1 名前:牙の使徒 工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/06/20(火) 07:28:06
我等のTRPGスレにようこそ。生と死の交錯する冒険の旅に出かけよう!
あなたのまえに非日常世界の扉が開く。

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【TRPG】いまこそ幻想界に飛び込もう(人∀・)タノム!・第二部『ヴァンパイアの学園祭』編
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学園に恐るべきヴァンパイアが潜む。頻発する怪現象。次々と犠牲になる生徒。
果たして誰が吸血鬼なのか。学園を舞台にした壮絶な戦いが始まる。

■舞台は現代日本。神奈川県立上湘南第一中学校(かみしょうなん)
■参加はキャラは普通の在校生でも、魔物退治のスペシャリストでもなんでも可。敵役大歓迎。
■上湘南第一中学は帰国子女も通学している中学校。外国人キャラでも参加可。
■学園が舞台だからといって参加資格は学生キャラのみではありません。
■オリジナルキャラクターでも版権キャラクターでも参加できます。
■途中参加コテ大大大大歓迎!

2 名前:牙の使徒 工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/06/20(火) 07:28:39
<ルール>
■怒涛のネタフリキャッチング
  物語に取り入れられるネタフリは必ず拾おう!
  けどそれは自分のレスで全部拾うってことではない。それはムリ!
  誰かが誰かのネタフリを物語に取り入れていればいい。みんなでひとつの物語を創りましょう。
  でも悪意のあるネタフリや物語の破壊を狙ったネタフリは当然不採用!いらないです。
  また物語展開上それを拾うとかなり苦しい場合は、幻覚などにそのネタフリを変換してもかまいません。
  そのまま拾う必要はありません。
  大事なのはTRPGスレとして物語が繋がること。これが最優先。
■運命の決定書き
  他のキャラクターの行動結果を必要に応じて断定的に描写してかまいません。
  戦闘シーンや窮地の場面では迫力を生むので、どんどん使って下さい。遠慮無用!
■自在の後手キャンセル
  例えば「○○に銃弾が命中!」のあとに次の人が「と思ったがぎりぎり避けた!」のように
  後に書き込む人(後手)がその前に書いた人(先手)の物語展開をキャンセルできます。
  こう書いたら他の人に悪いかな、だめかな、と不安になりがちなもの。
  後手キャンセルと決定書きは、ふたつでひとつの技法です。
  これによって気兼ねなく大胆な展開が行えます。
  自由な発想でレスを書き、壮大な物語を創っていきましょう。

■ターン制の不採用 
  順番制はないので好きな時に書いて下さい。但しチャット状態はついていけない人が出るので禁止です。
■レスアンカーの不採用
  基本的に使わなくていいですが必要ならば使用してかまいません。
■荒しは徹底スルー
  荒し叩き自治は華麗に優雅にスルー。

3 名前:牙の使徒 工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/06/20(火) 07:29:19
【TRPG】いまこそ幻想界に飛び込もう(人∀・)タノム!2
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1147026844/
蝙蝠王との死闘編・完結
ヴァンパイアの学園祭・開始
チャッチャ2

【TRPG】いまこそ幻想界に飛び込もう(人∀・)タノム!
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1145344371/
蝙蝠王との死闘編・本編
チャッチャ1

【TRPG】今こそ物語を始めよう(人∀・)タノム!
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1139885354/
蝙蝠王との死闘編・プロローグ
チャッチャ0


◆避難所
ヴァンパイアの学園祭 避難所
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1150622548/l50

スレタイ:(人∀・)タノム!スレ避難所
ttp://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1145636548/
前避難所

なりきり(太陽)板
TRPGスレ総合支援・避難所
http://www.alfheim.jp/~narikiri/narikiri/test/read.cgi/TheSun/1085143882/l20
>402-406に後手キャンセルについて詳細がある。

◆TRPGまとめサイト・睡蓮の庭
http://nanaitatrpg.web.fc2.com/

4 名前:牙の使徒 工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/06/20(火) 07:30:06
あなたの分身、あるいはあなたの真実の姿であるキャラクターを登録してください。

キャラクターデータ

―名前・
―性別・
―年齢・
―髪色・
―瞳色・
―容姿・
―学年・
―部活・
―備考・


■人物の外見のみ記載。
キャラの生い立ちや過去、目的目標、性格、癖、特技など内面的なものは劇中で明かしていくように。
備考には補足を。出典がある場合にはその作品名を書いてください。
第一部のキャラクターデータにあった「身長」「体重」の欄は省きました。
数字が書いてあったもわかりにくいので、背が高い、痩せている、など身体的特徴をキャラが持つ場合は
「容姿」欄に記載してください。


では物語を始めよう!

5 名前:礼司の貼ったポスター ◆Mkq29M2xfM [sage酒場のマスターですよ] 投稿日:2006/06/20(火) 23:36:32

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    上湘南第一中学校 オカルト研究会 発足 !



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■        ■                        ■


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                              ■



                              †

最初の会合を本日・お昼休みに図書室で開きます。
怪奇現象に興味のある人は是非来てください。

<活動予定>
古代文明研究・悪魔崇拝・学校の怪談と都市伝説・死の荒野ノスフェラス研究(グインサーガ)・細木数子研究
などなど予定しています。

ただし部員資格は本気でオカルト現象を信じている人に限定。ひやかしは帰れ!来るな!


6 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sageマスター乙です。] 投稿日:2006/06/21(水) 08:25:52
・・・そろそろ一時間目、持ち物検査が始まった頃かもね。
あの黒い棒のこと、レイジは上手く誤魔化せるのかしら。
そんなことを考えながら―――私は、とある教室の前で足を止めた。
中に入る。
ひと気の無い教室はしんとしているが、別段変わった様子も無い。
だけど、昨日クリスの気配が消えたのはこのあたりだ。昨日この場所で戦いがあったのは間違いなかった。
私はメガネを外し、傍らの机の上に置いた。
目を閉じて、ゆっくりと教室内を歩き、ところどころで足を止める。
水面を探るように床や壁の中に手を入れ、目的の品をひとつづつ拾い上げていった。
――――随分探したけれど、剣は見つからなかった。
戦利品として誰かが持っていったのだろうか。
「それもすぐに解ることね」
ひとつづつ大きさが違うそれを両手で包み込み、そっと目を閉じる。

「昨日ここで何があったの?お願い、私にも見せて・・・」


言葉と共に、手の中のそれがじわりと暖かくなった。
私が手にしているのは、かつて剣士クリスだった存在――――噛み跡も生々しく残る、彼女の爪だった。

7 名前:不良[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 09:02:14
生徒指導室から一人の、長い髪を赤く染めた生徒が出て来て
制服のボタンを全部開け、ズボンを腰まで下ろす。

「あの生徒指導のクソ先公、イチイチうっせェぜ。
 …ん? あンだこの紙」

◆◆◆もうすぐ上一祭!!!◆◆◆
 もうすぐ上湘南第一中学校・学園祭――略して上一祭の季節ですね!
 一年生の為に説明すると、2日間に渡って開催される、体育祭と文化祭が一緒になった上一中の最大イベント!
 もちろん、校外の友達を呼んでもOKです!
☆日程☆
【1日目】体育祭
[午前の部] 開会式(運動場)、個人競技
[午後の部] クラス対抗リレー、組体操・チア・ダンス等の演技
【2日目】文化祭
[午前の部] 各部ごとの出し物や販売など
[午後の部] 演劇、合唱コンクール、閉会式

「くだんね…ヘェ校外のダチ呼んでもいいってか。
 んじゃ、遠慮なく第二中のダチを呼ぼうかい。
 エリート学生の集まる第一と違って、タチの悪ィ奴揃ってるしな!」

8 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sagegt;1乙〜♪] 投稿日:2006/06/21(水) 09:39:09
「顔がいい奴モテる奴、みんな死ねばいいのに〜♪」
鼻歌を歌いながら校内を闊歩する僕。すれ違う人が「何コイツ?」みたいな顔してるけど気にしない。
朝のホームルームまでまだ時間はある。校内をうろつきながらめぼしい女の子を探したり…とかいろいろ。
そんな中掲示板で目に付いた二つのポスター。片方は上一祭の案内のようだ。
校外の人を呼んでいいとは公立中学の文化祭には珍しい。他の中学だとせいぜい親を呼ぶぐらいが限度らしいから。
「販売とかってやっていいのかな…ここ一応中学校なのに」
だけどそういうことはあまり考えないことにしよう。とりあえず僕は「上一祭に期待する一般男子」でいる。
だって期待しちゃうでしょ!?学校外の女の子とお近づきになれちゃうチャンス!
去年は確か30人ぐらいに声をかけた気がする。勝率?はは、僕にそれを言わせるのかい?イジメ?

そして。もう一つのポスター。むしろこっちの方が、気になった。
「図書室、怪奇現象、オカルト研究会、ね…。正夢なんてのは信じないけどね」
また一致。夢との一致。偶然にしては出来すぎてる。だが…偶然、ってことにしとこうか。
だってそもそも僕がここにいることだって銀河規模で考えれば0,0000…(略)…000001%ぐらいの確率でしょ?
それを考えるとこれぐらいの偶然、必然とは呼べナイナイ。あるある、ことだ。

「…図書室って静かにする場所だからそんなところで会合を開くのはどうかと思うけど」
クラス委員としてしっかり注意しに行くべきなのかと思ったけど…やっぱりやめておく。
夢との一致。いくら偶然とはいえ気味が悪いから。触らぬ神に祟りなし、ってやつだね。
まぁ僕はオカルトなんかには興味ないし、信じてる人じゃないとダメらしいから行く気はないんだ。

「僕の髪がー肩まで伸びてー」
予鈴が近づいてきたから早足で教室に戻る。鼻歌を歌いながら、ね。
教室に入って叫ぶ言葉はもちろん、
「結婚しようよ〜♪」
どうして場が冷めるのはなぜなんだぜ?

9 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 17:38:06
生徒の一人が倒れたらしい

10 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18:07:13
ホームルームも終わり、授業時間。
隠れていたトイレの個室から出ると、洗面所で制服の袖を洗った。
暇にかまけて、ひとり遊びに耽っていたらつい袖口に引っかけてしまった。
吐きだす便器に色気のねえクセ、溜まってたから出すモンは出されるもんだ。
放っておくとテカテカ光って目立つから、念入りに洗っておく。匂いも一応警戒して、全身にスプレーを振りかけておく。

武器は制服の裏地に隠した拳銃、ウィルディ・マグナム.44AMPモデルと、革ベルトに吊るした二本のナックルナイフ。
普通に歩いている分には、素人目じゃ丸腰に見えるハズだ。
現実界に潜むバケモノ連中も、時々腕力バカの注意力不足が混じってたりするけど
突っこまれる張り形の太さを知らずにケツ預けるのと、知ってて敢えてケツ預けるのじゃ偉さが違う。
当然ボクは後者で、玩具嫌いの偏屈なノーマル趣味を嬲るのが大好きだ。
残念ながら、お気に入りのオートマグとベレッタはバルンディノに置いてきてしまったけど。クソッタレ!


トイレを出たボクは、身をかがめてこっそりと教室の並びをやり過ごす。
教師に見つかればさすがに怪しまれる、その危険は避けたい。
まずは回れる所だけ回る、午後になれば時限装置で人払いできるから焦る必要もない。
そうして二年生の教室を過ぎ、しばらく人気を避けて歩いた。
呪術の形跡や魔法陣は、やはり見つからない。中学校としてはあまりに何の変哲もない、ありふれた校風と校舎らしい。
ボクの見立てにはそれほどの自信もないけれど、それにしても気配が薄すぎる。

途中、「オカルト研究会、発足!」なんて張り紙を掲示板に見つけた。
ただの部活か、何か所以があるのか。聞けば手がかりになるかも、時間が空いたら行ってみよう。
午後一時より前に話が聞きだせればいいのだけれど……図書室ね、憶えておこうか。
掲示板を過ぎ、階段に着くが、近くの教室でなにやら騒ぎになっていて、
慌てた様子で駆けていく生徒たちから逃げるように歩くより仕方がなかった。
階段近くは使えなくなったので、とにかくボクは一限目の授業教室から離れた。


しばらく歩いて、今の時間は使われていない教室へと差しかかる。
しかし誰かが中で、忘れ物でも探しているのかうろうろと歩き回るのが窓から見えた。
上一中の女子生徒らしいが、長いブロンドの三つ編みが揺れる。
帰国子女かな、黄色いのにいい加減食傷気味だったボクの好みにピッタリ……
「……」
でも、なんだか覚えのある後姿だ。

因縁めいた記憶の稲妻が、ボクの足を動かした。
懐からマグナム拳銃を取りだし、ゆっくりと教室のドアに近づく。
ボクの勘が正しければ彼女は、いざという時先手を取らねば面倒を強いられる相手。素人ではない。
教室に足を踏み入れ、うずくまる女子生徒の背中に銃口を向けたまま慎重に、近づいていく。

>「昨日ここで何があったの?お願い、私にも見せて・・・」

「……ヘイ、ベイビー。その方角はメッカと違うぜ」

銃の撃鉄を起こした。彼女の息づかいが一瞬、ふっと止まる。

「オフェルの丘に祈ろうってなら、もちっと左じゃないかな?
とりあえずミサは終いだ、まずは両手を頭の上にあげて、立ちあがって。
お尻の穴を二つに増やしたいってなら別だけど、そうしたいかよ?
もしここでアンタとヤったら、紺色のフードを被ったあの男が助けに来るかい?
憶えてるかなあ。あの、ドラァグ・クイーンのレイジ君とホモだちごっこしてたアシュレイだよ。人違いならご愁傷サマ」

11 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18:30:04
アッシュとリリの所にウルトラマンがやってきた。
スネークを追いかけていたらここまでやってきたらしい。
そういえば、さっきは無かったはずのダンボール箱が教室の端に置かれている。

12 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18:34:55
実はゾフィーから新たに送られてきたウルトラマンだった

13 名前:ドド ◆.QaFws1PO. [sagegt;gt;11-12の前にちょっくら失礼しますよ] 投稿日:2006/06/21(水) 19:21:08

>>前スレ475
「おやおや…若いってのは素晴らしいねぇ…」

本棚に向かって乱打しているウルトラマンの背後にいつの間にかドドは本棚に寄りかかっていた。
その手にはクラリネットが一本…。
「持ち物検査さぼってどこいってたかと思えば…ヒッヒッ…まさかこんなところにいたとはねぇ…」
そう一言言うとドドは静かに机の上にあった本を取りパラパラと捲った。

「ジョジョの奇妙な冒険…吸血鬼の本かぃ…
ってことは昨日の事は覚えてるって事かぃ?」

静かにウルトラマンに訪ねるドド。

14 名前:ウルトラマン ◆4yOJjcI5oc [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19:46:30
>13
>「おやおや…若いってのは素晴らしいねぇ…」
>「持ち物検査さぼってどこいってたかと思えば…ヒッヒッ…まさかこんなところにいたとはねぇ…」
>「ジョジョの奇妙な冒険…吸血鬼の本かぃ…
>ってことは昨日の事は覚えてるって事かぃ?」

何時の間にか、音楽の教師が後ろに立っていた。
クラリネットを持ち、私が読んでいた小説をパラパラと捲りながら、彼女は問掛ける。
昨日のことを覚えてるか?
無論のことだ。
私が戦士を辞めることになった原因は、昨日のことも一枚噛んでいる。

「私は覚えています。あの屈辱を忘れられるわけがありません」
あの結界のようなもののせいだ。糞糞糞!!!
吸血鬼共め皆殺しにしてやる!!

>11>12
同族の気配の様な者の気配が感じられる。
ゾフィーの糞っ垂れ、もう新たな人材を送ってきやがった。
もう、ウルトラマンは名乗れねぇ。
向こうにウルトラマンの名が移っちまいやがった。
なら、今度から俺はジョジョと名乗ってやるぜ。
冗談みたいなことで除名された糞馬鹿野郎。
略してジョジョだ。糞っ垂れが!!!




15 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19:55:41
それより
スネークマンはまだか!!!!

16 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 20:02:13
今の間だけでも、ここよかったらどうぞ

なりきり・なんでもあり板 総合避難所
http://jbbs.livedoor.jp/travel/5664/

17 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 20:07:22
(旧ウルトラマン…イヤ、ジョジョヨ、落チ着キタマエ)
ジョジョの頭の中にテレパシーが聞こえてきた

18 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 20:57:04
立てたよ

(人∀・)チャッチャスレ避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/travel/5664/1150890954/

19 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 21:17:34

>「私は覚えています。あの屈辱を忘れられるわけがありません」
力強く語るウルトラマン。
その言葉には憎しみが籠もっている。
ドドは笑った。やはりこの男は吸血鬼を恨んでいる。
「吸血鬼を殺したいかい?」
静かに言うとドドはクラリネットの下管から黒いビー玉状の石を出し、ウルトラマンに差し出す。

「…なら私の言うことをよくお聞き…。
もし…あんたが本当に力を求めるなら…この球体を持ってな…ヒッヒッ…
なーに…私からのちょっとした『招待状』さ…異世界のね…」

そう静かに言って笑うとドドは図書室の出口に向かって歩き出した。
ゆっくり…静かに…。

「さてはて…ジョリアルはどうかねぇ…」
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
カッタタタ〜ラ〜カッタタタ〜♪

リズム感のいい曲が流れてくるとクリス以外の昨日の夜に関わった者の元にフランス人形がやってきていた。
リズム感よく揺れながらやってくるそのフランス人形の胸にはクラリネットがブッ刺さっている。

ハロ〜♪
 昨日ノ同志共♪
    僕ノ名前ハジョリアル♪

超美人ナドド様ノ召使イサ♪

昨日ノ夜ハ楽カッタネー♪
 血ト肉ノ祭典 素敵ダネー♪

ソンナ素敵ナ夜ノ素敵ナ音達ニ♪
シーラ・レファラシド・ドド様カラノプレゼント♪

安心シナヨ♪コノ石ハ…

                素敵ナ世界ノ入リ口サー♪


直 コノ歌ガ終ワッタラ♪
       僕チン爆発シチャウカーラー♪

ちゅどーん!

そう歌うとフランス人形達は爆発した。
それと同時に黒いビー玉が近くに転がる。
そう、素敵な世界の入り口が。

20 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 21:23:49
いや、避難所なな板にあるから。

21 名前:ウルトラマン ◆4yOJjcI5oc [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 21:33:44
>17>19
>「吸血鬼を殺したいかい?」
「えぇ、私から大切なものを奪ったあの方達には、ちょっとお仕置きが必要ですから。
 話し合って解決できれば良いのですが……」
そう、あのド低脳共は必ずぶっ殺す。


>「…なら私の言うことをよくお聞き…。
>もし…あんたが本当に力を求めるなら…この球体を持ってな…ヒッヒッ…
>なーに…私からのちょっとした『招待状』さ…異世界のね…」
「ありがとうございます。この黒いビー玉を大切に持っていることにしますよ」
異世界への招待状。怪しい臭いがプンプンと漂ってくるが、興味深い。
昔は宇宙の平和を守っていた私だ。
危険なことがあろうと回避できるさ。

そして、宇宙からの電波がやってきた。
>(旧ウルトラマン…イヤ、ジョジョヨ、落チ着キタマエ)
「落ち着いてますよ…落ち着いて……落ち着いて………
 ……………落ち着いてやれかっ!!このビチ糞がぁ!!!!!」



22 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 21:57:03
ムラカミファンド

23 名前:堀江隆夫 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 21:58:16
>礼司
>前スレ485
>「ぁの。ラスティーリア。起きて。昼休みに昨日の戦士の集まりがある。
>あ――――。それも大事だけどこれもはっきりしておかないと。落ち着かないよ!
>も、もう二度と僕の中には入らないって約束はしてくれるのかい!?」
「は?」
礼司の言葉に堀江はきょとんとした顔で机から顔をあげた。
「なに言ってんだ?わけわかんねーし。ははははは」
堀江はまた机を枕に寝てしまった。
そのうちに担任の教師が入ってきて持ち物検査が始まった。
礼司はカバンにいれていた黒い棒を没収されたようだ。
堀江は礼司をからかった。
「なにそれ。またコスプレの道具?」
礼司の趣味がコスプレなのをクラスで知らない者はいない。クラス中がクスクス笑った。

24 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 22:05:10
学校の至る所でフランス人形が爆発したことにより学校は大パニックに陥っていた

25 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 22:19:30
と思ったら黒子だった

26 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 22:26:12
人間なんて大嫌いだーーーーーーーーーーーーーーーー!

27 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sageフランス人形へのレスは護末田さんの後で] 投稿日:2006/06/21(水) 22:33:20
屋上には、護末田がいた。
ゴルゲットと鉢植えの事を尋ねられると、ベルの表情がほころぶ。
「いいでしょー?一点物のレアグッズよ。羨ましくったってあげないわよ。効果も絶大!なんていっても・・・」
宝物を見せびらかす子供そのものの表情で話し出すが、護末田の続く二の句でそれは遮られてしまう。

>「…それで?ここに何しに来たんだ?…まさか…あのミステリーサークルが見えるとかじゃないよな?」

「えー。なんだ、みんな見えてたんだ。私だけかと思ってたのに。」
微妙に質問の文意を取り違えながら応える。
せっかく見つけた秘密の宝物は実はどこにでもあるごくありふれた誰もが知っているガラクタだった。
そんな気分になっていた。
詰まらなさそうに護末田の隣に並び、校庭のミステリーサークルを見下ろす。

「みんな騒がなかっただけなんだね。がっかり・・・」
言葉すくなに見下ろしていたが、どれだけの時間が経ったであろうか?
5秒?10秒?
「今こそ『その時』よ!護末田!神秘の力!おまじない水平チョオォォーーップッッ!!!」
突如ベルの体が動き、護末田の眼鏡に向けチョップを放つ。
身体の稼動域ギリギリまでねじり綺麗な弧を描いて振りぬきその動きを止めた時、ベルがその体性のまま
不思議そうに首をかしげる。
「・・・デジャヴ?」
なぜ自分が突然このような事をしたのかもわからぬままポツリと呟いた。
その呟きのBGMのように、歌いながらどこからかフランス人形が歌いながらやってきている。

28 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 22:55:23
>堀江隆夫
>「なに言ってんだ?わけわかんねーし。ははははは」
ええええええっ。そんな……
わ、わかった!これは演技だ。そうだろラスティーリア。僕がうかつだった。
「いや、その、あははははは……は…」
なにか口裏をあわせる上手い台詞を言ったほうがいいけど、とっさに笑うだけ……
自己嫌悪。

朝のホームルームが始まって担任の寺西先生がクラス委員と持ち物検査をはじめた。
やばい…!
寺西先生は「なんだこれは?おもちゃの刀か?」と黒の棒を持ってそれで僕の頭をコンコン叩きながら聞いてくる。
>堀江隆夫
>「なにそれ。またコスプレの道具?」
絶妙なフォロー!さすがはラスティーリア。
「そうです。新しく作った研究会で使……て、寺西先生!?あ―――――!」
没収されてしまった!
ラスティーリア(堀江)を見るとにやにた笑っているだけ。
んー。いまは仕方ないか。日が落ちるまえに取り返せばいいか。

一時間目は寺西先生の数学なので、予鈴が鳴ればそのまま授業だ。しかし怪奇現象はそんなことおかまいなしだった。
目の前に突如まがまがしいアンティックドールが現れた。僕の机の上に立つ其れには胸にクラリネットが刺さっている。
悪趣味としかいいようがない。
そんな不気味な人形が現れたのに、平然と寺西先生は授業を始めようとしている。だれもおどろかない。
幻影か?
堀江の机の上にも現れたが、堀江も騒がない。僕をちらりと見て「わかっている」と目で伝えている。
人形は奇妙な歌を歌うと軽い音を立てて破裂した。
中から真っ黒なビー玉がころがりでた。
拾ったほうがいいか?拾わないわけにはいかないか?僕は迷って堀江を見た。

29 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 23:10:34
>10
>「……ヘイ、ベイビー。その方角はメッカと違うぜ」
昨夜のクリスの記憶を辿っている最中、いきなり背後から銃の撃鉄を起こす音がした。
声の主が只者じゃないのはすぐにわかった。

>まずは両手を頭の上にあげて、立ちあがって。
>お尻の穴を二つに増やしたいってなら別だけど、そうしたいかよ?
>もしここでアンタとヤったら、紺色のフードを被ったあの男が助けに来るかい?
>憶えてるかなあ。あの、ドラァグ・クイーンのレイジ君とホモだちごっこしてたアシュレイだよ。人違いならご愁傷サマ」
ドラァグ・クイーンって・・・レイジはコスプレが趣味なだけなのに。そんな言い方は可哀想よ。
まあ・・・おかげで、声の主が誰だか察しがついたわ。
今日はあなたで3人目よ。私とバルンディノのリリを間違えそうになった人は。

私は意を決して立ち上がった。そして、拳銃を突きつけられてるとは思えないほど親しげに笑いかける。
「あはは。相変わらずねアッシュさん!でも私に意地悪しても、コーラルさんは来ないわよ?
・・・本当にお久しぶりね。
バルンディノではお別れのご挨拶もろくに出来なくて残念だったわ」

霊桃の力を得たレイジと、人ならざる者であるギルバ先生にすら見分けられなかったのよ。
人魔とはいえ、このアシュレイ・ヴァシェルにそうそう見抜かれる筈が無い。
まずはバレンディノのリリになりきれ。
時間を稼いでアッシュの好奇心をくすぐるのよ。
リリがバルンディノで見たのはショットガンとサラマンダーがメイン。当然リリは拳銃については殆ど知識が無い。
だから突きつけられても怯えるそぶりを見せてはならない。

「いつこっちに来たの?てっきりバルンディノにいると思ってた!
もしかしてアッシュさんも、吸血鬼の噂を聞きつけてきたの?それともレイジを探しに来たのかしら?
でも残念ね〜。レイジは今授業中なの。もう少しで休み時間だから、その時訪ねてみない?
私と同じクラスなの。よければレイジを連れて来てもいいわよ?」

レイジの名前にちょっとは反応を示したわね。
ふうん。
そういえばレイジも記憶を取り戻した時、アッシュの名前を呼んでたわね。
お別れのキスした程の相手だもの。会いたいのかもしれないわね。
(まあキスに関しては、チャッチャ・クエストの脚本家が、細木先生の原案を変に脚色してなければの話だけど)

「そうそう、レイジといえば・・・ねえアッシュさん、レイジはラスティーリアとはいつ仲良くなったの?
あ、ラスティーリアって憶えてるかな、レイジとアッシュさんの間を行ったり来たりしてた、スライムで魔物なご令嬢よ。
死んだとばかり思ってたんだけど・・・・・・ねえ、さっきから気になってるんだけど、アッシュさんが手にもってるのは何?
まじかる☆よーちゃんが使ってた武器にちょっと似てるけど・・・・・・そういえば魔剣サラマンダーはどうしたの?」

まさに立て板に水。
一気に喋り終えると、不思議そうな顔をして小首を傾げる。
何だかんだ言って、実はまだホールドアップしていなかったりするのよね。
そのかわり言葉の中に、幾つも好奇心をくすぐられるようなキーワードを混ぜ込んだ。
これでアッシュの色欲や殺人衝動より興味を引けなければ、・・・やっぱり実力行使で行くしかないかな。

サシで真正面から勝負したら、お互いただじゃ済まないと思うんだけどな・・・。

30 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 23:53:34
一時限目も終わり、少し歌おうと屋上へ。

――フェンス越しに吹いてくる風が心地良い。

昔もよくここでヴァイオリンを弾いていた。
だだっ広い空間では、自分の音を捕らえられなくなったりする。
多人数の時に自分のパートを見失わないように……

以前、ここで弾いてる時に話し掛けられた事があるのを思い出す。

「紫穂、今弾いてるそれは何て曲かしら?」
「G線上のアリア、私の一番好きな曲だよ。……クリスも弾く?」
「私には楽器は似合わない、遠慮しておく」


……あれ……何かがおかしい気がする……


キーンコーンカーン


まずい。二時限目に遅れないようにしないと。

31 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage トリ変えました] 投稿日:2006/06/22(木) 02:22:52
>488
>水無月さん、ケータイは使ってる?持ってるなら今のうちに番号を交換してもいいかな?何かあった時便利だし。
「ケータイ?持ってはいるけど、基本的に学校には持ってきてないわ。見てのとおり、真面目な生徒ですから。
 でも一応、自宅の番号と一緒に教えておきましょ。
 貴女の番号も教えてくれるの?有効活用するかどうかは保障できませんけど」
メモを取り出してさっと書いて、華山さんに自宅と携帯の両方の番号を書いたメモを渡しておいた。
―――わたしの携帯だからといって、いつもわたしが出るとは限らないのがポイントだけどね。
それに伴って、向こうの電話番号もこちらでメモをとった。
>「そういえば工藤先輩も水無月さんと同じ3年よね。今日工藤先輩の姿を見かけた?」
「どうだったかしら?一応、同じクラスだし、ノートとか見せてもらったことがあるけど……
 ちょっと覚えてないわ。まだ朝早いから、来てないだけかも知れないし」
と曖昧に返事を返しておいた。いえ、記憶に間違い無ければ普通に居た筈だけど。
用事が済むと、すぐに華山さんは出て行ったわ。割と焦ってたような感じで。

>483-485
藤田くんの方は、頑張ってポスターを書いている。
昨夜の人達を集めようって魂胆ね。華山さんは乗り気ではないみたいだけど。
詳しい内容は、敢えて今は見ないようにしておきましょう。楽しみが無くなってしまうから。
ポスターを完成させると、ギルバ先生に掲示許可をもらって出て行った。

わたしの方は……一応、ギルバ先生の返事は貰ったことだし、後のことはゆっくり考えましょ。

>19
二時間目の授業が始まろうとしてたそのとき、不思議な人形が目の前に現われた。
まあ五月蝿いから黙らせた後にゴミ箱に棄てといたんだけど、そのときに変な黒いビー玉みたいなのを撒き散らしていった。
何でも、この黒いビー玉は素敵な世界の入り口なんですって。
ええ、もちろんその入り口の中に玩具とかいろいろ投げ込んだ後に、それも棄てておいたわ。
素敵な世界よりも、授業の方が大切だものね。
―――後で『玩具』を通して覗き見しておけば良いでしょう。

32 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 07:03:15
水無月のバイブがうなる!

33 名前:蔓城 浄斗 ◆sy1IQNBWp6 [sage gt;1さんお疲れ様です] 投稿日:2006/06/22(木) 11:40:50
二時限目が終わったころ、もう気乗りがしなくなってサボる事にした。
そして、向かったのは裏の林。いつもの自分の訓練場所。
<ようやく人気が無い場所に来たか。いい加減目覚めろこのタコ>
「え?」
手元の根から・・・言葉が聞こえる!?
<いや、お前は目覚めてても力がコントロール出来てないのか・・・。
 俺が説明してやるから覚えな。お前昨日死にかけてるんだから。>
「い、いや。誰?っていうか何?昨日?死んだ?なんのこと?」
<仕方ないな。説明してやるよ>

――――――――――――――中略―――――――――――――
「つまりは昨日、吸血鬼と戦闘になって腹を打ち抜かれて・・・死に掛けて、力が目覚めたと。」
<そういうことだ。まぁその力は元々お前の中にあるものだが。異形に触れてようやく目覚めたらしい。>
「・・・なんでこんな<そこは余り考えるな>・・・え?」
<んなこと考えても碌なことにならねぇ。力の使い方も教えたからな。後は他の奴等と合流しな。
 さっき教室を出てから張り紙に、ここの学園祭とオカルト研究会とやらの告知が載ってた。
 行ってみても損はないんじゃないか?・・・文体がなんとなく意味ありげだったしな。>
「・・・まぁいいか。」

>19
<なんか来たな。>
飛んできたビー球をキャッチ。
「・・・ドド先生ってここまで滅茶苦茶な先生だったっけ?」
<知るか。それと、俺の『声』は俺が送ってる奴にしか聞こえないからな。>
「はー。便利だね。」

<ともかく、お前の力はまだ半端なんだから・・・昼まで特訓でもするぞ。>
「え・・・授業が」<お前サボる気だったろーがよ。とっとやるぞ。>
「うぅ・・・。」

>26
「人間なんて大嫌いだーーーーーーーーーーーーーーーー!」
って言いながら生徒が走ってくる・・・。
とりあえず棍で殴って気絶させて・・・と。学校の裏口に置いておこう。

<んじゃ、開始だ。頭の中のスイッチ入れな。>
「うー。『未生天:起動』。・・・お?」
<そいつを利用しろ。お前の力は大地に関係してるからな。
 後は・・・お前しだいだ。>

「『干渉:大地→造型』」
頭の中の無機質な自分の声に応えるように大地が動く。
「はは・・・すごいなぁこれ。」
<お前が本気出せるようになれば地震も起こせる。後は慣れだな。
 昼になったら図書室行っとけよ。俺は寝る。>
「はいはい。」

・・・裏の林から不気味な鳴動が響いた。
パッと見たところは分からないが、林の中はかなり大変なことになっていた・・・。

34 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/22(木) 18:56:14
「やっぱり、あの魔法少女の……リリだっけ」

人違いでなくてよかった、女生徒は笑顔で話しはじめる。
それでもボクは念のため、拳銃を向けたまま彼女の話を聞いた。
彼女はリリ、ヘストンワールドじゃないほうの魔法少女だ。
命がけで魔王の祭壇を埋めたてて、昏睡状態のところを王子さまのキスで目ざめた彼女。
思えば結局、ロクに話もしないまま別れたボクらだけど
今日のリリは頼まれてもいないのに、ベラベラとよく喋ってくれる。

>それともレイジを探しに来たのかしら?
>でも残念ね〜。レイジは今授業中なの。もう少しで休み時間だから、その時訪ねてみない?

……
…………
………………へえ、運命って皮肉なモンだ。まさかレイジのヤツに先を越されたとはね。
例の吸血鬼とレイジがどういう関係なのか知らないが、多分まだ正義の味方ってのを続けてるんだろう。
バルンディノからわざわざご出張とは頑張るけど、帰省ついでか。
ロゼの姉御も一緒なのかな? あの万年貧血女とカチ合うと、仕事がやりづらくなる。

>そうそう、レイジといえば・・・ねえアッシュさん、レイジはラスティーリアとはいつ仲良くなったの?
>あ、ラスティーリアって憶えてるかな、レイジとアッシュさんの間を行ったり来たりしてた、スライムで魔物なご令嬢よ。

これもビックリ。謎が解けたぜ、あの時アイツが一体何を腹に抱えこんでたか。
おかげで発情したレイジから押しつけられた寄生体を、死霊の渦に飛びこんで自分ごと弱らせる荒療治をやらされた。
ラスティーリアってのはその直前に、ボクを手品の火の玉で誘ってきた女のコ。
ちょっと興味あったんだけど正体がスライムとは意外も意外だ。
ボクのカノジョはバスケットケースに入れて持ち運び……オサム・テヅカの漫画じゃあるまいが、ムーピーとでも寝てみるか?
「仲いいんだ? 理由なんざ知らない。妊娠中に愛が芽生えたんと違うの?」
人間に化けなおして、レイジと一緒にロゼに弟子入りでもしたのかも分からない。
バルンディノ帰りの三人、現実界に戻った理由はともかくとして、
各々の目的もまだ知らないが、少なくとも敵対してはいない様子だ。

35 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/22(木) 18:57:45
廊下のスピーカーから、一時間目の終わりを告げるチャイムが鳴る。
少し間をおいてから、彼女がたずねてきた。

>ねえ、さっきから気になってるんだけど、アッシュさんが手にもってるのは何?
>まじかる☆よーちゃんが使ってた武器にちょっと似てるけど・・・・・・

「おっとゴメン、ただの用心だよ。気にしないで」
制服の裏地にマグナムをしまった。いくらボクだって、何もいきなしファックしたかったワケじゃない。
今回はド派手な花火を打ちあげる予定があるから、考えなしに遊んでられない。
吸血鬼の話の続きも気になるし、今彼女とムリヤリしたってあまりメリットはないんだ。
ボクも彼女のように、親密感たっぷりの笑顔を見せる、が。

>そういえば魔剣サラマンダーはどうしたの?」

コイツはいただけないな。
「うーん……喋りすぎるんだよ、アンタもレイジも。
大事な前戯だけど、どうせならフェラチオよっか変態なことしてほしいな、キミには」
早業で、ナックルナイフを抜き撃つ。投擲された刃はきらめきすら一瞬に、彼女の服の胸元を皮一枚で切りさいた。
肌には傷一つつけてないハズだけど、破れた胸元からは千切れた下着の紐が覗けた。

「ピロートークついでにだって、よっぽどでなけりゃエモノの話はしてねえよ。
ディルドのスペックは企業秘密だぜ、ボンドガールにゃちょいと胸が足りなかった……うん、大きさが」

リリに詰めより、もう一本のナイフを傍らの机に突きたてる。予定変更、尋問モードだ。
レイジにしたみたいにぐっと顔を寄せて、強引に視線を合わせる。
彼女は軽く身を引いたけど、顔色を見るに物怖じはしてない。ここは多少、慎重に話を進めるべきか。
口を開くも、白く柔らかな頬に舌を這わせることは諦めた。

「バルンディノでゲイン二世を埋葬してやった、あん時だってアンタは随分と周到だったな。
学業に差しつかえなければ、ここで続きを話してくれるかい? 吸血鬼のほうだ。
アンタなら、レイジよか器用に立ちまわれてるんじゃないかな。
ボクに教えられる範囲で構わないから、事情を聞かせて? 場合によっては力になれるかも……前みたいにね」

ボクが片手でなでる机の表面はうっすらと埃が積もっていて、普段あまり使われていない教室みたい。
だが微かに魔力の余波を感じる、だからリリも調べてたんだろうな。


>そういえば、さっきは無かったはずのダンボール箱が教室の端に置かれている。

ふっと何かの気配がして、ナイフを握って振り返る。
ドア近く、教室の隅のほう、小汚いダンボールのそばを何かが移動している。
魔力を帯びた、猫くらいの大きさ。ぎこちない軌道を取りながら、こちらを目指している。
「何だろう?」
存在は確実だが気配だけで、何故かボクの目には見えない。
咄嗟に投げたナイフも近づいてくる気配をすり抜けて、代わりに奥に置かれたダンボールへ刺さった。
「アレ、分かる?」
リリに尋ねた。
ダンボールに刺さってるナイフから、何だか血が滴ってるように見えたけど……それはまあ、いいや。

36 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/06/22(木) 21:25:42
>「えー。なんだ、みんな見えてたんだ。私だけかと思ってたのに。」
ベルは隣に来ると落ち込んだ様子で校庭を眺めている。
どうやら勘違いしているらしい。
>「みんな騒がなかっただけなんだね。がっかり・・・」
ベルのがっかりした様子を見て思わず笑ってしまう。
「…ハハッ。まあ、気にするな。あれを間に受けるのはたぶんお前だけだからな」
笑いながらベルの頭をポンポンと叩く。
笑ったのは久しぶりだったのかもしれない。最近は笑うような出来事がなかったから。…とその時、

>「今こそ『その時』よ!護末田!神秘の力!おまじない水平チョオォォーーップッッ!!!」
「…え?…待っ……」
急に飛び出したベルのチョップに驚きバランスを崩して後ろに倒れてしまう。
「『…デジャヴ?』じゃないだろ!!いきなり訳の分からんことを…」
説教をしようとしたが、途中で言葉を止める。
重要なことを今まで忘れていた…
愁弥のメガネを壊したのはベルだったということを…
そして同時に昨日の出来事は夢じゃなかったということにも気付いてしまった。

37 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/06/22(木) 21:57:17
やっぱりあれは夢じゃなかったのか…
ベルも覚えているか気になりベルに尋ねようとした時だった。

いつの間にかそこには2体のフランス人形がいた。
「…ありゃベルのお友達か?」
動揺を隠すためにわざとからかう口調で話す。

>♪
昨日ノ同志共♪
僕ノ名前ハジョリアル♪
超美人ナドド様ノ召使イサ♪
昨日ノ夜ハ楽カッタネー♪
(略)
安心シナヨ♪
コノ石ハ… 素敵ナ世界ノ入リ口サー♪
コノ歌ガ終ワッタラ♪ 僕チン爆発シチャウカーラー♪
「…何言ってるんだ?……って爆発!?」
とっさにベルをかばう様にベルの前に立つ。

>ちゅどーん!
愁弥の背中に人形の破片が飛んできたが、爆発の規模が小さかったため大したことはなかった。
「…おおげさに動いた俺は何だったんだ…?…絶対、音魔女にバカにされてるよなぁぁ…」
呟きながらさっきまで人形がいた所を見ると、黒いビー玉が落ちていた。
「ベル…落ち込むのはまだ早いみたいだな…」
愁弥はビー玉を手に取りながら呟いた。

38 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/06/22(木) 22:24:22
振りぬいたままの体制で不思議そうに固まるベルと、それを躱した拍子に後ろに転んだ護末田。
護末田が言葉を止めた事により、二人の間に奇妙な沈黙が流れる。
だが、その間も大きくなってくるBGM。

二人が体制を立て直した時、BGMの主であるフランス人形が二体、姿を現した。
>「…ありゃベルのお友達か?」
「いくら私でも胸に杭を打ち込んだフランス人形なんてオトモダチじゃないわよう!」
クラリネットではあるが、遠目なので判別はつかない。
からかうような口調にむきになるような口調で返すが、改めてみるとその不思議さに惹かれてしまう。
歌詞ははっきりとは聞き取れないが、歌いながら突然現れたフランス人形。
誰かが置いたような気配もない。
好奇心をくすぐるには十分な存在だ。

しゃがみながら近くに寄ってよく見てみようと一歩踏み出したところで、その行動は護末田によって遮られてし
まった。
視界が護末田の背中で遮られた時、小さな爆発音が響く。
何が起こったか判らないまま、立ち上がり護末田の肩越しにフランス人形を見たが、既にそれは存在してい
なかった。
「・・・なんだったの?あーー!もう二時間目始まっちゃう!」
護末田がしゃがみこんで何かを手に取りながら呟いていたが、ベルの耳に入ることはなかった。
二時間目の開始を告げるチャイムが鳴り響くと同時に、ベルは走り出していたからだ。
「護末田、またね!」
ドップラー効果を効かせながら別れの言葉を告げ、階段を駆け下りていく。

教室に戻る途中、急ブレーキをかけて立ち止まる。
そこには上一祭のポスターと並び、オカルト研究会発足のポスターが貼られていた。
「・・・こんなものが私の知らないうちに発足していただなんて!うーーー・・昼休みか〜。」
数秒間悔しそうな表情でポスターを見詰め、また走り出す。
ぎりぎり教師が来る前に教室に入ることに成功したベルは気付いていなかった。
爆発の勢いで飛んできた黒いビー球が鉢植えに咲く妖花アルラウネの葉の下に転がり込んでいる事に。


39 名前:堀江隆夫 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/06/22(木) 23:57:56
堀江の机の上ではじけたフランス人形から黒いビー玉が転がりでた。
でも堀江はビー玉を拾わなかった。人形の歌にも小爆発にも全く無反応だった。
ビー玉は転がり落ちて床に落ちた。
堀江は訴えかけるような礼司の視線も完璧に無視していた。

40 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/06/23(金) 02:14:38
ここならば校内放送は聞えない、
あるのは沈黙と暗闇のみ、大男は気持ちよく眠っていた。


カッタタ・・・

雑音


グシャン。

衝撃音


寝返りと共に裏拳が炸裂した。
寝かせろ、馬鹿垂れ。
とでも言いたい程に。

フランス人形は大男の拳の下で粉々に砕け散っていた。
当然中にあった何かも壊れちまってるだろうな。
ま、どうでも良い事だ・・・。
まだ、お天道様が昇るまで時間があるじゃねえか。
大男は再び目を閉じた。

41 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/23(金) 13:18:55
>「おっとゴメン、ただの用心だよ。気にしないで」
アッシュはそういって、マグナムをしまった。眉ひとつ動かさないまま、私は内心で安堵する。
だけど次の一言は失言だったみたいね。親しげな笑みから一転、アッシュはナイフを投げつけてきた。
切られて露になった胸元を押さえるのと、アッシュが一息に間合いを詰めるのは同時だった。

>「ピロートークついでにだって、よっぽどでなけりゃエモノの話はしてねえよ。
>ディルドのスペックは企業秘密だぜ、ボンドガールにゃちょいと胸が足りなかった……うん、大きさが」

息がかかるほどの至近距離で、強引に視線を合わせられる。
軽く身を引きかけて、思いとどまる。
まだよ。まだアッシュは本気じゃない。これはほんの挨拶代わり。
手の内を晒すのは早すぎる。

――――私は叱られた子供のように、小さく震えながら目を伏せた。
「アッシュさんの言ってる意味が、私には全然わかんない。
でもきっと、私、なにか悪い事を言ったのね。・・・ごめんね。ごめんなさい。
見知らぬ土地で懐かしい人にあえたから嬉しくて・・・気に障ったのなら謝るわ。
お願い、どうか怒らないで」

私は涙目になって謝った。
猫のように目を細めたアッシュに私は身を硬くする。背中に隠したナイフを握る手が、じっとりと汗ばんできた。
けれど、彼はただ事情を聞かせろといっただけだった。
場合によっては力になるとも。
「本当に?本当にアッシュさんが力を貸してくれるの?」
私は状況も忘れたかのように目を輝かせ、嬉しそうな声をあげた。
・・・どうしたものかしら。
アッシュの実力は折り紙付きだけど、このケダモノは私の手におえるかしら。
・・・全く。アッシュを相手にするって事は、地雷原を何の準備もなしに歩くのと同じね。
レイジはよく「こんなの」と友達になろうとしたものだわ。

突然、場違いなまでに軽快な音楽が鳴り出した。
ダンボールの傍に、突然悪趣味なアンティークドールが現れた。
アッシュは流れるような動きでナイフを人形へ放ち、刺さったクラリネットを見事に砕いた。
・・・ダンボールに滲んでいる血は、もしかして人形のものかしら?中に人が入ってるとか?まさかね。
>「アレ、分かる?」
私は頷いた。
「メッセンジャーね。超美人な音魔女から、昨日のパーティメンバーにプレゼント・・・らしいわね」
アッシュには見えないのかしら。あんなに正確に胸を打ち抜いたのに。
では見えないものを狙ったって言うの?・・・本当に危険ね。

人形は爆発し、後には黒いビー玉が残った。私はアッシュに目配せして、拘束を離れた。
無防備に背中を晒しながら、私は転がった黒い玉を拾い上げる。
「『素敵な世界の入り口』ですって。・・・怪しさ満点よね」
呟き、アッシュの掌に玉を落とした。
これ欲しい?と目で問い掛ける。

42 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/23(金) 13:31:56
安全ピンを使って、破れた部分を何箇所か仮止めする。
長い三つ編みをほどくと、まっすぐな金髪が服の傷を隠してくれた。
二時間目を知らせるチャイムが無常にも鳴り出す。
全く!・・・・・・・誰かさんのせいで、今日の予定は大幅変更だわ。
もっともアッシュの気まぐれひとつで、一生分の予定を変更する事になりかねないのだけれど。

私は行儀悪く机に腰掛け、アッシュさんに視線を合わせた。
「さっきの話だけどね・・・・・・吸血鬼についてと言っても、私もたいした事は知らないの。
でもお話する前に、ひとつだけお願いがあるわ。
アッシュさんに条件がつけられるとも、強制できるとも思ってないわ。だからあくまでも私からのお願い。
事が終わるまでは、なるべく上一中関係者に手を出さないで。既にやってしまった事には目を瞑るから」

ちぐはぐな制服を指差し、私は深いため息を落とした。

「・・・どこから話せばいいのかしらね。
参考までに伺うけれど、アッシュさんは、どういういきさつで上一中に来たの?
レイジ目当てって訳じゃ無かったんでしょう?
――――アッシュさんは、夜、ニ種族の吸血鬼が上一中に集う事くらいは知ってるのかしら?」

43 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 01:49:30
アッシュのナイフは黒衣の吸血鬼あたった
それが合図のように十数匹の黒衣の吸血鬼があらわれリリとアッシュに襲い掛かる

44 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sage] 投稿日:2006/06/24(土) 05:14:19
授業が始まっても、休み時間になっても。
ずっと、席に着いたまま、頬杖ついて窓から空を見ていた。
僕の机が窓沿いの席なのは、ラッキーだったと思う。
別にsentimentalな気分になってるわけじゃないし、
それ以前に僕の心に果たしてそういう感情があるのかは甚だ疑問だ。
ただ、何となく。
空の青さや、流れる雲を。何を感じるでもなく、何を思うでもなく。

クラスメイトは少し不審がってるみたいだ。わからなくもないけどね。
僕ってのは自由な時間になればすぐに女の子に結婚申し込む人種だし。
そんな僕が何もせずに窓の外を眺めてるだけ、ってのは奇妙な光景に見えるんだろう。
だけどまぁ、みんな僕のことは遠巻きに見ているだけで話しかけようとはしない。
当然だろうね。僕みたいな人が他にいても僕は絶対友達になろうとは思わない。
顔がよけりゃ「楽しい人」で通るのかもしれないけど…その辺、やっぱり人間って顔だと思うよ。
まだ空を見ている。
今は何の授業だっけ?それとも休み時間?
それさえ分からなくなってきた。

そのうち耳に聞き慣れない歌声が。誰かのMDプレイヤーが音漏れしてるのかな?
そんな風に思ったら…爆発音。
反射的に振り向くと…そこには、何かが壊れたような、残骸。
嫌がらせかな?酷いことするね。
だけど…何か目を引くものがあった。拾い上げる。
それは、黒い、ビー玉だった。
「……………」
少し考えて。
窓から投げ捨てた。

また、空を見上げる。

45 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 09:46:31
校内放送「こちらスネーク、霊珠は上一中生徒の体内に精製されたと判明した!」

46 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/24(土) 09:55:23
アッシュのナイフが刺さったダンボール箱から、突然黒衣の者達が飛び出してきた。
だけど、アッシュは顔色ひとつ変えない。少し面白そうに口元を歪めただけだった。
私もそのままアッシュとの会話を続ける。
「ちょうどこんな感じの『黒衣の者』達と、『牙の主』率いる使徒達が、夜になると上一中で跋扈するの。
お互い協定を結んでいて、夜の間だけ活動するみたいね」
アッシュの顔に吸血鬼の爪が振り下ろされる――――かに見えた。
だけど、吸血鬼達の攻撃は私たちの身体を全て素通りした。
幻は窓際ではかなく消えうせる。

ちょうど校内放送が入ったようだが、雑音交じりでよく聞き取れない。
誰かが教室内に結界を張ったのかもしれない。

「・・・私の説明より、当事者に語ってもらう方が手っ取り早いかもね。お出ましのようよ」
私は机から立ち上がると、部屋の中の一点を見据えて呼びかけた。

「わざわざ幻影を見せなくても、昨夜の事なら憶えているわ。
懐かしい仲間との逢瀬を邪魔しないでくれる?
用があるならさっさと済ませて、ノスフェラトゥ。それとも工藤先輩かしら?」

47 名前:生徒[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 09:58:04
「違う!!新手のスタンド使いだ!!」

48 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 10:18:08
よく見破ったな
男が天井に張りついていた
死ね!
アッシュとリリに男がウィンクした

49 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 10:19:38
しかもその男は自治厨だった

50 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 10:22:17
さすがイナバ

51 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 10:47:56
その頃、地検特捜部がホリエモン逮捕のために教室に乗り込んできた
「証券取引法違反で逮捕する!」

52 名前:ノスフェラトゥ ◆glAHh7JUpE [sage学校外ゆえ人形は届いておらんのう] 投稿日:2006/06/24(土) 11:03:03
その頃ノスフェラトゥは横浜ランドマークタワー最上部の横浜ロイヤルパークホテルに宿泊していた。
ある商社の社長として。ホテルの従業員達が彼を吸血鬼と知らないのは当然だった。
ホテルが誇る眺望の素晴らしい66階VIPルームだが、厚いカーテンが全窓に牽かれ陽光を完璧に遮断していた。
昨夜の戦いで負傷したノスフェラトゥは湯船につかり傷を癒していた。
バスには湯ではなく血がいれられている。血の風呂にノスフェラトゥは浸かっていた。
ノスフェラトスはまどろんでいたが、ぼそりとつぶやいた。
「契約時間外の戦いはわしはせぬ。代償を払うつもりはないでな」」
上湘南中学の昼間の様子を千里眼によってノスフェラトゥは感知していた。
昼間に騒ぎを起こすつもりはノスフェラトゥにはなかった。
強力な契約下にある上湘南で昼間に戦闘ができる者は、取るにならない雑魚しかいない。
いたずら好きの性悪妖精か大言妄想の低級霊ぐらいだ。
「一緒にされては迷惑というもの。夜は必ず来るのじゃ。養生養生」

53 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 11:05:02
それが彼の最後の言葉になった

54 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/06/24(土) 12:45:47
>堀江くん
>堀江は訴えかけるような礼司の視線も完璧に無視していた。
なるほどそういうことか。と僕は納得した。ラスティーリアは今は堀江をつらぬくつもりらしい。
僕は僕の机の上にぽつりとあるビー玉を、まずは指でつついてみた。
異常なし。異常はないけどとんでもない妖気が中に渦巻いているのは感じる。
困ったな。ドド(先生)からの贈り物か。
受け取るしかないかな。このまま教室においておくわけにもいかないし、処分の方法もわからない。
なにかへんなことがこのビー玉で起きたら、オーラをこめて破壊しよう。
僕はビー玉を手にとって、ペンシルケースにいれた。服のポケットにいれるのはちょっと用心してやめた。
オーラを取り戻してから、僕は内心おどろいていた。
上湘南中学はこんなにも魔気が充満していたなんて。契約とかで戦闘が起きていないけど。
夜になったらどんなことになるのだろう。昼休みのオカルト研究会の集まりは重要だな……

>「その頃、地検特捜部がホリエモン逮捕のために教室に乗り込んできた
>『証券取引法違反で逮捕する!』 」
「ふざけるな!授業に集中!」寺西先生が怒鳴る。
堀江が堀江の前の席の岡林にからかわれている。クラスメートの岡林はよく堀江をからかう。
堀江がホリエモンに似ているからだ。
ラスティーリアは完璧に人間堀江を演じている。からかわれて困った顔をしている。

ん?まてよ。

堀江はいつからラスティーリアになったんだ?
最初っから堀江はラスティーリアだったのかな?それともまさか本物の堀江を殺して……

いや違うか。そうだそうだっけ。ラスティーリアは他人の体と同化して乗っ取れるんだっけ。
この事件がすんだら本体の堀江くんをラスティーリアから解放させてあげないといけないな。

55 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/06/24(土) 12:46:27
寺西先生の現代文の授業が終わって、堀江の拾わなかったビー玉を手にとってまたペンシルケースにいれてから、
僕はもうひとつの気がかりに話しかけた。
「クリス」
同じクラスのクリスティーナ。
……きみは片手がなかったっけ?クラスメートはみんなクリスに片手がないことにふれない。
つまりそれは以前からそうだったからだ。
でも僕の記憶では昨日の夜まできみは五体満足だったよ……
それよりもそんなことよりも!きみは殺されて……そしてドド先生に……!
僕は言わなかった。その重大な疑問を。
それを口に出してはいけないような気がしたんだ。
クリスの青く沈んだ瞳を見ていて僕はそう思った。だから言う言葉を変えた。
「ねぇ。ポスター見た?オカルト研究会の会合にいっしょにいってみない?
えーと。なぜ誘うかというと、えー。えー。そういうの好きそうかなって……」
なんて口ベタな僕!うまくいえない。たすけてくれよラスティーリア……

56 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/06/24(土) 13:52:46
突然、校内放送が響いた。

「こちらスネーク、霊珠は上一中生徒の…こら、何してるんだ!」

…放送部、ちゃんとカギ閉めてなかったのね。
朝練の時に朝の放送で聞いた声はイナバ君か…
イタズラした生徒と一緒に、後で怒られそう。

ちょっと前のホリエモン事件以来、堀江が
岡林にからかわれるのもちょっとした日常。
本人もいい加減慣れたように見える。

「クリス」

その声に振り向くと、藤田は何故か少し口をつぐんだ後

「オカルト研究会の会合に行ってみない?」

そう言えば上一祭の知らせの隣にそんなポスターがあったかしら。
研究会って事は部活じゃないから掛け持ちも関係ない…か。
さっき口をつぐんだのも少し気になるし。

「大して興味は無いけど……そうね
 あくまで合唱部優先なら行かなくも無いわ」

57 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/06/24(土) 21:04:03
二時間目の授業が始まった途端、ベルは強烈な眠気に襲われていた。
瞼が急激に重くなる。
昨夜明け方まで学校で戦いを経験し、更に魂の融合を経験をした。
その上記憶改竄の術を受け、何事もなく朝から登校しているのだ。
記憶には何も残っていなくとも、身体には確実に疲労が蓄積している。
身体は休息を欲し、襲い繰る睡魔に打ち勝つ事は出来なかった。

教師の声も、突然入った放送も遠くに聞こえるように耳には届かない。
「・・・決勝トーナメント出場よ・・・」
小さくベルの口から漏れるのは既に寝言だった。
記憶改竄され、明け方にワールドカップ、フランスvsトーゴを見ていたことになっていたが故の・・・。

58 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/06/24(土) 23:12:30
木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉

哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木

木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉

哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木

木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉木村拓哉

哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木哉拓村木



おっと!
地震で地盤がずれてしまった!

59 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 23:21:09
クリスが俺の彼女である件について

60 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/06/24(土) 23:22:54
おめ

61 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/25(日) 01:30:43
気配は唐突に消え、後には小さな黒いガラス玉が一つ転がる。
リリがおもむろにそれを拾い上げて、ボクへ渡した。
彼女にはどうやら事の顛末が見えていたらしいけど、とにかく件の魔女が信用ならないらしく
贈りもののビー玉を、自分自身で受け取るつもりは無さそうだ。
遠慮なく貰っておく。ここは率先して、毒見でもって協力する姿勢を見せてやらねばなるまい。
「入り口、ねえ」
掌の上の「プレゼント」を、真っ先に自分の口へ放りこみ、舌で転がし味わってみた。
魔力がボクの感じやすい舌にピリピリくるけど、それ以外不審な味や歯ごたえはない。
割ったり、何か術を加えないことには害もない只のガラス玉だ。転がる玉を奥歯で噛んで、カチリと止める。
「ちょっとしょっぱい。手、汗ばんでた?」
その言葉に一瞬、リリが剣呑な目でボクを見たけど、
何も言わずに彼女は服の裂け目を簡単に繕って、それから話の続きを切りだした。

彼女が言う。吸血鬼について大したことは知らない……さっきも「昨日のパーティメンバーに」とか言ってた。
事態が動きだしたのも、少なくとも彼女にとってはまだ今日昨日、至極最近の話のようだ。
こいつは嬉しい、ボクにも楽しむ余地を残しておいてくれたってことだからね。

>事が終わるまでは、なるべく上一中関係者に手を出さないで。既にやってしまった事には目を瞑るから

制服から勘づかれたみたい、確かにその通りなので黙って頷く。
ボクにしたって分別のないつまみ食いで、折角のパーティをご破算にしたくはない。
警察、国家公安部の介入に対しては、事態を把握するまで極力危険を避けておくべきだろう。
「オーライ、売られた喧嘩以外でグレート・ハンティングは止すよ。禁欲生活だね」

>参考までに伺うけれど、アッシュさんは、どういういきさつで上一中に来たの?
>――――アッシュさんは、夜、ニ種族の吸血鬼が上一中に集う事くらいは知ってるのかしら?

「事故……だ。不可抗力、自然発生のゲートみたいなもの? とにかくそいつでバルンディノから飛ばされた。
でも、元より残してきた仕事の義理もあるからね。まあ、いい機会だよ。現代に戻れたってのは。
二種族の吸血鬼ってのは初耳だ、血の湧く泉でもあるのかね? 学校が副業で血液銀行でも?
ただ、一度夜中にここを通りかかったことがある。吸血鬼の気配だったのかな、あれは?
あん時と今日じゃ、学校周辺の妖気が段ちがいだ。昼の間は薄い……全然魔力が弱まってる」


噂をすれば何とやら、だ。カーボン紙の妖怪みたいな、ガサガサ乾いた黒い連中がダンボールからあふれ出る。
どうも雑魚じみた、日の光のもとではあまりにおぼろげで、脆弱な印象を与えるが人外に違いはない。
けどリリは身じろぎもしない。見た目どおりの木っ端らしい、ボクは挙動を観察する。

>ちょうどこんな感じの『黒衣の者』達と、『牙の主』率いる使徒達が、夜になると上一中で跋扈するの。
>お互い協定を結んでいて、夜の間だけ活動するみたいね

「へへえ、じゃコイツらは? あーアレか、マックロクロスケ。映画で見たよ。
それじゃいつかの晩、学校の裏の林で猫バスを見かけたのは錯覚じゃなかったんだ」
実体化すら間々ならない、弱々しい白昼夢の幻影。
ボクらに飛びかかり爪を振るうが、身体を通りぬけてしまい、引っかき傷一つ付けられないまま連中は霧散した。
リリが教室内のある一点へ呼びかけると、また別の妖魔の声がそれに応える。
気配は遠いが、有象無象の雑魚どもよりはずっと強い響きをもった声。

>契約時間外の戦いはわしはせぬ。代償を払うつもりはないでな
>一緒にされては迷惑というもの。夜は必ず来るのじゃ。養生養生

声が消えると同時に、震度3くらいの軽い揺れが、教室の蛍光灯に積もっていた埃を振りおとす。
協定/契約時間である夜間を除いての戦闘には「代償」が用意されているとして、では夜は一体何をしてる?
夜の学校なんざ、狩場にしちゃずいぶん冷え切る場所だ。寝床ならともかく、ここに篭って狩りは難しいはず。
吸血以外の目的に、貴重な夜を費やすほどの価値を?
「連中は夜の学校で何してるんだ? せせっこましく抗争か?
バケモノが群れたって、この国じゃ互いの食い扶持を減らすばかりだ。群れる必要があるとすれば戦争くらい。
そんな腹減らしのマネをするからには、それなりのシロモノを賭けてるんだろうな。
キミの見解を聞きたいんだけど。今掴んでる分だけで構わないから、吸血鬼二勢力の規模や本拠を。
生徒や教師に混じっている可能性は? さっき『先輩』とか言ってたな、卒業生とか?」

62 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/06/25(日) 03:01:15
ジョリアルがビー玉を届け終わったのを確認する。
何人かはビー玉を受け止めてくれたらしい。
ドドは静かに笑った。ここまでは非常に計画通りだ。
持っている新聞のページを捲る。
活字の文字が脳に流れる。

『村上ブタ箱行き』

『ヤム飯出現・村上がロゼライン、カーマインを虐殺し株を使って戦争を仕掛けると電話で堀江に聞く。』

『近くにいた女が死刑囚を投げ飛ばし警察に突き出す』



「村上ねぇ…なかなかいい音してたんだけどねぇ…」
そう一言言うと新聞を畳むとゴミ箱に投げるドド。
やはり音のない新聞はドドには向いてなかった。掛けていたメガネを置き音楽室の椅子に寄りかかる。
机の上には写真立てがいくつかあった。
そこに目を向けるドド。


この世で自分が心動かされるような甘い蜜を見つけることは意外と難しい。


ドドの横から三番目の写真立て、そこにはある一人の生徒とドドが笑って移っているボロボロの写真があった。
残酷にも悲しい運命を迎えた一人の生徒…。この時はまだドドも普通の音楽教師だった。
音の追求心は今とあまり変わらないが少なくとも今よりはずっと美しい美学をかがげていた。
生徒に精一杯の愛も送ってきた。
生徒に精一杯善も教えていた。
それは確かなことだ。…しかし…

ドドは妖しく声を出し笑った。この世で自分が心動かされるような甘い蜜を見つけることは意外と難しい。
だから自分は幸せ者だ。そんな甘い蜜をこの学校で見つけたのだから…。
机の上に散らばる文化祭、オカルト研究会の会合のチラシ。そして黒いビー玉、流れる生徒達の会話。
「…覗いてみようかねぇ…」
そう静かに言うとドドは立ち上がった。出来る限り情報は多い方が良い。

何故ならこの吸血鬼事件はドドにとって絶好のチャンス。このチャンスを逃してはならないからだ。


63 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/25(日) 12:24:04
>61
アッシュが私の「お願い」をあっさり聞きいれてくれたのには心底驚いた。
多分オードブルをがっつくより、メインディッシュの方がより愉しめると知っているからでしょうね。
まあ、アッシュの「禁欲生活」ほど当てにならないものは無いのだけれど・・・その辺は信じるしかないわね。

アッシュは現実世界に戻ってきた経緯と、今まで自分が知りえた情報を手短に話してくれた。
私もある程度の情報を渡すべきでしょうね。
「事故って・・・バルンティノで見た例の時間震の一種?巻き込まれて災難ねって言うべきなのかな?
アッシュさんでも気にする「お仕事の義理」に興味はあるけど、命が惜しいから聞かないでおくね」
・・・・・・それにしても・・・あのアッシュがとなりのトトロを知っているなんて。・・・人(?)って見かけによらないのね。

気を取り直して、私も語り始めた。
「この学校は、夜と昼とでは全く違う顔を見せるわ。
夜の妖気は学校の敷地外から見ただけでは解らないと思う。今夜体感してみて。
昼の妖気が弱いのは、争奪戦が夜だけというのと、ノスフェラトゥ達が口にした「契約」と何か関係が有るのかもね」

「吸血鬼たちは契約にのっとって、何かを探しているいるみたいよ。霊宝とか言ってたかしら。
・・・血液銀行って発想は無かったけど・・・そうね、この学校の生徒に魔法属性をもつ者が不自然なくらい多いのは確かよ。
もしかしたら意図的に集められたのかもね。どんな用途に使うにせよ、一般人よりは格段に効率がいいでしょうし」

そこまで話して、私ははっと口を噤んだ。
私の想像どおりなら、リリは人間に関する話題で「用途」や「効率」なんて言葉は使わない。

>52
>契約時間外の戦いはわしはせぬ。代償を払うつもりはないでな
>一緒にされては迷惑というもの。夜は必ず来るのじゃ。養生養生

ちょうどいいタイミングで、私の呼びかけにノスフェラトゥが答えた。
気配は遠いけれど、アッシュなら今の声だけでも十分ノスフェラトゥの実力は測れたはずだ。

失言に肝を冷やしたけれど、アッシュは声の主や地震の方に興味をもっているようだ。
リリとアッシュの接点が薄かったのは幸いだったわね。ホッとして話を続ける。
「ああ、いい忘れてたけど、私はこちらでは「華山理利」と名乗っているわ。芸能人よ。・・・そんなに意外かな?
まあとにかく、レイジ達には私はリリとは別人だと話してあるの。悪いけれど、アッシュさんもそのつもりでお願いね」

私は首に下がるロザリオを外した。
アッシュへの会話と同時進行で、私の手は別の作業を続けている。
「吸血鬼勢力のうち、ひとつは今の声の主であるノスフェラトゥ。古き血の民。
彼自身の実力はアッシュさんも感じたでしょう?さっき届いた『声』のとおり、根城はここでない別の場所ね」

別に、日光を浴びても消えない吸血鬼相手にロザリオが有効とは考えていない。
私が頼みにしているのはクルスではなく、鎖に通してある魔法石の方だった。
鎖に通してある指輪が抜け落ちないよう注意しながら、クリスの爪の数だけ石を抜き出す。

「・・・もうひとつは牙の主。お目通りはまだ叶っていないけれど、現実への有形無形の干渉力は桁違いね。
ノスフェラトゥ達が夜毎学校へ通ってくる事から察するに、もしかしたら学校が本拠地かも。
牙の主の使徒はわかっているだけで4人。そのうちの3人は美女。でも舐めてかかると痛い目に逢うわよ。
私も明け方に使徒の一人、3年の工藤先輩に不覚を取ったから。・・・居合わせたほぼ全員が、記憶操作を受けたと思う」

アッシュの方を極力見ないようにしながら淡々と続ける。

「ただ私には、なぜ工藤美津子がそんな無駄な事を試みたのか理解出来ないの。
魔素を浴びた人間の記憶ですら操作できると自惚れていたのかしらね?そう考えようにも、詰めが甘すぎるわ。
昨夜手に入れたばかりのレイジの武器まで持たせて返すなんてね。
・・・ちょっと話しただけだけど、彼女が馬鹿でない事くらいはわかってるわ。
本気で昨夜の出来事を忘れさせたいなら、痕跡くらい消しておくべきだと思わない?
巻き込まれた人間のうち、見込みがありそうなものを選別するためだったのか、
記憶操作自体がフェイクで目的が別にあったか・・・とにかく何か作為的なものを感じるわ。アッシュさんはどう思う?」

64 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/25(日) 12:32:54


「最後に、多分吸血鬼じゃないけど、シーラ・レファラシド・ドド 。
さっきのビー玉を送りつけてきた音魔女よ。音楽室を根城にしているわ。美人かどうかはアッシュさんの目で確かめて。
とにかく謎多き女よ。
――――昨夜牙の使徒の手にかかって、力を持つ生徒が一人死んだわ」
そういって私は、クリスの爪を見せる。
「でも死んだ筈の彼女は今日、元気に登校してきた」
私は外した魔法石と一緒に、クリスの爪を両手で包み込む。
「左腕は失っていたけれど、蘇った彼女はアンデットでもゾンビでも、ましてや吸血鬼にも見えなかった。
かなり変質していたけど、魂も確かに本人のものだった。
正直驚いたわ。そんな秘術が現実世界に存在するなんてね」
再び掌を解いた時には、3つの魔法石のうちの一つだけがビーズ細工に変わっていた。爪は消えていた。
「音魔女は音魔女なりの美学で行動しているみたいだけど、敵か味方かまではまだわからない。
黒いビー玉を本気で持っていくなら、取り扱いにはくれぐれも気をつけてね。
私が知っているのは、このくらいかな」
私はビーズをポケットにしまった。余った爪を吸収させた魔法石も、元通りロザリオに戻す。
ギルバ先生のことはあえて黙っておいた。アッシュは予定調和よりもサプライズが好きそうだから。

2時間目終了のチャイムが鳴った。今度は雑音もなくクリアに響いた。
「アッシュさんのストイックぶりを期待してるわ。夜は存分に楽しんでもらって構わないからね。
それより夜まで随分と時間があるけれど、アッシュさんはどうするの?レイジ達に逢っていく?」

65 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/06/25(日) 16:16:24
>「護末田、またね!」

「…風のように来て風のように去っていったな。俺もそろそろ教室に顔を出さないとな…」
ベルの背中を見送りながら愁弥は立ち上がった。
「さてかのビー玉をどうするかな…まあ、あの音魔女のことだから何か仕掛けでもあるんだろうが、一応持っておくか」
愁弥はポケットにビー玉を入れると屋上を出ていった。

渡り廊下を歩いていると、掲示板に目が留まった。
掲示板には上一祭ともう一つオカルト研究会の紙が貼ってある。
「さっき通った時はなかったような………ベルのやつか?…いくらベルでもこんなに早く貼るわけないか。じゃあ、一体誰が?……昼に図書館…もう少し屋上で時間を潰すか」
愁弥は今来た道を引き返していった。

屋上に着くと、もう一度校庭を見てみる。
「さっきのポスターは昨日の関係者が貼った可能性が高い…ってことは他にも何事もなかったようなこの校庭や学校内を見て不思議に思っている奴…あるいは昨日の出来事をはっきり覚えてる奴がいるのか?…」
溜め息をつくと愁弥はその場に仰向けに寝転がり、いつもと変わらない空を見て呟いた。
「…まあ、行けば分かるか」


66 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/25(日) 23:27:00
リリの、現実界での役割は芸能関係者らしい。なるほど彼女は顔が良いからね。胸ないけど。
首から下げたロザリオの石を抜きながら彼女は話す、
二勢力の長である吸血鬼「不死者(ノスフェラトゥ)」と「牙の主」、「牙」の使徒による記憶操作、魔女。
リリは犠牲者の爪をボクに見せると、それを石と一緒に握って、封印を施した。

内容を整理する。とにかく上湘南一中は霊宝をめぐる夜族どものウエストサイドと化していて
学校ではナイター限定のフェア・ファイトが繰り広げられている。
なおかつ一般生徒や教師にも、吸血鬼とは別に魔力をもった連中が集まっていて……
彼女が傍観を決めこんでるなら、力を貸せもクソもない。
好みは多分こっちだ、ラブ&ピース。チャイムが鳴り終わるのを待って、今度はボクが話しはじめた。

「キミはとりあえず、人間側の味方ってことでいいのかな。
戦争となりゃ、各人の立ち位置ってのが大事になる。
闘争そのものが目的でないのだとしたら、誰が敵で誰が味方か、考えなしに斬りあっても仕方ないだろ?
キミの目的は吸血鬼ども――シャークも、ジェットも両方叩きだし、
霊宝とやらも然るべき処分を考え、争いの火種を遠くにうっちゃって学校を平和にする、と。
そうすりゃトニーも撃たれずに、マリアと結ばれハッピーエンドってワケだな」

普通の考えなら、最善策はそれだ。
群れるバケモノは人喰いイナゴの大群、何が目的であろうと、人間にとっては存在自体が害となる。
霊宝も、正体の知れない内は地雷と見なしておく。吸血鬼の手に渡る前に確保せねばなるまい。

「ボクがやるなら、まずは工藤と音楽室の魔女だな。居場所が割れてるヤツから押さえていこう。
幸いなことに、日の高いうちは連中も牙を抜かれてる。

工藤は生きたまま……最低限、会話できる状態でだ捕すること。
キミが言う、選別を目的とした記憶操作なら、ヤツはボクらの介入を望んでいることになる。
取引で『牙』の味方につけるか、かき回して抗争をうやむやにさせるか。なら接触は容易い。
彼女を通じて、『牙の主』に関する情報を得る。リリ、どこかに結界を用意できるか?
ボクらも安全な作戦本部をかまえるべきだ。昼間戦えずとも、情報戦となれば別だからね。

魔女とも取引する。完全にボクらの味方、とはいかないだろうが、吸血鬼からも彼女への接触があるハズだ。
彼女には中立でいてもらう、話をつけるとすりゃそれだけで充分。
綱引きでパワーバランスを持っていかれるのは、情報の足りない今のボクらにとって明らかな不利だよ」

身ぶり手ぶりをまじえて、もっともらしく彼女に語りかける。
吸血鬼に盗み聞きされる危険は承知の上、誰だって少し考えれば思いつくことしか喋らないから問題ない。

「キミはとにかく、動かせる駒を集めろ。兵隊が揃ったら基地を設けて、動くのはそれからだ。
ま、イザとなったら学校に火つけちゃえば? 建物がなくなりゃまず一時休戦だ、ねぐらを焼けだされるヤツもいるだろうしな。
ボクは夜までは学校に居るよ、準備が済んだら連絡ちょうだい。
それとさ、レイジやラスティーリアにはボクのこと隠しておいてくれる? ビックリさせたいから」

最後にそう念を押してから、ボクは教室を出た。
時限装置の件は黙っておいたけど、平気だろう。ボクにはボクの仕事があるんだ、手の内を全部明かす必要もない。
まずは……そうだ、三年生の教室に行こう。工藤と「寝て」おく、魔女はまだ放っておいて構わない。

67 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 14:55:27
滝のような大雨が降りだした

68 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/06/26(月) 21:35:39
「・・・ベル・・・ベル・・・」
遠くからベルを呼ぶ声がする。
どこかで聞いたような、覚えのある声。
心地好い眠りを邪魔するような声にベルは不快そうに耳を伏せ、もう一度眠りの世界へと向かおうとする。
「ベル!」
さっきとはまた別の力強い声がベルを呼ぶ。
その声にも聞き覚えがあった。いや、ありすぎる声だ。
まどろんでいた意識は強制的に覚醒状態にされ、伏せていた顔を上げる。
声の主は教壇から問題を解けと言葉を続ける。

一瞬にして全てを思い出していた。
今は授業中で、日にちと出席番号の関係でベルが当てられたのだ。
熟睡してた為にどの問題かもわからぬまま、とりあえず立ち上がる。
「えっと・・・x=4、y=3・・?」
「う・・・よろしい。」
あっさりと正解され、熟睡していた事を咎める糸口を失った教師は渋々とベルを座らせた。
ほっと胸をなでおろしながら座るベルに、隣の生徒が声をかけてくる。
「ベル、寝てたんじゃなかったの?よく判ったわね。」
「ん〜〜・・・女の勘?」
感心し驚く友人だが、ベル自身も驚いていた。
問題すらもわからないのに回答が出来てしまったことに。
胸をなでおろすその手が当たる叢雲剣のゴルゲットが微妙な温度を持っていることに気付きもせずに。

無事二時間目が終わり、三時間目が始まる頃。
にわかに教室が暗くなってきた事に気付いた。
窓の外を見ると、大粒の雨が降り始め、それはあっという間に雨音を唸らす豪雨となってきている。
「参ったなあ・・・傘持ってきていないのに・・・。」
ポツリと呟きながら睡魔との戦いが始まる。

69 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/06/26(月) 23:45:33
>クリス
>「大して興味は無いけど……そうね
>あくまで合唱部優先なら行かなくも無いわ」
「最初のミーティングは図書室の書庫に昼休みだからね。合唱部は昼休みに活動しないだろ?
掛け持ちでもだいじょうぶさ」
合唱部なんてそんなこと言っていられなくなるさ。……とは言わなかった。
クリスは昨夜のことを覚えているんだろうか。そうは見えない。
堀江を見るとまた机にかぶさって寝ている。ラスティーリアみたいに芝居をしているのかクリスの表情からはわからない。
でもオカルト研究会なんて怪しいものに不自然に誘って、のってくれるとは思わなかった。
クラスの女の子たちのなかには、僕がクリスを誘う言葉が聞こえたやつがいるらしく、こっちを見てクスクス笑っているのがいる。
……笑いごとなんかじゃないのに。
昼休みにどれだけの人が来るだろう。
僕は窓の外をぼんやりと見た。雲が垂れこめもうすぐ大雨になりそうだ。
2時間目の授業が始まった。

70 名前:水無月つかさ ◆PHa7cq9oUs [sage] 投稿日:2006/06/27(火) 00:07:15
少しウトウトしながらも、何とか2時間目の授業を乗り切って、無事に放課を迎えた。
ちょっと眠いから、読書に最適なコンディションとは言え無いわね。
窓際だから、何もせず日向ぼっこなんてのも良いのだけど……

>67
日向ぼっこどころか、大雨の騒音のせいでウトウトすることもままならない。
幸い、今日は体育の授業が無いから……ああそういえば、昨日の吹雪で傘の骨が折れちゃってたわ。
困ったわねぇ、どうしようかしら?
しかも雷まで鳴っちゃって……これで夜だったら、吸血鬼みたいなお化けと相まって、とても雰囲気が出るのでしょうね。
―――雲のせいであの綺麗な月が見れないのは残念だけど。
そういえば、吸血鬼は流れる水の上を渡ることができないとか言われてるわね。
あんまり大雨が続いたりすると、ノスフェラトゥさんとか工藤さんとかは夜の学校に出て来れなくなったりするのかしらね?
そういう間抜けな事態に陥ったら、それはそれで面白いんだけど。

71 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/27(火) 01:16:06
雷がアッシュの乗ってきた車に落ちた
車は爆発炎上
仕掛けたガソリンタンクも誘爆した

72 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sage] 投稿日:2006/06/27(火) 02:32:41
頬に冷たさを感じる。
さっきまで晴れていたのに、気づけば空は雲に埋め尽くされている。
感じた冷たさは、降り込んできた雨粒。無言で窓を閉める。外は瞬く間に大降りへと。
夕立が降る季節でもないのに、この雨。やはり気象庁はあてにしちゃいけないね。
石原良純とか、特にね。

教室内にガヤガヤと響く声から今が休み時間であることがわかる。
なんとなしにクラスメートの会話に耳を傾けてみる。
「四時間目の体育、どーなるん?」
「佐島がゴリに聞きに行ったけど…あ、戻ってきた」
「先生に聞いてきたよ、体育館だってさ」
体育館というとバスケかバレーか。どちらも苦手ではないけどね。
ただ雨が降っていなければサッカーだったわけで、それが心残りだ。サッカー得意だしね。
ザーザーと、不快な騒音を立てて雨は降り続けている。
空気が湿る。
雨上がりには虹が出るとかよくいうけどね…残念ながら僕はそんなromanticな人間じゃないし。
この雨のうざったさは虹が出たからってチャラになるようなもんじゃないだろう。

そんなことを思いながら、視線はまだ外を――雲を、じっと。
「あたし傘持ってきてないんだけど」
「あたしもー」
「朝の天気予報だと晴れだって言ってたのに」
「ねー」
そんな会話が耳に入る。いつもの僕だったら、それこそ
「傘を忘れたのかい?なら僕と一緒に帰らないか?僕、傘持ってるからさ!」
なんて言ってるんだろうね。傘を持っているのは本当だし。事前に用意しておいたんだ。
裏を返せば単に前に忘れてずっと置きっぱなしだっただけなんだけれど。

それにしてもおかしい。僕はこんなアンニュイさが漂ってるような人間じゃなかったはずだ。
何故だろう、今は…女の子に声をかけるのが妙に面倒くさい。全て放り出して眠ってしまいたいくらいだ。
昨日の夢の残り香か?一過性の倦怠感syndromeか?自分で自分がわからない。
今は、ただ。
じっと。
窓の外を。
見つめて――いるだけ。

『まずいな・・・出過ぎたか?少しずつ、俺の精神がこいつの精神を浸食し始めてる。
 だが日が沈んで漂う魔力が増加しないと俺の言葉はこいつに聞こえないしな・・・』

ザーザーと、否応無く耳に聞こえる雨音は、TVのノイズを思い出す。

73 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/06/27(火) 07:22:07
2限後の放課…物凄い雨と、雷。
何か出そうな物々しい雰囲気ね。
にわか雨だと良いのだけれど。

窓の外を見ながら、小声で
「お父さんお父さん、ほらそこに魔王の娘が」なんて
歌っていた、その気分を壊す一言に、ひとつ溜め息をついて。

「もし私が今あなたの彼女なら、たった今別れるわ。」

その刹那。

一瞬、私の目の前に
何かの映像がフラッシュバックして
酷い頭痛に襲われた、

――豪雨の中、落ちてゆくヴァイオリンと制服……

――紫穂!

がばっ、と頭を戻すと、そこはごくごく日常の教室。

さっきも何処かで聞いた紫穂って名前。
誰だろう……そうね、図書室に行った時に
ついでに資料室で生徒名簿を見ようかしら。

次の授業の準備、しないとね。

74 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/27(火) 12:28:25
落雷による爆発が起きたから授業中断緊急下校
家が遠い生徒は教師が搬送

75 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/27(火) 14:14:18
大雨暴風波浪洪水警報発令

76 名前:ノスフェラトゥ ◆glAHh7JUpE [sage] 投稿日:2006/06/27(火) 21:32:42
血の風呂にまどろんでいたノスフェラトゥは千里眼によって上湘南中への落雷を感知した。
駐車場の車が激しく燃えている。
ノスフェラトゥはひとり笑った。
「日中の上湘南ではどんな怪異も起きぬ。牙の主がそれを許さぬわい」
ノスフェラトゥは血の湯から上げるとバスルームの鏡をなにを思ったか拳で割った。
鏡はひび割れた。
ノスフェラトゥは風呂から出るとリビングのカーテンを開けた。
死にはしないが陽の光は苦手だ。投宿中昼間にカーテンを開けることはなかったが外は大雨。陽は射さない。
「この雷雲は妖雲じゃのう。ふふ。牙の主が排除するじゃろう」
独り言が終わらないうちにやや大きな揺れの地震が起きた。
上湘南に頻発する地震こそ『契約』の発動。時間の巻き戻し。すなわち時間震だった。
ノスフェラトゥはバスルームに戻った。
鏡はひびひとつなくノスフェラトゥの姿を映していた。
「ふむ。時間は確かに巻き戻ったのう」
鏡は割られる前の状態に戻っていた。
ふと気がつくと開けたカーテンの隙間から眩しい陽光が射している。
「雨もふらなかったことになったようじゃのう。時間にして一時間か30分は戻ったか」
昨晩出遭った子供らの様に上湘南中学の中で、妖力を持つ者は時間が巻き戻ったのを感じ取れるだろう。
そうではないただの人間は雨が降ったことすら覚えてはいまい。
「やんぬるかな。忌々しきは契約ぞ」
ノスフェラトゥは憤怒の形相で舌打ちした。

77 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/27(火) 21:42:04
だが、牙の主は職務怠慢をしていたので、災厄は次々と起きていた。
そのことに気付いたノスフェラトゥの部下は、独断で学校に攻めて行ったのだが。
日中ということを忘れていた為、外に出た瞬間に、日の光に当たって灰に帰ってしまった。

78 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/27(火) 22:00:30
時間が流れやがて元通り大雨が降り始めた
時間にして先ほどの時刻と同じ
天命は操らずただ天に任せるままの天気
即ち雨が降るのは天が決めた運命なり

79 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/06/27(火) 22:28:23
唸りを上げて叩き付ける様に降る雨。
轟く雷鳴。
空気を割く音と共に爆発音が鳴り響く。
落雷があり、車が爆発したらしい。

落雷による爆発に加え、気象庁から矢継ぎ早に警報が出され学校も混乱に陥っていたのだ。
教師たちはこの嵐の中、生徒を帰すのは危険だという意見と、一刻も早く帰宅させるという意見で分かれていた。
結果、教師が来るまで順次生徒を自宅まで送ることになり、校内にはその旨を伝える放送が流される。

未曾有の嵐の中、ベルは・・・・・・・・

##############################################

「・・・ベル・・・ベル・・・」
遠くからベルを呼ぶ声がする。
どこかで聞いたような、覚えのある声。
心地好い眠りを邪魔するような声にベルは不快そうに耳を伏せ、もう一度眠りの世界へと向かおうとする。
「ベル!」
さっきとはまた別の力強い声がベルを呼ぶ。
その声にも聞き覚えがあった。いや、ありすぎる声だ。
まどろんでいた意識は強制的に覚醒状態にされ、伏せていた顔を上げる。
声の主は教壇から問題を解けと言葉を続ける。

一瞬にして全てを思い出していた。
今は授業中で、日にちと出席番号の関係でベルが当てられたのだ。
熟睡してた為にどの問題かもわからぬまま、とりあえず立ち上がる。
「あ、あれ?夢?え、っと・・・x=4、y=3・・?」
混乱する頭に浮かび上がった答えをとりあえず口にしてみる。
「う・・・よろしい。」
あっさりと正解され、熟睡していた事を咎める糸口を失った教師は渋々とベルを座らせた。
ほっと胸をなでおろしながら座るベルに、隣の生徒が声をかけてくる。
「ベル、寝てたんじゃなかったの?よく判ったわね。」
「ん〜〜・・・女の勘?」
感心し驚く友人だが、ベル自身も驚いていた。
問題すらもわからないのに回答が出来てしまったことに。
胸をなでおろすその手が当たる叢雲剣のゴルゲットが微妙な温度を持っていることに気付きもせずに。

無事二時間目が終わり、三時間目が始まる頃。
にわかに教室が暗くなってきた事に気付いた。
窓の外を見ると、大粒の雨が降り始め、それはあっという間に雨音を唸らす豪雨となってきている。
「参ったなあ・・・傘持ってきていないのに・・・。」
ポツリと呟きながら睡魔との戦いが始まる。

##############################################
「おのれ…このままで済むと思うなよ…」
何者かが捨て台詞と共にその気配を消す。
「・・・空耳?」
どこからか聞こえてきた声のようなものに一瞬首を振り辺りを見回すが、いつもと変わらぬ教室の風景。
気のせいと思い、ベルはまたまどろみの中へと意識を沈めていった。
こうして時間が巻き戻った事すら気付かずに日常の時間をすごしていった。


80 名前:人語をしゃべる猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/06/27(火) 23:40:14
上湘南中学校には一匹の野良猫が住み着いていた。
誰がつけたか名前はギコ。
10年前の生徒会新聞には“学園の夜のボス・ノラネコのギコ”と取り上げられている。
礼司のクラスの窓ぎりぎりまで生い茂った桜の木を伝って、ギコは教室のベランダにひらりとやってきた。
ギコは礼司に教えてやった。
気を読めない一般生徒にはニャンニャンと鳴いたようにしか聞こえないだろう。
「レイジ。いま時間が戻ったにゃ。わかるか?
ボクの言葉もわかるかにゃ?
ホリエモンに話しかけても無駄にゃ。
工藤の記憶操作をもろにくらったラスティーリアは完全に記憶を封じられているにゃ。
いくら話しかけてもその堀江は只の堀江。だからさっきからレイジに無関心にゃ。
ラスティーリアは堀江の中に封印されたにゃ」
空は曇り雨が降ってきた。
「二度目の雨にゃ。上湘南にはまだまだ魔物がやってくるにゃ。」


  ∧∧
  (,,゚Д゚)   <つーか早く昼休みにしょーぜ
  (|   |)
  .|   |
  .(_/~)ノ

81 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 00:49:30
>71>74
凄い爆発ね。事故かしら?それともテロ?ともあれ、何かが謎の爆発を遂げたわ。
それからすぐに、帰るとか帰ると危険だとか、先生からそういう連絡があったわ。
……先生も大分混乱してるみたいね。

>76
あら、雨が止んだわ。それも、最初から降ってなかったみたいに。
―――どうせ牙の主辺りが時間を巻き戻しただけでしょう。
昼間には怪異が起こらない。きっとあの雨は、誰かさんが降らせたものだったんでしょうね。
時間が戻ったからか、さっきの爆発も無かったことになったみたい。
残念ね。ここで休校になれば、家でゆっくり本が読めると思ったのに。
―――この分だと、昼の人も夜の人も、甚だしい勘違いをしているわね。

>77
人間くらいの大きさの、真っ黒だったり真っ白だったりする灰の塊が、校庭のあちこちに転がっている。
きっと日光を浴びて灰になっちゃった吸血鬼ね。
後で川とかに流しておけば安心だけど、もしこのまま夜まで処理するのを忘れて、
昼と夜の区別もつかない間抜けな吸血鬼がまた夜に出てきたら……面白いかも。
そのまま放置しておきましょう。

>78
で、灰が凄い雨で流されて……ええ、もちろん笑いを噛み殺しながら目を背けたわ。
また酷い雨ね。今度こそ休校になるかしら?
でも風はあまり吹いてないから、この分だと休校にはならなさそうね。
そういえば、まだ礼司くんの力作を見に行ってなかったわね。
幸い、誰かさんが時間を巻き戻してくれたから、それなりに時間があるし、
今のうちに礼司くんが作ったポスターとか見に行きましょう。

>5
小走りで渡り廊下の掲示板を見に行くと、それはすぐに目に入った。これが礼司くんの書いたポスターね。
>ただし部員資格は本気でオカルト現象を信じている人に限定。ひやかしは帰れ!来るな!
「あら、冷やかしはダメなの?困ったわねぇ、冷かそうと思ってたのに」
勿論、オカルト現象(この言い方って、何だかアレね)の存在を信じてる……って言うか、実在を知ってるから。
まあわたしの場合、敢えて研究する必要もあまり無いからねぇ。
……ああでも、古代文明とかはちょっと面白そう。
まあどうせ、昨日のことについていろいろ話し合うだけでしょうけど。

さ、教室に戻りましょ。次の授業の先生は時間に五月蝿いもの。

82 名前:利理[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 04:01:10
知らなかった、アッシュって思った以上に切れ者だったのね。
まだ大まかな勢力説明しかしていないのに、私の立場と目的をほぼ正確に把握してしまった。
思わず微笑む。アッシュの飲み込みの早さもさることながら、たとえ話のハッピーエンドを想像したからだった。

アッシュは身振り手振りを交えて語りかけてくる。
気のせいかしら・・・アッシュさんの学校に火をつけるのくだり、すごく楽しそうに見えたんだけど。
「炎系の高位魔法は得意じゃないの。・・・本気で放火するならラスティーリアかアッシュさんにお任せかな」
冗談とも本気とも取れる口調で軽く流す。

「工藤先輩は、アッシュさん一人で逢いに行く方がいろいろ聞き出せそうね。
だから一緒には行かない。かわりに音魔女の方を訪ねてみるわ。
先輩魔女への礼を欠くと後が怖いし、なにより聞き出したい事もあるから。
もし音楽室でブッキングしても、他人のフリして構わないからね」

私はメガネを探した。床に落ちたせいか、レンズにヒビが入っていた。
私は今日何度目かのため息をつき、鞄の上に戻した。

「あと結界の話だけど・・・レイジ主催のオカルト研究会の初会合が、昼休み図書室の書庫で開かれるの。
そこに作っておくわ。昨夜の関係者・・・記憶操作を乗り越えた勇者様たちが集うだろうけれど・・・」
彼らを兵力として考えるのは気が進まない・・・とは言えなかった。
「兵力の件は1度考えてみるわ。
――――ああ、それから、もし結界を密談以外の目的に使う予定なら言ってね。地下以外ならお望みの場所に」

>ボクは夜までは学校に居るよ、準備が済んだら連絡ちょうだい。
>それとさ、レイジやラスティーリアにはボクのこと隠しておいてくれる? ビックリさせたいから」
・・・・ふうん、そうなんだ。今回アッシュは『レイジを守る剣』にはならないのね。
そうね、レイジはもう素人じゃないものね。

「わかった、黙っておくわ・・・でも後でフォローよろしくね。
ただでさえ華山理利をよく思ってないのに、この上恨まれたら色々とやりにくいわ。
あ!忘れるところだったわ!アッシュさん、これ連絡用よ」
私はロザリオから魔法石をひとつ外し、半分に割って片方をアッシュに投げた。
キャッチする頃には、魔法石は指輪かピアスか――とにかく彼の使いやすい姿に変わっているはずだ。
「『命がけのボランティア』に参加する物好きが現れたら、それで連絡するね。
昼の会合に顔を出さないつもりなら、その石を通して声を届けるわ。
アッシュさんを絶対退屈させない事だけは保証するけど・・・
さっきも言ったように、牙の使徒は工藤先輩だけじゃないわ。
手心を加えていると返り討ちに遭うかもしれない。気をつけて。・・・・・また後でね」

アッシュは部屋を出て行った。
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・行った?
「よ・・・よかったぁ・・・・・・・・・・・本当に・・・寿命が縮んだわ・・・・・・!」
私はぐったりと机に突っ伏した。
まあアッシュの気まぐれが最後まで続けば、これほど心強い味方はいないのだけれど。
ホント。「ロゼライン」には拍手を贈りたい気分。
役者のロザラインはどうしようもない泣き虫だったけど・・・本物の心臓はきっと鋼鉄製なのね。

・・・ああ、こうしてはいられないわ。音魔女に逢いに行くなら、それなりの準備をしないとね。

83 名前:りり ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 04:02:16
窓の外は土砂降りの雷雨になっていた。

 "Ich liebe dich, mich reizt deine schöne Gestalt, Und bist du nicht willig, so brauch ich Gewalt."
 "Mein Vater, mein Vater, jetzt faßt er mich an! Erlkönig hat mir ein Leids getan!"

作業を続けながら、知らず口ずさんでいた。
歌に出てくる子供の父親は幸運だ。魔王に子供を奪われても、亡骸は腕に残ったのだから。
生きているかもしれないと僅かな希望にすがるから、いつまでたっても諦めがつかない。

ちょうど準備が出来た頃、それは起こった。
時間震だ。
「ちょ・・・冗談じゃないわよー!」
慌てて結界を張った。だって作業をもう1度最初からやり直しなんて・・・あんまりだし、面倒でしょ?
影響で、アッシュが再び教室に戻ってくるのかと身構えたけど・・・そんな事は無かった。
多分彼の方でも無効化したに違いない。
結界の外にあったメガネは元通りになっていたが、連絡用の魔法石はそのままの姿だったから。
再びダンボールから飛び出してきた木っ端を無視しながら時間を確認する。
空は再び晴れていた。
・・・ふうん、ちょうど二時間目中まで巻き戻されたみたいね。
今日はただでさえ仕事が多い。ここは敵に塩を贈られたと思う事にしよう。

シーラ先生の授業が入っていない時間帯に訪ねるのが、最低限の礼儀というものだろう。
私は空き教室を出て、時間を潰すために図書室へと向かった。
・・・この時間になって、まだ鞄を持って歩いている生徒は私くらいね。

結界を張り終えて書庫から出る。窓の外では再び雨が降り始めていた。
私はふと違和感に気付いた。
図書室には誰もいないとばかり思っていたけれど・・・なんだか人の気配がするような・・・?

84 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 18:34:47
気配が…?

85 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 18:39:55
黒子だよ

86 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 19:45:40
ジョジョはもう図書室にはいなかった。

87 名前:ジョジョ ◆4yOJjcI5oc [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 20:53:26
私の名はジョジョ。
前はこの星ではウルトラマンと名前を与えられていたが、その名を失った今は、この名を名乗っている。
だが、宇流虎満という偽名はどうしようか……
今度、もう一回違う偽名を考えるとしよう。
そんな私は、今は図書室の外のベランダで物思いに耽っている。
大雨を見ながら、これからの人生をどうするか……
折角、ウルトラマンとしてエリートコースを歩んでいたのに。
こうなったら、フ○ーザ軍に入隊でもして、光の国に攻めいってやるか。

図書室に他に誰か入ってきたようだが、まぁ、放っておいてもいいだろ。

88 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 20:57:02
昨夜助けてくれた人物がいたような気がしたけれど、見間違えだったのかもしれない。
「あら?・・・・こんなところに布なんて落ちてたかしら?
私は、床に落ちていた黒い布を拾い上げた。ハンカチにしては分厚いわね、こんなの何に使うのかしら?
少し考えた後、私は『落し物入れ』に入れる事にした。

図書室を出た後、私は1度自分の教室に戻った。
クリスは少し顔色が悪いようだ。
心配ではあるけれど、今朝の私の不手際を思えば、今声を掛けるのは躊躇われた。

レイジにはメモを入れた手紙を残しておく事にする。
茶封筒の中身はメモと、クリスの爪を封印した魔法石だ。
中身が気になるおしゃべり雀達には、「先生から預かってきた書類なのよ」と教えて黙らせた。
封筒の中のメモには、今から音楽室に行く事と、昼の会合は私抜きで先に始めて欲しい旨が書いてある。
同封した魔法石については触れなかった。どう扱うかはレイジ次第だ。

話し掛けてくるクラスメート達は適当にあしらい、「登校したけれど、少し調子が悪いので保健室に行く」と話す。
授業が始まれば、我先に先生へ報告してくれるだろう。
保健室への付き添いは丁寧に、だが頑として辞退する。
私は教室を後にした。


授業が入っていない音楽室はがらんとしていて、やけに静かだった。
「シーラ先生。いらっしゃいませんか?」
とりあえず声を掛けるが、返事は無い。
気配は感じるから、どこかからこちらの様子を見ているのだろう。
授業開始を知らせるチャイムが鳴った。
私は音楽室に鍵を掛けた後、上座に置いてあるグランドピアノに歩み寄った。

蓋を開けて鍵盤に指を滑らせる。
さすがは音魔女。調律は完璧だ。
幾つかのキーを試した後、私は大きく息を吸った。

‘’ あたり吹くそよ風よ 翼に乗せて愛するあの人に 私のため息を届けておくれ‘’
伝えておくれ 愛するあの人のために私は死ぬと だから私に会うことはもうないだろうと‘’

私のソプラノではいささか迫力に欠けるけれど・・・。
音魔女に私を知ってもらうには、『これ』が一番手っ取り早い気がした。
優しい旋律はやがて一変する。

‘’あたりには数々の亡霊がいて うめき声が響いている
 なんて残忍なのだ 経験したことの無い冷たさだ‘’
‘’ひどい運命と哀れなありさまに 悲しむ私の声は誰にも聞こえない
 そんな苦しさの中で私には誰も見えない
  私は誰の助けも求めない 誰の哀れみも慈悲も‘’

シーラ先生ならきっと選曲の意味もわかる筈だ。
演奏会用に作られたこの『あたり吹くそよ風よ』は、
息子を失ったアマデウスの、孤独な悲しみが込められたアリアだった。

・・・これで天の岩戸が開かなければ、学生らしく『フェニックス』でもご披露しようかな。
まあ今ここで何曲歌っても、ノーギャラな訳だけど。

89 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 20:57:51
ジョジョの元に矢が飛んできた

90 名前:ジョジョ ◆4yOJjcI5oc [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 21:39:05
>89
「パウッ!!」
ジョジョの腹部に、何処からか飛んできた矢が刺さった。
だが、不思議と血は出ない。
しかし、体が不思議と熱くなる。
段々と自身の超能力が一定の形に凝り固まっていく。
そんな感じがジョジョの脳裏に現る。

「やれやれだぜ……まさか、新たな力を修得しちまうとは」
ジョジョは新たな能力に覚醒した。
その能力は、まだ誰にも分からない。
そう、新たに修得したジョジョでさえも。

91 名前:ラスティーリア ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 22:04:31
横浜ロイヤルパークホテル68階VIPルームのリビングにラスティーリアはいた。
テーブルにワイングラスをひとつ置いた。
「御主人様」
ラスティーリアは振り返った。ラスティーリアの主人がバスルームから出てきた。
「ご苦労」
ノスフェラトゥは下僕ラステーリアに労いの声をかけた。
ラスティーリアは手にしたボトルから赤い液体をワイングラスに注いだ。
血だ。
「今宵は大きな戦いになりましょう。楽しみでございます」

92 名前:堀江隆夫 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 22:05:31
同時刻
「ち。雨か。傘もってきてないんだよな」
堀江は窓の外を見ながらつぶやいた。すると教室のベランダにこの学校のぬし黒ネコのギコがいるのを見つけた。
見ればギコは礼司にしきりに鳴いている。
「おいおい。ギコのエサでもとったんじゃねーだろうな」
堀江はかるく礼司をからかった。

>華山理利
>「登校したけれど、少し調子が悪いので保健室に行く」
「芸能人ってのは勝手だよなー。テレビの画面だと超かわいいのに実際は・・・おっと」
堀江のつぶやきが理利の耳に聞こえたかもしれない。堀江はあわてて口をつぐんだ。

93 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 22:26:25
ドドは職員室に来ていた。鼻歌を歌いながら機嫌良くテスト作りをするドド。
耳にはイヤホンを一つ付けている、接続先は例のレコード型の盗聴器。
テストの中身は勿論超難題だらけだ。名付けて赤点製造紙。0点、10点ざらに出てきそうな問題だ。
その中身をチラチラ見る他の教師達もこれはやりすぎだろ〜という雰囲気を醸し出している。
しかしそんな事この不気味な音楽教師に言える訳なく、ドドの静かな地獄作りは真っ直ぐに己の道を進んでいた。

そんな地獄作りの中、盗聴器からリリが音楽室へ入っていく音が拾われた。
ピタッとタイプしていた手を止めるドド。そしてその後からドドの鼻歌は止まった。
耳元から流れる綺麗な声、そしてあのドドが大嫌いな曲。

―アマデウスの『あたり吹くそよ風よ』。
1783年冬 モーツァルト27才、長男の死という悲しみに直面していたしていた頃に作曲された曲だ。

ドドは暫くそれを聞いた後、横に置いてあったテストの束を持ち職員室を出た。
ピシャッとドアを閉めるドド。
窓を見ていればいつの間にかドドが大好きな大雨模様だった。

>88

「そんな曲私のピアノで弾くんじゃないよ」

ドドはいつの間にか開いているドアに寄りかかっていた。不機嫌そうな顔をしている。
「そいつは私が大嫌いな曲の一つさ。」
そう言うとドドはグランドピアノの横にある机に歩き寄った。
超難題だらけのテストを投げ置くと椅子に座った。
一瞬じっと一点を見つめるドド、そして次の瞬間リリの方を向いた。
「んで…なんだい?用事は…?
…可愛い生徒がわざわざ会いに来てくれるなんてねぇ…ヒッヒッ」
そう言うといつも通りのなんでもお見通し的な笑顔を向ける。

94 名前:黒猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/06/28(水) 22:37:32
>自分
>工藤の記憶操作をもろにくらったラスティーリアは完全に記憶を封じられているにゃ。
「・・・と、さっきは言ったけど自信がなくなってきたにゃ。ま〜所詮はノラネコの言うことにゃ。
にゃーはっはっはっはっは・・・は・・・・・・・・・・・・・・・」
   Λ Λ
   ( ゚Д゚)<ナゾなかんじになって北
    |し |
   〜  |
    し`.J

95 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 07:47:42
デジャ・ビュ。日本語では既視体験という。既視観、と言った方が有名だろうか。
特に説明する必要もないだろうが、ま、端的に言えば経験したことがないことをまるであるように感じることだ。
対義語にジャメ・ビュってのがあるんだけど、それはあまり有名じゃないね。
ともかく。人間である以上忘れちゃうものだから、デジャ・ビュがあっても仕方ない。
結局この心理学用語がこんなにポピュラーになったのも、身の回りに起きうることだからなんだろう。
つまり、そういうこと。
同じことを繰り返しているような気がしても。
それは「気がする」だけ。
例えばこれはこの脱力感が齎した現実逃避みたいなものかもしれない。
或いはうっかりうつらうつらしていて、そこで夢でも見たのかもしれない。
それなら僕は予知夢ストってことになるんだね。ならちょっと鼻高ー々だね。

こんなふうに。
人間ってのは結局自分が理解できる範疇で全てを収めようとするから。
多少の整合性がとれていなくても、理に合えば、satisfaction。

二回目の「ような気がする」二限終了の鐘を聞いて、僕は立ち上がる。
窓の外には「見た気がする」雲が広がって、やがて雨を降らせる。
鼻歌合わせて、教室から出る。
教室には「聞いた気もする」会話が流れて。それも意に介さずに、僕は出る。
廊下に出た僕は、既視体験とは違う僕だ。デジャ・ビュは、もう起き得ない。

どこへともなく、歩く。
休み時間が終わったことを告げるチャイムは鳴ったけど。次の授業には、出るつもりはない。
どうせあの耄碌痴呆は生徒の顔すらまともに覚えちゃいないんだ。
生徒が一人二人サボってても気づかず、また教科書32ページから始めるんだろう。
あいつがかけ持ってるクラスだけ異常に進みが遅いんだってさ。そりゃそうだろうね。

授業中のクラスの前はできるだけ通らないように学校内をうろついて…とある教室の前で、足が止まる。
そこは、音楽室。声が聞こえた。
今は授業時間中、別に声が聞こえたっておかしくない。だが、授業にしては…静かすぎる。人の気配も少ない。
そっと扉の隙間から中を窺うと…人影が2つ。少しだけ目を凝らす。
大きい方は、ドド先生だ。ま、音楽の先生が音楽室にいたっておかしくない。
もう一人は、グランドピアノの前。あの髪型は…おそらくは、理利ちゃんだろう。
これなら、納得。理利ちゃんは芸能人だし、ボイストレーニングのためにドド先生に講師をしてもらってるんだろうな。
そう、結論は出た。もうこの音楽室に用はない。さっさと去る――のがいつもの僕。
いや、いつもの僕なら空気読まずに中に突入して結婚を申し込んでるんだろう。
繰り返す。いつもの僕なら。

僕はドアに背を預け、耳に神経を集中している。何を話しているかを聞き取るためにだ。
何故か?どうも雰囲気がおかしかったから?雰囲気がおかしかったからなんなんだ?
 何 故 僕 は 聞 き 耳 を 立 て て い る ん だ ?
体は拒否している。こういう行動をとることで、少しずつ「向こう側」へと行ってしまいそうな予感・悪寒。
だが、ここで僕を支配するのは知的好奇心。…僕はこんなに、「知りたい」を願う人間じゃなかったはずなのに。

心の奥にいる、別の人格が、僕の人格を、上書きして、保存。
そんな、感覚。ここにいるのは、僕なのか?

96 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 12:06:35
遠くから聴こえるピアノ……
曲はアマデウス「あたり吹くそよ風よ」。
その曲を聴くと何故か膝がガクガクと震える。


頭の中に、学校の屋上が浮かぶ。
暗く曇った空には激しい雨が降り、雷が響く。
下の階からはアマデウスが響く。

私は必死に何かから逃げて、雨の降る屋上へ来た。
もう一人、ヴァイオリンを抱えた子も屋上に来た。

そこにもう一つの、フルートを持った人影。
着ているセーラー服は昔、まだ上湘南中が
第一と第二に分かれる前の制服。

フルートを口元から離すと、その口元はニヤリと笑い
普通の人間より大きな犬歯――というより「牙」が見えた。

牙はヴァイオリンの少女の首元へ。
濡れたコンクリートに落ちるヴァイオリン。
そこにしわがれた声。

おや、何年ぶりだい……久し振り
この学校に戻って来て、まずは食事かい
お前も堕ちたものだね


はっ……と我に返った。
今のは何かしら。足の震えはこのせい?

ヴァイオリンの子は……紫穂なの?
あの、人で無いモノは何?
しわがれた声は、誰?

……オカルト研究会、か。
この事、話してみようかしら。
何か知ってる人が居るかも知れないもの。

97 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 13:58:00
どこからか合唱かと思いきやドリフのズンドコ節が聞こえてきた

98 名前:生徒[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 15:38:51
ねこ可愛い( *´д`*)

99 名前:時を司る兎[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 16:08:25
キーンコーンカーンコーン
昼休みになった

100 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 16:29:47
>>99
早すぎるから却下
空気読め、という以前に勝手に仕切るな

101 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 16:51:30
勝手になんて言われても誰かに了解とる必要でもあったか?

102 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 17:09:15
リリ、ドド、アッシュ、工藤とメインコテが絡んでいるのに邪魔するなと
終わるまで黙って待ってろ

103 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 17:18:15
>99-102
「お前らいい加減にしろ、授業に集中!
ここはテストに出すからな、ちゃんと憶えとけよ!」

寺西先生は別のクラスでも怒鳴っていた。

104 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 20:02:48
>>100
自治厨は早く食堂へ帰れよw

105 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/06/29(木) 20:05:51
隕石がふってきた

106 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 20:10:54
ノスフェラトゥも降ってきた

107 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 20:24:29
(人∀・)も降ってきた

108 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 21:13:55
上湘南のアイドルネコのギコが僕に確かに話しかけてきた!
そのときの僕の驚きといったら!
ギコ!きみは言葉をしゃべれたのか!それともこれもポモナの力なのか!?

>ギコ
>「ラスティーリアは堀江の中に封印されたにゃ」
衝撃の言葉の後、偶然にも劇的に稲妻が天空を走った。すさまじい落雷音。
そして……学校が揺れた。ハリウッドのアクション映画のような爆発音。
とっても近くに落ちたらしい。だれかが「車が燃えている!」と叫んでいる。
さらにもう一度、学校が揺れた。地震!
めまいがしたかと思うとまぶしい光が頬を照らしていた。なに?
太陽が出ている。
さっきまで激しく振っていた雨は!?

>ギコ
>「ナゾなかんじになって北」
「ま、まぁそれはそうなんだけど……」
あー。なんだか感覚がおかしくなる。上湘南は異常事態ばかりでこれがもはや日常みたいだ。
教室の時計の針が一時間ほど元に戻っている……
異変異変異変異変異変異変……異変ばかりだ。隕石でも落ちて来たって驚かない。
僕は昨日の工藤先輩の言葉を思い出した。

偉大な牙の主の干渉力。

なにをしたってこの学校を影で支配する“牙の主”の手のひらの中なんだ。
無理矢理、昼の戦いを禁じられた妖霊の思念がうっすらと漂っている。
感じる。
ノスフェラトゥの降臨を乞う声や、星を落とそうと画策する邪念とか(ほんとにそんなことできるかは知らない)が
聞こえる。学校中がオーラの耳をすませば霊的にざわざわしている。
僕は決めた。
力を貯めよう。オーラを。

あの魔都バルンディノの戦い後、僕はダークエルフの王国で修行するはずだったけれど、長老たちは認めてくれなかった。
修行は王国ではできなかったけれども、僕は僕の師にオーラの操り方をすこしだけど学んでいるんだ。
バルンディノからダークエルフ王国までの旅。2ヶ月半はかかったっけ。
その道中に僕はロゼライン姉さんから、マン・ツー・マンでオーラの術を学んでいるんだ。
僕はゆっくりと時間をかけてロゼ姉さんから学んだことを復習するのに使った。
来るべき大きな戦いにそなえて。

……理利さんが僕の机に残したメモに気がついたのは、ずいぶん時間がたったあとだった。

109 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 21:20:10
このスレ臭いからファブリーズで消臭

110 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 21:22:43
自治厨VS盲目信者が始まった

111 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 21:24:15
このスレどうなったら終わるの?

112 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 21:41:34
キースがあらわれた

113 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 22:35:48
何もない真っ暗な空間。
縦も横も区別がつかないような漆黒に染められた空間に、一つの部屋が浮いていた。
その部屋は怪しげなオカルトの調度品で統一されている。
骸骨で作られた燭台に灯る蝋燭が部屋を怪しげに明かりを提供している。
程よい大きさのテーブルには紅茶が湯気を立て、薔薇の香りを醸し出していた。

置かれた椅子は四つ。
一つ目の椅子には目を輝かしたベルが深々と腰を下ろしている。
二つ目の椅子には妖花アルラウネの鉢が置かれている。
その花の中心から乳白色の女性を形どったモノが上半身をあらわにカップに手を伸ばしていた。
三つ目の椅子には叢雲剣が突き刺さっている。
飾り鍔の中心、デスマスクの彫刻されている部分から白銀の男性の上半身が生えており、テーブルに肘を着いて
いた。
四つ目の椅子は空席となっていた。

「・・・それで、昨夜は吸血鬼の戦いに首を突っ込んで紆余曲折を経て私たち三人の魂が融合しちゃったのね?」
「どうせ目が覚めたら何も覚えていないんだから確認するだけ無駄だろう。」
「そんなことはないわ。たとえこの場この時だけだとしてもちゃんと認識してもらわないと。」
ベルの問いに叢雲剣と妖花アルラウネがそれぞれ応える。
深層意識の中、『夢』と言う場で三人の魂の会合が開かれているのだ。
この部屋はベルの深層意識が作り出した部屋なのだ。

叢雲剣はノスフェラトゥに協力をした過去がある。
妖花アルラウネは牙の主に協力をした過去がある。
両者共に陣営は違えど、遥か過去ではあるが上一中で行われている戦いに関与しているのだ。
双方共に忠誠や使命感などはなく、ビジネスライク的な協力、であったのではあるが・・・。

そんな両者が上一中で、様々な魂の波動を感じ取っていた。
そしてその中に接触可能な魂の波動を持つ者を見つけたのだ。
牙の主の魂の波動を帯し者。そして『夢』と言う世界に接触できるもの。即ち現在睡眠中の者だ。
「昔馴染みに会いたい気持ち判るでしょう?それに現状どうなっているか知っておいた方がいいし。」
「でも、クリスを殺した奴なんでしょ?私まで殺されちゃ嫌よ。」
突然の事に好奇心が爆発しそうになりながらも死の恐怖が勝っていた。
だが、それもすぐく突き崩される事になる。
妖花アルラウネの『殺される夢をみたからって死ぬ人はいないでしょう?ここは夢の世界、危害も何も与えられないわ
よ。』と言う一言で。

融合をしたベル・叢雲剣・妖花アルラウネの魂の主導比率からベルの決定がなければ何もできないのだ。
たとえ意識を失っている状況であったとしても。
それが叢雲剣と妖花アルラウネがこの茶会を開いた理由であった。
ベルの決定を受け、三人の『夢』は向居の『夢』に重なり合っていく。
「お久しぶりね、牙の主の使徒。私は妖花アルラウネ。こっちでお茶でもしない?」
その言葉と共に部屋に鋼鉄の扉が現れる。
それと同時に空席だった椅子に向居が姿をあらわした。
「突然で驚かせたかしら?」
妖花アルラウネはクスクス笑いながら向居に紅茶を差し出し、説明をする。
三人の関係、事情、そしてその後現在の上一中の状況がどうなっているか向居に尋ねた。

三時間目。大きな雨音をものともせずに熟睡するベルの深層意識下で四人のお茶会が始まった。

114 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 22:46:43
リリにもらった連絡用の指輪をいじくりながら、三年生の教室へ向かう。
けど三時間目は既に始まってしまっていて、ボクは工藤への接触まで少し時間をつぶさなければいけない。
気づかないうちに空には黒くぶ厚い雲がたちこめ、外がずいぶんと暗い。
学校の前の通りじゃ街灯が光ってるし、校舎の中までも湿った匂いで一杯だ。雷まで鳴りはじめて、一雨きそう。
近くの教室じゃ三年生が、遠くの稲光に歓声をあげてる。
ボクもカミナリ好きだけど、姉さん抜きで感電するのは怖いなあ。

歩きながら、これからの予定を考えてみた。
工藤と会って話しをする、彼女は何らかの形で第三勢力を懐柔しようと企んでいるはずだ。
それに昼間である以上、こちらが光りものをチラつかせなければ騒いで厄介ごとを起こしたりはしない。
ほんの一端で構わない、ボクやリリに必要な、敵に関する情報をつかむ。
むこうだって、リリたちに渡すつもりで用意した手みやげがあるだろうし、それを頂戴できればいい。
最低限、連中の根城さえ知れれば他はどうでもいいくらいだが……果たして。

にわかに降りだした雨は渡り廊下の窓ガラスを強く叩き、突風に校庭の木が折れそうなくらいにしなるのが見えた。
なんか天気がヤバイ。学校が本拠である可能性の高いらしい、「牙の主」の干渉だろうか。
ただのどしゃ降りって感じじゃない、雨はやがて、ほとんど嵐の様相を呈す。
ボクは朝と同じにトイレに篭ると、授業が終わるのを待った。
もうヌかない、吸血鬼ってハナ利きそうだし。ただ大便器に座って、じっとするだけ。
ボクだって、毎日がチャンバラか食肉解体しなきゃ生きられないほど理性が飛んじゃいないんだ。

で……少しして、廊下のスピーカーからの校内放送が耳にはいった。
学校の敷地内で、落雷による爆発事故発生。生徒は教室待機ののち、下校準備、だそうだ。
クソッタレ、予定が繰り上がった。
しばらくは教師だなんだが慌しく校内を移動しているだろうから、も少し待って出なきゃならない。
工藤との交渉はお預けになりそうだ。

貯水槽に寄りかかって天井を見あげた拍子、中空にバチッと微かな電撃が走る。
立ち上がると、きなくさい匂いが辺りに漂ってきて、微震が大便器のフタをカタカタと鳴らしていた。
あーあ、コイツは面倒な目をみたな。バルンディノの時と同じ兆候……時空震の前兆だ。
突然強まる揺れに、狭い個室の中で思わずつんのめる。震度5〜6はある、しかし外からは悲鳴の一つも聞こえない。
力をもたない常人にとって、時空震など、その一瞬の揺らぎすらおよそ意識に留めることはできない。
時空震の「飛ばされ癖」ってのは本当らしい、学園の魔力に相乗して再発したのか。

仕方ない、ボクはライターをポケットから引っぱり出し、その火を灯す。
それからリュックサックを漁ってライターオイルを見つけると、缶を片手で握りつぶし、油まみれになった手にライターで火を点けた。
熱くもないし火傷もしない、サラマンダーを召喚する簡易の儀式。
燃える手を振りかざせばたちまち黒い刃が空を裂き、魔剣が掌に納まる。
あくまで勘だがコイツの規模は前回ほどじゃない、ちょいと気張れば耐えられるかも知れない。
長剣をトイレの床に突きたて、握りをぐっと掴んでひざまずき、抱いた。

目を閉じ、意識を集中する。
気がふっと遠くなる。五感は轟音と風圧で一色に塗りつぶされて、その間ボクはただただ空想に勤しんだ。
アンジェリーナ/姉さんの顔、血の溜まった水槽に浮かぶ手、足、ハイヒールを履いたままの足、
庭から無尽蔵に湧きつづける蛆どもに閉口して夜逃げした、フレンチ・クォーター近くのアパートメントのキッチンとか。
死体をミシシッピに投げ捨てようと運んだとき、ビニールシートから流れだした脂のせいで、
後部座席から匂いがとれなくなって仕方なく処分したワゴンとか、売りにかけたときのクソッタレの査定だとか。
「スカンクをはねたんだ」なんて言い訳、ホントに使ったことあるのボクくらいじゃない?

レイジ、レイジの白い手首にくっきりと赤く残った手枷の痕とか、血の気のない紫の唇とか。
エルウィンの小刻みに震える肩とか、ヨースケのごつい二挺さげの拳銃とか、ロゼのネオンサインみたいな真紅の短剣とか。
バルンディノ、皆が去ってから一週間で十人殺した。妖魔の貴族、レジスタンスの指導者、盗賊、騎士団、傭兵etc......
街のパワーバランスを少しずつ切り崩しながら、ボクがつけ入る場所を拓いて……

115 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 22:47:30
巻き戻された。

地震が収まった時、トイレに居たボクは意識もはっきりしていて、サラマンダーも手元に。
けれど潰したはずのオイル缶がどこにも転がっておらず、代わりに凹みすらない未使用の缶をリュックサックの中に見つけた。
トイレを出て廊下の時計を見たら、ボクの時計より約一時間ほど遅れていた。
嵐も止んで、窓からは淡い日の光が差しこむ。
三年生の教室では生徒たちが、何事もなかったかのように平然と授業を受けている。
ボクの制服の袖は、少しだけ油で汚れていた。身につけていたモノは変わりない。
時間操作? 「牙の主」の力であれば、全く侮れない。思わずため息が漏れる。考えるのが面倒になってきた。
サラマンダーを戻し、とにかく一時間待ちなおし。雨は再び降りだすが、勢いは弱く風も雷もない。

爆発も緊急放送もないまま、一切の騒ぎがなかったことになり、そして休み時間。
手近な女生徒から「工藤」の教室を聞きだして(普通にしてれば、人並み以上に人当たりがいいんだボク)、案内してもらう。

窓から離れた廊下側の席に、彼女が居た。一見すれば普通の中学生だけど、綺麗な黒髪が気に入った。
楽しげに談笑する彼女へ、取りまきの数人に割りこんで話しかける。
「あ、あの、工藤さん……ですか?
ボク、えと、A組の青砥の弟なんですけど、お姉ちゃんに言伝たのまれて、その、あの……」
臆病なくらいが丁度いい、って言うでしょ。
「青砥」の名前は、昨晩ボクが捌いた少女の手帳から頂戴した。我ながら貧弱なレパートリーだけど、当たり障りのない身分詐称。
「す、少しお時間いただけますか? ええと」
取りまき連中がボクらへ軽く冷やかしを入れるのを横目に、
「出来ればその、外でお話ししたいんですけど……」
彼女に、廊下へ出るよう促した。

116 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/29(木) 22:55:05
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
                         あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ       ああ
                             あ
                             あ
                          あああ
                         あ
                   あ    あ
                    ああああ
                       あ
                      あ
                     あ
                    あ
ああああああああああああああああ
                     あ
                     あ



があらわれた

117 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 23:25:24
>103
乱暴にドアを開けて入ってきたのは、現文の寺西先生だった。
今のウチのクラスは数学の時間なのに。それも学年が違うし。
まあテストに出るところをやってるのは本当なんだけど。
―――確かあの人って、牙の使徒だったわね。いえ、ノスフェラトゥさんの方だったかしら?まあどっちでも関係ないか。

>98
>「ねこ可愛い( *´д`*)」
わたしの前の席に座ってた子が言った。
「確かにそうねぇ。帰ったらお母さんにちょっと頼んでみようかしら?」
わたしの席は窓際だったので、外を眺めることだってできる。
見れば、どこから入り込んだのか、ベランダに真っ黒な猫さんが居たわ。
皆は黒猫は不吉だって言うんだけど……黒くても可愛いのにねえ!

授業がちょっと退屈になってきたところだから、
先生の隙を見てノスフェラトゥさんにでも手紙を書いておきましょう。
―――霊宝があるとかいうようなエサをばら撒いたときと同じ筆跡を残しておけば良いでしょう。
『NRXWHLQLUHLKRXDUL』
と、暗号文を書く。まああのときと同じ暗号ですけど。
『KOUTEI NI REIHOU ARI』、つまり『校庭に霊宝あり」。
こっちも、今朝書いた手紙と同じく、失敗したって痛くも痒くもない。
そういう訳で、さっきからベランダに居る黒猫さんに小声で話しかけた。
「猫さん猫さん」
「なー?」
「ノスフェラトゥって人に、この手紙を届けて欲しいの」
「にゃ?」
「あ、そういえば、貴方はノスフェラトゥさんの顔を見たことなかったわね」
ノスフェラトゥさんの写真なんて撮ってないから、さっと似顔絵を描いて見せてあげる。
ttp://www.japro.com/mizuki/migi/visdic/image/nezumiot.jpg
我ながら会心の出来ね。何か違うけど気にしない!
「こんな人よ。わかるかしら?」
「にゃにゃーっ!」
黒猫さんは手紙を咥えると、どろっと影に沈んで姿を消して、音も立てずに去っていったわ。
あの猫さん、良いわねぇ。また会えるかしら?
と、授業に集中しないとね。今のは息抜きよ。

118 名前:工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/06/29(木) 23:57:52
>アッシュ
>「す、少しお時間いただけますか? ええと」
>「出来ればその、外でお話ししたいんですけど……」
工藤美津子はアッシュの顔をしげしげと見つめ、くすくすと笑った。
「いまここで言っても大丈夫よ。
だってこのクラス全員がすでに使徒だからね。
で、青砥の弟と偽る君は誰なのかしら。
干渉にも耐える精神力を持っている君の本当の名前は?
霊宝に呼ばれたデュエリストの一人なんでしょ?」

119 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/30(金) 00:07:51
遊戯「俺もデュエリストだ!」
海馬「ふっ、この俺もだ」
城之内「てめえら、俺を忘れんじゃねえ!」

ババーン!
誰かが現れた

「我の名は迷!」
「我の名は宮!」
「我の名はベジータ!」
「「「さあ、勝負しろ!!」」」

雷魔神サンガと風魔神ヒューガが召喚され、ビックバンアタックが放たれた。
「「「ターンエンド」」」

「俺のターン!」
ブラックマジシャンが登場!
「俺のターン!」
レットアイズが登場
「俺のターン!」
闇道化師のサギーが登場

「「「ターンエンド!!」」」



120 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 00:22:32
シーラ先生は不機嫌極まりない顔で現れた。
私のピアノ?学校のピアノでしょ、と内心で突っ込む。
>「そいつは私が大嫌いな曲の一つさ。」
「私も嫌いよ。身につまされるから。先生と気が合ってよかったわ」
弾くなと言われたけれど、止めろとは言われないので歌はやめて演奏は続ける。
先生は書類を机に投げ出し、近くの椅子に腰掛けた。

>「んで…なんだい?用事は…?
…可愛い生徒がわざわざ会いに来てくれるなんてねぇ…ヒッヒッ」
「嘘つきね。可愛いなんてこれっぽっちも思ってないくせに。・・・なんてね。
今日ここに来たのは、素敵な贈り物のお礼と、先輩魔女にご挨拶をしたかったからよ。
お久しぶり・・・って言ってもわからないでしょうね。
以前お逢いした時の私は、痩せっぽっちなただの子供だったから。
それにしても・・・あの音魔女が生きてたなんてね。ふかわ当主が聞いたらさぞお喜びになるでしょうよ」

アリアを弾き終えて、今度は『魔王』。今の空模様にぴったりだ。

シーラ先生は一瞬別の場所に視線を向けた。
私も釣られて鍵盤から視線を上げた。
あらら、この気配は・・・サネ君?・・・なのかな。
プロポーズしてこないし、雰囲気がちょっと違う気もするけど・・・?気のせいかな。
授業はどうしたの?―――なんて、私に言えた事じゃないわね。
でもね、知ってる?好奇心って身を滅ぼすのよ。

私はシューベルト茶目っ気で、魔王の中に『海軍唱歌』のフレーズを混ぜた。
じろりとこちらを見たシーラ先生には軽く肩を竦めてみせる。
二つの曲は合わないとまではいわないけど、繋げると本当に力が抜けるわね。

「――――あなたの『楽器』を見たわ。シーラ先生。
弟子入りしたい位よ。たいした秘術ね。
でも・・・どうしてあの子の左腕を復元しなかったの?クリスの爪、あなたも持っていた筈なのに。
ああ、別に責めているわけじゃないのよ。理由を聞きたいだけ」

返答次第によっては既に牙の主かノスフェラトゥに組してるかがわかる。
ただ、別にこの事についてしつこく食い下がるつもりは無い。
今音魔女の機嫌を損ねるのは得策じゃないし、出来れば穏便に済ませたい。

海軍唱歌から再び魔王へ。次は『時の旅人』を。なんとなく今のサネ君にピッタリな気がした。
最後のフレーズを引き終え、静かに立ち上がる。

「シーラ先生、昔馴染みのよしみで教えてくれない?上一中で何が起こっているのか。
死んだ筈のあなたが、どうして今この学校で教鞭を取っているのか」

121 名前:黒猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 00:41:57
礼司が気を練りだして自分の考えに沈んでしまった。
まーいいや。言うことは言ったし。
ボクはベランダから木に飛び移り、気ままに校庭散歩でもしようとしたところ

>水無月つかさタン
>『NRXWHLQLUHLKRXDUL』
>「ノスフェラトゥって人に、この手紙を届けて欲しいの」
この人なに気に普通に話しかけてくるし。
おかしいにゃ。礼司といいつかさタンといい、昨日まではボクの言葉なんてわからなかった筈にゃ。
「そーか。つかさタンもデュエリストに選ばれたのか。
今年はいつもの年と違ってデュエリストが多いのかにゃ。昨日の夜の戦いに巻き込めれたやつは参戦権を与えられたんだにゃ。

>「あ、そういえば、貴方はノスフェラトゥさんの顔を見たことなかったわね」
>ノスフェラトゥさんの写真なんて撮ってないから、さっと似顔絵を描いて見せてあげる。
「甘いにゃ!ボクはこの学校のボスにゃ。つかさタンより先輩にゃ。知らないわけないにゃ。
似顔絵?・・・・・・・・似てる!よーし!届けてやるにゃ!

>工藤とアッシュ
ボクはつかさタンのところからどろんと消えると工藤のいる教室のベランダに行った。
「工藤の姉御。水無月つかさタンがこんな陰謀をしてるにゃ」

   ___ ∧w∧
@′   (  ゚Д゚)⊃□  <悪い子にゃ
 U U ̄ ̄ U

122 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/30(金) 00:44:17
はぁ?

123 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 01:52:42
>「嘘つきね。可愛いなんてこれっぽっちも思ってないくせに。・・・なんてね。
>今日ここに来たのは、素敵な贈り物のお礼と、先輩魔女にご挨拶をしたかったからよ。
>お久しぶり・・
>せっぽっちなただの子供だったから。
>それにしても・・・あの音魔女が生きてたなんてね。ふかわ当主が聞いたらさぞお喜びになるでしょうよ」

リリが嫌みを軽く言うと今度は魔王に突入する。
魔王、これはドドが大好きな曲だ。静かに微笑むながら聞いている。

―そしてふとドアのほうを見た。

静かにじっと見ると再度目線を落とす。
ドアの外の少年に気付いているかどうかはわからない。
ただ静かに音を聞いているだけだ。
するとリリは突如魔王の中に海軍小唄のフレーズを混ぜ始める。
じろりとリリを見るとシーラ先生軽く肩を竦めるリリ。愉快そうに笑うと再度視線を落とした。

>「――――あなたの『楽器』を見たわ。シーラ先生。
> 弟子入りしたい位よ。たいした秘術ね。
>でも・・・どうしてあの子の左腕を復元しなかったの?クリスの爪、あなたも持っていた筈なのに。
>ああ、別に責めているわけじゃないのよ。理由を聞きたいだけ」

ドドは指を静かに二三回トントンと動かす。

「…気まぐれさ…左腕が無いほうがあの子に似ていたからねぇ…
それに腕は人食い人間に食べられてしまったのさ…ヒッヒッ…
爪だけじゃ流石の私も復元は無理だよ。」

そう言うと静かにまるで愛しそうに机の上の写真を見た。
海軍小唄から再び魔王へそして次は時の旅人へ、ドドは静かに聞いていた。
クリスの歌声を思い出す。軽やかな少し儚い声を出してたクリスの歌声。
リリの演奏はその真逆だった、力強く、重々しい美しい音。
そして最後のワンフレーズが終わった。
ドドは二三回拍手を叩く。

>「シーラ先生、昔馴染みのよしみで教えてくれない?上一中で何が起こっているのか。
>死んだ筈のあなたが、どうして今この学校で教鞭を取っているのか」

拍手を止めると一瞬黙り込むドド。再度指を静かに二三回トントンと動かす。

そして突如大笑いした。
「ヒッヒッ!上一中で何が起こっているのか?わたしゃ何も知らないよぉ…
知りたいのはこっちのほうさ…ヒッ!」

そう言うと笑っていた顔が無表情になり一瞬目がギョロッと動く。

「でも…折角ここまで聞きに来てくれたんだ…あんたにだけちょっとした過去話でも教えてあげるよぉ…」
そう言うとドドは机の上のあの生徒とドドが映ってる写真をリリに向かって投げた。
キャッチするリリ。そこにいるのは優しく微笑んでるドドと黒髪のおかっぱの少女が一人。
すると表情が急に今までにないほど一瞬優しく、穏やかになった。

124 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 01:58:09
>121
>「そーか。つかさタンもデュエリストに選ばれたのか。
>今年はいつもの年と違ってデュエリストが多いのかにゃ。昨日の夜の戦いに巻き込めれたやつは参戦権を与えられたんだにゃ。
あらあら―――やっぱり皆、甚だしい勘違いをしてるわね。
>甘いにゃ!ボクはこの学校のボスにゃ。つかさタンより先輩にゃ。知らないわけないにゃ。
「あらそう?結構力作だったんだけど、無駄になっちゃったかしら?」
猫さんは、さっきのとおり教室から出ていったわ。

>115>118
3時間目の授業が終わったあたりだったかしら?
教室の廊下側の方で、工藤さんが知らない子とお話してたわ。
>「あ、あの、工藤さん……ですか?
>ボク、えと、A組の青砥の弟なんですけど、お姉ちゃんに言伝たのまれて、その、あの……」
あの青砥さんに、こんな可愛い弟さんが居たなんて初耳ね。
わたしの記憶に間違いがなければ、青砥さんは一人っ子だったはずなんだけど……
>だってこのクラス全員がすでに使徒だからね。
まあ、工藤さんったら酷いわ。お互いにノートを貸しあった間柄のわたしの存在を忘れるなんて。
これも使徒になったからかしらねぇ?
それにわたしは牙の主ごときの使徒なんかじゃないわー。
もちろん、使徒のフリをして話をいろいろ聞くつもりですけど。

>121
すぐにさっきの猫さんが戻ってきたわ。
……だってわたしと工藤さんは同じクラスだもの。
教室に居る工藤さんに手紙を届けに来れば、戻ってくるのは当たり前よ。
「おかえりなさい、猫さん。もうノスフェラトゥさんにお手紙は届けてきたのかしら?」
>「工藤の姉御。水無月つかさタンがこんな陰謀をしてるにゃ」
まあこんなに早く帰ってきたあたりから既に予想通りだったけど、
ノスフェラトゥさんに届けるように言ったのに、工藤さんに届けちゃった。
あーあ、暇潰しに考えた策が台無しにされてしまったわ。まあ暇潰しだからそれほど惜しくないけど。
―――ほんの一瞬だけ、極上の殺気を込めて猫さんを睨みつけた。
「悪い猫さんね。ちょっとお仕置きが必要かしら?」

125 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 02:03:01
>123の続き

「…数年前だったかねぇ…そこにうつってる女の子にここで会ったのは…
…その時の私はまだひたすら当たり前のように希望…夢…愛とか素晴らしい美学を語ってたのさ。
…そこにいる少女の一人もそういう美学を愛する子だった。いつも私の所に来てアリアの一つや二つ歌ってくれた…
…とてもいい子だったよ……希望に溢れてる子だった。」

そう言うとドドは煙草を取りだし加え、火をつける。
そしてそのまま二三回吹くと話を続ける。

「…でもねぇ…その子はその純粋さ故に虐めにあった…その頃私はまだ若かった。
必死に話し合いましょう、なーんて…馬鹿な事言って解決しようとしたのさ。
でも…そんな言葉じゃ駄目だった。醜い心はね、言葉なんて無力な音じゃ直らないのさ。
…私はまだその時それに分からなかった…そしてあの事件は起こった。」

そう言うと再度煙草を吹く。
煙を目で追うと静かに言葉を重ねた。

「…それはある日の夜中に起きた、いきなりその少女から電話が来たのさ。「先生助けて!」てね。
だから私は大急ぎでその子を探した…探して…探して…そしてついにその少女を神社裏で見つけることが出来た。

…醜い心が悪化し醜い化け物になってしまった少年達と…その化け物片腕を切られた…あの少女をね。

私は激怒してその子らに殴りかかった。でも時すでに遅し…刃物を持った少年五人相手には流石に叶わなかったよ…。
あっさりやられた。腹にナイフが刺さるわでもう大変だった…偶然に警官が通って助けてくれたが…その少女は腕を失った。
そして私はあの時確かに死んだ……だけどねぇ…その少女は医師に頼んで自分の命を半分を私にくれたのさ。
少女を救ってやれなかった…そんな無力な音楽教師をね…」

そう言うと煙草を握り消した。ジュッと焼ける音がする。

「そして私は今の私に生まれ変わった。生徒を他の教師じゃできない守り方で守る教師にね。
醜い悪には醜い正義で対応する…精一杯の醜さで生徒を守る…
…私がここで教鞭を取る理由。それは罪滅ぼしさ。」

そう言うと手のひらに握っていた煙草を机の上に置いた。
手には黒々と焼け跡が残ってる。

126 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 02:42:25
こりゃ一体どう言うこった。
俺は気持ちよく寝ていたのだ、
それが気が付いたら、へんちくりんな部屋に座らされていた。

「ん・・・?なんだアンタか。」
顔を上げる。
懐かしい顔がそこにあった
てこたぁココは夢の中かい。
糞っ垂、バツの悪ぃ所に来ちまったな。

「随分と懐かしい顔だからよお、忘れちまってたじゃねえかい。」
夢の中なら手出しは無駄な労力。
だが、夢から覚めりゃ奴らも忘れちまう。
だりぃ話だ。

アラウネは自分の身の上事情を語り終えた。
そしてこちらに質問を投げかける
「しかし、しばらく見ねえと思ったらよぉ
 アンタも大変な身空になっちまったモンだ。
 まさかそこの嬢ちゃんの体に乗り移らねえと喋りも出来ねえとはな。」
呆れて物も言えねえよ。

「でもってだ、何で俺がアンタの質問に答えなきゃいけねえんだい?」
別にこっち側のアラウネだけなら良いのだがよお
向こう側の奴や、だりぃ嬢ちゃんまでいやがる。
大男は紅茶には手をつけない。
机に指を置くとピリッと電撃の様な物を流す。
ベルが驚いたように飛び退いた。
「へへっ、嬢ちゃんよお・・・痺れちまったかい?
 死ぬ夢は稀だがよお、恐え夢は稀じゃねえだろう?」

大男はベルをギロリと睨みつける。
ガキのお陰で夢見は最悪だ、だりぃなぁ・・・糞っ垂。
嬢ちゃんが帰りゃこいつ等も帰るんだろ?
なら、それで良いじゃねえかい

127 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 06:01:48
廊下にも、窓はある。
ドアに背を預ける僕の視線の先には、窓がある。
ほんの数センチ、僅かに開いた窓から雨が降り込む。
すきま風が頬を撫でる。
生温くて…嫌な風。
喉が、渇いてきた。

ピアノの音はさっきから響いている。ピアノの前にいたのは理利ちゃんだったから…これを弾いているのもそうか?
それにしちゃ、巧い。昔から子役を演じてきたってのに、ピアノもやってんだね。
天は二物を与えず、とか言うけど。二物じゃん。ちょっと憧れるね。
少し胸が不自由なところがウィークポイントってことでバランスがとれてるんだろうか。
いや別に巨乳好きってわけじゃないけどさ、そりゃ出るとこは出てた方がいいと思うよ。
正直なところ僕は音楽に全く興味はないから何を弾いてるのかとんとわからない。
最後に流れた曲だけ知ってた。小学校の頃に合唱で歌わされた思い出さ。思い出したくもない。
はっきり言っちゃうと音楽なんてね、一番無駄で無益で無意味な授業科目だと僕は思うんだ。

それが流れ終わって…ようやく、本題に入るようだ。
声が聞き取りやすいって言えば当然嘘になるけど、何を言ってるかぐらいは分かるつもりだ。
何をしてるか、は分からないけどね。
さっきの会話はピアノの音に被さって、「この二人は元々の知り合いである」ってことぐらいしか分からなかったけど。
今は、ピアノの音はない。聞き漏らしも、ないのさ。


「……………」

「化け物」だとか、metaphorを含めた比喩的な表現が多かったので、少し理解に苦しんだ。
つまり、かわいがっていた生徒が男子生徒複数に乱暴されそうになって?
助けに行ったけど返り討ちにあって?腹を刺されて臓器を傷つけられて意識不明になったのかな?
その女の子は斬られた場所が悪く片腕不随になって?それでその女の子に臓器を移植して貰った、と?そう解釈できるね。
美談じゃないか。反吐が出る。

どうしてそんなに都合よく臓器が適合したのかとかちょっとした矛盾はあるけど、さしたる問題じゃないね。
で、その事件でちょっと精神を病んじゃったのかな?少なくとも正常ならそんな結論には達しないだろうし。
それに僕はそんなのは自己満足に他ならないと思うけどね。それは人の受け取り方の違いだし。
出来ることならそれとテストの難しさとの因果関係を教えてほしいね。それは昔からなのかな?

あまり有意義なことは聞けなかった。
でも、僕はまだドアの側から動けずにいる。
相変わらず視線は窓。
写った顔と、目が合って。
思わずそらす。

すきま風は、定期的に吹きつけて。
雨は、窓を打ちつけて。
降り込んだ雨が、僕の靴下を濡らした。

128 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/06/30(金) 16:43:05
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
                         あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ       ああ
                             あ
                             あ
                          あああ
                         あ
                   あ    あ
                    ああああ
                       あ
                      あ
                     あ
                    あ
ああああああああああああああああ
                     あ
                     あ


は炎を吐いた

129 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 18:31:05
クラスの全員が「牙」の使徒――ことも無げに、工藤が言い放った。
この様子じゃ、ドンパチ始まったらあまりのんびりしていられなそうだ。演技を止める。
「やれやれ……使徒は四人だけって聞いてたんですけど、こりゃ迂闊でしたね」
ボクは頭を掻き、ため息をついた。工藤は薄ら笑いをうかべたまま、ボクを見つめている。
取りまき一同も瞳孔に無気味にぼやけた光を湛えて、
我こそは地球最後のヴァンパイア・ハンター、ロバート・モーガン也。なんちて。

>「「「さあ、勝負しろ!!」」」

今ごろ遊○王かよ。唐突に登場した三人、本場モノのデュエリストなんだって。生憎と今はお呼びでない。
「うるせえ」
そう言ってボクが取りだした手札に五枚、綺麗に並んだエ○ゾディア・パーツ。
山札の一番上にあらかじめ揃えておいて、うまくシャッフルするとこうなる。昔はみんなやった事あるよねコレ……無い?
試合終了を悟った三人組は、すごすごと教室を去っていった。
「デュエリストなんて大層なもんじゃない。
オレはアッシュ、只のしがない冥府魔道ってヤツですよ。
乳母車さえ押しちゃいないが……アンタらと同じ、人肉喰いの化けの皮だ。今日は某魔法少女のお手伝いでね」

教室をキョロキョロと見回して、他の生徒を調べる。
なるほど、男も女も大概がギラついた眼してて、これで肉親に怪しまれたりしないのだろうか。
まるで「ゼイリブ」か「ボディスナッチャー」か……吸血鬼はサヤエンドウで繁殖はしないから、それだけが救いか。
窓際に一人だけ、醒めた眼の女生徒が座っていて、しきりにこちらを覗っている。リリの仲間かな。

「昨晩の話を聞いたよ。戦闘や魔法の痕跡は、ずいぶんと上手く隠しおおせてるみたいだね。
ボクの勘違いでなければいいけど、アンタのボスは時間操作もできるのかい?」

工藤の机に腰かけて彼女を見下ろすが、昼の間はおぼろな眼光以外、怪しい気配は見てとれない。
生徒を斬ったらリリやレイジに怒られるかな。ま、降りかかる火の粉はただ払うまで。
とりあえず今はクールにいこう、ドンパチはトークと鉄火場とのアップダウンが大事なんだ。
ボクは話の間に時折、営業スマイルで愛想を振りまくけど、まだ工藤が自分から話すつもりはないみたい。続ける。

「単刀直入にいこう。『牙の主』は学校に居るのか? それは以前からの住処?
それとも霊宝のため? もしや、その霊宝が『牙』の力の源? 霊宝ってのは一体何だ? 『呼ばれた』ってのは?

華山理利が、キミの不完全な記憶操作の真意を訝ってたよ。
この学校に居る、吸血鬼以外の異能力者は『牙の主』が集めたのかな。
ボクも妙に感じた。単なる夜族のなわばり争いにしちゃ、事態が込み入ってるな。動かしてる魔力もハンパじゃない。
国家公安部の『魔法狩り』どもまで呼びよせ兼ねない危険を冒して、何をそんなに奪いあう必要があるのかなぁ?

ボクらは無為な流血を望まない。今のところ、戦争終結が介入の本意だ。
夜ごとの大運動会をいい加減終わらせて、狩りも最低限に、特に学校関係者に犠牲を出すな。それだけ。
情報を提供してくれるなら、ボクらは上記の要項を条件に、『牙』との同盟を考えてみてもいい……と言ったら?」

>「工藤の姉御。水無月つかさタンがこんな陰謀をしてるにゃ」

開けっぱなしの窓から一匹の黒猫が教室に入りこんで、工藤の足下にすり寄る。
ところが手紙をくわえたこの伝書猫、なんと人語を解すとは。工藤の使い魔らしく、彼女に手紙を渡して話す。
そいつを横合いから手をのばして、抱えあげる。利発そうなわりに、愛嬌のある顔だ。
「おーどれどれ、ホラこいホラ。ボク猫派なんですよ、そーらそらそら」
首筋をグリグリと撫でまわしてやると、黒猫はボクの膝の上でドタバタと暴れはじめた。ちょっと力いれ過ぎたみたい。
「んー野良っぽいけどけっこう毛並みいいですね。そーらそらそら」
首から脇腹、耳、鼻、手足の肉球、尻尾と撫でまわす。人間には乱暴だけどボク、実は動物愛護主義なんだ。
やわらかくてフサフサで気持ちいい、頭にかぶりつく。ずいぶん賑やかな猫だな、マッサージにえらい声をあげてよがってる。

馴れてきたので、思いっきり抱きしめてみる。キューッと鳴いて、暴れるのを止めた代わりに今度は痙攣が。
「あ、あれ……泡ふいた。 もしかして、このコてんかん持ちでした? ごめんなさい、大丈夫かな……」
ボクが手を離してやると、彼は机にグッタリと倒れて、ボクの両手には抜け毛がいっぱい。
猫の背中にはいくつかハゲができてた、脱毛症だな。病気の猫だったみたい。

130 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/30(金) 19:28:29
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
                         あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ       ああ
                             あ
                             あ
                          あああ
                         あ
                   あ    あ
                    ああああ     <アッシュ氏ねよ
                       あ
                      あ
                     あ
                    あ
ああああああああああああああああ
                     あ
                     あ


131 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/30(金) 21:28:12
えりんぎが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

132 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/30(金) 21:54:40
ドドとリリが話し終わると地球が終わった

133 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/06/30(金) 22:16:38
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
                         あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ       ああ
                             あ
                             あ
                          あああ
                         あ
                   あ    あ
                    ああああ
                       あ
                      あ
                     あ
                    あ
ああああああああああああああああ
                     あ
                     あ


が怪光線を放つ

134 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/06/30(金) 22:56:20
ベルの夢の中の会合は向居を加え、四人となり、続く。

向居は不機嫌そうに机に指を置くと電撃のようなものを流した。
「きゃっ!」
机にそれは広がるが、その電撃に反応した声は一つだけ。
ベルが驚いて飛びのいて持っていたカップを落としてしまう。
「んな無駄な事するんじゃねえよ。昨日までのこいつなら凡人で今ので目も醒めただろうが、今は少しとはいえ
俺達の魂と融合し支配する『統合者』だぞ。」
叢雲剣が呆れたように向居に声をかけると、それに妖花アルラウネも続く。
「これを『夢』と知覚しちまっているからねえ。すごんでも無駄よ。
それに、四人の会合であるけど、あんたと私たちの『二人』の会合でもあるのだから。」
その言葉と共に、叢雲剣と妖花アルラウネの椅子が徐々にだがベルの椅子へと近付いていく。

「ベー!だ。ちょっと吃驚したけど平気だもんね!」
ベルが舌を出して向居に悪態をつくが、どうしても他の三人からは浮いてしまう会話レベルの低さは隠し切れな
い。
席の戻ると落としたカップが巻き戻りするように床から跳ね上がり、落ちたときとまったく同じ軌道を間逆に辿り
ながらベルの手に収まった。
そうこうしているうちに、叢雲剣と妖花アルラウネはベルと重なり、その姿を消してしまう。
そして残ったのは向かいとベルの二人だけ。
だが、向居は気付くだろう。『統合者』の意味を。
見た目は変わらないが、目の前にいるベルはほんの一瞬前のベルとはまったくの別物になっている、と言うこと
に。
三身一体となった『トリニティー』状態のベルとなっているのだ。

「私達は今どちらの側でもないのよ。叢雲剣も妖花アルラウネも、契約はとうに切れているのだから。
昔馴染みがいたから現状を聞きたいの。霊宝の興じる孤独な『神のチェス』を面白くするために、ね。
『ベル』はあくまで凡人だから目が覚めれば忘れてしまうけど、私達は違う。『トリニティー』として立ち居地を決め
る重要なデータを欲しいの。
夢の中だからこそこの状態になれ、あなたにも話しかけられるのよ。現実に戻れば無知で無力なベルでしかない。
それなのに選ばれた理由や役割を知るための材料が欲しいの。
あなたのような戦闘専門の役割とは毛色が違うのでしょうから、ね。」

全知全能の神はその高みゆえに常に孤独を強いられる。
その孤独に耐えられない故に神は自分と対極にして対等のもの『悪魔』を作り出し、ようやくチェスに興じる事が出
来るのだ。
それを牙の主とノスフェラトゥの関係に当てはめているのだ。

トリニティーとなったベルはゆっくりと紅茶を啜りながら向居の返答を待つ。
共に盤上の駒である事を楽しむかのような表情で。

135 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/01(土) 00:23:37
(人∀・)<命がほしかったら降伏しろ

136 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/01(土) 00:27:28
城之内「遊戯!融合だ!!」
遊戯「ああ、分かったぜ城之内くん!」

「「ブラックデーモンズドラゴン召喚!!」」

迷「うぬぬ、こちらも」
宮「無理だ、今の攻撃でサンガが死んだ!」

ベジータ「カカロット!ポタラをよこせ!早く!!」
悟空「いや…こいつはオラ達には合わねえ。」
ベジータ「どういう意味だ!?」
悟空「まあ落ち着けよ、超サイヤ人について詳しく教えてやろうってんだ」

137 名前:黒猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 01:59:01


              ∧ ∧__                
           ⊂(−−)⊃_⊃  <姉御、仇を・・・ゲフッ

138 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/01(土) 03:15:57
城之内「遊戯!融合だ!!」
遊戯「ああ、分かったぜ城之内くん!」

「「ブラックデーモンズドラゴン召喚!!」」

(人∀・)<タノムゥゥ!!


迷「うぬぬ、こちらも」
宮「無理だ、今の攻撃でサンガが死んだ!」

(人∀・)<タノムゥゥ!!


ベジータ「カカロット!(人∀・)<タノムゥゥ!!をよこせ!早く!!」
悟空「いや…こいつは(人∀・)<タノムゥゥ!!」
ベジータ「どういう意味だ!?」
悟空「(人∀・)<タノムゥゥ!!について詳しく教えてやろうってんだ」

(人∀・)<タノムゥゥ!!




139 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 06:18:20
先生は、私への手土産に、自らの過去を語り始めた。
私は黙って耳を傾けた。
・・・数年前という事は・・・余裕を取って見ても十年以内におきた事件のようね。
いかにもマスコミが喜びそうなネタだ。
イジメ抜かれた被害者は左手を(どんな形であれ)失い、挙句止めに入った教師が重体(あるいは死亡)となれば
かなり大きく取りあげられたに違いない。

「医師に頼んで自分の命を半分を私にくれたってどういう事?
左腕を失ったって事は、写真の彼女だって当時重傷だったのでしょうに。
・・・・・・写真の子と、彼女を襲った少年たちはその後どうなったの?」
――――先生が素手で煙草を握りつぶした。
ジュッっという音に、私の片頬がヒクつく。
まずい、聞いちゃいけないことだったかな。

>「そして私は今の私に生まれ変わった。生徒を他の教師じゃできない守り方で守る教師にね。
>醜い悪には醜い正義で対応する…精一杯の醜さで生徒を守る…
>…私がここで教鞭を取る理由。それは罪滅ぼしさ。」
コメントは控えておこう。人それぞれ考え方は違うのだから。
「先生が今守るべき生徒は、工藤美津子達?それとも何にも知らずに学校に通う普通の生徒たち?」
――――それよりも今はまず交渉だけど・・・いつになく私も感情的になっていた。

「・・・ねえ、シーラ先生だって本当は気づいてるんでしょう?
先生が守るべき生徒は、この学校で、吸血鬼達の毒牙にかかって次々使徒に仕立て上げられてるわ。
クリスの左腕みたいに、吸血鬼以外の怪物に骨も残さず食べられた生徒だっているでしょうね。
ねえ、先生はそれで平気なの?それを黙って見逃すのも、先生のいう『醜い正義』のうちなの?
クリスみたいに殺されても、『楽器』として違う命を吹き込めれば、先生の心は満たされるの?」

私はピアノから離れ、先生の前に立った。

「先生、私はね、この学校で起こってる一連の事件を終わらせるために来たの。
いろいろ調べてみて分かったわ。
吸血鬼達が上一中に集って夜毎暴れるのは『霊宝』とやらがあるせいでしょう?
私はそれを手に入れて、壊すなり封印するなり――――とにかく、処分してしまいたいの。
できるだけ無駄な犠牲を出さずにね
シーラ先生、学校に通う人間たちは皆、昨日と同じ明日が来ると信じてるわ。
恋や勉強や、夢のために精一杯頑張ってる。既に怪物の口の中で、いつ食べられてもおかしくないのに。
馬鹿みたいよね?――――でもね、私はそれでいいと思うの。その無知さが愛おしいの。
そっとしておいてあげたい。
私やシーラ先生みたいな『こちら側』のことなんて、知らずに済むのなら永遠に知らないままでいい」

どこかの教室は自習中なのだろうか、雨の音に混じって楽しそうな声が聞こえてきた。
カードゲームやらドラゴンボールやら・・・マフィアごっこまでしているのだろうか。
随分と楽しそうで、思わず私の口元も綻んだ。
私もあんなふうに、クラスメイトと屈託なく遊べたらどんなに楽しいだろう。
堀江君が教室で呟いた言葉を思い出す。私がわがままで勝手だと。
・・・否定しないわ。私は勝手なの。だから『仕事』のために皆と交われなくても、後悔もしない。

私はシーラ先生の前に跪き、手を取った。
煙草の跡がくっきりと残る掌に自分のそれを重ねて、軽く目を閉じる。
再び手を離したときには、、火傷の跡はどこにも無かった。
音楽家は手が命でしょ?なんて悪戯っぽく微笑む。

「・・・シーラ先生。私は、貴女相手に何かを強制する事なんて出来ないわ。ただお願いするだけ。
もし、先生がさっき話してくれた『教鞭を取る理由』に嘘偽りが無いなら・・・お願い。手を貸して。
音魔女の力がどうしても必要なの。
私と手を組むのがいやなら、それでもいい。どんな形でもいい、先生なりの方法で生徒を守って」

140 名前:工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 14:40:56
>アッシュ
>「単刀直入にいこう。『牙の主』は学校に居るのか? それは以前からの住処?
>それとも霊宝のため? もしや、その霊宝が『牙』の力の源? 霊宝ってのは一体何だ? 『呼ばれた』ってのは?
>夜ごとの大運動会をいい加減終わらせて、狩りも最低限に、特に学校関係者に犠牲を出すな。それだけ。
>情報を提供してくれるなら、ボクらは上記の要項を条件に、『牙』との同盟を考えてみてもいい……と言ったら?」
「あははははははははは!なんておかしなことを言う坊やだろう!
上湘南の生徒にどれほどの犠牲が出ようと知ったことか!
名前はアッシュだったね?アッシュ、君の申し出は滑稽だわ。
君は自分がこの上湘南中で起きていることをなにも知らない。
霊宝すら知らない君の力を我等が乞うと思うのか?
あはははははははははは!
アッシュ、上湘南では昼間は戦いは起きない。
敵も味方も仲良く学び舎で勉学するの。そうよね?水無月」

>ギコ
>「工藤の姉御。水無月つかさタンがこんな陰謀をしてるにゃ」
「みーなーづーきー!下手な策はやめておきな。
私の可愛い使い魔に渡すようなミスをするあなたには無理な……あ」

>アッシュ
>「あ、あれ……泡ふいた。もしかして、このコてんかん持ちでした?ごめんなさい、大丈夫かな……」
「……………………………………………………よくもやったわね」
工藤の瞳に白光が燈った。アッシュに襲いかかろうとしたそのとき、クラスメートの高原由美が叫んだ。
「みっちゃん!まだ昼間だよ!」(高原由美→前スレ>256
工藤は我に返った。
「このお返しはあとで必ずさせてもらう。
我等との同盟などこちらから断る。…でも」
怒りを抑えると工藤は冷徹に利害を考え提案した。
「君が新しい勢力の一員となるのは歓迎する。
あの薄汚いノスフェラトゥとは別の勢力が、どうやら昼休みの図書室で出来そうだからね」
水無月に一瞥を加え、あなたにも言っているのよ、と目で語った。
「デュエリストは多いほうがいいわ。
単身乗り込んできた勇気は認めて一つだけ教えてあげるわ。
霊宝がなにか知りたければ上湘南のあるこの土地をよく知ることね。
相模川がなにか教えてくれるかもよ」(相模川=湘南を流れる川)
とまどうアッシュの表情を見て工藤は微笑んだ。
「ふふ。“さがむくにのみやつこ”の呪いは恐ろしいのよ」

チャイムが鳴った。
「授業が始まるわ。もう行きなさい」

141 名前:ノスフェラトゥ ◆glAHh7JUpE [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 17:41:30
ラスティーリアの注いだ血の美酒を飲み干すとノステラトゥは寝室に向かった。
「傷の具合もようよう良くなった。わしは今宵の戦いに備え眠る。日没になったら起こせ」

142 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 19:26:09
>「先生が今守るべき生徒は、工藤美津子達?それとも何にも知らずに学校に通う普通の生徒たち?」
ドドが問いかける。ドドは黙ったままだ。
>「・・・ねえ、シーラ先生だって本当は気づいてるんでしょう?
(省略…)
>クリスみたいに殺されても、『楽器』として違う命を吹き込めれば、先生の心は満たされるの?」
リリはピアノから離れ、ドドの前に立った。
>「先生、私はね、この学校で起こってる一連の事件を終わらせるために来たの。
(省略…)
>私やシーラ先生みたいな『こちら側』のことなんて、知らずに済むのなら永遠に知らないままでいい」

リリが言う言葉一つ一つを受け止めるドド。
どこかのクラスから笑い声が聞こえる。
一瞬ドドの表情が緩む。
思い出すのは暖かいあの光、少女はいつもどんな事があっても太陽のような微笑みを見せた。

リリが手を取る。煙草の跡に掌をリリは重ね目を閉じた。ジュワジュワと何かが溶ける感覚が包む。
そして次の瞬間その煙草の跡は消える。
微笑むリリ。ドドは優しく微笑み返す。一瞬過去の自分に戻ったみたいに。

>「・・・シーラ先生。私は、貴女相手に何かを強制する事なんて出来ないわ。ただお願いするだけ。
(省略…)
>私と手を組むのがいやなら、それでもいい。どんな形でもいい、先生なりの方法で生徒を守って」

静かに窓を見るドド。
見れば雨が上がりつつあった。暫くそれを見た後静かに音楽室に声が響く。

「分かったよ…。」

そしてリリは音楽室から消えた。
暫く音楽室の天井を見ているドド。
白い天井が目に映る。新しい煙草に火をつけ、ゆっくり観察する。
すると背後に一つの気配が、そして次に静かに落ち着いた声…。

「よく口が回りましたね。あんなホラ話…。」

フッと笑うドド。

「…聞いてたのかい?ジョリアル」
背後を振り返る。
するとそこには黒いビー玉を生徒達に渡したフランス人形を持った黒マントのマスク男がいた。

143 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 19:26:55
「えぇ、聞いてましたよ。全く…あんなに可愛らしい女の子を騙すなんて‥鳥肌が立ちますよ。」
ドドは愉快そうに笑いながら反論する。
「ヒッヒッ…可愛いからこそ騙すんだ。それに私は全て嘘を言った訳じゃないよぉ。
私は確かに生徒達の味方さ…。」
そう言うとドドはピアノに手を掛けた。

―『暗い日曜日』…1933年にハンガリーで映画暗い日曜日の曲として作られた曲。
聞けば自殺する曲として有名だ。現に作曲者自身も1968年に自殺した。
最初を吸い取るようなコーラスで入り静かな暗い、どこか不気味な歌へと変わっていく。

その曲を壁により掛かりながら聴きいる男。横目でチラリと男を見るとドドは言った。

「あの女を倒せるかい?」

暫く走る沈黙。すると男はふぅとため息を一つ付くと答えた。
「…さぁ?僕あの女の子に恋しちゃったし。」
「ヒッヒッ…恋したから倒せるんだろぉ?」
そう言うと男はフッと笑った。

「そうですねぇ…」

窓を見る男。
その目は何処か生き生きしている。

世の中黒と白は真逆の色と言われている。

しかし光の白さも闇の黒さも全て同じ色なのだ。
愛も憎しみも全て同じ感情。
低音のドも高音のドも全てドの音。
幻想も現実も。

全ては同じ、唯あるのは自分だけ、それがこの世の中の全てだ。

だからドドはこの道を選んだ。これはもしや茨の道なのかもしれない。
しかしそれでもドドは進んでいく。この先が地獄に繋がったとしても。

144 名前:ジョジョ ◆4yOJjcI5oc [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 20:08:48
他の方々より時は早く流れ、時刻は昼休み。
元ウルトラマンことジョジョは自室に篭っていた。
何をやっているかというと、今夜持って行く武器の確認と整備。
憎き吸血鬼達を殲滅させるには、自身の超能力だけでは戦力不足。
都合よく、化け物退治用の武具は揃っている。
例えば、吸血鬼退治によく使われる銀の銃弾。
太陽のエネルギーに近いものを放つ剣や、紫外線照射装置など。
装備の確認を終えると、新たに目覚めた超能力を確認してみる。
思えば、あの矢はゾフィーからのプレゼントだったのかも知れない。
自室の隣に作られているトレーニングルームに入り、超能力発動。
発動した途端、人型のビジョンが現れた。
…………ゾフィーの姿だ。
にっこりとゾフィーの像は笑うと、その場でタップダンスを踊り始める。
無言でトレーニングルームから去ると、ジョジョはベッドにダイブ。
疲れたので、夜まで寝ることにした。
こんな超能力で吸血鬼に勝てるのか不安になってきた。

145 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 20:19:19
パソコン部の片隅。廊下から見て一番死角にあたる部分で明かりもつけずに薄暗い中部長専用のシールの貼られたパソコンをいじる。
この場所ならもし教師か生徒が通りかかったとしても簡単には見つけることはできないだろう。
雷が鳴っている中、パソコンを起動していたら危ないというが、それもお構いなしにキーボードをカタカタと鳴らしていく。
思い浮かぶ単語や果ては部長の誕生日などを入力画面で次々と打ち込んでいくが、
目の前の立ち上げる際に入力するパスワード画面は次のステップに以降しようとしない。
「あのクソ部長。パス変えやがったなちくしょう」
せっかく朝から潜伏したというのに、これでは早寝早起きしてまで調べにきた自分がアホみたいじゃないか。……実際アホだけど。

考えられるものは一通りやってみた。しかし、それでもできないとなるとお手上げだ。
イスの背もたれにもたれかかり、コーヒー缶を手にとり一息つく。
部長のパソコンのデータにはどうやら重大な秘密があったらしい。興味本意で調べようと思ったがこのザマ。
どうせまた如何わしい内容だと思う。裏では華山さんのストーカーだったという噂もあるし。
まったく…なんでこんなくだらんことにこんな時間かけなきゃならんのだ、と。
こんなもののためにわざわざ早朝に来た自分をぶった切ってやりたいわ!

電源を落とし、中身がカラになった空き缶を手にし、音をたてないように外に出ると…
パソコン室から二つ隣の音楽室から聞きなれぬ曲が聞こえてくる。
印象としては暗い……どっちかという嫌いな部類に入る、あまり聞きたくない音楽だ。
それになんだか頭がぼぉ〜としてくる。身体から力が抜けるような、そんな感覚に見舞われた。
カラン、と大きな音が足元から聞こえた。見ると緩んだ手から空き缶が落ちていた。



―名前・天保 光
―性別・男
―年齢・13歳
―髪色・ 茶色
―瞳色・ 黒
―容姿・ 長身で少し痩せ気味。前髪が眼を完全に覆っている
―学年・ 2-C
―部活・ パソコン部兼帰宅部
―備考・ あだ名はヤス

146 名前:ラスティーリア ◆/Xio6qyapk [sageホテル組はレス短か!それにノス、名前をまた間違えてるよw] 投稿日:2006/07/01(土) 20:40:20
>ノスフェラトゥ
「かしこまりました。御主人様」

147 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/01(土) 21:02:54
なにこの一言?

148 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/01(土) 23:54:49
>あははははははははは!なんておかしなことを言う坊やだろう!

ほほう。
助力は必要ない、と言う。となれば、例の記憶操作は単なる体裁か挑発か。
正直アテが外れた、というのが本音だが、ボクは適当に表情をつくろっておいた。
「限定戦争とは現代的だ、戦争もファッションか。戦闘服よりは、ブレザーがよく似合う……ってね」
苦笑する。指先で、机をコツコツとたたいて
「魔女っ子とは知り合いのよしみで手伝ってるけど、別にボクは構わない。どのみち生き残るのは一人だから。
ま、人はパンにのみ生きるに非ず、魔物もまた然りで……お膳立てくらいは彩りを工夫しようと思ったんだけど」
机から下りると、取りまきの生徒たちをかき分けて退路を作った。
工藤は使い魔の猫がぐったりしたのを、ボクのせいだって怒ってるみたいだ。
たとえ昼間は喧嘩ができずとも、在校生とはあんまり面倒を起こしたくない。今はおとなしく引き下がる。

>ふふ。“さがむくにのみやつこ”の呪いは恐ろしいのよ

彼女は最後に一つだけ、情報をくれた。霊宝の秘密は、相模川に隠されてるとかそうでないとか。
とりあえず、リリに土産ができた。無駄足ではなかったワケだから万々歳。
ついでに「牙の主」の本拠は上湘南一中、少なくともその近辺であることは確実そうだ。
「キミの猫を具合わるくしちゃってゴメンなさい、今度マグロ缶でも持ってくるよ」
廊下側の席を通りぬけて、教室を出る。
去り際に窓側の席の「水無月」さんへ目くばせしといたけど、気づいたかな?


しばらく歩いて三年生の教室を離れ、廊下の突きあたりに見つけた流し場。
リュックサックを漁って、ボクのズボンの持ち主が身につけていた腕時計を出すと
その時刻を確かめてから、流し場の下の埃まみれの暗がりに放りこんだ。

工藤の言葉、おそらく地元の民俗伝承や神話に関係するのだろうが、
ボクが日本のことで満足に知ってるのは、マンガとアニメと歌謡曲くらい。
あとは電車の乗り方と、左車線の走り方。生きていくには必要不可欠なものばかり、それでも足りない。
リリに報告しようと、連絡用の魔法の指輪に話しかける。
「聞こえる、リリ? 工藤との接触には成功、だけど交渉には失敗。
やっぱりボクも、昼の会合には参加しよう。話したいことがある、試したいことも」
話しながら後ろを振りかえり、誰か来てないか見てみる。
「水無月」が合図に気づいていなければ、あとは昼まで引っこむだけだ。

149 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/02(日) 01:05:16
>140
>敵も味方も仲良く学び舎で勉学するの。そうよね?水無月」
「えっ?」
本を読んでたものだから、よく聞いてなかったわ。
で、何だったかしら?
文脈からすると、昼間は戦えません、ってところかしら?
「ええまあ、そうなんじゃない?よく知らないけど」
と、いかにも話を聞いてませんでした的な返事を返しておきましょう。
実際、半分以上は聞いてなかった訳ですし。
―――上手く契約をすり抜けるなりすればお咎め無しよ、とはあえて言わなかったけど。
>「みーなーづーきー!下手な策はやめておきな。
>私の可愛い使い魔に渡すようなミスをするあなたには無理な……あ」
あら、やっぱりあの猫さんは工藤さんの使い魔だったの?工藤さんには勿体無いわ。
まあ、ちょっとくらいミスしとかないと、可愛げが無いものねぇ。
―――この様子なら、本当の策がバレることはなさそうね。とりあえず工藤さんには。

>137
工藤さんがいろいろ語ってる隙に、泡を吹いてる気絶している猫さんを拾って、ちょっとした細工をした。
ええまあ、工藤さんと猫さんの契約を断ち切っただけですけど。
契約のせいで「日中は怪異は起こらない」けど、使い魔の猫さんが使い魔でなくなること自体は怪異でも何でもない。
だから、工藤さん以外からは特にお咎めを受けることは無いわ。
そうして事を終えたら、猫さんを元の場所に戻しておいた。
それから振り向いてみると、工藤さんがさっきの子に食ってかかろうとして、高原さんに止められてる。
あ、そういえば話すときはこっちにも目を向けてたわね。

>148
知らない子が帰り際に目配せをしていたから、とりあえずスマイルで返しておいた。
また会えるかしら?魔女っ子がどうとか言ってたから、きっと華山さんの知り合いでしょうし。
―――いや、もしかしたら陽介くんの差し金だったりして。まさかね。


さっさと次の授業の準備をしないと。

150 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/02(日) 01:20:14
なにか冷たいものが顔に当たっているのに気付き目が覚めると、いつの間に大雨が降っていた。
「…のはっ!!このままヤバイな」
愁弥は起き上がると急いで屋上から出ていった。

廊下を歩きながら制服についた水を手で払っていると近くにいた先生達の話し声が聞こえてきた。
「…風も強くなってきてますし、やはり生徒達は帰らせた方がいいでしょうねぇ」
この分じゃ吸血鬼どころじゃなくなりそうだな…
そんなことを考えながら歩いていたが、突然辺りが暗くなり意識を失ってしまった。
########################################
気がつくと、また屋上で仰向けの状態になっていた。
「…なんでまた屋上に?」
愁弥は首を傾げながら立ち上がると、またもや屋上を出ていった。
廊下を歩きながらふと、窓から見える中庭の時計台に目が止まった。

「時間が……戻っている?」
これもあの吸血鬼達の仕業なのだろうか…

不思議に思いながら階段を降りようとした時、下の階から空き缶が落ちたような音がした。

151 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/02(日) 01:45:13
急な音に思わず足を止める。
その場に隠れるようにしゃがみ耳を澄ませてみるが、いつの間にか降り出している雨の音以外は何も聞こえない…
むしろ雨の音がうるさいくらいだ。
確か下の階には音楽室やパソコン室だったはずだ…
愁弥は授業を今までサボっているため、あまり他の先生や生徒に出会いたくはなかった。もし、下の廊下に人がいれば降りていった時に確実見つかるだろう。
さっきの音は自然に鳴るような音ではないような…

いまいち確信が持てないため愁弥は階段を降りるか引き返すか悩み始めた。

152 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sage迷走中] 投稿日:2006/07/02(日) 06:07:56
突拍子もない、と言ってしまえばそれ迄だ。
世迷い言だ、と思ってしまえばそこで終る。
気が触れてるのか、と一笑に付すのは簡単だし。
作り話なんだろう、と疑い勘操るのも出来るね。
少なくとも、「吸血鬼」だとか、そんな迷信を信じられるような寛大な心を僕が持っていないことは確かで。
僕は、realistだから。只々現実的に。目に見えることしか信じるつもりはない。
実は僕が聞き耳を立てていることを二人は気づいてるんじゃないか、なんて考えも浮かぶ。
二人で示し合わせて盗み聞きなんかしている僕を騙くらかしてるんじゃないか、ってね。
そう考えなきゃやってけないぐらい、その会話は僕の理解の範疇をはるかに越えて…。

本当に、か?

僕はいつまで背を向けているんだ?

見えていなかった訳じゃない、見ようとしていなかったんじゃないのか?

――常識を捨てて、現実を見ろ。

これは頭の中に響いた誰かの声じゃない。
これは僕自身の声。
全部、吹っ切る。

昨日の夜を思い出せ。
あれの、どこが夢なんだ?
夢なんかじゃなく、現実だということ。それは僕自身、一度は認めたことなんじゃないのか?
自分自身を思い出せ。
僕は、どんな人間だった?
全てを小さな常識の枠に嵌め込もうとする視野狭窄した人間か?違うだろう?
今まで僕をつき動かしていたのはたった一点だったはずだ。その一点を、忘れてはいないか?
思い出せ。
僕は。
僕は。
「僕は――!!!!!」

153 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sageノンストップ] 投稿日:2006/07/02(日) 06:09:15
ドアから体を離して勢い余ってガラスに頭をぶつける。割れてない。うん。危なかった。
側転して前転してバック宙。僕ってこう見えても運動神経いいんだよね。
「L!」
ビックリマーク(正式名称:エクスクラメイションマーク)はついてるけど小さな声だよ。授業中だし。
「O!」
さっきのLは体を垂直にした。Oはちょっと無理して円形を形作る。
「V!」
V字バランスって体操の演目で実際にあるって知ってた?
「E!(グキッ)」
さすがに人間の体でEって結構無理があったみたいだ。

「愛!そう!僕は愛の為!女の子の為!そのために生きてきたんだ!」
もっかい言うけど小さな声で言ってるんだよ?ほんとだよ?僕クラス委員だし。
「何があってもそれはそれ!女の子を守るのに何の障害があらんや!」
小さな声だからね。くどいようだけど小さな声だからね。
「女の子を守る!それこそが僕のレーゾン・デートル!うだうだ考えるのはもうやめだ!」
どうしてこんな当たり前のことを忘れていたんだろう?
女の子は全てに優先するんだろう?僕は今までなぜこんなに他のことを考えていたのか?
僕の思考回路に女の子のこと以外はあってはならない。そうだ、それでいいじゃないか、僕は。
「僕は!愛の戦死!兼松実年だぁ!」
小さな声だってば。

いてもたってもいられなくなって走り出してから、振り返る。
会話が終わったのだろう、音楽室から、理利ちゃんが出てきた。
( ̄ー ̄)ニヤリッ
踵を返して走って前転して決めポーズ。前にもこれと同じことをやった気がするんだ。紳士的に。
「僕は知らない!分からない!キミが何をしようとしてるのか、何故戦うのか!
 しかしそれはこの際もういい!女の子を守るのが僕の定めであり役目なら!
 不肖、shooter兼松実年!貴女の為に楯となろう!
 ていうかお願いします!ならせてください!」
追記・小さな声。

それに…何故だろう?他の女の子でなく、理利ちゃんを。この女の子を守ること。
うまく言い表せられないが…まるで前世からの運命のように、決められていたような。
そんな気が、するんだ。

154 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/02(日) 16:58:07
大男の脅しにベルは屈さなかった
そして眼の前の三人はベルと重なり一つになる。
チッ、夢と自覚している分バツが悪ぃな。
「随分と大層な事を噴くじゃねえかい、妖花よお。・・・いや統合者か?」
大男は紅茶を口に注ぐ様にして飲み干した。
酒の方が良かったんだが、
酒にはちょいとばかしトラウマがあるからな・・・。
他の奴の眼の前じゃ絶対に飲まねえ。
「ま、美味いスープも下手に混ぜりゃ不味くなっちまうって事だ。」
ケッ・・・冷えてやがる。
大男は椅子に寄り掛かりながらアラウネを見る。

「まあ昔の馴染みだ、触り程度でよけりゃ話してやるよ。」
空になったカップの取っ手を回しながら大男は話し始めた。
だりぃが、まあ暇潰し程度にはなるだろうよ。

「今この学校で関わってる勢力は知ってるよな?
 まあ種族としちゃ、牙の使徒、鼠野朗が指揮する古き血の野朗ども。
 んでもってガキどもに、俺やアンタみたいな異種族。」
後者二種は餌とスポット参戦みたいなモンだがな・・・。

「まあ牙の使徒は、その数を着実に増やしこの学校に潜伏してやがる。
 全ての数までは俺も把握しきれちゃいねえ。
 だが、現にクラス全員牙の使徒になっちまった所もある訳よ」
大男は別に興味が無いといった表情で語る。
これも工藤のお嬢の手際の良さだな・・・。
「それに両陣営にゃ俺を筆頭とした異種族が混じってるかも知れねえがな。
 昨夜なんかは花火の九十九神が現れやがった。」
やっと舌が乗ってきたか。
こうなると喋りと言うのは止まらない物である。

「俺と主様やお嬢の関係か?」
大男は首を傾げる。
今更そんな事を確認するような事じゃねえだろうが。
「簡単じゃねえか俺ぁただの用心棒よ。
 それ以上でもそれ以下でもねえ、ただ俺ぁ牙の使徒に協力するだけだ。」
無論人じゃねえがな。
だが、工藤のお嬢達と同じ吸血鬼でもねえ。
例えるなら遠い親戚って所か。

「なーに、安心しな。今更何やっても止まらねえ。」
計画は順風満帆。
古き血の奴らも所詮は計算された事。
大男はニヤリと笑う。
「宝に引き寄せられたガキどもは、少なからず変な力を持ってやがる。」
それが血の美味さを際立てるのかわからねえがな。
少なくとも美味い事は確かだ、若ぇ肉に特別な力が宿ってんだ。
不味いわけがねえ。
「それを主様がどうすっかだな、仲間を増やすか、餌にしちまうか。」
俺にとっちゃ専ら餌だがな。
俺の種族は俺一人で十分よ。
「だが、それ以上は俺ぁ言えねえ、俺ぁただ飯と寝床さえありゃ万事OKよ。」


「無駄な真似はしねえ方が懸命だと思え、
 全てが主様の思うがままだ。
 鼠野朗は当然としてコソコソと探りを入れてるガキども。
 ・・・・・・・・俺もアンタもな。」
敵に増えたら色々面倒だからよお。
余分な手間を掛けさすんじゃねえ。

155 名前:黒猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/07/02(日) 21:43:06
>水無月つかさ
>工藤さんがいろいろ語ってる隙に、泡を吹いてる気絶している猫さんを拾って、ちょっとした細工をした。
>ええまあ、工藤さんと猫さんの契約を断ち切っただけですけど。
ギコは気がついた。
気がつくと一声鳴いた。
「ボクのご主人様は今からつかさタンにゃ。ごろごろごろごろごろごろにゃ〜〜〜〜〜ん」
ギコはつかさに擦り寄った。

   ∧ ∧
   (,,゚Д゚)   <なにか用ある?今度はちゃんと働くにゃ
    | ∽|     
  〜|   | 
    U U 

―名前・ギコ
―性別・オス
―年齢・生まれて12年以上ぽい
―髪色・黒
―瞳色・黄
―容姿・ネコだな
―学年・上湘南第一中学校名誉生徒
―部活・昼寝部
―備考・基本的に行動は裏切り者

156 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/02(日) 22:02:01
↑ 氏ね糞荒らし

157 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/02(日) 22:52:15
向居の話をトリニティーとなったベルは足を組みながら静かに聞いていた。

牙の主とノスフェラトゥーの対立図式。
戦闘系異種族のスポット参戦。
ここまでは叢雲剣や妖花アルラウネも知る遥か昔から変わらぬ構図だった。
だが、工藤という牙の使徒の存在を初めて知ることになる。
そしてベルは一つの結論に達し、小さく笑みを浮かべる。

「感謝するよ。昔馴染みってだけでいきなり来た私達にこれだけ教えてくれたのだから。」
にっこりと向居に笑みを向けると、更に続ける。
「無駄な事など、この上一中の戦いには何一つないはずだよ。
言ったろう?神のチェスだって。
ノスフェラトゥもよくやったが、長く戦いすぎたのかねえ。それとも新しい使徒が余程使える奴だったのか・・・。
霊宝はイレギュラーを望んでいるのさ。私流に言えば楽しみ方がよくわかっているって奴だね。
異能の人間達はそのために呼び寄せられた新しい駒ってところさ。そして私達は・・・」
ベルの台詞は最後まで続けられることは出来なかった。
会合の場となっている部屋全体が歪み、崩れ始めたからだ。
それは部屋だけではない。ベルも、向居も、全てがだ。

「おや、もう少し話をしたかったが、本体が目覚めようとしているよ。
何から何までこっちの勝手ですまないね。
次ぎ逢う時はどこでどんな関係かはわからないが、お互いにせいぜい楽しませようじゃないか。
だが、土産に酒は期待しないでおくれよ?叢雲剣にとって酒は鬼門だからね。」
崩壊しつつある部屋の中、既に体の半分以上が消失したトリニティーベルは同じように体の半分以上消失して
いく向居に愛想良く手を振った。


158 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/02(日) 23:25:31
357 :名無しになりきれ :2006/07/02(日) 23:22:50
どう見ても156が荒しだわな・・・
あーいうのはワザとやってるのかね?本気なのかね?

159 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/03(月) 00:00:21
「やっぱりおかしい」
休み時間中に堀江の様子を僕は見ていたけれど、ギコの言うことが間違っているような気がしてきた。
人の言葉を話すあの黒ネコは。ラスティーリアが記憶操作をまともに受けて堀江の中に封印されたと言った。
でも堀江からラスティーリアのオーラを全く感じないんだよな。
封印されたとしても、いなくなったわけではないから堀江の体内にいるはず。
ならラスティーリアの気配をオーラで感知できるはず。
なのになんにも感じない。これはおかしい。確かめないといけない。
僕は決意して立ち上がった。
クラスメートと話す堀江の横を通るとき、僕はわざと―――
「うわっ!」
転んだ。
堀江の額に僕の額を当てた。
「おいおいおいおい!」
堀江が、ったく、という表情で笑いながら軽く怒った。
「ご、ごめん」
と押しのけられたがこれで十分。額と額が触れていたのは一瞬だけど、接触によって堀江の体内のオーラを読めた。

ラスティーリアはいない。

どこに行った?
あれ。待てよ。今日の朝から堀江がいろいろ無言で合図していると思ったいたのは勝手な僕の勘違い?
脱力する……
あの黒ネコは信用できないぞ……
それにしてもどこに行ったラスティーリア。昼の会合には来るんだろうか。
堀江に当たったあとそのまま自分の席に戻るのはへんなので、トイレに行った。
戻ってきて席に着き、次の授業のために教科書やノートを机の中から出したとき封筒が落ちた。
理利さんからだ。
昼の会合には出ないとある。それにあのドド(先生)に会うと!
さらに封筒からはきれいな石が出てきた。ただの石ではないと一目でわかる。オーラを放つ不思議な石。
ビー玉の次はこの魔法のこめられたらしい石だ。
「理利さん。これは一体…」
そうひとり言を石につぶやいたとき、言葉が飛ぶような感じがした。
言葉が飛ぶ、なんてへんな表現だけども、そうとしか表現できない。
理利さんに今の言葉が届けられたような気がした。

160 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sagesage天保さんよろしく。シーラ先生、事後キャンセル気にせず使ってね] 投稿日:2006/07/03(月) 06:32:12
>シーラ先生
「分かったよ…。」
私は驚き、まじまじと先生の目を見つめ返した。握ったままだった先生の手が、すっと引き抜かれる。
「・・・本当に?先生のこと、信じていいよね?」
シーラ先生は頷いた。
私はホッとして、先生の膝に額を押し当てた。
「ありがとう、先生。嬉しい。なるべく足を引っ張らないようにするからね」
声が弾んでるのが自分でもわかった。
用意していたものが全部無駄になってよかった。出来ればこの人とやりたく無かったから。
私はずきずきと痛む手を後ろ手に隠して、立ち上がった。
私は心からの笑みを浮かべて手を振り、足取りも軽く音楽室を後にしようとした。

>153兼松君、
そして絶句。
・・・サネ君、いったい何してるの?もしかしてそれ、上一祭の出し物?
>「僕は!愛の戦死!兼松実年だぁ!」
ちょっと字が違う気がするけど、とにかくサネ君はそのまま走り去ったので、私もようやく音楽室を出る事ができた。

戸を閉めて廊下に出た途端、思わず顔を歪める。
痛む手に視線を落とすと、覚えの無い傷があった。たばこどころか、火箸でも握り締めたみたいに。
・・・なるほど。昼間怪異は起こらないってこういう理由なのね。

それにしても・・・今日はちょっと気配が違うような気がしたけど、いつも通りのサネ君じゃない。
元気そうで良かったわ。
そんな事を考えていたら、サネ君が走って戻ってきた。思わず後ずさりする。
>「僕は知らない!分からない!キミが何をしようとしてるのか、何故戦うのか!
まさに立て板。小声なのになんだか今日はいつもと気迫が違うような・・・。
> しかしそれはこの際もういい!女の子を守るのが僕の定めであり役目なら!
> 不肖、shooter兼松実年!貴女の為に楯となろう!
> ていうかお願いします!ならせてください!」
「は、はい」
気づけば思わず頷いていた。

161 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/03(月) 06:35:50
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・はっと我に返る。
「え・・・いや・・・そうじゃなくて・・・」
どうみても迫力負けです。本当にありがとうございました。
「ちょっと、何馬鹿なこと言ってるの?」
背後の音楽室からは陰鬱な旋律が聞こえてきた。ああいやだ、これ『暗い日曜日』じゃない。
「さっきの話聞いてたんでしょ?これはゲームじゃないのよ!
昨日クリスや酔っ払いが殺された事を忘れたの?!あなた馬鹿?死んじゃったらそれで終わりなのよ!!」
はっと慌てて口元を押さえる。
馬鹿は私だ。あれは全部『夢』でなくてはならないのに。なんて軽はずみな事を!

音楽室からの音は途切れる事は無い。演奏は素晴らしいけれど、なんとも暗示的ね。
シーラ先生、本当は私に死んで欲しいと思ってるのかしら。
それともレジュー・セレシュの歌詞にあるように、私が罪人で間違いを犯しているとでも言いたいの?

私はサネ君に何と言って誤魔化せばいいか必死で考えた。
「・・・・・・音楽室での話は全部冗談よ、吸血鬼なんて存在するわけ無いじゃない?
サネ君が聞き耳立ててたから、シーラ先生と一緒になってかつごうとしたの。
本気にした?ごめんね。まさか真に受けるとは思わなかったの。だから私のことも守っていただかなくても結構よ」
ああ、これで引き下がってくれるといいんだけど。

ちょうどパソコン部から長身の生徒が出てきた。なんだか足元がふらついているようだ。
「私のことより、この子に手を貸してあげたら?」
私はサネ君だけでなく、階段の上の人物(>151)にも聞こえるように言った。
分かった?と階段を見上げて目線で念押しして、その場を立ち去る。
具合が悪そうな生徒が気にならないといったら嘘になるけれど、どうしようもなかった。
だってもしあの場に残ってサネ君に問い詰められても、うまく返答できるか自信が無かったから。

>148:アッシュさん。
>「聞こえる、リリ? 工藤との接触には成功、だけど交渉には失敗。
>やっぱりボクも、昼の会合には参加しよう。話したいことがある、試したいことも」
「聞こえてるわ。ホントにお疲れ様。
こっちの方はまあ成功かな。音魔女の方は協力してくれるって。・・・鵜呑みにして良いのかはまだ分からないけれど」
最後の部分は慌てて付け足した。
魔女という生き物は皆平気で嘘をつく生き物だ。ちょうど私と同じように。
それは分かっているけれど・・・それでも私自身は信じたい。
写真を眺める優しい目と、さっき見せてくれた微笑みに嘘はないと信じてるから。
「アッシュさん、危ない橋を一人で渡らせてごめんね。無事でなによりよ。・・・じゃあ、お昼休みに図書室でね」

>159:藤田君
>「理利さん。これは一体…」
今度はレイジの声だ。
・・・その台詞、そっくりお返しするわ。渡した魔法石を介して声を送れるとはね。私自身びっくりよ。
「・・・あなたにはいつも驚かされるわ、藤田礼司君。私に何か御用?」
レイジの方では、私の声も拾えるのかしら。
実はあの石には、アッシュに渡したように声をやり取りできるような加工をしていない。
だから実は送信オンリーで、私の声はレイジに届かない可能性もあるわね。

162 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/03(月) 18:54:39
>「私のことより、この子に手を貸してあげたら?」
その言葉に夢うつつの世界から、現実に引き戻された。
あわてて落ちた缶を拾うと、二人の男女が音楽室前でなにかしているようだった。
女子のほうは校内でもあまりにも有名な華山 理利。
同じクラスだが天上の人なので恐れ多くてあまり話したことはない。
もう一方の男子は同じく二年の兼松。あまり浮いた話などは聞いたことがないので、名字だけしか覚えていない。
その二人がなぜここに?と疑問が浮かんでくるが、男女がこんな人気のない場所でやることいえば……告白か!
わざわざ音楽室の前でやるということは、誰かにピアノ演奏をお願いしてムード作りのためだろう。なかなかこった演出だ。
そして兼松のあの眼。あいつ、この告白に命賭けてやがる。あれは戦士の眼だ。凡人になどそうそうできる代物じゃねぇ。

しかし、その覚悟はもろくも崩れることになる。華山さんは階段側へと振り返り、逃げるように去っていってしまった。
その気があったとしても、芸能活動がいそがしすぎて恋人を作りたくても作れない状況なんだろうし…
結局のところ彼女がどう思おうが、このような結果になるのはみえていた。
慰めや哀れみなどではなく、見事に散った若人が次に向けての送別の意味を含めてこの言葉を送る。
「身を刻まれようと、恋にやぶれて胸がはり裂けようと、日々新たに生きよ。志は千里にあり、壮心やまず!」
俺に言えることはただそれだけ。自分の道は自分で見つけるべし。
そのまま一瞥もせず、兼松の前を通り過ぎて階段を降りていく。

163 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/03(月) 22:50:56
>理利さん
>「・・・あなたにはいつも驚かされるわ、藤田礼司君。私に何か御用?」
石を通じて言葉が返ってきた。さすが超常の力を持つ理利さんのアイテム。
「あのドド…先生との話はどうなりました!?無事ですか?」
周りに聞こえないように声を潜めて僕は石に言った。

――――――話し合いはうまくいった。

そう突然こころに浮かんだ。
ドド先生と会話する理利さんの映像や音声までも、断片的だけれども、でも十分に分かる感じで僕の頭の中に伝わってきた。
ドド先生が「分かったよ…。」 とつぶやき、その答えに喜びと驚きの表情の理利さんが「・・・本当に?先生のこと、信じていいよね?」と
言葉を漏らすさまさえはっきりと見えた。
僕は手のひらに握った石をまじまじと見つめた。
メレンゲとかさんま御殿にゲスト出演している理利さんが、こんな不思議なアイテムを持っているなんて……
ケータイよりもはるかに便利だ。
「理利さんの手紙に気がつくのが遅れました。ごめんなさい。
もしかして理利さん。ドド先生との交戦も覚悟していったのではないですか?
ドド先生との交渉は成功したんですね。よかった。
もう授業が始まりますよ。用は大成功で済んだから出るんでしょ?待ってます。お昼には図書室にやっぱり行きましょうよ」

164 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/04(火) 01:47:26
>155
>なにか用ある?今度はちゃんと働くにゃ
それに対しては、また猫語で返事を返しておいたわ。
『いいえ猫さん。わたしがするのは「命令」じゃなくて「お願い」だから、聞く聞かないは貴方次第よ。
 それに、そもそも猫っていうのはね、犬と違って自由な生物だし、そうあるべきなの。
 何処かの魔女が言ったわ、『猫は従わせるものではなく愛でるものだ。使い魔は梟にすべし』って。
 だから、お好きなようになさい。あ、でも、悪戯は駄目よ』
工藤さんの使い魔としての契約を断ち切っただけで、別に自分の使い魔にした訳じゃないから、この猫さんに「命令」する権利はわたしには無い。
それに、基本的に一度裏切られた相手は信用しないようにしてるから、ちょっとしたお使いでも頼みたくはない。
まあ何より、わたしが言ったとおりの猫さん自由論が一番強いんだけど。
あと、工藤さんの表情が大分険しいから、暫くはこっちに注意を向けておかないといけないし。いえ、警戒とかじゃなくて。

次の授業は社会。そろそろお腹が空いてくる頃だわ。
でも、この授業を乗り切ればお昼休みだから、それまでの辛抱ね。

165 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/04(火) 12:40:08
コロコロコロコロ…ピタッ

166 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/04(火) 14:18:59
三年の使徒の一人が襲い掛かってきた

167 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/04(火) 14:36:59
襲い掛かった使徒は契約の力でいなかったことにされてしまった

168 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/04(火) 16:49:10
青砥の家族がテレビの力に出演
細木数子が犯人を探すことになった

169 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/04(火) 23:45:38
桃白白VS孫悟空 劇場版が始まった

170 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/04(火) 23:57:45


 お ひ る に な り ま し た




171 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/05(水) 00:16:32
「なーに、別に礼を言われる筋合いはねえよ。」
大男は礼を言うアラウネ(と統合者)に言った。
ただ、お前が面倒を起こすと処理するのは俺の役目だからよ。
その意味での手間なのだ。
ケッ、しかしこんな夢見を台無しにされるとはなぁ
あの九尾の奴に化かされた以来だな、こりゃあ

「アンタの我侭は今に始まった事じゃねえ・・・・気にすんな
 まあアンタが主様の眼の前に立たなきゃそれで良いがよお・・・」
やれやれと言った感じで呟く
「俺にこれ以上、目覚めが悪くなるような夢を見せねえでくれや。」
大男は先程とは打って変わり、
不機嫌そうな声で話す。
「また『雷』落ちちまっても今度は知らねえぞ。」
そう言うと大男の姿もぶれ始める。
夢から覚めようとしているようだ。
大男は知っていた、自分が寝ている間に力を使った事に。

「それと嬢ちゃんに言っておけ。」
「知りたがりは死にたがり・・・あんま首を突っ込むんじゃねえ。」
片手で口を隠した。
「今度夜中に会った時は・・・・・喰っちまうぞ?」
手をどかす。
そこに見えた物は剥き出しにされた牙
吸血鬼見たく犬歯が肥大化しているのではなく
犬歯中心に歯全体が化物の様に伸びていた。
まさに化物の口。
まあこれだけで驚かれちゃ困るんだがな。

そして大男の姿も世界と共に完全に消えた。

172 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/05(水) 03:43:52
>163藤田君
>「あのドド…先生との話はどうなりました!?無事ですか?」
どう言って話そうかと思案していると、なんとも言いようのない奇妙な感じに気づいた。
私自身は何もしていないのに、たった今過去見を行っているような感覚だ。
なにこれ・・・と驚いていると、再びレイジからの声が届いた。
>「〜。もしかして理利さん。ドド先生との交戦も覚悟していったのではないですか?
>ドド先生との交渉は成功したんですね。よかった。
>もう授業が始まりますよ。用は大成功で済んだから出るんでしょ?待ってます。お昼には図書室にやっぱり行きましょうよ」

「ちょっと、プライバシーの侵害じゃない?・・・なんてね。話が早くて助かるわ。
図書室は・・・そうね、気が向いたら行くわ。お手並み拝見かな。それに・・・」
面白そうなものも見れそうだしね、と内心で呟く。
「・・・良かったら後でノート見せてね。じゃあまた後で」
思っていることとは別の事を話し、通信を終える。
――レイジは、知りたいことだけ読み取ったみたいね。まだアッシュのことは気づいていないみたい。
懐かしいこ・・・ゲフンゲフン、もとい、戦友と再会したら、いったいどんな顔をするのかしらね。

もうすぐ四時間目だ。
二階渡り廊下への階段を駆け上っていると、最上段に一人の生徒が立っていた
不穏な空気に思わず足が止まる。名札の色からいって、多分3年よね?
何?と思うより先にいきなり間合いを詰められた。
人間ではありえない力で、階段踊り場の壁に叩きつけられた。ピシッと嫌な音がして、背後の壁に亀裂が入る。
不完全でもシールドが張れて良かった。・・・普通死んでるわよ。
こいつ牙の使徒だわ。反撃しようとして、はっと手が止まる。
音楽室でシーラ先生の傷を消すという怪異を起こし、私はその後どうなった?
そんな一瞬の躊躇が命取りになった。
腕と首を捕まれ、再び壁に縫いとめられる。
相手の手首に爪を立てるけれど、痛みなど全く感じていないようだ。

視界が暗くなりかけたところで、パン!とクラッカーがはじけるような音がした。
怪力に軋んでいた身体がふっと楽になった。そのまま床に崩れ落ち、激しく咳き込む。
何てこと。霞む視界でもはっきり見てしまった。
――――何かの力によって、牙の使徒は消された。無かった事にされたのだ。
壁に入った亀裂も今は綺麗に消えているのだろう。何もかも元通りって訳ね。
・・・どうせなら、私のダメージも無かった事にして欲しかったわ。

授業開始のチャイムが無常にも鳴り始めた。ああ、4時間目くらいは普通に過ごせると思ってたのに。
たまたま通りがかった誰かが、「生徒が倒れてる!」なんて悲鳴を上げた。
ああ、お願いだからそんなに騒がないで・・・・・。そう言いたかったけれど、出来なかった。


次に目を覚ました時、私は保健室のベットの上にいた。

173 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/05(水) 07:36:03
ヤム飯まだ?

174 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/05(水) 20:03:54
くだらないことをしているうちに4時間目が始まりそうな時間。
その授業が終われば、もう昼休みに突入する。
外は音を立てて雨が降っていて、空を雲で覆っている。
今日は晴れだという天気予報士を信じて傘をもってきていない。
もしかしたら、今日中にはやまないかもしれない。帰りはずぶ濡れになることを覚悟しながら教室に向かう。

>634
前方に何かがあった。いや、何かではなく人だ…しかも女の子。
というかあれはクラスのアイドル華山さんじゃないか。今日は教室以外でよく会いますね。
もしかしたら目の錯覚かもしれん、と眼をこすってもう一度見ているがやはり華山さんは華山さんだった。美しい……。じゃなくて!
貧血で倒れてるだけかもしれないが、なんにせよ保健室に運ばなくてはならない。
それが男の……いや、漢の宿命だろう。
「生徒が倒れてる!」
通りがかりの誰かがそう叫んだ。だが、そいつは助けるどころかあたふたしながら見ているだけだった。
とりあえず、気を失ってしまっている彼女に駆けより肩を貸すような形で運ぼうとする。
そのとたん、ぷん、と香る女特有のにおい。ドキッとするぐらいのいい匂いだった。
ええい…悪魂退散、悪魂退散!
邪念を追い払い理性と戦いながら保健室につくとベッドに彼女を寝かせる。
「じゃあ先生。俺は教室にいくんで、後のことは頼みます」
保険医の先生に挨拶をして、逃げるようにして去る。舞うは影、残すは屍。

「まぁったくこの張り紙に書いてあるだろ!読めんのか?廊下を走ってはいけませんって!」
全速力で廊下を走っているところを体育教師の鬼教師ゴリに見つかってしまった。
すれ違い様にラリアットで止められ、走った勢いもあいまってすさまじいダメージをくらった。
どうやら体育館に向かっている途中で出会ってしまったらしい。魂畜生。
うるせぇっての。バカみたいに律儀にルールに縛られやがって。
「はい。すいませんでした…今度からは気をつけます」
「次はこうはいかんぞ?そろそろ四時間目が始まるので『廊下を走らず』急いでいきなさい」
廊下を走らずに急いで……難しい注文だ。競歩か?
狐に包まれるような顔をした俺を残し豪快な笑い声とともに去っていた。

175 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/05(水) 21:16:47
>「今度夜中に会った時は・・・・・喰っちまうぞ?」
鬼か狼のような牙を見せながら言った言葉が向居の最後の台詞となった。
勿論これは醒めつつある夢の世界での話。
ベルの覚醒と共に夢の世界も、その中の住人も完全に消滅する。

こうしてベルは目を覚ました。
夢から醒めたベルはただの凡人。
夢の中での会談の事などすっかり忘れ、寝呆け眼をこすっている。
ただ、首にかけられた叢雲剣のゴルゲットと、植木鉢に入れられた妖花アルラウネが何も語らず沈黙を守って
いた。
「うなされていたけど大丈夫?」
隣の席の友人に声をかけられ、覚醒しきっていない頭でとりあえず頷く。
そして思い出したように友人に語り始める。

「そうそう、とってもスペクタルな夢をみたの!

あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
                         あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ      あ
                  あ       ああ
                             あ
                             あ
                          あああ
                         あ
                   あ    あ
                    ああああ
                       あ
                      あ
                     あ
                    あ
ああああああああああああああああ
                     あ
                     あ

が現れて火を吐いたり、怪光線を放ったり!
挙句に桃白白と孫悟空もきて三つ巴の闘い。なぜか私は流れ弾の追跡カメハメ波に追いかけられてね!
吃驚したんだけど、実はそれは村上ファンド主催の劇場映画だったのよね。」

「・・・・はいはい。もういいから、早く着替えて。今週は私たちの班が給食当番よ。」
人の支離滅裂な夢の話を聞かせられるほど苦痛な事はない。
友人は適当に聞き流し、既に四時間目が終わり昼になっている事を伝えた。
そう、三時間目途中から寝始めたベルは終了しても起きず、幸い四時間目は自習だったということでお昼まで寝
り続けてしまっていたのだ。
自分がそれだけ眠り続けたことに驚き、そのお陰でしっかりと覚醒できてしまった。
「はぁ・・運がないなあ。昼休み図書館にいけないかも・・・。」
ブツブツと呟きながら白衣を纏い、出ようとすると更に待ったがかかる。
「その鉢植えまで持っていく気?もう、まだ寝ぼけているの?」
「あ、アレ?なんだか離しちゃいけない気がしちゃって。ごめんにー。」
頭一つ分小さな友人に突っ込まれながら妖花アルラウネの植えられている鉢植えを机の上に置き、ドタバタと給食
室へと歩いていった。

176 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/05(水) 21:54:34
しかし↑が見た夢は本物だった

177 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/05(水) 23:00:23
下の方から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
おそらく兼松と華山さんだろう。昨日のメンバーだからだろうか、間違いないと確信が持てた。
確認しようと下を見ようとするが、ここからじゃ見えない。

>「さっきの話聞いてたんでしょ?これはゲームじゃないのよ!昨日クリスや酔っ払いが殺された事を忘れたの?!あなた馬鹿?死んじゃったらそれで終わりなのよ!!」
どうにか下を見ようと奮闘していると聞こえてきた華山さんの声。
ごまかそうと冗談みたいに言っているが、あそこまで言ってしまってるからな…ごまかすのは無理の様な気が…
まあ、これで華山さんも昨日のことを覚えてるというのは分かった。
いろいろと考えながら下を眺めていると、急に1人の女子生徒が姿を表す。
「うぉっ!?……やはり華山さんか…」
慌てて隠れるがどうやら気づかれているらしい。
華山さんは兼松を頼む的なことを言うとそのままいなくなった。
もう一度下を覗くと長身の男子生徒が通り過ぎた。
もう一人いたらしい。しかし、愁弥には気付いていないようだった。
ということは……残るは、兼松一人か…


178 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/05(水) 23:23:18
愁弥はフラフラと立ち上がると、階段を降りていった。

廊下にでると兼松が呆然と立っていた。
とりあえず、どうしたもんかね…
骨が折れてそうな気がするし…保健室に行ったほうがよさそうだが、こいつが素直に男と一緒に保健室に行くわけなさそうだし…
愁弥はしばらく考えてから兼松の方を向いて言った。
「…今のお前はいろんな意味で危ない感じがするから保健室行ってこいよ。
そのエネルギーなら保健室まで一人で行けるだろ」
そう言うと、愁弥は教室に戻っていった。
########################################
教室に着くと同時に4時間目開始のチャイムがなった。
「お前、今までどこに行ってたんだよ。…また、サボりか?」
席に着いて、ボーッとしているとクラスメートの中村が話し掛けてきた。
「ん?…まあ、そんな感じだな。4時間目には間に合ったから許せ」
愁弥はそう言うと、机に突っ伏した。


179 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/05(水) 23:25:14
「気がつきましたか?理利さん。もう昼休みですよ……あ!起きないで。無理しないで」
学園のアイドル理利さんが倒れたという噂は学校中を駆け巡った。だれかが保健室に運んだらしいけど
保険の先生はその人の名前を微笑むだけで教えない。
保健室の外の廊下は野次馬の生徒でいっぱい。僕は理利さんの分の給食を持ってきたということで
保健室にいれてもらえた。
「大変な噂になってますよ。今話題の吸血鬼に襲われたんじゃないかって……」
学校に吸血鬼が出るという噂が真実なのが悲しい。
「昨日の夜でわかったことですけど、僕らの学校は恐ろしい魔物たちの戦いの場になっています。
かなりの犠牲者がすでに出ているような気が僕はします。
僕はこれからのオカルト研究会に期待をかけているんです。
僕らが僕らの学校を救えればって。
理利さん。給食食べて落ち着いたら…来てくださいね。無理しないで……でも来て欲しいです。
じゃ僕は一足先に行ってます」






「ギルバ先生の許可はいただいてます」
僕は司書先生にことわって図書室書庫に入った。
公立の図書館と違って学校の図書室はおしゃべり室みたいなもの。
一教室ぐらいの広さの書庫にはテーブルも備え付けられていて談話室としても利用できる。
書庫には図書室に陳列しきれない本が棚や床にぎっしり置かれていた。
書籍としての価値はあるかもしれないけれど、だれも借りないような古くて重厚な本ばっかり。
ざっと見てみると湘南の土地柄から地域に関連した本が多い。
『鎌倉幕府法度録』『北条氏の繁栄と衰退』『日本武尊と相模土着信仰』
手にとりたいとは思えるような本は一冊もない。
年季の入った本が放つ独特な香りの中で、僕はレポート用紙に「オカルト研究会集会場」と
祈りをこめて書いた。だれが来てくれるだろう。
僕は書庫の入り口のドアにそれを貼った。
「いよいよなんだ」

180 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 02:06:51
>166>167
牙の使徒の一人―――ちょっと不良みたいな感じの子が、爪を武器にわたしに襲い掛かった。
もちろん、敢えて何かをする必要が無いことくらい、わたしは知っていたわ。
爪がわたしに触れる寸前、襲い掛かった牙の使徒はパッと消えた。
そして教科書を黙読しながら、工藤さん、並びに他の牙の使徒に言った。
「あんまり下手なことはしないことね。でないと、貴女達もこうなるわよ」
実は夜のことも含めて言ってるんだけど、果たしてそれに気付いているかしら?
気付いてるくれてるなら、特に手荒な事とかしなくて済むのだけど。
「安心して。夜のアレだったら、気が向いたら貴女達の力になるから。気が向かなかったら、まあ諦めて頂戴。
 ほら、先生が来たわ。授業は真面目に受けないと」

>170
ピリピリした雰囲気が続いたけど、まあ無事に4時間目の授業を終えて、給食も食べ終わって、心休まるお昼休みが始まった。
そういえば、お昼に図書館でオカルト研の会合があるんだったわね。
そういう訳だから、図書室へ行きましょう。

>179
図書館に入ると、まず書庫のドアに張られてる「オカルト研究会集会場」って書かれた紙に目が行った。
「オカルト研究会はこっちって聞いたんだけど……責任者か誰か、居るかしら?」
書庫のドアを開けて、書庫の中を見渡し、返事を待つ。
案外広いのねえ。いろいろ面白そうな本が置いてあるし、機会があったらまた来ようかしら。

181 名前:蔓城 浄斗 ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 08:13:57
コロコロコロコロ…ピタッ。
転がってきた鞠が体に当たる。そして凍りついた刻が、動く。

暗闇から逃れるように意識が覚醒する。
目覚めたのは、そう学校の裏の林だ。体がびっしょりと濡れてる。
涙?いや、雨だよな普通。まだ雨が降り続いているなぁ・・・。
携帯はまだ無事なようだから覗いてみる。えーっと・・・

「もう。昼休みかな?」
<起きるの遅すぎるだろうが。>
傍らにはまだその棍があった・・・。

「そういえば、学校で平然と持っていくのはまずいよね。」
<安心しろ、外見の変化ぐらいできるからな。それより、図書室行くんだろ?>
「そうだったね。出来れば、あれが夢で終わってほしいところなんだけどなぁ・・・。」

棍は蛍のような光を一瞬放つと、僕の右腕に収束して・・・虎の刻印となった。
「刺青は拘束で厳禁。」
<どうせ【力】のある奴にしか見えない。安心しろ。所謂光学迷彩ってやつだから。>
「それって腕が見えなくならない?」
とは言ってはみたけど腕も刻印も自分には見えてるんだよね・・・。

>179
そして、図書室前。「オカルト研究会集会場」前。
『体を一瞬で乾かした』ことで校内では別に不審には見られていない。
きっとここに踏み込んだらこれまでの現実は砕け散るだろうけど、踏み込まない訳には行かない。
あの夢でみた光景を繰り返さないために、守るために。

「こんにちはー。チラシを見て来たのですがー。」
部屋の中にいた人には『面識』がないけど、『覚えている』ような気がする。
でもそんなことはおくびにも出さない。
<おいおい、俺のこと疑ってるな?まぁいい、どうせ後でハッキリするか。>

182 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 15:36:29
書庫には大量の実装石が住んでいた。

183 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 21:19:16
で、実装するの?しないの?

184 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/07(金) 05:53:40
>藤田君
見慣れぬ天井を眺め、ここはどこ?なんて考えていると、突然レイジの声が聞こえた。
慌てて起き上がった途端、身体が悲鳴を上げる。
>「大変な噂になってますよ。今話題の吸血鬼に襲われたんじゃないかって……」
一気に何があったのか思い出した。
嘘、もう噂になってるの?・・・ちょっと落ち込んで良い?

レイジはオカルト研究会に再度私を誘った後、保健室を出て行った。
ドアが閉まる音を聞きながら、今日何度目かのため息をつく。
「かなりの犠牲者が出てるって知ってて・・・それでも学校を救うのは『僕』じゃなくて『僕ら』なのね・・・」
レイジの言う『僕ら』に、昨夜巻き込まれた生徒達が含まれている事は疑う余地が無かった。
その迷いの無さが腹ただしく、また羨ましくもある。
冒険に憧れ、家族を捨てて異界へと旅立った彼に私の葛藤は理解できないのかもしれない。

気を取り直し、私はサイドテーブルに視線を向けた。
給食のトレイを眺め、しばし固まる。
・・・レイジ、給食を運んでくれてありがとう。でもひとつ聞いて良い?
なんでデザートのプリンが4つもあるの?
・・・もしかして、誰かが自分の分を回してくれた・・・のかな。
「こんなに食べられるわけ無いのに。馬鹿じゃない?」
口調とは裏腹に、私は微笑んでいた。

私は給食を食べる前に、廊下の野次馬にお帰りいただくことにした。
保健室で休んでるのは何も私だけじゃない。こう騒がしくされては良くなるものも良くならないわ。
次に先生にお礼を行って、誰がここまで運んでくれたのか尋ねた。
同じクラスの天保君らしいけど、転校してきたばかりで、まだクラスメートの名前と顔が一致していない。
教室に戻ったら彼にお礼を言わなきゃね。

「うるさくしてごめんなさい。もし口に出来るようならこれ・・・召し上がってね」
カーテン越しに手だけ伸ばし、隣のベッドで休んでいるらしい人のサイドテーブルにプリンを置いた。
眠っていても目が覚めたら気づいてくれるだろう。
甘いものが嫌いじゃないと良いんだけど。

パンと牛乳には手をつけなかった。
まあ持っていったとしても、アッシュが口にするかどうかなんて分からないんだけど。
あまり気乗りしないけれど・・・給食を食べ終わったら図書室へ行かなきゃ。
多少会合に遅れても、レイジは許してくれるわよね。

185 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 21:36:59
再び三年の使徒の一人が襲い掛かってきた

186 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 23:31:21
>>185
はいはいなかったことなかったこと

187 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/07(金) 23:35:56

「うるさい」
186は死に、三年の使途が襲い掛かってきた



188 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/07(金) 23:41:41
説教の後、教室にいって普通に授業を受けた。
大遅刻について多少先生からの注意をいわれたものの、何のお咎めなしだったのが不思議だった。今日は先生の機嫌がいい日なのだろう。
いつもなら廊下に立たされるか、職員室に呼ばれるかのどちらかなのだがなんにせよ助かったことには変わりない。
黒板に書くときのチョークの擦れる音を子守唄にして眠りの態勢に入る。
興味のない授業はどうしてこうも眠気を誘うものなのか、わずか五分もしないうちに俺の視界はフェードアウトしていった。

いい匂いがあたりを漂い、それぞれが友人同士で席をくっつけて談笑する。
育ち盛りの生徒にとって給食の時間は、腹も満たせて勉強から解放されるまさに至福のときだった。
友人たちと昨日のお笑い番組について盛り上がり、腹も満たされて満足した俺は三年生の教室まで足を運んだ。
部長のパソコンのパスワードを尋問によって聞きつけるためだ。
「あ、どうも失礼するっス」
廊下から二列目の席に位置する席にひっそりと部長がうつむいていた。
「部長。いますぐパソコンのパスワードを教えなさい。パンあげるから」
給食の残りのパンを目の前でちらつかせる。しかし、顔をあげようとはせずただぶつぶつと何かを言っているだけだった。
「おいこら。無視してんじゃないよこのバカちんがぁ!」

>185
ガタっ!とイスを豪快に倒しながら部長が立ち上がると、腕を掴んですごい力で俺を引き寄せた。
突然のことなので、受身もとれずに部長の机に思いっきり頭をぶつけた。
さっきのゴリのラリアットとは比べ物にならないほどの激痛と吐き気が襲ってくる。小さい呻き声が口から漏れる。
それでもまだ部長は腕を掴んだまま放してくれない。むしろ力が最初よりも増しているようだった。
それは、捕らえた獲物を逃さないかのように…。
「部長!ぶざけるのもいい加減に―――」
言葉は途中で小さくなっていき、消えていった。その光景を見てしまったから…。
腕から伝ってくる暖かくて紅い液体。それは血だった。
その紅い軌跡を辿っていくと、部長が――腕に牙をつきたて、血を吸っていた。
その異様な光景はいま話題になっている吸血鬼そのものだった。

189 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/08(土) 00:10:20
時間巻き戻り30分
部長消滅

190 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/08(土) 00:25:22
189はヤスの見た夢であった

191 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 06:02:53
「先生、ありがとうございました」
深々と一礼し、保健室を後にする。

保健室の鏡で見たけど、私の首に締められた跡は残っていなかった。
(まあ指の跡なんかが残ってたら大騒ぎだったでしょうけれど。明らかな殺人未遂だし)
――――どうやら私は、誤って階段から落ちた事になっているらしい。
魔力が無かったら、多分記憶もその方向で改竄されてたんでしょうね。
アッシュの昼食を入れた紙袋を胸に抱えながら、私はそんな事を考えていた。

図書室に行く前に、1度音楽準備室に寄った。
「シーラ先生、聞こえてる?
ごめんね、さっきあんまり嬉しかったから、シーラ先生にお願いし忘れた事があったの。」
誰も居ない室内。だけど私は目の前に先生が居るかのように話し始めた。
だって、ここは彼女のテリトリーだもの。私の声が音魔女に届かないはずが無い。
「ねえ先生、私にクリスティーナの剣を譲ってくれない?
あの子に返してあげたいの
確かに今のクリスは何にも憶えていないし、二度と剣を持つことなんて無いかもしれない。
でも、大切なものだった事に変わりは無いでしょ?」
反応は無い。さらに続ける。
「クリスはもうシーラ先生のものだわ。
先生が持っている剣が、先生の楽器の手に渡ったって、何の問題があるの?
クリスには気づかれないよう、ちゃんと別の形にして渡すから。お願い、昼休みが終わるまでに考えておいて」
一方的に話し終え、私は準備室を出た。

私は1度懐中時計を確認し、歩くペースをさらに速めた。
思ったより時間がかかってしまったわ。もう会合は始まっているかもしれないわね。
それにしても噂が広まるのの早いこと!この分だと図書室から書庫に入ると、悪目立ちしそうだわ。
野次馬根性で、全く無関係の生徒が会合に参加しても困るわね。
・・・私はちょっと考えた後、図書室とは反対側にある資料搬出用の扉から書庫に入ることにした。
鍵がかかってる?ふふ。そんなの魔法少女の前では無意味よ。

「遅くなってごめんなさい。もう始まって・・・無いみたいね?」
集まっていたのは、水無月先輩とレイジ、そして昨日居合わせた男子生徒だった。
ふうん、アッシュはまだ来ていないみたいね。
「私も合わせて4人・・・か」
机に紙袋をおきながら呟く。ふとレイジの表情に気付いて苦笑した。
――――本当に期待してたのね。でも、現実はこんなもの。いつだって非情だわ。

「で、藤田君はどうしたいの?もう少し他のメンバーが来るのを待ってみる?それとももう始める?」

192 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 10:53:24
昼休み……
私は屋上で一曲歌ってから、図書室へ。

……少し、遅くなっちゃったわね。
もっと短い曲にすべきだったかしら。

193 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 12:10:35
大男は目覚めた。
軽く首を二、三度鳴らし歯が元に戻ってるのを確認。
そして起き上がると仮眠室から出る。
俺が寝てた時間は変わらねえ筈だが・・・・。
やっぱ主様の力なのか、三十分程早く目覚めちまったか。

昼番の奴等はどっかに出払ってるらしい。
メモが書き直されていやがる。
>「ゲンさんへ、起きたら入り口にある荷物頼みます。」

大男はロッカーから変えの作業着を出した。
さすがに半裸で行く訳には行かねえしな・・・。
入り口には大きなダンボール箱が2つ。
それぞれに保健室と書庫と書いてある。
だりぃな、あいつら重い荷物だけ残していきやがった・・・・。

大男はダンボールを紐で縛ると肩に担ぐ。
ま、とっとと片付けちまうかな。
大男は守衛室を後を後にした。
なーの奴らもすぐに帰ってくるだろうよ。

194 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/08(土) 12:18:23
そして◆IvZWGYTAn6はダンボールを家にして、公園に住みましたとさ
めでたしめでたし

195 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/08(土) 12:29:11
二つのダンボールの中には虐待派の飼っていた実装石が入っている。
「デプププ」
ダンボールの中から不気味な声が聞こえる。

196 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 14:36:48
書庫には誰も来なかった。時計の針だけが進んでいく。
工藤先輩の放った擬似記憶の刷り込みはこんなにも効いたのだろうか。
学校を襲う危機に立ち上がる者はいないのだろうか。
そうがっかりしかけた時、ついに書庫のドアはノックの音に鳴った。
コンコン。

>水無月つかさ先輩
>「オカルト研究会はこっちって聞いたんだけど……責任者か誰か、居るかしら?」
「わあっ」
だれかが来てくれたと喜んでイスから立ち上がったらこけた。
「痛ったたた。よ、ようこそ。一番最初の発起人はフランス暴走っ娘なんですけどね」

>浄斗くん
>「こんにちはー。チラシを見て来たのですがー。」
「あ…… ようこそ」
浄斗くんもやってきた。昨夜の戦いでノスフェラトゥに腹をえぐられた彼の表情は興味にひかれてやってきました、
という感じの無邪気ささえあった。僕は違和感を感じて浄斗くんの瞳を覗きこもうと顔を近づけた。

>理利さん
>「遅くなってごめんなさい。もう始まって・・・無いみたいね?」
「理利さん!もうだいじょうぶですか?来てくれてほんとにありがと」
>「私も合わせて4人・・・か」
「……けどそれは理利さんの望みでは…… 戦いに巻き込まれる人は少ないほうがいいって第二準備室で言っていたじゃないですか」
>「で、藤田君はどうしたいの?もう少し他のメンバーが来るのを待ってみる?それとももう始める?」
「始めましょう。そのまえに。と」
気配を感じて僕は言った。
「クリス。入ってきて。おねがい」

>クリス
>私は屋上で一曲歌ってから、図書室へ。
>……少し、遅くなっちゃったわね。
>(もう書庫のドアの向こうにいると設定しちゃいました)
「これで5人。えー。あらためましてようこそ上湘南第一中オカルト研究会に。
まだ人は来てくれると思いますけど、昼休みは短いので始めます。
めんどいことは言いませんです。みんなわかっているでしょうから。
オカルト研究会は部活ではありません。
この学校を蝕む吸血鬼退治が目的の戦士の集りです」

この言葉を聞いて笑う者はいるか、僕はそこで少し言葉を切った。

197 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/08(土) 16:02:03
もう実装してくれ

198 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 16:06:47
何も言わず、動きもしなかった。
いや、なにがなんだかわからなくなり何も言えず、体が言うことを聞かないので動けなかったというほうが正しいだろう。
頭では理解できているのだが、ただ震えるばかりの俺はまさに『蛇に睨まれた蛙』だった。
血が吸われすぎているせいだろうか。思考がぼやけてきて、意識が朦朧としてくる。

>190
このまま死ぬのだろうか、と考えていると軽い衝撃と共に側でパンッという乾いた破裂音が響いた。
音の大きさに耳がキーンとなり、数秒間外部からの音が遮断される。
それがおさまる頃になると、正常に聴力が働きはじめてぼやけていた視界もはっきりしてきた。
不思議なことに、目の前で吸血行為をしていた部長は神隠しにあったかのように消えていた。
それだけではない、傷はおろか血などどこにもなくあれだけ気分が悪かったのが嘘みたいになくなっていた。
「ふ…不思議体験アンビリバボー……」
これは夢だったのだろうか?周囲に座っている三年生を見回してみても、ただ不気味にたたずんでいるだけで、何も語ろうとしない。
可能性としては部長はパソコンになにか仕組んでおり、勝手にいじる輩になにかしらの催眠術がかかるように施していた。
それなら、部長のことだからどこかに隠れて俺の痴態を見て笑っているに違いないが、オチが終わってるからそろそろでてくるはず。
しかし、待てども部長の姿は現れない。となると催眠術説はなくなる。
というか部長自体が催眠術や超能力といった類のものは信じていないから、根本から却下だった。
となると頭の悪い自分には、後はこれは夢だったという安直な結論しかない。
夢見る13歳。いや全然笑えないって。

199 名前:黒猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 17:26:01
書庫の窓を前足でガラっと開けてギコが入ってきた。
「寺西先生が取り上げた黒の棒を取り返してきたにゃ」

   ∧∧
  ( ,,゚Д゚)  <いるだろ?礼司
  ∪  ⊃――――
 〜|  │
   U U

200 名前:堀江隆夫 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 18:04:09
「オカルト研究会ね・・・うーむ」
昼休みに堀江はオカルト研のポスターをなに気なく見ていた。
いつもなら昼休みは校庭でサッカーを友達としているのだが今日は土砂降りで中止。なにもすることがない。
「ひまつぶしに行ってみるかな」
しかしポスターには「部員資格は本気でオカルト現象を信じている人に限定。ひやかしは帰れ!来るな!」と書いてある。
かなりイタい内容だ。
堀江はポスターを見ながら行くか行かないか迷い続けた。

201 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 18:38:56
僕は言葉を続けた。
「僕が願うのは学校をもとの平和な学園に戻したいってことです。
僕はいま学校には四つの勢力が入り乱れているって思っています。


ひとつは工藤先輩の属する牙の一族。
いちばんひどい集団かもしれません。
昨夜の戦い後の記憶操作や、それに今日学校に来てみて感じるおそろしさ。
すれちがう生徒の中に何人か……人間ではない気を感じませんでしたか?
牙の主の毒牙にかかって吸血鬼の使徒になった人が着実に増えているような気がします。

ふたつめはノスフェラトゥというネズミ顔の魔人の率いる吸血鬼の一族。
牙の一族とは対立しているようです。
牙の一族の部下がこの学校の生徒なのに対して、ノスフェラトゥの配下は黒い背広の男たちです。
ノスフェラトゥの言葉によれば上一中での戦いは霊宝をめぐるもので、その霊宝は牙の主が持っているのかも
しれません。
このふたつの魔人集団では宝を所有している牙側が優位ぽいです。

みっつめの勢力はシーラ・ドド先生です」
僕は理利さんの顔を見た。クリスの顔も。ああ、クリス。きみは何も覚えていないの?
「ドド先生は常人ではなくて……魔女です。
戦いになにか先生なりの、それは良くないことだと僕は思うけど(と、また理利さんとクリスの顔を見てしまう)目的が
あって、そのために戦いを利用しようとしているかんじがします。味方になってくれるかもしれませんけど」
そういうと僕はポケットからあのビー玉を出してテーブルに置いた。
「この贈り物を人形から受け取りませんでしたか?」
敵か味方かはっきりわからないシーラ・ドド先生は戦いの鍵を握っているかもしれない。

202 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 18:39:48
「そして最後のよっつめの勢力。それは……」
と言いかけたときに書庫の窓を器用に開けてギコがはいってきた。
口には僕の黒の棒!
>ギコ
>「寺西先生が取り上げた黒の棒を取り返してきたにゃ」
「ありがと」
僕は受け取るとギコを抱きかかえてやった。
言葉を続ける。
「よっつめの勢力、それは僕たちです。
ねえ。みなさん。ふつうの人間ではないんでしょ?そうですよね?」
僕は浄斗くんをとくに見つめた。さっき彼が入ってきたときに感じた違和感。それの確認のために。
僕は浄斗くんに顔を近づけた。彼の瞳をのぞきこむ。目をそらさないでそのままこの室内にいる人へ言う。
「猫のギコの言葉がわかった人っているでしょ?浄斗くんはどう?」
僕はさらに彼の目を見つめた。
「僕は浄斗くんだけに言っているんじゃないんですよ。あなたにもです。浄斗くんの中に潜んでいるあなたにもです。
ねぇ。あなたはだれですか?教えてください」

203 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 21:20:10
昼休みに入ってオカルト研究会の会合が始まった頃、ベルは白衣を着て給食室にいた。
食器の入った籠を所定の位置に戻し、仕事が終わると一気に駆け出す。
一刻も早く図書館に行きたかったからだ。
畳む事もせずに白衣を袋に詰め込むと、妖花アルラウネの鉢植えを抱えて走る!

図書館に向かって最短距離を脳裏に映し出し、そのルートを辿っていく。
途中、掲示板前でうろうろする一人の男子生徒の姿を確認し、急ブレーキ。
「堀江じゃない!あなたもこれに参加するつもりなの?丁度いいわ、一緒にいきましょ!」
集合時間からはすっかり遅れているだろう。そんな中、一人入っていくより誰か彼かと一緒の方が力強いという
ものだ。
返事を聞く前に堀江の襟首を掴むと、また駆け出した。


息を切らしながら図書館に入り、書庫の前まで辿り着くと中からぼそぼそと声が聞こえてくる。

>みなさん。ふつうの人間ではないんでしょ?そうですよね?」
>・・・・・  ・・・・・
>あなたはだれですか?教えてください」

ぼそぼそと所々しか聞き取れないが、『いかにも』な会話にベルは胸を躍らせた。
呼吸を落ち着け、そっと扉に手をかけ、声を上げる。
「ヒロインは遅れてやってくる・・・それがフランス流!」
扉を開けながら華々しく(?)登場。
「上一中のオカルト好きな二年生は仮の姿!前世占いではカマンベイルチーズのベル・T・カーマン参上よ!
そしてこっちは前世が堀江隆文(存命)の堀江よ!」
満面の笑顔と共に書庫に入り、挨拶をしたあと一堂を見回し一言。
「どことなく見た顔見ない顔が揃っているけど、よろしくね。それで、どこまで話が進んだの?」

204 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/08(土) 21:21:05
ギコ空気嫁


氏ね

205 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/08(土) 22:46:28
水無月さんと男子生徒に軽く会釈して、席につく。
サネ君が来なくてホッとした。
変な気を起こさず、普通の生活を楽しんで欲しいわ。今ならまだ間に合うんだから。

>186 >192
>「……けどそれは理利さんの望みでは…… 戦いに巻き込まれる人は少ないほうがいいって第二準備室で言っていたじゃないですか」
レイジの発言に思わず片眉が上がる。
・・・まるで私が、集まった人数が少なくてがっかりしてるみたいな口ぶりね?

>「クリス。入ってきて。おねがい」
まさかクリスが来るとは思わなかった。
クリスを見てると胸が詰まりそうだ。なるべく彼女の方を見ないようにして、手元の作業に集中する。
>201-202
レイジが皆に演説をしている間、私は『図書室からのお知らせ』の裏にギルバ先生充てのメモを書いていた。
余計なお世話だと叱られるかしら。前情報を得ずに闘うスリルを、ギルバ先生は楽しんでいる気さえするから。
でも、先生の身に何かあったら困るわ。たとえ不要な情報でも、私の知っていることくらいは伝えておかないとね。

>199 黒猫ギコさん
ちょうどドド先生に関するメモを書き終えた時点で、突然黒猫が乱入してきた。
毛があちこち剥げてるから、病気なのかしら。なんでもレイジの武器を取り返してきたらしい。
そんな猫をレイジが嬉しそうに抱きしめていた。ふうん、仲いいのね。
でもレイジはきっと知らないのね、どんなに魔力があっても、動物と正確な意思疎通なんて不可能だって事。
私はレイジから黒猫を取り上げ、きっぱりと言った。
「藤田君、ここまで明瞭にしゃべれる『普通の猫』なんて存在しないのよ。
・・・せっかく話がよそに漏れないよう結界を張っても、使い魔に聞かれたんじゃ意味無いのよね」
猫からの抗議は右から左へ。私は襟首をつまみあげたまま書庫を出た。
司書先生が猫に気づいて目を丸くしている。
「先生、この黒猫が書庫に紛れ込んでいました」
先生に猫を押し付けた。貴重な本に爪を立てる猫は出入り禁止に決まってる。
背後から聞こえる司書先生の怒号を背に、私は再び書庫に戻ろうとした。

>200>203 ベルさん、堀江君
その寸前、足が止まる。
あれはベルと堀江君じゃないの。
そういえば堀江くん=ラスティーリアだったっけ?こうしてると本当に普通の人ね。
あれ?ベル・・・それってアルラウネと叢雲剣?!・・・嘘、なんでベルがそんな物を持ってるの!!
>「上一中のオカルト好きな二年生は仮の姿!前世占いではカマンベイルチーズのベル・T・カーマン参上よ!
そしてこっちは前世が堀江隆文(存命)の堀江よ!」
・・・どこからみても言動は『暴走するフランス娘』そのものね。
そういえば昨日護末田君の姿を変えてたのもベルだったわね。彼女も魔法が使えるのかしら?
小一時間問い詰めたいところだけれど、今はとりあえず様子を見ることにしましょう。

私はベルの横をすり抜けて書庫に戻った。席に戻って深いため息をつく。
――― 会話がよそに漏れないよう結界は張ったけれど、招かれざる客を弾き飛ばす事までは出来ないのよね。
それに、書庫の戸口に張り付いたら、いやでも会話は聞こえてしまうでしょうし。
(いつもは聞こえる書庫からの会話が、今日に限って全く聞こえなかったら不自然でしょ?)

つい気になって書庫まで来てしまったけれど、実は今回の会合で、私が何か発言する事は無いに等しい。
あるとしたら「皆、日が暮れる前に帰宅してね」くらいかな。
なんだか私、とんでもなく場違いな気がしてきたわ。・・・早く無事に終わらないかしら。

206 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sageタイミングわりぃな〜俺] 投稿日:2006/07/08(土) 23:24:25

「そうですねぇ…早く終わりませんかねぇ…私も早く帰ってお風呂に入りたいんです。何せ3時間入ってないものでね…」

突如リリの思考をまるで読んだかのように言う一人の聞き覚えのない男の声が響く。
会合に参加していた者達が周りを見回す。
「あ…天井です…天井……」
バッとみんなの目線が天井に向かえば天井を背中に張り付けている長身の男が一人。
黒縁の眼鏡に超ボサボサの伸び放題の髪の毛、手には黒の手袋。
そして乱れた制服を着た全体的にボロボロな男は周りを見ると静かにボソボソと早口で言った。
「あ…皆さん…自己紹介遅れてすみません、私はシーラ・レファラシド・ドド先生の使いの者、
流河の音の神崎 屑船と申します、以後お見知りを…。」
そう言うと男は天井からスルリと足からリリの横に降りると人差し指を下に向け一回転させる。
ぐにゃっと一瞬床が歪んだかと思うと、スンッ!と鳴り、床が綺麗になった。
猫背のまま綺麗になった床にペッタンと座り込む。
「いや〜…驚かしてすみませんね、リリさんが結界を貼る前からずっといたんですが…
こちらの都合ですっかり色々とタイミング逃してしまいましてね…」
髪の毛を弄りながらひょうひょうと言うその男。
ベル達の方を見る。

「ああ…ベルさん方ですね、先生から話を聞いてますよ。
…今蔓城 浄斗くんの中の人について話し合ってるんです…どうやら蔓城 浄斗くんの中には何やら化け物がいるようで。」

そう言うと眼鏡を人差し指で少し上げ、スッと蔓城 浄斗を見た。
そして次の瞬間くいっと人差し指をギコに向けて動かす。

―ズサァァアアァ!

急に何かの力に引っ張られるかのようにギコは神崎の前に引きずられる。
そして次の瞬間ヒョイッと首もとをまるで汚いものに触るようにつまみあげ
さっき床のゴミを消したときのように少し歪ませギコを綺麗にし藤田に向かって投げる。


―名前・ 神崎 屑船(かんざき くずぶね)
―性別・ 男
―年齢・ 15?
―髪型・ 漆黒でボサボサ伸び放題
―瞳色・ 漆黒で綺麗
―容姿・ 全体的にボロボロ、そして眼鏡をかけている。171の長身。
―学年・ 中学三年
―部活・ ???
―備考・ ドドの部下。別名、流河の音。こう見えても潔癖性気味。


207 名前:蔓城 浄斗 ◆sy1IQNBWp6 [sage 途中から意味不明になってしまってOTL] 投稿日:2006/07/09(日) 01:10:40
>図書館組。
入ってきてみれば以外と人がいた。
ひぃ、ふぅみぃ・・・自分も入れて7人ってとこかな。プラス一匹・・・。
<俺を入れれば9体だな。>
>「あ…… ようこそ」
目の前にたった人、多分先輩かな?が話しかけてきた・・・。
「あ、『初めまして』。」
<昨日会ったと思うがな。忘れてるか。>
そうこうしている内に演説が始まった。

>オカルト研究会は部活ではありません。
>この学校を蝕む吸血鬼退治が目的の戦士の集りです
「・・・え?」
まさか、まさかまさかまさか。あれは現実?本当に?僕はすでに一度死んでいる?
<落ち着けど阿呆。>

>「よっつめの勢力、それは僕たちです。
>ねえ。みなさん。ふつうの人間ではないんでしょ?そうですよね?」
中略
>「僕は浄斗くんだけに言っているんじゃないんですよ。あなたにもです。浄斗くんの中に潜んでいるあなたにもです。
>ねぇ。あなたはだれですか?教えてください」
「は、ははは・・・はははは。そう、あれは夢じゃないんだ。」
ということは日常が侵されている。そいつらに、脅かすというなら
コロセ!コロセ!コロセ!

ふっ・・・と、我に返ると先輩が僕の顔を覗き込んでいる。
「先輩?どうかしましたか?別に・・・まぁ何か変な猫ですけど。インコと似たようなものじゃないですか?」
手元から黒いビー玉を取り出して机の上に置く。そこでいきなり至近距離で見つめられ・・・
その時、研究会のメンバーにだけ聞こえるように声が各自の頭に響く。(所謂テレパシー)
<うるせぇ。この件に関しては俺は知らん。こいつが記憶を取り戻さない以上何も言う事なんかねぇよ。>
<第一・・・俺は人間が嫌いなんだよ。股から口まで貫いて串刺しにするか?あ?>
浄斗とは似ても似つかないような、でも似ているような声(?)が響く。
「ちょっ・・・おい!」

慌てる自分を尻目に、右腕にある虎の刻印が浮かび上がり次の瞬間本物の虎としてそこに現れた。
薄黄色の宝石で出来たような体に真紅の輝きが二つ。そこらの大机ほどの大きさがある。
<誰が化け物だ誰が、化け物だってんなら人間の欲の方が化け物だろうがよ。まぁ俺とコイツも人間ではあるがな。>
と、ツッコミ所満載の台詞を掃きながら周囲を睥睨する。
大虎が出たにも関わらず司書の先生は全く気づいた様子もない。・・・力の無い人間には見えないのだ。
<俺らの秘密を本気で知ろうってんならそれなりに代償が必要だぞ?・・・命のな。>
<まぁこの件は浄斗のヤツに任せるから俺はほっといてくれ。別に、人間が滅びようと俺は関係ないね。>

「実は、昨日自分が殺されるような夢を見て・・・。それからコイツがいたりしたんですけど。
 これってタダのオカルトじゃないってことですよね。何か妙な力も使えるようになりましたし。
 こいつはこう言ってますけど、その吸血鬼とかによって僕らの日常が侵されるっていうなら・・・
 断固阻止します。それだけです。」
<こいつが本来の記憶を取り戻したら、お前らは後悔することになるかもしれねぇな。>

浄斗の目を覗いた二人、神崎と藤田は気づいただろうか。
彼の目の中に移る幾人もの人影と、暗い炎に。

208 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 03:01:41
>196
>「わあっ」
「そんなに驚かなくても良いのに……わたしが来たのが、そんなに変かしら?」
―――まだ驚くのは早すぎるわ。驚くなら、せめて夜になってからね。
>この学校を蝕む吸血鬼退治が目的の戦士の集りです」
それを聞いたわたしは、笑みを浮かべた。
ちょっと意地の悪そうな笑み―――兄さんとか陽介くんとかをからかったりする時と同じような笑顔で、こう言ったわ。
「わたしは戦士とかじゃないわ。むしろ軍師ね。
 まあいざとなったら、なけなしの戦力で何とか戦いますけど。それに―――」
少し間を空けて、
「敵は吸血鬼だけじゃないでしょう。きっと、酒呑童子とかも居るわ。
 いえ、昨日、鬼に襲われた人が居るって話を聞いたから、鬼って言ったら酒呑童子かなって」

>181>191
いろいろ話してると、人がどんどん集まってきた―――この調子だと、この人たちにとって来て欲しくない人が来てもおかしくなさそうね。
主に工藤さんとか。
華山さんは当然として、昨日の棒術使いの子も居る。
ギルバ先生は仕事で忙しいのでしょうけど、霧津さんが来ないのは残念ね。

>200>203
突然入ってきたのは、オカルト研究会の本当の創始者だったわ。
相変わらずテンションが高くて―――驚かし甲斐のある子ね。
で、ホリエモンみたいなのを連れてるのは何の冗談かしら?
恐らくは巻き込まれた一般生徒でしょうけど……何か変な気配があったら、すぐにわかるし。
「あんまり張り切りすぎないでね。そのエネルギーは夜の活動に使いなさいな」
>「どことなく見た顔見ない顔が揃っているけど、よろしくね。それで、どこまで話が進んだの?」
「ええと……確か、藤田くんが『ここに集まったからには普通じゃないに違いない』みたいなことを言いだしたのよ」

209 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 03:30:30
>206
>「あ…皆さん…自己紹介遅れてすみません、私はシーラ・レファラシド・ドド先生の使いの者、
>流河の音の神崎 屑船と申します、以後お見知りを…。」
最近、使徒とか使いだとかいう言葉が流行ってるのねぇ。
―――わたしも何か、エージェントとか送りたくなってきたわ。
皆への自己紹介も兼ねて、ちょっと返事を返しておきましょう。
「初めまして、かしら?華山さんとかは初めましてじゃないけど。
 わたしは水無月つかさ。剣道部の副部長をやってるわ。よろしくね」

>206>207
>「ああ…ベルさん方ですね、先生から話を聞いてますよ。
>…今蔓城 浄斗くんの中の人について話し合ってるんです…どうやら蔓城 浄斗くんの中には何やら化け物がいるようで。」
へえ、あの子、蔓城浄斗くんっていうのね。
確かに彼の言うとおり。昨日の棒術使いの子の腕から虎が出てきたわ。
>「実は、昨日自分が殺されるような夢を見て・・・。それからコイツがいたりしたんですけど。
「あら、そこに何か居るの?」
この場は限界まで「普通の人」で通そうと思ってるから、
棒術使いの子の腕から出てきた虎さんに関しては、敢えて見えないフリをしておきましょう。
虎さんが何か言ってるけど、これも聞こえないフリ。

>201>202
藤田くんと虎さんが、必要な事をひととおり言い終わるのを待ってから、ひとつひとつに返事を返した。
>すれちがう生徒の中に何人か……人間ではない気を感じませんでしたか?
>牙の主の毒牙にかかって吸血鬼の使徒になった人が着実に増えているような気がします。
「藤田くんの言うとおりよ。
 ウチのクラスなんて、わたし以外の全員が牙の主の使徒になってたわ。工藤さんがそう言ってたし。
 そういえば、寺西先生も様子が変だったわねぇ」
>みなさん。ふつうの人間ではないんでしょ?そうですよね?」
あらあら、この子ったら鋭いわね。焦点が合ってるのはわたしじゃなくて、昨日の某術使いの子の方ですけど。
でもまあ、この場は誤魔化しておきましょう。
「それと、わたしは貴方達と違って、何処にでもいる、ちょっとお茶目な女の子よ」
ええ、嘘は言ってないわ。重要な部分がちょっと足りてないだけで。
「その証拠に、おかしな気だとか魔力だとかは、全く感じられないでしょう?」
今のわたしは人間で通ってるから、それが普通よ。
事実、誰もそういう風にしか認識できないから、納得せざるをえないでしょう。
―――わたしから特別なオーラが何も感じられないことには、ある仕掛けがあるんだけどね。

210 名前:名無しになりきれ[age] 投稿日:2006/07/09(日) 11:01:23

好きなん〜だけ〜ど〜♪(人∀・)チャッチャッチャ

211 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 13:47:18
四限目終了のチャイムが鳴り、三年生の教室からは、生徒たちが慌しく立ち上がってガタガタと椅子を動かす音が聞こえた。
昼休みは図書室で、対吸血鬼戦線の会合が開かれる。挨拶回りしなきゃ。
天板が外れて使えなくなった机が一卓、廊下に出されている。
脚を一本ねじ切って即興の武器に代えると、それを制服の裏地に隠しつつ図書室へむかった。
顔さえ下げて歩いていれば、制服姿のボクを見かけない面だと怪しむ奴もいない。

図書室へ着いた頃にはまだ人もまばらで、ボクは難なく書庫のドアを見つけると、ノブにそっと手を触れた。
掌にピリッとくる感触は、リリの魔法結界が展開されている証拠。彼女は準備を済ませていたようだ。
遠慮なく蹴り開けると、テーブルを囲んで集まっていた連中が一斉にボクのほうを向いた。
書庫に集った円卓の騎士どもは全部で八人、猫科動物が二匹。
リリも居る、レイジは連中の中心近くに。

レイジの瞳は変わらずの、霊桃によって得たオーラの力の輝きを帯びていて
ボクの登場に驚いているフシはあるけど、かつての怯えや躊躇は
その殆どを狂気じみた、強固な意志の色に押し退けられてしまったように見える。
幻想界に下り、死神と寝た彼は地獄の最下層、コキュートスの川に浮かぶ薄氷のベッドへ留まることを選んだ。
もはや帰路は絶たれた、ヤツもこっち側だ。
ロゼの教育がよかったのか、存外立派に仕事をこなしているらしいじゃないか。
彼の口が動くより早く、ボクはねじって尖らせた鉄パイプを逆手に持ち、彼の手元を狙って投げつける。
鉄パイプは見事机へ突き刺さり、ボクは笑んだ。

「懐かしい顔だな、キング・アーサー。サー・ランスロットのお出ましだよ。
そこのミス・マーリンに助力を頼まれ、馳せ参じたという次第でね……吸血鬼狩りは楽しいだろ? え?」

兵隊をざっと見回す。巨大な虎を侍らせた金髪男、フランス女、ライブドア、黒縁眼鏡の名探偵金田一、
工藤の教室に居た三年生の水無月、隻腕のベディヴィエール女史は多分リリが言っていた「死んだはずの生徒」だろう。
そしてリリ、レイジ。ラスティーリアは居ないのかな?

212 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/09(日) 17:25:44
たいがいにしやがれこぞう

213 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 22:48:55
図書館書庫はベルの想像した以上の世界となっていた。

天井に張り付く男と言うだけでも十分インパクトがあるのに、更にギコを不可視の力で引き摺る所まで見せ付け
られては、オカルト研究会の会合にしても趣向が懲りすぎているというものだ。
現在の状況を親切に教えてくれても、思わず一歩引いてしまうのが人として通常な反応だろう。
だが、それでも踵を返す事無く、ドキドキワクワクしてしまうのはやはりベルが趣味の人間であるということか、
別の力が働いているのか・・・

水無月も同じように伝えるが、直後、蔓城の『内なるモノ』の『声』が頭に響いてくる。
口汚く罵ってはいるが、初めてのテレパシーに夢中になって脳裏の感覚を楽しんむ。
が、呑気に楽しんでいられたのも極僅かの時でしかなかった。突然蔓城の腕から巨大な虎が出現したからだ。
「あひゃいっ!」
余りの驚きに声を上げ後ろに飛びあがってしまう。
元々受身自体知りもしないし、それが出来る運動能力もない。
ただ、できるのは咄嗟に妖花アルラウネの植木鉢を抱えるだけ。
後は自由落下に身を任せて落ちていくしかない。

高い身長が禍し、盛大に落下し頭をワンバウンドさせて着地。
余りの痛さに声もでず、視界はフラッシュを見詰めてしまったようにホワイトアウトしただ蹲るしかなかった。
その間、水無月の話も、アッシュの登場もまったく埒外で感知する余裕すらなかった。

涙目ながら漸く立ち上がった時は、アッシュの放った鉄パイプが机に突き刺さり藤田に挨拶をしているときだった。
「〜〜〜・・・いたぁ〜〜・・・たんこぶにな・・・わ!すご!」
後頭部を擦りながら立ち上がって、目に映るのは机に突き刺さった鉄パイプ。
痛みも忘れてぐりぐりと鉄パイプを抜き、机に打ち付けてみる。
鉄パイプの先端は尖っているが、机を傷つけるだけで突き刺さるには至らない。
それを確認し、驚きの目をアッシュに向けながら藤田に語りかける。
「え、吸血鬼退治なの?あの子その道の専門家ってこと?凄い!」
興奮を抑えられずに書庫内を見回す。
天井に張り付いていた神崎は猫を抱いているし、蔓城とその虎も襲ってくる気配もない。

一瞬のうちに思考が駆け巡り、ベルはぶるぶると震えだす。
オカルト研究会に集められた生徒は吸血鬼に対抗できるなんらかの力を持っているのだろう。
吸血鬼の実在も、超常能力もこうまで目の当たりにしてしまっては疑う余地もない。
元々その系統のことを疑ってもいなかったが、実際に目にするとその説得力は段違いだ。
「吸血鬼退治なのね!いいわ!灰になった吸血鬼を四辻に撒いて朝日を浴びさせるのは任せてちょうだい。
それにしても驚きだわ。こんな身近に脅威と非日常の世界があったなんて。」
結局突き刺す事が出来なかった鉄パイプを力強く握り締め、興奮と喜びに身を震わせていた。

214 名前:神崎 屑舟 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 22:59:57

正直言って私は潔癖性です。

生ゴミに触るのも嫌だし見るのも嫌。
塵なんて一つでも墜ちていたらかなりむかつきますし、見知らぬ他人に触られるのも凄く嫌。
でも何より一番嫌いなのは人間に触れることです。
殺人、泥棒、性欲、自殺大国、狂いが格好いいと思っている若者に金、金、金、金。
汚い汚い人間とは私は触れるのも話すのも嫌ですし目に入れるのも嫌。

取りあえず極度の人間嫌い、それ故私の世界は暗い部屋の広さ分しかなかった。

何故なら外に出れば嫌でも人間に触れてしまう。
だから私はずっと何もせずベッドに我が身を括り付けてジッとしていた。動けばゴミがでるから。
そんな人生なら死んでしまえばいいという人もいるでしょう。
でもね、死っていうのはもの凄く汚い事なんですよ。
手首斬っても血が出て汚れるし首つりしたら穴という穴から体液が出るって言うじゃないですか。嗚呼!絶対無理です。
それに死んだら私の死体というゴミが出るじゃないですか。死体は一番厄介なゴミです。
燃やしても灰になるし宗教どーたらこーたらで粗末に扱えない。

だから私はじっとしていた。そしてその女は突如やってきた。

義務教育だから一応籍を置いていた中学校。一度も行ってないその学校から突如やってきた私の担任であった女。
潔癖性、究極のなれの果てであった私を救ったのは紛れもないシーラ・レファラシド・ドド先生だった。
いや、救ったのではないか、私がワガママいって汚いモノを〈清掃〉したいといったからドド先生は私に力をくれた。

あることと引き替えにね。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

215 名前:神崎 屑舟 ◆.QaFws1PO. [sage意味もなく一人称] 投稿日:2006/07/09(日) 23:01:13

…そんなこんなで私はドド先生に使えてここにいるのですが。
やっぱ此処は私に合いませんね。

蔓城 浄斗の腕から突如汚らしい虎が一匹。私には聞こえてましたよ。貴方のあの汚らしい言葉遣い。
しかし性でしょうか、蔓城 浄斗のあの眼を見たとたんにやけてしまいました。
この虎とあの眼を〈清掃〉できたらどれだけ楽しいだろうかですね。不快感と私の中の一つの欲。
私は親指を手袋の上から囓りながら思わず思ってしまうのです。

これは面白い…。

思わず真の姿を出してしまいそうな衝動に買われる私。
駄目です、駄目ですね。ここでこいつを〈清掃〉してしまえばドド先生が考えたお楽しみが削がれる。
私はふぅと一つ深呼吸をすると囓っていた指を離しました。
気がつけば強く噛んでいたせいか親指から血が出てることに気付きます。
やっぱ感情を荒めるのは己の身を汚しますねぇ。私は殺気も全て忘れ、凡人オーラを再度出すと手袋を取りました。
見事に噛み切れた肉、私はハンカチで親指をくるむと新しい手袋を取り出しました。

と、次の瞬間です。

ガシャーン!

ドアが突如倒れる音。
私は音の元を見ました。
そこには一人の坊ちゃん刈りの男がいます。
そして次の瞬間その男は藤田 礼司に向かって曲がったパイプを投げつけました。
机の上に転がる鉄パイプ、全く…知らないとはいえ私の前でこのような事をするとはいい度胸です。

>「懐かしい顔だな、キング・アーサー。サー・ランスロットのお出ましだよ。
>そこのミス・マーリンに助力を頼まれ、馳せ参じたという次第でね……吸血鬼狩りは楽しいだろ? え?」

あら、意外と言葉遣いはお綺麗で。
中身はドロドロで汚いですが…。

ざっと私達を見回す男。
そして一人の女が何やらわめくと鉄パイプを持ってふるふる震えだしました。
なんだか危ない子だな〜…鉄パイプ持って震えるなんて。
私はなんだか知らない変な危機感を感じ指をくいっと動かしました。ベルの腕が揺れたかと思うと鉄パイプが手から落ちる。

そして私ははぁと一つため息をつくと両手の人差し指を揺らしました。
するととたんに壊れたドアの周辺がグニャリと曲がりドアが地面に沈め消え伏せる…これでドアの後片づけは終了。
そしてこのパイプ、私はベルの元から鉄パイプを離れさせると…「少女がこんなモノもって震えちゃ駄目ですよ〜」と一言言い、
軽く鉄パイプを歪ませビュン!と音を鳴らし飛ばさせました。
自称サー・ランスロットの足下ギリギリに鉄パイプを刺します。
そして再度沈め消え伏せ…証拠隠滅。これで全て終了。

私は指を止めました。これでもまだ綺麗になったウチには入りませんが…あの状態よりマシです。
ああ、さっき坊ちゃん刈りの男の足下に鉄パイプを刺したのは挑発でもなんでもありませんよ。偶然です。
まぁ…少々八つ当たりも吹くんでたかもしれませんが…

216 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 23:39:22
>蔓城君
棒術使いの男の子の腕から虎が現れた。
あーびっくり、これは大変だわー(棒読み)・・・なんてね。
蔓城君に取り付いてる虎(自称人間らしい)は、放っておいて欲しいそうだから放置の方向で。。
レイジが話を聞きだすみたいだし、彼に一任してしまおう。どうせ蔓城君と共に戦うのはレイジだろうし。
踏まなくてもいい虎の尾をわざわざ踏みに行くほど、私だって暇じゃないわ。

>水無月さん
>「藤田くんの言うとおりよ。
 ウチのクラスなんて、わたし以外の全員が牙の主の使徒になってたわ。工藤さんがそう言ってたし。
これにはひどく驚かされた。クラス全員が吸血鬼だった事ではない。
水無月さんが、自分以外のクラスメートが全員怪物になってることを平然と口にしたから。
「・・・水無月さんは、友達が怪物に変わっても取り乱したりしないのね。
あ、厭味じゃないのよ。凄いなって思って。感情に流されずに選曲を見極める目は軍師に相応しいと思うから
「でも聞いていい?どうして水無月さんは、こんな異常事態に平然としていられるの?
場慣れしてるなって感じるのは、昨日話してくれた魔法っぽい力を持つ知り合いのお陰なのかな?」
――――ごめんね水無月さん。平然としてるなんて思ったらあんまりよね。
クラスメートが全員吸血鬼になって、全く平気な人なんて居るはず無いもの。きっと水無月さんは、大人なのね。

>アッシュさん
扉を蹴破って待ち人登場。・・・図書室では静かにって・・・言うだけ無駄よね。
>「懐かしい顔だな、キング・アーサー。サー・ランスロットのお出ましだよ。
そこのミス・マーリンに助力を頼まれ、馳せ参じたという次第でね……吸血鬼狩りは楽しいだろ? え?」
思わず苦笑する。レイジがアーサーで私がマーリンなら、クリスは隻腕のベディールよね。
でもまさか俊足の騎士が、たった一晩で吟遊詩人タリエシンに転身を遂げるとは予想だにしなかったけれど。

>ベルさん
>「吸血鬼退治なのね!いいわ!灰になった吸血鬼を四辻に撒いて朝日を浴びさせるのは任せてちょうだい。
それにしても驚きだわ。こんな身近に脅威と非日常の世界があったなんて。」
日光を浴びても死なない吸血鬼も存在するんだけどな・・・。
だけど何か言ったら小一時間問い詰められそうな雰囲気だったので、結局何も言わなかった。
鉄パイプがもしエクスカリバーなら、抜いたベルがアーサーなんだろうけれど・・・。後の事はあまり想像したくないわね。

>神崎さん
>「そうですねぇ…早く終わりませんかねぇ…私も早く帰ってお風呂に入りたいんです。何せ3時間入ってないものでね…」
まるで私の考えを読んだかのように、天井から声が振ってきた。
神崎と名乗った生徒は、どうやらシーラ先生の関係者らしい。
それにしても昼間は怪異が起こらないはずなのに、この男はガンガン使うこと使うこと!
よくもまあ・・・私を襲った吸血鬼みたいに消滅させられないわね。
見えないところでリスクを負っているのか、はたまた霊宝に袖の下でも贈ってるのか。
「さっきでシーラ先生に、クリスの剣を返して欲しいと頼んだのだけど・・・神崎さん、何か先生から伝言を預かっていない?」
神崎にだけ聞こえるように低く囁く。
ちなみに私は、神崎の「結界を張る前から書庫にいた」発言をまったく信じていなかった。

神崎は、鉄パイプをアッシュの足元ギリギリに突きたてた。
うわ・・・信じられないっていうかなんて怖いもの知らずなの!二人の再会に水を差すなんて。
私は慌てて立ち上がり、昼食の入った紙袋をアッシュに差し出した。
「・・・もう!あんまり遅いからアッシュさんの事レイジに話しちゃうところだったのよ!
あ、これはお昼ね。まだ食べてないんでしょう?」

こんな事を能天気に話しながらも、内心ヒヤヒヤよ。
アッシュが何か気まぐれを起こしたら、私なんてひとたまりも無いわ。
だって今は怪異を起こせない昼。
魔法が使えない魔法少女なんてただの女の子だもの。

ああ、シーラ先生の部下のとばっちりでアッシュに何かされるのはごめんよー!

217 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage追加] 投稿日:2006/07/09(日) 23:48:06
アッシュは頭がいいから、きっとわかってくれてるわよね?
お願いだから昼の会合を台無しにしないでね〜!

218 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 23:53:43
「え。え――――――――――――――――――――――――――――!」
もう二度と逢えないと思っていた。
もう決していっしょにはいられないと覚悟していた。
そばにいてくれたらと願う自分をあきらめさせてきた。
それなのにそれがいま……!
「アッシュ……」
小学生のころは朝礼でよく貧血おこして倒れたけれど、また久しぶりに倒れかかった。
みんながなんだろ?という目で僕らを見る。
言いたいこと聞きたいこと話したいことはたくさんある。あるけど僕は時計を見た。昼休みの時間は多くはない。
僕は声をふりしぼってやっと言った。
「来てくれてうれしひよ……ケホホン。ん。ン。ん―――」
言葉のおわりは涙声になりそうだったので咳こんでごまかした。
このミーティングで大事な話をまとめないとだめなんだ。
アッシュが来てくれて僕の心は奮い立った。
あらためて見渡してみると、とんでもないメンバーがそろったもんだ。
天井から現れたシーラ・ドド先生の部下と名乗る人物といい、すごいメンバーがそろった。
まだ来るかもしれない。
ベルの暴走ぶりがほのぼのさせてくれる……でもただの人間の堀江くんまで連れてきちゃって……あーぁ。

僕は言葉を急いだ。
浄斗くんをふたたび見る。揺らぎ透けるような霊虎は牙を剥き低く唸っている。
常人には見えないのかもしれないけど、見えていないふりしている人がこの書庫にいるのがおかしい。
オカ研のミーティングに来た段階でとぼけるのは無理ですよ。水無月先輩。
「浄斗くん。やっぱり守護霊かなにかを宿していたんだね。守護霊の人が正直な人でたすかった」
殺意のかたまりの怨霊かもしれないけど、だからこそ僕は微笑みかけた。
「ねぇみなさん。心からの話をしましょうよ。
夜になれば戦いがはじまります。昨日はノスフェラトゥは見逃してやるといって去りました。
次の夜が来るまでの命だと。夜になれば僕らは殺されるんです。……戦わなければ」
堀江くんが「はぁ?」という顔をしている。
かまわずに続けてしまう。

219 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/09(日) 23:54:47
「僕たちは運命共同体なんです。もう吸血鬼同志の戦いの輪の中に組み込まれてしまっているんです。
僕たちがと言うよりも上湘南の全校生徒が、かもしれませんけど。
僕らはふつうの人間ではないですよね。魔族と戦う力を持った戦士たちですよね。違いますか?
僕らの目的は一つ。
吸血鬼の戦いを終わらせて、僕らの学校をもとの平凡な学校に戻すことです。
そのためには僕らの心が一つにならないと。
お互いに名前もよくわからないし正体もわからない。これではおそろしい吸血鬼と戦えません。
なので自己紹介をしあいませんか?隠し事をしあっても命取りになるだけです。情報の交換もしましょうよ。
まずは言い出した僕から」
僕は天井男から投げ渡されたギコを近くの本棚の一番上に乗せた。
ギコは「にや?」という顔をしている。

「僕の名前は2年C組の藤田礼司。三ヶ月まえまではふつうの中学生でした。
異世界からやってきた、ラピスラズリのような青く美しい肌のダークエルフに逢うまでは。
彼女から素質があると見込まれて、食べた者に不思議な力を与える果実ポモナを食べるよう勧められて、
僕はそれを口にしました。
ポモナとは日本神話では仙人の桃、坂本桃実(サカモトノモモノミ)として登場するらしく
聖書に出てくるエデンの実やギリシア神話に登場する霊力を持ったリンゴと同じなのかもしれません。
ポモナは食べた者にオーラの力を与えます。オーラに説明はいらないというかしにくいですが、
僕は呪文のいらない魔法のようなものだと思ってます。こんなふうに」
僕は黒の棒にオーラを込めた。
棒を握る右手が真紅のオーラの光を放つ。
硬い棒がぐにゃりと伸びムチになる。
これだけで地球にある物質じゃないことは伝わるだろう。
僕はムチをみんなの頭上でひゆっと躍らせてから、本棚でじたばたしているギコに優しく巻きつかせた。
くいっとギコを引き寄せる。
パフォーマンスにはなにかを破壊したほうがいいけれど、書庫の本を傷つけるわけにもいかない。
「僕にはムチを使う才能があったらしく、僕のオーラはムチ使いに特化しました。
このムチは異世界で知り合った僕のともだちラスティーリアが僕にくれたものです。
オーラを持った僕は戦士として異世界に渡り、そこで仲間と共に異世界を支配する魔人の皇帝と戦いました」
だよね。アッシュ。リリさん……

「戦いが終わって僕は……ダークエルフの彼女の弟子になって正式に修行するつもりだったんですけど、
ダークエルフの王国の長老たちは、人間である僕の弟子入りを認めずに……僕はこの地球に追放されました。
戦った記憶のすべても奪われて……
けど今から考えてみれば、長老さまたちは僕を両親のもとに帰してくれたのかもしれません。
さらにもっと上の存在の神さまは、上湘南中学に怪異が襲いかかるので、僕を地球に戻す運命を与えたのかなって
思います」
ほんとうにそう思う。運命に導かれたんだと。
「以上が簡単ですけど僕の話です。みんな自分の力を話しませんか?
たとえばねぇベルさん。いえ……浄斗くんの中に宿る守護霊さんのようにベルさんにも精霊が取り付いてしますよね?
ベルさんの中の精霊さん。話してくれませんか?理利さんだってベルさんになにか感じるでしょ?
理利さんだって自分の魔法のことを話してください。おねがいです」
オーラが冴え渡る。僕は出席者のオーラを読んだ。読んで読んで読みまくるぞ。
「順番なんて気にしないでいいですから話してくれませんか?みなさん」

220 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 00:00:54
愁弥は図書室の前に立っていた。
…まさか給食の時間まで寝ていたとは……
給食を食えなかったためにコンビニまで飯を買いに行っていたら遅くなってしまっていた。
「…普通は誰か起こしてくれるんじゃないのか……なんて愛のないやつらなんだ…」

ぶつぶつ言いながら図書室に入ると、そこには数名の生徒しかいなかった。
「…あれ?ここじゃないのか?」
キョロキョロと辺りを見回していると、書庫室から小さな話し声が漏れてきている。
ああ、あそこか…
愁弥は静かに歩み寄りドアに手を掛け、おもいっきり開けた。
「……うぉっ!!」
ドアを開けていきなり目の前に男が立っていたので思わず驚いてしまった。
「……せめて席に着いたらどうなんだ?」
そう言いながら男の横をすり抜ける。

すぐに目の前の虎と天井の男が目に入った。
「…これじゃオカルト研究会じゃなくてサーカス団じゃないか?」
とりあえずつっこんでみたが、やはりダメだっただろうか?…いや、俺も内心驚いてるんだが。

221 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sageなんとか対応……] 投稿日:2006/07/10(月) 00:06:51
>ベルさん
>神崎さん
「あの……冷静に話してほしいなーって。ぼ、僕の話きいてますか……?」
僕、泣きそう……
これはたいへんなメンバーだぞぉ……うわーい………

222 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage221レス後に愁弥くんが!連投ごめんなさい] 投稿日:2006/07/10(月) 00:09:17
>愁弥くん
「ようこそ……とりこんでますけど」

223 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [リロードしてなかった…sage] 投稿日:2006/07/10(月) 00:10:49
しまった…
どうやら藤田が身の上話をしてたらしい。
「……なんか空気読めてなくて悪かった。まあ、俺は気にしないで誰でもいいから続けてくれ」
愁弥はイソイソと隅っこの方に移動した。

224 名前:蔓城 浄斗 ◆sy1IQNBWp6 [sage 三人称一人称入り混じり・・・ごめんなさい] 投稿日:2006/07/10(月) 01:12:38
>図書館組
どうやら、人外魔境っていうのはここのことらしい。
なんとなく集まっているメンバーから力みたいなものが・・・。

>神崎さん
<・・・。>
フッ、と何かに気づいたように神崎を虎が見やる。
が、何事も無かったようにすぐに視線を外した。

>リリさん&水無月さん
<我関せずってか。まぁいいか。取り付いてる訳じゃねぇ。俺はこいつでこいつは俺だ。>
ニヤリと笑うと二人の元、顔の目の前までいってじっと顔を覗き・・・
また蔓城の元へ来て座り込んだ。まるで見えていないのかを本当に確認しにいったように。

>護末田さん
ツッコミを入れた護末田『だけに』頭の中にこんな声が響く・・・
< >たいがいにしやがれこぞう。誰がサーカスの虎だっつーんだよ。>
蔓城の元に座り込んだまま赤く輝くルビーのような目だけを護末田に向けている。

>礼司さん
オーラを読み取ろうとすれば、見えただろう。
無機物のような無色のオーラと、その中に漂う赤・青・緑・黄のオーラに。
オーラの色は蔓城は黄色が、虎は赤色がやや強いようだ。
>「浄斗くん。やっぱり(略
護末田に向けていた視線を虎がキッ!と礼司に向けた。
今度は礼司にだけ思念波を送る。
<霊じゃねぇっつうの。俺とこいつは・・・かつて人間の都合で生み出されて人間に利用され人間に殺された。
 その一部分なんだよ。こいつはその事実を覚えてないけどな。>
それだけを言い終えると虎はすぐに顔を伏せて目を閉じた。不貞寝する気のようだった。
>「ねぇみなさん。心からの話をしましょうよ(略
「じゃあ次は僕の話でもしましょうか。僕、1年D組の蔓城 浄斗はそもそも12年前、この地域に地震が起きた日。
 その日に孤児院の前に捨てられていました。名札のようなものがつけてあったためにこの蔓城 浄斗という名前をつけてもらいました。
 それ以後、そして今も僕はその孤児院にお世話になっています。」
「ただ『強くならなければ』という思いに突き動かされて自分を鍛え、これまで生活してきました。
 僕にはその拾われた時から以外の記憶はありません。でも最近嫌な夢をよく見ます。
 ここではないどこか、今とは違ういつかの時、常に自分の『日常』が壊されていく夢を。
 成す術を持たない自分を!僕はここの虎のおかげで力を、その使い方を覚えました。
 僕はこの日常を守るためにこの力を使おうと思います。その牙を向く相手は神であっても構わない・・・。」
(そして、あの夢にいた人を守るために・・・。)
何故か、自分の知らない過去の夢を語る蔓城からは恐ろしく悲しい空気が現れていた。
身を裂くような悲哀が・・・。

と、ここで話を切って机に手をかざす。
「僕の力は今のところ簡単に言えば3つ。樹木を操る力・大地を操る力。気効のような力。」
 かざした手の先で、机から行き成り目が生え、小枝が伸び、不可思議な色の花を咲かせて枯れて散った。
 その散った破片は他の物に接触する前に、まるで夢であったように跡形も無く消え失せた。
「後使えるのは我流の棒術・格闘術ぐらいですかね。まぁ実践経験はないんですけどね。」
と、重くなった空気をかき消すようにあはは・・・と笑う。
「んじゃ、次の方ー。」
と周りに話を振る。

225 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 01:26:08
藤田礼司に呼ばれて、私も紫穂の事があって
ちょっと訊きたい事があるから、と
一応図書室に来たものの……

「この学校を蝕む吸血鬼退治が目的の戦士の集りです」

……どうやら、お門違いだったみたいね。
私まで勝手に戦士にされちゃ困るわ。
笑いどころか、溜息しか出てこないもの。

「ごめんなさい、私失礼するわね」

226 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 01:55:08
>211>218
今日の昼前に会った、青砥さんの弟くんだった。
見かけによらず、なかなかワイルドな子ねぇ。あの青砥さんの弟とは思えないわ。
>「来てくれてうれしひよ……ケホホン。ん。ン。ん―――」
あら、お知り合い?しかも感動の再会?
あまり余計な口とか挟んで水を差さない方が良さそうね。
本を読んで静かにしてましょう。

>219>224
>ニヤリと笑うと二人の元、顔の目の前までいってじっと顔を覗き・・・
上湘南の歴史に関する本を読んでる横から、虎さんがこちらの顔を覗きこんだ。
恐がったりとか、何らかの反応を返すと思ってやっていることでしょう。
ええ、もちろん見えてないフリを貫き通したわ。貫き通したんだけど……
誤魔化しても無駄だ。藤田くんの表情からは、そういうメッセージが伝わってくる。
ついでに自己紹介も求められている。次の方、と蔓城くんが言っているから、丁度良いわ。
わたしは本を置いて立ち上がった。
「仕方ないわね。今更、誤魔化しても無駄そうだから……」
と言ったところで、ここで本当に正体を明かす気はさらさら無い。
ただ、普通の人を通し続けるのが不可能なら、今度は普通じゃない人を演じるだけ。
まずは、皆がある程度、わたしのオーラを感知できるようにした。
こと藤田くんなんかは、人のオーラを読むのが上手そうだから、こうしておいた方が良いでしょうね。
「わたしは水無月つかさ。デビルサマナーをやってるわ。
 悪魔の力を借りて、悪魔絡みの事件を解決する―――そんな仕事をしてるの」
服の下に隠していた筒(ボールペンに偽装しており、この中に悪魔を入れている)を取り出して言った。
今のわたしは、この場では、自己紹介の内容からして不自然じゃないオーラを放っている。
「なるべく隠しておきたかったんだけどね。
 何せデビルサマナー自体、表沙汰にできないお仕事だもの。悪い人も多いから誤解を招きやすいし。
 って言っても、わたしは別に悪いサマナーじゃないし、そもそも今は依頼自体受けてないわ。フリーよ、フリー」
嘘じゃない範囲で誤魔化しておきましょう。

227 名前:ギルバ ◆3lf6qO/knM [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 02:00:35
>前スレ460 華山理利
>「出来れば全部夢で済ませたかったわ。世の中って上手くいかないわね。
> 昨日記憶操作を受けたのは、やっぱり私だけなのかしら。
> ところでいつまで包帯巻いてるの?
> それじゃ私の知ってるバージル役の方が、本家より数倍クールかもね。そうは思わない、ギルバ先生?」
「だろうな、こちらとしてもお陰でスーツ一着を灰にする結末。
 悲劇を通り越して、喜劇としか言えん。夢ならば醒めてほしいものだ。
 ・・・何を言い出すかと思えば、傷が治るまで巻きっ放しに決まっているだろう?
 それとも、フレディの実物でも見たいのかね?そんな役回りは焼死体に譲るよ。
 生憎、普通の人間なら10回は軽く死ねるような火傷でね、傷の治りがすこぶる遅い。
 ・・・フン、あんなものは脚本家の偏見でしかないな。」
軽口に合わせてやるのも教師の、年長者の務めだ・・・言い訳じみているな。
最近はこんな事ばかり付け加えている、実に芸がない。

>「先生、レイジ。一晩で合唱部のホープに転身した『剣士・クリスティーナ』には、もう会った?」
「・・・バルンディノで似た気配を感じた。
 恐らく、何らかの因果関係があるのだろうが・・・。」
気配は覚えている。途中で消えてしまったが・・・。

>前スレ462 水無月つかさ
>「今朝のあの話、午後までにお返事いただけることになってたんですけど……お返事いただけますか?」
「三人目だな、真面目でよろしいが故に素行不良はいただけない。」
前置きだけは出しておいて。
「雑魚はそれで構わない。しかし、頭連中はそうもいかん。
 ここは私が勤める職場であり、未来を担う若人達の神聖なる学び舎だ。
 そんな場所を我欲の為に戦場へと変え、あろう事か生徒を傷つけるなど・・・!
 許される事ではない。三枚に下ろして閻魔の晩餐に盛り付けてくれる。
 ・・・端的に言えば、条件付き賛成、だ。」

>前スレ463 藤田礼司
>「先生。それでは昨日の夢じゃなかったって教えてるのといっしょですよ」
「顔のこわばりが取れたようで何より。そんな顔で話など出来まい?」
半分ジョーク、半分本気。これが最も効率的なジョークというものだ。勿論、持論でしかない。

>嘘の記憶のままの人は、なんとかリリさん、バージルさん、覚醒できませんか?
>堀江君はともかく、他の人に声をかけるのも反対よ。これ以上余計な犠牲者を出ないためにもね
「公の場では私の事はギルバと呼んでもらいたい。
 これでも色々としがらみを背負っているのでな、特にこの名前を聞いたら
 地獄の果てからでも駆けつけるような奴がいる。ばれるのはまずい。」

「落ち着け礼司、今のお前は隙だらけすぎる。
 今のお前の精神状態では4テンポほど遅らせてもその首を落とせるぞ。
 私の言いたい事はリリ君が言っている。その通りにした方がいいだろう・・・。」

228 名前:ギルバ ◆3lf6qO/knM [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 02:05:11
>前スレ483-485、>前スレ488 藤田礼司&華山理利
言うが早いか既に動き出している・・・これが若さか。
ダンテを思い出して一瞬イラッとするが取り直し、ハンコを押して。
>「オカルト研究会の担任は、ギルバ先生で決まりね。引率が大変そうだけど」
「今に始まった事じゃないだろう?まぁ、非行に走って勉学が疎かにならぬよう
 きっちりしっかりと監督させてもらうからそのつもりでいてもらいたいね。」
これは完全に本気だが、ジョークと受け取られるのだろうな・・・。
が、話がクリスに及んで。
「・・・はっきり言ったらどうだ?何故、自分が無事なのか分からない、と。
 詳しい事は分からないが偶然だ。そのつもりならば日の昇るギリギリまで追い詰めていた筈だからな。
 あまり気に病まぬ事だ。今からその調子では、一日を過ごす事もできなくなる。
 後私は携帯を持っていない・・・公衆電話から掛けさせるつもりか?
 それと、授業中は電源を落として置くように。鳴らしたら問答無用で没収するぞ。」
ようやく一人になれた・・・迸る無限を錯覚させるほどの若さという力に毒されて
随分と慣れぬ饒舌を披露したものだ・・・お陰で今疲れがどっと襲ってくる有様。
「・・・若く、ないのかな。」

準備室を出て校長にオカルト研究会の創設を通達する。
何か言いかけたが、横目で見ただけで黙ってしまった。まぁこんなミイラ男の顔など
正視したくなかろうよ。それを最大限に利用させてもらった、悪く思うな。

そう言えばもうすぐ上一祭か・・・オカルト研究会の面々でお化け屋敷でもするか?
・・・止めておこう、素でミイラ男を押し付けられるのが関の山だ。


授業を終えて昼休み、既に図書室に集まっているだろう。
司書の方には連絡しておいた筈だが、恐らくは礼司・・・大丈夫だろうか。
一抹の不安を感じつつ図書室に向かい、書庫の扉を開けると・・・実に個性的な面々、
と言うか正にオカルトそのものな光景がそこに広がっていた。うむ、実にカオス!
後ろ手に扉を閉め、隅の方に椅子を蹴り飛ばして座る。

>225 クリス
すぐに来客が。あのクリスだ。
・・・彼女は何も覚えていないようだ。しかし、このまま帰すのも後味が悪い。
「待ちたまえ、クリス君。
 ・・・君のその左腕、事故で無くしたと聞いたが・・・君はその事故の事を覚えているのかね?」
まぁ、火に油を注ぐ事になるだろうが・・・これで足が止まれば幸いだ。

>226 水無月つかさ
>「わたしは水無月つかさ。デビルサマナーをやってるわ。
> 悪魔の力を借りて、悪魔絡みの事件を解決する―――そんな仕事をしてるの」
水無月つかさの自己紹介を聞いて顔を顰める。
まさか、デビルマサナーなどと言う連中に出くわすとは。正直、悪魔絡みはうんざりだ。
魔界で食傷気味なのに、ここでもとは・・・その上、やっている事と言えばダンテとご同業とは。
・・・作為的な何かを感じたが、あえて黙っておこう。

229 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 02:19:50
>216
>場慣れしてるなって感じるのは、昨日話してくれた魔法っぽい力を持つ知り合いのお陰なのかな?」
取り出した筒を見せながら、華山さんの方を見て、
「場慣れしてるのは、まあ、こういう事情があるからよ。
 あと、この筒の中に入ってるのが、魔法じみた力を持つお知り合い。
 大丈夫、みんないい子だから安心して」
手癖の悪い人が近くに居たのを思い出して、早く筒を懐に隠して、ちょっとした術で彼の手とか魔術とかが届かないようにしておいた。
少し間を置いてから、昨日言ったことの方を説明しておきましょう。
「ちなみに昨日言ったのは、転校してくる前に通ってた学校で、演劇部の脚本を担当してた人のことよ。
 魔法少女みたいな男の子。華山さんは知ってるんじゃないかしら?」
チャッチャ・クエストに陽介くんにそっくりな子が出てるのを知ったとき、わたしは内心、びっくりしたわ。
ええ、陽介くんが魔人だってことが触れられてなくて、ほっとしたけど。
そういえば、青砥さんの弟くんを名乗ってた子も、チャッチャ・クエストに出てた人そっくりね。
藤田くんが言うには、アッシュっていうそうだけど……

>228
入ってきたギルバ先生は、わたしの自己紹介をしっかりと聞いていたみたい。
わたしがデビルサマナーだって聞いて、あまり良い顔をしていない。
まあ、この職種自体が嫌われてるものねえ。
こんな状況だし、いろいろ疑われるのも無理はないでしょう。

230 名前:霧津 ◆Bvigra29UE [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 16:13:44
拙者はハッと顔を上げたでござる。
どうやら今まで我を忘れボーっとしてた様で、授業も既に四時間目が終わった所でござった。
拙者周りを見回したでござるが、誰一人として不信感を抱かなかった模様。
ノートを見ると汚い文字ながらもチョロチョロと黒板を移し終えていたのでござる
無意識の行動でござろうか、拙者はボーっとしながらも普通に授業を受けていたと言う事でござる。

おかしい・・・・・何かがおかしいでござる。
拙者の脳裏に再び疑問が浮かび上がったでござる、今朝の事も夢の事も何もかも。
食の進まぬままの給食、心の靄は捕れぬままでござった
流石に異変を感じたクラスの友人達に心配されながらも拙者はその場を逃げるようにして去ったでござる。

「疲れすぎ・・・・・・でござろうか・・・?」
昨日今日で色々な事がござった、精神的に疲れていても仕方が無い状況でござろう。
そうでござる・・・このような時は気持ちを落ち着ける場へ行くと気持ちも洗われるでござろう。
しかし外は生憎の雨模様・・・・・ならば行く所は一つでござる。
そんな拙者に追い討ちを掛けるようにポスターが目に飛び込んで来たでござる。

>上湘南第一中学校 オカルト研究会 発足 !
オカルト研究部・・・夢の中でベル殿が発足した部・・・・。
うっ・・・・・・嫌な予感が・・・。
否それは嫌な予感でもあったでござるが、同時に心が躍るようなワクワクとした気持ちでござった。
しかし拙者はそのような気分では・・・・・。

>最初の会合を本日・お昼休みに図書室で開きます。
>お昼休みに図書室
「ブッッッ!!」
如何なる不意打ちでもこれに勝るものは無かろうて、
予測も出来なかった事に、拙者は盛大に噴出してしまったでござるよ・・・・トホホホ。

そして気が付けば図書室前に立っている拙者がいたでござる。
理由は解からぬ・・・・足が勝手に動いたとでも言えば良いのでござろうか?
先程の憂鬱な気分はどこかに流れてしまったでござる。
まさに何かの導きでござろうか・・・拙者は昨夜と同じ様にドアに手を掛け・・・

「たのもーーーーーっ!!!」
勢いの良い声と共に扉を力一杯に開けたでござる。
まるで昨日の時の様な満足感・・・。
そして目前にいたクリス殿を始め拙者に集まる数々の視線・・・・。
ん?視線?

  ハ   ッ   !   ?
しまったぁぁ!!拙者とした事がぁぁぁっ!
何図書室で大声を上げてるのでござろうかぁあああ
一度ならず二度までも同じ失態をするとはぁあああっ!?
ううぅ、顔が火が出るほど熱いでござる・・・・ああ痛い周囲の視線が痛い・・・。

「ど、どうもで・・・・ござる・・・。」
ああ消え入りそうな声でしか挨拶が出来ぬ拙者が憎いでござる・・・
穴があったら入りたい、正しくそんな気分でござるよ。

231 名前:霧津 ◆Bvigra29UE [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 16:16:09
しかしこのままでは拙者はただの痛い子で終わってしまうでござろう!
大きく深呼吸をし、気持ちを落ち着けたでござるがそこで初めて気付いた事。
周囲の面々を恐る恐る確認したでござる・・・。
見慣れた面々と初めて見る御人、しかしその誰もが人に有らざる者の気をはなっていたでござる。
中には物の怪の気を宿してる者もおられた。

「こ、これは・・・どの様な集会でござろうか・・・?」
椅子には合えて座らず周囲を伺い質問を投げかけたでござる。
物の怪ならば昨日の夢と何やら関係が有ると思ったのでござるよ。
「否・・・は、恥ずかしながら拙者何かに引き付けられるがまま
 この場に来てしまった次第でござる・・・。」

トホホ・・・しかしこんな事を言っても先程の事もあってか
顔は赤いまま、目は伏せがち緊張感が感じられず中々締まらないでござるよ・・・。

232 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/10(月) 16:20:41

























空白改行がおそいかかってきた

233 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 19:39:46
アッシュが来た瞬間から、私の口調や呼び名が変わった事に誰も気づいていないようだ。
まあ気づいたとしても、理由まではわからないでしょうけれどね。

>蔓城くん、藤田君
へー本性が大虎なんだー。じゃあ『虎』だけに、蔓城君がお酒を飲む年齢になったら大変よねー(棒読み)。
私は近づいてきた虎に目を閉じて、右の頬を差し出してみた。・・・残念。舐めずに行っちゃったわ。
・・・まあ自称人間らしいから、実際やったらセクハラかもね。

>夜になれば戦いがはじまります。昨日はノスフェラトゥは見逃してやるといって去りました。
>次の夜が来るまでの命だと。夜になれば僕らは殺されるんです。……戦わなければ」
>「僕たちは運命共同体なんです。もう吸血鬼同志の戦いの輪の中に組み込まれてしまっているんです。
レイジの演説はなおも続いた。
・・・自分のことを語って、ねえ・・・。
そういえば子供のころ、大好きで親友だと信じてた子に『ほんとうのこと』を話した事があったわね。
翌日、理利ちゃんは嘘つきで気味悪い子だって言いふらされたっけ。
・・・虎さんは護末田君に興味が移ったようだ。蔓城君は自分の能力について語ってる。
素直っていうか・・・・いい子みたいだけれど、ちょっと危なっかしい気がするわ。
手の内そんなに明かして大丈夫なの?

>霧津さん




(エラーのためで空白改行は一部省略)



・・・はっ!いけない、あまりの大声に頭の中が真っ白になっちゃったわ。
「これはオカルト研究会の会合よ。・・・・・・座らないの?水無月さんの隣の席、空いてるわよ」
赤い顔をして立ち尽くす霧律さんを見かねて、そっと助け舟を出してみる。

>水無月さん
>「わたしは水無月つかさ。デビルサマナーをやってるわ。(中略)
>って言っても、わたしは別に悪いサマナーじゃないし、そもそも今は依頼自体受けてないわ。フリーよ、フリー」
「・・・今本当にフリーなら、水無月さんのお力を貸して欲ししいわ」
水無月さんがプロなら、協力を仰ぐことになんの躊躇いも無い。ボランティアが嫌なら、依頼したいくらいだ。
>「ちなみに昨日言ったのは、(略) 魔法少女みたいな男の子。華山さんは知ってるんじゃないかしら?」
「それって南瓜のマスコットダイスケさんを連れた睦月陽介さんの事?
知らなかった、よーちゃんって演劇部だったのね。彼のホンでなら私も1度舞台に立ってみたかったわ。」
くすくす笑いながら答える。
そういえばチャッチャのオンエアでカットされた部分では、よーちゃんは魔人っていう設定があったわね。
もし水無月さんの知り合いとよーちゃんが同一人物なら、彼女は魔人と知り合いって事かな。
・・・まあデビルサマナーならありえる話よね。
「今度水無月さんさえよかったら、筒の中のお知り合いも紹介してね」

>ギルバ先生、クリスさん
視界の端では、ギルバ先生がクリスのことを呼び止めている。
もし帰ってしまうなら、私も止めなくちゃ。だって今回の件は、クリスが一番巻き込まれているんだから。
事実を知らなければ、また巻き込まれる可能性だってある。
シーラ先生が手をこまねいて見てるとも思えないけれど・・・それでも、危険からはできるだけ遠ざけたい。


まあ、単なる自己満足よね。
ギルバ先生の言うとおり、そろそろ吹っ切らないとダメね。

234 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/10(月) 19:55:36
上一中学七不思議
1:音楽室には魔女が済んでいる
2:上一中学には夜になると妖怪が集まる場所があるらしい
3:上一中にはたまに喋る黒猫が出ると言う噂
4:夜中校舎に入ると人喰い鬼に食べられるらしい
5:この学園には吸血鬼が出るらしい、それも一人じゃない
6:空白
7:これら全てを知った者には厄災が降り掛る

235 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/10(月) 21:20:05
誰も知らない六番目か

236 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 21:25:16
ファンタジーな世界との接触に興奮して立っていると、不可視の力によって手の鉄パイプが落ちてしまった。
仕草や言葉で神崎の仕業だとわかったが、溶けるように消えてしまうドアの破片や鉄パイプに目を丸くするほか
ない。

そうこうしている間にも、藤田のファンタジー小説じみた演説は続く。
手に持った棒が鞭のようになって自在に動く姿はベルのハートを鷲掴みにして離さない。
だが、ハートを鷲掴みにするものはそれだけではなかった。
いや、目白押しというべきだろう。
蔓城の守護霊獣と樹木、大地、気功の力。
水無月がデビルサマナーだということを明かし、小さな筒を見せたとき、我慢が出来なくなった。
「デビルサマナーっていうとレメトゲンみたいな、ごっつい本を持っていると思ったけど・・・。実際は管狐みたいな
感じなのね。」
ウズウズしながら筒に手を伸ばしたが、水無月が素早くしまってしまう。
そうなると手も出ずに、もの欲しそうに指を噛むしかなかった。

その後、護末田が入ってきて驚いた。つい先ほど一緒に屋上にいた人物がまたここであうのは妙な感じがしたか
らだ。
ギルバが入ってきて出て行こうとするクリスに声をかけたり、リリと水無月がなにやら話した。

それぞれ自己紹介をしているので、とりあえず藤田の両肩をガッと掴み、真正面で見詰めある。
「藤田、こんな面白い会を作ってくれてありがとう。
私は今とても幸せよ。しかもわたしの内面にまで気づいてくれるなんて。いいわ、話してあげる。」
興奮なのか陶酔なのか、目が据わっている。
「私はベル・T・カーマン。守護聖人は聖ジュヌヴィエーヴ!パリの聖女で451年にパリを守るために市民を勇気
付けた人よ。
その他にも幸運の星【ラピュスラズリの結晶】(通販価格1,980)、神秘のおまじないパワーストーンの精霊(通販
価格680)、その他諸々ありったけの神秘パワーを背に受けたオカルト少女とは私のことよ!
こんにちわ、ファンタジーの世界!上一中の平和の為にも戦うわ!」
握りこぶしを震わせながら自己紹介と共に、吸血鬼との戦いを宣言する。

夢にまで見たファンタジーな日常。藤田に冷静にと言われて冷静になれるものではない。
「よろしくね!」と藤田の手を強引に握り、ぶんぶん振り回しながら耳元に顔を近づけてボソッと囁いてみる。
「ねえ、藤田。その鞭、私にちょっと貸してくれない?」
珍しいオカルトグッズを前に好奇心が抑えきれないでいた。

わくわくしていると、不意に不思議な感覚に襲われる。
何かを思い出したような、何かをしなければいけないような。だが何かは思い出せない。
「護末田、護末田、ちょっとおいでよ。」
藤田と握手したまま、護末田をよぶ。
なぜ護末田を読んでいるのかベル自身にもわかってはいない。ただ、吸血鬼との戦いと言う目的に興奮した状態
で何かをやらなければというぼんやりとした感覚に支配されていた。
藤田の手を握った手が僅かに緩み、護末田が射程圏内に入った途端それは手刀と化すだろう。

237 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 21:41:25
「待ちたまえ、クリス君。
 ・・・君のその左腕、事故で無くしたと聞いたが・・・君はその事故の事を覚えているのかね?」

オカルト研究会の顧問が私に言葉を投げ付ける。

「そんな事、何故ここで訊くのかしら?
 私の腕までオカルト話のネタにする気?

 ……結局、大概の教師も一緒ね。
 私の欠けた片腕しか見てないわ。

 私にとって片腕なんてどうでも良いの。
 そりゃ有るに越した事は無いけど。
 でも今の私には歌があるもの。

 ……因みに、覚えてないわ。思い出したい気もない。
 むしろ覚えてない事に感謝してるわ。
 事故の記憶なんて、思い出した所で良い事なんて無いでしょう?」

238 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/10(月) 21:54:42
指の一間接を伸ばせば届くほどのところに鉄棒を突きたてられた、その当の本人はいたって呑気に涙目なんかしてる。
鉄パイプは見切られたとしてしかし、なんだって会うなり泣くかな? そんなに怖い顔してたかよ。
ボクの笑顔は天使のそれ。出エジプト記、長子殺しの天使の――あまり社交的ではないかも知れない。
けどダシール・ハメットの探偵を演じるなら、愛想より蛇の舌のがちょうど良い。ナメられたら仕方のない立場だもの。

感動の再会はどうでもいいとして、問題はレイジとリリがちゃんと役に立つ兵隊を集められたかどうかだ。
連中が勝とうが負けようが正直知ったこっちゃないけど、あまりにもショボい花火にはてこ入れの必要がある。
目つきの悪さと物腰から、各人のおおまかな専門分野を知ろうとして、またジロジロ眺める。
まずフランス女。
抱えてる植木鉢が気になるが、即戦力にはなりそうにない雰囲気。盾くらいにはなるか。
戦場が学校である以上、パンピーが数人混じるのは不可抗力だが
ボクは彼らに手をださないというだけで子守りする義理まではないからね、そいつは二人の仕事。
使い道が見つかるまでふんじばっときゃいい。

>「少女がこんなモノもって震えちゃ駄目ですよ〜」

乱髪の金田一少年が微かな動作をみせると、フランス女の手に握られた鉄棒が途端にボクの足下へ突き刺さる。
お上品なブロージョブを邪魔されたことへの抗議か知らんが、相手はそっぽを向いてた。
躊躇なく「力」を使う彼は玄人らしいが、単なる駒で納まるほど根性はよくなさそうだ。
下を見れば床に刺さった杭はいつの間にか消え、痕も残らない。

金田一へニッコリ笑って挨拶し、声をかけようとすると
リリが慌てて立ちあがり、ボクと彼の間に割って入った。今あえて剣線を越える意味はない、と。
「ん、ありがと……」
ボクは差しだされた紙袋を素直に受けとり、胸に抱えたままレイジの話を黙って聞いた。
まだバルンディノからたったの三ヶ月と聞いて、ちょっと驚く。
レイジと別れてからずいぶん経ってるような気がしてた。
時空震に飛ばされてから大体二ヶ月だから、思ったより殺し屋稼業は長続きしなかったって訳だ。

239 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sagegt;クリスさん タイミング悪くてスマンです] 投稿日:2006/07/10(月) 21:56:07

レイジの自分語りに口を挟む奴は居なかったけれど、聴衆の態度はいろいろだ。
真剣な面持ちで耳を傾けるもの、話半分に聞いてるふうなもの、ただ呆れた顔をするばかりのもの。
話が一通り終わると、彼は他の連中に話すよう促した。
互いの能力の正体を知っておいたほうが都合が良いだろう、とのこと。
そうして虎使いがえらく景気の悪い話をしている、その間にも数人が遅れてやってきた。
男が二人、女が一人。
その内、顔面が包帯ぐるぐる巻きの男の立ち振るまいは、根拠はないけど懐かしい誰かに似てると感じた。

>「ごめんなさい、私失礼するわね」

記憶を失ったままのクリスが帰ろうとするのを、ミイラ男が引き留める。
ミイラの言葉に彼女が一瞬固まり、言いかえす隙をみて、ドア近くに立っていたボクが手を伸ばして進路を塞いだ。
自覚が無くとも関係者、ここまで聞かれてしまったからには、ただで帰す訳にはいかない――とレイジたちは考えるだろう。
ボクはベディヴィエールの右腕を掴んで

「帰ってもいいけどお姉さん、両腕が無くなったら足の指でオナニーできる?
神さまが残してくれた一本だ、こっちも有るに越したことはないんじゃないかな」

掴んだ腕の骨が軋むくらいに強く、握りしめる。とりあえず彼女は抵抗を止めた。
ちょうど水無月が、自らをデビルサマナーと名乗っていたところだった。
彼女が金田一、虎使いに続く、学校関係者からの戦力の三人目となれば、レイジたちはなかなかに幸運だろうな。
プロならこき使って結果死なれたところで、罪悪感も少ないしね。

>それって南瓜のマスコットダイスケさんを連れた睦月陽介さんの事?

ヨースケ、デカイの二挺下げのプリックマスターの女装二号。バルンディノでロゼに味方した変態どもの一人だ。
城が崩れてから行方知れずのまま、生死不明。
運命だか因果地平だか、とにかくまたバルンディノ、幻想界絡みの兵隊。レイジの口上をいっそ信じたくなる。
クリスの腕はしっかりと掴んだままで、他に遁走の可能性があるとすれば
むさっ苦しいツラしたライブドアくらいだが、アイツは多分どうでもいい。さっきから呆けた顔しかしてない。
逃げようとしたら、レイジやリリの顔色で止める止めないを判断しよう。
暇にかまけて、もらった紙袋の中をそっとのぞくとパンと牛乳が入ってた。
さすがに気が利く、片手が空いたら遠慮なく食べてしまおう。実際食わないと、余計な方向に食欲が傾きかねない。
特に、ベディヴィエールの整った細面が間近にある今は。

フランス女が喋ってる。ボクの母親もフランス人、けど実際に行ったことはないし仏語も分からない。
そのくせ目鼻立ちや訛りかたなんかで意外と、誰それが仏系って分かるんだ。
苗字の「ヴァシェル」は十九世紀末フランスを跋扈した、有名な切り裂き魔と同じ名前だって聞いたけど
話す機会があったら質問してみたい。そいでもって、「ラ・マルセイエーズ」でも謡いながら食肉解体してやる。

240 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sageなんだか混乱〜] 投稿日:2006/07/11(火) 00:16:56

>「あの……冷静に話してほしいなーって。ぼ、僕の話きいてますか……?」

藤田 礼司がオドオドと話します。…そう言えばドド先生はこの男には要注意しろと言ってましたね。
でも私にはとてもそこまで強い人間には見えません。私の目が濁ってるからでしょうか。
私は目をこすりました。

>「ねぇみなさん。心からの話をしましょうよ。
(省略…)
>次の夜が来るまでの命だと。夜になれば僕らは殺されるんです。……戦わなければ」

藤田 礼司が話を続けます、心からの話ですか。困ったものです、私は悪魔でもドド先生の使いの者。
私は正直ドド先生の思考ははっきりとはわかりませんし、夜のことも話でしか聞いてません。
それに構わず藤田 礼司は話を続けます。

>「僕たちは運命共同体なんです。もう吸血鬼同志の戦いの輪の中に組み込まれてしまっているんです。
(省略)
>まずは言い出した僕から」

私は再度親指を軽く囓りました。

>「僕の名前は2年C組の藤田礼司。三ヶ月まえまではふつうの中学生でした。
(省略…)
>僕は呪文のいらない魔法のようなものだと思ってます。こんなふうに」

ゲッ…自分の能力まで言わなきゃならないんですか?
私は頭を少々抱えました。真実を言うべきか言わぬべきか。
そんな思考を回している間にも藤田 礼司の話は続きます。
手に持たされた一本の黒い棒、グニャリと曲がり鞭化します。嗚呼、あれが音楽室の机を壊した力ですか。


241 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sageなんだか混乱〜] 投稿日:2006/07/11(火) 00:18:27

>「僕にはムチを使う才能があったらしく、僕のオーラはムチ使いに特化しました。
>このムチは異世界で知り合った僕のともだちラスティーリアが僕にくれたものです。
>オーラを持った僕は戦士として異世界に渡り、そこで仲間と共に異世界を支配する魔人の皇帝と戦いました」

なんというファンタジーチック!魔神の皇帝ですか。ドド先生が聞いたらどう反応なさるのでしょうか。

>「戦いが終わって僕は……ダークエルフの彼女の弟子になって正式に修行するつもりだったんですけど、
(省略…)
>思います」

童話王国?ダークエルフ?神様?
非現実的な事を言うこの男、しかし私はこの男が言ってることを信じることにしました。
何故なら現実には気づかないだけで必ず奇怪は存在するしそれにこんな見え見えの嘘付く意味が無い。
私はじっと藤田を見ます。

>「以上が簡単ですけど僕の話です。みんな自分の力を話しませんか?
(省略…)
>理利さんだって自分の魔法のことを話してください。おねがいです」

嗚呼!やっぱし言わねばならぬのか、私は親指を離します。

>「順番なんて気にしないでいいですから話してくれませんか?みなさん」

うっ…そんなに真っ直ぐに言われては…、まったくめんどくさい事です、こんな事ならこんな仕事引き受けなきゃよかった。
私は髪の毛を掻きました。水無月という女、蔓城 浄斗が話言葉をしっかり聞きながら考えに考えます。
聞いたことをメモしなくていいかって?ああ、その点は大丈夫なんです。私は聞けば一発で覚えますから。

…それにしてもデビルサマナーに自然使い、何も知らないオカルトマニア、ユニークな者達ですね。

私は挙手しました、しょうがありません。嫌なことはトットとすましてしまいましょう。

「私がドド先生の代理としてお答えしましょう。
一つ、ドド先生は今は貴方方の味方である事、…リリさんは知っていらっしゃるでしょう。」

これについてはある意味真実です。私は指を一本立てリリさんを横目で見ると正面を見、二本目の指を出しました。

「そして二つ、その黒いビー玉の正体、それは…礼司さんが言ってたおとぎ話で出てきた果実ポモナと同じような物です。
時が熟すとあなた方に力を与えてくれる物です。…もっていて損はありませんよ。」

これも…ある意味真実です。ま、肝心な事を言ってませんが。そして私は最後に三本目の指を上げました。

「そして最後三つ、ドド先生の能力、私の能力について。ドド先生の能力は…実は私もよくわかってません。
ただ、彼女は音を超えた能力を使います。そして私の能力は…」

私は一瞬顔を下に向けました。そして再度前を向く。

「…私の能力は〈物質操作〉。物を飛ばしたり移動させたり、消したりする能力です。…以上が私が知ってること。」

はい、これ嘘。私の能力は物質操作みたいな甘い能力じゃありません。
もっと深くて深くて溺れるような能力…。私は指を降ろしました。
悪いですが味方だろうが誰だろうが自己の能力をばらせばこちらが不利になる。
悪いですが精神は藤田 礼司のように清潔じゃないものでね。

242 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sageなんだか混乱〜] 投稿日:2006/07/11(火) 00:20:36
>クリス様
悲劇のクリス嬢はどうやら機嫌を損ねたらしく帰ろうとしはじめました。
私はそれをジロリと横目で見ます。

包帯巻きの教師に話かけられ声を荒立てる少女。

見れば見るほど哀れに思えてきます。
思い出したくもないですか、しかしそれは無理な話ですよ。クリス。
貴方は最早こちら側の人間。もう普通などには戻れない。

嗚呼っ…なんという哀れな女。

私はただただその女を見ながら哀れみの目線でいました。
この女はとことん不幸です。ドド先生の手の上に堕ちてしまったのだから。


>リリ様
>「さっきでシーラ先生に、クリスの剣を返して欲しいと頼んだのだけど・・・神崎さん、何か先生から伝言を預かっていない?」
>ドド先生が言っていた女、魔法少女リリが話しかけます。
クリス…?嗚呼、あの女剣士さんですか。
少し答えの仕方を考えます。何故ならあの剣は…、全く、ドド先生も面倒な事をしてくださる。
私は少女に答えました。勿論小声で。

「…実はクリス様の剣は蘇生術の時に使い、かなり壊れてしまってるんです。
ドド先生の蘇生術は蘇生する者の魂に等しい物を使わなきゃならないものでね。
そのため今修復液に浸かって剣を修復してるんですが…どうやら結構時間がかかってしまうようで。
ああ、安心してください、夜までには治りますから。」

後々彼女は知ってしまうだろうから今は言いません。あの剣がどうなったのかも。
私は彼女にそう一言答えると前を見ました。


>護末田 愁弥様
>「……うぉっ!!」
背後から声が聞こえてきました。この男は知っています。
護末田 愁弥、眼鏡の奥に戦士を隠している男。
ドアを開けていきなり目の前に男が立っていたのに驚いていますね。
藤田 礼司と同じく、これまた理解しにくい男です。
>「……せめて席に着いたらどうなんだ?」
>そう言いながら男の横をすり抜ける。
私はじっと目で彼をおいます。…やはりよく分かんない人物です。
一瞬護末田 愁弥と目が合いニッコリと微笑み返します。
分からぬ人物には取りあえず営業スマイルです。


243 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sageなんだか混乱〜] 投稿日:2006/07/11(火) 00:21:20
>霧津様
>「たのもーーーーーっ!!!」
またまた叫び声が響きびくっと肩をならします。
図書室だというのに…全くさっきの坊ちゃん刈りの坊や同様なってない。
>「ど、どうもで・・・・ござる・・・。」
嗚呼、自分の間違いに気づき謝ってますね。
…もしやここには変人が集まるのでしょうか?
>「こ、これは・・・どの様な集会でござろうか・・・?」
おどつきながら言葉を発する少女。
>「否・・・は、恥ずかしながら拙者何かに引き付けられるがまま
> この場に来てしまった次第でござる・・・。」
…と言うことはやはり覚えてないのでしょう。
私は少し考えました。

…真実を教えるべきか?

しかしその思考はあっさりリリさんの対応で打ち切られました。
いけませんいけません、
ここで言ったら穏便に済ませることを願っているリリさんのドド先生に対しての信用は落ちる事でしょう。
私はふぅとため息をつくと天井を見ました。

……はぁ…仕事って疲れますなぁ・・


>アッシュ様
坊ちゃん刈りの坊やは意外な反応を見せました。
私の方へニッコリ笑顔で挨拶。私もニッコリ微笑み返します。なかなか根性が座った少年で。
リリさんが危機を察したせいか間に入ります。
ある意味好判断、そして残念な判断です。

ま、後々話せばいいだけの話ですがね。

私は暫く坊ちゃん刈りの少年を見た後、再度藤田の方へむき直しました。

244 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 01:11:34
「へーくしょいっ!」
大男は大きなくしゃみをした。
廊下にその大声が響き、所彼処からクスクスと言う笑いが聞えてきた。
何年振りだろうか、くしゃみ何てモノをしたのは。
面倒くせぇ誰か俺の噂でもしやがったか?
それも俺の真実に誰か勘付いたか・・・。
どちらにせよだりぃ事この上ねえ。

「ほらよ、荷物届けに来てやったぞ。」
大男は保健室に付くと荷物を保健室担当に渡した。
中から異臭や悲鳴が聞えてきてやがるが、
面倒臭ぇからこの際聞かないでやろう。


まだ大分時間がある、別に急ぎの用事って訳でもあるめぇしな。
少し休んでもバチは当らねえだろうよ。
大男は保健室のソファを借りもう一つのダンボールを開ける。
やはりと言うか何と言うか中身は本だった。
漂ってくる新品の臭いの中、大男は一冊手にとって中身を読み始めた。
手にした本のタイトルは日本の妖怪図鑑。
大男は興味の無さそうにパラパラとページを捲り始める。

しかしその手はすぐに止まった。
眼の前には見開き一ページを使って三種の妖怪が紹介されていた。
「ほぅ日本の三大悪妖怪ねぇ・・・」
白面金毛九尾の狐と大天狗崇徳天皇がデカデカと紹介されてやがる。
チッ、天狗の爺さんは兎も角、九尾の野朗はいつ聞いても気にいらねえ。
甦る憎憎しい記憶。
思い出すだけで苛々してきやがる
それを紛らわすように視線は最後の一人に移された。

それを見た瞬間だった
「フン・・・懐かしい名前じゃねえかい。」
大男の唇がニヤリと釣り上がった。
図鑑とかで、この名前を見かけると嬉しくなるもんだ。
そこに書いてあった名は『酒呑童子』
そう日ノ本最強と詠われた人食い鬼の名前であった

245 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 02:38:46
>231
「あら、霧津さん。こんにちは。こちらの席が空いてるわよ」
霧津さんがわたしの隣の席に座ったのを確認してから、ゆっくり事情の説明をしておいた。
「昨日の出来事は覚えてるかしら?まあ、覚えてるものとして話を進めるわね。
 今、夜に出るっていう吸血鬼とかいろいろの対策を、皆で練ってるところなのよ」
と、一応は無難な説明をしておいた。

>233
>「今度水無月さんさえよかったら、筒の中のお知り合いも紹介してね」
「別に良いけど……慣れない人が見ると、もしかしたらそっちの子みたいになってしまうかも。
 陽介くんだったら紹介しても良いんだけどね」
と言ってクリスさんの方を指差して言った。
半分本気で、半分冗談。そして、ほんのちょっぴりの真実と会心の笑み。詐欺のコツよ。
ええ、悪魔に関することで嘘は今のところ言ってないけど。
「夜になったら見せてあげるわ。丁度良い機会ですし」
>知らなかった、よーちゃんって演劇部だったのね。彼のホンでなら私も1度舞台に立ってみたかったわ。」
「やめときなさい。悪い事は言わないから」
わたしはいつになく強めの口調で言った。
……本心をそのまま口に出したのは久しぶりね。
ええ、まあ、陽介くんの脚本って……からかうネタにはなりますけど。

>236
わたしが懐に管を隠したところを、じっと見ていた。
しっかし、物欲しそうにしてるわね―――それに、この子には全く戦う力が無いみたい。
ただ、この子自体には戦う力は無くても、身に着けてるものはなかなかのアイテムね。
いえ、ラピスラズリとかパワーストーンからは、何の力も感じられませんけど。
でも剣の形をしたゴルゲットなんて―――熱田神宮にあったアレにそっくりだわ。
まあ、運も良さそうだし、今日くらいなら、何とか生き残るでしょう。
そして、とてもハイテンションを維持したまま自己紹介を始めた。
―――殺しても死ななさそうね。安心したわ。

「あ、そうそう」
皆の自己紹介がひととおり終わるのを確認してから、口を開いた。
「適当に共食いさせるあの計画は、結局、工藤さんにバレてしまったわ。
 やっぱり、鼠男さんにも手紙を送ろうなんて、余計な事は考えない方が良かったわね」
嘘を交えながらこれだけ報告するのもアレだから、工藤さんが落としていった情報だけをそのまま伝える。
「だけど、工藤さんが霊宝に関する事を教えてくれたわ。
 何でも、この上湘南に縁のある品物なんですって」

246 名前:ギルバ ◆3lf6qO/knM [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 15:31:26
>229 水無月つかさ
>「ちなみに昨日言ったのは、転校してくる前に通ってた学校で、演劇部の脚本を担当してた人のことよ。
> 魔法少女みたいな男の子。華山さんは知ってるんじゃないかしら?」
その一言が耳に入ってしまった・・・まさか。
「睦月陽介?・・・彼の縁者かね。
 これはいよいよ以って作為の臭いが強まってきたな。」
つい横から口出しをしてしまった。よもやこんなところにまで繋がりがあるとは。
「恐らく、私は理利君よりも彼の事を知っているだろう・・・。
 今どこにいるかは知らないが、いまだに魔法少女紛いのヤクザな商売を続けているのでは?
 ああ、こうして目を閉じると南瓜のダイスケにストンピングをかます、
 一見典型的な魔法少女でありながらドスの利いた野郎声のあの雄姿が蘇って来る。」

>230-231 霧津
>「否・・・は、恥ずかしながら拙者何かに引き付けられるがまま
> この場に来てしまった次第でござる・・・。」
更に昨日のメンバーが一人。工藤の記憶操作も大した事はない。
「ようこそ、霧津君。
 君のその感性、大事にした方がいい。
 ・・・君も、夢か現か判別付き難い経験をしたような気がしているのだろう?
 今ここに集っているのは、君と同じ経験をしたものばかり。さ、座りたまえ。」
椅子を勧める。

>236 ベル『トリニティー』
ああ、正に暴走超特急、臨界寸前の原子炉。
彼女のあの姦しさはある意味人類の宝だな・・・彼女とかワイフとかにはしたくないタイプだ。
そんな事をぼんやりと考えていると・・・嫌な気配を感じた。彼女にではない。
確かに彼女からは、彼女の他に二つほどの異質なものを感じるがそれじゃない。
・・・魔界で、幾度となく感じた気配。
「しっ・・・静かに。何か、いるぞ・・・。」
気配を探る。虎視眈々と、命を狙うこれは、間違いない・・・。

247 名前:ギルバ ◆3lf6qO/knM [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 15:32:55
>237 クリス
>……因みに、覚えてないわ。思い出したい気もない。
その気配を探りつつ、クリスへ言葉を返す。
「覚えてない、か・・・そうだろうな。当たり前だ。
 結論から言おう、そんな事故など初めから存在しない。
 君が腕を失ったのは・・・戦ったからだよ。異形と。
 君は否定するだろう。その事も覚えていないのだから。だが、それこそが事実だ。
 君がいくら否定しようが覆す事の出来ない、ね。」
そこまで言ってようやく喉が回復した。前の、『バージル』だった頃の声で続ける。
「正直言って、『俺』に言わせれば自業自得だ。
 相手と自分の力量の差を理解できないまま向かっていった結果なんだからな。
 その事で捻くれるなら好きにすればいい、と関係なければ済ませるのだが・・・。」
あえてしゃがれた声に戻す。
「君は私にとって教え子であり、私にとっては大事な後進の一人だ。
 その君を傷つけた者には、死を超える制裁を課さねば気が済まないのだよ。
 君とて、やられっぱなしで逃げ出すほど臆病ではあるまい?
 ・・・そうでなければ、剣を取って戦うなど初めから出来なかった筈なのだから。」

>239 アッシュ
>「帰ってもいいけどお姉さん、両腕が無くなったら足の指でオナニーできる?
> 神さまが残してくれた一本だ、こっちも有るに越したことはないんじゃないかな」
それにしても、奴までこちら側に来ていたとは驚きだ。
これは絶対誰かが仕組んだ事・・・そうでなければ、ここまで関係者が
一同に会し、イカレたパーティに華を添える事になどなりはしない。しかし・・・。
「相変わらず下品だな、アッシュ。
 お前のそう言うところは嫌いじゃないが、情操教育上よろしくない。
 それにだ、自慰などいくらでもやりようがある。手だけが恋人って訳じゃないだろ?」
再びバージルの声に戻して喋りかける。これでアッシュは気付く。
そこから先どう言う行動を起こすか。まぁパーティの招待状を放棄するような真似はしないだろう。

>240-243 神崎屑船
・・・ドド先生の紹介らしいこの少年、どこか信用できない。
気心の知れた礼司やアッシュはいい、ベルや霧津に隠し事は出来ないだろうし、
護末田もそこまで歪んではいない。人を見る目はあるつもりだ・・・色んな意味で。
そんな自分の目で見ても、今一つ背を預ける気になれないのは、ドド先生の一件だろう。
同じ教員同士、信じたい部分はある・・・しかし、隠し事が多すぎるのだ。
知ろうとしていない節のある自分に言えた事じゃないのだが。これは一度、
音魔女シーラと腹を割って話し合う必要がありそうだ・・・!

刹那、教材ケースから刀を取り出して屑船に向かって突き出す。
横から見たら、額を貫通したようにしか見えないだろう・・・実際は、
顔の横、何も無い『筈』の空間を突いている。そこには、今正に死神の鎌を振り下ろそうと
していた地獄の拷問吏・・・砂を媒介として人界へと召喚された雑魚。
一撃で絶命し、砂へ還る。包帯の下で苦い顔をしながら刀を収めた。
「・・・真昼間から現れるとは・・・やはり、魔は魔を引き寄せるのか・・・。
 一番の雑魚、セブン・ヘルズ=ファースト、プライド・・・はぁ・・・。」
そう呟いて水無月の方を見、そして先程の言葉を思い出す。
>悪魔の力を借りて、悪魔絡みの事件を解決する―――
悪魔は人間に力を貸したりなどしない。少なくとも、我が故郷たる魔界の住人は。
と言う事は、系統が違うのだろう・・・やはり、原因は俺か。
椅子に座り直して周囲を見渡し、
「何か質問があるのならば言ってくれ。それに答える形で自己紹介の代わりにさせてもらう。
 ・・・今のを見て黙っているような、事なかれ主義な考えの持ち主はいないと思うがね?」

248 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 18:18:46
今、音がした気がする。
ついでに何者かの気配が…?

249 名前:霧津 ◆Bvigra29UE [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 18:38:52
>華山殿
>「これはオカルト研究会の会合よ。・・・・・・座らないの?水無月さんの隣の席、空いてるわよ」
拙者の態度に見かねたのでござろうか華山殿が拙者に座る事を進めてくれたでござるよ。
華山殿かたじけない・・・・拙者は申し訳なさそうに軽く頭を下げたでござる。
顔は赤いままでござったが、大分気持ちも落ち着いたでござろうか・・・・。
目の前では帰ろうとするクリス殿が他の生徒に手を掴まれていたり
その裏でベル殿はやはりいつものベル殿であったりと、様々な出来事が起こっていたでござるが。

「水無月先輩・・・・お隣失礼仕るでござる。」
場は違えど拙者たちは先輩後輩の間柄でござる
如何なる場合と言えども礼儀作法は忘れぬでござるよ。でも先輩は些かその気持ちは薄いようでござるが・・・・
>水無月先輩
>「昨日の出来事は覚えてるかしら?まあ、覚えてるものとして話を進めるわね。
>今、夜に出るっていう吸血鬼とかいろいろの対策を、皆で練ってるところなのよ」
席を勧められるがまま水無月先輩の隣へ付いた拙者。
同じ剣道部部員故の間柄でござろうか、不思議と安心感の様な物を感じたでござる。

「昨日の出来事?・・・・ま、真でござるか先輩!?、やはり夢では・・・・。」
また大声・・・・ああ思わず声が浮ついてしまったでござるよ・・・・トホホ・・・・。
しかしようやく心の靄は晴れたでござる。やはり拙者は昨夜この場へ来ていたのでござる。
それだけでも拙者にとっては収穫でござるな、あのままだと不眠症になってかも知れぬし・・・・。

となると昨夜拙者が保健室へ運んだ彼は・・・・・。
もしかしたらと思い・・・・拙者は座っている面々を見回したでござる。

・・・・・・・・・・・いた。

あの大怪我の後遺症も無く彼・・・・いや蔓城殿はそこにおられた。
丁度こちらを見ている彼に向かい拙者は軽く会釈を済ませたでござる。
自然と零れてくる笑みと、先程とは違う頬が微かに赤らむのを感じながら・・・・。

―――――――よかった・・・・本当によかった。

250 名前:霧津 ◆Bvigra29UE [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 18:40:47
>ギルバ先生
「なんと・・・・・鮮やかな。」
拙者は声を上げたでござる、それもその筈ギルバ殿が剣を手に取ると
前の生徒の顔を一突きしたのでござる、拙者は息を呑んだでござるが
それは杞憂でござった、刺したのは生徒の顔の横を通り抜けただけ・・・・・
そしてそこに居たのは、西洋で言う所の死神の様な物の怪でござった。

「ギルバ先生・・・・・お主も陰陽師の様な者なのでござろうか?」
思わず口にしてしまったでござる。
「あっ・・・・拙者は・・・・そのぉ・・・・・・・。」
言葉に詰まってしまったでござるよ・・・安易に口を出すのは自らの首を絞めると解かっているのでござるが・・・。
「・・・・拙者は風習の性でござろうか、物の怪の気配を感じる事が可能でござる。」
昨夜の付喪神らしき物の事を始め、違和感無く対処できたのは慣れていたからでござる。
「拙者・・・・実を言うと実の父上と母上の顔を知らぬのでござる・・・・。
 その奇怪な能力に加えこの髪色や瞳の色・・・・・そして共に捨てられていた刀。
 孤児院でも化物と呼ばれ酷く異質な扱いを受けていたのでござるよ・・・。」

「でも・・・・それでも拙者を拾ってくれる人がいたのでござる・・・・。
 勿論その人・・・・義父上の家族は拙者の事を快くは思っていなかったのでござるが。
 周囲に忌み嫌われながらも義父上は拙者に優しくしてくれたのでござる・・・・。」

「義父上は神社に仕えていた行司でござった、
 拙者もせめてもの恩返しと神社の元で手伝いをしていたのでござる。
 そこでよく徐霊やら悪霊退治を引き受けさせられたりしたのでござるが・・・・。
 義父上は拙者に剣道を教えて下さった、生きる為の術を教えてくれた。
 拙者に・・・・・強くなる事、本当の強さについて教えてくれた・・・・。」
拙者は胸が温かくなる様な気持ちで一杯でござったが・・・・・。
しかしその言葉も表情も次第に曇り始めたでござる・・・・。
「でも・・・・義父上は・・・・・。」

「いや・・・・・・」
すぐに我に返り拙者は首を振った。
これは拙者の問題也、他者に押し付ける程拙者は惨めではござらん。
「これは関係ない話題でござろうて・・・・・・話を止めて真申し訳ない。」
伏せ目がちのまま苦笑が漏れてしまったでござる。
誰も拙者の身の上事情なんて興味の無いに決まっているでござろう・・・・・
言おうとすれば薄くらい記憶の中から、拙者の奇異な性質について話せるかも知れぬ。
しかしそれを言おうとすれば、途端に皆の拙者を見る目は変わってしまうでござろうて。

251 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 20:04:07
>水無月さん
水無月さんの扱う仲魔はなかなか荒っぽいらしい。
>「夜になったら見せてあげるわ。丁度良い機会ですし」
「ホント?嬉しいわ。お手並み拝見ね。
それから機会があったら、よーちゃんにも是非逢わせてね?口の悪いダイスケさんともおしゃべりしてみたいから!」
それにしても、あの水無月さんがここまで必死で止めるよーちゃんの脚本って・・・・一体どんなのだったのかしら?
聞いてみたい気もするけれど、聞けそうな雰囲気じゃないので止めておこう。

>霧津さん
話し終えた霧津さんは、俯いてしまった。
ある程度能力がある人間の肉は美味いらしい。だから、どこに行っても怪異が付き纏う。
そして、集まった魔物のために身近な人が巻き添えを食うのもよくある話だ。
「いい義父さまだったのね。羨ましいわ」
殆ど初対面といえる人間に、よくここまで話してくれたなと思う。
真っ正直なところは、蔓城くんといい勝負かもね。

>アッシュさん
クリスの腕を掴んでいるアッシュさんに小さい声でお願いする。
「アッシュさん。クリスは昨日ひどい目にあったんだから、もっと優しくしてあげて?」
離してあげて、と言わないところがミソよね。

>クリスさん
アッシュさんによって強制的に足止めされたクリスに、ギルバ先生が昨夜の顛末をかいつまんで話した。
・・・・・・うわ。ギルバ先生はまた随分と直球ね。
でも小細工の無さが、かえって気持ちいい。
「ギルバ先生の言うとおりよ。
クリス。事故の記憶は無くて当然なの。昨日貴女の左腕がちぎれるところ、直接じゃないけど私も『視た』から」
ポケットから小さいビーズ細工を取り出す。空き教室でアッシュと話しながら作ったものだ。
「これ返しておくわね。剣士クリスティーナの落し物よ」
細い薬指に嵌める。
「これは昨日までの貴女の記憶。
爪に宿っていた記憶や感情はクリスだけのものよ。
だからクリス以外には誰も・・・たとえクリスを作り変えたシーラ先生であっても消す事は出来ないわ」
背後の神崎を振り返り、微笑む。
「でも、シーラ先生はお楽しみが多い方が燃えるんでしょう?構わないわよね、神崎さん?」

バチッと一瞬火花が飛び散り、指輪はクリスの指の上で溶けて消えた。

「・・・記憶が戻る事が、クリスにとって幸せなことなのかどうか・・・私にはわからない。
でも、貴女には知る権利があると思うの。闘うか逃げるかを、自分で選ぶ権利もね」

252 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 20:14:09
クリスには出来るだけの事はした。後は彼女自身の問題よね。
そんな事を考えながら、和足はさっきまで書いていたギルバ先生宛のメモで紙飛行機を折っていた。
ん?流れから言って私も自己紹介しなきゃダメ?
「・・・華山理利です。俗に言う魔法少女ですが、芸能界でのし上がる手段として魔法を悪用したりはしていません。
特技は、シロップさえあればいつでもどこでもカキ氷が作れる事です」
――――え?もちろん冗談よ。
「他にもちょっとした魔法が使えます。
たとえば、もしここで見聞きした事を吸血鬼関係者に話そうとすると、口が開かなくなります。
だから、他言無用でお願いね」
無効化出来そうな出席者がたくさんいるけれど、実際には黒猫への牽制が狙いだからどうでもいい。
自己紹介は以上です、といわんばかりにレイジの顔を見つめる。

>藤田君
「・・・で。レイジは、何が何でも皆を吸血鬼たちとの戦いに参加させたい?」
私はギルバ先生に向けてメモで作った紙飛行機を飛ばしながら、レイジに尋ねた。
「レイジは聞いてなかったかもね。
実は牙の使徒は別れ際、こう言ったの。『学校から一歩外に出れば怪異は起こらない』とね。
古き民ノスフェラトゥはこうも言ってたわね?『契約に縛られてて、戦いは夜の間だけしか行えない』と。
レイジの言うとおり、確かに上一中は危険な戦いの場だわ。
だけど、昼の間は怪異は起こらない。嘘みたいに聞こえるけれど、安全なの。
夜だって、上一中の敷地に立ち入りさえしなければ皆の身に災難は降りかからないわ。殺される事だって無い。
どういう意味かわかる?
普通の生活に戻りたいと望むのなら、まだ十分間に合うのよ。・・・そうですよね、ギルバ先生?」
紙飛行機を手にしている先生に目配せした後、私は再びレイジに視線を戻した。

本当は私だってわかってる。
レイジは正しい。 戦力は多い方がいいに決まってる。
私だって協力者が欲しい。それこそ喉から手が出そうな位に。・・・でもね
「レイジの邪魔をする気なんて無いのよ?だって、目的は同じなんだから。
ただ、私はフェアに行きたいだけ。皆が必要な情報を得て、それでも戦う道を選ぶなら何も言わない。
だけど、皆に知らせるべき情報を握り潰してまで皆を巻き込むのは間違ってると思うの。そうは思わない?」
ああ――――多分アッシュは、腹の中で私のことを笑ってるでしょうね。

>神崎さん
「まだクリスの剣を渡してくれる気があるなら、夕方取りに行くわ。
もしクリスが返して欲しいと言ってきたら、彼女に渡して」
神崎はクリスを蘇らせる拠り代に剣を使ったと言っていた。なまくらになっていないかどうかが気がかりね。

>ギルバ先生
「下世話さでは、ギルバ先生もアッシュさんといい勝負よね・・・」
あけすけな会話に思わず赤くなる。
いや、赤くなる事自体に問題あり?うぐ・・・・ま、私も芸能界長いから色々耳に入ってね。仕方ないのよ。
だけど次の瞬間、自分の張った結界が焼ききれた事に気づいた。火照っていた顔からサッと血の気が引いた。
侵入者達はギルバ先生があっさり撃退したけれど・・・。
>「何か質問があるのならば言ってくれ。それに答える形で自己紹介の代わりにさせてもらう。
 ・・・今のを見て黙っているような、事なかれ主義な考えの持ち主はいないと思うがね?」

「ギルバ先生ごめん、話はちょっと待って。
今の奴等のせいで結界が破れちゃった。吸血鬼達に筒抜けになっちゃうから、少しだけ待ってて」
変ね、あんな雑魚に破られるほどもろい結界じゃなかったんだけど。
・・・少し疲れるけど、上位魔法の結界に変えてみよう。
「気のせいかな、昼間の怪異を押さえる力、だんだん弱くなってない?―――完了。さ、続きをどうぞ」

>水無月さん
「あ、そうそう」
水無月さんは、朝話してくれていた計画の失敗を報告してくれた。
けれどその後、工藤先輩から霊宝に関する情報のさわりを教えてくれた。

『この話知ってる?』とアッシュを仰ぐ。
アッシュと指輪で通信していた時、話したい事があると言っていたのは、もしかして霊宝にまつわる話なのかしら?

253 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/11(火) 20:47:31
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね



どこかから声が聞こえる

254 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 21:27:12
隅っこの方に行くと、さっきの虎が頭の中に話し掛けてきた。
なんで虎ってのはこんなに厳しいんだよ…
「虎が頭の中にまで話し掛けるなよ…」
そう呟くとこっちを見ている虎に軽く会釈した。

天井男と目が合い、微笑んできたが、軽く会釈して別の方向を見た。
帰ろうとするクリスが目に入ったが、昨日のクリスの件についてはまだ思い出していないため何もせずにその光景を眺めていた。

みんな身の上話をしているようだが、ベルだけピン芸人を見ているような感覚に陥るのは気のせいだろうか。
明らかに何かを間違えているような…

考えごとをしていると、藤田の手を握っているベルの呼ぶ声が聞こえた。
「まだ、みんな話してるんだが…用件はすぐに済ませろよ」
何か嫌な予感がした。

とてつもなく嫌な予感が。

足が進もうとしなかったが、無理矢理に動かしてベルの方向に歩いていった。

255 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 21:59:13
会合は進んでいき、神埼が話を始めてベルは衝撃に襲われていた。
(・・・私貰ってない!・・欲しいいぃ!)
能力開花をさせる黒いビー球がアルラウネの鉢植えの中に転がり込んでいる事に気付いていないのだ。
貰っていないと声を上げようとした時、出鼻を挫くようにギルバに声を上げられてしまう。

>「しっ・・・静かに。何か、いるぞ・・・。」
その声に反応してキョロキョロと見回すが、見慣れないモノは蔓城の虎ぐらいのものだ。
でかい図体で不貞寝しているので今更「何かいるぞ」と声をかけるようなものでもないだろう。
そうこうしていると突然、ギルバが教材ケースから刀を出して神崎の額に突き刺した。
どうあっても教材ケースに入る長さじゃないのに!と言うツッコミをする間もないその速さ、その突き刺した場所に声
もなく目を見開くのが精一杯出来た反応だ。
だが、その刀は神崎の額ではなく、その脇の空間に突き刺さっていた。
ほっと安堵の息を漏らすが、直後刀の先端に現れ形を崩して言った【モノ】に今度こそ驚きの声をあげてしまう。
「す、凄い!なにこれ??」
握っていた藤田の手を放し、疾風の如く神崎の隣へと移動。
そしてしゃがみこんで小さな砂の塊と化したそれを興味深そうに観察をしていた。

その頭の上で霧津がギルバに身の上話を始めている。
それを聞きながら小瓶にその砂を詰めていく。
異形だった砂だ。そのままにしておくことなんてありえない。嬉しそうに小瓶に詰めそれを眺めていた。
詰め終わったところで立ち上がり、話し終えたばかりの霧津に後ろから抱きついた。
「凄いじゃない、霧津。退魔師だったのね!いいなー。生まれた時から一緒の刀?そういうの私も欲しい。
でも正にこれは運命ね!この吸血鬼の一件を解決する為に今までの修行があったのよ!」
別に霧津がどんな修行をしてきたか知っているわけではないが、とりあえずノリで話してしまう。
既に気分は夜の吸血鬼との戦いへと染まっているのだ。


256 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 21:59:33
そうこうしていると、リリが話し始める。
芸能人や芸能人の卵が多い上一中で、芸能人だからといって特別な目で見られることもない。
だが、リリはやはり別格だろう。校内でファンクラブが立ち上がるとか上がっていないとか。
ベル自身としては特に意識した事がなかったが、芸能人の上に魔法まで使えるとなれば興味の一つも湧くというも
のだ。
とはいえ、言っている趣旨は余り嬉しいことではない。
藤田の提案には否定的な意見。まっすぐに藤田を見詰めるその目。
そんな目力のある目で見つめられては・・・と、藤田の危機を察知し、ベルは場所を藤田の横に戻した。
「リリ!藤田が参加させたい、じゃなくて私たちが参加するしかないのよ。
こんな面白い話聞いて、今更引き下がれないわ!げふんげふん。ではなくて・・・。」
藤田をヘッドロックするように肩に腕をかけ、宣言する。
が、その瞬間ベルの脳内回路のどこかが回転し始める。このまま本心を押し付けても論破される。リリは理論的な
理由付けが必要。

どこをどう巡ったのか、こんな回答がはじき出され、改めて言い換える。

「怪異は学校だけ?戦いは夜だけ?それは随分と怪しい話ね。今、目の前で見たでしょう?ギルバ先生が突き刺し
たのは怪異そのものじゃない。
昼は怪異は起こらない・安全と言うのも、おそらく昨日までの話ね。
藤田も言ったけど、私達はもうこの戦いの輪の中に入っちゃっているのよ。
契約とやらも私たちが入った影響でほころび始めているんだと思う。
そして霊宝を巡る戦いなのでしょう?このまま放っておいて霊宝をどちらかが手にした時、どうなるの?
知ってしまった以上手をこまねいているわけには行かないわ。
そしてこの面々をみて。これだけの力を持つ人間が集まるのを・・・偶然で片付けるほど頭がお花畑ではないわよね?」

これだけ材料をそろえれば十分だろう、と満面の笑みを浮かべる。
そしてつい、本音が口から出てしまう。
「音楽室の魔女(済)、夜の妖怪、喋る黒猫(済)、人食い鬼、吸血鬼、そして空白の六番目を手にして七番目の災厄
を乗り越えるのよ!・・・あ・・げふんげふん」
言ってしまってから慌てて藤田から手を放し、リリに苦笑いを向ける。
苦笑と共に、バツが悪そうに頬を書く手が何の前触れもなく止まる。

半歩足を踏み出し、地面につくと同時に腰を僅かに落とす。
この震脚動作により、流れるように体重移動が上下になされ、運動エネルギーが相乗された待っていく。
そのエネルギーは爪先から腰の回転を通り胸まで駆け上がる。
そうして大きく振られた状態がその反動を得るように一気に回転し、長く伸ばされた手には遠心力も加わり残像が出来る
ような鋭い運動がなされる。
「今こそ『その時』よ!護末田!神秘の力!おまじない水平チョオォォーーップッッ!!!」
左手に鉢植えを抱えたままではあるが、水平チョップは見事な弧を描き護末田の眼鏡に向かう。
そうして振りぬいた後、身体をねじったままの態勢でベルは不思議そうに首をかしげ、ポツリと呟いた。
「・・・デジャヴ?」

257 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22:08:23
パンツが

258 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22:14:12
もうこのスレを見るのはやめた
理由?自分で考えろ糞

259 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22:19:30
秘技スカートめくり!

260 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22:36:01
>>236 ベルさん
>「藤田、こんな面白い会を作ってくれてありがとう。
>私は今とても幸せよ。しかもわたしの内面にまで気づいてくれるなんて。いいわ、話してあげる。」
>私はベル・T・カーマン。守護聖人は聖ジュヌヴィエーヴ!パリの聖女で451年にパリを守るために市民を勇気
>付けた人よ。
>その他にも幸運の星【ラピュスラズリの結晶】……
「……………あの。ちがう…… ちがいます!僕がベルさんに言ったのは(>>219)そんな妄想っぽい話じゃ…ちょっと!あ―――!」

>「今こそ『その時』よ!護末田!神秘の力!おまじない水平チョオォォーーップッッ!!!」
「ストップストップ!ストップ!まって!」
暴走するベルさんに今度は僕が羽交い絞めにして動きがとめた。スカートめくりしようとしたんじゃないってば!
そしてベルさんの手にある植木鉢を指さした。
「これですよこれ!この妖気を放つ草!それに……よく読めないけど、あとなにか古い精霊がとりついているでしょ!
その精霊のかたがたに言ったんです!ベルさん本人は気づいてないのですか!?」

呼吸を落ち着けて……

アッシュの「あぁ」と思わせるアッシュらしさはなにも変わりなくクリスに容赦なく、ギルバ先生も大胆で、
デビルサマナーに退魔師侍少女ととんでもないメンバーがそろてしまった。
皮肉にも一般人はラスティーリアの抜けた堀江くん一人だ。
ホリエモンはただただ呆然として突っ立っている。
クラスに戻ったときなんてごまかせばいいんだ。
でもしかたなく僕はあとでさらにごまかしにくくなることを言わないといけない。

「昼に怪異が起こらないといっても夜になれば戦いは起こります。
そして昨晩の校門で、通りかかった酔っ払いがまきぞえで…殺されています。
昼に怪異が起こらないといっても、それは魔人たちの約束事です。
僕たち上一中のことを考えてのことではありません。
この学校に吸血鬼がいるのは間違いなく、退治しなければなりません。犠牲者をこれ以上増やしてはいけない。
なら戦う力をもった僕らがやらなくて誰が学校を救えるんっですか?
それに僕が救いたいと思っているのは、すでに犠牲になった生徒も含みます。
工藤先輩をはじめすでに牙の主の手に堕ちて吸血鬼にされた生徒もです。
彼ら彼女らも犠牲者です。
なんでもいいです。吸血鬼に関するなにか情報をもっている人はいませんか?」

261 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22:42:54
>>258
ここが糞だなんて
今に始まった事じゃないだろ

262 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22:56:21
>258
理由なんて誰も聞いてないから

263 名前:堀江隆夫 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 23:17:49
堀江は何がなんだかわからないという表情で金縛り状態で立ちすくんでいた。
目の前で起きる怪現象!その怪現象をこともなげに引き起こす連中!
堀江は恐怖に震えていた。気味が悪いと!堀江は逃げ出そうと後退りした。ゆっくりと。

>礼司
>219
>「このムチは異世界で知り合った僕のともだちラスティーリアが僕にくれたものです」
今まで黙っていた堀江が声を漏らした。
「ああん・・・」
ホリエモンそっくりの男が女のような甘い声を出した。
堀江の目は白目をむき首は右に45度傾いている。小刻みに震えだした。
「あた・・・あた・・・あた・・しを・・・あたしを・・・・友達って言ってくれ・・・る・・・のぉ・・うれしい!」
言い終わると堀江はその場に仰向けに倒れた。それでもなお喋る。
「だめ・・・やっぱり・・・いまのあたしではコントロールしきれない・・・出ちゃおうっと」
堀江が口をぐわっと開いた。
その口からピンク色のゼリーのような物体が出てきた。目も口もないのっぺりとしたヘビのような物体は堀江の口から出ると床に落ち、
ボールのような球体になると自ら弾んでテーブルの上にポンと飛び乗った。
ぷるるんと大きく揺れると蠢いて人じみた形になっていく。
その人型の顔は見覚えのある顔、ラスティーリアだった。
身長15センチほどの全裸のラスティーリアはお辞儀をした。
「アッシュ。ひさしぶりだね〜。バージルも!」

264 名前:ラスティーリア 1/25 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 23:18:54
「昨日の夜さー。校庭から大蛇に乗って逃げるノスフェラトゥを追ったんだけどさー、途中で気づかれて逆襲されちゃったのよね。
体の一部を逃げさすのがせいいっぱいでさー。それが今のちっちゃいあたし。
全体の25分の一かな。
残りの25分の24はテレパシーで呼びかけても反応ないのよね。殺されたのかな・・・まーしょうがない。まーいいか。
そこの堀江は気にしないでね。脳を出るときにいじってしばらく眠っているようにしたから。
こいつの精神をうまく乗っ取れなくてさー。とぎれとぎれだったのよね。ごめんねレイジくん。
あたしもオカルト研究会の一員として自己紹介しておきましょうか。
この地球とは違う世界で魔法が身近にある世界、レイジくんが異世界と呼んだ世界の住人です。
あたしはその世界のある大魔道士先生に造られた魔法生物でーす。
すこしの間その世界の悪い皇帝に精神を操られて非道いこともしたけど、強力な魔の波動に弱いのはあたしみたいな魔法生物の
特徴なのよね。本当のあたしはいい子なの。
得意技は身体の乗っ取りと、口からの劫火攻撃。役に立つよ〜あたしは。・・・もとの25分の一の力だけど・・・」
ラスティーリアはリリの顔をじーっと見た。
「堀江の中で聞いていたけどチャッチャクエストってなに?よく関係がわからないけど?
ねー。ほんとにリリ?女のカン〜。ジー」

265 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 00:37:33
ミイラ男の声、どこかで聞いたような声だと思ったら――剣士「バージル」だった。
ヤツまで現世にご帰還とは、またバルンディノだ。城を脱出する時には姿を消していた、死んだとばかり思ってたけど。
バージルはクリスを掴まえたボクに、見知った声で話しかける。
「恋人……枕の角とかコーラの瓶とか?」
結局大した会話もせず別れた彼だが、ボクのことは憶えていてくれたみたいね。
クリスを引きよせて彼女の腕に頬ずりしながら、バージルが抜刀するのを眺めた。
残念ながら狙いは金田一でなくて、会合に紛れこんだネズミだったけど。スナネズミ。

サムライ娘のまたもや暗い身の上話を聞き、あらかた自己紹介も済んで、ようやく本題。
実際ボクは、堪忍袋の緒が切れる寸前だった。
鬱陶しいったらありゃしない。不幸の程度で腕が決まるなら苦労しない、こいつらホントに分かってんのかな?
要は何を恨んで戦うのかってことだが、どうも連中、戦いたくなくて仕方なさそうなカンジなんだよね。
哀戦士とかいえば聞こえはいいけど、適応力不足は単なる怠慢だ。

>・・・で。レイジは、何が何でも皆を吸血鬼たちとの戦いに参加させたい?

リリがそう切り出した。
空き教室での会話のときも感じたけど、どうも二人は吸血鬼狩りの方法論にすれ違いがあるらしい。
レイジは純粋に戦力を求めているが、リリはあくまで有志であるべきだと言う。
戦いたくない奴は巻きこみたくない、ってのは当然のことだ。別段、馬鹿にはしない。
自分の立場が割りきれないままの半端野郎まで引っぱって、ダサい死に方されたところで邪魔にしかならないもの。
だけど――

266 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 00:38:23

>この学校に吸血鬼がいるのは間違いなく、退治しなければなりません。犠牲者をこれ以上増やしてはいけない。
>なら戦う力をもった僕らがやらなくて誰が学校を救えるんですか?

同感だ。ボクはクリスから一旦離れ、リリのそばに立った。
「ボクもレイジと同感だな。もう学校中、同じ穴のムジナだと思うよ」
逃げたそうなヤツってクリスとライブドアの二人くらいだけど、一応言いたいこと言っちゃおう。

「例の『牙』の使徒と話した。ソイツが言うには、霊宝ってのは相模川に由来するんだって。
『さがむくにのみやつこ』の呪いがどうとか……そんな話だったけど。
『牙の主』が霊宝を押さえてるか、とにかく一番近いのは確かなことだと思う。

で、ヤツの力が土着のものであったとして餌場が学校、しかも夜だけ……ってなあ、間抜けた話に聞こえるな。
しかもその宝ってのは、他所の吸血鬼が貴重な夜の時間を割いてまで出向するほどのものなんだろ?

お脳のトンでねえ誰かさんが、ある日偶然にも道端で中性子爆弾を拾った、として。
誰かさんがとり得るその後の行動は三つ。捨てるか、売るか、適当な使い道を考えるか、それだけだ。
で、もしソイツが爆弾の上手い使い方を考えたとき、その目的がただの校内暴力ってことあるか?
ハイスクール・パニックやりたきゃショットガンやらマシンガンやらで充分だってのに、わざわざ中性子爆弾を?

まともな使い道ってのは大概ひとつだけ、戦争だよ。
連中が事をかまえるってなら相手は魔族……の前に、魔法を知らない現実界が出てくる。
例えばキミらの家族、クラスメート、隣近所。キミら自身。
奴らは多分なにかしらの形で、現実界と幻想界との間の秩序や均衡に鉄槌を食らわすつもりでいる。
敵が戦争を始めたつもりでいる以上、そいつは戦争なんだ。
一度おっ始めちまえば、お互い行き先は二つだけ……勝つか死ぬか。

いずれ連中の力が規定を逸して一地域に及べば、逃げ場はない。
特に事情を知らねえ一般人、現実界の住人さんたちよ。遅かれ早かれ、間違いなく巻きこまれる。
アソコに突っこまれたナニは、どっちかがイっちまうまで抜けねえってんだからな。
トンズラしたきゃテメエの勝手だけどよ、死なれっと困る人間が身近に居るなら、せいぜい頑張るしかないんじゃねーの?」

紙袋をテーブルに広げた。パンを一口ほお張ると牛乳瓶のフタを引きちぎり、一気にあおる。
ちょっとむせて、胸を叩きながらまた喋った。

「それと……こいつは単なる勘だけど、『牙の主』はどうもボクらを追い払う訳でなしに
むしろ『不死者』も含めて小競り合いをさせたがってる気がするな。
工藤の物言いには、ボクらや吸血鬼どもが戦う、それ自体が目的みたいなフシがあったから。
それに、ボクらを『デュエリスト』なんて呼び方してた。

学校での戦闘がえらく限定的なのも、一種の儀式と考えれば納得がいかないかな。
お祭りなんかでよくあるだろ? 善悪の神それぞれを演じる役者を立てて、劇で戦わせるんだ。
神の戦いを再現することで、役者を拠り代にして神さまを喚ぶのさ。
異能力者の流血はシャーマニズムや典礼魔術を抜きに、魔力をまき散らして空間を不安定にするとも言うし」

267 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 00:39:15
ボクが話してる最中、いきなりライブドアの様子がおかしくなった。
白目を剥き、身体を不自然にねじ曲げ震え、挙句に倒れた。
倒れた彼の口からピンク色のスライムが飛びだすと、跳ねてテーブルに飛び乗る。

>「アッシュ。ひさしぶりだね〜。バージルも!」

スライムが人型に姿を変え、話しだす。
縮小版だが、造形はあのラスティーリアに間違いない。ライブドアは彼女に寄生されてたんだ。

「テメエの腹もちの悪いったらありゃしねえ……クソアマ。
犯る気も起きねえよ。まあいいや、聞いてたろ? 続けるぜ。
どのみちチマチマした小競り合いは不利になる。ボクらは人数も少ない、質でカバーするにも限界がある。
そこでボクは、『不死者』との一時的同盟を提案したい。
ヤツの目的があくまで霊宝であるのなら、ボクらと削りあったところで得はないだろう?
だから組むのさ、組んで『牙』を片づけようってね。

勿論、同盟はあくまで一時的なものになる。
『牙』を退かしたところで霊宝は残るんだ、結局は争うハメになる。それは向こうだって分かるはずだ。
でも方法として損はないぜ、手間が省ける。レイジ、リリ、どうかな? 二人が決めろ、ボクはただ提案するだけ」

268 名前:松井クオリティー[sage] 投稿日:2006/07/12(水) 01:43:24
>水無月様
>「だけど、工藤さんが霊宝に関する事を教えてくれたわ。
> 何でも、この上湘南に縁のある品物なんですって」

霊宝、その言葉に私は思わず肩を動かしてしまいました。
霊宝、なんと愉快な響きでしょう。
全ては霊宝に有り。私はにやけを堪えます。

それにしてもこの女は私には何を考えているのか読めません。
ドド先生の盗聴の記録、少しのぞかせてもらいましたがいま流行のちょい悪女なもので。
あまりいけ好かないですね。悪魔を扱うには悪魔、ある意味正しいですが。
しかし私は異論も何も唱えません。水無月がどう動こうが私たちは私たちの考えた策で動くのみです。

…まぁ策と言っても嘘偽りと力で無理矢理踏みにじるお粗末で醜いものなんですけどね。
嗚呼!汚らしい汚らし!

>ギルバ様
私が私の話を終えるとギルバ先生は私の方を疑いの目で見ました。
そして突如刀を取りだしました。一瞬で動く刀。
私は少し目を大きく開きました。

…恐らく一瞬常人なら私が貫かれたかのように見えたでしょう。
しかし貫いたのは私の横の塵同等の雑魚。
塵すぎて気づきませんでしたよ。危ない危ない。
>「・・・真昼間から現れるとは・・・やはり、魔は魔を引き寄せるのか・・・。
> 一番の雑魚、セブン・ヘルズ=ファースト、プライド・・・はぁ・・・。」
そう呟く教師が私を観たら笑顔でペコリとお辞儀を返しました。
感謝感謝ですよ、本当に。


269 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/12(水) 01:54:09
松井クオリティーwwwwwテラwwwwワロスwwww

270 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 02:01:29

>霧津様

>「昨日の出来事?・・・・ま、真でござるか先輩!?、やはり夢では・・・・。」

またもや大声を出す女。次に声を出したら窓から落としてやろうかとも考えます。我ながら物騒ですね。
しかし話を聞けば少女は霊感少女。
生まれつきの才能という物ですか。話を聞けば聞くほど気持ち悪くなってきました。
私ならあれですね、孤児院ごとゴミ箱にぽいですね。

どこの世もそうなのです、自分と違うところを見つければ自分以下と見なし自分の中のゴミをぶつける。
気持ち悪い気持ち悪い、不愉快ですよ。本当に。

>リリ様
>「まだクリスの剣を渡してくれる気があるなら、夕方取りに行くわ。
>もしクリスが返して欲しいと言ってきたら、彼女に渡して」

「…はい、わかりました。」
恐らく夕方リリお嬢様が来たとしてもドド先生は渡さないでしょうが。
今更ぐだぐだいうのはめんどくさいです。適当な空返事をします。

それにしてもこの少女は扱いにくいものです。
チクリと痛いところばっか攻撃してきます。
暫くたってリリお嬢様はクリスお嬢様に駆け寄り、ビーズの指輪をどーたらこーだらしています。
仲が良いことですね、ジョリアルが観たらどう反応するのでしょうかね。
女にも嫉妬するのでしょうかね。リリお嬢様が私の方を見て言います。

>「でも、シーラ先生はお楽しみが多い方が燃えるんでしょう?構わないわよね、神崎さん?」

微笑むリリお嬢様に私はいたってカックンと首を右に動かすだけです。
どちらでもいい、という意味です。
どちらにしろ時が満ちれば変化は止まらなくなりますしね。


271 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 02:52:41
>246
>ああ、こうして目を閉じると南瓜のダイスケにストンピングをかます、
>一見典型的な魔法少女でありながらドスの利いた野郎声のあの雄姿が蘇って来る。」
兄さんってば、相変わらず虐げられているのねぇ。
>247
死神みたいなのがギルバ先生の刀に貫かれていた。
見た目ほど凄い悪魔でもないようだから、わざわざ筒の中に入れておく価値は無さそうね。
それにしても、砂を媒介にする悪魔かぁ。
懐かしいわねぇ……土を使ってちょっとした小物を作ったのを思い出すわ。

>249-250
霧津さんの身の上話を、わたしはただ何も言わずに聞いていた。
ただし、何も考えてなかったかというと、そうでもないけどね。
―――わたしの故郷に住むと幸せになれそうな子だな、って言うのがわたしの感想ね。

>251
>それから機会があったら、よーちゃんにも是非逢わせてね?口の悪いダイスケさんともおしゃべりしてみたいから!」
「ほんのちょっぴりの真実」の割合が多くなるけど、それだけ自分が正直者っぽく振舞えるから、まあ良しとしましょう。
だからわたしは、ふるふると首を横に振って、
「まだバルンディノに居るって手紙が届いたわ。一ヶ月くらい前に」

>260
藤田くんは、あくまで工藤さん達も含めて助けようとしている。
「あなたは大胆ね、藤田くん。いちばん困難な道のりを敢えて選ぶなんて。
 でも確かに、工藤さんが元から吸血鬼だったって言うのは考えにくいわねぇ。
 前はノートとか交換し合ってたんだけど、もうノートとか見せてくれそうにないし。
 あの変わり様は、確かに吸血鬼の手下にでも成り下がってる感じがしたわ。
 きっと藤田くんの言うとおり、被害者なのでしょうね。
 他の人はどう?藤田くんの案はちょっと困難だけど……」
 そう言って、皆の意見を求める。
―――実は今のところ、この子の献策がわたしにとって一番都合が良いのよね。

272 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sageすみません、続き今書き終わったど] 投稿日:2006/07/12(水) 02:57:04
>ベル様

…さっきから彼女の好奇心目線が恐ろしいです。

どうやら黒いビー玉が欲しいようです、というか貴方手に入れてるはずでしょう?
そんなに目で観られても困ります。
それにしてもこの女、ドド先生がよく生かしておいてますね。
ギルバ先生の芸当に再度私はさらし者にされます。
私はどうもこの女が苦手です、ドド先生もこういうタイプの子は苦手なのではないのでしょうか?
この子のすぐ近くにいる巨大な力目当てなのかなんなのか知りませんが色んな意味で恐ろしい子です。
あ、今度は噂のチョップですか。
あ〜よく動くよく動く。

なんだか観てるこっちが疲れてきましたよ。全く。

>藤田 礼司様 アッシュ様
そんなベル嬢の暴走を止める藤田 礼司。
いっそのことベル嬢と藤田 礼司で芸人でもやったらどうでしょうか。
ある程度売れると思いますよ?
ま、それはさておき藤田はまとめ役はきっちりとこなします。

>「昼に怪異が起こらないといっても夜になれば戦いは起こります。
(省略…)
>なんでもいいです。吸血鬼に関するなにか情報をもっている人はいませんか?」

私は挙手しようとしました。
が、その前に一人の人物が声を上げました。そう、あの坊ちゃん刈りの坊やです。

>「ボクもレイジと同感だな。もう学校中、同じ穴のムジナだと思うよ」

>「例の『牙』の使徒と話した。ソイツが言うには、霊宝ってのは相模川に由来するんだって。
(省略…)
>トンズラしたきゃテメエの勝手だけどよ、死なれっと困る人間が身近に居るなら、せいぜい頑張るしかないんじゃねーの?」

…汚らしい言葉ですがどうやら坊ちゃん刈りの坊や並の美学はもっているそうで。
私は普通に聞き入ります。

>「それと……こいつは単なる勘だけど、『牙の主』はどうもボクらを追い払う訳でなしに
(省略…)
>異能力者の流血はシャーマニズムや典礼魔術を抜きに、魔力をまき散らして空間を不安定にするとも言うし」

よくここまで頭脳が回る物です。
私は少々考えました。そして一言。

「…私もそこの坊ちゃん刈りの坊やに賛成ですね。
不死者についてはまだまだ知らないこともありますし、情報収集のためにも一度同盟をくんでみたらどうでしょうか。」

273 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 03:26:05
>263-264
華山さんの自己紹介が終わって少しすると、堀江くんの口からスライムが出てきた。
スライムが15センチくらいの人の形になって、またもや身の上話を始めた。
何でも鼠男さんを追いかけてたら、25分の1スケールになったんですって。
残りの25分の24は、どうせ鼠男さんに返り討ちにあったんでしょう。
あるいはラスティーリアさん本人が鼠男さんの手下で、尖兵として自分の身体の25分の1をこうして差し向けてるとか―――
どっちにしても、あまり興味を引くものではないわね。

>256>266
何だか皆、妙に鋭いわねぇ―――わたし達の企みが、10分の1くらい見透かされてる気がするわ。
アッシュくんの提案は、それはもう、わたしの企みを阻害するものだったわ。
もちろん、表情とオーラには出さないし、読心術対策も常日頃からやってますけどね。
―――それに、そっちの子の無粋な主人が盗聴とかするんだもの。今日は聞かれても良い話しかしてないわ。
まあ、ここで敢えて何か言うと怪しまれてしまうものね。
何も言わないわ。返事を求められてるのはあの二人だし。
まあ此処で鼠男さんと手を組むことになっても、幾らでも手はあるから良いわね。

274 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [] 投稿日:2006/07/12(水) 20:59:18
あの不思議な出来事から数分が過ぎた。部長がいなければ三年生の教室には用はないと、抜け出してきた。
しかし、教室に帰って友達と話すという気分でもなく静かな図書室へとやってきた。
催眠術関係の本をどっさりと積んで読んでみるが、所詮は学校の図書室レベルの内容。
糸で吊るした五円玉を揺らすとかメトロモームでの誘導法やらと、とかくテレビでみたような今更新しい発見があるほどのものではなかった。
序盤ではあんなに必死に読んでいた文章の羅列も、徐々に飛ばし読みするようになり果ては絵だけ確認するという
あまりに無意味な行動をとってしまった。

仕方がなく本をすべて戻し、力なく机に突っ伏してやる気が一気に失せていった。
「お、ヤスじゃないの。こんなとこでなにやってんだ?」
視線だけを向けると、同じクラスの図書委員が乱れに乱れた本を整理していた。
返事するのも疲れる。だいたいまだ若いのになぜにこうも疲れなきゃならんのだと。
なにかあれば勉強しろだの、部活入って体を動かせだの言ってくるからあんな幻想をみてしまうのだ。
「おいこら無視すんなテンポー」
「テンポー言うなぁぁぁ!!」
狼が天高く吼えるが如く、図書室ということを忘れて思いっきりでかい声をだしてしまった。
図書委員の無言の腹にめり込むほど強烈なボディブローを一発もらい、悶えること十数秒。
まだ少し痛みはあるが落ち着いてきたときに、整理途中の一冊の本が眼に飛び込んできた。
『吸血鬼』というタイトルがでっかく書いてあり、中世の絵画をくりぬいたような表紙が興味をそそった。
「その本かい?ここ最近吸血鬼やらの噂がたえんからな。興味本意で吸血鬼のことを調べる輩がふえてんのよ。まさかお前もその類か?」
小馬鹿にしている図書委員に仕事に戻るようにうながし、本を手にとり中を見てみる。

275 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/12(水) 21:26:15
その頃、クラスメートの阿田小唄さんが裏庭でゾンビに殺されていた

276 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/12(水) 22:20:49
そのゾンビはウンコまみれになって・・・

277 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/12(水) 22:42:35
ドドンパを食って尻の穴から糞をジェットの如く噴出させて空を飛び、工藤のいる教室に乱入した。

278 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 22:48:07
護末田にチョップを放ったところで藤田に羽交い絞めにされてしまう。
体格的には引けを取らなくても、所詮は男と女。
簡単に取り押さえられてしまった。
「いたたた、ちょっと、どこ触ってるのよ!」
更にポモナの力に覚醒している藤田の力だ。軽く抑えたつもりでも、一般人にとってはとてつもない怪力となる。

戒めを解かれ、アルラウネについて問われたところで漸く呼吸を落ち着け席に着いた。
机の上に妖花アルラウネの鉢植えを置き、ゆっくりと話し始める。
「よく気がついたわね。これは樹齢二千年以上。マンドラゴラの最上位種アルラウネ。
ナザレの大工の息子の血を吸って生えたという更にレアモノで霊験あらかたなものなのよ。
ママンの秘蔵コレクションだけど持ってきちゃったの。」
自分の持つオカルトグッズについて聞かれて上機嫌になっていた。

#############################################

ベルの深層意識の世界。
そこに妖花アルラウネと叢雲剣が漂いながら外の世界を見ていた。

「・・・アッシュだったか?あれは判って言っている阿呆なのか、判らずに言っている天才なのかどっちだ?」

「さあ?限定された紳士戦闘・全てに及ぶ還元力・集められたデュエリストときて相武国造とくれば察しはつきそ
うだけど、どうかしらね。
判っていて更に別の目的がありそうな感じ・・・協力じゃなくて利用したいんでしょう。
でも話は結果的にはいい方向に行っているじゃない。結果的にだけど。」

「デュエリストと来たか。どうせならウズメの方がしっくり来るけどな。
それにしても干渉率8%くらいなのになあ。素でよくこうまで運んでくれる。周りに恵まれているよなあ、ホント。」

「永きに渡って繰り広げられてきた敖遊の祀もいよいよクライマックスだもの。鬼の言う通り、今更何をやっても止
まらないわよ。」

「ああ、誰も彼も盛大に饗応してもらおうじゃねえか。」

279 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 23:07:38
>「今こそ『その時』よ!護末田!神秘の力!おまじない水平チョオォォーーップッッ!!!」
「いや、その時じゃねぇ!!!…………ぐふぁっ!!」
ツッコミを言ったが、遅かった。
ベルのチョップが愁弥の伊達メガネにクリーンヒットし、グシャっと音がなる。
同じような光景が前にもあったよな…
愁弥は少しよろめきながら顔を押さえた。

その瞬間、愁弥の目が血を思わせるような紅い目に変わり、同時に妖しい気を帯びた大剣が背中に現れた。
その大剣からは昨日と同じように怒りや怨みなどの負のオーラが誰にでも分かるくらいに出ていた。
「…何やってんだ、ベル!!」
ベルを咎めるが、本人にも理解出来ていないらしかった。

仕方なく態勢を立て直し、アッシュの方を向いた。
>アッシュ
「話は聞いた…俺もあんたと同じような考えだが、あのネズミ男が俺たちを戦わせるのは儀式のタメだけじゃないだろう」
愁弥はアッシュから目を離さないまま何かを知っているような口調で喋り続ける。
「元から吸血鬼である奴らにとって人間は天敵らしい…
だからあいつにとって邪魔な工藤先輩たちと俺たちを潰し合わせるって理由もあると思うな。」


280 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/12(水) 23:38:58
今度は水無月先輩を見る。
>水無月先輩
「確かに、工藤先輩も被害者かもしれない…
元から吸血鬼だった者と人間から吸血鬼になった者が一緒に協力するなんてことはあまりない。
ということは、同じクラスに仲間がいる工藤先輩自身も元々は人間だったと考えていいだろう」
話し終わると、今度はベルが身の上話をしはじめた。
…といっても、今朝屋上で聞いたこととなんら変わりのない話だが…
「…ベルは今朝からこんな調子だから気にしないでやってくれ」
愁弥はベルが変わったことに未だに気付いていないため、多少皮肉っぽい言い方をした。

281 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 00:30:46
レイジは戦う力を持った人間なら、自ら進んで貧乏くじを引くべきだと言った。
・・・ダメね。そういう事じゃないのは判ってるのに。少し頭を冷やそう。

あ、護末田君がまた変身したわね。どういう仕掛けになってるのかしら。
「おまじないチョップで変身かあ・・・・」
あんまりいいネーミングセンスじゃないわね・・・・・それに、昼間見るとあの剣はまた一段と怪しい気がする。

それにしてもレイジはともかく、アッシュやベルにまで説得されるとは・・・笑うしかないわね。
「ベル、アッシュさん。私はね、霊宝はとっくに牙の主の手に渡ってると考えていたの。
工藤先輩の話では、古き民が起こした地震その他の怪異を、牙の主が毎回フォローしてたらしいの。
だから今更、街全体をどうこうしたいって気は無いように思う。
・・・ルールを作って、遵守させた上での争奪戦。アッシュさんの言うとおり、まるで何かの儀式かゲームみたいよね?」

ベルの目はぎらついていて、私の邪魔しないで!何としても戦いを直に観たいんだから!と雄弁に語っている。
すごい執念を感じるわ。・・・ああ、これさえなければベルも美人で通るのに。もったいない。

「実は今日、怪物に襲われたの。
だけど・・・殺されそうになった瞬間、怪物はありえない力によって消滅したわ。
気が付いたときには私が受けたダメージや首をしめられた跡は消えてて・・・階段から落ちた事にされてた。
どういう法則で、昼間怪異を起こした魔物が消されたり、学校全体で時間の撒き戻しが行われるのかは分からないわ。
だけど、尋常じゃない力を持った存在が、全力で昼間の怪異を押さえ込もうとする意志は感じるわ。
もちろん人間のためじゃないんでしょうけれど、だから私は、昼間は安全だと言ったのよ。
――――でもまあ・・・・皆の言う事も一理あるわね。現に今も、昼なのに結界を破られてしまったし。
最近は日も短くなってきたから、牙の使徒も校内で仲間を増やしやすいでしょうしね・・・・」

少し考え込んだ後、私は肩を竦めた。
「負けたわ、ベル。でも私はちゃんと忠告したからね?
ベルに限らず、毎夜繰り広げられる乱痴気騒ぎに、命がけのボランティアで参加したいならご自由に。
もう止めないわ。そのかわり・・・」
神崎を見て、当てこするかのように付け加える。
「昨日殺された誰かさんみたいに、
気が付いた時には死ぬよりひどい事になっていたとしても・・・自己責任でお願いね」

今度はレイジの方を見る。
「レイジ。昨日の酔っ払いは死んだ時路上にいた?彼らは上一中の敷地内に居たから殺されたのよ」
・・・・・・今夜は犠牲者が出ない事を祈るわ。魔物たちは戦うとき、足元にいる虫けら(と思っている存在)にまで気を使ってくれないでしょうから。
「あとね、夜もし集まったメンバーの誰かが怖気づいたり闘えなくなったりした時は、レイジ。あなたがフォローして。
彼らの力を借りたいと言い出したのはレイジなんだからね?
それからベルに関しては・・・話を聞き出したいなら、気絶でもさせないかぎり無理な気がするわ」
まあ呼び出せたとしても、海千山千の相手がまともな情報を語ってくれるかどうか怪しいものだけど。

「最後にレイジ。「ニ兔追うものは・・・」ってことわざ知ってる?
情報も殆ど無い現状では、牙の使徒よりも、人間である生徒を守るのを優先した方が良いんじゃないかな?
アッシュの言うとおり、ノスフェラトゥとの接触を考えた方がいいと思うわ。
・・・確かに、彼ら自身も吸血鬼よ。敵。でも敵の敵は味方かもよ?」

一旦言葉を切り、困ったような笑みを浮かべてレイジの目を覗き込む。
「気に食わない?でもね、私達は何も知らないわ。
吸血鬼に関する情報が多ければ多いほど有利に事が運ぶんじゃない?
もしかしたら、使徒になってしまった生徒を元に戻す方法だって聞き出せるかもしれないわよ?」

282 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 00:40:35
堀江君の口からピンクのスライムが飛び出した。
ちっちゃいラスティーリアになったスライムは、全裸のまま、私の事をじーっと見ている。
「私の事を詮索するより先に、恥じらいの一つも憶えないとレイジに嫌われるわよ?」
ハンカチをパレオのようにして、ラスティーリアの裸体に巻きつける。
「あと間違えないでね。私の名前は華山理利よ。
それからチャッチャ・クエストっていうのはね、とあるファンタジードラマのタイトルよ。
バルンディノっていう魔都が舞台で・・・・貴女と同じようなキャラも登場したかもね。1度観てみたら?」

――――本当に余談だけど、チャッチャ・クエストの原案を出したのは細木数子先生だ。
作品中で東の占星第一の巫女と謳われたとおり、彼女の占星術と霊視は当代一だ。
そんな彼女が、幻想界での戦いをドラマの形で世に送り出したからには、それなりの意味があったのだろう。
現に作品に出てきたアッシュ、藤田礼司、バージル(あ、今はギルバ先生だっけ)睦月陽介さんの関係者、そしてラスティーリア。
現実界の学校という狭い場所に、ここまで揃わてしまっては・・・・必然と思うしかないわね。
そう思いはするけれど・・・・・。
「もしラスティーリアの話が真実だとしても、あなた強力な魔の波動に弱いんでしょ?
ノスフェラトゥや牙の主なんかが現れたら、影響を受けてあっさり傘下に入っちゃうんじゃない?」
腕を組んで、じっとラスティーリアを見下ろす。

ああ、話がそれてしまったわ。
神崎がアッシュの意見に賛成している。この男、何か情報を掴んでないのかしら?
「アッシュさん、ノスフェラトゥとの同盟の話だけれど、・・・さっきも言ったように私はいいアイディアだと思うわ。
接触自体がかなりリスキーだけど、それを差し引いても吸血鬼や霊宝の情報は魅力的だから。
ただねえ・・・古き民には古き民なりに、3000年も生きてきたプライドがあるんじゃない?
ノスフェラトゥが、私達のような小娘達の手を借りる程、人材不足とも手もちのカード不足とも思えないのよね」
仮に手を組めたとしても、骨までしゃぶられて放り出されるかも。
・・・まあその辺は、お互い様かもね。
「――――同盟が無理なら、誰かが裏切ったフリして潜入し情報を得るって手もあるわね。
それにしても・・・・そうなの。工藤先輩は霊宝にまつわる事で『相武国造の呪い』と言ったのね?」
・・・・またカビが生えそうな古い話を・・・。
「読書家の人に詳しい見解を聞きたいわね・・・。アッシュさん、私の考えはこんな感じよ。・・・で。レイジはどう思う?」

1度レイジに視線を向けた後、再び皆を見回す。
「レイジに限らず、皆はどう思ってる? 夜の戦いに参加する気がある人は意見を聞かせて。
いつまたさっきみたいな邪魔が入るやもしれないから、早めに教えてね。あと神崎さん」
そう呼びかけると、一旦言葉を切り営業用スマイルを浮かべる。
「私は転校してまだ4日しか経っていないけれど、神崎さんならもっと色々ご存知なんでしょう?
遠慮なさらず吸血鬼やこの学校の事、シーラ先生の事を語って下さらない?
――まさかなんの手土産も持たずに、こちらの話だけ聞きに来た・・・なんて事は仰らないわよね?」
それじゃシーラ先生の面目丸つぶれになっちゃうものね、と言わんばかりに小首を傾げる。

283 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 07:57:54
結界は決壊したなんちゃって

284 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 10:26:28
山田君、>283の座布団を持ってちゃって。

285 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 12:52:49
背後から霧津の無い乳を揉んでみる。許せ。

286 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:07:37
ならば俺は霧津の小振りな尻を撫で回す。

287 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:18:17
霧津のポニテを弄繰り回してみようか?そりゃ、そりゃ。

288 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:21:27
霧津に白濁ぶっかけるぜ。
シコシコ、うっ。ドピュッ!

289 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:27:37
少尉「総員着剣!」

兵士’s「サーッ!イエス・サー!!」

衛生兵「少尉、止めてください!もう少しで特殊部隊が来るんです!」

少尉 「…我々の部隊名は何だ?」

衛生兵「?・・・・教導師臨編マセッティ支隊です」

少尉「隊の指揮官は!?」

兵士’s「ファビオ・マセッティー少佐っ!!」

少尉「俺達は兵士であり部下でる以上にあの人と共に在りたいと願っている」

衛生兵「ならば自分も一緒です!」

少尉「お前は衛生兵だ・・・・それに、少佐より受けた任務がある。必ず全うしろ」

衛生兵「ハッ・・・・!」

少尉「マセッティ支隊はこれより敵を殲滅する!突撃(チャージ)!」

290 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:35:58
>250
     _____
   /  /   /|
    | ̄ ̄ ̄ ̄| .|
    |愛媛ミカン |/
    ̄ ̄ ̄ ̄
こちらスネーク。任務を開始する。
(何時の間にか部屋の隅にダンボール箱が置いてあった)

291 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:53:27
霧津の耳に息を吹き掛けた上で甘噛みし、舌でもてあそぶ。

292 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:57:40
>250
「正気にて大業はならず。御主もそう思うであろう?」
通りすがりの黒猫がそんな言葉を言ったような気がした。

293 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 14:58:51
夜々ちゃん、あたしどうしたらいいのかな?

294 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 15:18:37
ギルバの包帯に火が!

295 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 15:39:15
そこでノスから一言

296 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 15:48:15
男は言った。「アッガイでいこう」

297 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 15:51:10
だが断る

298 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 16:12:03
工藤は言った。「猫耳モード♪」

299 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 16:13:24
幸せ、足りてる?

300 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 16:25:30
「かゆ、うま」
背後からゾンビが霧津の首筋に噛みついた。

301 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 16:34:54
そして、時は巻き戻る

302 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 16:57:35
>>300まで

303 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 16:58:33
図書室内で、吸血鬼の一人がリストを作っている。
牙の主に味方をする異種族のリスト。

・人狼種
・鬼
・バルタン星人………etc

304 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 17:08:13
>303
メトロン星人も追加

305 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 17:29:53
ゼットンはマジ最強。

306 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 20:58:09
>ラスティーリア
>あたしはその世界のある大魔道士先生に造られた魔法生物でーす。
>すこしの間その世界の悪い皇帝に精神を操られて非道いこともしたけど、強力な魔の波動に弱いのはあたしみたいな魔法生物の
>特徴なのよね。本当のあたしはいい子なの。
>得意技は身体の乗っ取りと、口からの劫火攻撃。役に立つよ〜あたしは」
「ラ、ラスティーリア!?」
テーブルの上にちょこんとのった1/25サイズのラスティーリアはまるでよく出来たフィギュアだ。
ラスティーリアの生い立ちをはじめて聞いた。聞いたけど他人の体の乗っ取り能力を持って造られた魔法生物が善良って……
ホ。ホント???うう。信じよう……
それにしてもハダカとは……小さくてもそれはちょっと……(顔真赤)
>理利さん
>「私の事を詮索するより先に、恥じらいの一つも憶えないとレイジに嫌われるわよ?」
>ハンカチをパレオのようにして、ラスティーリアの裸体に巻きつける。
さすが気がつく理利さん。

>ベルさん
>「よく気がついたわね。これは樹齢二千年以上。マンドラゴラの最上位種アルラウネ。
>ナザレの大工の息子の血を吸って生えたという更にレアモノで霊験あらかたなものなのよ」
………
そーゆーこと聞いてないんだけど………


ミーティングではノスフェラトゥとの協力案がしきりに検討されている。
「あの…でもどうやってノスフェラトゥと同盟を結ぼうと話しをつけるんですか?」
それがはっきりしないことには……
アッシュの提唱した吸血鬼同志の戦い理由の説も気になる。
「だれか『さがむくにのみやつこ』についてわかる人はいない?……あ」
と言っている途中で気がついた。僕はラスティーリアに話しかけた。
小人と話すなんてなにか不思議な気分。
「ねぇラスティーリア。昨日はノスフェラトゥをどこまで追えたの?」
牙の主がどこにいるのかはわからない。学校にいるのかいないのかすらも。
でもノスフェラトゥは?

307 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 21:01:09
少尉「総員着剣!」

兵士’s「サーッ!イエス・サー!!」

衛生兵「少尉、止めてください!もう少しで特殊部隊が来るんです!」

少尉 「…我々の部隊名は何だ?」

衛生兵「?・・・・教導師臨編マセッティ支隊です」

少尉「隊の指揮官は!?」

兵士’s「ファビオ・マセッティー少佐っ!!」

少尉「俺達は兵士であり部下でる以上にあの人と共に在りたいと願っている」

衛生兵「ならば自分も一緒です!」

少尉「お前は衛生兵だ・・・・それに、少佐より受けた任務がある。必ず全うしろ」

衛生兵「ハッ・・・・!」

少尉「マセッティ支隊はこれより敵を殲滅する!突撃(チャージ)!」

スネークマン「カットマンが一番強いでありますぅぅ!!」

308 名前:黒猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 21:13:44
「ノスフェラトゥと共同作戦だと!にゃんたること!これはみっちゃんに知らせにゃければ!」
ボクは猫科得意の忍び足で書庫を抜け出したにゃ。

309 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 21:32:48
>>308
使い魔であるギコに、リリの魔法を跳ね返す程の力は無かった
だがギコはまだ気づいていないようだ

310 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 22:35:33
カサカサカサカサ…ポトリ

311 名前:ラスティーリア ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 23:15:39
>アッシュ
>「テメエの腹もちの悪いったらありゃしねえ……クソアマ」
「ベー!だ!黙っていれば美形なのに!」

>リリ
>「恥じらいの一つも憶えないとレイジに嫌われるわよ?」
「オトコはみんな裸が好きだよ。そうだよねレイジくん」
>「チャッチャ・クエストっていうのはね、とあるファンタジードラマのタイトルよ」
>「もしラスティーリアの話が真実だとしても、あなた強力な魔の波動に弱いんでしょ?
>ノスフェラトゥや牙の主なんかが現れたら、影響を受けてあっさり傘下に入っちゃうんじゃない?」
>腕を組んで、じっとラスティーリアを見下ろす。
「う・・・・」

>つかさ
>あるいはラスティーリアさん本人が鼠男さんの手下で、尖兵として自分の身体の25分の1をこうして差し向けてるとか―――
>どっちにしても、あまり興味を引くものではないわね。
「うう・・・・・目が冷たい・・・・レイジくん、ふたりがいじめるよー。ベルと護末田はおかしいし怖いよー」
あたしはレイジくんに登った。学生服の胸ポケットに逃げ込む。
アッシュとリリとつかさの三人に向けてベーを三回してやった。

>レイジくん
>「ねぇラスティーリア。昨日はノスフェラトゥをどこまで追えたの?」
「かなり飛んだわよ。南の方向で賑わってる港町まで。目指しているのはその港町で一番大きな塔みたいだったわ。
突然ノスフェラトゥを乗せていた蛇が振り向いて尻尾で攻撃してきたの。
その後はこの25分の一で必死に逃げたから、それ以上はわからないけど・・・
けどあのノスフェラトゥをどうやって味方につけるの?なんて口説くつもり?
ノスフェラトゥが素直に味方するのかな?工藤美津子が邪魔しないかな?
あたしは思うんだけど工藤は恐ろしい敵よ。あのダークエルフの怖い女なみに知恵がありそう。
とんでもない作戦を逆にしてこないかしら?ノスフェラトゥを一時でも味方にできれば最高だけどね。
ねーそれと(つんつんとレイジくんの服をひっぱる)あの黒いネコ動きが怪しくない?カサカサと。そこそこ。ほらほら」

312 名前:ラスティーリア1/25 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 23:23:39
1/25を付け忘れた

313 名前:屑船 ◆.QaFws1PO. [sageなんか暴走気味?] 投稿日:2006/07/14(金) 00:26:26
>「レイジに限らず、皆はどう思ってる? 夜の戦いに参加する気がある人は意見を聞かせて。
>いつまたさっきみたいな邪魔が入るやもしれないから、早めに教えてね。あと神崎さん」

呼ばれて私はリリさんを観ました。そして次に思いっきり素敵な笑顔でこう話します。

>「私は転校してまだ4日しか経っていないけれど、神崎さんならもっと色々ご存知なんでしょう?
>遠慮なさらず吸血鬼やこの学校の事、シーラ先生の事を語って下さらない?
>――まさかなんの手土産も持たずに、こちらの話だけ聞きに来た・・・なんて事は仰らないわよね?」

そう言うと今度はリリさんが首をかしげます。
なので私もかしげ返します。やはりあれじゃいけませんか。
適当な空虚には騙されませんか?
めんどくさいです、非常にめんどくさい。しかし、私は話し始めました。

「…ドド先生は…この闘いの裏には牙の連中や不死者の連中よりもっと大きな何かがあると見ています。」

私は静かに周りを見回します。

「…実は、10年前、19年前、30年前に今回の騒動と似た怪事件が起きて居るんです。
30年前にはとある生徒二人が失踪するという事件。
19年前には白骨死体14体がコンクリートに埋められた状態で発見。
10年前には校庭に儀式の後のような大きな魔法陣と共に、生徒の死体が十字架に掲げられた事件。
そして今のこの不死者と牙の死者抗争事件。」

あえて一つの事件だけ言いません。何故ならその事件は今回の事件とは絶対に無関係だとわかってるからです。

「…どう見てもドド先生はこれらの事件は関係有ると見てます。
そしてその裏にある大きな力に関係有るのは確実に霊玉。
もしくは霊玉自身に意志があり、霊玉がこの学園に何かを求めてる、もしくは伝えようとしているのかも、とドド先生が言ってました。
それからドド先生は…」


314 名前:ギルバ ◆3lf6qO/knM [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 00:39:58
>249-250 霧津
>「ギルバ先生・・・・・お主も陰陽師の様な者なのでござろうか?」
「そんな大層な代物ではない・・・。
 身内にそれに近い生業ならいるがね。今回の件とはさすがに関係ない。」
そう返して、身の上話を聞く。
・・・段々腹が立ってきた。理由は・・・後ろ向き過ぎるからだ。
「・・・どんな経緯かは知らんが、生まれた時から既にその姿と言う事はだ。
 その全てが自身が自身である事の証明である。雑多な者達は己の価値観のみを頼りに
 群れを成し異端を排除しようとする。しかしだ、世界とは人の数だけあり姿形もまた然り。
 そんな下らぬ差別に引き摺られて誇りを錆付かせるなど愚者のする事。更には、
 差別をする事自体愚の骨頂なのだよ。」
経験者はかく語りき。深呼吸をして、
「思うところがあるなら吐き出してしまえばいい。
 少なくとも、ここにいる者達は君を遠ざけたりはしない・・・無論、私もだ。」

>251-252 華山理利
>「下世話さでは、ギルバ先生もアッシュさんといい勝負よね・・・」
顔が赤い。思春期故か、ただ慣れていないのか。
やはりこういう話は野郎同士でするものだな・・・実践は女相手に限るが。
「男は皆狼、いや吸血鬼と言った方がいいのかな?
 隙あらば迸る劣情を叩き付けようと牙を隠しているものさ。
 生き馬の目を抜くのが当たり前の世間で生きるのならば、多少は慣れておかないと大変だぞ?
 まぁ、アメリカンジョークと思って流してくれ。」

>「気のせいかな、昼間の怪異を押さえる力、だんだん弱くなってない?―――完了。さ、続きをどうぞ」
「気のせいだ・・・が、部外者には効果が薄いのだろうよ。
 完全な部外者ならばまだしも、中途半端な立場だからな・・・我が同胞は。」
口を滑らせてしまったのに気づいたのは言ってしまってからだ。
誤魔化す様に、自分の言った事に気づかないフリをして肩を竦め、
「さて続きと言われてもな、何も聞かれていないのだから答えようがない。
 余計な話を差し込んで本題が進まなくなるのは本意じゃないのでね。」

>255-256 ベル『トリニティー』
>異形だった砂だ。そのままにしておくことなんてありえない
「・・・ただの砂だ。奴等はそれを媒介にしていたに過ぎない。
 特に魔術的な措置などは取られていないので、取っておいても害になる・・・。
 むしろ、奴らの媒介元を増やすだけになるから、手元に残すべきではない。」
言う事を聞かないだろうと思いながら忠告する。
少し早いが、責任は自分で取らなければいけないと言う事を知るいい機会と思う事にしよう・・・。

315 名前:ギルバ ◆3lf6qO/knM [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 00:43:08
>260 藤田礼司
>なら戦う力をもった僕らがやらなくて誰が学校を救えるんっですか?
「・・・一人、心当りがある。
 その手段を取る気はないが、『誰が学校を救えるのか?』と言う問いには
 コレで十分だろう。礼司、朝私が言った事を忘れたのか?
 熱くなりすぎているぞ、隙だらけもいいところだ・・・今のお前の精神状態では
 8テンポ遅らせても輪切りに出来る。戦士とは、いかに憤懣やるかたなくとも
 それを御する為の氷塊を心に抱えていなくてはならない。冷静でなくなった者から
 死んで行くのが戦場なのだ・・・ロゼラインがこの場にいたなら、同じ事を言ったろう。」
あえて苦言を呈するのは、どうも暴走気味に見えて仕方ないからだ。
バルンディノの時はもう少し落ち着いていたように思うのだが・・・。

>263-264 ラスティーリア
>「アッシュ。ひさしぶりだね〜。バージルも!」
ようやく本体のご登場らしい・・・1/25サイズらしいが。
「確かにな・・・鞭打とうとしてくれた事は忘れてないぞ?」
軽口はご挨拶だ。
「・・・そんな仕様でこれから大丈夫なのか?
 はっきり言おう、とても不安で仕方がない。今の内に言っておこう。
 操り人形の糸が切れないと分かったら、容赦なく人形を壊す。
 壊される人形にならないよう、注意したまえよ。」
教材ケースからタバコを取り出して火をつける。

>265-267 アッシュ
>「恋人……枕の角とかコーラの瓶とか?」
「枕は柔らかすぎるな、机の方が程度は良かろう。
 大体、手がなくて困るのは女よりも男の方だろうが。」
アッシュの話を聞き、意見を出す。
「さて、連中がそれを受け入れるかな?
 ああした手合いは大抵他者を見下すからな・・・捨て駒として取り込む事も
 あり得るがね。背中を預けるようなバカはいないと思うが、預けられないと言うのは
 致命傷になりかねんよ?まぁ、三つ巴よりはマシではある。」

>268 松井クオリティー
>そう呟く教師が私を観たら笑顔でペコリとお辞儀を返しました
営業スマイルを思い出した・・・そう言えば、日本の某ファーストフード店には
スマイル0円と言うメニューがあるが・・・本場も真っ青のジョークだな。
喧嘩を売ってるとしか思えない。目の前の生徒も同類か?様子を見よう。

316 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sage規制かかっちゃって投稿遅れましたすみません] 投稿日:2006/07/14(金) 01:16:43

一瞬言葉を詰まらせます。ドド先生は…。遠くを見る瞳、私は黙ります。
脳裏に私の家の子供部屋にドド先生と二人でいる映像が浮かびました。
テーブルの上にお茶などありません。ドド先生が口を開きます。
私は無表情でそれを聞きます。驚きはありませんでした。
何故ならあの事件は雑誌等でも大々的に公表されたこと、嫌でも耳に入ってしまいます。
暫く黙って話を聞いてました、あの日の若いドド先生は必死に訴えます。
私はそれでもなお黙ってます。静かに目を閉じるドド先生。

そしてポッケからドド先生は一つの手紙を取り出しました。

私は受け取ります。そして私はその手紙の束に目に写します。私は目を見開きました。

中に入ってるのは、45人分の死亡届。
最後の二枚は私の母親と父親の死亡届。

私は暫くそれをじっと観たあとドド先生に手紙を返しました。
そして私は一言、言いました。

「知ってたんですか、私がやった事を。」

スゥッと真っ直ぐに綺麗な緑の目でドド先生は私を観ました。
光の反射のせいか、ドド先生の顔半分が黒く染まっています。
そして私は暫く黙った後、我が儘を一つ言ったのです。

「私は…全てを消したい。」


…はっ!
私は我に返りました、気がつけばみんな私を観ています。
私は暫くみんなの顔を見た後、優しげに笑いました。
「ドド先生は生徒の味方ですよ。それは真実です。」
そう言うと猫に向かってくいっと指を動かします。
再度ずさぁああああ!と私の元に引きずられます。そして今度は首もとをしっかり持ち上げ猫の目を見ました。

「どうやら貴方には少々牙の使徒について語って貰う必要があるようですね。」

その声は笑っていたがどこか恐ろしく聞こえたでしょう。

317 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 02:04:53
>279>280
『おまじない水平チョップ』―――陽介くんのマジカル斬鉄脚と同じようなネーミングセンスの必殺技で、護末田くんの眼鏡が打ち砕かれた。
眼鏡の故障が切欠となって、目が赤くなって、黒いオーラを放つようになっていたわ。
そして、ツッコミは忘れない―――わたしの見立てだと、この二人は相性が良いわね。性格的なことだけじゃなくて、霊的にも。
>ということは、同じクラスに仲間がいる工藤先輩自身も元々は人間だったと考えていいだろう」
「確かに、ちょっと前までは普通だったわ。
 少し前までは、お互いにノートを交換し合ったりしてたんだけど、
 ある日、急にノートを見せてくれなくなって……吸血鬼化したのは、その頃でしょうね」
冗談を少し混ぜながら言った。
>「…ベルは今朝からこんな調子だから気にしないでやってくれ」
「……今朝から?凄いわね、夜までこのテンションがもつのかしら?」
小声で護末田くんに言った。
わたしの知り合いにも、こういうテンションの高い子が居るんだけど、あの子はある時刻を過ぎると疲れて寝てしまうのよね。
ベルちゃんはそうでもなさそうだけど……

>311
>「かなり飛んだわよ。南の方向で賑わってる港町まで。目指しているのはその港町で一番大きな塔みたいだったわ。〜
「港区辺りで一番高い建物って言うと、横浜ロイヤルパークホテルね。
 鼠男さんは、きっと其処に居るんじゃない?」
ラスティーリアさんが言ったことから、鼠男さんの居場所を特定できたわ。
横浜ロイヤルパークホテル……あそこには確か、鏡を置いていたわ。アレも霊宝と言えば霊宝ね。
―――ちゃんと3つ揃えないとね。せっかく3つセットなんだから。
ラスティーリアさんの方は、何やら険しい表情―――ああ、疑ってるのがバレたのね。
少しくらい弁解しておきましょう。表向きか心の内からかは置いといて、仲良くしないとね。
「疑ったりしてごめんなさいね。
 でもラスティーリアさん、貴女の残りの25分の24は、多分鼠男さんの手に落ちてしまっているわ。
 だけど、殺されてるってことは無さそうよ。
 強力な魔の波動影響されやすいのなら、、そんな弱点を見抜いて操ってる可能性も高いわ。
 同盟を結ぶにしても、そうでないにしても、まずは残りの25分の1を取り戻して本来の身体を取り戻さないとね。
 貴女としては、どっちがその目的の近道かしら?」

318 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 02:22:35
>314
>「思うところがあるなら吐き出してしまえばいい。
>少なくとも、ここにいる者達は君を遠ざけたりはしない・・・無論、私もだ。」
「ギルバ先生の言うとおり。わたしは貴女を遠ざけたりはしないわ。
 いえ、わたしは妖怪とか悪魔とかと親しいから、むしろこちらが避けられないか心配なくらいよ。
 それでも、仲良くできたら嬉しいわ。同じ部なのに、今までお話しする機会もあまりなかったし。
 ―――あらためてよろしくね、霧津さん」
少し明るめの調子で、笑顔で工藤さんを誘った。
「今度の夏休み辺りに、わたしの実家に来てみない?きっと気に入ると思うわ」

>308>316
霧津さんに「後でで良いから、返事を聞かせてね」と言ったあたりで、何かを引き摺るような音がした。
そっちを見ると、
「あら、さっきの猫さんじゃない」
書庫を抜け出そうとする猫さんを、神崎くんが能力を以って捕まえていた。
神崎くんは猫さんが嫌いなのかしら?さっきから猫さんを苛めてばかり。
わたしはわたしで、席を立って、礼司くんの要請に従って相武国造の資料を探すフリをするついでに、神崎くんの後ろから少し離れたところに立った。
そこで、筒の蓋を外して、猫さんにだけ中身が見えるように向けた。
わたしみたいなの以外が見たら、それだけで確実にトラウマになるような中身。
そんなのを見せたら、黒猫さんが白猫さんになってしまうかしら?
まあ、筒の中身を猫さんにだけ見せながら、わたしはテレパシーじみた力で猫さんの脳に直接言葉を叩き込んだ。
『さっき、悪戯は駄目って言ったばかりでしょう。
 ―――今度悪戯したら、黒い人に貴方をアッちゃんのところへ連れてってもらうからね。わかった?』
黒い人とアッちゃんだけで通じるとは思えないけどねえ。
まあ、それだけ猫さんに伝えて、筒に蓋をして懐に戻した。

319 名前:霧津 ◆Bvigra29UE [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 02:31:28
>ベル殿、華山殿。
ベル殿はやはりいつものベル殿でござった、合いも変わらず凄まじい気合でござる・・・・・
拙者に抱きついたかと思えば藤田殿や華山殿護末田殿に攻撃したり講義したりと忙しい身でござった。
しかし肝心の議論の内容がすっぱりと聞えなくなってしまったのは痛手でござるが・・・・・

「ひゃ・・・・・・っ!!」
せ、せせせ拙者のむむむむ胸が・・・・っ!!
思わず裏返ってしまったでござるよ・・・・くっ邪霊の仕業でござるか!?
恐らくは先の華山殿が結界が破壊された時に入り込んできたのでござろう。
机の上にあったボウルーペッンで胸元から取り出した符に【式呪封詔】
と書き机の裏に貼り付けると破れた際に入り込んだと思われる悪霊たちは吹き飛んだでござる。
途端に身にまとわり付く不快感は消え去ったでござるよ。やはり符の効果は覿面でござるな。
トホホ・・・・しかし悲しいような悔しいような・・・、で・・・でも胸なんて無くても・・・・平気でござるよ!
サラシを巻いた薄い胸に手を当てながら拙者は心の中で胸なんていらぬと、仏様に誓ったでござる。


・・・・・・ぐすん。
>華山殿
「華山殿・・・・・・上手く行くかは存じえぬが、よかったらベル殿に使って見てはどうでござるか?。」
拙者は即興で作った品でござるが、一つの符を渡したでござる。
内部にいる守護霊の類を本人に乗り移させる効果がある霊媒の呪符【降霊妙道の符】でござる。
しかし・・・・・本来符術は義父上が得意としていたこと故に拙者に上手くその力を使える自信はござらぬが。

>ラスティーリア殿
「お、お主は・・・・一体・・・・?」
堀江殿から飛び出した寒天状の女子に向かって問いかけたでござる。
果たしてこの者は物の怪の類でござろうか?ボウルーペッンで礼司殿のポケットから顔を出している彼女を突っついて見たでござるよ

>松井クォリティー
>「ドド先生は生徒の味方ですよ。それは真実です。」
彼にも闇があるのでござろうか、その様な感じがするでござる。
しかし拙者に声を掛ける力はござらん。
彼にも聞かれたくは無い事はあるのでござろう、それを無理やり聞き出すのは無粋でござる。
それが、拙者の弱きところでござる・・・・・・・勇気が欲しいでござる。

320 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 07:14:12
さっきからなんだかうるさい。あ、何か落ちた。
私はたまりかねて、さっき入ってきた扉の方へ様子を見に行く事にした。
薄暗い中でうごめく小さな影たち。緑の服を着た人形?ううん、これは実装石ね。
「こんなところで何やってるのよ・・・・・」
思わず頭を抱えた。実装石達はなりきりごっこをして遊んでいた。
だけど実装石だけにちょっと間抜けだ。
ギルバ先生役は包帯に火がついて慌てたふりをしてるし、工藤先輩役は猫耳をつけてご満悦だ。
霧津さん風の実装石に襲い掛かるゾンビ役やマセッティ支隊の会話のまねっこに至ってはもう笑うしかない。
「今ねえ、私達とーっても大事な話をしているの。邪魔しないでね?」
冷ややかな笑みを向けると、全員の顔色が変わった。
動きを止めた事に気を良くした私は、手近にあった『愛媛みかん』の箱を開けた。
中に迷彩柄の何かが居たような気がするけれど、私は気にも止めずに実装石達を詰め始める。
「チャイムが鳴るまでこの中でおとなしくしてなさいな。もし出てきたら・・・わかってるわよね?」
箱の中の実装石達は、全員こくこく頷いていた。あとは手近な本を箱の上に載せて、封印終了。
(・・・・・・・・えーと、どこまで話が進んだかしら?)
席に戻った私は、再び皆の話に耳を傾けた。

>「気のせいだ・・・が、部外者には効果が薄いのだろうよ。
 完全な部外者ならばまだしも、中途半端な立場だからな・・・我が同胞は。」
そう言った後、ギルバ先生はしばし黙り込んだ。失言だと思ったのだろう。
「ふうん、そうなんだ。
でも私は、ギルバ先生になら安心して背中を預けられるわ。レイジやアッシュさんも同じじゃないの?」
くすりと笑うと、私は再び神崎の方へ視線を向けた。

神崎さんの話を聞いているうちに、だんだんシーラ先生への信頼が揺らいできた。
>「ドド先生は生徒の味方ですよ。それは真実です。」
「つまりシーラ先生は、今と同じように生徒が惨殺されるのを何度も目の当たりにしてきたと。」
それでも今回も犠牲者が出るまで手を打たなかったのね、と続く言葉はかろうじて飲み込んだ。
神崎の言うとおり、シーラ先生が生徒の味方であるというのは間違いないのかもしれない。
ただ生徒の味方であったとしても、それは必ずしも命や尊厳を守る事とイコールでは無いような気がする。

ラスティーリアがレイジに泣きついているのを、呆れた目で見る。
私の言いたい事は、全部ギルバ先生が代弁してくれた。水無月さんが残りの身体24/25についての仮説を立てていた。
だけど、私の気は全く晴れなかった。
「水無月さん、それは24/25があったとしても、ラスティーリアはノスフェラトゥの魔力に太刀打ちできないって事よね?」
元の身体に戻っても今のままじゃ味方とは呼べない。絶望的だわ。
>工藤美津子が邪魔しない?
「アッシュさんの提案を蹴った時点で、ノスフェラトゥと手を組まれても構わないと考えてるんじゃない?
それよりラスティーリア、ちゃんと質問に答えて。これ以上獅子身中の虫が増えるのはごめんよ。」
霧津さんが物珍しそうにボールペンでラスティーリアを突いている。
今度答えなかったら、私も仲間入りしちゃうからね。

321 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 07:15:11
>「港区辺りで一番高い建物って言うと、横浜ロイヤルパークホテルね。
 鼠男さんは、きっと其処に居るんじゃない?」
うーん・・・場所が場所だけに、かなり意味深よね。
私は下ろしたままの髪をくしゃくしゃとかき回した。
叢雲剣がここにあるのが偶然じゃないなら、他の二つも近くにあるのかしら。
確か八尺瓊勾玉は月の象徴であり、八咫の鏡は太陽の象徴。共に神霊を招くものだ。
古くは天照大神が岩戸隠れした際、大神を呼び戻すために両者は飾られたとか。

>神の戦いを再現することで、役者を拠り代にして神さまを喚ぶのさ。

アッシュの神卸の話を思い出し、思わず顔を顰める。
――――現在3勢力がひとつづつ切り札をもってるとしたら、手を組めば均衡が崩れる。
ノスフェラトゥとは十分交渉の余地はあるかもね。
ギルバ先生の懸念は痛いほど判る。私も同じ気持ちだから。でも、試してみたい。
問題は、どうやって切り出すかよね。
場所がわかったからこちらから出向くという手もあるけれど、生きて戻れないのを覚悟しないとダメかもね。

>「だれか『さがむくにのみやつこ』についてわかる人はいない?」
レイジの問いに、私はあまり詳しくないけどと前置きしてから話し始める。
「当たってるかどうかは判らないからね。
相武ってのはこの辺りの昔の名称よ。相武国造は古事記とかに登場してたと思う。
えーとね、確か相武国造ってのは、ヤマトタケルをだまして焼き討ちしようとした人物だった気がするわ。
ヤマトタケルが欺かれ火攻めにされた時、持っていた剣で草を刈り取り、自らも火を起こして襲い掛かる炎を鎮め跳ね返したとか。
難を逃れたヤマトタケルの手により、国造とその手の者は全員切り殺された上、焼き払われらしいのよね。
草を刈るのに使ったから、叢雲剣は草薙の剣とも呼ばれるんですって。
こんな感じの説明で良かったかったしら?ベル」
ベル――主に叢雲剣――に向けて、意味深に微笑む。

>「華山殿・・・・・・上手く行くかは存じえぬが、よかったらベル殿に使って見てはどうでござるか?。」
霧津さんはおずおずと一枚の符をくれた。手にとった私は思わず感嘆の声を上げる。
「すごいわ霧津さん!早速ベルに試してみましょう!
実は私、ベルの中の人に語らせるためには『おまじない水平チョップ2号』を編み出さなきゃダメかと悩んでいたの」
【降霊妙道の符】ならずっとずっと確実だわ。
私は符をベルの目の前でひらひら振って見せた。
「ベル、ベール!これ見て。この呪符、貴方のためにわざわざ霧津さんが作ってくれたのよ。
使うとどうなるか気になる?試してみたいわよね?…………これはね、こう使うのよ!」
目を輝かせていたベルの胸に呪符を貼り付けたとたん、符から眩い光が放たれた。
そしてゆっくりと光が収まってきた頃には、ベルの雰囲気は今までとはがらりと変わっていた。


――――さてさて、鬼が出るか蛇が出るか・・・。

322 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 18:51:06
突然、指に何かを嵌められて、バチっと音がした。
私は慌てて指輪を取って投げ捨てる。

何か、気分が悪い……吐き、そう……
ばたっと倒れる音が、飛んでいく意識のなかに薄ら響き
私の意識は夢の中へ。



――この少女の姿をした魔物は
その妖しき呪歌で我が国の多くの兵士を惑わし
艦隊をまるごと海の底へ沈めるという大量殺戮を行った
――よって、即刻に死刑とする!



そこで、ぱち、と目が覚めた
気がつくと、保健室のベッドの上。
私が思い出したもの――それは前世か、もっと前の記憶。

……呪歌。今も歌えるのだろうか。

……ううん。考えないでいよう。私は、今の生活を壊したくない。
ともかく、授業に戻らなきゃ。
カーテンを開けて、保健の先生にありがとうと告げて、保健室を出た。

323 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 23:01:57
カーテンを開いて〜

ウッ

324 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 23:51:03
アルラウネの説明をし終わったところで、藤田の胸ポケットにラスティーリアが入っていくのが目に入った。
それをじーーーっと見詰めるベル。
聞けばスライムで、現在は1/25だという。
確かに霧津がボールペンで突付くと妙な凹みと言うか波打ちをして入るような・・・。
「・・・。」
はじめてみるスライム。しかも人型。
本来不定形の生物であるスライムが、小さくなって目の前で動いている・・・。
好奇心に突き動かされたベルの行動は・・・。
何も言わずに突然藤田の胸ポケットに掌打!
だが、ラスティーリアに攻撃を加えるなどと言う意思はない。
子供が無邪気な好奇心で虫の足を毟ったり、蛙のお尻にストローを突っ込んで膨らましてしまうが如き無邪
気さゆえの残酷さ。
ベルはただ、スライムの感触と潰したらどうなるか?
それだけに支配されての行動だった。

掌に伝わる『グジュリ』といった不快な感覚。
そーっと掌を確認し、藤田の胸ポケットを確認しようとした時、リリから声をかけられる。
だが、ラスティーリアがどうなったかの方に興味が行っているので返事も適当だ。
「えー、私日本神話ってよくしらないー。」
そうして再度藤田の胸ポケットに指をかけようとするとさらにもう一度呼ばれる。
>「ベル、ベール!これ見て。この呪符、貴方のためにわざわざ霧津さんが作ってくれたのよ。
「え?呪符?」
神話の事に余り興味なくとも、おまじないグッズである呪符となると話は別だ。
力強く振り向いて目を輝かせてリリの手にある呪符を見やった時、胸にそれが貼り付けられた。

符から眩い光が溢れ出、それが収まった時・・・。
「い・・・いだだだだ!?ちょっと!なにこれ?呪?身体が〜〜〜・・・・!」
ベルの身体の所々が割れ、血が噴出す。
眼からは血の涙を流しながら身体を丸めうずくまってしまう。

325 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 23:51:25
「〜〜〜崩壊するだろうがぁっっ!!」
ベルではない声が響き、うずくまっていた態勢から立ち上がりながら、腹部に手を当てる。
すると叢雲剣のゴルゲットから柄が生えむんずと握り、鎖を引きちぎりながらそれを振るった。
刀身のない柄と鍔だけだが、振るうに従い刀身が見る見るうちに延びてくる。
薄く、透明な刀身。それは三途の川の水に大圧をかけ、あらゆるものを切断するウオーターカッターの刀身。

だが、その刀身の軌道上にいたものはその身を斬られる事はなかった。
狙ったもの以外の場所では水圧を弱め、そのまま素通りしたからだ。
そしてその切先が狙ったのはギルバ。
正確に言えばギルバのくわえる煙草の先端だ。
赤く炎を灯していた煙草は切先に触れるや否や炎は消え、余熱さえも残さずに炭と化した。
「ギルバ先生?書庫で煙草は駄目ですよう!」
叢雲剣の刀身を納めながらベルがギルバにメッとする。
ギルバの煙草を斬ったのではない。叢雲剣の刀身は三途の川の水。別名忘却の川。
その能力を使って煙草の火に「火である事」を忘れさせたのだ。
自己存在自体を忘れさせられた煙草の火は火でいられなくなり、炭と化した、と言うわけだ。
血まみれのベルはいつの間にか光の粉に包まれている。
左手に持つ妖花アルラウネが治癒の燐分を吹きかけているのだ。

「お前は阿呆か?こういう符は内在する霊格と肉体の格差の少ない奴にやるもんだろう!危うく崩壊しかけたわ!」
叢雲剣の飾り鍔の顔がリリに向かって怒鳴りつける。
「でもいいじゃない。統合者であるベルを気絶させなかった事。内外両方向の干渉を遮る強力な結界を敷いていた事。
これだけ力ある者が一点に集まり力点を作っていた事。
内在霊格と肉体格差は考えていなかったのを差し引いても合格点ね。」
花から上半身を除かせながらアルラウネが叢雲剣を宥める。
「さっきの光の中で全部知った・・・。まずは相武国造の事ね。」
統合者となったベルが光の燐分に包まれながら落ち着いた様子で室内のみんなに語りかけた。
「「「理由がないと祀りに興じれないのも人のサガだものね」」」
三人の声が揃い、こだまする。

静かに本棚に行き、一冊の本を取り出し開く。
その本は『日本武尊と相模土着信仰』。

開いたページには実装石がびっしりと並んでおり、それぞれ遊んでいた。
隅では戦闘が起こっているようで、ボム兵が突撃兵を派遣している。
クリスは俺の彼女だ!と叫びながら突撃しているものもいる。
実装してくれよ〜と別の実装石に抱きついている実装石。「好きなん〜だけ〜ど〜♪(人∀・)チャッチャッチャ」とカラ
オケを始めているものもいる。
結界が決壊しちゃった。山田君、座布団持って言って。こちらでは笑点ごっこだ。
ここら辺までは微笑ましかったのだが、霧津の尻を撫で回すとかポニーテールだ耳だ、かけるだとだんだん猥談の色
が強くなってきた。
水無月のバイブが唸るぜ!アッガイで行こう!一人の男が声を上げると、大量の実装石がそれに応え立ち上がったと
ころで
「だが断る!」
ベルは冷酷に言い放ち、勢いよく本を閉じた。
閉じたページから赤い液体がじわりと染み出し、「死ね死ね死ね死ね・・・」と言う声が聞こえてきたが気にせずに本棚
に戻し向きかえる。


「オホン、本なんか見なくてもいいわ。色々疑問点があると思うけどそれを説明するから、長台詞だけどしっかりついて
きてね。」
ベルは右手に叢雲剣、左手に妖花アルラウネを持ったまま話し始めた。
いつの間にか書庫の風景は変わり、トリニティーとなったベルが向居と会談したときと同じ場所。
漆黒の空間にアンティークに囲まれたティーテーブルとなっていた。

326 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/14(金) 23:52:36
#################################################
まずは相武国造とは?
簡単に言えば土着の神よ。日本武尊の東方征伐で征伐された神の一柱。
ここら辺一体を支配しており、焼き討ちを持って抵抗したけど逆に焼き討ちで討たれた神なのね。
そこら辺はリリの言う通り。
でも違うところは、切り殺したのではなく帰依させたの。
そしてこの地方の国を作る神に任じられ相武国造の名を与えられたのね。
ついでに言うと日本武尊は相武国造の娘オトタチバナヒメを嫁に迎えているわ。
その後東方征伐を続けるために相模川を渡ろうとした時、日本武尊は失言をするの。
「この程度の川簡単に渡れる」ってね。
それに激怒した相武国造は日本武尊が川を渡ろうとした時、波を荒立たせ船を沈めようとした。
その怒りを静めるためにオトタチバナヒメは菅畳八重、皮畳八重、絹畳八重を敷くとその上に飛び移って川に沈んで
いったわ。
こうして川は鎮まり、日本武尊は無事に東方征伐を続ける事が出来たわけ。

この話って変よね。
日本武尊に帰依した相武国造が激怒して日本武尊を襲う。そして人身御供で鎮まる。
これを解き明かすのには神の概念について知る必要がある。
そも神とは何?
万物の創造主?あるレベルの力を超越した存在?それぞれ正解。
でも、ここに出てくる相武国造がなった神とは世界法則そのものの事よ。
善も悪も、あらゆる意図もない、ただ純然たる法則。
神話の時代、まだ世界は不安定だった。
そこで世界法則を定める事によって平定していったってことなのね。
一柱の神を人格も感情も意思もない世界法則にしてしまう。殺すより恐ろしく、便利な平定の仕方よ。

太古より土地を開き治めるには何よりも治水が重要とされたの。
世界法則を定める神となった相武国造がこの辺りの代表的な川である相武国造となったのも自然な事よ。

その力は世界を構成する力だから当然、超越者とか言うレベルじゃないわね。
林檎が木から落ちると下に落ちる、火が熱い、空が青い。みんな国造の定めた法則によるものよ。
勿論この地区担当のってことだけど。
そしてこの世界で怪異が殆ど起こらないのも、ね。
異世界には異世界の法則があるから、そこではモンスターもいれば魔法も普通に使える。
でも、この世界の法則ではそうじゃない、極稀にしかね。


それで牙の主やノスフェラトゥーが何をやっているか。
それは敖遊の祀り。
これが何かはアッシュの説明でほぼ正解ね。
戦いとは本来神聖な祀り。盛大なる血祭りを持って神を饗応するのよ。
ギルバ先生の言うとおり、正に乱痴気騒ぎね。
代表的なのは天の岩戸の敖遊、西洋なんかではサバトとなっているわね。
娯楽を提供し、相武国造を呼び起こそうとしているの。
勿論世界法則そのものを呼び起こそうとしているのだから、膨大な時間と儀式が必要よ。
合のあう年に何度も繰り返し敖遊の祀りを行う。
それが神崎の言う周期に符合しているのじゃない?

そして敖遊の祀りは終盤に入っている。
鏡と勾玉を持ち、相武国造を呼び起こした者が世界法則を自由に作りかえられる。そう、日本武尊がしたようにね。

327 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage泣き一丁自棄一丁入りました] 投稿日:2006/07/14(金) 23:53:39
ここまで話せば疑問はあらかた片付くんじゃない?
牙の主は特殊な結界を限定空間に張る事により敖遊の祀りができるようにした。
還元力が働くから、上一中、しかも夜だけと言う限定したものになる。
昼は不死者も牙の主も動けないのは、相武国造という世界法則の還元力に縛られているからよ。
必要とあれば時を巻き戻し、因果律を狂わせるほどの還元力、知覚した人もいるんじゃない?

そして私たちが呼ばれたわけと昼でも怪異がみられるようになったわけ。
それは敖遊の祀りは終盤となり、相武国造が目覚めつつあるという事。
世界法則を崩さないようにする還元力の一つとして、牙の主と不死者を倒すために私達は呼ばれたのよ。
藤田の何か大きな力に呼ばれたという感覚、蔓城の日常が失われていくという感覚。それはみなこの現行世界の法則が
大きく綻び始めていると言うことなのよ。
##################################################

語り終え、静かに目を閉じたベルだが、勿論全てを語ったわけでもなく、語った全てが真実と言うわけではない。

一例としていえば
還元力の一つとして呼び寄せられたのは確かだが、だからといってどうなるものでもないのだ。
敖遊の祀りは勝つ事ではなく、戦うこと自体が目的だ。
超常の者が闘えばそれだけ力場は作られ、完成に近付く。向居の言ったとおり、既に何をしても計画は止まらない。
そして、自分の事も語っていない。
なぜ叢雲剣と妖花アルラウネがここにあるのか?
それは日本武尊が相武国造を打ち倒した時の再現劇のためだ。
今まで別々の時代に召喚されていた叢雲剣と妖花アルラウネだが、それが同時に、しかも同じ人間に憑くと言うこと自体が
敖遊の祀りの終盤を意味している。
祀りの最後に相武国造を前にして叢雲剣で妖花アルラウネを斬り火をつけ、再現劇を供し、新たなる法則任命者となるのだ。
「その時」「その場所」を外してはいけない。
しかしそれは魂を融合させているベルの死にも繋がる。が、それまでは殺せないという事にもなるのだ。

これらのことは決して話さない。戦いを辞めるという選択肢を防ぐ為にも、だ。


「とまあ、こんなところなのよ。
早い話、この一帯の世界法則を守るためにも吸血鬼たちと戦いましょう!ってことよ。」
話を締めくくった時、『パン』と言う音と共にリリの結界が弾ける。
内部の力点の増大に耐え切れなかったのだろう。
それと共にベルの胸の符も弾け飛び、ベルはベルに戻っていた。
時計の針はベルが符を貼られ変貌してから漸く一秒を刻もうとしていた。
長い長い台詞語りは時間を歪めた世界での出来事だったのだ。

「うーん・・いたたた。リリ、お札はいいけどそんな突き飛ばすように貼らないでよ。」
何も覚えていないかのように胸を擦りながらベルがぼやいた。

328 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/15(土) 22:30:34
>「お前は阿呆か?こういう符は内在する霊格と肉体の格差の少ない奴にやるもんだろう!危うく崩壊しかけたわ!」
「あーごめんごめん。でもうまくいったんだから結果オーライよね〜。
ま、ベルだってラスティーリアを潰したんだからお互い様よね?」
少しも悪びれず、私は椅子を引き寄せると長い長いお話に耳を傾けた。

パン!と結界が弾けた音と共に、ベルはいつもどおりのベルに戻った。
>「うーん・・いたたた。リリ、お札はいいけどそんな突き飛ばすように貼らないでよ。」
「ごめんごめん、大丈夫だった?実はこれ『縁結びのお札』らしいのね。
だからついつい力入っちゃっって。――――で、どう?素敵な出会いは訪れそうな予感は?」
結界が壊れてしまったので、書庫での会話は外部に筒抜けになっている。
だが昼休みも残り少ない今、3度目の結界を張るのは面倒だ。
今後は誰に聞かれてもいい話しか口にする気は無い。

元に戻ったベルに適当に話をあわせながら、部屋の中の皆を見渡した。
『なかなか面白い話だったわね。あ、霧津さん、お札ありがとね』
ぐるりと部屋の中を見回し、ベル、黒猫、堀江以外のメンバーに念を送る。
『あー。でも皆はまさか、今の話を鵜呑みになんてしてないわよね?
自分の命が掛かってるんだから、何が偽りで何が真実なのか、ちゃんと自分自身で見極めなきゃダメよ。
もう化かし合・・・ゲフンゲフン、戦いは始まってるんだからね。
それからレイジ、ノスフェラトゥの居場所を気にする必要は無いわ。
昼間でも接触自体はそう難しく無いから。
だってノスフェラトゥの『目』は、校内のいたるところに張り巡らされているんだもの。
そうね、今すぐでも呼びかけてみたら?気が向けば返事が来るでしょうよ』

私は懐から懐中時計を取り出し、もうこんな時間かと顔を顰めた。

329 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 01:40:39
>ラスティーリア
>「オトコはみんな裸が好きだよ。そうだよねレイジくん」
「……ちょ。ちょっと待ってよ。ラスティーリア。なにを言い出すの!?」

>霧津さん
「あの…… ボールペンでつんつんしないほうが……」
僕の知っているラスティーリアは気性が激しくてプライドも高くて魔物の貴族の姫だったのですよ。
だから姿の小ささから軽く見ないほうが……

あ。

>ベルさん
>好奇心に突き動かされたベルの行動は・・・。
>何も言わずに突然藤田の胸ポケットに掌打!

「あ――――――!」

じわーっと胸ポケットでなにかが広がる感覚がする。そっと胸ポケットを指で広げて中を見てみると……

「………つぶれてます……よ…… フルフルして動いているのでぜんぜん平気だと思いますけど……
うう… くは―――。この感覚が…… ひ―。動かないでラスティーリア……」

精神集中、精神集中。

「ギルバ先生。だいじょうぶ。僕は冷静です。魔界の将軍と死闘を繰り広げた先生から見れば隙だらけかもしれないですけど。
この戦いが壮大な三つ巴の儀式なら、儀式の勝利者が相武国造の力を得るとか、相武国造が認められるとかの報酬を
自分の勢力が得ようと必死なんですよね。
そしてどうも牙の一族側が一歩リードしているみたいです。
だから工藤先輩はアッシュの協力を拒んだ。
それなら劣勢のノスフェラトゥは共同案に乗るかもしれません。
利用した後は僕らを殺すでしょうけど。
でも相手もそう僕らが思っていることをわかった上で協力を受け入れるかもしれません。
なんだかすざまじい化かし合いですけど……
水無月先輩が推理したようにノスフェラトゥは横浜ロイヤルホテルにいるんでしょうか?
昼間はお互いに手を出せないのをいいことにスイートルームにでも泊まっているんでしょうか……
ゆっくり休みそこから夜になれば出撃してくる……」

>リリさん
>テレパシー
>『だってノスフェラトゥの『目』は、校内のいたるところに張り巡らされているんだもの。
>そうね、今すぐでも呼びかけてみたら?気が向けば返事が来るでしょうよ』
『僕が接触してもいいのですか?』
校内のいたるところにあっても、リリさんが結界を張ったこの書庫の会話は漏れてはいないだろう。
もう昼休みが終わる。
書庫を出たら……僕が呼びかけてみようか。
僕は緊張に震えた。
数千年生きただろう吸血鬼一族の長と心の接触をする…… 出来るのか僕に。

『とは言っても!ちょっと!なんて言ったらいいのかアイデアくださいよ!』

330 名前:工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 01:56:06
「ふ……。ノスフェラ……トゥと共同して攻め…るですって?」
書庫の入り口に工藤美津子が立っていた。
しかし言葉に覇気はない。
左手を額に当てている。まるでそうでもしないと首が支えられないかのように。
右肩で壁によりかかり、やっと立っているようだった。

「会話は……私のかわいい下僕ギコの念話で筒抜けだったのよ。……私には。
水無月、あなたの術ごときで私とギコとの契約は剥がせな…いわ…」
そこまで言ったところで工藤美津子は崩れ落ち、その場にしゃがみこんでしまった。

「ノスフェラトゥとの交渉なんて…やめておきな。藤田。
黒き衣の長ノスフェラトゥは……牙の主同様に狡猾で卑劣な魔物よ。
奴の得意な呪術は……隷属化。藤田。あなたが奴の奴隷にされるわ」

工藤美津子は顔を上げた。すがるような瞳で一同を見る。
手が退けられた額に残酷な異変があった。
左眉とそこにかかる前髪の一部が白髪となっていた。
左目も濁り輝きが失せていた。

331 名前:白猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sagegt;ギコの念話で筒抜けだったのよ、とは知らなかった!] 投稿日:2006/07/16(日) 03:09:24
「ボクとみっちゃんは精神が繋がっているにや。
にゃにゃ!みっちゃん!その髪はどうしたにゃ!!!!!」

332 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 03:33:02
>324-327
わたしが知らない間に、何やら面白いことになってたみたい。
本来は、適当に3勢力を集めて殺し合わせて楽しむだけだったんだけど……
これだから謀はやめられない。予想外の刺激があるものねえ!

>328
華山さんからテレパシーでこちらに意思を送ってきたから、こちらも自分の意見を念で送っておいた。
『わたしは、あんまり乗り気じゃないんだけどね。
 個人的に言わせてもらうと、あの鼠男さんは同盟を組むに値しないと思うわ』

>329>330
藤田くんが早速、ノスフェラトゥさんとの交渉を図ろうとしていた―――とそこで、書庫の入り口の方に何かの気配がした。
「藤田くん、ちょっと待って。お客さんみたいよ」
書庫の入り口の扉の辺りを見ながら言った。
出てきたのはやっぱり、工藤さんだったわ。
>水無月、あなたの術ごときで私とギコとの契約は剥がせな…いわ…」
「あら、契約自体は、ほんの一瞬だけど、しっかり解けていたわよ。
 解けなかったのは、貴女と猫さんの信頼関係。
 猫さん自身、契約を解いたところで、どうやら貴女の使い魔であることをやめようとしなかったみたい。
 だから結果的に契約は解けなかったし、何をしたところで契約は解けないでしょうね」
自分の筒の中の悪魔のことを思い起こして、この猫さんとの対比を考えてみる。
……ウチの子は、お世辞にも忠誠心に厚いなんて言えないわねえ。
何せ、主君を嘲笑ったり、他人を自滅させたりするのが大好きな人が筆頭ですもの。
「良い使い魔に恵まれて羨ましいわ」

>黒き衣の長ノスフェラトゥは……牙の主同様に狡猾で卑劣な魔物よ。
>奴の得意な呪術は……隷属化。藤田。あなたが奴の奴隷にされるわ」
ええ、確かに牙の主もノスフェラトゥも卑劣な魔物ね―――読んで字の如く。
「牙の主はともかく、鼠男さんが卑劣だなんて、そんなの、貴女に言われなくてもわかるわ。
 ええもう、ギルバ先生と蔓城くんだったら、痛いほど解っているでしょう?」
ギルバ先生や蔓城くんの方を見て言った。
この二人は特に、鼠男さんに卑劣な不意打ちを喰らった当事者だから、多少なりとも同調する部分はあるでしょうね。
ギルバ先生なんかは、不意打ちなんかは喰らう方が悪いとでも思ってそうだけど。
「『血を吸う紳士』が減って久しいわね。わたしは悲しいわ。もはや彼等は幻想の中にしか存在しないのかしら?
 実を言うとね、わたしは鼠男さんとの同盟は反対なのよ。
 貴女からも、もっと言ってやってくださいな」
そして弱っていく(?)工藤さんを見下ろすように見ながら、付け加えた。
「ところで、『牙の主』なんて呼び捨てにして良いのかしら?
 確か、昨日は『主さま』って呼んでいた気がするのだけど」

333 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 11:37:09
ん?
私が掴んでいた猫が突如白髪になっていきます。何?小麦粉でしょうか?
私は再度歪ませて綺麗にしようとしましたが、どうやらこれは白髪らしいです。

>「ボクとみっちゃんは精神が繋がっているにや。
にゃにゃ!みっちゃん!その髪はどうしたにゃ!!!!!」

!?私は車庫の入り口を見ました。するとそこには…やはり来ましたか。
>「ふ……。ノスフェラ……トゥと共同して攻め…るですって?」
私は思わずニヤリと笑いました。…牙の使徒の工藤美津子です。
と言っても結構老けてしまっていますが。最近老けるのがブームなんでしょうか?

>「会話は……私のかわいい下僕ギコの念話で筒抜けだったのよ。……私には。
>水無月、あなたの術ごときで私とギコとの契約は剥がせな…いわ…」

>「ノスフェラトゥとの交渉なんて…やめておきな。藤田。
>黒き衣の長ノスフェラトゥは……牙の主同様に狡猾で卑劣な魔物よ。
>奴の得意な呪術は……隷属化。藤田。あなたが奴の奴隷にされるわ」

私は話を聞きつつ左目に呪印を浮かばせました。これは映像を記憶する呪印です。
と言っても霧津さんのような妖気を感じられない人には全く見えない代物です。

>「ノスフェラトゥとの交渉なんて…やめておきな。藤田。
>黒き衣の長ノスフェラトゥは……牙の主同様に狡猾で卑劣な魔物よ。
>奴の得意な呪術は……隷属化。藤田。あなたが奴の奴隷にされるわ」

私の呪印は工藤美津子が話し終わると消えていきました。
それにしてもこの女、死にそうな様子ですが大丈夫でしょうか?この女にはここで死なれる訳にはいかないのです。
折角の牙の主とのパイプ役死なれては全く困ります。そして私がここに来たもう一つの理由を果たすためには…。
水無月が言います。

>「牙の主はともかく、鼠男さんが卑劣だなんて、そんなの、貴女に言われなくてもわかるわ。
> ええもう、ギルバ先生と蔓城くんだったら、痛いほど解っているでしょう?」

>「『血を吸う紳士』が減って久しいわね。わたしは悲しいわ。もはや彼等は幻想の中にしか存在しないのかしら?
(省略…)
> 貴女からも、もっと言ってやってくださいな」

「しかしある程度のリスクを冒さないと何も手に入りませんよ。」
思わずぼそっと呟いてしまいます。
こいつは少し変な方向に転がりそうです。全くめんどくさいです。

334 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 11:42:37
>リリ様
>「つまりシーラ先生は、今と同じように生徒が惨殺されるのを何度も目の当たりにしてきたと。」

悪態をつかれます。私はリリさんを見ると答えました。
「ええ…否定はしません。しかしそれは……いや…これはどうでもいいですね。はい。」
私は遠くを見ます。しょうがない、一瞬私の口から出そうになった言葉です。
しょうがなくなんてありません、こんな事、他人から見ればしょうがなくも何もない、唯の我が儘。
けれどもね、それは我が儘でもあり貴方方人間が言う美徳でもあるんですよ。
人間の矛盾というものなんでしょうか、
ほら、よくあるじゃないですか何かを守るために人殺しをした者だって殺せば裁かれるのに戦争とかで人を殺しても裁かれないみたいな。
少し寂しく思えてきました。ドド先生はどうなんでしょうかね?
しょうがないと思ってるのでしょうか、それとも本当は…。
ま、ここで考えても何もないんですがね。

>ベル様、藤田礼司様
>「え?呪符?」
さっきから何やってるんでしょ、この子は。
リリさんの呪符を吸い込まれるように見つめます。
よし、この子の対策は決定しました。爆弾玉をつい最新の水晶玉と言って渡せば殺せます。

しかし…やはりそんな簡単にはいかないようです。
符から眩い光が溢れ出ます。そしてベルさんの身体が割れ血がビュシャ!そして…
>「〜〜〜崩壊するだろうがぁっっ!!」
…えぇえぇえええぇええ。
私は思わず人差し指を加えてしまいます。ドド先生がこの女に目を付けてた理由、まさかそんな・・。
震われた剣はあのミイラ男先生の煙草の先をかすります。

>「ギルバ先生?書庫で煙草は駄目ですよう!」
叢雲剣の刀身を納めながらベルがギルバにメッとします。
なんという事でしょう。全く、どいつもこいつもです。
ベルに金粉をかける華、剣は話します。

>「お前は阿呆か?こういう符は内在する霊格と肉体の格差の少ない奴にやるもんだろう!危うく崩壊しかけたわ!」

>「でもいいじゃない。統合者であるベルを気絶させなかった事。内外両方向の干渉を遮る強力な結界を敷いていた事。
>これだけ力ある者が一点に集まり力点を作っていた事。
>内在霊格と肉体格差は考えていなかったのを差し引いても合格点ね。」

華も喋ります。私ははっとやっと自分がやらねばならぬ事を思い出します。
血の処理!っもーこの輩共は図書室で何ぶちまけてくれてるんですか。私はいそいそと飛び散った血を指を動かして処理します。
そして全てが処理しおえたごろ、その華と剣は語り始めました。
そう、今回の事件の中心部の長い長いお話。
私は聞き入りました。ドド先生はどうだか知りませんが私には初耳なお話ばっかです。非常に興味深い。
暫くベルの話は続きます、そして何分かたった頃、その話は終わりました。

そして藤田が見事にまとめます。私はじっと見るだけです。


335 名前:工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 11:43:01
「牙の主が……私は……。
はあ、はぁ。私……私を…吸血鬼の使徒にした牙の主が……憎い。
私達を人間ではなくした牙の魔人が憎い……」
苦しい息で工藤美津子は想いを搾り出した。

「藤田……藤田君。助けてほしい。私達を。
使徒は誰も使徒であることなんて望んでいない。
人間に……戻りたい。助けて。
牙の魔人は私を学園の使徒の長にした。
使徒の長になって受けた仕打ちが……これ」
工藤美津子は震える左の手で白髪となった髪を触った。

「昼の不戦の契約を破って激しく戦う使徒がいた。パソコン部のあの馬鹿……。
契約の代償が……これ。
老化。
霊宝戦の契約違反の代償は若さを奪われること。
さがむくにのみやつこの呪いは恐ろしいのよ……。
自分に代償が来ないように牙の魔人は私を使徒の長にした。
私は……なんの責任もないのに……老いる……いや……。

まだ華山の……華山さんの…結界の効力が……残っているここでなら、言える。
牙の主もノスフェラトゥも……倒すべき悪魔。
気がついていないかもしれないけれど……すごい情報をあなた達は手にしているのよ。
ラスティーリアさんの大手柄……」
工藤美津子は床についに倒れた。なおも話す。
「ノスフェラトゥがどこにいるのかわからなかった。
でも…水無月さんの考える通り……ノスフェラトゥの昼の居場所が横浜ロイヤルパークならチャンス……。
吸血鬼は夜の化け物。
奴らの力が増大する夜に戦うことはないわ。

怪異は上湘南では昼間には起きない。
それは……霊宝がこの学園の敷地にあるから。
契約の力は神奈川全域に及んでいるみたいだけど、それも上湘南を中心にしているみたい。
離れるほど力は弱まる。
ノスフェラトゥが横浜に本当にいるのならチャンス。
横浜なら……昼でも戦える。
吸血鬼の苦手な昼のうちに戦うほうが有利……。
私達、人間は太陽が怖くないんだから。
陽が沈むまえに……吸血鬼を…退治しよう……。
時間との勝負……」
もはや人ではなくなった工藤美津子はあえて自分を人間と言った。
その言葉の空ろさに工藤美津子はさびしく微笑んだ。

「アッシュ君……教室であなたの申し出を断ったのは……牙の主の監視の手前。
本心を言えなかった。ごめんなさい。ごめんなさい……。
同盟を結びたかった。
でも牙の使徒としてじゃない……。
牙の魔人の犠牲者として……」
工藤美津子はふらふらと起きた。起き上がるだけで死力を尽くしているのが伝わる。

「いくら結界があって牙の主の監視が届かないといっても……オカルト研究会の会合に
私が行ってなんにもないでは……牙の主も怪しむわ。
だからこうするしかない……」

336 名前:工藤美津子 ◆IX36EnfQv6 [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 11:44:18
工藤美津子の瞳が白光に輝いた。
唇から伸びた牙がのぞく。

「牙の主様に絶対の忠誠を誓う私は……怒りのあまり……契約を破りオカルト研究会のメンバーを襲いにきたの」
工藤美津子はテーブルをつかむと、信じられない怪力でそれを天井まで投げ上げた。

「ぐるるるるるるるるるるるあああああああああああ!」

図書室全体が工藤美津子の発する霊動に揺れた。
工藤美津子は一同に襲いかかった。
神崎の右腕を伸びた爪で裂き、霧津の胸に強烈な蹴り。蔓城に体当たりをして吹き飛ばし、護末田に激突させた。
本棚は崩れ、窓ガラスが割れた。工藤美津子は跳躍するとギルバの顔面を右手の爪で裂いた。
「どうか……どうか、牙の主の犠牲になった使徒のみんなを……助けて。
ノスフェラトゥだけではなく、牙の主を倒す方法も…あなた達なら見つけられる。
信じてるわ。信じてるよ。
……どうしてもっと早く……戦士としてみんな覚醒してくれなかったの。
使徒達を助けてあげて。おねが…い。おねが……」
契約を破った代償を一身に受け、工藤美津子は急速に、みるみる老化していった。
瑞々しい肌に皺が刻まれ、戦うごとに髪は白く変色していく。
そして遂に、倒れた。
工藤美津子は息絶えた。
老婆となって。

337 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 13:07:25
>『あー。でも皆はまさか、今の話を鵜呑みになんてしてないわよね?

『つーたって、分かったことから一つずつケリつけてくより仕方ないだろうがよ。
とにかく、このアマが地雷ってのは間違いなさそうだから、隔離の方法考えにゃあな』

もらった指輪を額に押し当て、不慣れな念話に挑戦してみる。
フランス女の話はあまりに唐突だったが、現時点での情報をプロットすれば一番収まりの良い筋立てにはなる。
ほんの一部だとしても、連中の目的には察しがついたのだから
まず何を邪魔すれば、腐れ吸血鬼どもに愉快な目をみせてやれるのか、企む足がかりは出来たってワケだ。

リリの呼びかけに、レイジが「不死者」との接触を買ってでる。
ボクはふと、バルンディノで、彼が妖魔の貴族を騙しそこねた時のことを思い出した。
立候補したクセにやたらビクついてやがるのは、あの時と同じだ。
『リーダーなんでしょ、好きにやれば?
ま、せいぜい歯は立てないようにね。レイジってさ、相手が濡れる前にすぐ突っこみたがるクセあるでしょ?
焦らず、ゆっくり、落ち着いて――野郎のクソ袋をかっ捌くための時間は、ちゃんと別に用意されてるんだから』
飲み干した牛乳瓶を本棚の上へ投げこみ、制服からパンくずを払った。

『もし接触も交渉も失敗したなら、直接殴りこめばいいさ。
居場所が割れてるんならちょうどいい、ラスティーリアの身体の残りも取りかえさなきゃだし』

338 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 13:07:59
>「ふ……。ノスフェラ……トゥと共同して攻め…るですって?」

不意の来客に皆が振り返るが、知った顔だ。三年生の工藤、牙の使徒。
ついさっき会ったばかりの彼女とはうって変わって蒼ざめた表情に、濁った瞳をしていた。
前髪はメッシュみたいに白髪が混じり、もたれた肩を壁に引きずって書庫へ入って来る。
「不死者」との同盟は危険だと、彼らは狡猾で卑劣な怪物だと言いよばるが――

>「『血を吸う紳士』が減って久しいわね。わたしは悲しいわ。もはや彼等は幻想の中にしか存在しないのかしら?

「『紳士』なんざ、まるで長生き出来ねえ生き方だよ。
バカをするのは好きだけど、バカを見るのは死んでもイヤなのさ。『ボクら』はね」
同盟には反対だという水無月。
けど、ボクらが同盟を組んだがために喰いモノにされる程度の手合いなら、遅かれ早かれ全滅だ。
確証は無いものの、切り札らしい手はひとつ用意されていた。コイツで騙しだましやってくより他はない。
工藤はやがて、自らを吸血鬼に仕立て上げられた犠牲者だったと告白する。
「牙」への隷属が自由意志でないとすれば、いよいよレイジたちは盛り上がるだろう。
圧制と独裁に立ちむかう、正義のツボってヤツ。

>「アッシュ君……教室であなたの申し出を断ったのは……牙の主の監視の手前。

「……そう」
どうでもいい。
ボクも「牙」と同じに狩る側だから、狩られる側に同情したところで一文の得もないから。
ついでにボクは南部の生まれなんだ、灰色の軍服の男たちの子孫。
持たざる東洋人(グークス)どもが万骨枯ろうと、ボクには関係ないね。
逃げるヤツは皆ベトコンだし、逃げないヤツはよく訓練されたベトコンだって――
ディエンビエンフーとトンキン湾の申し子は、そんなことしか感じなかった。

>「牙の主様に絶対の忠誠を誓う私は……怒りのあまり……契約を破りオカルト研究会のメンバーを襲いにきたの

てな訳で、彼女は死力を尽くして暴れ回った。
反射的にマグナムを抜いたけど、工藤の激しい立ち回りに誤射の心配があって、結局撃てなかった。
彼女は金田一、サムライ、虎使いを徒手空拳で薙ぎ倒し、バージルの包帯を引き裂いて、そこで事切れた。
「助ける、か……」
老婆と化した彼女の死体に集まる。
使徒を助けて、とは、老いさらばえる前にせめて美しく死に花咲かせてやって、という意味?
ボクは死体の首根っこを掴んで持ちあげた。見る影も無く老い果てた彼女は紙のように軽い。
バラしたところで得るものもないか。ほんの僅かに強く握っただけで、頚椎がコキリと音を立てて折れた。

「吸血鬼が人間に戻るよりは、ラクダが針の穴を通り抜けるのが容易い。
まずは『不死者』だ、レイジ。余計な贅沢に気ぃ遣って挙句ヘマしたらオマエな、ナニの先っぽから全身の皮ひん剥くぞ。
ホラ、昼休みが終わっちまうだろうが。ちゃっちゃと契約書の文面考えろや」
死体を床に投げだして、その手でレイジの頬を叩いた。
「それとも何だ、明日からボクも、キミのベッドで一緒に寝させてくれるってなら、代わってあげても良くってよ?」

339 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/16(日) 14:00:40
あれほど激しく降っていた雨が小降りになってきた。
雲の流れが速い。
午後からは晴れそうだ。

340 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/16(日) 14:44:26
ギコ猫が死んだ

341 名前:ギルバ ◆3lf6qO/knM [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 14:54:53
>320-321 華山理利
>ふうん、そうなんだ。
「・・・ああ、そういう事だ。
 話がややこしくなるから今は黙るが・・・で、人手が欲しいなら呼ぶぞ?
 今夜に間に合うかは微妙だが、な。」
正直呼びたくない。だが少しでも手勢は欲しいところだ。
仲の悪さはともかく腕は立つ。何しろ・・・。

>324-327 ベル『トリニティー』
>「ギルバ先生?書庫で煙草は駄目ですよう!」
折角つけた火が消されてしまった。安月給を切り詰めて買った貴重なタバコを!
「・・・ほっといてくれ。なに、延焼などしようはずもない。
 ・・・湿気モクか、我慢するしかないな。」
再び火をつけて話に耳を傾け・・・途中で聞き流した。
要約ぐらいしろ、とても最後まで聞く気にならん。これが英会話のテストだったら
問答無用で0点、どころか赤点だ。進級なぞさせてやるかよ。

>329 藤田礼司
>「ギルバ先生。だいじょうぶ。僕は冷静です。
と、本人は言っているがそれも今だけだろう。
礼司は挑発に乗りやすいタイプ、幻覚などで振り回されかねん。
「悪いがそれを安易に信じてやる事は出来ん。
 その心の乱れが敗北の扉を開くのだから・・・だからこそ、私がいるわけだが。
 お前達の尻拭いはしてやる、がおんぶに抱っこは東京湾に投げ捨てるからな。」
これぐらいにしておこう、さすがにしつこいな。

>332 水無月つかさ
>ええもう、ギルバ先生と蔓城くんだったら、痛いほど解っているでしょう?
「所詮小者、愚昧なのは火を見るより明らか。
 まぁ、渾身の不意打ちすら読まれているようでは相手にならんよ。
 ・・・『血を吸う紳士』はこんな野蛮な宴になど姿を見せんだろうよ。」

>335-336 工藤美津子
>牙の主もノスフェラトゥも……倒すべき悪魔。
悪魔、と言う単語を聞き逃さなかった。
もし本当に悪魔ならば、期待ハズレであると同時にチャンスでもあるし・・・
場合によっては奴も動かせる。まぁ、呼ぶと決まったわけじゃないが。

>ギルバの顔面を右手の爪で裂いた
あえて避けなかった。受けたところで、かすり傷をつけるのが精一杯だったから。
死に行く者へのせめてもの手向け、手加減でも情けでもない。
「・・・哀れな。どのような経緯かは知らぬが、まだ生きられたであろうものを。」
アッシュが握っただけで骨が折れるほどにボロボロとなり
見る影もなくなった工藤美津子の死体に手をかざす。
「このまま冥府魔道に堕ちては世に害を為す・・・決着は己の手でつけたかろう。
 お前の力、意思、俺が引き連れよう。さぁ来い・・・!」
手に魔力を込めると、工藤美津子の死体から光の玉の様な物が現れ、手に吸い込まれていく。
輝きが収まると、両手足に防具の様な物が現れた。力を込めるとそこから太く鋭い爪が飛び出し、
念じるとその爪が撃ち出され虚空に血の様な赤い軌跡を描く。
「これがお前の力・・・この力で牙を討ち、遺言を果たそう。」
斬られた包帯を巻き直しながら工藤美津子の死体へと言葉を投げる。

ふと外を見る。雨足が弱まっている、都合よく晴れそうだ。
・・・やはり何者かが誘導している様に感じて仕方がない。杞憂であればいいが・・・。

342 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 22:34:49
書庫の入り口が大きな音を立てて開かれた。
大男が入り口を蹴り開けたのだ。
なんだなんだぁ?妖気を感じたと思ったらこの様かい?
「まったくよぉ・・・手間しか掛けさせねぇなアンタ。」
紐で縛った段ボール箱を床に置く。
そして大男は工藤の亡骸へ近づいた。
途中アッシュとぶつかったが、
眼中に無いと言った表情で突き飛ばす。

「無様だねぇ、無様すぎて哀れとも思えねえ。」
既に首の骨が折られた屍の頭に足を乗せる。
メシリと言う音と共に彼女の頭はゼリーの様に潰れた。
こんな婆じゃ腹の足しにもならねえよ糞っ垂。

「へっ、アンタも解かってるだろう?
 今更なにやっても手遅れだって事をなぁ?」

「『化物』は死ぬまで『化物』今更も糞もねえだろうがよぉ」
忌々しい嬢ちゃんだなぁオイ。
アンタに人間を語る資格なぞ無ぇに決まってんだろ。
まったく違反者にゃお似合いの末路だなぁ?
絶対的な力を手に入れることが出来る牙の主との契約。
だが同時にそれは牙の主の駒となる事。
即ち心臓を四六時中牙の主に握られていると同意だ。

「理解できねえなぁアンタ・・・。」
残念そうに大男が零した。
「優秀なアンタなら主様の『器』に慣れた筈じゃねえかい?」


「『三種の『神器』揃いし時、我『器』を隔て世に光臨せん。
  今一度相武国造を我が身に宿らせ給え、『血』を流し『血』を捧げよ。
  全ては『戯曲』、今は『余興』の時、汝等踊り給え、我が『掌』で。』」


小さく歌う様にその文句を告げた。
これは俺が主様に言われた歌だ
まぁ、俺が出来る餞別だ、精々あの世で悔いなお嬢。
ペッと屍に唾を吐き捨てた。

343 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/16(日) 22:38:20
外を見ると雨が止み始めてやがる。
そろそろ主様が時を巻き戻す頃合かい。
そうすりゃ目撃者は少なくともココにいるガキと+αだけ。
んなら、いつも通り全てを『夢』にしちまえば良いだけじゃねえかい。

「へへっ世は正に夢の如しってか?」
惚けた様に大男は言った。
「最近はよぉ夢と現実がわからねえガキが増えてるそうじゃねえかい?」
何も知らないような素振りを見せた。
首を傾げながら会合メンバーを見る。
知った顔、見たような顔がいるが、構っちゃいけねえな
「俺ぁ遊ぶなとは言わねえ、ガキは遊ぶのが本業だろぅよ?」
へへっと含み笑いを含ませながら生徒に言った。
しかし・・・
「だがギルバさんよぉ、教育者のアンタまで一緒に遊ぶのは頂けねえな。」
厳しい目つきでギルバを睨む。
口元は笑ってはいるが目は獣の様にギラリと光る。

「アンタ見たいなのがいるからよ、こんな糞見たいなガキが出来ちまうんじゃねえかい。」
もうちょっとしっかりやってくれや。
その視線には哀れみや嘲笑が混じっていた。

時計を見るとそろそろ昼休みの終わりか。
あーあ飯喰ってねえや、だりぃ。
「さ、そろそろ勉強のお時間じゃねえのかい?お子様は早く帰りな。
 お子様は勉強して糞して寝てりゃ良いんだよ。」
そう言うと大男は踵を返した。
俺にゃ俺の仕事があるんだ。
まぁその仕事が今日は書庫な訳だがよぉ

344 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 02:39:21
>333>338
皆、何が何でも同盟を結びたいみたいね。
もう止めるのはやめましょう。それもまた面白いことになりそうですし。
それに、組む事によるデメリットなんて、わたしが考えてる以上に小さいのかも。
『礼司くん、くれぐれも冷静さを失わないようにね。
 あと、いつ向こうが不意打ちしてきても、さっと殺れるようにしときなさい。
 向こうが攻撃を仕掛けてくるときは、どうせ不意打ちとか騙し討ちだから』

>341
>「所詮小者、愚昧なのは火を見るより明らか。
>まぁ、渾身の不意打ちすら読まれているようでは相手にならんよ。
卑劣という字がどう書くか。わたしが言いたいことまで、しっかりわかってたみたいね。
不意打ちのこと以外にも、この理由もあって、同盟を組むのに反対してたのよね。
>・・・『血を吸う紳士』はこんな野蛮な宴になど姿を見せんだろうよ。」
『言われてみれば……確かにそうね』
別に聞かれてもそんなに問題のある内容でもなかったけど、一応、そう返事を返しておいた。
―――呼ぶ人を間違えたのは、わたしの最大の誤算だったわ。

>335-336
体裁を整えるために暴れるだけ暴れて、工藤さんは無残に死んだわ。
涙が出る?いいえ、思わずため息を吐きたくなったわ。
―――紳士淑女を集めた心算が、誰もテーブルマナーすら心得ていないなんて。最大の誤算だったわ。
これはもう、藤田くん達に期待するしか無いわねぇ。
でもこの調子だと、もっと誤算がありそうだわ。

345 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 02:44:32
本棚が倒れてきた

346 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 03:07:48
>342-343
「あら向井さん、丁度良いところに来たわ。
 ちょっと預かり物があって、それを貴方に渡すように言われてたの。
 でも自分で行くのは面倒だから、工藤さんか、そこの猫さんに届けてもらおうと思ってたんだけど……まあ、見てのとおりだから」
さっとメモを投げて寄越した。
向井さんのことだから、見もせずに破り捨てたりとかしそうね。
だけど、それはできない―――誰も、まして牙の主程度の力では、そのメモを読むことを拒否することはできない。
わたしがメモに―――正確には、メモを取り巻く環境を、そういう風にしたから。
そんな訳で、読む方は全く違和感を感じることなく読むことになる。

『まだ貴方の主さんが勾玉を見つけていらっしゃらないようなので、隠し場所を貴方のお勤め先の事務室の机の上に移しておきました。
 早めに取りに行って、主さんを安心させてあげてください。
 もちろん、今回の宴はその性質上、安心すると酷い目にあいますけど。
 そうそう、今夜はとびきり逞しい赤い馬を連れてくることにしました。
 とても見事な赤い馬なので、是非ご覧になっていただきたく存じます。
 今夜はとても暑い夜になるでしょうから、薄着の方が過ごし易いかもしれません。
                              追伸 このメモの内容を口外すると……』

向井さんが手紙を読む(=無理矢理読ませる)と、手紙が他の人の目に入る前に灰になった。
それを確認してから、わたしはお別れの挨拶をして退出したわ。
「確かに向井さんの言うとおり、もうすぐ授業ね。
 まあ、わたしのことは構わず、夜のお勤め、頑張ってくださいな」

「鬼に横道なきものを〜♪」
去り際に、わたしは歌うようにして、ちょっとしたメッセージを込めて、酒呑童子の断末魔の台詞を言った。

>405
書庫の扉を閉めた辺りで、本棚が派手に倒れる音がしたわ。
書庫の中の人は無事かしら?
まあ……倒れてきた本棚くらいで死んでたら、夜には何回死ねるでしょうね?

347 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 07:17:02
何方向性変えてるんだw

348 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 09:47:19
>ギルバ先生
> 話がややこしくなるから今は黙るが・・・で、人手が欲しいなら呼ぶぞ?
「先生、それは愚問よ。ぜひ呼んで。
ただ、先生のお知り合いは単なる好意で味方についてくれるの?命がけの戦いになりそうだけど」
少し考えて、更に付け加える。
「現実界のお金や魔石で動いてもらえそう?『払えるものが無いなら身体で』なーんてベタな展開は嫌よ?」
ええ、もちろんギルバ先生の言うアメリカンジョークって奴よ。

>神崎さん
神崎さんは私の悪態に、少し寂しそうな顔をしただけだった。
必要悪とでも考えているのかしら。でもこれ以上こたえてくれる気は無さそうだ。

>藤田君
>『とは言っても!ちょっと!なんて言ったらいいのかアイデアくださいよ!』
>「それとも何だ、明日からボクも、キミのベッドで一緒に寝させてくれるってなら、代わってあげても良くってよ?」
『ラスティーリアの件と、居場所を掴んでる事は黙っておいた方が良さそうね。
ねえレイジ、いっそアッシュさんに考えて貰ったら?謀ならレイジよりずっと適性ありそうだし、二人は友達なんでしょ?
積もる話もあるだろうし、家に泊めてあげるくらいお安い御用じゃないの?』

>アッシュさん
皆があんまり辛気臭い顔をしてたから、思わず鵜呑みにするなって言っちゃったんだけどね。
やっぱりアッシュは、どこまでいってもアッシュか。
>『つーたって、分かったことから一つずつケリつけてくより仕方ないだろうがよ。
>とにかく、このアマが地雷ってのは間違いなさそうだから、隔離の方法考えにゃあな』
『まあねー。ひとつづつ潰してくしかないわね。あとベルの隔離だけど、無理っぽくない?
さっき結界が破裂したのを見たでしょ?封印して隔離が不可能とは言わないわ。ただ、並大抵のものじゃ効果ないのよね。
下手に内に働きかけるような霊圧をかけたら、それこそお札貼った時の二の舞だし』
通常お一人様限定の椅子に二人も腰掛けてるんだから、不安定なのは無理も無いわよね。
『いっそ隔離するより、目の届くところに置いておいた方が安全かもよ?
どのみち好奇心を満たすためだったら、地の果てまでも追いかけてくるだろうし。
――――それともアッシュさんには、他に何か名案でも?』

>工藤先輩
ルール違反の代償が若さ、ね。
幸か不幸か、私達はまだ本当の意味で霊宝争奪戦に関わっていなかったみたいね。

新たな情報を残し、工藤先輩は死んだ。
可哀想だなと思う。先輩も犠牲者だから。確かにそう思う。思うけど・・・・どうも腑に落ちない。
何がって?工藤先輩の遺言には、牙の主自身の情報が殆ど無かったからよ。
工藤先輩達を縛ってるのは牙の主でしょ?だったら普通は牙の主の情報をもっと語りそうなものじゃない?
なのに今回私達は体よくけしかけられただけ。おまけにどう転んでも、牙の主側は全く損をしない話。
命がけで彼女が嘘を言いにきたとまでは言わない。
けど、牙の主の手で、意図的にこうなるよう謀られた可能性だって無いわけじゃない。

仮に彼女の遺言通り、ノスフェラトゥを倒して鏡を手に入れたとする。
ても、弱っているところを牙の使徒に襲われたら?
別にありえない話じゃない。だって上一中の牙の使徒は、日光を恐れないのよ。
(完全に吸血鬼化するまで、ある程度の猶予期間があるのかもね)
『牙の主はノスフェラトゥの居場所を掴んでいないって、工藤先輩は言ってたわよね。
じゃあ居場所を牙の主側に流せば、牙の主とノスフェラトゥとで潰し合いをしてくれないかしら?
幸い牙の使徒の方は、普通に登校してるから昼間でも活動出来るみたいだし』

349 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage水無月さんが部屋を出る少し前] 投稿日:2006/07/17(月) 09:49:37
>蔓城さん、霧津さん
ギルバ先生は工藤先輩の力を継承している。元気そうね。
他の皆は大丈夫かな?
「神崎さん、蔓城さんに霧津さん、大丈夫〜?」
牙の主の監視を誤魔化す為の工作に巻き込まれたメンバーに声をかける。
そういえば、工藤先輩と契約以上の絆で結ばれてた黒猫はどうなったのかしら。

>向井さん
突然搬入用の扉が開き、一人の大男が入ってきた。
アッシュを突き飛ばした大男は忌々しそうに工藤先輩の頭を踏み潰した。荒された死体は唾をかけられる。
元仲間の死者を冒涜する態度に怒りを覚える。
どうやら牙の使徒達は、全員が黒猫と工藤先輩のような関係ではないらしい。
口を開きかけた私は、視界の隅の変化に気づきはっとした。
工藤先輩の身体が透けて見える?まずい!
私は大男に警戒しながら、工藤先輩のカサカサした冷たい手を握り、魔石をひとつ掴んだ。
白い光が工藤先輩の亡骸を包みこんだ。そしてパッと目の前から消滅してしまう 。
そして、私の手元には真っ黒に変色した魔石が残った。
・・・間に合って良かった。
だって工藤先輩の亡骸には、まだ色々『見せて』もらわなければならない事が残っているのだから。

水無月さんが向井という男にメモを渡していた。読み終わった途端灰になっている。
私こいつの本当の顔を知ってる。この男がクリスを――――。
ぐっと堪えて、立ち去ろうとする男の頭に直接念話を送る。
『ねえおじさん、おじさんは吸血鬼と違って、昼間でも全然問題なく動けるんでしょう?
――――だったらおじさん、退屈してない?
「昼間のうちに目障りなノスフェラトゥを始末したい」って考えた事はないの?』
そう呼びかけて、反応を待つ。別に相手が乗ってこなくても一向に構わない。

ま、言うだけならタダよね。

350 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 10:18:20
暗号文のような難解な文章をひとつひとつ解読するように読みふけっているが、まだ4ページほどしか読んでいない。
もう一年分もの勉強をしたような気分なのだが、結果がこれでは非常に残念で浮かばれない。
十を聞いて三ぐらいしか頭に入らない俺がこのような本に手をつけたことがそもそもの間違いだったのかもしれない…。
これならば気分が最悪でも教室で友人となにげない会話でもしてるんだったぜ畜生。
結局この本を通して理解したことといえば、吸血鬼の伝承と元になった人物くらいで、他はもうなにやらちんぷんかんぷん。

>336
>「ぐるるるるるるるるるるるあああああああああああ!」
まるで悪魔が放つ断末魔のような叫び声にビクっと身を震わせた。
こんな攻撃的な獣のような奇声を聞いたのだから、周りはさぞや気になっているだろうと見回すが
騒ぐ人や驚いている人は愚か、人っ子一人いない。
休み時間が終わったのだろうかと時計を見てみると、少し余裕がなくなってきたぐらいの時間だ。
いつもならば教室に急ぐところだが、なにぶん昼間のことが気にかかっているのもあるせいか妙に気になる。
図書室の隅々まであますことなく調べてみたが、別に人が倒れていたとか別段怪しいものは見当たらなかった。
後は書庫室ぐらいのもんだろうが、あの場所は不気味さが漂っているのであまり入りたくない場所である。
書庫室のドアを開けると…そこには、本棚が倒れていてがらんと人気のない図書室とは対照的に人がひしめきあっていた。
「なにかの集会かなにかですか?」

351 名前:神崎 屑舟 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 14:20:52

>「牙の主が……私は……。
>はあ、はぁ。私……私を…吸血鬼の使徒にした牙の主が……憎い。
>私達を人間ではなくした牙の魔人が憎い……」

苦しい息で工藤美津子は語ります、私は哀れみの目で見ます。
本当に可愛そうに、彼女は付き合う人間を間違えた。もっとも、私も人のことを言えないかも知れませんが。
工藤美津子は次第に老ける速度が速まります、そして一つ大きく悲鳴をあげ…

>「ぐるるるるるるるるるるるあああああああああああ!」

あまりにも、残酷にあまりにも、哀愁を漂わせながら、私の腕を爪で裂きました。
肉がえぐれ、血がダラリと出ます。それでも私は彼女を殺そうとかそういうのは思いませんでした。
あまりにも哀れで、あまりにも哀れで、そして馬鹿らしくて。
工藤美津子が他の人間を襲いながら弱まるのを見ながら私の中に一つの覚悟が産まれました。
ドド先生に言ったらなんと答えるのかはわかりません、しかし…。
工藤は倒れました。

>「どうか……どうか、牙の主の犠牲になった使徒のみんなを……助けて。
(省略…)
>使徒達を助けてあげて。おねが…い。おねが……」

そして工藤は、死にました。
恐らくもうこんなんじゃドド先生も生きかえらせることは出来ないでしょう。

>「助ける、か……」
坊ちゃん刈りの坊やが言います。
>「吸血鬼が人間に戻るよりは、ラクダが針の穴を通り抜けるのが容易い。
>まずは『不死者』だ、レイジ。余計な贅沢に気ぃ遣って挙句ヘマしたらオマエな、ナニの先っぽから全身の皮ひん剥くぞ。
>ホラ、昼休みが終わっちまうだろうが。ちゃっちゃと契約書の文面考えろや」

>「それとも何だ、明日からボクも、キミのベッドで一緒に寝させてくれるってなら、代わってあげても良くってよ?」

私はすっと目を閉じました。気が付けば雨は小降りになっています。
…午後は晴れるでしょう。
そして暫く自分の考えをまとめると、突如いきなり書庫の入り口が大きな音を立てて開かれました。

>「まったくよぉ・・・手間しか掛けさせねぇなアンタ。」

この声は…昨日のドド先生の、そして牙の。
私は自分の強運に驚きました。まさかここまで…。
男は話すだけ話し、散らかすだけ散らかし、帰って行きました。
水無月つかさも帰ります。という事で私も…どうやらまだ大男は近くにいるようですし。
私は何も言わずに消えました。一つ、『面白いお話、どうもありがとうございました。』というメモを残して。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

「あの…すみません。」

暫くして私は廊下を歩く大男の背後で呼びかけます。
大男は振り向いてくれました。そして私は覚悟を決め一言言いました。

牙の使徒になりたいと…。

352 名前:神崎 屑舟 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 14:21:44
訂正
水無月つかさも帰ります。という事で私も…どうやらまだ大男は近くにいるようですし。
私は何も言わずに消えました。
散らかされた物を全て消し、一つ、『面白いお話、どうもありがとうございました。』というメモを残して


353 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 22:02:35
貼られた札が縁結びのお札と聞いて目を輝かせて喜んだ。
「やあねえ、出会いなんてもういらないわよう。えへへ。そんな事よりハートを鷲掴みにして毟り取る方に期待
しちゃう!」
リリがテレパシーで他の綿々とまったく違う会話をしている事も知らずに、幸せな一時だった。
いつの間にか引きちぎられた鎖が修復し、叢雲剣が元のゴルゲットになっている事にも気付かずに。

そんな時、書庫に工藤が入ってきた。
ノスフェラトゥと牙の主の話はベルを十分に驚かせるものだったが、それ以上にその変化に驚いた。
見る見るうちに工藤は老婆のように老いていく。
ノスフェラトゥーを昼の間に倒すように託した途端、大暴れをしだしたのだ。
「ひ、ひええええ!?」
直接的に襲われはしなかったものの、飛び散る机や椅子の破片はベルを脅かすに十分。
頭を抱え右往左往し、最終的には本棚にぶつかり倒れてきた本棚の下敷きになってしまう。

「ううぅ・・・おもい!くるしい・・・」
本棚の下で身動きが取れないままもがいていると、向居が現れ、なにやら話し始める。
話の流れや内容を聞けば、この男が人間ではなく、牙の主の配下であるということくらいはわかった。

漸く本棚の下から這いずりだしてみると、既に向居・水無月・神崎が書庫から出てしまっている。
そして気付けばあれだけ倒れ、散らかっていた本屋本棚が消えてしまっていた。
更に書庫の入り口に天保が顔を出して、何事かと尋ねている。
「あら!ヤスじゃない!パソコン部なのにオカルトに興味があったの?
私達はオカルト研究会よ!今夜吸血鬼と決戦なのよ!」
入り口まで光の速さで移動し、天保に満面の笑みで応える。そして振り返ると、藤田に指さし宣言する。

「工藤は昼に叩けっていったけど、吸血鬼退治を昼にするなんてロマンがない・・・ゲフンゲフン
じゃなくて、早退してホテルに行っても入れないでしょ。中学生が。
入れたとしても、ホテルに泊まっているって事は周りからは人間と見られているわけじゃない?
そんなところで襲い掛かったら吸血鬼より前にお巡りさんに捕まっちゃうわ。
コンタクトをとるのはいいけど、殴りこみなんて反対よ。
準備もなしにノリだけで突き進んでも良い事ないんだから。」

そういったところで、昼休みの終了五分前。予鈴が鳴り出す。

「夜って19時くらいからなんでしょ?だったら放課後みんなで私の家に集まらない?
食事くらい出すから。ヤスも来るでしょ?」
ベルの家は学校から徒歩2分。放課後校内で時間を潰すより、色々できることもあるだろうという考えからだ。
そして昼の襲撃を反対したのはベルのロマンだけでなく、敖遊の祀成就を願う叢雲剣とアルラウネの干渉もあっ
てのことだった。

354 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 00:32:21
「工藤先輩……」
面識があったわけじゃない。
昨日の図書室でたわいもない(とそのときは思っていた)学校の吸血鬼の噂話をしていた名前も知らない三年生だった。
堀江(ラスティーリア)があの人の名前は工藤美津子と教えてくれたんだ。
昨夜の戦いで工藤先輩の魔性を見せつけられて……そして……いま……彼女は老衰で死んだ。
牙の使徒は犠牲者。助けてほしいと悲痛な声を残して。
工藤先輩のなきがらに僕は誓った。
「かならず先輩の…… 

あ!

アッシュ……ぅ!」
アッシュが無造作に工藤先輩の遺体を無造作に掴みあげた。工藤先輩の首が折れた。
――――――ひどい!それはあんまりだ……と叫ぼうとしたら

>「ホラ、昼休みが終わっちまうだろうが。ちゃっちゃと契約書の文面考えろや」
>死体を床に投げだして、その手でレイジの頬を叩いた。
>「それとも何だ、明日からボクも、キミのベッドで一緒に寝させてくれるってなら、代わってあげても良くってよ?」
「うあ」
アッシュに頬を音がなるほど打たれた。
「アッシュ……優しいのか残酷なのかわからないところがぜんぜん変わってない………」

バージル先生はバージル先生なりの方法で工藤先輩を弔った。
リリさんの目には懐疑的な光がある。
工藤先輩のむごい死をどう受け止めればいいのか決めかねているみたいだ。
答えは簡単。
これ以上の犠牲者は出してはならない。これしかない。そうだろアッシュ?そうでしょみんな?

>守衛の大男
>「まったくよぉ・・・手間しか掛けさせねぇなアンタ。」
>「さ、そろそろ勉強のお時間じゃねえのかい?お子様は早く帰りな」
牙の一味のあの男がやってきて言いたいことを言って去る。
僕は男をにらむだけでなにも言わなかった。
男の言葉に僕は手がかりを見つけていた。
彼の残した歌よりも。

>水無月先輩
>「鬼に横道なきものを〜♪」
>去り際に、わたしは歌うようにして、ちょっとしたメッセージを込めて、酒呑童子の断末魔の台詞を言った。
>屑舟さん
>私は何も言わずに消えました。
>散らかされた物を全て消し、一つ、『面白いお話、どうもありがとうございました。』というメモを残して
「待って、ふたりとも!ここに来て!」

>天保くん
>「なにかの集会かなにかですか?」
「え…… えーと。あ、あれ?ここに来た?の?テンポー。いままでのミーティング聞こえちゃっていました?
………あ!」
彼はパソコン部!
「工藤先輩がさっきパソコン部の、って、まさか、なにか知っていますか?」

355 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 00:33:24
>ベルさん
>「工藤は昼に叩けっていったけど、吸血鬼退治を昼にするなんてロマンがない・・・ゲフンゲフン
>じゃなくて、早退してホテルに行っても入れないでしょ。中学生が。
>夜って19時くらいからなんでしょ?だったら放課後みんなで私の家に集まらない? 」
「半分賛成、半分反対です」
崩れた本棚の下から這いずり出るベルさんに手を貸して起き上がるのを助けながら僕は毅然と言った。
「夜の闇が学校に降りるまえにベルさんの家に集まれるなんて光栄です。
でも工藤先輩の遺言を果たしてからです。
ねぇアッシュ。リリさんの言う通りお願いするよ。ノスフェラトゥとの契約書の文面を。……きみと寝れないけど……(顔真っ赤)
その文面を渡すのはランドマークタワーの横浜ロイヤルパークホテル。
ノスフェラトゥの泊まっている部屋でです。
午後の授業なんてもう出ている状況なんかじゃない!授業なんてどうでもいい。
これからみんなでそのホテルに行きましょう。
今から行けば1時間もしないで着きます。まさに真昼間」
書庫の窓には雨上がりの光がさしこみつつある。
「ノスフェラトゥの部屋で交渉する。決裂したら戦う。吸血鬼には不利な昼の時間に!
牙の一族も、ノスフェラトゥも夜の魔物、吸血鬼。昼に戦うという発想がないんだと思います。
守衛のあの牙の部下の人すら、僕らが日中は不戦の条約を守ると思っている。
それは夜に活動する吸血鬼だからです。
午後の授業なんてどうでもいい。いまから横浜ランドマークロイヤルホテルに行きましょう。
戦う万全の用意をもちろんして」
言いながら僕は思った。僕はひどい。もしかしたら戦場にみんなを連れていこうとしている。
けれども待っていても夜になれば戦場に僕らは身を置くんだ。
けど……僕はひどい。わかってる。

「このまま学校をさぼって行ったら牙の主に感づかれてしまいます。ホテルまで尾行されたらなんにもならない。
ねぇリリさん。なにかうまい方法ないですか?
えーと。ドラえもんとかの道具でクローンロボットみたいなのとか、いないけどいると勘違いする道具とか、
ナルトに出てくる身代わりの術みたいな、そんなとにかく学校に僕らがいないけど、いると思うようなの。
霧津さんの退魔の術でも、虎使いくんのなんか術でもいいですから、だれかなにかない?」
僕は全員の顔を見渡した。
あ。忘れてた。全員で思い出した。ベルさんにベチャっとされたラスティーリアを。
胸ポケットをそっと見てみた。
「あぁ…………つぶれてますよ」

356 名前:ふかわりょう ◆wXxTrDIsUE [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 01:19:42
横浜ランドマーク最上階を占める日本有数の最高級ホテル・横浜ロイヤルホテルの第5会議室で
男達が談笑していた。
テレビ朝日の看板バラエティー番組「いきなり!黄金伝説」の打ち合わせがされていた。
その会議の出席者は出演のふかわりょう、カンニングの竹山、そのマネージャー二人。
番組プロデューサー、構成作家、撮影統括チーフと助手二名。
ホテル側は副支配人とホテル企画スタッフらだった。
ふかわりょうと竹山がホテルスタッフとなり、客からのチップだけで一週間生活し、しかもホテルに宿泊。
その宿泊代も得たチップから出すという企画ものだった。
撮影に先駆け下見とホテル側との最終調整に来ていたのだ。
竹山は生真面目な表情で悩みを打ち明けた。
「僕は結局はキレキャラですからね。お客さんにキレてもホテル的に大丈夫ですかね?」
スタッフが笑う。
ふかわりょうも笑ったが内心は上の空だった。
彼は感じていた。
『ホテルに入ってから心がざわつく不快感が抑えられません・・・いやな予感がしますね』
降り頻っていた雨もすっかり止み、雲間からこぼれる太陽の日差しが光のカーテンとなって、
ホテルの窓の下に広がる横浜湾を照らしていた。

―名前・ふかわりょう
―性別・男
―年齢・32才
―髪色・黒、ふかわカット
―瞳色・黒
―容姿・あのふかわりょうです
―備考・よろしく

357 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2006/07/18(火) 13:05:33
これは糞スレですか?

358 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/18(火) 19:54:30
もの凄い糞スレだろ
当たり前だよ

359 名前:ラスティーリア ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 20:50:09
「ぺ!ぺちゃって潰すなーーーーーーー!」
あたしはレイジくんの胸ポケットから顔を出してベルに文句を言った。
「潰れちゃったじゃない!んもーーー!」
あたしったらペラペラの紙のみたい。でもまぁいいか。
あたしはポケットからヒラヒラと出て床に着地した。ポン!と立体に戻る。

>レイジくん
>「このまま学校をさぼって行ったら牙の主に感づかれてしまいます。ホテルまで尾行されたらなんにもならない。
>ねぇリリさん。なにかうまい方法ないですか?
>えーと。ドラえもんとかの道具でクローンロボットみたいなのとか、いないけどいると勘違いする道具とか(省略!)
「んもー。レイジくんレイジくんレイジくん。慣れない作戦考えるから無茶なこと言って〜。暴走してるよ。
ねー、バージル。バージルの心配したとおりじゃない。
そんなの無理よ無理。
牙の主側はあたしたちの動きは知っているの。さっき守衛の男が来たみたいに。
工藤も暴れたからわかってるの。
なにをしたって学校からあたしたちがいなくなれば不審に思うわ。尾行もされちゃうの。
あ〜ん。レイジくん。落ち込まないで〜。
話はこ、れ、か、ら。
牙は学校のことをなんでも知っているだろうけど、知らないことが一つだけあるのよ。
それはこの書庫でのミーティングの内容。
オカルト研究会がここでやっていることはわかっているでしょう。ポスター貼ったしね。
でもでもリリの結界でいままであたしたちがどんな会話をしたかは知らないはず。
ということはよ、こうすればいいの。
・・・・・もう一度結界張ってね。リリ。念のため。
いい?
んとね、皆が午後の授業さぼっていなくなっても平気なの。
どこに向かったかさえ牙にわからなければいいんだから。
尾行されないように行けばいいのよ。
尾行されないように行く方法があるの。
あたしに感謝しなさい。
あたしの魔法で空間を飛べばいいの!空間転移よ。横浜ランドマークホテルに!
きゃははははは。
忘れたの?あたしはテレポーテーションができるのよ」

360 名前:ラスティーリア ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 20:51:21
思いつきじゃない証拠〜↓
(過去スレ【TRPG】いまこそ幻想界に飛び込もう(人∀・)タノム!
>703 :ラスティーリア ◆/Xio6qyapk :2006/05/03(水) 11:18:47
>ラスティーリアは呪文を唱えた。「ビカイアマバル!」ラスティーリアの姿が消えていく。
>消える寸前にアッシュに告げた。微笑みながらこう言った。
>「ハラント。そのほうは妖艶ね。気に入ったわ。プレゼントよ」
>左の人差し指を口に当て、フっと息をふいた。ラスティーリアの口から直径30センチほどの炎の塊が現れて、
>アッシュめがけて飛んだ。
>「無礼の仕返しよ。きゃははははははははは」
>置き土産をくらわせてラスティーリアは消えた。

>824 名前:ラスティーリア ◆/Xio6qyapk :2006/05/07(日) 13:52:42
>礼司を無視して置き去りにして、エルウィンはアッシュの手を強引に引き地下祭殿の中へと駆けていく。
>礼司が追おうとした時、背後で小さな声が聞こえた。
>「オル・ビカイアマバル」
>礼司が振り返ろうとしたが出来なかった。
>ラスティーリアが、礼司の背後にテレポートで現れて腕をからめた。

361 名前:ラスティーリア ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 20:52:23
「あたしの空間転移魔法で移動すればいい。連れてってあげるよ。
きゃはははははあん!
牙はどこにあたしたちが消えたかわからないで慌てるでしょうね。
体のサイズが25分の一で魔力が弱いけど、えへへへへ。いいものがあるのわかってるのよ。
魔力を増幅させる便利な祭器があるでしょ。
フランス人形がくれたビー玉よ。
とってもおいしい魔法の気を感じるもん。魔法生物のあたしには感じますます!
それがあれば皆を運べるよ。持っているでしょ?
今から横浜ランドマークホテルに飛ぶ?
どうする?」

362 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 21:20:25
>353
こちらを確認するや否や、先生がいつのまにか目の前に出現してきたので吃驚して心臓が止まるかと思った。
>「あら!ヤスじゃない!パソコン部なのにオカルトに興味があったの?
私達はオカルト研究会よ!今夜吸血鬼と決戦なのよ!」

ちょうどいま、最も気にかけている単語が以外な人物から聞かされた。
『吸血鬼』。それは昼間の怪異であり夢のような出来事。
それが原因で昼休みを棒に振ってしまったのだから、偶然といえど気にかかるというもの。
その気になる言葉に続いたものは、現代社会において真意性のないできの悪いジョークレベルの話。
おそらく間に受ける人間はよっほどの物好きか吸血鬼の存在を信じようとしている者ぐらいだろう。
なんの冗談ですか、と普段の俺ならば言っているだろうがどうやら俺は昼の怪異でそれを信じてしまっているらしい。
それにしても、吸血鬼と決戦?わからないことだらけだぞ畜生。

>354
>「え…… えーと。あ、あれ?ここに来た?の?テンポー。いままでのミーティング聞こえちゃっていました?
………あ!」
「ちょっと待ておら。いまテンポーっつったかこの野郎。いまから土下座してこう言うんだ。『テンポーっていってすいません』と」
>「工藤先輩がさっきパソコン部の、って、まさか、なにか知っていますか?」

「ここにきたのは偶然なんだが、実は昼間に三年にいったらば部長に血を吸われてしまいましてね。
青少年相談センターに問い合わせた所、イジメと勘違いされたんで他に相談するとこがなかったのでここに来ました」
まだ心のどこかで吸血鬼の存在を否定しているのか、冗談まじりのふざけた口調になってしまった。
『馬鹿じゃないのこいつ』というような目で見られるか、それとも真摯になって相談に乗ってくれるかわからない。
一筋汗を垂らされて、なんの話ですか?という風に答えられたら赤っ恥もいいところ。
だがここの連中はなにか普通とは違うような感じがしたから、笑われるようなことを相談できたのかもしれない。

>「夜って19時くらいからなんでしょ?だったら放課後みんなで私の家に集まらない?
食事くらい出すから。ヤスも来るでしょ?」

相変わらず吸血鬼退治やらと平然といってのけ、誰もツッコミを入れない。
叩くやら、殴りこみやらと物騒な単語が先生の口からでてくるがこっちはひとつも理解できていない。
強いてあげるのならば、先生が遊びにこいと。
それによって三日続いてまた今日もでてくるであろうカレー地獄から逃れられるということだけだった。

363 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage サブキャラ投下] 投稿日:2006/07/18(火) 23:39:25
だりぃコイツぁ死ぬ程だりぃな
大男は苛々しながら廊下を歩いていた。
原因は出る寸前に見せ付けられた水無月の手紙である。
何が勾玉を机に移動させただド畜生!
だが俺が怒ってるのはそれだけじゃねえ。

>「鬼に横道なきものを〜♪」
糞がっ!糞が糞が糞が糞がぁ!!!。
あの小娘この俺を侮辱するつもりか、糞っ垂!

>「あの…すみません。」
その時苛々とする大男に声を掛ける少年の声。
誰だ?だりぃなオイ。
振り返ると先の図書室の中にいた小僧がいた。
小僧は俺の顔をオズオズと見ると意を決したように頼む。
牙の使徒になりたいと…。

「坊主、それが人に物頼む良い方だと思ってんのかい?」
そう言いながらガシリと大きな手が神崎の頭を掴んだ。
そのまま怪力で上に掴み持ち上げる。
そして顔を思い切り近づけた。
「俺がただで動くお人好しにでも見えたのかい?ならご愁傷様だってんだ。」
口調は笑ってはいたが、目は笑ってはいなかった。
そして大男は掴んでいた手を離した。
「嫌とは言わねえ、俺ぁ証明が欲しいんだ。」
二人の間に一瞬の間が流れる。
「坊主がな、獅子身中の蟲じゃねえ証がよぉ。」
神崎の首筋を軽く引っかきながら大男は言う。

「まあどちらにせよ俺に頼むのはお門違いだがな。」
最近のガキは頭が働きやがる。
それに獅子身中の蟲はもう懲り懲りだからよぉ
同じ伝手は二度と踏まねえ様にしてるって訳だ
「ま、土産話か奴等の生首でもありゃ俺の所に来な。気が向いたら担当を紹介してやる。」
指に軽く小僧の血が付いているのを、
確認すると大男はその場を後にした。

364 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage サブキャラ投下] 投稿日:2006/07/18(火) 23:45:47
しばらくして大男は守衛室で座っていた。
机の上には手紙に記載されてた通りの勾玉 。
大事そうにそれをポケットの中に入れる。
危ねえ、危ねえ、何かあったら主様に消されちまう。

しかし、どうも落ちつかねえ。
あの嬢ちゃんの声が脳裏に過ぎる。
>『ねえおじさん、おじさんは吸血鬼と違って、昼間でも全然問題なく動けるんでしょう?
>――――だったらおじさん、退屈してない?
>「昼間のうちに目障りなノスフェラトゥを始末したい」って考えた事はないの?』
ケッ・・・興味はねえ、夜にゃ会えるんだ。
余分な手間掛けてヘマやらかしたら主様に消されちまうしな。
どの道、俺の仕事ぁ夜だけ、俺ぁ夜頑張りゃそれで万事OK。
リスクを犯してまで契約を破るのは、ただの馬鹿だ。工藤のお嬢みたいによぉ・・・
何で馬鹿な真似しちまったんだよ・・・お嬢。俺ぁ悲しいじゃねえかい。

―――だが、気にならねえ訳じゃねえ。
大男はロッカーに向けて声を掛ける。
「おい虎熊?いるんだろ?出て来い」
その呼び声に答えるようにロッカーが開いた。
中から出てきたのは小汚い男。
「へい・・・何様ですか御頭。」
小柄で無精髭の貧乏臭いの男だ。
格好からしてホームレスと間違われそうだがな。
大男は一瞬考えたが、すぐに口を開いた。
「お前は主様とは契約してなかったろう?」

「へい察しの通り、あっしの主人は御頭一人だけでごぜえます」
俺ぁ主様との契約があって昼間に勝手にゃ動けねえ。
だからコイツに一つ仕事を頼むって寸法よ。

「お前ぇちょっとコイツ等を見張っとけ。
 下手な真似すんなら相手を見て殺しても構わねえからよぉ」
大男は子男の顔に神崎の血の付いた指と
アッシュを突き飛ばした箇所を差し出した。
虎熊はその臭いを入念に嗅いでいたがやがて顔を上げる。
「心得やした御頭。」
子男は無表情で答え、
そして虎熊は闇を纏うように天井へ消えた。
なーに偵察や探索に関してはこの男の右に出る奴ぁいねえだろうよ。

さぁて、俺ぁ俺の仕事をするかい。
守衛室の扉に『ようがあるならノックすること』と張り紙を張ると
大男は仮眠室へ消えていった。
無論眠る訳じゃねえがな・・・

365 名前:薄汚い老人 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 00:11:41
―名前・虎熊竜二郎
―性別・男
―年齢・初老
―髪型・帽子を被っている為不明
―瞳色・黒
―容姿・古びた黒Gジャン、青い汚れたキャプ帽
―備考・160cm程度の身長にホームレスの様な薄汚れた服装。大男の手下

366 名前:兼松 実年 ◆BKTOFPLGKA [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 01:35:12
屋上に居た。じゃない、居る。雨に打たれながら。
勢いが弱いったって、雨であることには変わりない。
頭の天辺から爪先まで濡れてるような、そんな、気分だ。

守る、とか三流の言葉を吐いたって。
実力なんか最初っから伴っていやしない。
僕が何を信じて何を信じなくたって。それはどんなことにも影響を与えない。
中途半端な奴さ。…そうだろう?「兄弟」?

『・・・驚いたな。今はまだ昼間だってのに』
聞こえていたことは聞こえていたんだ。声が。僕はもう、吹っ切れたから。
『・・・で?俺にどうして欲しいんだ?』
力が、欲しい。昨日よりも、もっとだ。
『・・・力、ネェ・・・クックック、いいぜ、お安いご用さ。昨日の夜にお前に教えた言葉、もう一度言ってみろよ』
もう一度?今、か?…いいだろう。
「――」

その瞬間。体が痙攣した。
「…な…に…?」
『ハッハッハァ!今までありがとよ、キョーダイ。お前の強くなりたいという気持ち、確かに受け取った。
 そして今、叶えてやったぜ?「俺が主体になる」という方法でなァ!』
何だ?お前は何を言っているんだ?
『お前の中で俺も随分暇を持て余していたからな、久しぶりの娑婆だ、楽しみだぜ』
僕が、僕でなくなっていく。
『本格的な活動は夜だな・・・ま、これからも仲良くやろうぜ?キョーダイ。
 ・・・もう、お前の意識は、消えるんだけどな』
ああ、ああ。

寒気がした。
異物感がした。
視線を落とした。
僕の腕に蠢いていた、無数の 「 * 」

叫び声すら、出なかった。
僕の頭で何かが弾けた。
弾けたのは、僕自身。
それは僕が僕でいられた最後の光景。

闇へと、堕ちゆく。
灯りは視えない。

Not to be continued...

367 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 19:25:39
背後から声をかけられた気がして、私は振り向いた。
変ね、サネ君の声だったような気がしたんだけど・・・・・空耳かしら?
私は再び皆の方に注意を戻した。

向井という男性は、私の誘いに乗ってこなかった。
非常に興奮した様子で、何かに心をとらわれているようだった。残念。
でもまあ・・・しょうがないわね。

昼休みも後少し。結界なんて張らないつもりだったけど・・・。
>私達はオカルト研究会よ!今夜吸血鬼と決戦なのよ!」
しまった、ベルが居たんだっけ。
ダメね、ベルは放っておくと何を言い出すかわからない。
私は慌てて3度目の結界を張った。

>天保君
新しく書庫に入ってきた男子生徒には、見覚えがあった。音楽室付近で具合が悪そうにしていた生徒だ。
軽く会釈しようとして、彼の名札に気づいた。あ、この人が天保くんなのね。
たしか、倒れてた私を保健室に連れて行ってくれた人だわ。
「え・・・・・と、テンボー・・くん?さっきは保健室に運んでくれてありがとう。重かったでしょう?
あなたも具合が悪そうだったのに、ごめんね」
にこりと微笑み、深々と頭を下げた。
「それと、吸血鬼に襲われたって本当なの?身体の方は何とも無い?」
時間の撒き戻しで、体の方も元に戻ったのなら良いのだけれど。

>「夜の闇が学校に降りるまえにベルさんの家に集まれるなんて光栄です。(略)
>「ノスフェラトゥの部屋で交渉する。決裂したら戦う。吸血鬼には不利な昼の時間に! (略)
これにはまいったわ。身代わりを立てても、ばれるに決まってるもの。
第一ベルの言うとおりだ。中学生がホテルに入れるわけがない。
一番いいのは、ここから直接ノスフェラトゥの部屋へ乗り込む事。
どこでもドアと同じ効果の『ゲート』の呪文が使えれば話は早いのだけど、あいにく私には・・・・。

頭をいためていると、意外な人物が助力を申し出た。ラスティーリアだ。
>「んもー。レイジくんレイジくんレイジくん。慣れない作戦考えるから無茶なこと言って〜。暴走してるよ。(略)
話の途中で結界を張って欲しいと頼まれた。話しても大丈夫、と身振りで合図する。

>ラスティーリア
ラスティーリアの話では、テレポートでホテルに直接乗り込めるという。
まあなんと手回しの良い事。ここまで来ると意図的なものを感じるわ。
>今から横浜ランドマークホテルに飛ぶ?
>どうする?」
『ごめん、私は行けない・・・・・今は魔力が落ちてるから、行っても足手纏いになるだけ』
申し訳無さそうに肩を竦める。
『それよりも学校に残って、色々探ってみるわ。
ねえラスティーリア、あなたが本気でレイジに味方する気なら、いいものをあげる。・・・・で、皆はどうするつもり?』
ロザリオを外しながら、ベル、堀江くん、天保君以外の人物に念を送る。
(本当は結界を張ったから、念を送る必要など無いのだけれど・・・まあ天保君の目があったので。)

>藤田君
『それからね、レイジ。さっき交渉に賛成したのはあくまで上一中からノスフェラトゥに接触する場合―――遠距離での交渉限定よ。
直接乗り込むなら話は別。ホテルに踏み込むなら交渉はありえないわ。
ノスフェラトゥに奇襲をかけられる絶好のチャンスを、みすみす棒に振るつもり?』

368 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 21:10:40


>藤田礼司様

>「待って、ふたりとも!ここに来て!」

藤田に呼ばれ、消えるのを一瞬躊躇します。
しかし私には時間がありません。私はハァ、とため息をつくと藤田に真っ黒なホイッスルを一個投げました。
「すみませんが、私は少々急いでやる事があるのです。なので…もし、手伝って欲しい時があったらこれを吹いてください。
吹くだけで助っ人が来ると思いますから…」
そう早口で言うと私は消えました。
大男は待ってくれませんしね。

>守衛の大男様

>「坊主、それが人に物頼む良い方だと思ってんのかい?」

そう言いながら頭を掴まれ上げられます。私は下を見ました。
うわ〜高い高い、大した怪力です。大男は顔を近づけました。
>「俺がただで動くお人好しにでも見えたのかい?ならご愁傷様だってんだ。」
おやおや、大分機嫌が悪い状態だったらしいです。降ろされつつ私はこの時点で今交渉するのは諦めました。
大男はぶっきらぼうに話しを続けます。
>「嫌とは言わねえ、俺ぁ証明が欲しいんだ。」
>「坊主がな、獅子身中の蟲じゃねえ証がよぉ。」
「証明…ですか…。」
私は考えます。っん〜証明、証明、証明。
男が首もとを引っ掻きます、血でシャツが赤く染まります。
嗚呼っ、もー汚しやがって、しかし私はなんとか我慢します。

>「まあどちらにせよ俺に頼むのはお門違いだがな。」

そう一言言うと男は私から背きました。
>「ま、土産話か奴等の生首でもありゃ俺の所に来な。気が向いたら担当を紹介してやる。」
…なるほど。私は考えました。土産話か奴ら…要するに藤田辺りの生首をちょちょっともってこいと。
やはりミスタードーナッツとかじゃダメなんですね。まあ大男がドーナッツを大きい手で嬉しそうに食べてる姿なんて想像出来ませんが。
私は血の付いたシャツの襟を摘みながら取りあえず音楽室に戻ることにしました。
何にしろ今やるべき事は着替えです。全く…めんどくさいめんどくさい。

369 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 21:14:15
藤田が強行に昼の対決を主張するので、ベルの表情が曇りだす。
ファンタジー小説を地でいく夜の対決など愚の骨頂でしかない。藤田の言う事に利はある。
ただ、その為にどうすればいいか、と言うことについてはまったく考えていないようだが・・・。
しかし、ロマンを全ての中心に持ってくるベルにとっては面白い話ではないのだ。

むっとする表情も長くは続かない。
顔を真っ赤にしながらアッシュに縋る藤田を見て、ベルの表情はにま〜と砕ける。
アッシュと藤田の顔を交互に見て、隣にいる天保に囁きかけた。
「ねえねえ、あの二人801な関係らしいわね。こうやって見ると耽美な世界が似合う二人よねー。どっちが受
けでどっちが兄貴と思う?やっぱり藤田受けかな。」
わくわくドキドキしながら妄想を巡らせていたが、その天保空も意外な言葉が浴びせられてしまう。
吸血鬼に噛まれた。と。
それを聞いた途端、ベルのにやけた顔が凍りついた。
『吸血鬼に咬まれた者は吸血鬼になる。』広く一般に知られた事だ。
飛びのくように天保の隣から藤田の後ろへと移動。
「ヤス!あーしてみて!あー!」
藤田の背中に隠れながら天保をに向けて口をあける仕草をした。
吸血鬼になっているのなら牙が生えているからそれを確認する為だ。

藤田の後ろで警戒していると、紙の様にぺしゃんこになったラスティーリアがひらひらと舞い降りる。
着地と同時に厚みを取り戻し、ゲートでノスフェラトゥーのところまで連れて行くという。

リリのように念話で話す者もいれば、ラスティーリアのように肉声で話す者もいる。
それにより、ベルにとっては会話が飛び飛び途切れ途切れでよく判らないが、それでもよかった。
既にラスティーリアの話は聞いていなかったからだ。

「潰してこうだって事は・・・斬ったら・・・斬るだけじゃ駄目ね、ヘラクレスに倣って斬って焼いてみたら・・・。でも
火が・・・。」
そっと鉢植えを足元に置き、しゃがみこんでいる。
据わった目で凝視するその先はラスティーリア。
そっと小さなラスティーリアの手を抓み、ポケットに隠し持っていたカッターを当てようとしていた。
火が見つからないのでそのままだが、なぜかその刃は熱を帯び赤く爛れていた。



370 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 22:17:07
愁弥は目の前のあらゆる変化をただ呆然と見ていた。
ベルの人格が変わったと思ったらいきなりこの土地の神話やらなにやらを話し始めるし、ネズミ男を倒しにホテルまで行くなんて話まで出てくる…

事の一部始終を黙って眺めていると、突然工藤先輩が現れた。
いろいろと話した挙げ句、工藤先輩は急速に老化していく…
ルールを守れなかったら老化するなんて、こりゃもう浦島太郎の世界じゃないですか…
今度は投げられた虎男が飛んでくるし………って…え?
投げられた浄斗がぶつかり、愁弥はバランスを崩し後ろに倒れた。「いてて…大丈夫か?」
愁弥はポケットにいつの間にか入れてあった予備の伊達メガネを掛けた。メガネを掛けると共に愁弥も元に戻った。

同時に見覚えのある生徒が入ってくる。
パソコン室の前にいたやつか…華山さんと藤田は明らかに名前を間違えてるよな…
「藤田、華山さん。彼はアマヤスと呼ぶんだと思うんだが…ほら、彼はお怒りの様子だよ」
愁弥はため息をつくと、壁にもたれかかった。

371 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 22:50:50
話を聞いてる限りではベルと華山さんはネズミ退治に反対していて、藤田やちっこい奴や水無月先輩は賛成派といったところだろうか。
愁弥も思わず口を出した。
「そんなに意見が分かれるなら、いっそのことホテル組と居残り組の二手に分かれて行動するってのはどうだ?
全員がボロボロの状態で夜を迎えるより何人か元気な奴がいたほうがいいだろうし、もしホテル組の奴らがてこずって夜までに帰って来なかったら居残り組の奴らが事を進めればいい。
それに学校にもさっきの守衛や牙の使徒がいるわけだし、別の敵が来るかもしれない。
だから二手に分かれた方がもしもの場合にも対処出来るからいいんじゃないか?」
話し終えると、その場にいる全員を見渡す。
一人だけこっそりカッターを取り出している怪しい奴がいる…
ベルを止めた方がいいのだろうか?

372 名前:白猫ギコ ◆bKsiyZTrCA [sage白猫化は水無月ショック] 投稿日:2006/07/19(水) 23:00:02
「みっちゃんが死んだ。ボクのみっちゃんが。みっちゃんが死んじゃったあーーーーー!」
号泣。
「みっちゃんの遺言はボクがかなえるにゃ!
全ての吸血鬼に死を!だから早くワープで運んでほしいにゃ、ラスチーリア!
にゃ!?」
>ベル
>そっと小さなラスティーリアの手を抓み、ポケットに隠し持っていたカッターを当てようとしていた。
>火が見つからないのでそのままだが、なぜかその刃は熱を帯び赤く爛れていた。
「にゃにやってるんにゃこの女は!?ふぎゃーーー!」
ボクがベルの顔面に跳びかかったにゃ!おもいっきりツメ立てて!

373 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/20(木) 00:06:08
>367
>「え・・・・・と、テンボー・・くん?さっきは保健室に運んでくれてありがとう。重かったでしょう?
あなたも具合が悪そうだったのに、ごめんね」

彼女は天使の微笑みで礼を言う。むしろこっちが礼をしなければならないほど貴重な体験だった。
男ならば倒れている女性(一部例外あり)を介抱してなんぼ。ましてやそれが美少女ならば死んでもかまわん。
ただ……なんというか、―――名前間違ってますよ!
俺の名前は「あまやす ひかり」断じて点棒でもなければテンポーでもない。
友人と同じノリで激しいツッコミを入れたいわけだが、相手は女の子。
右手で作ったツッコミの形を左手で震えながら必死に押さえる。
「……いえいえ。当然のことをしたまでですよ」

>370
>「藤田、華山さん。彼はアマヤスと呼ぶんだと思うんだが…ほら、彼はお怒りの様子だよ」
「めがねくんの言う通りだが、別に怒ってはいない。だけどなんでだろう、目の汗が止まらないや…」
誰にも見られない角度に俯いてハンカチで目を拭う。本当に涙を流しているわけではなく、もちろん演技だ。

なにか話がどんどん進んで行く。俺はというと話についていく気は端からなく、感慨にふけっていた。

>369
>「ねえねえ、あの二人801な関係らしいわね。こうやって見ると耽美な世界が似合う二人よねー。どっちが受
けでどっちが兄貴と思う?やっぱり藤田受けかな。」
先生…あんたいきなりなにを言いやがりますか。
俺としては憧れであるのだからそういう姿は見たくないわけで…801というその筋の言葉をどこで覚えたのだろう。
「いや、俺にふられても困りますがな。
そもそもあなたは花も満開の思春期なのですから、ああいった類のものに興味を示しちゃいけませんぞ」

吸血鬼に噛まれた、と正直に言ったら意外や意外。皆信じてくれたようだ。
華山さんなど襲われたことに心配してくれているみたいで、身体のほうの気遣いもされてしまった。
「いや、いたって健康で体のほうは大丈夫だよ。たぶん…」

先生だけはなぜかさっきまでは無邪気な笑顔を振りまいていたのに、珍しく驚いて隠れてしまった。
>「ヤス!あーしてみて!あー!」
口を開けろということらしい。多少疑問はあるが、口を大きく開けてみる。
虫歯もとったし、別になにもなかろうと指で確かめてみると左右に一本ずつ鋭い歯があった。

374 名前:モロー博士@ホテル ◆IxWLLdwUuI [sage] 投稿日:2006/07/20(木) 01:30:41
「ラスティーリア嬢、ノスフェラトゥ様はもうお休みになられましたかな。
・・・そうか、仕方ありませんな。
研究結果を見て頂きたかったのだが、ふむ、うむ。(ブツブツブツブツ)」

―名前・ モロー博士
―性別・ 男性。
―年齢・ 60代。
―髪色・ 髪は黒。顎と下頬を覆う髭は白。
―瞳色・ 深い青。
―容姿・ 眼光鋭い白人。
―備考・ H・G・ウエルズ著「モロー博士の島」より出典。

375 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/20(木) 19:33:54
服の埃を払いつつ、敵拠点への侵入計画に聞き入った。
ラスティーリアの魔法で直接ホテルへの移動が可能だというけど
メンバーの中には、昨晩の彼女の動向を疑っているらしいものも居る。
ボクも彼女を特別信用している訳ではないし、
テレポートで敵陣のど真ん中へ飛ばされるってのは、どっちにしろ気分のいいもんじゃないだろう――普通の神経してれば。
棺桶は隠すなり罠を張るなり、齢数千年ともなれば相当生き意地きたない筈の「不死者」に似つかわしい準備があって然るべきだ。
おまけに夜族が人間界に紛れていながら、大勢の兵隊を自由に動かす余裕は所謂三バン、
カバン、看板、地盤に困っていない証拠。昼の世界で戦争するとき、何よりも強い三種の神器となる。

その点レイジは、自分らが「負ける」リスクを認識していないふうな口ぶり。
リーダー向けではないけど、彼は戦争屋ではなくて戦士だから当然の思考回路だろう。
ボクらはどんなに散らかったフィールドへも、いざって時には純粋な闘争の原理だけ持ちこんで、足場を切り拓けるからだ。
早い話が、面倒が起きたらまず得物を抜いちまえばいい。舞台裏の事情なんざお構いなし、壊すだけ壊して、
多すぎたモノに隠れて見えなかった大事なカギさえ、もしかしたら見つけられるかも。
そして負けることは考えない、負けたら大抵死ぬから。自分が死んだ後の話なんて知ったこっちゃない、だから認識する必要もない。

情報は最低限揃った、とボクは思う。
方向性さえ決まれば動きようはある。現時点で邪魔におもえるモノを一つずつ片づけて、いずれ道は拓ける。

「メガネの言った、二手に分かれる手が順当だな。
鉄火場向きのを誰か一人寄こしてくれれば、ホテルはボクとレイジとソイツと、あとラスティーリアで足りる。
バージルは女のコを守って、空いたヤツが水無月と……神崎か? その二人を見張って……てのはどうだい、隊長?」
レイジに振りむく。
工藤と大男(オーガー)にかまけていて、二人を逃がしたのはマズかった。
よく見ればクリスの姿もない。ことによると、彼女の監視を優先するべきか。
そこら辺はリリかレイジが考えることだから、口には出さないけど。

>「なにかの集会かなにかですか?」

新たに参加した学生はベルの知り合いで、コイツも一般人くさかったが
吸血されたという話が出ると、俄然皆の眼つきが締まった。工藤が契約上の処分対象になった原因とはコレか。
ボクの立ち位置からだと吸血痕は見えにくかったものの、ベルに言われるがままに剥いた牙で事実確認は十分だった。
抜きっぱなしだった自動拳銃を「ヤス」と呼ばれる彼に突きつけて
「さあ、両手を頭の後ろで組め。それ以外に余計な真似はするな。
余計な真似すりゃテメエはパソコンを諦めるか、地獄で坐してビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズを待つハメんなるぜ。
青少年相談センターが脳ミソの詰めなおしまでやってくれるとは、オマエさんだって考えちゃいないだろう?」

大口径拳銃だが銀弾は装填されていない。確実に仕留めるならヘッドショット、幸い距離はそれほど開いていない。
あんぐり口を開けたまま硬直するヤスへ、軽く銃を振るって指図する。
「あんまり遅えから、止めの杭は心臓よか先にケツへブチこんじまってみてもいいかな?
『そういった類』に興味ないのなら、死んでも貞操は大切にするべきだよ、テンポー」
地獄耳のボクは、チラとレイジの表情をうかがいながら言った。

376 名前:ラスティーリア1/25 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/20(木) 21:00:24
>ベル
>据わった目で凝視するその先はラスティーリア。
>そっと小さなラスティーリアの手を抓み、ポケットに隠し持っていたカッターを当てようとしていた。
>火が見つからないのでそのままだが、なぜかその刃は熱を帯び赤く爛れていた。
「離してよぉ!目が危ない!あ!・・・ああ!いや!」
嫌がるあたしを見るベルの目は逝ってしまっている。
>ギコ
>「にゃにやってるんにゃこの女は!?ふぎゃーーー!」
>ボクがベルの顔面に跳びかかったにゃ!おもいっきりツメ立てて!
「きゃはははははははは!いいぞぉ!ギコ!かわいい!
ああ、いや!なんて言ったのは嘘よー。
ベル、残念なこと思い出させてあげる。昨日の夜は見てなかったかしら、あなたは?
効かなかったけどあたしがノスフェラトゥに火を吹いたのを」
ギコと格闘しているベルの手から飛んだカッターをあたしは受け止めると、灼熱化した刃先を舌で舐めた。
あたしは火の属性を持つ魔法生物よ。現世の火も魔性の火もあたしの友達!
きゃははははは」
>護末田
>「いっそのことホテル組と居残り組の二手に分かれて行動するってのはどうだ? 」
「ふむふむなるほどなるほど。リリは(と疑われているのを感じているので冷ややかに横目で見る!)学校に
残るって言っているしね。
でもね、あたしが空間転移で飛べるのは一度行ったところしか駄目よ。
昨日は横浜ランドマークホテル近くの空でノスフェラトゥの蛇に打ち落とされたんだから、その辺りしか飛べないわ。
ノスフェラトゥの部屋までなんて飛べないよ。
ホテルそばの土地になっちゃうんだけどな・・・」
>アッシュとテンポー
「ふたりとも遊んでないでどーする?
あたしとしては〜ホテルに行ったほうがどんちゃん騒ぎになりそうな気がするわ。きゃは。
ベル〜。吸血鬼の部屋に訪問できるチャンスだけど?いろんな魔法グッズあるわよきっと。
えー。
コホン、まじめな話を。
あたし達がただノスフェラトゥを倒してもそれだけだったら牙側が得するだけ。
牙に関すること、契約に関すること、これらを当事者本人のノスフェラトゥから搾り出すのが目的でもなければ、
工藤の死が無駄になるわ。
もしミーティングの推理通りにノスフェラトゥもなにかの祭器を持っているのなら、それをあたしたちが手にいれる
ことは大きな意味を持つわ」

あたしは空間転移の念に入った。書庫に今あるドドのビー玉達がが光出す。
「もう話すのは限界よ。昼休みが終わっちゃう。言いたい事とか作戦とかあれば早く言ってね〜」

377 名前:ラスティーリア24/25 ◆/Xio6qyapk [sageランドマークホテルは間違いでしたね] 投稿日:2006/07/20(木) 22:07:54
>モロー博士
「ノスフェラトゥ様は忌々しい陽が落ちるまでお目覚めになりません」
メイド服のラスティーリアは、古き血の者の配下モロー博士に会釈すると与えられた小部屋に下がった。
ノスフェラトゥの泊まるランドマークタワー横浜ロイヤルパークホテル66階VIPルームは、居間、寝室、バーカウンター、キッチンなど
全部で12フロアー、一泊110万円の豪華ルームであ〜る。

378 名前:神崎&ドド ◆.QaFws1PO. [sage 反則技すみませんorz] 投稿日:2006/07/20(木) 22:32:52
音楽室に戻り私は例の扉に入り、シャツ三枚と、ズボン一枚にタオル一枚、そして学生鞄を持って出てきました。
ドド先生は音楽室にはいません。
全く…今日は汚れ仕事が多いです。私はシャツを脱ぎ、新品のシャツに袖を通すとボタンを締めました。
残りの二枚はさっき持ってきた学生鞄に入れます。そして代わりに出したのがCDプレイヤー二つと数枚の真っ白なCD…に見えるでしょう。
私は二つのプレイヤーにヘッドホンを接続します。
実はこれ、ちょっとした盗聴装置です。私はドド先生みたいに耳が良いわけではありませんのでこれを使わせて貰います。
これさえ使えば指定したポイント、人物の半径10`以内の音をより明確に、正確に、音量はっきりと聞くことが出来ます。
人物指定の為の条件は二つ、一つは私の存在を知る事、二つは私が投げた物を対象物が受け止める事です。
藤田礼司に最初にギコ猫を投げたのはこいつの為、いやはや、やっといてよかったです。
藤田礼司はあの団体ではリーダー的存在。会合を開いたのもこやつ、まとめていたのもこやつ。
私はCDを二枚取り出すと人差し指で真っ白な面をなぞりました。綺麗な蒼のグラデーションがかかります。これで盗聴可能です。
こいつなら大男の土産物として良質な物でしょう。なんせ私と握手を交わさない限りこの盗聴は永遠解除されませんしね。

それにしてもあの藤田礼司という男、余りにも甘すぎます。
敵か味方かも定まってない人間に簡単に自分の能力をばらすなんてね。
…何故、あの坊ちゃん刈りの坊ややリリお嬢様達はあやつに従うのでしょうか。
あやつには…何かもっと大きな力でもあるというのでしょうか。

私はCDプレイヤーにCDを二つ共入れると、一つ目は自分が付け、二つ目は学生鞄に入れました。
再生ボタンを押します。すると彼の会話が明確に聞こえてきました。

ごめんなさいね、藤田礼司。でもね、目的地はあなた方と同じなのですよ。

私は少し微笑むとふと一つある物を持って行こうと思いました。
再度机に鞄を置くと、私は鼻歌を歌いながらドド先生の机を物色します。
念には念をです。あのCDプレイヤーだけじゃ信頼してもらえないかもしれませんしね。
それにこいつはきっと人食い大男様なら喜ぶでしょう。
さてはてどこに…嗚呼、あったあった、これですこれです。

出刃包丁v

私は鞄の中に出刃包丁をくるっと一回転させると学生鞄に入れました。
さて、交渉準備も万端です。
私は鞄を肩にぶら下げると浮き浮き気分で早速大男のところへレッツゴーしました。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
一方、ドドはとある教室のドアの前に居た。
少々暫くドアをじっと見るとドドはおもいっきしドアを蹴り破った。
盛大な音を立てて壊れて開くドア。
丁度国語の授業中だった生徒達、先生はもの凄く驚いた顔をした。
しかしドドにはそれは関係無く、その生徒の中の一人の生徒を指さして言った。

「おい、クリスティーナ。表に出な。」


379 名前:国語の先生[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 00:38:09
「ドド先生、壊したドアを元通り嵌めて下さい。先生がそんな具合じゃ、生徒に示しがつきませんからね。」
国語の木村先生は落ち着いた老婦人だった。
だが毅然とした態度で、教師にあるまじきドドの態度をたしなめる。
「それに今は授業中です。
 クリスティーナに授業を放棄させるほどの重要なご用件とは、一体何でしょうか?」
仮にも今は授業中だ。
木村先生も、それ相応の理由が無ければ引き下がる気は無さそうだ。

380 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 00:56:59
>378
「あーあ、ドアのガラス割れてんじゃん…信じらんねー」
「今のどう見てもわざとだったよな、これ器物破損の現行犯じゃね?」
「言えてるw」
「ふはは!音魔女タイーホってか!」

そんな会話が、教室内でひそひそと飛び交っていた。

381 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 01:16:07
パシャッ
ある生徒が携帯のカメラでドドがやった犯行を写真に撮った。
写真を撮った生徒は直ぐに他のクラスの友達に、先程の画像を添付したメールを送りまくった。

382 名前:薄汚い老人 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 01:29:13
虎熊は昼にもかかわらず巧みに闇を纏っていた。
ただ言付けを守るがまま、
図書室を本棚の影から覗いていたと思いきや
次の瞬間廊下にいる神崎を壁の影から覗いてたりする。
それは常人にとって見えない存在
足音も無くただ影の如く。消えては現れ現れては消え。
熊虎と言う存在そのものを消していた。

やがてそれは移動するのを止めた。
神崎が大男へ会いに行ったの確認したのだ。
となると残る選択肢は一つ。

書庫

監視場所を一つに搾ったのだ。
「・・・・・・・・・・・・・」
何も言わずジッと見ていた。
「・・・・・・・・・・・・・」
自縛霊の様に瞬きもせず無表情で。

383 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage レス書いてたら投下されてたかorz] 投稿日:2006/07/21(金) 02:31:56
大男は再び守衛室に戻っていた。
手に持っていたどこにも勾玉は見当たらない。
だるそうに椅子に寄り掛かりながら新聞を読んでいる。
ふと大男が口を開いた。
「どうしたい、首でも持ってきたのかい坊主?。」
ドアはノックされていない。
だがな、奴の臭いって奴を感じたんだ。
そりゃあ、もう臭ぇ臭ぇ嘘を纏った臭いをよぉ。

熊虎の野朗、どうやら的を絞ったみてぇだな。
まぁ俺がいるのに監視ってのも変な話か。
大男はドアの方を振り向かず、だるそうに。
「開いてるぞ。」と一言だけ言った。
ドアが開く音。
後ろを見ずに言う。
「なあ坊主、坊主が考えてるほど主様は優しくはねぇぞ。」

「そもそも、坊主がなんでそんなに力が欲しいのか理由を言え。
 牙の使徒の末路ならさっき見ただろうがよ。」
土産に何もって来たかは知らねぇがよ、
何も知らねぇ一般人なら兎も角。
常人じゃねえしリスクを知ってる奴がわざわざ来るわけゃねぇ。
大男の苛々した感情がやがて怒りに変わりつつある。
無論水無月が引き金である。

「それによぉ坊主から嫌な臭いがしやがる、そうあの魔女の臭いって奴がな。」
チラッと一回だけギロリと後ろを睨み付けた。
部屋の空気が凍りついた。
まるで大男ではなく猛虎がそこにいるような錯覚を覚える。
これ以上俺の怒りに振れねえ内に帰りな。
そして視線は再び新聞に移される。

384 名前:クリス ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 09:21:05
私は無意識に立ち上がり、声を発した。

「……はい……」

それは確かに冷たい口調。けど普段の私の冷たさと違って、そこに感情はない。
まるで自分じゃないような、不思議な感覚。
指揮を聞いて行動してるんじゃなくて、無意識に身体が音魔女の方へ動く。

と言っても、別に音魔女の言葉に逆らおうとしてるわけじゃない。
そもそも逆らうという選択肢自体が頭のなかに存在出来ない。
従うという考えしか浮かばなかったし、無意識にそうしてる。

そして、私は音魔女について行った。
……無意識に。

385 名前: ◆Lm2AC1CyeA [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 09:33:58
すぐに立ち上がるクリス。
クリスのようでクリスでない声。
白く濁る瞳。
音魔女の腕に嵌まった銀色の腕輪が紫色の妖しい光を放っている。

その光景に、写真を撮ろうとした生徒はシャッターを押せなかった。

386 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 12:02:51
>>381
ドア破壊の写メールは、ある上一新聞部員の携帯にも届いた!
久々の特ダネだ!
上一新聞号外は、早ければ今日の夕方にも発行されるだろう

387 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 13:59:22
生徒達は勝手にクリスを連れて行こうとする音魔女に、消ゴムを投げつけ始めた。

388 名前:シーラ・レファラシド・ドド ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 14:11:32

>「ドド先生、壊したドアを元通り嵌めて下さい。先生がそんな具合じゃ、生徒に示しがつきませんからね。」

スッと声の主を見るドド。
そこにはドドにはなじみ深い顔があった。国語の木村先生。過去にドドの受け持ったクラスの副担任をしていた教師だ。
当時初めてのクラスを持ったドドにとって、この教師は頼りがいのある師匠的な教師だった。
ひそひそ声が飛び交う教室、ドドは静かに右腕についている鈴をチャランと鳴らす。
するとドアがまるで時間を早戻ししたかのように元通りになる。生徒達はますますざわついた。ある生徒は消しゴムを投げようともした。
しかしドドが指を鳴らしたとたんにざわつきが止まりまるで何もなかったかのようにひたすら机の上の教科書を熱心に読み始める。
さっき起きたことの記憶もろども全部を消したのだ。
木村はそれを見て目を見開くとキッとドドを見て言った。

>「それに今は授業中です。
> クリスティーナに授業を放棄させるほどの重要なご用件とは、一体何でしょうか?」

にらみ続ける木村先生。ドドは優しげな口調で言った。
「……すみませんねぇ……実はクリスがついさっき調子悪くなったと聞きましてね。
心配でお見舞いしに来たって訳でございますですよ…」
「クリスティーナさんはもう大丈夫ですよ。それにわざわざ授業妨害してまで来る必要ないんじゃないですか。」
一歩も退かない木村。ドドはそんな恩師を見てフッと鼻で笑うと、一人立ち上がったクリスを指さして言った。
今度は強い口調で。
「クリスティーナの目を見てみな。あんなに白く濁ってるじゃないか。あれでもクリスティーナは正常だと言えるのかい?ええ!?
安心しな、ただ少々治療してやるだけさ。無料でね。…それともなんだい?また生徒を見殺しにする気かい?」
木村先生の表情が一瞬凍った。そして次の瞬間木村はドドに張り手をかます。

パンッ!

乾いた音が響く、それでも生徒は誰一人ざわつく事は無かった。
余りにも無機質な生徒達の顔。ドドはそんな教室を見て、含み笑いすると、木村を見て言った。
「あんたは何処までも哀れな女だねぇ。…少々クリスは借りていくよ。」
フラリフラリとドド先生の方へついて行くクリス。木村はそれ以上何も言えなかった。
教室のドアが開く音が響く、そして次に閉まる音がしたとたん、生徒達は一気に我に返った。
「あれ…?俺たち一体何をしてたんだ?」
「というか先生!早く授業再開してよ!」
一片にざわつく教室に響く授業再開希望の声、しかし木村は無表情で小刻みに震えながら教卓の前の椅子に座り込んだ。

後々、ドド先生が扉を壊したという新聞が配布されたが、教室のドアは直ってる上生徒達もなんだそれ?という反応、
結局は配布された写真も合成扱いされ、新聞部の不名誉な結果になってしまったなんて事は数時間後には有名なお話。

ドド先生はクリスをつれて音楽室に入った。
神崎はもういない。静かな教室の中、ドドはクリスを座らせ、腕に付けていた二個目のブレスデッドの鈴を鳴らした。
我に返るクリス。ドドはそんなクリスを見てニヤリと笑った。

「お目覚めかい?お姫様。」

一瞬ビックリした表情をするクリス。そりゃそうだろう。
何故ならクリスの記憶は保健室から出た時点で記憶があやふやなはずだからだ。
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389 名前:神崎 屑船 ◆.QaFws1PO. [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 14:13:09

>「どうしたい、首でも持ってきたのかい坊主?。」

ドアの前でノックしようとした手が止まりました。
しかし私は入るのに躊躇します。やはり人様の部屋ですしね。といっても守衛室ですが。
>「開いてるぞ。」
やっと入れます。私はドアノブに手をかけ「失礼しま〜す」と入っていきます。ヘッドフォンを外して。
するとそこにはいました、いました、あの大男が。私はドアの前に立ちました。
すると大男は口を開きました。

>「なあ坊主、坊主が考えてるほど主様は優しくはねぇぞ。」

大男を見ます。

>「そもそも、坊主がなんでそんなに力が欲しいのか理由を言え。
> 牙の使徒の末路ならさっき見ただろうがよ。」

>「それによぉ坊主から嫌な臭いがしやがる、そうあの魔女の臭いって奴がな。」
ちらっと一回大男は私を睨みつけました。体全体に鳥肌が立ちます。
うわ〜とんでもない男だこと、昔の私でしたら即逃げてましたよ。
どうやら本当に機嫌が悪いらしいです。帰れ帰れ的なオーラを感じます。
でも退くわけにはいきません。私は口を開きました。
「一つ言っておきますがこれはドド先生の意志じゃありません。私の単独行動です。」
少々ゆっくり目に話します。早口は苛ついてる人間には逆効果だと、どっかで聞いたような気がしたからです。
私は話を続けます。

「…もっと言わせて貰いますと、別に私はドド先生の部下という訳ではありません。
表向きはそうですが、その方が唯動きやすいというだけであって事実上は協力しているだけという関係です。
だから私はドド先生が死ねと言っても死にませんし無理なこと言われたら無理と断ります。
…私は唯、ある程度の物を〈清掃〉できる力を求めているだけです。そのためにドド先生と組んだのです。」

事実を話してます。何故ならこの大男に嘘なんて付いたらばれた時ただじゃすまされなさそうなのです。
…事実を言ってもただじゃすまなそうですが。

「だから…正直言って力をくれるなら誰でもいいんです。それが不死者の中心部にいる人間でも、藤田礼司達でも。
今回牙の使徒になる事を希望している理由も同様、力の欲しさの為です。…力の為ならあのようなリスクも喜んで背負いますよ。
眼球だって手足だって自由だって…命だってね。」

そう言うと私は鞄を開き、例のCDプレイヤーを大男に渡しました。
「土産話の代わりと言ってはなんですが、…盗聴器です。
恐らく生徒軍の中心部である藤田礼司に仕掛けた物です。早送りも早戻しもできますよ。…それでも足りないなら…」
再度鞄を漁ります、そして見つかり、一回大男に一つニッコリと微笑むと、出刃包丁を取り出しました。
そして一回転させ持ち手の方を大男に向けます。
「私の腕なり足なりお食べになられてください。どうやら貴方人間をお好みだと聞きましてもので。」


390 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 19:22:32
ターボ湯切り考えた奴、天才じゃね?

391 名前:ラスティーリア1/25 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 21:58:36
「さあ〜〜〜、もう発動するわよ飛ぶわよ!」
ビー玉達がピンク色に光る。
「あたしと一緒に行きたい人はあたしに心を合わせて。飛ぶと念じて。行くわよーーー・・・・と、そのまえに・・・ふっ」
あたしは一つの本棚めがけ口から火の玉を吐いた。
今のあたしには小さな火しか吐けないけれど威力は十分。魔性の炎よ。でも・・・なんの手ごたえもなし。
本棚の影になにか妖気を感じたんだけど。なにもいない。
「ま〜いいや。追い払えたみたいだし。では飛びますよー!ビカイアマバル!」
空間転移が発動した。

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392 名前:ラスティーリア1/25 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 21:59:41
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「オル・ビカイアマバル!」
空間転移成功。あたしはほっとした。25分の一のサイズになっちゃったけどうまく空間を渡れた。
出現した場所は広い駐車場だった。昨日あたしがノスフェラトゥを追って奴の蛇に逆襲された場所。
正しくいうならこの駐車場の上空だけど。
ランドマークタワーがすぐそばに見える。あらためて見るとなんて高い。こんな塔をよく人間が建てたもんだわ。
「あら!?」
見渡すとあたし一人、アスファルトの上。ほかの人は?
「一箇所には連れてこれなかったか〜」
でも学校からこのあたりに渡れた筈。近くにいる筈ね。この駐車場を中心にどこか近くに出現している筈。
「皆どこー・・・・あ」
叫びかけたけど大急ぎで口を塞いだ。
駐車場には人影はないけれど、停めてある車の中に人がいるかもしれない。
小さなあたしを見たら驚く。騒ぎになっちゃう。
それにいま車が一台入ってきた。
あたしは近くの車の下にささっと走って逃げ込んだ。
「う〜。だれか早くあたしを見つけて」

393 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 23:09:16
>ラスティーリア
>「んもー。レイジくんレイジくんレイジくん。慣れない作戦考えるから無茶なこと言って〜。暴走してるよ」
>リリさん
>『直接乗り込むなら話は別。ホテルに踏み込むなら交渉はありえないわ。
>ノスフェラトゥに奇襲をかけられる絶好のチャンスを、みすみす棒に振るつもり?』
イエローカードを次々に出された……
「ごもっとも……です」
作戦を考えるのには僕は向いていないみたい。アッシュも「困ったヤツ」とあきれた顔してみてる。
すこし薄笑いぽいけど……
吸血鬼を太陽の照る昼間に襲撃する。これだけじゃ作戦としてだめ?……みたいだね。隊長失格……
アッシュは愁弥くんの提案した二手に分ける案に賛成みたいだ。
ということは半分の人数でノスフェラトゥのもとに乗り込むのか……
アッシュは少ない人数でイケると自信満々だ。さすがアッシュ。君って頼もしい。アッシュはすごいよと関心していたら……

>ベルさん
>「ねえねえ、あの二人801な関係らしいわね。こうやって見ると耽美な世界が似合う二人よねー。どっちが受
>けでどっちが兄貴と思う?やっぱり藤田受けかな。」
とんでもない事をテンポーくんに話しかけている!しかも聞こえるように!
アッシュを妖しい目で僕は見ていたか!?
けど僕はまったく動揺を表に出さずに言ってやった。まぶたを半分さげて死んだ目で。心臓はじつは早鐘を打っていたけど。
「受けと兄貴ってなに?それを言うならどっちがタチでどっちがネコだよ」
しかし!
全然聞いていない!自分から話しておいて!
ベルはラスティーリアをカッターで切ろうとしている!
「ちょっと!まて!ベ、ベル!ベル――――――!」
……心配いらなかった。ギコがベルを止めた。
だめだ。このままだとどんちゃん騒ぎがおさまらない!

>屑船くん
>しかし私には時間がありません。私はハァ、とため息をつくと藤田に真っ黒なホイッスルを一個投げました。
>「すみませんが、私は少々急いでやる事があるのです。なので…もし、手伝って欲しい時があったらこれを吹いてください。
「ありがとう」
そう僕は受け取るしかなかった。
僕はシーラ・ドド先生は信用できないわけで、先生の手下を名乗る屑船くんも信じきれないんだけど……
でも好意は受け取っておこう。

394 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/21(金) 23:10:39
……と、しみじみしている場合ではなく!気がつけばテンポーくんにアッシュが銃を突きつけている!
テンポーくんの口には牙が!
>アッシュ
>「あんまり遅えから、止めの杭は心臓よか先にケツへブチこんじまってみてもいいかな?
>『そういった類』に興味ないのなら、死んでも貞操は大切にするべきだよ、テンポー」
>地獄耳のボクは、チラとレイジの表情をうかがいながら言った。
…………何か言葉に意味深なものを含ませてアッシュは言っている。
あー。よくわかるよ。アッシュ。どんな意味を込めて言っているのか。
僕はもう一度死んだ目で言った。
「………そういった類のヤオイ系には僕も興味ないけどね」
僕はない。
ないと思う。
ないはずだった。
アッシュとキスしたことあるけれど…………
無意識に僕は自分の唇に指を当てていた。あのときの感触を思い出して。
僕はあわてて手を降ろした。

そのとき丁度、熱を頬に感じた。
ラスティーリアがなぜか火を吹いたんだ。

>ラスティーリア
>「……えたみたいだし。では飛びますよー!ビカイアマバル!」
しまった。ぼーっとしていた。
「待ってラスティーリア!まだ作戦の話の途中で準備もなしになんて!ああ!」
なんて強引な!
僕は黒の棒を落とさないようにしっかり握るのが精一杯だった。
「あ――――――――――――!」

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395 名前:ギョーム博士 ◆cSeqrgFhy2 [sage避難所876です] 投稿日:2006/07/22(土) 00:12:04
「貴様の研究などノスフェラトゥ様に御覧頂く程のものでもあるまい。ヒーッヒッヒッヒッヒ」
ソファーでブランデーをちびりちびりと舐めている男がモロー博士を嘲笑った。
折れ曲がった鷲鼻に猫背で痩せぎす、声は擦れて聞き苦しく、髪は白く真ん中から分け顎の当たりまで伸ばしていて、垂れた髪の奥から覗く
目は炭火の様に赤く輝いていた。
「今宵で牙の王との戦いに終止符を打つ心積もりであろう。ノスフェラトゥ様は。その戦いに少しでも貴様の研究が役に立てば良いがな。
おい!聞いているのか!?あん?ち。ぶつぶつと妄想の海に沈んだままか。狂人め」
独り言を呟くモローを憎悪を籠めて睨み付けるギョーム。しかし口元が笑いに歪む。
「大規模戦闘には捨て駒もいる」
ギョームはブランデーを飲み干すと部屋を出て、廊下の向い側の自分のルームに入った。
陽が落ちれば忙しくなる。それまで体を休めなければならない。
「睡眠を取らねばならない点は吸血鬼に転生しても同じとは。時間の無駄だ」
ギョームはベッドにその身を横たえた。

―名前・ ギョーム博士
―性別・ 男
―年齢・ 31歳だが外見上は老人
―髪色・ 白
―瞳色・ 赤
―容姿・ 上記参照
―備考・ ナムコのガンシューテゥイングゲーム「ヴァンパイアナイト」に登場するマッドサイエンティスト

396 名前:ベル『トリニティー』 ◆K//9//8ZCE [sage] 投稿日:2006/07/22(土) 00:34:47
ラスティーリアの小さな手をつまんで、灼熱のカッターを押し当てようとしたその時。
ギコが叫び声を上げながらベルに飛びかかる。
「え!?ギャー!いたたた・・・ひぃ〜・・・!」
顔面に飛びかかられた勢いで転がり、そのまま引っかかれてしまう。
それを何とか振り払おうとするが、ギコは素早く立ち回りそうはさせない。
そんな攻防が続く中、ラスティーリアは灼熱化したカッターの刃を舐めながら昨夜火を吐いた事を話す。
だが、工藤の記憶操作がしっかり効いているベルには何のことかも判らずキョトンとするばかり。
「えーでもそれって、枕詞に『効かなかったけど』なんて入れるって事は、あんた大した事ないってことなの?」
ギコが頭の上に乗って牙を立てているが、とりあえず無知故のツッコミをいれる。

>あたしは火の属性を持つ魔法生物よ。現世の火も魔性の火もあたしの友達!
「そう、あなたが私を焼く『火』なのね。」
馬鹿笑いするラスティーリアの台詞に、一瞬ギコとの攻防が止まる。
そして口からこぼれる言葉。
だが、ベルにはそれを口にした自覚はない。
言ったことすらなかったことのように、すぐにギコとの攻防が再開された。

漸く攻防が終わり、ギコの首をつまんで頭から引き離した。
一度掴んでしまえば長い手でぶら下げ、ギコの爪は届かない。
「ふ〜〜!散々引っかいてくれちゃって。丁度猫の髭が欲しかったのよね。毟り取っちゃおうかしら?」
顔中引っかき傷だらけ、髪もボサボサという惨憺たる状態で勝ち誇るベル。
だが、もう予鈴がなって暫く経つのでギコを放って書庫を出ようとすると、天保の口元に光る牙が目に映る。
まさかそんなことはないだろう、と言う思い込み。ギコとの攻防ですっかり忘れていた。と言うことを一気に引き
戻す現実。

そうこうしている間にも、ラスティーリアはゲートを開きノスフェラトゥのところまで転移するという。
>ベル〜。吸血鬼の部屋に訪問できるチャンスだけど?いろんな魔法グッズあるわよきっと。
昼に吸血鬼を退治に死乗り込むなんてロマンのない事は出来ない。
しかし、ラスティーリアの一言が悪魔の囁きのようにベルを誘惑する。
「あううぅ〜〜・・・魔法グッズ!吸血鬼のお部屋訪問!でも・・・でもロマンが・・・ヤスが・・・!あううぅう!!」
ギコを抓んだまま頭を葛藤するベル。
・・・
・・

「夜々ちゃん、あたしどうしたらいいのかな?幸せ、足りてる?」
「スネーク!まだなの?」
「藤田の便秘が悪化する呪をかけてやる!」
突然脈絡のない事を口走るベル。余りの葛藤に混乱しているようだ。
ふらふらと窓際まで歩くと、カーテンを開ける。
窓の外から降り注ぐ光に、室内の明るさになれたベルはうっと小さく声を上げ、突然振り返った。
「さよならヤス!あなたはもう吸血鬼なの!でも決着は夜よ!・・・あ?」
そういいながら抓んでいたギコを天保に投げつけた。
だが、その時には既にアッシュが素早く天保に銃を突きつけ確保状態になっていたのだ。
狙いもそんなに正確なわけでなく、天保とアッシュの間を遮るように飛んでいくギコ。
「ご、ごみーん・・・邪魔するつもりはなかったのよぅ。」
申し訳なさそうに手を合わせてアッシュに謝ってから藤田とラスティーリアに向き返り言い放つ。
「やっぱり私はそんなロマンのない事は出来ない!!」
未練を振り払うかのようにその言葉を残し書庫から走り出た。
「でも、面白グッズあったらお土産に持ってきてね?」
書庫から出たところで立ち止まりポソリと呟くが、振り返った書庫には既にラスティーリアたちの姿はなかった。

397 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/22(土) 03:02:32
「あ――――――――――――!」

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アッー!


アッー!

398 名前:リリ ◆dKjdsGj.gw [sage] 投稿日:2006/07/22(土) 07:36:56
護未田くんがテンボー君の呼び名は「アマヤス」だと教えてくれた。
「えっ、嘘!保険の先生もそう仰っていたから、私てっきり・・・・・」
申し訳無さそうに、頭ひとつ高い天保君を見上げる。
だけど天保くんが牙の使徒だと分かり、それどころでは無くなった。

アッシュが銃を突きつけて、レイジに意味ありげな視線を送る。
>「………そういった類のヤオイ系には僕も興味ないけどね」
・・・・・・・・・・・・。さすがに今回はアッシュに同情したわ。
いや真に同情するべきなのは、この場合天保君か。

ベルは白くなった使い魔に盛大に引っかかれている。ベル、さっきから何してるのよ・・・。
アルラウネと叢雲剣を宿してるからって、警戒してるこっちがだんだん馬鹿らしくなってくるわ。
まあベースがベルだから、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないけど。
・・・・・・そういえばベルのお家に誘われたのは良いけど、私、場所を知らないのよね。

ラスティーリアは結局私の質問には答えてなかった。本人にもわからないのかもしれない。
後は信に値するか否かの見極めだけなんだけど・・・・・。
ひとつため息をつき、魔石をラスティーリアに渡した。今朝空き教室で作ったものだった。
「お守りよ。多少は魔力の干渉を弱めてくれるわ」
もともとはドド先生と戦闘になった時の逃走用だった。本来は砕いて、一時的に一切の魔法干渉を断ち切るために使う。
「皆気をつけて。無茶しないでね」
ラスティーリアは図書室の本棚に向かって火を吐いた後、有志を連れて空間転移していった。
アッー!なんて変ちくりんなエコーを残して。
「そろそろ五時間目が始まっちゃうわ。これにて第一回会合は終了です」

ちょうど時間の撒き戻しが始まったようだ。消えたはずの書架や本が次々と元の場所に戻っていく。
ビデオの巻き戻しのような光景を尻目に、私は書庫の隅のダンボール箱を開いた。
わらわらと飛び出した実装石の中から良さそうなものを選び、囁く。
「しばらくの間、私に力を貸してね」
手を翳すと実装石達の目の色が青く変わった。そして次の瞬間には、実装石達は煙のように姿を消した。
・・・・・さて、後は消えたメンバー達のフォローなんだけど・・・・どうしようかしらね。

>ふかわ当主
実装石達を送り出した後、会議中ずっと打っていたメールを送信する。
私に万一の事があった時のためにも、ふかわ当主に全てお知らせしておく必要があった。
そういえば前回の報告で、応援を頼んだのだけれど・・・そちらは考えてくださったのかしら。

>堀江君
書庫の奥から戻った時には、もう時間ギリギリで誰も見当たらなかった。
――――いや、一人残ってたわね。
私は堀江君を引きずり図書室まで移動させ、椅子に座らせた。
書庫での出来事をあやふやにするには、これしか無い気がした。
それにしても、こんな扱いをしても目を覚まさないなんて・・・脳を弄ったって話だったけど、大丈夫なのかしら。
「堀江君起きて、もう午後の授業が始まるわよ!」
何度目かに身体をゆすったところで、ようやく目に生気が戻った。
「もうすぐ本鈴よ、急いで」

399 名前:牙の主 ◆dLcRFJKqEo [sage] 投稿日:2006/07/22(土) 11:46:05
上一中地下深く
牙の主が目を覚ました 「工藤が死んだか・・・・鬼よ、そやつに烙印を与えよ」
使徒の長など呪いに対するワンクッションでしかない
誰でもいい
今夜、計画は達成されるのだ

400 名前:水無月つかさ ◆kQQdi8IJII [sage] 投稿日:2006/07/22(土) 16:07:21
>367
教室へ向かう途中、華山さんから念話が入った。
丁度、近くには流し台があって、周りには一応、「人」は居ない。
隠密行動に優れた人とかは居るかもしれないけど。
>ねえラスティーリア、あなたが本気でレイジに味方する気なら、いいものをあげる。・・・・で、皆はどうするつもり?』
『わたしは、このままこの学校で普通の生徒を演じるわ。密偵とかも居そうだし。
 でも、藤田くんが鼠男さんに襲撃をかけるなら、わたしからも、何かしておいた方が良いかしら?
 ほら、わたしはデビルサマナーだから、悪魔に鼠男さんを襲わせることもできるし』

>391>394
どうやら藤田くん達が例のホテルに突撃したらしく、急に気配が消えたわ。
でも、人数はあんまり多くないみたい。
それに対して、きっと敵の人数は多いのでしょうね。

華山さんとの念話の最中に、紫色の筒の蓋を外して、中身を流し台に流した。
管の中からは黒い液状のものが滝のように流れ、そのまま流し台に消えていった。

それからわたしは、普通に教室に戻って、空になった筒を筆入れに入れた。
(前述のとおり、筒はボールペンに偽装している)
それから程なくして、今日の日直が授業開始の号令をかけた。
「起立、礼ー」
そして、何事も無く授業が始まったわ。

401 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/22(土) 16:19:34
牙の主の必殺技「ソウルスチール」を防ぐ手段は無い

402 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/22(土) 16:52:51
人にとって、このような尖った歯は必要ない。この歯を肌に突き立てれば、皮膚を突き破って血を簡単に啜ることができるだろう。
多少はごつごつしていた歯並びだがこのような猛獣に備わっているような歯はもっていなかった。
吸血鬼に血を吸われると、吸われた者は吸血鬼になる。そんな一般的な吸血鬼の知識が頭の中をよぎる。
するとやはり、俺は吸血鬼になってしまったのだろうか?
「嘘だろ。おい」

>375
よく警官が犯人に迫る無抵抗ポーズをしろと言ってくる。断ったら有無を言わさず引き金を引くだろう。そう奴の眼が物語っている。
「わかった。従うって…だからそんな物騒なもん早く仕舞っちゃってください!」
ヤのつく職業の人たちが持つといわれる殺傷能力抜群の銃を向けられている。
はっきりいって本物かどうか疑わしいものだが、吸血鬼がいるご時世…学生が銃を持っていてもおかしくない。
だいたい漫画のセオリーどおりだと、吸血鬼が存在するのならそれを退治する者がいるものだ。
もしかしたらこいつもその一人で、銃の弾丸は銀製で胸ポケットには十字架があるのかもしれない。
そうだとするとますますやばい。その引き金を引くということはイコール死に直結しているということ。

>「あんまり遅えから、止めの杭は心臓よか先にケツへブチこんじまってみてもいいかな?
>『そういった類』に興味ないのなら、死んでも貞操は大切にするべきだよ、テンポー」
どっちにしろ殺すんじゃないか。ケツは死んでもほられたくないが、死にたくはない。
それにメガネくんが俺の本名を言ってくれたから、こいつも聞いているはずだ。それなのにわざと間違えられた。
言うことが下品で、人の嫌がることをする嫌な奴。第一印象が最悪のこいつとは話し合いの余地なしと判断した。
このままなにもしないで殺されるなんて真っ平ごめんだ。なにかこの状況を打破できる最高の策を考えなければ…。

403 名前:天保 光 ◆1X8HZj8P7w [sage] 投稿日:2006/07/22(土) 16:53:34
>376
空気がピリピリしている中で誰が発したかもわからない声が聞こえた。
言った本人を見つけた瞬間、目を疑った。妖精のような小さな人間が陽気な声が俺と奴の間に割って入った。
少し間違えれば命がなくなるこの修羅場を遊びの一言で片付けるその神経はすごい。
って、………え?
「な、なにか小さいのがいる…」
驚き桃の木ガンモドキ。科学では説明できない不思議がこの世にはありすぎです神様。
その驚きも束の間、魔法のようにつくりだされた火が本棚を直撃した。
それに気が向いてるうちに結構な数の人がいた部屋だが、数人ほど消えていることに気が付いた。

>396
さきほど先生に言われた言葉を思い出してみる。
>「さよならヤス!あなたはもう吸血鬼なの!でも決着は夜よ!・・・あ?」
一瞬なにを言われているのかわからなくて放心したが、その意味を理解するのにそう時間はいらなかった。
先生も吸血鬼と相なす者。そう結論付けるのが自然ではあるが、それを否定したい自分がいる。
決着――とどのつまりそれは吸血鬼である俺とそれを退治する先生が殺し合いをするということ。

とりあえず、この場からはなれることにする。吸血鬼である俺にとってこの場は死地であり、もう殺されそうになるのはごめんだ。
よろよろとした足取りで頭を抱えながらホコリっぽい書庫室からでる。
これから授業なのだが、とても受ける気になれないので早退することにする。


404 名前:護末田 愁弥 ◆WEj6/Cmpcc [sage] 投稿日:2006/07/22(土) 18:57:12
>ベル

猫のおかげでベルを止める必要はなかったな。
…しかし…ベルは本当に何やってんだよ…

>アッシュ

「じゃあ二手に別れるってことで決まりだな。
ならば、俺も行こう。誰かがメガネを壊してくれれさえすれば、多少は役に立てるはずだ」

アッシュの方を見ると、銃を突き付けられている天保が目に入る。
「時すでに遅し…か。
…確かアッシュ…だったよな?まだ、牙の主と契約していなければ味方に引き込むことも出来るんじゃないか?」
アッシュを宥めるように話すが、ちっこい奴が先に止めてくれたおかげで必要なかったようだ。

>ラスティーリア

「ま〜いいや。追い払えたみたいだし。では飛びますよー!ビカイアマバル!」
いきなり火を吹き出したかと思えば…いきなり飛ぶって……え?
「…なっ!?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

飛ばされた愁弥は駐車場の車の中にいた。
「…いや、車の中って…誰も周りにいないってことは………もしかしてみんなバラバラかじゃないよな?」
車を降りて辺りを見渡すが、近くにラスティーリアがいることには気付かなかった。

405 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/23(日) 00:22:49
ホリエモンがうざい

406 名前:アッシュ ◆tV36SrNgOs [sage] 投稿日:2006/07/23(日) 00:58:40
>「ま〜いいや。追い払えたみたいだし。では飛びますよー!ビカイアマバル!」

ラスティーリアの強引な呪文詠唱で、転送魔法が発動する。
こうなれば吸血鬼はリリやバージルに任せる他なさそうだ、諦めて銃を懐にしまった。
気がかりなことはテンポー以外にも色々とあったけれど、今更蒸し返すのも面倒だ。
連中がしくじろうがしくじるまいが、吸血鬼どもの餌場を潰せるなら手順はなんだって構わない。
例によって例の如く、自分は楽しめる内に楽しんでおこう。

詠唱と共にポケットの中の黒いガラス玉が震えだし、途端に自分の足場がふっと消えてしまう。
空中浮遊の後、目的地へ放りだされるまでの一瞬にボクは瞼を閉じる。
僅かの時間に通過する「次元の狭間」の壁模様をみると、まるで盲になったような感覚がして、それがイヤだった。
ボクに怖いものなんてそうそう無いけど、魂の五感すら奪う虚無の茫漠だけは言い訳抜きに恐ろしかった、と思える。
小さい頃、事故で自分の首を吊ってしまったことがある。その時の感じと似てる。
縄で喉が押しつぶされる痛みを越えた辺り、頭のうしろのほうがザワザワし始めて、
そのうち酸欠に綻ぶ思考の合間へ、どでかい黒い何かが覆い被さってくるんだ。
死ぬは怖くない、ただ、アレともう一度向き合うことを考えれば、怖いと言えるかもしれない。
アレはベッドで用済みの男を喰い散らかす、カマキリみたいな死神の影だ。


黒いベンツの広々としたボンネットに、背中を叩きつけて到着。
起き上がってすぐ見回す、ここはホテルの駐車場か。
一緒に飛ばされた二人やラスティーリアの姿はない。いい加減な位置指定でバラまかれた、クソッタレ面倒だ。
探すべきか、考えあぐねた。モタついてると、つまらない所から足がついて奇襲作戦が台無しになる。
かと言って、勝手に始めて連携がちぐはぐになると、それこそ交渉どころではなくなってしまうし――難しいな。

ボクの落ちた付近には数台、同じ型で同じ黒塗りのベンツが停めてあったが
どれもフロントガラス以外の窓は全て濃灰色のスモーク張りで、覗いてみたらどうやらカーテンまで付けてるらしい。
ヤクザの面隠しやセレブの日除けにしちゃ厳重すぎる。前面にしたって、幅広のサンシールドがしっかりとはまっていた。
もし「不死者」の車だったら念のためにと、ナンバーを記憶しておく。

あとは待つ。動かない。
もう10分ばかし待って、連中が探しに来なかったら勝手にやってしまおう。

407 名前:白猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/07/23(日) 01:06:46
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「にゃにゃ!???」
気がつくとボクは車のボンネットの上にいたにゃ。
ここは駐車場!?
近くにはゴガガガガガと電車が走っている。ボクの縄張りではないにゃ。来たこと無い場所にゃ。
ラスチーリアが話しの途中で魔法を発動させたにゃ。急ぎすぎにゃん!
ボクは車から、それはポルシェだった、から降りると周りを見回した。
ラスチーリアのワープで何人か飛んだ筈なんだがにゃ・・・あ、いた!
「ラスチー!」
車の下に隠れているラスチーをすぐに発見。
「まだベルの顔を引っ掻きたらないのに飛ばすなんて!
・・・・けどあの女、引っ掻きがいのある女にゃ。爪砥ぎに最高にゃ。
とにかく合流しないと。ほかのやつはどこに?あ。また発見!」
護末田発見!
あとはアッシュと礼司かにゃ?ほかに飛んだのはいるのかにゃ?
「ホテルに来た人数は少ないのか?大丈夫なのかにゃ・・・」

408 名前:白猫ギコ ◆buL/lJWIkg [sage] 投稿日:2006/07/23(日) 01:10:46
「あ!アッシュ発見!」
(礼司と同じで投下した後にアッシュが投下していたのを発見にゃ・・・礼司タンと同レベルだなんてー!)

409 名前:守衛の大男 ◆IvZWGYTAn6 [sage] 投稿日:2006/07/23(日) 02:34:18
坊主は言った。
自分は単独行動であると。
そしてどんな手を使っても力が欲しいと。
ゆっくりと、ゆっくりと。
神崎はCD型の盗聴器を大男に差し出す。
手土産であると。
そして不満なら己の体の一部を喰らって良いと。
大男は新聞を畳み盗聴器ではなく包丁を拾った。

「いらねえ。」
その声と同時に包丁は閃光と共に弾け飛ぶ。
ピリピリと周囲の空気が痺れる。
コイツは飛びっきりだりぃなぁオイ。
「いらねえと言ったんだ。」
その光景を呆然と見ている神崎に大男が再び言った。
はいどうぞと出されたモン躊躇いも無く
喰っちまう程、俺ぁ甘ちゃんじゃねぇ
下手に毒でも入ってりゃそれこそお笑い種だ。

「それによぉ、アンタ知ってるだろう、『昼間は怪異は起こらねえ』
 それがルールであり俺達の校則だ。」
しかし大男は荒々しく立ち上がった。
昼の校舎じゃ喰いたくても喰らうわけにゃいかねぇ。
「だがな、俺ぁ警告をした。だがよ坊主がそこまで喰われてぇなら
 問答無用に喰らってやる、望み通り骨の髄まで喰らってやろうじゃねえかい。」

つまりは俺の我慢もそろそろ限界って事だ。
ギリィと歯を食い縛り神崎に迫る。
図書室同様大男は笑ってはいるが眼は獣のそれになっていた。

「・・・覚悟は出来てんな?」
大男は軽く裏拳を放った。
次の瞬間、神崎が激しく壁に叩き付けられた。
へっ痛さを忘れるまで手加減しながら喰らってやるよ。
今更待ったは無しだぞ、小僧?

大男は更に一撃を加えようとした時である。
>「鬼よ、そやつに烙印を与えよ」
あのお方の声が大男に届いた。
怪訝そうな顔をしながら守衛室の本棚を見る。
そして神崎の髪を掴むと無理矢理起き上がらせた。
「喜べ小僧。」
ニヤっと唇を吊り上げた。
「どうやらお声が掛かっちまったようだ。主様がな・・・」
ボサボサな髪から手を離す。
「お前さんが望むならくれてやるよ。もう今までお前を辞める準備は出来たかい?」
後悔はするなよ坊主?呪われし烙印に選ばれた事をな。

「望むなら洗礼をくれてやる。呪われし使途の力を
 血と欲望に塗れた慟哭の烙印を。」
本棚に近づき並べてある本をある規則に従い動かす。
すると本棚が動き、暗い道がそこには続いていた。
暗く冷たい空気が、流れてくる。
間違いなくそこは、『校舎』では無く
魔力で出来た別の空間であった。

「姿はお見せにはならねえと思うが、だろうがこれも仕来り。
 行って来い、そして受け取りな・・・・『死の烙印』をなぁ・・・・」
入れと言わんばかりに手招きをした。
俺ぁここに残らなきゃいけねえがな・・・

410 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/23(日) 15:58:36
ギコ氏ね

411 名前:藤田礼司 ◆OfgFahKhFk [sage] 投稿日:2006/07/23(日) 21:59:47
「うわ―――――――!」
バキバキバキ!どさ!
「うっぐっ……」
ぐらりと意識がとんだと思って、ハッと気がついたら僕は木の上に浮かんでいた。イチョウの木だ。
え?とわからなくなった時に落下が始まった。盛大に枝を折りお尻から着地。
次の瞬間に激しいクラクションが浴びせられる!車が突進してくる。
僕は立ち上がり間一髪よけた。
「バカヤロー!」とドライバーが叫ぶ。
僕は道路の上に投げ出されていたんだ。街路樹がクッションになってくれた。
見上げれば見慣れたあのランドマークタワーの麓だった。
テレポートは成功だ。
でも
「ラスティーリア!?」
歩道に逃げ込むと僕は叫んだ。みんなはどこ?

>ギコ
>「ラスチー!」
僕は振り向いた。このカン高くかわいらしい声はギコだ。
僕は声のする方に走った。声はJR線路そばの駅駐車場の中から聞こえる。
>「あ!アッシュ発見!」
駐車場からギコが飛び出し大通りを渡っていく。まっすぐにランドマークタワーの地下駐車場入り口に駆けて行く。
ギコはアッシュの居場所を感じ取ったのだろうか。全然姿が見えないのに!
「ギコ!」
僕はギコを追った。
「あ!愁弥くん!ラスティーリア!」
ふたりも見つけた。ふたりもギコを追っている。
僕はランドマークタワー地下駐車場にギコに続いて走った。
地下2階で親友を発見。
「アッシュ!」

412 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/23(日) 23:56:55
http://www.smileservice.01733950819223044444447120503/page001.html
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413 名前:堀江隆夫 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/23(日) 23:57:33
>リリ
>398
>「堀江君起きて、もう午後の授業が始まるわよ!」
>「もうすぐ本鈴よ、急いで」
「ん・・・・ふぁ〜〜〜〜よく寝たぁぁぁぁぁ」
堀江はのっそりと立ち上がった。まだ寝ぼけている。それともラスティーリアに脳をいじられて
朦朧とさせられているのかもしれない。騒がれないように。
堀江は学園のアイドルのリリに触れてもらったというのに、よくわかっていないという表情でのろのろと図書室を出て教室に向かった。

414 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/23(日) 23:57:54
http://www.smileservice.01733950819223044444447120503/page001.html
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415 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/23(日) 23:59:04
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>>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1

2

416 名前:ラスティーリア1/25 ◆/Xio6qyapk [sage] 投稿日:2006/07/23(日) 23:59:09
>ギコ
>「あ!アッシュ発見!」
ギコが勝手に横浜ランドマークタワーに向かって走り出す。
「待ってーーー!待ってってば!んもー!シュウヤ!ひざまずきなさい!」
突然命令されて愁弥が驚いている。
「キミの胸ポケットに入るのに高すぎるの」
片ひざをつかせて腰をおとさせて、あたしは愁弥の学生服の胸ポケットにジャンプしてすぽっと入った。
「さあー追いかけるのよ!シュウヤ!」

地下駐車場にギコは走りこむ。なに考えているんだろー。
「あああ!レイジくぅん!」
礼司くんと再会。
馬シュウヤをずんずん進ませると地下でアッシュを見つけた。
「車を物色中?なんか手がかりあった?」

417 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2006/07/23(日) 23:59:47
http://www.smileservice.01733950819223044444447120503/page001.html
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>>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1 >>1

3

418 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2006/07/24(月) 00:02:02
はdw

419 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2006/07/24(月) 00:03:43
おんみょうだんをくらえ!
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420 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2006/07/24(月) 00:04:19
おんみょうだんをくらえ! ==
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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421 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2006/07/24(月) 00:04:50
おんみょうだんをくらえ!
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