設定など

【時系列】
『ヴァフティア事変』から十日余


【帝都エストアリア】

【名前】
帝国首都エストアリア――通称『帝都』
ちなみに大昔に遷都する前は『円環都市エストアリア』と呼ばれていました

【概要】
大陸国家『帝国』の首都。大陸における帝国領のほぼ中央に位置している。
年間を通して気候が安定しているので過ごしやすく、作物も育ちやすいので基本的に国内では一番豊か。人口も多い
首都なので他の街にはない政治の枢軸機関が集められている。帝府、帝政議会、貨物集積所、従士隊本拠、国立研究院ete……

【地理】
帝居である『天帝城』を中心に、なだらかな円錐のような全景。等高線のように敷かれる環状通りは全て揺り篭クラスの大通り。
この環状線は都市防衛上の要になる為『ハードル』と呼ばれ、有事の際には路面に刻まれた術式が障壁になったりする。
国内では敷地面積が一番広く、ヴァフティアが十個ぐらいスッポリ入る大きさ。超広い

(1番ハードル)
天帝城
天帝城の真下、血族達の居住区や“ティンダロスの猟犬”の詰め所が隠されている下水道の一角

(2番ハードル)
大貴族の館群
高級娼館ラ・シレーナ

(三番ハードル)
ヴァフティアには数少ない巨大かつ高層な建築物がいくつも立ち並び、定間隔に並んだ鉄柱の先では魔導灯の光が踊る。
上空のミルキーロードをひっきりなしに箒が飛び交い、石造りの稜線は空から街を切り取ったまま視界の端まで続いていく。
足元の路面石材はなめらかに均され、ときおり魔力の光を網目の如く巡らせている。道行く人の流れは途切れることを知らず、同じ顔を二度と見ない。

(5番ハードル)
ハンターズギルド
銀の杯亭

(6番ハードル)
学生街である。帝国内の最高学府である帝都王立教導院を初めとした主要な教育機関が集い、そこから派生した研究院が軒を連ねる。
そこに通う学生や院生、教導師達が下宿する寮や長屋が林立し、隙間を縫うように学生層をターゲットにした食堂や商店がまばらに散在している。
帝都の中で最も人の出入りが激しいハードルであり、需要に合わせて造成改築を繰り返したため相当煩雑な内部構造となっていた。
上を見上げれば立ち並ぶ建物の稜線に阻まれ全容を把握できない空の下で、しかしどこからでもはっきりとその存在を視認できる建造物が二つある。
一つは生徒数五桁を誇る学生の華、6番ハードルの幅をほぼ埋める敷地の王立教導院。そしてもう一つは、天を貫かんと聳える白磁の塔――国立研究院。

(7番ハードル)
幌馬車通り
多種多様、雑多な店の立ち並ぶこの通りの人、人、人・・・・・・

(8番ハードル)
従士隊宿舎

(15番ハードル)
従士隊食堂

(17番ハードル)
従士隊隊長室

(18番ハードル)
『ルミニア聖堂』通り

(22番ハードル)
従士隊教練所

(30番ハードル)
拘置所

【政治】
国内政治の最高機関『帝政議会』
皇帝陛下を中心にした30人ほどの元老院から成り、最高決定権を持つ皇帝への助言と法令の代理発布を行う。
議会は一番ハードルの中にあり、騎士団に常に護られている

【教育】
最高学府は帝都王立教導院。下町には神殿教院や義塾のような教育機関もちらほら。
教導院は国民なら誰でも入学できるが卒業時に格付けがされ、エリートと堕ち零れの落差が酷い

【武力】
対外兵力として正規軍を所持。徴兵制ではなく志願から成り、退役後は騎士団や従士隊での隊長職や官僚に。
国家内部への治安維持組織として騎士団と従士隊を持ち、主に官僚や貴族の護衛に騎士を、国民の守護に従士を置く。
力関係としては正規軍≧イコール騎士団>従士隊。年棒も右下がり。神殿騎士はまた別の組織
尚、正規軍と従士隊はヴァフティア守備隊と同じく航空戦力として箒と騎竜を所持している

【従士】
『庶民の味方』を念頭に作られた公務戦闘職。騎士の下役で、構成人員は教導院出身から一般公募まで幅広く混在している。
そのため戦闘能力もピンキリで、バランスの悪さをカバーする為に小隊を組んで行動するのが普通。
また武装も統一されておらず、剣や槍といったポピュラーな物から魔導杖やショーテル、バイアネットなど特殊な物まで幅広い。

ジェイドって言やあ従士で知らねえ奴はいないってぐらいの有名人だぜ?帝都の教導院出身でもないのに
 中途採用試験に嵐の如く現れ主席で合格、その後は従士隊きってのエースとして大活躍だったつう話だよ。
 俺が従士になる頃に入れ違って辞めちまったらしいから直接会ったことはないんだけどよ、俺達ぐらいの年代にゃ身近な伝説の男って奴だな

本拠はその敷地だけで言うならば一軒家を四つほどくっつけた程度の小規模な建物である。
門をくぐってすぐのロビーがその内容量の殆どを占め、各部署ごとの窓口が軒を連ねている。
左から三番目にレクストが所属する常務戦課、戦うしか能のない言わばヒラ従士の寄せ集めがあり、鎧開きの衝立から奥への通路が口を開けている

従士隊の面々が業務を行うには一定の符牒が必要であり、受付にそれを口述することで初めて通用口の使用が許可される
申請が通れば衝立が開かれ、その奥にある小部屋へと通される。『接続室』と掘り込まれた札を掲げるそこは、中央にSPINの『駅』が据えられているだけ。
従士隊の屯所は市内の各支部との連携強化と敷地削減の為、直通の専用SPINを利用した庁舎接続システムを採用している。
SPINはそのまま『通路』となり、市内にまばらに点在する建物同士を空間跳躍で連結することによって施設の統合を行っているのだ。

SPINで繋げば、一箇所に施設を集中させることなくしかし遜色なしに利用できるのだ。距離を無視できるSPINならではのシステムと言える。
建物が隣り合わないことで火災の延焼防止や備品搬入の手間削減にのみならず、市井の街並みに紛れさせることでテロの対象になりにくいという利点まで備えている。
『隊長室』は、17番ハードルの下町の一角に存在した。表向きは民家に偽装されているものの、玄関の向こうは打ちっぱなしの漆喰で埋められその用を成していない。
一階部分は有事の際の避難壕として、平時は武器庫として利用される。隊長がそのデスクを構えるのは二階部分だった。

エイミール=ジェネレイト。帝都王立従士隊の隊長職であり、リフレクティア翁の古い友人でもあった。レクストも幼い頃から面識がある。

駐屯所長=天下りの名ばかり責任者
従士隊長=武闘派の直属頭目

『常務戦課』は主に国内の防衛力補填や市街警備、雑用その他を業務とする隊内カーストの最底辺である。
一つの事件を専門的に追うことの許される『捜査戦課』は"格付け"で一定の成績を残した正真正銘純粋培養のエリートのみが所属していた。

本拠地は3番ハードル第23号駅
『食堂』は15番ハードル
『宿舎』は8番ハードル
『本拠』は3番ハードル
『教練所』は22番ハードル
『隊長室』は17番ハードル
『拘留所』は30番ハードル

【ティンダロスの猟犬】
隊のコンセプト上『魔』に頼らず原始的な肉弾戦、戦略のみをとる
元は『魔』を恐れた初代管理者が作り出した『魔』に対抗するための防衛隊
皇帝以降は主に騎士団や神殿騎士、従士隊や軍部に対する憲兵のような扱いをされたため“盾を持たない黒騎士”
として半ば都市伝説のように恐れられた
“ティンダロスの猟犬”以外の近衛隊は基本的に名誉職(悪く言えば騎士達の天下り先)である

鎧は物理攻撃以外無効、魔法の力で強化した腕力も強化分の力は無効
弱点は“魔”以外の力と、純粋な実力差です

天帝城の真下、血族達の居住区や“ティンダロスの猟犬”の詰め所が隠されている下水道の一角

隊長:ルーリエ
副隊長:ンカイ(血族最強)、ガタス
隊員:ハゥト、クンヤン
新兵:クラウチ(メモメモ)、ミスカトゥ、アカムィ、ダニーチェ(三つ子)、レン、ツァン

新兵とンカイは人間ぽいが、それ以外は素顔を見ると正気度を削られるレベル

【交通】
ハードルを一周する路面鉄道が古来からの主流交通だったが、効率の悪さから今はほぼSPINにとって代わられている。
上空には縦横無尽にミルキーウェイが張り巡らされている為、観光も兼ねた『貸し箒』も流行している。

【SPIN】
都市内転送術式間連絡網(シティポーテーションインターネットワーク)の略称。
転移術式は本来座標固定と空間跳躍に膨大な魔力と時間を消費する為効率が非常に悪く転移可能距離も短い。
そこで都内各所予め場所を決め施術した転移術式同士を繋ぎ合わせ、巨大な一つの魔法陣を形成する。
各転移術式同士で連携をとって互いを中継ポイントにすることで、飛び石のように跳んでは次へ跳んでは次へを繰り返して目的地に到達する。

出発点●――――――――――――――○目的地   ←これだと時間がかかりすぎて燃費が悪いので

出発点●――◇――□――△――☆――○目的地   ←このように短距離跳躍を高速自動で繰り返す

この為等間隔に『飛び石』がないと使えず、また巨大魔法陣が一種の演算術式の役割を秘めているので都市内でしか使えない。
魔法陣を構成するのに敷地が円状の帝都が最も相性が良く、また防衛上の理由で帝都の外へは『飛び石』を伸ばしていない。

※難しく考えずに『ジャンプ一回じゃ越えられない河も、飛び石があれば渡れるよね』という理論だと考えればOK


「帝都の構造は、そうだな、いくつも重なった同心円を思い浮かべてくれるといい。二重丸とか三重丸の豪華版だな。
 ヴァフティア十個分はあろうかっていう広大な円状の敷地に、いくつも環状ラインが通ってる。全部揺り篭通り規模の大通りだ」

近隣有数の大都市であるヴァフティアにすら東西南北四本しか通ってない大通りが、帝都には波紋のごとく無数にある。
帝都は皇帝陛下のおわす王宮、『天帝城』を頂点としたゆるやかな円錐型で、等高線のように一定間隔で通りが巡っているのだ。
これが、有事の際には路上に刻まれた膨大な数の呪詛と術式によって結界障壁を励起し、外的の侵攻へと抗うのである。

「そういう側面から、この環状大通りは『ハードル』って呼ばれてる。中心から順に番号がふってあって、天帝城の周りが一番ハードル。
 そっから二番、三番……って感じに名前をつけてくわけだ。ちなみに従士隊屯所本部は三番ハードルの内側だな」

ハードルとは行っても平時は人々の暮らす生活拠点であり、交通の基礎たる大通りだ。
軒を連ねる商店街や、遊興施設も露店もある。各所に設けられた噴水や広場は都民の憩いの場としてつつがなく機能している。

「主な都内交通は路面鉄道……なんだが、あんまり敷地が広すぎて正直これは観光以外の用途を為さねえ。
 急ぎのときや日常生活で使うのは『SPIN(スピン)』だな。これはまあ、平たく言やあ都市型転移術式陣ネットワークなんだが……」

SPINとは都市内転送術式間連絡網(シティポーテーションインターネットワーク)の略称である。
都内各所に設置された『駅』に施術した転移術式同士を繋ぎ合わせることで、高速性と効率性に優れた転移術式を行使できるシステムだ。

【帝都エストアリア・入門審査局:SPIN『駅』】
登都便の乗客たちは審査局のロビー端にあるSPINの『駅』へと誘われた。
無論審査局から直に街へ出ることも可能だが、ここは広大な帝都の端、近くにあるのは農園と住宅地ばかりである。
ろくな交通手段も通っていないので、観光や登城目的の人々(今回は全員がそれだった)はここからSPINを利用するのだ。
SPINの『駅』は直径3メートルほどの術式陣であり、行きたい場所を指定して陣に乗ることで発動する。
ターミナルとは『駅』の統括案内所――どこにどんな建物があり、どの『駅』を指定すれば良いかを教えてくれる案内所だ。

暗転、明滅、眩光。体幹を掴まれて引っ張り上げられるような感覚。そのまま振り回されて、そこかしこにぶつけられる様な、
それでいて何の痛みも衝撃もない、慣性だけの身体になったような偽感。そのまま光の中に放り投げられて、着地したと思ったら。 転移完了

3番ハードル第23号駅→従士隊詰所
5番ハードル11号駅→ハンターズギルド


ターミナルの統括案内には載らぬ場所
魔石の組み合わせにより、SPINの直通経路



【帝都の流行】
帝都では年々富豪層と貧民層の差が広がっており。
更にはスラムの人間は人権すら与えられない屑≠ニいうのが最近の風潮だ。

読んでいたのは帝都で流行りの婦人服についての記事だった。
曰く、"今の流行は意外性?使用人を思わせる地味さに潜むファッションセンス"
特集として、帝都でもきっての資産家らしいメニアーチャ家とやらに勤める三人娘が取り上げられていた。

【宗教】
知恵と秘術を司る月神ルミニア
太陽神ルグスとは兄妹神にあたるためヴァフティアとエストアリア、この二神殿は自然と交流があるのだった
知恵と秘術を司る月神ルミニアを祀る帝国内最大規模の神殿に面した大通り、その一角へと降り立つ。
此処から正面入り口までは神殿の外壁をぐるりと回って行く必要
国内最大の前評判に恥じない巨大さだ。ルグス神殿の倍、とまではいかないまでもそれに近い規模

【ハンターズギルド】
・ハンターズギルド
帝都に存在するハンターズギルドは、帝都第五ハードルに居を構えている
同じ並びには、依頼遂行にかかせない各種危険物・探索用具・武器防具等の店も並んでおり
貴族等には敬遠されがちな通りでもある。
帝都のハンターズギルドは広い二階建ての建物で、一階部分は回のような構造。
南側を入り口としており、中にはいくつもの掲示板が林立している。
南側は比較的人影が多く、賑わっている。
中央の□の内側はカウンター、依頼を受け付けたりハンターによる受注を担当する。
掲示板には依頼が羊皮紙で張られており、それを請け負うハンターがカウンターへと持ってゆく

南側の入り口に近いほうは、比較的経験の浅い初心〜中堅ハンター向けの依頼が張ってあり
北側へぐるっと回ると、そちらは人影も疎ら。こちらになると一定ランク以上のハンターでなければ
依頼を請け負う事をギルド側の判断で撥ねられる事も多々ある。
北側中央には大階段があり、二階はギルド長及び幹部の執務室となっている。
この執務室では、一般には公開できない内容の依頼について説明する為に防音・抗魔の機密構造処理がしてある
こういった特殊な依頼の場合は、ハンターを名指しで呼ばれる事の方が多く掲示板に張り出される事が少ない

・ハンターシステム
失せ物探しからドラゴン討伐まで。民間、商店はたまた地方領主や国家の厄介事を有償で請け負うのがハンターシステムである。
ハンターは各支部から派遣される監査委員によりその実力を不定期に評価され、そのランクをE・D・C・B・A・S・SSの7つに分けられる。
分けられたクラスは、ハンター各自が所持する銀板に刻印される。尚、これは身分証も兼ねていたりする。

・ハンターズギルド、幹部の一例
名前: グランディール・F・ゼイラム
年齢: 51
性別: 男
種族: 人間
体型: かなりの大柄かつ筋肉質
服装: ブレストプレートにマント
能力: 豪腕
所持品: 大剣“抜山蓋世”
簡易説明: 帝都のハンターズギルドに所属する幹部。愛称は『グラン親父』
     人並み外れた体格と、一般人では持てな重厚な大剣で敵を両断する
     幹部となって一線を退いたが、現役時代はSSランクハンターをしていた
     ハスタの養父でもある。ちなみに妻とは死別、娘はギルドで受付をしている
娘の名前はライラ・F・ゼイラム。

『5番ハードル11号駅』の正面
隣に『銀の杯亭』があり

【メニアーチャー家】
メニアーチャ家、と聞いて帝国で知らぬ者はないだろう。
平民の出でありながら僅か二代で市場の全てを統括し、莫大な財産を築き上げ。
最上級の貴族の地位を金で買った、恐るべき商人の名を。
立場上は商人を退いた後も、市場に与える影響力は強かった。

その当主が謎の事故で夫人もろとも逝去したのは、ちょうど一年前。
遺されたのは無尽蔵の財産と、膨大な権力と、まだ若い2人の姉弟。
年齢を心配する声もあったが、皇帝の後押しもあり、弟が全てを受け継ぐことになった。

植物状態の姉あり
姉の前ではジースは弱音を吐く
部屋から出た少年は、さっきの頼りなさが嘘のように凛とした表情、態度。その双眸は自信に溢れている。
これが、わずか16歳の大貴族、ジース・フォン・メニアーチャ公
廊下を歩くその姿も、威厳と気品を兼ね備えている。
貴族たる、風格を。

社交はともかくとしてまだ若いジースには貴族院に参加する権利など与えられていないし、
父が帝国から金で買い上げた貴族の爵位である以上、広大な領地がある筈もない。

そんなメニアーチャ家が帝国で1、2を争う大貴族として君臨出来るのは、やはり大商人であった父の功績の賜物だろう。
貴族になるにあたって商人の座を退いた以上、表向きには関係のないものとはしたが、
今もなお帝都内の物流などを統括する商会には、メニアーチャ家の息がかかっている。

メニアーチャ家を通して帝国から保護されているようなものだから、その商会は強い。
後ろ盾のもと商会が利潤を常に得続けている以上、メニアーチャ家の資産も増え続けてゆく。
いくら使っても底が見えない程の潤沢な財産は、そこから生まれている。

フィゼナート伯の紹介でラ・シレーナのメイド三人
【フランソワ:14歳:ツインテール:ツルペタ:元気
 チタン:17歳:ショートカット:微乳:ツンデレ
 エボン:23歳:ロングストレート:砲乳:お姉さんタイプ
ジースの寵愛を狙う高級娼婦たち。あくまで表向きの性格であり、内実はビジネスライクで情には流されません。
NPC扱いでOK。】

【ロンリネス家】
帝都の貴族。
役学に投資している。
当主はマルコ・ロンリネス。
仇名は鷹が産んだ鳶。
代々仕えるメイド、マリル・バイザサイドは役学研究所に貸し出し中。

【高級娼館ラ・シレーナ】
帝都の一角に重厚な館がバラを模した柵に囲まれ建っている。
ここは高級娼館【ラ・シレーナ】。
一般人無用の貴族専門娼館。しかし貴族であっても一見お断りの格式ある店なのだ。
ここまで格式が高いと娼婦といっても身を鬻ぐだけではない。
宮廷コンパニオンとして耐えうる知識と教養を持つ。
勿論枕事にも良く通じ、貴族社会そして王宮とも繋がりが深い。
表裏問わず【女】の必要な場所にはラ・シレーナの息がかかっている。
しかしそこで得られた秘密は朝日と共に泡と消え行く。
それこそが店の名前【ラ・シレーナ(人魚姫)】の由縁なのだから。

上級貴族専用の会員制高級娼館。
ラ・シレーナが上級貴族達の住居の立ち並ぶ2番ハードルに鎮座している事は会員にすらあまり知られていない。
性質と秘匿性故に建物の門は使われた事はなく、認識阻害の呪法陣によりそれが疑問にもたれる事もなかった。
ごく一部の会員のみに渡される割符たる魔石の組み合わせにより、SPINの直通経路で秘密裏に入館もしくは派遣されるのだ。
これは即ち会員となる貴族は館に専用のSPINを持つレベルである事も示している。

【役学】
魔物や自然界から取れる物質が起こす反応を研究している。本人曰く「役学」
メニアーチャ家出資で研究が成り立っている

魔法薬とは違う。魔力も気も伴わない。神の奇跡に頼る事もない。
 女子供であろうが、誰だろうがその恩恵を受ける事が出来る、『役学』の結晶だ

役学は奇特な学問だ。
斬新と言えば聞こえはいいが、魔法と奇跡が溢れているこの世の中で、
そのどちらにも頼らずに何かをすると言うのは、普通の人間からすれば無駄としか思えない。
だから役学に投資しているのはメニアーチャ家とロンリネス家。
あとは考えなしに両家の真似をしておけば、何かしらにあやかれるだろうと目論む少数の貴族達しかいない。

【奇蹟】
"治  癒":人の持つ治癒能力を活性化させて傷口をふさぐ。あくまで"ふさぐ"ので欠損した部位が生えてくるといった効果は無し。
      両断された箇所を当てながらすれば再びくっつきます。古傷などすでに形状の変化してしまった箇所も同様に不可能。

"聖  剣":武器に浄化の力をのせて不死者の再生能力を無効化する。

"落下制御":重力加速度を緩和して任意の落下速度を得られる。ただし重力加速度以上の速度は無理。空中に停止も不可能。
      これらが出来ると敵に物を投げて超高速落下!とかとんでもないことが可能になっちゃうのでw

"聖  域":神聖な結界を構築。魔物であれば力の度合いによって中に入れなかったりペナルティを負ったりする。
      人間であればどんな悪人だろうが関係なく入れます。

"白  光":ルグス神官のみ使える奇跡。陽光を束ねて敵に照射。対象へ熱エネルギーを叩き込む。早い話が虫眼鏡。
      対象が空の下に居ること、太陽が出ている(曇っていない)昼間であること等使用状況が限定される。

"神  託":女性神官だけが使える奇跡。高位の者が行えば未来予測的な事も可能に。
      フィオナのは目の前の危険が漠然とわかる程度。

【列車】
大陸間横断鉄道(以下横断鉄道)は魔力を動力とした魔導列車。
外見は無骨な鉄の塊、蒸気機関車っぽい機関部に路線障害物を砕いて進むための衝角がついていて、
横から見ると立てた小刀のような台形をしている。長辺側が下ね。

魔導力は基本的に機関部の巨大蓄魔オーブから各車輪の魔動オーブに供給され、
前進ないし制動のコントロールを統一管制で行います。機関士はみな熟練の魔術師でもあるわけです

一昔前のモデルだとマジで魔力抽出炉に魔鉱石をくべたりするものがありましたが、
魔力を直接扱ったほうが重量的な意味で効率が段違いなので現在の形になりました。

速いことは速いのですが燃費が悪く、路線上に突破できない障害物があるとすぐ止まるので、
理論上は端から帝都まで3日でも補給や撤去その他で余計なタイムロスがあったりします

横断鉄道は帝国領を北東から南西まで斜めに横断するように路線が敷かれていて、
帝都を中心にいくつかの補給用の街で結ばれています。横断列車は何日もかけて運行するのが基本なので、
駅の周りには自然と宿泊施設や旅人用の店を中心とした小中規模の街が出来上がるわけです

西端のヴァフティアから南方にある『鉄道都市』が横断鉄道の南端。
第二部で帝都へ行く道程から始まるならここが旅のスタート地点になるかなっ

今挙げたのは話に組み込むに当たって最低限の情報なので内装その他決まってないところは自由に決めちゃってください

【鉄道都市『メトロサウス』】

帝国の誇る最大交通機関、大陸横断鉄道の終着駅にして始発駅であり、大陸を渡らんとする旅人達の集う都市である。
街の半分を駅舎が占め、残り半分を宿泊施設と旅の要り物屋、そして食事と休憩所――まさに旅人のための街といったところか。
居住という要素を極限にまで薄めたこの街は、街というより巨大な一つの駅と表現した方が妥当かもしれない。

【中継都市ミドルゲイジ】
「魔物は巨大蓄魔オーブに充填された魔力に惹かれるし、賊は地方から帝都に運ばれる積荷が専らの的だな。
 だからこそ武装警備員とか搭載武装で列車単体でもある程度の防衛力を持てるようにはしてるんだ」

魔物が妙に統率されてたって話だ。
 架線通信で聞いたところによると奴さんがた、耐魔ガラスを突き破って入ってきたらしい。あのガラスにゃ魔物避けの忌避術式が
 張ってあったはずなんだがな。それも触れるだけで肉焼き骨焦がすキッツいのが……どういうわけだか、連中はなんの躊躇もなく突き破ったんだと」

ミドルゲイジの周辺は山も森もない見渡す限りの平野で、
気温も気候も安定していて凪の如く風が吹かない。そんな街において空気が揺れ動くとしたら理由は一つ。


【享楽都市ウルタール】
砂漠地帯の中心に燦然と輝く豪商と賭博、そして裏社会の都市。
帝国経済の中心地ともいえ、メニアーチャ家もこの都市の出身。
急速に力をつけ最高位の爵位すらも買い政治舞台にも台頭してきたメニアーチャ家を疎んじた貴族院はこれを暗殺。
現在はジースを名ばかりの当主として自由にその富を吸い出している状態。
しかしジースの成長とともに有り余る富を使いこなす能力を身につけることを危惧している。
そこでメニアーチャ家の富の源泉たるウルタールを滅ぼし、利権構造を一掃。
貴族院に都合の良い商業都市を第二のウルタールにする予定。

【クリシュ藩国】
30年前、帝国に併合された都市国家。
山岳地帯にあり、山をくり抜いた迷路のような町並みは難攻不落の要塞都市とも言える。
クリシュ藩国の山岳兵は勇猛にて知られており、帝国の部位の一端を担っている。
恭順した先王が引退し、【鋼の旋風】サラ・クリシュが新王に即位してから独立機運が高まりつつある。
隣国との密通も噂されており、帝国にとっては獅子身中の虫と言える。
最近山中から【何か】を掘り出したらしいが、帝国への報告をせず隠匿しているなどの噂も絶えない。

【バ・ラム・アハウ】
森林地帯にある穏やかな町。
穏やかな自然と気候の恩恵を受け住人は穏やかな生活を送る。
特に目立った産業はないが、この年は別名星降る森と呼ばれる。
年に数度、星界よりの落下物があるが、それによって人的被害は起きたことはない。
星界からの落下物は貴重な鉱石として珍重されるが、産業として成り立つほどの量はない。
この鉱石で作られた彗星弓は威力、精度ともに群を抜いており、特殊な魔法も付与されるらしい。