1 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 20:49:02 0
 
 某日、フィジル島魔法学園、某大広間。
 集まった生徒達は複数にグループ分けされ、それぞれの中央には一冊のハードカバー本が置いてある。
 今回のイベントの舞台である亜空間魔本『リバース』だ。
 設定した空間の左右反転世界を内部に作り出す、正に競技用の代物。
 生徒及び教師達の交流・レクリエーションが目的であるイベントが、あと数分で開始される。
 事前のルール確認が行われる最中、ついにこの日が来た、と思う者は果たして何人いるだろうか?
 バレンタインチョコの騒動より幾日幾夜、爪を研いで牙を磨き続けたのも、全てはこの日のため。
 彼女を彼奴らの魔の手から守るには、自分の手で覆うしかない。その為にも絶対な勝利が必要となる。
《今度の反転世界で行われる模擬戦で勝った人のもの、というのはどうかしら?》
 某トラブルメーカーの言葉が脳裏に蘇る。
 懐にある獲物の感触を確認。体調は良い。身体も軽く暖めてある。
 負ける要素は薄い。
「……手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に」
 全ては、彼女のために。
「今日の勝利は、君に捧げよう――愛しのリリアーナ」

 ――では、以上で事前確認を終了します。本の中に入ってください――

 戦が、始まる。



――――   魔法少女達と冒険するスレ 7thシーズン   ――――
 




2 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 20:49:28 0
【スレのお約束】
・決定リール&変換受けありです。
(用語については、なな板TRPGまとめサイト「千夜万夜」参照)
・コテ付き参加大歓迎。途中参加も初心者も悪役さんももちろん大大大歓迎!
・名無しさんネタ投下ももちろん大歓迎。
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。
・魔法学園が舞台ですが、参加資格は生徒、学校関係者限定というわけではありません。
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね)
 なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・です。
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。
・もし何かわからない事があったら、避難所でお気軽にどうぞ。


【過去ログ】
魔法少女達と冒険するスレ 6thシーズン(前スレ)
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1198207423/
魔法少女達と冒険するスレ 5thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190890101/
魔法少女と冒険するスレ 4thシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1185104132/
魔法少女達と冒険するスレ 3rdシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1181023531/
魔法少女達と冒険するスレ 2ndシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1173987357/
魔法少女と冒険するスレ
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1167716362/


【みんなの憩いの場(質問、打ち合わせ等はこちらでどうぞ) 】
魔法少女達と冒険するスレ 第2避難所
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190274484/l50
魔法少女と冒険するスレ避難所(前スレ)
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1171556198/l50
(旧避難所跡)
http://yy32.kakiko.com/test/read.cgi/trpg/1119683611/

各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ
千夜万夜
PC:http://verger.sakura.ne.jp/
携帯:http://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm
(アクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります)

3 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 20:52:23 0
テンプレはこちらです。

名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
(以下は任意解答欄)
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・

【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから)
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。

【テンプレ記載例】
名前・ リリアーナ
性別・ 女
年齢・ 17
髪型・ 金髪のストレートロング
瞳色・ 青
容姿・ 色白で華奢。背はあまり高くない。スタイルは年 相 応 ←
備考・ カドゥケウスと呼ばれる杖の所有者。だがそれに伴い、学園で習う魔法が実質上使用不能に。
     杖を装備した時に限り、空間、回復、蘇生、即死魔法が使用可能。
     ただし使用自体リスキーなため、自ら進んで杖を装備することは無い。
得意技・応急手当、薬草等の調合
     ロックバスター(精神エネルギーを弾丸に変化させて攻撃する召喚銃の一種。左腕に装着して使用)
好きな食べ物・甘いもの
好きな偉人・レイド先生・・・・・。
好きな生物・犬
嫌いな食べ物・ゲテモノ系
嫌いな金属・合金。(肌が弱いので、肌に直接触れるものだとかぶれる場合があるのよね)
今一番欲しい生物の毛・ フェニックスの羽根。・・・あ、これって毛じゃないよね。
保険に入りますか?・学園入学時に強制加入した気が・・・あれ?気のせいかな?

※パラメーター遊び(任意)ご希望の方は、避難所でお知らせくださいね。


4 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 21:02:11 0
【イベントについての説明】

今回のイベントは、亜空間魔本『リバース』の中が舞台です。
参加者達は魔本の中で戦い、相手が持つペンダントを奪い合います。
ある一定の数のペンダントををごみ箱に捨てることが出来た者の前には、宝箱へ至る道が示されます。 
誰かが宝箱をあけ外の世界への鍵を手に入れた時点でゲームは終了し、現実世界に帰還できます。
上位3名までが表彰されます。

本来は生徒及び教師達の交流・レクリエーションが目的であるイベントです。
しかし今回は、とある女子生徒を巡っての争奪戦も兼ねているらしいです。
(秋のバレンタインで彼女が配ったチョコを食べた人間が、全員彼女に惚れてしまったらしいです。
媚薬の治療薬入手には時間がかかるため、
事態の収拾案として今回のイベントの優勝者に彼女を進呈するという条件が出されました。
参加者の一部が無駄に気合が入りまくっているのは、おそらくそれが原因かと思われます。

5 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 21:02:50 0
【魔本『リバース』への参加ルール】

@勝負は仮想現実の世界で行われる。つまり死んでも死にきれない。

A各プレイヤーには、自分そっくりの小さな人形がついたペンダントが渡される。
 ペンダントは自分が持っていてもいいし、どこかに隠してもいい。
 誰かに預けるのも自由である。
 ただし、ペンダント自体に細工はできないし、魔法もかけられない。
 微弱ながらオーラが出ているので、隠すことは出来ても所在がばれる可能性がある

Bフィールドには魔法のゴミ箱が設置される。
 プレイヤーは自分のペンダントをゴミ箱に投下されると負け、その世界におけるゴーストになる。
 広さに比例してごみ箱が出現している。
 校舎なら1フロアに1個、寮などの施設なら1箇所につき1〜2箇所個ごみ箱が設置されている。
 具体的な場所は書いたもの勝ち。
 ちなみに中庭にも一個。森の中には数個配置されているもよう。

Cプレイヤーが他のプレイヤーに倒された場合、
 そのプレイヤーはゴミ箱の前で復活する。
 そのプレイヤーが持っていた人形(自分の物も含む)だけはその場に残る。
 自分の人形が残ってさえいれば、何度でも復活できる。

Dゴーストは戦いやペンダントには干渉できないが、偵察等の協力はできる。
 誰に協力するかは自由である。

E他人のペンダントを奪ったり、待ち伏せすることが出来る。
 ただし幻術などでペンダントの偽造は不可。似た波動で罠を張るのも不可。

Fペンダントは破壊しても自己復元する。また、教師のペンダントは生徒3人分の価値がある。

G戦闘中リアル事情で3日以上動けない場合、避難所で連絡すること。
 本スレ内で対処するのが望ましいが、無理なら「逃亡した」「敗退した」という具合に退場方法を連絡する。
 連絡無しで3日経過した場合、対戦相手は決定リールで相手を倒せる。

Hメ欄か文章の最後に、収集アイテムの所持or管理数、ごみ箱に投下した個数を記入。

I魔本の中でアイテム獲得は可能だが、効力は本来の1/3程度。必要なものはあらかじめ持参すること。
  開始時に学園からアイテムの箱が支給される。中身はあけてのお楽しみらしい。

J全員参加イベントのため、職員もそのままリバースの中にいる。
 ただし職員の場合、積極的にバトルに干渉するかどうかは個人差がある。
 生徒から勝負を吹っかけられない限り、食堂のおばちゃんは料理を、図書館管理人は図書館で通常業務を行っているらしい。

K予定ではリバース内時間で2日間行われる予定。フィールドチェンジも可能。

L上位3名まで表彰。副賞もあり。(リリアーナは優勝者のみ)
ただし、副賞に何が贈られるかは知らされていない。噂では「すごくいいもの」らしい。


6 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 21:06:18 0
【学園についての説明】

・舞台はファンタジー世界。フィジル島にある魔法学園が主な舞台です.。
 フィジル島は「魔海域」と呼ばれる、法則を無視した魔の海域の中にあります。
 (魔海域は、「法則を無視した潮流、乱気流」「突然の魔法無効旋風」
 「召喚生物強制送還地帯」などが特に有名です)
・一度学園に入学したら卒業(三等課程合格)まで島を出ることは叶いません。
・学園は全寮制、男女共学です。
・魔法学園の施設は西洋のお城のような外観をしています。
・女子寮、男子寮は校舎と同じ敷地内にあります。カフェテリア等一部の施設は男女共通です。
・女子寮内外には侵入者避けのトラップがあります。要注意。
・校舎には校庭があります。
・校舎の裏手には霧のかかった森があります。 森の奥深くには強力な魔物や貴重な生物が住んでいるという噂です。
・森の奥深くには庭園があり、近くにはかつて新魔法研究の為に使われていたらしい施設があります。
 施設の中には何に使うのか分からない装置が置いてあります。
・描写されていない施設等に関しては、整合性さえ保っていれば好きに設定投下してOKです。

(図書館およびDレベル階層について)
・学園地下には広大な図書館があります。管理人はオルビア・ターナー先生です。
・薄暗く本を読む時は上に持っていく、またはランプを貸してもらうという珍しい図書館です。
・置いてある本は古今東西から集められたもので膨大です。
・なお、一般生徒立ち入り禁止区域であるDレベル以下の階層には危険な本が多く保管されています。
 地下にどれだけ広がっているのか不明の階層で、そこに在るのは全て魔本です。
 本から漏れ出たモンスター、怪異現象が巻き起こっている世界でもあります。

【学園生徒関連】
・女子寮には、生徒で結成された白百合騎士団という自警団がいます。
・男子寮では、 隠密魔法戦隊というグループが人知れず暗躍しています。
・三等過程合格者には指輪が与えられ、学園内の立ち入り禁止区画に出入り可能となります。
 また、「ゲート」を使用し街へ出られるなど、一般生徒より優遇されます。
・寮部屋に関しても一般生徒は大部屋ですが、三等課程卒業者以上になると個室が与えられます。
・ただしカップルなど、当事者同士の間で合意があれば、特例として相部屋も認められます。
・生徒での参加者は、基本的に三等過程卒業者以上とさせていただきます

【カリキュラムについて】
卒業までには幾つか試験があります。
最初の試験(卒業試験という名称)に合格すると、三等課程合格という事になります。(第一部参照)
・次に各分野を広く浅く学ぶ二等課程へ進学します。二等過程卒業すると、一等課程へ進学。
・一等課程は二等課程で選択した分野を使った応用編。より実践的な分野を深く学びます。
・なお、二等課程からは月一の割合で課題や指令が出されます。


※魔本【リバース】の中では鏡に映ったように全ての配置が左右反転しています。

7 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 21:12:59 0
(参考資料)
※一般生徒、教師用に発表された説明を基にしているため、事実と異なる部分があります
 真実を知りたい方は過去ログ参照。

【第一部】
念願の試験にみんなで合格しました!
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち一番最初の試験にパスしただけでした。
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。

【第二部】
闇の魔法使いマリアベルによる、学園襲撃事件の顛末です。

幾つもの人格を持つマリアベルは、ある生徒に成りすまし学園内に侵入しました。
マリアベルの人格のうちの一人は、学園内に大量の悪魔を召喚し、混乱に乗じて建物を破壊し塔へと再構築させました。
襲撃の際殆どの生徒たちは転移ゲートから島の外へ避難しましたが、学園に残った生徒や教師もゼロではありませんでした。
彼らは協力し、悪魔やマリアベルに戦いを挑みました。
激戦の末、マリアベルは退けられ学園に平和が戻りました。

事件直後にはさまざまな憶測が流れていました。
マリアベルは何らかの儀式を学園で行おうとしたとも、何かを探していたとも囁かれていましたが、
何れも噂の域を出ることはありませんでした。
そうこうするうちに夏期休暇に突入したため、事件は徐々に人々の記憶から薄れつつあるようです。

【第三部】
魔法学園の日常編。
夏休み明けの始業式の朝。なぜか猫化した女子生徒を人間に戻すべく奔走した友達&巻き添えを食らった方々のお話。

この日に関する噂話一覧
・転入生がやってきた。 また、新しい非常勤の女医は美人。中庭に野人出現
・朝、食堂に悪臭が立ち込めた。その後100匹の猫が現れ、招き猫広場まで暴走後、解散。
・男子生徒が女子寮に侵入しトラブルになったが、実は寮生のリリアーナが、ロックを自室に招き入れたらしい。
 (しかもそのときリリアーナは服を着ていなかった)
・その後食堂でリリアーナとロックが口論。リリアーナとフリージアはロックが偽者だと糾弾。
・直後、ロックの死体が出現。すぐに人形だと判明したが、混乱に乗じて偽ロック(?)は逃走。
・リリアーナの視覚的に刺激的かつ衝撃的な告白(!)シーンが、食堂で大々的に上映される。           orz
・男子寮のロックの部屋に、謎の美少女出現。しかもトップレスだった。
・ずっと元気が無かったレイド先生が復活したらしい。

【第四部】
始業式の翌日、ロック・ウィルは無断欠席をしました。
お見舞いや成り行きでロックの部屋を訪ねた一同が見たのは、ロックではなく記憶をなくした見知らぬ少女でした。
残された手がかりは、部屋に残されたメッセージと、少女が持っている一本の杖だけです・・・・。
はたして少女の記憶は戻るのでしょうか? そして私達は、行方不明のロックを無事に見つけ出す事ができるのでしょうか?

(この日に起きた事件、および関連する噂話一覧)
・ロックが女の子を連れこんでいた。その日爆発騒ぎが起きたが、なぜか修理費はレイド先生持ち。
・食堂でキキにロックがバトルを仕掛けた。
・ロックに婚約者がいたと知ったリリアーナが、食堂にいたロックにシャンデリアを落とし、婚約者をひっぱたいた。
・シャンデリアを落とされたロックは実は偽者だった。金色の液体と化した偽者はキキが回収していった。
・森の奥で誰かが魔法実験を行ったらしい。森が破壊されたため、エース先生を始めとする学園関係者が様子を見に行った。
・人間時計のように規則正しい生活のアルナワーズが、この日の夕食にもお風呂にも来なかった。
・夜、食堂に食料泥棒が入ったらしい。
・ロックがかわいい女の子と二人、箒で空を飛んでいた。
・レイド先生に隠し子がいたらしい。また、吸血鬼がショタ化。
・キキが動く精巧なフィギュアを校内販売するらしい。
・夏なのにフード+手袋+マフラー姿の怪しい大男が校内をうろついていた。




8 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage長文すみません。その代わりgt;1-7で大体話つかめます。] 投稿日:2008/02/22(金) 21:15:50 0
テンプレは以上です。





・・・・・・では、素敵な学園生活を!

9 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage続き] 投稿日:2008/02/22(金) 21:20:04 O
「建物も逆の位置にあるんだよな…?ややこしい。
非常にややこしい。」
>「ですねぇ…。それに何処に行っても教師は狙われそうですし…。」
「エース先生は特に…な。」
まったく、心強い味方なんだが…敵が多過ぎるぞ。
「腹が減ったが、食堂に行くのは自殺行為だな。
囲まれに行くようなもんだ。」
>「では、確認も兼ねて少々外を歩き回ってみましょうか。」
「なかなか度胸ある事するね。ま、良いや。レッツゴー。」
そして俺達はブラブラと外を歩き始めた。
ちなみに職員室のドアは俺が魔法をかけておいたから数十分はもつ…筈だ。
「そういや、この配給されたアイテムボックス、まだ見てなかったな…。」
>「開けてみたらどうです?」
「よし…オープン。」
箱に入っていたアイテム、それは…。
「やったぜ、のり弁だ〜……ってアホかっ!」
>「見事なノリつっこみです、レイド先生。」
「……後で食おう。エース先生は開けねぇのかよ?」
>「僕は後で開けます。」
「あっそ…。」
何で……のり弁…。
どうせならもっと高い弁当にしてくれよ〜!

10 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 22:02:53 0
「―――この状況は一体何なんだ…。」
【冷静過ぎでしょ!うわぁー!!】
【高い!さみぃぃぃぃぃぃぃ!!】
グレイブは、現在足場の無い場所に居る。
言い換えるとニュートンの万有引力の法則に従わざるを得ない場所。
360度全方位空気しかない場所。
…つまり、空中に居るわけで。

今、グレイブは学園で開催されているレクリエーションに参加している。
といっても一部の暑苦しい連中とは違い、単に賞品狙いだったりする。

だが、行き成りこの状況は…
「…魔本に入ると――其処は大空でした、か……。」
【ランダムにも程があるよー!!つか何処のトンネルの先ぃ!?】
事前確認の際、「ランダムでハズレが混じっています」という説明があったのだが。
ハズレもハズレ、大ハズレに当たってしまったわけである。
「ったく、教師どもは何を考えているんだ……"氷の円錐よ、我を包み込め"。」
地面に激突する2秒程前に詠唱を済ませ、グレイブは氷に包まれると…重力に従って落ちた。
ドゴォーン!!という派手な音付きで。

>306
グレイブが墜落したところには小さなクレーターが出来、辺りは土煙に覆われた。
「ゴホッ、ゴホッ……危ない危ない…。」
【危ないどころじゃないよ!というか他の参加者が集まってくる!】
「ああ、そうだな…迎え撃つか。」
【自信満々だな!Bのくせに!】

「……ん、レイド……先生とエース先生か。」
土煙が晴れると、目の前には二人の教師、レイドとエースが居た。
これなんて最凶&最強コンビ?
【あれ?なんかこの様子だと逃げて来たみたいだね。】
【この二人が逃げるほどの相手ってどんな相手なんだー?】
【……アルナワーズみたいな相手とか、暴走したときのリリアーナさんみたいな相手とか…?】
御二人に失礼すぎる。
「…………教師二人と相手するのはかなり辛いが…まあいい、思い切ってやらせてもら…います。」

11 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 22:04:24 0
本の中に送られて最初に映った風景はいつもの見慣れた庭園だった。
だから最初に思った事は(ラッキー!)の一言に尽きる。
でも物事何事も万全なんてものは存在しない。
次の瞬間にはラッキーという思考も吹き飛んでしまったのだから。

何気にふと首を横に向けると、十数センチのところに見知らぬ男子生徒の顔。
「うひひゃう!」
あまりにも突然な事だったので、反射的に飛びのいてから変な声を上げてしまったとちょっと自己嫌悪。
でもそれは相手も同じ気持ちだったらしい。
だって私と同じリアクションをとっているのだから。

ランダムでスタート地点が決められるけど、どうやら私たちはほぼ同じ場所に送られたらしい。
ここで行動選択肢。
●戦う
●逃げる
●交渉
どれにするかだなんて考えている時間はない。
だって、相手の男子生徒は急にうずくまって苦しみだしたのだから。

「あ、あの、大丈夫ですか?」
慌てて駆け寄って支えると、男子生徒の口や鼻、目から血が流れている。
演技ではない。本当に苦しんでいるのだ。
それもそのはず。
ここは学園裏の森奥に私が密かに作った毒の庭園。
咲いている草花、棲息する生物、無造作に置かれている石柱に至るまで全てが毒を含んでいるのだから。
無防備にいきなりここに来て、常人が無事で住むはずがない。
私にとってはラッキーだったけれど、この男子生徒にとってはとてつもないアンラッキーだったのだ。

その苦しむ表情を見て私は、そっと男子生徒の頬を両手ではさむ様に私の顔の前に持ってくる。
こんな苦悶の表情を見せられては・・・興奮が隠し切れない・・・。
「大丈夫・・・すぐに楽にしてあげる。」
そういいながらフェイスベールを取り、そっと唇を重ね合わせた。
男子生徒は苦悶の表情のうちにも驚きの表情を浮かべるけど、すぐに動かなくなった。
私の体内で生成した石化ガスを直接体内に送り込まれたのだ。
男子生徒は庭園を彩る石造となったのだ。

「ふふふふ・・・これがレオ先生だったらもっと良かったのだけれど・・・。」
今の私を鏡で見ればきっと恍惚とした表情をしていただろう。
そっと唇を離し、ペンダントを奪う。
このイベントでは、倒されてしまったらゴミ箱の前で復活する。
だから、倒してはいけない。
石化解除魔法や、マジックアイテム【金の針】で回復可能だから復活する事はないだろう。
だけど、回復もさせない。
この庭園の周囲は毒気に置かされて沼となっている。
石像と化した男子生徒を沼に沈め、準備に取り掛かった。

12 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 22:04:33 0
腰に縛り付けておいた奇妙な壷を外す。
見た目は50センチくらいの古びた壷だけど、れっきとしたマジックアイテム。
これは【クラインの壷】。
メビウスの輪の立体版で、中に特異点があり、見た目以上の収納能力を誇る。
そこから取り出したのはやっぱり壷。それも二つ。
両方ともの蓋を開け、逆さにすると、それぞれの壷から大量の死体と一匹ずつの生物が転がり出てくる。
今日のために仕込んでおいた【壷毒】だ。
壷の中に百匹の毒を持つ生物を入れ、中で殺し合いをさせるのだ。
最後に残った生物は、最強の毒を持つという呪法。
私の専門は毒・薬学だけど、バイオテクノロジーも収めている。
でてきたのは蝦蟇蛙と蚯蚓だった。

「あなたたちが生き残ったのね。おめでとう。」
蝦蟇蛙と蚯蚓を掴み、成長促進剤入りの餌をやってから庭園周囲の沼へと落した。
イベントはまだ始まったばかり。
恐らくはゴミ箱周辺が一番の激戦区になっているはず。
最終的にゴミ箱にペンダントを入れたもののポイントになるのだから、当然といえば当然だろう。
奪い返すだけでなく、漁夫の利を狙うものも多いはずだ。

だから私は焦らない。
それに、今回は戦う以外にも目的があるのだから。
自分のテリトリーである庭園がスタート地点だったラッキーを最大限に生かさなくては。
しっかりと準備してからでも十分なのだ。

【所持アイテム:NPC男子生徒のペンダント】

13 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 22:12:26 O
>「今!まさに!この学園始まって以来最大の危機が迫っているんだってば!」
気持ちよい秋のある日のこと。
食堂の机を叩きつつ熱弁を振るっているのは、
でいりぃ・ふぃじるの記者の一人で、あたしのルームメイトでもあるユリ。
叫ぶユリを眺めつつ、あたしは手にしたミルクコーヒーを飲んだ。
苦い。もうちょっと粉砂糖を追加しないと。

>「ちょっと!聞いてるのーーー!?」
砂糖を追加する邪魔をされるのはもう何回めだろうか?
そろそろ現実を教えてやるか…

「聞いてるわよ。今回のバレンタイン大作戦に悪の陰謀がって話でしょ。
そんなわけないじゃん。
リリアーナと愉快な仲間たちがまた何かしたんでしょ」

リリアーナが渡したチョコを食べた連中が、揃いも揃ってリリアーナを追いかけ回し、
事態の沈静化をはかって考えられたのが、学校行事とリリアーナ獲得の融合企画。
チョコには、かなり性質の悪い惚れ薬が入っていたらしいから、リリアーナには心から同情する。
どうせ、同室のアルナワーズが面白がって入れたに違いないのだ。

ところがあたしの名推理を聞いても、ユリは不気味に笑っている。
>「んっふふふふ…そこが素人の浅はかさなのよねー」
さっきまで張り上げていた声のトーンを落とし、机に身を乗り出してきた。
>「毒々チョコがどうなったか知ってる?」
「ベアトリーチェの失敗作チョコ?あいつが処分したんじゃないの?」

恋する乙女、ベアトリーチェの愛情の結晶は、一般人には受け止めきれないレベルの物だった。
当然本人が食べるか、破棄したのだと思っていたのだが。
>「一部は毒性が危険レベルに達してると判断されて、先生たちが回収したんだって。
で、後で厳重封印される時に数をチェックしてたら…足りなかった。
だから今も、極秘で何人かの先生が探し回ってるの。
犯人はもしかしたら、今度のイベントに合わせて何か企んでいるのかも」
ここまで言って、ユリは両手を胸の前であわせてお願いのポーズを取る。

>「だからお願い!今度のイベントで、犯人を探しだして捕まえるのに協力して!!」
「はぁ!?何であたしがそんな事しなきゃいけないのよ!
ぜーったいに嫌だーーっ!人を面倒事に巻き込むなーっ!」

14 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 所持4投入0] 投稿日:2008/02/22(金) 22:17:34 O
そう叫んでから数十分後の大広間。
事前説明を聞きながら、あたしは怪しい奴がいないかキョロキョロ参加者を見回していた。
成功したときの報奨金が予想よりはるかに多かったのだ。
ま、どうせいつものガセネタに決まってるんだけど、イベントのついでに協力してやるか。

「あのチョコレートを作ったのも、愉快な仲間たちだったっけ。
ユリ。リリアーナ御一行様はどこにいる?」
>「えーと…あっちの方に…」
指さす方を見るより早く、試合開始を告げるアナウンスが鳴り響く。
あーっ!タイミング悪いなーもーーーっ!
仕方ない。中で合流する方法でも考えるか…
気合いの入った連中と一緒に、あたしも光の中に飛び込んだ。
もちろん、事前準備を忘れずにしながらだけど。

光の目潰しが奪った視力が回復するより早く、周りに複数の人の気配。
ちっ!思ったより人数が少ない!
「メギドラオン!」
準備していた最大威力の魔法を自分を中心に解放。
爆音と炎が、また周りの景色をかき消した。

「全部で4つか…効率悪いなー」
滅茶苦茶になった教室の中、あたしはオーラを頼りにペンダントをかき集めていた。
すでに他の場所からも戦いが始まる音が聞こえている。
今の爆発音が他の生徒を引き寄せないとも限らない。
すぐにここを離れないと…

「ユリ、聞こえる?
今のところこっちは無事。
また何かわかったら追加報告よろしく」
手持ちの水晶で、今回は報道に専念して不参加のユリと連絡を取りながら、教室の外へ。

いきなり強い相手と鉢合わせしませんよーに。
祈りながら吹き飛んだドアの残骸を乗り越え、校舎内を歩き出した。

15 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 22:30:58 O
「あイタっ!」
ごつん。
何回目だろうか?そこそこ長く歩いてるのに普段と同じ感覚だと、やたらと物にぶつかる。
ボンヤリしてるのかなぁ……

それはともかく、観察の結果、このフィールドは存在自体が巧妙な罠だと言える事が判った。
左右が逆転しただけだが、馴れるまでは戸惑う。普段ならあるハズの無い所に壁があったりする訳だから。
頭は理解していても、体はそう簡単には理解してくれない。そういうモノだ。
本気で勝ちにいくなら始めの、慣れていない時期にどれだけ狩れるかがまず第一のキーポイントだろう。
もっとも、自分はフィールドに慣れたという前提の許に成り立つ話だけど。

にしても、ヘタクソ共が。お互いに潰しあってりゃいいものを。
「あー、疲れたー。ちょっと休憩しよう」
ペタンと床に座り込む。ペンダントを横に置く。つまりは撒き餌ということ。
「しゃあー!!」
奇声。バカか?ベタな怪人か?
取り合えず、ヘタクソな餌に引っ掛かったバカを確保。
ぐじゃり
掴んだ右肩を握り潰す。少し遅れて、悲鳴。
「次は?」
「助けてくれ………」
「いいよ」
持ってきていた鉄扇で胸をえぐる。
体は消えて、ペンダントが残る。これを集めたヤツがこのゲームの勝者になる。そんなルール。

「さて、次は?」
いいぞ、気配が散った。
彼には酷い事をしたけど、見せしめってのはそういう物。
それに、致命傷を負えば回復して復活するという話だし。
解放したのには違いない。
さて、大分慣れた。出来れば自室でペンダントの研究をしていたいけど、何か動かなきゃ損な気がする。
お祭りなんて、そんなもの。

校舎を目指し、寮を後にする。
あぁ、ペンダント回収し忘れたけど、別にいいか。

16 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/02/22(金) 22:44:26 0
 キサカの初期配置は校舎1F階段下の微妙なスペースだった。
 すごく……狭いです、とそこから顔を出した少年は、真上からの反響する足音を聞く。
 手すりと手すりの間を仰げば、息を切らせて段を降りる金髪の少女が見えた。だがスカートの中は見えない。
 早速だがどうしてくれようか、とキサカは手を黒い制服の腰に回し、小さく音を吐く。
「“眼がアツイ アツイ……
  頭が身体が血流が
  一秒でも早く 敵を殺せと命令してくる――」

 人の異様に少ない校舎に、駆けるリリアーナの足音はよく響く。
 誰かに聞きつけられるとマズイのだが、そんな事を言っている場合ではない。アイテムの入手は死活問題でもある。
 階段に差し掛かり、一段飛ばしで降りる。それなりに慣れた道だ、派手に転げ落ちたりはしない。
 と、一階の床が見えた時点で、何かを擦るような音が背後から聞こえた。
 誰かに見つかったか? と身構えて後ろを見るも、何も変わった事は無い。
 気のせいか、と前に向き直ると、視界に大きな黒がある。
「――今なら解る
  この「線」を束ねているように視える「点」こそが……
 「死」――そのもの――」
「……ッ!」
 反応が遅過ぎた。反射的に突き飛ばそうとしたものの、相手は既に突き軌道で右腕を放っており、
「――は……はははは
  セカイに死が満ちている”」
 首筋の左側を風が抜けた。同時に、何時の間にか伸びていた相手の左腕がリリアーナの喉元に伸び、
 軽い金属音でペンダントが引き抜かれた。冷たい物が首周りを撫でていく感触が残る。
 相手と完璧に目が合った。眼色はダークブラウン。
 あ、と気付いた時には、手が既に相手の胸辺りを突き飛ばしており、尾を引くペンダントを掴もうとして手を空振り。
 そのまま黒い影はバックステップ宜しく階下に飛んで落ちる。
 膝が折れて慣性衝撃が散り、たたらを踏んで姿勢制御。続く摩擦音は足裏による減速の反動だ。
 踊り場のリリアーナと通路上のキサカの距離は、目算でも5メートル程度。
 狐耳の少年は、鎖の切れたリリアーナのペンダントを指先で軽く回しながら、
「概念的に斬ったから復元は無し、と。我ながら随分な能力だな……」
「キサカさん!? ちょ、ちょっと待ってそのペンダント返して!」
「やなこったい。これは貴女の為なのです御嬢様とか抜かしといて私利私欲に走るのが俺流。異論は認めない」
 特に悪気も無いように見える。
 当然だ。これは競技であり、リリアーナとキサカは別段仲間というわけではない。

 戦闘不能どころか無傷なので、ゴミ箱前での待ち伏せは不可能。追ってくるなら今しかないだろう、とキサカは思う。
 逃げ切る自信はある。横槍が入ってもだ。
 とりあえずキサカは、建物の構造上、外(中庭)へ繋がる道を行こうとして左右を間違えた。
 そうだった、とのけぞるように方向転換して走り出す。

17 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 05:23:30 0
メラルが縦穴から飛び出し、屋上に出たところに…
急速に接近してくる魔力の存在に気付いた。そう、キサラである。
(…この魔力に速度……タイミングが悪すぎるわ。
このままの勢いで攻撃されたら、術は間に合わない…
転移も方向が限られていて追撃でアウト…下手に回避して
不利な状況で戦い続けるよりは…エミュー!)
(やられると同時に俺だけ離脱、このペンダントだけは守り抜く…
って所だナ?わかったゼ。)
メラルは着地はせず、縦穴の上に浮いたままで、さりげなく
ローブの下が穴の淵より下になるように調整しながらエミューに指示を出した。
しかし…キサラは着地し、不意討ちはしてこなかった。
>「メラルさんに……エミュー…でしたっけ
  研修が終わってからは…まだ会ったこともありませんでしたよね」
「そうね…。」
少なくとも、すれ違う…以上の意味では会っていないはず。
そう思い、メラルは返事をした。
>「…さすが…ですね
  まだ開始から10分と経ってないのに…」
ここで、メラルが5秒ほど黙る。
(攻撃をかけてこない上、これ…。意図は自ずと想像はつくけど…
あいにく、このペンダントをゴミ箱に叩き込むまでは私に
その暇はないわ。それに、リリアーナの動きも気にかかる。
でも、下手に動くと……!…いえ、これが一番早いわね。)

18 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 05:23:51 0
そして、メラルが喋り始めた。
「……10分も経ってないから、よ。そんな時間だからこそ
 簡単に倒せる相手がいる。それに、あなただって、
 さっきあの勢いで攻撃をかけていたら、確実に私を倒せたんじゃないかしら?
 …そうね。予定は狂うけど、貴方ならいいかもしれない。」
メラルが手に持ったペンダントをキサラに放り投げた。
もちろん、この間も周囲の魔力への警戒は欠かさない。
だからこそ察知していた。それを案に加えて言った。
「もうすぐ、さっき私が倒したのがそのペンダントを取り戻しに来るわ。
 …もし私に近づいてきた目的が手を組む為なら、その人を撃退してから
 そのペンダントを私に渡してくれれば共闘しても構わないし…
 もちろん共闘する場合手に入れたペンダントは平等に分けるって事でいいわ。
 後何人か引き込むかもしれないけど、その場合も山分けの原則は変わらない。
 でも、もしそうじゃないのなら…それは好きにしていいからその代わり
 私に手を出さないで。それと…これから戦闘はするけど、
 貴方から手を出すそぶりを見せない限り私は手を出さないわ。」
言うまでもないが、いずれにしても悪くない条件である。
共闘するなら仲間が増え、共闘しないでもペンダントがもらえたままに。
しかし…そこには理由があった。そう、高々ペンダント一つより、
今は時間が惜しいのだ。メラルの魔力を基にした見立てでは、
校舎内に明らかに格下の相手はまだかなりいる。しかし…
それをあっさり倒せるくらいの力の持ち主もそれなりに混ざっているのだ。
だから、獲物を取られる前に取りたい。そういう事なのだ。

メラルは、キサラにそれを言い放つと地面に銀のカードを1枚、
青のカードを3枚、白の…先程とは違うカードを3枚投げ捨て、
術を唱え始め…先程と全く同じように重力陣を仕掛け、
獲物がかかったのを確認すると術を解除した。
(エミュー。…彼にアレ、教えていいわ。でも操作もしっかりね。)
エミューにだけ聞こえるように呟くと新たに出来た穴に飛び込んでいった。
もちろん、万が一の時はエミューにキサラを抑えさえる事も視野に入れて。

19 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 05:24:59 0
メラルは、術を放って穴に飛び込んでから…10秒もかからずに
新たなペンダントを奪ってきていた。しかし、今回は…
ペンダントをすぐに投げ入れようとはしない。
そして、同様の手法で瞬く間に次のペンダントを奪ってきていた。
しかし…それも当然である。魔力を元に、明らかに実力不足な相手を
ピンポイントで…極力倒さず動きを封じるように奇襲をかけているのだから。
しかも…実力不足ではない相手を巻き込まないよう、計算して。
そして、メラルは…今度はそのままゴミ箱の近くに向かっていき…
しかし、ペンダントをゴミ箱に入れる気配はない。
メラルの手から銀色のカードを包むように作られた氷の鳥が校舎に入っていった。

この不可解な行動には、もちろん理由がある。
まず、銀色のカード。これは罠ではなく、特殊な金属製のカードである。
そして…束として一つ一つが魔力的に繋がっている為、エミューが一枚ではなく、"全体に"
憑依することが出来るのだ。つまり…現在カードの一枚一枚がエミューの体と言っても差支えがなく、
その為どのカードであってもエミューとコンタクトを取る事も出来、
どのカードから見える物もエミューは認識でき、エミューはどのカードも自在に操れるのだ。
そして、メラルがあえてペンダントをゴミ箱に入れずに二つ集めた上、ゴミ箱に入れない理由。
これも簡単だ。ペンダントをキサラに対してやったように、交渉の道具にしようとして
集めていた途中で…気付いてしまったのだ。追い、追われるように動く二つの魔力があり…
その魔力の片方がメラルのよく知る人物である事に。だからこそ、メラルはこの催しの中で
望みを叶えるべく、その逃走劇の終着点で待ち…そして、銀色のカードの一つを
交渉用にすべく氷の鳥に取り込ませ、校舎の中に送り込んだのだ。

しかし当然、二つの交渉を同時に進めるのは非常に大きいリスクを伴う。
もちろん、ゴミ箱付近にいるのも。しかし…メラルは、そのリスクをおしてでも
リリアーナのペンダントを手にしようとしているのだ。もちろん、他の楽な獲物を狙う事より優先して。

=====================================================================================
キサカの横に氷の鳥が飛んできて、キサカに並走する。そして…唐突に話を持ちかけた。
「あんた…そのペンダント…他のペンダント二個と交換する気はねーか?
 もしその気があるならヨ…追っ手を足止めしてやんヨ。ゴミ箱前にいる女と交換しナ。
 …ただしこれは契約だゼ?一度同意しておいて裏切ったらヨ…競技外でも根に持つかもしれないけどナ。
 逆に…まぁ、ありえねーけど万が一そっちの同意が得られた後こっちが契約を違えたら、
 それ以上の利益になるような埋め合わせはしてやんヨ。それで納得いかなかったら、
 闇討ちでも何でもしてくれてかまわねーゼ?」
そして、そのまま返事を聞くべく並走を続ける…。


20 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 08:35:32 0
>14
「うわっ!?」
エルザはびっくりして後ろに飛びのいた。
校舎内の曲がり角で、歩いていたミルクと鉢合わせになったからだ。
予期せぬ遭遇に頭が一瞬真っ白になる。

「ええっと、こういう時は…ハードニング!」
エルザは硬化魔法ハードニングを発動した。
硬化魔法とは字のごとく、体を鉄のように硬くする魔法だ。
男子生徒の一人ロックがよく発動しているので、
学園の生徒からはわりとおなじみの魔法だ。

エルザは以前ロックに言われた事を必死に思い出そうとしていた。
『エルザ、俺がお前に戦いのイロハを教えてやるのだ。』
そんな事を言っていたっけ…
昂ぶる感情に身をまかせてロックを撲殺してきたのに、
今になって彼の言葉に頼るとは…

『まずは自分に何ができるかを考えるのだ。自分を知るのだ。』

「私はエルザ、衝撃波が使える。」

『次に相手が何ができて、何をしようとしているかを考えるのだ。相手を知るのだ。』

「あなたは誰?何ができるの?何をしようとしているの?」

21 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 09:32:04 0
「もうすぐ、さっき私が倒したのがそのペンダントを取り戻しに来るわ。
 …もし私に近づいてきた目的が手を組む為なら、その人を撃退してから ~~~
言うだけ言うと、メラルは目の前から去ってしまう
キサラの前には、エミューがいるのみだ
「……なるほど…ね
 僕が手を組む気がないならここで貴方が相手をするっていうわけだ」
キサラはエミューの顔色を伺いながら
「……僕にとってもメラルさんと手が組めるなら都合がいい…
 …でも気になるのは…」
キサラは投げ渡されたペンダントをエミューに投げ渡しながら言葉を続ける
「…なんだか…勝ち急いでるというか…
 メラルさんらしいといえばらしい戦い方かもしれないけど……
 ……何か…あったんですか?」
何か…のところでキサラは言葉を選んだ
正直なコメントを言えば、「何か…引っかかる」と来るところなのだが、あえてそう言うのは控えておいた

「……それで?
 僕は何をすればいいんですか?
 …正直なところ、僕はこのペンダントから発しているオーラ…ってやつもろくに捉えられないんですけど」
いきなりメラルを追っても邪魔がられそうな気がしたので、エミューに聞くことにしたキサラだった

22 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 09:45:40 0
前スレ >301 (メラルさん)
リリアーナは下を目指していた。
廊下を通り抜けようとしたところで、前に女子生徒の姿を発見する。
どう戦おうかと悩んでいると、突然彼女の足は止まり、天井が崩れ落ちた。
あっけに取られていると、瓦礫の中から女子生徒のペンダントを握り締めたメラルが現れた。
「め、メラルさん・・・・・・凄い気合入ってるわね・・・・・・ところでものは相談なんだけど、私と」
>「…安心して、リリアーナ。今ここであなたとやりあう気はないわ。でも。」
>しかし…ここからが違った。メラルは明らかな敵意の篭った声で言い放ったのだ。
>「今日はあなたと手を組む気はないし…あなたの優勝は断固阻止するわ。
> 私の家名とその誇りにかけて。」
ガガ――――ン!とショックを受けているリリアーナの目の前に3枚の白いカードを放り捨てられた。
「な、何でそんなに怒ってるの?私何か気に障ることした?だったら謝るから!」
リリアーナはメラルの後姿に叫んだ。
追いかけたかったが、3枚のカードはどう見てもトラップだ。リリアーナは追いかけることが出来なかった。

取り残されたリリアーナは肩を落とした。
なぜメラルがあんなに敵意を持たれるのかがわからない。
メラルも知っているはずだ。まともに戦ったら、リリアーナは学園のどの生徒にも敵わないのだと。
(あ。もしかして、・・・・・・私、どこかで他力本願じゃなかった?)
もしかしたら、メラルはそれを見抜いたのかもしれない。リリアーナは自分が恥ずかしくなった。
「いくら非力だからって他人の力に頼りきるんじゃだめよね、誰かと組むのならお荷物じゃなくパートナーにならなくちゃ!!」
リリアーナはぐっとこぶしを握り締めた。

その時、教室の窓ガラスを叩き割って飛び出してくる影があった。
>「俺の嫁!ゲットだぜ――――!!」
「え?キャ―――― っ!!」
男子生徒は白いカードの上に着地し、すちゃっとポーズをとった。
>「さあリリアーナ、俺と一緒に目くるめく愛の世界へ・・・・・へっ?!」

しろい かーどは すべての まりょくを ときはなった!

〜そのまましばらくお待ちください〜

>16
リリアーナは咳き込みながら階段を駆け下りていた。
「げほっ!ごほっ!!あーもう、ひどい目にあったわ。でも・・・ラッキー!」
彼女の手にはちゃっかり男子生徒のペンダントが握られていた。
そう、メラルのトラップに巻き込まれた男子生徒から失敬してきたのだ。
だがいつまた追いつかれるかわかったものではない。外に出ようと急ぐリリアーナは、注意力が散漫になっていた。
だからキサカにペンダントを奪われるまで、その存在に気づくことが出来なかった。

「キサカさん!? ちょ、ちょっと待ってそのペンダント返して!」
>「やなこったい。これは貴女の為なのです御嬢様とか抜かしといて私利私欲に走るのが俺流。異論は認めない」
「えー?!ま、待って!!」
キサカはくるりときびすを返し、猛スピードで逃げ出した。
戦略かもしれないが、相手を傷つけず、ペンダントだけ奪ったキサカは紳士的だ。
おかげで五体満足のままリリアーナは彼を追いかけることが出来た。
だが突然キサカは方向転換し、外のほうへ向かおうとした。
当然肉薄していたリリアーナが避けられるわけも無い。
思い切りぶつかったリリアーナはバランスを崩し、床にもんどりうって倒れた。

押し倒された形のリリアーナだったが、めげずにキサカの手に握られたペンダントに食い下がった。
「キサカさんペンダント返して!!いや、優勝しても私に興味ないって言うなら力貸してもいい!!」
必死になっていたリリアーナだったが、ふと嫌な予感に視線をそらせた。
視界の隅に見覚えのあるマジックアイテムが転がっているのに気づき、仰天する。
「げっ!幻灯機じゃない!!しかも録画中?!なんでここにっ?!」

ぶつかった弾みで中身が飛び出したアイテムボックス。
会アーナはまだ気づいていなかった。アイテムボックスの中身が幻灯機だということを。
そして中には、作動中の幻灯機と「は・ず・れ・よぉ〜ん(はあと)」と表書きされた封筒まで入っていることを!!

23 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 10:38:53 P
そもそもの始まりは私とリリアーナさんが友チョコを交換した後・・・

「オカアサン コレチョコレートダヨネv タベテイイ?コタエハキイテナイ!」
目敏くチョコレートを見つけるギズモ
「あ、ギズモちゃん!お待ちなさいな!!」
ぱく・・・・・とギズモはチョコレートを口に入れる
本物の猫だったら自殺行為だ
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・ウヘヘヘヘ リリアーナオネエチャンv」
「!?」
一体何がギズモに起こったのだろうか?
行き成り顔を赤らめると不気味にリリアーナの名を呟きだした

「こ、これはゴルゴ・・・・もといアルナワーズさんの仕業ですわ!!」
恋に落ちた・・・いえ変に堕ちたギズモちゃん
「待ってらっしゃいギズモちゃん!私が何とかしてあげますわ!!」




そしてここは男子寮

フリージアは胸の谷間に本物のペンダントを胸の谷間に収納している
フリージアが身に付けているのはその上から雪の結晶で作り色彩の精霊により色をつけた偽のペンダント
それを奪い取ろうとした・・・・
いや確実にどさくさにまぎれて胸を触ろうとしていた男子生徒をぼこる
「なにをするのよ!この変態!!」
ピシ!バシ!ピシ!バシ!ピシ!バシ!
往復ビンタをしている時・・「もっとぶって」とか聞こえてきたような気もするが気にしてはいけない
動かなくなったところでペンダントを奪い取るフリージア
「この私に勝とうだなんて100年早いですわ!お〜ほっほっほ!!」
「後はこれをゴミ箱にぽいっとするだけですわねv」


「あ・・・あ・・・か・い・か・ん」
フリージアの去った後には不気味なことを言っている男子生徒だけが残された
消えないところを見るとまだ戦闘不能には陥ってないようだが・・・
「は!女王様がいない!?」
その言葉を最後に男子生徒はゴーストと化した

ちなみにフリージアの宝箱の中身は・・・・アーオ・ジールの精霊水
MP回復薬であるが・・・不味い

Mの男子生徒のペンダントひとつ投下


24 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:00:08 O
「あー。やっぱりそれを考える奴が出たか…」
ユリからの報告によると、現在トップの学生のポイントは20。
仲間内で集めたペンダントを一人に集中させ、他のゴースト全員でトップ維持をサポートしているらしい。
トップ賞品が山分けできない物だったら、どうする気だ?

>「それから、アルナワーズが自分からリタイアしてるみたい」
「リタイア!?ペンダントを捨てちゃったってわけ!?」
てことは、惚れ薬は飲まなかったって事か。
ますます怪しい。
あの女、何を考えてるんだ?
そんな事を考えながら走っていたせいで、あたしは新しく教訓を学ぶ事になるのだった。
【教訓】誰かと遠距離通話しながら走るのはやめましょう。

角を曲がろうとした所で、別の生徒とぶつかりそうになる。
「ぎゃっ!?」
急いで後退。壁を盾にして迫るはずの攻撃から身を守った。
でも。幸い相手も驚いたらしい。
悲鳴が聞こえただけで攻撃はなかった。
待ち伏せじゃない!?
ラッキー!ペンダント1つゲット!
大急ぎで魔法発動の準備を始める。
五分の状況からなら攻撃速度でも威力でも、あたしに勝てる奴なんかいないっての!

>「ええっと、こういう時は…ハードニング!」
相手も防御魔法を発動したけど、核熱魔法に硬化魔法なんて意味な!……ん?ハードニング?
その魔法を使うのは学園の(いろんな意味で)有名人、ロックのはず。
リリアーナの愉快な仲間たちに遭遇か?

壁から顔を出せば、白装束の女生徒がこっちを見ている。
>「私はエルザ、衝撃波が使える。」
>「あなたは誰?何ができるの?何をしようとしているの?」
ロックじゃなかったのは残念だけど、エルザという名前には聞き覚えがあった。
最近学園に来た転入生。
ユリの話では、アンジェリーナ先生の双子の妹とか、ロックの生き別れの姉とか噂されてるらしい。
ロックを取り合ってリリアーナと三角関係とか、実は人形で中で小人が動かしてるってのもあったっけ。
ま、とにかくリリアーナの仲間であるのは間違いないか。

「あたしはミルク。何をしてるかって言うと…」
よく考えたら間抜けな質問だ。
年中修道服で有名なあたしを知らないのは仕方ないとしても、イベントの目的を知らないはずがないのに。
でも。確かにその質問のあたしの答えは、他人とは違うはず。

「ベアトリーチェの毒々チョコの件で調べたいことがあるの。
聞きたいことがあるんだけど、リリアーナの居場所はわかる?
それから…」
最後に付け足す質問は、ちょっとした好奇心。
「ハードニングってロックの得意魔法だったけど、やっぱりあいつから教わったの?」

25 名前:魔法少女(22修正版) ◆7O/3IU/E7M [sage 本当にごめんなさい。特にメラルさん許して〜] 投稿日:2008/02/23(土) 11:40:43 0
前スレ >301 (メラルさん)
リリアーナは下を目指していた。
廊下を通り抜けようとしたところで、前に女子生徒の姿を発見する。
どう戦おうかと悩んでいると、突然彼女の足は止まり、天井が崩れ落ちた。
あっけに取られていると、瓦礫の中から女子生徒のペンダントを握り締めたメラルが現れた。
「め、メラルさん・・・・・・凄い気合入ってるわね・・・・・・ところでものは相談なんだけど、私と」
>「…安心して、リリアーナ。今ここであなたとやりあう気はないわ。でも。」
>しかし…ここからが違った。メラルは明らかな敵意の篭った声で言い放ったのだ。
>「今日はあなたと手を組む気はないし…あなたの優勝は断固阻止するわ。
> 私の家名とその誇りにかけて。」
ガガ――――ン!とショックを受けているリリアーナの目の前に3枚の白いカードを放り捨てられた。
「な、何でそんなに怒ってるの?私何か気に障ることした?だったら謝るから!」
リリアーナはメラルの後姿に叫んだ。
追いかけたかったが、3枚のカードはどう見てもトラップだ。リリアーナは追いかけることが出来なかった。

取り残されたリリアーナは肩を落とした。
なぜメラルに、あれ程敵意を持たれるのかがわからない。
メラルも知っているはずだ。まともに戦ったら、リリアーナは学園のどの生徒にも敵わないのだと。
(あ。もしかして、・・・・・・私、どこかで他力本願じゃなかった?)
もしかしたら、メラルはそれを見抜いたのかもしれない。リリアーナは自分が恥ずかしくなった。
「いくら非力だからって他人の力に頼りきるんじゃだめよね、誰かと組むのならお荷物じゃなくパートナーにならなくちゃ!!」
リリアーナはぐっとこぶしを握り締めた。

その時、教室の窓ガラスを叩き割って飛び出してくる影があった。
>「俺の嫁!ゲットだぜ――――!!」
「え?キャ―――― っ!!」
>「さあリリアーナ、俺と一緒に目くるめく愛の世界へ・・・・・へっ?!」
男子生徒はすちゃっとポーズをとろうとして、すっ転んだ。
リリアーナはひっくり返って白目を向いている生徒をつんつんつついてみた。 反応は無い。
「・・・・・・・・・・・・」

26 名前:リリアーナ(22修正版) ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持1投下0】gt;25は私です。もう今日はダメダメですorz] 投稿日:2008/02/23(土) 11:42:22 0
>16
リリアーナは大急ぎで階段を駆け下りていた。
「あーもう、びっくりした!でも・・・ラッキー!」
彼女の手にはちゃっかり男子生徒のペンダントが握られていた。 そう、さっきの男子生徒から失敬してきたのだ。
だがいつ彼が意識を取り戻し、追いかけてくるかわかったものではない。
外に出ようと急ぐあまり、リリアーナは注意力が散漫になっていた。
だからキサカにペンダントを奪われるまで、その存在に気づくことが出来なかった。

「キサカさん!? ちょ、ちょっと待ってそのペンダント返して!」
>「やなこったい。これは貴女の為なのです御嬢様とか抜かしといて私利私欲に走るのが俺流。異論は認めない」
「えー?!ま、待って〜!!」
猛ダッシュで逃げ出したキサカを、リリアーナは必死で追いかけた。
戦略かもしれないが、相手を傷つけず、ペンダントだけ奪ったキサカは紳士的だ。
おかげで五体満足のままリリアーナは彼を追いかけることが出来た。

>19
前を走るキサカノ横に氷の鳥が飛んできて、彼に並走する。そして…唐突に話を持ちかけた。
>「あんた…そのペンダント…他のペンダント二個と交換する気はねーか?
ガ―ン!とリリアーナは再びショックを受けた。
自分には共闘など持ちかけてくれなかったのに、キサカには思いっきり怪獣・・・もとい、懐柔にかかっている。
「えー?!エミュー何いってるの?!っていうかメラルさんはどういうつもりなのっ?」
正直エミューの話は破格の条件である。だからこそ意図がわからないのだ。

「そ、それを言うなら私も言わせてもらうわ!キサカさん、この間結局私のバスケット取りに行ったきり消えたわよね?!
 あーあ、レモンパイとかぼちゃジュース。私がロックに食べさせようと一生懸命用意したのに・・・。
 これってどうなのよっ! 乙女の純情踏みにじっておいてこの仕打ちはないんじゃないのっ!?
 あなたは私に借りがあるはずよっ!異論は認めないわっ!!もし渡したら化けて出てやるんだから〜」
これでは交渉というより、とんだ言いがかりである。

走っている途中突如キサカは方向転換し、外のほうへ向かおうとした。
これでは肉薄していたリリアーナが避けられるわけも無い。
思い切りぶつかったリリアーナはバランスを崩し、キサラもろとも床にもんどりうって倒れた。

押し倒された形のリリアーナだったが、めげずにペンダントを握ったキサラの手にしがみ付いている。
「キサカさんペンダント返して!!いや、優勝しても私に興味ないって言うなら力貸してもいい!!」
必死になっていたリリアーナだったが、ふと嫌な予感に視線をそらせた。
視界の隅に見覚えのあるマジックアイテムが転がっているのに気づき、仰天する。
「げっ!幻灯機じゃない!!しかも録画中?!なんでここにっ?!」

どうやらリリアーナのアイテムボックスの中身は幻灯機だったようだ。
箱を調べればきっと「は・ず・れ・よぉ〜ん(はあと)」と表書きされた封筒が見つかるだろう。

27 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 13:05:11 O
「エース先生、たまには一本どう?」
>「僕はタバコはちょっと…。気持ちだけ受け取っておきますよ。」
「あらそう。んじゃ俺だけ失礼。」
ふぅ…俺もいつの間にか立派なヘビースモーカーだなぁ。
「ん?なんか、ヒュー、みたいな音しn…」
>10突如目の前に現れた氷塊。
それは小さなクレーターを作り、土煙が舞う。
土煙が晴れた後、そこにはグレイブの姿があった。
どうやら俺達を一人で相手にするらしい。
「ふぅ…俺達も随分となめられたもんだな。」
早くここから離れないと他の奴等が集まってきちまうんだけど…。
「俺達二人相手に一人でやり合おうとは…大したもんだ。
だがな、度胸があるってのと無謀ってのをはき違えちゃいけない。
今のお前は後者だな、うん。」
タバコを指で弾き、グレイブに投げつけ、指を鳴らす。
パチンッ。
タバコが爆発。ここまではいつも通り。
「今だ、エース先生。」
>「了解です。」
爆発した瞬間にエース先生が空気を送り込む。
無論、空気を送り込まれれば爆発は大きくなる。
エース先生は風と水属性魔法のエキスパート。
二つとも俺の苦手な分野だ。
俺は炎と闇属性魔法のエキスパート。
すなわち、俺達の組み合わせはお互いに苦手な分野をカバーし合ってるって訳よ。

28 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 13:07:23 O
「よし、行こうぜエース先生。」
>「ペンダントは良いんですか?」
「あれで倒せるとは思っちゃいないさ。
まともに受けてれば話は別だが、十中八九何らかの防御魔法を発動している筈だ。
問題はさっきグレイブが墜落してきた時の音とタバコの爆発音で他の奴等が集まって来る事だ。
たった一個のペンダントの為にそこまでのリスクを背負う必要は無いよ。
良い案がある。一旦校内に戻るぞ。」

グレイブがどうなったかを確認しないうちにその場を離れた。

「左右が反対になっただけでこんなに移動が面倒だとはな…。」
俺の予想では外に居た生徒の6、7割はさっき俺達が居た場所に集まる筈だ。
すなわち外は危険地帯と化す。
そしてなるべく外に人が集中しているうちに人が少ない校内に潜り込む。
ふっ…我ながら完璧な作戦、……の筈だったんだけど…。

29 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 13:13:40 O
「中にも結構残ってやがんなぁ…面倒くせぇ。」
>「予想外でしたねぇ。」
「でもまあ、外に比べれば人は少ない筈だ。
隠れながらちょっと歩き回ろうぜ。」
メタル〇アソリッドを思わせるような動きで校内を歩き回る。
>20>24暫くすると見覚えのある生徒を発見。
すぐさま曲がり角に隠れる。
「あれはエルザだな…。もう一人は誰だ?」
>「確か、ミルクだったと思いますが…。」
「……そろそろ少し狩っとくか?どっちかがペンダントを奪った瞬間に横取りだ。」
>「まるでハイエナですね。」
「勝負の世界ってのは非情なのさ。
勝ったもん勝ち。お分かり?最終的に勝てば良いんだよ。」
>「了解しました。タイミングはレイド先生に任せますよ。」
俺達は息を潜めて二人のやり取りの監視を始めた。

30 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 15:37:46 0
 始動の一歩を踏み込んだ時点で、視界の端から青白いものが飛んできた。
 氷だ。フォルムは鳥。
「あんた……そのペンダント……他のペンダント二個と交換する気はねーか?
 もしその気があるならヨ……追っ手を足止めしてやんヨ。ゴミ箱前にいる女と交換しナ。
 ……ただしこれは契約だゼ? 一度同意しておいて裏切ったらヨ……競技外でも根に持つかもしれないけどナ。
 逆に…まぁ、ありえねーけど万が一そっちの同意が得られた後こっちが契約を違えたら、
 それ以上の利益になるような埋め合わせはしてやんヨ。それで納得いかなかったら、
 闇討ちでも何でもしてくれてかまわねーゼ?」
 聞いている分には、
 ……悪くない話だ。
 だが、
 ……リリアーナのペンダントはそこまでの価値があるのか?
 鳥が来たタイミングは狙い過ぎだ。ペンダントを奪い、逃走を開始したタイミングで、
 まるで共犯者のように契約が持ち掛けられた。安全性の高い餌付きで。
 すると後ろから明らかに動揺した声色で、
「そ、それを言うなら私も言わせてもらうわ! キサカさん、この間結局私のバスケット取りに行ったきり消えたわよね?!
 あーあ、レモンパイとかぼちゃジュース。私がロックに食べさせようと一生懸命用意したのに・・……
 これってどうなのよっ! 乙女の純情踏みにじっておいてこの仕打ちはないんじゃないのっ!?
 あなたは私に借りがあるはずよっ! 異論は認めないわっ!! もし渡したら化けて出てやるんだから〜」
 やかましい。
 氷の鳥に声を返そうとした瞬間、魔本の中である事を思い出す。左右の間違いに気付き、方向転換したところでキサカはリリアーナと衝突。
 引き返すタイミングが悪かった、と思ったのは激突した直後だ。激突した瞬間ではない。
 どうやら停止から加速初めだったこちらの方が、運動エネルギーは大きかったらしい。
 格好は明らかに痴漢。非常にマズイ時よ止まれ。

 仰向けに倒れた姿勢ながらも掴みかかってくるリリアーナが、
「キサカさんペンダント返して!! いや、優勝しても私に興味ないって言うなら力貸してもいい!!」
 少しは恥じらいというものを持とうか御嬢様、と少年は内心呟きながらも力は抜かない。
 鎖を指に絡めて握り込んであるため、手ごと粉砕しない限り取り出すのは難しい。
「こっちにも色々思惑と都合があるんよ。ちなみにバスケットの中身は友人と美味しく頂きました」
「げっ! 幻灯機じゃない!! しかも録画中?! なんでここにっ?!」
 無視ですかよ。
 今はそれどころではない、とキサカは幻灯機をスルー。
 後ろへ引き込むようにリリアーナを引き起こし、放るように立たせると同時に詠唱。早口ってレベルじゃない。
「“大気の使徒よ、覚醒せよ。汝の指は聖なる剣なり”」
 まるでパントマイムだ。無抵抗でふわりと、床に少女の足がつく。その瞬間、
「失礼」
 異性を傷つける躊躇いも、骨を断つ抵抗も間隔も無く、リリアーナの両手首が切断された。
 両掌の付け根、盛り上がった骨節の少し先、手首から先だけが、キサカの左袖と左手を掴んでいる。
 飛沫いた赤が酷く綺麗だ、と思ったのは久々な気がって引用の影響だなこれは。
 キサカは身を離しながら、
「悪いねリリアーナ。そのうち埋め合わせはするよ」
 対処は素早く。出来る限りだ。
 張り詰めた筋肉が切れたせいか、力の抜けた彼女の手首を右手で剥ぎ取り、拳で弾いて寄越す。
「“『切り抜ける』…?『切り抜ける』ってのはちょいとちがいますね……『ブチ壊し抜ける』……!”」
 殴られた肌色の手はそのまま放物線を描くが、腕の断面に近付いた途端確かな方向性を持って動いた。
 磁力に引かれるように、傷同士が上下左右間違いなく接続する。

 神経の悲鳴は一瞬だがラグがある。
 流石に今のは酷いな、と自己嫌悪に浸りながら、キサカは今度こそ中庭へ走り出した。
 苦痛が襲う寸前のリリアーナを放置。傷は概念的に塞いだから痕も残らないし、痛みも余韻だけだが、
 これ以上手荒な真似をしてると自分が嫌になってくる。
 ……エゴの癖に。
 短い灼痛の後、多分リリアーナは幻灯機をどうにかしようとするだろう。それならこちらが追われなくて済む。
 横を飛ぶ氷鳥がいるのを確認して、少し迷ってから告げる。指先の鎖を軽く弄りながら、
「その契約は辞退する。俺にとっては自分のペンダントと同じぐらい……これは死守する必要があるんでね」
 言い切り、だけど、と一拍置く。
「そっちは余計な戦闘を望んでないみたいだし、こちらからは喧嘩を売らないことにしよう。ゴミ箱前の女が主なのか?」

31 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 20:41:38 0
毒・薬学やバイオテクノロジーはその運用が難しい。
薬の調合には時間がかかる。
それは呪文の詠唱などというレベルではない。
短くても数日、長ければ年単位が必要となる。
また、効果が顕す為には対象の体内に入れる必要がある。
だから面と向かって敵対する、という事に向いている術とは言い難い分野なのだ。
しかし、利点もある。
準備さえしてしまえば、魔力の消費や呪文の詠唱が必要ないこと。
だからこそ、私は毒の庭園の中でゆっくりと水タバコをふかしていられるのだ。

##########################################

校舎や領で激闘が繰り広げられている中、こちら森の中でも戦いは繰り広げられていた。
そんなどこにでもある戦いの風景だが、ここ、校舎裏の森では異変が起こっていた。
森の設置されたゴミ箱は四つ。
最初の異変はその四箇所で起きたのだ。
ゴミ箱のすぐ側で小さな穴が開いた事に誰が気づくというのだろう?
誰も気づきはしない。気づいてとしても、気に止めはしなかった。
しかし、その穴からは恐るべきものが送り出されていたのだ。

無色透明・無味無臭の神経毒。
そしてピプトの胞子があたりに充満する。

ベアトリーチェ特性のレシピで作られた神経ガスは、魔法障壁を抜けて、口から、鼻から、目から、あらゆる粘膜から進入し、行動力を奪って行く。
そしてピプト。
【PIPT】=Parasitic Intention Plant Trooper
その胞子は樹木に寄生し、変質させ、森を特殊菌類生態系へと変えていく。
寄生された樹は変質し、更にピプトの胞子と神経毒を撒き散らす。
ピプトの恐ろしいところはその爆発的な感染力だけではなく、人に寄生した場合、なのだ。
寄生された人は死ぬ事もできずに人面疽が発生し、意識を奪われるのだ。

その効果はすぐにあらわれることになる。
神経毒で倒れた生徒達が生気のないまま立ち上がる。
ある者は頬に、ある者は首に、皆人面疽ができていた。
寄生植物にのっとられた者達は、おもむろに自分のペンダントを外してゴミ箱近くの穴に投げ入れる。
それが済んだ者から森を徘徊し始めるのだ。
神経毒やピプトの難を逃れた者を狩る為に。
魔法障壁を強化すれば毒に晒されずに澄むだろう。
しかし、その為に割かなければならない魔力は通常の戦闘でのそれとは桁が違う。
7割程度の力しか出せぬ健常者と、精神的なリミッターを外された寄生被害者。
その差は言うまでもない。
そして寄生被害者に傷を負わされたものはその傷口から感染し、寄生被害者となる運命なのだ。

まだその範囲は広くないが、森は確実に 侵 さ れ て い く 。
その中にいる人諸共・・・

森の異変はやがてヴァンエレンの潜む場所にも広がりを見せていった。

32 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 20:41:44 0
##########################################

「それにしても、いくら魔本の中とはいえ、バイオハザードを起こすとは恐ろしい事を考えるもんだよ。」
私は幻灯機に映る校舎での戦いを見ながら語りかける。
そこにはリリアーナがメラルやキサカと戦う姿が映っている。
>私がロックに食べさせようと一生懸命用意したのに・・・。
>これってどうなのよっ! 乙女の純情踏みにじっておいてこの仕打ちはないんじゃないのっ!?
私の箱に入っていたのは幻灯機。
リリアーナの箱に入っていた幻灯機と対になるものだ。
「ふふ、せいぜい派手に潰しあえばいいさ。私はその間にこの森を貰う!
もうすぐ魔の森は腐海【アンブレラ】になるわ。
本当は一緒にミノフスキー粒子も散布すればよかったけれど、流石にそこでは、ね。
ずいぶんと私に有利な事にしてくれたけれど、良かったのかよ?」

【ミノフスキー粒子】
魔力を拡散消滅させる粒子。

だが、魔本の中は魔力で構成されている。
この中でミノフスキー粒子を散布すればどのような影響が起こるか不明なので使用はしなかった。
もし使用していれば、魔力障壁も無効化されより大規模なバイオハザードとなっただろうが・・・

それでもフィールドと手駒を一気に手に入れられる。
森に飛ばされた人数がどれだけかは知らないが、一割としてもかなりの数だ。
異変が起きているのは森の数箇所。
爆発的に広がっているとはいえ、森の外にはその影響はなく気づかれる事はないだろう。

状況を整理しながら私は背後で佇むゴースト・・・アルナワーズに問いかけた。

33 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 21:30:22 O
ばーん、どーん。
やたらと物騒な音がこだましてる。ここの生徒もたまってんだなぁ………
他人事のように観察してるが、俺的にはやっぱり好んでドンパチやらかす危ない人にはなりたくない。

で、今俺がいるのは校舎裏手の森の中の比較的校舎に近い所。
いざ行かん、我が戦場へ!って志で校舎前まで来たものの、やっぱり観察すべきだよ。という考えの許、現在にいたる。
予想通り、校舎が主戦場になってる。これはもう少し頭数が減ってから行った方が賢明だろう。

尻込みしてるのか、はたまた俺と同じ考えなのか、森にも意外と数がいる。
この森の雰囲気は独特で、かなり集中しなきゃペンダントなんて判らない。
派手に動けばバレる。だから動かない。ってとこかな?
………ヤバいヤツも紛れてそうだけど。何となく、勘がそう言う。
もし、猟奇マニアとかに出会ったらどうしよう?………取り合えず、首飛ばしとく?
どっちが猟奇的か解んない気なんてツッコミは無しで。
「じっとしてるだけじゃ、減らないよな………」
でも、闇討ちなんてしたかない。こう見えて、プライドだけはあるからね。

紙型を切る。形は燕。つまりは偵察という事。


…………やっぱヤバい方がいたみたいだ。
復活地点付近の植物で明らかにおかしいものがある。まるで魔に取り付かれたよう。はっきり言うと、汚い。
カチン
何かが切る。そして別のが繋がる。
「どういうことだ……?」
どこのクズかは知らないが、私の気分を害した罪は重いぞ?
と、あくまでトーンは軽めに。言ってる内容はどうか知らんよ?
また、術符を切る。念のためさ。そう、切らなくてもいいけど、念のため。
と自分に言い聞かす。落ち着けなきゃ何やらかすか解らんからね。
切ったのは、『祓いの符』と言う代物。
異物が体への侵入を嫌う絶対嫌人性の術式を特殊な紙に書いた物。
ついでに言うと非売品。

さて、問題はどうやったら発生源を誘き出せるかだ。
まずは暴れてみようか?
「因果なもんだ。じっとしていたい時に限って嵐が目の前にある」
取り合えず、ゴミ箱の所へ向かう。暴れるならそこが一番目立つだろうから。
顔はきっとにやけてる。きっとあの、ヤバい笑い方。

34 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:10:48 0
森に身を潜めてしばらくして、三人に固まって行動する生徒がやってきた。
イタズラ好きな妖精もおらず小動物の鳴き声ひとつしない静かな森だが、生徒たちは既に吸血鬼の手の中にあった。
木を背にしてわずかに覗ける視界から三人の姿を確認し、獲物が仕掛けた魔法の罠にかかるのを待ち続けた。
生徒たちの足が目印の枝を越えた瞬間に手に持った開かれた魔法書がまばゆい光を放つ。
すると三人を中心とした魔方陣が浮かび上がり、地面から出現した鎖が手足を縛られてしまった。

捕縛結界にかけられて成す術もないまま、首にかかったペンダント三人分を回収する。
「卑怯」だの「返せ」だのと罵声を浴びせてくるが、久しぶりにうまく事が運んで上機嫌であるヴァンの耳には入らない。
「へっへっへっへ。
 これで君らはリタイアだけど、私にも情けはあってね。
 捕縛したままでペンダントをゴミ箱に投下すれば痛い思いはせずに幽霊になる。
 あの世?で私の活躍する様を見て悔し涙を流すがいい!」
カッカッカッカと高らかに笑い、生徒三人は悔しそうにヴァンエレンを睨みつけるがそれも笑いに拍車をかける効果しかなかった。


>31
ゴミ箱は森の中にもあって、そこにはまだ誰もいないことが幸いして無事に三人分のペンダントを投下してすぐに離脱した。
順調なすべり出しに一瞬夢でも見ているかのような錯覚にとらわれるが、これはすべて現実なのである。

最初の予兆は木の息遣いに変化が生じたことだった。
魔本という不完全な世界の中なのだから、木々が突然こういった機能変化させるということも十分ありうる。
問題なのはその次に起きたことだ。
ささいな魔法障壁のブレに気がついて、すぐに周りを注意深く見やる。
精神に異常を起こさせる神経毒が辺りに充満しており、森は胞子によって侵食されていたのだ。
「やらせはせん!
 我が魔力を糧とし敵の機略を散らせ」
片手に持つ本が一ページづつペラペラとめくれていき、ある項目のページでぴたりと止まると魔力が四散していく。
魔の森と化した広大なフィールドに霧が発生してだんだんと濃くなっていく。
霧の濃度が高い場所から神経毒は浄化されていき、寄生被害者は争うのをやめて地面に伏せていった。
しかし樹木自体を寄生している胞子自体が除去されたわけではないので、また霧の濃度が薄くなっていく部分からまた毒は増え続けることだろう。
即座に危険と判断したヴァンエレンは本を閉じると変化術で馬に姿を化けて、高速で森を駆け抜けていった。

>33
人を寄せ付けぬほどに速く移動し、立ちはだかる大木あるならば大きく跳んで周りの木を蹴り進路をずらして決して速度を落とさない。
退却の途上に人間の気配がするがあまり気にしない。
この毒の計の犯人ならばわざわざ魔力を消費してまでこの危険な森の中に来るわけがない。
それにこんな思い切りがよくて、毒の知識があってそれを有効に使える奴など学園の中にそうざらいるもんじゃない。
あのベアトリーチェを別にすれば……。
そのことがヴァンにはわかっているから、声から判断してあきらかに違うと断定できる人物に警戒はしない。
茂る草を荒々しく飛び越えて急停止し、人物に向かって吸血鬼が告げる。
「ここにいるのは魔力の無駄、毒を撒き散らしてる犯人の得にしかならないから逃げるしかない。
 というより俺は逃げるからな!」
三十六計逃げるにしかず。
この辺りはもう霧も晴れてきて、樹木が活発に毒を撒き散らせているようだ。

35 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:30:04 0
>27-29

>「俺達二人相手に一人でやり合おうとは…大したもんだ。
>だがな、度胸があるってのと無謀ってのをはき違えちゃいけない。
>今のお前は後者だな、うん。」
レイドはそう言うと、タバコを此方に弾いた。
「(タバコ…爆発か)"現れよ氷壁、我が眼前に"…!」
グレイブの目の前に2m位の氷の壁が出てくる。
氷とはいえ、通常ならレイドの爆発にも耐えられる分の硬さはある。
そう、通常なら。
「!砕けた…!?」
咄嗟に後ろに下がるが、爆風に体を炙られ吹き飛ばされる。
「何故砕けた……もしかして、エースとの連携か?」

土煙と爆発による煙が消えると、其処には…
【…二人とも居ないね。(色々な意味で)よかった…。】
【プックク!俺らに恐れを生しt【いや、多分ここら辺に皆が集まるだろうからじゃない?】
自惚れを即座に否定されるグレイル。そりゃそうだ。
「ペンダント6つ分が消えたか……。」
【あ!校舎から6人、いや7人来てるよ!】
【森からも3人だ!つか替われB!】
「………7人は流石に無理だな……R、森から来てる奴等を纏めて相手しろ。校舎からの方は無視だ。」
【そうこないとなー!どれやってやんよ!!】
グレイブは髪を一掻きし、グレイルと交代する。

36 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:32:30 0
ベアトリーチェが引き起こしたバイオハザードによって
今や全く姿を変えた森、そこに居る人間も完全に全滅している。
いや、意識がなくとも活動し胞子を拡散しているという部分では
ただ全滅するよりも数倍やっかいだ。そしてその光景を森側の校舎窓から見ている僕…
「全く仮想空間とはいえこんな莫迦な真似をする奴はだれだ?」
と口では言っていても僕は誰だかは分かっている。
こんなことができるのはベアトリーチェぐらいしかいない。
「あの毒オタク女め。しかしこれではっきりしたな。あいつがここまでやるんだ。これはただのイベントじゃない。
 フフフ、きっと優勝者には凄まじいレアアイテムが手に入るに違いない!」
思わず口から笑みがこぼれる。きっと参加前に妙に張り切っていた奴もそれが目的に違いない。
さてと、まずは何個かゴミ箱に捨てておかないとな…

>「おっ!見つけたぞ!」
>「上級生か、だけどこっちは数で勝ってる。」
早速莫迦が数人来たようだ……数で立ち向かえばいいと思っている莫迦が。
このゲームで手を組むということは予想上に勇気がいることだ。
いつ裏切られるか分からない上にこちらもいつ裏切るかを見極めなければならない。
そんな不安を胸に良い戦いができるなんていうのは甘い考えだ。
>「喰らえ!」
下級生と思われる1人が炎を生み出しこちらに向かって投げつけてくる。
フッ…これだから三頭過程すら突破できていないようなのは困るんだ。相手が誰だかも分からないなんて。
僕はおもむろに指を鳴らす…すると炎はまるで端からなかったように消える。
「Become quiet、はしゃぐな。一頭過程の入り口にまで来ている僕が相手をしてやるんだ。光栄に思え?」
フフンッと鼻で僕は笑う。すると単細胞というべきかやはりというべきか…
挑発され興奮し一斉に杖を取り出し術を放とうとしてくる。
僕はそれを見てちょっとした電撃のようなものを杖にぶつけていく。これはだれでも使えるような簡単な雷撃だ。
威力もしびれる程度しかない…しかし、杖は次々に誤作動を起こし暴発や故障を訴える。

「確かに杖…そして術媒体用のリングなどは使いやすい上に
 本人の魔力を底上げしてくれるアイテムだ。だがその分技を発動するときの不意の衝撃には弱い。
 特にお前らが使っているような初心者向けの低級な杖ではな。
 ※1【アーティファクト(魔道具)の特性T】をもう一度読み直せ!!」
予想していなかった状態に思わずたじろぐ下級生に僕は隙を与えずに新しい魔法を唱える。
これは物体と物体に磁力を与えられる魔法、壁と+にし下級生達を−にしてやる。
下級生は壁と磁力の凄まじい力に引っ張られへばりつく…
これも特に大した魔法じゃない、ただ授業でやらないだけで少し特別に練習すれば簡単にものにできる。
「さてと、ペンダントをもらおうか。お前達はしばらくそうしていろ。僕がゴミ箱に辿り着くまでな。」
そう言い放ち僕は下級生の体を調べていく、どうせゲート魔法など高度なものはつかえないから隠す場所も限定されてくる。
予想どおり簡単に全員分のペンダントを手に入れることができた。さらに支給されたアイテムも奪う。
>「か、返せー!!」
「なにを言っているんだ?僕はお前たちを指導してやったんだぞ?
 少しぐらいの授業料は当たり前のことだ。フフフフ…」
そう高らかに笑い僕はその場を後にする。まずは三つ…手っ取り早いのは
教師のを奪うことだ…それとペンダントを独占している奴を倒すこと……どちらも困難だが
僕は絶対に優勝してレアアイテムを手に入れる!

37 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:33:17 0
※1 入学したときに買わなければならない参考書。
   魔道具について書いてあり全Zまである。


名前・マオ-ミゼット
性別・女
年齢・18
髪型・耳かかるぐらいでストレートなため立ってはいない。色は黒
瞳色・黒で少し黒い部分の瞳が大きめ。
容姿・男と間違われやすい女子。細いが髪型・口調などで優男に間違われる
備考・現在二頭過程に進み、もう少しで一頭過程に行く可能性も出てきているエリート
    そのためプライドが高く皮肉屋である。見た目に反してあくが強い
得意技・物質の状態変化系統の魔法(錬金術系統) 雷撃

好きな食べ物・オムライス
好きな人物・オルビア・ターナー(錬金的な意味で)
好きな生物・ドラゴン
嫌いな食べ物・グリンピース
嫌いな金属・合金・銀
今一番欲しい生物の毛・キマイラの毛。
保険に入りますか?・別に入ろうが入りまいがわざわざ教えることじゃないだろう。

38 名前:グレイル ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:35:54 0
.
「よっしゃー暴れてやるー!いっくぜー!!ゴー…シュート!」
【古い!古いよ!!その掛け声!】
グレイルは森の3人の方へ飛んでいった。
そしてグレイズの突っ込みは空しく響いた。

>「あそこにおいていくのかよオオポール〜〜〜!!ベンをひとりぼっちでおいてくのかよオオォ―――!
>おいてくなんて俺はヤダよォォ!!ジョンも何か言ってやれよォ!」
>「これは命令だマイク…ベンも覚悟の上此処に来たんだ!」
>「行かなくてはマイク……ポールの言うとおりだ…。」
近づいていくにつれ、森で一体何が起きたのか、1人の少年を2人が止めているという光景を見ることが出来た。
ドラマなどでよく見られる光景であった。

が、グレイルは
「よおお前ら!早速だけど"焼き払え!我の目の前の3人を!"
"燃やし尽くせ!我の目の前の3人を!"
"ビッグバン・アタック!"
てーこーしても無駄無駄無駄ぁ!焼ーきはーらえ!焼ーきはーらえ!ひゃっほー!!」
そんなことはお構いなしの様子で3人をいっぺんに焼き尽くした。KYと言って貰っても構わない。
そして3人は3人で
>「ひでぶ!」「あべしッ!!」「ヤッダーバァアアァァ!!!」
などという面白い断末魔とペンダントを残して居なくなった。
【【……………。】】
「おっし!これで3つゲット!カッカッカ!!」
【…………阿呆だな。】
【……ああもう何処から突っ込みを入れればいいんだー!!】
戦闘前も時も後も騒がしいグレイであった。

だが、グレイはこの間にもピプトの胞子と寄生被害者の魔の手は迫ってきていたに気付かなかった。
更に放った火が木に燃え移っていたのにも気付かなかった。

39 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage所持1投下0] 投稿日:2008/02/24(日) 09:28:26 O
>24
>「ハードニングってロックの得意魔法だったけど、やっぱりあいつから教わったの?」

「…何ですって!?」
エルザは自分の耳を疑った。
ロックと言えば、圧力を出すか、蒸気を吹き出すか、
真っ赤に燃えているような印象しかなかった。(まるでポットじゃない。)
あんなに一緒だったのに、ロックが硬化魔法を使える事に気づかなかったとは。

「ねえ、ミルク!あなたはロックの何を知っているの!」
エルザはミルクの胸倉を掴んで問い詰めたが、すぐに彼女から離れた。
「ご、ごめんなさいミルク!私…その…そんなつもりじゃなかったの。
 ただちょっと…」

エルザは確信した。
ロックが硬化魔法を使えるなら、彼は今も生きている。
しかし、もし生きているとしたら、今ロックは何をしているのだろう?

『リリアーナからチョコをもらったのだ!エルザよりも箱が大きいのだ!』
(い、いいもん!中身はおんなじだもん!!)

そんな事を言っているロックの顔が、頭の中にたくさん浮かんできたエルザは、
むかっとした顔をして、ミルクの質問にぶっきらぼうに答えた。
「悪いけど、ベアトリーチェって誰か知らないわ。
 毒チョコなんて物騒なものもね。」

ここまで言った後、エルザの表情が急に明るくなった。
「ちょうどよかったわ。私も今リリアーナを探しているの。
 一緒に行かない?もしかしたら…」

エルザはうっとりした表情で首にぶら下げたペンダントを握った。
「私の波動を感じてリリアーナの方から私に会いにきてくれるかも…
 キャー!キャー!」
真っ赤になってはしゃいだエルザは、ミルクをバシバシ叩いた。
「ご、ごめんなさいミルク!私…その…そんなつもりじゃなかったの。
 ただちょっと…」

リリアーナは今も無事かしら。もし彼女を傷つける者がいるなら、
ぶっ殺してやる!と、エルザは思った。

40 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【自前0、所持1、投下0】] 投稿日:2008/02/24(日) 14:27:49 0
>30
自分のペンダント返して!とあきらめ悪く暴れていると、キサカにひょいと引き起こされた。
明確な腕力差に、いくらキサカが女顔でもやはり男性なのだということを否応無しに意識させられてしまう。
だがリリアーナが動揺するよりも早くそれは思った。
>「失礼」
地面に足がついたとたん、リリアーナ思い切りバランスを崩してしまった。
手が振り解かれたからではない。何の脈絡も無く両手首が切断されてしまったからだ。
持ち主から離れた両手は、キサカの左袖と左手をまだ掴んでいる。
>「悪いねリリアーナ。そのうち埋め合わせはするよ」
どっと冷や汗が出た。あまりのことに声も出せないリリアーナに向かって、キサカは剥ぎ取った両手を無造作に飛ばした。
彼が何か早口で詠唱すると、リリアーナの両手はまるで磁石のように切り口に吸い寄せられていった。

「ま、待っ・・・?!――――!!!」
キサカを追おうとしたが、僅かなタイムラグを置いて襲ってきた激痛に言葉を失う。
痛み以外のことにまで気を回せるようになった頃には、キサカもエミューの姿も消えていた。

リリアーナは自らの両手をじっと見つめると、何度も手のひらを開いたり閉じたりしてみた。
傷は完全に消えていた。僅かな痛みが残っていなければ、切断されたことも夢だと思うに違いない。
傷をつけて、元通り修復する。これもキサカなりの美学なのだろうが、魔力の消耗も侮れない。

だが他人を気遣っている場合ではなかった。今は何をさておいても
「キサカさんを追いかけなくちゃ」
リリアーナは駆け出そうとして、慌てて引き返した。
「アルのバカバカバカ!!ただでさえ勝ち目無いのにアイテム没収なんてひどすぎるわ!!
 これで私が優勝できなかったらどーしてくれるのよ!私の死亡フラグ勝手に立てないでよねー!!
 もしもゴーストになっちゃったら化けて出てやるんだから!」
ゴーストにゴースト化したリリアーナが会いに行くサプライズ度についての議論は止めておこう。。
とにかく一通り叫んで気が済んだのか、リリアーナは幻灯機を腰にセットし、アイテムボックスをウェストポーチに収納する。
ボックスの底に封筒らしきものが見えた。落ち着いたら目を通そう。

リリアーナは左手にロックバスターを装着すると、キサカを追って中庭に飛び出した。

>19
茂みの中からごみ箱の様子をうかがう。メラルはまだごみ箱のそばに残っていた。
キサカはどこだろう?とリリアーナは周囲を見渡した。
まだ自分の体がゴースト化していないのだから、捨てられてはいないはずなのだが。

どうしたものかと考え込んでいると、ふいにメラルがこちらに顔を向けた。
(も、もしかして隠れているのばれちゃった?)
ここは思い切って飛び出すべきだろうか?それともしばらく様子を見るべきだろうか?

41 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/24(日) 18:16:19 0
【校舎屋上】

>「……なるほど…ね
  僕が手を組む気がないならここで貴方が相手をするっていうわけだ」
「いや…攻撃を仕掛けてくるなら、だナ。この催しに勝つコツの一つは、
 "如何にして強者を避け、弱者からペンダントを搾取するか"だからヨ。
 …昔のテメェならともかく、今のテメェを侮る気は無えサ。」
エミューはそう言い捨てて、屋上のドアに視線を向けている。

>「……僕にとってもメラルさんと手が組めるなら都合がいい…
  …でも気になるのは……なんだか…勝ち急いでるというか…
  メラルさんらしいといえばらしい戦い方かもしれないけど……
  ……何か…あったんですか?」
「しらねぇヨ。それに、もし知ってたとしても俺の口から話す事じゃねぇサ。
 ただ、一つ言えるのは今が重要だって事だナ。それ以上は…本人に聞きナ。」
エミューは突っぱねるような口調で言った。
>「……それで? 僕は何をすればいいんですか?
  …正直なところ、僕はこのペンダントから発しているオーラ…ってやつもろくに捉えられないんですけど」
「…そういうのはあの女の得意技さ。任せりゃいいんだヨ。それより…ブリザード・レイ」
エミューが"来るぞ"と言いかけて…それを取りやめ、屋上の扉が開いた瞬間
冷気のビームを放ち、襲撃者を氷漬けにする。メラルから指示が入ったからだ。
「中庭に敵をおびき出す。好きに料理してやれ。」
(…予定を急に変更?まぁ、無理もねぇナ。かなり早いが…ここは正念場だからナ。)

===========================================================
【校舎外】
エミューからキサラに組む気があるということ…
そして…キサカが取引を拒否した事が伝えられる。
(…エミュー!
禁忌の使用を許可するわ。だから…中庭に出る前に仕掛けて、体勢を崩させてから
中庭に放り出して!…彼にとってもリリアーナのペンダントには特別な意味があるようだけど、
私には、恐らく今回しかチャンスはない。譲る訳にはいかないわ。
それと…キサラも動けるようにして、援護を頼んで!多分…
他の人も干渉して来るわ!)
メラルはエミューに指示を出すと、リリアーナの魔力のある方に視線を向けた。
しかし…リリアーナに何かをするわけではない。
そちらに常に視線をやりつつ、少し後ろに下がって、奪ってきた
二個のペンダントをゴミ箱に放り込むと…詠唱を始めた。そして術を放つ。
「…ヒュージ・ピラミッド」
ゴミ箱を中心に…校舎に換算して3階建て位の高さを持つ、
氷のピラミッドを作り上げた。狙いはゴミ箱を使えなくする事だけではない。
倒された人間が現れる位置を氷の中にすることによって、
唐突に現れた相手に不意討ちされる事態を防ぐ為だ。
もちろん…術を使ったのはメラル自身。自分が倒された際には解除すればいいと言う前提で。
続いて、メラルは術の準備を始める…。

========================================================


42 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/24(日) 18:17:24 0
【校舎内】
>「その契約は辞退する。俺にとっては自分のペンダントと同じぐらい……これは死守する必要があるんでね」
>「そっちは余計な戦闘を望んでないみたいだし、
  こちらからは喧嘩を売らないことにしよう。ゴミ箱前の女が主なのか?」
質問を受けて、すぐにエミューがキサカの前に出て上昇しようとし…
「ああ、ゴミ箱の前の女の使いできた。」
そう言い放った直後、微細な…直径でも0.1mmあるか怪しいような、
視認の困難な針を…キサカの両目目掛け一本づつ撃ち出した。そして次…
丁度頭を覆うより少し大きい位の、粘性のある水球をキサカ目掛け射出しつつ言った。
「でもヨ。テメェは既に喧嘩を売っているも同然なんだヨ。」
そのままエミューはキサカの頭より、高度を上げて減速、更には
後退してそれまでキサカが背を向けていた側に行く。そして言った。
「そのペンダントを置いていくか。全てを奪われて退場するか。…選びナ。」
エミューが、メラルが多用する技…"ウォーター・バスター"…
ホースとは比べ物にならない大口径の魔法陣を展開し、しかしホースの如き勢いで
展開した水を放射する術をキサカ目掛け放った。キサカを中庭に放り出す為に。
===========================================================
【自前1 所持1 投下3】


43 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage 所持1のみ] 投稿日:2008/02/24(日) 18:39:11 O
>>34
「ここにいるのは魔力の無駄、毒を撒き散らしてる犯人の得にしかならないから逃げるしかない。
 というより私は逃げるからな!」

はぁ………ご忠告どうも。疾駆するお馬さん。とお辞儀。
喋る馬っていたんだ。魔力というのは偉大だね。
でも、忠告の内容にしてみれば………
「無駄かどうかは、私が決めること。
絶望的な状況からの復活も味があるもの」
口の中で、小さく呟く。
それに、気味悪い人気が次々と標的を探して動き出したようだ。

がざ………
ほら、見付かった。
さてと、どうしようかな………
取り合えず、相手を視界にいれる。………気色悪いな。ますます元締を血ダルマにしたくなる。
「………」
私はニマリ。相手はダンマリ。
「怖いね。まるで生ける屍だ」
言いながら猛然と距離を詰め、お得意の肩潰し。いや、別に得意技とかでは無いけどね?
支給された箱を大事そうに抱えている左の肩を握り潰す。
「………そっか」
顔が変わらない。痛みが見えない。恐怖が見えない。
取り合えず、突き飛ばして距離を取る。体勢も整える。
ひょっとすると痛覚がどうにかなっているのかも知れない。
どうするかな?スタミナには多少自信はあるけど、この無限復活システムじゃジリ貧は確定だ。
そう。こういう時のためのお助けアイテムじゃないか!
………って、どこにやったかな?寮にでも置き忘れた?マズイね。

さて、じゃあ本格的に対策を考えようか。
ビュン。
先手を打つ。鎌いたち。基礎とも言える風系呪術の初歩。唐突、かつ単純な攻撃。かわされるのも頷ける。
相手もやられっぱなしでいる気は無いらしく、反撃にでるつもりらしい。
散漫な動きで………足を動かし、腕を振るう。
直後、樹からの蔓が絡め取る。
誰を?モチロン相手を。
遅い。いかな行動であろうとも、潰せるならばムダもムダ。詠唱省略バンザイだ。
やはり植物操作の初歩で絡めとる。普通は絡めておわりだけど………
ミシミシブチブチッブチブチッ
何かもう壊れてないトコを探すのが難しいくらい酷く絞め上げる。
「はい、おしまい」
これはアピール。私が居るという、アピール。
だから派手じゃないと意味が無い。
だから、燃やした。巻き付けた樹ごと、派手に蒼い火柱をあげて。

果たして元締はこの火柱に込めたメッセージを受けるだろうか?
『こんな有象無象じゃ、相手にならないよ』

44 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/02/24(日) 20:10:44 0
>>41
>「いや…攻撃を仕掛けてくるなら、だナ。この催しに勝つコツの一つは、
 "如何にして強者を避け、弱者からペンダントを搾取するか"だからヨ。
 …昔のテメェならともかく、今のテメェを侮る気は無えサ。」
「つまり…以前の僕は弱者っていうカテゴリだった…ってわけだ」
そう言ってキサラはくすくすと笑う
「ここは褒め言葉として頂いておくよ」

>「しらねぇヨ。それに、もし知ってたとしても俺の口から話す事じゃねぇサ。
 ただ、一つ言えるのは今が重要だって事だナ。それ以上は…本人に聞きナ。」
「……なんというか…そうやってメラルさんに聞いて教えてくれる気がしないからこっちに聞いたんだけど…
 なんか僕メラルさんに嫌われてそうだし…それに女の人だし…」
キサラがぶつぶつと独り言のように呟く
>「…そういうのはあの女の得意技さ。任せりゃいいんだヨ。それより…ブリザード・レイ」
>「中庭に敵をおびき出す。好きに料理してやれ。」
「……………」
キサラは無言のまま再び足に魔力を集中させ始める
「ごめん、エミュー…
 ちょっと用事ができた…
 先に向こうでメラルさんと合流することにするね」
そう言いきると中庭に向かう
知っている気配を見つけ、その気配に向けて跳ぶ
キサラが捉えたのはリリアーナの気配だ
移動しながら銃を抜き、リリアーナの背後に着地
メラルに気を取られているのか、反応が遅れたリリアーナの背中に銃を向ける
「……こんにちは、リリアーナさん」
口調は至って落ち着いている
リリアーナに殺意を向けているわけでもない
更にその表情からは何も読み取ることはできず
本当に、何の意図でリリアーナに銃を向けているのか、リリアーナにはわからないだろう

45 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/02/24(日) 21:14:15 0
「ふざけるなッ!!一体どうしたいというんだ!」
僕はさっき奪った支給品の入っている箱を地面に叩きつける。
叩きつけられた箱からはご飯の粒が飛び散る。
中身はのり弁…さっき開けたのものり弁…その前のものり弁…その前のも……
「全部のり弁じゃないか、そんなに一杯食べられるわけないだろう!
 それに箸がついてないってどういうことなんだ!?」
僕はイライラしながら自分の胸ポケットにあるペン二本を取りカチカチさせ箸の真似事をする。
「…うーん…いけるか?……しかしちょっと長さが……って何をやっているんだ僕は!!」
全く…支給品の箱など開けなければよかった……精神力を消耗した気がする…

それにこんなことをしている場合じゃなかった…早くどうするか決めなくては。
さっき少し歩き回って分かったが、すでに校内は罠が至るところに張り巡らされている。
室内はみずからのテリトリーを比較的簡単に作れる……つまりこのまま歩き回っては見えない相手の思う壷。
僕もどこか絶好のポジションを見つけて罠を張るという方法もあるが…そんな消極的な方法ではトップにはとてもなれない。
それにもう少し…あと一時間ぐらいもたてば弱い奴っていうのはいなくなってくる。
今からやっても莫迦が釣れる可能性のほうが低い……
「完全に僕は出遅れてしまったというわけか…」
ならば森…といこうにも森はあの毒オタク女に掌握されかかっている。どっちにしろ僕は茨の道というわけだ…
しかし伏魔殿な状態の校内よりもまだだれが引き起こしているかはっきりしている森の方がいいかもしれない
そう思い僕はとりあえず校舎から出ることにし、あの森の状態を引き起こしている奴の所まで行くことにした。
おそらく毒オタク女はかなりの数を脱落させているはず…どっちみちこれは避けれない戦いだ。

>>34
「どうしようか…普通につっきっていくのはあまり妥当とは思えないな…」
森側の校舎の前でそう思っていると…森の方から何かが走ってくるのが見える……あれは……馬?

「使えるかもしれないな……あれであの毒オタク女まで進んでいったら結構楽かもしれない。」
それにペンダントにはある程度なら察知できる…よし、その方法で行こう……
だが問題はあの馬に乗る方法だ…振り落とされることよりもまずあの猛スピードで走っている
馬に乗ることを考えなければ話しにならない…まあ、一頭過程の入り口にまで来ている僕ならば造作もないこと。
「※1――我を望みし地に至らしめよ――Momentary Blink――」
呪文を唱えその場から一瞬にして消え馬の背中へとまたがった状態で現れる。背中を撫でながら言う。
「よし、今から僕がお前の主だ。分かったな。」
正直な話し僕は馬など乗ったことないし…語りかけても馬の耳に念仏かもしれないが、
とりあえず犬と同じような感じで言うことにした。
 

※1 要するに瞬間移動術、目視できるところまでしかいけない中級レベルの魔法。
   魔力もそこまで消費するわけでもなくそれなりに習得は簡単な部類。
   戦闘中は詠唱という時間が結構長いために使いにくい。

46 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/24(日) 21:35:03 0
イベントが始まってどれだけ経っただろうか?
森は傍目にはなにも変わりがない。
が、森に入って10mも進めばもはや別世界だということを実感するだろう。
木々は巨大菌類群に成り代わり、菌糸が縦横に張り巡らされ腐臭に満ちている。
目に見えぬ胞子と神経毒が満ちる【腐海・アンブレラ】となっているのだ。

>38
ビッグバンアタックで三人を倒しご機嫌なグレイル。
延焼していることにも気づかず高笑いをあげるが、その笑い声がかき消されてしまうのはほんの数秒後の事だった。
「招来!大瀑布!!」
森の奥からこだまする声と、ゴゴゴゴ・・・とうなる地響き。
そしてやってくるのは大量の水!
放水などというレベルではなく、もはや濁流。
これだけの水を召喚するには普通の生徒の力量ではまず不可能。
トップクラスの生徒か、教師レベルの力でなければ・・・。

大いなる水のうねりは延焼を飲み込み、グレイルを押し流した。
森の外まで流される形になったグレイルだが、押し流されただけで後は何もなかった。
追撃も、毒も胞子も。
森の外まではその手が出ないようだった。

>43
森を分け入ってゴミ箱の設置してある地点まで来たソフィアには、周囲がすっかり様変わりしているのがわかるだろう。
菌類群と瘴気と神経毒に満ちた腐臭立ち込める腐海。
地面には菌糸がびっしりと張り巡らされ、ぬかるんでいる。

最初に出会った寄生被害者を蔦で絡めとり潰し燃やした直後、腐森に変動が起きる。
立ち上る火柱に菌類は活発化し、胞子を撒き散らし始める。
それは巨大菌類にふさわしい目身も見える巨大な胞子。
たっぷりと湿気を含んでいる。
これで火柱の勢いが衰える事はないが、延焼は防いでいく。
後は可燃物かなくなり火が消えれば、消失した分を補って有り余る増殖が待っているのだ。

47 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/24(日) 21:35:41 0
そんな光景を余所に、ソフィアの前にもう一人寄生被害者が立ちはだかる。
頭部に人面疽を生やした不気味な姿で詠唱を始めた。
「剣舞狂乱!」
発動と同時にソフィアの足元から無数の剣が突き出てくる。
比喩ではなく文字通り剣山と化して無数の剣がソフィアに襲い掛かるのだ!

この生徒、名前をカトラスという。
剣の具現化を得意とするが、せいぜいニ、三本がいいところだ。
だが今現実に大剣をソフィアを中心に埋め尽くすように出現させている。
これがピプトによる恐るべき効果。
寄生された被害者は限界を無視した力を行使させられるのだ。

勿論人間限界を超えても戦えるなどという便利な機能はついていない。
術の発動をした直後、カトラスは膝を突く。
魔力の枯渇である。
もはや戦う事はおろか、立ち上がることもできないだろう。
直後・・・カトラスは全身から血を吹いて倒れた。
寄生した人面疽が宿主であるカトラスを殺したのだ。

しかしソフィアが見る恐るべき光景はここからなのだ。
ゴミ箱周辺でカトラスと先程蔦で絞め殺した生徒が姿を現す。
【ペンダントをゴミ箱に捨てられなければ何度でも復活できる】
復活地点が腐海なので、復活した直後に毒に犯され、胞子に寄生される。
イベントのシステムを利用した無限復活システムなのだ。

それはさておき、地面から生える剣の群れに襲われるだけでは終わらなかった。
【いくら強化魔法を使ってもそんな動きしたら腱も筋もズタズタになってなきゃおかしいだろ!】
という動きで別の寄生被害者が【剣舞狂乱】の発動に併せ、稲妻を手に宿して襲い掛かるのだ!
実際にズタズタになりつつあるが、痛覚もなく襲ってきてしまう。

現在ゴミ箱周辺にいる寄生被害者は三人。
だが、腐海のあちらこちらから気配が集まってくるのに気づくだろう。

########################################

ところ変わって森の置く、毒の庭園。
「もうそろそろ大量淘汰も終わるころかな。
様子見をしていた連中も先にゴミ箱に捨てられてたら後からの逆転が不可能になるって気づく頃?」
ベアトリーチェは暢気にバスケットを広げていた。
取り出されるのはサンドイッチやお茶、とベアトリーチェが呼んでいるもの。
「・・・え?ダークマター?何言っているのよ。見て判らない?玉子焼きじゃない、もう。
長丁場だし、腹越しらえしておかなきゃ。」
各所で繰り広げられる激戦を余所に幻灯機の映像を鑑賞しながらのランチに取り掛かっていた。

48 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持3(自・リリアーナ・モブ)] 投稿日:2008/02/24(日) 23:44:49 0
「そっちは余計な戦闘を望んでないみたいだし、こちらからは喧嘩を売らないことにしよう。ゴミ箱前の女が主なのか?」
 問うと、鳥はキサカの前に出る。
「ああ、ゴミ箱の前の女の使いで来た」
 邪魔だな、と思った瞬間に違和感で膝を折ったのは、正しい判断というよりは運が良かったのだろう。
 相手は人工物だから表情は読み取れず、人間社会ボケしているから野生の勘というのもおこがましい。
 瞬間、頭頂部の狐耳を掠めて水塊が頭の上を通る。
 一瞬しか見ていないが、頭を丸ごと覆えそうな水球だ。眉辺りに何か刺さったが無視。痛いけど無視。
「でもヨ。テメェは既に喧嘩を売っているも同然なんだヨ」
 ラッキー、と一撃をやり過ごして、つんのめるように追加速するキサカの背後に、魔力独特の威圧感が広がる。
 肩越しに見えたものは、一言で表現するなら津波だ。
 その波はバケツの水を浴びせるように速度を持って放たれ、
 狙いが外れた水球ごとキサカを中庭へ掃き飛ばした。

「――喧嘩売ってんのはそっちだろうが……!」
 背中を押される格好で、少年は低くだが空を飛ぶ。
 体勢はやや前傾。
 進路上に背中を向けている男子生徒がいたので、下敷きにして衝撃を拡散させた。
 砕けて散る水流をバックに、キサカは少年に突撃。
 相手の肩甲骨に手を着いて強制五体倒地。まそっぷと変な声が聞こえたが気にしない。
 そのまま腰辺りに膝を入れて男子生徒の上に着地する。
 サーフィンのボード扱いだ。
 状態は片膝を立てた正座。手足が痙攣するが無視して、頭をねじ上げてペンダントを首から外す。
 20メートルほど滑ったところで、スノーボードよろしく横滑りで急ブレーキを掛けた。
 慣性で身が前に動くのを利用して一飛び。着地と同時にペンダントを手に絡め直し、ついでに額の針を抜く。
 男子生徒は動かない。多分粗いコンクリートの上で転ぶよりも酷い傷が出来ているだろう。
 とどめを刺すのが情けというものだが、ペンダント目当ての誰かが勝手に刺すだろうから放置。


49 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持3] 投稿日:2008/02/24(日) 23:50:08 0
 さて、とキサカは辺りを見回す。
 魔法には追尾という概念がある以上、下手に動いて集中力を散らすよりも、
 静止して状況把握と思考を同時にした方が良い。
 最初に、氷のピラミッドと傍の女子生徒が眼につく。
 ……喧嘩売ってきたのはあいつか。
 サーフィンで生まれた泥水が広がっていくのを眺めながら、リリアーナが茂みの裏へと隠れ、辺りを伺うのを見る。
 ……ところで顔が見えてるけどどうなのよ。
 指摘した方がいいかなー、と思った途端、上方から降ってくる者がいた。
 引用で撃墜する暇は無い。必要も無いといえば無い。余力もあんまり無い。
 タンッ、と軽い音で着地したそれは、手に持った銃であろう物をリリアーナに向けている。
 距離があるので見辛いが、多分銀髪の女子。
 ……止めるか?
 NOだ。止める意味が無い。彼女は今ペンダントを持っていない。
 むしろ余計な干渉で自分のリスクを高める方が本末転倒。
 どうしようか、とリリアーナ達を視界の端に止めながら、上着の裾裏、腰のベルトに引っ掛けた小箱を取る。
 カロリーブロックの箱だ。表面には×5の表記がある。
「俺以外使わないんだからキサカ専用ぐらい入れとけっての」
 三倍ではないから赤は認めない。
 煙草を箱から出すように中身を一本突き出し、咥えて手を使わず食べる。
 効力は魔術反動の軽減抑制、及び発声器官回りの自己治癒強化。加えて滋養強壮その他諸々だ。
 ベルトに手を掛けてから箱の中身を咥えて視線を戻す、この間一秒強。
 キサカは咀嚼しながら呟く。
「不味いなぁこれ」

 一本を飲み込んで箱を腰に戻すと同時、位置取りからしても多分そうであろう、
 ピラミッド傍の女子に向かって、指弾きで快音を一つ。鳴らした指は女子に向けたまま、
「おい其処の貴様」
 叫ばず、大きい発声で呼びかける。
 人を指差すのは悪い事、というのは多分常識なのだろうが守る奴は皆無。不思議。
 ……名前知らないけど問題無いだろうなー。
「喧嘩は売らないと言った筈だ。裏切りを憂いておいて何故敵を増やす?」
 氷の鳥から考えて氷水・下手すると雷術も扱えるのだろう。どちらも遠距離使用に問題は無い。
 彼女との距離は、目測でも50メートルは越えている。
 反撃するには不利な距離だ。キサカの基本戦闘レンジは中距離から近距離。
 加えて回復にはまだ時間が要る。
 概念切断、光刃、概念治療、と立て続けに三つだ。空とは言わないが、だいぶ魔力も精神力も消費している。


50 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 02:44:40 O
無数の剣は私を貫く。
痛い、痛い、痛い、いたいいたいいたいいたい!!
残った気力を振り絞り、首に手を当てる。
首が吹き飛ぶ。つまりは自殺ということ。

「不毛だよ。決着が着かない闘いなんて」
有り得ないスピードで迫るヤツの手首を鉄扇で撥ね飛ばし、ケロッとした、無機質な表情の復活した二匹を蒼い炎で蒸発させる。
そして悠々とペンダント奪取。
復活ルールを使えるのは私も同じだ。条件としてはほぼ互角。
知恵が回る分こっちが有利かも知れない。
けど………
燃やしてもダメ、痛めつけてもムダ、そのくせ数は増えるというトンデモなく不利な状況。
知恵が足りないかも知れない。現状打破は難しいかも知れない。
どうすれば良い?
思案をさせてくれる暇をくれるほどには優しくないらしく、第二波。
迫り来る剣山に雷の拳。そしてどんどん近付いてくる不気味な人気。

あれやってみるか。広範囲魔法陣。
鬼火で三人ともまとめて焼き払う。ホントに不毛だ。終わらない。


そのままズルズルと戦い続け、恐らく数分経過。時計は持ち歩かないから正確な時間は判らないけど、体感が1時間くらいだからきっとそれくらい。
わらわらと大分有象無象が集まった。という印象。その数、ざっと数十名。
さすがの私も、ガス欠気味。
「赤鬼、青鬼」
紙型を二枚切る。式神としては十八番の二体の鬼。
右手に巨大な斧を持つ赤鬼と左手に巨大な鎚を持つ青鬼。
「青鬼、ペンダントを死守」
『はっ!!』
「赤鬼、私の首を飛ばせ」
『おう!!』
復活。けれど、味気の無い。所詮は遊戯。と言ったところかな?
そう。遊戯だ。遊戯なのにこんなあざとい事をしなくともいいだろうに。
私がぼんやりしている間も二人の鬼は雑魚を潰し、斬り、吹き飛ばす。
おおよその、この世の理不尽な死に方を教えてやっている印象。
潰そうが斬ろうが食われようが復活するのには正直、心が折れそうだった。
けど………
「赤鬼!青鬼!」
『おう!』
近くに寄せる。そして………
「私を死守だ」
ペンダントを回収。
白紙の術符を取り出す。
まずは範囲。だいたいゴミ箱の中心を真ん中にして、半径30mくらい。
次に属性。闇と炎。
そして効果。対象の範囲外への逃走の防止、魔力吸収、吸収した魔力の使用、解除防止用の囮回路、鬼火での壁の精製、嫌菌性。

これらの術式を頭で記号に変換して術符に書き込む。これを口に出せば魔術になる。
マジックアイテムとは大抵が既存のアクセサリーに術式をつけて、魔術的な意味を持たせた物。魔術工芸師とは基本的にそれをやる人物。
たまにアクセサリーからハンドメイドの匠もいらっしゃるけれど。
とにかく、マジックアイテムを作るには術の成り立ち、術式を知る必要がある。ということ。
それはとっさの時に、こういった形で活きることもある。何事も経験だ。

書き込むための物がないって?
あるある。右の人指し指の先を噛む。指先はよく血が出るんだ。
その血で頭に浮かんだ術式を書き込んでいく。
ゆっくりだけど、確実に。

51 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 02:48:38 O
「よし………」
完成。
設定した中心部までの気色悪いカビのカーペットを歩きながら、初めて知った事を仲間にひけらかす幼子のように語りだす。
「鬼火を見た人は死期が近いだって。鬼を呼ぶからとか、鬼に食われるからとか。
私はそう教わったんだ。
きっと人にとっての誘蛾灯みたいな、鬼にとっての目印みたいな物なんだよ」
歩みを止める。術符を落とす。
「そう、寄れば死ぬ。なのに寄ってしまう。
本能や行動を逆手に邪魔なものを駆逐する。
人とは本当に残忍で狡猾だ」
発動。半径30mの線上にいるヤツが蒸発する。30m以内にいる者全ての魔力を奪う。半径30mの線はまさに感染者にとっての死線となった。

という訳で、さっさと範囲外へ退散する。
途中。
ゴミ箱の近くに不自然な小さい穴があった。窪みでなく穴なのがまた怪しい。
その穴に当てつけのように蒼い炎を入れる。

『鬼火を見た者は死期が近い』『鬼にとっての目印』。
やっぱり、当てつけだ。

そして今度こそ退散。また闇雲に森を歩くハメになっちゃた。
さて、どうしたらいいのかな………?

52 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前有り 所持4 投下0】] 投稿日:2008/02/25(月) 03:40:55 O
>39
エルザはハードニングがロックの得意魔法とは、全然知らなかったみたいだ。
つまり、別にロックから教わったわけじゃない、と。
あたしが知らないだけで、意外にメジャーな魔法だったのか?
なんて考えていると。

>「ねえ、ミルク!あなたはロックの何を知っているの!」
「うわっ!?」
急にエルザが胸倉を 掴んで問いつめてきた。
こいつ、もしかして油断させておいてペンダントを奪う気か!?

>「ご、ごめんなさいミルク!私…その…そんなつもりじゃなかったの。
 ただちょっと…」
…そんなわけないか。
胸倉を掴んでいた手はすぐに力なく離れた。
エルザの顔は、何かを深く考え込んでいるように見える。
ははぁ。さては恋人の自分も知らない情報を、他人が知ってるのに苛ついたな?

>「悪いけど、ベアトリーチェって誰か知らないわ。
 毒チョコなんて物騒なものもね。」
思ったとおり、最初の質問の返事も無愛想に帰ってきた。
そっか、ベアトリーチェはリリアーナの仲間じゃなかったっけ。
アルナワーズと仲良しだから、そんなイメージで固まってたけど。

しかし、ロックがハードニングを使うのは、そんなに特殊な情報じゃないはずだけどなぁ。
てかロックも恋人に、得意な魔法くらい教えてやれよ…

>「ちょうどよかったわ。私も今リリアーナを探しているの。
 一緒に行かない?もしかしたら…」
どんな心境の変化があったのか知らないけど、急にエルザの表情が明るくなる。
ん?もしかして、何か毒々チョコ情報が手にはいるとか?
思わず身を乗り出すあたし。

>「私の波動を感じてリリアーナの方から私に会いにきてくれるかも…
 キャー!キャー!」
痛い痛い!興奮して人を叩くのは辞めろー!
>「ご、ごめんなさいミルク!私…その…そんなつもりじゃなかったの。
 ただちょっと…」
「まあ別にいいけどね…」
期待したあたしがバカでした。

しかしリリアーナの話になると急に態度が変わったな…
前のバレンタイン騒動の時にユリから聞いた話はどんなのだったっけ?
(チョコを食べた男女全員が、リリアーナを好きになっちゃったんだって!)
あの話が本当なら、エルザはリリアーナにも惚れちゃってるわけか。
…アルナワーズめ。三角関係をさらにややこしくしてどうする気だ。

>29
「そうね。2人ともリリアーナを探してるんだし、一緒に行きましょ。
でもその前に……メギドラ!」
エルザに答えながら魔法攻撃開始。
もちろん狙いはエルザじゃなくて、曲がり角の向こうからこっちをうかがっている2人組。
気配は上手く殺してるけど、ペンダントのオーラでバレバレだっての!

53 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 05:48:27 0
【屋上】

>「つまり…以前の僕は弱者っていうカテゴリだった…ってわけだ」
>「ここは褒め言葉として頂いておくよ」
エミューはこの言葉に対し…通常なら感じるべき疑問…
相手の感情を逆なでする発言だったのではないか?
という疑問を全く感じなかった。
旧来から魔力至上主義を当然とする世界で生きてきた為、
魔力以外を身につけた者が魔力を身につければ自ずと
過去の自分の無力さを悟るだろうという傲慢とも言える思想にどっぷり浸かっていたからだ。


>「……なんというか…そうやってメラルさんに聞いて教えてくれる気がしないからこっちに聞いたんだけど…
  なんか僕メラルさんに嫌われてそうだし…それに女の人だし…」
しっかりと聞きつけていたのか…エミューが言った。
「逆だ逆。重大じゃない事なら俺が教えて嬢ちゃんが教えないって事もあるがナ…
 重大な事については、大抵の場合は嬢ちゃんより俺の方が口は堅いからヨ。」

そして…お膳立てされた状況に対しても、キサラは応じなかった。
>「ごめん、エミュー…
  ちょっと用事ができた…
  先に向こうでメラルさんと合流することにするね」
そして、キサラがリリアーナの方に向かっていった。
「好きにしナ。」
エミューはそれだけを言い、意識をキサカに向ける。…屋上の銀色のカードが周囲に氷を纏い、
氷の鳥となり…周囲にセットしておいたカードをもとりこみ始めた。


=====================================================================

54 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 05:50:23 0
【中庭】
キサラが降りてきたが、これから起こるであろう戦闘への協力ではなく、リリアーナを抑える動きをしているようだ。
それはそれで理にかなっているし、裏切りさえ無ければいずれ敵に対し不意討ち的な一撃を入れてくれる…
メラルはそう考えた。よってそちらに対しわざわざ何かを言おうとはしなかった。

キサカはエミューの攻撃を周囲の状況をうまく使い、その類稀な反射神経、身体能力を見せ付ける形で凌いでしまった。
だが…メラルに驚く様子は無い。相手戦力の分析に勤める。しかし、追撃はしない。追撃用に準備していた術はウォーターバスターが
クリーンヒットしている事を前提にされていた術だった為、使用を諦めたのだ。そして…相手が体勢を立て直す時間を、作戦立案に使う。
もちろん…ここで今警戒を解くほど愚かではないが。
(エミューの話だけじゃ術の系統はしっかりと把握は出来ないけど…近接型の能力の可能性が高い。
つまり…対多数には向いていないはず。…この手はまだ使いたくなかったんだけれど…この際仕方ないわね。
エミュー。展開準備・・・10+30よ。校舎の2は判断に任せるわ。)
(…つまり…思いっきり暴れていい。そういう事だナ?)
(ええ。でも…)
(ペンダントを奪うのが目的。そう言いたいんだロ?わぁってるヨ。)
小声で算段をまとめた所で、快音が響く。そして…キサカが声をかけてきた。
>「おい其処の貴様」
>「喧嘩は売らないと言った筈だ。裏切りを憂いておいて何故敵を増やす?」
「それは、今、他の何を差し置いても倒すべき敵があなたになったからよ。
 そう、あなたが取引を拒絶した時点でね。」
メラルは、冷静に…しかし、命の危険の伴わない訓練や授業などでのない、
掛け値なしの実戦を幾度も経験した者特有の凍るような殺気を放ちながら
言葉を続けた。
「まだ、彼女に舞台を降りてもらう訳にはいかないのよ。
 私の目的を果たす為にはね。だから…そのペンダントを奪い取るまで、
 私が何があっても引き下がらない。私のペンダントが捨てられるまでは…絶対に。
 そして、もしあなたが彼女のペンダントをゴミ箱に投入したとしたら…
 私の目的はあなたを倒すことになる。あらゆる手段を以ってね。

 …そしてもう一つ。あなたが持ったまま、それをゴミ箱に捨てない事を
 条件に取引を持ちかけても無駄。余程の事が無ければ私は信じない。
 ペンダントをゴミ箱に捨てると脅しても無意味。実行した後にあなたが地獄を見るだけ。
 …行きなさい。」
そう、可能性の大小はともかくキサカが取りえる様々な手段に対し、先に釘を刺したのだ。
そして、何時の間に出てきたのか、メラルの片手に銀色のカードの束が握られており、
それを…メラルが空に放り投げる…と、途中でカードが四方八方に動き出しつつ
それぞれが氷を周囲に展開、鳥を象り始め…しかも、その翼は刃の如く鋭くなりつつあった。
大回りするもの、直線で向かう物、直上から向かう物など多種多様な軌道とタイミングで取る物があるが…
その全てがキサカに向けられており、しかも…一度かわしてもすぐに弧を描いて戻り、再度斬りつけようとして来る。
その数といい、執拗さといい…かなり厄介な攻撃なのは言うまでもないだろう。
だが…この技が切り札たる所以はこの先にある。そのエミューを利用した攻撃に…
更に、メラルの術を混ぜるのだ。
「……イーグルエッジ…ステルス…」
キサカに聞こえないように、小声で術を発動させ、視認の困難な、
半透明の氷の鳥を6体放った。それは大きく弧を描き…直上から二体、
直線コースで二体、左側から二体…それぞれがそれぞれの
回避タイミングにあわせるようにキサカ目掛け放った。
しかも攻撃はそれだけではとどまらず、屋上で氷の鳥と化した
銀色のカードの方から、エミューが術…"ブリザード・レイ"を放った。
(…おそらく、かわし続けようとしてもそう長くは持たない。
ありそうな選択肢は接近して私を叩くか、エミューの動き辛い校舎に逃げ込むか、
だけど…前者はチェックメイト。後者でも仕切りなおしになるだけ。
他の方法は使われたらそのとき考える。後は突撃に備えて詠唱をすませるだけ…。)
そして、更にメラルが次の術を準備し始めた…。

当然、これだけ大量の攻撃をするだけあって、魔力の消費もそれなりではあるが…
それ以上に誘導型の術ばかりの為、並の人間では数秒と持たない程の集中力が要される。
かわし続ければ、じき解除せざるをえなくなるだろう。そのかわし続ける事が最も困難なのだが…。

55 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 自前1所持1投下0] 投稿日:2008/02/25(月) 06:31:23 O
>39>52「なぁ、エース先生、どうやら殺り合わないみたいだぜ…?」
それどころか、一緒に行動するつもりらしい。
>「そうね。(中略)
でもその前に……メギドラ!」
「…あれ?」
ちょい焦ったけど、流石そこはエース先生。
ミルクが「メギ」と発していた時点でバリアを発動。
もうバレちまったし、諦めて出て行くか…。
「よく気付いたな〜、大したもんだ。
もしかしてペンダントのオーラを感知したのか?」
ペンダントは何処に隠してもオーラを出すってわけね…。
「見ての通り、今俺達の手元にペンダントは無い。
しか〜し、俺達2人をギブアップさせれば、ペンダントを渡してやるよ。
だが…」
ここで一旦間を置く。この間が大事。
「俺達、結構強いよ?」
>「それなりに、ですがね。」
俺の隣でエース先生がエルザに対し魔法を発動する。
ただ単に風の塊を飛ばす、初級の魔法だ。
しかし当たれば体重80kg以上の人間でも楽々吹き飛ばせる。
エキスパートの成せる技って奴だね。
「んじゃ、俺も。…召喚!グラビティ!」
俺は2丁の銃を召喚すると同時に2発の弾をミルクに向け発射した。
説明しよう、俺の愛銃グラビティは1発につき20kgの負荷を相手に与えられるのだ。
当たっても痛みも外傷も無いけどね。

56 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 07:44:31 0
>52
> 「そうね。2人ともリリアーナを探してるんだし、一緒に行きましょ。
> でもその前に……メギドラ!」
「えっ?何?きゃっ!」
エルザはミルクの核熱魔法にびっくりした。
さらにエルザのびっくりは止まらない。
廊下の曲がり角から2人組みの男が現れた。

>55
> 「よく気付いたな〜、大したもんだ。
> もしかしてペンダントのオーラを感知したのか?」
> 「見ての通り、今俺達の手元にペンダントは無い。
> しか〜し、俺達2人をギブアップさせれば、ペンダントを渡してやるよ。
> だが…」
> 「俺達、結構強いよ?」

「…どうしよう、ミルク?」
エルザはミルクにそう聞いたが、回答は得られなかった。
なぜなら、その直後にエースの魔法が飛んできたからだ。

「(…風?)」
気づいた時には、もうエルザの体は地面からふわりと浮き、
そして廊下の壁に叩きつけられていた。
「ぐふっ!?」
エルザは自身で言ったように衝撃波が使える。
そのため、エルザにとって風の魔法を相殺するのは容易いが、
エースの魔法が風の魔法であるとわからなければ意味が無いのだ。

「………」
エルザは無言で立ち上がった。
ずいぶん吹き飛ばされてしまったが、硬化魔法のおかげで怪我はない。
エルザは無言のままアイテムボックスから何かを取り出した。
それは、スタート地点である食堂から拝借した空き瓶だった。

エルザは走りだした。空き瓶を右手に掴み、そしてがむしゃらに。
「1…2…3…」
エルザはエースの前で止まり、空き瓶を彼の顔の前に向けた。
「だあっ!!」
その掛け声と共に、空き瓶の中に衝撃波が発生し、
空き瓶を粉々に破裂させた。もちろん、それだけではない。
砕け散った鋭利な破片が、エースとエルザの肉を引き裂くために飛び散る。

エルザは硬化魔法のおかげでガラスが当たっても平気だ。
それに、エースと肉薄した状態で破裂させたからミルクにも害は無いはずだ。
ただ、残念なのは、同様の理由でレイドにも害が及ばないことだ。

57 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/02/25(月) 17:35:23 0
男子生徒のソフィアに忠告だけして、少しだけ緩めたスピード分を取り戻すように加速する。
走っている最中に少しだけ後ろが気になり振り返ってみるが彼は退却するつもりはないらしい。
あくまでこの森から出ずに刹那の時を刻むということは、なにか策があるということなのか?
地下に篭って埃にまみれた吸血鬼の思考では結局結論は出せず、疾風纏いて胞子を振り切り森を抜け出た。

>45
>「よし、今から僕がお前の主だ。分かったな。」
どこぞから聞こえてくる声が耳に入り、のりの匂いが鼻についた。
森から出て早々に一体何者か?急停止して辺りを用心深く見回してみるが人間の姿はない。
思い返してみると声はちょうど後ろから聞こえてきたような…そして背中が重くなっていたりする。
おまけに背中を撫でられて気持ちよさそうに眼を細めて「ヒヒィン」と一鳴きしてしまったのは動物のサガというものか。
「って、誰かに乗られている!?
 誰が私の主だって?
 勝手に私に乗るんじゃない!」
いつの間にか乗馬されていることに気がついて、相手の姿を捉えようとがんばって首を回すが顔までは確認できない。
そのうち体も回り始めてまるで犬が尻尾を追いかけるようにグルグル回りはじめてしまった。 
「どういうつもりか知らないが、どうしても降りないというなら仕方ない…。
 私はこのまま魔と化したこの森に入らなければならない。
 この中は神経毒が辺りに撒き散らされて、それにやられた人間はたちまち殺しあうのだ!
 どうだい怖くなって降りたくなくなったのではないか?」
いい加減に回るのをやめて、乗馬している人間に静かな口調で語りかける。
危険な森に入らなくてはいけなくて、このままでは君も巻き込まざるおえないと怖がらせてマオを降ろそうという魂胆だ。
しかし、まさかマオが森の中へ入って行こうとしているとは夢に思わなかったことだろう。

58 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage【自前0 所持1 投下0】] 投稿日:2008/02/25(月) 17:44:19 0
>44
キサカが派手に飛び出してきた。・・・・・・目があったような気がして、リリアーナは慌てて首を引っ込めた。
どうやらリリアーナは、隠れるのは苦手のようだ。

メラルはごみ箱を氷のピラミットで埋めてしまった。
あれではごみ箱にペンダントを投下できないし、復活するのも大変そうだ。
どうしたものかと思っていると、ふっと目の前が翳った。
え?と上空を見上げた瞬間、背中に銃口が押し付けられた。
>「……こんにちは、リリアーナさん」
「・・・・・・キサラ。昨日はちゃんと寮で眠れた?」
応えはない。リリアーナはごくりと生唾を飲み込んだ。
口調は落ち着いているし、殺意も向けられていない。
だが、リリアーナは振り返ることが出来なかった。キサラはまるで知らない人のようだった。
とりあえず意図がわからないので、リリアーナはホールドアップする。
「最初に言っておくわ。キサラにあげた手作りチョコに媚薬を混ぜたのは断じて私じゃない。
 次に、私はペンダントを奪われている。だから殺しても弾の無駄。
 最後に、リバース内では殺されても死なないけれど、痛みや死に至る苦しみは本物よ」
キサカにクッション代わりにされた男子生徒を痛ましそうに見つめる。
「――――私はヒーラーよ? だから、本当はリバースに参加する気なんてなかった。
 自分が優勝の景品になってさえなければ・・・ね」
リリアーナはゆっくりと振り向いた。
「で、キサラは私に何か御用?」

>54
視界の隅では、メラルとキサカが対峙している。
>「まだ、彼女に舞台を降りてもらう訳にはいかないのよ。
> 私の目的を果たす為にはね。だから…そのペンダントを奪い取るまで、
> 私が何があっても引き下がらない。私のペンダントが捨てられるまでは…絶対に。
リリアーナは眉を顰めた。
「メラルさんは何であんなに私に拘ってるの?
 まさか私の友チョコ食べてリリアーナ大好き!結婚して!な〜んて・・・・・あるわけないわよね、うん」
だとしたら怖すぎる愛情表現だ。
「キサラは何か聞いて・・・・・・?!」
リリアーナは屋上で魔法が発動するのを感じた。
「危ないっ!」
考えるより先に体が動いていた。

後ろから狙い撃ちされるとは思ってもいなかったようだ。
キサラが止める暇もなかった。
リリアーナは屋上から放たれたブリザード・レイとキサカの間に飛び込んでいた。


59 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/02/25(月) 20:25:28 0
>>58
>「・・・・・・キサラ。昨日はちゃんと寮で眠れた?」
「…………」
キサラはそれに答えない
相変わらず殺意を向けることもなければ、これといった感情も見られない
リリアーナは手を上げ、更に言葉を続ける
>「最初に言っておくわ。キサラにあげた手作りチョコに媚薬を混ぜたのは断じて私じゃない。
 次に、私はペンダントを奪われている。だから殺しても弾の無駄。
 最後に、リバース内では殺されても死なないけれど、痛みや死に至る苦しみは本物よ」
>「――――私はヒーラーよ? だから、本当はリバースに参加する気なんてなかった。
 自分が優勝の景品になってさえなければ・・・ね」
>「で、キサラは私に何か御用?」
数秒間、何も喋らず、静寂があたりを包む
そして、キサラが口を開いた
「……別にそんなにシリアスな雰囲気にしなくてもいいですよ
 …聞きたいことがあるだけですし
 銃をこうやって向けているのは…一応、メラルさんの方に行かせない方がいいかな…って意図です…ついでですからね
 …あ、でも動かないでくださいね…
 痛みや死に至る苦しみが同じだと知ってても…それでも僕はこの引き金を引くことは躊躇わない
 …でも…痛いの、嫌だと思いますし…僕も…リリアーナさんは撃ちたくないです」
そう言ってリリアーナに突き付ける銃を少し押しつける
「……申し訳ないんですけど…僕、その例のチョコ食べてないです
 ………気付いたらなくなってて…………でも…そういうことか…だから何だか変なことになってるのか…」
疑問だったことは一応晴れる
(まぁ、わからないならわからないで別によかったけど……それより本題は…)
と思っていると、
>「メラルさんは何であんなに私に拘ってるの?
 まさか私の友チョコ食べてリリアーナ大好き!結婚して!な〜んて・・・・・あるわけないわよね、うん」
「………それは……あってほしくないです
 …メラルさんのイメージが崩れるので…やめてください…」
リアルに悪寒がしたキサラだった
>「キサラは何か聞いて・・・・・・?!」
そこまで言ったところで、リリアーナがキサカのところに飛び込んだ
魔力の感知ができないキサラは反応が遅れ、追いつくことはできそうにない
「……ッ…!」
反射的に銃の引き金を引く
だが狙った先はリリアーナではなく―――ブリザード・レイに当たり、その軌道をずらした

キサラは跳躍し、メラルとキサカの間に立つ
「…裏切り…じゃないですよ…念のため
 ……リリアーナさんに当てるのが目的じゃないでしょう?」
そうは言っているが、メラルの術を邪魔する必要はなかった
それでも術の軌道をずらしたのは、先程のリリアーナの『痛みや死に至る苦しみは本物』という言葉が、無意識に心に影響を与えたのだろう
「……リリアーナさんも言ってることとやってることが違うじゃないですか
 ………そういう性格なの…知ってますけど」
キサラが軽くため息をつく
「聞きたいことがあったけど…メラルさんが邪魔でさえなければ援護します…
 ……リリアーナさんとの話はその後でも遅くないでしょうし………」
そう言ってキサラは両手で銃をくるくると回す
「倒されてもゴミ箱の前で復活…ゴーストになっても会話ぐらいできるでしょうし…ね」
これは自分のことを暗示しているのではなく―――仮にリリアーナが戦うとしても、巻き込まれたとしても―――という意味だ
つまり―――キサラがこの学園に入って初めて、戦闘モードに入ったということである

60 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持3] 投稿日:2008/02/25(月) 21:46:41 0
 波を被った背中が冷たい。特殊な水ではないようだが、凍結媒体としては充分だろう。マズイ。
 喉の痛みが弱まっていくのを感じながら、キサカは少女の声を聞く。
 遠近法から考えても、相手の方が背は大分低いらしい。余計に肉弾戦が難しくなった。
「それは、今、他の何を差し置いても倒すべき敵があなたになったからよ
 そう、あなたが取引を拒絶した時点でね」
 横暴だな、と思い、だがそれでいい、と思い直す。返す言葉を纏めて言い返そうとして、

 放たれた殺意に本気で怯んだ。

 怖い。冗談抜きでペンダント捨てて逃げ出したい。

 敵意や闘気とは一線を違えた、明確な雰囲気だ。
 だが、それを心地よく感じている自分があった。
 それでこそ戦だ、それでこそ敵だと胸中で呟く。
 抗えば暴威が来る。
 戦えば死期が迫る。
 迷えば後悔が残る。
 渡せば自分を嫌う。
 氷鳥が展開されていくのを見ながら、さてどうしよう、とキサカは考える。
 行きなさい、と少女が言った。
 攻勢を気取っても不利なものは不利だ。案の定凄まじい量の攻撃が来た。
 何にせよ、余力を気取らなければならない。
 足を止めているということは、敵の進行ルートがある程度限定されるということだ。なら、
 ……急襲に備え罠を張ってるのが普通。
 ならば突撃は無謀だ。
 じゃあどうしよう、と再び迷い始めたところで、ある事に気付いた。先ほどの彼女の発言だ。
《まだ、彼女に舞台を降りてもらう訳にはいかないのよ》
 ……ちょっと待て。
「なん……だと……?」


 キサカが三連引用までしてリリアーナのペンダントを奪ったのには、曖昧だが理由がある。
 回答は二つ。
 まず第一に、リリアーナのペンダントを彼女が持つ必要は無いということだ。
 彼女がゲームに参加し続けるためには、ペンダントがゴミ箱に投下されるのを防ぐ必要がある。
 だから、彼女よりも緊急回避術に秀でている者が持つ方が、不本意であれペンダントの安全性は高い。
 こんな「モノマネしか出来ない貧弱な小僧」に奪われるくらいなら、他の武闘派に奪われるのは目に見えている。
 ならば何故重要視するのか? 奪われる者が奪う側に回るのは難しい。
 人伝に聞いた話とはいえ、体術に秀でているわけでもなく、マジックアイテムに詳しいわけでもない。
 理由は別だ。
 カドゥケウス。
 汎用性の高い基礎魔法が使えなくなる代わりに、別枠の魔法が使用可能になる代物。
 特殊な技術は、例え稚拙でも正攻法を捻じ伏せる可能性を持つ。
 魔本の中なら致命傷も簡単に治療されるから、反動の心配も少ない。

 第二に、リリアーナが優勝する必要は無いということ。
 リリアーナ争奪戦のルールは単純、このイベントの優勝者副賞がリリアーナというだけ。
 ならばリリアーナに興味の無い者を優勝させればいい。
 ついでに賞品のおこぼれでも頂戴しようという魂胆だ。
 かといってキサカの引用は、長丁場には向いていない。即ち上位に食い込むのは難しい。
 薬品でドーピングすればまだマシだが、それでも節制を心掛けなければならない。
 どちらにせよ無茶だ。
 リリアーナのリスクを減らし、彼女が優勝に近付いたなら自分が集めたペンダントを渡して補助。
 彼女が無理でも、他の優勝候補の中から争奪戦非参加者を探してペンダントを渡せばいい。

 何故リリアーナが誰かの手に渡るのを阻止しようとしているのか? これはいちばん簡単な問いだ。
 外面だけのフェミニズムと、日が浅いとはいえ仮にも知り合いだから、という偽善。


61 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/02/25(月) 21:48:21 0
 並行処理とはいえ、集中力の一部を回想に当てていたせいか、後方の魔力収束に気付くのは少し遅れた。
「危ないっ!」
「っ!?」
 声に気を取られ、今目線を外すのはマズイと思ったが既に遅し。
 紫髪の少女は視界から外れ、冷凍光線と自分の間に入ったリリアーナに意識が集中。
 止められない。
 余計な事を、と思ったが、庇ってくれた相手に失礼だ。
 と、突然の飛来物が光線を弾いて軌道を変えた。
 放ったのはリリアーナが隠れていた茂みの奥――こちらに銃を向けた銀髪の、
「……男か」
 ……残念。
 少年は一跳びで、キサカと紫髪の少女との間に割って入り、指先で銃を弄ぶ。
 それまで気付かなかったが、突然の状況に少女が驚いたせいか、氷鳥は止まっている。
「…裏切り…じゃないですよ…念のため
 ……リリアーナさんに当てるのが目的じゃないでしょう?」
 慣れた手つきの二挺流だ。彼女の仲間らしいから状況は悪転。
 数瞬で理論を反芻する。
 現在位置・占拠地区から考えても位置取りは良い。
 あれだけの術を同時展開するのだから、技量も相当なものだろう。
 加えて彼女は、リリアーナのペンダントをゴミ箱に入れる気が、今のところにせよ無い。
 手を組むべきだ、とキサカは確信する。
 しかしここで下手に出るのは勿体無い。折角用意された舞台を、失敗が怖いからと降りるのは惜しい。
 だからキサカは前に出る。愉しむためにだ。
 鳥が再起動してベクトルを持った。
 自らが主役となる興奮と陶酔。モノマネ術が得意な少年は、狂気の笑みを湛えながら足を踏み出す。
「少年、リリアーナに当たってもいいなら撃て」
 言いながら最初の一歩。
 迫る鳥群は刃の雨だ。しかしキサカは動じない。
 唱えた。
「反響指定――
 “完璧なる【守りの方角】
  これで極めたって事じゃのよの”
 “我が運命は未だ死を告げず”」
 先陣を切った氷の刃が、キサカのすぐ傍を通過した。

62 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持0捨0] 投稿日:2008/02/25(月) 21:50:23 0
 詠唱から三秒。足は六歩目を踏んでいる。
 キサカは無傷だった。
「いいね……! ディ・モールト・ベネ!(すごくいい!)」
 破顔一笑。
 少年の右後方、飛来する無色の氷鳥がある。
 速度があり、鋭度があり、殺意がある。頚動脈と喉を貫徹する軌道だ。
 角度からして少年には見えていない。そのまま喰らえばまず致命傷。
 しかし、大きなストライドで首が大きく前に動き、外れた。
 本来ならその程度のズレは誘導補正で無視できるだろう。
 だが気流のせいか、他氷との衝突回避か、進路補正は僅かだ。
 皮一枚すら掠めない。
 当たらない。当たらない。全てが彼を通り抜けていく。
 避ける仕草も無く、ただ偶然外れるかのように。
 または、彼女がわざと外しているかのように、紙一重で冷刃が駆け抜ける。

 そう早くない速度で歩みながら、女顔の少年は少女に呼び掛ける。
「手を組まないか? 貴様呼ばわりした非礼は詫びよう。
 君の目的はどうあれ、リリアーナの退場を忌避するのは共闘の理由になる」
 足は止めず、指と腕に絡めていた鎖を解き、自分の首からもペンダントを外す。
 銀髪の少年に投げて寄越すのは、持っていた三つ全てだ。
 自分のペンダントを他人に貸与するとはどういうことか、理解できない筈も無い。
 信頼の証と言えば聞こえは良いが、担保とでも表現するのが妥当だろう。
 程好い距離で、キサカは足を止めた。
 少女、もとい少年の目の前で、氷の鳥が荒れ狂う構図だ。
 刃鳥は果敢にも突撃を繰り返すが、全てが無視され続ける。
「宣言は守っているからこちらに非は無い。リリアーナのペンダントは渡したから、俺が攻撃される理由も無い。
 そして俺のイベント参加権は譲渡した。……どうする?」
 後半の声は掠れていた。
 唾を呑んでも焼け石に水だ。
 ……熱い。

63 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/02/25(月) 22:10:03 0
>>57
>「って、誰かに乗られている!?
>誰が私の主だって?
>勝手に私に乗るんじゃない!」
乗馬している馬が喋ったのに僕は驚き動きまわるのもあって姿勢を崩す。
「お、おいちょっと待て。落ち着け…なんだ喋る馬?」
姿勢をなんとか戻しこの不思議な喋る馬の首筋を見るとそこには
ペンダントがかけられている。なるほど。つまり変化して馬になった参加者ということか。
しかし自らの体を変化できる術を行使できるということは…少なくともそこら辺の
雑魚のような奴ではないはず……しかしこの口調は教師というにしては…かといって生徒と言うには…
「どういうつもりか知らないが、どうしても降りないというなら仕方ない…。
 私はこのまま魔と化したこの森に入らなければならない。
 この中は神経毒が辺りに撒き散らされて、それにやられた人間はたちまち殺しあうのだ!
 どうだい怖くなって降りたくなくなったのではないか?」

その言葉を聞いて安心する。この馬に化けている奴も森に入ろうとしている。
そしてこの僕も森に入ろうとしている。つまりお互いに同じ目的というわけだ。
手を組むというのはリスクがあるが…上にまたがっているということは先制を取りやすいし
裏切られてもこっちが位置的に有利、十分に手を組む価値があるだろう。
それに口調を聞くかぎりこいつは扱き使っても大丈夫なタイプだ。教師だとも思えないしな。

僕は馬の耳元に顔を近づけて話す。
「フフ…ならば丁度良い、僕も実はこの森に入ろうとしていたところだ。
 この状態を引き起こしている奴の検討もついている…完全に僕達は利害が一致しているということだな。
 それに安心していい。一頭過程の入り口にまで来ている僕がこういうときのための対処方法を用意してないわけがない!」
そして懐から僕が取り出したるは…装飾がなされている小さい円盤状の物体…【※1浄化のタリスマン】だ!
僕はそのタリスマンを馬が見えるように顔の前に持っていく。
「こいつは浄化のタリスマンといって一定範囲の空間を正常にできる…もちろん一定時間だけだが。
 これがあれば楽に森の散策ができる…。というわけだ!さあ行こう僕の愛馬。
 名前はそうだな…僕の名前にちなんでマオスーパーサンダー一号っていうのはどうだ?フフフ…」


※1 魔力による充電によって作動するアーティファクトの一種。
   使っている間は範囲に正常な空間ができ殺菌やさまざまなものを浄化し遮断できる。
   一回の充電で作動できるのは10分程度。だいたい10回も作動すれば劣化してきて
   動きが悪くなり、最悪は機能停止。所詮は消耗品である。
   ちなみに殺菌効果があるので一定範囲内に毒の感染者が入っていれば浄化できるが…
   毒が強かったりすると浄化するのに10分まるまるかかったりする。一回入り込んだ菌を退治するのは楽じゃないのだ。

64 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/25(月) 22:12:39 0
>51
ゴミ箱から30mの円を描く狐火に閉じ込められた感染者達は魔力を奪われていく。
魔力が枯渇すれば自滅し、復活、そしてまた魔力を奪われる永久連鎖。
いつまでも続くかに思われたが、それは意外と早く終焉を迎える事になる。

##################################

腐海と化した森の中、毒にも胞子にも侵されず、群がる感染者も撃退をする。
そんな猛者達が少数ながら確かにいた。

ここはソフィアが戦ったゴミ箱とはまた別の地点。
一人の女子生徒がL字型の奇妙な棒を持って歩いている。
慎重に、ゆっくりと歩いていると、ある地点でL字型の棒が広がりを見せる。
「まだか?」
「無茶言わないでよ。魔力を帯びる森の中でペンダントの波動は感じにくいんだから・・・
いた!この真下よ!」
「よし、離れろ。引きずり出す!」
その声とともに数人いた生徒達は広がり、声をかけた生徒が呪文を唱える。
暫くすると、地面は鳴動し、やがて【それ】が地表に姿を現した。
直径1m、長さ10mに達しようかと言う巨大なミミズ!
その周囲には一回り小さいミミズが何匹も蠢いている。
「よっしゃ!いくぜ!」
引きずり出され暴れるミミズに生徒達は一斉に攻撃を仕掛けていくのだった。
このミミズ、ベアトリーチェが壷毒で作り出した毒ミミズである。
地中を這い回り各所から毒を噴出していた。
更にはペンダントを体内に取り込み保管していたのだ。

「気をつけろ、肉片も強力な毒を帯びている。」
数分後。バラバラになったミミズの肉塊を避ける様に体内にあった十数のペンダントを拾い集める生徒達。
そして集め終わると、足早にその場を離れていった。

「ふう、もう結界を解いていいぞ。」
腐森の中、ポッカリと開いた空き地で一息をつく生徒達は勝利に沸いていた。
森の異変にいち早く気づいた猛者たちは、その場でパーティーを組んだのだ。
裏切りが発生しないよう、お互いにギアス(強制呪文)を掛け合って。
一人が局所結界維持に専念し、パーティー全員を毒や胞子から守る。
残りの数人が後顧の憂いなくその能力を発揮し、腐森を生き抜いていたのだ。

65 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/25(月) 22:12:44 0
「意外とちょろいな。もう一匹いっとくか?」
「いや、何かあったら元も子もない。まずはこのペンダントをゴミ箱に入れちまおうぜ。」
所詮は即席パーティー。メンバーで意見が割れ、にらみ合いが始まる。
そこにこのパーティーの発案者でありリーダーのクレティアンが割って入った。
「このイベントで重要な事は最後まで生き残る事じゃない。
ペンダントをいくつゴミ箱に入れるか、だ。」
ゴミ箱に入れる意見を出した生徒が、クレティアンの賛同を得て笑顔になる。
が、クレティアンの言葉はまだ続く。
「だが、今はゴミ箱に入れるべきじゃない。
ゴミ箱に入れれば感染者がゴーストになり、この森の事を周囲に漏らすだろう。
ミミズがペンダントを小分けにして体内に取り込んでいることも、な。
恐らくこの森で生き残ってここまで気づいているのは俺たちだけだ。
優勝するためにも情報は漏らしたくない。」
そういいながらクレティアンはペンダントの束をキールに渡した。
キールは四次元に繋がっていると噂されるマントの内にペンダントをしまいながらクレティアンに疑問をぶつける。
「情報独占はわかりますけど、この森は危険すぎません?」
「今は、な。この場所がなぜあるか、考えてみろ。」
キールの疑問に答えるクレティアンに言われ、パーティーメンバーはハッとした。
毒と胞子の充満する中で、なぜこの場所だけ清浄なのだろうか?
魔の森の全貌は明らかになっていないが、聖域があっても不思議でない、位に考えていたのだが・・・
改めて問われると疑問が沸きあがる。

「ピプトや神経毒が森全体に充満するほどの量がどこから来たか、って話さ。
ピプトは寄生植物だ。その増殖力や毒性は地中の毒を変異活性化させることによって得る。
神経毒もあのミミズが地中の毒から生成して噴出していた。
つまり、ここは地中の毒を使い尽くしてできた腐森尽きる場所、というわけだ。
これだけ短期間に大増殖したのだから、明日には森全域の毒は尽きるだろう。」
クレティアンは短期間で腐森の特徴を的確に把握していたのだ。
消耗の激しい今、無理をせずに攻略法だけ手に入れればそれでいいのだ。
そしてその情報を外に漏らさないことが重要。
明日、森の毒が消えれば一気にミミズ狩りをして、大量にペンダントを獲得すればいい。
それまではせいぜい森にペンダントを溜め込んでもらうさ。
そう言い残し、クレティアンのパーティーは一旦森を出て行った。
森に出るまで、感染者に遭遇しなかったのはまた別のわけがあるのだが、それはクレティアン達の知るところではなかった。

####################################

再びソフィアが戦ったゴミ箱周辺。

ゴミ箱周辺の地面が微振動を始め、ついには爆発してしまったのだ。
飛び散る土、吹き飛ばされる感染者達。
術式も地面後と吹き飛び、鬼火の結界は消失。
そして残ったのはゴミ箱と肉片。十数のペンダントだった。

ソフィアが穴に入れた蒼い炎は地下のミミズまで到達し、その身を焼き尽くした。
地中内で焼かれガスが膨張、爆発四散となったのだった。
数分後、地面から巨大なミミズが出現。
肉片を貪り食い、散らばったペンダントを回収してまた地面へともぐっていった。

66 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/25(月) 22:12:50 0
####################################

森の奥、ベアトリーチェの毒庭園。
庭園から醸し出される毒気の為に周囲は沼となっている。
が、その規模は腐海が形成された事により更に広がっていた。
今や毒の湿原と化した中、庭園がポツリと浮島のように佇んでいる。

「だっはっは、ゴーストじゃあ食うもんも食えねえな。
もっとも生身でもパンの欠片一つやらねえけどよ。」
私は物言わず佇むゴーストアルナワーズに見せ付けるようにサンドイッチ(と称するもの)にパクつく。
そんなご機嫌な私にの元に湿原から這い上がってきたミミズがやってきた。
ミミズといってもこれが本体ではない。
本体は地中にいて、ヒドラのように枝を何本も伸ばしている。
そのミミズが持ってきた情報は・・・
「そう・・・枝が二本も・・・可哀想に、痛かったでしょうに・・・それで回収されたのは一本分・・・
いいわ、次はこれをお願い。」
ある程度想定された情報だった。
淘汰も終わり、胞子や毒をものともせずに感染者でも勝てない猛者が残ったのだ。
ならば次の手を打つ。
そういい、私はミミズに注射をする。
これが新しい私の手。
すぐに森中に撒き散らしてくれるだろう。

####################################

森を歩くソフィアは感染者がぱったりと現れなくなった事に気づいただろうか?
その間に森では新たなる変化が起こっていたのだ。

十数分の後、その変化はソフィアの前に立ちはだかる。
ズシン・・・ズシン・・・という重厚な足音。
巨大なシダやらキノコやらをなぎ倒しながら現れたのは巨人だった。
身の丈十数メートル。
菌糸で形作られた巨人の頭上には魔法反射魔方陣が形成されていた。
これだけの陣を維持するには尋常ではない魔力が必要なのだが、その供給源はすぐにわかる。
巨人の胴体に感染者の顔が十数個並んでいるのだ。
感染者を取り込み、魔法反射の合同呪文を唱えさせ続けているのだ。

突如現れた巨人は口らしきところから抹茶色の気体を吐き出し、ソフィアを包み込む。
特に衝撃があるわけでもない。身体に異変があるわけでもない。
が、ソフィアの祓いの符が微かに焼け付くのが判るだろう。
気体の正体は更に濃厚に凝縮された麻痺毒。
一ニ発ならば符の効力も持つが、何発も喰らっては符は持たないだろう。


#キール:魔法少女第三部に登場した笑顔とボケと突っ込みを駆使する男子生徒
#クレティアン:魔法少女第一部に登場した一等課程優秀性

67 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 00:45:26 O
バーン。大爆発。
誰かがやったんだろう。威勢のいい方もいるんだな。血気盛んで良し。
しかし、歩いても歩いても木と、キノコとその他の菌類。といった様相。しばらく茸類は見たくもないかな。正直なトコ。

バーン。今度は何かを突き破る音。
オイオイ、今度は何なんだ?なんて軽い様子で振り返ると………
やたらと大きいミミズ。或いはゴカイ。一部しか見えなかったけど。
確か、あの辺りはゴミ箱………かな?
マズイ。術式崩れたかも………無限復活の生ける屍の悪夢再び?

でも、気配がない。人気が漏れてこない。まるで皆が一斉に地に潜ったような、そんな不自然さがある。

けど、今の所はまったく被害を被っていないので、手間が省けて楽で良い。程度に思っている。

ズシン、ズシン……
そんな軽い考えは不吉な地響きによって吹き飛んだ。どうらや、楽はできないらしい。
不意に現れた気色の悪い巨人が、やはり不意に私に息を吹きかける。
何がしたいんだろうか…………
意図、判明。祓いの符がものスゴい勢いで消耗している。あんまり持ちそうに無い。
結局毒とか、ミミズとかしか無いのか。芸のないことだ。
もう一枚祓いの符を切りながら、標的を観察する。

多重詠唱による強化反射かな?多分そう。
証明するつもりはないけどね。だって予想通りだと、私が痛いだけだ。
つまり、それだけこの予想には自信があるということ。

じゃあ、どうしたらいい?どう潰せば良い?
自力の肉弾戦はきつい、魔術は論外。
気後れして、後退り。
ゴッ。何かに蹴っつまずいた。
…………。足元を、原因をにらみつける。
足元にあったのは支給品の箱。足の感覚を信じると結構な重みだった。
つまりはとても痛いということ。
ちょっとした好奇心で開けてみる。中身どん。
拳銃。一発装填の中折式でかなりの大口径。そして弾。30発有るか無いか。
本体は骨董品だね。ここまでくると美術品と言っても差し支えないだろう。
本当に色々と配ってるんだ。そうなると、私のは一体なんだったのかが気になるところかな。

そんなことをしてると巨人はもう目の前。遊んでるんじゃなかった。
………はぁ。もう、赤鬼青鬼でいいや。美学には反するけど、いい加減に飽きてきた。次からは問答無用でこうしよう。
赤鬼と青鬼を呼ぶ。そして。
「あれを潰せ」
短く命令。
そう。無理に近付かなくてもいい。
術者の近距離での弱さを補う意味での式神。というのが術者の式神の使い方。
陰陽は知らないけど。
式神は無生物。だから毒は効かない。
ただ、物理的なダメージは蓄積するので、なるべく攻撃を当たらない様に術者は気を配らなくてはいけない。



68 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 00:47:07 O
えーと、銃ってどうやって使うんだっけ?
まず安全装置を外して、狙いを定めて………
撃つ!
カチン。………あぁ、弾が入って無かったみたい。何か恥ずかしい。
弾を込めて………っと。
ガチャン。重厚な鉄の音、殺しの福音。

自分を潰しにかかっている双鬼は邪魔とみえて、排除しようと巨人の腕が動く。
ズドン!!
手当たる。ただの弾だ。でも、だからこそ、有効な時もある。動きが止まれば十分な時もある。
カチャン、ガチン!装填完了。
何故かこういう物への順応力は高いんだ。
その間にも双鬼は巨人を潰す、斬る、蹴る、殴ると凄惨な暴力を加えている。
反撃は銃でその芽を潰し、一方的にダメージを与える。

そうしてる内に巨人はたおれた。多分死んだ。
面白みなんて、欠片もない、ただの殺戮。圧倒的な、暴力の誇示。
やったらこうなるの解ってたけど、なんだかしらけてきたなぁ………
今回の報酬はこの大きい拳銃だけか。
でも、気に入ったからいいや。

ここでふと、思い出す。
あのお馬さん、どうしてるかなぁ………
また元締への手掛りは得られないまま、森をさまようハメになってしまった。
当てもなく動くから良くないんだ。ヤマを張って、今度は奥にでも行こう。

69 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前有り 所持4 投下0】] 投稿日:2008/02/26(火) 06:29:14 O
>55
2人組の張ったバリアで、あたしのメギドラはあっさり防御された。
>「よく気付いたな〜、大したもんだ。
もしかしてペンダントのオーラを感知したのか?」
気楽に話しかけながら曲がり角から出てきたのは……レイド先生にエース先生!?
よりによって最強コンビがあたしたちを狙ってたなんて!
まずい。ひじょーにまずい。
あたしとエルザの2人だけじゃ、こんな反則チームに勝てっこない!

>「見ての通り、今俺達の手元にペンダントは無い。
しか〜し、俺達2人をギブアップさせれば、ペンダントを渡してやるよ。
だが…」
余裕たっぷりに言葉を区切ってみせるレイド先生。
確かに、教師のペンダントには三倍の価値がある。
レイド先生とエース先生を倒せば、一気に6個分のペンダントゲットだ。問題は…

>「俺達、結構強いよ?」
>「それなりに、ですがね。」
結構にそれなり。なんて謙遜な言葉なんだ。
レイド先生の実力は、最近起きた一連の騒動の時に実証済み。
そこにエース先生が力を貸したら…それは、ものすごく強いって言うんだよ!

70 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前有り 所持4 投下0】] 投稿日:2008/02/26(火) 06:32:24 O
>56
エルザはどうすべきか迷っているようだ。
>「…どうしよう、ミルク?」
どうもこうも、何とか隙を作って逃げるしかないじゃん。
そう返事しようとした時、エルザの体が吹き飛んだ。

>「ぐふっ!?」
壁に何かが叩きつけられる音と、エルザの声は後ろから聞こえた。
「エルザ!?」
慌てて後ろを見ると、かなり離れた壁に叩きつけられたエルザがいた。
見たところ、硬化魔法を使ったのか怪我らしいものは無い。
良かったと安心したんだけど、あたしはこの時すっかりレイド先生の事を忘れていたのだった。

>「んじゃ、俺も。…召喚!グラビティ!」
何も持っていなかったはずのレイド先生の手に、銃が収まっている。
銃口はどちらもあたしに狙いをつけていて……
その先を考えるより早く、横に飛んだ。
あたしの貧弱な魔法防御で、教師の攻撃を止められるわけがない。
すこしでもダメージを押さえられればと、それだけの気持ちだった。
予想と違い痛みは来なかった。
その代わり、急に足が重りをつけられたようになる。

「〜〜〜〜〜っっっ!!!」
当然というべきか、あたしはバランスを崩して盛大にすっころび、
頭を廊下で強打して声にならない叫びを上げていた。
くっそーっ!あの無気力教師めーっ!
こんな時に限って本気なんか出しやがって!!

…あ。でも、よく考えたら本気なんかだしていないか。
2人の先生がその気なら、とっくにあたしとエルザはゴミ箱前だ。
だとしたら…これも授業の一環なのか?

倒れてるあたしの横を、エルザが空き瓶片手にエース先生に向かって走っていく。
なら、こちらはレイド先生が攻撃目標だ。
普段教えてもらってる勉強の成果を、きっちり見せてやろうじゃない!
あたしの魔法は、敵味方 区別してくれない。
だから、上体を起こして場所を確認し、攻撃範囲をレイド先生の居場所に絞る。
間違っても仲間に、エルザにケガをさせたりしないように。

>「1…2…3…」
>「だあっ!!」
「メギド!!」
エルザの空き瓶が砕け散るのと同時に、あたしの魔法も発動。
レイド先生のいる空間が爆発した。

71 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 08:34:20 O
>70よし、両足ゲット。
これで30分はまともに動けないだろ。
だが、ミルクはそう簡単には諦めてくれないらしい。
そりゃそうか…教師のペンダントは魅力的だもんな。
>「メギド」
エルザがエース先生に攻撃を仕掛けたのと同時にミルクも魔法を発動する。
しまった…バリアを張るタイミングを逃しちまった。
いや、むしろ俺のバリアであの威力の魔法は防げるかどうかも怪しい。
なら回避するしかない。
横…は無理だな。
後ろに下がるくらいなら前に逃げながらミルクとの間合いを詰めるか。
全ての力を両足に込め、爆発が起こると同時にダッシュ。
間一髪、何とか爆発に巻き込まれずに済んだ。
そして俺は動けない状態のミルクの頭に銃を突き付ける。
「ハッハッハ。残念ながら、俺の勝ちだな。
チェックメイ…。」
ん…?何か焦げ臭い…。
うおっ!スーツが燃えているではないか!
俺は慌てて銃を手放し、スーツを脱いで消火活動を始めた。

ちくしょう…間に合わなかったか…。
まあ良い、気を取り直して…
あ、あれ?俺の銃が無くなってる…。
「ど、どなたか俺の銃を知りませんか〜?」
意外と間抜けなんだよな〜俺って…。

72 名前:エース ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 08:39:05 O
>56>「1…2…3…」
>「だぁっ!!」
面白い攻撃をしますね。
その掛け声はどうかと思いますが。
それに、あれだけ吹き飛ばされてダメージを受けた様子が見られない…。
何か魔法を使っているみたいですね。
…あ、どうも皆さん初めまして、エースです。
ゆっくりと自己紹介をしたいところですが、また今度という事で。
「発想は面白いですが、すこし威力が足りませんね。」
顔に風の障壁を張らなかったら血だらけになるところでしたよ。
0,2秒遅れていたら…多分、手遅れだったでしょう。
ところで、何故エルザの顔も無傷なんですかね…?
あの距離だったら間違い無く彼女の顔も傷付く筈ですが。
普通の身体強化魔法ではなく、硬化魔法の可能性が高いですね。
「これならどうですか?
…ウィンドブレイド。」
風の刃が上下左右の4方向からエルザを襲う。
この魔法見た目は地味ですが、威力は申し分ない。
岩石も難なく切り刻みます。
本来なら生徒にはあまり使いたくないのですが…
硬化魔法を使っている可能性がある限り、威力の弱い魔法では話になりません。
許して下さい。

73 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 09:09:50 0
>「メラルさんは何であんなに私に拘ってるの?
  まさか私の友チョコ食べてリリアーナ大好き!
  結婚して!な〜んて・・・・・あるわけないわよね、うん」
リリアーナからすれば当然の疑問だろう。
だが…メラルからすれば今話すわけにはいかないのだ。
少なくとも、リリアーナのペンダントを確保するまでは。
だからこそ、メラルはリリアーナの言葉を無視した。


エミューとメラルによる攻撃の詰め…相手を凍らせる為の最後の一手。
そこに狙いを定めてリリアーナがキサカを庇おうとし…更にキサラが
銃弾でブリザード.レイの軌道をそらせてしまった。
予想もしない事態に、エミューが動きを止め、メラルもキサラを見る。
>「…裏切り…じゃないですよ…念のため
  ……リリアーナさんに当てるのが目的じゃないでしょう?」
「っザケんな!そんな言い訳誰が…!」
「止めなさい、エミュー。」
(ここで敵を増やす訳にはいかないわ。最悪、三人まとめて
相手をする羽目になる。この3人を相手にして、
リリアーナのペンダントを奪うことはほぼ不可能よ。)
キサラの言葉にいきり立つエミューを、メラルが打算を元に静止した。
エミューはそれに大人しく従い、状況を見守ることにしたようだ。

>「聞きたいことがあったけど…メラルさんが邪魔でさえなければ援護します…
  ……リリアーナさんとの話はその後でも遅くないでしょうし………」
「ええ、お願い。」
キサラへのメラルの返答。これを合図にエミューがキサカへの総攻撃を開始する。
だが…全く当たらない。メラルの攻撃も含め、全てが紙一重でかわされていく。
しかも…このままでは逆にエミューがキサラの攻撃の邪魔になりかねない。
メラルが戦法を変えようとした時、キサカから声がかかった。
>「手を組まないか? 貴様呼ばわりした非礼は詫びよう。
  君の目的はどうあれ、リリアーナの退場を忌避するのは共闘の理由になる」

キサカが手持ちのペンダント全てをキサラに投げて寄越そうとした。
が…その中の一つ。リリアーナのペンダントだけを二体の氷の鳥…エミュー
が空中で挟み込む形で奪い取り、メラルの元に運んでくる。
そして、残りは…警戒を解いていないのか、キサカの周囲を取り巻いている。

>「宣言は守っているからこちらに非は無い。リリアーナのペンダントは渡したから、
  俺が攻撃される理由も無い。 そして俺のイベント参加権は譲渡した。……どうする?」
そこまでの話を聞いて…メラルは暫く考える素振りを見せた後で言った。
「確かに、あなたの言う通り、今、私にこれ以上あなたを攻撃する理由はない。
 でも…ごめんなさい。あなたを仲間に引き込むつもりはないの。」
 キサラ、その二つは返してあげて。高々二つのペンダントのために
 彼に追撃されるより、弱い相手を狙い撃ちにしてペンダントを荒稼ぎしたほうがいいわ。」
いつの間にか、氷の鳥が全てメラルの周囲に集まり…そして減っていっていた。

メラルは次に、リリアーナを見て言った。
「今日の夜。皆が寝静まった頃に…私の所に一人で来なさい。もし、明日の朝まで来なかったり…
 それより前にこのペンダントを取り戻しに来たりしたら、
 あなたのペンダントは捨てさせてもらう。」
その後で、キサラの方を見て言った。
「…キサラ、私の目的とかは、後できちんと話すわ。
 後、私はもうここを離れるけど…構わないかしら?」

どうやら、メラルにはこれ以上中庭にいる気はないようだ。

74 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 11:40:45 0
>>61>>73
>「……男か」
この学園の人はすごいなぁ…大抵の人は初対面だと女と間違えるのに、この学園で間違えたのはリリアーナさんだけだ
というどうでもいい感想は表に出さず、裏でもしまっておくことにした

>「っザケんな!そんな言い訳誰が…!」
>「止めなさい、エミュー。」
エミューに怒られたが、メラルさんが止める
「言い訳…ね」
思わずキサラは苦笑する

援護を申し出ると許可されたので、亜麻色の目の前の……男(だと思う)に照準を合わせる
「そういうわけなので…攻撃させてもらいます
 僕の名はキサラ…キサラ・トールフェルド」
一応名乗っておく
敵とはいえ、同じ学園の生徒らしいし、殺しても死なないならまぁ…一応という意図があったらしい

>「少年、リリアーナに当たってもいいなら撃て」
「悪いけど、全然」
キサラは何の躊躇いもなく引き金を引く
本当にリリアーナに当たっても全くおかまいなしの様子だ
「言っておきますけど、仮にこれが現実世界で―――当たったらリリアーナさんが死ぬという状況でも僕は躊躇いませんよ
 撃ちたくはないけど、対象を敵と認識したなら―――」
キサラはそこで一息置く
「敵は―――すべて倒すだけだ」
そう言ったキサラがキサカの視界から消える
背後から銃を発砲し、そのまま右腕を高く掲げる
「刺し穿て!悪魔の槍よ!!」
弾丸は牽制、キサラはずっと魔法を詠唱していたのだ
デモンズランス―――現在キサラが使える最上級の魔法だろう
もっとも、キサラの実力不足のためか詠唱時間の割に威力は低く、上級に満たない中級程度の闇属性の槍がキサカに向かう
槍が着弾すると、傍にいたリリアーナを巻き込んで爆発を起こす
術全体の威力が低い―――だからこそこれも足止めでしかない
爆発がおさまる直前にキサラはキサカめがけて再び高速移動
銃をつきつけた―――はずだった
が―――
> 「いいね……! ディ・モールト・ベネ!(すごくいい!)」
彼はまったくものともせずにメラルに向かって歩んでいく
「無傷…!?」
自分の魔法が威力不足だったのは認めるが―――
それでもメラルさんの魔法は確かなもののはずだ―――それなのに―――
見ると、まるでメラルさんが意図的に外しているように氷の鳥はキサカを避ける

75 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/02/26(火) 13:48:00 O
クレティアン「現在のトップは?」
仲間A「アリーと20人のゴースト組の43」
仲間B「俺達は確保分合わせても28、不味いな」
仲間A「そうでもない。これ以上増えないから。
情報戦力は20でも、実質戦力は1なところが敗因ね」
クレティアン「順当に潰しあってくれているな
明るいうちに休める場所を確保するぞ」



76 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 15:46:43 0
>59
ブリザード・レイは狙いたがわずリリアーナを直撃するはずだった。リリアーナも覚悟を決めていた。
だが急にそれ進路を変え、倒れていた男子生徒を氷漬けにする。
驚いたリリアーナが振り向くと、そこには銃を構えたキサラが立っていた。
その銃口からはうっすらと白煙がたなびいている。
>「……リリアーナさんも言ってることとやってることが違うじゃないですか
> ………そういう性格なの…知ってますけど」
リリアーナは苦笑いした。だがキサラはリリアーナに用があるものの、味方というわけではないらしい。
「あーあ。やっぱりキサラはメラルさんの味方なんだ〜。ふーんだ、いいもんねー。
 ところでキサラ、バレンタインデーの本命チョコ、ちゃんとメラルさんからもらった?」
バカ話をしても、キサラは眉ひとつ動かさない。これは本気でバトルモードのようだ。

>61-62
>「少年、リリアーナに当たってもいいなら撃て」
>「敵は―――すべて倒すだけだ」
そっけない台詞に、リリアーナが「うわあ・・・」と大きなため息をつく。
「キサラ、さっきも思ったけど、ぜんっぜん!ちっとも!学生らしくない台詞よね!!」
研修が終わっても、キサラは相変わらずキサラのままらしい。
(・・・・・でもまあ・・・ちょっとづつ変わって来てるよね)
冷徹で計算高いかと思えば、さっきはメラルの心証を悪くしてまでブリザード・レイから守ってくれた。
口にこそ出さなかったが(言えばキサラは全力で否定するだろう)いい傾向だと思っていた。

77 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 15:47:17 0
>74
キサカはこれまた聞いたことも無いような呪文を詠唱していた。
「キサカさん、もういいわ。自力優勝はあきらめる。そのかわり、キサカさんが優勝目指してがんばってくれる?」
リリアーナがこっそりキサカに囁いたが、聞こえていたかどうかは怪しい。いきなりキサラが消えた。
>「刺し穿て!悪魔の槍よ!!」
キサカを狙ったようだが、槍は逸れた。そしてそれはリリアーナの足元に突き刺さり、小爆発を起こす。
「えっ・・・・・?!きゃ―――― っ?!」
爆風でリリアーナのスカートが派手に捲れあがる。
慌ててスカートの裾を押さえたリリアーナは、赤い顔でキサラを睨みつけた。
「キサラのばかばか、えっち!」
・・・・・・・・・・キサラがリリアーナのために手加減してくれなければ、今頃スカートレベルの騒ぎではなかったはず。
まったく、とんだ言いがかりである。

氷の鳥が再び動き出した。
「止めてメラルさん!私の代わりに優勝してくれるって言うのなら、ペンダントくらい譲るから!!」
リリアーナは叫ぶが、氷の鳥は止まらない。
このままではなぶり殺しだ、そう思っていたリリアーナだが、ふと異変に気づいた。
無数に氷の鳥が飛び交っているのに、ただの一羽もキサカに傷をつけていないのだ。
(どういうこと?)
当のキサカは、涼しい顔でメラルに歩み寄っていた。

>「手を組まないか? 貴様呼ばわりした非礼は詫びよう。
>  君の目的はどうあれ、リリアーナの退場を忌避するのは共闘の理由になる」
3つのペンダントが宙を舞った。リリアーナのだけを二体の氷の鳥がキャッチし、メラルの元へと運ぶ。
>「宣言は守っているからこちらに非は無い。リリアーナのペンダントは渡したから、
> 俺が攻撃される理由も無い。 そして俺のイベント参加権は譲渡した。……どうする?」
>「確かに、あなたの言う通り、今、私にこれ以上あなたを攻撃する理由はない。
> でも…ごめんなさい。あなたを仲間に引き込むつもりはないの。」
「・・・・・・・・・。」
奪い合っているのはリリアーナのペンダントなのに、なんだか当の本人はすっかり蚊帳の外である。
(こんなことなら、最初に接触した時ペンダント奪っておけばよかったのにね。
 まあメラルさんも、こんなに私があっさり私がペンダント奪われるとは思っても見なかったんだろうけど・・・)
リリアーナはがっくりと項垂れた。

>73
急にメラルがこちらを向いた。リリアーナはびくぅ!と飛び上がった。
>「今日の夜。皆が寝静まった頃に…私の所に一人で来なさい。もし、明日の朝まで来なかったり…
> それより前にこのペンダントを取り戻しに来たりしたら、 あなたのペンダントは捨てさせてもらう。」
リリアーナは「はぁ〜」と技とらしくため息をつくと、両手を上げて降参のポーズをとった。
とりあえず今夜までは、メラルと接触を試みることは許されないらしい。
「で、私はどこに行けばいい?」
普通に考えればメラルの自室だろうが、リバース内で寮が安全だという保障はどこにも無いのだ。
「それと、最後にひとつだけ質問させて」
珍しくリリアーナは言いにくそうに口篭もった。
「私のこと、好き?」

78 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 15:50:54 0
>「手を組まないか? 貴様呼ばわりした非礼は詫びよう。
 君の目的はどうあれ、リリアーナの退場を忌避するのは共闘の理由になる」
…と、そこで状況が変わったので、攻撃の手を休める
もっとも、リリアーナを含む周囲の者が攻撃してくるようなら瞬時に迎撃できるように警戒は欠かしていないが
そして、キサカはペンダントを3つ、こちらに投げ渡してくる
そのうちの一つを氷の鳥が持ち去っていき、キサラは残りの2つをキャッチする
そのままメラルの反応を待つ
>「確かに、あなたの言う通り、今、私にこれ以上あなたを攻撃する理由はない。
 でも…ごめんなさい。あなたを仲間に引き込むつもりはないの。」
 キサラ、その二つは返してあげて。高々二つのペンダントのために
 彼に追撃されるより、弱い相手を狙い撃ちにしてペンダントを荒稼ぎしたほうがいいわ。」
「…だ、そうです
 これは返しておきます」
ということでペンダントを投げ返す

>「…キサラ、私の目的とかは、後できちんと話すわ。
 後、私はもうここを離れるけど…構わないかしら?」
「…わかりました
 僕も離れたい…ですけど…もっとも、離れさせてくれるなら……ですけど」
キサラの目線はキサカに向く
「攻撃してくるなら僕は容赦しません…恐らく、メラルさんも…だと思いますけど……どうしますか?」
キサカだけに投げかけられたのでなく、リリアーナにも向けられた言葉だった

79 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 17:16:59 P
ここは男子寮周辺

「このあたりあんまり人がいませんわねえ・・・」
あまりにもペンダントの集まりが悪いのでフリージアは黄昏ていた
「場所を変えようかしら?」
そう思って場所を変えようとするフリージアであったが・・・

「あ、あなたはフリージアお姉さま!ロザリオ・・・もといペンダントをください!!」
そこに通りがかる後輩A 通称百合っ子
「よくってよ・・とでも言うと思いましたの?とりあえず欲しければ力ずくで奪って見なさいな!
 フリージングドール!マリオネット!スーツ!!」
フリージアは自分を中心に自分より大きい氷の人形を生み出しそれを中から操るというフリージングドール・マリオネットの進化技
フリージングドール・マリオネット・スーツを展開する
見た目は変わっていないが大きさは1.5倍になりそのパワーも人間以上のものとなる
さらに以前のフリージングドール・マリオネットのように操っている時は本体が無防備になるという弱点も無くなっているのだ

「ああ!?なんてことお姉さまが氷の人形の中に!これじゃあ、どさくさにまぎれてお姉さまの体を触れないじゃない!!」
だが相手の方はそんなことよりフリージアの体に触れることが出来ないことが悔しい様である

「・・・・・変態に男も女も無いみたいですわね」
明らかに変態です・・・どうもありがとうございましたな後輩に少し引き気味のフリージア

「こうなったら破れかぶれよ!キエェェェェェ!!」
後輩Aは3秒でやられる雑魚キャラのような叫び声と共にフリージアに襲い掛かった

「・・・・・・魔法使いなんだから魔法使いなさいな」
あきれ果てたフリージアはとりあえず殴っておく事にした

「ぷぎゅるは!?」
後輩Aは殴られた勢いのまま吹き飛ぶ
実のところ彼女は別に魔法が使えないわけではない・・・
ただ相手の肉体に直接触れなければ効果を発することが出来ない魔法系統を持つ魔法使いであったため
全身を氷の人形に覆われたフリージアに対しては何も出来なかったのだ

「・・・・・」
指を振り後輩Aの背中あたりに氷の壁を生み出すフリージア
・・・次の瞬間その氷の壁には人の形をした穴が開いた
氷の壁の中に埋まっている後輩Aの関節は曲がってはいけない方向に曲がっているようだ

「・・・・・ペンダントもらっていきますわよ」
とりあえず目を回している後輩Aからペンダントを奪い取ったフリージアは
頭だけ残して後輩Aの体を氷の中に閉じ込めた
まさに外道である

「後はゴミ箱に捨てるだけですわね」



ペンダント:自分のものを含め2 投下1 アイテム:魔力回復薬 

80 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/02/26(火) 17:21:18 0
>63
どうもマオは学園に住み着いた吸血鬼が動物に変化できることを知らないようだ。
そのおかげでただ馬になることができる人物とだけ認識され、間違っても魔物とは思われていないことだろう。
学園に馴染みまくっているとはいえ、過去に魔物に関わってしまったがために人生を大きく変えられてしまった人間も少なからずいるはずだ。
そのため魔物に対して嫌悪を抱く輩も当然いるはずで、馬に跨るマオもそのうちの一人でないとは言い切れない。
ヴァンエレンにとってはこのときに名乗らずに正体がバレなかったのが吉とでるのかそれとも凶とでるのか…。
いくつか予想される最悪な『もしも』が現実となってしまった場合、フルボッコの果てに吸血鬼の中で大きなトラウマが残ってしまうことだろう。

マオは森に入るぞー!危険なんだぞー!というヴァンエレンの子供だましの嘘に対して…
>「フフ…ならば丁度良い、僕も実はこの森に入ろうとしていたところだ。
> この状態を引き起こしている奴の検討もついている…完全に僕達は利害が一致しているということだな。
> それに安心していい。一頭過程の入り口にまで来ている僕がこういうときのための対処方法を用意してないわけがない!」
怖がるどころか丁度良いと申しやがったです。
思いもよらぬ回答に驚いてしまい、口をこれでもかと大きく開けてヴァンの時間が停止した。
ヴァンエレン無念。
侵食された森に突貫決定!
>「こいつは浄化のタリスマンといって一定範囲の空間を正常にできる…もちろん一定時間だけだが。
> これがあれば楽に森の散策ができる…。というわけだ!さあ行こう僕の愛馬。
> 名前はそうだな…僕の名前にちなんでマオスーパーサンダー一号っていうのはどうだ?フフフ…」
彼の中ではもうすでにヴァンは森へ行き、ベアトリーチェ退治に行くことが決まってしまったようだ。
ここで「すいませんさっきの言ったことは冗談ですので、あなただけで行って下さい」と土下座したのでは面子が立たぬ。
「う、うむ。
 行くとしようか…」
渋々ながらパカパカとお供を乗せて歩みはじめる。
『浄化のタリスマン』の効果で胞子と神経毒を浄化しながら哀愁を漂わせてトボトボと森を進んでいくのであった。


森の中は相も変わらず陽が昇っているにも関わらず光を遮断して来る者を拒んでいる。
木々には胞子が張り付いて毒々しい色に変色させており、本来の自然のありようとは打って変わっている。
抵抗力のないものはたちまち辺りに散漫する神経毒にやられてしまうだろうが、マオの浄化のタリスマンのおかげで影響はまったくない。
ヴァンは敵になるべく会いたくないがためにスピードをあげて大地を蹴り、風を知り、障害があるならば跳び越える。
かなりの距離を駆け抜けたが、神経毒にやられて暴走した生徒は一人も会うどころか姿すら見えなかったのは気のせいなのか?
「そういえばノリの森に入ってきたはいいが、どこに行ったらいいのかちゃんとわかっているのか?」

>68
果てしなくどこまで続く森に銃声が響いた。
猟師が鹿狩りをしているわけがなく、誰かが暴走した人間と戦っているのだろう。
次に聞こえてくるのはまるで巨大な魔物でも倒れたような耳をつんざく轟音。
そのあまりに大きな音に思わず馬の足を止めてしまった。
「な、何が起こっているんだ?」
さすがにこれはただ事ではないと感じ取って、騎手になんの相談もなく音のした方向へと走りだした。

その場にはまるで童話に出てくるような巨人が傷つき倒れ伏していた。
「こ、これは天狗の仕業じゃ…いや河童か!?」
ヴァンエレンは混乱している。

81 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/02/26(火) 19:04:14 0
>72
> 「発想は面白いですが、すこし威力が足りませんね。」
「ちっ!」
エルザは、血だらけになるはずだったエースの、
元気そうな顔を見て思わず舌打ちをした。

> 「これならどうですか?
> …ウィンドブレイド。」
「またそれ!?」
エルザは自分に近づく風の音を聞いて、
さきほど自分を吹き飛ばした風の魔法だと勘違いした。

「そう何度も喰らわないわ!…1!」
音は自分の上下左右から聞こえてくる。
エルザは上体を反らせ、自分の両足の踵へ体重をかけた。
こうすると、自分の体がそのまま後ろに倒れるの防ぐため、
自然に足が動いて後ろに下がれるのだ。
上から落ちてきたものはこれで回避した。
「…2!」

次は左からくる風だ。
エルザは膝を折りたたむように跳躍した。
地面から離れた足のすぐ下を鋭い風が通りすぎる。
「…3!」

次は右、しかし地に足がついていない今の状態では回避行動は取れない。
「だあっ!!」
エルザは右手を伸ばし、右からくる風の刃を衝撃波で相殺した。

「(よし!反撃!)」
着地したエルザはエースに向かって走った。
しかし、突然鞭が勢いよくぶつかるような音がして、
エルザは冷や汗を浮かべながらお腹を抱え、その場にうずくまった。
「(…痛い、痛い、いたい、イタイ!!)」
エースが放った4発の刃、その内3発はかわされたが、
最後の1発がエルザのお腹に当たったのだ。

「(お腹が痛い…反撃どころじゃない…)」

82 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/02/26(火) 19:25:34 0
>>80
>「う、うむ。
  行くとしようか…」
そういいなんだかあまり元気でないようにとぼとぼと歩きはじめるマオスーパーサンダー一号…
まあ僕としては進んでくれればそれでいい。
「いいか?そこまでたらたらしている余裕なんてないぞ。感染したくなかったら
 ちゃんと移動するように、わかったな?」

森の中はただ眺めるだけでは分からないぐらいに変化していた。
なにやら気持ちの悪い胞子が木々に張り付き変態させ、
明らかに“触るのダメ絶対的”なオーラをかもし出している。
「…確かに自ら行こうとは言ったけど…あまりピクニックするのには向かないな。」
マオスーパーサンダー一号は浄化のタリスマンの持続力が不安なのか
結構なスピードで走っていく…

しかし…おかしい、僕が窓から眺めたときは感染者がかなりいた。
ここまで走って1人も見つからないなどありえない。
なんかあったのか……?そんなことを考えてるとマオスーパーサンダー一号が不安そうに話しかけてくる。
「そういえばノリの森に入ってきたはいいが、どこに行ったらいいのかちゃんとわかっているのか?」
「ん?そんなに心配するな、僕はエリートだぞ。ちゃーんと分かっている。多分だけどな。」
まあこれを引き起こしているのがベアトリーチェだとしたらおそらくあいつは自分の庭園で陣取っているだろう。

そして走っているとどこから銃声が聞こえる。
結構な大きさの銃声だ…その音に僕のサンダー一号が足を止める。
「な、何が起こっているんだ?」
そしていきなり僕に何の相談もなしに走りだす!
いきなりの急加速に体勢を崩しそうになったので落ちないように背中にひっつく。
「お、おいいきなりどうしたんだ!ちょっと、聞いているのか!?」

そして着いた先には……かなりの巨人が倒れていた。
「…なるほど。さっきの銃声はこいつに攻撃した音というわけか。」
冷静に考えている僕に下からあわてた声が聞こえてくる。
「こ、これは天狗の仕業じゃ…いや河童か!?」
動転してくるくる動きまわる僕のサンダー一号…全くなんという小心者だ。
「ほらほら良い子だから落ち着け。河童や天狗が銃持っているか?
 ライフル抱えた河童なんて聞いたこともないし見たこともないぞ。」
僕はサンダー一号の背中を優しくポンポン叩いて落ち着かせようとする。

「第一に、河童や天狗はジャパニーズYOUKAIだろう。
 そんなのがここに居るわけないじゃないか。おそらく僕たちと同じ参加者。 
 きっと持ってきたか支給された銃かで巨人を倒したんだろう。見てみろ。」
そして僕は巨人とは違う人間サイズの足跡を指差す。
この森は地面がそんなに硬くないから足跡が残りやすい。そして足跡は更に奥に向かっている。
「僕たち以外にもこの森へと進もうとしている奴がいるってことだ。
 お前は僕と違って男の子だろ。情けないぞ男がこんなことでいちいちビクビクするなんて。」
僕の冷静な推理とちょっとした叱咤で大分落ち着いてきたサンダー一号。

「よし、あの足跡をつけてみよう。使い魔のような足跡もあるが。
 おそらく参加者としての数は1人だ。人間の足跡は1人分しかない。
 対する僕たちは二人、しかも僕はエリートだ。闘うとしても勝てないわけがない。
 そして闘わないなら仲間として歩み寄り利用できるかもしれない。」
こういう臆病者には常に安心感を与えなければならない。
僕は最もなことを言ってサンダー一号を安心させる。
「さあ、足跡をたどっていけマオスーパーサンダー一号!!」


83 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持2(自・モブ)] 投稿日:2008/02/26(火) 20:34:26 0
「確かに、あなたの言う通り、今、私にこれ以上あなたを攻撃する理由はない
 でも…ごめんなさい。あなたを仲間に引き込むつもりはないの」
 ……フラれた。
 まさか断られるとは思わなかったが、向こうが拒否するなら仕方ない。掠れ声で悪印象でも与えたか。
 周囲の氷鳥が消えたのを確認して、継続設定した引用を解除する。
 痛みは引かない。
 投げ返されたペンダントを受け取り、自分のペンダントを首に掛ける。もう片方は左手に持ったまま。

 短い問答の後、こちらを睨む銀髪。
「攻撃してくるなら僕は容赦しません…恐らく、メラルさんも…だと思いますけど……どうしますか?」
 ……この状況で俺が敵う筈ないだろうに。
「彼女はメラルって名前なのか。俺はキサカ」
 流血も辞さぬ、と敵意を纏う銀髪の少年に、狐耳の少年は軽く言う。
 言葉を切って咳払いを一つ。
 先ほど男と断定はしたが、女装しようがしまいが受けはいいに違いない。
 リリアーナとメラルの問答を他所に、キサカはキサラに対峙する。
 あ、あーと喉の調子を確かめるが、続くのは掠れ声。
「言ったろ。俺はお前らに喧嘩を売らない。メラルとリリアーナの密会にも干渉しない」
 言い切ってまた咳をした。
 喉の自己治癒は再開しているものの、
 ……遅い。


84 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/26(火) 21:29:51 0
ミミズに注射を打った後、私はランチを再会する。
その間にも幻灯機はリリアーナ周辺の状況を写し続ける。
メラル・キサラ・キサカ・リリアーナの戦いに一応の決着がついたころ、最後のサンドイッチを咀嚼し、飲み込んだ。
コップに残ったお茶をあおると、私は立ち上がる。
二の矢を放ったが、それで方がつくとは思っていない。
この学園のレベルを侮っていないし、自分の能力も過信していない。
ここに到達する者がいてもなんら不思議ではないのだ。
だから、私は準備する。
庭園中央にある地下へと通じる階段へと降りていった。

>68>80>82
ソフィアが腐海の奥へと進むと徐々に巨大菌類の密集度も高くなる。
それに伴って、毒の濃度もどんどん上がっていく事がわかるだろう。
毒を見る事はできなくとも、符がそれを知らせてくれるはずだ。
これはマオにとっても同じ事。
浄化のタリスマンが悲鳴を上げるかの如く微振動を始めるからだ。

先行するソフィアは巨大菌類の密林の向こうに、唐突に開けた場所をあることに気づくだろう。
薄紫の靄のかかったような湿原。
その濃度は先程の菌糸巨人のブレスより濃厚、そして凶悪な毒。
菌類すら棲息できえぬ猛毒の世界がその向こうに広がっているのだ。

生物の本能として危険信号がともるだろうが、それを無視して湿原に入るのならば・・・
湿原の畔で如雨露を持って佇む一人の女子生徒に遭遇するだろう。
病的な白い肌を強調するような黒いドレス。
そしてフェイスベールで顔を隠す白髪の女子生徒は、ソフィアに遭遇すると・・・
目だけでもわかる驚きの表情を浮かべ、
「驚いたわ。まさかこんな森の置くまで来る人がいるだなんて。
ごきげんよう。私はベアトリーチェ。」
驚きの表情の後、柔らかな笑みと共に会釈するだろう。

85 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:08:53 0
>79
男子寮で襲ってきた女生徒を仕留めたフリージア、その上空に大きな魔力反応が忽然と現れる。

ひゅ、という音と共に落下してきたのは一本の巨大な鞘。
さらにそれにつづくように、盛大な地響き付で人影が着地した。
もうもうと立ち込める砂煙の向こうで、フリージアには聞き覚えのある声がした。

「けほっけほっ・・・んー、なんか間違ったのかな。少し予定と場所が違う気がするな、けほっ。」

やがて風に吹き散らされて人影がはっきりと見えた。
砂色の髪に、同色の瞳、七本七色の短い角。
かつて見た時よりも若干逞しくなって現れたのは、マリアベル事件以後失踪していたラルヴァだった。

「なんか景色がちょっと違・・・ん?あ、フリージア!久しぶりだね。」

かつてと変わらない笑みをラルヴァは浮かべていた。
「あー、で。質問なんだけど、今学園って何か起きてるのかな?
 転移してきたはいいんだけど場所がずれちゃってね。」

86 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:48:54 0
>「彼女はメラルって名前なのか。俺はキサカ」
「キサカ…ね…覚えておくよ」
>「言ったろ。俺はお前らに喧嘩を売らない。メラルとリリアーナの密会にも干渉しない」
「…そうしてもらえると助かります
 ……喉、大丈夫?」
戦闘モードを解除し、純粋に相手の喉を心配する銃は抜いたままだが、相手がそのつもりなら、攻撃するつもりもない

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…それじゃあ…リリアーナさんは…また、後ほど…ですね
 キサカは…縁があれば…また」
そういってキサラはメラルと共にその場を立ち去る

「…メラルさん…さっきのこと…ですけど」
移動しながら、キサラが会話を切り出す
「とりあえず…3つ聞きたいんですけど…
 …まず1つ
 …何で皆チョコの話で盛り上がってるんですか…?
 リリアーナさんもさっき何か…メラルさんから、ホンメイ…とか言ってましたけど…
 正直何の話かわからなくて…その…」
そう言って若干口籠る
要はバレンタインというものを知らなかったらしい
「あと…最後にリリアーナさんが…
 その…『私のこと、好き?』って言ってましたけど…」
そこで一旦会話を切る
「そっ…その……変な意味じゃないですよね?
 …ついでに僕ってメラルさんからの印象…悪くないですか…」
『ついでに』から先ははもうほとんど何を言ってるかわからない
変な意味とかどこで覚えてきたのだろうか
男子寮とは恐ろしいものである
―――なによりとりあえず、キサラ…質問の相手が悪すぎます

―――ということで、ここからが本題
「…目的…っていってましたよね
 …何だか…攻め急いでるように見えるんですけど…何か…あったんですか?」
先ほどまで顔が真っ赤だったキサラが瞬時に真剣な顔つきに戻り、メラルに尋ねる

87 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/26(火) 22:54:46 O
>>84
くるくるくる。引金の所に左の指を掛けて回しながら進む。
入れ物がないから裸にしておくしかないのが、少し残念。
弾はポケットの中に『火避けの符』に包んで入れている。
そもそも、純粋な火器にとって魔術師は相性最悪の相手だ。
でも、不利な物を頭を使って有利に運ぶ。っていうのも悪くない。
頭に自信はさほども無いけどね。
しかし、歩いても歩いても。だだあるのは樹とカビ。しかも密度が高い、高い。
居るだけ邪魔なので赤鬼青鬼を戻す。
こんなだと、つい普段の行いがよろしくなかったかと思い返しちゃいそうだ。
後悔しないが信条なのにさ。弱気な証拠。

段々と、歩みが進めば進む程に毒がキツくなってきてる。
もはや致死量くさい。符の痛みも早い早い。
しっかし、これだと保たないなな。
祓いの符を取り出す。
さて。やはり右の人指し指を噛む。血がだらだら。
祓いの符にすこし細工。長持ちするように。
イチイチ細かい説明なんてしない。面倒くさいからね。無精者なんだ。

………森が開けた?けど、これは………
密林を抜けたら、そこは不毛な猛毒の沼地でした。
って、シャレにもならない。これは正真正銘の致死量の猛毒。
そしてそこには少女とおぼしき体駆の人物が独り、じょうろ片手に佇んでいる。
「毒霧の君。なんてどうかな?」
不意に声を掛ける。
その人物は驚いた様子で
>「驚いたわ。まさかこんな森の置くまで来る人がいるだなんて。
ごきげんよう。私はベアトリーチェ。」
と仰った。顔をしっかりと隠して。
「いやぁ、疲れたよ。なかなかの楽しい余興をありがとう」
こちらも柔らかく微笑して、そう返す。
「次からはもう少し、見た目にもこだわるべきだと思うよ?
美の専門家の意見ということ」
やっぱり微笑をしながら、でも気を張る。
油断すると食われそうだ。目の前にいるのが兎なのか、虎なのか、龍なのかが解らないから動けない。
「たかが遊びにやりすぎじゃないかな?」
元からペンダントの取り合いになんて興味が無い。楽しければ、それでいい。
今の目的はただ一つ。この事態の原因にもの申すことだけだ。
「私は不快だったな」
今まで崩さなかった微笑を崩して、少女を鬼火で燃やし尽す。
「優しいね。私は」
当たった瞬間に蒸発では痛くも恐くもないだろう。
鬼火とは妖の火。物理は通用しない。本体温度に関わりなく、周りは常に十数℃。
さて、校舎に戻ろうか。頭数もそれなりに減ったろう。

88 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前有り 所持4 投下0】] 投稿日:2008/02/27(水) 01:15:19 O
>71
爆発を紙一重で避けたレイド先生が、あたしの頭に銃を突きつける。
普通でも反応できるかどうかのスピードなのに、足が動かないんじゃどうしようもない!
くっ、悔しいーーーっ!

>「ハッハッハ。残念ながら、俺の勝ちだな。
チェックメイ…。」
勝ち誇ってたはずのレイド先生が、急に慌てて踊り始めた。
なになに?何がどうしたの?

レイド先生はスーツを脱いでバンバン叩いている。
脱いだスーツからは煙が上がって…完璧に魔法を避けきれなかったんだ!
消化に気を取られたレイド先生が取り落とした銃が、あたしの前に落ちた。

>「ど、どなたか俺の銃を知りませんか〜?」
「レイド先生の落とし物なら、あたしが拾ってあげたわよ!」
銃なんて触ったこともないけど、要するに引き金を引けば弾が飛ぶんだよね?
消化を終えたレイド先生に向けて、拾い上げた銃を構える。
「拾ったお礼で銃はもらうけど、中身は返しておくから感謝してよね!」
引き金を引く。引く。ひたすら引く。
当て方は知らないから、質より量で勝負だ!

>81
しばらくレイド先生に撃ち込んでから、エルザの援護をしようとエース先生に銃口を向けた。
エルザはお腹を抱えてうずくまっていた。
ちょ、ちょっと。冗談はやめてよ冗談は…硬化魔法は得意魔法じゃなかったの!?
攻撃は防いでるはずなのに、なんで動かないのよ!

側に駆け寄ってやりたいのに、足が重りでもついてるみたいに動かない。
エルザの傷から血は出てないみたいだけど、あたしの頭の中で誰かが警報を鳴らしてる。
エルザをあのまま放置してたら、なにか大変な事になる!

「降参降参!まいりましたーー!!
他の生徒のペンダントなら渡すから、エルザの様子を見て上げてー!」
あたしはゲームの成績が下がるのも承知の上で、降参を申し出る。
エルザとは今知り合ったばっかりで、今は死んでも復活できる魔法の中でのゲーム中。
バカなことをしてるのかも知れない。
でも、回復魔法をほとんど使えないあたしが、苦しんでるエルザを助けるにはこれしかない。
レイド先生でもエース先生でも誰でも良い!
エルザの傷を治して!

89 名前:キキ ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 02:16:15 O
「……ふ〜…今一でおじゃるな」
人形の残骸が散らばる女子寮の屋上にて一服するキキの姿があった。
その傍らには、ボロボロのキキロックもいる。

運良く自室でスタート出来たキキは、自室〜屋上までのルートを罠だらけにした後、こうして野立をしつつ、周囲の様子を伺っていた。
しかし、世の中そう上手くいくはずもなく、罠を突破してきた生徒や、箒に股がってきた人形部の部長やらと一杯目を味わうまで相当時間を食うことになる。
>「……あ…りえない」
「…おや?仕留めそこなったておじゃるか?」
這いつくばり、満身創痍な状態の人形部部長の方を向き、微笑むと部長は続ける。
>「俺の……俺が丹精こめて作った傑作が…なんで、片手間で作ったような人形に……フベラッ!!!…」
"片手間"という単語に反応してしまったのか、負け惜しみの途中でキキロックに留めをささせてしまった。
「………二流の相手をするのも楽ではないでおじゃるな、いや、片手間で片付けてしまったのなら三流でおじゃるか?」
クスクスと笑いながら、キキは毒々しい色に染まる森を見た。

90 名前:キキ ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 03:01:58 O
「ここまでくると、絶景としか言えぬが………やはり、奴とは趣味が合わぬでおじゃるな」
あのようなテロ紛いのことをするのは、きっと自分と似たような考え方をする人間しか居ないだろう。
そこから、考えるに森をあんな風にしたのはベアトリーチェだと断定して呟く。
きっと、立場が逆ならば、あの森はトラップ地獄とかし、女子寮は毒霧に包まれていただろう。

ぼぅ…と、その様子を眺めていると、懐かしい炎が昇るのを見つける。
「…鬼火?」
オーガ(洋鬼)が鬼火を使うことなどあるのだろうか?
文献を眺めた限り、そんなことは一切記されてはいない。
「………ならば、同郷の者でおじゃろうか?どれ、顔でも拝みにいくかの」
興味が沸いたのか、キキは立ち上がり、近くのゴミ箱に獲得した人形を捨て、その裏に隠していたトランクを出すと火翔を使い、それに乗って現場へと急いだ。
【自前アリ、所持0、投下3】
所持アイテム
常備薬:心拍数を強制的に下げ、身体能力をギリギリまで下げる薬。強靭すぎる心臓の押さえるための物で、ヒューマンにはお勧め出来ない。
(配給)天使の唾:一分間だけ、あらゆる毒を無力化する薬。使用すると負けた気分になる

91 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 自前1所持1投下0] 投稿日:2008/02/27(水) 08:17:12 O
>88>「レイド先生の落とし物なら、あたしが拾ってあげたわよ!」
>「拾ったお礼で銃はもらうけど、中身は返しておくから感謝してよね!」
ま、まずい。この距離で避けるのは至難の技だ。
「ま、待てよミルク。とりあえず落ち着い…」
俺の問いかけも虚しく、ミルクはひたすら引き金を引く。
本来なら素人が撃った弾なんざほとんど当たらない。
当たる筈が無い。
だが、この銃には自動追尾能力がある為、基本的には障壁を使うしか方法が無いのだ。

結局エルザは残っていた2丁の銃の弾を全部撃ちやがった。
全部で28発…こんなに受けたの初めてだ…。
「お、重…。」
当たり前だ、今の俺には560kgの負荷が掛かっている。

そんな俺を尻目にミルクは空っぽの銃をエース先生に向ける。
が、うずくまっているエルザを見て、降参を宣言してくれた。
ナイス、エース先生。
「エース先生、エルザを回復してやってくれ。
俺は回復は苦手だ。
つーか動けん。」
我ながら情けないというかなんというか…。

エース先生が回復を完了したのを見届け、俺は這いつくばったまま目の前のミルクに催促をする。
「さ、それじゃあペンダントを渡すんだ、エース先生に。」
ちくしょうめ…ダサ過ぎるぜ…。

92 名前:エース ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 08:20:21 O
>81間違い無い。
硬化魔法ですね。
それにしても良い反射神経だ。
闘い慣れてるわけでも無いでしょうに…。
まさかあの攻撃を3発目まで避けられるとは思いもしませんでした。
それに、3発目を避ける時に使用した衝撃波…彼女がそんな物を使えるとは驚きです。
彼女、僕にとって非常に厄介な相手だ…。
風の魔法を使えば、衝撃波で簡単に相殺されてしまう。
まさに相性最悪ですね。

僕はお腹を抱え込み、うずくまっているエルザに歩み寄る。
「大丈夫ですか、エルザ?
…大人しくペンダントを渡してくれればこれ以上攻撃はしませんが…どうします?」
お願いですから素直にペンダントを渡して下さい。
これ以上攻撃するのは、僕としてもちょっと…。
実際に死ぬ訳でも傷を負う訳じゃないにしても、痛みは感じてる訳ですし…。

>88>91どうしたものかと悩んでいる僕の耳にエルザの降参宣言とレイド先生の回復命令が聞こえた。
「はい、分かりました。任せて下さい。
エルザ、少々失礼ですが、お腹を見せて下さい。」
少し強引にエルザを仰向けに寝かせ、腹部に右手をかざした。
右手から出た金色の光がエルザの傷を癒す。
「これで大丈夫ですよ。
…手荒な真似をして悪かったね

93 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/02/27(水) 17:07:17 0
>82
マオが河童や天狗がこんなところにいるはずがない、そうもっともらしいことを言って落ち着かせるとやがてヴァンはおとなしくなった。
>「第一に、河童や天狗はジャパニーズYOUKAIだろう。
> そんなのがここに居るわけないじゃないか。おそらく僕たちと同じ参加者。 
> きっと持ってきたか支給された銃かで巨人を倒したんだろう。見てみろ。」
人間と鬼のハーフや人狼、果ては吸血鬼までいる学園ならばぬらりひょん辺りいても実際おかしくないのだがそこの所は気にしてはいけない。
マオの指差す先には森の奥へと進んでいく足跡が残されていた。
河童や天狗、ビッグフットやチュパカブラといった奇妙なものではなく、人が残したと思われる変哲もない足跡だ。
>「僕たち以外にもこの森へと進もうとしている奴がいるってことだ。
> お前は僕と違って男の子だろ。情けないぞ男がこんなことでいちいちビクビクするなんて。」
「あれ…君もしかして女の子?」
彼…いや彼女は一見した限りでは性別がわかりづらいためにいままで男だと勘違いしていたようだ。
衝撃の事実を聞かされたことに湧き上がってきた恐怖心はすっかり忘れ去られたようできょとんとしている。

>「よし、あの足跡をつけてみよう。使い魔のような足跡もあるが。
> おそらく参加者としての数は1人だ。人間の足跡は1人分しかない。
> 対する僕たちは二人、しかも僕はエリートだ。闘うとしても勝てないわけがない。
> そして闘わないなら仲間として歩み寄り利用できるかもしれない。」
彼女はかなりの自信家のようでよくエリートという言葉を使う。
実際のところ実力のほどは戦闘になってからわかるが、この先に行った人物とやらレイドのような悪逆非道の輩だったとしたら?
生徒が教師陣に勝てるなど万に一つの可能性などありはしないのに、逆に利用してやろうという屈託のないのない覇気はなんだ?
強敵である可能性などひとつも考えずにただ目的のために突っ走る姿、もしやヴァンエレンに何かを期待しているということか?
>「さあ、足跡をたどっていけマオスーパーサンダー一号!!」
絶人の域まで達しているネーミングセンスだが、不思議と呼ばわれ心地は悪くなくヴァンの心は晴れやかなものとなった。
「もう何にも怖くないぞ!
 地の果てまでもひとっとびだ!」
いまの心を表すのようにできうる限りの速さで森の奥へと突っ切り、流れる風景が森から湿原に変わっていった。

>84>87
まるで世界が変わったように森の最奥にぽっかりと空いた湿原。
このもやもやした空間には太陽の光は届かないようで、吸血鬼でも安心して行動できた。
行く先々を警戒しながらパカパカと緩やかに進んでいくと、現れるのは森の中で会ったソフィアと燃やされていく何者かだった。
「ありゃ、もしかして終わっちゃってしまったか?」
これでやられてしまうのでは、少々あっけないのではないだろうか?

94 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/02/27(水) 19:00:08 0
>92
> 「大丈夫ですか、エルザ?
> …大人しくペンダントを渡してくれればこれ以上攻撃はしませんが…どうします?」
「…絶対嫌。」

>88
> 「降参降参!まいりましたーー!!
> 他の生徒のペンダントなら渡すから、エルザの様子を見て上げてー!」
> 「はい、分かりました。任せて下さい。
> エルザ、少々失礼ですが、お腹を見せて下さい。」
エースは少し強引にエルザを仰向けに寝かせ、腹部に右手をかざした。
右手から出た金色の光がエルザの傷を癒す…はずだった。

> 「これで大丈夫ですよ。
> …手荒な真似をして悪かったね 。」
「たしかに悪いわ。」
そう言うとエルザはお腹を片手で押さえながら立ち上がり、
もう片方の手でエースを突き飛ばした。

「ミルク!ペンダントを渡す必要は無いわ!」
そう言いながらエルザはミルクの側まで後退した。
「だって私は回復してもらってないんだもの。」
エルザはお腹を押さえていた手をどけて、
傷口をその場にいる皆に見せた。
お腹を一直線に走る傷口からは、水銀のような液体が染み出していた。
出血量(?)が少ないのはハードニングの副次的な効果だ。

当然、皆が疑問に思った質問に対して、
エルザは顔に冷や汗を浮かべたまま答えた。
「…そうね…私は人間じゃないのかもね。」
そう、人間ではない。それどころか、生物ですらない。エルザの正体はキキが作った人形なのだ。
そんなエルザに回復魔法を、それも人間用のそれを施したところで、
回復できるわけが無いのだ。

「それに言っとくけど、私はギブアップもしてなければ悲鳴もあげてないわ。
 …まだ勝負の続きよ。」
エルザはそう言ったものの、その場にまたうずくまった。
心は折れていない、しかし体は悲鳴をあげている。
そんな状態でどうやってエースと戦うというのだろうか?

95 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/27(水) 20:04:23 0
>87
腐海の最深部。毒の湿原の畔でソフィアとベアトリーチェが対峙する。
共に微笑を浮かべたまま。

>「次からはもう少し、見た目にもこだわるべきだと思うよ?美の専門家の意見ということ」
「美醜の基準なんて所詮は主観。万人に受け入れられるものなんてありはしないわ。
だったら見知らぬ誰かの基準より、私自身の基準に殉じたいもの。」

>「たかが遊びにやりすぎじゃないかな?」
「私、争い事とか苦手なんです。だから森の奥でガーデニングをして静かに過ごしてたのだけれど・・・
ちょっと凝り性で行き過ぎたところもあったかな?」

>「私は不快だったな」
「お気に召さなかったのは残念だわ。でも私にとってはここは揺り篭のようよ。」

ベアトリーチェは無防備に微笑んだまま。
ソフィアは微笑を崩し、ベアトリーチェを燃やし尽くした。
鬼火が発生した瞬間、蒸発し、杯の一粒すら残さずに。

>「優しいね。私は」
蒸発し完全に消え去ったベアトリーチェに言葉を残し、去ろうとするソフィアに声がかけられる。
「折角来て下さったのだからお茶にでも招待しようと思ったのだけれど・・・
このイベントの趣旨を考えればあなたは寸分もなく正しいわ・・・。」
声は畔よりもう少し湿原の中に入ったところから。
そこには全くの無傷のベアトリーチェが立っていた。
幻術か、瞬間移動か、変わり身か?
ともあれ、変わらぬドレス、フェイスベールといういでたちで、如雨露を持って佇んでいる。

しかし、違和感もある。
ベアトリーチェは湿原の中に立っているのだ。にも拘らず靴は泥の中に沈んではいない。
浮遊術を使っているわけでなし、ただ足元には微かに波紋が広がっていた。
「あんなに激しい抱擁をされたら・・・貴方の事・・・好きになっちゃうかも・・・
そんな貴方が戦いを望むのであれば非力ながら戦いを提供します。坊や達、お願い。」
にっこり微笑み宣言すると、それを待っていたかのようにベアトリーチェの足元から数匹のミミズが首をもたげる。
そう、ベアトリーチェは湿原の中、巨大ミミズに乗っているのだ。

湿原から生えたミミズたちは粘液を滴らせながら先端部分全体を使った顎を広げ牙を剥く。
シュ〜〜〜・・・といううなり声と共に・・・まだ動かなかった。
代わりに、ソフィアの足元から突如として数匹のミミズが生えてきて襲いかかるのだ。
ソフィアの足元からの奇襲の直後、ベアトリーチェの周囲に控えていたミミズが動き出す。
湿原という地の利を得て恐るべき速度で第二陣がソフィアに迫る!

一方、ベアトリーチェはというと・・・如雨露で水を巻いていた。
勿論この期に及んでガーデニングを楽しんでいるわけではない。

>93
一通り水を巻き終えた後、ようやく馬ヴァンエレンに乗ったマオの姿に気づく。
「あーマオちゃんじゃない!ちょっと今立て込んでいるから湿原の外で待ってて。後でお茶しましょうー。」
本音同時通訳(ゲ!糞女何しに来やがった!腐海の肥料になってりゃいいのによお!とりあえず引っ込んでろカスが!)
畔に出現したマオに湿原の中から笑顔で小さく手を振り、ソフィアに向きかえる。

「私、殺すとか恐ろしい事とてもできないの。
だから、肉が爛れ落ちたら脳ミソを培養槽に入れて愛でてあげる。」
その言葉の意味するところは、ソフィアの袖口が雄弁に物語るだろう。
いつの間にか袖口はボロリと崩れてきている。

先程ベアトリーチェが如雨露で水を巻いたのは、腐食ガスを発生させる為なのだ。
服も、呪具も、障壁も、肉体さえも蝕み腐らせる恐るべきガスを・・・

96 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 23:21:06 O
>>95
「折角来て下さったのだからお茶にでも招待しようと思ったのだけれど・・・
このイベントの趣旨を考えればあなたは寸分もなく正しいわ・・・。」
やっぱり、簡単には終わらない。
唐突な行動には誤解がつきものなのか、私はその辺りの有象無象と同じ様に思われているらしい。
つまりはペンダント狙いだと。
「変な混ぜ物されたらたまらないよ。
それに、私の好みは緑茶なんだ」
にこやかで穏やかな会話はあくまでカモフラージュ。さぁ、どう出る、幻影の君?
だいたい、あからさまに不自然だった。彼女の言葉を借りるなら、彼女自身が、「ゲームにおいて正しい」姿ではなかったから。
あるいは自分の哲学に従っているのか。そうだとしたら、なかなか好感が持てるかも。美的センス以外は。
「あんなに激しい抱擁をされたら・・・貴方の事・・・好きになっちゃうかも・・・
そんな貴方が戦いを望むのであれば非力ながら戦いを提供します。坊や達、お願い。」
「はは、下手な世辞は結構ですよ。毒霧の君?
それに、人を野蛮な者のようにあしざまに言わないでもらいたいですね。
そもそも、ゲーム自体には興味は無いですよ。なんとなく、やり方が気にいらなかっただけで――」
足元のミミズだか、ゴカイだかを焼く。造作もなく、紙かゴミでも燃やすみたいに。
「そういえば、あなたはミミズとゴカイの違いをご存じだろうか?
いや、私は知らないから、教えて貰おうと思って――」
ぐじゃ。視認。右腕は肘から先が無い。見ていて痛々しい。思わずよろける。それくらいに気持が悪い。
巧くギリギリで避けたつもりだったのに。ぬかるみに足をとられたんだろう。
「………あぁ………!!」
今更に強烈な痛み。麻酔でも有れば楽なんだろうけど、このままだと発狂しそうだ。
痛覚はかくも素晴らしく機能している。痛すぎて意識も飛びそうだ。
「私、殺すとか恐ろしい事とてもできないの。
だから、肉が爛れ落ちたら脳ミソを培養槽に入れて愛でてあげる。」
耳には入るが思考は利かない。ただ、痛みから解放されるなら何だって良いや。だからおねがいだからたすけて。

ぷすぷす。今度は一体なんだっていうんだ?
左の袖が痛んでる。つまりは溶けてるということ。
マズイ。痛みでまともに動けない。鬼火や赤鬼青鬼の使いすぎで体力的にもきつい。
負けるなかなぁ………。余計な事に首を突っ込まなきゃなぁ………。
ぶすぶすっ………
何もかもが、どんどん溶けていく。
残った力を振り絞って『飛龍』を切る。大きな飛行型の式神に符やペンダント、そして銃と符に包んだ弾を投げて飛ばす。残ったのは、祓いの符だけ。
遥かに上空。誰にも何にも届かない所まで飛ばす。ミミズの追撃など当たるものか。
………あとはもう、溶けるだけだ。

97 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/27(水) 23:24:31 O
「………はぁっ、はぁっ……」
怖かった。今でも震えが止まらない。
現状、どん。場所はゴミ箱前。あの後、私は順調に溶けたんだろう。当然憶えているハズはない。意識は飛んでた。
もちろん五体満足ですよ?右手をワキワキ。無事に復活ということ。
祓いの符だけが何とか無事で、あとはボロボロ。服なんてボロ布と何が違うのかホントに解らない。
そして周りにはポツポツと生ける屍達。やぁ、久しぶりだね、君達。
目当てのヤツを探し、目星をつけて、彼にづかづかと近付く。
「良い服だね?」
おもむろに髪を掴む。下あごを叩く、叩く、叩く。脳を揺らす。
よろけた所で服を奪う。まずは上着。その下のシャツもだ。
また脳を揺らす。手順はさっきと同じ。
ズボンも脱がす。下着は脱がさない。
下あごをおもいっきり叩いて終わり。何だろう、この鮮やかな手口。泥棒にでも転職しようか?
ささっと着替えて、無事復活。

上空で旋回を続けていた中型の龍を模した式神は突然急降下。
ミミズを巧くかわし、毒霧の範囲ギリギリまで近付く。そして。
ズドンッ!!銃声。
彼女に当たったかな?外れたかな?まぁ、どちらにしろ無傷なんだろうどさ。
やたらと大きい拳銃片手に龍に乗っている私はいかにも楽しげ。だって、楽しい。
符の中には当然、転移系の物も有った。溶けてなくてよかった。だからここに居られるんだから。
しかし、あの毒霧は厄介だ。どうにかしないと。
ゲートで校内の井戸の水を呼び、それを鬼火で包む。当然、蒸発。
けど、蒸気は残る。

そして、龍が舞うと酷い雨風を呼ぶ。そんな何処かの伝承を体現するように、龍の式神は華麗に舞う。
意味も意図もある。龍が通って出来た空白の軌跡。それはまさに魔法陣。
範囲、沼地。
属性、水と風
効果、暴雨と暴風。
蒸気を紙、龍を筆に見立てた範囲指定の魔法陣。
発動。
どしゃー、ごぉぉぉー
もの凄い風と雨。龍が招いた暴風雨。もちろん意図はある。
ほら、霧が晴れた。
龍の軌道をおもいっきり下げて、飛び降り。
着地。
「つかれた。やめにしてお茶でも飲ませてくれると
嬉しいな」
にっこり。正真正銘、敵意の無い笑顔。
「震えが止まらないんだ。カッコ悪いね」

98 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage【自前0 所持1 投下0】] 投稿日:2008/02/27(水) 23:37:59 0
>83 >86
>「言ったろ。俺はお前らに喧嘩を売らない。メラルとリリアーナの密会にも干渉しない」
「いや何でそこで密会になるのよ」
>「…そうしてもらえると助かります
「キーサーラー、あっさり納得しない!!」
ムキーッ!!とリリアーナは一人で腹を立てているが、あいにく誰も聞いちゃいなかった。

短いやり取りの後、キサラ達は立ち去っていった。
「喉。」
リリアーナは前方を凝視したまま、傍らの狐耳少年に小さな包みを押し付ける。
中身はリリアーナ特製の薬草キットだ。
「早く治したいんでしょ?こっちも併用するといいわ。勿体無いから苦くても吐いちゃダメよ」
 とりあえずここにいてもしょうがないし、移動しましょ」
キサカの表情を見て、リリアーナはあら?と小首を傾げた。
「一人より二人のほうがいいさっ♪て歌にもあるでしょ?
 とりあえず、キサカさんの喉が回復するまでは一緒にいたほうがお互いのためだと思わない?」
リリアーナは左手に装着したロックバスターをひらひら振って「ねっ?」とウィンクした。

「終わってしまったことはしょうがないわ。今やれることを精一杯やればいいのよ。
 それにまあ、物は考えようよね。うん。そうよ、ある意味こんな安全な保管場所は無いわ!キサカさんもそう思うでしょ?」
安全リリアーナはうんうん、と一人納得すると、先に立って歩き始めた。
(「安全」ということは、取り返すのも至難の業ということに、気づいているやらいないやら。

>81 >88 >91-92
校舎内に入ると、そう遠くない場所で銃声が響いた。
誰かが戦っているようだ。物が割れる音や、爆発する音、重いものが床に落ちる音が立て続けに上がる。
「あの銃声、キサラのじゃなさそうね?・・・・・ねえ、行ってみましょうよ!上手くすれば漁夫の利よ!」
リリアーナはキサカの襟首を掴むなり、すたこらさっさと走り出した。

99 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【事前1所持4投下0】] 投稿日:2008/02/28(木) 08:11:56 O
>91
>「さ、それじゃあペンダントを渡すんだ、エース先生に。」
「は〜い。わかりました〜」
自分から言っておきながらなんだけど、やっぱり渡すのは惜しいなぁ…
のろのろと手持ちのペンダントを取り出そうとした時、エルザがエース先生を突き飛ばした。

>94
>「ミルク!ペンダントを渡す必要は無いわ!」
>「だって私は回復してもらってないんだもの。」
近くに来たエルザが見せたお腹には、回復したはずの傷がまだ残っていた。
傷口からは真っ赤な血が流れて……ない?
傷口から染み出しているのは、銀色の液体だ。
普通、血はそんな色をしていない。
「エルザ…そ、それって…」

>「…そうね…私は人間じゃないのかもね。」
冷や汗を浮かべて話すエルザの顔は、なんだか寂しそうに見えた。
『私は人間じゃないのかも』
なんて言うからには、自分は人間だと思ってたって事で。
それはかなり衝撃の事実だったはずだ。
でも、エルザの眼から戦意は消えてはいない。

>「それに言っとくけど、私はギブアップもしてなければ悲鳴もあげてないわ。
 …まだ勝負の続きよ。」
痛みが取れないのか、エルザはまたうずくまる。
でも、まだ戦う気力があるって事は、なにか秘策があるんだよね?
これで何にもなかったら……後で怒るわよ!

「レイド先生!
ちょっと破壊活動をしたくなったから、速くそこを離れてね!
ちゃんと注意はしたわよ!」
手の中のペンダントを握り直し、銃弾の影響か動けないレイド先生に警告。
あたしの方は降参してるけど、なんとなく魔法をぶっ放すだけだから問題ないよね。うん。
「全力全壊!メギドラオーン!!」
エルザを巻き込まないよう慎重に範囲を指定した大魔法が、レイド先生のいた辺りをなぎ払う。

>98
爆発の向こう側で、ちらりと金色の髪が動いたような気がした。
あれ?だれか巻き込んだか?

100 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/28(木) 12:20:55 0
外の喧騒が嘘のように、学園長室はゆったりとした時間が流れている。
すわり心地の良さそうなアンティークの椅子の上で、学園長は優雅に午後の紅茶を楽しんでいた。
部屋の中央に置かれた革張りのソファの上には、教頭が仏頂面で腰掛けていた。
教頭の前には白磁のティーカップと、大きな水晶球が置かれていた。
ティーカップからは芳香が立ち上っているが、教頭が手をつけた様子は無い。
「教頭先生、新しい茶葉はお気に召しませなんだかの?」
教頭は水晶球から顔を上げ、初めて紅茶が置かれていたことに気づいたようだ。
短く礼を述べ冷めかけたそれを一息にあおると、再び水晶球に視線を落とす。

「教頭先生、何か気になることでもありましたかな?」
教頭が険しい顔をして頷いた。
「特定の生徒達が死亡と復活を何度も繰り返しています。それも大量に。なのにペンダントのごみ箱への投下率は思いのほか少ない」
学園長は立ち上がりソファまで移動すると、教頭が眺めている水晶球を覗き込んだ。
水晶球の中では寄生被害者達が森の中を徘徊している姿が映し出されていた。
「ほほう、考えましたな」
「学園長ぅぅ!感心している場合ではありませんぞ!
 再戦し勝機を掴むための体力の回復と配給以外のアイテムを温存させる配慮が仇となりました。
 死に至る苦しみと、参加資格であるペンダントとアイテムボックスをその場に残すというリスクが復活のペナルティだったのです。
 本人の意思でならともかく、他者に強制されての復活選択は本来の理念に反するものですぞ。
 このイベントの趣旨は、特定の生徒だけに繰り返し苦痛を強いるというものでは無かったはずです!」
ふむ、と学園長は白い髭を撫でた。
「・・・・・・・では教頭先生、こんな追加ルールはいかがかな?」

>ALL
時計塔から能天気で溌剌な声が響き渡った。
「時計台のガーランドだ。今からリバース参加者に、学園長から追加されたルールを連絡するぜい!
 復活の際の魔力と体力の回復量、たった今から半分に減らされた!異論は認めねえ!
 今後は死ねば死ぬほど消耗して回復に時間がかかる、せいぜい気をつけろ!以上だ!」

101 名前:森の中にて ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/28(木) 12:30:07 0
>97
ここはベアトリーチェの毒庭園。
嵐を呼び、龍の背から颯爽と飛び降りたソフィアはにっこりした。正真正銘、敵意の無い笑顔だ。
>「つかれた。やめにしてお茶でも飲ませてくれると嬉しいな」
>「震えが止まらないんだ。カッ・・・・・・」

カッコ悪いね、そう口にしたところでソフィアは異変に気づいた。
自分の視界が急速に霞んでいく。
白い霧が全てをかき消していく。
ベアトリーチェも、霧が晴れたはずの湿原も、式神も、自分の手すら全て――――。

――――――――――――

再び視界がはれた時、ソフィアはごみ箱の前にいた。

ソフィアの上空では式神が旋回している。
そしてベアトリーチェの庭園の方角には、相変わらず霧がかかっていた。
嵐の予兆すらない。
そして身体を探ると、祓いの符だけが何とか無事であとはボロボロだった。

さっきまでの出来事が白昼夢だったのか、それとも予知夢だったのだろうか?
それはソフィアにもわからない。
だが今は、集まってきた寄生被害者達をどうにかするのが最優先だろう。

102 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/28(木) 12:58:13 0
>「彼女はメラルって名前なのか。俺はキサカ」
>「言ったろ。俺はお前らに喧嘩を売らない。メラルとリリアーナの密会にも干渉しない」
「そう…。助かるわ、キサカ。」
メラルはリリアーナに視線を移した。

>「で、私はどこに行けばいい?」
「追って連絡するわ。この指輪に…ね。」
メラルが新たに指輪を取り出して…リリアーナに向けて投げた。
そして…リリアーナが最後の質問をした。
>「それと、最後にひとつだけ質問させて」
>「私のこと、好き?」
メラルには、実際の意図は想像がついた。だが…下手な答え方をすると続けざまの質問をされかねない。
よって、答えになっていないようで決定的に誤解している。そう思わせる答えを返す。
飛び立つ準備をしながら。
「リリアーナ、あなたの事は…いい友人だと思っているわ。例え…チョコレートに薬を盛られたとしてもね。
 それと…一つ勘違いしているようだから、はっきりとさせておくわ。
 今回、私はあらゆる意味であなたの敵なのよ。一位の賞品の話という点でもね。」
そして…有無を言わさず飛んでいってしまった。ただし…
キサラの事も考慮して、高度は割と落とし気味である。

=============================================================================
>「とりあえず…3つ聞きたいんですけど…
  …まず1つ
  …何で皆チョコの話で盛り上がってるんですか…?
  リリアーナさんもさっき何か…メラルさんから、ホンメイ…とか言ってましたけど…
  正直何の話かわからなくて…その…」
「売り上げの不振に悩んだ、チョコレートに力を入れている洋菓子の老舗の一部が、
 女性が好きな男性にチョコレートをあげるバレンタインって日を普及させようとして…
 まぁ、紆余曲折あって本当に好きな人にあげる、手作りの本命チョコや…
 ただ世話になっている人や同僚、クラスメイトとかにあげる義理チョコ、
 挙句の果てには女友達に渡す友チョコなんて物まで派生してきてね。
 リリアーナが言っていたのはそれの事。きっと、あなたを動揺させようとしたのね。
 最も、私は…礼儀で知り合いに義理チョコを配る事はあっても、
 それ以上をすることはないと思うわ。」
質問に答えながら、メラルは魔本-リバース-で手に入れた箱を指輪から取り出し、
箱を空けてその中身を覗こうとして…赤いグローブに顔面を殴られた。
中にバネとグローブが仕掛けられたびっくり箱だったようだ。
それにより崩したバランスを即座に立て直して、箱を放り捨てて溜息をつく。
「…こんな古典的ないたずら、誰が考えたのかしら?…引っかかる私も私だけど。」

>「あと…最後にリリアーナさんが…
  その…『私のこと、好き?』って言ってましたけど…」
>「そっ…その……変な意味じゃないですよね?
  …ついでに僕ってメラルさんからの印象…悪くないですか…」
「変な意味よ。…さっき話に出たバレンタインで、リリアーナが
 妙な惚れ薬入りの義理チョコをばら撒いてね。どうせアル辺りが
 ドサクサに紛れて混入したんでしょうけど…それを私まで
 食べちゃったか確認したかった…そういう事ね。
 多分。…どうしたの?」
途中まで質問に淡々と答えていたが、ついでに…から先は聞き取れなかった。
その後も顔を真っ赤にして何かを言おうとしていたことから考えて…深く追求しないほうがよさそうだ。
そう判断してメラルは追及は諦めたようだ。

途中…男子量上空に強い魔力を検知した。
それは、酷く懐かしい…忘れる訳もない魔力。
(…まさか…ね。…私もどうかしてるわ。)
しかし、この魔本の中にいるわけがない。
そう判断し、願望と現実の錯誤を起こしたと断じて、
もう片方の気になる事のみを考慮に入れることにした。
(森の魔力…少し変だったわね。…似たような事を考えるのが居たのかしら?)

103 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/02/28(木) 13:01:37 0
そして、本題に入る。
>「…目的…っていってましたよね
  …何だか…攻め急いでるように見えるんですけど…何か…あったんですか?」
「…攻め急いでいるのにはたいした理由はないわ。ただ、獲物が減る前に狩らないと、
 相応の成績は望めないってだけの事よ。それと…私の今回の…一番の目的はね。
 訓練や試験なんかじゃ絶対に実力を出せないけど本気の殺し合いでなら
 実力を出せる人の…本気とぶつかる事。私の全力を以ってね。…と言っても…
 ペンダント集めを怠る気はないわ。だから…そっちにも秘策は用意してあるの。」
実は…メラルは一つ誤魔化している事がある。そう、目的に関してだ。
目的は…あくまでカドゥケウスを限界まで使うリリアーナとの戦闘、
という意味で嘘ではないのだが…むしろ、自分の"力"を限界まで
ぶつけられる相手を求めてという事なのだ。
そして、その対象がリリアーナに向いた理由は、ヘレン騒動の折にあった
リリアーナとメラルの相対。その際に見せたリリアーナの攻撃態勢を見て
その潜在能力に期待して、の事なのだ。そしてメラルがあらゆる意味で敵である事を強調し、
ペンダントを狙い…そして夜遅く呼び出す理由も、人目につかずに決闘するため。
それこそ…リリアーナにとってはとんだ災難としか言いようがない状況だろう。


そこまで話してから…メラルが女子寮の屋上に着地して言った。
因みに、運がいいのか悪いのか、キキとは遭遇しなかったようである。
「キサラ。…ここからが本番よ。…これから…ここを丸ごと要塞に仕立て上げる…。」
自らに有利な戦場を作り出すという発想は…キキとベアトリーチェだけの物ではなかった。
しかし、決定的に違う部分もある。それは…メラルは最初から女子寮の要塞化しか考えていなかった。
逆に言えば、女子寮を要塞化することを前提に事前に作戦を練っていたという事である。


104 名前:エース ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/02/28(木) 15:08:02 O
>94>「たしかに悪いわ。」
おっとっと。
突然突き飛ばされた僕はバランスを崩す。
>「ミルク!ペンダントを渡す必要は無いわ!」
>「だって私は回復してもらってないんだもの。」
彼女の傷口からは水銀のような液体が染み出ていた。
>「そうね…私は人間じゃないのかもね。」
作り物の体…という事ですか…。
一体誰が…。
生身の人間じゃない限り、僕の回復魔法が通じる筈が無いですよね。
エルザの方はまだまだギブアップするつもりも無いようですし…。
体は悲鳴をあげているのに、心は折れていないってわけですねぇ…。
とても一般の生徒とは思えない精神力です。

それに触発されてか、ミルクまでやる気を出してしまいましたか…。
レイド先生ちょっとピンチみたいですが、あの人なら自力で何とかするでしょう。
死んだとしても、すぐに復活出来ますしね。

>100時計台のガーランドから連絡が入る。
復活する際の魔力と体力が半減になったようだ…。
………とりあえず僕はエルザを何とかしないと…。
レイド先生、自力で頑張って下さいね。
「エルザ、君がこれ以上続けるというのなら僕も容赦する気はありません。
……ギブアップ、してくれますか?」

105 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/02/28(木) 15:11:42 O
>99>「は〜い。わかりました〜」
素直でよろしい。

>94>「ミルク!ペンダントを渡す必要は無いわ!」
>「だって私は回復してもらってないんだもの。」
エルザは皆に傷口を見せつける。
…ちっ…面倒な事になった。

>「それに言っとくけど、私はギブアップもしてなければ悲鳴もあげてないわ。
 …まだ勝負の続きよ。」
勝負の続きっつったって、うずくまってんじゃねぇか。
そんな状態で俺達に勝てると思ってんのか?
だったらそれは大きな間違いだ。
さ、ミルクからも何とか言ってや…
>「レイド先生!
ちょっと破壊活動をしたくなったから、早くそこを離れてね!
注意はしたわよ!」
おいおい…何でいきなり破壊衝動が湧いてくるんだよ…。
つーか動けないんだって…
>「全力全壊!メギドラオーン!!」
勿体無いなんて言ってらんねぇ、身体強化魔法を使うか…。

「あっ…ぶねぇ。」
あ、前髪焦げてる。
強化魔法を使えばあの体制からでも楽に避けられるんだけど…。
負荷がちょっとキツすぎる。
バックステップでなんとか避けれたけど、体が上手く動かない。
「もう諦めろって。二人揃ってそんな状態じゃ、俺達には万が一にも勝ち目は無ぇよ。
ミルクだってあと20分以上は負荷消えないぞ?」

106 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/28(木) 16:30:00 O
>>97
よしっ、イメージはばっちりだ。
あとは実行に移せば………。と周りを見るものの、体格が一致する方が居ない。そんな現状。
服はボロボロ、私はクタクタ。さてどうしようか?
一、寮の自室へ戻る。
二、森を体格が合う方を探して這ずりまわる。
三、このまま進撃。
二は非効率的だし、三はこの菌類一杯の森だとアレルギーを起こしそうだ。
帰ってもいいよね?

突然、カチン。何かが切れて、別の何かが繋がる。
飛龍を呼び寄せ、自分の寝床に先に送る。
俺は歩きで帰ることにしよう。文明の力に頼ってばかりだと色々と鈍る。
ワラワラと集まる屍をいかにも邪魔くさいと睨み、悠々と歩き出す。
そう、たかが遊びにムキになることはない。

107 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/02/28(木) 18:46:31 0
>102
空元気のリリアーナは廊下を足早に歩いていた。
知らず手の中の指輪をぐっと握り締める。先ほどメラルから連絡用に渡された物だった。
指輪は金属特有の冷たさで自己主張し、否が応でも先ほどのやり取りを思い出させる。

>「リリアーナ、あなたの事は…いい友人だと思っているわ。例え…チョコレートに薬を盛られたとしてもね。
> 今回、私はあらゆる意味であなたの敵なのよ。一位の賞品の話という点でもね。」
(あれは・・・・・・どう見ても怒ってたわよね・・・・・・)
メラルは警戒心が強くプライドも高い。
マリアベルの一件以来少しづつ心を開いてくれたようだが、今回の一件でリリアーナの信用は地に落ちてしまった。
少なくともリリアーナはそう感じていた。
「どうしよう、メラルさんに完全に嫌われちゃったよ〜!!きっともう許してくれないんだわ!!
 ああもう、私のバカバカバカ!大事なチョコ作りを人に手伝ってもらったりするからこんなことに!!」
心の中で考えているつもりが、思いっきり口に出していることにすら気づいていないようだ。
リリアーナは指輪を握った手で、ぽかぽか自分の頭を叩いた。

しょんぼりと項垂れたリリアーナの歩調が緩んだ。キサカの襟首を掴んでいた手がようやく外れる。
「ねえキサカさん、ひとつ聞いてもいいかな?
 この間のバレンタインのことだけど、媚薬入りチョコなんか贈られたら腹が立つわよね?
 知らずに贈ったとはいえ、やっぱりチョコのこと、キサカさんも怒ってる?」


>94 >99
>「それに言っとくけど、私はギブアップもしてなければ悲鳴もあげてないわ。
> …まだ勝負の続きよ。」

リリアーナは息を呑んだ。この声の主が誰か、リリアーナは知っていた。
聞き覚えのある、だがここでは決して聞くはずのない少女の声。
「―――― エルザ?・・・・・・まさか。なんでここに?!」
廊下の向こうには強大な気配が二つと、生徒らしき気配が二つ。
しかも聞こえてくるエルザの声はかなり苦しそうだ。怪我をしているのか、それとも苦戦しているのか?
少なくとも、生徒二人のうち片方はロックの気配だと確信したリリアーナは、思わず駆け出していた。
「ごめんキサカさん、先行ってる!!」
リリアーナは猛スピードで駆け出した。トラップのことなどすっかり眼中に無いようだ。

「エルザにロック!大丈夫なのっ?!」
リリアーナが廊下の角を曲がり、レイド達の後方に飛び出したその時!!
>「全力全壊!メギドラオーン!!」
「!! キャ――――!!!!!」
>エルザを巻き込まないよう慎重に範囲を指定した大魔法が、レイド先生のいた辺りをなぎ払った。
ロックバスターを床に向けたリリアーナの姿は閃光にかき消された。

爆風が消えた時、リリアーナの姿はどこにも無かった。
そして床には50センチほどの穴と、不気味なくらい無傷な幻灯機が転がっているだけだった。


108 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/02/28(木) 19:42:03 0
>104>105
> 「エルザ、君がこれ以上続けるというのなら僕も容赦する気はありません。
> ……ギブアップ、してくれますか?」
> 「もう諦めろって。二人揃ってそんな状態じゃ、俺達には万が一にも勝ち目は無ぇよ。
> ミルクだってあと20分以上は負荷消えないぞ?」
「………」
エルザはうずくまったまま何も言わなかった。
もう、無駄にしゃべる余裕もないのだ。
「…!?ロック、そこにいるの!?」
エルザは急に何も無いところへ顔を向けた。
そこにロックなどいるはずがない。それは自分が一番よくわかっている。
しかし、自分の頭の中に響いてくるのだ。そう、ロックの声が。

『まさかこれで終わりってわけじゃないだろう、エルザ?
 まだ勝負がついてないと言うわりには、もうへたばってしまっているじゃないか。
 それとも何か?エルザ・フォン・ブラハントのリリアーナに対する愛はこの程度なのか?』
「馬鹿にしないでよ、ロック。」
エルザは左手でお腹を押さえながら立ち上がろうとした。
まわりで誰かが何かを言っているようだが、今のエルザには聞こえない。
ロックの声だけが頭にガンガン響く。
『そうだ、立ち上がれ!ベッドから這い出す、いつものやり方で!』

「愛は…死なない!」
エルザは立ち上がった。お腹に力を入れたためか、さっきよりも多く水銀の血液が流れ出る。
『ヘクト・プレッシャーだ。お前の気持ちの全てを、圧力波にゆだねろ!』
エルザは圧力波を出す構えをとり始めた。レイドはこの構えをよく知っているだろう。
3等過程の卒業試験で、ロックがレイドに向けて放とうとしたのだから。
ただし、エルザは左手でお腹を押さえているため、両手ではなく右手で放つ構えをしている。
「ヘクト・プレッシャー!!」
エルザはエースとレイドに向けて右掌を突き出し、そこから圧力波を放った。

もし、今圧力波を放っているエルザを見た者がいれば驚くに違いない。
なぜなら、突如エルザの側に現れた半透明のロックが(それも容姿が変わる前のロックが)、
まるでエルザに力を貸すかのように、一緒に両掌を突き出しているのだから。
半透明なロックは、エルザだけでなく皆に聞こえる声で叫んだ。
>「今だエルザ!お前の力を爆発させろ!!」
「…っ、だあああああっ!!」
エルザは圧力波を放ちながら、その上に衝撃波も重ねて発射した。
直撃すればエースもレイドも吹き飛ばされてしまうだろう。

109 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/02/28(木) 21:12:44 0
>>93
>「もう何にも怖くないぞ!
 地の果てまでもひとっとびだ!」
全てが吹っ切れたように風を切って走りだすサンダー一号
「よしその意気だ。やればできるじゃないか!」
景色はやがて変わっていき毒々しい森林から湿地に変わっていき、
だだっ広い湿原が現れる。どうやらあの毒オタク女の本拠地でビンゴのようだ。

なにやら戦いが行われてるらしく男子が誰かを燃やしているのが見える。
>「ありゃ、もしかして終わっちゃってしまったか?」
あっけない幕切れのせいか気が抜けたように僕のサンダー一号がつぶやく。
「いや、あの女はそんなに簡単にやられるような奴ではないだろう。」
そう、これを引き起こしている奴がベアトリーチェならこんなことで終わるわけもないはずだ。
そして、僕の予想通りベアトリーチェは無傷で湿原の中に居た。
幻術か何かはちょっとここでは判断のしようがない…
まあとにかく僕の予見したとおりベアトリーチェはやられてなかったということだ。

「サンダー一号、この後僕達があの女と戦うとするのならば骨が折れるぞ。
 その姿じゃ戦いにくいだろう。いつでも戻れる準備をしておけ。
 まあ…僕1人でもやれないことはないが、お前が居てくれたほうが心強い。
 それに女1人に戦いを任せるなんて男として最低だぞ。もちろんサンダー一号はそんな最低な男じゃない…そうだろ?」
そう僕の愛馬マオスーパーサンダー一号に小声で話す。
もちろん“男として最低”の件はサンダー一号を戦いへと引き込むための言葉だ。
よっぽどの腰抜けではない限り男ならああまで言われて戦えないなどはいえないだろう。

>>93>>96
サンダー一号を奮立たせようとしているとベアトリーチェが
僕達のことに気付いたようで笑顔で手を振ってくる。
>「あーマオちゃんじゃない!ちょっと今立て込んでいるから湿原の外で待ってて。後でお茶しましょうー。」
「フッ、分かったよベアトリーチェ君。どうやら僕の出番はまだのようだ。決着がつくまで大人しく待っているとしよう。」
僕は黙ってあの女のいうとおり待つことにした。あの女が猫を被っていることはもちろん承知だ。
だが見た限りはあの男子が劣勢で、腕を一本既に失くしている。
そして何よりもここはあの毒オタク女のテリトリー。こうなったらあの男子は勝てる見込みはない…
そして勝てない奴につくことほど莫迦なことはない。つまりここは黙ってあの女のご機嫌取りしていた方がマシということだ。
それに僕は優勝するために来ている。
あの女を倒せなくても溜め込んでいるはずのペンダントをもらえたらそれでいいんだ。

男子にミミズの相手をさしている間、ベアトリーチェが水をまく。
どういった効果があるのかという疑問はすぐに解決した。
「腐食…?」
そう、溶けている…男子の体は間違いなく蝕まれている。
しかし…あいかわらず残虐な手を使うものだ。
男子は何か空に召喚し荷物を全て託す…要するに既に負けを認めたというわけか…
男子はそのまま腐食ガスに飲み込まれ塵へと消えていった。

戦いはあっけないほど早く終わりベアトリーチェがこっちを向く。
だが僕はベアトリーチェには攻撃しない。今攻撃してもあの腐食ガスを何とかする術はちょっと考えにくい。
浄化のタリスマンも酷使するし最悪壊れちゃって終わりかもしれないからな。
「どうやら終わったみたいだね。じゃあベアトリーチェ君…ええっと、
 悪いんだけどその腐食させるガスを何とかするか君がこっちに来てくれないか。
 ほら、じゃないと溶けちゃってお茶どころじゃなくなっちゃうんだ。」
僕はベアトリーチェに微笑みかけ言葉で牽制する。
そして小声でサンダー一号に話しかける。
「いいかサンダー一号。チャンスを待て。あの女の出方を見るんだ。
 さっきの男みたいに溶かされてやられるなんて僕は絶対に嫌だからな。」

あの女の対応しだいで僕達の動きは変わってくる。
さあ…どう出るんだ毒オタク女!


110 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持2] 投稿日:2008/02/28(木) 21:34:18 0
 押し付けられた薬品で喉の処置を済ませ、キサカはリリアーナの後を歩いている。
 メラル達にペンダントが渡った事について、彼女は何も言ってこない。
《終わってしまったことはしょうがないわ。今やれることを精一杯やればいいのよ。
 うん。そうよ、ある意味こんな安全な保管場所は無いわ!キサカさんもそう思うでしょ?》
 ……まあ、そうだけどさ。
 それを承知で渡したのだが、どうにも後ろめたい。
 責められないだけ有り難く思うべきだな、と逆に考え、歩調を合わせる。
 通路を進んでいると、素人臭い銃声が連続して聞こえた。連射というよりは適当に撃っている感じだ。
 いきなり襟首を掴まれ、
「あの銃声、キサラのじゃなさそうね?……ねえ、行ってみましょうよ!上手くすれば漁夫の利よ!」
 ……だったら気付かれないようもっと静かに、
「ってちょっと待った首! 首絞まってる!」

 変に手を空振りながら通路を進むと、急にリリアーナの歩調が乱れて襟の手が緩む。
「ねえキサカさん、ひとつ聞いてもいいかな?
 この間のバレンタインのことだけど、媚薬入りチョコなんか贈られたら腹が立つわよね?
 知らずに贈ったとはいえ、やっぱりチョコのこと、キサカさんも怒ってる?」
「……ああ、アレか。俺は別に」
 食ってないし。
 留守中にカード付きで届けられたらしい、と友人から渡されたときは驚いた。
 折角頂いたのに悪いが、甘過ぎる物は嫌いだから、とその友人に進呈すると、
 食べた途端に頭をバリバリ引っ掻きながら「馴染む! 実に馴染むぞ!」とか言って走り去ったのは記憶に新しい。
 惚れ薬とは別のベクトルに向かってる気がするが、他人事なので止めはしない。
「贈られてきたのは意外だったけどさ、結構有効に使わせてもらったし。貰う側が言うのもなんだけど、怒ってないよ」

 数分と進まない内に、現場らしい曲がり角にぶつかった。
 聞き耳を立てようと角に近付いた途端、リリアーナが突然顔色を変え、
「ごめんキサカさん、先行ってる!!」
「待て待て待て! 漁夫の利狙うんじゃ……」
 駆け出したリリアーナの肩を一拍遅れて掴もうとして、手を空振り、
「全力全壊!メギドラオーン!!」
 掛け声と光と音に押し切られた。

 爆圧の瞬間に、キサカはリリアーナを捉え切れずに壁の陰へ逃げ込んだ。
 余波で耳鳴りが起き、壁にもたれた状態でそのまま頭を抱え込む。
 逃げた。
 ……逃げ出した。
 礫音が続く。
 あー、と頭を振り、壁際から通路を覗き込むと、
 運もタイミングも悪かったらしく、今まさに攻撃が飛んでくるところだった。
 二人の教師の奥に黒髪と紫髪、二人の女子が見える。
「ヘクト・プレッシャー!!」
 キサカはその一瞬、こちらに手を向けた少女の傍に誰かを見る。
 何処かで、と思ったと同時に、それを思い出す間もなく、
「…っ、だあああああっ!!」
 咆声と破力が来た。

111 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/28(木) 22:06:31 0
>96
爛れて溶けていくソフィアに近づくベアトリーチェ。
言葉通り、殺さず回収しようとしていたのだ。
が、ソフィアは消えてしまった。
腐食ガスに晒されながら式神に荷物を託したところを見ると復活を選んだのだ。
「・・・ふられちゃったかしら・・・残念。いい男だったのに・・・。」
ペロリと指を舐め、湿原の畔まで移動。
懐から小瓶を出しながらマオに近寄っていく。

>109
>「どうやら終わったみたいだね。じゃあベアトリーチェ君…ええっと、
> 悪いんだけどその腐食させるガスを何とかするか君がこっちに来てくれないか。
> ほら、じゃないと溶けちゃってお茶どころじゃなくなっちゃうんだ。」
「やだわー、いつもの傲慢で高飛車なマオちゃんらしくなくなくない?
大丈夫よ、腐食ガスはすぐに霧散しちゃうから。毒はこの抗体を飲んでね。」
ベアトリーチェの持つ小瓶には二つの錠剤が入っていた。
湿原から森に入り、声をかけようとした直後、ベアトリーチェが溶け出した。
小瓶を持って差し出された腕が腐って落ち、身体も形をなくして馬ヴァンエレンにしだれかかるように溶けてしまう。

「うーん、やっぱり無理だったか〜。」
溶けたベアトリーチェの後ろから私が呟きながら登場。
そう、溶けたのも私で、後ろにいるのも私。
ちなみに鬼火で燃やし尽くされ蒸発したのも私。
タネは簡単。
バイオテクノロジーの一つ、クローン技術。
錬金術のホムンクルスと違うのは、『元』つまりオリジナルがいること。
庭園に何組か来ることを想定して大慌てで私のクローンを二体作ったけれど、やっぱり急ごしらえ。
湿原の毒濃度がなければ体組織を維持できないデキソコナイだった。
とはいえ、湿原にいる限り私と同じだから、クローンを出さなければ私が一瞬で蒸発していたのは変わりない。
感染者という堀と腐海というフィールド、そして私の命一回分消費してようやく撃退とは・・・本気で好きになりそうだ。
でもまだ早い。
この二日間をフルに使ってやらなければならない事があるのだから。

だからこそ、マオがここに来たのはよかった。
「驚かせちゃってごめんね。はい、抗体。これを飲めば腐海の毒は平気になるわ。
お馬さんの分もね。」
本音同時通訳(まだいたのかよ。さっさと飲め。手間かけさせるんじゃねえよ。)
改めてマオに小瓶を渡し、にっこりと微笑む。
「判ってるわよ。一等課程到達最右翼のマオちゃんだもの。私のペンダント一つの為にこんな森の奥まで来る非効率な事はしないって。
ちゃんとお話があるのよね。私からもいいお話があるの。お互いの利害は一致すると思うわ。
詳しくは庭園でお茶しながらお話しましょう?」
本音同時通訳(どうせ腐海で溜め込んだペンダントが目当てで来たんだろうがよ。
それに付け込んでいいように利用してやっから、調子こいてついてきやがれ。)
そういいながら湿原中央にある庭園に誘う。
湿原にはいつの間にか橋ができていた。
勿論、湿原に潜む蠱毒ミミズが列を成して形作った橋である。

112 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/28(木) 22:06:43 0
#####################################

湿原を渡り、庭園につくと、ゴーストアルナワーズが物言わず佇んでいる。
「オプジェみたいな物だから気にしないで。」そうマオに伝え、お茶を出す。
勿論渡し特性、色は耽美な蛍光色。フローラルな刺激臭あり。
つまみは残念。手作りの手間が惜しいので食堂で買ってきた缶詰。
「色気なくてごめんねえ。
ガーデニングしていたら、ペンダント争奪に興味がないって言う人が結構来て、それを預かっているの。
数えていないから正確にはわからないけど、それなりの数ね。
私も争奪戦なんて興味ないし・・・やっぱり優勝にふさわしい人にあげちゃうのが一番かな、って。」
嘘、大げさ、口からでまかせ。
でも、腐海を突っ切ってきたのだから感染者の数からペンダントの数も推測しているだろう。
多分これを手に入れれば一位は不動の物になるくらいあるだろうから。
争奪戦に興味がないのは本当だけどね。

「それで思うんだけれど、やっぱり優勝はマオちゃんがふさわしいと思うの。
だからペンダント全部あげたいのだけれど・・・ふと気づいちゃったの。」
餌をぶら下げたところで一端中断。
勿体つけるようにグラスを傾けて一息。
「マオちゃんほどの人が私なんかに施されて優勝なんてプライドが許さないんじゃないかって。
だから、お願いを聞いてもらって報酬として渡せばマオちゃんの輝かしい経歴に傷がつくこともないでしょう?
まあ形式的な事だけど、こういうのって大事だと思うの。」
ぶら下げられた餌は見せるだけで食わせはしない。
その方が相手が必死になるから。

ここからが本題。
幻灯機からはメラルとリリアーナの顔が映し出されている。
「この二人、今夜なんだか悪巧みをしてペンダントを独占しようとしているらしいの。
だから、マオちゃんにこの子達をやっつけてもらいたいなって。
あ・・・そういえばこっちの子、メラルだっけ。
最近見ないけれどちょっと前まで学術・戦闘両面でマオちゃんと争っていた子じゃなかったっけ?
あ〜〜・・・だとすると・・・いくらマオちゃんでも無理・・・かな?」

エリートのプライドを持ち上げてくすぐってやる。
断るならここでバイバイ。
でも目の前にぶら下げられた【優勝】を前にできるか?

113 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/02/28(木) 23:35:52 0
>95>96
ベアトリーチェとソフィアの押し問答は敵同士とは思えぬほど緩やかなものであった。
>「あんなに激しい抱擁をされたら・・・貴方の事・・・好きになっちゃうかも・・・
>そんな貴方が戦いを望むのであれば非力ながら戦いを提供します。坊や達、お願い。」
その言葉が合図となってベアトリーチェの足元の泥が大きな山となるが、泥が次々に落ちていき隠れた山の正体が次第にあらわになる。
それは龍族を思わせる巨大なミミズであった。
ぬめりとした表面をベアトリーチェは足場として、皆を上から見下ろしている。
これから起こることが予想されるショーを見るには絶好の観客席といったところだろう。
むき出しにした牙はミミズというよりはもはや化け物と表現するほうが的確で、ソフィアやマオを殺すには十分くらいに鋭かった。
そしていよいよ獲物に食らいつこうとソフィアに迫る。
その様は凶暴という本姓をあらわすかのようにすさまじいものだった。
襲われているソフィアの足元を見てみると、そこに出現しているのもまたもやミミズ。
>「そういえば、あなたはミミズとゴカイの違いをご存じだろうか?
>いや、私は知らないから、教えて貰おうと思って――」
こんなときになにを暢気なことを言っているんだろうと疑問を持つが、足元のミミズは焼き殺していた辺りぬかりはないようだ。
ソフィアの危機だがマオは助けようとする意思はないらしくじっと成り行きを見守っている。

>「サンダー一号、この後僕達があの女と戦うとするのならば骨が折れるぞ。
> その姿じゃ戦いにくいだろう。いつでも戻れる準備をしておけ。
> まあ…僕1人でもやれないことはないが、お前が居てくれたほうが心強い。
> それに女1人に戦いを任せるなんて男として最低だぞ。もちろんサンダー一号はそんな最低な男じゃない…そうだろ?」
「無論である!
 ここで戦わずおめおめと逃げては恥さらしもいいところである!」

如雨露に入った水が湿地帯に撒かれると、湿原の地面がまるでマグマのように沸き立つと不自然なガスが発生し始めた。
ガスはたちまち範囲を広げてソフィアを溶かすと、いよいよヴァンエレンとマオに迫ろうかという距離にまで迫ってきた。
「やばいよこれ…。
 やばいよこれ!」

114 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/02/28(木) 23:36:30 0
>109>111
>「やだわー、いつもの傲慢で高飛車なマオちゃんらしくなくなくない?
>大丈夫よ、腐食ガスはすぐに霧散しちゃうから。毒はこの抗体を飲んでね。」
ベアトリーチェはなにやら小瓶を手にして、こちらに襲い掛かる様子もなしに歩み寄ってくる。
二人となにか交渉しようというのか?

>「いいかサンダー一号。チャンスを待て。あの女の出方を見るんだ。
> さっきの男みたいに溶かされてやられるなんて僕は絶対に嫌だからな。」
「ここはあいつのテリトリーだし、どうしたものかなぁ…」
あの腐食ガスの対策を練らなければこちらがあの溶けていったソフィアの二の舞になってしまう。
何もでてこずに「ぐぅむ」とひとつ唸りをあげた所でベアトリーチェに異変が起こった。
腕が曲がってはいけない方向へ曲がって、そのまま地面に落ちてしまったのだ。
腐食ガスは使っている本人にも害を及ぼして、腐らせてしまうという欠点があったようだ。
もちろん腐ったのは腕だけではなく全身にまで及んでいて、そのままどろりと崩れていった。
>「うーん、やっぱり無理だったか〜。」
死体の後ろに佇んでいたのは…いま崩れたはずのベアトリーチェであった。
「し、死んだはずじゃあ?!」

>112
クソ苦い錠剤を飲んでからベアトリーチェに誘われるままに湿原中央へ。
「おほっ。
 いいセンスの庭園だ」
優雅に咲く花や石柱などは確かに見るものを感動させるものがあるかもしれないが、ここ全体が全部毒を含んでいるなど知る由もない。
周りを興味深そうに見回しているとアルナワーズの幽体を発見する。
騒動の影にこの人物ありと思わず苦笑いを浮かべてしまうがとりあえずヴァン手を振った。

ベアトリーチェが二人を庭園に誘ったのは協力を促すためだったようだ。
幻燈機に映し出された見慣れたメラルとリリアーナの二人、こやつらを始末すればその報酬としてマオはペンダントを全部譲ってもらえるそうな…。
ベアトリーチェの話が一区切りついたところで、ヴァンエレンは変身を解いて後ろを見せると出口へ向かい始めた。
「私は降りるぞ。
 自分にとって利のない戦などやる必要はない。
 たとえ同じ条件を持ってきても同じこと…やり方が気に食わん」
外へ出ると本を片手に魔法を詠唱してからマントより出現させた使い魔と共に大空へ飛翔していった。

115 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/28(木) 23:50:04 O
「…………」
ごろん、ごろん。
ここは自室。私は服を着替えたものの、動く気になれずに布団でごろごろ。
そう言えば、一つ面白い話を聞いた。復活にはペナルティーが科されるそうだ。
それが尻込みしてる最大の理由の一つでもあるのだけれど。
今まで結構大胆に、かつハデに動いてきた。ひとえに『復活できる』というのがあったから。
だから………

『ビビってないで、今すぐに飛び出していけよ?』
うるさい、外皮。出てくるな。
彼はまるで私の写し身。穏やかさの中に、孤独を秘めた笑みをたたえている。
『勝てないからって八つ当たりか?醜悪だな。
名門貴族の名前が泣くぜ?』
好きに言え。だいたいさ、地の利も、土地勘も、数も、知恵も!!
………どれ一つ勝ってる要素が無いのに何で勝てるんだ?
『知らないよ。それは千尋が考える事だ』
簡単に言うな。面倒くさいんだから。
『ふーん。まさか、人嫌いにでもなったか?』
あぁ、かもね。誰かと関わってままならなくなるなら、関わりたくない。
『はん!貴族さまは身勝手に生きていけるもんだ』
そうでもないさ。いつの、どの階級の人だってままならない事は多い。
偽りの外皮、ソフィア・ベルには判らないかな?
『ああ、解らないね』
………
『そんな事より、さっさと動けよ?うざったい
そりゃ、あんだけ練ったイメージが何一つ役に立たなかったのに同情するけどさ』
別にそこは。予定なんて狂って当たり前みたいなものだし。
『そうかい?それ聞いて安心したよ。
でも、なら行けよ。きっとリターンマッチを待ってるぜ?』
そんな訳ないだろ?雑魚に用は無いさ。
『めんどくさいヤツだな。一体どうすりゃいいんだよ?
貴族の誇りでも賭けて闘うか?』
力なく、フラリとよろける様に立ち上がる。
「そんな事が出来るはずはないだろう?
さぁ、消えろ。ここからは本当の私がやる」
とりあえず、校舎方面へ向かうことにする。
森には近付きたくはないけど、ここは主戦場じゃないから。

116 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/02/29(金) 00:10:43 0
>「売り上げの不振に悩んだ、チョコレートに力を入れている洋菓子の老舗の一部が〜(以下略
さすがメラルさん、リリアーナさんなら顔を真っ赤にしながらパニックになりそうな質問を顔色一つ変えずに冷静に答える
キサラもそれにへぇ〜と感心するばかりだ
そんな冷静なメラルさんだった…が
箱を開けた瞬間赤いグローブが顔面にクリーンヒット
>「…こんな古典的ないたずら、誰が考えたのかしら?…引っかかる私も私だけど。」
さすがのキサラも必死に笑いをこらえている
メラルさんに睨まれて思わず目線をそらしたが

>「変な意味よ。
「へ…変な意味…って…
 アルワナーズさんが言ってたような…そんな…破廉恥な…!」
全然人の話後半を聞いていないキサラくん
アルワナーズがどんな知識を吹き込んだのかはご想像にお任せします

>「…攻め急いでいるのにはたいした理由はないわ。ただ、獲物が減る前に狩らないと、
 相応の成績は望めないってだけの事よ。それと…私の今回の…一番の目的はね。
 訓練や試験なんかじゃ絶対に実力を出せないけど本気の殺し合いでなら
 実力を出せる人の…本気とぶつかる事。私の全力を以ってね。…と言っても…
 ペンダント集めを怠る気はないわ。だから…そっちにも秘策は用意してあるの。」

キサラはしばらく黙って聞いていたが、そのうちくすくすと笑いだした
キサラが女性にこのような表情を見せるのは、案外彼女が初めてなのではないだろうか?
「…いや、別に何がおかしいってわけじゃなくて…
 実は…僕も同じなんですよ…
 最初は…イベントだって言われて参加したんですけど…
 そのうち…強い人と戦いたくなってきて…フリージアさんとか、ロックとか…さっきのキサカみたいな」
そこで一旦言葉を切り、再び続ける
「…そうそう、その中にメラルさんも入ってるんですよ
 ……まぁ、同盟を結んだ以上、今回は無理…かな」

「…メラルさんの目的の相手は…リリアーナさん…ってところですか?やっぱり」
キサラはカドゥケウスのことは知らない
ついでに言うなら、リリアーナは魔法が使えない―――ということすらも知らないのだ
すなわち、これは勘―――というよりは、今回の行動を見て―――の発言だった

>「キサラ。…ここからが本番よ。…これから…ここを丸ごと要塞に仕立て上げる…。」
「…ここ…って
 ……今さらですけど女子寮ですよね
 …競技中とはいえ…僕ここに入っていいんでしょうか…」
メラルに続いて屋上に立ったキサラが不安そうに言う
「で…僕に何かすること…ありますか?」


「…あ…そうだ
 このタイミングで何ですけど…僕も目的というか…ひとつ話しておきます…手遅れになってもいけないので…」
キサラが会話を切り出す
口調は至って真剣だ
「…メラルさん…開会式の時…ロック、見てますか?」

117 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/02/29(金) 06:20:04 O
>105
>「あっ…ぶねぇ。」
爆発の向こうから聞こえる声にあたしは耳を疑った。
エース先生ならともかく、レイド先生にメギドラオンを防がれるなんて!
核熱魔法の余波が収まった後に立っているのは、動けなかったはずのレイド先生。
なんとなく動きはぎこちないけど、ちゃんと動けてるなんて…

>「もう諦めろって。二人揃ってそんな状態じゃ、俺達には万が一にも勝ち目は無ぇよ。
ミルクだってあと20分以上は負荷消えないぞ?」
確かに勝ち目は薄いなんてもんじゃない。
エルザは痛みでうずくまるほどのケガで、あたしの魔法は当たらないか防がれる。
先生の言葉を信用するなら、後20分は足がほとんど動かないおまけ付きだ。
さっきの時計台からの追加ルールはなんだった?
死ねば死ぬほど回復には時間がかかる。
つまりこれからは、死なない戦い方も考えなくちゃいけないんだ。
それはエルザもわかってるはずなのに。彼女はあきらめない。

>「愛は…死なない!」起き上がったエルザの傷口から、銀色のなにかが流れ出る。
その量はさっきより多く、どれだけ無理をしているかがわかる。
「エルザがあれだけがんばってるのに、あたしだけ寝てるわけにも……いかないでしょうがっ!!」
レイド先生への返事は、そのまま自分への激励の言葉。
気合い一発、やたらと重い足を引きずるように立ち上がる。
エルザが片手で攻撃の準備をしてるのと同じで、あたしも立ってるのがやっと。
それでも。もうあきらめない。
借金も仕返しも倍返しが当たり前。
レイド先生もエース先生も、あたしの邪魔をした事をきっちり後悔してもらうからね!!

>「ヘクト・プレッシャー!!」
エルザが圧力波で攻撃を仕掛けたのに続いて、あたしも魔法を使うために集中しだして…見てしまった。
ロック・ウィル。
魔法学園の熱血名物生徒が、半透明になってエルザの側で力を貸しているのを。

>「今だエルザ!お前の力を爆発させろ!!」
急に聞こえたロックの声に、集中が乱れた。
まずいと思って体制を立て直そうとした時。
>「…っ、だあああああっ!!」
エルザの攻撃の余波が一気に強くなった。
「ひゃあああぁぁぁーーーっ!?」
結果、あたしの魔法はみごとに失敗。
自分の魔力で吹き飛ばされて、しばらく空中散歩を楽しむ事になったのでした。

118 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前1 所持4 投下0 】] 投稿日:2008/02/29(金) 06:25:11 O
>107
辺りの景色は、まるでスローモーションを見ているよう。
エルザもレイド先生もエース先生も、それから狐耳の生徒まで動きがやけにゆっくりだ。
いつの間に近くにいたんだあの狐耳。

考え事をしながらも、時間はゆっくり過ぎていく。
なぜか昔の出来事が次々と思い出される。
ああ、これが有名な走馬灯ってやつか。
じゃああたし、死んじゃうんだなぁ。
死んでも生き返るんだけど、自分が死ぬ瞬間なんて覚えたくもない。
あたしは眼を閉じて、近づくその時を待つ。
そして、体に衝撃が走った。

「いたたた…」
痛みと一緒に、時間が正常に動き始めた。
幸い何かがクッション替わりになったみたいで、 あたしは無事生きてる。
倒れてるあたしの下にあるクッションには、顔が付いていて…
リリアーナ!?なんでこんな所に!?
気絶してるのかリリアーナはピクリとも動かない。
だれがこんな非道いことを!!

「ちょっと!リリアーナ!
誰にやられたの誰に!
いやそれより!今レイド先生をフルボッコにしてる最中なのよ!
あんたも死んだふりなんかしてないで、起きて手伝いなさーーいっ!!」
あたしは下敷きにしてるリリアーナをつかんで、ひたすら揺り動かした。

119 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/02/29(金) 06:35:58 P
>85
「あらvラルヴァさんお久しぶりですわね」
フリージアはなんでもないようにラルヴァに話しかける

ちなみに今のフリージアはフリージングドール・マリオネットを
パワードスーツのように着込んでいるので見た目は同じでも大きさは普段の1.5倍だ

「いま学園ではとあるイベントをやってますのよ」
赫々云々と内容を話すフリージア

どうやらラルヴァはたまたま間違えてこの世界に入ってしまったらしい
ということは当然ペンダントは持っていないであろう
ということは敵対するだけ労力の無駄である
・・・・なんて難しいことは考えていないフリージア
ただ単に久しぶりに出会ってうれしく思い必要ないことまで語ってしまっただけである

「というわけでこのイベントでは相手が死ぬことを心配することなく全力で喧嘩できますのよv」
でも・・とフリージアは続ける
「もし自分のペンダントをもらってきてこれに参加するというのなら
 教師、特にレオ先生を見たら全力で逃げることをお勧めしますわ」
フリージアいわくレオ先生は普段はやさしい保険医だがいざ戦闘になると名前通り獅子のごとき強さを発揮するそうだ
それに特訓という言葉を聞くと人が変わるらしい
「絶対に勝てる気がしませんわ」

「それにしても・・・・もし優勝商品が学長のプロマイドとかだったらどうしましょう」
こういうイベントで優勝者に送られるのが主催者のプロマイドや銅像だったりするのは良くあるオチである
まあ無いだろうけど

それよりも、と話を変えるフリージア
「大きい猫ちゃん、もとい寅さんは元気ですの?」
フリージアはどうやら本体であるラルヴァよりも使い魔である虎のほうが気になるようである

その頃のギズモ
「リリアーナ オネエチャンブンガ!リリアーナ オネエチャンブンガ タリナイ!!」
もはや末期症状に陥っているギズモ
ちなみにリリアーナお姉ちゃん分は
ギズモいわく抱きしめてもらったり、添い寝してもらったり
一緒にお風呂に入ってもらうことにより補給できるそうである

ペンダント:自分のものを含め2 投下1 アイテム:魔力回復薬





120 名前:キキ ◇xpIzi22gbg[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 08:42:25 O
「…しかし、よくも…まぁ…ここまで汚せるのぉ」
普段は幻想的な緑が美しい森も、今となってはその面影も無い。
「確かに戦い方は人それぞれではあるが……美しい物を汚すのはどうかと思うでおじゃるな」
いくら気が合うクラスメートでも、お気に入りの場所を汚されるとどうも複雑な気分だ。
まぁ、しかし、ここは仮想空間であり現実世界でここを住処とする鳥たちにも影響がないのだから、ここは目を瞑っておこう。
そして、別の日に、別の形で報復すればいい。たとえ気が合う隣人でさえ悪戯の対象…それが悪戯というものだ。

「…しかし、見つからんでおじゃるな」
先ほどから下の様子を見ながら飛んでいる訳だが、ただでさえ鬱蒼と生茂っているのに加え
生きているのだか死んでいるのだか判らん連中がうじゃうじゃいる中で、顔を見たこともない一人を見つけねばならぬのだ。
下に降りた方がいくらか効率的ではあるが、このような状況だ。
下に舞い降り、一呼吸すればいとも簡単に肺が腐り死にかねんだろう。
もちろん、それを回避するための策というか、物があるわけだが
>「あ”!?」
おもむろにポケットから出した天使像がにらみつけてくる。
秘薬・天使の唾…世界一の薬学者で捻くれ者のエドワード・フリドリヒが作り出した最高の解毒剤
その効果は体内にあるすべての毒物を無害化し、なおかつ、一分間だけすべての毒に対抗する抗体を生み出すわけだが

「毒を盛られる奴はみんなどうしようもないクソ共だ。そいつらのためにワシはどれぐらい苦労したと思う。
 金だけでは気がすまん。せめて、死ぬか死なないかの瀬戸際まで罵声を浴びせ続けたいわ」(byE・フリドリヒ)

と本人が熱望したためか、この薬の容器(天使像)は一様に、使用者の心が折れるまで罵声を浴びせないと唾(薬)を吐き出してくれないのだ。
吐き出すといっても、本当に唾を吐くように出すので、どんな人間でも屈辱を感じられずにはいられない素敵な機能がついている。

確かに一分間、毒に対して無敵にはなれるが、その度に泣かされるのは正直頂けない。
「……」
何事もなかったかのようにポケットにしまう。あそこで謝った時点でこちらの負けは確定しているようなものだ。

そうこうしていると、鬼火を見かけた地点を通り過ぎてしまった。
しかし、森の緑は薄れるどころか濃くなるばかりで人の姿はほぼ見えなくなっている。
「………うむ、やはり無理でおじゃるか…口惜しいのぉ」
悔しそうな顔を浮かべ、女子寮へUターンしようとしたときだった

121 名前:キキ ◇xpIzi22gbg[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 08:47:55 O
ソフィアの式神の龍がキキを追い越して男子寮に向かった。
「…な・る・ほ・ど、どうやら探し火とは麿が一番嫌っているタイプの人間のようでおじゃるな」
まるで汚い物を見るような目で、男子寮へ向かう龍の姿を目で追う。
「…久々に全力で舞わせて見るでおじゃるかな?」
笑うという行為は本来攻撃的なものであり、獣がキバをむく行為の原点である。
この時、キキは満面の笑みを浮かべていた。

トランクが開かれた瞬間、トランクの火翔は解除され、人形とキキはトランクごと自由落下を始める。
しかし、キキの笑みは消えず錬成詠唱を続け、トランクをサーフボードのような流線型の板状に変える。
錬成が完了すると、次は別の詠唱を始める。
「…汝、炎の爪で空を切り裂かん……炎翔!!!」
詠唱を唱え終わると、キキが作った板から爆音と共に流星のような火の尾が空に描かれ、火翔の倍のスピードでキキは空へ舞い上がった。
飛び上がる際、何かにぶつかり、誰かの悲鳴が聞こえたが…別に気にしない。
「さぁ……お前も舞え…『千世(チセ)』」
手がぶれて見える程の速度で千世と呼ばれた人形を起動させる。

その人形は、黒い翼を持ち、雄雄しく空へ舞い上がった。
その雄雄しき翼と相対し、その面持ちはもの悲しげな表情をした少女の姿をしていた

122 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/02/29(金) 09:05:13 0
>119>121
>「いま学園ではとあるイベントをやってますのよ」
「学園全体で大乱闘かぁ、また大胆な話だね。
 ということは、ここでフリージアを攻撃するのもアリって事かな?」
笑みを浮かべたままのラルヴァの視線が一瞬だけ強くなる。
「・・・・・・冗談だけどね。」

>「もし自分のペンダントをもらってきてこれに参加するというのなら
> 教師、特にレオ先生を見たら全力で逃げることをお勧めしますわ」
と、話がレオ先生に及ぶと・・・
「もしもだけど、レイド先生とレオ先生がタッグを組んだらやばそうだよね。」
などと不吉なことを言う。

だが、実際にそのタッグが成立している事をラルヴァは知らない。
>「大きい猫ちゃん、もとい寅さんは元気ですの?」
「虎・・・あぁ、シャニィなら元気だよ。ほら。」
ラルヴァの体からずるっ・・・とでも這い出るように金色の毛皮の虎が現れる。
出てきた瞬間からフリージアの眼の色が変わっているのでいささか困惑気味ではあるが。

「ペンダントを持ってない訳だから僕は現在相当な反則だよね。」
ゲームオーバーにならず、復活の恩恵はある。強力な使い魔が7人。
つまりタイマンのはずが8vs1で戦えるのだから。

「じゃあ、フリージア。共闘でもするかい?どうやら男子寮で何かありそうだけど。」
ちら、と空を見上げるラルヴァの視線の先には
男子寮に向かって飛ぶ黒い翼の人形の姿があった。

123 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/02/29(金) 11:52:57 O
>108>117>「…!?ロック、そこにいるの!?」
>「馬鹿にしないでよ、ロック。」
エルザ〜、大丈夫か〜?
>「愛は…死なない!」
コイツ…大分ロックの影響を受けてるみたいだな…。
つーかミルクまで動けるようになっちまった。
どんだけ熱いんだよ、お前ら。

エルザはどこかで見覚えのある構えをとる。
ああ、ロックが使ってた技だっけかな?
今となっては懐かしい思い出です。
>「ヘクト・プレッシャー!!」
>「今だエルザ!お前の力を爆発させろ!!」
>「…っ、だあああああっ!!」
あれ?ロック?
ヤバいヤバい。俺まで幻覚と幻聴が…
「エース先生、あのさ…」
>「大丈夫です、僕にもしっかり見えてますし、聞こえてますから。」
良かった、仲間が居た。
一安心……じゃない。
衝撃波が上乗せされた圧力波…こんなの受けたら無事じゃ済まねぇな。
どうする?相殺するか?
いや、あれを相殺するだけの威力の魔法を発動する時間は無い。
「エース先生、分かってるな?」
>「ええ。」
「せーのっ!」
俺はエース先生に近寄り、二人で同時にバリアを張る。
二重にバリアを張れば耐えられると思ったからだ。
良い考えだろ?

124 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/02/29(金) 11:56:15 O
「ハッハー。これなら余裕で…」
パリン!
あれ?既に俺のバリア壊れた?
ごめん。

「これって結構まずい?」
>「はい、かなりまずいです。」
笑顔でまずいとか言うなー!
パリン!
2枚のバリアは存外あっさり破壊されてしまった。
「おわっ…!!」
結果、俺とエース先生は壁に強く叩きつけられる。
「……いってて……エース先生、手ぇ抜いただろ?」
>「…すいません。
僕としてはあくまでも威力を減少させるのが目的でしたので。」
まあ確かに、魔力は節約出来たし、威力も軽減出来たけどさ…。

「さて、そろそろ反撃に移ろうと思うわけですが…。」
俺達の少し前方に見える狐耳少年。
そんで更に少し奥でミルクに揺さぶられている少女。
「人数が増えてるじゃまいか。」
>「4対2ですか。これは分が悪い。」
俺の体もロクに動かないしな。

俺は右手にファイアーボールを作り、タバコに火をつける。
サイズは野球ボール。
そして役目を終えたファイアーボールは握り潰す。
「反撃開始。」
俺はミルク達の居る方に右手を向ける。
「これが防げたら一人前ってな。」
直径1.5mのファイアーボールを掌から続けざまに2発発射。

125 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/02/29(金) 19:25:02 0
エルザが圧力波を放ち終わると、透明な旧ロックは消えてしまった。
どうやら、ただの幻だったらしい。
旧ロックが消えると同時に、エルザはがくりとその場にうつ伏せに倒れた。
持てる力の全てを圧力波として放ってしまったからだ。

>124
そんなエルザは気づかなかった。
自分に向かってファイヤーボールが飛んできている事を。

126 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/02/29(金) 22:53:24 0
>>111
>「やだわー、いつもの傲慢で高飛車なマオちゃんらしくなくなくない?
>大丈夫よ、腐食ガスはすぐに霧散しちゃうから。毒はこの抗体を飲んでね。」
「フッ…いやなに、僕も少し自重しようと思ってね。それで?それを飲めば毒を受け付けなくできるんだな…」
ベアトリーチェの持つ小瓶を受け取ろうとしたときいきなりベアトリーチェの体が腐り、
サンダー一号にもたれかかるようにして溶けていく。
予想外の展開に僕もちょっと呆気に取られどうしようかと思ったとき溶けた奴の後ろから
またベアトリーチェが現れる。
>「うーん、やっぱり無理だったか〜。」
その言葉から察するにあのベアトリーチェはおそらく何らかの方法で複製されたものだということか?
まあこの毒オタク女は生物学に詳しいからできないこともないだろう。
つまりさっき男子生徒に焼かれたベアトリーチェもつまりは複製だったということだ。

>「驚かせちゃってごめんね。はい、抗体。これを飲めば腐海の毒は平気になるわ。お馬さんの分もね。」
僕は渡された小瓶の中に入ってい錠剤を飲む、何かが変わったような感じはしないが、
それは薬というもの全般にいえることだ。毒を盛られているという可能性も考えたが…
あの毒オタク女も僕に少なからず用がある様子。おそらくいきなり一服盛って殺すなどはありえないだろう。
>「判ってるわよ。一等課程到達最右翼のマオちゃんだもの。私のペンダント一つの為にこんな森の奥まで来る非効率な事はしないって。
>ちゃんとお話があるのよね。私からもいいお話があるの。お互いの利害は一致すると思うわ。
>詳しくは庭園でお茶しながらお話しましょう?」
「フッ……そうだな。立ち話もなんだ…ありがたくその誘いを受けさせてもらうよ。」
フン、一頭過程到達最右翼か……白々しい褒め方をする。
どうせ大量のペンダントをちらつかせ足元を見て、良いように利用する腹なんだろうがそうはいかない。
僕だって逆にお前を利用してやるさ毒オタク女……フフフ。

>>112
ミミズで作られた気持ち悪い橋を渡り庭園へと歩く。
サンダー一号もしっかりついてきているしこの状況で戦いに陥ってもまだ大丈夫だ。
庭園にたどりつくとそこにはアルナワーズのゴースト…
アルナワーズと言えば学園では知らぬ人間などいないほどの有名人だ。
>「オプジェみたいな物だから気にしないで。」
「オブジェにするにはいささか危険だと思うな。僕なら絶対に置かないね。」
お茶を出してもらう間も僕は適度に皮肉を入れて喋る。顔は微笑んでいるが
言葉は刺々しい、無論それは相手も同じことだ。
なにせお茶菓子も用意せずに食堂の缶詰とは……明らかに歓迎はしていないということだ。
>「色気なくてごめんねえ。
>ガーデニングしていたら、ペンダント争奪に興味がないって言う人が結構来て、それを預かっているの。
>数えていないから正確にはわからないけど、それなりの数ね。
>私も争奪戦なんて興味ないし・・・やっぱり優勝にふさわしい人にあげちゃうのが一番かな、って。」
ペンダント争奪に興味がない人間のペンダントを預かっている?
よくもまあそんなことを言えるものだ。感染者全員は望んであの姿になったとでも思えというのか?
まあ、だがあの感染者分のペンダントを持っているということは…あれを全部手に入れれば優勝は僕のもの!
「フフ…争奪戦に興味ないか、僕とは真逆というわけだ。それで?
 優勝にふさわしい人とはだれのことを言ってるんだい?」

一応つられて優勝に相応しいという人物の名を聞いてやる。
まあどうせ本心にもなく僕というのだろう。でなければ今後の話が成立しない。
>「それで思うんだけれど、やっぱり優勝はマオちゃんがふさわしいと思うの。
>だからペンダント全部あげたいのだけれど・・・ふと気づいちゃったの。」
「フフ……そんなに僕は優秀じゃないよ。そんなペンダントを全部くれるなんて、
 ……ん?気付いた?何に気付いたんだ?」
やはり白々しい。まるで…そう舞台に立って劇でもやってるようだ。
そして僕もまるで演技をしているかのように返す。ここから交渉開始というわけだ。


 


127 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/02/29(金) 22:54:20 0
>「マオちゃんほどの人が私なんかに施されて優勝なんてプライドが許さないんじゃないかって。
>だから、お願いを聞いてもらって報酬として渡せばマオちゃんの輝かしい経歴に傷がつくこともないでしょう?
>まあ形式的な事だけど、こういうのって大事だと思うの。」
フフ…確かにお前のような毒オタク女の施しを受けて優勝なんて今後一生の笑いものだな。
もちろん僕はそんな本心など微塵も出さずに微笑み続ける。
「そうだな。たとえ相手が教師であろうと施しを受けて優勝するのは僕の誇りが許さない。
 “形式上”という形で受け取るのならば確かに僕の誇りも経歴も守られる…
 うん…とても大事なことだ!流石ベアトリーチェ君。僕のようなエリートの気苦労をよく理解しているよ……」

それで話は本題へと映っていく。僕は何をすれば“形式上”ペンダントをもらえるのか…それが重要だ。
ベアトリーチェは幻灯機に視線を移し、僕もそれにつられて幻灯機を見る。
そこには女子生徒が二人……つまりこの二人を僕に倒せということなんだろう。
>「この二人、今夜なんだか悪巧みをしてペンダントを独占しようとしているらしいの。
>だから、マオちゃんにこの子達をやっつけてもらいたいなって。
「なるほどな…つまりこいつらは悪者というわけだ…フフフ。
 そしてその悪者を僕にやっつけてもらいたいと、
 だが…僕は君のように正義に生きているわけではないからなぁ。」
>あ・・・そういえばこっちの子、メラルだっけ。
>最近見ないけれどちょっと前まで学術・戦闘両面でマオちゃんと争っていた子じゃなかったっけ?
>あ〜〜・・・だとすると・・・いくらマオちゃんでも無理・・・かな?」

よく幻灯機を見てみると…1人はうろ覚えだがもう一人の顔には見覚えがある……
そう、メラル……メラル・エルディーンだ!?僕と一時期成績で争っていた…
しかし途中から急に成績が落ち始めどんどん落ちぶれていった……
それにしてもこの毒オタク女…僕が無理だと?途中で脱落した出来損ないに僕が勝てないとでも?
「フッ……何を言っているんだ、メラル君は所詮途中で堕ちていった脱落者……
 僕が勝てないわけがないじゃないか。そしてもう1人は……あれだろ?
 よく噂になっている莫迦な女子…名前は……そうだ!リリアーナだ!」
よし…いいだろう。やってやる…決着がつかないままメラル・エルディーンは消えた。
その理由をいつか確かめたいと思っていたところだったんだ。
「いいだろう。僕に任せてくれ。その二人ともども僕がやっつけてあげよう。
 正義の味方っていう柄じゃないんだけどね。でもペンダントを独占しようなんていう
 悪人は僕も“平等にゲームを楽しむ者”として見過ごすわけにはいかないからな。
 それに何を言うベアトリーチェ君の頼みだ。ペンダント云々の前に受けないわけにはいかない。」
わざとらしいことを並べ立て僕はベアトリーチェ君に笑いかける。
交渉は成立…それはもう言葉を交わさなくても分かる。
優勝は勝ち取り…かつてのライバルを蹴倒し見下す……フフ
普通に優勝するよりもよっぽど優越感に浸れそうだ!

>>114
そして僕は立ち上がり後ろにいるはずのサンダー一号に話しかける。
「よしサンダー一号。リリアーナとメラルを倒すぞ。
 ペンダントは二人で山分けだ!」
…しかし返事がない、おかしいと思って振り向くとそこには変身をとき
立ち去っていくサンダー一号。
>「私は降りるぞ。
>自分にとって利のない戦などやる必要はない。
>たとえ同じ条件を持ってきても同じこと…やり方が気に食わん」
「お、おいサンダー一号待て。なんだいきなり?
 何が不満なんだ?それに僕とお前は組んでいるんだろ?」
しかしその言葉にも反応を示さずマントから使い魔を出し大空へと飛び立っていく。
「サンダー一号!戻って来い!ぼ、僕を裏切るつもりか!?
 ちょっと!もしもーし!!お前がいなかったらこの森抜けるまで時間かかっちゃうだろ!
 早く戻って来ーい!………この…このマダオがぁー!!」
僕の叫びも空しくマオスーパーサンダー一号は大空へと消えていく……
ベアトリーチェが後ろでクスクス笑うのが聞こえて僕は恥ずかしくなる。
「べ、別にかまわん。あんなクズ男、居たほうが迷惑がかかる!!」
そして後ろを振り向かず橋を渡り庭園を後にする。
「くそっ!覚えていろよサンダー一号…僕を捨てたことを後悔させてやる。
 フフフ…リリアーナとメラルの始末が終わったらくびり殺してやるから首を洗って震えているがいい!!」

128 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/02/29(金) 23:38:08 0
>114>127
交渉は成功。
力強くメラルとリリアーナを倒すと宣言するマオを見て私は笑いをかみ殺すのに必死だった。
ちんけなプライドをくすぐってやればいいように動いてくれる。
せいぜい潰しあってくれれば良い。

「私も手伝いたいけれど、ごめんねえ。ミミズさんたちはこの森から出られないから。
私だけじゃ足手まといになっちゃうし。」
そう、この腐海は森の外に広がる事はできない。
【魔の森】・・・この森がそう呼ばれているのは地中の穢れによる影響が大きい。
逆に言えば、森の外は整えられた環境なのだ。
地中の毒を変異活性化させるピプトや神経毒は森の外まで広がらせる事は不可能なのだ。
そうでなくても復活ペナルティーが科せられたおかげで感染者の戦力は下がっていくばかり。
今はまだ出る時期になっていないのだ。

その代わりにマオを利用してやったのだが、思いのほか上手くいった。
そう思っていたら、馬が突然人に変化した。
というより元に戻ったわけだが・・・
どこかで見たような顔だけど、思い出せない。
思い出せないという事はどうでもいい男なのだろう。
私の餌を蹴って飛んでいくのはムカついたけれど、マオのうろたえる姿が見れたので良しとする。
ついつい笑いを堪えきれなくなるほど滑稽だったのだから十分だ。

「いなくなっちゃったけど、これでマオちゃんの優勝は確定ね。
抗体飲んでいる以上、この森で危ない事会う事は無いから、がんばってね!」
そう、抗体には信号の役割も持たせてある。
毒や胞子だけでなく、感染者やミミズに襲われる事もないだろう。
折角の駒になったマオだ。自滅させたくはない。

そして去り際に情報を与えておく。
「マオちゃん。メラルがどこにいるかはわからないけど、リリアーナの方は校舎にいるみたいよ。
メラルを探すのに役立つと思うわ〜。」
全く世話の焼ける事だ。
間抜けだからうろうろして結局遭遇できずということもありうるので、教えてやった。

マオが去った後、ふと気付いた事。
折角出した特性ドリンクに口をつけていかなかった。
「全く礼儀しらずの糞女が・・・」
そう呟いて、マオに出したドリンクを煽るのであった。
う〜ん、美味しい!



129 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/02/29(金) 23:56:39 O
あぁ、しまった。飛龍を置いてけぼりにしてた。
それに気付いたのが、部屋を出て、廊下を歩いて少し経ってから。
疲れてるのかな?らしくない失敗だと思う。
部屋に戻り、飛龍の回収をする。その時、ふと。
視界に未確認飛行物体が入ってきた。距離はまだ少しはあるけど。
どうも飛龍が目当てなのかね。確かに目立ちはするけどさ。やっぱり溶かされたのと、腕が飛んだのとで動揺してた。
……それにしても今日は変なのに好かれる日だ。確か、厄日と言うのだったかな?
それはともかく、面倒くさいのはゴメンだから急いで寮を出る事にしよう。
部屋の窓から飛び降りる。そして着地。足が少し痛い。
そして、校舎方面へ猛ダッシュ。人混みに紛れれば多分、大丈夫。

ここで一つの疑問が浮かんだ。
校舎に行くまでに何かやられるんじゃないかな?
もっとも、もう退けないんだけど。

130 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持2] 投稿日:2008/03/01(土) 00:32:18 0
 意識が音圧でホワイトアウトした後、最初に認識できたのは壁だった。
 否、床だ。
 派手に打ったらしく全身が痛い。
「ず……頭痛がする……吐き気もだ……こ、このキサカが! 気分が悪いだと!?」
 まあ前例が無いわけでもないが。
 こめかみに手を当てながら立ち上がってみれば、丁度一行の中心にいた。どういった軌道で吹っ飛ばされたんだろうか。
 自然と教師陣の視線が向く。
 ……どうしろと。
 レイド先生とやらは煙草に火を点け、
「これが防げたら一人前ってな。」
 右の掌から飛ぶのは、子供なら飲み込めるサイズの大火球だ。
 数は二。シンプルだが、だからこそ力強い。
 ……いきなり無茶を仰られる。
 立ち位置からしても、相手は教師が二人。
 こちらは疲弊者が一人に、意識不明が――二人。
 キサカは、リリアーナに馬乗りになって肩を揺さぶっている女子を見、
「――そこのマウントポジションで止め刺そうとしてるシスター!」
 倒れている少女の傍に一歩で片膝を着く。
「逃げるぞ! リリアーナ頼む!」
 まず、少女の腕の下に手を入れる。空いた手は膝へ。
 服の上から鎖骨の辺りを通して、反対側の肩を掌に乗せ、手首のスナップで身体を仰向けに。
 下半身を均等に使い、そのままの姿勢で全身を上げる。
 この間二秒強。
 お姫様抱っこだ。屈辱感とフラグを同時に生み出す便利な手段。
 某所の柔らかさを実感したが、余韻に浸ると軽く焼け死ぬ。
「っ……!」
 背が熱い。
 身体を傾け、重力と共にまず一歩。
 加速の二歩。
 三歩目で跳んだ。
 少女を抱え込むようなローリングで炎塊の軌道から外れる。
 二発目はシスターの方へ行った筈だ。

131 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/01(土) 02:05:55 0
>127
庭園を離れ、マオが腐海の中を歩いているその時だった。
右側から突然氷の杭が3本、ヒュンと言う音をさせて目の前を通り過ぎた。
「……止まれ、動けば串刺しにする。いいな?」
マオが右を向けば、青髪の生徒がこちらに右手の指先を向けて佇んでいるのが見えただろう。
グレイブである。

>46
事の経緯はこうだ。
ペンダントを手に入れ、グレイルが上機嫌に笑っていたところにそれは来た。
>「招来!大瀑布!!」
>森の奥からこだまする声と、ゴゴゴゴ・・・とうなる地響き。
それに対しん?と振り向けば
>やってくるのは大量の水!
「なんだttガボッ!」
当然の如く飲み込まれ、森の外に流される結果となった。
もしも反応できたとしても、魔法で防ぐことは難しかっただろう。
それで、その後はというと…

「だぁかぁら!さっきの奴ブッ倒しに行こうぜ!?」
【駄目だといったら駄目だ…あのレベルの魔法を使う相手に勝てないわけじゃないが……。】
「だったら行こうぜ!なぁ〜!」
【そういう問題じゃない。相手は恐らく罠を張っている…飛んで火に入る夏の虫と化すぞ。】
「でもさっきのに負けた気分じゃん!だから…」
…こんな風に、お互い意見を譲らない論争が起きていた。
何分過ぎていることだろうか、時間が勿体無い。
「だからよ、そいつ倒して…」
【何回言えばわかる…そいつは…】
キリの無い争いに嫌気が差したグレイズは、グレイルに助け舟を出す。
【ねぇ、罠を張ってるって事はさ、間違い無く其処にいるって事じゃない?
ペンダントのオーラがあっても、何処かに潜んでいる相手を探し回るよりは楽じゃないかな。
しかもあんな魔法を使う人だし、ペンダントだって多いを思うよ。】
「そうだ!だからいこーぜ!」
【でもRだと罠にかかりそうだけど。】
飴と鞭、助け舟を出して確りと釘を刺したグレイズ。
【…なら、俺が替わる。罠があれば…S、教えろ。】
【いいよー。】「え、俺こんだけ?」【戦いの時に活躍できるよ、きっと。】

―――そして今に至る。
菌に関しては、グレイズが遠くに有った異様な木を見てから魔法障壁を強くして此処にいる。
だが、念には念を入れたせいか、出せる力は普段の6割位といった所だろう。
「お前が森の入り口で俺達を襲ったのかは知らないが……」
指先に魔力を集める。
「今あるペンダントを全てよこせ…。そうすれば…お前自身のペンダントは奪わないし、串刺しにもしない。」

132 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/03/01(土) 06:23:10 0
>「…いや、別に何がおかしいってわけじゃなくて…
  実は…僕も同じなんですよ…
  最初は…イベントだって言われて参加したんですけど…
  そのうち…強い人と戦いたくなってきて…フリージアさんとか、ロックとか…さっきのキサカみたいな」
>「…そうそう、その中にメラルさんも入ってるんですよ
  ……まぁ、同盟を結んだ以上、今回は無理…かな」
「ええ、無理でしょうね。さっき追加されたルールが無ければ、
 作業が済んだ後で出来たでしょうけど…。
 でも、殺し合いではないけど、模擬戦なら…いずれ機会はあるはずよ。」
>「…メラルさんの目的の相手は…リリアーナさん…ってところですか?やっぱり」
「ええ、そうよ。…彼女、ああ見えてやる時はやるの。
 でも、滅多にその力を振るわない。だから…
 今回がチャンスなのよ。その力を相手取る、ね。」
今回、メラルはキサラに相当手の内を明かしている。
それは、口には出さずとも信用している証なのだろう。
最も、カドゥケウスについては流石にぼかしたが。

>「…ここ…って
  ……今さらですけど女子寮ですよね
  …競技中とはいえ…僕ここに入っていいんでしょうか…」
「戦場でそんな事を気にかけていたら、それこそ命がいくつあっても足りないわ。
 …変な下心さえなければ気にする必要は無いわよ。」
メラルはネックレスを一つと妙な紋様の入ったカードを1枚手渡した。
「まず、それをつけておきなさい。それで、私の罠にあなたが引っかかる事はなくなるわ。
 そして、あなたが一度それを装着したら…特殊な手順を踏まない限り、
 "次に他の人間がそれを装着したら爆発する"。使い方次第では武器になるはずよ。
 それと…そのカードを男子寮のあなたの部屋にでも隠しておいて。そうすれば…
 緊急離脱時にそこに移動できるようになるわ。それが終わったらここに戻ってきて。
 儀式魔法の途中で攻撃を受けると…中断する羽目になって、余計に時間がかかるから。」

そう言った後、キサラが別件の話を切り出してきた。
>「…あ…そうだ
  このタイミングで何ですけど…僕も目的というか…ひとつ話しておきます…手遅れになってもいけないので…」
>「…メラルさん…開会式の時…ロック、見てますか?」
「見てないわ。でも…ロックに何かがあったら、リリアーナが
 自分の問題を優先する事はない。つまり…リリアーナが
 この大会の賞品の問題に集中している間は大丈夫よ。」
しかし、この考えには重大な見落としがある。リリアーナが気付かなければ意味がないという見落としが。
最も、それは計算ずくで、キサラを安心させるために言っていた。
「それに、もしロックに何かがあったとしても、この催しが終わるまでは
 私達は本の中から出られない。何も出来ないわ。だから…考えても仕方ないのよ。
 あ…これはさっきの戦闘でのあなたの取り分の代わり。
 それと…もし、戻ってきたとき私が見えなくなっていたら…
 この屋上の中央付近に近づいて。」
そう言うと、メラルはキサラに…先程キサラから返してもらったペンダントを渡した。
そして儀式魔法の準備に取りかかった…。


133 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/03/01(土) 06:24:32 0
================================================================================
儀式魔法。
様々な定義で使われる場合があるが、一般的には呪文の詠唱以外、
例えば動作などと呪文の詠唱などを連動させて使用する、強力な術の総称となっているが…
その一つに、広域儀式魔法というものが存在する。
術の触媒とする儀式専用の道具や魔法薬などを要し、それを用いて放つ術なのだが…
最も重要な特徴は、その多くが儀式に用いる道具、詠唱及び連動する動作が
極めて特殊、もしくは特殊な血筋などを必要とするという事である。

そして、これからメラルが用いる儀式も広域儀式魔法なのだ。
しかし、そのような大規模な術は魔力の流れも大きい。普通に用いれば
妨害されるのは目に見えている。しかし…メラルはそれに対する対策も用意していた。
「…エミュー、ここからが本番よ?」
(…ったく、儀式まで持ち出すなんてテメェも面白い事を考えやがるゼ。わぁったヨ。)
メラルが改めて銀色のカードを取り出し…そのカードが自ら中心を同じくする、
半径の違う二つの円の円周上となる位置に動いていく。そして…けして
短いとは言えない詠唱の後で、メラルが術を放った。
「…隠密複層術式…展開…」
杖の先端に淡い光が宿り、…メラルはその杖の先端を地面に向け、
自分の周囲に小型の魔法陣を描き始めた。その間に一度空からの
襲撃を受けかけたが、周囲の銀色のカード…エミューが
一度攻撃を仕掛けたら、撤退していった。もちろん、エミューも無用な追撃はしない。

少しして、魔法陣が完成し…メラルがその魔法陣の中心で術を放った。
「迷彩結界…!」
同時に…その魔法陣が屋上に広がっていく。しかし…外からはその光景は見えないのだ。
そして、発動の魔力も察知は困難だろう。そう、この術は儀式魔法の
魔力の流れを隠蔽し、更に結界内の視認も妨げる術なのだ。
ただし、結界内外の出入りを妨げる物はなく、膨大な魔力を消費する事になるのだが…。

そして、術の発動直後メラルは荒い息をついて地に座り込んでいた。
どうやら、この術…魔力だけでなく精神力、体力も相当消耗するようである。

134 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/03/01(土) 07:36:02 0
>118
>いやそれより!今レイド先生をフルボッコにしてる最中なのよ!
>あんたも死んだふりなんかしてないで、起きて手伝いなさーーいっ!!」
ミルクがリリアーナを揺さぶるたびに、彼女の後頭部から鈍い打撲音が聞こえてくる。
このまま揺さぶられ続けたら、確実に死体へランクアップできそうだ。
「う・・・・・痛・・・・・・」
だが幸いそうなる前にリリアーナの意識は戻った。

手前にキサカが、そして向こうにはエルザが倒れている。
そして至近距離には修道服姿の少女。勝気そうな碧い瞳が、今は心配そうな色を浮かべている。
砂糖菓子のような名前がまったく似合ってない彼女の名前は確か・・・。
「ミルクじゃない。・・・・・・あれ、ロックは?」
夢だったのだろうか?ついさっきまでロックがここにいたような気がしたのに。

>123 >124-125
だが今は、戦闘以外のことにかまけている場合ではなかった。
(・・・・・げっ!レイド先生にエース先生!!)
レイドは右手にファイアーボールを作り出し、タバコに火をつけた。
其の動きはぎこちなく、まるでロボットみたいだとリリアーナは思った。
エルザとミルクが何らかの方法で動きを封じたようだが、魔法までは手が回らなかったらしい。

「こ、これじゃどっちがフルボッコにされるのか分かんないじゃないのよー!」
数の上でこそ4対2でリリアーナ達が勝っているが、形勢はあまり芳しくない。
負傷しているらしきエルザは意識不明だし、リリアーナは魔法が使えない。
キサカは喉をやられているし、ミルクは立てないようだ。
対して教師組は2人。レイド一人でも持て余すのに、その後ろにはエースまで控えている。

レイドは巨大ファイアーボールを2発作り出した。
リリアーナは戦慄した。
『今のはメラゾーマではない・・・メラだ・・・』そんな言葉がリリアーナの脳裏をよぎった。

>「逃げるぞ! リリアーナ頼む!」
「ミルクさん重い!退いて!!」
リリアーナは跳ね起きると、ミルクの手を引き立ち上がらせようとした。
だがミルクの身体は鉛のように重かった。
ここまでくると、着やせするタイプとかいうレベルの話ではない。
この状態には、三等過程卒業試験でレイドと戦ったリリアーナに心当たりがあった。
「一体何発撃たれたのよっ?!」

ロックバスターでキサカを援護しつつ、ミルクを立たせようとしたところで時間切れになった。
レイドはファイアーボールを放った。
あれをまともに食らったら、魔法障壁も無いリリアーナはひとたまりも無い。
だが、二人では逃げ切れない。

――――死んだらペナルティだ。
さらに悪いことに、この場所は校内のごみ箱より中庭のほうが近い。
もし復活地点が中庭だとしたら、メラルが作った氷のピラミットの中に閉じ込められる可能性が非常に高い。

ミルクもゲームの中ではライバルだ。
ここで彼女を見捨てても、別に本当に死ぬわけでもない。
優勝したいならミルクを見捨てて逃げるのが正解。そんなことはリリアーナにも分かっていた。

一瞬の逡巡の後、リリアーナは開いていた窓へ向かって思いきりミルクを突き飛ばした。
「ひとつ貸しだから!」

それが、リリアーナの最期の言葉だった。

135 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前1所持4投入0】] 投稿日:2008/03/01(土) 10:16:23 O
>124>130>134
>「う・・・・・痛・・・・・・」
あたしの必死の呼びかけによって、ついにリリアーナは死の淵から生還しました。
でも、なんだかその顔色はとっても悪い。
そういえば、メギドラオンをぶっ放したときに、金髪の誰かを巻き込んだような…
悪い事しちゃったなー

>「ミルクじゃない。・・・・・・あれ、ロックは?」
「気が付いたのね!
最初に見えた相手が旦那じゃなくて悪いけど、緊急事態発生中なのよ!
みんなの力をあわせて、極悪教師タッグをフルボッコに…!」
状況を説明するために振り返ったあたしが見たのは。
倒れてるエルザと、ようやく立ち上がりかけてる狐耳の性別不明生徒。
それから、タバコに火をつけて余裕を演出してる、極悪タッグの姿でした。
やっぱり、先生たちにケンカなんか売るんじゃなかったー!

>「こ、これじゃどっちがフルボッコにされるのか分かんないじゃないのよー!」
「とっ、とにかく反撃よ!!
無理そうなら戦略的撤退の準備!」
>「これが防げたら一人前ってな。」
叫び返してみたものの、レイド先生が作り出した二発の火球を見て、即逃走に決定しました。
おまえはどこの大魔王だー!

>「逃げるぞ! リリアーナ頼む!」
>「ミルクさん重い!退いて!!」
狐耳の生徒に何か言い返してやりたかったけど、今は速く逃げないとまずい。
転がるようにして退けると、リリアーナはあたしを立ち上がらせるために手を貸してくれた。
でも、さっき気合いを使い果たしちゃったのか、とても立ち上がれそうにない!

>「一体何発撃たれたのよっ?!」
「わかんないっ!
二発くらいだと思うけど…なんでそんな事をリリアーナが知ってるのよ!?」
言い合っているうちに、レイド先生は火球を発射。
まずい。あの威力だと魔法で相殺しても大爆発がおこる。
あたしの貧弱な魔法防御で防げるはずもない。
もし防げても、足を封じられたせいで逃げられない。
こうなったら、リリアーナにあたしのペンダントと荷物を持って、逃げてもらうしかない。
いくら仮想空間でも死ぬのは嫌だけど、これが最善手のはず!
そこまで考えたとき、どんっと体に衝撃が走って、あたしの体は再び空中に移動していた。

え?なにがあったの?
混乱するあたしに見えるのは、何かを決心したようなリリアーナの顔。
ちょ、ちょっと待ってよ!
なんでリリアーナじゃなくて、あたしが突き飛ばされてるの!?
>「ひとつ貸しだから!」
その声が、その体が、巨大な火球に飲み込まれる。
視界の全てが赤く塗りつぶされていく!
「リリアーナーーーッ!!」
あたしの叫びも、爆音にすぐにかき消されていった。

136 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前1所持4投入0】] 投稿日:2008/03/01(土) 10:19:06 O
「ぐぎゃっ!」
どんな威力の爆発だったのか、重いはずのあたしが煽られてしばらく吹き飛ぶ。
このまま地面に落下かと思ったけど、壁みたいな物に激突して、ずるずる下まで滑り落ちた。
痛った…中庭ってこんなに狭かったか?
……そうだ!リリアーナは!?

校舎の方を確認したけど、あたしの他に吹き飛んだ生徒はいないようだった。
エルザは狐耳が助けに行ったはず。
レイド先生たちの追撃はなし。
リリアーナは…魔法障壁で防げていればいいけど、あの攻撃の前では望み薄だ。
あたしの身代わりになった可能性は非常に高い。
そうだ!ゴミ箱!
もしリリアーナが死んじゃってたら、ゴミ箱前で復活するはず!
キョロキョロ辺りを見回したあたしは、すぐゴミ箱を見つけた。
ついでに、自分が何に激突したかも知った。

ゴミ箱を守るように、中庭にそびえ立つ氷のピラミッド。
その中には、復活してすぐに氷の中に閉じこめられたらしい、生徒たちの姿も見える。
もう少しであたしも、この中に閉じ込められる所だったのだ。
急がないと、多分リリアーナも。
だれだこんな悪趣味なもの作った性悪は…

動かない目標に狙いを定めるのは簡単。
魔法の効果が発揮される威力と範囲を、強くイメージする。
閉じこめられてるみんな、ごめん。
でも今のあたしには、リリアーナを助ける方が優先なんだ!
「メギドラ!」
あたしの魔法は、中にいる生徒ごと氷のピラミッドを吹き飛ばした。

さて。後は待つだけだ。
リリアーナもエルザも狐耳も、生きてれば合流しに来てくれるだろう。
もし死んじゃってたら、ゴミ箱前であえるし。
あたしはゴミ箱に向けて、ずりずりとほふく前進を開始した。
あーもう!まだ体が重いーっ!

137 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/03/01(土) 12:07:49 O
>134「ナイスカバー、エース先生。
よく分かってる。」
>「それほどでも。」
少女にファイアーボールが当たる寸前、エース先生は少女の体に風の障壁を張った。
ファイアーボールは少女の体を包み込むが、風の障壁が受け流す。
「生徒を殺す教師が何処に居るんだって話だよ。」
>「さっき勝負の世界は非情だとか言ってませんでしたっけ?」
「シャラップ。」
俺達の目的はペンダント。
殺す必要は無い。

ところであの少女…良く見ればリリアーナじゃないか。
少年は…キサカ…だった筈。
「あまり賢明な判断とは言えないな、キサカ、リリアーナ。
このゲームは他人を助けたところで利益はほとんど無い。
自らの身を呈してまで守る必要なんて無いのさ。
ま……仲間として助けたってんなら悪くない判断だけど。」
俺はタバコの煙で輪を作りながらリリアーナ達に問いかける。
「どうするよ?このまま俺達と殺り合うk……あっ!」
忘れてた。
ミルクにまだ銃を返して貰ってない。
「悪い、お前達の相手はまた今度だ。
エース先生頼む。」
>「そう来ると思いましたよ…。」
エース先生に相手を押し付け、俺は窓から飛び降りた。

>「え〜と…どうします?
僕としてはこのままお互いに退くのが最善だと思い

138 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/03/01(土) 12:09:08 O
>136「っと、さ〜てミルクちゃんは何処かな〜?」
ミルクがリリアーナに突き落とされたのは間違い無い。
まだそんなに遠くに言ってない筈だけど……発見。
どうやら体が重くてロクに動けないみたいだな。
ほふく前進でゴミ箱に向かっている。
俺なんて強化魔法使ってなかったらほふく前進すら出来ねぇよ。
「よ〜おミルク。お久しぶり。元気だった?」
俺はほふく前進をしているミルクの後ろから話かける。
「俺の銃、持ってるだろ?」
口にくわえていたタバコを真横に投げ、爆発させる。
「素直に渡してくれれば、な〜んもしないからさ。
特別にペンダントも見逃してやるよ。
なんだったら1回だけお前の手助けをしてやる。
ピンチの時に呼んでくれれば速効で駆け付けるぜ?」
こんだけオマケしてんだ、返してくれたって良いだろ?

強化魔法が切れる前に場所を変えないと、こんな所でへばったら殺られちまう。
だから早く返してくれ〜!

139 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/03/01(土) 14:15:10 0
男を止める女 しかし男は振り返らず
一度覚悟を決めたなら たとえ敵が億万の群集を連ねて
山を抜く勢いあるといえど 我が私憤の矛先に向かいては
かなうべからず

マオはベアトリーチェのことを信用しているようだが、あの人物はおよそ信用に足る人間ではないだろう。
森に足を踏み入れた生徒たちの悉くをリタイアさせるどころか、自らの手駒として利用してしまっている。
森を変えて化け物の巣窟となってしまったいまの森を見て、どうしてあの女のいいなりになろうと思うのか?
マオはまさか裏切られるとちっとも思っていないことだろうが、普段のベアトリーチェを見た者ならばまず真っ先に疑いを持つはずだ。
「私がなんとかしないとな…。
 ベアトリーチェの奇策とあの人の説得。
 …なんで人間のために私が頭を抱えなければならんのだ!」
森を陽から逃れられるほどの高度で飛び続けて、いよいよ森を抜けるとなると気の利いた使い魔が傘を用意して広げて日光から主人を守る。
鬱蒼とした魔の世界から変わって、いつも学園を照らしている強い日差しがヴァンエレンを迎え入れた。


学園のそこかしこで戦闘が行われていて、彼らは森の中でなにが起こっているかなど知る由もないだろう。
大半のペンダントは森に潜む魔女がもっていると知ったら、彼らはこぞって魔女狩りに行くのだろうがそれは魔女の得にしかならない。
使い魔を隠してねずみに変身して人を眼を欺くと、さかさまな学園に四苦八苦しながらも陽を避けて校舎の中へと何事もなく侵入していく。

校内は外とは違って比較的穏やかであった。
食堂などはおばちゃんが争いを始めようとする生徒たちに一喝して、黙らせているのだから校舎内でも一番安全な場所なのかもしれない。
ねずみは隙間という隙間を掻い潜り、ある人物たちを捜しだすために疾走していく。

>138
>「っと、さ〜てミルクちゃんは何処かな〜?」
やっと聞こえてきたのは捜している人物たちの中でも、実力はぶっちぎりで上位にいるあいつだった。
いよいよ蝙蝠になって天井スレスレのところを飛びながら、レイドがいる方向へと慎重に進んでいく。

140 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/01(土) 19:44:34 O
>130
「んん…?」
キサカの腕の中で気を失っていたエルザがもぞもぞと動き、そして目を開いた。
目に入ったのは、狐耳の少年の顔だった。エルザはこの顔に見覚えがあった。

「…キサカ?またそうやって紳士ぶってるの?」
エルザはキサカの頬をつねった。しかし、その手には力がなかった。
こんな事をしている間にも、エルザのお腹から水銀のような血が溢れてくる。

>137
>「え〜と…どうします?
>僕としてはこのままお互いに退くのが最善だと思いますが…。」
「…自分から襲ってきてよく言うわよ。」
エルザはエースの言葉に悪態をついた。

「…キサカ、私を降ろしてくれない?あなたの腕の中で走馬灯を見るのはごめんよ。」

141 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/03/01(土) 21:24:43 0
>>131
「毒に耐性がついたから別にもう浄化のタリスマンを使わなくていいものの、
 足場は悪いし得体の知れない虫はいるし最悪だ。」
ぶつくさ文句を言いながら歩いていたその時、
僕の前を三本の氷の杭が通り過ぎる。ぶつぶつ文句を言っていたのと
僕のサンダー号のことを考えていたので少し油断したみたいだ!
「だれだ!?」
僕は氷がきた右の方に瞬時に振り向くと、そこには青い髪をした男がいた。
>「……止まれ、動けば串刺しにする。いいな?」
やれやれ、僕はこんな奴に構ってる暇なんてないっていうのに…
ただでさえ校舎まで行くのに時間がかかるんだ。来る奴全部倒していたらキリがない。
>「お前が森の入り口で俺達を襲ったのかは知らないが……」
「悪いが…僕はお前の相手をしているわけにはいかないんだ。
 なぜなら……」
>「今あるペンダントを全てよこせ…。そうすれば…お前自身のペンダントは奪わないし、串刺しにもしない。」
僕の言葉を無視しペンダントをよこせといってくる……なんて無礼な奴だ。
僕が一頭過程の入り口にまで来ているエリートだということが分かっているのか?
だが、今持っている最初の奴らのペンダント三つ…これを渡せば見逃してくれる。
どうせあとで山ほどペンダントなんて手に入るんだ…
「分かった。ほら、受け取れ。」
そして僕は三つのペンダントをポケットから取り出し青髪の男に向かってなげる。
相手の青髪は投げ出されたペンダントを受け取ろうと手を広げる。
「……かかったな!!」
僕は青髪が手を広げた瞬間青髪向かって走り出す。
それと同タイミングで投げたペンダントの動きが止まる。
まさに青髪の手の平に入るか入らないかというぎりぎりの位置…
そして今度はビデオの巻き戻しをしたかのようにペンダントはこっちに戻ってきて僕はペンダントを掴み取る。
そう、僕はペンダントを投げるときに無詠唱で※1―Return―をかけたのだ。

青髪もどうやらそこで混乱せずにすぐに僕に攻撃しようと指を向ける。
「※2―――Shock!―――」
しかし…そうはいかない!僕はすぐさまshockを青髪に向かって放つ。
完全な不意打ちからのshockによって一瞬だがグレイブの動きが止まる。
もちろん指から氷は放たれない。
「フッ…確かに僕はこんなしけたペンダントなどもはや興味はない。
 だがむざむざ明け渡すようなことはしない!!」
そして完全に懐に潜り込み僕は呪文を唱える。これがヒットできれば意識は完全に失われるはず!!
「※3―――Thunder duet―――」
この呪文は殺傷能力はこれといってないが相手の意識に絶大に効く!
この一撃にて終わりだ!!

※1 【Return】 帰還という名の通り元々の場所に物などを戻す呪文。
呪文をかけただけでは効果は現れずそのあと任意での発動を必要とする。
           失くしたらまずいものとかにかけておくとなくなったときに手元に戻せるので便利。
          非常に簡単な呪文なのでぶっちゃけだれでも使えるレベル。

※2 【Shock】 衝撃という名のとおり一瞬相手に衝撃を与え心停止にする。
          ナナの使うハートブレイクショックのショック部分だけである。
初めて受けると経験したことのない感覚に混乱する可能性が高い(心停止だから慣れるというわけでもないが)
          効果は一瞬なので地味だか連発されると心臓が弱い年寄りとかには絶大なる効果を発揮するだろう。

※3 【Thunder duet】  雷の中級魔法、非常に強い雷を放つが
                対象物に肉迫しないと使えないという弱点を持ち。
                あたっても殺せるわけではなく気絶。それに必ず効くというわけでもない。
    例えば魂が二つあるとかいう極例や単純に体が強かったりするとあまり効果がない。
    利点は複雑な詠唱を必要としない点とそこまで魔力を使わなくていい点にある。


142 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/03/01(土) 21:25:11 0
>131
感染者が徘徊していた腐海だが、今は不気味な静けさを保っていた。
ベアトリーチェが第二弾としてばら撒いた菌により、感染者達は菌糸巨人に取り込まれているからだ。
平均して一体につき10人の感染者が取り込まれているので、単純計算10分の1。
しかも、復活ペナルティーにより無尽蔵に魔法反射陣を維持する事ができなくなり、菌糸巨人はその行動を止めていた。
菌糸巨人は腐海の奥にて佇み、何かが近寄ってこなければ動く事は無いだろう。
比較的外界に近い腐海に位置するマオとグレイブのいる場所に、菌糸巨人はいない。
巨大菌類群が不気味に腐海をなすだけで、邪魔が入ることは無いのであった。

>121
マオとベアトリーチェの交渉が終わる頃、ゴーストアルナワーズは物言わず姿を消していた。
ゆっくりと宙を舞い、上昇を続けていく・・・。
そしてある高度に達したとき・・・
「うきゃっ・・・!」
突然何かがぶつかりゴーストアルナワーズを弾き飛ばした。
くるくると回転し、ようやく止まった時にはゴーストアルナワーズを突き飛ばしたキキは既に飛び去ってしまっていた。
「うん、もう。だぁれ〜?ヴァンエレン様にデートに誘われたのにぃ。邪魔するなんて酷いわ〜。」
怒りをぶつける相手もおらず、毒づくしかできず、途方にくれた。
かなり吹き飛んだらしく、既にお目当てのヴァンエレンの姿も消えていたのだから。

目的を見失い、さてどうした物かと思案していると、ゴーストアルナワーズの視界の隅に映る物が一つ。
「あらあらまあまあ・・・へぇ・・・」
驚き感心したように呟き、ニタリと笑みを浮かべる。

143 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/03/01(土) 21:40:40 0
>>141の訂正です。

「毒に耐性がついたから別にもう浄化のタリスマンを使わなくていいものの、
 足場は悪いし得体の知れない虫はいるし最悪だ。」
ぶつくさ文句を言いながら歩いていたその時、
僕の前を三本の氷の杭が通り過ぎる。ぶつぶつ文句を言っていたのと
僕のサンダー号のことを考えていたので少し油断したみたいだ!
「だれだ!?」
僕は氷がきた右の方に瞬時に振り向くと、そこには青い髪をした男がいた。
>「……止まれ、動けば串刺しにする。いいな?」
やれやれ、僕はこんな奴に構ってる暇なんてないっていうのに…
ただでさえ校舎まで行くのに時間がかかるんだ。来る奴全部倒していたらキリがない。
>「お前が森の入り口で俺達を襲ったのかは知らないが……」
「悪いが…僕はお前の相手をしているわけにはいかないんだ。
 なぜなら……」
>「今あるペンダントを全てよこせ…。そうすれば…お前自身のペンダントは奪わないし、串刺しにもしない。」
僕の言葉を無視しペンダントをよこせといってくる……なんて無礼な奴だ。
僕が一頭過程の入り口にまで来ているエリートだということが分かっているのか?
だが、今持っている最初の奴らのペンダント三つ…これを渡せば見逃してくれる。
どうせあとで山ほどペンダントなんて手に入るんだ…
「分かった。ほら、受け取れ。」
そして僕は三つのペンダントをポケットから取り出し青髪の男に向かってなげる。
相手の青髪は投げ出されたペンダントを受け取ろうと手を広げる。
そしてペンダントを青髪が掴んだ瞬間僕はおもいっきり青髪めがけて走る!
もちろん相手はすぐに氷を放とうと指を僕の前に出す。
「―――Shock!―――」
しかし…そうはいかない!僕はすぐさまshockを青髪に向かって放つ。
完全な不意打ちからのshockによって一瞬だがグレイブの動きが止まる。
もちろん指から氷は放たれない。おそらく初めての感覚の混乱していることだろう。
「フッ…確かに僕はこんなしけた数のペンダントなどもはや興味はない。いくらでもくれてやるさ。」
そして完全に懐に潜り込み僕は呪文を唱える。これがヒットできれば意識は完全に失われるはず!!
「―――Thunder duet―――」
この呪文は殺傷能力はこれといってないが相手の意識に絶大に効く!
この一撃にて終わりだ!!

144 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/03/01(土) 22:56:53 0
>>132「戦場でそんな事を気にかけていたら、それこそ命がいくつあっても足りないわ。
 …変な下心さえなければ気にする必要は無いわよ。」
「し…下心なんて!あるわけないじゃないですか!!」
言い切るあたりピュアな少年である
それより本人は、顔にこそ出さないが、メラルに戦場の心得を諭されたことが若干ショックだったようだが

>「まず、それをつけておきなさい。それで、私の罠にあなたが引っかかる事はなくなるわ。
 そして、あなたが一度それを装着したら…特殊な手順を踏まない限り、
 "次に他の人間がそれを装着したら爆発する"。使い方次第では武器になるはずよ。
「―――わかりました…っと」
キサラは言われたとおりネックレスを首につける
特殊な手榴弾―――としても使えそうだ
 

>それと…そのカードを男子寮のあなたの部屋にでも隠しておいて。そうすれば…
 緊急離脱時にそこに移動できるようになるわ。それが終わったらここに戻ってきて。
 儀式魔法の途中で攻撃を受けると…中断する羽目になって、余計に時間がかかるから。」
「…わかりました
 緊急離脱―――って、これ―――どうやって使えば…?」
キサラはカードをしげしげと見る
これがマジックアイテム…というものなのだろうか
キサラには使い方の検討もつかない

そして―――男子寮に向かう途中
>「見てないわ。でも…ロックに何かがあったら、リリアーナが
 自分の問題を優先する事はない。つまり…リリアーナが
 この大会の賞品の問題に集中している間は大丈夫よ。」
>「それに、もしロックに何かがあったとしても、この催しが終わるまでは
 私達は本の中から出られない。何も出来ないわ。だから…考えても仕方ないのよ。
キサラは―――メラルの言葉を思い出していた

キサラはその言葉に何も答えなかった
「…………………………」
メラルに何かあるのか、と疑っていたのではなく
言ってから自分がなぜそんなことを気にしているのか、という自問自答である
血の臭いを感じたから―――?
それとも――――――?
「……まさか…ね」
そう―――そんなことはあり得ない

僕が―――ロックを心配しているなんて―――
ロックを含む―――皆を心配しているなんて―――有り得ない

145 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/03/01(土) 22:57:14 0
>>132「戦場でそんな事を気にかけていたら、それこそ命がいくつあっても足りないわ。
 …変な下心さえなければ気にする必要は無いわよ。」
「し…下心なんて!あるわけないじゃないですか!!」
言い切るあたりピュアな少年である
それより本人は、顔にこそ出さないが、メラルに戦場の心得を諭されたことが若干ショックだったようだが

>「まず、それをつけておきなさい。それで、私の罠にあなたが引っかかる事はなくなるわ。
 そして、あなたが一度それを装着したら…特殊な手順を踏まない限り、
 "次に他の人間がそれを装着したら爆発する"。使い方次第では武器になるはずよ。
「―――わかりました…っと」
キサラは言われたとおりネックレスを首につける
特殊な手榴弾―――としても使えそうだ
 

>それと…そのカードを男子寮のあなたの部屋にでも隠しておいて。そうすれば…
 緊急離脱時にそこに移動できるようになるわ。それが終わったらここに戻ってきて。
 儀式魔法の途中で攻撃を受けると…中断する羽目になって、余計に時間がかかるから。」
「…わかりました
 緊急離脱―――って、これ―――どうやって使えば…?」
キサラはカードをしげしげと見る
これがマジックアイテム…というものなのだろうか
キサラには使い方の検討もつかない

そして―――男子寮に向かう途中
>「見てないわ。でも…ロックに何かがあったら、リリアーナが
 自分の問題を優先する事はない。つまり…リリアーナが
 この大会の賞品の問題に集中している間は大丈夫よ。」
>「それに、もしロックに何かがあったとしても、この催しが終わるまでは
 私達は本の中から出られない。何も出来ないわ。だから…考えても仕方ないのよ。
キサラは―――メラルの言葉を思い出していた

キサラはその言葉に何も答えなかった
「…………………………」
メラルに何かあるのか、と疑っていたのではなく
言ってから自分がなぜそんなことを気にしているのか、という自問自答である
血の臭いを感じたから―――?
それとも――――――?
「……まさか…ね」
そう―――そんなことはあり得ない

僕が―――ロックを心配しているなんて―――
ロックを含む―――皆を心配しているなんて―――有り得ない

146 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage] 投稿日:2008/03/01(土) 22:57:51 0
>>132「戦場でそんな事を気にかけていたら、それこそ命がいくつあっても足りないわ。
 …変な下心さえなければ気にする必要は無いわよ。」
「し…下心なんて!あるわけないじゃないですか!!」
言い切るあたりピュアな少年である
それより本人は、顔にこそ出さないが、メラルに戦場の心得を諭されたことが若干ショックだったようだが

>「まず、それをつけておきなさい。それで、私の罠にあなたが引っかかる事はなくなるわ。
 そして、あなたが一度それを装着したら…特殊な手順を踏まない限り、
 "次に他の人間がそれを装着したら爆発する"。使い方次第では武器になるはずよ。
「―――わかりました…っと」
キサラは言われたとおりネックレスを首につける
特殊な手榴弾―――としても使えそうだ
 

>それと…そのカードを男子寮のあなたの部屋にでも隠しておいて。そうすれば…
 緊急離脱時にそこに移動できるようになるわ。それが終わったらここに戻ってきて。
 儀式魔法の途中で攻撃を受けると…中断する羽目になって、余計に時間がかかるから。」
「…わかりました
 緊急離脱―――って、これ―――どうやって使えば…?」
キサラはカードをしげしげと見る
これがマジックアイテム…というものなのだろうか
キサラには使い方の検討もつかない

そして―――男子寮に向かう途中
>「見てないわ。でも…ロックに何かがあったら、リリアーナが
 自分の問題を優先する事はない。つまり…リリアーナが
 この大会の賞品の問題に集中している間は大丈夫よ。」
>「それに、もしロックに何かがあったとしても、この催しが終わるまでは
 私達は本の中から出られない。何も出来ないわ。だから…考えても仕方ないのよ。
キサラは―――メラルの言葉を思い出していた

キサラはその言葉に何も答えなかった
「…………………………」
メラルに何かあるのか、と疑っていたのではなく
言ってから自分がなぜそんなことを気にしているのか、という自問自答である
血の臭いを感じたから―――?
それとも――――――?
「……まさか…ね」
そう―――そんなことはあり得ない

僕が―――ロックを心配しているなんて―――
ロックを含む―――皆を心配しているなんて―――有り得ない

147 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage ] 投稿日:2008/03/01(土) 23:27:31 0
男子寮についたキサラは、言われたとおり自分の部屋にカードを設置する
運がいいのか悪いのか、誰とも会うことはなかった
「…これで…いいんだよね」
隠しておけ―――と言われたので、一応自分のベッドの枕の下に置いておく
あまり複雑な場所に隠したら、これで転移してきたときに大変な場所に転移しても困るので、この辺りが無難だろう
「さてと…早くメラルさんのところに戻らないと…
 エミューがいるとはいえ…今攻撃されたら…下手したらゲームオーバー…だし」
そう呟くと、寮を後にし、再び高速で移動を開始する―――

――――――が
「…あれ…?
 女子寮…どこ…?」

案の定、迷った

もともとは、寮を出た後に、メラルの元に戻る前に、渡されたペンダントを投下しようと気付き、ゴミ箱を探していたのだ
すると、こう見えて方向音痴のキサラは、案の定迷ったというわけだ
もとい、男子寮まで迷わずに来れたのが奇跡のようなものだったのだ

だが、その地でキサラは異変に気付く
(…でも…ここ…なんだ……?
 ……これ…毒素…?)
キサラが迷い込んだのは、ベアトリーチェの庭園だったのだ
(抵抗がなきゃ…即死クラスの毒素じゃないか…
 なんで学園にこんなもの……)
キサラは家庭の事情で、毒が効かない体質にある―――
効かない、といっても完全に効かないわけではなく、長時間触れていれば当然生命は危険にさらされる
本来ならここを早急に脱出するべきなのだろうが―――
(…それに…
 何だ…これ……この…)
人じゃない何か―――
正確には―――人だけど―――人じゃない―――何かの―――

―――ここは危険だ
この庭園の主は―――今潰しておかなければ―――必ず脅威になる

特殊な環境で育ったキサラの勘は、ベアトリーチェの気配を正確に捉え―――
迅速にその方向に向かっていく
相手を倒すなら、素早く対処しないと―――キサラの体にもいずれ限界が来る
それに、メラルさんもいつまでも放っておくわけにはいかない―――
短期決戦だ

148 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 00:55:10 0
>141 >143
>「分かった。ほら、受け取れ。」
相手は承諾したようだ。こちらへ3つのペンダントを投げる。
だが、あまりにもあっさりとし過ぎている。
【…妙な気がするなぁ……。】
グレイズがポツリと呟いたが、グレイブは別段気にした様子も無く左手を伸ばす。

―――掴んだ、と思った瞬間、相手がこちらの方へ駆け出す。
「!チッ…。」
グレイブは舌打ちをし、右手の指先を前に出して溜めた魔力を開放しようとする。
だが、甘かった。砂糖のように甘かった。
>「―――Shock!―――」
ドクンッ!
一瞬左胸…そう、心臓に衝撃が走る。
指先の魔力は拡散し、動きが止まる。腹筋が緩み手足の力が抜ける。
ペンダントを落とす。
相手はその瞬間を逃しはしなかった。
>「フッ…確かに僕はこんなしけた数のペンダントなどもはや興味はない。いくらでもくれてやるさ。」
>そして完全に懐に潜り込み僕は呪文を唱える。
>「―――Thunder duet―――」
雷の魔法が完全に唱えられ、グレイブは―――

ずるっ!げしゴィンッ!!…ゴィンッ…ゴィン……ィン………ン………
「……ぅンがぁああぁ…ッ!」
足元にあった蔓らしき物に滑り、ギリギリ回避した。
更に滑った勢いで相手を蹴り飛ばしもした。
…代償として、途轍もない後頭部の痛みと頭を打った時の音のエコーと屈辱感が残ったが。

グワングワンする頭を押さえながら、立ち上がる。
「……ぐぅっ……危なかった…。さぁ、今度は此方の番だ……"落ちろ3の氷の杭よ、我の眼前の者の頭上より"!」
相手の頭上に3つの氷の杭が精製され、今度は真っ直ぐに相手を狙うだろう。

149 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【自前0 所持1】] 投稿日:2008/03/02(日) 09:45:15 0
>137
死を覚悟し、リリアーナはぎゅっと目を瞑った。
だがいつまでたってもファイアーボールの炎はリリアーナを焼き尽くさなかった。
>「ナイスカバー、エース先生。 よく分かってる。」
リリアーナは目を開けた。ファイアーボールは影も形も無かった。
何が起こったのか理解できず、ぽかんとした顔で立ちつくす。
そんなリリアーナに構わず、レイド達は世間話でもするような気安さで会話していた。
>「生徒を殺す教師が何処に居るんだって話だよ。」
>「さっき勝負の世界は非情だとか言ってませんでしたっけ?」
>「シャラップ。」
リリアーナにもようやく理解できた。
どうやらにファイアーボールが当たる寸前、エースが風の障壁を張ってくれたようだ。

どうやらレイド達は、あくまで教師の立場で参加しているらしい。
軽くあしらわれた上に本気でなかった。そう宣言されたも同然なのに、リリアーナは嬉しかった。
リバースの中で殺されても本当に死ぬわけではない。それでもレイドたちはそうしなかった。
レイド達が自分たち生徒のことを本当に愛情もって接してくれている、そう感じたからだ。

レイドは何か用事を思い出したらしく、その場からあわただしく立ち去った。
>「え〜と…どうします?
>僕としてはこのままお互いに退くのが最善だと思いますが」
エース一人になったものの、はたして対等に戦えるかどうか。
それに、エルザの体が気になった。
エルザの魂はともかく、その身体はキキが作った人形、まがい物の身体だ。
「同感ですが、キサカさんやエルザの意見を聞いてみないと」

リリアーナはエルザの腹の傷に目をやった。銀色の液体がエルザの血なのだろう。
薬草を取り出そうとしてやめる。人形の身体に効くはずが無い。かわりにポーチから止血帯を取り出した。
「エルザを治療したいのですが、この場合どなたが適任でしょうか?」
義手などにも詳しい保険医のレオだろうか?それとも魔術工芸に造詣の深いジャックだろうか?
本当はキキ本人に治療してもらうのが一番なのだろうが、どこにいるのかリリアーナには分からない。
だがエースなら、居場所を察知するのはそう難しいことではないはずだ。

150 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 【自前1所持4投入0】] 投稿日:2008/03/02(日) 13:05:24 O
>138
ずりずりと、芋虫かカタツムリみたいに這いずることしばらく。
やたらと遠くに見えていたゴミ箱が、ようやく手の届く位置まで来た。
リリアーナはまだ復活してこない。
てことは死んでも復活まで、時間差があるってことか…
いやもしかしたら、ファイアーボールを防いだのかもしれない。
どっちにしろ、けっこう消耗してるからここでしばらく休憩を…

>「よ〜おミルク。お久しぶり。元気だった?」
ギクッ!
いきなり後ろから話しかけられて、あたしは飛び上がりそうなくらい驚いた。
恐る恐る振り向けば、そこにはタバコをくわえたレイド先生の姿が。
ギャーーッ!出たーっ!
わざわざ追いかけてきてトドメを刺すつもりかーっ!?
警戒心全開でレイド先生を睨みつけたけど、先生はそんな視線は全然気にしない。

>「俺の銃、持ってるだろ?」
へ?銃?ペンダントじゃなくて?
「銃って…さっき落とした?」
頭にハテナマークを浮かべながら答えると、レイド先生はくわえてたタバコを横に投げ捨てた。
なんてマナーが悪いんだ、なんて考えている場合じゃなかった。
地面に落ちたタバコは爆発し、中庭にけっこうな大きさの穴を作ったのだから。
こっ、これは素直に渡さないと、お前もこうなるという脅しか!?

>「素直に渡してくれれば、な〜んもしないからさ。
特別にペンダントも見逃してやるよ。
なんだったら1回だけお前の手助けをしてやる。
ピンチの時に呼んでくれれば速効で駆け付けるぜ?」
次の言葉はかなり予想外のものだった。
どうやらレイド先生、あたしをぶっ殺しにきたんじゃなかったようだ。
しかも破格の交換条件まで出してくる。
…もしかして、リリアーナが復活してこないのは、先生が手加減したから?

「あ〜もう。やっぱりかなわないなぁ」
どうやら、今回の勝負はあたしたちの完敗みたいだ。
負けたのに、悔しいはずなのに、なんだかとっても良い気分。
あたしはポケットから二丁の銃を取り出し、レイド先生に手渡した。
「はい。これ。大事なものなんだったら、もう落とさないように気をつけてよね。
それから、いままで怠惰教師とか給料泥棒とかヤクザとか思っててごめん。
レイド先生って意外にいい人だったんだね」
人間つきあってみないと、どんな性格かわからないものなんだなぁ。しみじみ…

>139
その時、校舎の方からペンダントのオーラを感じた。
茂みに隠れてこっちを見ているのか、近寄ってくる気配はない。
「そこに隠れてる奴、おとなしくこっちに出てこい!
逃げたり抵抗したりしたら、容赦なく吹っ飛ばすよ!!」
あたしはペンダントのオーラに魔法で狙いをつけ、親切に警告してやる。
人の親切を無にする奴は、即ゴミ箱行きになってもらうからね!

151 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 13:56:11 0
>>140>>149
 レイドの火球をやり過ごして、キサカは一息。
 ……食らったらマジで死んでたな。
 威力からして、腕の中の少女も纏めて焼かれていただろう。庇う暇も無い。
 二発目の火球がリリアーナに直撃するのを見、しかしほぼ無傷なのを見て安堵の息を吐く。
 ……役立たずだなー俺。
 庇えよ自称紳士、と胸中で自嘲していると、抱き上げた少女が身動きした。
 ん、と目が開く。
「…キサカ?またそうやって紳士ぶってるの?」
 いきなり頬を摘まれた。嫌がっているというよりからかっているような、弱い手付きでだ。
「またって何さ。君の事は知らないんだけど」
 というかその水銀は色々とヤバイんじゃないだろうか。
「え〜と…どうします?
 僕としてはこのままお互いに退くのが最善だと思いますが…。」
 一人残った教師の声を聞いて、少女は何か呟き、
「…キサカ、私を降ろしてくれない?あなたの腕の中で走馬灯を見るのはごめんよ。」
 ……初対面でいきなり嫌われてるなぁ。
 そんなに学内で変態扱いされているのだろうか?
 否定できないのが男子の辛いところだな、とキサカは膝を落とす。ゆっくりと少女を床に横たえ、
「あんまり動かない方がいい。素人目でもそれはヤバイ」
 と、ようやく事情が飲み込めたらしいリリアーナが、こちらに歩み寄る。
「同感ですが、キサカさんやエルザの意見を聞いてみないと」
 止血帯を持ったまま、どう処置すべきだろうかと思案するリリアーナを見ながら、
 キサカは少女の傷を見た。
 銀色の液体がゆっくりと漏れている。
 ……俺に治せるだろうか?
 肉体の性質が解らない以上、下手に手を出すのは無謀もいいところだ。
 結果傷を悪化させようものなら、嫌悪される資格すら無い。
 管轄外だ、と結論し、キサカは問いを放とうとして止めた。
 ――リリアーナは知り合いみたいだけど、この娘何者?
 聞けば多分答えてくれるだろう。だが知ってどうなるわけでもない。
 ……やる事が無い。
 問われれば答えるのが普通。だからキサカは、当り障りの無い意見を述べる。
「……人間用の医療が効かないのは確実みたいだな」

152 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/02(日) 19:05:35 0
>151
> 「あんまり動かない方がいい。素人目でもそれはヤバイ」
「ええ、そうね。…ありがとう。」
エルザはわざとキサカの顔を見ないで恥ずかしそうにお礼を言った。
「言っとくけど、別にあなたにまだ気を許してるわけじゃないんだからね。」

>149
>「同感ですが、キサカさんやエルザの意見を聞いてみないと」
「リリアーナ!?…痛っ!」
横たわっていたエルザは、リリアーナの声を聞くとすかさず上体を起こした。
エルザはこの瞬間になって初めて、リリアーナが居たことに気づいたのだ。

> リリアーナはエルザの腹の傷に目をやった。
エルザはリリアーナの視線が自分のお腹に注がれている事に気づき、
すかさずお腹の傷を両腕で隠した。エルザは傷ついたような顔をした。
リリアーナはポーチから止血帯を取り出した。

> 「エルザを治療したいのですが、この場合どなたが適任でしょうか?」
リリアーナが言った。
> 「……人間用の医療が効かないのは確実みたいだな」
キサカも言った。
「………」
そしてエルザは何も言わなかった。

エルザは酷くショックを受けた。エルザは自分の事を人間だと信じて疑っていなかったのだ。
自分のお腹から銀色の液体が流れ、自分が人間ではないと知った時もそれなりにショックだった。
しかしそれ以上に、その事実を自分が好きな相手に知られたのが一番のショックだった。
エルザの目からぽろぽろと涙が落ちた。
「(確かに私はリリアーナと会いたがってたわ。でも、よりにもよってこんな時に会うなんて…)」

153 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 19:06:18 O
>150>「あ〜もう。やっぱりかなわないなぁ」
>「はい。これ。大事なものだったら、もう落とさないように気をつけてよね。」
ミルクは俺の銃を素直に渡してくれた。
「おう、ありがとな。…還れ。」
俺は渡して貰った空っぽの銃を還す。
次に召喚する時はちゃんとリロードされてる筈だ。

>「それから、いままで怠惰教師とか給料泥棒とかヤクザとか思っててごめん。
レイド先生って意外にいい人だったんだね」
グサッ、グサッ、グサッ。
俺って関わりの少ない生徒からはそう思われてんのか…。
ちょいショック。
こう見えて結構頑張ってんだぞ、俺は。
「い、意外ってお前なぁ…。
俺は教師の鏡と言っても過言では…ん?」
>139近くにペンダントのオーラを感じる。
姿形は見えないけど。
そしてミルクは見えないソイツに向かって吹っ飛ばす宣言。
どうやら茂みに隠れているらしい。
早く出てきた方が良いぞ、吹っ飛びたいってんなら話は別だが。
「んじゃカウント始めるぞ〜。じゅ〜、きゅ〜…」
俺はミルクが吹っ飛ばすまでのカウントダウンを始めた。

154 名前:エース ◆M07.CI9OF2 [sage 自前1所持1投下0] 投稿日:2008/03/02(日) 19:09:50 O
>140>149>僕の問いにリリアーナは同感してくれた。
さすがレイド先生の教え子、素直で良い子ですね。
>「同感ですが、キサカさんやエルザさんの意見を聞いてみないと。」
して、そのエルザはと言うと…
>「…自分から襲ってきてよく言うわよ」
あ、あはは…なかなか痛い所を突いてくる。
それを言われたら反論のしようがありませんよ。

>「エルザを治療したいのですが、この場合どなたが適任でしょうか?」
>「……人間用の医療が効かないのは確実みたいだな」
となると、エルザの体を作った本人に治してもらうのが一番ですが…。
リリアーナ達に問いかけると、エルザの体を作ったのはキキらしい。
なるほど、それならなんとなく分かる気がします。
「…ちょっと連絡をとってみましょう。
交渉に乗ってくれるかどうかは分かりませんが。」

『もしもし、キキ?僕です、エースです。
ちょっと君に頼み事がありまして、校舎まで来て欲しいのですが…。
あ、お返しは後ほどきちんとしますので…。
来て頂けないでしょうか?』

これで来てもらえれば一件落着なんですが…。
駄目だったらジャック先生にでも頼んでみましょうかね……。

155 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 所持4 投下0] 投稿日:2008/03/02(日) 20:27:00 0
>>148
>ずるっ!げしゴィンッ!!…ゴィンッ…ゴィン……ィン………ン………
>「……ぅンがぁああぁ…ッ!」
「ぐふッ!?…うぅ……な、何がおこったんだ。」
そうだ、僕のこの攻撃は完全にヒットするはずだった。
相手は反応できなかったはず…だが…だが僕の攻撃は
外れ挙句に蹴りをくらってしりもちを着く始末……
しかも、しかもそれが相手が足を滑らせたというマヌケな行動が引き起こしたなんて…

「…なんでこんな…こんなマヌケな結果に…こんなのは僕のキャラじゃない!!」
>「……ぐぅっ……危なかった…。さぁ、今度は此方の番だ……"落ちろ3の氷の杭よ、我の眼前の者の頭上より"!」
青髪はすぐに立ち上がり技を放とうと詠唱してくる。体力や打たれ強さはもちろん相手が上。
僕はまだ蹴られたお腹の痛さに起き上がってない状態で頭上に三本の鋭利な氷の杭が現れる!
起き上がって避けるような時間はない……
「※1―――Grasp magnetic―――!!」
迫ってくる氷、そして自分に対して僕は呪文を詠唱する。
この呪文により迫ってくる三本の氷と僕自身に磁力の+極性を追加!
+通しの反発しあう力のよって氷は全て僕からそれ地面に深く突き刺さる。
「…あ、危なかった。この威力…あたってたらゴミ箱行き決定の威力じゃないか。」
僕はゆっくり起き上がる。さっきの蹴られたところがまだ痛い……くそ、僕は女だぞ。
事故とはいえもう少し配慮してくれてもいいじゃないか!
「もう容赦しないぞ!許してっていってもダメだぞ!」
そして僕は懐から二枚のノートの切れ端を取り出し上へと放り投げる。

「さあ…いでよ我が下僕よ!我が道を邪魔する愚鈍を排除せよ!
 ――――Hydra of the lightning―――」
投げたノートの切れ端がバチバチと光り、雷でできた蛇のようなものが二匹現れる。
僕の手製の召喚符だ…まあ安っぽいしそんなに力も持ってない……
だが魔力の消費はないし適当に相手の気を僕から逸らす役割ぐらいは持っている。
「さあいけ!僕のハイドラ!!えーと…あの青い髪の変な奴をやってしまえ!
 ……しかし呼びにくいな。名前教えてくれないか?毎回青い髪の…は面倒だ。」


※1 【Grasp magnetics】  複数の対象に磁力を持たせられる魔法。
                  +と−どちらでも持たせられ、
                  使う魔力によって磁力の加減ができる。
                  ちなみに無詠唱でも行えるがその分魔力の消費は大きい。

156 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/03/02(日) 20:34:55 0
>150>153
>「そこに隠れてる奴、おとなしくこっちに出てこい!
>逃げたり抵抗したりしたら、容赦なく吹っ飛ばすよ!!」

>「んじゃカウント始めるぞ〜。じゅ〜、きゅ〜…」

レイドだけだと思っていたがもう一人おまけとして生徒がいて、その人物は学園でも会ったことはなく謎の生徒Aとして処理された。
用があって森から抜けてきたのに吹き飛ばされてしまっては本当に手遅れになってしまう。
変身を解いて茂みから出る際に傘を広げていつものように日光を遮る。
「そんなに大きな声で言われずとも出て行くよ」
いつもと食堂や地下図書館で変わらぬ姿を晒すヴァンエレンだが、その顔はどこか大きな賭けをしているような覚悟に満ちていた。
「森に入ったことがあるか?
 あそこはもうベアトリーチェが毒の計を巡らして魔の巣窟と化しているぞ。
 もう百人くらいはやられているんじゃないか?
 しかも、恐ろしいことにそのやられた生徒たちを神経毒で操っているらしい」
どこか遠い眼をしてなにかに耐えるように惜しげもなく実際に見た嘘偽りのない情報を漏らす。
そのうち潤んできた眼を袖でゴシゴシとぬぐうと、歯を食いしばって言葉を続けた。
「いまだ策なし力なし、勝算なしの私だが…。
 どうかベアトリーチェを止めるために手を貸してくれないか?」
レイドや傍にいるミルクとて、このゲームに勝とうとする限りはいずれはブチ当たる問題だ。
ヴァンエレンは実際にベアトリーチェがいる総本山である庭園にまで足を踏み入れている。
素直に協力してくれればいいが、「無理」の二言でこれを拒否してきた場合は最悪二対一の戦闘になるかもしれない。
一世一代の大舞台、どう転ぶかはすべてレイドにかかっている。

157 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 今日はニ連発ー。] 投稿日:2008/03/02(日) 20:52:25 0
>151-152 >154
『えーとえーと、エルザの身体を作ったのは転入生のキキさんなんです。
 多分レイド先生から報告があったと思いますが・・・・・』
リリアーナはエースに向けて、エルザに関する話をテレパシーで伝えた。
エルザは今まで自分が人間の身体だとばかり思っていたのだ。
そんな彼女の目前で、エルザの身体に関する話が出来るわけも無い。
リリアーナはエルザに対し複雑な感情を抱いているが、それとこれとは話が別だった。

>「…ちょっと連絡をとってみましょう。
>交渉に乗ってくれるかどうかは分かりませんが。」
「良かった!どうかお願いします!」
リリアーナはホッとした顔になった。

エルザは傷口を両手で覆っている。リリアーナはエルザのそばに膝をつき、傷口に当てるガーゼも取り出した。
「・・・・・・・えっと・・・せめて止血だけでもさせてくれる? キサカさん、あっち向い・・・じゃなかった、警戒お願いね」
リリアーナはやんわりと、しかし有無を言わさずエルザの手をのけた。服をずらして傷口を直に見る。
思ったより水銀の流出量が多い。
どういう仕組みになっているか門外漢のリリアーナにはさっぱりだが、治療を急いだほうがいいだろう。
だが、キキがエルザをイベントよりも優先してくれるだろうか?リリアーナとしてはとても心配だった。

エルザの意識が消滅しないよう人形の身体に定着させたのはアルナワーズだ。
だが、彼女本来の魂と肉体が宿るべき体はロックであり、人形はあくまで仮の器なのだ。
エルザが元の世界に戻った時、きちんと人形の身体に戻れるのだろうか?
それ以前に、この世界でエルザが死んだ場合一体どうなってしまうのだろうか?

「ねえキサカさん。エルザの傷口も私のときみたいにさくっと治せないかな?
 ほら、さっきキサカさん私の両手首を切断したじゃない。その後すぐにくっ付けて元に戻してたでしょ?
 あの不思議な魔法、エルザにも使えないかな? 無理ならせめて痛みだけでも・・・・・・」
そこまで言ってから、今のエルザとキサカがまったく面識が無いことを思い出した。

「あ、ごめん。えっと・・・この間ロックの部屋で寝てた赤いワンピースの女の子覚えてるかな?
 彼女がそうなの。本当の名前はエルザ。エルザ・フォン・ブラハントよ」
その後リリアーナは、キサカに先日のことを手短に説明した。
だがもちろん、エルザの秘密までは本人の目の前で語ることなど出来なかったが。

それにしても彼女の一大事に、ロックはどこに消えてしまったのだろう?
いちゃいちゃされても面白くはないが、何が悲しくてロックの彼女の世話を自分が焼いているのだろう?
もちろん好きで面倒を見ているのだが・・・・・・なんだか少し悲しくなってきた。

突然エルザの両目から大粒の涙が零れ落ちた。
「えっえっ!!ご、ごめん痛かった?苦しいなら、少し包帯緩めたほうがいいかな?」
リリアーナはおろおろした。
「そうだわエルザ、ロックは?今日はロックと一緒じゃなかったの?
 もしよかったら、エース先生に頼んでロックを呼んでもらおうか?」

158 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/03/02(日) 22:45:21 0
>147
「はぁ〜い。キ・サ・ラ」
腐海を走るキサラ。
背後から突然声をかけられる。
振り向けば白いローブを纏い半透明のアルナワーズが浮いていた。

「まだ生き残っていただなんて感心だわぁ〜。
私なんて開始30秒でゴーストになっちゃったのにぃん。」
くすくすと笑いながらキサラの周りを浮遊するアルナワーズ。
この姿が既にゴーストであり、ペンダント争いに関与できない存在になっていると説明を付け加えた。
「この先に行くと森が開けて湿原になっているの。
そこにはこわ〜い魔女がいるのよぉん。行ってもいい事無いし、引き返すことをお勧めするわ。
イベントは明日も続くのだし、こんなところで消耗するのは得策じゃないもノン。」
くすくすと笑いながらの警告なので、殆ど危機感という物はキサラに与えられないかもしれない。
というより、本気で言っているのかどうかもあやふやな口調である。

「それより、聞いておきたいことがあるのだけれどぉ〜。
女子寮で、な〜にをしていたのぉ?」
そう、アルナワーズは上空で聞きにはねられた後、女子寮から出てくるキサラを発見したのだ。
キサラの性格上、自分から女子寮に入るとは思えない。
そしてその足取りから、撃退されたわけでもなく逃げ出したわけでもない。
トドメはエミュが襲撃者を追い払った事だった。

これだけの状況を見れば、ある程度察せられるという物。
キサラの後をついて見物するつもりだったのだが、迷いに迷って深い深部に近づいていくのを見て話しかけたのだ。
「なんだかとっても面白そうな匂いがしちゃって着いてきたんだけれどぉ。
このまま進むなら私は女子寮に行くから聞いておこうと思ってぇん。」
ここは腐海。
負ければゴーストにもなれず、復活しても意識を奪われはなす事もままならなくなる。
勝つにしても時間はかかるだろう。
女子寮で面白い匂いを感じた以上、これ以上待っていられないアルナワーズだったのだ。

159 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23:50:50 0
>155
仰向けに倒れている相手に無情なげんj…杭は落下する。
上手くいけば相手をゴミ箱へ送るような威力はあるだろう。
だが、そう簡単にいかせてはもらえない模様。
>「※1―――Grasp magnetic―――!!」
そう唱えた瞬間、氷で造られた杭は軌道を変え、地面に突き刺さった。
【ほぉー、すっげ!】
【あっ!氷に…砂、いや砂鉄かな?】
「…砂鉄……?あぁ、磁力か。」
それなら納得できる。

相手は起き上がり、心なしか睨んでくる。
「もう容赦しないぞ!許してっていってもダメだぞ!」
勿論グレイブは謝るつもりは無いが。
相手は紙を二枚取り出し、放り投げる。
>「さあ…いでよ我が下僕よ!我が道を邪魔する愚鈍を排除せよ!
> ――――Hydra of the lightning―――」
>投げたノートの切れ端がバチバチと光り、雷でできた蛇のようなものが二匹現れる。
【おほっ!今度は召喚かー!】
>「さあいけ!僕のハイドラ!!えーと…あの青い髪の変な奴をやってしまえ!
> ……しかし呼びにくいな。名前教えてくれないか?毎回青い髪の…は面倒だ。」

「…グレイブ、人狼のクォーターだ…。
しかし、雷の蛇といい、先程の詠唱のサンダーやマグネティックといい……お前の魔法は電気がよく関わってるな…。」
【面白そうだ!俺にやらせr「駄目だ。お前に通用しそうに無い。」
左に目を走らせて言う。
哀れグレイル。君の出番は混戦だ。
「自己紹介は終わりだ…お前のペンダント、頂くぞ。それと、」
そう言うと、右手の人差し指、中指、薬指に魔力を込め、後ろに引く。
「最近習得した魔法の実験台になってもらおうか……"凍り杭"!」
グレイブはサイドスローの様に手を振る。
其処から出るのは『氷の魔力』で出来たものと表現すればいいのだろうか。
杭の形をしたエネルギー体。
2本は蛇へ、もう1本は敵の顔面、口の方へ飛んでいく!

160 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23:58:49 0
>>152>>157
《別にあなたにまだ気を許してるわけじゃないんだからね。》
 OK、落ち着くんだ俺。

 エースがテレパシーで誰かと連絡を取っている間、リリアーナは少女に応急処置を施す。
 流石に服の上から治療は無理なのでおーっと目の保養だが銀色。何故か銀色ですよ奥さん。
「・・・・・・・えっと・・・せめて止血だけでもさせてくれる? キサカさん、あっち向い・・・じゃなかった、警戒お願いね」
「ですよねー」
 正直予想はしていた。
 背を向ければ壁がある。何の変哲も無い壁だ。何この虚しさ。

 今後の動向をぼんやりと考えていた矢先、後ろからの声がある。
「ねえキサカさん。エルザの傷口も私のときみたいにさくっと治せないかな?
 ほら、さっきキサカさん私の両手首を切断したじゃない。その後すぐにくっ付けて元に戻してたでしょ?
 あの不思議な魔法、エルザにも使えないかな? 無理ならせめて痛みだけでも・・・・・・」
 キサカは振り向かないまま答えた。
「……ん、間違いなく使えるな」
 無生物だろうが人外だろうが、直す事が出来る筈だ。
 俺ならできる。キサカはそう言って、腰にある箱からカロリーブロックをもう一本取り出した。
 やがて時が経てば、彼女の傷は本人にさえもわからなくなるだろう。
 ……縁起でもないな。
「あ、ごめん。えっと・・・この間ロックの部屋で寝てた赤いワンピースの女の子覚えてるかな?
 彼女がそうなの。本当の名前はエルザ。エルザ・フォン・ブラハントよ」
 ごめん、という言葉に、何が? と返そうとして、続く言葉に素直に驚いた。
「……マジで?」

 キサカは乾いた薬用食品を水無しで咀嚼しながら、リリアーナの話を聞く。
 編入生であるキサラの事。森での騒動の事。彼女を食堂でとっ捕まえて学園に編入させた事。
 もぐもぐやってるので緊張感が無いが、顔つきは真面目だ。
 リリアーナが処置を終え、不味い薬と事情を飲み込んで一息。
 容貌がかなり違うのは突っ込み所だがあえてスルー。
 態度も冷たいわけだ、と視線を下ろしてみれば、
 エルザが泣いていた。
 なにゆえ? と疑問を浮かべた途端、リリアーナがいきなり慌てだし、
「えっえっ!!ご、ごめん痛かった?苦しいなら、少し包帯緩めたほうがいいかな?」
 ……いや落ち着け御嬢様。いいですか貴族たるもの常に冷静さと気品を(ry
 俺も落ち着け、と無理矢理クールダウン。
 今日ここで出会ってからの事を反芻する。
《……人間用の医療が効かないのは確実みたいだな》
 事実だ。だが、本人にとって聞こえの良い事だろうか?
 自己嫌悪。
「……人間じゃない事を気にしてるなら、そういう考えは捨てた方がいい」
 どうして泣くのか、と問いても、答えてはくれないだろう。予想が正しければ精神的な問題だ。
 どうする? とキサカは前置きを一つ。表情を無に保ちつつ、
「俺に触れて欲しくないなら、俺は君の意見を尊重する。リリアーナも保護者も関係無しでだ。
 選択権は君が持ってる。俺が担うか、生みの親に頼むか。それとも他の先生に頼むか」
 この手で治してやりたいなどという感情は無い。
 だが、求められれば答えるのが野郎の務めだ。キサカにとってはそれが当たり前。

161 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/03/03(月) 11:29:42 P
>122
>「学園全体で大乱闘かぁ、また大胆な話だね。
 ということは、ここでフリージアを攻撃するのもアリって事かな?」
いつのまにやらフリージアの回りには雪の結晶が舞っている
いつでも反撃の準備は出来ているようだ
>「・・・・・・冗談だけどね。」

ラルヴァよりもその使い魔に関心を示すフリージア
>「虎・・・あぁ、シャニィなら元気だよ。ほら。」
「相変わらずかわいいですわv・・・それにしても色が違うけどイメチェンしたのかしら?」
フリージアは久しぶりに見たシャニィの色が違うことに気がついた
がその理由がわからなかった

>「ペンダントを持ってない訳だから僕は現在相当な反則だよね。」
「そうかもしれませんわねv」
だがペンダントを持っていない者
がそもそも参加できるのだろうか?と少し疑問に思うフリージア

>「じゃあ、フリージア。共闘でもするかい?どうやら男子寮で何かありそうだけど。」
「受けたまりましたわ・・・・それにしてもあれは一体なにかしら?私も気になりますわ」
とりあえずフリージアは黒い人形を追いかけることにした
ジャコン ジャコン ジャコン
フリージア(の着込んだフリージングドール)が歩くたびにこんな音がする
遠くから見れば何時も通りのフリージアだが・・・明らかに遠近法が、間違っていた
なにせ2mを超えているのである
より正確には247.5cm
本来のフリージアの1.5倍大きい
さてフリージアの身長は何cmでしょう?


フリージアはキキの人形を見て一言
「黒い・・・天使ですの?なかなかのデザインですわね」
フリージアは同じ形の氷の人形しか作れない
自分の姿をした人形以外の設計図が頭の中に無いためである
故にその人形のデザインに純粋に感心をした一言であった

162 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/03/03(月) 12:55:28 O
>153
>「んじゃカウント始めるぞ〜。じゅ〜、きゅ〜…」
あたしが隠れてる誰かさんに警告すると、レイド先生も一緒にカウントダウンを開始する。
敵だったときは恐ろしかった分、味方にするとすごく頼もしい。
調子に乗ってあたしも一緒にカウントダウンを始めたけど、残念な事に隠れてる奴はあっさり姿を見せた。

>156
>「そんなに大きな声で言われずとも出て行くよ」
茂みから傘を広げて登場したのは、ヴァンエレン・ブランカート。
死者の王たる吸血鬼でありながら、学園のお笑い担当という珍しい奴だ。
まだゴーストになってなかったってことは、どこかに隠れてたな?
ヴァンエレンは素直にあたしたちの方に近づいてくるけど、あたしは少し不思議に思った。
表情も、歩き方も、まるで別人みたいにしっかりしてる。

あたしが、こいつほんとに別人じゃないのかと疑いだした時、ヴァンエレンは衝撃の事実を口にした。
主にレイド先生に向かって。
あたしなんか眼中に無いってことかい。
>「森に入ったことがあるか?
 あそこはもうベアトリーチェが毒の計を巡らして魔の巣窟と化しているぞ。
 もう百人くらいはやられているんじゃないか?
 しかも、恐ろしいことにそのやられた生徒たちを神経毒で操っているらしい」

「ひゃっ、百人!?神経毒!?」
あたしでもやっとペンダント四個なのに、百以上も集めたのかあの毒吐き女!
しかも倒した相手を操ってるなんて、まさに外道だ。
ヴァンエレンはこみ上げる何かを押さえるように、涙をぬぐって続ける。
>「いまだ策なし力なし、勝算なしの私だが…。
  どうかベアトリーチェを止めるために手を貸してくれないか?」
うっわー。行きたくねー。
でも、毒々チョコの話を聞くためには、嫌でもベアトリーチェに会わないといけないのか…
ううっ。リリアーナが毒々チョコの件を、詳しく知ってたらいいのになぁ。

「協力してあげてもいいけど、こっちからも聞きたい事があるわ。
ベアトリーチェを止めるって言ってたけど、あいつは何を企んでる?
それから、なんであんたがその邪魔をするのよ」
話の真偽は慎重に見極めないといけない。
最悪、吸血鬼はベアトリーチェの手下で、哀れな犠牲者を森に誘い込む手助けをしているのかもしれないのだ。
「言い遅れたけど、あたしの名前はミルク。
だまされたって後でわかったら、ゲームが終わった後で灰にしてやるからね」

163 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/03/03(月) 17:55:53 O
>156>162>「そんなに大きな声で言われずとも出て行くよ」
誰かと思ったら、ヘボ吸血鬼じゃないか。
「お前も参加してたのか。で、何よ?」
「(前略)しかも、恐ろしいことにそのやられた生徒たちを神経毒で操っているらしい」
勘弁してくれ。毒に耐性はほとんど無いんだ。
森には近付かないでおこう。
>「いまだ策なし力なし、勝算なしの私だが…。
 どうかベアトリーチェを止めるために手を貸してくれないか?」
……何を言い出すかと思ったら…お前は馬鹿か?
死にに行くようなもんだぞ。
君子危うきに〜って言うじゃないか…。
しかもミルクの疑問ももっともだ。
ベアトリーチェが何を企んでいるのかは知らないが、このヘボ吸血鬼に直接関係があるとは思えない。
ミルクの疑問に答え難そうにしている辺り、何らかの事情があるのは間違い無い。
だが、本当に100人以上が犠牲になってるとしたら…う〜む…。

「分かった、手伝ってやる。お前がベアトリーチェを止める理由、言いたくないなら言わなくても良い。
そんな理由知ったところで何の得にもならんからな。
だが勘違いすんな。
お前の為にベアトリーチェを止めるんじゃない。断じてな。」
そこん所はちゃんと理解しといてもらわないと困る。

164 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/03/03(月) 17:59:27 O
「で、問題はこっから。
訳ありで俺とミルクは20分程まともに動けない。
俺は今は動けてるがあと1、2分で、ばたんきゅ〜、だ。」
そこで俺は名案を思いついた。
「ヘボ吸血鬼、手伝ってやる代わりに俺達が動けるようになるまで護衛しろ。
今からミルクを背負って移動する時間は無いみたいだからな。」

さすがの俺も560kgの負荷を背負って戦うのは無理。
かと言ってまた強化魔法を使うのは勿体無い。
だから動けない間はヘボ吸血鬼に護衛を任せようって訳だ。
「どうだ?悪くない取り引きだと思わないか?」

165 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/03(月) 19:00:26 0
>157
> 「えっえっ!!ご、ごめん痛かった?苦しいなら、少し包帯緩めたほうがいいかな?」
> リリアーナはおろおろした。
エルザはおろおろするリリアーナの手を握り、首を横にふった。
そうじゃない、そういうわけじゃないというメッセージだ。
> 「そうだわエルザ、ロックは?今日はロックと一緒じゃなかったの?
>  もしよかったら、エース先生に頼んでロックを呼んでもらおうか?」
エルザはやはり首を横にふった。
『ごめんね、リリアーナ。今朝ロックを撲殺してきたの…アハ(ハート)』
などと言えるわけが無い。
そもそも何でこんな時にリリアーナはロックの話をしだすのだろうか?

>160
> 「……人間じゃない事を気にしてるなら、そういう考えは捨てた方がいい」
エルザは首を横にふることは無かったが、キサカを睨みつけた。
そう言われても、『ですよねー』と気楽に言えるわけが無い。

> 「俺に触れて欲しくないなら、俺は君の意見を尊重する。リリアーナも保護者も関係無しでだ。
>  選択権は君が持ってる。俺が担うか、生みの親に頼むか。それとも他の先生に頼むか」
キサカによれば、彼ならエルザの傷を治すことができるらしい。
リリアーナの言葉から察するに、キサカは彼女の両手を切断した後、またくっつけたとか。
「…キサカ、リリアーナの両手首を切ったの?」
エルザはやっと重い口を開いた。
「だとしたら、あなたはとんでもない馬鹿者だわ!
 男のくせに女の子に、それもそんな残酷な事をするなんて!
 すぐ元通りくっつけたから良いなんて思っているなら大間違いよ!」
エルザは、リリアーナが両手首を切断された時のショックはしばらく心に残るだろう、と思った。
『私がもし元気なら、あなたをぶっ殺してるところよ!』と言おうと思ったが止めた。
リリアーナが側にいるからさすがにそれはまずい。

「そんなあなたに私が『傷を治して』なんて言うと思う?
 あなただって私を治療する理由なんて無いはずよ。それに…」
エルザはお腹をさすってみた。リリアーナが巻いた止血帯のおかげで、
もうこれ以上水銀のような液体は染み出してこないみたいだ。
「…ごめん、リリアーナ。お礼を言うのが遅れたわ、ありがとう。」
エルザは立ち上がった。もう力を入れた拍子にどくどく血が溢れることはない。

「これで十分よ。」
エルザはそう言ってリリアーナの前で歩いて見せた。しかし…
「うっ!お腹が…」
エルザはお腹を押さえて呻いた。しかし、心配には及ばなかった。
「お腹が…お腹がペコペコだわ…」
エルザは空腹を訴えた。

エルザはエースに向かって言った。
「ねえ、何か食べるものを持ってない?
 もし何か持っているのなら、私のお腹を切ったお詫びとして、
 受け取ってあげないこともないわ。」

166 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 投稿日:2008/03/03(月) 21:32:20 0
>>159
>「…グレイブ、人狼のクォーターだ…。
>しかし、雷の蛇といい、先程の詠唱のサンダーやマグネティックといい……お前の魔法は電気がよく関わってるな…。」
「グレイブだな。僕の名前はマオだ。君の読みの通り二頭過程の中でも一番といえる雷術使いだ。」
お互いに自己紹介をすませる。まあこの僕が自己紹介するなんて必要はないが…
自分の倒した相手の名前ぐらい教えておかないとグレイブが可哀相だしな…フフフ。
>「自己紹介は終わりだ…お前のペンダント、頂くぞ。それと、」
グレイブの右手の指に魔力を反応を感じ僕は警戒し身構える。
>「最近習得した魔法の実験台になってもらおうか……"凍り杭"!」
相手が放った魔法…なるほど、どうやら相手は僕の磁気対策をし物質ではない
魔力で錬ったエネルギーを放ったというわけだ…確かにあの呪文は物質にしか影響を及ぼせない。
僕の生み出したハイドラは氷の直撃をくらいピキピキッという音をたてながら凍っていく
そしてこの氷の杭は僕の方にもきている…

「フフ、少しは考える頭を持っているわけだ。ハイドラ!さあ最後の力を振り絞れ!!」
氷漬けになっているハイドラが僕の声を聞き無理やり体を動かし僕と氷の間へと割ってはいる。
氷の杭は止めをさしハイドラは完全に氷結して砕け散った。だがまあいい。
どうせ使い捨てなんだ。それにまだノートの切れ端は用意してある。
「フッ…確かに僕の磁力化を防ぐいい攻撃方法だが……まだまだだな。
 相手に“狙っている”って分からせるなど、正に莫迦の極み。
 やはり僕のようなエリートに適うような……」
僕がグレイブに向かいニヤリと笑いながら話していた時、急にグレイブの様子がおかしくなる……
何やら相当苛立っているようだ。僕の言葉が癪に障ったのか?
フフフ面白い…ならもっと言って怒らせてやる、あういう風に冷静を装っている奴ほど熱くなればボロが出るものだ。
「まあ要するにだ…僕のような“エリート”と君のような“低能”とでは勝負にならないってことさ…」
フフフ…ほら怒れ……そのちっぽけなプライドを見せてみろ!

そして僕は片手に魔力を集める……激昂して冷静さを失ったらその隙に付け込み、
この魔力でもう一度Thunder duetを放ってやる。その時がグレイブ…お前の終わりだ!

167 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/03/03(月) 22:35:00 0
>162>163>164
話が終わり如何に今の森が危険かということが伝わったようで、聞き手の二人は驚きを隠せなかった。
森を進入かつ強大な敵となったベアトリーチェに挑もうというのだから、普通ならば拒否されても文句は言えない頼みごとである。
それでも…それでもきっとレイドたちリリアーナ組ならなんとかしてくれる!……はず。

>「協力してあげてもいいけど、こっちからも聞きたい事があるわ。
>ベアトリーチェを止めるって言ってたけど、あいつは何を企んでる?
>それから、なんであんたがその邪魔をするのよ」
「直接聞いたわけではないからあくまで予想だが、ペンダントを独占して二位あたりの景品を狙っているんじゃないか?」
優勝者にはリリアーナが贈られるそうだが、ベアトリーチェ自体チョコに影響されたとも思えないのでヴァンの予想はあながちハズレとも言えない。
優勝を狙うとしたらレオにいい格好を見せて褒めてもらおうという冗談のような魂胆くらいしかないだろうが、まさかそんなことは……。
なぜ森を居城にする彼女を止めることにここまで魔物が躍起になっているのか?
それはヴァン自体は気に食わないからという単純な理由から来るものであるが、
そもそもヴァンエレンという吸血鬼はそんな理由で危険に突っ込むような性格であったか?

>「分かった、手伝ってやる。お前がベアトリーチェを止める理由、言いたくないなら言わなくても良い。
>そんな理由知ったところで何の得にもならんからな。
>だが勘違いすんな。
>お前の為にベアトリーチェを止めるんじゃない。断じてな。」
ミルクにどう答えてよいか困り果てているところを救ったのは、心地よいばかりに即断するレイドの言葉だった。
重要なことなのでもう少し答えを出し渋るかと思っていたヴァンは不意をつかれて拍子抜けしてしまう。
だが朗報の意味を瞬時に理解するや否や、あまりにレイドらしい回答に博打を打っている厳しい表情が和らいだ。
「あんたが私のためにベアトリーチェを倒すとか言い出したら、まず脳を見てもらうために保健室に駆け込まなくてはいけないところだ。
 まあ、なんだ…礼を言うぞ」

>「で、問題はこっから。
>訳ありで俺とミルクは20分程まともに動けない。
>俺は今は動けてるがあと1、2分で、ばたんきゅ〜、だ。」
ここに来るやってくるまでに誰かと戦闘があったのだろう。
外見からして傷はなさそうなので、もしかしたら捕縛系の攻撃に当てられたのかもしれない。
>「ヘボ吸血鬼、手伝ってやる代わりに俺達が動けるようになるまで護衛しろ。
>今からミルクを背負って移動する時間は無いみたいだからな。」
「理由は詳しく聞かないが状況はわかった。
 これで交渉は成立だな。
 これより私はご両人の決死の護衛にあたる!」
たかだか二十分ほどだが、戦場の二十分は刹那の刻である。
このまま何事もなくレイドやミルクが自由になるまでの時間を稼げればよいのだが…。
「それから森についてまだ知りたいことはあるかね?」

168 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage ] 投稿日:2008/03/03(月) 23:48:35 0
>>158
>「はぁ〜い。キ・サ・ラ」
腐海を走り抜けるキサラに声がかかる
(その声は…!)
と思い、振り向くと、そこには―――
(天敵)アルワナーズ・アル・アジフである
しかもなぜか半透明で浮いている…
>「まだ生き残っていただなんて感心だわぁ〜。
私なんて開始30秒でゴーストになっちゃったのにぃん。」
「開始30秒…?」
いくらアルワナーズさんが戦闘が苦手とはいえ…
30秒でKOとは考えにくい…
彼女のことだ、自分からゴミ箱にペンダントでも放り込んだのだろうか?
いくら彼女でもそこまで思い切った行動をするのだろうか…?
「…そ…そうだ!
 この前は酷かったですよアルワナーズさん!
 せっかく僕があんな恰好までして女子寮まで運んだのn…」
…と、ふとキサラが先日のことを思い出して口を開くが、

>「この先に行くと森が開けて湿原になっているの。
そこにはこわ〜い魔女がいるのよぉん。行ってもいい事無いし、引き返すことをお勧めするわ。
イベントは明日も続くのだし、こんなところで消耗するのは得策じゃないもノン。」
あっさり切り返されるキサラ
完全に遊ばれている

が、危機感こそ感じられない口調(…なのはいつものことかもしれないが)で、かなり重要なことを喋っている
「…それでも…行きますよ
 その怖い魔女っていう人…尋常じゃないですから
 たかがイベント1つのために、ここまで大がかりなフィールドを用意するなんて…考えられませんし
 …それに……ペンダントの数がこうもたくさん、近くにあったら…僕にでもわかります」
キサラは口に出さなかったが、いざとなればメラルさんにもらったカードで緊急離脱すればいい
彼にはそんな保険があったのだ
そしてそのまま腐海を進もうとすると、更にアルワナーズが話しかける

>「それより、聞いておきたいことがあるのだけれどぉ〜。
女子寮で、な〜にをしていたのぉ?」
「……………ッ!!」
ギクリとしてキサラが立ち止まる
「…なんでそのことを…!」
>「なんだかとっても面白そうな匂いがしちゃって着いてきたんだけれどぉ。
このまま進むなら私は女子寮に行くから聞いておこうと思ってぇん。」
と、無駄にどぎまぎしてみたが、どうやらアルワナーズの興味は本質の方らしい
キサラは言うべきか迷った末に口を開く
「…この情報が誰かに漏れると困るんですけど…
 霊体に干渉することができないなら黙っててもアルワナーズさんが女子寮に行ったら同じこと…
 ……ですけど僕は教えられません
 …メラルさんから許可を得たら話は別ですけど…」
そう言って再びアルワナーズに背を向け、腐海を進む
去り際に、「…女子寮にいたこと…誰にも言わないでください…お願いですから」と聞こえた気がするが、気のせいかもしれない

169 名前:グレイブ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/03(月) 23:52:48 0
>166
グレイブの放った魔法は蛇の方に簡単に命中し、凍った。
もう一本、マオへ飛んでいった方は…
> 「フフ、少しは考える頭を持っているわけだ。ハイドラ!さあ最後の力を振り絞れ!!」
片方の蛇が飛び上がり、自ら杭に当たった。
「チッ、本数をもう少し増やせばよかったか…。」

マオは不敵に笑い、話し始める。
>「フッ…確かに僕の磁力化を防ぐいい攻撃方法だが……まだまだだな。
> 相手に“狙っている”って分からせるなど、正に莫迦の極み。
> やはり僕のようなエリートに適うような……」
「……誰が『莫迦』だと?」
ピクリ、と眉が上がり、眉間に皺が刻まれる。
【…ま、まずい!】
【こいつすっげー命知らず!そこに痺れる憧れるゥ!】
【いや、憧れなくていいから!】
止めにもう一言。
>「まあ要するにだ…僕のような“エリート”と君のような“低能”とでは勝負にならないってことさ…」

「……………………………。」
グレイブは押し黙る。
その時間は20秒程度だったが、長いようで短く、短いようで長かった。
そして、
「…………くっ、」
口の端を吊り上げ、
「…くっくっく………ハッハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
高笑いを上げた。
「ハッハッハ…くっくっくっく……誰が『エリート』で誰が『低能』だと?
随分と自信過剰だな………俺を舐めてんのかこの貧弱野郎がぁぁあぁああ!!!」
大音量で思いっきりキレた。
憤怒の形相。般若の面の様に怒り狂うグレイブ。
【………。】
【………。】
【………プッツン入りましたー!】
【ええ!?此処でそれ入れる!?】

「いいだろう……残りの魔力なんぞ関係無い。氷漬けにしてやる!」
両手を前に出し――
「"凍結し捕縛せよ、我の眼z…"……。」
詠唱、だが其処まで言うと、突然頭を垂れた。

170 名前:グレイズ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/03(月) 23:53:44 0
次の瞬間、髪の毛が黒く染まり、耳が狼のものとなる。
『リバース』で初めてグレイズが出てきたのである。
「えーっと…マオさん…だよね?女の子に行き成りグレイブがキレてごめんよー。」
頭を掻きながらすまなさそうに言う。

ちなみに後ろでは…
【離せぇええぇ!R!あいつを氷漬けにさせろぉおおお!!】
【うるせー!落ち着けっつってんだろーが!】
必死にグレイルがグレイブを押さえつけている。
痛みは無いが。

「……見えないかもしれないけど、今僕の後ろで大乱闘、というか…そんな感じのが起こってるんだ。
だから戦えないんだけど……今更だけど、見逃してくれないかな?」
前門の戦闘中の雷術使い、後門の幽体乱闘。
如何考えても逃げ道が無い。
首筋に汗が滲んでくるのがわかる。
「(…違う意味で凄い挫けそう…誰か助けてー……。)」

171 名前:キキ ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2008/03/04(火) 18:01:03 O
「………見つけたでおじゃる」
ソフィアが窓を明け、こちらを視認した瞬間
爆音と共にキキは更に加速する。
それに千世を追従させ、完全な臨戦体制を作る。
引っ込むのならば、この炎盤(使用中のサーフボード)を叩き込ませてもいい。
だが、奴の行動はキキの思考とは逆を選ぶ。
なんの躊躇もなく、窓から飛び降り逃走を始めたのだ。
キキはキキで、寸での所で大きく旋回し自爆を免れることに成功する。
「…成る程、懸命な判断でおじゃるが…糖蜜のように甘いでおじゃるぞ」
追従する千世を操り、ソフィアの目の前に降り立たせる。
「…さて、どう出る?式神を用いて麿を討つでおじゃるか?」
その時、エースから呼び出しが入る。
一瞬、罠かと思ったが若干焦っているようにもとれる。
苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、思考する。
「…………命拾いしたでおじゃるな」
舌打ちをし、その場で方向転換した後、千世を追従させてエースの元へ向かった。

172 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/03/04(火) 19:05:01 O
やっぱり予想は的中で、私の逃亡はアッサリと阻止を喰らう。
目の前の何かに進路を塞がれ、頭に個性的な物を載っけてる人が颯爽と着陸。
そして一言。
>「…さて、どう出る?式神を用いて麿を討つでおじゃるか?」

「どうして欲しいかな?
私としては紙にばかり頼っているのは情けない限りなんだけど………」
あちらさんの物言いに少しムッとしたけど、こちらも余裕をアピール。
余裕あるよー、怖くないよー。なんてね。

でも、さて一体どうしようか?鬼火と式神だけじゃないのを要アピール?
と、考え込んでいると………
>「…………命拾いしたでおじゃるな」
とのたまって逃亡。
「命拾い………?」
あぁ、君が?まあ、確かにそうかもね。
相手の力量も見ずに勝ちを確信するような自信家は多聞にして負けるものだ。

「さて………」
今の言葉にふとした違和感。どうして私が近接戦闘に式神を使っているのが解ったのか?
森の外では移動にしか使ってないのに………
ひょっとしてストーカー?こんな変人にくっついて巡るなら、もっと有意義に時間は使った方が………
そしてあるいは、森の中での私の情報を誰かが流しているのか。
やっぱり時間は有意義に使った方が………
と言いたくなる。
後者について思い当たる人物が二名。
毒沼ミミズ女と、その周りに馬に乗っていた人物。

何となく、ムカッとしてきた。取り合えず森に戻って、まだ居るかは判らないけど、どっちかをどうにかしよう。

そんな風に考えながら歩いている内に、校舎と森のすぐ前まで来てた。

173 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 投稿日:2008/03/04(火) 19:10:30 0
>>169
僕が挑発を続けるとグレイブは押し黙る…
逆効果だったのか?つまらんと思っていると
突然大声で笑いはじめた…壊れちゃったのか?
>「ハッハッハ…くっくっくっく……誰が『エリート』で誰が『低能』だと?
>随分と自信過剰だな………俺を舐めてんのかこの貧弱野郎がぁぁあぁああ!!!」
ま、まさかここまで怒るとは…そんなに馬鹿やら低能やらが
嫌だったのか?……怒らせておいてなんだがこいつ結構危ないタイプだぞ。

>「いいだろう……残りの魔力なんぞ関係無い。氷漬けにしてやる!」
「フ、フンッ!や、やれるものならばかかってこい!」
ちょっとここまで怒るとは予想外だったが問題ない!
>「"凍結し捕縛せよ、我の眼z…"……。」
来る!…と思ったら詠唱の途中でいきなり頭をガクンと下げる。
いったいさっきからこいつはどうしたんだ?まさか本当にどっかおかしい奴じゃないだろうな?

>>170
どうしようかと思っていたらグレイブが変わる。
比喩とかではなくて髪の色も変化しなにやら耳らしきものがはえる。
あれか?最近一部で流行っている猫耳とか言う奴か?
どっちにしろ僕はどうしたらいい、このまま攻撃しちゃっていいのか?
>「えーっと…マオさん…だよね?女の子に行き成りグレイブがキレてごめんよー。」
さっきと全く違う口調…そしてグレイブとやらをまるで第三者的視線で見ている。
一体なんだっていうんだ……もしかして…多重人格者!?
しかし多重人格で人格が変わったとして髪の色や耳を生やすなどありえるのか?
「いや…別に構わないさ。女に見られないようにこういう格好と髪型をしているんだ。
 女はなめられやすいからな。それも僕がいまいる二等それよりも君は暗に自分がグレイブじゃないって言っているけど…
 何か事情でもあるのかい?」
とりあえず探り…目の前の人物は性格的にあまり荒くないようだから
それを見越して冷静に落ち着いて語りかける。

>「……見えないかもしれないけど、今僕の後ろで大乱闘、というか…そんな感じのが起こってるんだ。
>だから戦えないんだけど……今更だけど、見逃してくれないかな?」
若干答えになってないようだがとりあえず後ろというのは心の奥のことを言っているようだ。
大方人格達が言い争いでも行っているのだろう…うん!そうに違いない!
フッ…なんという名推理!まあ僕は名探偵マオだからな…そこらの莫迦とは頭の出来が違うんだ…フフ。
「全然見えないけど僕としては別にかまわない。まあ元はペンダントを素直に渡せば済む話が…
 僕も意地悪心から不意打ちして更に拗れさせたからな。」
そして僕は落ちているペンダントを拾い…それを自分のとこにしまわずに
相手の方に軽く投げる。ペンダントは放物線を描き足元に落ちる。
「それは君達にあげよう。僕には他に目的があるから不要だ。
 じゃあ…えーと…グレイブに言っておいてくれ“悔しいなら二等過程まで来てみろ”ってね。」

そして僕はグレイブと別人格に別れを告げ歩きはじめる。
「ああ…あとサービスで一つ教えてやろう。森の奥に行くなら気をつけろ。
 あそこに広がる湿地には腐乱させるガスが充満していた…
 おそらく並の防御では中央に辿り着くのも難しいだろうな。」

174 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【自前0 所持1】] 投稿日:2008/03/04(火) 19:36:37 0
>165
>エルザはおろおろするリリアーナの手を握り、首を横にふった。
>そうじゃない、そういうわけじゃないというメッセージだ。
ロックに関する質問も同じだった。
「そうなの・・・・・・」
リリアーナはすっかり手を離すタイミングを逃し、どうしたものかとキサカのほうを見た。

> 「……人間じゃない事を気にしてるなら、そういう考えは捨てた方がいい」
「そ、そんな言い方しなくても・・・・・・」
リリアーナは思わず額に手を当てた。
エルザが女顔の狐耳少年を睨みつけている。
だが当のキサカは特に動じる様子も無く、マイペースな口調で「エルザがどうしたいのか」尋ねている。
その様子をエース先生がにこにこしながら見守っていた。

長い沈黙の後、エルザはキサカの治療を拒んだ。
ああ、手首を切断されたなんて余計なこと言わなきゃよかったと後悔したが、もう遅い。
>「…ごめん、リリアーナ。お礼を言うのが遅れたわ、ありがとう。」
「お礼なんかいいのよ。それよりまだ痛むんじゃないの?本当にキサカさんに治してもらわなくていいの?」
心配そうなリリアーナをよそに、エルザは立ち上がった。
>「これで十分よ。」
>エルザはそう言ってリリアーナの前で歩いて見せた。しかし…
>「うっ!お腹が…」
「ああもう!言わんこっちゃない!!キサカさん、手を貸・・・」
「お腹が…お腹がペコペコだわ…」
リリアーナはがっくりと肩を落とした。

空腹を訴えたエルザは、エースに向かって言った。
>「ねえ、何か食べるものを持ってない?
リリアーナは今度こそ蒼白になった。ピキッと空気が凍りついた気がした。
> 「もし何か持っているのなら、私のお腹を切ったお詫びとして
「わ―――――――――――――――― っ!」
リリアーナはエルザの前で両手をぶんぶん振って大声を出した。
エースがにこやかな笑顔を浮かべつつ、首を傾げている。
「キサカさん、エルザさん確保っ!!」
キサカにエルザを抱えあげるよう頼むと、リリアーナは落ちていた幻灯機を拾った。
「エース先生さよならっお元気で!リバース内で二度と遭遇しないことを祈ってますからー!!」
そういい残すと、リリアーナは大急ぎで逃げ出した。

ひとしきり走ったところで、リリアーナは息をついた。
「もう。エルザったら、先生にあんなこと言っちゃダメじゃない。ああ見えてエース先生を怒らせたら大変なんだからね!」
食堂方面に走りながら、リリアーナはエルザをたしなめた。

>160
「キサカさん、さっきの手首びよよーんの件だけど・・・・・・私は本当に気にしてないから。
 だって、本来なら手首じゃなくて首を落とされても文句は言えないんだからね。・・・・・あはは」
リリアーナはわざとおどけた言葉を選び、ウィンクしてみせた。
ただ切断された時の衝撃や恐怖を思い出したのか、リリアーナの笑顔はちょっぴりぎこちなかった。

リリアーナはポーチの中から携帯食料や飴やチョコを取り出し、エルザに渡した。
「お腹がすいてるなら、しばらくそれで凌いでて。食堂に行くつもりなら、途中にある中庭のごみ箱の様子を見に行かない?
 もしかしたら、エルザのお友達もそこに居るかもしれないし」
ミルクがごみ箱のそばに居るのなら、リリアーナやエルザを心配しているからに他ならない。
別にもう一度会う必要は無いといえるかもしれないが、別れ際の様子ではきっと心配しているだろう。

175 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/03/04(火) 19:58:12 O
あー、訂正、訂正。>171は無し!

………目の前には謎の物体。どうしろと?
いいや、避けちゃえ。
右にカニ歩き。しかし、謎の物体もガッチリとブロック。
左にカニ歩き。やっぱりガッチリとブロック。

………よし、都合よく解釈しよう。きっと、避けようとはしてるだ。そう、こんな感じ。
A「何でお前、オレのジャマするんだよ!?」
B「いや、避けようとしてんのにお前が動くからだろ!?」
ときたま有るよね?こういう状況。
解りにくいかな?まぁ、いいや。別に例えは重要じゃないからね。

なら…………
右、左、右!!
ばっちりブロック。スポーツするならディフェンダーには最適だ。
じゃあ、もう一回。
右、左――
ここまではさっきと同じ。相手もばっちりブロック。じゃあ、これは?
全体重をおもいっきり左脚に乗せて………
魔力も使って………
ちなみにここまで一瞬と言って許される時間。
跳ぶ!!
見た目としては
右→左→右に行くと見せかけて上。
三次元的思考ってやつかな?よくあるパターン。

「楽しかったよ?………ウソだけど」
走り抜ける。どうかもう追って来ませんように。
そして、少し躊躇って………森に入る。
あのミミズ女とはもう少し話をしてみたい。
リベンジとか、そんなじゃなくて、芸術家として。

176 名前: ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/03/04(火) 20:17:06 O
しかも>171じゃなくて>172だし

177 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/04(火) 21:38:36 0
>174
> 「もう。エルザったら、先生にあんなこと言っちゃダメじゃない。ああ見えてエース先生を怒らせたら大変なんだからね!」
> 食堂方面に走りながら、リリアーナはエルザをたしなめた。
キサカに再び抱えられ複雑な表情をしていたエルザは、
リリアーナの言葉を聞いて驚いた表情をした。
「うそっ!?あれ教師だったの?…何だかアンジェリーナとはずいぶん違うわね。」
エルザは学園生活を始めてまだ日が浅い。
よく知っている教師は、同居しているアンジェリーナしかいないのだ。

> 「キサカさん、さっきの手首びよよーんの件だけど・・・・・・私は本当に気にしてないから。
>  だって、本来なら手首じゃなくて首を落とされても文句は言えないんだからね。・・・・・あはは」
「リリアーナが文句を言う必要はないわ。私がいるから。」
エルザはこの言葉の真意は話さなかった。
「ところで、“リリアーナの手首を切断したキサカ君”はなんでリリアーナと一緒にいるわけ?」
回答しだいではさらにエルザが怒りそうだ。

> リリアーナはポーチの中から携帯食料や飴やチョコを取り出し、エルザに渡した。
「ああ、ありがとうリリアーナ!」
エルザの顔がぱっと明るくなった。
どこの誰に似たのかは知る由もないが、食欲は実に旺盛なようだ。
> 「お腹がすいてるなら、しばらくそれで凌いでて。食堂に行くつもりなら、途中にある中庭のごみ箱の様子を見に行かない?
>  もしかしたら、エルザのお友達もそこに居るかもしれないし」
「そうだ、ミルクの事を忘れてたわ!」
エルザは5つ目のチョコレートを口に入れて思い出した。
「そういえば、ミルクが会いたがってたわよ、リリアーナ。
 なんでもベアトリーチェと毒チョコについて聞きたいとか。」

178 名前:メラル(代理)[sage 千夜万夜gt;219より] 投稿日:2008/03/04(火) 21:52:23 0
>「…わかりました
  緊急離脱―――って、これ―――どうやって使えば…?」
「ここに、そのカードと対になるカードがあるわ。」
メラルが、また1枚キサラにカードを手渡した。
「それを持って、カードに魔力を込めて…
 "テレポート"と呪文を唱えれば、発動するはずよ。」
そして、カードの効果の説明も付け加えていた。

=================================================================

「キサラ、…遅すぎる…わね…。」
迷彩結界を展開した後…メラルは持ち込んでいた魔法薬で
魔力を回復させながら休憩を取っていた。
襲撃にあって交戦中の場合から裏切りまで。
遅れる理由はいくらでも考えられるのだ。

「奴との連絡手段、用意するべきだったんじゃねーカ?」
「そうね…。迂闊だったわ。…そして、こうなってくると、
 エミューに私を守らせるしかない。そして、幸い…
 広域儀式魔法の魔力にエミューを紛れさせても、
 それを区別できる人は少ないはず。」
「おい、まさか…」
「そのまさかよ。…ペンダントの方は私に戻して。指輪にしまって置くから。」
メラルの服の下から体内に二つのペンダント…メラル本人のそれとリリアーナのそれ
を取り込んだエミューが現れ、ペンダントを排出する。
メラルはすぐさまそれを指輪の中に入れてしまった。
そして…調理用にしては、やけに綺麗な鍋と
(あんのガキ…覚えてろヨ…。)
エミューの怒りのベクトルが完全に遅れているキサラに向いている。
これから取る行動がそれだけの苦痛を伴うのだろう。


【ペンダント 自前1 取得1(リリアーナ) 投棄3】


179 名前:エース ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/03/04(火) 22:58:46 O
>160>165>174リリアーナ達のやり取りを眺めているとエルザが食べ物を要求してくる。

が、リリアーナがそれを慌てて中断し、別れを告げて逃げて行った。

彼女の空気を読む能力の高さには驚かされます。
表情には出していなかったと思うんですが…。
あ、でも少し眉がピクッてなったかも…。
僕もまだまだですね…。

リリアーナ達に手を振りながらキキに連絡をとる。
『もしもし、何度もすいません。君に頼みというのはエルザについての事だったんですが…。
良かったら食堂に向かって下さい。空腹を訴えていたので食堂に行く可能性が高いと思います。
それでは…ゲーム、頑張って下さいね。』

さてと、レイド先生の後を追い…

>「エース先生発見っ!かかれー!」
振り向けば7、8人の男子生徒達が。
あれだけうるさくしてれば集まりますよねぇ…。
「申し訳無い。僕も負ける訳にはいきませんので。」
僕はエルザに放った風の塊を放つ。
その数20発。
人数と場所を間違えましたね。
「ペンダントは取りません。だから諦めて下さい。」
全ての生徒が壁に叩きつけられたのを確認し、その場に座りこむ。
すいません、ちょっと休憩です。

180 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 自前1所持1投下0] 投稿日:2008/03/04(火) 23:03:14 O
>167交渉は無事成立。
良かった良かった。
>「それから森についてまだ知りたいことはあるかね?」
「いや、今は特にn…おわっ!!」
ついに強化魔法が切れたか。
俺は強化魔法が切れた瞬間、仰向けにぶっ倒れる。
痛い。後頭部打った。
「後は頼んだ。せいぜい頑張れよ、ヘボ吸血鬼。」
ちっ…こんなんじゃタバコも吸えない。
なんて不便なんだ。

このまま誰も来ないで済めば、助かるんだけど…。
ヘボ吸血鬼の護衛じゃイマイチ心もとない。
エース先生でも来てくれればなぁ…。

しっかし俺が勝算の無い戦いに挑むハメになるとは…。
いっそのこと森を焼き付しちまえば簡単なんだけど…そんな事したら大惨事だよな。
魔力の消費も半端じゃないし。
なんだったら俺達の代わりに誰かが止めてくれてれば助かる。
確率は低いけど。

「俺には〜夢がある〜。両手じゃ数え切れない〜…」
暇だから歌でも唄って時間を潰すか。
効果はまだ20分近くもあるんだもんな〜。
我ながら強力な武器を使ってるな、って思うよ。
反省。

181 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 00:18:47 O
>167
>「直接聞いたわけではないからあくまで予想だが、ペンダントを独占して二位あたりの景品を狙っているんじゃないか?」
直接聞いたって教える女じゃないだろ。
しかし二位ねぇ…確かに一位狙いなら、すぐゴミ箱にペンダントを放り込んでるはず。
手下は減るけど、奪われる心配がなくなるんだから。
うーん、予想なんだから深く考えてもしょうがないんだけど、ちょっと気になるなー。

吸血鬼の次の言葉を待つあたしだけど、なぜかベアトリーチェを止める理由の方は言い難いみたい。
こら待てまさかなんとなく、とか言うんじゃないだろうな!

>「分かった、手伝ってやる。お前がベアトリーチェを止める理由、言いたくないなら言わなくても良い。
> そんな理由知ったところで何の得にもならんからな。
> だが勘違いすんな。
> お前の為にベアトリーチェを止めるんじゃない。断じてな。」
「え、えぇ〜!?
レイド先生、そんなあっさり決めちゃっていいの!?」
そりゃ後半部分には激しく同意するけど!
今の会話に信頼度が上がるような内容なんてあったか!?

>「あんたが私のためにベアトリーチェを倒すとか言い出したら、まず脳を見てもらうために保健室に駆け込まなくてはいけないところだ。
> まあ、なんだ…礼を言うぞ」
対する吸血鬼の方は、真剣だった表情に笑顔を浮かべてお礼を言ってるし。
まあ確かに嘘をついてるようには見えないけど…
今までの付き合いから、人を騙すような奴じゃないって知ってるとかか?

>「で、問題はこっから。
>訳ありで俺とミルクは20分程まともに動けない。
>俺は今は動けてるがあと1、2分で、ばたんきゅ〜、だ。」
>「ヘボ吸血鬼、手伝ってやる代わりに俺達が動けるようになるまで護衛しろ。
>今からミルクを背負って移動する時間は無いみたいだからな。」
うっ。すっかり忘れてた。
今はイベントの真っ最中で、いつ狙われてもおかしく無いんだった。
あたしはゴミ箱を囲んでた氷のピラミッドを思い出す。
実力のある生徒がやる気を出してると、ほんとに危険極まりない。
頼みの綱のレイド先生が(主にあたしのせいで)ばたんきゅーするんだから、護衛は確かに必要だ。
それに、ベアトリーチェに会うための情報も引き出しておきたいし、ここは手を組んだ方がいいか…

182 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前1所持4投下0】] 投稿日:2008/03/05(水) 00:20:16 O
「わかった。わかりました。
あたしもベアトリーチェを止めるのを手伝ってあげるわよ
その代わり、しっかり護衛しなさいよね」
>「理由は詳しく聞かないが状況はわかった。
> これで交渉は成立だな。
> これより私はご両人の決死の護衛にあたる!」
ムダに気合い入ってる吸血鬼がちょっと笑えた。
あたしは上半身を起こして、ゴミ箱に背中を預ける。
これで敵襲があっても少しは対応できるはず。
後は時間が過ぎるのを待つだけだ。

左右が逆転している以外はいつもと同じ校舎を見ていると、エルザの事が心配になってきた。
リリアーナも狐耳も、エース先生がいれば大丈夫だろう。
でも、エルザには回復魔法が効いていなかった。
傷口から流れ出る銀色の液体が脳裏をよぎる。
回復魔法は効かなくても、ゲームのルールはちゃんと適用されてるんだろうか?
それとも、まさか、もしかして、いやいや学園長に限ってそんな事は…

>「それから森についてまだ知りたいことはあるかね?」
ヴァンエレンがナイスタイミングで質問してくれたので、よろしくない想像は頭から追い出された。
グッジョブ吸血鬼!
>「いや、今は特にn…おわっ!!」
すっころぶレイド先生を横目で見ながら、何を聞き出したいか考える。

「とりあえずベアトリーチェの使った毒とか、罠の種類を知りたいんだけど。
対策できるならしておきたいし」
あたしは毒耐性なんてないから、森に行くなら事前準備は欠かせない。
レオ先生あたりから、解毒剤とか抗毒剤を手に入れる必要がありそうだ。

183 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持2] 投稿日:2008/03/05(水) 00:36:54 0
>>174>>177
 泣くな、と言って泣き止めば苦労はしない。
 だから泣く理由を否定したつもりだったが、睨まれた。
 あなたに何がわかる、と思うのは当然だ。
 解ったら苦労しない。仮に解っても、それが相手に伝わる筈が無い。

「…キサカ、リリアーナの両手首を切ったの?」
 キサカは間髪入れず返答。
「綺麗に斬った。個人的な事情でな」
「だとしたら、あなたはとんでもない馬鹿者だわ!
 男のくせに女の子に、それもそんな残酷な事をするなんて!
 すぐ元通りくっつけたから良いなんて思っているなら大間違いよ!」
 ……言ってくれるね。
 比較論はあてにならない。自覚しているし否定もできない。
「そんなあなたに私が『傷を治して』なんて言うと思う?
 あなただって私を治療する理由なんて無いはずよ。それに…」
 あるに決まってんだろ馬鹿、とは声に出さず、キサカは少し身を引く。
 エルザの視線がリリアーナに向いた。
「…ごめん、リリアーナ。お礼を言うのが遅れたわ、ありがとう。」
 次にエースの方を向き、
「ねえ、何か食べるものを持ってない」
 うわタメ口ですかよ。
「もし何か持っているのなら、私のお腹を切ったお詫びとして」
「わ―――――――――――――――― っ!」
 突然リリアーナが叫ぶ。
 言葉を無理矢理切ろうとしたのだろうが、こちらも驚いた。
「キサカさん、エルザさん確保っ!!」
「御意っ」
 迷わず答え、応える。
 手刀を打ち込むように、片手をエルザの肩甲骨へ、もう片手を膝裏へ。
 掻っ攫うように抱き上げる。反論は無視。

 エースの前から逃亡し、エルザを下ろして走り出してから少し。リリアーナの速度がやっと落ちる。
「キサカさん、さっきの手首びよよーんの件だけど・・・・・・私は本当に気にしてないから。
 だって、本来なら手首じゃなくて首を落とされても文句は言えないんだからね。・・・・・あはは」
 リリアーナの表情には力が無い。無理に笑っているのが見て取れる。
「そういう点では、この場で俺が二人に殺されても文句言えないんだけどな」
 事実だし笑えない。
「リリアーナが文句を言う必要はないわ。私がいるから。」
 エルザの声色には変に刺がある。
 キサカは表情を変えないよう務めるが、
「ところで、“リリアーナの手首を切断したキサカ君”はなんでリリアーナと一緒にいるわけ?」
 ……少し引きつってるかもわからんね。
「なりゆき。メラルって奴に喧嘩売られてペンダントを預ける事になって」
 まあとにかく、と誤魔化してキサカは言う。リリアーナを指差さず手の平で示し、
「御嬢様にエスコートを命令されました」

184 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/03/05(水) 01:43:23 0
>168
キサラはアルナワーズの忠告に従わなかった。
>たかがイベント1つのために、ここまで大がかりなフィールドを用意するなんて…考えられませんし
この先にある危険性を理解した上での決断。
その言葉にアルナワーズの眉がぴくりと動く。
「あらぁん、キサラったらわかってないのねぇん。
たかがイベントだろうと、本気でやるから楽しいのよぉん。」
クスクスと笑いながら応える。
元々このバイオハザードを起こすように仕向けたのはアルナワーズなのだ。
キサラのまだ見ぬベアトリーチェへの危惧はそのままアルナワーズへと向けられたも同然なのだから。

その後キサラは更に奥へ進もうとする。
結局問いには答えなかったが・・・
> …メラルさんから許可を得たら話は別ですけど…」
最後の付け加えた言葉。
その一言でアルナワーズの表情が一変した。
「・・・そう、メラルなの・・・それだけで十分よぉ〜。」
ニタリと怖い笑みを浮かべ、アルナワーズは消えていった。
キサラの去り際の言葉に
「大丈夫よぉん。女装に目覚めただなんて私とキサラの・ひ・み・つ・にしておくからぁん。」
空耳のように残る言葉を残して。


>178
女子寮屋上にて、メラルがイライラしていた。
エミュと話し、ペンダントを排出したときにアルナワーズが姿を現す。
「はぁ〜い、メラル。随分とお疲れのようねぇん。」
にっこりふわふわ浮かびながらやってくるその姿にゴーストだとわかるだろう。
物珍しそうに辺りを見回しながら近づいていく。
「キサラなら校舎裏の魔の森であったわよぉん。
もっとも今はベアトリーチェって子が毒満載の腐海に変えちゃってて危ないって忠告したんだけれどぉ。
男の子なのよねぇ。かわいいわぁ。
危険だからこそ行くって、奥に行っちゃったわぁん。」

待っていたキサラの代わりに現れたのはゴーストアルナワーズ。
しかもキサラの行方を伝えられ、メラルは何を思うだろうか?
勿論メラルが何を思っていようが気にするようなアルナワーズではない。
「まあそんな事より、随分と大掛かりな事やっているみたいじゃなぁい?」
ここからが本題。
ニタリといやな笑みを浮かべながら尋ねる。

大規模な儀式魔法ならばアルナワーズも行う。
マリアベルとの戦いで行った魔力共有システムが際たる例だ。
だがそれは時間をかけ、集団で行う。
しかしイベントの性質上、人手を借りられるとは思えない。
つまりはメラル一人でこれだけの事をしたということなのだ。
それだけの手間と労力と時間が必要だと知っているからこそ、メラルの展開している魔法に驚いていた。

「うふふ、安心してぇん。見ての通り、ゴーストだから干渉はしないしできないもの。
ただの好奇心よ。
メラルがここまでして一体【何】と戦うつもりなのかってぇん、気になるじゃない?」
徐々に日は傾きつつあり、半透明のゴーストアルナワーズは血のように赤く染まろうとしていた。

185 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/03/05(水) 01:44:23 0
>168
アルナワーズと別れ、キサラは更に先に進む。
広大な腐海の中、遭遇密度が1/10となっていることが幸いしたか、菌糸巨人に会うことは無かった。
巨大菌糸群の密度は高くなり、進行速度を落さざる得なくなった時・・・
唐突に森が開けている場所があることに気づくだろう。
薄紫の靄のかかったような湿原。
キサラの危険察知能力が最大限のベルを鳴らす。
菌類すら棲息できえぬ猛毒の世界がその向こうに広がっているのだから。

森の夕暮れは早い。
元々日があまり差し込まない深い森であるのに加え、日が傾きつつある中ではかなり薄暗くなっている。
その状況であっても森を抜け、湿原に入るならば・・・
湿原の畔で如雨露を持って佇む一人の女子生徒に遭遇するだろう。
夕闇に溶け込むような黒いドレス。
それだけにまるで浮かび上がるような白い肌。
まるでホラー映画のオープニングを思わせるような風景と佇まい。
フェイスベールで顔を隠す白髪の女子生徒は、キサラに遭遇すると・・・
目だけでもわかる驚きの表情を浮かべ、
「驚いたわ。まさかこんな森の置くまで来る人がいるだなんて。
ごきげんよう。私はベアトリーチェ。」
驚きの表情の後、柔らかな笑みと共に会釈するだろう。
ここが猛毒の世界、腐海の最深部でなければどこかの令嬢と見間違えんばかりの穏やかさを以って。


186 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage ] 投稿日:2008/03/05(水) 11:42:44 0
>>184
>「あらぁん、キサラったらわかってないのねぇん。
たかがイベントだろうと、本気でやるから楽しいのよぉん。」
…言われてみればそれもそうである
かくいう自分も、そんなたかがイベントに、メラルさんと協力関係まで結んでいる
その件については何も反論できなかった

そして、去り際―――
>「大丈夫よぉん。女装に目覚めただなんて私とキサラの・ひ・み・つ・にしておくからぁん。」
という声が聞こえた気がした瞬間、バッと振り返り、顔を真っ赤にしたキサラはもう聞こえないとわかっていながらも
「ご…誤解を招くような言い方をしないでくださいっ!!」
と叫んでいた

==================================================================================
そしてキサラは腐海の中を疾走する
何かトラップがあってもおかしくないと警戒はしていたが、道を阻むものはなかった
そして―――キサラの目の前の風景ががらりと変わり、一時停止
森は急に開け、薄紫の靄のようなものが漂う湿原が目の前に広がる
(これは…いよいよ危険だ…)
頭の中ではそう思っている
更にキサラは、視力は半端じゃないが、逆に夜目があまり効かないという弱点がある
それは自分でもわかっている
時刻的にはそろそろ夕暮れ―――菌類すら見当たらないこの毒素の密度も考えると―――
(時間は…ほとんどない…か)
それでも退く気はなかった
(…それでも進むしかない…)
キサラはスピードを更に上げ、湿原を進む

湿原の畔―――
キサラがそこに辿り着くと、一人の女性生徒が目に入る

キサラは銃を構え、相手に向け
『この湿原は何だ…今すぐ消失させろ』

―――となるはずだった
だが、畔に佇むその相手―――そしてその雰囲気
無意識の警戒なのか、それとも臆したか
いずれにしろキサラより先に相手はこちらに話しかけてくる
>「驚いたわ。まさかこんな森の置くまで来る人がいるだなんて。
ごきげんよう。私はベアトリーチェ。」
「…あ…
 キ…キサラ……キサラ・トールフェルド…です…」
相手のその柔らかな笑みに一瞬怯む
相手が女性であること、ついでに言うなら先ほどアルワナーズに出会ったのがある意味不幸といえるだろう
完全にペースと集中力を崩されている

187 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 14:00:08 0
>177
>「リリアーナが文句を言う必要はないわ。私がいるから。」
リリアーナは不思議そうな顔をしたが、エルザはこの言葉の真意を話すことは無かった。
>「ところで、“リリアーナの手首を切断したキサカ君”はなんでリリアーナと一緒にいるわけ?」
なんだかトゲトゲしてるなあとリリアーナは思った。
傷が痛む上に空腹なのだから、気が立っていても仕方ないかもしれないが。

>183
>「なりゆき。メラルって奴に喧嘩売られてペンダントを預ける事になって」
そう言って、キサカはリリアーナを手の平で示した。
>「御嬢様にエスコートを命令されました」
「えっ?命令??」
リリアーナは思わぬ展開にびっくりしたが、エルザの表情を見たとたん首を上下にぶんぶん振った。
「そ、そうなのよ〜色々事情があってね。
 とにかく今はこうやって助けてくれてるんだし、エルザもあんまり責めないであげて。
 キサカさん、さっきはエルザを運んでくれてありがとね。おかげで助かったわ〜」

怪我をしているのに、エルザは凄い食欲だ。
そう言えば以前、「ゴムのような身体をもつ海賊は、肉を食べると傷が治る」という逸話を聞いたことがある。
もしかしてエルザもそうなのだろうか?とリリアーナは思った。
まあそのあたりは、ボディ製作者のキキに聞いてみないとなんともいえないのだが。
「キサカさんも食べる?」
リリアーナはチョコを取り出そうとしたが、甘いものが苦手だといっていたことを思い出し、思いとどまった。
差し出したのは手のひらサイズの携帯食料だった。ちなみに塩味である。

そろそろ中庭のごみ箱が見えてくる頃だ。
近づくにつれ、散らばる氷の量が増えてくる。誰かがメラルが作った氷のピラミットを破壊したらしい。

>「そういえば、ミルクが会いたがってたわよ、リリアーナ。
> なんでもベアトリーチェと毒チョコについて聞きたいとか。」
「え?ベアトリーチェちゃん?と言っても、バレンタイン前日に会っただけでほとんど面識は無いんだけどな」
リリアーナは困った顔をした。
「話すと言っても、ベアトリーチェに一服盛られて行動不能になったことや、
 成り行きでレオ先生に渡す手作りチョコ作りを手伝ったこと
 無意識のうちに彼女毒を盛る癖があったから、食べられるものが出来るまでに大量の失敗作が出来たくらいしか・・・・・。
 あっそう言えばエルザ、あなたまさかとは思うけど、私の手作りチョコ食べたりしてないよね?」

188 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 17:19:14 0
>122
頭上の人形を追いかけていたフリージアとラルヴァ。
そんな彼らの前に2人の少女が立ちふさがった。
「フリージアお姉さま、よくもザボーネを!」
「フリージアお姉さま、彼女に代わって今度はわたくしたちが相手ですわ!」
どうやらザポーネとは、先ほどフリージアが倒した少女のことらしい。

>ラルヴァさん
「あら・・・・・?まあ!そちらの殿方は何っ?」
ショートヘアのほうの少女が今気づいたかのようにラルヴァを指差した。
「まあ!フリージアお姉さまが猫好きなのに付け込んで取り入ろうだなんて!この男、何て姑息な手を!」
ポニーテールの少女が悔しそうに声を荒げる。
「許せませんわ!不埒なこの殿方も排除ですわ!フリージアお姉さまは生け捕りですわ!」
二人の少女は固く手を取り合い、二人で召喚魔法を唱え始めた。
フリージアとラルヴァの前に、激しい炎に包まれた5匹の大蛇が現れる。
「さあお前達、やっておしまいなさい!」

少女達はラルヴァに向けて3匹、2匹をフリージアに向かわせた。


189 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/03/05(水) 18:07:50 0
>180>181>182
>「わかった。わかりました。
>あたしもベアトリーチェを止めるのを手伝ってあげるわよ
>その代わり、しっかり護衛しなさいよね」
「おぉ、君も協力してくれるのか。
 その力心強いぞ!」
レイドに続いてあまり面識のないミルクも悪の魔女倒しに参加することとなった。
これで抵抗勢力は三人となりより一層強さを増して、ベアトリーチェ相手になんとかなりそうなパーティに変化していく。

地面に思い切り引っ張られるように後頭部をぶつけて倒れ付すレイド。
痛そうにするもののいまだ倒れたままでまったく立ち上がろうとしないので一時的なものではないらしい。
>「後は頼んだ。せいぜい頑張れよ、ヘボ吸血鬼。」
「うむ、ここは私にまかせて睡眠でもとっておれ」
さきほどレイドが言っていた『20分間まともに動けない理由』というのはこのことであった。
暇そうに気の抜けそうな歌声でゴロゴロしている姿はとてもシュールである。
ミルクはというとゴミ箱に背中を預けてこの二十分間をやりすごそうとしているようだ。
現在、夕方午後5時。
すさまじい熱気です!

>「とりあえずベアトリーチェの使った毒とか、罠の種類を知りたいんだけど。
>対策できるならしておきたいし」
事前に敵を知っておいてから確実に勝つまで準備をして戦に望むのが基本である。
それゆえミルクの質問は当然のこと。
「森全体が人間を操る神経毒で汚染されている以外では罠らしい罠はなかったな。
 そういえばベアトリーチェの庭園に行くまでの道のりで巨人が死んでいたぞ。

 庭園の周りにある湿地には巨大ミミズがいてベアトリーチェを守っているようだ。
 それと湿地で問題なのがもうひとつ、私よりさきにあの女と戦っていた奴がいたのだが最後にそいつは体がドロドロに溶けて死んでいった。
 ベアトリーチェ自身は腐食ガスだと言っていたから、これは対策を練らないと非常に厄介だぞ」
起こったことを思い出しながら、ベアトリーチェの仕業と思わしきものを挙げていく。
最初の神経毒については浄化の霧で無効化できたのが確認できているため、そんなに脅威に感じることはない。
しかし森から離れているいまもなんらかの罠を仕掛けているとも限らないので注意が必要である。

「数多より存在する眼から我らを隠し、何人もこの術より気づくことかなわず」
本をペラペラとめくってその場で敵をやり過ごせるような便利な魔法を探していて、ようやく見つけた魔法の呪文を唱える。
周囲の眼を欺くための認識妨害の魔法が発動されると、三人の足元に薄い紫色の魔法陣が浮かび上がった。
「これで敵が来ても相当注意深いやつら以外は私たちを発見することはできないはずだ」

190 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 19:06:33 0
 リリアーナから頂いた携帯食料を食べながら、切実な問題を抱えてキサカは前に進む。
 ……誰か水分を。
 足場に氷が散らばっているのは、多分氷ピラミッドの破片だろう。中庭は近い。
 流石に落ちている氷を食べるほどキサカは堕ちていない。
 ……食堂に着いたらで飲み物でも漁ろう。

 ゴミ箱が見え、次いで視界に入ってくるものがある。
 地に這い蹲った男とゴミ箱に背を預ける少女、そして傍に立つ少年。
 ……少なくとも戦闘中じゃないな。
 二人の判断には任せるが、迷うなら様子見を提案しようか。

191 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/05(水) 19:09:00 0
>183>187
> 「話すと言っても、ベアトリーチェに一服盛られて行動不能になったことや、
>  成り行きでレオ先生に渡す手作りチョコ作りを手伝ったこと
>  無意識のうちに彼女毒を盛る癖があったから、食べられるものが出来るまでに大量の失敗作が出来たくらいしか・・・・・。」
「ふ〜ん、そうなんだぁ。一服盛られて行動不能にねぇ。」
エルザはにこやかに微笑んだ。この時、そのにこやかな表情の裏で、
ベアトリーチェがエルザの処刑リストの3番目に名を連ねたのは言うまでもない。
ちなみに、2番目はリリアーナに喧嘩を売ったというメラルである。
キサカも最初は名前が入っていたが、さっきのキサカとリリアーナの話により、
とりあえず保留状態になっている。

> 「あっそう言えばエルザ、あなたまさかとは思うけど、私の手作りチョコ食べたりしてないよね?」
「ああ、あれね。とってもおいしかったわ。」
エルザはそう言いながらポッと赤くなった。
「でも、リリアーナ?な〜んでロックにあげたチョコはあんなに大きかったのかな〜?」
エルザは上目づかいをしながらリリアーナに聞いた。
「一度聞いてみたかったんだけど、リリアーナはロックの事を本当はどう思ってるの?」

そうこうしている間に、3人は中庭に到着した。

>189
「…誰もいないみたいね。」
エルザは中庭を見回してそうつぶやいた。
「ミルクー!ミルクー!」
エルザはミルクの名前を叫んだ。
「ミルクー!居るなら何か食べさせてー!」
リリアーナからもらった食べ物はもう無くなってしまったのだ。

192 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/03/05(水) 20:28:18 O
>189ヘボ吸血鬼曰く、森にはロクでもない物が色々と待ち構えてくれてるらしい。
余計なマネを…。
俺に言わせてもらえば、人間を操る神経毒だけでお腹いっぱいですって感じなんだがね。

>「数多より存在する眼から我らを隠し、何人もこの術より気づくことかなわず」
「ほう…お前にしては上出来だ。」
周りの眼を欺く魔法か。
単純だが効果は抜群だ。

>187>190>191と、そこへリリアーナ様ご一行がこちらに向かって来る。
>「ミルクー!ミルクー!」
>「ミルクー!居るなら何か食べさせてー!」
エルザがミルクの名前を連呼している。
ヘボ吸血鬼の魔法で向こうからこっちの姿は見えていない。

「ミルク、分かってんな?」
ここで反応してリリアーナ達に見つかり、森に行く事を告げたら付いてくると言われるかもしれない。
しかもリリアーナが行くと言い出したら手のつけようが無い。
まああくまでも可能性が有るって話だが。
「リリアーナ達を巻き込みたくないだろ?
それにエルザは負傷してんだ。森の中で負傷者を庇ってる余裕は多分無い。
少人数の方が動き易いしな。」

193 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/03/05(水) 21:36:09 0
>186
腐海の最深部、毒の庭園を囲むように広がる湿原にて、二人は対峙していた。
が、本来あるべき緊張感は無く、ゆるりとした雰囲気に包まれている。
「そう、キサラ、って言うの。」
キサラに無防備に近寄りにっこりと微笑むベアトリーチェ。
夕闇に沈む湿原で浮かび上がるような白い肌がキサラに近づいていく。

近づくにつれ甘い香りをベアトリーチェが醸し出している事に気づくだろうか?
艶のある豊満な身体が醸し出している色香なのか、香水をつけているのか・・・

集中力を乱しているキサラを前に、ベアトリーチェは自分のペースに巻き込んでいく。
キサラの頬にそっと手を這わせ、目を見つめる。
「・・・綺麗な瞳・・・羨ましいわ。
それにとても強い人・・・あなたのようなお友達が欲しかったの。」
触れてみて判ったのだ。
キサラは強力な障壁を展開しているわけではない。
呪具により、毒を防いでいるわけではない。
毒感染に耐性を持っているのだ、と。

そう、感染しにくい、というだけ・・・
一旦体内に入れば毒の効果が及ばないというわけではない。
だから・・・キサラの頬に当てた手をそっと動かす。
ベアトリーチェは汗や皮脂、分泌物に至るまで全てが毒。
しかもそれを自在に調合できるのだ。
ほんの僅かに立てられた爪はキサラの頬を傷つけ、身体の自由を奪う神経毒を体内に流し込むだろう。


194 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 21:50:10 0
ところでレオ先生の風景。

フィジル島西海岸ゴミ箱設置地点。
「よし、叫ぶぞ!夕日の、ばっきゃああろおおおぉぉぉーーー!!」
ゴミ箱で復活した生徒達を並べ、レオは夕日に向かって叫んでいた。
その訳とは・・・

イベントが始まり、西海岸ゴミ箱設置地点に陣取ったレオはかかってくる生徒達を容赦なく圧倒的に粉砕し続けた。
イベントの性質上、本気の戦いができるんだ。
すっかり【特訓モード】の獅子奮迅レオになっていたのだ。
かかってくる生徒を倒してもペンダントは取らない。
復活し、すぐにペンダントを回収させ再挑戦させる。
勿論落ちているペンダントを掠め取ろうという姑息な生徒は即撃破。

「よおし!お前は4回目だな。そっちは6回目か!根性があってよろしい!
俺に一撃与えるか、魔法を使わせればペンダントをやるから作戦ねって出直して来い!!」
そう、言葉通りなのだ。
レオはイベントが始まってから一切の魔法を使っていない。
肉体的強度と格闘技術、そして気合だけで生徒達を倒していったのだった。
そこには優しい保険医レオは存在していなかった。
フリージアが出会えば全力で逃げる事を選ぶその力を遺憾なく発揮していたのだ。

「む!今度は5人でチームを組んだか!それもまた対抗手段だ!
よっしゃ!かかって来いい!!どんとこい!!!!」
生徒達も並みの力ではない。
戦闘力で言えば学園上位に食い込む猛者達なのだが・・・
生徒も殆ど剥きになって挑み続けているのだ。
どうしても個人の力では勝てないと悟り、とうとう連携をし始めた。

その姿にレオは不敵な笑みを浮かべる。
戦う愉悦に身を任せるように。

195 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage ] 投稿日:2008/03/05(水) 22:14:28 0
>>193
湿原の最奥に佇んでいた少女は、無防備にこちらに近づいてきた
それこそ、アルワナーズさんの言っていた怖い魔女とは、彼女ではないのか…?とキサラに錯覚させるほどに
それがベアトリーチェの魔法か何かの所為なのかはわからない

ベアトリーチェがキサラの頬にそっと手を這わせ、目を見つめる
>「・・・綺麗な瞳・・・羨ましいわ。
それにとても強い人・・・あなたのようなお友達が欲しかったの。」
キサラの集中力は完全に乱され、思わずどぎまぎしてしまう
そして、ベアトリーチェの爪がわずかに立てられ、キサラの頬を傷つけた瞬間―――
キサラの意識が、覚醒した

(…ッ…!僕は何を考えている…!
 こんな毒の庭園で平然と立っていられる方が―――普通じゃないじゃないかっ…!)
一瞬にして間合いを取り、状況を判断できないまま治癒魔法を唱える
毒の治癒を行う初級魔法、アンチドート
キサラがわずかに使える治癒魔法の一つで、毒に対してしか効かないが、凡庸性は意外に高い
「アンチドー……」
と、そこまで唱えたところでキサラの体に異変が起きる
急に膝をつき、その場にうずくまる
体の自由が奪われ、動くことができない―――とまではいかずとも、戦闘などできない
魔力も遮断されたのだろうか?あるいは集中力を乱されすぎたか―――
それでも神経毒がまわる直前に少しでも働いてくれたのだろう
完全に身体の自由を奪われることこそはなかったが―――
まともに戦える状態でないのは一目瞭然である
「…な…何を…っ!」
わずかに動く唇を動かし、言葉を紡ぐ

196 名前:グレイズ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 22:55:01 0
>173
>「全然見えないけど僕としては別にかまわない。まあ元はペンダントを素直に渡せば済む話が…
> 僕も意地悪心から不意打ちして更に拗れさせたからな。」
「(…こっちから図々しく寄越せって言っきたのに……良い人だなぁ。)」
そう思ってると、足元にペンダントが落ちた。
なんだろう、とマオの方を見ると
>「それは君達にあげよう。僕には他に目的があるから不要だ。
> じゃあ…えーと…グレイブに言っておいてくれ“悔しいなら二等過程まで来てみろ”ってね。」
「……うん、言っておくよ。」
苦笑いしながらマオに返答するグレイズ。
後ろでは勿論グレイブが怒り狂っているが無視。そう無視。
後でなんだか不味い気がするが無視。

マオは後ろを向いて歩き出しながらもう一つ言う。
>「ああ…あとサービスで一つ教えてやろう。森の奥に行くなら気をつけろ。
> あそこに広がる湿地には腐乱させるガスが充満していた…
> おそらく並の防御では中央に辿り着くのも難しいだろうな。」
「腐乱させる?それはいいんだけど……ちょっといいかな?」
グレイズは去ろうとするマオを引き止める。

「普通は三つもペンダントを手放してでも去るのはおかしいよね。
それで考えたんだけど……マオさんは大量のペンダントを入手する方法があって、今それをしにいく途中じゃないかな?
移動しなくても出来るなら何処かに留まればいいし、普通に狩るなら僕達だって倒す筈だし。
…でも、強くても女の子だし…一人だけじゃ辛い事も有ると思うんだ。」
マオの反応を見ながら続ける。
「それでさ…あーもういいや!単刀直入に言うとだ、僕達と組まない?
いや、あの別に嫌なら組まなくてもいいんだ。でも、ほらマオさん女の子だし…。」
頬を掻きながら恥ずかしそうに言う。
素直になれないというのか、異性と話すのが気恥ずかしいのか。
「組むんだったらこのペンダントを2倍にして返すよ。組まないなら貰っておくけど…如何する?」

197 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 02:43:24 0
>「はぁ〜い、メラル。随分とお疲れのようねぇん。」
聞く人にとっては天使とも悪魔とも取れる声が聞こえる。
「…これからよ。本当にきついのは。…エミュー、しばらくの間感覚は遮断しなさい。」
…エミューが丁度鍋を埋めるくらいの大きさの円柱型の氷の塊を作り出し、それに取り憑いた。
メラルがその塊を鍋に放り込み…新たに取り出した器具を使って鍋を火にかけ始めた。
それらの器具を迷彩結界の魔法陣の外周近くに置き、幾つかの白いカード…
近くを通る者に冷凍ビームを放つ効果を持つそれも迷彩結界の外周近くに置いた。
アルの方に視線を向ける。アルが話を続けたようだ。
>「キサラなら校舎裏の魔の森であったわよぉん。
  もっとも今はベアトリーチェって子が毒満載の腐海に変えちゃってて危ないって忠告したんだけれどぉ。
  男の子なのよねぇ。かわいいわぁ。危険だからこそ行くって、奥に行っちゃったわぁん。」
「……そう。」
それ以上を言おうとせず、メラルは改めて術の詠唱を始めた。
何しろアルワナーズの言葉である。メラルにはその言葉を鵜呑みにするつもりは無かった。
しかし…最初から嘘と決め付ける気もなかった。そもそも、アルワナーズがここに来た事。
森について、犯人の名前まで知っているなど詳しすぎる事、などを考えれば状況的には真実味があるのだ。
(…キサラが戻ってくる可能性は…低いと考えた方がよさそうね。)

>「まあそんな事より、随分と大掛かりな事やっているみたいじゃなぁい?」
>「うふふ、安心してぇん。見ての通り、ゴーストだから干渉はしないしできないもの。
  ただの好奇心よ。
  メラルがここまでして一体【何】と戦うつもりなのかってぇん、気になるじゃない?」
アルの声が聞こえてから少しの間、メラルは返答せずに呪文の詠唱を続けていた。
そして…術を解き放つ。
「…多重積層術式…展開…」
またも、杖の先に淡い光が宿る。そして…それで魔法陣を描く前に、
先程用意していた鍋の中身…いつの間にか液体になっていたそれを地面にぶちまけた。
その後で鍋や調理(?)器具一式を仕舞い…そして、やっと返事をした。
「…話してもいいけど…条件があるわ。まず、これからする話を
 お互い一切口外しない事。あなたが何故"森"についてそんなに
 詳しいか包み隠さず話す事。それと…」
メラルはアルを睨みつけ、指輪から見覚えのある包装を取り出し、
その中身を開いてアルに見せる。その中には、齧りかけのチョコレートと
…吐き捨てられたと思われるチョコレートの欠片があった。
「バレンタインのチョコレート騒動について、
 知っていること全て正直に教えなさい。話せば、
 …たとえあなたが主犯だったとしてもあなたに関しては水に流すし、
 さっきも言ったけど…口外はしないわ。絶対に。」
言い終わると、メラルが包装を仕舞いこみ、魔法陣を描き始めながら言った。
「……これが…条件よ。…別にあなたが条件を呑まかったとしても、一切話さないとは言わないわ。
 でも…あなたが話さないのなら私も正直に真実だけを話す気は毛頭無い。」
(アル…どう出るかしら?)
そしてメラルは…立体的な魔法陣を書き進めていく。
アルの返答を待ちながら。


198 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 08:26:56 P
>188
>「フリージアお姉さま、よくもザボーネを!」
>「フリージアお姉さま、彼女に代わって今度はわたくしたちが相手ですわ!」
「お〜ほっほほほ!良くってよ!かかってらっしゃいな!!」
ファイテイングポーズを取るフリージア
「今日は特別に新しい私の力見せて差し上げますわ!!」

>「許せませんわ!不埒なこの殿方も排除ですわ!フリージアお姉さまは生け捕りですわ!」
「何を勘違いなさってるかはわかりかねますけど、あなたたちにそれが出来て?」
>「さあお前達、やっておしまいなさい!」
なぜだろうか?蛇たちがあらほらさっさとかいったような気がしたのは

巻きつこうと襲い掛かってくる炎に包まれた大蛇
「体が燃えてるから接近戦は危険ですわね・・・・」
フリージアは後ろに飛ぶとこう叫んだ
「フリィィィジング!プレッシャァァァァパンチ!!」
するとどうだろう、なんとフリージアの・・・いやフリージングドールの腕がすっぽ抜けて
二匹の蛇の方へと飛んでいったではないか
なんたるダイナミックプロな攻撃!!

ジュギャァァァァァン!!

どうやら命中はしたようだが相手の炎の体で半分溶けてしまい威力は半分になってしまった
「炎のせいで倒すまではいかなかったみたいですわね・・・でも」
そう言った次の瞬間フリージングドールの左右のタテロールがはずれ
先程まで腕があった部分に装着される

「フリィィィジングドリル!ブリザァァァァド!!」
明らかにネタに走ったフリージアの新しい必殺技が炸裂する
フリージアを模した人形のタテロール部分が高速回転し強烈なブリザードを発生させ
炎を纏う大蛇の炎を消し飛ばしてしまったのだ
「私の髪型をドリルとか言う人がいらっしゃるけど・・・・私、ドリル嫌いで無くってよ」
だからってそこまでする必要は無いと思う
「これで終わりですわ!ドリルフィニッシュ!!」
フリージアは両腕に装着したドリルで蛇に止めを刺す
・・・・・生き物にドリルで攻撃するのはグロイので止めた方がいいです
「爬虫類ども!人間を!このフリージアを舐めるな!ですわ!!

後ろのほうではフリージアの意外すぎる戦い方に茫然自失する少女達が残されていた


ペンダント 自分のを含めて2 投擲1 アイテム 魔力回復薬

199 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 09:37:11 0
>161>188>198
身長クイズの答えは165cm。・・・素でラルヴァより身長が高い。

「シャニィだけじゃなくルーナも色が変わってね。
 多分7人全員集めた影響なんだろうね。」

そんなのほほんとした空気を打ち破るように
自称スール’sが現れた!
「あー、なんていうか。・・・・・・やめた方がいいと思うよ?」

横からジュギャァァァァァン!!とかいろいろ聞こえてる気がするけど気のせいだ。気のせい。
ラルヴァは背中に背負った大剣をゆっくりと引き抜いて構えた。
剣先から柄までが左右対称に白と黒に分けられている剣だ。

魔法学園の生徒にあるまじき事なのかもしれないが、
ラルヴァは呪文ひとつ唱えず剣だけで大蛇達をいなしてゆく。
攻撃を回避しては、大剣でそのまま叩き潰してゆく。

一通り仕留め終わったところにフリージアの必殺技の声が聞こえる。
その瞬間ラルヴァは駆け出していた。
あまりに苛烈なフリージアの攻撃に呆然とした少女達。
彼女らの首にひたり、と剣が押し付けられる。

「チェックメイト。降参してくれる?」
少女一人につき剣が一つ、大剣はいつの間にか黒と白の長剣に分離していた。

二人の戦いを呆然とみていたシャニィの頭上からペンダントと小箱が現れ
シャニィがそれをキャッチしたのだがラルヴァはまだ気づいていない。

200 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 13:02:22 O
>189
>「森全体が人間を操る神経毒で汚染されている以外では罠らしい罠はなかったな。
 そういえばベアトリーチェの庭園に行くまでの道のりで巨人が死んでいたぞ。

 庭園の周りにある湿地には巨大ミミズがいてベアトリーチェを守っているようだ。
 それと湿地で問題なのがもうひとつ、私よりさきにあの女と戦っていた奴がいたのだが最後にそいつは体がドロドロに溶けて死んでいった。
 ベアトリーチェ自身は腐食ガスだと言っていたから、これは対策を練らないと非常に厄介だぞ」
あたしの質問にヴァンエレンは、罠らしい罠はなかったと答えながら、見てきたらしい出来事をあげる。
罠が無くても嫌らしい設置物満載じゃん!
神経毒に巨人に番ミミズ、でもってとどめに腐食ガスと来たもんだ。
こりゃよほど対策をしっかりしないとダメだな。
あたしは体が溶けて死ぬなんてごめんだ。

>「数多より存在する眼から我らを隠し、何人もこの術より気づくことかなわず」
ヴァンエレンが本をめくりながら呪文を唱えると、あたしたちを包むように紫色の魔法陣が発動する。
防御魔法でも展開したのか?
>「これで敵が来ても相当注意深いやつら以外は私たちを発見することはできないはずだ」
>「ほう…お前にしては上出来だ。」
「姿隠しの魔法か。なかなか考えたじゃない」
今は無理して戦うより敵に気づかれない方が重要。
レイド先生が言うように、ヴァンエレンの魔法はかなり効果的だ。
何人かの生徒が中庭付近を通過していくけど、こっちを見る奴は誰もいない。
あたしもこんな魔法を覚えておいた方がいいかもしれないな。

201 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前1所持4投下0】] 投稿日:2008/03/06(木) 13:05:42 O
襲われないのはありがたいけど、20分近く待つだけなのは暇だ。
今のうちに支給されたアイテムでも確認しておこう。
もらった箱には、サングラスと説明書が入っていた。
【大当たり!暗視サングラス!
憎いあいつの闇討ちや、大好きなあの子をストーカーするのに最適だよ!】
……なによこの犯罪おすすめアイテム…
基地外の手に渡らないでよかった…
あたしがサングラスをしまい込んでいると、聞き覚えのある大声が聞こえてきた。

>191-192
>「ミルクー!ミルクー!」
>「ミルクー!居るなら何か食べさせてー!」
慌てて声のする方を見れば、元気に叫ぶエルザの姿が。
傷より空腹の方を気にしてるんじゃ大丈夫そうだな。
心配して損した。

あたしが大声で返事しようとすると、レイド先生が止めた。
>「ミルク、分かってんな?」
もちろんわかってますよ、リリアーナに事情聴取するチャンスだってね。
「ちょっと先生止めないでよ。
あたしはリリアーナとエルザに用事があるんだから」
>「リリアーナ達を巻き込みたくないだろ?
> それにエルザは負傷してんだ。森の中で負傷者を庇ってる余裕は多分無い。
> 少人数の方が動き易いしな。」
「うっ。そりゃ確かにそうだけど」
レイド先生のお言葉が正論過ぎて反論できない。
ああぁぁ、目の前に毒チョコの事を知ってる人がいるのに、話を聞けないなんてぇ!

あたしが涙をのんで見守っていると、リリアーナたちは誰もいないと思ったのか、別の所に行ってしまった。
くっそーっ!こうなったら、悪の総本山ベアトリーチェを締め上げて直接聞きだしてやるーっ!

それからしばらくして、あたしはよいしょと立ち上がった。
もう足は重くない。
レイド先生を潰している重力魔法も、そろそろ消えるだろう。
「さて、これからどうする?
あたしは保健室に行って、ベアトリーチェ対策セットをそろえたいんだけど。
うまく行けば、レオ先生のペンダントを手に入れて交渉に使うって手もあるし」
ベアトリーチェがレオ先生ラブなのは知ってるから、その弱点はなんとかして突いておきたい。
別にペンダントじゃなくても、レオ先生の持ち物ならいろいろ使えそうだ。

202 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 投稿日:2008/03/06(木) 15:30:28 0
>>196
>「腐乱させる?それはいいんだけど……ちょっといいかな?」
立ち去ろうとする僕を引きとめる…
何かまだこの僕に聞きたいことでもあるのか?
>「普通は三つもペンダントを手放してでも去るのはおかしいよね。
>それで考えたんだけど……マオさんは大量のペンダントを入手する方法があって、今それをしにいく途中じゃないかな?
>移動しなくても出来るなら何処かに留まればいいし、普通に狩るなら僕達だって倒す筈だし。
>…でも、強くても女の子だし…一人だけじゃ辛い事も有ると思うんだ。」
なんということだ…どうやら僕の考えが見通されたようだ。
まあ確かにそう思わせるようなことを僕はちらほら言っていたが…

「ん…まあ、確かに1人では辛いかもしれないな。」
そう、僕はこれからリリアーナとメラル・エルディーンを相手にしなければならない…
もちろん負けるとは思わないが二対一でもやられると厄介なことこの上ない。
>「それでさ…あーもういいや!単刀直入に言うとだ、僕達と組まない?
>いや、あの別に嫌なら組まなくてもいいんだ。でも、ほらマオさん女の子だし…。」
組むか…確かにサンダー一号は何処へと消えちゃったしな…
向こうが組みたいというなら断る必要も…だけどなぁ…
戦力はほしいが…サンダー一号みたいなことになったらマヌケじゃないか…
どうしようかと悩んでいると更に凄いことを提案してくる。

>「組むんだったらこのペンダントを2倍にして返すよ。組まないなら貰っておくけど…如何する?」
なんだかそこまでするといわれると逆に断りづらい…
まあ…雰囲気からして裏切るような人間にも思えないな。
「つまり、君達は僕と組みたいと?そういうことだな?うん、いいぞ。だけど…裏切るなよ?
 あとちゃんと二倍にして返すんだぞ?約束だ。」
話もまとまったところで僕は本題に移ることにした。
組むんだから何も教えないではいかない。
「よし、いいか。僕達はこれからリリアーナという奴とメラル・エルディーンのペンダントを
 奪わなければならない。あの二人をゲームオーバーにすれば森の奥にいる
 いけ好かない奴が溜め込んでいるペンダントをくれる。」
そして僕は校舎の方に向かって歩きだす。まだ校舎の方にいればいいんだが…
「あ、そういえば君は名前とかあるのか?というか人格どのくらいいるんだ?
 12人ぐらいいるとかたまにあるじゃないか。二人っていうのは逆に少ないっていうのも本で読んだぞ。」



203 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 16:47:21 0
>190-191
中庭に到着したものの、ミルクの姿は見当たらなかった。
もしかしたらミルクはレイドと接触して、早々にこの場から立ち去ったのかもしれない。
「ミルクー!ミルクー!」
エルザがミルクを呼んでいるのを聞きながら、リリアーナは先ほどの会話を思い出していた。

>「でも、リリアーナ?な〜んでロックにあげたチョコはあんなに大きかったのかな〜?」
「えっ!?」
リリアーナはドキッとした。
エルザは上目づかいをしながらさらに質問を続ける。
「一度聞いてみたかったんだけど、リリアーナはロックの事を本当はどう思ってるの?」

「・・・・・・・・・・何でエルザが、ロックのチョコが大きかったって知ってるの?」
エルザの分をロックに言付けたのはリリアーナだ。
だが、まさかロックがご丁寧に自分のチョコをエルザに見せに行くなんて。
リリアーナの作ったチョコを肴に、二人で一体どんな話をしたのだろう?
――――だんだんいたたまれない気分になってきた。

「ロックのチョコが大きかったのは・・・・・」
リリアーナは言いにくそうに口篭もった。
助け舟を求めるようにキサカの方を見るが、彼は足元の氷に気を取られているようだ。
エルザは返答を待っている。リリアーナは足元の氷を意味も無く踏んだ。
「チョコが大きかったのは・・・その・・・そう!ロックのを一番最後に作ったからよ。
 材料を余らせちゃうのも勿体無かったし。ちょっとしたサービスのつもりだったのよ」

エルザの顔が見れない。
「ロックにチョコを贈った事でエルザが気を悪くしたのなら謝るわ、ごめん。
 しかも、知らなかったとはいえ媚薬入りのチョコを贈ってしまうなんて。・・・・・・やっぱり怒ってるわよね?
 でも、信じてもらえないかもしれないけど、チョコに細工したのは誓って私じゃないの」

リリアーナはスカートの裾をぎゅっと握り締める。
キサカがごみ箱を見て僅かに眉を上げたが、リリアーナは気づかなかった。
「エルザも知ってのとおり、ロックとは・・・・・・その・・・・いい友達よ。
 本当に、エルザが心配するようなことなんて何も無いわ」

>「ミルクー!居るなら何か食べさせてー!」
リリアーナははっと我に返った。
苦笑いしながら傍らのキサカにそっと耳打ちする。
「あの調子なら、エルザのお腹の怪我は今のところ心配いらないみたいね。
 ミルクさんも居ないみたいだし、そろそろご飯食べに行かない?
 ・・・・・・・・あ、でも食堂も混戦状態になっててご飯どころじゃないかな?」
だがリリアーナが持っていた食料は全部エルザに食べられてしまった。
腹が減ってはなんとやら、である。
リリアーナはミルクを探すエルザの肩を叩き、食堂のある方角を指で示した。
「人が来るといけないわ。エルザ、そろそろ移動しましょ」

リリアーナ達は食堂へ向かった。
「キサカさん、何かごみ箱を見て気になることでも?」
後ろ髪を惹かれているようなキサカの様子に、何気なく尋ねてみた。


204 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下1] 投稿日:2008/03/06(木) 17:31:23 O
>201>「うっ。そりゃ確かにそうだけど」
不本意ながらもミルクは俺の言うことを聞いてくれた。
よーし、聞き分けの良い娘だ。

リリアーナ様ご一行が立ち去って十数分間。
他の生徒に見つかる事もなく過ごす事が出来た。
ミルクが動けるようになってから2、3分後、俺の体もようやく動けるようになる。
>「さて、これからどうする?(中略)
うまく行けば、レオ先生のペンダントを手に入れて交渉に使うって手もあるし」
確かにレオ先生のペンダントを餌にベアトリーチェを釣るってのは悪くないアイデアだ。
だが…
>194俺の勘では今のレオ先生は十中八九特訓モードに入っている筈だ。
あのモードに入ったレオ先生は非常に厄介なんだよ…。
あの人、格闘技だけだったら教師を含めても学園No.1の強さを誇る。
俺も一応格闘技は使えるけど、全然ランクが違う。
いや、次元が違うと言っても過言では無いな。
「保健室で対策セットを揃えるのは賛成。
しかしペンダントは諦めた方が良いな。リスクが大きすぎる。
ペンダント以外の物を何か探そうぜ。」
というより保健室に居るかどうかも分かんないしな。
頼むから居ないで欲しい。
あの人と戦って無駄な魔力を消費したくないし。

205 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3] 投稿日:2008/03/06(木) 18:08:52 0
>192>187>190>191>201
次々と現れる生徒たちだが、魔法陣内にいる三人には気がつかずに面白いように全員通り過ぎていった。
思いつきで唱えてみた魔法だが、予想以上の働きを見せてくれたことに満足しているとリリアーナとキサカとエルザの三人組が中庭へとやってくる。
>「ミルク、分かってんな?」
>「ちょっと先生止めないでよ。
>あたしはリリアーナとエルザに用事があるんだから」
見慣れた集団の登場にてっきりレイドから呼びかけると思っていたのだが、何か事情があるようでミルクを制していた。
対して言われたほうのミルクはそれに少し不満そうにして言い返している。
>「リリアーナ達を巻き込みたくないだろ?
>それにエルザは負傷してんだ。森の中で負傷者を庇ってる余裕は多分無い。
>少人数の方が動き易いしな。」
確かにリリアーナならば事情を話したら絶対についてくるだろう。
このゲームに生き残っている限りいずれは森の状態に気がつくとだろうから、レイドは我々のみで早急に解決しようという判断を下した。
>「うっ。そりゃ確かにそうだけど」
もはやミルクには言い返す術もなく、リリアーナのほうをじっと見ながら三人が通り過ぎるのを待つしかなかった。

>204
「時間だ」
そろそろ日が沈んでいよいよ月が昇ろうという時刻になると、ようやくレイドとミルクが動けるようになった。
>「さて、これからどうする?
>あたしは保健室に行って、ベアトリーチェ対策セットをそろえたいんだけど。
>うまく行けば、レオ先生のペンダントを手に入れて交渉に使うって手もあるし」
>「保健室で対策セットを揃えるのは賛成。
>しかしペンダントは諦めた方が良いな。リスクが大きすぎる。
>ペンダント以外の物を何か探そうぜ。」
「物で釣るのもありだが、それよりも私がレオ先生に化けて本人のフリをするほうが、確実に言うことを聞いてくれると思うが?」
いまのベアトリーチェに常識は通用しないので交渉を持ちかけたとしても、それを素直に受けるかどうか微妙なところだ。
偽者でないと言える証拠もそろえないといけないし、それ以前に殺して奪い取るなんてことをしでかしかねない。
それならと自分を本人に変えてしまえばいいんではないか、と。
さすがに見境なしのあの魔女でも憧れのレオ本人に止められれば多少は揺らぐだろう。
バレたときのリスクもすさまじいことになるが…。


途中でレイド目当てで襲ってきた者がいたが、それらを軽くいなして保健室にたどり着いた。
蝙蝠の使い魔に内部を確認させるが、レオ先生はおろかひと一人も見当たらない。
「誰もいないが隠れるところなんていっぱいあるので油断は禁物だ」
中へ入ると保健室は変わらず特有の匂いを放ち、清潔感たっぷりな世界だった。
棚には種類別された医療に関する難しそうな本が並んで、その隣には大量の薬品やヴァンが嫌いな聖水が置いてあった。
聖水を見つけた瞬間、顔を青くして慌ててそこから飛びのいて聖水から距離をとる。

206 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/06(木) 19:03:35 0
>203
> 「人が来るといけないわ。エルザ、そろそろ移動しましょ」
「うん。」
リリアーナは先ほどの会話で、エルザが怒るかと心配したようだが、
それどころかエルザの機嫌はすこぶる良かった。

> 「キサカさん、何かごみ箱を見て気になることでも?」
「キサカ〜、ぼーっとしてると置いてっちゃうわよー!」
エルザは本日初めて(というより今まででも初めて)笑顔でキサカにそう呼びかけた。
それくらい今のエルザは上機嫌なのだ。
なにしろ、自分の恋の一番の障害だと思っていたロックが、
実はリリアーナからはただの友達としか思われてなかったのだ。
「(ロックはもうちょっと生かしといてあげよう。なんだかんだで世話になってるし。)」
処刑リストの1番からロックの名前が外れた。


食堂についたエルザは、早速食堂のおばちゃんに注文した。
「ええっとね、とりあえずレモンパイね…ちょ、ちょっと待ってよ!えっと…」

ここからエルザのターン!
「チャーハンとラーメン、それと東方風うどんげとダイコンエビの全裸蒸し、
 シェフのおすすめごった煮と爆弾パフェとピン子カレー、
 グルコースがたくさん入ったカフェオーレパンも貰おうかしら。
 それとね〜リンゴの刺身とロックケーキとバタービール、
 ボテトフライとじゃがいもの唐揚げ。ついでに甘草飴、おねがいね!」
ターン終了!エルザの前に大量の料理が出現した!

「ねえ、リリアーナ。さっきの話を蒸し返すみたいで悪いんだけど…
 さっきチョコに“ビヤク”が入ってるって言ったけど、“ビヤク”って何?
 私もその“ビヤク”入りのチョコ食べてるけど、体に悪いものなの?」

207 名前:190修正含めキサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 20:08:59 0
 ……拾い食いは宜しくない。うん、宜しくない。
 食堂まであとどれくらいか、とキサカは足を進め続ける。
「あっそう言えばエルザ、あなたまさかとは思うけど、私の手作りチョコ食べたりしてないよね?」
「ああ、あれね。とってもおいしかったわ。」
 ほほう、とキサカの目が光った。脳内で。
「でも、リリアーナ?な〜んでロックにあげたチョコはあんなに大きかったのかな〜?」
「一度聞いてみたかったんだけど、リリアーナはロックの事を本当はどう思ってるの?」
「・・・・・・・・・・何でエルザが、ロックのチョコが大きかったって知ってるの?」
 キサカは二人の方を見ず、拳大の氷片を足先で弄ぶ。
「ロックのチョコが大きかったのは・・・・・」
 言葉が詰まり、視線を感じた。
 ……振り向くのはマズイ。
 ぎ、と変な音がして、声の続きが出る。
「チョコが大きかったのは・・・その・・・そう!ロックのを一番最後に作ったからよ。
 材料を余らせちゃうのも勿体無かったし。ちょっとしたサービスのつもりだったのよ」
 余計な事は言うまい、とキサカは前を見る。
 目に入ったのは中庭のゴミ箱だ。誰かいるかと思ったが、何も見えない。
 悪寒のようで違う何らかの違和感があるが、見えないものはしょうがない。
 二人の会話をバックに目を凝らしてみるが、特に何も無い。
 ……何かトラップでも?
 まあいいや、とキサカは思考を中断。
「エルザも知ってのとおり、ロックとは・・・・・・その・・・・いい友達よ。
 本当に、エルザが心配するようなことなんて何も無いわ」
 ……本人に聞かせてやりたいね。
 キサカは、身振りにも音にも出さず苦笑する。

 一行は中庭へと入りミルク達を探すが、他生徒すら見当たらない。
 いい加減煮詰まってきたか……。
 ゴミ箱のある中庭を陣取るよりも、自らの安全を優先しているらしい。
 単にこの場所の利便性を見限っただけかもしれないが、どちらにせよここにいる必要は無い。
「ミルクー!居るなら何か食べさせてー!」
 そんなことより食堂行こうぜ、と思ったキサカは、エルザとの問答を終えたリリアーナの声を聞く。
「あの調子なら、エルザのお腹の怪我は今のところ心配いらないみたいね。
 ミルクさんも居ないみたいだし、そろそろご飯食べに行かない?
 ・・・・・・・・あ、でも食堂も混戦状態になっててご飯どころじゃないかな?」
 キサカは少し迷って、エルザを見て、頷いた。

208 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持2] 投稿日:2008/03/06(木) 20:17:12 0
「キサカさん、何かごみ箱を見て気になることでも?」
「いや……杞憂か思い込みだと思う」
 道中リリアーナに声を掛けられ、キサカは思考を再度中断する。
 誰かがトラップでも仕掛けたのか、メラル達絡みの何かが起こっているのか。定かではないが、
 ……今は関係ないよなぁ。
「キサカ〜、ぼーっとしてると置いてっちゃうわよー!」
「ん……」
 笑顔で言われ、キサカは生返事をする。
 ……結構いい顔で笑うじゃない。

 食堂に到着し、キサカはさりげなく前に出る。両手を取っ手に掛け一呼吸。
 吐息一つで押し開けた。
 あるのは静かな食事の音だけだ。人口密度はかなり低い。
 入り口の傍に置かれた可動式ホワイトボードに、「食堂での戦闘はご遠慮願います」と注意書きがある。
 お世辞にも上手い字とは言えない。多分生徒の誰かが持ってきて勝手に書いたものだろう。
 食事中に戦闘は誰でも嫌だろう。これぞ気遣いというもの。
 ……さて。
 三人の行き先はカウンター。エルザが料理を山と頼むのに唖然として、とりあえず自分の注文を述べる。
 次いで、食事を持って空きテーブルへ。何人かが怪訝な目でこちらを見るがキサカは無視。
 椅子に腰を落ち着ける。
 目の前にあるのは山菜蕎麦だ。和食派なので、今まで食ったパンの枚数は思い出せる程度。
 とりあえず箸を持って手を合わせる。
「で……これからどうする?
 特にペンダントの充てがあるわけでもなし、皆警戒し始めるからランダムエンカウントを狙うのも不効率」
 キサカは海草に似た菜を蕎麦と一緒につゆにつけ、
「その内エルザの生みの親も来るだろうし――組んでる必要は無いかもわからんね」
 半分嘘で、半分本気だ。
 自前のペンダントが無いから、ペナがあるにせよリリアーナは狙われにくく、エルザは相応の戦闘能力がある。
 それにひきかえ、キサカは魔術使用をしぶる状態だ。小技を撃つのも勿体無い。
 例え喉が治っても、魔力や精神力はそう簡単に回復しない。薬剤による自己治癒はゆっくりだ。
 ……やっぱ最初に派手にやりすぎたか。

 廊下でやり取りを、つ、と思い出す。
 事象の想起に集中力を使っていたため、その時キサカはリリアーナ自身をよく見ていなかった。
 無理に引き剥がそうとするのは難しいが、掴んでくる手を外せばいいだけだから、そうした。
 ……一つの観点からは、何の問題も無い。
 だが、切られたという事実は残るだろう。傷は残らないから精神的な意味でだ。
 自分と他人は違う事をキサカは識っている。
「……ごめん、リリアーナ」
 え? と表情を変えるリリアーナに、キサカは自分が何を言ったのかやっと気付き、
「……ごめん」
 今度ははっきりと、言った。
 箸が妙に重く感じた。

209 名前:キキ ◆xpIzi22gbg [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 20:40:34 O
「……散々人を振り回しておいて、自分等はゆっくりと食事でおじゃるか?」
リリアーナらの背後には、満面の笑みに高級マスクメロンのように顔面の血管が浮き出ているキキの姿があった。

いい所で水を差すだけではなく、たらい回しにされたためか、かなりのご立腹らしい。
その証拠に、キキの背後に佇んでいた千世に近くのテーブルにあったリンゴを掴ませ
見せつけるかのごとく、握り潰してみせる。
「………ここまで振り回しておいて、『ごめんなさい。何もなかったの☆』なんてゆうてみろ…、いくら麿とてキレざるをえないでおじゃる」
一瞬見せた顔には、殺気が込められている。

210 名前:グレイズ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 21:11:29 0
>202
>「つまり、君達は僕と組みたいと?そういうことだな?うん、いいぞ。だけど…裏切るなよ?
> あとちゃんと二倍にして返すんだぞ?約束だ。」
「自分から組んで欲しいって言ってるのに裏切ったら…凄く、気分悪いしね。」
そうでなくともグレイズは裏切るようなことは出来ないが。

とりあえず話も纏まったし、本題へ。
>「よし、いいか。僕達はこれからリリアーナという奴とメラル・エルディーンのペンダントを
> 奪わなければならない。あの二人をゲームオーバーにすれば森の奥にいる
> いけ好かない奴が溜め込んでいるペンダントをくれる。」
「(ふむふむ、メラルさんとリリアーナさんのペンダントを奪えば……へ?)」
そこで思考はストップする。
リリアーナ。
自分の目の前でカドゥケウスを使い、ロックとの熱愛が噂されている、あのリリアーナしかいない。
「(……まあ、どうせこれは…行事なんだし。別に大丈夫だよね…。)」

マオが校舎に歩き出したので、グレイズは横に並んで歩く。
ふと、マオが思いついたように質問する。
>「あ、そういえば君は名前とかあるのか?というか人格どのくらいいるんだ?
> 12人ぐらいいるとかたまにあるじゃないか。二人っていうのは逆に少ないっていうのも本で読んだぞ。」
どうやら多重人格と間違えられているらしい。
「えーっと、最初に訂正すべきところは…僕は、いや、僕達は多重人格者じゃない。
魂が3つあって、肉体を共有しているんだ。他の二人は近くに幽体…幽霊の体でいるよ。
で、数は3人。名前だってきちんとあるさ。」
少し先に出て、振り返って後ろ歩きをする。
「僕はグレイズ。風の魔法が得意で、人狼の特徴を一番受け継いでるんだ。」
ほら、という風に側頭部の耳を指差す。
「あとは最初に出てきてたグレイブ、出てきてないけど火の魔法が得意なグレイルがいるよ。
じゃあ、次はマオさんも自分の説明をお願いできるかな?」

211 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 21:49:17 0
>195
爪を立て、ほんの僅かキサラに傷をつけた瞬間、キサラは消えていた。
超反応と超スピードを以ってしての移動。
一瞬にして間合いを開けられたのだが、既に事は済んでいたのだ。

実の所、傷をつけた爪先からは麻痺できるほどの毒は抽入できていなかった。
それ程までに素早い反応だったのだ。
だが、本命の毒は別にある。
そう、匂い。
殆ど障壁を強化せず、耐性に頼って腐海を突っ切ってきた事に付け入った。
本来無色透明無味無臭が条件である暗殺毒。
だが、匂いという障害をつけてまで浸透性を強めキサラの耐性を凌駕したのだ。
キサラがどぎまぎしてしまったのは、ベアトリーチェの色香による物だけではなかったという事だ。

アンチトードを唱えようとしてそれもできずうずくまるキサラ。
ろくに動けないのを見て、ベアトリーチェは近づいていく。
薄暗い中、その表情が徐々に変わっていくことに気づくだろうか?
「ふっふっつふっつひひっひ・・・ぎゃっはっはっは!
ぶぁ〜か!この腐れチーズが。何を?じゃねえよ!」
先程までの緩やかな雰囲気などどこにもない。
粗暴で残酷な笑い声と共にうずくまるキサラの顔を蹴飛ばした。

恐らく、ソフィアだったらこのような扱いは受けなかっただろう。
キサカだったら微妙かもしれない。
これはキサラがキサラゆえに受ける理不尽な暴力なのだ。
ベアトリーチェは男には媚びるが女にはやたらと厳しい。
特に敵対していれば尚更である。
そう、キサラがあまりにも女顔で華奢なため、女として認識されているのだ。
同性ゆえの残酷さを味わう事になる。

転がるキサラの胸倉を掴み、軽々と持ち上げる。
いくらキサラが華奢だといっても、片手で持ち上げられる物ではないのだが・・・。
今は違った。
ベアトリーチェの右腕がぱっと見で二倍ほどに膨らんでいるのだ。
「ふへっ。わりいがドーピング済みだっZE〜。
安心しろよ、殺しはしねえよ。言ったろ?友達にほしいってなあ!」
軽々と振り回し、キサラを投げつけた。
投げられる先は漆黒。
夕闇に色をなくした湿原に向かって。

殺さぬ程度にいたぶった後、薬を投与して戦闘人形にするつもりなのだ。

212 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/03/06(木) 21:54:42 0
>197
術式を展開し終えたメラルが、ようやくアルナワーズに返事をする。
問いに答える条件を出したのだ。
それを聞き、アルナワーズはクスクスと笑い出す。
「あらあら、望む情報は一つ。でも提供する情報は二つ?
それに主犯とか・・・メラルって推理小説や陰謀論って好きだったのぉ?」
にこやかに切り返し、まるでそこにソファーがあるかのように寛ぐ。
そして更に言葉を続ける。
「ふふふ・・・私を相手に保身を餌にして情報を引き出そうだなんて・・・。
なぁ〜んだか焦ってるみたいで可愛いわぁ〜。」
魔方陣を書き進めていくメラルの背中を見ながら問いかける。

・・・・・・・・・・・数秒の沈黙。
その後、薬という笑みと共にアルナワーズはメラルの問いに答え始めた。
「まず〜。ゴーストって結構暇なのよねぇ。
開始30秒でゴーストになっちゃった身としては〜
面白そうなことしているお友達の処に顔を出すくらいしか楽しみが無いのよぉ。
メラル同様、ベアトリーチェともあつ〜い友情で結ばれているのですもの。
彼女にとって腐海なんてガーデニングみたいな感覚でしょうね。
本当の狙いのついでみたいなものだもの・・・っと、これは余計なことだったわねぇん。」
メラルの質問以上のことまで答えてしまっている事に気づき、途中で話を途切れさせる。

そしてもう一つの問いの答え。
一齧りで気づいたメラルに敬意を表してと前置きをして、答え始める。
「バレンタインの前日、ひょんなことからリリアーナはベアトリーチェのチョコ作りを手伝う事になったの。
リリアーナも振り回されっぱなしで迷惑していたみたいだから、私が追い返したのね。
取るも取らずに帰っていったベアトリーチェ。
残されたのは大量の毒物と化したリリアーナの下拵えしたチョコ。
それで私たちは慌ててチョコを作り直したのね。
その中で、ベアトリーチェが忘れていった彼女の調味料が置き去りにされていても不思議じゃなかった。
私たちが慌てて仕上げのエッセンスを振り掛けるのに、間違った瓶を手にしてしまっても不思議じゃなかった。
誰が主犯だとかいう問題じゃないわ。
不幸な偶然が重なって起こったのが今回の騒動よ。
騒動が起きた後に判った事だけど、どうしようもなく、今回のイベントを使って鎮静化を図った。
これがバレンタインから今までの流れなのよぉん。」

そう、ベアトリーチェはバレンタイン前日、出来上がったチョコと白衣だけを持って逃げるように去っていった。
残された薬品の瓶や調味料の瓶はキッチンに残され、どさくさにまぎれてリリアーナの瓶に紛れ込んでいたのだ。
リリアーナも自分で媚薬をいれたなどという自覚などありもしないだろう。
気づいてすらいないのだから。

ちなみに、ベアトリーチェの本命チョコにも媚薬はかかっている。
だが、こちらはレオを前にすると人格の変わるベアトリーチェの為に結局渡す事すらできないでいたのだが・・・

213 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/03/06(木) 21:55:38 O
日は傾いてきて、元来から暗い森はより一層暗くなった。
鳥目がちな私には少々辛い。見た目に美しくない樹にはぶつかりたくはない。
どうするか?
鬼火を使う。
右の掌に小さな鬼火を灯す。蒼い炎は辺りを薄く照らす。
ホントはとても明るくしたいけど、そうするとかなり目立つ。
もちろん、今も目立つには目立ってるけどね。蒼い光はよく通るから。
今より目立って不用な戦いはしたくない。上手く逃げ仰せる自信もない。
飛龍を使おうにも眼が利かなければ墜落するのがオチだ。

あぁ、何で私はここにいるんだろうか?本来の目的を忘れそうになる。
そもそも、そんな大層な目的だったろうか?
…………いけないね。疲れてたり、周りが暗いと悲観がちになってしまう。
さぁ、あの毒女の所へ行こうじゃないか!

と、息ごんでみるも溶かされた時の恐怖心がぶり返してくる。
寒気が走り、腕が震えて、膝は笑う。
それに、結構近くまで来たと思うけど、沼地にまだ居るとは限らない。
居なかったら帰ろう。探して這い擦り回るのは、あまりにも無謀だ。
鳥目だから!さらには意外と臆病風に吹かれやすいから!
何の主張なんだろう……?情けない。
気持ちを落ち着かせるためにも、左手に相変わらず握っている巨大な拳銃を改める。
慣れない物は使わない方が良いんだけど、なぜか捨てられない。
貧乏症かもね。

214 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage ] 投稿日:2008/03/06(木) 23:12:44 0
>>211
身動きがとれないキサラを前に、ベアトリーチェの表情がみるみるうちに変わっていく
アルワナーズさんの言っていた『怖い魔女』の本性が現れた…というところだろうか
>「ふっふっつふっつひひっひ・・・ぎゃっはっはっは!
ぶぁ〜か!この腐れチーズが。何を?じゃねえよ!」
キサラの体が軽く蹴り飛ばされ、宙を舞う
「あ…ぐっ…!」
苦しそうにもがくキサラ
更に相手は距離を詰め、キサラの胸倉をつかみ、高々と持ち上げる
見ると腕は通常の二倍ほどに膨れ上がり、明らかに強化されているのが容易に想像できる
>「ふへっ。わりいがドーピング済みだっZE〜。
安心しろよ、殺しはしねえよ。言ったろ?友達にほしいってなあ!」
粗暴な言葉遣いと共に振り回されたキサラが闇に投げ飛ばされる
「……ッ!」
言葉も出せずに闇に消えていくキサラ―――
だが、ベアトリーチェは気付いただろうか?
キサラがほんの僅かに動く腕で持っていた手榴弾のピンを外し、ベアトリーチェの足もとに転がしたことに

「…非常にまずい…」
更にベアトリーチェにとっては計算違いかもしれない
投げ飛ばされたキサラは着地していた
キサラが高速移動時に足に魔力を集中させるのが影響してか、キサラは足だけ麻痺から逃れることができたのだ
もっとも、膝より下のみ逃れたので、立つこともやっとだが、受け身はとれる
もしかしたら魔力を普段以上に足に集中して供給すれば動くことも可能かもしれないが―――
(それは出来ない…)
そう、そんなことをすれば一気に魔力は枯渇し、障壁も消える
そうなれば一気にこの毒素にやられてしまうだろう
魔力が遮断されたと思われたのは集中力が途切れた所為であって、相手の攻撃の所為ではなかったようだが
(何か…何か手は…!)
この状況でカードで緊急離脱のためにそちらに集中するのもまずい
その隙にやられては元も子もない
「分の悪い賭けなんて…性に合わないけどっ!
 …アイシクル!!」
キサラは最大限の集中力をもって魔法を唱える
小さな氷の欠片を勢いよく相手に降らせる下級魔法だ
ただ問題は彼もいうようにこの賭けは分が悪すぎる
術の性質上、横の座標がずれる―――つまり、相手が爆風をものともせずにこっちに向かってきたりしたら
術は完全に外れ、自分が隙だらけになってしまう
だが、もし術がクリーンヒットすれば、その隙に術に集中させた魔力の流れをそのままカードに向けて離脱ができる
手榴弾で相手が少しでもダメージを受けてくれていることに賭け、そこに追撃を加える手に出たわけだが―――

215 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/07(金) 07:31:21 0
>208
> 「で……これからどうする?
>  特にペンダントの充てがあるわけでもなし、皆警戒し始めるからランダムエンカウントを狙うのも不効率」
エルザはキサカの話を特に気にする風でもなく、ひたすら料理を口に運んでいた。
心なしか、エルザが先ほどまでより丸くなったように見える。(肉体的な意味で)
> 「その内エルザの生みの親も来るだろうし――組んでる必要は無いかもわからんね」
「(…生みの親?)」
エルザの動きが止まった。エルザがキサカの口からその言葉を聞くのはこれで2回目だ。
最初その言葉を聞いた時は何かの聞き間違いだと思った。
キサカが私の出生を知るはずがないとエルザは思っていたからだ。
なぜなら、エルザ自身も自分がどこの何者なのかを知らないのだから。
ところが、どうだろう。キサカは2回も“生みの親”と言った。
しかもそれがこちらに来る?

キサカはなにやらリリアーナに謝っているようだが、
エルザはそれに構わずキサカに問いただした。
「キサカ、“生みの親”って誰のことよ?
 あなた一体、私の何を知っているというの?
 あんまり適当な事ばかり言ってると本気で怒るわよ!」

>209
> 「……散々人を振り回しておいて、自分等はゆっくりと食事でおじゃるか?」
エルザはぱっと振り向いた。目に入ったのは2人組の少女だ。
エルザはそのどちらとも面識がなかったので、
> 「………ここまで振り回しておいて、『ごめんなさい。何もなかったの☆』なんてゆうてみろ…、いくら麿とてキレざるをえないでおじゃる」
と言われても何とも言いようがなかった。

「キサカ、彼女達と知り合いなの?」
エルザはキサカにそう尋ねた。
なんとなくエルザの中で、“女性を怒らせる=キサカ”という図式が出来ているらしい。
それをいうなら、ロックの方がはるかに女性を怒らせてきているのだが…

216 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/03/07(金) 08:14:09 O
>205>「物で釣るのもありだが、それよりも私がレオ先生に化けて本人のフリをするほうが、確実に言うことを聞いてくれると思うが?」
わーお。何だコイツ。随分と度胸あるね。
チャレンジャー吸血鬼め。
「かなりのハイリスクだなぁ…。
やってみても良いが、自己責任で。」
バレても俺は元から知らなかったフリを貫き通すぞ。
巻き添えはごめん被りたい。

さて、俺達は無事に保健室に辿り着く事が出来た。
途中で俺目当て(?)で襲って来た生徒が居たが、華麗にスルー。
悪いな。お前に構っている暇は無いんだ。
お相手はまた今度ゆっくりしてやるから。

誰も居ない事を確認し、保健室の中に入る。
良かった。レオ先生居なくて。

俺は適当に棚を漁る。これじゃまるっきり泥棒じゃねぇか。
「ん?聖水…」
近くでヘボ吸血鬼が聖水に対し吸血鬼らし〜い、リアクションをとる。
ま、俺もあんまり聖水は得意じゃないんだけど。
これはあんまり必要無いな、パス。
「とりあえず念のためレオ先生の白衣…あとは適当に薬を貰って行くか。」

217 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持1投下0] 投稿日:2008/03/07(金) 08:17:25 O
薬に関してほとんど知識の無い俺は次々とアナザーゲートに薬を入れていく。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるってな。ちょっと違うか?

>「ようやく見付けましたよ。ペンダントの気配が複数あるから見に来て見れば…。
レイド先生とミルクだけならまだしも、ヴァン君も一緒だとは思いませんでした。」
わお。ビックリした。
誰かと思えばエース先生じゃないか。
俺は保健室の入り口に立っているエース先生に向けて黒い容器に入った薬を投げた。
「遅かったな。だが、ナイスタイミングだ。
森に行くぞ。ちょっとやんちゃな生徒を懲らしめにな。」
>「……数は?」
「下手したら百人超。狙いは一人だけだけどな。」
>「…無謀としか言い様がありませんね。」
「激しく同意するよ。けどやっと勝算が見えてきた。」

エース先生、本当にナイスタイミングで来てくれた。
大分心強いよ。
俺はヘボ吸血鬼、ミルク、エース先生の顔を順番に見る。
「即席のメンバーにしてはなかなか、だな。」

218 名前:自称スール’s ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 12:24:46 0
>198
フリージアの壮絶な戦い振りに呆然とする少女達。
「たてロールがドリルになるなんて反則ですわ!」
「そうですわそうですわ、フリージアお姉さまのイメージ台無しd・・・っ?!」
我に返ったとたん抗議の声をあげ始めた少女達がぴたりと口をつぐんだ。首元に押し当てられる剣の感触。

>「チェックメイト。降参してくれる?」
>少女一人につき剣が一つ、大剣はいつの間にか黒と白の長剣に分離していた。

「どんな汚い術を使いましたのっ!?まったく信じられませんわっ!」
やいのやいの言いがかりをつけていたが、シャニィが妙に光る目でこちらを凝視しているのに気づいたとたん黙り込んだ。
「・・・・・・かっ・・・・・・・かくなる上はっ!!」
ポン!
二人の少女達を包み込むように白煙が上がり、ラルヴァの視界が遮られる。

煙が晴れると、少女達の姿は消えていた。
かわりに、ラルヴァの足元をすり抜けて逃げ出そうとする子犬が二匹。
その首には人形のついたペンダントが光っている。
どうやら子犬は、少女達の変化した姿のようだ。
「こ、今回だけは見逃してありますわっ!優しいわたくしたちに感謝することねっ!!」
「だが、光ある限り闇もまたありますわ!再び何者かが闇の中から現われましょう!」
「「それではフリージアお姉さまとおまけその1、ごきげんようー!!」」

・・・・・・果たして少女達は、このまま逃げおおせてしまうのだろうか?


219 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 13:58:19 0
>「あらあら、望む情報は一つ。でも提供する情報は二つ?
  それに主犯とか・・・メラルって推理小説や陰謀論って好きだったのぉ?」
「…私の実家ではね。…権力争いとかに関するどす黒い話が…
 嫌でも耳に入って来るのよ。巻き込まれる事もある。それに、そのうちの一つは…
 あなたにも話したでしょ?きっと、そのあたりが原因よ。」
もちろん、アルに話した事件というのは過去の暴走事件である。

>「ふふふ・・・私を相手に保身を餌にして情報を引き出そうだなんて・・・。
  なぁ〜んだか焦ってるみたいで可愛いわぁ〜。」
(人間誰しも安全を求めるもの。何の安全を大事にするかは人それぞれだけど…
安全そのものを嫌う人間なんていない。アルも例外じゃないはず。)
思うところはあったのだが…メラルはそれをけして口に出さなかった。
ここで何か反論をすれば、それ自体が焦っているという事になる。
そう思ったからだ。

>「まず〜。ゴーストって結構暇なのよねぇ。 (中略)
  本当の狙いのついでみたいなものだもの・・・っと、これは余計なことだったわねぇん。」
メラルは魔法陣を書き進めながら話を聞き、思考を巡らせていた。
(開始30秒…どう考えても故意ね。そして、森を腐海にしたのはベアトリーチェ…
まぁ、腐海を作り出すなんて真似ができるのは彼女くらいのものよね。
で、アルは最初からそういう事をするって聞いていて、面白そうだからわざと
ゴーストになって見に行った…そんな所ね。どうやら、その先の
意図まで知っているみたいだし。…どうせフリージアかレオ先生に関係があるんでしょうけど。)
どうやら、メラルの情報網にもそれなりにベアトリーチェの情報が引っかかっていたようだ。

>「バレンタインの前日、ひょんなことからリリアーナはベアトリーチェのチョコ作りを手伝う事になったの。 (中略)
  これがバレンタインから今までの流れなのよぉん。」
(敬意を表してという言い方も。不幸な偶然の連鎖にしては断定的なアルの言い方も。
どこか不自然ね…。でも、これ以上をわざわざ聞く必要はない。今の話に隠し事が
あるとしてもそれが何かは明白だし…何より、今の話が真実の方が・・・
"私にとっても都合がいい。"…少しサービスしてもいいかもしれないわね。)
アルの話が終わり…数秒して、メラルが魔法陣を書き終えて言った。
「…ありがとう。アル。…次は…私が話す番ね。」
メラルは、一度周囲にアル以外の誰もいない事を確認してから
白く透き通るような髪やら、竜族のものらしき角など…強い魔力の篭った品々を
立体魔法陣にあわせるように配置していきつつ話を始めた。
「質問は…私が何と戦うつもりだったか…だったわね?……リリアーナよ。
 …例の杖…カドゥケウスを使った…ね。少し前に…彼女と揉めて…あの杖を向けられた事があってね。
 それから…一度戦ってみたいって思うようになったのよ。リリアーナの本気と…ね。
 そして…私にとって、その願いをかなえられそうな…おそらく一度しかないチャンス。
 それがこの催しなの。だから、私は…周囲の目を気にせず、私が全力で戦える戦場を作り出して…
 持てるすべての力を以ってリリアーナと戦う。もちろん…あの杖も、私の"力"も…他の人に
 見られないように。そして…リリアーナが私に勝った場合には優勝に一気に近づく位の、
 破格のメリットも用意して…ね。…これから行う二回の儀式は…その一環なのよ。」
話が終わり、少しして…どうやら儀式用の様々な品の配置を終えたのか、魔法陣の中央に行き、
動作も交えて呪文の詠唱を始めた。そして…日が半分ほど沈んだ辺りで儀式を終えたようで、
呪文の詠唱を終え・・・メラルが地面に倒れこんだ。しかし…その段階では、ぱっと見…
辺りに大きな変化は見られなかった。空に…小さい雲がひとつ増えた。その程度の変化である。
メラルは、起き上がろうともせずにアルに向けて声をかけた。
「ねぇ、アル。…ゴーストって…寒さや熱さは…感じるの?」

220 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前1所持1投下3】] 投稿日:2008/03/07(金) 14:01:32 O
>204-205>216
>「保健室で対策セットを揃えるのは賛成。
しかしペンダントは諦めた方が良いな。リスクが大きすぎる。
ペンダント以外の物を何か探そうぜ。」
>「物で釣るのもありだが、それよりも私がレオ先生に化けて本人のフリをするほうが、確実に言うことを聞いてくれると思うが?」
「うそっ!あんたそんな事もできるの!?
じゃあそれで決まりみたいなものじゃない!」
レイド先生が言うように、ペンダントはリターンが大きいけどハイリスクすぎる。
それに引き替えヴァンエレンの偽物作戦なら、準備も楽で効果も抜群だ。
レイド先生は巻き添えを警戒してるけど、バレたら力押しに切り替えるだけ。
安全にベアトリーチェに近づける可能性はかなり高いから、試す価値は十分にあるはずだ。

保健室に移動する前、あたしは持ってたペンダントを、ゴミ箱に放り込む事にする。
ただし、ゴミ箱行きは三個だけにして、一個は手元に残しておいた。
後で役に立ちそうだもんね。保険保険。

目的地に行くまでの襲撃は、レイド先生に完全おまかせでスルー。
保健室内の様子見もヴァンエレンにおまかせで、あたしは楽に保健室に潜入できました。
これからもこの調子で行きたいけど、ベアトリーチェ戦はそうもいかないよね。
今のうちに楽しておこうっと。

薄暗い保健室の中は、あたしの目じゃどこに何があるのか、さっぱりわからなかった。
…あ、そうだ暗視サングラスがあったっけ。
とり出したサングラスを装備すれば、部屋の中が昼間のように明るく見えるように。
なんて便利なマジックアイテムなんだ!

感動してるあたしに、なにかに驚いたヴァンエレンが、体当たりをしかけてきた。
「いたっ!なにするのよいきなり!……ん?聖水?」
薬品と一緒に並んでいるのは、あたしには馴染み深い聖水だった。
孤児院にいた時には、院長の作った聖水で、よく吸血鬼狩りごっこをして遊んだものだ。
…後で院長に死ぬほど怒られたけど。
「ちょうどいいや。これももらって行こうっと」
聖水は魔物だけじゃなく、不浄なものや自然ならざるものにも使える。
巨人や毒ミミズにも効くかもしれない。

221 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持1投下3】] 投稿日:2008/03/07(金) 14:02:42 O
>217
横ではレイド先生が、手当たり次第に別空間に薬をため込んでいた。
「あ、レイド先生、この聖水も一緒に入れておいて。
それから、その薬はちょっとあたしにもわけてね」
アナザーゲートに入れられたら、あたしの欲しい時に薬を取り出せない。
解毒飴と腐食防止スプレーなんかは持っておかないと。
あの女に毒は効果がないから、逆に殺虫剤なんかは置いていかないとね。
…毒が効果がないなら、解毒剤飲んだらどうなるのかな。
ぶっかけてやったら面白い事になりそうだから、ポケットに強力そうなのを入れておこうっと。

>「ようやく見付けましたよ。ペンダントの気配が複数あるから見に来て見れば…。
「!?……なんだ、エース先生かぁ。驚かさないでよ」
薬を選ぶのに夢中になっていたので、エース先生が保健室に来ていたのに全然気づかなかった。
レイド先生はエース先生に事情を説明している。
どうやらエース先生も、魔女狩りに参加してくれるようだ。

>「即席のメンバーにしてはなかなか、だな。」
「冗談言わないでよ先生。
なかなかじゃなくて、ベストメンバーでしょ?」
みんなを見回して言うレイド先生に言い返す。
レイド先生とエース先生の強力コンビに、破壊力には自信のあるあたしと吸血鬼のヴァンエレン。
まさに少数精鋭って感じじゃない。
でも出発前に、もうひとつ保険をかけておこう。
「レイド先生、あたしのペンダントもアナザーゲートに入れてくれないかな。
あたし魔法障壁弱いから、一撃死が怖いし」
レイド先生に自分のペンダントを渡し、他人のペンダントを持っておく。
これでペンダントを狙われても、あたしは大丈夫ってわけだ。

「よーし!それじゃあ魔の森滅菌作戦開始と行きましょうか!
期待してるわよ吸血鬼!」
ばんばんヴァンエレンの背中を叩きながら、自分に気合いを入れるために大声をだした。
吸血鬼は弱点が多い分、人間を軽く越える強力な能力を持っている。
その力をフルに発揮できるのは夜。つまり今からだ。
このメンバーで一番お荷物になるのは、あたしかもしれない。

222 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【自前0 所持1】] 投稿日:2008/03/07(金) 17:17:33 0
>206->207
ホワイトボードの注意書きを見て、リリアーナは思わず微笑んだ。リリアーナの考えは杞憂に終わったようだ。
人影は疎らだが、食堂内は通常どおり営業し、生徒達も一応休戦状態を保っているようだ。
まあ、食堂のおばちゃんを怒らせたら恐ろしいことになるから、とも言えるが。

夕飯のほかに大きな包みを受け取っていたリリアーナは、一番最後に席についた。
エルザの前に並べられた皿の多さに絶句する。まさに壮観の一言に尽きた。

リリアーナの話を聞いてからずっとエルザは上機嫌だった。
きっとロックとの間にリリアーナが割り込んでくる心配が無くなったせいだろう。そう、リリアーナは解釈していた。
媚薬の件も怒っていないところから察するに、きっとエルザやロックには効果が薄かったのだろう。
でないと、エルザがもっと怒らなくてはおかしい。「よくも私のロックに!」――――と。

>「で……これからどうする?
 特にペンダントの充てがあるわけでもなし、皆警戒し始めるからランダムエンカウントを狙うのも不効率」
キサカの言葉に、リリアーナは居住まいを正した。フォークを皿の上に置く。
>「その内エルザの生みの親も来るだろうし――組んでる必要は無いかもわからんね」
「生みの親」という言葉が聞いたとたん、リリアーナはキサカのスネを思い切り蹴飛ばした。
口元だけは笑っているが、リリアーナの目はまったく笑っていなかった。

エルザの正体は、正体はロックから派生した新人格なのだ。それをキキの人形に定着させたのがエルザだ。
記憶が無いのは魔獣に記憶を食われたという説明で誤魔化してある。
だが今、エルザの器が人間のものではないと本人にばれてしまった。
この上生みの親がどうのこうのと話されては、話がややこしくなってしまう。
リリアーナとしてはエルザの人格を安定させるためにも、これ以上余計な刺激を与えたく無かった。

>215
>「キサカ、“生みの親”って誰のことよ?
> あなた一体、私の何を知っているというの?
> あんまり適当な事ばかり言ってると本気で怒るわよ!」
「ほんとよねー。あっエルザ、フィジルイチゴの発酵クリーム添えは好きかな?」
リリアーナは話を誤魔化すように、自分の分のデザートを押し出した。
そして内心で戦々恐々としながら、キサカの返答を待つ。

223 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 17:26:03 0
>207
「キサカさん、さっきの話だけど・・・・・・喉が治るまでご一緒しない?集団のほうが襲撃されにくいと思うわ。
 私もメラルさんから呼び出しが来るまで一緒に居るほうが心強いから」
リリアーナはさりげなく話題を変えようとしたが、自分で振った話題が自分自身の地雷だと言った後で気づいた。
「・・・・・・もう夜よね。・・・・・・あーもう、どうしよう・・・・・・。
 こうなったら優勝候補の人に、副賞のおまけを放棄するよう頼みに行くしかないのかなぁ・・・?」
当の『副賞のおまけ』本人は、力無くテーブルの上に突っ伏した。

>「……ごめん、リリアーナ」
ん〜?とリリアーナは顔を上げた。
> え? と表情を変えるリリアーナに、キサカは自分が何を言ったのかやっと気付き、
>「……ごめん」
今度ははっきりと言われ、リリアーナは困惑した。
だが、伏し目がちなキサカが、自分の袖口を見ていることにようやく気づき、さりげなく手を机の下に隠す。
「変なキサカさん、突然何を謝ってるの〜?もうすんだ事よ。だからあとは、私自身の問題」
そう言って笑うと、机の影で血の跡が見えなくなるよう袖を折り返した。
「ここはそういうゲームをする場所なの。順応できない人はゴーストになるしかない。
 キサカさんは何も悪くないわ。・・・・・・むしろ、謝るのは私のほうよ。
 そうよ。自分の意志でゲームに参加したのに、ゴーストになることも友達に手を上げることも出来ないなんて。
 ・・・・・・・結局私はどうしようもなく臆病で、卑怯で、意気地のない偽善者なのよ」
最後のほうは独り言に近く、果たして相手に聞こえたかどうかは分からない。
リリアーナはどんよりしながら、かぼちゃジュースを口にした。

>「ねえ、(中略)さっきチョコに“ビヤク”が入ってるって言ったけど、“ビヤク”って何?
> 私もその“ビヤク”入りのチョコ食べてるけど、体に悪いものなの?」
ぶはっ!リリアーナは危うくかぼちゃジュースを噴きそうになった。
盛大にむせながら、どうにか頭の中を整理しようとする。

「簡単に言うと、あの・・・その・・・媚薬って・・・・・ほ、惚れ薬のことなの。
 チョコレート配った人が私に結婚してくれって迫るのは、全部惚れ薬のせいなのよ。
 でもね、効果はまちまちみたい。
 エルザが私に怒ってないところを見ると、ロックはきっと薬の効き目が薄かったのね。
 やっぱり、ロックにも本当に好きな人が出来たせいかな?」
リリアーナは精一杯の笑顔を浮かべて見せた。
「エルザも、チョコを食べて急に私が気になりだした、なんて事はなかったわよね?だったら大丈夫・・・」
だったら何の心配も無い、そう続けようとしたリリアーナは、背後からのおどろおどろした空気に言葉を失った。

>208
>「……散々人を振り回しておいて、自分等はゆっくりと食事でおじゃるか?」
恐る恐る振り向いたリリアーナが絶句した。恐怖に引きつる彼女の上に、長い影が二つ伸びていく。
キキが連れている黒い天使が、その力を見せつけるようにりんごを握りつぶしたのを見て飛び上がった。
「忙しいのに呼び出してごめんね、緊急事態だったものだから。
 エルザ、こちらはキキさん。東方からの転入生で、優秀な錬金術師なの」

リリアーナはキキに向き直った。
「あのね、呼び出したのは他でもないエルザの事よ。
 さっき彼女は怪我をしたんだけど、回復魔法がまったく効かなかったの。
 キキさん、推察で構わないわ。何か思い当たることや知ってることがあったら教えてくれない?」
まるでキキがエルザの器の製作者ではなく、第三者のような口ぶりである。
そう、リリアーナは、エルザに「自分が誰かに作られた命だ」と思って欲しくなかったのだ。
だが、エルザと千世は驚くほど顔立ちが似ている。果たしてリリアーナの思惑通りに事が運ぶのだろうか?

「ほらエルザ、何か気になることがあったら今のうちに聞いたほうが良いわよ?
 キキさんはこういう方面にとても造詣が深いの」
リリアーナは場をとりなすように、明るく二人に(一人と一体に?)イスを勧めた。
「ねえキキさん、せっかく食堂に来たんだから何か食べていかない?
 そっちの黒い羽根の子もお腹すいたでしょ?
 何かお腹に入れて、一服してからで構わないわ。
 思い当たることがあったり、思いついたことがあったら聞かせてくれないかな?」
リリアーナは、キキ達に東洋風のお茶をすすめた。 

224 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage投下3 自前1] 投稿日:2008/03/07(金) 19:19:59 0
>216>217>220
聖水を見て吃驚仰天しているヴァンをよそに各々保健室の道具を泥棒…もとい拝借している。
>「とりあえず念のためレオ先生の白衣…あとは適当に薬を貰って行くか。」
これはヴァン変身用のものだと思われる。
ベアトリーチェがいくらレオ先生ラブとはいえ、まさか匂いまで嗅ぎ取れるわけはないと思うが一応念のためだろう。
レイドは片っ端から薬という薬を四次元ポケットならぬアナザーゲートに放り込んでいく。
と、ここでエースが保健室に合流しまたも意外で強力な援軍にたまらず涙を流していたのはヴァンだけの秘密だ。

>「即席のメンバーにしてはなかなか、だな。」
>「冗談言わないでよ先生。
>なかなかじゃなくて、ベストメンバーでしょ?」
ミルクの言うとおり教師二人に実力未知数のミルク、夜に本領発揮する吸血鬼と他では見られない強そうなチームだ。
問題はこのヴァンエレンがこの高スペック集団にどこまでついていくことができるかだろう。
チームに足手まといが一人いるだけで戦況が大きく変わることもある。
夜になったことで魔力量も身体能力も飛躍したが思考の速さは向上しないので、いよいよヴァンエレンという吸血鬼の本領が試されるときだ。
>「よーし!それじゃあ魔の森滅菌作戦開始と行きましょうか!
>期待してるわよ吸血鬼!」
これから森という戦場へ再び馳せ参じようというのに、いまさら不安にかられてしまったヴァンを後押ししたのはミルクだった。
背中を力強くバシバシ叩かれ、それが励ましになったようで意を決して強く歯を食いしばって気合を入れる。
「よし……行こう!」
保健室から廊下に出ると、窓から見えるのは魔性の月が変わらず見据えていた。


外は苛烈な戦闘が続いた昼間のときと打って変わって静寂が保たれていた。
ここにきてやはり疲れがきたのだろうか、それとも人間特有の夜の闇に対する恐怖がそうさせているのか?
恐ろしいぐらいの静けさはまるで嵐の前の予兆を思わせた。
そしてたった四人の行軍は不気味な森を前にして立ち止まる。
現界と森を繋ぐこの境界より先は月明かりも届かぬ深く暗い闇に閉ざされて、来る者すべてを拒んでいる。
「前に来たときよりもずっとおっかない森になってる…。
 これはまるで魔界ではないか…!」

225 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 投稿日:2008/03/07(金) 19:40:00 0
>>210
>「えーっと、最初に訂正すべきところは…僕は、いや、僕達は多重人格者じゃない。
>魂が3つあって、肉体を共有しているんだ。他の二人は近くに幽体…幽霊の体でいるよ。
>で、数は3人。名前だってきちんとあるさ。」
ふーん…魂が三つあって……なに!?どういうことだ!?
肉体が一つで魂三つがそれを共有してる…?
見たことも聞いたこともないぞ…そんなことありえるのか?

>「僕はグレイズ。風の魔法が得意で、人狼の特徴を一番受け継いでるんだ。」
自己紹介をグレイズは始める…さっきのグレイブが氷、それでグレイズが風…
さっき言ってたもう1人は炎ってところか?
>「あとは最初に出てきてたグレイブ、出てきてないけど火の魔法が得意なグレイルがいるよ。
>じゃあ、次はマオさんも自分の説明をお願いできるかな?」
やっぱりか、炎に氷に風…とりあえず三種そろってるってことか。
グレイズが自分達の大まかな説明を終え今度は僕の方に説明を求めてくる。
「僕か?僕はマオ・ミゼット、常に二等過程の上位にいるエリートだ。
 雷術に長けている。他の魔法もまあ普通ぐらいだったら難なく使えるぞ。」

他にもさまざまなことを話しながら森を進んでいく。
「リリアーナと面識があるのか?フフ…それはいいな。」
グレイズから中々興味深い話を聞く。どうやらこの三人はリリアーナ達と面識があるみたいだ。
どうやら僕は幸運のようだな。グレイズ達を使ってリリアーナ達に楽に近づいて
騙まし討ちをしてペンダントを奪ってやる!フフフ…やはり天は僕の味方のようだ!

しかし、サンダー一号がない分最初奥に行ったときよりも大分時間がかかってるな…
延々と続く気持ちの悪い森のせいもあって…全然モチベーションが維持できない。
「はぁー…疲れたな…お腹も減ってきた…あの馬がいたら校舎までなんて楽に着くのに。」
グレイズの後ろでぶつぶつボヤキはじめるが仕方が無い、僕は今日何も食べてないし飲んでない。
そろそろこの二個もあるのり弁の出番かもしれない…(三個あったけど一個地面に叩き付けたからな)

さっき木々の下にキノコが生えているのを見つけてお腹の足しにしようとしたがグレイズに止められたしな。
「僕もう疲れた……僕はテクニックで知能派な分体力はないんだよ…」
その場に座り込み溜息をつく。グレイズも困った顔をしてこっちを見ている…
しかしそんな顔されても仕方がないじゃないか。実際疲れてるんだから…
日もどんどん落ちてくる……まだまだ夜にはなってないものの……
このまま休んでいたのでは明日をこの森の中で過ごすなんてことに…
グレイズは薬なんて飲んでないし夜中胞子がついて襲われたりしたら洒落にならない。
「なあグレイズ…僕をせおっていってくれよ。大丈夫、
 僕は女の中でも体重少ないから……よし、決まりだ。おぶっていってくれ!」
グレイズの意見を聞く前に背中に移動する。
「よし、夜になる前にここを抜けるぞ!!」
僕はグレイズの背中で拳を掲げる!

226 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/03/07(金) 20:49:40 0
>214
キサラを投げ飛ばした直後、ベアトリーチェの足元で*ベシャリ*という嫌な音がした。
ベアトリーチェは夜目が利く訳ではない。
が、ナイトシェードという暗視薬を飲んでいるので昼間と変らぬようにそれが見えた。
泥に半分埋まった手榴弾。
その存在は知らずとも第六感が告げる。【危険だ】と。
慌てて動くが、それが許されたのは一歩半まで。手榴弾は爆発し、爆炎が広がった。

爆発が起き、キサラがアイシクルを唱えた直後。爆炎を突き破るように黒い何かが飛び出してきた。
向かう先は一直線にキサラ。
だが、キサラは動く事ができない。
神経毒が、湿原の泥濘がその機動力を奪ったのだ。
そして何より、湿原より生えたミミズがキサラの両足に絡みつき半股割き状態で固定しているのだから。

突き進む黒い何かはキサラの鼻先で止まり、ゆっくりとその顎を開く。
それは巨大なミミズだった。
ニチャリと粘液を開く音をさせながら牙を剥き、開いていく。
その大きさはキサラを一飲みにできる程になったが、開く動作はまだ終わらない。
まるでバナナに皮を開くかのようにミミズは裂けていき、その中からベアトリーチェが現れた。

爆発の瞬間、許された一歩半で飛びずさって自らをミミズに飲み込ませた。
ミミズの中で爆発と爆炎をやり過ごし、それと共に一気に間合いを詰めたのだ。

現れたベアトリーチェは動けぬキサラの首を鷲掴みにする。
食い込む爪先からは筋弛緩剤を注入し、キサラの自由を完全に奪っていく。
神経毒ではなく、何ゆえ筋弛緩剤なのか?
それは、神経毒では痛覚神経まで麻痺させてしまう。
これから始まる凄惨なリンチを存分に味合わせるためである事は言うまでもない。
「てめぇ、氷属性だったのかよ。あたしはね、氷属性の女が虫唾が走るほど嫌いなんだよ!
前歯三本で許してやろうと思ったが、顔の形変えてやっからよ!」
坊主憎ければ袈裟まで憎い。レオに格闘訓練を受けるフリージアに嫉妬し、逆恨み。
更にそのとばっちりでキサラにとっては迷惑な話である。
が、今となってはどうにもならない。
ドーピングで強化された太い腕に力が込められていく。
拳も握られ、恐るべき一撃が繰り出される・・・直前。

>213
森の奥から差し込む蒼い光がベアトリーチェの視界に入った。
振り向くとソフィアが腐海を抜け湿原に入ってくるところだった。
「あ・・・う・・・えーっと・・・」(ま、まだ向こうは気づいていない!)
慌ててソフィアとキサラ、そして自分の握り締めた拳を見回し・・・
「キ、キサラちゃん。しっかりして。」
*ペシペシ*
首を鷲掴みにしていた左手を首の後ろに回し抱きかかえるような体勢となり、握られた拳は平手に変っていた。
繰り出されるはずの鉄拳は、形だけの気付けビンタになったのだ。
ドスの効いた声もどこへやら、一オクターブ高いおしとやかそうな声に変っている。
勿論ミミズたちも湿原に引っ込み、跡形すらない。

「あ、あなたは・・・」
そこでようやく始めてソフィアに気づいたふりをし、振り返る。
ここでまだソフィアの名前を聞いていないことに気づく。
「ちょっとごめんなさい。お友達が毒に当てられちゃったみたいで。
お友達の手当てもしたいし、もう暗くなっちゃっているから・・・リベンジしたいとは思うけど、戦いは今日のところはお休みしませんか?
よろしければ、一緒にお食事でも・・・?」
動けないキサラを抱きかかえながら、ソフィアに微笑みながら問いかけた。
その背後には、漆黒の湿原中央にライトアップされた庭園が幽玄な姿を浮かび上がらせていた。

227 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/03/07(金) 20:52:03 0
>219
「リリィと??・・・ぷっ!・・・くっくっくっく・・」
メラルの目的を聞き、アルナワーズは思わず噴出した。
これだけ大規模な用意をし、全力を尽くして戦いたいという相手がリリアーナと聞いて驚きを隠せなかったのだ。
「あっはっはっはっはっは!」
空中を転がるように笑い続けるアルナワーズ。
ひとしきり笑った後、ようやく息をつき、立ち上がる。

「ふ〜。ごめんなさいねぇん。
リリィの事を侮っているわけじゃないのよ。
むしろ逆。
伊達や酔狂【だけ】で手元においているわけじゃないもの。」
配置されていく強力な品々を見回しながら思う。

メラルの望みは叶うのだろうか、と。
アルナワーズはリリアーナの強さを認めている。
その強さはカドゥケウスでも、魔力でもない。
・・・芯の強さ。
破格のメリットといえども、自分のために闘うのだろうか?
仲間の為には躊躇する事無く吸血鬼に首筋を露にするほどなのだ。
ロックを人質にでもすれば話は違ってくるだろうが・・・

だがあえてその事は口には出さない。
メラルがどうやってリリアーナを戦いに引きずり込むかもまた楽しみだからだ。
唯にこやかに見送るだけだった。

メラルは呪文の詠唱を終える。
話から推測するに、広範囲な・・・それこそ島全体を効果範囲に収めるような術を使うのだろう。
これによって一挙に景品のペンダントを集めるはずだ。
しかしそれは諸刃の剣である事を感じていた。
これから行われる事がどういうものかは別として、それを乗り越えた猛者たちもいるだろう。
どこにでもいる並みの使い手は生き残れない。
一級の者達だけが残るはずだ。
大規模な儀式の影響を受け、彼らは黙っているだろうか?
一級の者ならば誰かがここを察知し、乗り込んでくる・・・
その可能性も排除できない。
そしてそれはメラルの計画に重大な支障をきたしかねない・・・。

勿論それを口にし、警告する事はない。
なぜならば、それはそれで楽しそうなのだから。

>「ねぇ、アル。…ゴーストって…寒さや熱さは…感じるの?」
「安心して。このイベント、未熟なものは早々にゴーストとなるのは折込済みよ。
協力できるなんていうのは単なる表向きのお話。
本当は、干渉できない代わりに戦いの影響も受けない。
間近で上級者達の戦いを観戦するためのゴースト化ルールなのだから。
熱さも寒さも影響を受ける事は無いから・・・存分におやりなさいな。」
倒れたままのメラルの背中にアルナワーズは満面の笑みで告げる。

228 名前:グレイズ ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 21:37:58 0
>225
>「僕か?僕はマオ・ミゼット、常に二等過程の上位にいるエリートだ。
> 雷術に長けている。他の魔法もまあ普通ぐらいだったら難なく使えるぞ。」
「へぇー、頼もしいなぁ。」
女子とはいえ二等過程なら戦力として十分過ぎるくらいである。
先程(グレイズが)見た戦いでも、素晴らしい判断力が分かる。
「(これなら優勝も夢じゃない…かな?)」

外へ外へと向かいながら会話をする。
>「リリアーナと面識があるのか?フフ…それはいいな。」
なんだか怪しい笑いを浮かべたが、まあそのあたりはいいとしよう。
ついさっきなんぞキノコを食べようなんて言い出したのだから。
雑食にも程があるだろう、とツッコミそうになったがそこは優しさで抑える。

それにしても好い加減森を出ても良いだろうというのに、一向に出口が見えない。
>「僕もう疲れた……僕はテクニックで知能派な分体力はないんだよ…」
マオがそう言って座り込んでしまう。
「大丈夫?」
グレイズは困った顔をして言う。
まだ日は沈んでいないにしても、もうそろそろ魂の交代をしなければいけないだろう。
グレイズの魔力も障壁に使っているため少なくなってきている。
そう考えていると、突然マオが男子にとってとんでもない事を要求する。
「なあグレイズ…僕をせおっていってくれよ。大丈夫、
 僕は女の中でも体重少ないから……よし、決まりだ。おぶっていってくれ!」
そういう問題じゃないだろう。

どうしよう、と後ろに居るグレイブとグレイルに聞こうとする前にマオは背中に移動する。
「え、ちょっとまtt…」
>「よし、夜になる前にここを抜けるぞ!!」
「…あのー、どうしようか?」
【知ったことか……こいつはいけ好かない。】
【もうすぐ日没だしよー、俺が替わってやんよ!】
「うん、よろしく……あ、マオさん。僕は今日もう出ないけど…今、Rに替わるから。」
そう言ってグレイズは目を閉じる。

229 名前:グレイル ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 21:38:28 0
頭髪が赤になり、馬鹿グレイル参上。
「つー事で俺参上!グレイル様だ!マオマオよろしっくー!」
その場で華麗に3回転し、ポーズを決める。
…勿論マオを振り落として。
反論というか批判を聞いても
「あり?まあいっか、森を出りゃーいいんだろー?」
そう言うとグレイルはマオに近づき、
「ちっとばかし酔うかもしんねーけど我慢しなよな!」
右腕で顔が正面を向く形に担ぎ上げる。
そして…

「いぃぃやっほぉぉぉうい!」
雄叫びを上げて猛スピードで駆ける、駆ける、駆ける!
批判?反論?なんのその。
森をまるでターザンのように進む。なに、悲鳴?知らないな。

>224
結局出口に着いたのは日も沈みきってからだった。
グレイルがそのまんまの意味で人を振り回した挙句、道に迷うという失態を犯したせいだ。
「マオマオー、生きてんのかー?」
さっきよりもぐったりした感じのマオに話しかける。
【R、誰がやったのか分かって言っているの!?】
「え?知らん。」
【ええ!?】
【フン、良い気味だ。】
【…って、あれ見て!】
「んむむ?」
こんなことをやっているうちに誰かが森に入ってきたようである。
「うっし、とりあえずてーさつにいっくぜー!」
偵察と言いながらも堂々と近付くグレイル。アホだ。

230 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/03/07(金) 22:06:08 O
やっとこさ何とか、沼地に到着。そこに居たのは二人の人物。
一人は件の毒女。
別の一人は髪の長い人物。遠眼には女性にも見えなくはないけど
安易にそうとは言えないのが、ここという場所。
「キ、キサラちゃん。しっかりして。」
ペシペシ。軽い平手打ちを何度か当てる。

何だろうね?少し芝居くさい気がしてならない。
きっと気のせい。そう、気のせい。彼女がここで芝居をする事に意味はないハズだから。
でも、何でこんなに疑うんだろうか?悪い人なんかじゃないハズなのにな………
「ちょっとごめんなさい。お友達が毒に当てられちゃったみたいで。
お友達の手当てもしたいし、もう暗くなっちゃっているから・・・リベンジしたいとは思うけど、戦いは今日のところはお休みしませんか?」
「ここでは誰も彼もが戦う事しか考えてないとでも?それは失礼ということ。
私は君とお喋りしに来ただけ。君との話は楽しそうだから」
あちらが笑えばこちらも笑い返す。ありふれた笑顔の応酬。
なんだけど、なぜだろう?腹の探り合いみたいな印象を受ける。
そこで彼女は、はたと気付いた様に。
「よろしければ、一緒にお食事でも・・・?」
と言ってきた。
「お構いなく。私はお話が出来ればそれで良いから。
君の美への姿勢に感じるモノがあってね。
この森を美しいと言える確立されたオリジナルの美意識。
美とは己の主観に過ぎないと言う、その逞しいまでのふてぶてしさ。
どれも一流には備わっているモノだ」
と、美術への思いを語っているけどこれはいわゆる、理由付け。本音半分、言い訳半分。
こんな毒大好きな人の出すご飯は食べたくはない。という自分の疑心を隠すための、ただの言い訳。
人を疑ってしまう自分が若干情けない。
「でも、女性に立ち話は体によくないね。座れる所があるなら、移動しようか?」
仕切り直すようにそう言って、左手の拳銃をゲートに放り込む。
武器は無い、敵意は無い。その証明。

231 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage ] 投稿日:2008/03/07(金) 22:18:44 0
>>226
爆風の中から何かが飛び出してくる―――
賭けに失敗したと認識し、少しでもダメージを抑えるために行動を開始
―――だが―――体が動かない
先程までと違い――今度は完全に…動かない
体が痺れて…そして、唯一まともに動く足も纏わりつくミミズが邪魔をして、キサラの身体の自由を完全に奪う

完全に動けないキサラの前に黒い巨体の正体は巨大なミミズだった
ミミズの口が自分をを丸呑みにするかのように開いていく
(呑まれる…!!)
並の人間なら恐怖に目を瞑るところだろう
だがキサラは違った
最後の最後まで逆転の一手を探して―――その目をむしろ見開く
そして―――ミミズの中から飛び出てきたベアトリーチェに向けて足下のミミズを引き千切り―――
その顔面に向けて鋭いハイキックを放つ直前―――
ベアトリーチェの腕がキサラの首を掴んだ
ミミズがなければキサラの足が相手より早く届いただろう
だが―――ミミズの強度が予想以上に強かったこと―――それが敗因となった
「く…ぅ…っ!」
掴まれた首に爪先から筋弛緩剤が注入され、一段と苦しそうな声を上げるキサラ
今度こそ足先まで完全に自由が奪われる―――
>「てめぇ、氷属性だったのかよ。あたしはね、氷属性の女が虫唾が走るほど嫌いなんだよ!
前歯三本で許してやろうと思ったが、顔の形変えてやっからよ!」
「そんなこと…僕には関係ない…!僕がそう認めた以上…貴女は僕の敵でしかない…!
 …それに……残念ながら…僕は…男……です…!」
口ではまだ強気ではあるものの、実際勝ち目はもうないに等しい
ベアトリーチェが強く握られた拳を振りかぶる
(今度こそ…終わりか……!)
と思った瞬間
>「あ・・・う・・・えーっと・・・」
「………?」
相手の表情と言動が一瞬にして変わる
最初にベアトリーチェと出会ったとき…とはまた違う気もするのだが
少なくとも先程までに見せていた残虐な表情は消え、女性らしい表情に…戻った、というべきなのだろうか
そして
>「キ、キサラちゃん。しっかりして。」
という言葉と共に、キサラが抱きかかえられた状態になり、握られた拳は平手となり、ぺちぺちと気付けをするような平手打ちになる
「…………は?」
いや、もうこう言わざるを得ない
豹変ぶりには驚いたが、その戻りもまた驚きだ
>「あ、あなたは・・・」
>「ちょっとごめんなさい。お友達が毒に当てられちゃったみたいで。
お友達の手当てもしたいし、もう暗くなっちゃっているから・・・リベンジしたいとは思うけど、戦いは今日のところはお休みしませんか?
よろしければ、一緒にお食事でも・・・?」

抱きかかえられているということも忘れて、一気に拍子抜けだ
自分が未だピンチの状況にあるのは変わりないのだが、流石のキサラもこれはツッコむしかないだろう
「……この学園にまともな人間はいないのか…」
ベアトリーチェにだけ聞こえるような小さな声でキサラは呟く
決して相手を馬鹿にしているわけではないが、正直呆れているのも事実だろう

232 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持2投下0] 投稿日:2008/03/08(土) 06:33:45 O
>220>221>「冗談言わないでよ先生。
なかなかじゃなくて、ベストメンバーでしょ?」
言うねぇ、君。
確かにイケてるメンバーだけどな。
エース先生は勿論、文字通り火力のあるミルク、夜にこそ本領を発揮するヘボ吸血鬼。
ふっ…これなら勝算は十分ある。
薬もいくらか貰って来たしな。
準備は完璧だ。

俺はミルクのペンダントを預かり、アナザーゲートに放り込む。
「そういや腹減ったなぁ…あ!俺にはのり弁があったんだ。忘れてた。」
ゲートからのり弁を取り出し、箸が付いていない事に気付く。
しかし心配ご無用。
「テレレテッテレ〜。は〜し〜。」
俺はゲートから自慢気に箸を取り出す。
が、周りのリアクションは物凄〜く冷めていた。
>「レイド、見事なまでに滑ってますよ。」
「こほん。……それじゃあ、ちょっくら行って来ますか。」

「うむ…美味い。配給されたのが弁当で良かった。
いや、ホントに。」
>「僕の配給されたアイテムは弁当じゃない方が良いなぁ。」
「……嫌味かこの野郎。」

雑談をしながら弁当を食いつつ、森の入り口に立つ。

233 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持2投下0] 投稿日:2008/03/08(土) 06:40:51 O
>「前に来た時よりもずっとおっかない森になってる…。
 これはまるで魔界ではないか…!」
「な〜にビビってんだよ。夜はお前の本領を発揮出来る唯一の時なんだろ?」
ま、確かに気味の悪い森だけどな。
いかにも進入禁止って感じ。
「この、入っちゃいけない所に入る感じ…。
うん、悪くないな。」

>229残り半分位になった弁当をかきこんでいると、こちらに向かって来る人物が一人。
ん〜と…あれはグレイブか。
本日2回目の遭遇だね。
1回目はグレイルだったけど。
ん?誰か背負ってんな。
ぐったりしてるけど、とりあえず生きてるみたいだ。
「んぐんぐ……なんだ?逃げて来たのか?だとしたら賢明な判断だ。」
俺は食い終わった弁当をその辺に投げ捨てる。
ゲームの中だから別に良いよな。
教頭とかに見付かったらうるさく言われそうだけど。
「生徒二人で行くなんて無謀にも程が…ん…雨?」
パラパラと小雨が降ってきた。
こりゃ早くしないと風邪ひくぞ。
タイミング悪いなぁ…。

234 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/03/08(土) 09:09:09 0
>223
> 「忙しいのに呼び出してごめんね、緊急事態だったものだから。
>  エルザ、こちらはキキさん。東方からの転入生で、優秀な錬金術師なの」
「あ、うん。はじめまして、キキ。私の名前はエルザ・フォン・ブラハント。」
エルザはキキに軽く頭を下げた。そして、キキの隣にいる黒い羽の少女を見た。
エルザは彼女を見た後、怪訝そうに眉をひそめた。

> 「あのね、呼び出したのは他でもないエルザの事よ。
>  さっき彼女は怪我をしたんだけど、回復魔法がまったく効かなかったの。
>  キキさん、推察で構わないわ。何か思い当たることや知ってることがあったら教えてくれない?」
「キキ、実はね…(カックカクシカジカ)」
エルザは先ほどエースとバトルして、お腹を負傷した時のことを話した。
こうやって楽しく食事をしていて、自分が人間離れしている事を忘れかけていた。
しかし、もう何をしたところで、自分から銀色の血が流れた事実は変わらない。
もう自分を、人間のエルザと思う日は永遠に来ないだろう。
でも、せめて自分が本当は何者なのかだけはハッキリさせておきたかった。

> 「ほらエルザ、何か気になることがあったら今のうちに聞いたほうが良いわよ?
>  キキさんはこういう方面にとても造詣が深いの」
「そうね、でも私はキキとリリアーナの二人に聞きたいわ。
 信じられないかも知れないけど、私たまにロックの声が聞こえるの。
 それも『なのだ〜!』って言う以前のロックの声が…私の頭がおかしいのかな?」
そう言ってエルザは黒い羽の少女の隣に座り、少女の肩に腕を回した。
「それと教えてキキ、この子は誰?何だか他人のような気がしないわ。」

235 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 投稿日:2008/03/08(土) 11:18:58 0
>>228->>229
>「うん、よろしく……あ、マオさん。僕は今日もう出ないけど…今、Rに替わるから。」
もしかして1人でずっと肉体に入り続けることはできないのか?
また新しい奴か…まあ僕を連れて行ってくれるなら何でもいい。
>「つー事で俺参上!グレイル様だ!マオマオよろしっくー!」
そしていきなり三回転してポーズを決める。
「な、なにするんだ!僕を振り落としたら意味ないじゃないか!!」
>「あり?まあいっか、森を出りゃーいいんだろー?」
い、嫌な予感がする。僕はこういうタイプが一番苦手だ…
>「ちっとばかし酔うかもしんねーけど我慢しなよな!」
「ま、待て、あんまり乱暴なのは……ちょっと聞いてるのか!?」
ダメだこいつ、話しを全く聞かない…これならばまだグレイブの方がましじゃないか。

>「いぃぃやっほぉぉぉうい!」
あまりの猛スピードとテンションの高さにどんどん置いてかれる…
というか絶対にこいつ出口がどこにあるのかなんて分かってない…
すでによく分からん道を進んでいる…
「お…降ろせ!もういい僕は元気になったから、おい聞いてるのか!?」
だがその言葉に反比例するようにどんどん動きが早くなってくる。
風が僕の顔の皮膚を引っ張っているのが分かる、
サンダー一号が居れば……こんなことにはならなかったっていうのに…!
「降ろしてよ!ちょっと聞いてるの!?このバカァー!!」
もちろん全く話しなんて聞かずに進み続ける…出られるとき僕は生きていられるのか?


>「マオマオー、生きてんのかー?」
「うぅ…なんか気持ち悪い……酔った……」
さっきまでの食欲が失せるぐらい酷かった…
しかも散々猛スピードで引っ掻き回した本人はこの言葉……
もういやだ、早くグレイズに変わってくれ…なんだったら
あのグレイブだっていい…とりあえずこの莫迦には付き合ってられない。
すると誰かが森に入ってくるのを感じる…こんなコンディションじゃとてもじゃないが
本領を発揮できない…グレイルにここは一回どこかに隠れて様子を見ようといおうとした時
グレイルは畏れる様子もなく入ってきたやつらの方向に進み始める。
>「うっし、とりあえずてーさつにいっくぜー!」
「ば、莫迦!見つかったら偵察じゃないじゃないか!意味わかってから使え!」
しかし僕の言葉など全く聞かずに堂々と歩き始める…もうツッコム気さえおきない。



236 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 投稿日:2008/03/08(土) 11:20:23 0
>>233
どうやら教師のようだ……もし戦いにでもなったら危ないっていうのにグレイルの莫迦め!
>「んぐんぐ……なんだ?逃げて来たのか?だとしたら賢明な判断だ。」
ん?口をもぐもぐと動かしている教師…もしかして!
>俺は食い終わった弁当をその辺に投げ捨てる。
「あーッ!!!それはお弁当!!」
グレイルから降り走って投げ捨てた弁当まで走る。
だが…当然投げ捨てたということは中身は空……そう、何も入ってない寂しい箱を僕は眺めていた…
「………僕のお弁当が……ああ、あの時のり弁を粗末に扱うんじゃなかった…」
僕は膝をつき地面に両手を置く…そしてまるで僕の今の心を表すかのように雨が降ってくる。

しかし、このままうなだれているわけにはいかない…リリアーナ達を倒さなければ優勝出来ないんだ。
「こうしてはいられない…なんとしてでもリリアーナ達を探すんだ!」
幸い教師達は別に敵になろうという考えじゃない、とりあえず放っておいて
僕は立ち上がり校舎の方に行こうとする。そして行こうとしたとき、
なんだか見覚えがある顔が見える。そう…あれはサンダー一号!!
「…サンダー一号!!お前か!!フ…フフフ…なんていうことだ。
 リリアーナ達に会う前にお前に会うとはな……僕を捨てた恨み晴らしてやる!」
何か言いたそうだが関係ない!バチバチッと手を帯電させる、ん?待てよ…僕は今濡れて…
「ぎにゃあああぁぁぁぁ!!」
自分の体に流電し僕は倒れる…このエリートともあろうものが…疲れが判断力を鈍らせたのか

237 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/03/08(土) 11:41:33 0
>「リリィと??・・・ぷっ!・・・くっくっくっく・・」
>「あっはっはっはっはっは!」
>「ふ〜。ごめんなさいねぇん。 リリィの事を侮っているわけじゃないのよ。
  むしろ逆。 伊達や酔狂【だけ】で手元においているわけじゃないもの。」
「でしょうね。…あなたも…私達が友人となった時には既に
 リリアーナの"怖さ"は十分理解していたんだから。」


アルワナーズもメラルも、リリアーナのことは高く評価している。
しかし…その方向性はまったく違った。
アルが評価しているのは芯の強さ。つまり…端的に言えば心の強さである。
だが、メラルのリリアーナへの評価の高さは…そういった強さよりも、
リリアーナが時折見せる高い判断力と洞察力などから垣間見える
リリアーナの潜在能力による部分が大きいのだ。


>「安心して。このイベント、未熟なものは早々にゴーストとなるのは折込済みよ。 (中略)
  熱さも寒さも影響を受ける事は無いから・・・存分におやりなさいな。」
「…それなら…既に負けた人にはそこまで迷惑はかからないわね。…ありがとう。アル。」
寝そべったままの状態でメラルが言った。
(…エミュー、…念の為確認して。……ありがとう。)
そして…いまや"水"に取り憑く形になっているエミューと軽いやり取りをした後、
指輪から装飾の突いたナイフを取り出して…数秒の躊躇の後、いきなり
ナイフを自らの心臓の位置に突き刺した。もちろん、メラルはその場から消える事になる。、
どうせ指輪の中のペンダントは奪えないなら、今の状況では一度倒れて魔力や体力を回復させたほうがいい。
…そういう判断だった。もちろん、倒れた際に出現する位置の安全が前提であり、
それをエミューに確認させたうえで、であるが。…しかし…その考えには、盲点があった。

…なぜか、指輪の中にしまったはずのペンダントは…メラルのそれも、そしてもちろん
リリアーナのそれもその場に残ったのだ。最も、それを確認したエミューが、
慌てて術で氷の腕を作り出し、儀式の機材の下に隠してはいたが。
そして…メラルが迷彩の術…ミラージュミストをかけた状態で結界内に戻ってきて、
二つのペンダントを回収し、指輪の中に仕舞い込んでからアルにぼやいた。
「この指輪の中に入れていても、やられたらペンダントは残るみたいね。
 まぁ、確かに…そうじゃないと、こういった道具さえあればほぼ確実に
 敗退は免れる事になるから、仕方ないんでしょうけど…。」
そして…メラルが数種の魔法薬を飲んで、更なる魔力の回復を図り始めた。

しかし、そういったやり取りの間…空には変化が起きていた。
儀式によって作られた雲は少しずつ大きくなっている…が、それだけではなく
それ目掛けて…周囲の雲が…ゆっくりと集まってきているのだ。
そして、それらの雲を取り込んでなお雲は肥大化していき…
日が完全に落ちて少しした頃には…小降りの雨が降り始めた。
その様子を見ながら…メラルが言った。
「…アル。…これだけ大層な準備をしていたのにこの程度で…拍子抜けしているんじゃない?
 でも…安心して。これは、あくまで準備なの。…誰だって、いきなり土砂降りの雨が降れば、
 すぐに建物に駆け込むけど、この程度の雨なら、多少濡れる程度だから十分戦える…
 そう考える人の方が多いはず。…この後に…強烈な吹雪が待っているとも知らずにね。」


238 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 投稿日:2008/03/08(土) 13:34:31 0
>>235の訂正。
風が僕の顔の皮膚を引っ張っているのが分かる、
の後に
しかも…あまりのスピードに僕のとっておいた弁当が
はるか後方へと転がっていってしまった…

の一文が抜けてました。すいません。


239 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持1投下3】] 投稿日:2008/03/08(土) 14:26:44 O
>224>232
>「よし……行こう!」あたしの喝入れでヴァンエレンも気合いが入ったみたい。
レオ先生に化ける作戦の要はあんたなんだから、しっかりがんばりなさいよ!

>「そういや腹減ったなぁ…あ!俺にはのり弁があったんだ。忘れてた。」
>「テレレテッテレ〜。は〜し〜。」
「先生…空気読んでとは言わないけど、もうちょっと雰囲気に合わせてよ…」
そりゃあれだけ詰め込んだアナザーゲートから、箸とのり弁をすぐ出せるのは、すごい技術なんだけど…
エース先生のツッコミを聞いてたら、緊張が解けたのかあたしもお腹が空いてきた。
さっき漁った机にカロリーブロックがあったから、あれでも食べようっと。

魔の森に行く途中、しばらくユリと連絡を取っていなかったのを思い出して、遠話の水晶で呼び出す。
しばらく待たせてから帰ってきた返事は、やけに眠そうな声だった。
こいつ、あたしが死ぬほど苦労してるのに、ぬくぬく寝てやがったな!
>「いやー、ごめんごめん。
ちょっと忙しくなりそうでさ、軽く休憩中に仮眠してたんだ」
ユリはあたしと違って体育会系だから、頭が悪い分体力は半端じゃない。
24時間でも報道に走り回れるのに、休憩中に仮眠?
「なによそれ。何か大きな動きでもあるわけ?」
>「今は秘密だけど、もう少ししたら、でっかい花火が打ち上がる予定だよ。
ミルクも優勝目指してがんばってね。じゃ!」
「ちょっと待て!花火ってなんだ花火って!
それじゃ全然わからないでしょうが詳しく教えろーっ!!」
通信は一方的にとぎれ、呼んでも叫んでももうユリは出てこなかった。
結局わかったのは、誰かが状況を大きく動かそうとしてるって事だけ。
…やっぱりベアトリーチェだろうな、常識的に考えて。
「誰かが大規模魔法の準備をしてるみたい。
たぶんベアトリーチェが毒を学園中にまき散らすんだと思うから、今夜の内に片付けちゃおう」
新しい情報をレイド先生たちやヴァンエレンに伝えながら、魔の森への道を急ぐ。

240 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/03/08(土) 14:28:23 O
>「前に来たときよりもずっとおっかない森になってる…。
 これはまるで魔界ではないか…!」
魔の森に着いてみれば、そこはまるで月明かりでも入れませんって感じのおっかない場所になってました。
ヴァンエレンが驚くのも無理ないよね。
>「な〜にビビってんだよ。夜はお前の本領を発揮出来る唯一の時なんだろ?」
「そうそう、レイド先生の言うとおり。
もちろんレオ先生の白衣を受け取って、ちゃんと着ておいてね。
もし変身がバレていても、白衣惜しさに腐食ガスを使わないかもしれないから」

それにしても本当に魔の森になっちゃったなー。あたしは手近な毒っぽいキノコに、聖水をちょっぴりふりかけてみた。
じゅわっと煙が上がってキノコは跡形もなく消える。
…どんな毒使ったらこんなキノコができるんだ…
>233>236
>「生徒二人で行くなんて無謀にも程が…ん…雨?」
森の中、レイド先生が近づいてくる人影を見つけたみたいだ。
敵か?味方か?
緊張するあたしの前に、レイド先生はポイと弁当箱を捨てた。
教師がゴミのポイ捨てしてどうする!

>「あーッ!!!それはお弁当!!」
あたしがレイド先生に注意しようとした時、急に背負われていた方の男が弁当に走り寄って来た。
>「………僕のお弁当が……ああ、あの時のり弁を粗末に扱うんじゃなかった…」
それはあんたの弁当じゃないだろ。
空箱を前にうなだれる男に追い討ちをかけるように、ポツポツと雨が降ってくる。
あたしの今日の修道服は戦闘用だから、多少の雨なら大丈夫。
でも本格的に雨が降る前に終わらせたいよね。
「はいはい。そんなにお腹が空いてるんなら、学食にでも行ってね。
あたしたちは急いでるんだから、あんたたちに構ってる暇はないの」
なにかブツブツ言ってるけど、戦意は無いみたいだな。
立ち去ろうとする男だけど、ヴァンエレンを見て驚いたようだ。
>「…サンダー一号!!お前か!!フ…フフフ…なんていうことだ。
 リリアーナ達に会う前にお前に会うとはな……僕を捨てた恨み晴らしてやる!」

ん?この2人もリリアーナやヴァンエレン絡みの仲間か?
新聞ではあまり見ない顔だけど…
あたしが首をひねっていると、腹ペコ男は雷系の魔法の準備を始めた。
まずっ!今ヴァンエレンがやられたら、誰がレオ先生に変装するのよ!
あたしが横からメギドでヴァンエレンを支援しようとした時。
>「ぎにゃあああぁぁぁぁ!!」
腹ペコ男は倒れた。

えーと。何がどうなったんですか?
いかん、状況が全然わからない。
「ヴァンエレン…。幾つか聞きたいことがあるんだけどいい…?
こいつは誰で、今何をしてたの…?サンダー1号ってどんなリングネームよ…」

241 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/03/08(土) 20:30:29 0
>233>240
先ほど保健室より拝借してきたレオ先生の匂いつき白衣をレイドより受け取ると、いつでも変身できるように羽織っておく。
腹が減っては戦はできぬと弁当を頬張るレイドだが、よくそんな余裕があるものだとあきれた眼でものすごい勢いで減っていく弁当を見ている。
>「な〜にビビってんだよ。夜はお前の本領を発揮出来る唯一の時なんだろ?」
>「そうそう、レイド先生の言うとおり。
>もちろんレオ先生の白衣を受け取って、ちゃんと着ておいてね。
>もし変身がバレていても、白衣惜しさに腐食ガスを使わないかもしれないから」
レイドが弁当を食べ終わるころに森から生きて脱出してきたであろう者が二人ほど入り口付近に向かってきていた。

>229>236
天候が変わって雨が降り始める中で森を疾走してきたのはグレイルとマオの二人だった。
そのうちなぜかマオが捨てられた空になっている弁当をみてなにやら嘆いているが理由はわからない。
突如現れた人物がこれからどうしても会いたかった人物だったので、これ幸いと話しかけようとすると…。
>「…サンダー一号!!お前か!!フ…フフフ…なんていうことだ。
> リリアーナ達に会う前にお前に会うとはな……僕を捨てた恨み晴らしてやる!」
放電させて攻撃態勢に入るマオだが、いまの雨にぬれた状態でそれをやるとどうなるかのか?
>「ぎにゃあああぁぁぁぁ!!」
結果、電気を起こさせた術者が逆に流電してしまって戦闘が起こる間もなくマオは倒れた。
ヴァンは攻撃に備えて身構えていたために、なんなんだと唖然とするしかなかった。

>240
>「ヴァンエレン…。幾つか聞きたいことがあるんだけどいい…?
>こいつは誰で、今何をしてたの…?サンダー1号ってどんなリングネームよ…」
「えーと…昼間に彼女と出会いまして、なりゆきで一緒にベアトリーチェを倒しに行った人です。
 いまはあのベアトリーチェと取引したみたいで、敵…なのかな?
 サンダー1号については…なんでそう呼ばれているか私にもわからん」
とりあえずこのままでは雨に冷やされて風邪を引いてしまうかもしれないということで、使い魔に自分の予備の貴族服を用意させてかけてやる。
「それで人狼よ…。
 ベアトリーチェ側のマオと一緒に行動していたということは…君は敵か?」

242 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/03/08(土) 21:02:03 0
>230>231
ソフィアが戦う意思がないと伝えると、ベアトリーチェの表情が更に明るくなった。
「まあ、嬉しいわ。そんなこと言ってもらえるなんて・・・」
キサラを抱きかかえたまま喜んでいると、ボソリとその呟きが耳にった。
それを耳にし、よいしょ、とキサラを抱え直すふりをしてソフィアに背を向け・・・
ソフィアの位置からは死角になったところでキサラのコメカミに肘鉄を叩き込み気絶させる。
(だぁって気絶してろ、ボケが!)
くるりと向きかえると一瞬見せた座った目もどこへやら。
ソフィアの前では笑みを絶やす事は無かった。

>「でも、女性に立ち話は体によくないね。座れる所があるなら、移動しようか?」
「うふ、そうね。キサラちゃんも横にしてあげたいし、私の後についてきて。
湿原だけどここだけ足場がしっかりしているの。」
そう伝えて湿原を渡り、庭園へと進んでいく。
勿論嘘だ。
湿原に足場がしっかりしている場所などありはしない。
暗いのをいいことに、密かにミミズで橋を作らせているだけなのだった。

庭園はライトアップされ、動植物や石柱などが幻想的に浮かび上がっている。
その中にある東屋・・・というには少々作りがしっかりしている。
茶室というべき建物に案内をした。
「キサラちゃんを寝かせてくるから。」そういってソフィアを待たせ、何処かへ消えていった。

数分後、茶室に飲み物と錠剤、そして缶詰をトレイに載せたベアトリーチェが現れた。
先程までしていたフェイスベールも外し、素顔での登場。
「まずこちらを飲んで。抗体。これで腐海の毒は平気になるから。
障壁や呪具で防ぐにはここの空気はちょっと辛いでしょうから・・・。」
にこやかにグラスと錠剤、そして缶詰をソフィアの前に並べた。
「本当はちゃんとした物を出ししたいのだけれど、秋といってもまだ暑いでしょう?
食材はすぐいちゃんじゃうから・・・缶詰でごめんなさい。」
料理が下手だからとは口が裂けてもいえないのが乙女心。
ソフィアの前の席に腰掛け、自分のグラスに粉を入れていく。
「安心して。私の専門は毒・薬学だけれど、折角訪ねて来てくれた人に毒なんて盛らないわ。
でも私は・・・毒必要だから・・・。」
グラスのお茶は粉が入ると見る見る変色していき濃い紫へとなっていく。

「最初の出会いは些細な行き違いがあったけど、こうしてお話ができて嬉しいわ。
乾杯しましょ。」
ぽつぽつと雨音がしだした中、満面の笑みでベアトリーチェはグラスを持ち上げる。

243 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持1+α 投下0] 投稿日:2008/03/08(土) 21:02:17 0
一方その頃、庭園の地下。
そこは庭園と同じ広さを持ち、所狭しと実験道具が置かれている。
特に目立つのは大きな二本の円柱状培養槽。
鈍く蛍光色に光るその中には、ベアトリーチェが生えていた。
片方は既にベアトリーチェと一目でわかるまでになっているが、もう片方はようやく人の形になった程度で。

薄暗いが広い室内で、キサラは全裸にされ手枷足枷で貼り付けにされベッドに寝かされていた。
意識の無いキサラのその横ではベアトリーチェが眉間に指を当てて悩んでいた。
「・・・参った・・・ほんとに男だったなんて・・・」
そう、脱がしてみてはじめてわかった衝撃の事実。
男であるキサラにあれだけの事をしてしまって後悔の念に襲われていたのだ。
勿論罪悪感ではなく、自分のイメージ的な問題で悩んでいるだけなのだが・・・

その後悩みを振り切ったように立ち上がり、キサラの身体にチューブを何本も差し込んでいく。
「えーと、まず解毒・・・それから脱魂湯。各種強化剤・・・ピプト改はもう少し後で・・やっぱ記憶・・・消しとくかな・・・」
ベアトリーチェは感じていた。
夜のうちに何かが起きる、と。それを想定するだけの諸々の根拠はある。
だが、一番大きいのは【女の勘】だった。
ここで更なる手駒を得ておかないといけない、と内からの声に従っているのだ。

それから暫くの後・・・
キサラは体力・魔力が全回復した!
キサラの力・素早さが1.3倍になった!
キサラは魔力探知能力が強化された!
キサラは暗視能力と腐海の毒への抗体を得た!
キサラは痛覚とアルナワーズと別れてからの記憶を失った!
キサラは意識を乗っ取られた!

虚ろな表情で立ち上がるキサラの首から背中にかけて人面疽が張り付いている。
脱魂湯の効果でキサラの魂は体外に半ば引き剥がされた状態にある。
そこに入り込んだのがピプト改の人面疽が入り込んで身体を操っているのだ。
通常のピプトとは違い、限界まで能力を行使させるが、リミッターを超える事は無く、自決プログラムは無い。
更に腐海外での活動も可能にしている。
つまりは、使い捨ての駒ではなく、完全たる戦闘人形となったのだ。

その後ベアトリーチェとキサラは秘密の出口を使い、ソフィアに気取られる事無く湿原の畔まで来ていた。
「あら、ちょうどいい具合に雨が降ってきたわ。鎧もつけましょ。」
武器装備だけを持ち、全裸のキサラに何か粉をかけていく。
雨にぬれた肌に粉は付着し、見る見るうちに成長していった。
そして出来上がったのは、全身カビで覆われた菌糸君。

ところで、なぜにキサラは全裸なのか?
戦闘の達人というのは極めて合理的なものである。
無駄な行動に見えてあらゆる事に意味をもたせるのだ。
さて、キサラの纏ったカビ鎧だが、致命傷を一回だけ身代わりになる。
大きな攻撃を受け、倒したはずがそこに現れるのは全裸のキサラ。
全裸である事に何も意味もない。
その意味の無さが達人の思考空白を生じさせるのだ。
今のキサラを倒せるほどの人物だからこそ有用な罠なのだ。
そう、決して趣味や嫌がらせではないのだ。

「ではいきなさい!改造キサラ一号!」
ベアトリーチェはキサラを腐海へと送り出す。
強化された魔力探知能力で腐海に近づく強力な魔力の持ち主に向かって。
驚異的な身体能力を遺憾なく発揮する改造キサラ一号に追従するものが・・・
魔法反射陣を展開させた菌糸巨人が5体。
腐海最強の軍団と化し、駆け抜けていく。

244 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/03/08(土) 21:41:56 0
>218
>「・・・・・・かっ・・・・・・・かくなる上はっ!!」
「角丸大福?」

ぼわん、とばかりに子犬がすたこらさっさーと逃げてゆく。
とりあえず見送るラルヴァ・・・。
とりあえず子犬を追撃するつもりはなさそうだ。

「なんか曇ってきたね。しかもなんか変な雲・・・。
 どうするフリージア?あの雲の集結地点何かありそうだけどいってみる?」
再び大剣を背中に背負い、聞いてみる。
シャニィからペンダントを受け取って首からさげる。
そこにはなぜか顔のない人形に【ラルヴァ】と名前が縫われていた。

「・・・手抜き?」
ちなみに支給品はとりあえず背嚢につめこむことにした。

245 名前:キサラ ◆hgHloMWxq. [sage ] 投稿日:2008/03/08(土) 21:59:53 0
>>242-243
>(だぁって気絶してろ、ボケが!)
ベアトリーチェの肘鉄がコメカミに叩き込まれ、意識が遠のいていく
もはや自分の声が出ているのか、そして出ていても彼女に届いているのかは定かではないが、キサラは遠のく意識の中でこう呟いた
「…僕は……もう…負けられない…
 負けたまま…終われない……必ず…」
キサラは薄れゆく意識の中で何を思い、何と呟いたのかベアトリーチェに伝わっただろうか?
キサラの意識は闇に堕ちていった

次に目が覚めたときも、キサラの身体はキサラの意思で動かすことはできなかった
ただ意識が消える前と違ったのは、身体は動くこと
自分の意思とは別に―――そう、完全に身体の自由を乗っ取られて
だがキサラはなぜこんな状況になっているのかはわからない
アルワナーズさんと別れた辺りから、記憶が曖昧なのである
思い出そうとする―――頭が痛む

そして―――意識がやっとはっきりしてきた頃―――目の前に人がいる
一人や二人ではない―――複数人
中には見たことのある顔も―――
「レイド先生…!」
そう、森の入口でレイド達と遭遇したのだ
身体は動かせないが、声はどうも出せるらしい
そして身体は意志に反して、両手が腰の銃を抜く
そして、レイド達にその銃口を向け、銃口が薄緑色に光る
キサラの魔力が銃に集められ―――弾丸の威力が数倍に増幅され―――いうなればチャージショットというものだ
直撃すれば目の前の人達を一掃できるだろう
だが、そんなものはキサラは望まない
この学園で強い人達と戦いたいのも事実だ
その中の一人、レイド先生とも戦いという意思はあった
だが―――こんなものは違う
自分の意思で戦えないのは―――違う
そしてキサラの脳裏にリリアーナの言葉が蘇る
『リバース内では殺されても死なないけれど、痛みや死に至る苦しみは本物よ』
以前のキサラなら、そんなもの気にしなかっただろう
しかし、リリアーナ達と変わってキサラは変わった
本人にまったく自覚はない、その上、そんな感情は愚かだと自分に言い聞かせ―――隠してきたのだ
だが、精神を乗っ取られ、極限状態にあるキサラの言葉は―――嘘をつけなかった
「撃ちたくない―――」
最初は呟くように
「…撃ちたくないんだ……っ!!!」
次ははっきりと、叫んだ
誰に言うわけでもなく
その願いは―――届くことはなく
キサラの銃口から、威力が数倍に跳ね上がったチャージショットが、悲痛の叫びと共に、レイド達に向けて放たれた

246 名前:グレイル ◆e2mxb8LNqk [sage] 投稿日:2008/03/08(土) 22:28:57 0
>233 >235-236
「おっ!レイドセンセーとエースセンセー、あと見知らぬ人たちじゃん!」
>「んぐんぐ……なんだ?逃げて来たのか?だとしたら賢明な判断だ。」
「へっ?俺がなにかr…」
そこまで言ったところでマオが行き成り大声を上げた。
>「あーッ!!!それはお弁当!!」
そう言ってレイドが投げ捨てた弁当に駆け寄る。
そして嘆く。お弁当がどうした。
何が何だかわかったものじゃない、という顔をするグレイル。

気を取り直し、いざ校舎へ向かうというとき、またマオが何か言い出した。
>「…サンダー一号!!お前か!!フ…フフフ…なんていうことだ。
> リリアーナ達に会う前にお前に会うとはな……僕を捨てた恨み晴らしてやる!」
そして手をバチバチと鳴らして…
>「ぎにゃあああぁぁぁぁ!!」
自らが出した電流で感電。
【自滅!?ちょっ、マオさん!?】
【ざまあみろ…くっくっく。】
死んだりはしないものの、当分は体に力を入れられないだろう。

>241
ぶっ倒れたマオについては見るからにヘタレそうな奴の使い魔が服を被せて、風邪を引かないようにする。
そしてヘタレそうなのがこっちを向いて話し出す。
>「それで人狼よ…。
> ベアトリーチェ側のマオと一緒に行動していたということは…君は敵か?」
「俺を人狼だと分かったのか!すげーな!
ところでお前さ、もしかしてヘッポコ吸血鬼だったりする?」
ヘタr…ゲフンゲフンヴァンエレンの噂は大分行き届いているようである。
グレイルは返答を見ながらも、話を続ける。
「俺らはただ、マオマオが沢山ペンダントを手に入れる方法があるっていうから仲間になったんだぜ!
ベアッチェにはまだ会ってないんだ!」
大いに勘違いをされそうな答えである。
「で、あんたらは何処にどうやって何しに何の為に行くんだー?沢山ペンダントくれるならどーこーしてもいいぜー!」

>245
ふと、グレイズが人狼の感覚のおかげか森のほうからの気配に気付く。
【今度は誰だろう?女の子…いや、男の子…キサラ君?】
そう、キサラである。体は青緑色の服…いや、鎧とでもいうべきなのか。
モケモケしたものに覆われている
【……様子がおかしいな。】
「なんでだろう〜なんでだろう〜…ちょっと待て、銃向けてねー?」
【え?嘘だよね……魔力、集まってる…まずい!】
魔力が銃口に集まっている。
あれは如何考えてもまずいものだ。
グレイルは本能のまま叫ぶ。
「てめーら逃げろぉぉー!!」

247 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/03/08(土) 22:51:33 0
>237
「一度死ぬなんて随分と思い切ったわねぇ。
さっきの放送通りなら回復は50%。ま、空っぽ状態から50%回復なら・・・いいのかしら・・・。」
魔法薬を飲み、回復を図るメラルを見もせずに呟く。
復活ができるとわかっていても己で命を絶つというのはそれなりの覚悟がいるものだ。
それを数秒の逡巡で行う事に、メラルの覚悟を感じ取っていた。

アルナワーズは女子寮屋上から、フィジル島を見回していた。
メラルの儀式によって起こった変化は小雨が降り出したのみ。
勿論、これだけで終わるはずはないとは思っている。
その考えを肯定するように、戻ってきたメラルが説明を加えてくれた。
「ふぅん。でも・・・広域範囲魔法の宿命だけれど、細かく対象を選べない物じゃない?
リリィは大丈夫なのかしら?」
この広域魔法でリリアーナまで倒してしまっては意味がない。
勿論復活できるのだが、メラルは全力での対決が望みなのだ。

高度な術となれば細かく対象を選ぶ広域魔法もある。
だが、それをするには、更なる手間と労力がかかるのだ。
たった一人で儀式魔法を執り行うメラルはそこまで余力があるのだろうか・・・

様々な思考を巡らせながら、じっと空の変化を見守っている。

248 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持2投下0] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 06:54:45 O
>236>「あーッ!!!それはお弁当!!」
>「………僕のお弁当が……ああ、あの時のり弁を粗末に扱うんじゃなかった…」
お前は何アホな事言ってやがる。
それは俺の弁当だ。
しかも空だ。何があったか知らないがのり弁を粗末にしたお前が悪い。
>「君は…マオ…だね?」
「…マオ?あ〜、あの二等課程で常に上位と噂の娘か。」
噂のエリート君と出会えるとは光栄だね。
そういや職員室でもちょくちょく話題になってるな。

>「こうしてはいられない…なんとしてでもリリアーナ達を探すんだ!」
なんだ、目的はリリアーナか。
でも「達」って言ってるから複数なのかな?
んじゃ俺達とは関係無いねバイバイ。
お気をつけて。
>「…サンダー1号!!お前か!!フ…フフフ…なんていうことだ。
 リリアーナ達に会う前にお前に会うとはな……僕を捨てた恨み晴らしてやる!」
え?捨てただって?
「聞きました奥さん?あの吸血鬼、エリートのマオさんを捨てたんですってよ。
最低ですわねぇ。」
>「最低ですねぇ。」
ふざけてエース先生とこんなやり取りをしていると…
>「ぎにゃあああぁぁぁぁ!!」
……エリート…なんだよな?

つーか今頃だけどサンダー1号って何だ。

249 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage自前1所持2投下0] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 06:59:07 O
>241ヘボ吸血鬼改めサンダー1号の話によると、昼間マオと一緒にベアトリーチェを討伐に行ったらしい。
が、結局マオはベアトリーチェと取り引きをし、お前はそんなマオを見捨てて俺達を頼って来た、と。
そして捨てられたマオはグレイ達と手を組んだって訳ね。

>246>「で、あんたらは何処にどうやって何しに何の為に行くんだー?沢山ペンダントくれるならどーこーしてもいいぜー!」
「森に、歩いて、……森の洗浄に行くんだよ。
同行?遠慮しとく。」
お前らにやるペンダントはねぇー!
……それ以前にお前らはベアトリーチェ側の人間だろうが。
俺達にとっちゃ敵みたいなもんだぞ。

「さて、あんまり時間も無い…行こうz…」
>「てめーら逃げろぉぉー!!」
全身に強めの障壁を張り、ポケットからタバコを取り出そうと思った瞬間、グレイルが叫ぶ。
正面を向くと何者かの銃口から強力なショットが放たれた。
「うおぉっと」
俺は貴族服を着て倒れているマオを抱え、右に10m程飛ぶ。
誰の仕業かと思えば……キサラ?と、その仲間達?
アイツもやられたか…。

「動けるか〜、エリート君?
動けるんだったら自力で逃げろ。
動けないんだったらグレイルにおぶってもらって逃げろ。」

250 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 08:48:47 0
>234
>「そうね、でも私はキキとリリアーナの二人に聞きたいわ。
> 信じられないかも知れないけど、私たまにロックの声が聞こえるの。
> それも『なのだ〜!』って言う以前のロックの声が…私の頭がおかしいのかな?」

リリアーナは一瞬答えに詰まった。
だがすぐに気を取り直し、
「少しもおかしくなんて無いわ。私も時々頭の中で教頭先生の怒鳴り声が聞こえる気がするもの」
と答えた。
――――だが本当は迷っていた。
エルザになんと答えれば良いのか分からなかったのだ。

エルザにロックの声が聞こえてもおかしくない。もともとロックとエルザは同一人物なのだから。
だがそんなこと、リリアーナの口から言えるはずもなかった。
二人は交際しているのだ。
複雑な思いを抱いているリリアーナが真実を告げる事は、とてもフェアではない気がした。
それに真実を話した後、エルザがどうなってしまうのかリリアーナには分からない。

(もしかしたらアルは、あの儀式でロックの魂の一部まで彼女に移植したのかしら?)
とすると、魂の一部が欠けた影響で、ロックは短髪のロックに変わってしまった可能性が高い。
――――では、ロックの魂が元に戻った時、はたしてエルザはエルザとして存在できるのだろうか?
リリアーナは窓の外に視線を向けた。
いつの間にか日は暮れ、静かに小雨が降っている。

>「それと教えてキキ、この子は誰?何だか他人のような気がしないわ。」
そう言ってエルザは黒い羽の少女の隣に座り、少女の肩に腕を回した。
リリアーナは瞑目した。もうだめだと思った。

「・・・・・・・・・エルザ、その前に一つ聞いてもいいかな?
 もしも・・・もしも私の両手が義手だったとしたら、エルザは私を人間じゃないって思う?」
て苦笑いするが、リリアーナは止める気は無かった。
「では両手両足が義手だったら?
 何かの事情で全身が機械仕掛けだったとしたら?その人はもう人間じゃないのかな?」

リリアーナは幻灯機を手に立ち上がった。
「私はね、エルザのことが大好き。もちろんロックのこともね。だから、二人にはいつも笑っていて欲しい。
 でも・・・・・・エルザがどうしても真実が知りたいというのなら、私には止められない」
リリアーナは思い切り幻灯機を上下に降り始めた。
皆の生暖かい視線を感じるが、リリアーナの顔は真剣そのものだった。
「ミニアル!どうぜ今頃幻灯機の中で編集してるんでしょ?出てきてくれないかな〜?」

ぽん!という音と共に、30センチほどの3頭身の女の子がテーブルの上に転がり落ちてきた。
褐色の肌に、エキゾチックな顔立ち、黒髪にオリエンタルな民族衣装。
多分にデフォルメされているが、キサカやキキはもちろん、エルザもきっと知っているし『覚えている』だろう。
「ミニアル、久しぶりー。早速だけど話は全部聞いてたわよね?じゃあエルザが何を効きたいかも分かってるわよね?」
リリアーナは満面の笑顔を浮かべながら、ミニアルナワーズをエルザに手渡した。

「・・・・・・私とキサカさんは席を外した方がいいかな?」

251 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 09:26:21 P
>199>218
「お〜ほっほっほ!私の進化は光よりも早くてよ!お〜ほっほっほ!!」
フリージアは勝ち誇ったように笑う

>「たてロールがドリルになるなんて反則ですわ!」
>「そうですわそうですわ、フリージアお姉さまのイメージ台無しd・・・っ?!」
「伊達や酔狂でこんな髪型をしているわけではなくてよ!お〜ほっほっほ!!」
本当はかわいいからこの髪型をしているのは秘密だ!!

>「チェックメイト。降参してくれる?」
「ナイスですわラルヴァさん!お〜っほっほっほ!!観念してペンダントをわたしなさいな!!」
高笑いをするフリージアいつのまにやらタテロールは元に戻っており
新しい腕が生えている

>「どんな汚い術を使いましたのっ!?まったく信じられませんわっ!」

そして子犬に変身して逃げ出す二人
>「こ、今回だけは見逃してありますわっ!優しいわたくしたちに感謝することねっ!!」
>「だが、光ある限り闇もまたありますわ!再び何者かが闇の中から現われましょう!」
>「「それではフリージアお姉さまとおまけその1、ごきげんようー!!」」

「逃がしませんことよ!イヤァァァァァ!!」
フリージアは子犬に変身した二人に回り込もうと大きくジャンプした
トイヤァァァ!でもトォォォォ!でもなくイヤァァァァ!なのは
彼女がレオ先生の弟子故である
ちなみにフリージアが格闘技を習い始めたきっかけは美容と健康のためらしい
格闘遊戯のキャラが大抵、異常にスタイルが良いことから考えてみるとその効果は抜群だと言えよう
一部例外はいるようだが・・・・

「ネビュ・・・もといフリィィィィジング・チェェェェェン!!」
そして逃げようとする子犬を絡め取ろうとフリージアは雪の結晶で作られたチェーンを投げるフリージア

「せっかく私が痛くない方法で戦ってあげてるのに・・・それとも痛いのがお好みなのかしら?」
どっから見てもドSですどうもありがとうございましたな笑顔でスールAにほほえみかけるフリージア

「あ、ラルヴァさん勘違いしないで私、嗜虐趣味なんて持ち合わせてなくてよ」

252 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 12:17:36 0
>242
「うふ、そうね。キサラちゃんも横にしてあげたいし、私の後についてきて。
湿原だけどここだけ足場がしっかりしているの。」
「へぇ、優しいんだ」
すこし安心。悪い人じゃないんだって。私が考え過ぎなんだって。
でも、こういう場所には疎いから何とも言いにくいけど
沼地に足場がしっかりしたとこなんて、在るんだろうか?
まぁ、あるところもあるんだろう。そう、結論。
沼地にある園は、まるで魔力を帯びているかのよう。
美しくそして妖しい。人の心を掴むよう。
その中の建物、茶室だろうか?そこに招かれる。
「キサラちゃんを寝かせてくるから。」
そう言って、友人を担いで退出する彼女を、小さく手を振って送る。
改めて、うん。友人想いのいい人じゃないか。
しかし、ここは私に昔を思い出させる。
茶の湯に漢詩文、雅楽に詩歌。そして立ち居振る舞い。
どれもやたら厳しく幼少期に仕込まれた憶えがある。雅楽はサッパリだったげど。
そんな風にしていると、彼女が素顔で登場。
私はそんな彼女に眼を細めて
「綺麗なんだね」
そう誉める。誉め言葉は単純な方が返って心に響くもの。
感性生きる、私の実体験。
「まずこちらを飲んで。抗体。これで腐海の毒は平気になるから。
障壁や呪具で防ぐにはここの空気はちょっと辛いでしょうから・・・。」
「お気遣い、ありがとうございます」
そう、頭をさげる。傍目に観て、様になってたら嬉しいかな。
朝から晩まで、マナーを叩き込まれたって経験は報われて欲しい。

253 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 12:17:59 0
「本当はちゃんとした物を出ししたいのだけれど、秋といってもまだ暑いでしょう?
食材はすぐいたんじゃうから・・・缶詰でごめんなさい。」
しゅん、となる彼女。さて、何て声をかけようか?
「そうだね。盛りがすぎたとはいえ、まだまだ怖いからね。
それに、こちらから押しかけたんだから。君が悪く思うことはない。
手土産でも持って来ればよかったのにね。ガサツな者で、申し訳ない」
言葉とは別に、頭の中では安心してた。
良かった。まさか缶詰にまでは細工はしないよね。って。
ひよっとしたら、そんな思いが態度か、顔か。どちらかに出たのかも知れない。
「安心して。私の専門は毒・薬学だけれど、折角訪ねて来てくれた人に毒なんて盛らないわ。
でも私は・・・毒必要だから・・・。」
「読心術とか、出来るのかな?君にウソは吐けないね」
思わず苦笑い。女性というのは怖いね。
私には毒云々は無視。誰にだって、触れられたくないことはある。
「最初の出会いは些細な行き違いがあったけど、こうしてお話ができて嬉しいわ。
乾杯しましょ。」
「そうだね。楽しいお喋りの時間が出来て、私も嬉しいです」
そう言って、グラスを傾ける。
茶室にガラス製品。なんかミスマッチな気がしなくもない。
まぁ、気になるほどじゃないけど。
あれ、そういえば……?
「本の中なのに、雨なんて降るんだね。よく出来てる」
風情はあるけど、同時にどこか不自然だ。

254 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 13:00:06 0
>「一度死ぬなんて随分と思い切ったわねぇ。
  さっきの放送通りなら回復は50%。ま、空っぽ状態から50%回復なら・・・いいのかしら・・・。」
「…人に勧められるやり方ではないわね。…死ぬほど痛かったし。」
死の痛みだけに死ぬほど痛いのは当たり前なのだが…それはまた別の話。


そして、結界の中…儀式によって雲を集めている間、それに連動するように
立体的な結界が広がり…それにあわせるようにして、
配置した儀式道具も、広がりを見せ始めた。
連動して、迷彩結界もゆっくりと広がっていき…雨が降るころには
結界の真ん中に、少しだけ開けた場所ができていた。


>「ふぅん。でも・・・広域範囲魔法の宿命だけれど、
  細かく対象を選べない物じゃない? リリィは大丈夫なのかしら?」
メラルの説明に対し…アルが最もな疑問をぶつけてくる。
「…確かに…リリアーナには安全な場所にいてもらった方がいいわね。」
(まだ、この指輪の双方向性だけは見抜かれないようにしなきゃいけないけれど…。)
それを受け、メラルは指輪から…別の指輪を出現させ、指に嵌め…魔力を込めた。
そして…その場にいないはずのリリアーナに向けて、しゃべりかける。
しかし…恐らく、リリアーナにはメラルの声を聞いたように聞こえるだろう。
それが、指輪の効力の一つなのだ。
実は、同様のプロセスの後にリリアーナが喋れば、その声はメラルにも
聞こえるのだ。最も…メラルはそれを教えるつもりはないようだが。
『リリアーナ、ひとつ忠告してあげる。今のうちに建物内に逃げ込みなさい。
 多分、もう少しすると…みんな否応なしに建物内に避難せざるをえなくなるわ。』
メラルはリリアーナの居場所を知らない。だからこその忠告である。


255 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持1投下3】] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 13:10:16 O
>241>246
>「えーと…昼間に彼女と出会いまして、なりゆきで一緒にベアトリーチェを倒しに行った人です。
 いまはあのベアトリーチェと取引したみたいで、敵…なのかな?
 サンダー1号については…なんでそう呼ばれているか私にもわからん」
混乱中のあたしだったけど、それはヴァンエレンも同じだったみたい。
唖然としながらも、一応返事は帰ってきたからよかったけど。
彼女ってことは、こいつ男じゃなくて女だったのか。
で、ベアトリーチェに丸め込まれてるんだから、頭はあんまりよろしくないと。
あたしが新情報を脳内整理している内に、ヴァンエレンは腹ペコ女に服をかけてあげていた。

>「それで人狼よ…。
 ベアトリーチェ側のマオと一緒に行動していたということは…君は敵か?」
さらにヴァンエレンは赤髪の人狼(?)とも対峙する。
おおっ!夜中だからか、かっこいいぞヴァンエレン!
>「俺を人狼だと分かったのか!すげーな!
ところでお前さ、もしかしてヘッポコ吸血鬼だったりする?」
対する人狼の方は空気を読まずにマイペースな対応。
あーもう!ここは吸血鬼対人狼で、一大怪獣決戦を繰り広げる所でしょうが!

>「俺らはただ、マオマオが沢山ペンダントを手に入れる方法があるっていうから仲間になったんだぜ!
ベアッチェにはまだ会ってないんだ!」
なるほど。ペンダントに釣られて悪の手先になったってわけか。
わかりやすい奴だなー。

>「で、あんたらは何処にどうやって何しに何の為に行くんだー?沢山ペンダントくれるならどーこーしてもいいぜー!」
>「森に、歩いて、……森の洗浄に行くんだよ。
同行?遠慮しとく。」 律儀にレイド先生が返事を返してるけど、あたしも同行はごめんだ。
「キノコなんかの浄化が目的のボランティアだから、ペンダントなんか手に入らないわよ。
あんたたちはさっさとリリアーナと合流して、ベアトリーチェから恵んでもらったら?」

>「さて、あんまり時間も無い…行こうz…」
レイド先生たちと出発しようとした時、近づく魔力反応を感じた。
見れば森の奥から巨人が五体近づいてくる。
さっそくベアトリーチェが出迎え部隊を寄越したってとこか。
巨人からも魔力を感じるけど、一緒に近寄って来た、もこもこしたすばしっこい生き物の辺りに魔力が……
>「てめーら逃げろぉぉー!!」

256 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持1投下3】] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 13:11:14 O
>245
>「…撃ちたくないんだ……っ!!!」
赤髪人狼が叫んだのと同時に誰かの声が聞こえ、闇夜を切り裂く光がこっちに向かって撃ち出される!
大慌てで逃げ出せば、さっきまであたしたちが立ってた場所に光は直撃。
結構な大きさの穴を開けた。

「破壊力であたしに勝てると思うなよーっ!
のこのこ固まって来やがって、まとめて消し炭にしてやる!メギドラオン!!」
巨人ともこもこ生物を範囲に入れて最大威力の魔法を発動。
あたしの反撃で、大爆発が豪快に森を揺るがした。

「どーだ見たか!って……あれ?わぷっ!」

逆にあたしの周りでも爆発が起こった。
さいわい核熱攻撃らしく、あたしにとってはそよ風みたいなもの。
珍しい攻撃だな、核熱魔法だなんて。

爆発が収まった後に残っていたのは、吹っ飛んだ誰も残らぬ焼け野原…
じゃなくて、吹っ飛ばした森の中をまだ元気にこちらに向かってくる、五体の巨人ともこもこ生物でした!
あ、あたしの魔法が全然きいてないーっ!?
どんな強力な魔法障壁張ってるのよーっ!!

よく見ると、巨人は何かの魔法陣で身を守っている。
さてはさっきの爆発…あたしのメギドラオンを反射したな!
「みんな!あの巨人は魔法を反射するわよ!
魔法攻撃は絶対禁止ー!」
見てればわかると思うけど、警告しながら巨人との間合いを離す。
魔法が使えないんじゃ、あたしは完全に役立たずじゃない!

なにか方法は…と考えていると、キノコに聖水がきいたのを思い出した。
そうだ、聖水!
あれをヴァンエレンに空からまいてもらえば……って吸血鬼だからだめだー!
かといって、あたしが投げて外したら大変だ。
適任がいないか近くを見て…いた!
「そこの赤毛人狼!今だけ特別に協力してあげるわ!
あの巨人には聖水がきくはずだから、このビンの中身をあいつにぶっかけて!」
赤髪の男に向かって二つ、聖水入りのビンを投げ渡す。
「最悪、反射魔法陣を消すだけでもいいわ!
そしたらあたしが魔法で吹き飛ばすから!」

257 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage 自前1 所持0 投下0] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 16:03:07 0
>>241>>245-246
くそうッ、なんで今日の僕はこんななんだ。
こんなのは僕のキャラじゃない…こんなんでいいはずがないんだ!
>「えーと…昼間に彼女と出会いまして、なりゆきで一緒にベアトリーチェを倒しに行った人です。
>サンダー1号については…なんでそう呼ばれているか私にもわからん」
「うるさいうるさい!お前はマオスーパーサンダー一号だろ!!
 なんで呼ばれてるかなんて関係ない!僕がそう名付けたんだぞ!」
叫んでいるのを無視して貴族が着るような服を使い魔に用意させて僕にかける。
サンダー一号と全く同じということはおそらくスペアか何かなんだろう。
というか今更こんなことされても騙されるものか。こいつは僕を裏切ったんだ!
…まあ寒いしこのままじゃ風邪ひくから黙って貸されてやるけどな。

>「それで人狼よ…。ベアトリーチェ側のマオと一緒に行動していたということは…君は敵か?」
というかさっきから僕を無視して話しを進めるんじゃない!!
>「で、あんたらは何処にどうやって何しに何の為に行くんだー?沢山ペンダントくれるならどーこーしてもいいぜー!」
「グレイル!どーこーしたらダメ!僕とお前は組んでるんだろ?
 ペンダントくれるならどうでもいっていうのはダメなの!!」
あまりにも勝手な発言を繰り返すグレイルに向かって叫ぶ。

その時だった、何か不気味な気配を感じたのでその一点に顔を向ける。
すると何か苔みたいなのが体にびっしり付着してる気持ち悪い奴が現れる。
しかも後ろには昼間に見たあの巨人が数えただけで5体もいる…
>「…撃ちたくないんだ……っ!!!」
そう叫んだと思ったらいきなり銃を構えて魔力を込めはじめる。
明らかに矛盾しているところを見るとあの毒オクタ女になにかされたのか?
あの女め……厄介極まりないものをたまたまとはいえ僕のところに遣すなんて……
>「てめーら逃げろぉぉー!!」
そうグレイルが言うが…間に合わない。最悪の事態だ。
というかさっきから自分の電流でなんか体がビリビリしててるせいもあって
起き上がれる気がしない…万事休すかと思ったとき教師が僕を抱えて弾丸を避ける。
>「動けるか〜、エリート君?
>動けるんだったら自力で逃げろ。
>動けないんだったらグレイルにおぶってもらって逃げろ。」
その言葉にムッとして立ち上がる。大分電流も収まってきた。
そもそも僕は少しは雷に対して耐性がある。さっきはたんなるアクシデントだ!

>>256
「やれやれ、ともかくまずはこの服をちゃんと着るか。」
僕がはおっている貴族服をちゃんと着ようと袖に手を通し立っている襟を直している最中
サンダー一号のパーティの中の知らない女が巨人達全て範囲に収めるほどの爆発を起こす。
その衝撃は凄まじく襟のボタンをしめてなかったためせっかく直したのに爆風で襟がピンと立つ。
「あーもう!…ったく…せっかくこの面倒くさい襟を直せたのに…」
しかも巨人達はまるで何事もなかったかのように立っている…魔法障壁を張っているらしい。
しかしそれにしてもこの服なんか襟をとめるボタンかたくないか?全然とまらないぞ。
「これボタンが硬いぞ……サンダー1号!これボタンが硬い!!」

>「みんな!あの巨人は魔法を反射するわよ!魔法攻撃は絶対禁止ー!」
そんなことはもう分かっている。それよりもボタンがとまらない!
「くそ…制服のシャツのボタンでもこんなにはかたくないぞ…!」
やっとの思いで襟のボタンをとめると、どうやらあの女とグレイルが聖水を使って
巨人の障壁をなくそうという作戦が聞こえてくる。

しかし…観察してみたがあの巨人についている顔から吐き出されている気体…
どう見ても危ない。しかも結構広範囲に散布しているようだ。
あの直情莫迦のグレイルなら馬鹿やって聖水もって急接近してコロリ…
十分にありえる話しだから怖いな……
「グレイル気をつけろよ!そいつ等の顔から吐き出している変な気体。
 十中八九毒のはずだ。お得意の突撃はやめて冷静に戦うんだぞー!」
とりあえずアドバイスを叫ぶ、まあ奴が聞くかどうかは正直分からないが…

258 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 18:17:33 0
>246
>「俺を人狼だと分かったのか!すげーな!
>ところでお前さ、もしかしてヘッポコ吸血鬼だったりする?」
グレイルは人狼だということを見破ったことに大げさに驚いて、あちらもヴァンエレンの正体に気がついたようだ。
「へ、ヘッポコいうなー!訂正……訂正を要求する!」
うがーと失礼なことを言うグレイルに対していまにも掴みかからんばかりに迫っている。
そんな取り乱した様子のヴァンをよそにマイペースに話を続けるグレイル。
>「俺らはただ、マオマオが沢山ペンダントを手に入れる方法があるっていうから仲間になったんだぜ!
>ベアッチェにはまだ会ってないんだ!」
やはりこの人狼もペンダント目当てでマオと協力しているらしいが、ベアトリーチェに会わないでそこの話が本当かどうかもわからないのに仲間になるとは…。
>「で、あんたらは何処にどうやって何しに何の為に行くんだー?沢山ペンダントくれるならどーこーしてもいいぜー!」
条件次第で裏切る気満々らしいこの人物はすべてにおいてマイペースのようだ。

>249>245>256>257
>「さて、あんまり時間も無い…行こうz…」
レイドがグレイルにきっぱりと断りを入れているところに何者かがやってきた。
その者はベアトリーチェに精神を操られたキサラと五体の巨人であった。
>「てめーら逃げろぉぉー!!」
いち早く気がついたグレイルの叫びで皆一斉に動きだして、ヴァンの逃げスキルが瞬時に発動した。
すさまじい魔力がキサラの銃へつぎ込まれて、放たれたショットは対象を滅ぼさんと一直線に森を走り皆が元いた場所に直撃した。
グレイルの警告もあって誰もそれに巻き込まれることなく、無事回避できたようでミルクなどはすかさず反撃に移っていた。
>「どーだ見たか!って……あれ?わぷっ!」
大爆発を起こし木々を巻き込み残骸しか残さぬ大きな魔法だったにも関わらず、いまだ五体満足で進撃をやめぬ巨人。
逆にミルクの魔法は反射されてしまって自分に帰ってきたところを見ると、特殊なリフレクターを張っているようだ。
>「みんな!あの巨人は魔法を反射するわよ!
>魔法攻撃は絶対禁止ー!」
魔法は効かずに巨人自身が使う魔法は破壊力が高く、付け入るスキがないのでこれでは対処のしようがない。
>「これボタンが硬いぞ……サンダー1号!これボタンが硬い!!」
>「くそ…制服のシャツのボタンでもこんなにはかたくないぞ…!」
「えぇい、私がやる!」
いつまでもボタンをはめることができないマオを見かねて、親切に襟のボタンをはめてやる。

>「そこの赤毛人狼!今だけ特別に協力してあげるわ!
>あの巨人には聖水がきくはずだから、このビンの中身をあいつにぶっかけて!」
魔法が効かないのでやはり接近戦で戦うしかないのか、とヴァンエレンが巨人に接近しようとしたところでミルクから策が出された。
保健室からもってきた聖水を使ってあの巨人を無力化しようという。
巨人に聖水をぶっかけるという大役に任命されたのは人狼のグレイルだった。
>「グレイル気をつけろよ!そいつ等の顔から吐き出している変な気体。
> 十中八九毒のはずだ。お得意の突撃はやめて冷静に戦うんだぞー!」
「それならば私がなんとかしよう!」
魔法を詠唱して本が輝きだすと、毒を浄化する霧が巨人たちを中心に発生する。
これでグレイルが接近できるようになり、うまく聖水をかけることができればこの勝負ははやくケリがつくはずだ。

259 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2008/03/09(日) 18:42:11 0
                                  
                                   
                               
                               
                            
                             
                            
                            
The next season↓                     
                         
魔法少女達と冒険するスレ 8thシーズン
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魔法少女達と冒険するスレ 7thシーズン

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