題名:ウカネッツの芸人殺し 登場キャラ:リーフェン、アリス、エメラルド、イラルヤ、フィーシャ、ルシア、カーマイン、モーラ、レル、ノイン、シース、ウィドゥ、テュリラ、チャム、ミルカ、ディストル、サクソン、シュウレン、フレナ、ハンナ、シャリファ、まりん、ザード、ランス(合計24人。うちNPCは5人) 場所:飛行船内、食堂 概要:何があっても動じない男、リーフェン。そんな彼を笑わせようと、アリスが奔走するが・・・ リーフェン「ずずずずずず・・・・(お茶を飲んでいる)」 アリス「むむむむむむ・・・・」 リーフェン「ずずずずずず・・・・」 アリス「むむむむむむ・・・・」 エメラルド「あれ?アリスちゃん、何うなってんの?食堂、入んないの?」 アリス「あ、エメ姉。ちょっと、あれ見てくれへんか?」 リーフェン「ずずずずずず・・・・」 エメラルド「リーフェンがお茶飲んでるみたいだけど・・・それが?」 アリス「いやな、リーフェンはんて、あまりに表情なさすぎやと思わへん?」 エメラルド「まあ、言われてみれば・・・戦ってるとことお茶飲んでるとこ以外、見たことないよね」 アリス「・・・あの人、ほんまは人間やのうて、ゴーレムかなんかとちゃうん?」 エメラルド「さすがにそれはないと思うけど・・・試しに、驚かせてみる?後ろから近づいて、『わっ』って大声出して」 アリス「そんなん無理に決まっとるやんか」 エメラルド「どうして?」 アリス「近づいた瞬間ビシッて指さされて、『気配がバレバレだ』ゆわれて終いや」 エメラルド「じゃあ、笑わせてみるとかは?」 アリス「お、それは面白そうやな。よっしゃ、どっちが先に笑わせられるか、競争や」 エメラルド「え?あたしは別に・・・」 アリス「勝ったほうに10ゴルム!」 エメラルド「乗った!」 アリス「よっしゃ、うちからいくでぇ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・アリス、ネタ披露中・・・・・・・・・・・・・・・・ アリス「・・・あかん。眉ひとつ動かさへん」 エメラルド「じゃあ次はあたしの番ね」 ・・・・・・・・・・・・・・・・エメラルド、ネタ披露中・・・・・・・・・・・・・・ エメラルド「うそ・・・このネタで笑わない人がいるなんて・・・」 アリス「こりゃ、かなりの強敵やな・・・」 イラルヤ「二人とも、何してんの?」 アリス「あ、イラルヤ。実はな・・・」 かくかくしかじか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ イラルヤ「なるほどねえ」 アリス「イラルヤもやるか?」 イラルヤ「いや、私は遠慮しておく。がんばってね」 すたすたすた・・・ エメラルド「なによあの娘。つきあい悪いわねぇ」 アリス「まあ、イラルヤも、あまり笑わへんからな」 エメラルド「どっちかというとリーフェンに近いってこと?」 アリス「いや、実はああ見えて、むっちゃ笑いに厳しいねん」 エメラルド「それは意外・・・ねえ、そんならイラルヤも、笑わせてみない?」 アリス「ナイスアイデアや!ちょっと連れて来たる!」 だだだだだっ・・・がしっ イラルヤ「え?なに?」 アリス「ええからええから、ちょっとこっち来、な?」 ずるずるずる・・・ イラルヤ「ちょ、ちょっと・・・」 アリス「ほれ、ここ座り。リーフェンはんの隣」 リーフェン「ずずずずずず・・・・(お茶を飲んでいる)」 イラルヤ「な、何よ一体?」 フィーシャ「ねえねえ、さっきから何の騒ぎ?」 エメラルド「あ、フィーシャ、いいところに」 アリス「実はな、今からこの二人、笑かそ思てんねん」 イラルヤ「ちょっ、どういうこと?それ・・・」 フィーシャ「わ、おもしろそう。ボクもやる〜」 アリス「よっしゃ、仕切り直しや。またうちからいくでえ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・三十分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ガヤガヤ・・・ ルシア「・・・で、その後、どんどん参加者が増えて、普段笑わない人があっちに座らされて、今の騒ぎになってるっていうわけ?」 カーマイン「せや。丁度メシどきやさかい、ギャラリーもこない、ぎょうさんおる」 ルシア「まったく・・・」 モーラ「はいはーい、次あたしの番〜」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・モーラ、ネタ披露中・・・・・・・・・・・・・ イラルヤ「・・・で?」 レル「どこが面白いんですの?」 ノイン「全然ダメだね」 リーフェン「ずずずずずず・・・・」 シース「ごはんまだでしか?」 ウィドゥ「・・・・・・・・・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ルシア「・・・ものの見事に、誰も笑わないわねえ」 モーラ「がっくし・・・」 テュリラ「モーラちゃん、はっきり言って無理よ。他の五人はともかく、リーフェンを笑わせるなんて」 モーラ「まあそりゃ、難しいってのは分かってたけど・・」 テュリラ「いいや、分かってない。あの、ウカネッツの芸人殺しの恐ろしさが」 モーラ「ウ、ウカネッツの芸人殺し?」 テュリラ「なんでも、ウカネッツ中の芸人さんが総出でも、彼を笑わせることは出来なかったそうよ。それどころか、自信なくして辞めちゃった人もいるって」 アリス「え、それほんまか!?テュリラはん」 テュリラ「ええ。昔、あまりに笑わないお客さんがいるから、おきらく亭に来ていた芸人さん達が意地になって挑戦したそうだけど・・・全滅だったって」 アリス「そんな・・・」 チャム「あ、それならマスターから聞いたことあるわ。町中にいるお笑いの人を全員呼んでみたけど、だめだったって。その事件以来、おきらく亭にお笑いの人が来なくなっちゃったのよね」 テュリラ「ええ。まあ、それで私は仕事が増えて、助かっていたんですけどね・・・」 チャム「その点は私も、ねえ・・・」 アリス「そんな・・・嘘や・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ミルカ「つ、次は、わ、私ですね」 ルシア「え?ミルカさんもやるんですか?」 ミルカ「は、はい。これでも、自身あるんですよ」 アリス「ほんまか?ウカネッツ芸人殺しが相手やで?行けるんやな、ミルカはん?」 ミルカ「はい。大丈夫です」 ディストル「ミルカ嬢ちゃん、珍しく自信満々だな・・・」 サクソン「そうだな。一体どんなネタが・・・」 ミルカ「じゃ、じゃあいきますよ」 一同「ごくり・・・・」 ミルカ「ふ、ふとんが、ふ、ふっとんだ・・・」 一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ミルカ「あ、あれ?じゃ、じゃあ、ええと・・・この火炎瓶、お店に売ってないんですよね、買えん瓶」 一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・(殺気)」 ミルカ「あ、あれ?」 ルシア「ミ、ミルカさん・・・」 ミルカ「え?い、今の、面白くなかったですか?」 レル「・・・ミルカさん、見損ないましたわ」 イラルヤ「まあ、期待はしてなかったけど、いくらなんでもねえ」 ノイン「酷すぎるね」 シース「ごはんまだでしか?」 リーフェン「ずずずずずず・・・・」 ミルカ「う、うぅ」 ウィドゥ「・・・・・・・・・・くっ」 ノイン「・・・?ウィドゥ兄ちゃん?何、小刻みに震えてんの?まさか・・・」 ミルカ「あ、あ、ウィ、ウィドゥさん、笑ってますね?」 ウィドゥ「い、いや、これは違・・ぷ・・」 ランス「なんだウィドゥ、お前、実はダジャレ好きだったのか?」 ディストル「意外な好みだな」 イラルヤ「しかもこんな低レベルで・・・」 ウィドゥ「ち、違、違うんだ・・・く・・・」 ランス「違わねえ違わねえ。正直になれ、な?あんまクールな振りしてても、いいことねえぞ?」 ディストル「まあ、こういうことの好みは人それぞれだからな。隠すこたあねえ」 フレナ「でも、イメージと全然違うです」 イラルヤ「今までよっぽど、笑いと縁のない生活してきたのね・・・」 ウィドゥ「ち、違・・・みんな、違うんだ・・・別にこんな、く、くだらないダジャレに笑ってるわけじゃ・・・く・・・」 アリス(小声で)「ウィドゥはん、警戒しとったとこに肩透かし食って、耐えとったもんがふき出しただけやな」 エメラルド(小声で)「まあ、面白そうだから黙っとくけどね」 ルシア「あんたたち・・・」 ミルカ「と、とにかく、わ、わたしの勝ち、ですよね?」 エメラルド「まあ、笑わせたのは事実だし・・・」 アリス「正確には笑われたんやけどな・・・」 ミルカ「うう・・・」 アリス「ま、次いこか、次」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三十分経過・・・・・・・・・・・・・・・・ アリス「あかん・・・一旦ツボ入ったウィドゥはんはともかく、他の五人は一向に笑わへん」 エメラルド「なんか、余計厳しくなった気がする」 ハンナ「ウチとアリスのコンビ技かて通用せえへんかったしなあ・・・」 アリス「と、とにかく次や!次!」 フィーシャ「ごめんアリス、ボクもうネタ切れ」 エメラルド「あたしも」 シュウレン「俺も」 ハンナ「ウチも」 モーラ「右に同じ」 シャリファ「おなじく〜」 まりん「おなじくですぅ〜」 アリス「く・・・みんなネタ切れかい。ウチもや・・・」 エメラルド「じゃあ、もう降参するしかないの・・・?」 アリス「あかん!それはあかん。そないなことなったら、ミルカはんの一人勝ちになってまう!あんなしょぼいダジャレに勝たせる訳にはいかん」 ミルカ「ううう・・・」 モーラ「じゃあ、どうするの?」 アリス「せやな・・・せや!次はルンルンや!」 ルシア「だからそのルンルンってのは・・・って、私!?」 エメラルド「うわ〜、ひっど〜」 アリス「じゃかあしい!ルンルン、リーダーらしゅう、この状況何とかしい!」 ルシア「いや、こんなとこでリーダー云々言われても・・・あと、ルンルンはやめて・・・」 シャリファ「でも〜、それ〜、見てみたいですねえ〜」 ルシア「ちょっとシャリファさん、何言ってるのよ?」 フィーシャ「ボクも見たいな〜」 モーラ「あたしも〜」 ハンナ「ウチも」 シュウレン「俺も」 ルシア「なっ!?」 アリス「ほれほれ、みんなこう言うてるし」 ディストル「お、次はルシア嬢ちゃんか?」 ルシア「いや、ちが・・・」 レル「それは楽しみですわね」 ノイン「確かに。気になるね」 ルシア「え?ちょっと・・・」 リーフェン「ずずずずずず・・・・」 シース「ごはんまだでしか?」 アリス「ほれ、シースも待っとることやし、早よ行き」 ルシア「シースが待ってるのはご飯でしょうが!」 エメラルド「ルシア、往生際悪いよ」 ルシア「エメラルド、あんたまで・・・」 アリス「は〜い皆さ〜ん、次はルンルンで〜す。拍手〜」 パチパチパチパチ・・・・・・ ルシア(どうしよう・・・急に面白いことやれなんて言われても、何も思いつかないよ・・・) ミルカ「ル、ルシアさん、が、がんばってください」 ルシア「うう、ミルカさんまで・・・ほんとにどうしよう・・・」 謎の声「はーはっはっはっはっは!どうやら困っているようだね、ルシア=マーベリックくん!」 ルシア「この声は!?」 ザード「笑いを通じて仲間と親睦を深めるとは感心ではないか、ルシア=マーベリックくん!」 ルシア「いや、別に、私は無理やり・・・」 ザード「そう謙遜することはない。かの英雄ラスタンも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(※いつもの調子で長話。以下略)」 ルシア「ま、待った!」 ザード「何だね?ここからが面白くなるというのに」 ルシア「うん、だからその面白い話、向こうでしてくんないかな?」 イラルヤ「な?ちょっ、こっち振んないでよ」 レル「わ、私は遠慮しますわ」 ノイン「俺も」 ザード「よかろう!では、話して差し上げよう。英雄ラスタンがその場所にたどり着いたとき・・・・・・・・・(以下略)」 リーフェン「ずずずずずず・・・・」 シース「ごはんまだでしか?」 ルシア「はいはい、ご飯にしましょうね。ほら、他のみんなも、もうお開き」 レル「・・・ルシアさん、誤魔化しましたわね」 ルシア「そういうレルだって、そろそろお腹空いてるでしょ?ほら、もうご飯、ご飯」 シース「わーい、ごはんでし〜」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・一時間経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ランス「すげえなあいつら、まだ話してるぜ」 ルシア「喋ってるのは片方だけなんですけどね」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・二時間経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こぽこぽこぽこぽ・・・・ リーフェン「飲むか?」 ザード「うむ、いただこう。そこで英雄ラスタンが、ずず、国王に手紙を、ずず、届けると、ずず・・・・・・・(以下略)」 リーフェン「ずずずずずず・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・三時間経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ルシア「ふああ、そろそろ寝る時間ね・・・」 ガチャ ルシア「わ、リーフェンさん。・・・ひょっとして今まで、ずっと話してたんですか?」 リーフェン「ああ」 ルシア「あいつ、その後どうなりました?」 リーフェン「話が終わって帰った」 ルシア「そ、そうですか」 すたすたすた・・・ ルシア「あれ?今、会話になってた?」 END