○月×△日 今日も、幻想郷を飛び回る。しかし、ネタが無い。かれこれ2週間程探しているが全く見つからない。呆れる程の 平和にフラストレーションが募る。道中、変な棒を持って地面を探ってるネズミを見付けた。無視して帰ろうかとも思ったが手ぶらで帰るのも癪だし、もしやするとネタになるかも知れないので話し掛けてみる。しかし、今取り込み中だから後にしてくれ、と邪険に扱われた。 薄汚いネズミ風情がッ・・・!全身の血液が沸騰するのを感じた私は、地面を探ろうと中腰になったネズミの左側頭部に渾身の蹴りを見舞った。 瞬間、ネズミの身体は弾丸となり、立木に打ち付けられる。ネズミは、大量の血液を口や鼻から出血し、揉んどり打っている。しかしまだ、私の沸騰した 怒りは収まらない。続いて、蹲るネズミの腹や頭をこれまた渾身の力を込めて蹴り付ける。天狗は一走りで木々を薙ぎ倒す。 その速さを産み出す脚を使った蹴りは岩石すら粉々に打ち砕く。ネズミの骨が砕ける音が響く。心地いい。段々と落ち着きを取り戻した 私は、最後に何か言おうと動いた口に下駄の歯を思い切り叩き込んだ。ネズミの癖に蟇の様な断末魔を 挙げて失神した。足を上げると、ネズミは白目を剥き鼻水やら血液やらで化け物の様だった。ほとんど欠けた歯が、更に凄惨さを際立たせる。 「これじゃあ、お嫁に行けないわね」などと、無責任な台詞を呟く。記事に載せようかとも思ったが、流石にその手の趣味でも無い限り吐き気を 催す記事になる事は間違いないので、私はネズミを放置して飛び去った。