最終章、仲間たちがルシアと共に夜のものに立ち向かう決意(?)の会話その2です。 SSの募集規定から外れているので、問題あれば消してくださって構いません。 サクソン+シュウレン シュウレン 「・・・ふぅ」 サクソン 「どうした?」 シュウレン 「あ、サクソンさん・・・」 サクソン 「急な事態だからな。疲れたのか?」 シュウレン 「あ、いえ・・・。・・・ただ、一つ違えば世界が滅ぶかもしれない・・・世界の運命を左右する出来事の当事者の一人になるなんて、って思って」 シュウレン 「ルシアに声をかけられたときは・・・まさかこんなことになるなんて、思ってなかったから」 サクソン 「・・・後悔しているのか?」 シュウレン 「え?」 サクソン 「あいつの誘いに乗ったこと。あいつの誘いに乗らなければ、ここにはいなくてすんだだろう?」 シュウレン 「っまさか!!」 シュウレン 「後悔なんて、してない。むしろ、今ここにいる自分が、今までの人生の中で、一番誇らしい。ルシアの手助けをできる、自分が・・・」 サクソン 「そうか。じゃあ、お前は降りないんだな」 シュウレン 「! サクソンさん、まさか・・・」 サクソン 「ふっ。いまさら、俺が降りると思うのか?」 シュウレン 「え」 サクソン 「お前と同じさ。俺も、この船の風読師になったことが、誇りだ。例えどんな風が相手になろうとも、もう、過去のようなことにはしない。必ず、乗り越えてみせるさ」 シュウレン 「サクソンさん・・・」 サクソン 「俺たちの役目は、ルシアたちを向こうまで送り届けて、そして、連れて帰ってくることだからな」 シュウレン 「はい!」 サクソン 「・・・いい返事だ」 サクソン 「ちょうどいい。船に損傷がないか、チェックしに行くぞ。どうせ、明日まで時間はあるからな」 シュウレン 「分かりました!」 ダッカー+タンク ダッガー 「・・・空は、正直専門外なんだがな」 タンク 「そうっすね、大将・・・。乗せてもらえるのはありがたいですけど、役には立てそうにもないですね」 ダッガー 「馬鹿か、お前は」 タンク 「って!何で殴るんですか!」 ダッガー 「何もしないうちからなに諦めてやがる!俺たちにだって、できることくらいあるだろうが!」 タンク 「できることって・・・専門外って言ったのは大将じゃないですか・・・」 ダッガー 「専門外でもできることはあるだろうが。嬢ちゃんに全部まかせっきりなんて、男として情けないだろうが」 タンク 「それはそうですけど・・・」 ダッガー 「とりあえず、仕事がないなら見つけに行くだけのことだ。俺たちは海の男。力仕事くらいお手の物だろうが」 タンク 「・・・あ、そうですね」 ダッガー 「ったく・・・とりあえず、この船の船大工でも捜すか。明日は今までにない風を抜けるらしいからな。損傷があってそこからだめになったとか、笑い話にもならねえからな」 タンク 「了解です、大将!」 ダッガー 「調子のいいやつだな・・・それから、船長だ!!」 フレナ+ゴッグ フレナ 「・・・・・」 ゴッグ 「フレナちゃん、どうしたんだ?」 フレナ 「あ、ゴッグさん・・・」 ゴッグ 「怖いのか?それなら降りて待っていても・・・」 フレナ 「あ、ち、違うです!それは・・・大丈夫、です。ルシアさんたちと一緒に戦うって決めてるです!」 ゴッグ 「じゃあ・・・?」 フレナ 「・・・お兄ちゃんが・・・心配なんです」 ゴッグ 「!」 フレナ 「私・・・操られていたとき、ルシアさんを殺そうとして・・・。そんな自分が、怖くて。ルシアさんは、許してくれたです、けど・・・でも、すごく、怖くて」 フレナ 「だから、お兄ちゃんがすごく、心配で・・・」 ゴッグ 「フレナちゃん・・・」 ゴッグ 「・・・大丈夫だ、あいつなら」 フレナ 「ゴッグさん」 ゴッグ 「あいつは強い。生きるって決めたのなら、なおさらだ。あいつは、絶対に無事に生き延びるさ。・・・なぁ?」 ガレット 「おぅ!ノルティスを操れるようなやつなんて、いやしないさ!きっと、あいつはあいつのやり方でできることをしてるだろうさ」 フレナ 「・・・そう、ですね・・・」 ゴッグ 「だから、俺たちは絶対無事に帰ってきて、あいつを迎えにいこう。話したいこと、たくさんあるだろう?」 フレナ 「っはい、です!!」 ハンナ+マーテル ハンナ 「よしよし・・・」 マーテル 「眠ったかい?」 ハンナ 「はい。ほんま、いつもありがとうございます」 マーテル 「いいよいいよ。子育ては助け合ってこそ、だからね」 マーテル 「・・・でも、あんたも降りないんだねぇ」 ハンナ 「はい。うちは何もできへんし、ただの足手まといでしかないかもしれへんけど・・・アリスもイルラヤも行く言うてるし、うちも、ルシアの味方やってこと・・・伝えたい思うて。頼りないかもしれへんけど、ないよりはましかなて」 マーテル 「それも大事なことさ。後ろで支えになろうとしてくれている人がいるってだけで、色々と違うからね」 ハンナ 「マーテルさんも、降りないんやろ?」 マーテル 「あぁ、まあね。ルシアががんばるって決めてるのに、大人の私が逃げるなんてできるわけがないだろう?」 マーテル 「それに、子どもが安心して暮らせる世界を作るのは、母親の役目だからね」 ハンナ 「・・・はい」 マーテル 「明日は、うちの子達のこと任せてもいいかい?わんぱくばっかりだから、困らせるかもしれないけどね」 ハンナ 「あ、はい。それは、任せといてください」 マーテル 「ありがとね。助かるよ」 マーテル 「・・・ルシアはね、きっといい母親になるよ」 ハンナ 「え?」 マーテル 「だから・・・守ってやらないとね。あの子にはどうも、自分を大切にするって言う考えがない見たいな気がするからねぇ」 ハンナ 「ほんまですね。もっと自分を大切にしてもええと思うのに」 マーテル 「母親になってもあのままじゃ困るからね。帰ってきたら、母親の心得を色々指導してあげないといけないと思ってるんだよ。あんたも一緒に指導するかい?」 ハンナ 「え?」 ハンナ 「・・・そやね。うちも、ルシアにはええ母親になってもらいたいし、ぜひ、加わらせてもらいます」 マーテル 「決まりだね。なんだか、楽しみが増えたみたいだよ」