないリトは素直に謝るしかなかった

そして、時刻は7時を廻り、四人は食卓を囲んでいた
今日は唯の好きなメニューという事で、テーブルの上にはご馳走がいっぱいだ
ただし、そのほとんどの料理が子供サイズのミニになっている
「おいしー」
顔をニコニコさせてオムライスを口に運ぶ唯は、幸せそのものだ
そして、その隣にはどこかうんざりしたリト
さっきからしきりに溜め息を吐いてばかりだ
「もー勘弁してくれ…」
「リト。あんたが悪いんだからね!」
自業自得と言わんばかりにフンっと鼻を鳴らす美柑に、リトはますます肩を落とした

あの後、リトは唯から正座させられた上、散々お説教を受けていた
小さくなっても唯は唯だなァと心の中で言いながら、
やっと解放されたリトを待っていたのは美柑からのお願いだった
急に人数が増えたため、冷蔵庫の中身が足りないというのだ
リトは快く返事すると、買い物に行く仕度を始めた
その後をついてくる唯とララ
「ん?すぐ帰ってくるからウチで待ってろよ」
「やだ!ゆーきくんと一緒にいる!」
「私も!」
じっと見上げてくる二人の小さな眼差しに、リトは仕方ないなァと仕度をするように促した
しばらく玄関で待っていると、階段を下りてくる小さな足音にリトとララが振り返る
「お!」
「わ〜」
二人の感嘆の声に恥ずかしそうに体をもじもじさせる唯
「私のちいさい時の服がまだあってよかった」
唯の隣にはどこか自慢気な美柑が立っている
「すご〜い!美柑の服ピッタリだよ唯!」
唯はチラチラとリトを見ては、そわそわと体を揺らしている
その顔はどこかほんのりと赤い
「リト」
美柑のなにか言いたげな視線にリトは慌てて口を開く
「え!ああ…えっと、似合ってるよ唯」
「あ…ありがと」
顔を赤く染めながら、急いでリトの隣を通り抜けると、いそいそとクツを履く唯
「じゃあ、後はよろしくね3人共!特にリト、あんたが一番ちゃーんとしなきゃダメよ!」
「わかってるって!」
それでも心配なのか、腰に手を当てて溜め息を吐く美柑を尻目に3人の準備は整った
「それじゃー、しゅっぱ〜つ!!」
元気に手を上げるララを先頭に、3人の買い物が始まった


664リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:34:45 ID:0JbI4yfp(11)
買い物と言っても、歩いて30分もかからない近所のデパート売り場に行くだけ
リトは左手で唯と、右手でララと手を繋ぎながら、二人が転ばないようゆっくりと歩いていた
夕暮れの中、いつも通い慣れた道が、今日は何だか新鮮で懐かしく感じる
(…そういや昔、こうやって美柑と手を繋いで、買い物行ってたっけなー)
リトの胸には、昔懐かしい思い出が甦っていた
そんなリトの思考を妨げるようにララがリトの手を引っ張る
「ねぇねぇ、リト」
「なんだよ?」
ララは満面の笑みを浮かべながら、リトを見上げている
「私、食べたいモノがあるんだけど……リトいい?」
「まァ、カネ余ったらな」
そんな二人のやりとりに、唯はつい声を大きくさせてしまう
「ちょっとララさん!ゆーきくんに迷惑かけちゃダメでしょ」
「む〜でもリトがいいって…」
「ゆーきくんがそーゆっても迷惑かけちゃダメなのっ」
ララはリトに助けてもらおうと、その手をブンブン振る
「リトいいよね?ね?」
「ちょ…痛い!痛いって!わかった!わかったからやめろって!!」
その甘さというか、やさしさに、唯は頬をムッと膨らませた
「唯、お前も食べたい物とかあったら言っていいぞ。好きだろ?ケーキとか甘いもの」
「え?」
キョトンとする唯に、リトは屈託ない笑顔を見せる
「ゆ…唯は…」
(あれ?前にもこんなコトあったような…)
いつもとは違う風景が、いつも以上に離れた身長が、いつもより大きいリトの手が、
唯にある人を、幼い頃の思い出を思い起こさせる
『はぁ?またケーキかよ!お前好きだなー。そーゆう甘いやつ』
そんな風に文句を言いながら、いつも一番大きいイチゴの乗ったケーキを譲ってくれた
お兄ちゃん――――
唯はリトの手をキュッと強く握り締めた
「ん?何だよ?」
「な、なんでもないの!」
唯はそう言うと、そのまま黙って下を向いてしまう
(唯のヤツどーしたんだ?)
リトの疑問をよそに3人は目的の場所に到着した

デパートの中は、夕方の買い物客で溢れかえっていた
「ゆーきくん、ララさん、はぐれたりちたらダメだからね!
もしはぐれたら、ちゃんと店員さんにゆわないとダメだからね!」
「は〜い」
(なんか、遠足に来た先生と生徒みたいだな)
元気に手を上げて応えるララと、一人うんうんと頷く唯の姿にそう感じるリト
三人は買い物カゴを手に、美柑から渡されたメモを見ながら店内を回って行く
早速、お菓子コーナーに走って行こうとするララ
リトの手伝いをしようと野菜に手を伸ばすも、小さくなっているため手が届かない唯
一生懸命背伸びをするも、バランスを崩して尻餅を付いてしまう
とたんに涙ぐむ唯を必死にあやすリト
溢れかえる人の波の中、3人は順調に買い物を進めていた。ここまでは────
「じゃ、次は…」
「あ!私、コレ取ってくる」
そう言うと一人走り出すララ
「おいララ!?…ったくあいつは…。唯、オレあいつ連れてくるからココにいろよ?」
「え…うん……」
お菓子の箱を手に聞いているのかいないのか曖昧な返事をする唯
どうやら、どれを選ぶか真剣に悩んでいる様だ
そんな唯を残してリトはララ追いかけて行った


665リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:36:14 ID:0JbI4yfp(11)
お菓子コーナーの棚を前に、どれにしようか悩み続ける事、数分
「あ…れ…?」
気がつくといつの間にか二人の姿がない事に気付く唯
「ゆーきくん?ララさん?」
周りを見渡しても二人の姿はない
「もー、はぐれたらダメってゆったのに!まったく!どーちて唯のゆーこと聞けないのっ」
唯は一人怒り出すと、二人を探すため店内を歩き始める
けれど、しばらく歩いても二人は見つからない。
どころか、思った以上に広い店内に、唯自身自分がどこにいるのかわからなくなってきていた
「あれ…?」
気持ちは次第に焦り始める
小さくなっているため、いつも以上に広く感じる店内。見渡せば知らない大人達ばかり
唯は、いつの間にか走り出していた
「ララさん、ゆーきくんどこ?ゆーきくん…ララさん…」
立ち止まってはキョロキョロと頭を巡らせ、めいっぱい背伸びをしては周りを見ることの繰り返し
じっとしてなんていられなかった
寂しさと不安で押しつぶされそうな気持ちをなんとか奮い立たせていたのは、一つの約束
「ゆーきくんがいつも一緒にいてくれるって…」
唯は心の中で何度も二人の名前を呼び続ける
二人に会いたい。ゆーきくんに会いたいゆーきくんに――――

『これからはずっとお前と一緒にいるから』
家でそう言って頭を撫でてくれた
『ホントだよ!ずっとお前といる!!』
何度も確かめたら、何度もそう言って応えてくれた
『いつも一緒にいるよ!』
そう言って約束してくれた

「ゆーきくん…ふぇ…ひっく、どこぉ…?唯を一人にちないで…ゆーきくん」
走り続けて痛くなった足は自然と止まってしまう
「ひっく…ゆーきくん……ゆーき、くん……」
一度こぼれた涙は止めることはできない
孤独と寂しさが唯の心を塗りつぶしていった
――約束したのに――
「ゆーきくんが…いない…見つからないの…」
――私を一人にしないって約束したのに――
「ゆーき、くんがひっく…唯を一人にする…ゆーきくんが唯を…」
――約束。結城くんが約束してくれたから私は――
「一緒に、いりゅってゆったのに……あーん!!!」
声を上げて泣き出す唯に周囲の客達も反応しだす
けれど、今の唯にそんなコトを気にしていられる余裕はなかった
「わーん、ゆーきくん、ゆーきくんどこーーっ!!」
その時、パニックになった唯の胸に、小さい頃の思い出が過ぎる
そう小さい頃、こんな風に迷子になった時は絶対に―――――

『ったく、ホントにお前は泣き虫だな!』『いつまで泣いてんだよ?唯』
『ほら、ぐずぐずしてたら置いてくぞ!』『オレのそばから離れんなよ!』
『もう大丈夫だぞ唯。オレがついてるだろ?』

「あ…ぅ…お…にいちゃん…ぐす、ゆーきく…ひっくおにいちゃん…」
ぐちゃぐちゃになった気持ちは、リトと遊の姿を重ね合わせていく
一緒にいたのがリトなのか、遊なのか、唯はわからなくなっていた
「おにいちゃんどこぉ…唯、一人にちたらやだァ…」
そんな唯の顔に影が掛かる
「何してんの?」
「ひっぐ…へ?」


666リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:37:10 ID:0JbI4yfp(11)
「ララ、そっちいたか?」
「ううん。リトは?」
リトは首を横に振ると、走ってきたララと合流する
「唯…どこにいったのかな?」
「ったく……はぐれちゃダメって言ったのお前だろ」
リトはもう一度手分けして探すようにララに伝えると、再び走り出した
「唯…どこにいるんだよ……」

スラリと背の高いその面影に唯は見覚えがあった。家で毎日見ている顔だ
「ひっく…ぐす…お、おにい…ちゃん……?」
小さな声でそう呟く唯。その視線に合わせるように、遊は膝を屈める
「こんなとこで、子供が一人で何やってんの?」
「え…ぁ…え…っと…」
(ど、どーちよう……おにいちゃんだ…。こんな姿なんて説明ちたら…)
目に涙をいっぱい溜めながら、おろおろする唯を不思議そうに見つめる遊
「なんだよ…。別にオレ、キミの事イジメてるつもりじゃないんだけどな」
少し困ったように笑う遊に、唯はますますどうしていいのかわからなくなってしまう
(ど、どーちよう……どーちたら……うぅ…)

「クソ!何やってんだよオレ…」
家を出るとき美柑から言われた言葉が、頭を過ぎる
『特にリト、あんたが一番ちゃーんとしなきゃダメよ!』
わかってる、わかってたはずなのに――――
ずっと一緒にいるって約束したのに――――
「もし…もしあいつに何かあったらオレ…」
不安と後悔の中、エスカレーターを降りたその時、リトの目にある光景が飛び込んでくる

「まーとりあえず、お母さん探しに行くか」
遊は立ち上げると、唯の頭に手を置こうとした
その時――――
「やめろ!!!そのコから離れろっ!!」
「え?」
「あぁー?」
リトは全力で走ってくると、二人の間に割り込む
「大丈夫か?」
「え…う、うん」
唯を後ろに庇いながら、キッと遊を睨みつける
(って、でけー……。おまけに強そうだし…)
(…こいつ確か唯の…)
リトはギュッと手を握り締めると、後ろ手で唯の頭を撫でた
大丈夫だよ。心配するなと言うように
リトの手は震えていた。震える足でそれでも自分を守ろうとするその顔を、唯はじっと見上げた
「このコに何の用だよ?」
「別に」
二人の様子にニヤニヤと笑みを浮かべる遊は、どこか楽しそうだ
「別にって…さっき何かしようとしてたじゃねーか!」
「ち、違うの!そーじゃないの!唯のお話ち聞いて」
「え?」
ズボンを引っ張りながら小さな声で話す唯にリトは振り返った
「違うって何が?」
「だから、違うの!そのひとは、唯のコト助けてくれようとちてたの…」
「え…」


667リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:38:02 ID:0JbI4yfp(11)
唯から事情を聞いたリトは、びっくりして慌てて遊に謝った
申し訳なさそうにペコリと頭を下げるリト
遊はリトに近づくとニッと口元に笑みを浮かべる
「いいって!それよりお前、結城リトだろ?」
「え…?」
初対面の人にいきなり名前を呼ばれ訳がわからないリト
そんなリトの頭から爪先まで遊はジロジロと見る
遊がリトを見たのは一度だけ。唯の手を引いて街中を走って逃げている時だ
(ふ〜ん…。あの時は、チラっとしか顔見てねーけど、こいつが唯が毎日言ってる…)
一人ニヤニヤしている兄の顔を、唯はリトの影に隠れながら心配そうに見ていた
(…おにいちゃん、ヘンなコトゆったらダメだからね…)
「あ、あのオレとどこかで…」
遊に事情を聞こうとした時、店の反対側から元気な声が響いてくる
「リト〜、唯見つか…」
慌てて走ってきたララは、状況がわからず目をぱちぱちさせる
「どーしたの?」
「えーっと…何て言えばいいか…」
説明に困るリトの傍らを抜けて、遊はララの前に屈みこむ
「あ!初めまして♪リトの友達の人」
「おう」
にっこりと微笑むララに、愛想よく笑いかける遊
「すげーカワイイ子じゃん!お前の妹か?」
突然話しをフられたリトは説明に困ってしまい
その間にララの自己紹介が始まってしまう
「私、ララ=サタリン=デビルークって言うの!お兄さんは?」
「ララ…サタリン何だって?って外人か!?この子?」
ララの素性に怪訝な顔をする遊に、リトは慌ててフォローをいれる
「え、えっとこ、このコは外国のコで、今ウチにホームステイに来てるってゆーか…」
「ふ〜ん…」
遊はそれだけ言うと、ララの頭に手を置いてよしよしと撫でる
「オレの妹もこれだけ素直で明るいヤツだったら可愛かったのになァ
どこを間違えたら、あんなカタイだけのうるさいヤツになっちまうのか…」
本気でうんざりした口調で話す遊に、唯は顔をムッとさせる
「まー、ララちゃんの可愛さには誰も敵わないだろうけどなァ」
「エヘヘ」
くすぐったそうに笑うララと笑みを交わす遊
その時、遊の傍らに派手目の服を着た女が現れる
「どーしたの?ゆうちゃん」
「ん?何でもねーよ」
遊はもう一度ララの頭を撫でると、立ち上がる
「じゃ、またな。結城くんとララちゃんとそれから…」
遊の視線から逃げるようにリトの後ろに隠れる唯
その仕草に遊はクスっと笑う
(うぅ…おにいちゃん早くいってよ)
遊はリトと唯に意味深な視線を向けると、彼女を連れて立ち去った
「何だったんだ?あの人…」
リトの隣では、元気にバイバイと手を振るララと、心から安堵の溜め息を吐く唯
「ゆうちゃん、さっきの子達なんなの?知ってるの?」
「ん?まーちょっとな…」
そう呟くと遊は後ろを振り返った
後ろでは早速、中々こなかったリトに怒る唯とそれにうなだれるリトの姿
「…ったく、なんでそーなってんのか知らねーけど、ちゃんと守ってもらってるじゃん!唯のヤツ」
そんな二人の様子に遊はクスっと笑った


668リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:39:00 ID:0JbI4yfp(11)
あの後、唯から散々怒られたリトは、ご機嫌取りの意味も込めて、唯の食べたい物や欲しい物を見て回っていた
その中に、いつの間にかララの分も含まれている事に、リトは悲しい溜め息を吐く
「ねェ、唯」
「ん?」
アイスクリームを食べながら唯が振り返る
「さっきのコトまだ怒ってるの?」
「え…べ、別に…」
唯は前を歩くリトの背中にチラリと視線をやる
正直、リトへは怒りよりも、ごめんなさいの気持ちの方が大きい
だって、あんなにはっきり注意してって言ったのは自分だし、それにはぐれたのは自分のせいだし
(来るの遅かったけど…)
先頭を歩くリトは、心なしかしょんぼりとしている
そんなリトの姿に、唯の小さな胸の中は、ぐるぐると回っていた
少しリトにきつく言いすぎてしまった事
はぐれた時、リトではなく遊の事を考えてしまった事への負い目
唯の中の遊の存在は大きい。それは小さい頃からの影響が濃かった
小さい時、いつも一緒にいて守ってくれてたのは遊
いつも文句を言っていたけれど、最後は自分のそばにいてくれて、そしていつも味方になってくれて
(おにいちゃんは大切だけど…)
だけど、唯の中のリトの存在はそれ以上だ
(…唯、ホントはゆーきくんに来てほちかったのになァ)
唯は足を速めると、リトの隣に並ぶ
「ん?何だよ?他に欲しい物とか…」
アイスクリームを舐めながら、黙ってリトの手を握る唯
「どしたんだ?」
「…別に」
ぼそっと話す唯は、ツンとリトから顔を背ける
けれど、リトの手を握りしめるその手は離さない
「まだ怒ってんのか?」
「……」
唯は少しん〜っと難しい顔をすると、リトにアイスクリームをすっと差し出した
「は、半分ずつ」
「え?」
「ゆーきくんと半分こ。い、一緒に食べたい…から」
不安そうに、心配そうに、リトを見つめるその目は泳いでいる
「…じゃ、半分こな」
リトはクスっと笑うと、アイスクリームを一口舐めた
「お!うまいじゃん!ココのアイス」
「うん」
リトの反応に唯に笑顔がこぼれる
「ゴメンな唯」
「…も、もういいの!許ちてあげる」
唯はリトから顔をふいっと背けるとアイスクリームを一口舐める
「そのかわり…」
「そのかわり?」
「ゆ、唯のコトもう離ちたらダメだからね!ゼッタイ、ゼッタイ、離ちたらダメだからね!!」
リトへの想いの強さを表すように、その手に力をこめる唯
「も、もち離ちちゃったらその時は、ゆーきくんが一番に唯のところに来なきゃダメだからね!」
「唯…」
「ゼッタイダメなんだから…。だってだって唯は、ゆーきくんの彼女なんだから」
ほっぺをサクラ色に染めて、少し誇らしげにそう呟く唯
リトは返事の意味を込めて唯の頭を撫でようとした時、二人から離れていたララが戻って来た
その両手に抱えきれないほどのお菓子やケーキを持って
「お前…それ……」
「えへへ、向こうにあったの!おいしそーでしょ♪」
笑顔でそう話すララに、リトの目は点になる
「あ…おいちそう」
隣で同じように顔をほころばせる唯の様子に、溜め息を吐きながら全部買う覚悟を決めるリトだった


669リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:41:51 ID:0JbI4yfp(11)
そして時間は戻り、夕食後
「食べ切れなかった物はみんなウチに持って帰ったらいいからね」
「ありがとー」
お菓子や、ケーキをタッパに入れる美柑の横で、唯は顔をほころばせている
唯がケーキや甘い物に目がない事は、付き合う前からわかっていたとは言え
今日、スッカラカンになった財布を手に、改めてその事実が身に染みたリトだった
(普段は全然食わねークセして、なんでケーキとかはあんなに食うんだよ…)
女の子の不思議に一人心の中で愚痴っているリトを、後ろからララが抱きしめる
「リト、今日は一緒におフロ入ろ♪」
とたんに唯の顔つきが変わる
「ちょ、ちょっと待て!何言ってたんだお前…」
「ゆーきくん、どーゆうコト?」
いつの間にかリトのそばに来ている唯の目はすでに険しい
「こ、これは…」
「ゆーきくん、唯のいないところでララさんとおフロに入ってるの?」
「違…そんなワケねーだろ!今日はララのヤツが…」
慌てて言い訳を始めるリトの様子に、美柑は仕方ないと言った顔でフォローを入れる
「リトはいつも、ちゃーんと一人でおフロに入ってるから心配しないで!唯さん」
それでも唯の気持ちは治まらない
「信じろって!って、お前もなんか言えよ!ララ」
「む〜…今日は小さくなったから入れると思ったのになー…」
残念そうに呟くララにリトは勘弁してくれと肩を落とした
「まーまー、で、今日のおフロどーするの?」
「え…」
「まさかこんな小さい子を一人で入れるワケないよねェ……リト?」
意味深な視線を投げかける美柑に、リトは唯を見つめた
「えっと……一緒に入る?」
「へ…」
リトを見上げたまま固まる唯
(ゆ、ゆーきくんとおフロに入る…)
体を密着させたり、泡だらけになって洗いっこしたり
唯の頭の中に、よからぬ妄想が飛び交う
「唯さん、リトに体とか洗ってもらうといいよ」
「ねェ、美柑もリトとおフロに入ってたの?」
思ってもいなかったララの言葉に、今度は美柑が石の様に固まる
「昔な。あ〜…そーいや、最後にこいつとフロ入ったのっていつだったけっなァ」
遠い目で思い出そうとするリトの口を、美柑は慌てて塞ごうとする
「ちょ…ちょっとリト!?」
「……確か小4の冬だっけ?怖いテレビ見たから一人で入れない〜とか言って」
「リトッ!!!?」
へ〜♪っと顔を輝かせるララに、勝手な事を言い出すリトに怒る美柑
そんな3人の様子を唯はぼーっと見ていた
(美柑さんが、ゆーきくんとおフロに入ってたのは4年生の時…。唯は…)
小さい時はよく遊とお風呂に入っていた唯
その時はよく頭を洗ってくれたり、おフロに入りながら遊んでくれたりしてたっけ
唯も遠い昔を思い出していた
チラリとリトの顔を見る
(唯の髪、ゆーきくんあらってくれるかな?唯、ゆーきくんに…)
リトに褒められた自慢の髪
(いっしょに入るのはハレンチなコトだけど…)
だけどリトを想う気持ちが上回る
(やっぱり唯、ゆーきくんとおフロ入りたい)
唯はリトの隣にぴったりとくっ付いた
「ん?何だよ?」
「……」



670リトと唯 第五話 小さくたって… 前編 :sage :2008/05/08(木) 15:44:20 ID:0JbI4yfp(11)
赤くなっている顔を見られないように、リトと目を合わせない唯
そんな唯の頭にリトはポンと手を置いた
「一緒にフロ入る?」
「へっ」
思わずリトの顔をまじまじと見つめる唯
その様子にリトはクスクス笑った
(あの時のアイツとおんなじだな)
怖いとも一緒に入ってとも言わず、ただずっと自分の手を握り締めていた小さな妹の手
「一緒にはいろっか?」
「う…うん。で、でも今日だけ、今日だけとくべちゅだからね!」
リトは笑いながら唯の髪をくしゃくしゃと撫でた
結局、唯とリト、ララと美柑が一緒に入る事に決まったのだが――――
(さ、さっきはあんなコトゆったけど…)
脱衣所でボタンを外しながら、唯はいろいろ考えていた
(ゆーきくんとおフロ…ゆーきくんとおフロ…)
考えれば考えるほど、顔がぽわぁ〜っと熱くなる
(やっぱり恥ずかちい…)
服を脱ぐ手を止めると、隣にいるリトをじっと睨む唯
「な、何?」
じーっと見つめるその視線だけで、何が言いたいのか痛いほどわかってしまう
「…ゆーきくん、唯の裸見たらダメだからね!ちゃんとわかってるの!?」
「わ、わかってるって!」
それでもむぅ〜っと睨む唯にリトは気のない笑みを浮かべるしかない
「…さきに唯が入るから、ゆーきくんは、唯がいいってゆーまで入っちゃダメだからね!」
「はいはい。わかったわかった」
唯は服を脱ぐとタオルで体を隠しながら風呂場に入っていった
中に入る時、後ろを振り返り、釘を刺す様にリトを睨む唯
「一緒に入りたいとか、見ちゃダメとか…ったく、オレにどーしろっつーんだよ」
くもりガラスの向こうに見える小さな体にリトは溜め息を吐くしかなかった
それからすこしして
「ゆーきくん入ってきて」
(自分のウチのフロなのに何やってんだオレ…)
心の中で愚痴りながらも遠慮がちに中に入るリト
唯は湯舟の中でリトに背中を向けながら待っている
「熱くないか?」
「す、少ちだけ…」
お湯のせいか唯の頬はほんのりと赤くなっている
「オレも一緒に入っていい?」
唯は何も言わずコクンと首を振る
リトが湯舟の中に入ってくるのを感じると、ますます隅に行き体を隠す唯
「別にそんなに隠れる事ないだろ?」
「な、なにゆってるの!?こんなのホントはハレンチなコトなんだからね!」
「オレとフロ入るのそんなに嫌?」
「そ、そんなコト…」
唯は目を彷徨わせると、ゆっくりとリトに体を向ける
「ホ、ホントはこんなコトちないんだから!きょ、今日はとくべちゅなだけだからね!」
「わかってるよ!けど、たまにはこーやって一緒にフロ入るのもいいだろ?」
「…うぅ…と、ときどきだったら許ちてあげる」
赤くなった顔を隠すように俯きながらぼそぼそ話す唯
そんな唯の仕草にリトはクスクスと笑う
「どーちて笑うの?」
「ゴメンゴメン。お前が可愛くてさ」
その言葉に唯の顔はリンゴの様に赤くなる
「カ…カ…カワ……」
唯は突然その場で立ち上げると、逃げるように浴槽から出ようとする




671名無しさん@ピンキー :sage :2008/05/08(木) 15:51:42 ID:0JbI4yfp(11)
容量がいっぱいなので次スレ立てました
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210229426/l50

672名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:20:18 ID:91V11rWv(10)


673名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:27:35 ID:91V11rWv(10)


674名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:27:58 ID:91V11rWv(10)


675名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:28:19 ID:91V11rWv(10)


676名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:28:52 ID:91V11rWv(10)


677名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:29:15 ID:91V11rWv(10)


678名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:32:38 ID:91V11rWv(10)


679名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:33:29 ID:91V11rWv(10)


680名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:33:53 ID:91V11rWv(10)


681名無しさん@ピンキー :2008/05/08(木) 20:34:49 ID:91V11rWv(10)


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2008/10/14 16:43:47 まで書き込み有効中