負けるな比呂美たんっ! 応援SS第1弾 『どっちの意味で?』 比呂美「おはよっ!朋ちゃん。」 朋与 「あ、比呂美おはよー。 ん?」 比呂美「何?」 朋与 「何かあった?」 比呂美「えー、別になんにもないよー。」 朋与 「ウソつけ。何かイイコトあったでしょ。」 比呂美「別になんでもないよ。」 朋与 「吐け、比呂美、シアワセは分かち合おう。」 比呂美「ホントになんでもないんだから。」 朋与 「まあいいわ、どうせ仲上君がらみでしょ。」 比呂美「あうっ!?   ち、違うよ。」 朋与 「あのね、あんたの親友何年やってると思うのよ。」 比呂美「えっと、   当たり かな。」 朋与 「なになに、とうとう告白された?」 比呂美「えっ?、ちっ、違うよ。」 朋与 「なーんだ、あのバカ、いつまで待たせるんだろうね?」 比呂美「いいの、眞一郎くんも将来の事とか大変みたいだし…」 朋与 「で?」 比呂美「ん?」 朋与 「なにがあったのかね?」 比呂美「えっと、今朝ね、久しぶりに眞一郎くんと一緒に家を出たの。」 朋与 「うん。」 比呂美「そしたらね、お弟子さんと出くわして。」 朋与 「うんうん。」 比呂美「そのときね、お弟子さんが「いってらっしゃい坊ちゃん、お嬢さん。」って言ってくれたの。」 朋与 「うん?」 比呂美「お弟子さんはね、今まで私のこと何と呼んでいいのか判らなかったみたいだったんだけど、今朝、はじめて「お嬢さん」って呼んでくれたの。」 朋与 「ふーん。」 比呂美「でね、そのあと眞一郎くんにそのこと話たら「比呂美は家族だから」って言ってくれたの。」 朋与 「ほほう。」 比呂美「「家族」って言われちゃった。えへへ」 朋与 「で?」 比呂美「「で?」?」 朋与 「だから、どっちの?」 比呂美「どっちって?」 朋与 「あちゃー。」 比呂美「え?何?」 朋与 「そのとき、家族の意味をあのバカに訊いた?」 比呂美「意味?」 朋与 「あんたねー、家族ってなんだと思ってるの?」 比呂美「そ、それは、 あの、    やっぱり お嫁さん かな?」 朋与 「もひとつあるでしょ!」 比呂美「え?」 朋与 「夫婦ならいいけど、兄妹だったらどーすんの?」 比呂美「き、兄妹?」 朋与 「あのバカにハッキリさせるチャンスだったのに!」 比呂美「わ、私、てっきり…」 朋与 「どーして比呂美はあのバカ絡みだといつも詰めが甘いかな。」 比呂美「ど、どーしよー、朋ちゃん、もし、兄妹だったら。」 朋与 「もうっ、じれったい、おいで、直接問いただしてやる。」 比呂美「えっ、いいよぅ、訊くの怖い。」 朋与 「ダーメ! そんな調子じゃ明日の試合また腑抜けるでしょ。今度負けたら部長に何言われるか…」 比呂美「ダメーー、待って、朋ちゃん!」 朋与 「仲上君、ちょっと顔貸してっ!」 眞一郎「く、黒部?」 比呂美「し、眞一郎くん、なっ、何でもないからっ、ねっ!」 朋与 「いーからっ! 二人ともついてきなさい! いざ、屋上っ!」