騎士スレ二次SS

騎士スレ1・ジェノエピローグ・名無し##############

173 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2005/06/24(金) 15:58:26
ジェノのエピローグを考えた。

ガストラ帝を倒し、全ては終わった。
ガストラ帝を倒してから数日後、ジェノは家族の墓に来ている。
両親に復讐が終わったと伝えるためだ。
ジェノの両親を殺したモンスター。それはガストラ帝が実験の為に召喚したのだった。
これからどうするかを考えていると、後ろに誰かいるのを感じる。
振り向いた先、そこにはカイザーがいた。
カイザーは言う。共に旅に出ようと。
ジェノはその誘いに乗り、終りの無い旅に出るのだった。



騎士スレ1・セルエピローグ・名無し#############

174 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2005/06/24(金) 16:42:27
セルのエピローグを考えた。

デュランを圧倒し、ガストラ帝の元から去ったセルは前に自分を倒した孫悟飯と戦いに行く。
だが、孫悟飯はセルに取って戦うに値しない存在になっていた。
失望したセルは孫悟飯を殺すと、オーガスのいる国に舞い戻る。
狙いは孫悟飯より遥かに強い力を持った、カイザーとFALCONを倒すこと。
セルの戦いは終らない…



騎士スレ1・ガストラ帝国高等部虐め編・妄想人########

276 名前:ガストラ帝国高等部〜虐め編〜[sage何か急に妄想が…] 投稿日:2005/06/25(土) 00:41:28
「……」
学校法人『ガストラ帝国』高等部、3−B組の生徒である銀狼の獣人であるシェザハットは、自分の机を前にして固まっていた。
見れば、彼の机は誹謗中傷の類や見るに耐えない雑多な落書きで埋め尽くされ、机の中には掃除用具入れの中から
わざわざ引っ張り出した雑巾が大量に詰め込まれていた。椅子も、机と同様に酷い有様である。
周囲を見渡しても、クラスメイト達は誰一人としてシェザハットの青く澄んだ瞳と目を合わせる者はいない。皆、関わりたくないようだ。
彼が少しばかりの助けを求める目をしても、皆知らん振りを突き通す。仮に目を合わせてしまえば、其の大柄な外見に似合わぬ仔犬のように
円らで澄んだ瞳に皆は罪悪を覚えるからだ。
「……」
シェザハットはクラスメイトが誰も手を貸してくれないことをその場の雰囲気で悟ると、黙って酷い有様の机と椅子を片付け始めた。
机の中の牛乳臭い雑巾を、眉一つ動かさず引っ張り出してゴミ箱に捨て、用具入れから新しく取り出した雑巾で机と椅子を拭く。
しかし、油性ペンでの落書きは落ちるものではない。だが、それでも尚シェザハットは黙々と雑巾で拭き続ける…
「シェザハット様…」
シェザハットは、其の声に顔をはっと上げ、教室の戸口に目を走らせた。見れば、戸口の傍には彼のガールフレンドである、同じ銀狼の
獣人であるリューテが佇んでいた。
「リューテ…どうしたんだ?」
只ならぬリューテの雰囲気に、シェザハットは急いで彼女の傍に駆け寄った。が、直ぐに彼の蒼穹の瞳は驚愕に見開かれた。
「嗚呼…なんていうことを」
見れば、セーラー服の裾から伸びるリューテの白銀に輝く美しい毛並みに覆われた華奢な手足の彼方此方には、煙草の火が押し付けられた跡があった。
数百度にもなる煙草の火によって彼女の毛並みは焦げ付いて脱落し、その下の白い素肌に痛々しい火傷を刻み付けていた。
獣人にとって、毛皮を傷つけられることは人間が肌を傷つけられる以上に衝撃的である。ましてや、毛皮の下の皮膚を顕にされるなど、裸に剥かれるよりも
耐え難い屈辱である。
「誰が遣ったんだ?」
シェザハットは小刻みに震えるリューテの細い肩に優しく手を置き、今の傷ついた彼女を慰めるように優しく訊ねた。
「……」
しかし、リューテは顔を俯かせたままシェザハットの問いに答えようとはしない。だが、シェザハットには彼女の無言が充分な答えであった。
「私と同じ、ガストラ帝国高等部生徒会執行部、通称“十傑衆”の…妖のエリシールの仕業だな?」
リューテはシェザハットの言葉にびくっと肩を震わせると、こくんと頷いた。其の瞬間、喩え様の無い怒りがシェザハットの中に湧き起こった。
「エリシール…姑息な真似を」
ガストラ帝国高等部生徒会執行部、通称“十傑衆”に入ってから、エリシールやその他の十傑衆とは馬が合わなかった。
シェザハットと同じように、霧の狼餓と呼ばれる3−Oの生徒である赤霧狼餓も他の十傑衆とは上手く馴染めなかったようで、二人は直ぐに親しい仲となっていた。
しかし、其れが彼女らの気に触ったのか、それから程無くして二人とその兄弟や恋人に陰湿な虐めが行われるようになった。
先程のシェザハットのように机に悪戯をされることなど当たり前。上靴やローファー、体操服といったものは残らず隠され、下駄箱には恋文の代わりに
脅迫紛いの誹謗中傷文が入れられていた。
シェザハットはクラスメイトの視線を感じる中でも優しくリューテを抱き締めてやり、宥めるようにその銀紗の髪を指で梳いてやった。
「すまん…私の所為でこんな目に遭わせてしまった」
今のシェザハットには黙ってこの陰湿な虐めに耐えるしか手がなかった。歯向かうものならば、狼餓以外の十傑衆からも更なる手が加えられる。


277 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2005/06/25(土) 00:41:50
暫くリューテをそんな風にして慰めてやっていたが、二人を引き裂くように無情にも昼休みの終わりを報せるチャイムが鳴ってしまった。
二人は名残惜しそうにその場で別れた。
「ん?…」
シェザハットは教室に戻ろうとしたが、足元に何か紙切れが落ちている事に気がつき、屈んでそれを拾い上げる。リューテが落としたのだろうか?
そして驚愕。拾った紙には、とある写真が貼り付けられていた。
「エリシール…許さんぞ」
咽喉からは低い唸り声が漏れ、青い瞳の色は紅に変りつつあった…貼り付けられていた写真。それは、言うのも憚れる程恥辱に塗れた格好をさせられた
リューテの姿が写っていた。最近、自分が彼女を求めても拒まれる理由はこれであったのだ。
写真に写っていたリューテは、体の大半の毛皮を剃られていた。服に隠れない顔や首などを除く体の殆どの毛並みが剃られていたのだ。
しかし、毛並みをそり落とされても尚、リューテの素肌は白く美しいものであったが、その白い素肌を毛皮の代わりに埋め尽くそうと、油性ペンによる汚い
落書きが彼女の体に直接描き込まれていた。獣人にとって最大の屈辱とも言える毛並みを穢された事、そして顕となった素肌を他人に見られるのは
死よりも辛い事である。
「絶対に…許さんぞ」
シェザハットはその写真を握り締めると、これから午後の時限が始まるというのに、教室から出て行ってしまった。
彼のクラスメイト達はそんな彼の背を見送るだけであり、依然として知らん振りである。


288 名前:妄想の人[sage] 投稿日:2005/06/25(土) 00:59:37
〜学園都市青春物語〜
ガストラ帝国高等部・旧校舎編(主な登場人物…騎士スレ第一部ガストラ帝国キャラ)
ガストラ帝国高等部・新校舎編(主な登場人物…騎士スレ第二部ガストラ帝国キャラ)

オーガス国高等部編(主な登場人物…騎士スレ第一部オーガス国キャラ)

まぁ、基本的にどれも同じ時間軸で展開されている話という設定だから、コラボレーションもありだと思う。
ってか俺の妄想スマソ。遣り過ぎたわ…


348 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2005/06/26(日) 01:21:15
騎士よ、今こそ立ち上がれ!青春・オーガス高校編    キャラ紹介

学校長兼任皇帝監督  オーガス   学校で1番偉い人。妻も子も孫もいるが、教え子のレナスと不倫しているという疑惑が浮上している。
                       それが本当ならば、彼にとっては教師生活にピリオドを打ってしまうほどのピンチである。
                       しかし、何事も笑い飛ばして解決するので、本当の真意は彼のみが知るといった感じだ。

スポーツ特待生      FALCON  スポーツが得意な青年。時々グレる為に金髪に染めて登校してくるが、気付くと黒髪に戻っている。
                       親に決められた許婚がいるらしく、恋愛に関しては幸運な立場にいるようだ。
                       なお、彼の両親は何かの業界のトップにいるらしく、実はかなりのおぼっちゃんのようである。

孤独な一匹狼       ジェノ      孤独な青年。彼は自ら孤独を望んでいるらしく、クラスのメンバーとあまり邂逅を得ようとしない。
                        しかしカイザーとは馬が合うらしく、二人でつるんでいることも少なくない。ユメモチに気がある?
                        光が苦手らしく、普段は暗い所でじっとしているが、光が好きなカイザー達に苦労させられる事あり。

噂(?)の転校生     デュラン    突然現れた転校生、不良に襲われているレイチェルを助けた所、彼が一目惚れをしてしまった。
                        それ以来、レイチェルのストーカー(自分では付き合ってるつもり)を繰り返している。
                        彼は黒が好きらしいが、白い色が好きなワーゲル(男)にストーカーされている少し悲惨な男である。

学園のアイドル      レイチェル   学園のアイドルとして名を馳せている彼女。ファンの数は相当らしく、襲われかけた事もある。
                        かなりのブラコンらしく、兄のランディの事を四六時中思っている節がある。
                        しかし、猛烈アタックを繰り返してくるデュラン君を前に、少し気持ちが揺らいでいる…かもしれない。

↓へ続く


349 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2005/06/26(日) 01:22:16
                                   キャラ紹介2

有名人な優等生      カイザー    全てにおいて優秀な部類に入る彼。男女問わず人気だが、それが仇となり危険に晒された事あり。
                        近頃はユメモチと付き合っているという噂が立っており、ロリコン説まで浮上している。
                        家に白馬を飼っているらしく、遅刻しそうな時は白馬に乗って登校する。ユメモチと登下校している?

高校生?な学級委員長 ユメモチ    どう見ても高校生には見えない少女。しかし学校長直々に任命された学級委員長に熱中している。
                        カイザーと付き合っている噂が立ち昇っているが、それが真実なのかは未だ謎のままである。
                        その可愛い容貌から、男子に人気があるらしく、彼女に好意を持っている生徒も少なくないらしい。

バイク通学         剣崎      発音があまり宜しくない彼。ヒーローおたくなのか、いつも変身ファッションで登校している。
                        バイクを愛し、己を愛す。その為に彼はどうやら恋愛には興味が無いらしい。ある意味うらやましい。
                        彼の足の速さはクラス一で、その実力には誰もが一目置くほどの凄さである。

嫌われ者のお嬢さん   レナス     プライドが高く、いいとこ取りだけをしてしまう為、クラス内外での評判があまり良くない彼女。
                        その為なのか、学園長のオーガスの元へ相談(愚痴?)に行く事が多いらしい。
                        コスプレなのか分からないが、背中に羽を生やしており、自分は天使だと言い張っている。

クラスのムードメーカー ランドール   クラスの雰囲気は彼の手によって動いていると言っても過言ではないほどのムードメーカーな彼。
                        何故かユメモチに忠義を誓っており、ユメモチが付き合ってる噂が流れて大きく動揺したらしい。
                        彼の優しい表情に癒される者が続出しており、微笑みの騎士というあだ名まで誕生しているほどだ。

よし、これでどうよ?


354 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2005/06/26(日) 13:05:15
天下一の手品師  デュラハン   首を取る事ができるほどの凄い手品を披露できる彼。転校してきたデュランと名前が間違われやすい。
                     昔は女だったという噂も立っているが、エロイ息子もいるという噂も立っている色々と謎の多い人物。
                     実はかなりの年齢らしく、同じ学年を何度もダブっているらしい。ガストラ高校に知り合いがいるらしい。



騎士4・無題・398の脳内###############

939 名前:398の脳内[sage] 投稿日:2006/01/11(水) 23:07:08
辻斬り「おうおウ、良いケツしとるのォ!」
FALCON「やっ、やめろ!カイザー、助けてくれ!」
カイザー「貴様!FALCONを離せ、俺が相手だ!」
辻斬り「エエ度胸ヤなぁ?まずはアンタからヤっちまオうカ…オラァッ!」
カイザー「ぐわぁっ!駄目ぇ、そこは…」

セシリア「これはこれで…ハァハァ」
マックス「どうしたセシリア!あの二人が大将を叩いている間は俺達が雑魚をやらなきゃならないんだぞ!」
アステラ「全く…次から次へと懲りない奴等め!」
グレゴリー「どうしたセシリア!怖くなったのなら我輩が守ってやるぞ!マリスも我輩が守るからな!」
マリス「え?結構です」
マックス「幸い、マリスの魔法はアンデットに良く効くからな。そちらは任すぜ!」
マリス「はい!」
マックス「オークとかは任せろ!」
アステラ「はぁ!せいっ!…雑魚が揃った所で俺が本気を出すまでも無い!」
セシリア「ハァハァ」

カイザー「うう…FALCON…」
辻斬り「オラオラ、まだヤ!まだ終わらンでェ!!」
FALCON「うわぁああああ!イ、イルゥ…!」
辻斬り「それデも魔界の王子かァ?もッと根性見せたらンかィ!!」
FALCON「ぐあぁあああ!」

セシリア「ハァハァ」
マックス「畜生!まだ終わらねえぞ!」
アステラ「もうへばったのか?」
マックス「なめんな、俺はこんなもんじゃねぇ…うわ!」
マリス「!」
セシリア「!」
マックス「後ろに…ぐわぁっ!」
辻斬り「次はアンタが相手しテくれよォ…オウッ!?」
アステラ「こいつ!食らえ!」
辻斬り「ウらァ!ガキには興味無いンや…死にトォ無けリゃアすッこんどれヤァ!」
アステラ「ぐっ…!」
グレゴリー「これが隊長機か…良くも美少女アステラたんを!我輩は怒ったぞ!」



続く



騎士4・マリスの危機・名無し##############

106 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/01/21(土) 22:25:26
マリオ「不束者ですが、宜しくおねがいしますわ」
カイザー「ああ、俺に任せておけば大丈夫だ。さあ、力を抜いて、足を開いて」
マリオ「い、いやぁー誰かー」
カイザー「ロリ担当であるからには…俺の畑となれぃ!」
マリオ「きゃー!」


マリオ:
マックスさんが言っていました…こんなときは…

1.可愛いマリスは突然カイザー殺害の案が浮かぶ
2.仲間が助けに来てくれる
3.助からない、現実は非情である

マリオ「1だと思いたいけど…今までのパターン行くと2かしら…ひゃう!」
カイザー「耳が感じる様だな」


マリオ:
答え3…3………3!

マリオ「いやぁあああ!」
アステラ「どうした!…カイザー、貴様!」
カイザー「アステラじゃないか、どうだ?お前も」
アステラ「う…興味ない!」
カイザー「そんな事言って、年頃の男が興味ない訳ないだ…」
アステラ「う…うう…!」
マリオ「アステラさん助けて下さーい!」
アステラ「はっ!カイザー!!」
カイザー「ロリキャラの宿命なんだよ、これは!ユメモチも俺がやったんだよ」
アステラ「誰だ」
マリオ「助けてくれたら何でもしますわ!」
アステラ「!…死ね!カイザー!」
カイザー「ギャオス(バタッ」

マリオ「ありがとうございました、アステラさん」
アステラ「…何でもするって言ったよな?」
マリオ「え、はい…何を致しましょうか?」
アステラ「舐めろ」
マリオ「え、そんな…」
アステラ「何でもするんだろ?舐めろ」
マリオ「はい…


美味しいです」
アステラ「そうか、俺は要らないから丁度良かった…捨てる訳にも行かないしな」
マリオ「いいんですか?本当に飴を舐めているだけで」
アステラ「構わん、甘い物は吐き気がするから嫌いなんだ。じゃあな。カイザーはトドメを指しとく」
カイザー「クヴォレー」
マリオ「アステラさん…カッコヨス」
アステラ「ちょ、おま!」



騎士4・同盟軍の日常・名無し##############

112 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/01/21(土) 23:33:32
マリス「ああ、マックスさんが鼻血を!」
マックス「いや…何だろう、血圧の上昇かな…?」
アステラ「全く、何を想像している」
フェラ「エロいな」
カイザー「ああ、マリスたんの太股はエロい」
フェラ「え?」
カイザー「挟まれたくなる」
フェラ「ちょ…」
マリス「あの…何か?」
カイザー「え?いや…」
フェラ「なななな、何でもな…」
カイザー「太股で挟んでもらっていい?」
フェラ「言ったー!(痛ー!」
マリス「挟むって何ですか?」
カイザー「太股で顔をこう…こっちでも良いぞ(ズボンを脱ぐ」
マックス「俺が挟んでやるよ」
カイザー「いや、いい」
マックス「遠慮するなよ、フランケンシュタイナー!(ゴキャッ」
カイザー「シティーハンター!(バタッ」
マリス「マックスさんみたいにすれば良いんですね(カイザーを起こす」
フェラ「なっ、どうする気だ…まさか!」
セシリア「やる気か…ワンピースでフランケンシュタイナー!これは色々危険過ぎる…!」
アステラ「食らいてぇ」
セシリア「え?」
アステラ「な、なんでもない!」
マリス「よいしょ…(カイザーの首の上に乗る」
カイザー「おっ、おおおほおお!」
マリス「フランケンシュタイナー!(ゴキャッ」
カイザー「おほ…キャッツアイ!(バタッ」


キャスト
カイザー:ジーン
フェラ:穴子
セシリア:バルバトス
マックス:シャピロ
アステラ:ジョニー
マリス:音速丸



騎士4・バーゲンセール・名無し##############

188 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/01/24(火) 17:10:38
>185
買い物袋一杯持った辻とラックを想像したら何か微笑ましくなった。

シズネ「ほらほら休んでないで、これもお願いするよぅ!」
ラック「ちょ、ちょ!姐さんこれ以上はさすがにキツイって!!」
辻「お前どん位買い込めば気がすむンや…」
シズネ「馬鹿言うんじゃないよ!今買わずにいつ買うんだい?さあ、ぼやいてないで次行くよ。」
ラック「ハァー…姐さんタフすぎだよ…」
辻「そうやなァ…下手な男よか体力あるんト違うンか?」



騎士4・魔王軍の日常・名無し##############

206 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/01/25(水) 20:31:52
辻「ここがエエんか?アァ?」
シズネ「ひゃあ!・・・あぁ・・・そ、そこぉ・・・き、気持ちイイよぅ!
なあ辻斬りぃ・・・もっと強くしておくれよ・・・
こんなんじゃ、まだまだ足りな、ひゃあぁ!」
辻「お前も好きものやのぉ。こんなに固くしおって・・・
ほなもっと強く行くでェ!オラオラオラァ!」
シズネ「あっ!あっ!ああぁぁ!!ダメぇ・・・固くて大きくて・・・気持ちイイ!」
冴波「なあ・・・早く私に頼む・・・」


ラック「ちょっと!何してるんすか!三人!」
辻「ん?普通のマッサージやが?」
シズネ「いやさぁ辻斬りの指は固いし大きいし丁度ツボにハマるんだよ。これが。」
冴波「そんなに息を荒くしてどうしたんだ?」



騎士4・魔王軍のバレンタイン・名無し############

375 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/16(木) 12:37:43
ほらよ!バレンタインSSを今30分で書いたぞ!
日時が遅いとかはよしてくれ!そして魔王軍サイドしか出来てないが勘弁してくれ!

辻斬り「・・・・・・なんヤ、小僧。そナいニしょぼくれタ顔シよってカらに。」
ラック「天下の辻斬りさまには分かりませんよ・・・・・・はぁ。今日は2月14日ですよ?・・・・・・はぁ。」
辻斬り「ゲヒャハハハハ!そんな事かイ!ワシはもうもろたでェ!」
ラック「ええええええええええ!?だ、誰に、誰にですか!!??」
辻斬り「それはヤナ・・・。あのシズネからナ。」
ラック「・・・・・・な!?・・・・・・そんな仲だったなんて・・・・・・OTL」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
冴波「・・・・・・で、私の所に来たのか。」
ラック「あぁ・・・・・・天使様女神様冴波様。お慈悲ですからチョコ下さい。」
冴波「まぁ・・・・・・アレだ。一応、私から渡すつもりではあったが・・・・・・ほら。」ポイッ
ラック「イイイイイヤッッッホゥゥーーーー!!」ガチャ、バタン!!
冴波「・・・・・・本命かどうかは自分で考えろ。ふわぁぁ・・・眠い、まったく。徹夜することになるとはな。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
天使×7「「「「「「「エヴァンス様、受け取って下さい!!」」」」」」」
エヴァンス「あぁ・・・・・・そうか、そんな日だったな。ありがたく受け取っておく。」
天使×7「「「「「「「それではッ!失礼しましたーーー」」」」」」」バタン
エヴァンス「・・・・・・ところで、誰に作り方を教わったんだ?あいつら。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シズネ「はぁぁぁー。最近の天使ってのはチョコの作り方も知らないのかねぇ。お、ほらほらお前達にもやるよ」ポイッ
部下×∞「うおーーー!シズネの姉御!ありがとうござますぅぅー。一生付いていきやすぜぇー!」
シズネ「あぁーもう!うるさいったらありゃしないねぇ!とっとと散りな!」

こうして・・・魔王軍の2月14日は過ぎていった。



騎士4・それぞれのバレンタイン・名無し############

385 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/16(木) 18:39:24
俺も少し妄想してみるか…それぞれのバレンタインのパターン

冴波「チョコレートを作ってきたのだが・・・その、なんだ・・・。
   お前がよければ、一緒に食べないか・・・?」

マリス「皆様にチョコレートですわ〜。(小声で)あと●●様にだけ特別に・・・これを差し上げますわ。」

シズネ「ほらっ・・・これあげるよ。ん・・・なんだいその不思議な目は?
    あたしが作ったんだ、残したら承知しないよ!」

誓音はスルーしますた



騎士4・ラックの憂悶・名無し###############

386 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/16(木) 20:39:26
辻「おう餓鬼ぃ何をそわそわしておるんじゃ?」
ラ「歩くカルシュウムに判るもんか!」
辻「なんじゃ殺気立ちおって・・・」
シ「噂には聞いていたけどまさかこの目で見るとはねえ。」
辻「シズネ!しっているのか?」
シ「うむ、まさしく今日こそ『バン・アレン帯デイ』に違いない。
地球を取り巻き宇宙線を防ぐバン・アレン帯が年に一度なくなり、この地方一帯に宇宙線が降り注ぐという。
宇宙線の影響で氷属性の女は凶暴化し『血夜粉冷斗』なる必殺拳を習得できるようになるらしい。」
辻「血夜粉冷斗?」
シ「血夜粉冷斗とはその名の通り、男の心臓をえぐり血を冷凍し粉にし、それを呑むと血夜粉冷斗神拳が使えるようになる。」
辻「な、なるほど!それでラックは冴波に心臓をえぐられないかと不安なのだな。よかった、俺心臓なくって。
ところで何でしっているんだ、そんな事」
シ「うむ、同盟軍書庫にあったこの『民明書房。年に一度の吃驚秘拳百選』にかいてあったんだ。」



騎士4・チョコを求めて・名無し###############

388 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/17(金) 00:35:05
カイザー「アステラ、今日はバレンタインデーだが・・・チョコは貰えたか?」
明日寺「バレンタイン?」
カイザー「女の子が好きな奴にチョコを渡す日だろう。・・・って知らなかったのか?」
明日寺「ああ、初耳だ。」
カイザー「(コイツは相手にならんな)そうか、じゃあな。」
明日寺「・・・気に食わない表情だな。何のつもりだ、あいつは。」

カイザー「やあ、セシリア。」
セシリア「カイザー殿、どうかなされましたか?」
カイザー「いや、何か用は無い?」
セシリア「いえ、特に有りませぬが・・・。」
カイザー「そう、そうか・・・じゃあ、またな。」
セシリア「?は、はあ・・・。」

イル「バレンタインデーだからね。はい、チョコレート。」
FALCOM「お、サンキュー・・・うん、うまい。ん?どこからともなく殺気が・・・。」
カイザー「(FALCOM、貴様はいつか殺す。)」

MAX「よう、カイザー。どうした?」
カイザー「その箱の数々、まさかとは思うが・・・チョコか?」
MAX「ああ、バレちまったか。同盟軍の娘たちから貰ったんだよ。モテるってのは悪くねぇなー。」
カイザー「ほ、ほう。マックスもやるじゃないか。」
MAX「カイザーはもっと貰ってんだろ?羨ましいぜ全く。」
カイザー「そ、そうか?ハハハハハ!(前言撤回だ。コイツから殺す!)それじゃ、じゃあな。」

レナス「カイザー。」
カイザー「待っていたぞ、レナス。」
レナス「え?本当?それは嬉し恥ずかしって感じかな・・・はい。」
カイザー「これは?」
レナス「マリスにコレ借りててねー、代わりに返しておいてくれない?」
カイザー「・・・ああ、解った。」

マリオ「あ、カイザ・・・え?え?え!?」
カイザー「どうせマリスもチョコくれないんだろ!?なら俺が自腹で買ったチョコクリームを体に塗りたくって舐め回してやるぅ!」
マリオ「チ、チョコレートならここに・・・きゃあああ!」
カイザー「はあ、はあ、問答無用・・・どうせ中味はビール券か何かだろ!」
マリオ「ビール券って・・・と、兎に角落ち着いて・・・あ。」
カイザー「ん?どうし・・・ぐおっ。」
誓音「間違いなく悪ですね。」
マリオ「私は違いますわー。でもこの方は悪ですわ。」
カイザー「ちょ、おま・・・。」
誓音「あの世で神羅万象チョコでも食べてろ。」
カイザー「ひぃいいい!」
誓音「ゴォォォッド!ラムゥゥゥゥゥゥ!!」
カイザー「うわらば!!」



騎士4・チョコ百選・名無し################

395 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/17(金) 05:42:59
マリス=金に物言わせて高級メーカーの限定チョコを。普通に受け取ってもらえるが相手は一口で食う。

レナス=普通の板チョコを溶かして型に流し込み「手作り」と強弁。貰った側も苦笑い。

冴波=気合の入った手作りチョコ。おかげで相手が引く。

セシリア=きちんと計量して作ったチョコケーキに凝ったラッピング。でもそれ誰が食べるの?

シズネ=パラソル。少し文句を言ったら五円チョコに交換してくれました。

誓音=割と普通の手作りチョコ。でも受け取らなかったら悪と見なされ凄惨な制裁が。



騎士4・マリスのバレンタイン・名無し###########

396 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/17(金) 08:26:03
マリス「アステラ様どうぞですわ〜」
アステラ「…別にいらないのに…」

マリス「カイザー様どうぞですわ〜」
カイザー「ん?チョコか。ありがとうマリス」

マリス「FALCON様どうぞですわ〜」
FALCON「お?気が利くな。ありがとなマリス」

マリス「マックスウェル様どうぞですわ〜」
マックス「あ、ああ…ありがとうマリス…」

マリス「セシリア様どうぞですわ〜」
セシリア「え!?私は女…」
マリス「どうぞですわ〜」
セシリア「…ありがとう;」

マリス「誓音様どうぞですわ〜」
誓音「…え…;」


こんな感じで無差別に渡しそうなキガスwww



騎士4・レナスの冒険・名無し##############

438 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/22(水) 22:11:08
デンパ キタ─wwヘ√レvv〜─(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─!!!!

春の良い陽気の中、レナス一行はぽくぽく歩いてた。
「ちょっと待つ魚!」
そこに、聞きなれない訛り(?)と、見慣れない男が背後から話しかけてきた。
歳は、大体20代前半くらい。
妙にエラが張ってることと、語尾のおかしな口癖を除けば、どこにでもいる普通の男だった。

「ん?」
レナスが何の疑いも無く後ろを振り向いた瞬間・・・飛んでくる一本の線。
頬を掠めた。軽く血が出ている。
「・・・えぇ!?」
頬を拭い、血が出ていることを認めたレナスは、驚きの声をあげた。
刹那、後ろで木の倒れる音。
恐らく、先ほどの”線”のせいで切り倒されたと思われる。
「・・・ど、どちら様ですか?」
「俺を忘れたとは言わせない魚!」
・・・ここまで張ったエラにインパクトの強い人なら、一度あったら忘れないハズなのだが。
「東の魔方陣での屈辱、許せない魚!」
「・・・東の魔方陣?」

そーいえば、どこぞの魔法陣でエラ呼吸で自爆した魚がいたような・・・
「でも、確かあそこで氷付けになってなかった?」
「お前への復讐のために地獄から舞い戻った魚。そしてポセイドン様にお願いして人間の姿にしてもらった魚!」
なるほど、それなら分かる。
でも魚としての特徴が結構残ってるなぁ・・・

「ま・・・まさか、エラ呼吸から肺呼吸に?」
「その通り魚!これで不覚はとらない・・・魚・・・?」
そのままパタリと倒れる魚人。
あっけにとられるレナス。
「え・・・えーと・・・」
よく分からないけど、とりあえず近づいてみる。
見ると、顔の横には立派なエラがパクパクしてる。
「そんな・・・ポセイドン様・・・。」
「・・・まだエラ呼吸だったの?」
「そんなハズ無い魚・・・ニンゲンにしてくれって頼んだ魚。」
「・・・・・・・・・・・・・そう。」

・・・ポセイドンって案外アホ?
それともただ単に遊んでるだけなのかな。
「ニンゲンになりたい」っていう部下の要望に、あの結果じゃあ・・・
何よりも・・・消してあげなよ・・・エラ・・・

うしろでしくしく泣いている魚を背に、一抹の疲労感を背に、旅路を急ぐレナス一行であった。



騎士4・辻斬りの危機・名無し##############

476 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/02/28(火) 23:13:23
何と無く辻=幼女との電波が飛んできた

ラック「う・・・うわぁ。」
シズネ「あれまラック・・・どうしたんだい随分とうなされてる様じゃないかえ」
辻「きっと悪い夢でモ見とるンやろ、ほっときや」

=====================
(ラックの脳内:隊の詰め処で書類の整理中)
ラック「うわぁ・・・こんなにやってらんないよ。」

(鎧を着た少女が寄ってくる)
辻「ん?どうしたんラック兄。もしかして疲れてると違うん?」
ラック「ああ・・・辻か俺は大丈夫だよ」
辻「ホンマかいな?もしかして熱でもあるとか・・・」
(顔を近付けと額と額を合わせる)
ラック「ちょ///だっ大丈夫だから心配しないで!」
辻「なんや・・・せっかくウチが心配してんのやで?
 もしラック兄が倒れたりしたらウチ心配で眠れへんやん・・・」
ラック「辻・・・」
辻「な!べ、別にラック兄はウチが倒すんやから・・・
 勝手に倒れられたら困るだけやからな!」
(ちょっとうつ向く辻を見て吹き出した)
ラック「ははは、わかった。それじゃちょっと頼もうかな」
辻「だぁーその含み笑い全然信用して無いやないかー!」

辻「ん・・・でも、まあ解ればええんや//」
=====================
(現実)
ラック「ん・・・へへへっ」
シズネ「あれま今度は笑ってるじゃないかえ不思議な子だねぇ」
辻「・・・サッキから背中に悪寒ガ走っトるんはワシだけか?」



騎士4・闇と光の擦れ違い・名無し#############

625 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/04/20(木) 23:43:04
―――――――――初めは気に入らない相手だった
          悪魔に魅入られし少年アステラ
       そして精霊に守護されし純白の女騎士セシリア

―――――――――自分と似てる気がした
       死と戦い悪しき命運に立ち向かう戦士ラック
    そして地獄を知り、世界を知った異界の放浪者冴波

キッカケは些細なこと、それは『自分達』が同じ勢力に属してたこと
      そして……運命を戦いに委ねた身であったこと。



    『お前の隣は――――――心が安らぐ気がするんだ。』





             【闇と光のすれ違い】

           (暇が合ったら)近日公開。



騎士4・課長マックス・名無し################

663 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/25(木) 00:13:28
【課長島マックス】
総合商社オーガスは今、創設以来最大の危機に陥っていた。
外資系ファンド会社サタンコーポレーションの敵対的買収の危機に陥っていたのだ。
そんな折、創設者にして取締役社長オーガスが病に倒れた混乱に乗じ、サタンコーポレーションは総合商社オーガスの発行済株式の30%を取得。
なおも公募による株式取得を推し進めていた。
この危機に対MA戦略会議室を立ち上げ、サタンコーポレーションを退ける為に社内外から様々な人材が集められた。

キャスト
総合商社オーガス
顧問:法王
人事部長:ガーオス
営業部長:オルトロス
対MA戦略会議室
室長:マックス(第一営業課課長)
カイザー(ホワイトナイト企業から出向の総務部長)
ファルコン(広報課主任)
アステラ(新入社員)
マリス(新入社員・メインバンク頭取の娘)
レナス(総務部勤続20年)
誓音(広報部)

サタンコーポレーション
社長:サタン
MA担当課課長:エヴァンス
MA担当課秘書:シズネ
新入社員:ラック
特殊渉外部:辻斬り
経理主任:冴波




667 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/25(木) 20:25:36
【課長島マックス】

・総合商社オーガス本社ビル第四会議室
「もはや失敗は許されぬ!いいか、お前ら!失敗したらボーナス査定覚悟しておけよお!」
会議室に集められた対MA戦略会議室員を前に、ガーオスが気を吐いていた。
(失敗したらボーナスどころか会社自体変わっちまうってえの)
檄を飛ばされたものたちは一様にそう思ったが、誰も口には出さない。
特に室長のマックスを始め、ファルコン、セシリアはぐっと唇をかみ締める。
ガーオウスの言う「もはや」の、以前の手痛い失敗を思い出していたからだ。

サタンコーポレーションはトンネル会社のヴォルフ証券を使い総合商社オーガスの乗っ取りを
始めたのだ。
ヴォルフ証券はオーガスの株主百名を集め、パーティーを開いて株の譲渡を推し進めていた。
それを察知し、阻止しに向かったのが対MA戦略会議室の前進であるオーガス特殊営業部だっ
た。
オーガス特殊営業部員として阻止に向かい、ヴォルフ証券の不正事実を掴み営業停止に追い
込むことに成功。
だが、株式の上と自体は阻止できず、30%の株式を保有するサタンコーポレーションが筆頭株
主となってしまったのだ。

ガーオスに代わり営業部長のオルトロスが会議の進行を勤める。
これからの対MA戦略会議室の方針としては、5%以上の株を保有する大株主を巡り、サタン
コーポレーションの手に渡らないようにする事だ。
会議が終わり、早速対策室の面々は大株主の下へと足を運ぶ。

***************************************************************************************
・サタンコーポレーション日本支社
会議室にMA担当課の面々が顔を揃えてきた。
ヴォルフ証券が営業停止に追い込まれたため、サタンコーポレーションのMA担当課が自ら行動を
開始し始めたのだ。

「手元の資料を見てくれ。」
課長のエヴァンスが話し始めると、会議資料がスクリーンにも映し出される。
「30%の保有株式に、TABの公募。ここまでこれば終わったも同じだがとどめをさしておきたい。」
「なるほど・・・この六人のうち一人でも落とせれば保有株式は5%以上増える。効果的ですね。
買い付け価格の面では問題ありません。」
エヴァンスの意図をいち早く汲み取り、経理担当の冴波が応える。
「あア、一人でお落とせれば良いのならこの二人は捨ておましょ。」
続いて口を開いたのは辻斬り。特殊渉外部という職種上、様々な情報が彼の元に届いていた。
辻斬りの言う二人は総合商社オーガス社長、オーガスの旧友で説得には応じる可能性は低いからだ。
「じゃ、リストの三番目の田舎社長で決まりっすね。いきましょ。」
「やれやれ、元気なのはいいが・・・まあいいだろう。シズネ、準備は?」
会議が退屈なのか、速く行動に移したいのか新入社員のラックは既に椅子から立ち上がろうとしている。
そんなラックをとがめるでもなく苦笑しながらエヴァンスも席を立つ。
オーガス側も指をくわえて株を変われるのは見てはいないだろう。
時間との勝負でもあるのだ。
「ハイハイ、こうなるだろうと思って下準備は整えてあります。」
プロジェクターを操作していたシズネが影から出てきて、人数分の切符を机の上に並べた。
向かう先は長野県剄穀村、江良社長宅だ。


キャストに忘れてた
セシリア(第二営業課課長)



668 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/25(木) 20:45:02
もちっと入りやすい内容にした方がよかんべ
意味がちゃんと分かる人は少なそうだし
まあ理解した気になれる人はいるだろうけど


669 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/25(木) 20:53:58
うーん、巷で話題になっているし、かなり崩しまくって原型もないようにしたけど余り剥かなかったか・・・

じゃあ未完の予告ってことで

「十年ぶりね・・・」
勤続二十年、お局の中のお局といわれたレナスはエヴァンスに懐かしそうに言葉をかけた。
そう、十年前、営業部次長まで登り突然退社したエヴァンスとは愛人関係だったのだ。

「ぐひゃひゃひゃ、小僧、いいめぇしとるのぉ。世の中金ぢゃぁ!お前はそれが判っておる目ぢゃ。どや!儂の元にこんかい!」
反骨新むき出しのアステラの目に辻斬りは笑いながら声をかける。
特殊渉外部。荒事にも手を染めるその部署の辻斬りにとって、アステラの目は心地好いものなのだ。
だが、アステラの瞳の奥には暗い炎が宿っていた。
彼はアステラス製薬の社長の息子。そう、十五年前乗っ取り両親を自殺に追いやっサタンコーポレーションに復讐を誓うものだったのだ。

その後株主総会(オーガス城攻防戦)になだれ込む予定でした。

次回作はもう少し簡単な題材で書いてみようと思いますです。ではでは



騎士4・喜志学園・名無し################

679 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/26(金) 22:44:38
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編】

四月半ば。校舎裏で二人の男が殴りあっていた。
目立った一年生を呼び出し、喧嘩を吹っかけたのが始まりだった。
一人は巨躯の三年生。対するは制服を着ていなければ女子生徒かと見間違わんばかりの華奢な一年生だった。
だが、以外にも一年生が一方的に巨躯の三年生を殴っていた。
正確にはお互い手を出しているのだが、一年生はことごとく躱しパンチを的確に入れているのだ。
「うははは!顔に似合わズいい目ぇしていると思ったが、やるのう!
じゃガ、軽いんぢゃああ!!」
一方的に攻撃を喰らっていた三年生だが、まったく聞いていない様子で豪腕を振るう。
今まで上手く避けてきた一年生の生徒だが、それまでとはスピード、威力が段違いに上回るパンチをかわしきれず吹き飛ばされてしまった。

吹き飛ばされた一年生が転がり、ようやく止まった時、その視界に誰かの足が映る。
「よう、そいつは俺の後輩なんだ。辻、それ以上やるのなら俺が相手になるぜ?」
そこに立っていたのは金髪の二年生。不破だった。
喜志学園の不良生徒の二強の一角である。
「ほほぅ、丁度いい。お前とは8勝8敗22引き分けぢゃ。ここで決着つけるのもええのぉ。」
対する巨躯の三年生、辻も二強の一角。
ここに現れたライバルに興味が移り、拳を強く握り締める。

「よ、余計な事するな!こんな奴くらい俺が!」
自分そっちのけで話を進める不破と辻に怒りの目を向ける一年生、明日寺。
だが、そんな抗議も不破の片手一つで圧殺されてしまう。

「いい加減にしなさい!あなたたち!いつもいつも喧嘩ばかりして!」
一触即発の雰囲気を打ち破るように更に一人、女性とが現れる。
二年生にして風紀委員長の瀬知だ。
なぎなた部の部長も兼ねており、なぎなたを片手に三人を睨みつける。
「判ったよ。ほら明日寺、行くぞ。」
瀬知の出現にやる気をなくしたのか、肩をすくめながら明日寺と去ろうとする不破。
だが、辻の方はそれで泊まるような男ではなかった。
「おいおい、不破ちゃんよぉ。女に叱られて逃げ出すのかア?」
瀬知を無視するように挑発する辻。
無視されたことに怒り震える瀬知だが、更にもう一人が現れ事態が変わる。

「そうそう、辻や。見ちまった以上、私としても止めなきゃならないからねい。
ここはあたしの顔に免じて、引いておくれよう。」
ふらりふらりと辻を恐れる様子もなく近付いてくるのは三年、生徒会副会長の静根。
鋭く向けられる辻の眼光を柳のように躱しながら微笑みかける。
「ハァ・・こうも次々と邪魔が入っちゃ興醒めぢゃあ。判ったわい、わしゃ帰るでえ。」
暫く睨みあい(?)が続いたが辻が俺、踵を返す。
それをクスクスと笑いながら見送る静根だが、その背後から怒りのオーラを発するものがいた。
「静根先輩、随分とタイミングの良い事ですね!」
瀬知が゙棘のはらんだ言葉で声をかける。
生徒会執行部である、生徒会長江波、副会長静根、そして辻の不良グループとの癒着の噂が密かながらに流れている。
それは風紀委員の瀬知も知るところだが、その実体は掴めていないことに苛立ちを募らせていたのだ。
「偶然、さ。ほらほら瀬知ちゃんも、そんな眉間にしわを寄せているとせっかくのかわいい顔が台無しですえ?」
のらりくらりと躱す静根に瀬知もそれ以上の追求も出来るわけもなく・・・
「失礼します。」
そういいながら踵を返すしかなかった。
(絶対静根先輩は最初からあそこにいたのに違いないのに・・・!)
瀬知は唇をかみ締めながら歩いていった。



682 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/26(金) 22:57:00
  キャスト
マックス:間楠:二年生
カイザー:海座:三年生
ファルコン:不破:二年生・喜志学園不良二強の一角
セシリア:瀬知:二年生・風紀委員長兼薙刀部部長
アステラ:明日寺:一年生
マリス:真利:一年生・学園理事長の孫娘
レナス:那須:三年生
誓音:星斗:一年生

エヴァンス:江波:三年生・生徒会長
シズネ:静根:三年生・生徒会副会長
辻斬り:辻:三年生・喜志学園不良二強の一角
冴波:冴波:二年生・生徒会書記


683 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/26(金) 23:32:33
静根さんはリリアン針を投げたりしますか?


684 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/05/27(土) 00:07:18
今のところはこんな感じかな




         ムカツク
      ――――――――→    何か企ててそうな友人同士        生徒会役員
アステラ              辻斬り←──────────→シズネ←──────→エヴァンス
  ↑ │ ←――――――――  ↑                ぁ ↑  │か
  │ │  なかなかやるのう   │                ゃ │  │わ
俺│ │余               │                し │  │い
の│ │計               │                ぃ │  │い
後│ │な               │  いつも喧嘩ばかり     │  ↓顔          
輩│ │事               │←───────────セシリア
  │ │                │                
  │ │                │        近い                      遠い
  │ │                │    レナス←→誓音←────────────────────────────→冴波
  │ ↓          ライバル │
FALCON←──────────



      あれ、俺、出番無くね?
      ――――――───→           ラブ定額
 カイザー               マックス←――――――───→マリス
      ←───────── 
        俺は筋肉があるぜ     







691 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:49:16
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編2】

放課後、夕日が差し込み赤く染まった生徒会会議室。
海座はその席で妙な胸騒ぎを覚えていた。
今日は各部の予算編成会議。
海座は野球部の主将としてマネージャーの那須とともにこの席についていた。
胸騒ぎの原因はこの会議の出席者の顔ぶれにあった。
バスケットボール部、テニス部、バレーボール部、ラクビー部、柔道部、剣道部といった、発言力の大きい部活の面々が来ていないのだ。
「・・・やっぱり気になる?喜志学園の主だった部活の主将級が襲われてるって噂で聞いたけど・・・」
那須が飼い座の様子を察して囁く。
このところ喜志学園には不穏な噂が絶えないでいたのだ。

そこに奥の生徒会執行部室から生徒会長の江波と副会長の静根、会計の冴波が出てくる。
冴波が各部の主将、部長に資料を配り、予算編成会議が始まった。
「さて、生徒会執行部で割り振った各部の予算は手元の資料の通りです。異議はないですね?」
営業スマイルを浮かべる江波が各部の部長達に促す。
予算編成会議といってもその実、生徒会執行部が割り振った予算編成の事後承諾の場でしかない。
例年異議がでる事はほとんどなく、出たとしても生徒会執行部が取りまとめ修正する程度なのだ。

海座はその資料を見て愕然とした。
野球部の予算が去年の半分にも満たない額だったのだ。
他の部活も軒並み減額している。
「ちょっと待ってくれ、これはどういうことだ!」
溜まらず買い座は立ち上がり異議を唱えるが、江波の表情は崩れない。
「どういうことも何も、地方大会準決勝止まりの野球部が減額されても仕方がないと思うが?」
想定された異議に予定していた回答といった風情で更に江波は続ける。
「金鷲杯三位の柔道部やインターハイで上位入賞したテニス部、バスケ部だって減額なんだ。
目指せ甲子園、なんてお題目もはっきり言えば全国大会に出るだけだろう?
予算を請求するのなら最低でも全国大会上位くらいの成績を残してもらわない話にならないな。」

勝ち誇ったように会座を見下ろし、ついでとばかりに海座の前に数枚の紙を流す。
「ちなみにその柔道部をはじめとする今日ここに来ていない主将たちは生徒会執行部への全権委任状を出してもらっているんだぜ?」
完全に反論を潰され、屈辱に震える海座。
その海座を見、那須が動く。
「江波坊や。勝ち誇るのはいいけど何を企んでいるのかな?軒並み減額じゃ余った予算はどうしたのよ。」
坊や、とわざわざ付け加えるのは那須が江波とは幼馴染で、子供の頃は兄弟のように遊んでいたからだ。
那須の顔を見て江波はやりにくそうに顔をしかめ、静根に目配せをする。

それを請け静根が背もたれに寄りかかりながら口を開く。
「去年の三学期くらいから、放課後良く大賀先生と那須さんの二人っきりの姿を良く見かけるって話が流れたよねえ・・・。」
「なッ・・・!いきなりなんなのよ。部活終わってからも仕事があるマネージャーと監督の大賀先生が一緒にいたからって!」
突然脈絡のない話だが、那須は声を荒げてしまう。

那須は野球部監督の大賀にほのかな恋心を抱いていた。
勿論、実際何をするわけでもなく、大賀も那須を恋愛対象とはまったく見ておらず辛い日もあった。
だが、それでもわざわざ遅くまで残って二人っきりの機会を作っていたのは那須のせめてもの恋心だったのだ。

「いいえぇ、一緒にいた云々の話じゃなくて、その大賀先生は今入院中じゃないか。
野球部としては活動は縮小せざる得ないし、生徒会執行部としても先生へのお見舞いや、校内の風紀や美化に予算を回したいって事さね。」
那須の反応を楽しむように畳み掛ける静根。
そんな会議をジクチクたる思いで見詰めるのはなぎなた部主将の瀬知だった。
瀬知が沈黙するのを見て江波がまとめにかかる。
「話は大体判ってもらえたと思う。減額したとはいえ、必要文は各部に割り振ってある。
それは脳みそにペンティアム4が搭載されているといわれるうちの冴波が計算したのだから安心してくれ。」
満面の笑みで締めくくる江波と、無表情に頷く冴波。
そしてそれ以上誰も異議を申し立てる者は出なかった。


692 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:50:01
結局会議は生徒会執行部の予算案通りに事が運び、了承されるに至る。
会議が終わり、各部の主将たちが帰ったのを確認すると、江波、静根、冴波は生徒会執行部室へと入っていく。
「全部キイとったでぇ〜。上手くいったようやノウ。」
室内には応接テーブルに足をかけ煙草を吹かす辻がいた。
江波はにやりと笑みを浮かべそれに応え、重厚な机の豪華な肘突き椅子の会長席に腰を下ろす。
「しかしあれやなア。全国大会の猛者といっても手ごたえのない奴らばかりで。
どうせなら海座もやったってもよかったンやでえ?あいつならちったぁ楽しめたやろうにな。グヒャ。」
そう、今回来なかった有力部の主将たちは辻が密かに脅しをかけ、それに屈しなかったものは殴り倒して屈服させたのだ。
学園の誰もが恐れる辻に奏されては、誰一人としてその事実すら口に出そうとはしなかった。
下品な笑いをする辻に冴波が無表情のまま反論する。
「いや、私の分析に依れば海座は脅しや暴力に屈するような人間ではない。
返って対抗する手段にされるだろう。それに喧嘩の腕もかなりのものだと思われる。」
冷静にして正確な意見だった。
喧嘩などの不祥事は起こさないが、鍛え抜かれた体と持ち前の正義感は学園の誰もが知るところだ。
だが、それが辻には我慢できなかった。
「なんやとぉ!?わしが海座に負けるっチュウんかい!」
勢い良く立ち上がり、冴波に対峙する。
無表情だった冴波も僅かに目つきが鋭くなり、構えを取った。
「止めておけ、冴波の言うとおりだ。
辻、お前が負けるとは思わないが、目的の為には勝つだけでは足りないって事だ。」
江波が椅子に深く身を沈めながら辻を制止する。
「あ・・ああ・・そうヤったな。悪かったのぅ。ちいとばかし頭に血が上りやすいンヤ儂。
上手くいったようやし、もう儂は帰るでぇ。」
江波の言葉を受け、頭を掻きながら窓に寄る。
校内に誰が残っているか判らないので、辻はドアから出て行くわけにも行かないのだ。

「・・・ん?あれは・・・」
生徒会室の窓から飛び降り歩いていく辻を見かけた生徒がいた。
タイヤをひきずりながら走っていた間楠だった。


693 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23:52:38
  キャスト
マックス:間楠:二年生・野球部員
カイザー:海座:三年生・野球部主将
ファルコン:不破:二年生・喜志学園不良二強の一角
セシリア:瀬知:二年生・風紀委員長兼薙刀部部長
アステラ:明日寺:一年生・不破の後輩
マリス:真利:一年生・学園理事長の孫娘、瀬知の追っかけ
レナス:那須:三年生・野球部マネージャー、江波の幼馴染
誓音:星斗:一年生・風紀委員

エヴァンス:江波:三年生・生徒会長
シズネ:静根:三年生・生徒会副会長
辻斬り:辻:三年生・喜志学園不良二強の一角
冴波:冴波:二年生・生徒会書記




699 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 21:47:46
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編3】
予算編成会議の翌日。
冴波は通学電車の中で窮地に陥っていた。
すし詰め状態で押し込まれた車内で背後から忍び寄る男の手。
最初は偶然ぶつかっただけのように・・いや、そう思いたかった。
だが、手は電車の揺れに便乗し冴波の尻を撫で回し始める。
脳内にペンティアム4プロセッサが搭載されているのではないかと噂される秀才も、この状態にあっては何もできない気弱な女。
「・・や・・・あの・・・」
精一杯振り絞る声は蚊の鳴く声より小さく、ガードした鞄もやすやすと乗り越えられてしまう。
ただただ顔を赤らめうつむき、固まっていた。
そしていよいよ男の手がスカートの中に伸びようとしたとき、鈍い音と共に車内を引き裂くような悲鳴が響いく。

だが、それは冴波の声ではない。
意外な事に手の主の男の叫びだった。
男の指が曲がってはいけない方向に曲がり、かざすように突き上げられている。
「ぎ・・がああああ!」
「痴漢の分際で人間ぽい悲鳴あげてんじゃねえよ!」
男の指をねじり挙げていたのは喜志学園一年、星斗だった。
据わった目で男を睨みつけ、ドスを聞かせた声で威圧して折れた指をもう一ひねりする。
そして頭突きを男の鼻に叩き込んだ後、おでこに返り血をつけたまま冴波に振り向く。

「冴波先輩、大丈夫でしたか?もう大丈夫ですよ。
駅に着いたら鉄道警察隊に突き出しますけど、その前に前歯折っときますか?」
鼻時を盛大に出す男の髪を掴み、冴波の前に突き出す。
その声は先ほどのドスが効いた声とは一転し、柔らかく優しい口調だった。言っている内容は別として・・・。
痴漢された仕返しに冴波に顔面パンチでもして前歯を折れというのだ。
「あ・・ありがと・・・でも、やりすぎなんじゃ・・・」
流石に血まみれの顔を突きつけられて、冴波は怯み、小さく反論する。
その反応を聞いた星斗の顔が突然痴漢に向けられたものと同じ険しいものとなった。
「なに言っているんですか。悪・即・斬!ですよ!先輩がやらないのなら私がやりますから。」
話がついたところで電車は駅に到着し、生徒は痴漢を引き摺りながら降りていった。
冴波も降りる駅では会ったが、あっけに取られ一駅そのまま行き過ぎてしまうことになる。



702 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 22:33:16
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編4】

なぎなた道場にて、瀬知は副主将に指示して自分はグラウンド部室棟へと向かっていた。
昨日の会議内容、出席率、委任状、予算編成、何もかもがおかしい。
あの会議に出席していて最も信頼できる海座と話をするためだ。
だが、突如として背中に衝撃を受け、危うく転びそうになる。
「オネエサマー!今日は私の指導してくださる約束なのにどこに行くんですか?」
素早いタックルとともに甘えた声で瀬知の背中に抱きつくのはなぎなた部一年、真利。
瀬知を慕い、時に先後輩以上の感情で纏わりつく真利を困惑しつつも可愛がっていた。
だが、今はそれどころではない。
何とか真利を引き離そうとしたが、その熱意に負けし方がなくともに野球部の部室に行くことにした。

野球部部室では海座と間楠が険しい表情で瀬知を待っていた。
部室内に充満する緊迫した空気に真利は咄嗟に瀬知の背中に隠れる。
そんな真利の頭を軽くなで、瀬知は話を切り出した。

子一時間の後、瀬知は真利と野球部部室を後にする。
間楠が見た生徒会室の窓から出てきた辻の話を聞き、何かが生徒会執行部で起こっていることを確信したのだ。
風紀いいんとしても本格的に調査をしなければならないだろう。

瀬知と真利を見送った後、海座も事態の深刻さに眉間にしわを寄せていた。
「・・・間楠、不破を呼んでくれないか?」
重々しく買い座が間楠に告げる。
辻が動いているのなら不破の協力を得なければならないだろう。
不破と海座は中学からの先後輩。間楠とも同じクラスだ。
不祥事が野球部に害を及ぼすといけないからと余り連絡は取ってはいないが、そうも言っていられない。





706 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 21:57:42
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編5】
数日後、野球部部室に数人の生徒が集まっていた。
予算編成に伴う生徒会執行部の動きに不信を持つものたちだ。

「それで、どうだった?」
「駄目ね、雅州教頭は生徒の自治は生徒会に一任している、予算編成も同様。の一点張りよ。」
海座の問いに肩をすくめながら瀬知が応える。
他の面々も予想していた通りといった様子で小さく息をついただけだった。
「俺のほうも色々当たってみたけどさしあたって判った事はないな。」
不破も学園の裏情報をあたっていたのだが、収穫はなかったのだ。

「・・・不破先輩に無理矢理連れられてきたけど・・・これだけ集まって何もわかってないなんて、無能にも程がある。
元々こんな事には興味ないけど、俺一人でやった方がまだましだね。」
重い沈黙を破るように席を立つのは明日寺。
不破と瀬知が止める声を振り切るように部室を後にした。
「仕方がないやーね。地道に資金の流れを辿って証拠を掴むしかないじゃない。長期戦を覚悟でいこ。」
手がかりのない上、明日寺の突然の離脱に部室内の空気が悪くなったのを払拭するように那須が明るく言い放つ。
だが、那須とてそれほど楽観しているわけではない。
幼馴染の江波の企み、そして何より、静根にコケにされたことに屈辱を覚えていたからだ。

会議の日の夜、那須は泣いた。
大切な大賀との思い出を汚され、その屈辱に泣いたのだ。
一晩泣いてすっきりとし、必ず証拠を掴みそれを叩きつけると心に誓ったのだ。

#############################################

「・・・・・」
「ようきたのぉ?ゲヒャ、さすが儂の見込んだ男やでぇ。不破についているよりおもろい生活遅らせたるデ!」
部室を出た後、明日寺は第一校舎屋上で辻を睨みつけていた。
だが、辻はそんな明日寺の視線を嬉しそうに受け止め、頭をくしゃくしゃと乱暴に撫でる。

辻は強いものが好きだ。
心も、肉体も。
あの日、殴り合って辻は思ったのだ。
体の強さはこれからついてくるだろう。だが、反骨精神の塊のような眼。その強さに辻は魅せられたのかもしれない。
それから数日後、明日寺に辻のグループに入るように勧誘していたのだ。

「ふん、せいぜい楽しませてくれよ。」
頭をくしゃくしゃと撫でる辻の手を殴るように払いのけ、言い放つ。
だが、辻にとって見ては殴られたうちにも入らないような明日寺の手など意に介すこともなく肩に手を当て明日寺を連れ階段を下りていく。




708 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 21:09:09
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編5】

四月も終わりの頃、明日寺は辻に連れられ生徒会室に来ていた。
向かい合って座るのは静根と冴波。
冴波はまったく関心なさそうに事務処理を淡々とこなしているが、静根は不満な顔だった。
「辻さぁ、あんたどういうつもりだえ?こんなの連れてきて。」
「あぁ?こんなのとはどういう言い方だ、こら!」
静根の言葉に辻より先に明日寺が激昂して立ち上がる。
だが、静根は明日寺など眼中にないように辻だけを睨みつけている。
その態度に更に激昂する明日寺だが、が、すぐにソファーに埋もれるように座る事になる。
辻がソファーに身を沈めたまま手を伸ばし、明日寺の方を力任せに引いたのだ。
「まあそういうなや。俺の可愛い後輩でのう。げひゃ。なぁに、儂が見込んで因果も含めてある、安心せえ。」
楽しそうに笑いながら辻は応えるが、それでも静根の表情は変わらないままだ。

「静根、構わんよ。辻には良く働いてもらっている。
その辻が見込んだんだ。これが元で地獄に落ちても上等さ。」
そんなやり取りの中、江波が会長執務室から出てきて、静根を宥める。
そして明日寺の座るソファーを覗き込むようにしてずっとその眼を見る。
「辻から全部聞いてその上でここに来たんだろう?それだけで十分だ。俺達と地獄行き確定の切符をその手で受け取ったってことだからな。
せいぜい働いてもらうぞ、ボウズ。」
宣言するように明日寺に語りかけ、窓側に映る江波。
その姿を険しい表情で目ね付けながら明日寺は迷っていた。

元々正義感が強いわけではない。生徒会の予算編成についても無関係だ。
だが、不破や会座のまどろっこしいやり方に怒りを覚え潜入して手っとり早く証拠を見つけ突きつけてやる。
使命感でもなく、正義感でもなく、ただの怒りが動機だった。
だが、その目的を知った今、明日寺は大きく揺れていた。


709 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 22:11:48
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編7】

GWが明けたあと、海座、 間楠、不破、瀬知、真利、那須、星斗の七人が空き教室に集まっていた。
あれから一ヶ月、それぞれが調べた生徒会執行部の動向を報告しあう為だ。
「とうとう掴んだわ、生徒会執行部の資金の流れを!巧みに偽装されているけど、用途不明の支出金がかなりの額に上っているの。」
瀬知が勝ち誇ったように立ち上がり、資料をそれぞれに配る。
「こっちも掴んだぜ。辻の野郎、喧嘩馬鹿だけど悪巧みするような奴じゃないと思ってたんだけどな・・!」
かみ締めるように瀬知に続くのは不破。
不破は学園裏情報を辿り、辻と生徒会執行部の癒着を突き止めたのだ。
「うん、これで証拠は揃ったな。」
重々しく海座が宣言し、教室内の雰囲気が明るくなる。

だが、その教室の中で一人沈んでいる人間がいた。
那須だ。
那須はこの一ヶ月、生徒会長である江波の同行を探っていたのだ。
幼馴染ゆえ、家も近所でよく調べる事が出来た。
それゆえに那須はこの場で盛り上がることは出来なかった。
だが、それでもエバたち生徒会執行部のしている事は許されることではない。
葛藤の挙句、「そうね・・・」と小さく同意するのが精一杯だった。

「結構は明日の放課後。生徒会室に集まられると口裏を合わせて白を切られるかも知れん。
それぞれバラバラのところを各人が当たって問い詰めることにしよう。」
海瀬の宣言の元、七人は動き出した。



711 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/07(水) 21:46:59
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編8】

体育館裏。
不破は辻をここに呼びつけていた。
既に裏は取れているが、辻グループと生徒会執行部の癒着を直接聞き出すために。
たとえ力づくでも、だ。
「ほほう、学園の表と裏の風紀を司る二人が揃っているとは珍しいこっちゃノウ!」
約束の時間に辻は現れた。脇に明日寺を従えて。
その姿を見て、不破と瀬知は驚きを隠せなかった。
不破と瀬知は辻を呼びつけたものの、手下を引き連れてこられたら流石に適わないという不安を抱えての呼び付けだったからだ。

「辻、たった二人で来たってことは俺達の用件はわかっているんだな。」
静かに闘志を燃やしながら辻と明日寺に問いかける。
辻はその視線を真正面から受け止め、明日寺は眼をそらす。
「ああ、わかっトるわい。お互い立会人を連れてきている事ぢゃし、儂らの流儀に従って拳で聞いてみい。」
不適に笑いながら大きな拳を不破に突きつける。
事情はどうであれ、辻は不破との喧嘩を楽しみにしているのだ。
唯一自分と対等に殴りあえる相手との喧嘩。辻はそれが嬉しくて仕方がなかった。
「じゃがノウ、お前らは儂に勝つと不幸になるぞ。
それでもというのなら知ってしまう重さ、覚悟してかかってこい!」
怒鳴りつけながらガクランを脱ぎ捨て、その筋肉を誇示するように構えを取る辻。
「ぬかせ!」
小さく毒づきながら不破が辻に飛びかかる。
ここに学園に今日の激突が始まった。

不破と辻のやり取りの間、瀬知は何も言わなかった。
いや、言えなかった。
辻は手下を連れてこず、拳の対話を選んだ。
ここは辻と不破の流儀に合わせるしかない。
そして明日寺もまた口を開かなかった。自分の目的、そして知ってしまった重み。
どう動けば良いのか自分でも判断つかなかったからだ。

#####################################################

図書館前の廊下。
冴波がいつも通りに、借りた本を片手に歩いている。
これから生徒会室に向かうのだろう。
余りに規則的過ぎるその行動パターンは把握しやすかった。
冴波の前に星斗が立ちはだかる。
「お話があります!」
「あの時はどうも・・・意外と早かったのね・・・」
廊下に一瞬にして緊張感の粒子が充満し、空気が凍りつく。
悪・即・斬の女とペンティアム4プロセッサ搭載の女。
二人の女の静かな戦いが始まろうとしていた。



714 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:32:02
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編9】

「辻が不破に呼び出されたらしいな。」
「ええ、おそらくはあの事ででしょうね・・・。」
「今日は冴波はまだ来ていない、か。」
「ええ・・・。」
「GWあけに色々動きがあったのは掴んでいたが・・。」
「泳がせていたのでしょう?」
「まあ、な。意外と早いものだな。終末のラッパが響くってのは。」
「そう?私たちの目的は既に果たされているのだし、頃合って奴じゃないかねい。」
「・・・私たち、か・・・。スマンね、静根。俺の為に君たちに汚れ仕事任せてしまって。」
「そう?他の二人は知らないけど、私は同情なんかしていないわよ。楽しませてもらっているもの。」
「すまないな・・・地獄行きの片道切符渡しちまったみたいで。」
「それは三人揃って自分の意思でその片道切符を受け取ったのだもの、気にしないで。」

ここは生徒会執行部執務室。
ソファーに実をうずめながら向かい合って座る江波と静根が言葉を交わす。
明かりもつけず、二人の顔は差し込む夕日に赤く染められていた。
そして外からは海座達のノックの音が響いている。

「さ、もう行って。最後のオフなんだから。今日の為に無理して時間を空けたのでしょ。
出来るだけ時間は稼ぐけど大して期待しないでおくれよ。」
静根にせかされるように江波は窓から身を翻す。
最後に「すまない」と小さく呟きながら。

江波が窓から身を翻した瞬間、海座・間楠・那須・真利が生徒会執行部執務室になだれ込んできた。
「おやおや、何だってんだい?会長の江波なら急用でもう帰ったえ?」
窓から出て行く姿を見られていながら白々しく静根が立ち上がる。
「逃げたのか!くそ!」
間楠が悔しがるが、海座は落ち着いて静根に数枚の紙を手渡した。
「調べはついたぞ。生徒会執行部の不正と辻グループとの癒着だ。
どういったことなのか説明してもらおうか!」
海座は表にこそ出さないが、静かに怒っているのだ。
有無を言わさぬ迫力が滲み出ている。
「おやおや、血相変えてまあ。ようござんすよ。資料には目を通して検討の上回答させていただきます。
そういうことで今日は散っておくれよ。」
その海座の迫力も柳のように受け流し、渡された資料をペラペラとめくりながら返答する静根。
*ドン!*
海座は何も言わずテーブルに拳を打ちつけ、静根を睨む。



715 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23:32:46
体育館裏では辻と不破の戦いに決着がつこうとしていた。
双方共に満身創痍で、肩で息をしている。
「不破よぉ!小難しい事いっとらんで楽しまんかい!」
叫びと共に辻の大きな拳が不破の顔面を捉える。
不破の顔の形が変わり、強制的に右90度を向かされる。
だが、不破は倒れない。
「負けられねえンだよ!!」
顔の位置を戻し、抉るように辻の腹に拳を叩きつける。
一瞬辻の巨体が宙に浮き、九の字にして倒れこんだ。
「ハァ・・ハァ・・・背負っているものが・・・違うんだ!」
倒れこむ辻を見下ろし、不破は叩き付ける様に言葉を浴びせかける。
「ぐははははは!負けぢゃあ!まあ、仕方がねえ。明日寺!」
暫く動けなかった辻だが、体の向きを変え座り込むようにして明日寺に声をかける。
「ふん、無様に負けやがって。お前に使われる義理はない!」
腕組をして一部始終を見ていた明日寺だが、辻に呼ばれ吐き捨てるように罵声を浴びせる。
その言葉に眉をひそめた不破だが、それより速く動いたものがいた。
立ち上がれず尻餅を着いていた辻だ。
「明日寺。先輩を敬わんかい。
お前がわしらの悪巧みの証拠を集め取ったのはしっとるワイ。今更照れるな!」
そう静かに言い放つと、明日寺の腹に一発拳を叩き込む。
その一撃で悶絶する明日寺。
それを尻目に、辻は明日寺の鞄を漁り紙封筒を取り出した。
「面倒な奴ぢゃのウ。ほれ、瀬知。明日寺の集めた証拠ぢゃ。好きに使え。
ぢゃがの、知った重みに潰されるんじゃないど。」
そういい残し、辻は明日寺を担いで体育館裏から姿を消した。

渡された紙封筒中を見た瀬知の顔色がさっと変わる。
その変貌に不破が声をかけるが瀬知は応えない。いや、口は動いている。
「知った重み・・・でも・・・明日寺の想い、無駄にするわけには行かないわ。」
小さく辻の言葉を反芻する瀬知。それは不破に答えたようにも、自分へ言い聞かせるようにも取れた。
そして生徒会室へと歩き出す。

#############################################
*パン*
廊下に乾いた音が響いた。
下唇をかみ締めた星斗が冴波にビンタをしたのだ。
冴波に全てを語られた星斗に圧し掛かった葛藤はかつて無いほどのものだった。
「あなたのシンプルな白と黒の世界では辛かったかしらね・・?」
右頬を赤く腫らしながらまっすぐと星斗を見詰める冴波。
そして鞄の中からDVDを一枚、星斗に差し出した。
「この中に会計情報はすべて入っているわ。これをどう使おうと構わない。」
差し出されたDVDを震える手で受け取る星斗。
「・・・受け取るわ。そして、救ってあげる。」
冴波を残し、冴波は踵を返す。
振り返ることはない。
その足は生徒会室へと向かっていた。



717 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 23:19:28
【喜志学園・今こそ立ち上がれ生徒会改革編10】

生徒会室にて、海座をはじめとして詰め掛けたみなが苛立ちを隠せないでいた。
のらりくらりと躱す静根の態度に業を煮やしているのだ。
「まあ、良くできて入るけど、証言とか不明な部分が多くて想像の域は出な・・。」
「そうですか。では、決定的証拠をお持ちしました。」
「こっちもね!」
煙に巻こうとする静根の声に被せるように星斗、瀬知、不破が生徒会室に入ってくる。
その手に持つDVDと紙袋を見て、初めて静根の顔色が変わる。

「おっと、あんよが滑った!」
言う台詞はふざけているが、その動きは豹の如し。
素早く立ち上がると立っている間楠とマリスの間をすり抜け、星斗の手を蹴り上げる。
宙を舞うDVD。
そして静根の手には磁石が握られていた。
海座も、瀬知も不破も、蹴られた当の星斗すらも反応できない中、一人だけが動いていた。
那須だ。
DVDが磁石に着地する寸前に手を伸ばして掴み取る。
「・・・静根、もういいでしょう。私が話すわ。」
喝采の上がる中、那須は沈んだ声で語りかける。
「あんた・・・知っていたんだ。」
最後の一撃を失敗し、決定的証拠を握られてしまい項垂れていた静根だが、その声に顔を上げた。
「ええ、ついこの間、ね。私と江波は幼馴染なのよ。家も近所でね。」
「・・・・そう・・・」
覚悟を決めたようにシズネは応え、那須は言葉を続ける。
「せっかくだから、私たちも行きましょう。江波のところへ。そこで話すわ。」
生徒会室にいる人間すべてを見回し、那須は歩き出した。
海座たちはわけもわからぬまま、それについていくしかなかった。



718 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 23:20:07
喜志十時病院。
那須に先導され、海座たちはここに来ていた。
病院の遊具室に行くと、そこには江波がいた。
海座たちに気付き、肩を竦めながら遊具室を出る。
「すまなかったな、静根。」
「こちらこそ、悪かったねい。自分で思っていたより能無しだったよ、あたしゃ。」
少しの間見詰めあう二人。
「「「「「「「お兄様〜〜」」」」」」」
そんな江波に遊具室から小学一年生くらいの女の子が七人書けよって、口々にもっと遊んでとせがみだす。
困った顔をしながら女の子たちを宥め、代わりに静根が遊具室に入っていく。
江波は那須や海座達を連れ、待合室まで移動した。


「ここに辿り着くのが早かったな。ま、今更いい訳はしないさ。」
すべてを諦めたような表情で両手を広げて見せるが、海座たちはこの状況に困惑し、詰め寄る事が出来ないでいた。
「あれが、妹さんたちね。」
江波と那須はとつとつと語りだした。
江波とは幼馴染だったが、中学に上がる頃から徐々に付き合いがなくなっていった。
そして、つい最近まで知らなかった。江波が引っ越していた事に。

江波の家は元々かなりの資産家であったが、家屋敷その他資産を売り払い、近所のアパートに移り住んでいたのだ。
それは江波の母の死からすべて始まる。
江波には七つ子の年の離れた妹がいる。それが病院の遊具室にいた女の子達だ。
七人揃って仲が良く、江波を慕っているが、一つ問題があった。
それは母親の死をきっかけに、七人が感覚を共有してしまっているのだ。
一人が怪我をすれば、他の六人も同じ箇所に傷を負い、痛みを負う。
そして、七人の妹のうちの一人が心臓疾患にかかってしまったのだ。
病気自体は手術で簡単に治るものだが、問題は感覚の共有。
江波の父は全財産をはたいてその感覚の共有を治そうとした。
それが治らなければ心臓疾患を治す事も出来ないからだ。
だが、それには莫大な費用がかかった。
ようやく治療の目処が立った時、既に全ての財産は消え、それでも足りなかった。

「そういうわけでな、生徒会会長の地位を利用して横領したわけだ。バイトを3つ掛け持ちしているが、高校生の俺では300万
という額は用意できそうになかったのでね。
静根と冴波、辻は俺が無理矢理やらせた。被害者だな。
話は以上だ。明日手術でな、金は作れたしおれは学校を辞めるよ。予算の方は冴波が上手く細工してくれているから、俺が学
校を止めて働けば代済できるそうだ。そういえば期間を聞いていなかったな。」
自嘲気味に力なく笑いながら江波が説明を終える。
誰も言葉を発する事は出来なかった。
江波のした事は多額の横領。全校生徒への裏切りだ。
だが、その事情を聞いてしまった以上、口を開く事が出来なかったのだ。

「期間は八ヶ月です。」
「儂と冴波と静根をあわせた四人ていウ条件付らしいがのぅ。」
その沈黙を破るように冴波と辻があらわれる。
「不破よぉ、明日寺のことは頼んだデェ。面倒な奴で扱いきれんワイ。」
驚く江波の肩に腕を回しながら不破に笑いかけた。


719 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 23:20:40
一ヵ月後。
江波、冴波、静根は停学期間が明け、登校をしていた。
辻も停学期間が明けているのだが、来ていない。いや、登校はしているが姿が見えない。
おそらくは屋上あたりで寝ているのだろう。
校門前では風紀委員の瀬知と星斗が制服のチェックをしている。
グランドでは海座や間楠が甲子園に向けて汗を流している。
それを温かく見守る那須、そして熱い視線を送る真利。あの一件で瀬知から間楠へと鞍替えしたようだ。

生徒会執行部による横領事件は明るみに出、生徒たちに衝撃を与えた。
だが、海座たちの活躍により学校側への嘆願書提出、一大募金活動により停学一ヶ月の処分で許されたのだ。
こうしていつもと変わらない日常が喜志学園に流れ出す。


屋上。寝ている辻の顔に影が落ちる。
「一ヶ月も大人しくしていて、腕が鈍っちまったか?辻!」
「ふん、先輩への口の聞き方を教育せんとあかんようやのぉ!」
停学明けに手荒い祝福を用意していた不破に辻は嬉しさを隠さず立ち上がる。
「・・・止めないのか?」
「良いのよ、あの二人は、もう。」
嬉しそうに殴りあう二人を呆れた顔で瀬知と明日寺が見守っていた。
【完】


騎士4・騎士小学校・名無し###############

894 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/11/10(金) 08:57:31
騎士小学校
子供騎士壇探検記

学級委員・セシリア
ガキ大将・カイザー
いじめられっこ・辻切り
カイザーラヴ・シズネ
転校生・ファル
先生・サタン


896 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/11/10(金) 13:56:05
騎士小学校三年りす組の朝の風景

シズネ「辻斬り君、誕生日おめでとう。はい、これプレゼント。」
辻斬り「あ、ありがとうシズネちゃん。でも僕の誕生日今日じゃ…」
やだなー、シズネちゃんが僕のことを君付けにするときって大抵悪いことが起きるんだよな…
シズネ「なによ!私からプレゼントもらったのに嬉しくないの!?」
辻斬り「そんなことないよ!嬉しいよ!嬉しいです」
シズネ「やっぱりそうよねー。じゃあさっそくあけてみて。」
辻斬り「う…ん。」
ガサゴソ…パカ…ドカーン!
シズネ「あはははは!ひっかかった!ひっかかった!
新しく習った起爆符を仕込んでおいたの。
辻斬り真っ黒コゲー!あははは!」
辻斬り「びえーーー!」

カイザー「シズネ!なにやってんだよ。」
シズネ「カイザーきゅん。私はただ辻斬りにカイザーきゅんみたいに強くなるように訓練してやっているんだもん。」
辻斬り「びえーー。」
カイザー「下らねえことやってんじゃねえよ。」
シズネ「はーい、カイザーきゅんが言うならもうやめりゅー。」
辻斬り「えぐっえぐっがいざーぐぅーん」
カイザー「あーもー、おめーもいつまでも泣いてんじゃねえよ!」
ボカ!
辻斬り「ふぇ?カイザー君がぶったー!びえー!」
セシリア「あー!またカイザー君が乱暴してるー!
先生に言い付けてやるんだから!」
カイザー「ちょっ、シズネ!辻斬りちゃんと説明しろよ!」
シズネ「ふぁー。あたしおねむなの。よる遅くまで起爆符書いてたから仕方がないわよね。」
辻斬り「ヴゥエーン、ガイザァぐぅんが打ったぁー!」
カイザー「お、おまえら、ちょ!」

ガラガラガラ!ドアが開く
サタン「何を騒いでいるんだ!?」
セシリア「サタン先生!またカイザー君が辻斬り君に乱暴して泣かせました!」
カイザー「ちょっ、ちが!」
サタン「……」
セシリア「サタン先生?」
カイザー「…?」
サタン「……」
シズネ「あははははは、サタン先生は一言喋ると次の一言は五日後にしか出ないのよ。」
セシリア・カイザー「「なんじゃそりゃー!!」」

カイザー「え、じゃあ探検とか転校生は?」
シズネ「自動的に五日後だから次回につづく、ネ」
辻斬り「びえー!カイザー君にぶたれたー」
カイザー「間近よ、次回につづくの?これ。
あーもー辻斬りうっとおしい!」

つづく



騎士4・冴波の旅・名無し#################

898 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/11/10(金) 22:03:02
『冴波の旅』
放浪者冴波と言葉を話す屍辻斬り。
彼らが出会った人々は少し痛くて、とても悲しい

『騎士の国』

一つの散り行くスレ。
閑散とし以前は日参組が盛り上げていたとあるスレ
今は停止気味で、人がいるかどうかすらも解らないスレ。
そこへ一体の屍(注・白骨化した物だけを指す)と放浪者が通りかかった。
放浪者は10台半ば程、黒いコートを着て身の程もありそうな大きな剣を背負っていた。
『やっと戻ってこれたな、辻斬り』
スレを見ながら放浪者が言った
『アア、エラァ長クなったモンやのォ。冴波』
辻斬りと呼ばれた屍は答えた。
『しかし・・・しばらく見ないうちに変わってしまったな。
 ここが本当に私達の故郷、皆で戦い、皆で笑ったあの騎士スレなのか?』
冴波と呼ばれた放浪者は俯きながら辻斬りに問いかける。
かつては沢山の人で賑わっていた騎士スレ。
今となっては主要キャラのFO、それに会わしたグダグダ展開
既にその賑わいは過去の栄光となっていたのだ。

『なあ辻斬り・・・今から私があそこへ行って何か出来ることはあるか?』
『ンなモンあらへン』
辻斬りが間髪いれず返事をした。
『かつて信頼した仲間のFO、そノダメージは参加者にとッては計り知れんモン
 周囲が脆クなってまえば、ニンゲンは楽しめなイ・・・せやから次々と参加者がFOするンや
 あれじャもう全員飽き始めとル、
 セヤから冴波に出来ることハあらへン
 行ってモ過去の栄光に傷を付けルだけヤ。』
呆然とする冴波に辻斬りが冷静に言った。

『・・・・・・・・』
既に人がいなくなったスレの前、冴波はぺたんとそこに座り込んだ。

終わり



騎士4・カイザーとバレンタイン・名無し##########

943 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/02/16(金) 15:19:51 O
バレンタインチョコの売れ残りセール目当てにデパート行ったはいいものの・・・
あんまり美味しそうなチョコが無くてガッカリして帰る途中
いきなり見知らぬ女の子から「あ・・・あのっ!!ちょ・・・チョコどうぞ!!!」
とかなり気合い入ったチョコを渡されたカイザーだったが
「これは魔王軍の罠かもしれない」と捨ててしまう

次の日、街を散歩していたら突然昨日の女の子が現れ「あの・・・チョコ美味しかったですか?」
とモジモジしながら尋ねてきたので、一瞬ヤバイと思いつつも
「あぁ美味しかったよ」と頑張って嘘をついた途端
女の子がバリバリーッと真っ二つに割れてサタン登場!
「ふははは!!食ったなカイザー!!あのチョコ・・・」
「実は食ってないんだ、ソッコーで捨てた」






すまん、いいオチが浮かばない・・・



混合・ファルコンの目覚め・名無し############

976 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/06(火) 22:47:39 0
ファル「お、イルじゃないか!おーい!愛しているぞー!」
イル「は?アンタ誰よ。とりあえず死んどく?」
イル「ちょっと、誰に向かって愛してるぞなんていっているのよ!」
ファル「ぎゃー!イル違いでしたごめんなさいいいいい!」
間違えてハンタのイルに声をかけてしまったのでした。
本物のイルとハンタのイルにたこなぐりにされるファル。
殴られながらもファルは新たな快感に目覚めようとしているのだった。