独白・夜+鳥 ◆NUE/UO/DFI ######################

111 名前:夜+鳥 ◆NUE/UO/DFI [sage] 本日のレス 投稿日:2008/09/25(木) 21:41:26 0
【独白】

六年前、俺は既にチームを組んでゴルディアス探索を生業としていた。
今と変らぬキャットストリートのデザートオーシャン。
俺はカタログとにらめっこしながら酒を飲んでいた。
「なんだラティフ、ACを変えるのか?」
「ん〜ああー。」
声をかけてきたカネスに気のない返事で応える。
カネスとは傭兵時代からの付き合いだ。
右腕を失って傭兵家業から遺跡探索者になったカネスを頼って俺は月に来た。
信頼もしているし、尊敬もしている。
何よりも、頼りになる男だ。

「61式オクトバ。軍で強襲偵察用に使われてる奴だけど、な。」
機能的には満足のいくものだ。
乗ってみたい、が、現役の軍用機を買えるほどの金なんぞない。
溜息をつきながらグラスを傾ける俺にカネスは小さく笑い口を開く。
「いい事教えてやろうか。来月間で待て。
来月トライアンフの次世代機発表がある。そこにクラーケンがでるらしいからな。
それまでお前が生き残っていれば、何とかなるんじゃねえか?」
その言葉に俺がガバッと立ち上がる。
次世代機発表って事は、既に形になっているって事だ。
つまりオクトバは現役から旧型へと変る。
昨日は変らないが、当然のように値も下がるという事だ。

カネスの言葉に盛り上がる俺のところに仲間の一人が駆け込んできた。
「よう、聞いたか?ゲイザムチームが記録更新してレベル4に突入したってよ。」
「んだと?あの筋肉ハゲに先越されたのかよ!」
仲間の一人の知らせに俺は苛立ちと共に応える。
当時まだゲイザムとの面識はないが、それでもその名前は知っていた。
「狂獣」「解き放たれた悪魔」
闇闘技場で暴れまわるそいつが、ふらっとゴルディアスに潜り記録更新したんだ。
心中穏やかなわけがない。

「ラティフ、そう苛立つなよ。ゲイザムはいいAC乗りだ。」
カネスがやんわりとたしなめるが、俺が納まるわけがない。
オクトバが買えそうな気分になったところで出鼻をくじかれたのもある。
「んでもよ。畑違いのゲイザムに出し抜かれるとはよ!何しに闘技場からでてきたんだ?」
「奴最近結婚したって言うからな。それが関係あるんだろ。」
「ブーーーーー!!」
事も無げに理由を推理するカネスの言葉に俺は盛大に吹いた。
ゲイザムが記録更新下どころの衝撃じゃない。

「はぁ!?ゲイザムが?相手は熊か?ゴリラか?」
「・・・ラティフ・・・。」
思いっきり酒を吹きかけられたカネスがコメカミをひくひくさせながら立ち上がる。
そして俺の視界は暗転した。
「・・・人を見かけで判断すると早死にするぞ。
俺にだって妹がいてな・・・。
だから死ねない・・・。お前も何だっていい。・・・生き残れ。」
薄れ行く意識のなか、カネスの言葉がぼんやりと聞こえた。


112 名前:夜+鳥 ◆NUE/UO/DFI [sage] 本日のレス 投稿日:2008/09/25(木) 21:41:36 0
#################

翌日、俺は左目にパンダのような痣をつけながらゴルディアスへと潜る。
古代守護ロボを撃ち落しながら、俺達もレベル4へと辿り着いた。
俺は躍起になっていたのかもしれない。
遺跡探索では、遺跡のデータや鉱物を持ち帰れば高く売れる。
それが未到達域のところなら尚更だ。
ゲイザムに負けたくない。
オクトバを買う為に金も要る。
そんな思いが、俺から慎重さを奪い取っていっていた。
それに気づいた時には、もう手遅れだったわけだ。

「糞、ミカエルだ!ミカエルが3機!」
「んだと!この糞忙しい時に!」
通信で怒号が飛び交う。
スフィンクスたちを相手に戦っている最中、光をまとって現われたのはミカエルだった。
既に斬段数も少なく、ACの破損部分も多い。
どう見積もっても勝てるわけがない。
「逃げるぞ!殿は任せろ!」
カネスの声に俺達は一斉に逃げ始める。
が、容赦ない追撃。
もう無我夢中だった。

気づいた時にはレベル2まで逃げてきていた。
周りには・・・誰もいない。
「・・・キール!・・・ツヴァイ!・・・カネス!!」
識別信号既に消えているが、それでも叫ばずにいられなかった。

撃墜されたところを見たわけじゃない。
だが、それでも俺にはわかっていた。
全員死んだんだ、と。
ああ、死んだんだ。
珍しい事じゃない。
今まで腐るほど仲間の死は見てきたし、一々感傷になんか浸るような趣味も持ち合わせていない。
ドラマチックな最後のシーンなんてあるわけもなく、ただ当たり前のように消えていく。
だが・・・それでも・・・

####################

翌年、俺は61式オクトバに乗り換え、その後ゲイザムとも組む事になる。
相変わらずゴルディアスへ潜り、多くの仲間の死を見てきた。
その中で一つだけ、俺の頭にこびりついて離れない言葉がある。
「生き残れ。」
カネスが何の為に死ねないのか。どうして俺に生き残れと言ったのかははっきり覚えていない。
今思えば、生きる目的もなく、死を恐れず突っ走っていた俺へのメッセージだったのかもしれない。

だから、俺は生き延びる。
糞みたいな理由をいくつも都合よく並び立てて、生き延びるんだ・・・!


知られざる聖戦########################

114 名前:知られざる聖戦[sage] 本日のレス 投稿日:2008/09/27(土) 00:27:56 0
太陽系第三惑星地球に存在する島国日本。
その国の首都、東京にアキハバラと呼ばれる場所がある。
世界中の夢見るものたちが訪れる聖地である……はずだった。
だが聖地は、原理主義団体【デオデオーン】に占拠されていた!
“アキハバラは昔ながらの電気街であるべきだ!”と主張する過激派だ。

すぐさま夢見る者たちによって解放軍が結成され4度に渡る解放戦争が行われた。
だがデオデオーンの強大なる軍事力の前に全て失敗に終わった。
しかし5回目は違っていた。解放軍は最強の切り札を手に入れた。
古代兵器ミノさんとそのパイロットのてっちゃん。
何を隠そう、“面白そうだから”という理由で解放軍に強力を申し出た通りすがりの人だ。
しかし二人は滅茶苦茶強かった。

襲い来るテレビ型ロボットや冷蔵庫型ロボットを真っ二つにしながらの快進撃。
ついに敵の本拠地である“デオデオーンアキハバラ店”にたどり着く。
5色の全身タイツや5色のセーラー服を着た解放軍たちが無駄に勇ましく店を取り囲む。
もちろん彼らは戦わずにミノさんを応援していただけだ。
「貴様らは完全に包囲されている!」「降参すれば命だけは助けてやろう!」
その時、デオデオーン本店の1回から10回までを占めるシャッターが開き
激震と共に巨大な電気掃除機が姿を現した!
電気掃除機にとりつけられたスピーカーから声が響き渡る。
『フハハハハハ! よくここまでたどり着いたな……。
私はデオデオーン総帥【ヤマダ】!
そして……これは吸引力の落ちないただ一つの掃除機型機動兵器“DAISON”!
早速だが行くぞ……DAISON最大出力!』
DAISONが周囲の全てを吸い込もうとする! 解放軍達はたまったものではない。
みんな電信柱などにしがみついて必死である。
「なんでデオデオーン総帥のくせにヤマダ!? まあどうでもいいや。
いくぞ、【ストームブリンガー】で応戦だ!」
ミノさんは持っている魔剣の中から嵐を呼ぶ剣、ストームブリンガーを抜き放った。
『そんなもので対抗できると思うなあ!
……あれ? 吸引力が落ちてるぅううううう!?』
解放軍の一人が勝手に解説する。
「解説しよう! DAISONと逆向きの風を起こすことによって風を相殺したのだ!」
「トドメだ!」
振り下ろされた剣によってDAISONは真っ二つになった。
『ぐはぁ!』
勝利の歓喜が辺りを包み込もうとした矢先。荘厳な声が響き渡る。
『ふんっ、少しは使えるかと思ったが……瞬殺ではないか!
仕方がない……人間どもよ、私自ら相手をしてやろう!!』
蝶が脱皮するように、デオデオーン本店が砕け散る!
その中から、神々しいとすら言える光と共に、想像を絶する破壊の使者が現れた……!!

111さんのと同じスレが元ネタだなんてイエナインダヨ! 次回に続く!


118 名前:知られざる聖戦[sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/01(水) 00:02:48 0
『我が名はKBYS―SACHIKO(コバヤシサチコ)……』
天使の姿が彫られた巨大な台座の上に、貝殻だろうか。
オーロラのごとき光を帯びる扇が輝いている。
その中心で、一人の女性が純白の翼を広げ立っている。
機体と搭乗者が完全に一体となり、一つの生命体を作り上げていた。
その姿はまさにラスボス。
グーグルでラスボスと検索すると最初に出てくるのは伊達ではないのだ。
解放軍達が勝手に様々な分析を繰り広げる。
「あの機体は……20世紀から21世紀に活躍した伝説の歌手……!?」
「それって超古代では無いような」「乗り手が古代兵器と人機融合を果たしたのか!?」
「よく見ろ! どう見ても17歳以下ではないぞ!」
「じゃあどう説明するんだ!? あれは17歳だ! 17歳とウン百ヶ月だ!」
『その通り……私は歳などとらぬ。なぜなら永遠のスターだから!』
SACHIKOは何を思ったか、マイクを取り出して歌い始めた。
「よく分からないけど行くぞー! 叩き潰すまでだ!!」
巨大なハルバードを振りかざしてSACHIKOに突進するミノさん。
が、古代ロボ【ハチドリ】の大群が空の彼方より飛来し、ミノさんを取り囲む。
「この曲は……“命知らずの渡り鳥”かっ!」
『正解……お主、若いのによく分かったな! いい事を教えてやろう……
私の歌には“力”が宿るのだよ!』
ミノさんが無数のハチドリに手間取っている間に早くもSACHIKOは曲を変えた。
踏み出そうとした時、ミノさんは足が動かないのに気付く。足元が凍り付いている。
しかも、凍結部分は少しずつ全身に侵食しつつあった。
「“流氷哀歌”ッ!? くそっ!」
『フフフ、貴様では伝説の歌手たる私には勝てない。なぜなら貴様は司会者だから!
そのまま冷凍ビーフになるがいい!』
「意味分からん!!」
ついさっきまで勝利を確信していた解放軍達も凍り始め、絶望の淵に立たされていた。
「ヴォク達の聖地はもうお仕舞いなのか……」
「何でもないのに毎日コスプレして撮影会やって……あの頃は楽しかったなあ……」
ミノさんはもはや戦闘不能と判断したSACHIKOは解放軍にむかって語り始める。
『おろかな人間どもよ、冥土の土産に教えてやろう……聖地の真実を!』
「冥土の土産……メイドカフェによく通ったなあ」
「時々メイドカフェ対抗歌合戦なんてやったりして……」
思わぬところから別の物を連想して盛り上がる解放軍たち。
『貴様ら、人の話を聞け! むなしいじゃないか!!』
妄想の世界に入った夢見る者たちはもはや誰も止められない。
「このまま全身凍って終わるのは嫌だ……ヴォク達はこんな歌に負けるのか!?」
「そうだ、歌おうよ。あの日みんなで歌った、私達の歌を!!」
解放軍達は心を一つにして思い出の歌を歌い始めた。
曲名は“メイドさんロックンロール”!
音程のはずれまくった魂の歌声が聖地に響き渡る!
『そのような下手糞な歌で私に対抗できると思ったか!?
もはや勝敗は決している! さあ終わりだ!』
SACHIKOが再びマイクを構えた時。近くの建物が閃光と共に砕け散る!
その場所に立っていたのは、一体の古代ロボだった。そしてメイドでもあった。
そう、20世紀のアキハバラに独自の文化が花開いて以来
数多の物語に登場しながら、決して実現することのなかった存在、メイドロボだった!
「あの建物は確か……東京都立古代文明博物館!」
「確かメイド人形なら展示されてたけど……執事人形と一緒に」
「そうか、メイド人形がヴォク達の歌で目覚めたんだ!
メイド人形は実はメイドロボだったんだよ!」

次回 SACHIKO VS メイドロボ !
注:この話は本編とは多分関係ありません。


137 名前:知られざる聖戦[sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/05(日) 00:48:39 0
現れた希望の星、メイドロボが歩き出す。次の瞬間、電線に躓いて転んだ。
解放軍たちの野次が飛ぶ。
「ウボァーーーーー!」「ダメじゃん!」
ミノさんの中のてっちゃんも頭を抱えていた。
「何やってんだよメイドロボ! 役立たずなら思わせぶりに出てくんなよ!」
その時、突然モニターに画面が移る。
執事服を着た少年が淡々とした口調で語る。
「接触が悪くてうまく動けない。対処方法を30文字以内で簡潔に述べよ」
「……誰!?」
「メイドロボに搭載された“超絶高度な”演算装置だ。
早く対処法を述べてほしい。この街を守りたいのだろう!」
頭が可哀想な人の対処に困るてっちゃんであった。思わず通信を送る。
『メイドロボに乗ってる変な人が接触が悪いって言ってます。どうすれバインダー!!』

一方、SACHIKOはメイドロボは戦力外と判断。放置して次の曲を歌い始める。
曲名は……“大江戸喧嘩華”! 空間に次元の歪みが生じ、空に穴が開く!
その中から、何かの大群が飛来する! 
両手には8トンと書いたハンマー。背中には「打ちこわし」という無駄に力強い筆文字。
そして何より、フンドシ一丁、筋肉隆々の漢達! 通称筋肉隊!
「皆の衆―! 大江戸打ちこわしだ!」
「「「ウェーーーイ!!」」」
筋肉隊が両手に持つ8トンハンマーで建造物を破壊していく。
ちなみに、今までの戦いでとっくに破壊されていたのではないかと言うツッコミは禁止だ。
「ああ、ヴォク達の街が!」「い……嫌ああああああああああっ!!」
その光景を見てSACHIKOが歓喜の声を上げる。
『もうすぐ、もうすぐここが美しい演歌の聖地として生まれ変わる!
お前たちは演歌の神たる私を永遠に崇め続けるのだ……!!』
そこで解放軍の一人があることに気付いた。
「なんで歌ってるはずなのに喋ってるの?」
『しまった! テープに録音していたのがバレてしまった! ……貴様らゆるさん!!』
筋肉隊の長らしき人物がバチで太鼓を打ち鳴らし始め、打ち壊しはさらに激化していく!

さらに一方、壊れた掃除機からデオデオーン総帥ヤマダが這い出つつあった。
「ちくしょーSACHIKOめ……電気の街にするというから協力してやったのに
だましやがったな! しかし通信機から聞こえた接触が悪いと言う叫びは一体……ん?」
その時彼の目に映ったものは、一体のメイドロボであった。
「美しい……なんて美しいのだろう!」
彼の頬を一筋の涙が伝っていく。

思い出すのは、メイドロボに憧れ、自らの手で理想のメイドロボを作ろうと奮闘した日々。
でも彼にはどうしても作れなかった。手に入らないのならばいっそ忘れてしまいたい!
そう思ったときに現れたのが、SACHIKOだった……。

しかし今、夢にまで見た理想のメイドロボが目の前にあった。
「ああ、私は間違っていたのだな……やっぱりメイドは……最高だ!!」
ヤマダはメガホンを手に取り、力の限り叫んだ。
「頭を叩けええええ!! 古代のテレビは接触が悪いときは叩けば直ったそうだ!
だから古代ロボも叩けば直るはずだ!!」

……次回こそSAXHIKO VS メイドロボ!


149 名前:知られざる聖戦[sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/13(月) 00:32:05 0
「叩けばいいのか……」
叩けばいいと言ってもミノさんの怪力で叩くとぶっこわれる。
ハルバード使いのくせに、珍しい剣コレクターのミノさんは
剣の束の中からあれでもないこれでもないと探したあと一本の剣を取り出した。
魔剣エクスカリパー、相手に必ず1ダメージを与えるという恐ろしい剣である。
「うりゃあ!!」
気合一閃、魂の一撃が炸裂する! メイドロボに1のダメージ!
メイドロボはシャキーンと立ち上がった。
「人々の夢が集う神聖なる聖地を冒涜する不届き者め……覚悟!」
モップ型ロッドつきつけて戦線布告するメイドロボに
思わずツッコミを入れるSACHIKO。
『バカな……貴様は20世紀のテレビか!?』
メイドロボはロッドで空間に意味ありげな模様を描き始めた。
解放軍達は大興奮である。
「うおおおおおおお!!キタキタキターーーーーーー!!」
てっちゃんは未だに頭を抱えていた。
「こいつらに任せといていいのかな……でも足元凍ってて動けないし……」
そんな彼に、メイドロボの自称超絶高度な演算装置は
勝手に通信を入れて一方的に解説を始める。
「これより行使するはご当地限定の禁じられた召喚術! 異界への門を開き……」
「やめられないのか!? とてつもなく嫌な予感がする……!」
そんな事を言っている間に非情にも法陣は完成し、空間が歪む!
そこから現れたのは、世にも恐ろしい者達だった……!
メイド服を着たマッチョの大群! 通称チーム・マッチョメイド!
チームマッチョメイドの班長らしき人物がパチンと指を鳴らす。
「みんな、用意はいい? ミュージックスタート♪」
チームマッチョメイドは、美少女がやったら可愛いであろう踊りを踊り始めた。
しかしこいつらはマッチョ。この世の終わり、まさに冥土。
その名も、破滅の萌え萌えダンス!
『愚かな……フンドシこそが古来より日本の正装……!
筋肉隊よ、“炎の漢祭”で迎え撃て!! 汚らわしいメイドどもを焼き尽くすのだ……!』
炎の漢祭が発する凄まじい暑苦しさと
破滅の萌え萌えダンスの想像を絶するむさ苦しさが激突する!
それはまさに、いろんな意味で人知を超えた力のぶつかり合い!
無駄だと分かっていてもつい聞いてしまうてっちゃん。
「勝てるのか!?」
メイドロボのパイロットは無駄に自身に満ちた顔で答えた。
「マッチョという点では互角だ……。だったらメイド服がフンドシに負けるわけがない!」

その頃、日本中がこの未曾有の出来事に震撼していた。
『き、きききき緊急ニュースをお伝えします!
解放戦争中の東京秋葉原を異様な力場が覆っています!
中で何が起こっているのか全く見えません!
時折凄まじい謎のエネルギーが放出されています!』


150 名前:知られざる聖戦[sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/13(月) 00:32:53 0
長い長い戦いの末、決着の時は来た。
SACHIKOを取り囲むマッチョメイド達。おもむろにハサミを取り出す。
『寄るな……触るな……やめろおおおおおおおおお!!』
マッチョメイド達は、手に持ったハサミでSACHIKOの電気配線を切断した!
――――私は演歌の神だ……バカなあああああああああああああああ!!
断末魔の叫びと共に、SACHIKOは光の粒となって消えていく。
そこに残ったのは、一人の少女だった。
SACHIKOの呪縛から解き放たれ、随分若返っている。
「SACHIKO……!! ひどいよ……
契約したら……私を……歌手デビューさせてくれるって言ったじゃない……」
泣き出す彼女に、マッチョメイドの長が歩み寄る。
「あなたが歌いたい歌は演歌じゃないのでしょう? あなたが本当に歌いたいのは……」
マッチョメイドが指を振ると、少女の体を光が包みこむ。
次の瞬間、少女はメイド服を着ていた。
マッチョメイドの長は隊員たちへ声をかける。
「さあ、帰りましょう。アタシ達の在るべきところへ」
在るべきところへと消えていくマッチョメイド達。
彼らが消えた時、その場所に残っていたのは……30枚のメイド服だった。
解放軍たちがメイド服を着た少女を取り囲む。
「あの……私……私……!!」
微笑んで手を差し伸べる解放軍。
「いいんだ、何も言わなくていい……さあ、ヴォク達と一緒に歌おう!」
「え……!?」

その後、AKB31という歌手グループが一世を風靡することになる!

そして……聖地を救った英雄たちはというと……なし崩し的に一緒に旅をしていた。
「お前らの名前KEIとかMOEとかややこしーんだよ。
執事コンピューターの方は秋葉系、メイドロボは秋葉萌な!」
「うん、悪くないね」「可愛いお!気に入ったお!」
「いいだろ? ちなみに秋葉系ってこの間の解放軍みたいな奴のことだから!」
「なんだと……!? MOE……合体だー!!」

―――――――――――――――――――――

モエ「ふぅ……出来ますた」
ケイ「何書いたの?」
モエ「モエ達がこの時代に目覚めた時の話です」
(数秒後)
ケイ「…………有り得ないし! 最初から最後まで全部滅茶苦茶だし!
僕こんな変なセリフ言わないし!」
モエ「そんなことないです! 事実を忠実に再現しただけです!」

真相は藪の中……。 完!!


亡霊、故郷へ帰る・◆GtzExfc62I#######################

132 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/03(金) 21:38:09 O
【亡霊、故郷へ帰る @】

エレクトラは焦っていた。残弾は尽き、既に味方は大半が死んでしまった。
これ以上戦闘の続行は不可能、隊員の誰もがそう思っている。
しかし遺跡災害救助部隊隊長のエレクトラは、ただ続行を指示した。
彼女には退けない理由が在った。

――1日前
「これで7件目だぞ!?エル!どうして俺達に出撃命令が出ないんだ!!」
ランディ=ノーマンは苛立ちを拳に込めて机を叩いた。
ここ数日の間、遺跡から現われた襲撃者に地方都市が連続して攻撃を受けている。
《眠らない者》と呼称されている、遺跡の生み出した亡霊だ。
遺跡内で撃墜された機体が、何らかの影響を受ける事によって亡霊は誕生する。
この遺跡災害救助部隊が設立に至った真の目的が、亡霊の発生阻止と討伐だった。
「仕方ないよ、上が命令しないんだもん。」
隊長のエレクトラ=キング中尉が、眠たげな目を擦りながら答えた。
どうやら昨夜は一睡もしていないらしく、朝から何度も欠伸を繰り返している。
そんなやる気の無い態度にランディの苛立ちが更に募っていく。

遺跡災害救助部隊の担当区域は、ネイアラ周辺と遺跡の周囲50km四方。
今回現われた亡霊は遺跡から真直ぐに北上し続け、途中に点在する都市を襲っていた。
当然ながら担当区域の外に部隊が出撃する事は出来ない。
遺跡内のトラブルにも対応しなければならない部隊が、遺跡から離れる訳にはいかない。
それが分かっていても、ランディには割り切れなかった。
「でもよ!最初に戦ったのは俺達だぞ!?」
「まんまと逃げられたのも、ね。」
あっさりと返され、ランディが言葉に詰まる。何か言いたげな顔だが、堪えた。
「とにかく、今のアタシ達に出撃命令は出ないよ。」

エレクトラの言葉にも、少々の苛立ちが混る。このやり取りは今朝から6回目。
流石にいい加減うんざりしても仕方ないだろう。
しかし、実際に今回の件に対して最も執着していたのは、他ならぬエレクトラだった。
今回の亡霊に付けられた名前は“一本腕(アインハンダー)”。
その名の通り、右腕が存在しない隻腕の機体だ。
彼女は丁度休暇中で、その場には居合わせなかったが、撮影された映像を見て驚愕した。

“一本腕”は、3年半前に死んだ兄…カネス=キングの機体だったからだ。


134 名前: ◆GtzExfc62I [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/04(土) 18:00:19 O
【亡霊、故郷へ帰る A】

「エル、やっぱり一旦引き返して態勢を立て直すべきじゃないか!?」
「だったらアンタ達だけ帰れ!!アタシは戦うよ!!!」
通信を切ると再び“一本腕”に向かって白兵戦を仕掛けに飛び立つエレクトラ。
予想外の怒号にランディは呆然としたまま、彼女が駆るハーディYの背中を見送った。
もう市街地まで2kmを切った。月面で最大の人口を誇る、企業都市バエトゥサ。
“一本腕”は遺跡からまっすぐにこのバエトゥサを目指していたのだ。

――2時間前
軍司令部から出撃許可が下りたのは、“一本腕”がバエトゥサの南東に現われた時だった。
そこに至るまでに配備された部隊は全て壊滅し、緊急の増援要請が入ったのである。
「ジャン、バネッサ、ポールはフォワード。ミシェル、ネイは3人をカバーしな!!」
『『『『『了解(ヤー)!!』』』』』
ハンガーから輸送機にドッキングされる各機に、エレクトラの指示が飛ぶ。
「ナッシュ、ピート、アンタ達2人は“一本腕”を誘導。分かった!?」
『任せな、姐御。』『了解した。』
次々に機体が輸送機に吊り下げられていく。
「ランディ!状況に合わせて動きな!!」
『おう!任せとけ!』
遺跡災害救助部隊9名の機体全てが、大型輸送機TF-00X2“フロッグマン”に接続完了。
かくして、遺跡災害救助部隊の9人は悪夢の様な激戦の地へと向かって飛び立った。


レーザーソード同士の激突が、眩い光の大花を咲かせる。
残弾の無いハーディYに残された武装は、腕部内蔵型のレーザーソードのみ。
対して“一本腕”にはまだまだ火器が豊富だった。
亡霊は“弾切れ”しない。弾薬はその体の中で無尽蔵に生成されるのだ。
どのような原理で生成を行なっているのかは、未だに解析されていない。
亡霊は破壊されるとドロドロに溶けて消滅してしまう。
このせいで発生した事例の数の割に、亡霊の構造や生態メカニズムは未知のままなのだ。

エレクトラは焦っていた。明らかに分が悪過ぎる戦いだ。
ハーディYに乗換える前は高機動型のスティンガーが愛騎だった。
軍用機の中でも最高クラスの速度を持つスティンガーに比べてハーディYは砲戦機。
機体の俊敏性がまるで違う。対して“一本腕”の素体となったのはAM-Vas2“アスカロン”。
ボルティック社の高機動型AMで、兄カネスが最高の機体と称賛した格闘機。
亡霊化の際に他の残骸を取り込んだのだろう、本来存在しない多数の火器まで備わっている。
まともに戦ったところで勝機は無きに等しい。

今や戦いの流れは完全に“一本腕”が支配していた。
火力、装甲、機動性、全てが桁外れだった。このままでは全滅は間違いない。


139 名前: ◆GtzExfc62I [sage] 投稿日:2008/10/05(日) 23:58:45 O
【亡霊、故郷へ帰る B】

最初に死んだのは、フォワードを務めたバネッサだった。
凄まじい速度で間合いを詰められた後、レーザーソードで串刺しにされた。
次に死んだのが同じくフォワードのポールだ。
バネッサ機の隣りにいたために、横薙ぎの一振りで機体を真っ二つにされた。
続けて後方にてカバーに回っていたミシェルが、ミサイルの雨に爆散した。

“一本腕”を補足してから僅か10秒足らずの間に3人が死んだ。

「クソッタレがあああ!!!」
仲間の死に激昂したナッシュがプラズマストロークを展開し、全速で“一本腕”に肉薄する。
完璧に捕捉していた筈だった。ナッシュ自身も当たると確信していた。
しかし当たらなかったのだ!!空を切る雷光が、都市の外壁を抉り取った。
「ば、バカなッ!!何で当たらな…」
それがナッシュの最後の言葉となる。コックピットを貫くのは禍々しい光の刃。

「みんな!散って!!」
エレクトラの指示で各機が同時に散開する。出鼻をへし折られたまま全滅は避けたい。
この判断は正しい。しかしそれは相手が“常識の範疇”だった場合に限る。
散開と同時に放たれたミサイルの嵐がフォーメーションを掻き乱す。
「くそ!マジで化物かよ!!」
ミサイルを振り切ったジャンが青褪めた顔で悪態をつく。
「隊長、今から仕掛けうああああ!!!!」
体勢を立て直した直後、ジャンの機体が縦に両断された。

一方的な殺戮だった。戦闘開始から52秒で9人いた部隊は4人になった。

各機が距離を取り、射撃戦主体に切り替える。接近戦は無謀と判断したのだ。
射撃による包囲戦術は確かに効果があった。
“一本腕”は射撃戦よりも接近戦の方が優れていたからだ。
誰かが距離を詰められたら、他のメンバーが背後に回って“一本腕”を攻撃する。
シンプルだが確実にダメージを与えられた。


弾薬が尽きるまでの間は…



140 名前: ◆GtzExfc62I [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/06(月) 22:05:43 O
【亡霊、故郷へ帰る C】

戦闘開始から30分が経過しても尚、“一本腕”とエレクトラの一騎打ちは終わらない。
ハーディYのエネルギー残量は既に20%を下回っている。
これ程の長時間戦闘はエレクトラにとって初めての経験だった。
機体各部が限界に達して悲鳴を上げ、モニタに映るダメージ警告表示は数知れず。
「アタシがやらなきゃダメなんだ…アタシでなきゃ…」
エレクトラは、まるでうなされているかのように繰り返し呟く。

父親代わりだった兄、たった1人の肉親だった兄、エレクトラを残して死んだ兄…
2年前に機体の残骸を見た時から、死んだと…もう帰って来ないと割り切った兄…
その兄が変わり果てた姿となって対峙している。
(兄さん…アタシはね、悔しいんだよ。)
頬を伝う涙が幾重にも重なって、パイロットスーツを濡らしていく。
(こんな形でしか会えなかった事が…戦う事でしか兄さんを楽にしてあげられないのが!!)

ギィイイイイイイインッ!!!

鋼の焼き切れる音が、月の夜空に響き渡った。
ハーディYの肩部装甲が斬り飛ばされ、数百m離れた地面で土煙を巻き上げる。
“一本腕”の上腕部がレーザーソードに貫かれ、小さな火花が乱れ散る。
互いに微動だにせず。
剣が交差した瞬間のまま、時が停まった様に。
やがて火花が消え、光剣の熱で溶けたことで僅かに繋がっていた腕が地面に落ちた。

「ねぇ兄さん、帰って来たんだよ。バエトゥサにさ…」
“一本腕”のモノアイが青白い輝きを失った。次々に機体各部の光が消えていく。
永劫に思えた31分間の終着だった。
1本しかない腕が切り落とされた今、“一本腕”は敗北を認めたのだ。
「変わってないでしょ?街の灯も、あの高い壁も…」
ハッチを開けてエレクトラが外に出る。月面の夜風は冷たかった。
「アタシはね…兄さんがあの壁の……向こう側に行く度に…辛かったよ?」
乾いた夜風が、掠れて震える声と、こぼれた涙を散らして行った。

「エルは何やってんだ!?奴の動力反応はまだ消えてないんだぞ!!」
ランディがエレクトラの奇妙な行動に眉をしかめた。
いくら主力武装を失ったとは言っても、まだ“一本腕”には多数の火器が残っている。
それなのにエレクトラはコックピットを出た。今襲われたら確実に助からない。
「ダメね、隊長ったら通信を遮断してるわ。…ってどうしたの!?ランディ!!」
ネイが声を掛けたが、それを無視してランディが急発進する。
「ちょっとランディ!何する気!?隊長は外に出てるのよ!?」


ランディには認める事が出来なかった。
仲間の死も、自分の弱さも、そして…この戦いの決着も。

142 名前: ◆GtzExfc62I [sage] 本日のレス 投稿日:2008/10/07(火) 22:08:10 O
【亡霊、故郷へ帰る D】

“一本腕”の肩が轟音と共に消し飛んだ。ランディのバルカンが命中したからだ。
爆風に煽られてエレクトラはコックピットに転がり落ちる。
消えていた“一本腕”のモノアイに再び蒼い輝きが燈り、“敵”に向き直った。
突然の出来事にエレクトラは事態を把握するのが遅れてしまう。
この時間にして僅か1秒足らずの遅れですら、戦場で死ぬには充分過ぎる時間だ。
「な、何!?誰がやったの!?」
ハッチを閉じるとあちこち痛む身体を無視してエレクトラは機体を立て直す。
「俺だよバカ!!奴はまだ動けるんだぞ!?」
通信モニタに怒りで歪むランディの顔が映る。
「これでトドメだ!エルはそこをどいてろ!!仲間の死を無駄にできるか!!」
残るエネルギーを全て注ぎ込むプラズマストロークが、電光に包まれた。

約4000ギガワットの超電圧を掌から直接叩き込む、スティンガーの必殺兵器。
莫大なエネルギー消費のリスクを差し引いたとしてもその威力は魅力的だ。
たった1機のAMで戦艦を撃墜出来る程の破壊力なのだ。
如何に亡霊とはいえ、直撃すれば文字通り『消え去る』だろう。

(嘘…何やってんだろ、アタシ…)
まるで“一本腕”を庇う様に、電位熱で白く輝く手の前へ割り込むハーディY。
“死”が迫って来る。時間の流れが急激に停滞する感覚。
避けられない“死”を前に、エレクトラの全神経が極限まで研ぎ澄まされた。

その瞬間、様々な事が同時に起きる。

死に抗う本能が、その意思を振り切った。ハーディYのレーザーソードが閃く。
己を庇った妹を守るかのように、“一本腕”が加速する。
仲間の命を奪った仇敵に、裁きの雷が唸りを上げて突き進む。

レーザーソードがスティンガーのコックピットを貫き…
亡霊の右半身が雷光によって蒸発し…
突き飛ばされた衝撃に、ハーディYのレーザーソードがスティンガーから引き抜かれ…
反動で転倒した瞬間、その剣は…“一本腕”を横一文字に斬り裂いた。


――1日後
昨日の戦闘は軍上層部の会議によって、記録から抹消された。
それどころか、亡霊に関する全ての情報と資料、並びに戦闘記録も同じく抹消される。
エレクトラ=キング中尉は一週間の謹慎処分となり、同時に遺跡災害救助部隊は解体。
この日を境に軍内部での大規模な組織再編成が始まり、遺跡は更なる激戦の舞台となっていく…


――1ヶ月後、月面軍第六基地
「おい、次は本気出せよ?」
模擬戦が終わった後、基地の廊下を歩いてたら待構えてた男に声を掛けられた。
「本気だったよ、じゃあね。」
嘘だ。本当は手を抜いてた。接近戦に持ち込んだら勝ってたかもね。
コイツはアタシが一度も格闘レンジで競合わなかったのが不満なんだろう。
「アタシは射撃“にも”自信があったんだ。だからアンタはちゃんと勝ったよ。」

この男…ジェリド=ミラ=カクーラー大尉は本物の天才だ。
だってアタシが撃った弾薬全弾全種合計1488発、これを全部躱したんだからね。
コイツとはいつか本気で斬り合いたいと、ずっと前から思ってた…
でも、アタシは二度と接近戦はしない。したくても…多分出来ない。


…大切な仲間と、たった1人の兄貴を斬り殺したあの瞬間を思い出すだろうから。

             【亡霊、故郷へ帰る 完】


思っただけ・◆TnakibaQxg####################

2 名前: ◆TnakibaQxg [sage] 投稿日:08/10/24 23:37:16 b6zXrw4g
思っただけ

「あらゆる困難が科学で解決するこの22世紀の時代
人々の何気ない平和な暮らしに迫る侵略者が存在していた
科学の力ではどうしょうも出来ないその奇怪な輩にたちむかう
神妙不可侵にて 胡散臭い男女が三人
通称 “マジ空気読まない”
そう 人は彼らを MKYと呼ぶ」

それは、今は無き日本政府の防衛省が管轄していた特殊部隊。
構成人員はたったの3人!
MKYとはエージェントのコードネームを並べたものである!
真面目なシーンにこの部隊が来ると
3人中実に二人に対して「服装マジ空気嫁!」と思うことから
巷では“マジ空気読まない”と呼ばれている。
しかし日本政府が潰れてから行方不明に!


無題・& ◆B7WSpSLTBM#####################

3 名前:& ◆B7WSpSLTBM [sage] 投稿日:08/10/26 00:32:43 MixVw+as
22世紀・・・昔流行った国民的猫型ロボットが生まれてから4年経った
・・・がそんなものは存在はしなかった
俺もう33歳になる。若くはない
・・・一般的にはな。
不老不死になって15年、俺の体は17で止まったままだ
どんなにタバコを吸っても、酒を飲んでも体を壊さなかった
酒に至ってはよってもすぐに醒める
最悪だ・・・最悪の体だ
だけど今一緒につるんでるケイとモエがいてよかったと思ってる
こいつらがいなかったらと思うと最悪がもっと最悪になる
まあ、こいつらのおかげで三回は死んだけどな
今日も気ままな旅暮らし、15年ぶりに妹の顔が見たくなったな
MKYは今日も行く、勝手気ままに無計画に