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【TRPG】ほしむり村の日常【ファンタジー】

1 :名無しになりきれ:2010/11/17(水) 23:28:48 0
ほしむり村は、ファンタジー世界の小さな村です。
人間の他にもドワーフやエルフ、ゴブリンなど、様々な生き物が住んでいます。
魔法使いや、人間に化けたモンスターも住んでいるかもしれません。
村の周りには、まよいの森やしんぴ的な泉、こわいドラゴンの棲む山など、いろんな地形があります。
少し離れたところには、この辺りの地域を統治するお城もあります。
たまにお城の人たちが村に視察に来ます。おうさまの遣いは、最近はマオウが平和を脅かしていることに頭を痛めているようです。
しかし、ほしむり村のみんなにはそんな事はあまり関係ありません。
そのうち、ゆうしゃ様か誰かがポッと出てマオウをやっつけてくれるんじゃないでしょうか。
村のみんなにはそんな事より、今年の秋は豊作かどうかとか、誰かと誰かの恋愛話とか、今日の晩御飯は何を食べようとか、
そういうもっともっと大事なことがあるのです。

はてさて、今日は、村にどんな出来事が起こるでしょうか?

2 :名無しになりきれ:2010/11/17(水) 23:29:29 0
【村のきまりごと】
いち:決定リールOK。ただし、後手キャンセルもありです。
にい:ご新規さんには参加しやすい環境を目指します。
さん:名無し妖精さんのネタ振りは推奨です。ただし、村のみんなは空耳癖がるので、
あまりにへんなネタ振りは聞こえずに流してしまうでしょう。何が聞こえて何が聞こえないかは村人次第です。
よん:5日を過ぎても音沙汰のない村人は、決定リールでかってに体が動いてしまうかもしれません。
   1週間を過ぎても音沙汰がない村人は、きっといつの間にか村を出てしまったんでしょうね。
ごお:最強厨でも設定厨でも初心者でも、どんな人でも入村大歓迎です。村人や村の名無し妖精さんは寛容なのです。
ろく:細かいことは気にせず、のんびりしましょう。せいごう性よりふんいきです。
なな:後手キャンセルで、何でも何とでもなります。
   この村に、叩いたり怒ったりするに値することはいっこもありません。
はち:村人がイベントを起こすのも大かんげいです。自分語りもありです。何でも何でもありです。

3 :名無しになりきれ:2010/11/17(水) 23:32:00 0
ほっかむり村?

4 :名無しになりきれ:2010/11/17(水) 23:42:19 0
まーたえらい懐かしいスレがw

5 :名無しになりきれ:2010/11/18(木) 11:44:43 O
しもふり村

6 :名無しになりきれ:2010/11/18(木) 13:07:35 O
ニャッ☆

7 :名無しになりきれ:2010/11/18(木) 20:41:18 0
腰不利村

8 :キタキタおやじ:2010/11/19(金) 02:02:08 O
勇者様の為に踊りますよ

9 :名無しになりきれ:2010/11/21(日) 07:49:31 O
腰振りじゃなくてほしふりだよ爺さん

10 :名無しになりきれ:2010/11/24(水) 09:16:46 0
10

11 :名無しになりきれ:2010/11/29(月) 18:56:39 0
11

12 :名無しになりきれ:2010/12/03(金) 23:30:06 0
12

13 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/05(日) 02:51:16 0
街道を歩いていると、特に意識をしなくても大きなお山が視界に入ってくると思います。
星がおつむりに載っているように見えるほど高いから星頭山(ほしつむりやま)。
それがいつしか訛ってほしむり山と呼ばれるようになった、そのふもとにほしむり村はありました。
「ありました」と過去形なのは今では誰もいないからで、いうなればここは「旧ほしむり村」です。

昔はすぐ近くを街道が通っていて、村もにぎわっていたものでしたが、怖い山賊やオオカミも良く出たので、新しい街道が拓かれました。
人の流れが変わってしまったので、旧街道筋の村々の人たちも新しい街道のそばへ移り住み、
そのときまだはいはいをしていた村の子供に孫ができるくらい時間がたった今では、山賊やオオカミですらねぐらを変え、
ここに残っているのは石造りの(崩れかけた)小屋がいくつかと、手入れをされていない井戸、鐘のない鐘楼くらいです。
擦り切れたマントを着込んだネルダがロバを引いてふらりと入っていったのは、そんな場所でした。

村の真ん中まで来て回りを見渡しても誰もいません。井戸に近づいて釣瓶を投げ込むと水の音がしました。
引き上げてみるとよどんだ水が入っていたので、汲んでは捨てることを何度か繰り返したあと、きれいな水をロバにあげました。
次に汲み上げた水に手をすくい入れて、叩きつけるようにして顔を洗って、それから釣瓶に残った水を覗き込みました。
黒い髪と、日に焼けたせいで浅黒い肌をした人が、少しつり目がちなこれも黒い大きな目でネルダを見返していました。

崩れかけた小屋の一軒にロバをつなぎ、自分もそこに寝床をしつらえて、それからネルダは村をぐるりと回ってみました。
誰もいませんし、何もありません。薪がいくらか残っていたくらいです。
「……どのみち足りないか」
思いのほか幼げな声でそう呟いたネルダは、最初の小屋に戻って荷物から鉈を取り出し、薪を探そうと森へ入ってゆきました。

14 :名無しになりきれ:2010/12/05(日) 09:51:02 0
そんなロバで大丈夫か?

15 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/05(日) 16:25:53 0
森の中は下生えが良く茂っていて、あまり人が踏み込んでこないことを物語っていました。
邪魔な枝を鉈で払いながら進んでいくうちに、太い枯れ枝を何本か見つけたので、適当な長さに切って縄で縛りました。
それはそのままそこに放置してさらに奥へ踏み込んでいきます。後でロバをつれてきて背中に乗せるのです。

ロバというのは結構面倒な生きもので、暗い森の中なんかにはすすんで入ろうとはしません。
ネルダの連れているロバ、ローヤーは逆にまったく物怖じしない性格で、平気でネルダのそばを離れてしまいます。
道を作りながらロバの手綱を引いて……なんてやっていられないので小屋に繋いだままにしておいたのですが、
ふとローヤーは大丈夫だろうかという思いがよぎりました。

オオカミやその他危険な動物が近くにいる様子はありませんでしたが、たまたま遠くに行っていただけということもありますし、
ロバは小さいながら力が強い動物ですから、手綱を繋いだ柱をへし折ってそこら辺をほっつき歩いてしまうかもしれません。
荷物はいっぱいあるし、「一番いいロバを頼む」といって譲ってもらったものなので、いなくなるとちょっと問題あります。
ネルダはもと来た道を小走りで戻り、置きっぱなしだった薪の束を引っつかんで村へ戻りました。

幸い繋いであった小屋が倒壊しているということもなく、ローヤーも無傷でにいて、戻ってきたネルダに鼻面を摺り寄せました。
「……腹が減ってるんだな」
大体ローヤーが甘えたそぶりを見せるのはそういうときだけです。
「一緒に行こうか」
はかどらない作業を思ってため息を一つつきながら、ネルダはローヤーを引っ張っていきました。

文字通り道草を食ってばかりのローヤーを、引っ張ったり時には蹴りを入れたりしながら、焚き付けや薪を集めていきます。
ローヤーの背中に薪の束五つが乗っかったところで、ネルダは村に引き返し始めました。
日は結構傾き始めていて、どうやら明るいうちに村に戻れそうにはありません。

16 :名無しになりきれ:2010/12/06(月) 11:34:42 0
夜の村は誰も居ない。


墓守の幽霊を除いて…。

17 :墓場の人影:2010/12/06(月) 14:27:58 0
>>16
失礼ね!幽霊じゃなくて守護天使よ!
でも人間には見えないから、幽霊みたいなものかなぁ。
この村もすっかり寂れちゃったけど、いいところだったのよ。
ああ、誰かまたこの村に棲みついてくれないかなぁ


18 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/06(月) 16:20:20 0
>>16-17
すでに月が高くなってしまいました。
日が沈みかけた段階で森の中が真っ暗で何度が道を間違えたのと、そんな状況でもローヤーが寄り道をしたがったからです。
「適度に臆病なほうが楽でいい……」
ネルダは森を抜けたあたりで、マントや髪の毛に刺さった葉っぱや枝の先っぽを払い落としながらぼやきました。

夜の村には誰もいません。昼だっていなかったんだから、いる方がおかしいのですが。
世の中には「夜の住人」なんていわれたりする類の人たちもいますが、少なくとも今のここには居住していないようです。
ネルダは寝床のある小屋へ薪を下ろすと、ローヤーを適当に繋いで水を汲みにいきました。
投げ込んだ釣瓶の音が、なんだか昼間よりも大きく響いて聞こえました。もの寂しい夜とはそうしたものです。

桶から鍋に水を移して、戻ってそれを火にかけます。沸いたらまず塩漬け肉をそのまま小さく切って入れ、
少し煮てから砕いた麦、森で拾ってきた木の実や野草を投げ込んで、適当に混ぜながらさらに煮れば、麦粉粥の出来上がりです。
ローヤーのご飯は、さっきまでさんざん木の芽を食い荒らしていたのでいらないでしょう。
でも良く働いてくれたから、おやつくらいは上げようかとネルダは考えて、煮固めた蜂蜜と小さな岩塩を一つずつ荷物から出しました。

ローヤーを繋いだ土間(この家はそもそも全部土の床でしたが)へ行くと、何もいません。
急ぎ足で外へ出ると村の外れのほうにそれっぽいシルエットが見えました。近づいていくと、墓地の中にいるのがわかりました。
「ローヤー、戻っておいで。寝てる人の迷惑だよ」
声をかけてもローヤーはこっちを向こうとしません。ひとつの墓石の前で、その少し上を向いて鼻をくんくん言わせています。
まるでそこに何かいるような仕草です。

「……」
ネルダは無言でローヤーの手綱を引っ張って何歩か歩いて、それから思い出したようにお墓の前に引き返しました。
持っていた蜂蜜と岩塩をお墓の前において手を合わせて、それからローヤーを引きずるように大股に歩いて、
真っ直ぐ一直線に小屋へ戻りました。

手綱をほどけないようにしっかりと結んで(面倒をかけたのでおやつは抜きです)、ようやく自分の食事に取り掛かります。
お粥を口へ運びながらネルダは(今日は鉈を抱いて寝るか、それとも枕元に塩か聖水でも用意しておこうか)などと考えていました。

19 :エレオノール ◆EYrZEROGfE :2010/12/07(火) 17:29:42 0
旧街道沿いに今では打ち棄てられた村がある、らしい。
地図を信じるなら、その筈だ。

青白く光るカンテラを手に、夜の旧街道を進むエレオノール。
利き手は『魔法の抜き撃ち』が出来るよう、腰の杖にかけたままだ。
月明かりの下、ほしむり村の建物がぼんやりと見えてきた。
すっかり荒れ果てた村落だが、一軒の小屋から煙が上がっているのが微かに見える。
(野盗やゴブリン、ではなさそうね)
とっくに襲撃を受けている筈だし、そもそも旧街道で獲物を待つのは非効率極まりない。

小屋のほうに向けてスタスタと歩いている最中、ふと違和感を感じて首を横に向ける。
無人の墓地だ。眼鏡をクイと上げ、元々キツい目つきの目を更に細めて見ても変わらない。廃村らしいのだから無人なのは当然だが、違和感は残ったままだ。
となれば『アレ』だろう。遺跡調査隊に参加した際、何度か遭遇している『アレ』だ。とにかく無用に刺激するのを避けるため、見なかったことにした。

小屋の前まで来たエレオノールは、ブロンドの髪の上に乗っていた鍔広の三角帽を脱いで、土埃や枯れ草の破片をポンポンと払い落とす。
そして魔術師ギルドの紋章が描かれた外套は着たまま、小屋の戸を数回ノックする。
大きな組織の持つ名声は役に立つケースも多い。なにより自身の身分保証になるし、友好的でない相手の譲歩を引き出せる事もある。

「御機嫌よう。…こんな寂れた所で出会ったのも何かの縁ですし、ご一緒しても構わないかしら?」

20 :名無しになりきれ:2010/12/08(水) 00:39:40 0
こびとがあらわれた!

「あんらーニンゲンなんて何十年かぶりに見るっぺなー」

こびとはにげていった!

21 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/08(水) 15:35:52 0
>>19-20
がらん。
空の鍋に木の匙を投げ込んだ音が小屋の中に響きました。食事が終わったので次は片付けです。
食器や調理器具を洗ったりするわけです。しかし手元に水はありません。ちなみに聖水も品切れでした。
「うう……」
ネルダは呻きながら荷物をひっかき回し、物を磨り潰すのに使う、石で出来た鉢と杵を取り出して岩塩を砕きました。
空いている袋にそれを詰めて腰帯に引っ掛け、銀製のまじない小刀を逆側に差します。できる限りの「墓場の幽霊」に対する備えです。
実際にそんなものがいる世の中だということは、それほど長くない旅の中でも十分に理解出来ていました。
害意があるかどうかはわかりませんが、あるとわかってからでは遅いのです。
もちろん墓地にいたものが見えたローヤーからすれば無駄なことこの上ない行為なのですが、
ネルダとローヤーの間ではそんな高度の意思の疎通は出来ません。

ネルダは戸の前に立つと、水を汲んで持ってくるまでの手順を頭の中で繰り返しました。
ローヤーを連れて行こうかとも考えましたが、また妙なものを嗅ぎ当てられても怖いので繋いだままにして、
いよいよ外へ踏み出さんと手を伸ばしたまさにその時。
こん、こん、こん……。
ネルダの手が触れる前に音がして、それから戸がすう、と外へ開きました。
>「御機嫌よう。…こんな寂れた所で出会ったのも何かの縁ですし、ご一緒し
「消えうせろー!!」
腕を真っ直ぐ上に伸ばした位置を四分の一、真横に伸ばした位置を四分の四とした場合、
ちょうど四分の三の位置で振りぬかれたネルダの右手から、一掴みの塩がエレオノールの顔面めがけて放たれました。

「……申し訳ない、ちょっと動転してたもんだから」
ネルダは塩の小袋を両手で揉みつつ弁明をしました。ネルダ自身、比較的目つきは鋭いほうでしたが、
エレオノールのそれは比較にならないほどで、本当に針でも飛び出してきそうです。
出会い頭に塩をまかれるなんていうことがなければ、もっと温和な視線をもらえたのかもしれませんが。
ナイフのほうを投げなくて本当に良かったなあ、とネルダは強く思うのでした。
おっかなくて向こうの顔が見れないので視線をずらすと、紋章や持ち物から魔術師であるらしいことが伺えます。
幽霊や動く死人を相手にした経験もあるかもしれません。

「で、ご一緒どうこう言ってたけどこんな失礼な女とで良いならむしろこっちからお願いしたいよ。とりあえずそこの井戸まででもいいから」
ローヤーがまた何かを目線で追っているのを(どうも何か小さいもののようです)視界の端に捉えつつ、
ネルダはいささか早口に言いました。鍋なんか日が昇ってから洗ったっていいのですが、性分はいかんともしがたいものです。

22 :エレオノール ◆EYrZEROGfE :2010/12/09(木) 01:59:42 0
ある程度の警戒をしていたとはいえ、戦闘は専門外のエレオノール。
『顔面目掛けて何か飛んできた』際に出来たことは『魔力を乗せた杖を自分の顔の前に突き出す』という極々無難な行動だった。
果たして綺麗なフォームから投擲された塩の集合体が顔面にぶち当たる事態は避けられたが、
ちょっとしたクォーレルなら弾き飛ばすほどに硬化した杖の魔力にぶち当たった塩の集合体は綺麗に飛散し、髪や服に降りかかる。
貴重な毒薬を遠慮無くぶん投げてくるような相手でなかったこと、
更にエレオノール自身が即座に反撃行動を取るような『戦闘魔術師』でなかった事を考えれば、
この接触はひょっとしたら幸運なケースだったのかも知れない。

>「……申し訳ない、ちょっと動転してたもんだから」
「ええ。ええ。夜分ぶしつけにやって来たのは私の方ですからね。
 大丈夫、別に怒ってなんかいやしないわよ。ええ。本当に」
髪や服にまぶされた塩を右手でパラパラと払いながら笑ってみせるエレオノール。
ネルダに悪気があった様子はないし、歳も兄弟姉妹ほどには離れているように見える。
ここは年齢相応の忍耐強さを示すべきだ、と判断したのだろう。
しかし眼鏡の奥に光る目は全然笑っていない。声色が何処か鋭くなっているのも、イントネーションに残る大陸西部訛りとは全然関係無い。
ひと通り塩をはたき落としたエレオノールは、荷物の入った鞄と三角帽子を床に置く。

>「で、ご一緒どうこう言ってたけどこんな失礼な女とで良いならむしろこっちからお願いしたいよ。とりあえずそこの井戸まででもいいから」
「仰せのままに。キャンプを貸して頂く以上、相応の働きはするつもりです。水系統の術師であれば、井戸水のほうを持ってくる処でしょうけどね」
エレオノールは(どこか残念な印象が根強い)土系統の魔術師であり、水を操る魔法は殆ど使えない。火や風も然り。
出身地の精霊に影響されるとか、信仰や家系によるとか、本人の魂の気質次第とか。とにかく大抵の魔術師には、得意属性というものがあるらしい。

そこでエレオノールの言葉が止まる。確かに何か小さいものが動いた。気配はすぐにローヤーが見つめる先の闇へと消えてしまったが。
難しい顔で眉を顰めたまま数秒ほどそちらを見ていたエレオノールだったが、再びネルダのほうへ向き直り、腰にある銀のナイフに視線を落とす。
そして香水の品の良い芳香が分かるほどの距離まで顔をぐいと近づけてから、真剣な表情のままゆっくりと話し始める。

「とはいえ。土の下で寝惚けてる連中が、なにかの拍子に目を覚まさないとも限らないわよ? この辺り、生きてる人間は随分と御無沙汰だった様子だから。
 見た目と声と悪臭が物凄いアイツとか、何回バラバラにしてもカタカタ言いながら迫ってくるアイツとか、壁や扉をすり抜けて来るアイツとか」
わざわざ恐怖を煽るような口調で説明してる辺り、塩をぶちまけられた返礼のつもりらしい。
年齢相応の忍耐強さなんて無かった。
「………冗談よ。ああいう手合いが居たら、とっくに墓場から溢れ出して元気に暴れまわっているはず。
 村人の自縛霊か、この土地の精霊か、或いは妖精や幻獣の類か…は分からないけれども。今のところ、こちらを害する意思は無いわね。多分」

それだけ言うとエレオノールは土間のほうに向き直り、杖を地面に向けて瞠目すると、何やら詠唱開始。
20秒ほどルーンを唱えた後、ひょい、と杖先を持ち上げると、ローヤーの見守る前で地面が隆起し、身長1メートル程の土人形が現れた。
土人形はノシノシと小屋の中を横切ると、意外に器用な手つきでネルダの食器や調理器具をまとめて両手で抱え上げ、
さっさと井戸のほうへ歩き始めてしまった。
それを操る当人は一息ついた後、杖を手にしたまま反対の手で青白い光を放つカンテラを拾い上げる。
水を汲むついでに、いっそ井戸端で食器を洗ってしまおうという魂胆である。だが土くれのゴーレムで水仕事は出来ない。
エレオノールは結局のところ、闇夜の中での洗い物をネルダに担当してもらおう、などと考えている。
やっぱり年齢相応の忍耐強さなんて無かった。

「では行きましょうか。…ええと、黒髪の旅人さん」

23 :名無しになりきれ:2010/12/09(木) 15:57:41 0
「ほう」
一声鳴いてフクロウが飛び立った

24 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/10(金) 03:03:49 0
>>22-23
ローヤーの視線の先をしかめっ面で見ていたエレオノールの顔が、ぐいとネルダに近づけられました。
そのまま真っ直ぐ目を見ながら怖いことを並べ立てはじめます。
ネルダは一切リアクションを取りませんでした。良く見れば顎にやたら力が入っていて、
変な声が出たりしないように奥歯をかみ締めているのがわかると思いますが。
>「………冗談よ。ああいう手合いが居たら、とっくに墓場から溢れ出して元気に暴れまわっているはず。
> 村人の自縛霊か、この土地の精霊か、或いは妖精や幻獣の類か…は分からないけれども今のところ、こちらを害する意思は無いわね」
それを聞くとすこし顎の力が抜けました。
>「多分」
「んっ」
また力が入りました。

それからエレオノールはくるりと背を向けて、なにやら呟きはじめます。
ネルダの方からはローヤーが首を持ち上げて鼻をひくつかせているのが見えるだけです。
そのローヤーの耳がぴんと立ち上がったかと思うと、エレオノールの陰から人の形をした土の塊が歩いて出てきました。
そのまま小屋の中を横切って炉の傍まで歩いていって、鍋の中に汚れ物をまとめてひょいと持ち上げて、
向きを変えて今度は戸の方へ歩いていきます。
(わー、ちゃんとした魔法だぁ)
カンテラを手にしたエレオノールを、ネルダは感嘆の目で見ていました。

>「では行きましょうか。…ええと、黒髪の旅人さん」
そういえばまだ自己紹介をしていないし、されてもいません。
「あたしはネルダだよ、よろしくね。あれはローヤー」
名乗ったあと、エレオノールの名前を聞いて、もう井戸についている土人形の後を追いました。
汚れ物は井戸の周りの石畳の上に置かれています。
水仕事を土人形にさせたらかえって汚れてしまうでしょうから、ここは自分でやらなければなりません。

縄たわしを桶の水につけて、磨き砂を入れた鍋をこすります。しゃっしゃっという音の他はふくろうの鳴き声と梢の揺れる音しかしませんでした。
傍にはカンテラを手にエレオノールが立っています。月は煌々としていましたが、別に照明があるほうがやっぱりはかどります。
「そういえば魔術師さんは何でこんなとこに?」
鍋の水を排水溝に空けながら、ネルダはエレオノールにたずねました。

25 :エレオノール ◆EYrZEROGfE :2010/12/11(土) 14:28:13 0
>「あたしはネルダだよ、よろしくね。あれはローヤー」
「私はエレオノール、見ての通り魔術ギルドのメイジよ。こちらこそ、よろしくお願いするわ」
簡単に自己紹介を済ませると、エレオノールもネルダに続いて井戸に歩き始める。

カンテラ片手に井戸端に立つエレオノールは、梟の声がする方をぼんやりと眺めていたが、
そのうち何事もなく飛び去ってしまったのに何故か少しだけ落胆した様子で溜息をつくと、
月とカンテラの青白い光に照らされ、小気味良いリズムの音を立てながら水仕事をしているネルダに視線を落とす。
(この娘、いい使用人になれるかも知れないわね)
などと失礼極まりない事を考えてしまう辺り、エレオノールに関しても、幼い頃から身に付いている性分はいかんともしがたいのだろう。

>「そういえば魔術師さんは何でこんなとこに?」
「ん……」
唐突に声を掛けられたエレオノールの表情は、心なしか不機嫌そうに見える。
何処まで話していいものか思案していただけなのだが、
元々キツい顔立ちなので、無表情だと怒っているように見えてしまう事が多いのだ。
「そうね。私の目的は、この辺りの地勢全般の調査といったところ。これはギルドの方針なのだけれど…」

旧街道沿いで、古い時代の巡礼の祭壇や未発掘の遺跡が見つかるケースもあること。
魔術師ギルドが、それらの史跡に眠る資料や遺物を集めていること。
通常は冒険者なども含めた数名の調査隊が派遣されるが、この辺りは割と安全なので自分ひとりが派遣されたこと。
ネルダに視線をやったままのエレオノールの口から、そういった事が掻い摘んで説明されていく。

「…勿論、有用な植物が自生しているようなら植生調査、魔術的に妙なモノが見つかれば… その調査も必要になるかしらね」
そう言って墓地のほうをちらり、と見るエレオノール。
そのまま少しだけ考える仕草を見せた後、ネルダに視線を戻す。そろそろ水仕事も終わる頃だろう。
「とはいえ、こんな旧道の廃村で生きている人間にお目にかかるとは思ってもいなかったわ。
 無理に話せ、とは言わないけれど…。アナタ、何かワケありなの?」

26 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/12(日) 02:27:12 0
>「そうね。私の目的は、この辺りの地勢全般の調査といったところ。これはギルドの方針なのだけれど…」
エレオノールは自分がここに来た事情をかいつまんで話してくれました。
調査の拠点としてまずこの村に訪れたということでしょうか。
魔術師というのは大変なものだなあ、などと考えながらネルダは鍋底の焦げ付きと格闘していました。
人に話を振っておいてそっちを見もしないのは、いささか失礼な行為と言わざるを得ません。

>「とはいえ、こんな旧道の廃村で生きている人間にお目にかかるとは思ってもいなかったわ。
> 無理に話せ、とは言わないけれど…。アナタ、何かワケありなの?」
「へ?」
人にそういうことを尋ねた以上、自分もそれを聞かれるのは当然ともいえますが、ネルダは全くそんなこと考えていませんでした。

「えー……と、あたしはこう見えて鍛冶屋なんだけど、あの山にある伝説の鉱石を探しに……」
なので、言い終わった瞬間にばれるような嘘をついてしまいました。
本当は事件に巻き込まれて故郷にいられなくなって逃げてきたのです。
鍛冶屋なのは事実ですが別にそんなストイックな目標は持っていません。
さらに言えばエレオノールの前でそれらしいところは一切見せていないので、鍛冶屋であるというところも信用されないかもしれません。
ネルダは「やってしまった」という思いを誤魔化すためか、ことさらに勢い良く鍋に水を注ぎ込んで砂を洗い流しました。

「よっし終わり!じゃ戻ろうか」
無理のあるテンションで先に立って歩き、小屋へ戻ります。かまどの上に鍋や食器を置きました。
「寝床は魔術師さんが使っていいよ、あたしはローヤーに寄っかかって寝るから」
明日になっても(少なくともネルダには)何があるわけでもないのですが、今のところやることもないのでちょっと早いけど寝支度です。
エレオノールがこの村を拠点に調査を進めていくなら、当然何日か何週間か滞在するのでしょう。
故はあれども当てはなしの旅なので、しばらく付き合って村にいるのも悪くはなかろうとネルダは考えました。


27 :名無しになりきれ:2010/12/12(日) 19:03:28 0
最後は二人しか居なくなる

28 :名無しになりきれ:2010/12/12(日) 19:16:33 0
もともと二人しかいない

29 :墓場の幽霊改め守護天使:2010/12/12(日) 19:50:38 0
>27-28
「いいえ、私とあなた達を合わせて最低でも4人はいるわ!
 そして、今はまだ力が弱くてダメだけど、あと何十日かすれば私だって力をつけて人界でびゅーよ!ふふふ」
守護天使は一人で盛り上がっている。

「それより墓場の幽霊じいさま達が、こんな場所で何してるのよ。
 あっ!もしかして、わかいギャル(死語)のお着替えを覗きに来たのね!このえっち!!」
守護天使は>>27-28に鉄拳を振り下ろそうとしている!
天使の鉄拳を受ければ、存在自体が危ない!
あやうし>>27-28!!

30 :守護天使:2010/12/12(日) 20:15:21 0
あのネルダって子は、鍛冶屋さんだったのね。ふむふむ。
うんうん、この村の近くにある山はいい鉱石取れるよー。うふふ。
と言っても通じなんだよなー。
どうするローヤー、お前も人間の言葉はしゃべれないしね。

ううん、確かよろず屋の地下に、行商のおやじさんが使ってた道具の予備があったよね。
地下室への入り口を少し浮かせておこうっと。
あっ、そうそう、地下道掘りまくってたドワーフのこと、村はずれの薬師の娘が日誌に書きつけてあったよね。
さりげなく、見つけやすい場所に移しておかないと。
え?ローヤー、あの子達を村はずれの家まで誘導してくれるって?助かる〜!!

あ、でも、あの庭の草には毒になる草もあるから、道草くったらダメだよ・・・・って、もう寝てるし・・・・・。



31 :名無しになりきれ:2010/12/12(日) 20:36:35 0
>>29
「たとえ我々が倒れようと、第二、第三の覗きが必ず現れる!そこに女子がいる限り必ず、幾度でもな!
 せいぜいひとときの平和を楽しむが良い!ハァーハッハッハッハッハ…………!!」
墓場の幽霊は長台詞を残して光と化した


32 :守護天使:2010/12/12(日) 20:49:49 0
4人じゃなくて5人だろって突っ込みは無かったわね、あのじいさま達。
ばいばい、またね。

それにしてもエレオノールって子、妙に勘が鋭くていけないわー。
本棚から抜いた日誌、机の上に置いたら紙の痛み具合がーとか、埃の積もり具合がーとか
こんな場所においてあるのはおかしいーとか勘ぐられそう。
同じ理由で、本棚の下に放置するのもダメよねー。うーん・・・・・・・。

本棚から三分の一ほど引き出しておこう、うん。

33 :エレオノール ◆EYrZEROGfE :2010/12/14(火) 02:36:40 0
>「えー……と、あたしはこう見えて鍛冶屋なんだけど、あの山にある伝説の鉱石を探しに……」
「ふうん…。見つかるといいわね、鉱石」
ジト目でリアクション。やっぱり信用していないのだろう。
とはいえ、相手の過去を根掘り葉掘り聞くのが褒められた行為でない事くらいはエレオノールも弁えている。
結局この話はここで終わった。

>「よっし終わり!じゃ戻ろうか」
やや強引なテンションのネルダに頷き、心なしか足早で小屋へと戻っていく。
そんなエレオノールだが、一応は魔術師だ。
聖職者や死霊術師や精霊使いといった本職に及ばないにしろ、目に見えない存在を感じ取る能力もそれなりに備えている。
であるから、墓場での一連の騒動を『何者かの霊体が破壊された』くらいには把握してしまった。
「…教会の坊主でも連れて来るべきだったかしら」
差しあたってエレオノールの出来る事は、独りごちながら現場から離れる事だけなのだが。

>「寝床は魔術師さんが使っていいよ、あたしはローヤーに寄っかかって寝るから」
「そうね。なら、お言葉に甘えさせて頂きましょう」
野宿用の麻袋からおさらば出来るのはありがたかったので、エレオノールは迷うことなく即答した。
ただ、此処は本来ネルダがしつらえた寝床である。
本来あって然るべき躊躇や遠慮が皆無のエレオノールだが、流石に一方的に借りるのは不味いと思ったのか、
自らが着ているギルドの紋章が描かれた外套をばさり、と外す。
「…冷えるようなら掛け物代わりに使いなさい。繊維状にした火炎石が編みこんであるとかで、結構温まるわよ」
それだけ言うと、ローヤーのところで寝支度をしているネルダに半ば強引に手渡す。
「それから、もし差し支えなければ、明日から暫く私の仕事を手伝って頂けないかしら。
 こんな所じゃ他に現地協力者は見込めないものね。
 後払いになってしまうけど、ギルドからの報酬も約束しましょう。
 …まあ、とりあえず選択肢の1つとして考えておいて。では、良い夢を」

魔法を使いながら結構な距離を踏破し、最後にゴーレムまで使役したエレオノールは
結局のところ『もう今日は横になりたい』という行動原理に支配されていたようだ。
すぼらな魔術師向けの携帯食料(パンを圧縮したような食品だが、詳しい製法はエレオノールも知らない)を水で強引に流し込むと、
そのまま寝床に入り眠りに落ちる。ネルダにおやすみを言ってから僅か10分足らずの出来事だった。

そして翌朝、
ネルダがとっくに目覚めている時間になっても、エレオノールは寝息を立てている始末。

34 :名無しになりきれ:2010/12/15(水) 03:52:09 0
>>30>>33
ネルダはだいぶくたびれた厚織りの帆布を荷物の下から引っ張り出しました。
地べたにそれを敷いて、後は自分がそこに寝転がってマントを上にかけるだけです。

>「…冷えるようなら掛け物代わりに使いなさい。繊維状にした火炎石が編みこんであるとかで、結構温まるわよ」
野宿と代わりがない程度(とはいえ屋根があって夜露も風も心配しなくていいのですが)の寝床をこしらえたところで、
エレオノールが自分の着ていたマントを貸してくれました。軽くて暖かそうです。
「ありがとう、魔術師さん。……じゃあこっちはお前だ」
エレオノールにお礼を言って、自分の革マントをローヤーにかけました。

>「それから、もし差し支えなければ、明日から暫く私の仕事を手伝って頂けないかしら」
靴を脱いで敷布の上に乗ったネルダに対して、エレオノールは言葉を続けます。
手伝いといっても具体的に何をするのかは教えてくれませんが、魔術師が素人に頼むんだからそれ程難しいことはないでしょう。
エレオノールは返事を待たずに寝床へ入ってしまいましたが、ネルダは引き受けようと決めました。
借りたマントを引っかぶって寝転がると、かすかに香水の匂いがしました。

太陽が地平線を離れて暫し。
小鳥のさえずりでネルダは目を覚ましました。何を噂しあっているかはわかりませんがずいぶんと楽しそうなことだ、と、
板戸を閉め忘れた窓に止まっている数羽の鳥を目を擦りながら見やって、それからおもむろに起き上がります。
ローヤーも立ち上がって、首を振りながら耳をばたばた言わせています。
エレオノールはまだ寝ているようでした。

「とりあえずこれは返しておこうか」
借りたマントを片手に寝台のある部屋へ入り、エレオノールの上にそれをかけて、
ついでに寝乱れた(というほどでもないのですが)夜具を直して、それから水を汲みに行こうと
鍋を片手に小屋から出かけたところでローヤーがしきりに前掻きをしているのに気がつきました。
「何、お前も行くの?」
ネルダが言いながら手綱を解くと、ローヤーは後ろに回って背中を押し始めました。
「痛たた、女扱いが下手だね、お前は……」

一体どういうことかといぶかしみながらもされるがままになっていると、屋根が破れた大きめの小屋に着きました。
そのまま中に押し込まれます。床が一部浮いているのが目に入りました。
昨日は何もなかったように見えましたが、吹き込んだ土ぼこりが積もって上げぶたを隠していただけのようです。
開けてみると階段が伸びていて、途中の壁にランプが架かっています。降りて調べてみると、まだ油が入っていました。
一度ねぐらの小屋にほくちを取りに行って、それから戻ってランプをともします。
古くなった油からは大量に煤が出ましたが、明るさには変わりがありません。それを片手に下げて下まで降りると……
「倉庫かな……」
どうも村を引き払うときに、大きなものや重たいものなど、持っていくのが困難なものが残されていたようです。
例えば、金床とか。

「うーん、あたしの倍以上はあるかな」
ネルダが今持っているような、鋳掛や細工に使う小さなものではなく、鍛冶仕事に使われる大きなもので、重さも相応です。
他にも槌や鑢などありましたが、とりあえずはここにこんなものがあった、と頭の隅のほうに引っ掛けておけばいいでしょう。
そもそもこれが必要な事態になんてなりそうもありません。さし当たって必要なのは身づくろいと朝食です。
ネルダは階段を上がってランプを吹き消すと、改めて水を汲みに井戸へと歩き出しました。
ローヤーがまた背中を押そうとしましたが、今度は身をかわして、それから鍋で軽くローヤーの頭を小突きました。

35 :名無しになりきれ:2010/12/16(木) 17:57:45 0
http://jpn.debuchan.us/cgi-bin/tapoloda/script/tapoloda.cgi
ゆがみねえタポロダ
ゆがみねえなぁ
俺は男でも女でもいけるぜ
彼の名はビリー
まっちょな両性具有者である

36 :名無しになりきれ:2010/12/18(土) 22:33:28 0
埋めたまえ

名前:
種族:
性別:
職業:
外見:
身長:
体重:
好きなもの:
嫌いなもの:
キャラ解説:

37 :名無しになりきれ:2010/12/19(日) 08:44:08 0
http://auction.moritapo.jp/
規制されたならこっちこい




38 :守護天使:2010/12/19(日) 23:04:34 0
うーん、・・・・・・・起きないねぇ。
とりあえず私の羽根を毟って(ブチッ)いたーい!!!




あー、痛かった。
とりあえず、この羽根でお鼻こちょこちょこちょ。
早く起きないかなー。もうお日様で照るよー。
そろそろ、もう一人の女の子も戻ってくると思うんだけど。

>35
私は守護天使よ!名前はまだ無いわ!
・・・・・って言っても聞こえてないかも、だけど。

>>36
ううーん。


うん、考えとく。・・・・・・考えとく。

>37
りょーかい。

39 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/19(日) 23:37:39 0
鍋で小突かれてもまだネルダを押そうとしていたローヤーですが、
村の外れまで迫っている森のほうを見て急に驚いたような仕草を見せたかと思うと、耳を伏せて後ずさってしまいました。
また何かが見えたのかもしれません。森の妖精とか。
妖精と一口に言っても害のないの、洒落にならないレベルの悪戯が好きなの、ガチでムチなやつ等々、色々います。
どれが見えたかはネルダにはわかりませんが、ローヤーの様子を見るにあまり刺激しないほうが良さそうなので、
手綱を引っ張ってとっとと井戸へ向かいました。

釣瓶を巻きあげて水を汲んで、顔を洗って口をゆすいでついでにローヤーにも水をやって、それから新しく汲みなおした水を小屋へ持って行きます。
朝ごはんは昨夜と同じ麦粉粥。日持ちがする食べ物というのは、普通の人が手に入れられる限りではそれほど種類がないのです。
とはいえ全く同じなのはどうかと思うので、干し肉ではなく乾果を水に入れてそれから鍋を火にかけました。

お粥が煮詰まってとろりとしてきましたが、エレオノールはまだ起きてくる気配がありません。
そういえばここについたのも夜になってからでしたので、たぶん疲れていたのでしょう。
ネルダはお粥を鍋に半分残して、それから焦げ付かない程度に温めておけるよう熾火をその周りに散らしました。
それから荷物から空き袋をとりだし、ローヤーを引っ張ってまた小屋を出ました。
しばらく滞在するならもう少しここに手を入れておいたほうが良いと思ったので、材料を集めにいくためです。
場合によってはエレオノールのお手伝いを延期して、先にやっておく事になるかもしれません。

(とりあえず寝台をもう一つ……、枠と詰め物か。あと出来ればお風呂かなあ)
寝台の枠は村に点在している廃墟から戸板でも持ってくればどうとでもなりそうなので、問題は詰め物になります。
鳥の羽なり羊の毛なり干し藁なりを詰めなくては地べたに寝ているのと代わりがありません。
しかしどれもここでは手に入りそうにないので、ネルダは枯葉を超大量に集めることにしました。
手綱を引いて足を森へ向けます。村の外れまで来たところでローヤーがまたネルダの後ろに回って背中を押しはじめました。
「また?何なんだよもう……」
そのまますぐ近くの家まで連れて行かれました。中を見ると机の上に一冊の本がおいてあります。
昨日はちゃんと棚に収まっていたはずです。恐る恐る手を伸ばして本を開いてみると、
それはこの村の薬師の娘さんが、狂気に至るまでを克明に記した血塗られた手記でした。

…………などということは一切無く、ごく普通の日記です。もう何十年も前のこの村の生活が細かに綴られています。
特に気になる箇所としては以前この村に住んでいたドワーフが山から村に至るあらゆるところに縦横に坑道を繋げていたらしいことです。
ドワーフがこれ程地下を開発しているということはおそらくは近くに何らかの鉱脈があるということを示しています。
「大嘘こいたつもりが本当になっちゃうかもねえ」
ネルダはページをめくりながら呟きました。あまりしげしげと読むのも趣味が悪いかと思って、適当なところで本を閉じて棚に戻します。
それから森へ入ります。枯葉なんか文字通り掃いて捨てるほど落ちていますので、何の苦労もせずに必要そうな量が集まりました。
一度荷物を置くために小屋へ戻ろうと、ネルダは踵を返して森を後にしました。
もういい加減エレオノールも起きている頃かもしれません。

40 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/19(日) 23:41:12 0
名前:ネルダ
種族:人
性別:女
職業:(元)鍛冶屋
外見:腰まであるストレートの黒い髪 黒い目 日に焼けて浅黒くなった肌
身長:150cmないくらい
体重:40kgないくらい
好きなもの:料理  刃物研ぎ 甘いもの
嫌いなもの:整理整頓(うまくできないから) 霊体(殴れないから)
キャラ解説:
ロバのローヤーと旅を続けているうちに道を間違えて旧街道へ入ってしまい、そのままほしむり村へたどり着きました。
年齢は20代(細かいところは本人も覚えていません)だけど、外見のせいで歳相応に見られたことは大人になってから一度もありません。
実は体格からするととんでもない怪力の持ち主ですがあまりそういうところは人に見せたくないようです。

41 :名無しになりきれ:2010/12/23(木) 11:53:16 0
uho

42 :名無しになりきれ:2010/12/26(日) 20:36:59 0
埋めたまえ!

B:
W:
H:

43 :クリスチーヌ ◆SHn1Al8ccgPL :2010/12/26(日) 23:01:32 O
名前:クリスチーヌ
種族:人
性別:女
職業:家事手伝い
外見:肩まであるストレートの赤い髪 赤い目 色白
身長:150cmくらい
体重:40kgくらい
好きなもの:料理 甘いもの
嫌いなもの:虫。穴。
キャラ解説:
母を探して旅を続けているうちに道を間違えて旧街道へ入ってしまい、そのままほしむり村へたどり着きました。
年齢は10代。穴恐怖症です
(幼少期に納屋の穴を覗いたときに母親の首吊り死体を見たからです。本人の記憶にはありません)

【参加したいのですが、これで宜しいでしょうか?】

44 :クリスチーヌ ◆SHn1Al8ccgPL :2010/12/26(日) 23:04:12 O
湧き出る水の粗き角岩は何と清いことでしょう
山谷を下り野を掻き分けて小川の中を小石と成るも濁り染まらずに
ほしむり村に入り流れに任せて岸と戯れ
虚しくも瀬に纏い付く入江の端の砂の我が身は利休鼠なのでしょうか?
寄せる清流に此の身を洗う潮時は何時ですか?
淵離れては遠い記憶の懐かしい思い出は朝露のようです。

「私の母を知りませんか?」
クリスチーヌはローハーにお伺い致しました。
「母亡き後の母なれど君影草の母なれば
里の匂いの母なれど薫る陽射しの母なれば
老いて病の母なれど遼遠彼処の母なれば
夢見の草の母なれど
こよなく慕う今でも慕う」

クリスチーヌはローハーに年を重ねた母の姿を重ね合わせ微笑みます
彼女の物静かな微笑は満天の夜空の下の揺り籠のようでとても魅力的でした

でもね クリスチーヌ あなたが歩んで来られた道をローハーは知りません
教えてあげましょう。病の再発で薄ぼんやりとした瞳の中に光った滴の訳を。
ほしむり村に訪れたわけを。

家の対面を慮ってのことでしょうか?女としての誇りからでしょうか?

45 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/27(月) 03:55:45 0
>>42
B:ぼん
W:きゅっ
H:ぼん

>>44
小屋の中にはエレオノールはいませんでした。
寝具に乱れた跡はなく、その他室内が物色された形跡もありません。
しかし、部屋の隅になにか白い粉末が落ちています。ネルダはその上に屈み込むと、
指先にほんの少しだけ付けてなめてみました。
「……これはッ!」
塩です。
昨夜、おまじないに盛り塩をしてあったのを忘れていたのでした。

「まあ、あたしがいないから一人で調査に行っただけだよね」
事件なんてそうそう起きるものではありません。ことに、限界をとうに超えた集落なんかでは。
炉のそばの鍋には水が張られていました。お粥は食べてくれたようです。
それはとりあえずそのままにして、ネルダは集めてきた落ち葉を、小屋の中の風の吹きこまない場所へぶちまけました。
夜まで干しておいて湿気を抜くのです。虫除けにハッカの油を薄めたものを少しふりかけておきました。
次は寝台の枠作りです。ローヤーは小屋につなぎっぱなしにしておきました。ロバの背に板を括りつけるのはちょっと面倒です。

村の中を回って廃屋から戸板を数枚集めました。それと、釘を使って組み立てられた木箱が一つ。
一纏めに持ち上げて、頭と手で支えて小屋へ運びます。
鉈を使ってまず木箱を壊して釘を回収して、それから戸板の大きさを大体で揃えて釘でとめました。
そこまでやって手を止めたネルダの耳に、なんだか詩でも詠んでいるような声がかすかに聞こえてきました。

46 :クリスチーヌ ◆SHn1Al8ccgPL :2010/12/27(月) 20:38:02 O
>>45
暗い馬小屋の干し草の中の少女は夢を見ずに遠退き、桶に満ち満ちた飲み水は
幾度と無く飲まれ解れて馬と混ざり雑多な血へ変わり
境界を知らぬクリスチーヌは桶の水を静かに飲み込んで一息つきました。

小屋の隅で息絶えた犬の骨に捩込まれた雑草の上でリンリンと虫が鳴いています。
場違いな求愛は命をすり抜けるように反復を繰り返し
床に乾いて落ちた感傷にぶつかっては仄かに燐光を放ちます。

はあ

溜息で磨いた手の平を汚すクリスチーヌの目はフラフラと彼方と此方を縫い付けて
爪先で虫を潰した際に鳴らした水音にも気付くこともなく
陽光はキラキラとソッポを向いては影を揺らし
その影の動きに合わせて漸くクリスチーヌは視線を外にむけると立ち上がりました。

そんな在るほしむり村の風景。

小屋の外から足音が少しづつ近づいてきます。
立て掛けられた板が脅え壁に掛かる縄が踊ります。
小屋の奥の蜘蛛の巣に時折陽光が刺さり巣の主は眩しそうに散漫な蠢きで細糸を一本一本綻ばせます。

そこにいるのは誰ですか?

クリスチーヌは震える唇を重ね合わせて尋ねようと思いを巡らせました。

47 :エレオノール ◆EYrZEROGfE :2010/12/28(火) 02:07:15 P
「こんの!! バカ狐がァァァァァァ!!!」

飛び起きるや否や、エレオノールは絶叫した。というより、自分の声で目が覚めた。
何だか、不愉快な狐におちょくられる夢を見たような気がする。
夢から醒めようとしても狐に邪魔されてしまうのだ。最後は羽根のような物で鼻を擽られていたような…。
「う〜…」
寝起きでボンヤリとした頭をクシャクシャと掻きつつ眼鏡を掛け、寝床から出るエレオノール。
ネルダに貸したマントが寝床の上に掛けられていたのに気付き、部屋の窓の蓋を持ち上げて外を見る。もう日が高くなっていた。

ネルダが残しておいてくれたのであろう麦粉粥を胃袋に収めたエレオノールは(久々の温かい食事がありがたかったので、綺麗に食べてしまった)、
とりあえずの後片付けだけしておくと、荷物から替えの衣服を取り出して手早く着替えを済ませ、
脱いだ服と、濡れた手足を拭く為のリネンの布を抱えて小屋を出て、村の近くを流れているらしい川へと歩き始める。
さっきまで着ていた物から漂う鼻を突くニオイが、いい加減香水で誤魔化せるレベルで無くなるのも時間の問題だと判断したのだ。

幸いにしてギルドから支給された地図は正確であり、林を抜けて土手を下りた所に川原が見えた。洗濯台代わりになりそうな岩もある。
この季節の水は冷たく、とても行水をする気にはならなかったが、手早く衣服を洗う程度なら大丈夫だろう。

そんなわけでネルダと入れ違いになってしまったエレオノール。
当然クリスチーヌの来訪には気付かないまま、少しぎこちない手つきでジャバジャバと服を洗いながら、
何処にこの洗濯物を干そうか、などと考えていた。
いい気なものである。


(がしゃり がしゃり)
ほしむり村に金属の擦れ合う音が響く。
この平和な村にも、遂に戦乱の影が…
なんて事は無く、エレオノールが練成した青銅のゴーレムが闊歩しているだけだ。
全身に青銅の甲冑を纏った騎士の様な姿のゴーレムは、両手で濡れた衣類を抱えたままローヤーの小屋へと歩を進めていく。
(がしゃり がしゃり)
ゴーレムの動かし方として、術者が直接コントロールする以外にも、簡単な命令を与えておく、という方法がある。
水分を含んで重くなった衣服を抱えて土手を登るのが面倒になったエレオノールは、
この物言わぬ即席の従者に『洗濯物をローヤーが繋いであった近くにある藁の上に置いて、その場で待機』という命令を与えていた。
(がしゃり がしゃり)
ゴーレムがネルダやクリスチーヌに気付いた様子はない。
術式の基本仕様として、人や動物にぶつかりそうな時は避ける、程度の事はするようになっているが、
いわゆる魔法生物のような高度な自律性を与えるほど、エレオノールの魔法は高度なものではない。
この従順だが無遠慮な青銅の従者は、ミノタウロス辺りに叩き潰されない限り、
とにかくローヤーの近くにある枯れ草の上に洗濯物を放り投げようとするだろう。
例えそこに神様が寝ていようとも。


一方のエレオノール本人は、ゴーレムからだいぶ遅れて悠々と小屋に戻ってきた。
綿生地に銀糸の縫いこまれた小奇麗なローブに着替えている。とはいえ、鐘楼に鐘も無いような埃まみれの教会にでも立ち入れば、すぐに汚れてしまうだろう。
そして何か使えそうなものに生まれ変わろうとしている廃材と、それを相手にひとり奮闘したであろうネルダの姿を認めて一言。
「おはよう、ネルダ。精が出るわね」
いい気なものである。

48 :エレオノール ◆EYrZEROGfE :2010/12/28(火) 02:09:12 P
名前:エレオノール
種族:人間
性別:女
職業:魔術ギルド員の魔法使い
外見:肩口くらいまでのややクセ毛な金髪 茶色の目 三角眼鏡 肌は白い
身長:170センチ前後
体重:50キロ前後
好きなもの:低俗でない本、観劇、ベリーパイ
嫌いなもの:肉体労働、病気、ゴブリン
キャラ解説:
10年ほど前に西方の国から流れてきたメイジ。得意属性は土。実家は貴族階級だが、当主である父親が逝去した際に取り潰されている。
年齢は20代後半。ギルドでの位階は下から数えたほうがやや早い程度。
ほしむり村近辺(正確に言えば、その辺りの旧街道)の調査の仕事をギルドから貰って来てはいるものの、
遺跡でも出てこない限り適当に終わらせる腹積もりらしい。

B:荒涼たるもの
W:人並み
H:ややスリム

49 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2010/12/29(水) 04:58:23 0
>>42
ごめんなさい、嘘つきました

>>46-47
かすかに聞こえていた声は、板金鎧を着た人間が歩いているような音にかき消されて聞こえなくなってしまいました。
一方、鎧の音はどんどん近づいて、もう小屋のすぐそばまで来ています。
一瞬だけそれが止んで、次の瞬間、戸が思ったよりも静かに開けられました。
ドアの向こうには濡れた布を抱えた鎧が立っていました。
「えーと、どちらさま?」
ネルダは警戒心もあらわに問いかけましたが、鎧の方は目もくれずにその脇を通り過ぎていきます。
そこでようやく、抱えられた布が、エレオノールが昨晩着ていた衣服であるらしいことに気が付きました。
「はー、これもゴーレムかあ……」
感嘆の声を上げるネルダの前で、ゴーレムは濡れた服をぽいと放り……

「あー」
それはローヤーの寝藁と、近くに干してあった落ち葉の上にばさりと落ちました。
「もー、ちゃんと広げなさい」
ネルダは丸まったまま放られた洗濯物を広げて干しなおしました。
落ち葉や藁が湿るのはもう仕方がないことです。下は土間なので直接干したらせっかく洗ったものが汚れてしまいます。
寝台の次は風呂より先に物干し台を作るべきか、とネルダが考えているところへ、エレオノールが戻ってきました。

>「おはよう、ネルダ。精が出るわね」
「うん、長居はしないにしても快適なのに越したことは……無いし、ねえ……?」
ネルダは言いながら、どんどん首をかしげていきました。エレオノールの声を聞いて、
さっき聞こえていたものとは違うとようやく気づいたからです。

「ねえ、外で誰か見た?」
エレオノールに訊ねますが、答えは否。
ローヤーはゴーレムの匂いを嗅いでいるだけで、別に不審な様子は見せていません。
「空耳じゃないと思うんだけどなあ……」
ネルダは戸口から顔を突き出してあたりを見回すと、そのまま村の真ん中をぐるり一周。
何事もなく元の小屋まで戻りかけたその時。

>そこにいるのは誰ですか?
「何奴!?」
なにせ唐突な出来事でしたので思わず身構えてしまいました。
すぐそばには、ねぐらにしているものと同じような小屋があります。
ネルダはその戸をそっと開いてみました。

(やばい今度こそなんか悪いの呼び寄せたっぽい)
薄暗がりの中でもはっきり浮かび上がる白い顔に、火のような赤い髪、赤い目……、
そんな容貌のクリスチーヌを一目見たネルダの感想は、失礼極まりないものでした。
思わず戸を閉めて小屋へ駆け戻ります。
「エレオノール、何かいた!何かいた!」
もともと、『何かいる』と思って探しに出た事はすっかり忘れているようです。

50 :クリスチーヌ ◆SHn1Al8ccgPL :2010/12/29(水) 23:35:12 O
ほしむり村では木々の枝が伸びて空を埋め、風と共に空を飾ります。
いずれこの枝が切られくくられ片隅に放り出される日が来てもそれは暖炉で炎になりましょう。
そして火が消えてなおそこに残った灰は畑に撒かれみのりの基になりましょう。
赤毛のクリスチーヌは鯨の子供のように愛おしい母に唄を捧げます。

「木々よ。歌っておくれ
足跡を燻らせ。蜻蛉を休ませる肩に、そっと朝日を透かして。
風よ。踊っておくれ
暖炉の炎が煌々と照らす道の花々を見る事すら叶わずに。
馬よ。瞑っておくれ。
干し草の湿りを抱く体から、その平行の視線で背中越しに重ねた瞳で。
母よ。忘れないでおくれ
その体から抜け出た最後の呼気を。
犬よ。泣かないでおくれ
その腐れたる底で夢の芽は燃えようとも」

狐に噛み殺された犬の死体は暗い小屋の隅で小さな白い話を咲かせ、青銅の化け物の足音が遠くで鳴り止みました。
闇のなかで揺れ動くクリスチーヌの美しい想い出たちは細い蝋燭の炎のように消えかけては物憂いに溜め息を孕みます。
黒を重ね塗りしたような小屋の闇の奥に白狐が小躍りしたかと思うと隙間風が薄暗い室内を優雅に舞い一条の光が乾いた唇を照らしました。

開いた扉からは茶色い少女がのぞいています。クリスチーヌは茶色い少女に探している母の影を感じて、まるで糸で繋がっているように少女を追いました。

51 :名無しになりきれ:2010/12/29(水) 23:40:00 O
ほしむり村の太陽の下。扉を開けたクリスチーヌは白昼夢の出来事のように赤い髪を風に溶かし海のような草原を走り抜けました。
遠くに小さく見えたネルダの背中も、今では触れることも出来ました。
エレオノールにはわかりましたか?

「気持ちの欠片や願いや祈りは人形となって小さなぶんしんになります。その人形たちが住まう世界がメリードールというドールハウス小屋。
それは死んだあとに帰ってくる場所でもあり共通するたったひとつのいばしょ。
誰もが心のなかにメリードールへつながる扉をもっています。
だからどんなに孤独でも、その存在を忘れなければ誰かと通じあえるのです」

クリスチーヌはネルダとエレオノールを母のように優しく包みこみ涙を一粒落としました。


【白い話ではなくて白い花です。すみません(ノ_・。)】

52 :クリスチーヌ ◆SHn1Al8ccgPL :2010/12/29(水) 23:42:01 O
すみません。>>51は私です

53 :ステラ:2010/12/30(木) 21:09:44 0
私はサキュバス。けれども今は、神に仕える子羊です。
おかしいですか?
でも、神が御造りになられたにも関わらず、道を踏み外す堕天使のような存在が居るのですから、
悔い改め、正道に立ち返る悪魔が居たって構わないじゃありませんか。

そんなこんなで、神の御心に少しでも近づくべく
旧街道にある古い神殿や祭壇の跡を訪ねていた私ですが、
とある村の跡地に辿り着いた時に、とても珍しい光景を目にしたのです!
なんと寂しい廃墟の村で、女性が3人、抱き合っているではありませんか。ハグです、ハグ。
正確に言えば、赤毛の女の人が黒髪と金髪の人に抱きついている状態でしたが…
人気の無い街道にずっと居て人恋しくなっていた私は、
衝動的に地面を蹴ると、普通の人間ではありえない距離を飛翔して。

「良かったー! 私のほかにも人が居ましたー!!」

3人とも大地に薙ぎ倒しかねない勢いで抱きついてしまいました。
最初から大失敗です。


名前:ステラ
種族:サキュバス
性別:女
職業:見習いシスター
外見:ピンク色のショート、鳶色の瞳、いつもシスターの服を着ています
身長:155くらい?
体重:ヒミツ
好きなもの:神様、強く正しい心を持つ人
嫌いなもの:悪魔、相手の弱さに付け込む人、過去の自分
キャラ解説:
かつて人間を堕落させる悪魔でしたが、とつぜん神の愛に目覚めてしまいました。
以降は人間に化けて聖職者となるべく修行中の身ですが、
意思とは関係なく男女問わず魅了してしまう魔力のせいで、修道女仲間に言い寄られてしまった事もあります。
この村には、旧街道の巡礼の旅の最中に立ち寄ったようです。

B:自信アリ
W:自信アリ
H:自信アリ

54 :エレオノール ◆EYrZEROGfE :2011/01/01(土) 02:05:50 P
>「ねえ、外で誰か見た?」
「誰か、って? 向こうの川に魚くらいは居たけれど…」
>「空耳じゃないと思うんだけどなあ……」

そのまま何者かを探しに出ていったネルダを、エレオノールは訝しそうな目で見送る。
小屋の中に入ると、洗濯物が綺麗に広げて干されていた。
『時間切れ』で古い時代の青銅貨に戻っていた元ゴーレムを拾い上げながら、ぼんやりと考える。
こんな辺鄙な所に用事のある人間がそうそう居るとも思えない。
(危険が全く無い、とも言い切れないか…)
結局エレオノールは踵を返し、小屋から出てみることにした。

>「エレオノール、何かいた!何かいた!」
ネルダの声とバタバタという足音が近づいてくる。
何事かと振り向いたエレオノールは、
燎原の火のような髪を靡かせながら、すぐ後ろを追いかけてくるクリスチーヌの姿を目の当たりにし、
「…って、それ誰よ!?」
と、率直な感想が思わず口をついて出てしまった。

いっぽうのクリスチーヌは朗々と言葉を紡ぐ。
>「気持ちの欠片や願いや祈りは人形となって小さなぶんしんになります。
> その人形たちが住まう世界がメリードールというドールハウス小屋。
「………は?」
突然の出来事に、言うべきだった言葉はエレオノールの頭から吹っ飛び、実も蓋も無いリアクションを取ってしまう。
> それは死んだあとに帰ってくる場所でもあり共通するたったひとつのいばしょ。
> 誰もが心のなかにメリードールへつながる扉をもっています。
> だからどんなに孤独でも、その存在を忘れなければ誰かと通じあえるのです」
語り終えたクリスチーヌが、そっと抱擁をしてくる。
意表を突かれながらも意識に残った冷静な部分が、今のは何か戯曲の前口上だろうか、と推測を立ててはいたが、
目の前の状況に軽く混乱していたエレオノールは、こちら目掛けてステラが文字通り『飛んで来ている』のを全く知覚できなかった。

>「良かったー! 私のほかにも人が居ましたー!!」
「はあう!?」
ガツン!!
「〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
側面からの強烈なラリアート(少なくとも食らった本人はそう感じた)により見事転倒したエレオノールは、
運悪く転がっていた拳大の石に左後頭部を強打し、悶絶する羽目になる。
殺意を湛えた視線を浴びせるその相手が修道女の格好をしていなければ、怒りに任せて杖を抜いていた所かも知れない。

ひとしきり悶絶した後、何とか気を取り直したエレオノール。痛みに顔を顰めつつ、早速汚れてしまった髪と服の土埃をバサバサと払う。
「とりあえず、いちど小屋に戻りましょう。そちらの……遍歴詩人さんと、巡礼の方も御一緒に」

55 :ネルダ ◆Tlu5qDo6mi9W :2011/01/02(日) 01:01:11 0
>>51−54
ネルダはちょうど小屋から出てくるところだったエレオノールと鉢合わせ、そのまましがみつきました。
勢いを利用してエレオノールの腰回りを半周、追ってきたクリスチーヌと正対します。
明るい陽光の下で見ると別に妖しげなところはないけれど、なんだか実在感もない女の子だなあとネルダは思いました。

とにかく危ない事はないだろうと考え、非礼を詫びようと口を開きかけた時、先にクリスチーヌが言葉を発しました。
詩篇や歌劇の一節のようなそれを聞いたネルダは、(ははーん、別の意味で危ないタイプだな)とやっぱり失礼な事を考えます。
それからクリスチーヌはしがみついているネルダごとエレオノールを抱きしめました。
ワビを入れるタイミングはここしかない。確信したネルダは改めて口を開いて息を吸いました。

その息が言葉となって発せられる寸前ネルダの耳に風を切る音が届き、直後。
>「良かったー! 私のほかにも人が居ましたー!!」
攻城弩から打ち出された槍のような鋭さで僧服の女性が横合いから突っ込んできました。
エレオノールとクリスチーヌに挟まれたネルダは、ちょうど真正面。その豊かな胸に顔を埋める格好になりました。

さて、胸というのは柔らかいものです。が、柔らかい=ダメージがないというわけではありません。
水の詰まった革袋で殴られて平気な人はそんなにいないでしょう。加えて、両側を完全に塞がれているので逃げ場もありません。
つまり、ネルダは突進の勢いをまともに顔で受け止めて、そのまま後ろに倒れこんでしまうわけです。
結果――

がつん!

エレオノールに負けす劣らずの音を放ちながら頭をぶつけました。ついでに顔の上にはステラがのしかかっています。
「旦那様が川の向こうで呼んでる……」
ちょっと諦めかけましたが、なんとか気力を持ち直したネルダは即座にタップしてステラにギブアップを宣告しました。

痛む首と後頭部をさすりながら立ち上がったネルダは同じように転げていたクリスチーヌに手を貸して引き起こし、
服についた土を軽く払い落としてやりました。
「さっきはごめんね、なんていうか、ちょっと錯乱してたもんだから」
十時間ちょっと前とほとんど同じ台詞を吐きながら、ネルダはクリスチーヌに頭を下げます。
次いで、僧服の女性、ステラへ向き直り
「とりあえず次からは何かやる前に深呼吸してくれる?あたしらまだ御元に召される気はないから」
と、少しきつめに言い放ちました。苛立った視線がステラの胸元のあたりにあるのはどんな意味があるんでしょうね。

それから、エレオノールの言葉に従って小屋へ戻ります。
ちょっと体力を回復してからじゃないと何かする気力も湧いてきそうにありません。
小屋の中に座を締めたネルダは新来の二人に尋ねました。
「そう言えば巡礼さんと詩人さんのお名前は?あたしはネルダ、あの子がローヤー、この人はエレオノール。魔術師だよ」
とにかく相手がどんな氏素性の人間であれ、まずはなんと呼べばいいかはっきりさせておかなければ話なんかできやしません。

56 :クリスチーヌ ◆SHn1Al8ccgPL :2011/01/04(火) 17:41:40 0
母のように包み込み、運命のように平等に、
わずかに感じる温もりにいのちを感じ
空から舞い降りる少女を見上げたのはクリスチーヌでした。

>「良かったー! 私のほかにも人が居ましたー!!」
ステラの体当たりを受けクリスチーヌは地面から顔をのぞかせている奇怪な石像の口の中に転がると
エレオノールは大地から突き出た恐ろしい石の拳に頭を殴られ、ネルダはステラにのしかかられます。

そんな在るほしむり村の風景。

>「とりあえず、いちど小屋に戻りましょう。そちらの……遍歴詩人さんと、巡礼の方も御一緒に」

「ええ、戻りましょう。約束の地メリードールへ。人間はか弱く孤独な存在。
だけど言葉と想いがすべてを優しくつつみこんで、いつの日にか私たちをメリードールへといざなうのです」

石像の口の中から手を伸ばせば届きそうで、でも伸ばしてもやっぱり届かなくて
ただ一人、クリスチーヌが吸い込まれそうな空の蒼さを見上げる時、伸ばした手に何かが触れました。

なんということでしょう。
ネルダが同じように転げていたクリスチーヌに手を貸して引き起こしてくれたのです。

>「さっきはごめんね、なんていうか、ちょっと錯乱してたもんだから」

「移りゆく季節。変わらない日常。消えていく命。生まれくる命。その全てに祝福を…。
ご心配なさらないでください。天界に到着する頃には私たちはみな、狂っていましょう」

>「そう言えば巡礼さんと詩人さんのお名前は?あたしはネルダ、あの子がローヤー、この人はエレオノール。魔術師だよ」

「私の名前はクリスチーヌ。この花の名前はムチーシェ。この石はセバスチャン。それでは、あの雲の名前は何でしょうか?」

どこまでも無垢に広がる白い雲。緑の葉っぱに舞い降りた光の子どもたちは
ほんの少しの間だけ、その姿を間近に見せて儚く消えました。
ほりむり村の太陽に照らされてキラキラと雲は輝いています。

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