1 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/16(金) 04:35:57 0
魔術学園で次々に起こる怪事件。
消える生徒、暗躍する危険な影。
果たして誰が犯人なのか。そして、彼の真の目的は。
学園を揺るがす大事件が、今、静かに幕を開ける ――――。


―――― 魔法少女と冒険するスレ 2ndシーズン 〜合わせ鏡の果てに〜 ――――


【スレのお約束】
・決定リール&変換受けありです。
・コテ付き参加大歓迎。途中参加も初心者も悪役さんももちろん大大大歓迎!
・名無しさんネタ投下ももちろん大歓迎。
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。
・魔法学園が舞台ですが、参加資格は生徒、学校関係者限定というわけではありません。
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね)
 なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・です。
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。
・もし何かわからない事があったら、避難所でお気軽にどうぞ。

【学園についての説明】
・舞台はファンタジー世界。フィジル島にある魔法学園が主な舞台です.。
(フィジル島は「魔海」と呼ばれる法則を無視した危険な潮流渦巻く中にあります)
・一度学園に入学したら卒業(三等課程合格)まで島を出ることは叶いません。
・学園は全寮制、男女共学です。
・魔法学園の施設は西洋のお城のような外観をしています。
・女子寮、男子寮は校舎と同じ敷地内にあります。カフェテリア等一部の施設は男女共通です。
・女子寮内外には侵入者避けのトラップがあります。要注意。
・校舎には校庭があります。
・校舎の裏手には霧のかかった森があります。
・森の奥深くには強力な魔物や貴重な生物が住んでいるという噂です。
・描写されていない施設等に関しては、整合性さえ保っていれば好きに設定投下してOKです。
・三等過程卒業者には指輪が与えられ、学園内の立ち入り禁止区画に出入り可能です。
 また、「ゲート」を使用し街へ出られるなど、一般生徒より優遇されます。
・寮部屋に関しても一般生徒は大部屋ですが、三等課程卒業者以上になると個室が与えられます。
(生徒での参加者は、基本的に三等過程卒業者以上とさせていただきます)

【カリキュラムについて】(参考資料)
卒業までには幾つか試験があります。
最初の卒業試験に合格すると、三等課程卒業という事になります。(第一部参照)
・次に各分野を広く浅く学ぶ二等課程へ進学します。二等過程卒業すると、一等課程へ進学。、
・一等課程は二等課程で選択した分野を使った応用編。より実践的な分野を深く学びます。
・なお、二等課程(2ndシーズン)から月一の割合で課題や指令が出されます。

【第一部のあらすじ】 (参考資料)
念願の卒業試験にみんなで合格しました!
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち
一番最初の試験にパスしただけでした。
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。

2 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/16(金) 04:45:45 0
【第二部の状況:一般生徒用】

昨日深夜発生した、危険人物による女生徒襲撃事件は皆に少なからず衝撃を与えました。
それ以降、低学年の生徒は先生と共に行動する事が義務づけられ、
授業の無い先生方はイレブン捜索に奔走していました。
ですが、残念ながら危険人物が拘束されたという話はまだ聞きません。
同日夕刻、「侵入者が理事長室に現れた」という噂もありますが、真偽の程は定かではないです。
そんな物々しい雰囲気の中、再び事件は起こりました。
早朝、校舎屋上に描かれた魔法陣から、学園内に大量の悪魔や魔物が召喚されたのです。
現在年少の生徒から順に、『ゲート』を利用して避難を始めています。

(みっしょん)
避難の順番が回ってくるまで、各自自分の身は自分で守ること。

――――――――――――――――――――――――――――

【第二部の状況:学校関係者用】

昨日深夜、学園長からから「学園内に危険人物が潜んでいる」と召集を受ける。
学園長室で学園長半透明のメイド(思念らしい)が、危険人物イレブンについて説明する。
提示された情報は以下のとおり。
(危険人物:イレブンについて)
女の子を傷つけたい欲求を持っている。常に軟化魔法を使いグニャグニャ。足が速い。
迷彩魔法で姿を消して行動(夜は透明、昼は空間が歪んで見えるため可視)
手引きをしたのはマリアベル。十年前、ロックという生徒の家族を即死魔法で殺した闇の魔法使い。
ロックは死ななかったが、その際目に変化が現れた(『瞳を変える眼鏡』使用中は紺瞳。外すと右青、左は爬虫類のような瞳孔の赤瞳になる )
マリアベルは今度こそロックを殺すつもりらしいが、ロックの事は学園長が保護しているため心配いらないとのこと。
(※情報の信憑性については不明)

会議終了後、女生徒がイレブンらしき人物に切りつけられる事件が発生。
幸い女生徒の命に別状は無かったが、その後低学年の生徒は先生と共に行動する事が義務づけられ、
授業の無い時にはイレブンの捜索にあたる事になる。
だが警戒もむなしく、同日夕刻、今度はギルハートと名乗る黒猫を連れた老人が現れる。
ギルハートは生徒を脅し、学園長室から赤い石を奪おうと企む。
幸いこの時には教師達が駆けつけ事なきを得た
複数生徒の証言では、ロックという生徒がギルハートに姿を変えたとのこと。
(※この事件の詳細は、教師と当事者の生徒しか知らない)

本日早朝。ギルハートの手により、校舎屋上の魔法陣から大量の悪魔や魔物が召喚された。
学園長と教頭は図書室地下のトラブルに力を裂いているため身動きが取れない。

(みっしょん)
学園内のモンスター掃討。生徒達の安全確保、避難誘導。

――――――――――――――――――――――――――――

【補足】

※第二部に関しては、上に書かれた状況さえ把握して頂けたら過去ログを読まなくても即行動可能です。
(ただしあくまでこれは現在の状況です。刻一刻と変化するため、これ以降はレスを読んで下さると嬉しいです)



では、素敵な冒険と学園生活を!

3 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/16(金) 05:29:51 0
学園施設についての補足

学園地下には広大な図書館がある。管理人はオルビア・ターナー。
薄暗く本を読む時は上に持っていく、またはランプを貸してもらうという珍しい図書館。
置いてある本は古今東西から集められたもので膨大。
病的に本好きな人でも全部読むには管理人になるぐらいしか方法がないとまで噂されている。

なお、一般生徒立ち入り禁止区域であるDレベル以下の階層には危険な本が多く保管されている。
地下にどれだけ広がっているのか不明の階層で、そこに在るのは全て魔本。
本から漏れ出たモンスター、怪異現象が巻き起こっている世界である。

ちなみに学園長の力が弱まったのは、課題中の生徒がこの場所で本棚を倒してしまったため。
散らばる本からは無作為に魔力が、現象が、本の世界が現実に溢れかえり、お互いをを刺激しあって混線、暴走を始めた。
その後生徒は無事救出されたが、暫くの間学園長と教頭は図書館制御の為に大きな力を割かなければならなくなった。

現在の学園内の混乱は、その隙をギルハートに付け入られた結果とも言える。

4 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/16(金) 06:10:14 0
【過去ログ】
魔法少女と冒険するスレ
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1167716362/l50

【みんなの憩いの場(質問、打ち合わせ等はこちらでどうぞ) 】
魔法少女と冒険するスレ避難所
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1171556198/l50

テンプレはこちらです。

名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
(以下は任意解答欄)
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・

【備考】
全部埋める必要はありません。
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですからね)
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。

【テンプレ記載例】
名前・ リリアーナ
性別・ 女
年齢・ 16
髪型・ 金髪のポニーテール
瞳色・ 青
容姿・ 色白で華奢。背はあまり高くない。スタイルは年相応
備考・ イレブン襲撃事件の被害者。
    その後ギルハートとも不可抗力で接触。
    脅迫され、学園長室にある『鏡の部屋』からあるものを盗み出すはめに。
     
得意技・雷系、回復、補助魔法系 (現在使用不能)
好きな食べ物・甘いもの
好きな偉人・(なぜか赤面)・・・ナ、ナイショです。
好きな生物・犬
嫌いな食べ物・ゲテモノ系
嫌いな金属・合金。(肌が弱いので、肌に直接触れるものだとかぶれる場合があるのよね)
今一番欲しい生物の毛・ フェニックスの羽根。・・・あ、これって毛じゃないよね。
保険に入りますか?・学園入学時に強制加入した気が・・・あれ?気のせいかな?

5 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/16(金) 11:22:34 O
70号室には不思議なことに悪魔は一匹もいなかった。
安心して足を踏み入れたリリアーナはすぐにその理由がわかった。
ボトンと大きな音をたて何かが目の前に落ちてきたのだ。
ライオンの体に女性の頭をもつ生物、スフィンクスである。
この部屋の主が部屋を守るために召喚したのだろうか?
スフィンクスはリリアーナを見てニッコリ微笑むと彼女に話しかけた。
「もし、あなたがこの部屋からすぐに出ていくなら私は何もしません。
しかし、あなたがこの部屋を利用したいのなら私の問題に正解しなければなりません。」
もしも答えられなかったら?と聞かれたスフィンクスは
「あなたを食べます。」
と答えた。


「私は何をしたいと思っていますか?」
スフィンクスは無茶な問題を出した。しかし、実はこの問題にはある矛盾が存在するのである。

6 名前:ロゼ[] 投稿日:2007/03/16(金) 12:05:16 0
名前・ロセッティ・クリスティーナ
性別・女
年齢・16
髪型・腰まで伸びた翠色の髪、前髪は左から右へ流しておりおでこが広い
瞳色・暗褐色
容姿・どうみても小学生。身長145p、小柄。
備考・花を育てるのが好きで、のほほんしてるが。性格が破綻しており、凶暴。花の世話を邪魔しようものなら
   常に携帯している魔法ロッド(先端に星の付いたおもちゃのようなロッド)をトゲトゲ鉄球フレイルに変え
   動かなくなるまで殴り続ける。花にやさしい人になつくが…そうとうわがままである。
得意技・土属性・金属錬成魔法
好きな食べ物・プリン
好きな偉人・セリヌンティウス王(走れメロス)
好きな生物・ハムスター
嫌いな食べ物・スモークホタテ
嫌いな金属・砂鉄…(磁石にくっつくととれないから)
今一番欲しい生物の毛・ひきこもり宇宙人のうっかり髭
保険に入りますか?・入ります☆


7 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 12:35:33 0
そこに現れたセブン
やつはイレブンの部下にしてハードなロリコンだ
ウル○ラセブンとは関係ないぞ

8 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 12:49:34 O
セブン♪イレブン♪良い気分♪

9 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 03:33:16 0
リリアーナは男子寮にある、ロックの部屋に行かなくてはならない。
彼の部屋に行き、机の2番目の引出しから、あるものを手に入れてくれと頼まれたからだ。
悪魔や魔物が跳梁跋扈する中、無事男子寮に到着できたのはラッキーだった。
これもひとえに協力してくれたメラルとフリージアのお陰だろう。

・・・だが二手に別れてからどうも雲行きが怪しい。
ロックの部屋にたどり着いたというのに、部屋のドアが無いというのはどういうことだろう。

前スレ>635
先にベランダから入ったメラルかフリージアが、壁を壊そうと奮闘してくれているようだ。
だがいまだ廊下側の壁に変化は現れていない。
魔法が使えないリリアーナとしては、こうなるとお手上げである。
仕方なくリリアーナは隣の部屋の窓伝いにロックの部屋に入ろうと試みた。
だが、68号室は入り込んだグレムリン達が占拠していた。

>5
そして、何もいないと安心して入室した70号室。
なんと上からスフィンクスが落ちてきた。
・・・道理でこの部屋だけ侵入者がいないわけだ。

フィンクスは自分の出した問題に正解しないと、リリアーナを食べるという。曰く、
>「私は何をしたいと思っていますか?」
(そ・・・そんなの私に分かるわけないでしょー!!)
リリアーナは内心で叫んだ。だがそのままスフィンクスに言えるほど向こうみずでも無い。
「ええ・・・・・・っと・・・」
言いよどむ彼女を庇うように立ちはだかった一匹の影。
なんと子犬が威嚇しながらスフィンクスの方に向かっている。
食うなら俺を食えー!といわんばかりの無謀さに、こっちが蒼ざめてしまう。
「ちょ・・・本当に食べられちゃうって!!」
冗談ではない。大慌てて子犬を抱き上げた。
暴れる子犬を宥め、犬の毛皮に頬を寄せる。
温かい。でも・・・。
(私が食べられたらきっとこの子も・・・)
そんな事はさせない。
リリアーナは必死で無い知恵を絞った。スフィンクスは無言で返答を迫る。

リリアーナは顔を上げた。
「何も。」
彼女の返答に、スフィンクスは沈黙したままだ。
「今、あなたは確かにこう言ったわよね?『この部屋からすぐに出ていくなら私は何もしません』 と。
 ・・・スフィンクス、私は『この部屋を利用したいとは思わない』
 あなたの言ったように、すぐに出て行くから」
ただし入ってきた扉ではなく窓からだけどね、と内心で付け加える。

「だから私には、あなたの問いかけに答える必要が無い。
 ―――― 新しいお客様はどうだか知らないけど」
リリアーナの言葉が終わるや否や、70号室のドアが大きく開かれた。
68号室にいたグレムリン達だ。リリアーナを追って北に違いない。
そのまま中へ殺到しようとしたグレムリン達は、ようやくスフィンクスに気づいたようだ。
立ちすくんだ先頭が後ろから来た新手に押され、入り口で将棋倒しになっている。
スフィンクスが悠然と立ち上がった。

(この隙に・・・)
リリアーナは子犬を抱えたまま、そろそろとベランダへ移動し始めた。

10 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 09:05:42 O
>>9
リリアーナの答えに一応スフィンクスは納得したようである。
部屋を出ていくのなら何も問題はない。
もっとも部屋の物を勝手に動かせば襲いかかるつもりだ。
しかし、今問題なのは部屋に殺到してきたグレムリン達だ。
スフィンクスはニッコリ微笑みながら彼等に迫った。
「あなた達がこの部屋から…ふん!」
一匹が強行突破しようとしたが彼女の大きな前足に踏みつけられた。
リリアーナには見えなかったがその一匹がスフィンクスに“少し残酷な事”をされたため、
グレムリン達は怖じ気付いて彼女の話を真面目に聞いた。
グレムリン達は無い知恵を絞って問題の答えを考えている。
スフィンクスはそれをニコニコしながら見つめていた。

11 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 00:48:02 O
前スレ>636>639->640
「どうなってんだ……。さっきまでは一匹だったのに、お仲間が増えてやがる。」
中庭に着くと三匹のマンティコアが居た。
>メガンテー!
突然物陰から一人の教師が飛び出し、マンティコアの群れに突っ込み自爆した。
「ちょっ……何してんだよ!無理し過ぎだっつーの!」
教師の自爆により辺りが白い煙で覆われる。
「(マンティコアはまだ生きてるのか…?)生徒は早く避難しろ!先生方は学園長を探してくれ!見付けたら俺に連絡よろしく!」
煙のせいでマンティコアが何処に居るのか、生きているのか、死んでいるのか何も分からない。
俺は念のため両手両足に魔力を込め、戦闘に備えた。

12 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 09:36:52 0
>10
苦し紛れの答えだったが、一応スフィンクスは納得してくれたようだ。
どんな魔法を使ったのか、グレムリン達もスフィンクスの問題に答えようと頭を捻っている。
(真面目に考え込んでいるグリムリンの姿なんて初めて見たわ。
 ・・・それはそうと、グレムリンって言葉通じるのね。・・・知らなかった・・・)
スフィンクスのお陰でこの場はどうにかしのげそうだ。
リリアーナは握り締めたままだった変身薬を、手紙が入れてあるポケットに入れた。
どうやら今のところ、変身薬の出番は無さそうだ。
>11
>「生徒は・・・く避難・・・・・・!先生・・・・・・学園長を探し・・・・・・・・・!見・・・・・・たら俺に連絡・・・・・・!」
「あれはレイド先生!?」
慌てて70号室のベランダへ飛び出すが、白い煙のせいで見つけられなかった。

>637-638
隣のベランダにはフリージアとメラルの姿があった。
「フリージア、メラルさん!無事着いててよかったわ!
リリアーナは子犬を下に降ろすと嬉しそうに声をかけた。
「私もそっちに行ってもいい?70号室にはスフィンクスがいるのよ〜!!
 ところでロックの机は無事見つかった?もしかしたら魔法で隠してあるかもしれないしね〜」
そう、大事なものをしまった机や家具などを、魔法でカモフラージュして隠す生徒も多いのだ。
リリアーナは勢い込んで矢継ぎ早に質問したが、二人は答えない。
「・・・ねえ、どうしたの?」
彼女たちは厳しい表情のまま、女子寮の方をじっと睨んでいる。何かを警戒しているようだ。

>642
>「見事だったわよぉ〜詰めを除いてはねぇ」
リリアーナは首を傾げた。
「あら、アルテリオンさんも来てたの?
 ねえ、69号室の中で悪魔と戦ってたのって、もしかしてアルテリオンさん?」
事態を飲み込めていないリリアーナは間抜けな質問をした。

―――― がしゃん!
「あ!こらワンちゃん、悪戯しちゃダメじゃない!」
リリアーナは子犬が倒してしまった植木鉢を元に戻した。

13 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 10:49:19 0
>12>642
リリアーナが近くに来ているのに集中していて見えていないフリージア

その時である
>「見事だったわよぉ〜詰めを除いてはねぇ」
突然背後に現れたアルテリオン(仮)
がしゃん!と言う植木鉢が倒れる音とともに
切り上げられ垂直に吹き飛ばされるフリージア
そしてそのまま垂直に落下するフリージア
ドスンという音が・・・・した

おもいっきり頭を打ったはずなのに
「ふう・・・鋼鉄製のコルセットをつけていなければ今頃即死でしたわ」
と何事も無かったかのように立ち上がりこうのたまうフリージア・・・・
どう考えても頭から落下したダメージの方が大きいと思うのだが・・・・
それはともかくフリージアは氷結棍を構えるとアルテリオン(仮)に対峙した
「こうしていると試験の時を思い出しますわよねアルテリオン(仮)さん」
どうやら彼女の中では呼び名が”アルテリオン(仮)”で確定したようだ
喋っている間にも数多くの雪の結晶がオートでアルテリオン(仮)を攻撃している
「さあ行きますわよ!!」
フリージアは氷結根で連続突きを仕掛けた
それは以前のものとは比べ物にならない早さであった
だが攻撃しているフリージアの頭の中では次はどんな模様にしてあげようかしら?
という恐ろしく馬鹿らしく同時に恐ろしくある意味驚異的な考えが渦巻いていた

だが攻撃を仕掛けたフリージアは違和感を感じた
「棍が当たる手応えがある?実体を持っているってわけ?じゃあ偽者ね、本物は幽霊ですもの!なら遠慮はいらないわ!!」
元から遠慮なんかして無いくせにそう叫ぶのであった


14 名前:ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 12:44:11 O
場所は学園長室、一匹の黒猫が部屋に置いてある鏡を凝視している。
学「…なくなったようじゃの。」
一人の老魔導師が黒猫に語りかけた。
彼こそが当学園の長であり、この部屋の主である学園長である。
学「あの石をどこへやったのじゃ?」
黒「生憎だが私にもわからん。」
なんと黒猫が人の言葉で答えた。
黒「嘆かわしい…そこまで衰えたか。」
黒猫のまわりから殺意の如く魔力が発散される。
学「先生方の活躍で君が出した悪魔の数は確実に減りつつある。
本当の君を見つけるのも時間の問題じゃぞギルハート。」黒「貴様の命も時間の問題だオーラー(闇祓い)!」




この二人の対決は十秒で決着した。
最後に立っていたのはギルハートと呼ばれた黒猫だった。
床に倒れた学園長には呪われた印がついている。
黒「貴様さえいなければあの石がなくとも、どうにでもできる!
あの世から見ているがいい!」
黒猫は部屋を出ると校舎の屋上を目指して駆けて行った。

15 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 18:19:57 0
(…この術なら誘導系には対応出来るはず…。さっきから
自分を囮にしてる節があるから、多分来るのはこっち…。
あの状態から正面攻撃でカウンターをするとは考えにくい…。)
フリージアが何かを渡そうとしているが、それを受け取る気はなかった。
六つの氷の鳥の誘導と、今唱えている術。その二つをしっかり済ませずに壁を破壊しに行くのは、
無謀だと考えていたし、壁の破壊にしても斥力系の術でやるつもりでいたからだ。
横で、フリージアが状況に気付いて術を唱え始める。
(…明らかに大技だけど、カウンターの備えもしてる…みたいね。)
そして、氷の鳥がかわされるのを確認して、氷の鳥の操作を中止し、
斥力球の命中も確認する。しかし、メラルからすれば逆に意外だった。
(…どういう事?何か策があってあそこから降りたんじゃ…。
大したダメージじゃないから温存した?にしても、それなら術は見切ってるはず。
あそこまで体勢を崩されるリスクを冒すのは…。でも…誘導兵器で不意をつくなら
喜ばせておいてってのはあってもおかしくないわ。)
横で、フリージアがコメントはともかく威力は頼もしいの一言に尽きる術を発動させた。
同時に、メラルも術を発動させる。
「…テリトリー。」
しかし…彼女の"翼"が消える以外、一見、何の変化も見られない。
ただ、彼女の周囲に彼女の魔力が薄く広く広がっているだけだ。

そして、アルテリオンが背後に現れる。それと同時に…メラルが"気付いた"。
(転移…?しかもこの"位置"…とんでもない隠し球を用意してたわね…。
でも、自在に使えるならそれこそもっと有効な方法はいくらでも…。)
そして、一瞬遅れて振り返った…が、ここで彼女はミスをした。
明らかに敵に背後を取られている状況に気付いた振り返り方なのに、
防御の術も攻撃の術も詠唱せずに振り返って、先までの戦術とのギャップで
自分の使っている術の特性の大きなヒントを相手に与えてしまったのだ。
そして、そこには、当然腕組みしたアルテリオンがいる。
>「見事だったわよぉ〜詰めを除いてはねぇ」
(…詰めを除いては?…これは…ちょっと考える時間が欲しいわね。)
「…不意打ちをする前にそんな事を言って。余裕のつもりですか?」
フリージアが吹き飛ばされても、そちらを見ることはない。
リリアーナの声が聞こえても。理由は、フリージアについては
斬られているでなく、"吹き飛ばされているのがわかったから"だ。
リリアーナについては新たに術を唱え始めている為に、中断する事も出来ないし
見て何も言わないのも妙だからだ。
そして、杖を、持つ場所を変えずに
逆に持ち替え、術を発動する。
「蒼氷の剣よ…力を纏いて来たれ…。」
すると、杖の一部を蒼い輝きに満ちた氷が取り巻き、
更にその周囲に大小様々な斥力球が浮いている。そして…何故かすぐに
その斥力球が消えた。その頃には既にフリージアが攻撃を始めている。

「…リリアーナ。こっちの援護はいらないわ。そっちは任せたわよ?」
もちろん、言葉通りの意味ではない。アルテリオン側に、
リリアーナが術を使えない事を隠す為だ。暗に状況を察するに足る材料を渡しつつ
危ないから隠れていろと言う意味を込めている。
伝わるかは危険な賭けだが。そして、もう片方の手を水で覆った。
「…ガトリングニードル!」
フリージアには当たらぬよう、位置を工夫して援護射撃をしながら近づいていき、
途中で射撃を止めると、片手で剣を振りかぶり、大上段で切りかかった。

16 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 20:46:16 O
煙が晴れると、そこには三匹のマンティコアが平然とした様子で立っていた。
「ワ〜オ……。凄いね〜、あの威力の魔法をくらって平気だとは思わなかったぜ。でもなぁ、今の俺はヤバい位強い。全盛期の学園長位強いぞ。(流石にそこまでは強くないけど)お前等に勝ち目は無い。さっさと失せ…」
全部を言い終わる前に三匹のマンティコアは俺に遅いかかってきた。
「人の話は最後まで聞けよなぁ〜。」
空中に飛び、マンティコアAの顔面を思いっきりぶん殴るとマンティコアAの首は180度回転した。
「さあ、どうする?まだやるか?って、殺る気満々だな。」
二匹は怯えるどころか、仲間が殺られた事に対し怒っているようだ。
「いいもんね〜。そっちがその気ならやってやるよ。超特大ファイアーボール。」俺は空に手をかざし、超特大のファイアーボールを作り出した。
直径10m程の超特大ファイアーボールだ。
「バイバ〜イ。」
二匹のマンティコアに向けファイアーボールを投げる。
「流石に死んだよな?」
二匹のマンティコアが居た場所にはファイアーボールの跡しか残っていなかった。
「生徒は全員避難したかな?一応テレパシーで確認するか。」
俺は全校生徒にテレパシーを送った。
「各自避難は完了したか?避難が完了した生徒は次の先生の指示を待て。勝手な行動はするなよ。避難が完了してない生徒は居場所を教えろ。近くに居る先生を迎えに向かわせる」

17 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 18:17:32 0
>13
フリージアはアルテリオンらしき人物の攻撃で吹き飛ばされ、頭から落下した。
ドスン!といたそうな音がリリアーナのところまで聞こえてきた。
「フリージア!」
リリアーナは悲鳴をあげた。だが当の彼女は何事も無く立ち上がる。
>「ふう・・・鋼鉄製のコルセットをつけていなければ今頃即死でしたわ」
「フリージア!頭、頭!今ぶつけたの頭!!」
>「こうしていると試験の時を思い出しますわよねアルテリオン(仮)さん」
(全然聞いてないし・・・)
リリアーナはベランダから身を乗り出し、69号室を覗き込んだ。
二人を襲っている相手は、顔のつくりはアルテリオンそっくりだった。
だが、髪も目も肌の色もまるで違う。身にまとう雰囲気も。
しかもフリージアの話を聞く限り、どうも実体を持っているようだ。
リリアーナは、昨日保健室でフリージアがクドリャフカに説明していた内容を思い出した。
「じゃあ戦っているのは、もしかしてレイド先生を襲ったアルテリオンさんの偽者なの?!大変!」
二人が危ない。

>15
>「…リリアーナ。こっちの援護はいらないわ。そっちは任せたわよ?」
メラルはそういい残すと、フリージアの援護射撃をしながら偽アルテリオンのほうへ向かっていった。
「任せるって言われても・・・」
リリアーナは弱り切った。
魔法が使えない今、出来ることと言えば隠れているか、助けを呼びに行くくらいだ。
だが隠れるにしても、いつまでもベランダにいては別の悪魔に気づかれるかもしれない。
ここにいては危険だ。
しばし逡巡した後、リリアーナは子犬と一緒に70号室を覗いてみることにした。
「・・・・・うわー」
スフィンクスはまだ部屋の中で座っていた。
「・・・あれ?グレムリンの数減ってない?」
いずれにしても、70号室はスフィンクスとグレムリンが塞いでいて通り抜け出来そうに無い。
「どうしよう、ワンちゃん・・・」
クゥン、と子犬が困ったように首を傾げた。

>16
中庭の方で特大のファイアーボールが出現した。
爆風が消えた後には、巨大なクレーターが出来ていた。
リリアーナは逆光に目を眇めながらも、術者らしい人影を見つけた。
「やった、レイド先生だわ!ワンちゃん、私たちこれで助かるわよ!」

>避難が完了してない生徒は居場所を教えろ。近くに居る先生を迎えに向かわせる」
レイドのテレパシーを受けたリリアーナは、大声でレイドを呼ぼうとした。
だが、寸前で思いとどまる。
(ここで大声を出せば、悪魔に気づかれて襲ってくるかもしれないわ)

リリアーナはウェストポーチから手鏡を取り出した。
レイドの顔に反射させた光をあてるように鏡を動かす。
多分向こうからはチカチカ光って見えるだろう。
・・・振り向かない。やはり声を出さなくては無理だろうか?
だが、今悪魔に襲われたらひとたまりも無い。
(どうしよう・・・)

しばしの逡巡の後、リリアーナは変身薬を取り出した。
――――多分、悪魔を召喚したのはギルハートだ。
もし悪魔達がギルハート=ロックだと知っているなら、気づかれても即襲われる事は無いかもしれない。
(ギルハートに化けると言う手もあるにはあるが、それだと教師に攻撃される恐れがある)
コンマ1パーセントほどリスクが下がる程度だが・・・まあ、やらないよりマシだろう。

18 名前:ロック?(残り9分:30秒) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 18:20:20 0
>16
70号室のベランダにロックが現れた。
「レイド先生、助けて下さい!
 生徒二人が69号室で、アルテリオンさんの偽者から攻撃を受けています!
 ドアは消されていて逃げることも出来ない、このままじゃやられてしまう!」
教師と生徒二人相手だとしたら、いくら黒アルテリオンでも旗色が悪いだろう。
レイドが駆けつける前でも、うまくすれば撤退を考えるかもしれない。
それを見こんでの『賭』でもだった。

リリアーナにとって誤算だったのは、フォルティシモがロックに対し怒り狂っていることだった。

19 名前:ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 18:23:07 O
学園の校舎屋上。
黒猫が戻って来ると、先程まで死んだようになっていた車椅子の老人が再び動きだした。
「さあ、もういいだろう…」
屋上には動物の血で描かれた魔法陣がある。
この魔法陣による呪いは徐々にこの建物を蝕んでいたが、学園長の尽力により最悪の事態は免れていた。
しかし、学園長が倒れたことによりこの呪いはさらに加速された。

学園の建物が徐々に崩れていく…


20 名前:ロックの箒 ◆jWBUJ7IJ6Y [sage更新が遅れたぜorz] 投稿日:2007/03/19(月) 18:39:54 O
>>18
フォルティシモはロックの声に即座に反応した。

バコーン!!

ただでさえ崩れやすくなっていた壁をぶち破りながらフォルティシモはロックに襲いかかった。
ちなみにフォルティシモがロックに怒っているのはロックがフォルティシモの手入れをしなかった(できなかった)ためである。

21 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/19(月) 21:23:10 0
>16
戦場の様相を化した学園内をクドリャフカが走る。
低級の悪魔を倒し、中・上級の悪魔がいるところは迂回して。
目指す先は男子寮69号室。
女子寮69号室で何も起こらなかった以上、男子寮69号室に何かがあるはず・・・
そんな中、クドリャフカの脳内にレイドの声が響き渡る。
避難誘導・・・
「・・・すまんがやる事があるけぇのお・・・」
レイドの言葉に従うつもりも、応えるつもりもない。
小さく呟いて、再度走り出した。

>18
女子寮と違って、トラップの類がまるでない・・・
そんな事に感慨にも似た感情に囚われながら男子寮前まで到着。
背後で巨大な魔力・・・レイドのファイアボールだ。
ここで見つかっては避難させられてしまうので、身を隠しながら男子寮に入ろうとすると、
上の方からロックの助けを求める姿。後ろからは壁をぶち破って現れる箒。

「汝、スノコに付与する。空駆ける力を!」
寮玄関に敷いてあるスノコを掴むと、直上へと放り投げる。
直後それを追う様にジャンプ。
70号室のベランダを通過する祭にクドリャフカはスノコへと着地し、そのままロックの腕を引っ張り攫う。
フォルティシモが70号室のベランダを薙ぎ払ったのはその直後のことだった。
「ロックさん、色々話は聞いとるんじゃが、なんやキャラ変わったかん?」
リリアーナが変身しているなど知る由もなく、ロックを小脇に抱え不思議そうな顔で尋ねた。
ちょうどスノコの上昇運動が終わり、無重力状態になった瞬間の事だった。

22 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/19(月) 22:05:27 O
ロックバスター!

23 名前:ロックの箒 ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 13:57:44 O
>>21
フォルティシモはさらに怒った。
ロックが他の空飛ぶ道具に乗ったからだ。
私というものがありながら!!
…といった感じで再びロックに襲いかかった。

24 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17:38:15 0
>19>21
崩れ行く男子寮の床
飛んできたすのこ
そんな状況の中フリージアはアルテリオンの攻撃を雪の結晶で防いでいた
「・・・っく!」
肩を斬られ少しだけダメージを食らってしまうフリージア
止めを刺されると思ったその次の瞬間
足元の床が抜け下の階のベランダに落下するフリージア
アルテリオン(仮)の攻撃はさっきまでフリージアの首があった部分を通り抜ける
このタイミングでたまたま床が抜けるという偶然が無ければこの場は血まみれスプラッタな光景になっていただろう
でっかい漫画のようなタンコブを作りながら空飛ぶ雪の結晶に乗って下の階から浮いてくるフリージア
「作戦通りですわ!おーほっほっほ!!」
そう笑い声を上げた次の瞬間ベランダの床が崩壊した

25 名前:オッドアイの青年?(残り6分) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 05:51:55 0
>20-21
>バコーン!!
すさまじい破壊音に思わず振り向き、リリアーナは顔色を変えた。
背後の壁をぶち破って現れたのは通常より大きなだった。

ロック所有の箒フォルティシモは、ひと目でそうとわかるくらいに激怒していた。
リリアーナは、自分がロックの姿を真似ているから腹を立てているのだと思ったようだ。
「待ってフォルティシモ、違うの、これにはいろいろ事情が・・・!」
問答無用とばかりにフォルティシモが大きくその身を振りかぶった。
「止め・・・キャ――!!」
リリアーナは子犬を庇うように身を縮めた。

だが箒が振り下ろされる寸前、誰かがリリアーナの腕を掴んだ。
特有の浮遊感とともに、ベランダが遠ざかっていく。
フォルティシモになぎ払われたベランダは、植木鉢はおろか手すりすら残っていなかった。
ゾーッとしたリリアーナの耳に、愛らしい声が届く。
>「ロックさん、色々話は聞いとるんじゃが、なんやキャラ変わったかん?」
スノコに降ろされたリリアーナは、瞳を潤ませるとクドリャフカを見つめた。
ちなみに、リリアーナがイメージしたロックは、最後に保健室で見た時のものだ。
クドリャフカは今の彼女の姿で、ロックの右目が本当は爬虫類のような赤だと知ることになるだろう。
「こ・・・怖かった・・・・・・」
リリアーナはクドリャフカに抱きついた。

「あ、ごめんね!」
はっと我に返ったリリアーナは、慌ててクドリャフカから離れると頬を赤らめた。
固まっていたクドリャフカが、ヒクっと口の端を引きつらせた気がする。
それをみて、ようやくリリアーナは、今自分が「誰」なのかを思い出したようだ。
「あ、違!そうじゃない、違うの!!私ロックじゃないし!!」
慌てて弁明するが、焦っているため説明は要領を得ない。
こんな事ではクドリャフカも訳がわからないだろう。
違うと口で言いながらも、今のリリアーナはまさしくロックそのものなのだから。

>24
69号室から何かが崩れるような音がした。
はっとしたリリアーナはクドリャフカに懇願する。
「お願いクドリャフカさん、69号室へ急いで!
 メラルさんとフリージアが中で偽アルテリオンさんに襲われて・・・キャァァアッ?!」

>23
怒り狂ったフォルティシモは、再びリリアーナに襲いかかった。
辛くも直撃は免れたが、バランスを崩した彼女はスノコから転落する。
「キャ―――!!助けて!!」
溺れるもののように手を伸ばす。
だが、フォルティシモはやクドリャフカはもちろん、近くにいそうなレイドすら助けてくれるかどうか微妙だ。
なにせロックが高い場所から落下するのは、これが初めてという訳ではない。
フォルティシモはパワフルで賢い箒だが、大層気難しい。
ご機嫌を損ねてしまったロックが振り落とされるのは良くあることだった。

だが、ロックが高い場所から落ちても平気なのは、身体を鍛えているのと硬化魔法がつかえるからだ。
今のリリアーナでは、良くて大怪我といったところだろう。

26 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 06:15:58 0
「フフフ・・・悪魔ぁ?あんな面白味のない生物なんて私はぁ〜ッ!!!」
リリアーナの愚問に彼女は微笑みながら否定の答えをだそうとした・・・しかし、彼女の表情は凍った。
そのときである。彼女、カタストロフの一番古い記憶、そして、彼女が始めて持った怨恨・・・
彼女が彼女ではなく二号だった頃を・・・
己の存在を求めたとき、粉々に破壊された屈辱は忘れられなかった。
いつの間にか彼女の顔から妖しい笑みは消え、怒りが露になっていた。
「・・・嬉しいわぁ〜私に初めて怨恨を与えた人物がそこにいるなんてぇ・・・」

そのとき、隣のベランダで何かが割れる音がし、周囲の緊張が緩んだ。
彼女は突き刺さっている刀を抜き、すぐさまフリージアを切り上げる。
しかし、その手ごたえはいつもと違い、何か硬い殻を叩いた感触に似ていた。
>「…不意打ちをする前にそんな事を言って。余裕のつもりですか?」
「当然じゃない・・・あなた達相手に不意打ちなんてしたら・・・恐怖に歪む顔や断末魔が楽しめないじゃない」
そういいながら、彼女は先ほど腕組みする際におさめた剣を抜き、臨戦体制をとる。
「私はぁ〜人が恐怖にあって死に直面するまでを楽しむ人なのよぉ〜快楽殺人っていうのかしらぁ
          そういうのが、たまらなく好きなのよぉ〜とくに復讐する人間にするのがねぇ〜」
完全に彼女はキマったかのようにケタケタを不気味な笑顔を見せた。
「ところでねぇ〜いつからぁ〜甲殻類になったのかなぁ〜」
グリンッと首を回しフリージアを見た。
本来離れているハズの部分から汚れた鼠色の何かが見える。
>「ふう・・・鋼鉄製のコルセットをつけていなければ今頃即死でしたわ」
「・・・へぇ〜・・・じゃあ・・・ダルマにしてから硬い殻はとろうかしらぁ〜」
そういいながら彼女も構える。


27 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 06:47:44 0
>「こうしていると試験の時を思い出しますわよねアルテリオン(仮)さん」
>喋っている間にも数多くの雪の結晶がオートでアルテリオン(仮)を攻撃している

フリージアを守っていた結晶がまた円鋸のように回転しながら襲ってくる。
だが、彼女はソレを飽きた玩具でも見るかのような目でそれを確認し、薙ぎ払う。
しかし、彼女のその悪い癖のせいでフリージアの連続突き見事に当たるが、ほとんどが鎧に当たってしまい
唯一ダメージになっているのは、防具のない腹部だった。
>「棍が当たる手応えがある?実体を持っているってわけ?じゃあ偽者ね、本物は幽霊ですもの!なら遠慮はいらないわ!!」
「それは大きな間違いよぉ〜これが本来のアルテリオン、嫉妬深くて女々しくて人を殺すことに快感を覚えてしまった愚かな騎士のねぇ」
へそ辺りにめり込んだフリージアの棍をしっかりと掴み。彼女は笑いながら答える。
そして、彼女はその行動をしながら、ゆっくりと振りかざした剣を振り落とした。

>「…ガトリングニードル!」
だが、その切っ先はメラルの氷弾によって空を切り、彼女の視界を奪った。
そして、そこにメラルの上段が来る。
その刹那、彼女はフリージアを蹴飛ばし、刀と剣でメラルの上段を受け止める体制を作った。
金属がぶつかり合う音が響く
「・・・伊達にネコ耳じゃないの、死角からの攻撃なんてまるわかりすぎるわぁ」
そして、フリージア同様メラルも蹴飛ばす。
彼女はフリージアのほうを見る。
「そろそろ死ぬぅ?けっこう欲求不満だけどねぇ」

28 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 07:12:48 0
フリージアが彼女の射程圏内に入った瞬間
二つの閃光にフリージアは・・・となるつもりだったのだが
割り込むように結晶が刃を受け止めていた。
「また結晶!?いいかげんムカついてきたわぁ〜」
彼女はフリージアとの距離を少し離し、先ほどとは違う構えをする。
左に刀は突き技を放つ構えをし、右の剣はアルトブランドとは真逆の動きの薙ぎ払い構え
「・・・派手に血の雨を降らせて・・・よぉ!!!」
と彼女はフリージアに突進する。
当然受けて立つがのごとく結晶は立ちはだかるが
突進の勢いと共に放った突きには敵わず
刀は貫通し、フリージアの肩を狙う。
だが、狙いはハズレ、刀はフリージアの肩に深く刺さることはなかった。
しかし、二の太刀の薙ぎ払いがフリージアの首を襲う。
そのとき、床が壊れ、剣はまた空を切った。
>「作戦通りですわ!おーほっほっほ!!」
「ハァ!?」
その次の瞬間、彼女の視点は下の階のベランダの床を向いていた。
「どう見たって・・・偶然じゃない?」
冷静に彼女は見を翻し、綺麗に着地する。
しかし、彼女は大変な失敗をしてしまった。
刀が己の影に突き刺さっている。そして、目線の先には落下しているロックが居た。
ロックの影は中庭の中心を少し左にずれた地点にある。
「あ・・・そん・・・」
一瞬、彼女の視界が黒く閉ざされたかと思うとそこはベランダではなく中庭だった。

29 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 07:17:00 0
「・・・ロックさんが落下してる。助けないと」
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
アルテリオンの肌が、髪の毛が、鎧が完全に元に戻り
私はロックさんを受け止めた。

30 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 12:45:53 O
「どうやら大半の生徒は避難したようだな……。じゃ、俺も避難……」
>17->18
>「レイド先生、助けて下さい!
 生徒二人が69号室で、アルテリオンさんの偽者から攻撃を受けています!
 ドアは消されていて逃げることも出来ない、このままじゃやられてしまう!」
避難しようとした瞬間どこからか男の声が聞こえてきた。
「どこだ……ロック!?」
声のする方に振り向くと、そこにはロックの姿があった。
「69号室だな?分かった、すぐに向かう。お前は早く避難しろ。(アルの偽物……。アイツの事か…。)」
アルテリオンの偽物が居るとなると二人の生徒の身はかなり危険な状態にあるという事になる。
俺はうつ向いたまま、どうしたら早く69号室に行けるか考えた。
「テレポート……やってみるか。しかし…成功するかどうか……。いや、考えてる暇は無い……」
目を瞑り頭の中に69号室の部屋の中を思い浮かべる。
>21「あっ、そういやロック、生徒二人って誰の事だ?」
顔を上げてロックが先程まで居た場所に目を向けるが、既にそこにロックの姿は無かった。
「あら?もう避難したのか……。じゃあ、俺も行きますか…」
テレポートしようとした瞬間、男子寮が崩れていくのが見えた。

31 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 12:46:39 O
>25>29「うわ〜……。マズイな。」
少しずつだが男子寮は確実に崩れている。「何か生徒を助ける良い方法は……」
突然空からロックが降ってきたかと思うと、続けてアルテリオンも降ってくる。
アルテリオンは落下するロックを見事にキャッチした。
「ロックをキャッチするってことは偽物じゃないようだな……。」
何故二人が空から降ってきたのか、偽物のアルテリオンは何処に行ったのか、分からない事だらけだが、とりあえず二人共無事のようだ。
俺は二人に聞きたい事が沢山あったが、今は生徒の無事を確認しようと思った。
「ロック。男子寮に生徒は残されてるのか?それともさっき言ってた二人も無事に避難したのか?」

32 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 16:29:55 O
フォルティシモがぶつかった影響でロックの机が全壊(!)してしまったようだ。
69号室には机の中身と思われる3個の箱が転がっている。
一つは金色の装飾がされた木の箱、
もう一つは簡素な金属の箱、
最後の一つは包装された紙の箱である。


なお、現在もフォルティシモは執拗にロックを襲い続けているようだ。


>>29
その頃、屋上ではギルハートがある事に気づいた。
「………?」
アルテリオンがもとに戻った事に気がついたのだ。
「………」
ギルハートは術の発動を中断してしまった。それにともない学園の崩壊が止まる。
そして、今まさにギルハートの姿が“別の人物”に変わろうとしていた。


33 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 18:44:24 0
>「当然じゃない・・・あなた達相手に不意打ちなんてしたら・・・恐怖に歪む顔や断末魔が楽しめないじゃない」
>「私はぁ〜人が恐怖にあって死に直面するまでを楽しむ人なのよぉ〜快楽殺人っていうのかしらぁ
          そういうのが、たまらなく好きなのよぉ〜とくに復讐する人間にするのがねぇ〜」
「本物の快楽殺人者はそんな冷静じゃないわよ!見え透いた手を!」
その言葉を聞いて尚メラルは否定した。「快楽殺人者」より、「快楽殺人者を装った頭の切れる相手」
の方が脅威だからこそ相手を安易に過小評価しないようにしているだけなのだが。
そして、切りかかった辺りでテレパシーが聞こえてきた。
「各自避難は完了したか?避難が完了した生徒は次の先生の指示を待て。
勝手な行動はするなよ。避難が完了してない生徒は居場所を教えろ。近くに居る先生を迎えに向かわせる」
が…彼女にはそれが可能な状況とも思えなかった。流石にすのこにまでは頭が回っていない。
(転移を使える相手から逃げるなんて出来っこないわね…。)
そして、そのまま切りかかる…が。あっさりとアルテリオンは両方の剣で受け止めた。

>「・・・伊達にネコ耳じゃないの、死角からの攻撃なんてまるわかりすぎるわぁ」
(両方…は計算外だけど、やれる!)
「受け止めた時点で結果は同じよ!ブースト!」
彼女の剣の切先の後ろに大型の斥力球が出現し、その力で
無理矢理押し潰そうとしたが…斥力球が周囲の魔力を
風で押し流してしまい、しかも完全に剣の方に意識をやっていた為
蹴りに気付く事はなく、それが腹部に直撃した。
しかも斥力球を消すのが遅れたせいで結果的に
斥力球の力がその蹴り飛ばす力に大きく上乗せされる形になり
より派手に吹き飛ばされる事になる。
「…な…っ!」

叩きつけられたのは、69号室の中。ギリギリで斥力球による制御をしたおかげで
頭を打つ事だけは免れたようだが、それでもダメージは相当大きい。
"剣"を解除して杖に戻してから立ち上がった。
「…転移で強制的に接近戦の間合いに持ち込んで、接近戦で圧倒する…
とんでもないわね…。」
再度術を唱え始めるが、その途中、フリージアが追い詰められた挙句、
脆くなったベランダから落下。そしてベランダが崩壊した。
「…なっ…どういう事?何でベランダがあんな簡単に…。」
慌てて窓から外を覗き込む。フリージアは氷の結晶で浮いており、
アルテリオンはしっかりと下の階のベランダに着地していたが…
何故か転移してしまった。しかも、何故か色を変えて普段の
アルテリオン先生になっていたりする。
普通では考えにくい、しかも唐突な状況の変化にパニックを起こして
少しの間それを呆然と眺めてから、とりあえず
一番近くにいるフリージアに声をかけた。
「これから、どうすればいいのかしら…。」


34 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/21(水) 22:53:49 0
>29
突然色の変わったアルテリオンを見て驚くフリージア
だがロック(偽)を助ける姿を見てなるほどそういうことかと一人で納得したフリージアは
「とりあえず一難去ったみたいですわね」
とつぶやいた
>33
そんなこんなしているうちに
>「これから、どうすればいいのかしら…。」
とメラルに問われたので
「とりあえずまた反転するといけないから距離を起きましょ」
と返すフリージア

”反転”それはかつて存在したサガという空間を操る魔道師が起こしたと伝承に伝わっている現象である
彼は善と悪の二つの心を持っており普段は善人なのだが突然色が変わり悪人になってしまったらしい
それと同じ現象がアルテリオンにも起こったのだとフリージアは考えたのだ
まあフリージアのあてずっぽうなのだが

箒に襲われているロック(偽)を見て
「リリアーナさん箒と遊んでないでそろそろ本来の目的を・・」
とロック(偽)に話しかけるフリージア
状況を知らない人はきょとんとするだろう
なんせリリアーナとロックに話しかけているのだから

35 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/22(木) 00:01:47 0
>25
>「こ・・・怖かった・・・・・・」
見上げるロック(リリアーナ)の顔の爬虫類を思わせる目にも驚いたが、その行動には更に驚かされてしまった。
瞳を潤ませ抱きつかれ、どう対処していいかわからなかったのだ。
「みなまでゆわんでええ。こういうことにゃぁ疎い私でもそれなりにわかるけぇ。
私も吝かでもないじゃきぃ、落ち着いてつかぁさい。」
顔を赤らめ、ぎこちなく慌てるロック(リリアーナ)の唇に人差し指を当てるクドリャフカ。
色恋沙汰には免疫がないため、冷静な振りしながらもすっかり舞い上がってしまっていた。

69号室、といったところでフォルテッシモの攻撃を受け、ロック(リリアーナ)がスノコから落ちてしまう。
「あかん!せっかく重要人物確保したのに!」
とっさに手を伸ばすが僅かに届かず、ロック(リリアーナ)は落ちてしまう。
しかもフォルテッシモの返す刀でスノコはバラバラに。

空中に投げ出されたクドリャフカは見た。学園全体が崩壊し、形を変えていくのを。

重力と共に落ちていく先は69号室。
「みんな大変じゃ。学園の形が崩めぎもっているんじゃ。こりゃぁただ事じゃないけぇ。
それとアルテリオンさん、わしも受け止めちゃってつかーーーさーーーいーー!」
ドップラー効果をきかせながら警告と、190センチ95キロの巨体で無茶なお願いをしつつ、落下していく。

36 名前:偽ロック(残り1分) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 01:13:05 0
>25 
中庭に置かれた東屋の上を、フォルティシモに吹き飛ばされたロックの影が通過する。
次の瞬間、東屋の上にアルテリオンが現れた。
その登場の不自然さに気づいた者は、果たして何人居るだろうか?

アルテリオンは跳躍し、落ちてきたリリアーナを受け止めた。
固まったリリアーナとは対照的に、抱っこされていた子犬は元気いっぱいだ。
パタパタ尻尾を振りながら、べろん!とアルテリオンの頬を舐めた。
(あれ?)
感じた違和感にリリアーナは眉をひそめた。
失礼にならないよう、慎重に言葉を選びつつ質問を試みる。
「アルテリオンさん、危ないところをありがとう。お陰で命拾いしました。
 ところで、いつの間に中庭にいらしたんですか?」

>31-32 >35
>「ロック。男子寮に生徒は残されてるのか?それともさっき言ってた二人も無事に避難したのか?」
「いえ、フリージアとメラルさんはまだ上に・・・・・・・」
アルテリオンの腕から降りたリリアーナは、レイドの方を振り返り、突然顔色を変えた。
レイドの背後から箒が現れた。
「フォルティシモ!止めて止めて!!」
リリアーナは再びフォルティシモに襲われた。

>34
>「リリアーナさん箒と遊んでないでそろそろ本来の目的を・・」
呆れたフリージアの声が男子寮から聞こえてきた。
声の調子から察するに、黒いアルテリオンとの戦闘は一旦終了したようだ。
同じタイミングでクドリャフカの懇願する声が聞こえた気もしたが、確認できる余裕など無かった。
リリアーナはフォルティシモの猛攻を何とかかわしつつ、大声を張り上げた。
「フリージア!ロックの部屋の机を見て!
 2番目の引き出しに入っている小箱がどうしても必要なの!お願い、机を探して!!」

37 名前:偽ロック(残り1分) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 01:14:03 0
>32
リリアーナは逃げ回りながらフォルティシモを説得していた。
「フォルティシモ、あなたほど綺麗で賢い箒なら、私の言ってる意味わかるでしょ?
 何度も言ってるけど、私はロックじゃないの!試験のとき助けてもらったリリアーナよ!
 ロックの姿をしていたのは謝るわ、不可抗力なの。騙す気なんて無かったの、ホントよ!
 もうじき薬が切れるし、お願いだからもう許して・・・・・・え?違う?!」
どうもフォルティシモは、昨日ロックが手入れを怠ったことに腹を立てているらしい。
リリアーナの顔が曇った。
「ロックを責めないで、フォルティシモ。彼は昨日から行方不明なの。
 居ないのは、不可抗力だわ。
 そうよ・・・・・それもこれも!全っ部!あのギルハートっていう魔法使いのせいだわ!
 私の魔法が・・・ゲフンゲフン・・・もとい、学園内に悪魔を引き込んだのもあの人のせい!!」
リリアーナは拳を振り回して力説した。
本当はもっと話は複雑なのだが、ややこしいので割愛した。

「・・・ねえフォルティシモ、ロックを助けたくない?
 私は助けたいわ。あなたはどうなの?
 それとも、居なくなったロックの代わりに、さっさと新しいご主人様を探すつもり?」
再び殴りかかってきそうなフォルティシモを手で制すと、にこりと笑みを浮かべる。
「だったらフォルティシモ、私たちの利害は一致してると思わない?
 ねえ、私達と手を組まない?一緒にロックを探しましょう?
 まあ。フォルティシモが怖くて出来ないって言うなら理強いはしないけど。
 そのときは、どこか安全なところで隠れていてね。
 もしフォルティシモに何かあったら、帰ってきたときロックが悲しむからね」
葛藤中のフォルティシモはしばし大人しくなった。
後で襲い掛かってくるかもしれないが、暫くは大丈夫そうだ。
この隙に、リリアーナは先生に誘導され避難中の生徒を呼び止め子犬を託した。

何時の間にか地響きの音がやんでいる。
「建物の崩壊が・・・止まった?」
リリアーナは周囲を見渡し、はっと息を呑んだ。
「レイド先生、ギルハートだわ!」
リリアーナは屋上を指差した。
車椅子の老人の影がここからでもはっきり確認できる。
光がまぶしくてよく見えない。だが、老人の姿は少しずつ別の形へと変化しているようだ。

38 名前:イレブン ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 11:27:19 O
屋上にいた人物は消えてしまった。…ように見えた。
しかし、それは違う。迷彩魔法で見えにくくなっただけだ。
「あぁぁはハハ!」
それは屋上から中庭まで跳躍しつつ風のようにいっきに駆けてくる。
それも気持ち悪いくらい速く、下品な笑い声と共に…
歪んだ景色と足跡がアルテリオンの前に立つと、彼は魔法を解除し姿を現した。
全身赤タイツのマスクマン…紛れもなく以前リリアーナを襲った男イレブンである。
「おめぇは…何やってんだぜ?」
イレブンはアルテリオンに皮肉っぽく尋ねた。
彼はナイフを取り出して自分の手首にあてる。
「ひゃあぅ!!」
いきなりリストカットしたのだ。
>>8
「いい気分だぜぇ…」

>>7
流れ出す血が集まり人の形になると、それがイレブンそっくりの別の男に変わった。
イレブンと違い手に爪が付いている。
「セブン!!」
セブンと呼ばれた男は“その場にいる女性”に襲いかかった。

39 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 17:56:32 O
>36->37
>「いえ、フリージアとメラルさんはまだ上に・・・・・・・」
どうやら残っている二人生徒というのはメラルとフリージアらしい。
「メラルとフリージアだな?誰か暇な先生を向かわせるか…。」
先生方にテレパシーで問いかけようとするが、皆忙しいみたいだ。
「(そこを何とか頼むよ〜。俺はアルとロックを避難させるからさ〜。)あっ、切りやがった。やっぱし俺が行くしかないのか…。ロック、アル、悪いが二人だけで避難を……って何怒ってんだ、フォルティシモ?」
フォルティシモはロックに対して怒りをぶつけている。
ロックはご立腹中のフォルティシモをなだめようとしているが、フォルティシモの怒りはなかなか収まらない。
「あの〜、そろそろ避難してもらいたいんだが…」

40 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 17:57:58 O
>「レイド先生、ギルハートだわ!」
屋上を指差すリリアーナ。
「ちっ……親玉の登場ってか。二人共、早く避難しろ。(あれ?ってか、だわっておかしくないか?ロックはいつからオカマになったんだ…。)」
一瞬、そんな疑問を抱いたが気にしている場合ではない。
>38いつの間にか屋上に居た老人の姿が消えてしまったのだ。
「迷彩魔法を使うって事は……変態野郎か!!」
>「あぁぁはハハ!」
イレブンは下品な笑い声と共に中庭近付いてくる。
笑い声はアルテリオンの近くで止まり、イレブンが姿を現した。
>「おめぇは…何やってんだぜ?」
>「ひゃあぅ!!」
>「いい気分だぜぇ…」
イレブンはアルテリオンに問いかけた次の瞬間、突然リストカットをした。
「イッちまってるぜ…。」
イレブンは血でイレブンそっくりの男を作り出した。
>「セブン!!」
セブンは爪が付いている手で女性陣に襲いかかった。
「(マズイ!ここで攻撃魔法を使えば生徒を巻き込む危険性がある!)バリア!」
俺は女性陣の周りにバリアを作った。
「俺は補助系の魔法苦手だから、長くは持たない!早く逃げろ」

41 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 18:10:25 0
>「とりあえずまた反転するといけないから距離を起きましょ」
「そうね…。」
反転かどうかはともかく、意図する所は大方わかった。
少し時間がありそうだった為、先ほどはパニクっていたが後の事も考えて、今のうちに
先程のアルテリオンの能力について考え始めていた。

(まず、普通に接近戦でどうにかするなんてのはほぼ無理。少なくとも私達生徒レベルじゃ
束になってかかってもさっきと同じような事になるだけね。恐らく不意打ちも不可能。
デスタメントは…そりゃ決まれば倒せるでしょうけど接近戦で使うのは無謀。
近づいてくる所を迎え撃つならともかくね。"もう一つ"は…そもそも当てるのは無理ね。
となると、他にある手段は屋外専用か目かの二択。最悪本当に覚悟しなきゃいけない
のかもしれないけど…目は流石にお断りね…。)
そして、見ているとフリージアがロックらしき人物にリリアーナと声をかけている。が、メラルは
何かのマジックアイテムで変身していて、それにフリージアが気付いたというところだろう。
と断定して考えを続ける。

(…で、中距離から遠距離で戦うとなると、一番の問題は転移ね。
あれで距離をつめられたらどんな牽制も意味がないわ。…あの人がした転移は二回。
そもそも転移は普通に術を使うだけでもかなりの魔力を取られる術。
無詠唱や簡易的詠唱で制約のない転移をするなら更に魔力に負担がかかるはずね。
なら、最初の転移で考えられる可能性は転移が術かマジックアイテムか、
制約があるかないか。大まかに分けて四つ考えられるけど…
そもそも、制約なくほいほい転移が出来るマジックアイテムなんて代物があったら
それこそ伝説級の代物。それ以前に普通に考えて、あの相手は例の老人絡みなんだから
マジックアイテムならそれこそかなり大きな制約がない限りあの老人の手元にあるはずよね。)
周囲がかなりドタバタしているが、今のうちに対策を立てておかないといざという時に
対応できない。そういう意図もあって必要な所以外ではメラルは思考を優先しているようだ。

(そして、最初の転移でありえる可能性は…術なら予想外の攻撃を咄嗟の転移で逃れたか
元々転移の詠唱をしていて見せ付ける為に私の攻撃を受けてからフリージアの
攻撃に対して使ったか…そのいずれか。術ならどっちかは判断に困るけど…
最初の転移で考えられるのはここまでね。それより、重要なのは次の転移…え?)
フリージアとリリアーナの会話が耳に入り、一旦止まっているとはいえ、
明らかに危うそうな建物の状況に今更気付いた。
そして部屋を見回してからフリージアのみならず
リリアーナにも聞こえるように大声で言う。
「…机、壊れてるわ。しかも見事にありそうな箱が三つ転がってるけど…。
 二人とも、…どれが本命かわかる?」
まぁ、全部持っていくという発想がすっぽり抜けているあたり
変な所で間が抜けているのだが…。

42 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 19:23:05 0
>37>41
>「フリージア!ロックの部屋の机を見て!
>2番目の引き出しに入っている小箱がどうしても必要なの!お願い、机を探して!!」
フリージアは指示通りに机を探そうとするが・・・
>「…机、壊れてるわ。しかも見事にありそうな箱が三つ転がってるけど…。
>二人とも、…どれが本命かわかる?」
というメラルの声がしたのでそちらを振り向いてみると
確かに壊れた机と3つの箱があった

メラルのようにどれを持っていこうか悩むかと思われたが
「一つより二つがいいさ、二つよりは三つがいい♪ですわ」
とよくわからない大雑把な理屈で三つとも拾い上げ
荷物運搬用に作った空飛ぶ雪の結晶に乗せ
これまた雪の結晶で作ったチェーンで固定してしまった
「さあ箱も回収したし部屋から出ますわよ」
とフリージアは出ようとするが
>38
>「あぁぁはハハ!」
という声がするとともに
あわてて部屋の方に戻ってきた

「へ、変態が二人いましたわ」
そうセブンとイレブンが見えたのである
「どうしましょ」
と慌てふためくフリージア

とりあえず落着くために一回深呼吸をすると
「不意打ちすべきかしら?それとも先生に任せて今のうちに逃げるべきかしら?」
とメラルに聞いた

43 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/23(金) 21:05:29 0
>41>42
メラルとフリージアが相談している69号室に人間魚雷よろしく壁を突き破って突っ込むはクドリャフカ。
轟音・衝撃・破片・土煙が一体となって室内を満たした。
「いたたた、私もか弱い乙女っちゅうのに・・・まあなんとか無事着地できてえかったわい。」

土煙の中、むくりと立ち上がる巨大なシルエット。
「ああ・・・せっかくの私の手柄と春が・・・」
壁の穴からレイド・アルテリオンと共にあるロックの姿を見て、がっくりと肩をうなだれた。
「さて、どうしたもんかのぉ・・」
イレブンとその血でできたセブンがレイドと戦闘に入るのを見ながら思案をめぐらせる。
部屋を満たす煙と、着地の衝撃で頭を打っており、室内の二人の存在にはまだ気付いていなかった。


44 名前:偽ロック(時間切れ) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 09:46:54 0
>38 
ギルハートだった影は消え、かわりにイレブンが現れた。
「そんな・・・」
リリアーナは傍目にもわかるほど動揺していた。
確かに、イレブンの姿で昨夜のことを思い出したせいもあるだろう。
呼び覚まされた怒りと、植え付けられた恐怖も確かにある。
だがそれ以上に、ロックがギルハートだけでなく、イレブンとも同一人物だったという事実が
リリアーナを打ちのめしていた。

>「おめぇは…何やってんだぜ?」
イレブンはアルテリオンに声をかけた。
「アルテリオンさん・・・まさか知り合い・・・なんですか?!」

>40
セブンはアルテリオンに襲い掛かろうとした。
だが済んでのところで、セブンの爪はレイドのバリアに阻まれる。
>「俺は補助系の魔法苦手だから、長くは持たない!早く逃げろ」
リリアーナはガーン!とショックを受けている。
「ひどいっ贔屓だわ!レイド先生のバカバカバカぁ!」
バリアの魔法をかけてもらえなかったリリアーナは、ぽかぽかレイドの背を叩いた。

だが、今はレイドに八つ当たりしている場合ではない。
攻撃を阻まれたセブンは、今度はレイドの陰にいたリリアーナに気づいた。
「やだ、来ないで!」
リリアーナは反射的に雷撃を放とうとした。だが、何も起こるはずも無い。
ジリっと後ずさりする。
「・・・レイド先生、ごめんなさい!」
身を守る手段すらもたない彼女にとっては、この場から逃げ出す以外の選択肢は無かった。

45 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 09:51:21 0
どうやら変身薬の効果が切れたようだ。
ロックの姿が消え、代わりに、帽子を目深に被ったローブ姿の生徒が現われる。

俊敏な動きで追いついたセブンが、その鋭い爪を生徒の背に振りおろした。
生徒はぎりぎりで身をかわしたものの、セブンの片爪は生徒のローブを貫いている。
「きゃっ!」
引っ張られ体制を崩した生徒の頭から帽子が落ちた。
「いや、そばに寄らないでよ!!」
帽子に押し込んでいた金髪が零れ、蒼ざめた顔を彩っている。
セブンに襲われているのはリリアーナだった。

何とか距離を取ろうと足掻くが、セブンの爪は深くローブに食い込んでいる。
彼女の力では外せそうにない。

46 名前:イレブン ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 18:45:23 O
セブンがリリアーナを相手しているため、
レイドとアルテリオンの相手はイレブン自身がやらなければならないらしい。
イレブンは両手の中指を立てながら叫ぶ。
「俺を見ろぉ!!」
イレブンが再び迷彩魔法で見えにくくなった。
「ひゃはハハハ!」
イレブンはレイド達の周囲を高速で旋回しながらボーガンの矢を無数に放ってきた。

47 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 19:32:43 0
>43
ジュドーン!!
という大きな音とともに壁を突き破るクドリャフカ
「・・・・・・・」
言葉を失うフリージア
舞い散る煙
「・・・・はっ!」
と気を取り直したフリージアは荷物の安否を確認した
「どうやら荷物は無事みたいですわね」
煙でよく見えないので目を凝らしてみると目の前には巨大なシルエットが・・・
「く、熊かしら?」
こんなところに熊が居る分けないのだが思わずつぶやくフリージア

>「ああ・・・せっかくの私の手柄と春が・・・」

>「さて、どうしたもんかのぉ・・」

「こ、この声はクドリャフカさんですの?」
どうやらフリージアはか弱い乙女云々は聞かなかったことにしたようである
「一体全体、外では何があったのですの?」

とりあえずここからでは外が見えないのでこう聞いてみるフリージア
まあいざとなったら雪の結晶の鏡を作って反射を利用して外を見ればいいのだが
逆にそれによってこちらの様子が知られるとまずい
だからフリージアは使用をためらっているのだ

48 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/24(土) 21:13:28 0
>47
室内に充満していた土煙が収まって、ようやく室内が見渡せるようになった。
>「一体全体、外では何があったのですの?」
「お、フリージアさん。メラルさんも。外はの、こういう按配じゃけえ。」
振り返ってフリージアとメラルを確認しながら、飛んできたボウガンの矢を捕ってみせる。
中庭でイレブンが高速回転しながら放ったものの流れ矢だ。

二人の道化のような人影。
一人は逃げたロックを追っていった。ロックと道化の一人がどうなったかは死角に入って見えない。
もう一人は姿が消えてボウガンをあたり構わず撃っている。レイドとアルテリオンが対処している。

「さて、ロックさんは今回の騒動に深く関わっているのでしょう?
先生達は問題ないだろうし、ロックさんの確保が第一だと思うけど。」
状況を軽く説明し、これからどうするか二人に相談を持ちかける。
何気に尤もらしい理由をつけてはいるが、ロック確保の提案は利害よりも情の割合が多いのは自覚できないでいた。

49 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/03/25(日) 17:59:37 0
>「一つより二つがいいさ、二つよりは三つがいい♪ですわ」
フリージアが全部の箱を拾い上げて部屋を出ようとする。
「…それもそうね。リリアーナならわかるでしょうし。」
そして、再度翼を展開して外に出ようとしたところで…
クドリャフカが壁を突き破って部屋に突っ込んできた。
「…大丈夫…みたいね。」
とりあえず外傷がそこまで酷くはなさそうだったので、そう判断して
フリージアが聞いてきていた「変態」とやらについて考える。
「変態…と言われても、それだけじゃ判断できないわね…。」

そして、対応の為の術を用意しつつ外の様子を覗いて見ると、
妙な男と血で出来た人型の物体がおり、
片方は迷彩を、もう片方はリリアーナを襲っている。
そして、クドリャフカの持っているボウガンを見て話を聞いてから言った。
もちろん、か弱い乙女に関しては完全スルー。突っ込みすら入れない。
「普通にやるんじゃ無理だと思うわ。もう明らかにレイド先生に見つかってるんだし、
 これ以上の独断専行は許される訳もないわ。でも…戦闘のドサクサで
 言質を取っちゃえば話は別。それにリリアーナをあのまま放置するのも論外だし。」
メラルはクドリャフカの言うロックがリリアーナの変身している
ロックだとは思っていない。その為微妙に誤解した…しかも
微妙どころではなく不穏な発言をしているのだ。
普段の自分としての行動をとった場合、占いの結果が現実になる可能性が高い為
その結果を変えるべく普段しない行動をしてみようという意図もあるようだ。
「…行くわよ。」
窓から飛び出して、同時に術を放つ。
「…ウォーターバスター!」
杖の先に魔方陣が現れ、そこから大量の水が、まるでホースから
噴射されるようにして放たれ、セブンを押し流そうとする。
最初は微妙に照準を外していたのだが、自身の動きと杖の動きにあわせて
魔方陣が向きと位置を変えるようで、当然発射される水の狙いも微調整されている。
最も、命中してもこれ単体では吹き飛ばせる以外の効果はなさそうだが…。

50 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/25(日) 20:42:48 O
>44
>「ひどいっ贔屓だわ!レイド先生のバカバカバカぁ!」
ロックが俺の背中をポカポカと叩く。
「(ロックってこんなキャラだったっけ?)馬鹿でも何でも良いから早く逃げろ。」

セブンはロックに気付き近寄って行く。
>「・・・レイド先生、ごめんなさい!」
そう言うとロックは逃げて行った。
しかしセブンはロックの後を追いかける。
「ロック!!セブンが行っ……誰??」


51 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/25(日) 20:43:32 O
>45ロックの姿は消え、帽子を被ったローブ姿の生徒が現れた。
その生徒はセブンにローブを引っ張られ、帽子を落とす。
「リリアーナ?………ああ、何となく全てが繋がった気がする。って、納得してる場合じゃねぇ!」
助けに行きたいが俺にはイレブンの相手が残っている。
しかも最悪な事に、セブンの爪はリリアーナのローブに深く食い込んでいる様だ。
「テレパシーで先生呼んでる時間も無いし、どうしたもんか…」
>46
>「俺を見ろぉ!!」
イレブンが叫ぶ。
俺が見た時には既に迷彩魔法を使っていて、姿は見え難くなっていた。
>「ひゃはハハハ!」
イレブンは狂った様に叫びながらボウガンを放ってきた。
「ウザいんだよ、バリア。」
放たれたボウガンはバリアで簡単に防ぐ事が出来た。
>49しかしリリアーナは未だにセブンから逃げ切れていない。
>「…ウォーターバスター!」
窓から飛び出したメラルがセブンに向け大量の水を放つ。
「グッズタイミング!早くリリアーナを連れて逃げろ!」

52 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/25(日) 21:26:44 0
>49>51
認識と情報の錯綜は混乱を生む。
幸いなのは混乱していられるほど事態がのんびりしていない事だった。
「な、リリィさんがいるんか?」
メラルの言葉に驚いて外を見ると、なるほどリリアーナがセブンに襲われている。
見ているそばからウォーターバスターを発動するメラルに迷いはない。
>「グッズタイミング!早くリリアーナを連れて逃げろ!」
その迷いのなさと、レイドの言葉がクドリャフカのスイッチを入れた。
「言質は取れたことじゃし、行くかいの!」
メラルの水、控えるフリージアの属性。自分の有効射程距離。これを考えれば何をなすべきかは自ずと理解できる。

>45
開いた壁の穴から飛び出し、跳躍!
着地点にはリリアーナと水流に押されながらもローブに食い込む爪で押し留まっているセブンのすぐ脇。
「展開!一坪の聖域!」
着地と同時にリリアーナの肩を抱き寄せながらスカートから取り出した巻物を広げる。
巻物が効力を発揮し結界内は聖なる気に満ち、そのうちにあるセブンの爪が消滅した。
「リリィさん!あんた魔法も使えんのになんでこがぁな所にいるんかね!
水に触れん方がいいからこっちへ。」
叱責しながら腰に手を回し、その重心を操りながら距離をとった。
「まあええ、ノルマは達成した訳じゃしな。この結界からでたらあかんよ?
あとはマイダーリンロックさんはいずこ!」
数メートルの距離をとった後、リリアーナを結界に残してセブンとの間に立つ。
警戒しながらも、ロックの姿を探しきょろきょろと辺りを見回すのであった。

【一坪の聖域】
地下図書館から拝借してきた巻物。
広げると直径2Mの円形を形作り、結界となる。
結界内は聖域となり、そのまま移動も可能。簡易結界でありながらその効力は強力。


53 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/25(日) 21:53:24 0
>49
>「…ウォーターバスター!」
窓から飛び出しメラルが攻撃したのを見たフリージアは
もう居場所はばれたしこんなところで引きこもっている必要は無いと判断した
>51>52
それを見たレイド先生に
「グッズタイミング!早くリリアーナを連れて逃げろ!」
と言われ助けようと思ったがその役割はクドリャフカに取られてしまった
クドリャフカがリリアーナを結界に包み込んだのだ

仕方が無いのでメラルの魔法によりずぶぬれのセブンを
その状態を利用して一気に凍らせてしまおうとフリージアは雪の結晶を投擲した

当たったのを確認したフリージアは
「これで動けなくなったはずですわ」
と言っていつものようにおーほっほっほと勝ち誇るかに見えたが・・・

「・・・・もしかしたら油断させるためにわざと凍ったかもしれませんから、メラルさん念のために雷撃系魔法で止めを刺してくれませんこと。
 今ならダメージ二倍はいけるはずですわ・・・多分」
とふんぞり返っていてとてもそうは思えないが一応警戒を緩めていないようなことを言うフリージア

「それでも駄目ならまた水をかけて凍らせて動けなくなったところを雷撃の繰り返しですわ」
結構エグイ戦法である

54 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/25(日) 23:45:51 0
「・・・・・・ハァ・・・こっちに来ちゃ駄・・・目です」
クドリャフカらの背後には、黒い何かに蝕まれているアルテリオンの姿があった。
「フッ・・・クゥ・・・すいませんクドリャフカさん・・・アレはどうにも出来ませんでした」
体の半分を何かに飲まれているのに、私は苦笑いをしながらそういった。
さっきまでの私にはロックを受け止めるだけの力しか残ってなかったんです。
「・・・いいですか・・・ここに・・・いや、私から逃げてください・・・でないと・・・」
意識が飛び始めている・・・まずい・・・
「私に・・・彼女に・・・殺され・・・」
私の意識が飛んだ瞬間、私の体は黒い何かに飲み込まれた。


55 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 07:03:13 0
>51
セブンはマントに取られていない方の腕を大きく振りかぶった。
あの爪を受けてはひとたまりも無い。
リリアーナは両手で振り下ろされたセブンの腕を受け止めた。
だが、セブンとでは腕力の差は歴然だ。支えきれなくなったリリアーナの腕がガクガク震え始めた。
もうだめだ、と思った次の瞬間。
>「…ウォーターバスター!」
男子寮から高圧の水流がセブンに向けて放たれた。メラルの魔法に押され、セブンの力が緩んだ。
>「グッドタイミング!早くリリアーナを連れて逃げろ!」
イレブンと交戦中のレイドが叫ぶ。だが、アルテリオンは動かない。
かわりに動いたのは、別の人物だった。

>52
> 「展開!一坪の聖域!」
ぐいっと肩を抱かれて身体を支えられる。クドリャフカだった。
クドリャフカが展開させた巻物が効力を発揮し、二人の周りに小さな結界が出現した。
ローブに食い込んでいたセブンの爪が消滅した。
「ク・・・クドリャフカさん・・・」
ほっと気が緩んだリリアーナは、思わずクドリャフカに抱きついた。
>「リリィさん!あんた魔法も使えんのになんでこがぁな所にいるんかね!
「ご・・・ごめんなさ・・・」
ぽろっとりリアーナの目から大粒の涙が零れた。
さっきといい、今といい。自分ひとりで皆に大変な迷惑をかけている。
身の置き所が無いとは、まさにこの事だ。
「昨日ロックが消える直前、私に頼みごとをしてて・・・。
 そ・・・それにロックの部屋に行けば、なにかわかるかもって思って・・・」
>「まあええ、ノルマは達成した訳じゃしな。この結界からでたらあかんよ?
>あとはマイダーリンロックさんはいずこ!」
「多分今、レイド先生と交戦中って―――― え?」
ガーン!という効果音が聞こえてきそうだ。驚きのあまり頭が真っ白になった。
おかげで涙も止まったようだ。

(まいだーりんって・・・い、一体いつの間にロックとクドリャフカさんはそんな関係に?!
 はっ!そういえばクドリャフカさんは、試験のときも自分の身を省みずロックの呪いを引き受けてたっけ。
 ロックがここしばらく元気がなかったのも、愛しのクドリャフカさんが課題から戻らなかったから?!)
考えれば考えるほど、ますます本当の事のように思えてきた。
だがこんなことを考えられるのも、当面の危機が去ったお陰だろう。
それが良かったのか悪かったのかはわからないが。
リリアーナの百面相はなおも続く。
(・・・べ、別に二人が付き合ってたからって何だっていうのよ!
 わ、私はショックなんか受けないんだからね!
 クドリャフカさんはスタイルだって抜群だし、大人だし、親切で良い人だし・・・
 そうよ、熱血馬鹿のロックにはもったいないって思っただけなんだから!そ・・・それだけなんだからね!)

56 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage どんな本かは私にもわからないわ〜] 投稿日:2007/03/26(月) 07:04:37 0

>49 >53
視界の隅では、フリージアの攻撃でセブンが凍りついている。
>「それでも駄目ならまた水をかけて凍らせて動けなくなったところを雷撃の繰り返しですわ」
フリージアはメラルにとどめを頼んでいる。
3人ともセブンへの警戒を緩めていないが、リリアーナはわりと楽観的だ。
なぜなら、セブンの媒体は血液だと知っているからだ。
たとえ凍りついた状態から回復したとしても、3対1になった以上戦闘がそう長引かないだろう。
「メラルさん、フリージア!探し物は無事見つかった?」
彼女たちの表情をみる限り、なんらかの収穫はあったようだ。
>54
背後から異様な気配を感じ、リリアーナは振り向き目を見張った。
「ア、アルテリオンさん?!」
>「・・・・・・ハァ・・・こっちに来ちゃ駄・・・目です」
彼女は、今にも黒い何かに飲み込まれようとしている。
何がどうなっているのかさっぱりわからないが、これだけはわかる。
あれは、良くないものだ。

>「・・・いいですか・・・ここに・・・いや、私から逃げてください・・・でないと・・・」
>「私に・・・彼女に・・・殺され・・・」
そういい残し、アルテリオンは黒い何かに飲み込まれてしまった。
これから何が起こるのか、リリアーナにはわからない。
(でも、このまま身を守る手段が全然無いんじゃ・・・何とかしないと・・・。
そうはいっても、魔法が使えないのでは・・・)
考えを巡らせていたリリアーナは、とても重要な事を思い出した。
「そうだわ!クドリャフカさんのお土産!!」

そう、彼女は昨日クドリャフカから、図書館Dレベル階層で手に入れた『魔本』を受け取っていた。
魔法が使えなくなったリリアーナのために譲ってくれたのだ。
ばたばたしていてまだ確認していなかったが、【一坪の聖域】のように、きっと役立つ本に違いない。

「一体どんな本かしら・・・」
リリアーナはウェストポーチから魔本を取り出すと、ドキドキしながらページをひらいた。

57 名前:イレブン ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 09:14:14 O
>>54
イレブンがアルテリオンの変化に気付く。彼の目的は達せられたのだ。
彼が立ち去ろうとしたその時、

「ギャヒヒ!ギャヒヒ!」
突然ひゃっくりをするように笑いだした。
彼の目にクドリャフカの姿が入ったのだ。
全身傷だらけの彼女の姿を彼は大変気にいったらしい。

笑いころげている間は無防備だ!


58 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/03/26(月) 10:54:42 0
ヘア!!ストリウム光線

59 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 18:53:32 O
>49>52>53
三人の活躍により、リリアーナの無事は確保出来たみたいだが、安心するには少し早かったようだ。
>54アルテリオンの体が何かに蝕まれ、遂には飲み込まれてしまった。
>57アルテリオンの変化に気付いたイレブンは逃げるかと思われたが…
>「ギャヒヒ!ギャヒヒ!」
と、クドリャフカの姿を見て笑い出した。
「何だかよく分からんが、チャンスだな。」
俺は右手を宙にかざし、マンティコアの時に使った超特大ファイアーボールを作り出した。
「もっと痛めつけてから殺したいけど、生徒に見られて引かれたら困るから一瞬で殺してやる。」
俺は超特大ファイアーボールをイレブンに投げつけた。

60 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 20:03:09 0
セブンへの攻撃の直後、レイド先生から声がかかる。
リリアーナをつれて逃げろ、とのことだ。
(…少なくとも、今の戦闘への参加への文句は避けられそうね。)
そして、クドリャフカがリリアーナの所へ行き、かなり強力な結界を張った。
更に、フリージアが雪の結晶を使い、メラルの水をも利用して
セブンを氷漬けにした。それを見て、メラルは安堵の息をつくも…
フリージアから予想もしていなかった言葉がかけられた。

>「・・・・もしかしたら油断させるためにわざと凍ったかもしれませんから、
> メラルさん念のために雷撃系魔法で止めを刺してくれませんこと。
> 今ならダメージ二倍はいけるはずですわ・・・多分」

それを聞き、メラルは否定も肯定もせず、思いつめた顔で暫し考えた。
(…覚悟って…雷の術を危険覚悟で使えってこと?最悪ありえるとは思っていた…
いえ、一番可能性が高いけど避けて回っていたのね。多分…いえ、
間違いなくこのことね…。でも…使えるはずが…。)
そして、少し周囲の状況を見る。アルテリオンが黒い何かに飲まれかかっていた。
(…この状況であの人が加わって勝てるとは考えにくい…。
数を減らさなきゃどうにもならない…!多分、逃げるのは最悪の結果しか生まない…。
駄目元でもやるしかない…!)
「わかったわ。けど…正直決め手になるクラスの雷の術の成功率は
 殆ど零に等しいから、何かもう一発を用意しといて。」
言うと、メラルが術を唱え始めた。
(二個の並みのスタンサークルも使えない以上あの術は絶対に無理…。
なら、最適なのは多分あれ…。)

術を唱える途中、彼女の体を微弱な、しかし目に見えるレベルの雷が
伝い始めている。メラルは苦しそうではあるものの、無理矢理術を放った。
「サンダーボルト。」
空から一筋の雷が降り、氷に直撃はしたようだが、威力は三等課程の
雷を専攻する人間の大半にも十分出せるレベルである。
もちろん氷によって電気が伝わりやすくなっていなければ
どう考えても通用するはずもない。しかも、術を唱える途中の
体を雷が伝う現象は本人の制御力以上の術を使った時に起きる現象なのだ。
そして少なくとも、威力で見れば今の術は雷の円盤二つをあわせた物にすら
満たないものである。

先日操られた彼女が他の術の片手間で、より総威力の強い
八つの円盤を…しかも今のようなただ落とすだけという
限定的な用法でなく、完全に動きをコントロールしていた
事を考えると、はっきり言ってありえない状況である。

「ごめんなさい。…雷の術…今はこれが限界なの。」
フリージアに言ってから、
レイド先生のファイアーボールを見て顔色を変える。
(あれは…余波だけでも辛そうね…。特に今は。)
新たに冷気系の術を用意しつつ、主にアルテリオン側への警戒を密にし始めた

61 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 21:13:14 0
>53>54>55
殆ど即興ではあるが、うまく連携がいったと、気が少し緩んだのかもしれない。
「アルテリオンさん・・・?」
ロックを探していると、背後から突然の言葉。
振り返ればアルテリオンが苦しげに、搾り出すような警告を発している。
次の瞬間、リリアーナの開いた本のページが赤く染まる。
本を赤く染めた液体はしぶきを上げ、リリアーナの頬にも飛び散る。

リリアーナの見上げた先には、クドリャフカの顔から生える鋭い剣。
否、顔をぎりぎり避け、頬と耳に切れ目を入れ空を切っていた。

突然のアルテリオンの異変に判断能力が追いつかず、碌な対応も取れなかった。
だが、黒い何かが包み込んだ瞬間、クドリャフカの脳裏にメラルの占いの結果が蘇ったのだ。
【重なり合うアルテリオンの像】
そのイメージが憑依・反転を思い起こさせたのだ。
あとはもはや、脳ではなく身体に染み付いた反射運動。
ガントレットが火花を散らしながら眉間から切っ先の軌道を逸らす事に成功したのだった。
もっとも、アルテリオン(偽)の一撃が必殺の一撃ではなく
『まるで目が覚めたら、目の前にゴミがあったので軽く払った』程度の一撃だったからではあるのだが・・・
様々な要素があって成り立った、奇跡の回避だといえる。

>60>59
雷がセブンに直撃。爆発をしている。
だが、その爆発が動きを封じていた氷を吹き飛ばす事にも繋がっていた。
爆炎の中から飛び出すセブン。
その身体は焼けただれ、かなりのダメージを負っている様だが、ギリギリの回避運動を成功させたばかりのクドリャフカに更なる回避運動をする余裕はなかった。
腹に深く食い込む爪。
苦痛に歪む顔、歓喜に歪む顔。二つの顔が交差し、アルテリオンとセブンはクドリャフカからゆっくりとはなれる。
セブンはその感触を楽しむかのようにゆっくりと、血を引きながら爪を抜き取る。
「アホじゃのぉ・・・。
嬲って楽しむ趣味なんぞあるから・・・
攻撃でも防御でも・・・舞闘家に触れられた時点で敗北が決するっちゅう事を教えてやるけぇ!」
ゆっくりと引き抜かれるセブンの手に絡みつくクドリャフカのミツアミ。

直後、クドリャフカは腰を深く落とし、大地を踏みしめる。
爪先から始まる微振動と捻転運動。
それは膝、腰、腹、胸、首を伝わりながら反射増幅し、髪の毛を伝ってセブンの体内に叩き込まれる!
叩き込まれたセブンの体内で行き場を失ったその力は、反射増幅し血を沸騰させ細胞を破壊する。
まさに電子レンジに入れられた状態となるのだ。
「奥義、震透勁じゃきぃの。」
倒れるセブンに絡ませたミツアミを外し、片膝をつく。
腹に切れ目が入っている状態での震透勁は負担も大きい。
まだアルテリオンがいるというのに・・・そう思った瞬間だった。レイドの巨大ファイアボールの余波がその身を包んだのは。

62 名前:変態から老人へ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 22:35:29 O
>>59
イレブンに超特大ファイアーボールが直撃する。
「きゃぁぁぁぁあぁぁあ!!!」
イレブンが断末間の悲鳴をあげる。
ゴム人間であるイレブンにとって炎による攻撃は致命的なのだ。

>>61
同時にイレブンの下僕であるセブンも倒れる。
そして…

バン!!

燃えながら倒れていたイレブンとセブンが破裂した。
細胞レベルで分解された彼等の破片が集合する。
そして、それは老人と黒猫に姿を変えた。

パチパチパチ…

「すばらしい、君達はすばらしい。」
何くわぬ顔でギルハートが拍手している。
「よくイレブンを倒したな…少し遊ぶか?」
ギルハートが杖を構えようとした。

>>58
> ヘア!!ストリウム光線

突如現れたタロウ先生の攻撃により老人の鼻より上が吹き飛んだ。
しかし、それでもギルハートは止まらない。
「やれやれ、若い者は気が短くて困る。
決闘における“微妙な間”というのが理解できんらしい…石となれ!」
タロウに石化魔法が飛んで行った。固まるタロウ。

「さぁ、楽しませてくれ。」
無論、ギルハートはアルテリオンが変化したことに気づいている。
しかし、何故か彼女に無関心なフリをしていた。


63 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 22:56:34 0
>59>60>61
>「わかったわ。けど…正直決め手になるクラスの雷の術の成功率は
>殆ど零に等しいから、何かもう一発を用意しといて。」

「わかりましたわ」
とフリージアは特大の雪の結晶を作り出した
その数は6枚、これをすべてぶつけようというのである

>「ごめんなさい。…雷の術…今はこれが限界なの。」

メラルの作り出した雷は以前見せたものとは比べ物にならないくらい貧弱なものであった
あの時は操られて無理やりキャパシティーを超えた魔法を使わされたのだろうか
それでもセブンには特大のダメージを与えることができたようだ
だが次の瞬間フリージアはとんでもないものを見てしまった
そう、ぼろぼろになったセブンに止めをさしたクドリャフカが
レイドのファイヤーボールの余波に包まれたのである
「いやぁぁぁ!!クドリャフカさん!!」
悲鳴を上げるフリージア
だがその余波はフリージア達をも包み込もうとする
フリージアは先ほど作り出した巨大な雪の結晶を攻撃ではなく防御に使用することにした
6枚重ねの雪の結晶の盾、だが・・・
一枚目が溶け、2枚目が溶け、3枚、4枚と次々に溶けていった
結局ファイヤーボールの余波を凌ぎきった時には雪の結晶の盾は最後の一枚しか残らなかった
何とかフリージアと荷物は守りきれたがそれにしてもなんという強大な威力だろう

「さすがはレイド先生ですわね・・・って言っている場合ではありませんわ!!クドリャフカさん!!」
慌てふためくフリージア、はたしてクドリャフカは無事なのだろうか



64 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/26(月) 23:59:27 0
クドリャフカを切ったあと、彼女はゆっくりと立ち上がり
「・・・遊びすぎちゃったわぁ〜」
とつまらなそうな顔を浮べ、そう呟いた。
「あぁ駄目ね・・・最悪ぅ〜」
と彼女は眠そうにまだ染まっていない右目を眠そうにこすりながら少し下がった。
「ねぇ〜そこに誰かいるんでしょ?黙っても無駄よ。さっき一人は斬り損ねた感触だったんだし」

>「アホじゃのぉ・・・。
>嬲って楽しむ趣味なんぞあるから・・・
>・・・舞闘家に触れられた時点で敗北が決するっちゅう事を教えてやるけぇ!」

(舞闘・・・クドリャフカ・・・ね。)
声を聞いて、彼女は獲物を確認し、紅く汚れた瞳を露にした。
だが、それが見たものは獲物の姿ではなく、こちらに向かってくる爆炎だった。
「・・・こんなもん喰らったら二度と戻れなくなるわねぇ〜」
そういって彼女は剣、刀を上段に構え力を加える。
「ティル・・・ヴィィィィィィィング!!!」
爆炎に向けて放たれた剣技は地面を爆破し、土煙をあげ爆炎の方向を上に変えた。

「・・・助けたわけじゃないわ・・・急にあなたをバラバラにしたくなったの」
土ケムリの中、彼女はアノ時のようにハイな表情を浮かべて、背後にいるクドリャフカに向かってそういった。

65 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/27(火) 22:47:34 0
クドリャフカからもらった本は、どうやら古代の召還術に関するものだったようだ。
ほとんどのページが虫食いだったり白紙だったりで、内容を読むことができない。
全て読むにはレベルが足りないのか、はたまたDブロックに中身が流出してしまったのか。
とりあえずリリアーナが読めたページには、こう記されていた。

『《ロックバスターについて》
以下に書かれた呪文を大声で叫んでください。(中略)
『来たれ、ロックバスター』
備考:最後の部分は必ず魂を込めて叫びましょう。
    成功するもしないも、あなたの燃えるハート次第です』

「燃えるハートって・・・」
何これと思いつつも、今の彼女は魔本を信じるより他に手はない。
半信半疑ながらも呪文を詠唱し終えたリリアーナは熱く叫んだ。
「(省略)契約のもと、リリアーナが命じる!『来たれ、ロックバスター!!』」

>61
ぱっと開いたページの上に赤いしぶきが落ちた。
生暖かい液体は本だけでなく、リリアーナのほほにも飛び散った。
黒いアルテリオンに、クドリャフカが顔を貫かれている。
「いや――っ !!クドリャフカさん!!」
―――― 否、かすり傷を負いながらもぎりぎりで避けていた。
ほっとした視界の隅で、メラルの雷撃がセブンを直撃する。
決して外すことのない間合いだった。
爆風の余波が視界を奪う。

これで終わる筈だった。
だが、視界が戻った途端リリアーナの顔がこわばる。
目に飛び込んできたのは、腹から血を流し片膝をつくクドリャフカだった。
直後、レイドの放った巨大な炎球の余波がクドリャフカを襲いかかる。
「危ない!避けてクドリャフカさん!!」
リリアーナは魔本を放り出し、クドリャフカに駆け寄ろうとした。
だが、遠すぎた。

クドリャフカが黒焦げになるところを救ったのは、なんと黒いアルテリオンだった。
>「・・・助けたわけじゃないわ・・・急にあなたをバラバラにしたくなったの」
艶のある声で楽しげに語る姿は、場違いすぎて背筋が寒くなる。
アルテリオンにとっては、イレブンとセブンが消滅したことも、
その破片からギルハートと黒猫が出現したことも・・・まるで興味がないようだった。

>63 >60
>「さすがはレイド先生ですわね・・・って言っている場合ではありませんわ!!クドリャフカさん!!」
「大丈夫よフリージア、落ち着いて!!」
リリアーナがクドリャフカに駆け寄り、【一坪の聖域】内に入れた。
「メラルさん、フリージア、とりあえず貴方たちも結界の中へ!」
大切な友達や先生が、また同士討ちさせられるのを見るのは二度とごめんだった。

黒アルテリオンはこちらを眺めながら薄ら笑いを浮かべ佇んでいる。
巻き物の結界がどこまでアルテリオン達の前にもつのかはわからない。
だが、僅かなりとも時間は稼げるはずだ。

リリアーナは強引にクドリャフカの傷を確認した。
「うん。さすがね!筋肉に阻まれて内臓までは達していないわ。・・・いくわよ、亜血愁!」
リリアーナはクドリャフカの体の一点を指で突いた。
亜血愁とは秘拳の種で、秘孔と呼ばれる体内の急所を突くことで出血や激痛を止める技だ。
魔法の力無しでもリリアーナが使える数少ない回復術でもある。

先ほどリリアーナが放り出した魔本の文字が、青白い光を放っている。
だがリリアーナ自身はそのことに全く気づいていないようだ。

66 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/27(火) 22:59:07 0
リリアーナはメラル、フリージア、クドリャフカに呼びかけた。
「ねえ皆、これからどうする?
 相手はギルハートとアルテリオンさんよよ、まともに相手してたら命がいくつあっても足りないわ・・・!」
それに、とリリアーナは言いにくそうに続ける。
「巻き添えを気にしてたら、レイド先生が全力で戦えないと思うの」

他のメンバーがどうあれ、リリアーナはこの場に長居する気はなかった。
石化してしまったタロウを安全な場所に移すのが先決だ。


67 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/27(火) 23:21:55 O
>62
ファイアーボールを受けたイレブンは叫び声と共に消えていく。
「(ちょっと威力が強すぎたか……生徒達に被害が及んでなければ良いけど…)」
>パチパチパチ…

>「すばらしい、君達はすばらしい。」
>「よくイレブンを倒したな…少し遊ぶか?」
どうやら、生徒達の心配を気にしている暇は無さそうだ。
「久しぶりだな、爺さん。何して遊ぶ?囲碁か将棋か?チェスか?それとも、殺し合いがお望みかな?」
>>58
> ヘア!!ストリウム光線
>「やれやれ、若い者は気が短くて困る。
決闘における“微妙な間”というのが理解できんらしい…石となれ!」
話の途中で突然、タロウ先生が現れ、ストリウム光線でギルハートの鼻から上を吹き飛ばすが、大したダメージは無いようだ。
あえなくタロウ先生はギルハートによって石にされてしまった。
>「さぁ、楽しませてくれ。」
「言っとくけどな、爺さん。俺に石化魔法は効かないぜ。秘密は俺の眼にある。」
俺は前髪で隠れている眼を指差した。
「まぁ、爺さんには教えないけどな。どうせすぐに死ぬんだしよ。」
喋りながらポケットからタバコを一箱取り出す。
「吸うか、爺さん?」
ギルハートに向かってタバコを一本投げる。
「パチン」
と指を鳴らすと爆音と共にタバコが爆発した。
「(これ以上威力の高い魔法を使うと生徒が完全に巻き込まれちまう…。頼むから、くたばってくれよ爺さん。)」

68 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/27(火) 23:26:45 0
>64
片膝を付いたまま迫る爆炎を見ていた。
これを回避する手段はない・・・
だが、それはアルテリオンによって回避される。
爆発が爆縁の方向を変える。
その威力に背筋が凍る思いをするのであった。
レイドのファイアーボールの威力。本気になった教師の力も恐ろしいが、それを力技で回避するアルテリオンの力も恐ろしかったのだ。

>65
アルテリオンから告げられる死刑宣告とも言える挑発。
今の状態では逃げる事すらかなわないだろう。
ゆっくりと立ち上がると、リリアーナが駆け寄ってくる。

危険だから。と制止しようとしたが、リリアーナは強引に傷を確認し、秘孔をつく。
流れ出る血と全身に走る痛みが見る見るうちに止まっていくのに驚いた顔で振り返った。
「こりゃあ助けられたわ。」
にっこりと笑ってリリアーナの頭を撫で、結界の外に出る。
「私はやられっぱなしで引けるほど人間出来ておりゃせんからのぉ。殿ゆう事で、な。
時間を稼ぐけえ、フリージアさん、メラルさん。行きがけの駄賃でええんででかいの撃ちながら逃げてつかあさい。」
リリアーナの問いに、不敵に笑いながら応える。
いくら移動結界とはいえ、四人で固まっていては動きが取れない。
逃げるにしても、素直に逃がしてはくれまい。
クドリャフカの射程は0レンジからショートレンジ。
距離を保って戦うには向いていないのだ。

「・・・・あぁ〜・・・ロックさんを確保すれば私の目的も、春も、一気に近づくっちゅうに・・・ほんに障害が多いことじゃぁ・・
じゃけど障害が多ければ多いほど恋の炎は燃え上がるっちゅうもんじゃきい・・・
今の私は強いけえのぉ・・・」
呼吸を落ち着けながらアルテリオンに話しかける。
話しながら時間を稼ぎ、体力を回復させる為だ。
「アルテリオンさん、どんなカラクリかは知らんが人様に刃物向けたからには・・・のぉ・・・」
ゆっくりとゆっくりと間合いを外しながら話を続ける。
両の手にはいつの間にか鉄扇が握られている。

出血と痛みが治まったとはいえ、腹筋に傷を負った身では素早い踏み込みは期待できない。
となれば、それなりの戦いをするしかない。
「東方武踊・・・ファン・ダンスじゃ・・・」
宣言と同時に勢いよく開かれる二枚の鉄扇。
開かれたと同時に僅かながらだが、黒い粉のようなものが舞い上がる。
独特な間を外すような緩急をつけた足運びに、振られる度に漏れでるように舞い上がる黒い粉。
ゆっくりと場所を移動するように誘導しつつ、だが確実にアルテリオンとの間合いを詰めていく。

69 名前:ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 10:18:56 O
>>67
老人に向かって煙草が飛んでくる。
「ああ、それなら“見たことがある”ぞ。」
と言いつつ何もしない老人。
「私を…あのバカと…一緒に…するなよ。」
> 爆音と共にタバコが爆発した。
その爆風により消し飛ぶ車椅子の老人。





しかし、その時レイドの後ろでは黒猫がまるでつまらないとばかりにあくびをしていた。


70 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 12:22:55 0
>65
リリアーナに言われるままに3つの箱を載せた雪の結晶に飛び乗って結界に入るフリージア
荷物を括っている雪の結晶のチェーンにしっかりとしがみついている
結界に入ったのを確認すると雪の結晶の上から飛び降りた

>「うん。さすがね!筋肉に阻まれて内臓までは達していないわ。・・・いくわよ、亜血愁!」
「・・・リリアーナさんって意外な特技をお持ちですわね」
とリリアーナがそんな技を持っていることに驚くフリージアまさにサプライズである

>66
>「巻き添えを気にしてたら、レイド先生が全力で戦えないと思うの」
「そうですわね」と少し考え「とにかくこの場からいったん離脱して箱の中身を確認しましょう」と言った
>68
>「私はやられっぱなしで引けるほど人間出来ておりゃせんからのぉ。殿ゆう事で、な。
>時間を稼ぐけえ、フリージアさん、メラルさん。行きがけの駄賃でええんででかいの撃ちながら逃げてつかあさ

い。」
「心得ましたわ!!でもクドリャフカさんも危なくなったらすぐに離脱して」
とフリージアはお得意の(馬鹿の一つ覚えとも言う)雪の結晶を大量精製しながら答えた
移動しながらこれを次々とクドリャフカに当たらないように飛ばすつもりなのである
そして再び荷物の載っている雪の結晶に飛び乗ったが・・・
「でもどこに逃げればいいのかしら?私は体育館あたりがいいと思うのだけど皆さんどう思います?」
と根本的な疑問を投げかけたその次の瞬間
>69
フリージアの視界に入る猫
「猫ちゃんが!!誰も気づいてない今のうちにゲットですわ!!」
と雪の結晶で出来たチェーンを伸ばすのであった

71 名前:ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 18:42:44 O
>>70
デコイ(身代わり)によりこの男(レイド)の背後はとれた。
さあ、どうしてやろうか。石化しないのなら失神させてもいい。
あるいは肉が裂ける呪いでもかけてやろうか。
黒猫(本当のギルハート)が考えていると
> 「猫ちゃんが!!誰も気づいてない今のうちにゲットですわ!!」

「!?」

黒猫の体に氷のチェーンが絡まった。
しまった!と思ってももう遅い。あわれ黒猫はフリージアに拉致されてしまった。
チェーンを破壊…はまずい。
今魔法を使えば私の正体があの男にばれてしまう。
今のこの状態はあまりに無防備だ。

「ニャ〜!!(怒)」

とりあえず、猫らしく抗議することにした。
見てろよ、後で八つ裂きにしてやる。

72 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 20:12:35 0
「やっぱり…余波だけでもこれなんて半端じゃないわね…。
 でも余波は余波。このクラスなら何とか…!ブリザードブレス!」
冷気の風をぶつけて、余波を軽減する。術の反動にはあえて抵抗せずに利用し、
炎の球から距離をとるのに利用した。そして、終わった後で下を見ると
黒いアルテリオンとクドリャフカが相対しており、リリアーナは
結界の中だからか無事なようだ。ほっと息をついて敵の方を見る。
セブンを倒すのには成功したようだ。イレブンも燃えながら倒れていた。
が…その二人が細胞レベルで分解され、老人と黒猫になる。
そしてすぐにタロウ先生の攻撃で鼻より上が吹き飛んだが、
それで尚止まる気配はない。タロウ先生が石化された。
そしてレイドとギルハートの戦いが始まる。
(…ちょっと待って。いくらなんでもおかしいわ。何かの術としか思えない…。
…幻影?それとも…。いえ、あのおじいさんについては後で考えるべきね。
レイド先生に石化は効かないらしいし…。)
そこで、リリアーナから声がかかった。結界の中に入れとの事だ。
「わかったわ。リリアーナ。」
素直に結界の中に入って行った。

リリアーナの話を聞いて、少し考える素振りを見せた後、言った。
「確かに戦場は変えた方がいいわね…。でも、どっちにしろ
 逃げ切るのは不可能よ。黒くなった時の先生、転移使ってたから。」
そして、また少し考える素振りを見せる。
(二度目の転移…いつもの先生の意思とは思えないし、黒い先生にはどう考えても
あそこに転移する理由はないわよね。もし事故みたいな転移だとしたら…。
それに…そもそも、最初のにしたって…。)
「先生の方だけなら…もしかしたら私達でも勝ち目、あるかもしれない…。」
つぶやくように言ったところで、クドリャフカから声がかかった。
行きがけの駄賃で大技を撃ちながら逃げろとの事だ。
が…はっきり言って大技でそれをやればまずクドリャフカにも被害が行くだろう。
それを避けられる類の大技となると、自然と技や撃ち方も限られてくる。
そんな代物ではそれこそ時間稼ぎにすらならないだろう。
ならばいっそ、威力を度外視してでも足止め出来そうな術の方が結果的には有効。
それに、確かめねばならない事もある。そう考えてメラルは言った。

「…わかったわ。でも転移には気をつけて!何処に出て来るかわからないわ!」
(もし予想通りなら、あの術の応用で、鋭さは皆無に。その代わりに範囲と高さは
かなり大きめにして…これで、"使わせられる"…。使う所を見れる…。
上手くいけば、出る所も…。これで見極めないと…!)
メラルが術に神経を集中させ始める。そして、術の詠唱が終わった。
同時にメラルが地に着地する。
「…氷の尖塔」
メラルが地面に手をつき、術を放つ…と、アルテリオンの周囲2m程の地面から、
透明に近い氷の円柱が凄まじいスピードで競り出してくる。その円柱は
ほぼ2秒で20mほど競りあがり、動きを止めた。
その上でアルテリオンの側を警戒しつつメラルも後退し始める。
因みにフリージアがこの期に及んで猫に手を出している状況には
まだ気付いていない。

73 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/28(水) 21:26:23 O
>69
>「ああ、それなら“見たことがある”ぞ。」
>「私を…あのバカと…一緒に…するなよ。」
ギルハートは爆風によって吹き飛ばされた。
「終わった……のか?」
>70->71俺の後ろでは黒猫がアクビをしていたが、フリージアによって連れさられてしまった。
「(黒猫なんて居たっけ?まぁ、どうでも良いや………)」

その場に座り込み仰向けに倒れこむ。
「疲れた〜。……って休んでる場合じゃなかったな〜。アルをどうにかしないと。」

俺はアルテリオンを探す為に立ち上がった。
「え〜、アルテリオンさん、アルテリオンさん。居るなら出てきて下さ〜い。出来れば普通のアルテリオンさん、出てきて下さ〜い。」

74 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/29(木) 00:41:35 0
>「・・・・あぁ〜・・・ロックさんを確保すれば私の目的も、春も、一気に近づくっちゅうに・・・ほんに障害が多いことじゃぁ・・
>じゃけど障害が多ければ多いほど恋の炎は燃え上がるっちゅうもんじゃきい・・・
>今の私は強いけえのぉ・・・」
歩み寄るクドリャフカを前に彼女は一層笑みを浮かべる。
「・・・へぇ・・・そんなに強いのぉ・・・ククク・・・アハハハハハァ・・・」
嘲笑しながら、得物を持ち直し、刀剣を十字に構えた。

>「アルテリオンさん、どんなカラクリかは知らんが人様に刃物向けたからには・・・のぉ・・・」
「そういう仕事だったのよ・・・きれい事並べて、自分のやってること正当化して人を殺すことがねぇ」
狂気を含んだ笑みを浮べ、彼女もじりじりと間合いを詰めていく

二人の間合いが徐々に狭まるごとにお互いの闘気が交じり合い、そこの空間が蜃気楼のように歪んでいくように感じる。

(その黒い粉は神経毒の類かしら?いろいろと舞われるとやっかいね・・・こちらから行かせてもらうわぁ)
横に構えていた剣を振るった。

>アルテリオンの周囲2m程の地面から透明に近い氷の円柱が凄まじいスピードで競り出してくる。

しかし、剣は突如現れた氷柱に突き刺さり、クドリャフカの腕を切り落とすことは出来なかった。
「クゥ・・・邪魔ねぇ!!!」
突然の邪魔物に彼女は怒りを露にする。
「また・・お預けなんて・・・こりごりよぉ!!!」
なんとか力ずくで剣は抜き取れたが、すでに氷柱に四方を囲まれてしまい身動きが取れない状態になってしまった。
「こんなことをするのは・・・またあの子ね!」
彼女はクドリャフカの後ろにいるメラルをものすごい形相で睨みつける。
そのときだ・・・フリージアが黒猫を抱きかかえているのを見たのは
彼女は一瞬で呆けた顔になっていた。
「あ・・・」
金ダライに頭をぶつけたような感覚を感じた。
(何捕まってんのさぁ〜・・・めんどくさいことになるわよぉ〜)
黒猫が捕まってしまった状況が相当なのか、彼女は焦り始めた。
「・・・私ぃ〜めんどくさいこと嫌いなのにぃ〜」
あきらかに彼女が焦り苛立っていることがわかる。
>「え〜、アルテリオンさん、アルテリオンさん。居るなら出てきて下さ〜い。出来れば普通のアルテリオンさん、出てきて下さ〜い。」
「グレイトッ!!! やっぱり殺すのにおしい男ねぇ〜」
背後から聞こえてきたレイドの声に振り返り、彼女はレイドの姿を確認した。
(日向・影もちゃんとある・・・まぁ真正面なのはちょっと問題だけどぉ〜まぁいいわぁ)
すぐさま彼女は自分の影に刀を差し、レイドの目の前に転移した。

75 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 秒数6だったから武器。遅れてごめんね。] 投稿日:2007/03/30(金) 00:08:21 0
>67 >69
巨大な炎球が消えた後には、老人も猫も消えていた。
レイドは地面に倒れこんでいる。怪我をしているのかとあせったが、どうやら疲れているだけのようだ。
これで終わった・・・のだろうか?では、ロックはどこに行ったのだろう。
イレブンの負傷はギルハートには引き継がれなかった。
ということはつまり、ギルハートの怪我も主人格のロックに引き継がれないと思うのだが・・・。

>68
「こりゃあ助けられたわ。」
「よ・・・良かったわ〜上手くいって」
止血は運良く成功した。リリアーナはほっと胸を撫でおろした。
フリージアの驚いた顔に気づき、曖昧に微笑む。
・・・もし上手くいかなかったら、最悪スプラッタだった、というのは内緒にしておこう。
そんなことは知らないクドリャフカは、小さい子供を誉めるようにリリアーナの頭を撫でた。
だが、フリージアやメラルと入れ違いに、結界から出ていってしまった。

>70 >72
>「私はやられっぱなしで引けるほど人間出来ておりゃせんからのぉ。殿ゆう事で、な。
「そんな・・・傷が治ったわけじゃないのに・・・!」
>「心得ましたわ!!でもクドリャフカさんも危なくなったらすぐに離脱して」
リリアーナの言葉をさえぎるようにフリージアが答え、援護用に無数の氷の結晶を作り始める。

>「…わかったわ。でも転移には気をつけて!何処に出て来るかわからないわ!」
「う・・・嘘〜。転移できるの?じゃあ逃げられないじゃないのよ〜」
メラルの話にげっそりするが、泣き言を言ってても始まらない。
「タロウ先生を安全な場所へお連れしないと!
 フリージア、悪いけど先生を氷の結晶に乗せてもらっていい?」
リリアーナはタロウの元へと移動し、結晶に乗せやすいようタロウの体を傾かせた。
足元では地面に手をつき、メラルが援護用の呪文を詠唱し始める。
>68
アルテリオンと対峙するクドリャフカの鉄扇からは、黒い粉のようなものが舞っている。
(なんだろ・・・何かの薬?でもゴーストのアルテリオンさんに効果あるのかな?)
そして気づいた。アルテリオンの足元に影が出来ていることに。
(さっき子犬がアルテリオンさんの顔をなめた時に感じた違和感の原因は、多分これだったんだわ!)
理由はわからない。だが今のアルテリオンは実体化していた。

>72 >74
先に動いたのは、アルテリオンだった。
だが鋭い斬撃は、メラルが出現させた氷柱で妨害された。
物凄い目でこちらを睨んでいる。いつもの彼女を知っているだけに空恐ろしい。
アルテリオンは氷越しにレイドの姿を認めると、いきなり剣を地面に突き刺した。
そして次の瞬間には、レイドの目の前に転移していた。

「クドリャフカさん!皆、今のうちにとっとと逃げるわよ!!
 フォルティシモも早く!ぼやぼやしてたらレイド先生に燃やされちゃうわよ!」
リリアーナはフォルティシモをがしっと掴むなり体育館へ向かって全力疾走し始めた。

76 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/30(金) 00:14:19 0


それは唐突だった。
どうしたわけか、突然クドリャフカからもらった【一坪の聖域】 の効果が切れてしまったのだ。
「・・・え?聖域消えちゃった?・・・なんで??」
リリアーナは不思議そうにきょろきょろ周囲を見渡し・・・フリージアを見るなり仰天した。
フリージアは鎖でぐるぐるまきにした黒猫をゲットしている。

リリアーナはムンクの叫びのような顔になった。
「ちょ・・・や・・・ふ、ふ・・・フリージア!!それ!!猫!猫!ギルハート!!
 何でここに?!やだ!!は・・・早く逃げなきゃぁぁぁ!!」

気が動転しているリリアーナの頭上に、きらりと何かが光る。

ひゅるるるるるる〜〜〜〜
ゴン♪

金タライを落としたようないい音がした。
きゅう・・・とおとなしくなったリリアーナの頭上には、青いフォルムの召喚銃とたんこぶが乗っていた。

77 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/30(金) 02:58:23 0
>75
>「タロウ先生を安全な場所へお連れしないと!
>フリージア、悪いけど先生を氷の結晶に乗せてもらっていい?」
言われるがままタロウ先生を雪の結晶に乗せるフリージア
「やっぱりさすがの私でも石像と化した人間は重いですわ」
と口では言っているがあまり重そうに見えない
伊達に極寒のジルベリアで修行をした経験があるわけではないのだ
>76
>「ちょ・・・や・・・ふ、ふ・・・フリージア!!それ!!猫!猫!ギルハート!!
>何でここに?!やだ!!は・・・早く逃げなきゃぁぁぁ!!」
と慌てるリリアーナに対して
「 確かにこの子はギルハートの猫だけど?かわいいわよv特別に触ってみても良くてよ」
とフリージアはリリアーナに猫を差し出した
いまだにフリージアは猫がギルハートの本体だと気がついていないのだ
と差し出した次の瞬間青い銃?のようなものが上から降ってきた
どうやらリリアーナの頭にクリティカルヒットしたようだ
「何かしらこれ?」
と雪の結晶でリリアーナのタンコブを冷やしつつ謎の物体を眺めた
それはかつて海で暴れまくっていたという海賊コブラの義手のように楕円形のフォルムをしていた
しかし銃身は伝説に残るそれよりは短かった
眺めているうちにどうやら腕を突っ込んで使うようだということがわかった
「リリアーナさん!なにやらこんなものが落ちてきましたわよ!!」
と大体想像できる使い方をリリアーナに伝えた


78 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/30(金) 08:43:23 O
突然、アルテリオンが俺の目の前に現れる。
手には刀剣が握られていた。
どうやら俺の願いは届かず、このアルテリオンは普通のアルテリオンではない様だ。
「ふぅ………。この世に神ってのが存在したら一度会ってぶん殴ってやりたいね。一度たりとも俺の願いを聞いてくれた事が無い。」
と、ため息混じりに愚痴をこぼす。
「で、本物のアルはどうなったんだ?返答次第じゃ、ここで消滅してもらう事になるぞ?」
大口を叩いたのは良いが俺はアルテリオンに攻撃が出来るのだろうか?
巨乳で猫耳という俺の趣味にバッチリハマっているアルテリオンを攻撃出来る自信はほとんど無かった。

79 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 15:04:22 0
猫耳と思うな狐耳だと思え

80 名前:真ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/30(金) 18:57:43 O
三人が召喚銃に気をとられている。今がチャンスだ。
「ボンバータ!」
黒猫を捕えていた鎖が砕け散った。黒猫がリリアーナの方を向く。
「正体がバレてはしかたない。君の言う通り、私がギルハートだ!」
ギルハートにはリリアーナの発言(>>76)が“猫=ギルハート”に聞こえたのだ。
「初めてだよ、ここまで私をコケにしたお馬鹿さん達は。
私の本当の姿を君達に見せてやろう。
そして、君達は死あるのみだ!」
黒猫は左手を腰にあて、右手を高く突き上げた。
その手を大きく回しながら黒猫が叫んだ。
「ギルハート、変身!!」
黒猫はその面影を残した猫獣人に姿を変えた。
「まずは一番私を侮辱した貴様からだ!死に至る呪いに苦しむがいい!!」
ギルハートは懐から短い杖を取り出しフリージアに向けた。
「リクタスセンプラ!」
ギルハートは相手を無理矢理大笑いさせる魔法を放った。

81 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/03/30(金) 20:35:54 0
>80
「な!?」
いきなりかわいらしい猫ちゃんが呪文を唱えてチェーンを切ったのを見て驚くフリージア
それだけではとどまらず猫は獣人に変身してしまった
あまりの出来事に名前どおり思考回路がフリーズしてしまった彼女は
>「リクタスセンプラ!」
という呪文をまともに食らってしまうのであった

「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」

笑い続けるフリージア・・・・あまり普段と変わらない気がするのは気のせいだろう
いや頼むからそういうことにしておいてくれ・・・

「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」

笑いながらもフリージアは指を振る
雪の結晶の魔法を使うつもりのようだ

フリージアの魔法は基本的に発動条件が呪文でなく動作なため
たとえ笑わされて呪文が唱えられなくても支障が無いのだ
まあ狭いところでは不便なんだが・・・

「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」

笑いながら雪の結晶でよくもだましてくれましたわねと言わんばかりに
結構えぐい所を狙うフリージア
その姿ははっきり言って怖すぎる・・・・

ギルハートがなにか失敗したとすればかわいい猫から真の姿を現したことであろう
相手がかわいい猫の姿のままならためらわれるようなえぐい(男の)急所攻撃も
今のフリージアならどんどん繰り出せるのだ


82 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/30(金) 22:09:48 0
>74
じりじりと詰まる間合い。
緩急自在、夢幻胡蝶の舞を以ってアルテリオンの放った剣撃に応じるその刹那・・・
その剣撃は地面から生えて来た氷の円柱によって阻止される。

四方を囲まれ、動けないアルテリオンが地面に突き立てる動作をした瞬間、クドリャフカは本能的に察した。
それが転移術の必要動作であると。
「くっ、ちぃと早いが・・・目覚めよ!与えし力。其は磁力なり!」
慌てて呪文を詠唱。
周囲に舞い飛んでいた黒い粉がいっせいにアルテリオンにとくっついた。

未だアルテリオンが実体を持っているとは気付いていないクドリャフカ。
そこでとった戦略は、霊体であるアルテリオン本体を攻撃するのではなく、鎧を封じることだった。
砂鉄を舞わせ、関節などの駆動部分を詰まらせてしまう算段だったのだ。

>75
>「クドリャフカさん!皆、今のうちにとっとと逃げるわよ!!
「ま、多少は効果あるじゃろうしの。」
リリアーナの声に素直に従い、そのあとを追う。
正々堂々戦う騎士道や、己の力をで敵を倒す戦士とは違う。
元々社交界での暗殺及び護衛が基礎概念の舞闘術を扱うクドリャフカ。
決着をつけたかったなどという後ろ髪はその概念に存在しない。
時間稼ぎというか逃げる算段がついた事と、アルテリオンに対する仕込が成功した時点で己の勝利と胸を張っていえてしまうのだ。

>80>81
三人に追いついたのはちょうどギルハートが真の姿を取り戻す時だった。
見る見るうちに獣人体系になっていくギルハート。
そして杖を振ると・・・フリージアの大爆笑が響き渡る!
まだ距離はあるが、「ギルハート、変身!!」 としっかり掛け声をかけてくれたおかげではっきりと敵がわかる。
「首謀者発見!一等手柄はもろた!!」
力いっぱい投げつけたせいか、止まっていた腹の傷からまた血が流れ出す。
しかしその代償に見合うかのように、鉄扇は丸鋸のようになって左右に孤をかきながらギルハートへと向かっていった。

83 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/03/31(土) 02:20:01 0
>「ふぅ………。この世に神ってのが存在したら一度会ってぶん殴ってやりたいね。一度たりとも俺の願いを聞いてくれた事が無い。」
「神様ってゆーのは皆、無責任な人たちなのよ・・・自ら振った賽の結果を見ずに捨てるようにね・・・やっぱり、私たちって気が合うのかしらぁ?」
彼女はそういって笑みをこぼしレイドの愚痴に返す。
だが、そんな彼女の表情とは裏腹に切先はゆっくりとレイドの胸元に狙いを定めていた。

>「で、本物のアルはどうなったんだ?返答次第じゃ、ここで消滅してもらう事になるぞ?」
そう、レイドに質問されたとき、彼女は少し落胆したかのように軽くため息をし、そして、少々の間を空けた後に答える。
「私は本物よぉ? 確かにぃ〜『本物』になる前に一度会ったからねぇ〜あなたの目の前にいるアルテリオンは『偽物』のように見えるけど?
 これが本物、これは揺るがない真実よ。なんなら、死んだときの話でもしてあげましょうか?」
真剣な表情をしながら、彼女はそう答える。
そして、刀をレイドに向ける。
「悪いけど、あなたとおしゃべりしている時間は無かったの・・・悪いけど人質になってもらえるぅ?」
そのときであった。
>周囲に舞い飛んでいた黒い粉がいっせいにアルテリオンにとくっついた。
先ほどクドリャフカと対峙したときに、毒だと思っていた粉が角砂糖に群がる蟻のように鎧にくっつき、体の自由を奪ってしまった。
「な・・・なによこれ!!!」
必死に振り払おうとしても、磁力を帯びた砂鉄は振り払った腕に移り効果がない。
そうこうしている間に、いつの間にか脚部は完全に砂鉄によって固められ、彼女はその場に倒れこんだ。
「く・・・これじゃ・・・これじゃ私が人質になってるじゃないのよぉぉぉぉぉ!!!」
動かない体で必死に悪あがきし、抵抗しているが、しばらくして、彼女は諦めたかのように悪あがきをやめた。
「・・・もぅいいわよ・・・疲れた・・・」
うつ伏せのまま彼女は不機嫌そうにレイドに言った。
しかし、そのとき彼女はまだ微笑んでいる。
「・・・・・・なんてね・・・狂影」
彼女が刀の名前を言った瞬間、刀の鞘が開眼し、血走った眼を露にした。
鞘が彼女の影を睨みつけると影から真っ黒な触手的なものが生え彼女の鎧を破壊する。
「狂影はね〜けっこう恥ずかしがり屋なのよ。だからね〜自分の半径5m以内に3人以上いるとこんなことしてくれないの・・・使いにくいわよね」
鎧を全て破壊し終わった影は逃げるように影本来の姿に戻り、鞘の目も閉じた。
砂鉄地獄から彼女は立ち上がりレイドの顔を見た。
「・・・納得していない顔ね?
 そうよ・・・彼女は霊体、そして、私は実体・・・あなたの前に姿を出したときも実体・・・
 ・・・魂としての本人とその魂から抜け出た魂の欠片で作った人間を合成すれば・・・どうなるのかしら?
 怖い?・・・正解が目の前にあるのが・・・グズグズしている人は嫌いよ・・・」
彼女はレイドにそう言って、振り返った。
「欲しいものがあるなら男らしく奪いなさいよ・・・あの子が可哀想じゃない」
彼女が指を鳴らした途端、彼女が着ていた服が黒い炎に焼かれたと思った瞬間、彼女は黒いスーツを纏っていた。
「次にあったときは・・・残念だけど殺すつもりよ・・・楽しみにしてるわぁ〜」
レイドにそう吐き捨て、彼女はリリアーナ達を追った。

84 名前:真ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/03/31(土) 09:59:03 O
>>81>>82
フリージアとクドリャフカの攻撃は直撃した。
しかし、それはギルハートにではない。
ギルハートは自身の前方に大木を召喚したのだ。
「そう簡単には殺られはしない。」
ギルハートの盾となった木は例によって普通の木ではない。
ところどころ人間の手や足が枝のようにつき出ている。
さらに気味が悪いことに、その根がまるで足のようにうごめき三人に迫っていった。

「君は…初めて見るな。」
ギルハートがクドリャフカの方を向いた。彼女に杖を向けて叫ぶ。
「インペリオ!」
ギルハートは服従の魔法を放った。杖先に居る相手を意のままに操る魔法である。
“奴らを殺せ”とギルハートは念じた。

>>83
その時アルテリオンが駆け付けて来た事に気付いた。
何故こちらに来たのか怪訝に思ったが、ギルハートがアルテリオンに接する態度は変わらない。
私は私、君は君、好きにすればいい。
そう思いつつも彼女が気になる。これは良くない、今は集中する必要があるのに。

85 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 14:46:40 0
ファイヤボー!!

86 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 14:53:17 0
金の針を持ってきたぜ

87 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/03/31(土) 21:11:15 0

「…失敗?…いえ、これはこれで…。」
メラルは元々、アルテリオンを20mの高さに孤立させ、飛び降りなどの隙が
致命的な状況を作って転移させようとしていた。しかし、範囲を広げすぎて
内側が脆くなり、外周辺りは通常の強度を保っているものの、
内側はアルテリオンの自重にすら耐えられない物になっていたのだ。
アルテリオンが凄まじい形相で睨みつけてくる。
が、すぐにその形相は呆けたような感じに変化した。
(…何かに気付いた…様な感じね。?)
そして、アルテリオンの声が聞こえてくる。
>「・・・私ぃ〜めんどくさいこと嫌いなのにぃ〜」
(まさか、読まれた…?)
メラルは能力を見極める事に集中するあまり、
そちらに関する事ばかりに思考が偏っていた。
その為、次の手を考え出すが…アルテリオンはレイドの声に反応し、
振り向いてから自分の影に刀を差してレイドの正面に転移した。

(これは…どう見ても…決定的、ね。多分レイド先生は見てたからわかるはず…。とりあえず…)
そして、視線で周囲を見て状況を確認する。老人はおらず、フリージアは猫を
氷の鎖で捕らえており、リリアーナは頭に妙な銃を乗せて倒れていた。
クドリャフカは磁力の術を使っている所のようだった。
(何よ、この状況は…。)
メラルは一瞬自分の目を疑ったが、すぐにそれどころではなくなった。
黒猫が氷の鎖を破壊し、獣人に変身したのだ。
(少なくとも、あの獣人は私達にどうにかなる相手の訳がない…。でも…
長引けば長引くほど、 人が集まって有利なのに変わりはない…。難しい所ね…。)
フリージアが死に至る…らしい呪いをかけられ、
フリージアとクドリャフカの攻撃は大木にあっさり止められる。
更にその大木からは人間の手足が出ていたり、根が迫ってきていたりする。
しかも、アルテリオンまでもこっちに来ようとしている。
(恐らく、あの獣人には、私達の攻撃じゃ大技でもない限り大した効果はない…。
…でもまずは…。)

「…ピンポイント。」
アルテリオンの方に斥力球を放ってすぐに根をかわす為に空に逃れる。
が、まるでそれも読んでいたかのように別の根が巻きついてこようとする。
>ファイヤボー!!
が、真上から火の弓そのものが落ちてきて、その根の一部を焼き切り、難を逃れる。
恐らく、周囲の誰かが術で援護してくれたのだろう。
(この根も…かなり厄介ね…。…あ、あの術…!なら…。)
その後、空中で根を幾度かかわしている間にクドリャフカに服従の魔法を放っているのに気がついた。
なので、詠唱していた術を…大木ではなく、ギルハート本人に放った。
「…重力陣!」
ギルハートの足元に半径1m程の魔法陣が現れる。
一秒とせずに魔法陣の中の重力を数倍に増すだろう。

88 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/03/31(土) 21:41:32 0
>84
>「君は…初めて見るな。」
「そりゃどうもはめまして!そしてさようならじゃ!」
鉄扇の攻撃が防がれている間にもクドリャフカは間合いを詰めていた。
本命はあくまでも接近戦。
だがギルハートの方が僅かに早かった。
>「インペリオ!」
呪文と共に突きつけられた杖の先で、クドリャフカは攻撃態勢のまま硬直した。

数瞬後。
光を失ったクドリャフカが顔を上げる。
「了解!・・・戦いのセオリー・・・敵の分析・補助・回復をまず断つべし・・・!!」
向けられた先はメラル。
戦力的には大きくとも、大笑いの呪文で近く呼吸困難に陥るであろうフリージア。
魔法の使えないリリアーナ。
石になって戦闘不能のタロウ先生。
セオリーでなくともメラルを狙うというものだろうが・・・

小さく手を捻ると、大木に深々と突き刺さっていた鉄扇が弾かれたようにメラルを襲う。
聖剣と同じく、極細のワイヤーを扱っての事だ。
それと同時に一気に間合いを詰めるべく跳躍をする。
跳躍と同時にクドリャフカの腹から血が吹き出る。
服従の魔法により、本来傷の影響や、腱などの自己防御のためのセーブを一切行わずにもてる力を100%出し切っての跳躍だった。

89 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/03/31(土) 22:01:08 0
>77 >81 >84
>「リリアーナさん!なにやらこんなものが落ちてきましたわよ!!」
フリージアに揺さぶられ、リリアーナはうっすらと目を開けた。
「痛たた・・・ありがと。なんとか『ロックバスター』の召喚に成功したみたいね」
なにか大事なことを忘れている気がするが、頭が痛くて思い出せない。
ぼーっとしているリリアーナに、フリージアが使い方を説明してくれた。
彼女の説明では、どうもこの銃(ランチャー?)は腕に装着して使うらしい。
「・・・なんだかこれ、『サイコガン』に似てない?」
だとすれば、これも魔力や精神力をエネルギー波に変えて撃ち出すしくみなのだろうか?
とりあえずリリアーナは、ためしに左腕に装着してみることにした。

パン!と音を立てて黒猫を捕えていた鎖が砕け散った。
>「正体がバレてはしかたない。君の言う通り、私がギルハートだ!」
「キャー!!!出たああああ!!!」
リリアーナの顔は再びムンクの叫び状態になった。
>私の本当の姿を君達に見せてやろう。
>そして、君達は死あるのみだ!」
「いや!全っっっっ然見たくないし!謹んで御遠慮しときますからー!!」
リリアーナの叫びもむなしく、ギルハートは黒猫の獣人に変身してしまった。
彼は懐から短い杖を取り出した。杖は、車椅子の老人が使っていたものとそっくりだった。
だがぽよぽよ肉球ありの獣人の手では、さぞ杖は持ちにくいだろう。
(いっそすっぽ抜けちゃえば良いのに!)
リリアーナはそう念じてみたが、当然そんなことにはならなかった。

いとしの猫ちゃんが獣人になったのがよっぽどショックだったのだろう。
棒立ちになっていたフリージアは、死に至る呪文をまともに食らってしまった。
「どどどどどうしようメラルさん!!フリージアが死に至る呪いを受けちゃった!!」
リリアーナはがくがくと傍らのメラルを揺さぶった。
>「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ! (中略)
「・・・・・あら?なんか・・・いつもとあんまり変わってないような気が・・・」

>82 >87
フリージアとクドリャフカの攻撃は、ギルハートによって召喚された3本の木にさえぎられてしまった。
木は不気味な動きでこっちに向かってくる。
おまけにギルハートはクドリャフカに服従の呪文を唱えている。
あれはまずい。
だが以前学園長室で見た感じでは、あの呪文は集中力が必要なはずだ。
リリアーナよりも先に気づいたメラルが、ギルハートに何か仕掛けていた。

>86 >83 >88
地中を通ってリリアーナの足元に根が伸びてきた。
それを警告するかのように、リリアーナに飛びつく小さな影があった。
はっと我に返ったリリアーナは、捕まえようと伸びてきた根をぎりぎりでかわした。返す銃身で根をへし折る。
リリアーナに危険を教えたのは、さっき避難する三等過程の生徒に預けたはずの柴犬だった。
子犬は石化を回復させるアイテム「金の針」を咥えている。
「俺様が金の針を持ってきたぜ!」といわんばかりの得意満面の顔をしていた。
「―――― このっバカっ!何で戻ってきたのよ!!」
リリアーナは大声で怒鳴りつけるなり、ぎゅっと子犬を抱きしめた。
早速タロウに金の針を使ったが、効果が出るまでには今しばらく時間が必要だろう。

スーツ姿のアルテリオンがこちらにやってきた。レイドはどうなったのだろうか?
(猫耳巨乳の魅力に敗れた・・・なんてことは無いわよね・・・?!)
はっきりいって状況は最悪なのだが、メラルはまだ余裕たっぷりだ。何か奥の手でもあるのだろうか?

>「了解!・・・戦いのセオリー・・・敵の分析・補助・回復をまず断つべし・・・!!」
「クドリャフカさん、目を覚まして!!」
リリアーナはメラルの前に割り込むと、鉄扇をロックバスターで攻撃した。
だが、リリアーナにはクドリャフカまで撃つことが出来ない。
「展開!一坪の聖域!」
リリアーナはリリアーナはみようみまねで、クドリャフカが貸してくれた巻物を展開させた。

90 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/03/31(土) 22:23:10 0
ナナ先生が駆けつけた(セブンが敵だからこの名前)

91 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/31(土) 23:04:02 O
>83
>「私は本物よぉ? 確かにぃ〜『本物』になる前に一度会ったからねぇ〜あなたの目の前にいるはアルテリオン『偽物』のように見えるけど?
 これが本物、これは揺るがない真実よ。なんなら、死んだときの話でもしてあげましょうか?」
「そんな真実は俺が認めない。つーか認めたくないね、そんな真実。」
>「悪いけど、あなたとおしゃべりしている時間は無かったの・・・悪いけど人質になってもらえるぅ?」
アルテリオンに刀を向けられ、どう対処するか考えていると、何処からか飛んできた砂鉄がアルテリオンの体の自由を奪った。
しばらく悪あがきをするが、どうやら諦めてくれたようだ。
>「・・・もぅいいわよ・・・疲れた・・・」
良かった。ホントに良かった、と安心した直後…
>「・・・・・・なんてね・・・狂影」
影から生えた触手がアルテリオンの砂鉄だらけの鎧を破壊した。
「(影があるって事は実体があるのか…。)」
>「狂影はね〜結構恥ずかしがり屋なのよ。だからね〜自分の半径5m以内に3人以上いるとこんなことしてくれないの。・・・使いにくいわよね」
「クソッ……卑怯なり狂影。(余裕かましてる場合じゃねぇな、マジで。)」


92 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/03/31(土) 23:10:04 O
>「・・・納得していない顔ね?そうよ・・・彼女は霊体、そして、私は実体・・・あなたの前に姿を出したときも実体・・・・・・
魂としての本人とその魂から抜け出た魂の欠片で作った人間を合成すれば・・・どうなるのかしら?・・・怖い?・・・正解が目の前にあるのが・・・グズグズしている人は嫌いよ・・・」
>「欲しいものがあるなら男らしく奪いなさいよ・・・あの子が可哀想じゃない」
>「次にあったときは・・・残念だけど殺すつもりよ・・・楽しみにしてるわぁ〜」

俺はすぐにアルテリオンを追う事は出来なかった。
「………俺は一体ど〜すれば良いんだよ。追っかけても攻撃出来るかどうか分からんしなぁ。」
と、ここで俺はナイスな考えを思いついた訳だ。
>79「そうだ!アルの猫耳を狐耳だと思えば良いんだ。……うん。それはそれで可愛いから、ボツ。んじゃ、ウサギ……ダメだダメだ。え〜と他には……」
そんなこんなしている間にアルテリオンの姿は全く見えなくなってしまった。
「うん、やっぱ考えてても始まらん。こういう時は行動あるのみだ。生徒達は避難したみたいだし、ゆっくり行くか。」
俺はアルテリオンの後をトボトボ歩きながら追いかけた。


93 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/01(日) 15:05:06 0

「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」
いまだに呪いが解けないフリージア
「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」
このままではセリフが喋れない
「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」
>84
ギルハートを狙った雪の結晶はすべて動く樹にさえぎられてしまった
前にモンスター図鑑で見たそれと見た目が似ているのでとりあえず”トレント”と呼称しよう
はっきり言って氷系魔法使いのフリージアとはあまり相性が良くない相手であると言える
せめて炎系の魔法使いでもいればと笑いながら思ったその時である
>87
>ファイヤボー!!
とどこからともかく炎の攻撃呪文が降ってきてメラルを襲っていた”トレント”の根を焼ききった
どうやらナナ先生が来てくれたらしい
>88>89
そのことによってメラルは難を逃れたかに見えたが
洗脳されたクドリャフカがメラルに襲い掛かった
その攻撃を打ち落とそうとするリリアーナ
フリージアはそれを確認しつつ自分の相手はお前だとばかりに笑いながら
”トレント”の触手を回転する雪の結晶で切り払った
やはりあまり利いていない
何とか全体を燃やせれば一番いいのだが・・・
とりあえず動きを止めようと前に使ったことがあるフリージア人形の魔法を使った
当然笑いながらである
まあ呪文が唱えられないので色が付けられないが別に問題は無い
前のときとは違い出来た透明なフリージア人形は本人より1.5倍大きかった
それを雪の結晶で作った細くて丈夫なチェーンでそれをマリオネットのように操る
「フリージングドール・マリオネット」
これがこの魔法の名前である
本人よりもパワーがある透明なフリージア人形はフリージアの操縦によって”トレント”を押さえ込んだ

94 名前:真ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/01(日) 19:57:11 O
>>87
「ぬぅん!?」
自らに加わる重力に耐えきれず膝をつくギルハート。
杖腕も支えられなくなりクドリャフカの魔法も解けてしまった。
しかし、手段が無いわけではない。
ギルハートはブツブツと呪文を永昌し始めた。


次の魔法で必ず殺してみせる。


魔法を放つにはまだ時間がかかる。
しかし、周囲一面にギルハートの魔力が充満し始めた。


95 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/04/02(月) 08:01:03 0
シュワッチという転移呪文独特の音がする

96 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/04/02(月) 14:46:19 0
マァン、ジャック、エース、レオが来た
ナナと石になっているタロウを加えてウルトラ6教師がこの場にそろった

97 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/02(月) 20:47:02 0
>89>94
一気に間合いを詰めるクドリャフカの前に、リリアーナが一坪の聖域を展開させながら立ちふさがる。
「ぬるい!」
激突する瞬間、華麗なるターンステップで回避。
身体を捻らせながらその横をすり抜け、そのまま宙を浮くフリージアに一撃を・・・!
入れる瞬間、ギルハートの杖が重力魔法によって下がり、服従魔法が解ける。
「な!だぁあああああ〜〜〜!」
その瞬間、限界まで使っていた筋肉に身体と脳のセーブ機能が復活。
急ブレーキをかけたような状態となる。

体を捻っている高速移動中に急ブレーキがかかれば、起こることは唯一つ。
バランスを崩し、宙を浮くメラルの下を高速で転がる事になる。

>93>96
土煙を上げながら転がる先には、がっぷり四つで組み合うトレントとフリージア人形。
勿論避けることも出来ずに激突!
そのまま巻き込み型雪だるまのように転がり、テレポートアウトした瞬間のウルトラ5教師に激突。
「いだだだ・・・うう・・絡まって動けんけぇ・・・」
もうもうと立ち上がる土煙が晴れた頃には、トレントとフリージア人形にウルトラ5教師。そしてクドリャフカ。
無数の手足が絡まり、情けない声がどこからか立ち上る。

98 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/03(火) 07:24:51 0
「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」
>95>96>97
さっきまで操っていた人形が吹っ飛んでいったため
それを操っていたフリージアも雪の結晶のチェーンに
引っ張られて同じ方向に飛んでいった
「お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!
 お〜ほほほほほほ!お〜ほほほほほほ!」
おもいっきり頭をぶつけたにもかかわらず
笑いが止まらない
とりあえずこのままでは身動きが取れないので
雪の結晶のチェーンを解除して消した
しかしこの笑いの呪いどうすれば解けるのだろうか?

99 名前:アルテリオン ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2007/04/03(火) 12:13:44 0
「またソレェ!?いい加減頭にきたわぁ!!!」
メラルの放った斥力球を紙一重でかわし、駆け足で接近する。
途中、ギルハートが本来の姿になったことを確認したが、今は関係ない。
今一番障害になる人物を殺さねば後がないと彼女はそう決断したからだ。
だが、後数歩でメラルが間合いに入るところで邪魔が入った。
彼女とメラルの間にナナが割ってきたのだ。
「邪魔をするなぁぁぁ!!!」
完全に頭に血が上った彼女は刀を振り下ろした。
しかし、冷静さを欠いた彼女の刀はナナにあっさりと受け流された。

>「冷静さを無くした貴女の剣じゃ・・・私(わたくし)は倒せなくてよ」
ナナはがら空きになった胸元に拳を叩き込んだ。
そして間髪をいれず無詠唱で魔法を発動させた。

>「ハートブレイクショック!!!」
倍化した衝撃が「ドン」の音と共にアルテリオンの体を一気に突き抜けた。
本当はショックという魔法なのだが、これを心臓に放たれた場合一時的に心停止するのでハートブレイクなのだ。
そして・・・彼女はゆっくりとその場に崩れ落ち、黒い何かが一面に広がった。
黒い何かは日光に当たるとエタノールのようにすぐに蒸発し消え去った。
それと同時にアルテリオンは元に戻った・・・仮死状態ではあるが・・・
ナナの使い魔に負ぶされ、アルテリオンは医務室につれてかれた。

100 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/04/03(火) 14:50:59 0
使い魔の名はミクラス

101 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/04(水) 02:03:36 0
クドリャフカは踊るような足取りでリリアーナの脇をすり抜けていった。
まあ当然の結果だ。リリアーナでは接近戦で叶う筈も無い。
だがメラルに攻撃する寸前、クドリャフカは正気に戻ってくれた。
メラルの仕掛けた重力魔法が、ギルハートの服従魔法を解いたせいだ。

だが、メラルに攻撃こそしなかったものの、クドリャフカの巨体はトレントとフリージア人形に突っ込んでいった。
氷の人形に引きずられフリージアまでもが吹っ飛ぶ。
だがなおもフリージアは高笑いだ。はっきり言って怖すぎる

結局クドリャフカ達は、テレポートして現れた先生方に突っ込んでようやく停止した。
>「いだだだ・・・うう・・絡まって動けんけぇ・・・」
「やだ、何弱音はいてるのよ、しっかりして!」
リリアーナはカバンから取り出したナイフを使い、何とか根を切り落とそうとしている。
だが、絡まったトレントはそう簡単にほどけそうに無い。

>99-100
メラルを攻撃しようとしたアルテリオンは、割り込んできたナナに阻まれた。
彼女の攻撃をまともに食らったアルテリオンはぴくりとも動かない。
「殺してないわ。大丈夫」
リリアーナの視線に気づいたナナはリリアーナに頷いて見せた。
ナナは小さなカプセルに入っていた使い魔ミクラスを呼び出す。
ずんぐりむっくりの使い魔はアルテリオンを担ぎ上げると、保健室の方へと走っていった。

>97
>「リリアーナ!これをクドリャフカに!」
ナナは空のカプセルをリリアーナに投げ渡してきた。
多分クドリャフカに使えというのだろう。
ナナが普段使い魔を収めているカプセルには、生物への治癒能力があるらしい。
(リリアーナは入ったことがないので、本当かどうかは知らないが)
「クドリャフカさん、おとなしくこのカプセルに入ってくれるのかな?」
治癒うんぬんはともかくカプセルに収めれば、
この絡まった状態からクドリャフカを救い出せる・・・かもしれない。

ギルハートは呪文を唱えている。周囲一面にギルハートの魔力が充満し始めた。
(これって・・・ものすごーくまずくない?)
呪文の威力は詠唱の長さと比例する。
そして。ギルハートほどの魔法使いがこれほど詠唱に時間を要する呪文・・・並大抵なものであるはずが無かった。

102 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/04(水) 02:04:17 0
>98 >87
身動きの取れないレオは、フリージアに向けて両目からリング状の光を放った。
フリージアの高笑いがぴたりと止まった。
死者をも蘇らせると噂されるほど強力な光魔法「アライブ」は、こんな状況でも冴え渡っていた。

トレントに絡まれたままのレオは、リリアーナ達にテレパシーで呼びかけてくる。
>『我々がトレントの拘束を断ち切ると同時に、君たちは瞬間移動で逃げるんだ。
 巻き添えを食いたくはないだろう?
 メラル。私がサポートするから、皆を連れてレイド先生の所へ跳びなさい。
 死にたくなければどうすればいいか・・・分かってるね?』
「でも・・・先生達は?!」
『心配ない。―――― 行け!』

>92
とぼとぼ歩くレイドに、エースからのテレパシーが届く。
『レイド先生、ギルハートの襲撃を受けた生徒達をそちらに送ります。
 後のこと、よろしくお願いします。
 今から我々はギルハートを封じますが、もし万が一の場合には・・・後のことはお願いします」
少し声の調子を変えて、エースは続ける。
『全部終わったら、またチェスを楽しみましょう。自分だけ勝ち逃げは許しませんから』

ナナ先生が輝くブーメランのようなものを投げつけ、絡まったトレントを切り裂いた。
先生方の両手からまばゆい金色の光が放たれる。
どうやら彼らは、強力な封印魔法をギルハートに使うつもりのようだ。

103 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/04(水) 20:03:53 0
>102
「お〜ほっほっほ」
と笑い続けるフリージア
そこにリライブ光線を放つレオ先生
おかげで笑いは止まったようだ
「た、助かりましたわ。さすがは私に格闘を教えてくれたレオ先生ですわ。本当にありがとうございます」
フリージアのキックがレオ先生のものに似ていたのはこういう訳らしい
さてフリージアはレオ先生に礼を言うと改めてギルハートに向かっていこうとするのだが・・・しかし
>『我々がトレントの拘束を断ち切ると同時に、君たちは瞬間移動で逃げるんだ。
 巻き添えを食いたくはないだろう?
 メラル。私がサポートするから、皆を連れてレイド先生の所へ跳びなさい。
 死にたくなければどうすればいいか・・・分かってるね?』
と諭されたので
「くっ・・・先生方も死なないでくださいませ」
そう言ってフリージアはメラルの元に移動した
当然荷物と石化が直りかけているタロウも一緒だ
「先生方の意思を無駄には出来ませんことよ。急いでくださいませメラルさん!!」
転移の邪魔を防ぐため防御用の雪の結晶を作りながらこう言うフリージア
はたして逃れることは出来るのだろうか?

104 名前:真ギルハート ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/04(水) 20:42:41 O
「モエキサ・ブラ・カタブラ・センプラ!!」
ギルハートの魔法が発動した。しかし、同時に封印の魔法が直撃する。
「…これで、終りだと思うなよ。闇の魔法使い、マリアベルは帰ってきた。」
それがギルハートの最後の言葉だった。そして、上空から緑色の雨が降り注ぐ。
封印の魔法により魔力を使い果たした教師達にギルハートの最後の魔法を防ぐ方法は無かった。
>「なんなのこれは!?」
緑色の雨が当たった所から植物の芽が吹き出す。
教師達はみるみるうちに体じゅうが植物の芽だらけになった。
これは、寄生した相手の魔力を吸いとり成長する植物である。
教師が一人、また一人と倒れていく…



緑色の雨がやみ、そこにはギルハートではなくロックが立っていた。
足下には教師達が倒れている。
「先生…」
声が震えている。
「俺じゃない…俺じゃないんだ…」
泣き出しそうである。

ガラガラガラガラ!!

その時、学園が急速に崩壊しだした。
崩れた壁や、割れた窓、金属の装飾等が寄せ集まり、別の建造物を形づくる。
それはまさに“塔”であった。


105 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/04(水) 20:48:03 0
>101
>「やだ、何弱音はいてるのよ、しっかりして!」
リリアーナに言われるが、無数の手足が絡み合ってもうどれが自分の足やら手やらな状態である。
しかも限界まで筋力を使った為に、早くも筋肉痛が全身を痛めつけている。
とはいえ、腱が切れなかっただけ幸運だったといえよう。

そんなにっちもさっちも行かない状態を救うためにナナからリリアーナに託されたもの。
使い魔を納める特殊カプセルだった。
>「クドリャフカさん、おとなしくこのカプセルに入ってくれるのかな?」
「おお、そりゃええ。世話かけっぱなしですまんのぉ。」
手っ取り早く今の状態から抜け出せる一番の手段だ。
しかもカプセルに入っていれば持ち運びも便利。
今の全身筋肉痛のクドリャフカはいるだけで邪魔になってしまうのだから。

リリアーナがカプセルを向けると光がクドリャフカを包み、身体が不思議に歪みながらカプセルの中へと入っていく。
ただし、絡まったフリージア人形とトレントごと。
「ああ・・・そら都合ようは行かんの。
まあええ。中でぼちぼち解いとるけぇ構わず続けてつかぁさい。うう・・冷た・・・・」
徐々にカプセルに吸い込まれながら話す言葉は最後まで紡がれる事はなかった。
まとめてリリアーナの手に納まるカプセルへと収納されたのであった。

106 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 14:37:07 0
術を放った後も、メラルは動かずに杖をギルハートに向け、魔力を放射したままでいた。
重力陣は、威力が強い反面発動前や発動中には常に魔力を送って維持する必要があるのだ。
特に、魔法陣を定着させるまでの間にはかなりの魔力を送る為、余力はほぼない。
その都合上、飛行の魔力消費を抑える為に高度を落としたメラルに、クドリャフカの鉄扇が迫る。
「…まずっ…!」
鉄扇を防ぐことは不可能ではなかった。しかし、それをすれば間違いなく
重力陣が今の力を維持できなくなる。しかも、クドリャフカの接近は防ぐ手立てがない。
が…そこにリリアーナが割って入り、鉄扇を腕に装着した銃で撃ち、巻物で結界を張った。
クドリャフカがそれをかわし、フリージアを襲おうとするもそのタイミングで術が切れたようだ。
クドリャフカが下を転がっていく。その頃には、魔方陣は定着し、その威力を揮っていた。
ギルハートが膝をついている。

「彼女の洗脳が解けた?…あの陣の影響…?…って…!」
ギルハートが術の詠唱を始め、周囲一面にギルハートの魔力が充満し始める。
(どう見ても魔力の放ち方が全周囲広域破壊系の大技じゃない!
こんなのを食らったらそれこそ塵も残らないに決まってる!冗談じゃないわ!
…選択肢は三択。…この場を凌げる術は三つ。でも…「覚悟か絶望と死か」
がここだとすれば…覚悟が必要なのは…どう考えてもあっち。
三つ目は…もとより論外。選択肢は二つしかない事を暗示している。
つまり…ここが覚悟すべき場なら覚悟の中身は間違いなく…。)
横に視線を移すと、クドリャフカといつの間にか現れた教師五人組が
何というか…えらい事になっていた。そこにはフリージア人形も混ざっている。
ある意味ではフリージアも巻き込まれている。笑い声については普段のフリージアで
慣れている為殆ど気になっていない。酷な話だが。そして再度アルテリオンに目を向けると、
アルテリオンが接近してきていた。

(…いえ、それ以前の問題ね。能力がわかっても…今の状況じゃどうしようもない!
分は悪いけど、一か八か…身代わりを…。)
片手をポケットに入れ、何かを取り出そうとしたが…そこにナナ先生が割って入ってきて、
あっさりと勝負を決めてしまう。黒い何かが抜け落ちたのは、恐らく何かが憑いていたのだろう。
そこについては深く考えなかった。ナナ先生の使い魔が倒れたアルテリオンを連れて行った。
(…後の問題は…陣に送る魔力を止めるタイミングね…。後は…覚悟。先生の増援も来たし、
きっとチャンスは来る…。後はどっちを使うか…。)

メラルが機を伺っていると、そこにレオのテレパシーが。
瞬間移動…転移で逃げろとのことだった。
(レオ先生、覚悟を促す為にわざと…。気付いちゃう自分が嫌になるわね。
これじゃ、もうあの術を使う事から逃げるなんて出来ないじゃない。)
軽く頷くと、ナナ先生がトレントを切り裂くのと同時に重力陣を解除する。
そして…呪文の詠唱はせずに、体内の魔力がギルハートの魔力の影響で
乱れないように意識を回している。そこに、近くに来たフリージアの声が聞こえる。
>「先生方の意思を無駄には出来ませんことよ。急いでくださいませメラルさん!!」
(…詠唱時間は魔力消費で補える…いえ、補わないと間に合うわけがない。…けど…効果範囲は…。)
メラルはリリアーナを見て、リリアーナがクドリャフカをカプセルに入れ、
丁度転移させられる範囲内に入る所を確認した。メラルは術の発動前に言った。
「先生…また後で。……ディ・エレナーテ。」
言い終わると同時に四人がその場から瞬時に姿を消し、
その場にはメラルが放った魔力のみが残った。


107 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 18:09:25 0


直後レイドのすぐ後ろに四人とも現れる。
もちろん、カプセルの中にはクドリャフカもいるが、雪の結晶は完全に
術の範囲内にあった物だけが来ている。
「…レイド先生、今の転移で…魔力、全部使い切っちゃったので…後はお願いします。」
本来非常に長く、とても実戦に使えた物でない呪文の詠唱を大幅に省略して、
始動のキーとなる術の名前だけを言って術を発動させたため、
その詠唱の省略に応じた大量の魔力…メラルの魔力の殆どが必要となったのだ。
どこか息も荒い。そして、ギルハートを見た。

ギルハートが術を放ち、同時に封印の魔法が直撃する。
ギルハートは最後にこの言葉を残し、見えなくなった。
>「…これで、終りだと思うなよ。闇の魔法使い、マリアベルは帰ってきた。」
そして、緑色の雨が降り注ぎ、ウルトラ教師陣が倒れていく。
メラルはレイド先生の術に守られつつも、その光景を見ていた。
「……先生…。そんな…。」
メラルも相応にショックを受けているようだ。雨が収まるまで動かずにいた。

雨が止むと、そこには今にも泣き出しそうなロックがいた。
足元には教師が倒れている。そして、学園が唐突に崩壊し、塔を構成する。
メラルは落ち込んだ様子で、誰にともなく呟くように言った。
「…何で…こんな事に…。」


108 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 18:48:13 O
アルテリオンを探し歩いている俺の元にエース先生からのテレパシーが届いた。
>102>『レイド先生、ギルハートの襲撃を受けた生徒達をそちらに送ります。
 後のこと、よろしくお願いします。
 今から我々はギルハートを封じますが、もし万が一の場合には・・・後のことはお願いします」
「オイ、ちょっと待てよ。俺だけ仲間外れ…」
俺の反論を無視してエース先生は話を続ける。

>『全部終わったら、またチェスを楽しみましょう。自分だけ勝ち逃げは許しませんから』
「チッ…分かったよ。ただし、絶対に死ぬなよ?勝ち逃げは俺も嫌だからな。」
>107会話が終わると俺の背後にメラル達が現れた。
>「…レイド先生、今の転移で…魔力、全部使い切っちゃったので…後はお願いします。」
「ああ、分かった。バリアは俺が張っておくから、ゆっくり休め。よく頑張ったな。」

教師達によりギルハートは消滅したようだが、消滅する間際に放った緑色の雨に打たれ次々と教師達が倒れていくのを俺は生徒達とバリアの中で見ている事しか出来なかった。
「クソッ……シャレんなんねぇぞジジイ…。」
雨が止むと、そこには泣き出しそうなロックと倒れている教師達の姿があった。
そして……
崩れた学園から作られた塔が姿を現した。

109 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 21:08:57 O
ロックは導かれるように塔に向かって歩きだした。
あの塔の頂上(大鍋のような形をした)に、マリアベルが居る。
以前、学園長が俺に話してくれた。
マリアベルが十年前に俺の家族を殺したと。

俺が仇をとってやる!

ロックは全力疾走で塔の中に入っていった。
…後ろからフオルティシモが追い掛けてきたからだ。

110 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 23:13:40 0
>105
クドリャフカはカプセルに入ることを快諾した。
リリアーナがクドリャフカにカプセルを向けると、柔らかな光が彼女を包み込んだ。
だがクドリャフカだけでなく、絡まったままのフリージア人形とトレントの一部も道連れなのだが。

>「ああ・・・そら都合ようは行かんの。
>まあええ。中でぼちぼち解いとるけぇ構わず続けてつかぁさい。うう・・冷た・・・・」
「分かった。『カプセルから出たい』と強く念じれば、外に出られる筈だからね」
クドリャフカは手のひらサイズのカプセルへと吸い込まれていった。
(・・・そういえば以前、カプセル内と外の時間の流れが違うと聞いた覚えがあるんだけど・・・
 どのくらいずれてるか聞いてなかったわね。クドリャフカさん、中でびっくりしてなければいいんだけど)

>104 >106-107
レオはフリージアに逃げるよう促した。
彼を師と仰ぐフリージアは非常に悔しそうだったが、堪えてメラルの援護に入っている。
そしてリリアーナがカプセルをポケットにしまった次の瞬間には、あたりの風景画一変していた。
メラルの魔法で、生徒全員が無事転移を終えていたからだ。
「ふぎゃ・・・」
―――― いや、上から落ちてきた子犬が直撃したリリアーナを除いて。

メラルは無理な転移で魔力を失い、消耗していた。
「メラルさんありがとう。・・・貴方のおかげで助かったわ。立てる?肩貸そうか?」
>「…これで、終りだと思うなよ。闇の魔法使い、マリアベルは帰ってきた。」
ギルハートの呪詛めいた声に、リリアーナはつぶやく。
「マリアベル。・・・・聞いたことがあるわ。そうよ!確かロックが、自分の両親の敵だって言ってた・・・?!」
そこまで話したところで、彼女の思考はフリーズした。
ギルハートが最後の力で降らせた緑色の雨は、教師達の上に静かに降り注いだ。
そして、雨に触れた途端教師達は緑の芽に飲まれ、一人、また一人と倒れていく。

「こんな・・・こんなのひどい・・・ひどすぎるわ・・・」
こんなに近い場所にいるのに、教師達を助けることすら出来ない。
「フリージア・・・」
リリアーナは隣のフリージアの肩に顔をうずめた。かける言葉など何一つ浮かばない。
レオ直々に格闘のほどきを受けていたフリージア。
彼女は今、どんな思いでこの光景を眺めているのだろう。

「レイド先生、このカプセル預かってくださいませんか?
 中で、怪我をしたクドリャフカさんが休んでいるんです」
なるべく平静を装ったつもりだったが、動揺して震えていた手を見れば見抜かれてしまうだろう。

>104 >109
雨が止んだ。
ギルハートが立っていた場所には、ロックが佇んでいた。彼の足元には教師達が倒れている。
>「俺じゃない…俺じゃないんだ…」

リリアーナは雷に打たれたような衝撃を受けた。
ギルハートが話していた言葉の端々で、そんな気はしていた。だけど・・・
(まさかロック、あなたまで『全部見てた』の?)
もしギルハートやイレブンの行動も全部目撃していたとしたら、これほど堪える仕打ちは無いだろう。

111 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/05(木) 23:14:59 0
>104 >109
>ガラガラガラガラ!!
音を立てて学園が崩壊し始めた。
崩れた瓦礫は再び再構築され、塔のような建築物に姿を変える。
じっと塔を凝視していた彼は、そのまま吸い寄せられるように塔へと向かう。
「ロック!ロック待って!!」
聞こえていない筈は無いのに、ロックは振り向かなかった。
途中で全力疾走し始めたのは、まだ怒っているフォルティシモのせいだろう。
「ロック待って!―――― ああもう!!どうして無視するかなー!! 
 レイド先生、私ロックを止めてくるわ。
 フリージア、ロックの部屋の小箱ってこれよね?ひとつ貰っていくわよ!」
リリアーナは小箱のひとつを掴むなり、塔に入り込んだロックの後を追った。

「ちょっとロック、一人で何先走ってるのよ!待ちなさいってば!!」

112 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/06(金) 11:48:46 0
>104>107>>108109>110>111
メラルによってテレポートさせてもらい安全なところに避難したものの
目の前で恩師が倒れたことにショックを受けるフリージア

「そ、そんな・・・」

だが弱音を吐いて入られない突如現れた塔に向かってロックが走って行き
それをさっきまで自分に顔をうずめていたリリアーナが追いかけて行ったからだ

「レイド先生後は任せましたわ」

すぐさま後を追おうとするフリージアだが・・ぎゅっと足元にしがみついてきた何かに転ばされる

「いたた・・・なんですの?」

良く見ると足元にはいつかのグレムリンがしがみついていた

「・・・・レイド先生これ差し上げますわ」

とりあえずレイドにグレムリンを差し出すと気を取り直してリリアーナを追った
グレムリンは男は嫌じゃと暴れているが気にしない

走りながらポケットから何かを取り出すフリージア
それは何か液体の入ったビンであった
ラベルには魔力回復ドリンクと書かれている
激マズで有名らしいが効果は抜群らしい
先ほどの戦闘でフリージングディストラクション等の大技を使ったため
魔力回復の必要があったフリージアは一気にそれを飲んだ

「・・・不味すぎますわ」

そしてさっきまでフリージアがいた場所には残り二つの箱と中途半端に石化が解除されたタロウ先生が残された

113 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/06(金) 21:17:00 O
塔の内部は外からの見た目よりずっと広いようだ。きっとそういう魔法なのだろう。
建造物の中とは思えない光景が目の前に広がる。
そこは木々が生い茂る密林だった。天然の迷路が侵入者を拒む。
「…前に見たことがある気がする。」
ロックの頭の中にある光景が蘇る。


地面に転がる赤いタイツの男、そして近くに立っているロックそっくりの男が言った。
「貴様が気に入った…殺してやろう。そして、我々の絆は永遠だ。」
ロックそっくりの男は短い杖をイレブンに向けると死の魔法を放った。


…馬鹿馬鹿しい。きっと俺がイレブンを嫌っているからそんな妄想をするのだ。
ロックは後ろから来るリリアーナに気付かず先へ先へと進んでいった。
フオルティシモが追って来ない…ツタにでも絡まったのだろうか?


114 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/06(金) 22:35:44 0
殺風景な小さな部屋。
壁は目の前に見えているのに、どれだけ手を伸ばそうと壁に触れることはない。
斜め上には【治療回復モード】という文字が浮かんでいる。

「うう、もちぃとで霜焼けどころの話じゃぁのぉなるところじゃったのわ。助かったじゃ。」
ここは使い魔カプセルの中。
絡まったトレントとフリージア人形ごと収納されたクドリャフカが、ようやく身の自由を取り戻したところだった。
カプセルの効果なのだろうか?
一緒に収納されたフリージア人形は更に温度を低下させ、トレントを凍らせていく。
おかげでトレントの柔軟性が失われ、絡まった身体を脱出させる事に成したのだ。
一歩間違えば、クドリャフカもトレントごと氷付けになっていたのだが・・・

自由になったクドリャフカは腹にサラシをまきながら外の様子を見ていた。
外の様子も画面表示されるが、その映像はまるでスローモーションのようだ。
これは、カプセル内の時間速度が【治療回復モード】では遅く、【待機モード】では早くなるからだった。
呪いの影響で治療魔法の効果がないため、いつまでたっても【治療回復モード】のまま時間が過ぎていく。
クドリャフカがカプセルに入ってから、ロックが塔に走っていく。その僅かな時間の間に、カプセル内では丸一日が経過しようとしていた。

カプセルに入った瞬間、カプセル内の効果、時間の流れが頭に流れ込んできていたので落ち着いて体力回復に勤しんでいたが、ロックの姿が見えた瞬間、その落ち着きはなくなった。
「ロックさん!」

###########################################

クドリャフカが勢いよくカプセルから姿を現した。
実質丸一日の休養を経てきたわけなので、心身ともにすっかり回復している。
その目線は塔の方向へ。
そして目の置くには炎が宿っていた。
「レイド先生、メラルさんも疲れているようじゃき、カプセルにでも入れてやってつかぁさい。
私は・・・やっぱり女じゃけぇ・・・とめんとったいてください!」
そのまま振り返りもせず一気に塔の中へと駆け込んだ。
そのとき、男よりはましだ!と、グレムリンがクドリャフカのスカートの端にしがみついたが、気付きもしなかった。

カプセル内でロックの姿を見て急いで出る間際、クドリャフカは見ていた。
リリアーナがロックを追いすがって走っていくのを。
それはまるで心通じ合わせた二人が駆けていく様に(恋は盲目フィルター透過後の映像)
「リリィーさん。恋と友情は両立せんもんじゃ。せめて正々堂々戦うけえのぉ!
ロックさんの涙目を受け止めるのは私やけえ!」
恋する暴走列車。目的を見失いつつここに参戦。
涙目で抱きつき、母性本能経由でなれない恋心に火をつけた相手が実はリリアーナだとはまだ気付いていないままだった。

115 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/07(土) 00:56:17 O
>110「レイド先生、このカプセル預かってくださいませんか?
 中で、怪我をしたクドリャフカさんが休んでいるんです」
リリアーナが震える手で俺にカプセルを差し出した。
>111「ロック待って!―――― ああもう!!どうして無視するかなー!! 
 レイド先生、私ロックを止めてくるわ。
 フリージア、ロックの部屋の小箱ってこれよね?ひとつ貰っていくわよ!」
俺にカプセルを渡したリリアーナは塔の中に入って行くロックを追いかけて行ってしまった。
「オイ!ちょっと待て!少し冷静に……」
>112「レイド先生後は任せましたわ」
>「・・・・レイド先生これ差し上げますわ」
リリアーナに続きフリージアまで塔の中へ行ってしまった。
しかも俺に要らない物(グレムリン)を押し付けて。
>114どうしたものか、と悩んでいると今度はクドリャフカがカプセルから飛び出してきた。
>「レイド先生、メラルさんも疲れてるようじゃき、カプセルにでも入れてやってつかぁさい。
私は・・・やっぱり女じゃけぇ・・・止めんとったいてください!」
いや、あのクドリャフカさん?
スカートにグレムリンがくっついてますが…。
いや、今はそんな事をツッコンでいる場合じゃない。

116 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/07(土) 00:57:20 O
俺は疲れきっている様子のメラルに話かけた。
「メラル、お前はどうする?」
本当はカプセルに入ってもらえると一番助かるのだがね。
「俺は今から、妙に熱血な三人……いや、四人を連れ戻さないといけないんで、塔の中に行くが……
どうする?一緒に行くか?」

117 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/07(土) 08:08:10 0
フリージアが持っていた箱をウェストポーチに押し込み、リリアーナは先を急いだ。

ロックを追って入った塔の中は、さながら密林のジャングルのようだった。
中は外からは比べ物にならないほど広く感じる。そういう魔法なのだろう
見たことも無い植物が絡み合い、視界を塞いでいる。さながら生きた迷宮といったところだろうか。
塔の中は足元も視界も良くなかった。おかげでリリアーナはロックを見失ってしまった。

リリアーナは大きなため息をつくと、ぐるりと周りを見渡した。
嫌な感じだ。誰もいないはずなのに、視線を感じる。
見られているというよりは観察されているといった方が近いだろうか。

>112
ガサッと音がして、リリアーナは飛び上がった。
反射的にロックバスターを向けるが、現れた人物を見てほっと肩の力を抜いた。
「フリージア、どうしてここに?!」
リリアーナは左腕を下ろすとフリージアにかけより、嬉しそうに笑った。
「・・・ありがと。実はちょっとだけ心細かったの。ねえ、他の皆は?」

>113
ガサッ!バサッ!と何かが激しく暴れているような音がした。
「何の音かしら?・・・もしかしたらロックかも。行ってみましょう!」
返事も待たずにリリアーナは駆け出した。

音をたどっていくと、少し開けた場所に出た。そこにはガジュマロによく似た巨木があった。
蔓とも気根とも見える枝に、フォルティシモが絡まっている。
「フォルティシモじゃない!大丈夫?ねえロックは?」
きょろきょろとあたりを見渡すがロックの姿は無い。
(フォルティシモを置いていくなんて・・・)
ロックは何かに集中すると周りが見えなくなる。
戦闘ではぐれたのか、それとも・・・フォルティシモの存在を忘れるほど深く何かに心を囚われているのか。
いずれにせあまり良い傾向ではない。
リリアーナは苛立ち紛れに髪をくしゃくしゃかき回した。
「もう!ロックの大バカ!
 フォルティシモ待ってて、今おろしてあげるから!・・・頼むから動かないでよ?」

―――― だが、よくよく考えればおかしな話だった。
フォルティシモは寮の壁をぶち破り、クレイゴーレムを持ち上げる程パワフルな箒だ。
ただの植物の蔓に絡まったくらいで身動きが取れなくなるものだろうか?

>114
リリアーナは巨木に歩み寄り、ロックバスターでねらいをつけようとした。
そこに聞こえてくるクドリャフカの声。
>「リリィーさん。恋と友情は両立せんもんじゃ。せめて正々堂々戦うけえのぉ!
>ロックさんの涙目を受け止めるのは私やけえ!」

「な・・・な・・・な・・・!」
危うくひっくり返りそうになった。
振り返った真っ赤になっている。ぱくぱくと動かしている姿は、まるで金魚だ。
「何・・・クドリャフカさん何バカなこと言ってるのよ!
 わ・・・私とロックはただの友達よ。・・・そうよ、全っ然!ちっとも関係なんかないんだからね!
 だからクドリャフカさんとロックが付き合ってたって、私にはぜーんぜん興味なんか無いしっ!!」
・・・はっきりいってムキになりすぎである。

すっかり平常心を失った彼女は、背後の木が自分を捕らえようと蠢いていることに気づけなかった。
ひゅん、と鞭のように気根がリリアーナの右足に絡みつく。
リリアーナは悲鳴をあげた。

118 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/07(土) 16:35:10 O
>>117
> リリアーナは悲鳴をあげた。
「リリアーナぁああ!!」
女子供の悲鳴を聞くと駆け付けずにはいられないロックは悲鳴に即座に反応した。
光の速さでダッシュするロック。…っておいおい、ただの言葉のあやだぜ。
「ふんがぁあ!!」
足にツタがひっかかり派手にすっ転ぶロック。
「邪魔をするなぁ!!」
リンゴサイズの鉄球を取り出す。
「バレット!!」
鉄球がツタに激突するが効果は薄いようだ。
「これならどうだ!ホット(未完成)!!」
ロックの手から熱い蒸気が吹き出す。
これを受けたツタは萎縮してしまった。
ロックが再び自由になる。「若さってなんだぁぁあ!!」
意味不明の叫びをあげながら再びダッシュする。

ロックの目にリリアーナが入ると
「振り向かない事さぁあ!!」
と叫びつつ突進して行った。

119 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/07(土) 21:02:43 0
>117
>「何・・・クドリャフカさん何バカなこと言ってるのよ!
> わ・・・私とロックはただの友達よ。・・・そうよ、全っ然!ちっとも関係なんかないんだからね!
> だからクドリャフカさんとロックが付き合ってたって、私にはぜーんぜん興味なんか無いしっ!!」
顔を真っ赤にして必死に否定するリリアーナに対し、クドリャフカは至極冷静だった。
それどころか、どこからか出してきたチェック用紙に色々と書き込んでいる。

「1・同じクラス・同じ部活など、毎日接触する接点を持っている・・・○じゃの・・・
 2・普段は余り仲いいとは言えない、というか喧嘩をよくする。もしくは堂々と相手のことを馬鹿といえる。・・・○じゃねえ・・・。
 3・2が○にもかかわらず、険悪になることなく何だかんだ一緒にいる。・・・○じゃぁああ・・・!
 4・あなた達付き合っているの?と聞かれたら過剰反応で全力否定する・・・○ぅうううう!!」

耽々とではあるが、徐々に感情と力の入ってくるその声。
クドリャフカの持っているチェック用紙。それはクドリャフカ愛読雑誌【月間ソボン】の先月号ラブコメ特集の付録。
【あなたの恋のライバルは身近にいる!チェックシート】だった。
恋愛体験はないが、年相応に興味はあるクドリャフカの情報源は漫画やドラマなのだ。

「危険じゃのぅ。ソボンのチェック用紙に頼らずとも、ソボンの歴代漫画から月9ドラマのパターンまで。
全てのデータがリリィさんが私の恋の障害だと証明しとるんじゃ!
リリィさん、アンタはいい子じゃが、ここは譲れんのじゃい。
私に涙目で抱きついて震えとったロックさんを私ゃぁ抱きしめ返す事が出来なかった・・・
男にそがぁな恥を書かせちゃぁ女が廃る!」

力のこもった言葉と共に脇にあった木を抱きしめてみせる。
直径80センチほど、熱帯性植物特有の柔軟性のある生木であったが、即座に『バキベキ』という悲鳴にも似た音と共に潰れ折れてしまった。
恋に目覚めたクドリャフカの溢れ出すぎの抱擁の威力、押して知るべし!

「少年漫画じゃったらここで拳の語り合いじゃけんど、私達は恋する乙女じゃきぃの!
男の心を奪う事で決着をつけましょうで!」
蔦に足をとられ、宙吊りになっているリリアーナにびしっと指を突きつけ宣戦布告。
「ほいじゃあ、フリージアさん、公正な見届け人、たのんますけえのお。」
フリージアに頭を下げながらスカートの裾を上げると、ぼとぼとっと落ちてきた白い紐の束・・・
否。紐ではなく、鎖である。
しかもフィジル島を取り巻く魔海に生息するテラ・シャークの牙で出来たものだ。
「汝に付与する!回転の力を!ファング・ボルテックス!」
回転の力を与えられた牙の鎖はクドリャフカを十重二十重に取り巻くように回転を始める。
見る見るうちに高速回転となり、チェーンソーの竜巻状態となって周囲の蔦や木を削ぎ切って行く。

>118
「リリィさん、もう戦いははじまっとるけえ助けはせんよ。ほなの。」
チェーンの渦の中心で別れを告げると、そのまま走り去ってしまった。
それはリリアーナの悲鳴を聞きつけロックが突進してくるほんの僅か前の事だった。

クドリャフカはロックがどこにいるかは勿論知らない。
先行していると思い、塔内をさ迷い歩く。
いつ、どこで遭遇するかは誰にもわからない。
唯一つ言える事は、ロックの生命の危機が一つ増えたという事くらいだろうか。

120 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/07(土) 21:46:23 0
>117>119
走り出したリリアーナを追う様に走るフリージアだったが
枝に絡まったフォルテッシモ
クドリャフカの声に動揺したリリアーナ
突然何かの紙にチェックし始めるクドリャフカという
あまりの急展開についていけないフリージアはほとんど何も喋れなかった
かろうじていえた事といえば
「クドリャフカ・ブリーガー?」
樹を抱きつぶしたクドリャフを見てつぶやいたその一言ぐらいだ
しばらく呆然として眺めていたらクドリャフカはどっかに走っていってしまった
まるで台風のようである

>118
「・・・・はっ!?」
気づくといつのまにやら近くにロックがいた
「ええと・・・とりあえずリリアーナさんを助けますわよ」
とロックに話しかけると
リリアーナを捕まえている蔦に向かって回転する雪の結晶を投擲した
いつの間にか頭に例のグレムリンが載っていることにも気づかないぐらい動揺していたため
あさっての方向に飛んでいく雪の結晶
仕方が無いので氷結根による直接攻撃に切り替えた
前のとは違って三節根のように3本の氷結根が雪の結晶のチェーンによって繋がれている
氷結三節根とでも言おうか
それを構えながら蔦を破壊せんと攻撃を仕掛けた

121 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/08(日) 07:15:08 0

>「ああ、分かった。バリアは俺が張っておくから、ゆっくり休め。よく頑張ったな。」
「…お願いします。」
>「メラルさんありがとう。・・・貴方のおかげで助かったわ。立てる?肩貸そうか?」
「大丈夫よ。立てないほどじゃないわ。それに…こういう事態、全く備えてない訳じゃないから。」
転移後、ギルハート側に視線をやりつつ二人の言葉に答えた。


そして、塔が出現した後、落ち込んでいたはずのロックに続き、
リリアーナ、フリージアまで塔に乗り込んでいく。
「…どんな罠があるともわからない塔に、芋蔓式でバラバラに入っていくなんて…。
 まぁ、今更言っても始まらないわね。気持ちも…わからないでもないし。」
レオ先生の方に少し視線をやってからフリージアの置いていった残り二つの箱を手に取った。
そしてレイド先生を見ると、丁度クドリャフカが出て来た所だった。
>「レイド先生、メラルさんも疲れているようじゃき、カプセルにでも入れてやってつかぁさい。
> 私は・・・やっぱり女じゃけぇ・・・とめんとったいてください!」
「…まだ蔓は続いてたのね…。何か言葉の内容が気になるけど…。」
とめても無駄なのは明白なので静止はせずに溜息をつき、レイド先生を見る。
予想通りというか、当然なのだろうがレイド先生は連れ戻す為に塔に行くつもりのようだ。
「行きますよ。多分、避難所代わりのゲートも塔に飲み込まれてますから。
 それに…ここまで来て、今更見て見ぬ振りをするのもどうかと思いますし。
 魔力の方は…」
ポケットから小瓶を取り出し、それを飲み干してから言った。
「これで30分程すればそこそこは回復するはずです。最も…」
途中で、視線を落とす。
「それがそうそう通用するような相手とは思えませんけど。」

122 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/08(日) 19:37:35 O
>>120
> 「ええと・・・とりあえずリリアーナさんを助けますわよ」
「おう!!」
フリージアがリリアーナを拘束している部位を破壊しようとしているのに対し、
ロックはその妖しい木自体を破壊しようとする。
「バレット!!」
ロックの鉄球が妖しい木に激突する。
「って、あらら!」
鉄球が木にめり込んで使えなくなってしまった。
その上やはり効果は薄いようだ。
蒸気による攻撃はリリアーナにも当たるためできない。
いったい、どうすりゃいいんだ!

コツン(足に何か当たった音)

足下に木製の箱が落ちている事に気付いた。
ロックは何故か反射的に箱を開けると中の短い杖を取り出す。
「オーラー・ソレム!!」
杖の先から太陽の光が放たれる。
それを受けた妖しい木はすっかり萎えてしまった。
しかし、まだ妖しい木は生きている。とどめとなる攻撃が必要だ。
「まだまだぁ!!カーナム・インフラ…ぐはっ!!」
お腹に重く鈍い感触、そして中に浮く体。
木が弱ったことにより解放されたフォルティシモがロックに襲いかかったのだ。

123 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/04/08(日) 22:04:32 0
ギャー!!


124 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/04/09(月) 00:41:23 0
952 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 18:58:42 0
チャッチャコテ乙w


953 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 19:04:27 0
チャッチャ粘着は最低だな


954 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 19:05:34 0
チャッチャって防御不可能だったんだっけ?完走してないか?


955 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 19:07:23 0
魔法少女スレみたいに荒し本人がコテをやれば、自分のスレは荒れないゾ
泥棒は自分の家に泥棒には入らないからなw


956 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 19:11:57 0
>>955
粘着乙


957 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 19:20:37 0
魔少スレにはダーティなイメージがある罠・・・


958 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 19:25:50 0
これが噂のマッチポンプか
勉強になるぜ


959 :名無しになりきれ :2007/04/08(日) 19:27:02 0
なんでもかんでも自演にしようとか、チャッチャコテは自分に都合の良い解釈しすぎ


960 :名無しになりきれ :2007/04/09(月) 00:35:47 0
>958
>959
魔法少女を荒すように扇動しているとしか思えん
やり方が見え見え杉で誰も踊らずw





961 :名無しになりきれ :2007/04/09(月) 00:39:43 0
チャッチャコテが話をそらそうと必死だな
魔法少女とか関係ないスレを持ち出して逃げんなよ


125 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/04/09(月) 00:49:39 0
962 :名無しになりきれ :2007/04/09(月) 00:45:35 0
ま、こんな調子だから人がいなくなったんだよね
馬鹿ばっかりだ

126 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/09(月) 03:41:40 0
>119
クドリャフカはリリアーナの話をまともに取り合ってくれなかった。
リリアーナの話を聞きながら、熱心に手元の用紙に書き込んでいる。
アレは確かソボンの付録のはずだ。
(クドリャフカさんがソボンの愛読者だったなんて。あんなに大人っぽいのに・・・なんか、可愛いかも)
だがそんな事をしみじみ思っている場合ではなかった。
何せクドリャフカが持っているのは【あなたの恋のライバルは身近にいる!チェックシート】なのだから。

ペンを持つクドリャフカの手がわなわなと震えている。
>「危険じゃのぅ。ソボンのチェック用紙に頼らずとも、ソボンの歴代漫画から月9ドラマのパターンまで。
>全てのデータがリリィさんが私の恋の障害だと証明しとるんじゃ!
「え?ちょ・・・待っ・・・」
ダメだ、目が本気である。クドリャフカはさらに続けた。
>リリィさん、アンタはいい子じゃが、ここは譲れんのじゃい。
>私に涙目で抱きついて震えとったロックさんを私ゃぁ抱きしめ返す事が出来なかった・・・
>男にそがぁな恥を書かせちゃぁ女が廃る!」
「え?抱きついた?!」
変だわ。なぜか身に覚えがあるような無いような・・・?
何だったかしらと記憶の糸を辿ろうとしたが、次の瞬間そんな考えは霧散してしまった。
クドリャフカが熱い抱擁で、抱えきれないような巨木を抱き潰してしまったからだ。
リリアーナの顔が引きつった。
>「クドリャフカ・ブリーガー?」
ずっと黙りこんでいたフリージアがぼそっと呟いた。
「・・・友人ならばこの場合、ロックの「遅い春」を祝福するべきなのよね?」
だけど・・・リリアーナは複雑な思いで潰れた木に視線を向けた。

>「少年漫画じゃったらここで拳の語り合いじゃけんど、私達は恋する乙女じゃきぃの!
リリアーナは真っ赤になった。多分逆さ吊りにされているせいだろう。
「こ・・・恋?!な・・・何言い出すのよ!!第一あなたたち付き合ってるんでしょ?」
クドリャフカは取り合わず、フリージアに見届け人を頼んでいる。
>「リリィさん、もう戦いははじまっとるけえ助けはせんよ。ほなの。」
そういいつつクドリャフカの鎖は、リリアーナに絡むはずだった蔦のほとんどを切断していった。
何だかんだ言ってクドリャフカには助けられっぱなしだ。
「待ってクドリャフカさん!怪我してるんだから一人で先に行っちゃダメ!!」
リリアーナの叫びも空しく、クドリャフカは密林の中へと姿を消してしまった。

127 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage データが飛んだ・・・遅くなってごめんね] 投稿日:2007/04/09(月) 03:43:40 0
>118
>「リリアーナぁああ!!」
聞きなれた声に、弾かれたように振り向く。
ロックが一直線にこっちに走ってきた。ぱっとリリアーナの顔が輝いた。
「ロック!よかった、あなた無事だったのね!」
言ってから自分が物凄くバカに思えた。無事じゃないのは、みっともなく逆さ吊りにされている自分の方だ。

>120
フリージアが氷の結晶を投げた。だがそれはフォルティシモの方に飛んでいったようだ。
上から凍った葉や蔦がぱらぱらと落ちてきた。
頭にグレムリンを乗せたまま、フリージアは氷結三節根での攻撃に転じた。
吊り下げられた体は振り子のように激しく揺れた。
「やーん!目ーがー回ーるー!!」
おまけにウェストポーチの口をきちんと閉めなかったので、揺れるたびに中身がぽろぽろ零れている。
グレムリンが床に落ちたビンを不思議そうに拾い上げた。
「ダメ!ダメよグレムリン、それは飲んじゃダメー!!」
リリアーナは必死で止めた。グレムリンの持つビンには、魔力回復ドリンクと書かれていた。

>122-123
ロックの鉄球による物理攻撃は、相手が木だけにあまり効果が無いようだ。
彼はリリアーナが落とした小箱を拾い上げた。中には短い杖が入っていた。
(あれ、あの杖って確かギルハートの・・・?)
>「オーラー・ソレム!!」
>ギャー!!
杖の先から太陽の光のような光がほとばしった。木がおぞましい悲鳴をあげた。
蔦から開放されたリリアーナはしりもちをついた。
「痛たたた・・・ありがと二人とも、助かったわ。―――― あ!ロック後ろ後ろー!」
>「まだまだぁ!!カーナム・インフラ…ぐはっ!!」
ロックの体は宙を舞った。怒り狂ったフォルティシモの一撃だ。アレは痛そうだ。
割って入ろうかとも思ったが、やめた。馬に蹴られたくは無い。
「何の相談もしてくれなかった上に、さんざん人に心配かけた罰が当たったんだわ。
 フォルティシモ、私の分もよろしくね。
 それからロック、後できーっちり話聞かせてもらうからね。また消えたら承知しないんだから!!」

妖しい木は弱ってはいたものの、まだ生きている。
だが木だけに柔軟性があるせいか、物理攻撃の威力は今ひとつだ。
レイドのファイアーボールでもあれば一発だろうが、あいにくここに彼はいない。
ならばいっそ凍らせて砕いた方が確実かもしれない。
「フリージア、あの木の幹を凍らせられる?時間は私が稼ぐから」

リリアーナは萎れた木にびしっと指を突きつけた。
「よくも女の子に恥をかかせてくれたわね!もしスカートだったら大変な事になってたじゃないの!!
 これはほんのお返しよ!えいえいえいえいえい!!!」
怒りに任せてロックバスターを連射する。

128 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/09(月) 16:53:03 0
>127

>「ダメ!ダメよグレムリン、それは飲んじゃダメー!!」

リリアーナの説得の甲斐もなくグレムリンは魔力回復ドリンクの蓋を開けた

攻撃の甲斐もあってかリリアーナを開放する蔦

>「フリージア、あの木の幹を凍らせられる?時間は私が稼ぐから」

「わかりましたわ!!」
リリアーナに従い木の幹を凍らせようと雪の結晶を投擲するフリージア
いつもとは違い簡単には凍らない
業を煮やしたフリージアはいつもより魔力を込めた雪の結晶を投げてみた
カチンコチンという判り易過ぎる音を立てながら凍る木の幹
「やりましたわ!」
これなら物理攻撃が有効に効きそうだ

そう思っていた矢先にドリンクをあおるグレムリン
「ゲエ、マジイ」
どうやら魔力の過剰回復の副作用で喋れるようになったらしい

「・・・・グレムリンが喋りましたわ!?」
驚くフリージア
よっぽど不味いのかドリンクを飲んだグレムリンから魂っぽいものが出てるのが見えたが気のせいだろう
フリージアはまあそんなことはどうでもいいとばかりに攻撃を再開した

「エイ!ヤア!タア!ですわ」
右手でヌンチャクのように二本の根を使い左手の残った一本で防御する
それがフリージアの氷結三節根での戦い方である
左手でどこから来るか判らない蔦を迎撃するフリージア
右手は本体をばしばしと叩いている
音を聞いていると、とても痛そうだ
フリージアはある程度襲い掛かってくる蔦を破壊すると
雪の結晶のチェーンを分解し、あまった3本の氷結根を長い一本の氷結根に組みなおし距離を取った
本体に連続突きをお見舞いする気なのである
「氷結根百連撃!!」
かつてアルテリオンに使われた技が木に放たれた


129 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/09(月) 21:38:21 O
>121メラルは俺の問いかけに予想通りの反応を示した。
>「行きますよ。多分、避難所代わりのゲートも飲み込まれてますから。
 それに…ここまで来て、今更見て見ぬ振りするのもどうかと思いますし。
 魔力の方は…」
ポケットから取り出した小瓶を飲み干し
>「これで30分程すればそこそこは回復するはずです。最も…」
>「それがそうそう通用するような相手とは思えませんけど。」
視線を落とすメラルに俺は慰め(?)の言葉をかけた。
「まぁ、ほら、アレだ。自分の力量が分かってるだけでも、お前は大したもんだよ。」
慰めになっているのか、いないのか分からない言葉をかけ、塔の中へと向かった。

130 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/10(火) 20:27:44 O
>>128
妖しい木はフリージアの氷結棍によって粉ごなに破壊された。さすがだな。


ボコン!!(何かを叩く音)

問題はこっちだ。今俺はフォルティシモに襲われている。
この箒が怒っている理由はわかる。
高級箒磨きセットを買って以来、こいつは俺に毎日磨かせないとへそを曲げるのだ。
生憎今は箒磨きセットを持っていない。
女の子を残して逃走するわけにはいかないので言葉でなだめるしかない。
「俺がお前をほったらかしにしたから怒っているんだろ!?
でもお前は十分美しいじゃないか!」
フォルティシモの様子を見ながらロックは言葉を続ける。
「そうさ、君は世界で一番美しい。
その艶といい、毛なみといい、まさに無上の芸術品だ!
この世で最も美しいお前に、手をつける事にためらって何が悪いか!」
自分で言いながら吐気がするため嫌な汗が流れる。
しかし、とにもかくにもフォルティシモの機嫌は良くなったみたいだ。

>127
「リリアーナ、これは俺の問題だ!
これ以上お前を巻き込みたくない!
フリージアと一緒に外へ出るんだ!」

131 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/11(水) 08:40:11 0
>129
フリージアの攻撃で妖しい木は粉砕された。
「やったあ!さっすがフリージア!」
リリアーナはぐっとフリージアに親指を立ててみせた。
「ロックも無事見つかったけど・・・クドリャフカさん、見事にロックと入れ違いになっちゃったわね。
 彼女怪我してるし、放ってはおけないわ。早く連れ戻さないと。フリージアはどうする?」
クドリャフカの後を追うのは容易い。なにせ拓かれた道を辿ればいいのだから。

魔法回復ドリンクを飲んだグレムリンは、半分魂が抜けたようになっている。
「だから飲んじゃダメっていったのに・・・あーあ。これ高かったのに」
リリアーナはそうぼやきながら、残り僅かになった瓶の蓋を閉めた。
つんつんと落ちていた棒でグレムリンを突いてみる。
「ねえグレムリン、生きてる?そうそう、あなたのお名前は?」

ロックはフォルティシモのご機嫌をとろうと、熱烈に口説き落としている。
「熱血漢だとは思ってたけど・・・ロックってああいう一面があったのね。毎日ああなのかしら」
聞いているこっちが恥ずかしいが、何とかフォルティシモのご機嫌は治ったようだ。

>130
「リリアーナ、これは俺の問題だ!
これ以上お前を巻き込みたくない!
フリージアと一緒に外へ出るんだ!」
「嫌」
ぷいとリリアーナはそっぽを向いた。
「それにもう手遅れよ。とっくに巻き込まれてるもの。昨日から魔法だって・・・」
リリアーナは口を噤んだ。

「・・・ねえロック、私達の学園が今めちゃくちゃになってるのよ?私達に無関係だと思う?
今回のことがあなたと、この塔にいる何かが原因だってことくらい私にだって分かるわ。
 もうこれはロックだけの問題じゃないのよ。そうよね、フリージア?」
リリアーナはフリージアに同意を求めた。

「それよりもっと他に何か言うこと無いわけ?
 ねえ、ロックの中にはもう別人格は残ってないの?私、保健室での二の舞はもう嫌よ。それに・・・」
リリアーナは少しためらいながらも続けた。
「―――― それに、結局イレブンもギルハートもロックの一部だったのよね?
 だったらギルハートが学園を滅茶苦茶にしたのも、イレブンが私を殺そうとしたのも
 先生方をあんなふうにしたのも全部ロックの意思だったと思えばいいの?もしそうなら・・・」
 リリアーナは左手をロックへ向けた。

「ねえロック、お願いだからちゃんと話してよ」

132 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/04/11(水) 16:29:42 0
ギ〜ズ〜モ〜

133 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/11(水) 18:23:28 0
>130>131>132
ぐっと親指を立て返すフリージア
勝利のポーズ決めって感じである

>「ロックも無事見つかったけど・・・クドリャフカさん、見事にロックと入れ違いになっちゃったわね。
>彼女怪我してるし、放ってはおけないわ。早く連れ戻さないと。フリージアはどうする?」

「当然、追うしかありませんわ」
とフリージアは返す。その視線はグレムリンに向けられていた

>「ねえグレムリン、生きてる?そうそう、あなたのお名前は?」
と木の棒でつつくリリアーナ
つつかれたグレムリンは
>ギ〜ズ〜モ〜
と答えた
「ギズモ?小細工って意味ね」
うん、そうだよとばかりにうなずいたグレムリンは再びフリージアの頭に上った
「何でいちいち頭に乗るのよ!」

「オカアサンノニオイガスル」
私ってグレムリンみたいな匂いなのかしらとちょっと落ち込むフリージア

>「リリアーナ、これは俺の問題だ!
>これ以上お前を巻き込みたくない!
>フリージアと一緒に外へ出るんだ!」
と説得するロックにリリアーナは短く「嫌」と答えた
もう巻き込まれているしロックだけの問題ではない
リリアーナの言うとおりである

「そうですわ!もう巻き込まれてしまったのですもの!!
 それにこのまま逃げるなんて、私のプライドが許しませんわ!!」
それに部屋には戻れないしね、と付け加えた

>「ねえロック、お願いだからちゃんと話してよ」
と銃口を向けるリリアーナ
「それって・・・脅しなんじゃ。まあいいですわ。きりきり白状してもらいますわよロックさん」
と、とりあえずフリージアも氷結根を突きつけた


134 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/11(水) 20:03:07 0

「自分の実力が判っていなければ、前みたいに、戦術や引き際を誤って
痛い目を見る事になります。そんなのは…二度とごめんですから。」
事態の変化に、動揺しているようで、彼女の口から、普段なら絶対に言わない
本音に近い言葉が漏れている。そして、一応は視線を上げてついて行った。
少し小走りになってやっとレイド先生の歩調に合わせられている感じではあるが。

塔の中に入って、少しして…メラルは呟くように言った。
「学園長室の時みたいに…空間が弄くられてる…。それに、この魔力の満ちた感じ…探知対策もされている…?
 それに、視線も感じる…。先生ならともかく、私の力じゃ、今は試せないけど多分この妨害は撥ね退けられない…。」
そして、少し考える素振りを見せた後で、メラルが言った。
「…先生。素直に声のするほうに行っていいんでしょうか?
 それとも…空間を利用した罠でしょうか。」
その頃には、そこそこ近くからリリアーナ達のものらしき声がするようになっていた。


135 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/11(水) 20:08:10 O
>131>133
「………これだけは言っとく。
仮にギルハート達が俺の一部であっても俺自身はお前らを傷つける事を望んではいない!」
手に持った杖に視線を落とす。
「わかりたい事はわからないのに…
わかりたくない事はわかってしまう…
他にもギルハートみたいな奴が俺の中にいるのか俺にもわからない。
だから頼む!俺の側にいないでくれ!
レイド先生の側から離れないでくれ!」
ロックは杖を取り出した箱を拾いあげた。
「俺は頂上にいるマリアベルを殺す。
そうすればきっと万事解決するはずだ。
そして俺は………」
最後の言葉を言わずしてロックは杖を構えた。
「ペリキュラム!!」
杖の先から花火が炸裂した。殺傷力は全く無いが目くらましには十分だ。
騒ぎがおさまった時にはもうロックの姿は消えていた。


遠く離れたところでロックは呟いた。
「どうして俺に…この杖が…使えるんだ?」
手にした杖には小さく『ライール』と掘られていた。

136 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/11(水) 21:43:16 O
塔の中は意外と広く、歩くのに邪魔なくらい木が生えていた。
いっそのこと全部燃やしてしまいたいくらいだ。
そんな事をしたら大惨事だが。
少し歩くとメラルが俺に問いかけてきた。
>「…先生。素直に声のするほうに行っていいんでしょうか?
 それとも…空間を利用した罠でしょうか。」
言われてみれば聞き覚えのある声が聞こえる気がする。
いや、気ではなく、確実に聞こえる。
しかし、罠である可能性も否めない。
「う〜ん………。罠かもしれんが、行動しないと何も始まらん。
 罠なら罠で対処法を考えりゃ良いさ。」
そう言うと声のする方向へゆっくりと歩き出した。
>131>133
声のする方向へ向かうと、フリージアとリリアーナの姿があった。
ん?一人足りない気がする。
「見〜っけた。……あれクドはどうした?」

137 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/12(木) 12:38:00 0
>135
>「………これだけは言っとく。
>仮にギルハート達が俺の一部であっても俺自身はお前らを傷つける事を望んではいない!」
リリアーナは僅かに目元を緩めると、左手を下ろした。
本当は、そんなこととっくに分かっていた。だが、ロック自身の口から聞きたかったのだ。
「それだけ?」

>他にもギルハートみたいな奴が俺の中にいるのか俺にもわからない。
>だから頼む!俺の側にいないでくれ!
>レイド先生の側から離れないでくれ!」
ロックは両親の敵であるマリアベルを殺すといい残し、彼は杖をこちらに向けた。
「ロック待ちなさいってば・・・きゃっ!!」
リリアーナの鼻先で魔法の光で作られた花火が炸裂した。
あたりに静寂が戻った頃には、ロックは姿を消していた。

「あんのバカ・・・・・・!」
残されたリリアーナの拳がわなわなと震えている。どうやら本気で怒っているようだ。
「どうしてちゃんと弁解しないのよ。なにが万事解決よ!!」
思いつめた目。あれは最初から死ぬ覚悟が出来ている人間の目だ。
自分はそれでいいのだろうが、少しは置いていかれるほうの身にもなって欲しい。
「本当は怖くて不安で仕方ないくせに!
 いつも仲間仲間って言ってるくせに!
 だったらどうしてひとこと「助けてくれ」「手を貸してくれ」って言えないのよー!!」

>133
気を取り直してフリージアに視線を向けると、また例のグレムリンを頭に乗せていた。
正確には、現在頭ではなく顔面に張り付かれている。
ささくれだった気持ちが少し和んだ。
「ギズモは花火が怖かったの?でももう大丈夫よ。
 とりあえずフリージアの顔面に張り付くのはやめましょうね、前が見えないから」
フリージアの顔に張り付いたギズモを、べりっと引き剥がす。
「またずいぶん懐かれちゃったわね。・・・ん?お母さん?フリージアが?」
リリアーナは思わず吹き出してしまった。慌てて口元を抑える。
「そうね〜。フリージアの髪、いつもいい香りがするもんね!
 じゃあ私はお姉さんって呼んじゃおうかな。私、姉妹が欲しかったのよね・・・って!やだな、冗談よ冗談!」
リリアーナは顔を引きつらせながら、ギズモをフリージアに渡した。

>134 >136
枝や落ち葉を踏みしだく音がする。
新手かと身構えたが、杞憂だった。枝を押しのけ現れたのはレイドとメラルだった。
>「見〜っけた。……あれクドはどうした?」
「見失いました。ロックを探して、塔内を開拓しながら移動中です。
 つい今までロックもここに居たんですが・・・!!あっ!だめメラルさん!そこ踏まないでー!!」
どうやらこのあたりには、リリアーナが落としたマジックアイテムが散乱しているようだ。
「やーん!レイド先生が私の薬草セット踏んでるー!!」

リリアーナはアイテムを回収しながら、塔で見聞きしたことを二人に話した。
「というわけで、私は二人の後を追います。レイド先生、止めても無駄ですからー。
 メラルさん、まだ本調子で無いから無理しないでね。あっ!残り少ないけど魔力回復ドリンク飲む?
 ギズモ・・・あのグレムリンの名前ね、あの子が ほとんど飲んじゃってて悪いんだけど」

走り出そうとしたリリアーナは、突然足を止めた。
さっきまでロックが立っていた場所に、何か光るものを見つけたからだ。
落ちていたのは小さな天使の人形だった。リリアーナは首を傾げた。
(変ね。このお人形にそっくりな人に逢ったことがあるような・・・気のせいかしら?)

「ねえねえ、このお人形フリージアの?まさかギズモのじゃないわよね?」
リリアーナは二人に見えるよう人形を高く挙げた。
もし違うのなら、ロックが落としたものかもしれない。いずれにせよここに置いていく気は無かった。

138 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/12(木) 21:51:03 0
>134>135>136>137
ロックが消えたのをフリージアは確認できなかった
目の前が急に真っ暗になったからである
どうやら顔にグレムリンのギズモが張り付いたようだ
とりあえずリリアーナがべりっと剥がしてくれたので呼吸困難だけは免れた
>「またずいぶん懐かれちゃったわね。・・・ん?お母さん?フリージアが?」
>「じゃあ私はお姉さんって呼んじゃおうかな。私、姉妹が欲しかったのよね・・・って!」
「さすがに私でも同い年にお姉ちゃん呼ばわりはされたくなくてよ」
>「やだな、冗談よ冗談!」
といいつつフリージアにギズモを渡すリリアーナ
リリアーナに渡されたギズモはまたフリージアの頭に上った
どうやらその場所が気に入ったみたいである

それからしばらくたつとレイド先生やメラルがこっちにやってきた
「あ〜らメラルさんレイド先生ごきげんよう」
頭にグレムリンが乗っているままお辞儀しようとしたので落ちかけるグレムリン
あわてて乗せなおすフリージア

事情を話しクドリャフカとロックを追うために移動しようとしたリリアーナだったが
>「ねえねえ、このお人形フリージアの?まさかギズモのじゃないわよね?」
ロックがいた場所に落ちていた人形、これははたして何なのだろうか?
「いえ・・・私のじゃありませんことよ」
「キュイ?チガウヨ・・デモキレイダネv」
「たぶんロックさんのですわ。これを渡すためにも早く追いましょう」
もとよりフリージアもロックを追う気だったためそうリリアーナに促した
「先生もメラルさんもどうせ来るつもりでしょ。善は急げですわ」



139 名前:ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/12(木) 22:22:42 O
密林を抜け、塔の頂上を目指す。
すんなり進むことができるのは何故かこの場所を知っているからだ。
前方に光る魔法陣が見える。
直感的にそれが上の階へ続くゲートであるとわかった。
ロックは二階へ移動した。

「ここは…教会の中?」
塔の二階に来たロックは綺麗な聖堂のような場所に立っていた。
しかし、教会の聖堂にしては何か不自然だ。
あるはずの物が無い…聖書、聖母像、十字架すら見当たらない。
しかし、やはりここに来た事がある気がする。


>「…待っていたよ。」
突然の声に振り向くロック。そんな馬鹿な!あんたは封印されたはずだ!
声の主はギルハートだった。
>「私を殺しにきたのだろう?」
「はい、その通りです先生。」
ロックの口が勝手に動き、ギルハートに話しかけた。
「先生の命はこの先長くありません。
だから俺と結びましょう。
“永遠の絆”を。」
懐から短い杖を取り出す。「デスア・ブラ・カタブラ!!」
杖の先から蒼い閃光がほとばしる。


ここでギルハートも杖も閃光も消えてしまった。また幻覚を見たのだ。
「何なんだ!ちくしょう!」
しかし、同時に感じる。俺は今確実にマリアベルに近付いている。
ロックは先に進むために大きな両開きの扉を開けようとした。その時

ボクン!!

鈍い音が後ろから響いた。景色がゆっくり傾いていく。
後頭部が燃えるように熱い。そうか、俺は後ろから殴られ…た…?
ロックはその場にばったりと倒れ、気を失った。


140 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/14(土) 07:30:29 0
>138
フリージアもギズモも、天使の人形のことは知らないといった。
>「たぶんロックさんのですわ。これを渡すためにも早く追いましょう」
>「先生もメラルさんもどうせ来るつもりでしょ。善は急げですわ」
「うん。行こうフリージア!」
レイド達が力づくで止めないのをいいことに、リリアーナは再び駆け出した。

クドリャフカが通った後は一目でわかった。
地面に落ちた蔦や枝に足を取られないよう先を急ぐ。

>139
どのくらい走っただろうか、視界に何か光るものを見つけて、リリアーナは足を止めた。
「魔法陣?・・・・・・・・・・・あ!あれ見て!ロックだわ!!」
ロックは何のためらいも無く、魔法陣の中央へと立った。
魔法陣がまばゆく輝き、ロックの姿は消えた。魔法陣は転送装置だったようだ。

「待って!!」
リリアーナは魔法陣に向かって走り出した。
だがある場所で、めまいのような、表現しがたい奇妙な感覚を感じた。
「あ・・・あれっ?!」
その場所を通過したリリアーナは、魔法陣とは別方向に立っていたフリージアの背後にいた。
そのままの勢いでフリージアに突っ込む。
「ご、ごめんフリージア。・・・でもなんで?これ、どうなってるの?」
リリアーナは立ち上がると、奇妙な感覚を感じた場所で右手だけを突っ込んでみた。
何も無いはずのフリージアの背後から、リリアーナの右手が生えてきた。
リリアーナは一歩前に足を踏み出した。
フリージアの前にはリリアーナの後ろ姿が、そして背後にはリリアーナの正面が現れた。
「どうもこの場所からは、魔法陣に近寄れないみたいね〜。どうすればいいのかしら」
無限通路の境界線で右に左にと歩きつつ、リリアーナは腕組みをした。
「とにかくクドリャフカさんだけでも見つけないとね。ロックの声がすれば彼女来るかしら?」
リリアーナは変身薬を手に、なぜかギズモの方をじっと見ている。

>119
魔法陣から少し離れた密林の中で、切断された木の枝や蔦らしきものが天高く吹き飛ばされている。
木々が生い茂っているため、それが何かまではわからない。
だがその小さな竜巻は、少しづつ魔法陣のほうへと近づいているようだ。

141 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/14(土) 20:41:21 0
>140
「あいたたた・・もうリリアーナさん気をつけてくださいまし」
>「ご、ごめんフリージア。・・・でもなんで?これ、どうなってるの?」
「私には皆目見当が付きませんわ」
どうやら空間が歪んでいるようである

「とにかくクドリャフカさんだけでも見つけないとね。ロックの声がすれば彼女来るかしら?」
とギズモのほうを見るリリアーナ
「まさか・・・ギズモちゃんをロックに変身させようって言うの?」

「ギャー!!」
ただいま、また不味いものを飲まされると思った
ギズモが悲鳴を上げています
しばらくお待ちください



魔法陣のほうへと近づいてくる竜巻・・・・あれは何だろう
「まさか・・・あれクドリャフカさんじゃ・・・」
そうつぶやいたフリージア
その間にもどんどん近づいてくる竜巻
危険を感じたフリージアは雪の結晶のドームを展開した

142 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/14(土) 22:39:27 O
>138「あ〜らメラルさんレイド先生ごきげんよう」
「俺の機嫌はまったく良くないぞ。そんな事よりクドは…」

>137>「見失いました。ロックを探して、塔内を開拓しながら移動中です。
 つい今までロックもここに居たんですが・・・!!あっ!!だめメラルさん!!そこ踏まないでー!!」

「見失いましたか〜……。そいつは困った。……ん?何か踏んでる様な…」
足の裏から妙な感触が伝わってくる。
>「やーん!レイド先生が私の薬草セット踏んでるー!!」

「あ、スマン。気付かなかった。」
俺が踏んでいたのはリリアーナの薬草セットだったみたいだ。

リリアーナは散乱しているアイテムを回収しながら塔での出来事を話してくれた。
>「というわけで、私は二人の後を追います。レイド先生、止めても無駄ですからー。」
そう言うと思ったよ。
むしろ俺の言うことを素直に聞いてくれる生徒なんてほとんど居ないだろ。
「分かってる。でもな、俺も一応先生だ。止めないと後で俺がどんな処分を受けると…」


143 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/14(土) 22:47:02 O
>138>「先生もメラルさんもどうせ来るつもりでしょ。善は急げですわ」
そりゃ、俺は教師だから嫌でも行かなきゃならんよ。
>140「うん。行こうフリージア!」
リリアーナはフリージと共に再び走り出した。
「……俺はどうしてこういう時にバシッと言えないんだろうなぁ…。
 はぁ……とりあえず追いかけるぞ、メラル。」


暫く走ると魔法陣らしき物の近くにリリアーナとフリージア、グレムリンの姿があった。
そして魔法陣から、そう遠くない場所で小さな竜巻の様な物を確認する事が出来た。
もしかしてこっちに近付いて来ているのか?
>141メラルが雪の結晶で出来たドームを展開する。
やっぱり危険か。
「メラル〜。バリア張るからカモ〜ン。リリアーナは魔力残ってんのか?
 あまり残ってないんだったら俺のバリアかフリージアのドームに入れてもらえ。」

144 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/15(日) 18:08:47 0
>「う〜ん………。罠かもしれんが、行動しないと何も始まらん。 罠なら罠で対処法を考えりゃ良いさ。」
「…わかりました。」
メラルはそれだけ言うと、そのままおとなしくついていった。その途中で、考えをめぐらせる。
(そう言えば…すっかり忘れていたけど、この中身は一体…何なのかしら。
有耶無耶になっていたけど、後できちんと確認しないと…。
それに、私達は、相手の手の内は「闇の魔法使い」らしいという事しか判っていない…。
疑心暗鬼になってもしょうがないけど、警戒は大いに必要ね。)

そして、少し歩いているとリリアーナとフリージアが見つかった。
残る二人はいないようだが。メラルが一歩踏み出してから
一人で突っ走った事への文句を言おうとしたが、その前にリリアーナの言葉に遮られた。
>「見失いました。ロックを探して、塔内を開拓しながら移動中です。
> つい今までロックもここに居たんですが・・・!!あっ!だめメラルさん!そこ踏まないでー!!」
驚き、足に妙な感触もあったので足元を見ると、
マジックアイテムの類が散乱しているようだ。急ぎ足をどける。
「あ…ごめんなさい。」
そして、フリージアの方を見ると頭にグレムリンを載せているフリージアが。
「…もう、完全に飼う気よね、ソレ…。」
半ば呆れたように言った。

そして暫くリリアーナの話を聞いていた。
(…じゃあ、箱はリリアーナのが当たり…って事なのね。正直、
私は勝ち目が多少なれどあるのなら、彼の思う通りにさせてあげたいけど…
どう考えても無さそうだし…ね。)
そして、最後にリリアーナがこちらを気遣った後でドリンクを勧めてきた。
「…そのドリンクは…パスね。下手に飲むと、
 先に飲んだ薬と変な反応を起こしかねないし。って…」
リリアーナが拾った人形を見て言った。
「人形…?…いえ、考えすぎね。」
(喋るグレムリンってのは気になるけど、罠ならそんなボロは出さない…わよね?多分。)
 一瞬何かの罠の一種かとも考えたが、前に聞こえた闇の魔法使いという言葉と
 その光とがそぐわないと考えてから、フリージアの問いに返答する。
>「先生もメラルさんもどうせ来るつもりでしょ。善は急げですわ」
「確かにこの状況じゃ行かざるを得ないけど、せめて少しは慎重に…って!」
…言った時にはもう、リリアーナとフリージアが駆け出していた。視線をレイド先生に向ける。
>「……俺はどうしてこういう時にバシッと言えないんだろうなぁ…。
> はぁ……とりあえず追いかけるぞ、メラル。」
「…わかりました。」
(まぁ、トラップがあったとして前の二人が引っかかる場合、私が何ができるわけでもなし。
引っかからなければトラップがないか二人の通ったルートが安全って事…なら、問題ないわね。)
少し考えてから同意し、後を追いかけた。が…はっきり言って遅い。全力で走っていても
そこそこ遅れている。魔力での身体能力強化が出来ないのが大きく響いているようだ。

メラルが何とか3人の近くに追いついた時には、もうかなり呼吸が乱れていた。
レイド先生から声がかけられる。
>「メラル〜。バリア張るからカモ〜ン。リリアーナは魔力残ってんのか?
> あまり残ってないんだったら俺のバリアかフリージアのドームに入れてもらえ。」
スタミナの方をかなり消耗した様子ではあるが、とりあえずレイド先生の近くに行くメラル。
そして前を見ると、リリアーナの体が綺麗に分断されているのに、
血などが出る気配もない…そんな状態になっているように見えた。
(感覚への干渉じゃない、…空間を繋ぎ変えた無限通路…?)
「とりあえず、この残りの箱…どうすれば…いいのかしら?それに…多分この空間の繋ぎ変え、ここだけじゃないわ。
 正規の通り方を見つけるか、術を無理やり破らないと、先には進めないと思う…。」
メラルは荒い息で皆に言った。しかし…そもそもそれが正しいとすれば不自然に知り過ぎている。
ここまで特殊な術は当然通常彼女が受けられる授業で教えるような物ではない。
そして、教師に聞きに行くにしてもそれには何らかの理由があるはずである。
それが無いとすれば、学園以外の場所で知った事になるが…。

145 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/15(日) 20:41:41 0
>141
>「まさか・・・ギズモちゃんをロックに変身させようって言うの?」
てへ、とリリアーナは笑ってごまかすと、こっそり変身薬をポケットに戻した。
だが収まらないのはギズモのほうだ。
ギズモがとてつもなく大きな悲鳴をあげた。思わず耳を塞ぐ。大気がびりびり震えているようだ。
「わー!分かった分かった!私が悪かったってば!ごめんってば!
 お詫びにキャンディあげるから落ち着いてよー!!」
>「んがぐぐ」
リリアーナはポケットのキャンディを、ギズモの口へと放り込んだ。

だがリリアーナはうっかりしていた。
先ほどキャンディそっくりの変身薬もポケットに戻していたのだ。
入り混じったキャンディと薬は見分けがつかない。
・・・ちなみに変身薬はオレンジ味、キャンディはメロン味である。

魔法陣のほうへと近づいてくる竜巻に、フリージアが呟く。
>「まさか・・・あれクドリャフカさんじゃ・・・」
「あはは・・・そのまさかみたいね」
リリアーナは引きつった顔で答えた。
まだ姿は見えないが、あまりの勢いに魔法陣近くまで枝や葉が飛んできそうだ。
危険を感じたのだろう、フリージアは雪の結晶のドームを展開しはじめる。
ちょうどその頃、レイドとメラルが追いついてきた。

>142-143 >144
駆けつけたレイドは状況を把握するなり、のんびりと声をかけてきた。
>「メラル〜。バリア張るからカモ〜ン。リリアーナは魔力残ってんのか?
> あまり残ってないんだったら俺のバリアかフリージアのドームに入れてもらえ。」
「レイド先生・・・!」
レイドはいつもと全く変わらなかった。
―――― レイドの懐の深さに付けこんでるなと反省するのは、こんな時だ。
「・・・先生、勝手してごめんなさい。あと、私は昨日から魔法が使えません。だからバリアは無理です」
リリアーナは消え入るような声で告白した。
今ちゃんと話しておかなければ、後でとてつもない迷惑をかけそうだったからだ。
先生が感情のままに怒鳴ったり怒ったりする事なんてあるのかな、そんな埒も無いことを考えてしまう。
昨夜自分が血まみれになっていたときの事など、リリアーナが知る由も無かった。

「フリージア待って、多分大丈夫だから」
竜巻は猛烈な勢いで吹き上がっているが、リリアーナ達の場所までは届かない。
だが飛ばされた葉や枝は、魔法陣のすぐ脇まで飛ばされてきている。
「レイド先生、あれは隔てられた空間の向こう側の出来事です。
 だからこの場所までは被害は及ばない・・・と思います。そうよね?メラルさん」
最後のほうは少し自信なさげにメラルに同意を求める。

>「とりあえず、この残りの箱…どうすれば…いいのかしら?
> 正規の通り方を見つけるか、術を無理やり破らないと、先には進めないと思う…。」
「箱は開けちゃいましょう。何か手がかりがあるかもしれないから。
 それよりもずいぶん辛そうね。レイド先生に何か補助魔法かけてもらったら?」
回復が無理でも、ステータス上昇系の魔法をかければ少しは楽になるかもしれない。

「それと皆、魔法陣への道に関しては心配ないと思うわ。
「見て。ほら。竜巻に飛ばされた葉が、魔法陣のすぐ側に落ちているでしょう?
 クドリャフカさんは、魔法陣のすぐ側に来ているの。彼女はちゃんと正しいルートを辿ったんだわ。
 ということはつまり、私達は彼女の拓いた道を行けば魔法陣まで行けるって事じゃない?」
リリアーナはまるで自分の手柄のように胸を張った。

ざわざわと森が揺れている。
数体のモンスターの気配が近づいている。
先ほどの妖木と違い、自分の気配を隠す程の知能は無いようだ。だが数で押されると面倒だ。
「レイド先生すっごくまずいです!早く魔法陣へ急ぎましょうよ〜!」

146 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/15(日) 22:22:29 O
>145>「レイド先生・・・!」
>「・・・先生、勝手してごめんなさい。」
今更謝られても何か微妙に困る。
「別にい〜よ、今に始まった事じゃないし。」
>「あと、私は昨日から魔法が使えません。だからバリアは無理です。」
「そ〜か、魔法が使えない……ってマジで?」
消えるような声で告白したリリアーナに、「どうしてそれを早く言わなかったんだ!!」
と言える筈もなく俺はただ、リリアーナの頭の上に手を乗せた。

>「フリージア待って、多分大丈夫だから。」
>「レイド先生、あれは隔てられた空間の向こう側の出来事です。
 だからこの場所まで被害は及ばない・・・と思います。そうよね、メラルさん」
リリアーナの話を聞いた俺はすぐにバリアを解除した。
無駄な魔力を消費しちまったな。

>144>「とりあえず、この残りの箱…どうすれば…良いのかしら?
 正規の通り方を見つけるか、術を無理やり破らないと、先には進めないと思う…。」
メラルの問いにリリアーナが即座に答える。
>145>「箱は開けちゃいましょう。何か手がかりがあるかもしれないから。
 それよりもずいぶん辛そうね。レイド先生に何か補助魔法かけてもらったら?」
それはナイスアイデアだ。
「どうするメラル?何か補助魔法かけてやろうか?」

147 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/15(日) 22:24:37 O
リリアーナが続けて話をする。
>「それと皆、魔法陣への道に関しては心配ないと思うわ。」
ほほう、その根拠は?
>「見て。ほら。竜巻に飛ばされた葉が、魔法陣のすぐ側に落ちてるでしょう?
 クドリャフカさんは魔法陣のすぐ側に来ているの。彼女はちゃんと正しいルートを辿ったんだわ。
 ということはつまり、彼女の拓いた道を行けば魔法陣まで行けるって事じゃない?」
な〜る程ね。
なかなか冴えてるじゃないかリリアーナ。
>「レイド先生すっごくまずいです!早く魔法陣へ急ぎましょうよ〜!」
リリアーナが急いでいるのはモンスターの気配を感じたからだろう。
確かに結構な数が居るようだ。
「そうだな。少し数を減らしてから行こうぜ。」
左腕と右膝を地につける。
「じゃあね〜」
モンスターの気配が漂う森の中から、岩で出来た巨大な槍が地面から次々と生えてくる。
「これで半分は減ったかな?んじゃ行くぞ〜。」

148 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/17(火) 10:01:06 0
>147
>「そうだな。少し数を減らしてから行こうぜ。」
急かすリリアーナに軽く応じると、レイドは地面に片膝をつけた。
どうやら迫り来るモンスターに何か仕掛ける気のようだ。

メラルはロックの部屋から手に入れた小箱を開けようとしていた。
その小箱の中身だが、片方は何かの試薬、もう片方はロックの眼鏡だったようだ。
まだ何か入っていたのかもしれないが、リリアーナは気づかない。
フリージア達の様子に気もそぞろだったからだ。

リリアーナはおずおずと話しかけた。
「フリージア〜。ギズモに変身薬飲ませようとしたこと、まだ怒ってる・・・?」
リリアーナは肩を落とすと、ポーチから猫耳バンドを3つ取り出した。
ちなみにこれを装着すると、僅かながら素早さが上がる。
リリアーナはため息をつくと、取り出した猫耳バンドを装着した。

「フリージア〜。ごめん。ねえ、謝るからこっち向いてよ〜。
 みてこれ。『DA・GARSI屋』限定モデルの猫耳バンド。お詫びのしるしにあげるから。ね?だからもう許してよ〜」
叱られた猫のように猫耳をぺたりと倒しながら、リリアーナは猫耳バンドを差し出す。
今のリリアーナのように耳を伏せておけば、ギズモを頭に乗せてても装着可能だろう。
―――― ちなみにギズモに渡さないのは、レイドが(男の)猫耳を毛嫌いしているからだ。

「あ。よかったらメラルさんも付けてみる?きっと似合うわよ」
もちろんこれは嫌がらせなどではなく、純然たる好意である。

レイドが術を完成させた。
モンスターの気配が漂う森の中から、岩で出来た巨大な槍が地面から次々と生えてくる。
今の攻撃で、森の中の気配がごっそり減ったのをリリアーナも感じた。
「ホント、よく私達レイド先生相手に卒業試験をパスできたわよね・・・」
卒業試験から3ヶ月。あれから日々切磋琢磨したつもりだが、どこまで近づけたのだろう。

>「これで半分は減ったかな?んじゃ行くぞ〜。」
「はい!」
リリアーナは元気よく返事をした。猫耳に気づいたレイドににこりと笑いかける。
「レイド先生に大サービス、なーんて!」
胸無いけどとひとしきり笑った後、ふとリリアーナは真顔になった。
「本物の猫耳アルテリオンさんもきっと無事ですよ。心配だけど・・・信じて今は行きましょう!」
リリアーナは全力で駆け出した。

道を作りながら進むクドリャフカと、その道を走るだけのリリアーナ達とでは労力が違いすぎる。
程なくクドリャフカの背中が見えてきた
「クドリャフカさーん!待って・・・待ってよー!一緒に・・・キャー!!」
リリアーナは足がもつれた。どうやら落ちていた枝に足を引っ掛けたようだ。

149 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/17(火) 10:59:36 0
>144
>「…もう、完全に飼う気よね、ソレ…。」
というメラルのあきれた声に
「だってなついてくるんだからしょうがないじゃない」
と返すフリージア
実は後で猫の姿に偽装変身させようとたくらんでいたりする

>145
>「んがぐぐ」
キャンディを食べたギズモの姿はロックへと変わった
「きゃあ!ギズモちゃんがロックに!」

>「フリージア待って、多分大丈夫だから」
その言葉で雪の結晶のドームを分解するフリージア
ドームを構成していた雪の結晶は消すともったいないので空中に浮かべる


>148
>「フリージア〜。ギズモに変身薬飲ませようとしたこと、まだ怒ってる・・・?」
「お、怒ってなんていませんことよ!」
そっぽをむいて答えるフリージア。明らかに怒っている

>「フリージア〜。ごめん。ねえ、謝るからこっち向いてよ〜。
>みてこれ。『DA・GARSI屋』限定モデルの猫耳バンド。お詫びのしるしにあげるから。ね?だからもう許
>してよ〜」
とりあえず受け取ってみるフリージア
「つけ尻尾とか肉球手袋はありませんの?」
と聞いてみる
どうやら猫好きのフリージアは機嫌が直ったようだ
すぐさま装着すると
「にゃ〜んですわvなんちゃって」
と招き猫ポーズをとった
「////行きますわよ」
ちょっと恥ずかしくなったのか青白い顔をほんのり赤らめて先をせかした

>147
>「これで半分は減ったかな?んじゃ行くぞ〜。」
レイドの魔法により減っていくモンスターの気配
「さすがはレイド先生ですわ!」
その威力に驚くフリージア
ついでなので先ほどまでドームを作っていた雪の結晶を森の中にぶち込んでおく
ぶち込んだ森の中からギャ〜とかウバァ〜とか聞こえてきたが
とりあえず聞こえなかったことにした

150 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/04/17(火) 18:50:26 O
う〜ら〜め〜し〜く〜な〜い〜

151 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/17(火) 23:27:03 0
樹海による迷宮とをクドリャフカは牙の渦となって進む。
立ちはだかる樹は抉り取られ、忍び寄る蔦は寸断され、襲い掛かるモンスターは肉塊と化す。
行き先がわかっているわけではない。
あてもなく彷徨う渦は、有象無象区別なく巻き散らしながら進むのであった。
彷徨いながらでも既に魔方陣を越えてしまっていた事にクドリャフカ本人は気付いていない。

一心不乱に突き進むクドリャフカだが、後ろの方で声がするのに気付く。
聞き覚えのある声。リリアーナ。
未だロックが見つからないのに、もう追いつかれてしまうとは。
小さく舌打ちするが、悲鳴を聞けばつい振り返ってしまうのが人情というもの。
しかし振り向いてはいけなかった。
見てはいけないものを見てしまうのだから。

渦の中でもはっきりと見える。
倒れたリリアーナを優しく抱き起こそうとしているロック(ギズモ)の姿を。
勿論これは恋は盲目フィルター越しの映像であって、実際には倒れたリリアーナを面白そうに覗き込んでいるギズモに過ぎないのだが。
そんな事は露知らず、それを目の当たりにしてしまったクドリャフカには衝撃が走る。
背景には稲妻が縦横無尽に駆け巡り、腹に穴が開いても駆け巡るそのタフネスを突き崩す衝撃が。

完全に足に来た様子でゆっくりとゆっくりとリリアーナたちに近づいてくる。
精神状態を反映してか、牙の渦も徐々にその勢いを弱め、やがては回転する力をなくして一本の鎖に戻ってしまった。
足元に倒れるリリアーナ。目線の先にはロック(ギズモ)。その後ろにはフリージア、レイド、メラル。

「まさか先を越されるたぁ・・・」
打ちひしがれた顔に悔恨の声、それでも話さない目線はロック(ギズモ)を怯えさせるのに十分だった。
「フリージアさん。この勝負、私の負けじゃ。
でも、でも、わたしゃぁ弱い人間じゃ。
じゃけぇ・・・未練を残さん為にも、ロックさんに応えるだけ、許してつかぁさい。」
ようやく目線を外し、見届け人(に無理やり指定した)のフリージアに向けて頭を下げる。
頭を上げたときには目線はロック(ギズモ)に戻っていた。
ロック(ギズモ)は身の危険を感じてがたがた震えているが、恐怖の余り足がすくんで動けないようだった。

「ああ、この怯えた表情・・・ゾクゾク来るのぅ。
あんたがリリアーナを選んだんじゃったら仕方がなぁで。
でも、寮の上で抱きしめ返せんかった失態だけ挽回させてつかぁさい。」
「・・・・・・!!!」
視界いっぱいに迫ってくるクドリャフカに声にならない叫びを上げるロック(ギズモ)。
そして・・・
メキメキバキボキ!!!
熱い熱いクドリャフカの抱擁がロック(ギズモ)を襲うのであった。

「ああ・・・すっきりしたじゃ。もう大丈夫やきぃ。
みんな、見ての通り、わたしゃぁ恋破れロックさんとリリィさんが付き合うことになったんじゃ。
じゃけぇ、祝福しちゃってつかぁさい。」
晴れ晴れとした表情でぐったりしたロック(ギズモ)と引き起こしたリリアーナを抱き合わせるようにくっつけてレイドやメラルの方に突き出す。
「私を退けてまで付き合うんじゃけぇ、幸せになってくれんとあかんよ?」
無理やりくっつけられた二人の耳元でそっと囁き、トボトボと歩き出した。
当初の目的も何もかもすっかり忘れているクドリャフカは、一人自己完結で何か騒動が終わったような錯覚に陥っていたのだった。

152 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/04/18(水) 14:24:44 0
もんすたー「ぎゃお〜」

153 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/18(水) 20:51:36 0

>「だってなついてくるんだからしょうがないじゃない」
「あなたの家、近い将来に間違いなく化け物屋敷になるわね…。」
フリージアの言葉に溜息をついて見せた。その後でギスモが
ロックに変身したのを見ても、さして驚くわけでもない。
元々敵だった上種族的問題事を考えると、警戒はともかく
同情する気にはなれないようだ。

>「・・・先生、勝手してごめんなさい。あと、私は昨日から魔法が使えません。だからバリアは無理です」
リリアーナがレイド先生に術を使えなくなった事を正直に話す。そして、
>「レイド先生、あれは隔てられた空間の向こう側の出来事です。
> だからこの場所までは被害は及ばない・・・と思います。そうよね?メラルさん」
その上で冷静に状況を判断していた。
(あんなにあっさり話しちゃうなんて…。私にはあんな真似は到底出来ないわね…。)
「え?…ええ。複雑な組み替え方をされていたら判らないけど…。」
少し返事が遅れつつも、それに答えた。そして、続けてレイド先生にされた提案に対し、
多少考える素振りを見せてから頼んだ。
「五分だけ…お願いします。その後は自力で出来るはずですから。」


>「それと皆、魔法陣への道に関しては心配ないと思うわ。」
>「見て。ほら。竜巻に飛ばされた葉が、魔法陣のすぐ側に落ちてるでしょう?
 クドリャフカさんは魔法陣のすぐ側に来ているの。彼女はちゃんと正しいルートを辿ったんだわ。
 ということはつまり、彼女の拓いた道を行けば魔法陣まで行けるって事じゃない?」
リリアーナの言葉を聞き、レイド先生も同意していた。
「クドリャフカさんの足跡は辿りやすそうだしね。…あら、何か気配が…。」
しかし、言った時には既にレイド先生が迎撃の術の準備をしていた。
そして、あっさり敵を半減させてしまった。その光景に、メラルも流石に驚きを隠せない。


レイド先生が術を唱えている間…。あまり時間が無さそうなので、
その間に先程リリアーナに言われた通りに箱を開けた。
中身は、眼鏡と携帯魔法薬セットだった。既に数個の薬も出来ている。
が、メラルは魔法薬をすぐにリリアーナに差し出した。
「私はもう少ししたら魔力は回復するわ。だから…これはあなたが使って。…後、これは…」
眼鏡を手に取るとロック姿のグレムリンに渡してしまう。
「こうしておけばいいでしょ?使い道、無さそうだし。それと…
 悪いけど私、そういう趣味無いの。その子(グレムリンロック)にでもつけてあげて。」
そして、リリアーナの猫耳パーツを引き渡そうとしたのを断った。

リリアーナが全力で駆け出し、それについていこうとする。
事前にレイド先生がかけてくれた術のおかげか、普段以上に体が軽い。
苦にする事も無くリリアーナのペースについていけた。
>「う〜ら〜め〜し〜く〜な〜い〜 」
途中、何か懐かしいような声が聞こえた。
(…そう言えば、こういう冗談みたいな事、あの子が良く…。)
走りながら、杖を見た。周囲への警戒がかなり甘くなってしまっていた。


クドリャフカに追いつくのとほぼ同時に先生の術が解けた。
その頃には薬が体にしっかり吸収され、魔力もそこそこ回復していた為、
普段用いている肉体強化の術をかけなおす。
「…これで、何とか戦えない事も無さそうね…。」
そして、クドリャフカの行動を暫くの間黙って見ていて、最後の言葉まで聞いてから
歩き出したクドリャフカに一言言った。
「盛り上がっている所悪いけど、それ偽者…というか、
 ロックの方はグレムリンが変身した物よ?」
わざわざ途中で言わず、後で言う辺り、少々酷いかもしれないが…。

154 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/18(水) 21:08:01 O
>148>「レイド先生に大サービス、なーんて!」
猫耳を付けたリリアーナは俺に向かって、にこりと笑いかけた。
「ああ、ありがとな。大分元気が出たよ。」
俺もリリアーナに向かって軽く笑いかける。
>「本物の猫耳アルテリオンさんもきっと無事ですよ。心配だけど・・・信じて今は行きましょう!」
「そうだな、俺達が信じてやらないとな……」
少し不安だが今は前に進むしかない。

暫く走るとクドリャフカの背中が見えてくる。
>「クドリャフカさーん!待って・・・待ってよー!一緒に・・・キャー!!」
リリアーナは落ちていた枝に足を引っ掛けたらしく、足がもつれてしまった。
「あ〜あ……大丈夫か?リリアーナ。」
俺はリリアーナの心配をするが、どうやらリリアーナよりも心配しなければならない人物(?)が居るみたいだ。
まぁ、ロックの姿をしたグレムリンなんだけど。
俺には話がよく理解出来ないけど三角関係的な出来事が起きてたっぽい。
そんで何故か分からんけどリリアーナがクドリャフカに勝ってロックを物にしたんだって。
今居るロックはグレムリンだけどクドリャフカに抱きしめられてるのを見ると気の毒になるのは俺だけじゃないだろう。

155 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 17:28:00 0
フリージアの部屋が化け物屋敷になるかどうかはこの際置いておいて
いまグレムリンのギズモは生命の危機に陥っていた
まあここでやられても魔界に帰るだけなんだろうけど・・・
>151
思いっきり抱きしめられるギズモ(ロック偽装)
「・・・・きゃぁ!ギズモちゃん!!」
あまりの展開にまたもや出遅れたフリージア
ロックの姿をしたグレムリンはぐったりしている
よっぽど強い力で抱きしめられたようだ
>152
>「盛り上がっている所悪いけど、それ偽者…というか、
>ロックの方はグレムリンが変身した物よ?」
「もうちょっと早く・・・って言っても私も言えませんでしたわね。
 そういえば薬の効き目って10分でしたっけ?」
だったらもうちょっと効き目が続くはずである
飲んでからまだそれほど経ってはいないからだ
「あ〜あ・・・すっかりぐったりとしてしまいましたわ
 骨とか折れてなければ良いんでしょうけど」
とりあえず様子を見るフリージア

「アーシヌカトオモッタ」
どうやら無事のようである
どんだけ丈夫なんだこいつ?

「ふう・・・安心しましたわ」
 さて皆様、魔方陣まで参りますわよ
 レイド先生よろしいですわね?」
さあ魔方陣に突入だ

156 名前:???? ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/19(木) 20:24:20 O
>>155
ロックを殴り倒したその人物は感じとった。
何者かが再び魔法陣から跳躍して来た波動を感じる。
その人物はロックの近くにある銅像の陰に潜み、様子をうかがう事にした。

157 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 14:33:20 0
メラルは魔法薬をリリアーナに差し出した。リリアーナは軽く頷き、受け取る。
猫耳を断られても、リリアーナは大して気分を害したそぶりも見せなかった。
「わかった。じゃあ薬は私が預かっておくね」

>151
転んでぶつけた膝をさすっていると、ギズモが面白そうにリリアーナの顔を覗き込んできた。
眼鏡越しの目は笑っている。こうしていると偽者だと知っているリリアーナでさえ、ロックだと勘違いしそうだった。
>「ぎゃおー」
―――― ギズモが口を閉じてさえいればの話だが。

さて、何も知らないクドリャフカがロックだと信じても無理なからぬ話だった。
>あんたがリリアーナを選んだんじゃったら仕方がなぁで。
>でも、寮の上で抱きしめ返せんかった失態だけ挽回させてつかぁさい。」
「寮の上?・・・え?」
クドリャフカさんはSなの?!とぐるぐるしていたリリアーナははっとした。
異性同士であるクドリャフカとロックが「寮の上で」抱擁できるはずも無い。
このときリリアーナは確信した。・・・そのロックは私だわ、と。
だが、とてもとても切り出せるような雰囲気ではない。まさに蛇に睨まれた蛙。
異様な迫力で接近してくるクドリャフカに、リリアーナとギズモはずっかり固まっていた。

その後の展開は周知のとおりである。

>みんな、見ての通り、わたしゃぁ恋破れロックさんとリリィさんが付き合うことになったんじゃ。
>じゃけぇ、祝福しちゃってつかぁさい。」
無理やりくっつけられた弾みで、リリアーナはロック(ギズモ)の胸にしたたか鼻をぶつけた。
「痛〜〜〜・・・あ!やだちょっと大丈夫?!しっかりしてー!!」
リリアーナは魂が抜けかかっているギズモを慌てて支えた。眼鏡が滑り落ちた。

>155
フリージアとメラルが、ロックの招待を口々に語った。
「メラルさんとフリージアの言うとおりよー。彼はロックじゃないし変身薬の効果は10分ー。」
リリアーナはぶつけた鼻をさすりながらもがもがと答えた。

フリージアはギズモの様子を心配そうに覗き込んできた。
途端、ギズモは彼女の豊かな胸に飛びついた。
ゴン、と何か硬いものにぶつかったような音がしたように思ったが、多分気のせいだろう。
ぐったりしていたのが嘘のようにギズモは元気になった。
>「アーシヌカトオモッタ」
>「ふう・・・安心しましたわ」
「・・・魔法薬、必要無さそうね」
(まさに猫にまたたび、ギズモにフリージアって感じね・・・)
リリアーナはため息をつくと、落ちていた眼鏡を拾い上げた。
渡そうかどうしようか迷っていたが、目の前でべたべたしているギズモの姿にだんだん不機嫌になってくる。
「その図体じゃフリージアが重たいじゃないの!少しは遠慮しなさいよ・・・って!
 ちょっとダメよ!その図体でフリージアの頭に乗れるわけないでしょ?
 フリージア、あなたからもびしっと言ってやってよ!本気で飼う気ならしつけは大事よ?」

>153 >154
メラルは少し元気を取り戻したようだ。リリアーナはほっとした。
「良かった。メラルさんちょっと元気になったみたいね。
 それにしてもメラルさんの占い、的中率すごいわね。驚いちゃったわ。」
 リリアーナは少し躊躇ったが、続けた。
「昨日占ってもらってよかったわ。おかげで心の準備も出来たし。・・・ホント、いろいろありがとね」

158 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 14:40:08 0
> さて皆様、魔方陣まで参りますわよ
> レイド先生よろしいですわね?」
「はーい!じゃメラルさん、行きましょう!」
リリアーナはメラルの話を切り上げると、魔法陣の中央へと移動した走った。
「レイド先生、転移直後の攻撃に備えて、私も先生のバリアに入れて下さいね〜」

ぐるりと周囲を確認したリリアーナはあっと声をあげた。
一人足りない。
「やだ、クドリャフカさんは?!」

>151
「クドリャフカさん、一緒に 来てくれるわよね?・・・ううん、絶対に来てもらうんだから!
 そんなフラフラで一人歩きさせるくらいなら、例え危険でも私達と一緒に居た方がマシよ!」
一瞬本当のことを話そうかと思ったが、止めた。
きっかけはどうであれ、恋は恋だ。

「ちょっと屈んでくれる?」
リリアーナは強引に身を屈ませると、猫耳バンド(黒)をクドリャフカの頭に装着した。
「うん!とってもよく似合うわ。ああ見えて、ロックは可愛いものに目が無いのよ」
知ってた?とリリアーナは悪戯っぽく笑った。
自分の猫耳(白バージョン)をピコピコさせたリリアーナは、クドリャフカの背をぐいぐい押し始めた。
「・・・全部終わったとき、ロックは悲しむかもしれないわ。
 そのときは宣言どおり受け止めてあげてね。約束よ?」

「レイド先生〜!お待たせしました!」
全員そろったところで、レイドが魔法陣の中心に立った。
魔法陣がまばゆく輝いたかと思うと、次の瞬間には風景が一変していた。

>139
例えるなら、そこは聖堂だった。
高い天井、光が差し込むステンドグラス。だがガラスのモチーフは天使や神などではなかった。
悪趣味だわとリリアーナが眉をひそめる。
「・・・それにしても広いわねー。塔の内部とは思えないわ〜?」
きょろきょろと周囲を見渡したリリアーナの視線が、ある一点で止まった。
「先生見て、ロックが倒れてる!」
叫び声をあげたリリアーナは、何の準備もなしに駆けだそうとした。

159 名前:???? ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 19:51:07 O
>>158
「彼は目覚めないわ。」
ロックに駆け寄ったリリアーナに語りかける謎の人物。
その声は若い女性のものであった。
「失神魔法よ、だからロックは目覚めない。
…ここから去りなさい。
あなた達はこの先に進むべきではないのよ。」

当然のように『学園をもとに戻したいのだ』という反論がでる。

「そんな事は私の知った事ではないわ。」
銅像の陰から金属を引きづる音が聞こえてきた。

160 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 21:59:45 0
気分よく落ち込んで余韻に浸る最中、全てをぶち壊すようなメラルの言葉。
>「盛り上がっている所悪いけど、それ偽者…というか、
> ロックの方はグレムリンが変身した物よ?」
背景に大きな亀裂が走る衝撃新事実。
冗談かもしれない。
しかしここは魔法学園。変身魔法など珍しくもない。

ギギギギッと錆付いたドアを開くような擬音を上げながらロック(ギズモ)を見ると、フリージアに飛びついている。
その姿だけなら「もう浮気かい!」と突っ込みを入れるところだが、でた言葉がロックとは似ても似つかぬギズモの声。
しかもフリージアからは10分という魔法約の時間まで。
これでほぼ確定なのだが、それでも信じられない。
否、信じたくない。
救いを求めるようにレイドに目線を移すが、視線をそらされてしまった。
それだけで十分な答えといえるだろう。

こうなると何もかもが信じられなくなってしまう。
どのロックが本物のロックだったのか。
あらゆる場面に疑念が沸き起こる。
当然、寮の上の出来事にもだ。
足元が崩れるような感覚というのはこういうことを言うのだろう。

一人で勘違いし、突っ走り、ライバル宣言。
そして勝手に敗北宣言し、完結していたなんて。
恥ずかしすぎてリリアーナを見ることすら出来ない。

どんよりとした暗い空気を纏い動けずにいると、そのリリアーナがやってくる。
とても顔を向けられず、逃げ出す気力も無く言われるままに猫耳バンド(黒)をつけられる。
>「・・・全部終わったとき、ロックは悲しむかもしれないわ。
> そのときは宣言どおり受け止めてあげてね。約束よ?」
「いや・・・その・・・のぅ・・・」
力弱く反論しようとするが、リリアーナの言葉はクドリャフカの胸をえぐり、言葉を封じさせる。
そのままぐいぐいと押されながら、魔方陣へ入った。

魔法人を経て、風景が変わる。
リリアーナはロックが倒れているのを見つけると、叫びながら駆け出していってしまった。
だがクドリャフカは動かなかった。
響き渡る警告の声。
空気に満ちる敵意。
それに身体が反応してしまったのだ。
確かにコンディションもメンタルティーもどん底だが、反射的に身構えていたのだから。
そして、視界が歪んでよく見えなかったから。

「あれが・・・あれが本当の恋と言う奴なのかのぉ・・・。」
ポツリと隣のメラルにこぼした一言。
魔法も使えないのに、ロックが倒れているのを見て無条件で駆け出してしまうリリアーナが眩しかったから。
漫画とドラマでしか恋を知らないクドリャフカがリアルな恋を目の当たりをした感動と、自省悔恨の涙なのだ。

161 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 22:00:32 O
>155>「レイド先生よろしいですわね?」
「オッケ〜。」
>158>「はーい!じゃメラルさん、行きましょう!」
>「レイド先生、転移直後の攻撃に備えて、私も先生のバリアに入れて下さいね〜」
「任しとけ〜。」
よし、それじゃあ少し気合い入れて行くか…
>「やだ、クドリャフカさんは?!」
リリアーナは辺りを見回す。
>「クドリャフカさん、一緒に 来てくれるわよね?・・・ううん、絶対に来てもらうんだから!
 そんなフラフラで一人歩きさせるくらいなら、例え危険でも私達と一緒に居た方がマシよ!」
クドリャフカを見つけると無理矢理にでも一緒に連れて行こうとしている。
ああなったリリアーナは手強いぞ。
素直に着いて来た方が良いと俺は思う。
リリアーナと口論するだけ時間の無駄だからな。
そんな事を考えているうちに、準備が完了したみたいだ。
>「レイド先生〜!お待たせしました!」
何だか猫耳が増えた様な気がするが、気にしない、気にしない。

162 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/20(金) 22:02:27 O
バリアを張り魔法陣の中心に立つ。
予想通り魔法陣は輝き始めた。
まぁ、定番だよな。

一瞬にして景色が変わる。
あまり俺の好きな場所じゃないな。
なんか、聖堂っぽい。
>「先生見て、ロックが倒れてる!」
ロックを発見したリリアーナはバリアから抜け出し走り始めた。
「ちょっと待った!不用意に動かない方が良い。」
第六感というやつだろうか。
何か嫌な感じがするね、この場所は。
>159>「彼は目覚めないわ。」
若い女性の声がする。
普段なら若い女性の声を聞いても悪い気がしないのだが、今は悪い気しかしないのはどうしてだろう?
>「失神魔法よ、だからロックは目覚めない。
…ここから去りなさい。
あなた達はこの先に進むべきではないのよ。」
あぁ……やっぱり敵っぽいね。
「去れって言われてすぐに消え去る程素直な人間は残念ながらここには居ない。
しかも俺は一応教師だし、生徒の面倒は教師が見てやるのが当然の義務だろ?」
>「そんな事は私の知った事ではないわ。」
そうかい。
冷たい人だね。
銅像の影から金属を引きずる音が聞こえる。
一体何が出てくるんだろうね。
あまり想像したくない。
どうせなら猫耳の女性が出てきて欲しい。
絶対にあり得ないと思うけど。

163 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/04/21(土) 17:00:30 0
猫耳の筋骨たくましいおっさん登場

164 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 20:03:11 O
>>163
ロックが開けようとした両開きの扉から突然
> 猫耳の筋骨たくましいおっさん登場
>「何だぁ〜?てめぇら?ここに何しにきた?」
太い声のおっさんが視線を落とすとそこにはロックが倒れている。
「ややっ!?やややややっ!!」
おっさんは大袈裟に驚いた様子を見せた。
「あ、あんた様は…」
おっさんが失神したロックを抱き上げようとした時、白い影がおっさんに飛びかかった。

ゴツン!!

その女性は手にした棍棒でおっさんを殴り倒した。
おっさんは失神して動かなくなってしまった。
どうやらあの金属製の棍棒には失神魔法が込められているようだ。
彼女がレイドの方に振り返った時、きっと彼は驚くだろう。
彼の前に時折現れた謎のメイドの“実体”がそこにいるのだから。
「ロックには指一本触れさせないわ。」
彼女はロックの足首を片方の手でわしずかみした。


165 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 22:33:00 0
>157
「少々重かったですわ・・・」
ロックに変身したギズモに頭に載られた
フリージアはそうつぶやいた
リリアーナに言われたとおりしつけ(むしろ調教?)は必要だろう
>139
魔方陣によって転送された先は・・・まるで聖堂のような
いや魔堂というべきだろうか?
そういう表現しか出来ない所であった
>159>162
「あ、あなたは?」
目の前に現れたのは謎の女性
>…ここから去りなさい。
>あなた達はこの先に進むべきではないのよ。」
「私はこの学園を元に戻したいのですわ!特に私の部屋をね!!」
と自分の部屋を強調するフリージア
>「去れって言われてすぐに消え去る程素直な人間は残念ながらここには居ない。
>しかも俺は一応教師だし、生徒の面倒は教師が見てやるのが当然の義務だろ?」
教師としての義務を押し出すレイド
> 「そんな事は私の知った事ではないわ。」
>163>164
次の瞬間出てきた謎の猫耳男
「きぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!」
あまりの似合わなさに叫ぶフリージア
まあその次の瞬間には白いメイドさんが殴り倒したのだが
「あ、あなたはいったい何者ですの?」
フリージアはそう問いかけた

166 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/21(土) 22:42:07 0
>159 >162 >165
「ロック、しっかりして!」
ロックを抱き起こし、ぺちぺちと頬を叩いてみる。
頭の後ろに瘤が出来ている。誰かに後頭部を殴られたようだ。
>「彼は目覚めないわ。」
はっとして顔を上げた。
一瞬、目の前の銅像が喋ったのかと思った。
「あなた誰?ロックに何をしたの?」
>「失神魔法よ、だからロックは目覚めない。
>…ここから去りなさい。
>あなた達はこの先に進むべきではないのよ。」
レイドが穏やかに声の主に話し掛けている。
引き絞られた弓のような声だと、聞こえていれば感じただろう。
実にフリージアらしいツンデレ発言も耳に入らない。

・・・彼女にはロックを殺すだけの時間があった。
だが、殺さなかった。
これを一体どう解釈すればいいのだろう。
声の主がギルハート達と同じなのか、そうでないのか、リリアーナにはよくわからない。
だがひとつだけはっきりしているのは、ロックをこのままにはしておけないという事だ。

リリアーナはロックを床に寝かせると、対失神魔法用の呪文を唱えた。
「エネルベート!」
だが、何もおきなかった。
もう一度同じ呪文を詠唱した。だが何を試しても同じことだった。
いくら呪文が唱えても、発動しなければ意味が無いのだから。
使えないとわかったリリアーナは、今度は蘇生魔法を詠唱し始めた。試さずにはいられなかった。

>163 >164
呪文詠唱に集中しすぎていたリリアーナは、扉が開いたことにも気づかなかった。
>「ややっ!?やややややっ!!」
>「あ、あんた様は…」
はっと気づいたときには遅かった。猫耳の男性はロックを抱き起こすのに邪魔なリリアーナをなぎ払った。
軽々と吹き飛ばされすぐ脇の石像に激突する。ふっとリリアーナの目の前が暗くなった。

どすん、と何か重たいものが倒れる音がしたようだ。
リリアーナははっと目を覚ました。どうやら暫く気を失っていたようだった。

扉の向こうから、筋骨たくましい下半身だけが見えている。
さっきリリアーナを吹き飛ばした男性のようだ。どうやら誰か仕留められたようだ。
すぐ目の前にはクラシカルな革靴と、白いソックス。
メイド姿の女性が、すぐ目の前に立っていた。
>「ロックには指一本触れさせないわ。」
その声は聞き覚えがあった。どうやら彼女が先ほどからの声の主のようだ。

メイドはロックの足首を鷲づかみにしていた。
連れ去られる!と感じたリリアーナは、反射的に投げ出されていたロックの手を掴んだ。
「・・・それはこちらの台詞よ。メイドさん、ロックから手を離して」
緑色の目がじっとこちらを見据えている。
「あなたは誰?マリアベルってわけじゃ無さそうね。
 ここでいったい何をしているの?ご主人様のおつかい?
 なぜロックを気絶させたの?ギルハート達のように、貴女も彼を利用するもりなの?」

リリアーナはメイドにロックバスターの照準を合わせた。
「貴女がロックを後ろから殴った犯人でしょう?
 なのに『指一本触れさせない』ですって?あんまり笑わせないでくれる?」


167 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/22(日) 11:44:56 O
>>165>>166
> 「あ、あなたはいったい何者ですの?」
「ただの鳥よ。人は私をアンジェリーナとも呼ぶわ。」
> 「ここでいったい何をしているの?ご主人様のおつかい?
>なぜロックを気絶させたの?ギルハート達のように、貴女も彼を利用するもりなの?」
「ロックは塔の頂上に行ってはいけない。
あなた達も行かせたくない。
私達は本来なら敵対しあう関係ではないのかもしれない。
でもこれだけは譲れないの。
私達の利害は一致しないのよ。」
> 「貴女がロックを後ろから殴った犯人でしょう?
>  なのに『指一本触れさせない』ですって?あんまり笑わせないでくれる?」
「私は良いのよ。」
リリアーナに構わずロックを引っ張って行こうとするが、
抵抗するリリアーナのロックバスターが火を噴いた。
アンジェは吹き飛び、5メートル程後ろに綺麗に着地した。
彼女の左手から煙が上がっている。
なんとロックバスターの弾を掌で受けたのだ。
「…殺しはしないわ。」
アンジェは先程の銅像を棍棒で殴った。
破片がリリアーナやフリージア達に襲いかかる。


168 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/22(日) 12:13:59 O
>166リリアーナが倒れているロックに色々と回復魔法を試しているが、やはり効果は無い様だ。

>164突然筋骨たくましいオッサンが入ってくる。
>「何だぁ〜?てめぇら?ここに何しにきた?」
俺はこのオッサンに言ってやりたい。


お 前 こ そ 何 し に 来 た ん だ ?

俺の目が狂ってなければの話だが、このオッサンの頭には猫耳が着いている。
外せ。
外せないのなら俺が無理矢理にでも剥ぎ取ってやる。
オッサンはロックが倒れているのに気が付くと近くに居たリリアーナを吹き飛ばしロックに駆け寄った。
石像にぶつかったリリアーナは気絶してしまった。
もう許さんぞオッサン。
お前は極刑だ。

どんな魔法で殺してやろうか、と考えている間に別の人間がオッサンをノックアウトしてしまった。


169 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/22(日) 12:15:07 O
>164オッサンをノックアウトしたのは以前一度だけお会いしたメイドさんだった。
先程の若い女性の声の正体は彼女だろうな。
>「ロックには指一本触れさせないわ。」
手にはロックと金属製の棍棒が握られている。
最近のメイドさんはご主人様の命令で殺しもやってくれんのかね?
「こいつは驚きだ。こんな所で出会うなんて全くの予想外だったな〜。」

どうせなら喫茶店で会いたかったね。
結構良い感じの女性だし。

>「・・・それはこちらの台詞よ。メイドさん、ロックから手を放して」
うわ、最悪のタイミングで目を覚ましちゃったよ。
ちょっと険悪なムードだよこれは。
愛する男を二人の女が命がけで奪い合うみたいなのは好きじゃない。
俺はそんなドロドロしたのより、ラブラブモード全開のカップルがイチャイチャする方が好きだ。
おっと、俺の好みを話している場合じゃない。
リリアーナはメイドさんにロックバスターの照準を合わせてしまった。
「二人共、そう熱くなんなよ。二人がロックの事を愛してるって事はよ〜く分かった。
だから平和的に解決しようぜ?な?」

170 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage三連投スマンorz] 投稿日:2007/04/22(日) 12:16:53 O
>167俺の説得も虚しく、リリアーナはメイドさんに向かってロックバスターを撃ってしまった。
吹き飛んだ彼女の左手からは煙が出ていた。
なるほど、掌で受け止めたのか〜…。
良い反射神経&丈夫な体だね。
普通の人間じゃないな。
>「…殺しはしないわ。」
彼女は銅像を棍棒で殴り破片で攻撃してきた。
「危ない、危ない。メイドさん、俺の生徒に手を出すのは許さないよ?」
俺は彼女が銅像に棍棒をぶつける瞬間強化魔法を使った。
そんでもって飛んで来た破片全てを拳で撃ち落とした。
成功するかどうか不安だったが何とか成功したっぽい。
「君が俺達を塔の頂上に行かせたくない理由は分からんが、さっきも言っただろ?素直に言うことを聞く奴はここには居ない、ってな。」

171 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/22(日) 12:41:49 0

>「もうちょっと早く・・・って言っても私も言えませんでしたわね。
> そういえば薬の効き目って10分でしたっけ?」
フリージアから当然の抗議が来るし、リリアーナやレイド先生も心配する素振りを見せている…が、
メラルはあまり気にした様子は無い。そもそもメラルはグレムリンを気遣う気はないようだ。今のところは。
「グレムリンなら、それこそ先生並みに頑丈だろうから、大丈夫でしょ。
 …効き目については…」
リリアーナに聞いてと言いかけたところで、リリアーナ本人から説明がされた。
>「メラルさんとフリージアの言うとおりよー。彼はロックじゃないし変身薬の効果は10分ー。」
「…そうらしいわね。」

そして、グレムリンが大したダメージも無さそうな感じで起き上がってくる。
それを見て、メラルが溜息をついてから言った。
「…ここまで頑丈だと、使い魔としてはある意味有効かもしれないわね。」
(盾代わりとしては有効だし、元々敵だったんだから遠慮の必要はないわ。
流石にこれを堂々言うのは控えた方が良さそうだけど…。)
>「その図体じゃフリージアが重たいじゃないの!少しは遠慮しなさいよ・・・って!
> ちょっとダメよ!その図体でフリージアの頭に乗れるわけないでしょ?
> フリージア、あなたからもびしっと言ってやってよ!本気で飼う気ならしつけは大事よ?」
「しつけはしっかりしておかないと、後が大変そうだけど。」
そして後のリリアーナの言葉を聞いて一言付け加える。

>「良かった。メラルさんちょっと元気になったみたいね。
> それにしてもメラルさんの占い、的中率すごいわね。驚いちゃったわ。」
>「昨日占ってもらってよかったわ。おかげで心の準備も出来たし。・・・ホント、いろいろありがとね」
リリアーナから声がかけられる。
「…ええ。何とかね。」
そして、続けられた言葉にメラルが返す。
「…いいのよ。あなた達のおかげでより多くの結果が得られて、
 そのおかげで私も備えられたんだから。」
そう答えた後で、フリージアの呼びかけに応じて魔法陣に向けて歩いていった。

魔方陣が輝き、一瞬後には聖堂に転移させられていた。
周囲の状況もわからないので、レイド先生の近くで動かず、気配を探っている。
と、クドリャフカが呟くのが聞こえた。
>「あれが・・・あれが本当の恋と言う奴なのかのぉ・・・。」
「私は正直、そういう方向には疎いけど…これだけは言えるわね。
 本当の恋の形なんて決まってる物じゃないわ。」
それに、落ち着いて答えた。


172 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/22(日) 12:45:13 0
リリアーナがロックに駆け寄った所で、声が聞こえた。
>「彼は目覚めないわ。」
>「失神魔法よ、だからロックは目覚めない。 …ここから去りなさい。
> あなた達はこの先に進むべきではないのよ。」
(…失神魔法だとして、何故知っているか。…かけた本人だったら…まぁ、
教える…場合もありえるわね。違う場合にしても、知識があればわかること…。
判断材料にはしにくいわね。でも…進むべきではないってのは妙な言い回しね。
何か引っかかる…。)
>「去れって言われてすぐに消え去る程素直な人間は残念ながらここには居ない。
>しかも俺は一応教師だし、生徒の面倒は教師が見てやるのが当然の義務だろ?」
>>「そんな事は私の知った事ではないわ。」
レイド先生と女性が話している。が…先程の引っかかりも関連して、少し気になった。
(…知ったことじゃない…。ただの敵でも言いそうな事だけど、
第三者でも言いそうな言葉よね。)
そして、銅像の影から金属を引きずる音が聞こえて来た。
少しして猫耳のマッチョなおっさんが出現する。
フリージアが叫び声をあげ、メラルは動揺を隠すように
「また随分とシュールね…。」
とぼやいた。そのおっさんは
>「何だぁ〜?てめぇら?ここに何しにきた?」
などと言い、ロックを見るや態度を変えた。
>「ややっ!?やややややっ!!」
>「あ、あんた様は…」
直後おっさんは白いメイドに棍棒で殴り倒されたのだが、
メラルにとっては十分に考える材料になった。

(少なくとも、今の公然猥褻物陳列罪男はこの塔の人間と見て良さそうね。
だとすると、あの女は…第三者か塔の敵で今のが見せ付ける為の物か。
そのいずれかと見て良さそう…。)
その白いメイドが、ロックの足首をつかむ。
それに対し、リリアーナが抗議した。
>「・・・それはこちらの台詞よ。メイドさん、ロックから手を離して」
>「あなたは誰?マリアベルってわけじゃ無さそうね。
> ここでいったい何をしているの?ご主人様のおつかい?
> なぜロックを気絶させたの?ギルハート達のように、貴女も彼を利用するもりなの?」
リリアーナはメイドにロックバスターの照準を合わせ、更に続けた。
>「貴女がロックを後ろから殴った犯人でしょう?
> なのに『指一本触れさせない』ですって?あんまり笑わせないでくれる?」
フリージアも何者か問いただそうとする。

>「ただの鳥よ。人は私をアンジェリーナとも呼ぶわ。」
>「ロックは塔の頂上に行ってはいけない。
>あなた達も行かせたくない。
>私達は本来なら敵対しあう関係ではないのかもしれない。
>でもこれだけは譲れないの。
>私達の利害は一致しないのよ。」
(あくまで立場は第三者…なら、丁度いいわね。)
それに、メイドが応じた。そしてリリアーナの攻撃をあっさり受け止める。
そして銅像を殴って破片を飛ばしてきたが、それはレイド先生が防ぎきってくれたようだ。
>「君が俺達を塔の頂上に行かせたくない理由は分からんが、
> さっきも言っただろ?素直に言うことを聞く奴はここには居ない、ってな。」
レイド先生が続ける。それに続けてメラルが言った。
「…私達の目的は学園を元に戻す事と彼を含む学園の皆の身の安全を確保すること。
 あなたの目的は…ロックや私達を塔の頂上に行かせない…いえ、マリアベルに会わせない事。
 それで…いいのよね?なら…学園を元に戻す方法と、学園のゲートは何処に行ったか。
 どうすればゲートの向こうの皆を呼べるか。それを教えてくれないかしら?
 それと、マリアベルとか言う術師の能力についても。マリアベルを倒さないと学園が戻らないとしても、
 …相対せずに倒せる可能性だって…あるかもしれないわ。そうすれば、利害の一致だってありえるわよね?」
そして、真剣な眼差しでアンジェリーナを見る。因みに、メラルはマリアベルがそこまで甘いなどとは毛ほどにも思っていない。
あくまでただ目の前の相手から情報を引き出す為の口だけの言葉である。その後の事は引き出せる情報を聞いてから考えるつもりのようだ。

173 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/22(日) 19:42:41 0
メイドは自分のことを鳥と名乗った。そしてアンジェリーナとも。
「じゃあメイドさん、貴女が私達にフクロウ便を?」
どうやらロックのペンフレンドは彼女だったようだ。
>「ロックは塔の頂上に行ってはいけない。
>あなた達も行かせたくない。
>でもこれだけは譲れないの。
私達の利害は一致しないのよ。」

>「二人共、そう熱くなんなよ。二人がロックの事を愛してるって事はよ〜く分かった。
「レイド先生まで!こんな時にふざけないでください!」
反射的にレイドに噛み付いた。その隙にアンジェはロックを強引にひっぱって行こうとした。
リリアーナのロックバスターが火を吹いた。
「―――― まだ話は終わってないわ!」
もちろん手加減はしたつもりだ。彼女がロックの大切な人だと、フクロウ便の手紙で知っていたからだ。
・・・だが、まさか銃撃を素手で受け止められるとは思わなかった。
>「…殺しはしないわ。」
アンジェは棍棒で銅像を破壊した。
「バカッ!ロックに当たるじゃないの!!」
避けられないとわかったとたん、ロックに覆い被さるように身を伏せる。
来るべき痛みに身を硬くしたが、いつまでたっても破片は飛んでこなかった。
>「危ない、危ない。メイドさん、俺の生徒に手を出すのは許さないよ?」
どうやらレイドが守ってくれたようだ。リリアーナは歓声をあげた。
「レイド先生ナイス!大好き!!」
一人じゃないというのが、これほど心強いとは思いもしなかった。

レイドが立ちふさがり、メラルがアンジェに質問と懐柔を試みている。
アンジェリーナの言葉はロックと自分たちの間で微妙にニュアンスが違っていた。
ロックの場合は禁忌、自分たちの場合は彼女の意思。
フクロウ便の手紙、おっさんの言葉、今まで起こった出来事。
リリアーナは暫く考え込んだ。

自分の思考から戻ったリリアーナは、ロックの鼻を思いきりつまんだ。
「ホントむかつくわね〜。起きてても寝てても周りに迷惑かけまくりなんて」
ぶつぶつ言いながら、リリアーナは横たわるロックに自分のローブを掛けてやった。
「元気でね」
目がさめたらまた女物が恥ずかしいとか何とか文句が出そうだ。だが、聞く予定は無い。

メラルの話が終わった頃を見計らってリリアーナは口を開いた。
「さっきの猫耳の筋肉男はロックの顔を知っていた風だったわね。・・・なぜかしら?」
リリアーナは思わせぶりに言葉を切る。
「ねえメイドさん、あなたはギルハート達のことも全部知ってたんでしょう?
 私達に帰れというのなら、せめて納得いくように話を聞かせてくれないかしら?」

リリアーナは言葉を切り、無言でアンジェリーナを促した。
「・・・ま、ロックとマリアベルに逢わせられないっていうのはなんとなく理解できるわ。
 だからアンジェリーナ、ロックは貴女に預ける。
 だけど、私達は先に進ませてもらうわ。これに関して私達もあなたと議論する気は無いの。
 この学園がロックの家であり、私達の家でもあるのよ。このままになんてしておけないわ。絶対に。
 皆だってきっとそう思ってるはずよ。そうよね?」
なるべく感情的にならないよう心がけたつもりだが、メラルほどクールに徹しきれていないようだ。
リリアーナはなおも続けた。
「ロックが目を覚ませば、また両親の仇を討とうとするでしょう。
 その時はどうするの?また彼を殴り倒すつもり?
 それともあなたは、ロックを永遠に目覚めさせないつもりなの?」

リリアーナはロックの頬に乱れかかった髪を丁寧に撫で付けると、立ち上がった。


174 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/04/23(月) 01:14:16 0
かそあげ

175 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/23(月) 19:30:49 O
>172>173
「……………」
メラルとリリアーナの質問に何一つ答えないアンジェ。
失神している猫耳親父に近づくと
「邪魔よ。」
の一言と共に投げ飛ばした。
猫耳親父は壁を突き破りどこかへ落下した。
どうやら壁の向こうは隠し通路だったようだ。
改めてリリアーナやメラルの方に振り向くと
「私にこれ以上…質問する事も、指図する事も、反抗する事も
…許さないわ。」
と言って手に何かをたぎらせた。
火属性の初級魔法ファイヤーボールだ。
火球が天井に飛び、吊されていた微妙な造形物がたくさん降ってきた。
造形物を避けるため散り散りに別れるパーティ。
アンジェは考えていた。例え私がどれだけ強くても多勢に無勢、
散り散りになったところを各個撃破した方が確実だわ。

アンジェが最初に目をつけたのはレイドだ。
彼に向かって棍棒を叩きつけた。

176 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/23(月) 20:38:33 0
>175
フリージアはあせっていた
天井から落ちてきたオブジェのせいで分断されてしまったのだ
一緒にいるのはギズモだけである

目の前にはアンジェに襲われるレイド
だが周りを囲む障害物のせいで助けにいけない

「これではレイド先生を助けられませんわ」

とりあえず行く手をさえぎる障害物をどかすべくフリージアは踊りながら呪文を唱える

「雪と氷の精霊フロルよ!雪の結晶にて我が写し身を作り出せ!」

踊りに加えて呪文を唱えたことにより雪の結晶の人形は前よりも短い時間で完成した
フリージアは同じく雪の結晶で出来たチェーンをつなげると

「フリージングドール・マリオネット!!」

文字通りマリオネットのように雪の結晶の人形を繰り始めた
次々と障害物を退かしていく雪の結晶のマリオネット
その時間は永遠のようにも思えた
いっそのこと、このオブジェをぶつけてやろうかしら?
とも考えたがレイドに当たったらいやなので止めておいた

177 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/23(月) 23:45:52 0
一連のやり取りの最中、クドリャフカは泣いていた。
滂沱の涙、というのだろう。
ロックを身を挺して守るリリアーナに感動していたのだ。
そして、一人相撲で暴走していた自分を恥じていたのだ。

アンジェが猫耳親父を投げ飛ばした辺りで、一通り泣きつくすと、ようやく一歩前へ出る。
「メイドさんや、ギルハートの事、せっかく教えてくれたのにわたしゃぁ欲に目が眩んで生かせんかったんじゃ。
じゃけぇ、今度はあんたの思いを無にはせん。」
ファイヤーボールによって降り注ぐ造形物を素早く交わしながら走り出す。
アンジェには目もくれずに。
小脇にリリアーナとメラルを抱えて一気に隠し通路へと。

「文句も後戻りもなあよ?同じ男に惚れた者じゃきぃの。」
戦っているレイドやフリージアの事を振り返るつもりはない。必ず追いつくだろうから。
気絶したままのロックの事も置き去りにしたのは覚悟の上だ。
今やるべきこと。それはわざわざ隠し通路を示してくれたアンジェの気持ちに応える事なのだから。
「実際のところ、メラルさんにはすまんのぅ。」
リリアーナは魔法が使えない。だが、ロックを想う気持ちを考えればおいていくわけには行かなかった。
自分は恋破れ、肉弾戦がメイン。
そうなると、いかにも戦力不足だ。
分析・魔法のできるメラルに負担は集中するだろう。
だが今はこうするしかない。
一言、謝り、階段を登るスピードを上げていった。



178 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/24(火) 07:11:06 O
>175アンジェはリリアーナとメラルの質問に答えなかった。
ま、予想通りだけど…
>「私にこれ以上…質問する事も、指図する事も、反抗する事も
…許さないわ。」
アンジェはファイアーボールを使い、造形物の雨を降らせてきた。
「チッ…。」
後方にジャンプし造形物を避けるが、棍棒を持ったアンジェが近くに迫っていた。
「悪く思うなよっ!」
ファイアーボールを2球、3球と続けて投げる。
しかし彼女にはあまり効果が無い様だ。
ファイアーボールをくらっても平気な顔をしている。
ふと、横を見るとクドリャフカがリリアーナとメラルを脇に抱え、隠し通路へと向かっていた。
「クド〜!パス!」
俺はクドリャフカの背中に向かってカプセルを投げた。

179 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/24(火) 21:55:23 O
>178
「よそ見しないの。」
アンジェは手の中に緑色のダーツを精製し、レイドに投げつけた。
殺傷力は無いが当たると少しの間意識を飛ばす事が出来る。

>177
ふと見ると三人組がどこかへ行くのが見えた。
追うべきかどうか悩んだが、とにかく今前にいる相手を倒す事にした。

>176
レイドに再び襲いかかろうとした時、
アンジェの前に氷でできた何かが造形物を押し退けて出てきた。
それはお嬢様風の人形のようだった。
人形の四肢に何かが結ばれている事に気づいたアンジェはそれを強く引っ張った。
手応えがある、誰かがこの先にいるのだ。
「サンダー。」
アンジェは雷属性の初級魔法を氷の結晶のチェーンを通して放った。

180 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/24(火) 23:39:09 0
>179
電撃によってしびれるフリージア

大気中の水分を集めて雪の結晶にしているために
原材料は純水ではない
ゆえに電気が通りやすいのだ
そしてフリージアは氷の属性を持つ魔法使い
ゆえにダメージは大きい

電撃によって漫画のようにフリージアの骨格・・・ついでに矯正下着の影が映し出される
かなり体型の矯正に無理をしてるようだ

もう少しで縦ロールがアフロヘヤーになるかならないかのところで雪の結晶のチェーンが崩壊した
チェーンから開放され倒れるフリージア
どうやら気絶しているようである

ロックの姿をしているギズモはフリージアをここにそのまま置いておいてはいけないと判断し
フリージアを俵のように担ぐとリリアーナを追って隠し通路に走った

隠し通路に入ってリリアーナに追いつく頃になると薬の効果は解け元に戻るギズモ
当然フリージアに押しつぶされる

何とかがんばって這い出したギズモは往復びんたでフリージアを正気付かせた

181 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/25(水) 00:08:15 0
赤毛のアンジェリーナは、清楚でメイド服が似合う綺麗な人だった。
―――― 黙って微笑んでいればの話だが。
>175 >177
アンジェリーナはその細腕で、猫耳男性を投げ捨てた。
中年が激突した壁は衝撃で破壊された。崩れた壁の向こう側には隠し通路が見える。
外見からは及びもつかないほど乱暴なメイドは、それこそ女王様のように宣言した。
>「私にこれ以上…質問する事も、指図する事も、反抗する事も
…許さないわ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ フォルティシモといい、アンジェリーナといい、クドリャフカといい。
なぜロックを取り巻く女性(?)達は、そろいもそろっておっかない女性ばかりなのだろう。

アンジェリーナの放ったファイアーボールは天井近くにつるされた造形物を落下させた。
オブジェが雨のように降り注ぐ。
この攻撃で、ロックまで巻き添えを食らって怪我をするとは考えないのだろうか?
「彼女本当はロックを殺したいの?!あのガサツさ、まるでワイバーンみたい!」
フォルティシモといい、アンジェリーナといい、クドリャフカといい。
どうしてロックに好意を抱く女性(?)たちはこうも破壊的なのだろう。
リリアーナは落ちてくる瓦礫を撃墜しながら、【一坪の聖域】を取り出した。

だが、結界を展開しようとしたところで、クドリャフカがリリアーナを小脇に抱えてしまった。
「うわうわうわ!!」
リリアーナは慌てて、【一坪の聖域】をロックに向かって投げつけた。
簡易結界は壊れることなく、無事ロックの側で発動したようだ。
「とりあえず・・・これで瓦礫に埋もれることは無さそうね」
>「文句も後戻りもなあよ?同じ男に惚れた者じゃきぃの。」
「惚れ・・・・・」
リリアーナは絶句し、がっくりと肩を落とした。
「だから違うってば・・・間違ってもそれ、ロックの前で言わないでね?」

>178
>「クド〜!パス!」
レイドがアンジェリーナをけん制しつつ、カプセルをクドリャフカに向けて投げてよこした。
「あ!私が・・・」
受け取ります・・・と言い掛けたリリアーナは絶句した。クドリャフカの「髪技」をみるのはひさしぶりだった。


隠し通路にクドリャフカが飛び込んだ。幸いなことに人の気配はなかった。
「クドリャフカさん待って、傷口が開いちゃうわ。自分で走るから降ろしてくれる?」
今のところアンジェリーナを含め、追っ手はいないようだ。
少し考えて、リリアーナは付け加えた。
「ねえ、私カプセルの中に入っていたほうが良い?どう考えても足手まといだもんね」

>180
ロックがフリージアを背負ってこちらに駆けてくる。
一瞬ロックが目を覚ましたのかと驚いたが、すぐに勘違いだと気づいた。
ロックに変身したギズモが、気絶したフリージアを担いでここまで走ってきたのだ。
「フリージアがやられるなんて・・・一体何があったの?」
元のサイズに戻ったギズモは、リリアーナの質問には答えなかった。
フリージアの下から這い出すなり、彼女の頬に往復びんたを食らわせ始める。
ぺちーん!ぺちーん!
痛そうな音に、止めようかどうしようかと迷っているうちに、フリージアが目を覚ました。
「大丈夫?!この指見える?何本か分かる?
 ついさっき、ギズモが気絶したフリージアを担いでここまで運んだのよ、あとでたくさん誉めてあげてね」

背後ではレイドとアンジェリーナが激しく激突している。
レイドを一人置き去りにするようで心苦しいが、多分私達が戻っても助っ人にはなれない。
むしろ私達がいることで、レイドは全力で戦えないことになるだろう。

後戻りできない今、先へ先へと進むしかない。

182 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/25(水) 07:57:54 O
>179>「よそ見しないの。」
アンジェは緑色のダーツを投げつけてきた。
「悪いな、メイドさん。」
俺はダーツを人差し指と中指の間に挟み、受け止めた。

安心した瞬間、再度アンジェが襲いかかろうとしてきた。
が、それはフリージアの作った人形によって阻止された。
アンジェは人形のカラクリに気付きサンダーを放つ。
>180まともにサンダーを受けたフリージアはギズモに担がれながら退場した。
頑張れギズモ。

「メイドさんよ、そろそろ止めようぜ?」
俺は気付いた事がある。
彼女程の実力者なら上級魔法も難なく使えるだろう。
しかし、さっきフリージアの人形に放ったのは初級の雷魔法。
上級の雷魔法を使えば殺すのは容易い筈だ。
「誰の命令か知らないが、もう無理をする必要は無いんじゃないか?
 さっきだってフリージアを殺さないように初級の雷魔法を使ったんだろ?」

183 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/25(水) 20:20:38 O
>>182
「言ったはずよ、質問も指図も許さない。
…でもいいわ、あなたに昔話を聞かせてあげる。」
アンジェはロックに向かって歩きながら話を始めた。
「昔々…と言うより10年前の事ね。
ここにあった学園に、ある母と子が来たわ。
子供は6歳だった。
母親はこの子を学園に入学させてくれと頼んだわ。
でも私にはわかってた。
この母親は偽者だって。
そして子供は……えっ?」
アンジェは登場以来初めて動揺の声をあげ、話を中断してしまった。
彼女の動揺の原因はロックだった。
体は倒れているが目はパッチリ開いている。
「そんな…早すぎるわ。」
ロックはアンジェに微笑みかけ……


184 名前:ロック? ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/25(水) 20:43:17 O
ずいぶん回り道をしてしまった。
もっと早く気づくべきだった。
しかし、もう過去の話だ。
俺は夢から覚めたのだ。


ロックは今覚醒した。
視界に最初に入ったのは…何だこりゃ?
ああ、スカートの中か。
次に女性の顔が目に入る。
彼女を俺は知っている。
「久しぶりだな、アンジェリーナ。」
ロックはゆっくりと彼女に向かって掌をかざした。
「ヘクト・プレッシャー!!」
掌から圧力波を放ち彼女を吹き飛ばした。
ステンドグラスを突き破り塔の外へアンジェは落ちていった。

アンジェを気にかけるレイドに向かってロックは
「ほっときましょう。」
と言い、杖で虚空に何かを描きだした。
「早く塔の頂上へ行かなければいけません。
急ぎましょう先生。」
ロックが杖を振ると空間が裂けた。
怪訝そうなレイドに対し
「近道ですよ。先生。」
少し笑いながらロックは説明した。
ロックはレイドを引き連れ空間の裂目に入っていった。


185 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/25(水) 21:04:04 0
>「・・・ま、ロックとマリアベルに逢わせられないっていうのはなんとなく理解できるわ。
> だからアンジェリーナ、ロックは貴女に預ける。
> だけど、私達は先に進ませてもらうわ。これに関して私達もあなたと議論する気は無いの。
> この学園がロックの家であり、私達の家でもあるのよ。このままになんてしておけないわ。絶対に。
> 皆だってきっとそう思ってるはずよ。そうよね?」
(…ずいぶんと思い切った事を言うわね…。実際にしていいのかは微妙な気もするけど。)
メラルはリリアーナの話を聞きつつ、相手の様子を伺っていた。
途中、リリアーナのロックに対するただならぬ思いを感じさせる行動が多々見られたが、
そちらはあまり気にしていないようだ。

アンジェリーナは、何一つ答えずに猫耳親父を投げて壁の向こうの隠し通路を出現させる。
(…罠…ね。どう考えてもこれが正しい通路って道理は無い…。)
メラルは目の前の相手の姿をした人物が色々と暗躍していた事実は全く知らない。
なので、その道が正しい道だと信じる気は毛頭ないようだ。
>「私にこれ以上…質問する事も、指図する事も、反抗する事も …許さないわ。」
直後、アンジェリーナが言葉と共にファイアーボールを放ってきた。
(…炎はきついけど…あれ位なら…。)
メラルが対応する為に呪文を唱え始める。そこに降り注ぐ瓦礫と火の粉。
対して、メラルが最初は単純にかわしていたものの、かわしきれなくなり
上に手をかざした瞬間に…後方から来ていたクドリャフカに抱えられる。
「ちょ、ちょっと。一体何のつもりよ!そっちは…!…ねぇ!」
しかし、その慌てた為に抗議にもなっていない文句も
当然の如く効果は無く、そのまま連れ去られた。

(…何でこんな無茶な真似を…。私達だけで上に行くなんて、
罠があってもなくてもほとんど自殺行為なのに…。)
クドリャフカに抱えられたまま通路を進んで…少しだけ落ち着いてきたメラル。
後方の状況はわからないが、まぁ…レイド先生がいるなら大丈夫だろう。
クドリャフカがリリアーナと話した後で、こちらに声をかけてきた。
>「実際のところ、メラルさんにはすまんのぅ。」
「…まぁ、二人だけで先行されるよりははるかにマシだからいいけど…。」
(ここで説得できる分、ね。)
そして、クドリャフカの腕から抜けて自力で立って、
カプセルに入った方がいいかと言うリリアーナに言った。
「カプセルについては…あなたが決める事よ。カプセルに入っても、カプセルが破損したら危ない以上、
 先生が持っているのでもない限り危険性は大して変わらないわ。私はそのカプセルが
 どれだけの耐久力があるのかは知らないけど…劣勢を強いられるような戦いの中でも
 無事であるとは正直考えにくいしね。それより…」
何かを言いかけ、後方から足音がしたので振り向いた。
すると、グレムリン(変身)がフリージアを担いできて、途中で変身が解けて潰される。
フリージアは気絶しているようだ。
「…意識が無い?…しかも、これ…!……あの場から離れたのは正解だったわね…。」
フリージアに近寄ってフリージアの状況を見て、昔は多用していたからか雷の術が
原因だとまでは気付いたメラル。その上で、一応少なくともフリージアを救い出し、
フリージアを心配していると思われるグレムリンに対して多少は気遣う気持ちも生まれたようで、
そのビンタを止めるかどうか少し考えて…そこで、近くにいたリリアーナの言葉に対し言った。
「多分、雷…ね。そのうち目を覚ますとは思うけど…。」
少しすると、実際にフリージアが目を覚まし、リリアーナが話しかけていた。
メラルも、冷静を装いつつも多少は安堵しているのか、声をかける。
「痛いところとか、調子が悪い所があったら今のうちに教えてね。
 …と言っても、回復は自分自身でしたほうが良さそうだけど…。」

メラルはフリージアの意識がしっかりし、リリアーナが少し落ち着くのを待ってから話し始める。
「…一つ聞きたいんだけど、皆はこの通路、どう思っているの?…私には少なくとも
 ただ安全に進めるだけの秘密通路…とは思えないのよ。むしろ、罠だと思ってる。
 もし安全に進める通路だったら、攻撃までして私達を止めようとしたあの人がわざわざその道を開いたのも、
 今も私達に対して積極的な追撃をしようともせず、レイド先生を優先するのは変な気がするのよ。
 後者はレイド先生の実力のおかげと言う可能性も多分にあるけどね。」
言い終わって、皆を見回した。


186 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/25(水) 23:18:05 0
階段をある程度登ったあと、二人を下ろすと、後ろからフリージアが背負われてきた。
フリージアを運ぶロックがギズモに戻るのを目の当たりにしてクドリャフカの胸が痛んだ。
判っていても、吹っ切ったはずでも実際に見てしまうと辛いものだ。

四人と一匹が集まり、しばしの作戦タイム、となったのだ。
>「だから違うってば・・・間違ってもそれ、ロックの前で言わないでね?」
リリアーナの言葉に、スカートの中をごそごそと漁り、なにやら取り出した。
「うん、判った。いやあせんけんど、このプレイバック名場面集はどうしたもんかいの。」
クドリャフカが取り出したのは幻灯機。
いつの間にとったかは聞いてはいけないが、壁にリリアーナがロックに駆け寄り身を呈して守る場面が映し出された。

その後、メラルからリリアーナにカプセルに入るかどうかについての意見が出る。
フリージアも意識を回復して後遺症もなさそうなので、僅かながらに安心感が漂う。
何だかんだ無事に揃っていれば心強いというものだ。
そんな中メラルから通路について話が及ぶ。
「そのことについてじゃがの、私は罠とは思ってないんよ。あのメイドさん、一度会っておるけえ・・・。」
バツが悪そうにそう切り出し、語り始める。

騒動がおきてすぐ、クドリャフカは校舎屋上へといった。
悪魔召喚をした魔法陣と召喚者を倒す為に。
そこにギルハートの仮初の肉体(老人)と幽体のあのメイドがいて、ギルハートの秘密を明かしてくれたことを。
事実ギルハートの本体はケットシーのような獣人であり、嘘はなかったのだが。
この貴重な情報を、自分の手柄の為にレイドに教えず、余計な手間を取らせてしまったという失態を引き起こしたのだが・・・

「まあ、そんなわけでこの秘密通路は安全だとおもうんよ。あのメイドさん敵と思えんし。
私達を倒す・止める、というより、いかせたくないっていう感じじゃったしの。
あとは愛の力じゃろ。」
その言葉と共に、幻灯機はリリアーナがアンジェに啖呵をきってロックバスターを放つ場面を映し出した。

「屋上に何があって、何がおるのかはわからんが、引き返してどうなるわけでもなあし、ここまできたら行く道は一つじゃと思うけどね。」
腹にきつく巻かれたサラシをぽんと叩いて笑って見せる。

187 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/26(木) 12:21:36 0
>186
リリアーナが釘をさすと、クドリャフカはあっさり快諾した。
>「うん、判った。いやあせんけんど、このプレイバック名場面集はどうしたもんかいの。」
クドリャフカが取り出したのは幻灯機。 映し出された映像を見せられ、リリアーナは言葉を失った。
「な・・・な・・・な・・・」
全く無意識の行動を、映像で客観的に見る羽目になってしまった。撮ったからには誰かに見せる気なのだろう。
「何でそんなの撮ってるのよー!!削除!削除!!削除ー!!!」
赤面したリリアーナは、何とかクドリャフカから幻灯機を奪い取ろうと躍起になった。
もっとも奮戦空しく、奪うどころか掠りもしなかったのだが。

>185
>「カプセルについては…あなたが決める事よ。
メラルの言うことはもっともで、息を切らしつつリリアーナは考え込んだ。
「・・・うん。選ばせてくれてありがと。本当は、私もカプセルなんかに入らずに一緒にいたいの。
 一人だけ高みの見物なんて嫌。今の私でも何かの役に立てるかもしれないし。
 それに、目と耳は多い方がいいでしょ?なるべく足を引っ張らないようがんばるわ。」

「あとクドリャフカさん、貸してもらってた【一坪の聖域】なんだけど・・・あれね、実はロッ」
リリアーナは慌てて口元を抑えた。
「・・・落としちゃった。ごめんね〜」

メラルは隠し通路に関する危険性を示唆した。
クドリャフカがアンジェリーナについて知っていることを話してくれた。これで少しはメラルも安心しただろうか。
>「まあ、そんなわけでこの秘密通路は安全だとおもうんよ。あのメイドさん敵と思えんし。
>あとは愛の力じゃろ。」
「べ・・・別にクドリャフカさんが倒れてたって同じことしたんだからね!友達だもん!!だからそれ消して!!」
真っ赤な顔をしたリリアーナが幻灯機を奪い取ろうと躍起になった。

う〜っと唸っていたリリアーナだが、メラルの視線に気づき居住まいを正した。コホンと咳払いをする。
「ま・・・まあクドリャフカさんの言うとおり、信用してもいいんじゃないかな〜。ほら、見てこれ」
リリアーナは、変身薬に同封されていたロックの手紙を見せた。
「フォルティシモはね、ロックの宝物なのよ。
 そりゃもう賛美の言葉なんか聞いててこっちが恥ずかしくなるくらい!そうよね、フリージア?
 でね、ロックがそこまで大事な箒を貸すくらいなんだから、きっと良い人なんだと思うの。・・・まあ勘なんだけど」
メラルにじっと見つめられて、リリアーナはぽんと手を叩いた。
「そうだわ、メラルさんの占いに頼るって手もあるわよね!
 棒倒しとか靴蹴り占いとか、すぐに結果が出る占いってないのかしら〜?」
いくら占いを教科選択していないからといって、あんまりといえばあんまりな言い草である。

リリアーナは立てロールが乱れているフリージアを心配そうに覗き込む。
「ねえ、まだ痛む?薬草セットでよかったら使ってみる?
 「それにしてもフリージアが魔法攻撃を食らうなんて。アンジェリーナの動体視力って凄いのね」
ギズモに叩かれた頬が一番痛そうなのは、多分気のせいだろう。
リリアーナはフリージアに無理やり肩を貸すと、残りの階段を上り始めた。

二階(といっていいのか分からないが)には、赤絨毯の廊下が延びていた。
古城を思わせる長い重厚な廊下には、なぜか扉がひとつも無かった。
壁にはアンティーク調の人物画が掛けられ、所々には彫刻や甲冑が飾ってある。
「なんか・・・薄気味悪いわね。またさっきみたいに魔法陣を探さなきゃいけないのかしら?」
リリアーナはきょろきょろしつつ、長い廊下に足を踏み入れようとした。

188 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/26(木) 12:54:15 0
>181>185
>「大丈夫?!この指見える?何本か分かる?
>ついさっき、ギズモが気絶したフリージアを担いでここまで運んだ>のよ、あとでたくさん誉めてあげてね」
「え、リリアーナさん・・・指は5本ありますわ。そうでしたのありがとうねギズモちゃん」
>「痛いところとか、調子が悪い所があったら今のうちに教えてね。
>…と言っても、回復は自分自身でしたほうが良さそうだけど…。」
「もう大丈夫ですわ。相手も手加減はしてくれたみたいですし」
「といってもアケローン河を渡りかけましけどね」と付け加えた
>「…一つ聞きたいんだけど、皆はこの通路、どう思っているの?…私には少なくとも
>ただ安全に進めるだけの秘密通路…とは思えないのよ。むしろ、罠だと思ってる。
>もし安全に進める通路だったら、攻撃までして私達を止めようとしたあの人がわざわざその道を開いたのも、
>今も私達に対して積極的な追撃をしようともせず、レイド先生を優先するのは変な気がするのよ。
>後者はレイド先生の実力のおかげと言う可能性も多分にあるけどね。」
とメラル
>「屋上に何があって、何がおるのかはわからんが、引き返してどうなるわけでもなあし、ここまできたら行く

>道は一つじゃと思うけどね。」
とくドリャフカは答えた
「罠なら罠で踏み潰せばいいのよ」
それを受けたフリージアはこう返した
>187
>「フォルティシモはね、ロックの宝物なのよ。
>そりゃもう賛美の言葉なんか聞いててこっちが恥ずかしくなるくらい!そうよね、フリージア?
「ええあれは結構すごかったですわね」
思い出し顔が真っ赤になるフリージア
>「ねえ、まだ痛む?薬草セットでよかったら使ってみる?
>「それにしてもフリージアが魔法攻撃を食らうなんて。アンジェリーナの動体視力って凄いのね」
「あれはちょっと油断してただけですわ」
と薬草をはみはみしながら答えるフリージア
ちょっとか?

次の階に上ったフリージアは
大量の絵や彫刻や鎧を目撃した
「気をつけなさいまし!鎧や彫刻が襲ってきたり、絵の人物が襲い掛かってくるかも知れませんわ!!」
警告するフリージア・・・考えすぎだ
すでに周りには雪の結晶が浮かんでいる
警戒しすぎである

189 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/26(木) 20:13:53 O
>185-188
隠し通路は間違いなく安全であった。
ただし、決して安全には見えない安全な道なのだ。
この通路にはボグマンというモンスターがいるのである。
ボグマンは危険なモンスターではないがやっかいである。
何故なら彼等は前に立つ人間が最も恐いと思うモノに姿を変えるからである。
早速四人の前にボグマンが現れた。
このボグマンは誰の恐いモノになったのだろうか?

190 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/26(木) 22:03:56 O
>183->184アンジェの昔話は中断された。
目を覚ましたロックがアンジェを塔の外へ吹き飛ばしてしまったからだ。
>「ほっときましょう」
ロックは杖を振り、空間を裂く。
>「早く塔の頂上へ行かなければなりません。
急ぎましょう先生。」
>「近道ですよ。先生。」
空間の裂目に入った俺はロックの顔をぶん殴った。
学校ならアウトだな。
「何故彼女を吹き飛ばしたんだ?
あそこまでする必要は無かった筈だ。」
俺は未だに信じられない。
ロックは女性に対してそんな事をするような奴じゃないと思っていたからな。

191 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/04/28(土) 10:02:04 0
>189
「お、おばあさま!?死んだはずじゃ!?」

目の前に現れたのは鎧の化け物でも動く彫像でも
絵に潜む吸血鬼でもなく死んだはずの
そしてフリージアの一番苦手とした祖母であった
恐慌状態に陥るフリージア
あまりの恐怖に思わず今まで浮かべていた雪の結晶を

「キィィィヤァァァ!!」

と叫びながら全部打ち込んだ
フリージア幻とはいえ自分の祖母にそれはないだろ・・・

「入れ歯が・・・入れ歯が」
とうめき続けるフリージア
いったい何があったんだ?
実はフリージアがまだ小さいときに
何かの拍子に大笑いした祖母が入れ歯を飛ばし
それがフリージアの頭に突き刺さったため
トラウマになったのである

192 名前:ロック? ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/28(土) 16:29:36 O
>>190
> 「何故彼女を吹き飛ばしたんだ?
> あそこまでする必要は無かった筈だ。」
「先生、彼女は俺の敵ですよ?
そんなにあの人間モドキが気に入ったんですか?」
ロックは少し笑いながら殴られた部位をさすってみせた。
痛みを感じるのも久しぶりだ。
「それともあの昔話の続きがそんなに知りたいと?」


「10年前、その子供は母親に連れられてこの学園にやって来た。
ここで魔法を学ぶため…でもそれは真っ赤な嘘だ。
本当は別の目的のために彼はこの学園にやって来た。
しかし、あの忌々しい学園長はその子供の正体に気づいた。
彼が転生した闇の魔法使いマリアベルであると。
学園長は彼の記憶を抹消しこの学園に置いた。
ロック・ウィルと言う名前をつけてな。
…そうだよ、俺がマリアベル・ホワイトだ!」


193 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/04/29(日) 19:45:03 0
>189 >191
>「お、おばあさま!?死んだはずじゃ!?」 
現れた人物の姿を認めた途端、フリージアは恐慌状態に陥った。
彼女は警戒用に浮かべていた雪の結晶を、全て相手に打ち込んでしまった。

ニセモノが立っていた場所は白い冷気が立ち込めていて良く見えない。
「フリージア落ち着いて、もしそれが本当なら、今現れた貴女のおばあ様はニセモノってことよ!」
>「入れ歯が・・・入れ歯が」 
フリージアはうわごとのようにうめき続けていた。
心配そうにその様子を見ていたリリアーナは、何を思ったのかぎゅっとフリージアを抱きしめる。
「フリージア可哀想に。辛かったでしょう。
 亡くなった大切な人の姿を真似て動揺を誘うなんて・・・なんて卑怯なの!許せない!
 フリージア、貴女は目を閉じていて!」
リリアーナは怒りに任せてロックバスターを乱射した。

数発撃ち込んだところで、何か重いものが落下し、倒れる音がした。
思わずフリージアと顔を見合わせる。
「い・・・今の何?」
そういえば・・・ニセモノが立っていたあたりの壁には、扉5、6枚分はありそうな絵画が掛かっていたはずだ。
今の銃撃で落ちたのだろうか。
(ニセモノが今のに巻き込まれて、下敷きになっちゃえばいいのに!)

視界が戻ってきた。。
「もし敵の姿が見えなければ、このまま一気に駆け抜けちゃいましょう!」
とにかく一刻も早くこの場を離れたかった。
密林のモンスターと同じ習性なら、おそらく魔法陣を超えてまで追ってはこないはずだ。
(肉親そっくりの相手と戦うのは、フリージアとしても辛いわよね)
フリージアの事情を全く知らないリリアーナは、そんなことを考えていた。

194 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/04/29(日) 20:40:26 0
クドリャフカが幻灯機を取り出し、妙に傾向が偏った映像が映し出された。
いつの間に取ったのかと言う疑問は当然の如く浮かんだが、
使い魔でもいたのだろうと頭の中で自己完結した。


メラルの質問にクドリャフカが答えた。
どうやら一度会っていて、助言までもらったようだ。
そして、その助言は嘘ではなかったようなのだ。
だから信用できる。この通路も罠ではない。そう言ったのだ。
更にリリアーナも信用できそうだという材料を出してくる。
フリージアは…発言を聞く限りでは力技で解決するつもりのようだ。
(…なるほどね…。これじゃ二人が信用しようとするのは無理もないわね。
フリージアもこの調子じゃ止められそうに無いし、仕方ないわね。)
そして、その後でリリアーナが占うという案を出してきた。
メラルがそれに答える。
「…無理ね。棒倒しは基本的にダウジングの類だし、靴のは…実際にあるのかもしれないけど
 少なくとも私は、俗説や迷信の類で言われている事しか知らないわ。」
そして、少し間をおいて言った。表情にも出さずに本心を隠して。
「個人的には、たとえ罠が無くても上に行くのは危険すぎる気がするから反対なんだけど…
 空間にあそこまでの細工がされている状態じゃ、そもそも常識が通用するかも怪しいし…
 なら、確かにこのイレギュラーを利用するのもありかもしれないわね。」
(…不本意だけど、私は…止められない以上一緒に行くしかないのよ。この状況だと。)
そう言うと、階段を上りだした皆についていった。


階段を上りきった所に、赤絨毯の廊下が延びていた。扉が一つもなく、
壁にはアンティーク調の人物画が掛けられ、所々には彫刻や甲冑が飾ってある。
それを見てリリアーナが言った。
>「なんか・・・薄気味悪いわね。またさっきみたいに魔法陣を探さなきゃいけないのかしら?」
「それに、この直線通路…ここで戦闘になったら面倒よね。…逃げるのはまず無理だから。」

>「気をつけなさいまし!鎧や彫刻が襲ってきたり、絵の人物が襲い掛かってくるかも知れませんわ!!」
(そういう、それこそ簡単に量産できそうな相手だったら、私達の力ならまだ
 そこまで怖くも無さそうだけど、純粋なトラップは逆に怖いのよね。。)
「似たようなパターンとして、石像が火を吹いたりするのもあったわね。」
そして、目の前に人らしき者が近づいているのに気がついた。そちらの方を警戒して見ていると
姿がしっかり見えるようになってきた所でフリージアがその相手を死んだはずの祖母だと言い、
叫び声をあげた。そして相手にありったけの氷の結晶を放つ。
「…ずいぶんと複雑な事情がありそうね。あなたの家系には…。それはともかく…」
それを見て、一部誤解があるものの、フリージアが攻撃した以上
攻撃して問題無さそうだと踏んだメラルは、フリージアの妙なうわ言は
一切考慮に入れずに、とりあえず目の前の…敵らしき相手の様子を伺っていた。
もちろん、何時でも術の詠唱、行使が出来るように最大限の警戒をして、だ。

だが…相手が動きを見せるより前に、リリアーナが相手に対し激怒。
ロックバスターの連射を仕掛けたのだ。そして数発撃ち込んだところで、
何か重いものが落下し、倒れる音がした。 巨大な絵画が倒れたのだ。
リリアーナが一気に駆け抜ける事を提案する。それをメラルがあわてて静止する。
聞く人によってはいささか慎重に過ぎるような気がするかもしれないが…。
>「もし敵の姿が見えなければ、このまま一気に駆け抜けちゃいましょう!」
「待って!後ろから追撃でもされたら下手したら全滅するわよ?
 後ろを気にせず駆け抜けて行くなら、少なくとも…
 確実に意識を奪ってからよ。姿が見えないからって、
 相手が空間にまで手を出せる以上絶対にいないとは限らないわ!」
そう言いながらメラルがゆっくり前に出た。もし意識があったら
即座に攻撃を仕掛けられるように、再度術の詠唱を始めながら。


195 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/04/29(日) 22:29:59 0
「すまんの、これは預かりモンじゃけえ勝手はでけんのよ。」
必死に幻灯機に手を伸ばすリリアーナを躱しながら、申し訳なさそうに説明を始める。
これは幻術科の友人から託された幻灯機だと。
『重要シーン自動録画機能付き』というシールが貼ってあるのだが、『重要』の部分のシールが少しはがれ、『面白シーン』の文字が見え隠れしていた。

そんなこんなで通路を行くと、一人の老婆が突然現れフリージアは恐慌状態に陥る。
どうやら死んだはずの祖母らしい。
パニックに陥ったフリージアは意味不明な言葉と共に雪の結晶を打ち込み、リリアーナもロックバスターを乱射している。
「お待ちんさい、メラルさんの言う通りじゃけえの。」
このまま突っ切ろうとするリリアーナの襟をひょいとつまみ、後ろに下がらせる。
「ん〜今のフリージアさんのお婆様?ありゃ幻術の類じゃろ。
人の心理を読み取り、恐怖対象の映像を見せたりするってのはようしっとる。」
しみじみという言葉の裏には、同じ穴の狢をよく知っている。という雰囲気がにじみ出ていた。
それもそのはず、その狢の顔がしっかりとクドリャフカの脳裏には浮かんでいた。
幻灯機をクドリャフカに託したのもその人物なのであるが・・・。

「なんにしても、このまま突っ切るのは無謀。とはいえ、のんびり慎重にいっとる時間も私らにゃああらせんからの。
ここはひとつ、任せてつかぁさい。」
そういいながらスカートをばさばさと振ると、中からキラキラと輝くものが大量に溢れ出る。
よく見ればそれは銀色の紙?否、薄い金属製の板だった。
1センチ四方のそれは、クドリャフカの鉄扇によって通路の置くまで行き届く。
「こりゃぁサラマンダーの鱗っちゅう、きょうび発見された金属じゃ。
やらこぉて、鎧やらにゃぁでけんじゃが、ぶちいなげな特徴があるんじゃ。」
それはこの世界ではまだ余り知られていないマグネシウム片である。

「罠や危険があるのなら一々引っかかっておらんで、これで一度に全部引き起こせるじゃろ。
メラルさんやリリアーナさんはこういうの詳しそうじゃし、私のやろうとしている事わかるかの?
私はこれを火角結界ちゅうとる。延焼はせんが、結界内はみんな消し炭じゃぁ!」
攻撃呪文でもない、着火魔法を唱えると、通路に充満するサラマンダーの鱗の一枚が化学反応を起こし、閃光を放つ。
あとは連鎖反応で、クドリャフカたちの前に続く通路全体が凄まじい熱量と光量に満たされる。
「燃焼時間は数秒じゃ。熱に強い奴もおるかもしれんが、あとはメラルさんの呪文で冷却すれば温度差もあって完璧じゃろ。」
閃光に照らされながら、クドリャフカの大雑把な罠一網打尽攻撃が完了した。

196 名前:マリアベル ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/04/30(月) 13:43:05 O
「さて、レイド先生。
俺の事を話したのですから、今度はあなたの事が聞きたいですね。」
ロック改めマリアベルはレイドの周りをゆっくり歩き始めた。
「あんたはギルハートが倒した教師達とは明らかに違うみたいだ。
…先生、あんたは本当は俺と同類なんじゃないんですか?」
レイドの後ろまで回ってマリアベルは歩みを止めた。
「先生、なにも同類同士争う事はないじゃありませんか。
俺達は互いに協力していける素質がある。
あんたはきっとすばらしい闇の魔法使いになるだろう。
…いや、それともあんたはもともとは闇の魔法使いなのか?」
当然ながらレイドはマリアベルに協力する気は無い。
その旨を聞いたマリアベルは
「…ここにずっといればその気持ちも変わるでしょう。」
そう言って一人でその空間から出ていってしまった。
さらに空間の出入口を塞ぐマリアベル。
レイドを謎の空間に閉じ込めてしまったのだ。

197 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/30(月) 22:36:32 O
>192>「先生、彼女は俺の敵ですよ?
そんなにあの人間モドキが気に入ったんですか?」
「お前っ…!!」
俺が話すより先にロックが話始める。
>「それともあの昔話の続きがそんなに知りたいと?」
>「10年前、その子供は母親に連れられてこの学園にやって来た。
ここで魔法を学ぶため…でもそれは真っ赤な嘘だ。
本当は別の目的のために彼はこの学園にやって来た。
しかし、あの忌々しい学園長はその子供の正体に気づいた。
彼が転生した闇の魔法使いマリアベルであると。
学園長は彼の記憶を抹消しこの学園に置いた。
ロック・ウィルと言う名前をつけてな。
…そうだよ、俺がマリアベル・ホワイトだ!」
なるほどね。
やっと大体の事情というか状況が把握出来てきたぜ。
>196>「さて、レイド先生。
俺の事を話したのですから、今度はあなたの事が聞きたいですね。」
ロック…いや、マリアベルは俺の周りを歩き始めた。
「俺は自分の過去を語るのはあまり好きじゃないんだがね。
輝かしい栄光も無いし。
後ろめたい事だらけだ。」

198 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/04/30(月) 22:37:36 O
>「あんたはギルハートが倒した教師達とは明らかに違うみたいだ。
…先生、あんたは本当は俺と同類なんじゃないんですか?」
>「先生、なにも同類同士争う事はないじゃありませんか。
俺達は互いに協力していける素質がある。
あんたはきっとすばらしい闇の魔法使いになるだろう。
…いや、それともあんたはもともとは闇の魔法使いなのか?」
何か勝手に同類扱いされてるし。
まぁ、完全に同類じゃないとは言い切れないがね。
「勝手に同類にするなよ。
さっき悪魔にも同じような事言われてショック受けてんだ。
ついでに、お前のお誘いはお断りだ。他の奴を当たってくれ。
闇の世界に生きるのはもう疲れたんだよ。」
>「…ここにずっといればその気持ちも変わるでしょう。」
そう言うとマリアベルは空間から出る。
オマケに戸締まりまでしてくれた。
困った、これは困った。
「しょうがない…一休みするか。」
俺は謎の空間で昼寝を始めた。

199 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/01(火) 10:18:45 0
>193>194>195
リリアーナのおかげで落ち着くことが出来たフリージア
「偽者・・・ですわよね。もうジルベリアには登らないでいいのですわね
 逃げようとしたら入れ歯が飛んでくるなんてことはないですわね!!」
幼少の頃、祖母にジルベリアの雪山で修行させられて
そこから逃げようとしたら入れ歯が飛んでくるという恐怖体験をしたために
フリージアのトラウマになったのだ

ふと横を見るとメラルが呪文を唱えており
前を見るとバチバチと音を立てながら目の前がすごい勢いで光っていた
何が起こっているのかというとマグネシウムが燃えているのだが
フリージアにはそれが判らない

「本物だったらこれぐらいでは死なないですわ
この様子だとどうやらリリアーナさんの言うとおり偽者みたいですわね」

まあもし仮に本当に生きていたとしてもこんな塔にいるはずがない
それにフリージアは確かに亡くなった祖母が氷の棺に納められたのも見たし
ジルベリアの海の底に沈められるのも見たはずなのだ
祖母の死因は聖霊力の異常で心臓が凍りつくという病気であった
フリージアの母親も同じ病で祖母より何年か後に亡くなったのだが
今はその病気も特効薬が出来たおかげで死ぬものはいなくなりつつある

「もうちょっと待って火が消えたら先に進みましょう」
そんな思いを振り切ってフリージアはそう言うのであった

200 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/01(火) 18:10:46 0
>「待って!後ろから追撃でもされたら下手したら全滅するわよ?
>「お待ちんさい、メラルさんの言う通りじゃけえの。」
クドリャフカに襟首を捕まれ、リリアーナはひょいと後列へと戻された。
「・・・・・・にゃ〜・・・」
リリアーナの猫耳がしょんぼりと垂れた。

フリージアはリリアーナの説明に、少し落ち着きを取り戻したようだった。
>「偽者・・・ですわよね。もうジルベリアには登らないでいいのですわね
> 逃げようとしたら入れ歯が飛んでくるなんてことはないですわね!!」
・・・・・・一体どういうおばあ様だったの?と内心頭を抱えたが、そんな事はおくびにも出さない。
「大丈夫よ〜。ここはジルべリアじゃないし、あのおばあ様は別人だもの!」
リリアーナは力強く頷いた。

ぱっと前方から派手な炎が上がった。
ちょうどクドリャフカが火角結界で罠を一網打尽にしているところだった。
「すごいわ、こんな燃え方するなんて!サラマンダーの鱗って本当に不思議ね!」
今のところ敵の気配は無い。
フリージアは燃え盛る炎を眺めながら、ぽつりと呟く。
>「本物だったらこれぐらいでは死なないですわ
>この様子だとどうやらリリアーナさんの言うとおり偽者みたいですわね」
フリージアはホッとした顔をしていたが、どことなく寂しげだった。
リリアーナは元気付けるようにぽんぽんとフリージアの背をたたいた。
「今度の長期休暇に、ジルベリアへお墓参りに帰るっていうのはどう?
 きっと本物のおばあ様もお喜びになると思うわ」

炎が消えた後には、何もかもが黒焦げになっていた。
あたりを警戒しつつ先に進むが、気抜けするほど何も現れない。
「やっぱり今の炎で消し飛んじゃったのかしらね?」
だがメラルは警戒を解いていない。それを目の当たりにし、リリアーナも表情を引き締めた。

幾つかの角を曲がると、思ったとおり見覚えのある魔法陣が描かれていた。
多分これも転移装置だろう。
全員が魔法陣の上に乗ったところで、リリアーナは不安そうに今来た道を振り返った。
「・・・遅いわねぇ、レイド先生」
レイドがアンジェリーナ相手に遅れをとるとも思えないのだが・・・。

「皆、どうする?もう少しレイド先生を待ってみ・・・あっ!!」
ぽん!とギズモがフリージアの頭からダイブした。
止める暇もあればこそ。
グレムリンは、しっかり魔法陣の中央部分に着地していた。
魔法陣がまばゆい光を放った。
「うそー!!こ・・・こっちにだって心の準備ってものが―――― !!」

201 名前:ロックになりきれ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/01(火) 20:29:30 O
マリアベルは廃墟と化した街に一人立っていた。
この街も塔の中に存在する“俺の思い出”の一つだ。
マリアベルの胸に懐かしさと哀しさが溢れる。
俺の生まれたこの街は、戦争によって生命の輝きを失ってしまった。
気づいた時には母は灰となってしまった。
俺を救ったのは黒い猫だった。
>「…憎いか?少年」
「………」
>「君は何がしたい?」
「あいつらを…ぐちゃぐちゃにしてやりたい!」
俺の人生はこの時決まった。
>「息子よ…知りたければ教えてやろう。
制裁の呪文を。」
マリアベルは思い出を楽しみ終わると深いため息をついた。
マリアベルはギルハートからもらった箱を取り出した。
深い飴色の樫の木に金細工で飾られたその箱の中身は杖と…え?
あるはずの物がない。俺の母を模した人形がなくなっている。
マリアベルはがらにもなく慌てた。
その時だった。見たことがある顔達が俺に近づいてきたのは。
「…やあ」
マリアベルはとりあえずロックになりきることにした。

202 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/01(火) 21:12:02 0
>「ん〜今のフリージアさんのお婆様?ありゃ幻術の類じゃろ。
> 人の心理を読み取り、恐怖対象の映像を見せたりするってのはようしっとる。」
>「偽者・・・ですわよね。もうジルベリアには登らないでいいのですわね
> 逃げようとしたら入れ歯が飛んでくるなんてことはないですわね!!」
「…幻影を…"見せる"…言われてみれば確かに、一番ありそうなパターンよね。」
(リリアーナさんを止めてくれたのは良いけど…
 でも、何かが引っかかる…。何かを忘れている…?)
少しだけ考えていたが、フリージアの発言の内容に気を取られて考えるのをやめたようだ。
 「…入れ歯が飛んでくるって…想像すらつかないわね。」

クドリャフカが任せるように言うと、前に出て金属製の板を散布し出す。
メラルにはどこか嫌な予感がした。その嫌な予感はクドリャフカの発言で確信に至る。
>「こりゃぁサラマンダーの鱗っちゅう、きょうび発見された金属じゃ。
> やらこぉて、鎧やらにゃぁでけんじゃが、ぶちいなげな特徴があるんじゃ。」
(やっぱり、炎関連…。苦手なのよね…火は。ここまでばら撒く以上やる事も大体想像はつくし…
しかも有効なのが逆に困るのよね。…仕方ないわ。私は火に弱すぎるし…
 ここは術を切り替えて…、)
メラルが術の詠唱を止め、別の術を唱えだす。
>「罠や危険があるのなら一々引っかかっておらんで、これで一度に全部引き起こせるじゃろ。
>メラルさんやリリアーナさんはこういうの詳しそうじゃし、私のやろうとしている事わかるかの?
>私はこれを火角結界ちゅうとる。延焼はせんが、結界内はみんな消し炭じゃぁ!」
「…冷却。」
延焼はしない、という一点に密かに安堵の溜息をついて術を唱え続け…クドリャフカの術をきっかけに
最初の爆発を引き起こし、それが二次連鎖を起こし、広がり始めたタイミングで術を放った。
自らの周囲に冷気を放出し、眼前の炎による周囲への熱の余波を軽減する。

そして、概ねその余波が収まりつつある時、周囲を見回してみた。
周囲は黒こげで敵もいないように見える。半ば安堵してフリージアの発言に同意する。
「そうね。これだけの威力なら、幾らなんでも大丈夫そうだけど…。」
口ではそう言い、実際にそう思いつつも、メラル自身妙な引っ掛かりを覚えていた。
そしてその引っ掛かりがメラルの周囲への強い警戒を解かせない。
(…ん?また…。何かが引っかかるような…。)
そのまま、皆についていく形で歩を進め始めた。

そして皆が魔法陣の近くに到着する。その頃には、先程の違和感の原因も大体は理解していた。
(……そもそも、幻影だったら…その幻影を作った術師がいるはずなのよね。それを考えると…
背後には…まだ気をつけた方が良さそうね。)
>「皆、どうする?もう少しレイド先生を待ってみ・・・あっ!!」
(もちろん、待つに越した事は……!)
リリアーナの言葉に、返答する内容を頭で巡らせていると…グレムリンが中央にダイブした。
そのままメラルも転移に巻き込まれる。
「……こういうイレギュラーだけは勘弁して欲しいわね…。」
ぼやくように言うと、そのまま転移したようだ。


転移先で周囲を見回すと…ロックが見えた。
(…妙ね…。先に来るなんて無さそうなのに…。)
少し警戒しつつも、もう少し近づくと、ロックが声をかけてきた。
>「やぁ。」
ありえない。、メラルはその声を聞いてすぐにそう思った。
リリアーナは、ロックが一人で先行した様子を聞いている。
その情報だけでも、ロックがここまで落ち着いた声を出すような
状況であるとは到底考えられない。そして、もう一つ。
そもそもロックは気絶していたはずである。意識を取り戻して
ここに先行するにしてもレイド先生がいないのは不自然なのだ。
独力で先行した可能性もない訳ではないが、二つ揃ったならば
疑う価値は多分にあるし、そもそもメラルはそこそこ根拠のある
疑いがある時は強く警戒する…良く言えば慎重、悪く言えば臆病な性格である。
当然…この状況では強く警戒しているようで、面と向かって言い放った。
「…不自然ね。さっきの事もあるし…あなた、本物なの?」

203 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/01(火) 22:29:22 0
>もうジルベリアには登らないでいいのですわね
サラマンダーの鱗の閃光に照らされながら呟くフリージアの言葉にピクリと反応をする。
「おお、フリージアさんはシルベリアの出身じゃったかいの。
私はその東隣のババロフスクの出身なんですよ。」
思いがけず同地方であった事を知り、嬉しそうに話しかける。
フリージアはなにやらトラウマになっているようだし、クドリャフカにとっても余りいい思い出のある故郷ではないが、それでも共通点があるというのは嬉しいものだ。
のんきに話しかけているが、その裏でメラルが苦労していた事など全然気付けないでいた。

『消毒』が終わり、通路を進むと魔法陣が出現する。
さてどうしたものか、と考える暇も無くギズモとリリアーナが魔法陣に入ってしまい、メラルと同様、クドリャフカもそのまま転移する事となった。
「・・・やあ」
転移先に待っていたのはロックだった。
「ロックさん?近道でもあったんけ?」
>「…不自然ね。さっきの事もあるし…あなた、本物なの?」
何の疑いも無く歩み寄ろうとしたその足を止めたのはメラルの声だった。
すっかり警戒を解いていたクドリャフカの脳裏に、変身魔法・偽ロック・大恥などというキーワードが一気に回転し、足を止めたのだ。
「あぶなあのぉ。また騙されるところじゃったわ。」
表情から柔らかさが消え、『敵』を見る目に変わる。
距離を保ったまま、特に動きは見せはしないが、クドリャフカのスカートからはサラマンダーの鱗が音も無く溢れ、ロックに纏わり付こうと浮遊する。

「さて、聞いたところで判別法があるわけでも無し、ここはひとつ愛の力にでも頼ってみようかの・・・!」
ひょいとリリアーナの襟を抓んでロックへと突きつける。
「リリィさん、頼むけえね。」
ロックが本物か偽者かの判断を委ねると共に、サラマンダーの鱗の散布が終わるまで注意を逸らすという側面も込めて、だ。

204 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/02(水) 16:29:55 0
魔法陣の光が薄れ、転移が完了する。

次は廃墟の街だった。
密林がそうだったように、この街にも空があった。だがそれは、いつも見上げる空の色では無かった。
ここもフィジル島を模したものでは無いようだ。
「密林に聖堂、今度は戦禍を被った街?これっていったい何の符号かしらね?」
燃え落ちた家の残骸を眺めながらリリアーナは呟いた。

前を歩いていたクドリャフカが突然立ち止まった。
「な、何〜?」
>「・・・やあ」
転移先に待っていたのはロックだった。
>「ロックさん?近道でもあったんけ?」
>「…不自然ね。さっきの事もあるし…あなた、本物なの?」
そういえば変だった。
もしロックなら、こんなとき悠長に挨拶なんてしない。
「何で来たんだ!」と起こるか、「大丈夫なのか?」と無事を確認するはずだった。
(極めつけは4人中3人もが猫耳をつけているのに、突っ込みも無い!!)

>201-203
クドリャフカはすっかりロックを警戒したようだ。
さっきの火角結界を再びひき起こすために、サラマンダーの鱗を浮遊させている。
「ちょ・・・ちょっと待ってよ。まだロックが偽者と決まったわけじゃないわ。そうよね皆!?」
今にも燃やしそうな雰囲気に慌ててフリージア達に同意を求める。
クドリャフカがくるりと振り向いた。
>「さて、聞いたところで判別法があるわけでも無し、ここはひとつ愛の力にでも頼ってみようかの・・・!」
猫の子よろしく襟首を捕まれたリリアーナは、ぷらんと宙に浮いた。
>「リリィさん、頼むけえね。」
「・・・ニャ〜!!(怒)」
またまた猫扱いされたリリアーナはぷうっと膨れた。

ようやく地面に降りたリリアーナは、困ったように首を傾げた。
本物かどうか見分けろといわれても・・・どうみても外見はロックだ。
「マリアベルにはもう逢えたの?何にしても無事でよかったわ。
 それにしても私達より先にロックが着いちゃうなんて。一体どんな魔法を使ったの?」
それとも聖堂で倒れていたロックが偽者だったのだろうか?とてもそうは見えなかったのだが。

「ね・・・ねえ、一緒にいたはずのレイド先生とアンジェリーナはどこ?マリアベルにはもう会えた?」
リリアーナは落ちつかなげに猫耳をピコピコさせた。
なんだか尋問してるみたいで気が滅入る。

「・・・あ。そうだわ!これ預かってたの!」
リリアーナはごそごそとポケットを探ると、ロックの眼鏡を差し出した。

205 名前:ロックになりきれ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/02(水) 21:51:00 O
>202-204
>「ロックさん?近道でもあったんけ?」
「ああ、近道を通って来たんだ。」
嘘ではない。
>「…不自然ね。さっきの事もあるし…あなた、本物なの?」
「当たり前だろ?俺はロックだぜ。
………君は誰?」
これも嘘ではない。精神的な事を除けば俺はロックでもある。
この子は誰かな?前に顔は見たことがあるな。
俺の体の周りに何かが浮いてる…まあ、大した問題ではないな。
> 「マリアベルにはもう逢えたの?何にしても無事でよかったわ。」
「ああ、ありがとう。」
> 「それにしても私達より先にロックが着いちゃうなんて。一体どんな魔法を使ったの?」
「空間を…チョコチョコッとな…」
マリアベルは曖昧に答えた。
> 「ね・・・ねえ、一緒にいたはずのレイド先生とアンジェリーナはどこ?マリアベルにはもう会えた?」 「レイド先生は…アンジェリーナとの闘いで…疲れたから休んでいるよ。」
嘘である。実際は俺が彼を監禁している。
「アンジェリーナは撤退したよ…うん。」
半分は本当かな?
「俺は…」
マリアベルに会ったよ、と言う前にリリアーナは
> 「・・・あ。そうだわ!これ預かってたの!」
と言って眼鏡を差し出した。
あまり嬉しく無い。
「ありがとう、リリアーナ。」
俺はリリアーナと二人きりで話しをしたいと思った。
「なぁ、この街は広い。
次のエリアへ進むための魔法陣を探さないといけないが……
二手に分かれて探さないか?」


206 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/03(木) 23:01:06 0
>205
「二手ですって?だったらギズモちゃんもいるから一応3人と3人・・・・
 と言うのは微妙ですけど3対3で分かれられますわ」
こんな非常事態でも男女を二人きりにするのはまずいと思ったフリージアはそう提案したのだった

「まあ氷属性がかぶるからメラルさんとは別チームでお願いするわね」
とリリアーナにチームわけを頼む
別にメラルのことが嫌いなわけではない
それにロックへの疑いには共感できるものも有る
があえて一緒のチームを断るフリージア
>203
「それと接近戦が得意なのは・・・私とクドリャフカさんですわ
 だからクドリャフカさんとも分けた方が良いですわね」
とそれっぽいことを言うフリージア
クドリャフカのことも嫌いなわけではない
故郷が近いと判って親近感を持ち少し仲良くなったぐらいだ
それでも一緒は駄目だというフリージア

「となると・・・」
ちらりとリリアーナに判断を仰ぐフリージア
どうやらどうしてもロックとリリアーナを二人きりにしたくないようである

207 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/04(金) 07:01:51 0
>205
ロックの返答は実に落ち着いたものだった。
言動に特に疑わしい点もない。ただ、なんとなく違和感を感じる程度だ。
本物と偽者の区別もつかないなんて、と内心で落ち込んだ。

(そういえばロックは、どんなときも絶対眼鏡を外さなかったわよね)
卒業試験で眼鏡が壊れた時は、包帯を巻いてまで赤い目を隠していたのに。
「眼鏡、どうしてかけないの?」
ロックがもう目のことを気にしていないのなら、それはそれで構わないのだが。

>206
ロックは二手に分かれて魔法陣を探そうと提案した。
フリージアも賛成している。
「うん。じゃあフリージア、二手に分かれるときは私と一緒に来てね。
 でも3対3ってことは私とフリージアと・・・もう一人は誰にする?」
フリージアの頭の上では、ギズモが離れまいと必死でしがみ付いている。
リリアーナは困り顔で、ロックとギズモを交互に見つめた。

「ロック、魔法陣探しの前に、私達をレイド先生のところへ案内してくれない?
 だって、先生が疲れて休むなんてよっぽどのことだと思うの」
リリアーナはポーチの中にある回復アイテムの数を確認した。
「もしかしたら怪我をしているのに、心配かけまいと隠しているのかもしれないわ。
 だからレイド先生の顔を見て安心したいの。・・・ダメ?」

208 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/05/04(金) 09:26:03 0
とどろく轟音

209 名前:ロックになりきれ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/04(金) 18:46:49 O
>>206>>207
> 「眼鏡、どうしてかけないの?」
「…気にするな。」
そこは突っ込まれたくない。
> 「二手ですって?だったらギズモちゃんもいるから一応(中略)
>3対3で分かれられますわ」
「ん!?“ギズモちゃん”って何だ?」
> 「うん。じゃあフリージア、二手に分かれるときは私と一緒に来てね。
>  でも3対3ってことは私とフリージアと・・・もう一人は誰にする?」
フリージアの頭の上で離れまいと必死でしがみ付いているのがそれらしい。
「そんなの数に入れるんじゃない!!」
うっかり素が出てしまったが…まぁ、ロックでも言いそうなセリフだよな。
フリージアがこちらを睨んでいる。…気にはすまい。
今となっては君は恐くないのだよ。
> 「ロック、魔法陣探しの前に、私達をレイド先生のところへ案内してくれない?
>  だって、先生が疲れて休むなんてよっぽどのことだと思うの」
この娘は賢いのか?それともただの天然か?
なんでこうも俺にとって都合の悪い事を聞くかな。
> 「もしかしたら怪我をしているのに、心配かけまいと隠しているのかもしれないわ。
>  だからレイド先生の顔を見て安心したいの。・・・ダメ?」
「駄目だ!」
リリアーナは驚いた。いや、彼女だけではない。
パーティ全体が不審に感じている。
くそっ、また素が出てしまった。
そもそも俺になりきりなんて向いて無いんだ。
「…いやいや、ごめん、冗談だ。」
マリアベルは面倒だと思いつつも、杖で地面に円を描いた。


210 名前:ロックになりきれ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/04(金) 19:06:29 O
杖で円を描いた場所にある光景が浮かび上がってくる。
俺は内心焦っていた。
もし、レイドが休んでいるように見えなかったらどうしようか。
無理矢理閉じ込めているのだから魔導銃を乱射して暴れててもおかしくない。
そう、俺はレイドを閉じ込めている空間の光景を、
この円内に映そうとしているのだ。
>>198
レイドの様子が映るとマリアベルはほっとした。
マリアベルにとって非常に都合が良いことに、
レイドは気持ちよさそうに昼寝をしていた。
「は…ははは、大丈夫そうだろ?
心配して損しただろ?」
マリアベルは得意そうに言った。
「さ…さて、魔法陣を探そうぜ。
それで…俺はリリアーナと一緒のグループで良いのかな?」
これは譲れない。彼女は“あれ”を持っているはずだから。

211 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/04(金) 20:52:08 0
>「当たり前だろ?俺はロックだぜ。 ………君は誰?」
メラルの疑念に、ロックが答える。メラルもさしさわりの無い範囲で答えておいた。
「なら良いけど…。私?…メラル=エルディーンよ。」
(まぁ、…そう言うしかないわよね。でも、変に理屈を持ち出したりすれば
偽者だと確信できたのに、そうもいかないみたいね。…これで本物だったら
私はとんだピエロだけど。)
メラルはまだ過剰に追求を入れはしないようだ。内心はともかく…。

>「あぶなあのぉ。また騙されるところじゃったわ。」
クドリャフカがメラルの言葉で、ロックへの警戒心を露にする。
>「ちょ・・・ちょっと待ってよ。まだロックが偽者と決まったわけじゃないわ。そうよね皆!?」
そしてリリアーナも…全く疑っていないのなら出る訳もない、
…むしろ先走りを止めるような発言をする。
先程からリリアーナが猫扱いされているような感じなのが妙に気にかかるが、
それ所では無い状況なので、無用な突っ込み入れないようだ。

>「マリアベルにはもう逢えたの?何にしても無事でよかったわ。
 それにしても私達より先にロックが着いちゃうなんて。一体どんな魔法を使ったの?」
>「ね・・・ねえ、一緒にいたはずのレイド先生とアンジェリーナはどこ?マリアベルにはもう会えた?」
>「・・・あ。そうだわ!これ預かってたの!」
リリアーナがロックに質問をした上で眼鏡を返す。まぁ、眼鏡には大した意味は無さそうだが、
質問の答えは重要に思えた為、その会話に口を挟まず、聞いていた。
>「空間を…チョコチョコッとな…」
(…空間を…ずいぶんと簡単に言うわね…。でも、言えないような理由を
こういう言い方で誤魔化している可能性だってあるわ。)
>「レイド先生は…アンジェリーナとの闘いで、疲れたから休んでいるよ。」
(休んでいる…?それこそ妙ね。動けない、とかならともかく…。
大体、先生がそこまで消耗した状態で見捨てる事自体…。)
>「アンジェリーナは撤退したよ…うん。」
(…これは、そこまで妙でもないわ。でも…疑わしい所は幾らでもあるのに、決定打は無い…。)
この状況では動きにくい。その為、まだメラルは沈黙を保っている。
> 「眼鏡、どうしてかけないの?」
>「…気にするな。」
きっと、眼鏡はロックにとって何か意味がある物だったのだろう。
メラルはこのやり取りで、漠然とそれを感じた。

>「なぁ、この街は広い。 次のエリアへ進むための魔法陣を探さないといけないが……
  二手に分かれて探さないか?」
(…えっ!………ここは、如何するべきかしら。…あの危険を冒す覚悟は…)
メラルは一瞬驚いた表情をした。そして、再度考える。
>「二手ですって?だったらギズモちゃんもいるから一応3人と3人・・・・
> と言うのは微妙ですけど3対3で分かれられますわ」
> 「うん。じゃあフリージア、二手に分かれるときは私と一緒に来てね。
>  でも3対3ってことは私とフリージアと・・・もう一人は誰にする?」
>「そんなの数に入れるんじゃない!!」
フリージアがロックを睨んでいる。しかし、ここは一応フリージアを宥めておく。
「…戦力としては数えられないでしょ。」
個人的にメラルが今のロックの発言に大いに同意したい部分もあった事は…関係ない。多分。

212 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/04(金) 20:52:43 0
> 「もしかしたら怪我をしているのに、心配かけまいと隠しているのかもしれないわ。
>  だからレイド先生の顔を見て安心したいの。・・・ダメ?」
>「駄目だ!」
メラルは、素直にリリアーナの言葉を聞いて安心した。
(…検証の手段としてはかなり有効よね。…実際、また疑惑の種が出たし。)
そして、今まで疑っていたにも拘らず、周囲の中では疑惑というよりは
かなり冷めたような視線でロックを見ていた。すると…ロックが
レイド先生の状況を見せてくれた。それを見て、メラルは内心安心する。
(…恐らく決定打、ね。これで空間系の術が使えるのはまず間違いない。
しかも、事も無げに行っているようだし…そもそも、疲れて休んでいるのなら
例の聖堂にいないほうが不自然なのよ。そして、意見の変え方にしても
不自然だわ。…なら次は…時間を稼いで、得られるだけ情報を得る…。
恐らく今の状況じゃあ…堂々暴いても、どうにもならないわ。
そもそも、本人か部下かも判らない…。)
メラルは少なくとも、ロックではない、別の…強力な術師だと
言うことはほぼ確信したようだ。最も、それ以上…相手が
マリアベル本人かどうかまではまだわかっていないようではあるが、
少なくとも実力的に近いレベルの人間なのは判っているようだ。

>「は…ははは、大丈夫そうだろ? 心配して損しただろ?」
>「さ…さて、魔法陣を探そうぜ。 それで…俺はリリアーナと一緒のグループで良いのかな?」
「待って。」
メラルが制止する。
「…先生もいない状態で無闇に戦力を分散させても、危険が増すだけよ。
それこそ…今の全員で挑んでも分が悪そうな状況なんだから。
相手の実力は例の猫より上のはずだしね。」
元々提案には合理的理由以外に、メラルの個人的理由も大いに含まれるのだが、
ここではそれは伏せておく。そして、続けた。しかし
…あえて先生の居場所についてこれ以上自分からは追求しない。
他の皆が追求してくれそうな気がしたからだ。
「皆で一緒に探しましょう。それと…」
(少なくとも、こんな回りくどい事をする以上何か理由があるはず…。
なら…多分すぐには力技では仕掛けてこないわ。)
メラルが、比較的無防備にロックの方へ歩いていく。
そして言った。
「…変に疑ってごめんなさい。疑心暗鬼になってたみたい。」
メラルは、言動に矛盾を出しつつも、わざと謝った。
そもそも、密かに疑うのなら最初から堂々言うべきではない。
口に出したのに、謝るとすればそれは引いた振りをしたか実際に引いたかだが、
ここで引き下がる理由は殆ど無い。行動が、不自然なのだ。

そして、他の皆には口元が見えない、しかしロックにだけ見えるような位置で、
声には出さず口を動かした。
(彼、読唇術使えるといいけど…。使えなかったら…面倒ね。)
『…今は黙っててあげる。後で…聞きたいこともあるし。』
そして、ここで勝負に出た。相手の反応を見定めようとしつつ、口を動かす。
『構わないかしら?マリアベル。』

213 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/04(金) 22:09:50 0
愛し合うもの同士なら一目見れば相手が本物か偽者か分かるはず!
そんな夢見た根拠でリリアーナを突き出した。
勿論疑っているので、何かあればすぐに引き戻すつもりだった。
が、リリアーナ自身が降りてロックに依っていってしまったのでなんとも仕様がない。
これだけ近付かれてしまっては火角結界も使いようが無く、付与した魔法を解除してサラマンダーの鱗は床に力なく落ちることとなる。

もっとも、リリアーナがこれだけ近づきロックと会話しているという事は偽者ではないのだろう。
そうクドリャフカがそう判断するには十分だった。

その後レイドが昼寝している映像を見せられ、一安心。
二手に分かれて・・・という言葉にクドリャフカの眉毛がピクリと動く。
フリージアが選別方を考え、メラルは一緒に行く事を提案。
しかし、クドリャフカの目にはロックのリリアーナと一緒にいたいオーラがしっかりと映っていた。

「メラルさん、相手が強力なんはみんな十分しとるけぇの。
先走る人はいないじゃろう。魔法陣探すだけなら分かれたほうが効率がええもんよ。
魔法陣探して、合流。その頃にゃぁレイド先生も回復するじゃろうしのぉ。
馬に蹴られたく・・・ゲフンゲフン・・・私はロックさんとリリィさんの組と私達で別れるのんがええとおもうんよ。」

メラルとフリージアの後ろに立ち、二人の首に腕を巻きながらロックたちに聞こえないようにそっと囁く。

・・・「愛し合う二人じゃけぇ、邪魔しちゃ悪いよ。
・・・二人っきりにさせて、そっと私達があとを着けるんが女の友情っちゅうもんよ。」

状況の緊迫度も、マリアベルの思惑も、メラルの駆け引きもどこへやら。
ロックとリリアーナの恋愛全てを注ぐ女がそこにいた。

214 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 00:23:40 O
何分くらい寝たのかな?
なんか久々に昔の夢を見た。
暇だから昔話でもしようか。
あんまり昔話は好きじゃないんだけどな。

俺はいわゆる捨て子というやつだった。
両親の顔も知らずに8年間一人で過ごした。
生きる為に殺しも盗みもやった。
罪悪感は無かった。生きる為にはそれしか方法が無かったからな。
そんな生活をしているうちに一組の老夫婦と俺は出会った。
老夫婦は捨て子だった俺を快く拾ってくれた。
俺は老夫婦の優しさに触れていくうちに人間らしい感情を抱くようになっていった。

12、3歳くらいの時。
俺は悪魔や黒魔法に興味を持っていた為、ちょくちょく街の図書館でその類の本を借りて召喚魔法等の実験をしていた。
そして俺はついに悪魔の召喚に成功してしまったのだ。
その悪魔は上級の悪魔で強大な力を持っていた。
悪魔と契約を交わした俺は完全に闇の魔法使いとなり、子供とは思えない程の魔力を手に入れた。
その証が赤い目だ。
俺の赤い目は石化魔法や呪いを無効化する効果がある。
そして事件が起きた。

215 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 00:24:58 O
悪魔との契約を交わしてから1ヶ月。
突然俺の魔力は暴走を起こし、街を壊滅させてしまった。
俺を拾ってくれた老夫婦の命も俺が奪ってしまったのだ。
ボロボロになった街の中心で泣いている俺の前にあの悪魔が笑いながら現れた。
悪魔の話によると俺の魔力を暴走させ、街を壊滅させたのはその悪魔だったらしい。
悪魔にとって人間の負の感情、いわゆる怒りや悲しみ憎しみ等の感情は最高のエネルギーになるらしい。
そのエネルギーを得る為に俺に魔力を与え暴走させたのだ。
ホントに馬鹿な事をしたと思った。
悪魔との契約がこんなに恐ろしいものだとは思ってなかったからな。
絶望している俺の目の前から悪魔が消え、壊滅した街に俺だけが残った。
それからは地獄の日々だった。
赤い目を見られる度、人々からは気味悪がられ、嫌われた。
俺が髪を伸ばしている理由は赤い目を見られたくないからだ。
結局どこにも行く場所が無くなった俺は15の頃から裏の世界で生きるようになった。
俺の魔力は裏の世界でも十分通用した。

17の頃、ある仕事をしている途中で学園長に出会った。

216 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 00:26:48 O
仕事の内容は殺しだった。
いつも通りライフルの準備をしていると邪魔が入った。
その邪魔が学園長だった。
当時俺は自分の腕に絶対の自信を持っていた。
が、学園長には全く歯が立たなかった。
瞬殺だったね、まさに。
学園長が現れた理由は俺をスカウトする為だった。
この時俺は決心した。
この人の下で働いていつかこの人を越えようってな。
先生になる為に3年間必死で勉強した。
ホントに必死だったな、うん。

とまあ、そんなこんなで俺は先生になったってわけ。
さ〜てと、昔話ばっかりしてる訳にはいかないな。
どうしたもんかね、この状況。
どっかに出口が無いか…探すだけ無駄だろうな。
テレパシーでも使ってみるか。
でも誰に…
一番冷静なメラルにするか。
『あ〜もしもし?メラルちゃ〜ん?俺だよ、俺。
レイドだよ。元気してる?
……すまん、悪ノリし過ぎた。
え〜とだな、今俺はちょっと監禁されてんだ。
とりあえずロックに会ったら気をつけろ。
今のロックは本物のロックじゃない。
それから他の奴等に、無理はしないように伝えといてくれ。
勿論お前もな。』


217 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 10:51:20 0
>209-213
>「駄目だ!」
リリアーナは驚いてロックを見つめる。
「どうして?」
違和感ははっきりとした不信に変わった。

「…いやいや、ごめん、冗談だ。」
そう取り繕うと、ロックは不機嫌そうな顔で地面に丸い絵を書きはじめた。
「空間系の魔法もつかえたのね。・・・頭にゴミがついてるわ。取ってあげる」
リリアーナは思いつめた顔で、しゃがみ込んだロックの後頭部に手を伸ばした。
「・・・アンジェリーナに殴られたところ、こぶになっちゃったね」
少なくとも彼は、聖堂で倒れていたロックと同一人物のようだ。

ロックはレイドの無事な姿を見せてくれた。リリアーナはホッとアンドの息をついた。
>「は…ははは、大丈夫そうだろ?
>心配して損しただろ?」
「うん!」
>「さ…さて、魔法陣を探そうぜ。
「え?」
リリアーナは信じられないという表情を浮かべた。
>それで…俺はリリアーナと一緒のグループで良いのかな?」
リリアーナは答えない。傍らの瓦礫に座り込むなり、何かをじっと考え込んでいるようだった。

「フリージア」
リリアーナは傍らのフリージアにしか聞こえない声で、小さく呼びかけた。
「フリージアは覚えてる?密林での別れ際に、ロックが話してたこと」
長い髪に遮られて、表情は見えない。

どのくらいそうしていたのだろう。
リリアーナは音が出るくらい強く自分の両頬を叩くと、ぴょんと瓦礫から立ち上がった。
「話は決まった?こうしていても始まらないわ、早く魔法陣を探しに行きましょ!」
赤い目をしたリリアーナは、明るい声で皆を促した。

満足そうな表情を浮かべた彼に、リリアーナは手を差し出した。
「眼鏡、返してくれる?・・・落としたら大変だもの。私が預かるわ!」
にこやかに笑みを浮かべているが、言うことを聞くまで一歩も引かない雰囲気だ。

218 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 11:30:00 0
>213>217
>「フリージアは覚えてる?密林での別れ際に、ロックが話してたこと」
リリアーナの言葉でフリージアはあのときのロックの言ったことを思い出した

>「他にもギルハートみたいな奴が俺の中にいるのか俺にもわからない」
あの時ロックはそう言っていた
>「俺の側にいないでくれ。レイド先生の側から離れないでくれ」
とも言っていたはずだ
そんなことを言っていたロックが一緒に魔方陣を探そうなんていうはずがない
リリアーナさんを巻き込もうとすまいと逆に離れようとするはずだ

そして他にもギルハートみたいな奴がいるというロックの言葉
ギルハートはロックから変化した存在だった
つまりこのロックは肉体はロックでも中身は別人ということか
だがそれならなぜ見た目がギルハートのように変化していないのか?
必ず姿が変わるわけではないのか?
それはともかくますますロック(仮)とリリアーナさんを二人っきりにはさせられなくなった


>「話は決まった?こうしていても始まらないわ、早く魔法陣を探しに行きましょ!」

「そうですわね!善は急げですわ・・・・とその前にクドリャフカさんそろそろ離してくださいな」
そうフリージアはまだクドリャフカに押さえ込まれたままだったのだ


219 名前:ロックになりきれ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 12:53:14 O
>>212
> 『…今は黙っててあげる。後で…聞きたいこともあるし。』
> 『構わないかしら?マリアベル。』
マリアベルは一切表情を変えなかった。
この反応は、彼が読唇術が使えないようにも見えたかもしれない。
>>213
> 「メラルさん、相手が強力なんはみんな十分しとるけぇの。
> 先走る人はいないじゃろう。魔法陣探すだけなら分かれたほうが効率がええもんよ。
> 魔法陣探して、合流。その頃にゃぁレイド先生も回復するじゃろうしのぉ。
> 馬に蹴られたく・・・ゲフンゲフン・・・私はロックさんとリリィさんの組と私達で別れるのんがええとおもうんよ。」
クドリャフカは大変ありがたい提案をしてくれた。
さらにありがたい事にメラルとフリージアを拘束してくれている。
>>217
> 「話は決まった?こうしていても始まらないわ、早く魔法陣を探しに行きましょ!」
「ああ、そうしよう。」
> 「眼鏡、返してくれる?・・・落としたら大変だもの。私が預かるわ!」
「うん、頼むよ。」
マリアベルは快く眼鏡を渡した。
クドリャフカに拘束されている二人を尻目にマリアベルとリリアーナは移動を始めた。
マリアベルは去り際にメラルに意味ありげにウィンクをして見せた。
彼にはメラルが先程何を伝えたのかちゃんとわかっていたのだ。


220 名前:マリアベル ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 13:17:32 O
マリアベルはリリアーナの後ろを歩きながら少し違和感を感じていた。
俺はどこに魔法陣があるかを知っている。
そして、俺達は魔法陣から離れる方向に歩いている。
それは問題では無いし、むしろ今はその方が良い。
問題はリリアーナだ。彼女は…うまく表現できないが、
何か普段と違うような気がする。

>>208
> とどろく轟音

マリアベルは何かあればすぐに使えるように、無言で杖を懐から取り出した。
俺の記憶が正しければ、この街にはまだあいつらがうじゃうじゃいるはずだ。
軍隊がこの街に放った巨大な鋼の蟻をマリアベルは思い出した。
『なぁ、リリアーナ。他にも俺に返す物があるんじゃないかな?』
早くそう聞いて目的を果たしたかった。
しかし、とりあえず俺は彼女から口を開くのを待つことにした。


221 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/05(土) 22:50:54 0
そそくさと、という表現がぴったり合うような感じでロックはリリアーナを伴い廃墟を歩いていく。
その姿にクドリャフカは微塵も不信も感じず
『よっぽどリリィさんと二人っきりになりたかったんじゃね。』
と、感動しているほどだった。

その背中を見送ったあと、ようやくフリージアとメラルを離した。
「さて、ほいじゃあ私達も行こうかのぉ。」
そういいながら取り出したのは巻物【一坪の死角】
一坪の聖域と同様に、結界を張るスクロールだ。
ただし一坪の死角は、防御結界ではなく隠密結界。
周囲からの視覚・嗅覚・聴覚などの感覚的及び、探知魔法などの魔法的の両方から身を隠す事ができるのだ。
喩え正面に立とうと、死角となって感知されない優れものだ。
もっとも、物理的に消えるわけでもない上、強力な結界ゆえに欠陥品ともいえるわけだが・・・

「一応場所は分かっとるんじゃが、急ごうかの。
女の友情パワーっちゅうもんを今こそ発揮する時じゃけえの。」
サラマンダーの鱗を展開させるのはやめたが、足元に大量に散らばらせてはいる。
それはロック(マリアベル)やリリアーナの足元にも数枚纏わり着いている。
サラマンダーの鱗に付与されたクドリャフカの魔力の残滓が、残り香のようにその位置をクドリャフカに知らせるのだ。

にんまりと笑いながらそう説明しながら一坪の死角を展開し、リリアーナ達の後を追う。
本来の目的をすっかり忘れて覗き・・・・ではなく、ロックとリリアーナの愛の行方を暖かく見守る為に!

222 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/06(日) 19:00:08 0
>218-219 >221 
リリアーナは、戻ってきた眼鏡を大事そうにしまった。

一緒に来るといってくれたのに、どうもフリージアはクドリャフカ達と一緒にいるつもりのようだ。
「・・・じゃあフリージア、皆もまた後でね〜」
何か言いたげなフリージアに気づくと、リリアーナは人差し指で自分の唇を押さえる。
身動き取れない上に言葉を封じられ、フリージアは面白く無さそうだ。ごめんね、と肩をすくめる。
「やっぱり3対3にしようかな。ギズモ、悪いけど私と一緒に来てね〜」
嫌だ嫌だと暴れるギズモを抱えると、リリアーナは心配しないでと手を振った。

>220
「・・・まさか学園の建物が塔に変形しちゃうとはね〜。
 飛び込んだ塔の中には迷路みたいだし、おまけにだだっぴろい廃墟の街まで・・・」
瓦礫の街は思った以上に規模が大きかった。歩いても歩いても魔法陣は見あたらない。

「頼みの先生方はダウンしちゃうし、学園はめちゃくちゃ。
 無気味な音はするし、魔法陣は見つからないし、服は埃だらけだし・・・もう最悪って感じ?」
あなたもそう思うでしょ?と青年ではなくギズモに同意を求める。
「・・・でもね、そんなことまでロックが責任感じること無いのよ。少なくとも私はそう思うわ。
 だってギルハートを封じるのに先生が4人がかりだったのよ?」
封印した後の事を思い出したのか、リリアーナは口を噤んだ。
「まあ・・・何がいいたいかっていうとね、この先いろいろあっても、ロックは気に病まないでってことよ。
  人一人にできることなんて、たかだか知れてるんだからね。
 せっかく占ってくれたメラルさんには悪いけど、私がここにいるのだって自分で選んだことだしね〜」
再び聞こえてきた轟音に、リリアーナは足を止めた。
さっきより音が近い気がする。

気を取り直し、リリアーナは再び話し始めた。
「ねえ、どうしてあなたのご両親は亡くなったの?マリアベルってどんな人なのかしら?
 ・・・もしよければ、私にも詳しい話を聞かせてくれない?」
熱心にせがんでいたリリアーナは、ふと彼が手にしていた杖に興味を向けた。
「その杖!! もしかしてギルハートのとお揃いじゃない?」
まるでたった今気づいたといわんばかりに目を輝かせる。
「ねえ、それって例の箱に入ってた杖でしょう?私にもちょっと貸して!見せて〜!」

当然迷惑顔そうな顔をされる。
それを見たリリアーナはいきなりへそを曲げた。
「何それ!!私達がそれを手に入れるのにどれだけ苦労したと思ってるの?!
 仲間の頼みだから死ぬ思いで頑張ったのに、手に入ったら触らせてもくれないわけ?!へえ、そうなんだ〜!
 いつも仲間仲間って言う割に随分薄情よね! ―――― もう知らない!!皆のところへ帰る!!」

223 名前:マリアベル ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/06(日) 22:20:04 O
>>222
「わ…わかった、わかった!」
マリアベルは杖をリリアーナに渡してしまった。
興味深そうに杖を見るリリアーナ。
少し気を良くしたマリアベルは杖の説明を始めた。
「その杖は黒樫製で、芯には古龍の髭が使われている。
ライールと銘が打ってあるだろ?
賢者ライールが残した数少ない杖の一つなんだ。」
杖の説明をするマリアベルはなんだか嬉しそうだ。
羽目を外し過ぎたと感じたマリアベルは、
恥ずかしそうに咳払いを一つして改めて話し始めた。
「両親の事は…父親の事は…俺はよく知らないんだ。
母親は…俺が小さい時に…いや、やはり詳しくは思い出せない。」
両親について話した後、マリアベルはマリアベルについて話しだした。
なんだか変な気分だ。
「マリアベルは…戦争孤児だったんだ。
その後、ある魔法使いの養子になった。
彼はその後何を目指したか…」
ここでマリアベルは一旦話しを切ると、ゆっくりと話しを再開した。
「死の克服だ、リリアーナ。
人は死ある故に悲しまなければならない。
人は死ある故に苦しまなければならない。
そう、死ある故に…」
これはロックのなりきりではなく、彼自信の言葉だった。
「だから、彼は死なない方法を探し続けたんだ。
そして…彼は転生を繰り返すことでずっと生きる方法を確立した。
心と知恵はそのままに、体だけ新しくすることができるようになったんだ。
そして…まずいな。」
それは轟音と共に壁を突き破って現れた。
リリアーナとマリアベルの前に巨大な鋼の蟻が出現したのだ。
「リリアーナ、杖をこちらによこせ。
それと、この杖とセットで人形がなかったか?
…ぬおっ!?」
蟻の目(?)から黄色いビームが発射された。
それぞれ別の方向に避け、別の瓦礫に身を隠した。
「リリアーナ!人形が必要だ!
人形をこちらに投げてくれ!」


224 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/07(月) 19:39:21 0

メラルの賭けに対しても、一切表情を変えることは無い。その様子を見て、考えていた。
(…理解したなら誤解にしろ事実にしろ、無意識レベルの反応はあってもいいはず…。
それすらも無いなんて…理解されていないようね…。別の手段を…)
すると、クドリャフカが首に手を回し、押さえ込んできた。
>「メラルさん、相手が強力なんはみんな十分しとるけぇの。
  先走る人はいないじゃろう。魔法陣探すだけなら分かれたほうが効率がええもんよ。
  魔法陣探して、合流。その頃にゃぁレイド先生も回復するじゃろうしのぉ。
  馬に蹴られたく・・・ゲフンゲフン・・・私はロックさんとリリィさんの組と私達で別れるのんがええとおもうんよ。」
(何を馬鹿な…。気付いてないなら、向こうから仕掛けてくる可能性を失念してる事になるじゃない…。
…いえ、単にまだ恋愛の方に意識が行っちゃって他に意識が回らなくなってるのね。
そもそも…先走った一人が言っても説得力が無いし。)
>「愛し合う二人じゃけぇ、邪魔しちゃ悪いよ。
  二人っきりにさせて、そっと私達があとを着けるんが女の友情っちゅうもんよ。」
(…後をつけるのは良いかも知れないけど…あのロック、これ以上のボロを出しそうなのよね。
さっきの行動を見る限り、彼女は偽者だと判り次第攻撃しそうな感じだし…。)
「だから、効率は良くてもリスクが…っ!」
クドリャフカに抗議しようとしたメラルの言葉が、一旦止まる。
レイドからのテレパシーが聞こえた為だ。
>『あ〜もしもし?メラルちゃ〜ん?俺だよ、俺。
> レイドだよ。元気してる?

最初は何の冗談かとも思ったが、本人じゃないにしてはこんな露骨な事をやるとも考えにくい。
ついでに、前のテレパシーの時と感覚が同じだった。メラル自身がテレパシーを使えず、
直接文句が言えない為に、余計に悪ふざけに腹を立てていた。表情も、あからさまに険しくなる。
> ……すまん、悪ノリし過ぎた。
> え〜とだな、今俺はちょっと監禁されてんだ。
> とりあえずロックに会ったら気をつけろ。
> 今のロックは本物のロックじゃない。
> それから他の奴等に、無理はしないように伝えといてくれ。
> 勿論お前もな。』
(…やっぱり彼は偽者…。先生は監禁されているとなると、その場所も知りたい所ね。
でも…私は事実は…"伝えられない"。先生に今の私の考えが読めるのか
どうかはわからないけど…もし読めるのなら、先生自身が皆に伝えて欲しい所ね。
私は…稼げるだけ時間を稼ぐけど…私の覚悟が出来て、そして運が悪ければ、この状況には
決着を付けられるかもしれない…。先生が不在の状況じゃ、いずれにしろ勝てるとも思えないけど…。)
無理だろうとは思いつつも、どうせ返答がなければ他の誰かに連絡を取るだろうとも思い、
一時意識をテレパシーの側に集中させた。ただし…内容は、ただ一点が不審極まりない。
そしてもし、レイド先生に彼女の伝えようとした事が伝わっていたとしたら…「無茶」を
しようとしている事にも気付くかもしれない。
彼女自身にとっての本音が出たのが原因ではあるのだが…。

225 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/07(月) 19:41:30 0
そして、集中を解くと…リリアーナが出発を促していた。
制止の声を上げようと考え、口を開こうとした時、リリアーナが続ける。
>「眼鏡、返してくれる?・・・落としたら大変だもの。私が預かるわ!」
(…返す…?なるほどね。メッセージか無意識かは判らないけど…
今までの言動も考えれば、気付いてて、しかも何か考えがありそうね…。)
そして、結局何も言わずに見送る事にした。去り際にマリアベルが
意味ありげにウィンクをして来る。その意図は…しっかりと汲み取った。
(…気付いてて無反応だった。そういう事みたいね。
それなら…後は、どちらにするか、それだけ…。)
メラルは終始、クドリャフカの腕から抜け出そうと無駄な抵抗はしていたが、
クドリャフカが離すまで結局抜け出ることは出来なかった。
>「さて、ほいじゃあ私達も行こうかのぉ。」
「…そうね。」
今までとは違い、微妙に声の調子が変わっているようだ。
表情も、普段の彼女ならこの状況では不機嫌であるか、呆れ混じりの真剣な物である
はずだが、今のメラルの表情は何かを思い悩んでいるそれである。しかも…表情に出るほどに。

そして、そのまま二人より少し遅れてついて行く。しかし…周囲への警戒が明らかに甘い。
しかも、リリアーナ達の側への意識の向け方までもが先程までよりも甘いのだ。
少なくとも、今までのメラルの言動からは考えにくい状況である。











226 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/07(月) 23:20:17 0
>221>222>223
「男女二人きりは危険」
と言いかけたところをリリアーナに口止めされるフリージア
ギズモが付いていくことになったので安心・・・・出来るわけが無い
まだ使い魔としての契約をしてもいないのでいなくなってしまっても場所が感知できないのだ
ちなみに契約方法は特殊な魔方陣の上での口へのキス、指をお互い切って傷口を合わせる等である

さて完全にリリアーナたちが見えなくなって
クドリャフカの取り出した一坪の死角が発動したのを確かめると

「いくらなんでも学校内で不順異性交遊はさせられませんわね。追いかけますわよ」
と茶化してみせるフリージア

その様子はまったく緊張感が無いように見える
だがもしもロック(仮)がリリアーナに危害を加えようものなら
結界から飛び出して力ずくでも止めるつもりであるようだ
それが証拠にリリアーナたちにに追いつけるよう歩きながらも
大量の雪の結晶が精製されている
それもフリージアの真後ろにである
>225
当然後ろにいるメラルにはまるわかりだ

追いついたフリージアが見たものは蟻らしきものに襲われている
二人と一匹であった
助けたい・・・だが助ければ居場所がばれる
葛藤するフリージア
このままではリリアーナが危ない
はたしてフリージアは助けに行ってしまい結界を無駄にしてしまうのか?

227 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/05/08(火) 14:06:13 0
ポケゴギャ!!

228 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/08(火) 21:18:24 O
「(アイツら無茶な事してないだろうな〜。
子供のクセに無茶するから困るんだよなぁ…。
親の心子知らず、みたいなもんか…)」
俺はメラルにテレパシーを送ってから、ハラハラしながら休憩しつつ、脱出方法を考えていた。

しかし脱出方法が見つからずちょっとイライラしてきた。
イライラを解消するべく、マリアベルをテレパシーで挑発する事にした。
『ハロー、偽物ロック。
あ、スマン、スマン。
なんだっけ、名前……あ、マリアベルだったな。
なぁ、マリアベル。俺をさっさと出してくんねぇかな?
それとも俺に殺されんのが怖くて俺を閉じ込めてんのか?
大丈夫、大丈夫。
俺弱い者イジメってあんまり好きじゃないから謝れば許してやるって。』
よ〜し、ちょっとスッキリした。
挑発に乗ってここから出してくれれば助かるんだが、そう上手くはいかないだろうな。

229 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/08(火) 21:52:50 0
>223 >227
リリアーナは神妙な顔で手の中の杖を見つめた。
彼の話では、この杖は賢者ライールのもので、芯には古龍の髭が使われているらしい。
(そういえばロックもドラゴンの髭を欲しがってたわね)
ふと思い出し、何ともいえない気分になった。
ついこの間の話なのに、もう随分昔の事のように思える。

それにしても困った。レイドの姿は未だに見当たらない。
そういえばさっき見たレイドの映像、背景がこの街とは全く違っていた気がする。
ロックの中にいる誰かは、空間操作ができるはずだ。
まさかレイドは、全く別の空間に隔離されているのだろうか。

杖のことを誇らしげに語る彼の横顔は、まさにロックそのものだった。
マリアベルと戦うための武器を取り返したのだからこのまま逃げればいい。
そう思うのに、何故か出来なかった。
薄氷を踏むような状況も忘れ、リリアーナは静かに彼の言葉に耳を傾けた。

我に返ったのか、青年は咳払いをするとあらためて話し始めた。
たしかロックのご両親はマリアベルに殺された筈だ。
二人の話が微妙に食い違っているのは、多分青年が自分の事を話しているからだろう。
やはり二人は別人のようだ
(ギルハートみたいに変身しないし、ロックの中に精神体が入り込んでいるのかしら?)

次に青年はマリアベルについて語り始めた。
>「マリアベルは…戦争孤児だったんだ。
>その後、ある魔法使いの養子になった。
>彼はその後何を目指したか…」
彼は少し遠い目をした。まるで自分の過去を懐かしんでいるようだった。

>「死の克服だ、リリアーナ。
戦災孤児だったマリアベルがどんな思いでそれを目指したのか、リリアーナにはわからない。
>「だから、彼は死なない方法を探し続けたんだ。 (中略)
>心と知恵はそのままに、体だけ新しくすることができるようになったんだ。

ギルハートの最後に残した言葉、死を克服しようと転生を繰り返すマリアベル。
幾つかのキーワードを繋ぎ合わせているうちに、ある恐ろしい可能性に気づいた。
リリアーナは傍目にもわかるくらい蒼白な顔になった。

「―― ロックは・・・そんな力無くても、毎日楽しそうだったわ・・・」
頭の中でひとつの言葉がぐるぐる回っている。
確かめたい。だがどうしても口にすることが出来ない。「そうだ」と肯定されるのが怖かったからだ
リリアーナはくしゃりと顔を歪めると、か細い声で呟いた。
「それで・・・死を克服したマリアベルは幸せになったの?」
青年の言葉をかき消すように、近くの壁が吹き飛んだ。

230 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/08(火) 21:54:08 0

「何これ・・・蟻なの?!」
見てのとおりである。だがサイズが桁違いな上に、外骨格はまるで鋼のようだ。
青年が叫んだ。

>「リリアーナ、杖をこちらによこせ。
リリアーナはひどく狼狽した。それは無理な相談だ。
ロックならともかく、今の彼に杖を返すことは出来ない。
「それは・・・」
ダメだという前に、巨大蟻が黄色いビームを発射した。咄嗟にリリアーナとギズモを掴むと近くの瓦礫に飛び込んだ。
>ポケゴギャ!!
「ご、ごめん!」
乱暴に扱われたギズモの頭にはこぶが出来ていた。

「物理操作に杖は必要ないでしょ、あの蟻の足元に巨大落とし穴とか作れないの?!」
蟻はじっと青年の様子を伺っている。今にもまたビームを発射しそうだ。
リリアーナは後先考えず、杖を彼に渡したい衝動に駆られた。
「リリアーナ!人形が必要だ!
人形をこちらに投げてくれ!」
人形ならと取り出しかけた手が止まる。
思ったリリアーナの脳裏に、ある考えが閃いた。

「無理よ!あの人形はレイド先生が持ってるの!」

231 名前:マリアベル ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/08(火) 22:55:02 O
>>230
> 「物理操作に杖は必要ないでしょ、あの蟻の足元に巨大落とし穴とか作れないの?!」
マリアベルはふと考えた。そういえば俺はロックでもあるのだ。
実際アンジェを吹き飛ばしたのもロックの魔法だ。
> 「無理よ!あの人形はレイド先生が持ってるの!」
「なんだって!?なんでよりによってレイド先生にあずけるのさ!!」
監禁中である。しかも俺が。
>228
その上、当の本人からこちらの気持ちを逆撫でするようなテレパシーが入る。
ちくしょう!こんな奴が俺の母の生き写しを持ってるのか!
「あ!こら!リリアーナ!
でたらめに杖を振らないでくれ!」
しかし、時既に遅しである。
レイドを閉じ込めた空間がパンクしたのをマリアベルは確かに感じた。
きっとこの塔のどこかに落ちるだろう。
くそっ!あいつの挑発に俺が乗ったみたいじゃないか。
レイドがこちらの場所に辿りつくまでかかる時間は予測不能である。
何せどこに落ちるのかわからないのだから。
「リリアーナ!頼むから杖をこちらによこせ!」
しかし、リリアーナは断固拒否するようだ。
「仕方ないなぁ!」
マリアベルは杖を自分に引き寄せた。
ロックの得意技である物体操作だ。
それでも断固として杖を離さないリリアーナは、
まるで釣りでもしているような格好で杖ごとこちらに飛んできた。
鋼の蟻から見れば良い標的である。放たれるビーム。

しかし、彼女をビームから守ったのはマリアベルが全く予想しなかったものだった。

232 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/08(火) 23:05:03 0
思考をめぐらすメラルと、準備をするフリージアとは対照的に、クドリャフカは能天気だった。
人の恋愛に興味津々で、他の一切合切はすっ飛んでしまっているのだから幸せな事だ。

周囲からは見えない、感づかれない結界を張っていることをいいことに、堂々と歩いていく。
程なくしてロック(マリアベル)とリリアーナの姿を発見した。
それはちょうど、壁を突き破った鋼鉄の巨大蟻が目からビームを発したところだった。
「!!!!」
一瞬駆け寄ろうとしたが、声を押し殺し踏みとどまる事に成功した。
リリアーナもロック(マリアベル)も瓦礫に隠れて無事だ。

ほっと息を突くと同時に、周囲が冷えていることに気が付いた。
その原因は振り向いてすぐにわかった。
フリージアとメラルの氷結同盟だ。
周囲に死角を作る為、結界内はある意味閉鎖されることになる。
すなわち、結界内に大量の雪の結晶を精製すれば当然冷えてくるというものだ。
氷属性のフリージアやメラルにとっては人肌程度であっても、クドリャフカにとっては鳥肌がたつレベルだ。
「フリージアさん、今はまだはやぁで。・・・・!」
身の危険は二人の仲を急速に縮めるのだから。
この期に及んでそんな言葉を続けようとしていたが、その言葉を飲み込んでしまったのはラッキーだったのかアンラッキーだったのか。
今まで前ばかり見ていたので気付かなかったが、振り向けば思い悩んだメラルの表情があり、言葉を飲み込んでしまったのだ。

表情が乏しいという印象が強かったせいで、その変化はより一層強調されているようだった。
「・・・メラルさん、あんたぁまさか・・・」
少し震えた声で一言だけ問う。
言葉が少ないのでどのように取られただろうか?
クドリャフカの脳裏に浮かんだのは、メラル→ロック←→リリアーナの三角関係だ。
既に敗北宣言をした自分が立ち入れることではないと言葉を途切れさせてしまったのだ。

233 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/10(木) 11:45:51 0
>232
>「フリージアさん、今はまだはやぁで。・・・・!」
そんなことを言ったクドリャフカは途中で黙ってしまった
ふと振り向くとなにやら思いつめた顔をしたメラルが立っていた

>「・・・メラルさん、あんたぁまさか・・・」
そう口にするクドリャフカ

「まさかなんですの?」
判っていないフリージア

そんなやり取りをしながらもどんどん増えていく雪の結晶
大体・・・防御用ドーム一個分ぐらいは生成されただろうか?
さらに下がる気温
ほとんど冷蔵庫内だ

>230
目の前ではビームを放つアリとそれを避けようとして瓦礫に突っ込む
リリアーナとギズモ
「ああ!?ギズモちゃんにたんこぶが!?」
まあギャグ属性持ちなので大丈夫だろう

>231
人形の行方や杖の取り合いでやり取りをする二人
魔法で杖ごと引っ張られたリリアーナをビームが襲う
それを助けたのはフリージアにとっても思いもしないものだった
「え?」
それを見て思わずつぶやくフリージアであった

234 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/11(金) 21:39:48 0
>「なんだって!?なんでよりによってレイド先生にあずけるのさ!!」
リリアーナは一瞬返答に詰まったが、嘘と後ろめたさを誤魔化すように大声を出した。
「何でそんなに怒るのよ、先生が預かってるんだから安心でしょ?
 そ・・・そんなに天使様が大事なら、早く蟻を何とかして先生に返してもらいに行きましょうよ!」
焦ったときの癖なのか、杖を握ったまま手をぶんぶん振リ回している
>「あ!こら!リリアーナ!
>でたらめに杖を振らないでくれ!」
「え?」
リリアーナはきょとんとした。
図らずも彼女の目論みはたった今成功したのだが、当人は全く気づいていないようだ。
青年は苦虫を噛み潰したような顔をした。

青年からの再三の要請にも関わらず、リリアーナは杖を渡さない。
>「仕方ないなぁ!」
痺れを切らした彼は、ロックの魔法で杖を引き寄せた。
杖を放さないリリアーナは、まるで釣られた魚よろしく宙を舞う。
格好の的に、巨大蟻の両目が輝いた。
放たれるビーム。
避けることも防御する事も出来なかった。
鮮烈な光はリリアーナに直撃した・・・筈だった。

なのに、リリアーナは死ななかった。

「・・・あ・・・あれ?何で私まだ生きてるの?」
例のビームが運良く掠っただけだとしても痛みが少なすぎる。
リリアーナはおそるおそる目を開けた。

ビームを直視してしまったので、目がチカチカしてよく見えない。
だが、誰かがリリアーナを庇うように巨大蟻と対峙しているのだけはどうにか分かった。
「だ、誰?」
リリアーナは身を起すと、霞む目をごしごし擦った。

実はずっと誰かをクッション代わりに使っているのだが、まだ当人は気づいていないようだ。

235 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/05/12(土) 09:47:33 0
猫耳・・・のおっさん

236 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/12(土) 19:08:40 0



(…今までは…また暴走させる位なら死んだ方がマシだって思ってた…けど、
あんな物を見るのも、もう二度とごめんなのよね。でも…やっぱり…。)
メラルが歩きつつ、考えている。…と、ふと視線を上げた。
「…変に心地よいわね…。この温度…。…え?」
フリージアが大量の雪の結晶を出現させている。その結晶が生んだ低温を感じたようだ。
そして…またも考えにふける。
(…もしこれが…覚悟すべき場だったとすれば、あの占いの意味は…一つ…。
そして、使うならば皆を巻き込まない状況で。でも…そもそも覚悟、出来るかしら…!)

「…あれは…。」
遠方に、銅の蟻が出現し、二人を襲い始めた。それにメラルが気付く。
(…まずいわね…。でも…今下手に動いても、
状況を悪くするだけ…。そもそも、覚悟だって…。)
>「・・・メラルさん、あんたぁまさか・・・」
クドリャフカが声をかけてくる。その意図を大幅に勘違いして、メラルは焦った。
(…まさか、私が"動こうと"してるのに気付いて…?
 いえ、そこまでのミスを犯したとは…。)
>「まさかなんですの?」
フリージアが聞き返していた。が…実際はそこまで警戒すべき状況でもなかったようだ。
そしてその間に氷の結晶がどんどん増えていく。当然、周囲に冷気の靄が現れていた。

そうこうしている内に、マリアベルの術で空を舞ったリリアーナが、巨大蟻に狙われる。
メラルはもう、ほぼ反射的に…体が動いていた。杖を地面に突き刺し、
水晶の部分のみを手に取り、ポケットに手を入れて髪の束のような物を取り出す。
(ミラージュミスト…。)
髪の束のような物が弱く光り、メラルの体から魔力でしか感じられないほど
少量の、冷気を伴う靄が漏れ出し…しかし、何故か直後にメラルが目では見えなくなった。

直後、メラルが地を蹴って結界から横に飛び出し、そのままロック達の方に向かっていく。
(あんな物はもう見たくは無いわ…。もう、やるしかない…!
迎撃、まにあって!)
更に、続けてメラルが術を放とうとした時に、光でよく見えなかった
ものの…何者かがリリアーナを助け出したような感じだった事は確認できた。それを見て、術の行使を止める。
そして、そのままマリアベルを探して…その横まで来て足を止めた。今だ姿は見えないが、
至近距離ならば前方に見える物が一部、不自然に見えるはずである。
「…話の前に聞いておくけれど…今のは…故意?それとも偶然?
 そしてもう一つ。…あの猫とは…情報交換は可能だったの?」
メラルは、先にした質問をただの通過儀礼のような物としか考えていない。
重要なのは当然後者である。前者は、真実にしろ嘘にしろ…ここで故意だと
言う理由は無いのだ。後者にしても、それは同じであるが、
こちらは単純に知らないと言われても説明の手間が増えるだけである。
マリアベルが今すぐこの場で全員を殲滅するつもりならばそれ以前の問題だが…。


237 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/12(土) 21:05:06 O
今日の俺は意外にラッキーかもしれん。
まさかあの空間からこんなに早く出られるとはね。
本当にあのマリアベルが俺の挑発に乗ってくれるとは思いもしなかった。
マリアベルを挑発した直後に空間から出られたんだから、俺の挑発に乗ったに違いない。

とりあえず俺はマリアベルの魔力を探知して後を追いかけていたんだが…
マリアベル以外にもリリアーナ達と何故か巨大な蟻を見つけちまった。
巨大蟻の両目からビームが放たれる。
>234
「リフレクト。」
リリアーナにビームが当たる直前にバリアより高度な魔法、リフレクトを張った。
リフレクトはバリアとは違い攻撃をはね返す事が出来る。
ビームは巨大蟻に命中したが大したダメージは無さそうだ。
>「だ、誰?」
リリアーナは俺の姿がハッキリと見えていないらしい。
「正義の味方。…な〜んてな。」
さて、颯爽と登場したのは良いが、この巨大蟻はどうしようか。


238 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/12(土) 21:06:37 O
蟻…蟻…蟻…
そうだ蟻地獄でも作ってみるか。
「皆さ〜ん。
ちょっと避難しといて下さ〜い。」
巨大蟻の目の前で両手を地面につける。
「ほ〜ら、餌だぞ、餌。
大物だ。ありがたく喰えよ。
さて、俺も避難しないと…」
地面に巨大な蟻地獄の巣が出来た。
この巣の中には蟻地獄が居る。
それも、かなり馬鹿でかいのが。
巨大蟻は蟻地獄の巣に吸い込まれるように消えていった。
「さ〜て、障害は消えた。
リリアーナ、そこの偽ロックから離れろ。そいつはマリアベルだ。」

239 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/12(土) 21:42:16 0
>「まさかなんですの?」
そうフリージアに問われ、クドリャフカは思わず目線を下にそらす。
今までの複雑な(独り相撲?)経緯から、後ろめたさとも羞恥心ともいえぬ感覚が目線を逸らさせたのだ。
目を逸らしていたのはほんの一瞬だが、その間にメラルの姿が見えなくなってしまっていた。
きょろきょろと辺りを見回すが見つからず。
代わりに映ったのは蟻のビームを跳ね返すレイドの姿だった。
「?????」
声にならない驚きに叫びを上げている間に、レイドから避難勧告が。
何が起こるか分からなくても、第六巻で危険なことが起こることが察知できた。
迂回してリリアーナと合流すべく、一坪の死角を展開させたまま移動。

大量の雪の結晶のおかげで、凍える思いをしながらだったが、そんな寒さを吹き飛ばす衝撃新事実がレイドの口から明らかになる。
>リリアーナ、そこの偽ロックから離れろ。そいつはマリアベルだ。」
その声を聞き、リリアーナとロック(マリアベル)の背後10メートルほどで足が止まってしまった。
否、止まっただけでなく、両手両膝を着いてしまっている。
「なんちゅうことじゃ・・・」
単にまた騙された、というだけでない。
愛の力やロックとリリアーナの恋の行方も。自分で打ち破った恋心も。全てが虚構だったというのだろうか?
まるで足元が崩れていくような感覚に、クドリャフカは立っている力すら奪われたのだった。

240 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/12(土) 21:57:52 0
>238>239
その人物とはレイド先生であった
意外な人物の登場で驚くフリージア
>「さ〜て、障害は消えた。
>リリアーナ、そこの偽ロックから離れろ。そいつはマリアベルだ。」

「な、なんですって!?」
さらに驚愕の事実が判明する
てっきりフリージアはまた別の人格がロックの体を使ってると思っていたのだが
まさかマリアベルだとは思いもしなかったのだ
ロックの殺すといっていた相手はロックの別人格だったの?

たしかロックはマリアベルが最上階にいるって言ってたわよね
だったらいるのはもっと上のはず・・・フリージアはだんだんわからなくなってきた

それよりもここはマリアベルを攻撃するべきだろうか?
しかしフリージアの推理が正しければあの肉体はロックのものなのだ
本当に攻撃していいものなのか悩むフリージア
もし殺してしまったらロックも死んでしまうのではないか心配なのだ

しばらく考えているうちに
イレブンを倒した後に現れたギルハートは無傷だったことを思い出した
そしてイレブンを倒した後にイレブンが現れていない
つまりその人格が出ているときに倒せば二度とその人格は復活しない
そしてなおかつ別の人格の肉体には影響しないのだ
だからロックの姿をしていても別の人格である限り攻撃しても問題なし
そう結論付けた

その考えを結界の中の2人に話すと
「さあレイド先生を援護しますわよ!!」
と大きな声で言った・・・がクドリャフカが元気がない
いったいどうしてしまったのだろうか?
不安だ・・・

241 名前:マリアベル ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/13(日) 09:44:03 O
>>238
「…あ〜あ、ばれちゃったか。」
マリアベルは呆れたように呟いた。

>>236
「なぁ。」
マリアベルはメラルに顔を向けた。
「故意か偶然か?
 俺は手に入れたい物さえ手に入れば、他はどうでも良いさ。
 彼女だって例外じゃない。」
メラルに近づきながら話しを続けた。
「ギルハートと情報交換?
 おいおい、俺が覚醒する前に彼は封印されただろ?
 でも、俺はロックでもある。ロックはギルハートが見聞きした事を共有していた。
 だから、俺もギルハートが見聞きした事はわかるのさ。
 頭の中まではわからないけどな。」
マリアベルは理解出来ない、とでも言いたげに頭を振った。
マリアベルにはギルハートがアルテリオンに対してとった態度が不可解なのだ。
マリアベルはまるで見えているかのように、さらにメラルに近づく。
「そんなに驚く事か?
 それくらい見破れないとイレブンは殺せないぜ。
 …それにしても君の家系の事は知らないでもないが。
 君は君のお婆様そっくりだな。…!」
マリアベルは左手を伸ばしメラルの後ろ襟を掴むと、
右手の人指し指を喉もとへ突きつけた。
メラルの魔法が解除され、マリアベルが彼女を拘束した様子がはっきり見えるようになった。
「動くな!!」
メラルを助けるべく動こうとしたレイドにマリアベルが怒鳴る。
「先生、お忘れですか?
 俺は硬化魔法がつかえるんですよ?
 指を硬くして彼女の喉を貫くくらい雑作も無いことです。」
マリアベルはメラルにしか聞こえない位の声で彼女き語りかけた。
「残りの二人はどうした?
 …まぁ、いいか。どうせすぐ近くに居るんだろ?
 臭い匂いがプンプンするぜ。」


242 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:07:52 0
>237
>「正義の味方。…な〜んてな。」
「レイド先生!!」
リリアーナは歓喜の声を上げた。
「もう・・・先生遅いっ!ずっとずっと心配してたんだからね!!」
なおも言い募ろうとしたリリアーナは思わず口を噤んだ。
自分の真下から、今にも死にそうな声が聞こえたからだ。

「きゃー!!ギズモがっ!!」
何とリリアーナの下には紙のようにペラペラになったギズモが倒れていた。
風に吹かれて舞い上がったグレムリンは、ポヨン!と音を立てて元に戻った。
グレムリンは言葉にならない抗議の叫びだったが、感動しているリリアーナは気づかない。
「助けてくれたのね、ありがと!今度絶対何か奢るからねっ!!」
リリアーナは怒って暴れているギズモを無理やりぎゅっと抱きしめた。

レイドは巨大なアリ地獄を召喚した。
アリの足元が崩れ始め、巨大な渦の中へと吸い込まれていく。
リリアーナはどこかに行きたがっているギズモを抱え安全な場所へと飛びのいた。
あんなに脅威だった敵は、あっけなくアリ地獄の餌食になった。

>241
>リリアーナ、そこの偽ロックから離れろ。そいつはマリアベルだ。」
ロック=マリアベルだといわれても、リリアーナは驚かなかった。
マリアベルを一瞥すると、無言のままレイドの背後へと移動した。

どこからとも無く聞こえてきたメラルの声に、リリアーナははっとした。
ということは、当然フリージアとクドリャフカも近くにいるのだろう。

> 俺は手に入れたい物さえ手に入れば、他はどうでも良いさ。
リリアーナはどことなく寂しそうな顔で、マリアベルをじっと見ていた。。
メラルの姿は見えない。だがマリアベルは、ある一点を見据えたまま会話を続けている。
はっと気づいた。マリアベルにはメラルの姿が見えているに違いない、と。
「メラルさんダメ、逃げて!」
マリアベルは無造作に手を伸ばすと、何も無い空間を掴んだ。
メラルの魔法が解除され、マリアベルが彼女を拘束した様子がはっきり見えるようになった。

助けようとしたレイドをマリアベルが鋭く制する。
> 俺は硬化魔法がつかえるんですよ?
> 指を硬くして彼女の喉を貫くくらい雑作も無いことです。」

リリアーナは指先が白くなるくらい右手を堅く握り締めた。
「どうして・・・どうして目覚めてしまったの?・・・・せっかく学園長があなたにチャンスをくれたのに。
 ロック、もっと頑張ってよ!聞こえてるんでしょ? このまま終わるだなんて私は嫌よ!!」

>238
リリアーナはレイドの背中に顔を近づけ、小声で、今まで見聞きてきた話を手短に伝える。
「――― マリアベルは言ってました。彼は転生を繰り返すことで死を克服したと。
 レイド先生、イレブンもギルハートもロックの魔法を使わなかった。でもマリアベルは使える。
 これがどういう意味か、先生はお分かりになりますか?」
振り向こうとしたレイドを鋭く制する。
「屋上にマリアベルがいるとロックは言っていました。
 そしてアンジェリーナはこうも言ってました。 『ロックは塔の頂上に行ってはいけない』と」

レイドと会話しながらも、リリアーナの手はせわしなく動いていた。
同じ色の巾着を二つ取り出し、広い背中の陰で何か細工しているようだ。
「多分屋上には、マリアベルに関する何かが存在するはずです。
 それが何なのかよく分からないけど・・・先生、私、それを壊してきます。
 大丈夫、心配しないで!クドリャフカさんもフリージアも近くにいて、きっと先生に加勢してくれるはずです。
 ―――― うまく行くかどうか分からないけど、隙を作ってみます。 だから先生お願い、メラルさんを助けて!」

243 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:11:34 0
「マリアベル!・・・これ、な〜んだ?」
レイドの背中からひょっこり顔を出したリリアーナは巾着袋をこれ見よがしに差し出した。
その口からは、マリアベルが欲しがっていた人形が見える。
「これ、欲しいんでしょ?」
リリアーナは巾着袋の口を閉めると、にんまりと微笑んだ。
「そんなに欲しいのならあげるわ!受け取って!!」

渾身の力をこめて、リリアーナは巾着を投げた。
ただし、マリアベルにではなくアリ地獄の中心へと。

そして投げるや否や、リリアーナは全力で駆け出した。
マリアベルのいる方向とは反対の場所へと。
多分追撃は無い。そんな真似、レイドが許す訳がないからだ。

ある程度距離を取ったところで、リリアーナは足を止めた。
息を切らしながらポケットの巾着を取り出し、中の天使像をしげしげと見つめる。
「やっぱりこの天使様、どこかで見た覚えがあるのよねえ〜」

そう、さっき投げた巾着は真っ赤な偽物だった。投げる寸前にすりかえたのだ。
だが、マリアベルはあの巾着を開けるまで偽物だと気づかないだろう。
なぜなら、彼に人形の位置を把握する能力は無いからだ。
なにせ人形はリリアーナが預かっていたのに、マリアベルは全く気づかなかったのだから。

「偽物の巾着に入れた魔力回復ドリンクだってすごく高かったんだからね。
 譲ってあげるんだから感謝して欲しいわ、ねえギズモ?」
リリアーナはブツブツいいながら、変身薬を取り出した。
見た途端ギズモは真っ青になってガタガタ震えだした。どうやらトラウマになっているようだ。
「大丈夫よ〜これは私が飲むんだから〜」
>235
ロックの姿を借りれば、彼女をマリアベルだと勘違いした誰かが迎えに来るかもしれない。
例えば、聖堂に現れた猫耳男性のような。

少なくともリリアーナは、そんな淡い期待を抱いていた。

244 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/16(水) 21:25:04 0
>「さあレイド先生を援護しますわよ!!」
フリージアに大きな声で言われても、クドリャフカの反応は鈍かった。
既に吐く息が白くなるほど結界内の低温化のせいではない。
何もかもが信じられなくなっていた落胆にも似た無力感が全身を覆っていたからだ。

ゆっくりと顔を上げるとそこにはロック(マリアベル)がメラルを拘束している姿がはっきり見えてきたところだった。
「・・・!見えなくなったと思うたら・・・!」
無力感に驚きと危機感が混ざり、徐々にクドリャフカの中で化学変化を起こしはじめる。
騙された事に
 先走った事に
  から回りした事に
   騙した事に
    弄んだ事に
「なんでかだんだん腹が立ってきたけぇのぉ・・・!
リリアーナさんの乙女心を弄び、メラルさんまであがぁな目に・・・
フリージアさん、カタ嵌めに行きましょうかの!」
ほの暗い憎悪の炎を瞳に宿らせ、クドリャフカの身体に精気が戻る。
メラル救出・レイド援護の為ゆっくりとロック(マリアベル)に近づいていく。

245 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/17(木) 00:13:23 0
>フリージアさん、カタ嵌めに行きましょうかの!」
「ええ!乙女の怒り思い知らせてあげますわ!!」
その一つ一つに怒りを乗せて
ありったけの雪の結晶を投擲するフリージア
それはまるで何もない空間から飛んできたように見えるだろう

ある雪の結晶はマリアベルの腕とメラルの間に立ちふさがり
ある雪の結晶はマリアベルの足元に飛んでいき
ある雪の結晶はメラルを捕まえてる腕を狙い
マリアベルとメラルを引き離そうと動いた
そして・・・
「誰が臭いですって!!」
雪の結晶が飛んできたほうから大見得を切ってフリージアが現れた
・・・・がなんだか違和感がある何故だろう?
人間にしては角張ってるような?
まあきっと気のせいに違いない
とにかく何もないはずの空間からフリージアが現れたのだ



246 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/17(木) 01:43:03 0
(これは…ある意味最悪のタイミングね…。先生が予想外に早く出てきたおかげで
時間を稼ぐ必要が無くなったのはいいけど…。)
ギルハートに話しかけてから、周囲で聞こえる声にレイド先生の物が混ざっていると気付いた。
だが、それを理由に会話を止めて引くのはあまりに危険すぎるだろう。
近くにいるのを自分からバラすようなものだ。ならば危険は変わらずとも、
この場で情報の引き出しを狙った方がまだマシである。
>「故意か偶然か? 俺は手に入れたい物さえ手に入れば、
  他はどうでも良いさ。 彼女だって例外じゃない。」
(…既に発覚してる以上、どう答えても支障は無い。って事ね…。熱くなったら負けね。)
「…つまり、手に入れたい物さえ手に入れれば、対価として学園を元に戻しても構わない…そういう事ね。」
まず、そういう状況は無さそうではあるが、メラルは一応"停戦交渉も目指している"振りをした。
リリアーナは逃げるよう言っているが、メラルにはこの状況から逃げようとすれば
逆にいい的になる気がしてならなかった。

>「ギルハートと情報交換? おいおい、俺が覚醒する前に彼は封印されただろ?
 でも、俺はロックでもある。ロックはギルハートが見聞きした事を共有していた。
 だから、俺もギルハートが見聞きした事はわかるのさ。 頭の中まではわからないけどな。」
(…原理はともかくこれは好都合、ね。でも…近づいているって事は、バレてる…?)
メラルは一応、不慮の事態への警戒を考えたが…一瞬でその考えは消し飛んだ。
>「そんなに驚く事か? それくらい見破れないとイレブンは殺せないぜ。
 …それにしても君の家系の事は知らないでもないが。 君は君のお婆様そっくりだな。…!」
(…殺せない…?まさか…!……え?…何故知って…!)
一度殺した事があるのに、今では従えてすらいると言う事と
それが当たり前であるかのような口ぶりから考えうる一つの可能性に気付き、
驚き…そこに、更に自分の家族と面識があるような事を言われ、警戒よりも
思考の方に意識が回ってしまう。その隙を突かれ、後ろ襟をつかまれ、
喉に指を突きつけられ…しかも、術を強制解除されてしまった。
更に、術の強力さ故か…彼女の目の封印までも、
巻き込まれて解除されてしまい、その余波でサングラスが破損した。
当然マリアベルはメラルを人質にレイドの動きを牽制していた。
メラルは一瞬固まったが、その後でボソリと呟く。
「…焦って先走ってこの結果。…自分が嫌になるわね…。」
(でも、この状況だろうと…活かすしかないわ。…元々使う気だったんだから…。)


247 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/17(木) 01:43:45 0

>「残りの二人はどうした?
  …まぁ、いいか。どうせすぐ近くに居るんだろ?
  臭い匂いがプンプンするぜ。」
マリアベルが声をかけてくる。メラルは、更に声を潜めて、
マリアベルにだけ聞こえるように言った。あえて正直に。しかし、すべては話さず。
「単独行動を始めた段階で、もう私にも二人の居場所はわからないわ。
 最も…あなたがそういうのならそうなんでしょうけど。」
(…想像はついているけど…判るのは確かにこれだけでもあるのよ。
まぁ、この状況で答えてくれるとは考えにくいけど…物は試しね。
折角解除されちゃった事だし…。)
「…それはそうとあなたは…例の猫…ギルハートの見た物も見てるんでしょ?
 それに、あなたは闇の術も使うのよね?なら、多分傾向は似てるはず。
私の目とその力、特に制御法について何か知ってるのなら…教えてくれない?
 じゃないと…暴走しそうなのよ。暴走すれば互いにただじゃすまないのはわかるでしょ?」
実際、メラルの魔力は解除後には明らかに上がっている。最も、行使をしようと思わない限り
今の状態で暴走することは無いが…行使しようとすれば元々制御できない力。
メラルが暴走を意図すればすぐにでも暴走することだろう。そして、もう一つ。
先程メラルがされた手法のように、マリアベルの意識を自分に向ける事で周りが奇襲をしやすくする事も狙っている。
そのため、意図を悟られないよう、あえて視線はマリアベルの方に固定している。"解除"された目も含めて。

当然、意図的に暴走などさせた日にはメラルも大怪我は確実だが…。

そして、メラルにはリリアーナの側も意識をそらすのが狙いなのかは判らないが、
恐らく何らかの工夫をして人形を投げたのだろう事も気付いていた。マリアベルが
それが目的であるような口ぶりなので、恐らく何かの細工をして。
目では確認していない為、それ以上はわからないが…。


そして、結界内には、メラルが地面に突き刺した杖が残されている…
が、それが微妙に震え出している。何か意味があるのだろうか。

248 名前:マリアベル ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/17(木) 07:53:54 O
>246>247
メラルの『暴走しそう』発言を聞くと、
マリアベルは喉に向けていた指を今度は額に向けた。
「大丈夫、動かないで。」
マリアベルは優しく微笑みながらその指をメラルの額につけた。
マリアベルの魔力の一部が彼女の体に流れ込む。
「ただの“おまじない”さ。その目の力は君自信が発見し、行使すればいい。
 必要があれば俺が助けてやらないでもない。」
マリアベルは穏やかに話し続ける。
「君は他の連中よりずっと賢そうだな。
 君の言う通りだ。俺が欲しい物を手に入れさえすればこの学園を元に戻そう。
 君は協力してくれるね?…あの愚か者と違って。」
>245
マリアベルはメラルを乱暴につき放すと、飛んできた氷の結晶から身をかわした。
マリアベルは角ばったフリージアに叫ぶ。
「貴様などお呼びではないのだ!このお邪魔虫め!」
マリアベルの右手が光って唸る。フリージアを倒せと輝き叫ぶ。(ような気がする)
「燃えあがれ!俺の魔力!
 はあああっ!ホウヨクテンショウ!!」
巨大な炎の拳が角ばったフリージアに襲いかかった。

>>243
> 「マリアベル!・・・これ、な〜んだ?」
> レイドの背中からひょっこり顔を出したリリアーナは巾着袋をこれ見よがしに差し出した。
> その口からは、マリアベルが欲しがっていた人形が見える。
マリアベルの顔が怒りで歪む。
「貴様ぁ!!」
よりによってリリアーナはそれを蟻地獄に投げ込んだ。
「ちぃっ!」
マリアベルは蟻地獄にダイブした。


249 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/17(木) 09:55:54 0
>「燃えあがれ!俺の魔力!
>はあああっ!ホウヨクテンショウ!!」
まともに攻撃を食らい吹き飛ぶフリージア
ものすごい威力で耐え切れなかったのだろうか?
いや人間がそんな簡単に吹き飛ぶはずがない
だったらさっきのフリージアはなんだったんだろうか?
とはいえマリアベルはそれを知ることは出来ないだろう
なぜなら技を放った後に巾着袋に釣られて蟻地獄に飛び込んでしまったのだから

「うまくいきましたわ」
とクドリャフカの後ろから現れるフリージア
どうやら雪の結晶のダミーをおとりにして本物は隠れていたようだ
どうりで角張っていたはずである
「さて穴に飛び込んじゃったみたいだし埋めちゃいましょうかv」
と笑顔で蟻地獄に大量の雪の結晶を放ち始めた
「これで倒せたとは思えないけど時間は稼げるはずですわ」
といいつつもどんどん積もる雪の結晶の層
砂だけだった時に比べかなり重さが増えただろう
最後にフリージアは大きな大きな雪の結晶でふたをした

「メラルさん大丈夫ですの?」
ふうと息を吐きフリージアはそう声をかけた

250 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/17(木) 20:30:35 0
「い、い・いいいやあ、、、う、うまくいったのぉ・・・」
結界からフリージアと共に姿を現したクドリャフカは両腕を抱えて震えていた。
フリージアのチャージされた魔力の為に結界内は氷点下な世界となっていたのだ。

無事メラルを救出し、さらに蟻地獄に飛び込んだマリアベルを氷の結晶で埋め立ててしまったフリージアを見ながら頬を引きつらせる。
これだけやって時間稼ぎとしか認識していないとは・・・。
時間まで凍結したのではないかと思えてしまったクドリャフカには驚きな認識だった。
「無事助け出せたし・・・ん?・・・レイド先生?リリィさんは!?」
ふと見回すと、リリアーナの姿が見えない。

ここママリアベルが作り出した世界。
鋼鉄の巨大な蟻も一匹とは思えない。
そんな中、魔法が使えない状態で一人行方が分からないのだ。
この危機的状況に慌てて辺りを見回すが、リリアーナの姿は見えず。
リリアーナの足元にも着いているであろうサラマンダーの鱗についた魔力の残滓も、時間がたったためかもう感じられない。

もしやロックが偽者と知り絶望の余り・・・!
(この期に及んでも)クドリャフカの脳裏に最悪の結末がよぎる。


251 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/18(金) 10:47:30 0
「それにしても・・・何でこの街はこう無駄に広いの!ねえギズモ、あなた空って飛べないの?」
>「無茶言ウナ」
「そうよねえ〜」
リリアーナはがっくりと肩を落とした。
転移用の魔法陣は一体どこにあるのだろう。

「そういえばこのお人形って、ロックの杖と一緒に箱に入ってたのよね?
 と言う事はマジックアイテムなんだろうけど・・・一体どう使うのかしら?」
>「・・・サア?」
リリアーナは腕組みをした。
「・・・あっ分かった!きっと私のかわりに巨大化して戦うのよきっと!
 そして目からビームとか腕からロケットパンチとか ――や・・・やだな、冗談よ冗談」
ギズモの生暖かい視線に気づき、リリアーナは慌てて前言撤回した。
心なしか天使像も面白く無さそうな顔をしている気がする。
「まあ羽根があるんだし、空から魔法陣の場所を教えくれるだけでも助かるんだけどね〜」
リリアーナは人形を胸の内ポケットにしまうと変身薬のフィルムを剥がした。

252 名前:ロック?(残り9:30) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/18(金) 10:50:53 0
「じゃ〜ん!・・・どう?」
>「男ニ興味ナイ」
「いやそう言う事じゃなくて・・・まあいいわ」
ロックに変身したリリアーナは脱力しつつも先を急いだ。
「とは言ったものの・・・誰も通りかかりそうにないわね。あの巨大蟻だって一匹とは限らないわけだし・・・」
偽ロックはキョロキョロと周りを見渡した。
彼の視線がある広場の上で止まる。
広場には大きな木が生えていた。戦火で半分焼けているが、まだ枯れてはいない。
「あれに登れば街を一望でできそうよね。魔法陣も見つかるわ。行ってみましょ!」
「モシカシテ魔法使イノクセニ、空モ飛ベナイノカ?」
「・・・・・・」
偽ロックはどんよりした。どうやら禁句だったようだ。
「どうして私、魔法使えなくなっちゃったのかな・・・」

しばし落ち込んでいたものの、長くは続かない。偽ロックはポン、と手を叩いた。
「そうだ、フォルティシモがいるじゃない!」
魔法陣を挟んでいるから召喚できるかどうかは微妙だが、もしダメなら予定通り木登りすればいいだけの話だ。
フォルティシモを騙して協力してもらうのは気が引けるが、ロックのためだ。この際目をつぶる事にしよう。

偽ロックはライールの杖を振り翳した(まあ気分よ、気分)
「――――来たれ、フォルティシモ!」


253 名前:マリアベル ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/18(金) 19:51:08 O
>>249
マリアベルは蟻地獄の中心に沈みゆく巾着袋に向かって砂をかきわけながら進んで行った。
「くそっ!いちいち邪魔な奴め!」
マリアベルは硬くした手で上から振ってくる氷の結晶を打ち砕きながらひたすら進む。
砂に半分体を沈めながらも巾着袋にマリアベルの手が届いた。
「ははははっ!悪夢を見せてやるぜ!」
勝ち誇った顔をしながら巾着袋の口を広げるマリアベル。
しかし、次の瞬間マリアベルの表情は、
今まさに彼に向かって落ちてくる巨大な氷の結晶のように凍てついた。
「何だこれは!?」
マリアベルは真っ直ぐな反応をした。
その袋の中には人形ではなく魔法薬が入っていたからだ。
「おぉのれぇ!リリアーナぁああっ!!」
マリアベルの魂の叫びはきっと彼女等には聞こえなかっただろう。
なぜなら、マリアベルは氷の結晶の下に閉じ込められたのだから。


254 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/18(金) 20:07:27 O
マリアベルは砂と氷の狭間に姿を消した。
しかし、彼女達が安心するにはまだ早い。
マリアベルとはまた異なる敵が動き出していたからだ。
このエリアのどこかに存在する魔法陣。
その近くに自らの巣を築いていた女王蟻は一匹の息子の反応が途絶えた事に気づいていた。
『命アルモノ皆死スベシ…命アルモノ皆死スベシ…』
女王蟻の残酷な指令は瞬く間に全軍に伝わる。
女王蟻の軍隊は蟻地獄があった場所へと集結しつつあった。

>>252
一方その頃。

> 「――――来たれ、フォルティシモ!」

自らの主人の声に忠実に反応し、障害物を突き破りながら進む一本の箒があった。
しかし、声の主にとって誤算だったのは、
その声に反応したのがその箒だけではなかった事である。
今まさに一人の傷ついた女性が声の主のもとへ飛び立とうとしていた。

255 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/19(土) 09:31:11 0
>254
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
「な、なんですのこの音は?」
音がする方向を見たフリージアは絶句した
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻(ry
ものすごい数の蟻の大群が迫ってきていたのである
「みなさん・・・戦略的撤退ですわ!!」
とフリージアは3人に呼びかけた
蟻の戦闘力は一匹一匹はたいしたことはないだろう
だが問題はその数である
一匹いれば30匹どころではないのだ
さすがのフリージアもこの場は逃げることを選択した
どこか狭い通路に誘導してフリージングディストラクションで
一網打尽に出来ればと考えながら・・・・

256 名前:ロック?(残り6:30) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/19(土) 23:57:51 0
>254
何かを叩き壊す音がする。その音は次第に接近しているようだ。
「な・・・何これ?何なの?」
不吉な予感に、ロックはギズモと顔を見合わせた。
途端、目の前の壁が吹き飛ぶ。
「きゃあああああああ・・・あ!!」
瓦礫と埃の中から現れたのは、待ち人ならぬ待ちホウキの姿だった。
「フォルティシモ!!やったあ、来てくれたのねー!!」
抱きつこうとしたが、「何するのよ」と言わんばかりの一撃を喰らった。
頭から煙を上げながら、きゅう・・・とロックは地面に転がった。

「ま、まあとにかく来てくれて嬉しいわ。
 フォルティシモ、実は私達魔法陣を探してるの。街を上空から調べたいから協力してくれる?」
ロックは頭をさすりつつ立ち上がると、手紙のアドバイスどおり敬意を込めて頼んだ。
だがフォルティシモはロックの元へ降りてこない。心なしか警戒されているようだ。
(え・・・何で言うこと聞いてくれないの?やっぱり偽物ってばれてるのかな?)
>「オ姉言葉ダナ」
(し・・・しまったぁ・・・!!)
ギズモの突っ込みに、ロックは慌てて口元を押さえた。
上目遣いにフォルティシモをじっと見ながら、ロックは猫耳をピコピコさせた。
(えーとこんなときは疑いを晴らすべくロックらしい事しなくっちゃ。
 ロックらしくロックらしく・・・でもいつもフォルティシモとどんな会話してるの?)

「あ・・・」
ロックがようやく口を開いた。ギズモが頭上から覗き込んでくる。
>「ア?」
「愛してるぜマイスウィートハニー!
 誰よりも美しいお前と今日も飛べるなんて、俺は世界一の幸せ者だぜ!!」
ピキーン!と凍りついたギズモが頭から転げ落ちた。
ロック自身も冷や汗をだらだら流してる。
(とにかく協力してくれるなら、リップサービスくらい惜しまないわっ!)
ヤケクソ気味にロックは次のお世辞を考えていた。

そして現在。
ロックは、木登りする筈だった木よりもずっと高い場所で街を見下ろしている。

「うわ・・・最悪・・・何であんな場所に巣があるの?」
そう、転移する魔法陣の近くには、例の鋼の蟻の巣があった。
レイドが作ったアリ地獄があった場所には、蟻の軍隊が接近している。
―――― あの米粒みたいな人影は、フリージア達だろうか?
「囲まれたら終わり・・・何とか手を打たないと。
 フォルティシモ、悪いけどフリージア達と大至急合流して!・・・くれ!」
バビューン!とフォルティシモは加速した。
あまりの加速性能に身体がついていかない。
(どうりであのロックがホウキから振り落とされるわけよね)

あっという間にギズモとロックはレイド達に合流した。
「レイド先生、皆!転移用魔法陣は南の方角よ!でもすぐ傍にアリの巣もあるわ・・・だぜ!」
どうやらリリアーナは、自分が今誰なのかをすっかり失念しているようだ。

「・・・ん?ギズモどうかした?髪引っ張らないでく・・・くれないか?」
>「アレ見ロ!アレ!何カ飛ンデ来ルゾ!!」
何気なくギズモが指さす方向に目を向けたロックの顔が凍りついた。
「な・・・何あれ!!」

257 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/20(日) 00:27:54 0
リリアーナを探して保護しなければならないというのに、それどころではなくなってしまった。
むしろ保護して欲しい。
「ひゃ・ひえええええ・・・空3:蟻7じゃのぉ!」
鳥肌を立てながら走る逃げる。
地平を埋め尽くすほどの蟻の大群は生理的に恐怖感を覚えさせる。
あれほど密集してこられては一坪の死角も役に立たない。

>「レイド先生、皆!転移用魔法陣は南の方角よ!でもすぐ傍にアリの巣もあるわ・・・だぜ!」
切羽詰って逃げているときに突然現れるロック(リリアーナ)。
その姿を見るクドリャフカの目には憎悪の炎が宿っていた。
走りながらスカートから落ちる鎖のようなもの・・・
それはジャングルに道を切り開いたテラ・シャークの牙で出来た鎖だった。

「性懲りも無く来るとはええ度胸じゃの、乙女の敵が!
猫耳やら箒やら芸が細かいなぁ褒めちゃるが、なんべんも騙されるゆぅて思うなよ。
汝に付与する!回転の力を!行け!ファング・ボルテックス!」
走りながら呪文を唱ると、牙の鎖は高速回転で渦を巻き始める。
クドリャフカはそれを身に纏うのではなく、ロック(リリアーナ)に向けて放つつもりなのだ。

「フリージアさんの凍結攻撃、本当に時間稼ぎにしかならなかったのぉ。
偽者なら八つ裂きになって今度こそ死亡ぢゃぁ!万が一本物のロックさんじゃっても硬化魔法で死にはせんじゃろ。」
まさに魔女狩り理論!
逃げる足を止め、ファング・ボルテックスを投げつけるために大きく振りかぶる。

258 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/20(日) 08:59:11 O
今アンジェは空を飛んでいる。
しかし、決して箒に乗っているわけでもないし、
空飛ぶ絨毯の上に優雅に腰をおろしているわけでもない。
彼女は自らの翼で飛んでいるのだ。

>>256
ほどなくして目標であるマリアベルが見えてきた。
彼もこちらの姿が見えているだろう。
アンジェは最初会った時よりずっと異質な姿をしていた。

右手には赤く光る二又の槍を持ち、
左腕は骨折をしているのか、血を流しながらだらんと垂れている。
背中には白く大きな鳥の翼が展開され彼女の体重を支えている。
そして、彼女の足はまさに鳥の足のようになっていた。

「マリアベル…あなたも…」
彼女は無表情のまま、どんどんマリアベルに迫って行った。
「天に帰る時が来たのよ。」

259 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/05/20(日) 17:51:43 0
暴れるちっちゃいの

260 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/20(日) 18:34:33 O
悲惨な状況のマリアベルをニヤニヤしながらずっと見てるのも悪くは無いが、どうやらのんびりしてる暇はあまり無さそうだ。
何故かって?
蟻だよ、蟻
大方、何処かに居る女王様が派遣してくれたんだろ。
面倒な事な事をして下さる。
流石にこんだけの数の蟻は相手にしてらんない。
巣を叩けばどうにかなるかもしれないが、肝心の巣の場所が分からずどうしたもんかと考えいた俺の前にロックの姿をした多分、リリアーナが現れる。
>「レイド先生、皆!転移用魔法陣は南の方角よ!でもすぐ傍にアリの巣もあるわ・・・だぜ!」
「了解っと。それじゃあ早速南へ向かいますか。」
と、ここで何を勘違いしたのかクドリャフカは危険物をブンブン振り回し始めた。
「ちょい待ち。よく見ろ。
猫耳。本物のロックはそんなもん付けないだろ?
もし仮に本物のロックだったとして俺達に何故助言をする様な真似をする?
そして更に仮にその助言が嘘で、トラップだとしてもそれは意味の無い嘘だ。
今の俺達の状況を考えれば分かるだろ?
トラップになんか引っかけなくてもこのままじゃ全員蟻の餌になる。すなわち、嘘をつくだけ無駄って訳だ。
お分かり?」

261 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/21(月) 18:29:23 0
>256-260
ちっちゃいのが暴れている蟻だ!!
ちっちゃいとはいえその大きさは30cmを超えている
上には箒に乗ったマリアベルが!!
絶体絶命かと思われたその次の瞬間
マリアベルの発した一言は意外な物であった
>「レイド先生、皆!転移用魔法陣は南の方角よ!でもすぐ傍にアリの巣もあるわ・・・だぜ!」
「あるわ・・だぜ?」
違和感を感じるフリージア
>「性懲りも無く来るとはええ度胸じゃの、乙女の敵が!
>猫耳やら箒やら芸が細かいなぁ褒めちゃるが、なんべんも騙されるゆぅて思うなよ。
>汝に付与する!回転の力を!行け!ファング・ボルテックス!」
フリージアがその言葉にとまどっている間に攻撃を仕掛ようとするクドリャフカ
そして空から現れるアンジェ!!
そんな時にレイド先生は
「了解っと。それじゃあ早速南へ向かいますか。」
と言いだしたレイド先生によると
どうやらあのロックはロックではないらしい・・・
そしてその偽ロックの髪の毛を引っぱっているギズモ
リリアーナさんと一緒にいたはずのギズモが偽ロックといるということは・・・・まさか!?
「な、なんでリリアーナさんがロックの格好をしていらっしゃるの?」
そう口走ってしまい慌てて口に手を当てるフリージア
フォルティシモがロックではないことに気がついてしまうじゃないの私のバカ!
口に出してしまったのは仕方がないのでフリージアは慌てて雪の結晶を空に飛ばした
フォルテッシモから落ちたらすくい上げるためである

262 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/21(月) 21:27:47 0
>257-261
>「フリージアさんの凍結攻撃、本当に時間稼ぎにしかならなかったのぉ。
>偽者なら八つ裂きになって今度こそ死亡ぢゃぁ!万が一本物のロックさんじゃっても硬化魔法で死にはせんじゃろ。」
並んで飛んでいたロック(に化けたリリアーナ)は真っ青になった。
「えええええええ?!いや違う!私は ―― 」
ロックじゃないと言いかけたものの、途中で慌てて言葉を飲み込んだ。
実はロックじゃないんです、と言ったら最後、フォルティシモに何をされるか。
(ああ・・・何でこう私って馬鹿なの)
マリアベルそっくりな姿で現れたら警戒されるに決まってる。
ちょっと考えれば分かる事だったのに、蟻に追われる姿を見て、心配のあまりノコノコ来てしまった。
―――― だけど、話したことは全部本当なのだ。どうしたら信じてもらえるだろう?
困り果てたリリアーナの目前でクドリャフカがファング・ボルテックスを展開させている。
「え・・・ちょっとまさか・・・えええ!!!」
まさに絶体絶命!

>「了解っと。それじゃあ早速南へ向かいますか。」
だが絶妙のタイミングで、レイドがクドリャフカの闘争心に水を差した。
怖い顔でクドリャフカが睨みつけている。
だがレイドは意に介さず、助言を信じるに足る根拠をこんこんと説明していた。
「んもう先生素敵!カッコいい!!大好き!!!」
信じてもらえたリリアーナは感激のあまり叫んだ。
(だが猫耳、しかも男の姿では嫌がらせ以外の何者でもないが)
レイドの解説で、クドリャフカもファング・ボルテックスを納めてくれればいいのだが。

半身半鳥の姿は、聖堂で会ったときの姿とは似ても似つかない姿だった。
左腕は完全に折れているようだ。
あちこち傷だらけの姿で、だがその顔は能面のように無表情だった。
手には赤く光る二又の槍を持ち、自らの翼で真っ直ぐ向かってくる。
>「天に帰る時が来たのよ。」
首が落ちる筈だった。フォルティシモが居なければ。

アンジェリーナの赤い一閃を、フォルティシモは驚異的な飛行能力で直撃をかわした。
切っ先が掠めたリリアーナの肩口からは薄く血が滲んでいる。
「アンジェリーナさん止めて!!私マリアベルじゃないわ!!」
ロックという単語をわざと避け、リリアーナは必死で説得を試みた。だが無駄な努力かもしれない。
なにせアンジェリーナは人の話を全く聞かないのだから。
「もう!私が本物のマリアベルかどうかの見分けもつかないわけ?」
リリアーナはヤケクソ気味に叫んだ。ロックバスターで威嚇射撃をしながら「頼むから来ないでくれ」と切に願う。
無数の巨大蟻に追われているだけでも大ピンチなのに、何でこう次から次へと。

アンジェリーナが体制を立て直し、再びこちらに向かってくる。一方のフォルティシモも気合十分だ。
しかし・・・
>「な、なんでリリアーナさんがロックの格好をしていらっしゃるの?」
フリージアの一言で、状況は一変した。
全力で飛んでいたフォルティシモが何の予備動作も無くピタッと静止した。
「キャ――――!!」
フォルティシモから振り落とされ、リリアーナは上空で投げ出された。

だが地面に激突する寸前、冷たい何かがリリアーナを受け止めた。フリージアの雪の結晶だった。
>「オ母サン!!」
ギズモはリリアーナから飛び降りと、フリージアの頭へとダイブする。
「こ・・・怖かった・・・・・・」
てっきり死んだとばかり思っていたリリアーナは、安堵のあまり目を潤ませた。

とはいえ、問題は何一つ解決していない。
フォルティシモとアンジェリーナは上空で旋回しているし、背後からは鋼の蟻の群れ。
変身薬の効果もまだ暫く続くだろう。
「このまま南に向かったら、巣に残ってるアリと追っ手とで挟み撃ちにされそうな気がするわ」
上空を気にしながら、リリアーナは呟いた。
もっとも、リリアーナ自身は囮役を引き受けるくらいしか能が無いのだが。

263 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/22(火) 00:05:19 0
>「大丈夫、動かないで。」
何をする気かも聞かずに動かないで、と言われて従うのも不本意だったが、
動ける状況でもなかった。かといって意図的に力を暴走させるような状況でもなかった。
なので、メラルはおとなしくしていた。マリアベルの魔力が流れ込んでくるが、
その段階では違和感はあまり感じなかった。
>「ただの“おまじない”さ。その目の力は君自信が発見し、行使すればいい。
  必要があれば俺が助けてやらないでもない。」
「…そう。ありがとう。」
お礼の言葉も口だけである。具体的な内容を聞こうとする前に、マリアベルが続けた。
>「君は他の連中よりずっと賢そうだな。
  君の言う通りだ。俺が欲しい物を手に入れさえすればこの学園を元に戻そう。
  君は協力してくれるね?…あの愚か者と違って。」
対して、メラルは今も情報を引き出そうとする。
「…協力の具体的内容も、条件の含まれる欲しい物の内容も聞かずに私が同意すると思うの?」
言ったところで、マリアベルに乱暴に突き放された。そして妙に角ばったフリージアを
炎の拳が襲い、すぐ後にマリアベルが蟻地獄に飛び込んでいく。

(…フリージア?…いえ、ダミーだったみたいね…。)
結晶のダミーは焼き尽くされ、クドリャフカとフリージアが姿を見せる。
フリージアは蟻地獄に雪の結晶を大量に叩き込み、特大の結晶で蓋をしていた。
メラルは、突き飛ばされた後ですぐに立ち上がったものの、マリアベルに対する追撃には参加しない。
>「メラルさん大丈夫ですの?」
「ええ、一応…ね。心配かけてごめんなさい。」
メラルは破損したサングラスを一瞥してから言った。
そこで、クドリャフカの声が聞こえてくる。
>「無事助け出せたし・・・ん?・・・レイド先生?リリィさんは!?」
(…いないって言うの?…何でまた…。)

暫くして、妙な音が聞こえてきた。
>「な、なんですのこの音は?」
(…まさか、塔ごと崩して自分だけは砂をクッションにして耐える、
 若しくは転移で離脱…なんて真似は…)
一瞬、剣呑な考えが頭をよぎったが、視線を音の方に向けると、
冷静を装った声で言った。
「なるほどね。…救助部隊って訳…。リリアーナの事も考えると…かなりまずいわね。」
>「みなさん・・・戦略的撤退ですわ!!」
「…それしかないわね…。リリアーナ、運よく合流出来れば良いけど…。」
メラルも撤退を選ぶ他無かったようだ。片手に水晶球を握り、必死に逃げていく。
そして置いたままだった杖の部分は…ひとりでに飛び上がり、メラルの横を並走し始めた。
そして、杖…いや、杖の中の何かと話して…いや、出来ないはずの念話を行っている。
(…驚いたゾ。二度と喚ばれないと思ってたのに…お前が自分の為じゃなくて
他人の為に俺を出すなんてヨ。昔のテメェなら自分の目的の為なら
あの男につく位平気でしてたのにナ。)
(話は後。さっさと入りなさい。魔力で浮かべるのは魔力の無駄だし、
このまま水晶球を持ってると片手が塞がるわ。それに…あなたを喚んだのは
自分のため。そもそも昔だって私はそんなに非道じゃない。)
(よく言うぜ。冷徹そのものだったくせに。入ってろ?…マ、今の状況じゃしゃあねえカ。)
杖が光を放ち、その光が水晶球に吸い込まれ…その水晶球が
ひとりでに浮き、メラルの周囲を並走し始めた。

264 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/22(火) 00:06:32 0

途中、ロックの姿をしたリリアーナがギスモと一緒に姿を現し、情報を持ってきてくれた。
>「レイド先生、皆!転移用魔法陣は南の方角よ!でもすぐ傍にアリの巣もあるわ・・・だぜ!」
(どう見ても、ね。…無事合流できて何よりだわ。)
色々な要素から、メラルも少ししてその正体に気付いたようだ。
「…ありがと。」
必要以上の事はリリアーナに配慮してか一度伏せておく。
そしてクドリャフカを先生が制止した後で言った。フォローのつもりのようだ。
「これを切り抜ける事を前提にした罠って可能性は皆無って訳じゃないけど…
そんなの、もし彼女じゃなかったら変身が解ける時に先生が違和感に気付くわよ。」
そして、ふと視線を上に向けると…翼を持つ異形の何者かが見えた。それが…リリアーナに襲い掛かり、手傷を負わせた。
更に、フリージアの一言でロック姿のリリアーナの正体に気付いたフォルテッシモがリリアーナを振り落とす。
そこは、フリージアがフォローしていたが…。
「新手だっての?…この状況で……。」
その新手…アンジェリーナを見て、呪文を唱え始める。
(…リリアーナの発言から考えると、あれはあの時の女…?とりあえず…。)
「…シックス・ウィング…」
メラルが背に氷の翼を展開させ、斥力球を併用して飛び始めた。
>「このまま南に向かったら、巣に残ってるアリと追っ手とで挟み撃ちにされそうな気がするわ」
リリアーナの言葉を聞き、アンジェリーナと高度をあわせながら返事を返す。
「…なら空しかないわね。先生の意見を聞くまでは何ともいえないけど。…行くわよ。」
最後の一言だけをアンジェの側に向け、そちらに手を翳す。
「……少し頭を冷やす事ね。…ブリザードブレス!」
冷やす…では済まされなさそうな強力な冷気の風をアンジェリーナ目掛け容赦なく放った。


265 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/22(火) 20:38:27 O
>262>264
「……………」
メラルの放った冷気に対し、アンジェは槍を持った手で自分の体をかばった。
表情には出さないが決して楽ではない。
アンジェの白いメイド服からモフモフと白い羽が噴出した。
アンジェはフォルティシモに目をやった。
この箒はとりあえず乗っていたのがロックではないと判断したが、
事態が呑み込めず、混乱してくるくる回っている。
アンジェもマリアベルに違和感を感じ始めていた。
頭に浮かんだのは“変身薬”である。ロックがアンジェに勧めた魔法薬だ。
それによる変身を一目で見破るのは一流の魔法使いでも難しい。
アンジェ自身もこの魔法薬にはずいぶん世話になった。
「…まさか、彼女が?」
アンジェは変身薬を渡したロックの友人の女の子を思い出した。
アンジェはメラルを無視してマリアベルに接近した。
疑わしい目を向けながらマリアベルの周りを飛ぶアンジェ。
とりあえず、これ以上攻撃する気はアンジェにはなかった。
「ずいぶん女々しくなったわね、マリアベル。
 その腕の武器はあの女の子の物よね?
 殺して奪い取ったの?
 …いいえ、あなたはきっとそんな事しないわよね。
 あなたは“死”が大嫌いだから。
 きっとあの女の子も廃人にしたのよね?
 悪夢を見せて苦しめたのでしょう?
 この『ピー(18歳未満はお断り)』野郎。」
辛辣な(かつ下品な)言葉を口にしたアンジェはマリアベルの反応をうかがった。


それと同時にメラルは突然アンジェに憎しみの感情がわいてきた。
メラルはその事に気づいただろうか?
なんと彼女の感情に本物のマリアベルが干渉してきたのだ。

266 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/22(火) 21:25:50 0
振り上げた拳の下ろしどころに困るとはまさにこのことだ。
突然現れたロックを攻撃しようとすればレイドに止められてしまう。
言っている事は的を手いる。メラルの補足も入れば疑う余地もない。
だが、今まで散々騙されてきたのでロックが現れれば全部殺してしまえ思考が成り立ってしまっている状態なので、素直に引く事が出来ない。
結果、クドリャフカは心理的葛藤により金縛りのように動けなくなってしまった。

そうしているうちにフリージアはロックの正体をリリアーナと見破り、ロック(リリアーナ)はアンジェリーナの攻撃を受ける。
メラルはアンジェリーナの迎撃に飛び立ち、フリージアはフォルテッシモから落ちたロック(リリアーナ)を受け止めるべく雪の結晶を飛ばしている。

目まぐるしく展開が繰り広げられるが、クドリャフカはまだ金縛りにあったいた。
一体誰を信じればいいのか、何が真実なのか。
「ぬ・う・・・う・・・があぁぁあ!!」
微妙な均衡状態を保っていたが、土台となるクドリャフカの神経が持たなかった。
とりあえず振り上げた拳は下ろしてしまわないといけない。
展開していたファング・ボルテックスを勢い良くロック(リリアーナ)に投げつけた!

だが、高速回転をする牙の鎖はロック(リリアーナ)を八つ裂きにすることなく、その姿を飲み込んだ。
渦になっていても元は一本の鎖の回転体。
回転半径と角度、スピードを操作することによって、対象者を傷つけることなく取り込んだのだった。
今、ファング・ボルテックスは雪の結晶の上のロック(リリアーナ)を中心に据えて渦を巻いている。

クドリャフカのとった行動は、保護であり拘束だった。

「私は阿呆じゃけぇ何がどうだかはわからん。
あんたがリリアーナさんじゃったらファング・ボルテックスはそのままあんたを守る盾であり牙じゃ。
ほうじゃのぉて、乙女の敵じゃったら即座に牙は内側を向いてジュースミキサーになるけえのぉ!」

すがすがしい表情で宣言する。
どういう結果であれ、金縛り状態から解放されすっきりしたのだ。
とはいえ、そんなに悠長な事も言っていられない。
地響きが大きくなってきている。蟻の大群が近づいてきているのだろう。
急いであたりを回し、即席飛行媒体になるものを探しはじめる。

267 名前:ロック?(残り1:00) ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/23(水) 21:47:50 0
>>263 >265
メラルは空に舞い上がり、強力な冷気の風をアンジェリーナに放つ。
アンジェリーナの体からぱっと純白の翼が飛び散った。
雪のように舞い落ちる羽根をそっと掌で受け止める。
彼女自身が話していたように、アンジェリーナは本当に鳥なのかもしれない。

説得のおかげとは思えないが、ひとまずアンジェリーナは引いてくれた。
だが警戒までは解いていないようで、半信半疑の眼差しでこちらを見ている。
旋回している彼女は、今にもぶすりと衝いてきそうな気がする・・・。
ロックに変身したままのリリアーナは、居心地悪そうに身じろぎした。

アンジェリーナの下品極まりない罵倒に、ロックは真っ白になった。
「・・・この武器は、今の形になってからはずっと私が所持しています。
 悪夢もマリアベルから見せられていません」
そう言いながら、リリアーナは内心で首を傾げた。
悪夢で相手を苦しめる力があるのなら、二人きりになった時なぜ使わなかったのだろう。
魔法が使えないリリアーナ相手なのだから、尋問も簡単だった筈なのに。
「まあ・・・お言葉どおり魔法使いとしては廃人同然ですが・・・それでも出来ることはあると思います。
 実は、マリアベルからロックの杖を取り返しました。
 マリアベルが欲しがっていた人形もここに。
 アンジェリーナさん、これらについて何かロックから聞いていらっしゃいませんか?」

>266
杖と人形を出したところで、突如目の前に高速回転をする牙の鎖が現れた。
クドリャフカの展開したファング・ボルテックスだ。
>あんたがリリアーナさんじゃったらファング・ボルテックスはそのままあんたを守る盾であり牙じゃ。
ロックは何度も頷いた後、嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう、クドリャフカさん」
クドリャフカが自分に危害を加えるなどとは、夢にも思っていない顔だ。

268 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/23(水) 21:50:28 0

>261
高速回転する鎖の中、ロックが消えた。
「皆ごめんね、お騒がせしました」
どうやら変身薬の効果が切れたようだ。リリアーナは、氷の結晶の上で小さくなった。

「フリージア、また助けてくれてありがと。ところでこの氷の結晶、私にも動かせるのかな?」
クドリャフカの放ったファング・ボルテックスが氷の結晶の大きさギリギリで回転している。
氷の結晶から降りるに降りられないリリアーナは、困り顔でクドリャフカとフリージアの顔を見た。

>260
「ところでレイド先生、本物のロッ・・・マリアベルはどうなったんですか」
リリアーナはフォルティシモを気にしつつ。ずっと気になっていた事を口にした。
多分アンジェリーナも同じだろう。

ところで、さっきからくメラルの様子がおかしい気がするのだが・・・ただの考えすぎだろうか?

269 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/23(水) 23:53:08 0
>「フリージア、また助けてくれてありがと。ところでこの氷の結晶、私にも動かせるのかな?」
「・・・・今おろしますわ」
どうやらフリージアが作り出したものが故にフリージアにしか動かせないようだ
高速回転をする牙の鎖にぶつからないように慎重に真下に降ろすフリージア
ゆっくりゆっくり降りていく雪の結晶
それはやがて地面に到着した

>「ところでレイド先生、本物のロッ・・・マリアベルはどうなったんですか」
まさか蟻地獄に埋められたとは思うまい
とりあえずリリアーナはレイド先生に聞いているのだからと・・・フリージアは自分で言うのを止めた
そういえばやつを埋めてしまったが酸素は大丈夫だろうか?
まああの程度で死ぬはずがないと思うが・・・

そんな風に考えているフリージアだったが
近くに攻撃的な魔力を感じたのであわてて振り返った
その魔力の源は・・・・
「メラルさん何を睨んでらっしゃるの?誤解は解けましたのに」
蟻の集団を氷の結晶で捌きつつ、そうフリージア問うた

270 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/24(木) 20:16:11 O
>>267>268
リリアーナが元の姿に戻った事でマリアベル疑惑は晴れた。
アンジェはふわりとリリアーナの前に降り立つと、手にした槍を地面につき立てた。
「…本当の廃人を見たことあるの?」
アンジェは厳しい口調で言った。しかし、すぐに表情を和らげ、初めて優しく微笑んだ。
「よく彼から杖と人形を取り上げられたわね。
 恐かったでしょう?」
しかし、すぐにいつもの真顔に変わった。
「ロックはその杖と人形の事を全然知らないの。
 どこにあったのかしら?」
ロックの机に入っていた事を聞くと、アンジェは言った。
「それはきっとギルハートが仕込んだのね。
 ギルハートは、ロックがあなたに机の中身を手に入れるように指示した事を知ってたわ。
だから同じように机の中に杖を入れとけば…
 最終的にはマリアベルのもとへ…」
アンジェは言葉を詰まらせた。
「知ってしまったのね。
 …ロックがマリアベルだって。
 その杖と人形は元々マリアベルの物なの。」


> 「ところでレイド先生、本物のロッ・・・マリアベルはどうなったんですか」
マリアベルがどうなったかを聞くとアンジェは表情を変えずに言った。
「それなら…彼は今ごろ笑っているわ。」
その言葉と同時に、パーティに迫って来ていた蟻達が、
糸の切れたマリオネットのように次々と停止してしまった。


アンジェはリリアーナの目をじっと見た。
「…ねぇ、何かあったの?」
アンジェは『魔法使いとしては廃人』という言葉が気になっていたのだ。
リリアーナが魔法が使えなくなった事を聞くと、アンジェは尋ねた。
「魔法が使えなくなる前後に何があったか私に話してくれないかしら?
 ロックの魔法薬が役に立つかもしれないわ。」

271 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/24(木) 21:07:01 0
ファング・ボルテックスの中のロックの姿がリリアーナへと戻る。
それを見たフリージアは雪の結晶を操作してリリアーナをおろし、アンジェリーナは誤解が解けたといわんばかりに態度を変える。
迫っていた蟻もその動きを止め、アンジェリーナがその理由を話した。
とりあえずは事態の収拾を見た、といった場面なのだが、クドリャフカは険しい目つきを変えない。

・・・引っかかるのだ。

「おえんのぉ・・・どうもうもぉいきすぎちょぉよ?」
(通訳:何か変ですね。・・・不自然に話がうまく繋がりすぎています。)
すっかり疑心暗鬼に陥っているクドリャフカには、この一連の流れが不自然に思えてならないのだ。
「リリィさんがロックさんに化けとったっちゅうより、追い詰められてリリィさんに化けたっちゅうように見えるんじゃ。
大体リリィさんがロックさんに化ける必要なんぞないんじゃしぃのぉ。
いきなり襲ってきて突然静かになった蟻も鳥も。何か不自然じゃ。
あんた、いきなり人様に刃向けておいて勝手に話し進めんでくれんかのぉ!?」
自然に話を進めようとするアンジェリーナの前に立ち、リリアーナとの会話を遮る。
とりあえずの戦闘が終わったので、すぐに飛行媒体を探す必要がなくなった。
不意に時間の余裕が出来たので、疑念が膨れ上がったのかもしれない。

「リリィさんの好きな男の名前は?ほいで関係はどこまで言っとるんか?
本物のリリィさんならすぐに応えられるはずじゃぁ。」
未だファングボルテックスに囲まれたリリアーナを指差し、詰問を始める。
余りに突然、そして理不尽な質問ではあるが、クドリャフカにとってはそれが確実にリリアーナか別人かを判断する質問なのだ。
「下手な言い逃れは聞かんよ?
応えられんのなら早く正体を現した方が身の為じゃきいのぉ。
ほいじゃけど体の何割かがジュースになるまで持つかも見物じゃけどね。」 
すっかり逝っちゃった目残酷に微笑むクドリャフカ。
その笑みに呼応するように、ファングボルテックスを構成する牙が内側を向き、徐々にその直径を縮め始めた。



272 名前:セシル[] 投稿日:2007/05/25(金) 01:00:19 O
面白い余興だね…
僕も混ぜてもらおうか?

273 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/05/25(金) 11:58:09 0
>>272
>>4

274 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/25(金) 20:18:29 O
この学園にいた生徒の多くは、召喚された悪魔から逃れるためにゲートから避難をした。
しかし、校舎が崩壊した今、ゲートは閉ざされ、彼等は学園に戻る事ができない。
だが、今学園に残っているのはリリアーナ達だけではなかった。
数は少ないものの、避難できずに取り残された生徒や教師達がいるのだ。
ある者は遠くから校舎が塔に変形するのを見た。
また、ある者は校舎内にいたために塔の中にそのまま巻き込まれてしまった。

目的も様々である。
ある者は生きる道を探し、ある者は悪魔と死闘を繰り広げ、
また、ある者は好奇心のおもむくまま塔内を散策したりした。


275 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/25(金) 23:24:49 0
>271
暴走するクドリャフカにどう突っ込んでいいか悩むフリージア
>「リリィさんの好きな男の名前は?ほいで関係はどこまで言っとるんか?
>本物のリリィさんならすぐに応えられるはずじゃぁ。」

「こうなったら仕方ないわねリリアーナさんロックさんとはどこまで・・・って違うでしょ」
とフリージアは自分に突っ込みを入れた
そんなことよりここは早く魔方陣に向かうべきだ
いつマリアベルが復活するかわからないからである
だがクドリャフカをほっておけばリリアーナがスプラッタになる
面倒だしいっそのことクドリャフカを気絶させるか?
そう思い斜め45%に腕を振り上げチョップを放とうと構えるフリージア
>「下手な言い逃れは聞かんよ?
>応えられんのなら早く正体を現した方が身の為じゃきいのぉ。
>ほいじゃけど体の何割かがジュースになるまで持つかも見物じゃけどね。」 
「いい加減にしなさい!!」
まるで聖剣のようなそれが放たれた
ギズモはそれを見て「マルデ エクスカリバー ダ」とつぶやいた
「もう今はそんな場合ではないでしょう!早く魔法陣に行きますわよ」
と先を急がせるフリージア
ただの思い過ごしならいいのだが
なぜかここにいてはいけないような予感がさっきからびんびんしているのだ


276 名前:クドリャフカ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/25(金) 23:59:30 0
じわりじわりと縮まるファングボルテックス。
高笑いをしながら滅茶苦茶な尋問を続けるクドリャフカ。
「さあさあ、大きな声ではっきりとぉ〜・・・ふぎゃ!」
かなり逝っちゃった光景だが、それはフリージアの一閃で終わりを告げる。
フリージアの手刀はクドリャフカの首筋に見事にヒットし、その意識を刈り取ったのだ。

『あら残念〜。もうちょっとだったのにぃ〜。ほほほほほ〜』

まるでエクスかリバーのような手刀の効果だろうか?
倒れたクドリャフカから何か黒い靄のようなものが分離する。
その靄は一瞬、褐色黒髪のオリエンタルな民族衣装を纏った女の姿となって霧散した。

クドリャフカが気絶すると、リリアーナを囲んでいたファングボルテックスも徐々にスピードを落としていく。
やがては一本の鎖となってリリアーナの足元に力なく身を這わすのであった。

277 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/26(土) 00:48:33 0
>270
アンジェリーナに「怖かっただろう」と訊ねられ、咄嗟に返答できなかった。
杖の話や死について語ってくれたマリアベルからは、もっと何か違うものを感じたからだ。
だがうまく言葉に出来なくて、結局話すタイミングを逸してしまう。

アンジェリーナの説明では、ロックが用意していた「本来の武器」は魔法薬だったらしい。
>「知ってしまったのね。
> …ロックがマリアベルだって。
> その杖と人形は元々マリアベルの物なの。」

リリアーナは黙って頷いた。
「ギルハートは、まるで最初から自分達が倒されると知っていたみたいですね」
マリアベルに渡すために用意されたという杖と人形。
だったら、人形も杖もここに埋めていくのが一番いいのかもしれない。
そうすれば、人形も杖も永遠に彼の手には戻らない。
(・・・だけど・・・マリアベルのものはロックのものでもあるのよね?)
確かロックも同じ杖を使って光魔法を使っていたはずだ。
リリアーナ本人も馬鹿なことを考えているとは分かっていた。だが、どうしても思い切れない。
(要は、マリアベルの手元に渡らなければいいのよね?)
リリアーナはアンジェリーナとの会話の合間に、ちらちらレイドに視線を向けた。
預かってもらうなら、レイド以外考えられない。
だがレイドは、リリアーナの頼みを聞き入れてくれるだろうか?

さて、当のレイドはリリアーナの内心など知るよしもない。
彼女の質問に答えるべく、マリアベルのその後を手短に説明してくれた。
「アリ地獄に飛び込んだ?なんで?!」
リリアーナは愕然とした。物体操作でどうにかするとばかり思っていたのだ。
「アンジェリーナ、もしマリアベルが砂の中で死んだら・・・ロックはどうなるの?」
>「それなら…彼は今ごろ笑っているわ。」
「え?それは一体・・・」
質問しようとしていたリリアーナは、思わず言葉を失った。
全てのアリが突然動きを止めたからだった。
「フリージアすごいわ!いったいどんな魔法を使ったの?」

アンジェリーナがファング・ボルテックス越しに、じっとリリアーナの目を覗き込んできた。
>「魔法が使えなくなる前後に何があったか私に話してくれないかしら?
リリアーナは昨日起こったことを話した。
昨夜イレブンに切りつけられたこと、意識が戻った時、ギルハートの襲撃を受けたこと。
学園長室であるものを取に行けと強制されたこと・・・。
「良く分からないけれど、ギルハートは私に会いたいと思っていたそうです」
>「おえんのぉ・・・どうもうもぉいきすぎちょぉよ?」
え?とリリアーナは回想を止め、顔を上げた。
怖い顔でクドリャフカがこちらを睨んでいた。

278 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/26(土) 00:52:00 0
>271
>「リリィさんがロックさんに化けとったっちゅうより、追い詰められてリリィさんに化けたっちゅうように見えるんじゃ。
(中略)あんた、いきなり人様に刃向けておいて勝手に話し進めんでくれんかのぉ!?」

一刻も早く魔法陣を見つけたくてフォルティシモの力を借りたのだが、
マリアベルと同じロックに変身したのは、やはり軽率だった。自分でもそう思う。だが――
>「リリィさんの好きな男の名前は?ほいで関係はどこまで言っとるんか?
>本物のリリィさんならすぐに応えられるはずじゃぁ。」
――なぜ、本物か否かを確認する方法が「コレ」なのだろう。
ぽかん、と口を開けていたリリアーナがはっと我に帰った。
「ちょ、ちょっと待ってよ、フォルティシモの力を借りたいあまり、ロックに変身したのは悪かったわ。
 マリアベルそっくりの姿で現れたりして配慮が足りなかった。本当にごめんなさい。
 だからそんな馬鹿な方法で白黒つけるのは止めましょうよ」
>「下手な言い逃れは聞かんよ?
>応えられんのなら早く正体を現した方が身の為じゃきいのぉ。
>ほいじゃけど体の何割かがジュースになるまで持つかも見物じゃけどね。」 
「え?・・・・ええええ?!」
シャキン!とファング・ボルテックスを構成する牙が内側を向いた。
>「こうなったら仕方ないわねリリアーナさんロックさんとはどこまで・・・って違うでしょ」
「フリージア!ふざけてないで助けてー!!
 そ、そうだ、昨日占った結果を話してみせるっていうのはどう?私達4人しか知らない秘密よ?」
リリアーナがそう提案したが、牙の輪の動きは止まらない。
ここに来て鈍いリリアーナもようやく悟った。クドリャフカは本気だと。

「そ・・・そもそも私、好きな人がいるなんてフリージアにだって話したこと無いのよ?
 それでどうやって私の話が本当かどうか判断するの?こんなのナンセンスだと思・・・」
足元にある氷の結晶ががりがりと音を立てて削られ始めた。
リリアーナの顔から血の気が引いた。
「やだ!クドリャフカさん止めて!お願いだから止めてよ!止めて!!」
>「いい加減にしなさい!!」
>「さあさあ、大きな声ではっきりとぉ〜・・・ふぎゃ!」
まさに鶴の一声。ならぬエクスカリバー。
>「もう今はそんな場合ではないでしょう!早く魔法陣に行きますわよ」
「ふ・・・フリージアー。大好き!もう一生ついていくわ!!」
リリアーナはうるうるしながらひしっとフリージアに抱きついた。

>>272-273
声が聞こえたような気がして、リリアーナは周囲を見渡した。だが今のところ動く影は見当たらない。
「ねえ、誰かいるの?」
リリアーナは小さな声で声をかけてみた。

>『あら残念〜。もうちょっとだったのにぃ〜。ほほほほほ〜』
昏倒しているクドリャフカの中から、見覚えのある生徒の影が抜け出していった。
確かあれはクドリャフカの友人で、肌も黒いが腹も黒・・・ゲホゴホ・・・幻術科の生徒だったはずだ。
「ほほほほほ〜じゃないわよっ。クドリャフカさんの中に入って悪戯するなんて最低!
 っていうか遊んでないでちょっとは手を貸しなさいよぉっ!!!」
もちろん要領のいい彼女が手伝う訳が無い。
後には気絶したクドリャフカと、一本の鎖に戻ったファング・ボルテックスが残った。

「クドリャフカさん、起きて起きて!!」
気を取り直し、とりあえずクドリャフカの頬をペチペチ叩いてみた。

279 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/26(土) 16:03:42 0
「…強い…!」
アンジェが顔色も変えず攻撃を防いだ。次の術の準備をして
相手の攻撃にあわせてカウンターを仕掛けようとしていたが…
アンジェは自分の横を素通りしてリリアーナに接近する。
「…リリアーナ!…?」
振り向くと、クドリャフカがリリアーナをフォロー
(と受け取っていいものか、いささか判断に困るのだが)し、
リリアーナはアンジェリーナの下品な言葉に正面から反論し始める。
(…攻撃のチャンスを潰してまであんな下劣な…馬鹿にして…)
反射的に術を撃ちかけ、ギリギリでそれを押し留める。
(…何をやっているの、私は…。相手はあの男の敵でもある可能性が高い…。
安易にこれ以上の攻撃は…。大体、感情に任せて動くなんて私らしく…)
(敵の可能性もある以上、後腐れなくこの場で…)
(…戦力に余裕があるわけじゃないのにそんな事をしてもただマリアベルを利するだけ…)
冷静になっても直ぐに別の、普段のメラルはけしてしないような
考えが頭を占め、それに体が反応しようとして、何とか押し留める。
そんな状態が何度か続いた。段々反応する体を抑えるのに体内に込めた魔力、
そして反応する時に使われかけた魔力が体内に集まり、
その不自然な魔力が周囲にも感じ取れる。行動そのものも妙に見えるだろう。
途中、フリージアの声が聞こえてきたがそれどころではない。
抑えないと何時術を放つか判った物ではない。
(…やってくれたわね…。)

もう、誰の仕業かは気付いていた。しかし…押し留めるのも限界が近い。
(こうなったら、最後の手段…)
(…狙いは…こっち?間に合わない!…もう、皆に任せるしか…ない!)
感情を動かしていたマリアベルの力によってメラルを翻弄され、
対抗する事に意識を集中させられ…その対抗の方向をずらされた。
最後にメラルが水晶球の中にいる何者かに目配せをし、水晶球がメラルの傍を離れ…
直後。メラルの左目に刻まれた文字が輝きだした。そして、メラルの全身から
藍色の霧のようなものが放たれ、メラルの魔力が全く感じられなくなる。
そして、その霧は非常にゆっくりと広がってゆき…その霧の中から、
一筋の雷がアンジェリーナに向けて放たれた。

メラルの水晶球が、リリアーナ達の前に来た。そして…水晶球から声を発した。
人間のそれとは明らかに異質な、癖のある声である。
「いきなりで悪いがヨ…逃げナ。」
そう言うと、水晶球から白い霧のような物が漏れ出し、いつの間にか
中に水晶球を内包した、氷製の小柄な竜のような物に変化していた。

そして、今の状況は…マリアベルにとってもただ良いだけではなくなっていた。
メラルの感情に影響を与える為の魔力。それの消耗が…非常に早いのだ。
それこそまるで、吸い取られているかのように…。


280 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/26(土) 22:07:04 O
>>277
> リリアーナは昨日起こったことを話した。
アンジェは表情にこそ出さないが大変驚いていた。
「アベコベールでは役に立ちそうにないわ。
 原因はあなたが手にした赤い石にあるの。」
大柄の女性の頬を叩くリリアーナの横に立ちアンジェは質問した。
「それで、カドゥ…その石は今どこにあるの?」
リリアーナはレイド先生が持っていると教えてくれた。
しかし、レイドは問題なく魔法が使える。それは、ある事実を明確に示していた。
リリアーナ、やはり彼女は選ばれた者なのだ。
「レイド先生、その石を彼女に渡してください。
 彼女にはそれを手にする資格があります。
 そして、ロックを救済することができるかもしれません。」
アンジェはリリアーナに向き直ると開封済みの手紙を渡した。
「これから何があっても恐れないで。
 あなたが手にした赤い石、あれの正体はカドゥケウス。」
アンジェはそこまで言うと、地面につき立てていた槍を引き抜き、くるりと振り返った。

>>279
> 一筋の雷がアンジェリーナに向けて放たれた。
再び槍を持った手でアンジェは自身の体をかばった。
アンジェは自身の限界を感じていた。もう人間の姿でいる事は難しい。
「(もう…人の言葉は話せそうにないわね。)」
アンジェの口は、鳥のクチバシのようになってしまったのだ。
> メラルの水晶球が、リリアーナ達の前に来た。そして…水晶球から声を発した。
> 「いきなりで悪いがヨ…逃げナ。」
アンジェはリリアーナに向かって
『ここは私が何とかするからマリアベルのもとに急いで!』
と叫んだが、もはや鳥がキーキーわめくような声にしかならなかった。


281 名前:ロックの手紙 ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/26(土) 22:27:36 O
以下はアンジェがリリアーナに渡した開封済みの手紙の内容である。
『親愛なるアンジェリーナへ
 マリアベルを倒すために、呪い返しの薬アベコベールを用意しました。
 マリアベルが死の呪いを使ったとたん、彼にはねかえってお陀仏というわけです。
 もちろん、呪いがはねかえされるように、祝福もはねかえる事は忘れていません。
 しかし、アンジェリーナさん、あなたは何を心配しているのですか?
 ロックより』


282 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/27(日) 20:57:51 0
>>279-281
頬を叩いても、クドリャフカは目を覚まさない。
「どうしよう、担いでなんて行けないわ。起きて、起きてよクドリャフカさん!」
リリアーナは困り果て、少し乱暴にクドリャフカの身体を揺さぶった。
弾みでクドリャフカの懐から幻灯機とカプセルが転がり落ちた。
カプセルはころころ転がり、フリージアの足元で止まった。

クドリャフカに肩を貸そうと四苦八苦していると、アンジェリーナがようやく口を開いた。
>「アベコベールでは役に立ちそうにないわ。
> 原因はあなたが手にした赤い石にあるの。」
アンジェリーナに問われ、赤い石の行方について説明する。
>「レイド先生、その石を彼女に渡してください。
> 彼女にはそれを手にする資格があります。
> そして、ロックを救済することができるかもしれません。」
「え・・・!!本当ですか?あの石を使えば本当にロックを助けられるの?」
アンジェリーナは質問に答えず、開封済みの手紙を差し出した。
リリアーナはロックの手紙を小声で読みあげた。
手紙の内容は、アベコベールについての効能だった。
少し距離のあるメラル以外には、正確に理解できただろう。

>「これから何があっても恐れないで。
> あなたが手にした赤い石、あれの正体はカドゥケウス。」
アンジェリーナは槍を引き抜いた。
「待って!まだ聞きたいことが・・・!」
だが、その願いは叶わなかった。
藍色の霧から放たれた一筋の雷光が、アンジェリーナを捕らえたからだ。
「メ・・・メラルさん?どうして!!」
リリアーナは酷く狼狽した。
あの冷静なメラルが、戦意の無いアンジェリーナに攻撃を加えるとは思えない。
「まさか・・・さっきマリアベルに捕まっていたとき、マリアベルに何かされたの?」
雷光が収まった時、もうアンジェリーナの言葉は理解できないものになっていた。
やはり彼女は、鳥だったのだ。

メラルがいるはずの藍色の霧からは、彼女の魔力が全く感じられない。
嫌な予感がした。
姿の見えないメラルを大声で呼ぼうとした時、リリアーナ達の前に水晶球が飛んできた。
水晶球の化身のような氷の竜は、彼女たちに逃げろと言い放つ。
「そんなこと言ったって・・・」
傷ついたアンジェリーナも、暴走しているメラルも放ってなどおけない。
だが、一刻も早く先に進まなければならない。
「どうしよう・・・一体どうすればいいの?」
困り果てたリリアーナは、蒼ざめた顔でメンバー達を見つめた。

283 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 00:06:17 0
フリージアの足元に転がってくるカプセル
それをなんとなく手に取るフリージア
「これはいったい?」
そうそれは使い魔収納用のカプセルであった
「もしかしたらこれで・・・」
使い方を思い出したフリージアはカプセルをクドリャフカに向ける
たちまち吸い込まれるクドリャフカ
「気が付くまでこのままにしときましょう」

さて今の状況を整理すると
メラルが暴走しアンジェがそれを止めようとしている
暴走したメラルの使い魔らしき竜が逃げろと警告している

「本来なら言葉に従って魔法陣に向かうところですけど・・・
 メラルさん二度も他人に操られるなんて情けないですわよ!!」
そう一喝するフリージア
「それともそんなにも心の弱い方でしたかしら?」
この挑発でメラルが反発心をおこせばマリアベルからの束縛を打ち破れるかも・・・そう思っての発言だった



284 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/05/28(月) 00:18:36 O
参加したいのですが、キャラの設定とか書き込む必要ありますか?

285 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/05/28(月) 00:31:53 0
続きは避難所で

286 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 06:30:23 0
>>284の足元に一枚の紙が絡みついた。
あちこち破れて読みにくいが、どうやら転入生向けの入学案内のようだ。
要約した内容は以下の通りである。

・・・(中略)・・・。メール欄には半角でsageとお入れください。
何か不明な点がありましたら、下記学生課までお気軽にお問い合わせ下さい。
入学願書も同課にて常時受け付けております。

学生課(避難所)
PC:ttp://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1171556198
携帯:ttp://c-others.2ch.net/test/-/charaneta2/1171556198/i

学園についての参考資料
TRPGまとめサイト「千夜万夜」
PC:ttp://verger.sakura.ne.jp/
携帯:ttp://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm


287 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 13:09:10 O
人間の目ではとても見えないような遠い距離―――
遠距離狙撃用ライフルのスコープに目をあて、対象に狙いを定める
マントをはおり、その姿は誰かは確定はできない


「……チッ……遠距離狙撃は……苦手だが………仕方ないか」

そう呟き、引き金を引く影



その銃口から弾丸が飛び、リリアーナめがけてまっすぐに飛んでいった




(初めまして、よろしくお願いします ロルとかやったことないので、この辺りの長さが今は限界です;;徐々に慣れていけたらいいなぁと思うので、どうかアドバイスとかよろしくお願いします)

288 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 13:30:29 O
参ったなあ、こりゃちょっとマズイ。
メラルの魔力が暴走を初めちまった。
オマケにアンジェは傷を負っている。
前に校長からメラルの魔力の暴走について話を聞いていたが、まさかこれほどのものとはね…
とりあえず俺はアンジェに言われた通りリリアーナに石を渡す事にした。
「アナザーゲート。……え〜と…あった。
ほら、リリアーナ。」
青ざめた顔をしているリリアーナの手を取り、赤い石を渡す。
「そんな顔すんなよ。大丈夫、何とかなるって。
俺達はこんな所で死ぬ訳にはいかないだろ?
俺なんかまだ結婚もしてないんだぜ?
独身のまま死ぬなんて死んでも死にきれないっての。」
リリアーナには冗談に聞こえるかもしれないが結構マジな話で、独身のままこんな所で死ぬなんてまっぴらごめんだ。
しかし、どうしたもんかね…
暴走する可能性があるって話は聞いてたが、暴走を止める方法は聞いて無いぜ、校長。
普通は止める方法教えとくもんだろうよ。
これだから校長は……って愚痴ってる場合じゃない。
「メラルの暴走を止める方法知ってる人、挙手。」
………やっぱし誰も知らないか……。


289 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 13:32:35 O
魔力の暴走は普通の回復魔法じゃどうにもならない。
暴走を解く一番簡単な方法は術者に一定のダメージを与える事だ。
とは言っても魔力が暴走している奴相手に闘うのはなかなか難しい。
なんてったって魔法の威力が通常の何倍にもなってるからな。
上級魔法なんかくらったら一発でお陀仏かも。
「リリアーナ、とりあえず皆を連れてこの場から離れろ。
ほら、お前には一番大事な使命があるんだろ?
俺なら大丈夫だ。
俺は校長の次に無敵の男だからな。
あ、そうだ、これ持ってけ。」
懐のポケットから小さなサファイアがはめ込まれている指輪を取り出し、リリアーナに手渡す。
「これは、指にはめてると少しずつだが体力が回復するというとっても便利な道具だ。
結構高かったんだぜ?」
俺の給料3ヶ月分の値段だからね。
俺はリリアーナ、フリージア、クドリャフカ、そして暴走しているメラルの顔をそれぞれ少しだけ見渡した。
「……お前達は立派に成長したよ。
もし俺が死んじまってもお前達なら充分やっていける。
自分に自信を持て。
なんてったってお前達は俺の自慢の生徒なんだからよ。
……じゃ、後の事は頼んだぞ。」
そう言い残し、暴走したメラルに接近する。

290 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 13:34:02 O
ヤバいな。
下手したら結構マジで死んじまうかも。
独り身で死ぬのかよ、俺は。
「メラル……。スマン。
俺にはこれしか方法が思い浮かばないんだ…
無知な俺を許してくれ…」
チッ……クソッたれ。
自分の無知さにムカつく。
「ファイアーボール。」
次々とファイアーボールをメラルに投げつける。
これで暴走が治まるとは思えないがあまり強い魔法は使いたくなかった。

291 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 21:43:01 O
「………キサラ・トールフェルドより定時連絡…目標は予定通り暴走を開始……邪魔が入らぬよう、狙撃を開始します」


そう言って携帯の通話を切る

―――相手が誰かもわからない定時連絡―――

人間を洗脳により暴走させる―――そんなこと―――可能なのか………
―――実際にスコープで見ていても……信じられない


「………この指令に………いや、この指令をこなす自分が……果たして正しいのか―――」
―――そして―――この指令に対する不信感も―――積もる一方だった

292 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/28(月) 21:52:52 0
しくしくと小さく泣き声がする。
どこからだろう?
耳を澄ませば気付くはずだ。
それはリリアーナのすぐ後ろからだと。

慌てて振り向いたリリアーナの目には、30センチほど3頭身の女の姿が映るだろう。
多分にデフォルメされているが、リリアーナは良く知っている。
褐色の肌に、エキゾチックな顔立ち、黒髪にオリエンタルな民族衣装。
メラルも、ロックも、フリージアもその顔は知っているであろうその人物は・・・
・・・アルナワーズ・アル・アジフ。
幻術科に籍を置き、大抵の噂話はアルナワーズの耳に入り、また、アルナワーズの口から出て行く。
ある種のトラブルメーカーで、関わると碌な事がないか、福音を齎されるかは意見が分かれるところ。
どちらにしてもイベントに巻き込まれることは確実で、祭り好きの多い生徒からは受け入れられ人脈も広かったりする。

「さめざめさめざめ・・・リリィったら酷いわ〜。操って悪戯だなんて・・・
知らないだろうけど、クドリャフカってとっても乾燥した人生送っているのよ?
恋心も知らずに青春時代を送るなんて可哀想じゃない?
だからちょっと心を開きやすく暗示をかけた・だ・け。友達として当然な親切よ〜。
あとは私は見ていただけだもの。操るなんてつまらない真似しないわ〜。」
芝居がかったしぐさで泣きまねをしつつ、釈明を続ける。
そんなアルナワーズは今の状況は全く意に介せていないようだ。

「手伝えって行っても、私は体が弱いし、幻術なんて直接的な力ないじゃない?
だからこうやって見ているしかないの・・・弱い私を許して〜。」
悲しげに転がる幻灯機に手を付きながら嘆くが、幻灯機は空中に幻を映し始める。

【禁断の愛!一生の誓い!】
>「ふ・・・フリージアー。大好き!もう一生ついていくわ!!」
前後の場面がカットされ、うるうるしながらひしっとフリージアに抱きついた場面のみ切り出されたその映像は十分誤解を与えるに足る映像だった。

【禁断の愛!教師と生徒の指輪交換!】
次の映像には音声がなく、懐のポケットから小さなサファイアがはめ込まれている指輪を取り出し、リリアーナに手渡すレイドの姿が。

「あらあら、これは編集が大変(ハート)。
あ、ちなみに、今の私は残留し念だから怒っちゃやーよ。
この間「仲良し」になった死霊科の子に教えてもらったの。
まあそんな事より、レイド先生の言うとおりここは一旦逃げましょ〜。
オーバーロードの強制発散なんて怖いわ〜。
あ、幻灯機忘れちゃやーよ。これが壊れたり長い間放置されるほデータが勝手に魔法ネットワークに流れちゃう仕組みになっているから。」
残留し念である今のアルナワーズは物理的な力は殆どないに等しいのだ。
フリージアとリリアーナにぴょこぴょこ短い手を振って促すの時まだ、狙撃の弾丸が放たれたなど知る由もなかった。




293 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 09:12:03 0
緊迫と混迷の状況の中、動きを停止した蟻の大群の向こうから声が聞こえてくる。

「・・・−ム、・・・ランクス。・・・ディ?」
くぐもったような声の後、
パキィン、と指を弾くような音が響く。と同時!

耳をつんざくような複数の雷鳴と爆発。
鈴の音のように氷の割れる音が響いて、蟻の大群の一角が砕け散る。

その向こうから、10を超える光球、火球、氷晶を従えて黄土色の衣服に身を包んだ少年が現れる
氷晶や火球にはなぜかデフォルメされたキュートな目や口がついている。
少年は片手には杖のような物を携えて。それは多種の金属の枝を無色の棒に絡ませて、
中心の棒だけ抜き出してしまったような形状に見える。

「どこに行っても蟻だらけ、で。やっとみんなに会えたよ。どうなってるのかな?」
多数の精霊を従えて現れた少年。名をラルヴァ=ケラスと言う。
クラスの中でも存在感が希薄で、教師にすらそうそう名前を覚えられていない目立たない生徒。
それが、今はそのベールを脱ぎ捨てたように見える。

「大量の魔力が集積されてたりするから、精霊を多く召喚できたけど。
 どういう状況になってるか、誰か教えてくれないかな?」
ゆっくりと近づいて行くラルヴァの背後から精霊(?)達がゆっくりと他の生徒達の周りにも漂ってくる。

「精霊は見た目以上に頑丈だからね、護衛ってことで。」
やや小柄なラルヴァは、そこでみんなを安心させるように微笑んだ。

294 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 09:32:37 0
>287-292
>「メラルの暴走を止める方法知ってる人、挙手。」
そんなことも知らずにレイド先生はメラルをどう止めるのか
生徒たちに問う
「知っていたら苦労はしませんわ」
とりあえずそう答えるフリージア

>「……お前達は立派に成長したよ。
>もし俺が死んじまってもお前達なら充分やっていける。
>自分に自信を持て。
>なんてったってお前達は俺の自慢の生徒なんだからよ。
>……じゃ、後の事は頼んだぞ。」
「せ、先生!!」
そう言ってレイドはメラルを止めに行ってしまった
「死なないでください・・・先生」

突然現れたアルナワーズの立体映像
そして回り始める幻灯機
そしてそれが写したものとは
【禁断の愛!一生の誓い!】
ドンガラガッシャンとこけるフリージア
「ちょ、ちょっとこれじゃ私たちがお百合さんみたいじゃないの!!」
続いて指輪を渡すレイド先生
「・・・・これは誤解されるかもしれませんわね」
さらにアルナワーズは
>これが壊れたり長い間放置されるほデータが勝手に魔法ネットワークに
>流れちゃう仕組みになっているから
と恐ろしいことを言った
「か、回収しますわよ!!」
>「オカアサン コレ タベテモイイ?」
「駄目よ!!」
美味しそうなものを見る目で幻灯機を見るギズモ

その時銃弾は放たれた

その襲撃に気がついたのは意外なことにギズモであった
この世界では珍しい精密機械”ケイタイデンワ”の臭いをかいだのだ
グレムリンであるギズモはその臭いをかぎつけ
「コレヨリモット・・オイシソウナニオイガスル」
とつぶやいた
「え?」
いきなりのことに対処できないフリージア
そして銃弾はリリアーナに飛んでいく

295 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 18:01:56 0
>288-289
>ほら、リリアーナ。」
レイドはリリアーナの手を取り、赤い石を握らせた。
>「そんな顔すんなよ。大丈夫、何とかなるって。
>俺達はこんな所で死ぬ訳にはいかないだろ?
レイドは結婚もしてないのに、とおどけてみせた。
リリアーナは無理に笑おうとしたが、口元がかすかに震えただけだった。

>「リリアーナ、とりあえず皆を連れてこの場から離れろ。
>ほら、お前には一番大事な使命があるんだろ?
リリアーナは俯いた。・・・そうだ、マリアベルを止めてロックを助けないと。
だがメラルの理性が飛んでいた場合、暴走を止めるのはアンジェとレイドの2人がかりでも厳しいだろう。
>俺なら大丈夫だ。
>俺は校長の次に無敵の男だからな。
>あ、そうだ、これ持ってけ。」
レイドはそう言って、小さなサファイアがはめ込まれている指輪を手渡してきた。
「レイド先生、少しは自分の心配してよ・・・なんでこんな時まで私達のことばっかり・・・」
この指輪はこんな場面で、出来の悪い生徒に貸してやるような品では無いのに。

レイドはリリアーナ、フリージア、気絶したクドリャフカ、そして暴走しているメラルの顔を感慨深げに見つめた。
>「……お前達は立派に成長したよ。
>もし俺が死んじまってもお前達なら充分やっていける。 自分に自信を持て。
>なんてったってお前達は俺の自慢の生徒なんだからよ。
>……じゃ、後の事は頼んだぞ。」
「先生待って!」
今生の別れのような言葉に、リリアーナはたまらず追いすがった。
「持っていって!賢者ライールの杖なの。マリアベルのだけど・・・でもきっと何かの役に立つから!」
リリアーナは無理やり人形と杖を押し付けた。
「まだ教わってない事一杯あるのに、そんなし・・・死ぬとか言わないで。
 先生の言うとおり、先に行くわ。でもそれは、先生が後から来てくれるって信じてるからよ」
子供のようにぽろぽろ涙を流しながらリリアーナは言い募った。
「メラルさんを助けて。でも先生も、・・・気をつけてね」

>283
フリージアはクドリャフカをカプセルに収容した。
大声でメラルを挑発している。口は悪いが彼女なりのエールだと分かっている。
リリアーナはごしごしと顔を擦ると、自分で自分の頬を力いっぱい叩いて気合を入れた。
「行きましょう。マリアベルを直に叩けば、メラルさんにも下手に干渉できなくなるわ。
 竜さん、あなたはどうするの?私達と来るつもり?」
泣きはらした目のまま、リリアーナは水晶球の化身の竜に声をかけた。

296 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 18:06:20 0
>292
「さめざめさめざめ・・・リリィったら酷いわ〜。操って悪戯だなんて・・・
「きゃああああああああ?!」
耳元で囁かれ、リリアーナは飛び上がった。
振り向けばそこには、アルナワーズ・アル・アジフ・・・のミニーバージョンが立っていた。
「な・・・な・・・何してるの?」
リリアーナはとっさにフリージアの背後に隠れた。手伝えといったのは自分なのに、なんとも酷い言い草である。
別にアルを嫌っている訳では決してないのだが、どうにもこうにも苦手なのだ。
彼女はとにかくマイペースで独特の価値観で動く上、何をいっても彼女の都合のいいように曲解されてしまうのだ。
天然な上、話が一応筋が通っているからさらにタチが悪い。
論戦でアルに勝てる人間は学園でも数えるほどしか居ないだろう。

アルは妙に芝居がかった仕草で、クドリャフカに仕掛けた悪戯と協力しないことの釈明を始める。
警戒心バリバリのリリアーナの前で、幻灯機が静かに回り始める。
リリアーナは石と化した。フリージアの抗議の声がやけに遠くから聞こえてくる。
>「・・・・これは誤解されるかもしれませんわね」
ぶちっ!と何かが切れた。
「ふ・・・ふざけないでよ!レイド先生がどんな思いで私達を送り出したか・・・!!
 アル、あなたには人の心がわからないの?!」
>まあそんな事より、レイド先生の言うとおりここは一旦逃げましょ〜。
>あ、幻灯機忘れちゃやーよ。これが壊れたり長い間放置されるとデータが勝手に魔法ネットワークに流れちゃう仕組みになっているから。」
「な・・・あなたが変なちょっかいかけるから・・・――――?!」

>287 >291
赤い石が突然まばゆい光を放った。リリアーナは思わず目を閉じた。
同時に胸元で何か乾いた音がした気がした。リリアーナはチカチカする目で確認する。
「あれ・・・いつの間に?」
丁度リリアーナの左胸の前で、赤い光に包まれた金属?が静止していた。
一瞬呆けていたものの、リリアーナはすぐ我に返った。
「狙い撃ちされるわ!隠れて!!」
叫ぶなり、リリアーナは幻灯機を鷲掴みすると物陰に飛び込んだ。
「もう・・・急いでるのに!一体どこから狙ってるのよー!!ねえフリージア、何とかならない?」

>>293
耳をつんざくような複数の雷鳴と爆発。
鈴の音のように氷の割れる音が響いて、道を塞いでいた蟻の一群が吹き飛んだ。
>「どこに行っても蟻だらけ、で。やっとみんなに会えたよ。どうなってるのかな?」
突然現れた黄土色の衣服を来た少年は、こちらに気づくと親しげに話し掛けてきた。
そういえば面影にどこか見覚えがある。リリアーナは肩の力を抜いた。
(敵じゃないわ。でも・・・)
「誰だったっけ?」とリリアーナは小声でフリージアにたずねた。

> どういう状況になってるか、誰か教えてくれないかな?」
にこりと微笑んだ顔を見た途端、リリアーナは少年を指差しあっと叫んだ。
「まさか!あなたラル・・・君なの?」
ラルヴァという名前が出てこなくて、咄嗟にごまかしたのは内緒だ。
リリアーナは小柄な少年をまじまじと見詰めた。
>「精霊は見た目以上に頑丈だからね、護衛ってことで。」
(うわ・・・いつもと雰囲気が違いすぎじゃない?)
だが、漂う精霊に目を止めた途端、リリアーナは表情を引き締めた。早く先へ進まないと。

リリアーナはがしっとラルディの両肩を掴むと、にっこりと微笑んだ。
「ナイスよラル君!実は私達、魔法を使わない遠距離攻撃を受けててホント困ってたの〜。
 詳しい話は後!今はあなたの精霊で私達を守って頂戴。 皆いい?魔法陣まで走るわよ!!」
体力のあるフリージアか残留思念のアルなら、きっと息を切らさず現状を説明できるだろう。
リリアーナはレイドから貰った指輪を嵌めると、ラルの腕を取り一目散に駆け出した。

リリアーナの持つ赤い石がまた光った。
もしキサラがスコープでこちらを狙っていたなら、きっと目が眩んだだろう。

297 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 18:52:32 0
>296 >289

とりあえず要領を得ないんだけれど、今はとにかく危ない事態らしい。
周囲を見渡して、藍色の霧やレイド先生の顔色を見れば多少は分かる。

「暴・・・走?先生、暴走ってのは基本的に本能が理性を超えている状態です。
 つまり暴走の現象から何を求めているか推測してそれを充足させてやれば・・・。
 いや、こんなのは分かっているとは思いますが。お気をつけて。」
そう先生に一声かける。

>「まさか!あなたラル・・・君なの?」
>「ナイスよラル君!実は私達、魔法を使わない遠距離攻撃を受けててホント困ってたの〜。
>詳しい話は後!今はあなたの精霊で私達を守って頂戴。 皆いい?魔法陣まで走るわよ!!」

「んー・・・。まぁいいか。OK,[戦列:守護円陣](フォーム:サークル)、レディ?」
リリアーナからとりあえず現状の危機を聞いたので精霊達に指示を出す。
稲妻を帯びた光球をメインに6種の精霊が一人一人を庇うように円陣を作る。

「じゃあ、走ろうか。あぁ、ついでに喚んでおこうかな。ルーナ、シャニィ。」
走りながらまるで買い物を済ませた時に買い忘れた物を思い出したような口調で何か呟く。
すると、ラルヴァの体から抜け出すように暗灰色と白銀色の影が飛び出し、ラルヴァと併走し始める。
・・・狼と虎だ。

「とりあえずこれだけいれば障害物は気にしなくていいかな、その狙撃が心配だけど・・・。後は全力で走るっ。」
それだけ言い終えてリリアーナ達に先導は任せつつ走っていく。案外タフらしい。

298 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 19:36:27 O
>>296
「……!?外した………?………気付かれたのか………?」
赤く眩い閃光が辺りを包むが、彼の目にはサングラス………スコープを兼ねたかなり高性能なものがつけられていた

まさかこんなところで役に立つとは、本人も思わなかったろう

「………一発目は外したか………仲間も増えたようだな……………だが、場所はまだわれていないはずだ………」


続けて第二射、三射、四射……次々に弾丸が的確にリリアーナ達を襲う

だがそれは攻撃というよりは足止めに近く、『その場から動かさない』ための狙撃だった

299 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 20:06:48 O
闇の魔法使いマリアベルを追い掛けるため、リリアーナ達はワープ魔法陣に向かって移動していた。
しかし、今魔法陣の近くはリリアーナが上空から見た時と様子が異なっている。
そこには凄惨な光景が広がっていた。
掘り返されてえぐられた地面と巨大な足跡、何かが引きづられた形跡。
そして、一際大きい鋼の蟻が魔法陣の上に倒れこんでいた。
これが女王蟻である。しかし、その姿に威厳は感じられない。
何か大きな物になんども踏み潰されたのか、
体はへしゃげ、足はあらぬ方向に潰れ、6本の内の2本はもげてしまっている。
巨大なお腹から出ているへその尾のような管もちぎられ、体液とおぼしき青い液体が散乱していた。
方法はわからないが、マリアベルの仕業である事は明白だった。
リリアーナ達にとって問題なのは女王蟻が邪魔で魔法陣が利用できない事である。
魔法陣を利用するには、この重い蟻をどかす必要がありそうだ。


300 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 21:59:17 0
「あらフリージア、百合も一つの愛の形よ?差別は良くないわー?
少なくとも私は理解して応援するわよ。・・・・・あなた達を。」
微妙に論点をずらしながらフリージアを嗜め、リリアーナに事情を話すと激昂をされてしまう。
>「な・・・あなたが変なちょっかいかけるから・・・――――?!」
泣き腫らした目は赤く、声が震えている。
「リリィ?私達魔法使いにもっとも必要なものは?」
それは魔法の知識でもない、魔力でもない、いかなるときにも失わない冷静な精神力。
学園に入って一番最初に教えられる言葉だ。
「余裕がないと視野狭窄に陥っちゃうわよ〜。」
にっこりと笑って、現れたラルヴァの方へと飛んでいった。

精霊に守られながら移動しつつ、ミニアルナワーズはラルヴァの頭の上に座っていた。
「ラル〜?こんな力を持っていただなんて。良くも今まで私の目をごまかせたわね〜。」
感心したような、嫌味を言うような口調でつむじをぐりぐりと突付きながらぼやく。

使い魔に精霊にと、これだけ多くを一度に使役、コントロールするのは並大抵ではない。
それほどの力を持ちながら、その片鱗すら今まで見せなかったことに驚きを隠せないでいたのだ。

ぐりぐりと突付いていたミニアルナワーズの小さな指先がそのままずぶずぶと頭に沈んでいく。
幻術を駆使する残留し念だからこそ出来る荒業である。
ラルヴァの脳に直接映像を流し、今までの経緯を流したのだ。
一瞬にして今まで起こったことがあらかた脳内に刻み込まれたであろう。
ただし、多少の誇張歪曲はあったりするのだが・・・。
14歳の少年ラルヴァに、リリアーナ・ロック・フリージア・レイドの恋愛譚はどのように感じられただろうか?

事情説明を終えると、どこからかミニアルナワーズは弾丸を抱えていた。
「変なのよね〜。この弾丸・・・何の魔法処理もされていないのよね〜。」
全く緊張感なく、ラルヴァの頭の上で寝そべりながら疑問を呈す。
ここは魔法学園。
魔法の使えない今のリリアーナはともかく、通常生徒は魔法障壁を纏っている。
通常弾丸では傷一つつける事はできないだろう。
なのに、先ほどから狙いは正確だが、弾がただの鉛玉なのだ。

「ねえ?魔法陣が見えてきたのはいいけど、随分大きなのが乗っているし。
通常弾とはいえ、狙撃も放って置くのも厄介じゃない?
場所の特定はしてあげるから、狙撃迎撃と重し排除の二手に分かれたら?
弾よ弾よ、何時の時間は逆行せしり。胎児となり手汝の母なる者へと還り給え。」
相変わらずラルヴァの頭の上で寝そべりながら迎撃を提案。
その返事も聞かずに呪文を唱え始めた。

弾丸への・・・そう、無機物への催眠術。

呪文の詠唱が終わると、弾丸はもとあった場所へと戻るべく飛んで行く。
行き先はキサラの持つライフルの銃口。
そう、発射されたのを逆回しするように弾丸は銃倉に戻ろうとスピードもそのままに飛んでいった。
「さあ、狙撃手はあっちよ〜。見失わないでね〜。」
ほっほっほと笑いながら弾の飛んでいった方向を指差して示した。

301 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/05/29(火) 22:20:34 O
>>300
「……何………弾丸が…………!向こうにも狙撃手………いや、違う……場所はわれてない………なら………何故…………!?」

自分の方へ向かってくる弾丸
狙撃手が狙撃されるなんてこと、今までにあっただろうか

ありえない……ありえないありえないありえない!!
なんというイレギュラー……!!今まで…こんな奴らとは……!!


「………ん…?」
スコープを覗くと、妙なことに気付く

そう、弾丸は、『先を後ろにして』こちらに向かっているのだ
それに……自身を狙ってでなく………『銃口』を狙って

………とにかく……ここから離れる……!!
瞬時にその場を離れるべく、彼は超人的な跳躍で数mの距離を移動


だが、弾丸は追ってくる
そして―――銃口に、元あったように収まる

―――このままじゃ発砲は当然不可能
……位置はまだわれていないなら……時間は少しかかるが、火薬のない弾を取り除く必要がある
「……何なんだ………あの人達………何をしたんだ…………!!?」
ありえない、信じられない
そんな感情ばかりが交差して、いつの間にか彼は『表』の人格に戻る
そして、その感情から、相手がこちらに近づいていることすらも気付けなかった―――

302 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/05/30(水) 00:37:16 0
メラルはリリアーナの言動にも、フリージアの言葉にも表情一つ変えずに霧の中にただ浮いている。
霧は常に動いているのか、薄くなってメラルの表情が見えるときも、全く見えない時もある。
メラルの側にそれ以上の攻撃をする気配は…一見ないように感じられるが、
実際は術の詠唱を始めているだけだった。


>「メラルの暴走を止める方法知ってる人、挙手。」
メラルの使い魔…エミューがそれに対しぶっきらぼうに言った。
「残念ながら俺もしらねーゾ。俺だって聞いた話でしかしらねーからヨ。
 ただ…気絶させれば止まるっぽい話は聞いたけどヨ。」

「…ルーンシールド…」
レイドが放ったファイアボールは、最初こそ変化がない物の、
紫色の霧に触れて突き進むにつれ見る見る小さくなり、
命中コースのものは多々あるものの、メラルが展開した
魔法陣によって防がれ続けている。
…霧が炎を構成する魔力の一部を吸収しているのだろうか。


>「行きましょう。マリアベルを直に叩けば、メラルさんにも下手に干渉できなくなるわ。
  竜さん、あなたはどうするの?私達と来るつもり?」
声をかけられ、エミューが言った。
「…この状況で俺に出来る事はヨ…俺が憑依してるこの水晶球をあの小娘に使わせない事なのサ。
 そうすればヨ…暴走してたとしても、媒体がない分術はマシな方なのサ。
 威力はともかく、制御は大幅に甘くなるからヨ。だから…嫌だと言っても行かせてもらうゾ。
 余計な茶々入れてる奴にも…それ相応の制裁を加えてやらねーといけないしヨ。」
使い魔の癖に主人を小娘扱いしたり、その割には心配している風でもあったり…
色々と妙な関係のようだ。


リリアーナ達が退くのに対し…一切に追撃を加えなかったメラルが…
ついに動き出した。ただ操られているだけ…にしては、不自然な動きである。
そして…さらに不自然な動きを見せる。
「…黒天砲……アルナータ…」
メラルが、闇の中から先程とは明らかに赴きの異なる魔法陣を展開し、巨大な
重力砲のような術を放つ。しかし…それは、レイドやアンジェに対してでも、
リリアーナ達の逃げていった方向に対してでもない。銃弾が飛んできた、
ただそれだけの場所に対してである。しかもその術を放ったと同時に
霧が紫色に変色し、複数の球状の、しかし相変わらず魔力を感じない魔力球になって
レイド達に向けて放たれたのだ。…つまり…レイド達より、たかが一発の
しかも自分を狙った訳でもない銃弾に対して大技であろう術を放ったのだ。
明らかに不自然ではあるが…。


一方、エミュー…。リリアーナ達と同行しつつも、ミニアルに好奇の視線を向けている。
そして、ミニアルアルが弾丸にかけた術を見るや、すぐに言った。
「あんた術も性格も中々面白いじゃねえかヨ。気に入ったゼ。
…今のところ選択肢は三つだナ。狙撃を無視してさっさとこれを処分する、
 狙撃手を全員で倒してからこれを処分する、分担。マ、決めるのはお前らの仕事サ。」
それにしても、一々癇に障る物言いをする使い魔である。


そして…キサラの今いる場所から、元々狙撃していた場所を挟んで
反対側に10m程の所を、メラルの黒天砲が通っていき…斜線上の建物を
薙ぎ払って行くのが見えるだろう。因みに斜線上だった場所は…地面が5m程陥没している。

303 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/05/30(水) 06:38:57 O
>>302
地面が…陥没する……
「………何が起こっているんだ……こんな……『魔法』みたいなこと――――……有り得ない…………」



…僕は………夢でも見ているのか……?
そう思わざるを得ない

そして、弾丸を全て抜き終え、次の弾丸をリロードする

本人は知る由もなかったが、それは知る人が見れば、明らかに今までの通常の鉛玉ではなく――――すなわち、『魔法処理が施された強力な弾丸』だった

先日のうちにキサラの弾層から摩り替えられていたのだ

もしこの弾丸に魔法……いや、魔力すら触れようものなら、その魔力、または魔法が術者に跳ね返るという、強力な反射魔法である

もしまた何者かが『さっきまでの鉛玉』と思い、魔法で打ち落とすならば、その魔法が直に返ってくるという強力なものだった

無論、彼はそのことを知るはずもない
いつもの通りに狙撃準備を開始―――そして、今度は足止めでなく、リリアーナ達自身を狙った狙撃に変わった

304 名前:アンジェ(活動限界まで残り5分) ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/30(水) 21:50:26 O
>302
マリアベル…彼女の人生はあなたのものじゃない。
彼女の人生は彼女のものよ。あなたに渡しはしないわ。
この命にかけても…!
メラルを眺めていたアンジェは意を決して、懐から注射を取り出した。
首にぶすりと乱暴に刺し、薬を注入する。
すると、アンジェは鳥のような姿から再び人間の姿に変わった。
口にするのも人間の言葉に変わる。
「私が死んでも…かわりは居るもの。」
アンジェはカドゥケウスを持った女の子を思いだした。
アンジェが注射した薬はスンムシゴブタマという魔法薬である。
この薬を注入すると、なんと魔力が無限になるのだ。
アンジェは早速左手の骨折を魔法で回復した。
そして、背中の翼を大きく伸ばすと、霧の中のメラルに向かって飛び立った。
魔力球にぶつかりながも、霧の中に突っ込んだアンジェリーナだったが…


305 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/30(水) 22:54:31 0
>300
「余裕がないと視野狭窄に陥っちゃうわよ〜。」
アルは自分の悪戯を棚に上げて言いたい放題。そして・・・いつも痛いところばかりついてくる。
「『冷静さを失った奴は負ける』だったわよね・・・レイド先生・・・。」
リリアーナは唇をかみ締めた。そうだ、今から戦う相手は、マリアベルなのだ。
もっと冷静にならなくては。
アルは正しい。――――でもやっぱり、彼女は苦手だ。

さて、そのアルは今、ラルディの頭に座っていた。
彼の頭部に手を突っ込んでいるのは、おそらく今までの情報を直接脳に流し込んでいるのだろう。
幻術って便利だなと素直に感心していると、手を引き抜いたアルと目があった。
(な・・・なんか悪寒が・・・??)
リリアーナは鳥肌が立った二の腕を、寒そうに何度も擦った。

メラルの使い魔は、メラルから離れた方が彼女のためだと言った。
だが制御が甘くなるとマリアベルが知れば、暴走したメラルが水晶球を取り戻そうと動くかもしれない。
「わかった。急ぎましょう。ところで竜さんのことは何て呼べばいい?」

>301
何度か銃弾に足止めされる場面はあったものの、全員無事に目的地に到達できた。
「ここ・・・の筈なんだけど・・・魔法陣ってどこ?」
正直、道を間違えたのかと思った。
それほど、上空から確認した様子とは異なっていたのだ。
魔法陣があった場所には、尋常でない戦闘の爪痕が生々しく残されていた。
「やっぱりマリアベルは生きていたようね」
それはまだロックも死んではいないという証明でもある。
でも・・・どうやったらここまで破壊できるのだろう。
まるで伝説の巨人がこの場に来て、滅茶苦茶に暴れさせたような惨状だった。

>「変なのよね〜。この弾丸・・・何の魔法処理もされていないのよね〜。」
「ああ、そういえばそうね」
魔法処理がされていないのなら、それはそれで利点がある。
魔法力が働かないので、弾を撃っただけでは居場所を悟られる事は無い。
だがそれらの利点があっても、銃弾の破壊力が魔法障壁を破れなければお話にはならない。
もっと威力があって、至近距離から撃たないと、いくら半人前とはいえ魔法学園の生徒は倒せないだろう。
魔法使いであるマリアベルなら、そんなことは分かりきっている筈だ。

しばし考え込んでいたリリアーナは、ぽん、と手を叩いた。
「もしかして銃を撃った人は、この街の生き残りなのかも。
 だっておかしいでしょ?半人前とはいえ、魔法使い相手にこんな小さな鉛玉を使うなんて・・・。
 ―― 少なくとも狙撃手は、魔法使いであるマリアベルの部下じゃないのは確かだと思うわ」
もし、こんな場所で毎日蟻や敵に怯えて暮らしているんだったらとても見過ごせない。
ここがどこなのかよく分からないが、学園に連れ帰ればきっと難民として処理してもらえるはずだ。

>「ねえ?魔法陣が見えてきたのはいいけど、随分大きなのが乗っているし。
>通常弾とはいえ、狙撃も放って置くのも厄介じゃない?
>場所の特定はしてあげるから、狙撃迎撃と重し排除の二手に分かれたら?
アルの手から銃弾が離れ、狙撃手の元へと飛び去っていった。
銃弾が止まった場所は、思った以上に離れていた。走って簡単に往復できる距離ではない。

…今のところ選択肢は三つだナ。狙撃を無視してさっさとこれを処分する、
 狙撃手を全員で倒してからこれを処分する、分担。マ、決めるのはお前らの仕事サ。」

「二手に別れましょう。私は蟻を動かすのは無理だから、狙撃手さんのほうを何とかしてくる」
もっとも、メラルの攻撃に巻き込まれていなければの話だが。

「ねえラル君、空が飛べて足が速くて、背中に乗せてくれそうな精霊さんっていないかな?」
次にリリアーナはラルディの頭に視線を移すと、ニーッコリと微笑んだ。
「アル、出番よ〜。狙撃手さんを『説得』しなくっちゃ。
 体が弱くても大丈夫!あなたの大 得 意な幻術の出番よ。――― もちろん来てくれるわよね?」

306 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 00:31:34 0
リリアーナはフリージアに向き直った。
「フリージアの氷で女王アリの身体を切断できない?
 細かくすれば移動も楽よね。でも氷で切るのはちょっと硬すぎるかな?」
そういえばラルヴァはどんな魔法を使うのだろう?
彼は文字通り空気のような存在だった。だから彼についてリリアーナは何も知らない。
彼もロックのように物体操作が可能なら話が早いのだが。

307 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 01:50:19 0
>296
ねえフリージア、何とかならない?」
そう問われたフリージアは
「雪の結晶の盾で守るぐらいしか方法がありませんわ」
と申し訳なさそうに答えた
「アッチカライイニオイガスル」
頭の上のギズモが狙撃者がいる辺りを指差した
「いい匂い?」
フリージアは問う
「オイシソウナ機械ノ匂イ」
それにこう答えるギズモ
「どういうことかしら?」
グレムリンではないフリージアには機械の匂いなんてわからなかった

>293
突然現れた少年
リリアーナは誰だか思い出せないようだ
フリージアも正直に言えば誰だか思い出せなかった
>「まさか!あなたラル・・・君なの?」
フリージアはその名前を聞いてなぜだかゲリラ戦が得意な髭のおじ様を思い出しかけたが・・・
頭を振ると 「あらごきげんよう」と挨拶をした
どうやら思いがけない彼の言動に混乱しているようだ

>297-302
ラルと合流し一緒に魔方陣まで走ることとなった一行
それを守護するのは2匹の獣
そしてもう一匹メラルの竜が加わる
そんな中次々と飛んでくる銃弾
その弾丸に催眠術をかけるアルナワーズ
戻っていく銃弾
「・・・・・」
無機物に催眠術が利くというあまりの出来事に驚くフリージア
今の状況を説明するならこんなものだろう
そして魔方陣にたどり着いた一行が見たものとは
魔方陣を覆う巨大な女王蟻の死体であった

>306
>「フリージアの氷で女王アリの身体を切断できない?
>細かくすれば移動も楽よね。でも氷で切るのはちょっと硬すぎるかな?」
フリージアは
「皮膚は硬いから難しいかもしれませんけど・・・関節を狙って切れば何とかなりますわ」
と答え
「早速やってみますわね」
と女王蟻の残骸を解体し始めた
体液が酸性で雪の結晶が溶けるという事態も考えられたがそういうこともなく
スムーズに解体されていく女王蟻
やけに手馴れていて正直怖い
「ジルベリアの熊を調理したときよりは楽ですわね」
フリージアいわく熊殺しは乙女のたしなみだそうだ
クドリャフカあたりなら同意しそうだが・・・いま気絶中である

308 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 08:44:48 0
>300

>「ラル〜?こんな力を持っていただなんて。良くも今まで私の目をごまかせたわね〜。」
>ぐりぐりと突付いていたミニアルナワーズの小さな指先がそのままずぶずぶと頭に沈んでいく。
「まぁ、それはその内説明するよ。幻術使いは案外自分が幻術以外の手段でめくらましされてると気づかないからね。」
ははは、とちょっと困ったような笑みを浮かべて対応する。
「紛らわしいことしたものだからって、大変だよねぇ・・・」
頭の中に移った記憶、いや記録か?は大分刺激的なものだけれど。
ラルヴァはなんとか顔色一つ変えずに対応できていた。
アルナワーズはこういうのが大好きなのは学園中でも噂にはなっているから。

>305
>「二手に別れましょう。私は蟻を動かすのは無理だから、狙撃手さんのほうを何とかしてくる」
>「ねえラル君、空が飛べて足が速くて、背中に乗せてくれそうな精霊さんっていないかな?」
「狙撃してくるっていうのは相手が見えているからできる事だから、一応向こうはこっちが人間だって分かっているはずだよ。
 なのに撃ってくるって言うことは・・・。気をつけてね。」
と、狙撃手に向かうリリアーナに声をかける。
「んー・・・。残念ながら、人を乗せて飛べるような物との契約は学園から許可が下りなくってね。
 まぁその代わりと言ってはなんだけど・・・ルーナ、おいで。」
その声に反応するように暗灰色の狼がすっ・・・とリリアーナに体を寄せてくる。
その体躯は狼にしては随分大きい。人を乗せて走るのは容易だろうし、たくましい二本の後ろ脚で立てば、熊だと言っても通じる程に。

「この娘なら、一応人を乗せて早く走れるよ。それに人の言語も分かるから。ルーナ、彼女の意思に従ってあげてね。
 建物の間を走り抜けて行くには地上からの方がいいからね、空だと撃たれる。それに彼女なら弾丸も一応回避できるからね?」
そう言い含めると狼は、わずかに頭を下げた。そして『おすわり』の姿勢をとるとリリアーナを見やる。
指示を待っているらしい。

309 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 09:02:16 0
>303

「さて、と・・・。シャニィ、お願いね。」
リリアーナを送り出すとラルヴァは大きな虎の方に語りかける。
こくりと虎は頷くと、その姿を変貌させてゆく。
地に伏せた四本の脚は後ろ二本のみを地に着け、全身の体毛が部分的に薄くなってゆく。
虎であった顔は少しずつ人のソレへと変化してゆく。人と違うのはその頭頂部にある猫科の耳だ。
これが半人化である。虎のシャニィが半人となると、グラマラスなボディの虎の獣人のようになるのだ。

「精霊が丈夫だからってあんまり放っておくとやられちゃうからね。シャニィ、弾丸を叩き落してね。」
[ダイジョウブ。]
少年と虎の獣人は短く言葉を交わす。アルナワーズの魔法で射手のいる方向は多少は分かっているのでシャニィはそちらに向く。
そして、少年やそのクラスメイトを庇うように立ちはだかると、その弾の一部を素手で叩き落し始める。

「さて・・・女王蟻さんの方もどうにかしないとね。」
(弾丸に何か仕掛けをされていると困るけど・・とりあえずこうするしかないか。)

>307
>頭を振ると 「あらごきげんよう」と挨拶をした
「あはは、気取った挨拶は変わらないねフリージア。」
そう簡単に挨拶すると、魔法陣へと向き直る。
「あぁ、そうだ。さっきアルが銃弾の来る方向を示してたからさ、その方向に対する遮蔽物に隠れない?
 そうすると銃弾の心配が減るんだけど・・・。」
と言いながら近くの廃墟に隠れる。もちろん魔法陣が見える位置で。

「とりあえず部位切断ができれば運ぶのはこっちでやるよ。
 ラナル・エル・リアルクム、エル・サテル・メルアリスム。」
そう言って手をかざすと、みんなの周囲を囲む精霊の中からハリネズミのような姿をしたものが消えていく。
「大地の精霊ノームよ、我が意に従いて大地をその手足と為せ。」
大地の精霊の力を借りて地面を言うなればマドハンドみたいな腕にして、フリージアが切断する部位を魔方陣の外へ運び出す。

「これで何事もなければ楽なんだけどな・・・。」
今のところは何も起きていない、でも。ロックことマリアベルが何か仕掛けてくる事を心中で危惧している。
・・・なので、一つ仕掛けを施しておくことにした。
「戦列(フォーム)・・・・。」

310 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 21:01:41 0
>307
フリージアが女王蟻の解体を始めた。
「あなたの料理のレパートリーに、熊肉があるとは知らなかったわ・・・」
潰れた部分から順に女王蟻の体を切断しているようだが、恐ろしいほど手際がいい。
この分なら、思ったより早く終わりそうだ。
「フリージア、念のためこれをあなたに預けておくわ」
リリアーナは魔法薬が入ったケースを手渡した。
中にはロックが調合した呪い返しの薬、アベコベールが入っている。

>308-309
ラルヴァは心配しながらも、リリアーナの頼みを聞き入れ使い魔を手配してくれた。
随分大きい。少女くらいなら2人乗せてもびくともしないだろう。
ルーナという名の暗灰色の狼は、軽く頭を下げて指示を待っている。
「よろしくルーナ。悪いけど暫くあなたの背中に乗せてね」
リリアーナは狼と視線を合わせると、軽く会釈をした。
「じゃあちょっと行ってくるね〜。アル、あなたも早く乗って乗って!
 ギズモとメラルの使い魔さん、もし来るのなら振り落とされないようにね!」
お願い、とルーナの首筋を叩いた途端、狼は疾風のように走り始めた。
リリアーナは振り落とされないよう、彼女の毛皮にしがみ付かなければならなかった。
「ルーナすごいわ。これならすぐに着きそうね!」
矢のように飛び去っていく風景に驚く。しかもルーナは足音が殆どしなかった。
フォルティシモとルーナ、2人が競争したら、果たしてどちらに軍配が上がるだろう?

リリアーナはふと思い立ち、皆のほうを振り向いた。
「ところで皆、カドゥケウスって名前に聞き覚えは無い?
 見た目はただの赤い石なんだけど・・・。
 ねえ、学校の噂話でも七不思議でも、魔界の伝説でも何でも構わないの。誰か何か心当たりは無いかな?」

>303
「あ、いたわ!」
リリアーナはとある建物の上を指差した。
石造りの建物は半分抉られたように消えていた。巨大な爪痕は多分メラルの魔法によるものだろう。
逆光でよく見えないが、その屋上では黒い影が身を伏せていた。

もう少し近づいてから・・・そう思った途端、影がこちらに気づいてしまった。
「やめて、私は敵じゃないわ!話を聞いて!」
だが影はこちらに銃を構えた。
やはりラルヴァの予想通りだった。
彼女の言葉が聞こえなかった筈は無いのに、相手は全く躊躇の色は無かった。
リリアーナは舌打ちした。・・・戦闘するしか手は無いようだ。
相手が撃った瞬間、リリアーナもまたロックバスターを発砲していた。

弾同士が接触した途端、リリアーナは声にならない悲鳴をあげた。
リリアーナの身体は空を飛び、ルーナの背から落下する。
「な・・・何・・・が・・・?」
リリアーナには何が起こったのかよく分からなかった。
まるで至近距離からロックバスターを喰らったような衝撃だった。

ルーナが追撃を避けようと、リリアーナの襟首を咥えて物陰に隠れようとしていた。
痛みとショックで目が霞んでよく見えない。
だが、影がまだこちらを狙っているのだけはわかる。
リリアーナは口に溜まった血を吐き捨てた。
(させないわ・・・)
影の足場を崩すべく、石造りの建物に向けてロックバスターを最大出力で連射した。

薄れゆく意識の中で、リリアーナは建物が崩れる音をどこか遠くに感じていた。
「アル・・・ごめ・・・。説得・・・任せた・・・」
―――― もっとも一番の問題は、残留思念であるアルの体がどこまでもってくれるか、なのだが。

311 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 21:35:41 O
>307>309
徐々に解体が進む女王蟻。
かつてはたくましく大地を踏みしめた美足も見る陰も無く。
今はただ切り取られるのを待つばかり。
そして、最後の足が取れた時、女王蟻の心が動き始めた。
『ナゼ私ヲ生ンダノだ?
 恐レラレ 忌ミ嫌ワレ
 殺シテ  殺シテ
 殺サレルダケノ蟲ナラ
 何故私ハ生マレタンだ?』
ダルマになった女王蟻の心臓に再び命の炎が宿る。
『本当か?…マダ生キテイイノか?』
女王蟻の目が青く光った、と同時にガコッと彼女の顎が左右に開く。
そして、その口から凄まじい叫びが…聞こえない。
女王蟻の口から発せられた声は人間の耳には聞こえない波長だった。
しかし、その声を聞けば直接脳にダメージを受けてしまう。
その場に居たフリージアとラルヴァはそれぞれの方法で脳へのダメージを免れた。
しかし、安心するにはまだ早い。
女王蟻の胸から黒いゲル状の物質が吹き出し、新たな足を成形し始めた。
足は無尽蔵に何本も成形され、今は蟻ではなくまるでクモみたいだ。
その足を巧みに動かしてフリージアやラルヴァの方へ顔を向ける。
その目が黄色に光り、そしてそこから強力なビームが放たれた。


312 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 21:36:10 O
>>310
「………!!くっ………!!」
足場を狙う相手を確認し、その距離を考え、スナイパーライフルを折り畳んでしまう
そして腰から次に抜いた銃は―――見た目はハンドガンと変わりない、だが中に装填されているのはショットガンの弾……といったものだった
そして、そのショットガンの弾もまた―――例の魔法処理が施された弾丸だった
そのショットガンを抜き、それと同時にリリアーナに向かって飛ぶように走る
とんでもない身体能力である

牽制する相手も銃使いとわかり、その距離をどんどん詰めていく
いつしか彼の思考は、『敵の足止め』から『敵の排除』に変わりつつあった…

313 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 22:43:34 0
「あらありがと。
そちらこそ、極限状態で何が必要か瞬時に判断してそれを躊躇なく実行できるだなんて。
あなたともあなたのお友達とも気が合いそうだわ〜。」
ころころと笑いながら水晶球に憑依したエミューに応えていると、リリアーナの顔がぐいっと迫る。
ミニアルナワーズにとっては頭部だけでその身の丈ほどになるので、質的圧迫感は大きい。
>「アル、出番よ〜。狙撃手さんを『説得』しなくっちゃ。
> 体が弱くても大丈夫!あなたの大 得 意な幻術の出番よ。――― もちろん来てくれるわよね?」
しかし、本当の圧迫感はその言葉に込められていた。
こういう時のリリアーナの押しの強さはアルナワーズも有無を言えない圧力がある。

#########################################

そうして、廃墟の中を大狼ルーナが疾走する。
「カドゥケウス?・・・古の生命を司る神の持っていた杖の名前ね。」
リリアーナの肩に腰掛けながら、少し考え込むような仕草の後呟いた。
更に思考を巡らせようとするが、時間は既になかった。
すぐにキサラの姿を捕らえる距離まで到達してしまったからだ。

リリアーナの説得も取り付くしまもなく、放たれる銃とロックバスター。
その衝撃でミニアルナワーズは吹き飛ばされてしまう。
体制を整えたとき、既にリリアーナは倒れ、ルーナに引き摺られていくところだった。
>「アル・・・ごめ・・・。説得・・・任せた・・・」
「もう・・・私に借りをつくろうなんて、命知らずねえ。」
一瞬険しい顔をするも、すぐにもとの柔和な笑みを称えた表情に戻り呟いた。

ふわふわと漂いながらキサラへと接近していくミニアルナワーズ。
飛ぶように距離を詰めてくるキサラと接触するには殆ど時間はかからなかった。
ばったりと鉢合わせになる二人。
直後、ミニアルナワーズの身体は四散する。

魔法を知らないキサラにとって、漂うように浮くミニアルナワーズの存在は驚異に他ならなかっただろう。
それでも反応し、ショットガンを命中させたのは驚異的な超反応のおかげといえる。
だが、キサラが驚愕するのはこれからだった。
「驚いたわ〜。魔法反応ないし、身体能力だけでこれだけのことをするだなんて。」
バラバラになったミニアルナワーズがまた一箇所に戻り、感心したように話しかける。
その姿は、当初より一回り小さくなっており、口からは血が流れている。

残留し念の法は死霊科にとっては初歩的な魔法だ。
故に使う魔力も少なく、反射魔法の弾で撃たれたといっても大ダメージを受けることはない。
とはいえ、無傷ですむはずもなく、アルナワーズ本体に遡りダメージを与え、それが思念体にも投影されたのが吐血な訳だ。
「でも、説得は簡単そうよねぇ。変わった体系の心理矯正術だけど、不安定で付け入りやすそうだわ。」
撃たれダメージを受けはしたが、それと同時に多くの情報を得ていた。

##サイコメトリー##

触れた物から、そのものに纏わる記憶や、感情を読み取る能力。
幻術・催眠術の応用の一つだ。
それをさらに発展させたものが、先ほどフリージアを驚かせた無機物への催眠術に繋がる。
魔法を込められたものはより強くその身に周囲の感情などを纏う。
反射魔法で攻撃を受けたと同時に、アルナワーズも弾に込められた情報を読み取ったのだ。
そこから読み取れたのは、狙撃手の戸惑い・疑念・歪んだ矯正・遂行の意思。

###########

314 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 22:46:11 0
既に目の前にキサラはいない。
驚異的な身体能力で撃った直後、間合いをとっている。
未知なる存在に対する的確な判断だといえる。

そんな事お構いなしに、ミニアルナワーズの姿が崩れ、揺らめく炎へと変わっていく。
緩急自在、不規則な炎の揺れはまるで見る者を吸い込むような雰囲気を醸し出す。

キサラの身体能力、反射神経、動体視力、全て超人の域に達している。
それは先ほどの遭遇で十分に分かる。
だからこそ、キサラはアルナワーズから逃れられないという確信があった。
超反応能力ゆえに、常人では見過ごしてしまうような些細な事すら反応できてしまうからこそ・・・。
視覚だけでない。聴覚、触覚、嗅覚、全ての感覚から蝕んでいくのだ。

キサラの目に映る揺らめく炎は二つから四つへ、四つから八つへ、まるで自分を取り囲むように増えていくように感じられるだろう。
それと共に周囲が暗くなり、周りの障害物などが徐々にその存在を消していくように。
だが、それを自覚できる事もなく、徐々にその術中に陥っていく・・・


催眠術は思考のベクトルをずらして思い込ませる術だ。
その見地から言えば、不安定な心理状態や、強固な心理状態は御しやすい。
強固な心理状態は、見方を変えれば柔軟性のなさにも繋がり、一度ずらしてしまえばどこまでも深く催眠作用に陥る。
矯正された心理は歪みが生じ、強固な意思を持つようで実に危ういバランスに成り立っているのだ。
逆に柔軟で多角的な心理状態を保つものは、一つのベクトルを変えても、別視点からカバーが入るので催眠状態に入りにくい。
弾丸から読み取った今のキサラは催眠術にかかりやすい状態だといえる。


『ねえ?あなたは何のために戦うの?』

穏やかな、まるで子守唄のように囁く声がキサラの脳裏にこだまする。
それは問い掛けるというより、染み込むように。

『 本当にそれは正しい事なの?』

『あなたの立っている所は・・・どこ?』

『「なぜ争うの・・・?誰の為に・・・?』

あらゆる方向から囁かれる声は、直接脳裏にこだます為に耳を塞いでも聞こえてくる。

『あなたが撃ったのは・・・誰・・・?』

『敵・・・?誰が敵だと決めたの・・・?』

『あなた自身はの答え・・・?』

じわりじわりとキサラ自身が抱えていた葛藤や矛盾に染み込んでいく。
あくまでも優しく、葛藤で暴走できないいやらしさを持ったその声は、黒いシミの様にキサラの心を揺さぶった。

315 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/05/31(木) 23:47:27 O
>>313>>314
こ…こいつ……っ……!!
マントやサングラスで表情は見えないが、彼は明らかに驚愕を隠せなかった
未知の存在から距離をとる―――それは必然
気付いたら意思とは別に離れる身体




そして―――脳裏に響く女性の声

迂濶だった―――自分の能力を逆手にとられるとは
―――だが、それに気付いた頃には既に遅かった


自身の極めた超スピード―――それゆえに、彼は行動を封じられるということに滅法弱い
『彼』の常識で計れば、それはロープやワイヤー、身体を直接拘束するものしかなかった

洗脳術ならまだしも、幻術なんてものは、彼の知識にはないものだ
そのうえ、これは生まれつきのものだが、彼は精神面を揺さぶられることがかなり効果的でもあった

思わず耳を押さえるが、声は脳裏を反射し、精神を揺さぶる
銃は地に落ち、フードを外す
現れた顔は明らかに苦悩の表情を浮かべ、必死に何かに耐えようとするようだった

316 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 00:59:32 0
『苦しむ必要はないのよ?』
    『あなたは達成したのだから』
 『ここは安息の地』
         『敵はもういないわ・・・そう、終わったのよ』

苦悶するキサラとは対照的に、声はゆったりと続く。
まるで慈しむ様に。

    『私はあなたと共にある・・・』
 『もう誰も傷つける必要なんてないもの』

脳裏に響き渡っていた声はいつしかそよ風の様な柔らかさへと変わっている。
不思議と心が落ち着くような効果を伴って。
それはキサラの警戒心や不安を溶かしていく。


キサラを幻術で陥れている間、ミニアルナワーズはリリアーナの元へと移動していた。
暗示は思念体では完成しない。
最後は直接対話する必要があるのだ。
「リリィー、起きて!起きて!もー。」
ぺちぺち叩くが、所詮は思念体。物理的な効果は殆どない。
業を煮やしたアルナワーズは、リリアーナの額に腕を沈めていく。
ラルヴァに記録を刻みつけたように、リリアーナの脳裏に映像を流し込む。

服をはだけ・・・、それは全裸より『男』の艶を醸し出した姿でリリアーナを力強く抱き寄せロック。
『リリアーナ、起きるんだ。でないと・・・』
ぐぐぐっと迫るロックの唇。
一見いい夢見てさらに眠りを続けそうだが、アルナワーズの見立てでは心の準備が整っていない不意打ちは強い衝撃と化すと予測していた。
そして強い衝撃は、一時傷の痛みも忘れさせる。
「リリィ、心理ブロックは殆ど外れているから、後は刷り込みに直接の言葉が必要なのよ。
私ばかり働かせないで、リリィも働きなさい〜。
ほら、あの子の前に立って。傷ついた動物をあやす要領でね。」


一方、その頃キサラの脳裏では・・・

『大きく息をして』
     『あなたの名前は?』
 『もうあなたを縛るものなんて何もないのよ・・・』
  『さあ、私の手をとって・・・』

キサラの目には、清らかな笑みを浮かべるリリアーナが映っているだろう。
優しげに手を差し伸べるその姿が。
そして、抗いがたい衝動に包まれる。
その手をとりたい、と。

キサラが心理矯正を受けていることは最初から分かっていた。
それを無理やり外すような真似はせず、新たな解釈を与えてやる事によって、固定された心理ベクトルをずらしているのだ。
そう、キサラに施された元の暗示の力すら利用するように。


『ゆっくりと・・・目を開けて・・・』

殆ど暗示を完了させ、キサラは力なく片膝を付いてしゃがみこんでいた。

317 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 06:39:35 O
>>316
…………………………
力なく膝をつくキサラ
心の奥底では、『敵を倒せ』と叫んでいるのに――――


ゆっくりと目を開ける少年
相変わらずその目は見えないが、先程までのスナイパーとは、まるで別人の目――――
純粋な、少年の目だった
ロックが外れることはなかったが、ほとんど外れかかっているのだ

318 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 07:35:02 O
ファイアーボールなんかでどうにかしようという俺の考えはマカロン並に甘かったみたいだ。
あの紫色の妙な霧に邪魔されちまってる。
なるべく怪我をさせずに気絶させるってのもなかなか難しいもんだ。
>「…黒天砲……アルナータ…」
次の手を考えていた途中でメラルが術を放った。
「うおっ!……って、あれ?」
俺に向けて放たれたと思った魔力球は別の方向へ向かって飛んで行った。
つーかあの威力は反則だろ。
地面が陥没してやがる。
あんなんマトモに受けたら即死だっつーの。

さて、話を戻そうか。
俺は一体、どうやって気絶させれば良いんだ?
怪我をさせずに気絶………

「アナザーゲート。…とりあえずコイツを使ってみるか。」
俺が取り出したのはボクシングで使われるグローブだ。
「このグローブにスタン効果を付与すれば結構いけるんじゃないか?」
そういや、リリアーナから渡された賢者ライールの杖があったな。
これを触媒にして魔法を使えば結構威力がありそうだ。
よし、んじゃこの杖でスタン効果を付与してみるか。

319 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 07:36:44 O
「さて、良い感じに仕上がったんじゃないか?」
賢者ライールの杖を触媒にスタン効果を付与したんだ。
効果は抜群…の筈。
俺は両手にスタン効果を付与したグローブ、略してスタングローブを装備してサウスポーに構えた。
「一瞬だから我慢してくれよっ!」
メラルに接近しボディに強烈な一撃を入れる。
……頼むから気絶してくれ。

320 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 08:57:23 0
>311

徐々に解体、移送作業が行われていく。
残るは胴体から頭部・・・。
「これなら結構早く終わ・・・?!」
>女王蟻の目が青く光った、と同時にガコッと彼女の顎が左右に開く。
なんだ?!と思う間も無く、傍らにいた風精(ジン)が震える。
それを見た瞬間に体は動いていた。
「ジン!」
パキィン、と指を弾くと風の精霊達の震えが増大。
女王蟻の口から放たれる音が脳を打ち砕く前にジンの振動が音対音で相殺する。

「くぅ・・・。実は生きてたのかな。フリージア、大丈夫?」
そう声をかけるが、フリージアの方を見やる余裕はない。

>女王蟻の胸から黒いゲル状の物質が吹き出し、新たな足を成形し始めた。
「うぇ・・・なんか変なのになったね。」

>その足を巧みに動かしてフリージアやラルヴァの方へ顔を向ける。
>その目が黄色に光り、そしてそこから強力なビームが放たれた。
「ヤ〜な、予感。地精(ノーム)よ、集え。万軍を迎え撃つ壁を為せ。グライ・グレム・グレグリア。」
『鉱土群壁』(グレイブ・ロウ)!
と叫ぶと、ラルヴァの眼前に魔力をまとった土や鉱石の壁が現れる。
「攻撃するなら、容赦しないよっ?!」
ビームを退ける土の壁に向かって手をかざす。
ハリネズミのような外見をした地精(ノーム)は、壁を超えて女王蟻の足元へ向かう。
『鉱土群壁』(グレイブ・ロウ)!
と、もう一度詠唱すると。女王蟻の足元から石や土の壁が地面から噴き出す。
ただし、その先端は槍のように鋭い。

321 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 17:02:09 0
>316
気絶したリリアーナを起すべく、アルは彼女の意識に直接映像を流し込んだ。


真っ暗だった視界が急に開けた。
リリアーナは首を傾げた。・・・なんとなく世界がピンク色に見えるのは気のせいだろうか?
だがそんな疑念も、佇む人影を見た途端吹き飛んでしまった。
「ロック!ロックなのね?―――― 良かった、元に戻れたのね!」
だがロックが振り向いた途端、彼女の足は止まってしまった。
「ちょっと、なんでちゃんとボタン嵌めないのよょ」
赤くなったリリアーナを、ロックが力強く抱き寄せる。ハッと我に返った彼女はじたばた暴れ始めた。
「わかった、あなたマリアベルね!酷い、またロックに成りすますなんて!一体何が目的なの?!」
暴れるリリアーナを軽くいなしつつ、ロックは雰囲気たっぷりに眼鏡を外した。
>『リリアーナ、起きるんだ。でないと・・・』
リリアーナの顔に影が落ちた。



「ぅわ―――― っ!!!」
真っ赤になったリリアーナは飛び起きた。
ぜいぜいと息を切らしたリリアーナの前には、一回り小さくなったアルの姿が。

>「リリィ、心理ブロックは殆ど外れているから、後は刷り込みに直接の言葉が必要なのよ。
>ほら、あの子の前に立って。傷ついた動物をあやす要領でね。」
リリアーナはアルの口元の血に目を止めた。
「さすがはアル、恩に着るわ。・・・一番危ない部分を押し付けてごめん」

>317
アルとルーナが隠れるのを見届けた後、リリアーナはふらつく足で狙撃手へと歩み寄った。
フードが外れた狙撃手の顔ははっきりとは見えない。だが、かなりの美少女なのはわかった。
敵意が無い事を示すため、リリアーナ自身も武装解除した。

「ねえ、マリアベルかギルハートって名前に心当たりは?」
彼女は首を横に振った。リリアーナはホッと安堵の息をついた。
とりあえずこれで、狙撃手がマリアベルの関係者という可能性は消えた。
リリアーナはさらに続けた。
「あなたはこの街の生き残りなの?他の人たちはどうなったの」
いらえは無い。
リリアーナはそれを肯定と受け止めたようだ。
「変な事を聞いてごめんね。でも、どうか嫌わないで。私はあなたの敵じゃないわ」
ふっと今にも遠ざかりそうな意識をつなぎとめようと、リリアーナは歯を食いしばった。
ここで気絶しては、アルの努力は水の泡だ。
「・・・私はあなたを迎えに来たの。こんな危険で寂しい場所に、あなたを一人置いていけないわ」
この辺は完全にリリアーナの勘違いなのだが、少女の力になりたいという気持ちは本物だった。
「私はリリアーナよ。あなたと友達になりたいの。私を信じて・・・私の手を取って・・・」
リリアーナは血で汚れていない方の手を差し出した。
「――――ねえ、あなたのお名前は?」

322 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 17:40:50 O
>>321
そっとさしのべられた手を、無意識のうちにとるキサラ
性別を勘違いされていることには、今は気付いていない…のだろうか
「…………キサラ………………キサラ…トールフェルド…………」
そこまで言ったところで彼の意識が覚醒する


彼の心理

323 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 17:43:29 O
>>321
そっとさしのべられた手を、無意識のうちにとるキサラ
性別を勘違いされていることには、今は気付いていない…のだろうか
「…………キサラ………………キサラ…トールフェルド…………」
そこまで言ったところで彼の意識が覚醒する


彼の心理矯正が外される―――それがどんなカタチであれ、それに伴い多少の精神崩壊が何処かしら起きる


目の前の人間が敵である、ないに関わらず、パニック状態から地面の銃を拾い上げ、リリアーナに向けて構え――――発砲する

324 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 20:04:43 O
>>320
女王蟻の目が今度は赤く光る。
それと同時に女王蟻を取り囲むように魔法障壁が展開された。
地面から吹き出した鋭い壁は女王蟻に到達する前に砕け、地に帰る。
女王蟻はその魔法障壁を展開したまま、
その見た目から想像できない敏捷さで二人に突進を仕掛けてきた。
とりあえず、女王蟻が移動したおかげでワープ魔法陣は利用できるようになった。
しかし、女王蟻はそうかそうかと道をゆずるほど甘くはない。
女王蟻の目が緑色に光った。
彼女のお腹についた沢山の小さな扉が開く。
そこから爆薬の入った三角錐が飛び出し、辺り一面にばらまかれた。


325 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 21:01:43 0
物陰に隠れ、キサラとリリアーナのやり取りを覗くアルナワーズ。
暗示の二重かけ状態になっているので、多少の不安があった。
今キサラの心理状態は空白に近い。
そこに漬け込めば刷り込み完了な訳だが、下手をすればパニックを起こしかねないから・・・
だからこそ、『傷ついた動物』をあやす要領で、と忠告しておいたのだが・・・。

だが、賭けは失敗に終わってしまった。
パニックを起こしたキサラは銃を拾い・・・撃った・・・・!
狙いもまともに定まっていない発砲だが、余りにも距離が近すぎる。
物陰に隠れ、思念体であるアルナワーズにはどうする事もできない。

・・・幻術で絡めとった時点でルーナに噛み殺してもらえば・・・

当然の選択肢だった。
しかし、撃たれ気絶しながらも説得を託したリリアーナの意思を尊重した自分の迂闊さを呪うしか出来ない。
それでも目をそむける事をしなかったミニアルナワーズの目には確かに映った。
如何にに超反応を誇るキサラといえども、パニックを起こしているキサラには気付けもしなかっただろう。
ほんの一瞬、リリアーナに重なる影の姿が。
その影は、リリアーナの腹部を突き破るはずの弾丸の勢いを殺し切るのを。
近距離過ぎて、散弾が広がらなかったのも幸いした。
弾はリリアーナの服にめり込み、強い衝撃を与えるだけに終わり、その身を傷つけることはなかったようだ。

「あの影は・・・学園長・・・!
・・・さすが、としか言いようがないわねぇ・・・。」
ミニアルナワーズは確かに見極めていた。あの影が学園長の残留思念の法だと。
弾を止め、逆にリリアーナを回復させるまでしたのだ。
そしてリリアーナは聞いただろうか?
『彼をよろしく頼むよ・・・』との学園長の声を・・・。

『リリィ?ナウシカになりきって!もう一押しよ〜。』
物陰からテレパシーで声援を送るミニアルナワーズには、もはや不安も、後悔もなかった。
既に成功を確信していたのだから。

326 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 21:51:44 0
>325
効果時間がすぎて一瞬で大地の壁は崩れて元に戻ってゆく。そこに見えたのは
>地面から吹き出した鋭い壁は女王蟻に到達する前に砕け、地に帰る。
「ふぅ・・・ん。障壁か。」
などと考えている場合ではない!
>その見た目から想像できない敏捷さで二人に突進を仕掛けてきた。
「つっ・・・!」
右手に持った杖の先端の先端の先端、ほんのごく一部を迫り来る女王の脚に向ける。
そして、衝突の付加がかかる一瞬で大地に魔力を送り、横っ飛びに避ける!

しかし、あまりに急に吹っ飛んだ為に壁にぶつかる事を計算に入れていなかった。
[――衝突]
「ごふっ・・かはっ・・・あ痛たた。」
軽く自分の背中をさすりながら起き上がる。そして今しがた通り過ぎた女王蟻の方を向くと
>彼女のお腹についた沢山の小さな扉が開く。
>そこから爆薬の入った三角錐が飛び出し、辺り一面にばらまかれた。

「それは、ちょっと甘いんじゃないか、な?![戦列:突撃(フォーム:アサルト)]」
戦闘態勢に入っていた為に半ば放っておかれていた大地の腕。
大地に手をかざしてそれらを再び作り出し、操作する!
大地に生えた手は手近な三角錐を拾い上げ、次々と女王蟻自身やその頭上に放り上げる。
そして、それに女王蟻が気をとられる一瞬。女王蟻の傍らには、火球に目玉をつけたような外見の
火精霊達が・・・!
「火精(アグニ)!・・・爆裂。」
女王蟻の周囲の三角錐に火精達は魔力の炎弾を打ち出し、そして自らも三角錐へと突撃する。
そして・・・爆発!爆発!爆発爆発爆発爆発!!

「まだ・・・!大地よ、その内に在りし峻厳なる父、不破なる地龍の英霊に申し上げる・・・」
爆発だけでトドメをさせるとは思わない。決定的な一撃を放つ為にラルヴァは精神を集中させて詠唱を始めた。
地精達がゆっくりとラルヴァの周囲に集まってゆく。

327 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/06/01(金) 23:29:19 0
フリージアは驚いた
死んでいるはずの女王蟻がびくりと動いたのだ
そしてなにやら目を光らせ口をあけた
蟻酸攻撃かなにかだろうか?
そう認識すると同時にフリージアは防御の為、雪の結晶のドームを展開した
その一連の魔法発動のプロセスは約0.05秒間
ちょうど宇宙のどこかで悪人を取り締まる正義の公務員が鎧を着るのと同じぐらいの時間だ
ただ・・・短時間で色々と省略したのでドームが覆ったのはフリージアの頭部のみであったため
まるではちかぶり姫のような妙な姿になってしまった
頭の上に座っていたギズモが立ち上がれはもうちょっとましな姿になるかもしてない
それでもなんとか蟻の女王の叫び声からは免れることが出来たようだ

>「くぅ・・・。実は生きてたのかな。フリージア、大丈夫?」
すべての音がシャットダウンされてしまったためラルが何を言っているのか聞こえない
どうやら気遣ってくれているのだと思うのだが・・・・
このままでは何も聞こえないでとりあえず蟻から充分に離れてから
その小さなヘルメットぐらいの雪の結晶のドームを分解し雪の結晶に戻した

その時である蟻のプライドを捨て蜘蛛のような姿になった女王がビームを放ったのは
ラルヴァが土の壁で防御したのと同時にフリージアはさっき分解した雪の結晶で防御した
具体的には氷の特性で屈折させて自分に届かないようにしたのである
もっと簡単に言うとクリスタルボーイにはビームが効かないということである

ビーム攻撃をかわしたフリージア
「反撃させてもらいますわ」
と今まで使う機会を逃していた魔法を使おうとする
だが先に攻撃したラルヴァの魔法を無効化して突進してきた
それを紙一重で避けるフリージア
さらに爆弾を撒き散らし始める女王

「こういうのは出した本人にはじき返すのがお約束ですわ」
某亀の魔王もこの方法によって倒されているということから
この戦法は有効であることが証明されている

フリージアは氷結棍を作り出すとゴルフの要領ではじき返した
次々と爆発する爆弾三角錐
止めを刺そうとするラルヴァ
もしものときに供えるフリージア
これで倒せなかったら自分の出番である
そう思い白鳥の様に舞い始めるのだった
そう見開き一ページ分のダメージを与える例の最強奥義を放つ前段階の舞を・・・・


328 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 08:35:21 0
少女はリリアーナの手を取った。
>「…………キサラ………………キサラ…トールフェルド…………」
ホッと安堵した刹那、リリアーナは拒絶された。
「待っ・・・」
パニックを起こし。手を振り払われる。
ただの女の子には、キサラを止めることは出来なかった。
キサラは流れるような動きで銃を手に取り、リリアーナへと銃口を向けた。
そこからはまるでスローモーションのように感じられた。

死ぬのは知っていた。昨夜の占いにそう出ていたからだ。
だけど自分を殺すのは、少女ではなく少年だった筈なのに。
(ま、メラルさんだって外すことくらいあるわよね)
土壇場になって妙に冷静な自分がおかしかった。今までの人生を思い出すようなことも無い。
ただ、心残りだった。
(ロック・・・ごめんね)

キサラは引き金を引いた。
鳩尾に殴られたような衝撃を感じ、リリアーナは思わずよろめいた。
だが、それだけだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
死んでないし。
それどころか、さっき被った傷も回復している???

わけがわからず困惑しているリリアーナの頭を、大きな手が撫でた。
>『彼をよろしく頼むよ・・・』
リリアーナははっとした。それは紛れも無く、学園長の声だった。
昨日、最後に学園長に会ったときのことが鮮明に脳裏に浮かんだ。
あれからずっと守られていたのだと今更ながらに気づく。
「待って・・・待って下さい!」
だが一陣の風が吹きぬけると、かすかに漂っていた学園長の気配も消えた。

>『リリィ?ナウシカになりきって!もう一押しよ〜。』
アルの声援を受け、リリアーナは我に返った。
そうだ、呆けている場合では無かった。
今はまず、かわいそうなくらい混乱しているキサラを落ち着かせないと。
それにしても・・・説得してと頼んだのは自分だが・・・何をどうしたらこうなるのだろう。
「アル、あなた一体彼女に何をしたの?」
キサラの特殊事情を知らないリリアーナは思わず呟いた。

はっと顔を上げた彼女に優しく微笑みかける。
「怖がらないで、何にもしないから」
アルの幻灯機のことが頭を掠めたものの、リリアーナは気にも止めなかった。
ただ、何とかしてあげたいと思った。

リリアーナは手を伸ばし、銃を持つキサラの手に自分のそれを重ねる。
「大丈夫よ、怖くないわ」
リリアーナは優しく囁くと、そっとキサラを抱きしめた。
「ほら、怖くないでしょ?」
小さな子供をあやすように、ゆっくりゆっくり体を揺らす。
リリアーナはポンポンと彼女の背を叩いた。
小さい頃はよくこうやって祖母に慰められたものだ。
幼少のうちに学園に来たリリアーナにとっては、数少ない肉親との思い出でもある。
アルならもっと上手く出来るのだろうが、所詮リリアーナはリリアーナだった。
「キサラが落ち着くまでこうしてるからね」

リリアーナはキサラの頭を撫でた。
「だから、もう泣かないで・・・」

329 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 09:57:37 O
>>328
キサラの動きは止まった
……手に持った銃を放すことはなかったが、虚ろだった目は涙目に変わり、その瞳からは自然と涙が溢れていた

殺人兵器となった彼にとって、有り得ない感情が生まれたのは、きっとアルナワーズが心理矯正を優しく外したこと、そして何より、リリアーナの優しさだろう

そして更に――――彼は自分でも信じられない行動と発言をするのである


「…………行って ………あの蟻は…………僕が対処する」

驚きを隠せないリリアーナを傍らに、更に続けるキサラ

「…………あそこにいるのは………貴方の友達………というモノでしょう?………………早く…………行ってあげてください」

そう言い、ハンドガンを再びしまい、先程まで使用していたスナイパーライフルの組み立てにかかるキサラ
その作業中、アルナワーズ達の方にも顔を向ける
「…………残念ながら、心理矯正を外しても………僕は貴方達の……敵です …………でも……………これは命令じゃない………僕の意思で…………貴方達を助けます …………でも…おそらく、次に会ったときも助けるとは…限りませんから」



キサラ・トールフェルドが、初めて自分の意思で行動した瞬間だった

330 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 18:52:04 O
>326>327
爆発が収まり、女王蟻の姿が現れる。
先程まであった無数の黒い足は燃え尽き、再びダルマになっているが、
鋼の装甲に守られた部分は無事なようだ。
女王蟻の目が赤くなり、またもや魔法障壁を展開、
胸からずぶずぶと黒いゲルを吹き出し足を再生させる。
どうやらこの鋼の蟻を殲滅するには、この強固な魔法障壁を無理矢理突き破るか、
女王蟻の攻撃中に攻撃を加えなければならないようだ。
女王蟻は魔法障壁に守られながら足をつくり終えると、
体勢を立て直し、目を白く光らせた。
今度は触覚から電気がほとばしる。
女王蟻の周りに雷撃の嵐が吹き荒れた。

331 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 19:27:20 O
>>330
>女王蟻の目が赤くなり〜


キサラは、先程までの弾丸は、自分が普段使っているものではないとわかると、普段から緊急用に携帯している、『使い慣れた通常弾』をライフルに素早く装填、そして―――撃った

しかし弾丸は『壁のようなもの』に弾かれ、地面に落ちる

それでも構わず、一定の間隔をあけながら、同じ箇所にピンポイントで撃ち続ける


>目を白く光らせた〜
キサラは同じ箇所に弾丸を撃ち続ける

すると、女王蟻が攻撃するその瞬間だけ、弾丸が鋼の殻に弾かれた

「…………なるほど」
タネがわかればあとは簡単だ
キサラが特別に作成した、スナイパーライフル用の『炸裂弾』
対象に触れると、弾が炸裂し、堅い殻も砕くというものだ
更にキサラはそれに改良を加え、火薬の料をギリギリまで増やした

反動がとてつもなく大きくなるため、連射が効かないのが難点だが、その威力は絶大、鋼だろうとミスリルだろうと、オリハルコンだろうと(オリハルコンは自称だが)撃ち貫く威力を誇ることは、既に実証済みだ

鋼程度の硬度なら、1発で頭部は砕け散る
3発も撃てば、跡形もなくなるだろう


「………悪いね …………僕は虫が嫌いなんだ…………!!」
的確に狙いを定め、女王蟻が攻撃を仕掛けるその瞬間を逃さず―――急所を狙い、撃った

332 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 21:26:57 0
>327>330
「その冷厳なる独角を顕現せしめん・・・」
詠唱を続けながらフリージアをちらっと見やると、変なヘルメットをしていた。
思わず精神集中が途切れそうになるけれど、落ち着いて意識を集中する。

爆発を受けた女王蟻は障壁を作って修復を始める。
そして、その修復が終わった段階で反撃を始めるはず。
ならば、その瞬間。障壁が解除されて目の色が変わる一瞬が勝負!

>女王蟻は魔法障壁に守られながら足をつくり終えると、
>体勢を立て直し、目を白く光らせた。
ここだ!あまりに一つの呪文に対して集中してしまっている為に精霊達が精霊界へと帰ってゆく
しかし、それにまで気を回している余裕も無い。周囲から魔力を取り込み、体内のそれと練り合わせ
体内を通じて外部へ!
「磔刑に処す!礫峰槍把(ドラシュ・ガン)!!」

防衛目的の壁ではなく、攻撃を目的とする岩や宝石の槍が地面から突き出す。
それらは女王蟻の体に突き立ち、槍自体は回転しながらその傷を抉り広げてゆく。
計26本の槍が地面から女王蟻を貫く。

>今度は触覚から電気がほとばしる。
>女王蟻の周りに雷撃の嵐が吹き荒れた。
「!!地(ノー)・・・・!」
慌てて地精を呼び出そうとするが、それよりも一瞬早く
カウンター気味の雷撃によって吹き飛ばされた。

「げほっ、かほっ・・・」
視界が真っ赤に染まる。頭から打ち付けてしまったらしい
朦朧とする意識を無理やり繋ぎとめて、先ほどの女王の方を見やるとそこには・・・

333 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 22:10:18 0
「それは母性なのか愛なのか!?新たに現れた謎の美少年に揺れるリリアーナの胸・・・
リリアーナ、愛の劇場第五弾、請うご期待!」
リリアーナがキサラを抱きしめていたとき、ミニアルナワーズは幻灯機に向かってアフレコしていた。
それはもう楽しそうに。
既に『心配』とか『応援』という方向の感情はないようだ。

ハミングしながら幻灯機をいじくっていると、突如として爆音。
慌てて振り返ると、そこには黒煙。
方向は・・・魔方陣だ。
巨大な女王蟻の撤去にしては不自然だ。
下手に爆発などさせれば魔方陣を破壊しかねないのだから。

何 か が 起 こ っ て い る

>「…………行って ………あの蟻は…………僕が対処する」
キサラの言葉で魔方陣に何が起こったのか見当が付いた。
おそらく死んだと思っていた女王蟻が生きていたか、死体を守る蟻が沸いたか・・・
どちらにしてもフリージアとラルヴァが戦いを始めているということだった。

「リリィ〜。行きましょ。ご好意に甘えておくのも大切よ。」
ルーナの頭の上に乗って手招きをする。

人の心は様々なものに支えられて立っている。
家族・友人・経験・崇拝・憎しみ・・・・
支えているものをまず破壊し、新たな壁を作ってやる。
支えを失った心は安定を図る為に壁にもたれかかるわけだ。
大まかな流れではあるが、心理矯正の手順だ。

アルナワーズが行ったのは、キサラの心が寄り添っている壁の向きを変え、つんのめった所にリリアーナという新たな壁を用意してやったというわけだ。
キサラの心はリリアーナという壁にもたれかかっている。
だが、元々の壁がなくなったわけではない。角度を少しだけ変え、確かに存在しているのだ。

分かりやすく言うと、今キサラの心は部屋の角にいるようなものだ。
右肩はリリアーナという壁、左肩は以前の壁に接してもたれている。
急ごしらえとはいえ、「…………行って ………あの蟻は…………僕が対処する」 この台詞を引き出せたのなら上出来だ。
今はこれ以上手を加えるのは逆効果。
したいようにさせておく方がいい。そう判断して、リリアーナに魔法陣に戻るように声をかけたのだった。

334 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 22:10:39 0
「ふ〜説得は成功したけど、もう一歩だったわねえ。」
アルナワーズ自身、あれで十分すぎる効果があったと思っている。
だが、失踪するルーナの上で口に出たのは全く逆の言葉だった。
「最後抱きしめたとき、あの子の顔がうずもれたら完璧だったのに、あそこで柔らかさじゃなくて頑なさを印象付けちゃったのね〜。
あっ!そうだったわ、『揺れる胸』って、揺れるほどないのに・・・後で修正しておかなきゃ。」
ズケズケとリリアーナの胸をえぐるようなことをいいながら、自分の科白にはっとしてうんうんと自己完結をするミニアルナワーズ。
誠に自分勝手だが、こういう性格なので仕方がない。

ころころと笑っていると、銃声と共に風を切る音が流れていく。
どうやらキサラが狙撃を再開したらしい。
それを合図に、ミニアルナワーズの表情が一転。
切れ長の目で流し見るようにリリアーナを見据えた。

「リリィ?さっき撃たれた時、死ぬつもりだったんじゃない?
即死するならまあいいけど、死に損なった時、あなたの場合悲惨な目に会うわよ〜。
自分が死ぬより辛い事がある人間は大変だから、気をつけないと。」
そういうミニアルナワーズの両手がゴントレットに変わっていた。
これで何を言わんとしているかは分かっただろう。
即死しなければ、その傷を代わりに引き受けて死ぬ人間がリリアーナの身近にいる、という事を。

「ほら、冷徹に見えて情に厚いところがあるから困り者なのよね。
っと、これ以上近づくのも危なそうだけど・・・どうするぅ?」
話しているうちに魔方陣のかなり近くまでこれた。
廃墟のせいでフリージアやラルヴァの姿は見えないが、これ以上進むと雷撃の嵐に巻き込まれてしまいそうだ。

335 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/06/02(土) 23:20:53 0
>330
「こ、これはまさか電撃ですの?」
以前アンジェリーナの電撃魔法で気絶する羽目になったフリージアはあわてた
氷の魔法属性を持つフリージアは極端に電撃に弱いのだ
「えいやぁ!!」
フリージアはとっさに氷結根を使い棒高跳びの要領で空に逃れた
そして次の瞬間さっきまでフリージアのいたところをはとばしる電撃
もしその攻撃が当たっていたなら命が危なかったかもしれない
「あ、危なかったですわ」
電撃が届かない所、空中で自らが作り出した雪の結晶の上に着地したフリージアはそうつぶやいた
>331
そしてどこからか判らないが蟻の女王を狙い銃弾が放たれた
「え?どういうことですの?」
さっきまでリリアーナを狙っていた銃弾が蟻の女王に放たれたのだ
驚かないはずがない
だがなんであれそれで蟻の女王が死んだならそれはそれでいいだろう
もし生き残っていたら・・・・
「私の出番ですわね」
電撃によって中断させられた舞の残りを踊りきれば
フリージアは最大の攻撃魔法を放つことが出来る
その魔法の名はフリージング・ディストラクションといい
敵を凍らしてから砕いてしまうという大変破壊力のある魔法なのだ
命中率の低いこの魔法だがあれだけ的が大きければ外れはしないはずだ
そう思いフリージアは再び白鳥をイメージさせる舞を踊りはじめた
女王蟻が死んでいなかったらすぐにでも放つつもりなのだ

336 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 15:38:44 O
>331>332
女王蟻は大地から延びた槍に全身を貫かれ、
同時に飛んで来た弾丸が頭部に着弾、炸裂した。
堅牢な頭部は跡形もなく砕け散ると、カッターの刃のような破片となり辺りに散乱する。
この女王蟻は最期の最期まで人間を殺傷できるように設計されているのだ。
頭部を失った事により足が痙攣を起こすが…それでも…まだ止まらない。
首から青い体液を巻き散らしながら足を無茶苦茶に振り回し始めたのだ。
体をラルヴァの出した槍で貫かれているので、
移動こそできないが危険であることに違いはない。

>335
フリージアによってとどめの一撃が放たれる。

337 名前:メラル+エミュー ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 18:31:02 0
アンジェリーナが注射をしてからメラルに向けて突進して来る。
「…スペルブラスター。」
対して、メラルはそこに紫色に輝く中型光線を放ち、命中させる。
アンジェリーナの体から魔力がかなり流出させるが、今は無限とも言える
魔力を持っている以上ほぼ影響はない。霧に突入し、霧によって
吸収される魔力についても同様である。そうこうしている内に
アンジェリーナに至近距離まで接近されてしまう。
「ピンポイント。」
メラルは手から、自らに向けて斥力球を撃って自分を横に吹き飛ばし、
無理矢理距離をとった。が…その先には接近してきていたレイドの姿が。
回避する余裕もなく、ボディに強烈な一撃をもらい、大きく吹き飛ばされる。
アンジェリーナへの対応を見る限りでは普段のメラルと違い、明らかに
接近戦を避けようとしているし、メラルの肉体強化の術も甘くなっているようだ。
最も、霧に魔力を奪われる為、霧の中ではメラル自身にしろ、
他の2人にしろ、術の威力は低下するのだが…。

吹き飛ばされ、地面に落ちたメラルは…すぐさま立ち上がり、霧を展開し始める。
表情には出さないが、動きを見る限りではダメージはかなりの物のようだ。
だが…安心は出来ない。メラルは新たに術を放ってきた。
「ダークダガー…ピンポイント。」
まさに闇の如く黒い短剣を大量に生じさせ、二人目掛けて発射して弾幕を形成した。
更に、メラルはそれと同時に、周囲に展開している霧をより濃密な物へと変じさせていた。

(…干渉が…消えた…? …でも…何よ、これ…)
メラルの精神に対して干渉していた、メラルの体内に残っていたマリアベルの魔力が…
ついに吸収され尽くし、正常な意識を取り戻す。しかし…"その"メラルには、一瞬状況が掴めなかった。
"見た事もないような"闇の術や藍色の霧を自らが展開し、レイド先生やアンジェリーナと相対していたのだ。
しかも、自らの意に反し自分は攻撃を続けているのだから。


>「わかった。急ぎましょう。ところで竜さんのことは何て呼べばいい?」
「…エミュー。あの小娘はそう呼んでるゼ?」
>「二手に別れましょう。私は蟻を動かすのは無理だから、狙撃手さんのほうを何とかしてくる」
「その理屈だと俺もそっちみたいだナ」
>「あらありがと。 そちらこそ、極限状態で何が必要か瞬時に判断して
  それを躊躇なく実行できるだなんて。 あなたともあなたのお友達とも気が合いそうだわ〜。」
「本当に躊躇なく実行出来てたら…良かったんだろうナ。」
エミューは愛想とは無縁の口調で返答し続けるが…途中、妙に重い口調になった。
最も、直ぐに今までどおりの雰囲気を漂わせ、周りの皆の様子を見始めたが。
少しして、また声をかけられると…今までよりは多少マシな応対をした。
>「じゃあちょっと行ってくるね〜。アル、あなたも早く乗って乗って!
  ギズモとメラルの使い魔さん、もし来るのなら振り落とされないようにね!」
「…乗る必要はねぇゾ。…暫く喋り難くなるけどヨ。」
エミューが自らの周囲に展開した氷を崩壊させて、憑いている水晶球のみの状態になり、
そのままの状態で、リリアーナの後を飛んでいった。

エミューはキサラの近くに来てからはずっとルーナの影に隠れるような位置に浮いていた。
単にキサラに対して安易に情報を与えずに奇襲を出来るように、のつもりだったのだが…
逆にそれが原因で銃弾に対応できなかったのだ。最も…エミューはその点について
何とかなったからいいや、と自己解決しているのだが。
そして…アルの横に行き、移動し始めて暫くしてから姿を元に戻し、
一応リリアーナに聞こえないように配慮してアルに突っ込みを入れた。
まずはアルのリリアーナへの注意に対し。そして、行動全体に対して。
「…何かえらく自分の事しか考えてない人間がしそうな注意の仕方に聞こえるのは気のせいカ?
 それに、そもそも…この状況を楽しんでないカ?」
そして一拍入れてから言った。少々真面目気味に。
「最も…あの小娘が暴走してなかったら俺も楽しむんだろうけどナ。
 暴走に加えて、さっきの女…か?まぁ、奴に相応の報いを
 受けさせられなかったのもあってナ。楽しめるって気分でも状況でもねーからナ。」

338 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2007/06/03(日) 22:19:16 0
>336>337
白鳥を連想させるような舞を踊り終えたフリージア
背中にはオーロラのような魔力のオーラが立ち上る
「この氷結のフリージアの最大奥義受けて御覧なさい!
 フリィィィジングデイストラクショォォォン!!」
拳からはとばしる魔力の光!その光は確実に女王を捕らえた
たちまち凍りつく蟻の女王
「粉雪に・・・おなりなさい!」
フリージアが氷像になってしまった蟻の女王に背を向け指をパチンと鳴らすと
蟻の女王の氷像はまるで粉雪のように砕け散った
「これで一安心・・・じゃないですわ!!メラルさんは?レイド先生は?」
蟻を何とかしたといってもまだ問題は山積みであった


339 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 13:54:29 0
>329 >333-334 >337
遠くから聞こえる爆音に、リリアーナは顔を上げた。
フリージア達がいる方向からは黒煙が上がっている。きっと皆の身に何かあったのだ。
>「…………行って ………あの蟻は…………僕が対処する」
「でも・・・」
>「リリィ〜。行きましょ。ご好意に甘えておくのも大切よ。」
アルは既にルーナの背にのり、こちらを手招きしていた。
キサラはキサラで、変わった形の銃(なのかな?)の組み立てを始めている。
リリアーナはしぶしぶ頷いた。

にキサラは、自分は敵だといい、次に会ったときも助けるとは限らないと語った。
だがリリアーナはこの言葉にむしろ喜んだ。
「良かった〜、この街を出る決心がついたのね!うんうん、私もそれがいいと思うわ!」
微妙な表情のキサラに気づかず、リリアーナはさらに言い募った。
「あのね、今この場所と私達の居るフィジルって場所は、ある闇の魔法使いの魔力で繋がってるの。
 今すぐなら、この街にある魔法陣を使えばフィジルへ行けると思うわ。
 ただ問題は、魔法陣がいつまで残っているかは私にもわからないの。だから街を出るなら急いでね。
 ・・・・・・・・・・・・・・・あっ、そうだわ!これ貸してあげる!」
リリアーナは三等過程合格者の証であるリングを外し、キサラに手渡した。
リングの表面には『魔力を燃やせ!!フィフスエレメントに目覚めよ』という文字が光っている。
彼女はキサラに渡した後も、リングの文字が消えないことに気づいたようだ。だが、それについてはあえて触れなかった。
「お守りよ。これをもって塔の外に出て、タロウ先生って人に渡して。確実に保護してもらえるわ。
 それから万が一魔法陣が消えちゃったときには・・・どうすればいいかは指輪に聞いてみてね」
持ち主が使えば、「ゲート」という転移装置への道を示すはずだった。
だが持ち主以外が使った場合、指輪が誰を指すかなど、持ち主である彼女が知る由もない。
リリアーナは一息に言い終えると、ルーナの背に飛び乗り浮いている水晶球に声をかけた。
「エミュー、行きましょう。じゃあキサラ、またね!」

帰りの道中、アルは突然爆弾発言を落とした。
>「最後抱きしめたとき、あの子の顔がうずもれたら完璧だったのに、あそこで柔らかさじゃなくて頑なさを印象付けちゃったのね〜。
>あっ!そうだったわ、『揺れる胸』って、揺れるほどないのに・・・後で修正しておかなきゃ。」
アルはリリアーナの小さな胸をえぐるような言葉を雑ぜつつ、自分の科白に一人納得している。
リリアーナの硬く握り締められた拳がぶるぶる震えている。
アルは本当にデリカシーが無い!と感じるのはこんな時だ。

遠くから再び銃声がした。キサラが狙撃を再開したようだ。
振り返り目を凝らしていると、急にアルが真面目な声で話し掛けてきた。
>「リリィ?さっき撃たれた時、死ぬつもりだったんじゃない?
>即死するならまあいいけど、死に損なった時、あなたの場合悲惨な目に会うわよ〜。
>自分が死ぬより辛い事がある人間は大変だから、気をつけないと。」
誰を指しているかはすぐにわかった。
>「ほら、冷徹に見えて情に厚いところがあるから困り者なのよね。

「・・・肝に銘じておくわ。ありがとアル」
クドリャフカを生贄にして自分が生き延びるのはとても耐えられない。
「全く!クドリャフカさんももう少し自分を大事にしてくれないとね〜
 でないと心配するこっちの身が持たないわ」
リリアーナはうんうんと一人納得して頷いている。
なんともいえない表情をしているアルには全く気づいていないようだ。
「ま、私は運が良いから平気。だからアル、心配しないで。
 でも・・・そうね・・・不幸にもそんな時が来たら、アルはどんな手を使ってでも止めてね」
リリアーナは畳み掛けるように続けた。
「アルだけじゃ不安だからエミューやルーナにもお願いしておこうかな〜」
リリアーナは冗談めかしてウィンクした。だが、目は全く笑っていなかった。

340 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 13:56:53 0
>332 >338
>っと、これ以上近づくのも危なそうだけど・・・どうするぅ?」
「いえ、このまま進みましょう。勝負は既についているわ」
リリアーナは上空を指差した。
ちょうど優美な舞いを終えたフリージアが、彼女最大の奥義『フリージング・ディストラクション』を放とうとしていた。

「やったわねフリージア!」
リリアーナはぐっとフリージアに向けて親指を立てて見せた。
「狙撃手さんの方もちゃんとわかってくれたわ。今のうちにマリアベルを追いましょ!
 ・・・あれ?ところでラル君は?姿が見えないんだけど・・・――――ラル君?!」
倒れているラルヴァに気づき、リリアーナは悲鳴をあげた。

ルーナから飛び降り、倒れているラルヴァに駆け寄る。
「ラル君しっかりして!大丈夫?」
頭でも打ったのだろうか。かなり痛そうだ。
だが魔法を使えない今のリリアーナには、どうすることも出来ない。
回復魔法が得意だっただけに、今の自分の不甲斐なさがいっそう堪えた。
「ごめんね・・・魔法が使えたら、あなたの傷を癒すことだって出来たのに・・・・・・!」
言い終えた途端、リリアーナは耳元でシャボン玉が弾けるような奇妙な感覚を感じた。

ラルヴァの痛みが突然消えてしまった。
彼の傷は今や完全に消滅している。
「・・・ラル君?―――― あれ?体の具合は何ともないの?
・・・もしかして返り血・・・だったとか?」
リリアーナは不思議そうな顔でラルヴァを見つめた。

341 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 15:42:23 O
>>339
「……………???」
自分は敵だ…と言ったつもりなのに、少女は何か勘違いした様子でその場を後にして行った

魔法使いがどうとか、魔法陣がどうとか、とにかく魔法という単語がやたらと出てくる

狙撃しながら色々考えてはみたものの、やはり考えはまとまらなかった


>>336
女王蟻は自分の撃った弾丸によって頭部を粉砕―――ここまで綺麗にきまると、さすがに気持いい

もっとも、今のところ彼にそんな感情はないのだが


「仕留め損なった―――!」
続けて狙いを定める―――が、何となくそれは必要なさそうだった

一人の少女が、残った部分を氷結させ、そのまま跡形もなく砕いてしまったからである

「………やるね」

やっぱり何故凍ったのか、などは納得いってない様子だが、その一連の流れに正直な感想を漏らした



再び銃の解体を始め、特別性の弾丸を抜く

万が一にもこんなものが暴発しようものなら、取り返しがつかない

銃の解体はスムーズに行われ、再びそれをしまう


ハンドショットガン―――スナイパーライフル―――
全てを綺麗にしまい終わったキサラは、先程まで自分の傍にいた少女――――リリアーナの位置をスコープで確認する
何やらよくわからない生物に乗っているようだが、あのスピードなら、ついて行けないことはなさそうだ
少なくとも、見失うことはないだろう

342 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 16:05:45 O
飛ぶように走るキサラ
リリアーナは魔法陣に向かえと言ったが、彼はそんなつもりはなかった

失敗に終わったものの、自分は彼女を殺そうとしていたのだ

そのことに対する償いぐらいは、しなくてはならない

……参ったなぁ、どうしてこういう細かい感情が残ってるんだろう
次に会うときは、敵であるつもりだ

………だが、今は味方だ
僕の意思で、彼女を助けたい――――この感情が続く間は、その感情に従ってみよう





その途中、先程の少女に渡されたリングを思い出し、少し観察してみる
そのリングの表面には、『魔力を燃やせ!!フィフスエレメントに目覚めよ』
……と書いてある

「…………………何なんだろう………これ………」
当然彼には魔力がどうとかはまったくわからない

彼女は一体何を考えて、このリングを僕に渡したのだろうか

もう色々考えるのがさすがに面倒になってきたようで、魔力や魔法云々に関しては、とりあえず置いておくことにしたらしい

343 名前:キサラ ◆h9ZTufDZPo [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 16:13:11 O
そして更に、ふと(彼にとっては)大変なことを思い出してしまった

先程の一連の会話の流れだけでわかったが、彼女は何か、そしてかなり大きく根本的な勘違いをしている
それは明白だ

問題はここからだ

『僕は、彼女に、何をされたか?』
このことを冷静になって思い出してしまったのだ



―――――間。―――――


「な……ななななな…………!」
誰もいないのに声を出すキサラ

なぜなら彼は、女性が苦手なのだから

普段なら触れるだけでも顔が真っ赤、下手すれば気絶する程女性が苦手な彼が、その苦手な女性に抱きしめられていたのだ
…しかも、わりと長く

更に、重大なことに気付く

彼女は、自分のことをどうも女だと勘違いしている節がある


……ということは?



――――――――キサラの思考、一時停止

いや、フリーズという方が正しいか

普段なら確実に気絶するところだが、全速力で人を追いながら気絶することは流石になく、器用にも走る方を優先させたのだ

そして、気絶の代わりといってはなんだが、辺りに響くキサラの声―――いや、悲鳴

その声はリリアーナ達にも届き、目が良い人なら、顔が真っ赤なのは見えなくても、少年が飛ぶように向かって来るのが見えるだろう

344 名前:アンジェ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 19:57:48 O
>337
>「ダークダガー…ピンポイント。」
>まさに闇の如く黒い短剣を大量に生じさせ、二人目掛けて発射して弾幕を形成した。
アンジェはそれに構わず再びメラルに飛びかかっていく。
「急所にさえあたらなければ、どうということはないわ。」
アンジェは必要最低限のガードをしながら進んだ。
アンジェの体中にぶすぶすと短剣が刺さるがアンジェにはそれが些細な事に感じれた。
自分の死が近い事がわかっているからである。
>更に、メラルはそれと同時に、周囲に展開している霧をより濃密な物へと変じさせていた。
アンジェは霧に突っ込んで後悔した。
濃い霧のせいでメラルを見失ってしまったからである。
「時間が無いのに…」
アンジェは悔しそうに手に持った槍で周りを探った。
アンジェがリリアーナを襲うのに使ったこの槍、実は忘却魔法が込められているのだ。
忘却魔法とは、要するに記憶を消す魔法である。
もともとマリアベルの人格をロックから抹消するために用意したが…もうその必要はない。
周りを探る槍の刃先に手応えはない。
(風の魔法で吹き飛ばせないかしら?)
アンジェは試しにつむじ風の呪文を唱えてみた。
アンジェの周りに風が吹く。


345 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage連投御免 名前欄の訂正] 投稿日:2007/06/04(月) 20:03:36 O
アンジェ

アンジェ(活動限界まで残り3分)

346 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 21:46:26 0
>336>338>340
頭がグラグラする。目の前が真っ赤だ。
でも、その中でなんとか
>「この氷結のフリージアの最大奥義受けて御覧なさい!
>フリィィィジングデイストラクショォォォン!!」

フリージアの声は、聞こえた。
そして、視界の暗転。いや、ただ境界が曖昧なだけ。


真っ赤な視界で、僕が最初に見たのは赤い世界。
だからこの世界は最初から赤だけが支配している。
真っ赤な世界で見上げるものは。
お母様、僕は・・・・・・
『ソレヲ、思イ出スノハ、マダ、ハヤイ』

>「ラル君しっかりして!大丈夫?」
>「・・・ラル君?―――― あれ?体の具合は何ともないの?
>・・・もしかして返り血・・・だったとか?」
そんな声で意識が引き戻された。ぼやけた視界に必死な表情が見える。
「うん・・・?あぁ、もう大丈夫。治してくれたんだね。・・・って、覚えがない?
 僕の血はあんなに青くてドロドロはしてないけどな。」
気づけば痛みも傷の後も何にもない。吹き飛ばされたときに汚れた衣服を叩きながら立ち上がり
軽く顔に付いた血を袖で拭う。
「うん、もう大丈夫みたいだ。それにしても、やっぱり体が柔だと困るねぇ。」
曖昧な微笑はいつも通り、元に戻ったようだ。

気づけば黒銀の狼と白銀の虎が心配げにこちらを見つめていた。
「ん、ルーナもシャニィもご苦労様。こっちも片付いたし、とりあえず先生たちの所に戻らないとね。」
後半はリリアーナ達に向けた言葉だ。
ちょっとふらつきながらもシャニィに跨って乗せてもらう。
その状態でみんなを振り返る。
「じゃ、行こうか?」

347 名前:アルナワーズ・アル・アジフ ◆WHO16bBEDg [sage] 投稿日:2007/06/04(月) 21:56:58 0
>「…何かえらく自分の事しか考えてない人間がしそうな注意の仕方に聞こえるのは気のせいカ?
> それに、そもそも…この状況を楽しんでないカ?」
「やーねー、そんなに褒めてくれても何もでないわよ〜。」
顔を崩しながら応えるミニアルナワーズだが、エミュとの会話は成り立っているのだないないのだか余人には良く分からないだろう。
もっとも、誰が聞いているわけではないのだが・・・

> でも・・・そうね・・・不幸にもそんな時が来たら、アルはどんな手を使ってでも止めてね」
そんな中、リリアーナから返ってきた言葉に、さすがのミニアルナワーズの表情も引きつらずにいられない。
冗談めかしたようでいて、目が笑っていないのだから。

「ちょっとエミュの奥様聞きました?自分の事しか考えていない人間チャンピオンがすぐ横にいたザマスわよ!」
井戸端会議をするおばさんのような身振りで驚いてみせる。
仕草はコミカルだが、内心はその言葉の重さに溜息をついていた。

自分が死に損なわないように、身代わりになろうとするものを止めろ、と。
どんな手段でも・・・つまりは、トドメを刺せ、と言っているに他ならないのだから。
リリアーナは自分が安らかに死ぬ為に、他の人間をを制しトドメを刺した十字架を背負って行けと言っているに他ならない。
それをアルナワーズは実行できると分かった上で、怖ろしい本心を軽く言い切ったことに、ミニアルナワーズは溜息をついたのだ。

##############################################

魔方陣付近では、冷気が渦巻きダイヤモンドダストが宙を舞っている。
「・・・綺麗ねえ・・・。」
ダイヤモンド出すとの元が何かはあえて詮索はしない。
廃墟の中で発生した神秘の風景をただ楽しむように、気持ちよさそうに宙を見上げる。

そんな気分のいいひと時を、絹を裂くような悲鳴、と形容するのがいいのだろうか?
悲鳴によって引き裂かれてしまう。
遠見の術で声の方向を見れば、走ってくるキサラの姿が・・・。
「・・・フラッシュバックで錯乱・・・?っていうか、やっぱりあの感じだったし・・・。」
キサラの今の状態について、いくつかの心当たりはあった。
その中で一番確率の高そうな状態を想像し・・・ミニアルナワーズはニタリと厭らしそうな表情を浮かべる。
それもほんの一瞬の事。
振り返ったときには元の穏やかに微笑を湛える表情へと戻っていた。

「さ、魔法陣も開いた事だし、先を急ぎましょう。
出でよ櫓、その高きを以って聳えたて!」
呪文と共に、その場に恐ろしく高い櫓が出現した。
その櫓にはこれでもかと言わんばかりのデコレーションに色とりどりのネオン。大きな文字で「ウエルカム!魔法陣はここ↓」と書いてある。
数キロ先からでも見えるであろう高さをもつ広告塔は、一目でアルナワーズの合図だと分かるだろう。
学園広しと家でも、このような馬鹿馬鹿しい事をするのはアルナワーズくらいしかいないのだから。

一方、突然現れた巨大櫓の足元のフリージアたちは奇妙な事に気付いただろう。
巨大建造物特有の存在感、言い換えれば、圧迫感がまるでないということに。
そう、大げさな呪文を唱えたが、召喚術でもなんでもなく、単なる幻影でしかないのだ。

「さあ、これでレイド先生も迷うことなく追いついてこれるわね〜。
ラル、今なすべき事は、先にいかせてくれたレイド先生のところに戻る事ではなく、先に進むことよ〜。」

自慢げに笑うミニアルナワーズは、所々ノイズが入りその姿がぶれ始めている。

「見物するつもりだけだったのに、リリィに頼み込まれて思念体で無理したから、私はここまでみたいなの。
もうすぐ可愛い顔した子がここに来るわ。キサラって言う子よ。
不安定な子だけど仲良くしてあげてね・・・。
さあ、振り返らずに行くのよ・・・・学園を・・・守って・・・。
忘れな・・・で・・・わた・・・は、・・・つでも、一緒に・・・る・・・か・・ら・・・。」
力尽きるくらいなら、無意味に派手な櫓作るな!という突っ込みはしてはいけない。
ノイズが徐々に大きくなり、姿が消え、ついには声も風に吹かれて消えてしまった。

348 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/06/05(火) 20:48:49 0
>338
>「うん・・・?あぁ、もう大丈夫。治してくれたんだね。・・・って、覚えがない?
> 僕の血はあんなに青くてドロドロはしてないけどな。」
リリアーナは地面に視線を落とした。正真正銘の『高貴なる血』が、染み込まずそのまま青黒い染みを作っていた。
考えても答えは出ない。リリアーナ少し疲れた顔で、小さく頷いた。
「そう。なんにせよ痛くないのなら良かったわ。そういえばお礼も言ってなかったわね。ルーナ、乗せてくれてありがとう」
リリアーナは今ひとつ腑に落ちない顔をしたものの、にこりとラルヴァ達に微笑んだ。

>「これで一安心・・・じゃないですわ!!メラルさんは?レイド先生は?」
リリアーナはきっぱりと首を横に振った。
>「心配いらないわ。だってメラルさんにはレイド先生達がついてるんだから。
 あとは先生達に任せて、私達はマリアベルを追うわよ」
リリアーナはさらりと、だが毅然として言い切った。
この件に関しては、誰が何を言おうと譲る気は無かった。
「――――それに・・・なんだか嫌な予感がするの・・・」

 >343 >347
どこからか悲鳴が聞こえた気がする。
「あの声・・・まさかキサラ?!」
リリアーナは立ち上がって周りを見渡した。
だが結局、リリアーナはキサラの姿を見つけることは出来ずじまいだった。
なぜなら彼女をすっぽりと飲み込むようにして、巨大な柱が出現したからだ。
リリアーナは大口をあけて呆けていた。
派手にデコレーションし、キラキラ悪趣味に輝くやぐらには「ウエルカム!魔法陣はここ↓」と書かれている。

「さあ、これでレイド先生も迷うことなく追いついてこれるわね〜。
ラル、今なすべき事は、先にいかせてくれたレイド先生のところに戻る事ではなく、先に進むことよ〜。」
自慢げに笑うアルの体は、所々ノイズが入り輪郭がぶれ始めている。
>「見物するつもりだけだったのに、リリィに頼み込まれて思念体で無理したから、私はここまでみたいなの。
リリアーナはここに来てようやく我に返った。

「わ・・・私のせいじゃなくてこんなの作ったからでしょー!!
 無駄に魔力消費しといて、何が『リリィに頼み込まれて無理したから、私はここまでみたいなの』よ!」
リリアーナはアルの口真似をすると、つかつかとフリージアに歩み寄った。
「クドリャフカさんも聞こえたでしょ?あなたからも何とか言ってやってよ!!」
リリアーナはフリージアの胸元あたりに向かって叫んだ。
(別に胸に文句があるわけではなく、単に彼女がクドリャフカを収納したカプセルを持っているからだ。)
アルはキサラがここに来ると言い残し、姿を消した。

349 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2007/06/05(火) 20:49:46 0
リリアーナは、皆にキサラについて話し始めた。
「そうなの。キサラって子、すっごい綺麗だったのよ。
 タイプは全然違うけど、フリージアに勝るとも劣らない美少女でね、もうびっくりよ〜。
 あんな細腕でこーんな大きな武器を軽々と扱うし」
リリアーナは何事か叫んでいる(ように聞こえた)キサラに手をふり、大声で呼びかけた。
「キサラ〜、こっちの魔法陣はダメよ、悪い魔法使いか出てくるから危ないのよー!
 だから来ちゃだめ、塔の外に出るならあっちよあっち!」
キサラの気も知らず、リリアーナはもう一方の魔法陣のほうを能天気に指差した。
どうやらまだ何か重大な勘違いをしているようだ。

キサラは気づいただろうか?指輪から針のように細い光が伸びている事を。
5センチほどのそれは、まるで方位磁石のように持ち主の方角を真っ直ぐ指していた。

「道は拓けたわ。フリージア、急ぎましょう。ラル君、いろいろ協力してくれてありがと。
 私達もレイド先生達の事は心配だけど、今は事件の首謀者であるマリアベルを追うつもり。
 だからもしラル君がここに残りたいのなら、転移に巻き込まれないよう魔法陣から離れてね」
リリアーナは不意に声を潜めた。
「メラルさんって影があってなんかミステリアスよね〜。
 気になってしょうがないラル君の気持ち、ちょっとだけ分かるな〜」
シャニィに跨ったラルヴァの背を軽く叩き、リリアーナは意味ありげに微笑んだ。
――――どうもリリアーナの『女の勘』は、あまり当てにならないようだ。
リリアーナは迷いの無い足取りで魔法陣の中心に立った。
刹那、魔法陣はまばゆい光を放つ。

残されたキサラは我が目を疑った。
光が収まった時には、魔法陣の中の人影は煙のように消え失せていた。

350 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2007/06/05(火) 21:25:13 0
梅干の謎とは?

351 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2007/06/05(火) 21:27:50 0
次スレ
魔法少女達と冒険するスレ 3rdシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1181023531/l50


352 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2007/06/05(火) 22:05:59 O
>337メラルってなかなかタフな娘だったんだね。
先生ビックリしちゃったよ。
あれを受けて気絶をしないとは……想定外だぞ。
>「ダークダガー…ピンポイント。」
ちっ、困ったもんだ。
まだまだ余裕なのか?
それともただのポーカーフェイスか?
どちらにしろ大したもんだぜ。
「危ねっ……バリア。
当たり場所によっちゃ致命傷だっつーの…ってオイ!」
すぐ横を見ると短剣を体に受けながらもメラルに突っ込んで行くアンジェの姿があった。
無理し過ぎだろうよ、あれは。
アンジェは更に濃くなった霧の中へ姿を消した。
あの霧の中でメラルの姿を発見するのは難しいだろう。
しかも多分あの霧には何らかの秘密がある。
俺のファイアーボールはあの霧に吸収されている様に見えた。
無闇に霧の中に突っ込むのは得策じゃないな。
とりあえずもう一度説得してみるか。
「お〜い、メラルちゃ〜ん!!
俺だよ、俺!愛しのレイド先生!
頼むから俺の為に暴走を止めてくれ〜!」

魔法少女達と冒険するスレ 2ndシーズン

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