名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/07(火) 18:08:45 ID:du6FDjhP<> ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。

■ヤンデレとは?
 ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
  →(別名:黒化、黒姫化など)
 ・ヒロインは、ライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつだが確実に病んでいく。
 ・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することもある。

■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫
http://yandere.web.fc2.com/
■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182914768/

■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
<>ヤンデレの小説を書こう!Part9 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/07(火) 18:23:50 ID:hH0uY2t4<> 2get <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/07(火) 18:34:38 ID:h+IXzE7Y<> >>1乙! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/07(火) 23:04:59 ID:YnoCnSSM<> >>1乙 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 09:12:46 ID:Rh28Ktfn<> >>1

そして、件の大全関係貼り。
ttp://crusherfactory.net/~pmoon/mt/001571.html
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 15:28:22 ID:TxBBfj/e<> >>1乙 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 19:56:05 ID:N0q73xgb<> あんまり話題に上がらないから心配になってきたんだが、
ジョジョ4部の山岸由花子ってヤンデレだよな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 20:19:09 ID:BpnCPs7O<> >>1乙 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 20:46:20 ID:XSks2dAr<> >>7
ただのヤンデレってレベルじゃねえぞ!
最後は想い人と結ばれたし、スタンドは強力だし最高だぜ
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 22:20:16 ID:dNVPHguz<> コミケ行く人はこれの報告よろ。
ttp://nekomarudow.com/y/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 23:07:28 ID:WH3emu5i<> そういえばさ。
保管庫のBBSに「リンクにVIP発のヤンデレゲームを入れないのか」って書き込みがあ
るんだけれど、これってどうなん?
VIPがどういう所なのかはよう知らんのだけれど、人によってはえらい嫌悪の対象に
なるとか聞くし。

<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 23:33:19 ID:JbHFGntF<> >10
一応買いに行くけど、なんか勘違い臭がするんだよなぁ。
単に俺がこの絵柄嫌いなだけだろうけどw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 23:41:55 ID:QkQ98/Oz<> 前スレ>>614のように言葉様を知らないって人が現れているぐらいだから。
良くも悪くもジャンルとして広がりだしているんだろうな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/08(水) 23:56:19 ID:gpyZgAvT<> やっぱりスクールデイズやったほうがいいのかな。
鋸と飛び降りと包丁はようつべで見たんだけど。
エンディング知ってると買う気がなくなるんだよな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 00:03:16 ID:/ZCC4tXO<> そこに辿りつくまでがいいんじゃないか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 00:41:14 ID:2HXuWWMA<> >>11
2ちゃんねるの荒らしの9割はVIPの仕業 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 02:06:14 ID:UJPFoL5q<> >>11
なんかVIPもそうなんだが、ただ最近のヤンデレブームに乗っかってるだけの感じがする
他にもヤンデレ同盟(笑)とか、ここの住人からしたらミーハーに見えるんじゃないかな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 02:19:12 ID:RJI7AEsp<> まあ別に、このスレがヤンデレ総本山とかそういうわけでもないからそこらへん肝に銘じとこうな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 02:21:52 ID:O7fPZZcP<> そんな事、思ってる奴が居るのかww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 02:46:53 ID:rebm2sMX<> >>11
荒らししか能がないような糞野郎もいれば神みたいな奴もいる。無論普通の人間も。
人種の坩堝というかカオスというか……それがVIP。 <> 名無しさん@ピンキー<>jtccy068@<>2007/08/09(木) 02:53:16 ID:9e6YIyQ9<> プロットを投下させていただきます。


―――プロットの主軸―――

公立高校の2年生に進級した主人公がクールな幼馴染みとツンデレ生徒会長に挟まれ、
主人公をどちらが独占できるかを争い、最終的にヤンデレ化し
BAD END(このスレ的にはHAPPY ENDか?)を迎えるという話。
最初のうちは二人を交えて修羅場を展開するが、途中からどちらかのルートに移動する
というところまで思いついたが俺には難易度が高すぎたため力尽きた……
一応ある程度の流れと登場人物達の設定、オチまでは考えついたので載せたいと思う。
できれば悪友が欲しかったなぁ……



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


主人公

・いつもニコニコしてのほほんとした態度の少年で周りからの評判は比較的良好。
できるだけ前向きに物事を考えようとするが実はネガティブ思考の持ち主。
・今年、皆(特にツンデレ生徒会長とおもしろがった友人達)にはめられ
生徒会副会長になってしまったが「…まぁ、いいか。」と本人は思っている。
・顔は決してイケメンではないが不細工でもない。勉強もスポーツもそこそこのでき。
・現在ボロアパートに一人暮らし中で仕送りはあるものの、かなり生活は苦しい。
家事全般は並みのできだが、たいてい金欠の危機にあっているため生活は乱れがち。
・恋愛に関してはかなり疎く、自分に対する好意にとても鈍感で
無意識に好意を自覚するのを恐れているふしがある。
しかし無自覚に女性に対して親切な行動を取るので実は意外とモテる。
そのせいでヒロイン達は日々イライラしている。
・小2の頃に両親が事故死し、祖父母に引き取られる。
そこで暖かい祖父母の対応や友達になってくれたクールな幼馴染みによって
一旦は立ち直るものの、中学の時告白した女の子にOKをもらった直後に彼女も事故死。
自分と親しくすぎる人は死んでしまうと思い、
高校入学をきっかけに祖父母宅を出て一人暮らしをするようになる。
それ以来周りの人間とは表面だけの付き合いに抑えているが、
クールな幼馴染みは例外で唯一の心許せる親友。
・ツンデレ生徒会長のことはきついけど結構いい人、ほっとけない人だと思っている。
<> 名無しさん@ピンキー<>jtccy068@<>2007/08/09(木) 02:57:33 ID:9e6YIyQ9<> クールな幼馴染み

・性格はクールだが結構思いこんだら一直線なところがあり、実は照れ屋さん。
・元々あまり社交性がない上にズバズバと歯に衣着せぬ言い方をするため、
周りの多くは彼女を敬遠し、友達は少ない。
尤も本人は暁人以外はどうでもいいと思っているため気にしていない。
・家は結構裕福な方だが両親は仕事でいつも家を空けているため孤独。
・料理はほとんど家に一人の状態のため上手いが、
やる気が起きないので出前やコンビニですましてしまう。
・主人公とは同じクラスで席も隣同士。
自宅が主人公のアパートと近いのでよく一緒に帰ったりする。
周りに暁人とはよく彼氏彼女の関係なのでは邪推されたりする。
一応否定はするが彼女自身は内心まんざらでもないと思っている。
・頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗、グラビアアイドル並の体型と
まさに天から二物も三物も与えられている天才肌タイプ。
・当然もてるのだが告白に成功した者は未だかつて存在しない。
そのため主人公によく『自分なんかに構ってないで早く彼氏を作って欲しい』と心配される。
・ヤンデレ化すると狂気を孕みながらも完璧に冷徹そのものの思考で
どうしたら主人公を自分の元に縛り付けておけるかを考えるようになり、
彼の良心さえもそのためには利用しするようになる。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ツンデレ生徒会長

・ツンデレでプライド高いけど根は優しいはずの超お嬢様で生徒会長。
かなり素直じゃなく人の感情を逆撫でするような発言と行動を取るが、
それは彼女自身の自尊心と生来の無器用さのせいである。
しかし可愛い動物や子供などには優しい一面を見せたり、
自分の無礼な発言や行動を後で悔やんだりと
本当は脆い一人の泣き虫で優しい少女である。
・勉強、スポーツも相当でき、もちろんスタイルもいい。
しかしそれは彼女の血の滲むような努力の賜であり、
彼女が影でものすごく努力していることを知るものは少ない。
・彼女の持つ高貴なオーラのせいか絶大なカリスマ性を誇り、
生徒はもちろん、教師までもが彼女にはうかつな態度を取ることはできない。
・去年も生徒会に入っていて、今年の生徒会長に賛成率100%で選ばれた。
ファンクラブが存在するほどの美人で、男子にも女子にもモテモテ。
尤も本人はかなり迷惑に思っている。
家の関係もあってかなり顔が広く、それなりの男女交際をしたことはあるらしいが、
皆自分に合う男じゃなかったと速攻で振っている。
恋愛に関して本人は否定しているが結構ロマンチストな面がある。
・ある財閥の一人娘で家はハンパじゃないほどのお金持ち。
そのため両親はほとんど外出中で広い家には使用人と自分だけという
かなり孤独な生活を送っているため、本当はかなり愛情に飢えている。。
そのために今のようなひねくれた性格になってしまったらしい。
・ヤンデレ化すると元のプライドが高かったところと実は孤独を恐れているところの両面がエスカレートしてしまい、
非常に傲慢で一度キレると相手がボロボロになっても暴力を容赦なく振るう凶暴な一面と
自分がしたことに恐れおののき、主人公に拒絶されたくない一心でひたすら泣き叫びながら
許しを請おうとする非常に人格が不安定な状態になってしまう。
<> 名無しさん@ピンキー<>jtccy068@<>2007/08/09(木) 03:00:12 ID:9e6YIyQ9<> ―――クールな幼馴染みサイドの話―――

・小2の時転校してきた主人公の暗い様子に共感を抱き、
何かと構ううちに仲良くなり無二の親友となる。
そのまま彼女が主人公に抱く気持ちは恋になる。
しかし主人公が中学の時ある女子に告白し、OKをもらったのを目撃。
怒り狂った彼女は女子の跡をつけ、道路に突き飛ばし彼女を殺害する。
前述で述べたとおり、次第に人を避け始める主人公に
『昔から仲がよかったけど自分は死んでいないし、これからも死なない。
自分だけは大丈夫だ、ずっと側にいてあげる』
と彼を慰め、主人公と親しい人物を自分だけにすることに成功した。
・昔から主人公宛のラブレター、チョコ等は即処分、仲介は全て断り、
直接告白しようとする女子には何らかの方法で全力を持って妨害と、
努力を欠かさなかったおかげで今まで彼には自分だけだった。
自分から告白するのは女が廃ると思っているので
後は主人公が告白するのを待つだけだと余裕な態度でいたが、
最近彼の周りに女の影(特にツンデレ生徒会長)がちらつくことに
クールな仮面の下でかなりの焦燥感を感じるようになる。
初めのうちは嫉妬に狂う自分の姿を見せまいと何もないような振りをしていたが、
主人公が他の女(特にツンデレ生徒会長)と楽しそうに喋る姿に耐えきれず、
取り乱したまま告白してしまう。
しかし主人公に
『幼馴染みを今更そんな目で見られないし、今のままの関係が心地よかった。
だから友達のままでいよう。』
と断られた瞬間に彼女の中の何かが壊れた。
いきなり主人公に拒絶されたのなら生きている意味など無いと
手首を持っていたカッターで切り裂く。
当然主人公は彼女を説得するため『好きだから落ち着いてくれ!』等、
その場逃れな事を言って彼女の家まで行って治療する。
そして彼女は『自分を殺させたくなかったら自分を愛せ』と
脅迫まがいなことを言って、断り切れない主人公を逆レイプする。
コトが済んだ後に彼女は自分が自傷しない代わりに
主人公を自分の元で管理、拘束するための条件を彼に突きつけ、
彼女の狂気を孕んだ完全なる冷徹な瞳を見た主人公は何も言えず、為す術もなく条件を呑む。
翌日で主人公は自分の腕にべったりとくっつき登校する彼女を見た周りから好奇の視線にさらされる。
学校に着いてからも彼女は主人公が側から離れようとしたり、他の女子と少し喋ったり、
触ったりしただけでも、彼だけに見える位置でポケットの中からカッターをちらつかせたり、
昨日までは着けていなかったリストバンドを外し、生々しいリストのカットの痕を
狂気を孕んだ微笑みを浮かべながら見せたりするようになった。
そして彼女は主人公に再度例の脅迫まがいのことを暁人の耳元に囁き、
彼が仕方なくそれに従うのを見るとクスリと暗く微笑み、主人公に体を擦りつけ、そっと口付ける。
彼女に全てを拘束されてしまった主人公は、この先も自分は彼女に縛られ続け、
生きていくという予感を感じながらも、黙って押し倒されるしかなかった。

<> 名無しさん@ピンキー<>jtccy068@<>2007/08/09(木) 03:07:29 ID:9e6YIyQ9<> ―――ツンデレ生徒会長サイドの話―――

・彼女は生まれ待った容姿やカリスマ性によって周囲からいつも高い評価を受けていた。
それは彼女にとって当然で誇りであるが、反面評価を下げるわけにはいかない、
周囲の期待に応えなければいけないという重荷でもあった。
しかし今年クラスのある男子が自分に対して全く好意を抱かないという
彼女にとってはあり得ない事態が起こった。
しかも自分の弱い一面を偶然主人公に見られ、取り乱し泣き出す彼女。
しかし自分がいつも周りのプレッシャーに苦しんでいることに気付いているのか、
それとなく優しくされ、彼女のプライドは深く傷つけられる。
主人公に対して強く興味を持った彼女は彼について調べ尽くすことを決意し、
皆を扇動して彼を生徒会副会長にまでしてしまう。
しかし今までの男とは全く違うタイプの彼と一緒にいると
なんだか胸の奥が暖かくなるということに彼女はまだ気付いていなかった。
・主人公のことを想うだけで胸が苦しくなり、彼が他の女といるだけでも女を殺してやりたくなるほどの嫉妬心に身悶えし、
持ち前のプライドの高さで何とか自分を保っているほどの状態になりながらも、自分が主人公のことが好きだと言うことを
プライドの高さと仮面の下の自分に対する自信のなさのせいで認められずに苦しみ続ける。
しかしその間にも主人公が他の女(特にクールな幼馴染み)と
仲良くしているところを見せられ続け(主人公にその気は全くないが彼女はそう感じた)、
次第に彼に対して
『なんで私がこんなに苦しまなきゃいけないのよ!?全部あんたのせいよ!責任取ってよ!』
と全て主人公に責任という名目で怒りを押しつける気持ちと
『このままじゃ主人公を他の女に取られちゃう…暁人に捨てられたくないよ!何とか、何とかしなくちゃ…!』
と異常なまでに主人公に捨てられるのを恐れる気持ちが生まれた結果、彼女は狂った。
<> 名無しさん@ピンキー<>jtccy068@<>2007/08/09(木) 03:09:41 ID:9e6YIyQ9<> ・主人公にちらつく女(特にクールな幼馴染み)の影に異常に怯え、
なりふり構っていられない彼女は無理矢理主人公を自宅に連れ込み、
『そうよ、私は別にあんたのことなんか好きでも何でもなくてあんたが私のこと好きなんでしょ?!
それをわざとごまかして他の女といちゃついてるんでしょ?!そうよ、そうに決まってるわ!
私への性的な欲求を抑えきれなくなったあんたが狼になって
他の女の子に被害を出すと夢見が悪いから仕方ないわね!
私が付き合ってあげてもいいわよ?さぁ、早く告白なり何なりしなさいよ!』
とかなり自意識過剰なことを突然言ってくる。
当然主人公は意味が分からず、しかもその傲慢な態度に少し腹の立ち、
『別に自分は君のことを恋人という意味では好きではないし、
そんなことを言う人のことを好きになれそうにもない。』
と本当のことを言って彼女の家から出て行こうとする。
すると逆上した彼女は突然スタンガンを主人公に押しつけ、身動きがとれなくなったところを血反吐を吐くまで暴行を加える。
主人公がもう声も出せないほどボロボロになったところで突然我に返った彼女が
自分が主人公を殺す一歩手前まで暴行を加えてしまったことにショックを受け泣き叫ぶ。
突然の彼女の変わり様に主人公が呆然としていると
彼女は泣きながら必死に謝罪を繰り返し、許して欲しい一心で自分を傷つけ始める。
主人公がありったけの力を振り絞って彼女の自傷を止めようとするが
彼女は『何でもするから捨てないでください!』と泣き叫びながら懇願してくる。
このままの状態では危険だと判断した主人公は
いったん彼女を落ち着かせるために仕方なく交際を申し込む。
すると途端に彼女は笑顔になり、主人公を強引に自室に運び、手当てをしている最中に欲情し、
ボロボロな上に先ほどの様子から拒否しきれない主人公は抵抗もできないまま彼女に犯され、気を失ってしまう。
そして目が覚めると彼女はいつもの意地張りだけど可愛い彼女に戻っていた。
安心した主人公に彼女は『付き合ってくれと言われたからしょうがない』等、
散々言い訳しながらもベタベタとくっつき、そのまま登校。
しかし彼女は主人公が側から離れようとしたり、他の女子と少し喋ったり、
触ったりしただけでも怒り狂い、人気のないところに連れて行くと容赦なく暴力を振るい、
我に返って自分がしでかしたことの現状に気付くと、
また泣き叫びながら許しを請うといった行動を繰り返すようになる。
彼女が作り出した暴力と贖罪のループに取り込まれてしまったことに主人公は気付き、そして悟った。
自分が死ぬまで決してこの無間地獄からは逃れられないと。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


以上で投下終了です。
長々と5レスも使って申し訳ありませんでした。

<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 04:01:46 ID:f8/BqFnw<> ああ、かわいいなあなんて思ってしまった自分は
人として何か致命的にやばい気がする。
自分的に好みはクール幼馴染かなあ。
黒さはもとより、冷徹な分、アクションにも対応してくれそうだ。
ヤンデレの一番の醍醐味はあの鋸とナイフのバトルだと思うんだ。



ああ、あと前スレの>>614氏。
言葉様はオーバーフローのスクールデイズのヒロインで
SHUFFLEの楓様とならび、ヤンデレブームの火付け役となられた方だと
思うのだがいかがだろうか?
鋸をご利用なされ怨敵を抹殺された素晴らしいお方であられる。
ちなみに言葉様はFDともいえる次作サマーデイズにも出演なされ、
そちらでは確かに本当やゴルフクラブをお使いになっていたはずだ。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 08:01:28 ID:JLqFsbCv<> 保守用に短編で書いてみました。

私のお婆ちゃんは呪い師だった。
お婆ちゃんは言っていた。女はミステリアスじゃなくちゃいけないと。
馬鹿馬鹿しい。私が望むのはそんなのじゃない。
お婆ちゃんは私に人を呪う方法を教えてくれた。
相手の腕を破壊する呪い。相手を不幸にする呪い。そして惚れさせる呪い。
そしてお婆ちゃんは言っていた。
人を呪う時はじわじわとゆっくり呪えと。
馬鹿馬鹿しい。私は誰も恨むつもりは無い。

高校に入った時、私は文芸部に入った。
そこで出会った憧れの先輩。でも……先輩には恋人がいた。
胸も体もその先輩が優れてたし、私はそっと身を引く事にした。

でも私は見てしまった。あの先輩の恋人が浮気をしていた事に。
「でもアイツ馬鹿だよねー。私があんな奴に引かれると思ったのかしらー」
許せない………許せない………。
思いっきり掴んだ拳から血が流れ落ち、その血が呪いを受けて立ち上がる。

「シネ」

次の日、先輩の恋人は学校に来なくなった。なんでも見知らぬ男と駆け落ちした……。
という事にしておいた。だって、先輩が彼女の事を考えると私が付け入る隙がなくなるし……。
「お弁当なんてラブラブじゃん」
「ううん……別にそんなのじゃ……」

ニタリ(計画通り) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 09:04:13 ID:SSojZFno<> ちょwwwwwww月オチwwwwww
GJ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 10:33:35 ID:PE9VewkI<> >>25
乱暴な言い方になるけど
そこまで出来てるなら自分でやれ、主人公の名前も決まってるようだしな
それと、目欄にはsageだ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 10:42:05 ID:Tn8UOx7q<> ここまで書いときながら後を自分で書かないやつはいないだろwww
他人に丸投げするには要らん情報ばかりだぜwwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 12:45:50 ID:Zn8YyRNC<> 誰かに書いてもらおう、そう思ってシナリオみたいなのを書いて投稿した>>25
しかしそのあと返って来たレスはお前がやれ^^見たいなレスだった。
そして>>25は自分のシナリオを自分で書く羽目になった。

>>25は中学2年生で早くも大人の世界を知ってしまった夏休みの日だった。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 12:48:32 ID:/PW8D9Pi<> 「ねえねえ、名無し君」
「ん、なんだ」
「今日も、おうちに居てくれるの?」
「ああ」
 俺の答えを聞くと、女は蕩けたような笑顔を浮かべ抱きついてきた。
 この女は、俺のストーカーだ。
 いや――ストーカーだった、というのが事実としては正しいだろう。
 今では俺の恋人、もっと変わった言い方をすれば内縁の妻だ。
 同じ屋根の下で暮らして、同じ釜の飯を食って、同じベッドで抱き合いながら眠る。
 夫婦の実態など知らないから断言できないが、夫婦生活というのはこんなものだろう。

 俺は今年の1月後半から、望んで女に監禁された。
 監禁される前日まで、この女はずっと俺をストーキングしていた。
 俺が住んでいた家に女がやってきた時点で、すでに俺はかなりおかしくなっていた。
 それまでも大量の手紙、帰宅したとき勝手に用意されている夕食、携帯電話へのモーニングコールなど、
それ以外にもいろいろされてきた。
 しかし俺は、それらに参って監禁されたわけではない。

 俺はSSを書くのが好きだった。
 仕事に行っている間も、ずっとSSのことばかり考えていた。
 仕事に行かずにずっとパソコンの画面と向き合い、キーボードを叩き続けていたかった。
 ある時、俺はその望みを叶える方法に気付いた。
 ――この女に監禁されてしまえばいいのだ、と。

 それ以来俺は家から一歩も外に出ず、SSを書くか、女と寝るか、ご飯を食べるか、という単純な生活を送っている。
 最初は社会や友人への未練もあったが、今ではもう全て吹っ切れた。
 SSを書いて居られれば、俺はそれで良かった。そのことに、気付いたから。

 擦り寄ってきた女の体を抱き締める。
 とても柔らかい。安らぐ。そして――暖かい。
「名無し君……」
「今から、いいか?」
「うん……いっぱい、して」
「ああ……」

 ずっと、こうやって暮らしたい。



こんな妄想が浮かんだ俺はもう駄目かもわからんね。

<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 12:56:36 ID:kLSf/QTT<> 残念ながら手遅れです。
早く妄想を書き起こす作業に戻って下さい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 13:36:50 ID:WDDO1uxc<> 残念ながらておくれです
むしろこちらとしてはありがたいwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 13:48:48 ID:T70IeYgw<> >>32
つまりこの先SSに嫉妬して書くのをやめさせようとする女とスレ住人との修羅場が(ry <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 14:44:51 ID:zlyI91+F<> 何故ヤンデレに出てくるヒロインが総じて武装してしまうのか
たまには敵女を精神崩壊させて廃人にしてしまうのもいいんじゃないかと思う

ヒロイン1
高校生
主人公と付き合っている
清楚なお嬢様タイプ
黒髪ロング
綺麗というより可愛い
大きすぎず小さすぎない胸、美乳
主人公は清楚なところに惚れた
しかし、彼女は激しい性衝動に悩まされており主人公を襲いたくなるが嫌われたくないため我慢している

ヒロイン2
主人公の妹
兄を異性として愛しており、兄と付き合いだしたヒロイン1を憎んでいる
二人を別れさせるため暗躍する <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 14:51:04 ID:SSojZFno<> >>36
理論武装してんじゃん <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 14:51:26 ID:zlyI91+F<> 妹はヒロイン1の内に秘める性衝動を見抜きそれを利用する

ヒロイン1、凌辱、調教される
理性では拒否しながら体は受け入れてしまう
精神の崩壊を防ぐため、次第に凌辱、調教を受け入れるようになる
凌辱されることて自分の性衝動が満たされることに気付く
ヒロイン1淫乱化

主人公、ヒロイン1が乱交している場面に遭遇
ヒロイン1は主人公を見てもセックスをやめない
「君も私を気持ち良くしてくれるの〜?」
と言われる
主人公、変わり果てたヒロイン1に絶望する
ネトラレ発生 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 14:53:18 ID:PE9VewkI<> NTRはちょっとあれだなあ・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 15:15:43 ID:QKqHVZKj<> ヒロイン陵辱系はヒロイン同士の殺し合い以上に拒否反応の出る人が多いから
気をつけたほうがいいな。注意書き推奨。

まあ殺し合いは許容(あるいはむしろ望む所」ってのは
ヤンデレというジャンルの愛好者の中でだけしか通用しないけどwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 18:06:17 ID:lbEKnMoy<> 保管庫のトップページの更新履歴が新しくなっている!
管理人さん、おつかれさま! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 18:53:33 ID:zhjaQg+4<> >>40
俺はNTRでも歓迎だけどね。
展開にもよるんじゃないか?

泥棒猫ヒロインBの罠で幼なじみヒロインAが陵辱される。
ヒロインA淫乱化、でもやっぱり主人公が好き。
なんだかんだで主人公とヒロインAがセクロス
血が出ない、ヒロインAが処女だと思ってた主人公はショックを受ける。
ヒロインAは「ち・・・、ちがうの!初めてでも血が出ない人もいるのっ!
私、他の男の人となんてこんなことしないよ・・・」
などと嘘をつく。
最悪な雰囲気のところに颯爽とヒロインBが登場、主人公に全てを話す。
「だってねぇ、その女は他の男と
” 〜 〜 ”して” 〜 〜 ”なんだものっ!アハハハハ」
ヒロインA崩壊、
「いや・・・ぁ・・・ち、違う!違うよっ!
○○さんは嘘をついてる!○○さんは嘘をついてるよっ!!」
みたいなのならどうだろう。
つーか、書いてて変な気分になってきた。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 19:11:25 ID:RJI7AEsp<> ('A`)ヴェロア <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 19:16:22 ID:Zn8YyRNC<> >>32
けど本当にお前が大量の手紙を送られたりしたらさぞかし嫌がるんだろうなwwwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 19:38:17 ID:Lk6Td3z0<> >>42
それ魂響のかすみと紅そのまんまじゃねーか!陵辱じゃなくて和姦だったからさらに鬱 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 19:58:58 ID:zlyI91+F<> >>45
詳しく聞こうか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 20:26:05 ID:Lk6Td3z0<> >>46
主人公と両想いな妹(かすみ)が主人公にベタボレなヤンデレフタナリ(紅)の罠にはまり
紅の部下のイケメン男(こいつは実はナイスガイ)と和姦。ちなみに処女。
終盤に主人公とセクロスするんだけどそのときまさに>>42そのまんまの状況になります。
最後はショックを受けすぎた主人公が紅を受け入れて二人で去っていく。残されたかすみは絶望してEND
イケメン男はかすみの友達とできててかすみとの関係が見られてその子に刺されて死亡。
ついでにその友達の姉も主人公に惚れてるんだけど紅の罠にはまって陵辱されます。
他にもENDあるけどどれも紅が勝つENDでかすみは絶望。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 20:37:41 ID:zlyI91+F<> 主人公にベタ惚れなのにイケメンと和姦?凌辱じゃなくて?
何故…あぁ罠か
罠にしろ和姦にもっていくのは無理がなくないか

さっき感想サイト見てきたんだけどアンチ冬馬が多いね <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 20:58:49 ID:Lk6Td3z0<> >>48
主人公はへたれっていうかダメ人間すぎるからね・・
罠っていうか精神的に追い詰められちゃって(陵辱されかかったり主人公と友達の姉の和姦現場みたりその他諸々)
紅に無理やり命令されたイケメンに口説かれて兄さんのせいなんだから・・ってなって和姦。みたいな流れ。
イケメンは紅に薬つかってかすみを輪姦させちゃうぞって脅迫されてそれなら・・ってかんじ。
今考えると紅は相当なヤンデレだったな。スレ違いでごめん。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 21:18:18 ID:RJI7AEsp<> >>49
>主人公と友達の姉の和姦現場みたり
ちょ、お互いさまじゃねえかwww

俺はバハラグのトラウマのせいでどうしてもNTRは駄目だ……('A`) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 21:55:44 ID:3jVxKJf9<> 沙羅曼蛇ーより……はやーい! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/09(木) 23:15:01 ID:g0JYvsBM<> いや、そこは逆に考えるんだ。
「あんなド腐れ糞女、こっちからお断りに決まってんだろうが!」と思うんだ。

それにビュウはまだ良いよ。フレデリカやメロディア(それとセンダック)にも好かれてるし、これから幸せになる事だって十分可能なんだから。
本当に不幸な奴って言うのは、オルステッドみたいな奴の事を言うんだよ……。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 00:40:12 ID:ygQsKTfe<> 愛してるって言葉だけでは、信じてるって思いだけでは、人の心を捉えておくことなんて出来ないのよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 00:57:46 ID:MHlURQeR<> 愛してるってのは言葉にしなければ伝わらないのに
愛してないってのは言葉にしないでも伝わってしまうんだ
そう、あいつがあんな事になってしまったのも… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 00:59:53 ID:ZC9BzT8U<> ならば愛などいらぬ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 02:10:46 ID:X0ipuJOe<> お兄ちゃん、お兄ちゃんはお父さんとお母さんと、学校の先生に怒られちゃったの?
わたしはお父さんとお母さんと、あと友達とかにまでいろいろ言われたよ。
もうあんなやつら友達なんかじゃない。
お父さんもお母さんもひどいよ。
でも、だれもわたしとお兄ちゃんを知らないところに行けば問題ないはず。
名字が同じなんだから、夫婦で通るよね。
ご近所に初々しいご夫婦ねとか言われちゃって…
それでもし知ってる人が来たら×しちゃえばいいよね。
だから一緒に行こう?
ほら、旅支度して、えへへ 
大丈夫、ちゃんと出発前の「お掃除」はしといたから。
さ、お兄ちゃん? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 04:47:22 ID:T3u2U/DN<> >>56最高だ。ぜひSSにしてくれ。
ヤンデレ喫茶で全裸で待ってるから。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 09:08:08 ID:CVisOHdf<> >>57
無謀すぎるぞw
そういえばヤンデレ喫茶の発端となった人、未だに連絡がないな。今頃どうなっているんだろう? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 12:30:52 ID:DZ/Jpqrn<> おそらく10回目に行ったんだろう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 16:28:47 ID:po6vV3lt<> http://mup.vip2ch.com/dl?f=17193
保管庫見た限り絵でもいいみたいだから投下 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 16:30:12 ID:S2YDE8KX<> >>60
よくやった! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 16:43:27 ID:JtQNUzuc<> >>60
(・∀・)イイ!
でもこれ、どのSSの絵? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 18:19:52 ID:XiGo3Ehp<> SSの絵とは限らんだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 18:43:18 ID:JtQNUzuc<> となるとさすがに板違いではあるまいか。

でも逆にこの絵に合うSSを考えてみるという方法もあるか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 20:02:55 ID:ifK0gDAa<> >>64
空気ぶっ壊すようなレスしないで><
>>60
GJ乙 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 20:03:00 ID:po6vV3lt<> http://mup.vip2ch.com/dl?f=17199
大河内さん

>>60
板違いなことしてごめん <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 20:31:32 ID:aGrF5+Bw<> >>65
( ^ω^) ……。

>>66
大河内さんのイラストGJ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 20:38:51 ID:ajGkr/+J<> 半角二次元ならばオリジナルおk、
っていうか大歓迎何だぜ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 20:54:33 ID:Sl9mxWwF<> ま、ここは昔からヤンデレ系のネタなら何でも歓迎だったし
気にする事はないんジャマイカ

>>66
久しぶりの大河内さんktkr!
何かもう必死な所がカワユス <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 21:18:46 ID:aGrF5+Bw<> あれ?
保管庫の中の人、ご乱心?? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 21:20:19 ID:Sl9mxWwF<> ん?
なにかあった? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 21:24:11 ID:aGrF5+Bw<> 何か、リンク集がめちゃくちゃになってるキガス。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 21:25:48 ID:Sl9mxWwF<> 久々に見たらリンクがずいぶん充実してるな

単にリンクが増えたから編集方法変えただけなんジャマイカ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/10(金) 21:37:48 ID:aGrF5+Bw<> ああそうだったのか。
無駄に騒いでスマソかった。 <> 素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/11(土) 06:02:57 ID:ikuyr0LK<> 短い話を投下します。 <> 素敵な顔が見たいから ◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/11(土) 06:05:03 ID:ikuyr0LK<>  携帯電話を取り出して時刻を確認します。AM5:55。
 のんちゃんが起きる5分前です。
 あと5分、そう、あと5分待つだけで朝イチの、のんちゃんの顔を拝めます。

 のんちゃんはいっつも早起きさん。
 私が朝お家に入って朝食の準備や制服のアイロンがけや部屋の掃除をするようになってから、
どんどん早く起きるようになっています。
 最初の頃は嬉しかったです。
 だって、私のおかげでのんちゃんの生活リズムが整って、健康になっていくんですから。
 でも、さすがに最近は早過ぎです。
 前は早くてAM7:40、遅くてAM8:10に起きていたのに、昨日は6時起き。
 このペースでいくともしかしたら5時には起きちゃっているかもしれない。
 さすがにそれはやめてほしいです。
 いくら私でも5時までにのんちゃんを迎えにいく準備は終えられません。
 え、何の準備か? それはもちろん、血と愛液の準備ですよ。
 朝食とお弁当に混ぜるだけの量をとるためにはせめて30分は欲しいです。
 のんちゃんが朝早起きするせいで、今でも40分くらいしか時間がとれてないんです。
 楽しむためには、一時間あっても足りないのに。

 ポケットから合鍵を取り出して、玄関の鍵を開けます。
 この合鍵は一ヶ月前、のんちゃんが渡してくれたものです。
 あの頃ののんちゃんは照れ屋さんでした。
 私に合鍵を渡すために、わざわざペットののりちゃんの小屋の中に入れていったんです。
 そんなに恥ずかしがらなくても、のんちゃんがくれるものなら私、なんだってもらっちゃうのに……。
 一番欲しいのはもちろん、初めてと白い精液とムスコさんですけど。
 ほかには、のんちゃんの愛情も肉体も心も視線も優しさも――全部、ぜーんぶ欲しい。
 少しでも取り残しがあったら、他の女の子に取られちゃいますから。

 家の中に入ったら、のんちゃんを起こさないよう、這うようにゆっくりと廊下を進みます。
 廊下の突き当たりを右に曲がって、その先にある部屋へと、ひたり、ひたり。
 このときの私は、自身の呼吸で空気を震わせてのんちゃんを起こしてしまうんじゃないかと思うほど、荒く息をついています。
 だって、もう少しであのはにかんだ笑顔が――!

 もうだめです! のんちゃん、今すぐ行きます!
 ドアを乱暴に開けて、ベッドの上で布団の中に籠もって待つのんちゃんに、ダイビング!
 掛け布団の上から覆い被さって、私はのんちゃんの体を抱きしめて……って、あれ?
「のんちゃん、どこ行っちゃったんですか〜?」
 布団はぺしゃんこにつぶれました。
 別に私が重い訳じゃないですよ?のんちゃんが布団の中にいなかっただけです。
「のんちゃーん! 愛しのハニーが来たっていうのに、どこに行ったんですかー!」
「……ここです、先輩」
 のんちゃんの声です!振り返るとのんちゃんのまるでテディベアみたいに愛らしい顔が、顔が!
 ああ、その寝ぼけた顔なんかまるで女の子みたい!
 私の服、着せてあげたい!ううん、着せてあげます!
<> 素敵な顔が見たいから
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/11(土) 06:07:46 ID:ikuyr0LK<> 「のんちゃん、ミニスカートとブラウスの組み合わせって好きですか?」
「え……まあ、その格好が似合う人が着てるんなら何でも好きですけど。
 ――じゃない! もう来ないでくださいって行ったじゃないですか! 今の先輩、ストーカーそのものですよ!」
「え〜、違いますよ。私は、のんちゃんの恋人ですよ?」
「なっ……、本気で言ってるんです、か……?」
 のんちゃんの顔が青ざめました。
 もちろん本当に青いわけじゃないですけど、言葉にするとそんな感じです。
 でも、本当に顔が青くなってものんちゃんはのんちゃんだから、私の愛は変わりませんよ。

「のんちゃん、青が好きでしたよね?」
「え? はい、結構好きですけど……」
「じゃあ、私がのんちゃんを青くしてあげます!」
 顔と、髪の毛と、体と、爪と……あと、目にもカラコン入れたほうがいいかな。
 青いのんちゃん、楽しみです。
「青く、って……もしかして、赤マントとか……青って答えたら、血を抜かれるとか、そういう……意味で……?」
 のんちゃんが腕をさすってます。あ、鳥肌びっしり。
 風邪かな?おなか出して寝るとそうなっちゃうんですよ。
 やっぱり、早くのんちゃんを説得して一緒に寝てあげないと。
「青いマントでも赤いマントでもいいから、とにかく横になっているときは着とかないといけませんよ?」
「……っ! やっぱり……そういう、ことか……先輩は、血をどうするんですか」
「血? 血は……」
 あれ、昨日のお弁当のケチャップにたっくさん血を混ぜてたのに気づいてたんですか。
 何事もないように食べてたから気づいてないと思ってました。
 私もまだまだです。もっとのんちゃんをよく見とかないと。

「実は、私……」
「……はい」
「ご飯作るときに、よく使うんです
「――っ! ……う、く……」
 のんちゃんが息を呑んで私の言葉を聞いてます。まじめな顔も、好きです。
「今日もいっぱい、いっぱい使ってあげるから、楽しみに――」
「う、あああ、うわあああああああああああ!」
 のんちゃんが突然駆け出しました!
 部屋の外に出て、ドアを音を立てて勢いよく閉めたら、また声を張り上げました。
「もう、許してください! 僕は、なにも悪いことをやってないじゃないですか!」
 どたどた、という足音が遠ざかっていきました。
 続いて、玄関が閉まる音が聞こえました。

 何がしたかったんでしょう、のんちゃんは。私をこの部屋に閉じこめて……。
 あ、もしかして私を監禁するつもりだったんじゃ?!
 え、でも私はどちらかというとのんちゃんを監禁したい方で……でも。
「のんちゃんにしつけてもらえるなら、監禁されてもいいかも。――うふ」
 あのテディベアみたいな顔が、残虐な顔になったら、また可愛いかもなあ。
 見たいなあ。よし、来月の目標はそれにしましょう。
 でもその前に、一度めちゃくちゃにしてもらいたいですけど、ね。
<> 素敵な顔が見たいから
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/11(土) 06:10:29 ID:ikuyr0LK<>  今日の通学路では、のんちゃんと一緒に歩けませんでした。
 私がお弁当を作っている間、外で待ってくれているかと思っていたら、先に行っているんですもん。
 つまらないです。のんちゃんの無防備な眠そうな顔も、ふらふらとしながら歩く姿も見られない。
 あの、ため息を気だるそうに吐くときの横顔が見られないなんて。
 今日は他のところでいいことがあれば嬉しいです。

 お昼になりました。
 私の席は教室の廊下側の一番前。チャイムが鳴ったら先生より早く、誰よりも早く教室を後にします。
 もちろん、のんちゃんの元へ向かうためです。
 きっとのんちゃん、朝ご飯を食べてこなかったからお腹を空かせてます。
 コンマ一秒でも予断は許されない状況です。だから急いでいるんです。

 生徒や先生を蹴散らしながら、ようやくのんちゃんのクラスへたどり着きました。
「あ、先輩。今日も来たんですか?」
 声をかけてきたのはのんちゃんではなく、ついさっきまでのんちゃんと同じ時間を共有していた忌々しい女子生徒でした。
 今日のように急いでいなかったら無視するんですが、今日は状況が違います。
「ええ。のん――野村君はいる?」
「えっと……あれ? いないな、どこ行ったんだろ。さっきまでテーブルに突っ伏してたのに」
 のんちゃんが、いない?
 そんな、どうして!どこに行ったの?
 こうしては居られません。教室にいないとわかった以上、ここには用なしです。
 教室を背にして、すぐに探しに向かいます。
 今日のお弁当の酢のもの、自信作なんですから――絶対に、食べてもらわないと。

 のんちゃんは屋上にいました。もちろん一人です。
 よかった。誰か他の女と一緒に昼食をとっていたら朝の苦労が無駄になるところでした。
 今まで他の女に向ける憎悪を抑えつけてきた努力も無駄になるところでした。
 のんちゃんはフェンスの金網を掴みながら中庭を眺めていました。
「のんちゃん、ど、う、し、た、の」
「うわっ、うわわわあああ! せ、先輩っ!」
 声をかけた瞬間にのんちゃんが振り向いて、あとずさりました。
 後ろは金網ですよ?その先にはただ空があるだけですよ?
 さらにその先には――死が待っていますよ?
 もう、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに。

「うふ。はい、これ」
「なんですか、これ……いや、聞くまでもない、か……いつもの……」
「はい。私の愛情入りのお弁当。今日のメニューはね……」
「あの、作ってきてくれて、ありがとうございます、とは思いますよ。けど……もう、こういうのやめてもらえませんか」
「え?」
 やめる、ってお弁当を作ってくることを?
「馬鹿いっちゃだめですよ。これからもずっと、私がのんちゃんのお弁当を作ってきてあげますから。
 いっぱい食べて、栄養つけて。じゃないと、今日の夜、体がもちませんよ?」
「また、やるんですか……アレ」
「うん」
 アレっていうのは、いかがわしいことじゃないですよ?私とのんちゃんの鬼ごっこのことです。
 ずっと昔、私とのんちゃんが小学生のころから毎週欠かさずやってきたイベント。
 日付が変わるまでずっとのんちゃんが逃げ回って、私がのんちゃんを追う。どこまで逃げてもOK。
 それだけの他愛のない遊びです。
 けど、私にとっては大事な一週間のしめくくりなんです。
<> 素敵な顔が見たいから
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/11(土) 06:13:05 ID:ikuyr0LK<> 「もうやめましょうよ。二人とも高校生になったんだし、それに幼なじみなんて言っても、もう……」
「幼なじみなんかじゃないですよ〜。こ、い、び、と」
 そう。恋人。のんちゃんを独り占めにしてしまえる唯一の存在。
 その席にいるのは私だけ。もうきっと――誰もそこに座ろうとはしません。
 他の女は私の愛の前にひれ伏して、みんなのんちゃんの前から立ち去りました。
 もし誰か近づいてきても、私は絶対に負けたりなんかしませんけどね。

 のんちゃんがまた怯える表情を見せました。
「もう、やめてくださいよ」
「やめる? なにを?」
「そんな……ストーカーまがいのことなんてっ! 迷惑でしかないんですよ!」
「違うってばあ。怒りますよ、のんちゃん。私はのんちゃんの、たった一人しかいない恋人、なんです」
「そういうところがストーカーっぽいんです! さようなら!」
 のんちゃんは私を突き放すと、すぐに屋上から立ち去りました。
 うふ。照れてる照れてる。もう、本当にかわいいったらありゃしない。

 いじめたいなあ。手と、足を縛って、公園の木にくくりつけて、アソコを扱いてあげますよ。
 出そうになったら一回止めて、言葉責めにして、収まってきたらまた……って。
 でも、やっぱり気持ちよくさせてあげたいな。
 ――そうだ、お尻。お尻の穴に挿れられると男の人も感じるって聞いたことがありました。
 じゃあ、私の方からのんちゃんのお尻を犯してあげればいいんですね。
 のんちゃんの喘ぐ声、可愛いんですよ。
 先輩、許して。ごめん、好き、好きですから……もう、やめて……。

 あ……想像しただけで、アソコがとろけそう。
 駄目だなあ。のんちゃんのことを考えるだけで、どんどん愛が深くなってく。
 今はまだ平気だけど、この調子だといつか愛情のダムが決壊しちゃう。
 そしたら、本当になりふり構わなくなって、のんちゃんを犯しちゃうかも。
 でもそれじゃダメ。やっぱりのんちゃんからしてもらいたい。
 いっぱいいっぱい中出ししてもらって、いっぱいいっぱい撫でてもらいたい。
 子供もいっぱい欲しいなあ。みんな男の子がいい。
 小さいのんちゃんがいっぱいいるなんて、夢みたい。

「えへ」
 顔が勝手に緩みます。
「えへへへへ」
 唇が横に広がるのを抑えきれません。
「えへへへっ……私、すっごい幸せ者だあ……」
 約束された未来。その時がくるまでずっと待っているのは辛いけど、待ちます。
 私の人生は、のんちゃんのためにあるんですから。
 のんちゃんを手に入れるためにあるんですから。
<> 素敵な顔が見たいから
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/11(土) 06:15:07 ID:ikuyr0LK<>  走る、走る、走る。
 のんちゃんが逃げる、逃げる、逃げる。
 ああ、楽しい。まだ今は夜の8時。これから4時間ものんちゃんと遊べます。
 最近はのんちゃんどんどん足が速くなってきてて、少しでも油断するとすぐに逃げられちゃう。
 隠れながら逃げるのも上手だし、人ごみの中を突き進むのも手馴れてる。
 でも――まだまだ甘いですよ。

「のーん、ちゃーん!」
「ヒッ……!」
 のんちゃんを捕捉しました。現在5メートル前方を疾走中。
 私、足には自信があるんですから。
 もちろん足の長さにも自信がありますけど、走りにも自信があります。
「ほらほら、早く逃げないと、捕まえちゃいますよぉ?!」
「……はっ、はっ……も、やめて……くださいよぉっ……」
 ああっ、いいです、その声!
 勝手に頬が吊り上ってきますよ!
 のんちゃんを追い詰めてくこの気持ち、最高です。
 逃げ場を失って、絶望するのんちゃんの顔も見たい。
 誰にも頼れなくて、迷子の子供みたいな顔でさまようのんちゃんの顔も見たい。
 今からスピードを上げてのんちゃんを捕まえたら、凄くいい顔が見られるかも……。
 でも、まだしません。私には計画があるんです。
 のんちゃんとの結婚式当日、式場に来ない私。
 当然のんちゃんは私を探しにでかけます。もちろん花婿姿で。できたら和服がいいですね。
 今にも泣きそうな顔で、私を探して奔走するんです。
 私はのんちゃんと初めて出会った公園で待っています。
 そこへのんちゃんがやってきます。
 このときののんちゃんの顔、きっと凄く輝いてます。
 私を見つけられた喜びと、いまだ残り続ける不安と涙でぐしゃぐしゃです。
 のんちゃんが私を抱きしめます。そして涙声でこう言うんです。
 僕、君がいないとだめなんだ!僕の前から居なくならないでくれ!なんでもするから!
 これが、私にとって本当に嬉しいプロポーズの言葉になるんです。
 私は焦らしながら、のんちゃんを少しずつ許していきます。
 結婚式の前に愛を確かめるのは当然のことですよ。
 ねえ、のんちゃん?

「く………………かす、み……」
「霞ちゃん? 今度はその子?」
「あっ……!」
 えへへ……口が滑っちゃいましたね、のんちゃん。
 あの眼鏡かけてる小さい女の子のことですね。いいこと聞いちゃいました。
「先輩、霞に、は…………近づかないで……」
「ど、う、し、よ、う、か、な」
 あの子をいじめたら、またのんちゃんの泣きそうな顔が見られますね。
 今度はどれぐらい持つかな?せめて一週間はもってほしいです。
「お願いです。せんぱい……」
 えへへ。逃げ切ったら、考えてあげますよ、のんちゃん。
 簡単に捕まっちゃだめですよ?
 私は、ずっとのんちゃんの怖がる顔が見たいんですから。
 絶望のその先にある、誰も見たことのないのんちゃんの顔を引き出したいんですから。

「愛してますよ、のんちゃん」


おしまい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 06:18:34 ID:ikuyr0LK<> >>66
あなたにとても感謝しています。昨日はもだえ死にそうになりました。
自分で思っている大河内の1000倍は可愛かったです。しかも絶対領域装備。
じっと見ていると、なんだか紙から出てきそうな気さえしました。

描いてくださって、本当にありがとうございました。GJでした。
<> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/08/11(土) 08:03:48 ID:79UZaX18<> >>81koeeeeeeeeeeee!!!!

悪寒が走った。GJ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 08:17:26 ID:DKssVyJa<> このぐらいの短編もさらっと読めてイイ
先輩可愛いよ先輩 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 08:37:53 ID:IUHSesRp<> これは良い病みっぷり <> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/11(土) 10:19:57 ID:f39bCfLr<> 遅くなりましたが新スレ&保管庫更新乙です <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 11:40:10 ID:VSc9Q6o5<> 面白かったけど、主人公は鍵をとりかえろとw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 12:46:42 ID:WjGyOkCV<> >>86
ヤンデレに開けられない鍵は無い <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 14:06:40 ID:Pj9z1oJc<> >>87
鍵職人かよ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 15:08:49 ID:AltSWpRB<> >>86
鍵を変える→窓から侵入
防犯ガラスにする→電話がくる
全てシャットアウト→外に出たところをヤられる

回避不可能です。諦めて下さい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 16:23:20 ID:qK5ppGc2<> 俺の心の鍵だけは、開けさせないぜ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 16:37:18 ID:mJK9qYpo<> ガイシャの死因は胸部を刃物で・・・だそうです
検死の結果、心臓が無かったそうです


どうやら彼女は鍵ごと盗んだようですよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 17:54:39 ID:YeQ6rTD3<> この事件は猟奇殺人事件ではありません、強盗殺人事件です。
え?心臓がえぐられただけで金銭は盗られていない?
いいえ、彼女は大切な物を盗んでいきました。
被害者の「ハート」ですよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 18:23:03 ID:Pj9z1oJc<> >>89
やられるって殺されるのか・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 18:24:40 ID:Pj9z1oJc<> どうでもいいけど1980年代の映画ってよくこの女ヤンデレじゃね?って言う映画あるよね。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 19:13:12 ID:6km7k7AE<> 恋愛至上主義のあの頃は好きな男のためなら待ち伏せや付きまとい、
泥棒猫を絞め殺すのも許されたんだぜ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 20:29:17 ID:vW8nGX+q<> とりあえず、好きな相手の後をつけてしまう行為が
秘めた一途な愛だと思われてた時期は確かに存在した <> 緋口宗一<>sage<>2007/08/11(土) 20:32:34 ID:taAnTlBK<> 殺し屋1の垣原はヤンデレだと思うんだ。
というかあれがラブコメであることに映画作った人は気づいてない
気がしたんだ…マー君は「うおっ、アブねー、当たったらどーすんだよwww」
とか言わないよう…

ところで、「えっちシーンよりも暴力シーンでハァハァしてしまいます」
とこゆってる米倉けんご先生はヤンデレに入りますか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/11(土) 21:42:08 ID:PVzS/T5h<> >>97
(;^ω^)…… <> 緋口宗一<>sage<>2007/08/11(土) 23:00:34 ID:taAnTlBK<> 引かれてもこりずに逝きますよ!
いい長門を見つけたので。
ttp://codechaos.blog104.fc2.com/blog-entry-183.html <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/12(日) 00:18:11 ID:eb7F4FqQ<> 荒らしだったのか、こいつ……。 <> 緋口宗一<>sage<>2007/08/12(日) 00:41:00 ID:UtyKZcDX<> ち、違う…
わりと真面目にヤンデレ好きで前にSS書こうとしたけど
速攻で詰まって3,4か月放置してる酔っ払いです……!

>>99に挙げたやつの関連として
「愛しの彼が殺せない_朝倉涼子VER_」
もまあまあかと思ったのですがいかがでしょう。
ニコニコ動画でみれます。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/12(日) 00:48:06 ID:k3RwQWsl<> >>101
短編SSでも良い。お前の妄想、俺達に分けてくれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/12(日) 01:05:40 ID:gSlJSsbC<> 鬱陶しい自己顕示野郎だな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/12(日) 10:28:14 ID:OYdhnwg0<> まあ酔っ払ってるからなんだろう

それしてもスレの流れが速いな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/13(月) 00:56:24 ID:EArCiYNm<> そうかあ? <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:03:31 ID:cdP6PCyt<> 「……というわけで、魔法使いは自分の家にいる、髪長姫と王子様が逢引していることを快く思っていなかった事が最大の原因でした。髪長姫は…」
妹の理沙が延々と、しかし当の本人は飽きることなく、寧ろその時間一刻一刻を楽しみとしながら、僕をその膝の上にのせながら、本を読み聞かせている。
最初は妹の行為に対していささかばかりの抵抗をしていたが、すぐに妹の気性からその抵抗の無意味さを悟り、彼女の話す物語を聞いていることにした。しかし、時計の長針が一回り半する頃になると、病人であるが故に睡魔が襲ってくるようになった。
いつもなら、理沙はそんな僕から眼鏡をはずし、そのまま眠りにつかせてくれるのであったが、今日はそうではなく目を醒ましていることを強要してくる。
北方さんから貰ったしおりを一片の仮借なく破り捨てたり、無理なことを強要したり、言動においてもやや常軌を逸していたりと、理由なく強引な手段を取らないはずの理沙であったにも関わらず、今日はその性格を異にしているようだ。

ただ、その理由に全く心当たりがないわけでもなかった。
近頃の僕は理沙を軽んじすぎていたのだ。北方さんと話をする機会が増えた分だけ、妹である理沙と過ごす時間が減少したのだ。だから、理沙は寂しく思ったに違いない。
寂しいなどという品格のない形容では名状しがたい感情が苦しめていたのだろう。
それゆえ、このような行動を取っているのだと取れば、納得がいくというものだ。
だから、罪滅ぼしになるとは重いもしないが、敢えて僕は北方さんのくれたしおりを破り捨てた際も決して怒らず、
突発的に湧き上がった恐怖心から軽薄な抵抗はわずかばかりしたが、それもすぐにやめ、こうして理沙の話す物語に眠らないように必死になって耳を傾けている。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:04:42 ID:cdP6PCyt<> それから十数分間の間、理沙は話を読み進めていたが、何を思ったのか、真紅の本を棚に置いた。
「お兄ちゃん。」
そう、今までになく甘えるような声で僕を呼び、覆いかぶさるようにして上からその焦点を僕の瞳にあわせてきた。
僕は理沙を下から仰ぐようにして目と目が合った状況で、僕は先程感じた謂れのない妙な恐怖心を再び感じた。
冷や汗が背筋を伝うのと、電流のように恐怖心が体中に伝播していったこととで思わず、僕は肩をすくめてしまった。
「あはは、お兄ちゃん、どうしたの?そんな怖がっちゃ駄目だよ〜。」
理沙は僕の恐怖を少しでも和らげようとしている為か、優しげな微笑を口元に浮かべてから、ゆっくりと安心するように静かな声でそう言った。
しかし、そうした行為の間も理沙の目は僕の目から離さずにいた。
そして、何よりも特筆すべきことは、彼女の目は笑っていなかったことだ。
そう、顔は笑っていても目は笑っていないのだ。
そのギャップから生じる不協和音が僕に一層の恐怖感を与え、後ずさる場所もここがベットの上であることからないため、殻に篭るようにさらに強張った身体を収斂させる。
そして空調の稼動する音、秒針の規律正しく時を刻む音、医療機器からわずかにもれ聞こえる音、それらのいつもは気を払わないわずかな音一つ一つが僕の心を揺さぶり、針のように突き刺した。

自分の妹に対して何故、これほどまでに恐れる必要があるのかわからなかった。
自分が病人で、彼女に逆らえない状態であることに加えて、今日は理沙が強引な行動を取っているからだろうか?
それもあるかもしれないが、それ以上に何か危険が自分に迫っている事を本能的に感受していたような気がする。
だから、相手が妹といえども強い恐怖心を抱いたのだろう。



そして、その予想は当たっていたと言わざるを得なかった。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:06:27 ID:cdP6PCyt<> 「どうして、怖がるの?お兄ちゃん?」
「……。」
無言の答えを返す僕に対して、毛ほどの慈悲も与えることなく続けて言った。
「お兄ちゃんが怖がっている理由、私は知っているよ。私ね、お兄ちゃんのことならなーんでも、知っているんだから、当たり前だよね。」
次の瞬間、取り繕われていたわずかばかりの微笑みすら消えてしまっていた。
「お兄ちゃんはあの忌まわしい雌猫に汚されたことだって!」
激昂した理沙の目には既に狂気が宿っていた。その怒気迫る表情に恐れをなすあまり、彼女が言っている汚された、という語句に注意が行き届かなかった。
「ごめんね、お兄ちゃん。思い出したくもない事を話して。でもね、私はお兄ちゃんが私を怖がっている理由、北方さん、いや雌猫にあると思うの!」
そうではない、僕自身も彼女の事を愛しているのだ、と弁明しようとしたが、崖を加速しながら進む岩のように語気をより強めながら話している理沙の発言に対して、
割って入ることが火に油を注ぐことになるのはわかっていたので、できなかった。
「雌猫はお兄ちゃんの心をコントロールしているの!だから、お兄ちゃんはお兄ちゃんの為を思って行動しているのに、私が悪だと思うの!」
僕のためかどうかは、彼女にとっては正直なところ、北方さんに僕が奪われるよりはまともだと考えた結果、軽視したのだろうか。
「理沙、僕は理沙を悪だと決め付けてなどいない。それから、北方さんを悪く言うのはやめなさい。」
理沙が北方さんを対して並々ならぬ嫌悪を抱いているのは既に解っていた。そして、自分に少なからず、その責任があることも。
そこまで知っておきながら、兄としての立場を理解していながら、怪我をしても何もしなかった自分は愚かなのかもしれない。
しかし、ここまで大切な北方さんを誤解、否、悪意にとっているならば、とにかくその誤解を解きたいという気持ちが先走った。
これ以上、無意味な対立を原因としてこの前のようなことが起こるのは耐え難いのだ。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:08:06 ID:cdP6PCyt<> 理沙をたしなめようとしたその時、理沙は身軽に僕に覆いかぶさり僕の発言を妨げるように、唇を塞がれた。
唇を重ねているだけでなく、理沙は舌を僕の口に潜り込ませ、あまつさえ僕の舌に絡めてきた。
次第に頭がぼんやりとしてき出して、真っ白なもやがかかったようになっていった。
今、強引に身体を重ねてきている相手が自分の実の妹であることは、当然把握できていた。
しかし、それに対して抵抗することができなかった。明晰な意識状態にあり、十人並みな倫理観があるならば、そうしていただろうか?
しかし、今の僕には前者が欠けていたのだろう。
理沙は病弱な体とは思えないほどの力で覆いかぶさって、僕を動けないようにすると、あらかじめ用意していたのか、
几帳面に整えられている制服のポケットから短めの縄を数本か取り出した。
「お兄ちゃん、少し痛いかもしれないけど我慢しててね。」
そう言う声はいつも僕に昼食を作ってくれたり、僕の制服のボタンを付け直してくれたりした、優しい妹そのものであったことに、
背筋の凍りつくような恐ろしさを感じた。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:10:16 ID:cdP6PCyt<> 気がつくと、もう既に背中には噴き出した気持ちの悪い汗がつたっている。
そんな中、僕の体の上に乗っている妹は手を動かしている。
「や、やめなさい!」
そんな発言など問題ないかのように、手際よく両手と両足をそれぞれ縛ると、一旦僕から離れて、
通学用鞄から長めの縄を取り出して、ベットと僕の体を縛り合わせた。
その作業の間、僕は抵抗し続けたが、両手両足の自由を奪われている以上、そんなものは蟷螂の斧でしかなかった。

「さて、と。準備はできたね。」
妹はこれ以上、が無い程の満面の笑みを浮かべている。これほどまでに妹が喜んでいる姿をいまだかつて僕は見たことが無かった。
そう、僕が理沙を映画や買い物に連れて行ったときも、理沙がよく私服につけているブローチをあげたときも、
こんなにうれしそうな顔をしていなかった。
それがただただ悲しい。

「お兄ちゃん、これから何をするかわかっているよね?」
あはは、と笑いながら僕に尋ねた。

「………。」
「今から、あの雌猫の毒を抜いてあげるんだよ、お兄ちゃん?それにね、お兄ちゃん、私ね、お互いの事をもっとよく知るべきだと思うんだよ。」
拘束された僕の眼前でおもむろに、制服を脱ぎ始めた。
悠々たる態度で一糸纏わぬ、生まれたばかりの姿になった。
そして、理沙は手早く脱衣した制服をたたんだ。
理沙は抵抗しようが無い僕から夜着の下衣に手を掛け、下着ごと脱がして僕のソレをあらわにする。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:11:34 ID:cdP6PCyt<> 「本当にやめなさい。こんなことして、何の意味があるんだ!実の妹じゃないか!」
「大丈夫だよ、何もお兄ちゃんは怖がる必要は無いんだからね。すぐに楽になるよ。」
「僕の話を聞きなさい!」
そういう僕を尻目に夜着の上衣のボタンを一つ一つ丹念にはずしていき、それらをたたんで棚に置いた。
そうしてから、彼女は再び動けない僕の体を覆い、唇を重ね合わせた。
「んちゅ………ぴちゃ……」
理沙はそのごく小さな舌の動きを止めずに先程以上に執拗に、ねじ込むようにして絶えず僕の口内を舐め回し、舌に絡めてきた。
「はぁ……くぅぅ……り、理沙……」
そうしながらも、空いている手は僕のソレへとのばされており、どこで覚えたのか解らないほどの技術で強烈な刺激を与えた。
「ちゅ……んっんー……」
それが如何に罪深いことであるか解っていたが、理沙がとめどなく与え続ける二つの刺激にただただ壊れてしまった人形のように、
身体を震えさせることだけしかできなかった。
当然、こみ上げてくる快感を押しとどめることはできず、抵抗するどころか、あまつさえもっとそうして欲しいとすら思ってしまう。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:13:19 ID:cdP6PCyt<> 抵抗がとまったことに満足したのか、僕にかける理沙の力が幾分か減り、一層気持ちよく感じられてくるのだった。
軽い電流が流れ続けて頭が灼かれるような、そんな感覚が僕を狂わせていく。
抵抗せずこのままなされるがままでいるのも悪くない、寧ろ今のこのひと時を楽しんでもいいんじゃないかとすら、感じた。
先程抱いていた背徳感なぞ陽炎のようなもの。
夕方だというにも熱い外気によって生み出された陽炎のようなものに違いないのだ。

そう思い出した頃から、理沙は僕のソレへと伸ばされている手の動きをより早く、過激なものにしていた。
その心地よさに僕は麻薬か覚醒剤でも投与されたかのように痙攣した。
気づけば、理沙も心なしか震えている。
拘束の補助として使われていた片手が理沙のソレへと伸びているのに気がついた。
距離というべき距離が無くなって、僕の目を見つめていた理沙には、僕の心境の変化を見通していたのかもしれない。

「お兄ちゃん、ダメだよ〜正直にならなくちゃ。お兄ちゃんは私の事をじらしているんだよね、だってそのほうが私だって楽しめるからだよね、あはは。」
うれしそうな声がはかなく霧と消え去ってしまいそうな意識の中で聞こえ、それは天啓か何かのように聞こえた。
そうだ。お兄ちゃん、と慕ってくれる妹と愛し合うのが何がいけないのか? <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:15:29 ID:cdP6PCyt<> 「あ、あ、あ、あああ……」
理沙が切ないあえぎ声をあげている。
そして、緩やかだった僕のソレに添えられていた手の動きも既にかなりの速度になり、当然のように絡みつく舌と舌。
「んん……ちゅぅぅぅ……ちゅぷぅぅ……」
そう、それはもはやキスと呼べるようなものではなく、唇と唇が重なり乱れあうだけの貪りあいに相違なかった。
僕の中で何か熱いものが体中を速い速度で駆け巡り、ソレにだんだんと集まっていき、臨界点へと達しようと少しずつ限界を告げる。

「お兄ちゃん……お兄ちゃん……はぁぁぁ……」
「ううっ……あああっ……理沙、僕は…」
「お兄ちゃん……はあぁぁ………私も…もうちょっとで……はぁはぁ……お兄ちゃん…気持ちよくなって!」
すぐ目の前に見えた限界を前に、ここぞとばかりに理沙の手が早くなった。

「理沙、理沙、もう………駄目…だ……!」
「お兄ちゃん!…わ、私も……!」
そういうと再び、離されていた唇をそれまでに無く強く重ね合わせる。
「理沙、理沙ぁぁぁ!」
「あああっ! あああああっ……!」
その瞬間に、僕の周辺の世界がすべて真っ白になり、それはディスクが新しくフォーマットされていくような感じだった。
ただ、下半身から熱い塊が放出されていく感覚だけがあり、
それがややぐったりとした理沙のきめ細かな肌にかかるのをどこか現実味の無い世界の事のように眺めていた。
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:17:48 ID:cdP6PCyt<> それから、長いことぐったりとしていた理沙は、自分の体と僕の体をティッシュで綺麗にしてから、落ち着いた表情で僕を見つめてきた。
ブロンドの髪に相対する黒曜石のような透き通った瞳に僕は吸い寄せられそうになっていた。

「お兄ちゃん、もう、我慢しなくてもいいんだよ。私だって、お兄ちゃんと無理やりしたくないし、
私もお兄ちゃんを……もっと…もっと……感じたい、から。……その…もっと……して。」
拘束し四肢の自由を奪う、という異常な選択をしていながら、いまさらのように恥らいつつそう言っていたが、
そういいながらも先程まで手の動きの心地よさと絶頂が反芻されて思考を停止させる。
何も考えたくない。
ただ快楽を貪りたい。そう感じた。
それから、理沙は僕の両の腕と胴体そして両足を拘束する縄をベットの近くにある鞄から取り出したナイフで順々に切り落とし、
拘束から僕を解き放った。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:19:32 ID:cdP6PCyt<> 「ねぇ、お兄ちゃん……来て。」
頬を赤らめていつもする照れ隠しのような色合いを見せている。
すぐに理沙のすぐ傍まで来なかったことが、少しじれったかったのか、伸ばしてきた手が僕の腕を掴み、胸に抱き寄せる。
顔のすぐ傍まで小柄な妹にはやや不似合いの双丘が迫り、すぐに暖かい温もりを感じる。
「お兄ちゃん、ギュッと私を抱きしめて。」
そういいながら僕をより強く抱擁する。
理沙の体の暖かさが僕を眠りへと誘う。
優しい温もりと心地よさが先程まで荒ぶっていた僕の心を落ち着かせる。
ずっと、ずっと、こうしていたい、そう思う。このぬくもりはどんな凍てついた心さえも温め、
苦しみをも和らげてくれそうな気がする。

「お兄ちゃん、気持ちいい?今度は……お兄ちゃん…」
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:21:41 ID:cdP6PCyt<> しかし、この理沙の温もりを強く感じていながら、今頃になって、このどんな苦しみをもやわらげてくれる温もりが、
傍にいるべき人の温もりが理沙のものであるはずがない、とふと本能的な何かが僕にそう告げている。
そう思ってか、無意識のうちに理沙の体から離れる。

すると、急に理沙への身を溶かさんばかりの幻想が泡沫のように消えていく。
なぜか、胸騒ぎがするのだ。
彼女の父の約束によって、北方さんが僕のいるこの病室に一度もこなくなってからの事について―。
当然、彼女の事だからいつもの能面で過ごしているとは思う。
しかし、これは僕のうぬぼれかもしれないが、きっと心の中では寂しさを感じているに違いない。
むしろ、うぬぼれであって欲しい。
約束を理沙が一方的に破っている事も、釈然としなかった。
落ち着いて考えてみれば、理沙が言うような北方さんが理沙に対して攻撃したことはほぼ無いといっていい。
あるとすれば、あの自衛の為にスタンガンを向けた程度の事であっただろうか。
僕だって、スタンガンを押し当てられそうになったとしたら、北方さんと同じ行動を取っていたのかもしれない。
「……どうしたの?」
それに対して、理沙は北方さんの自転車の細工をしたり、屋上に呼び出して北方さんを襲っている。
そう考えると、どちらが正しいことを言いそうなものかすぐにわかるものだろう。
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:22:59 ID:cdP6PCyt<> 北方さん………。
自分の暗い過去を背負いながらも健気に、一人で生きてくることを強いられていた彼女。
そんな彼女が僕が悲しみの淵に立たされているときに、優しく抱擁してくれた。
傍にいる事さえできれば、他には何も望まない、と言った彼女―。
本当は触れたら脆くも壊れてしまう、ガラス細工と変わらないような儚い存在なのに、
僕だけしか守ってあげられる人がいないのに、ただ一人で歩んでいこう、強くあろうとする彼女―。
そして、いままでの思い出一つ一つが紡ぎ出されていく。
僕も彼女の事を愛しているのだ。それはおそらく、今も変わらない。
最も守るべき彼女をないがしろにするわけにはいかない。
僕が守らなくてはならないのはあくまでも北方さんなのだ。
彼女を守らなくてはならない僕が、彼女が望むように一番、傍にいてあげなければならない僕は、
彼女を裏切るような真似は絶対にできない。
どうして、さっき、僕はこんな単純な事に気づかなかったのかと思う。
それで、僕が気づいたときには妹と過ちを犯す一歩寸前まで来てしまっていたのだ。
さっきの自分の考えこそが陽炎であったのだ。その陽炎はもう跡形も無く消えてしまった。
だから、今からでも遅くない―。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:25:25 ID:cdP6PCyt<> 「お兄ちゃん、どうしたの?大丈夫?」
急に黙りこくってしまった僕を本当に心配するように理沙が尋ねる。
今ならば、まだ、やり直せる。いや、やり直さなければならないのだ。
このまま、理沙と体を重ね、交わることで何かが終わってしまう、そしてそれからは破滅が始まるのだ、とそう何かが強く警鐘を鳴らしている。

「…お兄ちゃん……お兄ちゃん、私のこと、嫌い?」
理沙が僕の名を呼び続け、自然な微笑みを浮かべながら僕にそう尋ねる。
それでも、僕はやはり理沙に拒絶の意を示さなければならない。
「理沙の事は好きだ。しかし、僕は北方さんを愛している。その上に理沙、僕はお前の兄だ。だからこれ以上は……できない。」
そう、理沙の黒曜石の瞳から目を放さずに自らの決断をかみ締めるように言った。
その深刻そうな表情に理沙は狼狽の色を隠せない。
「……、ど、どうして。私はお兄ちゃんのことが好きなんだよ!」
狼狽していることがその震えた口調になって現れる。
「理沙、お前が嫌いだと言っていないよ。でも、僕は気づいたんだよ、自分のすべきことに。」
「やはり僕は北方さんを裏切ることはできない。」 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:26:56 ID:cdP6PCyt<> 続けざまに発せられた僕の発言は、肩を体全体を震わせながら、泣くことをぎりぎりのところで止めていた堤防を破った。
「どうして!あんな、あんな雌猫なんか!お兄ちゃんは操られているんだよ!どうして、どうして、お兄ちゃんは私の言うことを聞いてくれないの……お兄ちゃんは私だけのもの…なのに……。」
「………。」
それは、病弱な妹が今まで見せたことが無いほどの取り乱した姿だった。
興奮したためか、理沙はぜいぜい、という荒い息を肩でしていた。
おそらく、喘息の発作が出たのであろう。
ここで生半可な優しさを見せることは逆効果だとは思いつつも、
自分の身勝手とも言える行動のせいでこうして発作が出てしまっているのだと考えると、
発作のときにいつもそうしていたように、手を力いっぱい握ってやりたいという気持ちがして、手を伸ばしかけた。
が、妹はその手に手を伸ばそうとはせずに、喘息の発作で苦しそうな表情のまま、制服を静かにそして手早く着ている。
「………。」
うつむき加減の妹が苦しげな表情に混ざって悲しそうな表情をしているのがわかって、また罪悪を感じたが、自分が罪を犯していたことの罪悪を考えて、何とか我慢しようとした。
やがて、服を着た理沙は恐ろしいほど物音一つ立てないほど静かに、ナイフでちぎれた縄の残骸を拾い、広げられたいくつかの道具と荷物を鞄にしまって帰る仕度をした。
それを僕は無言で見送っているだけだった。
それに対して、妹の理沙も何も言わずにただ背を向けて、この部屋を出て行ってしまった。
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:28:04 ID:cdP6PCyt<> 年のわりに白髪が多く、ごま塩頭のようになっている男が、泊まり先のホテルの一室で、手の中のCMで宣伝されている機種の携帯電話を耳に当て続けている。
しかし、その男は一度も電話の相手と話していないのだ。
着ているスーツの趣味のよさと身のこなしからそれなりの身分の人間であることを匂わせるその男はこの数日間、同じ相手に電話をかけ続けていた。
しかし、その相手は出ないのだ。その相手の母親が電話に出ることがあっても、相手に取り次ぐことは一度としてなかった。実際にその相手の家に向かっても、取次ぎはしない。
なぜかは解らない。
しかし、いずれにせよ言える事は彼は焦っていた、ということだ。
この賭け、そして彼自身に残されている時間がもうわずかしか無いのだから―。
彼は自分と同じ悲劇を他の誰かが味わうことを望んでいなかったから―。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/13(月) 02:28:54 ID:cdP6PCyt<> 彼は当事者同士を会わせないようにして、各個分断することにしたのもそのためだ。
しかし、各個分断して秘密裏に解決しようとした本命の相手に何度電話をかけても相手は出ようとしない。
電話が八十ほど鳴った頃、彼は諦めて携帯の通話を切った。
そして、再び今度の商談についての書類が置かれている机の上へと視線をやった。
そこには、無機質な数字と文字の羅列された商談についての書類が広がっていたが、
机の端に診断書と大病院の院長へ宛てられた推薦状が入った紙袋がさりげなく、商談の書類に隠れるように存在していた。
自分と同じ思いをさせたくない、そういう気持ちと度重なる厳しい仕事がその病院へ向かう機会を一回、また一回と潰していった。

もう、治らない、そういう諦念が彼に少なからずあったことも原因であった。
それだけに、彼は娘とその愛する人、そしてその妹、三人のうち誰一人として、悲劇に見舞われないようにしたいと逸り、
気ばかりが急いてしまうのだった。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/13(月) 02:30:28 ID:cdP6PCyt<> 13話でした。
では、また。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/13(月) 02:54:58 ID:wBRw5ZnH<> GJ!!!!!!!! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/13(月) 03:22:00 ID:AaUZ52oK<> ぐっじょ!早起きは三文の得と言うが、本当だな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/13(月) 07:25:36 ID:biuWRhh3<> 途中までヘタレ全開の松本君
が、誘惑に耐えてよくがんばった! 感動した! <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/13(月) 18:53:05 ID:DnG/MSwT<>  投稿します、以下長文乱文誤字脱字はご容赦ください。

キ道戦士ヤンダム〜狂戦士

 それから三日後、パプアニューギニア沖における極東アジア軍と北イタリア及び欧州連合軍との戦いは熾烈を極め、
 両軍のロボットの残骸と兵士の死骸で南方の海は覆い尽くされていた。
 しかしそんな中でもくじける慶介ではなかった。慶介は沙紀とともに覇洋で前線を戦い抜き、ようやくヤンダム搭載船
 の確保に成功した。
 「これで…ようやく沙紀が救われるのか」
 手にはさっそくコンテナから取り出したヤンダムのアンプルを握って呟く慶介…しかし残念なことに
船を確保するまでに覇洋は装備と燃料を使いきり、その自慢の右手は完全に破壊されていた。このまま追っ手が迫れば、機体で
逃げ切ることのできない二人はただではすまないだろう。
 「…すまない沙紀、こんなところで…後一歩ってところで俺と心中することになるなんて…」
 「…ううん!希望を捨てないで慶介少尉!ほら、あれを使えば!」
 彼女の指差す先には、カーゴトラックに載せられたロボットが一台あった。
 「…いや、あれは調べてみたんだが…どうやら、ヤンダム常用者専用の機体らしくてな…お前や俺が
飲んでいるような強化薬での反応スピードじゃあ…」
 「…なら、私が飲んでみる!」
 「そんな…使用分量もきちんと量ってないってのに…第一拒否反応が出たら最悪お前が廃人になっちまうぞ!」
 「いいの、それに私…いつも慶介に守られてばかりだったから…」
 そういうと沙紀は慶介の手からアンプルを奪い取って一気飲みし、そのままロボットのコックピットに乗り込んだ。
 「…沙紀…」
 慶介は複雑な気持ちを抑えつつもロボット…後に慶介によってヤンダムと名づけられた白銀の機体…に乗り込んで
操縦用コンピューターを起動させた。
 「…あはははは、こんなシステムで動くのこれ?はっきり言って覇洋のシステム性能がゴミに思えてくるよ!これなら
敵機の百や二百…ははははははは!!!」
 あははあはは…と、テンションの高い沙紀のオペレート操作に不安を感じながらも慶介は必死に追っ手の敵ロボットと
交戦した。結果、敵側の新型機体であるペスカトーレMRB≠003五機は自軍の極秘開発された最強兵器であるヤンダムのビーム
チェーンソーによって海の藻屑にされてしまった。
 後に海中世紀戦争での極東アジア軍の完全優位を決定させる事件…ヴァリアント攻防戦である。
 
  <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/13(月) 18:56:27 ID:DnG/MSwT<> 「ねぇねぇ慶介、こうしてお買い物するのって久々だよね〜」
 それから数日後、シンガポールに寄航したヴァリアント号のメンバー
は久々の休日を楽しんでいた。
 「うん、俺もすごく嬉しいよ…でも、さぁ…」
 「へ?どうしたの慶介?…何か…まさか何か不満でもあるのかなあ?」
 ほえほえとした声で答える沙紀、しかしその眼差しはどこか光を失ったような、とろんとした目に
なっていた。
 「手をつなぐなんて…その…恥ずかしいって言うか…」
 「嫌なの!?」
 「嫌違う!嫌じゃない!俺はこのままがいい!」
 すばやい沙紀の反応に慶介は即答した、それを聞いて、よかったよ〜と沙紀は表情を綻ばせた。
 …おかしい、この反応は異常だ…慶介はここ数日の間…ヤンダムを服用してからの沙紀の異常
行動に恐怖を感じていた。
 服用薬をヤンダムにしてから、確かに彼女は以前のように発作を起こすことはなくなった…
しかし、普段は災害にあった当時のことを思い出すからやめてほしいといって握らなくなった自分
の手を、彼女は四六時中握り始めるようになったのだ、戦闘場面ではさすがに控えてくれと言って
はいるが、それもなかなか聞き入れないくらいに…彼女は自分をもとめ始めた。
 更にそうなると隊内にもからかいのうわさが流れ始める、…そのことを訂正させようかとたまたま声を
かけてきた女性仕官達に話しかけたところ…。
 「なんで…そんな女と話してるの!!!」
 沙紀は一気に慶介に詰め寄った、もちろん普通には詰め寄らない、軍服の襟部分
をつかんで軽がると慶介を持ち上げたのだ…そして自分の目を見つめること数秒後。
 「…そうだよね、慶介少尉は私しか見てないものね、あの女たちが勝手に少尉に
迫ってきたんだよね…なら、そんなビッチは粛清したほうがいいよね…あは☆」
 そういうなり沙紀は腰元の拳銃を士官達に向けようとした、あわや大惨事になる
ところだったが、慶介の必死の説得でその場は事なきを得たのだ…そして、その後
自室にてある程度落ち着いたところで彼女は…一気に慶介の唇を奪ってこういったのだ…。
 「慶介…もうずーっと私から離れないでね…」
 隣にいる沙紀の笑顔を見るたびに、彼の頭の中にはその記憶が浮かんだ…自分は彼女以外
の人間とは最初から付き合う気はなかったのだが、こうも日々疑われてはたまらない。
 「なあ沙紀…言っておきたいことがあるんだ…俺はお前をー…!?」
 沙紀を見つめようとして振り向いた慶介…その視線の先には信じられないものがあった。
 商店街のショウインドーに…今はこの世にいないはずのあの人物が写っていたからだ。
 「沙紀!こ…こっち来い!!」「うわあ!!何なのいきなり!!」
 「今…あそこに妹が…七海がいたんだ!!」
 「…ナナミチャンガ…ナナミチャン…」
 ぶつぶつとそう繰り返す沙紀を尻目に慶介はショーウィンドーに駆け寄った、災害に
巻き込まれてもう死んだ妹が街中に立っていたのだ…たとえそれが他人の空似であった
としても興奮するのは無理もない。慶介花は妹らしき人物に急いで駆け寄ってこう叫んだ。
 「おいアンタ…ひょっとして…七海じゃあないのか?」
 「…お兄ちゃん?」
 ショーウインドーで物欲しげに服を物色する少女…、彼女のお兄ちゃんと呼ぶその言葉の
先にいるのは間違いなく慶介だった。
 「生きてたのか七海…心配してたんだぞ」 <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/13(月) 19:00:12 ID:DnG/MSwT<> 「生きてたのか…七海…七海!!兄ちゃん、ずっとお前を心配してたんだぞ!そうだ、
母さんは!?」
 妹に会えた嬉しさなのか、それとも気が緩んでいたのか…とにかく慶介は気づいて
いなかった、最愛の妹の目が…ヤンダム常用者特有の…死んだ魚のようなとろんとした
目になっていることに…。
「じゃあ行こう、お母さんも待ってるよ」
 ドゴッ!!…慶介に近寄ってきた七海は…慶介に抱きつくと見せかけて一気に鳩尾に拳を打ち込んだ。
 「かはっ!!…なな…み…!?」
 「ゴメンねお兄ちゃん、でも大丈夫だから、基地でお薬をもらえばお兄ちゃんも楽になれるよ…」
 「う…おがぁ…」
 声を上げれずにのた打ち回る慶介…おかしい…こいつはおかしい…何があったんだ七海
…しかも基地って…。
 ぱあん!!「きゃあ!!」
 七海の悲鳴が聞こえる、のた打ち回る慶介の背後に拳銃を持った沙紀が仁王立ちしていた。 
「…何してるの慶介…何でそんな妹なんか相手に何してるの!?」
 恐ろしく低い声で沙紀が静かにしゃべりかけた。 
「沙紀…お姉ちゃん…ふうん、そうなんだ…」
 「や…やめ…」ごん!!、と。
 両者に抵抗の意思を示そうとした慶介の頭部は沙紀の強力な蹴りを食らい、軍人としての
鉄壁の意思はブラックアウトした。 
 
 「おお、お目覚めか少尉…」
 気がつけば慶介はヴァリアントの医務室のベッドの上にいた、松高に聞いてみるとどうやら
ぼろぼろの沙紀が自分をここまで運んでくれたらしく、彼女もここにたどり着いてすぐにダウンしたそうだ。
 「そうですか…しかし一体何が…」
 慶介は混乱する頭を何とか落ち着かせようと松高に一部始終を話してみた、もちろん沙紀の無断発砲
のことは伏せておいたのだが。
 「やはりか…ヤンダムの副作用がそこまで迫っていたとは…」
 「副作用?なんですかそれ…だってヤンダムは!?」
 「あれは普通の人間にはそれほど影響はないんですよ
…普通の精神状態を保った人間が使用すればね…しかし依存心の強い人間が使用した場合…」
 「何だよそれ!それじゃ沙紀はもう…一生あのままだってのか?じゃあ俺は何のためにあんな
大量のヤンダムを…何のために…」
 「戦争に勝つための任務でしょう?それ以外の何者でもない」
 「あんた!!…っつ!!」
 激情に任せてつかみかかる慶介の腕を押さえて、松高医師は続けた。
 「…退役を進めますよ、もうこれ以上貴方がたはここにいるべきじゃあない…
これ以上服用を続けたらあなたまで…いや」
 松高は慶介の腕を振り解くと、医務室のドアを開けた。
 「もう貴方は自分の心の深い穴に飲まれている…それからもうひとつ、多分貴方の妹は
敵国の兵士…スパイかなんかだ…もうこれ以上ここでは戦わないほうがいいかもしれない、それじゃあお大事に…」
 ガチャリと医務室のドアが閉じた…考えをまとめるはずが余計に混乱した慶介は、意味もなく頭を掻き毟り始めた。
 「何だよ俺…俺は沙紀が救いたいだけだったってのに…くそおおお!!」 
 「…うん…慶介」
 慶介が叫んだ声でおきたのか、傍らのベッドで横たわっていた沙紀はむっくりと起き上がり…。
 ドグシャア!!…右ストレートで一撃で慶介をノックアウトさせた、沙紀はそのまま混乱している慶介に
馬乗りになった状態で次々に鉄拳を食らわせた。
 「あははははは!なんで妹なんか見てるの?どうして私を見てくれないのあはははは!!やっぱりお仕置きだよね!!
だっテ慶介悪い子だもん!!あはははははは!!妹だいすきなんてゆるさないもんあははははははは!!!」
 その後、慶介は意識が吹き飛ぶまで沙紀に殴られ続けた、ヤンダムによって強化された筋力での打撃は凄まじいものだった。
 
<> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/13(月) 19:01:54 ID:DnG/MSwT<> 「うぐ…ひぐ…ごめん…なさい…」
 「いや、お前に悪気があってやったことじゃあないんだ、気にするな…」
 ひとしきり慶介を攻撃した後、薬が切れたのか沙紀は急におとなしくなった
…そして冷静になった沙紀の思考は一気にパニックになり…こうなってしまったのだ。
 「ぐず…でも…慶介が誰かにとられちゃうって考えたら私…」
 「いや、もう何も言うな沙紀…」
 そういって慶介は沙紀を押し倒した。
 「俺がお前を守る、傷ついても、お前に傷つけられてもだ、もう俺はお前
を裏切らない…妹のことは…いざとなれば俺が始末をつける…だから…俺を信じてくれ…沙紀」
 「うん…はあ…」
 沙紀は全てを悟ったように目をつぶり、慶介の唇と、舌を受け入れた。
 
 「大好きだよ、慶介」
 
 数日後、慶介たちはパプアニューギニアからオーストラリア沿岸に攻め入るべく、ヴァリアント号
での上陸作戦を刊行していた…。
 「うおおおお!!これで十機!」
 相変わらず絶好調の慶介と沙紀のヤンダムコンビは、新兵器であるヤンダムのビームチェーンソーで
次々に敵を撃破していった。
 「いけるぞ沙紀!あと少しであの艦隊を!!…」
 「待って慶介!!後ろに敵が!!」
 ザシュ!!…ビームチェーンソーを構えなおそうとしたヤンダの右腕は一気に切り落とされた。
 「くそ!ブースタージャンプだ!!沙紀、ほかに武器は?」
 「待って!今右手にビームクッキングナイフを装着させるから!」
 ジャンプで一気に距離をとったヤンダム、しかし背後の機体はそれを構わずに脚部からミサイル
を連射した。
 「何だあれは…赤い機体、新型か?」
 敵と正対したヤンダムがメインカメラでその姿を確認する、敵機体は赤く、その姿はまるで
鎧武者のような無骨なものだった。
 「くそ!多弾数型の機体に勝てるかよ」
 「慶介!敵が…無線を出してる…っ!!」
 敵の無線回路をキャッチしたラジオシステムが、メインディスプレイに敵の姿を映し出す。
 「お前は…」「うそ…そんな」
 敵パイロットの顔は紛れもない…慶介の妹である南 七海だった。
 「お兄ちゃん…また会えたね、それじゃあまずは…悪い虫を駆除しなきゃ」
 ドゴゴゴゴゴゴーン!!!七海の乗る機体は、次々にミサイルを放った。
 「大好きだよ、お兄ちゃん…だから私のために…怪我して降伏してね」
 慶介は自分の顔から血が引いていくのを感じた、そして沙紀の…顔を見ることすらできずに
操作ハンドルを動かした。 <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/13(月) 19:02:51 ID:DnG/MSwT<>  以上です、取り合えずまだ続きます、長文失礼しました。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/13(月) 21:13:49 ID:YonNNA9T<> solaの蒼乃さんはヤンデレか??
ただ少しおかしいだけか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/14(火) 00:54:04 ID:2eB85pXZ<> 病んでる上にキモ姉という高スペックぶりです。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/14(火) 01:46:48 ID:fnnoyqLU<> 病んでる部分言いたいが言えば完全なネタバレ
御新規さんさよーならーになるなw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/14(火) 02:57:13 ID:dfewTpoc<> sola、つまんなかったから序盤で切ったんだけど
ヤンデレあるならみときゃよかった。
ちょっと後悔。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/14(火) 22:06:13 ID:XydL8BOW<> 約束だよ・・・ずぅぅっと一緒にいてね。どんな事があっても私、あなたの側にいるから・・・ね?だから・・・約束して。







な ん で は な れ ち ゃ う の?

や く そ く し た よ ね? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 00:20:00 ID:mX38doh6<> ごめんなさい <> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/08/15(水) 03:36:22 ID:thLtn+NQ<> 保守 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 06:41:35 ID:jgb9sudi<> >>135
落ち着いて聞いてくれ。
俺は君も大事だが君の姉妹も大切にしたいんだ。
だからまたには修羅場スレやキモ姉スレに行くことを許して欲しい。
だからその手に持ってる包丁を下ろしt(ry <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 08:51:52 ID:/jbeJCDx<> >>138

ふーん・・・あの娘の所行っちゃうんだ〜







あ の ド ロ ボ ウ 猫がッッッッッッ!!!

返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ私の大切な>>138を返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!!!!!!!!!!!




ヤンデレの道は長く険しいぜorz <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 10:11:58 ID:mX38doh6<> ヤンデレってちゃんと嫉妬もするんだな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 11:03:27 ID:ffyW8e9T<> >>140
というか起承転結がないと話に読み手を引き込めなくね?
起 へぇ〜○○さんと仲いいんだね。私、そういうのって面白くないなぁ。
承 どうしていつも○○さんなの・・・?どうしてかなぁ、なんでかなぁ。
転 あせdrふじこlp;@
結 達磨

これぞヤンデレ倫理の黄金律 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 13:58:53 ID:U0gImoH3<> 最後に達磨とか書くと、なんか男が悟りの境地に入ってしまったみたいだ。
    達磨(達観的な意味で)
ニア 達磨(物理的な意味で)
    達磨(輪廻転生的な意味で) <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/15(水) 15:33:03 ID:Pb+pi7en<> 暑い中ですが取り合えず実験ヤンデレ作品を投下します、乱文長文失礼します。

化け物屋敷と僕
 ジジジジジ…音だけで蒸し暑さを象徴させるセミの声が響く中、僕は愛車であるトヨタの古い
 クーペのドアを開け、車を降りた。
 「暑いなあ…」
 大学二年生の夏、せっかく尋ねた自分の故郷…T県南部の奥地にある八幡村は、田舎ののどかな村
 というかつての面影すら残らないくらいに荒れ果てていた。
 見渡す限り山ばかりの平地に聳え立つ茅葺の集落は今にも崩れそうな状態になり、かっての農道は
 歩く余裕さえないような獣道と化していた。
 「こんなことで研究なんかできるのかなあ…」
 もちろん僕がかつての故郷とはいえ、こんな田舎の廃村に来たのには訳がある。僕は大学で民俗学を 専攻しているのだが、その研究の上でどうしてもこの村に来なくてはいけない理由があったのだ…。
 八幡村…かつてここは関東随一の「化け物ミイラ職人の里」として栄えていた村だった、わかりやす
く言うとこの村は偽者の人魚のミイラなんかを製造して都会で売り払い生計を立てていたらしいのだ。
 …なぜ「らしい」と描いたのかというと、実は僕はこの村に両親と住んでいたころの記憶が全くない
のだ…十二歳のときに僕の両親はこの村で火事にあい、僕は遠縁の叔父に引き取られたのだが…どうし
てもこの村での事と…最後の化け物職人だった両親の事を思い出せないのだ…。
 大学での研究のためと、自分の過去を探るため…取り合えず僕は叔父にもらった村の地図を手に、廃
村してから一回も手を付けていないという父の仕事場に向かおうとした…。
 「おう、あんちゃん、どこ行くんでや?こんなとこでよ?」
 いきなり背後から声をかけられた、ここ特有の方言がきついようだが、声は明らかに子供のものだ。
 「うわあ!!…って、君こそなんでこんな所に?」 
 僕の背後にいたのは、ひどい訛りにもかかわらず見た目の可愛らしいおかっぱの少女だった、服装は白いキャミソールにサンダルと麦藁帽子…夏らしく日焼けした表情は実に可愛らしくて…。
 「あれ…君どこかで…?」
 「へ?兄ちゃんどっかであったっけ?」
 「いや…たぶん気のせいだろう」
 彼女の顔はどこかで見たことがある…僕の記憶がそう訴えていた。 <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/15(水) 15:35:20 ID:Pb+pi7en<> 化け物屋敷と僕 A
「へえ、君もこの村の生まれなんだ」
 それから数時間後、僕は勝手に父の仕事場まで着いてきた彼女…名前は海晴というらしい…と、父の
仕事場である廃墟で色々な資料などをあさっていた…廃墟とはいえ村人たちは定期的に村に戻って管理
を行っているらしく、小屋が荒らされた様子はなかった。
 「まあそう言ってもちっちぇえころのことだからよく覚えてねえけどよ、兄ちゃんはどんぐらいまで
ここにいたんでや?」
 「まあ、十二歳くらいまでだけど…どうもよくは覚えてないんだけどね…おっと、これは凄い」
 うっすらと積もった埃をどけて僕は文机に乗っていた資料を手に取った。本の様子からいって年代も
のの本だ…内容はどうやら剥製の作り方らしい。
 「そうけ…なーんにも覚えてねえんけ…お、こりゃあ良さげなもんだな」
 彼女は悲しそうにそう言うと、近くに落ちていた執刀用の刃物を手に取った…鋭利かつ複雑な形をし
たそれは、なぜか錆びひとつついていなかった…。
 「これでミイラとかの材料を切ってたんかなあ…どんな気持ちだったんかなあ…」
 ぞくり…と、背中に悪寒が走った。刃物を持った彼女の視線はあまりにも鋭い…。
 「と、ところで海晴ちゃんは何でこんな所に?」
 「ん?爺ちゃんがここの守役なんだけどよぉ、どおも最近足腰弱ってるらしくって、おらっちさが代
わりにきてんさぁ」
 「へえ、偉いねえ」
 「へ?そうかい?…いやあ照れんなあ」
 そんな感じで彼女の視線を刃物からそらしつつ、僕は彼女と他愛のない話をしつつも小屋の整理と資料あさりに没頭していった。
 
「本当にいいんけ?家に泊まってってもいいんだぜ?」
 夕方、彼女にそろそろ家に帰るようにと進めると、彼女はそういった、僕がテントでここに泊まると言い出したので心配してのことらしい。
 「大丈夫、君の家には迷惑かけられないし、それに僕は未だやることもあるからね。」
 「遠慮しなくてもいいんだぜ、どうせこの村のモンはみいんな家族みてえなモンなんだしよぉ…」
 「そう言うなって、じゃあここで」
 僕は彼女の家だというふもとの家の前に車を止めた…しかし彼女は車から降りようとせずにこう呟い
た。
 「…明日もまた遊びに行ってもいいけ?」
 「うん、別に構わないよ?」
 「ありがとうねお兄ちゃん…じゃ!!」
 そう言うと彼女は元気よく僕の車から降りていった…。
 「うーん…」僕の頭の中で今朝のデジャビュ感覚が蘇る…一体あの子は誰なんだろうか?もしかした
ら遊んでいるうちに思い出すかもしれない…よし、なら明日から彼女に少しづつこの村のことを聞いて
みよう。そう考えて僕はまた村まで車を走らせた。
 
 夕暮れ時、家の前にたたずんでいた海晴は…突然その場で笑い出した。
 「あはははははははは!みいつけた!みいつけた!あはははははははは!」
 ひとしきり笑った後、彼女はこう呟いた。
 「愛してっかんね…お兄ちゃん…」
 そしてまた笑い出す、それに釣られるかのように夕暮れ時のセミの大合唱が始まった。
<> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/15(水) 15:37:49 ID:Pb+pi7en<>  化け物屋敷と僕 B
 それから一週間が過ぎた、もともと夏休みを利用しての研究だったこともあって、僕は半分遊び気分
でこの村での資料あさりと研究をしていた。レポートをまとめ終わり、資料の整理が終わるころには彼
女…毎日やってくるようになった美晴ちゃんとも遊びすぎて肌が真っ黒になっているくらいだった。
 
 そんなある日の夕暮れ時、彼女は僕にこんなことを聞いてきた。
 「あんちゃんってさあ、彼女とかいるんけ?」
 「ん?…いないけどそれがどうしたの?」
 僕は彼女の持ってきてくれたスイカをほおばりつつ、そう答えた。
 「オラっちさ…兄ちゃんのこと大好きだよ…もちろんラブのほうでな」
 ぶっ!!とあわてるあまりに僕はスイカをはいてしまった…おいおいおい、何だか毎日来ていて妹みたいに感じていたけど…ん…妹…。
 「お兄ちゃん、愛してっかんね…」
 思い出せないはずの記憶がいきなり蘇る…確かマエにもこんなことを…僕は…このことよく似たあの
子に…。
 「ん…むう!!」
 いきなり僕は彼女に唇を奪われた、もちろんただの唇だけではない、彼女は一気に自分の舌を僕の口腔にねじ込むと、僕の舌と自分の舌を絡ませた。
 「んちゅ…んむ…はあ…」「ん…むう」
 いきなりこうされてはかなわない、僕は彼女から唇を離すと、興奮を抑えきれずに、そのまま彼女を
押し倒した。
 「こうして…いいのかい?」
 「うん、お兄ちゃんと…ずっとこうしたかったから…」
 そういって目を閉じる彼女の髪をなでると、僕は彼女のワンピースを脱がした。
 
 「はぁぁ…お兄ちゃん…大好き…」
 行為の後、そういって眠る彼女を置いて僕は、嫌な予感を抑えつつも父の作業小屋に戻った。間違いない、彼女を僕は知っている…どうも自分の記憶が戻りそうなのだ。
 多分彼女は…そう考えながら急いで作業小屋の扉を開けて、父の仮眠部屋である地下室に向かった…そしてそこに置かれた本棚の…昨日偶然発見した本の間に挟まった一枚の写真…それを取り出した。
 「やっぱり…そうだったのか…」 
 その写真には幼い僕らしき人物と、それを囲む家族らしき人物と…海晴ちゃんが写っていた。
 「あーらーらー、やっぱり思い出しちったんけ…お兄ちゃん」
  その後ろには、空ろな笑顔を浮かべた海晴ちゃんが立っていた。 <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/15(水) 15:39:41 ID:Pb+pi7en<> 「ああ…思い出したよ海晴…僕はあの日、火事の当日に…君を犯して両親に殺されかけたんだ。」
 八年前のあの夏の日、僕は妹を犯してしまったんだ。理由?…もちろん妹を愛していたからさ、それこそ狂おしいくらいに…彼女が生理が
始まってから色ずいて、隣町の男の子の家によく遊びに行き始めたのに嫉妬したのが原因だったと思う…でも妹はこういったんだ。
 「お兄ちゃん嬉しいよ…私も大好きだよ、って…」
 相思相愛ならと当然僕らは駆け落ちしようとしたが両親に捕まり、このことが村にばれるのを恐れた親父は僕を殺そうとしてバットで
僕の頭を…。
 「そう、だから家に火をつけてお父さんとお母さんを殺したんだよ、お兄ちゃん。」こうすればもう一緒にいられるでしょ…あははは
はははははは」
 家に灯油をまいて、自殺しようとしたにもかかわらず奇跡的に助かった妹は、病院に入院していた僕に会いにきてくれたが…その心は
完全に壊れていた。もちろんこのことを知った親戚連中はこのことが世間にばれるのを恐れて証拠品を破壊、そして僕と妹を引き離し…
僕は記憶を薬か何かによって奪われていた…。
 「でも、なんでお前は…成長してないんだ…それにあの、行為のときの血は…」
 「…未だきずかねーんけや…パパ」
 …僕は全てを悟った、そうか、そういうことだったのか…。
 「ママはおらっちが生まれたころに体壊して死んじまったよ…でもよお、パパを恨まないでって、
ずっと言い聞かせておらっちを育ててくれたんさ」
 「…僕を、恨むかい?」
 「いんやぁ、パパとママは状況が悪すぎたし、恨むことはねえょお…むしろ…」
  そういって間を空けると、彼女はこういった。
 「もうどこにも返したくねえぐれえ、パパのことが大好きだからよぉ…あははははは!」
 彼女はがちゃり、と地下室のドアの鍵を閉めた。それと同時に僕の目は回り始め、呼吸
が寝息に近くなり始めた。
 「愛してっかんね…もうどこにもかえさねえよ…だから」
 遅効性の眠り薬でも盛られたのか、僕の体はだんだん動かなくなり始めた。
 彼女は…僕の娘の手にはのこぎりが握られていた。
 「手足は切らせてもらって…ここで二人でくらすべね…あははははは…あ
はははは…」
 彼女の笑い声が、大きく大きく地下室に響いていた。
 FIN <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/15(水) 15:41:27 ID:Pb+pi7en<>   以上で終わります、実験用の田舎(?)風味ヤンデレ作品でした、長文乱文
失礼しました。
 あと最後に言うのもなんですが、一応炉利注意です。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 16:11:27 ID:1e/UROVM<> >>147達磨(GJ的な意味で) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 16:15:50 ID:dYCl7/8q<> >>147
GJ!!暑いはずなのに読んでる間は何故かすぅすぅしたぜ… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 16:17:56 ID:NTMO2mqS<> おうっ、キモムスメ!ぐっじょぶ!
どこの方言か知らないけど、そのおかげでなんか田舎っぽい感じがする。
しかしキスされたぐらいでヤっちまうとは。主人公はロリコンだなあ……


あと、SSとは関係ないけど、
>長文乱文失礼しました。
これは入れなくてもいいと思いますぜ。そういうあとがきとか嫌いな人もいるし。
長文は望むところだし、話の展開もわかるから乱文ってほどではないし。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/15(水) 18:27:56 ID:/jbeJCDx<> GJ!これ読んでから何故かセミの鳴き声がうるさくなってビックリしたぜ。 <> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 01:39:26 ID:wmy+g0B6<> 短編投下します


  †


 これから話すのは、少しばかり奇妙な体験談だ。といっても、私の身に起きた
ことじゃない。お話の中に私は登場しないし、したとしても物語の本筋に関係の
ない脇役、語り手、通行人、そういった役くらいのものだ。あくまでも主人公は、
私の友人である『彼』で――これは彼の物語で、彼の体験談だ。
 他人の体験談を、私が語ることぉお許して欲しい。こればっかりは仕方のないこ
となのだ。なにせ、彼はあまり語ることを好まなかったし、そもそも彼の言葉は嘘だ
らけで語り手としてはあまり良くはなかったのだから。
 当事者は、もう、此処にはいない。
 だからこれは、嘘吐きのお話だ。体験談で、昔話で、法螺話だ。
 どこか遠くでおきた、いつかちかくでおきた、ほとんどが嘘で、わずかばかりに真実を
含んだ、愛情の話だ。
 だから、語りだしは、自然とこうなる。
 すべての御伽噺は、こうして始まるのだから。



 昔々、あるところに――――――





■ 狂人は愛を嘯く.Case2



<> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 01:49:13 ID:wmy+g0B6<>
「君は好きな人がいるのかい」
 コーヒーカップを机の上に置いて、《彼》は唐突にそう話を切り出した。しばらくの間話が途切れていた
だけに、私はいきなりの彼の言葉に面食らってしまう。何を言うのだ、と言い換えそうと思ったが、途中で
馬鹿馬鹿しくなってやめた。
 同じように、自分の前にあるカップをすする。
 美味くもなく、
 不味くもなく。
 苦いだけのコーヒーだった。
「藪から棒に」
 唇を離し、突き放すように私は言う。まさか彼が、そんなことを言ってくるとは思わなかった。
 似合わない。
 正直にそう思った。その反面で――彼が真顔で愛を語る姿がありありと想像できた。彼は心に微塵
も思ってない愛を、さらりとすらりと、まるで言葉のように愛を口にするだろう。
 私に向かってでなければ、それもまた構わないのだが。
「蛇が出てきたらどうする気だい」
「それはそれで――」彼は言葉を切って、ゆっくりと、膝の上で手を組んだ。微かに膝を組みなおそうと
して、すぐにとりやめた動作が見えた。足が悪いのかもしれない。指を一本一本組み合わせながら、彼は
どこか穏やかな口調で言う。「――面白いと思うよ」
「……ふぅん」
 もう一度、彼の姿を上から下までゆっくりと見る。半袖のポロシャツにスラックス――ただしその色は
八月の炎天下に似合わない黒一色。髪も瞳もまた黒く、外を歩けば熱中症にでもなりそうな格好だった。
 もっとも、まあ。
 それは私とて、他人のことを言えないので黙っておく。少なくともコーヒーショップの中はクーラーが
きいていて、熱射病になる心配はない。僅かな奇異の目が気になるだけだ。
「……君はどうなんだい?」
 僅かに興味をひかれて、私は問い返した。
 彼――名前も知らない彼に、好きな人がいるのか、気になったのだ。
「僕?」
 彼は子供のように首を傾げて、それから、しばらくの間考え込んだ。考え込まなければ
出てこないようならば、間違いなくいはしないだろう。彼が考えているのは人名ではなく、
言い訳の言葉なのだろうから。
 私は興味を失い、視線を彼から窓の外へと映す。日中の気温は三十度をこえ、コンクリート
からは湯気が立ち昇っているように見えた。
 真夏日。
 どうして私は此処にいるのだろう――そんなことを、今更ながらに、ふと考えてしまう。
<> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 01:58:56 ID:wmy+g0B6<>
 私は彼の名を知らない。否、それ以外の何もかも知りはしない。
 私が此処にいるのも、
 彼が其処にいるのも、
 ただの偶然だ。
 私の待ち合わせの相手が《不幸な事故》――これもまた、話すと長くなることなので
割愛させていただく。機会があれば、また別の時に――にあって来られなくなり、独りで
暇を持て余していなければ。
 あるいは《彼》が、滑稽にも迷子になっていなければ、こうして向かい合って茶を飲むこと
はなかっただろう。あくまでも、ただの偶然だ。私も彼も暇を持て余していたから、とりとめ
のない会話を交わして――その挙句に、今のような質問が出たのだ。
 この街の人間ではない、と彼は言った。
 その言葉に嘘はないだろう。彼には街のにおいがない。この街の臭いが、という
意味ではなく、どこかに居住する人間の、ある種の生活感のようなものが存在しない。
 旅をしてきたのか、
 あるいは、旅をし続けている最中なのか。
 どちらにせよ彼は余所者で、別れてしまえば二度と出会うこともないだろう。彼が幾つか
もわからないが、見た目からすればまだ学生で通じる顔立ちだった。夏休みを利用しての旅行――
そう考えるのが、適切なのだろう。
 そう考えることができないのは、
 彼の持つ――雰囲気のせいなのかもしれない。
「好きな人、か」
 彼は繰り返すように言って、それから一度、大きく嘆息した。
 疲れを吐き出すような、
 哀れみさえ満ちた、
 深い深い――ため息だった。
 そして息が途絶えた頃に、彼は平然と、当たり前のように言った。
「好きになってくれる人ならいたんだけどね」
「……ふぅん」
 伊達男のような、取り様によっては酷く気障ったらしい言葉。
 けれど――その言葉は。
 酷く疲れて、
 惨く感想した、
 乾いて砕け散りそうな、声だった。
<> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/16(木) 02:00:43 ID:LOxMyIYk<> 出だしどっかで見たな <> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 02:07:41 ID:wmy+g0B6<>
「恋人に死なれでもしたのかい」
「そんなところかな」
 私が嘯くと、彼は飄々と返した。嘘にしか聞こえなかった。嘘だと思う信憑性すらなかった。
嘘でも真実でもなく、ただ言葉を吐いているような――無意味な声だった。
 空っぽだ。
 言葉が反響している。
 経験上――自慢ではないし、全く自慢にならないが、七月の例を出すまでもなく私は『厄介な人種』と
めぐり合うことが多い。決して当事者にはならないのだが――こういった種類の人間は、総じてろくでもない。
 ろくでもない、ひとでなしだ。
 ・・・・・・・・・・
 私がそうであるように。
「……ふぅん。傷心旅行?」
「さぁね」
 彼は肩を竦めた。仰々しく、演技ぶった態度が心地良く感じられるのは、私だけなのだろうか。
「傷ついたかどうかも、よくわからないから」
「そういうものかい」
「そういうものだよ」
 それは嘘なんだね、と言おうと思ったが、やめた。言うまでもないことだった。私が言わなくても
彼は自分が嘘を吐いていることを知っているだろうし、指摘せずとも彼は認めているだろう。
 心は傷つかない。
 そんなものは、ありはしないのだから。
「いい子だったのかい」
「もう忘れてしまったよ」
「そうだろうと思ったよ」
 私は嘯いて、それからコーヒーを空にした。ほどなく給仕が代わりを注ぎにくる。その間中、彼は黙って
私を見ていた。私もまた、黙って彼の黒い瞳を見ていた。
 忘れたよ、と彼は言った。
 それは果たして、本当なのか、嘘なのか。
 そもそも――そんな恋人がいたのかどうか。
 私にはわからなかったし、詮索するつもりもなかった。ただ静かに、代わりが注がれたコーヒーカップを
傾けるだけだった。美味くもなく、不味くもなく、苦く、熱い。
 紅茶のほうがよかったかもしれないと、私は今更後悔する。
 後悔するのは、いつだって後になってからだ。
 終わってからでしか、気付けない。

<> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 02:23:46 ID:wmy+g0B6<>
「ふぅん……それで、君」
「うん?」
「今はいるのかい?」
 恋人がかい? と彼は問い返し、私は片思いでも結構だよ、と答えた。他人の色恋沙汰に興味はないが、
《彼》の色恋沙汰には、少しばかり興味があった。初対面の相手にしては珍しいが――逆に、初対面で、
これきりの出逢いだからこそ興味が沸いたのかもしれない。
 あとくされがないというのは、良いことだ。
 クーラーの中で呑むコーヒーと同じくらいには。
 彼は私の質問に、間をもたせるかのようにコーヒーをすすり、ゆっくりとカップを元に戻して、
 かちん、と皿とカップが触れる音がして。
 その音に被せるようにして、彼は言う。
「好きになってくれる人なら、いるけれどね」
 冗談のように、そういった。
 それが先の言葉を踏まえての韜晦なのか、それとも真実なのか――まったく関係のない嘘なのか。
 真実のように、聞こえた。
 なぜなら彼は、自身がその相手をどう思っているかとは、言わなかったのだから。初めの質問である
「好きな人がいるのか」という問いに、彼は微塵たりとも答えていない。はぐらかすような
嘘の返事は――ただの事実でしかないのだろう。
 となると、彼はその相手と旅行にきたのかもしれない。
 はぐれて迷子になっていたと言っていたから――そのはぐれた誰かが。
 彼を好きになった人間なのかもしれない。 
 興味はあった。けれどその興味は、《彼》に対しての興味よりは薄いものだった。わざわざ
それを確めようとも思わなかった。余計なことに巻き込まれるくらいならば、早々に立ち去る
つもりだった。
「そうかい……結局、君は誰のことも好きではないないというわけか」
 肩をすくめ、ため息混じりに私は言った。話はこれで終わり。そろそろ立ち去るべきか、私はそう思い、
 けれど、彼は。
 私を見たままに。
 薄い微笑みを浮かべ。
「――君のことを今好きになったといったら?」
 嘘か本当かわからない言葉を、口にした。
 私は驚く。
 突拍子のない彼の言葉に、ではない。
 真剣みのない、彼の言葉に答えるようにして。

「もしそうなら――兄さん。私はこの人を殺します」

 蕩けるような声が後ろからかかると共に、私の首筋に添えられたナイフの光に――私は漸く、驚愕したのだった。
 

  <> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 02:39:52 ID:wmy+g0B6<>
 言葉と同時に、重く重く重く体がのしかかってくる。全身を預けるようにして――椅子ごしに
誰かが後ろから抱き付いてきたのだと、すぐに気付く。その誰かが声の主であることも、ナイフ
をつきつけた相手であることにも。
 わかっていても、動くわけはいかなかった。抱きついてきた誰かは悔しくなる程に手際がよく、
ナイフの刃先を一瞬たりともはなさなかったのだから。それどころか、抱きつきながら逆手に持ち
直すようにし、腕で隠すようにして私にナイフを当てた――傍から見れば、無邪気に後ろから抱き
つかれているようにしか見えない事だろう。
 言葉も、
 行為を挟む暇もない。
 流れるように――完璧な。
 恐ろしい程に、手馴れた動作。
「ああ」
 けれど《彼》は、その行為をすべて眼前にしていたにもかかわらず、眉一つ動かすことなく。
「いたのか」
 日常のように――そう言った。
 日常の続きであるように。
「探しましたよ、兄さん。何処でお茶を飲んでいたのですか」
「此処で飲んでいたんだよ」
 少女のように幼い声も、彼と変わりなかった。私に凶器を突きつけながら、淡々とした
口調で会話を続けている。突きつけられているナイフさえなければ、私はこの二人の会話を、
仲の良い兄妹の会話としか思えなかっただろう。
 否。
 そうではないのかもしれない。
 彼が異質であるように、
 彼女もまた、歪なのだと――私は気付いている。
「……はじめまして」
 言いながら、私は唯一動かせる瞳だけで彼女を観察する。私に抱きついている腕は少女のそれで――
ただしセーラー服の袖口から覗く左腕は、作り物だった。肩口から、彼女の黒い髪が垂れてくる。
 抱きつかれているせいで、少女の香りがする。
 甘い、香りが。
 腐り落ちる――果実のような。
「はじめまして――」
 返事は期待していなかったのに、少女は、律儀にも答えた。
 動作と共に。
「――さようなら、誰だかわからないあなた」
 ちり、と。
 僅かに――肌が避ける感触が、胸元からした。シャツの隙間、隠すようにあてられているナイフが、
わずかに体側にめり込んできている。刃先が皮一枚を破り、肌の上に薄く血が流れる。
 彼女は、本気だった。
 どこまでも――日常のように。
 言葉の通りに、理由もなく意味もなく、一瞬の後には私へとナイフをつきいれるのだろう。
 そうならなかったのは。
<> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 02:57:55 ID:wmy+g0B6<>
「おいで」
 一言だった。
 それだけだった。それ以上でもなく、それ以下でもなく。たったの一言だけ、《彼》は言った。
私にではなく、今にも私を殺そうとしている、彼女の妹に向かって。
 効果は絶大で、即効性だった。
 私の肉を抉ろうとしていたナイフが止まり――抱きつく彼女が、顔をあげて彼を見る
気配があった。彼女の中で、私という存在の重要性が、瞬く間に塗り替えられていくのを感じる。
 彼女の世界では、
 兄こそが全てなのだろう。
 そう、感じた。
「……でも、兄さん。私は兄さんにすりよる女を、殺さないといけないんです」
「おいで」
「……兄さん……ですから……」
「おいで」
 物騒なことをあっさりと言う彼女に対し、彼は同じことを三度繰り返した。そして、三度までが
限度だとでもいうように――彼はコーヒーを空にして、口をつぐんだ。
 真上で、気配が惑っているのを感じた。
 彼女は私と、彼を交互に見て。
「……もう、兄さんは、卑怯です」
 どこか拗ねたような、可愛らしい声でそういった。
 同時に――すっと、ナイフが遠ざかる。体にかかっていた圧力が瞬く間に消える。するすると、彼女の手が、
体が離れていく。あとには一筋、胸から血が流れるだけだった。
 自由になってようやく――私は顔を動かして、初めて彼女を見た。そのときにはもう、彼女は机を杖がわりにして
反対側へと移動している最中だった。黒いプリーツ・スカートがひるがえる。ナイフはいつのまにか姿を消していて、
彼女はつい先まで私にそうしていたように、《彼》に後ろから抱きつく。
 私の傍には、折りたたみ式の車椅子。左手だけでなく、彼女は、両の脚も作り物だった。
 まるで、
 作り物の人形のように。
 現実味のない――兄妹だった。ともすれば、作り物を身につけた妹よりも。生身にしか見えない
兄のほうが、作り物めいているというのは皮肉な話だが。
 そんな私の視線を気にすることなく、彼女は彼に抱きつき、後ろからキスをした。《彼》は拒むことなく
それを受け入れる。兄妹、という言葉が頭に浮かんだが、それこそ意味のない言葉だろう。
 二、三度ついばむようなキスを交わして――ようやく、《妹》は唇を離した。そうして、陶器のように白い頬
をわずかに赤く染めて、
「兄さん、私心配したんですよ」
 恋をする少女のように、そういった。
 彼の言った『好いてくれる相手』とは、彼女のことなのだろう――私は確信を持つが、それ以上詮索する気にはなれなかった。
 否。
 これ以上、此処にいる気にはなれなかった。
 ここは――異界だ。
 私の世界ではない。
 彼の世界だ。
 彼らの世界だ。
 彼はともかく、
 彼らは、語り手を必要としていない。
 一つの世界で――完結している。閉じきった環に、語り手は必要ない。
 暇潰しも、これで終いだ。
<> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 03:17:36 ID:wmy+g0B6<>  それは彼もまた同じことだったのだろう。妹を抱きつかせたままに、彼は椅子から立ち上がった。
後ろから抱き付いていた彼女が、吊るされるようにして地から脚を浮かす。その彼女の脚が再びつく
よりも早く――彼はまるで王子様のように、《妹》を抱きかかえた。
 御姫様抱っこ。
 不思議と、似合っていた。
 彼は妹を抱きかかえたままに、私の横を通り過ぎ、

「――ばいばい」

 それが、別れの言葉だった。彼は妹を車椅子へとおろし、車椅子を押して、去っていく。
 あっけないほどに、あっさりと。
 私は。
 私は――
 一つだけ、彼に聞いておかなければならないことがあった。
 私は座ったままに振り返り、今にも立ち去ろうとしている《彼》の背に向かって、質問を投げた。
「どうして――私を助けた?」
 そう――
 もし彼が言葉で妹を止めなければ。
 ここが人前であるとか、ここが喫茶店の中であるとか、そういったことにまるで関係なく、彼女は
私を刺し殺していただろう。《兄》を奪いかねないという、それだけの理由で。
 狂的な愛。
 病むほどに一途で、儚い愛情。
 妹は、それを持っている。けれど――彼がそれを持っているとは、思えなかった。
 だから、訊ねた。
 私の質問に、彼は脚を止め。
 けれど、振り返ることなく――今までと何一つ変わらない口調で、言い切った。

「退屈しのぎになったから。それだけだよ」

 それは。
 それはきっと――彼が初めて口にした、嘘以外の言葉だったのだろう。
 韜晦でも、
 比喩でも、
 皮肉でもなく。
 彼の本心、だったのだろう。
「……そうかい」
 私はそれだけを言う。それ以外に、言うべき言葉はなかった。彼も、彼女も、何を言おうともしなかった。
 止めた脚を、再び動かしながら。
 彼は、歌う。

「雨に――唄えば――」

 退屈しのぎのように唄いながら、古ぼけた唄のサビの部分だけを繰り返しながら、名前も知らない彼と、
名前も知らない彼女は、私のもとから去っていく。

「雨に――唄えば――」

 そうして、
 彼らは、
 恐らくは二度と会うことはない、近くて遠い世界にいきる彼らは――去っていった。
 その歌声だけが、彼らの姿が見えなくなっても、私の耳から離れることはなかった。
「……雨に……唄えば……」
 彼が口ずさんでいた歌詞を口の中で弄びながら、私は。
 遅まきながら、気付く。
「ひょっとして……彼の代金は、私が払うのかい?」
 答えるものは、誰もいなかった。
 
   了 <> 狂人は愛を嘯く.Case2
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/16(木) 03:20:34 ID:wmy+g0B6<> 以上投下終了です
書きながらの投下でしたので時間がかかってごめんなさい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/16(木) 03:26:21 ID:AExe0Yt8<> >>161
GJ!
すばらしい!

というか書きながら!?
その速度が心底羨ましい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/16(木) 04:44:31 ID:WXc4V4QR<> >>161
この二人ってもしかして… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/16(木) 07:03:27 ID:RdaBNi5k<> >>161
久しぶりにヤンデレ須藤兄妹ktkr!
やっぱりカッコヨス。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/16(木) 11:57:17 ID:N3TeYklL<> いや、相変わらずとても面白いです。
あちらの方にも期待させてもらってよろしいでしょうか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/16(木) 13:31:19 ID:ejVFDsTl<> GJ!!
お茶会シリーズの中で須藤幹也が一番好きだったから久しぶりに彼が見れて良かった。
ヤンデレってる冬華もカワユス。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/16(木) 20:42:33 ID:toTCstmq<> GJ
キモウトは人類の至宝だとつくづく思った <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 00:54:05 ID:gvBPpnl5<> さて、戦に行く仕度を整えるか
ヤンデレ!ヤンデレ!
よし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 03:29:33 ID:x23Inc8p<> ゼロ魔のルイズ?は主人公にフラれそうになったらヤンデレ化しないかな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 06:04:07 ID:BYY7AGdY<> >>169
どっかにそんなSSあったな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 09:08:12 ID:AkPoR096<> sola見たけど殆どの女がヤンデて笑った <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 12:24:07 ID:x23Inc8p<> >>170
教えていただきたい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 14:47:42 ID:gvBPpnl5<> ネコマル行くの忘れてたぁぁぁあぁあああぁぁぁ!!! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 18:26:01 ID:SZ5VzSqK<> >>172
羨ましいIDだ・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 20:16:41 ID:XdWr5G0E<> やんデレおもすれーwwwww
小説とは違うリアルな雰囲気がたまらんwwww <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/17(金) 20:20:42 ID:k7txHbLf<> >>175
それはちょっと違うだろ・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 20:24:55 ID:XdWr5G0E<> >>176
いやだって、きれいなお姉さんがインターホンを何度も鳴らしながら俺を見つめてくれるんだぜwwwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 20:26:15 ID:xn/qNQdj<> 角煮に行けよ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 20:55:14 ID:c4sprJJn<> VIPから出てくるなよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 21:38:10 ID:GH4Kvdaz<> こう…妄想はよく沸き立つんだが
何故か途中で銃器やら鈍器やら刃物やらでドンパチ始めちゃう俺の脳も
ヤンデレヒロイン達に負けず劣らず病んでるんだろうな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 21:46:28 ID:nm6cuKGO<> ほととぎすまだかな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/17(金) 21:48:46 ID:Sw57hH4h<> いやいや、俺も妄想膨らましてSS書こうとしたが
膨らましすぎて最後とか「いくぞゾファー!!」になったw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 00:29:11 ID:FSEIve1I<> メイス持ちのヤンデレヒロインだれかいない?
刃物なんかより魅力的だとおもうのだが <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/18(土) 00:43:35 ID:f52nVz4/<> 主人公が事故かなんかで死んだ後のヤンデレヒロイン達(もともとヤンデレでも
事故後にヤンデレ化でも)を見てみたいなと思うのは俺だけか
たいがいのエロゲは主人公死亡で終わってしまうから困る
精神的支柱を失った女の子がぶっ壊れていく様ほど悲しく美しいものはないのになぁ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 01:00:05 ID:JucljkAL<> 俺もよく漫画とかゲームの主人公が死んだらヒロインがどう壊れていくかを妄想するが
ヤンデレとはちょっと違う気がする。それとsageろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 08:11:21 ID:/UVQQRd5<> コミケに行った人は>>10をやったのかな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 09:48:49 ID:W/EPNtzL<> その話題はこっちでな。
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1176207104/
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1176178896/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 18:06:53 ID:mMp4SPnW<> >>184
つセンチメンタルグラフティ2 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 18:08:23 ID:4YJiC9Uv<> 核地雷w <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/18(土) 20:33:27 ID:zgtsG9Ec<> 狂人は愛を嘯く/名も知れぬ少年
http://imepita.jp/20070818/738400
狂人は愛を嘯く/名も知れぬ少女
http://imepita.jp/20070818/737410

久しぶりに描いたなとか思ったり <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/18(土) 20:34:29 ID:zgtsG9Ec<> >>190
タイトル逆でしたorz <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 20:45:44 ID:1FL9JT6W<> >>190
毎度GJ!
でも冬華たんに両腕があるのは(ry <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 22:58:18 ID:N9Pvw1hJ<> うわ…なんか久々にきたらもう9かorzみなさまお久しぶりです。
新しいのを書きました。投下します。 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 22:59:59 ID:N9Pvw1hJ<>                            「Versprechung」
                              序曲


 さて皆さんの記憶にはまだ新しいと思うがとある市で市長候補が銃撃され、殺されてしまうというショッキングな事件が起こった。
市民は、犯人の野蛮なテロリズムを憎み、糾弾し、そして現職でもあった市長候補の死を悲しんだ。
 悪いことにこの市においては、このような事件は初めてのことではなく、以前にも同じような事件が起こったことがあったため、市民のショックはさらに大きなものとなった。
 何故ここの市だけにこんなことが?
 繰り返された悲しみの歴史に、人々は翻弄された。
 さてはて、すぐに犯人が取り押さえられたこの大事件の裏で一つのたわいもない出来事が起こっていた。
 そうそのときはほとんどの人からたわいもないことだと思われていた。
 少なくとも、なんらかの特異性、その他異常なことは散見できず、注目すべきことがないが故、人々の関心を引くことはその時はなかった。
 しかし、その、一つの出来事は、水面に落ちた水滴のように、徐々に波紋を広げていき、最後には世間の人々の関心をすべて持っていくことになった。
 その事件は、事件自体の特異性、また動機の異常性において、昨今の中では、もっとも理解しがたい事件のひとつとして記憶されることになる。
 動機も、また目的達成のために起こした事件も、行動も…犯人のすべてが人々にとっては理解しがたいものだった。否理解したくないものでもあった。しかも、その不可解な動機の根底にあったのはは人々が普段何気なくしている…そう、なんんともない、ありふれたものだった。
このようなありふれたことでこの特異なる事件が起きるとはだれも、思ってはいなかったし、想像もついていなかった。それゆえか、事件の全容が明るみに出たときに人々が受けた衝撃は、ここ10年で個人が起こした事件の中では、最上級なものであった。
さてここまで長い前置きを置いたが、この事件における物語は、事件が起こる数ヶ月まえより始まる。しかし、より正確に言うならば、真に始まったのは、20数年前といえる。
 そう、この事件はそのときに仕掛けられたタイマーが、息を潜め、ただひたすら時を刻み、そして時を経て発動したに過ぎない。
この事件は偶然に起きたのではなく必然に起きたものだったといえる。
否、偶然に起きる事件のほうが少ないのだろう。タイマーは常にどこにでも設置され、そして時間が設定され、誰に求められなかったそのうちのいくつかが発動するだけ…このような必然的に起きる事件のほうが多いのだろう。

さて前置きはこの変にしてこれから、この事件の顛末について述べていくことにしよう。 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:01:46 ID:N9Pvw1hJ<> 宮田秀樹は、冷たい感覚とともに目を覚ました。
 冷気に当てられた感覚。
 頭が痛い。腹辺りにも痛みを感じる。
 自分は今までなにをしていただろうか?
 たしか、アパートの近くの外の自販機に飲み物を買いにいこうとして、アパートを出て、そして…アパートをでたところでタクシーが止まって道がふさがった。
 誰か降りるのかなと思ったら、誰も降りてこない。不思議に思ってたら…
そこで記憶が途絶える。腹のほうに激しい痛みを覚えた記憶はある。しかしそれ以上は何も…まったく思い出せなかった。
 そもそも今自分がいるこの場所はいったいどこなのか…?
 とりあえず彼は、自分がおかれている今の状況を冷静なってに考えてみることにした。
しかし状況を把握すればするほど、彼は何がなんだかわからなくなってしまい、冷静さを失われそうになった。
 まずここは…光が電灯ぐらいしかなく、外から入る自然光の類はなかった。
 換気扇は何個か見受けられるが、窓がこの部屋には一つもない。
 そして…今の自分の状態はというと、手を縛られている状態でベットの上に横たわっていた。
俗に言う監禁という状態である。いや、なんともわかりやすく状況把握もしやすい…ということはない。
しかし彼は監禁とわかるとすぐに頭をまわせるようになった。
 想定外の事態ではなく…可能性としては低いと見ていたが想定内の範囲だったので、
軽い驚きを覚えた程度ですぐに切り替えることが出来たのだ。
 彼は、自分には監禁される理由がそれなりにはあると思っていた。
 彼は地元にあるそれなりに大きい会社の社長の息子であり、それでいて成績も優秀で、高校卒業後は現役で地元の大学の医学部に入った。
かといってがり勉というわけでもなく、何でもこなす、秀才といえる存在だった。
現在は、医学博士号を獲るために大学病院に勤務しながら、日夜勉強に、仕事に励んでいる。
まぁ俗に言うお坊ちゃまで、今まで自分の生活には無い一つ不自由を感じたことは無かった。
両親も同じ市に住んでいるが、勉強に集中するためと、もういい年であることを理由に、大学入学の頃から一人暮らしをはじめていた。
 現在26歳。親の会社のほうは不況を乗り越えさぁこれからというところ。さてはて自分を誘拐したのはライバル企業か?それとも、まったく関係のない人物の単なる金目当てか?
 いずれにしてもどうにかこの状況を打破出来ないかな…とまったく当てのないことを考えていると、部屋のドアの外から、階段を誰かが降りてくるような音がした。
 階段の音だとすると、この部屋がある階より上の階が少なくともあるようだ。
「誰だ!?」
 秀樹の叫び声による問いに答えはなかった。
 音の主は無言で階段を降りきってきて、部屋の扉を開けて姿を現した。
 どんな輩だと思って身構えていた秀樹は音の主の姿を見て絶句した。
「…お前…なんで…ここに…」 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:03:20 ID:N9Pvw1hJ<> 彼はドアを開けた人物を見て大きく混乱した。
なぜその人物がここにいるのか、そして、自分の前に姿を現したのか…
彼には皆目見当がつかなかった。
そもそも、この人物がこのような誘拐、監禁のようなまねをするとは彼は夢にも思ってもなかった。
理由が思い当たらない…
秀樹の頭は混乱してパンク状態になっていた。情報が頭の中をまったくいきわたらない。
「ふふふふふふ、目、覚めたぁ?」
能天気に問いかける、階段を降りてきた者。
「ちょ、放してくれよ。何のいたずらだ、まったく」
幾分か冷静さを取り戻した秀樹はおどけるように言った。
実際何かの冗談だと思っていたからだ。だが、相手からの返事は
「あら、放すわけなんかないじゃない、まだ寝てるの?起きてるなら寝言は無しよ」
だった。彼の望み、要求はさらっと拒絶された。だが秀樹もあきらめない。ここであきらめてはどうしようもない。
彼はとにかくやってみようと、このような状況におかれながらも、少しやる気になっていた
「なぁもういいじゃないか。放してくれよ。もう少しお前のお遊びに付き合ってあげてもいいが、
ほら、俺もさぁ仕事とかあってさ…明日もあるし、な?」
 彼はとりあえず穏やかに話してみることにした。まだ相手はふざけているんだ、と信じていたからだ。
おふざけで監禁する人間がどこにいるかともっと冷静に考えれば思いつくはずだが、
彼の思考はすでにこの状況からの脱出にしか向けられていなかったため、そのことにはまったく気付かなかった。
しかしというかやはりというか答えは無情にも
「あら、お遊びじゃなくってよ。何を勘違いなさって?まだ寝たりないの〜困ったわね」
というものだった。
どうやらふざけているわけではないらしい。当たり前だが。
さて彼にとっては困ったことになったようだ。
相手は本気で、というと表現がおかしいかもしれないが、自分を監禁しているようだ。
少なくともお遊びではない。今更ではあるが。
そして放すつもりも無い。これも当たり前。
彼女と交わした交わした会話はまだ2回。だがその口調からは強い意志が感じられた。
というか感じられないとおかしい気もしなくもないが。
さてさてこれはどうしたことか。
監禁されるなんて―よもやこの人物に―彼にとってはまったく予想外―それこそ地球がいきなり爆発するぐらい―のことだった。
まったく理由が思いあたらない。何故俺はこいつに監禁されにゃならんのか。さらに頭を回してみる。だが思い当たる節はやはりない。
彼はこれはもう彼女に理由直接尋ねるしかないか、と心の中でため息を吐きながらつぶやいた。たずねてどうするかは、正直疑問ではあるが。
果たして彼女は素直に言ってくれるのやら…彼に確証は無かったがもうそれしか彼には方法が思いつかなかったので、
とりあえずだめもとで聞いてみることにした。 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:04:56 ID:N9Pvw1hJ<> 「どうして…俺を…こんなことに?まったくこんなことされる理由が思い当たらないんだが」
彼はどんな理由であれ、今回のものは解決できないものではないだろうと思っていた。
そんなわけあるはずないのだが、常識的に考えれば。しかし、彼はいまだ思考がおかしかった。明らかに混乱している。行動がめちゃくちゃだ。
彼女から具体的な理由が聞ければ対処もできる。今は原因も何もわからない状態。
まずは原因だけでも探りを入れなければ何もできない…と彼は考えてた。
自分の頭はこの緊急事態にも、このように非常に冷静に回っている…と自画自賛。
さぁどんな答えが出てくるか…彼はいろいろな答えに合わせた自分のこれからの行動、言動パターンを瞬時にシュミレートした。
ところが彼に返ってきた答えは彼の期待に反し至極簡単なものだった。
だがこの答えにより彼はさらに混乱することになる。
「理由…そうね…約束を遂行してもらうためかしら」
相手の返答はこの一言だけだった。
「約束だと…っ」
彼はいよいよどうしようもなくなってきていた。
約束…監禁されるなんて約束は当然のごとくした覚えはない。
ほかにこういうことをされかねない約束を交わした覚えもない。
さてはて、理由を聞いたはいいがやはり約束云々以前に、この監禁に関しては彼にはやはりわからないことが多すぎた。
情報の明らかな不足。まずここはどこなのか。
彼女はなぜここにいて、そしてなぜ自分を監禁したのか。
これから彼女は自分をどうするつもりなのか?
そして、自分が彼女とした約束とは…?
まったくわからない。
彼は深い霧の中を歩いてるかのような感じを受けていた。
前も後ろも、左も、右も…何も見えてこない。
そんなとき、暗闇に差した一筋の光を見つけたかのごとく、ふと彼は突然思い当たった。
一つだけ、理由ではないかと思い当たるものがあった。そこで、彼女に思い当たったことをぶつけてみて探ることにした。
「ほう…ところでよ、俺をこれからどうする気だ?家にでも知らせて金でも取る気か?ん?」
自分の実家と何らかの金銭契約を彼女、もしくは彼女の親あたりが結んでいたのではないか。
しかし何らかの理由でその契約が履行されず、じゃあ強引にでも契約を果たしてもらうために…といった所だろうと彼は予想したのだ。少し発想の飛躍のしすぎな感もあるが、彼にはこれしか思いつかなかった。
さてはて、彼の中のストーリーではそのことを知られたく無いがため、つまり金銭が目的であることを知られないためにに約束という言葉を使ったんだろう、ということになっていた。
なんてくだらない理由だと一瞬思いもした。
だが彼女も職業が職業柄、こういったことも秘密裏にすることも可能なのかもしれないとも思っていたし何より彼の両親は面子を重んじる人物だ。少しぐらいの金なら警察に知らせず、さらっと払ってしまうだろう。
ならば非常に理想的な方法じゃないか…よくわかってるなこいつ…まぁそれも当然っちゃ当然か…と結局は一人で納得してしまった。 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:07:49 ID:N9Pvw1hJ<> 納得したところで彼は勝手ながら自分が思いついたここまでのストーリーをまとめてみることにした。
だがその矢先、残念ながらそのストーリーはあっけなく崩れ去ることとなるもだが。彼女が
「あら、家には知らせないわよ」
と言った瞬間に。
彼は大いに疑問に思った。なんだって?何故?何故実家には知らせない?
彼は驚きというものを通り越えて呆れ果てた。
じゃあいったい何が目的なんだ。こうなってくると彼にはその約束とやらには思い当たりがまったくなくなってしまった。もともとないのだから、想像がはずれと確定した時点でお手上げだ。
「そうそう、警察にも知らせないわ…そうねぇ…捜索願扱いということで、まぁ普通の行方不明者として扱ってもらうことになると思うわ、私の予想では」
「ちょっと待て!じゃあ俺はいつ解放されるんだ!お前の気が済むまでか!え!?」
「そうね…交渉の状況しだいだわ」
「ちょっとまて。じゃあその交渉する相手は誰なんだよ!?どこにも連絡しないんだろ!?」
「あらまだわかってないの?」
「あぁ、まったくわからんね。」
「もちろん、あなたに決まってるじゃない。やっぱりまだ寝たりないの?」
交渉相手が自分だと聞かされ、彼はますます打つ手がなくなった。よくよく考えれば、むしろラッキーなはずなのだが、彼は交渉というものを特にやったことはなかったし、どうすればいいかわからなくなったという点では、打つ手がなくなったといえよう。
さてはてこれで彼のさっきの疑問の中に交渉内容はなんなのか?という疑問が追加されることとなった。
もしやその約束とやらと関係が?という確証に近い疑問は持っていた。
とは言っても肝心の約束の内容がわからない。わからないことには交渉のしようがない。
「さてお前と何の交渉をするんだ?そのお前が言う約束とやらに俺は思い当たる節がないのだが。」
彼は彼女に尋ねてみた。あくまで強気で。交渉というものがどんなものかはわからない。
でも足元を見られるとか言う状況だけにはなりたくないという思いがあった…どういう状況かはわかってはいなかったが。
「あら忘れちゃったの?そうねぇ…私が自分で言うのもいいけど、あなた自身でゆっくりでもいいから思い出してもらうほうが私はいいわ。
そう、あなたの自分の力でね」
「思い出せる自信はまったくもってないんだが?」
「安心して。思い出すまでここにいてもらうことになるから。言ったでしょう?私はゆっくり思い出してもらっても構わないから。
思い出してもらうまで私は待つわ。ここでね」 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 23:08:22 ID:20wzF9he<> 短編投下
ここへの投下は初めてなんで、ヤンデレとは違うかも。その場合は教えてください。
あと、血とかいっぱいです。 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:09:50 ID:N9Pvw1hJ<> 要するに帰してくれないと。こうなるとどうしようもない。本格的に詰み。ようやく彼は自分のおかれている立場というものを理解した。
遅きに失した感はかなり否めない。もはや手遅れである。
 ここまでくると彼はしばらくはここにいないといけないであろうことを覚悟せざるをえなかったた。
だが、それもいつまでもは続かないだろうとこの期に及んで楽観もしていた。
 何日かすれば、こんな馬鹿げたことに彼女自身が冷めてくれるだろうとも思っていた。
どうやら理由も深刻なものではないようだし。
「食事は持ってきてあげるから。まぁ殺しはしないわ、安心して。ここでまずはゆっくり思い出してもらうわ。約束のこと」
 そういい残して、彼女は彼がいる部屋から立ち去った。
餓死の心配はないようだ。特に相手は自分に危害を加えるつもりはないこともわかった。
 そこまでわかったからこそ彼は楽観的になれた。まったく無意味なことだが。警
察もさすがに騒いでくれることだろうとも考えていた。人一人急に理由もなく消えたのだから騒がなければおかしいだろうと。
親も恋人もさすがに不審に思うだろうし。そう彼はあくまで楽観的だった。
楽観的だったというよりは、考えることが出来なかったともいえなくはないが。
 彼は多くの事実を忘れていた。いや、知らされることのない事実もある。
彼が拉致、監禁された日に、より大きな、この市すべてを揺るがす大事件が起きていたことを。
警察は当然そちらの事件のほうに全力を傾けていたし、
また、彼の親も、恋人も、友人も疑いもせず彼がふらっとどこかに出かけたのだろうとしか思ってなかったこと。
より正確に言うとそう思わされることになる。
このような状況が重なったこともあり結局彼が失踪したとわかるまで時間がそれなりにかかった。
また、このことが事件とわかったときでも、このことのために動ける刑事はたったの2人しかいなかった。
この通り、彼の希望はことごとく潰されていたのであった。
だが彼は当然ながらこのことにはまったく気付かず、救援はすぐ来ると思っていた。
すでに彼女の大きな策略の中に入ってることも知らず…

さて様々な宗教で、地獄というものの存在が言われている。罪人が落ちる場所、罪を償う場所。当然ながら、どんな場所かは、現世の人間には想像するのみで、実際のところはわかるはずもない。
そこで日本人は地獄の存在の一つを現世の温泉というものに見出した。
しかし、彼のこの先に待ち受けてるものこそまさに地獄といえるものではないだろうか?
事件の詳細が報道された後、人々は、地獄とは何かを知ることとなる。 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:10:46 ID:N9Pvw1hJ<>                    序曲後の幕開けまでの幕間


「…とこんな感じなんでけど」
「で、結局ヤンデレってなんなんだよ。さっぱりわからない」
奈津子の話を聞き終えた後、俺は今一度たずねてみることにした。効いてみてもさっぱりわからない。
奈津子曰く、ヤンデレというジャンルに属する女性の話らしい。しかしヤンデレというのがいまいち俺にはわからなかった。
そう、この話を聞くきっかけになったのも、奈津子がヤンデレについて講義を突然始めて俺がわけわからんといったからだ。
だがこういった話をされてもやはりわからないものはわからない。むしろややこしくなった感もある。
「だから、相手のことを病むほど好きになることだって。簡単じゃん!何でわからないの?」
「抽象的過ぎる。具体化してくれ」
「じゃぁツンデレなんて何よ。ツンツンデレデレなんて、抽象的過ぎるにも程があると思わない?」
「ありゃステレオタイプができてるからな。そういった意味では具体化されてる。」
とりあえず、適当に答える。まぁ抽象的だというのには反対はしない。勘違いされてるとか言うが、それも仕方がないような気がする。
そもそも、キャラとしては昔からいたキャラなのだから今更騒ぐのもどうかとも思うが。
「ふん、ステレオタイプができてるからって、そもそもの言葉の意味が具体化されてるわけではないよね?」
あぁ言えばこういう奴だ。たく…
「具体例。」
「へ?」
「具体例挙げてみー?」
俺はとりあえず例を聞いてみることにした。そうすれば少しはイメージがつかめるだろうと思ったから。
「相手のことが好きすぎて監禁しちゃったり、嫉妬して鋸で主人公の彼女殺したり、わけがわからなくなって空鍋炊いたり、次々と人殺したり。」
「ずいぶん物騒だなぁ…」
「まぁね。病んでるから、判断力とか常識とか飛んでるのよ、きっと。」
まて…そう言われるとまさか絵里の一件もヤンデレ…ははは、まさかな。
俺はあのことはあんまり思い出さないようにしている。思い出して寝れなくなる日もあったしな。そう、今のも一瞬の思い過ごし。戯言だ。
俺はすぐに奈津子の話のほうに意識を戻した。今の考えを消し去るために。
だが、そんな折、ふと俺は思い当たることがあった。そこで奈津子に聞いてみた。
「俺の男の先輩なんだが、片思いが過ぎて、飛び降りかけたりしてたらしいんだが
この場合どうなるんだろうか。ヤンデレってやつに当てはまるのか?」
「男のヤンデレは私からすればNG。以上」 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:11:38 ID:N9Pvw1hJ<> 奈津子の返事は速かった。そりゃもう、俺が言い終わる前に言うような勢いだった。
「さいですか…」
じゃあ男のヤンデレなんか思いついても話しちゃ駄目なのか…厳しい。
「犯罪じゃん。だって」
自信満々に答える奈津子。
「ストーカーって言うのよ、そういうのは。ヤンデレとは違うわ。」
まったくどんな自信だ…たくっ。どこがどう違うのかわからないという突っ込みはOKなのだろうか?
まぁここはあえてスルーしてやることにしよう。
「わかったよ。てか、お前やたら男に厳しくないか?そこまではっきりとNGって言わなくたっていいじゃないのか?」
「う〜んなんか男のだとやっぱりストーカーチックになってしまうのよね…私はうまく話が思いつかないわ。」
考えてみれば一理ある。女の子が病んだほうが話もすいすい行くだろうしな。
何よりいわゆる一つの萌え要素、てのになるんだろうし、不都合が何も無い。
これが男が絡んでくると…世間的に見れば一気に重大犯罪だ。十代の子に対する犯罪も十だ…やめよう。
われながらあほすぎる発想だ。女でも重大犯罪に変わりは無いのだがその辺は不問にしといたほうがいいのだろうか
「でね、続きがあるんだけど…え〜と…やぁようこそ奈津子ハウスへ」
「おい、突然なんだ!?」
「この序曲はサービスだからまずは聞いて落ち着いてほしい」
「もう聞いたぞ?ていうかサービスだったのか?」
「そうね、またなんだわ…ごめんなさい。仏の顔もって言うしね、許してもらおうとは思ってないわ」
「はなからそんなこと思ってないだろ」
「でも、この話を聞いたとき、慎ちゃんはきっと言葉では言い表せない「病んでるなぁ」みたいなものを感じてくれたと思うんだ」
「さぁどうだかな」
奈津子はむすっとした顔になった。だがそんな顔されても奈津子が何を言ってるのか俺にはさっぱりわからんのだから、どうしようもないのだが。
「んん、もう…殺伐とした世の中でそういったものを忘れてほしくない、そう思ってこの話を考えたのよ」
ていうか殺伐とした世の中に、さらに殺伐としたものもってこられても…たくっこんなネタまで考えて…やれやれ。
続きを大人しく聞けとな?はぁ…
「で、続きは?そこまで言うからにはもうできてるんだろ」
「うん!じゃあ続きを行くね。第1幕始まり始まり〜」
さて、物語の幕が開くようだ。どうなることやらさっぱりわからない。その分楽しみではあるが。
少しはやる気持ちを抑えるように、俺は手元にあったペットボトルのお茶を一口飲むと、俺はまた奈津子の話へと意識を持っていった。 <> 慎
◆UPiD9oBh4o <>sage<>2007/08/18(土) 23:12:58 ID:N9Pvw1hJ<> 投下終了。今回は奈津子が慎太郎に思いついた話という形で進めます。
また監禁される男はかなりの馬鹿に書いてます。ご了承を。
途中短編投下宣言された方ごめんなさい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 23:16:13 ID:20wzF9he<> こちらこそ、ごめんなさい。
更新してなかったです。

次から気をつけます。 <> かすみ 1/5<>sage<>2007/08/18(土) 23:16:43 ID:20wzF9he<>  昔から変なヤツだった。
 小学生低学年の時は家の庭で一日中、アリを指で潰してた。
 小学生高学年の時は学校の水槽に農薬を撒いて、浮いてきた魚を見て笑ってた。
 中学生の時は子猫を川に投げ捨てて、恍惚とした表情を浮かべていた。
 高校生になったヤツは、ついに人を傷つけた。

「ゆうくん」
 そして、その事件で停学中のヤツの声が、背中から聞こえてきた。
 ここは・・・俺の部屋だ。
 なんで・・・なんで・・・ヤツが。
「かすみ」
 俺は恐る恐る後ろを振り向く。
「ひっ」
 息を呑んだ。
 長い黒髪。白い肌。病的なまでに濁った瞳。
 そして、いたるところについた・・・ドス黒い・・・血。
「お、お前まさか・・・」
 喉が張り付くように渇き、自分の声とは思えないほどかすれていた。
「心配しないで・・・ちゃんと、みんな息の根を止めてきたから」
 そういうと、シトシトとゆっくり俺に近づいてくる。
(なんで、なんでコイツが俺の部屋に!?)
 俺は恐怖の余り、座っていた椅子から転げ落ちる。
「と、とうさん!かあさん!」
 力の限り叫ぶ。
 それでも、いつもよりは声出ていないが、下の階にいる二人には聞こえるはずだ。
 しかし、下からの反応は無い。
「・・・うそだろ?」
 かすみは口を大きく横に開き、悪魔のような笑みを浮かべる。
『ちゃんと、みんな息の根を止めてきたから』
 かすみの言葉を思い出す。
「まさか」
「だって、ゆうくんのお父さんもお母さんも、ゆうくんに会わせないって言うんだよ」
 ヤツが一歩近づくたびに、俺は尻餅をついたまま、後ろに下がる。
「ゆうくんがアリを潰すのが楽しいって言ってたから、私もやってみたんだよ。
 ゆうくんが水槽当番で水を取りかえるのが大変って言ってたから、私がそんなことしなくてよくしたんだよ。
 ゆうくんが子猫を可愛がるから、私は悲しくなったんだよ。
 ゆうくんが私以外の女と一緒にいるから、ゆうくんを私だけのものにしたくなったんだよ」
 背中に壁があたる。
 もう、下がれない。 <> かすみ 2/5<>sage<>2007/08/18(土) 23:17:46 ID:20wzF9he<> 「えへへ」
「ひっ」
 追い詰められた俺の顔に、顔を近づけてくる。
 そして、振り上げられた右手には・・・光を反射する・・・ナイフが握られていて。
「ゆうくんは・・・かすみのものだよ」
 それが空を裂く音が聞こえた。
「う・・・あ・・・がぁっっ」
 左肩が熱い。
 肩を見ると、そこから血がダラダラと流れ、袖を真っ赤に染め上げていた。
「おいし」
 切りつけ血のついたナイフを、目を細めながら舐めている。
 狂ってる。
「ゆうくんも気持ちよくしてあげる」
 パサリと落ちる、白いワンピース。
 病的なまでの白い肌。
 下着を着けていないその白い肌には、無数の傷がまるでファッションのように走っていた。
 手首。首筋。胸。腹。脚。そして、秘部。
「ほら、女の子のおまんこ・・・ゆうくん見たことないよね」
 自分の指で秘部を大きく開き、俺に見せる。
「どう?興奮した?」
 かすみは左手だけで器用に俺のズボンとパンツを下ろす。
「これがゆうくんのおちんちん・・・ふふ。元気だね」
 ありえない。
 俺は脱がされた自分の下半身を見て驚いた。
 なんで、こんな状況で勃ってるんだ!?
 勃起している感覚はない。恐怖のせいか体が少ししか動かないっていうのに。
「じゃあ、いくね」
 かすみが俺の上にゆっくりと腰を下ろす。
「んっ・・・んっっ・・・ぁぁっ・・・はぁっ」 <> かすみ 3/5<>sage<>2007/08/18(土) 23:18:48 ID:20wzF9he<>  真っ白なかすみの顔が上気して、紅くなっていくのがわかる。
「ゆうくんの初めて・・・奪っちゃった」
 初めて。
 実は違う。俺の初めては、アイツ。
 多分。もうこの世にはいないであろう・・・俺の大切な人。
「・・・違うの?」
 かすみの目が濁り始める。
「あの女?あの女なの?・・・これはゆうくんの初めてじゃないの?」
「うっ・・・がぁっ」
 かすみの細い指が俺の首を絞めつける。
 両手の爪が首に食い込んで、血が流れていくのがわかる。
 ・・・両手?
 俺は痛みにこらえながら、かすみの傍を見る。
 ナイフが無造作に床に転がっていた。
「どうして・・・私の初めてはゆうくんにあげたのに、ゆうくんの初めては私じゃないの?」
 かすみに気づかれないように、ゆっくりと左手を伸ばしてナイフの柄を握る。
「おかしいよ。そんなの・・・不公平だよ・・・ゆうくっんっっ!」
 かすみの顔が苦痛にゆがむ。
 俺の左手に握られたナイフが、かすみの脇腹を薙いだのだ。
「どけ!」
 俺は体を起して、かすみを突き飛ばす。
 かすみの反撃に備えて、俺はナイフを構える。
 しかし、かすみは一向に起き上がる気配を見せない。
 倒れた時に頭でも打ったのか?
「かすみ」
 俺は立ち上がってかすみの顔を覗き込む。
 濁ったままの瞳が俺を睨んでいる。
 意識はある。だが、小刻みに震える体と言葉を発することのできない口。
 先ほどの俺と同じ。
「・・・毒?」
 体を麻痺させる薬品か何かがナイフに塗られていたのだろう。 <> かすみ 4/5<>sage<>2007/08/18(土) 23:20:13 ID:20wzF9he<>  全裸で倒れているかすみ。
 脇腹と股間から血を流していた。
「本当に処女だったんだ」
 俺はかすみから目を離さないようにしながら、ベッドに腰掛ける。
 っ。
 腰かけた時に、左肩に痛みが走った。
 そういや、さっき切りつけられてたんだった。
 あまりの展開に忘れていた。
「病院行かなきゃダメかな」
 俺が肩を見るためにかすみから目を離した・・・その瞬間。
「ぅぁっ!?」
 右足の甲に鋭い痛みを感じた。
 恐る恐る覗き込むと、、小さなバタフライナイフが俺の足の甲に深々と突き刺さっていた。
「かすみ」
「ひどいよ・・・ゆうくん・・・せっかく、無防備な体さらしたのに・・・何もしてくれないなんて」
 かすみがゆらりと立ち上がる。
「ゆうくんの精液頂戴」
「く、くるな!」
「ゆうくん・・・だいすき」
 俺はかすみに押し倒され、犯され、そして、果てた。
<> かすみ 5/5<>sage<>2007/08/18(土) 23:21:05 ID:20wzF9he<>  その後、俺が目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。
 翌朝、新聞配達員が、玄関にベッタリと血がついているのを発見。
 警察が駆けつけ、俺を保護してくれたらしい。
 両親は死亡。俺は出血こそ多かったものの、致死量には至らなかったらしい。
 そして、肝心のかすみはその日以来、行方知らずとなった。
 
 あの日から10年がたった。
 俺は結婚して子供も幼稚園にあがった。
 幸せだった。
 かすみのことなんて、完全に忘れていた。
「・・・おかえり」
「おかりなさい」
 その日、俺の帰りを家で待っていたのは、最愛の妻と子供ではなかった。
 血濡れた白のワンピースに身を包んだ、女性と少女。
「ゆうくん・・・今日から家族三人で暮らそうね」
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/18(土) 23:22:47 ID:20wzF9he<> 終了です。
慎さん。間にわりこんでしまい、本当にすみませんでした。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/19(日) 05:51:16 ID:qDeBnKqv<> >>203>>210御二方の処女(一番槍)は俺が貰いました。
GJ!!!

俺もヤンデレになる特訓してこよう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/19(日) 07:36:19 ID:/q9RcvhG<> >>203
ダークな展開になりそう、ガクブルしつつwktkしております。
それにしてもあんな目にあったのにまだヤンデレを理解してないのか、慎はw

>>210
狂うほどの愛があればそれでOKなんじゃないかなあ
てことでGJ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 08:55:33 ID:IoGRKAqe<> つーか、間違ってたら叩いてくれてかまわないんだけど、
よく狂った人の愛がヤンデレって言ってるの見るけど、そりゃただグロいだけであって、
本当は嫉妬なんかによって病んでいく様子をヤンデレって言うんだよな?


まぁ、スレ違いだったらスルーしてくれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 09:38:48 ID:HQ2zPfAy<> ヤンデレの定義合戦になるからね、そういうの言い出すと。
自分と愛しの彼との世界を邪魔されたくないから、他の女とかを殺したりするのが主流っぽくなっているけど、
個人的には彼を静かにじっくりゆっくりねっとり絡め取っていくのを読んでみたい。

そう思って自分で書いてみようとしたけど、難しいなこれorz <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 09:44:31 ID:iR2xTkgi<> >>213
原理主義的な考えでは、そうなるっぽい。
でも、拡大解釈的な考えでは、それもヤンデレに含めるみたい。

まあ213の質問は、ここでも何度か繰り返されてきて、最後には「心で(ヤンデレを)感じるんだ!」という感じのレスで、幕引きになったんだけどね。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 09:49:58 ID:IoGRKAqe<> >>214 >>215
ありがとう、二人のレスでなんか納得できた <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 09:59:52 ID:kR3Cu+Fn<> そうか、ヤンデレってもともとはツンデレと同じく、
時間経過によって変化する感情の概念だったか。
>>1に書いてあることではあるけれど、なぜか間違った理解をしていた…… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 12:58:23 ID:QT4NarRL<> やはりそこに愛を感じないとダメだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 17:07:53 ID:eq2Sszje<> ただ愛とは無関係に狂ってる人が、ついでで愛しちゃいますよみたいなのはゲンゲロ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/20(月) 18:17:26 ID:MoHhUkkI<> でもまあ、もともと常識からハズレてたとしても愛する故に「更に」狂うなら…



すまん、余りつっこむとまずいな定義問題は。スルーしてくれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 00:25:11 ID:mnaltvOR<> ここのSSのキャラは大体が話の冒頭から病んでることが多くないか。
最初はごく普通の片思いだったけど、次第に精神や行動がおかしくなるヒロインっていたっけ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 00:28:30 ID:NYFHOLVi<> それなんて、言葉様? <> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/08/21(火) 04:50:00 ID:OJqwQCuA<> ヤンキーのヤンデレを見てみたい・・・ <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/21(火) 05:04:51 ID:hBd6oOyv<> 前スレにあったな

あと空鍋忘れんな <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/21(火) 06:45:13 ID:ZxWvXHiH<> 糸電話も忘れちゃだめだよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 10:29:13 ID:nJw3ZVqg<> >>223
怖さ2倍か、Mにはたまらんな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 14:55:03 ID:cZsCNxcq<> そこはむしろ、どちらかといえば真面目な主人公に合わせてヤンキー辞めてしまうところだろ
それでも受け入れてもらえなくて、どうすれば受け入れてもらえるか試行錯誤していくうちに病んでいくわけだ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 16:54:48 ID:kxJ++Udz<> >>227
SO!RE!DA!!!!!!!!!! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 17:47:24 ID:AgEPsUca<> >>223
案外厳しいかもしれん。実力行使に出てもあんまり違和感無いから <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 20:46:44 ID:fgNzD58F<> ヤンキー娘大好きないじめられっ子ショタに馴染むために更生を決意してお淑やかに鉄壁の笑顔で表情を固めるんだよ
でも時々無理が生じてピキってなって
「………」とかって笑顔のまま無言になっちゃったりして人目のない所でコンクリの壁を拳からの血が滲むまで連打したりしてんだよ
でもショタが探しに来たらどうしたんです?みたいな表情で笑顔を浮かべるんだよ。握り締めた拳から血ぃダラダラ流してる癖に

あとヤンキー時代の悪い仲間が冷やかしや脅しに近づいて来たら「ちょっとお話しをしてきますね」とかショタに言っておいて路地裏でそいつら狩ってたり、
ショタを虐める連中を陰で粛清していて、その連中とショタが顔合わす時にはショタの背後から鬼の形相でプレッシャーを掛けてショタの平穏な学校生活を演出してたり…
ヤンキー娘には無限の可能性があるんですよ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 21:14:43 ID:kcTMTlC8<> >>230
なんかいんぱら思い出したw
でもそういうラブコメチックで明るい(?)ヤンデレもいいなw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 21:27:31 ID:WfHRahef<> ヤンキーでデレデレか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 21:31:27 ID:OzNsSo8Y<> 病みヤンデレ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 21:39:46 ID:lH5Gjmt4<> 面白いんだが、そのままだとあんまり狂気が感じられないからヤンデレとしては物足りないという人がいるかも

病みっぷりを強調するなら自分の過去を知る不良仲間を文字通り抹殺しているとか
もう一つの顔を使って恋敵もぜんぶ抹殺しているとか
ショタの両親なり兄弟姉妹なりが自分の正体に気付きそうになったら抹殺しているとか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 22:15:21 ID:iTZfzZVR<> でもそれだとなんだかただの悪女とかみたいでヤンデレとは違うなあ
元々暴力的だから他のに比べると殺害に怖さがあんまない


現実にあったら怖いんだがな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 22:38:59 ID:VU0luEsa<> ヒロインの病みっぷりに気付いて主人公がヒロインを受け入れて病みとデレが激しくなるSSないですか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/21(火) 23:17:02 ID:3MU2kdDv<> 「上書き」はそんな感じじゃないの? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 01:16:03 ID:r2FNZwMr<> つひぐらしの罪滅し編のレナ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 01:50:38 ID:lzeUJtGa<> レナはヤンデレではなく、只のキチガイだと思う <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 03:20:06 ID:LSLAsdDb<> >>239おま・・・消されるぞ!!

一応聞くが、まさか後ろに鉈持った女の子なんていないよな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 04:04:30 ID:S+qO4G1H<> >>240
おいおい、本当にそんな奴がいるわけないだろwwwww
そんな女なら俺の後ろに

あれ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 05:04:27 ID:mC4ZJvez<> さっきから玄関から視線のようなものを感じるんだが、調べたほうがいいかな?
もう寝ようかと思ったんだがなんか気になる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 06:59:31 ID:r2FNZwMr<> ピンポーン <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 08:33:52 ID:9HRbXfrw<> 開けてよ…開けてよ…



ひぐらしのスレ今見てきたとこだったからこの流れに一瞬目を疑ったぞwwwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 09:20:03 ID:DO0rdRgn<> ストーカーは、ストーカーをする相手を間違えると今までの力を全て失う事が某漫画で判明。



ヤンデレも同じ事が言えるのでしょうか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 15:05:19 ID:S+qO4G1H<> >>245
ヤンデレとストーカーは違います

そもそも彼女達が"間違える"なんてことはしません <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 15:16:28 ID:nU7TCcjY<> ヤンデレは例え目がつぶれてても匂いで相手がわかるし
第6感がすぐれているので間違えるなんてありえません

間違えるのはヤンデレになりきれてない証拠です <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 15:32:19 ID:DO0rdRgn<> イイエ、ソレハリソウロンデス <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 17:02:26 ID:OsZp7dGj<> ハイ、ソレハボブデス <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 17:33:19 ID:7/6J3f5O<> ヤンデレはたとえ死んでも、彼の近くの人として生まれ変わりますよ?

たとえば○○君(主人公)が幼い頃、彼に対するあまりにも執着心が強い女の子、△△ちゃんがいたとする。
ある日彼がよその女の子と話しているところをその子が発見、詰め寄ろうとして道路を渡ってるときに車にひかれ、死んでしまった。
その後しばらくして彼には妹が生まれた。
そして妹が小学校に上がろうとするある日のこと。
「お兄ちゃん……実はわたし、△△なんだ。
 そう、お兄ちゃんが6歳のとき死んじゃった女の子。
 すごく仲がよかったよね、お兄ちゃんと。
 でもそのすぐ後に生まれた妹に生まれ変わったんだ。」
彼は普段からたまに大人びた仕草を見せる妹の思いがけない告白に呆然としながらも、よその女の子と接触するたびに△△ちゃんから受けた凄惨な「おしおき」を思い返して身震いするのでした。
そう、彼には少し前、初めてのガールフレンドができたのです。昨日は彼女を家族に紹介したばかりでした。
「もう離れないよ。だって妹だもんね。
 ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと
 ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっといっしょ。
 あの女よりもあの女よりもあの女よりもあの女よりも
 あの女よりもあの女よりもあの女よりもあの女よりも。」
満面の笑みを見せる妹、言われてみれば△△とそっくりな笑い方をする妹の手には、彼女の……
「あの女にはおしおきしたから、次は○○君だよね。
 あ、お兄ちゃんって呼ぶほうがいい? 間をとって○○君お兄ちゃんにする?
 さ、おしおき……うふふふふふはははははははふふふ
 ははははははははははははははははははははははははははは
 ははははははははははははははははははははははははは」 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 18:14:12 ID:NqBegY0q<> いやすべてのヤンデレが妖怪とか怪奇現象というわけでは…… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 21:07:21 ID:KJrVLwdh<> 平和なヤンデレってのはありえないのかなあ。見てみたい気がする。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 21:50:14 ID:cBUrM/12<> 平和なヤンデレ…、それって読後感すっきりで、
ヤンデレ属性以外の人から見てもまあハッピーエンド、みたいなヤンデレ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 21:51:18 ID:8M/WgEod<> 主人公を独占しようとあれこれ画策するんだけどドジなので全く上手くいかないという、ヤンデレドジっ娘で一つ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 22:08:29 ID:NtbaHIl3<> ちっちゃくてかわいいみんなにマスコット扱いされるドジな女の子がヤンデレ。
主人公を含めた仲良しグループの女全員を殺そうとするんだけどいつも失敗。
ナイフは怖いからペーパーナイフで刺そうとするがあっさり折れて冗談だと思われる。、
毒は手に入らないから正露丸をご飯に混ぜて飲ませるが、勿論死なない。
高所恐怖症だから突き落とすことも出来ない。
彼を閉じ込めたいけど拉致監禁は出来ないから、家に招いて美味しいご飯でもてなして帰りたくなくするがご飯すら失敗。
最後の手段で足を切ろうとするが、血を見ると気絶してしまうので正座を強制して痺れて立てなくしようと考える。
でも彼一人に正座させるのも失礼なので自分も正座して、彼以上に痺れてしまって一歩も動けなくなる。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 22:17:31 ID:x/J+KKxg<> >>255
よし、それでいこう。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 22:25:02 ID:Y1aRclk4<> >>255
なんというヤンドジw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 22:41:38 ID:3qo/KBqP<> >>255
ぜひそのネタで書いて頂きたい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 22:42:40 ID:dHJiIWTq<> >>255
これは流行る <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/22(水) 23:24:18 ID:lnGCZxsC<> >>255
このヤンドジください!是が非にも。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 00:04:32 ID:HsgCBYnE<> >>255
お前さんは俺の中にある新しい扉を開けた
ありがとう!! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 00:16:42 ID:O4D9eMZ2<> >>255
その発想はなかった!
そして俺を萌え死にさせる気かw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 00:17:24 ID:fnOLjxmQ<> >>255
声は籐野らんでひとつ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 00:37:45 ID:7wFebw7Y<> 新ジャンル「ヤンドジ」 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 00:41:36 ID:R/mXdq67<>     /: : /:: : : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',
   /: : /: : : 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !
   |: : |: : : : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|
   |: : |: : : : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : | V
  < : _: : : / 〈  {} |/  レ  {} }|:./ヽ: : |
  <:: |. 小{   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:|    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   厶ヘ ハ         、     {ハ/ V   |
      \_!      _ '     !         | 空気読まないように生きるのも
        ヽ    /   `t   /      <  楽じゃないwww
      ___,r| \  {    / /         \____________
    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´            (⌒) 
  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>、         ノ ~.レ-r┐、
/:::::::::::/::::::::|    \  /  !\::`ー- 、  ノ__  | .| | | <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 01:07:36 ID:YyVw0Wah<> ヤンドジ!ヤンドジ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 03:05:01 ID:74pgFU1W<> おーい!誰かVIPに新ジャンルスレ建ててこい! <> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/08/23(木) 03:07:38 ID:kXmu6Pxh<> さあ、小ネタでもいいから全員>>255を書かないか?

初めてでもいい。ヤンデレ旋風・・・いや烈風を巻き起こせ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 03:08:55 ID:kXmu6Pxh<> >>268てへっドジっちゃった(はーと

×ヤンデレ
○ヤンドジ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 03:59:50 ID:rN6/Ewn3<> >>255お前はヤンデレ神が遣わした預言者か!? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 05:26:53 ID:d1mQ/T8X<> >>255の才能に嫉妬 <> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:02:09 ID:HJTKs6Y5<> >>255
なんという天才
これは書くしかない

続き投下します <> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:03:42 ID:HJTKs6Y5<>
「なぁ……もういいだろ。そろそろ離せよ」
 隣に座ってくっついてくる如月更紗にそういうと、彼女はまーだだよー、とふざけたように
言って上目遣いに見てきた。どういう態度をとればいいかわからずに、僕はまた沈黙してしま
う。それを確認して、如月更紗はうれしそうに笑ったまま、頭を僕の肩に乗せるようにしてく
っついてくる。
 そんなことが、かれこれ十数分も続いていた。
 もっとも、正確な時間はわからない――今隣り合って座っている位置からだと校舎の時計は
見えないし、空を見上げても月と星ばかりで、時間の経過はわかりやしない。気のせい程度に
月が動いているだけだった。
 夏の暑さに、夜風が心地いい。
 如月更紗と触れ合ったところだけが、熱を持ったように暑くて……けど、それは不快じゃな
かった。
 不快じゃないんだけれど……
 何やってんだ僕、と思わなくもない。
 冷静になって今の状況を客観視してみれば、真夜中の屋上でいちゃついているようにしか見
えない。こんなことをしにきたはずはないのだが、気づけばこうなっていた。
 右手には、未だ魔術短剣を握っている。
 これを手放すつもりはない――けれど、使う気もない。左手は如月更紗に絡めとられていて
動かすこともできない。屋上のフェンスにもたれかかるようにして、二人並んで座っている。
正面、離れたところにある入り口扉は沈黙を保っている。
 夜は静かで、
 僕ら二人の他には、誰もいない。
「離すのが嫌ならせめて話せよ……いい加減、わけがわからなくなってきた。そろそろ解決編
にはいってもいいころだろ」
「犯人は滅亡しました」
「またずいぶんと急展開だな!?」
「解決編、といわれてもね」
 言って、如月更紗はすりよるように体を動かした。すぐ間近から、甘い香りがする。如月更
紗の香り。血のにおいでも、死のにおいでもない。生きている彼女のにおい。
 そのにおいが、
 触れたぬくもりが、
 如月更紗が生きていると、伝えてくる。
 生首じゃなくて――生きていると。
 しばらく体をこすりつけ、居心地がいい場所を見つけたのか、如月更紗は動きを止めて言葉
を続けた。
<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:04:35 ID:HJTKs6Y5<>
「私としては困るのよ。解決するべき謎なんて一つとしてないのだから」
「お前にとってはそうかもしれないが、僕にはいろいろあるんだよ……」
「たとえば?」
「たとえば――」
 言いかけて、僕は考える。
 解決しなければならない謎は、本当に残っているのか?
 僕は此処にきた時点で、此処にいる時点で、姉さんのことは振り切ったはずだ。姉さんの死
の真相も、姉さんを殺した三月ウサギのことも、すべてはもう関係ないはずだ。僕を慕ってく
れていた神無志乃も、僕を必要としていた姉さんももういない。
 残ったのは、僕と、如月更紗だけだ
 如月更紗さえいれば――それでいい。
 ……もういいんじゃないのか?
 心の中にいる僕がひっそりとささやく。もういいんじゃないかと。ここで終わっていいんじ
ゃないかと。ハッピーエンドと、ここでエンドマークをうってもいいんじゃないか。すべてを
捨てて、如月更紗といつまでもいつまでも幸せに生きました――それでいいじゃないか、何が
悪い。
 何もかもが悪い。
 ささやいてくる自分自身に突っ込みをいれる。何が悪いって、悪いに決まってる。ハッピー
エンドなんて冗談じゃない。
 終わるときは――死ぬときだ。
 まだ、終わるわけにはいかない。
 終わることを、僕は選ばなかった。
 続くことを、選んだのだから。
 如月更紗と、共に。
「……如月更紗。ハッピーエンドとまではいわなくても、そろそろ何も問題なくハッピーって
言い切ってもいいものなのか?」
 言葉を選んだ僕の問いに、如月更紗ははっきりときっぱりとただの一言で返答した。
「無理」
「またあっさりと切り捨てたな!?」
「それは無理なのよ冬継くん――そうとも無理なのさ冬継くん。何も問題がないというには
、問題がありすぎる」
「…………」
 問題が――ありすぎる。
 解決編には、まだ遠い。
 如月更紗の言葉を、ゆっくりと、ゆっくりと心中で咀嚼する。問題。問題が残っている。い
ったいどんな問題が残っている? もはや、姉さんも、三月ウサギも、関係ない。狂気倶楽部
との接点は――

 ――狂気倶楽部。

<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:05:37 ID:HJTKs6Y5<>
「……あ」
「思い出したかい?」
 横からささやく如月更紗の声には、どこかいたずらめいた響きがあった。最初からわかって
いて言わなかったに違いない。如月更紗とはそういう奴だ。
 畜生。
「そういや……そんな問題がまだ残ってたな」
「そうとも、そうだとも冬継くん。私はこの屋上で、最初に、こういったはずよ――貴方は命
を狙われている、と」
 そうだ。
 そうだったのだ。
 いくら姉さんのことをきっぱりと振り切ったからといって――そんなこととは関係なく、僕
は既に狂気倶楽部からマークされているのだった。だからこそ如月更紗は僕を守るといったの
だし、だからこそ――
 あの夜に。
 白い服を着た少女に、殺されかけたのだから。
 チェシャ。
 アリス。
 裁罪の、アリス。
 狂気倶楽部にとっての切り札。『なかったこと』にするために、『終わらせる』ためにやっ
てくる、容赦のない殺人鬼。
「あの夜、お前が助けてくれなかったら……僕は首をはねられて死んでたんだろうな」
「猫は首だけになっても死なないそうよ」
「僕はそんな不思議人間じゃないんだ……」
 白いドレスを身にまとった殺人鬼。僕の命を狙う彼女。
 それが、まだ残っていた。
 いや――それだけじゃない。
「それに、神無志乃を殺した、お前の『姉』もいるんだったな……」
 そうだ。 
 如月更紗のふりをして、神無志乃の首をはねたあの女が。如月更紗と同じ顔をし、同じ体躯
をもつ双子の姉妹。
 許すわけには、いかない相手。
 けれど、隣から帰ってきたのは予想外の反応だった。如月更紗は僕につっついたままわずか
に首をかしげ
「…………ん?」
 と、不可思議そうにつぶやいた。
 心底不思議そうな、納得のいっていないつぶやきだった。そんな反応がどうして帰ってくる
のかがわからない。僕は思わず如月更紗のほうを向いて、
 目があった。
 如月更紗も、僕を見ていた。大きな瞳にまっすぐに見据えられて、吸い込まれてしまいそう
な錯覚を覚える。瞳に、夜の星が映っていた。
 揺るぐことなく、
 如月更紗が、僕を見ている。
<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:06:44 ID:HJTKs6Y5<>
「冬継くん」
「なんだよ」
「ひょっとしてひょっとしてひょっとしてとは思うのだけれど」
「だから、なんだよ」
 再度問いかける僕に対し、如月更紗は、僕を見たまま、恐る恐ると言った風に言う。
「私、話していなかったかしら?」
 嫌な予感がした。
 半端なく嫌な予感がした。
 次に如月更紗の口から測れる言葉は、心底ろくでもない言葉に違いないという確信があった
。そしてその確信を肯定するかのように、如月更紗は僕を見つめたまま、どこか投げやりに、
あっさりと。


「私の姉さんが、裁罪のアリスだということを」


 寝言に耳を、ぶちまけた。
「……………………ナニソレ」
「…………」
「……おい」
「…………」
「初耳だぞ、それ」
「…………」
「まったくもって聞いてなかったぞ僕はそんな大切なことを今まで一度たりとも!」
「星がきれいね、冬継くん」
「あからさまに話をそらしてんじゃねえ! どうしてそんな大事なことをお前は話してないん
だよ!?」
「だって」
 如月更紗はすねたような顔をして、遠くに視線をそらして、ほうり捨てるように言った。
「冬継くんが私を置いて愛人のもとに逃げたからよ」
「愛人!? 誰だそれは!?」
「ラ・マンと言ったほうがいいかしら」
「誰も呼び名を変えろとは言ってねえ!」
 もしかしなくても神無志乃のことか。
 そういえば……あの夜は話の途中で神無佐奈さんがきて、肝心の会話は途中で途切れたんだ
ったか。もしあの件さえなければ、確かに如月更紗はゆっくりと話せていたのかもしれないが
……
 その後も監禁されたり逃げたりで、まともに話すどころか、あってすらないからな、僕ら。
 仕方がない……のか。
 致命的な仕方なさだけれど。
<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:07:54 ID:HJTKs6Y5<>
「頼むから如月更紗、僕にもわかるように初めから順序立てて話してくれ。正直僕は、お前ほ
ど狂気倶楽部に詳しいわけじゃないんだ」
 さぐったといっても、基本的に秘密主義な集まりだから、そこまで深くはわからなかったん
だよな……そもそも『そういう集まりがある』というところにたどり着くほうが大変だったの
だ。
 それでも。
 裁罪のアリスの噂は――聞いていた。都市伝説のような、まがまがしいものとして。どこま
でが本当でどこからが嘘かなんてわからないけれど、それがろくでもないものであることだけ
はわかる。
 …………。
 そんなモノに命を狙われてるって、どこまで悲惨なんだろうな、僕。
「そこまで難しい話ではないのよ、冬継くん。裁罪のアリスというのはね」 勝手にへこんで
いる僕に対して、如月更紗はいつものように朗々と、謡うような言葉で言った。

「誰か個人のことを指すのではなく、裁罪するモノのことを――『アリス』と呼ぶのよ」

 狂気倶楽部の、秘密を。
「…………裁罪する、モノ?」
 どういうことだろう――それは。
 個人を指すのではない。
 狂気倶楽部とは、つまるところごっこ遊びではなかったのか。
 困惑する僕に対し、如月更紗はすりよったまま、子供に言い聞かせるように、ゆっくりと話
し出す。
「冬継くんのお姉さんが三月ウサギであったように、私がマッド・ハンターであるように、私
の姉さんが白の女王であるように――狂気倶楽部は、誰もが役割を演じている。童話にそって
、物語にそって」
「それは――知ってる」
 そこまでは知っている。物語の登場人物になぞらえて二つ名を騙り、狂った物語を語る。そ
れこそがお茶会であり、狂気倶楽部なのだと僕は知っている。
 そこまでは、いい。
 問題はそこからだ。
「お前の言葉だと……同じようにいるんじゃないのか、『アリス』を演じてる人が」
 アリス。
 不思議の国のアリス。
 永遠の、少女。
 それこそ、狂気倶楽部のような集団では人気すぎる、役柄の取り合いがおきてもおかしくは
ない『役』だとは思うのだが。
 ……そういえば、三月ウサギもマッド・ハンターも、(厳密には鏡の国ではあるものの)ハ
ンプティ・ダンプティや白の女王も、アリスの登場人物なのか。
 物語。
 お茶会。
 符丁なのか……偶然なのか。「お茶会」だからこそ、姉さんはマッド・ハンターである如月
更紗は仲がよかったのかもしれない。
<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:18:00 ID:HJTKs6Y5<>
「初めはいたわ、始まりはいたのよ――ただし、永久欠番となったけれど」
「…………」
「その代わりに、都市伝説として『裁罪のアリス』という人物が物語れた。そして狂気倶楽部
の人間は、誰かの罪を裁くとき――役柄をアリスへと代えるのよ」
「なんとなく……わかった」
 裁罪のアリスなんて「人物」は存在しない。
 その代わりに、狂気倶楽部の人間は誰もが裁罪のアリスになることができる。いや――なる
ときがある。
 罪を裁くとき。
 狂気倶楽部にとって不利益な誰かを殺すときに、彼らは/彼女たちは、アリスを名乗るのだ。
 ・・・・・・・・・・・・・
 物語を終わらせるものとして。

 だからこその、都市伝説。
 たとえば、如月更紗の姉が、白の女王であると同時に『裁罪のアリス』でもあるのだ――
「って、ちょっと待った」
「……?」
 いきなり話をぶったぎった僕に対し、如月更紗は目を丸くする。その表情はちょっとかわい
かったが、今はそんなことを考えている場合ではない。
「まさか、あの夜に僕を襲ったのって」
「そうだよ」
 あっさりと。
 如月更紗は、肯定した。
「白いドレスに身をまとった首撥ね女王――白の女王陛下。そしてあの時は同時に『裁罪のア
リス』として冬継くんを殺しにきたのは、私の姉さんだよ」
「…………」
 本当にろくでもない回答が帰ってきた……
 あのときに一言でもいってくれれば、あとの展開が楽だったのに……ああでも、やっぱりあ
のときにもそんな余裕はなかったし……
 否。
 そもそも、向こう側が気づかれないようにしていたのか。たぶん、『白の女王』は、はじめ
からすりかわるつもりだったのだろう。そのために、できるかぎり言葉をしゃべらず、如月更
紗と同一の顔を隠していた。
 伏線は、いろいろ張っていたわけだ。
 たぶん……姉さんのことをふっきらなければ。如月更紗の家にいかなければ。この屋上にく
ることなく、図書館に向かっていれば。
 僕は――その伏線にひっかかっていた。
 その果てにどうなっていたのかは、考えたくはない。考える必要も、ないだろう。今、僕は
こうして屋上にいるのだから。回りくどい白の女王の計画は、終えたと考えてもいいはずだ。
 ただ一点。
 彼女が何のためにそんなことをするのかが、わからないけれど。
<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:18:43 ID:HJTKs6Y5<>
「姉さんは」
 僕の疑問を読み取ったかのように、如月更紗はぽつりと、
「私のことを壊したいほどに好きで、殺したいほどに嫌っているから」
 その声は。
 聞いたこともないくらいに――弱弱しい声だった。力のない、今にも消えてしまいそうな声。
 それは、たぶん。
 その言葉は、他の誰でもない、如月更紗の本音だったのだろう。
 双子の姉妹。
 双子の、狂気倶楽部。
 彼女たちの間に何があったのか、僕は知らない。それは立ち入れることではないし、決して
立ち入っていいことではないはずだ。
 それはまた、別のお話。
 そういうことなのだろう。
「……つまり、ただの嫌がらせか」
 茶化すように僕が話をまぜっかえすと、同じように如月更紗は唇の端をつりあげて、からか
うように答えた。
「そうね。妹によりつく悪い虫を――いじめたかったのだろうね」
 …………。
 悪い虫、か。
 アリスにはそういえば、芋虫とかもでてきたな。
 妹への嫉妬、か。妹へとよりつく相手の。妹がよりつく相手の。妹が幸せも許せないし妹が
不幸でも許せない。
 かけら。
 ハンプティと、ダンプティ。
「……なあ、如月更紗」
「なぁに、冬継くん」
「お前のその話聞いてると……お前があの屋上で近づいてこなかったら、僕は平穏だったんじ
ゃないのか?」
 いってからそうでもないことに気づく。如月更紗がこようとこまいと、『裁罪のアリス』は
襲ってきていたはずだ。ただその中身が、白の女王……如月更紗の姉でないというだけで。そ
ういう意味では、アリスに狙われていることをはっきりとしてくれた分だけ、如月更紗がきて
くれてよかったというべきなのだろうか。
 いや……それでも。
 白の女王がこなければ、神無志乃は死ななくてすんだはずだ。
 けれど。
 如月更紗がこなければ、僕は、如月更紗と出会うことはなかった。
 どちらなんて、選べない。
 どちらかを――選ぶしかない。
 はじめから。
 如月更紗も、神無志乃も、姉さんもだなんて……そんなことが、できるはずが、なかったのだ。
 僕は立派な人間でも、
 真人間でもないから。
 抱えることができる相手なんて――一人で精一杯だ。
 手をつないで、
 寄りかかって歩いていくことしか、できない。
<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:19:26 ID:HJTKs6Y5<>
「そうでもないよ。姉さんがこなくても、他のアリスがきていただろうし。そもそも――」
 案の定、如月更紗はそういって。
 それから、
 今までとはがらりと表情をかえて。
 僕を見上げて、こういった。
 

「私もまた、裁罪のアリスなんだよ、冬継くん。君を殺すように命令された――ね」


 …………。
 右手には、魔術短剣を握ったままで。
 左手は、如月更紗につかまれていて。
 二人の他には、誰もいない。
 僕と、
 彼女の、
 二人だけだ。
 だから僕は、いつものように「へぇ」とだけ頷いた。如月更紗は目を細め、 
「……驚かないのかい?」
「そんなことだろうとは」僕はため息を吐いた。「思ってはいたんだよ」
 チェスのポーンがクイーンになるように。
 狂気倶楽部の誰もが裁罪のアリスに成るというのならば。
 如月更紗がそうであたっとしても、おかしくはない。
 それだけのことだ。
「……逃げないのかい? 私は、君を殺すためにいるかもしれないのに」
「お前な」
 僕はもう一度、深々とため息を吐いた。
 なんというか……今更馬鹿みたいな話だけど、実感した。如月更紗は、如月更紗なのだ。
 なぜって。
 そんな物騒なことを言う如月更紗の顔は――にやにやと、にやにやにやと、とても楽しそう
に笑っていたから。
「お前が僕を守るって言ったんだろ……あの言葉を、嘘だなんて思えねえよ」
 それに、殺すだけなら、いつでもできたはずだ。
 否――そんな理屈はおいといて。
 如月更紗がそんなことをするはずないだろうと思う程度には、僕はもう、こいつに入れ込ん
でいたのだ。
 そうでなければ、今、此処にはいない。
「そういってくれて」
 僕の言葉に如月更紗は、僕に抱きつくようにしたまま、器用にも肩をすくめた。
「私はうれしいかぎりだよ」
 その言葉に――きっと、嘘はないのだろう。
 如月更紗は、僕を好きだといっていた。
 彼女が僕を好きでいてくれて、守るためにそばにいてくれている。
 それだけは――もう疑うことが、できるはずもない。
「なあ、如月更紗」
 僕は再び、彼女に問いかける。
 ふと、疑問に思ったのだ。
 如月更紗は、僕を好きだといってくれた。
 それはいったいいつから、そしてどうしてなのだろうと――そんな、普通な学生同士のような
質問をしたくなったのだ。
 けれど。
 その質問をする機会は、永遠に失われた。
<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:20:16 ID:HJTKs6Y5<>


 かつん、と。


 音一つない夜の屋上に――音が響いたからだ。
「…………」
「…………」
 かつん。
 かつん。
 かつん。
 気のせいではなかった。僕と如月更紗は声を殺し、音を殺し、耳をすます。かつん、かつん
、かつん。上ってきている。音は屋上と校舎を区切る扉の向こうから聞こえてきていた。かつ
ん、かつん。上ってきるのだ。
 誰かが、屋上に来ようとしている。
 誰か。
 考えるまでもなかった。この状況で、屋上を訪れるのが、他にいるはずもない。
 かつん。
 音を聞きながら、如月更紗が体をよせ、そっと耳に唇を近づけてささやいた。
「決着の時間さ、幕引きの時間だよ。いつまでも冬継くんがこないので、しびれをきらしたの
だろうね」
 そうか、と僕は今更ながらに納得する。如月更紗が動かなかったのはこのためか。
 向こうから、きてもらうために。
 もともとこの場所を指定したのは白の女王なのだ――なら当然のように、僕を殺すために何
らかの罠があってもおかしくない。そうでなくとも、明かりのない夜の校舎を歩くには危険すぎる。
 そのアドバンテージをなくすために、屋上で待ち構えていたのか。
 相手が痺れをきらして、校舎中を探し出すまで。
 あるいは、如月更紗が此処にいることだけは知っていて、やってきたのかもしれない。
 どちらにせよ――
 決着のときだ。
 僕は右手に握る魔術短剣を、強く強く強く握り締める。
 これが、最後なのだ。
 決着をつけなくてはならない。今更のように、僕は覚悟を決める。その結果――たとえ人を
殺すことになったとしても。この町を永遠に離れることになったとしても。
 彼女を――打倒する。

 僕は如月更紗に、言いいたいことがあるのだから。

<> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:21:04 ID:HJTKs6Y5<>

 かつん、かつん、かつん。
 かつ。
 音が、途切れた。
 気配がある――それは気のせいなのかもしれないけれど、たしかに気配があった。
 扉の向こうに、誰かがいる。
 そっと、僕は如月更紗を抱きかかえたままに、立ち上がる。如月更紗もまた、僕に身を寄り
寄せたままにたち、左手でキャリーケースをひきよせた。
 どくん、と。
 僕か如月更紗の心臓の音が、聞こえたような気がした。
 その音を掻き消すようにして。
 ――ぎぃ、と。
 扉のノブが――回った。


「ほぉら、ほぉら、見てごらん――アリスがやってくる。お茶会を終わらせるために」


 そうして。
 如月更紗の言葉に答えるようにして――ノブが回りきる。一拍の間をおいて、重い鉄扉がゆ
っくりと、ゆっくりと、ゆっくりと開いていく。
 扉が、開いていく。
 その向こうには。
 暗い校舎から、ゆっくりと、月明かりに照らされていくそこには。
「…………白の、女王――」
 如月更紗とまったく同一の、顔。
 あの時、あの夜に見た、神無志乃の首を跳ね飛ばしたあの顔が、そこにあった。変わること
のない表情を浮かべて、月明かりの中、その顔が、



 
 ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・
 その首が、すとんと地面に落ちて撥ねた。



<続く> <> いない君といる誰か
◆msUmpMmFSs <>sage<>2007/08/23(木) 08:23:15 ID:HJTKs6Y5<> 以上、投下終了です
書いてて思ったけれど本当に裏ルート……楽しめていただけたら幸いです
強調点ふってるところがいくつかありますが、ズレてます。ごめんなさい

<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 08:26:47 ID:hH6Xw1AI<> リアルタイムGJ!!
続きが非常に気になる <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/23(木) 08:28:39 ID:Mj73xpsy<> 一番槍GJは頂いた。

アリスのデザインが問題点になるのは分かっていたけどいざとなるとわりかし凹む…。
この際全キャラデザインをVer2.0にアップデートするしか!
という内輪では二回目な話。 <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/23(木) 08:29:18 ID:Mj73xpsy<> 一番槍じゃねえ…orz <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 09:06:32 ID:4xkL06fv<> >>283
更紗と冬継君のデレっぷりに身悶えして萌えた。
そして今回で結末がさらに予想できなくなった……
wktkと不安が止まらない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 09:09:51 ID:G9fNGH9t<> >>283 GJ!
うわ…、裏だけあってテンポが速いな。
>>286
伊南屋さん、それは全キャラ別々のアリスVerってことすか!?

あと、某SS投稿掲示板サイトのその他板の『EX=Gene』
に出てくる華神さんがヤンドジに近いかな〜とか思うのです…。
病みまくってるわけではないですが…、まあ軽くズレてます。 <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/23(木) 09:19:11 ID:Mj73xpsy<> >>288
最初、「なにをバカな事を…」と思ってしまったけど、成る程そうか……誰しもがアリスになれるのならば、それは逆に現時点で顔を晒しているアリスのデザインを少なくとも「白の女王ではないアリス」という事にすれば更紗とのデザイン問題は解決されるのか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 12:17:10 ID:+vnpqrPk<> >>283
GJ!
「愛人のもとに〜」発言前後のさりげない嫉妬がイイ!
更紗可愛いよ更紗
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 12:22:52 ID:ZrfKlO2A<> >>283
GJ!
お茶会シリーズはプロのものみたいに待ち遠しいw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 13:47:53 ID:eFvv16U2<> もうね、出版しろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 13:56:38 ID:5kbIL8og<> いない君といる誰かのHPを見ているだけで凄いと思うのですよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 14:02:01 ID:SVmAol79<> あれ?
ゲーム化とか言ってなかったっけか?
あと選択肢有りな紙媒体ではかなり読みにくい気が。

というかヤンデレって一般に需要あるんだろうか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 15:36:01 ID:ZMIviEdW<> この方の文章は、紙媒体で購入すると
繰り返し表現が行数稼ぎに見えてしまう希ガス。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/23(木) 23:17:30 ID:L0qxBvt1<> なに、気にすることはない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 00:18:35 ID:9OXj3OBb<> >>283
あーうー
いつもながら読んでいて不安になる
例えまとめて出版されても休みながら読むよw


ヤンドジは考えてみたら視点をどこに置くかが難しかった
神の視点だとヤンドジ娘と周囲のズレの解説が必要だから、みんなの心情描写が入り乱れて読みづらいし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 01:06:54 ID:y4l1tHkh<> >>294
何、ルート別に本を出せば問題ない
そうすれば二倍量売れて読者も選んで読めてみんなハッピー <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/24(金) 01:33:44 ID:xklRQrCy<> 昨日描いたっきり投下するの忘れてた
如月更紗
http://imepita.jp/20070824/055220
絵柄の変遷にともないデザインは補正がかかっております。あしからず。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 01:42:02 ID:xfu0K3iV<> ん?なんかみれないんだが・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 01:43:18 ID:5l7mEwpD<> おっきした <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:45:27 ID:QT51TBcr<>
彼の病院へ行くこともままならず、そのまま自転車の車輪をゆっくりと転がし、
すれ違ったクラスメイトの蔑視の混じった冷たい視線を背中に浴びているのを感じながら、私は家に帰った。
居間でお手伝いさんが出してくれた、父が貰ったという玉露と戸棚にしまってある前に作った羊羹とに手をつけた。
羊羹を見るたびに松本君の為に練習したときの事を思い出す。
基本的に私は料理が苦手ではないのだが、作るのに苦労した覚えがある。
彼の為に作るのだから、という理由でこの家に出入りしている、三人いるお手伝いさんの手を借りずに試行錯誤を重ねた。
本だけに頼りながら、作っていたので形にはなったのだが、それでは誰にだってできること。
細かいミスはいくつもあったが、その細かいミスを克服するのが一苦労だった。
自分の学習効果の無さにただあきれるくらいに何度と無く失敗を繰りかえした。
眺めている写真に写った彼の姿を思い浮かべながら、時間が矢のように過ぎていった。
とりあえず、羊羹を自分で作ってみて、ミスがなくなった頃に、初めて私は彼と接触を取った。
あのとき私が彼に聞いた、和菓子と洋菓子のどちらが好きか、という質問はそんな自分なりの努力の上にしたものであったから、
あっさりと洋菓子と答えられてしまったことに失望感を隠せなかったのだ。
しかし、私はあの質問に別の意味もかけていた。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:46:27 ID:QT51TBcr<> 和菓子と洋菓子―。
すなわち、私とあの害物。
いつだったか、彼が私の黒髪が落ち着いていながら、美しいと褒めてくれたことがあったが、それに相対して、あの害物はブロンドの髪と小柄な姿。
私だけでなく、普通の人であればその日本人離れした容姿であり人の目を引くだろう。
それは、私も同感であり、私を和菓子に、あの害物を洋菓子に例えた。
しかし、それはあまりに突飛すぎる話であると後になってみて、気がついて人知れず赤面した。
確かに常人ならば、会ってすぐに、私があの害物よりも好きか、と聞くなどとは思わないだろう。
しかし、私は純粋に羊羹を努力して作れるようになった事と彼をずっと想い続けてきたことに対する見返りが欲しかったのかもしれない。
だから、あれほど常人からすれば、不可解で愚かな質問を呈してしまったのかもしれない。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:47:33 ID:QT51TBcr<> そして私は羊羹を食べ終わり、学校に持ち込んでいる歴史系の本を開く。その際にカード状の何かが落ちてきたことに気がついた。
それは例の村越という、私と一つ違いとは到底思えない程の、まるで小学生と言ったほうが相応しいような女の子の連絡先が記されていた。
考えてみると、あの少女に関して、妙なことばかり思い浮かぶ。
前もそうだったが、私が彼女に思うところがあって確認を取ろうとすると、既に彼女はその姿を消している。
それに、害物からすれば先輩格の人間までも味方につけているにも拘らず、親友と思われる彼女に協力を仰がず、
それどころか村越という名の女子は正面きってでは無いが、四面楚歌の私に協力するという。
さらに、今、最も不可解なのは、私は彼女の電話番号を伝えたが、私の電話番号を相手は知らない。
にも、関わらず、彼女は私に連絡する、協力すると、しながらも私の連絡先を素人はしていないことである。
相手が既に私の電話番号を知っているという可能性はありえない。
委員会でも、今までにこなしてきた自分の仕事でも、日常生活でもあんなに目立つ子であるにも関わらず、接触することはおろか、会ったことすらない。
私の学校は生徒数が多いから単に私がその存在を認識していなかっただけ、そうも言えるが、私の電話番号を知っているわけが無い。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:48:25 ID:QT51TBcr<> 連絡網などという旧時代の異物が廃止されたこの学校において、私が電話番号を共有しているのはただ一人、松本君のみだからである。
そうすると、尚の事、彼女の行動が理解できない。
松本君から電話番号を手に入れるということは、彼女と村越という子に何らかの接点があることになる。
否、なんらかの接点、というレベルで私の電話番号を教えるだろうか?
深いつながりがあるのかもしれない。
しかし、朝に彼女は私に松本君の情報を教えて欲しい、そう要求してきた。
これは松本君との深いつながりを否定する材料とできるかもしれない。
もしそうなると、害物から流れてきた、というところだろうか。
しかし、それは何故だろうか?
ろくに内容を頭に入れることができなかった歴史書を閉じ、学校の用具と一緒に鞄にしまってから私は自室に戻った。
自室に引かれている電話から村越という名の彼女に電話をかける。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:49:46 ID:QT51TBcr<> 繰りかえされる呼び出し音が焦燥感を駆り立てる。
時間に追われているわけでもないのに、なぜか迫り来る不安感と自分のむき出されている猜疑心から、
一刻も早く、村越さんと接触を取って、どうして自分の電話番号を聞かなかったのか、ひいては電話番号を知っていたのか、ということを確認したかったのだ。
無機質な音が繰りかえされる中で、結局のところ自分はあの害物の手のひらで転がされているような、嫌悪感が増幅していった。
この不安をどこにもって行けばいいのか。松本君に打ち明ければ、彼ならばきっと私の為に協力してくれるだろう。
でも、父の言いつけを破ることで、私は非を作るわけにもいかないし、第一に松本君を心配させるだけなので選択できない。
かといってクラスメイトに話せば、それこそ害物の思う壺。担任の田並先生ならば話は聞いてくれるだろうが、十人並みの対応しか取れない。
それどころか不安の原因である、あの害物と話し合いで解決しようとする可能性もある。それは危険極まりない。

「…あ、あの……、……もしもし?どちらさま……ですか?」
電話の受話器を伝って、唐突に聞こえてきた声に不意をつかれ、咄嗟に体を強張らせた。しかし、狼狽の色を相手に見せないようにしなければならない。
まだ彼女がどの陣営に属するのかわからないままであるから。
「…北方です。」
「き、北方先輩ですか?」
いつものように、震えた何かを恐れるような声が受話器の奥から聞こえてきた。紛れも無く、これは村越智子の声だろう。
「そうよ。」
いつも多くのクラスメイトに対する機械的な対応と同じような対応をした。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:51:36 ID:QT51TBcr<> 「あ…あの、その、用件は…何でしょう?」
私はいつもどおりの対応をし、彼女自身も私がどのような態度を取るか知っているはずなのに、今回は奇妙なまでに緊張や恐れ、というレベルを通り越したひどく狼狽の色がその声から感じ取れた。
しかし、私は彼女を安心させて話しやすくしよう、などと思うことも無く、淡々と自分の用件を続けて言った。
「今朝、あなたは私にあなたの電話番号を伝えてくれた。
けれども、あなたは私の電話番号を知らない。
だからあなたに私の電話番号を伝えようと思って。
それともあなたは私の電話番号、知っているのかしら?」
どのような反応をするか気になったので、そこで話を断ち切った。
他意がなければ、そのまますぐに電話番号を聞くであろう。
しかし、何か腹に一物、であれば咄嗟に反応が遅れるとか、ぼろが何か出るに違いない。
めぐらした罠に彼女がかかるのを待つことにした。
暫くしてから、彼女は口を開いた。
「えっ、あの?私、先輩の電話番号聞いていませんでしたか?」
「ええ、そうよ。だから、電話番号を伝えようと思って。」
「……わ、わかりました。…め、メモをとります。」
狼狽していた彼女がより一層、取り乱していくのが感じられた。彼女に対する、あの害物と裏で繋がっているのでは、という疑いが強まる。
それとも、狼狽してしまうほど、私と接触を取りたくない理由が何かあるのだろうか?
「村越さん」
「は、はいっ!」
「あなた、何か私に隠していること、むしろ、話さなければならない事、かしら…何かあるのでしょう?」
一言一言を少しずつ切って強調して言った。
「何もありません、私は先輩にお知らせしなければならないほどの重要な事を知っていません。」

即答だった。

不自然なまでに間髪いれず、まるで聞きたくないとでも言うように、即答された。
しかも、さっきまで狼狽していたのが演技だったかのように、淀むことなくはっきりと言った。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:52:51 ID:QT51TBcr<> 「先輩こそ、電話番号、いいんですか?」
「そうね、電話番号は教えるわ。
でも、あれだけうろたえていたあなたが、それだけはっきりした受け答えを行えた、というのは釈然としない、かしら。
あなたは、何か知っていることがあるのでしょう?」
「………。」
「小さいことだと言っても、もしかしたら何かの助けになるかもしれないでしょう?」
「重要なことじゃない、ですよ。」
「重要かどうかは、情報を得た私が判断すること。とにかく、何かあったら知らせてくれる、そういったわよ?」
「………はい。」
観念したような声で搾り出すように承諾の意を伝えてきた。
そんな彼女の声を聞きながら、先程の恐怖や狼狽にさいなまれている彼女の声が私にはどうも演技か何かのような空々しさを感じていた。
彼女はやはり、あの害物と協力している、悪くすると、私を貶める側の人間なのかもしれない。
「では、話しますよ…。先輩がどう感じるか考えると……私は話したくありませんが…」 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:53:43 ID:QT51TBcr<> ちぎれた瑠璃色の美しいしおりがゴミ箱に捨てられている部屋
棚の上の装飾のない、素朴なノートの36ページ目

 今日はあまり気分がよくない。
 夏に相応しくない雨が降っていることもあるだろう。
 病院食が不味いこともあるだろう。
 数週間も外に出ていないで、行動が定められている以上、テレビも特定の番組しか見られないこともあるだろう。
 そういえば、アニメの放送内容も近々変わるらしい。確認はしておく。
 しかし、今日はそんなありがちな事が原因で、メランコリーを感じているわけではない。

 何故だろう?
 そんなのは、昨日、僕が理沙を拒んだ事が関連しているに決まっている。
 その行動は、いろいろな事が原因で、元から不安定だった理沙を切り捨て、悲しみの淵に追いやることになった。
 後悔しているかといえば、否だ。
 自分の決断が間違っている、とは思わない。しかし、心は痛む。
 昨日の心からの決意が僕を勇気付けてくれはしたが、やはり後ろめたさは残る。
 数週間に渡って、顔を合わせ続けている、僕の大変な手術の執刀もした医師は好々爺で、今日の診察の際も、僕が考え事をしているのを見て、
 退屈していると取ったのか、趣味のつりの話をしてくれて、退院したら教えてくれると言って来た。
 つりに興味の無い僕だったが、生き生きしたこの老人の話に耳を傾けることに苦痛を感じなかった。
 その老医師の話では、退院はそう遠くないと言う。
 リハビリの器具が重く感じる。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:54:38 ID:QT51TBcr<> 126号室・松本弘行というプレートが掲げられた部屋
真紅の本の下に置かれたノートの38ページ目

 うだるような暑さが襲ってきた。冷房の利きが悪いのか、今日が以上に暑い日なのか。
 この天気の大きな変化では、偏頭痛持ちだと言っていた、北方さんは頭痛に苦しんでいるだろう。
 腕のギプスははずしている為、蒸れて気持ちが悪くなることは無いが、汗が肌を伝い、服が皮膚にぺたりと張り付いて気持ちが悪い。
 リハビリを続けているが、なかなか苦しいものがある。
 放課後の時間を見計らって、家に電話をかけてみたが、理沙は電話に出てこない。
 未練がましいとは、わかりつつも自分のエゴの為にか、電話をかけている。
 五回かけても駄目だったので諦めることにする。
 そういえば、夏休みはもうすぐだ。僕はもう少しで退院だという。

 机の上の真紅の装丁、北方さんの本を再び読んでみた。
 理由は特に、これといったものは無いが、北方さんに似ているヒロインとその結末が気になった、そんなところだと思う。
 理沙がここのところずっと病室を訪れていたが、思い返せば、北方さんのお父さんの提案で、二人ともここにこないことになっていた。
 理沙は弊履(へいり)の如く約束を破ったが、北方さんにはここのところ会っていない。話すらしていない。
 だからこそ、本の中の髪長姫と彼女を重ねているのだろうか?
  <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:55:43 ID:QT51TBcr<> リノリウムが味気なく、窓も一つしかない光の届きにくい部屋
走り書きされているノートの41ページ目

 ここ数日の間、この日記をつけていない。
 理由は、本をずっと読んでいたことと、その数日間に北方さんのお父さんが電話をかけてきたので、それに対応していたことである。
 北方さんの本の内容は衝撃的であった。
 あらすじを述べると以下の通りだ。
 ある老夫婦は長い間、求めていた子供を授かる。しかし、それは難産になり、妻は母子共に助かるために魔女のラプンツェルを望む。
 夫は魔女にラプンツェルを分けて貰い、子供は無事に生まれるが、ラプンツェルとの交換条件で子供は魔女の元に引き取られる。
 この少女は魔女に酷使され苦しみながらも、長い黒髪を持つようになり、美しくなっていった。
 ある日、魔女の住む森の近くで、自身の父親の死体を発見する。これは、妻と魔女が殺したものだった。
 彼女が年頃になった頃、彼女はたまたま狩りの最中、森に迷い込んだ王子と出会い、魔女の目を盗んでは逢引きするようになった。
 これを知った魔女は怒り、王子の許婚の王女は八方手を尽くして、ヒロインを苦しめ、二人の仲を裂く。
 それに悲観したヒロインは去り行く王子を横目に墜死を試みる。
 が、失敗し、彼女は失明する。本来ならば再び王子との逢瀬を迎えるはずだが、そうではなく悲劇的な結末に終わっていた。

 北方さんのお父さんは、自分の身の回りに変化が無いかということと、最近、北方さんの立場があまり良くないから、退院したらまた、助けてやってくれということを、言っていた。
 また、娘を慮って、教師陣にも喝を入れてきたという。その娘を思う気持ちがあるならば、どうして北方さんが幼い時に虐待を止められなかったのか。
 思うところを口にしたら、悲しげに君しか彼女の傍にいてやることはできないよ、とつぶやくように言っていた。
 なんとなく、この物語を北方さんが好んで読んでいる理由がわかったような気がした。
 このヒロインと自分を重ね合わせて、僕の傍にいたい、と祈願するように言っていたのだとすれば、心が痛む。
 物語のような結末にはしたくない。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:57:03 ID:QT51TBcr<> 面会人も無くいつもどおりの静謐さを崩さない部屋
切抜きされた新聞と共に棚に置かれているノートの44ページ目
(左ページに切り抜かれた新聞記事が貼ってあり、適宜、赤線が引いてある)

 今日も暑い日のようだ。ミンミンという蝉の鳴く声が鬱陶しい。
 北方さんの立場があまりよくないという彼女のお父さんの話を聞いて、北方さんの事が心配でたまらない。
 冷静で隙を作らず、誰とも価値観を共有しない、そういう状態でいるのは本人自身厳しいことだろうし、周りが悪意をもって彼女に接していたとすれば、殊更だ。

 南雲が今日、僕に夏休みの宿題と新聞を片手に面会にやってきた。
 南雲は成績がよく、冷静な性格で僕の親友である。
 一、二週間くらい前だったか、理沙が僕のところに出入りしていた頃、僕に友人の南雲が北方さんの立場が悪い、むしろいじめに近い状態になっていることを示唆するような連絡を受けた。
 スタンガン事件の事と、理沙の事でいろいろと悩んでいてその時は恥ずかしい話だが、気に留めることができなかった。
 その南雲曰く、最近はどんどん迫害がエスカレートしているという。僕と南雲の仲間は北方さんが悪い人ではないことを気づいているので、悪意をもって接することはしないという。
 南雲は北方さんにアプローチをかけてみたり、教師の協力を仰いだりしてみたらしいが、北方さん自身が自分の殻に篭っているので、どうすることもできなかったことを伝えた。
 さらに、彼女はここ数日の間、北方さんが休んでいるとも言っていた。
 
 南雲が持ってきた新聞記事は一面にでかでかと載っていた。
 北方さんのお父さんが何者かに刃物で刺されて、重傷の状態で病院へ搬送されたという。
 細かいことは知らなかったが、彼の会社は相当規模が大きく、ここ数日、大きな商談があって山口を訪れていたという。
 テレビでもそう報道していた。
 北方さんは一層、悲しい思いをしているだろう。
 こんなときに病院を出ることができない自分が嫌だ。
 断るかもしれないが、北方さんと会う必要がある。電話を明日にでも、かける事にする。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:57:48 ID:QT51TBcr<> 壊れた時計の部品が床に転がり放置されたままの部屋
折れた鉛筆と一緒に置かれたノートの46ページ目

 目覚まし時計が止まっていた。
 それだけのはずだった。
 電池を取り替えようとして外蓋を開けたら、何か見慣れぬ機械があった。
 電子工作に詳しい友人の中津曰く、盗聴器だという。
 誰の差し金かはすぐにわかった。
 おそらく、この情報を元に北方さんへの攻撃をしたのだろう。
 北方さんへの迫害の首謀者も予想が悪い意味で的中した。
 最初は怒りのあまり、盗聴器が仕掛けられていた時計を床に叩きつけ、壊した。
 が、ただ寂寥感と悲しみだけが襲ってくる。

 北方さんは電話に出てくれない。事態はかなり深刻なのかもしれない。
 心配だ。
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 01:58:55 ID:QT51TBcr<> 時計の部品が跡形もなく綺麗に片付けられて何事も無かったかのような物静かな部屋
水濡れで字が見にくくなっているノートの48ページ目

 また、この数日の間、この日記をつけていない。
 理由は今回はきちんとあり、理沙が仕掛けたと思われる盗聴器が発見されたことである。
 発見されて、僕は怒りを覚えた。
 監視されていたことに怒りを覚えたわけではない。
 その得た情報をいじめに使うことになってしまったことにやり場の無い怒りを感じる。
 自分が自らまいた種が北方さんを苦しめることになっていたことが自分への怒りになっていく。
 友人の南雲は義侠心を奮い起こして、北方さんを救おうとした。
 しかし、彼女を助けて当然の僕は逆に、彼女を苦しめてしまった。
 電話に彼女が出てくれないのもそのせいかもしれない。
 
 もしかしたら、取り返しのつかない事態になりつつあるのかもしれない。
 でも、まだ何とかなると信じている。いつも何とかならないことだと思っていたことを何とか成功させることができたのだ。
 だから、ここで諦めたくは無いと思う。
 盗聴器は破壊したから、もう漏洩した情報によって北方さんが苦しめられることは無い。
 でも、彼女自身は心に傷を負っている。
 それを癒すことができなければ、僕は彼女を愛している、などと言う資格はない。
 それと同時に、何とか理沙にストップをかけなければならない。
 それこそが、兄である義務だと思うから。

 最近、休養は完全なはずなのに、疲労が取れずにいる。
 リハビリもうまくいっているのだ。ここで、ダウンするわけには行かない。
 もう、退院まで後、数日だ。
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 02:00:15 ID:QT51TBcr<> 朝、いつものように寝ぼけ眼をこすりながら、厳しい目覚めを迎える。
冬ほどは苦痛ではないのだが、やはり朝起きるのは厳しいものがある。
今日は退院の日だというのに、僕はあまり浮かれる気分にはなれない。
その証拠に寝汗の気持ち悪さが、窓の外に見える美しい青空の清清しさに勝っている。
身体ももう十分に動くに等しい。しかし、それは感慨深いものではなく、
土手から落ちる前には当たり前だった事が当たり前に行えるようになっただけの事なのだが。


到底、感慨などには浸ってはいられない。
退院後に自分がしなければならないことが山積みであることは明白なのである。
食べ慣れて、もはや酷いという感想すらも抱かなくなった朝食―。
生ぬるい味噌汁を口を湿らせ、不味いご飯を口にしながら、骨の取り除かれている鮭に手をつける。
前ならば、下らない冗談を言っていたであろう光景にも取り合わない。
いつもどおりに、例の好々爺の診察を受け、満面の笑みを浮かべた彼はとうとう退院であることを告げ、次は釣堀で会いましょう、などと茶目っ気に言った。
この老医師が手術してくれ、僕の為に少なからず心を砕いてくれたことに対して、素直に感謝の意を述べた。
それから、この老医師は看護婦に命じて、彼が全ての退院する患者にするように手品を見せてくれた。
なかなか、技も巧緻で、冗談も織り交ぜられたそれは僕の片頬を自然と緩ませた。

それから、僕は部屋にある自分の道具を退院の為に片付ける。
ベットの掛け布団やらシーツ、それからカーテンは既に取り外されている。
入院している間は、このベットの近くの棚に届いた手紙が届けられるのだが、退院する今日、珍しくその場所に手紙が置いてあった。
綺麗な封筒に達筆な見覚えのある字。
宛名に松本弘行様、とだけ書いてあることに気がついた。
差出人の名はそこには記されていなかったものの、それが誰がよこした手紙かは一目瞭然だ。
背筋が寒くなるような嫌な予感と共に、封をはさみが無かったのでビリビリと乱暴に破る。
中に記されている内容を見て僕は愕然とした。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 02:02:32 ID:QT51TBcr<> 拝啓

松本君、ご退院おめでとうございます。
本来ならば、松本君の退院を祝い、迎えに行くことが当然だと存じておりますが、訳あって手紙のみである事をお許しください。
こんな他人行儀な書き方をするなんて、変な感じだけれども、気にしないでいただけますか?

これは、何もかも決着をつけるため。
決着をつける、と唐突に書き出されても、あなたは混乱するだけ、それは分かっています。 
松本君が入院している間に、いろいろな事情があって、私はいろいろと考えました。

そして、結論するところは私は松本君に会うべきでないし、その傍にいるべきでない――という事。

あの日、私が松本君に言った「あなたの傍にいたい」という言葉。
こう聞くと、その言葉が真実でなかった様に感じられるかもしれません。
けれど、私は今でもあなたを愛している気持ちにかわりは無いです。
何故会えないかは、ニュースを見ているならば、そして、あなたの親友が伝えてくれた事から察していただけますか?
あなたの親友は、いろいろと裏で私を助けようとしてくれたようで、私は感謝しています。
全て事が済んだら、彼らに北方が感謝していた、そうお伝えください。

そして私が一番感謝しているのは、松本君、あなたです。
あなたと出会えて、わずかな期間だったけれども、無意味と思われた生に意味を見出すことができた。
私はあなたと同じクラスであり続けた長い間、何もアプローチが取れずにいたけれど、あなたの事が好きでした。
あなたの存在だけが私の行く先を明るく照らしていたのです。
人に嫌われる蛾であっても、その行く手を照らす光だけが私を拒まずにいたのです。
その光を求めるあまり、一種の憎悪を心の奥底に秘していた時期もありました。
それは、ご想像の通り、あなたの妹さんに向けられていたものです。
そのために、今、自分はこの運命を迎えることになるのだということを悟っています。
ただ、あなたと同じ時間をあなたと同じ様に過ごしてこれたことが夢の事のように思い出されます。
しかし、このままでは松本君に悪い影響を与えてしまうのは明白です。
それはあまりに忍びないことです。
全てが終わってからも、愚かな女であったと蔑まれるのは御免蒙りたいものです。
かなり長くなってしまい、しかも未練がましくなってしましたが、この辺りで切らせていただきます。
願わくば、私の存在など早く忘れ去って欲しい、それだけです。

敬具

追伸
和菓子と洋菓子、今はどちらのほうが好きですか? <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/24(金) 02:03:37 ID:QT51TBcr<> 一文一文を読むごとに切々と悲愴感と決意を感じた。最後まで達筆な字で記されており、彼女の意思を覆す事はできないようにも感じられた。
しかし、これほどまでに悲しい結末があっていいのだろうか。
そんなことは絶対にあってはならないし、バットエンドは許さない、そう僕は心に決めたではないか。
にも関わらず、ここで諦めるわけにもいかない。
僕のうぬぼれ云々を無視しても、彼女は死にたくない、そう、心の中では思っているに違いない。


そのとき、血相を変えた看護婦が入ってきた。そして、青ざめた僕を引っ張って、電話台の前につれてきて、受話器を握らせた。
「もしもし、松本理沙さんのお兄さんですか?」
「は、はい、そうですが。」
「こちら大村病院のものなんですがね、実は、あなたの妹さんの理沙さん、服毒自殺を図ったんですよ。」
再び、後頭部を殴られるような衝撃を受けた。
「もしもし?まだ、毒物が強いものものらしく、現在急いで、応急処置が取られているところです。」
「あなたのお父さんが、あなたの退院を迎えに行く際に、倒れている理沙さんを発見したのですが……すぐに来てもらえませんでしょうかね?」
わかりました、とだけ言葉少なに答えて受話器を置いた。

 
A.北方さんの理不尽で無意味な自殺を思いとどまらせる
B.兄としての自責と義務から病院へ搬送された理沙の元に向かう
C.どちらを選択することもできず、どうすればいいのかわからなくなってしまった
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 02:05:29 ID:QT51TBcr<> 以上です。
次回で最終回、というわけではないのでそのつもりで。
お目汚し失礼しました。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 02:08:39 ID:L6UUqBKK<> リアルタイムGJ!
投下乙です!!


rァA <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 02:12:31 ID:cJpPwEqt<> >>318
GJ!
色々裏がありそうでどれを選んでも明るい未来が見えねぇw
本通りなら北方さん失明フラグか… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 03:09:32 ID:DUF7aLFO<> 上書きの続きはまだかなあ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 04:33:36 ID:b7zQ9akP<> その看護婦は本当に看護婦かな…?ニヤニヤ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 04:40:38 ID:RmwHbSLg<> >>317
初期の頃は松本君のお馬鹿さを笑って読んでいたのにいつの間にかこんな事になっちゃって。
明るい未来が見えないけど北方さん派としては彼女だけでも救ってほしいのさ。
てことで選択肢選べるならA <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 12:15:14 ID:/eyWITqa<> Aだって? 俺は……俺はBだ。
 ...........
遺書がまともだからこそ逆にヤバいと思うぜッ!
だいたい妹を放っておけるわけがねえ!
それに北方さんはああやっていつでも弘行を待つようなヤツなんだ。
遺書まで届けておいて何も備えてない訳がないッ! 
彼女を止めるほど危険なことはねえと予想するぜッ!
無理心中につきあいに行くよーなもんだからな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 13:32:32 ID:6XHNIdsW<> 最初からずっと北方さんを見守ってきた俺はAを選ぶぜ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 15:07:38 ID:6d01pzQn<> >>318GJな作品投下乙です。
俺は半官びいきなんでAを選んで欲しい。
幼少時代に母親に虐待され、やっと見つけた愛しい人に大怪我を負わせてしまい、
想い人に会うこともできず、周囲からの誤解と偏見に塗れて孤独に耐える。
これで自殺したら救いが無さ過ぎるんだぜ…

>>322看護婦さんが本物である確率は2分の1…ニヤニヤ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 17:47:13 ID:s10+ZQpz<> 最近、キモウト、キモ姉好きかつヤンデレ好きの俺はヤンデレ小説を見るとキモウト分が足りなくて、キモウト小説を見るとヤンデレ分が足りなくて不完全燃焼なんだ。
かと言って両方含まれてる小説はすでに読んじゃったし…
俺はどうすればいいんだ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 18:04:37 ID:6HCir2vs<> とりあえず、筆を取れ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 18:34:58 ID:dvXzRt97<> そろそろ、嫉妬スレとキモ姉とキモウトスレとヤンデレスレは統合するべきなんだがな・・・
これは正に任天堂とソニーとセガを合併させたぐらいの衝撃だぜw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 19:01:09 ID:rgfQBwoS<> 何がそろそろなのかわからんが
別に現状維持でいいだろ、統合するメリットもないし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 19:10:25 ID:YQhxHQi7<> 流石に、それら全部統合したらカオス度がヤバイことになる気が…。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 19:12:51 ID:/4aVZPct<> >>327
あれ、俺がいる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 19:44:47 ID:xfu0K3iV<> >>327じゃあ、二次創作モノだけど・・・
ttp://www.ne.jp/asahi/uriel/undead/homepage/foradult/tien.htm <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 20:28:09 ID:+j3OrJBb<> >>327
実際に自分でヤンデレとかキモウトとか製作するよろし(`・ω・´)
なんと言うことでしょ〜、今まで暇過ぎて平凡だった日常が、あっという間にブラックに染まってしまいました〜。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 20:42:24 ID:6HCir2vs<> >>333

相変わらず、エヴァ系の二次創作は地獄だな。 <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/24(金) 23:41:55 ID:xklRQrCy<> 画像の回転は各自よろ
グレーテル/聖域
http://imepita.jp/20070824/832130 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/24(金) 23:52:16 ID:RmwHbSLg<> >>336
背景あるのって珍しい
カワユスw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 00:11:47 ID:4tCuYsCo<> >>327
サキュバスの巣にでも行くとよろし。
>>329
つかもともと嫉妬修羅場スレから派生したスレなんだよな。ここもキモ姉妹も。
キモ姉妹スレは当初削除しろ、削除しろ言われまくりだったが。
よくここまで成長したものだ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 00:51:29 ID:b7UHEM/x<> >>338
キモ姉妹は派生というより
お調子者が荒らし対策で黙って勝手に立てたスレだからなあ。
元々必要ない重複スレだったからそりゃ叩かれるというか。
今でもどっちに投下するか迷うって作者さんたまに見かけるし。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 01:36:26 ID:GafcOh4r<> まあ唯一明確な存在価値があるとしたら
キモ姉とキモウトの両方が出てくる作品かな
これは姉スレにも妹スレにも投降し辛いだろうし
ヤンデレというほど病んでないならここにも持ってきにくいだろうし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 01:53:37 ID:mc1H43oy<> 和菓子と洋菓子の人GJ!
Aで <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 02:18:01 ID:hOtIQyeQ<> 各作者GJ
ヤンデレ+ハッピーエンド(正負両方の意味で)が好きという俺は北方さんには全力で生きて欲しい


あと今更ながら>>255に感銘を受け書けもしないSSに取り組んで悶絶中
誰かサイダネ下さい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 02:28:35 ID:Eb4oOWjB<> >>342
失敗を重ねてから監禁成功していただきたい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 12:05:06 ID:O+Y56tV4<> エアマスターの登場人物は全体的に病んでる気がするんだが
どうだろう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 12:53:21 ID:5NmSoNgG<> >>329
あっちは人が多いし荒らしとか説教厨が居るし合わない。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 12:54:22 ID:5NmSoNgG<> キモ姉妹スレは平和だけど。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 13:01:24 ID:RpmaySt/<> ヤンデレだらけです。ぜひ一度…
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185376097/l50 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 13:01:28 ID:5tjedcyo<> キモ姉妹立てた人は賢いな・・・w
スレを分散することによって、荒らしを分散させたし
名作品もあちらに投稿されているし、一石二鳥だよw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 13:31:29 ID:XiY6mELc<> 実験的作品の続きが読みたい…作者さんみてるかな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 15:48:37 ID:mPP+Kggb<> >>345
そんな理由でもったいないな、まとめで作品ぐらいは読んでも損はないと思うぞ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 19:36:01 ID:UOhwOojG<> >>348
キモ姉妹スレの名作品ってどれよ?あっちにはあんまり行かない俺にはわからん <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 20:40:12 ID:vmgpIKYk<> >>351
キモウトなら綾シリーズが俺は最高だな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 20:41:17 ID:nSn1dzz8<> 全ての完結作品、特に『籠の中』は是非読むべきだ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 21:06:00 ID:HFqkmS+u<> てゆーかいい加減スレ違いだからあっちでやってくれないか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/25(土) 21:42:55 ID:5NmSoNgG<> >>350
どう言う意味かkwsk <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 00:43:43 ID:zr2HIWTO<> 余所スレの話題をわざわざここでするな長々と <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 01:48:49 ID:qyDNIngt<> ヤンキーデレを書いてみてるが、
ヤンキー少女のイメージがすっげぇ90年代なんだけど、これでいいんかな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 01:57:30 ID:+bC9FFvk<> >>357
あれか、「ああっ?ヨーヨーぶつけんぞ!」ってやつか。
wktk <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 02:37:44 ID:ILv7qhnx<> >>357
ヨーヨー?それは楽しみだ

和菓子と洋菓子の人の選択肢のCとか選ぶとどうなるんだよ
なんか予測できないか?
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 05:32:15 ID:DNQ/tzPb<> ヤンデレ大全には竜宮レナが出ているそうです。
これはもう買わないっきゃないね。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 05:48:29 ID:WXcByhlW<> どうでもいいけど、ひぐらしってサイレンのパクリだよな
一章だけやけに出来が良いのも頷ける <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 08:35:02 ID:vqoA6ndA<> >>361
パクリというか、参考にした作品の一つだから似ているのはしょうがない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 09:01:34 ID:Z1J0d6ff<> >>360
レナってヤンデレではないだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 09:23:52 ID:jENU7zoN<> >>360
>>361のSIRENで思い出したが、
恩田美奈は出るだろうか・・・

彼女は立派なヤンデレなんだが <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 09:28:54 ID:MULPUq+i<> サイレンってゲームのSIREN? そして一章って鬼隠しのことか?
それなら確か、ひぐらしの方が先に発売されてなかったっけ。
SIRENが2003年で、ひぐらしが2002年だと思ったんだが。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 09:37:36 ID:ont0BS9V<> >>363
罪滅し編「だけ」を見れば充分ヤンデレだと思う
疑心暗鬼の病状が発症しても主人公には心開いて電波垂れ流して洗脳しようとするし、
親友が主人公に色目を使うって鉈でぶちのめすし
奇病という踏み台があるもののレナの一人称の文章が最初はほのかな好意を暖めているピンク色からグロい赤色に変わる過程もまさにヤンデレ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 10:04:40 ID:zr2HIWTO<> はいはい
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1176207104/
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1176178896/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 10:23:43 ID:bLFuVEdZ<> >>360
>これはもう買わないっきゃないね。
つまり「買う必要なし」という意味の発言だと誰か気付いてあげて下さい>< <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 10:26:34 ID:aK+QtMzX<> だよね。
普通、「買うっきゃない」
だし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 14:48:43 ID:HK3FyGRa<> 過去ログにもあるが、竜宮レナがヤンデレだと言ってる奴はヤンデレの在り方を正しく示してくれている>>1を読みなおすべきだな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 15:43:03 ID:jSvSnaCm<> あれもヤンデレ、これもヤンデレってのもアレだが
公式に明確な基準があるわけでもないのに、これは違う!これも違う!というのも考え物かも


ツンデレの定義はこうだ!新参は何も解ってない!とか「喚き散らす」人をたまに見かけるからふと思った <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 16:40:06 ID:zr2HIWTO<> 邪悪系や狂気系と混同しちゃうのはなんでじゃろうなんでじゃろう
愛でポイントが全く違うのに <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 17:08:58 ID:DNQ/tzPb<> >>>371
中身がタラコだろうがおかかだろうがおにぎりはおにぎりだが、
流石に米で出来てるからと言ってカツ丼をおにぎりと言い張れば叩かれるのは当然。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 17:10:55 ID:xZHsF7yc<> じゃあ、狂気系の女がヤンデレになる、というのはこのスレ的にオーケー?

人殺し女が男に惚れて以来、男を手に入れるためだけに行動するとか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 17:21:53 ID:F7107xsR<> 味噌で煮ようが塩で焼こうが鯖は鯖・・・ってね <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 19:01:19 ID:HK3FyGRa<> >>371の言いたいことも充分にわかっているつもりではあるんだけどな
最近、某同人ゲームが出たじゃないか。アレのせいで竜宮レナのようにヤンデレは勘違いされそうだなぁとは思うわけよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 20:22:44 ID:zR3Hs6Ur<> ブームを起こした人の尻馬に乗って適当に作ったものが、ブームに後から乗ってきた勘違いした人に支持されていつの間にか母屋を乗っ取ることはよくある。
ロリブームしかりショタブームしかりツンデレブームしかり。
ジャンル分けの言葉が出来る以前からヤンデレキャラはいたわけで、
言葉とともにブームになってしまった今、元からのヤンデレ好きが危機感を抱くのも仕方がない。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 21:42:36 ID:WXcByhlW<> ツンデレとか、もはや有って無いような物になったしな
レナがヤンデレに分類されるんなら、終焉も近いなあ
そもそもあいつデレ無いような。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 22:40:54 ID:1+e70uRB<> 圭一の事は好きみたいだけど異常なまでに圭一に執着してる訳じゃないし、
ルートによっては圭一を譲ってもいいような感触を受ける場合もある。
なんか違うと思う。個人的には一途というより友達思い。
強いていうなら罪滅しはヤンデレじゃなくてデレツンデレ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/26(日) 23:12:14 ID:zr2HIWTO<> まあお前らそろそろ>>367な <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:03:19 ID:JEaV9oY7<> 何だか荒れているようですがSS投稿させていただきます、毎回のようにアレなタイトルですが、まあ気にしないでください。
 
 私の彼は変身ヒーロー@
 
 2月8日 晴れ
 
 今日は私、雨宮燈歌にとっては最悪な日だった、しかし幼馴染で腐れ縁のアイツ…
 井上良太郎にとっては人生最高の日だったのかもしれない。
 それは何故か…そう、あの幼馴染はよりにもよって…この私が毎年のように…いや
…今年は、今年こそはアイツへの想いを告白しようと思って火傷しながら手作りで
作ったシフォンケーキを、前フリもなく現れては壊した緑色の化け物を…アイツは
腰に巻いたベルトを使って変身して…見事なキックで倒してしまったのだ。
 「僕がみんなを守るんだ」 
 良太郎はそう言った、何でも前日、この男は人が苦労してチョコケーキを作って
いる間に善良な宇宙人にさらわれて、あいつらと戦えるように体を改造されていた
らしい。まあ良太郎は将来の夢だった自衛官試験を落ちてちょうど浪人になっていた
し、元々正義感が強くて人のために戦うのが好きだったからいいのだろう…必殺の
キックで敵を倒しているときなんて本当に嬉しそうだったし…それに。
 「スゲーうまそうじゃん、このくらい問題ないって」
 良太郎はそういって、グシャグシャになった私の特製ケーキをおいしそうに食べて
くれた、たとえ改造人間でも…何が何でも彼は優しい男なのだ。
 でも、だからこそ私は満たされない。そんなチャンスがあっても私は彼に告白できなかったのだ。
 腐れ縁がにくい、この、兄弟のように固く結ばれた友情という絆がにくい。
 嗚呼、いつかこんな私にも彼に告白できる日が来るのだろうか…。
  <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:05:21 ID:JEaV9oY7<>
 私の彼は変身ヒーローA 

 3月14日 曇り
 
 今日も今日とて良太郎はトレーニングに励んでいた、この二月でようやく敵とも戦いなれてきた頃だったが
それでも足りないのか、良太郎は日々格闘技のジムに道場破りに行ったり、ロードワークやら筋トレに励んでいた。
 「おいおい、短大はいいのかよ燈歌」「あのねえ、アンタのことなんか頬っておけるわけないでしょ、あぶなっか
しいったらありゃしない」
 休憩中、公園のベンチで汗を拭きながら彼はそういった。もちろん私はいつものようにそう返した…もっと素直に
なりたい。でも、そうなれないのがもどかしい。
 私は良太郎が好きだ、彼が命の危険にさらされるようになってから余計に日々そう感じるようになった。こうやって
つらい日々でも笑顔でトレーニングをしている彼が好きだ、わたしの考えたメニューを参考にしてトレーニングしてく
れている彼が好きだ…愛しい、こうして彼の汗の匂いが漂っている空間にいるだけで発情している自分に気がついたの
は何時だろうか?こうして偶然公園のベンチで会える様に…そう見せかけて彼の行動を追跡、マップを作ったのは何時だろうか…。
 「はい、これあげる…頑張ってね、ええと」
 「仮面ライダー、仮面ライダーファウストだ」 
 そういって私は特製ドリンクを彼に渡した、ありとあらゆる強壮作用のある食物やサプリメントと…
私の、昨日、彼の逞しい体に犯されることを想像して自慰したときの…その愛液を混ぜ合わせたものだ、そ
うだ、私の愛がたっぷり詰まったモノだから…飲めば無敵のスーパーマンになれるよね…それにいつか、そ
れを飲み続ければ私のことも…。
 その彼の、ごくごくと無理をしながらドリンクを飲み干す姿を想像して、私は今晩も自慰した。
 …もう、私は彼のことしか考えられないのかも知れない。 <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:06:37 ID:JEaV9oY7<> 私の彼は変身ヒーローB

 4月25日 雨

 死にたい、もう駄目だ、良太郎に嫌われてしまう…。
 昨日、戦いに巻き込まれた時に私は良太郎…ファウストに助けられた、しかしその時私を
かばった良太郎は背中に傷を負ってしまったのだ、さいわい跡が残るくらいの怪我にはなら
ないようだし、良太郎も笑顔で気にするな、とは言ってくれたが…なんて事だ、私が原因で
彼は傷ついてしまったのだ…。
 最愛の人を傷つけてしまった、そんな自分が許せない。
 だから私は自分の腕にナイフで大きな傷を付けた、もうこんなことはさせない、絶対にし
ない…そんな戒めのために。
 良太郎の怪我は翌日あっさり完治した。むしろ良太郎は逆に私の手の怪我を心配してくれ
るような事態になってしまった…こんな私にも優しいんだね、良太郎…おれのせいだ、嫁に
もらってやるから…そう言ってくれたこと…冗談でも嬉しいよ、良太郎…でもいい加減
私の気持ちにも気づいて欲しいなあ…。 <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:07:50 ID:JEaV9oY7<> 私の彼は変身ヒーローC

 6月30日 晴れ後曇り

 今日ははしたない事に短大で喧嘩してしまった、でも原因が原因だから仕方のない事だと思う。
 だってあいつらは良太郎を馬鹿にしたんだから…。
 「さっさとあんな奴等殺しちまえよ、化け物が」
 そんな言葉を聞いたのだ、あいつらをひっぱたくのなんて当たり前だ、彼はみんなを守ってく
れるヒーローでいて…それでいて…私にとっての…。
 「すごいだろ燈歌、これならどんな敵だって一撃だぜ!」
 「うん…凄いと思うよ…」「…ん?ずいぶんしおらしいなあ」
 新型武器の暴導索…ドラッヘントードスを構える良太郎、ここはこの会話に乗ってあげて、憎
まれ口のひとつでも叩けば彼は喜ぶのだろうが…彼を、いつもの憎まれ口で傷付けるかも知れな
いという事におびえている自分がいた。
 嫌われるのが怖い、でも告白してこの関係が壊れるのが怖い、どうすればいい…助けて、貴方
のためなら何でもするから、死んでもいいから…だから、私を助けて良太郎…。
<> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:09:10 ID:JEaV9oY7<> 私の彼は変身ヒーローD

 7月21日 曇り
 
 今日、私は良太郎に告白した、結果、成功した。
 もう我慢が出来なかった、関係が壊れる事の心配よりも我慢の限界の
方が先だった…何せ彼の仲間の…女ライダー、仮面ライダードラッヘンが現れたのだ。
 いきなり凄い力を持って現れたあの女…高寺=グレイスは、敵宇宙人と人間のハーフ
だか何だか知らないが、一般人は邪魔だと私を彼から引き離した、そして彼もそれを承
知してしまったのだ。
 先輩ずらしたあの女は、彼の新しいトレーナー役も勤めた。その結果、彼はどういうわけ
か新フォーム…グラムフォームにパワーアップすることもできた…つまり、私は立場を完全
に奪われたのだ。
 やめてくれ、もう私を彼から引き剥がさないでくれ、お願いだからやめてくれ。
 私はとうとう良太郎を家に呼び出して彼に告白した、手段を選ぶ事など出来なかった。
 媚薬混入料理、裸エプロン、いきなりのキス…何といわれてもいい、彼がすきなのだ
だからこそ何でも出来る…その結果、私は、彼を、モノに出来たのだ。
 「良太郎…大好き…大好き…だから私だけを…見て」
 「うん…俺は…お前だけを…愛するよ…」
 良太郎はそういってくれた、王子様は…私を選んでくれたのだ。 <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:11:14 ID:JEaV9oY7<> 私の彼は変身ヒーローE

 10月1日 雨
 
 良太郎に裏切られた、良太郎はあの女と、キスをしていた。 
 ユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ…。
  殺すべきか、死ぬべきか、重要な選択だからこそ、じっくり悩んでみよう。

 10月3日
 
 訂正、彼は私を裏切っていなかったらしい、彼はあの女に無理やり迫られてああ
なったらしい。ビデオの音声拡大と問い詰めの結果、そう判明した。
 彼はもうあんなことはしないと自分の手に傷を付けた、まったく私と同じ箇所にだ
少し嬉しい、原因はどうあれおそろいなのだ。
 愛してるよ良太郎、だからもうこんなことしないでね、本当は私だってこんな事した
くないんだよ、でも二人を邪魔する要素が多すぎるから…あいしてる、あいしてる、もう
放したくないから…だから…
 「あの女は、消してあげる」
 
 11月12日
 
 取りあえずあの女を殺す事に成功した、嬉しい、やってみれば簡単なものだ。
 普通に彼女を自宅に呼び出した後、睡眠薬入り料理を食べさせて…首を絞めて
めったざしにした後、首を切り落とした、無敵の宇宙人もあれでは死んでしまっ
ただろう。死体を解体したときに処女だったみたいなので、幕を破ってタバスコ瓶を突
っ込んであげた、いい気味だ。良太郎を奪おうとするからこういう目に会うのだ。
 …でもこれだけでは足りない、彼を完全に私のものにするにはまだまだ不安定要素が
多すぎる…やはりアレをするしかないのだろうか?。 <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:13:41 ID:JEaV9oY7<> 私の彼は変身ヒーローF

 日付不明  
 
 とりあえずアレをするために、あの女の死体からドラッヘンのベルトを奪った、残りは刻んで冷蔵庫にポイ、だ。
 その後、私は敵である宇宙人の後を追い、彼女のが敵と同じ惑星のハーフということを利用して…彼らの根城で
あるUFOを発見、認識IDである彼女の血を機械に読み取らせて彼らの基地に侵入した。
 そこから先は容赦のない虐殺大会の幕開けだ。敵の首領、それから幹部も会議中にドラッヘンの必殺技である
マイクロミサイル100連発と、連続キックをかまされればよける暇もない、命乞いする敵を徹底的に殺してやった
苦しんで死ね、それが良太郎に対して貴様らの出来る唯一の償いだ。

 12月28日 
 
 うれしい、良太郎が来てくれた、良太郎はこんな僻地…というか宇宙にただようUFO
にまで会いに来てくれたのだ…しかも理由は私に会いに来てくれたから…らしい。
 でも少し残念だ、良太郎は私を殺したかったらしい。
 …なにがいけないのかなあ、きみをばかにしたにんげんと、だましたにんげんをころ
したんだよ。それにもうわたしたちいがいのにんげんはみんないらないじゃない、りょう
たろうはやさしすぎるもん、あいつらがいるかぎり、きみはまただまされてほかのおんな
にもてあそばれることになって…てのきずがふえることになるんだよ。
 あいしてるよりょうたろう、だからわたしは、きみがわたしをまもってくれたおれいに
きみとあんしんしていられるせかいをつくってあげる。だからちきゅうも…いちどきちんと
こわしてあげるからね。あんしんして…このへいしたちは、みんなきみと、わたしのなかまだから。
 
 
 私の彼は変身ヒーローG 

 それからいっぱい日が過ぎた、あの日、UFOのなかで暴れまわった良太郎は無敵の私に
対して無理に必殺技を使った結果、手足が効かなくなってしまったようだ、うそつき宇宙
人のインチキ改造ベルトのせいだろう…でも私はそれに感謝した。なぜなら彼は手足が動
かなくなった分、私に依存しなくては生きていけなくなってしまったのだ…ベルトもはず
してしまえば宇宙での活動は不可能だろう、逃げる事も、連れ出す事も不可能だ。
 殺してくれ、良太郎は今日もそんな悲しい事を言う。私は嫌だと答えると彼のオムツを
取り替えて、寝返りを打たせて、鼻水を口で吸引して、さらに食べようとしない食事を口
移しで彼に飲み込ませた…良太郎、覚えてる?今日はあのときと同じ日…バレンタインデ
ーなんだよ…ほら、ケーキもおいしいでしょ?また焼いてみたんだよ…。
 ごくり、と彼はついに自力でケーキを飲み込んだ…最初は抵抗して叫ぶばかりの彼だった
が、今日までにここまでおとなしくなってくれた…後数日もすれば私の言う事を聞くように
なってくれるだろうか?そしてまた…私のことを愛してくれるだろうか?もしもそうなって
くれたら、私は二人だけの結婚式を挙げたいなあと思っている…プレゼントは当然私だ、そ
してそのまま子作りをして、三人で幸せな家庭を築くのだ。
 愛してる、良太郎…大好きだよ。
 
 FIN  <> リッサ
◆TKvIZfGFpk <>sage <>2007/08/27(月) 03:15:03 ID:JEaV9oY7<>  以上で終わりです、本当はヤンダムの最終回も描きたかったのですが、取りあえずこの辺で。
 お付き合いいただきありがとうございました。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/27(月) 03:24:26 ID:MBQUZkY/<> 一番槍GJ! <> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/08/27(月) 03:45:51 ID:+jasPFrf<> 幹部カワイソスwwwwwwwwwGJ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/27(月) 04:02:03 ID:i48kun1n<> GJ! 作品毎にヒロインの凶悪っぷりが上がっててGOOD <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/27(月) 14:24:11 ID:xcGSwsg8<> http://imepita.jp/20070825/804160
置いときます <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/27(月) 14:28:55 ID:Ym1kOFtC<> こんかいはタイトル無しですか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/27(月) 14:32:12 ID:flrdyHLQ<> タイトルが無くても分かる、これは間違いなく冬華。
(*´д`*)ハァハァ  <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/27(月) 15:01:30 ID:xcGSwsg8<> あぁ、タイトル忘れてたか。
ヒトカタ/人形
がタイトルです。
追加
恋する神無士乃は切なくて/幹也くんを想うとコスプレだってしちゃうの
http://imepita.jp/20070826/795060
…タイトルについてはその…ゴメン。他に浮かばなかった。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/27(月) 16:31:17 ID:qnWNtIpW<> >>395
GJ! だがしかし
>幹也くんを想うとコスプレだってしちゃうの
どう見ても冬継君の間違いです本当に(ry

ゴメンね、ついつい言いたくなっちゃったんだゴメンね。 <> 伊南屋
◆WsILX6i4pM <>sage<>2007/08/27(月) 17:23:14 ID:xcGSwsg8<> …ソウダネ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 01:44:43 ID:h1JpwEL/<> 言いたくないが、何様だ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 03:13:40 ID:Mt9yJY1H<> >>398
まあ落ち着けよ。ここの住人はなんでもGJしちゃうから職人が調子に乗っちゃうのは仕方ないさ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 04:34:28 ID:lbrLZ+QH<> ま、それはそれとして。
>>395久しぶりに志乃が見れて嬉しいのであった。
そういえば志乃以外お茶会の登場人物達って
皆ひんぬーだったっけ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 12:44:27 ID:h1JpwEL/<> デッサンが狂ってる真実w
偉そうなのもたいがいにしろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 13:31:47 ID:d2dKOTSw<> >>401
そんな偉そうなことを言うんなら、おまいさんが描いて貼れよ。そういうことを言えるんだから、伊南屋さんより巧いってことだろ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 13:36:16 ID:ekItbGNa<> 荒らしに反応するなって <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 13:39:12 ID:HB4oYSD8<> てか>>398だけならまだしも>>401のレスしてる所をみると
因縁つけてるだけだろ、ほっとけ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 13:40:20 ID:HB4oYSD8<> リロード忘れてたorz
>>403が言ってくれてたな、スマソ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 18:14:13 ID:V8J0Qkdn<> だれかヤンドジを・・・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 18:25:54 ID:A+EmFBtj<> >>400
神無佐奈を忘れないでいただきたい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 19:00:36 ID:+QXrxuXT<> >>399
それだけ賢いと言うこと。

じゃあね、ばいばい^^ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 21:26:15 ID:Tly6OrTo<> 実際、「見てもらう」ってのから「見せてやる」ってのに変わっるってのはあると思う
別に荒らしとか因縁とかじゃないんだ… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/28(火) 22:33:59 ID:J6YJQBS8<> >>407
そうです、忘れたら可哀相ですよー。(多分実の母親ですから、な胸であろう)な佐奈さんが大好きな通りすがりAです。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 00:41:45 ID:t+dO6q+n<> >>408
賢くはないだろ・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 00:53:32 ID:4+a49igO<> ひんぬーから思ったが個人的にヤンデレって未成熟・未発達のイメージがあるな。
幼さゆえの純粋さが狂気に走らせる、というか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 03:55:11 ID:Lm7s0tKI<> ヤンロリ


朝一番にこの言葉が頭に浮かんだ俺はもうだめだorz <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 04:10:29 ID:n844TCqH<> ヤンガス
ヤンカー
ヤン・ウェンリー <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 06:10:57 ID:GCSTIQlp<> ヤン坊、マー坊、天気予報!
ヤンヤン歌うスタジオ
ヤンキースタジアム
ヤンバルクイナ <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/29(水) 06:40:10 ID:E4Y3HCbS<> そういえばヤンクールって聞いたことないな
普段はクールなのに、好きな彼が関わるとクールでいられず、病んでしまう…
結構小説に出てるな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 10:13:49 ID:09wimQzF<> それヤンデレじゃん <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/29(水) 12:30:50 ID:NY5VhPRh<> とりあえず、主人公にデレて病んでいればよし!! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 13:48:26 ID:o5ZzFKjS<> たまーに自分がヤンデレだと気付いていない女が居るらしいから困る。 <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/29(水) 15:07:39 ID:lgV9VMX/<> なあ、ちょっと疑問に思うが男のヤンデレの小説でも可か?
スクールデイズの二次創作なんだが <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 15:11:54 ID:6ITWdc3A<> 不可

ヤンデレというのは女の子(ヒロイン)にのみ適用される言葉であって、男には使われない
ツンデレも基本は同義 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 15:56:14 ID:7mzMrPxs<> ストーキング物にしかならんだろ、男のヤンデレ…… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 16:08:47 ID:KcTKuy9F<> 男でヤンデレだとただの犯罪者だもんなぁ。
それに、現代のラノベにでかい影響及ぼしたとか言われてる某氏も「男は狂っちゃ駄目なんですよ」とか言ってるし……。
どうしてもマイナスなイメージが付きまとう。

まあ、氷の花束にある「人質とあたし」のラーシャがキレイな男ヤンデレだけれど……。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 16:15:21 ID:qlO6GJ4z<> ショタヤンデレなら私は一向に構わん! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 16:19:10 ID:3/dS9iBP<> 鬼哭街の主人公とか男ヤンデレかな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 16:21:15 ID:ohJicmwG<> あれは兄妹揃って病んでたな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 17:03:25 ID:Y394/GWA<> いや、男のヤンデレとか・・景観じゃないんだから・・
それにしてもあいつ顔きもかったな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 17:18:30 ID:KUEX6ik+<> 男のツンデレはのだめの千秋やコードギアスのルルーシュみたいなのもいるからありだし
クーデレも二次ではみたことないがツンデレ娘を攻めさせたりしたらおもしろそうだからあり
でもヤンデレだけは女じゃないとキモイだけだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 17:30:23 ID:zoIhKJYy<> ここでヤンデレ女王
学校であった怖い話の岩下明美さんの出番だな

ホラーゲームでヤンデレといえば彼女が真っ先に思い浮かぶ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 17:32:57 ID:cRAZSsCF<> ヤンデレ(女)×ヤンデレ(男)なら萌えるな。
男だけが病み始めると痛い。

>>423のも、ミリレアナが病んでるからこそラーシャリオンの病みぐあいが引き立つ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 18:03:44 ID:3/dS9iBP<> そういえば少女漫画には結構いるんじゃないか男ヤンデレって。
最近だと私のメガネ君の太一郎とか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 18:16:43 ID:o5ZzFKjS<> >>424
同意! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 19:00:05 ID:2Tp8CBm4<> ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1176178896/l50
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 19:09:31 ID:vI7LcqPD<> 彼氏彼女の事情の有馬はヤンデレ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 20:19:46 ID:t+dO6q+n<> 有馬が女だったらヤンデレだな。過去も悲惨すぎるし。 <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/29(水) 22:15:32 ID:hVSJONLu<> 戦隊でヤンデレはどう? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 22:26:13 ID:BMDFCLg6<> >>424
え?ショタって性別の一つじゃなかったのか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 22:29:31 ID:Zur1Ubi+<> ショタでヤンデレといえば。
半二次のヤンデレスレに特攻してきたブロガーが

「私の書いたショタキャラがよくヤンデレと言われますが、どうでしょう?」

とか聞いてきたのを思い出した。 <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/08/29(水) 22:36:18 ID:gwoMNZWu<> ヤンキーのヤンデレが読んでみたい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 22:43:18 ID:o5ZzFKjS<> >>439
主人公が怖さのあまり失神 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 22:45:24 ID:8n5U4K9g<> ツンデレ→ヤンデレが読みたい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 22:51:51 ID:Zur1Ubi+<> キモ姉妹スレの綾シリーズが……広義のツンデレ←→ヤンデレかも。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 22:54:18 ID:oGoXP2iV<> 男のヤンデレはアレだな
恋人が殺されて復讐だけに生きて、どんなに魅力的な女性からアプローチかけられようと反応せずに、復讐を果たす駒として女を扱い、夢の中で亡き恋人を想ってる
とかそんなヤンデレとかなら俺的にはアリ
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 23:00:51 ID:qlO6GJ4z<> カタギリメグミイマセンカ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 23:04:23 ID:7VyQq2SE<> >>443
そのヤンデレ男に惚れた女がヤンデレ化したら二倍おいしい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 23:32:56 ID:7ikPfWZi<> >>441
ツンヤンデレなら、涼宮 ハルヒの二次創作によくあるよ
リンク集から行けるはず
>>443
同意 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 23:36:19 ID:HmKnym34<> >>442
綾は初期はツンヤンデレだったが、今はどうだろうな。

ツンヤンデレ→ツンして自滅→キチガイ
                    ▲
                   今ここ

て気がする <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/29(水) 23:50:16 ID:BMDFCLg6<> まあ、ツンデレが主人公のことを好きって事を自覚して、それからヤンに変わっていくって言う風なのが欲しいかも

綾は小さい頃からヤンでるからな・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 00:23:24 ID:cJWMD3jX<> ヤンドジはどこいった? <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 00:55:38 ID:PLj8WAU4<> 僕の取るべき行動は唯一つ―。

北方さんに理不尽で無意味な自殺を思いとどまらせる事だ。

彼女に自殺などさせるわけにはいかない。
賢明な彼女だから、この自殺の企てが愚かしいことであることくらい解っているだろう。
そして、彼女自身、死にたいという感情の濁流に流されていながら、心のどこかで助けて欲しい、そう願っているはずなのだ。
それは、彼女の遺書が雄弁すぎるほどに物語っているではないか。

ここで死んでしまっては、彼女は何の為に生まれてきたのであろう?
母親の虐待だけではなく、父親の無視、使用人の無関心を幼い時分から一心に受け続けた。
そして、母親が目の前から姿を消し、父は彼女の為に心を砕く事によって、やっと幸福な日常に期待をもてるようになった。
しかし、今度は彼女のクラスメイトが彼女を虐げ、再び心を閉ざそうとした。そして、今まさに、命までも捨てようとしている。
ごく平凡な家庭環境に育った僕には、彼女の受けた虐待による心の深い傷も、自分の価値観を共有する相手とだけしか関わらないようにしてきた、彼女の生き方も知る術は無い。
しかし、そんな僕にもその痛みをわが身を抓って推し量り、少しでも苦痛を和らげる為にしてあげられることがあるはずだ。
茨の道を通り抜け生きるべきか、苦しみからの解放を求め、死すべきか?
そんなことは簡単だ。
彼女にだって幸福を享受する権利はあるのだ。
生きる、ということは苦しみだけなのではない。
そして、彼女は苦しい思いをした分だけ、幸福な経験をするべきなのだ。
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 00:58:10 ID:PLj8WAU4<> 当然、理沙の存在が気がかりでないわけではない。
肉親でありながら、僕の生活を監視し、愛する人を貶めたからとはいえ、憎むつもりは毛頭ない。
しかし、僕はここで、理沙か、北方さんかを選ばなければならないのだ。
たとえ、選択した彼女が僕の思うようにならなかったとしても。
僕は今まで、そうしなければならないことは解っていた。
この問題が二律背反、相容れざる者同士の問題であることを。
しかし、僕は今まで、その現実から目を背けてきた。
どんなに深刻な状況になっても、今ならまだ戻れると信じて、選択の義務を放棄してきただけに過ぎないのだ。
だから、それに気がついた僕は、放棄せず、彼女を探し出さなければならない。そして、彼女が運命と決めてかかる理不尽な選択を破壊しなければならない。

そして、震える手でペンを握りしめ僕の担当医でもある院長に手短に状況を伝え、自転車を借りる旨をメモに書き記し、
ナースステーションの看護婦に手渡すと、自転車置き場に駆けていき、自転車に跨った。
そして、足にあるだけの力をかけてペダルをこいで北方邸へと向かう。

ただ、運命という名のもとに引き起こされる悲劇を防ぐ為に―。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:00:04 ID:PLj8WAU4<> 運命、そんな言葉に翻弄されてきた私の人生はあまりに滑稽。
私は何かと苦しい思いをするたびに、全てこの運命なんだと割り切り、理屈で自分を納得させてきた。
しかし、そう思うと同時に、淡くではあるがその運命という名の呪縛から解き放たれるだろう、という無意味な期待を抱いてしまっている自分がいた。
自分から何らかの行動に出れば、何か変わっただろうか。
結果的に苦しみを生む結果しか待ち受けていなかった。
そして、今になって考えると、その抵抗は終着点へとより早く到着させる効果があったよう。
それを傍らから眺める人からすれば、喜劇に過ぎないのだろう。
そう、結局は全て、喜劇に過ぎないのだ。
だから、そうであることを悟った私はもうこんな自分が生きる事など、どうでも良くなった。
おそらく、私はその運命によって定められた通りに生きていくことをこれからも強要されるのであろうから。
そう思うと、いい運命に生まれつくか、悪い運命に生まれつくかは文字通り運命なのだろうと思う。

私が今の父と母の元に生まれついたことも運命。
母が嫉妬に狂い、私が虐げられたのも運命。
父が母を恐れ、何もできず逃げるように仕事に没頭していたことも運命。
あの頃の使用人が私に都合よく合わせ、裏で陰口を叩いていたことも運命。
私が学校に上がっても友人をろくに作ることができなかったことも運命に他ならない。
……きっと、私が松本君と出会い、一縷の希望を抱かせておきながら、
こうして絶望の淵に立たされたまま自らの命を絶つという選択も、きっと、運命、なのだろう。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:01:51 ID:PLj8WAU4<> それならば何故、私はこんなにも未練がましい遺書を書いたのか。
それならば何故、私は彼の元に、村越さんを使って、その遺書を届けさせたのか。
そして何よりも何故、どうして、私は今、涙を流しているの?
最良の選択を取ろうとしているのに、涙なんて流さないと思っているのに、どうして目頭がこんなにも熱く、涙もあふれてくるのだろう。

わからない。わからない。

運命に翻弄される人生であるということがわかったのに、どうしてそんなことがわからないというのか。
あれほど無意味な勉強を続けてきたというのに、どうしてそんなことすらわからないというのか。
もし、こんな疑問を抱き、絶望の淵に立たされたまま、自殺しろという運命があるのならば、その結末を決めた神を私は恨む。

けれど、それがわからなかったとしても、彼の為にはこの選択が一番。
それが正しいか、何故であるかを考えた所で詮無きこと。
私がおめおめと彼に依存して生きる事によって、松本君にまで迫害の手をむけるわけには行かない。
それこそ、いつか私が松本君の妹を形容した寄生虫、に他ならない。
仮にあの学校を卒業したとしても、私と一緒に生きていくことは多大な苦しみを彼に与えてしまう。
それは、彼のことを思う人間ならば、絶対に選択してはならない選択肢だろう。
今でも、彼のことを愛しているからこそ、私はここで見事に死に花を咲かせるのだ。
光のようにどのような存在も受容してきた松本君。
だけれども、ここで私がうまく死んでしまえば、優しくて、優しすぎるきらいのある彼とはいえ、私の存在が彼の心から消えてしまうのは時間の問題。
目の前に置かれた、松本君の写真―。
私の存在が彼の心から消え去ったとしても、私の心から彼の存在を消したくはない。そう思って、眺めていたその写真を胸ポケットに入れる。
それが報われることはないだろうが―。

昨日、綺麗に整頓した私の部屋を見回して、ゴミが落ちていないことを確認すると、廊下に面した襖を閉じる。
そして、庭に面した障子を閉め、畳二枚を裏返した。
それから、祖父がこよなく愛し、その死の前に父に託したという脇差を違い棚から拾い上げる。
夏の昼間故に、ミンミンという蝉の大合唱が騒がしい。
こうしてミンミンと鳴いている蝉の内、どれほどが今日の夕方死んでいるのか。
蝉も私の命も所詮、運命の前には鴻毛よりも軽いに違いない。
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:03:31 ID:PLj8WAU4<> 急ぎに急いで、ただ自転車のペダルをこぐことだけに集中させてきた僕の身体は、息があがりはじめ、足も痛み出してきた。それでも、ただ自転車の車輪を転がし、ただただ進むだけだ。
北方邸の門がようやく見え、邸宅がいつもどおりの静けさをたたえている様子を見て、僕はもう間に合わないのではないか、という諦念と怠惰な感情が沸きあがった。
しかし、こうしている間にも彼女は死に就こうとしているのかもしれない。
だけれども、それはまだ死んでいないということに他ならないのだ。
だから、助けなくてはならない。

自転車を擲って、内側から閂が下ろされている門の横の壁をよじ登る。
壁を越え、庭の木々の間をすり抜け、北方さんの部屋に面している庭に躍り出た。
障子に人影が映っている。
おそらく、北方さんであろう。
きっと、まだ、生きているに違いないのだ。
だから、僕はすぐさま縁側に上がり、障子を勢いよく開け放ち、その部屋にいるであろう北方さんに声をかける。
「北方さん!僕です!松本弘行です!話さなければならな…」
目の前に広がっていた光景に気がつき、僕はかけた声を止めた。
もとより几帳面な彼女の部屋だったが、今のそれはものがなさ過ぎて、殺風景と言ったほうがよいくらいだった。
広々とした部屋の中央の畳二枚を裏返してあった。
そして当の北方さんは裏返された畳の上に正座し、いつもどおりのポーカーフェイスで佇みながら、脇差の刃の一部を布でくるみ、その上を握っていたところであったからだ。
「そんなことをしては駄目だ!すぐにその物騒な脇差を置いて!」
そういって、脱ぎかけていた靴を放って、部屋に上がり込み、僕の存在を確認して、あわてて刃を喉元につき立て死のうとした彼女の腕を握る。
そして、掴んでいるもう一方の手を使って、必死に彼女の持つ脇差を取り上げると、少し離れた彼女の机に置かれていた鞘に収め、机の上に置いた。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:05:24 ID:PLj8WAU4<> 脇差を取り上げられた彼女は、ただ俯いたまま、ぶつぶつと何かを言っていた。
それは歯が取れたオルゴールの音色のように不規則に、ところどころしか聞き取ることができなかった。
「……どうして………。」
「………私は……苦しめて……。」
震える唇の間からかろうじて聞き取れる程度の言葉を紡ぎだし、肩を震わせ、裏返された畳に血のしぶきではなく、涙の滴りを落とす。
目の前の彼女はもはや、冷厳に仮面の自分を守ろうとせず、ただこみ上げる悲しみという奔流に翻弄される一人の不運の人に他ならなかった。
そんな彼女の様子が哀れに思えた。
まるで、僕があの忌まわしき自転車事故の顛末を知ったときのようで―。
そして僕はあの時、彼女が僕にしてくれたように、今にも崩れてしまいそうな彼女を抱擁した。
「………っ!」
「良かった、北方さんが死なないですんで……。」
「……どうして?どうして、私なんか…」
「どうして、って、理由なんて簡単。北方さんに苦しみを抱いたまま喜びも感じることなく、ただ絶望の中で死んでほしく無いからだよ。」
「あの自転車事故の顛末を知ったとき、北方さんだって悲しむ僕をこうして抱いてくれて、慰めてくれた。
僕はそうされて絶望から立ち直ったんだ。だから今度は僕が北方さんを立ち直らせる番なんだよ。」
「……。」
鳴き咽ぶ北方さんが落ち着くまで、強く抱擁し続けることにした。
すぐ傍に感じる北方さんの温もり。
僕はあの日、理沙を拒絶したが、あの時求め、守りたいと思ったものはまごう方なくこの北方さんの温もりなのであろう。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:07:37 ID:PLj8WAU4<> この家の前に差し掛かったとき、僕が諦めていれば、遺書を発見した時、彼女を守ると決めていなければ、
そして何よりも理沙を拒絶し、彼女を守る決意を持たなければ、この温もりは失われ、僕は後悔してもしきれない人生の汚点を作っていただろう。
それにしても、僕は北方さんが本当に呆れてしまうほどに、愛しているのだと確認する。
どれだけ時間がたったであろうか。この部屋に備え付けられている時計など眼中になかった。
しかし、随分と時間が経ち、日差しが非常に強くなったとわかった頃、ようやく北方さんの涙は引き、落ち着きを取り戻しつつあった。
落ち着いてきた頃を見計らって、彼女から離れて、北方さんに自分と生きて欲しい、とそう切り出そうとした。

「北方さん。」
「松本君。」
同時に相手の名を呼んだ。
北方さんに思うところを聞くことで、彼女がどう考えているかを把握することができる。
その上で彼女を納得させたほうが賢明だろう。

「北方さんからどうぞ。」
「え、ええ。」
北方さんの宝石のような光沢をたたえた瞳が真剣な眼差しで僕を見つめる。
「…松本君、私……」
「私は…私は、気づいてしまったの。自分が想像している以上に弱い、ということに。松本君と離れている間、ずっと私は悪くなる状況を座視しているだけだった。」
彼女の細く白磁のような繊細で白い腕に二箇所ほど紫がかったあざがあることに気がついた。
「私、あなたの傍にいたい、って前に言ったの覚えている?」
「う、うん。もちろん。」
彼女の腕の青あざに気をとられながらも応答する。
「でも、あれは私の弱さをあなたと一緒にいるという事で隠していたのだと思う。」
「やはり、あなたは私から離れて、もう私の存在など忘れ去ってしまうほうが良いわ。
これは簡単な事で、私が今ここで死んでしまえばいいだけの事。あなたには面倒にはならないはず。」
「それは、絶対に僕は、僕はできない。北方さんに死んで欲しいなんて、僕が死んだとしても思わない。」
「北方さんもどんな意味があったにせよ、僕の傍にいたい、そう言った。それと同じように僕も北方さんの傍にいたい。」
「…………。」 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:13:06 ID:PLj8WAU4<>
彼女の性格の事だ。彼女が生きていて、僕が北方さんに協力的な行動を取ることで、迫害が僕にまで及ぶことを恐れての発言なのだろう。
でも、それは僕にとっては些事でしかない。
それに、クラスメイトを焚きつけたのが理沙やその友人だとすれば、僕に対して攻撃することがあるわけが無いという考えもあった。
第一、多対一で人を攻撃する構図が出来上がってしまっている以上、僕が彼女を見捨てたとしたら、彼女はどうするというのだ。
当然、自殺に帰着するだろう。
自分が弱い、ということをこうして告白している時点で、助けて欲しいというサインと取るべきなのだ。

「僕は、言ったことを弊履のように破り捨てる人間じゃないつもりだよ。」
「傍にいたい、愛している、そう言った人間がちょっとした問題にぶつかったからといって見捨てるなんておかしいと思うよ。
だから、北方さんは生きなければならない。そして僕はそれを応援する責任がある。」
「でも、それだと、松本君にも…」
「大丈夫。いつだったか北方さんも言ったよね?僕の痛みはあなたのものだと、ね。もし、そうなら逆も成り立たなければおかしい、そうは思わないかな?」
「それでも、あなたは…どうしても、私の傍に居ては…ならないの。」
「私は弱くて、何でも松本君に依存してしまうと思う。それに、依存し続ける為にあなたに独占欲を抱き、
それがあなたを傷つけたり苦しめることになるのよ?それに、今もそうだけれども迫害の手があなたにも及ぶのよ。
これらはあなたにとって、迷惑以外の何物でもない。」

「じゃあ、うぬぼれたことを言わせて貰うけれども、君はいったい誰に依存できると言うんだい?
苦しいときは『傍にいて欲しい人』に依存してしまうのは、当然じゃないか!それとも、僕はそういう対象でないということですか?」
その後、彼女が否定の意を表す言葉を口にしたのはわかったが、こらえていた嗚咽と混じってしまい、なんと言っているか解らない。
「よく、聞こえなかった。」
「あなたは………では…ないです…。」
「そう、それなら、北方さんはそんなどうでもいい人に傍にいて欲しい、それ以上は望まない、なんて冗談で言える人なんですか?
また、あなたの傍にいたいと心底願っている今の僕に届けられたあの遺書の中にもそう書いてあったけれども。」
こんなことを言っていると自分が心底嫌な奴だと思えてくる。
けれども、このまま一度自殺を試みようとした北方さんを一人にしたらどうなってしまうか解らないから、そう言った。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:16:04 ID:PLj8WAU4<>
「あなたなんて、嫌いです。」
横を向いたまま静かにそういった。
「それなら、北方さん、同じことを僕の目を見て言えますか?あなたも分かると思うけれど、僕はあなたと違って愚かな男です。
だから、あなたの目を見て本当にそう思っているのか、きちんと確認したいから。」
「……そんなことする必要なんて無いわ。」
「それは残念ながら、僕が判断することだよね。」
そう言うと観念してか、こちらに顔を向けたが、既に彼女は涙を流しているようだった。
「…松本君なんて………き、」
そう言いかけた所で僕は遮った。
「もう、いいよ、わかりました北方さん。あなたが僕が嫌いだと言うことがわかりました。」
「けれど、それならば、今どうしてあなたは泣いている!」
「嫌いだというならば、泣く必要は無いはずだ。ましてや、価値観の違う相手ならばいくらでも冷徹に突き放すことができたはずだ!」
「泣いてなんか…」
すぐに反論するが、流れ落ちていく涙の滴りがその反論を無意味なものとしてしまっている。
「これほどまでに北方さんは涙を流しているのに!」
「僕は北方さんを拒んだりしない。今までだって拒んだりしたつもりは無かった。
今になってみると自分の今までの優柔不断な行動がどれだけ北方さんを苦しめたか、わかっているつもりだ。
だから苦しめた分だけ……あなたを守りたい。」
「でも…私があなたに与える苦しみは……あなたの与えてくれる喜びよりも、はるかにはるかに、大きいものよ?」
震える声でそう返して来る。
「けれど、北方さんをそれだけ大きな喜びを与えられるというこの裏返しでもあるわけ。」
「馬鹿げた希望的観測かもしれないが、悠久に続いていく苦しみなんて一つとして存在し得ない。少なくとも僕はそう思っている。
だから、この悪夢の夜もいずれは終わりが来る。そのときに二人が喜べるなら、そのための痛みならば、僕は我慢できるはずだと思う。
そうすれば、北方さんは今の時点ではわからないかもしれないが、死ななくて良かった、そう思えるに違いないと思うよ。」
「これだけ言っても北方さんが僕に別れて欲しい、自分は死ぬ、というならば、女々しいかもしれないが、あなたの目の前で死んで死ぬということがどういうことか、
北方さんがさっきまで持っていたこの脇差で見せるつもりだ。」
「!」
「僕だって、死ぬのはごめんだよ。だけど北方さんがそうするというなら、露払いをしてその意味を示すさ。それで、あなたが生きてくれれば結構。」 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:18:35 ID:PLj8WAU4<> 思い切ったことを言ったが、彼女にはこれ位言ったほうがちょうど良いだろう。
彼女は僕を苦しめないように考えているのに、自分の目の前で死ぬ、と言ったら卑怯な手かも知れないが、彼女も考え直してくれるとそう思ったからだ。
もう、自分が打てる手は尽くした。あとは彼女の判断に任せよう。
「……あ、ありがとう…。きっと、私が間違っていたのね、松本君。私、松本君に助けられてばかり、これまでも、これからも。
でも、私にはあなたしか……だから、ずっと…」
そう言うと、静かに僕に口付けてきた。
それを僕は受けとめ、暫くの後、ゆっくりと彼女の身体を離す。
しかし、本当に彼女が建設的な判断をしてくれてよかった。彼女がその決断を下さなかったら、当然この畳や障子紙にしぶいていた血潮はおそらく僕のものであることは確実だった。しかし、それが僕一人のものとも限らない、そう踏んでいたのだ。だから、本当に良かった。
そして、その喜びをかみ締めつつも、自分の決意を改めて彼女に伝える。
「ずっと、ずっと傍に居続けるよ、時雨。」
「わ、私の事、初めて、初めて名前で呼んでくれた…。」
「ずっと、その名前で呼んでもらいたかった。うれしい…弘行さん。」
そう言うと再び、口付けをした。
時雨は今日何度目になるかわからない涙を流していた。
しかし、それはようやく、喜びの意味を持つ涙だった。
<> 言葉と・・・・<><>2007/08/30(木) 01:19:25 ID:51PzY7hQ<> 420です。School Daysの二次創作。やっぱ、男だときもいだけだ。
とりあえず、1話から、投稿はじめ。
第1話(愛しの彼女)
 僕が勤め先の病院に車で向う途中、窓越しで彼女を見た。
それが桂言葉と僕の出会いだった。桂言葉はまだ、中学生
だった。
 ほんのちょっと視界に入っただけの彼女を、僕は忘れら
れなかった。彼女をもっと見ていたい、彼女のことをもっ
としりたい、僕はそう思うようになった、それだけ、彼女
は僕にとってかけがいのない存在だったんだ。
 僕はまた、翌日、車の窓越しで彼女に会った。僕は携帯
で彼女の写真をすばやくとった。中学と顔、あと金に糸目
をつけなければ、個人情報など簡単に調べることができる
からだ。
僕の実家は大手製薬会社のオーナー一族だったから、金に
ついてはまったく困らない。
 その筋では結構有名な大手興信所はすぐに彼女について
教えてくれた。彼女の名前、趣味、誕生日、好きな食べ物、
色々なことがすぐにわかった。それだけで、何故だか僕は
彼女に近づけた、そんな思いがした。実際には一度も会っ
ていないのにも関わらず。
 僕は興信所に頼んで、彼女の行動について、定期的に調
べてくれないかと頼んだ。興信所は訝しがっていたが、金
はいくらでも払うといったら、快く依頼を受けてくれた。
 それから、毎日が楽しかった。興信所から、送られてく
る、彼女の些細な日常を聞くだけで、幸せな気分になった。
彼女の写真を見るだけで、心が満たされた。僕にとっては
彼女が全てだった。彼女のことを、夢で思わなかったこと
はなかった。お稽古事が大変そうだな、今日も体育を休ん
だんだ、とか、そういうことを知ることで、彼女のことを
全て知ったような気持ちになった。

  <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:19:49 ID:PLj8WAU4<> そして、その頃、服毒自殺を図った松本理沙の搬送された大村病院では、弘行以外の全ての家族が見守る中、応急処置がなされ、既に成功し完了している頃だった。
彼女が自殺に用いた薬はアトロピン―。あの地下室で作られたものの一つに相違なかった。
しかし、彼女の部屋にはさらに強力な毒である青酸があった。
彼女が青酸を取らなかったことと、アトロピンも致死量ぎりぎりしかとらなかったことが、彼女が奇跡的に死なずに済んだ要因であった。
しかし、息子に引き続き、娘までもが病院に入院する大事に巻き込まれることになったため、その奇跡を両親は喜ぶことは当然できなかった。
そして、今日、退院するはずの弘行が自身の妹の理沙のもとに来なかったことにも、怒りを感じていた。
「きちんと連絡を3時間程前に連絡したのですが、息子さん、いらっしゃりませんでしたね。」
「………。」
「連絡したのですがね、やはり、息子さん、退院が先送りになったのではないですか?」
「いや、そんなことは無いはずだ。もう、退院したと連絡を受けたが用があるとかで、すぐに来られないと聞いた。」
「そうですか―。」
そうですか、という医師の言葉の裏に、自殺を試みた娘、非常識な行為を取った息子への嘲笑が含まれていることに気がついて、父親は顔をしかめた。
それよりも、自分が手当てをされていたときに、誰よりも好きであった兄が傍にいなかったことを知ったら、理沙はどう思うのだろうか、そう考えると父は気が気ではなかった。
そして、妹が死ぬかもしれないときに、それよりも重要な用事があるのかという息子への怒りがより強いものとなって、こみ上げてきた。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:21:37 ID:PLj8WAU4<> 前に使っていたものよりもより大きな電子音を立てる目覚まし時計。
寝ぼけながら無意識のうちに時計を止めてしまうことがデフォルトであった。
しかし、病院での規則正しすぎるきらいがある生活に慣れ、病院の窓よりもはるかに大きい作られている窓から差し込んでくる、
刺すような日差しが差し込んでくるため、今日は普通に起きることができた。
寝ぼけ眼をこすりこすり、鼻眼鏡をかけながら、制服に着替えているところだ。そして、日によっては学校に行く支度を済ませておらず、
あれが無い、これが無い、と右往左往していることが多かった。
しかし、今日は完全に学校へ行く支度もしてあった。
3日前は、時雨に別れを告げた後、自転車を入院していた病院に返し、すぐに妹のいる大村病院へ向かったが、両親は既に帰っていると連絡を受け、家に帰った。
家で僕が父と母から受けた言葉は勿論、退院を祝う言葉ではなく理沙の所に来なかった理由を問いただすものだった。
時雨の事を話すわけにも行かないので、適当に理由をつけて話した為、2時間程の説教を食らってしまった。
父曰く、今後は僕を息子とも思わない、だそうだ。
確かに僕の取った行動は何も知らない人からすれば、決して褒められた行為ではない。
しかし、結果として、北方さんも理沙も、そして僕も、誰も死なずに済んだ。
さらに、僕は二律背反を克服した。
ただこれだけが真実なのだ。

これまでの事など、短い悪夢を見ていた程度に笑い流せる日がいつか来ることだろう。
もちろん、理沙にだって理解してもらえる日がきっと来るはずだ。
そのために、僕は努力しなければならないが―。
そう思うとふと閉じた瞼の裏に、また僕が前のように下らない冗談を言っていられる平和な日々が映し出されてくる。 <> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 01:22:44 ID:51PzY7hQ<>
<> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:24:17 ID:PLj8WAU4<> 今日は父も母も今日は朝早くから用事と仕事が入ってしまっている為、僕はこの家にただ一人。
そして、僕は階下に学校の荷物を片手に降りていく。
病室の中でずっと、じっとしていて動いていなかったからか、体が異常に重い。
時雨の自殺を思いとどまらせるように自転車を必死にこいでいたときの事が嘘のようだ。
そんな事を考えると、無理をして筋肉痛になってしまった太ももの裏に鈍痛を感じた。
そしてゆっくりと歩いているにも関わらず、何かに躓いてその場に転んでしまった。
荷物を放り出してしまったので、それを拾う為に、立ち上がった先にその躓いたものの存在に気がついた。

それは、薬瓶だった。しかも、そこには『アトロピン・チョウセンアサガオから抽出』と縮こまった理沙独特の字で記されたラベルが貼ってあった。
僕が以前入っていた、化学部が廃部になった際に、いろいろと器具やら薬品やらを回収して、地下室にまとめて、半ば実験室のように整えたことがあった。
そのときに興味を示した理沙にいろいろと教えた。いろんな溶液から結晶を作る実験を一緒にしたり、僕が本を片手に薬品の精製するのを手伝ったり、かなりいろいろな事をした。
この実験室は最近では専ら、理沙が篭っていることが多かったと聞いた。
そして、この薬瓶からいって、理沙が同じような薬品を作っているような気がして地下室にもぐりこんだ。
地下室には理沙が錠を設置したようで、当然の事ながら鍵がかかっていて、開けられなかった。
しかし、一度、この実験室の中身について理沙に聞いてみる必要はあるかもしれない。

理沙の部屋に入って鍵のありかを探してみようと一瞬思ったが、僕が盗聴を受けていたときの気持ちを思い出し、
そして時間が無いこともあって、おとなしくダイニングで朝食をとることにした。
まな板の上の野菜サラダの大根を慣れない手つきで包丁を使って、刻んでいく。
しかし、こういうこともなかなか楽しいものだ。
こん、こん、こん、という大根に包丁が入っていく感覚が妙に楽しい。
そして次にウインナーを冷蔵庫の中から取り出し、それに切れ目を入れようとしたが、大根と同じノリで手元をよく見ずに、包丁を下ろしてから引いたので、ぷつりという嫌な音と、痛みと言うよりは何か強い衝撃が指に走った。
うわ、大根でもウインナーでもなくて指に切れ目が入った。
いかん、血がぼたぼたと出てきたせいで、切って端においておいた大根にかかってしまった。
彩の問題でトマトをつけようと思ったが、これでは必要なさそうだな、などという馬鹿な事が咄嗟に思い浮かんで、笑ってしまった。
まあ、そんな馬鹿な事を考えられるくらいだから、傷はたいしたことが無く、まともか。
その時、インターフォンがなったことに気がついた。
その音にびっくりして、三本のウインナーを血のついた包丁で一刀両断にしていた。
それをなるべく見ないようにしながら、絆創膏を急いで傷口に貼り、急いでインターフォンの受話器を耳に当てる。 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:25:48 ID:PLj8WAU4<> 「もしもし?どちら様ですか?」
「弘行さん?私です。北方です。」
彼女が迎えにくるような時間だったかと時計を見るが、いつもより30分ばかり早い。
いずれにせよ、両親がいない中、彼女が来てくれて良かったのだろう。
しかし、例の料理の惨状を彼女に見せたら、おそらく僕は笑われるところだろう。
少し待っててもらって、あの料理の残骸を片付けなくては。
「ちょっと待っててください。」
「どうかしたのかしら?」

何か、見透かされているような気がするが、気にしない。
あわててまな板の大根とウインナーの残骸を皿に盛って、ラップをかけて、冷蔵庫にしまう。
そして、まな板と包丁についた僕の血を水道の水で洗い流した。
計1分37秒という短時間の内に効率的に片付けることができた。
それから、玄関を開放し北方さんを招き入れる。

「どうぞ、入って結構ですよ。」
「ふふ、さっきの時間は何をしていたのかしら?」
そういう傍から、僕の指先の絆創膏に目がいっているようだ。
「その傷、どうしたのかしら?もしかして、朝ごはんまだかしら?」
「い、いや、昨日帰ったときに切っちゃって…ははは」
おお、なんという鋭い攻撃、かわすだけで精一杯。
「そう、それなら朝食は取ってしまったのね。それにしては、台所の洗い物が少ないようだけれども?」
ダイニングに目を向けた後、妙にニコニコしながら聞いてきた。
「え、まあ片付けたからね。」
「くすくす、弘行さん。包丁とまな板だけはしまわない性格なのかしら?
そうじゃなくて、きっと朝ごはん、作るのに失敗してしまったのよね?」
「え?」
「やっぱり図星だったかしら。ご両親はどうなさったの?」
「え、仕事でもういないから、ご飯作ろうと思って…。」
「それなら、私が朝ごはん、作ることにするわね。冷蔵庫のものを適当に使わせてもらって構わないかしら?」
「いや、面目ない…。」 <> 和菓子と洋菓子<>sage<>2007/08/30(木) 01:27:50 ID:PLj8WAU4<> 「時雨が作ってくれた朝ご飯、とっても美味しいよ。」
「どうもありがとう。そう言ってもらえると光栄よ。」
朝食に舌鼓を打ちながら、いろいろな話をしていた。
何よりも、時雨自身がいじめを受け始める前の僕に対する位の明るさを取り戻しているようで、何よりもうれしかった。
「そうね、あの真紅の装丁の本、病院に置きっぱなしだったわね。」
「うん。あの髪長姫を時雨に重ね合わせながら読ませてもらいました。」
「あのお話の中ではバットエンドだけれども、グリム童話の中に収められている原作の結末は良い終わり方なのよ。」
「へえ、そうなんだ。それで、あの本は誰が…」
「確かにあんなにひどい終わり方なら、誰が書いたか気になるわよね。あれは私の母が書いたもの。それを結婚前に父に贈った。それを私が父から貰ったものよ。」
そんな虐待していた母の本をどうして読んでいるのか、そういう疑問が沸き起こったが、今はあまり触れてはならない気がしてやめておくことにする。
「それよりも、妹さん。大丈夫だったのかしら?」
「ああ、うん。昨日の夜に意識が回復したらしい。」
「それにしても、あなたは大切な妹を放ってまで、私なんかのところに来なくても…。」
「なんか、って言わないで欲しい。僕はどちらも死んでしまいそうな状況で時雨をより助けたい、そう思っただけで、理沙をないがしろに思ったわけじゃない。だから、時雨も自分の事を卑下しないで。」
「え、ええ。でも、少なからず、私にも責任があることだから。」
「それでも、時雨は理沙から迫害を受けて、それはまだ解決していない。だから、僕こそ謝ることはあっても、時雨が謝ることは無いよ。」
「さ、折角作ってくれたのにご飯が冷えてしまうよ。それに、学校にも遅れる。」
そして、朝食を取り終わると、以前のように僕は時雨と一緒に自転車に乗って、学校に向かった。

しかし、このとき二人は気づいていなかった。
理沙の実験室にしまわれている薬品がたくさん入った棚から、青酸とクロロホルムの薬瓶がいくつか消えていることに。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 01:29:45 ID:PLj8WAU4<> 以上です。
わかると思いますが、Aの選択肢で書き続けています。
これで終わりではなく、まだ続きますのでそのつもりで。

やはり、BとCの選択肢も書いたほうがいいですか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 01:31:12 ID:AX2r8zJD<> リアルタイムGJ!!
理沙がどう動くか気になる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 01:32:02 ID:PLj8WAU4<> >>460
重なってしまったようですみませんでした。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 01:32:43 ID:7M6fcslP<> >>460
二次創作は禁止じゃなかったけ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 01:32:53 ID:kEHftwiZ<> リアルタイムGJ。
とりあえず今のルートを書き終えて欲しい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 01:37:45 ID:dyyTH8au<> GJ!北方さん死なないでよかった・・・。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 01:40:30 ID:AX2r8zJD<> >>470
禁止ってわけではないと思う。
ただ、男のヤンデレはちょっと勘弁。逆レイプなら許されるけど、レイプは許せない感じ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 07:27:25 ID:yALAyH53<> >>469 すいません。前回は重なってしまったのでもう一回、
最初から、投稿しなおします。
第1話
僕が勤め先の病院に車で向う途中、窓越しで彼女を見た。
それが桂言葉と僕の出会いだった。桂言葉はまだ、中学生
だった。
 ほんのちょっと視界に入っただけの彼女を、僕は忘れら
れなかった。彼女をもっと見ていたい、彼女のことをもっ
としりたい、僕はそう思うようになった、それだけ、彼女
は僕にとってかけがいのない存在だったんだ。
 僕はまた、翌日、車の窓越しで彼女に会った。僕は携帯
で彼女の写真をすばやくとった。中学と顔、あと金に糸目
をつけなければ、個人情報など簡単に調べることができる
からだ。
僕の実家は大手製薬会社のオーナー一族だったから、金に
ついてはまったく困らない。
 その筋では結構有名な大手興信所はすぐに彼女について
教えてくれた。彼女の名前、趣味、誕生日、好きな食べ物、
色々なことがすぐにわかった。それだけで、何故だか僕は
彼女に近づけた、そんな思いがした。実際には一度も会っ
ていないのにも関わらず。 <> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 07:29:00 ID:yALAyH53<> 僕は興信所に頼んで、彼女の行動について、定期的に調
べてくれないかと頼んだ。興信所は訝しがっていたが、金
はいくらでも払うといったら、快く依頼を受けてくれた。
 それから、毎日が楽しかった。興信所から、送られてく
る、彼女の些細な日常を聞くだけで、幸せな気分になった。
彼女の写真を見るだけで、心が満たされた。僕にとっては
彼女が全てだった。彼女のことを、夢で思わなかったこと
はなかった。お稽古事が大変そうだな、今日も体育を休ん
だんだ、とか、そういうことを知ることで、彼女のことを
全て知ったような気持ちになった。
僕はそんな生活を一年半続けていた。彼女は高校一年にな
っていた。僕はその日も彼女についての報告を読んでいた。
今日はどんなことが書いているんだろう、そんなわくわく
した気持ちは、報告書の内容を読んでふっとんだ。彼女に
彼ができたのだ。名前は、伊藤誠というらしい。デートと
いっても、まだサカキノヒルズに行ったくらいだ。普通の
女の子なら、なんでもないことかも知れない。だけど、男
性恐怖症の彼女には、それがどういう意味を持つのか、
僕にはよく分かった。僕はそのまま、報告書をやぶり捨て
た。伊藤誠という男に対する殺意がわいた、人の命って、
僕のマンションの部屋(一億円)の値段の十分の一の価値し
かないんだよな、そんな風に考えた。だけど、同封されて
いた、彼女が伊藤とデートしている写真を見ると、そんな
気もうせた。それは、僕が見たなかで、一番いい、彼女の
笑顔だったからだ。殺すのはやめよう、そう僕は思った。
彼女が他の男に微笑む顔はみたくない。けど、その男が死
んで、彼女を悲しませることはしたくない。だから、僕は、
もう彼女を見ることをやめようと思った。興信所には、も
う報告はいいといった。 <> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 07:31:10 ID:yALAyH53<> それから数ヶ月がたったある日のことだ。僕はその日、
部下の看護婦に呼び止められた。
「先生、今日、措置入院の患者さんが入ります」
「措置入院で入るのって厄介のが、多くてこまるんだよね」
 僕は病院では精神科に勤めている。措置入院とは、精神保
健福祉法第二十九条に基づいて、他人、もしくは自分を傷つ
ける恐れのある精神異常者を、行政が強制的に入院させるも
のだ。刑事事件で、責任能力がないとされた、精神異常者も、
措置入院という形をとる。
 「先生、そんなこといったら問題になりますよ。でも、今
回は殺人犯らしいので、ちょっと怖いですね。」
 「殺人犯か。ちょっとしんどいな。」
 「なんでも、男女関係のもつれとか、いじめとかが原因ら
しいですが。あ、これが指定医(措置入院をするかどうか決
める人)のカルテです。」
 「わかった。・・・・・え」
 そこには、僕にとって、かけがいのない人の名があった。
患者は、桂言葉だった。 <> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 07:32:32 ID:yALAyH53<> 数時間立って、手錠をされた痛々しい彼女が閉鎖病棟に
運ばれた。僕は、なんの因果か彼女の担当医になるのが決
まっていた。
「えっと、桂言葉さんな。」
僕は彼女に声をかけた。正直いって、すごくつらかった。
「どうして、ですか。どうして、そんなによそよそしいん
ですか。言葉って呼んでくれないんですか。私が。西園寺
さんのことを殺したから、私のこと嫌いになったんですか。
誠君。」
 彼女は僕にそう言った。僕はちょっと混乱した。西園寺
って女のことはよく知らないし、僕の名前は誠じゃない。
だけど、すぐに分かった。言葉の彼が、誠という名前だったこと。
言葉が僕と誠を間違っていること。言葉は、自分の愛しい人が誰
なのか分からないほど、心がボロボロに傷ついている。伊藤誠が
、彼女をこんな風にしたんだ。ごめん、言葉、助けてあげられな
くて、僕はそう心で泣いた。僕は彼女のためをおもって伊藤誠を
殺さなかった。でも、あの時、そうしていたら、彼女はこんな風
にはならなかった。
 「誠君・・・・・・」
 彼女はとても悲しそうな顔をしていた。
彼女が悲しんでいる顔はみたくない。だから。
 「そんなこと、気にしてない。俺は言葉のことが好きだから。」
 僕はそう微笑んで言った。
  その日から、僕は彼女の前では伊藤誠のふりをすることになった。

<> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 07:35:31 ID:yALAyH53<>  投稿、終わりました。措置入院に関する知識は
あやふやなので間違いがあるかもしれません。
 >>473 レイプシーンはない予定です。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 08:05:43 ID:urE/fhOF<> というか・・・みんなが男のヤンデレはやめろっていってんのに無視ですか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 08:40:18 ID:850L4Ay9<> × かけがいのない
○ かけがえのない(掛け替えのない) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 08:55:17 ID:AGc5x+g1<> リアル女はどんなスレにでも進入してくる。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 09:35:27 ID:AX2r8zJD<> ゴメン。キツイ言い方かもしれないけど、一応>>1でもヒロインに限定されているからこの作品はこのスレでは評価されづらいと思う。
今までに男のヤンデレがなかったわけではないけど、女の狂気に感染したり、デレがなかったり、男友⇒男だったりする。狂気が感染していなくても最初からヤンデル場合もあるけど女⇔男が既に成立していたりする。
狂気が感染するにしても、女の好意の対象相手でなければならない。つまり、女⇒男、女⇔男が前提。まず最低限ヒロインに想われなければ男にヤンデレになる資格はないかな。このスレでは。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 09:58:59 ID:AX2r8zJD<> ↑ゴメン。『ことのはぐるま』は前世をカウントしといて下さい。
あと、同性同士の場合は一方的でかまわない。
恋愛に関して女性が加害者になるのは納得できても、男性が加害者になり、女性が被害者になるのは同性として許せないかな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 11:41:36 ID:i98XJTWP<> >>483
>恋愛に関して女性が加害者になるのは納得できても、男性が加害者になり、女性が被害者になるのは同性として許せないかな。

ふざけるな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 12:11:50 ID:cSViDwFA<> ま、そのあたりの事はもうちょっと煮詰めてテンプレに追加すればいいんでないかい。

>>467
これはいい純愛。
北方さん派としては彼女がひどい目にあうのは見たくないから
Aルートだけでいいかなあ、と思ってしまうけど。
でももっと病んだ姿を見てみたいとも思うし。

まあこのルートが完結して
それが作者さんが納得したエンドだったらそれでいいんじゃないかな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 12:15:31 ID:yLmBFOcB<> 事前注意書きさえしてくれれば、どんなのを投下してもいいと思うけどな
下手に制限すると寂しいことになるかもしれないし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 12:19:36 ID:vJanrk90<> 別に男ヤンデレでもかまわんが…

成人してて金持ちだけど人の命は一億の1/10とか言い切ってさらに実行しかねんDQNのヤンデレはなんつーか見苦しい

でもこれが女だとなかなか味わいあるヤンデレに思えてしまうのはなんでだぜ!? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 12:20:14 ID:vJanrk90<> おっと、別に投下するなと言ってるんじゃないので。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 12:42:44 ID:AX2r8zJD<> すまない、言い過ぎた
ただ、世の中には女性が被害者になることが多いから、男のヤンデレに過敏になりすぎたみたいだ
ちょっと頭冷やしてくる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 13:13:10 ID:ilOdh/3d<> ああ、二次と三次の違いが分からないかわいそうな人でしたか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 13:13:49 ID:AGc5x+g1<> だから男の執着はキモイだけなんだよ
むしろ潔さを書け <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 13:17:06 ID:qc2pwqaw<> 男でもKOOLなヤンデレだったらおもしろいかも <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 13:19:22 ID:Zt1mbOvb<> 書き手に内容を強制するってどうなの? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 13:29:10 ID:O4dXo+5g<> キモ姉スレの『虎とあきちゃん』の亜紀姉って
ヤンドジにカウントされるんじゃないか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 13:53:00 ID:cSViDwFA<> >>494
さすがに他スレのことは除外して頂戴。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:04:56 ID:D7F40Gd8<> てかキモ姉妹スレ引っ込んでてくれ。
今更削除しろとは言わないけど、
あちこち重複してるんだからそっちのスレ内でやってくれないか。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:11:37 ID:gDfKaPT3<> お前が引っ込んでろよ、今ではちゃんと書く人だって居るんだから <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:15:56 ID:pTKjOpid<> >>497
いや>>496は正しいと思うよ
だったら何の区別だよって話じゃん

野菜コーナーにお菓子が置いてあったらおかしいだろ?(ギャグじゃないよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:38:46 ID:850L4Ay9<> 何にせよ喋りすぎだろお前ら
ここが何のためのスレか忘れてんのか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:40:42 ID:jL8mSvCS<> …なんだっけ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:43:59 ID:cSViDwFA<> 全ては>>1にある
先人に感謝(-人-) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:47:51 ID:Zt1mbOvb<> ヤンデレ系のネタなら大歓迎らしいっすね。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 14:53:46 ID:ilOdh/3d<> っていうか、1スレからネタと雑談まみれの歴史を歩んできたんだから今更だよな……。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 17:46:23 ID:D7F40Gd8<> 改めて見ると>>1の完成度って高いな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 18:29:13 ID:ATqTF6mD<> >>478
男のヤンデレはねー・・イイ男がなるんならまだしもDQNがなってもただキモいだけだよ。
女のヤンデレも前提としてイイ女って設定が大抵ついてるわけだし。だから人気でるわけで。
漫画の座敷女もヤンデレだけどああいうのに追っかけられたいって人はほぼいないと思う。 <> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 19:36:35 ID:b8VSN2bd<> 第二話。やっぱり女のヤンデレがいいという
声が多かったので、当初の予定を大きく
かえ、ヤンデレヒロインを出しました。
次は1話と同じように先生視点の予定です。
 第2話
 私が近衛先生のことを好きになったのは,よく覚えて
いない。先生には、他の人とは違う、何か特別なもの
があった。私が先生を好きになったのはそのためだった
と思う。先生の心の中の狂気のようなものが、私をぐっ
と掴んだのだ。
 先生は、看護婦の間では結構、人気があった。無論、
他の看護婦が先生を好きなのは、私とは違う理由だ。
日本でも有数の製薬会社のオーナー一族で、資産家
の先生は玉の輿を狙う看護婦には魅力的なものだった
のだろう。また。貴族風のちょっと青白い風貌も、先生
の魅力の一つだった。だけど、先生には、浮いた話は
一つもなかった。今思うと、先生の琴線にふれる女性
がいなかったのかもしれない
 私は先生を、自分の物にしたいと思った。先生の狂った
心を欲しいと思った。だけど、先生の目には、誰一人
映っていない。だから、先生が自分になんて振り向いて
くれないとよく分かっていた。私は遠くから先生
のことを見ているだけでとかった。先生が車に乗る
所を隠し撮りしたり、先生が出したゴミ袋から、先生
の日常生活を想像したり、先生の写真を部屋中に貼り付
けたり、そんなことをするだけで、満足していた。それ
で満足できたのは、先生が誰にも心を奪われてなかった
からだろう。
<> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 19:40:03 ID:b8VSN2bd<> ある日、病院で先生を目にした時、驚愕した。先生
の目に一人の少女が映っていたのだ。それが誰だか、
私には分からなかった。私が知らない人であることは
確かだった。私は、先生が誰にも奪われたくなかった。
だから、その女を殺してやろう、そう考えた。しかし、
不思議なことがあった。先生の生活にはあいかわらず
女性の蔭というものを感じられなかった。ゴミにコンドーム
があるとか、そういうのもなかった。じゃあ、誰なのか、
勤め先の同僚、マンションの住民、先生に近い人間を色々、
調べて見たが、それらしい人物はいなかった。物的な証拠
はない。だけど、私は何故だか,先生の心が奪われたと確信
していた。
 私が先生に対し、疑惑を持ち、ちょうど、一年がた
ったころだった。先生がとても、悲しそうな目で、病院
に来たのだ。わたしは直感した。先生は失恋してしまった
と。
  <> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 19:42:09 ID:b8VSN2bd<> 先生の失恋から数ヶ月たった日のことだった。措置入院
の患者が、先生の受け持ちになった。先生はちょっとめんど
くさそうだった。殺人犯の患者は何人もおりさして、珍しく
はないが、めんどくさいことは確かだった。
 患者の名前は桂言葉だった。なんでも、男女関係のもつれ
で、西園寺世界という女の子を路上で殺害したとのことだ。
桂言葉が、西園寺世界から恋人を盗ろうとした、もしくは
西園寺世界が桂言葉の恋人を盗った、とか色々、ドロドロ
した様相になっていたようだ。
 正直、私は桂言葉に対し、共感のようなものを持っている。
桂言葉は、その男のことをとても愛していたのだろう。その深い
愛が、殺人ということへいったのはむしろ彼女の純粋さを表して
いると思う。
 先生がカルテを見ると、先生の表情は見る見る変っていった。
私は少し、訝しく思った。先生の交友関係を私はだいたい把握
しているが、その中に桂言葉の名はなかったからだ。
 閉鎖病棟で、手錠に縛られた、桂言葉と先生も面会した。
私もいっしょだった。先生の桂言葉に対する目をみて、わかった。
先生はこの娘に対し、深い愛情を抱いていることを。私は、先生
のかつての先生の想い人が、桂言葉ではないか、そう思った。
 桂言葉は先生を誠君と呼んだ。先生の名は誠ではない、たぶん
桂言葉が好きな男と先生を、錯乱のあまり混同しているのだろう。
先生は、状況を把握し、すぐさま桂言葉に微笑みかけた。そして
先生は、桂言葉にやさしく語った。
「そんなこと、気にしてない。俺は言葉のことが好きだから。」
 わたしは、それは患者のための演技ではなく、先生の本心だろう
そう感じだ。 <> 言葉と・・・・<>sage<>2007/08/30(木) 19:43:58 ID:b8VSN2bd<> 投稿、終わりました。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 20:00:51 ID:i98XJTWP<> 女でも交通事故みたいな顔の女だとぜんぜん萌えない
ふしぎ! <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 20:52:05 ID:kuWYdk1n<> >>436
遅くなりましたが こんな感じですかね?

 「おいピンク…一体何があったんだ?」 
 「何って…イエローさんが死んだだけですよ、哲也さん」
 「…それからもう一つ、今日はオフなのに何故、お前はヤンデレンジャー
スーツを着ているんだ?」
 「だって、そのほうがイエローさんを始末しやすいじゃあないですあ?」
 「…どうして!一体どうしてそんな事を!?」
 「邪魔だからですよ、このメス猫…いっつも哲也さんに色目使って…私が
レッドの…哲也さんの事好きなのを知ってるくせに…哲也さんだってもう嫌
だったでしょ?こんな子に付きまとわれるの…だから殺してあげたんですよ、
ほら、パンチしたら風船みたいに簡単にお顔がはじけ飛んじゃったんですよ
おかしいでしょ…うふふふふふ…あははははははははははははははははは…
あなたも嬉しいですよね、哲也さん?」
 「…お前は最高におかしい、狂ってるよ…」
 「あははははは、そんなの当たり前じゃないですか、初めて出来た好きな人なんですよ、その人の
ためなら人間誰でも狂いますよ、もう私は正義なんて要りません、みんななんか守りません…貴方と
…私自身を守ります…うふふふふ…あはははははははははははは!」
 END
 次週、イエローの補欠要因に入隊したヤンデレグリーン、しかし彼女はヤンデレッドに一目ぼれをしてしまう。
 「この泥棒猫…死んでおしまい!!」 
 「大好きですよレッド…安心してください、あの女はすぐに始末しますから」 
 グリーンとピンクによるレッド争奪戦乱吹き荒れる中、かねてよりレッドに見ほれ
ていたアマゾネス大将軍はレッドをものにするため、ついに基地に総攻撃をかけてくる−
 次回「鮮血の結末」見てくれなきゃ…殺すから…

 妄想すいませんでした。 <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 20:56:05 ID:kuWYdk1n<>  取りあえず完成したので書き込みます。
 
 キ道戦士ヤンダム〜洋を疾る(うみをかける)
 
 「うあああああああ!!!」「きゃああああああああ!!!」
 すさまじい衝撃が慶介と沙紀を襲った、ヤンダムの装甲です
ら破壊するミサイル攻撃は、一気にその装甲を引っぺがした。
 「くそお…どうすれば…」
 「大丈夫、貴方は私が守るから、邪魔なのはその女だけ」
 スピーカーと、沙紀の声が同時に響く…俺が…俺が悪いんだ…
慶介は心の中で自分を責めた、こんな悲劇が起きたのはそも
そも全部自分がふがいないからだ、と…。
 「だから待っていてね…慶介…」「すぐに終わるからね…お兄ちゃん」
 ヤンダムのコクピットのふたを開くと、沙紀はサブマシンガンを片手に
外に出た。その先には同じくマシンガンを抱えてロボットから飛び降りた
七海の姿があった。
 「やめろおおおおおおおおおお!!!!」
 バババババババババ!!!波音にまぎれて銃声が響き渡った。
 
 …数ヵ月後、海中戦争は圧倒的な極東アジア軍の勝利で幕を閉じた
…しかし人々の心には大きな傷が残ったままだった。
 「う…あうう…」
 足を負傷した慶介は病院の庭で涎をたらしながら呻いていた…慶介は
戦争での成果を称えられ、勲章も山ほど貰えたが、終戦と同時に彼の心
は壊れてしまっていた…無理もない、愛してやまなかった恋人と妹が殺
しあった上に相打ちするまでを、自分は見ていることしか出来なかった
のだ…心だって壊れもする。
 そんな慶介の車椅子を弾く女性がいた、落ち着いた雰囲気の温厚そう
な女性だ、彼女は慶介の涎を拭くと、慶介に耳打ちした。
 「ねえ慶介、いいことを教えてあげようか…実はね、七海にヤンダム
を進めたのは…お母さんなんだよ」
 慶介の顔がびくリと動く…彼女の名前は南蒔絵…慶介の実の母親にし
て…敵軍の科学技術者だ。
 「あの子…おにいちゃんが悪い女に捕まってるなんて言ったらすぐに
飛んでいってね…うふふ、おかしいでしょ」
 「う…ああああああ!」
 「でももう安心して、あの戦争で私の作ったヤンダムのデータは取れた
わ…有益に使わせてもらったからね、沙紀ちゃんのデータも、七海のデータも…」
 そういうと蒔絵は手に持ったアンプルを慶介の前でちらつかせた。
 「これを打てば、慶介はもう私の事しか考えられなくなるわ…筋力増強とかの
要らない副作用も消し去れたし…うふふふ…怪我が直ったらたっぷり楽しみましょうね…」
 「うあああああああ…ああああ」
 慶介はいつまでも叫んでいた、蒔絵はそれを見ながら、笑顔で彼の車椅子を
押して…病院へ向かった。

FIN <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 20:58:41 ID:kuWYdk1n<> もうすぐ夏も終わりそうなのでSS投稿します
 
 「夏の終わりに見上げた空は」
 
 「晃ちゃん、どうしたの?」
 じわじわと鳴いているセミの声を聞きながら、僕は感傷に浸っていた。
 「ちょっと物悲しくなってさ、もうこの夏を過ぎて少しすれば…お母さ
んとはあえなくなると思うと悲しくなってさ…」     
 お母さん、と僕がそう呼んだ女性は僕の傍らに座っていた、彼女の風貌は
…その呼び方がまったく似合わない位に若かった。そして服装もセーラー服
だった…更に言えば…彼女の足は足首の付け根部分からがなく、その体はぼんやりと透けていた。
 「うん、そうね…本当はお母さんも晃ちゃんのそばにいいてあげたいけど…お母さん、ここから
動けないから…」
 「うん、でもまだまだ日はあるし、これでお別れじゃあないんだからさ、きっと教員資格を取っ
てこの学校に戻ってくるから…」
 僕はそういってお母さんを励ました。そう言うとお母さんは涙腺もあるかどうか解らないっての
に、ぼろぼろと涙を流し始めた。
 「ごめんね晃ちゃん、お母さん…何も出来なくて…」 
 「いいんだよお母さん、こうやってそばにいてくれる事が一番幸せなんだ…」
 なんと言ったらいいものか…僕のお母さん…日高 秋江さんは、僕の今通っているこの高校の、屋上
に現れる地縛霊としてその名をはせている存在なのだ…事情を説明すると、若くして(高校二年生で)
僕を生んだ母さんは、恩師にその事を報告すべく学校に挨拶に向った時にその恩師に(どうも母さんの
事が好きだったらしい)殺害され、屋上から突き落とされてそのまま自爆霊と化してしまったのだそうだ。
 それ以来、お母さんはどこにも動けずに、この校舎の屋上でずっと日々を過ごしていた…屋上幽霊とし
て有名になったお母さんのうわさは僕の耳にも届き…僕はこの学校に通う決意をした。中学校に入った時
点で父さんが死んで、祖父母に育てられた僕にとって、遠い昔に死んだお母さんに会える…なんて話は夢
物語に等しかったのだが…まあ、こうして僕はこの、死んだはずのお母さんに会えるというなんとも不思議
な屋上生活を手にいれたのだ。
<> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 21:00:38 ID:kuWYdk1n<> 「夏の終わりに見上げた空は」A

 「それじゃあね、またくるから」 
 「うん…またね、晃ちゃん」
 それから数時間後、お母さんに手を振って僕は夕暮れの屋上を跡にした…普段は
放課後ぐらいしかこうもお母さんと話は出来ないのだが、夏休みの学校ならいつも
より長い時間ここが開放されているので僕は喜んで屋上を利用させてもらっていた
…まあ、普通の生徒はわざわざこんな場所に立ち寄ったりしないしね。
 「でも…こんな生活も…」
 今年になれば終わってしまう、後は受験が待っているのみだ。
 「あ、晃!!こんなとこにいたのね!探してたんだから!!」
 階段の踊り場で、僕は幼馴染の京子に声をかけられた。小学校の
ころから腐れ縁の彼女は塾や予備校にかよっているはずなのに、暇
さえあれば剣道部の後輩の指導に当たるべく学校に通っている。
 「まったくもー、先生がせっかくスイカ買ってきてくれたからさあ、分
けてあげようと思ってこっちは必死になってさがしてたってのに…ほら、行くよ」
「うん、しかしスイカか…お供えに持ってったらお母さん喜ぶかなあ」
「何…またその話、本当にアンタってマザコンねえ」
 「いいだろ、僕は京子みたいに両親そろって暮らしてきたわけじゃあないんだ、
それにたとえ幽霊でも家族は大事なんだから」
 「はいはい、まあ今はお母さんのことは忘れてスイカのことだけ考えてなさい」
 そう言うと京子は僕の手を引っ張って、そのまま校舎から部活棟に向かって走り
出した…子供のころからデリカシーの足りない奴だが、これで結構行動力のない僕
を引っ張って言ってくれているのには感謝している…それにいくらか霊感もあるた
めか、僕の話を信じてくれいる数少ない人間だったりもする。
 「でもいいの?お母さん、成仏とかさせなくて?ずうっとあのままじゃあ…」
 「うん、僕もそう思ってるんだ…でもさ、もう少し、もう少しこうしていたいんだ…
多分お母さんもそう思ってる」
 「…私は少し心配だな、晃がこのまま親孝行で人生を使っちゃいそうで…」
 「うん…僕もいつかとは思ってるけど…」
 京子はいつもそんな話をする、僕も取りあえずはそう答えるけど…それでも、未だ僕は
その選択肢を選べないでいた。 <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 21:01:54 ID:kuWYdk1n<> 夏の終わりに見上げた空は」B

 「…はあ、あきら…ふう…」
 丑三つ時の人気のない校舎、その屋上で日高秋江はたった一人、晃に犯される事を想像しては自慰にふけっていた
…丑三つ時はどうしても悶々とした気持ちになるのを止められないでいる自分に恥じながらも、その感情を押し殺せずにいた。
 …いつからだろうか、晃の事を男としてみている自分に気づいたのは、父親にその姿が似始めてきてからだろうか…それとも、あの女のこと一緒に家路へ帰る姿を目撃してからだろうか…。
 「あ…くっ…あああああ!!!」
 幽霊が自慰する、そんな矛盾した行為を繰り返しつつも、秋江は晃に引かれていく自分を止められなかった。
 「あきらあ…だいすきだよお…」
 もう自分の気持ちには押さえが利かなかった、明日、いや今日にでも晃にこの気持ちを告白したかった。
  
 「それじゃあ僕は帰るね、また明日…」
 次の日、そういって階段に向かう晃に並んだ秋江は、晃の後姿を抱きしめた。
 「うわあ!!どうしたのお母さん!?」
 晃の背中にひんやりとした感触が迫る、実体はないにしろ幽霊独特の腐ったこんにゃくの
ような手触りが感じられた。
 「晃…行かないで…お母さん…もう駄目なの」
 「え…うああ!!あ…」
 晃は一瞬で体の自由が利かなくなった、金縛りという奴だろう…そしてそんな
晃の服を、秋江はまるで生きた人間のように脱がし始めた。あうあうとしか声の出
ない晃に秋江は接吻を繰り返した。
 「愛してる…晃…愛してる…」「あう…あうう」 
 その日、晃と秋江は繋がった、何度も快楽をむさぼりあった、最早近親相姦の忌
避など快楽の前には敵ではなかった。 <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 21:03:46 ID:kuWYdk1n<> 夏の終わりに見上げた空は」C
 
 「ねえ晃、最近だいぶ痩せてきてない?」
 「……そう?」
 京子は最近晃の変化に不安を感じていた、ここたった二日で晃の顔はめっきり痩せこけ、常
に幸せそうにしているのだ。
 「まさか…ドラッグとかやってないでしょうね?」
 「や、やってないよそんなもの!お母さんからもらったこの体はそんなものには…」
 そしてまたお母さん、だ…一体あの二人には何があるのか…気になった京子は晃の様子を観察
するために、部室に顔を出さずにそのまま屋上で晃を観察することにして…その結果。
 「うそ…」「うあ…あああああ!!」
 見てしまった、晃の秘密を…アレでは痩せるわけだ、このままでは晃の体は大好きなお母さんに
よって取り殺されてしまうだろう。
 「晃…もう、お母さんとセックスするのはやめて…これ以上していたら、あなたは…牡丹灯篭みたいに…」
 その後、京子は思い切って晃にそう告白した。
 「…いいんだ、お母さんが望むならそれで…ぼくは…二人でいられれば」「駄目だよそんなの!!晃が死んだ
ら私が悲しいよ!!」
 「…親しい友人関係くらいなら、死んで数年もすれば忘れられるよ…」
 駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だ、このままじゃ晃が連れて行かれてしまう。そう考えるのが早いか、京子は自分
のスカートを捲り上げた。
 「ほら見て晃…さっきのみてわたしこんなになっちゃったんだよ…もうなかまでぐしょぐしょなんだよ…その
位あきらが好きなんだよ、だからいかないで…だいすきだから、おねがいだからおいていかないで…」
 そう言って、京子は晃を押し倒した。
 「…ごめん、京子…」
 しかし男女のウエィトの差は明白だった、晃は一気に京子を引き剥がすと、そのまま家路に帰った。
 「う…あああああああああああああああ!!!!!!」
 京子は叫んだ、力一杯叫んだ、晃を取られた、ずっと大好きだった晃を取られた…京子の胸の中にはそんな思い
で一杯だった。いままで子犬のように自分を追いかけていた晃が自分を拒否したのだ…そして自分から死を選んだのだ。
 「………なら、もう、とりかえすしかないよね」
 泣き声を止めて、京子はポツリと呟いた。 <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 21:05:22 ID:kuWYdk1n<> 夏の終わりに見上げた空は」D

 その晩も、秋江は屋上で一人自慰にふけっていた、明日も晃は自分の下へ来てくれるという事を考えるだけで気分が高ぶって
いた…晃は最近ひどくやせ細っている、もしかしたらもうすぐこちら側に来てくれるのかもしれない…そう考えると生きている晃
の事を心配するよりも、もはやずっと一緒にいられるという期待のほうが大きくなっていた。
 ギイイ…そんなことを考えていると、ふいに階段側のドアが開いた…もしかして晃がここへたずねに来てくれたのだろうか?。
 「あきら…あきらなの?」
 そういって秋江がドアに近づくと…バババババババ!!!そんなモーター音が当たりに響いた。
 「きゃ!!…ああああああああ!!!」 
 秋江は叫んだ、ドアから飛んできた何かによって、体…というか霊体を打ち抜かれたのだ、まるで生前のように秋江の肩に痛み
が走った、キッとドアをにらむ秋江、その先には電動ガンと日本刀を構える…空ろな目をした京子が立っていた。
 「今晩は晃のお母さん…そしてさようなら…あはははははは」
 ババババババ!!片手に構えられた京子の電動ガンからBB弾の弾幕が放たれた!至近距離で
放たれたBB弾には不動明王の印字が彫られている、これを食らっては並大抵の幽霊はお陀仏だ。
 「はあ!!」
 秋江は瞬間的に身をそらした、BB弾も高速でない分与けることは不可能ではない。
 「…避けるんだ…悪霊の癖に…晃を殺そうとしてるくせに…うああああああ!!!」
 京子は電動ガンを投げ捨てると日本刀で秋江に切りかかった、もちろんただの日本刀ではない、
対幽霊用の儀式は施してあるようだ。
 「幽霊に癖に!親子の癖に!死んでるくせに!!あああああああ!あきらをとるなあああああああ!!!!」
 ブオン!ブオン!鋭い剣先が中を切る、秋江はかろうじてその攻撃を避けるが、とうとう壁際に追い込まれた。
普通の幽霊なら壁ぬけしたりして逃げ切れるのだろうが、地縛霊の秋江には無理な話だった。
 「ふふふ、もう終わりですねお母さん…消えろろおおおおおお!!!」
 「……はああ!!」
 刺突一線で京子が迫った瞬間、秋江は空に飛んだ、空間で逃げられないのなら空に飛べばいいだけなのだ、い
くら京子でも追いかけてはこれないだろう。
 「甘ああああい!!!これで終わりだああああああ!!!」
 京子は懐からスリングナイフを取り出して空中にはなった、しかし一瞬目をそらしたのが悪かったのか、ナイフ
の先に秋江はいなかった。焦る京子、敵は一体どこにいるのか…。
 「ここだよ、ここ」
 「もらったあああああ!!!」
 秋江は京子の眼前に迫っていた、しかし京子はあわてない、ポケットからハンドガン型のエアガンを取り出すと
クイックドロウを秋江に決めた…秋江の胸がBB弾によって打ちぬかれる、崩れ落ちる秋江…その体は砂のように崩れ落ちた。
 「あははははははは、勝った!勝ったああああ!!!」「誰に?」 
 京子の笑顔は一瞬で凍りついた、今しがた倒したはずの秋江の声が…体の奥から響き始めたのだ。 
<> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/08/30(木) 21:07:18 ID:kuWYdk1n<> 夏の終わりに見上げた空は」E

 「な…何をしようって言うの!?離れなさいよ!!」
 「無理よ、だってあなたの魂と同調しちゃったもの…それにもう霊体がないから離れるのは無理ね」
 「な…なんでアンタなんかと!!」
 「晃が好きだからよ、私も貴方も同じように晃が好きだからその気持ちに同調できたの…京子ちゃん
だったわね」
 「気安く呼ばないでよ!この悪霊!!…あんたがいるから晃は!!!」
 「そうなのよね…このまま言ったら晃は死んでしまう、そうする気持ちは私にもよく解るわ…今され
許してくれとは言わないわ…でも…晃をあんな目に合わせてしまって本当にごめんなさい」
 「なら…晃を帰してよ!そして消え去ってよ!!」
 「いいわよ、そのお願い、聞いてあげる…」
 そう言うなり、京子の頭に秋江の声が響く事はなくなった…勝った、京子がそう思った瞬間、京子
の頭部に激痛が走った。
 「ひ!ああああああああああ!!!!!痛い!痛いいいいいい!!!」
 「…思ったのよ、こんなに二人とも晃がすきなんだから…それならいっそ、二人で意識を融合させ
ちゃおうって…」
 「あああああ!!!!いやあああああああああ!!!」
 「大丈夫、痛みもすぐやむし…貴方の意識もしっかり残るから…」
 「ぎああああああああああああああああ!!!!!あああー!!!」
 …京子の甲高い悲鳴が校舎に響き渡った。
 次の日の朝、秋江に会うために死ぬ覚悟を決めて、校舎に向かった晃の前に…京子が現れた。
 「おはよう、晃…」
 その笑顔と、名前の呼び方と、何より雰囲気で…晃は全てを悟った。
 「お母…さん?」
 ぱあん!にっこりと微笑んだ京子は晃にビンタをした。
 「…一応私がいるってことも忘れないようにね!私はあたしで、秋江さんでもあるんだから」
 「…ふぁい」
 晃がそう答えると、京子はその体を抱きしめた。
 「もう放さないからね…晃…あはははははは」
  晃はその京子の声が、秋江の声と二重にかぶっているように聞こえた。
 晃は思った、死ぬより恐ろしい事は普通にあるのかもしれない、と。
  
 FIN <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 21:07:52 ID:qDmINZD6<> 乙 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 21:45:20 ID:GI9Xsxg0<> 男のヤンデレキャラっていうと敵キャラのイメージがするな
VPのレザートとか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/30(木) 23:26:36 ID:AGc5x+g1<> ディオもヤンデレだな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 00:52:45 ID:eWldpsDr<> 恋するディオは切なくてジョナサンを思うとすぐにいじわるしちゃうの <> ことのはぐるま
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:32:59 ID:u4NqwWR8<> 第20話、投下します。 <> ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:33:53 ID:u4NqwWR8<> 第二十話〜異常〜

 とても心地のいい眠りだ。
 脳が地面に沈み込んでいてびくとも動かなくて、それに倣うように体全体が言うことを聞かない。
 つまり今の俺は熟睡しているのだった。
 俺が気持ちのいい眠りだと思うかどうかには、判断基準がある。
 まず、夢を見ているか。そして、眠っていると自覚しているか。
 今は、夢を見ておらず、なおかつ眠っていると自覚している状態にある。
 それこそが俺にとっての熟睡状態であるのだ。
 いつの頃だったか忘れたが、眠っていて悔しい思いをしたことがある。
 布団に潜り込んで目を閉じたら、次の瞬間朝だった、というものだ。
 前日はとてつもなく体が疲労していたからそうなったのかもしれない。
 それ以来、俺は夢にも邪魔されず、それでいて眠っていると自覚できる眠りを好むようになった。
 そんな眠りから覚めたとき、俺は大抵幸せな気分になっている。
 そして今、目を覚ましたらきっと幸せな気分で目を覚ませるはずだ。

 俺は、起きた時刻が午前中だったら二度寝しよう、と考えながら目を開けた。

*****

 そして、寝覚めは予想外に最悪だった。
 頭の中に泥の塊でも詰め込んでいるように気分が重く、目が目やにでベタベタしていて上手く開けず、
さらに目の辺りが痒く、顔中に脂汗のようなものを浮き上がっていた。
 体を覆っていた布団で目を擦る。少しだけすっきりした。
 寝転がったまま目を開けると、天井の代わりに布らしきものが見えた。
 左右に目を動かすと、布の端から天井が見えた。
 天井からはチューリップのような形をしたシャンデリアがぶら下がっていた。チューリップの数は3つ。
 ここは俺の部屋ではない。最初に思ったことはそれだった。

 じゃあ、ここが俺の部屋ではないのなら、どこだ?
「ここは――」
 どこだ、と独り言を続けようとしたが、やめた。
 ベッドの傍らに座っている人物が、俺を見つめているのに気づいたから。
「……雄志君、起きたの?」
「香織か?」
 腕を使って上体を起こす。間髪入れず香織から抱きつかれた。
 香織は俺の首に両手を回して体を密着させている。相変わらずふくよかだ。
「雄志君! よかった、よかったあ……」
 その言葉と同時に、香織の体から力が抜け落ちた。安堵のため息を吐く音が耳元で聞こえた。
「なんだよ大げさな。別に怪我なんかしてないぞ」
「だって……だって、もし雄志君が、ボクを助けに来たせいで、怪我しちゃったら……ボクどうしたらいいか。
 ごめん……ボク、知らないうちに何か、悪いことしちゃったんだよね。
 だからきっと、こんなところに連れてこられちゃったんだ……」
「いや…………」
 こうなった理由を言うべきなのか?香織の父親のせいで、香織の身が危険にさらされたのだと。
 真実を教えたら、香織は悲しむのだろうか――?
「ボクなんかと付き合ったせいで、雄志君……が、無茶しちゃって……。
 もし雄志君が死んじゃったら、生きていけないよお……」
<> ことのはぐるま
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:35:13 ID:u4NqwWR8<>  こんな状態の香織には言えない。
 言えば、香織は死んだ自分の父親の死を悲しむどころか、父親のやったことの罪をかぶろうとするかもしれない。
 香織は昔から、他人が傷つくよりは自分が傷ついたほうがいい、と思っているタイプの人間だった。
 俺が香織に何度かひどいことを言った時だって、文句は言うもののその後にはあっさりと許していた。
 香織の額に傷をつけてしまったときだって、そうだった。
 俺を責めたりはしなかった。ただ自分の運が悪かっただけだ、と言っていた。
 そんな人間に、おまけにたった今泣いている人間に、さらなる傷をつけられない。
 今はこう言うしかない。

「香織は何にも悪くない。悪いことなんかしてない」
「うそ……雄志君、嘘ついてるよ」
「どうしてそう思う?」
「だって、嘘ついてなくちゃ……そんなに優しいわけがないもん」
 なんだその理屈は。俺が嘘ついてまで優しくするような男だと思っているのか。
 ――だったら、こっちも屁理屈で応答してやる。
「恋人に優しくしちゃだめか?」
「…………へっ?」
「香織は俺と付き合ってる……恋人だろ?」
「……う、うん……」
「だったら優しくしたっていいだろ。だって恋人なんだから」
「それは……優しくしてくれるのは嬉しいけど……でも雄志君は前から優しいし……」
 香織が俯いてぶつぶつ呟きだした。
 こうなったらもう一歩だ。もう一歩で香織は陥落する。

「俺は昔から香織のことが好きだった。だから昔から優しいんだ。……それなら納得できるだろ?」
 香織の頭に手を軽く乗せて言う。
 予想通り、香織の顔がひくついた笑みになり、真っ赤な色に染まった。
「よく、そんな恥ずかしいこと言えるね……」
「そりゃそうだ。だって俺は――」
「わーーっ! い、言わなくていいよ、もう!」
「そうか? たぶん滅多に言わないだろうからもう1回ぐらい聞いておいた方が……」
「いいってば! ……ばか」
 香織は俺の体から離れてそっぽを向いた。
 頭の上には俺の手が乗ったままになっているが、それを振り払おうとはしない。
 たぶん、撫でてくれ、という無言のメッセージを送っているのだろう。
 メッセージ通り、もうしばらく撫でることにしよう。
 しかし――ああいう台詞はあとになってくるな。なんだか首筋がぞくぞくしてきた。
 どうして口にしている瞬間には恥ずかしくないのに、後になるとここまで恥ずかしくなるのだろう。
<> ことのはぐるま
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:36:08 ID:u4NqwWR8<> 「それで、さ。雄志君」
「ん?」
「いつまでボクの頭を撫でるつもりなの?」
「気が済むまで」
「別に……いいけどさ。あとちょっとだけだよ」
「ああ」
 香織の髪は柔らかい。頭のサイズも俺の手の中に収まるぐらいの大きさだ。
 一度手を止めて、指先で頭を握ってみる。
 うん。柔らかい。
「ちょっ……くすぐったいよ、雄志君」
 柔らかいな。本当に柔らかい。
 まるで、簡単に握りつぶせそうなほどに――――あれ?

 香織の頭から手を放す。
 香織は「あ」と言うと、天井に向かって伸ばした俺の手を見つめた。
 残念そうな顔をしているように見えるのは俺の気のせいではない。
 だが、さっき俺が覚えた感覚は気のせいでは済まされない。
 今なら香織の頭を握りつぶせる、と一瞬だけ思った。
「? どうか、したの?」
 緊張感皆無、無防備な香織の表情。
 今、右手を振り下ろせば――――簡単に香織を壊せそうだ。

「香織」
「なに?」
「悪いんだけどさ、扉の外で待っててくれないか? 後で行くから」
「え……だめだよ! まだ寝てなくちゃ!」
「いや、平気だって」
 今のところは。
「本当に平気なんだ。頼むから……な?」
「わかった。けど、起きるのが無理そうならすぐに言ってね」
 香織はそう言うと、腰掛けていた椅子から立ち上がり、ドアの方へと歩いていった。
 体から力を抜く。倒れていく胴体をベッドが優しく受け止めてくれた。
 ドアの開く音が耳に届いた。しばらく間を置いてドアの閉まる音とともに、部屋が静かになった。
 
 自分の手を見る。どこも変わったところはない、20年以上を共に過ごしてきた手だ。
 つい最近負った傷から心当たりのない傷まで、全てが刻み込まれている。
 だというのに、さっきの俺は香織を殴ろうと一瞬だけ考えた。
 どうなってるんだ?
 まるで、頭が痒かったから頭を指で掻いた、というぐらいに自然に行動に移そうとしていた。
 考え事をしている今だって、知らないうちに指先が頭皮の痒い部分を掻いている。
 それだけ自然に、当たり前のように、香織に手を出そうとしていた。
 危害を加える寸前に手をどけられたのは偶然だ。運が良かった。それだけのことだ。
 また香織が目の前に現れたら、今度こそ暴力を振るってしまう。
 その後は、どこまで俺の行動がエスカレートするかわからない。
 今は香織に会わない方がいい。少なくとも、俺の異常行動の原因がはっきりするまでは。
<> ことのはぐるま
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:37:23 ID:u4NqwWR8<>  その時、部屋の扉の向こうから人の声が聞こえてきた。
 女の声、しかも叫んでいるような激しさだ。
 ベッドから下りて、扉の方へ向かう。扉へ一歩ずつ近づく度に、声の調子がはっきりと耳に届く。
 扉の前で目を閉じて、声を聞くことに意識を集中する。
 扉の向こうにいるのは2人だ。女が2人廊下にいる。
 片方の女が、もう片方の女を問い詰め寄っているようだ。
 豪奢な装飾の施されている扉、それに付いている鈍い金色のドアノブをひねる。
 扉が開くと、女の声はよりはっきりと聞きとれた。

「なにをなさっていたのですか! わたくしの居ない隙に部屋へ忍び込んで!」
「……だからさっきから言ってるでしょ。何もしてないよ。ただ雄志君を看てようと思っただけ」
「雄志……君?! なんと馴れ馴れしい……!」
「かなこちゃんこそなんなの? そんなに必死になって」
「そんなもの、決まっております! わたくしは雄志様を……あら?」
 部屋から廊下へ一歩出た場所で、俺は2人の言い争う声を聞いていた。
 俺を見て動きを止めたのはかなこさんだ。向かい合うようにして香織がいる。
 そういえば、この2人は父親関係で繋がりがあったんだった。
 昔何度か会っている、と聞いたことがある。誰に聞いたのかは覚えていない。
 かなこさんがいることで、ここは菊川邸の中だと今更に気づいた。
 かなこさんは香織を押しのけると、俺の目の前にやってきた。
「雄志様、もう起きても大丈夫なのですか?」
「はい。どこにも怪我なんかしてないんで」
「そうでございましたか……」
 俺の顔に向けて、かなこさんが手を伸ばしてきた。
 そのままじっとしていると、白い手が頬を撫でた。
「よかったですわ。本当に……あの時に、もしかしたら命を奪われていたのかもと思うと、わたくしは……」
「あの時? なんのことです」
「覚えておられないのですか? 昨日の出来事を」
 昨日、俺はここ、菊川邸にやってきた。
 それから地下室に行って――それから、どうした?
 何かがあったような気がする。だけど思い出せない。そっくりそのまま抜け落ちている。

「昨日、雄志様はわたくしを助けに来られたのですよ」
 そう。そうだった。俺はかなこさんと香織を助けに来たんだ。
 でも、助けに、って……何から助けるつもりだった?
「そして、雄志様は身を呈して十本松あすかの魔の手からわたくしを守ってくださいました」
 十本松……そうだ。あいつが、香織をさらって、かなこさんと一緒に地下室に連れ込んだ。
「守ったんですか? 俺が、かなこさんを?」
「はい」
「どうやって?」
「助けに来てくださいました。それだけで十分ですわ」
「助けにきただけなら、意味がないんじゃ……」
「いいえ。もし雄志様が来られなければ、こうしてお話しすることもできたか――」
 ここで、突然香織が目の前に割り込んできた。俺を背にしてかなこさんと向かい合っている。
 かなこさんは台詞を途中で遮られたせいか、顔をしかめていた。
 俺は香織から距離をとるために一歩後退した。ついさっき殴りかけたことを思い出したからだ。
<> ことのはぐるま
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:38:45 ID:u4NqwWR8<> 「かなこちゃん。あんまり雄志君にくっつかないで」
「……わたくしと雄志様の会話の邪魔をしようと?」
「うん」
「いったい何の権利があってそのようなことをなさるのですか」
「権利なら……あるよ」
 香織が振り向いて、俺の顔を見た。そしてまたかなこさんと向き合う。
「ボクは、雄志君の彼女だから」
「……彼女?」
「恋人って言いかえてもいいよ」
「なにを馬鹿なことを。雄志様は前世にてわたくしの恋人だったのですよ?
 その絆は今になっても切れることなく、わたくしたちを繋げているのです」
「それで? それがどうかしたの?」
「わからないのですか。わたくしと雄志様は必ず結ばれる運命にある、ということが」
「前世なんか信じてるの? 本気?」
 後ろからは香織の顔が見えないが、わかる。今の香織は笑っている。
「本の読み過ぎなんじゃないの。前世なんかあるわけないよ」
「……香織さんに言ってもわかりはしませんわ。前世の絆の強さというものは。
 雄志様ならば、わかるはずですわ。……そうでしょう?」
 かなこさんが同意を求めるように見つめてきた。
 頷きは返さない。俺自身、今はそのことがよくわからなくなっている。
 以前ならすぐに否定していたが、どこかにひっかかっている何かが、否定させてくれない。

「百歩譲って、雄志君とかなこちゃんが前世で恋人だったとするよ」
「ええ」
「かなこちゃんは雄志君のことが好き。だけど雄志君はかなこちゃんのこと、好きだと思う?」
「ええ。はっきりと口にはされませんが、雄志様はわたくしのことを愛しておられます」
「はい、それ間違い」
 きっぱりと、香織が否定した。
「雄志君はボクのことが好きなんだよ」
「それこそ間違いです。雄志様があなたのような小娘を好きになるはずがありません」
「一応ボクの方が年上なんだけど……ま、いいや。雄志君はね、ボクを好きだって言ってくれたんだよ」
「……戯れ言を」
「二人っきりでデートに行って、その日同じホテルに泊まって、好きだって言ってくれて……キスしてくれた」
 かなこさんがまた見つめてきた。
「嘘でしょう? 雄志様」
 香織の言ったことが嘘か真か。考えるまでもなく真実だ。
 あの夜はキスだけでなく、その先までしようとしていたのだ。
 結局はキスどまりだったが、もし香織が気絶しなければ間違いなくその先へ進んでいただろう。

 何も答えずにいると、かなこさんの瞳が悲しげに揺れ始めた。
 そんな目で見ないでほしい。裏切ってしまった気分になる。
 かなこさんの顔が伏せた。続いて、香織がしゃべり出す。
「わかったかな、かなこちゃん。だからもう雄志君に近づかないで――」
<> ことのはぐるま
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:40:20 ID:u4NqwWR8<>  破裂音が廊下に響いた。
 香織は途中で言葉を遮られていた。顔は右へ向けられていた。
 かなこさんは右手を広げて、左へと振り切っていた。その右手が、香織の頬を打ったのだろう。
「いったいな! 何すっ」
 また頬を叩く音。香織の顔が反対側に向いた。
「雄志様を……雄志様を……!」
 かなこさんの手が、香織の首を掴んだ。指先が香織の首筋に食い込んでいる。
 香織は手から逃れようともがいている。だが、かなこさんの手はまったく揺るがない。
「ぁ…………う……」
「よくも、雄志様を穢したな! ただの小娘が! わたくしの雄志様を!」
 ふと気づいた。香織の身長が伸びている。
 いや――違う。香織の足が床に着いていない。床から浮いている。
 かなこさんが香織の首を掴んで持ち上げているんだ。
 駆け出す。横からかなこさんの手を掴む。
 香織の首から手を離させようとするが、なかなか動かない。女性とは思えないほどに力が強い。
「やめてくれ! かなこさん!」
「この女が……雄志様を誑かした! 唇を穢した! 絶対に許すわけにはゆきませぬ!」
「お願いですから、手を!」
「いいえ! たとえ雄志様の頼みといえど、それだけは聞けませぬ!」
 香織の口からはすでに息も声も漏れていない。顔色はすでに青くなっている。
 早くかなこさんの手をふりほどかないと、死んでしまう。

「この女も十本松あすかと同じ目に! 殺してやるのです!」
 ……え。
「かなこさん、今、なんて……?」
「わたくしから雄志様を奪うものは、全て! 全て殺さなければならないのです! 十本松あすかと同じように!」
 殺した? かなこさんが、十本松を殺した?
 地下室、壁を染める赤黒い血、額に空いた黒い点。
 思い出した。昨日地下室で十本松は死んでいた。気絶していた俺が目を覚ましたときには死んでいた。
 室田さんから預かった拳銃は無くなっていた。かなこさんが拳銃を借りたと言っていた。
 かなこさんが借りた、殺した。十本松が撃たれた、死んでいた。
「そんな…………」
 嘘、嘘だろ。俺は十本松のことが■■なのに。■■だったのに。
 この、目を剥いている女が十本松を殺したんだ。俺から奪ったんだ。

 脳に電流が走った。脳から体へと熱が流れ込んだ。
 右拳を固める。いくらでも速く、どこまでも強い力で殴れそうだ。
 力任せに拳を振った。拳の先に重量感。
 見ると、髪の長い女の体が浮いていた。自分の拳は女の脇腹にめり込んでいた。
 女は驚愕の表情を浮かべていた。口からは苦悶の声が漏れていた。
 拳を振り切る。女の体は拳から逃れて吹き飛び、頭から窓へ突っ込んだ。
 窓ガラスが割れた。女の体は窓の向こう側へと消えていった。
<> ことのはぐるま
◆Z.OmhTbrSo <>sage<>2007/08/31(金) 01:42:54 ID:u4NqwWR8<>  激しく咳き込む音が聞こえた。はっ、として視線を下に向けると、香織がうずくまって背中を上下させていた。
 さっきまで香織の首を絞めていたかなこさんの姿はどこにもない。
 いや――待て。
「今、俺……殴った?」
 よりによって女の人を殴ったのか? 
 かなこさんを止めようとは思った。だが、殴って止めようとまでは思っていなかったはずだ。
 それなのに、殴った。廊下の窓ガラスが割れている。おそらく――いや、間違いなく俺がやった。
 かなこさんを殴って、窓の向こうへ吹き飛ばした。
 まさか……さっき部屋の中で香織に暴力を振るおうとしたときと同じ?
「……あ…………ぁ……」
 震える足が勝手に後ずさりする。
 こんなはずじゃない。俺は、香織もかなこさんも殴るつもりじゃ。
「げほ、けほ……ごほごほ! ……っは、はあ……雄志君……どこ……?」
 香織が床に伏せたまま、俺に向けて手を伸ばした。俺の足はまた一歩下がった。
 香織の手は俺の足を探るように右へ、左へ、ゆっくり動く。
 今の俺が香織と一緒に居ると、さっきかなこさんにしたみたいに。

 きびすを返す。そしてこの場から立ち去る。
 ここに居たら駄目だ。香織にも、かなこさんにも、手を差し出してはいけない。 
 何がきっかけでタガが外れるかわからない以上、何も出来ない。
 振り返る。香織は床に伏せて咳き込みながらも、まだ俺の足を手で探っていた。
 恋人が苦しそうにしているのに、助けてやれない。
 ――最低だ。今の俺は。



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第20話はこれで終わりです。次回へ続きます。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 02:12:45 ID:SByGFIkk<> GJ!!
華と執事の出番が気になる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 03:18:25 ID:zo3f0Qcx<> GJ!
雄志は完全に洗脳されとるなw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 08:41:58 ID:D1+mAFLp<> >>530
ヘタレ返上の雄志オソロシス。
かなこさんは大丈夫だろうか(´・ω・`)
未だ前世の役割が判然としていない華の動向も気になる…… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 18:32:31 ID:W94PdDLJ<> 誰かヤンデレ大全買った奴いるか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 20:15:48 ID:XD6KWkzd<> >>534
買おうとした <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 20:17:22 ID:XD6KWkzd<> >>534
買おうとした <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 20:23:26 ID:hpBe0E4I<> >>534
買おうとして本屋まではいった <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 20:27:53 ID:mVPPo2FL<> >>534
売った <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 21:07:25 ID:fZrCZt3S<> 流れを読まずに。
>>534買った。
ネタバレしようかと思ったが角煮で色々書かれていたのでそちらを見たほうが良かろう
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1176178896/833-#tag901 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/08/31(金) 22:51:08 ID:vYpNknTK<> >>530
(*^ー゚)b グッジョブ!!

かなこ・・・|ω・`) <> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/09/01(土) 04:46:40 ID:xGctEgS9<> >>530GJ!!ずっと見てきたけど雄志が結構変化したな。
雄志が【何に】乗っ取られようとしてるのか気になるな・・・
やっぱ先祖か? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/01(土) 14:59:28 ID:MgJslepf<> 俺が書くとヤンデレじゃなくてただの狂気になるから困る
愛なんて微塵もない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 01:47:23 ID:A/2fUxRu<> だったら引っ込んでろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 02:00:21 ID:5PdijuYs<> >>534
Amazonで買った。
一分で後悔した。
デレの無い闇キャラがヤンデレで紹介されてたりしてた。
個人的にヤンデレは病みと照れのダブルパンチでないと認めたくない。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 07:27:20 ID:WVSONkMR<> よそでやれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 13:07:52 ID:NEXm7NKX<> 最近の遊戯王のアニメの敵キャラがヤンデレだと思うんだがどうかな?
スレ違いならごめん <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 13:32:39 ID:+N6zHo0f<> ここは昔からヤンデレ系のネタは何でも歓迎だったんだぜ。
でも>>546は知らないんだぜorz <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 14:47:16 ID:iNkyOYWP<> ヤンデレ大全買うなら三次元だけど1980年〜1995年代のヤンデレが出てくる映画作品買ったほうがマシ。
けど三次元だから怖い。ホラー映画じゃないのにホラー臭い。
あと1980年代は髪型がださいので可愛い子が見たいと言う人にはお勧め出来ない。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 18:03:44 ID:T4DrzKS/<> >>54
たぶんGXのユベルって奴のことだと思う。
主人公が子供の頃に持ってたカードに宿る精霊(この世界ではカードにデフォで精霊が宿っています)で
主人公と勝負した奴を全員主人公の敵だと思って、奇病で病院送りにしたりした。
一度アクシデントで燃えて無くなったんだけど、その時の痛みや苦しみこそが主人公の愛情表現だと思ってるらしく
自分も同じように苦しませるために、主人公一行を異世界に飛ばして、主人公を暴走させて仲間を殺させたり
二人だけの世界を作るために、暴走主人公に異世界を支配させようとした。
先週は愛について語ってたんだけど、愛の価値観がヤンデレっぽかった。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 18:33:13 ID:X3Wk02NX<> >>548
おすすめのヤンデレ映画を教えていただけないか。
明日は近所のビデオ屋が半額レンタルなんだ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 22:20:38 ID:WVSONkMR<> いやだからそういうのはよそでやれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/02(日) 22:29:30 ID:XN5AxAJl<> 【審議中】
      _,.ヒXナ,、
 ( (  ,'´/~⌒^ヽ
    ( ll( ノハノ) )
     (リ( ゚ ヮ゚ノ∩
     (,,)つ()<iソ
     ,'´ソW厄ヽ  ) )
     `(ノ"i_ツ"´ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 03:39:41 ID:AZ4QOR+9<> ヤンデレっ娘依存度チェック
ttp://kantei.am/15995

70点 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 09:25:22 ID:OFvSWUv3<> 72点だった。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 09:41:32 ID:My1bMjhr<> 71点でした <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 10:58:32 ID:3U+qjjoQ<> ここはSSスレだと何度言えばわかるあほたれ

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1176178896/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 11:22:00 ID:TxIaP079<> 60点だった

もっと頑張らないと <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 11:34:13 ID:pIiuOgaQ<> 51点……
むぅ、まだ初心者に過ぎないと言うことか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 12:27:10 ID:xZP8KQCM<> すげえ……90とか出やがった…… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 13:08:33 ID:uS1zjAYp<> 49点

>>565には及ばないか………… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 13:34:19 ID:oPGh26xT<> 何?この流れ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 13:45:24 ID:BZD9Lmhr<> 自分の付いてけない話題を追い出そうとしてる人と、
それを無理やり押し込もうとする人の争い。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 13:54:03 ID:OFvSWUv3<> スレの歴史を知らない新参の自治厨がここ数日必死になっているだけだお。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 14:10:22 ID:MJFh2fak<> ttp://up2.viploader.net/upphp/src/vlphp066115.jpg <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 14:37:09 ID:2rAxs1GA<> >>561
スルーを覚えましょう。わざわざ指摘したって何も解決しないんだし無駄。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 14:52:28 ID:7+Hl3DlB<> 誰が自治厨なのかさっぱりとわからん <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 16:55:05 ID:qe/uDw3T<> 自治厨はもっと酷いからな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/03(月) 19:25:35 ID:cHOcMPb0<> >>556
そんな違法行為上等の板を、当然のように無差別にすすめるなとw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 00:48:13 ID:iW3u6lqa<> 意味がわからないが
まあじゃあこっちにでもいけよ
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1176207104/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 01:53:39 ID:RZjP9n2V<> あいのり見たやついる? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 03:46:32 ID:Y3i2KHfm<> 3次には興味がないと何度(ry <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 06:53:12 ID:VxamU32v<> >>570
kwsk
てかなにかあったのか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 12:05:23 ID:5UfkloWj<> >>570
取り合いでライバル刺したん? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 13:00:16 ID:RZjP9n2V<> いやそこまで過激ではないのだが、女新メンバーの体験談でオシャレな復讐とかいうのがあったんよ。
自分の誘い断って別の女と初詣行っておみくじ引いてきたから、彼氏が買い置きしてるタバコ全部に大凶って書くとか
花火大会に別の女と行ったら彼氏の趣味のお香を黒く塗った花火と入れ替えたり
別の女が作ったパスタ食ったから風呂一杯にパスタ茹でたとか。
いちいち「そんなにおみくじが好きなら・・・・・・」「そんなに花火が好きなら・・・・・・」「そんなにパスタが好きなら・・・・・・」とか言ってて少し怖かった・・・・・・。
別れた彼氏いわく「お前といると頭がおかしくなる」
ちょっと皆には軽すぎるかな?
長文すまんかった <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 14:00:37 ID:GW+xV/Py<> >別の女が作ったパスタ食ったから風呂一杯にパスタ茹でたとか。
不覚にもワロタ。
いい病みだとは思うんだが、
個人的にはその怨念が浮気相手の女の子の方に向いてくれるとなお嬉しい。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 16:41:54 ID:B7WbRdid<> >>574
単なる嫌がらせの領域を出ないな
ってかむしろギャグとしては笑えるな
風呂一杯のパスタってどんだけwww
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 18:35:52 ID:0rwH+Fvq<> そのメンバーはどの辺がオシャレだと思ったんだろう?
しかもそんな事すりゃ、男が逃げるのは分かりきってると思うんだが。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 19:25:26 ID:qKx/f8NX<> 風呂いっぱいのパスタって気持ち良さそう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 23:13:45 ID:jjPlFvZv<> >>575
何言ってんだ
パスタにかけるソースこそが本題だろうが <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/04(火) 23:15:28 ID:RZjP9n2V<> 女「ちょっとアルデンテ気味でしたね」
これ書き忘れてた <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 00:45:37 ID:2aRWDBTb<> イミフ
単に頭弱い子なんだろ
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 10:40:53 ID:wJs/fLXw<> 浮気した男がパスタの如く風呂でゆでられてたんだよ
そして食べた感想が>>580 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 17:02:23 ID:wHBvtiVy<> 要はミートソースか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 21:41:20 ID:HNS2FSf1<> >>549を読んで先週の遊戯王見たら本当に敵がヤンデレでワロタw
まさか遊戯王でヤンデレを見ることになるとは思わなかった <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 22:02:05 ID:I5S3e6yj<> ジワジワヤンデレが流行ってきたんかな?
しかしスクデイ大丈夫か?あれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 22:05:37 ID:Vn5MKjpe<> >>584
今週はもっと病んでた
殺したいくらい愛してるとかそんな部類のヤンデレ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 22:53:25 ID:uST5hzOM<> スクールデイズ関連で、ちょっと思いついた。「我が子へ」の
後日談。
 主人公の桂真は、自分を束縛したがる、母親、桂言葉に嫌気が
さしてきた。そんな、ある日、真はふとしたきっかけから、同じ
クラスの西園寺かおりと仲良くなる。
 登場人物 
 桂真 主人公。帰宅部で何に対してもやる気がない。最近、異様に
   べたべたしてくる、自分の母親に嫌気がさしている。
 桂言葉 真の母。16で真を生んだため、まだかない若い。息子に
    死んだ主人の面影をかさねており、真を一人の異性として
    見始めている。真が言葉を嫌うのはそのため。
西園寺かおり 真の同級生。親は殺人罪でつかまり監獄の中にいる。
       今は、祖母に引き取られている。明るくて、前向き
       な性格。
 かおりと真がつきあったら、言葉様、覚醒。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 23:44:20 ID:kkRM/let<> >>584
カードに精霊が宿ってるほうに驚いた俺は遊戯王初回からリアルタイムで読んでいた世代。
遊戯でないのかYO! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/05(水) 23:50:01 ID:ZZ//yTw3<> 俺は、言葉が発狂するのが先か、世界が言葉に殺されるのが先かのサスペンスだと思う。言葉が先に発狂しても、成長した止に殺されるだろうけど <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 01:26:23 ID:fsojbCOt<> >>588
第一話にだけ出た。
一応同じ世界の続編だから。
しかし子供はヤンデレな敵をどう思ってるんだろうか。
俺もヤンデレ好きでなかったらあれには耐えられない。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 02:56:25 ID:QkXQMRre<> ttp://www.geocities.jp/bee_langley/School_days/sd_kousatu.html
ttp://www.geocities.jp/bee_langley/School_days/kakeizu.jpg <> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/09/06(木) 02:57:24 ID:cHmz68Sm<> スクデイってヤンデレ漫画か?教えてくれ <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/06(木) 03:15:58 ID:6YszzsOF<> http://pussyland.11.dtiblog.com/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 13:22:37 ID:0+NTBgxc<> mixiのヤンデレコミュで立ち上がった「ヤンデレ辞典(仮」。
何かいきなり企画倒れっぽい雰囲気だけれど、一応晒しとく。

ttp://www40.atwiki.jp/yan_dere_love/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 13:33:07 ID:oynrwI2r<> ヤンデレ図鑑(キャラ名別)

あ行(キャラ)0名
か行(キャラ)0名
さ行(キャラ)0名
た行(キャラ)0名
な行(キャラ)0名
は行(キャラ)0名
ま行(キャラ)0名
や行(キャラ)0名
ら行(キャラ)0名
わ行(キャラ)0名


--------------------------------------------------------------------------------

ヤンデレ図鑑(作品名別)

あ行(作品)0作
か行(作品)0作
さ行(作品)0作
た行(作品)0作
な行(作品)0作
は行(作品)0作
ま行(作品)0作
や行(作品)0作
ら行(作品)0作
わ行(作品)0作

俺は泣いた。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 16:57:22 ID:NiVG/zZ4<> ほトトギす <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/06(木) 17:09:43 ID:edehn1BA<> 818 :イラストに騙された名無しさん:2007/09/06(木) 15:16:47 ID:FTJ3vG2L
フレデリカ、この戦いが終わったら……
私は君より七歳も年上だし、なんというか、その、生活人として欠けたところがあるし、その他にも欠点だらけだし、
いろいろと顧みてこんな事を申し込む資格があるかどうか疑問だし、いかにも地位利用をしているみたいだし、
目の前に決戦を控えてこんな場合にこんなことを申し込むのは不謹慎だろうし……
だけど言わなくて後悔するよりは言って後悔する方がいい……
ああ、困ったものだな、さっきから自分の都合ばかり言ってるな。要するに……要するに
結婚してほしいんだ


これがホントのヤン・デレ
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 17:15:43 ID:/NZBIwL6<> >>597の大馬鹿野郎ー! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 17:31:52 ID:YanfzkTY<> >>595
むしろこれから増えていくのが見れるなら楽しみだ
でもヤンデレキャラって辞典作るほど居るのか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 17:48:30 ID:jfmbEHqZ<> ちょっとお前ら自粛しようよ
スレが雑談で埋まっちまう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 18:10:26 ID:H8TKy7O+<> ここは元々あらゆるヤンデレネタを愛でてきたスレなんだが。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 18:21:04 ID:JySEMbnL<> 雑談の中にSSのネタが埋まってる場合だってあるんだぜ

あと雑談のないスレは意外と投下しにくいんだなこれが <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 19:43:10 ID:jfmbEHqZ<> それにだって限度があるだろ
70レスも雑談で埋めといて
ほぼ一週間雑談ばっかで投稿なしだぞ
今までから見てちょっと異常だろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 19:43:52 ID:Bf4J8yS1<> つ【初代スレ】
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 19:53:22 ID:wmd17TnM<> >>603
じゃあお前が投下すればいいだろ
少なくとも書きもしない奴ががあーだこーだいう問題じゃない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 19:55:56 ID:iVOGIX9e<> 全くもってそのとおりだな

俺はSSかけないから、投下のないときは雑談でスレを盛り上げる事に貢献してると思ってる

別に雑談なんかいつ話しぶったぎったっていいんだし

投下>雑談>>過疎>>>>>荒らし
だろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 19:58:08 ID:AvSaSwmM<> も、落ち着け! もちけつんだ!!
     /∧_/∧       /∧_/∧    オロオロ
   ((´´ДД``;;))    ((;;´´ДД``))    オロオロ
   //    \\     //   \\ オロオロ
  ⊂⊂((  ヽノヽノつつ ⊂⊂ヽ// )) つつ  オロオロ
   しし((_))       ((_))JJ
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 19:58:25 ID:H8TKy7O+<> 異常でも何でもないしなあ。
そういえばヤンデレ喫茶とかも冗談から始まったようなもんだったし。
あの発想を出した名無し今更ながらGJ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:02:12 ID:/GiP6qWR<> 別に投下がないならまったり待ってればいい話で、
わざわざ盛り上げてスレの容量を消費することもないんじゃないかと……
一時的な過疎回避のためのちょいちょい雑談とかならともかく
あんまりしすぎるのもどうでしょ
荒れの原因にもなりやすいし、今みたいに>雑談 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:06:27 ID:iVOGIX9e<> 投下がないのをまったり待つ→人がいないと思う→SS氏が離れていく
盛り上がった雑談の中で思わぬSSが完成する事もある

というかスレ消費の何が悪いんだ?
スレ立てるのにお前さんがいちいち金払ってるとかならともかく
一利用者にしか過ぎないんだから、雑談なら雑談している空気にのっかって
一緒にまざってればいいのに

わざわざ「雑談やめろ」とか
荒れの原因になるような発言をして
余計にスレがのばす事もないだろう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:10:01 ID:H8TKy7O+<> てか
>荒れの原因にもなりやすいし、今みたいに>雑談
最近妙に突っかかってくる潔癖症の人が来るまでは、
ここではそんなことなかったぞ。
強いて言うなら荒らしてるのは雑談反対派かな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:13:23 ID:jfmbEHqZ<> 異常ってのは、つい最近と比べて投下ペースがいきなり下がったってところだよ
雑談と作品の比率が唐突に逆転し始めた
雑談それ自体はそりゃ悪かないがいくらなんでも以前より増えすぎだ
自粛しようよって言いたい
荒れさせちまったからもう引っ込むわすまんかった <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:18:43 ID:gCtgo5JQ<> 投下ペースが下がったって・・・
SS師は機械じゃないんだ、ペースが落ちることだってあるだろうさ

9月入って忙しい人だっているだろうし

文句があるなら自分で書いてその比率とやらを直せばいいだろ

いるよな、こういう他力本願のくせに自己中な奴 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:19:22 ID:/GiP6qWR<> スレの消費が悪いんじゃなくて、スレの作品密度が下がるのを危惧してるんだけど……
投下がたくさんあって盛り上がってるならともかく、
雑談で無理に続けさせてるようなスレにはしてほしくない
書けない身で言うのもなんだけど <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:19:31 ID:QYsgrur1<> 雑談はやめろとか余計なこと言うなよ。雑談が嫌なら引っ込んでろ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:25:47 ID:C5lANgrJ<> >雑談で無理に続けさせてるようなスレ
別に無理に盛り上がってたわけじゃないし
普通に盛り上がってたら「雑談やめろ」っていう厨がわいてきた

結局は「SS投下早くしろ」っていうROM厨のわがままだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:30:15 ID:Ce3vTzXu<> 無駄に雑談をやめさせたい馬鹿と
無駄な雑談をやめたくない馬鹿 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:31:19 ID:H8TKy7O+<> 新しい住人が増えたって事なんだろうなあ。
初代スレを知っている身としては
まあこんなのもある意味嬉しい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 20:53:27 ID:GB1y0H3I<> チャット感覚でヤンデレ無関係な雑談するのはどうかと思う <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:01:33 ID:W5jWlJZh<> 雑談するにしても、ここは「小説スレ」なんだからもうちょいクリエイティブな話しろよ
ヤンデレ依存度がいくつだった、とかヤンデレ図鑑だヤンデレ大全買っただとかはよそのヤンデレ雑談スレでやれ
雑談それ自体は認められるべきだがな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:05:02 ID:Bf4J8yS1<> うわぁ……。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:06:40 ID:jfmbEHqZ<> もうこの話題は終わりにしてくれ悪かった
全然雑談してくれておっけーです、黙ってます

以下はどうぞ何事もなかったようにしてください <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:07:33 ID:U4pemUU2<> 荒らしがいるな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:07:43 ID:C5lANgrJ<> >>622
>全然雑談してくれておっけーです、黙ってます

お前がルールかよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:12:50 ID:AvSaSwmM<> >>622
                    _,ィ、  ,r、__
                ,.ヘー'´  i `´/  `i_
            /ヾ、 ヽ、 i /   /ヽ
              _ィ、〉   > ´ ̄  ̄ ` く  ,ゝ、
          }、 ,>'´        、  ヽ./`ヽ
          ┌! /    /  i 「`i   ヽヽ ヽ   }
            Y     !   | |  l i i   l i  ',__,.ゝ
          ,'     |  | |   !l l   | l  l !
           i   !   |   | |   | j___j |  |i i!
           |i!  l  ,.|‐T丁i!   ハlj, --!`トlノ、||
           | !  !  レ'i´`j    "i´ `iヽ, i ||  _
           | l  |i   iバ__ソ     L__ソ /.ノ |! _ヽ)
           | |  |l  |、//// '  ///// |! |i ヽ)
           !ハ |!  |,ゝ' ´ ̄ ̄ ` く  レy'|!
          __,ノ レ'ヽiハ /             \}'´ ̄ `ヽ、
    ィ´ ̄/    ,べY                Y`i__    \
    〉/    / , 、ヽ   NGしました   /_`ヽ\    \
   ,ィ'ん、  / ! '´__ ヽ            /´__,.` ', \   ァ'`
   `ヽ、/ー'   /!   __`ヾ!           レ'´ _,.  !   \ i
    /ー-ィ、 ィ__!  ___`フ         /  ヽ二  /7  _i弋
   /    辷j  !   ヽ      / /    /  / }  j´  〉
    ヽ、   冫 ヽ__ュ_y\    /   /     /ヽヘ/え´   /
     \'´` `}ー-、_,ゝくi ヽ、 ____ ,. イィ_,、  __う'´__/
      , `>ャ,`Yー-‐'^ |ニ=ー-   ー-/  `^7   ,ゝ、ヽ
    ///  l !     |           /    }   / | iハ_j
   く///f´ ̄l/      |          i     y /-、| |
      // | ┌ヽ.     / `ー-='´ _|     /`  | |\
    i l   | ,ゝ,ハ  /         ´,ハ   /〉    レ'   ヽ
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:17:42 ID:U4pemUU2<>       / : : : : : : : : : : :/: : :| : : : : : : :/.::   | :| |: :|::         |: : : : : : : : : : : :l
.     / : : : : : : : : : : :/: : : :| : : l : : :/.::  │:| |: :|::        |: : :| : : : : : : : : l
    /: : :/ : : : : : : : /: : : : :| : : i : :/.::     ! :| |: :|::       |: : :| : : : : : : : : l
.    /: : ,イ : : : : : : : / : : :/: :| :._⊥/-─‐   ! :l .|: :| ──- ..   |:|: :l!: : :l : : : : : |
   /: :/ │: : : : l : : !: : : :|:,.イ´.: l/.::::::::::  /:/  |: :|:::::::::::::... `メ |: :|!: : :l : : : : : |
  ,' : ,′ | : : : : l : : |: : :.イ:/|: : :/-─<  /:/  |: :| >─‐--、`下y'| : : l: : : : : :|
  │: |  | : : : : | : : |: : : :|:.:_,.ィ≠≦三ミ /'"   |: :l  彡三≧ェx |/ ヽ: : :l : : : : :|!
  │: |  | : : : : | : :│: : :l,イィ'::l|li|l|li|!:|      | /   |::l|il||i|li:ヾ;、 | : : :| : : : : i:!
  │: l  l: :/: : :| : : l : : 〃 {:::::l|l|l|l|l|::|        j,′   |::l|l|l|l|l|::::}ヽゝ : : :l : : : :,ハ
  |: :,′ ∨: : : :l : : l : : : l: .∨:!!|l|ll!!::|             |:::!l!|l|l!!::/ /} : : /: : : :/ : :l
  |: ′  ∧ : : : |∨ l: : : :|: :',∨:::::::::::j_           {::::::::::::::/ // : :/| : : :/ :| : l
  i,′  / ヽ : : | ∨ : : : |!.:ハ>=≦三三       三≧==<. //: : /: | : :/ : :| : |
    /   | \| : ∨ : : ハ : :{三三三三    三:.  三三三三ムイ: : :| :/ : : :| : |
         | : |: : : :|\: {\乂三三三    i!三三三三三三三/ :| : : :|/ : : : :| : |
         | : |: : : :| : :ヽ\  ̄        _Ξ三三三三三,/| : |: : : : | : : : :| : |
          | : | : : : |: : : :|` |lヽ、        ´ ̄` 三三三三:,イ: :| : |: : : : | : : : :| : |
          | : | : : : |: : : :| : |l |: |li:..、      三三三三才il| :l : :| : |: : : : | : : : :| : |

言葉様もお怒りです <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:20:07 ID:Ce3vTzXu<> いつまでもかまってる阿呆も、荒らしと大して変わらんな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:21:46 ID:AvSaSwmM<> ttp://dat.2chan.net/l/src/1189068433088b704.jpg <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:28:51 ID:H8TKy7O+<> >>628
和んだ(*´∀`) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:33:20 ID:U4pemUU2<> そろそろ、嫉妬スレとキモウトスレと統合するべきかと? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 21:36:35 ID:yBiYJVdh<> 嫉妬、キモウトとヤンデレは似て非なるもの <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 22:30:34 ID:XB8oHvzy<> ていうか何でそうなるんだよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 22:33:27 ID:v1keLYlV<> 主人公に寄り付いた女の子のおっぱいを万力で押し潰して
これでもういろじかけできないようになったねあはは

というのはヤンデレかな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/06(木) 23:59:17 ID:oynrwI2r<> >>633
いいんじゃないの?
そこに至る過程次第で化けそうだが。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 00:49:24 ID:SYEeHC4z<> 「小指の赤い糸を確認するだけじゃ、私は不安なの」
俺を押し倒した彼女は抑揚の無い声で嘯く。
手にした包丁は新品なのか、鋭い輝きを見せていた。
「だから…あなたの心と身体に赤い糸を縫い付けてあげる」


贔屓にしてる文章系サイトの詩を読んだらこんな電波が来た <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/07(金) 07:01:58 ID:gAHbIbP0<> >>635
深いな。やんデレが改めて狂気の産物だと思い知る <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 08:37:15 ID:qLhQl0Iq<> 狂気=ヤンデレではないと思うが、ヤンデレ=狂気は大抵成立するかな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 12:20:27 ID:qDMGhOcN<> ?
どっちも同じ意味じゃね? <> リッサ
◆v0Z8Q0837k <>sage <>2007/09/07(金) 12:33:50 ID:6FLsb0dW<> 久々に投稿します、といっても今回はイラストですが。
処女作のヴァギナ・デンタータのヒロイン月乃 鞠と主
人公の時坂 歩のイラストを描いてみました。
 SSではないので物足りないでしょうが、もしよかったらご覧になってください。
http://sakuratan.ddo.jp/imgboard/img-box/img20070907121650.jpg
http://sakuratan.ddo.jp/imgboard/img-box/img20070907122121.jpg <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 14:05:44 ID:Et0HDccQ<> >>639
絵も描ける作者さんはここでは初めてか?
GJです。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 22:50:41 ID:u4PpMab7<> >>637
成るほど。
要するにナタ振り回せば良いって物じゃないって事だな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 23:10:12 ID:ZG1KfXCv<> 片思いが受け入れられないのがヤンデレという気がする。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 23:12:25 ID:tUmqPJ2o<> じゃあヤンデレ−狂気は? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 23:12:26 ID:MdNbGJ0/<> 愛の為に狂気に走るのがヤンデレ
って事だろうな。

もしくは傍からは狂ってるようにしか見えないほど愛している、とか。 <> 無形
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:24:17 ID:Yzy+dAPl<> 人知れず投下します。
少し長いので規制に巻き込まれないか不安です <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:26:29 ID:Yzy+dAPl<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

私が恋を知ったのは、中学生のとき。
桜の舞う季節。
学校の校門近く。
私は――そこで恋に出逢った。

それまでの私の人生はさして優先順位のはっきりしたものではなかったけれど、彼――日ノ本創に
出逢ってからは上位はしっかりと定まった。
彼の傍にいることが第一で。
その準備に費やすこと――取り分け、邪魔者の排除と接近のための工作が第二・第三だ。
彼は自覚していないけれど、結構もてる。
私が心奪われたくらいなのだからそれは当然なのだが、だからと云って泥棒猫の接近を許すほど鷹揚で
はない。
彼をずっと見ていれば、誰が下心を持って近づいてきているのか、大体わかる。
雌猫達は決まって、薄気味の悪い媚びた笑顔で私の彼を誘うのだ。
酷いときになると、この私に彼を紹介して欲しいと頼み込む者も出てくる。
考えるだけで酷く疲れる。しっかりと名前を書いておかないと駄目なのだろうか?
その彼の管理は一人で出来るものではない。
勿論ひとりで管理し、品質保持し、品種改良することは理想であるし、最終目標でもある。
けれど、いまの状態ではそれは難しい。
それで、私は同盟者を持った。
それはまだ彼が中学一年生のとき。
度度、彼に逢いに来る表情の変化に乏しい女の子がいた。
一ツ橋朝歌。
彼の妹分だと云う。
二人の会話は何度か見張っていたことがあるけれど、別段親しさは感じられなかった。
事務的に話し、特に嬉しそうな様子も無い。
けれど一応他人だ。
本当の兄妹ならば安心も出来ただろうけど、自称妹にしか過ぎない存在。
私のものになる予定の日ノ本くんを、もしかしたら取ろうとするかもしれない。
相手は小学生。
でも、警戒を怠る必要も無ければ理由も無い。
だから、私は彼女が一人のときに声をかけた。
「少しいいかしら?」
「・・・・」
彼女は答えずに瞳だけ向ける。
中中整った顔立ちだ。
可愛いと云うよりは美人と評すべきだろう。
将来はさぞ良い女になるのだろうが、だからこそ余計に警戒する必要がある。
「はじめまして、と云えばいいかしらね」
「挨拶と云う点ではそうでしょう」
抑揚の無い、淡淡とした喋り方。
どこに向けているのかわからない瞳。
そして、私が覗いていたことを知っていたと暗に仄めかす科白。
「まるで私のこと、知ってるって云う口調ね?」
確かめてみる。
「織倉由良。中学2年生。A組。これまでに5回ほど、私達を見ていました」
「よく、知ってるのね」
「貴方は自分が思っているよりも目立ちます」
「そう。憶えておくわ。一ツ橋朝歌さん」
名前を呼んであげる。
『知っている』のはそちらだけではない。
言外にそう云ったつもりだけど。
目の前に在る、冷たい童女が動じた様子は無かった。
「何か用ですか?」
童女はつまらなさそうに問う。まるで私など眼中に無いかのように。
「用があるから話しかけたの。これでも私、結構忙しいのよ?」
「そうでしょうね。兄をストーキングすることに余念が無いようですから」 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:28:36 ID:Yzy+dAPl<> 「ストーキング?私は唯、愛で、護っているだけ。変質者と一緒にしないで欲しいわ」
失礼な話だ。
「貴方の主観が客観的に見て守護に該当するとは思えませんが」
「群盲象を撫でる。第三者の断片的な判断が正しいとは思えないわね」
「五十歩百歩です。事実、兄は最近視線を感じることが多い、と恐れていましたから」
そんな事を云う。何もわかっていない。
「それはいずれ至福に変わるわ。護られる快感。包まれる喜び。私はそれを教えてあげるために生れて
きたのよ?」
「御為倒ですね。それで納得できるわけがないでしょう?」
「納得?何故貴女に納得して貰う必要があるのかしら?これは私と日ノ本くんの話なのよ?」
「私は日ノ本創の妹です。妹が兄の幸せを願うのは、当然のことではありませんか?」
いけしゃあしゃあと。
「幸せ?それならこの私に感謝して貰わないとね。彼に近づく悪い虫は、皆私が叩き潰しているのだか
ら。貴女だって、どこの馬の骨ともわからない害虫にお兄さんが集られるのは嫌でしょう?」
「そう云う貴女はどこの馬の骨ですか?」
つまらないものを見るような目で少女は云う。
少し生意気ね。引っ叩こうかしら?
「やめたほうが良いですよ」
瞬間。
私の心を読んだかのように。
一ツ橋朝歌はボソリと呟く。
「貴女は大層運動神経が良いようですが、云ってしまえばそれだけです。武道の心得でもない限りは、
私には手を出さないほうが身のためです」
慇懃にして無礼な言種。
年上で、体格も段違いの私を前にしているのに余裕を持った発言。
気に入らない。
「本気でそう思ってる?年上の私に殴られないとでも?」
「思っています。寧ろ確信に近いです。まあ別の云い方にしても良いですけど」
そう云う少女の顔が、一瞬だけ歪んで見えた。
「――私を叩くと、お兄ちゃんに云いつけますよ?」
「・・・っ」
やっぱり気に入らない。
この女、性格が悪い。
「・・・ひとつ聞くわね。貴女は、日ノ本くんをどうしたいわけ?」
堪える。
堪えて、最も大事なことを糾す。
どう動くかは、それを知ってからでも遅くない。
(或は――)
激発するきっかけを欲しているだけなのかもしれないけれど。
「お兄ちゃんは私のものです」
どうせそんなことを云うのだろう。
そう思ったのに。
童女は。
一ツ橋朝歌は。
表情の無い瞳に強い光を湛えて、抑揚なく呟いた。
「私は兄をどうこうするつもりはありません。唯、幸せであってくれればそれで良いんです」
意外な言葉だった。
いちいち私に噛み付いてきたのだから、もっと独占欲丸出しの発言をするかと思ったのに。
「・・・・それ、だけ?」
「私、唯の傍観者ですから」
「・・・・・」
私は黙り込む。
もしもそれが本当ならば、『邪魔者』であっても『敵』ではない。
「それ、証明出来るの?」
「その必要は認められません。強いて云えば、今、この瞬間、この時に、兄をストーキングしている
変な女性の足止めを成功させている、と云えなくもないですが」
淡淡と。
本当に淡淡と喋る娘だ。
面白みの無い、失礼な少女。 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:30:52 ID:Yzy+dAPl<> 「ねえ、一ツ橋さん?」
私は改めて声をかける。
「お兄さんの幸せって云うのは、邪魔者の排除も含まれるのかしら?」
童女は答えない。
無機質な瞳をこちらに向けているだけだ。
けれど私は確信する。
多分、今の言葉に嘘はないと。
ならば。
「それなら――」
『敵の敵は味方』
この言葉の通りならば。
「貴女にとっても私にとっても、有益になる話があるのだけれど」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「呼び方?」
僕は眉を顰めた。
片耳にのみ響いた従妹の声が、そう云った。
「はい。呼称です」
着物姿の肉親は優美に頷く。
ここは自宅の居間。
僕の聴力がなくなったその場所だ。
あれから数日経つ。
何事かの『準備』と称して“あれ”以来逢っていなかった従妹は、訪ねて来るなりこう云った。
「にいさまの呼称を、変えたほうが良いでしょうか」と。
「呼び方って・・・なんで急に」
突然のことに僕は訝しがる。
綾緒は昔から僕のことを「にいさま」と呼んでおり、本人もその呼称を気に入っていたはずなのだが。
「はい・・・・その・・・・」
従妹は頬を染めて俯いた。
珍しく歯切れが悪く、俯いたまま上目遣いに僕を見ている。
「綾緒とにいさまは・・・め、夫婦になる予定ではありませんか。・・・・で、ですから、その・・・
妻として、それ相応の呼び方をしてほうが、にいさまも喜ばれるかと、思いまして・・・」
「・・・・・」
耳が疼く。
そうだ。
僕は――綾緒の婚約者になったのだ。
僕自身が泣きながら頼み込んで『受け入れて貰った』相手が、この従妹だ。
「にいさま、どうされますか?創さま、と御名前でお呼びしたほうが良いでしょうか。それとも、
旦那さまとお呼びしたほうが・・・良いですか?」
赤い顔で質する。
こういった所作は愛くるしくもあり、可愛らしくもある。
あるのだが――
(この状況は受け入れ難い)
今の僕には、恐怖の度合いが最も強い。
家族という意味では愛しいし、肉親という意味では好ましいけれど、それらを超えて、恐ろしさが盤距
する。
だからこう答える。
「・・・今まで通りで良いよ」
今まで通りで。
夫になるという現実を想起させられる呼称はいらない。
そのつもりで答えたのだけれど、従妹は何故だか嬉しそうな顔をする。
「そうですか、わかりました。綾緒はにいさまの妻であると同時に、妹でもありますから、それでも
構わないわけですしね。・・・実は、今までの呼び方にも愛着があったのです。綾緒はにいさまのもの
で、にいさまの妹であると自覚できますから」
指と指をくっつけて、ぐねぐねと動かしながら云う。その顔は当然赤い。
(僕の妻、か・・・)
『他人の』であれば、いくらでも応援してやれたのだが・・・。
「では、これからも“にいさま”とお呼びしますね」 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:33:21 ID:Yzy+dAPl<> 従妹はそう云って立ち上がる。
――刹那。
「あっ・・・」
ぐらりと綾緒の身体が揺れる。
「綾緒!?」
慌ててその体躯を支える。
織物越しに伝わる感触は、柔らかでしなやかで、そして随分軽かった。
「も、申し訳ありません、にいさま」
「いや構わないよ。それよりどうした?立眩みか?」
もともと肌の白い従妹が、いつにも増して白く見える。蒼褪めている、と云っても良い。
「すみません。少し、貧血気味で・・・」
「貧血?お前、貧血持ちだったか?」
「いいえ。綾緒は至って健康です。これには事情がありますが、それはいずれ」
綾緒は力なく、だけど妖艶に笑った。
僕はホッとする。
けれど、その笑顔の向こう側には、僅かに、仄かに、『夜叉』が覗いているように思えた――

夜になった。
僕の腹がくうくうと鳴っている。
従妹はすでに無い。
数日ぶりに晩飯を作りに来たはずの綾緒だが、体調不良では無理をさせられない。
本人は「御作り致します」と云って聞かなかったが、無理矢理帰した。
「さて、今日はどうしよう」
出前か。レトルトか。外食か。
材料だけはあるが、家事無能力者の僕だ。自作するという選択肢は無い。
ここ数日は総て前述のうちのどれかだ。
以前ならば織倉先輩に御馳走になれたのだが、今はそれは出来ない。
綾緒の勘は鋭い。
異能と呼んでも良いくらいに洞察し、察知する。
もしも先輩に御馳走になり、それが知れたらどうなるか。
考えただけでも背筋に冷たいものが走る。
そしてお腹は考えなくても減るものだ。
家にレトルトの買い置きは無い。
なので、とりあえず外に出て考えることにした。
刹那、ピンポンと。
僕の家に呼び鈴が響いた。
「こんな時間に誰だろう?」
チェーンをかけたままの扉を開ける。
僅かに外気を進入させる有限の隙間からは、意外な人物の顔が見えた。
「一ツ橋?」
「どうも」
鉢植えを持った後輩は、いつも通りの無表情でそこに立っていた。
「こんな時間にどうしたんだ?」
「お見舞いです」
一ツ橋はそう云って僕の顔を――否、耳を見ている。
この後輩は僕の耳のことを知っている。
あの日の翌翌日(翌日は流石に休んだ)、二言三言話しただけで僕の異状に気がついた。
そして、事情の説明を求められたのだ。
(それで気を使っているのかな?)
折角の見舞いである。門前払いにするわけにも往かない。
僕はチェーンをはずして後輩を招き入れた。

「チェーンするようになったんですね」
居間のソファにちょこんと座る後輩は、思いついたかのようにポツリと呟く。
「ん?まあ、な・・・」
「楢柴綾緒」
「え?」
「彼女に云われたのでしょう?施錠を強固にするように、と」
(なんで) <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:35:35 ID:Yzy+dAPl<> わかったんだ?
僕が驚いていると、視線を真っ直ぐ、こちらに向けぬまま。
「先輩はズボラです。しなくていいなら普通の鍵すら掛けない様な人ですから。外部から指示ないし
圧力があったと考えるほうが妥当でしょう」
流石に鋭い。
「・・・無用心だからってね」
僕はそう答える。
従妹には念を押された。
自分達以外の人間が鍵を持っていたり、発見できたら容易に侵入されてしまう。それは絶対に避ける
ようにと。
「まあ、一理・・・無くも無いからね。それはいいさ」
そう云う僕の顔は多分固いのだろう。
後輩は無表情のまま、呆れたような気配をつくる。
「そ、そんなことより、一ツ橋、その箱はなんだ?」
誤魔化す様に云う。
後輩の手には黒い箱が納まっている。20センチ程度の直方体。ちいさな一ツ橋が持つと、それすらも
大きく見えるから不思議だ。
「・・・・・」
後輩は僕を一瞥してから、
「御守りです」
と呟いた。
「御守り?宗教的なものには見えないが」
寧ろ科学的な事物に見える。
「神仏の加護ではなく、自らに安心を与えると云う点で御守りなんです。特殊な電波を発生させる為の
機械ですから」
「おいおい。電波って、安全なのか?それ」
「人体に影響はありません。これは盗聴や盗撮を妨害するためのものです」
携帯も使えなくなりますけど。一ツ橋はさらりと云う。
「なんでそんなものを・・・」
「念のためです」
後輩は“御守り”を居間のテーブルの上に置く。
そして、持ってきていた鉢植えを僕に渡した。
「お見舞いです」
「ああ、ありがとう」
黒い箱が気になったが鉢植えを受け取る。
草丈30センチ程度、葉の形状は2列の互生。花弁は六枚あり、その中心から花蕊が噴水のように長く
突き出ている。
「なんだか毒毒しい花だな」
貰っておいて失礼な話だが、つい口からそんな言葉が出る。
「Tricyrtis hirta Hook.別名を油点草。毒用や薬用ではなく、観賞用です。
元禄年間には庭に植えられる事も多かったようですが。お気に召しませんか」
「いや。これはこれで愛嬌がある。薄紫の花ビラに白のかのこも良く見れば綺麗だよ、ありがとう」
「そうですか」
後輩は表情無く頷いた。
「耳の調子はどうですか?」
ところで、も、それで、も付けずに、一ツ橋は問う。これは彼女の独特のパターンなので、慣れてしま
えばどうということもない。
「とりあえず通院する必要はありそうだ。どの程度自然治癒するかわからないけど、それで駄目なら
手術するみたいだ」
「・・・・・・」
一ツ橋は何も云わない。
じっと僕を見ている。
「そんな目でみなくても、大丈夫だよ。多分。うん」
「・・・・先輩」
「うん?」
「先輩は、今――幸せですか?」
「・・・・・」
僕は黙った。
なんと答えて良いかわからず、後輩の真意も窺い知れない。 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:38:08 ID:Yzy+dAPl<> 「貴方はこの境遇に満足ですか?貴方を取り巻く人間関係に安息はありますか?この先が平穏であると
思えますか?」
「お、おいおい。どうしたんだよ、急に」
「答えて下さい」
「そんなこと云われても、よくわかんないよ」
僕は首を振った。
確かに織倉先輩と云い、綾緒と云い、最近は何か変だ。
前のような気軽さは、雲散霧消してしまったと云って良い。
出来るならば以前のような気の置けない優しい先輩と良く出来た妹分に戻っては貰いたいが、それは
無理だろうと確信できる。
「皆、どうしちゃったんだろうな・・・」
応答するかわりに、そんな愚痴をポツリとこぼした。
「好むと好まざると環境は変わるものです」
一ツ橋はソファから降りると、僕の前にやってくる。
「どうぞ」
そして僕の手に何かを握らせた。
それはテーブルに置かれた黒い箱とは違う、正真正銘用命本物の御守りだった。
「これは?」
「見ての通りです。最近不幸続きのようなので差し上げます」
少し驚いた。
僕の知る限りでは一ツ橋朝歌という少女は、アニミズムやアニマチズムと云ったものに無縁だったはず
だ。こういったものは分析の対象でしかなく、信仰することなど、今まで一度もなかったのだが――
(いや、それはともかく)
「なあ、一ツ橋」
「何でしょうか?」
「僕の目がおかしくなければ、これ、『安産守り』って書いてあるんだが」
「お約束は大事かとおもいまして」
表情を変えずに淡淡と云う。
「どうせそんなものは気休めです。ならば何でも良いでしょう」
「それはそうだが・・・」
僕が肩を竦めると一ツ橋はこう云った。
「ひとつおまじないを教えます」
「おまじない?」
「はい。おまじないです。もしも先輩が絶体絶命の危機に遭った時――その御守りを思い切り握り潰し
て下さい」
「は?握りつぶす?」
「はい。思い切り。御守りには、木片が入っているのですが、それを破壊して下さい」
「おいおい、罰当たりだな。壊すとどうなる?」
「運が良ければ――天佑神助があるかもしれません」
「御守り壊すようなことをして、助けがあるのか?」
「運が良ければ。まあ、頭の隅に入れておいてくれればそれで良いです」
云うだけ云うと、後輩はくるりと背を向け、キッチンに歩いて往く。
「お、おい、一ツ橋?」
「晩御飯作ってあげます」
体躯に不釣合いなエプロンを掛けて云う。
僕は首を傾げて“安産守り”を見つめた。
(天佑神助・・・ねぇ)
頭を掻きつつ御守りを身につけた。
ちなみに、後輩の作った晩飯は、思いのほか美味しかった。

「昨日は申し訳ありませんでした。兄の君に御仕えする身でありながら、本分を全うすることが出来ず
に引き返すことになりまして」
翌早朝。
僕は玄関で綾緒と対面していた。
普段は和装に身を包んでいるはずの従妹は、登校前だけあって制服姿である。
綾緒は訪ねて来るなり前述の言葉を口にし、深深と平伏した。
「いいから体を起こしてくれ。制服が汚れちゃうよ。髪も――」
「いいえ。綾緒はにいさまの御世話を仰せ付かった身です。それが果たせぬのですから、罰を与えて
頂かないと申し訳が立ちません」 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:40:48 ID:Yzy+dAPl<> 昨日、貧血で帰したことを気に病んで態態謝罪に訪れたらしい。
帰したのは僕だし、体調不良は仕方の無いことだろうに、従妹は酷く気にしている様子だった。
「と、とにかく体を起こしてくれ」
半ば無理やり起き上がらせる。
立ち上がった綾緒は、当然のことだが砂埃で汚れていた。
「あああ、やっぱり」
パタパタと叩く。
高価そうな制服と綺麗な長い黒髪が砂まみれだ。
「にいさま」
叩く手を綾緒が制した。
「綾緒の穢れなど、どうでも良いことです。それよりも――綾緒に罰を与えて下さいませ」
「は?」
罰?
罰って何だ?
「綾緒、お前、別に悪いことをしていないだろう?」
少なくとも、昨日の件に関しては。
「いいえ。妻としての務めを果たせなかった事のみが総てです。どの様な理由も云い訳にすぎません」
妻。
その言葉に一瞬身を硬くする。
が、敢えてそこは無視した。
「罰なんていらないよ。ほら、汚れを落とさないと――」
「にいさま」
綾緒は強い光を湛える瞳で僕を見つめた。まるでこちらが悪事を咎められているかのように錯覚する程
の視線だった。
「にいさま、けじめをつけて頂かなければ、綾緒は前に進めません。どうか綾緒に罰を」
「・・・・」
僕は押し黙る。
たかだかあの程度のことでどんな罰を与えろと云うのだ。
「にいさま、御願い致します」
綾緒は再び頭を下げる。
「でも・・・どうしたらいい?」
「にいさまの御心のままに。なさりたい様にして下さいませ。綾緒の肉体は髪の毛一本から爪の先まで
総てにいさまのものです。どのようにされても、綾緒は満足です」
「そんなことは」
したくはない。
たとえば、本当に綾緒に非があるのならば『罰』を与えることもあるだろう。
けれど、昨日の件に関しては非があるとは思えない。
そんな状態で与える罰は、唯の暴力になりはしないか。
(承諾できるわけが無い。――でも)
このままでは綾緒が納得しないだろう。
だから僕は、
「わかったよ・・・」
そう答えた。
『とりあえず』綾緒の望むままにしておく事が一番良い。
軽く小突けばそれで丸く収まるのだから。
頬を張ろうとして手を上げる。
「にいさま」
手を上げたままの僕を従妹は真っ直ぐ射抜く。
「綾緒に手心加えるような真似はなさらぬよう、御願い致します」
「――」
見透かされている。
いや、釘を刺されたのか。
いずれにせよ、これで手加減は出来なくなった。
(・・・・仕方、ない・・・よな)
僕は歯を食いしばって手を薙いだ。
パチン、と高い音が響き、従妹の身体がぐらりと揺れる。
「あ、綾緒、大丈夫か!?」
慌てて肩を掴んだ。
細い肩を支えて見る従妹の頬は赤く赤く腫れていた。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/07(金) 23:42:10 ID:5hg+lbWc<> 支援。 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:43:17 ID:Yzy+dAPl<> それなのに。
「ふ・・・ふふ・・・」
どうして。
この従妹は笑っているのだろう。
自らの頬を撫で、恍惚とした表情を浮かべている。
「この痛みは、綾緒だけのもの・・・。にいさまが刻み込んでくれた肉の証・・・」
熱を持った吐息と澱んだ瞳。
「にいさまァ、もっと、もっと綾緒にお仕置きして下さいませ。綾緒は、にいさまに与えられる総ての
ものが愛おしいのです・・・」
支える肩越しにふるふると振動が伝わった。
まるで、悦びで打ち震えているかのように。
「“罰”はこれで終わりだ」
僕は手をどける。
「残念、です。でも、にいさまがそう仰るのであれば」
今だ頬を撫でながら従妹は首を振った。
「ところでにいさま」
「ん?」
表情を普段のそれに戻しながら綾緒が問う。
「昨日、綾緒が去った後ですが・・・この辺り一体で電波障害でもありましたか?」
「電波障害?いや?そういう話は聞いていないけど。どうかしたのか?」
「いえ。明朝先程の謝罪に参ります、とお伝えしようと思ったのですが、電話が繋がらなかったようで
すので」
「・・・・」
一ツ橋の『御守り』。
僕は即座に了解した。
あの直方体は本当にジャマーとして機能していたということか。
僕は「よくわからない」とお茶を濁した。
なんとなく、一ツ橋とでも二人きりで逢っていたと話すのはまずいような気がしたのだ。
従妹は「そうですか」と首を捻って、すぐに顔を上げる。
「にいさま。綾緒がここへ来たのは、謝罪のほかにもう一つ理由があるのです」
「何かな?」
「実は、にいさまに差し上げたいものがあるのです。それで、本日御時間を頂きたいのですが・・・」
時間?
「放課後って事だよな?」
綾緒は制服姿であるし、これからということはないだろう。
「はい。授業の後で。綾緒が迎えにあがります」
「それは構わないけど、一体何をくれるんだ?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
すると、従妹はとても嬉しそうな顔をした。
どこか危うさを感じさせる、歪んだ笑み。
「それは・・・、まだ聞かないで下さいませ。ですが、それはにいさまの身体にとってとても良い事
となりましょう。それだけは約束できます」
「・・・・・」
耳の手術でもするのだろうか?
(それはないか)
何にせよ、“この状態”の綾緒は危険な気がする。
僕が答えあぐねていると、従妹は危うさを消した笑顔でこう云った。
「にいさま、車を待たせておりますのでここで失礼致します。すぐに迎にまいりますので、校門で
待っていて下さいな」
深深と腰を折って、綾緒は立ち去って往く。
その姿に、僕はどうしようもない不安を覚えた。

そして放課後になった。
宣言通り綾緒はすぐに遣って来て、僕を車に乗せた。
黒塗りの高級車。
楢柴家の私物だ。
母方の血筋が血筋なので、こういった車に乗ることは初めてではない。
けれど何度乗っても落ち着くことが無い。
生まれながらの小市民の僕には、横にいる従妹のように悠然と座ることは生涯出来ないだろう。 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:45:28 ID:Yzy+dAPl<> そんな気持ちを落ち着かせるためか、或は朝見た従妹の笑顔に恐怖したせいか。
僕は胸のもやもやを無視するために、綾緒に話しかけた。
「なあ綾緒、これから一体どこに往くんだ?」
「病院です」
従妹は微笑したまま答えた。
澄んだ声には淀みが無い。
「病、院?」
声が引きつった。
何でそんなところへ往くのだろう?
あまり良いイメージのない場所なのだが。
「にいさまに差し上げるものは、そこでないと受け渡しが出来ぬものなのです。隣街の病院ですが、
そこは楢柴のお抱えです。規模も設備も保証致します」
「いや・・・・。規模とか設備とかはどうでも良いんだけど、何を渡すつもりなんだ?」
嫌な予感がする。
「”いいもの”ですよ。ここ数日、にいさまの御世話を満足に果たせなかった理由もそこにあるので
す。綾緒が体調を悪くしていた理由でもありますが」
「体調って、貧血のか?それはどういう・・・」
僕が云いかけると、綾緒は人差し指を立てて僕の口に当てた。
「内緒です。すぐにわかります。楽しみにしていて下さいな」
従兄を黙らせた綾緒はその人差し指を今度は自分の唇に押し当てて片目を瞑った。

病院へ着いた。
楢柴のお抱えと云う言葉は本当だったようで、医師も看護士もその他の従業員も、従妹の姿をみとめる
と丁寧に御辞儀をした。
頭を下げられ慣れているのだろう。
綾緒の対応は鷹揚で、貴種の貫禄があった。僕などは終始落ち着かず、“半歩後ろにいる従妹について
往く”ような歩き方だったろう。
だから院内をきちんと見ているゆとりもなく、周囲の通路に人影と明るさが無くなって、初めて地下に
来たことに気づいた程だ。
「なあ、綾緒」
コツン、コツンと足音が響く。
「何で御座いましょう、にいさま」
しずしずと歩く従妹に足音は無い。これも作法なのだろうか?
「随分寂しい所へ来たけど、どこへ往くんだ?」
「無論、受け渡し場所です」
従妹は口元だけ笑っている。
能面のような冷たい笑い方。
蛍光灯の明かりは細長い通路を照らすには力不足で、非常口の案内が陰鬱に輝き目立っていた。
後ろを振り向いても人影は無い。
叫べば響くだろうが、外に届くだろうか。
僕らは暫く無言で歩いた。
時間の感覚が孤独で狂い、どの程度歩いたかは判断できない。
「にいさま、こちらです」
無個性で静かな扉がそこにあった。
綾緒はそれを開き、僕を誘い入れる。
「暗いな」
部屋の中に電気は無かった。
妙に心細い。
「明かりをつけますね」
従妹の声が薄闇に響いて、蛍光灯独特のタイムラグの後、暗くて白い明かりが室内を満たした。
「・・・ここ、は・・・?」
ブウウウウウンと機械の唸り声がする。
壁が扉になっていて、そこから唸りは聞こえているようだ。
「にいさま、どうぞおかけになって下さい」
にこやかに云う。
広い室内の真ん中にはポツンと椅子が一個だけ。
しっかりした造りの背もたれのついた椅子だった。
(こんなど真ん中にあるのに、気がつかなかった)
雰囲気に飲まれているせいだろうか。 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:47:50 ID:Yzy+dAPl<> 勧められるまま椅子に座る。
「支度致します。にいさまはそこに掛けていて下さいな」
綾緒は僕の背後に廻る。
そして。
「え」
ガチャリ。
金属と金属が結合する音が聞こえた。
「あ、綾緒・・・・これは・・・・!?」
手に。
足に。
僕の身体に、何かが嵌められていた。
四肢は椅子にしっかりと固定され、動かすことが出来ない。
「お前・・・何を?」
冷や汗が出る。
従妹はニコニコと笑ったまま、腰にもベルトを廻して固定した。
「御無礼。急なことで驚かれたでしょうが、不意打ちのほうが、にいさまも喜ぶかと思いまして」
(喜ぶ?何を云ってるんだ!?)
怖くなった。
カチカチと歯が鳴る。
「約定の通り、にいさまに贈り物を致します」
「な、何だ?と、とにかくこれを外してくれ・・・・っ」
叫び声に近かったと思う。
聞こえているはずの綾緒は、満面の笑みを浮かべて僕を見ていた。
「にいさま。美味しいワインの造り方って御存知ですか?」
ワイン・・・?
何云ってるんだ!?
「製法その他、色色ありますが、一番重要なのは良質の葡萄どうしを掛け合わせて良い葡萄を確保する
ことなんです」
理解できない。
何だ、これは。
「ですが、良質の葡萄どうしを掛け合わせていると、やがて品種は劣化するんですよ。そんな時、野山
の葡萄と掛け合わせると、品質は元に戻るそうです。猟犬なんかもそうですね。良血どうしでは血が先
細りをするので、狼と掛け合わせるんです」
どうなってる・・・・!?
一体どうなってるんだ!?
「人間もそう。高貴な血ばかりで家を成すと、弱い子が生まれやすい。そういった意味で、雑種に手付
けをして出来た子は血を引き締める意味で必要なんです。将軍家や天皇家などに新しい血が入るのは、
この要領ですね。雑種はそうやって役立てるんですよ?」
「あ、綾緒?何云ってるんだ、お前」
「にいさまの母さまは、そういった意味で役には立ったと思います。高貴な楢柴の血を否定し、低劣
な下下の血を混ぜたことは許し難いのですが、遺伝上の必要悪と考えれば我慢できなくもありません。
なにより、にいさまを産み落とした功があるのですから」
心臓が鳴る。
何か、まずい。
「綾緒はにいさまを好いています。下賎の血が混じっているとしても、愛しく思います。新たな血を
入れる意味でも、にいさまと結ばれることは必要であると自覚しています」
ですが。
綾緒は表情を歪める。
「その一方で、楢柴宗家の長女たるものが、下劣な血を受け入れることには抵抗があるのです。にいさ
まだって、本当は楢柴の純血で生まれたかったでしょう?その無念、痛いほど解ります」
そんなこと、思ったこともない。
綾緒はなにを云ってるんだ。
「だから綾緒は考えました。どうすればにいさまに喜んで頂けるか。どうすればこの撞着を昇華出来る
か、と。それで、答えが出たのです」
ブウウウウウウン。
唸る機械に綾緒は近づく。
そして、扉を開けた。
「な・・・」 <> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:50:19 ID:Yzy+dAPl<> 僕は目を見開く。
開放された空間の向こう側から流れ出る白い気体は、冷気。
機械は、冷蔵庫のようだった。
「お前・・・それ・・・・」
赤。
白い世界の中に配置されているのは、よく知った赤だった。
「      血      ・・・・・   なのか・・・・・     」
そこに保存されていたもの。
大量の、血液。
「ある時期から、綾緒は少しずつ少しずつ、自らの血を抜きました。正真正銘、純度100%の綾緒の
血液です」
「まさか・・・これ・・・・」
「それでも血が足りませんでした。ですからここ数日は、かなり強引に採血したのですよ。貧血でにい
さまの御世話が出来ませんでしたが、それは総て、にいさまの為に」
「お前、まさかそれを僕に・・・・!?」
「はい」
従妹はニッコリと笑った。
夜叉のように笑った。
「これからにいさまに流れる不浄の血を総て捨て去ります。そして綾緒の血をにいさまに流すのです。
にいさまはこれから、綾緒の血で生きて往くのです。それなら、穢れた雑種の血も気にならないでしょ
う?」
「う、あ・・・」
身体が震えた。
そんなこと、おかしいだろう・・・!
「今回は血液のみですが、往く往くは、皮膚も綾緒のものに張り替えて差し上げます。少しずつ、にい
さまは綾緒と同じものになって頂きます」
「・・・・ひ・・・・・」
怖い。
綾緒が怖い。
僕は恐怖で悲鳴も出なかった。
綾緒は“自分になって往く”従兄を想像しているのか、恍惚とした笑みを浮かべていた。
「ふ・・・ふふ。にいさまが・・・綾緒と同じ血を流す・・・・」
従妹は自らの肩を抱き、ぶるぶると震えていた。
「あまりはしたない表情は見せられませんね」
熱い吐息のままの綾緒はそう云うと鞄に手を入れる。
取り出されたものは――能面。
『生成』(なまなり)
そんな名の。
綾緒は震える手で能面を装着する。
般若面に似たそれは、『人が化け物になる過程を表した』面である。
生成と云う呼称自体、“変わりかけ”であることを示している。
「ふふふ・・・にいさま。綾緒と同じものに変わって下さいませ」
仮面越しに籠もった声は、いつもの可憐な従妹のそれではなかった。
「や・・・やめてくれ・・・・」
呻吟は恐怖で掻き消され。
助けを呼ぶことも出来ない。
目の前が真っ暗になった。
生成の女は、歓喜に打ち震えた笑い声でにじり寄った。
<> ほトトギす
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:52:27 ID:Yzy+dAPl<> ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ここ最近、日ノ本くんが冷たい。
お昼に誘っても。
部活に呼んでも。
なにかと理由をつけて去ってしまう。
「ねえ、朝歌ちゃん。どうすれば日ノ本くんはこっちを見てくれるかな?」
目の前で本を読むつまらない女に声を掛ける。
どういう風の吹き回しか。
今日はイヤホンを付け、何かを聞きながら読書している。
(どうせクラシックか何かだろうな・・・)
クラシックは私も好きだけど、この女が聞いていると思うと途端につまらなく感じるから不思議だ。
無表情な女はちらりとこちらを一瞥し、
「知りません」
と答えた。可愛くない。
「私の想い、届いてないのかな?」
「そうでしょうね」
目を閉じながら余計な相槌を打つ。
本当に空気を読まない嫌な女だ。
「貴女はもう少し建設的なことが云えないの?」
「冷静に事物を見ることは、建設的意見を出す上で必須です」
「相変わらず口だけは達者ね。じゃあ何かアドバイスしなさいよ」
私がそう云うと、一ツ橋朝歌はつまらなさそうに立ち上がる。
「今日は帰ります」
なんて一方的なのだろう。この娘に社交性はないのだろうか?
「adviceですが」
急に立ち止まる。
背を向けたままで淡淡と。
「想いが届いていないと部長が云った通りです。唯の世話焼きな先輩だと思われているだけ、と認識
してみては如何ですか」
本を小脇に抱えた一年生は、云うだけ云って、さっさと去って往く。
「何よ、それ」
誰もいない部室で私はソッポを向いた。
「でも・・・一理あるかも」
考えてみれば、きちんと日ノ本くんに想いを伝えていないのよね。
でも、口に出しても彼は本気に取らないかもしれない。
「本気・・・・本気か・・・・」
そうだよ。
「なんでこんなこと、気づかなかったんだろう?」
私が本気で彼を好いているって、わからせてあげれば良いんじゃないか。
でも、どうやって?
本気だって。
命がけだって、わかって貰うにはどうしたらいいだろう?
「命がけ・・・命、か」
それを証明すればいい。
愛は命よりも重いって、わからせてあげればいいんだ。
「そうだ。そうしよう。それがいい!」
私は立ち上がった。
真剣さを見せてあげれば良いって気づいたんだから。
私は笑っていた。
笑いながら、叫んでいた。

「鳴かぬなら ×××しまおう ホトトギス」 <> 無形
◆UHh3YBA8aM <>sage<>2007/09/07(金) 23:54:58 ID:Yzy+dAPl<> 投下終了です。
血液云々ツッコミ不要。
連投はどのくらいで引っかかるのか、ご存知の方、御教示いただければ幸いです。
支援の方、多謝。

では、また。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 00:20:19 ID:+rsaJEMj<> リアルタイムGJ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 00:25:30 ID:Lp76dwk2<> >>659
GJ!
一ツ橋可愛いよ一ツ橋 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 00:43:18 ID:vsObBBNj<> ヤッベェ、GJ!
キャラも理屈もストーリーも素敵だ!
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 01:02:41 ID:mwVlETsp<> ワインのこととか全然知らないから少しだけ賢くなった気がする。
一ツ橋、まさか電波障害を引き起こすブツまで持ち出すとは。
綾緒VS先輩だけじゃなく、綾緒VS一ツ橋という展開まで脳裏に浮かんできたぜ。GJ。

今まで「ずっと綾緒のターン!」という雰囲気だったが、ここから先輩がどう巻き返すのかにwktk

<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 01:15:33 ID:+mPiii0V<> GJ!
綾緒KOEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!
織倉先輩の反撃や朝歌の動向、伏線っぽい御守りなど気になることが多くてwktk <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 02:15:02 ID:1vpMhIfZ<> 今週の綾緒↓

 _ _               __
 |主 | 、ノ | --|- ヽ/// ,フ_   |ニ|ヽヽ.ノ ┌┼┐ノ十ノヶ┐斤_.斤           「!
. llll亅|/ヽ l, 丿 フヾ.ヽ c_,ノ ノ 亅|.メ | | ,人亅.ー|‐ノノ亅 |三| つ ・・・・・・・・・ o
      ̄       ’ ̄ ̄           ̄            ´ `
                     ,. -─- 、
                   /./ ̄\  ヽ._ -‐ 、
                  ノ./ー- 、  \_,. -‐- 、  i
                 /./' 、  `ヽ:、\__,. -‐ u ! ! β-エンドルフィン
                / /  | \   !}  v v ,. -=キ十      ……!
  チロシン……!     ,. - .ヽ.  !  ヽ、 |! u  /'´_v| |
                   | ,.‐、| |uヾ:ヽ. o }|`ll ;∠-‐'' ̄,ラ | L_
              | |‐、| | /|ヾミ三シ/ ハ o  ./;; | /ヽ.}
. エンケファリン……! | !._,| | |∧ \_ノ } }u゙ミ三彡'  |./V./
               ,ノ`ー|/ |∨ヽ、l  / .ノ   =' ノ| |l‐//
             ,∠.-┐〈   N\/`\| {__ノ__,/l/! /'ー ' |
        __ ,r(ノ  / |  |  U∨ /ヽ/ゝ-1__|_」/l/〈 ,イ\|  バリン…!
.  /r'⌒`ー-'   ヽ. ,' |  |   U`ー、/ 7~゙|__.|_」/J'/ | |  \
. /  ) キキキ    )   |   ヽ、u   _ ̄ ̄  v' / )、|
/  (    ……!( l  |    | `ヽ、  ̄ ̄ ,. ‐i´  ,ノ  ` 〜〜〜 、
     ` ー-''⌒ ー- 'l.   ||    ト、  \__,. ‐'´  |   {  ククク…  )
  リジン     │   ||   |ヽ\     r‐;'ニ|   `i ー-〜ー--‐'
   ロイシン   |.    |   |ノ' \ヽ._ ノ.ノ| | ト   |  |
     イソロイシン……!   |ゝ'  `Y-‐'´フノ|ノ |  |.  |    <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 02:26:34 ID:u35E/sly<> 超GJ!!
これでもし綾緒VS織倉の末、朝歌が漁夫の利を得るとかだったら最高だなw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 03:16:48 ID:X4zgcvxJ<> 歴史と立場が逆なのにワラタ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 03:19:23 ID:FGsx7jWt<> GJ!
一ツ橋が愛おしくてたまらない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 05:28:04 ID:GcsJDu7L<> 無形氏の別の作品だと朝歌入院してるけどこの先大丈夫なのかw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 06:27:20 ID:o9ZlKoi7<> GJ!!!
個人的に先輩は二人と対峙したら瞬殺されてしまいそうだな。

朝歌が最終的に勝つに5万エジプシャンポンド <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 10:27:44 ID:jsisjx2m<> お見舞いに鉢植えとは・・・・

嫌味な子っっ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 12:39:57 ID:8BjkX/XD<> >>659
乙。

板設定みるとtimecount=10,timeclose=8なので、
最新10レス中に同一IPからのレスが8あれば、それ以降がブロックされる筈。

間違ってたら指摘よろ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 13:31:11 ID:I+GmbIOk<> >>671
こういうこと書いていいか分からないけど、油点草でググルと面白いかも <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 15:38:34 ID:LI1IfScd<> 今日の新聞のテレビ欄を見て
ヤンデレ?と思ってしまった
本当に病んでるな俺 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 16:54:36 ID:IGkFh+8T<> 朝歌いいよいいよ!

キモ従姉妹とキモ先輩を出し抜いて兄貴分を(σ´∀`)σゲッツ!!して欲しいぜ <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/08(土) 19:51:41 ID:sDGsGi85<> ヤンデレ≠ヤレデキ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 19:55:24 ID:5FQDTC5v<> 朝歌を長門で脳内イメージしてる俺は負け組みどころでは済まされない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 21:28:22 ID:xPVy4eah<> >>674 俺だけじゃなかったんだな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 22:05:30 ID:Apaf8lIa<> セリフと描写しかないのに、セリフばかりで繋げようとしている。
漫画でいえば、ふきだし文字ばかりで絵がほとんどない漫画、よほどの大御所でもなければ読んでくれません。
逆に絵だけの漫画、相当の技量がないと理解されません。いつもバランスが大事です。

特に小説は描写が重要。
描写でキャラの容姿も、立っている風景も、その動きも表し、小説の中に世界を現さなければなりません。
あと、ト書きとセリフだけで出来ている「シナリオ」とは根本的に違うので応用してはいけない。鉄則だそうです。 <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/08(土) 22:15:10 ID:2JzWWmBf<> ぷ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 22:15:23 ID:3nraM7pU<> どこの誤爆ですか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 22:34:44 ID:U/4/7Mu0<> >>680
ageるなよ
かわいそうに <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 23:32:21 ID:p5FWkfnj<> >>669
ちなみに何て作品? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/08(土) 23:47:10 ID:Lp76dwk2<> >>683
キモ姉・キモウトスレの作品
後は自分で探してくれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 00:18:37 ID:3TvPNAt9<> おお、ほトトギす来てたのか。しかも俺の誕生日に。
作者GJ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 03:40:27 ID:5tZfHAEU<> >>679
まぁ、作者に嫉妬してるんだろうが…きもい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 06:02:35 ID:3TvPNAt9<> >>679
うーん、完全に間違いでもないが、やっぱりズレた意見だな。
普通に紙媒体とか、自分のHP上でやるなら良いけど掲示板上で地の文章長々書いてるとかなり読みにくいよ。
そんで地の文章ってのは、読み手の意識からしたら「重い」或いは「遅い」んだよ。(一人称なんかを入れると若干変わるけど)
逆に台詞文なんかは「軽い」「早い」に分類される。
だからどう読ますか、読んでもらいたいか、によって意識的に会話文、地の文章の量を調整するのが普通。
つねにバランスよくってのは、なんらかの意図がない限り意味がないよ。

あとやろうと思えばト書きと台詞だけでも小説は出来る。
泉鏡花とか読んでみ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 09:40:57 ID:CruRH7HA<> 構うなよアホ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 14:34:24 ID:UVMH7+HR<> >>659
(*^ー゚)b グッジョブ!!
綾緒可愛いよ綾緒(*´д`*) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 16:26:41 ID:hL3OqY4V<> シリアスもいいけどコメディ・ラブコメのヤンデレって読んだことないから読んでみたいな
ヤンデレだからどうしてもシリアスの数が多くなるのは仕方ないんだろうけど
・・・ってか、そんなヤンデレだったらもうヤンデレじゃないかな?

新参で、保管庫読み始めたばっかりだから
もし保管庫にあるのなら、すまない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 17:34:43 ID:g+PJVKfP<> 新参とかは関係ないと思うが
読みたい読みたいと催促するんじゃなくて
自分で書いてみたらどうだ?

文才がない、国語力がないとなげきながらSS師に催促するよりは
下手でも投下したほうがよっぽどマシだと思うぞ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 19:11:57 ID:hL3OqY4V<> あー、確かに催促してるように取れるな・・・
そんなつもりはなかったんだが

ちょっとしたネタのつもりで書いたんだが
気を悪くしたなら申し訳ない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 20:34:11 ID:d/dpkZWx<> そんなあなたにVIPの新ジャンル「ヤンドジ」
男をおもうあまり数々の策を弄するが全て裏目に <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 22:30:40 ID:IhhpqxtH<> >>693
え?立てたのかよ!!ちょっと見てくる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 22:34:45 ID:IhhpqxtH<> ・・・・・・俺のはやとちりか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/09(日) 23:21:02 ID:D+pJAYh3<> 俺も探した。
もし、まとめが有るならURLキボン <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 00:26:27 ID:3oK3dwY3<> ヤンドジは一応このスレ発祥だし、他で見たことはないなあ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 00:59:59 ID:hzU/pYC1<> VIPPERなんてみんな死ねばいいのになあ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 01:09:23 ID:vxSwba0n<> だってあの人を叩くんだもん……
そうだっ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 17:18:08 ID:lf5W+Ff4<> 死ねとかSS以外で言うなボケ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 18:43:11 ID:3oK3dwY3<> ちょっと年齢層が心配になってきたよねこの板 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 19:36:54 ID:mZzpBbTH<> だから以前に「中学生は早く寝ろ」的なレスしたんだがなぁ
スクデ効果かな? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 19:40:34 ID:0wAdM6P0<> あのレスはただ雰囲気悪くしただけだから <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 19:47:55 ID:zEbOG76x<> どうでもいいけど
スクールデイズの略称はスクイズであって
スクデイではない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 20:46:00 ID:3oK3dwY3<> スクミズデイダラボッチだよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 20:50:02 ID:D+mI1zNT<> 三角スレで暴れてた基地害が暇だからと言ってこっちにも来てしまったか、、やれやれ。
書き込みすんな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 21:52:48 ID:stzXT6KH<> ヤンデレ大全のせいだったりしてな
それでバカがVIPから流れてくるとか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 22:45:00 ID:z8zBDoJ5<> VIPは玉石混交だぞ。エロパロ板ではお目にかかれない職人もいる。
こういうのとか。
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader4/index.php?file_id=0000019394.txt <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/10(月) 23:51:11 ID:5T/nuVuI<> どうでもいいがVIP関連の新ジャンルやらなんやらは

【総合】新ジャンルでエロパロpart2【混沌】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185291735/

があるんだからそっちでやってくれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 00:19:38 ID:wjVInbfy<> 三次元のヤンデレってあんまし萌えるものじゃないけど。
昔テレビで死んだ彼女の霊が昔付き合ってた彼氏の彼女に嫉妬して暴れたって話しあったな。
祈祷師?さんが分かってあげてとか言ってたけど、結局最後まで納得せず泣きながら天国に行ったけどね。
どうやって成仏させたかは忘れた。あとこれってヤンデレ?

スレ汚し?スルーしてくれ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 01:04:32 ID:90B9z61i<> 彼女をじわじわ追い詰め発狂させ、邪魔者を排除した後男の娘に転生
「おとうさんはだれにもわたさない」


だったらヤンデレ <> ヤンデレに強い男がいてもいい気がするんだ<>sage<>2007/09/11(火) 01:25:48 ID:paVKLfEs<> >>690

「お・に・い・ちゃ・ん♪」
我が妹が自慢のツインテールを揺らしながら近づいてくる。
彼女の手には何の変哲も無い掃除機。
「徴収の時間で〜す♪」
某L5を煩っているとしか思えない目付きで俺のアソコを掃除機で吸い始める。

ギャグ風味って…なんか違うな… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 01:36:42 ID:dyRP2ZGT<> >>690
さよなら絶望先生がオススメ <> 彼女の異常な愛情<>sage<>2007/09/11(火) 03:58:47 ID:GIgzSs4/<> コメディ・ラブコメでちょっと試作
処女作なんで一応注意してくれ
んじゃ、投稿する <> 彼女の異常な愛情<>sage<>2007/09/11(火) 04:13:19 ID:GIgzSs4/<> ――この世界は狂ってる


そう確信したのはいつだったか。まだ毛も生えてない頃だったかな。
もちろん、下の毛だぜ?HAHAHA……おっと、のっけからこんなこと言って驚かせちまったか?
引かないでくれよ?…悪い悪い、自己紹介もまだ済んでないっていうのにな。
まずは俺のことを知ってもらうか。

俺は九条了輔。現役高校生、ぴっちぴっちの青春真っ盛りさ!
趣味はエロゲの根っからのオタク。特に好きなエロゲはそれちるだ。いやぁ、それちるはいいねえ…リリンの生み出した文化の極みだよ…。
それちるのポイントはな…え?んなこと聞いてないって?ちっ、いいじゃねえか、全く。忍耐が足りないぜ、忍耐が。
そんなことはいいからとっとと話せって?わかったわかった。話してやるよ。俺がこの世界が狂ってるって思う原因をよ。

それはな…俺の幼馴染の矢村美代子が異常なほど俺を愛してるからだ。…ちょ、ちょっと待て、拳を治めろ。
何がただの惚気じゃないか?だ。いいか、これだけ聞くとそう思うかもしれんがあいつの愛は尋常じゃないんだよ。
それをわかってもらうために今から俺とあいつのエピソードを話してやるから。
だから、椅子を振り上げるな、お願いします。惚気じゃありませんから、いや、マジで。

まずは美代子のことを紹介してやるよ。お前も知っての通り、同じクラスの矢村美代子だ。ほら、さっき自己紹介してただろ?
ちょっとダウナー系の、髪が黒い…そう、そいつ。美代子は顔はいい、頭もいい、運動神経もいい。これだけだとアイドル並だろ?
実際顔はそんじょそこらのアイドルには負けないだろうな。だけどだ、美代子の異常なところは性格だ。え?そんな風には見えないって?
そりゃそうだろ。あいつ普段猫被ってるし。実際は腹黒でラブサケデリコなエキセントリックな性格なんだぞ。
くそ、あんな性格じゃなければ俺も好きになったのになぁ…。何変な顔してやがんだよ。まぁ、それはいいとしてだ。
俺が始めて美代子のことを異常だと思ったのはだな、小学2年生のときだったな。

そんとき、俺は飼育係をしてたんだ。昔は生き物係っていってたよな。
そういや、今いきもの○かりっていうアーティストが…はい、どうでもいいですよねー。んで、俺んとこのクラスはウサギを飼ってたわけだ。
ほら、あの白いまるまる太ったもふもふの。そうそう、それよ。そのうちのクラスで飼ってたウサギを俺は大層愛してたんだぜ。
担任から了輔君はいつも面倒見て偉いわねえ、なんて言われるくらいに溺愛してたわけだ。ってか、俺以外に世話する奴いねえんだもんよ。
皆サボりやがってさ。あ、美代子は違うぜ。あいつは保健係。あれ、保健係っていったっけ…?ま、それはいい。それである日事件が起こった。
それが俺の恐怖の毎日の始まりでもあったわけだが。

ある日の早朝、ウサギ小屋に向かってたんだよ。
何でかっていうと、他の生徒が登校しない間にウサギ小屋の掃除と飯やりやるためにだ。
これも俺一人。本当は生き物係全員でやらないといけないんだけどな。
その当時、ウサギ大好きだったからそんな苦じゃなかったからいいけど。
とにかく、俺は向かってたわけだ。んで、学校に着いてウサギ小屋に向かったのよ。
そんな大してかからずウサギ小屋が見えたね。でも、ちっとだけいつもと違った。
小屋の前に美代子がいたんだわ。最初見たときはそんな変な感じはしなかったね。
あれ?美代子ちゃん生き物係じゃないよね。何でここにいるんだろ。あっ!もしかしたらウサギ見に来たのかな。それだったら嬉しいなあ、みたいな感じ。
結局そんなのも打ち砕かれるわけですけどね。でも、近づくに連れて違和感がこう、むくむくーって出てくるのよ。
いつもの美代子と違うのよ。服装はもちろんなんだけど、雰囲気っていうかオーラっていうか。
今の俺ならわかるけどね。それを俺は覚醒モードと名づけた。 <> 彼女の異常な愛情<>sage<>2007/09/11(火) 04:16:45 ID:GIgzSs4/<> そう、あいつはオーラ○トラーだったのだ!…はい、すんません。ふざけないからグーはやめて、せめてパーで。
決定打だったのはあいつがナイフを持っていたってこと。しかも血塗れのだぜ?ありえねえよ、お前どこの殺人鬼だよ、って感じだよな。
そりゃ違和感感じて当然だっていう話。当然俺はナイフに気づいた時点でガクブルの状態。その場から一歩も動けないわけ。声も出せなかった気がするね。
でも、美代子はこっちに気がついちまったわけ。俺泣きそうだったと思う。つか、ちょっと涙目だったかもしんね。しかも、あいつさ、その後なんて言ったと思う?
満面の笑みでさ、俺におはよう♪だぜ?信じられるか?どう考えても何かやらかしちゃいましたって感じの奴が血塗れのナイフを持って自分に話しかける恐怖が?
プラス、これ以上ないって感じのスマイル。朝○に刺されそうになったキョ○の気持ちが俺にはわかる。うん、わかる。ちびらなかった昔の俺を褒めたい。
むしろ、褒めろ。キ○リー夫人とかマザー・○レサなんて目じゃないね、俺を褒めろ!…すまん、あまりの恐怖に取り乱した。
話を戻してだ。俺はなけなしの勇気を振り絞って、何をしてるの?って言ったんだ。俺偉い!でも俺馬鹿!今の俺ならできないな。子供の蛮勇ってやつ?
美代子の返答は、ウサギ殺してた♪って。今思うと、おいおい、ストレートすぎんだろ!○国でももっと上手に隠すよ!って感想。
当時の俺もどうやら同じ感想だったらしくてな、確か真っ青だった気がする。おっと、俺の蛮勇はまだ続くんだぜ?んで、なんで?って聞いた。
まぁ、当然だよな、気分でウサギ殺されてても困るし。さて、ここで問題です。この後美代子はなんて答えたでしょう。
正解者にはもれなく俺の物理的に熱い摂氏100℃のキッスを…あー、睨まないでくださいね、そこ。はいはい、わかったわかった。
正解はこのウサギが了輔君に好きだって言われたからだそうです。俺の記憶から抜粋しました。…な?ありえないだろ?俺がそんなこと言っただけだぜ?
そんとき、事件の前日に美代子にウサギ見せて俺こいつのこと大好きなんだー。お前も俺のこと好きだよなー、とか言った記憶を鮮明に思い出したね。
思い出しちゃった俺が憎い。返答に困ったからさ、適当に、そうなんだ…、とか無難に返事したよ。な、なにをするだー!とかは言えなかった。
ウサギにゃ悪いが俺も命が惜しいんでね。俺は奇妙な冒険ができるタイプの人間じゃないもんでな。まぁ、あの後ウサギは丁重に葬ったので勘弁してほしいところ。
んで、返答した後はとりあえず、逃げた。かといって、全速力でダッシュして逃げたんじゃないぜ?ぼ、ぼく先に教室に行ってるね的な逃げだ。
俺の本能がここで全速力ダッシュしたら○ェイソンばりに追いかけられるのは明白だと警鐘を鳴らしてたんでね。結局、付いてこられて2人で教室行ったんだけど。
まぁ、後は先生に任せようと思ったわけ。そんとき俺はまだこの世界の異常に気づいてなかったんだわ。いくらなんでもウサギ殺しが罪に問われないわけないだろー、ってさ。
そりゃ殺したのは動物だけど殺しは殺しだし。罪っていうか先生に何でこんなことしたのか事情聴取と説教ぐらいはされるだろ、ってな。
しかも教室に入っても美代子の奴、血塗れのナイフ握ってたし。怖くてとてもじゃないが注意なんてできなかったけどな。っていうか、改めて身の危険を感じてた。
ナイフ持った奴と誰もいない教室で2人きり、って殺人事件が起こってもなんら不思議がねえよ。ダイイングメッセージはどうしよう…とか現実逃避してました。
んで、時間が経って他の生徒も来るわけだ。そのときを俺はどれだけ待っていたか。この異常な状態に、さあ、気づけ!さあ、先生に言って来い!と胸を高鳴らせてたわけよ。
しかし、期待は裏切られるもので…いや、期待っていうか異常っていうのかな…。 <> 彼女の異常な愛情<>sage<>2007/09/11(火) 04:19:12 ID:GIgzSs4/<> 初めに美代子がナイフを握っているのに気づいた奴が放った第一声は、わあ、そのナイフかっこいいね!だったよ。
俺はあまりのことに奴(仮名・田中)の頭を疑ったね。田中、お前頭大丈夫か?と、それはそれは言いたかった。
怖くて言えなかったけど。お前はその歳にしてナイフフェチにでも目覚めているのかと。
それともお前の頭の中にはお花畑でも広がっているのか、と。困ったことに異常な事態に気づかなかったのは田中だけじゃなかった。
血塗れナイフを何の異常とも取らないのがクラス全員でしたよ。俺はあまりのことに笑った。
そりゃもう、竜宮○ナのようにな。何でこれが異常じゃないんだ。
お前らの家族は家で日常茶飯事的にバトルロワ○ヤルでもやっているのかと。…まぁ、それはいい。
こうなりゃ先生に頼ろう。先生なら大丈夫。俺は一縷の望みをかけて先生が来るのを待った。
…わかってはいたんだ、多分。先生も同じことだって。それでも…それでも希望を持ちたかったんだよ。
案の定、先生が言ったことは、こら、ナイフ学校に持ってきちゃダメでしょ、だけでしたよ。
血塗れに何のツッコミもねえ。もう笑うしかなかったね。
その後、ウサギのこと言ってみたけど、うふふ、可愛い嫉妬ね、とか。
は?あんたにはナイフぶっさすのが可愛いんかい!…それが俺の人生初のマジギレでした…。
そして俺の初恋が無残にハートブレイクした瞬間でもあったぜ…。
俺が世界の異常に気がつきはじめた日でもあるな。そんときはまだ世界に希望はあったんだけどなぁ。
まだ確信もなかったし…まぁ、それはいいよ、もう。


他にもな、美代子の異常なところは――っ!?


やっべえ!美代子の奴がすんげえ勢いでこっちに向かってきてやがる!だが、会わなければどうということはない!
急いで逃げないと…ん?わかるのかって?…俺だってわかりたくなんてなかったよ。
でも、身を守るためにはこういう能力も必要になるわけだ。人間とは進化の生き物なんだよ、チミぃ。
おおーっと、やべ、こうしてる間にもどんどん近づいてやがるぜえ!俺行くわ!んじゃな!
――っと、お前、名前は?あ、ちょい待ち。思い出すからよ。えーっと…確か、林神里子…だよな?
お、あってる?…よし、あってた。改めて、俺九条了輔!よっろしくな!話聞いてくれて嬉しかったぜ。サンキュ。
入学式からサボりなんてしたかねえけど、事情が事情だ。担任にはよろしく言っておいてくれ。
…おい、こら、クラスの連中そんなに見つめるな。こっちにはこっちの事情があるんだぜ。
仕方ないんだ。っと、頼むぜ、里子!んじゃ、また明日な! <> 彼女の異常な愛情<>sage<>2007/09/11(火) 04:19:54 ID:GIgzSs4/<> と言って彼は窓から飛び降りて行ってしまった。ここ2階なんだけどなぁ…あの元気があるところも実に了輔らしい。
ふふ、っと思い出し笑いをしてから胸ポケットから生徒手帳を取り出した。ただの生徒手帳ではない。
ここにはボクの大切な写真が収まっているのだ。開いて大事な写真を眺めた。
手帳にはボクの大事な大事な了輔の隠し撮りした写真を入れてある。一枚じゃないよ?
ボクは彼のことを何でも知っておきたいと思っているから彼の部屋の壁に盗聴器も隠しカメラも仕掛けてある。
その中の秘蔵のベストショットを10枚ほど入れてある。いつだって了輔と離れていたくないんだ。中学校時代は辛かった。
同じ中学校じゃないから会えないし、彼もボクのことを知らない。
ああ、前世から恋人同士のボクと彼が愛し合えないなんてこんな不条理があってよいのだろうか。
ふふ、まぁ、彼のことを研究するには良かったと思うけどね。それに高校からはずっと一緒だ。
学校側に金を渡して了輔と同じクラスにしたのはやはり正解だったな。こういうとき金持ちの家というのは便利だ。
だが、あの糞豚まで一緒だったのは誤算だったな。違うクラスにしとけばよかったか。了輔に付き纏うあの糞豚め…
いつもいつも了輔に引っ付きやがって…。おっと、いつの間にボクの傍にいたんだい矢村さん?ふふ、ボクに何か用かな?


「…貴女からは私と同じ匂いがするわ。…了輔君に近づかないで、貴女の臭い匂いがうつってしまったら困るから…」
「…ふふ、酷いなあ。いきなり。ボクは何もしてないよ?」
「…まぁ、いいわ。せいぜい頑張って私と了輔君の愛を燃え上がらせて頂戴…」
「…ふふ、矢村さんが何を言っているのかボクにはわからないよ」
「…………」
「…………」


『うわぁ、何だこの空気。…俺(私)このクラスでやっていけるかな…』 <> 彼女の異常な愛情<>sage<>2007/09/11(火) 04:23:29 ID:GIgzSs4/<> これで終わり
なんだが、やべえw読みにくい
何文字ぐらいでで改行すべきかわかんねえ

台詞が異常に少ないのは仕様です
ヤンデレとズレた気もする
内容がちょっと調子に乗りすぎた気もする
・・・まぁ、そこら辺は目を瞑ってくれ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 04:24:42 ID:d83gPdc6<> いやだね <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 08:17:15 ID:1JEPAmGN<> GJ!
なんか、新鮮な感じの作品だ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 14:11:19 ID:g9J9G25m<> GJ!了輔の性格がいいなw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 16:48:23 ID:ZCAb5na8<> 文章の視点人物がおかしい。もっと丁寧に書いてくれ。
戯言やハルヒの影響なのか、こういう文章がいいと思われて困る。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 17:16:51 ID:5KrkChPb<> >>723
よく来るね〜あんた。
荒らして「俺ってすごくね?」ってキモイ面でニヤけてるのが見えそうだ
と構ってみる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 17:24:59 ID:d83gPdc6<> 別に露骨に罵る事ないだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 17:50:05 ID:tcOuHdLG<> 構うと居座られるって。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 18:57:43 ID:GIgzSs4/<> ヤンデレ小説を読んでて、明確にヒロインの髪の色が描写されない場合黒色に脳内変換しちまうのは俺だけだろうか
言葉様の影響か・・・ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 20:41:40 ID:8TVjkAEa<> 色染めしてると自己主張強そうで、あまり病みそうにない印象があるな

すまんが、黒髪大好きな俺は描写があっても全て黒に脳内変換してる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 22:20:07 ID:g9J9G25m<> 基本的に日本人の髪色は全部黒として考えてる俺は勝ち組
つーか漫画じゃないんだから特に設定がない限りそれでいいと思ってる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 23:00:33 ID:IMt3F8jo<> 別にお前らのそういうポリシーはことさらどうでもいいよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/11(火) 23:49:43 ID:enNNVj51<> >>730じゃあ黙っててね、いつもの君 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 00:00:40 ID:LYxESuXl<> >>719
うーん。
パロディというより主人公がくどいというか、しつこいというか……
ネタはもう少し控え目な方がいいんじゃないかな
ヒロインの設定は悪くないと思うし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 01:56:09 ID:NHfY/dVV<> 軽めのネタを投下します。 <> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 01:59:20 ID:NHfY/dVV<> きょうわなおくんといっしょにおままごとおしました
なおくんがおとおさんでわたしがおかあさんでした
おだんごおたべたなおくんわおいしいおいしいといってくれました
でもとちゅうでなおくんわほかのおんなのこたちとすべりだいえいってしまいました
わたしわひとりでおうちにかえりました
なんだかとてもさみしいとおもいました


二年生になったら、なおくんは、そんなにわたしと、あそんでくれなくなりました。
なおくんは、いつもグランドで、みんなとサッカーをしています。
わたしは、はしるのがおそいから、一しょにすると、めいわくだから、とおくでみんなを見ています。
ちかくで、なおくんを、見れないのが、すこしさみしいけど、とてもたのしそうななおくんを見て、わたしも楽しくなりました。
なおくんは、たくさんゴールをいれたので、わたしはうれしくなりました。


今日はなおくんと一緒に夏休みの宿題をしました。わたしの宿題はもう終わっていたので、なおくんにみせてあげました。
なおくんにありがとうと言われると、わたしはとてもとてもうれしくなります。おなかの奥があったかくなります。
ドリルをやった後、一緒にアイスを食べました。あたりが出たのでなおくんにあげたら、またありがとうといってくれました。
明日はなおくんと一緒に宿題の自由研究をします。明日のことを考えるとわたしのおなかがぽかぽかして、なかなか眠れなくなってしまいました。


最近のなおくんは、女子のわたしとはあまり遊んでくれなくなりました。
なおくんはいつも男子たちと一緒にいて、わたしがいくとはずかしいといって仲間はずれにしてしまいます。
でも、ときどきなおくんはわたしを家に呼んでくれるのでさみしくありません。
わたしたちは一緒にゲームをしたり、まんがを読んだりします。なおくんが一人用のゲームをしている姿を見るだけでも、とても楽しいです。
だけど、この前、ベッドの下にあったぼろぼろのまんがを見てたら真っ赤な顔をしたなおくんに怒られてしまいました。
あのまんがはいったいなんだったのでしょうか。
裸の人たちが絡み合ってて、よくわからないせりふがいっぱいあるから、多分なおくんの本棚にあった『バキ』というまんがと同じやつなんだと思います。


<> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 02:01:00 ID:NHfY/dVV<> 最近、なおくんたちの間ではカードゲームがはやっています。男子たちと公園に集まって、勝負や交換をしているみたいです。
勉強もスポーツも得意ななおくんですが、このゲームはあまり強くないようです。
なおくんが言うには、『レアカード』というのを持っていないからだそうです。
『レアカード』を手に入れるには沢山のカードを買わなきゃいけなくて、なおくんのお小遣いでは足りないらしいです。
だからわたしはなおくんのために今月のお小遣いをはたいてカードを沢山買って、全部なおくんにプレゼントしました。
どうやら、わたしが買ったカードの中になおくんの欲しがっていた『レアカード』があったみたいです。
なおくんはとても嬉しそうな顔をして、わたしにお礼だと言って『ハイパーヨーヨー』というのをくれました。
遊び方がよくわからないけど、なおくんからのプレゼントだと思うとしあわせな気持ちになります。
この『ハイパーヨーヨー』は、わたしの宝物になりました。


わたしとなおくんは中学生になり、一緒に遊ぶとことがほとんど無くなってしまいました。だけれど、初詣での願い事が叶ったのかわたしたちは同じクラスで、さらに席も隣同士になれたので寂しくありません。
授業中なおくんに問題を教えてあげたり、筆談したりして充実した毎日を過ごしています。
でも一つだけ心配事が出来ました。
勉強が出来てスポーツも上手くて歌って踊れるクラスの人気者のなおくんを、恋に憧れる思春期の女の子たちが放っておくはずありません。
先週、三組の和田さんがなおくんに告白したらしいのです。なおくんは断ったと聞きましたが、それでも不安になります。
もしなおくんに彼女ができたら、わたしはいったいどうなるのかと考えると胸がむかむかします。
最近はわたしのまわりの女子どもでさえ、なおくんの趣味は何だとか、好きな食べ物は何だとか探りを入れてくるのです。
もちろんわたしはなおくんに迷惑がかからないよう、プライバシー保護のためデタラメなことを教えますが。


<> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 02:02:47 ID:NHfY/dVV<> ある日、茶髪の三年生がわたしをトイレに呼び出しました。
大きな音を立てて教室の机を蹴り上げ、ちょっと顔を貸しなさいと怒鳴りつけてきたのです。
わたしはもともと明るい性格では無く、クラスでも目立たない存在です。
なので、まさか上級生に目をつけられるとは思っていませんでした。
この類の呼び出しは明るくて目立つ人間を『チョーシ乗ってるヤツ』だと言いがかりを付けて行うものだと考えていました。
どうしてわたしなんかがと思いましたが、その疑問は彼女の言葉で氷解します。
どうやらこの茶髪の三年生は無謀にもなおくんに告白して玉砕した有象無象の一人らしいです。
そして、自分が断られたのはわたしがなおくんと付き合っているからだと思い込んでこの凶行に走ったみたいです。
もちろんというか残念なことに彼女の言いがかりは全くの事実無根で、わたしはなおくんと付き合っていません。
でも、わたしとなおくんの関係はそう誤解されてもおかしくないのだと考えたら場違いにも頬が緩んでしまいました。
恐ろしいやら嬉しいやらで混乱しているわたしにしびれを切らしたのか、三年生はモップを振りかぶり、二度と見られない面にしてやると叫びます。
わたしはぎゅっと身を縮め、衝撃に備えました。
ですが、襲ってくるであろう痛みは感じません。なんと、なおくんがわたしを庇って立っていたのです。
『間違えて女子便入ったら殴られちまった』と、頬の腫れの理由を笑いながらクラスの皆に話すなおくんをみて、胸がいっぱいになり、わたしのおへその下のあたりがあったかくなりました。


<> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 02:04:31 ID:NHfY/dVV<> 今日からわたしも高校生です。
もちろんなおくんと一緒の高校ですが、中学生のときとは異なり、違うクラスになってしまいました。
これからは、自然となおくんとの関係が疎遠になっていくでしょう。
わたしの中学校でのなおくんの接点は、たまたま同じクラスにいる幼な馴染みで、他の人間よりか気安いため話す機会が多いといった程度なのですから。
結局のところ、わたしはなおくんの幼馴染でしかないのです。中学校生活を通して友達以上恋人未満という、あやふやな関係のままで何ら進展もなく過ごしてしまったのです。
けれど、わたしはなおくんが好きです。大好きです。愛してます。
同年代の連中の『好き』だというメディアで乱造され叩き売られている薄っぺらな感情ではなく、文字通り『愛して』いるのです。
わたしのこの気持ちは決して憧れや惰性などではありません。
シェイクスピアのジュリエットのように一目惚れなんていう運命論者的な結晶作用でもありません。
わたしはなおくんのためならなんだって出来ます。
なおくんに身体を求められるなら喜んで差し出しますし、死ねと言うのならすぐにでも首を吊って差し上げます。
なおくんの幸福のためなら、なんだってしてあげたいのです。
たとえなおくんが他の女性を愛そうと、それがなおくんにとっての幸せならば、自らの浅ましい恋心をねじ伏せてでも彼に尽くさねばなりません。
それこそがわたしのしあわせなのです。


なおくんにカノジョが出来ました。わたしは祝福してあげなければいけません。それがなおくんを愛するわたしの義務なのです。
なおくんが告白し、了承の返事を返しやがった女は彼と同じクラスの浅井順子さん。
わたし以上の成績、わたし以上の美しさ、わたし以上の社交性をもっている彼女は、なおくんと結ばれるべくして結ばれた女性と言っても過言ではないでしょう。
そうです。なおくんはわたしなんかより、浅井さんと一緒になったほうが幸せなのです。
だから、わたしは彼女に嫉妬してはいけないのです。
どんなに苦しくてもどんなに悲しくても、なおくんの幸福だけを願っていなくてはいけないのです。
なおくんを祝福しなくちゃいけないんです。
おめでとう、なおくん。


<> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 02:05:54 ID:NHfY/dVV<> くるしいです。かなしいです。だけどわたしは耐えなきゃいけません。
なおくんがしあわせになるためには、わたしはなんでも我慢すると誓ったのですから。
嫉妬なんかしちゃ、なおくんが不快になってしまいます。
わたしは、なおくんが笑っていてくれれば、しあわせなのです。


もう嫌です。もう無理です。
なおくんが嬉しそうにあの女のことを話すたびに、怒りと妬みは胸の内から氾濫してしまいそうになります。
なおくんは残酷です。なおくんはいけない人です。なおくんは優しいです。なおくんが大好きです。
どうしてわたしと一緒にいるときに、浅井の話なんかするんですか。
どうしてわたしの気持ちに気付いてくれないんですか。
あなたの恋人という席には既にあの女が居座っているのに、どうしてわたしに希望を持たせる言葉を言うのですか。
あなたの『好き』という言葉と、わたしの『好き』という言葉の意味は違うのですよ。
なおくん、あなたはそれほどわたしを苦しめたいのですか。
なおくんは、ひどい人です。


なおくんが、結婚することになりました。
お相手、その羨ましく妬ましい女の名は浅井順子。
一週間後には佐伯順子という名になるでしょう。
わたしにもなおくんから式の招待状が届きました。それ以前に直接なおくんから話は聞いていたので、さして驚くことでもありません。
式の際に笑顔でいられるように、今から練習しておきましょう。


涙が止まりません。悲しみを抑えられません。声は上ずったままです。
なおくんがわたしに微笑みます。わたしがうれし泣きしていると誤解して感動しています。
この時だけ、わたしはなおくんを憎んでしまいました。
順子が投げたブーケが、わたしの手の平に落ちます。幸福そうに微笑む順子の口元は、『いい加減あきらめろ』と嘲笑っているように見えました。


なおくんがしあわせなら、わたしはしあわせなんです。
なおくんの相手がわたしじゃなくても、なおくんがしあわせでいてくれれば、わたしは世界一しあわせな女でいられる。
なおくんがほほえんでくれるなら、わたしはなにもいりません。


<> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 02:07:14 ID:NHfY/dVV<> なおくんの子供が生まれました。とってもかわいい女の子です。
忌々しいことに、目元は順子に似てしまいました。でも、口元はわたしそっくりなので、すこしだけ嬉しくなりました。
おっぱいをあげる順子はとてもしあわせそうだから、わたしもおっぱいが出せるようになりたいなとおもいました。
もちろん、お相手はなおくんですけれどね。


なおくんの娘さんに、妹が出来ました。順子にはあまり似ていない、わたし似の女の子です。
残念ながらわたしはおっぱいが出ないので、順子がおっぱいをあげてます。
かわいいかわいい赤ちゃん。なおくんもとても嬉しそうで、退院したばかりの順子と子供達をつれて、実家に帰ってしましました。
なおくんは家政婦のわたしを置いてきぼりにしちゃいましたが、わたしの愛は揺らぎません。


今日は、今まで生きてきた中で一番しあわせな日でした。
なんと、なおくんがわたしを抱いてくれたのです。
三十四年間護り続けた純潔をなおくんにささげ、とうとうわたしは女になったのです。
下腹部の痛みと異物感は、今まで思い描いていたような夢想では決してありえません。
紛れも無い実体を伴って乱れたシーツに横たわるわたしにその名残を実感させてくれました。
その経緯とは、お酒で酔いつぶれたなおくんわたしにのしかかり、そのまま事に至ったという次第です。
まあ、なおくんが最中に順子の名を叫んでいたのが少々ムカつきましたが。
この既成事実は、ヨーヨーと中学の時の事件に続く、三番目のなおくんからの贈り物です。
このしあわせは、わたしの思い出の中だけに留めておきましょう。
なおくんに純潔を奪われたという事実のおかげで、あと百年は戦えるくらいのエネルギーを補給できましたからね。
なおくんのお情けをいただけたわたしは、とてもしあわせものです。


<> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 02:09:30 ID:NHfY/dVV<> 愛してます、なおくん。
なおくんの娘さんで、長女の理沙子さまがご結婚されることになりました。
お相手は彼女の幼馴染の男性です。
わたしの望みだったことを娘さんが達成した事実を嬉しいと思う反面、妬ましくも思えます。
本来なら、わたしは彼女と同じように幼馴染のなおくんと結ばれていたはずなのですから。
おっと、いけませんね。わたしと理沙子さまの境遇を重ね合わせるなんて。
今だけは、素直に彼女を祝福してあげましょう。
ただ、妹の恵美子さまのことが気がかりです。
恵美子さまは、理沙子さまの結婚について随分思いつめていらっしゃいます。
もしかしたら、わたしとおなじで……いけません、このような世迷いごとは、愛する人に想いを告げる勇気も無かった女に言う資格は無いでしょうから。


子供の頃、なおくんに頂いたヨーヨーを握り締めます。
なんだかんだいっても、わたしになおくんとの絆はこれしか残らなかったのだと実感します。
とてもやるせない気持ちになりました。
なおくんも、順子さんももうこの世界にはいません。
結局、二人にとって邪魔者であるわたしだけが無駄に長生きしてしまったのは運命の皮肉としか言い様がありませんね。
病室のわたしのベッドの周りには、ついこの間お婆さんになったばかりの恵美子さまと、先日に息子さんが結婚した理沙子さまがおられます。
わたしは彼女たちの乳母のようなものなのでしょうが、身内の居ないわたしに良くしてくれたことは感謝してもし切れません。
二人は涙を流し、わたしの死を嘆き悲しんでくれています。
死を目前にした老嬢のわがままとして、わたしは二人に理不尽とも言える要求をしました。
わたしの遺骨を、なおくんと同じお墓にいれてください、と。
二人は何も言わずに頷きました。どうやら、以前からわたしの想いに気が付いておられたようです。
もしかして、本当はなおくんもこの想いを知っていたのかしらん想像します。
だったら、なおくんはとても残酷な人です。
わたしの想いを知っていながら無視するなんて、よっぽどのサディストじゃなきゃできませんから。
というか、昔からなおくんはいじわるでしたね。
わたしに虫をけしかけていぢめたり、宿題の手伝いをさせたり、えっちしたときなんか、無理矢理だったじゃないですか。


<> 少女の一生<>sage<>2007/09/12(水) 02:10:45 ID:NHfY/dVV<>

――ほんと、なおくんはひどい人です。
せっかく嫌いになろうとがんばってるのに、こうやって、いっつも直前にわたしのまえに現れるんですから。
さ、なおくん。ちゃんと手を握ってくださいよ。今度こそ、離さないでくださいね。
わたしたちは幼馴染なんですから、しっかりと結ばれなきゃいけないんですよ。
どこへ行ったって、ずぅっと一緒に居なきゃ駄目なんですからね。



だいすきです、なおくん――



<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 02:14:55 ID:Ft4RtR0i<> これはまた切な・・・・
ともあれgj <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 02:15:58 ID:NHfY/dVV<> 以上です。
黒歴史フォルダから酔った勢いで書いたと思われる駄文を発掘したので投下しました。
今は後悔しています。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 03:00:10 ID:Cpnsg2o4<> GJ!
病んでるというほどではないけど、死ぬ瞬間まで愛してるとは一途な純愛だね <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/12(水) 06:57:47 ID:Ne75DJ4H<>   ||  !| │
  ||  !| │              ,.-─‐-.、
=||=!| │              /:::::::::::::::::::::ヽ
  ||  !| │            |:::: ::::::::::::::::::::::l
  ||  !| │             |::: ::::::::::::::::::::::::!           あ。このスレ400超えた^−^
=||=!| │              |:::::::::::::::::::::::::::::l                
─.─.┤ |             !:::::::::::::::::::::::::li:|ニニニニニ.、
     |  .!               !:::::::::::::::::::::::::l|::| ̄ ̄.!| |.!       
     |  .!            、r, /|::::::::::::::::::::::::ll.,7:!  .!| |.!             カチカチカチ・・・・
    ||`ー|. ̄ 丁 ̄|\   ´ミ《 |:| !:::::::::::::::::::::::l|.l|:.:.!_」.! !.!         
  __||二二二]|__ || |    .!| !::!|:::::::::::::::::::::├.|:.:.::l─´. !.!
  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.!l `ヽ !、   |l/:.:.:|:l|::::::::|!:::::::ll|::l|:.:.:.:|=コ|.|
  ||  l三三l  ||  ,_」____!l_:.:.:|:|.!:::::::|l!::::::|l:.:||:.:.:.::l'丑丑|ニl___,'ニヽ___  
  ||.==========!l  '‐┬┬‐─ヽ|ll_|__:_!|::!:.::l‐!:.:.:.::l.─────┬┌′
  ||  l三三l  ||   | /丁´/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ!:.:.:.:.:! ̄ ̄ ̄ ̄丁ヽ、|
  ||==========:!|   | !.| | / ::/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.::_│      !  | |
  ||  l三三l  !l   .| !.! ||、:::.!:.:.:.: :.:.:.:.:.: :.:.:.:.:.:、:`<ヽ,     .!  ! !
  ||----------|.! ___,| !.|_メ´丶、:: ::::::::::::, -‐─、:ヽ:::::`\     ヽ .| l _
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ー'" 、┴-、:_:_;:-l_____, -ー‐‐‐‐' ´      `ー' <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 12:14:46 ID:w0vcFTWt<> 朝っぱらから泣きそうだったぞ…どうしてくれるんだ!GJ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 13:12:10 ID:NA5+omrX<> 切ねーーー!!!だがGJ!! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 14:21:47 ID:cNywsCy8<> 切ないがバキで吹いてしまったw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 14:38:45 ID:Pvv5/b6c<> GJ
ヤンデレにエキサイティングがなくなるとこんな感じになるんだろうなぁ

なんか
こういうひかえめな子は応援してしまいたくなる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/12(水) 23:22:12 ID:kUwWOsI8<> GJ
三途の川の手前でこっそり待ち構えていそうな気がするけどなw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 01:52:32 ID:1gdA4l9A<> >>635
かなり亀レスだが、もしかしてこのサイトか?
ttp://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=dies03
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 09:04:36 ID:iqGRGioz<> 実験的ネタを投下します。
苦手な方は注意して下さい。
<> 天上の帝国<>sage<>2007/09/13(木) 09:06:44 ID:iqGRGioz<> 耳鳴りが強くなってきました。位置を調節しなければなりません。
方位は南南西、水平面からの高低角24度……誤差修正、来ました、マイクロウェーブです。
量子通信によるモールス信号を受信します。シ・ナ・ビ・タ・オ・メ・コ・ニ・ム・シャ・ブ・リ・ツ・イ・タ……了解。解読の結果、私ことエテル・シュマッケルと兄さんことオルデネル・グルデンレウ男爵が最終ランデヴーです。
つまり私たちの邪魔をしやがるあの忌々しい魔女ウルリカ・ダーレフェルドを屠殺する許可証が機関から発行されたのです。この殺しのライセンスさえあれば、あの汚らわしい泥棒猫を密殺できるのです。
ああ、また来ました。北斗七星にいる私の従僕、キエーレン山脈のヴィルフリッド・ケンニボール三等兵から電報です。……どうやら魔女ウルリカ・ダーレフェルドが兄さんの部屋に潜入した模様です。
いけません、いけません、逃げてください兄さん。あの厭らしい雌猫は貴方をカツオのタタキにして明日のブランチにするつもりです。
ええい、汚らしい多数者に媚を売る蛮族め。私の兄さんに近づくなんて、鬼畜米英のくせに生意気です。
下賤な植民地人のくせに……ハンバーガーしか伝統料理がないくせに……粗悪な輸入品の劣化金色夜叉のくせに……腐れきりしたんのくせに……。
チーズ臭い体臭を私の伴侶に染みつけないで下さい、この女版ドン・ジュアンめが。
ああ、畜生め。その胸に垂れ下がっている邪悪な脂肪の塊をもぎ取ってやりたい。プロシャ兵どもに輪姦させて、トルケマダおじさんのアウト・ダ・フェでローストしてしまいたい。
<> 天上の帝国<>sage<>2007/09/13(木) 09:09:22 ID:iqGRGioz<> 左腕の包帯がうずきます。あの女の猫撫で声が聞こえるたびに、どくどくと真っ赤に燃えて、開放を今か今かと待ちわびています。
まだです、まだJAKI-GANを開放してはいけません。この苦しみは持たざる者には解らないでしょうから。
ですが耳の奥でラ・マルセイエーズが鳴り響いています。あの女を倒せと轟き叫んでいます。
――ガンホー!ガンホー!お願い!お願い!しごいて!しごいて!市民らよ、武器をとれ!――
駄目です、まだ市民革命の時期ではありません。自由主義者も、王党派も根絶やしにしなくては今後塩柱で近親相姦逆レイプの勇者ロトになってしまいます。
とりあえずここは一つ、過呼吸でもして落ち着きましょう……。
ひっひっふぅ、ひっひっふぅ、ル・ラーダ・フォルオル!
……落ち着きました。びぃくーるです。くーる、くーる、くーるです。ほっとなとりっきーじゃありません。
とにかく、何とかして魔女ウルリカ・ダーレフェルドから発せられる高周波を中和しなくてはなりません。
大蔵省からプランが二つ送られてきました。
プランA、作戦名エターナル・フォース・ブリザードγ――楽園にはないお茶菓子と紅茶とカルピスをもってお部屋に突撃する作戦です。成功率A、持続性D、スピードC。いいふいんきは死にますが、いまいち効果的ではありません。
プランB、作戦名死魔殺炎烈光弐式<ディアボリック・デスバーストmkU>――略すとおにいちゃんおべんきょうおしえて作戦です。私の美声で兄さんはもうめろめろなのです。
旧式の南極一号なんかほっぽりだして、兄さんは私の生肉にむしゃぶりつくといった寸法です。成功率C、持続性A+、スピードA〜E(兄さんの状態によって変化)
一度せいこうしてしまえば兄さんゲットだぜなのですが、もし失敗してしまったら今夜初めてタバコを吸うといった事態になりかねません。
……今回は無難にプランAでいきましょうか。




<> 天上の帝国<>sage<>2007/09/13(木) 09:11:09 ID:iqGRGioz<> 最近、妹の様子が変だ。
その日、今年で十四になる妹の挙動が日に日におかしくなっていくことについて隆志は幼馴染の沙良に相談を持ちかけた。
食事中に突然左手を押さえて呻きだしたり、自分の名前は影羅だと名乗ったり、反抗期の衝動にしては行き過ぎた行為が目立っている。
何か悩みがあるのではないかということで、妹と同じ女性である沙良に相談したのだった。
「ほら、あれよ。中二病ってやつよ。」
「中二病?」
クォーターの特徴である金色をした長髪をかき上げて沙良が言った。
女らしい仕草に隆志は少し頬を赤らめたが、聞きなれない病名を聞いて首をかしげる。
その様子を見た沙良は隆志にちょっと待っててと言った後、彼のパソコンを起動してインターネット画面を呼び出した。
隆志が沙良に促されて液晶をのぞきこむと、そこには彼女のいう『中二病』とやらの情報が延々と連なっていた。
「黒の教科書?邪気眼?なんなんだよ、これは。」
「見てのとおりよ。十四歳というのは多感な年頃なの。物事を感じ易くなって、ついには現実と空想の違いをはっきり認識できなくなる。
この病に冒された人に待っているのは、例えようもない後悔の念。高校に上がるころに感じる、とても悲しくて、とても切ない自己嫌悪の気持ちよ。
自分がどれだけ狭い世界で生きていたのか実感して、自分自身の愚かさで首を吊ってしまいたくなるほどの羞恥心を受け止めなければいけないの。
そう。中学二年生とは、恐ろしく、とても不安定な時期なのよ。」
窓の外に視線をやり、遠くにある何かを見つめるような目をしながら沙良は言う。自分の左腕を撫でて自嘲するように微笑む彼女を見て、隆志は嫌な予感がした。
「もしかして、沙良もそうだったのか?」
「そ、そんなわけないじゃない!あたしはこんな痛い連中とは違うわよ!」
沙良のポエミーな語りも十分アレだと思うんだけどな、と隆志は思ったが、口にはしない。
見てみぬふりをすることも、円滑な人付き合いには必要なのだ。
<> 天上の帝国<>sage<>2007/09/13(木) 09:14:53 ID:iqGRGioz<> ともかく、何か解決策がないものかとネット上を探る。
治療法として見つかったのは自覚症状を促したり、時間によって解決させるなどの穏便なものや、哲学モドキの俗流形而上学に自己啓発といった怪しげなものなど様々だ。
後者はあまりにもアレ過ぎて手を出す気持ちにはなれないし、前者の自覚症状云々の手段もなんだか残酷なようでとりたくない。
時間によって解決できるといっても、大事な妹に沙良のような後悔はさせたくないと隆志は考えていた。
八方塞になってしまい、どうしたものかとこめかみを揉む隆志に向かって、先ほどからベッドに寝転がって漫画を読んでいた沙良が話しかける。
「ていうかさ、別に放っておいてもいいんじゃないかな?」
「だけどこのままにしておくわけにもいかんだろ。」
「ほっとこうよ、中二病なんて。」
「でもメシくらい静かに食いたいし……」
隆志はモニターに顔を向けたまま、沙良に言葉を返した。妹のことについてはいい加減なんとかしろと母からもせっつかれているのだ。
食卓を囲んでいる最中に覚醒されたときなど、空気が気まずすぎて食事が喉を通らなかった。
ベッドのほうからなにやら衣擦れのような音がしたが、沙良が寝返りでも打ったのだろうと考えた隆志は気にしないことにした。
かちかちとマウスを鳴らして、情報を探す。
「どうでもいいじゃない、あんたの妹なんて。」
「いや、どうでもよくないだろ。常識的に考えて。」
間違えて出会い系サイトの広告をクリックしてしまった。慌てて戻るのアイコンを押すが、なにやら細工されているらしく戻れない。
隆志はため息を一つ吐いて、ブックマークを開いた。
「そんなに、妹が大事なの?」
「きめぇこと言うなよ。俺はただアイツを元に戻してやりたくてだな。」
妹は見た目はいいのだが、精神は中二病に汚染されてキモいことになっている。キモい妹がいたら外聞が悪い。兄である自分に根も葉もない噂が立つことだけは避けたかった。
ただでさえ、隆志はクラスメイトにシスコン疑惑を持たれているのだ。これ以上状況が悪化することはなんとしてでも阻止しなくてはいけない。
<> 天上の帝国<>sage<>2007/09/13(木) 09:16:52 ID:iqGRGioz<> 「じゃあ、さ。荒療治っていうのは、どうかな?」
「荒療治?」
「環境が急に変われば、あんたの妹だって正気に戻るかもしれないわ。」
「環境ってお前。なにをどう変え……」
るのかと続けようとしたが、振り向いた瞬間に声が出せなくなってしまった。
隆志の真後ろには下着姿の沙良が立っていたのだ。
白人特有の透き通るような白さの肌は薄く薔薇色に染まり、彼女の美しさを引き立てていた水色の瞳は艶やかに濡れていた。
身じろぎ出来ずにいる隆志に、裸足の沙良はひたひたと足を進めて近づいていく。
「あんたに彼女が出来れば、妹のヤツだって大人しくなるわ。」
沙良は硬直する隆志の首に腕を回して、彼の耳元で囁くように言葉を続ける。上半身で感じる少女の体温と、耳元にかかる吐息が隆志の脳髄を沸騰させた。
「あたしがあんたの恋人になれば、ぜんぶうまくいくわよ。きっと。」
「わ、わけわかんねーよ。」
「心配しないで。あたし、元々あんたのこと好きだったし。」
「はぁ?」
隆志は混乱していた。沙良の理屈も、なぜ幼馴染の彼女が下着姿なのかも理解できなかった。どうして股間が窮屈になってるのかさえ、解らなかった。
あまりにも唐突な展開に思考が付いていかないのだ。しばらく放心状態のまま、沙良の為すがままにさせていた。
沙良は隆志の手を引いてベッドに横たわり、それに引かれて隆志も倒れ込んだ。隆志はその間じゅう目を見開いていたが、自分が何を見ているのかを認識はしていなかった。
肌着を剥ぎ取られて、直に他人の体温を肌で感じたときにやっと彼は自分の状況を知覚した。彼の視線が自分と重なったことに気が付いた少女は、嬉しそうな様子で隆志の唇に自分のそれを重ねた。
その口付けをきっかけとして、隆志の中からむくむくと情欲が頭をもたげてきた。
そして、隆志の股座を弄る沙良の金色の髪が鼻を掠めたときに、とうとう彼は正気を手放した。
彼は金髪フェチだったのだ。




<> 天上の帝国<>sage<>2007/09/13(木) 09:19:00 ID:iqGRGioz<> 雑巾汁のお茶を作るのに随分時間がかかってしまいました。短針が六十度ほど動いていますが、宇宙的にみればほんの一瞬です。
私的にみても無問題です。同名の映画とは違って本当に無問題なのです。
私と兄さんの肢体が醸し出す芳しい兄妹愛スメルは特殊な磁界を発生させます。
このラヴラヴフィールドによって私×兄さんというエクリチュールがトポス・ノエトスつまり神の悟性あるいはア・プリオリ的必然性の構造としてのロゴスに組み込まれ超越論的存在者として悟性界に君臨するのです。
もちろん闇属性としてですけれどね。光属性なんて今時流行りません。土属性は論外です。
私としてはヒロイン格の水属性が好ましいのですが、必然的に社会学的起源をもつエクリチュールにとっては画数の多い漢字にしたほうが有利な気分なのです。
そのおかげでたとえ現象界でどれだけの時間が進んだとしても、私的仮想界つまりスピリテユエルっぽい内的時間は一瞬たりとも変化しません。
ですがイルミナードスの場合はいけません。イルミナードスは教会の敵です。イルミニズモは異端の教えなので、汚辱のしるしである黄色い十字のフェルトをつけなければならないのです。
その上羞恥ぷれいをしながら霊地詣を強制します。もちろんカッシーニ軌道上での鞭打ち刑はかかせませんよ。死体発掘は勘弁してあげますがね。
しかし、このお茶を作るのには本当に骨が折れました。例の魔女イサベル・デ・ラ・クルスのためにここまでしなくちゃいけないなんて……ほんとに憎たらしい野蛮人です、ペルフェクトスとかいう連中は。
いつかコンキスタドーレスの恐ろしさを味わわせてやりましょう。
まあ、かまいません。あの脂肪の塊がこの特製ジュウスを口に入れてしまえば全ては終わるのですから。
完全無欠の大団円、私と兄さんが結ばれる最終回なのです。次回予告も、駄作化した続編だってありません。テコ入れのビッチヒロインなんてそもそも必要じゃないのです。
あの淫売が私謹製のブルーアイズ・ホワイト・茶を飲みさえすれば、ずっと私のターンです。ブルーアイズでホワイトな屍肉がきたねえ花火なのです。もちろんGTなんて付きません。
二階に続く階段を上ります。ちょうど十三段あるなんて私的ディスティニィを感じます。縁起が悪いとかいう口出しはのーりっすんです。暗黒面にあこがれるお年頃なのですから。
たしかに光属性はダサいです。ついでにセガもダサいのでプレステをやりましょう。 <> 天上の帝国<>sage<>2007/09/13(木) 09:22:42 ID:iqGRGioz<> 専務なんてどうでもいいのです。
早く約束の地に到達しなくては、兄さんが異端の偶像崇拝に染められてしまいます。具体的には新世界訳聖書とかです。尊氏のためなら死ねる体にされてしまう前に、私のシャクティパッドでヒートエンドしなくてはいけません。
急ぎましょう急ぎましょう。グラマトロジーをア・ポステリオリに適応して精神的アフターバーナーです。私のあそこもオーバーブーストです。
早く行かなくては、あの身持ちの悪い心理的非処女の雌豚が、兄さんをじっと見詰めてしまう。あいつの眼差しが兄さんの純潔を汚してしまいます。
ああ!兄さん!そう思っただけでも、乙女の私は気が狂いそうになるのです!
今日にでも乙女は卒業するつもりですがね。ええ、もちろん兄さんの手と三本目の足によって。処女性による命中補整は失ってしまいますが、サイズ差無視の合体攻撃追加でソウルメイツの仲間入りです。
そのためには魔女イサベル・デ・ラ・クルスを世俗裁判所の手に渡さねばなりません。あそこは聖庁の場合とはちがって、ほぼ百パー電気椅子ですもの。
ですが一応、万が一を考えてドヴァ本国にも電報を打っておきましょう。
いつ迂闊で残念な白豚にとらっぷかーどおーぷんされるか解りませんからね。
爆乳吸血ギャルの逆襲、想像しただけで身の毛がよだちます。
早く兄さんにミートコンパクションパイル工法で私の肢体を地盤改良してもらいましょう。そうすれば雨の多い日も安心ですので。
ついでに魔女を使ってフォールコーン試験しなくてもよくなって万々歳です。あの女は重力で魂と一緒に乳も引かれてしまっていますから、兄さんが付き合ったらドリルボーイになっちゃう。
……そうこうしてるうちに兄さんの部屋の前に到着しました。
この扉は狭き門です。悪徳にまみれた泥棒猫なんかが通っていいはずないのです。
私のような一片の穢れもない超絶美少女だけが、この神聖な門を通ることを許されているのです。
早速ですが突入作戦を開始します。ここであえてノックをしないのが妹としてのたしなみですね。事後処理などどうとでもなりますし。
SATだかブルースワットだかのように華麗に兄さんを救出して、その後にゆっくりとニャンニャン合体すればいいのですから。
それでは、予備の鍵である私を使って、最後のとびらを開けましょう……。






…………。






…………。






「おにいちゃんどいて!そいつ殺せない!」




<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 09:24:01 ID:iqGRGioz<> 以上です。
やまなし、おちなし、いみなしです。
スレ汚し失礼しました。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 10:21:46 ID:7SIsEEoK<> >>760
序文を読んで
なんだこの電波な文章は、スルーだな。
と思ったらそれが設定上の演出だったのに驚いた。
妹も泥棒猫もキャラ立ってるし
これから修羅場になりそうで続きを読みたいけど
これはここで終わった方が良いのかな。

GJ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 10:39:50 ID:pMjGqfqT<> 「おにいちゃんどいて!そいつ殺せない!」

は名せりふだな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 10:58:51 ID:t4fkxLIQ<> >>760
GJ!JAKI-GAN吹いたwww
とりあえず妹は土属性とセガの(元)専務に謝れwwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 14:32:07 ID:wcS9inHp<> 解読するのに素敵なぐらい時間かかりましたが、読んでて楽しかったですw
GJ!! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 15:21:32 ID:N04oXSh4<> >>760
非常におもしろかったが一つ言わせてくれ




これはヤンデレではない
キモ姉&キモウトスレに行くべきだ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187005483/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 15:40:52 ID:RUWi93HQ<> 「べき」って何だ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 16:04:02 ID:/brmBd6c<> >>765
幼なじみが主役かもしれなあだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 18:03:24 ID:mcwT5wiD<> SSのキャラに○○はヤンデレ、○○はヤンデレじゃない、
なんていうのはやめよーうーぜー <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 18:31:35 ID:C8mv2eyd<> 俺にはヤンデレとキモ姉&キモウトの区別がつかないからどっちでも
ぶっちゃけ、姉妹版ヤンデレと思ってるし

作者がこっちだと判断したんだからそれでいいんじゃないか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:14:11 ID:7SIsEEoK<> どうせまたいつもの潔癖症の彼だろ……本格的に自治厨になってきたな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:35:20 ID:ji3CbQoj<> 「おにいちゃんどい(ry
てよくみるが何のセリフなんだ? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:36:24 ID:hTHpmHvO<> >>771
有名な都市伝説
ttp://yuni_ford.at.infoseek.co.jp/tukimiya/tukimiya.html <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:37:47 ID:itAwYE+i<> てかキモ姉妹の方が後から立った重複スレだぞ、しかも荒らし対策で勝手に。
無駄だから消せって言われてたのに続行したんだから配慮するのはあっちだろ。
ここが気にする必要なし。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:43:47 ID:7SIsEEoK<> >>773
言ってる事は正しいと思うが、釣られるなよ
そうやって揉めさせるのが狙いなんだから。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:54:37 ID:uxhSDpFV<> すぐ敵視し過ぎ
何故似ている属性で仲良くできないのか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:57:27 ID:itAwYE+i<> 似ているってかそのまんまだろ
分ける意味ないし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 19:59:44 ID:V0rfIgRM<> そんな事いったらこのスレだって意味なくなるだろ
嫉妬すれでまとめればいいだけの話

それぞれ「これがみたい」っていう需要が集まってできてるんだから
今さらあーだこーだいう方がおかしい <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 20:01:50 ID:itAwYE+i<> ?
ここは嫉妬スレで収まらないものから分岐したんだが?
キモスレは知らんぞ、アホな初代>>1が暴走しただけだし <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 20:06:43 ID:V0rfIgRM<> ああ、懐古厨か
これは何をいっても無駄だな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 20:09:01 ID:itAwYE+i<> ・・・それで満足ならまあいいよ。 <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/13(木) 20:12:22 ID:pzkmbxVs<> スルースキルの低い輩がまだいるのか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 20:14:03 ID:7SIsEEoK<> よし、俺は検定一級だからどっちの意見もスルーするぜ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 20:28:28 ID:ulGeVmym<> SSがおもしれければそれでいいよな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 20:59:20 ID:U4ros2m/<> 嫉妬スレもここもキモ姉妹スレも住人かぶってんだからどこに投下してもさして問題ないと思ふ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 21:08:29 ID:itAwYE+i<> >>784
キモスレ見てないんだが?
一緒にするな <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 21:09:37 ID:C8mv2eyd<> ここの住人なら知っているかもしれんが、「G県厨」のがヤンデレ?のような・・・
まぁ、ヤンデレというか精神異常というか・・・

興味ある人はググるといいかも <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 21:14:23 ID:d2T11dcq<> まーたすぐ噛みつく
いい年してまったくもー <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/13(木) 21:19:36 ID:pzkmbxVs<> 夏休みは終わったはずなんだが <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 21:22:05 ID:dTR8uTo5<> >>786
あれは只のキチガイだろw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 21:22:40 ID:7SIsEEoK<> いやまあ言いたいんだが





>>788
ゴメン、sageて <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 21:50:23 ID:xF1kV5oJ<> 実は今までROMってたんだが、意を決して投下することにしたよ。
一応頑張って書いてみた。どうかこれから宜しく。 <> 異喰物語
◆cgdFR4AMpg <>sage<>2007/09/13(木) 21:52:16 ID:xF1kV5oJ<> 苦しい。
 唇が渇き、喉が涸れ、臓腑が爛れ、肉が火照る。
 得も知れぬ衝動に突き動かされながらしかし、一向に解放は訪れずに苦悶に伏す。
 理由は簡単。――――餓えだ。
 前代未聞の飢餓に苛まれながら彼は、摩訶不思議なことに一切の食物を口にすること能わず、僅かな水分を赦された身のみで、ここ数年間その苦しみを耐え抜いてきた。
 最終的に下された診断は“拒食症”。しかしながら彼は、それは違うと確信を以って否定できた。理由は知らぬ。元より智に長けたとはとても言えぬ己だが、そんなささやかな理性以前、本能としてそれを理解できた。

 おそらく先はそう長くない。耐え抜くうちに気付けば、髪の色は抜け落ち、肉は削がれ骨と皮だけとなり、貌には死相を思わせる皺が幾重にも刻まれている。未だ成人すら迎えていないにも拘らず、だ。
 正体不明の飢餓に追いやられ、死の淵に臨む。そうした窮極に至ったからか、彼は最近“妖精”を目にするようになった。とはいえ、その通りに可愛らしい存在ではない。寧ろ逆、圧倒的な“美”を漂わせ佇む様は、魔女か女神か死神か。怖気を誘うほどに美しい。

「相も変わらず苦しそうなのね、あなた」
「そう、言わないで、くれ……これ、でも、必……死なん、だ」
「必死、ふぅんそう、必死……ね。文字通り、このままだと必ず死ぬのじゃないかしら」

 朧霞がカタチになったような、不確かな存在感で見下ろす彼女の瞳は、やはりいつもと同じく冷ややかだ。さもありなん、彼女は彼を見下しているのだから。
<> 異喰物語
◆cgdFR4AMpg <>sage<>2007/09/13(木) 21:56:14 ID:xF1kV5oJ<> 「未だ“答え”が解らないの? とっても簡単、いくつもヒントを示してきたのに。そろそろ私も限界よ?」
「馬鹿、言うな……解るわけ、ないだろ。俺には、さっぱり……何が、なんだか、理解出来ん」

 出会った当初に彼女が示した問い。それは『何故、志賀京司郎は原因不明の飢餓に見舞われているのか?』というものだった。
 そんなものこっちが聞きたいと、京司郎は言い放ったが、彼女――平坂暦は問いからの逃走を認めず、毎夜現れる度に問答を繰り返している。今の会話もまた、その問答の後に交わされたものだった。

「予兆は過ぎ、前兆も終え、死兆に見えながらも“覚醒”は未だ。どうしてかしら? 普通ここまで来れば気付いてもおかしくない。いいえ、気付いてなければおかしいはずなのに」

 暦は憤りに表情を歪め、もどかしさに震えながら京司郎の首へと手を這わす。
 感触は無い。首筋に僅かな冷たさが伝わるだけで、一切の物的干渉は起こり得ない。

「そう、おかしいのよ。あなたはおかしい。目の前にある答えに、まるで気付いていない」
「やめて、くれ……」
「いえ、気付いていない、のではないのかしら? これだけの圧倒を前に、もしかして知りたくないだけ?」
「やめろ……」
「目を瞑り、耳を塞ぎ、口を噤むの? 成程、まだ“人間”でいたいのね? “人間”のままで死にたい、そういうこと……」
「やめろ!!」

 ぶん、と。腕を力まかせに振るう。
 衰弱しきった枯れ枝の一撃は、しかしながら容易く鉄柵を砕く。だが、暦の身体を捉えることは出来なかった。それこそ、朧でも掴むかのように。

 無理に怒声を発した代償に京司郎は血反吐を吐き、掻き毟るように喉元へ手を当てる。口笛のような呼気を吐く彼を見て、暦はその手を離した。
 音も無く、滑るように寝台から離れ、一連を見守る。冷ややかな視線をそのままに。

「――――また来るわ。次こそは、あなたが気付いてくれることを信じて。諦めようだなんて思わないでね? 私の大好きなあなた」
「もう、来ないで、くれ……」

 届かぬ言葉。一方的に話すだけ話して、暦は跡形も無く消え去って行った。
 ドサリ、と沈み込む。頼りない照明に腕を翳し、胡乱に見つめ、

「くそ、くそ……っ!」

 じゅるり、と唾液を呑み。
 異質な“餓え”に涙ぐんで、京司郎は自らの細腕に歯を立てた。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 22:05:37 ID:QZ0vmm9D<> 終わり、かな?
一番乗りGJぃ!!!
<> 異喰物語
◆cgdFR4AMpg <>sage<>2007/09/13(木) 22:30:12 ID:xF1kV5oJ<> がちり、と歯が鳴る。その一噛みで右腕の骨が露出した。
 ぶしゃり、ぶちゃ、ばき。
 皮膚を剥ぎ、肉を喰らい、骨を砕く。髄を啜り、鮮血を飲み下し、吟味する。
 自らの歯で、自らの肉を咀嚼する。
 終わりは無い。喰う端から髄は伸び、骨は融け合い、肉が盛り上がる。それをまた喰う。
 幾度となく、終わり無く。
 在り得ない循環を繰り返しながら、流す涙をそのままに食み続ける。
 まるで餓鬼のようだ。
 逸話と違い子は産まぬが、それでも自らを喰うことに変わりは無い。
 絶対的な矛盾。彼女の言う通りだ。
 これが窮極の発露。己が至った、生態の袋小路。
 
 彼女は言った。この異常極まる行為こそが、志賀京司郎にとっての“窮極発露”だと。
 彼女は言った。この果てに在るものこそが、志賀京司郎にとっての“覚醒進化”だと。

 壁を乗り越えねば、死は免れぬと。
 壁を乗り越えれば、生き延びると。

 そんな戯言めいた真実を片隅に、京司郎は“一”を噛み砕き咀嚼して、再び“一”に戻るを繰り返す。

「美味いなぁ。美味い、なぁ……。柔らかかったら、もっと美味い、のか、なぁ……」

 喰う時はいつもこう。美味い美味いと繰り返し、忌避しながらも止められぬ。
 “答え”なんて、すぐ解った。己の果てなど、すぐに見えた。

 ――――平坂暦が何であるかなど、一目見ればすぐに察せた。

 時は無い。答えるならば、そろそろだろう。
 だがそのためには、京司郎の意志は脆く儚く、別れを告げるには未練が多すぎた。
 しかし別れを告げたとしても、“仲間”は傍に居てくれる。

 “人”を取るか、“外”を取るか。
 答えは二つに一つ。それだけだった。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 22:33:26 ID:xF1kV5oJ<> 第一話、投下終了。
三つめは色々見直してたから遅れてしまった。申し訳ない。

こんな感じの文章で、ちまちまとスローペースなんだけど大丈夫かな?
一応完結はさせるつもりなので、それまでどうかお付き合いお願いします。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/13(木) 22:53:58 ID:7SIsEEoK<> >>796
我々は
来るもの拒まず、去るものは帰還をいつまでも待つ
であります。迷わず来たまえ、GJ! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 12:21:43 ID:xDCdn1cN<> ちょっとした試作品を投下します。
一応あっさり目ですが、わりときわどいネタなのでご注意。 <> 藁を叩く少女<>sage<>2007/09/14(金) 12:23:03 ID:xDCdn1cN<> 美佳は幼馴染の直樹が大好きだった。家が隣同士の二人は、小さい頃から毎日のように一緒に駆け回っていた。
二人は何をするにも一緒だった。春には二人でお花見をして、夏には一緒に市民プールへ出かけて、秋には手を繋いで紅葉狩りをして、冬には力を合わせて雪だるまを作った。
このまま死ぬまで、ずっと二人は一緒にいるものだと美佳は思っていた。同じ学校に通い、同じ仕事に就き、結婚して同じ家に住むことは、当たり前のことなのだと考えていた。
そして、当然のように直樹もそう考えているのだろうと美佳は思っていた。


<> 藁を叩く少女<>sage<>2007/09/14(金) 12:25:36 ID:xDCdn1cN<> 小学校に上がってからしばらく経って、とある休日いつものように直樹と遊ぼうと美佳は彼の家を訪れた。しかし、玄関で彼の名を呼び続ける美佳の前に現れたのは大好きな直樹ではなく、彼の不在を弁明する小母さんだった。
このようなことは美佳にとってはじめての経験だった。彼が自分との約束を蔑ろにして、他の子供たちのところへ出かけたことは今までに一度も無かった。
直樹が生涯を通した伴侶である自分との約束ではなく、小学校に入ってから出来た精々二三ヶ月程度の付き合いしかない『ともだち』を優先させた事実は、美佳には許しがたいことだった。
当然のように美佳は激怒し、自分に対して過失を犯した直樹と、直樹の『ともだち』だという彼女にとってやくざな連中に制裁を加えるべく付近の公園を探しまわった。
しかし、美佳が数時間かけて三箇所ほどの公園を探しても、直樹たちは見つからなかった。
美佳は走りまわってへとへとに疲れてしまい、先ほどのあれだけ沸き立っていたはずの怒りは萎えてしまった。
美佳はだんだんと悲しくなり、鼻がつんとして、涙で視界が歪んでいった。直樹が居ない寂しさに耐えられなくなった美佳はぐすぐすと鼻をすすりながら、あてもなくあたりを彷徨い続けた。
日も暮れ始めたころ、美佳は古びた神社の前に立っていた。神社の床下には美佳が直樹といっしょに作った二人の秘密基地があった。
彼女は寂しさを紛らわすために、少しでも二人の絆を感じようとここにやって来たのだった。
秘密基地に近づくにつれ、美佳の耳になにやら楽しそうな笑い声が聞えてきた。今の自分の泣き顔を直樹以外の誰にも見せたくなかった美佳は、敷地に植えられている大きな御神木の裏に身を隠した。
笑い声はどうやら三人のようで、二人の少女の声に混じって少年の声が聞えた。
美佳の隠れている御神木は出口の石段に近い場所にあるため、これから敷地を出るのだろう三人から聞えてくる声はだんだんと大きくなっていった。
三人の声がはっきりと聞き取れるほど近づいたとき、美佳は愕然とした。
そういうのも、そのうちの一人の声は今の今まで美佳が必死になって探していた直樹の声だったからだ。
<> 藁を叩く少女<>sage<>2007/09/14(金) 12:28:35 ID:xDCdn1cN<>
入学祝いに作ってもらった一人部屋の寝台に丸まって、美佳はすすり泣いていた。
自分は直樹に裏切られたのだ。約束を破られたのだ。二人だけの秘密だったあの場所を、他人に暴かれたのだ。
美佳の脳裏には、あの三人が発した楽しげな笑い声がこびりついて離れなかった。
耳穴に指を突っ込んでも、忌々しい音は聞こえてきた。布団に頭を埋めても、音は余計に大きくなって美佳の心を痛めつけた。
何も見ずとも、聴かずとも、触らずとも、どうやっても三人の嘲笑を消すことは出来なかった。
せいぜい自らの呻き声でそれを少しなりとも誤魔化すだけだった。
『ともだち』に秘密をばらした直樹が恨めしかった。かといって美佳には直樹を怨むことなど到底不可能だった。
美佳にとって直樹とは自分の半身であり最愛の伴侶であって、彼を否定することは彼女の存在意義を否定することに等しいのだ。
そうなると美佳の憎悪の矛先は当然のように『ともだち』である二人の少女へと向かうはずなのだが、幼い少女には悲しみを憎しみに転化するほどの機知はまだ備わっていなかった。
結局のところ今の美佳に出来たことは、こうして一人でみじめにすすり泣くことだけだった。


<> 藁を叩く少女<>sage<>2007/09/14(金) 12:31:43 ID:xDCdn1cN<> 夏になった。夏休み中、美佳と直樹が遊ぶ機会は以前と比べてかなり減ってしまっていた。
直樹は美佳をほったらかして、例の少女二人と毎日のように遊び歩いていた。
美佳は毎日、秘密基地に一人で佇んでいた。あの少女たちが持ち込んだのだろう玩具を手に取って、一人遊びを続けていた。
時折、すすり泣きの音が神社の床下に響いた。
一昨日久しぶりに会った直樹は真っ黒に日焼けしていた。今みたいに秘密基地にいる以外は部屋に閉じこもっている美佳の肌は、真っ白なままだった。
美佳はピンクの手提げ袋から、一冊の冊子をとりだした。犬の絵の表紙には可愛らしい書体で『たのしいなつやすみ』と描かれていて、裏表紙にはマジックペンで『なおき』の文字が書かれていた。
この冊子は一昨日会ったときに美佳が直樹に押し付けられたもので、ぱらぱらと捲るとページの空欄は全て小奇麗な丸文字で埋められているようだった。
美佳は父親の書斎から持ち出してきたライターを手にして、捲った表紙の角に火をつけた。
冊子が置かれている地面は少し湿っていたが、炎は数秒で表紙全体に広がり、冊子は勢い良く燃え続けた。
直樹の肌とお揃いで真っ黒になった冊子に、美佳は靴の踵を何度も何度もたたきつけた。そして、かろうじて形をとどめていた直樹の冊子はばらばらの灰になった。
神社では蝉の鳴き声に混じって、少女のしゃくり上げる声が響いた。

学習机の上には、『みか』と名前が書かれた夏休みの宿題が置かれていた。美佳は『みか』の文字を手で擦った。手が湿っていたからか、水性マジックペンで書かれた文字は灰色に霞み、何回も擦るうちにとうとう消え去ってしまった。
薄く灰色に滲んだ名前欄に、美佳は『なおき』と書き入れた。ペンを持ったままの手で、美佳はいつもしているように濡れた目元を拭った。拭った手がべたべたになった。
新学期が始まった日に、宿題を失くしてしまった美佳は先生に叱られた。


<> 藁を叩く少女<>sage<>2007/09/14(金) 12:33:20 ID:xDCdn1cN<> 秋になった。美佳と直樹の家族は連れ立って紅葉狩りへ出かけた。
登山の最中、美佳は久しぶりに直樹と手を繋いで、鮮やかに色付いた景色の中を一緒に走り回った。
木の根に躓いて転んでしまい、美佳はわんわんと泣き出してしまったが、直樹は泣いている彼女のために団栗を沢山拾ってきてくれた。
美佳は大好きな直樹に、ひさしぶりに心からの笑顔を見せた。
ピクニックを終えて家に帰っると、二人は採ってきた団栗を使い、どんぐり独楽を作って遊んだ。
直樹の作った独楽のほうが、不器用な美佳の作ったそれより良く回った。直樹は自分の作った独楽と美佳の独楽を交換しようと提案して、美佳も喜んでそれを受け入れた。
美佳の宝物がまた一つ増えた。

次の日、隣にある直樹の家から響いてきた音は、ごちゃごちゃとしたテレビゲームの電子音と、時折それに挟まれる少女たちの歓声だった。
美佳は学習机に昨日拾った団栗を全部広げて独楽を作り続けていた。雑念を払うように、団栗に錐で穴を開け、爪楊枝を刺す作業を延々と続けた。
完成した独楽は、直樹に貰ったもの以外全部金槌で叩き壊した。


<> 藁を叩く少女<>sage<>2007/09/14(金) 12:37:26 ID:xDCdn1cN<> 冬になった。校庭では直樹たちが雪合戦をしていた。美佳はそれを廊下の窓から眺め続けていた。
入学してから今日まで、ついに美佳は一人の友達も作ることが出来なかった。
美佳が望んだなら、友達の一人や二人簡単に作れただろう。この年頃の子供というのは何よりも遊び相手に飢えているから、誰だろうと差別なく自分たちの輪の中に受け入れることが出来るのだ。
しかし、美佳は直樹以外の友人をつくることを拒否した。
周りの同年代の子供らが無遠慮に口にする『ともだち』という単語は、美佳が最も憎んでいて、耳にするだけで不愉快になるようなものだったからだ。
たった数ヶ月の付き合いで心を許すなんてことは、言語道断であると少女は考えていた。ただの遊び相手に抱く薄っぺらな友情も彼女は御免被りたかった。
何よりもまず上辺だけの付き合いをしようにも美佳には少女らしい潔癖な誠実さがあり、そういった軽薄な振る舞い自体、彼女にとって到底許せるものではなかったのだ。
美佳の態度があまりにも頑なだったので、この頃にはもう自分から彼女に話しかけようとする子供は直樹以外に誰も居なくなり、彼女はクラスという集団の中で浮いた存在となってしまっていた。
しかし、美佳は集団生活の中にいるうちは孤独だったが、一度学校から離れれば直樹という最愛の人間がいた。
美佳が今のように一人で遠くから直樹を見つめている間だけは、学校生活で感じる寂しさと劣等感を一時的にせよ慰めることが出来た。
直樹が敵軍の大将をやっつけたことで校庭から歓声が上がった。
得意そうにしている直樹の様子を眺めて、美佳は心底嬉しそうに微笑んだ。


<> 藁を叩く少女<>sage<>2007/09/14(金) 12:38:57 ID:xDCdn1cN<> 二度目の春が訪れた。二年生になっても相変わらず美佳は孤独だったが、直樹との距離は一時期に比べて以前のものと近くなっていた。
四月の初めには、親たちに内緒で家を抜け出し、美佳と直樹の二人きりで夜桜を見にいった。
直樹が露店で買ってくれたたこ焼きは涙が出るほど美味しくて、いつまでもこの味を忘れないでいようと美佳は誓った。

翌日、美佳は家族に連れられてお花見に行った公園で、直樹が二人の少女たちと一緒にお好み焼きをつついている姿を目撃した。




<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 12:41:03 ID:xDCdn1cN<> 以上です。
十周打ち切りっぽく、オチが無いのがオチです。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 14:17:13 ID:9eBFQfr7<> >>806
これがオチって・・・
打ちきりになった作家さんに失礼だろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 14:46:28 ID:j2/dNd2e<> >>806
文体とか非常に好みなので、
なんていうか惜しいです 感想のつけようがない <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 14:51:23 ID:E01vIY3O<> >>806
ほほうほほう、遠回しにヤンデレの作り方を教えてくれてありがとう。
来世はコレで行くか! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 15:57:49 ID:vDpkdufK<> 亀だが、
>>771とかのあのセリフをオレはバルドフォース(のEXEだったかな)から来てるのかとオモテタ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 16:20:31 ID:drMNHCpw<> 最近投下が増えてきて嬉しい。
作者さんたち乙です <> 異喰物語
◆cgdFR4AMpg <>sage<>2007/09/14(金) 22:00:39 ID:mngBUKM5<>  平坂暦にとっての“覚醒進化”とは、つまるところ一種の“悟り”のようなものであると思う。
 既存にして起源である世俗より解脱し、そこからも更に上、次なる段階への躍進であると、暦はそう定義する。
 そう自覚してより以後、暦は世界が“未だ嘗て無いもの”に満ちていることを知り、同時にそれらを知る事の出来ぬ“世間”を煩わしく思うようになった。
 中身の無い亡骸に縋る両親も、それを聞きつけ打算を張り巡らせる親族も、その他諸々一切の全てを何にも値せぬゴミと判断し見下し軽蔑し、

 ――――それらへの決別を決意した。

 その頃である。彼女が同類と思わしき青年と出会ったのは。
 彼は見た目こそ老衰し、衰弱し、死に体であったが、観念的に物事を把握する彼女にとって見た目は何ら問題では無く、だからこそ彼の本質を見抜いた。

 そして惚れた。
 それはもう問答無用、空前絶後の完全無欠なまでに一目で陶酔した。
 一目惚れである。そしてこれが、暦の初恋でもあった。

「うふ、うふふふ……」

 彼が欲しい、と暦は思った。
 だが己の身では彼を捉えることは出来ない。
 かといって彼の“終わり”を待つことも出来ない。それに続きが存在するのは、己だけに赦された特殊性であると理解していたからだ。
 食べてしまいたいほどに愛おしい彼。彼のことを思うだけで秘奥が疼き、淫らな空想に耽ってしまう。
 見下してしまうのはただ照れ隠しだ。どうしようもないもどかしさが、彼を想って口を吐いてしまう発露。本当は今すぐにでもその腕の中に抱かれたいのに。
 だが未だ。
 彼が目覚めるまでは――――

「こんな若さ故の迷妄。――――あなた方に理解できるかしら?」


<> 異喰物語
◆cgdFR4AMpg <>sage<>2007/09/14(金) 22:02:13 ID:mngBUKM5<>

『――――、―――― ――――』

 “それ”は暦の呟きに答えるように、不明確そのものの雑音を漏らす。
 老い、枯れ、死に至った在りし日の残滓。
 還るべき場所に還る筈のそれは、しかし暦の朧手によってしっかと捉えられていた。

『――――、―――― ――――』
「あぁ、あぁもう煩いわ。耳障りよあなた。やっぱり老人には度の過ぎた話かしらね」

 見ようによってはヒトの形に見えなくも無い“それ”の、おそらくは首にあたる部分を暦はぎりぎりと締め上げる。
 “それ”に問うたのも、ある種気紛れのようなものだったが、やはりというかまともな答えなど返ってはこなかった。
 例えばその手を離したとしても、或いは優しく撫で擦ったとしても。
 “それ”は同じ雑音を繰り返すに違いない。
他と同じく、茶器の底に残るような澱でしかない“それ”。
 暦はそれが堪らなく嫌いだった。

 “終わり”を迎えたものの後に残る“それ”。
 “魂”とでも言うべき不確かを、暦は締め上げ縊る。
 “終わり”は彼女の独壇場だ。終わったものを糧とする、彼女だけに赦された“覚醒進化”。
己の場合にとっての“それ”を、暦は“魂喰らい”と名付け称した。

 ――――黄泉比良坂に息衝く痩せ犬、平坂暦。

『――――、―――― ――――』
「そう、残念ね。だけどここで終わり。だってあなたは“餌”だから」

 先程死した老人の“魂”の一端を喰らってみれば、「一目孫に会いたい」と語っていた。
 だが、そんなことは関係無い。

「迷ってないでさっさと逝くべきだったのにね。だけどもう遅い。それじゃあ――――」

 いただきます、と。
 言うや否や、早々に口に運ぶ。
 しゃりしゃり、じゅるり、さっくりと。
 凡そ物質的な食感ではない食べ応えに、暦は一応の至福を見せたが、それもすぐに消えた。
 数分と経たずに食べ終えるも、ますますその表情は険しくなっていく。
 理由は簡単。単に不味いからだ。
 例えるならば小骨の多い焼き魚を冷めてから食べるような、旨味を出し切った鶏がらを齧るような、そういう感触。

「やっぱり老い耄れは駄目ね、美味しい要素が一つも残ってないんだもの。未練たらたらな部分は良さげだったけど、それだけじゃあねぇ……」

 空しさに虚空を仰ぎ、彼の下へと思いを馳せる。
 彼と添い遂げる時には、うんと上等なものを用意しよう。そう密かに決めて。

「メインディッシュはこれから。早く目覚めてね、キョウ……」
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/14(金) 22:03:55 ID:mngBUKM5<> 投下宣言し忘れてました。すみません。
短いですが、第二話とさせていただきます。それでは。 <>
◆DT08VUwMk2 <>sage<>2007/09/15(土) 02:36:05 ID:mGHngbhz<> 一昔前に妄想したネタを投下。
SS書くのは初めてなので誤字脱字等があるかもしれませんがご了承下さい
<>
◆DT08VUwMk2 <>sage<>2007/09/15(土) 02:36:59 ID:mGHngbhz<> 「君がいけないんだぞ『大人になったらお嫁に貰ってくれる』って
さぁ、あの時の約束、ちゃんと責任を取ってもらうぞ」


私こと玄田ジュンは、幼馴染の椎名ミキに手足を拘束され婚約しろと脅されている
なぜこのような状況になったかというと今日(午前1時なので正確には昨日か)の同窓会でミキと一緒に帰っている時の事

「じゅ・ジュン…突然で悪いんだが小学3年の夏、私との約束を覚えているか?」
本当に突然の質問で私は戸惑った…え〜っと、10年前ミキになんか約束したっけ?
そういえばおじいちゃんに『レディとの約束を忘れちゃいけない』と言われたが覚えてないものは仕方ない

「え〜っと、ゴメン俺、ミキとなんか約束したっけ?」
ミキは「本当に覚えてないのか?」っとどこか悲しげな顔をしながら言った。
そんなミキを見ると少し罪悪感を感じた…がやっぱり思い出せない

本当に覚えてないとわかったのかミキが頬を赤くして
「き・君は、その時『10年たったらミキをお嫁に貰う』ってい・言ってくれたんだ」


……
………あっ思い出した
確かに私は10年前、ミキに結婚するって約束した
しかし、それは世間を何も知らない小学生同士の約束…なんでそんな事を今更、掘り起こしたのだろうか?

「私はうれしかったそして今日がその約束の日だ…今日まで君の為に純潔を守ってきた」

あれ?もしやミキは私の事が好きって事?無愛想な女だが自分を好いてくれるのはうれしい
おもわず「私も男だ!ミキと結婚しよう」っと言いたくなったが現実的に考えると
さすがに計画性のない学生結婚はしたくない…あぁせめて15年後って言っときゃよかった

「え〜っとねミキ、さすがにお互い学生の身だし…いやほら若いうちに結婚すると
色々と苦労しそうだしね…その…だからあの約束はなかったって事で…」我ながらナイス言い訳

「…つまり結婚の約束は………なかった事って事なのか?」
「いや…その…あぁ、そういう事になるな」
「そうか…わかった」そういうとミキはバックから護身用スタンガンを取り出し私にそれを押し合えた

「ぬぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 <> 『10年前の約束』
◆DT08VUwMk2 <>sage<>2007/09/15(土) 02:38:38 ID:mGHngbhz<> …どうやら私は気を失ってたらしい
で、手足を手錠で拘束されてるようだ

「ようやく目を覚ましたか」
「はっ!その声はミキ!な・なぜこんな事を…」

「…君がいけないんだぞ」
月の明かりでさっきまで暗闇で見えなかったミキの姿が見えた…ミキの姿は裸だった

「君が私を本気にさせた…それなのに君は私と結婚してくれないという…君は実に酷い男だ」
「待て!ミキ、話し合おう!!」
「話したら…話したら結婚してくれるのか?一緒にいてくれるのか!?愛してくれるのか!!?」
そしてミキは私の服を無理矢理と脱がし私の身体にまたがり私の口に舌を入れてきた
ミキは、私の舌吸いつき舐めまわし、しゃぶりついてきた

数分してようやくミキは私の舌を開放した
「結婚してくれないなら…フフフ、結婚せざるおえなくしてくれる」
そう言うとミキは私のパンツごと一気にズボンを引き摺り下ろした

「すごい臭いだ…これならフフフ君との子が孕めそうだ」

「や・やめて…STOP・THE・レイプ!!」
「えぇ〜い!!問答無用じゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 <> 『10年前の約束』
◆DT08VUwMk2 <>sage<>2007/09/15(土) 02:39:28 ID:mGHngbhz<> 「むにゃむにゃ………はっ!」
いつの間にか寝てたようだ
う〜んっと同窓会の後、ミキと一緒に帰って………そこから先が思い出せん
多分、ミキの事だ酔った私を家まで送ってくれたに違いない本当になんていい奴なんだ
…でも俺、酔ってたっけ?

とりあえず顔を洗おうと私は台所に向かうと
「ジュン、おはようあいからわず君は寝坊助だな」
そこには割烹着を着たミキがうちの台所で朝ごはんを作っていた

「な・なんでミキが家の台所で味噌汁作ってるんだ!!」
「夫の朝食を作るのが妻の役目だろう
…それとも昨日、あんなに愛し合ったのにまた忘れたというのか?」
そうだ思い出した!私はミキに犯されて…それから

「私に中にあんな大量に射精して…フフフ、そんなにそんなに私と赤ちゃん作りたかったのか?」
「いや…待って!お前が無理矢理やってきたから…」
「そんな戯言通用せんぞ…君は昨日の時点で社会的にも肉体的にも私のものになったのだ」
「な・なんという事だ…つまり俺はパパになってしまったって事なのか」
「そして私の夫でもあるのだ」



かくして私こと『玄田ジュン』は『椎名ミキ』の夫となりミキのお腹の中の子のパパになったのである

happy end... <> 『10年前の約束』
◆DT08VUwMk2 <>sage<>2007/09/15(土) 02:43:27 ID:mGHngbhz<> 終わりです。

SS初心者がエロシーンを書くのは難しい…
なんか色々と詰め込みすぎた感が… <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/15(土) 04:04:10 ID:947lHiU2<> 乙。短くまとまっていて良かったと思います。
初心者ということなので、文法的なことを少し。
句点をつける、中点(・)が変、!や?は全角で後ろに文を続ける場合は全角スペースを入れる
あたりに気をつけたらどうでしょうか。
次作を期待しています。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 07:14:20 ID:+HQDoMH8<> 主人公の一人称がばらばらなのが気になる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 08:12:05 ID:njSA0iaP<> >>814
>「メインディッシュはこれから。早く目覚めてね、キョウ……」
……逃げてー!主人公逃げてー!

>>819
昔の約束を律儀にも守り続けてきた女の子に犯されるなんて。
テラウラヤマシス

<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 10:00:56 ID:ZVppQa9C<> >>819
激しくGJ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 10:09:28 ID:ZVppQa9C<> 今思ったんだけど男と女二人ともヤンデレ同士だったらどうなるの? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 10:33:48 ID:LJm03Qbx<> 須藤兄妹や上書きの島村さん惨殺エンドみたいになるんじゃないか <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 12:17:06 ID:lkxf8zB8<> >>824
お互い一途に愛し合うので修羅場も発生せず、周りの人もふたりも幸せなハッピーエンドに向かうでしょう。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 14:25:30 ID:McevAqgl<> >>824
障害がなければ問題なさそうだが、家柄・兄妹などの理由による周りの反対や第三者のヤンデレなどの障害があれば虐殺エンドや二人だけの世界に旅立つ結末になりそう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 14:33:16 ID:5ni+yub8<> お互いが監禁・拘束して餓死しそう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 15:14:22 ID:7CppxBG9<> アホすぐるwwwwww <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 16:12:15 ID:n90UWyOA<> 依存したり嫉妬深かったり自虐的だったり好戦的だったり電波っぽかったりツンデレから裏返ったり、一口にヤンデレといっても色々あるけど、
最もスタンダードというか王道的なヤンデレってどんなのだろう?
姉妹が遊びで話す『手錠で拘束して逆レイプと媚薬盛って暴走させるのではどっちがいい?』レベルの話で <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 16:32:01 ID:9GoX9VVv<> 王道か。難しいねぇ。
ヤンデレは行き着く先があまりはっきりと決まっていないから、道の引き方も色々あるし。
でも>>830が挙げた属性はどれもスタンダードに為り得ると俺は思う。


……個人的にもっとも重視したいのは依存だなぁ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 20:25:21 ID:LJm03Qbx<> 漠然としているからなんとも言えないなあ。
ヤンデレに望むものは、と言えば一途さになるんだが。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 21:05:16 ID:5ni+yub8<> いやヤンデレは一途だからこそヤンデレなのでは <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 21:09:16 ID:MzCfn9yQ<> ヤンデレが先か一途が先か <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 21:11:21 ID:7sd9CGV8<> まあつまり>>830に答えると一途である事がヤンデレの王道、か? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 21:12:01 ID:Vf9FEtI5<> >>831
お前さんは依存スレもいってほうがいいんじゃないか?
依存娘がいっぱいいるぞ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/15(土) 23:47:09 ID:zkTJugfB<> ただ依存系じゃない一途なヤンデレって、どうも元から狂気な女の子のイメージがあるからなぁ
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 01:36:29 ID:VATY24fe<> 元から凶器の女の子って定義から外れるんだっけ?


……テンプレみたら外れてたよ。危ない危ない。 <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/16(日) 03:12:47 ID:XhI6Pjwi<> 昔書いた話を書き直してみたので、投下します。
まだ途中ですが、どうぞ。 <> 羊と悪魔<><>2007/09/16(日) 03:14:13 ID:XhI6Pjwi<>  質問です。あなたにとって親友とはなんですか?


 私の学校には、とても目立つ髪の色をした女子がいる。
 名前はたしか、石橋あきら。「たしか」なんて使うのは、私が彼女の名前をろくに記憶していなかったからだ。
 そして、これからも彼女の名を記憶することはないだろう。

 結果から最初に言ってしまえば、彼女は死んでしまった。
 頭からその髪と同じ色の血を流しながら、殺された。 <> 羊と悪魔<><>2007/09/16(日) 03:14:47 ID:XhI6Pjwi<>  出会いは、小学校。私がいた小学校では四年生になるとクラス替えをする。
 目立つ髪をしたあきらのことは前々から気付いていたけど、同じクラスになったときは、なんとなく気に喰わなかった。
 クラス委員長の私。クラスメイトや、他のクラスの人とも仲良しな私。勉強だってみんなよりも得意な私。
 そんな私よりも目立っている彼女が、妬ましかったのだろう。
 でも、そんな嫉妬の感情はあっさりと消えた。ほんの二日三日彼女の立ち振る舞いを見ていて、どう考えても私の方が目立っていると確信したのだ。
 あきらは目立とうとしない。
 誰よりも目立つ髪の色を隠すように、いつも帽子を被っていた。勉強は得意そうだったけど、私に敵うものじゃあなかった。そして、いつでも一人ぼっち。
 そう、私の方が彼女よりも圧倒的に優れていたのだ。ただ髪の色が違うというだけで、彼女は私よりも格下なのだ。
 その頃は、そう思っていた。そう思っていたからなのか、何かにつけ彼女をいじめた。
 いじめた理由はよくわからない。ただ、何故かいじめたかった。きっといじめやすかったのだろう。
 あきらは大人しかった。不気味すぎるほど大人しかったことに、私は気付けなかった。

 燃えるような赤、ではない。鮮血のような赤。
 あきらの髪は、とても赤かった。非現実なほどに。 <> 羊と悪魔<><>2007/09/16(日) 03:16:04 ID:XhI6Pjwi<>  あきらをいじめる口実は、いつも決まって「親友だから」。
 たとえば給食で嫌いなもの(そういえば当時は魚類が食べられなかった)が出たら、それをあきらの机に置く。
「私たち親友でしょ?」
 そう言えばあきらは何も言わず、黙々と食べてくれる。自分のことだけど、酷い子供だ。
 借りたものを返さないことも多かった。教科書、鉛筆、消しゴム、彼女が大切にしていた小物。多分あきらは困っていただろうが、お構いなし。
「親友だもんねぇ?」
 私はことあるごとに親友という言葉を使っていたが、彼女を親友であるとは思っていなかった。

 責任転嫁もよくやった。
 男子が掃除中にふざけて箒を振り回して、窓ガラスを割ったとき、私の提案であきらが割ったことにしたのだ。
 すぐにやってきた先生に、
「あきらちゃんがほうきで割りました」
 と言ったら、先生は何もしていないあきらに説教をし始めた。あまりの先生の怒りっぷりに、さすがに私も罪悪感が芽生えた。

 しかし、もっと多くの手段で彼女をいじめていた気がするのだが、どうしてもその内容が思い出せない。思い出す必要がないと、私の脳が判断したのだろうか。 <> 羊と悪魔<><>2007/09/16(日) 03:16:39 ID:XhI6Pjwi<>  中学生になり、大人になったような錯覚を抱いて登校する私の姿は輝いて見えたであろう。
 しかしすでに内面と外面を切り分ける術を手に入れていた私にとっては、輝いていた私は偽りである。たとえ外面は意気揚々と学校へ向かうように見えていたとしても、内面は意気消沈していた。
 中学生になってもみんなの中心にいた私は、毎日のように恋愛の相談を持ちかけられ、正直疲れていた。よくもまぁそんなに異性のことを好くものである。恋愛をしたことがない私にそういうこと聞かれても、根拠のない励まししか出来なかったのがうしろめたい。
 そんな私の初恋が担任の先生であったことは、青春の思い出として、苦い恋の思い出として、タキシード姿の彼と隣に並ぶウェディングドレスの美人のツーショットとともに、今も大切に記憶の中にしまい込まれている。先生、末永くお幸せに。

 ところであきらのことだが、なんとまた私は彼女と同じクラスになった。私のいた中学校にはクラス替えが無いので、これから彼女と三年間付き合うことになる。
 そのころにはもうあきらをいじめることはなくなった。というか、無視することに決めた。相談されたり勉強したりで忙しくて、もう彼女の相手をしている暇は無かったからだ。
 三年間のあきらはおとなしく、誰よりも先に学校に来て、自分の席から動かず、時々自費購入したと思われる何かの小説を読み、そして誰よりも早く帰路に着いた。
 いつの間にか、同じ教室にいながら、彼女の存在に気付かないようになっていた。
 彼女がいじめられ続けていることは知らなかったし、彼女の机が罵詈雑言や中傷で埋め尽くされていることも知らなかった。
<> 羊と悪魔<><>2007/09/16(日) 03:18:58 ID:XhI6Pjwi<>  再び彼女の存在を思い出すのは、高校受験のときである。
 私は県立の有名校を志願した。偏差値は相応に高く、並の点数ではあっさりと不合格になってしまうが、私の成績なら確実に合格できるという程度の高校である。
 受験当日、試験会場であるその有名校の昇降口で、私は赤い髪の少女の姿を見た。小学生の頃から変わらない、前髪だけが少し長いショートヘア。鮮血のように赤い髪が、冬風に吹かれていた。
 あきらだ。
 驚き立ちすくむ私に気付き、僅かに顔を向けるあきら。その口元には、うっすらと笑みを浮かべていた。
 試験用紙の空白を埋めている間もずっと、あの笑みが頭の中に刻み付けられて離れない。思い出すたびに、何故だか背筋が冷たくなった。
 そうして私は合格し、あきらもまた、合格した。 <> 名無しさん@ピンキー<><>2007/09/16(日) 03:19:54 ID:XhI6Pjwi<> とりあえずはここまで。続きは期待せずにしばらくお待ちください。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 03:22:00 ID:QTVGEQzh<> とりあえずサゲよう。な? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 03:22:15 ID:wjDjI3Y7<> まずはsageろ
話はそれからだ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 03:38:50 ID:XhI6Pjwi<> と、失礼。
次からは気をつけます。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 03:47:29 ID:IN3/w7GF<> >>845
好みです 続きも期待しています <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 03:52:02 ID:ml728Za8<> 殺された、とあるから自殺じゃないんだろうな。
まだ序盤みたいだからなんとも言えないが、生贄を連想させるようなタイトルが物語にどう関わってくるのか楽しみだ。
>>799とかもそうだが、こういう幼さ故の残酷な仕打ちって読んでるとやるせなくなる。
続き期待してます。GJ! <> 羊と悪魔<>sage<>2007/09/16(日) 20:10:41 ID:XhI6Pjwi<>  小さい頃に読んだ絵本の登場人物は、みんなとても穏やかな目をしています。
 私はそんな穏やかな目を見たことがありません。
 私が暮らす家には、父親という名前の他人と、母親という名前の他人がいます。二人とも私を見るたびに、険しい目になります。
 絵本の登場人物は皆、誰かを愛しています。とすると、父親と母親という他人は、どうやら私を愛していないようなのです。
 学校の先生という名前の他人も、クラスメイトという名前の他人たちも、私に向ける目は険しく、きっと私を愛していないのでしょう。
 困りました。絵本によると、愛されない人は悪魔らしいのです。愛されない私は悪魔なのでしょうか。
 悲しいことに、きっと私は悪魔なのです。だって皆とは違う髪の色をしているのです。
 こんなに赤い髪をしている私は、悪魔以外の何者でもないのです。

 私が悪魔だとしたら、悪魔は何をすればいいのでしょうか。本屋さんでなにやら難しそうな、悪魔と書いてある本を探して、なけなしの小遣いをはたいて購入し、家に帰って読んでみました。
 しかし当時小学生だった私には読めない漢字が多く、頑張って解読しようと辞典辞書を持ち出して、なんと書いてあるかを必死で調べていました
 幸いカタカナを読むことはできたので、悪魔の名前を知る程度はできました。
 たとえば6番目の悪魔ウァレフォールは盗みがたいへん上手な悪魔であるとか、17番目の悪魔ボティスは友人や敵の調停(よくわかりませんが、きっと仲直りさせてくれるのでしょう)を行うであるとか。
 どうやら悪魔というのは、人に迷惑をかけるだけのものではないようなのです。私は少し感動しました。
 72もいる悪魔のうち、24番目まではどんな悪魔かはわかりましたが、25番目の悪魔を解読している途中で、父親という名前の他人に悪魔についての本を取り上げられてしまいました。
 25番目の悪魔は一体どんな悪魔だったのでしょうか。
 名前だけは憶えているのです。カールクリノラースという名前だけは。
<> 羊と悪魔<>sage<>2007/09/16(日) 20:12:31 ID:XhI6Pjwi<>  小学生のときの思い出は、きみこちゃんが全てです。
 誰もが赤い髪の悪魔に話しかけないのは当然のことなのですが、きみこちゃんだけは違いました。
 私のことを『親友』だと言ってくれたのです。
 友達どころか、まともに話す相手もいなかった私を親友だと言ってくれたのです。
 そのときの喜びをどう言い表せばわかりません。私の語彙が足りないせいです。ただ、家に帰るとそのときの感情を何度も思い出して、嬉しくて涙が出てしまいました。
 『親友』。
 そう、私ときみこちゃんは親友です。彼女のためなら何でもしてあげたい、いえ、何でもすると誓います。私の全てはきみこちゃんのものであり、私の思い出の全てはきみこちゃんのものなのです。
 永遠に、私の親友はきみこちゃんだけです。神に──いえ、私は悪魔です。ならば何に誓えばいいでしょうか。
 そうだ、私は悪魔なのですから、悪魔に誓えばいいのです。悪魔に誓うだなんて不吉な感じがしますが、悪魔は人に迷惑をかけるだけのものではないはずです。
 誓います、悪魔カールクリノラース。
 私はきみこちゃんを裏切りません。
 絶対に。
 永遠に。

 私の上履きが隠されました。何回目でしょうか、もう私は数えるのを諦めました。多分どこかのゴミ箱から出てくるでしょう。
 教科書や筆箱が消えています。何回目でしょうか、最初から数えていません。やはりどこかのゴミ箱から出てくるはずです。
 私の持ち物はいつもすぐに隠されます。
 上履きを履かずにいると、先生という名前の人間が上履きはどうしたのかと尋ねてきます。失くしましたと言えば怒りだし、黙っていれば怒りだし、隠されたと正直に言うと人のせいにするなと怒りだすので、私にはどうすることもできません。
 教科書もそうです。教科書が無いと怒られます。
 あの先生という名前の他人は、私を怒鳴ることで生きているのではないか、と時々考えてしまいます。
 給食のときにみんなが嫌いな食べ物が出ると、私の机はその食べ物で埋め尽くされます。クラスメイトという名前の他人が置いたものなら手をつけませんが、きみこちゃんが置いたものなら喜んで食べます。だってきみこちゃんは親友ですから。
 きみこちゃんが欲しいものは何でもあげました。教科書だって、鉛筆だって、消しゴムだって、なんだってあげます。きみこちゃんが欲しいものなのです、惜しくはありません。
 トイレに閉じ込められてバケツ満杯の水をかけられても、掃除用具入れに放課後まで閉じ込められても、きみこちゃんがやったことなら、許せます。きみこちゃんがやったことなら、耐えられます。 <> 羊と悪魔<>sage<>2007/09/16(日) 20:13:04 ID:XhI6Pjwi<>  だから、あのときのことは忘れません。あの日から、私はほとんど眠れなくなりました。頭と喉、胸が針を刺されたように痛みます。
 掃除の時間のときのことです。私が箒で塵を掃いていると、大きな音とともに窓ガラスが割れていました。何があったんだとすぐに先生という名前の他人がやってきました。
 教室が他人たちの声でざわめく中、きみこちゃんがこう言ったのです。
「あきらちゃんがほうきで割りました」

 私は、ただ箒で掃いていただけのはずです。私は窓ガラスに触れていません。
 でも、きみこちゃんが言ったのです。私が割ったに違いありません。どうやって割れたかは問題ではないのです。
 それでも、私はきみこちゃんを疑わずにはいられません。私は何もしていない。でも、きみこちゃんの言うことは全て正しいのです。
 どうすればいいのでしょう。親友を疑うなんてこと、あってはいけません。
 私が悪いのです。私が悪いから、きみこちゃんはあんなことを言ったのです。きみこちゃんが正しいから、悪いのは私なのです。
 ごめんなさい。私は悪魔です。人に迷惑をかけるだけしかできない悪魔です。
 ごめんなさい。親友を疑う私は悪い子供です。
 ごめんなさい。きみこちゃん、ごめんなさい。 <> 羊と悪魔<>sage<>2007/09/16(日) 20:13:35 ID:XhI6Pjwi<>  中学生の記憶は、ほとんどありません。
 きみこちゃんが話しかけてくれなくなりました。
 私は、何も憶えていません。
 私の机に何か書かれていようと、私には見えません。
 私が何をされようと、何も感じません。
 きみこちゃんが全てなのです。同じクラスにいようと、きみこちゃんの近くにいられないなら、その部屋には誰もいません。
 きみこちゃんがそこにいないなら、私に生きている意味はありません。

 家の中でうずくまって家とはなんだったのか思い出せなくて喉が痛くて頭が痛くて部屋は暗くて。
 父親という名前の他人の声がうるさい母親という名前の他人の声がうるさい別の部屋の声が私の耳元で聞こえる。
 助けてたすけてたすけて誰も助けてはくれません私は悪魔だから私は悪魔だから私は悪魔なのです。

 気付いたら、部屋の中は暗くなっていました。誰の部屋だったかも思い出せません。
 ベッドの中で泣いていた私の目の前に、黒い人影がありました。
「あなたは誰?」
 影は答えません。でも私にはわかっています。影は悪魔です。私の望みをかなえてくれる悪魔です。
 悪魔カールクリノラース。そう、私はあなたに誓ったのです。
「私はどうすればいいの?」
 影は答えません。でも私にはわかっています。
 いつしか私は、笑い叫ぶ自分に気付いていました。 <> 羊と悪魔<>sage<>2007/09/16(日) 20:14:41 ID:XhI6Pjwi<>  高校受験は、きみこちゃんと同じ高校を選びました。きみこちゃんの行く高校は、カールクリノラースくんが教えてくれました。
 きみこちゃんは小学校のときからずぅっと同じクラスだったのです。いつまでも一緒です。
 だって私ときみこちゃんは、親友なのですから。
 私のすべてはきみこちゃんのものです。きみこちゃんの言うことはすべて正しいのです。
 きみこちゃんと一緒にいられるなら、私は何もいりません。私の望みは、きみこちゃんだけです。
 だから、同じ高校を選びます。また同じクラスになりましょう。また私に話しかけてください。
 私ときみこちゃんは親友です。
 そう、永遠に。

 そうして私は合格し、きみこちゃんもまた、合格しました。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 20:18:18 ID:XhI6Pjwi<> 羊と悪魔、続きです。あきらの視点からです。
ただの電波少女になってるような気がしないでもないですが。

狂気を表現するのは難しい。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 20:31:56 ID:BsFiQyRc<> >>856
GJ
だがカワイソス(´・ω・)すぎて鬱になりそう。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 20:34:35 ID:pUAdnNH8<> >>856
結末に行き着くまでが非常に気になる <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 21:21:56 ID:wCWGdWi4<> GJ!
ヤンデレの¨ヤン¨の部分はかなりの出来映え。
ここからどうやってデレ要素を絡ませるのかに期待。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/16(日) 23:31:34 ID:FwL/juTF<> そういや次スレってもう立ってるの? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 00:27:37 ID:kpUuvuMC<> まだ立ってないし、立てるのにはもう少し待ってもいいと思う。
まあ俺はスレ立てられないんだがな。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 02:34:39 ID:5xT8VqoK<> そうか
いや残り24kしか残ってなかったから疑問に思ったんだお <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 02:47:46 ID:kpUuvuMC<> あ、ほんとだ。申し訳ない。見てなかった。

<> sage<><>2007/09/17(月) 03:21:50 ID:Sf6DhUew<> 投稿したいと思うのですが、次スレにした方がいいでしょうか? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:22:38 ID:Sf6DhUew<> あげてしまった
申し訳ないorz <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:25:24 ID:zt9lqecl<> >>865
じゃあスレ立てしてくる。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:31:21 ID:zt9lqecl<> スマソ、無理だったorz
他の人頼む <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:32:12 ID:Sf6DhUew<> >>866
サンクス
できるかわからないけど、自分でやってみます <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:37:16 ID:Sf6DhUew<> たてました。
次スレに投稿したいと思います。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:41:47 ID:zt9lqecl<> >>869乙!
誘導用
ヤンデレの小説を書こう!Part10
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189967712/ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:46:04 ID:5xT8VqoK<> うわ…すまん、気づいたときにやっとくべきだったな…
>>869乙 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 03:51:51 ID:Sf6DhUew<> >>870
>>871
いえいえ、恐縮です。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 10:17:45 ID:TuxvL6RR<> 埋め <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/17(月) 21:01:15 ID:V1H/GQFF<> >>830
オーソドックスだとか王道と言うつもりはないけど、
行動に愛する者以外を排除しようとする衝動や愛する対象への独占的志向を伴うことが多いと思う。
それが嫉妬だとか、障害となる人物に対しての病的なまでの衝動的行動に繋がるんじゃないかなと。
電波や狂気は必ずしも要素となるわけではないけど、伴うことも多い気はするなぁ…。
例えば、ある時期からの思慕・恋慕の暴走だとか
妄執・虚構を精神的支えとするようになったりして行動がエスカレートして行ったりとかね。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 14:27:18 ID:5utCdqo2<> ふむ、みんな新スレに移行しているみたいだから埋めついでに言うと
詳しく読むとヤンデレ大全はひどい点がかなり目立つ。
安易に暴力や病んでしまうことを肯定する傾向が特にマズい。
この手のヒロインには愛情が裏にあるから良いわけなのにさ……
大全発売後に「男のヤンデレ」を語るやつが急に増えたのも、そういう項目が書かれているからだろう。
女性向けの漫画とかで病んだ男キャラがいるとしても、そういうのをヤンデレと言うわけでもないのにな。
なんでもかんでもヤンデレかよ。

おまけ
水銀燈の項目について。
ローゼン(父)に対する愛情(デレ)で真紅たちに対する敵意(ヤン)という解釈だった。
なにがなにやら。
オーベルテューレでの描写によれば姉妹シリーズの中で真紅に対して
もっとも信頼を寄せていたわけで、それなのに正式にローゼンメイデンに
なったことを真紅は歓迎してくれない。つまり好意が裏返って憎しみになった。
この流れをヤンデレと言うなら納得だけど、そもそも名キャラには色んな要素があるだけだと思う。
なんでもかんでもヤンデレっていう態度を助長するだけだよな。

リストに関しては「大全」の本質なので、しっかりして欲しいもんだ。
もちろんコラムも詳しく読めば、わかってない感が匂うけどな。
もう頼りになるのは、おまえらとかVIP発のゲームぐらいだ…… <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 16:19:16 ID:4h8cVc6u<> >>875
確かにアレは酷かった。あと、ひぐらしのレナ。彼女も違うってw
…まぁ、言葉とかねーちんについての項は良い感じにまとまっていたけど。
むしろ、ヤンデレにはグロが付き物って勘違いして、
耐性がないなどの理由でやたらと敬遠する人がいないかの方が心配かも。
要素の1つとして含み得る事が多いだけなのに。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 16:22:02 ID:25UrQT2s<> チラシの裏でしっかりしてほしいだ頼りになるのはお前らだけとか
やっすい居酒屋でクダ巻いてるオッサンかあんた。
でもなきゃキモイワナビ。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 16:50:08 ID:TVRvhzOe<> お前はガキだ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 17:01:48 ID:5utCdqo2<> すまない。埋め用のチラ裏だったが確かに愚痴りすぎたな。
>>877は大全の出来についてどう思う? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 17:49:30 ID:E4VOTvFP<> >>877
「頼りになるのはもう○○君だけなんだよぉ」とか言ってる子に脳内変換するんだ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 19:02:09 ID:8ancfqVs<>  >>875は涙でぐちゃぐちゃにした顔で笑顔を浮かべた。
「もう、頼りになるのは君だけなの。私には君だけしかないの。だから――お願い」
 細い腕が、俺へと伸ばされる。微かに震える>>875の腕を俺は――

→はねのける
 引き寄せる
 ねじ上げる


無意味にこんな妄想をした。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/19(水) 22:28:54 ID:4h8cVc6u<> 最近発売されたエロゲだと、(最近?)
聖なるかなののぞみんこと永峰希美は
結構当てはまるキャラなんじゃないかと個人的には思った。
ヤンデレ的要素が少なすぎて、修羅場止まりになってるのが残念すぎる位。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/21(金) 01:11:28 ID:GMksHyfi<> ここ数日で東方の二次創作読み始めたんだけれど、
アリスというキャラの話にヤンデレっぽい描写が多いみたい。
ググってみれば、原作や公式本ではちょっと嫉妬深い友達の少ない子程度らしいから不思議だぜ。


以下、みかけたヤンデレっぽい二次創作

少女の現
ttp://coolier.ath.cx/~coolier/l_sosowa/anthologys.cgi?action=html2&key=20070918010651
ttp://coolier.ath.cx/~coolier/l_sosowa/anthologys.cgi?action=html2&key=20070918010826

白百合畑でつかまえて
ttp://coolier.ath.cx/~coolier/l_sosowa/anthologys.cgi?action=html2&key=20070825205140&log=2007082605
ttp://coolier.ath.cx/~coolier/l_sosowa/anthologys.cgi?action=html2&key=20070825205510&log=2007082605
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/21(金) 06:24:06 ID:uogKhxla<> 東方なんて二次設定がほとんどだろ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/21(金) 11:27:02 ID:zvZ3s/iJ<> >>883
嫉妬深い子もキャラとしてはヤンデレ的な素質有りと考えやすいからかな、
原作の設定をどう解釈するかにも依るけど。
あと、友達の少ない子ってのは、ほぼ間違いなく準原作の萃夢想からだと思うw
(準なのは、原作者も携わってるけど、制作のメインは別サークルのため) <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/21(金) 13:30:55 ID:SqEQRvN3<> ヤンデレの基本形態はボーダーにあると思うのだがどうだろう <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/21(金) 14:03:37 ID:zvZ3s/iJ<> >>886
ボーダー?と思いきや、境界性/境界型パーソナリティ障害か。
基本形態というよりも、言動理念の下地になることが多いんじゃないかな。
必ずしも症例に当てはまるわけじゃないし。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/21(金) 14:07:48 ID:SqEQRvN3<> そうだなぁ
もっと深いところの、思考の原点みたいなところに根付いてるんだろうなぁ
普段は抑えてるけど抑えられなくなった時に吹き出る感じが強い <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/22(土) 23:04:58 ID:P0GDI/4D<> ヤンデレ大全、持ってる人に読ませてもらった。

「質量、つまり重さなんだ」って書いてある本を受験時代に読んだのを思い出した。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/23(日) 01:07:48 ID:1iYDTokz<> 質量と重さを同一視しているようにヤンデレと気違いを同一視しているという意味? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/23(日) 08:42:48 ID:qa6xZ0XM<> 機知外はヤンデレでいうデレが無い <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/23(日) 10:03:41 ID:Kna1APRe<> 質量 物体固有の量 重力が違う星に行っても変わることはない
重さ 地球上で物体にかかる力の大きさ 故に地球上以外だと意味がない

ヤンデレ 愛してるが故に病んでしまった 病むほどに愛してしまった状態 
愛する人を手に入れるためなら手段をえらばない 病むほどに愛してる人以外には愛情を向けられない

キチガイ 最初から病んでいる どう考えてもメンヘラ 
最初から病んでるが故にヤンデレでいうデレがない状態 愛情と別世界の何かを履き違えてる子 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/23(日) 12:02:41 ID:JttUnon9<> はいはいループループ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 01:36:13 ID:yTBfmvEc<> 質量があるヤンデレだと!? <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 02:17:40 ID:FSk+QK4k<> 鉄仮面吹いたw <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 04:01:26 ID:vfTFPQf5<> いやオマエラ、F91ネタなんて振られても普通分からんだろう? <> 名無しさん@ピンキー<>age<>2007/09/24(月) 05:12:45 ID:1/SzMPCC<> へすゅ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 06:13:42 ID:BVtDnDGO<> >>891
デレがあろうとなかろーとkitty guyはkitty guyでしかなくヤンデレとは別物だ
ヤンデレは常時ヤンでるよりもまともな部分とのギャップを楽しむものだろうに <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 14:10:28 ID:2ctenXgW<> >>898
それはどうかなぁ?
ここのSSだって登場からendまでぶっちぎりでヤミッぱなしのヒロインもいるし一概には言えないと思う <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 15:09:12 ID:OEH+DIM2<> ↑おまえみたいなのがいるからヤンデレが勘違いされる
>>898の言ってることは
ここのssがどうだといってるわけじゃない。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 15:40:27 ID:f1DN3ppp<> ↑おまえみたいなのがいるからスレが荒れるんだ
新スレに持ち込むなよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 16:04:35 ID:8OwSMHiH<> ↑おまえみたいなのがいるから話がおわらないんだ
スルーしろよ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 17:44:45 ID:EgwybuVN<> 話の終わらないさまはまるでヤンデレとの会話のようだな <> 埋めネタ〜ヤンデレ家族〜<>sage<>2007/09/24(月) 23:07:02 ID:44vDg8Ym<>  俺の家には5人が同時に暮らしている。そして俺以外の4人全員が何かしらおかしい。
 まず、父と母。実の両親である。
 俺にとっては両親であるが、実を言うとこの2人はただの夫婦じゃない。
 別に父親がヒーローだとか、母親が裏世界のドンだとかいう意味ではない。
 もうちょっとレベルの低い意味でただの夫婦ではない。
 別の言い方をするならばベクトルが違うとでも言うのだろうか。
 
 俺の父と母は、兄妹だ。

 嘘ではない。どうしようもなく、本当のことである。
 なにせ、両親の母――俺にとっては祖母である――から聞かされた話だ。
 祖母はまだ50代である。まだ呆けていない。会社にだって務めている。
 俺自身、祖母の言ったことを全く疑っていない。
 俺が、兄妹で子供を作ったというにわかには信じがたい話をなぜ疑わないかというと、
たった今、壁一枚隔てた向こう側から、それを証明する声が聞こえてくるからである。

「おにいちゃあん! いいよっ! イイよぉっ!」
 この声は母の声だ。実の息子である俺が言うのだから間違いない。
 ちなみに母の年齢は……怖くて未だに聞けていないが、父の年齢が36歳ということから考えて、
30代前半だと考えられる。
 俺は現在17歳。となると、母は少なくとも18の頃には俺を産んでいたと言うことになる。
 なんということであろうか。
 兄妹で子供を作ったというだけでもトンデモ話だというのに、このうえ10代で出産していたとは。
 その事実を知ったときにはさすがに自分の耳、もしくは脳が損傷していないかを疑った。

「――っく、イクぅっ! あ、ああああああっ! いっぱい出てるうぅぅっ!!」
 ……ふむ。
 改めて考えてみると子供が起きているというのに、隣室でまぐわっている夫婦の
片割れである母(父の妹)が嬌声をあげているというのも変な話である。
 そして、30代子持ちで『おにいちゃん』と言う母の精神年齢の低さも異常である。
 俺は母の嬌声なんぞ聞きたくもないし、聞いても全く嬉しくない。
 人間の耳に、聞きたくない音声をシャットダウンできる機能があればいいのに、と俺は切に願う。
 母にセックスするのをやめてくれ、もしくは回数を減らしてくれ、と頼むことはできない。
 以前さりげなくそう言ってみたら、「私とおに――お父さんのスキンシップを邪魔するの?」と言いつつ、
母が俺の首に手を伸ばしてきた。
 その場は父がおさめてくれたが、もし父が居なかったらと思うとぞっとする。
 本人に言っても無駄なら、それこそどうしようもない。
 俺は夜ごとにひたすら頭のおかしい母と、父のまぐわう声を聞き続けなければいけないのだ。
 これからもずっと。

 父と母の話はこれぐらいにしよう。この家に住んでいるもう2人の話をする。 
 その2人というのは、俺の弟と妹だ。弟は1つ下、妹は2つ下。
 弟は俺のことを慕ってくれる。あまり学校の成績がよくない弟はテストの度に俺を頼ってくる。
 そこそこ勉強ができる俺は同じ高校に通う弟の勉強をよく見ている。
 その際、弟の勉強を見ている俺を、妹が後ろから見つめてくる。
 これが2つ離れた俺の尊敬の眼差しであれば嬉しいのであるが、そうではない。
 妹は俺を睨んでいるのだ。それも血走って濁った目で見てくるのだ。
 その瞳に何が篭っているのかなど、考えるまでもない。
 俺に対する、憎悪である。
 妹は、弟を独占する俺を射殺さんばかりに憎んでいる。
 とは言っても、それは勉強を見ているときだけのことである。
 勉強が終わってしまえば妹は弟にすぐさま飛びついて甘える。見ていて微笑ましくなるほど、激しく甘える。
 妹のデフォルトは、弟にくっついている状態なのである。
 長男としては少しばかり悲しくもある。だが妹の興味が弟に全ていくならそれでもいい、とも思う。
<> 埋めネタ〜ヤンデレ家族〜<>sage<>2007/09/24(月) 23:08:13 ID:44vDg8Ym<>  その理由には、俺の趣味が関係している。
 俺の趣味はプラモデルを作ることだ。そのため、部屋に立ち入ってもらったら困るのである。
 せっかく上手く塗装できたプラモデルに指紋などつけられては大変なことになる。
 具体的には飯も食えなくなるほどに俺がへこむ。
 しかし、母は父の部屋にしか入らないし、妹は弟の部屋にしか入らない。
 俺の部屋に入る人間は、俺以外にいないのである。
 たまに父や弟が入ってくることもあるが、俺が部屋にいる時に限るのでいたずらされる心配がない。

 というわけで、今の俺は明日学校があるにも関わらず、小言を言われずにプラモデルに色など塗れるわけだ。
 ああ、なんという幸福な生活であろうか。
 同居人の誰にも邪魔されずに趣味に没頭できる。趣味に生きる人間にとってこれ以上の幸せがあるだろうか?
 いや――ない。
 たとえ寂しい人間と言われようと、今の俺は幸せだ。
 それは父と弟という人身御供のおかげであるのだが、とにかく俺は幸せだ。
 今は幸せなら、それでいい。たとえ、これからは幸せでいられないとしても。

* * * * *

 朝になった。
 俺は部屋の隅に畳んだまま置かれている布団に身を預けるようにして眠っていた。
 夏というのはありがたい。寝るときに布団を敷かなくても風邪を引かないからだ。
 立ち上がり、学生服に着替え、部屋を出て、洗面所へ向かう。
 顔を洗い、少しばかり寝癖のついていた髪を水のついた手で撫でる。
 それで寝癖が直るわけではないのだが、一応やっておく。

 洗面所の次に行くところはリビングだ。
 リビングの入り口の扉を開けると、朝食の匂いがした。
 リビングのテーブルにはこの家の同居人である四人がすでに食事を始めていた。
 母と、母にあーんをされている父。妹と、妹にあーんをされている弟。 
 二組はテーブルを挟んで向かい合って座っていた。
 ちなみにテーブルに備え付けてある椅子は四脚。全ての席は既に埋まっている。
 俺の席は当然無い。朝食も当然用意されていない。
 こめかみを押さえて目を閉じる。そして自分に向けて暗示をかける。
 ――これはいつも通りの光景だ。今日もいつも通りで安心した。
 ――いきなり俺の朝食が用意されていたら、どうリアクションをとればいいかわからない。
 ――だからこれでいいのだ。
 ……よし、暗示終了。

 キッチンに入り、冷蔵庫の中を開ける。
 買い置きのプリンがまだあった。これと、あとはトーストを焼いて食べるとしよう。
 キッチンに置いてある小型の椅子に座り、焼いたトーストにマーガリンを塗り、食す。
 冷蔵庫に背を預けてよりかかり、もくもくと咀嚼しながらテーブル席についている四人を観察する。
「あなた、どう? 今日のお味噌汁」
「ん……まあまあ、かな」
「え? まあ、まあ?」
「はっ! 違う違う。うん、サイコーだよ。やっぱりお前を嫁にもらって成功だったよ」
 父が歯の浮くような台詞を言いながら母の頭を撫でた。
 母はにこにこ笑いながら父に体をすり寄せる。
 見ている方が恥ずかしくなるバカップル、じゃなくおしどり夫婦、もとい仲のよい兄妹ぶりである。
<> 埋めネタ〜ヤンデレ家族〜<>sage<>2007/09/24(月) 23:09:43 ID:44vDg8Ym<>  さて、もう一組、こちらは弟と妹の組み合わせである。
「お兄ちゃん。あーん」
「……あーん」
 妹が差し出した卵焼きが弟の口の中に入った。弟はもぐもぐと顎を動かす。
「うん……ちょっとしょっぱいけどおいしい」
「ホント!? じゃあ、もっとしょっぱくしても大丈夫?」
「いや、気持ち塩を少なめにしてもらえるともっと美味しくなると思う」
「そう? お兄ちゃんはその方がいい?」
「うん」
「わかった。明日からはそうするね。もう一つどうぞ。あーーん」
 こちらも両親に負けず劣らずの仲の良さを見せつけてくれる。
 これが兄妹同士でなければ兄としては安心できるのであるが……今となってはどうしようもあるまい。
 言うだけ無駄だ。よって何も言わないことにする。

 四人を見ていて、いつも思うことがある。
 父と母。弟と妹。四人はまったくそっくりである。
 兄妹という構図もそっくりであるが、その容姿すらもそっくりなのだ。
 父と弟はほぼ同じ顔だ。母と妹だってそうだ。
 このままいけば、いずれ弟と妹は、両親と同じ道を辿るのではないだろうか。
 ありえない、と言えないところが恐ろしい。
 実際に妹の行動は、兄妹は仲良くしなければならない、で説明できる行動の範疇を超えている。
 高校一年生と中学三年生の兄妹といえば、とっくに兄妹離れしている年齢である。
 それだというのに妹は弟にくっついたまま離れようとしない。
 これはブラコンの一言で片付けていいものなのであろうか。
 俺の本能は否、と言っている。このままではいけない、と言っている。
 だが、同時に本能が告げるのだ。妹の邪魔をすべきではない、無理矢理に弟と妹を引き裂けば俺の身に危険が及ぶ、と。
 弟のテスト勉強を見ているわずかな時間でさえ俺に譲ろうとしない妹を見ていると、その警告にも納得ができる。
 弟と妹にまっとうな人生を歩んで欲しいと俺は願う。両親のように歪んだ夫婦にしてはいけない。
 そうは思うものの、我が身かわいさ故にどうしても2人を放っておくしかできない。
 だが、いつか弟と妹が両親のように道を踏み外そうとしたら、その時は止めようと思っている。
 それが兄としてできる精一杯のことである。

 朝食を食べ終えた後、食器を片付けていると電話機が電子音を発した。
 リビングに視線を向ける。ピンク色の空間に居る両親と弟と妹はベタベタくっついたままで、電話をとろうとはしない。
 もちろんそれはいつものことである。朝食の時間に電話がかかってきた際に応対するのは俺の役目なのである。
 いつからそうなったのかはわからない。
 もしかしたら自分から望んでそうするようになったのかもしれないが、とうに忘れてしまった。
 廊下に出て、受話器をとって耳にあてる。
「もしもし」
「あ、お兄ちゃんの方かな? 元気?」
 電話の相手は祖母であった。
 祖母と言うには若々しい声である。還暦を迎えていないので、おかしいとは思わない。
「うん。元気だよ。どうかしたの、こんな朝から」
「今日は誕生日だったでしょう。だから電話をしておこうと思ってね」
 壁に貼ってあるカレンダーを見る。確かに今日は俺の誕生日であった。すっかり忘れていた。
「ありがとう、お婆ちゃん」
「もしかしたら、まだお兄ちゃんにお祝いしてくれないんじゃないかと心配になったんだけど。
 どう? むす――じゃなくてお父さんとお母さんにおめでとうって言われた?」
「うん。それに、今日は朝から大好きなフレンチトーストを作ってもらったから」
「……そう、よかったね」
「うん」
<> 埋めネタ〜ヤンデレ家族〜<>sage<>2007/09/24(月) 23:14:10 ID:44vDg8Ym<>  ちくり、と胸が痛んだ。俺は祖母を騙している。朝食は自分で作って食べていたのだから。
 けれど、ああ言わざるを得ないのである。
 祖母は実の息子と娘が肉体関係を結んでしまったことで、心に傷を負ってしまっているのである。
 盆や正月、親類の結婚式の時や法事の際に再会した祖母の顔は若々しくもあったが、同時に深い哀しみも湛えていた。
 そんな祖母に、心配させるようなことを言えるわけがない。
 もしかしたら祖母は俺の偽善――真実を伝えられないという思い――を見抜いているのかもしれない。
 それでも、俺にはこうするしかないのだ。なるべく心配をさせないよう、演技をしていくしか道はない。

「弟くんと妹ちゃんは元気?」
「元気がありあまって、こっちが参るくらいだよ」
「……仲が良すぎたりはしていない? たとえば妹ちゃんが弟くんと一緒にお風呂に入ろうとしたりとか」
「ううん。ちゃんと別々に入っているよ」
 これも嘘である。弟と妹は一緒の風呂に入っているし、さらに妹は弟に髪を拭いてもらっている。
 祖母がこんなことを聞いてくるのは、前例があるからである。
 祖母の息子と娘、つまり俺の両親のことであるが、2人が肉体関係を結んでいたことに、祖母は気づけていなかった。
 その苦い思いが、二度と同じ過ちは繰り返したくないという思いが、孫へと向けられているのだろう。
 だが安心して欲しい。弟と妹がもし過ちを犯しそうになったら、俺が止めるから。

「お兄ちゃんは、どう? 怪我とかしてない?」
「心配性だね。どこも怪我なんかしてないよ」
「無理はしないでね。……あの人も、昔……」
 俺は、祖母の声を遮るように声を出した。
「あ、ごめん。もうすぐ学校に行かなくちゃいけないから。また、帰ったら電話するから」
「ええ、気をつけて行ってらっしゃい……」
 祖母の言葉を聞き終えてから、受話器を置く。
 祖母が言っていたあの人。それは祖母の夫、俺にとっては祖父に当たる人のことだ。
 俺は祖父に会ったことが一度もない。俺が生まれたときには、すでに祖父は帰らぬ人になっていた。
 俺はそのことを、幼い頃は別におかしいことだと思っていなかった。祖父を早くに亡くしている人はこの世に大勢いる。
 祖父の死に疑念を抱き始めたのは、数年前のお盆のことだった。
 久しぶりに祖母の家に遊びに来た親戚が、俺に向けてこう言ったのである。
『あら、おじいちゃんにそっくりね』
 その場に居合わせた母は、俺の顔を掴みながら睨み付けるように目を剥いた。
 祖父の死に疑いを持ち始めたのは、それからである。
 もしかしたら、祖父は両親の関係を引き裂こうとして、母に殺されたのではないかと。
 母が恨みを込めた目で俺を見たのは、祖父が再び目の前に現れた、と考えたからではないだろうか。
 一度考えると、全てを疑わずには居られなかった。俺は祖母に内緒で、祖父の死について調べ始めた。
 祖父が死んだのが、俺の生まれる10ヶ月前であること。
 祖父の死因は、病死でも事故死でもないこと。――祖父は通り魔に遭い、殺されたということ。
 それらを知る頃には、俺はすっかり母への疑いを強くし、祖母を頼るようになった。
 そして、俺は母を避けはじめ、間もなくして母から避けられるようになった。
 プラモデルを趣味にし始めたのも、母がシンナー系の匂いを苦手にしていると祖母に聞いてからだ。
 この家で、俺と母は見えない戦いを繰り広げているのだ。
 
「兄さん、電話誰から?」
 リビングの扉を開けて、弟が廊下に現れた。左腕には妹がくっついている。
「お婆ちゃんからだ。元気にしてるか、って聞かれたから、元気だっていっておいた。お前達の分も」
「そうなんだ。ありがと」
「ありがと、お兄さん」
 妹は俺をお兄さんと呼び、弟をお兄ちゃんと呼ぶ。お兄さんと呼ぶときのニュアンスが暗いのは毎度のことである。
「さて、そろそろ行かないと遅刻するな。先に行っているぞ、弟よ」
「ああ、兄さん待って」
 玄関に置いたままの学生鞄を掴み、靴を履いて玄関から出る。

 ――うむ。今日も朝日が眩しい。快晴だ。
<> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/24(月) 23:15:07 ID:44vDg8Ym<> 終わりand埋め! <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/25(火) 00:19:58 ID:4RTA4Mqv<> お兄ちゃんカワイソス

しかしこの展開だとそのうち婆ちゃんがお兄ちゃんに(ry
と、本気で思ってしまった俺はもう駄目かもわからんね。 <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/25(火) 00:23:52 ID:WTG2t2lJ<> 澤越止の血脈と比べたらこんなものは児戯に等しいわ <> 名無しさん@ピンキー<>sage<>2007/09/25(火) 00:45:49 ID:GpM69Zni<> 両想いでどんなにどんなに相手の側が愛してくれていても、
それを上回るくらいに相手への愛が強すぎて、
愛しても愛しても愛しきれないと病んでいくのはヤンデレとは違うかな?
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