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一緒に冒険しよう! ライトファンタジーTRPGスレ9

1 :Player of ◆666/MyrH6U :2012/06/10(日) 20:19:16.18 0
無限に続くかのような物語も、旅路の最果てに地平を見る。

真偽の移ろう神話、邂逅と別離の冒険譚、魔王を討つ英雄譚、宇宙的な幻想譚、数多の史譚と無道の寓話。

物語で織られた歴史たちも、一時的に封印される。

物語るものが現れ、再び創世の卵が割られる時まで―――。


―― 一緒に冒険しよう! ライトファンタジーTRPGスレ9 ――


【詳細はこちらを参照して下さい】
まとめウィキ「ぼうけんのしょ〜Light Fantasy@ウィキ」
http://www36.atwiki.jp/lightfantasy/pages/1.html

専用掲示板(避難所などがあります)
http://www1.atchs.jp/lightfantasy/

なな板TRP系スレまとめWIKI「なな板TRPG広辞苑」
http://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html

2 :Player of ◆666/MyrH6U :2012/06/10(日) 20:27:48.64 0
【終章〜現在まで】

己が居城として万魔殿を築いたレヴィアタンは、異界に呼び掛けて大勢の存在を招く。
名高い英雄たちと、無名の冒険者たちと……彼らを屠る為の魔物たちを。
万魔殿に呼ばれた全ての生命体は、神の座を望むレヴィアタンへの生贄。
無数の魔物と罠が巣食う迷宮は、それ自体が奪魂の装置であり、命を落とした者は次々と魂を喰われた。
そして、様々な思惑を秘めた者たちは、迷宮五階層に創造されたレヴィアタンの異界領域で遭遇する。
人の姿を模した魔王レヴィアタンと、巨大な神蛇のレヴィアタンに。

結末の地平を目指して、人知を越えた者達の戦いは始まる。
世界の加護を受けたビャクが剣を振るい、aizenが様々な攻撃を繰り出す。
テイルは千海里もの体躯を持つ神蛇に呑まれ、その胎内世界に幽閉された。
呪歌を紡ぐルーチカは、レヴィアタンの創る未然の世界を観た。

やがて、熾烈な戦いの中で魔王は討たれたが、決戦の舞台には未だ神蛇が残る―――。

3 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/11(月) 23:28:50.83 0
レヴィアタンが魔力で形成した領域は、戦況の変化で色彩に重さを増す。
静隠な碧の海に重ねられた光景は、巨躯の神蛇が巻き起こした鉛色の嵐だった。
山脈のような巨影で大海を打ち砕く神蛇は、海の破片を豪雨と嵐に変える。

神蛇は魔王がビャクとaizenに討たれたのを認めると、嵐を貫く閃雷を放った。
しかし、テイルを撃ち落とした烈しい雷は、両者に寸毫の傷も与えない。
永久闘争存在化したビャクは、外界からの攻撃を遮断する無敵結界で雷撃を無効化。
aizenは、忽然と現れた人型兵器と思しき機影に守られていた。

そして、雷を凌いだ二者から反撃が開始される。
援兵たる兵器に騎乗したaizenは宙を疾駆。
長大な剣を持って神蛇の背に降り立つと、大盾のように堅固な銀鱗に刃を突き刺した。
神蛇たるレヴィアタンの鱗は一枚一枚が大型帆船にも匹敵する厚さで、鉄よりも硬い。
その鉄壁の防護壁が強引に貫かれ、捻じ込まれた剣は竜巻の勢いで回転を始めた。

砕けた鱗が烈風に散らされ、抉られた鱗の下からは深淵の闇が姿を現す。
火野から奪った"無"のメダルの力で具現させた……疑似的な虚無が。
何も無い"虚無"は破壊出来ず、それ故に内部に神であるテイルをも封じる次元の牢獄として機能し得る。
この虚無の魔壁こそ、レヴィアタンが縮小する宇宙から己を守る為に用意した術策であった。


(我ガ深奥ハ、虚無ガ阻ム)
(無トハ、真空ノ空間ガ、在ルノデハ無イ。存在ノ否定ガ、無デアル)
(虚無ニハ、進ムベキ時間モ、侵入スベキ空間モ、アラユルチカラモ、存在セズ)
(故ニ。何者モ、無ノ先ニハ進ミエナイ!)

神蛇は他者の思考を圧して、奔流の様に傾れ込む思念の波を発した。

(無敵結界……ビャク=ミキストリ、ガイアデハ、打ツ手モ無カッタガ、今ハ異ナル)

ビャクの背後に虚夢が生じる。
口元にだけ微笑を浮かべた古拙的な表情の少女として。
其処にはレヴィア=メルビレイの肉体が、首を刎ねられる直前の形で完璧に復元していた。

「だって……六百六十六の虚夢が、未生の法則で無敵結界を否定するもの。
 結界の存在しない世界の夢が、結界の存在する現実を浸食する」

魔王の囁きは、漆黒の長槍でビャクの背を尽き刺しながら発された。
レヴィアタンが所有する複合シャードは物質・法則を問わず、虚夢を現在に投影する機能を持つ。
無敵結界に対して投影されたものは、生まれざる世界の物理法則である。
結界が存在する法則と、結界の存在しない法則が、互いに互いを否定して打ち消し合ったのだ。
そして……打ち消された結界に槍が突き立てられた。

「ごめんなさいね……頑張って首を刎ねたのに消えてなくて。
 この肉体は、レヴィア=メルビレイの虚夢が投影されたものに過ぎないのよ。
 水に映る影の様なもので、何度掻き回しても、すぐに戻ってしまう」

魔王レヴィアタンが、優しげな口調で言う。

「時空の存在しない虚無を越えて……その中に押し入る?
 もしも、それが可能ならば、私の計画は根本的な欠陥を抱えていた事になるわね。
 無の殻で宇宙の崩壊から身を守る案は」

視線を宙に彷徨わせた魔王は、自らに問いかけるような台詞を吐く。
防御の態を取らないのは、自らの形が掻き消されても、それが一時的な水面の揺らぎに等しいと承知しているからだろう。
無論、再び姿を得た魔王に先程と同様の攻撃力を向ければ、容易く消し去る事が出来る。

「虚無には原子を結合させる力も存在しない。空間の外側に向かえば肉体を保つ事すら不可能。
 それでも試したければ、好きなだけ試すと良いわ……」

4 :永久闘争存在 ◆1LbV.WkN1I :2012/06/14(木) 21:12:07.46 0
aizenと彼の攻撃で神蛇であるレヴィアタンの堅固な鱗に穴を空ける事に成功する。
穿ったその穴の先は正に何も無い真っ黒な空虚な何も見えない空間を表していた
虚無―まさしくその文字を現す何者も存在できぬ空っぽの場所だった。

>(無敵結界……ビャク=ミキストリ、ガイアデハ、打ツ手モ無カッタガ、今ハ異ナル)
>「だって……六百六十六の虚夢が、未生の法則で無敵結界を否定するもの。
 結界の存在しない世界の夢が、結界の存在する現実を浸食する」

その言葉の後、彼の身体に漆黒の長槍が突き刺さり盛大に鮮血が飛び散るが
気にも留めず倒したはずの魔王の存在に驚きもしない

>「ごめんなさいね……頑張って首を刎ねたのに消えてなくて。
 この肉体は、レヴィア=メルビレイの虚夢が投影されたものに過ぎないのよ。
 水に映る影の様なもので、何度掻き回しても、すぐに戻ってしまう」

その言葉の後、後ろを振り向く事も無く何の動作も無く
彼女の周囲には彼本来の込められた力を遥かに上回る億兆の膨大な魔力で作られた十字剣が
その身体目掛けて爆撃の如く降り注ぎ、その身の行動を強制的に停止させようとする
今の彼には諦めるという考えはないし、殺し切れないのならば行動を封じれば良いと言う思考に切り替えた。

>「時空の存在しない虚無を越えて……その中に押し入る?
 もしも、それが可能ならば、私の計画は根本的な欠陥を抱えていた事になるわね。
 無の殻で宇宙の崩壊から身を守る案は」
>「虚無には原子を結合させる力も存在しない。空間の外側に向かえば肉体を保つ事すら不可能。
 それでも試したければ、好きなだけ試すと良いわ……」

そんな言葉など端から聞く耳も持たず穴に向かい入っていこうとする
もちろん何の考えもなしに入ろうとするわけじゃない
原子を結合させる力も存在しない虚無ならば、こちらが諦めると思っているのか
それは決してありえない、ならば虚無の反対側の性質を介在させれば良い
666の虚無の法則が全ての力・存在を認めぬのなら―それを上回る『無限』の法則の力を生じさせればいい
彼はそれを予備動作、詠唱など一切無く一瞬で展開させる。無敵結界などが無くても彼は世界からの力の供給により
文字通り無限の力つまりは法則などを同じように更に書き換える活動できるまで相殺させる、あるいはその障害・遮る物に関しては彼が存在し確実に介入が出来るまで
極限までそれは強制的に緩和させるという権限の力も含まれている。当然それは本来ならば神人にならねばその力は彼には使えない
しかし世界を脅かす者には何者にも屈してはならないこそ本来ならば選ばれた相応の力を持つ者にしか行使できぬ力が与えられる

「―――」

そして彼は神蛇レヴィアタンに空けた
存在を許さぬ暗黒の世界、虚無の存在するブラックホールの如き穴の中に入っていった。


5 :機神の継承者 aizen   ◆JryQG.Os1Y :2012/06/14(木) 21:45:07.87 0
ふっ、それに、対抗できる奴がないとでも思った?
aizenは、地に、様々な魔法陣を描く。
『来い、サイバスター』
すると、銀色の機神が召還された。
aizenは、それに乗り込み。
また、魔法陣を描く、
『アカシックバスター!』
炎を纏った、サイバスターで突っ込む。
『残念だが、空気を纏ってるし、終わりだ。』

6 :永久闘争存在 ◆1LbV.WkN1I :2012/06/14(木) 22:21:50.69 0
一つ、ある少年について話そう。
その少年は親も居らず、彼には姓が無かった
拾われた孤児院では彼の性質からネイムレイス―名無しという意味の言葉だったが
まずフルネームではそう名を名乗っていた。
少年は心優しく誰に対しても決して変わらない思いやりと純粋な心を持っていたため
誰からも愛され、彼も皆を愛していた―特に彼を闇の中から救い出し暖かく包み込んで来れた
彼にとってほとんどの人間にとってそれはまさしく聖女という敬称以外の何者でもない少し年上のシスターを愛していた。
彼女も弟のように思っていた感情も歳を重ねるにつれてそれは異性に向ける愛情に変わる。
相思相愛の二人は彼の生まれた場所で起きた戦火で離れ離れになった彼女を探すため少年は軍に入った。
それは或いは未交流世界の、未開拓世界の安全や現状を確認するための先行調査する部隊に配属され
今も深い縁で結ばれた仲間達と出会い幾多の冒険や戦いを繰り広げ、それと同じように誰かを助け続けた。
彼が待ち受ける運命により出会う最愛の人との再会まで。
様々な困難や熾烈を極めた激闘、積み重ねた数多の屍を超えて再会した彼女は望まざるとも全てに災厄を与え
不幸と災害を撒き散らす多数の世界を滅ぼす者として誰かを助ける事に喜びを感じる聖女という矛盾を抱えた
そんな存在として世界から力を与えられ覚醒し存在その物を書き換えられた彼女との再会をする。
散っていた世界の人々と戦友達・これから彼女の存在によって悲劇が起こるだろう何の罪も無い人達がいる多くの世界
人を愛し、心の底から誰かを助けたいと慈愛に溢れ分け隔てなく優しさと思慮深い最愛の彼女と
選ばなければならない選択を強いられ、苦悩するも結果少年は―彼女のこれ以上誰も苦しめたくないという懇願を涙ながらに断腸の思いで汲んだ。
愛する人をその手で切り捨て、彼女の願いで多くの世界は救われた。
少年は叫んだ―どうして人を誰よりも愛し、救おうとした何の罪も無い彼女にこのような惨い役目を与えたのかと
世界は何も答えない―たかが一つの命程度と塵芥にも見たぬと言わんばかりに。
その時から、彼女にそんな過酷な運命を強いた世界を、全ての存在を恨んだ
何の非の打ち所も無い人にそのような苦しみを背負わせる全てに反逆の意思を抱き
戦い続けたその果てに彼は―死んだとされている。

そのはずだった―――――
死んだはずの彼の中に今残っているほんの残滓に
それは一瞬に近い時間だったもののまるで走馬灯の如く
学生として平和な世界の夢を見ていた。

7 :永久闘争存在 ◆hfVPYZmGRI :2012/06/14(木) 23:33:23.19 0
そこでの自分は孤児院を出て、学生として学校に通う自分
そんな自分と今同棲するように暮らしている二歳年上の同じ高校に通う共に同じ孤児院の生徒会長の彼女との
家を出る前に突然された口付けの感触を思い出しながら、いつかはその先に進むのだろうかと頭が働かずに呆然としつつ
学校への道を歩く健全な男子学生として当たり前な光景の中で誰かとぶつかりながらも上の空である彼は
声を掛けられても気づかずに着いた先で、気を取り直して転校生として紹介された後
誰かが自分に向けて声を上げたが、誰かは思い出せないが席について軍学校以来の勉強をする自分
ごく当たり前でもしかしたら世界が違えばあったかもしれないと窓を見ながら思うと
あっという間に時間が過ぎ、時間は夕暮れになり校門を出ると彼女―イリューシャが春真っ盛りに咲いた桜の木の下で
待っていてくれた所を一緒に歩きながら、今日あった事をおもしろおかしく喋りながら帰るという光景は不思議と悪くないと感じた
このまま平凡でありながらも何気ない日常を送って彼女と一緒に笑いあって時には喧嘩したりしながらも
いつかは結婚して、子供を作って老後までずっと居られるのかなという思いを胸に抱いた所で
―自身の歩くすぐ隣は劫火に包まれ建物は崩壊し屍がそこ等に転がり積まれている屍の山
そんな中に仮面を被り、口元には殺戮に快楽を感じている笑みを浮かべ立っている自分―

『お前にそんな幸せを得る事は許されない―こんなに血塗られた手を持つ人間はな』

そんな事は分かっている、自分は決して許される存在ではない
だからこそ咎を背負いのうのうと生き延びて今も殺戮機械として呼ばれながらも
世界を渡り歩いている―

「もう疲れたよ」

「そうね、貴方はよく頑張ったわ此処で休んでも誰も責められない
でも貴方をまだ信じ待っていてくれる人がたくさん居るのほら」

幻想である隣を歩くイリューシャは柔らかい笑みを向けて空に指を指すと聞き覚えのある声が聞こえた。
自分を呼びかけるその声は彼の知る妖精にして神格の声。

>「ビャクさん、掴むんだ、”未来”を――!
ボク、見たんだ、幸せな未来の可能性の一つを見たから!」

「ほら必死にこの人は貴方に向かって叫んでる貴方には諦めなければ掴める未来がまだまだ沢山あるのだから
だからもう少しだけ頑張ってみない?」

彼女の一言で自分の胸の中で燻っていた物が再び火が付いた気がした。
そうだ、まだ自分は本当の未来を掴んでいないならこのままで良い筈がない
まだ自分に笑顔を向け、受けた温もりの恩返しが出来ていないのだ
彼らを守るのが自分にとっての唯一の恩返しであり、そんな彼らが老衰で死ぬまで
平和を守り続けると決めたこと。自分の前で立ち止まったイリューシャを力強く抱きしめるこの感覚を忘れぬように。

「ごめん…そしてありがとう。僕は立ち止まれない此処に二度と来れないとしても
君には何度でも言うよ愛してる」

「私もまた貴方と会えてとても嬉しかった―私も愛してるよ
もう二度と会えないとしても、貴方の笑顔がまた見れて嬉しかったじゃあね」

その幸せでもしも世界が違えば在り得ただろうその夢はゆっくりと消えていった。
彼女は大きな光となり、彼の意識は元に戻っていく。気が付けば周囲は虚無に断絶された世界
だとしても彼にとってやる事は変わらない、そのためにもその身に与えられた刻印を開放する

8 :テイル:2012/06/15(金) 01:02:10.15 0
虚無の空間の中で意識が錯綜する。
――はらり、とチョコレートケーキから紙が落ちる。
『義理チョコ。……最愛の人と幸せになってください』

「……義理チョコ?」

窓の外に、ビャクさんと、その隣を歩く最愛の人の幻を一瞬見たような気がした。
こっちを見上げて彼女は言う。

>「ほら必死にこの人は貴方に向かって叫んでる貴方には諦めなければ掴める未来がまだまだ沢山あるのだから
だからもう少しだけ頑張ってみない?」

>「ごめん…そしてありがとう。僕は立ち止まれない此処に二度と来れないとしても
君には何度でも言うよ愛してる」
>「私もまた貴方と会えてとても嬉しかった―私も愛してるよ
もう二度と会えないとしても、貴方の笑顔がまた見れて嬉しかったじゃあね」

そして――ボク達はこちら側に戻って来る。ビャクさんは確かにそこにいた。
虚無の中で、どうして存在を認識できるのだろうか。
……ビャクさんが無限の法則をもって虚無に対抗しているのだ。

――『レヴィアタンは……喩えるなら影絵だ。光源と人形がある限り、煙を裂いて遊ぶに等しい』

ソフィアの消える間際の言葉を思い出す。

「ビャクさん、よく聞いて。
レヴィアタンは影絵だから……いくら目に見える物を攻撃しても無意味なんだ。
光が強ければ強いほど影絵は濃くなる。光があれば目に見える物に騙される。
だから……、ボクは今からこの領域全部を闇に染め上げる! お願い、手伝って!」

使うのは、スサノオ――世界の憎しみを一身に背負う闇の権化として君臨してきた死霊皇帝の力。
スサノオのシャードの化身の剣を握りしめ、語りかける。

「力を貸してくれるよね……?」

《ずっと分かって欲しかった……。
世界は強くて正しくて美しい者……光に愛された者達だけのためにあるのではない事。
どうしようもなく弱くて、避けられぬ罪を背負って、癒えない傷を負った者達もいる事。
闇は優しい……全てを平等に包み込む。闇の中では、触れた感触と、心で感じる事が全てなんだ。
何も見えない方が、惑わされずに本当に大切な物が見える事もある。
だから、僕は憎まれても、恐れられても、闇の化身として君臨してこれた》

「分かるよ。今のボクはずっと高天原に君臨していた高貴な女神じゃない。
勇者の導き手として世界を駆けまわった妖精が女神の力を継いだ存在だ。
母さんは、このためにボクに力を継がせたのかもしれない……」

剣をかかげ、光を喰らう闇の力を発動する。

「皆既日食――天岩戸《アマノイワト》」

太陽に照らされた海のような美しい戦場を、漆黒の《闇》が塗りつぶしていく。

「レヴィアタン!! 正体現せぇえええええええええええええッ!!」

歌を聞かせるにしても、倒すにしても、勝負はこれからだ。

9 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/17(日) 12:36:24.64 0
>>4
永久闘争存在が作り出した魔力剣が、レヴィアタンを包囲して監獄を作り出す。
瞬間、無数の剣は一点に収束して補足する魔女の躰に突き刺った。
腕、足、頭、胸、腹、背中。肉体の隅々を鋭い刃先が貫く。
間断無く降り注ぐ剣は、虜囚とした者に倒れる事すら許さない。
攻撃を終えた剣は女の体内で破裂して消滅。後続する新たな剣が攻撃を引き継ぐ。
召喚された魔力剣は魔王の現身を切り裂き、削り、貫いて、十分の一も使い切らぬ間に対象を消滅させた。
障害たる敵の足を止めると、永久闘争存在は深淵の黒に足を踏み入れる。無を有で浸食して。
残るのは嵐。風と剣に裂かれた大気のみ。

>>5
吹き荒れる魔力剣から離れた地点では、神蛇の背に立つaizenが銀鱗の大地に剣を刺す。
彼は剣の柄を握ったまま、先端で秘文字と記号を含んだ大きな魔法円を描いていた。
異世界の兵器を呼ぶ為の魔法陣を。
対象の名が呼ばれた瞬間、召喚の術は完成する。
他界と接触した魔法陣は空間を揺らがせて、その内部に銀色の人型兵器サイバスターを呼んだ。
機体に乗り込んだaizenは宙に飛翔すると、風雨の暴れる空から眼下の神蛇を見定めていた。

「随分とコレクションしてるのね……子供部屋の玩具を。
 過ぎた力で遊ぶのは楽しいでしょう? まるで自分が神になったみたいで」

海底から湧いた白皙の魔女は、波間の中から嘲弄する。
黒い天球儀に口づけながら。

「空気を纏っているのが、どうかして? 
 虚無とは単なる真空ではなく、万象全ての対極なのよ」

水上の魔王が、蒼炎を纏って降下する機影を迎え撃つ。
彗星の様に墜ちる機体には、まず百の火箭が撃ち込まれた。
その一つ一つが竜をも撃ち落とす破壊の矢を。
次いで放たれるのは、生命力を反転させる殺傷呪詛。煌めく霜の腕。瘴気の黒竜。電光の槍。捩れて縛する水塊の蛇。
指揮者の様に振られる指は多彩な魔術を描き出したが、全ては蒸発の一音で返される。
そして銀鱗の大地に激突したaizenの機体は、アカシックバスターで破壊を為した。

アカシックとは虚空の意であり、バスターは退治を意味する。
言葉の意としては虚無の排撃に適うが、アカシックバスターは無に創造を行う業では無い。
万物が記録された空間に干渉し、相手の記録を破壊する事で存在を抹消する……のが本質のようである。

故にaizenは、虚無を越えない。
無は光が存在しないので黒い壁として見えるが、実際には己が身を置くべき時間と空間自体が無いのだ。
しかし、実体を得ている者にはアカシックバスターも有効であった。
神蛇たるレヴィアタンには。

(グ、ガッ、肉体ガ……崩レユク……ッ!)

aizenの機体は、その一撃で神蛇の肉体を構成する記録そのものに復元不可の損傷を与えた。
長大なる神蛇の肉体が、aizenに一撃を加えられた部分から瓦解を始めてゆく。
銀の鱗を緩やかに崩壊させる神蛇は、さながら波に攫われる砂の楼閣であった。

10 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/17(日) 12:42:35.94 0
>>7-8
レヴィアタンの体内。
卵の殻の如き虚無で覆われた監獄には、産道にも似た空間が出来てしまっていた。
重力や電磁力、強い力に弱い力。永久闘争存在が己の通過した跡に時間と空間と法則を創った為に。
外への経路を創られた檻の中で、テイルはレヴィアタンを打ち倒す策としてスサノオの力を用いる。

>「レヴィアタン!! 正体現せぇえええええええええええええッ!!」

光の神の叫び声と共に、月光をも拒絶する真の闇があらゆるものから色彩を抜き取った。
レヴィアタンの世界は、光の不在こそが闇と認識する。
従って、単体で闇として存在できる闇はレヴィアタンの心象世界そのものを浸食した。
荒天の風景は、墨を流したような黒色で染まってゆく。

自ら作り出した闇で触れるスサノオのシャードなら気付くだろうか。
レヴィアタンの発する非生物的な気配は、シャードが発しているものに近いと。

光の神であるテイルならば感じるだろうか。
レヴィアタンと言う概念が光であるとすれば、複合シャードがそれに形を与えるものであると。

「私の正体ならレヴィアタンに間違いは無い。
 ただ、自らに不要な要素を排しただけ。
 彼女自身がアヤソフィアに為したのと同じ事をしたまでよ……」

作られた闇の中でレヴィアタンの声が響く。
虚無の壁には道が出来ており、レヴィアタンの現身が其処を通って来たのだ。

「虚無の守りが完璧では無かった時点で、此処まで攻め込まれた私の実質的な敗北。
 この辺りで無益な争いは止めて、和解の道を探るなんてどう? 今からでも停戦しましょうか?
 そこの光の神と闇の神のような融和の道を。
 やめてー、レヴィアお姉ちゃんは本当は悪くないんだー……って泣き喚く子供も用意した方が良いかしら?」

揶揄するようなレヴィアタンの声の後には、実際に少年らしき声が続いた。

『やめてー、レヴィアお姉ちゃんは本当は悪くないんだー!』

不可視の闇の中にバシュッと軽い破裂音に続き、血臭を伴った液体の音が飛散する。
少年の声が在った場所から。

「諧謔よ。存在しないものが消えただけの」

レヴィアタンは複合シャードを最も安全な場所。自らの手の内に納めると闇の中の襲撃を始めた。
その右手に黒色の大鎌を生じさせて。

「和解なら無いわ。そうする意味も」

大鎌はレヴィアタンの手から離れると、回転しながら虚空を切り裂いてテイルに向かう。
複合シャードが投影した現身の刃は、神にも手傷を負わせる程度の威力は存在する。
真なる死は齎せずとも、致命傷を与えて動きを止める程度には。
レヴィアタン自身は、右曲がりの大鎌の軌道とは逆側の軌道からテイルへと接近。
大鎌の一撃を魔術の盾や武器で捌くのを見越して、新しく創り出した黒槍でテイルの胸を突く。

「神蛇の肉体は壊されてしまったから、決着はこの姿になりそうね……」

11 :機神の継承者 aizen   ◆JryQG.Os1Y :2012/06/17(日) 20:28:36.75 0
『いいや、これでケリを付ける。』
テイルをサイバスターに転送し、そう告げる。
『おまえ、その攻撃で終わりかと思ったのか?、甘いな』
そう言い、また魔法陣を描く。
『こんどこそ、王としての、判決を下す、死だ。コスモノヴァ!』
サイバスターから、エネルギーの収束体が出る。
『その技は、宇宙が作られたとき、いわば、ビックバンの衝撃が込められている。おまえに受け止められるか。』


12 :テイル:2012/06/17(日) 23:03:22.42 0
>「私の正体ならレヴィアタンに間違いは無い。
 ただ、自らに不要な要素を排しただけ。
 彼女自身がアヤソフィアに為したのと同じ事をしたまでよ……」

真なる闇の中で“見えた”。レヴィアタンの急所は、本体というべきものは、その手に持つ複合シャード!
あらゆる世界の邪神や魔王――勇者や英雄と言われる存在に倒される宿命を背負いし者の集合意念。
スサノオも、一歩間違えればあの一部になってたかもしれない。

>「虚無の守りが完璧では無かった時点で、此処まで攻め込まれた私の実質的な敗北。
 この辺りで無益な争いは止めて、和解の道を探るなんてどう? 今からでも停戦しましょうか?
 そこの光の神と闇の神のような融和の道を。
 やめてー、レヴィアお姉ちゃんは本当は悪くないんだー……って泣き喚く子供も用意した方が良いかしら?」

「そんな手の込んだ演出はいらない。いつでも停戦するよ。今の世界を滅ぼす事をやめるのなら!」

>『やめてー、レヴィアお姉ちゃんは本当は悪くないんだー!』
>「諧謔よ。存在しないものが消えただけの」

血臭と、生々しい音に眉をひそめる。

「本当に存在しなかったの……? 作り出してすぐ消したんじゃない!?
アヤさんの時と同じように!」

>「和解なら無いわ。そうする意味も」

「それはこっちの台詞だ!」

不意に、砂が崩れるような音が響き渡る。ボク達を封じていた神蛇の肉体が崩壊したのだ――。
闇の中で、最終決戦が始まった。
大鎌が回転しながら飛んでくるのを、手にした聖剣で弾き飛ばす。
その隙に、後ろから漆黒の槍が迫る。

「しまっ……!」

>『いいや、これでケリを付ける。』

次の瞬間、ゴーレムの操縦席のような場所にいた。
Aizenさんが間髪入れずに攻撃を仕掛けるが――

「aizenさん、いくら体を攻撃しても無駄だ。複合シャードを破壊しないと!」

13 :テイル:2012/06/17(日) 23:04:04.76 0
―――――
闇の中で、精霊フィリアがルーチカに呪の法則を解説する。

「闇は門に音と書く。闇の中の方が何も見えない分音はよく聞こえるの。
呪歌の効果も増幅されるはずだよ! 研究の成果、見せてみようか!」

その手には、いつの間にか『ふくろ』から取り出していたセレネストリングス。
爪弾かずとも歌に共鳴し和声を奏でる、奇跡のハープがスタンバイされていた。
―――――

――滅びゆく星の 闇の淵に 生まれ落ちた君 ただ一つの光
――目覚めし君は 大地を蹴り羽広げ 希望を胸に 彼方へと飛び立つ

歌が、聞こえてくる――

「ルーチカちゃん……?」

激闘にかまけて忘れていた。彼女の、”聴かせてみたい事”がまだだった。

――君と僕は そして出会う 宿命《さだめ》に 導かれ
――人と神が手を取り 踊り狂う世界で

刹那の間に想起する派は、光の勇者達との、数々の出会い。
誰もが持っていた、唯一無二の《光》。風の中を駆け抜けた冒険の日々。

――星の見る夢 終わる事なき神話 生命《いのち》育む 青い波の揺り籠
――いつの日にか 訪れるだろう 背負いし原罪《つみ》が 赦される時が

それは、光持つ者達を鼓舞する歌か、続いてゆく世界を祝福する歌か

――人の現世《うつしよ》 永遠《とわ》に続く歴史
――生命《いのち》が繋ぐ 黄金《きん》の螺旋の鎖

それとも、レヴィアタンが創造するはずだった生まれぬ世界への鎮魂歌か――

14 :神人ビャク ◆hfVPYZmGRI :2012/06/18(月) 02:33:54.04 0
『全てには創造から開拓に始まり終焉ならば灰燼に終わる
 死と生は同一なりゆえに相克する
 死は生を求め生は死を求める
 無限と虚無に囚われる者よ求める物はと問えば
 解答せし言葉それは―――』

その姿は愛する者の言葉、そして己の流れる全てを力に変えて現れるは
創造と破壊、無限と虚無を秘めた神人。
その姿を白髪に変わり異様な雰囲気と共に神々しさの光を纏っていた。

「超人刻印――解放(ブースト)、固有名『無限』『虚無』―維持結合完了(ダブルネームチェンジ)構築完了
真名『全能』超越解放(オーバーブースト)」

もはや先ほどの自我のない殺戮人形ではない、はっきりとそし何処までも力強い意思が込められた
瞳がテイルを見つめていた。

>「ビャクさん、よく聞いて。
レヴィアタンは影絵だから……いくら目に見える物を攻撃しても無意味なんだ。
光が強ければ強いほど影絵は濃くなる。光があれば目に見える物に騙される。
だから……、ボクは今からこの領域全部を闇に染め上げる! お願い、手伝って!」

「言われるまでもない!愛する人に誓ったんだ、何処までいけるかはわからない
けれど見守っていてくれ!」

最愛の彼女が教えてくれた未来―それに賭けて生きてみるのも悪くは無いのかもしれない
金色の炎が宿った霊剣を構え

>「皆既日食――天岩戸《アマノイワト》」

「暗黒星―ワーム―開放」

テイルが漆黒の《闇》で塗りつぶしていくに対して
ビャクは宇宙という真理を包む全てを無に返していく暗黒の《孔》を展開させてゆく
互いの真なる闇を発生させていくうちにそれは見えていく同時にレヴィアタンの声が聞こえる。
どうやら複合シャード―狩られる運命を持つ者の集合意識。自身とは相反する者達。

>「私の正体ならレヴィアタンに間違いは無い。
 ただ、自らに不要な要素を排しただけ。
 彼女自身がアヤソフィアに為したのと同じ事をしたまでよ……」

「……貴様の一部かもしれないだが確実に彼女は生きていた。
貴様は笑うだろうが、彼女とて一人の人に違いなかった
それだけははっきり言ってやる」

彼女は生きていた例えその身が操られていたとしても
このレヴィアタンのに踏み躙られた被害者には違いない

15 :神人ビャク ◆hfVPYZmGRI :2012/06/18(月) 03:11:50.83 0
>「虚無の守りが完璧では無かった時点で、此処まで攻め込まれた私の実質的な敗北。
 この辺りで無益な争いは止めて、和解の道を探るなんてどう? 今からでも停戦しましょうか?
 そこの光の神と闇の神のような融和の道を。
 やめてー、レヴィアお姉ちゃんは本当は悪くないんだー……って泣き喚く子供も用意した方が良いかしら?」

>『やめてー、レヴィアお姉ちゃんは本当は悪くないんだー!』
>「諧謔よ。存在しないものが消えただけの」

「ふざけるなよ貴様!!あとどれだけ踏み躙る!命を弄ぶつもりだ!
この外道が!」

既に彼の感情の高ぶりは臨界点を超えた
これが例え誰かに仕組まれた感情だとしてもこの者だけは絶対に許すわけには行かない
絶対にだ

>「和解なら無いわ。そうする意味も」

「安心しろ、こちらは元より生かして帰すつもりは毛頭無い
運良く生き残っても無間地獄なんて生ぬるく感じる永遠の責め苦行きの場所送りだ」

本気で切れているため、もはや対話する気などは存在しない
いつの間にかテイルに黒槍が向かっていたが
aizenがサイバスターの中に引き入れたらしく、既にその場にいない
そして同時にこちらも攻撃をした躊躇い無くエゲツないものを
それは先ほどの無想剣と変わらないいやもしくはそれ以上かもしれない終末の光
メギドラオンが複合シャード及びレヴィアタンの一片も残さぬ勢いで続々と迫る

「まだ前座だ、この程度でよもやくたばる訳がないはずだ
そうだろ!?レヴィヤタン!!」

金色の炎が宿った霊剣は異常な勢いで燃え盛り始める
まるでありとあらゆる存在から命を炎を少しずつ集めるように
剣の持ち主の魂の炎が限界を超えた余剰熱を溜め込み放出するが如く
虚無と無限の力も込められた力が渦巻く

16 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/20(水) 19:08:36.14 0
>>11-12
レヴィアタンの魔槍が空間を裂いて、濃密な闇に雷鳴を残す。
漆黒の穂先は勝利の鮮血に濡れず、敵を貫く衝撃にも震えない。
テイルの胸に鋭利な刃が突き立てられる寸前、標的が姿を掻き消してしまったから。

「……あら、決闘への横槍は不作法よ」

レヴィアタンが咎めの声を発した。
肉体感覚に依存していない魔王は、真なる闇の中に在っても敵を正確に捉えている。
異世界の兵器である銀色の機体。その内部に新しく生じたテイルの気配も。
白銀の雄姿を持つサイバスターは、真なる闇すら溶かす光の奔流で、すぐに誰の目にも明瞭となった。
機体の腕が虚空に魔法陣を描き、其処から翡翠に輝く光弾が放たれた事で。
背後に無数の流星を従えた四つの光弾は、鮮やかな軌跡を残してレヴィアタンに迫る。

>『その技は、宇宙が作られたとき、いわば、ビックバンの衝撃が込められている。おまえに受け止められるか。』

「千億の銀河を創り出す程の衝撃を防げるか、防げないか?
 渾天に座す星々の一つも、それを試したそうにしているわ。
 さあさ、破壊神サーヴァ=ヴォルクルス。ラ・ギアスでの汝の友を迎えなさい!」

サーヴァ=ヴォルクルスとは、別の位相世界に存在する破壊神の一柱。
それが、レヴィアタンがドレスクローブの先で握る天球儀の中から呼ばれた。
黒い天球儀から瘴気が立ち上り、不定形の怨念が枝葉を伸ばす巨樹の様に広がってゆく。
髑髏の頭部と竜にも似た異形の胴。鎌状の羽と鉤爪。蛇や百足にも似た悍ましい脚部。
複合シャードに封じられた魔の一つは、やはり無数の生物が複合する淆血(キメラ)的な邪神として解き放たれる。

召喚された邪神は己の前面に霊気を集めて防御結界を構築。コスモノヴァの輝きを阻まんとした。
対する極光の光弾は曲線を描いて、邪霊の盾に衝突する―――。

17 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/20(水) 19:12:42.30 0
>>15
レヴィアタンはaizenへの防御を異界の邪神に任せ、純白の光を掲げるビャクと対峙していた。
暗青色の魔眼に映ったビャクは、全身から肌を刺すような神気を放っている。
光に照らされた戦場には、闇の中で感じられた血の香りも、空骸の姿も残していない。
まるで、そんなものは最初から存在しなかったかのように。

しかし、ビャクは憤怒の中にある。
腕に灯した聖性の光を、破滅の光としてレヴィアタンに向けていた。
直後、光の砲撃が大気に終末の色彩を宿す。

>「まだ前座だ、この程度でよもやくたばる訳がないはずだ
>そうだろ!?レヴィヤタン!!」

「ええ、私達は六百と六十と六柱から成る魔王の集まりですもの。
 自らの身は、自らの一部で守る事にするわ。
 奈落の王アポルオンよ……破滅の霊光を汝の司る場所に落としなさい」

天球儀の形をした複合シャードが、再び内に抱えた魔星の一つを顕現させた。
魔術的な重力を発生させて周囲の魔力を吸い込み、己の内部空間に蓄積する暗黒球として。
アポルオンと呼ばれた球体が現れたのは、メギドラオンの軌道上。
それは星の光で満ちた宇宙に浮かぶ、一粒の闇の宝石とも見えた。
暗黒の球体は破滅の力を散逸させないまま、自らが抱えられる限界まで光の粒子を呑み込む。

奈落の闇が光を喰らう中、レヴィアタンは闘気を高め続けるビャクの偉容を視ていた。
構えられた霊剣は、黄金の炎を迸らせて燃え盛っている。

「あとどれだけ踏み躙る? 命を弄ぶつもりなのか?
 それには、神も魔も不変という言葉を以て、その答えとする。
 全能を謳うのならば、問わずとも神の道を理会しなさい」

レヴィアタンは空に残る暗黒球体に視線を合わせ、虚空を掴む動作をした。
すると、見えざる手に掴まれ、見えざる力に動かされるかのように闇は動き、ビャクの頭上目掛けて落ちる。
メギドラオンの破壊力を孕んだ球形の闇が、ビャクを呑み込んで崩壊した。
撒き散らされた霊光は、爆音と共に目も眩む閃光で周囲を灼く。
ビャク自身が最も良く知るであろう破滅の力で―――。

18 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/20(水) 19:26:24.88 0
>>13
コスモノヴァの爆発。メギドラオンを呑み込んだ暗黒星の爆発。
炸裂する二種類の光は、世界を閃光の白で塗り潰して盲目にした。
此処がレヴィアタンの心象世界でなければ、神ならぬ者は誰も生き残れはしなかっただろう。

そして……次第に衰える光量は、世界に黒の色彩を取り戻す。
新月の夜の如き黒い水の世界に、虚無の壁は跡形も残っていない。
ビャクに空間の経路を創られた事と、次元を歪める程の攻撃。
何より、レヴィアタン自身の無価値との認識が虚無を消していた。
より正確に表現するなら、無に空間が生じていた。

「一柱の邪神では、ビッグバン相当の破壊力には耐えられなかったようね。
 けれど、その肉片までを消し去るには至らない……」

漆黒の世界の中で海原を視て、レヴィアタンが言う。
海の一部は、サーヴァ=ヴォルクルスの残骸で澱んでいた。
その散らばった肉片が一箇所に集まり始め、急速に元の異形を取り戻してゆく。
神に類する存在だけが備える強力な再生能力だった。
破壊神は半分程度まで肉体を治癒すると、一言の呪でサイバスターまでの軌道上に幾つもの魔法陣を描く。
次の瞬間、破壊神の腹部から強烈な光条が直線状に放たれて、海原に蒼白い輝きで染めた。
邪神の力が籠められた破壊光波は、魔法陣を通過する度に増幅する。
サイバスターに到達する瞬間には、コスモノヴァに匹敵する熱量となるだろう。

「……歌。呪歌。放浪潭の一節」

大気を振動させる轟音に混じった柔らかな異音。
ルーチカの歌と魔法の竪琴の演奏は、先程から戦域に流れ続けていた。
それに注意を向けたレヴィアタンが、人間の一団を氷の視線で貫く。

「詩とは感じたものを心に取り込み、それを己の持つ言葉の中で、最も適切なものに置き換える作業。
 私達を塗り潰すつもりなら、他の呪歌と同様の古代の歌詞を借りて来ただけのものでは程遠い。
 未来視の呪歌が効果を得たのは、私自らの意思で応じただけと知りなさい。
 そして……これが自らの耳目で感じたものを表現した歌ならば、この詩は今のガイア世界を潭じたもの。
 或いは、アナタ自身が望んで心に思い描いた世界となる。
 詩中の終わる事なき神話、星の見る夢との語は、デミウルゴスの創造の過程を表していると取れなくもない
 しかし、別の節には異なるものも感じられる。
 少なくとも、人と神とが手を取り合う以上、私の創り出す世界を謳ったものでないのは明らか。
 己の望む世界を謳った詩ならば、呪歌の効果は異界創造法に類似したものかしら? 私の精神をガイア幻想で浸食?」

レヴィアタンの瞳が凍れる光を浮かべた。戦域に灯る光を反射して。

「私の世界に己を重ねる僭越を行なうのなら、報いとして即時の死を与えざるを得ないわ。
 さあさ、アムドゥシアス。地獄の音楽家。汝の技巧を人間達に知らしめなさい」

複合シャードから生じた三体目の魔が、一角獣の頭部を備えた悪魔として姿を得た。
それはルーチカの目前に出現すると、即座にヴァイオリンと弓を動かして魔神の名演技を魅せる。
悪魔の顫音(トリル)の導入は、吹雪の様な烈しい一音。
続いて、研ぎ澄まされた刃のような点音奏(ピッツィカート)が、幻怪なる冬の美を描いて聴衆の魂を抉る。
転調後の長く伸びた幽玄な音は、悲しみすらも凍りつく孤独な冬の旅だった。
やがて曲趣が柔らかい抒情に変わる。甘い憂愁を伴う灯火として凍れる魂を誘う。
旋律の優婉さは内側に無数の棘を持つ鳥籠だった。聞けば聞く程に魔曲は聞き手を捕らえて魂を傷つける。


【>>ビャク メギドラオンの全霊力を吸い込ませた暗黒球体、アポルオンを近距離爆発】
【>>aizen/テイル サイバスターに向けて、サーヴァ=ヴォルクルスが破壊光線を発射】
【>>ルーチカ 馬頭の悪魔アムドゥシアスが、魂を損傷させて陶酔の中で死に至る魔曲を演奏】

19 :魔創者 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/06/20(水) 22:32:20.51 0
少し、昔の話をしよう。
これは、まだaizenが、時の管理人になる前のことだ。
『aizen、お前は、なにがしたい。」
『強くなりたい。自分のために』
『自分のためか、だが、私はこの時の管理人になってからは、そうは思わなくなった。』
『どうして?』
『いろんなことを、見てきたからさ、いずれ分かる。』

そして、よく分からないまま、19代目の、時の管理人となった。

『これが、親父の言っていた。事か。だったら、』
aizenは、言葉を止める。
『そのすべてを守ってやらあ。』


20 :魔創者 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/06/20(水) 22:45:40.72 0
まず、自分の身に近づく、危険を排除する。
『聖典反転魔法、エクソダジーアウト』
サイバスターの、前にホールを発生させる。
そして、破壊光線は吸収され、倍になり、
レヴィヤタンと、撃った張本人に当たる。
『この魔法は、指定した奴の攻撃を、反転させる。』
次に、レヴィヤタンがもう、精霊を呼ばせないようにするには、
『閉門、crowsclose』
『この技で、お前の、神々を強制封印した。』
たちまち、レヴィヤタンが召還した、奴らが消えていく。
『悪いが、別の所から、召還しても無駄だ、全部封印したから。』
『なんせ、俺は、全世界、全次元を知る者だから。』
『終わりにしよう、光我爆砕斬 ライザーインパクト』
サイバスターの持つ剣が赤くなり延びる。
『チェックメイトだ。レヴィヤタン』
その巨大の剣が降り下ろされる

21 :テイル:2012/06/23(土) 01:47:13.18 0
コスモノヴァが炸裂する。世界が暫し白で染まる。
再び暗転――漆黒の海に浮かぶ肉片。

>「一柱の邪神では、ビッグバン相当の破壊力には耐えられなかったようね。
 けれど、その肉片までを消し去るには至らない……」

肉片が集まって元の形を取り戻していく――。
完全修復を待たずして、破壊光線が放たれた。
作られた魔法陣を潜る度に威力が増幅されていく!

>『聖典反転魔法、エクソダジーアウト』
「出でよ、五男三女神《オリジン》!」

現れたのは、八柱の神々。聖剣に宿る精霊達。
Aizenが作り出すホールに重なるように、魔力で鏡を作り出す。

>『閉門、crowsclose』
>『この技で、お前の、神々を強制封印した。』

>『悪いが、別の所から、召還しても無駄だ、全部封印したから。』
>『なんせ、俺は、全世界、全次元を知る者だから。』

Aizenさんが矢継ぎ早に技を繰り出すが、どこまで効果をもたらしているかどうかは分からない。
何せ相手は魔王を統べる魔王だ。
ボクはaizenさんがサイバスターを操り戦っている横で、呑気にも、とめどなく流れている歌を聞いていた。
レヴィアタンは、呪歌合戦に乗ってきたようだ。
”その他大勢”のうちの一人が歌う歌など、取るに足らぬはずなのに。
呪歌――普通の魔法の体系の中に属さない魔法。もしかしたら、賭けてみる価値はあるかもしれない。

「――ラウドヴォイス」

声量強化の魔法をルーチカちゃんにかける。
呪歌同士の戦いにおいて、最も重要なファクターは何か。
実も蓋も無く言ってしまえば、音量だ。呪歌は聞こえてなんぼなのだ。
アムドゥシアスの魔曲に対抗するように、新しい歌が始まった――。


――大樹の枝から 一つ種子《たね》弾け 風に運ばれ 大地に落ちて
――光の祝福 水の加護受けて そして新たな 生命《いのち》が芽吹く

――目を閉じて 耳澄ませば 聞こえてくる 青い地球《ほし》の鼓動《リズム》
――《とるに 足らぬ 一片の 想い達が》 軌跡 描く
――《流れゆく 時に 波を 起こして》 奇蹟 起こすは 神か 人か 力か 祈りか

――光と闇巡る この世界 愛しき記憶 聖女の剣《つるぎ》掲げ誓う 全て守り抜くと

――目を開けて 宇宙《そら》見上げれば 響いてくる 煌めく星辰《ほし》の旋律《メロディ》
――《とるに 足らぬ 数多の 者達が》 歴史 描く
――《流れゆく 時に 波を起こして》 伝説 遺すは 神か 人か 力か 祈りか

――愛と憎しみ巡るこの世界 狂おしき記憶 海精の竪琴《ハープ》抱き誓う 全て乗り越えると


重厚にして軽快なリズム、壮大にして親しみやすいメロディが響き渡る。
遥かなる太古を思い起こさせ、同時にまだ見ぬ未来に想いをはせさせる――。
これからどんな物語が始まるのだろうかと、ワクワクしてくる。そんな曲。
一言で表すとすれば――”冒険”かな!

22 :テイル:2012/06/23(土) 02:20:48.80 0
ある事を閃いた。
さっきの歌は、レヴィアタン自身に向けた詞だと解釈したら、どうだろう。
彼女が作ろうとしていた世界は多元世界群の中に取り込まれ、やがてこの戦いも世界の歴史の中の有象無象の騒動の一つとなり
何時かは彼女の罪も赦される時が来る――。
正解は誰にも分からないが、これがレヴィアタンにとって最も忌まわしい解釈である事は確かだ。

>『チェックメイトだ。レヴィヤタン』

「待って!」

気付けば、サイバスターを操って剣を振り下ろそうとするaizenさんの手を掴んで止めていた。
久しぶりに、心底楽しげな、邪悪と紙一重の無邪気さをたたえた妖精の笑みを浮かべて。
呪歌に呼び起されてしまった、妖精の本性。冒険の胸の高鳴り。

「こっちを先に試させてもらって……いいかな?
呪歌がレヴィアを浸蝕した隙を狙って、複合シャードにプリズミックレイをぶつけるんだ。
複合シャードは本来くっつかないものを無理矢理くっつけたものだからね。
上手く行けば魔王や邪神の欠片はバラバラになって本来の世界に帰っていってレヴィアタンは姿を保てなくなるって寸法さ。
普通に考えたらうまくいくはずがない賭け。それでもいいなら……力を貸して!」

サイバスターの頭上に立ってレヴィアタンと対峙する。

「建前を取繕うのはもうやめだ!
ボクは、魔法と奇蹟に満ちて、神々と精霊が戯れる……胸躍る冒険が繰り広げられる、そんな世界が好きなんだ!
そう、このガイアみたいな! 君が作ろうとしている世界は、きっと面白くないから阻止する!
―― いざ、勝負!」

それでも神か、という声が聞こえてきそうだが、これでこそ多神教世界の神だ。
古来から、兄弟喧嘩や浮気騒動の度に世界を振り回すのが神と言う物だ。
ボクには、ビャクさんみたいな、正義の心は無い。
でも、一つだけ同じところがある。理由はどうあれ、この世界を守りたいという気持ちだけは本物だ!

「優しき虹の光よ、捕らわれの者どもを縛る呪を解き放ち、真なる姿へ還せ――」

持てる魔力の全てを注ぎ込み、万物をあるべき姿に還す魔法の詠唱を始めた。

23 :魔創者 aizen ◆JryQG.Os1Y :2012/06/23(土) 14:35:53.89 0
「分かった。その賭け、乗った。」

『時の定めよ、我が仲間に力をエナジーソウルアップ』
サイバスターに魂が集まっていく。
『やれ、テイル、おまえのすべてをぶつけろ。』

24 :ルーチカ ◆hATMxiE/qY :2012/06/24(日) 17:47:19.82 0
... в наши новые сады.
(――我等の新しい園を)

荒れた大地に森が作られていく様を唱いながら、
ルーチカはレヴィアタンの作る世界の歴史を視て、
・・・首をかしげる。

(あれ?)

しかし、その先を考える時間はルーチカにはなかった。
テイルを飲み込んだ巨大な蛇と、対するビャクとaizenと、
それぞれが放つ巨大過ぎるエネルギーがその場を埋め尽くしたから。

25 :ルーチカ ◆hATMxiE/qY :2012/06/24(日) 17:48:31.16 0
「・・・・・・」

「・・・え、ええと、ゲームオーバー?」
「・・・喋る事はできてるんで、無くしたのは物質世界での生身って事になるかな」
「・・・存在とか物語力とかいう意味では、まだ“有る”みたい。“友達”も含めて」

言っているのは、みんな私。
生身を失って、重なっていた多世界の私達の意識が分離したようだ。

その間にも、争う神々や魔王のエネルギーが世界を揺るがせている。
一般人とは流れる時間の速ささえ違うから、
何が起きているのか詳しく把握する事はできないけれど。

26 :ルーチカ ◆hATMxiE/qY :2012/06/24(日) 17:50:10.19 0
(テイルさんがいない・・・)
ガイア世界の私は、しばらく前から姿を消した神を想い案じてひたすら歌っていた。

「レヴィアタンは“完璧な新世界を作りそこの神になる”って言ってたけど、
あれ嘘・・・と言って悪ければ、出任せ。
視せて貰った未来は、何ていうか杜撰過ぎて。
多世界とその神々の経験に照らすと、あれではいつか滅ぶ・・・」
一足早く破壊され一足早く多世界の研究を始めていた平行世界の私が
レヴィアタンの世界を視て感じた違和感を言葉にする。

「世界を破壊する事が存在理由の“魔王”に永続する世界は作れない」
「ここでレヴィアタンが勝っても、その世界もいつかは滅ぶ、か・・・」
「結局、誰が勝っても同じような気がしてきた」
「いい加減帰ってアイス食べたい」
魔神の奏でるヴァイオリンの音色に少しずつのまれかけた多世界の私達の意識が、
曲の一節で、突如明確に重なった。

「「「「「高弦のピチカートは個人的に許さない!ハープ使いなさいっ!!
どうせ演奏コストとか関係ない世界でしょっ!!!」」」」」

追憶の未来の彼方、大きく育った美しい森の木々を讃える歌。
そこで弦のピチカートの代わりに鳴るハープの音は、一度知ってしまうと
既存の譜面を全部書き換えたくなる魔力を持つ、気がする。
もちろん、そうそう許されない贅沢編成なのだけれど。

美しく悲しく苦しい旋律は、構わず先へ進もうとする。

「「「「「待って、編曲させてっ!!!」」」」」

全員の意識が一つとなって生身を無くしているのも忘れて手を伸ばした。
・・・まあ、魔神に生身でつかみかかっても消し飛ぶだけなので
概念存在に成り果てていて良かったのかもしれない。
そして、触れればセレネストリングスさえ沈黙する
私の皆無な楽器演奏技能、もしくは何かの呪い、は、
魔神のヴァイオリンをも沈黙させた。


27 :神人ビャク ◆hfVPYZmGRI :2012/06/25(月) 03:50:20.32 0
この空間すら覆う破滅の霊光はレヴィアタンに直撃するかに思われた
だが―それはどうやら自分の首を絞める結果になりそうだ

>「ええ、私達は六百と六十と六柱から成る魔王の集まりですもの。
 自らの身は、自らの一部で守る事にするわ。
 奈落の王アポルオンよ……破滅の霊光を汝の司る場所に落としなさい」

突如黒き魔星アポルオンがシャードから出現すると奴に振り注ぐ全てのメギドラオンを吸収する

「吸収したか…其処までの芸当が出来るとはな」

まったく想像していた訳ではないが、こんな物で仕留め切れるとは到底思っていない
だが障壁で完全に防げるかは試さなければ分からない物だが
世界を滅ぼした巨人の炎の剣を発動させるまでの時間稼ぎにもならないとは
そしてレヴィアタンは余裕と言わんばかりに先ほどの答えをさも当たり前に言ってのける
神ならばそれが正しいも悪いも無いと言わんばかりに

>「あとどれだけ踏み躙る? 命を弄ぶつもりなのか?
 それには、神も魔も不変という言葉を以て、その答えとする。
 全能を謳うのならば、問わずとも神の道を理会しなさい」

そしてその言葉と共に自らが放った数え切れないほどの破滅の霊光を内包した暗黒の魔星は
こちらに真っ直ぐに放たれると片手を構え、自らの絶対である領域を含めた障壁を展開させ

「全能か―大切な者すら救えない全能など僕は要らなかった!僕はただ愛する人と共に過ごし
友達と共に過ごす平和が欲しかった!僕は例え苦しくても何も変わらない不変の時よりいつかは変わっていく明日が欲しかった!
神も魔なんてどうでもいいし、神の道なんてものには理解できないし興味も無い足を踏み入れるつもりもない
僕は『人間』で居たいから!!神に近づいてもどこまで行っても『人』でしかないから!だからこそ
いつまでも人ではない不変のままの『神』にはなりたくないんだ!だって僕は変わってゆく毎日を見て、生きているって実感したいんだ!」

それは今まで停まっていた15歳の少年の必死の願いにして叫び
そして接触するほんの少し前に、自分の主張を証を建てる様に叫ぶ

「僕は人間だ!人間であり続けたい!僕は人間なんだ!!!!!!!!」

「いいねぇ!!それでこそ俺が好きな『人間』だ!お前に付いて来て正解だったぞクソガキ!!」

そしてアポルオンはその瞬間直撃するかに思われたが
彼が叫んでいると同時に彼の横から右側面に着けた般若の面と女物の着物を着崩したかぶいた格好の青年が顔と四本の腕を出して出現する
馬上筒を構え、そこから異能を生かした身体能力すら殺す歪み殺しの力―太極・無間身洋受苦処地獄が込められた弾丸がアポルオンを打ち消す。

「宿儺…」

天魔・宿儺―ビャクにとっては最強に類する仲魔でも上位を争う存在である。
神によって翻弄され続けた真面目に生きている人間以外を認めないという普段は他者を精神的に振り回すことを楽しむ厄介な奴だが
普段は分霊のはずだが、なぜか本体が顕現していた。

28 :神人ビャク ◆hfVPYZmGRI :2012/06/26(火) 01:54:37.06 0
「お前、こんなのに苦戦してんのか?」

不敵に笑っているが、どうやら無理矢理出てきたらしいが
本来の格そして力からすればこの場に出てきただけでも全ての異能すらも無効化するが
悪魔として召喚しているためそれは本来よりも弱体化した分霊として出現するため本来の力を発揮はしていない状態であろう
だがそんな事は気にするまでもなく言葉を紡ぐ

「現実が気に入らないからこんな神になるだなんてほざいている奴に死んでも負けるんじゃねぇぞ!?
真面目に生きていない奴のことを、オレは絶対認めねぇ!お前は人間として生きるって決めたんだろ
なら見せてみろや、その真骨頂の見せ所だぜ?」

そうだ、まさしくその通りだ
僕は人として人間としてで居たいと決めた
明日を望み、例え神の力を持ちえても人でありたいと
故に神人と名乗る

「そうだな、その通りだよ俺は神の力を手に入れても人である事を辞めないと決めたんだ
そしてアイツに好き放題に弄ばれた命の仇を討つためにも」

「やってみせな、人間として生きるお前力を貸してやるよ
オレがな、そしてオレ以外にもいる事を忘れるなよ」

言われるまでもない―:『戦場は整った、汝等の活躍を望むさぁ始めようぞ勝利の美酒を味わうために』
この言葉と共に彼の周囲の地から魔法陣が幾多も出現し、眩い光りと共に現れる仲魔達―
そこには神話・伝説で知られる神や怪物達が現れる魔神、鬼神、妖魔、龍神、妖魔、超人、魔人、英雄など幅広くなの知れた悪魔達が次々に出現してくる。
神魔一体と化した『神人』の誇る最強最悪にして信頼する戦友達。
そこには先ほど呼ばれたサンジェルマン伯爵も存在していたが
テイルが皆に向けている言葉に耳を傾ける。

>「こっちを先に試させてもらって……いいかな?
呪歌がレヴィアを浸蝕した隙を狙って、複合シャードにプリズミックレイをぶつけるんだ。
複合シャードは本来くっつかないものを無理矢理くっつけたものだからね。
上手く行けば魔王や邪神の欠片はバラバラになって本来の世界に帰っていってレヴィアタンは姿を保てなくなるって寸法さ。
普通に考えたらうまくいくはずがない賭け。それでもいいなら……力を貸して!」
>『やれ、テイル、おまえのすべてをぶつけろ。』

Aizenがテイルに力を与える、ならば此方もその力を貸すべきだろう

「ならば僕は詠唱完了まで、時間を稼ごう
僕は進むんだ、生きて生きて希望に満ちた守りたい人達が居る世界に僕は帰る!
だから勝つんだ!!僕達は生きている者としてッ!!!!!
さぁ行こうみんな!」

魂からの叫びは神魔一体の戦友達が咆哮と言う形で返礼し高揚していた
希望と生還を望む神人の言霊は鼓舞あるいは士気向上と言う形で現れ
テイルが魔法の詠唱完了まで火炎、氷結、衝撃、核熱、重力、疾風、電撃、破魔、呪殺
様々な形での攻撃が飛び交い、ビャクの絆で繋がった仲魔達の総攻撃が始まった。

29 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/28(木) 19:28:58.92 0
>>20
サーヴァ=ヴォルクルスが発する破壊光線は、サイバスターの眼前に生じた光輪に吸い込まれる。
七彩に輝く円輪は魔法的な力で作られた時空の穴であり、自らに撃たれた光の束を二条に分岐して返す。
淆血の破壊神と、白皙の魔女を標的として。
数を倍した光条が並行世界から呼ばれたものか、魔術的に複製されたものかは分からない。
しかし、影すらも融かし尽くす様な超新星の輝きは、光の奔流の中で異形の破壊神を完全に滅した。

破壊の光芒はレヴィアタンの現身も滅したが、複合シャードに宿るレヴィアタンの精神までは滅さない。
魔法の光輪が出現した瞬間に、それは現身のレヴィアタンが蒼い海原に沈めていた。

輝く白光が消えると、周囲は仄暗い海の眺望を取り戻す。
光源は戦闘を行う者が発する僅かな光のみで、太陽も月も、それを取り巻く星々の光も無い。

「私達は数多の魔王が集まったもので、異世界から召喚されている訳では無いのよ。
 だから、他界への道を閉門するのは無意味な術策」

海面には再び女の姿が現れていた。深海色の衣装を纏うレヴィアタンが。
その無感情な蒼い瞳は、aizenの術が魔妖の姿を揺らめかせる光景を映していた。

「それにチェックメイト? 私の正体を看破した妖精に私を攻撃する無駄を教えられたばかりでしょう?
 アナタは多くの世界を見てはいても、本質について理解する力に欠けている。
 表層を見て知った気になっただけに過ぎないわ……手にした知識と力に惑溺して。
 まずは、己が知らぬ事を知りなさい」

勝利を宣告して赤光の刃を振り下ろすaizenに向けて、レヴィアタンが唇を歪めて嘲弄を返す。
戦場の各所では、姿の薄らいだ魔妖が明瞭さを取り戻して、各々の攻撃を続行していた。
漆黒の太陽はビャクに墜ち、一角獣の魔神は変わらずに幻妖の魔曲を奏でて。

30 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/28(木) 19:31:51.60 0
>>26-29
破壊の力の余波で肉体を失ったルーチカは、それでも呪歌を歌い続け、広大な海に大地と森を創り始めていた。
蒼い海に赤土と黄土が塗り広げられ、創られた大地に現れるのは、色付かない胡桃を付けた緑の木々と苔色の岩。
至る所で原色の花々が開いて、根茎は長く伸ばされて、鬱蒼とした森の幻夢が呼吸する。

「有り得ないわ……人間程度が私の領域を切り崩すなんて」

今まで嘲弄と冷笑を浮かべるだけだった海魔の女王の声音に、初めて警戒とも呼べる響きが乗った。
僅かとは言え、己の世界が変質させられている以上、黙殺も出来ない。

世界に緑の奇想を許したのは、少なからず創造者自身の疲弊もあった。
神蛇を討たれた事と、自らの心象世界に別の魔王を介在させた事が、レヴィアタンの世界に疲弊を生んでいる。
その疲弊した精神の間隙に創られた森は、歌うルーチカの霊体を中心として繁茂を広げていた。
彼女の周囲では、多元世界のルーチカ達が口々に会話する。
完璧な世界の創造なんて出任せ。或いは魔王に永続する世界は作れない、と。

「出任せとは酷いわね……解釈の違いとでも言ってちょうだい。
 宇宙の律と法則を揺るがすものの存在しない世界。
 神秘と魔法を殺して、空想の領域に封じ込めた世界が私の創造する完璧な世界よ。
 神と魔法と超越者が跋扈する世界の経験なんて、幾ら考証しても無意味だわ」

レヴィアタンは冬の調べを伴奏として、冷たい反駁をルーチカの霊体群に向けた。
凍える言葉の破片は、幻想の森に幻想の霜を乗せて、雪白の輪郭で彩る。
魔神の演奏で大気が極北の冷たさを帯びると、森を讃じる呪歌が唐突に止まった。
眩惑的な旋律に編曲の興趣を乗せられたルーチカが、呪歌を止めて魔神の楽器に手を伸ばしていた。
生身を失ったルーチカが魔神の楽器に触れると、その弦は全てが切断されて震えを止める。
彼女の楽器を受け付けない霊的形質が作用して。

そして、震えを止められたのは魔神が手にした楽器だけでは無かった。
アムドゥシアスの精神を構成する不可視の糸……琴線も切れていた。
音楽の悪魔は、黒色の靄として霧散する。

31 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/28(木) 19:33:07.33 0
>>22-23
巨大な人型兵器が振り下ろす赤光の刃は、半円の軌跡を描きかけて静止した。
大剣の下で佇むレヴィアタンは、機体の頭部に立って語り始めた妖精を視線で射抜く。
ガイアのような世界が好きだから、新世界創造を阻止すると宣言したテイルの姿を。

この宣言に対する魔王の応えは、沈黙のみであった。
相手が人間であれば、魔法の無い世界には、魔法が無い事に依る楽しさが存在する……とでも語ったかも知れない。
しかし、魔王は残夢を払って現実へ還すかの様に頭を軽く振っただけで、テイルと言葉は交わさない。
互いの世界には、もはや一語の交差も無い事を示すように。

テイルが魔法の詠唱を開始すると、レヴィアタンの現身は深海の底を見降ろした。
テイルが魔法の詠唱を開始すると、レヴィアタンの精神は深海の底から見上げた。

呪わしい視線が交差して、六百六十ニ柱の魔王の現身が呼ばれる。
複合シャードを守るのは、全ての魔王にとって最優先であると諒解されていた。
それがレヴィアタンの世界を疲弊させて、幻想の大地をさらに広げる事となっても。

32 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/28(木) 19:39:00.10 0
>>27-8
ビャクが激しい言葉の迸りを終えた瞬間、墜ちてゆく漆黒の太陽が消える。
それを為したのはビャクの戦友で、今や彼の傍は数多くの仲間達で占められていた。

「人間として在りたい。それが殺戮者の道を歩いて得た感想?
 でも、その殺戮者の道に果てなど無い。例えアナタが此処で勝利を得たとしても。
 選別は、選別されなかった方を魔物に変えてしまうもの。
 愛する人を選ばなかった選択が、アナタを永久の闘争者に変えたように。
 そして殺戮の道に積み上がった屍は、アナタが後戻りする事を許さないわ」

レヴィアタンの現身は、ビャクから発された返答を噛んだ。
そして、彼を中心として作られた神魔の輪を一瞥する。

「それにしても随分と仲間を呼んだものね。
 良いわ、互いの世界を喰らい合う戦いを終わらせましょう。
 闘争に関しては、人の流儀も神の流儀も同じ。
 戦い、勝利を収めた者が歴史を創り、破れ去った者は消え去るのみ。
 私の勝利で、人と神の混在する歴史が終わり……両者は永遠に断絶する」

瀝青よりも黒い海に、姿形を異とする蜃気楼が浮上した。
レヴィアタンの精神にとって異物である魔王の群が。
呪歌が海を削って創った大地にも、異形の軍勢が犇めいていた。
ビャク・ミキストリを中心に統率された軍団が。


神魔一体の兵団は咆哮を上げると、海上に布陣する魔王の群勢に一斉射撃を加える。
雄牛の頭部を持った魔王に紫電の槍が投げられ、邪竜に跨る魔王を極寒の霧氷が包む。
魔を滅する霊符が烈風に乗って黒狼の魔王を縛せば、地を駆ける紅蓮の柱は十ニ翼の魔王を焼く。
流星の矢嵐が魔群の中心で爆発を起こし、有翼の騎兵が獅子奮迅の勢いで駆け抜けた。

「人に隷属する神。道具にまで墜ちた魔。
 これ程……今の世界に相応しい馬鹿げた光景は無いわね」

六百六十六の魔王からも応戦の火砲が放たれる。
戦闘開始と共に、レヴィアタンは水の魔術を用いて戦域全体に海霧を立ち昇らせた。
帯電した妖霧は、機械的にも魔術的にも正確な座標情報を覆い隠して、空間の転移を封じる。
その霧の中で、漆黒の殺意を秘めた魔炎と瘴気。鋭い爪牙を持つ一千匹の怪蛇が襲いかかった。
戦士の間を血塗られた剣と槍が飛び交い、神の間を呪詛が飛び交い、魔と魔の間を悍ましい邪視が飛び交う。
暗黒の叡智を尽くした魔術は、どちらの陣営からも解き放たれた。

一瞬が永遠にも感じられる苛烈な戦闘は、やがて僅かずつ均衡を崩す。
魔王は単独でも世界を圧する魔物であり、戦況も最初の内は魔王の群れが優勢であった。
しかし、接戦が続く内に優位も次第に消えてゆく。
魔王の強大な力は連携を必要とせず、従って各個の魔王も単独で戦った為に。

灼熱の火焔が霊剣で切り裂かれ、毒気の息吹は暴風で四方に散らされ、怪蛇の群れも魔弾の速射で屠られる。
死を呼ぶ剣が鋼の拳に叩き折られ、生物を石に変える凶眼も防御の障壁が弾き返す。
次第に変化する形勢を見て、魔王の群勢は呪いを発して突撃を開始した。

彼らの心臓とも呼べる複合シャードは、如何なる光も到達しない深海の底にある。
闇を内蔵したように黒い水域に守られて。
従って、形勢が変わろうと魔王に恐懼は無い。
ビャクを神魔の軍勢の召喚者と判断して、彼らは百声の様な一声を上げる黒い雪崩として迫った。

『神を討て!神に在らざる神を!人を討て!人に在らざる人を!』

33 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/06/28(木) 19:39:38.44 0
激化する戦場の中では、漆黒の海が大蛇の形を取って鎌首を擡げていた。
水塊で作られた蛇は、白銀の像とも見える兵器を四方から取り囲み、その頂上で詠唱を続ける妖精を睨む。
機体正面で塔の様に伸び上がった水蛇は、レヴィアタンの現身を乗せていた。

「lmvt(死ねッ!)」

殺意の波動を受けて、サイバスターの足元から水蛇の群れが伸び上がって絡みつく。
機体の手足に水塊の妖蛇が纏わり付いた瞬間、残る水蛇はテイルの詠唱を阻もうと全方位から飛びかかった。
同時にレヴィアタンの現身が、漆黒の大鎌を持って宙を跳ぶ。
後方から放たれた火球には刃を一閃、柄を華麗に回転させて衝撃波を弾き、重力場の魔術は浮揚の魔術で逃れた。
レヴィアタンは疾風の様にテイルの眼前まで到達すると、魔王の大鎌で妖精の存在する空間を縦横無尽に切り裂く。
煌めく刃の軌跡が、光の華を描く程に。

34 :テイル:2012/06/28(木) 22:16:51.57 0
>『やれ、テイル、おまえのすべてをぶつけろ。』

Aizenさんは、ボクと共に賭けに乗る事を選んでくれた。

>「ならば僕は詠唱完了まで、時間を稼ごう
僕は進むんだ、生きて生きて希望に満ちた守りたい人達が居る世界に僕は帰る!
だから勝つんだ!!僕達は生きている者としてッ!!!!!
さぁ行こうみんな!」

ビャクさんが、過去の仲間達を総動員してボクのために時間を稼いでくれる。
そして、無数に分裂したルーチカちゃんが歌を紡ぎ、森で海を浸蝕する。
レヴィアタンは、詠唱を始めたボクを無言で見るのみ。
そう、対話は無駄。ボク達は、神と魔王。同質にして真逆故に決して相容れない存在。
深海に潜む複合シャードを守るべく現れた、六百六十ニ柱の魔王――それが彼女の答えだった。
忌々しい最後の壁を歯噛みしながら睨み付ける。
あの防御を破るには、世界の浸蝕が足りない。
アムドゥシアスの魔曲さえ止まれば、一気に浸蝕は進むだろうに……。
此処まで来て――何とかならないのか!? その時だった。

>「「「「「待って、編曲させてっ!!!」」」」」

分裂したルーチカちゃんの意識のうちの一人が、事もあろうにアムドゥシアスのバイオリンに掴みかかった。
その瞬間に魔の旋律は途絶え、アムドゥシアスもまた消滅する。
ルーチカちゃんのどうにもならない”欠点”、それはあらゆる楽器を沈黙させる事。
――GJ。これだから、やっぱりこの世界は捨てられない!

――目の届かぬところ、見る価値もない些事、チラシの裏、一瞬の空想、――
――どこかでほんの少しだけ“これ”ではない世界を夢見る。 ――
――それが世界の小さな小さなほころびとなり、遠いいつか、その在り方が変わる・・・――

まさしく彼女こそ、その他大勢の中のその他大勢、その他大勢代表を名乗るにふさわしい存在だった。
ノーマークの弱キャラの土壇場の思わぬ行動が、思わぬ決め手を作る。
どうしようもない欠点が、ここぞという時に最強の武器になる。
取るに足らぬ者達が、時に世界を動かす力を発揮する――。ここはそんな世界なのだ。

>「lmvt(死ねッ!)」

眼前に海魔の女王が迫るのも構わず、魔力を解放する呪文の締めを謳う。
死ね、と来たか。ならば、ボクは真逆の言葉を返そう。それが、彼女にとって最大の責苦だとしても。

「円環世界の一部として……生きろ! プリズミック・レイ――!」

もしも、もしもだ。
正義は勝つが真実ならば……勝利を掴むのはボク達の方だ。理由はただ一つ。
正義は現行の世界の理によって規定されるから、現行の世界を改変ではなく根底から否定する者は無条件で悪となる――。
それ以外の理由なんてない、ただそれだけなのだ。
戦いを通して理解しあう、なんて展開はボク達の間には無いのだろう。
食うか食われるか、決して交わる事の無い、エゴとエゴのぶつかり合い。
その戦いに今、決着が付く――!

極彩色の七色の光が、六百六十ニ柱の魔王の守護をも貫き、海底に潜む複合シャードをあやまたず打ち抜く。
大鎌がボクのいる場所を百花繚乱に切り裂くと同時に、全てが虹色の光に包まれた――。

35 :魔創者 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/06/28(木) 22:39:08.60 0
『させない、修復魔法アドバンスエナジー』
たちまち、空間が修復していく、
そして、自分は、レヴィヤタンと蛇を潰すため、魔法詠唱を開始する。
『光よ、時に抗えしものを討て、サイフラッシュ』
陽光とともに、蛇が消えていく。
『チェンジ、サイバード テイルおまえはここに残れ、時間を稼ぐ、』
aizenはサイバードから降りる。
テイルは、この所から離れていく。
『この姿は、俺も使った事のない。技の一つだ、正直今詠唱して驚いている。』
そこには、ビャグと似ているが、明らかな違いがある、aizenが居た。
『少しの、時間俺につき合ってくれるか? 答えは聞かんが』
『俺たちの間違えでは?』

そこには、自分のもつ天者【いわば仲魔】がいた
『ったく、強がってるんじゃねぇよ。』
そういうのは、迅速の狩り人ヴァイサーガ
『やっほーなんとかきたでございますわ』
明らかに、言葉が変なのは秒殺の弓手アンジュリク
『友よ、我も参戦するぞ。』
と言ってるのは、トロンベである。

そして、
『はぁい、おねぇさまが助けてあ、げ、る♪』
と、緊張感のない奴がAizenの一番信じる天者ライン、ヴァイス
『すまない、俺の悪い癖だな。行こう。』
『目的は、足止めだな、その程度なら』
『OK、行きましょう』
ああ、とだけいい。改めて黄金の鎧を身に纏い、
ザンバットソードを、最大の切れ味にし、
『行くぞ、』
レヴィヤタンに向かっていく。

36 :テイル:2012/06/28(木) 22:51:02.69 0
―― Light Fantasy 最終章――『そして伝説へ』 ――

「ここは……」

再び――漆黒の闇。
ボクは海魔の女王と刺し違えて死んだのだろうか。
いや、相打ちならまだいい。とどめを刺す事ができずに負けたのかもしれない。
そうだとしたら、aizenさんは、ビャクさんは、ルーチカちゃんは……
ボクと一緒に来たばっかりに無駄死にした事になる。
レヴィアタンに従っていれば、新しい世界に生まれ変わる事も出来たというのに。
どこからともなく、声が聞こえてくる。

『テイルよ、愚かな神よ……』

目の前に浮かんでいるのは、漆黒よりも更に昏い暗黒の球体。
そこから、無数の魔王や邪神の力の欠片が飛び去っていく。

『彼らはこれからも幾多の世界に絶望を憎しみを、まき散らす……。
お前が複合シャードを解き放ったばかりに、だ。
レヴィアタンの作る世界なら、少なくとも超常の者が引き起こす災いは無かったというのに』

「でも、それでもボクは……」

崩れ落ちるように膝をつく。

『パンドラの箱、という神話を知っているか?
愚かな女、パンドラが好奇心に負けて開けてはいけない箱を開けてしまった。
そこからありとあらゆる厄災が飛び出し、世界はそれらに翻弄されるようになった』

「それはボクだ……忌まわしき厄災の始原……」

『まあ最後まで聞け。この話には続きがある。
あらゆる厄災が飛び出した後、最後に一つだけ残った物があった。それは……』

厄災達が飛び去るだけ飛び去った後――暗黒の球体が一転、プリズムのような光を放つ。
眩い光に思わず顔を上げる。
光は次第に形を成し、現れた者は……境界を司るガイア三柱神の一つにして、壮麗たる知恵の神。
それが、今初めて完全なる姿となって、目の前に顕現していた。

「龍神ソフィア――!」

『正解は――”希望”だ。
お前はこの世界の人間達がどこまでも前に進んでいける事を信じたからこそ、戦ったんだろう?
だからこそ、この世界が好きだと胸を張って言えるんだろう?
だったら最後まで信じてみたらどうだ?』

ボクは、無言でソフィアの背に飛び乗った。

「帰ろう、仲間達の元へ――!」

これが答え。ソフィアは翼を大きくはためかせて飛び立ち、眩い光のゲートを潜る――。

37 :ルーチカ ◆hATMxiE/qY :2012/06/29(金) 01:18:01.41 0
「っ!・・・ごめんなさいっ!」

目の前でヴァイオリンの弦が弾けた。
いくら皆無な演奏能力でも、こんな風に壊してしまう事は今までなかったのに。

「ほんとにごめんなさいっ!!そんなつもりじゃ・・・」

怒りに満ちた魔神の視線が私達を射抜く、と思った瞬間、
どういうわけか急に魔神の姿は消えてしまった。
後に残されたのは、全ての弦が切れたヴァイオリン。
できることなら曲の続きを教えて欲しかったけど、
せめて楽器に歌の続きを聴いて、できれば一緒に鳴ってもらおう。
私達はヴァイオリンを友達に預けた。

...тороли, жёлуди, яблони, клёнами
私達は、森の中に立つ木々の名を一つずつ確かめるように歌う。
そして森に、共に伸びようと呼びかける。

(私達はこの海原が森に変わった様を想える・・・)
(レヴィアタンの作る未来でも、人はいつも何かを想像してた・・・)
(けど、生き物に想像を許したら・・・)
(世界は多重化して、いつか内に綻びを生む、よね・・・)
(神や魔法の在不在は、世界の出来に直接は関係ないんだ・・・)
(たぶんね・・・)

...ясень, бук и граб да ива ивушка
木々の名のフーガを織るのが純粋に楽しい。
降り注ぐ刃も、恐ろしい蛇も、飛び交う火球も、もう目に入らない。
明日はもっと美しく、と対旋律で木々の名に加えて呼びかけると
見渡す限りに広がった木々の葉が、ひときわ大きな虹色の陽光を受けてきらめいた
・・・気がした。

38 :神人ビャク ◆hfVPYZmGRI :2012/07/01(日) 03:39:15.63 0
レヴィアタンの言葉は正しくその通りだ。
殺戮者としての道は果てしないものに違いない
もうこの手で作ってきた屍達が許すはずもないそんな事はわかっている
既に世界を維持し守護するための殺戮機械―永久闘争存在と化したこの身では
決して許されないだろうけれど―

「それでも僕は『人間』で居たい。分かっているよその選択は
いやとっくに後戻りなんて出来ない事は許されないことも
その選択があって今があるんだ―誰かの想いを踏み躙ってまで果たそうとは思わないよ今もこれからも
僕が僕であるときはそう選択してきたんだから
だから僕は最後の最後まで死ぬまで背負って行くよ、例え行き先が果てが無くて死ぬことが出来なくても
僕には前に進む事しか許されて無いなら人として前に進む、未来が見たいから」

到底人の身などとは言えぬけれどその言葉自体には後悔は微塵も無い
もう後ろを見ても決して戻れないとしてもその選択は決して間違ってなかったと
胸を何処まで張れるかは分からないけどそう言い続けたい。

>「それにしても随分と仲間を呼んだものね。
 良いわ、互いの世界を喰らい合う戦いを終わらせましょう。
 闘争に関しては、人の流儀も神の流儀も同じ。
 戦い、勝利を収めた者が歴史を創り、破れ去った者は消え去るのみ。
 私の勝利で、人と神の混在する歴史が終わり……両者は永遠に断絶する」

「こっちはまだまだ全力を出していないんだ、勝ち誇るには早すぎるよ
―所詮は闘争に行き着くか、人も人外の者も根本は変わらないのか
でもこの戦いは絶対に負けられないんだ!かつて戦ったあの人にも誓った事なんだから」

この時より遥か前に戦ったとある場所にて人に倒される事を望んだ不死の王(ノーライフキング)にも人でありたいと告げた
その事を思い出し、尚更この思いは貫かなくちゃいけない。
神魔一体の仲魔達と共に駆け抜ける総攻撃が始まった直後からレヴィアタンを含む六百六十ニ柱の魔王の軍勢が応戦が始まる
そして一帯は魔術的にも科学的にも対策が組み込まれているだろう海霧に包まれ、戦場は断絶させられたようだ

>「人に隷属する神。道具にまで墜ちた魔。
 これ程……今の世界に相応しい馬鹿げた光景は無いわね」

「違う!此処に道具や奴隷なんて居ない!!此処にいるのは苦楽を共にし
命運と背中を互いに預け合う戦友、仲魔達だ!信頼と絆を持たないお前達とは違う!
お前達のように己一人しか信じない者達に負けるものか!」

相手の暴風の如くいやそれ以上の猛攻に晒されながらも共に戦う仲魔達の奮闘と共に
例えそれがどんなに強大な力を持った魔王であっても勇猛果敢に斬りかかり倒して行くのであった。

39 :神人ビャク ◆hfVPYZmGRI :2012/07/01(日) 04:26:48.90 0
名立たる神魔の軍勢の仲魔達だとしてもレヴィアタンの召喚する六百六十ニ柱の魔王も
魔王を名乗るのだから相当な力を持つだろう現に相対している者は万夫不当なんて言うレベルではない
当初ビャク達の仲魔は押されて行くのは必然、しかし個々として戦う以上はそれが足を引っ張ることになった
付け入る隙は大いにあるし、連携が取れない以上いろんな不具合が生じるのは当然。
こちらも数が少なくなっていく中、相手の優位は削がれて行くことに対して返せる切り札は此方にはまだまだあるのだから
むしろ少なくなっていけば行くほどその切り札が輝いて行くだろう

『お兄ちゃん、黒おじさんと赤おじさんがなんとかこのまま持ち応えられるって』
地獄の公爵と総監督官を虜にした金髪の少女の魔人アリスが敵に対して
死んでくれる?とトランプの兵隊が敵一面に落ちていく
『このままでは死なない軍勢を相手にしていれば限界が出てきますね』
魔槍ゲイヴォルグを携えしケルト神話の半神半人の英雄―クーフーリンがやって来た魔王を纏めて刺し貫く
『だとしても敬愛する主の行くべき道を遮るのならば排除します』
剣を構え純白の鎧に身を包んだオルレアンの乙女にしてフランスの英雄―ジャンヌダルクが邪竜の翼を切り裂く

『時間稼ぎは良いとしても、相手も躍起になってきたね』
『ハッ、良い様に使われてる奴等が俺を超えて行こうなんざ何億年も早ぇ』

サンジェルマンも宿儺もその驚異的な戦闘能力で魔王達を手玉に取るように蹂躙してはそれを繰り返していく
その別格の二人ですらこの戦いに本気で望んでいた。そうしなければビャクにそれだけ敵が向かってしまう
大将の首が取られればそれで終わりなのだから。それ故にビャクの傍を付かず離れずの距離を維持しつつ
決して敵を近づけさせないようにさせていた

>『神を討て!神に在らざる神を!人を討て!人に在らざる人を!』

その黒い雪崩が此方に向かってこようともビャクの闘志は決して折れず
変わりようの無い意思を持って、此方にやってくる魔物を斬り捨てていく

「いいさ、この首を取れるなら取ってみろ!僕はお前達程度にくれてやるほど
安い首級ではないことを教えてやるさ」

最早永久に等しい上で確実に最後は負ける戦であれど不思議と気分が高揚する
この美しくも醜い世界にて見つけた命を懸けるに値する友のために戦うことは
幾度と無くあったけれど、これもまた他には比べ難い物だと最早歩く一歩の瞬間にも消え行く友が居る中でも
思い浮かぶ嘘偽りのない感情だった。

40 :魔創者 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/07/01(日) 15:43:55.76 0
『んじゃ、こっちも行きますか。』
ビャグが攻撃し始めたのをみて、こっちも行動を始める。
天者たちは、それぞれ思い思いに行動しているが、こちらに敵を寄せ付けない。

まぁ、こっちに来たのもあったが、一刀で斬り伏せた。
『テイルまだか、このままだと終わるぞ。』
『ビャグ俺たちは、時間稼ぎから、百俵責めに移るぞ。』
『つまり、魔王のMPを吸収し、体の行動を崩壊させるってことだ。つきあってくれないか。』

そう、ビャグにいい、魔法詠唱に移る。
『魔法風 エンジェルサーバント』
魔法が、風となりて、レヴィヤタンからaizenに吸収される。
『ちょうどいい、MP切れかかってたんだよな。』

41 :魔王の群勢 ◆666/MyrH6U :2012/07/05(木) 00:36:09.24 0
>>39
数百の魔王群がビャクに向かうと、神魔の軍勢も迎撃の勢いを増す。
会戦前には色とりどりだった両陣営の軍装は、瞬く間に血潮の色で染まった。
異形の肉体で朱色の噴水が作られ、激闘は重ねられ、やがて一体の魔王が敵軍の指揮官にまで到達する。
ビャクの眼前に純白の翼を広げて。

白翼を背負う者は完璧な造形の顔貌を持ち、緑翠の衣を纏う悪魔王(アークデーモン)だった。
天上の玲瓏さを具えた魔の君王は、頭部から突き出た一対の角が無ければ、神の使いと見粉う者もいるかも知れない。
悪魔王は正対する相手を涼やかな瞳で眺めて、蜜のような舌を動かす。

『神の力を持った人間など、すでに人とは呼べぬ。
 強大な力を持った神魔が人間と認めても、地を這いながら生きる人間は、貴様を人とは認めまい。
 怪物として恐れるか、さもなくば神として崇められるのみよ』

悪魔王のしなやかな指先に火が灯ると、一条の火色は焔々と燃え盛りながら鞭としての形を為す。
形を得た炎の鞭は瞬時に生ける蛇の如く宙を躍り、ビャクへと伸びた。
無敵結界の知識は全ての魔王が所有しており、彼らが繰り出す攻撃の全てには結界否定の魔力が籠められている。
仮に強力な魔力障壁を張ったとしても、攻撃を受ければ損傷は避けられないだろう。

『真なる創造とは破壊より始まる。始まりの錯誤に積み上げられた万象を破壊して。
 人の足掻きを眺める者よ、いや……汝もまた泥海で藻掻く一匹。
 神魔よ、汝も己が見つめる泥海の中で溺れるが良い』

少し遅れて、戦場の左翼から雷声が轟いた。
湿ったものでも乾いたものでも傷つかない加護で、神魔の軍勢を突破した悪龍ヴリトラである。
咆哮する龍は、立ちはだかる宿儺に突進して分霊の身体に食らいつき、そのままの勢いでビャクへ向かわんとした。

一方、戦場の右翼には不気味な程に戦闘音が無い。
ヒトに似た形をしたモノが、静かに行進を続けている光景だけがあった。
それは歩くだけで穢れを振り撒き、海も陸も臓腑の色に変え、通過する場所には一片の希望も残さない。
夥しい腐敗の瘴気は、他の魔王の現身すらも朽ちさせていた。

『ネイム…………』

死病の様な壊滅を齎しているのは、世界守護者委員会が封じ込め、レヴィア=メルビレイの手で開放された災厄であった。
女の姿で顕現した災厄は、多重の影が連なったように老幼も人種も判然とせず、其処に何者かの面影を見出すのは難しいだろう。
彼女が為しているのは、ただビャクに向かって歩くだけである。遠い過去を見つめるような瞳で。
進行を塞ぐ全ての遮蔽物を近づくだけで破滅させた災禍は、ビャクに数歩の位置まで辿り着くと微かに唇を震わせる。
その表情は何かに祈る殉教者のようであった。悲しみに満ちた聖母のようにも見えた。苦痛に耐えている幼子にも見えた。

『…………レイス』

発された幽かな音を呑み込む様に、テイルの杖からプリズミック・レイが発動する。
魔の心臓たる複合シャードは乖離して、最悪の禍を齎す者も、他の魔王と同様に他界へ墜ちようとしていた。
現身を核に実体を得た災禍が、己の世界へ還ろうとしていた。
溢れる虹の光輝の中で、災厄の女はビャクに触れようと静かに手を伸ばす。
全ての魂と肉体を滅却する災いの渦を作りながら。

『……抱き締めて……強く……私が何処にも逃げられないように……』

42 :レヴィアタン ◆666/MyrH6U :2012/07/05(木) 00:38:11.86 0
>>34-35】【>>40
神魔の軍勢と魔王群が最後の攻撃を行ったのと同時刻。
戦域を離脱しようとする機体に追い付いたレヴィアタンは、テイルの存在する空間を大鎌で縦横無尽に切り裂いていた。
が、刃の軌跡に鮮血は続かない。

>『魔法風 エンジェルサーバント』

aizenの放った吸魔の術が、投影された現身から実体化する魔力を弱めていたから。
実体が薄れゆく現身の刃は肉と骨を裂かず、虚空のみも裂かず、水を切り裂くような手応えだけを残した。
妖精の肉体へ与えた損傷も、引き攣れ程度の痛みで、魔術詠唱を止めるには至らない。

>「円環世界の一部として……生きろ! プリズミック・レイ――!」

大鎌の攻撃と同時にテイルは状態解除の魔力を解き放って、七彩の光の中で万物の変質を元に戻す。
それは、一柱の神の力だけで為されたものでは無い。
レヴィアタンの海に呑まれた無数の魂がaizenの術で呼び寄せられて、テイルに霊力を附与していた。
無数の魂も術と共に六百六十六の魔王を圧して、複合する魔石を個々の石塊に分離して、世界を否定する意志を数多に割く。
シャードの内なる魔王群も天球儀の器から離れ、闇の黒さを伴う降雨として光の中に散った。
各々の意志で、各々の世界に還る為に。

虹色に濁った世界の中で、レヴィアタンの魂は力を失ってゆく。
テイルが手を差し伸べようと、生きろとの言葉を放っても、それを絶対の拒絶で振り払う。
七色の霊光の中で、世界の理が己を正義として勝利させるとの意志が流れ込んで来た故に。

「餓鬼の屁理屈は聞き飽きたわ!」

決して勝利を掴み得ないのならば、起きていたのは戦いですらなく、舞台上の装置が踊っていたに等しい。
己の行動は全て無価値。神の傲慢さで宣告された無価値。
その妄想に憎悪を向け、根底から否定して、異界の神に永遠の呪詛を。
賢しらに言葉を選んで保たれた正義に嘲笑を。

己が噴き出す呪いの中で、海魔の女王が魂を摩滅させる。
憑依の器としていた複合シャードを失ったレヴィアタンは、存在する力を完全に失っていた。
閉じゆく精神は永遠の夜に蔽われて、夜明けの朝を迎えない。
複合シャードから投影した現身も、その複合シャードを裂かれては仮初の姿を保つ事は出来ず、水泡の様に消失していた。

そして、レヴィアタンの創り出した海が。壮麗な海原が崩壊する。
虹の色彩が世界を破滅させる天変地異として、青い海と森林を覆い、全てを光の奔流で閉ざす。
解除の魔力は空間の異界化をも解除して、幻想の世界を石細工の迷宮へと戻してゆく。
創造の奇跡が裏返されたかのように、レヴィアタンの海が終末を迎えた。

幻影の眺望が消え去ると、迷宮五層の異界化で留まっていた万魔殿の崩壊も再開される。
死に瀕した迷宮の最後の喘ぎが。

海鳴りが吼える。
無数の石廊と石室を瞬く間に激流が駆け抜け、万魔殿は水で満たされた。
召喚者たる迷宮の主を失った無数の魔物の内、魔力ある者は元の世界へ戻り、知性無き者は共に海へと沈む。
最下層にレヴィア=メルビレイの空骸を収めた迷宮は、そのまま墓所へと変わった。

虚夢を抱いて消えたレヴィアタンの柩に。

43 :テイル:2012/07/09(月) 00:27:53.34 0
「レヴィアタンは……?」

何もなければ、彼女も他の魔王達と同じように、元いた世界に帰るはずだった。
自らが破壊し損ねた世界で生き続ける事、それが勇者が魔王に与える最大の屈辱。
ソフィアはボクの問いに簡潔に答えた。

「滅されたよ。自ら望んで、な」

光のゲートを抜ける。崩れゆく幻影の海に佇んでいるビャクさんが目に入る。
彼が、自らの世界に帰ろうとするレヴィアタンにとどめを刺したのかもしれない、となんとなく思う。
今は亡き魔王に、届くはずの無い言葉を贈る。

「ごめんね……正義は勝つ、なんて真っ赤な嘘」

ならば勝敗を分けた分水嶺は何か。それは、ボクには仲間がいた事かもしれない。
忠実に動く手駒では無く、自らの意思で力を貸してくれて、時に思いもよらない事をしてくれる仲間が。

「本当は……勝てば官軍。伝説はいつだって勝者を主人公に語られる。
戦い、勝利を収めた者が歴史を創り、破れ去った者は消え去るのみ。
でも、それでも……今の世界が気に入らないからって全部壊して最初から、はやっぱり違うと思う。
だって……」

仲間達の前に降り立ち、ソフィアに乗るように促す。

「世界は変えていけるんだから。特にこの世界は、ね。
さあ帰ろう! ソフィアの境界を作り出す力なら脱出できる!」

44 :ルーチカ ◆hATMxiE/qY :2012/07/09(月) 01:35:21.75 0
フーガの森に差した陽光かと思った虹色の輝きは、
テイルさんの発した“プリズミック・レイ”だった。
それは、レヴィアタンの手元に集められた数多の世界の魔王を解き放つ。

――当然、多世界から集まっていた「私達」も解き放たれた。

(あ・・・)
(帰れる・・・)
(じゃあ残ったんだ、私の世界・・・)
(いろいろ無茶苦茶だったけど、楽しかった)
(同一人物だけで二重フーガが歌える機会なんて滅多に無いもんね)
(私達みんなの記憶、ずっととっておくから・・・)

45 :ルーチカ ◆hATMxiE/qY :2012/07/09(月) 01:35:51.87 0
気が付いたら、周りはここに降りるまでの途中にあったような石の迷宮で、
大量の海水が瓦礫と共に押し寄せているところだった。
「生身失くしてて、よかったですね。
でも・・・もうアイス食べたりとかできないのかな」
「ううん、そんなこと無いよ。生身と実体はちょっと違うんだ」
生身無しのベテラン、精霊フィリアさん。

「生身があっても都合の悪い事から逃げられない訳じゃないよ?」
「それはNPC特権でしょ!」
「これから完全なNPCになるかも知れないじゃない。
・・・はい、これ持って」
いつも通りのレオ先生の突っ込みをいつも通りにかわしたメルディ先生に
唐突にヴァイオリンケースを背負わされた。

「不可視素材で弦を張り直した。
切れた弦は音響に影響しないよう調整の上、フェイクで残してある。
何かの役に立つ事もあるだろうから持っておけ」
アムドゥシアスの残したヴァイオリンに施した改造の説明をしてくれるのは、
本当はものすごく物騒な天才魔導技術者のロランドさん。
因みにビジュアルは少年モード。

「今まで捕捉の難しかった“概念存在”を観測できる絶好のチャンスですよ!
何しろ対象が自分ですから何でもやり放題!」
ヨウさんはもう何か研究スイッチが入ったようで、
瓦礫や水流の物理的な衝撃をすり抜けながら何かの装置をいじっている。

「全ての世界を破壊して、超常を排除した一つの世界を作る
って言った本人の力の源が多世界から召喚した魔王達かあ・・・
考えてみりゃおかしな話だよな」
決戦の間中、その魔王達に端から“ぬすむ”コマンドを連打していた、
天使にして盗賊のソル先輩。
因みに、手にした品はイースさんと売却交渉する気らしい。

「復讐ってのはな、本気でやると決めたら
その手の矛盾にイチイチ構ってらんねぇの。
ぶち当たる端から踏み潰して進む、そーゆーもんだ。
・・・ま、あの海魔様のお考えが同じだったかは知らねぇが」
なりふり構わぬ復讐のベテラン、インペトゥスさん。
言葉の割に、口調がちょっとだけ優しい、ような気がする。
「兄貴ヤンデレキャラだから」
「ちょ!ここはデレるところじゃありませーん!ていうか誰がヤンデレだ」

「そんなことよりおうどんたべたい」
異世界からの電波を受信したようです。
・・・やっぱりちゃんとあるんだね、そっちの異世界も。よかった。

テイルさんがソフィアの背から降り立つ。

じゃあ。

すっ、とテイルさんの傍に移動する。ここらへんは生身ではできなかった芸当。

「はい!帰りましょう・・・あ、行きましょう、なのかな。
どっちでも一緒ですけど。
テイルさんがいる世界が私のいるべき世界ですから」

46 :魔創者 aizen ◆JryQG.Os1Y :2012/07/09(月) 09:27:29.17 0
終わったんだよな。
プリミックスレイの光を見てそう思った。
『これで帰れる。うっ、』
MPは完全復活したがお腹が透いてしまった。
【まったく、情けないですね。】
【でも、そこがいいところじゃないですか。】
うっせ、とか思いながら、天者に支えられながら、戻る事にした。

47 :ビャク=ネイムレイス ◇ hfVPYZmGRI:2012/07/15(日) 00:44:51.35 0
>『ビャグ俺たちは、時間稼ぎから、百俵責めに移るぞ。』
『つまり、魔王のMPを吸収し、体の行動を崩壊させるってことだ。つきあってくれないか。』

「良いよ、お付き合いしよう」

>『魔法風 エンジェルサーバント』

「エナジードレイン!」

aizenと同じタイミング生命の源を奪う術を発動させる
これも手応えはない、無駄ではないはずだ
だがその間にも激闘は激しさを増し、その勢いは押し留める事は出来ずに
此方に進んでくる気が付けば最早魂の鼓動を確認できる同胞達は
仲魔の上位を争う幾つかといつも土壇場と最後を駆け抜けた言わば古参などの生き残ってきた手勢のみになるのもそうは掛からない
そんな折にその中を突破し、迫る一体の悪魔王が居た。


>『神の力を持った人間など、すでに人とは呼べぬ。
 強大な力を持った神魔が人間と認めても、地を這いながら生きる人間は、貴様を人とは認めまい。
 怪物として恐れるか、さもなくば神として崇められるのみよ』

「だとしても僕には守りたい人達がいるんだ、その人達に恐れられたって構わない
影から見守る事だけでも出来れば十分なんだ、あの人達から貰った沢山の物はどう頑張っても
恩返しがし切れないから」

無敵結界すら切り裂く炎の鞭が悪魔王から放たれるが、最早無敵結界などにも頼らずにその身に恐れずに敢然と立ち向かい
炎の鞭を叩き落し、その首を切り落とすべく超加速で向かうが―

>『真なる創造とは破壊より始まる。始まりの錯誤に積み上げられた万象を破壊して。
 人の足掻きを眺める者よ、いや……汝もまた泥海で藻掻く一匹。
 神魔よ、汝も己が見つめる泥海の中で溺れるが良い』

この声が身近に迫っていた時宿儺は例え分霊の身でも銀河を超越するほどの戦闘力を持つ事
そして本来ならばいかなる異能を持っている限り自分以外の異能を無効化する無効化する太極・無間身洋受苦処地獄を発動させれば普通の人間以外で敵は居ないはずだった
だが想像を絶する死闘、そして減っていく仲魔達のこなして行く役割を担っている事により無理が生じたことにより
悪龍ヴリトラ対応が遅れてしまう事になるが、それで諦めるつもりは毛頭無い

『神の玩具がほざくんじゃねぇ!
人間で居たいっていうのがいいんじゃねぇか、誇りを持って生きる人間でありたいとする
異能にも完全に頼っている訳でもないむしろ普通の人間すら憧れてるコイツが好きなんだよ
テメェみたいな野郎には分からないだろうがな』

そして運悪くビャクが居る方向にぶつかり盛大に吹き飛ばされる
最早宿儺には太極を発動できるにしてもごく狭い範囲でしか発動できない
しかしだとしても諦めるつもりはなかった。無理矢理ヴリトラのその口に
馬上筒を持つ背中から二本の手を含めた合計四挺の馬上筒突っ込み

『悪いなクソガキ、ちょっとタイマン張ってくらぁ
戻るまでくたばるじゃねぇぞ』

ヴリトラに喰い付かれ既に構成するマグネタイトが光となって少しずつ消えていく中で
この敵を倒すべく全力でビャクから引き剥がしながら
口の中からありったけの弾幕をぶち込みつつ猛スピードで離れた

48 :ビャク=ネイムレイス ◇ hfVPYZmGRI:2012/07/15(日) 00:45:56.51 0
「ああ…お前こそな…くっ…そ…」

だが思った以上にその一撃は強力だった
神話の神々すらも翻弄した悪龍の一撃は膝を突かせるほどだ
しかしそんな僅かな隙でも与えてしまえば終るほど事態は一瞬で変わる状況であった
悪魔王から今度こそは一撃で仕留められる様に全力で振るわれる

「此処まで来れたのが幸運だったのかな…?僕は貴方のような男になれたのかな?」

炎の鞭は無情にも振り下ろされるのを見つめていた最後の一瞬
それは彗星の如く天から現れ一筋の光と化した者の拳が弾く
そして光は眩しい位にビャク=ネイムレイスの目の前に現れ見覚えのある背中を見せる
その背中はその人生と生き様を語り、彼が憧れた人物の象徴だった。その男はゆっくりと振り向き
浅黒い肌に黒髪の己の信念のままにどんな場合でもそれを押し通す強さを持つ青年は
全身から溢れる男らしい雰囲気と不敵な笑みを浮かべ聞きたかった声を発した

「簡単に諦めるんじゃねぇよ、馬鹿たれ
お前がそんなんじゃ安心して死んでられないだろうが」

「ドルフ兄貴…なんで…」

ドルフ=ダンロック。理想郷群にて漢気の超人と呼ばれたビャク=ネイムレイスにとって
その生き様に憧れ目指した男―ビャクを助けるために命と引き換えに救った死んだはずだった

「グランドフィナーレのためにとか其処の錬金術師の本体に彷徨ってた魂に肉体を与えられてな
お前を結構前から天から覗いていたぞ、良い男になったじゃねぇか女何人泣かせてきたんだ
ええ?」

「どうしてなんであの時助けたんですか!?僕はあのまま死んで貴方が代わりに生きるべき
だった!!僕は貴方にはなれない…所詮は貴方の代わりでしかないんだから」

次の瞬間、胸元を掴み上げられ顔を近づけ声を張り上げる

「お前の代わりなんてもんはこの世を何処探してもいねぇんだよ!
お前が死んでも俺が生きて喜ぶ奴と同じくらい悲しむ奴がいるんだ
あの時お前を助けた事を後悔した事なんて一度もない!!お前はお前として生きていいんだ
俺になろうとするな、お前は俺にはなれないだけど俺にはなれないお前になれる
安心しろもうお前は、一人の男を魅せてその背を追いかけさせるくらいに成長したんだ立派な漢だよ
二度も言わないぞこんな事」

穏やかな瞳で師が生徒に諭す口調で最後は柔らかな笑みを浮かべた後
今まで時が止まり動き出した15歳からは涙が溢れ出る
心から尊敬していた男から認めてもらえた言葉はなによりも嬉しくて
彼の紛い物でしかないという長年抱いていた事実から解放される

「さてと、言いたい事はそれだけだ
此処は今からお邪魔虫は消えるとしようか
漢気は魂の格の力!人の恋路を邪魔する奴等は
俺に蹴られて死んじまいなぁ!!」

ビャクに話したい事を話した後、全身から漢気を発し魂を最大限燃やしながら
全身にその力が集まりながら振り向くと悪魔王(アークデーモン)に飛び掛り
今から来る相手の空気を読むために強制的に共に引き摺ってこの場から離れさせた

49 :ビャク=ネイムレイス ◇ hfVPYZmGRI:2012/07/15(日) 21:08:11.07 0
周囲は血で血を激戦を繰り広げる中少年は一人涙を流していた
そのまま座っていた彼は天に向かって呟く

「そっか…僕は…沢山間違ったかも知れないけど本物になれたんだ」

座り込んだその身から流れる涙は止め処なく流れ続ける
憧れ、その背を不器用ながらも追いかけて同じような男でありたいと目指し続けた
その張本人からの認めてもらえた言葉は何者にも変えがたい故にそれは最後まで貫かなくてはならない
やけに静かな右翼側を涙が流れ霞む視点を向ける。
そこには何もない、腐敗の瘴気が作ってきた何もない正に虚無の道から何かが来るのは分かっていた
だけど其処には敵意はない何かがやってくるのが分かる。涙で揺らぐ視線でそれを見ていても
すぐには分からなかったけれど、その声は絶対に忘れない忘れるものか。

>『ネイム…………』

それは神蛇レヴィアタンの中で見た別世界の可能性であった姿形が同じであれもう一人の彼女ではない
ビャク=ネイムレイスが良く知り心底愛した人の声にゆっくりと立ち上がる

>『…………レイス』

近づいてくるそれは―いや最愛の人イリューシャ・ブリュンヒルトの面影は無くとも
例えそれが面影は無くともでもその声はその表情は彼がビャク=ネイムレイスの愛した彼女に変わらない
どんな姿になってもはっきり言おう何度でも何度でも抱きしめよう

>『……抱き締めて……強く……私が何処にも逃げられないように……』

視界がまた歪み目元を拭っても拭っても歪みは直らない
だけどその伸ばした手は絶対に見違えず離さないように強く握り
その身が朽ち果てようと二度と何者にも奪われないように優しくさーそして力強く
彼女の身体を抱きしめる。

「ああ二度と離さないよ頼まれたって離さないよ。お帰りなさいイリューシャねぇ」

複合シャードが消え、激戦も遂に終わりを向かえ他の魔王達も消えて行く
だが彼女は世界が作り出した不幸と災害を撒き散らす多数の世界を滅ぼす者
封印が解かれたと言う事は再びその役を全うせねばならないそのために次の世界に転送されるように彼女の全身から光が溢れる

『また…お別れ…かな、ビャク』

「言っただろ、僕はもう離れないよどこまでも付いて行くよ」

神人も共に同じ場所に行こうとして同じ光を発するが
それは世界の意思が許さないようだ、既に隔離が始まっている
光が強くなり下半身がビャクが消えるより遥かに速いだけど
彼女の声は彼が知っている彼女と同じで優しい声で

『会いに来て…私も貴方に会いに来るから必ず』

「ああ約束だよ?僕も会いに行くからねイリューシャねぇ」

笑う表情をして災厄の女は最後に全身を消失させ別世界に飛ばされる
その様子はもし傍から見ていれば世界を滅ぼす側の織姫と世界を守るため戦う彦星
に見えただろうか?だとしても彼女が言ったようにいつかは会いに来てくれると言ってくれたのだ
その言葉を信じるしそれだけじゃない自分も必ずまた会いに行く必ず
そんな思いを胸に秘めて光の残骸を見つめた後、テイル達の元に戻った。
次に彼女に会うために死ぬわけには行かないから

50 :テイル:2012/07/15(日) 23:09:51.98 0
Aizenさんが仲間達に支えられながらソフィアに乗る。
ビャクさんがどこかもの悲しげな、それでいて確かな生きる意思が感じられる表情でソフィアに乗る。

>「はい!帰りましょう・・・あ、行きましょう、なのかな。
どっちでも一緒ですけど。
テイルさんがいる世界が私のいるべき世界ですから」

そして、ルーチカちゃんがソフィアに乗る。
そういえば、世界が分裂して大変な事になっていたけど、どの世界に帰るんだろう。
ええい、なるようになるさ!

「発進だ、ソフィア!」

力強い龍神の翼のはばたきが空間を切り裂き、ボク達は次元の狭間に飛び込む。
上も下も一瞬も永遠も区別がつかない時空の混沌の中を飛びながら、ソフィアは語る。

『虚無の中で、夢を見ていた……。ある世界に、とても心優しい少女がいた。
そこは魔法や超常の者がほとんど認識されていない世界だ。
しかしある時その世界も世界群の混乱に巻き込まれ、紛れこんだ超常が平穏を脅かすようになった。
少女はただ平穏な日常を守りたいと願った……』

「それって……」

その言葉の続きは、ソフィアの爆弾発言に打ち消された。

『大変だテイル……出口が分からない』

「ええっ!? シャレにならないんですけど!?」

ここまで来て時空の狭間で遭難してゲームオーバーなど、笑えなさ過ぎてギャグにすらならない。
その時前方に、球体を抱いた制服姿の少女が見えてきた。

「レヴィアタン……? いや違う、レヴィアたん……?」

近づいてくるにつれて、漆黒だった球体が眩い光を放ち、鮮やかに色づく。
白と緑のヴェールがかかった青。どんな宝石よりも美しい水の惑星。

「ガイアは、青かった……」

少女が微かに微笑んだ様な気がした。
レヴィアタンは海の神様だったっけ、となんとなく思い出す。
気付けば青い球体がどんどん近付いて来て、眼前に迫り、そして――

51 :テイル:2012/07/15(日) 23:36:32.69 0
最初に聞こえてきたのは、水のせせらぎだった――
目を開けると、荒れ果てていたはずの大地には草が生い茂り、木々の緑が陽光に輝いている。
もょもととトンヌラが草をかき分けながらあるいてきた。

「もう、草だらけだよお……」
「トンヌラがこっちが近道だって言うからだろ!」

あれ、彼らは友達軍団の中にいたから描写はされてなくても今一緒に帰ってきたんじゃ……?
その発言を少し疑問に思いながらも、ガイアに水が戻った事を喜びあおうとする。

「見てよ、小川が流れてる。この星は生き返ったんだ!」

しかし、予想外の反応が返ってくる。

「あ、久しぶり。いきなり何言ってんだ? そりゃ川ぐらい流れてるだろ」

「覚えてないの!? 
レヴィアタンの街に出発する前は大地は荒れ果ててひび割れてたでしょ!?」

「レヴィアタン? なによそれ。やーねー、夢でも見てたんじゃないの?」

そう言って二人の後ろから出てきたのは――

「サマンサちゃん!?」

「もう何よ〜。幽霊を見たような顔して。じゃあね、そっちも気を付けて!」

去っていく三人組を見ながら、呆然と立ち尽くす。
ソフィアが自らの推測を語る。

『一種の時間改変――
レヴィアタンの万魔殿は、多くの世界に歪みを生じさせていた。
その元凶を断ち切った事で、最初から無かった事になった――といったところだろうな』

「そっか、じゃあ……世界は助かったんだよね!
ボクらのこの冒険は、ボク達だけの秘密だね」

「そうは問屋がおろしません!!」

――後ろから、聞き覚えのある声がかけられた。

52 :魔創者 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/07/15(日) 23:59:11.46 0
「そうだよ、テイルこの事は、いずれ語り継がなきゃいけないもんだ。」

「たっぷりと、説明して、もらうからね。」

疲れた表情でそう告げる。

「それに、俺は時の管理人だ。これも仕事なんでね。」

53 :テイル:2012/07/16(月) 00:14:32.88 0
>「そうだよ、テイルこの事は、いずれ語り継がなきゃいけないもんだ。」
>「たっぷりと、説明して、もらうからね。」
>「それに、俺は時の管理人だ。これも仕事なんでね。」

「彼の言う通りです! もう根ほり葉ほり聞かせてもらいますよ!
これで、やっと……やっと、新・光の勇者の伝説が発売できる!!」

振り返ると、ノダメ校長が感動にうちふるえていた。

「と、このように高レベルのキャラや物語力が強い者
あるいはこやつのように物語への執着が強い物は何が起こったか認識しておるぞ」

と、レジナ族長。

「では彼らは海魔の女王を打ち倒した四英雄という設定にしましょう!
二つ名は大樹の妖精、白光の神人、機神の操者、海精の歌姫――なんてどうでしょう!」

早速一部のNPC達が新・光の勇者の伝説を出版する際の構成で盛り上がり始めた。
というかヨウちゃんも経緯を認識できてる組なんだ……。さすがオタク。

「さあ、今日は特別じゃ。世界を救った英雄達を妖精の宴にご招待するぞ」

生命樹ユグドラシルが見守る、花香る神秘の森で、勇者達を称える宴が開かれる――
その中で、レジナ様がしみじみと語りかけてきた。

「テイルよ、そなたは確かに神になったのかもしれん。
しかし超人化け物がうようよいるこの世界にいおいてはお前など有象無象の一人同然じゃ」

「分かってるよ、自分で選んだ道だもの……」

「ただ一つだけ、世界群の形を組みかえた神としての権利がある。
この多元円環世界群に名前を付けるがよい。その名が浸透するかどうかは別として、な」

ボクが組み替えた世界群の形は、頂点も底辺もない、永遠に巡る円環。
それは、世界はハッピーエンドを目指すものであってほしいけど
ハッピーエンドを迎えてはならないという矛盾した願いの産物なのかもしれない。
最高の理想を手に入れたら、世界はそこで終わってしまうから。

だから――その名に、どうしようもなく無責任な願いを託す。

「花環《リース》――
願わくば、これからも永遠に続く世界に、たくさんの笑顔が生まれんことを――」

54 :テイル:2012/07/18(水) 23:03:35.45 0
目の前に、見慣れない花弁が舞い落ちる。
ふと上を見上げると、生命の樹に見た事も無い美しい花が咲いていた。
レジナ族長が感無量と言った感じで語る。

「世界樹の花……多元世界群に新たな基幹世界が生まれた時にだけ咲く奇蹟の花じゃ」

「新たな基幹世界……?」

「レヴィアタン……
否、レヴィア・メルビレイのそもそもの願いは、超常の力に脅かされない地球だったのであろう?
憶測じゃが……超常無き本来の地球から超常が混ざりこんだ地球が分岐して、別の世界として確立したのかもしれぬ」

「そうだとしたらレヴィアの本来の願いはある意味でかなった事になるんだよね。
そうだと、いいな……」

そうこうしているうちに宴は佳境。仲間達にそれぞれの旅立ちの時がやってくる。
ルーチカちゃんは、ソフィアがオーシアまで送ってくれるそうだ。
一人一人に感謝と激励の言葉を告げる。

「ビャクさん、人外そのもののボクが言っても意味ないかもしれないけど、あなたは人間だよ!
レヴィアタンの虚無の中で、あなたの大事な人への想い、見たから! それはボクら妖精にはとても持つ事が出来ない気持ちだよ。
残酷な事を言うかもしれないけど、諦めないで! “101回目のプロポーズ”っていう昔話を知ってる?
何度でも巡り会う定めなら、100回アタックして無理でも、101回目で成就させればいい!
ボク達が守り抜いたこの世界では、信じればいつか夢は叶うんだ……」

「ルーチカちゃん、人は誰だって天文学的な確立を潜り抜けて生まれてきた超強運の持ち主だと思う。
だから、”光”は誰でも持ってると思う。ただ眠っているだけで。
その他大勢の平凡な人だって、ちょっとしたきっかけで世界を救う英雄になれるんだよ! 君自身がそれを証明してる!
この冒険は何気ない日常に戻ったらすぐ記憶に埋もれていくかもしれないけど……
掴みどころのない夢みたいになっていくかもしれないけど……ずっと忘れないで、一緒に世界を救った事!」

「aizenさん、出会ったばっかりで、あなたが何者なのか、よく知らない。
だけど……同じ目的のために命をかけて戦ってくれた。それだけで十分。
だからこれから貴方が何処へ行っても何をしていてもずっと……掛け替えのない仲間だ!」

ついに別れの時がやってくる。だけど、さよならは言わない。代わりに告げるのは……

「願わくばまたいつか……一緒に冒険しよう!」

ボクは妖精。迷走してばかりの勇者の導き手。無道の寓話を紡ぐ事を定められた罪深き種。
だから、たとえ生まれ変わって姿が変わっていても。互いにそうと気づくことは無くとも。
また、いつかどこかで――

55 :魔創者 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/07/20(金) 18:47:56.35 0
「終わりか、もっと速く来たかったな。」

だけど、世界の破壊が防げてよかった。
「ビャグ、お前と、戦えてよかった。いつか、お前の世界に。」
こいつとは、なんだかんだで、気があって、楽しかった。

「ルーチカちゃん、君とは会わなかったけど、面白かった。じゃあな。」

「テイル、君とあえて、ほんとに良かった。でも、」

一呼吸おき。
「もう勘弁だ、今度は穏便にあいたいもんだな。」
>>「君は誰かは知らないけど」
「そうだな、通りすがりの破壊者?で良いかな。覚えておけ。」

56 :ルーチカ ◆hATMxiE/qY :2012/07/23(月) 00:46:22.45 0
ソフィアの翼で私達は次元の狭間、時空の混沌の中を進む。
そこでは、たくさんの誰かの想いが、音と色彩の霧となって渦巻いていて――
・・・すみません、一般人には認識不能です。

・・・・・・。

「はい、アイス♪・・・ぼくたち帰ってきたんだよ」
フィリアさんにトッピング付きトリプルのコーンを渡されて気が付くと、
この世の物とは思えない美しい森の中で
この世の物とは思えない何でもありの宴会が行われていた。
見れば友達軍団も、飲んだり食べたり改造したり細工したり磨いたり毒吐いたりと
それぞれに楽しんでいるようだ。

aizenさん達とビャクさん達は、戦いで消耗したエネルギーを
競うように、じゃなくて本当に競いながらそれぞれ補充しているようだ。
その真ん中に滑り込み、邪魔を承知で二人に声をかける。
「あの・・・いろいろとありがとうございました。
この世界も、他の世界も、いろんな方々に見守られてるって、初めてわかりました。
お二人のような役目はとっても大変だと思いますけど、
でも、誰かが見守ってくれているのは、とても嬉しいです」

空中にレイアウト図を描きながら編集会議を宴会と同時進行しているのは
ノダメ校長と出版部の先生方・・・と。
「えっと・・・私が街を歩けなくなるような事は書かないで下さいね?」
「服装や髪型がほんのちょっと違うと別人に認識されるのは
変身ものの基本です!御心配なく!!」
編集会議に混じっていたヨウさんに断言された。

万魔殿行き前に魔法学校で留守番してもらっていた、
元子猫のカランダーシュ(どうみても雪豹ですありがとうございました)も
いつのまにか連れて来られていて、何やらガツガツと食べている。
「そっか。お前は生身だね・・・」
私は・・・
本当は“その他大勢”でいるには、いろいろあり過ぎ、知り過ぎてしまった。
でも、その他大勢の心を忘れる事はこれからもないだろう
・・・平たく言うと、ヘタレっぷりには変わりありません。

花びらが舞っている。
настала светлая весна...
優しい香りを感じながら、私は、春が来た、と呟いた。

そして。

「期末の学科試験、受けてませんよね。
オーシアに戻ったらすぐ、特別に追試受験を許可します」
「え、えええーーーっ!!」

57 :時の”管理”人 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/07/23(月) 23:14:37.18 0
>>「はい、これ」

「アイスか、しばらく食べてないな。」
手にした瞬間、食べたいという欲望が脳を駆け巡り、黙ってがつがつ食う。
【のどかだ、こんなにのどか、うっ】
いきなり、左腕が痛み出す。そして消える?

実は、魔王との前哨戦で左手を取られていた。ここまでは、魔法で代用したが、流石にキツくなっていた。

「ビャグ、テイル、いい医者しらね?腕治さないと。」

「あと、ルーチカちゃん、俺はこの仕事は辛くないよ。」

「だって、誇りがありますしウッ、」
「あと、学科試験あんだろ。ほら」
召還魔法で、分厚い参考書を出す。
「それ読み込んでたら赤点は取らないよ。レンタル料は後で、請求するから。」

58 :テイル:2012/07/23(月) 23:42:13.89 0
>「テイル、君とあえて、ほんとに良かった。でも、」
>「もう勘弁だ、今度は穏便にあいたいもんだな。」

Aizenさんと握手しながら微笑む。

「ふふっ、そうだね。あんな戦いがそうしょっちゅうあったら堪らない。
今度は穏やかな日常もの、もいいかもしれないね」

一方ルーチカちゃんは、校長から死の宣告(?)を受けていた。

>「期末の学科試験、受けてませんよね。
オーシアに戻ったらすぐ、特別に追試受験を許可します」
>「え、えええーーーっ!!」

たとえ世界を救った英雄であっても、そこは容赦ないらしい。

>「ビャグ、テイル、いい医者しらね?腕治さないと。」

「ぎゃー! 腕消えてる!? ロランドさん、ロランドさーん!」

実は物凄く物騒な黒髪美少年魔術師を召喚する。
厳密には医者と違うが、彼なら腕の再生ぐらいわけないだろう。

>「あと、ルーチカちゃん、俺はこの仕事は辛くないよ。」

これ程の大怪我をしながら、辛くないと言い切るaizenさんに、一言告げようとする。

「aizenさん……それでももしも辛くなったらさ…」

>「あと、学科試験あんだろ。ほら」
>「それ読み込んでたら赤点は取らないよ。レンタル料は後で、請求するから。」

「あとで請求するからってしょっちゅう会えるみたいなノリだな!」

実際、会おうと思えばすぐ会えてしまうのが事実なのだが。
折角感動的に別れる気満々だったのに、すっかりドタバタになってしまった。
でも、これでいい。
絵になるような感動的な別れのシーンで締めくくるなんて、やっぱりボク達には似合わないって事なのだ。

59 :ビャク=ネイムレイス ◆hfVPYZmGRI :2012/07/25(水) 03:20:36.75 0
いろいろな事があれどなんとか帰還することが出来た
時空の混沌の中でソフィアの語った言葉は自分が守りたいと思った人達に対しての
自分と同じ願いだ。もしかしたらもっと頑張っていれば手を伸ばせる範囲が広ければ救えたかも知れない
そんな一人の運命すらも気づかず今更ながら後悔という感情も出てきた

「ひまわりちゃん、しんのすけ君、潮ちゃん……僕は君達の家族や親しい人達を守る事はできたのだろうか?
君達だけじゃない他人に優しく出来る強さを持った人達を」

手を伸ばし強く握り締める。およそ多世界を賭けた闘争には関係なく人としての営みを続けてそんな争いすらも巻き込まれず
穏やかにそして幸せな一生を送れるように。それは自己満足かも知れないでも自分はそれを守り続ける者でありたい
直接肌を触れさせる事を禁じられつつも自身が朽ち果てるまでに触れる事にそれが許される一瞬の時まで

「君達の日常は…いやこれから触れ合い同じように出会う守りたい人達の平穏な毎日は
僕が守るそしてそれを糧に活きていくから」

それは誰に笑い掛けたかは分からないソフィアの言った少女かも知れないし
今言った彼の最も守りたい人達あるいはその両方かも知れない

【すいません、まだまだ投下したい事があるので時間差はあると思いますが
また次も投下します】

60 :ガイアの導き:2012/07/25(水) 17:41:37.54 0
【※注 7/24〜7/25まで、サーバー変更により避難所は使えません】
【変更後、タイトル等は初期化されるそうですので、再設定をお願い致します】

61 :ビャク=ネイムレイス ◆hfVPYZmGRI :2012/07/28(土) 02:56:21.41 0
完全に峠は越え、帰ってきた世界はどうやら時間軸や歪んでいた多世界間の間隔が
無事修正されたらしく、どうやら自分のこの世界でのお仕事はお役御免になったようだ
覚えているのは自分達だけ―いや正確には自分達に同行していた一部の者達も含めて
我々の事を本に書くなどと騒いでいる。こちらとしては記録を残されるのは嬉しい事だが

「この調子では世界守護者委員会≪ガーディアン≫の再建はどれくらい掛かるのか」

既に壊滅してしまった組織の事を思い出しながら皆から離れた距離で景色を見ていた
この世界ともあと少しでお別れだと思うと名残惜しい気もするが

「あとどれ位居られるかは分からんが、せめてあの犬の親子に一目見たかったな」

今はもう無い失われた世界で見つけた生きている希望だった二匹の犬の親子には会って置きたかったが
この世界のどこかで幸せに生きている事を願っていた

「男もこの世界で生きているのだろうか?だとしたら後悔のない道を生きて欲しいな」

地獄だって笑顔で歩いていくと言った青年も今も生きている、その覚悟を胸に秘められる彼も立派な漢だろう
彼の行く道に幸福がありますように

「さてと、本部に戻って手伝いでも――」

その時背後から誰かが抱き着く
柔らかい豊かな双丘を押し付け女性特有の良い匂いがする
忘れる訳がない、運命の日の決戦前日に交わした契りの際に初めて気づいた香り
黒髪のポニーテールで黒い目立たない服装を好む忍の自身の手で闇の中から救い出した彼女―彼にとって仲間で
心の奥底ではもう一人の愛しい人と感じていた静葉だった。

「静…葉……」

「探しましたよ、主様」

木の陰からは二人の男女―一人はサンジェルマンの本体と先行調査隊時代の仲間虫使いのルーファが歩いてくる
これで先行調査隊のメンバーは全員揃った訳だ

「どこに行くんだい?グランドフィナーレを迎えるまでは帰さないよ?」

ドルフ兄貴が言っていた事とサンジェルマンが何か仕込んでいた事は薄々勘付いていたが
どうやらもう少し此処にいる事になりそうだ

62 :ビャク=ネイムレイス ◆hfVPYZmGRI :2012/07/28(土) 22:19:53.87 0
それまではいろんな事を聞いて話した。
最初で最後の契りの後、かなりの特異な家系そして異能者という人外の枠に入った静葉は
通常の人間ではかなりの低確率故普通は作ることのが難しい超人ビャクとの間に出来た子供を身篭り生んだ事
それを知らせるために駆け巡りいろんな騒動などに巻き込まれた事
サンジェルマンからはその子供が彼の知り合いに育ててもらっている事とみんなの現状の話など
今まで出来なかった話を沢山した。それはいくら語っても語れないくらいに。

>「あの・・・いろいろとありがとうございました。
この世界も、他の世界も、いろんな方々に見守られてるって、初めてわかりました。
お二人のような役目はとっても大変だと思いますけど、
でも、誰かが見守ってくれているのは、とても嬉しいです」

誘われた場所で自分の仲魔達も含めて一緒にアイスを食べていたとき
自分達のことについて礼を言われる。
此方としてはそれが強いられた事とは仕事だからだと普段の彼ならば言うだろう

「俺は自ら望んでこの呪いいや仕事はやっている訳じゃなかったけど今は違う
君たちのような人達を守りたいから守っている。御礼なんて言われることなんて毎回じゃないし人の負の側面を見ることもある
けど君の笑顔や大切な人達を助ける事が出来たのなら幸いだ」

>「ビャグ、テイル、いい医者しらね?腕治さないと。」

「なら私が見ようじゃないか、腕を出したまえ」

サンジェルマンがその役を買って出る。まぁ一応意外と博学な錬金術師なので
負傷した時も開業できるぐらいの腕は持っていた故に何度も助けられたから大丈夫だろう

>「期末の学科試験、受けてませんよね。
オーシアに戻ったらすぐ、特別に追試受験を許可します」
「え、えええーーーっ!!」
>「それ読み込んでたら赤点は取らないよ。レンタル料は後で、請求するから。」
「あとで請求するからってしょっちゅう会えるみたいなノリだな!」

光景を見て思わず噴出してしまう。近くで夫婦の如くそして影のように傍に居る静葉は心配そうな眼差しを向けているのも
気にせずに笑っている。涙がでるほどに

「日常が始まるというのなら僕達のような存在はもう要らないね
役目を果たしたと言う事だから」

あと何十何百年経ってまた新しい災禍によりこの世界に来るかはわからない
けれどこの平和は出来れば永遠に続けばいいなと思う

63 :時の”管理”人 aizen ◆JryQG.Os1Y :2012/07/28(土) 22:56:41.39 0
「はぁ、平和だなぁーでも。」

「あの、腕って、ポンってでないの?」
腕を生やしているときのグチョグチョしている感じが耐えきれず、いってしまった。
だが、すぐに終わり
「まぁ、完璧に直ったから問題ないけどさ。?だれ」
うしろに、走った気配を見つけ 問う。
そこには、後ろの俺の従者がいて、登録要請の歴史のリストと鎮圧要請の戦闘のリストがあった。

「休業で、別の管理人に応援要請しなさい、鎮圧は、適当にやっとくから。」


64 :時の”管理”人 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/07/28(土) 23:02:46.64 0
「ったく、しょうがないな。はい天者集合。」
いろいろな天者が集まる
「はい、これいって。はい君これ言って etc」
さっさと、命令を出している。
「ふい、はぁ疲れた。久しぶりにまともな大戦した気がする。」
ジュースを飲み
「あっ、アイスおかわりください。」
相変わらずのんきである。

65 :時の”管理”人 aizen  ◆JryQG.Os1Y :2012/07/28(土) 23:09:15.41 0
>>「僕たちの存在は要らないね」

「そんなことないさ」
聞いた瞬間諭すように言う
「僕たちは、これを見守らなければいけない。」

「だから、そんなこと言うな。」
【親父、もしも、俺が道を誤ったり、あの青い空が、曇ることがあったらその時は、叱ってください。】

66 :ビャク=ネイムレイス ◆hfVPYZmGRI :2012/07/28(土) 23:18:22.90 0
そして別れの時は来る。
世界守護者委員会≪ガーディアン≫の再建は生き残りをかき集め
今は必死で過去の対策を見直した上で生かして一からの構築が始まった。
ビャク=ミキストリはもっとも組織が壊滅後は完全にスタンドアローン型に移行されており
組織体系から切り離された災厄があれば情報を与えられた上で自分の意思で移動できるようになる
完全に自由ではでは無いが任意で多少は設定できるようになったらしい。
そして新たな世界の災厄の情報を受けて向かわねばならない

>「ビャグ、お前と、戦えてよかった。いつか、お前の世界に。」

「君とは少しだけだが楽しかったよ、俺は既に死んだとされている人間だ
俺の世界などはない―と言いたいが止める権利はないしな好きにすればいいさ」

彼も自身と同じ世界を守る者同類のよしみでまたいつかは戦うかも知れないし二度と会わないかもしれない
けれど一緒に居たことに関しては悪くはなかった。

>「ビャクさん、人外そのもののボクが言っても意味ないかもしれないけど、あなたは人間だよ!
レヴィアタンの虚無の中で、あなたの大事な人への想い、見たから! それはボクら妖精にはとても持つ事が出来ない気持ちだよ。
残酷な事を言うかもしれないけど、諦めないで! “101回目のプロポーズ”っていう昔話を知ってる?
何度でも巡り会う定めなら、100回アタックして無理でも、101回目で成就させればいい!
ボク達が守り抜いたこの世界では、信じればいつか夢は叶うんだ……」

「…どの道会うと言う事は殺しあうことなんだがな。それを置いても彼女に会いたい
俺は彼女の外見が好きになったわけじゃないから、彼女のままで居てくれて生きてくれているのならそれでいい
……だけどいつかは彼女を救ってみせるよ、それを信じて前に進むから」

テイルにその言葉を向けた後む、この世界のルーチカを初めとして生きとし生きる者に対して言うように

「ルーチカそしてみんなこの世界には大きな災厄が立ち去った今は比較的平和だろう
君たちもいつか子供や子孫に囲まれて老いて次の世代にバトンを渡すと思う
僕はそれが守るべき日常と人の営みだと思っているから、そんな人生を全うできるように祈ることしかできないけど
だけど覚えておいて欲しい、この戦いは僕達世界を守る者達では完全に解決する事はできなかった
みんなが居なければ戦いに勝てなかったかもしれない、僕だけでは出来なかった事を成し遂げて世界を救ったんだ
生涯の誇りにして欲しい。最後に…みんなありがとう君たちの孫の顔を平和な時代で見れたら
最高だと思うよ」

そして旅立ちの時は来る。仲魔達はCOMPにとサンジェルマンとルーファは帰るべき場所へ
ビャク=ミキストリはその身に任された仕事を再び為すために静葉は彼の影の如く付き添う
この二人は様々な多世界を揺るがす戦いを繰り広げ、戦い続けた。
いつの時代かにこの二人の間には失われた静葉の一族を復興できるほどの子供が出来た事も
また別の機会に語ることにしよう
少年は自身の足で歩み始めた、その道は困難なれど後悔がないように選び前へと進む
願わくばまた平和な時にこの世界の者達と出会えるようにと

67 :テイル:2012/07/29(日) 23:09:42.34 0
>「日常が始まるというのなら僕達のような存在はもう要らないね
役目を果たしたと言う事だから」

>「そんなことないさ」
>「僕たちは、これを見守らなければいけない。」

「そうだよ、今は平和でもまたいつ魔王や邪神がどっかから沸いて暴れ出すか分かんないんだから……」

全く、誰がこんな物騒な世界にしたんだか。
――ボク達がしたようなもんだ。でも、後悔はしない。

>「…どの道会うと言う事は殺しあうことなんだがな。それを置いても彼女に会いたい
俺は彼女の外見が好きになったわけじゃないから、彼女のままで居てくれて生きてくれているのならそれでいい
……だけどいつかは彼女を救ってみせるよ、それを信じて前に進むから」

「その意気だ! その時は協力するからさ、何時でも声かけて!」

ビャクさんの肩に軽くパンチを入れながら
まるで片思いの相手へのアタックを手伝うとでもいうような口調で宣言。

そして、今度こそ別れの時は来る。重くなっては駄目だ、飽くまでも軽く。

「ふっふっふ、モテモテだなあ、この色男め……! さっさといっちまえ!」

静葉さんと共に旅立つビャクさんを軽くからかって送り出す。

「もう腕ポロリしないように気を付けなよ〜?
今はビャクさんがいたから良かったけどボクの紹介だと物騒なロランドに治してもらうようになるからね〜
腕が納豆バズーカに改造されても知らないよ?」

無事に腕が治ったaizenさんをおちょくって送り出す。

「お疲れ様、またね! 試験頑張って!
近くに寄ったら会いに行くからね〜、お土産は世界樹の葉でいいかな?」

ルーチカちゃんを、友達にまた今度、とでも言うように送り出す。

――――――――――

皆が去った後、レジナ族長が呟いた。

「終わったんじゃな……」

「うん……」

花びら舞い落ちる大樹を見上げて、木の葉を揺れる風に、言い忘れた言葉を託す。

「みんな……本当にありがとう……」

68 :テイル:2012/07/30(月) 00:07:06.40 0
ボクはテイル、導きの妖精、物語の《語り手》――

この物語は、あなたの目にどう映っただろうか。
現実世界が存在する前にあったファンタジー世界の住人が、現実世界への改編を阻止した、ように見えただろうか。
世界は永遠に生まれる前の夢を見続ける――そうかもしれない。物語の解釈は人の数だけあっていいのだから。
だから、ボクの解釈。地球は、実は多元円環世界の一つ。

いくら科学万能の世界でも、科学で全て説明できると言い切れるだろうか?
無数の世界があるなら、その中には限りなく魔法や奇蹟が希少な世界があっても不思議ではない。
多分勘違いだろうで流してしまうような些細な事。実は妖精の悪戯だったとしたら?
テレビで人気のあのマジシャン。実は本当の魔法使いだったとしたら?
ウソ臭い合成画像の心霊写真やUFO写真の中に紛れて本物が混じっていたら?

だから、もしもあなたの元に《導きの妖精》が現れたら、乗ってやって欲しい。
これがボクからのお願いだ。きっと素敵な冒険が待っているから。

平凡な自分が選ばれるはずはない? それは違う。
誰の中にも、勇者の素質、《光》は眠っている。
誰だって、天文学的な確率を潜り抜けて生まれてきた超強運の持ち主なのだから。
考えてもみて欲しい、過去の無数の先祖の一人でも欠けたら今の自分は無かったと。
この世の誰だって、宝くじを三回連続で引き当てたよりももっともっと特別な、選ばれし者なんだ。

数多の《魔王》と、数多の《勇者》と――
これから無数の世界は無数の物語を紡いでいくだろうが、それはまた”別の場所”で語られる事だろう。
だから、ライトファンタジーというこの物語は、ここで終わる事にしよう。

次に世界を救う伝説の勇者になるのは、”あなた”なのかもしれない!

69 :テイル:2012/07/30(月) 00:08:09.75 0
「こんな感じでいい?」

パーティーの喧騒の中、ボクは羽根ペンを置きノダメ校長に問いかける。
新・光の勇者の伝説(仮題)を地球にもノンフィクションの形を取ったフィクションに見せかけたノンフィクションとして売り出すから
キャッチーな後書きを頼む、と頼まれたのだ。
ちなみに、地球も当然人々の記憶改変の対象だったので、ボク達超人人外が暴れまわった事は一般の人々の記憶からは消えている。

「ふふふ、ありがとうございます!」

「売るのはいいけど……地球でくれぐれもセイレーンの姿になったら駄目だよ?
また混乱が起こってあんな戦乱に発展したら困るから」

「大丈夫、うまくやりますって」

70 :テイル:2012/07/30(月) 00:10:25.39 0
時はあれから数か月後――場所はオーシア魔法学校――
どうしてここに来ているのかって?
ここ、オーシア魔法学校では、ある事を祝う盛大なパーティーが開かれているのだった。
『Light Fantasy ――新・光の勇者の伝説』の刊行記念パーティーである。

不意に、歌が流れ始める。

http://www.youtube.com/watch?v=PXUqzhVtPF4

遥かな時の果てから 響く星の声
遠い記憶の彼方の物語 呼び覚ます
子どもの頃 読み聞かされた
不思議の世界巡る お伽噺《Fairy tale》
ほんの少し耳を澄ませば 道への扉が開く
終わりが迫りくる 世界の祈りが時を超えて
あなたへと届くとき 素敵な冒険始まる
女神が紡ぐ愛の歌 全ての悲しみを癒す旋律《メロディ》
奇蹟を起こす合言葉は あなただけが知る

――今始まる 伝説《Fairy tale》

「……テーマ曲!?」

「アニメ化狙ってますから」

この時のノダメ校長の素敵な笑みを、ボクは忘れることはないだろう。
校長にツッコミを入れようとした時、バーンと扉が開いてレジナ族長が駆けこんできた。

「テイル、ある世界から協力要請が来ておる! 
世界の危機でマジヤバイと! すぐに行ってやってはくれんか!?」

これでも一応神格の存在なので、こんな依頼が来るような立場になってしまったのだった。

「場所は!?」

「――《ネバーアース》じゃ! 安心せい、ここ以上に人外魔境跋扈する世界じゃ!」

それを聞いてニヤリと笑う。不謹慎この上ない。
地球みたいな真面目な世界を景気の低迷から救えとか言われたら途方に暮れるところだったが、魔境の地の人外大戦なら得意分野だ。
《ネバーアース》――つい最近できた、地球であって地球でないもう一つの地球に冠された名。
“つい最近できた”といっても、それはボク達の視点から見た話で
そこの人達にとっては最初からあったように認識されていたりするのがややこしい所なのだが。

「分かった! すぐ行く!」

異世界へ通じるゲートとなっている、世界樹のほとりの泉に飛び込む。
次はどんな冒険がボクを待っているのだろう。
願わくば、次も素敵な冒険でありますように――

これからも数多の世界は、数多の物語を紡ぐ事だろう。
だけど、Light Fantasyというガイアを舞台にした物語はここでひとまずお終い。
そろそろ、次の物語に移る事にしよう。

THE END 

――& To Be Continued!

71 :CM:2012/07/30(月) 00:24:02.34 0
(ヨウがモニターを見ながら、一つの世界に目を止める)

ヨウ「あれれー、なんですかー? これ」
ハカナ「何か始まってしまったようですね……」

ここと関連があるかもしれないし無いかもしれない物語――
続編か姉妹編か無関係かは見る人の判断に任せる!
2012年夏――ローファンタジー開幕!

宣伝用動画 http://www58.atwiki.jp/fortestaccato/pages/25.html

【なりきりリレー小説】ローファンタジー世界で冒険!
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1342838770/l50

一つの物語が終わり、新たな物語が始まる――

72 :Player of ◆666/MyrH6U :2012/07/31(火) 00:22:59.87 0

時は全てを闇の彼方へ押し流す。

大地に残ったのは記憶の断片。

真偽の定まらぬ伝説のみ。

73 :最果ての旅人 ◆777/r05dAA :2012/07/31(火) 00:27:25.25 0
此処ではない異国。幽明の境を越えた程も遠い大地。其処には広い大陸が在る。
この広大な大地を旅する者が西風に逆らって歩き続ければ、最果てに深い緑の広がりを見る事だろう。
地表を永遠の薄闇で包む大樹の連なりを。鬱蒼と生い茂った森の世界を。夜のタイユードを。

大樹の影なる領域には、独自の伝承を持った白皙の種族が棲む。
彼らは、己の棲息する世界を夜のタイユードと呼んだ。

樹間の闇では一年が十三の月に分けられ、それぞれが火の月や水の月などと呼び習わされる。
そして、美しき森の蛮族達は各々が誕生月に対応した神秘を操ると言う。
これらの断片的な情報が、外の世界が知るタイユードの全てであった。

「やがて、無窮の時の流れが一粒の種を森とする……これが、夜のタイユードに伝わる神話だ」

髪に衣服、全てが山羊の様に白い老人が口を閉じる。
彼は森の外から来た旅人に求められ、夜の中で旧い伝承を紡いでいた。
永い、永い、森の神話を。

潭じられた神話は、妖精王が海蛇の精霊を打ち倒し、その肉体で大地を創ったのだと伝える。
其処に蒔かれた一粒の種が、幾星霜の時を経て夜のタイユードになったのだとも。
瞑目するように神話を聞き続けていた旅人は、語り部たる森の翁に問いを発した。

「海蛇の精は死んだのですか」

「斃れた際に魂は六百六十六の破片として砕け、やがて北天を彩る星々となった」

「でしたら、海蛇の骸から虹の海が溢れ出した時、呑み込まれる妖精王を導いたのは誰なのでしょうか?」

「今となっては、旧い世界を詳細に識る術も無い。
 故に、語られぬ部分には様々な話術で真実が作られた」

「作られた真実が混じるのならば、貴方が語ってくれた神話も捏造された伝承なのではありませんか?」

「そうとも言える。語られる事を好まない真実が偽りで己を隠したとも。
 この伝説に作られた夥しい異潭の数は、真実よりも美しい嘘が好まれた事を示す」

「誰に?」

「語り継ぐ者たちに。
 物語には語り手だけではなく、聞き手が存在する。
 物語を聞いた子は己の望む形に、さらにその子も、その孫も己の好むように物語の輪郭を変容させてゆく」

濃緑の闇の中で、老翁の口元に微笑むような気配が感じられた。
眉根を顰めて己の思考に沈む旅人に向け、神話の聞き手にして語り手は続ける。

「神話の中に見つけられたかな」

「何をですか」

「貴方と同じ名前を。貴方もそれを探し続けて此処まで訪れた。名の由来を識る為に」

「はい」

「求めるものを得られたのなら、今度は私が聴き手となろう。
 物語の対価として、別の物語を。
 語られるのは貴方自身の物語が相応しい」

促がされた旅人は唇を開くと、己自身を物語り始めた。
夜の彼方へ囁きかけるように。

「雪が舞い散る冬の日。生まれた子はアヤソフィアと名付けられました―――」

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