TRPG・帝都学園スレ

1 : ◆xKNR7c673. :05/08/15 18:51:05
帝都学園。表向きは日本にある広大な敷地面積を持つ寄宿舎のある小中高大のエスカレーター高で、
その広い敷地をふんだんに利用した多数の施設があるので、学生からの人気はかなり高い。
しかし、そういった表の顔の裏には裏の顔もあった。

物、概念などが実在する物に干渉する能力を持ち、それぞれの分野でオリンピック選手を上回る程の人外の身体能力と能力者。
そういった人間を優先的に受け入れるとともにその安全を守ったり、クラブ、サークルという形をとって実情を隠しつつも
能力者同士が中に構成した、能力者や学園の「秘密」、そしてその組織自体の殲滅を狙う外敵から学園や能力者を守ったり、
場合によっては裏で警察などの要請を受けて犯罪組織の取り締りに手を貸したりといった活動をする組織を内包する
治安維持機関としての学園の顔だ。


これは生まれながらにその能力を持ち、その能力が故に
多くの騒動に巻き込まれていく者達の物語である。


2 :名無しになりきれ :05/08/15 19:17:50
今日は始業式の日。明日から学校が始まる。そういう日である。
なので昼頃にはもう解散で、寮に帰ってのんびりしたり、
寮で荷物を置いた後に許可をえて町に繰り出そうと思えば容易だろう。

しかし。その寮の、能力者の居る部屋だけに手紙が届けられていた。
能力者に迫る危険などから身を守ったり、時には能力者を悪用する者らに対抗する。
その為の、クラブの名を隠れ蓑にした組織への勧誘の手紙だ。

指定された場所は森の奥。普通人が入り込むことは無さそうな場所にある部室。
外から見る限りはごく普通の、少々大きめで独立した部室。
この学園ではその特殊な場所を除けば良くある部室の一つである。

見た目はかなり古く見えるが、よく見ると雑草は取り除かれていたりと妙な所もある…。

3 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/15 20:43:47
>2
俺は帝都学園高等部3年1組出席番号1番、朝吹 聖。
いままで過ごしてきた高校生活も今年度で終わり。
だが、エスカレーター式のこの学校にいれば、あとしばらくは将来の心配をしないで暮らすことが出来る。
それからの将来の事については来る時が来たら考えとけば間に合うだろう、…今の時点での俺は、そう考えていた。

今日は午前中に始業式があった。
俺は手早く制服に着替え、支度を整えて学校へ向かった。
前学期に会ったきりのクラスメートもおり、久々の再開に少しだけ懐かしい気分になった。
始業式では校長がダラダラとアホみたいに長い話をしていたが、寝てたのであっという間に時間は過ぎた。
校長の話も終わり、始業式は終わりを告げた。そう、これからは新しい学期の始まりである。

「…ってことで、俺は寝るから帰る」
途中まで一緒に帰っていた友人に別れを告げ、寮の自分の部屋へと入った。
俺は昨日の夜に夜更かしをし過ぎたせいで、睡眠不足気味であった。
今日はすぐにでも寝たい気分だったが、妙な手紙が届いていることに気づいた。
…どうやら、手紙の送り主は俺が能力者である事を知っているようだ。
―――俺の能力、それは「お金」を強化や変化させて操る能力である。
値段が高いほどに使用能率は高くなり、高額なお金になればなるほどに可能性が高くなるのである。
しかし、この能力を使うと使用したお金はどこかへ消え去り、俺の懐が寒くなってしまうので多用したくはない能力である。
(あんまり乗り気じゃねーけど、俺の他にも能力者がいるならそいつの姿は見ときたい所だな。
 危ない時はそいつらに戦わせときゃ俺はお金を無駄にする事もなくなるし…よし!とりあえず行ってみるか)

指定された場所、それは森の奥にある少々気味が悪い部室であった。
俺は部活動には所属してない為、まともに部室に入るのはこれが始めてであった。
俺は部室のドアにノックをして、さっとドアノブに手を回してドアを開いた。
部室の中に入った後、俺はポケットから先程の手紙を取り出して見せた。
「来た理由は、これで分かるだろ?」
俺はそのまま腕を組んで、部室の壁に背を付けて寄りかかった。
どうやら他にも勧誘された人物が数人いるらしく、その人物が来るまで待機しているように言われたからである。

【現在の残金 3778円】

4 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/15 21:55:02
「あーもう!すっごい退屈だったわ!何だって始業式ってのはあんなに…」
栄儚は寮に帰るなり独り言の愚痴をこぼす。
普段から活動的な彼女にとって長時間立ったまま話を聞き続けるのは苦痛でしかなかった。
そんな苦痛から解放された栄儚は、ベッドの上で大の字になる。

「野球部に顔出しでもしておこうかしら?」
ふとそんなことを思いつく。高校野球大好きな栄儚は、前々から野球部のマネージャーを希望していた。
中等部の時にも何度か顔を出していて、先輩達からもいつでも歓迎だと言われていたのだ。
「うん、とりあえず野球部へ…」
そう言って立ち上がった時、栄儚はある手紙に目を向けた。
「……何かしらコレ?」
ざっと読んでみたところ、彼女は直感的に一つの事を確信した。
(行けば絶対に面倒な事になる。でも行かなきゃいざって時にもっと面倒なことになりそうね。
 あたし一人が事態を把握できずに巻き込まれるだけなんて事になっても癪だし…)
どうせ時間はあるのだ。野球部への訪問を後回しにし、栄儚は手紙に書かれた場所に行く事にした。
スポーツバッグに救急箱、花火セット、携帯に財布といった彼女のお決まりのものを詰めて、
水筒には入るだけの冷水を入れる。準備を整えて、彼女は寮を出て行った。

「こんな辺鄙な場所、一体誰が好き好んで来るのかしら?」
栄儚はぶつぶつと独り言を呟きながら森の奥にある部室を目指した。
この薄気味の悪い森の中、何かしていないと自分自身すら見失いそうで怖かったのだ。
しばらく歩くと、それらしき建物の前に辿り着いた。中等部時代に見慣れてたはずの野球部の部室と、
外見上はそう変わらないはずなのに、何故か重苦しい雰囲気を感じていた。
少し躊躇いつつもドアを開け、中を見回す。
(先客がいたのね…とすると、アイツも能力者…。でも、挨拶とかそんな雰囲気でもなさそうね)
栄儚は聖に向かって一礼すると、部室の椅子に腰を掛けて他の者が来るのを待つ事にした。

5 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/15 22:45:44
世界が終わってしまえばいい、と思うときがある。
理念は腐り、信じるものはなく、思念さえ枯れ果てたこの身。
降り積もる雪。閉ざされた世界。
荒みきった白い荒野の果て、希望を追って黒光りしている少年の心はただ救いを求めている。
しかし、わかっていた。救いはなく希望を望むことすらもはや罪。理解や言い訳など無駄だと、とうの昔に知っている。
己という存在はただ次に下される裁きを待ち、苦悶の奈落に少年が叩き落とされるのを待つだけである。

放り込まれた地獄で、少年は一人の大人の前に立ち尽くしている。
教室にいた少ない友人たちは、皆この後の予定などで頭をいっぱいにしながら、早々に帰っていった。
今この場にいるのは、少年を呼んだこの人間と断罪を待つ少年の二人だけ。
冷酷な人間に向けて凍てついた口元を動かし、かすれた力なき声で言葉を続ける。
「ごめんなさい…ごめんなさい……」
繰り返される謝罪。見せ付けられるように絶望に歪んだ現実。
過去を変えることはできないし、これから予想される境遇を避けることも不可能。
希望を追うことさえ許されず、ゆえに少年はただ考える。
どうして、こんなことになってしまったんだろう、と。
「すいません。宿題やってません…」
窓の外は穏やかな晴天。風が、ゆっくりと校舎を吹き抜けていた。

あれから教師から課題が出され、その後はなんとか踏ん切りがついてその場は丸く収まった。
寮へと帰宅し貯金を下ろして町へと出向こうか、と考えている途中で上級生と思われる自分よりふたまわりも長身の男とすれ違う。
方向からして、森かその側にある図書館に向かっていると思われる。
まあ、自分には関係ないなと考えつつ、ヘッドホンから流れる音楽に聞き入る。
「あーあ、なんか面白いことないかな…」
ただの独り言を呟くと大きく欠伸をし、寮へと歩みを進める。

寮ついて最初に目についたのが、奇妙な手紙だった。
「――なんじゃこりゃ」
音楽を停止させヘッドホンをはずし、手紙の内容を読む。
内容は組織への勧誘。敵や危険を回避するために仲間うちで身を固めろということらしい。
「――これは。面白そうな展開じゃあないか」
細めたその澄んだ瞳は純粋に笑い、好奇心とどんな楽しいことが後に待っているか、
という期待が混ざり合い少年は余計に嬉しそうニヤついた。
そして善は急げとばかりに手紙をそこらにほっぽり出して、手紙に書かれた場所へと向かう。

6 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/15 23:09:08
始業式も終わり、部屋に戻ると一通の手紙が届けられていた。
学園からの手紙、と言う事で内容の察しはついていたが、じっくりと時間をかけて読む。
「・・・権利と義務、この学園で得られる代償としては妥当なところね・・・」
手紙を鞄の中に入れ、そのまま部屋を出る。

指定された部室に向かい、森の中を歩く。
だが、その身からは一切の音が発しられない。土を踏みしめる音は勿論、衣擦れの音やその心音までも。
自分が発する全ての音とまったく同じ音を発生させ、完璧に相殺しているのだ。
部室が見える位置まで来ると、そのまま音もなく飛び上がり木の上に身を移す。
その位置から更に木をよじ登って、太い枝に腰掛けると部室とそれに通じる道を見渡せた。

「か弱い女が一人、人の通らないような所の部室に入るなんて不用心な真似できないもの、ね・・・」
誰にともなく呟くが、勿論この声も相殺されて外には流れていない。
学園からの勧誘の手紙。学園の裏の性質上これが罠であったりする事はないのは判っているが、どんな人間が集まって
くるのかじっくり観察したいのだ。
木の上という位置上、視覚を持って察知される事はまずないだろう。
察知されるとすれば何らかの能力か、気配を察するなどと言うある種の訓練をつんだ人間だけだ。
風上なので嗅覚や空気の流れなどでも察知される可能性はあるが、それこそ人間的感覚ではなくそういった能力というこ
との証になる。
それを有する人間を見る為でもあった。

7 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/15 23:42:30
「内容が在り来たりなのか校長の有り難いお話は人間の生態に睡魔と言う危険を及ぼす性質があるようだ。」
キュッキュと眼鏡をハンカチ拭いている背の高い男が聞く。一緒に歩いている相手は愛想笑い。そして何気なく返答される。
「生態の心理なんて片づけて貰っては困る。言わばこれは絶対的な集団睡眠と言っても過言ではない。
んで俺は一回寮に戻って二度寝してくる。」
高等部2年4組黒谷 鴉(17)。生徒会で書記を高等部1年の頃からやっている。分析的な口調が目立つ人だが
人望は厚く友達は多い。独り言も多い。

鴉は友達と別れて部屋に付くとそのまま寝床に着かずに自分のデイバッグを漁り始めた。
「財布と携帯は…と。」
手が止まり、そして眉間に皺を寄せる。
「不覚。全て家に忘れてきちまった。」
ハァとため息を付き下を見つめる。ふとある紙切れが目に入る。
「これが生徒会で噂されていたものだな。自分の能力やここの存在でこの紙を見るからに
何者かに仕組まれて入ったのも過言ではないね。親がそうしたならまずは自分に話すだろうし。
まぁ、行く理由はそういう事だね。だが半分は興味本位。
いざ今日のライブはハイテンポのジャズなんかを披露できましょうかね。
寝るのはまた後にしよう。アドレナリンの多量分泌で眠気を一掃してくれたしな。」
眼鏡をくいと上げるとバッグの横にあった鍵盤を背負って、能力者の集まる部活のあの場所へと向かった。
途中、何人か能力者的な個性を持った人間がいたが気にとめなかった。

「失礼します。」
コンコンとノックをし、静かにドアを開ける。
「この時間帯だと人数はこんなもの。
先生も来ていない様だし今の状況は自分の身体的に少々危険な状態下にあるな。
一人一人の思想なんて十人十色。挑戦的だか挑発的だかで力を開けかす人間もいる訳で、
ましてや場所が場所で狙われる人間が大勢いる事により初っ端裏切り者が大勢出てくる事もある訳だ。
とりあえず偏見は良くないとは言われているが人相的にも友好的な人を重点に挨拶をして廻っていこうと思うね。」

>123
まずは腕組みして壁に寄りかかっている男子生徒が目に止まる。
「こんにちは。」
軽く会釈する。

>131
「おっ。」
次に赤髪の娘が見えた
「こんにちは。」
軽く会釈をする。


8 :鹿島 刳夢 ◆QW3gLpCLP2 :05/08/16 00:33:01
入学式には出席したい、そう言う祖母を突っぱねて、何となく気まずい雰囲気のまま家を出た。
さすがに駅までの付き添いは断り切れなくて、新幹線の窓の外でオーバーに泣きじゃくる祖父母を相手に
どんな言葉を掛ければ良いのか分からず、結局お義理程度に手を振るだけでその場は済ませてしまった。
たかが三年の付き合いに過ぎない自分なんかを、涙ながらに見送る彼らがどうにも鬱陶しく思えたけれど、
十二の時まで僕を放っておいた事に多少良心の呵責というヤツがあったのかも知れない。
上辺だけの愛情でも無いよりはマシと、精々こっちも泣いてやれば良かっただろうか。

特に粗相は無く、かと言って優秀でもなかった刳夢の中学校生活三年間をどう評価してか、
何の前置きも無しに突然推薦入学の話が舞い込んできた。
彼自身奇特な学校だとは思ったし、実際祖父母も初めは大分呆気に取られた様子だったが、
それでも当初志望していた高校より僅かに高めの偏差値と、何より有名所であった事から
担任は「断る手は無い」と言い、祖父母もその気になって、彼を一人送り出すつもりになった。
刳夢も、片田舎の適当な高校での適当な高校生活にさして魅力を感じていた訳ではなかったし、
同じ適当なら無名校よりは有名校と、より箔の付きそうな側を選んだまでだった。

お決まりの典礼儀式じみた入学式を終え、重たいスーツケースを二つばかり下げて、宛がわれた部屋へと急ぐ。
彼が入ると同居人はまだ着いておらず、その事に意味も無くホッとして、刳夢は荷物をベッド脇に置いた。
と、その時ふとテーブルに置かれた自分宛の手紙に気付く。
広げてみれば、訳の分からない「組織」だの「能力」だのの単語が散りばめられた怪しげな内容で、
文末には学園内のとある部室に集合せよ、とあった。
(上級生のイタズラか、どっか気の早いクラブの勧誘だろうな。
わざわざ自分に宛てた手紙、っていうのが気持ち悪いけど……)

手紙を幾重にも畳んで胸ポケットに突っ込み、おもむろに部屋を出た。
丁度廊下を歩いていた数人の中から、見た目が大人しそうで一人きりの生徒を探し出すと、
遠慮がちに呼び止めて、部屋に妙な手紙が置かれてなかったか尋ねてみる。
別にそんな物無かったよ、とだけ言って相手は立ち去り、刳夢はそれから五人ばかりに声を掛けたが、皆答えは同じ。
結局、指定された場所に行ってみるのが一番早い。そう思った刳夢は、手紙の内容を訝りつつも寮を出て、その部室へと向かった。
(オカルトとかカルトだったら、いい加減に話を聞いた所でお茶を濁して逃げれば良いさ)

9 :萩原 楊 ◆KaXfCMH/Uk :05/08/16 01:26:33
「…むぅ」
始業式が終わるなりすぐさま寮に戻り、今日も元気に魚でも捌こうかと思っていたのに、届いていたのは奇妙な手紙。
その手紙の内容に、楊はしばし頭を捻っていた。書かれていたのは能力者組織への勧誘…行くべきか、行くまいか。
「話を聞くぐらいなら…いいか」
参加するかは別としても、話だけでも聞いておく価値はある。割に合わないと思えば適当な理由を付けてしまえばよい。
それに、この手紙を受け取った能力者が指定の場所に集まるということは、自然とこの学校の能力者が分かるということ。
分かったからといって何かある訳でもないが…。知っていることは別にマイナスにはならないだろう。
「さてと」
制服は着替えていなかったのでそのまま。とりあえず包丁はいつもの通り制服の裏に仕込んである。
武器ではない。護身用ですらない。楊にとって武器とは硬質化したその肉体だからだ。
ならば何故包丁など持ち歩いているのか?単純明快、料理用である。

「ここ、か」
手紙に書いてあった場所。森の奥など、今のような昼間はともかく深夜にはあまり寄りつきたくないところだ。遠いし。
(わざわざこんなところに集めなくても、もう少し利便性に富んだ場所でよかったのでは…)
少し迷ったことへの恨みも兼ねつつそう思った後、一呼吸してノックもせずにドアノブに手をかけた。
中にはすでに何人か人が居たが、特に声をかけるつもりはない。さっさと部屋の隅に移動し、床に腰を降ろして胡座を掻く。

10 :兎崎 真希奈 ◆jfwNGc7sXw :05/08/16 01:32:45
始業式。
文字通り学業を始める日にあたって執り行う式であり、当然それなりの雰囲気の中で進められなければならないわけだが、
そんな雰囲気を好む生徒などほんの一握りもいない。真希奈も例外ではなく、睡魔とガチでバトっているうちに、
気がつけば寮の自室にいると言った有様だ。差し当たって制服を脱ぎ散らかし、私服に着替える。財布を捜した。
今日は真希奈が好んで聞いているバンドの新譜の発売日。一刻も早く聞きたい。はやる気持ちはそのまま動きに出る。
あちこち引っ掻き回し、クッションやマットをばたばたと動かし、ようやく目が机に向いた。
脱ぎ捨てた制服をマジシャンのような動作でどかす。磨きこまれた茶色のコードバンがその下から現れた。
二つ折りの良く手入れされたその財布に手を伸ばしかけて、すぐ脇においてある封筒に気づいた。まったく覚えはない。
引き出しから取り出したナイフで封を切った。中には手紙が一枚。
「…ふーん」
手紙には秘密にしているはずの真希奈の能力のこと、なんだかよく解らない組織のことなどがつらつらと書かれていた。
読み終わって思わず漏れた声が先のものだ。さて、手の込み入った悪戯か、真実か。
真希奈は手紙を封筒に戻し、財布にはさんでポケットに突っ込んだ。部屋を出て外出の許可を取りにいく。
その足で、指定された場所へ向かった。

「こんなとこ部室あったっけ?」
真希奈は森の手前で足を止めてふくろうのように首を傾げる。日は中天にかかる程度の時刻だと言うのに薄暗い。
しかし、足元に目をやると、踏みしだかれ、自然に出来た道がある。人の出入りは思いのほかあるようだ。
手を腰の後ろで組み、獣道を覗き込むように歩く。ほんの少し道なりに歩くと、細く続いていた地肌が急に広がった。
顔を上げる。朽ちかけた、と言っても差し支えないプレハブが一軒、ぽつんと立っていた。
無造作にノブを捻り、ドアを引く。中には数人、先客がいるようだ。
「こんにちわー。君ら組織の人?」
真希奈は中の人間に向かって、開けっぴろげに声をかけた。

11 :◆zgfzJu5h4E :05/08/16 09:28:41
彼女にとって始業式はどうでもいいに近い感じの物だった。
やる事はやってあるのでそこまで強く嫌がる必要もない。
だからと言って好んでいる訳ではないが。

始業式が終わった後で部屋に戻ると、手紙が届いていた。内容を読みはじめる。
「…本当なら安全だけど…嘘なら…。でも、嘘ならいたずらでもない限り
無視しても次の手を仕掛けてくるかも…。」
考えを呟きながら荷物を置き、着替え始める。私服になった後で窓から外を見る。
「何かあったら大変だし…真実の可能性にかけて行った方が良い…かも。」
部屋から出て、指定された場所に向かっていく。

「ここ…?」
指定された森の中の建物に行き、ドアをゆっくり開ける。
そこのは数名の人が。きっと能力者なのだろう。
一礼をしてからその部屋の壁に寄りかかった。




12 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/16 16:15:58
能力者を一箇所に集める為だけに作られた部屋。…それがここなのだろう。
(でも、罠って可能性も捨て切れねーな。…一応、臨戦態勢だけはとっとくか)
制服の左ポケットに手を突っ込み、そこから10円玉を取り出し右手で握り締める。
自分の武器であるお金は、自分の身体の至る所に隠している。
もしも財布自体を取られたとしても戦闘面の損傷は少ない…生活面での大ダメージを負うことは必須だが。

>4
ドアが開き、そこから中に入ってきたのは赤髪の女子生徒であった。
(彼女も能力者か。少し強気っぽい顔してるな…この手の女の子は十中八九攻撃的な能力持ってるだろうなぁ。)
勝手に想像して楽しむ。正直、それぐらいしかこの場所で時間を潰せるものは無い。
ここがもう少し和やかな雰囲気ならば声の一つも掛けていただろうが、今の重々しい雰囲気では声も掛けづらい。
赤髪の女子生徒は俺の姿を見ると、一礼してきた。
そのままなのも変なので、左手を上げるだけの素っ気無い返事を返し、再び腕を組んだ。

>7
再びドアが開いた、今度は茶髪で眼鏡の男子生徒のようだ。
それにしても、この男子生徒はやけに独り言が多い…彼は、どうやら空気が読めないらしい。
だが、それによって重々しかった空気は少しだけ軽くなった気もしなくはない。
その男子生徒は独り言を終えるなり、俺の前に来た。
>「こんにちは。」
「うっす、よろしくな。俺は3年の朝吹だ」
左手を挙げるそぶりを見せ、自己紹介をする。
相変わらずこの場の空気が重いことには変わりないが、人間の適応能力のお陰か少し慣れてきたらしい。

>9
…今度入ってきたのは愛想の無い奴だった。しかも身長がでかい。
そして胡座を掻いて座ってる…とりあえず、今は関わらないほうが吉だな。

>10
>「こんにちわー。君ら組織の人?」
警戒心も何も無しといった感じで入ってきたのは四つ編みが長く伸びた女子生徒であった。
先程の手紙をポケットから取り出し、四つ編みの女子生徒に見せる。
「俺達もこの手紙で呼ばれたんだ。だから詳しい事はさっぱりだ」
呼ばれた理由も考えはしたが、それらは全て憶測に過ぎない。今は組織の人物を待つのみである。

>11
またドアから生徒が入ってきた。ツインテールの女子生徒だ。
彼女は一礼をして壁に寄りかかった。一応、左手を上げて挨拶を返しておいた。

(だいぶ集まって来たようだな。呼んだ理由を手っ取り早く聞いて帰りてぇな…
 …それにしても、俺と同学年がいなくねぇか…やべぇよ、このままじゃ浮くぞ)

【現在の残金 3778円】

13 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/16 18:33:01
「一人一人廻ってみた。これで面識を持つ事で一時的な安心感を持ち突発的に危険下に置かれた事態に
この自分の咄嗟の指示する際俊敏な理解と対応ができる事だろう。」
顎に手を当てながらブツブツと喋る。

>9
部室に入ってきた大柄の生徒に目が行く
「こんにちは。」
軽く会釈。
「愛嬌のある印象を持つ彼。雰囲気というもので分かる。
こういった人間でも敵側の人間の余地はあるがな。様子を見てみよう。」

>12
ふんふんと頷く。
「このような反応した人間は敵で無い可能性は高いだろう。
聞く前に自己紹介をするという事で大勢の敵襲の一人の可能性は低くなる。
敵であるにもかかわらず声を出し、情報をこちらに曝け出す事は自殺行為に等しい。
まぁスパイのような者と考えれば分からないが一時の身の安全は大丈夫。
いざ発覚すれば自分が皆を主導して何とかすれば良い。」
更に会釈をする。
「初めまして先輩。自分は二年の黒谷 鴉と言います。では。」
相手は手を振っていたのでこちらも右手を静かに挙げた。

>10
「状況としての反応はこういったものではないというのは確かだ。これは警戒心が無いと見える。
この手の人間が敵ならば攻撃する前に大声でその存在を披露することだろう。
しかし『組織の人?』と聞くように確認を要求している。敵がここにいるなら情報も十分に分かっている事だろう
初っ端から本当にその組織の人間だと聞く人間はそういない。いたとしても可能性的には低い。」
一通り独り言を言った後で彼女に寄る。
「やあこんにちは。俺もあそこにいる先輩が言ったとおりだね。
事情はわからないけど先生が来るだろうから一先ず待ってみよう。」
会釈し話す。そして後ろに振り返りもとの場所に戻る。
「無闇に事情を話すのは勿論自殺行為だ。自分も今に起こる展開に様子を見るとしよう。」

>11
新たに生徒が部室に入ってくる。
「こんにちは。」
こちら大勢に一礼されたので自分は少々近寄って挨拶をする。
「展開的には遅刻してきた少女が王道だ。とまぁ全く関係の無い事を口走ったものだな。」
「まぁ敵か敵じゃないかを前提としての妄言を語ったわけだが今後果たしてどう起こるかはこちらでは全く予想できないものだからな。
じっくりと時が経つのを待っていよう。」

14 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/16 20:21:07
鬱蒼と茂る森の内部に入り、歩きづらい林道を緩やかに歩いていくと目的の場所が見えた。
素早く木の死角へと隠れ、黒い霧が俺を足元から覆うようにして出現する。
霧は全身を覆い、しばらくすると風に煽られたように消えていくと、俺の容姿が変化していた。
身長は元のままだが、リュックを背負い分厚いメガネとボサボサ髪が軟弱な印象を受けさせる。

「よし、完璧な偽装だ」
幻影で俺の容姿を変える。これが俺の能力の幻、ありもしないものを出現させ惑わせる。
攻撃できないし、防御にも使えない。
あまり使えない能力かもしれないが、逃げることならピカイチなので俺にピッタリの能力だ。
この能力に気付いたのは両親が他界し、引き取られた先の謳歌研究所である実験に参加したときに偶然発見した。
最初はわけもわからず色々と手を焼いたが、今では手足のように動かすことができる。
ポケットに手を入れながら部室へと近づき、ノックを三回。返事を待つことなくドアを開く。
中には男女が数人。一人一人を物色するようにじっくりと観察すると、奥の窓際へと移動する。
「――あ、ちょっと空気悪いから窓開けていいですか?」
長時間密封された場所だったのか、なんとなく空気が重い気がするので窓を開けようと考えた。

15 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/16 20:54:32
>12
栄儚が一礼をすると、聖からの返しは素っ気ない動作のみ。
最初から探りを入れるつもりはなく、あくまで礼儀として一礼したにすぎなかった。
それでも聖の動作に注意深く目をやってしまう。
しかし、当然ながらたったあれだけの動きで何かを掴めるはずもない。
栄儚はそのまま椅子に座り、時間が過ぎるのを待つことにした。

>7>13
しばらくして入ってきたのがこの男。第一印象は『独り言が多い男』だった。
聖と多少のコンタクトを取った後に栄儚に声を掛けてくる。
>「こんにちは。」
「こんにちは」
彼の軽い会釈と共に出た言葉。それとまったく同じ単語で返す。
鴉の独り言から、少なくとも聖に対しては探りを入れていたのは明らかだろうと考える。
観察されるのは好きじゃない。それと、この男は自分の敵とは思えない。
『あたしは1年の双月 栄儚(ふたづき はるな)。よろしく』
栄儚は携帯のテキスト欄に書いて鴉にだけ見せる。
敵ではないかも知れない。しかし気を許せるほどじゃない、そんな考えの表れだった。

>9
部屋に入ってきた背の高い男…もちろん栄儚から見れば先程の鴉も高いのだが、
この男は更に高い。細身の鴉と違い、ガッチリとした体系も印象的だった。
(何かスポーツでもやってるのかしら?)
この場ではどうでもいいことなのだが、そんな考えが浮かぶ。
そして、彼が何をするでもなしに部屋の隅に腰を降ろすのを見届ける。
(向こうからは何の接触もなし。こちらから声を掛けることもないわね…)

>10
>「こんにちわー。君ら組織の人?」
ドアが開いたと思った途端にこの一言。この妙な空気が一気に壊れたような気がした。
探りを入れたほうがいいのかもしれない…その無警戒さが逆に怪しくも思えてきた。
栄儚が立ち上がろうとすると、既に聖や鴉が対応しているようだった。
(あっ…)
話し掛けるタイミングを外した栄儚は仕方なく椅子に座る。

>11
次に入ってきたのは紫髪でツインテールの女子。背は栄儚よりもだいぶ低そうだが…
(な、なに…?あの胸…)
紫髪の女子のそれが目に入った。
栄儚も平均並みには持ち合わせているが、とても彼女には及ぶものではない。
その女子生徒の一礼に礼を返すのも忘れ、ちょっと間を開けてから椅子に座り直す栄儚。

>14
自分の後から数えて五人目が入ってくる。栄儚にはオタクのようにも見えた。
>「――あ、ちょっと空気悪いから窓開けていいですか?」
「ええ、あたしは構わないわ」
もちろん疑いがないわけではない。この男は怪しすぎる。
少なくとも容姿を見た上ではそう思える。何かあるのだろうか…
そんな考えも頭の中を巡るが、場の雰囲気同様の息苦しさを感じていた栄儚は、そう答えたのだった。

16 :鹿島 刳夢 ◆QW3gLpCLP2 :05/08/16 22:07:48
高等部からの編入組には、少々酷な集合場所だ。
新入生への学校案内は明日の予定で、それも大まかなもの。
外部生でなくとも手紙を一見しただけでは分かり辛い、辺鄙な場所。
土地勘の無い刳夢は何度も地図を見返しながら、およそ建物一軒につき
前の道路を三往復くらいして、ようやく目的地に続く道を見付ける体たらくだった。
森に入ってからも、方向を間違えて小等部の敷地へ出る事二回、やっとの事で部室らしい建物に行き当たる。

運良く獣道を見つけられなかったら、今も薄暗い森の中を彷徨いながら、目的地に辿り着けずじまいだっただろうか。
ドアの前に立って、あまりぞっとしない想像をしてみる。刳夢はこういった場所が取り立てて好きな訳ではない。
春先の陽気も鬱蒼と茂る草木の奥深くへは届かない。土は軟らかく泥濘は冷気を帯び、寂れた墓所の匂い。
茂みを靴先で掻き回せば死体の一つも出てくるだろう。ブルーベリーを摘みに来て、列車にはねられた少年の死体。
鹿、ヒルの沼、湖なんかもあれば完璧。残念ながらここは日本で、学校の敷地内だ。
部室には既に何人か居て、挨拶めいた言葉を交わしている様だった。
シャツの襟元を緩めて、首から掛けていたペンダントを取り出す。
ポケットのナイフを確かめ、一息入れてから、錆の浮いたドアノブに手を掛ける。

「し、失礼しまーす」
重い鉄製のドアをゆっくりと開けつつ、様子を窺う。
高校生ばかりが七人。男子生徒はオタク風の一人を除いて、皆身長が刳夢よりも高い。
逆に女子には、背の高いのは居ない。妙な安心感を覚えつつ、刳夢は紫髪の少女の隣に立つ。
おずおずと頭を下げながら、愛想笑いを浮かべて
「手紙を貰ってここに来たんですが……、あの、皆さんはどういった集まりで?」

17 :兎崎 真希奈 ◆jfwNGc7sXw :05/08/17 02:36:35
>11-16
さて、挨拶をしたはいいがどうも空気が重い。一人などひたすらぶつぶつと独り言を呟いている。
ドアを閉め、一歩左に引きながら首を傾げた。室内には自分含め5人。いずれも面識はない。
三人いる男子生徒のうち一人がポケットから手紙をつまみ出し、真希奈に見せる。
>「俺達もこの手紙で呼ばれたんだ。だから詳しい事はさっぱりだ」
もう一人、やたら独り言の多い生徒もすっと近寄り声をかけてきた。
>「やあこんにちは。俺もあそこにいる先輩が言ったとおりだね。
>事情はわからないけど先生が来るだろうから一先ず待ってみよう。」
一声かけただけで元の場所へ戻り、また独り言を呟いている。真希奈はそのままドアの横に寄りかかった。
そこでドアが静かに開き、また一人生徒が入ってきた。襟章は高等部のものだが、身長は小等部高学年程度か。
しかしバストは…
(…風船?)
思わず真希奈がそう考えるほど大きい。真希奈自身も胸はだいぶある方だが、目の前の生徒の胸は体格とのコントラストのせいか
1mを超えているように見えた。女子生徒は軽く頭を下げて、真希奈と同じように壁に寄りかかる。
ふと見ると呆然とした表情の女子生徒が立ちすくんでいた。が、すぐに気を取り直したのか椅子に座りなおす。
(無理もないだろーなー、ある意味伝説目の当たりにしてるもんなぁ)

そんなくだらないことを考えていると、ドアがノックされた。返事を返す間もなく(間があったところで誰も返事はしなかっただろうが)
ノブが回る音が響き、ドアが開かれる。入ってきた生徒は分厚い眼鏡をかけた、世間一般で言う所の言うオタクっぽい男子だった。
あだ名は絶対にヒョロメガネだろうと真希奈は考える。メガネはしばらくその場に立ち止まり、品定めをするように場の全員を見回した後、
窓に手をかけた。確かに空気が篭っているが、それ以上に雰囲気の重さに耐えかねたのだろう。
そしてまたドアが開く。いかにもおずおずといった様子で男子生徒が顔を出した。先ほど入ってきた生徒と同様にひょろりとした体格で、童顔だ。
同じく入ってきたばかりの巨乳娘のそばへ寄り、話しかけている。

未だ『組織』の人間は顔を見せない。もしかしたら既にこの中にいるのかもしれないが…。
少なくとも、こんな何の接点もないであろう人間を10人近く呼びつけておいて悪戯を仕掛けるなどと、手の込んだことは誰もしないだろう。
その点から見れば組織という物の存在自体は信じられなくもない。では、その目的はどうだろうか。はたして利害が一致する相手かどうか。
何も動きがないこの状況下で考えてみても詮無い事だろうか?
真希奈は腕を組んで、一見居眠りでもしているような風情で思考を続けた。

18 :萩原 楊 ◆KaXfCMH/Uk :05/08/17 02:51:01
「…」
楊は胡座を掻きつつも先ほどから絶え間なく貧乏揺すりを続けている。……暇だ。暇すぎる。
せわしなく首を回したり、何をするでもなく携帯を開いては閉じたり。傍目から見ても相当暇を持て余しているのが分かる。
同じ能力者であるという警戒心からか、部屋内になんともいえぬ緊迫感が漂っているのも暇を感じる要因となっている。
楊はもう既に、手紙に従ったことを後悔し始めていた。
(…帰りたい)

>10
楊の次に入ってきたのは女性だった。しかしまぁ、何という長髪。
(…組織の人…か。そういえば召集人は誰なのだ?)
そんなすぐに分かる疑問はともかくこの女性の問いには他の男が答えていた。まぁ楊が答えることはなかっただろうが。

>11
またも女性。礼をされたので礼は一応し返す。
(これで三人か…)
楊が入ってくる前から居た女性を含め、三人。こんな組織に入ろうとするなど男が圧倒的だと思っていたのだが。

>13
こんにちはと言われたので軽い会釈で返す。
(愛嬌のある印象…か)
中学の頃、この細目と地蔵黒子のせいで「大仏」とあだ名されていた頃を思いだす。
今となっては笑い話で済ませられるレベルだが、愛嬌のあるなどと言われると…顔を見ただけで言った訳ではないにせよ。
(敵の可能性、か…同じ学校に居てまで「敵」だの「味方」だのに囚われるのもな…)
そんな自分の境遇に、そっと嘆息する。できるなら、普通に過ごしたかった。

>14
ドアが開き、その方向を見る。何というか…いわゆる「陰キャラ」に位置づけられそうな、そんな男。
(…窓ぐらい、勝手に開ければいい)
あまり関わり合いになりたくないタイプと言えるので、さっさと視線を外すことにした。

>16
また入ってきたようだ。今回は痩身の男。正直、楊の予想より遙かに多い人数が集まってきていた。
あんな言っては何だが怪しい手紙など、集まっても二、三人だと思っていたのだが。
(…用心深いのだな)
痩身の男が女性に話しかけるのを見て又も視線を外した。携帯を見る。メルマガが届いていた。

(…暇だ)
だんだん瞼が重くなってくる。そういえば昨日はめじまぐろを捌くのに夢中になっていてあまり寝ていなかった。
寝不足であることを自認すると眠気が倍増してきた。頭が揺れてくる。うつらうつら…Zzz…
ガツン!
目の前に火花が散る。眠りかけて、壁に頭をぶつけたらしい。眠気は醒めたが、すごい恥ずかしい。
(…帰りたい)

19 :鳥羽 ◆Q.0nMwtILo :05/08/17 07:58:59
鳥羽は校庭のベンチに寝転がっていた。
朝からずっと何もせずに只、空を見つめていた。
二度目の始業式に出る気なんてさらさらない。
これは僕にとって損だ。この結論に導くまで1秒も掛からなかった。

鳥羽新太郎はポケットから手紙を取り出して考える。
はたして…これは自分にとって得か損か…
本来なら、僕以外の人などどうなろうか知ったことではない。
たいして面識の無い人を助けるなんて考えられない。これは明らかに損だ。
…しかし、最近物騒になってきている。能力者…
ふと自分の手を空にかざしてそれを見つめる。僕は能力者…
僕は生まれてからいろんなことに損得を分けて結論を出してきた。
しかし、これだけはどうしても結論を導き出していない。気持ち悪い
早く結論を導き出さなければ…ならば、行こう。
そう結論づけた後、ゆっくりと起き上がり空に別れを告げて歩き出した。

誰も寄りつかないような森の奥の部室
扉を開けて中を覗き見る。既に何人かの人が集まっている。
どうやら、元同級生もいるようだ。
「…ふぅん」
鼻を鳴らすと窓際に移動して全員を観察する。
しかし、すぐに興味を失い
さっき別れを告げた空を再び眺める。

20 :◆zgfzJu5h4E :05/08/17 12:38:59
>>12-19
挨拶をされたり、されなかったり。その光景はごく普通と言って
差し支えがない物だった。途中で来た人に対しても「こんにちわ…。」
と挨拶を返す。その中で積極的に話し掛けて来る者などもいた。

>13
>「展開的には遅刻してきた少女が王道だ。とまぁ全く関係の無い事を口走ったものだな。」
(展開…?)
挨拶の後にかけられた言葉だが、彼女には余りよく
意味がわからなかったようだ。それが表情にもでている。

>「まぁ敵か敵じゃないかを前提としての妄言を語ったわけだが今後果たしてどう起こるかは
  こちらでは全く予想できないものだからな。 じっくりと時が経つのを待っていよう。」
「そう…ですね…。」
こちらは正論…と言うよりそれしかないように思った。なので頷いてみせた。

>14
>「――あ、ちょっと空気悪いから窓開けていいですか?」
「どうぞ…。」
何か品定めされているように思えたが、それを言い出せるほど
しっかりしている訳でもなく。開けることに同意を示しただけだった。

>16
>「手紙を貰ってここに来たんですが……、あの、皆さんはどういった集まりで?」
この人も同じだ…と考えた。なのでありのまま話す。
「私も…同じです…。」

>18
頭を壁にぶつけていたのが見えた。
「…大丈夫ですか?」

21 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/17 14:10:16
>15>20
>「ええ、あたしは構わないわ」
>「どうぞ…。」
赤髪でつり目の少し厳しそうなイメージの子とツインテールの子が窓を開けることに賛同してくる。
他の人たちは別にどうでもいいのか、ただこちらを見ただけで何も言ってこなかった。
なので、それじゃ失礼して…と鍵をはずして窓をカラカラと開ける。
そよ風が鳥の鳴き声などの森の鼓動を涼しげに運んできて、それに満足すると窓際のイスに座る。

>16
>「手紙を貰ってここに来たんですが……、あの、皆さんはどういった集まりで?」
童顔で俺と同じ小柄な体系。オロオロとしたような態度が頼りない性格と印象付ける。
「敵にやられないように集められた感じだけど…。
ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ」
答えは君たちにとっては俺が敵、もしくは他多数。
果たして、この結論にこの中の何人が到達できるのか。

>18
眠そうな顔をしたかと思うと、頭を揺らし壁に頭をぶつける。
演技じゃなく、普通に眠いだけだろう。

>19
またこの辺境の地に来訪者が現れた。
銀髪のこれまた長身の男でなんとなく俺とは話が合わなそうだ。
彼は同じ窓際に歩いてきて、何かを求めているかのように俺を含む全体を見て回す。
どうやら求めているものは見つからなかったようだ。
視線を空に移し、何か感慨にでも耽っているのだろう。

22 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/17 16:41:37
暇つぶしのために、制服の内ポケットに入っていた推理小説を取り出し、それを読み始める。
一度読みつくした小説の為、目新しさはまるで無いが、それでもこの空気の中でじっとしているよりはマシだろう。
…と言っても、小説の内容などほとんど頭に入らず、ここに呼ばれた理由ばかり考えていた。

組織の勧誘の手紙を送りつけてくるぐらいだ、俺が能力者というのは手紙の送り主の間では最近知られた事では無いのだろう。
ならば3年のこの時期になって何故に今になって勧誘をしたのだろうか?
近々、この学園の能力者を集めた大きな作戦が立案されたとしか考えられない。
…と、これが俺の結論であったが、勿論その真意は組織の人物のみが知っている事だろう。

>13
茶髪の男子は、また例のように独り言を呟いた後で俺に返事を返してくる。
>「初めまして先輩。自分は二年の黒谷 鴉と言います。では。」
紹介が終わると、黒谷はその場から離れていった。
(まあ、あいつは悪人じゃなさそうだな…あの性格が芝居じゃなければの話だけどな)

>14
またドアが開いた。今度入ってきたのは、見るからにひ弱そうなボサボサ頭の男子生徒であった。
(…弱っちそうだけど、コイツも能力者の一人だろうな…見た目だけで判断しないほうがいいか。)
そのひ弱そうな容姿が、かえって俺の不信感を募らせる結果になった。
能力者ならば、その力を持った事で、少なからず周囲との優越感を持っているはずだからである。
>「――あ、ちょっと空気悪いから窓開けていいですか?」
そのオタク系の男子が提案したが、既に他の生徒が対応したようなので俺は小説の続きを読むことにした。

>15
(かなり周りの様子を疑ってるな…この動きからすると、敵の可能性は低いか…)
と、そんな事を考えていると、赤髪の女子が周囲の状況を気にしながら黒谷に自分の携帯を見せた。
先程の黒谷の言葉から考えて、あの二人は初対面の筈である。ならば、軽快すべき相手に何を見せているのだろうか。
…分からない。考えられる理由とすれば、あの二人は実は面識があり、二人で俺達を罠にはめようとしている。
…と、そこまで考えた後でため息をついた。
(…疑ってばかりでも仕方ねぇよな。…何かが起きたらその時に対応すればいいし)

>16
また新たな生徒が入ってきたようだ。かなり警戒しているらしい、ぼっちゃん刈りの生徒だった。
>「手紙を貰ってここに来たんですが……、あの、皆さんはどういった集まりで?」
不意に疑問を持ちかけられた。既に何人かの生徒が対応していたが、「皆さん」と言われたので俺も対応しておこう。
ポケットから例の手紙を取り出す。…なんか、今日はこればっかりやっている気がする。
そして、坊ちゃん刈りの生徒にその手紙を見せる。
「手紙ってこれだろ?俺もこの手紙が届けられたから、色々と気になってここに来たんだ。」

>17
(彼女は本当に事情を知らなそうだな。)
俺達を罠に嵌めるつもりならば、わざわざ「組織」などと警戒させるキーワードを早計に言うとは考えにくいからである。
(…まあ、一先ず警戒対象からは外しとくか。)

>18
>ガツン!
音の響いた方向へ振り返ると、例の長身の男が壁に頭突きしてたようだ。
(…胡座の男か…かなり眠いらしいな)
見てるのは少し面白かったが、それが少し表情に出てしまったので慌てて別な方向へ振り向く。

>19
再び生徒が入ってきた。…コイツの愛想の無さは他の生徒と比べるまでも無かった。
今はかかわる必要は無いと判断し、小説の続きを読むことにする。

>21
>「ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ 」
今、アイツが不可解な事を言った。そこまでの情報を持っているのならば、既にアイツは組織の一員という事になる。
そして、組織の一員と思われるアイツが「この中に敵がいる」と言ったのである。
…俺は気にしないようにしたが、嫌が応にも周りへの疑心難儀が深まってゆく。

23 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/17 18:54:52
>21
オタク風の男は確認を取ると、窓を開けた。ここの空気も少しは良くなったかと思うと
栄儚は少し安心した。そのまま心地よい風の囁きを感じていると……

>16>21
>「し、失礼しまーす」
入ってきたのはこれまでの男子生徒より比較的背の低い男子。
先程のオタクっぽい男より少し高いくらいか。彼は紫髪の女子生徒の隣に立ち一言。
>「手紙を貰ってここに来たんですが……、あの、皆さんはどういった集まりで?」
この男も能力者なら、このようなことを聞くのはおかしい、そう思った。
(能力者だけが集められたんだから、『何故集められたのか?』ならともかく、
 『何の集まりなのか?』なんて聞くまでもないでしょ…)
そこへ、衝撃的な一言。
>「ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ」
(学園側のあの手紙から考えれば、ここにいるみんなは全員初対面のはずよね。
 それをほとんど探りを入れてないあのオタク君が少なくとも一人は敵だと断言した…)
そこから栄儚は二つのことを考える。
(一つ目。あのオタク君は学園側の人間で、組織の勧誘に応じる者、応じない者を
 見極めるために送り込んだ、言わば学園側の偵察者みたいなもの……)
しかしそれでは敵が少なくとも一人いると断言するのはおかしい。
もしかしたら集まった全員が学園の組織に協力するかもしれないからだ。ならば……
(アイツは学園組織と敵対している者。敵が学園の敵って意味なら、あのオタク君自身が
 敵ってオチか。こっちの方がしっくりくるわね…怪しいとは思ってたけど…)
そのいかにも怪しすぎる容姿が猜疑心を抱かせ、一層深まらせたのかもしれない。
栄儚はある程度の間を置いてから、椅子から立ち上がる。
そして、彼の位置に近い場所…窓の前に立ち、彼に声を掛ける。
「ここ、いいかしら?ちょっと息苦しくて…」
そう言うと、窓に背を向けて何事もないように立つ。この位置から彼を監視し、
同時にこの窓という逃げ道を塞ぐ。ただし、監視といってもそこまで凝視をしない、
あくまで全体を見渡し、視点の一部に入れておく。
そうでなければ逆にこちらも疑われる可能性があるからだ。
この場所に来たこと、それ自体を不自然でない形にしなければダメだと考えた。
「あ、これ(窓)開けてくれてありがとね。ちょっと言い出し難かったの」
栄儚は彼に笑顔を向ける。もちろん『疑っていることを』疑われないための作りものだ。

>18
その時、それほど音のしないこの場所でその音が響き渡った。
栄儚は内心動揺しつつ、その場所に目を向ける。
(ね、寝てたの?)
それから少し考える。
(少し、張り詰めすぎよね…あたしも…)
栄儚は軽く伸びをして、気持ちをリラックスさせる。

>19
次に入ってきたのは銀髪の生徒。何か観察されている感じで気分は良くなかったが、
それはお互い様だろう。自分も今は周囲を観察しているのだ。
彼はそのまま何もせずに空を眺める。特に怪しいとも思えなかった。
(何より今は…こいつの方が…)
一瞬だけ視線をオタク男に向ける。

>22
一番最初に来ていた男、聖はポケットから取り出した本を読み始めるのが見える。
(或いは、本に偽装したメモのようなものとか…なんて、いくらなんでも考えすぎね)
自然にちょっとした笑みがこぼれる。その間にもチラチラと様子を伺ってるようにも見えるが。

栄儚の中で確信に変わりつつあることは、例のオタク風の男子生徒、
彼には絶対に気を許してはいけないということ。
栄儚は窓に背を向けた状態で、周囲の様子見と彼の監視を続けた。

24 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/17 19:55:33
木の上から部室に入っていく生徒達を観察し続ける。
どうやら索敵・感知能力を持つものはいないようだ。例え持っていたとしても、普段から使用していないのであろう。
しばらくすると部室の窓が開けられて、室内からの声が良く聞こえるようになった。
>「ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ」
大半がお互いを探り合うような当たり障りのない会話の中で、聞き捨てならない声が聞こえる。
(・・・一体どういったロジックからの発言なのかしらね。あれじゃ自分がその一人だと言っている以外何物でもないの
だけれど・・・?)
意図はともかくとして、その言葉によって何らかの不要なアクションが起こる前に顔を出しておくべきだ。
そう判断して木を降り始める。流石に飛び降りられる高さではないのだ。

木から降りると開いた窓からひょっこりと顔を見せ、ここで初めて音の相殺を取りやめる。
「こんにちわ。随分と集まっているね。どこまで進んだ?もう自己紹介くらい終わっちゃったのかな?・・・まだみたいね。」
そう言いつつ窓からよじ登るように室内に入る。
木の上から声を聞いて、進行も何も何も始まっていないのは十分承知していたが、そのような事は言わない。
室内を見回すと見たことのある顔もいたが、知っていると言うほどの中でもないものが数人。
それは全員に当てはまることなのだろう。
このいいようのない空気。各人の微妙な距離のとり方。当たり障りのない会話。
新学期でお互い探り合っているクラスの雰囲気の緊張感を高めた空間がそこにあったからだ。
「あ、遅れてごめんなさい。私は2-3の長屋あゆみ。能力は聞いての通り音を自在に操るの。」
自己紹介をするその声は子供の声から野太い男性の声へ、そしてしわがれた老人の声へと変化し、最後には電子音と
なっている。


25 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/17 19:59:52
にっこり笑った後、元の地声に戻し、静かにゆっくりと、しかしよく通るはっきりとした声で続ける。
テンポ・音の高低・反響などを操り、長い台詞もしっかりと全ての人間に行き渡るようにしているのだ。
「皆この手紙で学校から呼び出された能力者、でしょ?
さっきこの中に敵がいるとか聞こえたけど、この手紙が罠でそんなオメデタイ敵なら大歓迎ね。
この手紙と今の状況でわかる事は、学校は私達のような能力者を意図的に集めてるって事。めったにいない私たちの
ような能力を持つ人間がこの学校という一点にこれだけ集まっている不自然さは意図的でないと説明できないものね。
そして学校は私たちの能力も把握している。選別できたのだからこれも当然といえば当然よね。
それから手紙に書いてある通り、私たち能力者に危険を及ぼすものが存在することと、それに対抗する組織を作ろうと
している、ってことよね。
つまり私達に迫っている危険が協力して当たらないと回避出来ない程のモノ、とも言い換えられるってことよね。
これが今になって作ろうとしているって事は、私たちは狙われていてその危機は近いうちにやってくるって事じゃない?
そしてその言葉に嘘はない、ということもね。
学校側が危害を及ぼす存在だとしたらわざわざ集めないで一人ずつそっと静かにやるわよね。
選別、集中させられるほどの情報力を持っているのに、わざわざ部室に多人数を集めて不確定要素を増やすような真
似するなんて世界制服を目論んでいるのになぜか幼稚園バスを襲うテレビの中の悪の秘密結社くらい間抜けだもの。
手紙の差出人はまだ来ていなみたいだけれど以上のことから手紙の文面その通りに受け取っていいと思うわ。
そうなるとお互いの身を守る為にもお互いを知っておかないと、いざという時連携どころか足を引っ張りかねないし、無駄
な探りあいするよりさっさと情報開示しちゃうほうが時間的にも無駄がないと思うけど?
事態が飲み込めたらさくさく自己紹介くらい始めない?」
微笑みながら言葉を締めくくる。

これだけの情報力を持った学校が焚音の言うように集めた場に敵をもぐりこませるような不手際をするとは思えない。
それに殆ど初対面の人間が集まる場で敵が一人と言い切るのは言い出した本人が差出人か、自分がこれから敵になる
という意思表示かくらいしかない。
大元まだ誰も味方でもない現状では誰もが敵とも言える。
そんな中で差出人が何らかのテストとしてでも発する言葉としては場違いすぎるのだ。
だがそこまでは言わずに話を進めるように促した。

26 :萩原 楊 ◆KaXfCMH/Uk :05/08/17 21:10:45
楊はまだ頭を押さえている。相当、強かに打ったのが分かるだろう。瘤になるかもしれない。何という恥ずかしさ。

>20
>「…大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫」
そんな楊の様子を見てか、女性が一人声をかけてきた。実際はまだ痛んではいるのだが、わざわざ伝えるはずはない。
まぁこんな緊迫した空間で優しい言葉をかけられたことは嬉しかったのは事実なので、ぎこちない笑顔を浮かべつつ。

>21
(敵、ね…)
きっと全員に聞こえるように言ったのだろう。こういう人を疑心暗鬼にさせるような奴は…どうも気に食わない。
(…やっぱり来なければよかったか…)
能力を生まれ持ったが故に、平凡な一生を送ることは出来ないはずなのだが…、
だからこそ、楊は平凡を望む。少なくとも平凡な生活では「敵」だとか「味方」だとか言わないだろうし。

それにしても、やはりこんな状況で音を立てたのは不味かった。一瞬だけでも視線が楊に集まる訳であり。恥ずかしい。
微かに笑いの表情を浮かべて視線を逸らす男や驚きの視線を投げかけてきた女性など…どうもばつが悪い。
もう帰ってしまおうかと立ち上がりかけた瞬間、窓から一人の女性が入ってきた。

>24
(おいおい、どこから入ってくるのだ…)
楊の考えも、まぁ、ある種では自然な思考回路と言えるだろう。窓からドアまで何百mも離れている訳でもないし。
なぜ窓から入ってきたのかと楊が考えようとする時には、もうそれは違う考えでかき消された。
(…音を操る、か…)
聞く限りでは江戸川コナン君のボイスチェンジャーのような能力のようだが…それだけなのだろうか?
(それにしても…一流のモノマネ芸人になれそうだな…)
かなりどうでもいいことを考える。

>25
(ふむふむ)
言っていることはもっともだ、と思うが早いかすぐに、楊は立ち上がる。
「…ま、用心してもしょうがないだろう。疑っていてもキリがない、同じ学校の同胞だからと割り切ってしまうよ、俺は。
俺は1‐3…じゃなくて2‐1、萩原楊だ。『はぎわら』だからな、荻原じゃない。
能力は…まぁ百聞は一見に如かずだ」
余談だが1‐3は一年の頃の楊のクラスである。それはさておき。左腕を硬くし、右手で包丁を取り出す。
包丁の峰の部分で左腕を叩く。カンカン、と金属音が響く。
「こういうことだ。包丁は気にしないでくれ、ただの趣味用だ」
聞きようによっては不穏な言葉だが、楊本人は気づいていない。

27 :鹿島 刳夢 ◆QW3gLpCLP2 :05/08/17 21:55:40
>20
>「私も…同じです…。」
紫髪の少女が答えた。刳夢は一瞬途惑った。
「え……あ、はあ、そうですか」
ひたすら愛想笑いで誤魔化しながら、やっぱりソレ系の集まりかも、と勝手な想像をする。
(手紙で呼び出された、って事だよね? まさか霊能力とか前世? 戦士症候群かよ……今時古いぜ)
思わず彼女の胸に目が行きそうになったので、その場で俯いた。
口に手を当てて、咄嗟の時の逃げ場を考える。
(今の一言だけじゃ分からないけど、挙動と、髪の色からしてソレ系っぽいなあ。
いきなり疑ってかかるのは悪いけど、やっぱり怪しい。
前世がどうとか聞かれたら、即興で答えられたもんかなあ……)

>21
>「敵にやられないように集められた感じだけど…。
>ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ」
(あちゃー、こりゃヤバイな。コイツは完璧にトワイライト・ゾーンだわ)
オタク風少年の「敵」という一言で確信した。「そういう」集まりに違い無い。
分厚い眼鏡に阻まれて、相手の表情を上手く読み取れはしなかったが、
恐らくその向こうには、電波系らしくやけにギラついた眼が光ってる事だろう。
刳夢は胸の十字架を握り締めて、そっと入り口近くへ移動する。

>22
>「手紙ってこれだろ?俺もこの手紙が届けられたから、色々と気になってここに来たんだ。」
今度は割合普通の格好をした男子生徒。受け答えに、上級生らしい余裕を感じる。
きっと彼も自分と同じく、訳も分からずに呼び出されたクチ、と踏んだ。
(僕も名前が名前だから、誤解され易いのかなあ。
この先輩には、逃げ出す前に一度名前を聞いておこうか)

>24-25
>「あ、遅れてごめんなさい。私は2-3の長屋あゆみ。能力は聞いての通り音を自在に操るの。」
開け放された窓から唐突に現れた彼女は、一風変わった話術を披露した。
言葉と共に次々と別の声色を使い分け、終いには丸きりの電子音。
他人を警戒し通しだった刳夢も素直に驚き、思わず笑顔で手を叩く。
(にしても「能力」? 嫌だなあ、悪性電波……あんまりソッチの人には見えないけど)
彼の心配を他所に、少女はまくし立てる。

>25
>「…ま、用心してもしょうがないだろう。疑っていてもキリがない、同じ学校の同胞だからと割り切ってしまうよ、俺は。
>俺は1‐3…じゃなくて2‐1、萩原楊だ。『はぎわら』だからな、荻原じゃない。
>能力は…まぁ百聞は一見に如かずだ」
少女の話が終わると男子生徒の一人が代わって喋り出し、いきなり包丁で腕を叩き始めた。
成る程、剥き出しの腕を叩いたにしては妙な音がする。
(手品、いや特異体質の人の集まり? 「能力」って物言いが引っ掛かる。
というか自分、そんな芸持ってないんですけど……)
ますます心配になってきて、ドアの脇まで移動しておいた。

28 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/17 22:33:07
>23
窓開けに賛同した一人が立ち上がり、こちらに近づいてくる。
>「ここ、いいかしら?ちょっと息苦しくて…」
窓を背にし女子は逆光でシルエットになる。眩しさで幻影のめがねの奥で眼を細め、その光に逃げるように目線を逸らす。
しかし、これで一番近い逃げ道が塞がれてしまい、逃亡をするときの難易度が高くなる。この女…わざとなのか偶然なのかわからんが、油断できんな。
当然ここで彼女の位置移動を拒否すれば、何かしら疑いがかかるだろう。
どうぞ、とただ一度頷くと天井に視線をめぐらして暇を潰す。
>「あ、これ(窓)開けてくれてありがとね。ちょっと言い出し難かったの」
彼女から感謝の言葉がかけられ、そちらのほうを向くと不意打ち気味に笑顔を向けられる。
ドキン、と胸の鼓動が大きく脈打つのが聞こえ、顔が一気に熱くなるのがわかる。
なんちゅー破壊力だ――まったく恐ろしい女よ。
顔を俯かせて皆には見えないようにし、必死に落ち着かせる。
ややあって顔の温度も正常に近づき、ゆっくりと視線を天井に戻す。

>24
空いている窓から誰かが入ってくる。
危なく忍者かよ、と思わずツッコミを入れてしまうような展開だったが、まだまだ甘い。
俺ならばもっと派手にかつ怪しすぎな登場する。
>「こんにちわ。随分と集まっているね。どこまで進んだ?もう自己紹介くらい終わっちゃったのかな?・・・まだみたいね。」
いきなり出現し、勝手に自己紹介を始める彼女は自ら能力をバラして実演してみせた。
彼女もまたニッコリと笑い、直撃ではないがまだ少し先ほどの余波が残っていて、また少し頬を赤くする。
ぶるぶると顔を左右に振って、冷静さを無理やり取り戻させる。
耳の奥まで透き通るような声で彼女なりの考えを述べ、最後に全員に自己紹介をすることを提案する。
言うことは理もかなってるし、なかなか納得できる。こりゃ、真相に近づくのも早いな。ちょっと面白くなってきたな、と声に出さずに笑うと首をコキコキと音を立てて鳴らす。

29 :鳥羽 ◆Q.0nMwtILo :05/08/17 23:14:42
>>20
窓際に行く途中、女性に声掛けられたような気がした。
無視するのもなんなので、手を上げてそれに応えた。
(…この女性も能力者なのか…)

>>21
ふと、側にいる男が僕を見ているのに気づいた。
彼の外見は…なんというか、清潔という言葉には程遠かった。
そう考えていたとき、彼が口を開いた。
「ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ」
(…!この男…何を考えているんだ?何を根拠に…)
鳥羽は空から目を離し、もう一度彼を含む全員を見渡して銀色の髪をいじり思考にフケた。
…敵…?何故ここで言うんだ?面倒な事になるのは火を見るより明らかなのに…
それとも面倒を起こしたがっているのか…いや、そこまで考えていない可能性もある。
しばし考えたのち、静かに口を開く
「…仮に敵が一人居るとしても、今は大丈夫だと思う。今、襲いかかっても
残りの全員に倒されるのはわかりきっていることだからな。
…まあ、その敵が全員の半数以上なら話は別だがな…」

>>22
その男は小説を読んでいた。
こんな雰囲気で余裕あるもんだ…それとも只のバカなのか?
こんな男も能力者か…見ためではわからぬものだな…

>>23
赤髪の女性がこっちを見ているのはわかっていたが
どうやら、何とも思わなかったようで、すぐに目を逸らした。
赤髪…見たことないな…一年か。同じクラスだろうか?
鳥羽には始業式には出ていなかったので、わからなかった。
(まあ、あとでわかることだろう)

>>24-25
彼女は窓から入って来た。…何だこの女は?
やや呆れたように彼女を見つめる。といっても無表情だが。
彼女は自己紹介をし、さらに能力まで見せた。
それに続く彼女の話につい、聞き入ってしまっていた。
なるほど…ふむ、長屋の言うことは一理ある。自分がやられない為には
自己紹介する必要があるようだ。少なくとも僕にとって損ではないだろう。
そう考えて、何も言わずに部屋の中央に立ち
「…僕は1ー1の鳥羽新太郎だ。といっても年は17歳だけれど。
僕の能力は三原則の変化だ。」
そう言うと壁へ歩み寄り、手を壁に重ねると触れた部分が豆腐のように手が埋まっていく。
「これが個体から液体…といっても今は完全に液体にしていない。ゲル状みたいなものだ」
そして壁の一部を取り出して両手で軟らかくなったそれを形作って泥人形みたいなものを作る
今にも崩れそうなそれは段々と形がはっきりとしていく。指で弾いて硬くなったことを証明する。
「液体から個体」無表情で淡々と説明をしていく
その人形を手の平に乗せてしばらくすると、形が崩れていき、液体の様になって
手の平に乗せきれなかった壁の液体が地面にポタポタと落ちる。
「そして…液体から気体」
手の平に残った茶色の液体が水蒸気を出して消えて行く。
「…以上だ」最後まで無表情で説明を終え、元の窓へ戻って行く。
(…人形…ちょっともったいなかったかな…結構うまく出来たのにな…)
少し残念な気持ちになった。といってもやっぱり無表情だが。

30 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/17 23:16:30
>16
座った鴉は鍵盤ケースを肩から降ろして開け、中から招待の紙を取り出す。
「よっ。俺もこのとおりだよ。」
刳夢に向かってぴらぴらと紙を振る。

>17
女子生徒が了承したような雰囲気をみせると鴉は気よさそうに頭を下げてみせる。
「こちらも先ほどの男子生徒と以下同文だ。これは集中して見るとしよう。」

>14 >21
また、一人の小柄な生徒が入ってくる。
「容姿としては話し難いなんて感覚もとるが彼のような者などは然るべき場所で
少なからずいる訳であまり気になる点は無い。例によって挨拶しておくとしようか。」
と。小柄な生徒は窓を開けていいかと聞いてきた。
ふむと眼鏡をくいと上げる。
「やあこんにちは。俺は構わ。む。」
言う前に既に窓を開けたようだ。
「むぅ。思いにふけって回りが見えないのも自分としては改善すべき点だな。」
と、男子生徒は茶髪と大きな胸が特徴的な女子生徒に声をかけているようだった
「『ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ』と聞こえた。敵。というと俺と同じ妄『言』。もとい彼は妄『想』を
していると見える。声としてはこちらからでも大きな声で聞こえるように言っている事から恐らくは
挑戦者なる愉快犯と言えるものの登場。今後の様子を彼を重点的に見てみるか。」
と彼に目を少し逸らしながら立ち尽くす。
「そうそう、全く関係は無いが自分は電車男の映画は見ていない。
誰かそういった知識を持ち合わせているものなら是非詳細を聞きたいな。うん。」
全く関係の無い事を誰も聞いていないにもかかわらずに独り言を言う。

>18
男子生徒は鴉に軽く会釈する。
「最低限のこの反応は普遍的なもの。しかしこれはありがちな故に個性の無いもの。
というのは先程も言ったとおり情報を出すのは勢成す敵としては良くはない。また素振りで個性を出すものは
分析者によってはその性格を心理的に暴けてしまう事だろう。どうであろうとまた重要視しておく必要がある。」
鴉も何も言わずに合わせて会釈。そして背を向けた。すると後方で鈍い音がした。
「む、これは。そうか、脳内から分泌されるメラトニンという物質による働きによって彼は今まさに
眠気を催して体を崩したようだ。そういえば自分も瞼が重い。しかし自分の状態としては少々興奮気味なので
アドレナリンのお陰で今の覚を保っている。む。と言う事は彼は警戒はしていないものとなる。恐らく
害を成す存在としての可能性は低いと言う事か。」
ふむふむと二度頷く。

>20
言葉が返ってくる。
「ん?」
返答に一瞬計算づかなく渋い顔をしてみたが。ああ、と確信した。
「聞かれてた?これはごめん。聞き流して。」
あせあせと振り返る。
「むう。声が大きすぎたようだ。これはいけない。もしや他の発言も誰かに聞かれていたかもしれない。
場を乱してしまったようだ。」

>15
携帯電話を見せられる。内容を見ると自己紹介をしているようだった。
「…ふむ。」
自分も携帯を出そうと後ろポケットを探るそぶりを見せる。当然携帯電話は中には無いわけで
「これはしまった、俺携帯電話を忘れてきちまったよ。二年黒谷 鴉一生の不覚だね。んじゃそれは後でかな。
あ、ここ座んね?」
栄儚の隣に座る。
「やぁはじめまして。勝手に座って悪いね。おちおち話していきたいけど時間も経った事だろうし
恐らくそろそろこの手紙の関係者も来るだろうから一つだけ。俺にそれ、携帯見せてくれた理由を聞いてもいいかな。」
顔は遠く向こうを見るようにし栄儚の持っている携帯電話を指さしながら
栄儚に聞こえる程度の声量でそう言うと無意識にポケットから眼鏡を取り出してハンカチでレンズを拭きだした。

31 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/17 23:17:38
>25
む、と突然木から降りる人間を見る。女子生徒のようだ。
「その通り。それに実際自分も生徒会で聞かされているものであって心配は無いと聞く。
しかし肝心の役員がそういった情報を知っているにも関わらずこちらの部室では全く面識の無い
人間ばかりがいる。この謎は恐らくこの情報を知る人間にどういった手によって記憶を抹消したか。
それともこの部室の他に別の場所で部員を招集しているとか。まあ後者は無いとして前者の可能性は否定できない。
しかしそういったものは比較的安全だが何か別のよからぬ事があっては困る。
よって危険の察知および憶測の中の推測を判断させる『妄言』をさせてもらった訳で。」
女子生徒に向かって小さく独り言をブツブツと喋る。
「そうだね。それに外部の組織のだったりなんかしても手紙なんかは寮に差し出してきたもの、
外部の敵の可能性があるとすれば学園の者に見つかるようなこのような手間がかかるような用意はしないね。
何れも能力者という一人間を狙っているわけだし組織はかなり大きいと見える。
組織が大きい。と言う事は皆が皆手紙なんか渡さず携帯なんかの伝達手段を利用してこちらにおびき寄せたりするんじゃないかな。」
次ぎに彼女は自己紹介をする。
「変声とかすごいな。そうか音を。同学年ね。よろしく。」

「音の能力。ということはこちらとは遠からず近からず同じ能力としてある。タイプはかなり違ったものとなるが
あちらは一対一もそうだが多人数にも対抗できそうだ。むう。こういった能力者は恐らく作用に伴って音感は絶対に近いのだろう。
いや。そうでないとしても能力が完全に操れるようであったら必ずしも渡らなくてはならない橋でもあるな。
好きな音楽の話などが合えば恐らく話も弾み盛り上がりそうだ。」
ふむと頷き眼鏡を指で上げると少し口元が歪む。
「しかしこれは参った。と言う事は独り言はあちらにも聞こえているのだろう。
彼女に不快な印象を与えたりしたものでもあるが、彼女もプライバシーを侵害。いや、しかし自分も
能力で同じ事をしたときもある訳で。ふむ。」
ゴホンと咳き込みながら冷や汗し小さい声で独り言を呟きつづけた。

>26
あゆみが紹介し、続けざまに短髪の男子生徒は皆に向かって自己紹介をしてきた。
「硬質を操る能力。いざという一対一なんかとても頼れるような力だな。
包丁が趣味と本人が言うとしてこれは能力にも手馴れていると見える。
武器的な趣味であれば行動はナイフでも振り回すような素振りを。職業柄。なんてしっかりしたものだが
そういったもの。まあ料理などであるならば力の作用を計算して強弱の加減を使えるものとなるはず。」
ごほんと咳き込むと楊に向かって声をかける。
「よろしく。」

「んじゃ、次ぎに俺紹介させてもらってもいい?
俺は2-4の黒谷 鴉って言うんだ。一応生徒会で書記やってんだけど。うん。知ってるかな。
んで、俺の能力は♪。えー。あゆみさんの能力と少し近いかな。とりあえずこういうんだけど。あー。」
あーと声を出すと口から手のひらサイズのおたまじゃくしみたいな黒い物体が出てくる。
「ソの4部音符。こいつは俺の意思で音を包み込んでこういう形に形成する。
棒の部分は固かったり鋭かったりするけどまるいお腹の部分は軟らかい。だからここは割れやすい。
んで割れたらその包み込んだ音が出てきて同じ音が聞こえてくるよ。」
パンと潰してみせる。すると『あー』という音が返ってきた。
「まだあるけど。とりあえず楽譜に乗ってる記号は全て出せるね。
よろしく。」


32 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/18 00:31:45
>23
…人の目線を感じる。そう思って振り向くと赤髪の女子生徒がこちらを見ていた。
彼女も、俺と同じく他人の様子を探っているといった状況なのだろう。
そう思っていると、俺を見ていた彼女が笑った気がする。
(…なんで笑ったんだ?…俺の顔に何か付いてるのか?)
そう思い、自分の顔に手を触れてみるが、何も付いていない。
(笑われる顔つきじゃないよな…もしかして俺にホの字とか!?…って、まさにそれこそねーな)
自分に都合の良いことを勝手に思い浮かべるが、速攻で打ち消す。まあそりゃないだろうし。

>24>25
窓から入ってきた女子生徒。…正面から入れよ…と思ったが、彼女の理論は十分に納得できるものであった。
(確かに、疑心難儀に陥ってしまってもしょうがねーな。
 …むしろ、あのボサボサ頭はそれを狙ったのか?…コイツだけには注意を払っとくか。)
彼女…長屋あゆみと名乗った人物の能力…自分の声質を変えるほどの能力だ、電話などを使えば正体がバレる事など無いだろう。
凄い能力だ。俺の無駄が多い能力と比べればかなり役に立つ能力であろう。

>26
長屋の説明に納得したのか、あの長身の男が自己紹介を始めた。名前は萩原楊というらしい。
…肉体を硬化させる能力。まさに一対一の場面などではかなり有効な技であろう。
(どのくらい硬いんだろうな…まさか、俺の1万円札で作ったソードより硬いって事は…ありそうで怖いな)
なんか自己紹介を聞いていると、他の皆も俺より凄い能力を持っていそうで自信が無くなってきた。

>27
坊ちゃん刈りの男子が何かを言いたそうにこちらを見ているが、それが何なのかは予想もつかない。
(…うーん、コイツとは初対面だしなぁ…どこかで会ったことも無いよな。)
少し考えていると、その男子はドアの脇まで移動していた。…自己紹介に緊張でもしているのだろうか?
(自己紹介は皆が注目するから目立つもんな。…そういうのが苦手な生徒なんだろうな。)
…と、勝手に理解した気になる。

>28
骨が鳴る音がする…振り返ると、例のボサボサ頭のオタクが鳴らしていた。
(俺達をかき回そうとした奴か…本当に組織の人物かもしれないが、警戒する事には変わりない。)
今、この場で一番怪しいのは間違いなく奴である。コイツにだけは気を抜いてはいけない気がする。

33 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/18 00:33:10
>29
愛想の無い男という印象の鳥羽新太郎が見せた能力。それはおそらく無機物には無敵の能力とも言えるだろう。
(ゲル状とかの見た目はともかく、触れたものを気化や液体化させる能力は凄いな。)
…それにしても、気化したのはどこにいってしまうのだろうか?
そもそも、質量保存の法則は…と言おうとしたが、自分の能力のほうが質量保存の法則に無視してるのに気が付いた。

>30>31
この部屋で一番最初に会話した黒谷の能力、俺には何の役に立つかさっぱり分からなかった。
(…役に立つとすれば……合唱コンクールとか…?…いや、それこそ邪魔なだけだろ…)
音楽の知識には疎いので、黒谷の能力の利点は俺には分からないままであった。


「―――じゃあ、次は俺が自己紹介させてもらおうかな。…あ、ついでに能力も見せるから俺の近くには寄らないほうがいいぞ。」
そう言うと、手に持っていた推理小説を制服の内ポケットに戻す。
「俺は3年1組の朝吹だ。…とまあ、かたっ苦しい挨拶は抜きにして、俺の能力を見せようか。」
右手に隠していた十円玉を右手の親指に乗せる。
ピン―――
親指に弾かれた十円玉が宙を舞う。…そして、その十円玉は徐々に体積を大きくしながら放物線を描く。
軌道の頂点まで上り詰めた十円玉は、重力に引かれて下降線へと方向を変更して落ちてゆく。
―――ガラン、ガラン
部室の床に落ちた十円玉は、マンホールほどの大きさになっていた。
「…俺の能力は『お金』を操ることだ。…大体は手品と変わってないけどな。
 試したことはねぇけど、もう少し集中すればもっと大きくなると思うぜ。」
無論、他の使用方法もあるが、スパイがいないとも限らないこの場所で全てを語るつもりも時間も無い。

「…あ、それと操作したお金は役目を終えるとこうなるから」
床に落ちた十円玉を指差す。
するとその硬貨は、光の粉のような物を噴出しながら少しずつ形が無くなってゆき、最後には消滅してしまった。
「ま、こんなもんかな。じゃあ次の人どうぞー。」
元の場所に戻りながら軽く言い放つ。この場で警戒してても仕方ないことに気づいたのだ。

…と、思いつつも新たに10円玉をポケットから取り出し、右手に握り締める。
信用できる人物は多くいる事は分かったが、それと油断は別問題である。

34 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/18 03:27:50
>30
栄儚は現在の立ち位置である窓際に移動する前、この鴉との接触していた。
彼は携帯の自己紹介を見ると、わざとらしい動作をしてから名乗る。
その名前は最初の聖とのコンタクトで知っていたが一応再確認する。
>「やぁはじめまして。勝手に座って悪いね。おちおち話していきたいけど時間も経った事だろうし
>恐らくそろそろこの手紙の関係者も来るだろうから一つだけ。俺にそれ、携帯見せてくれた理由を聞いてもいいかな。」
栄儚の携帯を指差しながらの問いかけ。栄儚は同じように携帯のキーを打つ。
少し使い込んでる者ならば携帯でのブラインドタッチなんて容易にできるだろう。
栄儚もディスプレイを見ずに、平然と文字を打ち続け、先程と同じように鴉に見せる。
『貴方みたいに理屈っぽい人にはわからないと思うけど…何となく貴方がこの中では一番信用できそうだったから。
 それでも、一応貴方と周囲への警戒も含めた意味でこの携帯でね…』
これだけの文章を手早く正確に打つ。それで鴉にわかってもらえたかはともかく、
この接触で栄儚から鴉に対する猜疑心はほぼ消えていた。

>24-25
栄儚は背後から音もなく部屋に入ってきた女子生徒に驚いていた。気配は感じたのに全く音が聞こえなかった。
そして、彼女の能力の説明を聞いてるうちにその理由を理解する。その後に一言。
>「事態が飲み込めたらさくさく自己紹介くらい始めない?」
長屋あゆみの言葉と自分の考えを照らし合わせる。
(確かに、やましい事さえなければ自己紹介くらいしても差し支えないはずよね)
栄儚は彼女の説明にも納得し、自己紹介するタイミングを伺う。

>26
続けて能力を見せたのは長身で筋肉質な男。萩原楊という名前を確認する。
そして、その能力を目の当たりにする。気になる点はいくつかある。
(硬質化の能力ね…。その対象は自分のみなのか、他のものにも及ぶのか…
 例え対象が自分だけでも、攻撃・防御に優れた戦闘型の能力と言えるわね。
 それが他の者も硬質化できるとしたら…恐ろしいものね…)

>27
童顔の彼の一連の言動を振り返ってみる。今いち要領を得ない感じだ。
能力の種類とかそんなものより、能力そのものを初めて見るような感じだった。
(もしかして、一般人が紛れ込んだ…?)
そう考えたが学園側がそのような不手際を見せるはずもない。あの自然さは演技だとも到底思えない。
(まあ、いいわ。彼が自己紹介する番が回ってくれば自然とわかることね)

>28
先程笑顔を向けたとき、この男は動揺していた。長屋の話の途中にも似たような態度が見られた。
このことからまだ完全には疑われていないはず。栄儚はそう思い、考える。
(もしこの男が学園の敵なら、自分以外の最後の一人が自己紹介を終えるまでは能力も素性も明かさないはず)
依然としてこの男に対する疑いは晴れず、周囲の様子見を兼ねた監視は続く。

35 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/18 03:28:44
>29
今度は銀髪の男が自己紹介兼能力披露を始める。栄儚と同じクラスということを確認すると、その能力に注目する。
(触れた物の性質を変化させる?…これで人間にも効いたら強すぎよね。流石にありえないか…)
その危険性を思い浮かべるが、真っ先に自分で否定する。
(とにかく、同じクラスである以上は今後も接触がありそうね…)

>31
鴉の自己紹介。彼の名前は既に知っての通りだが生徒会役員というのは初耳だった。
彼の能力は音符の具現化。先に見た能力と比べると、些かインパクトで劣る感は否めなかった。
(あの能力…どういったところで使うんだろう…?音符とかわかんないし…)
結局栄儚にとってはそれだけの認識だった。

>33
彼、朝吹聖の能力は予想だにしないものだった。お金を操る…。
巨大化した硬貨の硬度などはどうなるのか…?そんな疑問もあった。防御用とも思えたが、
もしかしたら別の形を取れるのかもしれない…そう考える。
別の意味で驚いたのは使用した硬貨が消えてしまうということ。
(あれじゃあ能力を使うたびに…大変ね…)
特別な意図はなく、純粋に聖に哀れみの視線を向けた。

「あたしの番かな」
タイミングを見計らって申し出る。
「あたしは1年1組の双月栄儚よ。同じクラスの人もいたわね?よろしく」
そう言ってその場から少し前に出て、突如回し蹴りを放つ。
栄儚の蹴りは空を切り裂き、後には火花が散っていた。
「あたしの能力は炎を操ること」
言いながら今度は火の球を左手の掌の上に作り出す。
「さっきみたいに脚に炎を灯したり、この火球を投げたりね。単純なものでしょ?」
栄儚の能力には多くのバリエーションが存在するが、ここでは彼女がよく使う代表的なものを見せる。
「こんなものかしら。それじゃ次の人どうぞ」
彼女は元の位置に戻ると、掌の上にある火球を握りつぶした。

36 :兎崎 真希奈 ◆jfwNGc7sXw :05/08/18 04:22:22
>21
思考に没頭していた真希奈だが、ヒョロメガネが放った不穏当な一言でそれは中断させられる。
>「ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ」
(見る限り、少なくともこの子とは全員が初対面みたいだけど…断言できるんだからそれなりの根拠があるのかな?)
仮に"組織"の人間だったとすればこちらの素性を知っているのだから、当然この中に"敵"がいるのは分かるはずだ。
しかし、それなら人数も判明しているだろう。「少なくとも一人」という言い方はしない。
となれば彼自身が"敵"と考えるのが妥当だが、"敵"という言葉のニュアンスはどうなのだろうか。
「お前達と馴れ合うつもりはない」程度のものか、こちらを害する意志があるのか…。

>18>23
何かが壁にぶつかる音で、真希奈は再び思考を中断させられる。始めから部屋にいた大柄な男子生徒が、
船を漕いでて頭をぶつけたらしい。確かにただ待つだけというのは退屈なものだ。
ふと見ると赤髪の女子生徒が窓際に移動している。どこを見るでもなく全体を見渡す目。警戒するにあたって重要な要素だ。
実際に警戒しているかどうかは本人にしかわからないことだが。

>19
そうこうしているうちにまたドアが開く。入ってきたのは銀髪の男子生徒。入り口で足を止めてぐるりと室内を見回し、
鼻を一つ鳴らして開いていない窓の方へ移動した。ほんの少し回りを観察するようなそぶりを見せて、
興味が失せた様に窓の外へ視線を逸らした。

>24-26
>「こんにちわ。随分と集まっているね。どこまで進んだ?もう自己紹介くらい終わっちゃったのかな?・・・まだみたいね。」
開け放った窓からいきなり顔を出した女子生徒が、そう言いながら窓を乗り越えてくる。
(…素直に入り口から来ればいいのに)
その女子生徒は長屋あゆみと名乗った。声は単語ごとに激変し、あゆみが言うまでもなく
それが芸や技の類ではない、れっきとした"能力"であることを示す。
続けて手紙や"組織"に関しての自分の考えをまくし立て、一同にも自己紹介をするよう促す。
それに応えて、先ほど頭をぶつけていた男子生徒が立ち上がった。萩原楊、と名乗る。
(もう、ハギワラでもオギワラでもどっちでもいいだろ…とか言ったら怒られるかな)
能力は身体の硬化らしい。どの程度の硬度で、どの程度の範囲に及ぶのか、などには触れなかった。
まるっきり手の内を晒すつもりもないということか。おそらくそれが賢明なのだろう。

37 :兎崎 真希奈 ◆jfwNGc7sXw :05/08/18 04:23:18
>27
真希奈の後に入ってきた童顔の生徒がすす、と近寄ってきた。いや、正確には真希奈ではなくドアへ近寄ったのだろう。
(?…逃げ出したい理由でもあるのかな)
真希奈は半歩右にずれ、ドアを半分抑えるような形で寄りかかった。

>29
次に銀髪の生徒が進み出る。鳥羽新太郎、能力は固体、液体、気体の三原則に則った物質の変化。
部室の壁を使ってそれを実演して見せた。しかし、温度の変化はなさそうだ。そもそも内壁は液化するような材質ではない。
もし人体にも及ぶとすればとんでもない能力だ。

>31
続いて独り言の多い男。
黒谷鴉と名乗る。生徒会の書記だというが果たしてこんな人物がいたかどうか。もっとも生徒会の役員など大概の生徒が覚えていないのではないだろうか。
つまるところ、思い出せなくても真希奈の落ち度ではないということだ。きっと。
能力は音符の具現化。果たしてどういう局面で役に立つものか。伝言など残すには便利そうだが。

>33
中肉中背という表現がぴったりの生徒は朝吹聖という名だった。今の所唯一の年長者だ。
能力は現金の操作、変化。部屋の中央でマンホール大の大きさになった十円玉を、真希奈は目を丸くして見つめる。
体積だけでなく形状も変化させられるのだろうか。使用した現金は消えてしまうらしい。
事実、巨大化した十円玉は一同の目の前でチリとなって消えた。
(…悲惨な能力だなぁ)

>35
赤髪の少女が自己紹介をする。双月栄儚。実に活発そうな人物だ。その場から一歩進み出ていきなり体をひねって蹴りを放つ。
その足には炎をまとっていた。
(…パイロキネシス)
英儚は手のひらの上に火の玉を生み出し、能力の説明をする。それが終わると次を促し、その場を退く。


「…んじゃ次あたしで。あんな派手なのの後だと気後れするけどねー」
真希奈はドアに寄りかかったまま口を開く。
「兎崎真希奈、見ての通り…って私服だったね、ごめん。高等部二年二組、出席番号女子10番。よろしくね」
言いながら手の甲を向こうへ向けて、腕を伸ばす。
「能力は発火。地味なもんっスよ」
人差し指から小指にかけて、それぞれ微妙に色の違う炎が一つずつともっている。色の違いはすなわち温度の違いだ。
手のひらを口元に持ってくると、小さく息を吹きかけてそれを消した。実際には集中を解いたので消えただけだが。
「で、あと済ませてないのは…そこのひょろっこい二人ね」
窓際のメガネと、ドアの横の童顔にそれぞれ目をやった。

38 :◆zgfzJu5h4E :05/08/18 10:38:47
>21
反対する者もいなかったのでその青年が窓を開けた。
重かった部屋の空気が改善されたように思える。
そこに衝撃的な一言が響いて来る。
>「敵にやられないように集められた感じだけど…。ぼくの見解じゃこの中の少なくとも一人は敵だ」
「え…?」
反射的に言葉を洩らしていた。単純に彼が何故そう思ったのか理解できずそれしか反応が思いつかなかったのだ。

>24
>「こんにちわ。随分と集まっているね。どこまで進んだ?もう自己紹介くらい終わっちゃったのかな?・・・まだみたいね。」
「わっ…!」
窓から突然声が聞こえたのに驚いていたらよじ登るようにして室内に入ってきた。
そして相手は能力を見せながら自己紹介をし始める。音を操るとの事だ。
音楽の授業とかではとても便利そうだな…と思った。
そして、その後の説明を聞いて先ほど投げかけられた疑念が晴れた。
と同時にその発想に素直に尊敬の念を抱いた。自分も自己紹介をしようと思ったが、
能力をどう見せていいかに困った。そうしている間に周囲が自己紹介を始めた。

>26
頭をぶつけたのは大丈夫と言っていた。とてもそうは見えなかったが。
彼は自己紹介の後で包丁で腕を叩いていた。そこから金属音がする。
体の硬さを強化するのか金属を操るのか判断に迷ったが多分前者だと思った。
後者ならもう少し別の見せ方をしそうな気がしたのだ。

>29
こちらは物体の形状変化の能力のようだ。
図工で使う分には便利そうだな…思った。

>30
>「聞かれてた?これはごめん。聞き流して。」
言われたとおり大人しく聞き流す事にした。
何となく追求する気も追求する意味も無さそうだと思ったのだ。
そして彼は彼で音の能力者のようだ。と言ってもあのままでは
白昼堂々使うには使いにくそうに思ったが。

>33
こちらはお金の形状変化の能力のようだ。偽造貨幣でも使えるのかなどの疑問はあったが、
聞いても意味は無さそうなので止めておいた。それより、お金が消えているのは気になった。
(確か貨幣の形を変えちゃうのって犯罪じゃ…証拠もないし、気にしても仕方ないけど…。)

>35、37
そして今度は2人の炎を操る能力者。見た感じでは料理に活かせば面白そうだな…と思った。
そして能力自体が自身にかけそうな負担も気になった。
(…足や手、熱くないのかな…。)

色々考えた後で自分の紹介に入る。
「私は…二年一組の橘皐月…。能力は…重力操作。」
鞄から財布を取り出し、一円を取り出す。それを放り投げると…
途中まで放物線状に動いていたのが突然変化をつけた程度では説明のつかない勢いで
急降下を始め、地面に叩き付けられる。そしてその1円に、能力を解除せずに触れようとして
伸ばした手に重さがかかり、彼女自身が地面に叩きつけられる。
その後で解除、起き上がりながら回収して。
「重力だから当然だけど…今見た通り、物の重さに応じてかかる力が増すの…。」
軽く服を叩きつつよっかかっていたあたりに戻っていった。

39 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/18 20:04:36
>29
窓から颯爽と現れた長屋あゆみに続くように、名前、学年、能力を公開していく。
鳥羽新太郎という男もそのうちの一人で固体から液体、液体から気体に変える化学実験を披露。

>31
なんだこの独り言の多い奴は。心の中を意識しないで勝手にしゃべって自滅するタイプだな。
しかし、彼の言っている俺の評価はなかなか的を得ているな。妄想とか、まんま俺の能力だし。
その後はなぜか映画の話になり、その内容を聞きたがっている。
余談だが、俺はあの映画に関してはアンチ(以下略
その独り言の多い男子は生徒会の書記で音を形にする、というなかなか面白い能力だ。
使い道があまりよくわからないが、とりあえず危険性はあまりないようだ。

>33
三年でこの中で一番先輩だと思われる朝吹という男。彼はお金を操ることができるそうだ。
代償として使用したお金は消える…。なんとも経済的に優しくない能力だ。

>35
>「あたしの番かな」
近くに移動してきた女子。双月栄儚は前へ出て、綺麗な回し蹴りをかます。
その後には火花が散り、小さな花火を見ているようだった。
次に火の玉を手から発生させ、まるで手品師のように演出する。

>37
名前は兎崎真希奈。能力は――。
発火か…それもそれぞれ色が違う。どうやら温度の上下も調節できるらしいな。
実用性もあるし、火を出せる度合いにもよるが先ほどの双月とともに強敵だろう。
>「で、あと済ませてないのは…そこのひょろっこい二人ね」

腕を組みながら目を閉じ、ニヤリと口を曲げて笑いめがねを光らせる。
あれ…何この空気。俺、自己紹介するなんて一言も言ってねぇのに…。
だが、ここで俺が無碍にすると自己紹介しない=妖しい=敵という嫌な方程式になりかねん。
後を楽しむためにも、ここはやらねばなるまい。
「ぼくは1-4のあか……荒牧京介。能力は――」
ええと、と最後まで言うのを戸惑う。
とっさに考えた偽名は同じクラスの出席番号二番の友人だ。すまん荒牧。
ちなみに荒牧の容姿はメガネはかけていないが、結構この姿に似ていたりする。
「の、能力はこちらも実際見てもらうとわかると思うので、実演してみよう」
どうすっかな、と口には出さないが頭をポリポリと掻く。
半ばやけくそ気味に、皆に見えるように手をかざすと、先からそれぞれ色の違う小さな火を作り出す。
やばい、ぱくっちまった!…もういいや、適当にやっちまえ。
火の幻を消して、立ち上がるとポケットから何かを取り出し投げる動作をする。
10円玉が手から離れて床に転がるという幻を作り出し、さきほど朝吹が見せたとおりに、それを指をさす。
それが少しずつ大きくなっていき、最後には消滅。
「――と、まあこんなもんですね。詳細が聞きたいなら後日お願いします」
内心ヒヤヒヤしながら、また元の場所へ戻り座る。

40 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/18 20:53:13
小さい頃から不思議だった。自分の能力について。
否、能力自体ではなく、能力の存在が不思議だった。何故?何の為に?『それ』は存在する?
ずっと不思議だった・・・
他の人間の異質の能力を目の当たりにするのは始めてであったが、どれもこれも笑ってしまうくらいに慣性・質量保存から
重力、熱力学第二法則までおよそ全ての物理法則を無視した能力。
それを見て唐突に一つの結論にたどり着く。
全ての物理法則はエネルギーを如何に効率よく集積し、消滅させるかという一点に終始している。
だが、ここに集まった自分を含める人間の持つ『能力』は一部捉われはしているとはいえ、それらの法則を逸脱した存在で
ある。
そう、まるでこの部室はカンブリア期の海のような状態なのだ。
あらゆる進化の模索をした海。人と言う種は進化を捨て進歩という道を歩みだしてしまっている。だが、もう一度進化とい
う道へ帰結する為の存在がこれらの能力なのではないだろうか?
突拍子もない結論、だが長年の疑問に一つの答えが出たことで思わず笑みがこぼれる。

思考の終着を見て、自己紹介をする面々に意識を戻す。
自分も含めて誰もが全ての能力を見せるわけでもないし、詳細は判らない。だから予想するのはやめた。
ただ、迫る危機に対し対抗しうる協力者に目星をつけることに重点を置く。

相性が良いのは兎崎真希奈と双月 栄儚の火を操る二人。音の能力とではなく、また別の力ではあるが・・・

だが、一番注目したのは黒谷鴉だ。能力的には良くわからないが、そんな事は問題ではなかった。
ブツブツ言う独り言が不気味だが、その内容は聞き流せないものであった。
変声術をしながら「能力は聞いての通り音を自在に操る」といった台詞に、通常台詞だけならともかく、その変化する声で
言われれば音を声と解釈するであろう。
だが、黒谷鴉は変声術しか披露していないにも拘らず多人数に対抗できる、すなわち戦闘能力と評している。
これは変声術をしているのに『声を操る』ではなく『音を操る』といった微妙な文意の違いから『音・音波』即ち突き詰め
れば『空気の振動』を操る、と言うことまで見抜いたのであろう。
そうなると不気味な独り言の評価も変わってくる。
おそらく黒谷鴉は恐ろしいほどの分析能力を持つ人間なのだろう。
頭の中での分析力が早すぎて、口に自然と出てしまうタイプだと判断した。しかも独り言で出る言葉は脳内で分析されたも
ののほんの残滓の為、脈絡がなかったりすることもある。
そこまで分析されているのなら窓から入ったのも反響を利用するに当たって、解放された窓を自然と背を向ける必要があっ
た事も彼の分析材料になっているのかもしれない。
勿論あゆみ独自の評価であるので単なる過大評価かもしれないが、黒谷鴉の分析能力に一目をおくことにした。

そうこう思っているうちに焚音が自己紹介を始める。
>「ぼくは1-4のあか……荒牧京介。能力は――」
この声は間違いなく敵がいると言い出した声に間違いない。
だが、その声色は不自然すぎる。
その後能力を披露したが、焚音は決定的なミスを犯した。
転がる10円玉を見ながら可聴域を超える超音波を一回はなつと、予想した通りのものが聴こ(見え)えた。
「・・・面白い能力ね。」
元の位置に戻る焚音に微笑みながら声をかける。
能力的には光の屈折あたりを利用したものだろうが・・・少々使い方が粗すぎる。
だが、能力的に自分の音の能力とは最も相性がいいと思った。

41 :萩原 楊 ◆KaXfCMH/Uk :05/08/18 21:49:19
ここで。楊は能力を戦いに使う、というのは個人的に嫌いである。いや、構想外、とでも言うべきか。
あくまでも能力とは一種の特技のような、そんなニュアンスと思っている。日常生活を楽に過ごせるような。
そもそも楊は平凡な生活がしたい、と思っている訳で、その平凡な生活に戦いなど必要があろうものか。
よって、楊は人の能力を見ても「日常生活にどう影響するか」を一番に考える。ある種の平和ボケ、と言えなくはないが。

>27
一人の男が、ドアの脇に移動している。
(トイレでも行きたいのか?)
そんなことを思ってみたが、まぁどうであろうと自分には関係ないと、視線はすぐに外す。

>29
(…すごいな)
素直に感嘆する。変化させられるものに多少制限はあるとは思うが、ゴミ処理に非常に役立ちそうだ。
(空気中の窒素を液体にするだけで液体窒素か…)
とも考えはしたが、少なくとも見る限りでは温度は変わっているように見えない。杞憂になりそうである。

>30-31
(それにしてもうるさいな…)
よろしく、と言われた以上、社交辞令として軽く頷いてはおいたが、この男の口数の多さには閉口する。
楊は無口…とは言わないが、少なくともそれほど独り言は言わない。少しだけ聞いてて苛つくが、別に怒ったりはしない。
生徒会書記である、という発言には少し驚いたが、能力は…結構利便性に長けていそうだ。
(…なるほど、簡易式ボイスレコーダーのようなものか)
手のひらサイズで持ち運びにも楽そうだし、これはなかなか便利である。

>32-33
朝吹と名乗った男の能力。それは、お金を操る能力、らしい。
(…もったいない)
あまりお金を大きくする意味を見出せなかった楊にとって、とりあえずそういう感想が一番に浮かんだ。

>34-35>36-37
女性の二人続けての自己紹介。細部に多少の違いはあれど、どちらも火を操るという能力らしい。
(ライター要らずのたいまつ要らず…サバイバルにいいな)
料理にも火は欠かせない。ちょっと羨ましく思ったりする。

42 :萩原 楊 ◆KaXfCMH/Uk :05/08/18 21:50:55
>38
どうやらこの女性は同じクラスだったようだ。まぁクラス替えは今日だし、そのことを知らなくても仕方はない。
(重力…重いものを持ち運ぶ時に楽そうだ…)
重力を変えるにせよ、どこまで変えられるのだろうか。無重力状態だとか、ブラックホールだとか。
(…まぁ限度はあるのだと思うが)

>39
(…?)
この男、荒牧の能力は楊にはよく分からなかった。発火させたかと思ったら、次は十円玉を大きくしたり。
(人の能力をコピーする能力?…いや、ちょっと都合が良すぎるか)
気になりはしたが、わざわざ聞きにいこうとはしない。誰かが聞くだろう…という考えも多少はある。

(あと…一人か)
さっきドアの脇に移動していた男。ま、流れとして促すこともなく自己紹介してくれるだろう。
立ちっぱなしだったことに気づいて再び座り、さっき頭を打った場所をさする。
(…やっぱり、コブになってるか…)
ふぅ、と小さくため息をつく。

43 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/18 22:40:33
「しかしこの手紙の人物は今何処にいるのか。初めからこの中に学校職員が待機していても良いものではないかと思う。
さては監視されこちらの部屋の様子が伺うように傍観の席にいるのか。しかしそれは全く知る由も無い事。
まぁそれを想定している故に少しばかり内容を省いたものの、自己の能力の紹介をした訳だが。
それは置いておいてしかしあの二年の女子のお陰で自分含め引きつった気が解れたような気がする。
故に緊張による一時的な筋肉の収縮の緩和が作用され自分は筋肉痛が催されたようだ。
特に上腕の頚骨部分からどっと疲れを感じる。」

>29
銀髪の男子生徒は紹介してみせる。
「物質の変化をもたらす力。どうにも原因は温度などの溶解や凍結ではないらしい。
科学的な作用を起こすの薬品やらは違うと見える。まぁ能力自体現代科学では説明がつかない不条理なものである故に
今はあまり深くは考えないほうがいい。にしてもその能力。対象を人体に向けたらどうだろうか。
人の神経などその能力を加える事によって気化、液化。それによってボロボロに破壊された神経の痛みの信号により
立っていられないほどの極度の痛みが。考えただけでも背筋が凍る。
しかもそれも脳を対象にしてみるとどうだろうか。ふむ。無闇に触れるのは得策ではないな。
一年にして同い年という事はダブりということか。在り来たりな凡庸たる学校にはダブる人間は存在していても
僅か少ないというのが現状。情報で彼も噂には聞いたような気はあったりする。」
一段落言うと、挨拶する。
「よろしく。」

>33
鴉と最初に挨拶した三年生の朝吹が自己紹介をする。落ちた十円硬貨。そして消えてゆく。その様子を見つめる。
「3‐1朝吹 聖先輩。紙と硬貨による金のみを操る力とはまた不条理。自分も言えた義理ではないがな。
金は消滅してしまうところからみて金銭問題では難が出ている筈。富豪でもない限りその能力を使うのに躊躇ってしまう。
それに持ち物として金銭を常備補給しておいておかなければその能力は使えない。たちまち懐が凍る思いに晒される。
普段もいざという時のみに使っているのだろう。あまり率先して使えるような代物ではない。
この操った硬貨は大きくなるもの。しかし『大きくする』ではなく『操る』と言ったところからして
手の内なんかはまだ深くまで見せていないようだ。しかしこう投げて巨大化させれば暗器飛ばしと言ったところ。
初見の相手などには効果的か。能力者自身は人付き合いがよさそうで気ままに声をかけられそうな印象を持つ先輩だ。
学年的にも三年で皆の波長のとる事ができそうなリーダーのような雰囲気か。」
ふむと相槌をうち、聖のほうを見る。
「改めてよろしくおねがいしますね先輩。」



44 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/18 22:41:03

>34 >35
鴉が聞くと栄儚は携帯を見せ、返答をしてきた。しばし携帯の内容を見ながら了承したような素振りを見せる。
「まずは携帯の伝言、ここから覗えるのは場を察知した的確な判断による行動。
言うとこの娘は頭の回転がとても早く回るようだ。次ぎに携帯の内容でこの自分を『理屈っぽい』と見抜いた。
これは自分を含めた人間の心情をよく読んでいる証拠。さらに携帯の内容で言っている限りでは勘も働くようだ。
さらに容姿の様子などを含め判別して回りを良く見ているしっかり者というのが想定される。
もっとも、内情までは判断しえないが自分と性格が近いところにあって話が合いそうだ。
しかし隠し事も表情や仕草で素早く見抜いてしまうような力を持っている。
一度奥歯に物を挟むような言い方をして試してもいいが、うん。怒りそうだ。
しかしもし自分が彼女と同行するならば突発的な出来事で危険に晒される事があるなら身を委ねてみるのもいいかもしれない。」
また、向こうを向いて口に手を当てながら難しい顔をしてブツブツと語る。
「そう。わかった。ありがと。それにしても早く先生とか来ないと何時まで経っても状況の進展がしないね。
一度絡まった疑心暗鬼なんてなかなか取れないからね。一度先生が出てきて一発確証的なやつかまして欲しいな。」
独り言交じりの言葉も漏らしてフゥとため息をつく。もっともこれは本心である。
と栄儚は前に出、自己紹介をする。
「炎の能力。具体的ながら炎自体強力な武器であり物質の三原則に基づかない為形を成さなく変幻自在。
適用はオールマイティだろう。万人の相手に対応できるはず。
容姿からは見ているよりやるほうがいいような体育会系の風貌。テニス、バスケット、陸上なんかのスポーツ使いか。
何にせよ体系とも見て速そうだ。む。しかし暗がりの中の灯火というのも中々綺麗だ。まるで魔法使い。
いや、確かに能力なんてもの自体魔法のようなものだが。ん。勇敢な容姿だ。…。かっこいいな。」
拭き終わった眼鏡を眼鏡ケースにしまう。そしてまた無意識に新しい眼鏡を取り出す。
「よ。いいよ。」
手に眼鏡を持ちながら音の鳴らない小さな拍手をする。

>37
「発火。今見る限りでは今さっきの炎の能力との違いは色の違いか。ふむ。ただ色が違うと性質もきっと違うのだろう。
炎色反応を起こすとなれば燃やされるような物質も出てくるはず。しかしやはり不条理な能力。
炎の色が違うのは仮説とはまた別の力が作用しているという可能性もある。似て非なるものか。少々興味はある。
見比べると活発的な栄儚。故に演出もかなり目立つ事をしたとみる。とは別に彼女はそれとは控えめに
最低限能力を出した。まぁ先に炎の演出をしたので空気を読んだのかもしれないが。
しかしやはり容姿からしても比較的におとなしめな人間と捉える。ふむ。」
真希奈の紹介が終わり、見計らって挨拶をする。
「よろしく。」

>38
「重力。宇宙の法則の意に反する力か。いや。一円は今地面に叩きつけられている。と言う事はこの能力は
地球の引力を利用しているのか。この一円にだけそういった力が加わり、手に触れるとその対象も一円の帯びた力を受ける
限界の重力質量の程は定かではないが彼女が叩きつけられたことでいくつかは解った。
で。体を張ったのか。これはもしやすると天然系か茶目っ気のある人間か。際どく言うと丈夫な体の持ち主か。それはないはずだが。」
一段落したところで声をかける。
「よろしく。」


45 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/18 22:45:09

「荒牧。自分は普段几帳面ではなく人のいい間違いなどあまり気にしないのだが
『あか』と言い間違ったのかそう言っていたのが気になった。なぜそう言ってしまったのか少々検証してみようか。
最初に『あか』と間違えて言ったフレーズは最初『あ』と言う声。先ほどの『あ』と苗字の『あ』は一致する。
次ぎに『か』。苗字の『あら』の『ら』の字だ。ふむ。接点を比べると『か』も『ら』いづれもア行の単語のようだ。
母音と言うのは『あいうえお』という5音からなる系列で『ん』などと言うものを省けば『は』や『た』など
長く声を伸ばしていれば行き着く音の先は母音の『あ』となる。この例もそうなのだろう。『か』と『ら』。
しかし子音の『k』と『r』の違いをみると更に疑り深くなるものだが決して気にはとめない。」
とどうでもいい事をいい事を言っていると荒牧は能力を披露した。
「火を出したり十円玉を出したりする能力。先ほどの彼らと同じ力を出すようだ。
実際脳内で二つの力に対して接点を無理につけようとしたが無駄に余った部分が多く残る。
これも不条理な能力の力か。いや。不条理であっても他の不条理な能力と比べてもムラが多い。
と言う事で自分なりに二つの可能性を予想をしてみる。一つは能力を使えるのは一つではないと言う事。
二つの能力が使えるならばたとえ接点が無くとも申し分は無いしかし偶然もあるのだろうか。
全く初めて会ったような境遇で会った自分達とはそれまで全く接点が無いはず。その彼らがうちの一人。そしてもう一人が
能力を持ち、その能力はまた一人の人間によって両方を使われている。
彼らが会える可能性は世界全土に存在する能力者分のと推定してこちらは可能性としては低い。天文学的数字でとても低い。
そしてもう一つは見たものをそのまま実体化するコピー能力。先ほど二人が出した能力。
あの光景を出そう機会はこの時意外ないものと考えていい。よってこの能力たちを見てコピーし、
そのまま実体としてここに出したか。だ。こちらは随分と効率と可能性が十分にある。
しかし気になる点が一つある。
能力の名称などの薄い内容は直に言ってしまってもいいものであろう。決して他人に知られたくないものなら
見せずに留まるまで。まぁだとしても怪しげな印象は与えてしまうものだ。能力を見せ、かつそれは別の機会にして欲しいと言う。
別の機会と言った時点では『今は言えない』。となる。しかし今は能力以外でも
何かを隠していると見える。一種の目論見というやつか。内容は定かではない、怪しむ目はそらさないでおこう。
しかし『言えない』と言う事は。彼は嘘はつけないタイプなようだな。うん。」
少々警戒する仕草をみせると声をかける。
「よろしく。」

>40 >41
突然咳き込む
「ちょっと喋りすぎたようだ。舌を動かしすぎて痰が絡まる。ごほっごほっ」
眼鏡をくいと上げる。そして皆のほうを向いて
「ん。ごめん。」


46 :鹿島 刳夢 ◆QW3gLpCLP2 :05/08/18 22:57:52
刳夢は焦っていた。
室内の誰も彼もが「能力」と称して、手品じみた一芸を披露していく。
部室の隅で小さく拍手しながら、呼ばれた事は何かの間違いだと思った。
誰かが名簿でも見間違えて、上か下に一、二人ずらした所の自分宛に手紙が来たのだ。
(いい加減な呼び出ししやがって……)
自分がこんな気まずい思いをせねばならない事に、無性に腹が立ってきた。
何処ぞの馬鹿野郎のお陰で、理不尽にも冷や汗モノの弁明と格好悪い退散を迫られるのだ。
連中は手品クラブなんかの集まりで、この高校は全国大会の強豪なんだろう。
そして手品師らしい悪趣味な招集を掛けて、マジック推薦(?)の新入生を呼び出すつもりだった。
(実は推薦からして人違いだった、とかねー……アホらしい。
何にしたって、ありのままを話して堂々と出て行けば良いんだ)

「最後、僕が残っちゃったみたいですけど、僕、ひ、人違いじゃないかな?
あ、高校一年二組の鹿島です。手紙を貰って呼び出されたんですが、手紙の内容からして僕と全然関係無いみたいで。
一応来てみたんですけど、僕は皆さんみたいな事は出来ないし、どんな集まりだか全然……」
しどろもどろで口を動かす。気まずい上に見っとも無くて、落ち着きたくても落ち着けない。
頭に血が昇り、顔は真っ赤になっている。人前で喋ると、何故だか腕が震えてしまう。
ポケットのナイフがカタカタと鳴り出す。震えを抑えようと、両の手でペンダントを握った。
「と、兎に角僕は部外者の様なので、これで帰らせて貰いますね。
もし何かあったら、また」
手の震えはようやく治まった。が、喋り終えた途端にひどい頭痛と眩暈を感じて、その場に倒れそうになる。
(貧血だろうか。今はここから出て、それから医務室に行こう。すごく気分が悪い)
ドア脇の女子生徒に頭を下げて、ドアノブを掴んだ。身体は震えていないのに、ナイフが鳴り続けている。
ドアを開く前にポケットへ手を突っ込むと、ナイフの刃が開きかけていた。
手の中に感じる振動は丁度携帯電話のバイブレーションに似て、ナイフ自身が動いているとしか思えない。
しかし、今の刳夢には考える余裕も無かったので、そのまま刃を仕舞った。
(あ……)
激しい疲労感と共に、視界がブラック・アウトする。刳夢はそのまま、ドアの前に伏した。
頬に冷たいコンクリートを感じたのを最後に、彼の意識も途絶える。

47 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/18 23:26:27
>>34>35
俺の次にこの部室に入ってきたのが、今、自己紹介をしている双月栄儚だった。
…そんな事を思い出していると、双月は急に回し蹴りを放って見せた。見事な蹴りだった、風を切る音も聞こえた。
そして飛び散る火花。机に引火しないか少し心配したが、大丈夫だったようだ。
次に火球を作り出した。あんなのをまともに喰らったら熱いじゃ済まないだろう。
(…なるほど、カメ一族から姫を助けるために戦うヒゲオヤジと同じ使用方法だな。)
これは小さい頃によくやったゲームの話だが、あながち嘘とも言いがたい。

>36>37
兎崎真希奈、このメンバーの中では警戒心が一番薄いと思われる人物である。
能力は発火…それを聞いただけでは先程の双月との能力の差が分かりにくかった。
そう考えていると、兎崎は自らの指先に炎を灯した。良く見るとそれぞれの色が違う。
これは俺の見解だが、双月の派手な炎の扱いに対し、兎崎は地味だが炎の微妙な温度差までも操れるのだろう。
細かい部分は違うとはいえ、同じ炎を扱うあの二人は良いコンビになりそうな気がした。
(炎は冬に重宝する能力でいいなぁ…その時期になると金属は冷えるから、持ちたくねぇし…)

>38
次は2年の橘皐月が自己紹介を始めたようだ。…なんか、元気が無いような気がするが、これが地なのだろうか?
橘は一円玉を取り出した。(硬貨…?まさか、俺と能力が被ってるのか。かわいそうに…)と一瞬で思考したが、違かった。
硬貨が放物線を描いて飛ぶまでは一緒だった。だが、そこからが全く違っていた。
急激な動きの変化を見せて床に叩き落ちる一円玉。そして橘本人も床に叩きつけられる。
重力変化…そう、それが彼女の能力なのであった。
今まで見てきた能力の中では俺の能力と最も愛称が良いと思われる能力であった。

>39
>「ぼくは1-4のあか……荒牧京介。能力は――」
(…一瞬、口篭ったな…緊張しているようには見えないが、どうしたんだ?)
今のメンバーの中では警戒すべき相手ナンバー1に輝いているのが荒牧と名乗った人物だ。
…奴からは見覚えのある能力を見せられた。…そう、兎崎と全く同じ能力であった。
少し慌てたように荒牧は火を消し、ポケットから何かを取り出そうとしていた。
…そして、奴が見せた能力…それは俺と同じく10円玉…つまり硬貨を操る能力であった。
形状変化の後に消滅…そう、俺の能力と同じ動作をして硬貨が消え去ったのである。
>「――と、まあこんなもんですね。詳細が聞きたいなら後日お願いします」
(ちょっと待てコラ!!…まるっきり俺の能力と同じじゃねーか!!)
声に出そうだったが、そこは堪えた。それと同時に奴の能力について考え始めた。
奴に能力を詳しく聞くという方法もあるが、今までの行動から考えると誤魔化される可能性が大きい。

48 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/18 23:28:16
まず浮かび上がったのが、奴が「見た事のある他人の能力を自分の物にできる」という能力者だ。
そうだとすればかなり厄介だが、それは違うという事にすぐに気づいた。
…まず、奴が10円玉を転がした時に異変を感じた。自慢じゃないが俺はお金の事を知り尽くしているつもりだ。
俺が転がした10円玉と奴が転がした10円玉それには決定的な違いがあった。…その決定的な違いは『音』だ。
もちろん、俺は長屋のように音に詳しい訳ではない。…しかし、奴の転がした10円は『音』が全く発生していなかった。
他の人間には聞き分けられないような小さい音だったとしても、俺にとってはほぼ毎日聞いている音だ。聞き逃すわけが無い。
…それが発生しない。ならばどうなる?…答えは一つ、「見えているが実際には存在しない10円玉」である。
(これが正解かどうかの確信が持てないな…墓穴を掘ることを願うぜ荒牧よ。)
もはや、俺の注意は荒牧と名乗る男子生徒にのみに集中していた。

>43-45
黒谷は、俺の能力長所と短所…というか損な部分を存分に語ってくれた。
自分の口で言うと情けないので黙っていたが、それを言ってくれると気分が良い。
ついでに、リーダー格の男として認識されたらしい。…俺はそんなに立派な人格じゃないが、とりあえず嬉しい。
>「改めてよろしくおねがいしますね先輩。」
「ああ、こちらこそ改めてよろしくな黒谷。それにみんな」
なんとなく照れくさかったが、今度は嘘偽り無い素直な気持ちで言えた気がする。

>46
鹿島と名乗った男子生徒。彼は自分は能力者では無いと言う…それは本当なのだろうか?
一般の学生に特殊能力を持った生徒の存在を知られる訳にはいかないだろう、
組織への勧誘の手紙を差し出す時にも細心の注意があったはずだ。
…そんな事を考えていると、鹿島が急に床へ突っ伏してしまった。
「…って、おい!大丈夫かよ?」
急な事態に、慌てて近寄ると鹿島は気絶していた。…先程までは元気なようだったが、彼の身に何が起きたのだろうか?
(何かの病気かも知れねえし、とりあえず保健室だ。…開いてるかな?)
倒れこんだ鹿島を背負い、部室の皆に呼びかける。
「俺は今からコイツを保健室に連れてくよ。まだ組織の人物は来なさそうだしな。」
そう言い残して部室から出てゆく、外は不気味な森だが、道なりに行けばすぐに知った道に出る。

―――十数分後、俺は保健室に着いた。保健室には担当の先生がいたので鹿島をベットに降ろして事情を話した。
もちろん、能力者の集まりの事は話さなかった。無闇に話す内容でもないだろう。
大体の事を話し終え、俺は保健室(先生の話によると本当は医務室らしい)から出て行く。
(…それにしても変だよな、能力者じゃない奴が呼ばれる訳ないんだけどなぁ…)

【現在の残金 3768円】

49 :白衣の教師:05/08/19 01:26:34
その部屋の外から足音が聞こえ、そして扉が開く。
そこにいるのは…科学者風味の白衣の男。少なくとも今まで一度も見たことが無いはずだ。
そのまま前置きも何もほとんど無しに説明を始める。
(数名来ていないみたいだな。しかし…彼らには別の方法で接触すればいいだろう。)
「早速で悪いが話を始める。…皆の中には既に何らかの被害に遭いかけた者もいるかもしれないし、
 理解もしている者もいるだろう。今の時世では、私達の持つ力を欲しがるあまり、
 強硬な手段で行動に出る者は少なくない。そして、こうやって呼び出した時点でわかると思うが、
 能力者の素質がある者を見つける技術は既に確立されている。そういった人間を狙う人間が
 そういう技術を持っていない保証はどこにもない。それ以外の方法で発見される可能性もある。

 そして発見されたが最後、連中は単独では対抗が困難な手段と人数で拉致を企て実行に移す。
 対抗するには能力者同士があらゆる面で協力する…以外に無い。」
言葉を止めると周囲を見回す。

「今日、こうして呼んだのは今述べた通りの理由だ。
 疑いをもたれるかもしれないがそこに嘘偽りはない。
 皆が互いに緊急時に連絡を受けられるようにしておく事と
 互いに助けあう形で一般人らを極力巻き込まず、皆や学園の安全を
 守る為に協力してくれる事を守る事。これを守るだけで
 自分の身の安全を守れる可能性は格段に上がるだろう。」
そしてまた周囲を見回して、一言加える。
「…協力をするか独自の道を行くかは君達次第だ。ただ…理由はどうあれ
 一度入ってから敵に情報を流すなどして裏切った者に対しては
 ここに居る人間以外が動く事もある。それは覚えておいて欲しい。

 ここに来た君達のうち少なくない者には参加の意思があると思われるが…
 私としても確認をしたい。協力の意思がある者は出来ればこの場で言って欲しい。」


50 :兎崎 真希奈 ◆jfwNGc7sXw :05/08/19 03:42:36

>38
恐らく今ここにいる中でもっとも不審な人物であろう二人の男子生徒に気を取られている隙に、
背の低い巨乳女子が自己紹介を始める。
(あ…素で忘れてた…)
気を悪くしていなければいいのだが、と真希奈は思ったが、橘皐月と名乗った当の女子生徒のほうは
ひどく飄々として気にした様子はない。もっともあくまで「そう見えるだけ」なのだが。能力は重力の操作。
財布から取り出した一円玉を放り投げる。物理法則に従って放物線を描いていた硬貨は、
ある一点で突如X軸方向への運動をやめ、床に叩きつけられた。それを拾おうとした皐月も同様に床にすごい勢いで倒れこむ。
一円玉を拾いながら起き上がった。まったく動じていない。
(いや…大丈夫?)

>39-40
いよいよ先ほど「少なくとも一人は敵だ」という発言で場を静かに沸かせた生徒がの番だ。
>「ぼくは1-4のあか……荒牧京介。能力は――」
そこで言いよどんだ。それなりに緊張の色が見えるが、ここまでの言動を見る限りこの程度でとちったりするようには思えない。
もっともつぶさに観察していたわけではないのだから確かなことは言えないのだが。
>「の、能力はこちらも実際見てもらうとわかると思うので、実演してみよう」
取って付けたように言い、手をかざす。その指先には先ほど真希奈が出したものと同じ、それぞれわずかに色あいの違う小さな火。
真希奈は目を眇めてじぃっとそれを見た。荒牧は続いてポケットに手を突っ込み、抜き様に何かを投げる。10円玉だ。
それは見る間に大きくなり、そしてチリになって消えた。
(…ふん、幻覚を見せる能力ね)
もといた窓際に戻っていく荒牧の背を見ながら真希奈は考えた。根拠は簡単。彼が火をともした際に、陽炎が起きなかったのだ。
熱せられた空気は屈光率が変わる。それだけなら「熱のない炎」などというものを発生させる能力とも取れたが、
その後の10円玉のことはそれでは説明が付かない。さて、幻覚の能力となると、今この場にいる彼の姿も偽物という可能性がある。
向こうはこちらの顔と大体の能力を見知っている。こちらは向こうの顔はわからない。
あまり好ましい状況ではないがさりとて今ここでどうこうできそうにもない。
>「・・・面白い能力ね。」
あゆみが荒牧に話しかけている。彼女も「手品の種」に気づいているのだろうか。

>46>48
さて、最後に残った一人。何度もつかえながらクラスと名前を言った。ついで、自分は能力者ではないと言い放つ。
これだけの数の能力者に招集をかけた学校側が、能力者でない一般生徒を紛れ込ませるような不手際をするだろうか。
鹿島と名乗ったその生徒は赤面しきっており、手も震えている。典型的な緊張症だ。
ドアに向き直ると、真希奈に頭を下げ、ノブに手をかける。ポケットに手を突っ込み、そこで糸が切れたように床に崩れ落ちた。
倒れ掛かってきた体を思わずよける。そばに屈みこんで様子を見る。緊張が過ぎての失神だろうか。
朝吹が大股に歩み寄って鹿島を抱き起こし、背負った。
>「俺は今からコイツを保健室に連れてくよ。まだ組織の人物は来なさそうだしな。」
そう言い残して部室を出ようとする。真希奈はドアを開け、押さえていた。朝吹はそれを潜って校舎へ向かった。

>49
朝吹が部屋を出てから数分。地面を踏みしめる音が近づいてきた。ドアが開かれる。
「おかえんなさい。早…」
しかし入ってきたのは朝吹ではなく、白衣を着込んだ男性だった。ここに来る、ということは学校関係者のはずだが、
真希奈の記憶にはまったく存在していない人物だ。白衣の男は自分が誰であるとかの前置きは一切なしで話し始める。
能力者を判別する技術、能力者を狙う勢力、対抗する手段…。
能力がらみでトラブルに巻き込まれた経験は皆無の真希奈だが、大事であることは十分すぎるほど理解できた。
>「協力の意思がある者は出来ればこの場で言って欲しい」
話の最後をそう締めくくった教師に対し、真希奈は挙手で応える。
「えー、まぁ断る理由もないんで協力するのは構わないんですけど…そもそも先生誰?」
ふくろうの様に首をかしげて、白衣の男の顔を覗き込んだ。

51 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/19 07:55:00
>37
栄儚のすぐ後に自己紹介をしたのは兎崎真希奈と名乗った女子生徒。
彼女の能力は発火。栄儚と同じ炎の属性だったが性質は似て非なるもの。
真希奈はその炎を人差し指から小指に掛けて灯している。
(微妙に温度が違う…それに何より…複数同時発火が可能って事ね…)

>38
続けて、紫髪の背の低い少女。名前は橘皐月と名乗った。
彼女が見せたのは重力変化。今見せたものは重力を増幅させたみたいだが、
最初の説明からしてその逆も可能なのだろう。
(それにしても…派手に叩きつけられたみたいだけど…大丈夫なの?)
そんな心配をよそに、彼女は普通に立ち上がる。

>39
今のところ最も警戒すべき相手、予想では最後まで黙っているものかと思ったが…
オタク風の男は荒牧京介と名乗った。
(偽名…ね…)
もし敵であるならばこのような場所に乗り込んできて本名を明かすとは考えにくい。
加えて一瞬言葉をつかえさせたのが決定打となった。
注目の彼の能力は…一見すると先程他の者が見せたものと同じもの。
(今見せたものはいずれも…偽りの能力…)
最初の炎を出した時点では確信を持てなかったが、二度目に見せた能力からそう見抜く。
それは朝吹聖が感じた異変と同じ理由、そして栄儚の能力に関する観点からだった。
前者はつまり、10円玉が床に落ちたときに音がしなかったということ。
比較的彼に近い位置にいる栄儚にはその音が聞こえなければならないはずだった。
後者、つまり栄儚の能力観。まったく性質が異なる二つの能力を操ることの不自然さを感じる。
栄儚の能力も、バリエーションこそ多数存在するが全ては炎という共通点がある。
そして、全体的に見れば能力者は一般人に比べて数が物凄く少ないはず。
そんな中で他人と全く同じ、重複した能力を持つことがありえるのだろうか?
現に栄儚と真希奈の能力。共通点は属性だけで似て非なるものだった。
ならばこの荒牧と名乗った男の能力は…
(そう、幻…)
その結論に辿り着く。それは猜疑心を一層深まらせる結果になった。

>44
鴉の独り言。賞賛されているようにも、見抜かれているようにも感じる。
>「一度絡まった疑心暗鬼なんてなかなか取れないからね。」
(少なくとも貴方に対しては)
言おうとしたがやめた。他の者を疑っていることが明らかになってしまう。
その後、栄儚の能力を評定しての言葉。的を射ている…とは言い難いがハズレでもない。
ことスポーツや格闘技に関しては見るのも参加するのも大好きだ。
>「ん。勇敢な容姿だ。…。かっこいいな。」
>「よ。いいよ。」
言葉通りに受け取った栄儚は少し照れた笑みを鴉に向ける。
「うん、ありがと」
ありがちな言葉だがそれ以外に浮かばなかった。

52 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/19 07:55:22
>46>48
童顔の男子生徒はどもりながら鹿島と名乗った。極度の上がり症かとも思える。
そして自分が能力者ではないと言う。では何故この場所に呼ばれたのか。
そう問いかけようと思ったがあの状態ではまともな返答が返ってくるはずもない。
何より本人がそれを知らないようだから。
彼はドアに寄りながらポケットの中の何かを気にしているのが見えた。
その後間もなく倒れこむ。朝吹は真っ先に駆け寄り、彼を背負う。
>「俺は今からコイツを保健室に連れてくよ。まだ組織の人物は来なさそうだしな。」
そう言うと朝吹は部屋を後にした。栄儚は自分も同行しようと思ったが、
今は目を離せない相手がいることを再確認する。そう、荒牧と名乗った男だ。

>49>50
部屋に入ってきたのは今までに見たこともない白衣を着た男。
その言葉から少なくともこの男は学園の敵ではないことを思わせる。
能力者を判別する技術の存在、敵対組織への対抗策。知らなければ不利になるような事を
わざわざ洩らすはずがない。言葉通りに受け取ってもよいと考える。
>「協力の意思がある者は出来ればこの場で言って欲しい。」
一通り説明した後の一言。断る理由もないがここで表明しても良いのかどうか。
(身の安全を考えるならここでは同意した方が賢明よね)
荒牧と名乗った男との関連も考えるが、彼は最初からここに集まった者を敵と見ているはず。
ならばここで参加表明をしてもそれは自然な流れであると言えるだろう。
警戒心を煽る事はないだろうと考える。
>「えー、まぁ断る理由もないんで協力するのは構わないんですけど…そもそも先生誰?」
栄儚が協力する意思を示そうとしたところでこの一言。自分も気になっていた事だった。
「あたしも、別に構わないわよ」
そう答えて、協力する意思を見せる。

53 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/19 13:56:04
どうやら、無事修羅場をくぐり抜けたようだ。

>40
>「・・・面白い能力ね。」
「あ…あぁ。ありがとう――」
第3波直撃。話し掛けられ振り向いた瞬間、彼女の笑顔が反則的に脳天を揺さぶる。
再び加速する鼓動。みるみるうちに体温が上昇していき、心臓に落ち着くように言い聞かせながら蹲る。
張り詰めた雰囲気の中、見知らぬ人たちから注目されながらの自己紹介。
緊張してあがっちゃった状態の後にその微笑みは核弾頭に匹敵する…。
言うならば、吊り橋を渡りながら異性を見ると本来ならば恐怖で心臓がドキドキいっているのに恋と勘違いする
所謂、吊り橋効果と深層心理が一緒のような気がする。いや違うか。

>45
>「よろしく。」
「――よろしくお願いします。先輩」
顔を上げ一応は挨拶を返しておくが、すぐに顔を下に伏せて静かなる瞑想を続ける。

>46
何かが倒れるような音とともに、辺りが少し騒がしくなる。
見てみるとまだ紹介がない人物が倒れこんだようだ。彼は校長のクソ長い朝礼でぶっ倒れるタイプだな…。
ってか、どっかでも見たことあるような。中学二年くらいで一緒のクラスだったような気がする。
――まっいいか。どうせ忘れるくらいのことだし。

>48
朝吹先輩が気を失っている彼を背負うと、保健室まで運んでいこうとする。
ほう。まだ出会って間もない人間を自ら率先して運ぶとは…しかも慌てることなく、冷静さを保っている。
そこらの常人じゃおいそれとできるもんじゃねぇ。あの野郎なかなかやりやがる。

>49
外から足音が聞こえ扉が開き、白衣に身を包んだ男が現れる。
俺くらいのレベルになれば多少の怪しさでは全然動じない。
この学園内で俺を驚かせられる奴はそうザラにはいねぇ…四天王の赤シャツのローゼフを別にすればな。
こないだのダースベイダーで自転車通学はさすがの俺もつっこんじまった。まったく恐ろしい男よ。
男は何の前振りもなく説明を始め、能力を狙う敵の存在に対抗するため、皆で協力して欲しいということ。

>50>52
>「えー、まぁ断る理由もないんで協力するのは構わないんですけど…そもそも先生誰?」
>「あたしも、別に構わないわよ」
これで賛成票が二つ。
「ぼくも拒否する理由もないし、賛成だ。自体はぼくが思っているよりも緊迫しているようだからな。
こんな面白い状況をみすみす逃が……皆が一つにまとまろうとしているときに、協力できない奴は男じゃない」
少し本心がでてしまったが、別に問題はないだろう。

54 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/08/19 17:12:38
始業式が終わり、寮の部屋に帰ってきた僕は読みかけの本を読むことに没頭していた。
読んでいる本はいわゆるライトノベルという奴だ。
作者が作り出した実際には有り得ない世界。その世界で紡がれる物語は当たり外れがあるものの、なかなか面白い。
そして、この学校でも一部の人間はそんな世界に足を突っ込んでいる。僕もその一人だ。

一冊を読み終わり、部屋に届けられていた手紙にもう一度目を通す。
組織への勧誘などされても入る気はこれっぽっちもない。他人のために働くことなど馬鹿馬鹿しいとすら思っている。
報酬によっては考えないでもないが、ボランティアだというのなら願い下げだ。
だが僕以外に能力を持つ者が集められているのであれば、その姿と能力の断片を知るのは有益。
僕は僕のためにこの能力を使うと決めている。可能性としてはこれに呼ばれた連中と敵対することも有り得るのだ。
もう大分時間はすぎているが、まだ間に合うだろう。本を本棚にしまい、僕は部屋を後にした。


集合場所は森の奥。着いた時にはやはりもう人が中に居た。気配からすると複数だろう。部室から声が漏れている。
それなりの人数を集めたのなら、敵対した時には一人で相手は出来ないな……
より良い条件の他の組織が存在すれば、それに入ることも念頭に入れておいた方が良さそうだ。

ドアに手をかけ、申し訳なさそうに開ける。普段から本心を隠すために使っている顔を張り付けながら。
普通ならば気の弱そうな男に見てくれることだろう。そう、普通ならば。
「すいません、遅刻しました…」
心底申し訳なさそうな声音を出しながら、俯きがちに頭を下げる。
まだだ。まだここにいる人間の観察はしなくてもいい。話が終わればその時に観察に移れる。
今不信感を抱かれれば後々やりにくくなる。今は出来る限り自然な仕草を。

55 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/19 21:20:31
>46>47
自分は能力者ではないと口走り、出て行く途中で倒れた刳夢。
そして、それを抱えて出て行った聖を見送って考えを巡らせていた。
自己紹介でわかった事は各人の名前と能力、そして学年とクラスだ。
各学年二桁以上クラスがある巨大学園において、全員が1〜4までのクラスに割り振られている。
そして殆どが同じクラスでなく、同じクラスであっても二人まで。
これはクラスを近くする事によって能力者の管理をしやすくし、更に同じクラスにしないことによって例え能力者の身に
何かがあろうとクラスで一人二人欠席する程度ならさして目立つこともない。
そういった配慮からだろう。
そこまで細かい芸ができるにも拘らず、集まった10人のうち1人。つまり10%の確率の人違いを起こすだろうか?
能力者の存在自体おそらく一桁の%であろうに、だ。
これだけの事が出来るのなら人違いなど1%以下でも怪しいものだ・・

>49
思考を整理していると突然白衣の男が入ってきて、能力者について説明をしだした。
その説明を黙って聞くが、それを見つめる目は冷ややかなものだ。
この男が手紙の差出人側の人間である事は間違いない。が・・・結局その説明で得られた事は手紙から推測された事を
確認する程度のことでしかなかった。
だが、その中で
>能力者の素質がある者を見つける技術は既に確立している。
と言う言葉。
つまり集められた人間は間違いなく能力者だということだ。手紙の差し出し間違いの確率が限りなく低い以上、刳夢が能
力を隠している・・・となるが、あの言葉と行動は演技とは思えない・・・
ならば一番高い確率のものは刳夢は能力者と判別されているが、刳夢自身その自覚がない、となる。
これで一つ疑問が解消され、次の言葉に取り掛かり、分析していった。

そうこうしていると、真希奈・栄儚・焚音の三人が賛同の声を上げる。
自分で推理して、協力の必要性を皆に促したのでその賛成自体には尤もだと思うが、自分も賛成するにはまだ知っておく
べき点は多かった。
協力の必要性と組織加入とはまた別問題だ。
それにしても焚音などはここぞとばかりに積極的に協力に手を上げている。
敵が一人いる。とかいった発言はなんだったのか・・・これではまるでこの組織のサクラのようにしか見えない。
そんな三人を見て小さくため息をつき、口を開いた。
「ちょっと・・・いいでしょうか?」
前置きを一つ入れ、微笑を絶やさず少し首をかしげながら穏やかでよく通る声で続ける。
「一昔前のカルト宗教みたいな手口であっけにとられちゃったのですけど・・・具体性のない不安で煽ってろくな組織説明も
なく勧誘するのはいかがのものでしょうか・・・?しかも一度入ったら出る事が出来ないようなおまけ付きで・・・
ここにいる人間で協力して、と仰いましたけど、協力はしないけど制裁を加える人間はまだ他にいるとも取れるようなことも
仰いましたよねえ?
組織の性質上情報全て出す事は難しいでしょうけど、協力と信頼を求める割には提供する情報が少なすぎるのではありま
せんか?
具体的に貴方方や敵の存在や目的程度知らせていただかないで判断しろと言うのも無体なことです。
その点で言えば『この中の一人は敵だ』と具体的に示してくれた荒牧君の方が信憑性があるというものですよ。」
表情も口調も変わっていない、がその声色はいつの間にか随分とつめたい印象を与えるものに変わっている事に気付くだ
ろう。その表情まで冷たく感じるほどに。
そして最後の台詞と共に焚音に冷たい流し目を送った。
焚音の言葉に信憑性など欠片も感じていない。だが、その上で白衣の男と焚音に牽制をしたのだ。

56 :萩原 楊 ◆KaXfCMH/Uk :05/08/19 22:44:43
>46>47-48
(…能力者じゃ、ない?)
こんな大層な呼び出しを仕掛けておいて、間違えるような…そんなちっぽけなミスを、果たしてするだろうか?
答えは、No、だ。こんなケアレスミス、あるとは思いがたい。確認ぐらいはすることは間違いないだろう。
(となると…自分が能力者であることに気づいていない?)
だがそれも少し考えがたい。能力者とは運動神経が常人より遙かに優れている。気づかない、とはどうにも。
考えられるのは、意図的に隠しているという可能性。そのことを言及するべきか考えていた時、不意に…倒れた。
驚き、慌てて立ち上がるも、さっき金を操る能力だと言っていた…朝吹先輩だったか?が、すぐに彼を保健室に連れていった。
少し手際が良すぎる気もしたが、きっと慣れているのだろう。気にも止めず、とりあえず倒れた一年坊を心配しながら。

>49
先輩が出て行ってから少し。またもドアが開いた。保健室に行って帰って来るには些か早すぎるので、能力者だろう…。
と思ったら、入ってきたのは白衣の男。少なくとも、生徒のようには見えない。となると。
(…こいつが、召集人か)
入ってくるなり口を開いたのでとりあえずはその言動を聞いている。どうやら、間違いないようだ。
(参加するかしないか…どうせ平凡な人生は送れないのだから、自衛のためにも…)
そうも考えたが、打ち消す。やはりそれでも平凡に生きたい。参加するのは即ち、非日常へと自ずから踏み入れることになる。
(こんなとこに来てること自体、矛盾するんだけどな)
楊はふっ、と小さく自嘲すると、ドアに向け歩き出す。賛成している声が聞こえたが、楊にはもう、関係ない。
と、思っていたのに。

>54
出ていこうとドアに手をかけようとした瞬間、突然ドアが開く。当然、無防備だった楊の顔面にクリーンヒット。
どうやら遅刻してきた、召集された能力者らしい。こんなタイミングで現れなくてもいいのに。
どうやら、楊に痛恨の一撃を食らわせたことにすら気づいていなさそうだ。だが楊は顔を押さえ、うずくまっている。
(いつから俺は三枚目ポジションになったんだ…)
自分の境遇がかなり悲しい。あまりにも恥ずかしいが、逆に出て行きづらい。
とりあえず、何事もなかったかのように元の場所に戻り、座る。
(…仕方ない。なんだか吹っ切れた。乗りかかった船だ、参加してしまおう。もうどうにでもなれ、だ)
人は、それをやけくそと呼ぶ。

57 :◆zgfzJu5h4E :05/08/20 12:58:30
>39>40
何故か名前で口篭もったり、能力も異質な二つを組み合わせていたり。
明らかに変だと思った。しかし深く突っ込む気にもならなかった。
(変…だけど…多分誰かが…。)
その彼に「面白い能力ね」と声をかけていた。
普通の意味にも取れるが、何か別の意味があるように

>46
人違いじゃないか?と言う趣旨の発言をし、部屋から出ようとしてドアの前に倒れたのが見えた。
「大丈夫…?」
駆け寄ろうと思ったが別の一人が先にかけより保健室に運んでいってしまったので見送る事にした。
人違いかどうかはよくわからなかったので深くは考えずに何となく人違いなんだな…。とそのまま判断した。

>49
教師が入ってきて、説明不足な説明をする。しかし何れにしても受けるしかないと思った。
言葉の通りなら受けて損はない。言葉の通りでないのなら断った所で学園内の
複数の人間に狙われる可能性がある。ならば参加した方が良い。と判断した。
それに説明不足はまわりが指摘している。きっと説明はもらえるだろう。
「協力は構いませんけど…。」
言ってから状況の推移を見守る。

58 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/20 13:21:29
>54>56
荻原だったか萩原だったか山田だったから忘れたが…
二年の先輩が興味を無くしたのか、ドアに手をかけ出て行こうとする。
>「すいません、遅刻しました…」
――と、いきなりドアが開き、先輩の頭にジャストミートした。
何この面白い展開。この二人コンビ組んだら売れるんじゃねぇか?
「えーと…荻原先輩?ナイスです」
勇者に向けて親指を立ててグッドサインを送る。

>55
>「ちょっと・・・いいでしょうか?」
俺が賛成を表明して間もないとき、 待ったをかける長屋先輩。
宗教を具体例にあげ、納得がいく説明と情報提供を求める声明を出した。
言い終わると、明らかにこちらを意識して流し目を向けてくる。
鋭い顔は冷たく向けられた瞬間に息がつまり、脂汗が一筋流れる。
こいつ…気付いたか?なんにしても俺に説明しろと言っているらしい。
「敵といっても色々ある。まずは加神製薬、結構有名だからみんなも知っているだろう。
ついこの間も不祥事でニ、三人ほど逮捕されたが、裏でしたことの隠蔽工作だとも囁かれている。
麻薬、ドーピング、人身売買、その他なんでもありの組織で一番注意したほうがいい敵だね。
次に謳歌研究所、これはその手の者たちには有名で未確認生物やらを研究してて、
怪しいがあまり危険ではない組織だな。
――ある一部分を除けばね。
一人の能力者がどういうわけか、独断でチームを結成して色々をヤバイことをしでかしてる。
研究所の代表者はこれを黙認し何事もないように対応しているが、キッチリと資金提供をしている。
このことから研究所ぐるみの組織と考えたほうがいいだろう。
後は、絡んでくるかもわからない少数のマフィアとかヤクザやらだね。たぶん一番無害だ」
言い終えると、一息つくように深呼吸を一回。
さて、そろそろネタをばらしてしまってもかまわないが…果たしてこの中でどれだけ気付いているのか。
「それで、君たちはどこまで気付いてるかな?たとえばぼくの能力の秘密とか。当てられたら特別に見せてあげるよ」
挑発するように意地悪くにやつき、足を組んで回答者たちの答えを待つ。
特に物事の奥底を見据えるかのように観察する長屋あゆみ先輩。
彼女はどんな答えをしてくれるのだろうか――。

59 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/20 14:51:16
薄暗い森を歩き、再び部室に入ろうとドアに手を掛けると聞き覚えの無い声が聞こえた。
おそらく、組織の人物が来たのだろう。学校の教師が説明してくれると思っていたので少し意外だった。
(…っていうか、来るタイミングが悪りぃよ。なんで俺が出て行った直後に来るんだアイツ)
巨大な学校なので自分の知らない先生という可能性もあるので、そうとは限らないが。
(…まあ、様子見しといたほうがいいよな。)
中には入らず、その場で状況を見きわめるように勤める。ここからなら、周りの動向も掴みやすいからだ。
声が聞こえやすいように窓の近くへ進む。

話の内容的には、「みんなで協力して自分と仲間の身を守ろう」って事らしい。
(まあ、言うことは簡単だけどなぁ…)
正直、あまり信用できないのが今の俺の気持ちだった。

>58

そんな事を考えていると、中から興味を引かれる話が飛び込んできた。
>「それで、君たちはどこまで気付いてるかな?たとえばぼくの能力の秘密とか。当てられたら特別に見せてあげるよ」
(………追い詰められて正常な考えも出来なくなったのか?)
わざわざ自分が疑われる…っていうか怪しい人物だと自供するのは、あまり有効な手立てとは思えない。
…左手に100円玉を握り締める。奴が逃げようとしたらコレで出入り口を塞ぐつもりだ。

「なあ、荒牧」
外から部室の窓に肘を掛けて話しかける。この位置にいるのは荒牧が窓から逃げるのを防ぐ意味もある。
と言っても、窓の近くには他の生徒もいるのであまり意味が無い気もする。
「…お前、かなりイカしたリュックを背負ってるな。良かったら俺に触らせてくれないか?」
勿論ふざけて言ってる訳では無い。奴の姿自体が幻で作られたものならばリュックを手渡す事は出来ないだろう。
それが違ったとしても、リュックの中には奴の本当の名前が書き込まれているものが入っているはずだ。
荒牧という名は本当かもしれないが、奴には不確定要素が多すぎる。確かめる必要はある。

「…ついでに、先生、あなたにも聞きたいことがあるんですが」
科学者風の男に話し掛ける。『先生』と言ったのは、彼をどう呼んでいいか分からないからである。
「さっき、鹿島 刳夢っていう1年の男子生徒がいたんですけど、彼は『自分は能力者じゃない』って言ってました。
 彼の話が本当ならば、能力者ではない生徒が我々に関わってしまったという事ですよね?
 そんな簡単に誤報をしてしまう所に協力したくないんですけど、どうして能力者じゃない人に手紙を渡したんですか?
 理由を聞かせてください。返答次第では俺は協力しませんから。…ちなみに、鹿島は貧血だかで倒れて、今は保健室で寝てます。」

60 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/08/20 17:10:37
>56
ドアを開けると鈍い音がした。文字で表すならガッ、もしくはゴッといった感じだろうか。
どうやら開けたドアが何者かに命中したらしい。マヌケな奴だ。
しかしそれと同時に良くもこう漫画的な体験ができるものだと感心してしまう。
勿論、顔や仕草にはそんなことはおくびにも出さないが。
ここは謝っておくべきだろう。あちらのミスなのだから限りなく不愉快だが。
「あ、すいません……大丈夫ですか?」
そのまま頭を打って気絶でもしていればよかったんだがな。
そうすればこっちは少し気がはれただろうに。
心の中で他人を貶めながらヘコヘコ謝るのは得意中の得意だ。我ながら矮小なことだが。

相手は何事もなかったかのように移動し、座った。
うずくまっていたのを見られたというのに、やせ我慢は見苦しい。
いっそのこと騒ぎながら床で転がれ。他人がそれを眺めて楽しむくらいには使えるだろう。

>55>58
何やら僕が来るまでに一悶着あったらしい。大方和を乱すような不用意な発言をしたのが居たのだろう。
いちいちそんな真似をして何のメリットがあるのか知らないが、利益が計算出来ない馬鹿と判断しても良さそうだ。
そしてその大本命は……偉そうに当てられたら能力を教えてやるとふんぞり返っている奴だな。

やれやれ、こんな奴らがいるのなら入る気などあろうが失せるというもの。
三流コメディアンに無駄に偉そうなオタクだけでも拒否反応が起こりそうだ。
ま、来たばかりの僕がそのヒントなど知ろうはずもないから他に任せるとしよう。
特にあの冷たい目つきをしている女には期待できそうじゃないか。
恐らくここに入る前に断片的に声が聞こえたが、それはあの女だろう。

>59
次は窓からだ。その男の少々敵意が混じっている気がする態度から推測すると、やはりあの偉そうなのが
この素敵な雰囲気を広げてくれたらしい。こんな雰囲気が好きなのかあいつは。悪趣味にも程があるという
ものじゃないか?それにこれじゃ、弱気という仮面を付けている僕がオドオドするフリをしなきゃならない。
余計なことをしてくれる奴だ。

そして誤報をするような組織に協力したくないというのには同感だな。
ただしあれをイカしたリュックだと本気で思っているなら、そのセンスには付いていけないが。

雰囲気に萎縮したようにあたりを見回す。もちろんフリだ。
何か言いたげに口を開いたり閉じたりもしてやる。クソ、こんな馬鹿面二度とするか。

61 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/21 00:35:58
>54>56
質問をし終えた後、返答を待っていると部室のドアが開き波原 賢が入ってくる。
丁度出ようとしていた萩原 楊が開いた扉にぶつかり大きな音をたてたので少し驚いてしまった。
集中している余り、突然の大きな音に過剰に反応してしまったのだ。
新しく入ってきた人物は随分と腰が低いようで、申し訳なさそうに謝っている。
そんな波原 賢を他所に萩原 楊は出るのをやめ、参加の意思表示をするかのように元の位置に戻る。
その他にも次々に協力の意思表明をする者が出る。

>57
そうしていると、白衣の男に代わり赤石 焚音が能力者に害を与える組織を説明しだした。
そして説明し終えると、次は皆にどこまで気付いているのかと問いを投げかけてくる。
挑発をするようににやつく表情や、足を組んで待つその余裕が妙に滑稽なものに見えてしまう。
そんな態度に対し、長屋あゆみは怒りも哀れみも感じなかった。ただただ、勿体無いと思ったのだ。
>「特別に見せてあげる。」
先程放った超音波のソナー効果で、赤石 焚音の本当の姿を聴い(見)ているのでわかることなのだが、台詞を素直に
聞けば能力を見せる、と言う意味だろうが既に能力を見せ続けているのだ。
故に特別に見せるのは能力ではなく素顔でも見せる、と言うことなのだろう。
能力のソナー的活用法まで明かすつもりはないので指摘するつもりはないのだが・・・
多少の言葉遊びはできるようだが、評価できるのはその点だけであった。

敵対組織については白衣の男に対して質問したのであって、赤石 焚音には先程言ったこの中に敵が一人いる、と言う
発言についてだ。
それなのに赤石 焚音は白衣の男に対しての質問に答えている。
つまりこれは赤石 焚音が白衣の男と情報を共有している、ということ。イコールサクラであったということだ。
学校の情報力を考慮に入れ高く評価し、赤石 焚音を敵になる当人と思っていたのだが、修正を加えることになった。
白衣の男が所属するであろう手紙の差出し人の学校側が集められた者に敵意がないということを示す為、あっさり秘密
を明かしている、とも考えられるが、それにしてもやり方が雑過ぎる。
長屋あゆみの中で学校への評価が一つ下がる。

>59
>「…お前、かなりイカしたリュックを背負ってるな。良かったら俺に触らせてくれないか?」
どう切り出そうかと思っていると、朝吹 聖が窓から顔を出して声をかけている。
偶然なのかわかって言っているのかは判らないがなかなかいい質問だ・・・
さて・・・こちらはどうしようか・・・
敵対組織については赤石 焚音から答えが出たからいいだろう。白衣の男から肯定意見が出れば確定だが、サクラと判
断しているのでそれを待つまでもない。
では、答えるのは赤石 焚音の能力について・・・
リュックを渡すように言われている赤石 焚音に助け舟を渡すような形になるかも知れないが・・・

***チャリン、コロコロコロコロ・・・パタ・・・***
突然お金が落ち、転がる音が小さくなる。先程赤石 焚音が能力披露した時にするべきだった音だ。
どれだけの人間が気付いたかは判らないが、少なくとも当の赤石 焚音には聞こえただろう。
もちろん長屋 あゆみが能力によって発生させた音だが、その事は口に出さない。
これだけでも既に答えとなっているが、あえて冷たい微笑を浮かべ赤石 焚音を見据えながら話し始める。
「荒牧君。あなたの能力は素晴らしいものだわ。でも、本来見せろと言われて効果的に見せられるものではないはず。
人の心理の虚をつき、虚実を織り交ぜてはじめて絶大な効果を表すの・・・
あなたにはそれができていない。さっきも拳に棘を生やす程度の事で済ませていればよかったのよ。
相手の心理を読み、微細な注意をはらい、咄嗟の機転が効かないのであれば宝の持ち腐れね。
それができるようになって、私と共にいれば本当に触らなければわからない完成されたものになるわ。」
誰もが牽制しあっている中で、安易に考えた幻など正体をばらすようなもの。
赤石焚音を見遠まわしに未熟者と切って捨てた。
殆ど答えを言っている様な物だが、あえて『幻影』と直接的に答えを言わず、他の人間がどれだけ判っているか反応を
観察することにする。
結論を出すのは黒谷 鴉の分析を見てからにもしたかったが、こちらの分析と然程変わりそうもないので結論を出す。
「まあいいわ。聞きたい事は大体聞けたし、協力体制は必要でしょうから、よろしくね。」
表情を柔和な笑みに戻して先に参加意思表明をした者達に同意の旨を伝えた。

62 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/21 02:59:15
「回りくどく頭を働かせるせいで大分独り言の量が多く自分としても口元の筋肉から疲れがみえる。
全く。自分自身このような意中の境遇は初めてで。おかげで色々と興奮気味な状態になっているな。
少々ペースを抑えたいところだ。」
と言うと手に持つ変えの眼鏡をまたケースから探って新たな眼鏡を取り出し。また何事も無かったように拭いていった。

>46 >48
「鹿島。自分の能力を知らないと言う。これは彼は自分の能力を理解していないとみえる。
こう学校に能力者の人間のみが仕組まれ呼び出されたものであれば彼は能力者でなければならない。
しかし学園もプライバシーを尊重したのかそういった配慮が原因で失敗を起こしてしまったのかもしれない。
ここに呼び出したのも携帯などのそちらを徹底的に知り尽くしたような感を出さない為に
別の生徒に内容が見られてしまうかもしれないという危険を冒してでも全員に手紙という古風な情報伝達手段
をして紳士的配慮があったものでもあるからな。」
鹿島がある程度話すと帰ろうとする。しかし突如意識を失い倒れてしまったようだ。
「…。精神安定の乱れによるアガりが原因か。とすればこういった時で倒れる偶然も少しは納得いく。
まぁこのような人間は始めてみるわけだがな。むう。これも偶然か。
しかし別の意味があるのならば、強いて言えば能力者ばかりの集まりの所為か。
これによって身体的になんらかの反応をして倒れてしまった。ふむ。
こう考えると自分達は電磁波を放つ大型のテレビのようだな。
しかしこうも平然と語っている暇はないな。誰か彼を保健室に連れて行かないと。」
と既に朝吹が鹿島を負ぶさって行ってしまったようだ。
「他人を信用し、かつ思いやりもあり行動に率先する。やはり睨んだとおり頼れるような人だな。
まぁ助けるのに理由なんて要らないなども言ったものだが。」
ブツブツと一つ一つこぼれる声量に気を配りながらも独り言を言い続ける。


63 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/21 03:00:13

>49
部屋から白衣の人物が現われる。入ったかと思うと前置き無しで話を始めた。
「誰だ。二年間生徒会をやっているが、このような人物とは全く面識は無い。
どうやら彼も能力者と言っているようだ。しかし組織というもので密かにやる事など言えば裏社会で生きていくようなものだ。
ふむ。話している内容も特に食いつける事柄は無い。と、言うより話の無いように斑があるようだ。
時点で今決定的な判断を下すのは良くないとみる。ふむ。ならばこちらから言葉を吐かせるように
少々平和ボケたような質問で心理戦に持ち込むとしようか。とりあえずぼろが出るまで徹底して話し込んでも良いが時間が
経ち過ぎても心得が悪化して賛同の余地はないと見なされてしまう。とりあえず一気に質問、返答された上で判断を下そう。」
眼鏡を指で上げてまた整えると立ち上がり。科学者風の男に意見した。
「自分も一応は賛成しますよ。でも幾つかいいですか。
まぁさっきあゆみさんも言ってたみたいに信用できるような判断材料が少ないですね。この時点で説明の概要
のみで語られても前置きとして数年。いや数日前からでも何らかの情報はあってもいいんじゃないかな。
外部に知られたくないのは分かるけど自分達からすれば突然言われても怪しむ事必至だからね。
それにこの学校はその組織の管轄下における場所の中で今いる自分達は籠の鳥状態。
雰囲気的に賛同せざるを得ないような状況。
なんで、こんな場所で一気に同意を求めるような事はしなくともまた日を空けて様子を見たらどうですか。
それも集合場所なんかは各自で決めて。
次ぎに、この部に入った際のその後のことなんだけど。敵なんか状況を考えずにドカドカ来るでしょうね。
そんな時行けないって事があったらどうなるんでしょう。公的な事は勿論。私的な事情もあります。
というか学校の外に出られる機会はあるんでしょうか。そこんとこを知っておきたいですね。
あともう一つ。能力者の素質がある者を見つける技術は既に確立しているって言いましたよね。
一応科学的な分析にのみ基づいた方法か能力者の特有なものによる技術的な方法かどっちか知りたいです。
んで最後。自分と同じ能力者の可能性があるであろう覚えのある人達がここにいないんだけど。皆今何処に居るんですかね。」

>55
「長屋あゆみ。先ほどの能力を使ってでの組織の危険性の皆無さを主張した時からであるが
彼女は常人から見てもかなりの優秀者とみる。それは彼女は他の人間には無い程の冷静な判断を下し、
それをはっきりした意見として主張する優れた知的対応力を持っていると睨んだからだ。
しかし彼女の今の言葉もそうだが。自分の言いたかった事も言っている上にさらに
言いたい事は纏めた上でそれに相当した語で話す。何かとやる事にミスは犯す事のない人柄なのだろう。
こういったタイプはちょっとやそっとの感情の揺さぶらせなどでは全く動じないのだろう。
一言で言うなれば完璧で無垢な分析型の人間。しかし抜け目の無さそうな性格上感情的に冷たさが見える。
判断を委ねるには最有力な人間だが不敵な笑いの後の表情によるの皮肉に近い言動恐らく思惑を想定する限りでは
敵に回したら完膚なきまでに言いのめされるであろう恐ろしい敵となるだろうな。ふむ。
これは一目も二目も置くような存在であるとみる。」
下を向いて眉間に皺を寄せながら小声で喋っていると、一人、遅れて来た生徒が入ってきた。

>54
「遅れて来た人間。ふむ。にしても生徒会の人間。彼らは今どこにいるのだろうか。
このように遅れて来たというならば問題は無い事だが。しかしそういった職種の人間のみが
多数で遅刻などよほど詰まる事情が学校であったのか。
まぁこの可能性が的中するならばそれに関係する自分のみがここにいるというのは皆から退けられているという事だ。
正直それは認めたくない事なのであまり深入りして考えたくはない事だが。
とりあえず。彼の年は恐らく高等部三年生といったところか。
それ以上の確定するような事がらは現段階では予知はできないな。」
すかさず挨拶をする。
「こんにちは。」

64 :黒谷 鴉 ◆1ZaqoXd5Nw :05/08/21 03:00:52
>56
「運というものは非科学的であるが根本的に流れのようなもので左右される傾向がある。
普段当たる事の無い雷に一度当たった人間がさらに何度も当たるというものと同じなようにな。
とりあえずそういった運命に今まさに流されつつある彼に合掌をしておくべきか。」

>58
「赤石の能力。隠すほどであるものだから先ほど皆が紹介したものとはまた別の能力とみる。
そして秘密にしておくほどに重要性を秘めているものだ。そして何者か分からない彼にして
それが鍵になる可能性が大いにある。そうだとしたら何か。推測するなら一種の精神系を惑わす能力とみる。
精神を弄る能力をかける場合であれば術者はある程度それを使う事を秘密にしていなければならない。
しかし催眠などまたこんな事を言わずにも全てを操作してしまえばなんとも無いというものとはまた違った能力。
まぁその可能性はあの時十円やらの先ほどの人の真似たような事でこちらもそういったものではないと判断したわけだが。
部分的にのみ支配、もとい惑わしを使う能力。そういったものが秘密となっているのに違いない。
最初は見たものをコピーする能力かとは思ったがその可能性は無い事は無いのだがそれは低いと思われる。
一種惑わす能力であるが秘密にするほどでもないものだ。
何より先ほどやった色の火などの真似などそれを真っ先に連想させるものだからだ。
五感内の惑わしの可能性。そして先ほど彼が紹介したあの猿真似した能力。
とすると『視覚』とみる。視覚に何らかの影響を及ぼし、自分達をかどわかしたのだろう。そう。例えば『幻』などで。
次ぎに発言の別の個所にも注目すべき所もある。彼が言うには『たとえば』と言うに例えの中の一つなのだろう。
自分の能力以外にもネタをばらす事があるというらしい。
一応自分の身元のものの範囲のように言っている限りを聞けばその秘密とは自分の身分やらそういったものに近いのだろう。
とりあえず自分の身分を秘密にするほどに隠す要素があるものとすれば自分は『自分達に害成す存在』か『自分達を試した存在』
と二つに絞って考える。前者はそんな事を言えば袋の鼠状態だ。だがこちらが想定した視覚を惑わす能力ならば
この部室と言う袋の中に居るように見せかけてそういった作用を起こしていればなんら危険は無い。
それにいくらなんでも後者はない。何故なら試される理由がないわけだ。
もし彼がこの組織の人間であって人選目的の為と潜り込ませるとしてもこの組織自体の本意は能力者の保護にある為、
その必要は全く無いわけだ。よって残るは『害成す存在』。自分は彼を敵と認知する。
…。とりあえず何かがあったときに彼を一瞬で仕留めるよう準備をしておこうか。」
鴉は座り、鍵盤ケースを置くと中身のスピーカーが異様に大きい鍵盤を取り出す。そしてバッテリーと繋げて待機した。

>59
「朝吹先輩が動く。なるほど。先輩も感づいたようだ。今の注目はあくまでもこの赤石。
さらに緊迫した状況に本当に先輩が知らないでやっているのならばこのような動作はないだろう。
やるとすればやはり天然か茶目っ気か。いずれにせよ自分が考えるには先輩には当てはまる事は無いだろう。
しかしこれで恐らく睨んだ『幻』の能力か否かが判明する。」

>50>51>53>57>61
真希奈、橘、赤石、あゆみなどが賛同の声を挙げ、さらに栄儚も組織に加入すると言う。
「ふむ。今賛同しているのは自分含め現時点で六人のようだ。まぁ場の空気を読んでいるのならば。いや。
言い方は悪いが場に流されているとも言える。しかしそう赴くのは人の情であってさらに今の状況によると仕方の無い事。
とりあえず自分も賛同の側となる事にするが自分としての見解は組織の危険性をある程度重く見ている。
まず時点で誰かが何か意見をしなければいずれ全員このまま委ねるのみとなってあちら側の思う壺となってしまうだろう。
栄儚。今彼女に一意見耳を傾けてもいいが、あちらの対応の結果を待ってからにでもいいだろう。」

65 :白衣 :05/08/21 03:49:47
彼の説明は明らかに不足していた。しかし、それでも協力に応じてくれる者はいた。
ただ…もちろん疑問を投げかけて来る者もいる。

>>50
そもそも自分が誰か。当然の質問だろう。
そう思ったのか淡々と説明の続きを始める。
「私は…井川 正(いかわ ただし)。…助教授だ。」
そのまま答える。嘘ではないが完璧ではない答えを。

>55
正論そのものである。これ以上の説明は必須だろう。
そう判断したようでまたも淡々と始める。
「組織説明か。確かに必要…だろうな。まず、…一つで事が起きても全体に大きい影響が出ないように、
能力者専用の部活、サークルの類を数個用意している。それを学園上層でコントロールする形だ。
…そしてもうひとつ。入った上でただ抜ける分には全く問題は無い。ただ、内部で知った事は口外禁止。
それが破られたらそれなりの対応をするという事だ。敵対組織については…彼が説明をしてしまったみたいだが、
それだけとも限らない。能力者の力を求める者は君達の想像以上に多いからな。」

>59
能力者ではない。そういった者がいたとの事だ。…しかし、自信を持って即答する。
「…能力者でない者には手紙はわたしていない。自覚していないのか、
隠しているのかは知らないが…。確実に能力者だ。」
断言した。…確実と言い切れるサーチの術があるのだろう。
そうでなければ考えられない自信である。

>64
こちらも鋭い。そう感じた。説明をする。
「…考える時間が欲しい者には時間をおいてもらうつもりだ。
事前に前置きの情報を出すと能力を知らない者らの中でひっそりと暮らす為に
学校そのものを警戒され、新規の入学予定者なら入る学校を変え、在校生でも転校を考慮したりして
結果的に逆に危険になる場合もあるのでなかなかそうはいかないが…。
学校の運営に影響が出る場合もあるのでそれは出来なかったが…。
学校の外に出る機会もあれば事情でいけない場合もあるのは当然だ。
それを責めたてたりする事はまずない。そこは安心して欲しい。
そして…能力者の素質がある者を探知する方法は科学的な物だ。
能力者を見逃す可能性はあっても、能力者を間違える事はまず無い。
それと…能力者の可能性がある者は大体勧誘をしたが…来るも来ないも本人任せなのでな。
そう言われてもどうとも言えんよ。」

66 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/21 12:57:29
>59
「なあ、荒牧」
荒牧?――あ、俺か。
いきなり背後から話し掛けられる。
後ろ、即ち窓からなのだがそこから乗り出してくるようにリュックを触らしてくれ、と言ってくる。
つーか、この人。確か保健室まで倒れた人を運びに行ったんだよな。
介抱してやれよ、ナイチンゲールのように…。
しかも、彼は逃げ道である窓をふさぐようにして俺を阻んでいる。
言っていることは友好的だが、やっている行動は殴りたいくらいムカツク。
触らせてくれ――か。
しかし、このリュックは夢、幻…触れられるはずがない。
断ってもいいが、また何か不信がられる要素になりかねんな…。

>61
>***チャリン、コロコロコロコロ・・・パタ・・・***
不意によく聞き慣れた音が耳に入ってくる。
落ちたときの音は10円だったが、転がる音は若干100円に近かったな。勘だけど――。
そういえば、長屋先輩の能力は音の操作だったな…。
ちらりとその人物を見ると、こちらを見据えて口を開く。
彼女は俺の能力の特性をすらりと言ってのけ、適正な使用方法などのアドバイスも述べた。
うーむ、俺はこの能力を今までくだらんことにしか使ってないからな〜。
そんなこと考えたこともないぞ…。
>「まあいいわ。聞きたい事は大体聞けたし、協力体制は必要でしょうから、よろしくね。」
先ほどの俺の説明でどうやら納得してくれたらしい。彼女は改めて協力関係に受諾する。
>64
これで彼女にはほとんど筒抜けということがわかった。
しかし、直接的に言ったわけではなく、あくまで遠まわしな言い方だったのでまだわからない人もいるだろう。
「ぐぅむ」と唸りながら正体をバラすか、バラさないか顎に手をついて迷ったところで、
例の生徒会の書記の長ったらしい独り言がまた始まった。
内容は俺の能力についての己の考察を長々と述べていく。
ほとんどの解答が正解に近い。しかも、例えのひとつとしてあげていた『幻』がまさに正解そのもの…。

さて、それじゃそろそろバラしましょうか――。
最初に容姿を変えたときと同じように霧が全身を包んで消えると、リュックが消えボサボサ頭から短髪に、
メガネも消え意地が悪そうな狐目が露になる。
「いやー実にお見事ですよ皆さん正解です。ちなみに実名は『赤石 焚音』と申します。
改めてよろしくお願いしますね」
元気で、無垢で、純粋な精一杯の笑顔を向けて皆に向けて挨拶をする。
「それと、聖先輩。さっきのリュックは残念ながら幻です。
オリジナルが欲しいなら近くのお店でお買い求め下さい」

67 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/21 13:58:58
>53>55>58>59>61>66
ここまでの一連のやり取り。栄儚は黙って成り行きを見届けていた。
その途中で語られる敵対組織の存在。加神製薬については噂の域を出ないものだった。
しかし、謳歌研究所についての説明。やたらと詳しいようにも感じた。
そして説明を終えた後の不穏な一言。
その意味を深く考えていると、突如背後に人の気配を感じる。
振り向くと、そこには先程保健室に行っていた朝吹聖の姿があった。
>「…お前、かなりイカしたリュックを背負ってるな。良かったら俺に触らせてくれないか?」
荒牧に対しての唐突な一言。彼の能力を見抜いているのだろうと考えた。
>***チャリン、コロコロコロコロ・・・パタ・・・***
その直後にこの音。咄嗟に床を見ても音の発生源らしきものは見当たらない。
となると、あの長屋あゆみが発生させたと見るのが妥当だろうか。
直後に『幻』の能力に対する指摘。
いよいよ誤魔化しきれないと悟ったのか、本人による暴露を始める。
その本当の姿は先程のオタク風とは打って変わったもの。本名は赤石焚音と名乗った。

>65
鹿島について。この男は彼を能力者だと発言する。
だとしたら白衣の男…井川の言うとおり自覚がないか隠しているかの二通りになる。
まず後者の可能性は薄いだろう。あれが演技とは到底思えない。
ならば何らかの原因で能力者の自覚をなくしている状態。
それなら一連の鹿島の言動にも納得がいく。
そして彼が倒れる直前、ポケットの中であった不自然な動き。
あれこそが彼の能力であるような気がしてならなかった。
ポケットの中に何があったのか定かではないが、気持ちの高ぶりか何かに
反応して、彼の能力が発動したのではないか?そんな結論に至る。

>64
>自分は彼を敵と認知する。
>…。とりあえず何かがあったときに彼を一瞬で仕留めるよう準備をしておこうか。」
鴉が放ったこの一言。これで赤石を敵と見ているのが自分以外にもいることがわかった。
いざという時に連携が取りやすいようにまた彼の近くに移動するべきか?
(あたしの後ろには朝吹がいるけど…)
彼は少なからず赤石に不信感を抱いているみたいだった。ならば自分がこの場から
離れても彼はその意図を察知してくれるのではないか?
しかし、赤石は自ら正体と能力を暴露した。この事により多少なりとも
赤石に対する警戒心が緩んではいないだろうか?そんな心配もする。
(それに何より…)
鴉が赤石を敵と見るということを言い、その近くに移動する行為。
それは自分も同じ見解を持っているという発想にも繋がりかねない。
ならばこの場を動かずに自分もいつでも能力を使える様にしておくのが賢明だ。
(それと…鴉ならあたしが何でここに移動したのかわかっているかも知れない)
とにかく鴉を信じることにした。
栄儚は一瞬動きかけた足を元の位置に戻し、そのまま事の成り行きを見守る。

68 :萩原 楊 ◆KaXfCMH/Uk :05/08/22 00:52:28
一過性の痛みということですぐに顔の痛みはとれたものの、なんというか視線が痛い。
そのまま出ていってもよかったのだが、それはそれで明日からの学校生活に支障を来しそうだ。如何ともしがたい。

>58
誰かに「ナイスです」と言われた。自己紹介の時に念を押したにも関わらずご丁寧に名前を間違えつつだ。わざとか。
声をかけた奴の方を向いては居なかったので、こんな短時間で声を覚えられる筈もなく誰が言ったかも分からないし、
当たり前のようにイライラは募る。貧乏ゆすりは激しさを増す。貧乏揺すりは乳酸を解消するらしいな。あるあるでやってた。

>60
(そういえば)
謝られたような気がする。どう考えても自業自得なのに謝られるなど、ますますこちらの惨めさが引き立ってしまう。
ふと遅れてきた──まだ名乗ってなかっな──顔を見てみる。周りに萎縮されているような、気の小ささを見受けられる。
(…気が小さいのは俺も似たようなもんだけどな)
謝られた気負いからかイライラも多少とれた。もう貧乏揺すりはしていない。とりあえず他者の会話に耳を傾ける。

白衣の男──井川というらしい──に疑問を投げかける者、それに答える井川。まだこれを繰り返すのだろうか。
楊は何も聞こうとはしない。疑問点をつついていたら日が暮れる。参加すると決めた以上、言われたことをこなすだけ。
荒牧が偽名で、本名は赤石だというのも多少驚きはしたが、別にそれ以上のこれといった感想はない。
こんな訳の分からない組織に呼び出されたのだ、自分の身を守るために…というのは分からなくはない。寧ろ自然な行為だ。
多分実在の人物であろう、他者の名前を使ったことには不信感は拭えないが…信憑性のために仕方ないともいえる。
(それにしても…眠い)
ていうか何故いちいち人を信頼したり疑ったりなどしなくばならないのだ。なんだかこの雰囲気は癪に障る。
考えたら頭がぼんやりしてきた。目の前が闇になると共に、次第に楊の思考も少しずつ闇へと覆われてゆく。

「…Zzzzzz」

69 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/22 02:38:34
>61
>***チャリン、コロコロコロコロ・・・パタ・・・***
俺には嫌というほど聞き飽きた音。硬貨が地面に落ちて転がり、そして倒れる音だ。
いつもと違う点といえば音の発生源が床では無かったぐらいだ。長屋が口で発したのだろう。
音の響きからすると、10オーストラリアセントが一番近い、間違いない。
この行動は明らかに荒牧への牽制だ。これで荒牧が自滅するのかは分からないが。
彼女は荒牧の能力について、俺とほぼ同じ印象を持っているようだ。

>64
黒谷お得意の長話だ。あいつも荒牧の技の正体を見抜いているようだ。
…あいつに俺の作戦を口で言われたので、周りの人間も俺のセンスが間違っているとはもう思っていない。…はずだ。

>65
鹿島は能力者…それが井川と名乗った教師の答えだった。
(…それが本当だとすると、アイツは能力者か……本人が自覚してないってのに、どんな調査をしたんだか。)
「分かりました、その言葉を信じましょう。喜んで協力させてもらいます。」
あまり納得は出来なかったが、お金の為にはこうするしかない。
「ところで、井川先生は何の助教授をやっているのか分からないんですけど。」
周りの生徒の様子から見て、全員が井川教員と初対面のようだ。彼の身元ぐらいはっきりさせてもらいたい所だ。
「まあ、時間が無ければそれは次の機会でもいいですけど」
正直、疲れたので早く帰りたい。なんか頭が痛くなってきたし。

>66
ついに正体を見せた荒牧。…姿は一部を除いて変化し、本当の名は赤石 焚音というらしい。
(…やっぱ、能力は幻を操るのか。)
そうならば新たな疑問が浮かび上がる、『本当にあれが正体なのか?』という点である。
それは追求してもどうせ言わないだろうし、今はアイツが怪しい動きを見せたら100円玉をぶつけてやればいいだけだ。
今見ている奴が幻という可能性は低い。姿はどうあれ、声は幻では発することはできないからだ。
>「それと、聖先輩。さっきのリュックは残念ながら幻です。
>オリジナルが欲しいなら近くのお店でお買い求め下さい」
「へーそりゃとてもざんねんだなぁほしかったのに」
あんなリュックなどうでもいいので自然に棒読みになった。もう少し感情を込めたつもりだったが。

>67
俺の少し前に立っている双月は先程から荒牧…もとい、赤石に対して鋭い視線を送っている。かなり警戒しているようだ。
(…一瞬、足が動いたな。…動かない理由は窓際からの出入りを封鎖するためか。)
おそらく彼女は窓からの出入りを塞ぐ作戦に出たのだろう。…そのお陰で俺も中に入りにくいのは秘密だ。
ここで俺が窓際を守ると彼女に言うのは簡単だ。
しかし、初対面の俺が彼女に信用されてる可能性は低そうだ。ま、この場所は任せようか。

俺はドアを開けて部室の中に入り、そのままドアに寄りかかった。これでドアの出入りは俺の手の内だ、ふはは。
…アホらし、とっとと終わらせて帰ろう。忘れてたけど、今日は見たい特番があったし。

>68
良く見ると、この男…また寝てやがる!…さっきも壁に頭突きしたのに懲りないな。
「…ふあぁぁぁぁあああ…」
不意にあくびが口から漏れる。なんか俺も眠くなってきた、このまま寝ちまうかな………Zzz…
………そりゃまずいよねぇ、一応ドア見張り役だし。
まあいいや、寮に帰ったらすぐに寝よう。…あ、特番見なきゃならないんだった。
(…今、この瞬間に井川先生が「OK、これで解散だ!」って言ってくれたら俺、井川先生の事をエジソンより尊敬するよ。)
よく分からないが疲れた。普段使わない頭を使いすぎたからだろう、そろそろ休めないとオーバーヒートしてしまう。

70 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/22 21:32:15
部室内に緊張の微粒子が満ちようとしていた。
はじめて会う者同士、しかも能力者が突然集められれば探り合いが起きるのは当然。
更に『敵』の存在を知らされた中で赤石 焚音の言動は一触即発の空気を生むのに十分な役割を果たしている。
いや、そうでなくても『能力』が戦闘に転用できる、というか戦闘を前提とした能力が多い面子だ。
その空気なのかな、長屋 あゆみは鞄から筆記用具とメモを取り出してなにやら書いていた。

長屋 あゆみの中では
『学校組織は自分達のような能力者を集め、保護する機関である』
『赤石 焚音は学校組織と繋がりがあり、即ち害はない』
『井川は助教授である=大学部の人間である』
『圧倒的な身体能力と特異な能力を持つ能力者が徒党を組まないと回避出来ない危険をなす組織が存在する。』
『自分達のような小規模集団が学校内に他にもあり、裏切ればそちらからも追っ手がかかるし、自分達が追っ手となる
場合もある』
大まかに五点で状況整理がなされていた。

口に出してしまっている黒谷 鴉は勿論の事、他にも数人赤石 焚音を敵として臨戦態勢に入っているものはいるようだ。
最大の恐怖とは識らぬ事だ・・・とはよく言ったものだと思いながら書くのを終え、筆記具を鞄にしまう。
ふと見ると、萩原 楊が寝息を立て始めている。
それを見て思わず気が抜けてしまった。緊張にこわばっていた顔が程よくほぐれる。

「井川先生?お話が以上でしたら参加表明をした以上、もう言ってもいいですか?
参加表明をしたからといって、四六時中くっついていかなければいけないわけでもないし、仮アドはここに貼っておき
ますから、今日の0時までにメールもらえたら返信します。
ここで相互理解を深めたい方々はゆっくりやっていってくださいな。」
にっこり笑いながら壁に先程携帯のアドレスを書いた紙をピンで貼ってドアの方へと歩き出す。
集められたと言う事は危機が近いと言うことだろうが、流石に今日明日の話ではないだろう。
閉鎖された空間は長屋 あゆみが最も効果的に力を振るえる場所ではあるが、わざわざバトルロイヤルに参加して漫画
チックな男の親交を深めようとは思わない。
超人的な身体能力を持っているとはいえ、同じ前提条件の能力者同士なら結局はか弱い女に過ぎないので面と向かった
戦いなどゴメンこうむりたい。
閉鎖された空間で極度の緊張状態を保つより、部室を出て緊張をほぐすことにした。

71 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/22 22:09:59
>67
不意に視線を感じる。それも、深い感情の入った濃密な。
話によれば五感のほかに、もう一つの感覚。いわゆる第六感というものがあって、
その未知なる感覚によって、霊や人の視線などを感じるらしい。
多くの人が実際に経験するこうした現象が単なる想像上のものでなく、
実際に人間には視線を感じる能力が存在することがある実験によって証明されたとか、されてないとか…。
とまあ、でっかい心のうんちくはこれくらいにして、その生暖かい視線の主を探すとしようか。
キョロキョロと目を回すように見渡すと、双月先輩がこちらを射抜くように見ていた。
喧嘩売っているのか?

>68
>「…Zzzzzz」
馬鹿な。寝ているだと?
しかも、この部屋なら誰でも聞こえるような、イビキつきで熟睡してやがる。
荻原 楊…やはりあなどれん男だ。

>69
朝吹先輩は外へと通じるドアへまわり、部室の中へと入る。
>「…ふあぁぁぁぁあああ…」
てめぇもか、聖。大きく口を開き、能天気な欠伸を一発ぶちかます。
どうせ、心の中で井川先生が解散を宣言したら、先生をエジソンより尊敬するとか思ってんだろ。

>70
荻原先輩が寝ることによって、この場の緊迫が少し和らいだような気がする。
ほう。なかなかやるようじゃないか。
こりゃ俺の重要人物のリストの配列も考え直さなくっちゃな!(お笑いの)
ここで、長屋あゆみ先輩がお帰りになるそうだ。
メールアドレスが書かれた紙を壁にピンでとめ、ドアのほうへ歩いていく。

さぁて、俺もそろそろおいとましましょうか…。
「それじゃあ、ぼくも用があるので行きますね。また後ほど――」
イスから立ち上がり、長屋先輩に続くようにしてドアのほうへ鼻歌まじりで歩き出した。

72 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/08/22 23:11:34
>61
何かが転がる音。それと同時に女の方に顔を向ける者数名。
なるほど、こいつの能力は音か。それとも空気の振動を操るのか。
後者ならばこいつの攻撃射程を知る必要がある。今わかっている中で最大の驚異だ。
後者は空気中にいる限り、攻撃を防げないのと同じなのだから。

>63
いきなりブツブツ言い始めた人間に、ハッキリいって度肝を抜かれた。
こいつの電波具合。口から考えを漏らしまくるその秘密を持てないような特異な癖…だろう。
気に食わない。近寄りたくない。
オタク野郎など問題にならない。こいつに比べれば鼻歌を歌いながら手をつなげるレベルだ。
もしこいつに僕の能力の全てを知られれば皆様方の公然の秘密となり得る。
「あ、あの、その…こんにちは」
ハッキリ言おう。一瞬、普通に狼狽えた。直ぐに仮面を付け直したが。
その後はビクビクしたフリをして少しそいつから離れる。なるべく関わり合いになりたくない。

>66
オタクが狐目になった。
よし前言撤回。この幻野郎も独り言を漏らすのと似たり寄ったりだ。まず顔つきがムカツく。
騙されたことについては更に気に入らない。他にも理由はもちろんある。

まず、掴んで身体に直接波を叩き込むことがこいつの能力の前では難しい。目眩まし、囮、なんでもこいだ。
視界が自由じゃないだけで接近戦は不利となる。俺は受けすら満足にできやしない。
見えない相手に対しては微弱な波の広がりである程度の距離までは大まかな位置がわかるが……クソ、
あくまで大まかな位置だ。こいつの能力と僕の能力は相性が悪い。地面や床に波を起こしても直接の
攻撃には結びつかないのだ、僕の能力は。ムカツくが……手を組むことも考えないとならないかもしれない。

>67>68>69>70>71
窓は塞がれてるわ(そもそもこの弱気の仮面付きじゃ窓から出ないが)、戸も塞がれてるわでムカツく
ことこの上ない。こんなところに来るんじゃなかった。出ようにも弱気モードじゃ戸を塞いでくれてる
野郎に「邪魔だ帰るから退けウスラボケ!」とも言えやしない。
さっきの三流コメディアンはグースカ寝てるわ、妙に居心地が悪くなってくるわで最悪だ。

能力の推測が出来たお二人さんは早々に帰るようだ。帰れ帰れ、特にこの雰囲気の元凶であるはずの
狐目は帰って二度と戻ってくるな。
猫かぶりじゃこの雰囲気では黙って俯くしか出来ない。クソ。

73 :白衣 :05/08/23 13:24:27
>69
>「ところで、井川先生は何の助教授をやっているのか分からないんですけど。」
最終的には大多数に協力は得られたようだ。そして質問が投げかけられる。
「生物学の助教授だ。専門分野がどういう生物学かは、ここにいる事から察して欲しい。」
もちろん能力者に関わる生物学である。直接的な聞き方をされるまでは答えないつもりだったようだ。


>70>71
>「井川先生?お話が以上でしたら参加表明をした以上、もう言ってもいいですか?
> 参加表明をしたからといって、四六時中くっついていかなければいけないわけでもないし、
> 仮アドはここに貼っておきますから、今日の0時までにメールもらえたら返信します。
> ここで相互理解を深めたい方々はゆっくりやっていってくださいな。」
「そうだな。身の振り方を決めた者は親交を深めるも解散するも自由にしてくれて
構わんよ。用事があったら…これで伝える。」
声が…耳からではなく、頭の中に送られたような形で聞こえる。
それがこの白衣の男の能力なのだろう。

>72
その後に、そちらの側を向く。
「君は…途中から来たから事情を完全には理解していないだろう…。
(中略)…という事なのだが、どうするかね?」
皆に一度説明した内容を再説明し、意見を問う。




74 :朝吹 聖 ◆x5mBxhL5jQ :05/08/23 19:37:40
>70-71
どうやら、用事が済んだので帰るらしい。
俺も、そろそろ思考能力に限界が来てたので丁度いい。
喜んでドアの道を開けた。

>73
>「生物学の助教授だ。専門分野がどういう生物学かは、ここにいる事から察して欲しい。」

分野は大体の予想がついた。
…しかし、それ以上に気になった事がある。それは、彼が助教授であるという事だ。
普通に考えて教授もいるのだろう。…まったく、厄介な事になりそうだな。

>「そうだな。身の振り方を決めた者は親交を深めるも解散するも自由にしてくれて
>構わんよ。用事があったら…これで伝える。」

よっしゃあ!!井川先生、アンタ最高ですよ!!俺、アンタの事を信頼しますよ、ええ!
俺は心の中でガッツポーズを決め、早々に部室から出てゆく。

75 :赤石 焚音 ◆wxYBX9tqfU :05/08/24 22:24:32
>74
ドアを塞いでいた聖先輩が横にズレて、外へと繋がるドアを開けられるようになる。
外に出ると木々の間から木漏れ日が差し込み、森の新鮮な空気が肺を満たす。
「さぁーて、ゆるりと行くか」
小鳥の囀りや木が擦れあう音色を遮断するかのように、ヘッドホンを耳にかけて音楽に聞き入る。
「希望の空に〜 一球入魂 闘魂こめて〜♪」
気分も上々。思わず歌詞の一部を口ずさみながら、人工物が多い学園の校舎へ歩みを進める。

だんだんと建物が見えてきて、やっと森を抜けるとそこは広い運動場だった。
陸上部や野球部といった、肉体派の連中が集う巣窟――。
彼らとは前に一騒動起こしているので、あまり仲がよろしくない。特に剣道部。
中3の頃に数人連れて道場破りを行なったので、相当悪評がついているに違いない。
わざと運動場を避け、校舎を大きくまわるようにして学生寮を目指す。

途中、少し喉が渇いたので適当な自販機を探すと、ちょうどいいところに一台ぽつんと置かれていた。
最近はちょくちょく見られる、100円の安いワンコイン自販機だ。
硬貨を入れ点々とあるボタンのランプがつき、どれにしようかと下段から順に指で確認していく。
「――ん?」
ある場所のところで指が止まる。――それは、本来ならばラベルがある場所に古ぼけた紙が貼られていた。
その紙には『絶対に押さないでください』と達筆で書かれており、少しの間、眼を丸くしてそれをじっと見つめる。
キーンと俺の中で何かが蠢いた。
ポチっと、そのボタンを押す。――しかし、何も起こらない。
何度も押してみる。――しかし、何も起こらない。
取り出し口を覗いてみる。――しかし、何もない。


――――!


騙された。
孤立したように静寂が保たれているこの場で頭を抱え、消えていってしまった100円玉に思いをはせる。


76 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/26 20:26:28
部室を出ようとすると焚音が続いてくる。
この不穏な空気をかもし出した張本人がそそくさと出てしまうのには拍子抜けしてしまう。
それに続いて聖も外に出るようだ。

一旦部室の外に出て深呼吸をしたあと、出入り口を見られる位置の木に背を寄りかからせて出てくる人間を見ていることにした。
出る間際、井川の発した頭に響く声。テレパシーと言う奴だろう。
連絡には便利だが、一方通行の上、こちらの考えを勝手に覗き見られているかと思うと余りいい気分ではなかった。
「ふう・・・さて、どうしようかな・・・」
小さく呟き誰かが次にドアから出てくるのを待つ。

77 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/27 11:10:00
>70
長屋あゆみ。彼女は携帯のアドレスを残し、部屋を後にする。
(あの先輩とは気が合いそうにないわね…)
それでも覚えておくことに越した事はない。栄儚はポケットの中の携帯にアドレスを登録しておく。

>71>75
長屋に続いて赤石もこの場から立ち去っていく。
(しまった…!)
赤石はこの場でかなりの事をやらかしてはいるが、万人が見て納得できるような、
『彼が敵である』という決定的な証拠は残していない。
(好機を逃すなって…いつも言われてたことなのに…)
栄儚はここに来て自分でもおかしく思うくらいに慎重になりすぎていた。
それがかえって思考を複雑化し、判断を下せないまま彼を逃す結果になってしまった。
(敵の…奴等の手掛かりが掴めるかも知れないのに…!)
栄儚はいても立ってもいられなくなり、すぐさま彼の後を追うように部屋から出て行く。

運動場を突っ切って、寮へ戻る途中の道。そこで自販機の前に立ち尽くす赤石を見つけた。
先程野球部の練習中に失敬してきた硬球を左手に持ち、狙いを定める。
それを牽制のつもりで自販機に投げつける。
左腕から放たれた硬球は150km/hを越える速度で自販機に直撃。彼もこちらに気付くだろう。
「赤石君、ちょっといいかしら?」
今さら隠しても仕方がない。それに、この場には他に誰もいないはず。
あからさまな敵意と不信感を剥き出しにしながら赤石に話しかける。

78 :あかいし たくと ◆wxYBX9tqfU :05/08/27 13:13:20
>77
ある感覚によって起こされた。殺気というよりも敵意。
相手は何かを飛ばし、こちらへと奇襲をかけてきた。
反射的にそれを回避するのと、敵と間合いを離すために横に大きく飛ぶ。
その自分の姿を確認してようやく、今の状況が把握できた。
どうやら、『双月 栄儚』が自分の背に立ち、野球のボールを投げつけたようだ。
赤石焚音が苦戦を強いられた自販機に見事に直撃し、原型を留めず修復不可能な状態。
ランプや電源を落ち、自販機はその生涯の役割を閉じた。
自分を狙ったのなら未熟。あらかじめ自販機を狙ったのならば、それは奇襲にあらず。
>「赤石君、ちょっといいかしら?」

凶器は運動場で入手したものと思われる。備品をこの短時間で借りることを許可するためには、
野球部関係者と相当な親密、及びマネージャーのような関係に位置するものだろう。
もしくは、勝手に借りてきたということもありうるが…あの備品に相当うるさい野球部が許すはずがない。
では前者が事実としての可能性が高いか。

次になぜ自分にこのような真似をするか。赤石焚音と同じく、双月も協力することに同意したはず。
彼女は黒谷やその他の面々をはるかに凌ぐほど、焚音に向けて不信感を露にしていた。
その人物に対して、好意的に接そうとするはずもないし、事実こちらに向けて牽制程度の攻撃を放っている。
こちらを敵と判断したか…。
それにしても敵の香りを匂わせただけで、焚音という存在が敵だという証拠にはならない。

>「赤石君、ちょっといいかしら?」
彼女の顔色からうかがえるものは、不信や焦り。
まだ少々ではあるが、強気の発言の裏に不安の色もあるな。
「なんでしょう…。先ほど協力関係を結んだはずなのに、俺に向けて攻撃するほどの用事とは――。
もしや、あなたは学園側の敵ですかな?」
人心を絶妙に揺さぶれば、人が動き利は生まれる。しかし、時はいささか早い。

79 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/08/28 12:41:02
>73
頭の中に響く声。こりゃまたイヤな能力だ。頭の中でしゃべるな。
もししゃべるだけではなく、心で思った事がわかるとしたら……吐き気がする。
プライバシーなんてないも同然だ。説明を受けるとうつむき加減に言った。
「あの、もう少し考えさせてください……あまりにも突然だったので、まだ決めてないんです…」
手紙が届いたのは今日なのだから間違ってはいない。
だが心が読めるのならこれも全て筒抜けだ。不快の極み。

>74-77
帰る連中の後に続き、僕も外に出ることにした。「僕らは仲良し!」なんて馴れ合いはやってられない。
だが、一応携帯のアドレスを確認してからだ。めんどうだがやっておかねばなるまい。
アドレスを知ればコンタクトは取りやすくなる。携帯のアドレス帳にそれらを登録した後で外に出た。

外に出ると何かを見つけたように見せかけながら座り込み、手のひらを地面につけ微弱な波紋を起こす。
波打つとはいえ、微弱。能力者でも気付く人間はそうはいない。足下の地面をミミズが掘り進んでいるのに気付くことが
出来れば気付くだろうが、そんなのに気付くのは人間ではないだろう。能力を用いなければ無理がある。
広がるにつれ精度は下がるが、ソナーの様に使える。近くに誰かがいればわかるはずだ。

そして案の定だった。

>76
ソナーに反応あり。辺りを弱気な表情で見回し……もう意味がないかもしれないが一応だ。
そして、反応があった方向へ顔を向け、何かを探すような素振りをしてからそちらへと歩き出す。
先ほど出ていった人間の誰かだと思う。関わり合いになるのも避けたいが……好奇心には勝てない。
あの木の辺りだがここからは影になっていて裏側は見えない。部室のドアの辺りから見れば見えたかもしれないが。
こういう時に注意を怠るのは悪い癖だ。これから気を付けよう…

……まあ、どうとでもなる。そこにいる人間の正体を確かめるだけだ。
自分に言い聞かせながら歩を進めた。

80 :国分寺静也 ◆DZs8Pl0LUA :05/08/29 10:46:42
>2
始業式の後、日課である本屋巡りを終え、ゆっくりと無駄の少ない足取りで本を読みつつ自分の寮室への帰り道を進む。
自分の部屋の前に立ち、最後のページを閉じて鞄にしまい、鍵を開ける。
ドアを開けて中に入ると夕方前なのに真っ暗。
ふう、とため息をつき、右手を前に出し、右に振るい指を鳴らす。
カチリ、と音が響き部屋に瞬きながら明かりが灯る。
二つの机と二段ベッド、二人分の調度品が最低限揃っている。
ベッドの上段を見て、同室の遠藤孝也がいないことを確認すると、
「まだ帰っていないな」
と呟き、鞄を自分の机の上に置くとそこに一つの手紙が置かれていた。
「遠藤か?また、手の込んだ奇行だな」
中身を確かめ、内容を噛み砕く。
「さてとどうしたものかな。あまり興味が無いがこうして名指し、しかも寮室の机の上に置いたと言う事は探査型の能力者と侵入の後を残さず出来る“能力”を持つ者がいるという事かな」
顎に手を当てて数秒考え込み、ため息を一つついて、
「関わるのは気が向かないが、行かないと、また、面倒そうだな」
また、ため息をついて手荷物から一冊の真新しい本を取り出し制服の内ポケットにしまい、ドアの手前で後ろ向きに右手を振り指を鳴らすと、寮室は闇に沈んだ。
ドアと鍵を閉めて、外へ向かう。
「目的地は遠くでは無いが近くは無い、読書には向いている距離だな」
本を片手で開き読みながら指定された場所に向かう。

81 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/29 22:06:56
>77
木にもたれ掛ってドアを見ていると出てきたのは栄儚だ。
焚音を追う様に去っていってしまう。
「戦う理由がある人は行動も早いものね・・・機を逃すところはまだまだだけど、あの状況じゃあ仕方がない、か・・・」
その姿を見送りながらあゆみは小さく呟く。

思い返してみると栄儚だけが能力披露の時に戦闘力を垣間見せた。
蹴りに炎を纏わせる形で。
これは戦闘を想定とした能力使用を訓練していた証拠だ。
鴉も発言から音符に質量を持たせると言う能力を戦闘に使用する事をしているようだが、彼女のほうが色濃く現れている。
あゆみも自分の能力を研究するうちにそれが戦闘能力としても転用できることに気付いているが、実際に試した事はない。
だが、彼女は違うのだろう。
前提が既に戦闘にある。それにその身体能力も高い。
一般人のそれに比べると能力者はずば抜けた身体能力を持つので錯覚しがちだが、能力者同士なら当然差が出てくる。
既に見えなくなりつつあるその背中に追いつく事は勿論、併走する事すらあゆみには無理だろうと思わせた。

>79
その次に出てきたのは波原だった。
遅れてきたためにお互いの紹介が出来ておらず、名前すら知らない。
声をかけようと思ったが、そのまま立ち去ってしまった。
が、どういうわけか戻ってくる。しかもこちらに向かってだ。
「こんにちは。私2−3の長屋あゆみよ。よろしくね。参加の件、どうしたの?」
これ幸いとこちらに向かってくる波原に小さく手を振りながら声をかけた。

82 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/08/31 09:03:41
>78
「赤石君、あなたは…」
>もしや、あなたは学園側の敵ですかな?」
問い掛けようとした瞬間にこの言葉。白々しいとはまったく思わなかった。
赤石の性格から、回りくどい事をせずに直球で『あなたは敵か』と聞けば、絶対に逃げられる確証の下に肯定をするとも考えていた。
もちろんそうしてくれるのが一番楽だったが、この発言で赤石の自白を取るのは難しくなったと言える。
だが逆に言えば赤石も赤石で、この状況でそんな遊び心を出してる余裕はないということだろう。
(それなら…)
栄儚は微笑し、赤石に問い掛ける。
「あなたは、井川が協力を求めたときに積極的に名乗りをあげたわね?
ただ、それより前の…あなたが不穏な空気を漂わせたあの発言よ。
あの台詞から、あなたが能力者が集められた理由をわかっていたのは明らかだわ。
その上で…能力者同士が協力をしなければいけない時にわざわざ疑心暗鬼を煽るような発言…
だったらその発言者は能力者同士が不審に陥っても構わない立場にいるってことよね?」
赤石にしてみれば例の発言はただ自分という敵の存在を臭わせるためだけの物だったのかも知れない。
だが、全員が初対面であることと、井川の時の発言とを合わせればこのような考えをすることも可能だ。
「逃げ道を塞がれてる状況じゃ井川の協力にも表面上は応じるしかないはずよね?
今度は私から質問させてもらうわ。あなたは、学園の敵なの?」
室内では言いたくても結局言えなかった言葉。今度ははっきりと言い放つ。

83 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/08/31 10:34:14
ああ、そんなことだろうと思ったが。目に入ったのは音、もしくは空気の振動を操るあの女だった。
しかし監視や観察以外の目的だとしたら、何を目的としてこんな場所に突っ立っているかは理解に苦しむが。

まあそれはいい。兎に角、名前を知った。あの場にいた人間で僕が名前を知った二人目の人間だ。
他は言っていたとしても聞いてなかった。とりあえず無難に返しておこう。
「高等部3−2、波原です……参加は、ちょっと考える時間を頂きました…」
出来るならこいつに能力は見せたくない。まさかとは思うが、完全に見抜かれたら…
先ほどの出来事から推測するに冷静かつ情報処理能力に長けているのは、そこらの一山いくらの人間でもわかる。
断片からどこまで推測するか、興味はなくもないが…

歩み寄り、用心のため一定の距離を置き足を止める。万全を期すのならグローブをはめていないのが悔やまれるが……
まあ、いい。そんなことにはそうそうならないだろう。
「長屋さんですか。よろしくお願いします…あの、やっぱり長屋さんも能力を?」
ここであまり弱気になりすぎると、なぜ戻ってきたのかと不信感を抱かれる可能性がある。ここは少し
考えた言動をしなければならない。
とりあえず、出会えた幸運を神に感謝。能力の内容を聞くことが出来るかもしれないし。

話題が無いフリをして最も聞き出したい情報へシフトする。自然な行動のはずだが…。

84 :あかいし たくと ◆wxYBX9tqfU :05/08/31 12:26:39
>82
自分の発言、敵か否かという言葉はもちろん確固たる証拠など何一つない。
相手を量ろうとしているのではない、冗談まじりの発言だった。
双月もそれに気が付いたように、微笑を漏らす。
>「あなたは、井川が協力を求めたときに積極的に名乗りをあげたわね?
ただ、それより前の…あなたが不穏な空気を漂わせたあの発言よ。
あの台詞から、あなたが能力者が集められた理由をわかっていたのは明らかだわ。
その上で…能力者同士が協力をしなければいけない時にわざわざ疑心暗鬼を煽るような発言…
だったらその発言者は能力者同士が不審に陥っても構わない立場にいるってことよね?」
やれやれ…焚音よ。でかい爆弾を残したな、と無邪気な少年に向けて苦笑する。
あいつの真意はわかったもんじゃないが、こちらの立場というものがある。
>「逃げ道を塞がれてる状況じゃ井川の協力にも表面上は応じるしかないはずよね?
今度は私から質問させてもらうわ。あなたは、学園の敵なの?」
彼女はお返しとばかりに同じ問いをしてくる。
ひとつ違う点は、冗談なのではなく彼女は本気でこちらを量っているということ。

「――仲間を信じられぬものにこの先、背を任せる気はない」
視線による圧力を増し、穏やかなものから一変してひどく重いものに変わる。
「あの初対面という不穏な状況下で、いかに心情を掻きまわし、謀の裏で人を量る。
少し考えれば、なぜそんなことを言い自分たちを混沌に陥れるか。すぐにわかり深い疑いをかける。
あるいわ『こいつは怪しいから、不穏な動きを見せ次第攻撃する』という者さえ現れる。
しかし、その場で敵という解釈をせずに仲間を信じる。そんな人物が俺には必要なんだ。
中途半端な同盟は、グループをより深い混沌へと陥れる」

大人びた表情で、仲間という言葉を口にする自分がおかしくなり心の中で皮肉げに笑った。
そんなもの幻影だ。
しかし、幻影だと分かっているならば消えるはずの幻影が、いつまでも瞼の奥にこびりついて離れない。
それでも、これは振り切らなければ成らない幻影なのだ。
いまだその姿をとらえて離さないそれを、振り払うようにして目を閉じ、心の奥底にぶち込むと、咳を一度。
コホンと鳴らすとそれが合図だったように幻影は消え、対峙している彼女を見据える。
「自体は君たちが想像するよりも悪化している。
その中で蠢く思想の中で、仲間というまだ霞んで見える者を量ることは、卑しいことでしょうか?」

無邪気でシニカルに笑う焚音を真似て、顔を作って言う。
彼女の直接的な敵か否か、という問いにまだ答えてはいない。
が。発言する自分を聞きどうとらえるかによって応えずとも、答えが見えてくるだろう。

85 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/08/31 20:59:03
>83
話しかけると波原から応えが帰ってきた。
3−2、波原。判断保留。
意識して考えていたわけではないが、その腰の低さと物腰から3年生と聞いて少し驚いてしまった。
「あ、そうなんですか。すいません。よろしくです、波原さん。」
困ったような笑みを浮かべて言葉遣いを正す。そして表情をまた柔和な笑みに戻して、言葉を続ける。
「私の能力はデスネ、聞いての通り音を操ることなんです。」
能力の事を聞かれ、最初に疲労したように男性や老人、機会音を織り交ぜながら話してみせた。
変声能力を披露した後、また元の地声に戻す。
「こんな能力なんですよね。
多分あの部屋の中にいた人間で一対一で正面向いてよーいドンで喧嘩したら私が一番弱いんじゃないかな〜って
思っちゃって・・・
敵対組織がいくつかあって、多分私達と同様な能力者もいると思うんですよね。
そんな人達に襲われたら怖いから、できれば相性のよさそうな子にくっついていようと思って出てくるの待っている
んです。」
身体能力的にも能力的にも正面切っての戦いには弱い。と思っているのは事実だ。
勿論、そんな土俵に上がる気すら更々ないのだが。あゆみにはあゆみの土俵があり、それをできる気はないのだ。
自分の能力が戦闘に転用できる事は十分承知しているが、一定条件下でないと効果は薄いと言うのも判っている。
「波原さんの能力は・・・やめておきますね。参加を決めてから教えてもらうことにします。参加していないのに連携
もないですもんね。
でも、今になって組織作りをしだすって事は危険が迫っているってことでしょうし、お互いのためにも参加の件、よく
考えたほうがいいと思いますよ?」
味方は多いに越した事はない。

86 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/09/02 21:16:37
>85
「いえ、すみませんだなんて……気に障ることなんてありませんでしたから…」
当たり前だが真っ赤なウソだ。原因はこの女、長屋ではないがさっきから吐き気がするほどムカついている。
サイコ野郎にテレパシスト、幻……一年分の不愉快が凝縮されているのではないか?今日は厄日だ。

で、長屋は笑みを浮かべているが……こっちの方は問題ない。気にも障らない。長屋がそれなりに見れる顔なのも
それに一役買っているのだろうが。下級生は僕の学年を知るとこの腰の低さに驚き、こんな表情になることが多いから
慣れてしまった。不細工か、もしくは男だったらその場で殴りたくなっていただろう。無論だが行動には移さない。

男性、老人、機械音……千変万化する声。芸人としては一流だ。攻撃には使えないだろうが、組めばあの赤石を……。
いや、長屋がコウモリの真似事……反射させた超音波を聞き取れるかはまだわからない。判断は保留。
そして、長屋のいうことを信じれば……これより戦闘向けの能力を持つ能力者ばかりだったらしい。
やり合うならやはり組む者、もしくは後ろ盾が必要だ。それも、後ろ盾の場合は接触が無ければ無理だが。
思わず口の中で微かな舌打ちが漏れた。あんな珍獣ばかりのサーカスに入るのは勘弁してほしい。
思考を会話へと戻す。
「あ、いえ、僕に比べれば凄い能力だと思いますよ…。それに見せてもらってばかりでは悪いですし、御忠告も
頂きましたからお礼として、少しだけ……お嫌でしたらかまわないんですけど…」
やはり断片は見せてやろう。どこまで僕の能力に気付くか気になって仕方がない。
「あの、少し頭に手を置かせてもらってもかまいませんか?僕の能力は、見えたり聞こえたりする能力ではないんです…。
それに、実際に体験してもらった方が早く理解できると思いますから…」
そう、見えない。少なくとも僕が公開する情報の中では目に見えるほどの波紋は起こせない、そうなっている。
さあ、どこまで気付くか。見物だ。
………あ、しまった。その前にこの申し出を長屋が受けるのかが問題だった。バカか、僕は…。

87 :国分寺静也 ◆DZs8Pl0LUA :05/09/03 09:06:02
>85>86
森の中にある細い道をしばらく進むと急に開けて一つの建物が見えた。
学園内ではよくある大型の部室。
学園では良くある部室の一つである。かなり古く見えるが、雑草やゴミなどは見られない。
その部室から少しはなれた木の近くで二人の男女が話している。
あの二人も手紙に関係するのだろうか?
もし、関係あるならば、あの二人は能力者である可能性は九割を超える。
二人の様子を見るにいきなり攻撃を仕掛けてきそうな風には見えない。
部室に直接向かうのも良いが、誰もいない上にこの二人も居なくなってしまっては目も当てられない。
「目的地はあの場所のようだが……とりあえずあの二人に話し掛けよう」
本を服にしまって代わりに手紙を取り出し左手に持ち、二人に向けて歩き出す。
二人から二メートル手前で――この距離は一息で攻撃は入りにくい――止まり声をかける。
出来るだけ友好的に……
手を降参の姿勢に近い形で両手を上に上げ、左手の手紙に視線を向けつつ声をかける。
「すまないが、この手紙に見覚えがあるかな? もしあるなら一つ話を聞かせて欲しいのだが、どうだろう?」
このポーズは友好的に映るのか、否かと考えながら反応を待つ。

88 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/09/03 22:56:06
>86
受け応えする波原はどこまでも丁重で腰が低かった。
部室での緊迫した状態から脱した後の状態の上波原のこの態度の為、その僅かな舌打ちに気付かぬまま会話が進む。
その後、波原 賢から能力披露の提案がある。
頭の上に手を置かしてくれと言うのだ。
「・・・いいんですか?それじゃあ、どうぞ。」
そう言いながらすっと会釈の姿勢をとって波原に頭を差し出す。
表情は変わらず笑みを浮かべたままだが、その姿勢の為自然と上目遣いになって波原の行動を見ている。

これから何が起こるかまったく判らない事を自分の身体で試す。しかも相手は初対面。
不安がない訳ではない。
橘 皐月の重力、兎崎 真希奈と双月 栄儚の炎、そして何よりも鳥羽 新太郎の状態変化能力。
どれも触れさせたら即座に致命傷になりかねないものを見たばかりだからだ。
だが、それでも行動に微塵の迷いもない。
今この状況で波原 賢が自分に危害を加える理由がないこと。
何の根拠もなく信頼は築けないこと。根拠もなく無条件で信じる、盲信などあゆみは認めない。
この二つを知っているからだ。
これから先、波原 賢と信頼関係を気付くにしても敵対するにしてもこの行動は大きな布石となるはずだ。
そして何よりも、知りたいからだ。カンブリア期の海のような部室で他の能力者を目の当たりにして気分が高まっている
からだろう。

>87
>「すまないが、この手紙に見覚えがあるかな? もしあるなら一つ話を聞かせて欲しいのだが、どうだろう?」
会釈した姿勢で波原 賢の行動を待っていると、突然声をかけられた。
姿勢を戻し、振り返るとそこには見たことのある男が立っていた。
国分寺 静也。同じクラスだ。とは言っても二年生になって同じクラスになったばかりなので、面識度は部室の人間と
殆ど変わらないのだが・・・
「あら、国分寺君も、だったの。」
そういいつつ鞄から手紙を取り出して見せる。
「あちらの部室で井川と言う白衣を北先生がいるから、説明を聞いてくるといいわよ。
そんな両手を挙げて話すようなことじゃないから、ね。なんだったらついていってあげようか?」
両手を挙げて降参したようなポーズの国分寺 静也にコロコロと笑いながら部室を指し示した。


89 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/09/05 00:29:47
>88
こいつ、普通に了承した。バカなのか、それとも単にクソ度胸の持ち主なのか判断に苦しむ。
だが、これはまた無防備だ。殺ろうと思えば常人でも簡単に殺れるのではないか?
……しかし素直に敬意を抱いた。その度胸に。ただバカなだけかもしれないが。
微妙に上目遣いで見られるのは何か落ち着かないが、まあいい。
さて……やるとしよう。乗り物酔い程度でいいだろうか。

頭を出した状態の長屋に、手を置こうとしたところで声をかけられた。

>87
声の主は男だ。どうやら長屋の対応を見ると、クラスメートらしいが……なんだそのポーズ。
沸き上がる侮蔑。いくらなんでも降参、なんてやってるのは滑稽じゃないか?武器は隠してないです、か?
勿論顔には出さない。心の中で思っているだけだ。とりあえず無難に会釈だけをしておく。
ここに来た、イコール九割九分九厘能力者だ。こいつとやり合う可能性もある。能力は知っておきたい。
とりあえず話の内容に耳だけは傾けておいた。

だが、こいつの対応は長屋がするだろう。なんといってもクラスメートだ。
任せておけば無難に……と本題は終わったようだ。冗談混じりの雑談にシフトか?

……おっと、うやむやになる前に能力に関しての考察を聞かせてもらわないと困る。
後ろから何気なく長屋の頭に手のひらを置く。手は開き、軽くだ。指一本でもいいんだが不自然な気がする。
まあ、見ているだけでは手を頭の上に置いたようにしか見えないので男に何が目的かバレる可能性は限りなく低い。
「……では始めます」
ポツリというと「力」を発動させた。小さな波を長屋の頭に送り込み、三半規管……だったか?それを刺激する。
三半規管を揺らされることで乗り物酔いは起こる、ということだ。この場合はついでに脳も微妙に揺れるが。
今、長屋はちょっとした不快感を味わっていることだろう。長屋の気分が悪くなりすぎる前にやめておく。
手を放した。時間にして十数秒といったところか。

さて……どんな能力か、長屋はわかっただろうか。
「こんな能力なんですけど……どうでしょうか?」
眼鏡を押し上げながら聞いてみる。男の方は見ているだけでは全くわからないだろうが。
……もしこれを希望したら強めに叩き込んでやろう。僕だって男より女の方が好きに決まっている。

90 :国分寺静也 ◆DZs8Pl0LUA :05/09/05 21:16:56
>88>89
>「あら、国分寺君も、だったの」
答えを返した女の顔を見て内心驚く、同じクラスの長屋あゆみと言う名前だったな。
男はこちらに会釈を返してくる 。見覚えはない。
長屋あゆみは鞄の中から左手に持つ手紙と同じ物を取り出し見せた。
能力者だったのか。クラスで見たときには気がつかなかった。
それは向こうも同じか……。

>「あちらの部室で井川と言う白衣を北先生がいるから、説明を聞いてくるといいわよ。
そんな両手を挙げて話すようなことじゃないから、ね。なんだったらついていってあげようか?」
楽しそうに笑いながら部室の方を指差して言ってきた。
「やはりこのポーズはやりすぎたかな。失敗したな」
苦笑を浮かべながら、腕を下ろしながら考える。

男が長屋にやろうとしたことに興味を覚える。
もしかしたら、長屋に対して何らかの能力を見せようとした?
手で頭に触れようとした、接触型の能力? 触れなければ安全か? 見て見たい。
いや、手紙の内容を白衣の井川と言う人物に説明を聞いてきたほうがいいか?
やはりこいつと長屋の能力に興味がある。
話は部室から出てきたところか、見た後で聞けばいい。

「長屋…さん、君とあなたの能力に興味があるな。ここで少々見せてもらって良いかな?」
長屋と男に視線を向けながら言い、男と長屋の行動を注視する。

>「……では始めます」
やはり、能力を見せるのか。
……見えない。何をした? 手から何かが出たわけではないようだ。
筋力強化? それなら、その辺の木や石を握り潰せいい。
操作能力か? 手の周囲に変化が見えないからこれの可能性が高い。
長屋あゆみの様子を観察してからだ。

91 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/09/06 17:17:32
>89>90
>「長屋…さん、君とあなたの能力に興味があるな。ここで少々見せてもらって良いかな?」
国分寺静也の言葉に応えようとした時、頭に手を乗せられた。
>「……では始めます」
後ろからポツリと発せられる波原 賢の言葉。
国分寺 静也が来たことによって会話が途切れたので、この状態から続行するとは思わなかった。
正に不意を突かれた状態だった。
「えっ」
と小さく声を上げる事が精一杯の反応だった。
それから十数秒、あゆみはその場に立ち尽くすことになった。

思考を戻し、波原 賢の能力を理解するのに五秒ほどかかった。
観察と考察はとりあえず後回しにして、可聴域をはるかに下回る低周波を発して自分の三半規管に響かせる。
そう、波原 賢から送られてくる震動と同じ波長の震動を作り出し相殺していったのだ。

>「こんな能力なんですけど……どうでしょうか?」
程なくして手を外され、波原 賢から声をかけられる。
振り向いてみるその眼鏡を押し上げながら聞くその姿は先程までの腰の低い波原 賢とは微妙に違和感を感じる。
その姿を見ながら考えを纏めていく。

(人間考え付く事は似てくるものね・・・)
心の中で驚きと共に呟きながら体験を思い起こす。
頭を通じて不快感と軽い吐き気、微小ながらも平衡感覚の狂い。手を置く場所も衣服の上ではなく、頭部に直接。
この感覚は何度も実験して体験していた。
そう、これは骨伝導を利用した三半規管への攻撃、だ。
あゆみの音を利用した攻撃手段の一つでもある。
そうなると波原 賢の能力も音・・・若しくは震動、波動等のそれに類するものの可能性が高い。

「確かに、見ては判らない・・・ですね。ありがとうございました。」
こめかみに片手を添え、笑顔を引きつらせながら答える。
数秒とはいえその力をまともに受け、更に波原 賢に相殺を悟らせない為に三半規管のみに響かせ脳への微弱な震動
は放置したので不快感はある。
が、大部分は相殺したのでそこまで大げさに引きつらせることでもないのだが、わざわざ相殺したことを言う事はしない。
この言葉は能力の感想と同時に、波原 賢という人物のあゆみの感想なのだ。

波原 賢に感じたその違和感が思考整理によってはっきりとしてきたからだ。
丁重で腰が低い態度からは考えにくい会話の流れが切れても強引に自分の流れを続けた行動。
能力の説明はできなくとも効果は波原 賢自身解っている、そしてそれを使いこなしていること。
にも拘らず一切の説明もなく能力を発動する・・・
これは説明できないのではなく、一種の挑戦なのだろう。
このことから丁重で腰の低い波原 賢の後ろに朧気ながらだが、確かに別の一面を感じたのだ。
それが違和感の正体だった。

波原 賢に感想と礼を軽く述べ打ち切った後、、国分寺 静也にもう一度向きかえる。
「あ、中断しちゃってごめんなさい。私の能力は聞いての通りよ。」
今日三回目の能力による変声術を披露した。

92 :国分寺静也 ◆DZs8Pl0LUA :05/09/09 07:53:34
>89>91
長屋は手を置かれた直後から様子がおかしくなった。
表情と姿勢が吐き気を催したように軽く揺れる。

能力はおそらく相手の感覚を狂わせる能力か。
頭部に直接手を置いたのは触れなければ能力を送り込めないからだろう。
……だがおかしくないか? 能力はある一定の制限を受けるものだ。
私の能力も距離や使用回数が限られている。何度か限界を計るために使って気絶した。
感覚を狂わせたりする程度の能力なら手でも良い筈。近距離でも良いくらいだ。
“直接頭部”というのが引っ掛かる。
体験させてもらうか? 危険か……だがやはり知りたい。

>「あ、中断しちゃってごめんなさい。私の能力は聞いての通りよ。」
考え中だったが長屋…の声が劇的な変化をしてゆく様に本当に驚いた。
自分の顔に浮かんだ驚愕の表情を打ち消し、起伏の少ない表情に戻す。

考える。最後の電子音が一番引っ掛かる。
あの音声は普通の発声ではあそこまでは出来ない。
電話番号の音声入力、さらにはファックスの送信も出来るのでは?
もしかしたら、あらゆる音を作れるのかもしれないと考えてしまう。
「おもしろい能力です。軽くものまね王になれますね」
ありきたりな感想を返しておく。

「私にもあなたの能力を体験させてもらえないかな? 替わりに私の能力も見せよう」
そう言って男に視線を向けて左手を差し出す。
「それとも私から見せようか?」

93 :波原 賢 ◆As10gjPiQs :05/09/09 22:22:54
>91
波を伝わらせた時に感じた、微妙な違和感。何かおかしい、と漠然としか感じなかったが…それは長屋が能力を使ったか何かしたのだろう。
だいたい、この能力はもっとえげつない使い方をするものだ。こんなチマチマした使い方では真価を発揮しているとはとてもいえない。
手足の末端だろうと頭だろうと、掴んだ場所から波を叩き込み、体内で反響させればで行き場のない波は暴れ狂い、体を駆け巡って頭蓋骨の中の脳までも
ガクンガクン揺らしてくれる。そうすれば相手は恐ろしく酷い脳震盪で戦闘不能、下手をすれば一発で昏倒。体の中はまさにシンバル状態というに相応しくなる。
といっても少なくとも四ヶ所以上で触れなければそんな効果は無いのだが。

まあ今回は一ヶ所故、本気でやっても大した威力にはならなかっただろうが。
一応謝罪の言葉を入れておくとしよう。今回は少し卑屈に……相手に危害を加えたわけだから、それを心がけて。
「長屋さんも実演してくれましたから、一応ですね。口で説明もできたんでしょうけど…話を切ってしまい、申し訳ありません。
それと、不快感の方は直ぐに……そう、後五分もすれば……すいません」
しかし……自分の行動を振り返ってみたが、ちょっと強引だっただろうか。

>92
国分寺とかいったか。スカシやがって、というのが僕の正直な感想だ。
能面よりはマシだが表情があまり変化しない奴はやりにくい。とりあえず能力は見せてもらうとしよう。
しかし……フリをしているわけだから、こちらから見せる他はないか。クソ、こういうのにはヒントを与えたくないのだが。
「あ…いえ、ではこちらから…」
差し出された左手を同じく左手で掴む。仕方ない、手を痺れさせるくらいでいいだろう。
といっても血流を止めるわけではなく、あくまで疑似的なものだ。
放出間隔を狭めた波で似たような感覚に錯覚させるだけ。しかしこの使い方は最近やっていないから、どうなるか…
やはり頭に手を……いや決定的に不自然だ。ええい、ままよ。出来得る限り慎重に、波を送り込み……手を放した。
相手がどんな感覚を左手に受けているかはわからないが、まあ一発でバレるということはあるまい。

「こんな能力なんですけど…わかりました…?」
オズオズと、2人に向けて聞いてみる。
長屋はわかったようなことを言っていたが…さあ、お手並み拝見といこう。

94 :国分寺静也 ◆DZs8Pl0LUA :05/09/10 14:05:44
こちらの申し出に対し、男は何かをためらい。
>「あ…いえ、ではこちらから…」
と言いながら、こちらの左手と握手する形で掴む。
握られた手から違和感を感じた瞬間、左手が長時間正座をした後のように痺れた。
自分の顔がしかめ、手を振り解こうと指が開いた。
手放されても、なにか余韻のように自分の血液がうねるように流れる感覚が強い。

不快感よりも違和感が付きまとう。
長屋…は軽い――推測でしかないが――吐き気のようなもの、私は痺れを感じている。
共通項が見つからない。
吐き気はグラグラ、痺れはビリビリと私は感じるが、果たしてどんな能力なのだろう?
やはり、感覚を直接触れることで操る能力とするのが一番分かりやすい。
と“触れられなければ安全”と結論立て、黙考を一時的に終了する。
「……なるほど……ありがとうございました。では私も披露しましょう」

男から一歩下がりつつ右手を下げ、振り上げる動作と同時に指を鳴らす。
破裂音に近い音がなると、静也のいた所に埋まっていた拳大の石が跳ね上がる。
落ちてきた石を右手で掴んで二人に見せる。
「物をこうやって動かせる能力です。わかりやすいでしょう?」
声のトーンが上がる。能力を使うと昂揚感が身体をかけ、こうなる。
顔に浮かんだ笑みを消しつつ、二人の反応を待つ。

95 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/09/12 15:18:11
>84
>「――仲間を信じられぬものにこの先、背を任せる気はない」
栄儚の問いかけに対する発言。瞬時に雰囲気が一変したように感じられる。

>「あの初対面という不穏な状況下で、いかに心情を掻きまわし、謀の裏で人を量る。
>少し考えれば、なぜそんなことを言い自分たちを混沌に陥れるか。すぐにわかり深い疑いをかける。
>あるいわ『こいつは怪しいから、不穏な動きを見せ次第攻撃する』という者さえ現れる。
>しかし、その場で敵という解釈をせずに仲間を信じる。そんな人物が俺には必要なんだ。
>中途半端な同盟は、グループをより深い混沌へと陥れる」
つまりは試していた、と。この発言だけを聞いたものならば一応納得はできる応答。

>「自体は君たちが想像するよりも悪化している。
>その中で蠢く思想の中で、仲間というまだ霞んで見える者を量ることは、卑しいことでしょうか?」
それから一呼吸置いてのこの発言。その一瞬の動作からは心情までは読み取れない。
ただ、この発言から赤石は過去に仲間に裏切られたことがある、そんなことが予想できる。
そして必要以上に用心深くなっていて試していた。理に適ってはいる。少なくともこの発言だけなら。
「自分の姿名前まで偽っていたあなたに、あなたが言うような真の協力関係が築けると思うの?
自分達をまったく信用していなかった相手を逆に信用できると思う?」
彼の言動の矛盾点。尤もらしい事を言っても結局は疑いを隠すための建前に見えてしまう。
その本心がどこにあるにせよ、だ。しかしそれらは前提とする条件に過ぎない。
最も重要なこと、それはこの赤石が『栄儚の敵』に繋がっているかどうかだった。
栄儚の敵は学園の敵である可能性が高く、赤石が学園の敵なら繋がりがないとは言えなくなる。
(さて、どうするか…)

96 :あかいし たくと ◆wxYBX9tqfU :05/09/12 22:20:21
>「自分の姿名前まで偽っていたあなたに、あなたが言うような真の協力関係が築けると思うの?
>自分達をまったく信用していなかった相手を逆に信用できると思う?」
「くくっ。いやいや、本当に誰が敵なのか味方なのか皆目検討がつかないんだ。
俺としては当然の処置だと思うよ?」
口元がもはや耐えられぬ、とばかりに大きく歪む。

「それと、今最も警戒すべき人物は俺じゃなく、全員の能力を一通り見た後にぶっ倒れたあの男だと思うのだがね。
彼自身、本名と能力を公開してはいないし、情報は十分すぎるほど得ている。
もしあれが芝居で、彼が敵だったとしたら――」
あえて最後まで言わずに、相手の反応を楽しむかのように顔色をうかがう。
あの男が謳歌研究所の関係者ならば、自分に情報がこないはずがない。
加神製薬や他の勢力の人間の可能性も否めないが、十中八九無関係の能力者だろう。
こちらの思惑通り疑惑の矛先を彼に移るか、それでもこの場の自分を疑い尽くすか。

唐突に携帯の着信音が鳴る。
このゴッドファーザーのテーマは――あいつからか。
「ちょっと失礼。友人からだ」
確認すると同居人の荒牧から『飯ヲ早ク。ワシヲ信ジテ』
と訳のわからない内容のメールが届いていた。
チャイムが鳴る。時間を確認すると、昼休みが終わったぐらいの時刻だった。
「さて、そろそろ頃合でしょう。昼ご飯食べてないんですよ。俺
腹が減ってきたんで、帰りますね。それではまた――」
探りあいはここまで、とばかりに手をヒラヒラと振りながら、寮方面へと向いて歩き出す。

97 :長屋あゆみ ◆isRTpzsm9k :05/09/12 22:49:01
>92>93>94
微小な不快感に耐えながら変声術を披露すると国分寺 静也から感想が帰ってくる。
その後、波原 賢へ自分も体験してみたいと言い出したので忠告しようと思ったが止めておいた。
差し出した左手が気になったからだ。
携帯電話の骨伝導は鎖骨辺りまでが限界だが、波原賢の能力はどの位の強さか興味がわいたからだ。
人体にダメージを与えられる強さなので、携帯電話より弱いという事はないだろうが・・・
いや、もしかしたら波原賢も骨伝導以外の使用法を発見しているのかもしれない。
あゆみがそれをやろうと思うと多少の準備が必要になるのだが、この握手の状態でできてしまうのならそれは正に脅威
としか言いようがない。

注意深く二人を見ているが、特に変化が見受けられないまま手を放して相変わらず腰の低い口調で聞いてくる。
それに対する国分寺静也の答えからすると、何らかの変化はあったようだ。
だが、吐き気や不快感を模様したようにも見えない・・となると・・・

可能性を探っていたが、答えがわからないまま今度は国分寺静也が能力を披露してみせる。
爆裂音と共に跳ね上がる拳大の石。
>「物をこうやって動かせる能力です。わかりやすいでしょう?」
表情の少ない顔に笑顔が浮かばせながら言うが、あゆみにはその正体はわからなかった。
念動力、と思ったが違和感が付きまとう。
それは爆裂音とその石の動き。
音が発生するのにはいくつか種類があるが、爆裂音は震動ではなく衝突、つまり空気の収縮や膨張による発生音だ。
それに動かすというより跳ね上げた、という方がしっくり来る。
だが、見た感じでは何かをぶつけたようには見えない・・・

「・・・二人ともすごい能力ですね。よく判らないですが、危険から身を守るには役に立つと思いますよ。
ですから手紙の件、よく考えておいてください。何かあったとき二人がいてくれると、とっても心強いですから、ね。」
感心したように笑みを浮かべ、二人に賛辞の言葉を述べる。
素直な感想だった。
学園から知らされた危機に対し、二人は重要な戦力となりえるだろう。
「それでは、私もう部屋に戻りますね。今日は色々あって疲れちゃったので・・・」
伏せ目がちに一礼すると歩き出す。
波原賢に与えられた不快感は完全に消えているし、特に疲れたという事はない。
だが、ここで相性の良い人間を待つより、自分の準備を優先させた方がよいと判断したからだ。
能力的に戦闘力の劣る自分がそれを補わなければならない。蓄えた知識と知恵で、だ。
あゆみの本当の行き先はそれがあるところだ。そう、科学研究会の部室でもある理科室へと歩いていった。

98 :双月 栄儚 ◆jWIh40IEpc :05/09/15 18:28:55
>96
>「くくっ。いやいや、本当に誰が敵なのか味方なのか皆目検討がつかないんだ。
>俺としては当然の処置だと思うよ?」
栄儚の問いに対する、今度こそ完全に白々しいと言える返答。

>「それと、今最も警戒すべき人物は俺じゃなく、全員の能力を一通り見た後にぶっ倒れたあの男だと思うのだがね。
>彼自身、本名と能力を公開してはいないし、情報は十分すぎるほど得ている。
>もしあれが芝居で、彼が敵だったとしたら――」
続けてこの言葉。
(滑稽ね…)
もし鹿島が敵であり、あれが演技だとしたら。彼と二人っきりになっていた朝吹聖。
彼が無事に戻ってきたという事実。部室からも校舎からもある程度離れた場所で仕掛ければ、早々見つかるものでもない。
人目につかないような場所だし、始末するには囲まれてる状況より一対一の方が良いのは当然のこと。
情報を得ることだけが目的というのも、リスク・リターンの面から見て考えられない。
(それくらいのことも、見抜けないと思われてるのかしら…)
しかしこの局面でこの考えを喋ったとしても栄儚にとってプラスにはならない。
結局赤石への疑いを深めることはできても彼が敵という確定的な結果には結びつかない。
「…………」
どうすれば真実に辿り着けるのか…そう考えていると…

>「さて、そろそろ頃合でしょう。昼ご飯食べてないんですよ。俺
>腹が減ってきたんで、帰りますね。それではまた――」
これ以上問答を続けていてもこの男から真実を聞き出すのは難しいだろう。
結局栄儚は、そのまま寮のほうへ戻っていく赤石を見ているしかなかった。

「はぁ…」
しばらくしてからため息を一つ。
「二死満塁から棒球を見逃し…かっこ悪いなぁ…」
三年間、追い求めても道らしき道一つすら見つけられなかった。
今日、もしかしたら何らかの真実を掴めるかも知れないところまで来ていた。
しかし、結論を急ぎすぎたために辿り着けなかった。
それでも全てが断たれたわけではない。栄儚の中では依然として赤石は怪しい人物ナンバー1だ。
「赤石がアイツの関係者なら…いつか必ず…!」
そう決意し、栄儚はその場から立ち去っていく。

99 :国分寺静也 ◆DZs8Pl0LUA :05/09/18 11:25:59
>97
>「・・・二人ともすごい能力ですね。よく判らないですが、危険から身を守るには役に立つと思いますよ。
ですから手紙の件、よく考えておいてください。何かあったとき二人がいてくれると、とっても心強いですから、ね。」

凄いか…。確かに一対一ならばと仮定した時には自分の能力は有効だと思う。
自分の能力は多数を相手にしたときに致命的な弱点を抱えている。
手紙の件か、詳しい内容はまだ不明だが彼女もこの妙に腰の低い男も…名前を聞いていないな。

>「それでは、私もう部屋に戻りますね。今日は色々あって疲れちゃったので・・・」
考え事をしていると長屋…は言って帰ってしまった。
「もう少し話したかったが、まあ機会も多いだろう。さて、あの部屋で白衣の井川と言う人物と話をしに行こう」
 掴んだままの石をその場に投げ捨てて、手についた泥を払って、
「では失礼する、また、会う機会があるかもしれないがその時はよろしく」
とだけ男に言って部室に向かう。

部室のドアを開けて、中を覗く。
部室の中には、確かに白衣が目立つ男。眼鏡をかけた男とツインテールの女性。
銀の髪が目立つ男と妙に筋肉質な男が居るがとりあえず、自己紹介をしておくことにした。
「私は国分寺 静也。井川さん、一つ説明をよろしく頼むよ」

空気が少々おかしいが、構わず続けたのだが完全に外したか?

そんな空気の中、井川の説明を聞く。
「なるほど、分かったとりあえずこちらの連絡先として携帯のめるアドを置いていく」
机の上に、メモ帳に英数字と自分の名前とクラスを書き込み破って机の上に置く。
ついでに壁に貼られた長屋の連絡先も写しておく。
「私はこれで失礼する。井川さん、次にあう時には答えを決めておきます。では」

100 :名無しになりきれ :05/10/08 23:07:21
終わりか?