いぢめスレ提供 注 ・グロ、バイオレンスはないです ・大部分のキャラが壊れぎみです。というかカオスです ・鬱になる展開ではありません 神社での宴会の席 霊夢「2人とも何やってるの?」 呆れた顔の霊夢の呼びかける先には 永遠亭の主:蓬莱山輝夜と 白玉楼の主:西行寺幽々子が お互いに『変な顔』をして睨み合っていた 霊夢「にらめっこ?」 幽々子「違うわ。どちらが『ラスボスとしてカリスマが無いか』を競っていたの」 輝夜「今の時代、カリスマが無いほうが色々とおいしいのよ!ウケるのよ!人気が出るのよ!」 そう言って2人は変な顔をして睨み合った 幽々子は死人のような(というか死人だが)将来に夢も希望も感じない、ものすごくやる気の無い顔をする 後ろでは妖夢が号泣しながら、辞世の句を読み、自らの腹に刀を突きつけている、だが刺してはいない まだこの世に未練があるのか、その手はカタカタ震えている その後ろでウドンゲが何とかして妖夢を止めようとあたふたしている ウドンゲ「やめて下さい!戦場で自殺した場合、その上官が軍法会議にかけられて、執拗に尋問を尋問を・・・      ・・・・・・・違う!!彼の自殺は私のせいじゃない!!何でみんな私を疑うの!?私の目のせいじゃない!!」 頭を抱え絶叫する元軍人 どうやら開いてはいけない思い出の扉が開いてしまったようだ 対する輝夜はものすごい間抜け面を披露。自宅警備員の底力を如何なく発揮している 後ろでは永琳が真剣な面持ちで蓬莱の薬を無効化させるための化学式を地面に書き始めている そして妹紅が腹を抱えて爆笑している その妹紅を慧音が「止さないか」と咎め体を押さえつる、妹紅を押さえているその手つきは、どこかいやらしい そんなことはお構い無しに、しばらく睨み合う2人 幽々子・輝夜「「このままでは埒があかないわ。霊夢!あなたが決めて!博麗の巫女として公平にね!」」 霊夢「えっ!何で、私が?」 幽々子・輝夜「「いいから!!早く!!」」 2人に急かされ、2人の顔を見比べる霊夢 慎重にどちらが『カリスマの無いラスボス』かを判断する そして 霊夢「うーん・・・すごく迷うわ・・・・どちらも甲乙着け難い・・・・・・・・・・・・・でも僅差でレミリアの勝利ね・・・・・」 突然、自分の名が挙がり 「ブフーーーーー」とさっきまで口に含んでいたものを盛大に噴き出す 噴き出したものは全て目の前にいた咲夜の顔に命中した レミリア「ちょっ!?なんで私?そもそも参加してない!参加してないわよ霊夢!!私はそんな顔、生まれてこのかた一度もしてない!      それとも私の顔はシラフでもカリスマが無いってこと!?もういい加減その二次設定は忘れましょう!!お互いのためにも!」 後半レミリアはわけのわからないことを口走っているが、それはその場にいる全員が華麗にスルーした しかし幻想郷にKYという言葉がやってくるのも時間の問題らしい そのレミリアの後ろで フランは姉を指差してケタケタと笑い 美鈴は顔を背け、プルプルと肩を震わせ笑うのをこらえ パチュリーは顔を本で隠しているが、本が激しく上下しており明らかに笑っているのがわかる。そしてすぐむせる・・・ 小悪魔は咳き込むパチュリーの背中をさすり、パチュリーの背中に回ることで笑っているのを隠す。隠しているが頭の羽がパタパタと空を飛ぶ勢いで羽ばたいているのが見える。 咲夜だけは例外で、周りなど気にせずに自分の顔にかけられたものを恍惚の表情で、指ですくって舐め取っていた 幽々子と輝夜はものすごく残念そうにがっくりと、うな垂れる 妖夢は緊張の糸が解けて失神、口から半霊とは別のもう一個の半霊が出てきている 狂気の目を持つウドンゲにはそれがはっきり見え、あいかわらずあたふたしている 永琳はほっとして出来上がった薬を賽銭箱に投げ込んで主人殺害の証拠を隠滅した 妹紅と慧音はいつの間にかその場から居なくなっており、神社の後ろからcave!!という声を聞いたものが何人かいた その全ての光景を目の当たりにしてメモを取りながら、カメラのシャッターを押す文 文「犬パシリさん、この写真の現像とメモの印刷をよろしくお願いします」 椛「(いぬぱしり?)合点です、文さん」 そういってカメラとメモを受け取り、山のほうに飛んでいく椛 そして地面すれすれまで顔を近づけ飛んでいく椛の袴の中を覗き込もうとする文 文「shit! 今日も見えませんでしたか・・・・・・」 最後にそうくやしそうに呟いた それで宴会はお開きとなった その日レミリアは久しぶりに素で泣いた 帰り道、紅魔館の面々に慰められながら帰宅した 次の日の夜 フランのいる地下室にだれかがやってきた レミリアである 「フラン・・・・・・・となりいいかしら?」 全く生気の無い疲れ果てた声でレミリアが話しかける 「へっ?あ、はいどうぞどうぞ・・・・」 そう言ってとなりに姉を導く 地下室の壁にもたれて体操座りをする2人 レミリアがフランに寄りかかる 「うわっ!ちょっと!お姉様お酒臭い!」 姉からものすごいアルコールのにおいがする 「飲まなきゃ、やってられないわよ!」 レミリアが今日あったことを話し始めた 朝、あまりの悔しさに一睡もできず夜が明けた ベットから出て、廊下を歩いていると広間から声が聞こえた、広間に向かってみると咲夜とメイド全員が集まっていた 全メイドに向かって咲夜が号令をかける 咲夜「いいわね!もし外の連中に『お前の主人カリスマ無いなー』って言われたら!!」   メイド一同「「カリスマって何ですか!!」」「「カリスマってなんですか!!」」 その返事に咲夜が満足げに頷く 咲夜「お嬢様がカリスマの無さで落ち込んでいたら!!」   メイド一同「「お嬢様が好きです!!でもカリスマの無いお嬢様のほうがもっと好きです!!」」        「「お嬢様が好きです!!でもカリスマの無いお嬢様のほうがもっと好きです!!」」 咲夜「いいわね!『カリスマは都市伝説』。これを頭に刻み込みなさい!!」   メイド一同「「はい!!」」 咲夜「では解散、みんな持ち場に戻って」 その一言でなぞの集会は終了した その時レミリアは耳を塞いで広間の隅でガタガタ震えていた 気付く者は誰一人いなかった 気を取り直して部屋に戻る 自分の机の上に手紙が置いてある、美鈴からである 門番を辞めるのでは、と一瞬嫌なことが頭をよぎった 恐る恐る文面を読み上げる 『お嬢様のために幻想郷のカリスマ度を集めてきます。 美鈴』 読み上げてその意味不明な内容に取り乱す 「『カリスマ度』って何!?なんか『春度』っぽい表現だけれど集められるものなの!?次回作はカリスマを集めるゲームなの!?」 一人でわめくその姿にカリスマなど微塵も感じられない レミリアは冥界、白玉楼に行ってみた 幽々子には妬まれ、その従者の妖夢には手を握られて感謝された 永遠亭も同様の扱いを受けた 慧音のところに昨日の宴会を無かったことにしてくれ、と頼みに行った 「昨日を無かったことにするなんて、とんでもない」そう言われ断られた 慧音の後ろでは、裸姿で布団の中で眠っている妹紅がいた 道を歩いていると天狗の新聞が落ちていた 拾って目を通すと内容は案の定、昨日の宴会の自分のことだった 新聞の隅に第3版と記載されており、大人気増版中らしい おそらく幻想郷中にこの記事が出回っているのだろう ショックを受け帰路につく 会うもの全てに昨日のことを尋ねられた いっそのこと日傘を放り投げて、灰にでもなりたい気分だった そう考えた時、突然声を掛けられる 「誰かと思えば、吸血鬼の姉のほうじゃないか」 振り向くと伊吹萃香がいた。その手には新聞が握られている それを見て不機嫌になるレミリア 「なに?あなたも私を馬鹿にしに来たの?」 「違う違う、そう邪見するな。お前の力になりたくて来たんだ」 「私の力に?」 「そうだ、私の力でカリスマを集めてやる」 突然の申し出にレミリアは歓喜する 「それはすごくありがたいわ。でも、なぜあなたが協力してくれるの?」 「同じ鬼という名前を持つもの同士ほってけなかったのさ、それに私もラスボスだからね」 そう言って萃香がカリスマを集め始める 「幻想郷のみんな、オラに少しだけカリスマを分けてくれ!!」 「えっ!スペルカード使わないの!?」 「集まったぞ」 「早っ!」 萃香の手には『黒いうねうねした物体』がある 「なによコレ?・・・・・・・・・」 「こんな大きな『カリスマ』生まれて初めて見る・・・・・・」 唾をゴクリと飲み込み、ものすごく緊張した面持ちで萃香は告げる 「これが『カリスマ』!?おかしくない!!絶対おかしいよ!!美鈴こんなの集める旅に出たの!」 「おそらく昨日、亡霊嬢やニート姫がカリスマを多く手放したからこんなに集まったんだろう・・・・・」 「体から発生するものなの!?」 「飼育することもできるぞ、3日に1回少量の砂糖水を与えれば段々と大きくなる」 「ワケがわからない!」 「とりあえず受け取れ。これを取り入れればお前はカリスマを持ったあの輝かしい日々に戻れる」 「・・・・・・・・本当なのね・・・・・」 神妙な面持ちで受け取ろうとする 「気を付けろ、乱暴に持つと噛むぞ」 「噛むのコイツ!?」 ついに『カリスマ』がレミリアの手に渡される だが、『カリスマ』はレミリアに触れた瞬間 霧散して幻想郷中に散ってしまった 「この不適合者が!!カリスマに拒絶されるとは何事だ!!」 萃香がレミリアを怒鳴りつけた 今日あったことを全て話終えるレミリア その後、霊夢、魔理沙、パチュリー、小悪魔にも散々弄られたらしい 「みんなして何なのよ一体!私のどこが悪いのよ!」 悪酔いしたレミリアがフランに絡む (ウゼーこいつ・・・・) フランは駅のホームで見知らぬ中年サラリーマンの酔っ払いに絡まれた時と同じ気持ちになっていた 「うっっ・・・・・・ううう・・・・・・」 レミリアは今日あったことを全て思い出したため泣き出した 「お姉様、泣かないで!すぐみんな気にしなくなるから。ね!ね!」 「気にする気にしないの問題じゃないの!カリスマが無いことが嫌なの!」 「お姉様・・・カリスマだけが全てじゃないから・・・・」 「もういっそのこと、あなたがラスボスやればいいじゃない!私はエクストラでいいわよ。何で出番は私のほうが多いのにあなたのほうが最近人気があるのよ!?」 「そんなことないよ!お姉様は人気があるから出番が多いんだよ」 フランはその場に流れとはいえ昨日姉を笑ったことを後悔し、反省した 一方 自分より不幸な境遇の妹に慰められている自分がひどく情けなく思えていた 自分は妹よりも遥かに恵まれているはずなのに・・・・・ 「もうあなたがお姉さんでいいじゃない。私これから妹でいいわ。一生ここに引きこもる・・・・・」 もうヤケになっていた その言葉を聞いてしばらく思案するフラン 「いいよ、今だけ私がお姉さんになってあげる」 「えっ?それって・・・・」 適当に言ったことをOKされて驚く 「お姉様は、私の妹。私が紅魔館の主人。だから今だけは紅魔館の執務とかカリスマとかは全然気にしなくてもいいの」 レミリアが当主として様々なものを抱えこんでいるのはフランもそれなりに理解している フランの言った言葉はただの気休めだが、姉の気持ちを軽くするのには十分だった 現状は何一つ変わってないのに、レミリアの肩がふっと軽くなり、気持ちも不思議と安定した トロンとした目でフランに身を預ける 「わかった、今だけそうする。・・・・・・・・お姉さん・・・・・・・」 「うん、今だけはそうしなよ・・・・・・・・レミィ」 今だけは姉妹は入れ替わった レミリアは時折、フランをお姉さんと呼び、懐いた猫のように頭を摺り寄せる フランもそれに応え、しばらくレミリアの頭を撫で続ける 「今日は疲れたでしょう・・・・・もう寝ましょうか?」 「うん、お姉さん・・・・・」 フランがレミリアの手を引きベットまで誘導する 布団の中に入り向かいあって横になる 突然レミリアが小さく笑う 「今私、酔ったせいで変な夢を見ているみたい」 「なぜそう思うの?」 「だってフランがすごく優しいんだもの、現実じゃ有り得ないわ・・・・・」 それを聞いてやさしくレミリアの髪を撫でるフラン 「そうだね、これはきっと夢だね」 姉のために同調する 「でしょう?私がカリスマ無しなんてあるはずないもの・・・・・・・」 「そうだね、お姉様はすごい吸血鬼だもんね・・・」 それに返事をする事無くレミリアは眠ってしまった やはり心身ともに限界に近かったのだろう 目が覚めればレミリアにはカリスマの無いラスボスといわれる生活が待っている 眠ったレミリアの顔を眺めるフラン 「お姉様はカリスマをちゃんと持ってるよ・・・・・・でなきゃ495年も私がここにいるはずないよ・・・・・」 最後に「おやすみ」と言ってフランも眠りについた 地下室の隅っこではフランの育てている『カリスマ』がうねうねと蠢いている fin