1 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 19:27:07 0
魔法学園における生徒及び教師達の交流、切磋琢磨を目的としたレクリエーション
2日間にわたり行われるイベントの舞台は、亜空間魔本『リバース』
参加者の持つペンダントを奪い、一番多く破棄したものが勝利する


初日の日は沈み、皆それぞれ身を隠し、ひとときの安息を得るはずだった
だが些細なトラブルが原因で、ゲームは思わぬ方向へ転がっていく・・・・・・。

周りの参加者と時に協力し、時に敵対し
立ちふさがる敵を退け、真の栄光を掴み取れ!




――――   魔法少女達と冒険するスレ 10thシーズン   ――――
 
 
 



2 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 19:39:20 0
【スレのお約束】
・決定リール&変換受けありです。
(用語については、なな板TRPGまとめサイト「千夜万夜」参照)
・コテ付き参加大歓迎。途中参加も初心者も悪役さんももちろん大大大歓迎!
・名無しさんネタ投下ももちろん大歓迎。
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。
・魔法学園が舞台ですが、参加資格は生徒、学校関係者限定というわけではありません。
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね)
 なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・です。
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。
・もし何かわからない事があったら、避難所でお気軽にどうぞ。


【過去ログ】
魔法少女達と冒険するスレ 9thシーズン(前スレ)
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1206966015/
魔法少女達と冒険するスレ 8thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205039545/
魔法少女達と冒険するスレ 7thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1203680942/
魔法少女達と冒険するスレ 6thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1198207423/
魔法少女達と冒険するスレ 5thシーズン
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190890101/
魔法少女と冒険するスレ 4thシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1185104132/
魔法少女達と冒険するスレ 3rdシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1181023531/
魔法少女達と冒険するスレ 2ndシーズン
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1173987357/
魔法少女と冒険するスレ
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1167716362/


【みんなの憩いの場(質問、打ち合わせ等はこちらでどうぞ) 】
魔法少女達と冒険するスレ 第3避難所(現行)
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205030171
魔法少女達と冒険するスレ 第2避難所 (前スレ)
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190274484
魔法少女と冒険するスレ避難所
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1171556198
(旧避難所跡)
http://yy32.kakiko.com/test/read.cgi/trpg/1119683611

各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ
千夜万夜
PC:http://verger.sakura.ne.jp/
携帯:http://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm
(アクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう)

3 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 19:49:07 0
【イベントについての説明】

今回のイベントは、亜空間魔本『リバース』の中が舞台です。
参加者達は魔本の中で戦い、相手が持つペンダントを奪い合います。
ある一定の数のペンダントををごみ箱に捨てることが出来た者の前には、宝箱へ至る道が示されます。 
誰かが宝箱をあけ外の世界への鍵を手に入れた時点でゲームは終了し、現実世界に帰還できます。
上位3名までが表彰されます。

本来は生徒及び教師達の交流・レクリエーションが目的であるイベントです。
しかし今回は、とある女子生徒を巡っての争奪戦も兼ねているらしいです。
(秋のバレンタインで彼女が配ったチョコを食べた人間が、全員彼女に惚れてしまったらしいです。
媚薬の治療薬入手には時間がかかるため、
事態の収拾案として今回のイベントの優勝者に彼女を進呈するという条件が出されました。
参加者の一部が無駄に気合が入りまくっているのは、おそらくそれが原因かと思われます。

4 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 19:50:57 0
テンプレはこちらです。

名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
(以下は任意解答欄)
得意技・
好きな食べ物・
好きな偉人・
好きな生物・
嫌いな食べ物・
嫌いな金属・
今一番欲しい生物の毛・
保険に入りますか?・

【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから)
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。

【テンプレ記載例】
名前・ リリアーナ
性別・ 女
年齢・ 17
髪型・ 金髪のストレートロング
瞳色・ 青
容姿・ 色白で華奢。背はあまり高くない。スタイルは年 相 応 ←
備考・ カドゥケウスと呼ばれる杖の所有者。だがそれに伴い、学園で習う魔法が実質上使用不能に。
     杖を装備した時に限り、空間、回復、蘇生、即死魔法が使用可能。
     ただし使用自体リスキーなため、自ら進んで杖を装備することは無い。
得意技・応急手当、薬草等の調合
     ロックバスター(精神エネルギーを弾丸に変化させて攻撃する召喚銃の一種。左腕に装着して使用)
好きな食べ物・甘いもの
好きな偉人・えっと・・・・・レイド先生です・・・。
好きな生物・犬
嫌いな食べ物・ゲテモノ系
嫌いな金属・合金。(肌が弱いので、肌に直接触れるものだとかぶれる場合があるのよね)
今一番欲しい生物の毛・ フェニックスの羽根。・・・あ、これって毛じゃないよね。
保険に入りますか?・学園入学時に強制加入した気が・・・あれ?気のせいかな?

※パラメーター遊び(任意)ご希望の方は、避難所でお知らせくださいね。



5 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 19:54:50 0
【魔本『リバース』への参加ルール】

@勝負は仮想現実の世界で行われる。つまり死んでも死にきれない。

A各プレイヤーには、自分そっくりの小さな人形がついたペンダントが渡される。
 ペンダントは自分が持っていてもいいし、どこかに隠してもいい。
 誰かに預けるのも自由である。 ただし、ペンダント自体に細工はできないし、魔法もかけられない。
 微弱ながらオーラが出ているので、隠すことは出来ても所在がばれる可能性がある
 自分の能力で異空間等に隠した場合、死亡した場所にペンダントは残される。

Bフィールドには魔法のゴミ箱が設置される。
 プレイヤーは自分のペンダントをゴミ箱に投下されると負け、その世界におけるゴーストになる。
 広さに比例してごみ箱が出現している。
 校舎なら1フロアに1個、寮などの施設なら1箇所につき1〜2箇所個ごみ箱が設置されている。
 具体的な場所は書いたもの勝ち。
 ちなみに中庭にも一個。森の中には数個配置されているもよう。

Cプレイヤーが他のプレイヤーに倒された場合、
 そのプレイヤーはゴミ箱の前で復活する。
 そのプレイヤーが持っていた人形つきペンダント(自分の物も含む)だけはその場に残る。
 自分のペンダントが残ってさえいれば、何度でも復活できる。
 ただし復活の際、ペナルティとして残存体力および魔力は半分になる。

Dゴーストは戦いやペンダントには干渉できないが、偵察等の協力はできる。
 誰に協力するかは自由である。

E他人のペンダントを奪ったり、待ち伏せすることが出来る。
 ただし幻術などでペンダントの偽造は不可。似た波動で罠を張るのも不可。

Fペンダントは破壊しても自己復元する。また、教師のペンダントは生徒3人分の価値だが、手に入れること自体が名誉である。

G戦闘中リアル事情で3日以上動けない場合、避難所で連絡すること。
 本スレ内で対処するのが望ましいが、無理なら「逃亡した」「敗退した」という具合に退場方法を連絡すること。
 連絡無しで3日経過した場合、対戦相手は決定リールで相手を倒せる。

Hメ欄か文章の最後に、収集アイテムの所持or管理数、ごみ箱に投下した個数を記入。

I魔本の中でアイテム獲得は可能だが、効力は本来の1/3程度。必要なものはあらかじめ持参すること。
  開始時に学園からアイテムの箱が支給される。中身はあけてのお楽しみらしい。

J基本的に全員参加イベントのため、職員もそのままリバースの中にいる。
 ただし職員の場合、積極的にバトルに干渉するかどうかは個人差がある。
 生徒から勝負を吹っかけられない限り、食堂のおばちゃんは料理を、図書館管理人は図書館で通常業務を行っているらしい。

K予定ではリバース内時間で2日間行われる予定。フィールドチェンジも可能。

L上位3名まで表彰。副賞もあり。(リリアーナは優勝者のみに進呈)
ただし、副賞に何が贈られるかは知らされていない。噂では「すごくいいもの」らしい。

6 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 20:27:44 0
【魔本【リバース】内の状況】
(簡単な説明)
魔本『リバース』の中でイベント続行中。
学園内外で激しいバトルが展開。

広さに比例してごみ箱が出現しています。
校舎なら1フロアに1個、寮などの施設なら1箇所につき1〜2箇所個ごみ箱が設置されています。
具体的な場所は書いたもの勝ちよ〜。
ちなみに中庭にも一個。森の中には数個あるんじゃないかな?

現在学園裏の森は腐海のように変化している。腐海ではバイオハザード発生中。
なお、ベアトリーチェが仕掛けた腐海は明日には消滅する模様(ただし参加者は知らず)
現在森の中は菌糸巨人(スペックは後述)が徘徊。
校内放送で追加ルール発表「今後リバース内で死亡した者はペナルティとしてHP,MPが全快時の半分まで減少される」

【天候について】
とある生徒が広範囲魔法発動。現況では、猛吹雪は学園校舎敷地内。
他の地帯はただの大雨ですがこれから軽い小雨くらいになるはず。

【腐海の状況】
森の設置された4つのゴミ箱のすぐ側に小さな穴。
そこから通常の魔法障壁では防げない無色透明・無味無臭の神経毒とピプトの胞子が充満。
ピプトの胞子は樹木に寄生し、変質させ、森を特殊菌類生態系へと変え、寄生された樹は変質する。
更にピプトの胞子と神経毒の両方を撒き散らす。
ピプトが人に寄生した場合、寄生された人は死ぬ事もできずに人面疽が発生し、意識を奪われる。
神経毒にやられ寄生生物にのっとられた者は自分のペンダントをごみ箱付近の穴に投げ捨てた後、
ペンダントを狩り仲間を増やすため森を徘徊。
魔法障壁を強化すれば毒に犯されずにすむが、能力的には7割の力しか発揮できない。  
寄生被害者は精神的なリミッターを外されている。寄生被害者に傷を負わされたものはその傷口から感染し、寄生被害者となる。
森の異変は盛り全体に広がりつつあるが、徐々に収束に向かっている。
実際に森に入るか高所から見下ろさない限り、森の腐海化に気づくことが出来ない。
異変が起こっているのは森の中だけである。

変化した森を焼き払おうとすると巨大な湿った胞子が大量発生、延焼を防ぎ火を消した後、焼失した範囲以上に勢力を強める。
ごみ箱の設置してある地点も、菌類群と瘴気と神経毒に満ちた腐臭立ち込める腐海化。地面も菌糸がびっしり、ぬかるんでいる。
寄生被害者を倒すとごみ箱付近で復活。即毒に犯され感染し寄生被害者化。永久機関と化している。
現在寄生被害者は10人単位で菌糸巨人に取り込まれている。巨人は森の中におり、エンカウントすると襲ってくる。

(湿原とベアトリーチェの毒庭園について)
森の奥に湿原地帯があり、その中央にベアトリーチェの毒庭園がある。
広さは庭園直径100M、外周の湿原地帯は半径300M。
薄紫の靄のかかったような湿原の毒濃度は、菌糸巨人のブレスより濃厚で凶悪。
ベアトリーチェから抗体を貰ったもの以外は強力な障壁を張らざるえないため戦力低下。
発動した攻撃魔法も毒素により威力が半減する。
湿原には巨大ミミズが自在に這い回っている。
ベアトリーチェの毒庭園は今は荒れ果てている。ベアトリーチェの指示で湿原に巨大ミミズの橋がかかる。
庭園の地下 にはベアトリーチェ所有の秘密の実験室が存在するらしいが、目撃したものはいない。

7 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 20:28:31 0
(菌糸巨人について)
十数メートルの巨体。 胴体部分に感染者の顔が並んでおり、呪文を唱えている。
魔法反射魔方陣を展開。 抹茶色の濃厚麻痺毒ブレスを吐く。
ブレスもしくは直接触れられると強化障壁でも数回で感染麻痺します。
取り込んでいる感染者がエネルギー源なので、むき出しの顔を全て潰せば動かぬ菌糸となる。
むき出しの顔には毒成分は含まれていない。 腐海の外までは追ってこれない。
ベアトリーチェから抗体を受け取った者には攻撃しない。 なお、抗体の予備は学園内には無い。

(戦闘人形について)
中にはベアトリーチェによって戦闘人形化した生徒が混じっている。
通常のピプトではなくピプト改の人面疽が入り込んで身体を操っている。
限界まで能力を行使させるが、リミッターを超える事は無く、自決プログラムは無い。
更に腐海外での活動も可能にしている。

【ラヴスポットについて】
魔法を使うと危険な場所のため、戦闘が行われない安全地帯。
万一中で魔法を使った場合【特異点破綻】となる。 破綻した場合は以下のとおり

○魔力が高まったり発動準備すると室内が揺らぎ始める。
○発動すると、ラヴスポットが消滅し、全員ランダムで島内に放り出される。
○中の人間だけでなく、発動した魔法もどこかに脈絡もなく発動。
○準備もしていない時空間移動の影響で10歳若返るもしくは10歳年を取る。

どのタイミングで空間破綻するかは各自にお任せ。
どこにテレポートアウトするか、若返るか年を取るかは各自の判断。
発動魔法は魔法を放った人が好きにどこかに発動。 まさに当て逃げアタック!

【女子寮】
8階建て。
4階に行こうとすると、4階の階段以降は罠の祭典スペシャルになる可能性が高い。
とある生徒の仕掛けたトラップで、外壁はもとより中も凍り付いている。
中に撒かれた水は全てエミューとつながっている。
照明装置はつかず、真っ暗な状態だが、6階だけは明かりがついている

大半の地面と壁が何者かが憑依する氷と化している。屋上には儀式の跡あり
(ただし屋上の儀式魔法陣内に行かない限り不可視、魔力検知も困難)
階段も殆どが氷で封鎖(窓から強引に入ってくるのは4階以下の階層なら容易、それ以上は結構困難)

8 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 20:32:25 0
【図書館】
(リバースのD階層について)
D階層入口には、人間には見慣れない魔性の霧が立ち込めている。
それ以外を除けばまだまだ普通の図書館ではあるが、手入れがなされていないのでかなり埃っぽい。
先に進もうとするとイタズラ好きのゴースト共がいて邪魔しにくるらしい。
奥に進むにつれてだんだんと霧が濃くなっていき、伸ばした手が霞んでしまうぐらいの視界の悪さになるらしい。
地下図書館D階層には吸血鬼の家があるらしいが、ターナーか吸血鬼自らの道案内でもない限りたどり着くのは困難。


(地下図書館から現れた魔物について)
リバース世界で校舎二階特異点(通称:ラヴスポット)が破壊され消滅した折、僅かながら時空震が発生した。
特異点を破壊された事で生じた空間の綻びは、事態を重く見た教頭の手で地下図書館に移動していた。
だが何者かの手により綻びに異変が起き、現実世界のD地区に済む魔物がリバースに溢れ始めた。

(魔物の能力について)
魔物たちの強さはだいたいはすぐに倒せることでしょう。
しかし、なにぶん数が多いので甘く見ないことです。
まだゲートが存在してるので増援が来る可能性大。
早めに閉じに来るのが得策かと思います。
食堂に関してはおばちゃんがいるので制圧に時間がかかるみたいです。
占領されるのをよしとしないならば、助けに行きましょう。
ちなみにアンデッドの王はまだ地下図書館にいるので上にはそんな強い魔物はいないです【ラヴスポットについて】
魔法を使うと危険な場所のため、戦闘が行われない安全地帯。
万一中で魔法を使った場合【特異点破綻】となる。 破綻した場合は以下のとおり

○魔力が高まったり発動準備すると室内が揺らぎ始める。
○発動すると、ラヴスポットが消滅し、全員ランダムで島内に放り出される。
○中の人間だけでなく、発動した魔法もどこかに脈絡もなく発動。
○準備もしていない時空間移動の影響で10歳若返るもしくは10歳年を取る。

どのタイミングで空間破綻するかは各自にお任せ。
どこにテレポートアウトするか、若返るか年を取るかは各自の判断。
発動魔法は魔法を放った人が好きにどこかに発動。 まさに当て逃げアタック!

【女子寮】
8階建て。
4階に行こうとすると、4階の階段以降は罠の祭典スペシャルになる可能性が高い。
とある生徒の仕掛けたトラップで、外壁はもとより中も凍り付いている。
中に撒かれた水は全てエミューとつながっている。
照明装置はつかず、真っ暗な状態だが、6階だけは明かりがついている

大半の地面と壁が何者かが憑依する氷と化している。屋上には儀式の跡あり
(ただし屋上の儀式魔法陣内に行かない限り不可視、魔力検知も困難)
階段も殆どが氷で封鎖(窓から強引に入ってくるのは4階以下の階層なら容易、それ以上は結構困難)

【図書館】
(地下図書館から現れた魔物について)
リバース世界で校舎二階特異点(通称:ラヴスポット)が破壊され消滅した折、僅かながら時空震が発生した。
特異点を破壊された事で生じた空間の綻びは、事態を重く見た教頭の手で地下図書館に移動していた。
だが何者かの手により綻びに異変が起き、現実世界のD階層からリバースのD階層へ現れる。

(魔物の能力について)
現在魔物が図書館〜食堂、校舎付近に移動中。
魔物たちの強さはだいたいはすぐに倒せますが、数が多いので甘く見ないことです。
まだゲートが存在してるので増援が来る可能性大。 早めに閉じに来るのが得策かと思います。
ちなみにアンデッドの王はまだ地下図書館にいるので上にはそんな強い魔物はいないです。

9 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 20:36:24 0
【学園についての説明】

※魔本【リバース】の中では鏡に映ったように全ての配置が左右反転しています。

・舞台はファンタジー世界。フィジル島にある魔法学園が主な舞台です.。
 フィジル島は「魔海域」と呼ばれる、法則を無視した魔の海域の中にあります。
 (魔海域は、「法則を無視した潮流、乱気流」「突然の魔法無効旋風」
 「召喚生物強制送還地帯」などが特に有名です)
・一度学園に入学したら卒業(三等課程合格)まで島を出ることは叶いません。
・学園は全寮制、男女共学です。
・魔法学園の施設は西洋のお城のような外観をしています。
・女子寮、男子寮は校舎と同じ敷地内にあります。カフェテリア等一部の施設は男女共通です。
・女子寮内外には侵入者避けのトラップがあります。要注意。
・校舎には校庭があります。
・校舎の裏手には霧のかかった森があります。 森の奥深くには強力な魔物や貴重な生物が住んでいるという噂です。
・森の奥深くには庭園があり、近くにはかつて新魔法研究の為に使われていたらしい施設があります。
 施設の中には何に使うのか分からない装置が置いてあります。
・描写されていない施設等に関しては、整合性さえ保っていれば好きに設定投下してOKです。

(図書館およびDレベル階層について)
・学園地下には広大な図書館があります。管理人はオルビア・ターナー先生です。
・薄暗く本を読む時は上に持っていく、またはランプを貸してもらうという珍しい図書館です。
・置いてある本は古今東西から集められたもので膨大です。
・なお、一般生徒立ち入り禁止区域であるDレベル以下の階層には危険な本が多く保管されています。
 地下にどれだけ広がっているのか不明の階層で、そこに在るのは全て魔本です。
 本から漏れ出たモンスター、怪異現象が巻き起こっている世界でもあります。
D階層入口には、人間には見慣れない魔性の霧が立ち込めています。
それ以外を除けばまだまだ普通の図書館ではあるが、手入れがなされていないのでかなり埃っぽいです。
先に進もうとするとイタズラ好きのゴースト共がいて邪魔しにくるらしいです。
奥に進むにつれてだんだんと霧が濃くなっていき、伸ばした手が霞んでしまうぐらいの視界の悪さ。
地下図書館D階層には吸血鬼の家があるらしいです。
ただしターナーか吸血鬼自らの道案内でもない限りたどり着くのは困難。

【アンジェリーナの実験室】
薬草学教師の実験室。学園で二番目に高い場所。
アンジェリーナとエルザが暮らしている。殺風景。

【薬物学課実験棟】
校舎に併設された4階建ての建物。

【学園生徒関連】
・女子寮には、生徒で結成された白百合騎士団という自警団がいます。
・男子寮では、 隠密魔法戦隊というグループが人知れず暗躍しています。
・三等過程合格者には指輪が与えられ、学園内の立ち入り禁止区画に出入り可能となります。
 また、「ゲート」を使用し街へ出られるなど、一般生徒より優遇されます。
・寮部屋に関しても一般生徒は大部屋ですが、三等課程卒業者以上になると個室が与えられます。
・ただしカップルなど、当事者同士の間で合意があれば、特例として相部屋も認められます。
・生徒での参加者は、基本的に三等過程卒業者以上とさせていただきます

【カリキュラムについて】
卒業までには幾つか試験があります。
最初の試験(卒業試験という名称)に合格すると、三等課程合格という事になります。(第一部参照)
・次に各分野を広く浅く学ぶ二等課程へ進学します。二等過程卒業すると、一等課程へ進学。
・一等課程は二等課程で選択した分野を使った応用編。より実践的な分野を深く学びます。
・なお、二等課程からは月一の割合で課題や指令が出されます。

10 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 20:37:02 0
(参考資料)
※一般生徒、教師用に発表された説明を基にしているため、事実と異なる部分があります
 真実を知りたい方は過去ログ参照。

【第一部】
念願の試験にみんなで合格しました!
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち一番最初の試験にパスしただけでした。
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。

【第二部】
闇の魔法使いマリアベルによる、学園襲撃事件の顛末です。

幾つもの人格を持つマリアベルは、ある生徒に成りすまし学園内に侵入しました。
マリアベルの人格のうちの一人は、学園内に大量の悪魔を召喚し、混乱に乗じて建物を破壊し塔へと再構築させました。
襲撃の際殆どの生徒たちは転移ゲートから島の外へ避難しましたが、学園に残った生徒や教師もゼロではありませんでした。
彼らは協力し、悪魔やマリアベルに戦いを挑みました。
激戦の末、マリアベルは退けられ学園に平和が戻りました。

事件直後にはさまざまな憶測が流れていました。
マリアベルは何らかの儀式を学園で行おうとしたとも、何かを探していたとも囁かれていましたが、
何れも噂の域を出ることはありませんでした。
そうこうするうちに夏期休暇に突入したため、事件は徐々に人々の記憶から薄れつつあるようです。

【第三部】
魔法学園の日常編。
夏休み明けの始業式の朝。なぜか猫化した女子生徒を人間に戻すべく奔走した友達&巻き添えを食らった方々のお話。

この日に関する噂話一覧
・転入生がやってきた。 また、新しい非常勤の女医は美人。中庭に野人出現
・朝、食堂に悪臭が立ち込めた。その後100匹の猫が現れ、招き猫広場まで暴走後、解散。
・男子生徒が女子寮に侵入しトラブルになったが、実は寮生のリリアーナが、ロックを自室に招き入れたらしい。
 (しかもそのときリリアーナは服を着ていなかった)
・その後食堂でリリアーナとロックが口論。リリアーナとフリージアはロックが偽者だと糾弾。
・直後、ロックの死体が出現。すぐに人形だと判明したが、混乱に乗じて偽ロック(?)は逃走。
・リリアーナの視覚的に刺激的かつ衝撃的な告白(!)シーンが、食堂で大々的に上映される。           orz
・男子寮のロックの部屋に、謎の美少女出現。しかもトップレスだった。
・ずっと元気が無かったレイド先生が復活したらしい。

【第四部】
始業式の翌日、ロック・ウィルは無断欠席をしました。
お見舞いや成り行きでロックの部屋を訪ねた一同が見たのは、ロックではなく記憶をなくした見知らぬ少女でした。
残された手がかりは、部屋に残されたメッセージと、少女が持っている一本の杖だけです・・・・。
はたして少女の記憶は戻るのでしょうか? そして私達は、行方不明のロックを無事に見つけ出す事ができるのでしょうか?

(この日に起きた事件、および関連する噂話一覧)
・ロックが女の子を連れこんでいた。その日爆発騒ぎが起きたが、なぜか修理費はレイド先生持ち。
・食堂でキキにロックがバトルを仕掛けた。
・ロックに婚約者がいたと知ったリリアーナが、食堂にいたロックにシャンデリアを落とし、婚約者をひっぱたいた。
・シャンデリアを落とされたロックは実は偽者だった。金色の液体と化した偽者はキキが回収していった。
・森の奥で誰かが魔法実験を行ったらしい。森が破壊されたため、エース先生を始めとする学園関係者が様子を見に行った。
・人間時計のように規則正しい生活のアルナワーズが、この日の夕食にもお風呂にも来なかった。
・夜、食堂に食料泥棒が入ったらしい。
・ロックがかわいい女の子と二人、箒で空を飛んでいた。
・レイド先生に隠し子がいたらしい。また、吸血鬼がショタ化。
・キキが動く精巧なフィギュアを校内販売するらしい。
・夏なのにフード+手袋+マフラー姿の怪しい大男が校内をうろついていた。

11 名前:魔法少女 ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/01(木) 20:38:15 0


テンプレは以上です。




・・・・・・では、リバースを心行くまでご満喫ください。

12 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/05/01(木) 20:44:50 O
乙ぱいもみもみ

13 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/05/01(木) 22:30:23 0
クリスとマオはいまごろ客室で休んでいると思われるとき、ヴァンは明かりもつけていない自室で己の吸血衝動に悩まされていた。
ベッドの上で丸くなりながら人間の二人の血を余すことなく吸ってしまえという本能に必死になって抗っている。
魔力の消費などは吸血によって簡単に回復できるが、人間二人から本能のままに無理やり血を摂取すれば信頼関係は崩れてしまう。
だからこうして自然のままに魔力が回復するのを待っているのだが、その様ははたから見れば苦しそうに悶えているように見えるだろう。

前スレ>210
>「あー…ヴァンエレン?なんだかかなり疲れてるみたいだが大丈夫か?何かあったのか?」
ドアが叩かれてヴァンは意識をそちらに向け、声からして来訪者はマオだと判断できた。
いつもならここで開けて部屋へと招き入れてお茶のひとつ出すのだが、ここで開けてしまうと吸血衝動に負けてしまうのではと懸念もあった。
>「…まあなんだ…ただの僕の思い過ごしだったら別にいいんだが…
> ちょっと普通じゃないように見えてな………じゃあな。」
そしてヴァンは終始無言のままマオの一人語りの会話は終わったかに思えた。
>「今日は…色々と僕に付き合ってくれてありがとう。正直ここまでお前と組むとは思ってなかったんだ。
> 最初は利用できる駒ぐらいに考えてたんだ…所詮は使い捨ての駒だってな…
> 僕は人と関わるのが得意じゃないからか信用できない性質でさ…今は悪かっと思ってる。
> 愛想を尽かしてないならこの後も僕と組んでくれ…じゃあお休みヴァンエレン。」
その言葉に眼を大きく開いて驚くのだが、すぐさま安心した表情に戻る。
やがて足音とともにそれからマオの言葉も聞こえなくなった。
あれほどヴァンを悩ませていた吸血衝動も不思議と糸を引くように収まっていき、ヴァンは眼を閉じたまましばらくするとかすかな寝息が聞こえてきた。
このおおらかな寝顔はマオを見限ることなどかけらも頭をかすめることさえないだろう。
いまはただ吸血鬼と二人の人間に安らかなる時間を…。


地下図書館にあるヴァンエレンの家よりもさらに下の階層に死王の統治する領土があり、その場所で死王は古びた王座に腰掛けていた。
食堂のスケルトン部隊がチョコナワーズに飲み込まれる一部始終を水晶で見ていた死王は邪悪な笑みを浮かべる。
思いのほか人間共による抵抗が激しく、手下の数はみるみる減っている状態の中でのこの笑みはなにを意味するのか?

14 名前:チョコナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/05/01(木) 22:36:23 0
前スレ>232
リリアーナがパニック状態で走り、辿り着いたのは食堂の前だった。
だがそこには既に食堂はない。
奇妙な壁がチョコレートの匂いと共に立っている。
立ち去ろうとするリリアーナは奇妙な違和感を覚えるだろう。
人の気配はしないのだが、無数の目で見つめられているような視線を感じる。
そしてあたり一面に漂う不気味な霊気。

「あら〜。リリィ〜。可愛くなっちゃって。
ミルクは大きくなっていた事を考えると時空潮流の影響かしら〜?
まあそのうち勝手に戻るでしょうけどぉ。」
突然現われたのはゴーストアルナワーズだった。
リリアーナを慰めるでもなく事情を説明するわけでもなく、勝手な見解を垂れ流している。
そんな事をしていると、一段と霊気が強くなる。
「そうそう、早くお逃げなさいな。ベアトリーチェでもこんなチョコは作れないわよ〜。
リリィが手を加えたチョコは新たなる生命になっちゃったのよぉん。
いまここは・・・」
最後まで言い切る事無く、唐突にアルナワーズは姿を消した。
いや、消さざる得なかったのだ。
ゴーストであるが故に・・・。

代わって両横の壁や天井に変化が現われる。
両横の壁や天井にびっしりと目が浮き上がり、全ての目がリリアーナを見つめている。
続いて正面の壁がうねりだす。

「はぁ〜い。リリアーナ。折角きてくれたのに、ど こ へ 行 く気 ぃ 〜 ? 」

うにょうにょと壁が歪み、やがて巨大なアルナワーズの顔になっていく。
ニタリと笑うと大きな口を開け・・・
いや、開けるという表現は適切ではない。
口の大きさは既に本来のものをはるかに超え、顔全体が捲れてきている。
めくれた顔の内側からは大量のスケルトン、更には取り込まれた生徒達のチョコ人形がリリアーナに向かって手を伸ばす。
異変は壁や天井だけではない。
床もうねり、大量の手がリリアーナを囲むようにゆらゆらと伸びてきているのだ!

チョコナワーズは既に食堂を同化し埋め尽くし、周囲を皮一枚を残して同化させていた。
後続のランドとエルザの視界に入るそれはまさにホラーハウス状態の様に映るだろう。

15 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持1(自)] 投稿日:2008/05/01(木) 23:46:14 0
前スレ>225
 校舎に入ったミルクが足を止めるのを見て、追いついたキサカも歩速を緩める。
 腰を筆頭に体があちこち痛い。雪上とはいえ派手に打ったのが響いているようだ。
 重力を舐めたら痛い目に遭うことを実感し、キサカは膝に手をついて深呼吸。
 もう二度と高所から跳び降りたりしないよ。本当さ。
「さすがキサカ!困ってる女の子を見捨てたりはしないって信じてたわよ!
 ペンダントの取り分は、後でちゃんと渡すからね」
 スイマセン殴っていいですか。

 校舎に突入したはいいものの、行動方針が決まっていなかったので緊急会議。
「えーっと、アルナワーズは確か、チョコナワーズが食堂に向かうって言ってたよね」
 人が多いからだろう、とキサカは相槌を打ちつつ思うが、理由を考えたところで対抗策になるとは思えない。
「どうする?あたしたちだけでチョコナワーズを倒しに行く?
 それとも、誰か他の生徒を探して仲間を増やしておく?
 玄関側で戦闘があるみたいだから、ペンダントを餌に手助けを引き出せるかも。
 あいつアルナワーズの思念も取り込んでるから、なんかイヤな予感がするんだよね…」
 最後の発言に、そうか? とキサカは疑念を返し、そのまま続ける。
「詳しくは知らないし論拠も無いけど、俺が思うにアル様はアル様たりえるから恐ろしいんだよ。
 幾重にも渡る仕掛けと伏線を使って嫌な方向に話を進めるから厄介なのであって、
 本体と情報共有もしてないミニアル様に大した力は無い筈。
 現に本人も自発的な攻撃力は無いって言ってたし、残留思念は時間経過で劣化する。
 俺が確認しただけでもそこそこ時間が経ってるし、あれはもうただのキメラと考えた方がいい」
 意味不明なら聞き流せ、とキサカは発言を軽く反芻する。
 少し間を空けてから、
「……戦闘中って事は玄関でも小競り合いしてるって事だろうよ。
 食堂方面はチョコVS生き残りが確定してるけど、玄関側は別組の可能性が高い。
 下手に刺激して敵を増やすのはどうかと思う」
 ペンダント分けるから手を貸せ、という提案はまあ悪くはないかもしれないが、交渉前に戦闘になる確率は低くない。
「玄関組と交渉して分け前を減らすぐらいなら、食堂の生き残りと結託して潰す方がいいと思う。
 切実に危険なのは食堂組だし、何をすれば何が起こるかをある程度理解してる奴の方が、手を組んで動きやすい。
 幸い研究員の解説でチョコナワーズのシステムはわかってるから、簡単に説明して即席の連携でもすれば何とかなるだろ。
 弱点属性なら威力は効果的どころか倍増するみたいだし」
 複数種の属性魔法があれば、現時点での情報から考えて普通に勝てる。
 問題はキサカ自身だ。まともに戦えるかどうか自信が無い。
 緊急回避用に余力は残したい。だが戦闘用の道具は持ち合わせていない。
 武術はほとんど鍛えていないし、ましてや巨大スライムと言っていいチョコナワーズには無力だ。
 ……指揮か。
 無理だろ、と自嘲の笑みを浮かべながら、キサカは軽く腕を組む。
「異論か意見があれば遠慮なくどうぞ。俺はミルクの決定に従うよ」
 理論や提案は練磨するために表明するもの。団体行動なら尚更だ。
 どうする? とキサカは微笑を浮かべてみせる。

16 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 07:13:32 0
 >前206
>「おお!そうだった!そうだった!俺は自分のペンダントを探してたのだ!」
「あなたねぇ…。そういう事くらいしっかり覚えておきなさいよ…。」
メラルがため息をついて呆れたように言った。
>「ん〜?その声はメラルだよな?何かちょっと見ない間に印象が変わったな〜。
  何というか…前よりモクモクした女の子になったのだ。イメージチェンジってやつか?」
「……意味が…わからないんだけど。」
メラルからすればモクモクした人、などという表現は始めて聞くし、
煙=自分などという発想はメラルにはできなかった。太った?と聞く類の表現とも聞こえなかった。
それだけに…返答に困っていたのだ。

>「それが最近の流行りなのかは知らないけど、俺は元のメラルの方が可愛いと思うのだ。」
「…よくわからないけど…ありがと。」
(それにしても、この煙の中の私を見えるって…よくよく考えると凄い事よね…。
どうやって見ているのかしら…。聞きだせるのなら聞き出したいけど…無理よね…。)
当然、ここでも返答に困り、無難な返事を返さざるを得ない。
そして、メラルの思考が根本を勘違いした為に迷走を始めた。

>「それにしても、ここに俺のペンダントが無いんじゃ探してもしょうがないな。
 エルザ達にもこの事を伝えて、別の場所を探さなきゃいけないのだ。
 そうだ、メラル!今エルザ達がどこにいるか知ってるか?」
「知らない…けれど、今外は吹雪が吹き荒れてるわ。余程の馬鹿か、
 強力な氷耐性があるか、もしくは強力な結界を張る力があるか…
 そのどれかでない限りは屋内にいるはずよ。…でも、女子寮がこの状態だと
 恐らく寝床として最適な男子寮は激戦区。図書館は、広すぎて
 身を守る術に問題がある代わりに皆もそれを考える。
 食堂は広いけど…あそこで戦うと後が怖いって考える人も多そうね。
 …校舎、実験棟みたいな、それなりにしっかりしていて
 教室単位に分かれている建物は確かに有効だけど、ここはやっぱり男子寮に次ぐ激戦区になる。
 彼女がどれくらい頭が切れるかはわからないけど…頭が切れる方なら食堂と図書館、
 そこまででもないなら食堂と校舎から探し始めて、次に図書館と校舎で探してない方。
 それで、どうしても見つからなかったら男子寮。その順番で探してみたらどうかしら?
 …この時間、そろそろ寝床を探し始めてもおかしくないし、
 寝る場所を探しているならその辺に行き着くはずよ。
 別の目的で行動しているのなら私にはわからないけど。」

メラルは事実を完全に知っている訳ではない。しかし…いるはずもない場所を言っても
今のロックには厄介払いと気づかれる可能性がある。そう考え、割りと真面目に推測したままを答えた。
ちなみにエミューに確認を取らなかったのは、エミューからの情報も含んだ話を伝えたくはなかったからである。
メラルにとっては、ロックが女子寮から出てくれればそれでいいのだ。
エルザと合流されようがされまいが知った事ではない。明らかに見当違いな
推測をして怒りを買うような真似こそ無意味だと考えたのだ。
しかし…この対応こそ今のロックの"純粋さ"に飲まれているという事に、メラルは気づいていない。
エルザと合流された後の行動が未知数なら、エミューに確認を取った上で、エミューが
知っていたならばそこに"より遅く、しかし絶対たどり着くような情報"を伝える方が有効だったのだから。


>「情報をありがとうなのだ、メラル!お礼にこれをあげるのだ!」
>「じゃあ、またな!」
「…ええ、また明日。」
ロックから実を受け取り、ロックを見送った。もちろん、エミューもロックが通るときは
氷の壁が道を明けるように配慮した。そして、ロックが見えなくなってから藍色の煙を解除し、
"目"も元に戻し、実をエミューに預けた。そして、指に嵌めたペンダントに
魔力を込めると、唐突に…一方的に言った。指輪を介してのリリアーナへの通信である。
『リリアーナ、私よ。あなたにも事情があるでしょうし、今すぐとは言わないわ。…二時間位後までに、
 一人で動けるようにしておいて。会う場所は…追って連絡するわ。』
そして、メラルは指輪に魔力を込めるのを止め、地下に降りていった…。
「これで…後は仕掛けをひとつと、レイド先生達の所で待つ…だけね。」

======================================================================

17 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/05/02(金) 07:13:59 0
>(目について知ってるのは学園長と教頭と俺だけだ。 言ってみれば個人情報だからな。
  責任者と担任である俺だけが知ってりゃ良いんだ。 しかしカドゥケウスについては
  複数の教師が知ってる可能性があるな。 結構マイナーな代物だが教師の中に知ってる奴が居てもおかしくはない。)
返答を聞き、エミューは少し間をおいて言った。
(そうか…。それじゃ、この続きはアンタだけに話すしかねーナ。)
そして、それと同時にノックが聞こえ、その後にメラルが入ってきた。
教師も敵になりえる今の状況を考えると少々不気味にも取れる
低姿勢で話し始めるが…何故か、メラルに魔力をほとんど感じられない。
そう、まるでマリアベル事件の時、メラルが魔力回復の薬を飲んだ直後のように。
「失礼します。…私は鍋の類を余り口にしないので味については
 余りわかりませんが、先生方のお口にあいましたでしょうか?
 …先生方との交戦の心配がなくなったので、先ほどは話せなかった
 事について、幾つかお伝えしようと思い参りました。」

 そして、メラルが一拍置いて話を続けた。
「まず、この氷の要塞と吹雪についてですが…夜襲を防ぐためとエミューが話したのは事実です。
 でも、それは寝るための場所を確保するためじゃなくて…ここ…女子寮で邪魔の入る余地を取り除いて
 一対一の決闘をする為です。もちろん決闘は上階でやりますが、規模次第ではここにも余波が届くかもしれません。
 よって…決闘が始まればここは必ずしも安全というわけではありません。」
それと同時に、エミューがレイド先生に補足の説明をしていた。
(…ちなみに、相手はリリアーナ…つまり、あいつはカドゥケウスを使うリリアーナと戦いたがって
こんな大規模な仕掛けをしたってわけダ。もちろんあいつも目を使う気だし、
そーなると人目につくわけにもいかねーからナ。…まぁ、そういうこった。)


======================================================================
ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持






18 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/05/02(金) 07:15:51 0
>14
> チョコナワーズは既に食堂を同化し埋め尽くし、周囲を皮一枚を残して同化させていた。
> 後続のランドとエルザの視界に入るそれはまさにホラーハウス状態の様に映るだろう。
「リリアーナ!」
エルザはリリアーナを発見するとすぐに彼女の名前を読んだが、
チョコナワーズを見て言葉を失った。。もう何を見ても驚かないつもりだったが、
どうやらエルザの認識はまだまだこの学園では甘いもののようだ。
しかし、そんなエルザでも、このチョコナワーズが見た目ほど甘いものだとは考えなかった。
> めくれた顔の内側からは大量のスケルトン、更には取り込まれた生徒達のチョコ人形がリリアーナに向かって手を伸ばす。
> 異変は壁や天井だけではない。
> 床もうねり、大量の手がリリアーナを囲むようにゆらゆらと伸びてきているのだ!
「リリアーナに触らないでって言っているでしょう!!」
エルザは右手に持っていた金属製の棍棒を、チョコ人形達に向かってブーメランのように投げつけた。
その棍棒には失神魔法が込められているが、リバース内のアイテムなので効果は1/3だし、
そもそも失神魔法が効くかどうかわからない。しかし、エルザはそんな事を気にする余裕は無かった。
「リリアーナ、私を恐がらないで。お願い。」
エルザはそう言って、リリアーナを抱き上げた。
このまま彼女を抱えて、チョコ人形達の手が届かないところまで移動するつもりだ。
チョコナワーズが、何も妨害をしなければ…だが。

19 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/05/02(金) 15:53:58 O
>15
あたしはチョコナワーズの能力に不安を感じる所もあったけど、キサカはそうでもないようだ。
「なるほど時間経過で劣化ね…それは考えてなかったな。
なんか裏から『アルナワーズパワー』でインチキ魔力補充でもしてるのかと思ってた」
一回だまされてるから、ちょっと慎重になりすぎてたかな?
アルナワーズの推理でも、かなりベアトリーチェの意識が行動に影響してるみたいだったし。
うーん、でもベアトリーチェの演技力もかなりのものだったしなぁ。

>「……戦闘中って事は玄関でも小競り合いしてるって事だろうよ。
> 食堂方面はチョコVS生き残りが確定してるけど、玄関側は別組の可能性が高い。(中略)
>幸い研究員の解説でチョコナワーズのシステムはわかってるから、簡単に説明して即席の連携でもすれば何とかなるだろ。
> 弱点属性なら威力は効果的どころか倍増するみたいだし」
確かに分け前が減るのも敵が増えるのもイヤだ。
それに食堂にはアルナワーズが向かってるし、事情がわかればすぐに味方になってくれるだろう。
結構な威力の魔法を使える奴もいるようだから、意外にあっさり片が付くかもしれない。

>「異論か意見があれば遠慮なくどうぞ。俺はミルクの決定に従うよ」
「異論も意見も特にないわ。キサカの考えは正しいと思う。
よし。そうと決まれば早速食堂に行くわよ。
戦いの音も静まったみたいだし、急がないとペンダント全部持って行かれちゃうかも」
玄関側も食堂側も、さっきまでの魔法の破壊音は聞こえなくなっている。
食堂側にはアルナワーズが情報を流してるから、チョコナワーズを退治できたのかもしれない。

食堂に向かう途中、あたしはまだキサカに自己紹介をしていない事に気づいた。
助けてくれた恩人に対してこれはないよな。
「そうだ。順番が逆になっちゃったけど、今の内に自己紹介しておくね。
知ってるみたいだったけど、あたしの名前はミルク・パウダーシュガー。
こんな格好してるけど正式なシスターじゃなくて、コスプレしてるだけだからね。
『フィジルの帝王』とか『魔女っ娘金融道』とか呼ぶ奴がいるのは誤解だから気にしないように。
使える魔法は核熱系…要するに五行の炎属性しか使えない、と。
それから、最初に出会った時より成長してるのは、時空の狭間に吸い込まれたのが原因だと思う。
詳しくは省くけど、ラヴスポットでリリアーナが酔って暴れて酷い目にあったんだよね…
ま、とりあえずはこんなところかな。これからよろしくね」

20 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/05/02(金) 15:55:23 O
>14 >18
>「リリアーナ!」
食堂の方から、誰かがリリアーナを呼ぶ声が聞こえてきた。
それもかなり切羽詰まった感じで。
「急ごうキサカ!なんだかリリアーナが危ないみたい!」
チョコナワーズは倒してるはずなのに、何が危ないのかはわからない。
でも、また声が聞こえる。
>「リリアーナに触らないでって言っているでしょう!!」
この声は聞いたことあるような……エルザ?
急いで食堂近くに駆けつけると、ゴスロリ服を着た女の子が金髪少女を抱いているのが見えた。
それから。アルナワーズの助言で倒されてたはずの、チョコナワーズの不気味な顔と手も見えた。

「ア、ア、ア……アルナワーズのバカーッ!役立たずーっ!!
居場所を当てても五行属性の事を伝えてないなら意味ないじゃないかーっ!!」
食堂にいた連中が使った魔法は、チョコナワーズを成長させただけだったのだろう。
食堂組を壊滅させてキサカの魔法のダメージぐらいは回復しちゃったかもしれない。
そのチョコナワーズが、今度は食堂と周辺を取り込んでエルザたちを襲ってる!

「そこでゴスロリ服着てるのはエルザだよね!?
リリアーナはどこにいるの!?
あぁ違う。本当に言わなきゃいけないのはそんな事じゃない!
とにかく、その怪物にうかつに魔法で攻撃しちゃダメ!
自分の五行属性を変化させて吸収、巨大化するらしいから!
木属性…雷系の魔法が使えるなら使って!
それで大ダメージが与えられるはず!
火の系列の魔法は絶対使わないで!」
最後の言葉と同時にメギドを放って校舎の窓を壊す。
今の属性を固定するには、一度魔法で攻撃しておかないといけない。
窓から外を範囲に入れて撃てば、もし吸収されても少しだけ。
見せ技にもなるだろうし、チョコナワーズの興味もエルザたちからそれるだろう。
雷魔法が使えなくてもうまく逃げられるはずだ。

21 名前:チョコナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/05/02(金) 23:12:58 0
>18
>「リリアーナに触らないでって言っているでしょう!!」
エルザの強い宣言と共に投げつけられる金属製の棍棒。
回転しながら飛来するそれは、今にもリリアーナを掴もうとしていたチョコ人形達を粉砕し壁に突き刺さる。
所詮はチョコレート。たいした硬度は無かったようだ。
しかし、壁は別だった。
むしろ硬度が無くゲル状な為、バットが中ほどまで突き刺さってしまった。

**良くやってくれた!**

エルザがリリアーナを抱きかかえる間、チョコナワーズからの妨害は無かった。
その代わり、男の声がどこからか響いた。
が、妨害が無かったのはそこまで。
エルザが一歩踏み出そうと足に力を入れた瞬間、床が消えた。
「酷いわぁ。一瞬気絶しちゃったじゃない。
でもぉ、【誰】を足場にしているかわかっていないようね。」
バットを飲み込むように再び現われる巨大なアルナワーズの顔。
一方エルザは足場としていた床が消え、落ちていた。
ほんの30センチほど。
チョコナワーズが同化していた床部分は深さ30センチ程度だったのだ。
とはいえ、事態はそれほど楽観的ではない。

エルザが30センチ落下した直後、周囲のチョコが流れ込み、がっちりとその足をくわえ込んでしまったのだ。
硬化してくわえ込んでいるのではなく、粘性の強い泥のように絡みついて動きを封じている。
「・・・?変異しない?」
チョコナワーズは異変を察していた。
その気になれば触れたもの、有象無象問わずチョコへと変異させる事が出来るのだ。
無論エルザもその例外ではない。
にも拘らずエルザの足はチョコに変異しないのだ。

「まあいいいいわ。エルゥザ!自分の存在に疑問ヲ抱いてぃたゎね。
自分の身体がレプリカント(義体)だという事いう事いうを嘆いテいたわね。
せせせせっかく存在継続のちゃんすヲ上げたのに刺して潰す打何手!
同じようにして取り込んであげる。
アナたの自我を私の中をtokasiてアアアアゲるわああ!!!」
ミニアルナワーズの劣化が始まったのか、チョコナワーズの言葉が混濁し始める。
しかし行動はあまりに明確だった。
壁から生えてきたアルナワーズの顔は更にせり出し、巨大なアルナワーズの上半身になっていた。
その手に握られているのは巨大なフォーク。
更に天井には巨大な皿が形成されつつあった。

チョコナワーズはエルザを同化できないのはレプリカント(義体)の耐性と判断したのだ。
実際には取り込まれた薬物学科生徒リーダーがチョコナワーズが一瞬気絶させられた間に行ったファインプレーだったのだが・・・
もはやそれを察する判断力はない。
それで身体を壊してから同化しようと。
ちょうど食堂でエルザにフォークで刺され、ロックケーキの皿で潰された事を再現しようとしているのだ。

エルザは脛まで埋まり、更に這うようにその足を上ってくるチョコに動きを封じられている。
その上リリアーナを抱いている為に防御する事も出来ないだろうと残酷に顔を歪めるチョコナワーズ。
この表情はベアトリーチェとアルナワーズの残留思念の比率変化そのものだった。

22 名前:チョコナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/05/02(金) 23:13:05 0
>20
大きくフォークを振りかぶったとき、救いの声が現われる。
>とにかく、その怪物にうかつに魔法で攻撃しちゃダメ!
>自分の五行属性を変化させて吸収、巨大化するらしいから!
>木属性…雷系の魔法が使えるなら使って!
>それで大ダメージが与えられるはず!
>火の系列の魔法は絶対使わないで!」
突然現われたミルクはチョコナワーズの特性をぴたりと知らせるものであった。
そして窓に放たれるメギド。
壁もチョコナワーズとなっているのだが、エルザの属性がわからない為なんにでも対応できるように無属性だった。
これがミルクにとってラッキーだった。

窓は吹き飛び穴を開ける。
エルザに届く声は当然チョコナワーズにも届く。
「こんの腐れチーズがぁ!イラネエこと言ってんじゃねええ!!」
残酷な笑みが一瞬にして怒りの形相へと変化。
その顔にはもはやアルナワーズの面影はない。
ミルクは良く覚えているだろう。
その顔は腐海の庭園で見たばかりのベアトリーチェ怒りの形相そのものだったのだから。

「てめえは大人しくメギドラオンやってりゃいいんだ!!」
絶叫と共に巨大なチョコフォークはミルクへと投げつけられる。
目下のところ最大の餌供給源であるミルクであり、その出現を以って属性を【土】に変えた。
そんな自分の行動もお構いなしの一投。
もはや本能に赴くままに行動が始まっているようだ。
チョコとはいえ人形とはちがい高硬度にしてあるので当たれば串刺しは免れないだろう。

一方動けぬエルザには、直上から巨大な皿が落下するのであった。
圧倒的な圧迫感と共に【それ】が迫る!

23 名前:リリアーナの代理[sage] 投稿日:2008/05/03(土) 01:44:22 O
>14
突然目の前に現れたゴーストアルナワーズに、リリアーナは飛び上がった。
だがリリアーナの驚きを尻目に、 アルはよくわからない事ばかりのんびりと話し掛けてくる。
あまりのマイペースっぷりに、リリアーナも少しづついつもの調子を取り戻してきた。
「ねえ、時間潮流って何のこと?ミルクさんが大きくなったって・・・もしかしてランディみたいに育っちゃったの?
 さっきから視線と霊気を感じるのって、他にゴースト化した生徒が来てるのかな?」
一段と強くなってきた霊気に居心地悪げにしながら、リリアーナがおどおどとたずねる。
だが、アルは相変わらずだった。
>「そうそう、早くお逃げなさいな。ベアトリーチェでもこんなチョコは作れないわよ〜。
>リリィが手を加えたチョコは新たなる生命になっちゃったのよぉん。
>いまここは・・・」
「えっ?私が手を加えたチョコって何のこと?あっ!ちょっと〜アル?アルってばぁ!」
言いたい事ばかり言って、アルは姿を消してしまった。
どういうことだろうと首を傾げていると、再び異変は起こった。

>両横の壁や天井にびっしりと目が浮き上がり、全ての目がリリアーナを見つめている。
>続いて正面の壁がうねりだす。
「はぁ〜い。リリアーナ。折角きてくれたのに、ど こ へ 行 く気 ぃ 〜 ? 」
>うにょうにょと壁が歪み、やがて巨大なアルナワーズの顔になっていく。

大口を開けたまま硬直したリリアーナは、今にも気絶してしまいそうな顔をしていた。
>ただただ金魚のように口をパクパクし、巨大なアルナワーズの顔を指差している。
>壁の内側からは大量のスケルトン、更には取り込まれた生徒達のチョコ人形がリリアーナに向かって手を伸ばす。
>異変は壁や天井だけではない。
>床もうねり、大量の手がリリアーナを囲むようにゆらゆらと伸びてきているのだ!
あまりの恐怖に凍り付いていたリリアーナの胸に手の一つがぺたりとタッチした。
ぎぎぎぎ、と音がしそうなくらいぎこちない動作で、リリアーナは触れている手の持ち主を探した。
ばちっっ!とアンデットの一体と目があってしまった。
>「乙ぱいもみもみ」
「キャ――――――――!!!!」
アンデットとチョコ製のマドハンドに迫られ、リリアーナは絶叫した。
>「リリアーナに触らないでって言っているでしょう!!」
チョコとアンデットに囲まれ気絶寸前のリリアーナ元に、エルザが現れた。
>エルザは右手に持っていた金属製の棍棒を、チョコ人形達に向かってブーメランのように投げつけた。

>「リリアーナ、私を恐がらないで。お願い。」
>エルザはそう言って、リリアーナを抱き上げた。
「「エルザ!エルザ!エルザぁ・・・・・ごめんなさい!怖かった、すごく怖かったの!」
リリアーナは泣きじゃくりながら、ぎゅうっとエルザにしがみついた。

24 名前:リリアーナの代理[sage] 投稿日:2008/05/03(土) 02:01:02 O
>20
>エルザが一歩踏み出そうと足に力を入れた瞬間、床が消えた。
>「酷いわぁ。一瞬気絶しちゃったじゃない。
>でもぉ、【誰】を足場にしているかわかっていないようね。」
>エルザが30センチ落下した直後、周囲のチョコが流れ込み、がっちりとその足をくわえ込んでしまったのだ。
>硬化してくわえ込んでいるのではなく、粘性の強い泥のように絡みついて動きを封じている。

何を言っているのか良く分からない巨大アルナワーズだったが、やりたいことは良く分かった。
その手に握られているのは巨大なフォーク。
更に天井には巨大な皿が形成されつつあった。
どうやら彼女はミニアルで、エルザ相手に食堂での出来事を再現するつもりらしい。
「やめてミニアル!あなた一体どうしちゃったの?!」
ミニアルがこんな事を自ら望んでやっているなどと、リリアーナにはとても思えなかった。

>18 >21
ミニアルが大きくフォークを振りかぶったとき、救いの声が現われた。
「ミルクさん・・・・・・なの?それにキサカさん!無事だったのね!!」
突然現われた大人バージョンのミルクは、チョコナワーズの特性を知らせてきた。
>そして窓に放たれるメギド。
>「こんの腐れチーズがぁ!イラネエこと言ってんじゃねええ!!」
>「てめえは大人しくメギドラオンやってりゃいいんだ!!」
絶叫と共に巨大なチョコフォークはミルクへと投げつけられる。
「も、もしかして・・・・・・これ、ベアトリーチェちゃん?」
混乱しているリリアーナの脳裏に真っ先に浮かんだのは、先程のアルの言葉だった。
(たしかアルはこのチョコを作ったのは私だと仄めかしていたわ。これは一体――――?!)

だがのんびり考えている暇は無かった。
エルザの真上から、巨大なチョコ皿が落下してきたからだ。
「エルザ、私を降ろして!!」
リリアーナは祈るような気持ちでロックバスターを頭上に向けた。
さっき撃てなかったから、今度も撃てないかもしれない。
だが自分の巻き添えで誰かが――――エルザが傷つくなど、あってはならない事だった。
「お願い!ロックバスター!」
リリアーナはありったけの思いを込めて、落ちてくるチョコ皿めがけてロックバスターの引き金を引いた。

25 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前0] 投稿日:2008/05/03(土) 11:30:25 O
>16
「うわ、寒い!」
女子寮の外に出たロックは、外の吹雪に驚いた。
レイドに聞いた時も、メラルから説明された時も、半信半疑だった。
しかし、目の前に広がる銀世界は間違いなく本物だ。
ロックはレインコートのフードを頭に深くかぶりなおした。
「これは大変な吹雪なのだ。メラル先生とレイドが言ってたことは本当だったのだ。」
逆である。それはともかく、ロックはさっきメラルに言われた事を思い出した。
『頭が切れる方なら食堂と図書館、そこまででもないなら食堂と校舎…』
「食堂と校舎なのだ!」
ロックは即座にそう決めた。エルザが知ったら怒るに違いない。

ロックは吹雪の中を歩き出した。激しい雪と、頭にかぶったフードが視界を妨げたが、
レインコートはこの吹雪の中ではとても役に立った。
その時、ロックは誰かと肩がぶつかったことに気づいた。
「ああ、ごめんなのだ。」
ロックは肩をぶつけた相手にそう謝り、その相手をよく見た。
どう見ても、武器を持った骸骨にしか見えなかった。
「うーん、最近はいろんなのが流行っているんだなぁ。モクモク煙の次は機動戦士骸骨なのだ。」
スケルトンは、手に持っていた剣を振り上げ、ロックに斬りかかった。
鈍い音と共に、手首がちぎれて宙を舞う。ロックではなく、スケルトンの手首が、だ。
それは当然の結果だった。鋼のように硬化したロックを全力で斬りつけたのだ。
スケルトンの脆い手首ではその反動に耐えられるはずも無かった。
ロックは落ちてきたスケルトンの手首をキャッチした。
手首の先には、少し錆びた剣がついている。
「俺にくれるのか?ありがとう!あんたみたいな良い骸骨さんは初めてなのだ!」
ロックは意気消沈しているスケルトンにお礼を言い、再び食堂と校舎に向けて歩き出した。

26 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/05/03(土) 11:34:20 O
>21
>「酷いわぁ。一瞬気絶しちゃったじゃない。
> でもぉ、【誰】を足場にしているかわかっていないようね。」
「えっ!?まさか、その声は!…きゃっ!?」
突然足元が落ちたかと思うと、エルザの足をチョコレートが絡めとった。
>「・・・?変異しない?」
「アルナワーズ!」
エルザはチョコレートでできた巨大なアルナワーズの顔に叫んだ。
>「まあいいいいわ。エルゥザ!自分の存在に疑問を抱いテいたわね。
> 自分の身体がレプリカント(義体)だという事いう事いうを嘆いていテいたわね。
> せせせせっかく存在継続のちゃんすヲ上げたのに刺して潰す打何手!(後略)」
「戯言を!やはり、あなたは完全に息の根を止めるべきだったわ!!」
エルザは、自分の身体の事を言われて、怒りをあらわにした。

>20
その時だ。エルザのよく知った声が聞こえてきた。
>「そこでゴスロリ服を着ているのはエルザだよね!?(後略)」
「そういうプニプニしたあなたはミルクなの!?それに、…キサカ!?」
エルザは成長したミルクを見て、信じられないといった顔をしたが、今はミルクの変化に気をとられている場合ではない。
チョコナワーズが、自分をフォークで刺して、巨大なお皿で押しつぶそうとしているのだから。
「ミルク!私は火の魔法も、雷の魔法も使えないわ!…ミルク!危ない!」
エルザはミルクに叫んだ。チョコナワーズがミルクに怒り、彼女にフォークを投げつけたからだ。

>24
しかし、あまり人の事を気にしても居られない。
エルザとリリアーナの頭上からも、巨大なお皿が降ってきているからだ。
>「エルザ、私を降ろして!!」
「…うん。」
エルザはそう言われてしぶしぶリリアーナを降ろした。

>「お願い!ロックバスター!」
>リリアーナはありったけの思いを込めて、落ちてくるチョコ皿めがけてロックバスターの引き金を引いた。

27 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/05/03(土) 19:40:24 O
>17>「失礼します。(中略)幾つかお伝えしようと思い参りました。」
>「まず、この氷の要塞と吹雪についてですが…夜襲を防ぐためとエミューが話したのは事実です。(中略) よって…決闘が始まればここは必ずしも安全というわけではありません。」
>(…ちなみに、相手はリリアーナ…(中略)
 …まぁ、そういうこった。)
(へぇ〜相手がリリアーナねぇ〜…。俺は別に止める気は無いけどさ…)
「1対1で闘う為だけにこんな大袈裟な仕掛けをするとは恐れいったね。
 それ相応の理由があるから仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれないが…。」
そこまで言って一人で鍋をつついているエース先生にワインを持ちながら近付く。
「美味いですかい?」
>「ええ、非常に。」
「んじゃ俺もいただき。」
俺はエース先生の向かいに座り鍋を食べ始める。
「うむ……美味い。で、どうよメラル。今回のイベント楽しんでる?
 俺はね、全然楽しくない。
 罰ゲームで明日はレオ先生と闘わなくちゃならないし…。」

28 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/03(土) 20:27:13 P
>230
集まりだすゾンビの残骸
そして・・・・・・
「ゾンビの癖に合体だなんて!?」
あっと驚くフリージア
その大きさは自分の約2倍である

「いくら大きくなったって所詮はゾンビですわ!!」
むしろ的が大きくなってやり易くなったとフリージアは考える
実際フリージアはもっと大きな敵だって撃退した事があるのである
故に敵が大きくなったぐらいでひるむ筈が無いのだ

>「ヲヲヲヲ・・・・・・・タオス・・・・タオス・・・」
合体ゾンビは腕をまるでドリルのように回転させ襲いかかってきた

「ゾンビの癖にドリルなんてなんて生意気なのかしら!!」
フリージアはそれに対抗するがのごとく右のタテロールを取外し
腕に取り付けると高速回転させ真正面から受けて経つ

「くっ!やっぱりこれだけ大きいとパワーがありますわね」

ギャギャギャギャギャ・・・・・

すさまじい音を立てぶつかり合うドリルとドリル!
あまりの衝撃に舞い上がる雪!

じりじりと力に押され後退していくフリージア
フリージアはこのままやられてしまうのだろうか?

「こうなったら奥の手ですわ!」
フリージアは何を思ったかドリルの回転を急に停止させた
当然砕かれるドリルと腕パーツ
急に抵抗がなくなったのでバランスを崩す合体ゾンビ
盛大に前のめりでぶっ倒れる

「肉を切られて骨を絶つ!ですわ!!」
右腕を失ったフリージングドールではあったが
新たに残る左腕に装着したドリルでバランスを崩した合体ゾンビに襲い掛かる

「とっととあの世にお帰りなさいまし!!」
高速回転するドリルが合体ゾンビの脳天を貫くのであった

「・・・・・・」
一応ゾンビなので頭が消えたぐらいではやられないだろうと警戒して距離をとるフリージア

「やっぱりここはフリージング・ディストラクションかしら?
 それともフリージングドール・マトリオーシカで相手と大きさを合わせるべきかしら?」
なくなった腕とタテロールを再構成しつつ次の一手をどうするか考えるのであった


自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬

29 名前:チョコナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/05/03(土) 23:07:57 0
>24>26
リリアーナがロックバスターを上に向け引き金を引く。
そこから溢れるのは青白い光。
恐怖に駆られ自分を守る為に引いた引き金とは重みが違う。
【誰かを守る】・・・その想いは凄まじい一閃となって落ちてくる巨大なチョコ皿をまるで紙のように貫いた。

だが・・・チョコ皿の落下は止まらない。
純粋なる精神力の塊である一撃は五行吸収システムの枠外。
故に吸収されることも無く、純粋にその力を伝えた。
が、あまりにもその威力は強すぎたのだ。
そしてチョコ皿に比べ、その口径はあまりにも小さすぎた。

チョコ皿の中心に穴を開け、そこから縦横に入るヒビ。
自重によりバラバラになりながらだが、それでも破片一つとっても十分打撃となる大きさである。

バラバラになったチョコ皿が落ちるまでの刹那の間・・・
「ねえ、リリアーナ。」
エルザは静かにリリアーナに話しかけた。
「私は硬化魔法が使えるの。ロックと同じようにね。
 最初はどうしてだかわからなかったけど、今なら、その理由がわかる気がするわ。だから…」
エルザはきっとキサカを睨みつけた。
「キサカ!あんたの顔なんか二度と見たくなかったわ!」
しかし、次の瞬間エルザの顔が優しい笑顔になった。
「でも…今はここにいてくれてありがとう。」
エルザは左手のナイフを捨て、リリアーナをぎゅっと両手で掴むと、
「もってけ!リリアーナ!」
そう叫びながら、リリアーナをキサカに向かって放り投げた。
そして、エルザにバラバラになったチョコ皿が落下した。エルザの目の前が真っ暗になった。

轟音と共にエルザを埋め尽くし、山となるチョコ皿だったもの。
その山を見て苦悶の表情を浮かべる者がいた。
「お・・・あ・・・ぁ・・ヴぁ・・・・!
これは・・・愛・・・?あああああ・・・愛なのがああああ!?」
それはチョコナワーズだった。
エルザの行動が理解できないような・・・否、理解したくないような苦しみ。
ゲル状のチョコが瓦礫の山に覆いかぶさろうと殺到する。

硬化魔法で瓦礫に耐えるであろうエルザを窒息させるためか、絞め殺すためか・・・
その意図は定かではない。

30 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/05/04(日) 01:34:13 0
>>19-20>>22
 キサカは一通り主張を終え、しかしミルクはほぼノーウェイトで、
「異論も意見も特にないわ。キサカの考えは正しいと思う。
 よし。そうと決まれば早速食堂に行くわよ。
 戦いの音も静まったみたいだし、急がないとペンダント全部持って行かれちゃうかも」
 言われてみれば、食堂の方向は静まり返っている。
 ……あんだけ講釈垂れておいて向こうが全滅していたら話にならんな。
 天才の一人や二人いるだろうとは思ったが、よく考えたら居なくても別に不自然ではない。
 障壁を張る余裕ぐらいはあると思ったが、不意打ちを受ける者に期待をするのも無茶というものだ。
 とりあえずキサカはミルクに追走を開始。弱音を吐く時間は無い。

 ミルクの自己紹介に自分も簡単な紹介を返し、時空の狭間の話を聞いて彼女が大人になった理由に納得。
 ともすればリリアーナも成長している可能性が、と思ったところで、聞き覚えのある声が聞こえた。
「リリアーナ!」
 ミルクの表情が一瞬で引き締まり、つられてキサカも前方を見る。
「急ごうキサカ!なんだかリリアーナが危ないみたい!」
 わかってる、とキサカは歩調を速め、
「リリアーナに触らないでって言っているでしょう!!」
 チョコの集団に迫られる二つの影を視認。抱きかかえられた片方は子供らしい。
 片方がゴスロリな点に激しく突っ込みたいがそんな暇は本気で無い。
 よくよく見れば、黒いロングヘアに見覚えがある。
「ア、ア、ア……アルナワーズのバカーッ!役立たずーっ!!
 居場所を当てても五行属性の事を伝えてないなら意味ないじゃないかーっ!!」
 チョコナワーズが食堂とこちらで同時に展開しているとは考えにくい。
 恐らく食堂組はほぼ全滅。嘆かわしい。
 ……というか論述が裏目に出た件について。
 マズイな、とキサカは思ったが、チョコの一部がこちらを向いたのを見て思案を中止。
 二人への警告が終わると同時に、ミルクは核熱で近くの窓を割った。
 途端、
「こんの腐れチーズがぁ!イラネエこと言ってんじゃねええ!!」
 天井のチョコナワーズが表情を変え、威圧感を伴って怒声を放つ。
「てめえは大人しくメギドラオンやってりゃいいんだ!!」
 粗製されたチョコの三叉槍が来た。
 異質な空間で轟音を受け、疲労もあって身体が怯んではいる。
 ……しかしだ。
 恐怖はあるが、先日中庭で味わった程ではない。
 ……行け。
 ミルクの片腕を掴んで強引に引き寄せ、飛んでくるフォークの射線上から外す。
 ……それが仕事だ。
 突然の力に驚くだろうが、あまり気遣っている余裕は無い。
 謝意を耳打ちしてそのままキサカは姿勢を前へ。手擦りを掴んで身を寄せるように、歩を踏み込んで距離を詰める。
 チョコの手が届かないギリギリの位置。エルザ達に一番近い位置だ。

31 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/05/04(日) 01:36:23 0
>>26>>29
 動向を観察しようとして、
「お願い!ロックバスター!」
 落下するチョコレートが砕け、
「キサカ!あんたの顔なんか二度と見たくなかったわ!」
 エルザがこちらを見て、確かに笑顔を見せ、
「でも…今はここにいてくれてありがとう。」
 投げられた少女を受け止め、
「もってけ!リリアーナ!」
 茶褐色の破片がエルザに雪崩れ落ちた。
 しまった、と幼くなったリリアーナを床に下ろしてから思い、しかしそれを傍観してしまう。
 判断が遅い。ただの落下物だから手を打てば防げた筈だ。
 ……行けよ。
「行くさ……!」
 リリアーナにエルザを任せ、キサカは一歩を踏む。
「反響指定――
 “真なる者は――」
 チョコの大群がキサカを捕らえようと手を伸ばすが、
「――たとえ死の凝視の中に立とうとも無傷なり”」
 透明な膜に阻まれるように、腕が形を崩す。
 柔らかいものを壁に押し当てたような様相。
 作用反作用の法則に耐え切れず自壊する。
 何気なく、彼女と初めて会った時を思い出す。
「あの時は悪かったと思ってる」
 前へ。
「でもそんなに憎いなら」
 跳ぶ。
 固まったチョコの山の傍に立ち、
「お・・・あ・・・ぁ・・ヴぁ・・・・!
 これは・・・愛・・・?あああああ・・・愛なのがああああ!?」
 やかましい。
 上から落ちてくる流体に右手をかざした。
 ドーム状にチョコレートが弾かれて茶の半球が出来る。
 粘度のある重量に圧力を感じるが、ここで挫ければ格好がつかない。
「そんな顔で笑わないでほしいね……!」
 チョコが落下した時、硬い物が肉を打つ音は聞こえなかった。
 何らかの障壁を張ったか、身体強化で凌いだか。
 キサカは瓦礫を一つ蹴ってどけ、
「――ともかくお手をどうぞ」
 床に着かない程度に軽く膝を折って、左手を差し出した。

32 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/05/04(日) 18:13:48 O
>21-24 >26 >29-31
>「そういうプニプニしたあなたはミルクなの!?それに、…キサカ!?」
>「ミルクさん・・・・・・なの?それにキサカさん!無事だったのね!!」
あたしの呼びかけに反応する、エルザと抱き上げられた女の子。
え、と。その反応を見ると、あの女の子ってもしかしてリリアーナ?
なんで小さくなってるのー!?
あの時空の狭間はどんな効果になってるんだ!

>「こんの腐れチーズがぁ!イラネエこと言ってんじゃねええ!!」
あたしの言葉に反応したのはエルザたちだけじゃなかった。
チョコナワーズの顔が仮面を脱いだように変化する。
怒りに歪むその顔は、腐海でみたベアトリーチェの顔にそっくりだ。
とうとう本性現しやがったなこいつ!!

>「てめえは大人しくメギドラオンやってりゃいいんだ!!」
>「ミルク!私は火の魔法も、雷の魔法も使えないわ!…ミルク!危ない!」

エルザの警告と一緒にこちらに飛んでくる巨大なチョコレートフォーク。
普段ならメギドで迎撃する所だけど、今は相手が悪すぎる!
どうやって攻撃をかわそうか思案する暇もなく、ぐいと体が引っ張られる。
さっきまであたしがいた空間を引き裂いて飛び去る巨大フォークは、壁に突き刺さってその動きを止めた。
あれ?串刺し一直線コースになると思ってたのにどうなっちゃったの?
思考停止していたあたしの脳は、耳元で聞こえるキサカの声でやっと状況を把握。
どう考えても謝るのはこっちなんだけど、キサカは謝意を伝えてすぐに前にでる。
エルザとリリアーナを助けるために、あたしもすぐにその後に続いた。


ロックバスターが砕いたチョコが、エルザの頭上のチョコを粉砕する。
それでも勢いを崩さず殺到するチョコの瓦礫に埋もれる前に。
>「もってけ!リリアーナ!」
エルザはリリアーナをキサカに投げ渡した。
その姿がたちまちチョコの瓦礫に呑まれていく。
「エルザ!!」
助けたくてもあたしの魔法はチョコレートには通じない。
効いたって中のエルザも無事じゃ済まないから同じ事だ。

>「行くさ……!」
キサカはリリアーナを降ろし、迷わずにチョコレートの海の中に足を踏み入れた。
キサカを掴もうとするチョコの腕は、硬いものに阻まれるように壊れていく。

「リリアーナは大丈夫!?
小さくなった以外にどこも怪我とかしてない!?」
あたしはリリアーナに駆け寄って抱きしめる。
ちっちゃくなった体には特に外傷はなく、それには安心した。

>「お・・・あ・・・ぁ・・ヴぁ・・・・!
> これは・・・愛・・・?あああああ・・・愛なのがああああ!?」
なぜか苦悶の表情を浮かべるチョコナワーズの下。
押し寄せるチョコレートにキサカの防御膜が覆われる。
なにか…なにかキサカとエルザに手助けできる方法は!!
脳裏にピンと閃くものがあった。
うまく行くかわからないけど、なんでもやってみないと始まらない!

「リリアーナ!さっきロックバスターはチョコレートを壊せたよね!?
あのベアトリーチェの顔を狙ってもう一発、さっきと同じのを撃てないかな!?」
スライムには、核を持っていてそこが弱点になってる種類がいる。
意志を持ってるチョコナワーズにも、もしかしたら核があるかもしれない。

33 名前:黒猫ルズ ◇7O/3IU/E7M の代理[sage代理投稿273] 投稿日:2008/05/04(日) 22:44:20 0
>28
>「とっととあの世にお帰りなさいまし!!」
>高速回転するドリルが合体ゾンビの脳天を貫くのであった

倒れ付したゾンビを警戒し、距離を取るフリージア。
>「やっぱりここはフリージング・ディストラクションかしら?
> それともフリージングドール・マトリオーシカで相手と大きさを合わせるべきかしら?」

「フリージア女王様、やったのですわ〜!・・・・・・ああっ!あれは!」
頭が無い巨大ゾンビは7つに砕け、全て拳のような塊に変化した。
一つ一つの大きさはフリージアの頭くらいありそうだ。

7つの塊は宙に浮き、一つ一つがまるで意志をもっているかのようにフリージアへと襲い掛かった。
一つ一つの威力はフリージアのドリルに劣るものの、一つ一つ破壊しても肉片が集まりいつの間にか再生してしまう。
これでは倒してもきりが無い。

「フリージア女王様、こいつら多分肉ゴーレムなのですわ〜。
 ですから肉ゴーレムのコアを潰せば、きっと元の腐った肉団子に戻るはず・・・・フギャ〜っ!!」
腐った肉で作られたにロケットパンチに殴られ、ルズは地面に叩き落された。
雪の上に落下したため怪我は無いようだが、頭を打って気絶してしまったようだ。

フリージアは気づいただろうか?
7つの塊はフリージアに破壊されても、すぐに肉片同士が引き合い再生している。
だだ先程フリージアに頭部を貫かれ、本体から脱落した頭部だけは少し離れた場所に転がったままだということに!

34 名前:チョコナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/05/04(日) 22:49:10 0
>31
キサカはミルクをフォークの軌道上からずらすと、そのままチョコナワーズの領域へと踏み込んでいく。
瓦礫に埋まり気絶したエルザを救う為に。
その行動はまさに死地へと踏み入れることと同義。
天地左右前後全てがチョコナワーズなのだから。

瓦礫を一つ蹴り上げ、エルザの左手と頭が露出した時点で粘体のチョコに包まれた。
翳した右手によって形成された障壁でドーム状に空間が保たれているが決して楽観できる状況ではない。
重量で、そして締め上げ潰そうと圧力をかける。
ドーム内部からはおぞましいものが見えるだろう。
まるでガラスにへばりついた様な無数のベアトリーチェの鬼の形相で埋め尽くされているのだから!
もはや意味不明の馬事雑言を口々に叫んでいる。

この状況は圧殺以外にもう一つの状況を作り出していた。
ドーム内の温度が急激に上がっている事が判るだろう。
このまま上がり続ければ二人とも蒸し焼きになってしまうかもしれない。
が・・・二人が蒸し焼きになる前に、その熱さが作用する物体があった。
それが瓦礫となっていたチョコ。
みるみるうちに固形だった瓦礫は溶け出していっている。
このままだとそう時間がかからず瓦礫は粘体チョコとなり、ドーム内部を満たす事になりかねない!

>32
チョコナワーズ内部でキサカとエルザが圧殺の危機に瀕しているとき、外でも異変は起こっていた。
>「リリアーナ!さっきロックバスターはチョコレートを壊せたよね!?
>あのベアトリーチェの顔を狙ってもう一発、さっきと同じのを撃てないかな!?」
ミルクがリリアーナに説明している間に、後ろからガラガラと崩れる音がする。
壁に突き刺さって動きを止めた巨大フォークが崩れたのだ。
それだけなら何の事もないのだが、問題は巨大フォークの中身だった。

フォークの内部には数体のスケルトンが包み込まれていたのだ。
そして今、崩れたフォークから身を這い出してきた。
ご丁寧にフォークの破片は変化し、スケルトン達の盾となっている。
まるでペルセウスの盾の如く、盾の中心にはベアトリーチェの顔が浮き彫り状態でくっついている。
「銭ゲバ女が!さっさとメギドラオンで反撃しねえと骨の仲間入りだぞゴラァ!」
「レオ先生以外全員チョコになっとけや!」
物言わぬスケルトンたちに代わって、盾に浮かび上がるベアトリーチェたちは口数多く口汚い。

三体のチョコナワーズシールドを構えたスケルトンがミルクとリリアーナに迫る!

35 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/04(日) 23:06:22 0
腐海と化した魔の森最深部。
ライトアップも消え、腐敗ガスにより廃墟の様相を呈しているベアトリーチェ庭園。
その地下のラボでベアトリーチェは深く椅子に腰掛けていた。

目の前には無菌ドーム内のベッドに横たわるソフィア。
全身至る処に鍼が刺され灸が煙を立ち上らせている。
腕には管が数本突き刺さっており、薬品が静かに流れ込んでいる。
凍傷や体力低下を完全回復させるためのあらゆる処置が採られているのだ。
ソフィア自身は眠っているようで、静かな吐息を立てている、

しかし今のベアトリーチェにはその様子は目に映っていない。
治療がもはや終わっている事もあるが、それ以上に目を奪う事が起きているのだから。

幻灯機から壁に映し出される映像。
リリアーナの腰に結わえ付けられた対となる幻灯機から送られてきたものだ。
そこにはベアトリーチェチョコが意識を持ち食堂を侵食し、エルザたちと戦う様が映し出されている。
「・・・一体どうやって・・・?」
その呟きが表わすように、作った本人であるベアトリーチェすら原因はわからなかった。
リリアーナとの合作であった事や、様々な偶然が重なり合っての事なので当たり前だが、驚きを隠しきれていなかった。

こうなると研究者としての本能が疼きだすのも当然の道理。
*サンプルが欲しい*と。
しかし今はまだ儀式の最中。
この場を離れるわけにはいかない。
その葛藤が更にベアトリーチェの目を映像に釘付けにしていた。
お気に入りの水タバコを吸う事も忘れさせるほどに。

故に気付かなかった。
腐海の毒素や胞子濃度を示す計器が異常なまでに高い数値を表わしている事を。
まるで蝋燭が消える間際に一際明るくなるかの如く、腐海は活発に活動を繰り返しているのだった。

36 名前:リリアーナ ◇7O/3IU/E7M[sage 代理投稿276] 投稿日:2008/05/05(月) 01:19:19 O
>29 >31
ロックバスターを使う事は出来たものの、結局リリアーナの力ではチョコ皿をどうにかする事は出来なかった。
「ふえ・・・」
リリアーナの瞳に涙が浮かんだ。
自分のせいでエルザを巻き添えにしてしまった。
でも、こうなってはもう彼女に打つ手は無かった。
>「ねえ、リリアーナ。」
「私は硬化魔法が使えるの。ロックと同じようにね。
>最初はどうしてだかわからなかったけど、今なら、その理由がわかる気がするわ。だから…」
リリアーナは一つ瞬きをした。エルザはリリアーナを両手で掴むと、キサカに向けて放り投げた。
エルザの上にチョコの瓦礫が降り注ぎ、彼女の姿を見えなくしてしまった。
「エルザっ?!・・・・・やだっ!エルザ、エルザ ―――っ!」
キサカはリリアーナをミルクに任せ、エルザを助けに行った。

>32
>「リリアーナは大丈夫!?
>小さくなった以外にどこも怪我とかしてない!?」
「私はだいじょうぶ・・・でも・・・エルザがチョコに埋もれちゃったよう!私っ・・・私のせいだ!
 ぐすっ・・・うえぇぇえん!!」
ボリュームアップしたミルクの胸に抱きしめられながら、リリアーナはわんわん泣き出した。

>「リリアーナ!さっきロックバスターはチョコレートを壊せたよね!?
>あのベアトリーチェの顔を狙ってもう一発、さっきと同じのを撃てないかな!?」
リリアーナは真っ赤な鼻をしながら、ミルクの顔を見上げる。
「ぐすっ・・・ぐすっ・・・さっきと同じの?でも、撃ってもあんまり効果なかったよ・・・?」
ミルクの肩越しに、チョコの隙間から白い手が見えた。
ぐすぐす言っていたリリアーナの表情が変わった。
「・・・・・・やる。怖いけどやってみる。
 ねえミルク、よくわかんないけど、あれはベアトリーチェちゃんのチョコのなれの果てなのね?
 で、良く分からないけど、チョコはミニアルとも合体したのよね?」
もしそうだとしたら、それなりのやりようがあるというものだ。

>ミルクがリリアーナに説明している間に、後ろからガラガラと崩れる音がする。
>壁に突き刺さって動きを止めた巨大フォークが崩れたのだ。
ベアトリーチェの顔がついたチョコの盾を持つ骸骨を見て、リリアーナは震え上がった。
(や、やっぱり怖いよう・・・!!)
がくがく膝を震わせながらも、リリアーナは何とかその場に踏みとどまった。
エルザとキサカがチョコの中に閉じ込められている。今逃げ出すわけには行かなかった。
(大丈夫。チョコのお皿が砕けたんだから、チョコの盾だってきっと壊せるはず!)
リリアーナはチョコナワーズシールドを破壊すべくロックバスターを発射した。
チョコナワーズシールドさえどうにかすれば、スケルトンなどミルクの敵ではない。

スケルトンに背を向け、リリアーナは目を閉じた。
視覚を遮る事で、魔力の流れをより感じやすくするためだ。
「ミニアル〜、これな〜んだ?」
目を閉じたまま、リリアーナは幻灯機を高々と掲げた。
チョコナワーズになったとはいえ、ミニアルはもともと思念体。
幻灯機は彼女にとって特別な存在に違いない。
(それに、ベアトリーチェちゃん素直じゃないんだもん)
ベアトリーチェを知っている者しては、彼女の思念が篭るチョコが分かりやすい弱点を晒すとは考えにくかった。
だから幻灯機を使い、魔力の流れ出巨大なチョコナワーズの中の重要な部分を見極めようとしたようだ。
(仮にコアを破壊できなくても、一時的にチョコナワーズの気をそらせる事は出来るはずだ)

リリアーナは覚悟を決め、幻灯機を空中に放り投げた。
そしてチョコナワーズの体内で一番魔力の流れが大きかった部分に向けてロックバスターを撃ちこんだ。

37 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/05/05(月) 11:48:54 O
>31
キサカに声をかけられても、エルザはピクリとも動かなかった。
瓦礫から、左手と頭だけが露出している。外傷は見られないが、
その半開きの目には、何かを見ているような様子は無かった。
エルザは気絶しているのだが、人形の身体では死んでしまったようにも見えるから困りものだ。

>34
そうしている間にも、キサカとエルザに危機的状況が訪れる。
キサカの防御魔法の上から殺到するチョコレートが、
いずれ二人を圧殺しようとしているのだ。それだけではない。
ボイル・シャルルの法則によるものか、
チョコナワーズによるものかはわからないが、
防御魔法内の温度が高くなってきているのだ。そんな状況にもかかわらず、
エルザはまだ目覚めないでいる。鬼の形相のチョコ達がどれだけ叫んでも、
エルザの耳には入らないだろう。エルザはとても大切な夢を見ているからだ。

エルザはガジュマルの木の下にいた。どうしてここにいるのだろう?と思ったが、すぐにわかった。
自分は夢を見ていたのだ。それにしても恐ろしい夢だった。
しばらくは、チョコレートを食べたいと思うことはなくなるだろう。
エルザが長いため息と共に体を起こすと、木の上から、ドサッと何かが落ちてきた。
>「全く、随分長い間眠ってたな。そのまま目覚めなかったらどうしようかと思ったぜ。」
エルザは木の上から落ちてきた少年、ロックに聞いた。
「ねえ、ロック。私、夢の中であなたからガジュマルの実をもらったの。
 この実にこの世界で最も偉大な魔法が込められているって、あなたそう言ったわ。
 ねえ、どういう意味かしら?」
ロックはエルザの隣に座ると、ガジュマルの実をエルザに渡した。
エルザはすぐにそれを割り、中から数粒の種を取り出した。
>「どうして実を割ったんだ?」
「大切な物は、いつも内側にあるからよ。」
>「本当にそうか?ガジュマルは自分の種を守るために硬い殻をつくった。
> その働きが、中の種ほど大切じゃないと思っているのか?」
エルザは何と言っていいかわからず黙ってしまったが、ロックが答えを言った。
>「それがハードニングの意味なんだ。
> 俺達が普段何気なく使う魔法には、それぞれに自然の原理が込められている。
> エルザ、種を割ってみろ。」
エルザは言われたとおり、種を割った。しかし、その中身を見ても、
何も感じなかった。種の中身が空っぽだったからだ。
>「本当に空っぽに見えるか?」
ロックがエルザの心を見透かしたように言った。
>「エルザ、ガジュマルの大木の命は種から生まれたが、種の中には何も無かった。
> 自我という存在もこの神秘的な原理の中にあるんだ。俺だってそうだし、お前だってそうだぞ。
> これがこの世界で最も偉大な魔法なんだ。」


38 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/05/05(月) 11:49:37 O
「…わからないわ、ロック。あなたは一体、私に何を求めているの?
 私…人形なのに…子供だって、できないのに…」
エルザはそう言いながら涙を流した。ロックは言った。
>「俺はただ、お前に自分の正体に気づいてほしいだけだ。
> いいか?お前がこの世界で生まれた時の事をよく思い出してみろ。」
エルザはロックの部屋で目覚めた時、机の上にあった書置きの事を思い出した。
「…まさか、そんな!?ああ!!」
エルザは小さく悲鳴をあげた。
書置きに書かれていた『君の願いは昨日かなったよ』の本当の意味を、
そしてロックが自分を好きだといった理由も、そして今自分がこの世界にいる意味も、
エルザは全てわかったのだ。そして、エルザの目の前が真っ白になった。

チョコの瓦礫に埋もれていたエルザの目が、突然かっと開いた。
その目がキサカを捉え、そして言った。
「キサカ、吹き飛ばされたくなかったら伏せて。」
エルザの魔力が高まり、そして開放された。
「スカラ・プレッシャー!!」
エルザの周囲一帯に圧力波が放たれた。以前現実世界の森を破壊したこの魔法の威力は折り紙つきである。
二人を押しつぶそうとしていたドロドロのチョコ達を、
さらに、エルザを埋めていたチョコの瓦礫(少し溶けかかった)を全て吹き飛ばした。
「今ならわかるわ!ハードニングの意味!私を守ってくれている!」
エルザが嬉しそうにそう叫んだ後、体も、髪も、目も、さらには服装まで全て銀色に変わった。
エルザは、ハードニングを超えるハードニング、スーパーハードニングをついに発動したのだ。
ハードニングとは、体を鋼のように硬くする魔法であるが、
スーパーハードニングは体を鋼そのものに変えてしまうのだ。
「負けてられないのよ!あんたなんかに!」
エルザはチョコナワーズに叫んだ。

39 名前:チョコナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/05/06(火) 00:26:05 0
>36
震えながらも意を決したリリアーナの攻撃は、違う事無くスケルトン達の盾に命中した。
というより、スケルトン達が盾で受けたのだ。
勿論それは魔法攻撃を吸収するためであったのだが・・・
どの属性にも拠らぬ純粋なる精神力を弾とするロックバスターの前には無力だった。
*パリン*と渇いた音を立て盾は砕け落ちる。
が、盾を失っても三体のスケルトンたちは動きを止めず、むしろスピードを上げて間合いを詰めて攻撃を仕掛ける。

背後でスケルトン達がミルクに襲い掛かる一方でリリアーナは目を閉じていた。
>「ミニアル〜、これな〜んだ?」
チョコナワーズに呼びかけ、幻灯機を空中に放り投げた。
チョコナワーズの核を見極めるために。

この行動は正しかった。
チョコナワーズの核はミニアルを取り込んだ一欠けらのベアトリーチェチョコ。
他の99.9%以上は変異同質化したチョコ体なのだ。
小さな核は100m級の体の中を絶えず流れ動き、その位置を掴ませないようにしていた。
だからこそリリアーナの策は効果を発揮する。
幻灯機から離れ随分と時間が経っているミニアルナワーズ。
既に劣化が始まり、人格の比率はベアトリーチェの残留思念にが殆どを占めている。
故にミニアルの残留思念は強く幻灯機を求めた。
その結果、ベアトリーチェチョコの欠片もそれに引っ張られるように空中の幻灯機へと引かれたのだ。

閉じた瞼の裏にうっすらと光点が見えただろう。
それこそ魔力の流れのイメージ。
リリアーナはそこにロックバスターを打ち込んだ。
巨大軟体のチョコナワーズの一角に小さく穴が開く。
軟体ゆえにその穴は直ぐに塞がってしまうのだが、確かにロックバスターの閃光は核を打ち抜き消滅させていた。

>38
一方、チョコナワーズの中で防壁により何とか空間を保っていたキサカとエルザ。
空間内の温度はどんどん上がり、胸焼けのするようなチョコ臭で満たされている。
そんな中で目を覚ましたエルザは、確実に何かが変っていた。
巨大な軟体チョコの中からミルクやリリアーナの耳に声が聞こえてくるだろう。
>「スカラ・プレッシャー!!」
それと同時に、覆っていたチョコは全て吹き飛び、エルザとキサカの姿が露になった。
>「負けてられないのよ!あんたなんかに!」
力強く叫ぶエルザは体だけでなく服まで銀色に変っている。
鋼となったエルザが力を漲らせ咆哮する!

だが・・・これで終わる程チョコナワーズは大人しい生命体ではない!
吹き飛ばされたといっても、ぶつかるところは結局は同じチョコ。
不定形の粘体ゆえにまた一つの体に戻るのだ!
が・・・様子がおかしい事に気付くだろうか?
校舎の一角全体がグラグラと揺れ始め、チョコナワーズ全体がうねり、形を変えてゆく。

40 名前:チョコナワーズ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント68] 投稿日:2008/05/06(火) 00:26:14 0
「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」
その雄叫びはベアトリーチェのものでも、ミニアルナワーズのものでもなかった。
核となっていた両者の思念は既に消滅している。
数十の声の合唱のような雄叫び!

元々チョコナワーズに取り込まれた生徒達は死んだわけではない。
体組織が変化し、チョコとなっていたのだ。
今までは核となっていたチョコナワーズが数十人の意識を統合し支配していたのだが、その枷が取り払われている。
結果、数十人に上る意思を持つチョコたちの意識は混ざり合い、一つの安定形態をとることになる。
それが【群れ】の共通項目。
生物の本能としてある群居性欲求や相互受容認知というものが強く作用したのだ。
そして意思を持つものが最も安定する形態にその姿を変えることになる。

チョコナワーズは粘体のスライム状の形態を捨て、固体の巨大な人型へと変った。
数十人の意識の混濁によって形成された姿は人型では合っても人間には程遠い。
目や口、顔、腕が至る処から生え、かろうじて人のような形を成している異形の化け物。
とはいえ、その巨体ゆえに直立するなど不可能。
校舎の一角に押し込められたような形となっている。
エルザ、キサカ、リリアーナ、ミルク、ランドからは廊下や食堂一杯に広がる巨大な顔と腕しか認識できないだろう。
「「「ギリャダガバヴァアアアア!!」」」
意味不明の呻きと共に廊下の壁が粉砕され、巨大な拳がエルザを襲う。
勿論、鋼と化したエルザをチョコの拳が粉砕する事などありえない。
実際に握られた拳の中指がエルザを捉えるも、逆に中指か砕けてしまう。
が・・・それでも巨大質量の大突進。
硬い事と運動エネルギーはまた別問題。
拳にエルザをめり込ましたまま、チョコナワーズの拳は止まらず、このまま軌道を貫けばキサカをも巻き込むだろう。

一方、リリアーナとミルクにももう一つの腕が迫る。
広げられた掌にはシーリの顔が浮かび上がっていた。
「ミルク、お願い、攻撃しないで。
私たちチョコになっちゃったけど、死んだわけじゃないの。
死にたくない・・・。お願い、攻撃しないで!」
哀願するシーリの顔が押しのけられるように別の顔が浮かび上がってくる。
薬物学科のリーダーの顔だった。
「わははは!騙されるな。個の自我を保っているのは俺くらいのものだ。
俺の内部工作と核の消失によって五行システムも感染能力もなくなった。
こいつの特性は超巨大チョコゴーレムと変らなくなっているんだ!
集団ヒステリー状態で群集意識を保っているだけだから構うんじゃない!」
L5実験室の再現のような状況がミルクに突きつけられるのであった。
勿論迷っている時間がそれ程あるわけではない。
そうこういっている間にも巨大質量のチョコの腕は押し潰さんといわんばかりに迫っているのだから。

41 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 13:21:25 P
>33
>「フリージア女王様、やったのですわ〜!・・・・・・ああっ!あれは!」
案の定、やられてなかった合体ゾンビ
7つに分離してフリージアに襲い掛かってきた
「私しつこい方は嫌いですの!!」
と上から襲ってきた塊をドリルで貫くフリージア

どうやら一つ一つはそんなに強くは無く
フリージアのドリルで簡単に粉砕できるようだ
「ひとつ!ふたつ!みっつ・・・・」
次々と塊を破壊していくフリージア
しかし・・・・・

「な!?再生してますの?」
バラバラの破片が集まってまた塊になっていく
これはどういうことだろう?

「これじゃあ壊しても壊しても元に戻ってきりがありませんわ!!」
そう!いくら塊を破壊しても次々と再生してくるのである
このままでは永遠に闘い続ける羽目になってしまう

「一体どうすれば?」
こう言っている間にも次々と襲い掛かってくる腐肉の塊
フリージアはとっさに雪の結晶の盾を作り出しそれを防ぐ

>「フリージア女王様、こいつら多分肉ゴーレムなのですわ〜。
 ですから肉ゴーレムのコアを潰せば、きっと元の腐った肉団子に戻るはず・・・・フ

ギャ〜っ!!」

「ああ!?一度ならずも二度までもよくも私の目の前で猫ちゃんを傷つけてくれましたわね!!」
激昂するフリージア!

「わかりましたわ、コアですわね!とっとと探し出して粉砕して差し上げますわ!!」
とそれっぽいものが近くに無いか回りを見渡してみる

「あれは!?」
どうやらフリージアは弱点を見つけたようだ
それは頭部!穴の開いた頭部である!!
不自然なことにそれだけはまったく動いていない!!

「穴ぐらいじゃなんとも無いと言うのなら完全に粉砕して差し上げますわ!!」
フリージアは巨大な氷の塊を魔力で作り出し
「氷結散弾脚!!」
という技名と共にそれを蹴り砕いた
蹴り砕かれた氷の破片は合体ゾンビの頭だった部分に次々と襲い掛かる

「お〜ほっほっほっほ!レオ先生の炎弾散弾脚を私なりにアレンジした氷結散弾脚のお味はいかがかしら?」
果たしてそれは本当にコアであったのだろうか?
どちらにせよバラバラになったことには変わりが無いようだ
まさに粉砕!玉砕!大喝采!!である



自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬

42 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/05/06(火) 18:30:36 O
>34 >36
>「ぐすっ・・・ぐすっ・・・さっきと同じの?でも、撃ってもあんまり効果なかったよ・・・?」
「そんな事ないよ!さっきチョコレートの皿を壊せてたじゃない!
ちゃんとあいつの核を潰せたら絶対効果があるはず!」
そう言ってみたけど、そんな弱点があるかどうかはわからない。
あったとしても今度はどこを狙えばいいかがわからない。
それでも何もしないよりは百倍マシだ!

>「・・・・・・やる。怖いけどやってみる。
>  ねえミルク、よくわかんないけど、あれはベアトリーチェちゃんのチョコのなれの果てなのね?
>  で、良く分からないけど、チョコはミニアルとも合体したのよね?」
「え?うん、そうだけど」
体と一緒に心まで幼児化したように思えた、リリアーナの表情が変わった。
やる気が出たのはいいんだけど、チョコナワーズとミニアルナワーズの合体が今なにかに関係あるのか?
内心首をひねりながら答えるあたしの後ろで、ガラガラと崩れるような音がする。
見れば崩れたチョコレートフォークから、三体ほどの骸骨が這い出してきた所だった。
チョコレート色をしてないから属性吸収力はないようだけど、問題は持ってる盾の方。
ご丁寧にベアトリーチェの顔と声つきで吸収能力をアピールしてくれています。

>「銭ゲバ女が!さっさとメギドラオンで反撃しねえと骨の仲間入りだぞゴラァ!」
「そんなわかりやすい挑発に引っ掛かる奴がいるかバカ!!」
言い返したものの範囲魔法で盾以外の場所を狙うなんて無理だ。
格闘戦でスケルトンに勝てる自信なんかないし、このままじゃ本当に骨の仲間入りしちゃうぞ!

その時、リリアーナが震えながらもロックバスターでスケルトンを攻撃した。
無属性を吸収できないチョコレートの盾は攻撃を止められず、皿の時と同じように砕け散る。
「ナイスアシスト、リリアーナ!」
身軽になったスケルトンが素早く間合いを詰めてくる。
でも邪魔がなくなったのはこちらも同じ事。
骸骨ごときがあたしの魔法を受けて無事でいられると思うなよ!
「メギド!」
あたしの放った核熱は、スケルトンたちの足以外の部分をきれいに吹き飛ばす。

43 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持2投下3】] 投稿日:2008/05/06(火) 18:34:35 O
>37-40
>「ミニアル〜、これな〜んだ?」
後ろではリリアーナがミニアルナワーズに語りかけている。
振り向けば、幻灯機を放り投げたリリアーナが、チョコナワーズをロックバスターで撃ち抜いた所だった。
>「スカラ・プレッシャー!!」
さらにエルザの声と共に、チョコでできたドームが内側から爆発。
>「負けてられないのよ!あんたなんかに!」
キサカとエルザの無事な姿が見えてホッとしたけど、なんだかエルザの体や服の色が違うような…
あれもエルザの魔法?でもハードニングとはまた違うみたいだけど?

吹き飛ばされたはずのチョコナワーズが、また一つに集まり始めた。
どうやらしぶとく生き残るところまで作り主に似たらしい。
「こいつまだ生きてるわよ!みんな気をつけて!!」
みんなに警告はしたけど、なにかがおかしい。
>「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」
チョコナワーズが。いや、チョコナワーズだったものが叫ぶ。
スライム状じゃなく、子供が遊びで作った泥人形のようなその姿で。
どうやらリリアーナかエルザの攻撃で、チョコナワーズの意思は消え去ったようだ。
そのかわりに理性じゃなくて本能が出てきたってところか。

>「「「ギリャダガバヴァアアアア!!」」」
なにかを叫びながらチョコナワーズは巨大な腕でエルザを殴りつけ、さらにキサカを襲う。
「エルザ!?」
もう片方のうでがこっちを攻撃してきたから、あたしには声をかける以上の事はできない。

>「ミルク、お願い、攻撃しないで。
>私たちチョコになっちゃったけど、死んだわけじゃないの。
>死にたくない・・・。お願い、攻撃しないで!」
>「わははは!騙されるな。個の自我を保っているのは俺くらいのものだ。
>俺の内部工作と核の消失によって五行システムも感染能力もなくなった。
>こいつの特性は超巨大チョコゴーレムと変らなくなっているんだ!
>集団ヒステリー状態で群集意識を保っているだけだから構うんじゃない!」
巨大な掌に浮かぶシーリやリーダーの顔が語りかけてくる。
前の実験室の時と同じく迷う暇はない。でも、今回は迷う必要もない!

「リリアーナ!ごめんちょっとだけ離れていて!」
リリアーナに声をかけてから腕の攻撃範囲の外に突き飛ばす。
これであたしがしくじっても、リリアーナは多分大丈夫。
「心配しないでシーリ!あたしがあんたを殺すわけないでしょ!」
掌に浮かぶシーリの顔に叫び返しながらも、チョコレートゴーレムと迫る腕に魔法範囲を定める。
ここはリバース内だから、今もしシーリを消し飛ばしても本当に殺すわけじゃない。
それにリリアーナと自分を守るためだから、正当防衛が余裕で適用できるしね。
「それから薬物学科のリーダー!五行属性の説明と内部工作助かったわ!
もう一回だけ、ベアトリーチェに勝つための手助けをお願い!メギドラオン!!」
あたしの魔法で、迫る腕とチョコナワーズが大爆発を起こした。

44 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持2] 投稿日:2008/05/06(火) 19:19:50 0
>40
> 「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」
> チョコナワーズは粘体のスライム状の形態を捨て、固体の巨大な人型へと変った。
> 「「「ギリャダガバヴァアアアア!!」」」
> 意味不明の呻きと共に廊下の壁が粉砕され、巨大な拳がエルザを襲う。
「くっ!?」
エルザは体の前で両手をクロスし、その拳を受け止めた。
> 勿論、鋼と化したエルザをチョコの拳が粉砕する事などありえない。
しかし、エルザでは圧倒的質量を持つ拳の勢いを止める事はできなかった。それこそ、拳と一体になりながらキサカに迫る。
「変身した私を、ただの鉄でできた人形だと考えているのなら…」
エルザは自分の体に魔力を込めた。キサカと衝突するほんの一瞬前の事だ。
「それがどれだけ甘いか、思い知らせてあげるわ!」
そう叫ぶとエルザはキサカを抱え上げ、真上に飛んだ。これは比喩ではない。文字通り“飛んだ”のだ。
エルザは自分の体に、ロックの十八番である物体操作の魔法をかけたのだ。
ロック本人は生身の肉体であるため、この方法で跳ぶことができない。
しかし、全身が鋼でできている今のエルザなら可能となるのだ。
「ぬあああああっ!!」
エルザはその勢いのまま、天井を突き破り(一応キサカをぶつけないように気をつけて)外に出た。
外は予想したとおり吹雪だった。それにしても因果なものである。
エルザをお姫様抱っこしたキサカが、今度はエルザにお姫様抱っこされているのだから。
「これでも、くらええええっ!!」
エルザは今度は急降下し(一応キサカを振り落とさないように気をつけて)、屋上をその鋼の足で蹴り砕いた。
天井の瓦礫が、まるで意趣返しとばかりに、チョコナワーズに降り注ぐ。
しかし、チョコナワーズには物理的な攻撃は通用しない。
どれだけ瓦礫を落とされても、チョコナワーズには何のダメージも無いだろう。
だが、エルザの狙いはそれとは別にあった。
天井に開いた大きな穴から、吹雪が容赦なく吹き付ける。
その吹雪は、やがてチョコでできたチョコナワーズを冷やして固めてしまうだろう。
もっとも、エルザの期待はいい意味で裏切られる事になる。

>43
エルザがさらに大きな穴を開けようと、再び上昇したその時、
下の方で大爆発が起こったのだ。エルザはその爆発に心当たりがあった。ミルクの核熱魔法だ。
「…どうやら、勝負あったみたいね。」
エルザはキサカにそう言い(しかし決して目を合わせず)、ゆっくりと下に降りていった。
果たして、チョコナワーズは本当に倒されたのだろうか?

45 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 21:21:00 0
>>37-38>>44
 ドームを支える腕どころか腰に負担が来た。重圧が強くなってきている。
 そろそろ支えきれないな、と思い、どうやって脱出しようかとキサカは考える。
 障壁を解除して連続で引用する余裕は無い。
 傾向の違う二つを同時に使うのは現状不可能。
 自身を強化してチョコを無理矢理抜けるのも一つの手だが、エルザを放置することになる。
 空間転移の媒介も無い。
 雷の引用は位置が悪い。
 そもそも余力が少ない。
 ――根性か。
 玄関の奴らを素直に誘えばよかったと後悔し、組んだ理論に自己嫌悪し、
 ……いっそ死ぬか?
 死ぬのは痛い。
 痛いのは嫌だ。
 エルザも救え。
 ではどうする。
 チョコナワーズが激昂しているせいなのか、なにやら暑い。
 今の所弾いているチョコレートは酷い形相になっているが、気味が悪いだけで届いていないから無視。

 蹴った瓦礫の下からエルザが顔を出したが、差し出した手は掴まれず、自分で這い出してくる様子も無い。 
 ……気絶してる?
 目を剥いて気絶とは怖い。まあ自分と違う相手に常識を問うてもどうにもなるまい。
 と、熱のせいか瓦礫に湿った光沢が生まれる。
 これはマズイ、と手を掴み引きずり出そうと思ったが、
 突然焦点の合ったエルザの目がキサカをはっきり見た。
「キサカ、吹き飛ばされたくなかったら伏せて。」
 へ? とキサカは気の抜けた声を出し、障壁はなるべく固定したまま慌てて身を落とす。
 目の前から威圧感を感じ、魔力を感じ、
「スカラ・プレッシャー!!」
 咄嗟に顔を庇った一拍の後、エルザから圧が生まれた。
 瓦礫が弾け飛んでドームが砕ける。
 飛び散ったチョコレートは撒き散らされて崩壊。茶片も砕かれて沼に沈んだ。
「今ならわかるわ!ハードニングの意味!私を守ってくれている!」
 顔を上げた眼前、銀色の塊が立っている。
 細かな長髪までもが銀に染まり、生気の戻った顔には力がある。
「負けてられないのよ!あんたなんかに!」
 逞しいねぇ、と引用は解かぬままキサカは一息。

46 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 21:21:52 0
>>44
 そろそろ潮時かと腰を上げると、悲鳴とも砲声ともとれぬ大音が辺りを跳ね回る。
「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」
 轟音と共にチョコナワーズは変形を開始。
 成った形は巨人だ。
 合体から大した間もなく前から拳が来た。
 打撃だ。射線はエルザへ一直線。
 引き込むには遅く、それほど簡単に動くとは思えない。
 拳を止めるほどの余裕も余力も無い。
「くっ!?」
 エルザが拳を真正面から受け止める。
 大丈夫か? と思ったが何か出来るわけでもない。
 そのままこちらに来た。
 避けずにはいられない、と思ったがタイミングが悪い。
「変身した私を、ただの鉄でできた人形だと考えているのなら…」
 直撃とは言わないが引っ掛かりそうだ。
「それがどれだけ甘いか、思い知らせてあげるわ!」
 ギリギリのタイミングで身を翻そうと思い、しかしその瞬間にエルザに抱き上げられ、
「ッ!?」
「ぬあああああっ!!」
 驚く暇も無く天井を突破した。

 抱き上げられたまま屋上に出、吹雪に身を震わせて状況を確認。
 空飛べるなんて聞いてないんだぜと驚いて一息。何にせよ窮地を抜けたのは確かだ。
 助かった、と思って硬い腕の不安定さに身を強張らせ、
「これでも、くらええええっ!!」
 突然の浮遊感に本気で焦った。
 破砕音。
 落礫音。
 慣性力。
 落ちる、と思わずエルザの肩に手を掛け、安定すると同時に離した。
 再び視界が昇っていくのを見て、いや待て先に降ろしてくれ、と言おうとキサカが口を開くと、下方から光と爆音が来た。
「…どうやら、勝負あったみたいね。」
 急降下が中止され、視界がゆっくり下がっていく。
 ……ミルクか。
 多分何かあったのだろう。そうでなければ吸収される火をわざわざ放ったりはしない。
 多分。
「だといいけどな」
 二人は再び甘ったるい釜の中へ降りる。

47 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 21:29:13 0


>「1対1で闘う為だけにこんな大袈裟な仕掛けをするとは恐れいったね。
  それ相応の理由があるから仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれないが…。」
メラルは返事に困り、黙ってしまった。下手な事を言えばその儀式のために犯したリスクなどの、
知られてはならない情報を与える切欠になってしまいそうだったから。

そして、レイド先生も鍋を食べ始め…改めて質問をしてきた。
メラルは、レイド先生達…というより、鍋とは距離をとって、
部屋の奥のほうにある椅子に腰掛けて話し始めた。
>「うむ……美味い。で、どうよメラル。今回のイベント楽しんでる?  俺はね、全然楽しくない。
 罰ゲームで明日はレオ先生と闘わなくちゃならないし…。」
「私は…楽しんでますよ。…ここなら、周囲への影響を考えると、
 普段は使えないような術も遠慮なく使えますし。
 …懐かしい人と戦う事もできましたし。それに、森の方でも
 とても面白い事をしてくれた人がいるようですし。…純粋に
 イベントとしてだけ見るなら一部不満はありますけど。例えば…。」

続けてメラルが何かを言いかけて、それを誤魔化してから話を続けた。
「…いえ、これは今更言ってもしょうがない事ですね。
 それと、…何故先生がレオ先生と戦うのが罰ゲームになるのか、理解しかねます。
 先生なら転移の術を織り交ぜて、常に距離をとりつつ
 遠距離攻撃を浴びせていけば、かなり有利に戦えるはずだと思うのですが…。」
メラルは、罰ゲームの中で課せられた"制約"を知らない。
だから、根本的な部分を勘違いしているようだ。

しかし…この後、メラルが水晶球を片手に、危険な笑みを見せて聞いた。
「先生。今無事な人たちの中で…明日の朝、まともに立っていられる人は…何割位いると思います?」



48 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 23:51:24 0
>38
「やった・・・・・の?」
リリアーナは不安になった。確かに魔力の流れを掴んだ。確かに核を撃ち抜いた筈だった。
だがロックバスターの穴はすぐに塞がり、外見上まだ変化らしい変化も見受けられない。
「やっぱり・・・私じゃだめだったのかな?」
リリアーナは項垂れ、がっくりとその場に膝をついた。

その時だった。
>「スカラ・プレッシャー!!」
チョコドームが内側から吹き飛び、中からキサカとエルザが姿を現した。。
>「今ならわかるわ!ハードニングの意味!私を守ってくれている!」
>エルザが嬉しそうにそう叫んだ後、体も、髪も、目も、さらには服装まで全て銀色に変わった。
>「負けてられないのよ!あんたなんかに!」
「エルザ・・・なの?」
確かエルザは、自分はロックと同じハードニングが使えると話していた。
では、あれがエルザの言う『ハードニング』なのだろうか?

>吹き飛ばされたはずのチョコナワーズが、また一つに集まり始めた。
>「こいつまだ生きてるわよ!みんな気をつけて!!」
>「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」
「ふええ・・・?!」
理性の欠片も感じられない咆哮を聞き、リリアーナは震え上がった。
今やチョコナワーズは、チョコで出来たグロテスクな巨人に変化していた。
巨大な手がエルザとキサカを襲う。

>「変身した私を、ただの鉄でできた人形だと考えているのなら…」
>「それがどれだけ甘いか、思い知らせてあげるわ!」
>そう叫ぶとエルザはキサカを抱え上げ、真上に飛んだ。これは比喩ではない。文字通り“飛んだ”のだ。

刹那、リリアーナは何だかとても不思議な感覚に陥っていた。
キサカを抱え、天井を突き破り外へと飛び出して行ったエルザの背中に翼が見えた気がした。。
不思議だ。
今のエルザに彼女の面影などどこにも無いし、リリアーナは彼女と実際には会った事も無い。
(なのに、なぜこうも彼女のイメージとダブって見えるのかしら?)

だがぼんやりしている暇は無かった。
>巨大な掌に浮かぶ女子生徒や、さっきリリアーナ達にコンタクトを取ったリーダーの顔が語りかけてくる。
リリアーナはミルクの背中に隠れ、おそるおそるその様子を見ていた。
どうすれば良いんだろう?とチョコに浮かぶ顔とミルクの横顔を交互に見比べる。

>「リリアーナ!ごめんちょっとだけ離れていて!」
>リリアーナに声をかけてから腕の攻撃範囲の外に突き飛ばす。
ミルクに突き飛ばされ、リリアーナは情けない声をあげつつ雪の中に顔から突っ込んだ。
「・・・・・・・・・・・・。」
リリアーナはしばらくその場に突っ伏していたが、やがてがばっと顔を上げた。
ミルクに向かって叫ぼうとした次の瞬間、それは起こった。

49 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/06(火) 23:51:57 0
>16
>『リリアーナ、私よ。あなたにも事情があるでしょうし、今すぐとは言わないわ。…二時間位後までに、
> 一人で動けるようにしておいて。会う場所は…追って連絡するわ。』
リリアーナは大口を開けたまま、しばし固まっていた。
「ま・・・・・・待ってメラルさん!無理よ、とても行けそうに無いわ・・・・・・って、ちょっと聞いてる?!」
リリアーナは必死に指輪に向かって説得しているようだが、既にメラルとの通信は切れていた。
「うわああぁぁぁああん!メラルさんのいじめっこ〜っ!!」
リリアーナがその場に突っ伏すと、ずっと前方でミルクが魔法をはつどうしているのが見えた。
ミルクのメキドラオンはチョコナワーズの腕もろとも大爆発を起こした。

37-38 >44
>「…どうやら、勝負あったみたいね。」
「ミルク凄い!で、もう大丈夫なのかな?かな?」
リリアーナが顔にくっついた雪を払い落とすと、ミルクの修道服の裾を掴んだ。
エルザはキサカにそう言い(しかし決して目を合わせず)、ゆっくりと下に降りていった。
「エルザっ!キサカさーん!!大丈夫?ねえ大丈夫だった?」
エルザが降りてくると察したリリアーナは、嬉しそうにエルザ達の方へと駆け寄る。
>果たして、チョコナワーズは本当に倒されたのだろうか?

50 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/05/07(水) 16:58:22 0
地下図書館ではゲートより魔物が死王に呼応して再度襲来して消費された戦力が新たに補充される。
しかしいまだに死王は指揮を直接とるどころか、その姿さえ現さずにいた。
思うがままに愚直に進軍を繰り返すだけの魔物たちはいずれ全滅されることだろう。
そんな状態の中、死王の所在はいままでいた領地を離れ、ある場所へゲートを使って居場所を変えていた。


ヴァンエレンは古ぼけたような夢を見ていた。
学園に召喚される遥か昔、まだ吸血鬼の一族とともに暮らしていたときのこと。
なによりも恐ろしい父と優秀でいつも機嫌の悪い兄に一度も笑ったとこがない母、そして一番出来の悪い自分。
思い出したくもない日常が夢にまで出てくるということはあの屋敷に未練がまだあるということなのか…。
一族の機嫌をうかがう自分の末路。
猿回しの猿のように魔者という性に操られて、物言わぬ相手に縮こまっている無機質な夢。
しかし一族が笑うわけはなく、永遠に続くご機嫌取り。

その永遠が終わりを告げたのは耐え切れなくなって家を出た辺りからだった。
『地獄は終わったか?』
起きてすぐに見えたものは見知った天井でも二人の人間のどちらかでもなかった。
王冠を頭に載せて骸骨がどアップで地獄からの帰還を祝ったのだ。
「亜qすぇdrftgyふじこlp;@:「」
素っ頓狂でわけのわからない叫びをあげてありえない速さで死王から離れる。
『地下世界の同士曰く、このゲームは茶番なんだそうだ。
 我々が乱入したのもただ暇だったから、という一点にすぎない。
 しかしたかが戯れでもサボタージュしてる吸血鬼は見逃せられねぇんだ。
 反論は無しだ。
 行け……荷物を二つほどもってな』
最後に驚愕する吸血鬼の顔を見て、ケタケタと顎を鳴らして笑いを表現してゲートへ姿を消した。
姿を消した死王の姿を追って呆然とし、すぐさま死王の言うとおりに出る支度をはじめた。

二人が居る部屋を結ぶ廊下で慌しくヴァンはドアを乱暴にかつリズミカルに叩いた。
「お二人さん、そろそろ地上へ行く準備をしてくれ!
 でないと私が殺されてしまう!」
殺されるとはまた少々言い過ぎな気もするのだが、あの死王ならやりかねない。
忠告は一回、それ以上は死あるのみとはつくづく魔物らしい。
ヴァンエレンは再び慌しく薄暗い廊下をドタバタと降りていって準備を急いだ。
少しコゲついたパンを口にくわえて「遅刻じゃ、遅刻じゃぁ〜」と二人の目玉焼きとパンを用意していた。

51 名前: ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/07(水) 17:50:32 0
>41
永遠に続くかと思われた巨大ゾンビの攻撃。
だがそれも頭脳となる核が無事ならの話だった。

>「穴ぐらいじゃなんとも無いと言うのなら完全に粉砕して差し上げますわ!!」
>フリージアは巨大な氷の塊を魔力で作り出し
>「氷結散弾脚!!」
>という技名と共にそれを蹴り砕いた
>蹴り砕かれた氷の破片は合体ゾンビの頭だった部分に次々と襲い掛かる

フリージアの氷の破片はゾンビの頭部を粉々に砕いてしまった。
>「お〜ほっほっほっほ!レオ先生の炎弾散弾脚を私なりにアレンジした氷結散弾脚のお味はいかがかしら?」

そのとたん腐肉の拳は、操り糸が切れたかのように力無く地面に落ちた。
フリージアを襲っていた腐肉は結合を解かれ、腐った肉片となって地面に散らばった。
哀れな骸の上にも等しく雪が降っており、やがて全てを覆い隠すだろう。
とりあえず、フリージアが見える範囲にアンデットの姿は無いようだ。

>「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」
風向きが変わったのだろうか?
巨大ゾンビを倒したフリージアの耳に、風の音に混じって狂人の絶叫とも獣の咆哮ともつかぬ声が届いた。
耳を澄ませば何かが壊れるような音や、魔法による爆発音も聞こえるだろう。
どうやらそれは食堂の方角から聞こえてくるようだ。

52 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/07(水) 19:29:19 0
>46
> 「だといいけどな」
>  二人は再び甘ったるい釜の中へ降りる。
「かっ、勘違いしないでよね!別にあなたを助けたくて助けたわけじゃないんだからね!
 あなたをいずれ殺すのはこの私なんだから!
 あんな出来損ないのチョコレートに先を越されたくなかっただけよ!
 それ以上の理由なんて、絶対に無いんだからね!」

>49
> 「エルザっ!キサカさーん!!大丈夫?ねえ大丈夫だった?」
エルザは地面に足をつけると、キサカを(なるべく不親切そうに見えるように気をつけながら)降ろした。
そして、すぐにエルザの体が、銀色から元の色に戻った。
黒い瞳に黒い髪、黒い服を着た元通りのエルザだ。
「ああ、リリアーナ!」
エルザはすぐに駆け寄ってきた小さなリリアーナを抱きしめた。
「あなたは知っていたの?」
と、エルザはリリアーナに尋ねた。が、いきなりこんな質問をされても普通は答えられるわけがない。
「まあ、いいわ。後であなたにも話してあげる。」

>「おお!やっと見つけたのだ!メラルの言った通りだったのだ!」
その男は、ぴちゃんぴちゃんという足音と共に、校舎の方からふらりと現れた。
黒いレインコートを着たその男の顔はフードで隠されていて見えないが、
エルザには、その男が一体誰なのかすぐにわかった。
男が顔を、色々と大きくなっているミルクの方へ向け、拳を高々と突き上げ、大きな声で叫んだ。
>「大きいおっぱいも、小さいおっぱいも、みんなおっぷ…うおっ!?」
最後まで言わせてもらえなかった。エルザが男の顔に何かを投げつけたからだ。
「馬鹿ロック!!」
エルザがそう叫んだ男は、頭から被ったフードを外した。その男は、ロックだった。
>「やあ、みんな!俺はロックなのだ!よろしくな!」
ロックは自己紹介をしながら、エルザが先程投げつけたペンダントを拾った。
それは、ロック自身のペンダントだった。
>「ありがとう、エルザ。お前ならきっと見つけてくれると信じてたのだ。」
「冗談じゃないわよ、ロック!あなた、猫達はどうしたのよ!?まさか見捨てて来たの!?」
>「俺がそんなことするわけが無いだろう。猫達はピッコロさんが面倒見てくれるのだ。」
「そう…ならいいけど。」
エルザはそう言って、嬉しいような、恐いような、腹立たしいような、
とにかく、何ともいえない顔でロックを見た。そんな顔で見つめられたロックは首をかしげた。
>「どうしたのだ?」
「別に!」
エルザは怒ったようにそう答えた。
「ねえ、リリアーナ?用事は済んだんでしょう?これからはずっとあなたの側にいてもいいのよね?」
>「俺もずっと側にいてもいいのかな?」
エルザはロックを恐い顔で睨んだが、否定はしなかった。

53 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/05/07(水) 21:46:10 0
   それは過ぎ去りし過去の光景

   追っ手が迫ってくる
   力が無いために誰も守れなかった

   目の前で知人が斬られた
   自分に刃が振り下ろされる

   記憶はそこで途切れた…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ッ」
思わずベッドから飛び起きる。
かなり嫌な夢を見た。
村が襲われたときの夢だ。
こんな夢を見た日は決まって寝付けなくなる。
仕方が無いので起きることにする。
寝たことで一応魔力は回復したらしい。
まだ時間がありそうだし魔銃のメンテナンスでもしようか。
そう思ったら急に部屋のドアが乱暴にかつリズミカルに叩かれた。
>「お二人さん、そろそろ地上へ行く準備をしてくれ!
でないと私が殺されてしまう!」
何を恐れているのか吸血鬼が叫んでいる。
どうしたのか尋ねる前に吸血鬼はドタバタと一階に走っていった。
とりあえず部屋から出てみる。
すると隣の部屋からちょうどマオも出てきた。
「いったいヴァンエレンはどうしたんだろうな」
マオに聞いた後一階へと降りていく。
するとテーブルの上には目玉焼きとパンが用意されていた。
「相当慌てているようだが何かあったのか?」

54 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/05/07(水) 22:38:43 0
エルザによって瓦礫が雨あられと降る中、ミルクのメギドラオンが炸裂!
チョコナワーズは大爆発を起こした。

メギドラオンの威力は絶大ではあったが、チョコナワーズも巨大質量を持ち、全てを焼き尽くすには及ばなかったようだ。
溶けたチョコは滝と流れ一帯を流れている。
これで決着がついたのだろうか?

その答えは拍手と共に知らされる。
「まーまー、素晴らしい戦いだったわぁん。私、感動しちゃった。」
満面の笑みで現われたゴーストアルナワーズ。
戦闘中故に姿を現すこともできなかったと説明も付け加える。
それはすなわち、戦闘終了宣言と同義の言葉だ。
「ミルク〜、役立たずでごめんなさいねぇん。
スケルトン見たでしょう?私が食堂についた時には別口で戦闘中だったのよぉん。」
ニタリという笑みと共に軽く手を振り、ロックとエルザに向きかえる。
その表情は晴れやかなほど明るい。

「エルザ、いい顔になったわねぇ。なんだか吹っ切れたみたい。
ロックも一安心というところかしらぁん?」
意味深な笑みをロックに投げかける。
が、特に深い意味はない。
何気に【ずっと側にいたい】に対しての言葉なのだが、一々こういう言い回しをするのがアルナワーズなのだ。

そうして辺りを見回し、コロコロと笑うのだった。
「あらあら、派手にやったけど・・・後始末大変そうねぇ。」
その言葉通り、物言わぬチョコは瓦礫と混ざり合い、更なる惨状を広げようとしていた。
そう、ところどころで人の手や髪の毛が浮かび上がりはじめている。

チョコナワーズに取り込まれた生徒達は、体組織の変化によりチョコとなっていた。
まるで蛹となった芋虫が内部でドロドロに溶けて交じり合っていたように。
チョコナワーズが消滅した事により、個体意識が戻り体が元に戻りかけているのだ。
が・・・勿論上手く再生などできるはずはない。
意識が集中した場所だけ再構築が始まるのだが、人一人分揃っているわけでもない。
メギドラオンによって消し飛んだり、場所が離れていたりするとパーツ単位での再構築となる。
そんな状態で生命活動が維持できるわけもなく・・・
かなりホラーな光景が広がっていくはずだった。
しかしここはリバースの中。
死ねば骸は消え、ゴミ箱で再生される。
故に残ったのは元無機物だった大量のチョコと降り注いだ瓦礫のみ。
校舎食堂だったところは大穴が開き、容赦なく吹雪が振り込んでいる。
チョコは瓦礫と交じり合ったまま固まってしまった。

「この一帯に大量のペンダント。でもスケルトンも一緒に埋まっているから、発掘作業は気をつけてねぇん。
復活した食堂組みも来るだろうし・・・、あまり時間はないわよぉん。
薬物学科組みはペンダントそっちのけでレポート作成に忙しいでしょうけど。
それより・・・」
これから起こるであろう事態を説明すると、ゴーストアルナワーズはミルクとランドとリリアーナに向きかえった。
それぞれ10歳成長した姿と、10年前の姿。
成長した分にはそれほど不便はないだろうが、10年前の姿は・・・
「リリィ。困ったわねぇ。時空潮流の影響だからほっといても戻るとは思うけどぉ、それほど余裕がないのではなくて?」
勿論メラルとの決闘の事を暗示しているのだが、直接は口に出さない。

もったいぶるように考えたふりをした後、そっと言葉を紡ぐ。
「直ぐに元に戻る方法がないわけでもないけど・・・?」
ニタリと嫌な笑みをリリアーナの顔の前に寄せる。
リリアーナとランド、そしてミルクの誰かがやるといえば説明を始めるだろう。


55 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/05/07(水) 22:38:50 0
やると答えた場合################################

ベアトリーチェが専門なのだけど、と前置きをおきながら【房中術】の説明をはじめる。
男女の性の交わりにより精を通じて気を循環させる呪法である。
気を体内に取り込み督脈を通して上丹田まで還流させ練り上げる。
それにより若さを保ったり、若返る、逆に歳を得ることも可能なのだ。
「10歳余分なのと10歳足りないのでやればお互い元に戻れるかもよぉん?」

とてもとても楽しげに告げるだろう。
言っていることは嘘ではない。
実際に正しくこの方法を行えばもとに戻る事も可能だ。

が、ゴーストアルナワーズは知っている。
時空潮流の影響を受けた状態で三人はそれぞれ膨大な力を使っている。
ランドの人格交代。
ミルクのメギドラオン。
リリアーナの極限状態でのロックバスター。
どれも未来や過去のミルクたちの力ではなく、現在の力だ。
力のありように本来の形状に合わせようと戻ろうとする力が働いているだろうから。
すなわち、極近く三人は元の姿に戻るだろう、と。

それが5分後なのか1時間後なのかまでは知る由もないが・・・
ともあれ、【直ぐに】という枕詞が付いている以上、嘘ではない。
そして言葉が足りないのは、やはりアルナワーズの性というしかないだろう。

56 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/07(水) 23:53:29 0
>>54-55

>メギドラオンの威力は絶大ではあったが、チョコナワーズも巨大質量を持ち、全てを焼き尽くすには及ばなかったようだ。
>溶けたチョコは滝と流れ一帯を流れている。
>これで決着がついたのだろうか?

>その答えは拍手と共に知らされる。
>「まーまー、素晴らしい戦いだったわぁん。私、感動しちゃった。」
ゴーストアルナワーズが賞賛を送っていると通路の奥の闇からランドが現れる。
ランドは今までリリアーナ達の戦いを黙って傍観していたのだ。
ランドは拍手をしながらチョコの残骸へと歩いていく。
「お陰で俺様も楽ができたってわけだ・・・礼を言わなくちゃなぁ。」

>「あらあら、派手にやったけど・・・後始末大変そうねぇ。」
チョコアルナワーズが消滅し取り込まれて吸収されていたもの達の固体意識が戻り始め、
完全には再生できずに苦しみながらすぐに死んでいくのを眺めて笑っている。
「ここがリバースじゃなかったら最高だったんだがよ・・・」
そう、ここはリバースなので本当の意味の死はない・・・すぐに死骸は消えていき大量のチョコレートに戻っていく。

残念そうにそこらへんに転がっている大きめのチョコの残骸の一つを踏み砕くと、
中からスケルトンの腕が何本も現れランドの足を掴む。この塊の中からペンダントの反応はない・・・ハズレというやつだ。
しかし、ランドは少し考えてニヤっと笑う。
「・・・腹も減ってるし・・・こいつらも何かの使えるかもしれねぇ・・・ちょうどいいぜ。」
そしてランドの影が影ゾワゾワと動き出し・・・チョコレートの塊を掴むと底なし沼にはまったようにチョコの残骸が沈んでいく。
「見た目は糞だが意外とイケるじゃねぇか・・・」


アルナワーズが意味深に言葉を濁しなにやらランドやリリアーナ、ミルクの方に向きかえる。
ランドは自分の影で形作った椅子へと座りゆったりとしながらゴーストアルナワーズを見ている。
>「リリィ。困ったわねぇ。時空潮流の影響だからほっといても戻るとは思うけどぉ、それほど余裕がないのではなくて?」
アルナワーズの言葉にリリアーナが困り果てる。
>「直ぐに元に戻る方法がないわけでもないけど・・・?」
アルナワーズのその囁きを聞いていたのかランドがニヤリを笑う。
「くくく・・・どうやらリリィちゃんはよほど戻りたいみたいじゃねえか。はははははは!
 そりゃあそうだろうよ。そんな餓鬼の姿じゃあ満足に動けもしねぇだろうしなぁ!
 面白れぇ・・・おいゴースト、やり方を言ってみな!」

ランドがそうアルナワーズに促すとアルナワーズはベアトリーチェという女子が専門だと前置きをして話し始める。
その内容は性行為によってお互いの気を循環させるというもの。
話が難しくなりはじめたのを危惧したのか、最後に簡潔に告げる。
>「10歳余分なのと10歳足りないのでやればお互い元に戻れるかもよぉん?」
話を聞いていたリリアーナとミルクはなにやら凄い顔をしている。大笑いしているのはランドだけだった。
「はははっはははは!要するに俺がそこの餓鬼とやれってか!?いいぜ、乗ろうじゃねぇか。
 そこの餓鬼もつべこべいってるような暇ねぇだろうしなぁ。」
そしてランドはエルザの方に体を向け笑いかける。
「そういうわけだ、テメェの愛し愛しのリリィちゃんは俺がもらってくってことだなぁ?
 いまどんな気分だ?はははははは!!」
エルザを挑発するランド・・・はたしてエルザはどういう反応を見せるのか?


57 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/08(木) 07:28:49 0
>54
> 「まーまー、素晴らしい戦いだったわぁん。私、感動しちゃった。」
> 満面の笑みで現われたゴーストアルナワーズ。
「アルナワーズ…」
エルザは複雑そうにつぶやいた。自分の正体を知った今、
アルナワーズに怒るべきなのか、感謝するべきなのかがわからなかったからだ。
> 「エルザ、いい顔になったわねぇ。なんだか吹っ切れたみたい。
> ロックも一安心というところかしらぁん?」
「なっ!?ロックは関係…」
>「おお、アルナワーズ。死んでしまうとは情けないのだ。」
どうやらロックはそっちの方が気になったようだ。

> これから起こるであろう事態を説明すると、ゴーストアルナワーズはミルクとランドとリリアーナに向きかえった。
> 「リリィ。困ったわねぇ。時空潮流の影響だからほっといても戻るとは思うけどぉ、それほど余裕がないのではなくて?」
> 「直ぐに元に戻る方法がないわけでもないけど・・・?」
>「ええっ!?エルザが抱いてるその女の子、リリアーナなのか!?」
ロックはそこでやっとリリアーナが小さくなっているのに気づいた。
>「かわいい〜ね〜♪」

>56
>「(前略)
>  面白れぇ・・・おいゴースト、やり方を言ってみな!」
そうランドが聞き、アルナワーズがそれに答えた。しかし、その答えを聞いたエルザは耳まで真っ赤になった。
>「10歳余分なのと10歳足りないのでやればお互い元に戻れるかもよぉん?」
「アルナワーズ!あなたっていう人はなんて事を言い出すのよ!だいたい、元に戻れるかもって言うことは、
 もとに戻れない可能性もあるって事でしょ!?そんな事、ミルクとリリアーナにやらせるもんですか!」
>「なるほど、そこのおっぱいがミルクなの…」
「うるさい!黙れ!馬鹿ロック!」
エルザはロックに一喝した。ところで、エルザにとって問題なのはロックよりもこの男である。
> 「そういうわけだ、テメェの愛し愛しのリリィちゃんは俺がもらってくってことだなぁ?
>  いまどんな気分だ?はははははは!!」
ランドのその言葉を聞き(大方の予想通り)、エルザは怒った。
「冗談じゃないわ!誰があんたなんかにリリアーナを渡すものですか!
 あんたが元に戻りたいんだったら、あんた一人で勝手に死ねばいいのよ!
 リバースの中なら、どんな呪いでも、死ねば治って復活できるんだから!」
エルザはアルナワーズに尋ねた。
「アルナワーズ、リリアーナは放っておいても、時間が経てば元の姿に戻るのよね?」
そして再びランドに言った。
「それまでの間、私がリリアーナを守るわ!あんたみたいなロリコンに、指一本触れさせるもんですか!」
>「ロリコンなのか!?あの男、ロリコンなのか!?」
「うるさい!黙れ!馬鹿ロック!」
>「まあ、事情はよくわからないけど、相手が嫌がっているなら無理にやってはいけないと思うのだ。
> さもないと、お前はリリアーナを深く傷つける事になるのだ。きっと後で後悔するぞ?」
ロックもまた、ランドに言った。

58 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/05/08(木) 17:54:01 0
>>50
「んふふ…そうだ世界中のオムライスを僕の元に……」
気持ちよく僕が寝ているとノックの音が聞こえる。
>「お二人さん、そろそろ地上へ行く準備をしてくれ!
>でないと私が殺されてしまう!」
「うう……なんだもう朝なのか?」
どうやらヴァンエレンが起こしにきたようだ。
人がせっかく気持ちよく寝ているというのに…なんというやつ。
「…ふう…仕方ない…ここはヴァンの家だしその流儀に従うのが礼儀だ。
 本当はまだ寝ていたいんだが起きてやるとするかな。」
僕はベッドから起き上がりドアを開ける。

>>53
ドアを開けて廊下に出るとクリスも居る。
どうやらクリスもヴァンに起こされたようだな。
>「いったいヴァンエレンはどうしたんだろうな」
「さぁ…ただあいつは小さいことでも慌てふためく性質だからな…。
 実をいうと大したことじゃなくて家がねずみの巣窟になってるから逃げたいとかだったりしてな。」
そんなこんなを話しながら僕はクリスと下の階に降りていく。
下の階ではパンを口に咥えたヴァンエレンが慌てながら食事を用意していた。
テーブルについて僕がパンにマーガリンを塗っているとクリスがヴァンに問いかける。
>「相当慌てているようだが何かあったのか?」
「放っておけクリス。きっとヴァンは遅刻しそうな平社員ごっこでもやってるんだ。」
適当なことをクリスに言い僕はパンを一口かじる。うん、悪くない。
そして目玉焼きも食べようと調味料に手を伸ばしたが…どの調味料を取ろうかで僕は手を止める。
そうだ…目玉焼きと言えばさまざまな流派が生まれている食べ物の一つ。
ソース派や醤油派、七味派に山椒派…珍しいところではデミグラスソース派やレモン派までいる奥深い食べ物。

生憎僕は我流…エリートで縛られない自由な僕はその時々でかけるものが違う。
だがそれは決めるのに時間がかかるということでもあるんだ…。
実際僕は現在進行形で何をかけるか迷っている。
よし、迷ってしまった時は仲間である二人の意見を聞こう。何か新しい道が開けるかもしれない。
「ヴァン、クリス。君達の意見を聞こう!!目玉焼きには何をかける!?」

59 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持0】] 投稿日:2008/05/08(木) 18:28:14 0
>52
>エルザによって瓦礫が雨あられと降る中、ミルクのメギドラオンが炸裂!
>チョコナワーズは大爆発を起こした。

「銀色のハードニングなんて初めて見たわ。でもチョコナワーズは魔法を・・・・むぐ?」
>「ああ、リリアーナ!」
>エルザはすぐに駆け寄ってきた小さなリリアーナを抱きしめた。
>「あなたは知っていたの?」
赤くなってジタバタしていたリリアーナは、不思議そうに首を傾げた。
>「まあ、いいわ。後であなたにも話してあげる。」
「・・・?うん。でも本当に良かった。エルザに怪我が無くて」
ハードニングは万能ではない。瓦礫から手が見えた時には、心臓が止まりそうだった。
「・・・・・・何だかエルザ、感じ変わった?」
どことなく不安定だったエルザが、今は落ち着いたような気がする。
さっき叫んでいたハードニングの意味と何か関係があるのだろうか?

リリアーナはキサカへと視線を移した。すっかりくたびれた様子のキサカがそこに立っていた。
「閉めだすなんて酷いわ。でも、キサカさんにはまた貸しが増えちゃったね。
 エルザを助けてくれてありがとう。
 ミルクさんも、チョコナワーズを倒してくれてありがとね」

そこに黒いフードの男が現れた。
>「おお!やっと見つけたのだ!メラルの言った通りだったのだ!」
ロックは成長したミルクに目が釘付けになっていて、小さなリリアーナに気づきもしない。
>「馬鹿ロック!!」
エルザがロックの顔面に何かを投げつけたのに、ちょっとだけ溜飲が下がる思いだ。
「あ、ペンダント」
何処にあるのかも分からないペンダントだったのに、エルザは見事探し出してきたようだ。
なぜかアンジェリーナのペンダントも首にかかっている。
「エルザは凄いね」
もし自分が探していたらどうだっただろうか?

>「ねえ、リリアーナ?用事は済んだんでしょう?これからはずっとあなたの側にいてもいいのよね?」
>「俺もずっと側にいてもいいのかな?」
「え?あ?う、うん?」
あまりの勢いに押されて、ついりリリアーナは頷いてしまった。
だがその直後、メラルとの約束を思い出す。
「あ!ごめん、実は私メラルさんと・・・」
リリアーナの言葉を遮るように、ぱちぱちと拍手の音が聞こえてきた。

>54
> 「まーまー、素晴らしい戦いだったわぁん。私、感動しちゃった。」
ゴーストアルが登場した。彼女を接触できるという事は、どうやらここでの戦闘は終了らしい。
アルナワーズは自分の事情を説明した後、エルザやロックと一言二言会話した。
・・・・・・いちいち引っかかる物言いだが、悪気はないのだろう。多分。

60 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/08(木) 18:35:12 0
>56-57 
>「あらあら、派手にやったけど・・・後始末大変そうねぇ。」
>その言葉通り、物言わぬチョコは瓦礫と混ざり合い、更なる惨状を広げようとしていた。
>そう、ところどころで人の手や髪の毛が浮かび上がりはじめている。
>「ここがリバースじゃなかったら最高だったんだがよ・・・」
ランドがへらへら笑っているのに、リリアーナは腹を立てた。
「何笑ってるのよ、人が苦しんでるの見るのががそんなに面白いのっ?!」
リリアーナは考えた。
混じったものを元に戻すのは、カドゥケウスを使っても出来るかどうか。
どうすればいいのかは分かっていた。
リバースだからこそ出来る方法があるにはあるが、それをはっきり口にするのは躊躇われた。
ただ、ミルクの顔を物言いたげにじっと見つめるだけだった。

> 「リリィ。困ったわねぇ。時空潮流の影響だからほっといても戻るとは思うけどぉ、それほど余裕がないのではなくて?」
>アルナワーズの言葉にリリアーナが困り果てる。
>「直ぐに元に戻る方法がないわけでもないけど・・・?」
「ええっ本当に?ねえアル、一体どうすればいいの?」
>「くくく・・・どうやらリリィちゃんはよほど戻りたいみたいじゃねえか。はははははは!
> そりゃあそうだろうよ。そんな餓鬼の姿じゃあ満足に動けもしねぇだろうしなぁ!
そう、ランドの言うとおりだった。
メラルに呼び出されたとしても、この姿のままでは無事指定の場所までたどり着けるかどうか。
復活→行き倒れ→死亡→復活→の無限ループは避けたい。

>「ええっ!?エルザが抱いてるその女の子、リリアーナなのか!?」
>ロックはそこでやっとリリアーナが小さくなっているのに気づいた。
>「かわいい〜ね〜♪」
リリアーナの頬が赤くなったが、すぐに顔を引き締めた。
「ずっとそばにいて欲しい」というのは、やっぱりエルザ宛だと思い知らされたからだ。
リリアーナは泣きたい気分でロックのむこうずねを思いきり蹴飛ばした後、アルに先を促す。
だがアルの提示した方法は、リリアーナの想像の斜め上を行くものだった。

61 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/08(木) 18:40:10 0
>55
>「10歳余分なのと10歳足りないのでやればお互い元に戻れるかもよぉん?」
リリアーナは今にも卒倒しそうな顔をした。
>「はははっはははは!要するに俺がそこの餓鬼とやれってか!?いいぜ、乗ろうじゃねぇか。
>「そういうわけだ、テメェの愛し愛しのリリィちゃんは俺がもらってくってことだなぁ?
> いまどんな気分だ?はははははは!!」
すっかり現実逃避しているリリアーナの脳裏では、ランドが熊の気ぐるみを着て
「ねぇねぇ 今どんな気持ち?」とぐるぐる踊っていた。

「アルナワーズ!あなたっていう人はなんて事を言い出すのよ!(中略)
 そんな事、ミルクとリリアーナにやらせるもんですか!」
「エルザ・・・・・・」
あまりにエルザが怒るので、リリアーナは逆に毒気を抜かれてしまった。
リリアーナはふと、『エルザ自身』は生まれたばかりの存在だという事を思い出していた。
外見が大人びているのとロックの記憶を持っているせいで、すっかり忘れていた。

>「冗談じゃないわ!(略)あんたが元に戻りたいんだったら、あんた一人で勝手に死ねばいいのよ! 」
「そうだった。死ねば元に戻れるのよね」
リリアーナは小さな声で呟いた。最悪の場合選択肢の一つに入れておこう。
>「(略)私がリリアーナを守るわ!あんたみたいなロリコンに、指一本触れさせるもんですか!」
>「まあ、事情はよくわからないけど、相手が嫌がっているなら無理にやってはいけないと思うのだ。

「今のランディはいじわるだから嫌い。前のランディの方が好き」
そう言ったものの、ランドと目が合ったとたんヒッと飛び上がりエルザとロックの背後に隠れる。
「・・・・・・でも、気を使ってくれてありがと」
リリアーナは真っ青な顔ながらも礼儀正しく頭を下げた。
顔色が悪く震えているのはランドが怖いというのもあるのだが、半分は周囲の惨状に原因があった。
寸断された人間の身体のパーツ、アンデット、濃厚な血の匂いと腐敗臭、そしてチョコの匂い。
「アル、このアンデット達って何処から沸いたか知ってる?誰かが召喚したのかな?
 どっちにしてもそろそろ騒ぎを聞きつけて新手が来るかもしれないよ〜。
 怖いから早くペンダントを回収して逃げようよ〜!!」

62 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/05/08(木) 21:21:42 0
>56>57>61
>「おお、アルナワーズ。死んでしまうとは情けないのだ。」
「いやぁん。私のようなか弱い女の子がこのイベントで生き残れるはずないのにイジワル〜。」
笑いながらロックとやり取りを経てランドに促され房中術の説明をした。

房中術に対する反応は様々だった。
喜んで提案に乗り、エルザを挑発するランド。
怒り断固阻止のエルザとたしなめるロック。
半ば思考停止状態に陥るリリアーナ。

それぞれを楽しげに眺め、微笑みながら纏わり付いたのはランドの下だった。
自分の影で作った椅子へ座りゆったりとするランドの首元に枝垂れかかる。
尤もゴーストで空中に浮遊しているので枝垂れかかる、というのも変な表現ではあるが・・・
「うふふふ、ランドったらすっかりワイルドになっちゃって。よっぽど苦労したのねぇん。
面白い能力も発現しているし、こっちのランドも好きよぉん。
でぇもぉ〜、そんなに挑発しちゃだめぇん。
あなたが紛らわしいこと言うから皆勘違いして下世話な想像しちゃっているじゃなぁい?」
横目で怒るエルザや何気に否定し、移動しようとするリリアーナにクスリと笑みを流す。
勿論その笑みの意味は【あらやだ、想像力豊ねぇん】という笑みなのだ。

「エルザ、リリィ、あなたたちの考えているような事ではなくてよぉん。
大体今のリリィとランドじゃサイズが違いすぎて入らないじゃな〜い?
房中術というのは、性の交わり全般であって、それそのものだけを言うのではないのよぉん。
ほら、童話でもよくやっているでしょう?
眠り続ける姫様や蛙になった王子様を救うホ・ウ・ホ・ウよぉん。
リリィは慣れているでしょう?」
そう、アルナワーズが提示した方法はキスによる精気の循環、だったのだ。
肝心な事を後回しにしておいて、何気にランドのせいにしているが、勿論してやったりなのだ。
勘違いしてうろたえる様と、勘違いだったと自覚してうろたえる様。
二度美味しい、ご馳走様状態なのだから。

「勿論ただキスするだけでどうこうならないわよぉ〜。
房中術というのは一種の儀式魔法。
それなりの手順や方陣が必要となってくるもの。
でも、リリィ本人が乗り気じゃないなら駄目ねぇん。
こういうのは両者の合意の下、息を合わせないといけないから。
あ、ちなみにリリィとランドでする必要はないのよ〜?
口があれば誰でも出来るのだから〜。」
そういいながらそっとミルクに視線を流す。
小さく「あ、ユリに悪いかしらぁ〜?」と付け加えながら。

「まあ自然に戻るのを待つというのもそれは自由意志として尊重するわ。
それじゃ、そろそろ行くから、ごきげんよ〜。」
十分楽しみ満足したか、ゴーストアルナワーズはゆっくりと消えていった。
行く先は勿論女子寮。
(流石はリリィ、逞しく生き延びてるし相変わらず周囲を巻き込んで楽しませてくれるわぁん。
それに、メラルにも貸しが出来たしぃん。)
満面の笑みで吹雪の中、女子寮へと飛んでいった。

残された幻灯機は中にいるミニアルナワーズも消え、ただ沈黙を守っている。
弄繰り回しているとアドレスメモリーが表示され、ベアトリーチェのコミュニケーションクリスタル番号が表示されるかもしれない。
勿論、間違って再生ボタンを押してランドの受難の歴史が映し出されても、アルナワーズの感知するところではない。

63 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/08(木) 21:23:28 P
>51
「終わったのかしら?」
どうやら周りにアンデットは居ないようだが・・・・
「どうやら何とか倒せたようですわね・・・
 さて近くにこのアンデットを呼び出した死霊課の生徒が居ると思うんだけど」
どうやらフリージアはこのアンデットの群れを死霊課の生徒の仕業だと思っているようである

「見付けたらぎったんぎったんに伸して差し上げますわ」
とジャ○アンのようなセリフを吐きペンダントの魔力を探るフリージアであった
だが・・・・

「・・・・居ませんわね」
近くにペンダントの魔力は感じないようだ
とりあえず鎌倉に戻ろうかしらと後ろを振り向くフリージアだったが

>「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」

行き成りよく判らない声が聞こえてきた

「この声は一体なんですの?」
アンデットがまだ居るのかとあたりを見渡すがやはり何も無いようだ

「声が聞こえてきたのはアッチの方向ですわね」
と食堂の方角を指差すフリージア
「とりあえず行って見ますわよ!え〜と・・・・そういえばあなた何と言う名前でしたかしら?」
どうやらフリージアは彼女達の名前を聞いていないことに今頃気が付いたようである


自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬

64 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/05/08(木) 21:25:00 O
>47>「私は…楽しんでますよ。(中略)
 イベントとしてだけ見るなら一部不満はありますけど。例えば…。」
>「…いえ、これは今更言ってもしょうがない事ですね。(中略)
 遠距離攻撃を浴びせていけば、かなり有利に戦えるはずだと思うのですが…。」
そうか、メラルは知らないんだな。
確かに距離をとって戦えば俺が有利だ。
勝機は十分ある。
が、俺は自らアホな誓約を付けちまった。
「口は災いの元だよな…残念な事に格闘技でしか戦えないルールになってんだ…。
 俺はボクシングで戦うしかない。」

>「先生。今無事な人たちの中で…明日の朝、まともに立っていられる人は…何割位いると思います?」
メラルの質問に一旦箸を止め、腕を組んで考える仕草を見せる。
「3割から4割位じゃないか?5割以上残ったら大したもんだ。」
メラルに答え、再び箸を動かす。
>「教師は何人残って居ますかねぇ。
 もしかして無事なのは僕達だけだったりして。」
「ないない。俺みたいなヘマでもしない限りほとんど残ってるね。
 むしろ俺が無事で居るのが不思議な位だ。
 ま、そんな話はここまでにして、メラル、お前もこっちきて鍋食おうぜ。
 なんなら飲むか?今夜は無礼講だぜ〜。」

65 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/05/08(木) 23:33:10 0
 屋上の穴を通って校舎内に降り立ち、少々手荒くエルザの腕から下ろされる。
「かっ、勘違いしないでよね!別にあなたを助けたくて助けたわけじゃないんだからね!
 あなたをいずれ殺すのはこの私なんだから!
 あんな出来損ないのチョコレートに先を越されたくなかっただけよ!
 それ以上の理由なんて、絶対に無いんだからね!」
 ああいかん顔がニヤけてる気がする。
 鋼化を解除した彼女に向き直り、
「それでも助かったことには変わりない。一つ借りだな」
 キサカはそれなりに自然な笑みを浮かべた。

 駆け寄ってきたリリアーナがエルザの腕に飛び込むのを見て頬を緩め、湿った音に振り向いてキサカは黒コートを見た。
 どちら様か、と思って立ち位置を少し変える。
「おお!やっと見つけたのだ!メラルの言った通りだったのだ!」
 黒コートはミルクを見ていきなり拳を掲げ、
「大きいおっぱいも、小さいおっぱいも、みんなおっぷ…うおっ!?」
「馬鹿ロック!!」
 女子の前でおっぱいおっぱい言うのは如何なものか。
 ああ、そんな騒動もあったね、と苦笑する視線の先、顔面にペンダントを食らった男はフードを取る。
 現れたのは黒茶の髪だ。顔には一応見覚えがあり、
 ……ロック・ウィル! ロック・ウィルじゃないか!

 ひとしきり驚いてから、リリアーナを含めた三人が問答を始めたので状況確認。
 足元にはチョコレートの残骸その他が残っているが、動き出しそうな様子は無い。
 臭いは何とかしたいところだが、我慢すれば済む問題に体力を使うのは無駄だ。
 無駄だから嫌いなんだ。無駄、無駄無駄。と軽く辺りを見回して、突然響いた拍手に驚く。
「まーまー、素晴らしい戦いだったわぁん。私、感動しちゃった。」
 振り向けば、アル様がこちらを眺めながら浮いていた。
 ……ミニアル様消滅したっぽいけどフィードバック大丈夫なのか?
 傍目は平気そうだけど、と彼女が三人の問答に加わるのを眺め、そのまま話を聞く。

 その後暫くの間、キサカは何もせずに傍観を続けた。
 突然現れた男の発言に軽く殺意を覚え、年齢詐称を元に戻す方法をアル様から聞き、
 ロックの天然っぷりに呆れてエルザの激昂に同意。
 蚊帳の外って安全だよね、と面白くないことを考えながら、右往左往する皆を観察。

 リリアーナが不安がっているのを口実に、キサカも場所の移動を提案する。
 血の臭いはまだいいが、色々と混じって甘ったるいを通り越した臭いは正直勘弁願いたい。

66 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/09(金) 07:43:40 0
>61
> 「・・・・・・でも、気を使ってくれてありがと」
> リリアーナは真っ青な顔ながらも礼儀正しく頭を下げた。
それとは対照的に真っ赤になるのはエルザだし、ロックは黄色い顔のままだった。
「リリアーナ、あんな奴に頭を下げる必要なんて無いわ!あのロリコンは自分の欲望を満たしたいだけなんだから!」
>「まあまあ、エルザ。お前こそ、そんなに怒る必要は無いのだ。あいつ(ランド)だって本気じゃないだろうし、
> だいたいリリアーナは俺の嫁だから他の男とやるわけが…ぐえええっ!?」
エルザはロックの首を絞めた。
> 「アル、このアンデット達って何処から沸いたか知ってる?誰かが召喚したのかな?
>  どっちにしてもそろそろ騒ぎを聞きつけて新手が来るかもしれないよ〜。
>  怖いから早くペンダントを回収して逃げようよ〜!!」
「あら…大丈夫よ…リリ…私が絶対…守る。」
エルザはロックにほっぺたをつねられながらそう言った。

>62
> 「エルザ、リリィ、あなたたちの考えているような事ではなくてよぉん。(略)
> リリィは慣れているでしょう?」
アルナワーズが話した房中術の真実を聞いて、あらやだはずかしいとばかりにエルザはロックの首から手を離した。
しかし、すぐにまた怒り出した。
「アルナワーズ、あなたもわからない女ね!わたしはあのロリコン(ランド)に指一本触れさせないと言ったでしょうが!
 それに、“慣れている”ってどういうことよ!?」
ところが、アルナワーズの話によると、ランドとリリアーナではなく、ミルクとリリアーナでもいいらしい。
> 「まあ自然に戻るのを待つというのもそれは自由意志として尊重するわ。
> それじゃ、そろそろ行くから、ごきげんよ〜。」
> 十分楽しみ満足したか、ゴーストアルナワーズはゆっくりと消えていった。
「あの女『ピー(18禁)』だわ!いつかひどい目にあわせてやる!」
>「こら、エルザ!何ていうことを言うのだ!アルナワーズの言い方は悪かったかもしれないけど、
> アルナワーズはあくまで俺達の助けになる事を教えてくれたのだ。だから、そんな言い方をしてはいけないのだ。
> 結局、アンデット達がどうのこうのとは教えてくれなかったけど…」
ロックはミルクの方を見た。
>「えっと、結局ミルクがリリアーナとやるのか?でも、相手が嫌がっているなら無理にやってはいけないと思うのだ。
> さもないと、お前はリリアーナを深く傷つける事になるのだ。きっと後で後悔するぞ?」
ロックはランドに言った事と、全く同じ事を言った。エルザは頭を抱えた。
「ロック…偉そうに言っておきながら、あんたアルナワーズの言った事をちゃんと聞いてなかったの?」
>「ところで、エルザが嫉妬深いから、もしやるときまったならその間俺がエルザの目を塞ぐのだ。」
「えっ?ちょっと、こら!」
ロックはエルザの後ろに回ると、彼女の両目を手でそっと塞いだ。
>「さあ、どうぞエルザに気兼ねなくやりたいようにするがいいのだ。」
「ミルク!もしも、リリアーナの口に舌を入れたりしたら、もう友達とは思わないからね!」

>65
>  リリアーナが不安がっているのを口実に、キサカも場所の移動を提案する。
>「なのだ。」
ロックも同意した。
>「でも、どこに行く?」

67 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/09(金) 15:19:33 0
>57>58>66

>「冗談じゃないわ!誰があんたなんかにリリアーナを渡すものですか!
>あんたが元に戻りたいんだったら、あんた一人で勝手に死ねばいいのよ!
>リバースの中なら、どんな呪いでも、死ねば治って復活できるんだから!」
全員の予想通り物凄い剣幕で怒るエルザ。
だがランドは怒る様子もまた気圧されるような様子もなく。
むしろ待っていたというようにエルザの怒りを楽しんでいる。
「俺は別に元に戻らなくてもいいんでね・・・死ぬ理由がないんだ、これがな。」

>「まあ、事情はよくわからないけど、相手が嫌がっているなら無理にやってはいけないと思うのだ。
>さもないと、お前はリリアーナを深く傷つける事になるのだ。きっと後で後悔するぞ?」
「残念だけど俺は傷つけることが大好きでねぇ・・・お前みたいな純粋で綺麗な奴とは残念ながら違うんだな、これが。」
ランドはロックを見つめてそう返す・・・その顔はさきほどとは違って笑っておらず、むしろ嫌悪感を表している。
まるでロックに対し拒絶反応のようなものが起こっているようだ。

>「今のランディはいじわるだから嫌い。前のランディの方が好き」
ランドはロックから目線をリリアーナへと移す。
怖かったのかすぐにリリアーナはロック達の背後に隠れてしまった。
「・・・お前の知ってるランドは消えたわけじゃねえ。だが今は俺なだけだ。残念だったな。」
>「・・・・・・でも、気を使ってくれてありがと」
「・・・・・・・・・お前はあいかわらずだな。」
>「リリアーナ、あんな奴に頭を下げる必要なんて無いわ!あのロリコンは自分の欲望を満たしたいだけなんだから!」
「あいつみたいにお前も俺を罵り、怒ればいいのによ・・・調子が狂うぜ。」

>>62
そして、ここで楽しそうに観察していたアルナワーズがランドの首元に枝垂れかかる。
>「(前半略)でぇもぉ〜、そんなに挑発しちゃだめぇん。
>あなたが紛らわしいこと言うから皆勘違いして下世話な想像しちゃっているじゃなぁい?
>エルザ、リリィ、あなたたちの考えているような事ではなくてよぉん。(略)
> リリィは慣れているでしょう?」
アルナワーズが房中術の本当の説明を言い、
リリアーナやエルザは思っていたことが勘違いだったと気付く。

「おいおい、そりゃあないぜ。俺のせいにしないでくれよな。
 勝手に勘違いしたのは向こうじゃねえかよ。
 酷い奴だ・・・まあ面白かったからいいんだけどよ。ははは。」
もちろんこう言っているランドも勘違いしていた。
だがランドはただ他の人たちが怒ったりする様を見たかっただけなのでどう転ぼうが実際どうでもよかった。
おそらくランドが本当にリリアーナを元に戻そうと考えているなら一番楽な殺すという方法をすでにとっている。
>「まあ自然に戻るのを待つというのもそれは自由意志として尊重するわ。
> それじゃ、そろそろ行くから、ごきげんよ〜。」
去っていくアルナワーズをランドは手を軽く振り見送る。
「・・・そんでこっから百合展開ってわけか?」
エルザとロックのやり取りを見ていてつぶやく。

>65
「・・・そうだなぁ。確かにここにずっといすわるわけにもいかねえしな。」
キサカの提案にランドも賛成する、最もキサカはランドなどの意見は聞きたくないだろうが。



68 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/09(金) 16:08:50 0
>「「「ガヴヴォオヴォヴォギャアアアアアア!!!!」」」
「女王様ぁ、そんな・・・♥ いけませんわぁ心の準備が〜♥♥・・・むにゃむにゃ・・・・・・はっ?!」
謎の咆哮を聞きつけ、気を失っていたルズはようやく目を覚ました。
「あららっ?!ゾンビはっ?骸骨どもはどちらへっ?!・・・・・・ああっ!!」
あれほどいたアンデットは全てバラバラになっていた。
「な、なんという・・・・・・・すごいのですわ〜さすがは我らが女王様なのですわ〜!!」
ルズは感動のあまりフリージアの胸に飛び込もうとしたが
――――ごいん!
「ふぎゃ〜!!」
氷で出来たフリージングドールの胸はあまりにも硬く、ルズはあえなく跳ね飛ばされた。

>「声が聞こえてきたのはアッチの方向ですわね」
「はいなのですわ〜」
痛む鼻先を撫でながら、ルズは答えた。
>「とりあえず行って見ますわよ!え〜と・・・・そういえばあなた何と言う名前でしたかしら?」
「わたくしはルズですわ〜。 ちなみに双子の妹はスーと申しますわ〜。以後お見知りおきを〜」
スーとはおそらく白猫に化けた女子生徒のことのようだ。

「さて、参りましょうか〜」
ルズは歩こうとしたものの、雪が積もりすぎていて足が地面に届かない。
「ま、前に進まないのですわ〜!!フリージア女王様〜お助けを〜!!」
ジタバタと雪の中泳いでいたルズは、フリージアに助けを求めた。

ルズとフリージアは食堂へと向かった。
だが見えてきたのは、食堂の残骸と瓦礫の山、そしてチョコなどなど。
「こ・・・これは一体?!」
ルズは非常に驚いたが、ふと表情を引き締めるとフリージアの肩から飛び降りた。
「フリージア女王様、もしよろしければ、先に様子を見に行ってくださいまし〜」

ルズは何も無いところに向かってフ〜ッ!と威嚇した。
「そこにいるのは分かってるのですわ!誰の手のものですの!さっさと出てくるのですわ〜!!」

69 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自分0所持2投下3】] 投稿日:2008/05/09(金) 16:57:06 O
>44-46 >48-49 >52 >54-57 >59-61
>「ミルク凄い!で、もう大丈夫なのかな?かな?」
「大丈夫だと思いたい所なんだけどね。
なにしろ薬物学科の実験棟で一回吸収されてるからなんとも…」
リリアーナを安心させたいところだけど油断は禁物だ。
実験室の時は、メギドラオンを吸収したチョコレートが一気に大きくなった。
今はそれらしき気配はないけど、だからってすぐに警戒を解く気にはなれない。

校舎に空いた大穴からゆっくりと、キサカを抱いたエルザが降りてくる。
>「エルザっ!キサカさーん!!大丈夫?ねえ大丈夫だった?」
>「ああ、リリアーナ!」
キサカを降ろし、スーパーモードを解除したエルザのところに、リリアーナが駆け寄った。
リリアーナを抱きしめるエルザの姿は、ちょっとした感動の対面といったところか。
>「閉めだすなんて酷いわ。でも、キサカさんにはまた貸しが増えちゃったね。
> エルザを助けてくれてありがとう。
> ミルクさんも、チョコナワーズを倒してくれてありがとね」
「お礼を言わなきゃいけないのはあたしの方なんだよね。
リリアーナもキサカもエルザもほんとありがと。
みんなのおかげでチョコナワーズを倒せたよ」

>「おお!やっと見つけたのだ!メラルの言った通りだったのだ!」
リリアーナたちにお礼を言ってると、怪しい男が現れた。
黒いフードを目深に被った……メラルやリリアーナの知り合いか?
とりあえず敵意は感じないけど…なんかあたしの方を見てるような…
>「大きいおっぱいも、小さいおっぱいも、みんなおっぷ…うおっ!?」
「は?」
謎の人物の謎の行動と発言は、まるで予測のつかないものだった。
あまりの意味不明さに間抜けな言葉を言う以外出来ないあたしの代わりに、エルザが男にツッコミを入れる。
>「馬鹿ロック!!」
へ?ロックって、あのリリアーナの旦那のロック?

>「やあ、みんな!俺はロックなのだ!よろしくな!」
フードを外して自己紹介をするロックを見ても、違和感全開なのは否定できない。
性格が変わったとは聞いていたけど、まさかここまでとは思ってなかったからだ。
あの純情熱血男が何を体験したらここまで性格が変わるのよ?
エルザやリリアーナは違和感なく接してるけど、あたしのイメージ切り替えにはもう少し時間がかかりそうだ。

>「まーまー、素晴らしい戦いだったわぁん。私、感動しちゃった。」
のんきに拍手しながら、役立たずなゴーストアルナワーズが姿を表す。
「あんたね!先に食堂にいる連中にチョコナワーズの事を教えておけって言ってあったでしょ!?
今までどこで何をして遊んでたのよ、この役立たず!!」
あたしの非難もアルナワーズはまるで意に介さずに、なぜ出現できなかったかの説明をする。
…言ってる事はわかるけど、なんだか納得いかねぇーっ!!
そのうち連れ歩いて、危険探知信号代わりに使ってやるから覚えておけよ!

>「お陰で俺様も楽ができたってわけだ・・・礼を言わなくちゃなぁ。」
もう一つ別の拍手の音が廊下の方から聞こえてきた。
そこから、サイズのあってない服を着た男がこちらに歩いてくる。
「あんた誰よ?…もしかして…ランド?」
服がラヴスポットでランドが着てたのと同じ服だからそう思ったけど。
でも、その身に纏う雰囲気が決定的に違う。
他人の空似とか操られてるとか偽物とかか?

70 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自分0所持2投下3】] 投稿日:2008/05/09(金) 16:59:08 O
>「あらあら、派手にやったけど・・・後始末大変そうねぇ。」
「後始末ってなによ後始末…って、げげげ!?」
いつも変わらずマイペースのアルナワーズの視線の先には、チョコに埋もれるスプラッタな死体の数々が。
こわっ!なんで同化した死体が元に戻ってるのよ!?
実体験ならシャレにならないぞこれ!
地獄絵図のようなその光景を、ランドらしき男は笑って見つめている。
ますます別人っぽいな…いや、もしかして本人がロックみたいに頭のネジを何本か落としちゃったのか?
しかしこんないかれた発言に行動じゃ、リリアーナが怒るのも無理はない。
そのリリアーナはランドに怒った後、何か言いたそうにこっちを見ている。
苦しんでる奴がいるなら楽にしてやってほしいのかな?
それなら、あたしの広範囲魔法が一番だ。

>「この一帯に大量のペンダント。でもスケルトンも一緒に埋まっているから、発掘作業は気をつけてねぇん。
復活した食堂組みも来るだろうし・・・、あまり時間はないわよぉん。
「そうだ、ペンダント!!」
アルナワーズの言葉に、ランドの変化とかとどめとかより、もっと大事な事があるのを思い出した。
魔力を探れば、確かにチョコの中からペンダントの魔力を感じる。
あぁ、さっきまで可哀想に思えたチョコの山がいきなり宝の山に見えてくるんだから、物欲って偉大!

>「直ぐに元に戻る方法がないわけでもないけど・・・?」
あたしが手に入れたペンダントをどうやって換金するか考えているうちに、アルナワーズは話を先に進めていた。
ニタリと笑いながらリリアーナに近づく様子は、まさに悪魔のささやき。
またろくでもない事を思いついたんだろう事がよくわかります。
そして思った通りランドに答えるアルナワーズの話の内容は…

71 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自分0所持70投下3】] 投稿日:2008/05/09(金) 17:04:18 O
>62 >65-67
「アホかーーっ!!!あたしが房中術を知らないとでも思ってんの!?
だいたいそんな事常識的に考えてできるわけないでしょうが!!」
あたしと一緒にエルザも顔を真っ赤にして猛抗議している。
>「アルナワーズ!あなたっていう人はなんて事を言い出すのよ!だいたい、元に戻れるかもって言うことは、
> もとに戻れない可能性もあるって事でしょ!?そんな事、ミルクとリリアーナにやらせるもんですか!」
>「なるほど、そこのおっぱいがミルクなの…」
>「うるさい!黙れ!馬鹿ロック!」
ロックとのやりとりは夫婦漫才っぽくて気が抜けるけど…

一方説明を聞いたランドはやる気満々。
挑発するようにエルザに話しかけ、エルザはそれに激怒する。
当然あたしもエルザに完全同意。
というかこの状況で、じゃあそうしますなんて言う奴にはつきあいきれません。
>「・・・・・・でも、気を使ってくれてありがと」
ましてリリアーナみたいにお礼を言う気にはなれません。
>「うふふふ、ランドったらすっかりワイルドになっちゃって。よっぽど苦労したのねぇん。(中略)
>眠り続ける姫様や蛙になった王子様を救うホ・ウ・ホ・ウよぉん。
>リリィは慣れているでしょう?」
「いちいち下品な説明するな!キスならキスって最初からそう言え!
房中術の説明なんて入れたら誰でも間違えるだろうがーっ!」
アルナワーズの奴、わざわざこっちが勘違いするように言葉を選んでやがったのだ。
こんな性格じゃなかったら、ユリよりよっぽど情報源に信用出来るのに!

>「勿論ただキスするだけでどうこうならないわよぉ〜。(中略)
口があれば誰でも出来るのだから〜。」
アルナワーズはそこまで言ってから、あたしの方に視線を動かす。
「なによ。あたしにリリアーナとキスしろっていいたいの?そんな趣味な…」
>「あ、ユリに悪いかしらぁ〜?」
「なんでそこでユリが出てくるのよ!?
あたしとユリはそんな関係じゃないって言ってるでしょうが!」

>「まあ自然に戻るのを待つというのもそれは自由意志として尊重するわ。
>それじゃ、そろそろ行くから、ごきげんよ〜。」
「こら!ひっかき回すだけかき回して逃げるな!戻ってこい!カムバーック!!」
あたしの抗議もまるで気にせず、アルナワーズはゆっくり消えていく。
くっそー!戦闘開始のお知らせ代わりに使ってやるつもりだったのに、逃げられたか!
>「えっと、結局ミルクがリリアーナとやるのか?でも、相手が嫌がっているなら無理にやってはいけないと思うのだ。
> さもないと、お前はリリアーナを深く傷つける事になるのだ。きっと後で後悔するぞ?」「いや、だから。あたしはそんな趣味じゃないって言ってるでしょうが」

>「さあ、どうぞエルザに気兼ねなくやりたいようにするがいいのだ。」
>「ミルク!もしも、リリアーナの口に舌を入れたりしたら、もう友達とは思わないからね!」
「エルザも舌入れるとか言うな!
だいたいあたしはリリアーナと違っては!……そっ、それにほら。
リリアーナの意志もあるでしょ、恋人のロックとキスしたいでしょうし」

キサカの場所移動提案に、ランドとロックが賛成する。
「そうね。ここは危険だし寒すぎるから、みんなが言うようにまず場所を変えよう」
それにこれ以上話がややこしくならないうちに、ペンダントを回収としておきたい。
あたしは残ったチョコに魔法の狙いを定める。
「メギドラ!」
スケルトンやチョコレートや、生き埋めになってたかもしれない生徒たちをぶっ飛ばしてペンダントを回収。
おお!結構貯め込んでるなぁ。苦労して良かった。
そうだ、ペンダントをかき集めるついでに、チョコも一欠片いただいておこう。
貴重なサンプルがどうこう言ってたから、薬物学科の連中に高く売れるかもしれない。

入手したペンダントを(とりあえずね)預かってから、ロックに話しかける。
「さっきメラルからこの場所を聞いたって言ってたわよね。
メラルはどこでリリアーナを探してるの?
あいつなら安全な場所も知ってるだろうし、合流しに行きましょ」

72 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/09(金) 21:08:12 0
>67
話を聞く限り、ランドはどうも二重人格のようなものらしい。
>「・・・・・・・・・お前はあいかわらずだな。」
あれ?とリリアーナは思った。
>「あいつみたいにお前も俺を罵り、怒ればいいのによ・・・調子が狂うぜ。」
(乱暴で好戦的だけど、・・・根っからの悪い人じゃない、のかな?)
そういえば襟首を捕まれていた時も、本当にリリアーナを盾代わりにはしなかったはずだ。
リリアーナはじーっとランドを見つめたが、見つめ返されひゃっと首を竦めた。

>66
この場から立ち去ろうとするリリアーナの言葉に、エルザが反応した。
ロックに俺の嫁といわれ、リリアーナがぱっと顔を上げた。
ちょうどエルザが怒ってロックの首を絞めあげているところだった。
「あああ!二人ともやめてよ〜今は揉めてる場合じゃないよ〜!!」
>「あら…大丈夫よ…リリ…私が絶対…守る。」
>エルザはロックにほっぺたをつねられながらそう言った。
「う、うん。でもあんまり喧嘩しないで欲しいな・・・」
仲のいい証拠なのだろうが・・・・・・何だか先行き不安である。

>62 >69 >66 >69-71
>「うふふふ、ランドったらすっかりワイルドになっちゃって。よっぽど苦労したのねぇん。(中略)
>眠り続ける姫様や蛙になった王子様を救うホ・ウ・ホ・ウよぉん。
>リリィは慣れているでしょう?」
「慣れてない!出来るけど慣れてなんか無いもん!」
リリアーナは拳を振り回して抗議した。
>「いちいち下品な説明するな!キスならキスって最初からそう言え!
>房中術の説明なんて入れたら誰でも間違えるだろうがーっ!」
>「勿論ただキスするだけでどうこうならないわよぉ〜。(中略)
口があれば誰でも出来るのだから〜。」
「うえーん、またアルにからかわれた〜!!」
わざと誤解されるような言い回しなだけで、言ってる事が間違っていないだけに始末に負えない。

>「さあ、どうぞエルザに気兼ねなくやりたいようにするがいいのだ。」
>「ミルク!もしも、リリアーナの口に舌を入れたりしたら、もう友達とは思わないからね!」
>「エルザも舌入れるとか言うな!
>だいたいあたしはリリアーナと違っては!……そっ、それにほら。
>リリアーナの意志もあるでしょ、恋人のロックとキスしたいでしょうし」
「―――― っ!!!」
リリアーナは首まで赤くなったかと思うと、ミルクに駆け寄るなり背中をぽかぽか叩いた。


73 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/09(金) 21:09:13 0
>62 >66 >69-71
>キサカの場所移動提案に、ランドとロックが賛成する。
>「そうね。ここは危険だし寒すぎるから、みんなが言うようにまず場所を変えよう」
そう言ってミルクはメギドラを放ち、残っていた瓦礫ごと全てを一掃した。
ミルクがペンダントを回収しているのを尻目に、リリアーナも綺麗そうなチョコの欠片をいくつか拾った。
「ホント、素直じゃないよね・・・・・・ん?」
チョコの欠片をポーチにしまったリリアーナは、離れた場所に転がっていた幻灯機を見つけた
かすかに光ったような気がしたが、気のせいだろうか?
「ミニアル?ミニアル戻った?」
ぶんぶんと幻灯機を振ってみるが、特に反応は無い。
(消えちゃったのかな・・・・・・?)
思念体だから物理攻撃では死なないはずだが、チョコナワーズと同化した時様子がおかしかった。
劣化したとでも言うのだろうか?そんな感じだった気がする。
「あ、そうだ!まさか壊れちゃってないでしょうね〜!!」
そんな事をしたら、エルザの画像が魔法ネットワークに流出してしまう!
焦るリリアーナががちゃがちゃと弄ってみると、幻灯機に奇妙な番号が表示された。
「ど-9-9641?ど・・・どうしよう・・・まさかエラーコードじゃないでしょうねっ?!
 アルー!居ないの?!幻灯機壊れたかもしれないのに消えないでよ〜!!」
とりあえず表示された番号を入力してみる。
だが操作など全く分からないリリアーナは、「えいっえいっ」と手当たり次第にボタンを押した。

>「さっきメラルからこの場所を聞いたって言ってたわよね。
>メラルはどこでリリアーナを探してるの?
>あいつなら安全な場所も知ってるだろうし、合流しに行きましょ」
「え?あー・・・それはちょっとまずいかも・・・・・・・」
幻灯機を弄る手を止め反射的にそう口にしたものの、すぐに失言だったと気づく。
リリアーナはうろたえてきょろきょろと視線を彷徨わせたが、ふとある一点に目を止め指差す。
「あ・・・あれっ?誰かこっちに来るみたいだよ?!」
遠くから、何か大きな物体がこちらに向かって来ているようだ。
吹雪でよく見えないが、人間にしては随分と大柄だ。

>65
皆が新たな人影に気を取られている隙に、リリアーナはキサカの袖を引いた。
「どうすればいいと思う?キサカさん」
リバースに来て早々、リリアーナのペンダントが奪われた現場に居合わせたのはこの中でキサカだけだった。

その時メラルはこう言ったのだ。
>「今日の夜。皆が寝静まった頃に…私の所に一人で来なさい。もし、明日の朝まで来なかったり…
> それより前にこのペンダントを取り戻しに来たりしたら、 あなたのペンダントは捨てさせてもらう。」

そして先程の通信では、二時間くらい後に来るようにとも言っていた。
こういった場合、こちらから押しかけたらどうなるのだろうか?
約束を破る事になりはしないだろうか?


74 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/10(土) 07:07:18 0
>71>73
> 「エルザも舌入れるとか言うな!
> だいたいあたしはリリアーナと違っては!……そっ、それにほら。
> リリアーナの意志もあるでしょ、恋人のロックとキスしたいでしょうし」
>「それはまた今度二人きりになった時にでも…」
「ね〜、ロック♪私も今度あなたと二人きりになったら大切な話しをしたいんだけどな〜♪」
ミルクの言葉のおかげで、ミルクがペンダントを回収している間中、
ロックはエルザからきついヘッドロックを喰らう事になった。

> 「さっきメラルからこの場所を聞いたって言ってたわよね。
> メラルはどこでリリアーナを探してるの?
> あいつなら安全な場所も知ってるだろうし、合流しに行きましょ」
> 「え?あー・・・それはちょっとまずいかも・・・・・・・」
>「そのとおり、確かにまずいのだ。」
エルザのヘッドロックを振りほどいた後、ロックがリリアーナの言葉を引き継いだ。
>「メラルは女子寮にいたのだ。でも、あそこはいたるところが氷で覆われているから、
> くつろぐには都合が悪い場所なのだ。そういえば、今メラルはモクモクになってるぞ。」
「モクモクってどういう意味?」
>「モクモクは“煙みたい”という意味なのだ。」
「………(みんなから煙たがられるって意味かしら?)。」
>「そういえば、メラルが言ってたぞ。頭のいい奴は食堂と図書館に行くって。」

>68
> 「あ・・・あれっ?誰かこっちに来るみたいだよ?!」
> 遠くから、何か大きな物体がこちらに向かって来ているようだ。
> 吹雪でよく見えないが、人間にしては随分と大柄だ。
> 「そこにいるのは分かってるのですわ!誰の手のものですの!さっさと出てくるのですわ〜!!」
>「なんだ?」
「あっ!あの声は、黒猫さん!?」
エルザは声のした方へ駆けた。
「ああ、やっぱり!黒猫さん、また会えて嬉しいわ!」
>「あ、フリージアも一緒なのだ!」
エルザの後ろから来たロックが、大きなフリージアをしっかり見つけた。
>「お〜い!フリージア!俺のペンダントが見つかったのだ〜!だから俺と や ら な い か 〜 !!」
ロックはフリージアにバトルを申し込んだ。フリージアにそう聞こえたかどうかは別としてだが。

75 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/10(土) 09:54:36 0
>74の後半修正
> 「あ・・・あれっ?誰かこっちに来るみたいだよ?!」
> 遠くから、何か大きな物体がこちらに向かって来ているようだ。
> 吹雪でよく見えないが、人間にしては随分と大柄だ。
>「なんだ?」
「さあ?」
ロックはその大柄な物体にノコノコ近づいていった。
>「おお!フリージアなのだ!」
「えっ!?フリージア!?」
エルザは、着替えのためにフリージアを待たせていたことを思い出した。
>「お〜い!フリージア!俺のペンダントが見つかったのだ〜!だから俺と や ら な い か 〜 !!」
ロックはフリージアにバトルを申し込んだ。フリージアにそう聞こえたかどうかは別としてだが。

76 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持70投下3】] 投稿日:2008/05/10(土) 12:54:09 O
>「え?あー・・・それはちょっとまずいかも・・・・・・・」
>「そのとおり、確かにまずいのだ。」
リリアーナとロックがメラルとの合流を否定する。
なんでもメラルは女子寮にいて、そこは氷だらけでとてもくつろげる状態じゃないからだとか。
ついでにメラルは今、煙みたいにモクモクしているらしい。
多分寒さ対策の魔法でも使っているんだろう。
>「そういえば、メラルが言ってたぞ。頭のいい奴は食堂と図書館に行くって。」
「ふーん。頭のいい奴は食堂か図書館ね…」
食堂にはおばちゃん、図書館にはオルビア先生。
どちらも管轄区域での無意味な騒動は許しませんって二人だ。
ここに保健室のレオ先生も本当は加わるんだろうけど、なぜか今は留守。
だからメラルの言葉は正しいはずなのに、何か引っかかる。
肝心の頭の良いメラルが食堂にも図書館にも行かず、女子寮を氷漬けにしてるってどうなのよ?
安全地帯を作ってるつもりなら、リリアーナを連れてくるようロックに伝えてるはずだけど、違うみたいだし。

>「あ・・・あれっ?誰かこっちに来るみたいだよ?!」
リリアーナが誰かの接近に気づいたようなので、考えるのは辞めた。
ま、メラルがなに企んでても女子寮に近づかなきゃ済む話だよな。
着替えられないのだけは痛いけど…
あたしは昔孤児院にいたとき起こしたちょっとした騒動で、院長に大変バカバカしい呪いをかけられている。
それは『修道服以外着るな』というギアスで、これに逆らうとものすごい痛みが体を走るのだ。
昔は逆らって違う服を着たこともあったけど、そのためだけでこんなに苦しむ必要はないとすぐ気づいた。
幸い修道服の上から何か羽織る分には問題ないし、日常生活に支障もない。
でもまさかこんな形で問題になってくるなんてなぁ。
ギアス解けてなかったらどうしよ…

>「おお!フリージアなのだ!」
>「えっ!?フリージア!?」
ロックとエルザの声で回想終了。
なんだフリージアか。リリアーナ組だから、事情を説明すればすぐ仲間になってくれそうだな。と思ってたら。
>「お〜い!フリージア!俺のペンダントが見つかったのだ〜!だから俺と や ら な い か 〜 !!」
続くロックの言葉にこけそうになった。
これ以上変な事を言って敵を増やそうとするな!
「アホかーっ!人が休憩場所を探してるときに邪魔するような事言うなーっ!」
吹雪の中をロックの側まで走っていって頭をポコンと殴る。
寒い!とにかく寒い!ひたすら寒い!
なんでフリージアもロックもこんなに平気なのよ!
「フリージアーッ!あたしはミルク・パウダーシュガーっていうんだけど!
今リリアーナたちと休憩場所を探してたんだよ!
詳しくは後で話すから、あんたの魔法ででっかい城とか作ってくれない!?
このままじゃ全員凍え死ぬーっ!!」

77 名前:ラルヴァ&ルキア ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 15:10:36 0
>68
>「そこにいるのは分かってるのですわ!誰の手のものですの!
>さっさと出てくるのですわ〜!!」
ビシィッ!!と振り向いてポーズを決めるルズの視界に移ったのは一面の吹雪。
真っ白の世界で何かが動いている。いや、『白い何か』が動いている?

ソレは、先ほどルズに襲い掛かったアウルより何倍も大きい・・・・・・
簡単に言えば人間を乗せて飛べそうな大きさの白い鴉だ。
バサバサ・・・と、飛んでいたそいつはルズの前に着地すると
小生意気そうな女の子に変身した。
「な〜んだ、バレてたのか。っていうか誰の手の者って・・・う〜ん・・・・・・」

「キミの使い魔に呼ばれた人が私のマスターなんだけど。ってわかる?」
>74-76
しばらく唸りながらなやんでいた女の子は、ルズにむかってピッと人差し指を立ててこうまくし立てた。
「なーんか、人がいっぱい増えてきたね。
 うん、まぁとりあえず・・・・・・あそこの氷の人(注:フリージア)に伝えといてくれる?
 アンデッドが校舎を基点に大量に出現してるから近づかない方がいいって。
 キミの使い魔が得た情報って形でもいいからさ。うちのマスターはそれを探りに行ったって事もね。」

じゃ、私はこれで御役御免〜さらばじゃ〜等と言い残して再び白鴉へと変身すると
校舎に向けて飛び立っていった。



一方、校舎内二階。
ラルヴァの周りには多数の人であったモノ達の残骸が散らばっている。
あるものは頭を砕かれ、あるものは微塵に切り刻まれ。
ゾンビやグールが死屍累々と積まれている。
「・・・・・・どれだけ倒しても、ペンダントを獲得できないっていうのが辛いところだよね。」
本人も若干息が上がっている。何しろ、一階から立ちふさがるアンデッドを切り倒しながら進んでいるのだから。
ただ、立ち止まってもいられない。
本来ただのレクリエーションなのに、このアンデッド大量召喚はタチが悪いとラルヴァは判断した。

「ふぅ・・・・・・よし。」
ある程度息を整えたラルヴァは目の前の図書室の扉を思いっきり開いた。
するとそこには・・・・・・・・・・・・

78 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 17:52:49 0
>>35
「起きろよ、グズ」
うるさい。私はお前が指図できる身分じゃない。さっさと消えろ。
「言うねぇ。嫌われたか?」
『黙れ』
意識が覚醒する。したつもりだった。けどあぁ、そうか、ここは。
どこまでも真っ暗な空間に大きな、そびえ立つ振り子時計が一つ。その空間は………
――私の心。
おおよそ殺風景にも程がある。人らしいモノが何も無い、生ける屍の座す牙城。
『なんで……』
「何故だって?寝惚けてんじゃねえよ。お前はダメだったんだろ?代われ」
『ふざけるな。お前は、ソフィアはニセモノじゃないか』
「確かに、俺はお前がクララ・ベルの子としての被り物。そのためだけの存在だった。けどな」
やつがニヤリと笑う。私には到底真似のできない、心からの笑み。
「人じゃないといけないって意識と、魔力の結合をさせたのは、おまえだぜ?千尋ぉ」
もう語る言葉はなく、嫌に私に似たやつの顔も直視に耐えない。
ジリジリと何か、人に見せてはいけないものが体に充満していく。
しかし、悟られるとマズイ気がしたので、さあらぬていで続きを促す。
『何が言いたい?』
「俺になれ。ってことさ」
一瞬にして景色が変わる。明るい、しかしそれだけではない、人の複雑さを表すような色。
そして情動や思い出を現す、床に散らばる雑多な品々。
私の望む風景。私には眩し過ぎる、遠い憧れ。
けど、今は――――
要らない。
おもむろにヤツに近づいて、腕を振るう。叩くとか、そこまで生易しくない。切り裂く一振り。
リゴーン、リゴーン、リゴーン………
鈍く、大きな鐘の音と共に世界が崩れ、そびえる時計が姿を現す。まるで、そうなることが決まっていたように。

「――――ッ!」
ガバリと身を起こす。ここがどこで、何があったかなんてさっぱり憶えていない。
しかし、近くにベアトリーチェを発見。運がいい。
口を開く。その前に、背中が嫌な汗でグッショリなのに気付く。
「鍼灸は血行も良くなるんだね」
なんて笑ってみる。あいつに比べてどれくらいウソ臭いんだろうか?
そんな事をぼんやりと頭の片隅で考えながら。

79 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 20:50:45 0
>>68>>73
 場所移動に皆が同意したものの具体案が無いので、では何処へ行こうかとキサカは考える。
 食堂は使い物にならないが、他に安全そうな場所はと問われても困る。
 どうしたもんかねと眉をしかめれば、吹雪から大きな影が現れた。
 ロック達はそれと面識があるらしく、キサカは一息。

 謎のアイスゴーレムとロック達が交渉を始める最中、キサカの袖を弱く引くものがあった。
 リリアーナだ。立ち位置が近いので、自然と見下ろす格好になる。
「どうすればいいと思う?キサカさん」
 論題はメラルについて。堅物のイメージしかないが低身長は否定しない。
「どうって言われてもね……」
 多人数で時間前に押しかければ怒られるに違いないが、かといって一人で歩かせるのも危険だ。
 護衛としてはロックとエルザ辺りが適任か。御執心らしいから頑張ってくれるだろう。
 問題は今後の方針だ。メラルとリリアーナの密会中に何をすべきか。
 ……趣旨がズレてるな。
 そうだな、とキサカは前置きを一つ。リリアーナから視線を外し、
「定刻までどこかで時間を潰す方がいい、かな。
 確かメラル・エルディーンだったか。多分彼女は舞台準備中だろうから、時間前に行って邪魔するよりも
 状況整理と休憩に時間を使ったほうがいい」
 休憩スペースも確保できるみたいだし、とキサカは指でロック達を示す。
 時間を指定するという事は、その時間まで来て欲しくないという事。
 一人で来いという事は、他者に介入されたくないという事。
 ……そういえばあの女男説教してないなぁ。

 話が一段落するのを見計らって、キサカは両腕を上に挙げて伸びをする。
 リリアーナは見ない。
 指先から肩、背中、足と全身を震わせて一息。
 表情は力の無い微笑。どちらかといえば苦笑だろうか。
「本当は俺が取り返しに行くべきなんだけど、向こうが指定してるのはリリアーナだし。
 俺は別行動を取る予定だから邪魔はしないよ」
 彼女の反応を見ないまま、結局どうするのさ、とミルク達の方へ歩を踏んだ。

80 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/05/10(土) 21:52:09 0
>53>58
黄身と白身が共に平円状となり、見た目が「目玉」のようになることからこう呼ばれる。
人間の目玉は2つあることから、卵2個を使った物こそが本来の目玉焼きであるとし、
卵1個で作った物はウインクと称している飲食店もある。
手早く作れて栄養価も高いことから、朝食のメニューによく用いられる。
そのままでは味気無いので、たいていは調味料で何らかの味付けを施したり、付け合せに野菜を添えたりする。
目玉焼きの味付けは、醤油か、ソースか、塩コショウかという議論は、国内の至る所で繰り返し行われている。
Wikipediaより。

ヴァンエレンの呼びかけに対して各々夢の中から目覚めて客室から下に降りてくるクリスとマオの二人。
ヴァンエレン邸の食事風景。
用意されたパンと目玉焼きを前にしてマオがふとこぼしたこの言葉。
>「ヴァン、クリス。君達の意見を聞こう!!目玉焼きには何をかける!?」
「醤油」
それがさも当然といわんばかりに一瞬の間も置かずに返事をして、手にするのはもちろん黒い液体の『醤油』。
なぜかパンと目玉焼きをフォークとナイフを使って食べやすい一口サイズにしてから優雅?に食べていく。
食事を終えたあとはハンカチで口をぬぐって汚れをとり、紅茶を口に含んで喉を潤す。
「さてさて、さっきも言ったとおり自体は急だ。
 そろそろペンダントを回収しに行こう」
ヴァンエレンは上に向かっていた魔物軍がかなりの数を減らしているとは一ミリも思っていなかった。
それほどあの軍隊は強いはずなのだが、それは誰かが指揮をとっている場合に他ならない。
その時点でヴァンエレンの読みははずれているのに、あのチョコナワーズの出現すら予想などできるはずがない。
そのために人間たちへの対処よりも魔物たちが警戒するなかで、いかに二人を隠してペンダントを回収するかということで頭がいっぱいだった。


地上へ戻る道はなにかにぶつかって錯乱した本や誰の忘れ物かもわからない骨の一部がたびたび見つかっていた。
相変わらずの霧の濃さで人間二人にはわからないだろうが、たびたび足にひっかかる『なにか』が気になることだろう。
「厄介なのがいる。
 あいつらには絶対について行っちゃだめだ」
ゴーストやらが手招きしていいたり、後ろから助けを求める声や叫び声が聞こえてきたり…。
しかしそれらは死を誘う魂たちのちょっとしたいたずらに過ぎない。
いたずらと言っても、もしついていってしまったりしたら大変になるのだが…。
たよりになるのは各々が持ったランプの光だけで、道しるべとしてヴァンエレンが先頭を行って上を目指す。


そんなこんなでじとじととして寒気がする空間を抜けて、どうやらD階層から無事に逃れられたようで周りには魔物の気配はなかった。
「どうだい、楽しい連中だろ?」
ヴァンの言うとおりほんと狂ってしまうくらいに愉快な連中である。
「いちおう念のため、憑いてたりしないように塩でも振っておくか」
半ば冗談まじりで二人に向けて懐から取り出した塩をぱっぱと振り掛ける。

>77
「よしよし、これから慎重にかつ魔物たちに細心の注意を払ってペンダントを回収する!」
図書館出入口のドア前で一度振り返って、もう一度二人に行動指針と注意を呼びかける。
それではとドアを開けようとしたときに一人でにドアが開いてしまった。
ドアの目の前にいるヴァンエレンの顔を直撃して、勢いよく開いたのでダメージもそれなりで痛さで顔を覆って蹲る。
「や、やっぱりこうなるのね…。
 誰だ!敵か?!」

81 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 22:58:18 0
>「放っておけクリス。きっとヴァンは遅刻しそうな平社員ごっこでもやってるんだ。」
「…いったいどんな遊びなんだよ…」
軽くマオにツッコミをいれたが、吸血鬼は何も言わなかった。
とりあえず食べることにしよう。
テーブルの上の目玉焼きを食べようと思ったとき唐突にマオが質問をしてきた。
>「ヴァン、クリス。君達の意見を聞こう!!目玉焼きには何をかける!?」
>「醤油」
その質問に対し吸血鬼は当然のような感じで即座に返答する。
「醤油をかけるのもいいが俺は塩や胡椒を使うかな」
そう答えながら何もかけずに食べる。
うまい具合に半熟で焼けていれば卵そのままの味を味わうことができるのだ。
食事が終わると吸血鬼がすぐに行動を起こした。
>「さてさて、さっきも言ったとおり自体は急だ。
  そろそろペンダントを回収しに行こう」
「ちょっと待て。回収するルートは考えていかないのか?」
俺の話もよく聞かずに吸血鬼はさっさと行動に移ってしまった。
…これはよっぽどの事があったな。

図書館から出るために霧の中を歩いているとたびたび足に何かがひっかかってくる。
転ばないように気をつけながら歩いているとゴーストやらが手招きしていいたり、後ろから助けを求める声や叫び声が聞こえてきたりしてきた。
>「厄介なのがいる。
  あいつらには絶対について行っちゃだめだ」
どうやらこれがいたずら好きのゴーストらしい。

霧の中をしばらく進んでいくと何かにつまずき転んでしまった。
「ってぇ〜〜」
だが思わぬことに目の前に
『これで吹雪きも安心!雪山サバイバル』
という本を見つけた。
せっかくだし持っていこう。
本を持って起き上がり急いでヴァンエレンたちの方へいくとちょうど霧が晴れた。
やっとD階層を抜けたらしい。
>「どうだい、楽しい連中だろ?」
「できればあまり関わりたくないんだがな。」
いくら騒がしくてもやはり魔物の一種なのだから油断はできない。
…目の前の吸血鬼だけは例外だが。
>「いちおう念のため、憑いてたりしないように塩でも振っておくか」
「おいおい、それは東洋の風習じゃないのか。」
吸血鬼は懐から塩を取り出して俺とマオに振り掛けた。

またしばらく上へ進んでいくとやっと図書館の入り口にたどり着いた。
>「よしよし、これから慎重にかつ魔物たちに細心の注意を払ってペンダントを回収する!」
吸血鬼はかなり意気込んでいるらしい。食堂であったときのやる気の無さはもうなくなっていた。
しかし吸血鬼がドアを開けようとした瞬間何者かがドアが開いた。
>「や、やっぱりこうなるのね…。
 誰だ!敵か?!」
思いっきりぶつけたらしい。顔を覆って蹲っている。
ドアのところにいたのは砂色の髪をし、七色の短い角のはえた男だった。
どうやら予想外の事態に少しだけ戸惑っているようだ。
とりあえず戦闘になると悪いので、魔銃に手をかけ距離を取れるようにしておく。

82 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/10(土) 23:49:31 0
>77
>真っ白の世界で何かが動いている。いや、『白い何か』が動いている?
「フギャ〜出たーっ!!白フクロウですわいつの間にか巨大化ですわ喰われるのですわ〜っ!!」
先程までの勢いは何処へやら、である。
>バサバサ・・・と、飛んでいたそいつはルズの前に着地すると
小生意気そうな女の子に変身した。
>「な〜んだ、バレてたのか。っていうか誰の手の者って・・・う〜ん・・・・・・」
「フギャ〜!フ・・・・・・・あら?あらら?使い魔さんでしたの〜?」
ルズは女の子を見ると、気まずそうに居住まいを正した。

「キミの使い魔に呼ばれた人が私のマスターなんだけど。ってわかる?」
「???」
わかりません、とばかりにルズは首を横に振った。
「そういえばわたくしのサラマンダーの姿も見えませんわね〜。全く!何処に行てしまったのかしら〜?」
二人して唸りながら悩んでいたが、女の子はルズにむかってピッと人差し指を立ててこうまくし立てた。

>「なーんか、人がいっぱい増えてきたね。
> うん、まぁとりあえず・・・・・・あそこの氷の人(注:フリージア)に伝えといてくれる?
> アンデッドが校舎を基点に大量に出現してるから近づかない方がいいって。
> キミの使い魔が得た情報って形でもいいからさ。うちのマスターはそれを探りに行ったって事もね。」
「あっ!えっ?ちょ、まだ話は終わってないのですわ〜!!」
さらばじゃーと言い残し飛び去ってしまった鴉の背に、ルズのカムバーック!!の声が空しく叫んだ。

>74
こうしていても仕方がないので、ルズはフリージアを追いかけた。
「フリージア女王様〜お待ちになって〜!!」
そして見えてくるのは、フリージングドールと幾人かの人影。
その中にあった人影を見つけ、ルズは足を速めた。
「ああっ!エルザ様〜!!良かったのですわ〜ご無事でしたのね〜!!」
ルズはエルザの胸に飛び込むと、ごろごろと喉を鳴らした。

>チョコナワーズ討伐隊
「――――と言い残して、謎の白鴉は飛び去ってしまったのですわ〜」
ルズは白鴉からの伝言を伝えた。
「校舎を起点にアンデットが大量に沸いたという事ですけれど・・・・・・。
 発生源が分からないのですからなんとも言えないのですわ〜。
 ところで皆様、アンデットを倒した時、召喚者の気配は感知なさいまして〜?」
死霊科生徒が召喚したものなら、近くにペンダントの気配を察知したはずだ。
だがそれが無いという事は、アンデット達は誰かが主として召喚したものではないという証でもある。

「わたくしが思いますに、アンデットは誰かが召喚したとは考えにくいのですわ〜。
 もともと学園に居たか、空間操作で外部から侵入したかのどちらかと考えるべきなのですわ〜。
 皆様、何か心当たりはありまして〜?」

83 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/11(日) 00:04:17 0
>78
突然覚醒し、ガバリと身を起こしたソフィアにベアトリーチェは気付いていない。
幻灯機から映し出されている映像を見入っていたところだから。
ちょうどアルナワーズが房中術の説明をして、去っていった場面だ。
(あの腹黒女、何気にこっちに話し振ってんじゃねえよ!)
心の中で毒づいていると背後から声がかかる。

>「鍼灸は血行も良くなるんだね」
言葉をかけられようやくベアトリーチェの意識が後ろに向いたのだ。
「あら、よかった。お目覚めね。クローンの目越しにはお会いしていたけれど、直接ははじめまして、ね。」
にっこりと微笑み返し。
そんな言葉と共にベッドの下からは足の長い30センチ大の蜘蛛が這い出しベッドに上がる。
8本の長い足を使いソフィアの体から針と灸を回収し、管を抜いていく。

「もう少しあとで別の場所で出会う予定だったのだけれど、まさか待っていてもらえるだなんて思わなかったから・・・。
もう体長は万全のはずだけれど、違和感は無い?」
無菌ドーム越しのソフィアに問いかける。
緩やかな時間が流れるような口調ではあるが、そんな時間は意図も簡単に打ち破られることになる。

>「ど-9-9641?ど・・・どうしよう・・・まさかエラーコードじゃないでしょうねっ?!
> アルー!居ないの?!幻灯機壊れたかもしれないのに消えないでよ〜!!」
ドアップに映ったリリアーナの声がラボ内に響いたのだ。
そして手当たり次第に押すボタンは、通信開始のボタンであった。

手元のコミニュケーションクリスタルが点滅し始める。
*ギリリ*
一瞬ソフィアから目を逸らし、小さくなるは歯軋りの音。
(あのクソアマ。天然にも程があんぞ!)
間の悪い通信に一瞬逡巡するが、そこは長年培ったベアトリーチェの技。

「ごめんなさいね。お友達が心配でモニターしていたのだけど、トラブルがあったみたい。
助けを求められているようだから、ちょっと失礼。」
数瞬の逡巡のあと、さっと戻った表情。
軽く断りを入れてコミニュケーションクリスタルに魔力を注ぐ。

#############################################
>73
リリアーナの持つ幻灯機が光だし、目の前に立体映像が浮かび上がる。
勿論ベアトリーチェが映っている。
背景は例の如く真っ暗だ。

「リリアーナちゃん、連絡ありがとう。無事でよかったわ。心配したのよ?」
にっこりとした表情。
幻灯機を通じて見えるのはリリアーナだけでなくミルクやエルザ、しかもよりによってフリージアまでいる。
勿論はらわたは煮えくり返っているのだが、それを微塵も出す事はない。
近くにソフィアやロック、ランドなど、男性陣がいることがわかっているのだから。
何より、ベアトリーチェの直ぐ横にはソフィアが覚醒しているのだ。

「うん、大丈夫よ。安心して。
アルナワーズの言う事を真に受けちゃ駄目よ?
彼女の特徴は目的達成できる選択肢のうち、最も本人が困る選択肢を差し出すのだから。」
ベアトリーチェは今のリリアーナの状況についてリリアーナ自身よりも判っている。
全て見ていたのだから。

84 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/11(日) 00:04:31 0
そして説明を始める。
「リリアーナちゃんは今、時空潮流の影響を受けて体の時間軸が10年ほど戻っているの。
存在としてではなく、力場として見ると凹状態。
逆に、ミルクちゃんやあの男の人は凸状態。
共に現在の相位空間や時間軸からは見ると歪みの力場になっているのね。
現在という固定された力場にいる以上、当然歪みを戻そうとする潮汐力というものが働くから、いつかは自然に元に戻るはず。
それを早めるために彼女は房中術で凸凹の潮汐力を強めるように提案したの。
でも、元々潮汐力の無い状態で気の還流を行うのが房中術。
今ならわざわざ房中術を行わなくても魔力を高めてお互いが接触すれば同様の効果が得られるはずよ。」

そう、別に性の交わりを持って強力な気の還流を起こす必要などない。
既に元に戻ろうとする力が働いているので、ほんのきっかけさえ与えれば堰を切ったように潮汐力が働くのだ。

それに、ベアトリーチェが房中術を勧める事などありえない。
自分自身では絶対得られぬものだから。
そう、ベアトリーチェの欲するものは・・・自分以外のぬくもり・・・。
だがそれは得られない。
愛すれば愛するほど・・・。
瞳の奥底で暗くうねるのは羨望と嫉妬。

「他に困った事は無い?チョコ作り手伝ってもらったし、手助けが必要ならいってね。」
それを笑みで隠しながらリリアーナを励ますのであった。
勿論言葉とは裏腹に、当然のように打算はある。
リリアーナとメラルの決闘を実現させるため、そして、リリアーナが手に入れたサンプル=チョコの欠片を掠め取るために。

85 名前:青サラマンダー ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/11(日) 00:29:19 0
>77
>「・・・・・・どれだけ倒しても、ペンダントを獲得できないっていうのが辛いところだよね。」
「ち〜」
ラルヴァが持っている球状の珠の穴から、青いサラマンダーが顔を覗かせ心配そうに鳴いた。
ルズを探して外に出たサラマンダーがなぜここに居るのか?
理由はいたって単純、ルズを追って外に出たものの、吹雪に阻まれ主を見失ってしまったのだ。
かといって自分の尻尾を持っているフリージアを追おうにも、体表の炎が雪にかき消され体力も底をついてしまった。
行き倒れ寸前のところを、単独でかまくらへ向かっていたラルヴァに拾われ、今に至るわけだ。

校舎内に沸いたアンデットを倒してここまで来たものの、さすがにラルヴァも息が上がっていた。
さて。
ラルヴァが開こうとしている扉の上には、図書室のプレートがかかっている。
だが実際に、学園の図書室が校舎二階に存在するわけではない。
ラルヴァがたどり着いたのは、広大すぎる学園内を便利に移動するための転移装置だった。
ここの扉をくぐれば、地下図書館に即出ることが出来るというわけだ。
ちなみに地下図書館の扉の方は、扉横のダイヤルを回すことで出口を選択できる。
そのまま地上に出ることも、学園内の転移装置のいずれかに出ることも可能だった。

>80-81
>「ふぅ・・・・・・よし。」
>ある程度息を整えたラルヴァは目の前の図書室の扉を思いっきり開いた。
ドカ――――ン!
何かがぶつかるような音がしたので、サラマンダーは驚いて珠から飛び出した。
「ち〜!?」
サラマンダーの青く燃える体が、小さな松明のように辺りを照らした。
顔を覆って蹲る男と、背後に生徒らしき男女の姿が見える。
>「や、やっぱりこうなるのね…。
> 誰だ!敵か?!」
「ち〜!ち〜!!」
青サラマンダーは驚きのあまり、辺りをうろうろ飛び回った。

86 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/11(日) 04:07:20 0
>74-75
>「メラルは女子寮にいたのだ。でも、あそこはいたるところが氷で覆われているから、
> くつろぐには都合が悪い場所なのだ。そういえば、今メラルはモクモクになってるぞ。」
>「モクモクは“煙みたい”という意味なのだ。」
煙みたい、という言葉にリリアーナの顔が引きつったが、特に何も喋らなかった。

新たに登場した人影はフリージアだった。
>ロックが紛らわしい言葉でバトルを申し込んでいるのをみて、リリアーナの口元が綻んだ。
外見や性格がちょっと変わっても、強い相手と戦いたいと願う心は変わっていないようだ。

>76 >79 >82
>「定刻までどこかで時間を潰す方がいい、かな。
> (中略)多分彼女は舞台準備中だろうから、時間前に行って邪魔するよりも状況整理と休憩に時間を使ったほうがいい」
「舞台・・・ねえ。」
女子寮を氷漬けにすることと関係があるのだろうか?
たしかメラルは優勝を阻止するといった事と関係――――あるに違いない。でも何のために?
どう贔屓目に見ても、あのメラルと今のリリアーナでは勝負にすらならないのだが。
「何だろ?・・・・・・はっ!もしかして私、知らないうちにメラルさんの逆鱗に触れたのか・・・・・・あ!」
先程のキス云々と今の天候で、リリアーナは夏休み前の事件の事を思い出していた。
マリアベル事件の折、リリアーナはラルヴァに命を救われた事がある。
(まずいよ〜まさか雪山での件、メラルさんが知っちゃった、とか言うんじゃないでしょうね〜!!)
リリアーナはしゃがみこむと、くしゃくしゃと髪をかき回した。
正直後ろ暗いところは皆無なのだが、色恋は理屈出ないことくらいリリアーナも知っていた。

>79
>「本当は俺が取り返しに行くべきなんだけど、向こうが指定してるのはリリアーナだし。
> 俺は別行動を取る予定だから邪魔はしないよ」
「そんな風に考える必要は無いわ。ペンダントは私の問題なんだから。
 ところで別行動って言ったけど、何か予定でもあるの?
 そういえば室内戦演習用の部屋で何があったか教えてくれてないね。もしかして聞いちゃダメなのかな?」
視線の先ではミルクがフリージアに休憩場所を作るよう頼んでいる。
そしてフリージアを追って現れた黒猫は、白い鴉からの伝言を皆に話していた。
黒猫のぶち上げた説では、アンデットは元々リバース内に居たか、空間操作で現れた可能性が高いらしい。
では、一体校内の何処からアンデットが沸いたのだろう?
「・・・・・・・あ」
リリアーナは気まずそうな顔をした。
酔いつぶれていたリリアーナには全く記憶が無いが、心当たりが無いわけではなかった。
「ラヴスポットが消滅した事と、何か関係あるのかな?」

>84
>リリアーナの持つ幻灯機が突然光り出しし、目の前に立体映像が浮かび上がる。
>勿論ベアトリーチェが映っている。
「わーっ幻灯機が・・・・・あれ?ベアトリーチェちゃんじゃない。もしかしてこれ録画かな〜?」
>「リリアーナちゃん、連絡ありがとう。無事でよかったわ。心配したのよ?」
「わっ驚いた!・・・・・・へえ、これ録画だけじゃなく通信機にもなるんだ〜!すごーい!!」
リリアーナはベアトリーチェの映像に見える?と手を振って見せた。
「実はね、ちょっと困ってるの。ベアトリーチェちゃんが専門だってアルから聞いたんだけど・・・」
リリアーナは今の現状を手短に話した。

>「うん、大丈夫よ。安心して。
>アルナワーズの言う事を真に受けちゃ駄目よ?
そう言ってベアトリーチェは房中術以外の元に戻る方法を教えてくれた。
>房中術を行わなくても魔力を高めてお互いが接触すれば同様の効果が得られるはずよ
「つまり魔力を高めた状態で手を握れば元に戻るって事かな?」
リリアーナはベアトリーチェの胸中も知らず、房中術以外の方法で元に戻れる事にホッとしていた。

>「他に困った事は無い?チョコ作り手伝ってもらったし、手助けが必要ならいってね。」
「何から何までありがと〜ベアトリーチェちゃん。
 他の皆も教えて欲しい事があるかもしれないから、ちょっと待ってね」
リリアーナは後ろに居る皆に向かって、「何か質問ある?」とジェスチャーした。

87 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/11(日) 07:20:40 P
>68
途中、雪の中でもがいてるルズを引っこ抜いたりしながらも
順調に食堂の方へと歩みを進めるフリージア達であったが・・・・
>「こ・・・これは一体?!」
「食堂が!?」
何が起こったのかはわからないが食堂が食堂だったものと化していた
>「フリージア女王様、もしよろしければ、先に様子を見に行ってくださいまし〜」
「判りましたわ!!」

ルズと分かれたフリージアは奥のほうへと進んでいく
>75>76
>「おお!フリージアなのだ!」
>「えっ!?フリージア!?」
大きなフリージアをしっかり見つけるロック。
>「お〜い!フリージア!俺のペンダントが見つかったのだ〜!だから俺と や ら な い か 〜 !!」

「ろ、ロック!こ、言葉が足りませんことよ!!」
いったい何を連想したのだろうか?
その言葉を聞いて顔を真っ赤にするフリージア
・・・・・と言ってもフリージングドールを着ているので表情はわからないだろうが

>「アホかーっ!人が休憩場所を探してるときに邪魔するような事言うなーっ!」
ロックに突っ込みを入れる初めて出会う少女
>「フリージアーッ!あたしはミルク・パウダーシュガーっていうんだけど!
今リリアーナたちと休憩場所を探してたんだよ!
詳しくは後で話すから、あんたの魔法ででっかい城とか作ってくれない!?
このままじゃ全員凍え死ぬーっ!!」
「リリアーナさん?リリアーナさんがいますの?
 判りましたわ!そういうことでしたらこの氷結のフリージアにお任せなさい!!」
初対面の相手がなぜ自分のことを知っているのかはこの際置いておくとして
フリージアはそれに了承した
自分のように氷の属性を持たぬものにとってはこの吹雪は辛過ぎるだろうからだ

「これだけ雪があれば材料には事欠きませんことよ!!」
と作業を開始するフリージア
しばらくすれば以前フリージアが作ったものと同じ城が完成するだろう

>82>86
しばらく作業を続けているフリージア
そこに合流するルズ

ルズいわく
>「わたくしが思いますに、アンデットは誰かが召喚したとは考えにくいのですわ〜。
 もともと学園に居たか、空間操作で外部から侵入したかのどちらかと考えるべきなのですわ〜。
 皆様、何か心当たりはありまして〜?」
だそうである
>「ラヴスポットが消滅した事と、何か関係あるのかな?」
と言われてもフリージアには判らないし心当たりもない
「ラブスポット?何ですのそれ?」
どうやらフリージアは知らないようである

>83>84
作業を続けているフリージア
そこにベアトリーチェからの通信が入る
それによるとリリアーナは10歳若返っているらしい
と言うことはそこにいるリリアーナそっくりな子供はリリアーナそのものということなのだろうか?
「猫ちゃんになったり大人になったり子供になったり・・・次当たりは性転換かしら?」
と不吉なことを言うフリージアであった

88 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/05/11(日) 14:03:03 0
>80>81
>「醤油」
なるほど…醤油か、醤油もいいかもしれないな。
そう思って僕が醤油の瓶を取ろうとしたときクリスが発言する。
>「醤油をかけるのもいいが俺は塩や胡椒を使うかな」
そうだな…塩や胡椒もいいかもしれない。
………でどうすればいいんだ。塩に胡椒、醤油と絞り込めたがそのうちどれを使えばいいんだ。
そんなことを考えているうちにもヴァンエレンとクリスはどんどん食べ始める…
悩んでいる暇はない!三つ全て採用するしかない!
「よし!これでいいんだな!とりゃあッ!!」
醤油と塩に胡椒の全ての瓶を手に取りおもいっきり目玉焼きにかける!!
よし、これでいいはずだ。僕はなにも間違ってなどいない…
なにやら凄いことになっているが二人が進めてくれたのだからまずいわけはない。
フォークで一口食べてみる………
「…うぅ…しょっぱい……こんなしょっぱい目玉焼きは初めてだ…」
胡椒やら塩やら醤油やらが混ざり合ったこの目玉焼き…
もう卵の味すら感じられないぞ……

>「さてさて、さっきも言ったとおり自体は急だ。
>そろそろペンダントを回収しに行こう」
「あ…ああ…分かった。もう出よう。」
まだ半分も食べていないが正直これ以上食べる気がしない…
せっかく作ってくれて悪いとは思うが…まあこういう時もある。
服を襟を直しささっと身だしなみを一通り整えてヴァンエレンの後についていく。
地上に戻る途中なにかが足に引っかかり転びそうになりながらヴァンエレンの後についていく。
他にも声が聞こえたりゴーストが手招きしていたりと
まるで遊園地のゴーストハウスのようだ……
>「厄介なのがいる。
>あいつらには絶対について行っちゃだめだ」
「父様から知らない人にはついていっちゃダメだといわれているから大丈夫だ。」
実際行ってみたいような気もするが…今はそれどころじゃない。

>「ってぇ〜〜」
目の前でクリスが転ぶ、全く一体なにをやっているんだ…
「早くいかないと、ヴァンエレンを見失いでもしたら一大事だぞ。」
そう言いながらクリスの前に出てヴァンエレンを追っていく。
歩いているうちにだんだん声も聞こえなくなり、下に障害物を感じることも少なくなり無事D階層から出れた。
>「どうだい、楽しい連中だろ?」
「ああ…どうやら仲良くなれそうだよ。」
そう皮肉を言いよごれがついていないかどうか気になり服をはらう。
>「いちおう念のため、憑いてたりしないように塩でも振っておくか」
「憑く!?……お前の言うとおり本当に楽しい連中だな。」

>77
「よしよし、これから慎重にかつ魔物たちに細心の注意を払ってペンダントを回収する!」
「よしやってやろうじゃないか!魔物などこのエリートの僕の敵ではない!!」
寝たお陰で大分体力も回復したし魔力も戻ってきた。今ならばいける!…気がする!
いざヴァンエレンがドアを開けようとノブに手を伸ばしたが、勝手にドアが開き顔を直撃する。
>「や、やっぱりこうなるのね…。
>誰だ!敵か?!」
「流石ヴァンエレン!僕たちにできないことを平然とやってのける!」
正直言うとどこかでこうなることを僕は望んでいたからちょっと嬉してくてテンションが上がる。
もちろんすぐにドアの向こうを見る。敵かもしれないからな。
見てみるとちょっとした角の生えたなんちゃって鬼っぽいのが立っている。
向こうからしてもこれは予想外だったのか色々と戸惑っている。
攻撃をしかける絶好のチャンス!幸いにもクリスはすでに戦闘態勢にはいっている。

「よし!ヴァンエレンの仇!!――Thunder spear――!!」

先制攻撃!僕は手のひらに魔力を集め雷の槍としあの鬼に放つ!!

89 名前:ラルヴァ&使い魔’s ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/11(日) 16:02:11 0
>80-81>85>88
扉を思いっきり開けた所、どうやら何かに激突したらしい。
>「や、やっぱりこうなるのね…。
> 誰だ!敵か?!」
>「ち〜!ち〜!!」

「つっ?!」
一瞬呆然としかけたが、咄嗟に青いサラマンダーをひっつかんで後方に飛びのく。
だが、その呆然としかけた一瞬がまた命取り!!

>「よし!ヴァンエレンの仇!!――Thunder spear――!!」
まだ着地していない自分に向けて、まさに光速の雷槍が迫る。
そのまま撃ち抜かれるかと思った・・・・・・が

バシン!
着地したラルヴァの胸部から一本の腕が生えている。
その腕の先には騎士が騎乗時に使うような大振りな盾が一つ。
それが、迫りくる雷槍を受け止めたのだと誰もが理解するだろう。

「敵か?!と聞かれた以上、僕も敵なのかどうかそちらに聞き返したかったけど聞くまでもないみたいだね。
 アンデッド・・・吸血鬼、ヴァンエレン。現在二等過程ながら一等過程候補者最右翼・・・マオ先輩。
 後もう一人に関しては寡聞にして知らないけれど、少なくともこの二人がそろえば納得できるね。」
「加えてこのタイミングで図書室側から出てきた・・・やはり君達3人がこのアンデッドの襲来を引き起こしたと見ていい訳だね?
 どちらにしろ、攻撃を仕掛けてきた以上交渉は無しだ。僕の敵だと宣言しているようなものなのだからね――――!」
つまんでいた青サラマンダーを右手に放る。少なくとも扉からの射線上から外すためだ。
そして、ラルヴァの全身から幾本もの腕が現れる。
それぞれに、斧、槍、盾、矛槍、錨、篭手を構えた腕が合計で8本。元の腕と合わせて計10本!
ラルヴァは自分自身の腕で大剣を引き抜き、両手で構える。

「君達によって呼び出されたアンデッドによって、リリアーナ達に危害が加えられる恐れがあるからね。
 早々に始末して状況を解決させてもらうよ!!」
14の虹彩で3人を睨むと、己の左手を眼前に突き出して呪文を放つ。
「グレイブスパイク・・・・・・追加術式・針山荒野!」

ラルヴァを基点として、扇状に石の針が次々に地面から生え
マオ、クリス、ヴァンエレン全員の足元から串刺しにせんと襲い掛かる!

90 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/05/11(日) 17:42:08 0
>「流石ヴァンエレン!僕たちにできないことを平然とやってのける!」
…なんかマオのテンションがやけに上がっているな。
>「つっ?!」
その間に相手は青く燃えている何かをつかんで後方に飛びのいた。
>「よし!ヴァンエレンの仇!!――Thunder spear――!!」
しかしマオが放った雷槍が追撃を与える。
「!!ちょっと待て!敵か確認する前に普通攻撃するか!!」
>バシン!
着地したラルヴァの胸部から一本の腕が生えている。
その腕の先には騎士が騎乗時に使うような大振りな盾が一つ。
それが、迫りくる雷槍を受け止めたのだと誰もが理解するだろう。
…すごくグロい光景だ。
どうやらあの盾が雷槍を防いだらしい。
>「敵か?!と聞かれた以上、僕も敵なのかどうかそちらに聞き返したかったけど聞くまでもないみたいだね。
  アンデッド・・・吸血鬼、ヴァンエレン。現在二等過程ながら一等過程候補者最右翼・・・マオ先輩。
  後もう一人に関しては寡聞にして知らないけれど、少なくともこの二人がそろえば納得できるね。」
>「加えてこのタイミングで図書室側から出てきた・・・やはり君達3人がこのアンデッドの襲来を引き起こしたと見ていい訳だね?
  どちらにしろ、攻撃を仕掛けてきた以上交渉は無しだ。僕の敵だと宣言しているようなものなのだからね――――!」
非常にまずいな。
会話する前に戦闘に入ってしまった。
「我らの周りに存在せし大気よ 
 追い風となりて我らの動きを補助せよ」
詠唱しながら後退していると相手は青く燃える何かを放り投げ、全身から幾本もの腕がはえてきた。
それぞれに武器や防具が装備されている。
さらにもともとあった腕で大剣を構えた。
…魔法だとしてもかなりすごい光景だぞ!!
>「君達によって呼び出されたアンデッドによって、リリアーナ達に危害が加えられる恐れがあるからね。
  早々に始末して状況を解決させてもらうよ!!」
そのまま俺たちを睨みながら左手を突き出して呪文を放ってきた。
>「グレイブスパイク・・・・・・追加術式・針山荒野!」
それと同時に自分の魔法も発動させる。
「ブレス オブ フェアウィンドウ」
これで俺とマオ、吸血鬼は通常より早く動くことが可能になる。
相手の魔法で扇状に石の針が迫ってくるので、魔銃に雷の魔力を溜めたまま跳び、適当なところに撃ちだし石の針を破壊する。
そしてその残骸の上に着地した。
武器の種類と魔法からして遠近両方ともかなり手ごわいだろう。
隙を突いて扉から図書館の外へ出ることも考えたが、先ほどの言動からして他の仲間がいる可能性が高い。
ここは足場を崩してより下の階層へ落としたほうがよいだろう。
火の魔力を魔銃に込め相手の足元に向けて放った。
…正直この場にオルビア先生がいなくて本当によかったと思う。

91 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【事前0所持70投下3】] 投稿日:2008/05/11(日) 18:05:47 O
>82-84 >86-87
>「リリアーナさん?リリアーナさんがいますの?
> 判りましたわ!そういうことでしたらこの氷結のフリージアにお任せなさい!!」
「さっすがフリージア!話がわかる!」
性格からして断ったりはしないと思ってたけど、無事フリージアはあたしの頼みを聞いてくれた。
早速作業を開始するフリージアだけど…なんだか成長してないかフリージア?(巨大化的な意味で)
もしかして、雪の結晶を取り込んで際限なく巨大化したりとかできるのか?
いかん。高笑いをしながら校舎を踏み潰す、ジャイアントフリージアの姿が脳裏に浮かんできた。
あたしが怖い想像を頭から追い払っていると、雪の中から黒い何かが銃弾のようなスピードで走ってきた。
>「ああっ!エルザ様〜!!良かったのですわ〜ご無事でしたのね〜!!」
黒い弾丸はエルザの胸に飛び込んでゴロゴロくつろいでいる。
よく見ると、それは真っ黒い猫だった。しゃべる黒猫って事は誰かの使い魔か。
「ロック、さっきはバトル止めちゃってごめんね。
リリアーナの休める場所が出来たら、ゆっくりフリージアと戦っていいからさ」
あたしはロックに一言謝ってから、エルザたちの方に足を向ける。
正直この天候で天下無双状態のフリージアに、勝てる奴がいるとは思えないけど。
ま、そこまで言わない方がいいよな。

雪の中走ってきた黒猫は、人化する白鴉から聞いた話を伝えに来たようだった。
人化するほど高等な白鴉の使い魔なんて聞いたことないぞ。
その白鴉のマスターとやらも気になったけど、問題はアンデッドの居場所の方。
食堂を襲ってたとアルナワーズが話してた、スケルトンたちの事に違いない。
黒猫の推理によると、あいつらは最初からリバース内にいたか、空間操作で後から現れたかのどちらかだとか。

>皆様、何か心当たりはありまして〜?」
「心当たり、ねえ…」
リバース内にいたかどうかは知らないけど、空間の方には思い当たる事があるような…
>「ラヴスポットが消滅した事と、何か関係あるのかな?」
「関係あるとしたら、あの二階の踊り場の近くに何かあるんだろうね…」
リリアーナも同じ事を考えていたようで、ラヴスポットでの話を持ち出してくる。
あの辺りの時空が歪みっぱなしで、アンデッドたちが這い出して来てるのかな。あーやだやだ。

92 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【事前0所持70投下3】] 投稿日:2008/05/11(日) 18:06:55 O
急にリリアーナがあちこち触っていた幻灯機が、立体映像を浮かび上がらせた。
「うわっ!ベアトリーチェ!?」
しばらくは見るまい聞くまいと思っていた顔と声。
にっこり笑うその笑顔には、あの時の戦いの様子は微塵も残っていない。
その背景は真っ黒でどこにいるのかはわからないけど、庵はマオの雷で焼き払われたはず。
場所的にあの湿原が最適なはずだから、他に隠れ場所があるとは思えない。
…地下にシェルターでも造ってやがったな。
もしかしたら、クローニングとやらもそこで量産してるのか?

あたしの考えをよそに、リリアーナは元の姿に戻る方法を聞き、それに親切そうに答えるベアトリーチェ。
そういや、ヴァンエレンをだました時も最初はあんな感じで親切だったよな…
後で地獄の悪魔も裸足で逃げ出す凶悪さを見せたけど。
>「他に困った事は無い?チョコ作り手伝ってもらったし、手助けが必要ならいってね。」
>「何から何までありがと〜ベアトリーチェちゃん。
> 他の皆も教えて欲しい事があるかもしれないから、ちょっと待ってね」
すっかり丸め込まれたリリアーナが、こちらに質問はないか聞いてくる。

「質問じゃないんだけどちょっといい?」
本当は、聞きたいことはいっぱいある。
あんたはクローンじゃなくて本人なのとか、ペンダント集めて何企んでるのとか。
親切顔して情報くれるなんてどういうつもりよとか、フリージアの事どう思ってるのとか、いろいろいろいろ。
でも、口にしたのは全然違うこと。
「実はさっき、一気に優勝を狙えそうなくらい、大量にペンダントを手に入れたのよね。
で。あたしはこれを使ってリリアーナを優勝させたいと思ってる。
優勝者がでたら賞品にされちゃうリリアーナだけど、本人が優勝すれば問題なし。
うっかりしたら教師が優勝しちゃうかもしれないし、リリアーナを助けるためには、これが一番いいと思うのよね」
どこまでしゃべれば良いかよく分からないから、説得の言葉は少ない方がいい。
あのひねくれ者相手には何がやぶ蛇になるかわからないし。
「だからベアトリーチェ。あんたに手助けをお願いしたいの。
さっきは戦うことになったけど、昨日の敵は今日の友。
リリアーナを優勝させるために力を貸してくれない?」
どうせフリージアが見えてるから断るだろうけど、なにか反応を引き出せるかもしれない。
万が一協力してくれるなら、利用してやればいいだけの話だ。

93 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/11(日) 19:53:13 0
>76>82>83>84>86>87>91>92
> 「ろ、ロック!こ、言葉が足りませんことよ!!」
>「言葉が足りない?」
ロックはう〜んと考えた後、言い方を変えてみることにした。
>「や れ ん の か !?」
そういった後、後ろからポコンとミルクに殴られた。
> 「アホかーっ!人が休憩場所を探してるときに邪魔するような事言うなーっ!」
その後、ミルクの呼びかけによりフリージアは城を築き始めた。
> 「ロック、さっきはバトル止めちゃってごめんね。
> リリアーナの休める場所が出来たら、ゆっくりフリージアと戦っていいからさ」
>「そうさせてもらうのだ。」

> 「ああっ!エルザ様〜!!良かったのですわ〜ご無事でしたのね〜!!」
> ルズはエルザの胸に飛び込むと、ごろごろと喉を鳴らした。
「黒猫さん!また会えて嬉しいわ!」
エルザもまた、ルズをやさしく抱きしめた。頭にキスをした。
「へっくしゅん!!」
エルザは派手にくしゃみをした。ルズの頭に、少しだけヌーク草の粉が付いていたらしい。

> 「――――と言い残して、謎の白鴉は飛び去ってしまったのですわ〜」(略)
> 「ラヴスポットが消滅した事と、何か関係あるのかな?」
> 「関係あるとしたら、あの二階の踊り場の近くに何かあるんだろうね…」
「………?」
ルズがアンデッド達の事について説明したが、エルザは、事情がさっぱりわからないといった顔をした。

> リリアーナの持つ幻灯機が光だし、目の前に立体映像が浮かび上がる。
映し出された少女は、エルザの知らない人物だった。
> 「わーっ幻灯機が・・・・・あれ?ベアトリーチェちゃんじゃない。もしかしてこれ録画かな〜?」
> 「うわっ!ベアトリーチェ!?」
> 「リリアーナちゃん、連絡ありがとう。無事でよかったわ。心配したのよ?」
> にっこりとした表情。
「ベアトリーチェ?」
エルザのベアトリーチェに対する第一印象は『親切そうな人』だった。
実際、ベアトリーチェは親切だった。何しろ、キスをしなくてもリリアーナを元に戻す方法を教えてくれたのだから。
「ありがとう、ベアトリーチェ。あなたってとても親切ね。それに比べてアルナワーズときたら…。」
エルザもリリアーナと一緒にお礼を言った。
> リリアーナは後ろに居る皆に向かって、「何か質問ある?」とジェスチャーした。
が、エルザは特に無かったので首を横に振った。
「ロックは?何か質問ある?…ロック?」
ロックは立体映像のベアトリーチェをじっと見つめていた。
>「ベアトリーチェ…かわいいのだ、ベアトリーチェ…」
「あなた、彼女と知り合いなの?」
>「いや、ぜんぜん。よう、俺ロックなのだ!よろしくな!」
ロックはベアトリーチェに自己紹介をした。
> 「質問じゃないんだけどちょっといい?」
ミルクはベアトリーチェにリリアーナのため共闘するよう呼びかけた。
よほど気になるのか、その間もロックはベアトリーチェを見つめていた。

94 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/05/11(日) 20:57:08 0
>「口は災いの元だよな…残念な事に格闘技でしか戦えないルールになってんだ…。
  俺はボクシングで戦うしかない。」
話を聞いたメラルの表情が一瞬固まり、少しして一言呟いた。
外道極まりない事も考えるには考えたが…流石に口に出しはしなかったようだ。
「…ご愁傷様です。」
(……度数のかなり高いお酒か何かを準備して、戦う前に
レオ先生と酒宴をすれば何とかなるかもしれないけど…
レオ先生なら酔い位は薬でどうとでもしそうね…。)

>「3割から4割位じゃないか?5割以上残ったら大したもんだ。」
「…そう…ですか…。」
メラルの想定していたのは、1〜3割。その見通しを甘いと言われたような気がして、
先ほどの笑みはどこへやらと言った様子で悩んでいる。
と、エース先生と話し始めていたレイド先生に再び声をかけられた。
>「ないない。俺みたいなヘマでもしない限りほとんど残ってるね。
  (中略)なんなら飲むか?今夜は無礼講だぜ〜。」
「申し訳ありませんが、お断りします。鍋の類は昔から苦手ですし、
 それに……準備に取り掛からないといけませんので。では……!」
メラルが席を立ち、扉に向かおうとして、一瞬…いや、数秒は
メラルの動きが完全にが固まった。

その後で、一度目に見えるような深呼吸をした後でメラルが言った。
「先生、今エミューから連絡がありました。何故か…魔本内に魔物が
 大量発生しているみたいです。…どう動かれるかは先生方にお任せしますし、
 外に出るのならエミューが道を作ってくれるはずですが…一度女子寮を出たら、
 もうここに戻って来る事は出来ないと思ってください。
 防衛体制に入らないといけませんので。では、失礼します。」
そう言うと、今度こそメラルは部屋を後にした。

=====================================================================
 女子寮、メラルの部屋…。
地下の部屋を出て自室に来たメラルが、部屋の壁…氷に映し出された複数の映像を眺めつつ、
決闘の準備の為に服を着替えている。氷に映し出されているのは、一つは
レイド先生たちの部屋。それ以外は…女子寮の外の映像。
吹雪でろくに見えないが、それでも女子寮に接近した者の姿だけは見える。
「…組織的にここを攻め落とそうとしているわけじゃないみたいね。
 それなら…防衛主体の行動でいいはず。後は、レイド先生達の動きを確認してから
 私も動くだけ…。…エミュー。リリアーナの部屋の処理の方は?」
(8割方終わってるが…抵抗はないゼ?)
「…そう…。ありがとう。」
着替えを終えると、メラルは何かを待つように映像の方を眺めていた。
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ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持

95 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/11(日) 22:54:29 0
>86>87>92>93
リリアーナが感謝をし、後ろのメンバーにほかに質問がないかジャスチャーするその様をにこやかに見ていた。
質問ではないが、最初に口を開いたのはフリージア。
>「猫ちゃんになったり大人になったり子供になったり・・・次当たりは性転換かしら?」
「うふふ。相変わらずフリージアちゃんって愉快な人ね。」
にこやかに応えるが、勿論内心はまったく別のことを考えている。
本音同時通訳(何ボケた事いってんだこのドリル頭。脳ミソまでねじれてんじゃねーの?)
心の内で毒を吐くが、それと同時に違和感が生まれていた。
クリスタルに映るリリアーナたちの背景は吹雪だ。
そしてそこにフリージアがいる。
ベアトリーチェにとってそれは言い知れぬ違和感となって引っかかる。

腐海では冷たい雨が小降りになっているが、校舎方面では未だに吹雪。
メラルがフリージアの儀式を妨害して範囲を狭めているはずなのに・・・なぜ?
本来ならば儀式の妨害と排除の攻防があって然るべき筈なのだ。
しかしフリージアは儀式を執り行っている様子はない。
メラルの妨害が必要最低限達成したのみという事も考えられるのだが、何かが引っかかる。

もっと深く考えればメラルに疑惑が向いたかもしれないのだが、深く考えて入られなかった。
次なる障害が発言したのだから。
それがエルザだった。
>「ありがとう、ベアトリーチェ。あなたってとても親切ね。それに比べてアルナワーズときたら…。」
「お友達が困っていたら当然じゃない?
あの腹黒女なんて持ってまわしたいい方ばかりして振り回されていい迷惑よねー。」
女が二人集まれば誰かの陰口が発生する。
そんな性格を地でいくベアトリーチェなので水を向けられればつい陰口が流れ出てしまう。
言い終わってからしまったと思ったが、言ってしまったからには仕方がない。
共通の敵は連帯感を生み出す、という効果があると自分を納得させたが、これ以上アルナワーズの悪口を言うのをやめる。
女だけならともなく、周りには男子もいるのだから。

ベアトリーチェにとってエルザは厄介な敵といわざるえない。
毒は五行属性で言えば木行に当たる。
チョコナワーズが五行属性吸収システムを持ったのは何も偶然ではない。
ベアトリーチェが研究する毒は究極的には五行相克に則った理論で形成されるのだから。
計らずもチョコナワーズはベアトリーチェの研究の完成系の一つを体現していたのだ。
だからこそ、サンプルにどうしても手に入れたいのだが・・・。

話はそれたが、スーパーハードニングを発動したエルザは全身鋼。
すなわち金行属性。
天敵の分を持っている。
それをどう攻略するか考えつつ、その時まではなるべく敵対を避けたいところなのだ。

そう、ベアトリーチェにとっては全てが敵なのだから。

96 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/11(日) 22:54:36 0
微笑みながらそんなことを考えていると、熱視線を感じる。
その主は勿論ロック。
>「ベアトリーチェ…かわいいのだ、ベアトリーチェ…」
>「いや、ぜんぜん。よう、俺ロックなのだ!よろしくな!」
「や、やだ・・・男の人にそんなに見つめられると恥ずかしいわ・・・。」
肌の色素がない分、赤くなるとあからさまにわかる。
さっと顔を背け、目を伏せた。
そしてそっと顔を上げ、ロックに応えるのだ。
「はじめまして。お噂はかねがね。お会いできて嬉しいわ、ロックさん。
今度落ち着いてらお茶でもしましょう?」

そんなやり取りの中、ミルクが共闘を持ちかける。
ロックといい雰囲気になっている中、ズケズケと入ってくるミルクに殺意を覚えるが、表情には出さない。
そんな事をしてソフィアやロックに引かれるような事態は断じて起こしてはならないのだから。
「このイベントで先生達が本気で優勝を狙うとは思えないけれど・・・
それに、昨日の敵だなんて、酷いわ。
ほんの些細な行き違いがあっただけで、私たちの友情は変らないでしょう?」
どの口でほざくと思われるかもしれないが、こういう事をさらっと言えてしまうのがベアトリーチェ。
クリスタルの位置をずらし、ソフィアも映像に映しながら続ける。
ソフィアと共にラボ内の実験施設も映るが構わない。
「そういうことなら勿論協力するわ。
ミルクちゃんは知っているわよね、こちらソフィアさん。
私たちペンダントの争奪戦に興味がないからここで静かに隠れていたの。
私はちょっと準備があるからあとで合流するけど、そういう話ならソフィアさんにもお願いして先に行ってもらうわ。」

共闘に応え、ロックに挨拶をしたあと、通信を切った。
「ごめんなさい。お友達が困っていたから・・・。
ソフィアさん、お願いがあるの。
今の話とはちょっと違うのだけれど・・・」
コミニュケーションクリスタルを脇に置くと、小さく舌を出しながらソフィアに頭を下げる。
「リリアーナちゃんはこれからメラルさんと決闘の約束があるの。
でも人がいいから、周りに集まっている人にその事が言えないのね。
だから、助けてあげて欲しいの。
リリアーナちゃんたちと合流して、隙を見てリリアーナちゃん一人だけ女子寮に連れて行ってあげて。
たぶん訳を話しても周りの人たちが勝手についていくだろうから・・・。」
そういってフィジル島地図を差し出した。
地図にはマーカーが付いており、それがリリアーナの持つ幻灯機の位置を表わしている。

「本当は私が行くべきなのだろうけど、もう少し準備に時間がかかるから、お願い。」
薬の効果で寒さに対する耐性が付いている事も付け加えてお願いするのであった。


その頃アルナワーズ

ふよふよと浮かびながら屋上へと辿り着く。
辺りにメラルがいないのを見て一息ついていた。
リリアーナの動向について話そうと思っていたのだが、レイドとの交渉がまだ続いているのだろうか?
流石にそこまで首を突っ込む余力もないのでちょっと一休み。

97 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/12(月) 15:06:29 0
>87 >93
>「ラブスポット?何ですのそれ?」
雪と氷の城を作っているフリージアの言葉を聞きつけたようだ。
エルザの胸で顔を洗っていた黒猫がはいはい!と元気良く手を上げた。
>「女王様お任せあれ!ラヴスポットについてはこのルズがご説明いたしますわ〜!!
> そうですわ、学園に編入したばかりのエルザ様ももしかしたらご存知ないのではございません〜?」
黒猫(ルズという名前らしい)がえっへんと胸をはり、得意顔で特異点について説明を始めた。

>92 >95-96
>「ありがとう、ベアトリーチェ。あなたってとても親切ね。それに比べてアルナワーズときたら…。」
>「お友達が困っていたら当然じゃない?
>あの腹黒女なんて持ってまわしたいい方ばかりして振り回されていい迷惑よねー。」
「あ・・・いや、アルは知ってる中で一番確実な方法を教えてくれたんじゃないかな〜」
リリアーナの言葉を受け入れたのか否か、ベアトリーチェは話題を変えた。

ロックはベアトリーチェをじっと見つめながら、かわいいかわいいと呟いている。
リリアーナはそれを見つめながら、なんとも言えない気持ちになった。
ロックは本当に変わってしまった。
エルザを好きと言ったのに、リリアーナをからかったりベアトリーチェへの興味を隠しもしなかったり。
(多分、私のチョコなんて食べて無いんだろうな・・・・・・)
媚薬が効いてないのは良い事だと思う。思うけれど・・・・・・。
リリアーナは無意識にチョコナワーズの欠片が入ったポーチに触れた。

そんな事を考えていると、ミルクが驚くべきことを口にした。
ミルクでなく自分を優勝させたいと思っていること、そのためにベアトリーチェと共闘したいということ。
ベアトリーチェも快諾し、ソフィアという男子生徒を先に合流させると話していた。
「あっあのっ!ありがとうベアトリーチェちゃん。でも二人ともご迷惑じゃないのかな?」
申し出はありがたいが、静かに隠れていたかった人間を引っ張り出すのは心苦しい。
「ベアトリーチェちゃん、ソフィアさん、私は幻灯機を持ってるから、何かあったらコレで知らせてね?
 それと今は食堂の近くにいるの。フリージアが作ってくれた雪のお城にいるけど、移動するかもしれないし。
 こっちはアンデットが沸いてるから、来る時は二人とも気をつけてね」

パリーン!とガラスが割れる音がした。
>「あらあら。あっちの校舎の二階から真っ二つのゾンビが落ちてきてますわ〜」
夜目が利く黒猫が解説した。黒猫が指した方向からすると、二階踊り場では無さそうだ。
かすかに違和感を感じたものの、その時は校内に溢れたアンデットが二階に至ったのだと納得した。

通信が終わる頃、フリージアが作っていたお城も完成したようだ。
彩色されていないので真っ白の城だが、小屋サイズとはいえここに居る全員が入っても十分な広さはありそうだ。
「フリージア凄い!本当にすぐに立てちゃったね!」
フリージアに声をかけたものの、なぜかいつものような反応が無い。
「私よ私、リリアーナよ。縮んじゃった。てへ」
リリアーナは恥ずかしそうに首をすくめた。
「フリージアは元気そうでよかった。フリージングドールに入るなんて考えたね。
 ねえ、そろそろお城に入ってもいいかな?」

98 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/12(月) 15:07:20 0
城の中は外よりもずっと暖かかった。火を入れればもっと快適になるだろう。

リリアーナはラヴスポットに行った経緯と、ミルクやランド同様に年齢が変化した事について触れた。
「そういえば、そもそもラヴスポットはなぜ消滅したのかな?」
ランドはリリアーナを慮って、消滅した原因に着いては触れていなかったのだ。
「あと話は戻るけど、さっきの話。白鴉って多分使い魔なんだよね?
 となると、マスターって一体誰なのかな?
 使い魔の伝言はフリージア宛だし・・・・・・ねえフリージア、誰か心当たりはない?」
まさか懐かしい友達がリバースに現れたなど、さすがに思いつくはずも無かった。

「今のところの状況はこうよね?
 学校の敷地内にアンデットがわんさか沸いた。校舎の中が特にひどい。
 原因はラヴスポット消滅の影響かもしれない。
 フリージアの知り合いが校舎の中に入っていった。
 二階で誰かが戦ってるけど、同一人物かまではわかんない。
 あと私、ミルク、ランディの変化は、魔力を高めてお互い触れ合えば元に戻るかもしれない。
 もう少ししたらチョコナワーズに同化していた生徒達が復活して、ペンダントを取り返しに来るかもしれない
 そしてソフィアさんとベアトリーチェちゃんが助力してくれる予定」

リリアーナは腕を組み考え込んだ。
「私が元に戻る方法だけど、別に無理しなくて良いわよ。
 だって私はともかく、10歳成長してた方が魔法容量が増えて戦闘では有利じゃないかと思うの」
自分が不利だからといって、有利な立場にいる人間に無理強いなど出来ない。

「それとミルク、さっき私を優勝させたいって言ってくれてありがとう。凄く嬉しい。
 でも、どうしてそんなに良くしてくれるの?私、ミルクに何にも返せないのに。
 それに、チョコナワーズ戦に参加した皆の気持ちはどうなのかな?
 皆は皆なりにビジョンがあるんじゃないかって思うの。
 キサカさんは今から用事があるって言ってたし、私も――――」
リリアーナは口を噤んだ。
「・・・・・・とりあえず、チョコナワーズ戦に参加した人達で一度ペンダントを分配しない?
 私としては一刻も早くペンダントをゴミ箱に投下したいの。
 せっかくお城で一息ついたのに、このままじゃ復活した持ち主に襲われちゃうし」


99 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/05/12(月) 18:31:17 0
>88
>「よし!ヴァンエレンの仇!!――Thunder spear――!!」
痛さでもがいているうちにマオが先んじてラルヴァに向けて攻撃を仕掛ける。
打ち出される雷撃は一直線に対象へと襲い掛かるが、直撃したかと思いきや攻撃は盾によって防いで本人には当たらずに無傷だった。
こちらから攻撃してしまったことにより、ラルヴァに明確な敵意があるとみなされて本格的な戦闘が開始された。
腕が阿修羅像のように幾本も生えてきて、それぞれがさまざまな武器を手にこちらを向かえうたんと一斉に攻撃の構えにうつる。
もはや人間の姿とは言えないような様になったラルヴァの姿を見て、ヴァンは吃驚仰天するかと思いきや平然と次に出される攻撃に備えていた。
>「君達によって呼び出されたアンデッドによって、リリアーナ達に危害が加えられる恐れがあるからね。
> 早々に始末して状況を解決させてもらうよ!!」
なにを繰り出してきたかと思えば、地面から石の針が生えてきてそれは徐々に三人に向けて迫ってきていた。

>90
ラルヴァの攻撃にあわせてクリスも魔法を使用して、ヴァンは己の動きが魔法付加により向上していることに気がついた。
石の針による攻撃をヴァンは飛ぶことによって回避し、マオには使い魔を複数呼び出して足元を飛ばせることによって魔法の絨毯のように彼女を空に浮かせる。
「その姿は人間というよりも鬼といった感じだね。
 よろしければこれから魔物たちと一緒に宴に参加してみてはいかがかな?
 あれらが友好的かどうかはわからないがね」
魔物たちの宴とは即ち、いま現在行われている人間たちとの殺し合いのことに間違いない。
ヴァンの言動からしてそれは勧誘というよりも挑発そのものだろう。

クリスはヴァンとマオが回避するより先に跳んで、距離を置いた場所で魔銃を使って石の針を破壊していた。
そして石の残骸の上より足場を崩す目的で強力な一撃がラルヴァの足元に当たり、轟音とともに足場は崩れていった。
「これで落ちた先に行ってみたら頭を打って気絶してた、なんてことだったらいいのだが…」
そんなにうまいこと世の中運ぶものではなく、そんなヘマをするくらいの相手ならば単身で図書館に乗り込んでくるわけもない。
ヴァンは考えるの後と急ぎできた穴に飛び込んでいき、マオを乗せた部下にもそのまま後をついてくるように指示を出す。

落下先でヴァンは本を開いていつでも魔法を展開できるように準備しておき、薄暗い中で赤い目を光らせてラルヴァを見つけた。
「単身で我々に勝つ気かい?
 ここには私たちと魔物たち。
 最終的に待ち受けているのは万物の死を統括する王がいるというのにな」
離れた場所でランプを消して、ヴァンは空中からラルヴァを眺めていた。
夜目が効かない相手ならばどこからともなく聞こえてくる声に恐怖することだろう。
「魂、心、身を縛り、空虚を熟視し、真に静寂を守らせ」
闇の中でヴァンはラルヴァに向けて魔法の詠唱を開始する。
ラルヴァの足元に魔方陣が浮かび上がり、そこから鎖が生えてきて手足を縛って動きを封じてしまう。

100 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/12(月) 19:35:00 0
>96>97
> 「フリージアは元気そうでよかった。フリージングドールに入るなんて考えたね。
>  ねえ、そろそろお城に入ってもいいかな?」
フリージアが断る理由も無く、リリアーナは城に入っていった。
>「ほえ〜、おもしろいなー。」
「何がよ!」
エルザは不機嫌そうに言った。エルザはロックに言いたい事がたくさんあった。
自分を好きといったり、リリアーナを好きといったり…その上、先程のベアトリーチェとの会話だ。
> 『はじめまして。お噂はかねがね。お会いできて嬉しいわ、ロックさん。
> 今度落ち着いてらお茶でもしましょう?』
>『俺はどんな相手だろうと逃げも隠れもしないのだ。(?)』
全くこの男はどこまで軟派なのだろうか。エルザは小一時間ぐらいロックを問い詰めようと思った。
ところが、ロックの言葉で、エルザは怒る気が失せてしまった。
>「幻灯機…だったかな?あれからベアトリーチェが出てたよな?おもしろいなー!俺も一つほしいなー!
> ああいう風に、ピンチの仲間達に助言したり、状況解析するのってかっこよくないか?いや、絶対かっこいいのだ!」
ロックは夢中になって幻灯機の事を話しだしたのだ。
「…ロック、あなたベアトリーチェよりもそっちに興味があったわけ?」
エルザは笑った。
「あなた、そのうち後ろから刺されるわよ?」

>98
城の中に入り、リリアーナの状況説明を一通り聞いた後、
(アルナワーズがリリアーナをラブスポットに誘った話をした時は大変だった。)
エルザが不意に尋ねた。
「それにしても、あのソフィアという男、信用できるの?」
エルザは、さっきベアトリーチェと一緒に映っていた、
自分に…というよりキキに近い雰囲気をもつソフィアについて考えていた。
ベアトリーチェが同性に厳しいのとは対照的に、エルザは異性に厳しかった。

> 「私が元に戻る方法だけど、別に無理しなくて良いわよ。(略)」
エルザは、ランドがリリアーナに触れるのは許せないが、ミルクは別だった。
さらに言えば、ミルクがリリアーナに協力してもしなくてもいいと思った。
何しろ、この小さいリリアーナがすごく可愛いからだ。
「ミルクに任せるわ。」
エルザは、気兼ねなくどうぞといった感じに目配せした。
> 「(略)でも、どうしてそんなに良くしてくれるの?私、ミルクに何にも返せないのに。
>  それに、チョコナワーズ戦に参加した皆の気持ちはどうなのかな?
>  皆は皆なりにビジョンがあるんじゃないかって思うの。(略)」
「リリアーナ、少なくとも私に遠慮する必要は無いわ。私はあなたが好きだから、あなたの側にいるのが幸せなの。」
ふと、窓から城の外にエルザが目をやると、ロックが外で雪だるま(猫耳付き)を作っているのが見えた。
“子供は風の子”という言葉はロックのためにあるらしい。そうやって暇を潰しながら、
ロックはフリージアがその気になるのを待っているようだ。
「…余計なのがついてくるかもしれないけど、我慢してくれるかしら?」

> 「・・・・・・とりあえず、チョコナワーズ戦に参加した人達で一度ペンダントを分配しない?(略)」
「私はいらないわ。その分をリリアーナにあげてちょうだい。」
ふと、窓から城の外にエルザが目をやると、ロックが外で雪だるま(二体目)を作っているのが見えた。

101 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/05/12(月) 19:36:44 0
>>96
「リリアーナちゃんはこれからメラルさんと決闘の約束があるの。
でも人がいいから、周りに集まっている人にその事が言えないのね。
だから、助けてあげて欲しいの。
リリアーナちゃんたちと合流して、隙を見てリリアーナちゃん一人だけ女子寮に連れて行ってあげて。
たぶん訳を話しても周りの人たちが勝手についていくだろうから・・・。」
さて、唐突にこんな事を言われてもこちらとしては少々困惑してしまう。
しかし、さして用がある訳でなし、行く当てもある訳でないから別段困るわけではない。
「あぁ、構わないとも」
しかし、心配事と言えば………
「けど、今更私があの輪の中に入るのには無理がないかな?
君の所から来たと言えば、確実にミルクくんは疑ってかかるだろうし」
そして、思わせぶりにタメを作る
「それに……………」
ニマリと笑ってみせる。ちょっとしたユーモアの発露と言うこと。
「出口が判らない」
………いやぁ、冗談と言うのは難しい。今のはスベったな。あぁ、笑いの神様は何処?
「おもしろくなかったね?ゴメン。
場所はどこかな?あぁ、出口じゃなくて御一行の」
「ベアトリーチェちゃん、ソフィアさん、私は幻灯機を持ってるから、何かあったらコレで知らせてね?
 それと今は食堂の近くにいるの。フリージアが作ってくれた雪のお城にいるけど、移動するかもしれないし。
 こっちはアンデットが沸いてるから、来る時は二人とも気をつけてね」
と、私たちの会話を遮って某嬢が語りかけてくる。スベった後だと少し救われた気分。
思い立ったら即行動。別段信条という訳ではないけど、今はそんな気分。
「じゃ、行ってきます」
勝手にスベって、勝手に出て行く。これが貴い血を持つ者の所業なのか?
まぁ、気にしていたらキリはない。だから気にしない。ということ。

という訳で、森に出たので飛龍をきる。とりあえず校舎まではショートカット。
その途中、意識的にソフィアを被る。呑まれないように注意を払って。
「どうして俺に面倒ごとを押しつけるかね?」
小さい呟きは、俺の変遷を確かに物語っている。

102 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/12(月) 20:42:57 0
>83-84 >86 >97

リリアーナの適当なボタン押しによって幻灯機が光り。
立体映像が浮かび上がる。
>「うん、大丈夫よ。安心して。
>アルナワーズの言う事を真に受けちゃ駄目よ?
>彼女の特徴は目的達成できる選択肢のうち、最も本人が困る選択肢を差し出すのだから。」
>「ありがとう、ベアトリーチェ。あなたってとても親切ね。それに比べてアルナワーズときたら…。」
>「お友達が困っていたら当然じゃない?
>あの腹黒女なんて持ってまわしたいい方ばかりして振り回されていい迷惑よねー。」
二人の陰口にそれまで興味をしめさなかったランドが一瞬目をベアトリーチェへと向ける。

>「リリアーナちゃんは今、時空潮流の影響を受けて体の時間軸が10年ほど戻っているの。
>存在としてではなく、力場として見ると凹状態。
>逆に、ミルクちゃんやあの男の人は凸状態。
>(中略)
>今ならわざわざ房中術を行わなくても魔力を高めてお互いが接触すれば同様の効果が得られるはずよ。」
「ずいぶん親切だな・・・」
ベアトリーチェの説明を聞いているランドが懐疑の念を抱いているような言い方でつぶやく。
そしてミルクはベアトリーチェにリリアーナを優勝させたいから手助けをしてほしいと言う。
それに対しベアトリーチェは私達の友情は変わらないと答えて手助けをすることをよしとする。
「女の友情ほど嘘くさいもんもないけどな・・・はっ」
ベアトリーチェの言葉を聞き鼻で笑うランド。
>「あっあのっ!ありがとうベアトリーチェちゃん。でも二人ともご迷惑じゃないのかな?」
「迷惑じゃねえってなら何かあるんだろうよ。それとも本当に女の友情とかか?ははは。」
リリアーナの言葉にもそういってあざ笑うランド。どうやらベアトリーチェの言動を信じるようにはなれないようだ。

>「フリージア凄い!本当にすぐに立てちゃったね!」
フリージアが意外と早く城を完成させリリアーナがその中に入っていく。
城は結構な大きさを持っておりここにいる全員が入れそうなぐらいだ。
>「そういえば、そもそもラヴスポットはなぜ消滅したのかな?」
城の中からリリアーナが質問したのでランドも城に入って壁によりかかり口を開く。
「お前が酔って暴れたせいで空間が不安定になったんだ。
 要するに全部テメェの仕業ってわけだ。人間台風に相応しい暴れっぷりだったぜ。
 ランドの野郎はお前に気を使ってたから言えなかったんだろうよ。」
怒るわけでもなく、といって隠すわけでもなく皮肉まじりに真実を語るランド・・・
最もそのお陰で今は自分が出てきているのだから特に怒りの感情は持っていなかった。
 
>「それにしても、あのソフィアという男、信用できるの?」
「あのベアトリーチェとかいう女すら信用に値するかどうか怪しいけどな。最もテメェは俺の言葉が最も信用ならねえだろうけどよ。」
ソフィアを怪しむエルザにそういうランド。
ランドは陰口の後からベアトリーチェを怪しんでいた。
底抜けに良い奴・・・ようするにお人よしならばああいう言葉は放てない・・・と。
なのにベアトリーチェは自らの利益抜きの友情という感情で力を貸すといってきた。
そこにに何か裏があるのではないかとランドは感じていた。

>「・・・・・・とりあえず、チョコナワーズ戦に参加した人達で一度ペンダントを分配しない?(略)」
「興味ねえから好きにしな。」

103 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/12(月) 22:43:07 0
>101
「ソフィアさん、ありがとう。やり方は任せるわ。」
庭園でソフィアを見送るベアトリーチェの顔はにこやかだった。

やることは唯一つ。
リリアーナを一人の状態で女子寮に連れて行く。
無理やり連れて行くというわけではないのだ。
リリアーナ自身が秘密裏に女子寮へ行く事を望んでいる以上、さほど難しくない。
とにかくリリアーナを女子寮にさえ叩き込めばあとは何とかなるだろう。
いや・・・何かが起こる、だ。

そう思いながらソフィアを見送りラボへと戻っていく。
観測者であったはずが、いつの間にか巻き込まれていることを自覚できずに。
ベアトリーチェもまたリリアーナの業の特異点とも言える渦に引き寄せられているのであった。

>100>102
ラボに戻ると相変わらず幻灯機から映し出される映像。
リリアーナの持つ幻灯機がリアルタイムでこのラボに送られているなどとは思ってもいないのだろう。
雪の城のメンバー達はそれぞれに話し合いをしていた。
ちなみに、幸か不幸か、ロックがベアトリーチェではなく幻灯機に興味があった行はソフィアを見送りに行っていて見てはいなかった。

ベアトリーチェが見守る中、エルザはソフィアについて不信感を露にしていた。
そしてリリアーナへの思いを語る段では、思わず顔をしかめる。
(こいつレズかよ気持ちワリー。)
同性に対する嫌悪感を持つベアトリーチェは当然のように同性愛に拒否感を持っている。
とはいえ、男性の同性愛には寛容だったりする。というか結構好物かも?

続いてランドがベアトリーチェを疑う。
かなり口汚く言っているが、ベアトリーチェはその言動に全面的に同意していた。
自論ではあるが、女の友情など存在しない!
だから女の友情というものは嘘臭いのではなく、嘘なのだ、と。
思いがけず気の合うランドに笑いかけずに入られなかった。
勿論映像越しなので相手がそれに気付くはずもないのだが・・・それでも、だ。

それにしてもランドの言動は言葉は荒れているが的確な助言である。
ラヴスポット消失原因や、ペンダントの配分。その他何気ない行動。
なんだかんだいってリリアーナを保護しているのだから。
おもむろにベアトリーチェはランドの頬に手を這わす。
立体映像のランドなので感触は得られないが、それでいいのだ。
もし実物にこうやって触れば殺してしまうから。
「ふふふふ・・・ツンデレ、ね。
でもいいわ。結局は誰が本当の協力者足りえるか、気付かないでしょうね。」
そういうと、ソファーに深く腰掛け水タバコを咥える。

手は既に打ってある。
そして時間はまだまだある。
じっくりと動向を見守るのだ。
なるべく早く死んでしまうように祈りながら。

104 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1] 投稿日:2008/05/13(火) 07:18:46 0
>102
> 「興味ねえから好きにしな。」
「好きにしな、だなんて偉そうによく言えるわね。あんた、さっきの戦いで何も役に立ってないじゃない。」
エルザはランドに冷たく言った。何も今回が初めてではない。
エルザはランドが何か言うたびに、こういった冷たい態度をとった。

先程ランドがラブスポットについて話した時もそうだった。
> 『お前が酔って暴れたせいで空間が不安定になったんだ。
>  要するに全部テメェの仕業ってわけだ。人間台風に相応しい暴れっぷりだったぜ。
>  ランドの野郎はお前に気を使ってたから言えなかったんだろうよ。』
『違うわ!もとはと言えばアルナワーズが悪いのよ!
 ついでに言えば、スケベなあなたがラブスポットなんかにいたのが悪いんだわ!』

もしもロックが側にいれば、エルザをたしなめたかもしれない。
しかし、そのロックは城の外にいて、二体目の雪だるまの頭を乗せているところである。

105 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage] 投稿日:2008/05/13(火) 18:54:38 0
>>98
 悪かった、と遠回しに謝ったつもりだったのだが、リリアーナはスルーしたのか気付いていないのか、
「そんな風に考える必要は無いわ。ペンダントは私の問題なんだから。
 ところで別行動って言ったけど、何か予定でもあるの?
 そういえば室内戦演習用の部屋で何があったか教えてくれてないね。もしかして聞いちゃダメなのかな?」
「まあ、ある程度予定はあるかな……?」
 そういえば何も話してなかったな、と思うよりもまず先に、
 ……俺が原因で奪られたんだから俺が取り返すのが筋だろうに。
 これがお人好しというやつか、とキサカは吐息。
 そんなことはない、と彼女の疑問を否定し、
「あの時リリアーナを締め出した後は、青いのに説教した後適当にからかって逃げた。
 魔力無駄遣いさせたから少しは懲りてるといいんだけど」
 奴には言いたい事言ったからもう興味はない。
 時間を空ければ頭も冷えるだろうから、後はストレスが溜まっている内にリリアーナと再遭遇しないのを祈るだけだ。

 幻灯機の通信で現れた女性の話を聞き、黒猫の話も踏まえて皆が意見を交換する。
 口出ししようにも余計な事言って今回の二の舞は御免だ。
 ……他人の話を聞くのは嫌いじゃないし。
 フリージアが作った氷城の中で吹雪を凌ぎ、一行はとりあえずの休息を取る。
 一旦状況を整理。今後の方針などを少しずつ固めていく。なにやらエルザが火花を飛ばしているが気にしない。
「・・・・・・とりあえず、チョコナワーズ戦に参加した人達で一度ペンダントを分配しない?
 私としては一刻も早くペンダントをゴミ箱に投下したいの。
 せっかくお城で一息ついたのに、このままじゃ復活した持ち主に襲われちゃうし」
 ……分配ですか。
 ラボに居た薬学科生徒や食堂に居た連中のを纏めると、結構な数になる筈だ。
 ミルクが大量に回収していたからネコババしないよう祈ろう。
 薬学科のリーダーにも礼節として幾つか贈っておきたいところだが、それほど個数に余裕があるとは思えない。
 ……正直彼のおかげで勝ったのも大きいし。
 周囲の動向を眺めながら、本来の目的をどうしようかとキサカは考える。
 ラボに乱入したのはミルクが目的だ。だがこの面子で火力に優れる彼女を連れ去るのは宜しくない。
 魔法の威力という点ではフリージアが抜きん出ているだろうが、属性の概念を考えても火は重要だ。寒いし。
「……俺の数は適当でいいよ。極端な話ゼロでもいい」
 つ、と不自然でない程度に、彼女に視線を向ける。
 そもそも好奇心と野次馬根性とフェミニズムで首を突っ込んだようなものだ。義務は無い。
 ベアトリーチェとかいう美人に共闘を持ちかけた彼女が不在とあっては、今後の行動に支障が出る。
 ――諦めよう。
 くぁ、と天井を仰いで欠伸を一つ。
 そういえば極端に寒い地方では雪を固めて即席の小屋を作ったりするんだっけ、と徒然なるままに思考にふける。
 ……食堂から近いリンクは何処だっけか。
 とっとと帰って寝よう。疲れた。

106 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/05/13(火) 22:01:33 O
>94>「申し訳ありませんが、お断りします。(中略)
 では……!」
>「先生、今エミューから連絡がありました。(中略)
 では、失礼します。」
「……で、どうする、エース先生?」
>「そうですねぇ…魔物というのも気になりますが、何処に行けば会えるのかも定かではありませんし…。」
鍋をつつき、酒を飲みながらこれからどう動くかを考える。
魔物の存在も気にならない事もない。
生徒のペンダントを奪うより魔物を狩ってた方がよっぽど面白そうだ。
「魔物狩り行く〜?イベントの邪魔になりそうじゃね?」
>「しかし魔物狩りをした後はどうするんですか?」
「そっから一番近い所で夜を明かせば良いんじゃん?」
>「適当ですね、物凄く。」
「適当にやってりゃ意外と上手くいく事もあるんだよ。」
という事で俺とエース先生は鍋を食い終えると女子寮玄関へと移動した。
「お〜いエミューとやら〜居るかー?魔物共の居る所まで案内してくれ〜。」

107 名前: ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/05/13(火) 22:05:15 O
状況
>106
メラルの話を聞き、魔物狩りに行く事にする。
エース先生と共に玄関へ移動。
魔物の居場所へ案内してもらう為にエミューを呼び出す。

108 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/14(水) 13:11:56 0
>100 >102
ラヴスポット消滅については、ランドが答えてくれた。
>「お前が酔って暴れたせいで空間が不安定になったんだ。(中略)
「うそ・・・・・・・」
リリアーナは呆然とその場に立ち尽くした。
> ランドの野郎はお前に気を使ってたから言えなかったんだろうよ。」
「じゃあ何もかも全部私のせいだったのね・・・・・・」

>104
ランドが吹雪から守ってくれたり、雪の中文句も言わず背負ってくれた事が脳裏をよぎる。
>「違うわ!もとはと言えばアルナワーズが悪いのよ!
> ついでに言えば、スケベなあなたがラブスポットなんかにいたのが悪いんだわ!」
ラヴスポットの話をしたときもそうだったが、エルザはまたランドに食って掛かった。
「エルザやめて、庇ってくれるのは嬉しいけど、それは言いがかりというものよ。
 そもそもラヴスポットに行くと決めたのは私なんだから・・・・・。
 ああでもどうしよう・・・ごめんね、ミルクにランド。本当にごめんなさい。
 ミルク、やっぱり私を治すことなんて無いわ。だって全部自分のせいなんだもの。
 それに、ラヴスポット消滅と校舎にアンデットが大量発生したのが関係あるなら、原因を作ったのは・・・・」
リリアーナはずーんと落ち込むと、暗い顔をして校舎の方を見た。
「後で様子を見に行ってみようかな・・・」
ロックがせっせと猫耳雪だるまを作っているのも見えたが、とても和む気にはなれなかった。

>「それにしても、あのソフィアという男、信用できるの?」
>「あのベアトリーチェとかいう女すら信用に値するかどうか怪しいけどな。(略)」
エルザとランドの間に、バチバチ火花が飛び散っている気がする。
まだ立ち直っていないリリアーナだったが、ふと気づいた事を口にした。
「でもベアトリーチェちゃん、ここにフリージアが居たわりには態度が普通だったわね。
 いつもだったらフリージアに突っかかるのに、今日は一緒にいる私達に協力してくれるとまで言ってくれたし」
うーん?としばし考えこんでいたリリアーナだったが、何か閃いたようだ。
「あっそうか、きっと彼女、私に協力するって名目でフリージアと仲直りしようと考えてるのね。
 でも素直になれないから、まずはソフィアさんに間に入ってもらうつもりなのよ、きっと」

>「リリアーナ、少なくとも私に遠慮する必要は無いわ。私はあなたが好きだから、
あなたの側にいるのが幸せなの。」
リリアーナはほんのり頬を染めて金魚のように口をパクパクさせていたが、結局何も言えずに俯いた。
「え・・・えと・・・・・・・あの・・・あ、ありがとエルザ」
>「…余計なのがついてくるかもしれないけど、我慢してくれるかしら?」
リリアーナはこっくりと頷いたが、ロックは多分来ないだろうと思っていた。
彼の望みを叶えるのに、これ以上適したイベントはそうそう無いからだ。

>105
ペンダントを分配する話になったが、エルザとランド、キサカはさほど執着を見せなかった。
「……俺の数は適当でいいよ。極端な話ゼロでもいい」
「私はいらないわ。その分をリリアーナにあげてちょうだい。」
> 「興味ねえから好きにしな。」
>「好きにしな、だなんて偉そうによく言えるわね。あんた、さっきの戦いで何も役に立ってないじゃない。」
「エルザったら・・・」
何だかエルザは、さっきからずっとランドに厳しい気がする。
キサカに目線で助けを求めてみたが、彼はミルクの方を見て何事か考え込んでいた。
話を聞いたところ、キサカは青い髪の男子とチョコナワーズと連戦続きだったらしい。
キサカさんもちょっと休んで行けば良いのにな〜と思いつつ、リリアーナはエルザ達の間に入った。
「そっ・・・そういえばランディ、優しい方のランディのこと「もう一人の俺」じゃなくて「ランド」って呼んでるのね。
 だったら貴方の呼び名、もしかしたらランド以外に持ってるのかな?」

「ねえミルク、もし私の分のペンダントも分けてもらえるのなら、今はあなたが預かるかエルザに渡してくれる?
 それとソフィアさん達は、私を助けてくれるために出向いてくれるんだもの、やっぱり外で待ってないと失礼だよね?」
サイズの合わない靴をかぽかぽいわせながら、リリアーナは城の外に出て行こうとする。


109 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持70投下3】] 投稿日:2008/05/14(水) 15:08:24 O
>93 >95-98 >100 >102 >104 >105 >108
>「そういうことなら勿論協力するわ。(中略)
>私はちょっと準備があるからあとで合流するけど、そういう話ならソフィアさんにもお願いして先に行ってもらうわ。」
「ありがとうベアトリーチェ。あんたが協力してくれるんなら百人力よ。
ペンダントも一杯持ってるだろうし、これでリリアーナも優勝……って合流?」
意外なことに、ベアトリーチェは共闘を受け入れただけでなく、合流するとまで言ってきた。
その後も会話は続いていたけど、考え事でいっぱいのあたしの頭には入ってこない。
安全な森の奥から実験施設を捨てて、ベアトリーチェが合流しにくる?
こちらにはフリージアがいるし、腐海の奥と違って他生徒との戦闘になる可能性は高い。
危険は承知の上なんだから、それに勝るメリットがあると考えたんだろう。
でもそれは絶対に、リリアーナを助けたいからじゃないはずだ。
じゃあ、なにが目的なのかと考えたけど…ダメだ、全然わからん。
気がつけば通信はすでに終わり、フリージアの雪の城が完成していた。
ま、わからないものはしかたがない。
臨機応変、機に臨んでその変に応じると行きますか。

「うわー。すご……」
フリージアの作った小屋サイズの城は、即席と思えない見事なものだった。
とても雪で出来てるとは思えないぞこれ。
フリージアの故郷では、みんなこんな感じで家造ってるのか?
「雪の城ありがとフリージア。
さっきも言ったけど、あたしの名前はミルク。
いろいろあって今はリリアーナの味方してるから、よろしくね」
フリージアに声をかけ、あたしも城の中に入る。
城の中は、氷で城ができているとは思えないくらい暖かかったので、ホッと一息。

中ではリリアーナがいくつか疑問点を上げてから、状況をまとめてくれた。
リリアーナのラヴスポット消失理由の疑問に、ランドが空気を読まずに返答。
その言葉にエルザが怒って反論をいれる。
>「後で様子を見に行ってみようかな・・・」
真実を知ったリリアーナは、果てしなく落ち込んでいた。
「ま、まあいいじゃない。そんな事。
全員無事だったんだし、元に戻る方法もわかった。
アンデッドが増えた理由もわかんないし、終わりよければ全てよしって事で」
本当はグレイルがいないから全員無事かどうかわからないけど、たぶん大丈夫だよな。
「それより状況に、大雪を降らせてやる気満々の生徒がいる、も追加しておいてね」
フリージアが雪を降らせてるなら当然優勝狙いのはず。
でも、フリージアはあたしの持ってる大量のペンダントを、取ろうとする素振りも見せない。
…今考えると、休憩場所を作るよう頼んだ時の行動は無警戒だったな。
優勝賞品が猫じゃなくて良かった。

>「それにしても、あのソフィアという男、信用できるの?」エルザが当然の質問をするのに対して、ランドはベアトリーチェも信用できないと答える。
はい。ランドくん大正解。普通なら絶対信用しちゃいけません。
>「あっそうか、きっと彼女、私に協力するって名目でフリージアと仲直りしようと考えてるのね。
> でも素直になれないから、まずはソフィアさんに間に入ってもらうつもりなのよ、きっと」
リリアーナの考えは大はずれだと思うけど、どう訂正したものやら。
「ベアトリーチェは目的のためなら手段は選ばない奴だから、普段はあんまり信用できないね。
なにか企んで共闘を受け入れたんだと思うけど、仲間になった以上『あたしは』信用する。
ソフィアは…一回助けてもらってるけど、何考えてるのかよくわからない。
ベアトリーチェの仲間でもなさそうだし、本人から協力の意志も聞いてないし」
しかも逃げろって言ったのに逃げてなかったみたいだから、行動に謎が多すぎるんだよな…

110 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持0投下3】] 投稿日:2008/05/14(水) 15:10:12 O
>「それとミルク、さっき私を優勝させたいって言ってくれてありがとう。凄く嬉しい。(中略)
>せっかくお城で一息ついたのに、このままじゃ復活した持ち主に襲われちゃうし」
>「……俺の数は適当でいいよ。極端な話ゼロでもいい」
リリアーナの提案にみんなが意見を述べる中、キサカがこっちを見る。
何か言いたそうだけどなんだろ?この先の予定とかに関係ある事?
>「ねえミルク、もし私の分のペンダントも分けてもらえるのなら、今はあなたが預かるかエルザに渡してくれる?
> それとソフィアさん達は、私を助けてくれるために出向いてくれるんだもの、やっぱり外で待ってないと失礼だよね?」「ちょ、ちょっと待ってリリアーナ!
ソフィアは空を飛ぶ方法が無いような事言ってたから、今から待つのは早すぎるよ!」
全然合ってない靴で外に出ようとするリリアーナを慌てて引き止める。
「先に戦利品分け作業と行きましょう。
本当はもう一人意見を聞きたい人もいるけど、今いないからペンダントの処理を優先します。
ランドはいらなくて、あたしとリリアーナの分はエルザに預けると。
キサカは適当で良いみたいだから、欲しいだけエルザからもらってね」
ペンダントの山をエルザにごっそり渡して、ついでに優勝支援の理由をリリアーナに説明する。

「さっきは急に勝手なこと言ってごめん。
あたしは別に優勝が目的じゃなくてさ、他に目的があったんだよね。
それは終わったから、後は小遣い稼ぎでもしようと思ってたんだけど…
どうせペンダントを集めるんなら、人助けもしておきたいじゃない?
で、手持ちのペンダントをリリアーナの優勝に賭けようと思ったってわけ。
勝手にやったことだから、リリアーナの予定次第ではリタイアしたって別に恨まないよ。
あたしへのお礼は、うまく優勝できたら賞品を換金して現金でくれればいいからさ。」
もちろん勝算もなくリリアーナに賭けるわけじゃない。
リリアーナのためとなったら、協力してくれる仲間も多かろうと考えてのことだ。
現にフリージアやエルザは協力してくれてるし。
「あ。もしも賞品が換金できなかった時のことなんだけど。
あたしの友達のユリって子が結構金持ちなんで、ユリから借りて払ってくれればいいからねー」

軽く(半分本気だけど)冗談を言ってから、魔力を高めてリリアーナの手を片手で握る。
エルザは嫉妬深いらしいけど、手を握るくらいなら問題なさそうでよかった。
もう片方の手はランドの方にさしだす。
あれ?今まで気づかなかったけど、リリアーナ自分のペンダント持ってないの?
「それから体のことだけど、リリアーナには元に戻ってもらいたいな。
自分からリタイアするならしょうがないけど、誰かに倒されたらイヤでしょ。
ランドも、体を戻したかったらあたしの手を握って」
高まる魔力に応えるように一瞬閃光が走り、同時にすうっと体の力が抜ける。
あ、まずい。これは倒れちゃうかも。
ふらふら後ずさって壁に背中を預けるけど、結局体を支えきれずに、そのままずるずる座り込む。
体が元に戻るついでに、体力やら魔力やらも元に戻ったみたいだ。

「あははは。なんだか今日一日あちこちで暴れまわった反動が一気に来たみたい。
リリアーナ、中で休める使い魔カプセルとか持ってない?
持ってたらしばらく使わせてもらえないかな?」
持ってたらいいけど、持ってなかったらこの城で今晩は休んでいよう。
安全面は最高だから夜襲の心配もほとんどいらないし。
あ。ペンダントのことも今の内に聞いておこうっと。
「リリアーナもあたしみたいに、ペンダント誰かに預けてるんだね。
あたしはレイド先生に預けたんだけど、リリアーナは誰に預けたの?」

111 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/05/14(水) 18:41:17 0
>89>90>99
>「!!ちょっと待て!敵か確認する前に普通攻撃するか!!」
「同じチームじゃない人間は敵だ!!同じチームじゃないのに友好的な人間はよく訓練された敵だ!!」
僕の雷槍は完璧…この一発でビリビリさせて終わりだと思った。
だがあのなんちゃって鬼の胸部からにわかには信じられないが腕が生える。
その腕は盾を持っており、僕の雷槍はその分厚い鉄を貫けずに攻撃は失敗に終わる…
>「敵か?!と聞かれた以上、僕も敵なのかどうかそちらに聞き返したかったけど聞くまでもないみたいだね。
>アンデッド・・・吸血鬼、ヴァンエレン。現在二等過程ながら一等過程候補者最右翼・・・マオ先輩。
>後もう一人に関しては寡聞にして知らないけれど、少なくともこの二人がそろえば納得できるね。
どうやらこいつは僕を知っているようだ…まあ僕はエリートだから知られていないはずもないがな…フッ。
「そう、僕こそすぐにでも一等過程に上がってもおかしくないといわれる蝶エリーt」
>「加えてこのタイミングで図書室側から出てきた・・・やはり君達3人がこのアンデッドの襲来を引き起こしたと見ていい訳だね?
>どちらにしろ、攻撃を仕掛けてきた以上交渉は無しだ。僕の敵だと宣言しているようなものなのだからね――――!」
「無視するな!最後まで人が喋っているんだからちゃんと聞け莫迦!!」
そう叫んだ時、あの男から次々と武器を持った腕が生えてくる……正直ドン引きだ。
僕なら出来ても絶対にやりはしないだろう魔法だ…いや、これ魔法なのか?

>「君達によって呼び出されたアンデッドによって、リリアーナ達に危害が加えられる恐れがあるからね。
>早々に始末して状況を解決させてもらうよ!!」
「フン…よく言っている意味が分からないがとにかくやる気なら受けてたってやる。
 そして後悔させてやる!!この超エリートである僕に刃向かっt」
>「グレイブスパイク・・・・・・追加術式・針山荒野!」
「だーかーら!人の話を最後まで聞けぇ!!」
しかし、そんなことはお構いなしに技を放つ鬼男…いきなり攻撃するなんてなんて卑怯な奴だ。
しかもこの手の鉱物や土などを利用した魔法は僕の苦手とするタイプじゃないか……
クリスが敏捷にする魔法を使用したことからどうにか避けろといいたいんだろうが…
僕は体術に自信がない…面倒くさいことをやってくれる……
だがその時体が浮かび上がり放った針を勝手に避ける。下を見てみるとそこにはヴァンの使い魔がいる。

>「その姿は人間というよりも鬼といった感じだね。
>よろしければこれから魔物たちと一緒に宴に参加してみてはいかがかな?
>あれらが友好的かどうかはわからないがね」
あの腕が何本も出てきたからまた腰が引けてるかと思いきや
いい感じにヒールを見せているヴァン…まる寝る前まで損失感が漂っていたヴァンだとはとても思えない。
「いいぞカッコイイぞ!ヴァン!さすが僕のしもべだけある!
 もっとジャンジャンバリバリ言ってやれー!」
そしてクリスの放った強力な弾丸があの鬼男の地盤を壊し轟音と共に鬼男が落ちていく。
ヴァンはさして迷いも見せずにすぐに穴に飛び込み僕をサポートしている使い魔も続く。
しかし今回はずいぶんと頼もしいじゃないか。優秀なサポート役のクリスといい。
このままのペースでいけばあの鬼男なんて一ひねりだ。

僕が下へとつく頃にはすでにヴァンは本を開き魔法を使う体制は万全。
「ヴァンの言うように大人しく観念したほうがいいぞ。」
そう言いながら僕も分からないように右手に魔力をためておく。
もしもヴァンがミスをしてもすぐにでもフォローできるようにだ。
>「魂、心、身を縛り、空虚を熟視し、真に静寂を守らせ」
ヴァンが詠唱するとラルヴァの足元に魔方陣が浮かび、そこから現れた鎖によってラルヴァの動きを封じる。
どうやら僕が右手に魔力を溜めたのも無駄になってしまったようだ…フフフ。

112 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/14(水) 22:03:00 P
>97
ルズの説明を聞いたフリージアは
ラブスポット・・・・全然知りませんでしたわ
とか思いながら黙々と作業を続けるのであった
>91>92
> 「ロック、さっきはバトル止めちゃってごめんね。
>リリアーナの休める場所が出来たら、ゆっくりフリージアと戦っていいからさ」
>「そうさせてもらうのだ。」
と何か本人を他所に勝手に話が進んでいるようだがフリージアは
作業に夢中であるためそれどころではなかった


そして数分後
>97>98
>「フリージア凄い!本当にすぐに立てちゃったね!」
不思議そうな顔をするフリージア
>「私よ私、リリアーナよ。縮んじゃった。てへ」
どうやら本当にこの子供がリリアーナのようである
「フリージアは元気そうでよかった。フリージングドールに入るなんて考えたね。
 ねえ、そろそろお城に入ってもいいかな?」
「お〜ほっほっほっほ!床はまだすべるから気をつけることですわ!!」
何しろ全部雪や氷で出来ているため
かな〜り滑りやすいのだ
>「あと話は戻るけど、さっきの話。白鴉って多分使い魔なんだよね?
 となると、マスターって一体誰なのかな?
 使い魔の伝言はフリージア宛だし・・・・・・ねえフリージア、誰か心当たりはない?」
「君の使い魔に呼ばれた人がマスター・・・そうおっしゃったのねルズさん」
だったら話は簡単だ
「サラマンダーちゃんが呼ぶって事は私かラルヴァさん・・・・私の使い魔はギズモちゃんだけだから多分ラルヴァさんですわ」
一体彼はいくつ使い魔を所有しているのだろうか?
とフリージアは思うのであった

>「・・・・・・とりあえず、チョコナワーズ戦に参加した人達で一度ペンダントを分配しない?(略)」
「チョコナワーズ?何ですのそれ?」
フリージアは事情がまったくわからないため不思議そうな顔をして首をかしげるのであった
>110
>「うわー。すご……」
「お〜ほっほっほ!伊達に美術の授業は採ってませんことよ!!」
ふんぞり返るフリージア
明らかに美術採ってるとかそんな問題ではないのだが
>「雪の城ありがとフリージア。
さっきも言ったけど、あたしの名前はミルク。
いろいろあって今はリリアーナの味方してるから、よろしくね」
「よろしくお願いしますわミルクさん 
 もう知ってらっしゃるとは思うけど私はフリージア・ノクターンですわv」
友人の味方ならば自分にとっても味方であろう
そうフリージアは判断したようだ

>108
>「あっそうか、きっと彼女、私に協力するって名目でフリージアと仲直りしようと考えてるのね。
> でも素直になれないから、まずはソフィアさんに間に入ってもらうつもりなのよ、きっと」
「そうなのかしら?」
と不思議そうな顔をするフリージア
「なんとなく違うような気もしますけど・・・リリアーナさんがそうおっしゃるならそうかもしれませんわね」
とりあえずフリージアはそう答えるのであった



113 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/05/14(水) 22:48:32 0
>106
>「お〜いエミューとやら〜居るかー?魔物共の居る所まで案内してくれ〜。」
「はぁ〜い、レイド先生、エース先生。御機嫌麗しゅ〜?」
レイドの呼びかけに応えたのはエミューではなく、ゴーストアルナワーズだった。
屋上で待てど暮らせど現われないメラルに退屈していたところ、眼下玄関に現われたレイドとエース。
ちょうどよい退屈しのぎと降りて行ったのだ。

レイドの台詞から、メラルの交渉の凡そを想像していた。
チョコナワーズや溢れかえったアンデッドの事を伝え、態よく厄介払いをしたというところなのだろう、と。
「エミューは忙しいから代わって私が案内しますわぁん。」
にこやかにレイドとエースを誘うのであった。
チョコナワーズは既に倒されており、アンデッドの出所は実の所わかってはいない。
ので、案内という程の事も出来ないのだが、宛てはある。

吹雪の中レイド達を先導しながら口はよく動く。
「最初は先生方の誰かが本気を出したかと思ったのですけれどぉ、どうも様子が変なんですね〜。
禍々しい何かが溢れ出た、という感じ?」
その言葉は本気教師レベルの脅威が発生している事を表わしていた。
実際には死者の王が動いているので、教師といえども舐めてかかれない自体なのではあるが・・・
そう離している間にもゴーストやスケルトンがわらわらと沸いてくる。

そのたびにアルナワーズは姿を消さざるえなかったが、消えている時間はほんの僅か。
レイドとエースが二人揃っていれば下級アンデッドに時間を取るはずもない。
「これだけの数のアンデッドがうろついているってちょっと尋常じゃないですわよねぇ。
禍々しい何かは地下から感じましたし、そうなると行き先は・・・」
そう、勿論地下図書館である。
だがアルナワーズの口からその答えが出ることはなかった。
目の前に迫った校舎から大きな破壊音が響き、口を開くタイミングを奪ってしまったのだから。

>89>90>99>111
吹雪の中でも響く巨大な破壊音。
クリスが二階の床をぶち抜きラルヴァを落したのだ。
外側からはその様子は見えないが、戦闘音であることはわかる。
「あら、先客かしらぁ?図書館に行くまでもなか」
唐突にアルナワーズが消えてゆく。
それは今まで戦闘開始と共に姿を消した消え方ではない。
まるで見えない場所に移動したかのように鼻先から順に後ろに流れる髪まで消えていった。
台詞も途切れさしたまま、アルナワーズは校舎前から忽然と姿を消したのだ。

114 名前:アルナワーズ=アル=アジフ ◆O.bcTAp6QI [sageペンダント0 ゴースト] 投稿日:2008/05/14(水) 22:48:40 0
「たかもしれませんわねぇん。」
校舎前で途切れた台詞はしっかりと続いていた。
台詞を言い切ったところで突然何もない空間に変わっており、落下感を感じるアルナワーズは考えていた。
一体何が起こったのだろうか?

空間制御系のトラップ。
最初に思いついたのだが、直ぐに却下。
ゴーストである事を考えればトラップだろうがなんだろうがその法則に影響を与えられる事はない。
次は学園長や教頭による呼び出し。
それならば何らかのコンタクトがあってしかるべきであるが、ただ落下感を感じるだけで変化の兆しはない。
ルール変更によるゴーストの排除。
だとしたら、何らかのアナウンスはあるはず。

となると・・・
心当たりはある。
思考の辿り着くその先は・・・

結局のところ、原因はラヴスポットにあるのだ。
特異点が破綻し、歪みが生じた際、教頭は影響を最小限に抑えるように地下図書館にその歪みを移した。
しかしそこで思わぬアクシデントが起こったのだ。
ヴァンエレンによる空間操作。
そして死者の王の到来。
万物は大小あれど空間を歪ませる力場を持っている。
死者の王はその力の強大さゆえに空間的に巨大力場として作用する。
ただ存在するだけならばここまでの影響はないが、リバースの中、特異点、空間の歪み。
様々な作用が重なり、リバース全体に細かい空間のヒビが入っていたのだ。
ヒビは徐々に大きくなり、質量を持たぬゴーストがその隙間に入ってしまう程に。
今はまだゴーストが入り込める程度のヒビだが、時間をかければ徐々に大きくなっていくだろう。

アルナワーズはその事に朧げながら感じていたが、完全なる回答に至るにはまだ暫くかかりそうであった。

115 名前:ラルヴァ&使い魔’s ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/15(木) 21:07:52 0
>90>99>111
ぐらりと、クリスの銃撃によって脆くなっていた足場は崩壊。
落下していくラルヴァにできたのは、手から離れてしまう大剣の刃に手を滑らせることぐらいであった。

図書館内へと落下したラルヴァは、どうにか着地はしたものの
二、三歩先に自らの大剣を落としてしまった。
とりあえず大剣の柄へと手を伸ばそうとしたところで、頭上からの声にその動きを止めた。

>「その姿は人間というよりも鬼といった感じだね。
> よろしければこれから魔物たちと一緒に宴に参加してみてはいかがかな?
> あれらが友好的かどうかはわからないがね」
さらに続く拘束魔法に、ラルヴァはあっさりと囚われてしまった。
ぎりぎりと、鎖から逃れるように大剣へと手を伸ばすが届かない。
伸ばした右手が硬く握り締められ、爪は皮膚を破り血を流す。
流れた血は大剣の柄をつたい、鍔をつたい、刃をつたってゆく。

>「ヴァンの言うように大人しく観念したほうがいいぞ。」
降り立ったマオが余裕綽々といった表情で言葉を述べる。
その言葉にラルヴァは反応した。
「観念?観念しろだって・・・・・・?観念して、このまま自分の知り合いが
 アンデッドに貪り食われるのを傍観しろとでも?」

場の空気が変わる。闘争の為のどこか熱を帯びた空気が、まるで氷点下に叩き落されたような冷気に変わる。
冷気は即ち殺気、殺意。その発生源は鎖に囚われたラルヴァから発されている。

「化物か・・・・・・吸血鬼にまでそう言われるんだから成るほど、確かに化物なんだろうね。」
だがその張り詰めた空気に反して、ラルヴァは鎖に抵抗するのをやめる。
そして、己の体から生えた様々な武器を持った腕をしまう。
本当に観念したのだろうか?
否、ただ単に『無用なダメージを省いた』だけ。

タン、と足踏みを一つ。それに答えるように地面から複数の石槍が伸びて鎖を断ち切る。
当然鎖が全身に絡みついている為自分自身にも若干傷はつく。
だが、それがいい。自分自身にとってはそちらの方が都合がいい!

腕を軽く振るうと、未だ体にまとわりついていた鎖が地に落ちる。
そのラルヴァの背後から金と銀の影が飛び出した。
その二色の影は本棚の間を疾走しながら縦横無人に駆け抜ける。

直後に生じた動きは3つ。
金の影は猫科の耳を生やした少女へと変じ、本棚の上から飛び蹴りをマオに向かって放つ。
銀の影は犬科の耳を生やした女性へと変じ、背後からクリスの頭頂部へ向けて斧を振り下ろす。
七色の角持つ少年は、眼前の大剣を引き抜くと眼前の吸血鬼まで3歩で距離を詰め、真っ向から担いだ大剣を振り下ろした。

「・・・・・・・・・・・・未生・・・・・・疾く・・・・・・」
駆け抜けながらラルヴァは何かを呟いている。

116 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/05/15(木) 22:22:02 0
どうやら脆くなった部分に当たったらしい。
近くの石の針と一緒に床が落ち、角や大量の腕がはえた男は下の階に落ちていった。
それに続き吸血鬼、マオと先ほど開けた穴から追撃をしに行く。
俺も追撃を仕掛けるために穴から飛び降りた。


>「単身で我々に勝つ気かい?
  ここには私たちと魔物たち。
  最終的に待ち受けているのは万物の死を統括する王がいるというのにな」
>「ヴァンの言うように大人しく観念したほうがいいぞ。」
>「魂、心、身を縛り、空虚を熟視し、真に静寂を守らせ」
落下中に吸血鬼は相手を鎖で縛りつけて動きを封じ、マオは降参を促していた。
下の階に着地すると相手はマオの言動にかなりの怒りを感じたらしい。
>「観念?観念しろだって・・・・・・?観念して、このまま自分の知り合いが
 アンデッドに貪り食われるのを傍観しろとでも?」
といって凄まじい殺気が発せられていた。

正直かなりやばい状況だと思う。
こういう奴は後先考えること無しに全力で掛かってくる。
先のペンダント回収のために魔力を残しておこうと思っていたが、そんな場合ではなさそうだ。

>「化物か・・・・・・吸血鬼にまでそう言われるんだから成るほど、確かに化物なんだろうね。」
しかし予想に反して鎖に対する抵抗をやめ、大量の腕はしまわれた。
その後相手が足踏みをすると複数の石槍が鎖を断ち切った。
自分の体を傷つけながらでも戦うのだ。いったいその知り合いはどんな奴なんだろう。

石槍が鎖を断ち切り終えると相手の背後から金と銀の影が飛び出し本棚の間を駆け抜けていく。
かなり速い!!
背後の気配に気づいたとき、斧を振り下ろそうとしている犬耳を生やした女が見えた。
だが斧や大剣は威力が大きい分大振りとなり、隙ができやすい。
その隙の間に魔銃に魔力を込めつつ、相手の懐に飛び込み攻撃をかわす。
そして零距離から移動力低下の魔力を込めた弾を撃ち込んでから一気に距離をとった。

吸血鬼やマオからは少し離れてしまったが仕方が無いだろう。
そして斧を破壊するべく、魔銃に雷の魔力を込め始める。

117 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/05/16(金) 18:07:07 0
「…………痛い」
右腕はあさってに向いていて、左膝は180°近く回ってる。あとは全身打撲か?
なんで死んでないんだろ?
伊達や酔狂でこうなったのではなく、しっかりと理由がある。
回想、どん。
飛龍に乗ったはいいものの、夜目があまりよくなく、生憎の悪天候で耳もダメ。
目隠し耳栓。オマケに飛龍はかなりのスピード。
まぁ、そうなるとどうなるか。モチロン激突。
ただ、不幸中の幸いと言うべきか壁ではなかった。
そう、校舎の窓に激突して、それから………
勢いそのままに重たげな木製の扉もぶち破って、廊下をスライディング。

で、こうなってた。と。
さて、動くにも脚を直さないといけないのか。
全身に魔力をドバドバ流して自然治癒力を格段に跳ね上げる。
その間に左手で、膝を――――
筆舌に尽くしがたい、ゴキャとグシャが混ざったような音。
そりゃもう痛い。当然痛い。声も出ない。
でも、これで立てるかな。
そこでふと、右腕。
これは……………マズイよなぁ。見る人が見たら失神するだろうねぇ。
またしても筆舌に尽くしがたい音。
眼からボロボロ落涙する。でも声は出さない。漏らさない。
うん。膝も腕も綺麗に入ってないね、これは。入れ直し。痛いんだろうな。

で、突っ込んだ場所が判らないものだからあっちをうろうろ、こっちをうろうろ。
なんとなくここは三階らしいと思ったので、えっと、食堂は……
頭に地図を浮かべてそれを反転。忘れてはいない。
なんて意気揚々なんだけど、ガラス窓に突っ込んで綺麗なはずはない。顔だって血みどろだ。
この時は気付かなかったのだけどね。どれだけ鈍いんだ、こいつは?

118 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持71] 投稿日:2008/05/16(金) 18:59:53 0
>109>110
ミルクの話によると、ソフィアは一度彼女を助けた事があるらしい。
少しひっかかるが、そういうわけなら彼は信用に足りるかもしれない、とエルザは思った。
さて、そのミルクは元の年齢に戻ったとたん座り込んでしまった。
できれば膝枕でもしてあげたいところだが、先程渡された大量のペンダントが邪魔でできそうにない。
> 「リリアーナもあたしみたいに、ペンダント誰かに預けてるんだね。
> あたしはレイド先生に預けたんだけど、リリアーナは誰に預けたの?」
このミルクの言葉に、エルザは敏感に反応した。
「本当だわ!どうして今まで気づかなかったのかしら!?リリアーナ、今あなたのペンダントは誰が持っているの?」
ミルクは、ペンダントを誰かに預けたと思っているが、エルザは、ペンダントを誰かに取られたのだと思った。

その時、突然城の外で何かが強く光り輝き、その光が城の窓を通して部屋を照らした。

>117
光はすぐに消えてしまったが、校舎からでも、フリージア城を照らすその光はよく見えただろう。

エルザはその光に心当たりがあった。女子寮でロックが猫耳モードになったとき、彼が強く光ったのだ。
「…ロックね。きっと、また猫耳モードになったんだわ。」
エルザがややあきれたようにつぶやいた。
「雪だるまを作るのに飽きちゃったのね。」

>「おい、フリージア!」
エルザの予想が間違いではなかったことは、すぐにわかった。
体からごうごうと蒸気を吹き出し、頭に真の猫耳が付いたロックが城の中に入ってきたからだ。
この心も体も熱い男は、城に入ったとたん部屋の温度を6度あげた。
>「おい、フリージア!いつまでのんびりしているつもりだ!」
ロックはびしっとフリージアを指差した。
>「早く外に出て、この俺と勝負しろ!」
さて、フリージアに限らず、この城にいる者はロックを“どうにか”しなければならないようだ。
なぜなら、ロックは体から熱い蒸気を吹き出しているからだ。
この状態のまま城に長居させると、雪と氷でできたこの城を溶かしてしまうかもしれない。

119 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/16(金) 19:00:46 0
>112
>「チョコナワーズ?何ですのそれ?」
「そっか、フリージアは見てなかったのね」
リリアーナはチョコナワーズ戦の顛末を話した。

>「それは大変でしたわねっ!でも、わたくしはそんな話で誤魔化されないのですわ〜!
 リリアーナっ!あなた先程フリージア女王様のお話をうっかり聞き逃しやがったですわね〜?!」
ルズはリリアーナの肩に飛び乗り彼女の頭をグリグリした。
「これはわたくしからの愛のムチなのですわっ!
 校舎の中に入っていった白鴉のマスターはラルヴァとやらですわ〜!ラ!ル!ヴァ!覚えましてっ?」
「わ〜んごめんっ、分った、分ったから!!」

「・・・・・・・そっか、じゃあ校舎に入っていった白鴉のマスターっていうのはラル君なんだ。
 ラル君、一人で乗り込んでいって大丈夫なのかな・・・・・・」
リリアーナは心配そうに校舎の方を見た。
ラルヴァと自分では力量に差がありすぎる。今の自分が行ってどうなるわけでもない。
(ラル君は、自分の傷や痛みに対して無頓着なところがあるのよね・・・)
また一人で無茶をしていないだろうか?

>110
リリアーナがのこのこソフィアを出迎えようとするのをミルクが静止した。
話はもっともだったので、リリアーナも先にペンダントの分配に立ち会うことにする。
ミルクがペンダントをエルザに預けた後、リリアーナの優勝支援の理由を話してくれた。
>「(略)あたしは別に優勝が目的じゃなくてさ、他に目的があったんだよね。
>それは終わったから、後は小遣い稼ぎでもしようと思ってたんだけど…
>どうせペンダントを集めるんなら、人助けもしておきたいじゃない? (中略)
「ミルクぅ〜!!わーん、ありがとう〜!なんていい人なの〜!」
リリアーナは嬉しさのあまりミルクに抱きつこうとした。だが
>あたしへのお礼は、うまく優勝できたら賞品を換金して現金でくれればいいからさ。」
>「あ。もしも賞品が換金できなかった時のことなんだけど。
>あたしの友達のユリって子が結構金持ちなんで、ユリから借りて払ってくれればいいからねー」
――――リリアーナは盛大にすっ転んだ。
『フィジルの帝王』とか『魔女っ娘金融道』とか『タダより高いものは無い』いうアオリが脳内を駆け巡っていた。

床に転がっていたリリアーナにミルクは手を差し伸べた。
>「それから体のことだけど、リリアーナには元に戻ってもらいたいな。
>自分からリタイアするならしょうがないけど、誰かに倒されたらイヤでしょ。
そういってミルクはリリアーナの手を取り、魔力を高め始めた。
それに引き摺られるかのように、リリアーナの魔力が高まっていく。
まるで高いところから低いところに水が流れる様のようだとリリアーナは思った。
>高まる魔力に応えるように一瞬閃光が走り、同時にすうっと体の力が抜ける。
ミルクはふらふらと足元が覚束なくなった。支えようとしたリリアーナは、そのまま一緒に座り込む。
「だ、大丈夫?・・・って、あれっ?!」
リリアーナは今までと目線の高さが違っているような気がした。
「も。元に戻ってるっ?!」
リリアーナは自分の身体を触って確かめた後、何を思ったのか自分の胸元を覗き込んだ。
「そっか・・・別に何もかも『足して二で割る』って訳じゃ無いのよね・・・・・ありがとね、ミルク」

リリアーナはランドのほうに視線を向けた。

120 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/16(金) 19:35:19 0
>110 >118
>「あははは。なんだか今日一日あちこちで暴れまわった反動が一気に来たみたい。
>リリアーナ、中で休める使い魔カプセルとか持ってない?
>持ってたらしばらく使わせてもらえないかな?」
「使い魔カプセル?ああ、フリージアなら持ってるはずよ。そう言えばフリージア、今日ギズモはどうしたの?」
いつでもどこでも一緒だったのに珍しい事もあるものだ。

>「リリアーナもあたしみたいに、ペンダント誰かに預けてるんだね。
>あたしはレイド先生に預けたんだけど、リリアーナは誰に預けたの?」
>「本当だわ!どうして今まで気づかなかったのかしら!?リリアーナ、今あなたのペンダントは誰が持っているの?」
「・・・・・あ〜・・・その・・・・私もミルクと同じ感じ・・・かな〜っ?あははは」
リリアーナはちらちらキサカの方に視線を向けつつ、笑って誤魔化そうとした。

>その時、突然城の外で何かが強く光り輝き、その光が城の窓を通して部屋を照らした。
エルザはその光に心当たりがあった。女子寮でロックが猫耳モードになったとき、彼が強く光ったのだ。
「何かしら、今の光っ!」
リリアーナは話題を変えようとこれ幸いとばかりに食いついた。
>「…ロックね。きっと、また猫耳モードになったんだわ。」
「猫耳モード?」
リリアーナの疑問は、その後すぐに解けた。

>この心も体も熱い男は、城に入ったとたん部屋の温度を6度あげた。
>「おい、フリージア!いつまでのんびりしているつもりだ!」
>「早く外に出て、この俺と勝負しろ!」

「ロックすごーい、あったかーい!そうだわ、ねえロック、焚き火代わりにしばらくここで立っててよ!」
イマイチ危機感をもっていないリリアーナは、のんきにロックで暖を取ろうとする。

121 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/16(金) 21:53:24 0
>108 

>「じゃあ何もかも全部私のせいだったのね・・・・・・」
「そう・・・全部お前のせいってわけだ。」
落ち込んでいるリリアーナに言葉で追撃を食らわすランド。
すると横から大声でエルザが否定する。
>『違うわ!もとはと言えばアルナワーズが悪いのよ!
>ついでに言えば、スケベなあなたがラブスポットなんかにいたのが悪いんだわ!』
ラヴスポットにいたランドが悪いと理不尽ともいえるエルザの言葉。
どうやらランドがどうしても気に食わないようだ。
「ほう・・・俺のせいにしちまうのかお前は・・・歪んでるなお前。
 あそこで雪遊びしてる奴と正反対ってわけだ・・・」

>「エルザやめて、庇ってくれるのは嬉しいけど、それは言いがかりというものよ。
> (中略)
>それに、ラヴスポット消滅と校舎にアンデットが大量発生したのが関係あるなら、原因を作ったのは・・・・」
「別に俺はお前のせいだとは言ったがお前が悪いとは一言も言ってないぜ?
 だから俺には謝るんじゃねえ。もし許されたくてあやまっているんだったら他のもっと優しい奴に言うんだな。
 例えばそこにいるエルザちゃんとかよ・・・あやまれば一発で許してナデナデしてくれると思うぜ。
 なにせあいつに言わせれば俺が悪いようだからよ・・・くくく。」

>104 >110 >119

>「好きにしな、だなんて偉そうによく言えるわね。あんた、さっきの戦いで何も役に立ってないじゃない。」 
「なに言ってやがる。なんで俺を嫌ってる奴の役に立たなくちゃいけないんだ?
 助けてもらいたいならちょっとは俺に媚びでも売ったらどうだ?」
冷たい態度のエルザにランドはまた煽りはじめる。
>「そっ・・・そういえばランディ、優しい方のランディのこと「もう一人の俺」じゃなくて「ランド」って呼んでるのね。
>だったら貴方の呼び名、もしかしたらランド以外に持ってるのかな?」
リリアーナがエルザとランドの空気がかなり危ないことになっているために間に入ってきた。
確かにこのままではいつか衝突するかもしれない。
「さあな・・・名前なんざあってもなくても俺には関係ないんだよ。」



122 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/16(金) 21:54:04 0
その後リリアーナは外でソフィアを待つと言いはじめ
合わない靴をはいて外に出ようとし、ミルクが止める。
そしてミルクはペンダントを分ける作業に入る。
ランドは興味ないと言い、キサカも適当でいいといったためエルザにペンダントの山が渡される。

>もう片方の手はランドの方にさしだす。
>「それから体のことだけど、リリアーナには元に戻ってもらいたいな。
>自分からリタイアするならしょうがないけど、誰かに倒されたらイヤでしょ。
>ランドも、体を戻したかったらあたしの手を握って」
ランドは手を差し出しミルクの手を握ろうとするが・・・ふとやめる。
「遠慮しておくぜ。もしかしたら元に戻ったらランドの野郎が出てくるかもしれないんでね。」
そして魔力の高まりに呼応し閃光が走りミルクとリリアーナの体が元に戻る。
>「も。元に戻ってるっ?!」
驚いて自分の体を確かめるリリアーナ。しかし胸元を覗き込み少し残念がりながら
ミルクに礼を言っている・・・そしてランドのほうに視線を移す。
「・・・胸がないのがコンプレックスってか?
 ただの脂肪の塊じゃねえか。んなもん気にしやがって、くだらねぇ。」

>118 >120

>「・・・・・あ〜・・・その・・・・私もミルクと同じ感じ・・・かな〜っ?あははは」
ミルクとエルザにあやふやに答えるリリアーナ。
これではまるではぐらかすことなどできない。どう考えても怪しい。
「お前もしかしてペンダントを取られたってオチじゃねえだろうな?」
そうランドが聞いたとき城の外で何かが強く輝やく。
リリアーナはこれだと言わんばかりにその光に食いつく。
どうやらエルザいわく猫耳モードというなぞの変身を遂げた後のロックらしい。

ロックは城の中へと入ってきてフリージアへと勝負しろと叫ぶ。
体温も上昇しているらしく城の中の温度が急上昇しているのが分かる。
>「ロックすごーい、あったかーい!そうだわ、ねえロック、焚き火代わりにしばらくここで立っててよ!」
「おい待ちな。ペンダントはどこにやったって聞いているんだぜ?
 本当にあのミルキーが預けたとかいう奴にお前は預けたのか、あ?」

123 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/17(土) 10:33:16 P
>110>120>122>118

>「リリアーナ、中で休める使い魔カプセルとか持ってない?
> 持ってたらしばらく使わせてもらえないかな?」
>「使い魔カプセル?ああ、フリージアなら持ってるはずよ。そう言えばフリージア、今日ギズモはどうしたの?」
「ギズモちゃんは現実世界に置いてきましたわ」
フリージアは事情を説明する
「リリアーナさんにもらったチョコレートを私より先に食べてしまって・・・・・」
色々な意味で使い物にならなくなってしまったため連れてこなかった
そうフリージアは言うのであった
「多分・・・今頃リリアーナさんの名前を呟いている頃ですわ」
そんなギズモは擬人化の魔法で”美少年になって女の子(特にリリアーナ)にうはうは計画”を実行すべく
擬人化の魔法書がある図書館D層に潜り込もうと企んでいるのは秘密である

「使い魔カプセルのほうは・・・・このフリージングドールスーツを脱がなければ取り出せませんわ」
フリージアは説明する
「残念ながらこれ一度着てしまうと簡単には脱げませんの
 無理に脱ごうとすると破片が飛び散って(周りの人が)すごく危険ですわ」
と言う理由で使い魔カプセルを取り出せないと伝えるフリージア
実はフリージアそのせいで色々と生理的な我慢をしているのだが・・・・それは秘密である

>「・・・胸がないのがコンプレックスってか?
 ただの脂肪の塊じゃねえか。んなもん気にしやがって、くだらねぇ。」
フリージアは思った・・・・
男の方だって殿方にしか付いていないものが小さかったら気にするくせに・・・と
だが・・・・それを言ってしまうと自分のイメージがぶち壊れてしまうため
発言するのを止めるのであった
ちなみにフリージアは父親のものしか見たことが無い・・・・・というのはどうでも良い話である

>「おい、フリージア!いつまでのんびりしているつもりだ!」
>「早く外に出て、この俺と勝負しろ!」

>「ロックすごーい、あったかーい!そうだわ、ねえロック、焚き火代わりにしばらくここで立っててよ!」
「冗談言ってる場合じゃありませんことよ!このままだとこの城が溶けてしまいますわよ!!」
この城は普通の熱には強いのだが魔力が起因の熱には弱いのだ

「仕方がありませんわ!あまりお友達とは気が進まないのだけど・・・勝負して差し上げますわ!!」

自前1 ゲット2 投下1 アイテム 魔力回復薬


124 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/05/17(土) 12:51:58 0
レイド先生達は、魔物退治をする事にしたようで、鍋を食べ終えるとすぐに女子寮玄関に向かった。
もちろんエミューは氷で閉ざしていた道を開け、玄関まで通したが…そこで予想外の事を言われた。
>「お〜いエミューとやら〜居るかー?魔物共の居る所まで案内してくれ〜。」
(出来ない事もないが、余計に"動く"のはまずいからナ…。どうすっかナ…)
エミューがどう返事するかを考えていると、アルワナーズが動いた。
>「エミューは忙しいから代わって私が案内しますわぁん。」
(…これで後は準備をして待ち受けるのみ、カ。…忙しくなるナ。)
エミューは3人を見送ると、女子寮への入り口全てを氷で封鎖した。


 一方、メラル…。レイド先生達が女子寮を去る様子を見終えると、エミューに声をかけた。
「…エミュー。…下水道には氷は届いてる?」
「貴重な逃走経路だろ?たりめーだロ。」
「…そうよね。……危険は伴うけど、やるしかないわね。…女子寮の守りと片付けは任せたわ。」
メラルが大量のカード…雷撃や冷凍ビームといった攻撃魔法や、雷や氷の盾を作り出す防御魔法、
そして濃い霧を展開する補助魔法の込められたそれを取り出し、そのほとんどを氷の上に置いた…と、そのカード類が
見る見るうちに地面を滑って女子寮中に仕掛けられていく。今までもそれなりに仕掛けられていたが、
その数を更に増し、女子寮の守りは更に強化される事になる。
「後、念のために…。」
自分の部屋を出ると、メラルは壁から小さい氷の塊を一つ引き剥がした。もちろんその氷も
エミューの一部である。そして、その氷を自分の杖の先端に触れさせ、杖の一部を薄く氷で覆わせた。
その後で、メラルは自室に戻った。そして、指輪に魔力を込めてリリアーナに連絡を取ろうと試みる。

「リリアーナ。…さっきは肝心な事を聞くのを忘れていたから、確認させて。
 …あなたは今、どこにいるの? 後、返答をする場合は
 指輪に軽く魔力を(中略)とこっちに声が届くわ。」


ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持

125 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持0投下3】] 投稿日:2008/05/17(土) 14:17:53 O
>118-123
>「使い魔カプセル?ああ、フリージアなら持ってるはずよ。そう言えばフリージア、今日ギズモはどうしたの?」
>「ギズモちゃんは現実世界に置いてきましたわ」
哀れ、着ぐるみ使い魔は現実世界に置き去りにされたらしい。
まあ媚薬チョコを食べたなら、どんな反応をするかわかんないから、しょうがないんだけど。
>「使い魔カプセルのほうは・・・・このフリージングドールスーツを脱がなければ取り出せませんわ」
カプセルが取り出せないのはちょっと残念。
説明によればフリージアの着てる氷のスーツは、脱ぐとき周囲に大変な危険を与えるらしい。
「あー。大丈夫大丈夫。もう夜も遅いし、今晩この城で寝てればかなり回復すると思うから。」
実際フリージアの作った氷の城は、ちょっと寒いことを除けばかなり快適だ。
魔力障壁を強めて寝れば、風邪を引く心配もいらないだろう。

>「本当だわ!どうして今まで気づかなかったのかしら!?リリアーナ、今あなたのペンダントは誰が持っているの?」
リリアーナのペンダントに関係する話題には、エルザが敏感に反応した。
多分、自分以外の誰かにリリアーナがペンダントを預けたのが、気に入らなかったんだろう。
>「・・・・・あ〜・・・その・・・・私もミルクと同じ感じ・・・かな〜っ?あははは」
対するリリアーナは、なぜかキサカの方をちらちら見ながら、笑って誤魔化そうとしているようで。
キサカに預けた…にしては、キサカもペンダント一個しか持ってないような感じだけど…
>「お前もしかしてペンダントを取られたってオチじゃねえだろうな?」
あたしと同じように思ったのか、反動を恐れて元の体に戻らなかったランドが突っ込む。
「それはないんじゃない?ペンダントは生命線だから、取られたなら取り返そうとするはずだし」
よほど信頼できる相手に預けない限り、今のリリアーナみたいに落ち着いていられるとは思えない。
そうすると……さっき話題に出てたラルヴァとかメラル辺りに預けてる?

そこまで考えたとき、いきなり外が光って城内が明るく照らされる。
>「何かしら、今の光っ!」
「何々!?落雷でもあったの!?」
騒ぐあたしたちと違い、エルザはさっきの光に心当たりがあるようで。
>「…ロックね。きっと、また猫耳モードになったんだわ。」
>「猫耳モード?」
「なにそれ?」
猫耳になるために、なぜあんなに無駄に光る必要があるんだ?
その疑問には、城に入ってきたロックの姿が答えてくれた。
頭に猫耳をつけ、体からは蒸気を吹き出して、城内の温度を跳ね上げるその姿。
ロックはエルザみたいに、わざわざ変身して猫耳をつけたのだ!

そして、フリージアにバトル宣言をするロックに近づくリリアーナ。
>「ロックすごーい、あったかーい!そうだわ、ねえロック、焚き火代わりにしばらくここで立っててよ!」
>「おい待ちな。ペンダントはどこにやったって聞いているんだぜ?
> 本当にあのミルキーが預けたとかいう奴にお前は預けたのか、あ?」
「ちょっと待て!それはもしかしてあたしの事呼んでるのか!?」
疑念が晴れないランドが、リリアーナに詰め寄るのは良いとして、妙な呼び方であたしを呼ぶのは放っておけない。
これ以上変な呼び方が定着する前に、きっちり話をつけておかなければ。

>「冗談言ってる場合じゃありませんことよ!このままだとこの城が溶けてしまいますわよ!!」
フリージアの焦った声でロックの方をよく見ると…うわっ!足元の氷が溶けてきてる!
「ロック!速く外に出て外に!このままだと城が脆くなって天井が落ちるーっ!!」
>「仕方がありませんわ!あまりお友達とは気が進まないのだけど・・・勝負して差し上げますわ!!」
「フリージア偉い!ロックの相手は任せたわよ!」
フリージアの英断で城の危機はなんとかなりそう。でも忘れかけてたけど、もう一つ危機があったんだよな。
「そろそろペンダント捨ててこないと、さっきの騒ぎで人が集まってくるかもね。
キサカとランドとエルザにお願いしたいんだけど、リリアーナを護衛して、ペンダントを捨ててきてくれないかな?
あたしも行きたいんだけど、今のままじゃ足手まといだし、ソフィアと行き違いになっても困るし。
ペンダント持ってなきゃ攻撃される心配もないから、あたしはこの城でお留守番してるわ」

126 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/17(土) 20:41:41 0
>121-122
>「おい待ちな。ペンダントはどこにやったって聞いているんだぜ?
> 本当にあのミルキーが預けたとかいう奴にお前は預けたのか、あ?」
ミルクが絶妙のタイミングで突っ込んでいる。
「え〜と、そのぉ・・・・・・レイド先生じゃなくて私の友達が取・・・持ってるっていうか・・・・・・。
 あっ!でも今夜ちゃんと返してくれる事になってるの。でもその時は一人で来るよう念を押されるっていうか・・・・・・」
ランドの視線が痛い。
「ほ、ほら、その子とっても用心深いから〜困っちゃうな〜ホント。アンディもそう思うでしょ?あはははは」
嘘ではないがなんとも苦しい。言えば言うほど泥沼に嵌っていくようだ。

アンディと呼ばれたランドの反応を見て、リリアーナはランドを指差しつつ、もう一度「アンディ」と呼んだ。
「ほら、普段のランディも今のランディもどっちも同じ名前じゃ不便でしょ?ランドアンドだからランディと、アンディ。・・・だめ?」
リリアーナはむーと腕組みをした。
「じゃあアンちゃん!アンド君?ダメ?じゃあランちゃん!ランランなんかどう?!・・・・・あ、あれっ?」
リリアーナは徐々に壁際に追い詰められていく。
「わーん!名前があっても無くても構わないなら、私があだ名をつけたって良いじゃないの〜!!」
――――この場合一番の問題は、リリアーナのネーミングセンスが皆無な事だろう。

>123
>「冗談言ってる場合じゃありませんことよ!このままだとこの城が溶けてしまいますわよ!!」
「ええ〜!!そうなの、どうしよう〜!!」
ロックの足元の氷が溶けているのを見て、ミルクが仰天しリリアーナはあたふたし、フリージアは決断した。
>「仕方がありませんわ!あまりお友達とは気が進まないのだけど・・・勝負して差し上げますわ!!」
>「フリージア偉い!ロックの相手は任せたわよ!」
リリアーナはとても困った顔になったが、特に止めようとはしなかった。
「じゃあ・・・・・・フリージアはもちろんだけど、ロックも今は食べられないね」
リリアーナはポーチのサイズからは考えられないほど大きな白い包みを取り出した。
中身はサンドイッチと野菜ジュースだ。
「食堂が通常営業していた頃おばちゃんに頼んで作ってもらったの。
 皆はお夕食済んだかな?まだの人は今のうちに腹ごしらえすると良いわ」

>125
>「そろそろペンダント捨ててこないと、さっきの騒ぎで人が集まってくるかもね。
>キサカとランドとエルザにお願いしたいんだけど、リリアーナを護衛して、ペンダントを捨ててきてくれないかな?
>あたしも行きたいんだけど、今のままじゃ足手まといだし、ソフィアと行き違いになっても困るし。
>ペンダント持ってなきゃ攻撃される心配もないから、あたしはこの城でお留守番してるわ」
「うん、分った。でもキサカさんは顔色悪くない?少し休んだ方がいいと思うな。
 ところで、ここから一番近いゴミ箱はどこなんだろうね?」
リリアーナは立ち上がり、窓から暗い外を眺めた。

127 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【自前0所持0投下3】] 投稿日:2008/05/18(日) 16:43:30 O
>126
>「うん、分った。でもキサカさんは顔色悪くない?少し休んだ方がいいと思うな。
言われてみれば、キサカもちょっと疲れているように見える。
あたしみたいに連戦で、ずっとがんばってたからかもしれない。
> ところで、ここから一番近いゴミ箱はどこなんだろうね?」
「元食堂付近にあったような気もするけど、無ければ中庭か二階かな。
二階辺りには、リリアーナの知り合いのラルヴァが先行してるみたいだし、アンデッドもいないかもよ」
校舎に行ってるのはラルヴァとかいう、白鴉を使い魔にしてる奴のはず。
それにしても、ラルヴァって聞いたことある名前のような気がするんだよな。ラルヴァ、ラルヴァ、ラルヴァ……
「あっ!思い出した!ハーレムマスターとか、ラルヴァ大サーカスとか言われてたラルヴァだ!!」
確か、巨乳の使い魔を4体ほどつれてるとかで、男子生徒たちが陰でそんな風に呼んでいたはずだ。
本人がそう呼ばれてどう思うかは知らないが、今はいないんだから聞かれる心配もない。
「でもおかしいなぁ。ラルヴァって確か、リリアーナに振られて傷心旅行に出たって聞いてたんだけど…」

左右に首を捻るあたしのお腹が、空腹を訴えてきた。
「ま、そんな事どうでもいいか。リリアーナごめん、食べ物と飲み物を夜食用にもらうね」
よく考えたら、今日はほとんど飲まず食わずだ。
それに気づけばよけいにお腹が空いてきて、あたしはリリアーナにもらったサンドイッチにかぶりつく。
おおっ!これは旨い!まったりとしていて、なおかつこってりと!
空腹は最高の調味料って聞いたことあったけど、本当だ!
「美味しい!リリアーナありがとう、大好き!!」
言ってしまってから失言に気づいた。
訂正しておかないと、エルザに寝てる間に刺されそうな気がする。
「いや、もちろん愛してるって意味じゃなくて、純粋に感謝してるって意味だからね」

もらったサンドイッチと野菜ジュースを食べ終わると、一気に睡魔がおそってきた。
「ごめん、眠くなってきたから、あたしは先に寝ておくね。
用事があったら叩き起こしてくれたらいいから。それじゃ、お休み〜」
壁を背もたれにして座り、あいさつもそこそこに目を閉じる。
すぐにみんなの声が遠くなり、あたしの意識は眠りの世界へと入っていった。

128 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/05/18(日) 17:25:22 0
>111>115
ヴァンの魔法の鎖によって身動きを封じられたというのにラルヴァの反応は動揺ひとつなく実に平然としたものだった。
>「ヴァンの言うように大人しく観念したほうがいいぞ。」
追いついてきたマオがつづけてラルヴァに向けて勧告するが…それがどうやら引き金になってしまったらしい。
>「観念?観念しろだって・・・・・・?観念して、このまま自分の知り合いが
> アンデッドに貪り食われるのを傍観しろとでも?」
何もかもが抜け落ちてしまって、表情を浮かべることができなくなってしまったような貌をしていた。
ラルヴァから発せられた敵意はあまりに冷たく、本来寒さなぞ感じることがない吸血鬼が肌寒さを感じるほどであった。
引き金が引かれてしまってからは実に簡単、彼の動作ひとつで先ほどと同様に鋭い石槍に鎖が斬られて魔方陣も消失させた。
自由を得たラルヴァは二体の使い魔をマオとクリスにそれぞれ向かわせると、大剣を拾うと正面に対峙するヴァンへ間合いを一気につめる。
大振りの大剣の重さを微塵も感じさせないように迫るラルヴァを見て、ヴァンは冷静に対処を考えていた。
「無畏無畏、断じて進め」
魔法の詠唱ではなく自分に言い聞かせるための呪いだ。
湧き上がる恐怖心を暗示をかけることによって無理やり抑制しているわけだ。

来るべき刃にはまず腕をあげて、まるで眩しい陽を避けるように頭部を守ることによって守勢をとる。
斧で薪を割るがごとくラルヴァは大剣を振り下ろすのだが、頭をカチ割る前にヴァンの手によっては阻まれる。
だがやはり手で完全に防ぐには至らず、大剣の刃を掴んだ手から血が垂れて青白い腕を伝って一筋の線を彩った。
「知り合いが魔物に食われるのが嫌と言ったか…?
 では、君はここに来るのではなくその知り合いの警護にあたるべきだったな」
刃を受け止めている反対の手をぐっと握り締めて拳をつくり、力の限りの衝撃をラルヴァの胴に叩き込む。
木を薙ぎ倒すほどの吸血鬼の力を防具の上からとはいえもろに受けたラルヴァは衝撃によって後方へと大きく飛んでいく。
「いまはこれが私の精一杯。
 あとできることと言えば姑息な妨害魔法や逃げることぐらいだ。
 君にあのレイドを倒すほどの力はあるかな?
 無いのならさきで待つ死王にただ殺されるだけだ」
ヴァンエレンのいまの言葉の意味を訳してみよう。
『私は弱いけど後ろにいるジャイアンはものすごく強いから、いまのうちに後ろ向いて帰ってやがってください』
というわけである。

129 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持71] 投稿日:2008/05/18(日) 19:10:44 0
>127
> 「いや、もちろん愛してるって意味じゃなくて、純粋に感謝してるって意味だからね」
「そういうことなら、別に構わないけど…」
エルザはアイテムボックスからウルフスベーン(毒物)の入った瓶を取り出そうとしたが、やめた。
アイテムボックスの中にはそれ以外にも、ヌーク草(激辛)とグルコース(ブドウ糖)、そして何本かの空き瓶が入っている。
「校舎の中庭を目指しましょうよ。その方がきっと早く済むわ。
 …でも、リリアーナ。外は吹雪だから、何もしないと移動中に凍えてしまうかも。」
エルザは野菜ジュースの入った容器を取り、その中にヌーク草の粉末を一つまみ入れた。
もちろん、エルザは愛するリリアーナに、辛いヌーク草の入ったドリンクをそのまま飲ませるはずが無い。
エルザは口当たりが良くなるように、グルコースをあるだけ全部入れた。
「これを飲んで、リリアーナ。さっき入れたのはヌーク草の粉末よ。
 これを飲めば体が温まって、吹雪の中でも凍えなくなるわ。」
エルザはキサカとランドを見た。
「二人とも、無理に私達についてくる必要は無いわ。私とリリアーナは大丈夫だけど、
 あなた達は吹雪の中移動しても大丈夫なのかしら?」
正直に言えば、エルザはリリアーナと二人きりになりたいとも思ったが、
キサカとランドが戦力になりえるなら、ついて来てくれたほうが心強いし、
リリアーナの安全面を考えれば、その方が良いという気もした。
エルザにとっては悩みどころだったので、ついて来いとも、ついて来るなとも言えなかった。

「じゃあ、行きましょうか。」
そういってエルザは、城の外に出ようとした。そして、ふと入り口にある水溜りに目を向け、立ち止まった。
さっきまでロックが立っていた場所だ。彼が発する熱によって、床の氷が少し溶けたのだ。
それは、少し前の事だった。ロックはフリージアの戦う意思を確認すると、
『よし!外に出て待っているぞ、フリージア!』と言って、嬉しそうに城の外へ出て行ったのだ。
ロックとフリージアのどちらが強いかなど、エルザには全く見当がつかなかった。
しかし、もしもロックがフリージアを殺す事があれば、
或いは、もしもフリージアがロックを殺す事があれば、
ゴミ箱前で復活した両者の内の一人に出会う事になるだろう。
その時、一体何と声をかければいいのかエルザにはわからなかった。
友達同士なのに、どうして殺し合いをしなければいけないのだろうか?
例え仮想現実の世界でも、それは許される事なのだろうか?
「…ねえ、早く行きましょうよ!」
エルザはちょっと焦ったように言った。
願わくば、ロックとフリージアが決着をつける前にペンダントを捨てて返ってこれますように、と祈りながら…

130 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/18(日) 19:50:24 0
>125

>「ちょっと待て!それはもしかしてあたしの事呼んでるのか!?」
「ミルキーだろうがミルクだろうかなんだっていいだろうが。
 あれだ。愛称って奴だ愛称・・・そう思えば文句ねぇだろ。」
名前を間違えられて憤慨するミルクの突っ込みを適当に流す。
>「え〜と、そのぉ・・・・・・レイド先生じゃなくて私の友達が取・・・持ってるっていうか・・・・・・。
>あっ!でも今夜ちゃんと返してくれる事になってるの。でもその時は一人で来るよう念を押されるっていうか・・・・・・」
「ただ友人にペンダント返すだけで真夜中に1人で来るように・・・・か?しかも念まで押されてるわけだ。」
リリアーナを冷たく見つめるランド・・・リリアーナを言葉でじりじりと追い込んでいる。
>「ほ、ほら、その子とっても用心深いから〜困っちゃうな〜ホント。アンディもそう思うでしょ?あはははは」
リリアーナがアンディと口にしたとき、
一体だれのことを言っているのか分からないのかランドが止まる。
>「ほら、普段のランディも今のランディもどっちも同じ名前じゃ不便でしょ?ランドアンドだからランディと、アンディ。・・・だめ?」
そういうリリアーナにランドは何か考えているように口を噤んだままじっと見つめてる。
今まで影のような生き方をしていた者にとっていきなり固有名詞をつけられるのは違和感があるのかもしれない。
そんな態度を名前が気に入らなかったと思ったリリアーナは腕組をしてうなりはじめる。
>「じゃあアンちゃん!アンド君?ダメ?じゃあランちゃん!ランランなんかどう?!・・・・・あ、あれっ?」
「てめぇ・・・いい加減にしとけよ・・・一体俺のどこがランランなんだ?おい!」
だんだん酷くなるリリアーナの命名にランドはふざけていると思ったのか怒りの形相を浮かべ
リリアーナににじりより壁へと追い詰めていく。
>「わーん!名前があっても無くても構わないなら、私があだ名をつけたって良いじゃないの〜!!」
「ランちゃんとかランランとか・・・ふざけたのはやめろっつってんだよ!!」

>127 >129
その後フリージアとロックが戦いを始める。
ここに居座られると溶けてしまうので仕方が無いと言えるだろう。
それを分かってか止める人間はいなかった。
>「食堂が通常営業していた頃おばちゃんに頼んで作ってもらったの。
>皆はお夕食済んだかな?まだの人は今のうちに腹ごしらえすると良いわ」
そういいサンドイッチと野菜ジュースを用意するリリアーナ。
ミルクがサンドイッチにがっついている、よほど空腹だったのだろう。
そしてサンドイッチを食べ終わると早々にミルクは寝てしまう。

>「二人とも、無理に私達についてくる必要は無いわ。私とリリアーナは大丈夫だけど、
>あなた達は吹雪の中移動しても大丈夫なのかしら?」
「暇だしついていってやるか・・・おい、お前はどうすんだ?」
ランドはエルザについていくこときめ、キサカにどうするのかと聞く。



131 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/05/18(日) 22:08:14 O
>113>「はぁ〜い、レイド先生、エース先生。ご機嫌麗しゅう〜?」
「………麗しくねぇよ…。」
>「まあまあ、そう言わずに…」
俺が呼んだのはエミューだ。
決してゴーストと化したアルナワーズじゃない。
>「エミューは忙しいから代わって私が案内しますわぁん。」
よりによって代行がアルナワーズとは…。
俺はとことん運が悪い。
吹雪の中、目的地も分からぬままアルナワーズに先導される。
>「最初は先生方の誰かが本気を出したかと思ったのですけれどぉ、どうも様子が変なんですね〜。
禍々しい何かが溢れ出た、という感じ?」
「ま、まっ…さか〜…。
教師が…クシュンっ…そう簡単に…クシュンっ。
実力を出すとは…お、思えないけど…。」
>「それは言えてますね。
よほどの理由が無い限り本気は出さないと…。
それにしても寒そうですね。
……レイド先生、寒がってる暇はあまり無さそうですよ。
お客さんです。」
「…ふぇ?」
寒くて気付かなかったが、吹雪に紛れて黒い影が幾つか見える。
「た…タイミングが悪しぎだろ…。」
「ほら、頑張って下さい。」

ウザい位沸いてくる下級アンデッド共を適当に捌きながら移動するのは結構疲れるな…。

132 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/05/18(日) 22:10:26 O
>「これだけの数のアンデッドがうろついているってちょっと尋常じゃないですわよねぇ。
禍々しい何かは地下から感じましたし、そうなると行き先は・・・」
そこまで言うとアルナワーズは唐突に姿を消してしまった。
それと同時に目の前の校舎から馬鹿デカい音が聞こえてくる。
「地下図書館…か…クシュンッ…。」
>「アルナワーズの言っていた禍々しい何か、以外にも誰か居るみたいですね。
戦闘中でしょうか?」
「その…ようだな…。とりあえず中に入ろうぜ…。寒い。」
俺達は校舎の扉を開いた。

133 名前:キサカ ◆lbUJfu0lHM [sage持0] 投稿日:2008/05/18(日) 22:25:02 0
>>110>>118>>119-120>>125-127>>129-130
 吹雪は防げても、やはり氷の中は寒い。
 ペンダントはとりあえず大部分をエルザが管理することになったが、
 ……エルザから受け取れとか何考えてるの?
 死ねと仰いますか無茶だよチクショウ。収穫ゼロとか泣けてくる。

 元の姿に戻ってへなへなと座り込んだミルクに手を貸そうかと思ったが、
 年齢が平均化されたらしいリリアーナが傍にいるので放っておくことにする。
 ……意外な言い訳理由が完成、と。
 まあ僥倖だろうな、とキサカは思う。

 話題はいつの間にかリリアーナのペンダントの話にシフトし、
「リリアーナもあたしみたいに、ペンダント誰かに預けてるんだね。
 あたしはレイド先生に預けたんだけど、リリアーナは誰に預けたの?」
「本当だわ!どうして今まで気づかなかったのかしら!?リリアーナ、今あなたのペンダントは誰が持っているの?」
「・・・・・あ〜・・・その・・・・私もミルクと同じ感じ・・・かな〜っ?あははは」
 リリアーナが気まずげにこちらを見、つられて他者の視線も集まる。
 ……いやほんともうスイマセンでしたこっち見んな。
 無表情を装うが頬が引きつっている気がする。
 と、まるでこっちを見ろと言わんばかりに外から光が飛び込んできた。
 助かった、と視線を向ければ、入り口から熱気が来る。
「おい、フリージア!いつまでのんびりしているつもりだ!」
 向き直れば猫耳の男が立っていて、熱源は明らかにその男で、
「早く外に出て、この俺と勝負しろ!」
 なんて熱血野郎なんだもうだめだ。
「ロックすごーい、あったかーい!そうだわ、ねえロック、焚き火代わりにしばらくここで立っててよ!」
 旦那を焚き火扱いとか酷くね?
「冗談言ってる場合じゃありませんことよ!このままだとこの城が溶けてしまいますわよ!!」
 マジですか、と視線を上げれば、微妙に濡れた天井が見える。
「仕方がありませんわ!あまりお友達とは気が進まないのだけど・・・勝負して差し上げますわ!!」
 元気な奴らだ、とキサカは天井から視線を下ろす。

 論題は紆余曲折し、今後の方針が煮詰まってくる。
 リリアーナの取り出した食事を遠慮し、護衛もキサカは辞退した。
 なんで? と聞かれるのを機に、キサカは足を動かす。
「俺はこのパーティから抜けるからそれは無理。いい加減限界なのよ」
 行く先は城の出口。声が普通に届く距離で足を止め、
 ……っつかミルクがいつの間にか寝とる。
「行く充てはあるから気回しは結構。
 顔色悪いのは自覚してるけど、体調はそれなりだから休憩も終了」
 氷で出来た、素手で触ると手の皮が剥がれそうな取っ手に手を掛け、
 ……そうだ。
 ふ、と扉を開ける手を止め、首の後ろで手を組むような姿勢をとる。
 そのままの体勢で振り向き、
「リリアーナ。いいものをあげよう」
 ペンダントを首から引き抜いてリリアーナへと投げた。
 放った右手をそのまま指に変え、
「それは俺の自己満足で、誠意で、偽善だ。上手く使え」
 捨てないでくれると嬉しい、と微笑したキサカは、手を軽く振りながら足早に城を出る。
 声が聞こえたが歩は止めない。追いつかれたら余計に別れにくくなる。

 飛び出したはいいものの吹雪を顔面に浴びて出鼻を挫かれテンションが下がる。
 暫く走って進む方向を間違えたことに気付いて軽く鬱が入る。
 ……俺何やってんだろ。
 あー、と静かになった廊下で暗い天井を見上げ、白い吐息。
 見切ったのは確かで、見切れた手応えのようなものがある。
 ……早く帰ろう。
 帰って寝よう。このまま体調を崩すのも宜しくない。
 自嘲とは違う理由で沈んだ表情のまま、キサカは暗がりに身を突き込んだ。

134 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/19(月) 18:12:56 0
>127
>「元食堂付近にあったような気もするけど、無ければ中庭か二階かな。
>二階辺りには、リリアーナの知り合いのラルヴァが先行してるみたいだし、アンデッドもいないかもよ」
リリアーナは考え込んだ。
食堂付近のゴミ箱はここから一番近いだろうが、おそらくチョコナワーズの残骸で埋まっているだろう。
そして残骸を除去するのはあまり得策とは思えなかった。
チョコナワーズがらみで復活してきた生徒達と鉢合わせするのは避けたい。

>「あっ!思い出した!ハーレムマスターとか、ラルヴァ大サーカスとか言われてたラルヴァだ!!」
我に返ったリリアーナは、ミルクの発言を聞いてとても驚いた顔をした。
「ラル君のことをちゃんと覚えててくれたいるなんて!なんか・・・・・・・嬉しいかも〜っ!」
ラルヴァはある事情により、学園に在籍中非常に存在が希薄な生徒だった。
マリアベル事件関連で幻灯機を通じ、ラルヴァも大々的に顔が売れたわけだが
その時初めてラルヴァという生徒の存在を知った人間も多かったはずだ。
幻灯機で見聞きしたものは記憶は残りにくいのだが、ラルヴァも含め事件関係者の事は其の後ちょっとした話題になっていた。
映像は重い出せなくても、情報通なミルクの記憶に彼のことが残っていてもおかしくは無い。
>「でもおかしいなぁ。ラルヴァって確か、リリアーナに振られて傷心旅行に出たって聞いてたんだけど…」
「いやいやいや!傷心旅行じゃない!そもそも告白すらされてないから!
 にしてもハーレムマスターかあ。そんな風に言われてたって知ったら、ラル君どんな顔するかな?」
リリアーナはくすくす笑った。

>129
夕食というよりは夜食になったサンドイッチを、ミルクは大喜びで平らげている。
>「美味しい!リリアーナありがとう、大好き!!」
>「いや、もちろん愛してるって意味じゃなくて、純粋に感謝してるって意味だからね」
「分ってるよ〜。だいたいミルクにはユリさんって人がちゃんといるもんね〜」
アイテムボックスを覗き込んでいたエルザが口をはさんだ。
>「校舎の中庭を目指しましょうよ。その方がきっと早く済むわ。
> …でも、リリアーナ。外は吹雪だから、何もしないと移動中に凍えてしまうかも。」
ああ、とリリアーナも頷く。
ベッドごと雪の中に放り出された時も、ランドがいてくれなかったら行き倒れになっただろう。
エルザは何かを野菜ジュースに入れると、リリアーナに薦めた。
「これを飲んで、リリアーナ。さっき入れたのはヌーク草の粉末よ。
 これを飲めば体が温まって、吹雪の中でも凍えなくなるわ。」
「ヌーク草なんてよく手に入ったわね〜。ありがと、エルザ」
リリアーナが嬉しそうに特製ドリンクを受け取った。

135 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/19(月) 18:13:28 0
>130 >133
>「二人とも、無理に私達についてくる必要は無いわ。私とリリアーナは大丈夫だけど、
>あなた達は吹雪の中移動しても大丈夫なのかしら?」
>「暇だしついていってやるか・・・おい、お前はどうすんだ?」
キサカはリリアーナの取り出した食事を遠慮し、護衛も辞退した。
>「俺はこのパーティから抜けるからそれは無理。いい加減限界なのよ」
キサカは行く先も体調も大丈夫だと言ったものの、リリアーナは顔を曇らせている。
>「それは俺の自己満足で、誠意で、偽善だ。上手く使え」
「えっ、ちょっと待って!受け取れないわよ!それに・・・分ってるでしょ?」
キサカも聞いていたはずだ。この後メラルと何があるのか。
メラルはリリアーナからペンダントを取り上げた時、こう言ったのだ。
>「今日はあなたと手を組む気はないし…あなたの優勝は断固阻止するわ。
> 私の家名とその誇りにかけて。」
リリアーナがいくらおめでたくても、ちょっとお話するだけでペンダントが帰ってくるとは到底思えなかった。
捨てないでくれると嬉しい、と微笑したキサカは、手を軽く振りながら足早に城を出ようとする。

「待って!ペンダント・・・・・・」
止める間もあればこそ、キサカは扉を開け、吹雪の中駆け出していってしまった。
リリアーナも追いかけようと外に飛び出したが、すぐに吹雪で見失ってしまった。
「ずるいわよ、ピンチにはひょっこり現れるくせに、どうしてちっとも借りを返させてくれないのよ!
 これじゃ借金雪だるま式に増えるばかりじゃないのよ!!バカ!キサカさんのバカ!!」
リリアーナは大声で怒鳴った。
「・・・ありがと、本当にありがとう!・・・・・・大好きだよ!!」
見えないだろうと知りつつも、リリアーナは何度も何度も手を振った。

とぼとぼと城に戻ってくると、ミルクは熟睡しエルザは難しい顔をしていた。
「見失っちゃった・・・・・・えへ」
リリアーナは困ったような笑みを浮かべながら、毛布にかかった雪を払った。
「アンディ、来てくれるのならエルザ特製ドリンクちゃんと飲まなくちゃね」
リリアーナはそう言って激甘ヌーク草入り野菜ジュースの半分をランドに渡した。
そして特製ドリンクを普通に飲み干してしまった。
「私本当は辛いの苦手なんだけど、今日のは甘くてすっごく飲みやすかった〜。
 ありがとね、エルザ。ヌーク草のお陰で身体もぽかぽかしてきたわ」
リリアーナは肩にかけていた毛布を外すと、眠るミルクの上にかけてやった。
「いくらなんでも雪の上で寝たら体冷えちゃうよね。ミルクはヌーク草摂ったのかな?」
リリアーナは苦労してミルクの下にも毛布を巻き込ませた。
これで少しは体の冷えを抑えられるだろう。

>「…ねえ、早く行きましょうよ!」
「ああそうね。じゃあアンディ、行きましょうか」
リリアーナ達は外に足を踏み出した。
「わっぷ!これじゃ校舎に行くまでに雪だるまだよ〜。
 ねえアンディ、あなたさっき何か黒いのでイス作ってたでしょ?
 だったら影で傘とか馬車とか屋根とか作れないの?」
リリアーナはランドに無理難題を吹っかけた。
校舎のあちこちの薄明かりと雪明りがあるとはいえ、この場所ではまだ足元に影が見えるほど明るくは無かった。

フリージアとロックは城の裏側にいるようで、こちらからは戦いは音だけしか聞こえない。
「・・・・・・エルザ、ロック達のことが心配?大丈夫よ、エルザ」
リリアーナはエルザを元気付けるように背中を叩いた。
「そもそもこのイベントは技と駆け引きを競い合うもので、殺したり倒すことが目的じゃないんだからね。
 それとも―――― エルザがずっと言いたそうにしてたのは、もっと別の事なのかな?」

136 名前:真!猫耳ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/05/19(月) 18:59:43 0
ロックは城の外に出て、今まさにフリージアと対峙しているところだった。
「さあ、いくぞ!フリージア!」
ロックは懐から短い杖を取り出し、フリージアに向けた。
「これでもくらえ!ホッター・ビーム!!」
ロックの杖の先から、高温高圧の蒸気が筋状になって吹き出す!…はずだった。
しかし、蒸気は吹雪によって流され、フリージアまで到達しなかった。
「くそっ!予想外だったぜ!さすがはフリージアだ!」
フリージアは関係なさそうだが、ロックはそう叫んだ。
「(ホッター・ビームは至近距離からじゃないと効きそうに無いな!)」
さて、今度はフリージアの番である。
鉄のように硬い体を持ち、熱い蒸気で包まれたロックをいかに攻めるのだろうか?

>135
エルザは歯を食いしばって寒さに耐えながら、
今まさに吹雪の中をランドとリリアーナと一緒に城の外へ出たところだった。
> 「・・・・・・エルザ、ロック達のことが心配?大丈夫よ、エルザ」
> リリアーナはエルザを元気付けるように背中を叩いた。
> 「そもそもこのイベントは技と駆け引きを競い合うもので、殺したり倒すことが目的じゃないんだからね。
>  それとも―――― エルザがずっと言いたそうにしてたのは、もっと別の事なのかな?」
「…そうね。」
エルザはちょっと笑った。
「ロックにちょっと話しておきたいことがあったの。…できればロックとリリアーナの二人に聞いてほしかった。」
エルザはランドをちらりと見た。これは暗に、今はランドがいるから話せない、という事を示唆していた。
「でも、きっとロックは私が話さなくても知っているわ。私がロックにとってどういう存在か、ってことをね。」
エルザはつらそうな顔をした。寒いからだ。
エルザはヌーク草を摂取していない。そもそも、摂取しても意味は無い。
エルザの体は人形の体である。人間用の薬草は全く効果がないのだ。
幸い、人形の体は吹雪の中で凍りつく事はなかったが、感じる寒さは人間のそれと変わりないのである。
「…ごめん、話しの続きはまた後で。」
エルザは震える口でやっとそれだけ言うと、黙り込んでしまった。

137 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/19(月) 23:04:59 0
>133-136

>「俺はこのパーティから抜けるからそれは無理。いい加減限界なのよ」
護衛を事態しパーティを抜けるというキサカ。
ランドもリリアーナに関わる大変さをなんとなく分かっているのだろう。
キサカの離反をとくに止めるでもなく傍観している。
そしてキサカはペンダントをリリアーナに渡し走り去ってしまい、それを追うリリアーナ・・・

そしてちょっとしたらリリアーナがとぼとぼと戻ってくる。
>「見失っちゃった・・・・・・えへ」
>「アンディ、来てくれるのならエルザ特製ドリンクちゃんと飲まなくちゃね」
そういってリリアーナがランドにジュースの半分を渡す。
受け取ったランドは一気に特製ジュースを飲み干す。
「悪くねえな。」
そういって効能を試しているように適当にゆっくりと体を動かし始める。

>「…ねえ、早く行きましょうよ!」
>「ああそうね。じゃあアンディ、行きましょうか」
エルザが行こうと急かしリリアーナも行く準備万端のようだ。
「どうやら俺の名前はアンディで決まったようだな。」
そういってリリアーナ達についていく。外に足を踏み出してみるとやはり中々吹雪いている。
>「わっぷ!これじゃ校舎に行くまでに雪だるまだよ〜。
>ねえアンディ、あなたさっき何か黒いのでイス作ってたでしょ?
>だったら影で傘とか馬車とか屋根とか作れないの?」
リリアーナの言葉にランドは自分の足元を見る。そこに影はない。
ただちょっと薄暗い地面があるだけ・・・
「残念だったな。俺のあれは限定的でね。もっと暗くなるか
 もしくは明かりが必要でなぁ。まあでこの状況下でもとある方法でできるんだがよ・・・」
できないわけではないというところまでいって黙ってしまうランド。
どうやらそのとある方法は避けたい事情があるようだ。

>「ロックにちょっと話しておきたいことがあったの。…できればロックとリリアーナの二人に聞いてほしかった。」
「おれはお邪魔ってわけか?そいつは悪かったなぁ。」
ランドがまたエルザに余計なことを言うが反応が返ってこない。
ランドが横を見てみるとエルザはつらそうにしている。どうやらかなり寒さに堪えているようだ。
>「…ごめん、話しの続きはまた後で。」
そしてとうとうそう言うと黙りこんでしまう。ランドは黙ってその様子を見ていたが・・・チッと舌打ちをして二人に「止まるようにいう。
「ったくテメェら二人とも面倒くせえな!」
そういい膝をつき手を地面に置くとランドの手を中心に黒い闇が円状に広がっていく。
そしてその黒い円に両手を入れ何かを引き抜くような動作をする。
すると右手には二着の真黒のフード付きのロングコート、左手には黒い大きめの傘が二本握られている。
ぶっきらぼうに黒いロングコートを二人に投げ、次に二本の傘を二人に渡す。
「ほらよ、着れば少しはマシになんじゃねえのか?着たらその傘でも適当に差しときな。」
そういって二人を追い越し先頭に立って歩きだすランド。どうやらランド自身はあまり雪は気にならないようだ。

138 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持71] 投稿日:2008/05/20(火) 18:53:05 0
>137
「………」
エルザは黙ってランドが投げた黒いロングコートを羽織ったが、傘は決してさそうとしなかった。
というのも、リリアーナになんだか申し訳なかったからだ。
エルザは今になってやっと気づいたのだ。リリアーナから借りた傘を、どこかに置き忘れた事を…
「………」
エルザは色々言いたいことがあったが、声が出せなかったため、あきらめた。
とにかく校舎についてから、だ。

校舎にはすぐに着いた。食堂から校舎までの道のりは短いものだが、
寒さに耐えながら歩くエルザには随分遠い道のりに感じたものだ。
「…ぁりが…と…」
エルザは校舎についてから、やっとランドにぎこちなくお礼を言った。
黒いロングコートを貰ってから、随分経ってからのお礼の言葉である。
ランドにはエルザがお礼を言う気などさらさら無いように見えたかもしれないが、
先程はあくまでも、寒さで口が動かせなかっただけなのだ。
「リリ…アナ…ペン……半…持って…手が……無いの…。」
エルザは、ペンダントを半分持って欲しいと(やはりぎこちなく)リリアーナにお願いした。
リリアーナにうまく通じればいいが…

139 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/20(火) 20:31:29 P
>136
>「さあ、いくぞ!フリージア!」
「仕方ありませんわね・・・・かかってらっしゃいな」
フリージアはあまりやる気が出ないのか
気が抜けた返事をする

>「これでもくらえ!ホッター・ビーム!!」
「フリージングウォール!!」
ロックのホッタービームはフリージアの作った氷の壁をやすやすと溶かす
・・・・かに見えたのだが吹雪が邪魔をしてフリージアまで届かないようである

>「くそっ!予想外だったぜ!さすがはフリージアだ!」
「お〜ほっほっほ間合いがチョコレートパフェより甘くてよ!!」
そういえば最近食べてないな・・・と思いつつ
何もやってないフリージアは無駄に偉そうな態度をとった

「今度は私の番ですわ!フリィィィジングドリル!!」
そう叫びタテロールを取外し腕に装着するフリージア

「ドリルブリザァァァァァド!!」
フリージアは氷の壁の横からロックの方向へ向かって強烈なブリザードを発射する

「ふっ飛んでいきなさいな!!」
果たしてロックは鉄のように硬くなっているが質量の方はどうなのだろうか?
もし重さが変わっていなくてなおかつ命中すれば上手く吹っ飛んでくれるはずである

140 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/20(火) 20:48:45 0
>137-138
「残念だったな。俺のあれは限定的でね。もっと暗くなるか
 もしくは明かりが必要でなぁ。まあでこの状況下でもとある方法でできるんだがよ・・・」
リリアーナは首を傾げ次の言葉を待っていた。
だがランドはその先を言わなかったので、「そっか〜、残念」でその場は終了した。

>「ロックにちょっと話しておきたいことがあったの。…できればロックとリリアーナの二人に聞いてほしかった。」
エルザはランドをちらりと見た。どうやらとても大事な話らしい。
ランドが混ぜっ返すが、エルザは釣られなかった。どうやらそれ所ではないようだ。
>「でも、きっとロックは私が話さなくても知っているわ。私がロックにとってどういう存在か、ってことをね。」
エルザはつらそうな顔をした。寒いだけなのか何か思い悩む事があるのか、リリアーナには分からない。
>「…ごめん、話しの続きはまた後で。」
「うん、早く行こう。中庭なら途中校舎の中を通った方が近道よ」
もしラルヴァが先行してくれたのなら、少なくともアンデットはもういないはずだ。

>ランドは黙ってその様子を見ていたが・・・チッと舌打ちをして二人に「止まるようにいう。
そして憎まれ口をたたきながらも、黒いフードつきのコートと、大きなコウモリ傘を二つづつ取り出した。
「えっ?!貰ってもいいの?アンディすごーい!あったかーい!!」
リリアーナは大喜びでコートを羽織った。だがエルザはコートは着たものの、傘をさそうとはしなかった。
リリアーナは荷物が多いから傘をもてないんだろうなと、と考えたようだ。
「エルザ、私達は一緒の傘でいいよね?アンディありがと!でも傘!自分の傘忘れてるってば〜!!」
リリアーナはランドを追いかけ、ニコニコしながら傘を手渡した。
そしてエルザと相々傘で校舎まで移動する。

141 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/20(火) 20:49:19 0
「ふい〜。ひどい吹雪だったね〜」
リリアーナは傘をたたんだ。傘の上に積もっていた雪が足元を白く染めた。
(それにしても・・・・・・すごいわね、これ・・・・・・ラル君一人でやったのかな?)
校舎内の床には、破壊されたアンデットの屍がごろごろしていた。

エルザがランドに礼を言っているのを聞き、リリアーナはちょっと嬉しそうな顔をした。
喧嘩ばかりしているが、けっこう二人は気が合うと思っていたからだ。
「本当にありがと。でもアンディ、黒いの使うの難しいみたいな事言ってたのに大丈夫だったの?
 自分の分は作ってなかったわけだし、もしかして無理したんじゃない?」
リリアーナは自分で言いながらだんだん心配になってきたようだ。

>「リリ…アナ…ペン……半…持って…手が……無いの…。」
「うん、任せて!」
リリアーナは大きめの紙ナプキンを二重にして3枚分広げ、ペンダントを分けた。
「そうよね〜、皆で持った方が安全だもんね〜。エルザ、あったまいい!」
包みをエルザ、ランドに手渡したリリアーナは、黒いコートを脱ぐとエルザの肩にかけた。
「私の分もエルザが使って!アンディいいよね?・・・・・・では、皆で中庭のゴミ箱までレッツゴ〜だよ〜
 私なら大丈夫よ。エルザの特製ドリンクのお陰で身体がぽかぽかしてるから」
ほらね?とリリアーナは冷たいエルザの手を握った。

>124
唐突にメラルから貰った指輪が輝き始め、リリアーナの脳裏にメラルの声が再生された。
リリアーナは面食らった。今指輪に向かって返事をしたら、エルザやランドに変に思われるかもしれない!
リリアーナはメラルに指示されたとおり指輪に魔力を込めた。
そしてエルザ達に向き直ると、やたら大きな声で話し始める。
「ああやっと校舎までたどりついたわねエルザにアンディ。雪が多くてひどい目にあったですだよ。
 それでは皆の衆元気よく中庭のゴミ箱までレッツらゴーで行くですだよー」
(何気ない会話の中にメラルさんへのメッセージを紛れ込ませる!うん、我ながら完っ璧な計画よね!)
これなら皆に怪しまれず、メラルにリリアーナの状況を伝える事が出来るはずだ。
リリアーナぎくしゃくと歩きながら、メラルの返事を待った。

>132
次の渡り廊下から中庭に出られる。ゴミ箱まであと少しだ。
傘を出そうとしたリリアーナだったが
「皆、隠れて!」
リリアーナは物陰に身を潜め、ひそひそと二人に話し掛けた。
「あそこを歩いてるの、もしかしてレイド先生達じゃない?こんな夜中にどこ行くのかしら?」

142 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/05/21(水) 00:55:41 O
>>141
「大量のペンダントの反応に来てみれば!
漁夫の利いただき!」
「俺たちのペンダント返せ!」
ワラワラと生徒たちが襲いかかる!

143 名前:真!猫耳ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/05/21(水) 07:03:57 0
>139
> 「今度は私の番ですわ!フリィィィジングドリル!!」
> そう叫びタテロールを取外し腕に装着するフリージア
「どっ、ドリルだとぉ!?漢らしい武器を使いやがって!」
> 「ドリルブリザァァァァァド!!」
> フリージアは氷の壁の横からロックの方向へ向かって強烈なブリザードを発射する
ロックは体を包んでいる蒸気のおかげで、ブリザードによる凍傷は免れた。
しかし、吹き飛ばされる事だけは免れそうにない。
ロックはハードニングをしても質量が変わらないからだ。
「のおぉおお!?」
ロックの体が宙を舞う。
「フリージア、これで終わりだと思うなよぉおおお!!」
ロックはそう捨て台詞を掃きながら、山のかなたの空遠くへ吹き飛ばされてしまった。

144 名前:真!猫耳ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/05/21(水) 19:05:27 0
>141
> 「うん、任せて!」
> リリアーナは大きめの紙ナプキンを二重にして3枚分広げ、ペンダントを分けた。
> 「そうよね〜、皆で持った方が安全だもんね〜。エルザ、あったまいい!」
エルザが意図していた事とは違うが、特に問題も無かった。
エルザは小分けにされたペンダントを、アイテムボックスにしまった。
> リリアーナは、黒いコートを脱ぐとエルザの肩にかけた。
> 「私の分もエルザが使って!アンディいいよね?・・・・・・では、皆で中庭のゴミ箱までレッツゴ〜だよ〜
>  私なら大丈夫よ。エルザの特製ドリンクのお陰で身体がぽかぽかしてるから」
「うん、ありがとう。」
エルザもだいぶ舌が回るようになったようである。
「リリアーナの手…暖かくて柔らか〜い(ハート)」
リリアーナは大変な物を盗んでいきました。エルザの心です。

突然リリアーナが大きな声で話し始めた。
> 「ああやっと校舎までたどりついたわねエルザにアンディ。雪が多くてひどい目にあったですだよ。
>  それでは皆の衆元気よく中庭のゴミ箱までレッツらゴーで行くですだよー」
「リリアーナ、無理しなくてもいいのよ。私は体が…その…大丈夫だから。」
エルザはリリアーナの不自然な話し方と歩き方を、自分と同様に寒さのせいだと思った。
先程リリアーナが肩にかけてくれた黒いコートを脱ぎ、リリアーナの肩にかけなおした。

> 次の渡り廊下から中庭に出られる。ゴミ箱まであと少しだ。
> 「皆、隠れて!」
> リリアーナは物陰に身を潜め、ひそひそと二人に話し掛けた。
エルザにはその理由がすぐにわかった。忘れようとしても忘れられない、
初戦の相手を務めた憎き教師二人の後姿が見えたのだから。
> 「あそこを歩いてるの、もしかしてレイド先生達じゃない?こんな夜中にどこ行くのかしら?」
「間違いないわね。エースも一緒だわ。」
どうやらエルザは、いまだにエースが憎らしいらしい。
「どこに行こうと構わないけど、関わりあうのはもうごめんだわ。」

145 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持24] 投稿日:2008/05/21(水) 19:07:01 0
>144
名前欄訂正
真!猫耳ロック → エルザ

>142
> 「大量のペンダントの反応に来てみれば!漁夫の利いただき!」
> 「俺たちのペンダント返せ!」
エルザはびくっとして、後ろを振り向いた。
見れば、ワラワラと生徒達がこちらに襲い掛かってくるではないか。
「しまったわ!あいつら、復活していたのね!…はぁっ!!」
エルザはとっさに、正面から来た2人を衝撃波で吹き飛ばした。
「駄目!数が多すぎる!」
生徒はざっと見た限り30人くらいいる。さっきエルザは2人吹き飛ばしたが、5人の新手が現れた。
見る見るうちに、生徒達がこちらに殺到してくる。考えてみれば獲得したペンダントは70個あるのだから、
最終的に70人以上の生徒を相手にする可能性があるのだ。
エルザ、ランド、リリアーナが例えどれだけ強いとしても、まともに戦っては絶対に勝ち目がない。
>「よし皆、総攻撃だ!」
>「「「「「おおおおおおっ!!」」」」」
リーダーらしき男子生徒が叫んだ。生徒達はそれに応え、いっせいにこちらへ攻撃してきた。
>突然、2mくらいの黒いドラゴンが上空から現れ、暗黒のブレスを吐きかけてきた。生徒が呼び出した使い魔だろうか。
>更に別の場所から雷だの聖なる光だの風の刃だの、更には睡眠魔法とか幻覚の魔術とか窒息の呪いとかが飛んできた。
>他には剣の波動やドリルや爆発する弾、それに加えてヌメヌメした触手や毒のトゲや緑色の液体なんかも襲い掛かってきた。
「嘘でしょ!?いやあああああっ!!」
エルザは悲鳴をあげた。残念!エルザの冒険はここで終わりに…ならなかった。

生徒達の総攻撃は失敗に終わったのだ。エルザたちに魔法が到達する直前、
>呪いは呪い同士、武器は武器同士、毒は毒同士相殺し合った結果だろう。
>もう一度再現しろと言われても出来ない偶然のなせるわざと言えた。
>「くそっ!しくじった!」
リーダーらしき男子生徒が悔しそうに言った。すると、近くにいたおとなしそうな女子が彼に言った。
>「ねえ、なんか前にもこんな事なかったっけ?」

「なんだかわからないけど、助かったわ!行きましょう!アンディ!リリアーナ!逃げるのよ!…きゃっ!?」
エルザは何かに躓いて倒れてしまった。一体何が足に引っかかったのかさっぱりわからない。
というのも、先程の総攻撃により(エルザ達には害がなかったものの)校舎内の照明がほとんど壊れてしまったからだ。
そのため、一寸先も見えない闇が辺りを包み込んでいた。
>「逃がすなよ!絶対に逃がすなよ!たとえ目で見えなくても、ペンダントの気配を頼りに攻撃するんだ!」
リーダーらしき男子生徒の声が闇の奥から響いた。

146 名前:ルーナ(銀狼) ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/21(水) 20:12:59 0
>116
正直、驚いた。
あれだけの速度でかく乱した上での背後からの急襲を殺気を呼んでかわすとは。
右手で振り下ろした片手斧を引き戻すより早く、脇腹のあたりに硬い感触、まずい!
その場で体をすばやく回転させるが、銃口を完全にそらすことは叶わず熱い感触が右脇腹を襲った。

だが、痛みに呻く暇などない。
二転、三転とバク転を繰り返して本棚の影に身を一度潜める。
「・・・・・・やるものですね、人の身でその反応とは。」

両手に一丁ずつ握った斧の感触を確かめるように強く握る。
よし、ならば次の手段でいこう――――――


クリスから見て左手の本棚から銀影が飛び出す。
地上をすばやく駆け抜け、銃口が自分に向く寸前ですぐ傍の本棚へ向かって跳躍し本棚を蹴る。
それによって空中で自分の運動の向きを無理やりに変更しながら立体的にクリスの周囲を跳び回る。

やがて、その銀影から一本の斧が高速回転をともなってクリスに向けて投擲された。

147 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/21(水) 20:24:48 0
>128
>「知り合いが魔物に食われるのが嫌と言ったか…?
> では、君はここに来るのではなくその知り合いの警護にあたるべきだったな」
振り下ろした大剣の刃はヴァンエレンの手によって捕まり、阻まれる。
だが、わずかに掴んだ手から血が流れ落ちる。

さらに深く、と力を込めたところで凄まじい衝撃が胴体を襲った。
抵抗する間もなく体が浮き上がり、遠くへ吹き飛ばされる寸前で大剣を床に突き刺して体を無理やり止める。
「ゴホッ・・・カ、ハッ・・・。」
脇腹がひどく痛い。息が吸えない。熱い。もしかしたら骨の一本や二本もっていかれたかもしれない。
これが本当の人外の力、吸血鬼の腕力!
彼にかけられたその言葉にわずかに不安にもなるが、だがまだ大丈夫だと思いたい。
意思が負ければその時点で負ける。だからここは貫くだけ!

「疾れ、未生の刃!『魔法剣技・重刃』」
先ほど傷をつけたヴァンエレンの手の傷がわずかな魔力を帯びる。
その傷が、途端に先端を7つに分けてヴァンエレンの体中を引き裂かんと衣服の上から走り抜ける!

――――――――――――――――――――――――――――

一方、学園二階廊下。
クリスの銃弾が呼び水となって崩壊した床の穴の上。
背中に白い翼を生やした少女が床にだらしなくねそべりながら穴の中を観戦している。
「ハァー・・・私が戻ってきたころにはもうドンパチやらかしてるんだからまったく。
 ま、余程ピンチになったら戻ろっかなー。」
廊下はアンデッドの残骸がちらほらとしているが彼女は一向にそれを恐れない。
ただ、出番を失ったためにのんびりと観戦しているだけだった。

148 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/05/21(水) 22:27:50 0
魔銃に魔力をためる間犬耳を生やした女はバク転をして本棚の陰に隠れた。
移動力低下の魔法をかけたのにあの速さで動けるとはそうとう厄介な相手だな。
だが、武器を封じなければ接近するのは難しい。


しばらく警戒していると左手の本棚から銀影が飛び出してきた。
とっさに魔銃を向けようとするが本棚を蹴りながら周囲を跳び回っているために狙いをつけることができない。
しばらくすると何かがこっちに向かって投げられた。
移動のスピードが加わっているのか向かってくる速度が速い。

「チッ『インビジブルシールド』」

詠唱をしていたら間に合わないので、効力はいまいちだが無詠唱で風の盾を展開した。
しかし効力が低いため盾を突き抜けて左腕に柄の部分が直撃した。
何かが床に落ちたことではじめてそれが斧であると気づいた。
左腕がとてつもなく痛いが、それ以上に武器をずさんに扱ったことにクリスは怒った。
「お前には職人に対しての礼儀は無いのか!!
 武器は職人が頑張って作ったものなんだぞ!!
 その武器を投げていいと思っているのか!!」
そして魔銃に込められている雷の魔力を攻撃用からスタン(麻痺)の特殊効果に変換する。
それと同時に魔銃についているダイアルを右の親指で動かした。
つぎに銃口を犬耳女に向けて魔弾を複数放つ。

ちょうど犬耳女の後ろに吸血鬼と角のはえている男が戦っているのが見えた。
かわせば流れ弾があっちに飛んでいくだろう。


149 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/05/21(水) 23:36:59 O
校舎に入った俺達は図書館を目指して歩いていた。
が、図書館に向かって歩いている筈なのに図書館に着かないのは何故だ?
いくら歩いてもアンデッドの屍が転がっているばかり。
「図書館に着かないのは何でなんだぜ!?」
>「……ヒント、ここはリバースの中です。」
なるほどーそういう事かー………。
「何でもっと早く言わないの!」
>「いつ気付くのかな〜、と思いまして…。」
分かってねぇな…俺って結構ボケ入ってんだぜ…。
「とりあえず気を取り直して図書館へレッツ…」
>141>142>144
>「レイド先生……聞こえました、今の?
 俺達のペンダント〜、とか、女子生徒の悲鳴とか、絶対に逃がすな〜、とか…」
「それ以上言うな…俺は何も聞いとらん。見ざる聞かざる言わざるだ。」
「とは言っても校舎内の照明ほとんど壊れちゃって見える物も見えませんけどね。」
こういう時は…
「走れぇぇえーー!!」
乱闘に巻き込まれるのは御免だ。
俺達は今度こそ図書館に向かって走り出した。

150 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/22(木) 17:24:01 0
>144
> 「あそこを歩いてるの、もしかしてレイド先生達じゃない?こんな夜中にどこ行くのかしら?」
「間違いないわね。エースも一緒だわ。」
「エースって・・・もう、エルザったら・・・・・・」
>「どこに行こうと構わないけど、関わりあうのはもうごめんだわ。」
エルザの言う事はもっともだ。
「そっか〜。アンデットの出現について何かご存知か聞いてみたかったんだけど・・・・・・」
だがそんな事を悠長に言っている場合ではなくなった。

>145 >142
チョコナワーズ戦から復活した生徒、大量のペンダントの気配を追ってきた者達が襲い掛かってきた。
エルザが正面から来た2人を衝撃波で吹き飛ばし、リリアーナも応戦した。
だが所詮多勢に無勢である。
彼らの総攻撃を食らい、哀れリリアーナ達はゲームオーバーに・・・・・・
>「くそっ!しくじった!」

・・・・・・ならなかった。
「――――あぅ、死ぬかと思った!エルザにアンディ、生きてる〜」?
むくりと起き上がったリリアーナは、けほけほと咳き込みながら何気なく自分の髪を梳いた。
そして硬直。
「キャー私の髪がチリチリにー!!」
まさに「二度あることは三度ある」といったところか。

さて、リリアーナ達に怪我は無かったのだが、校内の照明が壊れ何も見えなくなってしまった。
しかしリリアーナにとって暗闇は苦ではない。
なぜなら、サーマルゴーグル機能付きのメガネをもっているからだ。

>「なんだかわからないけど、助かったわ!行きましょう!アンディ!リリアーナ!逃げるのよ!…きゃっ!?」
「ふぎゅるっ?!」
何かに嫌というほど蹴飛ばされ、リリアーナは再びすっ転んだ。

「いたたた・・・・・・・あ、あなたもしかしてエルザ?」
上に乗っかっている生徒から、洗い立てのシャンプーのいい香りがする。
それに大量のペンダントの気配も。
「エルザ行こう!私があなたの目になるから!」
リリアーナはエルザの手をひき、迷いの無い足取りで駆け出した。
>「逃がすなよ!絶対に逃がすなよ!たとえ目で見えなくても、ペンダントの気配を頼りに攻撃するんだ!」
「アンディなら大丈夫、むしろあの場に私達がいないほうがいい!
アンディはさっきこう言ってたわ。『俺のあれは限定的でね。もっと暗くなるかもしくは明かりが必要でなぁ』ってね」
つまり一寸先も見えない闇の中は、まさに彼の独壇場というわけだ。
「とにかく今は一刻も早くペンダントを投下しよう!敵の数を早く減らしてあげないと!」

151 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持24] 投稿日:2008/05/22(木) 19:15:15 0
>150
> 「エルザ行こう!私があなたの目になるから!」
> リリアーナはエルザの手をひき、迷いの無い足取りで駆け出した。
「うん!(うわ〜、何このシチュエーション♪最高〜♪)」
エルザは夢の世界に飛び込んだような気分になった。
> 「アンディなら大丈夫、むしろあの場に私達がいないほうがいい!
> アンディはさっきこう言ってたわ。『俺のあれは限定的でね。もっと暗くなるかもしくは明かりが必要でなぁ』ってね」
「ええ、確かに言ってたわ!」
リリアーナの言葉で現実に戻ったエルザは、暗闇の中で首をかしげた。
「でも、一体どういう意味かしら?暗くなったら一体何が変わると言うの?」
エルザはアンディの能力がいまひとつわからなかった。
頭の中では、アンディが『持ってけロングコート!』と叫びながら、
70人分の黒いロングコートを量産する様子が浮かんだ。
> 「とにかく今は一刻も早くペンダントを投下しよう!敵の数を早く減らしてあげないと!」
「はっ!そうだわ!」
エルザは『敵の数を早く減らして』という部分に強く反応した。
そして、アンディがいると思われる方向に大声で叫んだ。
「アンディ!絶対に“殺し”ては駄目よ!絶対よ!もしも“殺し”たりしたら、今度は私があなたを“殺し”てやるから!!」

リリアーナとエルザは走りに走った。
「向こうの方、少し明るくなっているわね!」
中庭まではもうすぐだ。


その頃、ロックもまた走りに走っていた。
「くそっ!俺とした事が油断したぜ!あのドリルには要注意だな!」
フリージアのドリルブリザードで吹き飛ばされた後、ロックは再びフリージアと戦うために走っていたのだ。
「それにしても、フリージアはどこにいるんだ!?」
外は吹雪であり、そして夜だった。視界的には最悪だった。
しかし、ロックはすぐに気づいた。そうだ、暗いからフリージアが見つからないんだ、と。
「ぺリキュラム!!」
ロックは杖の先から魔法の花火を上空に打ち上げた。
火薬を使っているわけではないので、ロックの花火は吹雪の中でも問題なく大輪の花を咲かせた。
「見つけたぞ!フリージア」
花火の明かりに照らされた雪原の向こうに、巨大な女の姿を見つけたロックは、すぐさまそちらに向かって駆け出した。
遠くてわかりにくいが、今この状況で雪原にいる巨大な女は、フリージア以外に考えられなかった。
フリージアからは、ロックは黒い点のように見えるだろう。
「フリージアよ!俺は帰って来たー!!」
フリージアが何もしなければ、ロックはフリージアのすぐ近くまで来るだろう。

152 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/22(木) 22:27:07 0
>138 >140->141 >142-144

>「…ぁりが…と…」
校舎に散らばったアンデットの部位を調べているアンディにエルザが小さい声でぎこちなく礼を言う。
予想外の言葉に思わ振り向きエルザを見るアンディ・・・
言っていることが理解できないようにしばらく無表情でいたかと思うと少し笑う。
「別に礼を言うようなことじゃねえ。こっちもテメェがおとなしいと面白くないんでねぇ。」
>「本当にありがと。でもアンディ、黒いの使うの難しいみたいな事言ってたのに大丈夫だったの?
>自分の分は作ってなかったわけだし、もしかして無理したんじゃない?」
エルザの言葉につられたのかリリアーナも礼をいいアンディをきづかう。
「気にすんじゃねえ。ただ魔力をちと大目に使っちまうだけのことだ。
 俺の分まで具象化しなかったのは俺には別に必要ねえからだよ。」
リリアーナの心配にアンディは特に辛そうな雰囲気も見せずに大丈夫だと告げる。

>「リリ…アナ…ペン……半…持って…手が……無いの…。」
>「そうよね〜、皆で持った方が安全だもんね〜。エルザ、あったまいい!」
リリアーナはエルザに任せてを言うとナプキンを三枚分だしペンダントを分ける。
そしてエルザ、アンディにそれを渡し自分の羽織っているコートをエルザにかける。
>「私の分もエルザが使って!アンディいいよね?・・・・・・
「別にどう使おうがかまわねえよ。」
アンディがそう言ったとき、いきなりリリアーナが大声で話し始める。
> 「ああやっと校舎までたどりついたわねエルザにアンディ。雪が多くてひどい目にあったですだよ。
> それでは皆の衆元気よく中庭のゴミ箱までレッツらゴーで行くですだよー」
不自然な動きに謎の口調・・・本人は完璧だと思っているようだが明らかに様子がおかしい。
気にしてくれと言っているようなものだ・・・エルザはその様子が寒さのせいだと思ったのかコートをリリアーナにかけなおす。
>「リリアーナ、無理しなくてもいいのよ。私は体が…その…大丈夫だから。」
「いや、そういうわけじゃねえんじゃねえのか?自分からお前にコートをやるっつっておいて
 わざわざ寒さをアピールするようなことするか?」
その様子を見ていたアンディがエルザに冷静に突っ込む。

> 次の渡り廊下から中庭に出られる。ゴミ箱まであと少しだ。
> 「皆、隠れて!」
リリアーナの言葉にエルザとアンディも物陰に身を隠す。
どうやら向こうから先生格と思われる二人の人物が歩いてくる。
>「あそこを歩いてるの、もしかしてレイド先生達じゃない?こんな夜中にどこ行くのかしら?」
「レイド?・・・どっかで聞いたことあったような名前だな・・・」
1人はレイド、もう1人はエルザから聞いたところによるとエースと言うらしい。
>「どこに行こうと構わないけど、関わりあうのはもうごめんだわ。」
エルザは先生達に何か恨みがあるのか明らかに拒絶している。

>「大量のペンダントの反応に来てみれば!漁夫の利いただき!」
> 「俺たちのペンダント返せ!」
レイド先生達が通り過ぎると後ろから声がする。
アンディがゆっくりと振り向くとそこには漁夫の利を狙ったものや
ペンダントの本来の持ち主である生徒達が何人もいる。
>「しまったわ!あいつら、復活していたのね!…はぁっ!!」
>「駄目!数が多すぎる!」
エルザが二人吹き飛ばしたが数減らしにもならないぐらいの人数がいる。
軽く数えただけで30人はいる・・・どう考えても三人では戦いようがない数だ。
「雑魚どもが群れやがって・・・・・・」
そしてリーダー格の男子の声とともに一斉に攻撃をしかけてくる生徒達。
ありとあらゆる攻撃が飛んでくる。エルザが悲鳴を上げ一巻の終わり・・・かと思った、
だが生徒達の攻撃はそれぞれが相殺しあい結局なにもダメージというダメージを与えられなかった。

>「なんだかわからないけど、助かったわ!行きましょう!アンディ!リリアーナ!逃げるのよ!…きゃっ!?」
エルザが何かに引っかかったようで倒れる音が響く。
だがどうなっているのかは他の者達は分からないだろう。
もしかしたらエルザ本人も分かっていないかもしれない。
なぜならさっきの攻撃で灯りという灯りが全て壊れてしまったからだ。
となりさえ見えないような暗闇が辺りを包み込んでいた。

153 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/22(木) 22:31:36 0
>150 >151


>「逃がすなよ!絶対に逃がすなよ!たとえ目で見えなくても、ペンダントの気配を頼りに攻撃するんだ!」
>「エルザ行こう!私があなたの目になるから!」
>「アンディなら大丈夫、むしろあの場に私達がいないほうがいい!
『分かってるじゃねえか。ここは俺に任せてさっさとペンダント捨てにいきな。これも頼むぜ。』
とりあえずこの窮地をアンドに任せ、ペンダントをゴミ箱へと投げ捨てるリリアーナの作戦に賛成し
自分の持っている紙ナプキンで包んだペンダントをリリアーナのコートへとスッと入れる。
どうやら見えているのはリリアーナだけではないようだ。
そして肩を鳴らし準備運動のようなことをしはじめる。

>「アンディ!絶対に“殺し”ては駄目よ!絶対よ!もしも“殺し”たりしたら、今度は私があなたを“殺し”てやるから!!」
『分かりましたお嬢様。仰せのままに・・・』
わざ紳士的にふるまいながら不殺を了承するアンド。
だが殺さないという言葉を聞いて馬鹿にされたと思ったのかリーダー格の男子生徒が叫ぶ。
>「ふざけるな!この絶体絶命の状況でしかもたった一人で手加減して俺達に勝てると思ってるのか!」
その言葉に他の生徒達も同調し「そうだそうだ」と叫ぶ・・・だがすぐにその声は響き渡る笑い声にかき消される。

『くくく・・・はははっ!!・・・ふはははは!!はははっはは!!ははっははははっはははは!!』

音源が増えていくようにあちこちでどんどん笑い声が聞こえはじめる。
その不気味さに一瞬でさっきまでの生徒達の勢いは消え全員が少し身構える。
『ふざけてんのはお前等だって気付かないのか?よく考えてみな・・・
 あの二人が中庭に辿り着きペンダントを捨てればお前達の殆どは一瞬でリタイアなんだぜ?』
そこで初めて取り返しに来た生徒達は自分達の立ち居地を理解したかのように黙り込む。
『追い詰めた気になってるんだろうが・・・今お前等の立っている所がギリギリの位置なんだよ!!
 さあせいぜい足掻いてみせな!!ひゃはははっ!はははははっ!!』
>「う・・・うわぁぁぁぁぁ!!」
そしてその直後1人が悲鳴を上げる・・・そして二人が・・・三人がと段々増えていく。
だがあちこちで悲鳴があがろうとこの暗闇・・・生徒達は決してその様子を見ることはできない。
恐怖・・・それは思考を鈍らせ思い切りを悪くする・・・そして伝染病のように瞬く間に広がっていく。
パニックに陥るもの。怖さのあまりその場にへたりこんでしまうもの。どうしていいか分からずに停止してしまうもの。
全てがカモになる・・・・・・そして1分も立たないうちには悲鳴も収まりただ静寂だけが暗闇に広がる。
ただ1人リーダー格の男子生徒だけは距離も一番遠かったためいまだ被害も受けずに意識を保っていた。



154 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [長くなってしまった・・・ sage] 投稿日:2008/05/22(木) 22:32:59 0
>「おい皆!・・・く、くそ!」
1人になったと知って逃げようと走り出そうとしたとき、すぐ耳元で囁く声が聞こえる。
『さぁ残すはお前だけだなぁリーダーさんよ・・・そんな奥に居るから分からなかったぜ。
 こっちはまだまだウォーミングアップが終わってないんだ・・・相手してくれよ・・・くくくく。』
そして凄い数の『何か』が足を凄い力で掴み、移動を封じ。
腕も闇にいる『何か』に背中へと廻されてしまい地面に叩きつけられる。
『どうしたおい。仕切ってたわりには他の奴等同様これで終わりなのか?
 くそつまんねぇ・・・ちったぁ楽しめるかと思ってたんだがよ・・・まあいい。
 さっさと締め上げて気絶させるか・・・』
首に何かが這いずりまわったかと思うと死なない程度の力で一機に首を締め付けられる。
「あっ!がっ・・・く・・・ひ・・・光よッ!!」
男子生徒が言った咄嗟の言葉・・・それはただ少し光を灯すだけの初級呪文。
とにかく闇を照らそうと思ったとき頭の中にでてきたのがその呪文だけだった。
だが何が起こったのか男子生徒の頭上に光りが灯ったと同時に首を掴むモノも足を掴むモノも腕を掴んでいるモノも
全てが一瞬でかき消え男子生徒に自由が戻る。
「・・・そ、そうか光り!光りだ!!光りが弱点なんだ!」
そういったとき、光りが届かない闇の向こうからアンドが現れ拍手をしながら歩いてくる。
「ご名答、俺の能力は光りに弱いのさ。単純だろ?」
>「・・・もう終わりだな!これでお前の戦法は破られた!俺の勝利は確実だ!」
リーダー格が強気にそう叫ぶ・・・その言葉をアンドは黙って聞いていたかと思うと笑いはじめる。

「くくく・・・このままリリアーナとエルザがペンダント投げ込むまで適当にあしらおうかと思ってたが・・・やめだ!
 そこまでいうなら相手してやろうじゃねえか!」

155 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/22(木) 23:00:40 0
「あ・ん・の!クソ銭ゲバ女が!
人がいねえと思って好き勝手言ってくれるじゃねえかよ!」
腐海の最深部、ベアトリーチェ庭園地下ラボに怒声が響いた。
フリージア上での様子をモニターしていたベアトリーチェがミルクの言葉にキレていたのだ。
しかもミルク自身のペンダントがレイドによって補完されている事をしり、その怒りはヒートアップする。
「卑怯な手を使いやがって!どこまで性根が腐ってんだ!」
一応明記しておくが、ベアトリーチェの辞書には【日頃の行い】とか、【己を省みる】という言葉は存在しない。

しかし、レイドのペンダントは自分の手中にある。
その上、殺すのではなく、永遠に苦しみ続けさせる術もある。
その二点が溜飲を下げさせ、機材に当り散らす事を押しとどめていた。

が、所詮は押しとどめさせるのみ。
ベアトリーチェの苛立ちは更に募る事になる。
その標的はランド。
最初は思いがけず意見もあったが、徐々にその行動が癇に障るようになってきたのだ。
ツンデレかよ!なんて突っ込んでいられたのも最初のうちだけ。
行動の端々にリリアーナへの気遣いを感じ取り、その偽悪的な態度に嫌悪感を募らせていく。

苛立ちは歪曲し、矛先はリリアーナへと向かっていくことになる。
どうしてリリアーナには協力者が次々に現われるのか?
ミルクも、エルザも、ランドも、去っていったキサカでさえも!
自分には得ようとしても決して得られぬものを、何の苦もなく注ぎ込まれていく。(ベアトリーチェ視点)
根源にあるのは羨望と嫉妬。
持たざる者のそれは自覚される事なく膨らんでいく。

念の為にもう一度明記するが、ベアトリーチェの辞書には【日頃の行い】とか、【己を省みる】という言葉は存在しない。

ギリギリと顔を歪めながらブラックアウトした映像を見つめ続ける。
ミニアルナワーズが内部で操作をしていないため、光が途絶えた今、映像は真っ暗だ。
しかし、その音声からリリアーナは健在だと判る。
まだ倒れてもらっては困るのだが、感情的には健在だという事に苛立ちを感じていた。

すっかりリリアーナたちに意識を奪われていたため、景気の異常に気付きはしなかった。
腐海の毒濃度を表わす数値が限りなくゼロに近くなっている事に。

################################################

腐海では小雨の降る中、異変が起こっていた。
巨大菌糸郡は静かに佇み、全く動かない。
そう、この動かない事こそが異常なのだ。
瘴気や胞子の排出行動が一切行われていない。
今や腐海は毒のない菌糸群となっている。
代わって動き出したのは感染者達。
腐海をうろついたり各ゴミ箱付近に配置されていた者達が、腐海の奥へ奥へと進んでいく。
まるで僅かに残る毒素を求めるかのように。
真夜中、ベアトリーチェが幻灯機に夢中になっているとき、感染者達は毒庭園の湿原を囲むように集結していた。

今ここにベアトリーチェの終焉の始まりの幕が上がろうとしているのだ。

156 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/23(金) 09:15:28 P
>143
>「フリージア、これで終わりだと思うなよぉおおお!!」
「・・・・・・勝ちましたの?」
意外にもあっけなかったため呆然とするフリージア
まさかなんとなくかっこいいからと言う理由で生み出したこの技がこんなに効くとは思わなかった
「私に挑むということはジルベリアの大自然に挑むようなものですわ!!」
とりあえず勝ったようなので(お見合いをさせる趣味さえなければ)大好きな父親のまねをして勝ち台詞を言うフリージアであった

「今頃、何処かでヤツハーカ村状態かしら?」
フリージアは頭から雪に突っ込んで足だけ出ているロックを想像して少し笑った

とりあえずやることも無いフリージアはフリージング・ディストラクションの踊り
すなわちいわゆるキグナス・ダンスを踊り始める

・・・・・3分後

「・・・・結局フリージングディストラクション一回分踊りきってしまいましたわ」

フリージング・ディストラクションを発射するために必要な踊りは3分
この手の技にありがちな中断したら一からやり直さなければならないという制約が無く
途中から続きを踊っても大丈夫という点がこの技の最大の特徴である
なお呪文を併用することによってもっと時間を短縮することが出来る

>151
>「フリージアよ!俺は帰って来たー!!」
「あの声はロック!?」
どうやら戻ってきたようである

「とりあえず・・・・・ドリルブリザァァァァド!!」
なんとなく魔法使いには二度と同じ魔法は通じないとか言われて無効化されそうな気もしないではないが
まあその時はその時で別の攻撃をすればいいだけである
そうフリージアは考えたのであった


ペンダント自前1 所持2 投下1 魔力回復薬(青汁風味)

157 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/23(金) 17:35:16 0
>151-153
>「でも、一体どういう意味かしら?暗くなったら一体何が変わると言うの?」
エルザが『持ってけロングコート!』を想像してる頃、リリアーナも彼女なりに推理してみた。
「アンディの黒いのって、たしかお片づけスペースにもなるみたいよ?
 だってさっきチョコナワーズのこんな大きな塊を、あっさり黒いのの中に取り込んでたみたいだし」
リリアーナは何か閃いたようだ。
「――――はっ、わかった!周りが真っ暗な時は、きっと収納スペース無限大なのよ!
 今頃アンディは、黒いのの中に生徒達をどんどんしまっちゃってるんだわ!すごーい!!
 ・・・・・・・あら?でもそうなると、せっかくGETしたチョコと敵は同じ場所?」
せっかく手に入れたチョコを踏まれたりやけ食いされたら元も子もないだろう。
となると、この考えは的外れかもしれない。
「じゃあコートや傘みたいに何か作り出すのかしら?暗くなると大きなものや重たいものもじゃんじゃん量産できるとか?」
リリアーナの脳裏に、太古の魔法使いが用いた伝説の魔法の話がよぎった。
「金だらい!金だらいだわ!
 エルザ、アンディはきっと金だらいを大量に作ってるのよ!!
 敵の頭上に金だらいを出現させて無差別に落下させる!ああ、なんて容赦ない攻撃なのかしら!!」
自分以外の周り全部が全て敵だからこそ出来る無差別攻撃。さながら東洋の兵法者を髣髴とさせる技である。
「あれ?でも黒いから黒だらいになるのかな?」
・・・・・・・ちなみに、金だらいで倒された者は『だめだこりゃ』と呟くのがお約束だ。

>「アンディ!絶対に“殺し”ては駄目よ!絶対よ!もしも“殺し”たりしたら、今度は私があなたを“殺し”てやるから!!」
>『分かりましたお嬢様。仰せのままに・・・』
エルザには見えなかっただろうが、リリアーナはちょっと驚きながらも嬉しそうな顔をした。
リリアーナが言いたくても言えなかったことを、エルザが言ってくれた。
そしてアンディも不利とわかっていながら聞き入れてくれたからだ。

メガネ越しの映像の中、一人だけきっちりこちらを向いて一礼するのが見えた。アンディだ。
さっきリリアーナのポケットにペンダントを忍ばせた手際といい、彼の夜目が利くのは疑いない。
大量ペンダントの気配がアンディから離れれば、暗闇の乱戦で敵が彼を特定するのは不可能だ。
「アンディ頑張って!それと、黒タライが余ったら私にもちょうだいね!!」
一部意味不明なことを叫びつつ、リリアーナはエルザとともに中庭に向かった。

>リリアーナとエルザは走りに走った。
>「向こうの方、少し明るくなっているわね!」
「うん!」
程なくして、リリアーナ達は中庭に到着した。
「雪が積もってて足場が悪いね。んーと、多分あの辺がゴミ箱かな?
 でもこの雪じゃトラップや待ち伏せがあっても分かりにくいわね」
中庭には木や東屋が配置されているが、中央30メートル程の広場には遮るものが何も無い。
そんな危ないところに二人で行くのはリスクが高い。
かといって、(いくらハードニングが使えるとはいえ)エルザに行って貰おうとリリアーナが思いつく筈も無かった。
「とりあえず私が先に行ってみる。最悪奪われる可能性もあるし、多い方をエルザが預かっててくれる?
 あと、寒くて呪文が唱えられないと困っちゃうわ、私は本当に大丈夫だから、エルザはこれを着ないとダメ」
リリアーナはエルザに自分のコートを手渡し、その上にキサカのペンダントとランディの分のペンダントを乗せた。
「じゃ、援護よろしく」
そう言ってリリアーナは、雪の中庭に足を踏み出そうとする。

158 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/05/23(金) 17:38:19 0
>147
ヴァンの拳による渾身の一撃はラルヴァに十分なダメージを負わせることができた。
ラルヴァは打撃を受けた体に鞭打って剣を地に刺し、飛ばされずに踏みとどまるが見た限りでは立ち上がるのにも一苦労といった所。
対してヴァンのほうは片手の手のひらが切れた程度の損傷でどちらが優位かは歴然としていた。
だが、なぜ…。
「あきらめてない眼をしているな」
ヴァンを正面に見つめる眼だけはいまだ一点の曇りもなく敵をただ見据えていた。

>「疾れ、未生の刃!『魔法剣技・重刃』」
なにか仕掛けてくる気だろう。
確かな詠唱に警戒するのだが、ラルヴァ本人に魔力反応はなかった。
不発なのか…?いや違う。
真の目的はヴァン本人にあり、本当に不利になっていたのはヴァンのほうであったのだ。
完成された魔法はヴァンの手のひらをさらなる損傷たらしめんと傷を広げようとしている。
その異変にいち早く気がつきなんとか魔法阻止を試みようとするが、すでに遅いことに気がつき咄嗟に手刀で自分の手ごと斬り落とした。
斬り離した瞬間に引き裂かれて爆ぜるヴァンの手。
「ぐぅ…やってくれる!」
なくなって血が溢れる左手を力で抑え込んで止血するが完全には流れ出る血は止まってくれなかった。
顔をあげてこうなってしまった原因の張本人を目視する。
「いますぐに家に帰ってゆっくり治療したい気分だよ。
 血が足りない…だめだろうなこのままじゃっ」
奥歯をかみ締め流れる汗と光の篭らないどんよりとした瞳がヴァンの現状を物語っていた。
周りに亡霊の囁きが聞こえ始めて悪寒と霧が発生してきた。
どうやらきまぐれゴーストたちがここまで進出してきたようだが、各々との戦闘には干渉せずにニタニタと笑うだけ。
どこにいるともわからない大勢の幽霊に盗み見られて、気分が悪くならないはずがなかった。

なにが合図になったのか、もう出血なぞどうでもいいと言うようにヴァンの疾速がはじまった。
豪快に周囲に血を撒き散らしながらもある目的のためにラルヴァに一気に詰め寄って刹那、相手の眼に向けて手首のない腕を振るう。
自らの血による目潰しを仕掛けて、そのまま恐れを知らずにラルヴァに突撃した。
ラルヴァの体を地面に叩きつけて馬乗りになりながら再度腹に拳の一撃を食らわしてやる。
ヴァンは気づかない。
自分が殺し合いに熱中するあまり、邪悪に微笑んでいることを…。

159 名前:真!猫耳ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/05/23(金) 19:04:39 0
>156
> 「とりあえず・・・・・ドリルブリザァァァァド!!」
とフリージアは叫んだらしいが、ロックにはその叫び声は聞こえなかった。
ロックとフリージアの距離は、まだまだとても遠いからである。
それでも、フリージアが先程自分を吹き飛ばした魔法を、もう一度放ったことはすぐにわかった。
遠目でもよくわかるフリージアの巨体が、そのドリルを再びロックに向けたからだ。
「魔法使いには二度と同じ魔法は通じないぞー!!」
そう叫びながらロックは、雪原に伏せた。
フリージアからは、深く積もった雪のせいで、まるでロックが消えたように見えたかもしれない。
しかし、ロックは健在である。フリージアのドリルブリザードをやり過ごしたのだ。

圧力波、衝撃波、風の塊、そしてブリザードなど、
媒介はどうあれ、圧力を使って吹き飛ばすタイプの魔法はいろいろとある。
こうした圧力で吹き飛ばすタイプの魔法は、自身の投影面積を小さくする事で、受ける力を小さくする事ができるのだ。
ただし、注意しなくてはいけないのは斥力と混同しない事である。
斥力は面積ではなく、対象との距離の二乗に比例した力を与えるからだ。

ロックが立ち上がろうとした時、空から雪原を照らしていたロックの花火が消えてしまった。
辺りは再び夜の闇に包まれてしまい、フリージアが見えなくなってしまった。
「それにしても、やっかいだな!あの距離から魔法を撃ってくるとは!」
ロックが先程のフリージアの攻撃をやり過ごせたのは、
あくまで二人の距離が遠く、回避行動を取るまでの時間が十分あったためである。
このまま突っ込んでいけば、再びドリルブリザードで吹き飛ばされる可能性が高い。
「こうなったら、あれしかない!」
ロックは雪原から元気良く立ち上がり、杖を、先程フリージアが見えていた方向に構えた。
「いくぞ!これが真猫耳ロックの、大玉ぺリキュラムだー!!」
杖の先から、大きな光の玉が飛んでいった。
そして、光の玉がフリージアがいた所まで到達したとたん、強烈な爆発音と光を放ち、魔法の花火が爆発した。
「きれいな花火だぜ!!」
ロックは花火を放った方向に走り出した。前述のとおり、ロックの花火には殺傷力はない。しかし、音と光だけは本物だ。
あの強烈な音と光のせいで、フリージアは気絶しているか、視力と聴力が麻痺しているだろう、とロックは予想した。

しかし、まさかフリージア城の中で寝ているミルクの睡眠を妨害した事までは、ロックの予想外だった。

160 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持71] 投稿日:2008/05/23(金) 19:36:03 0
>157
> 「雪が積もってて足場が悪いね。んーと、多分あの辺がゴミ箱かな?
>  でもこの雪じゃトラップや待ち伏せがあっても分かりにくいわね」
> 中庭には木や東屋が配置されているが、中央30メートル程の広場には遮るものが何も無い。
エルザは本当に何もない中庭を見てホッとした。
「よかったわ。アンディはちゃんと私の言うことを聞いたみたいね。」
エルザがアンディに生徒を殺すなと言ったのは、決して倫理上の問題ではない。
このリバース内においては、死んだ者は最寄のゴミ箱前で復活する。
アンディがもしも生徒達を殺せば、復活した生徒達とエルザ達が、この場で戦う羽目になっていたのだ。
また、この場にアンディがいないということは、アンディ自身も生徒達に殺されていない証拠だった。
> 「とりあえず私が先に行ってみる。最悪奪われる可能性もあるし、多い方をエルザが預かっててくれる?
>  あと、寒くて呪文が唱えられないと困っちゃうわ、私は本当に大丈夫だから、エルザはこれを着ないとダメ」
「わかったわ。ありがとう、リリアーナ。」
> 「じゃ、援護よろしく」
「まかせて。あなたに誰も触らせるものですか♪」
> そう言ってリリアーナは、雪の中庭に足を踏み出そうとする。
中庭に積もった雪の上に、サクサクと二人分の足音がつけられていく。…二人?
リリアーナはすぐに振り返ることだろう。自分のすぐ後ろから、大量のペンダントの気配がついてくるのだから。
そう、エルザはリリアーナの後ろにぴったりとくっついてきたのだ。
「ん?どうしたのリリアーナ?」
エルザは首をかしげた。
「大丈夫よ、リリアーナ。私は決してあなたの“先に”は行かないわ。」
エルザはリリアーナの意図を汲まなかったようである。
もっとも、もしリリアーナの意図を正しく理解していても、
エルザにはリリアーナから離れるという選択肢は無いのだから、結局同じことではあるのだが…

>154
その頃、暗い校舎の一角にて、アンディとリーダー格の男子生徒との戦いは続いていた。
> 「くくく・・・このままリリアーナとエルザがペンダント投げ込むまで適当にあしらおうかと思ってたが・・・やめだ!
>  そこまでいうなら相手してやろうじゃねえか!」
「そうやって強がっていられるのも今のうちさ!」
アンディの弱点がわかり強気になっている男子生徒は、小さな光の玉を自身の周りに何個も浮かべた。
アンディの影による攻撃から、徹底して自分を守るためだ。
「さあ、死に方を選ばせてやるぞ!炎に燃やされたいか!?雷にえぐられたいか!?」
男子生徒は、右手に炎を、左手に雷を宿らせた。
「いや、お前には両方ともお似合いだな!くらえ!ファイヤー・ボルト!」
男子生徒は両手を前に突き出し、アンディに炎と雷の複合魔法を放った。

161 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/05/23(金) 22:02:48 0
>115
>「観念?観念しろだって・・・・・・?観念して、このまま自分の知り合いが
>アンデッドに貪り食われるのを傍観しろとでも?」
目の前の鬼男がそういった瞬間。空気が凍りつく。
言葉からもひしひしと殺気を感じる…どうやら自分の知り合いが巻き込まれるのは我慢ならないってことか。
でも所詮ゲームなんだからそこまでムキにならなくてもいいじゃないか。
>「化物か・・・・・・吸血鬼にまでそう言われるんだから成るほど、確かに化物なんだろうね。」
殺気とは裏腹につぶやきながら抵抗をやめ武器をしまう。
どうやら観念したんだろうか?…いやそんなわけないな。

>タン、と足踏みを一つ。それに答えるように地面から複数の石槍が伸びて鎖を断ち切る。
やっぱり思ったとおり降参する気なんて全然ないみたいだ。
それにしてもこの鬼男…他の奴等とは明らかに覚悟が違う。
やれやれ全く…いきなり僕達も面倒な奴に当たっちゃったようだ。

>金の影は猫科の耳を生やした少女へと変じ、本棚の上から飛び蹴りをマオに向かって放つ。
しかし、まだこれで終わりではなかった。
鎖を払い終わる鬼男の後ろから金の銀の影が飛び出し本棚の間を駆け抜けていく。
気がついたころにはすでに金の影は猫耳の少女へと姿を変え本棚の上に立っている。
そして問答無用で僕へととび蹴りを放ってきていた。
「――Blink of moment――!!」

僕は瞬時に瞬間的に移動する呪文を唱え、飛び蹴りをかわし猫娘の背後を取る。
まだ完全に回復しきっていないためこの魔力消費は非常に辛い……
防御するということも考えた。だが相手に猫の耳があるということは獣人かもしれないということだ。
とするとただの人間である僕が獣人の怪力を受けきれるはずがない…
それに相手の戦意を削ぐために大きい口をたたいたが、
魔力がフルじゃない僕には短期決着しか勝つ方法は無い…
相手の攻撃を避け尚且つ後ろを取る…これでよかったんだ…僕は今ベストな選択をしたはずだ!

そしてヴァンが鎖で鬼男を封じる前から溜めていたこの魔力で一機に決着をつける!
「僕の右手が光って唸る!お前を倒せと輝き叫ぶ!」
そして僕は迷うことなく走りだす。まだ詠唱途中だが右手は既に凄まじい雷を帯びている。
「うおおおぉぉぉ――-SHINING FINGER―――!!」
詠唱を追え雷を帯び光輝く僕の腕を猫娘に向かって勢いよく繰り出す!

162 名前:メラル ◆1LtyyBHC/M [sage] 投稿日:2008/05/24(土) 12:56:40 0
>>141

>「ああやっと校舎までたどりついたわねエルザにアンディ。雪が多くてひどい目にあったですだよ。
 それでは皆の衆元気よく中庭のゴミ箱までレッツらゴーで行くですだよー」
メラルは、リリアーナの言葉を聞いて、少し考え込んでいた。
(…ゴミ箱まで…?…ペンダントを捨てに行く途中なのか、ペンダントを
取り返しに行く途中なのかはわからないけど、…どちらでもいいわ。問題はそこじゃない。)
「…エルザ…ね。確かロックが彼女の事を探していたはずだけど…もう会ったのかしら?」
そう、問題はここなのだ。ロックは当然メラルの居場所を知っている。
メラルがこれからしようとしている事は、最終目的地を知られていれば
全く意味のないものになるのだ。だから、出会っていたのであれば
"リリアーナがメラルに会いに行く"という事実を知られるわけにはいかなくなるのだ。
もちろん出会っていなくても、ラルヴァやフリージアも自分の居場所を知っている事を考えれば、
知られるのはかなり望ましくないのだが…。

「…とにかく、あなたが今やろうとしている事が一段落ついたら、下水道に来て。
 下水道の第五区画に…私の元に来る道標となるマジックアイテムを用意しておくわ。
 どうせあなたが何を言ってもついてくる人はこっそりついてくるでしょうから、
 そこまで仲間を連れてくるのは自由だけど…私に会いに行くと言う事は言わないで。
 そのマジックアイテムは、あなた以外にとっては罠になる。だから…拾う時は仲間には離れていてもらって。
 じゃないと、無駄に他の人を巻き込む事になる。そして…拾ったら魔力をこめて呪文を唱えて。
 呪文は…"チェーンコード…ダウジング…アクティブ。…マジックアイテムの形状とかは…
 恐らく、あなたならすぐにわかると思うわ。この本の中で私と最初に会ったときのことを思い出せば。」
因みに、第五区画とは丁度校舎の真下近くの下水道だったりする。

メラルはリリアーナに言った後で、指輪への魔力を一旦抑えた。
…と同時に、女子寮で大きな音が断続的に響き始める。そう…
女子寮のリリアーナの部屋そのものを他の部屋の壁を斬る事で
移動可能にし、エミューが移動させ始めた…その音なのだ。

ペンダント【所持 β(女子寮内での乱獲ペンダント) 自前1 投下3】
備考 リリアーナ、ラルヴァのペンダント所持

163 名前:ルーナ(銀狼) ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/24(土) 14:31:30 0
>148
魔銃をもった少年は激昂しながら私に銃口を向ける。
私の背後にはマスターが・・・!
この状況下で私ができたのは、ただ両腕を広げ
マスターに一発も銃弾がいかぬように盾となるだけだった。

体が・・・痺れるっ!
床に力なくへたりこみ、辛うじて腕で上体を支えるように相手を見る。
私の両手にはもう武器がない。そう・・・『武器が二本ともにない』。
「武器は・・・武器として扱う事こそが礼儀でしょう?
 武器としての本文すら果たさせずに使わないことこそが礼儀に反する、ものです。」

「さぁ、トドメをさしますか?でも、貴方はもう油断してしまっている・・・。
 『目の前の相手は自分の魔法で麻痺している。両手に武器がない。
 完全に詰んでいる』と。油断、してしまっているでしょう?目の前の女が両手に武器をもっていないのですからね!」
そう、斧を一本投げたのはフェイク。最初から本棚の影より投擲した一本。私の持つ斧は惹かれあう。
だから・・・・・・

私がわざと雑に投げた一投よりも力強く。銀の月のように奇跡を描いて
『もう一本の斧』が彼の背後から襲い掛かる!
それは奇しくも、彼の足元に落ちた斧へと真っ直ぐ飛びながら。

164 名前:シャニィ(金虎) ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/24(土) 14:38:55 0
>161
おかしい、ちょっと動きがトロそうだったから狙いをつけてとび蹴りをやってみたら
あっさりとかわされてしまった。

敵が後ろに回った瞬間から、私の背筋が総毛立つのを感じる。
ビリビリと危ない気配がやってくる・・・!
それでも私は無心で呼吸を整える。
全身にみなぎる『太陽の力』を解き放つ!

「ニャァァァァァッッ!『満ちよ、黄金の鼓動!《山吹色の太陽波動》』!!」
両手に嵌めた篭手に黄金の光が走る。
私はそれを体の捻りを利用して背後の気配へと思いっきり放つ!

「ニャァァァ!バァーカバカバカバカバカバカバカバカバカァーッッ!!!」
それも一発ではなく、拳が複数在るかのように見えるような連打!
後ろのどのあたりにいるかわからないめくらめっぽうで。

そして、拳のぶつかるあたりから光が溢れ―――――

「ふにゃぁ〜〜・・・・・・・」
全身がビリビリする。相手がどうなったのかわかんないけど
舌がしびれてうまくしゃべれない・・・。ただ床にへたりこんでいるしかない訳で。

165 名前:ラルヴァ ◆sy1IQNBWp6 [sage] 投稿日:2008/05/24(土) 14:49:14 0
>158
息が・・・荒い。腹部を叩かれた事で息が絶え絶えになっている。
>「あきらめてない眼をしているな」
「当・・・然。人間っていう・・・生き物は、諦めが・・・悪いものだよ。」

発動した『重刃』によってダメージを受けたものの、さすがは吸血鬼。
すさまじい速度で突進してくる。それに対して僕は、抗うこともできずに床に叩きつけられる他なかった。
ベキベキと音をたてて床板が割れる。血の目潰しで目の前が見えない。

「ガハッ・・・カ、・・・はっ・・・・」
更に圧し掛かった何かが腹部に拳を放ったらしい。
体の中にたまっていた深紅の血が口から吐き出される。
きっと目の前の、おそらくヴァンエレンの顔は真っ赤に染まったことだろう。

「・・・・・・わ・・・・・・だ、・・・・・・ミ・・・は、・・・に・・・・・・・た、・・・さ。」
辛うじて目の前の相手に声をかける。
僕自身には何も見えていない。だがそれでも瞼を開き、14の瞳で目の前の何かを必死に見つめようとする。
「(終わりだ、キミはチェックメイトにはまったのさ。)」
そう、伝えることも叶わない。だから結果は行動で伝えよう。


吐血し、目潰しを受けてなお瞼を開いたラルヴァの目は赤くにごった血の向こうを見ている。
その向こうにいる『敵』を。そして、ソレは唐突にのしかかったヴァンエレンの真下から襲った。
ラルヴァの腹部から、まるで周囲の闇を固めたかのような黒い突撃槍が飛び出す。
その切っ先はヴァンエレンの上体へ向けて、地面と垂直に真っ直ぐに伸びている!
かわせなければ、ヴァンエレンは串刺しと相成ってしまうだろう。

166 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/24(土) 17:38:49 0
>160
>「まかせて。あなたに誰も触らせるものですか♪」
エルザの言葉に、リリアーナは思わず天を仰いだ。
「いやそのそういう意味じゃ・・・・・・やっぱいいです」
(そういや私、エルザに告白されていたんだっけ)
色々あって深く考える時間が無かった。思い返せば色々まずいことをしてしまった気がする。

リリアーナはちょっと肩を落としつつ中庭を歩き始めた。
>中庭に積もった雪の上に、サクサクと二人分の足音がつけられていく。…二人?
>自分のすぐ後ろから、大量のペンダントの気配がついてくる。
「エルザ!何でここにっ?!」
「ん?どうしたのリリアーナ?」
エルザはかわいらしく首をかしげた。
>「大丈夫よ、リリアーナ。私は決してあなたの“先に”は行かないわ。」
うわーん、とリリアーナは両手を振り回した。
「いや私が言ったのはそういう意味じゃなくって!危ないから待っててっていう意味で!」
まだ良い足りなかったが、こうなってしまってはエルザと問答している時間が惜しい。
「まあいいわ。そうだエルザ、キサカさんのペンダントまで一緒にゴミ箱に入れないでね?
 とにかく急ぎましょ。もしかしたら罠が仕掛けてある可能性があるからエルザも気をつけ・・・・・・ぎゃふっ!!」
なんとリリアーナは、落とし穴に落ちてしまった!

「痛たたた・・・・・・・」
リリアーナはお尻を摩った。
「なによこれ、点検用のマンホールじゃない!落とし穴にするのならちゃんと堀るのが王道なのに!!」
だがここが下水でなかったのも、落下した衝撃で足を挫かなかったのも不幸中の幸いといえるだろう。
リリアーナは周囲を見渡した。彼女がいる場所は深さ二メートル、広さ5メートル四方の小部屋だった。
前方と後方に扉がついているが、今は探検する気にはなれそうに無い。
「エルザ、そこにいる?」
リリアーナは空に向かって声をかけつつ、上に上がるはしごを探した。

>162
指輪が再び光リ始めた。
「わ、ラッキー」
リリアーナは指輪の明かりで、カンテラを取り出す前にはしごを探す事が出来た。
階段を登るリリアーナの脳裏に、メラルの落ち着いた声が響いてくる。
>「…とにかく、あなたが今やろうとしている事が一段落ついたら、下水道に来て。 (略)
「わかった。じゃあまた後で」
リリアーナはいったん通信を切り、はしごを登る。

>強烈な爆発音と光を放ち、魔法の花火が爆発した。
リリアーナは危うくはしごから転がり落ちるところだった。
「何今の音は?!エルザ、あなたなの?」
あまりに音と光が大きすぎて、花火の音だったと気づけなかったようだ。

リリアーナははしごを上りきり、ふうと大きなため息をついた。
「ああもう、ひどい目にあったわ。さ、あと少し頑張りましょ!」
リリアーナは何事も無かったかのように歩き始めたが、ある場所でぴたりと足を止めた。
後僅かでゴミ箱に到着するが、この先30メートルは何も遮蔽物はない。
言い換えれば狙い撃ちされたら圧倒的に不利な状況だ。
「今のところサーマルゴーグルに反応は無いわ。あと30メートル、小細工無しに一気に駆け抜けるべきかしら?」

167 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/24(土) 22:26:00 0
>160

アンドの言葉にも一歩も引かずにリーダー格の男子生徒は
自らの周りに小さな光球をいくつも浮かべる。
これでアンドの攻撃は完全に防がれたことになる。
>「そうやって強がっていられるのも今のうちさ!」
完全に今現状はアンドが不利・・・不利だというのに
勝利する気の男子生徒の顔を見たとたんに笑いはじめる。
「ははははは!バカかてめぇは。安全地帯見つけたぐらいで勝った気になってやがる!」
危機感というものが麻痺しているのかそれとも何かあるのか。
不気味ともいえる余裕を見せるアンド。

>「さあ、死に方を選ばせてやるぞ!炎に燃やされたいか!?雷にえぐられたいか!?」
そして男子生徒は右手に炎を、左手に雷を宿らせる。
リーダー格とあってかなりの使い手のようだ。
>「いや、お前には両方ともお似合いだな!くらえ!ファイヤー・ボルト!」
リーダー格の男子生徒は両方を技を放つ。
雷と炎が交じり合った複合技・・・破壊力は言わずもがなだろう。
だが決して避けられない速度ではなかった。
アンドはすぐさま横へと回避しようと走る。しかし、炎と雷は生きているように
アンドの動きに合わせ瞬時に軌道修正を行い以前アンドに向かっていく!
>「だから言っただろう。強がっているのも今のうちだと!」
「自動補正か?面倒くさい魔法使いやがって・・・レジスト・クラフト!」
目前に迫っている雷と炎に向けて手をかざし叫ぶ。
すると前方にレンズのようなものが現れ雷と炎がその中へと吸い込まれ、
炎と雷はアンドに到達することもできずに消えてなくなってしまった。
>「な、なに?闇魔法しか使えないんじゃないのか!?」
防御魔法を使えるなどとは思っていなかったのかたじろぐ男子生徒。
そしてその隙を突くかのようにアンドが叫ぶ。
「漆黒の爪にて引き裂かん!シャドウ・エッジ!!」

周りの闇から鋭い爪を持った腕が次々に現れ男子生徒をなぎ払うかのように襲い掛かる。
「うわぁぁぁぁぁッ!!」
恐怖でその場に伏せる男子生徒。しかしもちろん光球のお陰で
振り下ろされる腕たちはまるで霧のように散り男子生徒にダメージはない。
>「そ、そうだ!お前の攻撃は届かない!俺は負けることはないんだ!
>お前の攻撃は全て俺には意味をなさない!」
思い出したかのようの得意げにそう叫び再び立ち上がるリーダー格の男子生徒。
「だからテメェはバカなんだ・・・通りにくい攻撃に全力尽くすやつがいるかよ?」
得意げな男子生徒を見下すアンド、それもそのはず。
さっきのシャドウエッジには形を保てる程度の本当に少量の魔力しか使ってなかったのだから。
ただ恐怖を抱かさせるだけの張りぼて。本当の狙いは男子生徒の頭上にあった。
さっき攻撃を吸収したレンズ・・・それがいつの間にか男子生徒の頭上へと移動している。
「・・・自分の放った攻撃に無様にやられちまいな・・・レジスト・レーベン!」
アンドはニヤリと笑い指を鳴らす、その瞬間レンズからさっきの炎と雷が再び現れる。
だが今回の対象はアンドじゃない。今度は下にいる男子生徒目掛けて・・・だ。
男子生徒が気付いたときにはもう遅かった。雷と炎は男子生徒を感電させ燃やしつくす。
>「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!」
そして倒れる男子生徒、死なせてはまずいのでアンドが影から黒い水の入っている黒ダライを出し
(戦う前にリリアーナに黒ダライがどうだとか振られたのを今思いだし取り出した)
男子生徒にぶっかける。そのお陰で炎は消え息はあるようだが到底戦えるような状況じゃない。
>「うう・・・・」
そんな様子の男子生徒の顔をアンドが覗き込む。
「バカとタライは使いようってか?まあ頑張ったほうじゃねえか?
 これは俺からの送別だ。受け取りな!」
ニヤっと笑い手に持っているタライを全力で男子生徒の頭に叩きつける!
そしていい音の後にはたんこぶができて気絶している男子生徒の姿があった。

168 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持72] 投稿日:2008/05/25(日) 19:12:23 0
>166
> なんとリリアーナは、落とし穴に落ちてしまった!
「リリアーナ!?リリアーナ!!」
突然消えたリリアーナに、エルザは激しく動揺した。
> 「エルザ、そこにいる?」
「ええ、ここにいるわ!」
エルザはリリアーナの声がしたところへ移動し、覗き込んだ。
> リリアーナがいる場所は深さ二メートル、広さ5メートル四方の小部屋だった。
「危ないわね、まったく。この学園はあらゆる意味で狂っているわ。こんな落とし穴が中庭にあるなんて!」
エルザは憤りを隠しきれないようだった。

>強烈な爆発音と光を放ち、魔法の花火が爆発した。
「きゃあああっ!」
> 「何今の音は?!エルザ、あなたなの?」
「わからないわ!わからないけど、今向こうの空が光って…」
そう言った後、エルザは言葉を詰まらせた。音が下方向がフリージア城の方角、
つまり、ロックとフリージアが戦っているだろう方向から聞こえてきたからだ。
エルザはすぐにゴミ箱へ目を向けた。幸い、そこにはロックもフリージアも、誰も立っていなかった。

> 「ああもう、ひどい目にあったわ。さ、あと少し頑張りましょ!」
視線を戻すと、リリアーナは既に落とし穴から這い出ていた。
> 「今のところサーマルゴーグルに反応は無いわ。あと30メートル、小細工無しに一気に駆け抜けるべきかしら?」
「ええ、早く行きましょう。こうしている間にもアンディがピンチになっているかも…
 リリアーナ、さっき穴に落ちたけど怪我はしていない?ゴミ箱まで走れる?あなたが捨てないと意味無いんだからね。
 私がこれをもって捨てに行っても、私が捨てた事に……………」
エルザは持っていた大量のペンダントに目を落とした。すると、突然エルザが「あはっ♪」と笑いをこぼした。
「あははっ♪どうして今まで気づかなかったのかしら?私って本当にお馬鹿さぁん♪」
意味がわからないといった感じのリリアーナにエルザは言った。
「リリアーナ…あなたはやっぱり私の も の よ (ハート)」
エルザは遮二無二走り出した。リリアーナもエルザが何をするつもりかわかっただろう。
エルザは手持ちのペンダントをゴミ箱に投下し、自分が優勝を目指すつもりなのだと。
エルザは走りながらリリアーナに言った。
「リリアーナ!優勝したら、私があなたをお嫁に貰ってあげるわ〜♪
 そうしたら、あのアルナワーズと同じ部屋で寝なくてすむわよ〜♪
 リリアーナ!全部あなたのためなんだからね!リリアーナ!」

エルザは寒さも忘れ、ぐんぐんゴミ箱に近づいていく。
このままエルザがゴミ箱にたどり着けば、キサカやアンジェのペンダントもまとめてゴミ箱に投下してしまうだろう。

169 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/05/25(日) 22:35:24 0
犬耳女はスタンの魔弾よけようとせず自ら両腕を広げて当たりに行った。
しかし何かおかしい。
斧が先ほど左腕に当たったのにまだ空を切る音が聞こえる。

>「武器は・・・武器として扱う事こそが礼儀でしょう?
  武器としての本文すら果たさせずに使わないことこそが礼儀に反する、ものです。」

「たしかにそれは正論だろう。
 だが武器には投げるもの、斬るもの、撃つものという役割が決まっている。
 役割を無視して使えば武器本来の性能は発揮できない。
 ハンドアックスで無い限り斧は斬る役割しかもっていないはずだ。」

>「さぁ、トドメをさしますか?でも、貴方はもう油断してしまっている・・・。
 『目の前の相手は自分の魔法で麻痺している。両手に武器がない。
 完全に詰んでいる』と。油断、してしまっているでしょう?目の前の女が両手に武器をもっていないのですからね!」

ここで先ほどの音が後ろから聞こえてくることに気づく。
あの大きさの斧を振っていたのだから両手持ちだと考えていたが片手で一本づつ持っていたらしい。
防御魔法は突き破られた。
ならば避けるしかない。

「バキュームスラッグ」

即座に自分の右側に真空を作り出し、大気の流れに体を乗せて横に動く。
背後から来た斧は左腕に切り傷を与えて床に落ちている斧にぶつかった。

「さっきの答えだがトドメはささない。
 俺はただ仲間を守るために魔法を使いたいだけだ。
 殺生は範囲外だ。」

そして自分の左腕に回復魔法をかける。
切り傷、打撲だから4分続ければ回復するだろう。

「あとお前のマスターは血だらけになっているぞ。
 助けに行かなくていいのか?
 俺は自分に危害が加えられない限り攻撃しないぞ。」

そろそろ麻痺の効果が切れるはずだ。
魔力の残りが少ないので戦闘が続行されたら厳しいだろう。
願わくば少し休憩を取りたいところだ。

「あとこの斧はしっかり手入れしたほうがいいぞ。
 刃こぼれや微妙なヒビがほったらかされている。
 こんなんじゃ武器の本文は果たせないぞ。」

170 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/26(月) 09:01:19 P
>159
ドリルブリザードを放ったフリージアであったが
どうやらかわされてしまったようだ

「やっぱり同じ魔法は二度と通用・・・え?何ですの?」
フリージアを襲う巨大な光の玉
そうロックの放ったペンキュラムである

ZUUUUM!!

爆発音と激しい光を放つペンキュラム
なぜか爆発音がアメコミ風なのは単なる趣味である


「お〜ほっほっほ!こんな事もあろうかと!こんな事もあろうかとサングラスと耳栓を用意してましたわ」
何事もなかったかのごとく高笑いをするフリージア
二回同じ事を言うのは重要なことだからだ



・・・・・・なんていうご都合主義な事があるはずもなく
先程の物はペンキュラムが爆発した瞬間フリージアの頭によぎった妄想である

「うお!まぶしい!眼がぁぁぁ耳がぁぁぁですわ!!」
実際には思いっ切り食らってしまったフリージア
フリージングドールは外界からの干渉をすべてストップ出来るようには作られていない
なぜならすべての干渉を止めてしまうと他の物とコミュニケーションがとれなくなってしまうからだ

そう・・・・相手の姿を見て言葉のやりとりをするためには
どうしても音と光は通す必要がある

故にロックの放ったペンキュラムはフリージアに効果を発揮したのである

「目も耳も感覚がありませんわ・・・・・まるで天舞宝輪ですわ!!」
どうやらフリージアは混乱しているようである
しばらくすれば元に戻ると思うのだが・・・・

仕方なくフリージアは目や耳で感知することをあきらめ第6感である
魔力感知でロックを探すのであった


ペンダント自前1 所持2 投下1 魔力回復薬(青汁風味)

171 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/26(月) 18:08:24 0
>168
>「リリアーナ…あなたはやっぱり私の も の よ (ハート)」
「え?まさか・・・・・・・わーちょっと待って!!」
リリアーナも慌てて後を追った。
>「リリアーナ!優勝したら、私があなたをお嫁に貰ってあげるわ〜♪
> そうしたら、あのアルナワーズと同じ部屋で寝なくてすむわよ〜♪
> リリアーナ!全部あなたのためなんだからね!リリアーナ!」
エルザは楽しそうに未来予想図を語った。
「待ってエルザ!アルと別室になればそりゃラッキー・・・・・・じゃなくて!
 私がお嫁さんならエルザがお婿さんなのよ〜!!それはやっぱり困るでしょ〜!!」
そういう問題ではない。

エルザがゴミ箱に到着寸前、リリアーナはエルザにタックルした。
リリアーナは勢い余ってそのまま地面に転がる。
弾みでエルザが持っていたペンダントが宙を舞った。
「わーっ!ペンダントが〜!!」
リリアーナは手を伸ばし、何とかペンダントをキャッチしようとした。
全てがスローモーションのように見える。
リリアーナはひと包みだけ掴んだものの、残りはゴミ箱の方に飛んでいってしまった。
このままペンダントがゴミ箱に入れば、アンディのお相手がごっそり減るはずだ。

勢い余ったリリアーナは地面を転がった。
そのままの体勢で荒い息をついていたが、しばらくしてリリアーナは身を起こした。
「・・・・・・優勝して、景品の私をお嫁に貰って、その後はどうするの?エルザ」
エルザをまっすぐ見つめるリリアーナは、怒っているとも、悲しげとも見える顔をしていた。
「・・・・・・エルザ、私だって人形じゃないのよ?」

172 名前:真!猫耳ロックとエルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/05/26(月) 19:58:29 0
>170
フリージアの視力と聴力が回復するか、魔力探知でロックを見つけるか、
いずれにせよ、フリージアは驚きを禁じえないだろう。
「フリージア!そこにいるのはわかっているぞ!フリージア!」
ロックが巨大なフリージアの胴体にぴったりと張り付いているからだ。
「どうだ!これだけ近ければドリル攻撃はできないだろう!」
ロックは精一杯格好つけているつもりかもしれないが、
傍から見ると、ロックがフリージアの胸の谷間に顔をうずめて叫んでいるようにしか見えなかった。
どう見ても変態です!ありがとうございました!

さて、フリージアからすれば変体呼ばわりするどころの話ではない。
ロックの体が高温の蒸気に包まれているからだ。
このままではフリージアの豊満なバストを溶かしきり、本体に到達するだろう。

>171
その頃エルザは、中庭の雪に顔をうずめていた。
> 「・・・・・・優勝して、景品の私をお嫁に貰って、その後はどうするの?エルザ」
リリアーナにタックルされ、雪に突っ伏していたエルザが無言で立ち上がった。
> 「・・・・・・エルザ、私だって人形じゃないのよ?」
「…そうよ、あなたも…私だって人形じゃないわ。」
エルザは口角を吊り上げた。
「リリアーナ、あなたの言葉を憶えているわ。もし全身が作り物でも、それは人間なのか?
 その答えはYESよ。私の心は誰よりも人間らしいわ。私は人間よ!」
エルザは服についた雪を払った。
「これ以上の問答は馬鹿馬鹿しいわ。どうせ、あなただって本当はもう気づいているんでしょう?
 私が一体誰なのか…教えてあげる(ハート)

 私は70年前、ロックの母だった女 ブランエン 。そして、その生まれ変わりの エルザ。

 私はこの事実に気づいた時、とても嬉しかったわ。自分が人間の母であった、確固とした証を持てたんだから。
 ロックが私を好きだと言ったの、憶えている?あれはそういう意味だったのよ。」

エルザはゴミ箱に近づき、側に転がっていたペンダントの包みの一つを拾った。
三つの内の一つは、さっきゴミ箱に入ってしまった。そしてもう一つは今リリアーナが持っている。
キサカとアンジェのペンダントは、さっきのはずみでリリアーナの方の包みに入りこんだらしく、
二人の人形が、リリアーナの持つ包みから顔を出し、エルザを睨んでいるようだった。
「リリアーナ?私との未来が恐いの?恐れる事なんか何も無いわ。私がずっとあなたを守ってあげる。
 あなたをず〜っと愛してあげる。だから、私を愛して…私を一人にしないで…ねぇ…リリアーナ。」
エルザは手に持ったペンダントの包みをゴミ箱の上にかざした。
彼女の手がペンダントの包みを離すか否かは、リリアーナの返事次第かもしれない。

173 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/05/26(月) 22:35:00 0
>164
>「ニャァァァァァッッ!『満ちよ、黄金の鼓動!《山吹色の太陽波動》』!!」
「な、なに!?」
当たると確信したとき、猫娘が補助呪文のようなものを唱え
両手にはめた篭手から光りが放たれる。
僕は瞬時に分かった。これは結構危ない輝きだと…逃げるか?
いや、ダメだ。今から引いたところで間に合わない!このまま突き進む!
>「ニャァァァ!バァーカバカバカバカバカバカバカバカバカァーッッ!!!」
獣人の身体能力から繰り出される拳は複数の残像を残すほど早く、僕の身体に何発も拳があたる。
「ぐぅっ…………ぐっ…うおぉぉぉぉ!!」
僕は痛みに耐えながらもそのまま相手へと手を突き出す。

>そして、拳のぶつかるあたりから光が溢れ―――――
僕の手は相手の拳へと当たり留まっていた雷は猫娘の身体へと解き放たれ、
それと同時に僕も衝撃によって後ろに少し吹き飛ばされる。
>「ふにゃぁ〜〜・・・・・・・」
どうやら僕の攻撃は成功したらしい…猫娘は全身が麻痺したのかその場にへたれこんでいる。
絶好の倒すチャンス。追撃を食らわすなら今しかない。
だが僕もさっきの拳できているらしく身体が思うように言うことを聞かない。
「ぐっ…だから僕は肉体派じゃないんだ。」
文句を言いながら痛みを我慢しゆっくりと起き上がり猫娘に近づいていく。
へたれこんでいる猫娘の前へと立ち、今一度魔力を右手に溜め込みThunder spearを放つ準備をする。

「はぁはぁ…さあ、今度こそ終わりだ……Thunder spear!!」


174 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage自前1 投下3] 投稿日:2008/05/27(火) 18:26:43 0
>165
>「・・・・・・わ・・・・・・だ、・・・・・・ミ・・・は、・・・に・・・・・・・た、・・・さ。」
ラルヴァがなにか言ったようだが、それはかすれてしまってヴァンの耳に入ることはなかった。
しかししっかりとした口調でしゃべったとしても、きっとこのヴァンには聞こえていないことだろう。
『いかにこの敵を殺すか』そればかりが思考を埋め尽くして、眼も焦点が定まらずまるで正気とは思えない。
ラルヴァの吐いた血が顔にかけられて、己の瞳のように顔全体を紅く染める。
口周りの血は舌で舐めとると、ゴクリと味わってから喉をならして飲み込む。

まるで予備動作もなく気がつけばヴァンの背中に生えた黒い槍。
天を目指して腹部を通り越して突き刺さったそれをゆっくりと片手で這わせて、異物の正体を触って確かめる。
しかし正体を掴みきる前に器官からあふれて上ってきた血がごぼりと口から溢れて出てしまって中断せざるおえなくなる。
「ガハッ…ガ、ハはは」
まるで枯れ木のようにいまにも朽ちようとしているがその顔は未だ笑みを崩さない。
片手の損失や胸に空いた大穴は吸血鬼にとって決して軽いとは言えないし、もしかしたらヴァンは既に死んでいるのかもしれない。
ならばなぜ歯を剥きだしにして狂気の瞳をラルヴァに向けることができるのか…。
やがてさっきからギシギシと悲鳴をあげていた床が限界を迎えたらしく、亀裂の入っていた木の床が大きい音を立てて折れてしまった。
ラルヴァとヴァンの二人は更に深いエリアへ落下していき、その様を始終周りの悪霊たちはニタリと見ていた。


下の階は上の階とほとんど変わらぬ配置をした階層で本棚と幾ばくかの本が犠牲になってしまったがヴァンはまだ生きている。
しかし生きているとはいっても未だ虫の息状態なのだが、狂気から正気に戻っていて床を血で染めて這いずっていた。
ラルヴァはどこか違う場所に落ちたようだが、そう遠くへは離れていないはずだ。
「ク…クっ聞こえるか?
 私たちを殺したからといって…魔物たちは引っ込みはしない、ぞ。
 それにこれから、ガ、先は霧に覆われてまさに迷路だ。
 君じゃ何年かかっても……たどり着けやしないさ」
たかだか人間一人、このまま通してしまってもどうせ地下図書館内で現界を結ぶ鏡を見つけ出すことなど不可能だ。
そして最後に絶望なる存在の魔物。
狂乱を邪魔しにきた虫一匹を嬲り殺すために魔物たちは結集してやってくることだろう。
この厄介な人間の相手はこれで終わりとして、偉大なる死王に押し付けてしまうことにしたようだ。

175 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/27(火) 20:49:49 0
>172
エルザが自分の事をブランエンだと言っても、リリアーナは全く驚かなかった。
ただ、ロックがその事実に気づいていたという話は意外だったようだ。

>「リリアーナ?私との未来が恐いの?恐れる事なんか何も無いわ。私がずっとあなたを守ってあげる。
> あなたをず〜っと愛してあげる。だから、私を愛して…私を一人にしないで…ねぇ…リリアーナ。」
>エルザは手に持ったペンダントの包みをゴミ箱の上にかざした。

「未来が怖いのも、恐れてるのも私じゃないわ」
リリアーナはぽつりと呟いた。
「一応確認しておきたいんだけど、エルザは女の子が好きなわけじゃないのよね?」
当然だといわんばかりのエルザに、軽く肩をすくめる。
「私・・・・・・・・告白されてからずっと不思議だったの。
 『エルザはいつ私のことを好きになってくれたのかな』って。
 ねえ、もしかして私を好きになったのは、エルザとロックの意識を分けたあの儀式の後からじゃない?」

リリアーナは、エルザは母親を慕うように愛してくれているのではないかと考えていた。
それを儀式の影響だと、刷り込みのようなものだと一笑に伏す気などない。
アルナワーズとリリアーナがエルザの意識を人形に定着させた瞬間、エルザという人間が生まれた。
つまりロックやブランエンの記憶をどれだけ持っていたとしても、エルザ自身の経験はまだ数ヶ月しかない。
言うなればエルザは外見と知識こそ歳相応だが、自我はまだほんの子供なのだ。

リリアーナは慎重に言葉を選んだ。
「ごめんね、エルザ。私はお嫁さんにはなれない。
 でも、私はずっとあなたの傍に居る。・・・・・それじゃダメかな?」

リリアーナは目を閉じ、両手を胸にあてた。
「どう言ったらいいのか・・・・・・エルザへの気持ちは、フリージアへの好きとも、ロックへの気持ちとも違うの。
 私は別にエルザに何かして欲しいわけじゃないの。ただ、幸せになって欲しいだけなの」
リリアーナは小さく微笑むと、キサカとアンジェリーナのペンダントを首にかけた。
そしてゆっくりとエルザに歩み寄る。

鳥がいつか巣立つように、エルザもやがてリリアーナを必要としなくなるかもしれない。
だが、それは今では無い。

「もし私と一緒に居るのが幸せなら、ずっと一緒にいるわ。
 だって私も、エルザのことが大好きだから。
 ・・・・・・私は頑張って長生きするつもりだけど、それでも多分エルザより先に逝くと思う。
 でも心配しないで。その時は私の子供がエルザの家族になる。
 私の子供が死んだら、そのまた子供がエルザを愛するわ。
 そうしたらきっと、私が消えてもエルザは一人じゃない。
 それまではずっと傍にいるわ・・・・・・それじゃダメかな?」

リリアーナは持っていたペンダントをエルザに差し出した。
「言葉だけでは不安なら、エルザが優勝すればいいわ」

176 名前:白猫スー ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/27(火) 22:32:43 0
所変わって、ここは女子寮。
外壁もあちこち凍りつき、中もガチガチに凍てついている。
階段は氷壁に閉ざされ、灯りは全て落とされている。
いつもは人で賑わう女の園も、今は人の気配がまるで感じられなかった。
そう、ある一ヶ所を除いては。

ここは2階のとある一室。アルナワーズとリリアーナの部屋。
その部屋は異質だった。
壁には一面びっしりと封印術式が彫り込まれており、そこら中に香炉や御札が張ってある。
かなり不気味な眺めだが、このお札や封印術式のおかげでこの部屋は氷に侵食されずに済んでいた。
なぜならこの結界の中では、攻撃魔法の一切が無効化されるからだ。


ベットの上には、危うく氷漬けになるところを救出された女子生徒達が眠っていた。
そして氷の中に取り残されそうになった猫達もこの場で暖を取っていた。
「おい、スー」
室内を魔法で暖めていたピッコロが白い猫に話し掛けた。
「何ですの〜ピッコロ様ぁ〜」
白猫はゆったりと尻尾を振った。

「先程から思っていたのだが、お前達は何をしているのだ?」
「いやですわピッコロ様、見てのとおりこれは雪山のお約束!肌と肌とで凍えた方々を暖めているのですわ〜」
「それはいいのだが・・・・・・・・・そんなに猫が乗ったら、下敷きになっている者達が苦しいのではないか?」
スーはベッドの上に視線を向けた。
「そうでしょうか〜」
スーの命令を受けて猫達は、意識の戻らない生徒達の上に所狭しと乗っかっている。
さながら猫布団と命名したくなる光景だった。

「あら?ピッコロ様、今この方のまぶた動きませんでしたこと〜?」
ルズはベットに飛び乗り、ひとりの女子生徒に顔を寄せる。
「気づかなかったな」
「もしもし〜聞こえまして〜?お加減はいかがですの〜?」
スーはぺしぺしと前足で女子生徒の頬を叩いた。


177 名前:アレク ◆/OD//Ij0Fc [sage 自前1] 投稿日:2008/05/27(火) 23:42:43 0
「ふぇっくしゅん!」

アレクシスは、盛大なくしゃみと共に目を覚ました。
寒さのため、肘を抱えて身震いする。
小雨が降っている事にようやく気付くと、彼は戦慄した。

「風邪でも引いたらえらい事だ……!」

彼は横たえていた体を半身起こし、眠る前に展開しておいた魔法障壁に少々手を加え始めた。
障壁を形成している水分の密度を操作し、外に熱を逃がさないための調整である。

その作業の傍ら、これからどうしようか、という事について思慮しようと考えた。
それにはまず、現在の状況に至るまでの道程を顧みる必要があるだろう。

------------------------------------------------------------

彼が魔本『リバース』の行事を知ったのは、その前日の事だった。
長きに渡る入院生活を脱し、その報告に学園を訪れた際にその事実を告げられていた。

その内容を知った時、彼の脳裏には即座に「辞退」の二文字が浮かび上がっていた。
病み上がりの身がペンダントの争奪戦に耐えられるとは、到底思えなかったからだ。
しかし彼は「本来の目的は、生徒及び教師達の交流・レクリエーションである」との甘言に騙された。
一年以上学園を離れていた事が、その言葉を好意的に受け止めさせてしまった。
空白の時間を埋めるためにこの行事を利用するというのは、悪くない手のように思われたのである。

そして当日、彼はのんびりとした気分でこの行事に参加。
開始早々、ペンダントを狙う生徒たちから恰好の標的とされてしまうのである。
元より体格はよくなかったし、病院で引き篭もっているうちに余計に体力が低下している。
いかにも貧弱そうな印象を振りまいていれば、こうなるのも当然の話だった。

ここでアレクシスが選択し得る作戦は、ただ一つであった。
逃走である。

初めは学園内の施設に身を潜めようと企んだのだが、上手くいかなかった。
立ち寄った先はことごとく戦いの火花が散っていて、とても隠れる事が出来そうにない。
うっかり発見されてしまえば、問答無用で降りかかる魔法と暴力が彼を待ち受ける。
祖国を追われる流浪の民が如く、アレクシスは学園内を迷走し続けた。

その結果、辿りついた先が腐海の森。
逃げ込むには最適の場所のように思われたが、ただ一つ問題があった。
毒素である。

いかに薬の効かない体質であるとは言え、毒への耐性は可能性の話でしかなかった。
機会があれば立証してみたいと思わないではないが、あまり苦しい目に遭いたくはない。
逃走を続けてきた事からも明らかだが、見事な逃げ腰の思考回路である。

178 名前:アレク ◆/OD//Ij0Fc [sage] 投稿日:2008/05/27(火) 23:43:08 0
この点が最後まで気に掛かったものの、最終的に彼は森へ忍び込む事を決意した。
魔法障壁を強化すればどうにかなりそうであったし、何よりも逃げ続けて疲労が蓄積している。
茂みの中で小休止を取り、機を窺うのが最上の手であるように思われたのだった。

森に踏み込む前、彼はいくつかの要素を内包した強化魔法障壁を組み立てた。
この魔法障壁は、水の皮膜を展開するものだった。
もちろんの事、これはただの水ではない。
有害物質にはその場で退場して頂き、必要なもの(酸素等)を選択的に取り入れる機能を持つものだった。
一方で、障壁の内側からは有害物質等を外に排出する。
彼はこの魔法障壁を「選択透過性水皮膜」と呼称した。
相変わらずのセンスの無さを発揮している事は、充分に自覚のあるところだった。

兎にも角にも、彼は森への進入を果たした。
そして手ごろな茂みを見つけると、そこへ身を潜める。
その場所で小休止を取るうち、彼は得意の昼寝を発動してしまったのであった……。

------------------------------------------------------------

「昼寝というには、いささか時間が長すぎたか」

立ち上がり、衣服に付いた土を払う。
その後で周囲の様子を窺った彼は、一眠りする前とは状況が変わっている事に気が付いた。

「……毒素はどこへ行ったんだ?」

首を傾げてみるものの、解答は容易に導けるものではなさそうだった。
魔法障壁は解除しても構わないように思われたが、寒いので空調代わりに展開し続ける事にする。

すっかり暗くなってしまった森の中を探っていると、周囲に移動する気配がある事を察知した。
さらにそれを観察するところによれば、どうも一定の方向に向かっているらしい。

若干の逡巡を経て、彼はその気配の後を追う事を決意した。
どの道、何らかのアクションは起こさなければならないと思っていたところだった。
少しくらいこのゲームに対して真面目に参加しなくては、生徒としての義理が果たせない。

静かに、ゆっくりと彼は歩き始める。
いまだ見果てぬ湿原、その中央に位置する庭園を目指して。

179 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持23投下23] 投稿日:2008/05/28(水) 07:44:26 0
>175
> 「私・・・・・・・・告白されてからずっと不思議だったの。
>  『エルザはいつ私のことを好きになってくれたのかな』って。
>  ねえ、もしかして私を好きになったのは、エルザとロックの意識を分けたあの儀式の後からじゃない?」
「…そんなの、わからないわ。それに、それが何か大切な事なの?」
二人の間に、しばし沈黙が流れた。
> 「ごめんね、エルザ。私はお嫁さんにはなれない。
>  でも、私はずっとあなたの傍に居る。・・・・・それじゃダメかな?」
「嫌…そんなの嫌よ!私は、私は“ただあなたの傍にいただけの女”で終わるなんて、耐えられないわ!
 私はリリアーナに見て欲しいの!リリアーナに触って欲しいの!
 …リリアーナは私の事をどう思っているの?もしかして、私の事を迷惑に思っているの?」 
> 「どう言ったらいいのか・・・・・・エルザへの気持ちは、フリージアへの好きとも、ロックへの気持ちとも違うの。
>  私は別にエルザに何かして欲しいわけじゃないの。ただ、幸せになって欲しいだけなの」
「私の…幸せ?」
エルザは、突然自分にとっての幸せの定義がわからなくなってしまった。助け舟を出したのはリリアーナだった。
> 「もし私と一緒に居るのが幸せなら、ずっと一緒にいるわ。
>  だって私も、エルザのことが大好きだから。
>  ・・・・・・私は頑張って長生きするつもりだけど、それでも多分エルザより先に逝くと思う。
>  でも心配しないで。その時は私の子供がエルザの家族になる。
>  私の子供が死んだら、そのまた子供がエルザを愛するわ。
>  そうしたらきっと、私が消えてもエルザは一人じゃない。
>  それまではずっと傍にいるわ・・・・・・それじゃダメかな?」

二人の間に、再び沈黙が訪れた。先程よりも、ずっと長い長い沈黙だ。
エルザはうつむいたまま、何かじっと考え込んでいるように見えた。
しかし、突然ペンダントの入った包みをリリアーナに押し付けた。
「ありがとう、リリアーナ。」
エルザはペンダントをリリアーナに押し付けたまま、その場にへたり込んだ。
「ごめんなさい、リリアーナ。」
エルザはうつむいていた顔をあげ、リリアーナを見た。目にたくさんの涙を浮かべながら。
「私…私は!私は家族が欲しかった!私は誰かとのつながりが欲しかった!
 自分の居場所が欲しかった!自分を好きになりたかった!誰かに好きになって欲しかった!」
エルザはリリアーナに抱きつき、嗚咽を漏らしながら続けた。
「ごめんなさい!ごめんなさい、リリアーナ!私、馬鹿なことをしたわ!
 あなたの優勝のチャンスが台無しに…ごめんなさい、リリアーナ!
 お願い!許してリリアーナ!こんな馬鹿な私でよかったら、私と家族になって!」
そこまで言い、エルザはリリアーナの胸元で大声で泣き始めた。
「うわあああああっ!!ああああああぁぁあぁあっ!!…ひぐっ!」(×10)

何も無い中庭には、その泣き声はよく響いた。もしかしたら、校舎の中にまで聞こえたかもしれない。

180 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/28(水) 18:37:56 0
>179
>エルザはうつむいていた顔をあげ、リリアーナを見た。目にたくさんの涙を浮かべながら。
>「私…私は!私は家族が欲しかった!私は誰かとのつながりが欲しかった!
> 自分の居場所が欲しかった!自分を好きになりたかった!誰かに好きになって欲しかった!」
「うん」
分かっていると言うように、リリアーナはエルザを優しく抱きしめた。
>「ごめんなさい!ごめんなさい、リリアーナ!私、馬鹿なことをしたわ!
> あなたの優勝のチャンスが台無しに…ごめんなさい、リリアーナ!
> お願い!許してリリアーナ!こんな馬鹿な私でよかったら、私と家族になって!」
「うん。約束よ」
リリアーナはエルザをしっかりと抱きしめた。
コート越しにじんわりとエルザの体温が伝わってくる。
リリアーナよりずっと大人びたたエルザが、このときばかりは小さな子供のように思えた。

リリアーナは小さな子供をあやすように、エルザの髪を何度も梳いた。
「だからもう泣かないで。何にも怒ってないから。私を信じて」
本当はアンジェリーナやロックだって、エルザが彼女の生まれ変わりでなくても好きになった筈だ。
だが、今言うのは止そう。
リリアーナの傍に居る事で心の平安が得られれば、きっとエルザが自分で気づくはずだから、と。

・・・・・・少しは落ち着いた?
リリアーナは涙で汚れたエルザの顔をハンカチで拭いた。
「じゃあ、そろそろ行きましょう。
 アンディの元に帰りましょう。 きっと今頃『遅いっ!』って心配してるはずよ」
それとも『どこで油を売ってる!』とカンカンになっているだろうか。
リリアーナはエルザに手を差し伸べた。

ペンダントの包みを先程エルザから受け取ったリリアーナだったが、ゴミ箱の前で考え込んでいた。
「・・・・・・・・エルザ、やっぱりこれはあなたが投下して。そのほうが纏まった数になるし良いと思うの」
リリアーナは慌てて言葉を付け加えた。
「あっ!べ、別に数だけの問題だけじゃないの!実際のところ、何も私自身が優勝する必要なんてないんだから。
 そ、それにね、実は・・・・・・・・・」
リリアーナはちょっと迷ったあと、メラルの件を手短に話した。
本当は話す気はなかったのだが、ペンダントの件でエルザが自分を責めるよりはずっといい。

「――――というわけで、私はメラルさんの呼び出しに応じないとペンダントを捨てられちゃうの。
 どんなに皆が協力して一杯ペンダントを皆が集めてくれても、私が失格したら意味ないでしょ?
 皆には『私がドジってペンダントを奪われたから、代理で自分が投下した』って言えば良いわ」
嘘は一言も言っていない。
リリアーナはエルザに包みを渡そうとして、ふと手を止めた。
包みからはみ出していたペンダントを一つ引き抜き、残りを全てエルザに渡す。
「だからエルザ、私の命運をあなたに託すわ。ライバル達がやって来ないうちに、さあ早く!」

181 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/28(水) 22:09:53 0
>179-180
大音量で響き渡るエルザの泣き声。
その中にあって、それに負けじと声が響く。
「やかましいわこの負け犬が!!」
エルザとリリアーナの感動的な邂逅の場面を引き裂くような怒声。
勿論中庭に響いたわけではない。
ここは腐海最深部、毒庭園地下のベアトリーチェラボ。
採光調整が出来ずに画面は暗く判断が付かなかったが、その音声だけで何があったかは判る。

エルザの行動はベアトリーチェの逆鱗に触れていた。
同性愛という点で受け入れられないものではあったが、それでも一つの愛に違いない。
どのような動きを見せるが見守っていたのだが・・・
脅した時点でそれはもはや愛ではない。
しかもそれを貫き通せるわけでもなし。
愛と呼ぶにはあまりにも幼稚で、あまりにも・・・あまりにも・・・
こんなエルザが愛を語っていたと思うと怒りがこみ上げてきたのだ。
更にリリアーナの偽善的(ベアトリーチェ視点)な対応もベアトリーチェの怒りに拍車をかけていた。

感情が激しくなるとベアトリーチェから分泌される毒素もより強くなるのはメラルとの通信でも実証済み。
握られた水タバコのパイプは黒く変色し、飛沫んだ唾は床やテーブルを溶かす。
ベアトリーチェラボに存在するもの、椅子から床まで強い毒素を含んでいる。
実験器具も対毒性を備えている。
にも拘らず変色させ、溶かす毒素を迸らせるベアトリーチェの怒りの程も判るだろう。

怒りに任せ幻灯機を蹴飛ばそうとしたとき、ようやくソレが目に入る。
それは腐海の毒濃度を示す計器。
針は既に限りなく0に近い場所を指している。
「そ・・・そんな・・早すぎる!」
先程までの怒りの表情も一瞬にして消え、走り出した。

>180
庭園に出ると既に雨は小雨にもと届かず、傘は必要なかった。
しかしそれ以上に驚いたのは肌に触れる空気。
濃厚だった毒素はもはやなく、計器が正しい事を嫌でも実感させる。
庭園を駆け抜け、湿原の畔に付くと薬品を流し込んだ。
ヴァンエレンたちを迎えたときに使った物と同じものだ。
たちまち湿原は幻想的な光を放って対岸に集結している感染者達を浮かび上がらせる。

ミミズに乗って湿原を渡りながら原因の仮定を立てていた。
とはいえ、考えられるのはただ一つ。
雨によって活性化した菌類は活発に毒素を排出する。
それはすなわち地中の毒を猛スピードで消費していると同義なのだ。
「腐れドリル頭め!どこまで邪魔しやがんだ!」
メラルとの話によりフィジル等全域に雪を降らせているのをフリージアと思い込んでいるのだ。
それでなくともレオ関係で(一方的)敵対関係になっているので、怒りは更に燃え上がのは仕方がない。
予定では夜明けを待って毒素を消費しきるはずだったのに、予定外に早くなってしまったのだ。

182 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/28(水) 22:10:02 0
湿原の畔に到着すると感染者達が集まってきた
感染者達は腐海の瘴気、ピプトの犯された者たち。
腐海を徘徊し、限界以上の力を持って侵入者を倒す。
が、逆に言えば腐海でしか活動できない。
正確に言えば、腐海の毒素の中でしか活動できない。
腐海から毒素が消えるという事は、一般の人間にとって空気が消えると同じ。
感染者達は僅かでも残った毒素を求めて湿原へと集ったのだった。

一定の毒濃度が保てない為、菌糸巨人も形を保てなくなり姿はない。
100人を超す感染者達を前にベアトリーチェは手近な者から小さな嘴を渡していった。
これはコカトリスの嘴。
鶏とトカゲの合成獣で、羽に強い毒を持ち嘴には石化効果がある。
腐海の毒が消えた以上、もはや感染者は無用の長物。
だから、その始末をつけるのだ。
嘴を受け取った感染者達は湿原に入り、コカトリスの嘴を自らに突き刺す。
そうして次々と石と化し、湿原へと沈んでいくのであった。

「どうしてくれるの・・・早すぎる・・・!」
背中で湿原に沈んでいく感染者には目もくれず呟くベアトリーチェに異物が映る。
それは全くの偶然だった。
整然と立ち並ぶ感染者達の肩越しに・・・
ナイトシェードを飲んでいて、夜中でも真昼のように見えるその目に・・・
本来なら沈んでいく感染者達を見て、向くはずのない方向。
予定外に早くなったが為に感染者も見ず遠くを見ていたが為に。
湿原の向こう、腐海の端にちらりと見えたアレクの姿を見逃さなかった。

「・・・あら、どちら様?」
少し驚いたようにたおやかな声で呼びかける。
ハラワタ煮え滾り、このような状況を見られたにも関わらず、このような対応なのは・・・
やはりアレクが【男】だからの一言に尽きるだろう。

183 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage 所持2投下0] 投稿日:2008/05/28(水) 23:31:02 O
「図書館は一体どこにあるんだあぁー!?」
真っ暗な校舎をがむしゃらに走ること数分。
そろそろ疲れてきた。
真っ暗な上に通常と正反対の位置にあるので全然辿り着かない。
>「乱闘に巻き込まれる心配は無くなったんですから落ち着いて探しませんか?」
…うむ。それもそうだな。
俺は走るのを止め、ゆっくりと考えながら歩く事にした。
「ん〜と…あそこを右に曲がったって事は実際には左に行ってるって事だから……次は右…いや…」
だーっもうっめんどくせぇ!?
こういう小難しいのは苦手なんだよ!
ややこしいったらありゃしない。
>「次を左に曲がれば後はまっすぐですよ。」
「や、やっぱりな!俺だってそれ位知ってたさ!
わざと知らないフリしてただけだもんね!」
>「はいはい…。」
エース先生の野郎…信じてねぇな…。
実際、ウソなんだけど…。

「さーてようやく図書館入口まで来た訳ですが。
エース先生、今の心境をどうぞ。」
>「楽しみですね。非常に。」
「余裕のコメントキターー!
それではレッツゴー!」
無駄にハイテンションのまま俺達は図書館の扉に手をかける。
扉を開いた瞬間、俺達の目に入ってきたのは見事なまでにぐちゃぐちゃになった図書館。

「…なんじゃこりゃ…」

184 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage、自前1、所持5、投下0] 投稿日:2008/05/29(木) 00:51:49 O
>>179ー180
「誰ですか?さっき、こちらから泣き声が聞こえたんですが…」
仲直りをしたとは露とも二人の前に現れる男が一人…
「おや?どうやら要らぬ心配だったようですね。」
この無料スマイルを引提げた男がなぜ現れたか、それを知るには数分前に戻らねばならないだろう。回想シーンスタート!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜回想中〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

数分前、彼、ケオス・キョンサンは校舎をうろついていた。
「ハハ、見事に凍り付いてるね。」
誰も居ないのに笑顔なのは別に彼が変人な訳では無くデフォルトがこの顔なのだ。
「でも、かえって好都合。何処か休めそうな場所がありそうだ。」
校内強制行事の参加は彼にとって消して楽しい物ではなかった。元来、あまり争い事が嫌いな彼は積極的に参加する気にもなれずなるべく戦闘行為は避けてきた。
しかし、火の粉とは降りかかる物。巻き込まれた戦闘でどうにかこうにか生き延び、数個のペンダントの入手に成功してしまったのである。
再び復活した人々から逃げ延びた彼は身を隠すべく辺りを散策していたのである。
「ふぅ……」
笑顔ながらも疲労の見える顔色しながら校舎を彷徨っていると聞こえて来たのは女性の泣き声。
「ん〜〜〜…手遅れかも知れないけど行ってみようかな。」
自分と同じように望まぬ戦闘に巻き込まれ、悲しみに暮れているのかも知れない。
思い立ったが吉日。校舎から出ると泣き声の発信源に向かっていく。
「ここら辺だったよね。確か……」
庭園に入り辺りを見渡すと、人影が二つ
「あれか…」
「誰ですか?さっき、こちらから泣き声が聞こえたのですが…」
以上回想シーン終了

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜回想終了〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あの、お節介かも知れないけどゴミ箱も近いし危ないよ。さっきの声聞かれて人が来るかも知れないし。」
万年スマイルフェイスのこの男、自分が今し方言った、ペンダント狙いの人物に間違われるかも知れないような事をさらりと言いのけた。
状況としてはバッチリ当てはまるし、何より笑顔。これ幸いにと寄ってきた人物の匂いたっぷりである。
そんな怪しい人物候補生に上げられているとも知らずにゆっくりと歩み寄っていく。

185 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/05/29(木) 08:07:25 P
>172
>「フリージア!そこにいるのはわかっているぞ!フリージア!」
あっと驚くフリージア
それもそのはずいつの間にかフリージングドールにロックがぴったりとくっついているのだから
「な・・・・んですって?」

>「どうだ!これだけ近ければドリル攻撃はできないだろう!」
高温を発しフリージングドールを溶かしていくロック
このまま溶かされてしまうのか?

「お〜ほっほっほ!ここまで間合いを詰めたとはさすがロック・・・・・でも!」
普通こういう状態になった時何とかして体から引き離そうとするものである
しかしフリージアは色々な意味で普通ではなかった

「この距離なら思いっきり抱きしめて差し上げられますわね!!」
フリージアは逆にロックを思いっきり抱きしめた
そう思いっきり
まさに埴輪原人死ねええ!!と言う勢いで・・・

「受けてみるがいいですわ氷の聖母の抱擁を!フリィィィィジングブリィィィガァァァァ!!」
普段のフリージアにやられても気持ちがいいだけだろうが
今のフリージアは人間のパワーを越えている
そしてその基準となる人間は具体的にはクドリャフカだったりするのだ
これが決まれば見開き一ページ分のダメージを与えることが出来るだろう
車田漫画的意味で

果たして溶け切る前に勝負が付けられるのだろうか?

ペンダント自前1 所持2 投下1 魔力回復薬(青汁風味)

186 名前:ラルヴァ&使い魔’s ◆sy1IQNBWp6 [sage 今回はルキア&ラルヴァ視点] 投稿日:2008/05/29(木) 21:16:18 0
>183
その白い翼の少女、ルキアは図書室の前(正確には転送装置の前だが)で
廊下に寝転がるように、下の状況を見ていた。
だが、その状況にも変化が生じる。
自分のいる廊下側から人の足音と声が。

「・・・・・・げ、あれってば教師?」
しかもその二人組みの内の目つきの悪い方と目が合った気がする。
が、目下の穴から轟音。どうやら自分のマスターが相手もろとも落下した・・・・・・
「ってのんびりしてらんないじゃない?!」
私は翼を広げると、目の前の穴から下の階層に飛び降りた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>173
私が下に飛び降りたらあの、のーたりん猫娘がしびしび痺れてるっ?!
しかもなんか今からトドメの雰囲気!!
滑空状態から翼をはためかせて一気に猫娘のところへ!
>「はぁはぁ…さあ、今度こそ終わりだ……Thunder spear!!」

カッ、という閃光。電撃は猫娘の首をひっつかんで諸共に伏せた私の頭上を通過していった。
「こ、この勝負は預かったわ!じゃ、こいつ(猫娘)持ってくわよ?!」
次はあのいけすかない犬耳か!まったく世話の焼けるったら・・・

>169
で、私が猫娘をひっつかんで飛びながら犬耳のところへ向かってみたらあいつったら
>「あとお前のマスターは血だらけになっているぞ。
> 助けに行かなくていいのか?
> 俺は自分に危害が加えられない限り攻撃しないぞ。」
『私のマスターは、多少血を流している状態の方が強いのさ。
 あぁ、それと。ピンチなのはそちらの仲間も変わらないようだぞ?』
とか言ってるし!!んな呑気してる場合かっ!
「こらそこの犬耳!とっととラルヴァをおっかけるよ!?」
『あぁ、そうだな。じゃあ、魔銃使いの少年。私は主を追うので失礼させてもらう。
それと、武器に対しての忠告だが・・・それ自体は実に有難いが拒否させてもらおう。
この斧は、こうある事を望んでいるのだからな。』
そう言って麻痺から立ち直ると二本の斧を持って駆け寄ってきた。

「アンタ、少し鈍間になってない?」
『相手の魔法のせいだろう。とりあえず行くぞ。』
しびしびしている猫娘を担いで、私は白鴉の姿へ変身。
先ほどラルヴァと変な男が一緒くたに落ちていった穴へと飛び降りた。
犬耳と猫娘は私の背中に乗せて、だ。

187 名前:ラルヴァ&使い魔’s ◆sy1IQNBWp6 [sage 今回はルキア&ラルヴァ視点] 投稿日:2008/05/29(木) 21:28:20 0
>174
黒槍は見事に不意打ちで、ヴァンエレンに突き立った。
それを音で悟ったラルヴァは力を抜いた・・・だが。

>さっきからギシギシと悲鳴をあげていた床が限界を迎えたらしく、亀裂の入っていた木の床が大きい音を立てて折れてしまった。
「?!」
落下する!その最中に槍は自然と抜かれ、二人は離れてゆく。


・・・・・・下層にヴァンエレンは落下した。
地に這うヴァンエレンにゆっくりと羽ばたきの音が聞こえるだろう。
そう、槍を突き刺したのはラルヴァの使い魔だ。
それが飛べるというのであれば、むざむざと地面に落下する筈もない。
とはいえその羽ばたきが止むと蹄がヴァンエレンと同じ木の床を叩いた。

>「ク…クっ聞こえるか?
> 私たちを殺したからといって…魔物たちは引っ込みはしない、ぞ。
> それにこれから、ガ、先は霧に覆われてまさに迷路だ。
> 君じゃ何年かかっても……たどり着けやしないさ」
「いくら・・・精神世界とは言え、無責任すぎるとは思わない・・・みたいだね。」

その声には大分怒りが詰まっているが、表面上は激昂を抑えているようだ。
「こっちは、目潰しのせいであまり目が見えてないんだけど・・・
 まぁいい。傷をゆっくり癒す為に逃げればいい。
 もう追うつもりはないよ。迷路なら、迷路ごと打ち砕いてでも
 ボクはその魔物の親玉を探し出し還すか打ち倒すまで。・・・・・・とはいえ、少し疲れた、な。」
薄闇の中で、ラルヴァは漆黒の女性型のケンタウルスの背にうつぶせになるようにして横たわっている。
傷を負った身ではあるが、その瞳から戦意は少しも衰えてはいない。
このまま魔物達が来たるならば、すぐに起き上がり戦闘を始めることだろう。

188 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/05/29(木) 23:34:28 0
>「私のマスターは、多少血を流している状態の方が強いのさ。
  あぁ、それと。ピンチなのはそちらの仲間も変わらないようだぞ?」
そういわれてみると確かに吸血鬼の右腕が無くなっている。
まあ吸血鬼だから何とかするのだろうが…
「…いや、血を流している状態が強いって常に命がけの戦いにならないか?」
血液は生命活動を維持する上で重要である。
つまり長期戦になればなるほど危険な状況に陥るということだ。
>「こらそこの犬耳!とっととラルヴァをおっかけるよ!?」
気づくと白い翼をが猫耳女をつかんでこっちに飛んできていた。
>「あぁ、そうだな。じゃあ、魔銃使いの少年。私は主を追うので失礼させてもらう。
  それと、武器に対しての忠告だが・・・それ自体は実に有難いが拒否させてもらおう。
  この斧は、こうある事を望んでいるのだからな。」
そういうと犬耳女は斧を回収して吸血鬼たちが開けた穴へ向かっていった。

…さっきの様子からマオの方の戦闘も終わったらしい。
左腕の回復も終わったので、マオの方に向かうことにした。


…うわ、すっごいあがいているよ。
相当攻撃を食らったのか、見るからに痛そうな様子で追撃をかけようとしていた。
「ったく、無理して追いかけてもやられるだけだぞ。
 少しじっとしていろ。」
そう言ってマオに回復魔法をかける。
…たくさん殴られたのだろう。
回復しきるのにまだ時間が掛かりそうだな。
「執念があるのはいいんだが、俺らの目的はペンダントを回収しに行くことじゃなかったのか?
 ここで無茶をしてやられたら回収しに行くのにもっと手間が掛かるじゃないか。」


しばらくしてマオの回復が完了した。
「さて、回復も終わったことだしヴァンエレンを迎えに行こうか。」
…マオを回復している間に最初の移動強化魔法は切れているのだが、吸血鬼だから大丈夫だろう。
たぶん…

189 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1投下69] 投稿日:2008/05/30(金) 07:07:19 0
>180
> リリアーナは涙で汚れたエルザの顔をハンカチで拭いた。
> 「じゃあ、そろそろ行きましょう。
>  アンディの元に帰りましょう。 きっと今頃『遅いっ!』って心配してるはずよ」
「…そうね。それに、早くロックに私の事を話してあげたい。
 ロックはきっと私から話してくれるのを待っているはずだから。」
> 「・・・・・・・・エルザ、やっぱりこれはあなたが投下して。そのほうが纏まった数になるし良いと思うの」
「あっ…その…ごめんなさい!」
> 「あっ!べ、別に数だけの問題だけじゃないの!実際のところ、何も私自身が優勝する必要なんてないんだから。
>  そ、それにね、実は・・・・・・・・・」
> リリアーナはちょっと迷ったあと、メラルの件を手短に話した。
「………。」
> 「――――というわけで、私はメラルさんの呼び出しに応じないとペンダントを捨てられちゃうの。
>  どんなに皆が協力して一杯ペンダントを皆が集めてくれても、私が失格したら意味ないでしょ?
>  皆には『私がドジってペンダントを奪われたから、代理で自分が投下した』って言えば良いわ」
「ああ…うう…」
エルザは素直に“はい”と言っていいのか迷った。それ以上にメラルの事が気になった。
> 「だからエルザ、私の命運をあなたに託すわ。ライバル達がやって来ないうちに、さあ早く!」
「…わかった。…リリアーナ、もしも私が優勝したらあなたに」
ここまで言った後、エルザは言葉を中断せざるおえなかった。

>184
> 「おや?どうやら要らぬ心配だったようですね。」
エルザはびくっとして後ろを振り向いた。そこにいたのは一人の男子生徒だった。エルザはケオスを見て歯軋りをした。
「アンディめ!失敗したわね!」
エルザは、ケオスが先程自分達を襲った生徒達の一人だと思った。
さて、そうなればぐずぐずするわけにもいかない。なぜなら、彼もまたペンダントを狙っている一人なのだから。
> 「あの、お節介かも知れないけどゴミ箱も近いし危ないよ。さっきの声聞かれて人が来るかも知れないし。」
「そうよ!ゴミ箱はすぐ近くだわ!これであなたもおしまいよ!」
エルザはリリアーナから託されたペンダントを、全てゴミ箱に投下した。
アンディもこの事実にすぐに気づくだろう。目の前に倒れている生徒達が、次々とゴーストに変わったのだから。
しかし、当然の事ながら、ケオスがゴーストになる事はなかった。
ただし、それでエルザがケオスに対する警戒を解くわけもなかった。大量のペンダントは無くなったが、
今自分達が持っているペンダントは健在である。そして、ケオスはそのペンダントを狙っているかもしれないからだ。
「作り笑いで、油断させようと思ったって、そうはいくものですか!ペンダントは渡さないわよ!
 私のペンダントは、もう私だけのペンダントじゃないんだから!」

190 名前:真!猫耳ロック ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/05/30(金) 07:30:14 0
>185
> 「この距離なら思いっきり抱きしめて差し上げられますわね!!」
「なっ、なんだとぉ!?」
> フリージアは逆にロックを思いっきり抱きしめた
> そう思いっきり
「のおおぉお!?」
ロックは激しく動揺した。ただ、一般論として、敵が動揺したからといって攻撃をやめる者はいない。
> 「受けてみるがいいですわ氷の聖母の抱擁を!フリィィィィジングブリィィィガァァァァ!!」
「やめろ!よせっ!フリージ…ああああああっ!!」

さて、ここで注意しておかなければならない事がある。
それは、フリージアの抱きしめ攻撃が、ロックにはあまり効果がないことだ。
硬化したロックやエルザは、鋼と同じくらい硬くなるが、決して物理的ダメージを無効化するわけではない。
強烈な衝撃が加えられると、軟らかさが足りない分、ダメージを受けてしまう場合があるのだ。
例えば、ロックはラルヴァに腹部を強打された時に嘔吐しているし、
エルザがエースのウインドブレイドで腹部を斬られたりしている。
エルザがチョコレートの破片を頭にぶつけて気絶した事は、記憶に新しい出来事だ。
これは逆に言えば、衝撃を伴わない物理攻撃には非常に強い事も意味している。
そして、今回のフリージアの攻撃は、けっして強い衝撃を伴うタイプではなかった。

ただし、以上の話はあくまで物理的な観点でのみの話である。
フリージアは、別の意味でロックに強い衝撃を与えたのだ。

「はぁ………」
フリージアに抱きしめられていたロックは、みるみるうちに体を包む蒸気が少なくなっていった。
> 今のフリージアは人間のパワーを越えている
が、今のロックの防御力も人間のそれを越えている。
その結果導き出された結論は、“ちょうど良い”だったのだ。

とうとう、ロックを包んでいた蒸気が完全に消えてしまった。その目に溢れていた闘志の炎もまた鎮火している。
どうやらロックは、フリージアに抱きしめられた事で、戦意を喪失してしまったようだ。

191 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/30(金) 19:08:16 0
>189
リリアーナにペンダントを託されたエルザが目を白黒させている。
だが当のリリアーナは全く気にしていないようだ。
「あ、そうだ。エルザに渡すものがあったんだっけ」
リリアーナがごそごそポケットを探っていると、エルザがようやく口を開いた。
>「…わかった。…リリアーナ、もしも私が優勝したらあなたに」
だがその言葉は、最後まで聞くことが出来なかった。

>184
> 「おや?どうやら要らぬ心配だったようですね。」
>「アンディめ!失敗したわね!」
「へっ?」
リリアーナは慌ててゴミ箱のほうを見た。てっきりアンディがゴミ箱前で復活したと思ったのだ。
> 「あの、お節介かも知れないけどゴミ箱も近いし危ないよ。さっきの声聞かれて人が来るかも知れないし。」
>「そうよ!ゴミ箱はすぐ近くだわ!これであなたもおしまいよ!」
そういってエルザはペンダントをゴミ箱に投下した。
しかし、ケオスがゴーストになる事はなかった。
どうやら先程アンディが足止めした生徒達とは別のようだ。
>「作り笑いで、油断させようと思ったって、そうはいくものですか!ペンダントは渡さないわよ!
> 私のペンダントは、もう私だけのペンダントじゃないんだから!」
「薄着のメガネッ娘と、黒いコートを重ね着したゴスロリの少女の組み合わせ。
どこから見ていたのかは分からないが、ケオスの目にはどのように映ったのだろうか。

リリアーナは、ずれたメガネを押し上げ、エルザを庇うように一歩前に出た。
ようやく確認できた相手の顔に、リリアーナの口元が硬く強張る。
だが次の瞬間には、リリアーナも愛想よく微笑み返した。
できれば敵に回したくない相手だ。ここは円満に解決したいとリリアーナは考えていた。

そう、目の前の青年には見覚えがあった。
いつもメラルと学年総合の成績を争う一人で、確か名前は――――。
「こんばんは、キョンさん。学園全体が凍りそうなくらい寒い夜ね」
名前を口に出したとたん違和感を感じたが、リリアーナはそのまま話し掛けた。

「キョンさんはここで何してるの?あっ!待ち伏せ?
 もしかしてそこのマンホールの蓋をあけて簡易落とし穴にしたのもキョンさんの仕業なの?」
だが待ち伏せしていたわりには、肩とか頭に雪が積もっていないようだ。

リリアーナは足元に落ちていた自分たちの傘を拾い上げた。
ばさばさと身体についた雪を払い、エルザと傘の中に入る。、
「知ってるとは思うけど、私は優勝を狙ってるの。だって優勝しないと大変なことになるから。
 キョンさんもやっぱり優勝狙ってるの?狙ってるのよね? で、でも私だって負けないんだから!!」
リリアーナはびしいっ!ケオスを指差したが、格好つけたのもつかの間、次の瞬間思いっきりくしゃみをした。

「グス・・・・・れ、れも今夜は遅いし寒いから、続きは明日にしない?
 もうじき私の仲間がここにくるわ。
 学園屈指の秀才君とはいえ、一人で複数相手じゃいささか分が悪いかもよ?」
・・・・・・・・穏便に済ませたいのか挑発しているのか分からない態度だ。


192 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage] 投稿日:2008/05/30(金) 21:13:02 O
>189>191
>「アンディめ!失敗したわね!」
初めましての相手への第一声がこれ。どうやら勘違いされているようだ。
困っているのだが笑顔は消えない。だが注意して見てもらうと目と口元は笑っているのだが眉は八の形になっているのだ。実に分かりずらい。
>「そうよ!ゴミ箱はすぐ近くだわ!これであなたもおしまいよ!」
「………………?」
大量のペンダントがゴミ箱に捨てられたようだがなんの事は無い。優勝を狙っているわけでも無いし、自分のペンダントが交ざっているわけでも無い。ケオスに困る要素は皆無なのである。
>「作り笑いで、油断させようと思ったって、そうはいくものですか!ペンダントは渡さないわよ!
 私のペンダントは、私だけのペンダントじゃないんだから!」
「弱ったなぁ……そういうつもりじゃ無いんだけど…」
どうやら彼女は頑固そうだ。何を言っても信用はして貰えなさそう、ケオスは問題が起らない内にその場を立ち去ろうと身体を動かしかけるが

>リリアーナは、ずれたメガネを押し上げ、エルザを庇うように一歩前に出た
やるつもりか、軽く身構えるケオス。しかしながらそれは徒労に終わる
>だが次の瞬間には、リリアーナも愛想よく微笑み返した。
取りあえず今すぐ事を構えるつもりは無いようだ。安心し楽にする
>「こんばんは、キョンさん。学園全体が凍りそうなくらい寒い夜ね。」
「こんばんは、リリアーナさん。えぇ、風邪を引かないように気を付けて。それとケオスで良いよ。キョン″さん″じゃ何処かの平均高校生みたいだからね。」
間違えている事には直接は触れず、ケオスと呼ぶ事を勧める。
>「キョンさんはここで何しているの?あっ!待ち伏せ?
 もしかしてそこのマンホールの蓋をあけて簡易落とし穴にしたのもキョンさんの仕業なの?」
「違う違う、僕は泣き声を聞いて駆け付けただけ。
 危ないな。いくらリバースの中だからと言ってもマンホールなんか開けたら怪我じゃ済まないかも知れないないのに…
怪我は無いかな?どちらが落ちたかは分からないけど。」
簡易落とし穴を一瞥すると腕を組む。どうやらそんな事をした人物に対して怒っているようだ。


193 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage] 投稿日:2008/05/30(金) 21:15:52 O
>「知ってるとは思うけど、私は優勝を狙ってるの。だって優勝しないと大変なことになるから。
 キョンさんもやっぱり優勝狙ってるの?狙ってるのよね?で、でも私だって負けないんだから!!」
>リリアーナはびしっ!ケオスを指差したが、格好つけたのもつかの間、次の瞬間思いっきりくしゃみをした。「ハハハ、やっぱりその格好じゃ寒いみたいだね。」
「心配しないで優勝は狙ってないし、狙うつもりも無いから。」
>「グス・・・・・れ、れも今夜は遅いし寒いから、続きは明日にしない?
 もうじき私の仲間がここにくるわ。
 学園屈指の秀才君とはいえ、一人で複数相手じゃいささか分が悪いかもよ?」
「それも大丈夫。相手にする必要は無いから。信用……して貰えるかな?」
困った顔をしながら聞く。気まずそうな顔をしていたが何かを思い付いたように顔が明るくなる。
「そうだ。僕もその仲間に入れてくれないかな?
僕としてはこの行事を早く終わりにしたいんだ。君が優勝して終わりにしてくれるのなら僕は構わない。
僕が加わってどれほど力になれるかは分からないけど、ね」
言い終わるとポケットから自分のペンダントと他の人ペンダントを渡す。
「誓い、って言うわけじゃないけど僕のペンダントと集めたペンダント。
信用できないなら僕のペンダントをゴミ箱に捨ててくれていいよ。他のはプレゼントって事で。」
渡し終え、二人の判断に任せると言うようにニコニコと見守っている。

194 名前:アレク ◆/OD//Ij0Fc [sage] 投稿日:2008/05/30(金) 23:41:12 0
入院中は、夜中にこっそり病室を抜け出す事が珍しくなかった。
僅かな光量の中、特にアテも無く病棟を散歩していた事を思い出す。
口の悪い医師には「そういうのを徘徊と呼ぶんだ」と言われもしたのだが。

「しかし、それが役に立つ日が来るとは夢にも思わなかったな……」

夜間視力を取り戻したアレクは、順調に感染者たちを追尾していた。
そして彼らの集結地点たる湿原へたどり着いた時、彼は少女の姿を見た。
身を隠している(つもりの)茂みからは少々距離があったから、詳しい様子までは判らない。
だが、手際よく感染者たちを処理しているという事だけは理解の及ぶところだった。

>「・・・あら、どちら様?」

少女の声がこちらへ向けられているのを知ると、一時は覚悟を決めた。
ここに至ってもペンダント争奪戦は免れぬのか、と実に暗澹たる気分が心を覆う。
しかし、すぐに先方から敵対の意思が感じられない事に気付いた。
今度は、内心でほっと安堵の溜息を紡ぐのであった。

「どちら様と訊かれたら、答えてあげるが世の情け……ってね。
 僕はアレクシス・アガティオンと言う者だ。
 ご覧の通り、しがない二等の学生さ」

両手を上げて、こちらに戦意のない事を示しながら湿原へ身を乗り出す。
そのままの姿勢で、声を発した少女へ視線を向けた。

彼女の姿を見るや否や、彼の脳裏に一つの人名が想起された。
と言うよりも、この森が毒に満ちていた事から、恐らくは彼女がいるのだろうという感じはしていた。

蠱毒の毒姫、ベアトリーチェ。

自分の体が薬物を受け付けぬと判明した際、医師たちがしきりに話題に上らせた名前だ。
その本人が眼前にいると思うと、いささかの感慨も覚えようというものだった。
もっとも、本当に彼女が毒姫その人であるのかどうか、確認を取ったわけではない。
しかしその確認はまもなく取られるだろう、と彼は思う。
アレクシスは、意思を乗せた視線を彼女へ送った。

さて、こちらは名乗りを上げたわけだ。
次はそちらの番じゃないかな、お嬢さん。

195 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1投下69] 投稿日:2008/05/31(土) 08:08:35 0
>191>192>193
> 「弱ったなぁ……そういうつもりじゃ無いんだけど…」
「じゃあ、どういうつもりなの?」
ケオスはそう言ったが、それを鵜呑みにするほどエルザも子供ではなかった。
ペンダントを狙う者が、親切に『自分はペンダントが欲しい』などと言うわけが無い、と。
> 「こんばんは、キョンさん。学園全体が凍りそうなくらい寒い夜ね」
「…リリアーナ、知り合いなの?」
エルザはケオスとリリアーナの会話を黙って聞いた。

> 「グス・・・・・れ、れも今夜は遅いし寒いから、続きは明日にしない?
>  もうじき私の仲間がここにくるわ。
>  学園屈指の秀才君とはいえ、一人で複数相手じゃいささか分が悪いかもよ?」
「リリアーナ、これを着たほうがいいかも。」
エルザはくしゃみをしたリリアーナに、再びアンディ製の黒いコートを勧めた。
> 「それも大丈夫。相手にする必要は無いから。信用……して貰えるかな?」
「…無理よ。リリアーナはともかく、私はあなたの事なんて何も知らないわ。」
> 「そうだ。僕もその仲間に入れてくれないかな?
> 僕としてはこの行事を早く終わりにしたいんだ。君が優勝して終わりにしてくれるのなら僕は構わない。
> 僕が加わってどれほど力になれるかは分からないけど、ね」
「仲間ですって?仲間って言うのは、そんなに軽いノリでなるものなの?」
> 「誓い、って言うわけじゃないけど僕のペンダントと集めたペンダント。
> 信用できないなら僕のペンダントをゴミ箱に捨ててくれていいよ。他のはプレゼントって事で。」
リリアーナにペンダントを(それも自分の分も含めて)渡すケオスを見て、エルザはあきれたように首を振った。
「ねえ、ケオス。あなたさっき言ったわよね?この行事を早く終わりにしたいって。だったら、話は早いわ。
 あなたのペンダントがゴミ箱に入ればいいのよ。別にこの世界に未練は無いのでしょ?」
エルザはリリアーナの手に渡ったペンダントを鷲づかみにし、ゴミ箱の上にかざした。
「ねえ?あなたの言った事が本当なら捨ててもいいのよね?訂正するなら今のうちよ。
 一体何が狙いだったのかしら?正直に話したほうが利口じゃないの?ねえ、ケオス?」
エルザもまたニコニコしながらケオスに尋ねた。ただ、ケオスと違って、エルザは実に意地悪そうに笑っている。
こういうサディスティックな状況がわりと好きらしい。

196 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/05/31(土) 10:09:13 0
倒れているリーダー格を踏みつけながら待っているアンド。
予想以上にリリアーナ達が遅いことにだんだんと苛立ちを覚え始め。
もしかしたら戻ってこない・・・要するにただの囮として使われたのではないかと思い始める。
「ちっ・・・まんまといいように使われたか?」
そうつぶやいたとき、生徒が次々にゴーストに変わっていく。
もちろん踏みつけていたリーダー格の男子生徒もゴーストへと変わってしまう。
「やっとか。何やってやがんだあいつ等」
やれやれといった具合で何度か肩や指を鳴らし中庭へと歩き始める。
ゴースト達はもはや干渉できるわけでもなく、ここにいる必要はないと思ったのか散っていく…1人を残して。
>「おい、俺もついていくぜ。」
声のするほうに振り返ってみるとそこにはさきほど倒したリーダー格のゴーストが漂っていた。
「冗談じゃねえ。負け犬はどっか行きな・・・・・・」
>「そうはいかないな。ゴーストは観戦する権利を持ってるんだぜ?
>今度お前を倒すためにもお前を見させてもらう」
チッと舌打ちをするアンド、だがついてきてもいいということなのか
特に何も言わずに中庭の方へと歩き始めるアンドと文字通り背後霊のように後ろについていくリーダー格のゴースト。

>「そういえばまだ名前をお互いに知らなかったな。俺の名前はステイシス。」
「・・・・・・ランドアンド・・・アンディでかまわない」
>「よしアンディ。これからよろしく頼むぜ。ところであの闇を操る魔法どうやって覚えたんだ?
>あと生徒だよな?なんでそんな大人になってるんだ?」
自己紹介を済ませたとおもったら今度は次々に質問をしてくる。
いちいち答えるのがめんどうだと思ったのかアンドは無視して歩いていく、
>「そういえばなんでリリアーナと組んでるんだ?あいつはトラブルメーカーとして有名だぜ?
> それにアンディ自身は優勝する気はないのか?あとそうそう・・・」
だが全く衰えない口にだんだん苛立ちを覚えてきてアンドが叫ぶ。
「うるせぇぞ!!死人に口無しっつうだろうが!黙ってついてこれねぇのか!?」
>「そんなこと言うなよ。これからゲームが終わるまで俺はお前に張り付く気なんだからさ。」
「ちっ・・・ついてこさせるんじゃなかったぜ・・・」

197 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/05/31(土) 11:31:17 0
…………どこだ、ここは?
おれの目的地は食堂だった。そしておれは食堂にいるハズだった。
なのに今いるのはどこかの廊下のドン詰まり。
断っておくと方向音痴ではなく、校舎の見取りが出ない訳でもない。
なんでだ?

そこで、ふと。思い出すもの、前提条件。
ここは左右が入れ替わってる。
そうだ、そうだよ。忘れてた。イマイチ解せないこのルール。
しかもここは、さも左右対称がこの世の美の至上とも言わんばかりのシンメトリー。
これは気付かない訳だ。

それではさてさて、どうしよう。まさかまだ食堂に件の彼女は居まい。
こういうゲームにおいて不慣れな者は常に移動をして気を紛らわそうとする。
それが良いか悪いかはケースバイケースなのだけど。
そう言えば、連絡入れろとか言ってたっけな。
『おーい、ソフィアでーす。お嬢さーん今どこ?』
口調は軽く、しかし内容は短め。ホントは『どこだ?』で済ませたいくらい。
男なんてそんなもの。話してる時間も魔力も正直惜しい。

198 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/05/31(土) 14:50:40 0
500

199 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/05/31(土) 20:32:23 0
>192-193 >195
>「それも大丈夫。相手にする必要は無いから。信用……して貰えるかな?」
リリアーナはじっと相手を凝視した。
困った顔をしながら聞くケオスの態度は、演技とはとても思えない。

>「リリアーナ、これを着たほうがいいかも。」
エルザはくしゃみをしたリリアーナに、再びアンディ製の黒いコートを勧めてくれた。
「ごめんねエルザ、雪が染みてきちゃって・・・・・悪いけど使わせてもらうね?」
リリアーナは渡されたコートに袖を通した。
その間にエルザがケオスと話を進めていた。

ケオスはリリアーナ達の仲間になりたいと言い出し、エルザがその申し出に戸惑っている。
リリアーナも戸惑った表情を浮かべたままだ。一歩ひいて二人の様子を眺めている。
ケオスは特に気を悪くする様子も無く
> 「誓い、って言うわけじゃないけど僕のペンダントと集めたペンダント。
> 信用できないなら僕のペンダントをゴミ箱に捨ててくれていいよ。他のはプレゼントって事で。」
そう言うと、ケオスはリリアーナの手に自分の持っていたペンダントを全て持たせた。
「え?・・・・・・・ええっ?」
リリアーナは焦った様子で何度もケオスとペンダントを見比べる。
ケオスは相変わらずニコニコと微笑んでいた。
彼の本意がどこにあるのが分からない。
優秀なのは疑いないのだがまるでつかみ所が無い。
もしかしてケオスもエースと同じタイプなのだろうか?

>「ねえ、ケオス。あなたさっき言ったわよね?この行事を早く終わりにしたいって。だったら、話は早いわ。
> あなたのペンダントがゴミ箱に入ればいいのよ。別にこの世界に未練は無いのでしょ?」
>エルザはリリアーナの手に渡ったペンダントを鷲づかみにし、ゴミ箱の上にかざした。
>「ねえ?あなたの言った事が本当なら捨ててもいいのよね?訂正するなら今のうちよ。
> 一体何が狙いだったのかしら?正直に話したほうが利口じゃないの?ねえ、ケオス?」
リリアーナがぽこんとエルザの頭を叩いた。
「エルザ、どうしてそんな意地悪するの?
 ケオスさんは敵意がないことを示すために自分のペンダントを差し出したのよ。
 私達を信頼してくれているのに、そんな態度で報いるのは良くないわ」
そう言ってゴミ箱の上にかざされていたエルザの腕を引くと、彼女にだけ聞こえるようにそっと囁く。
「ケオスさんだけど、そんなに悪い人には見えないわ。
 ねえ、アンディだって最初は怖かったけど、何だかんだ言ってずっと優しくしてくれたでしょ?
 私は自分の事情があるから必死だけど、中にはお祭り感覚でこのイベントに参加してる人だって居るはずよ。
 何でも信じるのは良くないけど、頭から疑ってかかるのも良くないと思うの」
リリアーナはエルザの目を見ると、『ね?』と頷いた。
「ペンダントはエルザが持ってて良いけど、ケオスさんの分まで今投下しちゃったら怒るからね」

リリアーナはエルザから離れると、ケオスに向き直った。
「ケオスさん、エルザがごめんなさい。でも、私も興味があるわ。
 どうして私達に協力してくださるの?
 ケオスさんなら一人でも優勝狙えそうだし・・・このペンダントだって苦労して手に入れたのではないの?」
そういい終えたリリアーナがまたくしゃみをした。
「とりあえずここは寒いし、雪の降らないところに移動しない?」
そう言ってケオスに黒い傘を差し出すと、校舎に向かって歩き出す。

>196
校舎の方から大柄な人影が近づいてくる。
「アンディ、こっちこっち!!いろいろあってペンダント投下が遅れてごめん、怪我は無いかな?!」
リリアーナは大声こそ出さなかったが、ぴょんぴょん飛び跳ねアンディの注意を引こうとする。
「―――― あれ?そのゴーストどうしたの?もしかしてアンディのお友達?」
ステイシスが根掘り葉掘り質問している様子を親しげだと誤解したようだ。

200 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/05/31(土) 22:26:35 0
>194
「アレクシス・アガティオン・・・」
呼びかけに応えて出てきたアレクの言葉を復唱するように呟くベアトリーチェ。
知っている名前かと思い出そうとしたのだが、初対面なので当然思い当たるわけがない。
数瞬ではあるが、初対面と結論に達するとにこやかに微笑み返事を返す。
「私はベアトリーチェ。薬学科の二等学科生よ。」
宮廷作法のようにスカートの端を摘んで上げながら軽く会釈をする。

そして小さく噴出しながら言葉を続ける。
「うふふ、なにも両手を挙げなくても・・・
でもありがとう。こんな森の中で男の人が来てちょっと怖かったけど安心したわ。」
そういっている橋から感染者達はレミングの如く次々と石と化して湿原に沈んでいく。
傍から見るとかなり怖い光景なのだが、ベアトリーチェにとっては全く眼中にないらしい。

感染者の最後の一人が沈み、湿原にはアレクとベアトリーチェだけが残った。
幻想的に青く光る湿原に浮かび上がる二人の影。
その距離が徐々に縮まっていく。
「戦いに来たわけでもなさそうだし、よければ庭園でお茶でもしませんか?
そこは危険だから。」
そう誘うベアトリーチェの足元にはいつの間にか橋が出来ていた。
ヴァンエレンたちを招待した時と同様に、ミミズで出来た橋だ。

そして、その言葉が示すように、アレクの背後で不意に大きな音が鳴る。
***バキバキベキ***
湿原を囲むように林立していた巨大菌類が崩壊し、倒れてきたのだ。
破壊されたその傷口からは大量の砂が舞っている。
この現象は湿原付近だけで起きているのではない。
腐海全域で菌類が崩壊し始めているのだ。

元々地中の穢れや毒素を活性化させて形成した巨大菌類群。
雨により活発になった菌類群はベアトリーチェの計算以上のスピードで毒素を消費していった。
その先に待っているのは、毒素の枯渇。
栄養源の毒がなくなれば巨大な質量を持った菌類はその体を維持できなくなる。
見た目は変らなくとも中身はスカスカになり、やがては自重を支えきれなくなり崩壊していくのだ。
腐海の崩壊は始まり、程よく時間をかけ完全に消えうせるだろう。
そして跡に残るのは完全無菌の砂漠。

「この美しき終わりの始まりを一人で見るのも味気ないわ。」
アレクを誘いベアトリーチェは庭園へと歩いていく。

201 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/05/31(土) 23:50:18 0
>174>186>188
>カッ、という閃光。電撃は猫娘の首をひっつかんで諸共に伏せた私の頭上を通過していった。
勝てる…今度こそ本当の本当に確信したというのにまたもや邪魔が入る!
今度は変な白い翼を持った女…くそ、ここまで僕をコケにするとは…
>「こ、この勝負は預かったわ!じゃ、こいつ(猫娘)持ってくわよ?!」
しかもどうやら逃げる気でいるらしい。いや、逃げるのは構わない。
ただどうしても認められないのは勝負を預かったというところだ!

「ふざけるな!僕の勝ちだ!勝負は預からないからな!
 僕の勝ちで決定だ!…っておい聞いているのか!?」
僕の言葉に耳も貸さずに翼の女はクリスと戦っている犬娘のところに行き
言葉をかわしたあとラルヴァとヴァンが落ちていった穴に移動し白鴉の姿になり飛び降りる。
そういえばヴァンはどうなっているんだろうか?なにやらさっきから少し様子をおかしかった。
少々心配になり僕も穴に向かって動こうとするが身体が言うことを聞かない。
攻撃をもらいすぎたみたいだ…痛みで動けないでいるとクリスがこっちに来て回復魔法をかける。
>「ったく、無理して追いかけてもやられるだけだぞ。
>少しじっとしていろ。」
「僕はエリートだぞ。あ、あの程度の攻撃なんて余裕のよっちゃんだ!
 …だがまあせっかくの好意だ。受け取らないわけにもいかないな!
 そして一応礼を言っておこう…ありがとう。」

不完全とはいえこの僕があんな猫娘にボコボコにされたなど
認めるわけにもいかないので体裁を取り繕いながら僕はクリスに礼を言う。
>「執念があるのはいいんだが、俺らの目的はペンダントを回収しに行くことじゃなかったのか?
>ここで無茶をしてやられたら回収しに行くのにもっと手間が掛かるじゃないか。」
「フン…僕がやられるわけないだろう。なにせ僕はエリートだぞ!
 それに…もし僕が無茶をしてもお前がいるじゃないか。もちろん今後も僕を助けてくれるんだろう?」
僕はそうクリスに笑いかける。そしてしばらくして完全に痣が消え痛みが引く。
>「さて、回復も終わったことだしヴァンエレンを迎えに行こうか。」
「そうだな。どうやら落ちる前は槍に貫かれていたようだし心配だ…」
クリスに同意し僕は穴へと飛び込む。

飛び込んだ先に待っていたのは血で染まった床と倒れ込んでいるヴァンエレンだった。
「……ヴァン!?」
凄惨なヴァンの姿にショックを受けながら僕は駆け寄りヴァンの上半身を起こす。
「お、おい大丈夫かヴァン?しっかりしろ…!!」
見てみると片手はなく胸にはぽっかりと大きい穴が空いている。
また虫の息のためか意識もかなり朦朧としているようだ…このままではあまり長くないように見える。
「おいクリス。頼む!さっき僕につかった回復魔法をかけてやってくれないか?」



202 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage] 投稿日:2008/06/01(日) 01:06:27 O
>195>199
>「…無理よ。リリアーナはともかく、私はあなたの事なんて何も知らないわ。」
それもそうだ。ケオス自身、リリアーナと直接言葉を交わすのは初めてだろう。
「これから知っていく、じゃだめかな?これで印象はちょっと悪いけどファーストコンタクトは取れたし。」
相変わらずのニコニコフェイス。この顔で初対面の人にのうのうとこんな事をいうのだ、手の早い人ならそろそろ殴りかかられてもおかしくないだろう。
>「仲間ですって?仲間って言うのは、そんなに軽いノリでなるものなの?」
これも正論である。見ず知らずの人が仲間になりたいと言って、はい、良いですよ、と言う人はそうは居ないだろう。
「善意の協力者、じゃだめかな?または目的達成のための共同戦線とか。」
この状況下でここまで言うともはや、大嘘か大まじのどちらかだろう。
もちろんケオスからすれば後者、大まじ以外ありえないのだが。
ケオスの思いは果たしてエルザに通じるのだろうか?
>「ねえ、ケオス。あなたさっき言ったわよね?この行事を早く終わりにしたいって。だったら、話は早いわ。
>あなたのペンダントがゴミ箱に入ればいいのよ。別にこの世界に未練は無いのでしょ?」
>エルザはリリアーナの手に渡ったペンダントを鷲づかみにし、ゴミ箱の上にかざした。
>「ねえ?あなたの言った事が本当なら捨ててもいいのよね?訂正するなら今のうちよ。
>一体何が狙いだったのかしら?正直に話したほうが利口じゃないの?ねえ、ケオス?」
エルザはケオスをおどした!
しかし、ケオスにはこうかがないようだ……
ケオスはエルザにむけてむりょうスマイルをうかべている!
「言葉以上の意味は無いよ。捨ててくれてももちろん構わない。
理由としては――」
>「エルザ、どうしてそんな意地悪するの?
>ケオスさんは敵意がないことを示すために自分のペンダントを差し出したのよ。
>私達を信頼してくれているのに、そんな態度で報いるのは良くないわ」
ケオスの言葉はリリアーナのエルザへの攻撃によって遮られた。


203 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage] 投稿日:2008/06/01(日) 01:07:47 O
>「エルザ、どうしてそんな意地悪するの?
>ケオスさんは敵意がないことを示すために自分のペンダントを差し出したのよ。
>私達を信頼してくれているのに、そんな態度で報いるのは良くないわ」
一見すると年上そうなエルザがリリアーナに叱られている
「アハハ、ハハハ!」
その光景が余程面白かったのだろう。声に出して笑ってしまうケオス
笑っていたためリリアーナがエルザに対して何か言っているのに気がつかなかった。
>「ケオスさん、エルザがごめんなさい。でも、私も興味があるわ。
>どうして私達に協力してくださるの?
>ケオスさんなら一人でも優勝狙えそうだし・・・このペンダントだって苦労して手に入れたのではないの?」
「別に苦労した訳じゃないよ。理由についてもちゃんと話すよ、仲間に入れてくれって言ったのはこっちだし、ね」
何処から話そうかと迷っているとリリアーナがくしゃみをする。それにより思考が一時中断。
>「とりあえずここは寒いし、雪の降らないところに移動しない?」
「そうだね、取りあえず落ち着ける場所まで行こうか。」
リリアーナから手渡された傘を差し、後に続いて歩き出す。

204 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/06/01(日) 11:55:07 P
>190
>「やめろ!よせっ!フリージ…ああああああっ!!」

「お〜ほっほっほ!よせといわれてよすバカはいませんわ!!」
とフリージアはますますぎゅっと力を込める

そんな事を言っているフリージア自身は筆記テストとか苦手なお馬鹿さんである
まあ実技が成績良いので落第はしないだろうが・・・・・

蒸気の熱によりどんどん溶けていくフリージングドールの胸
腕の部分は洋服のモールドが完全になくなった頃
胸の部分はそろそろBカップぐらいに縮んだ頃だろうか?
>「はぁ………」
別に気絶したというわけでもないのに急におとなしくなるロック
「ええと・・・・とりあえず私の勝ちということで良くって?」
なんだかわからないがどうやらロックは戦う意志をなくしたようだ

「お〜ほっほっほ!私の勝利ですわ!!」
まさかロックがちょうど良い感じで女の子に抱きしめられた為に
戦意をなくしただなんて思いもしないフリージア
ロックを右手で抱きしめたまま高笑いをするのであった






端から見ていると男性を大女が抱きしめて高笑いをしているという
アレな光景である

誰か目撃者がいなければいいのだが・・・・

ペンダント自前1 所持2 投下1 魔力回復薬(青汁風味)

205 名前:ソフィア ◆pHU1f8AEFE [sage] 投稿日:2008/06/01(日) 13:58:26 0
反応、ナシ。と。まぁ、当たり前か。
念話にはいくつも種類があって、おれが使ったのは一方送信型。通称ワンウェイ。
主に多数の者に命令を伝達するのに使う用法。主に狩猟や軍隊で使われる手法。
当然ながら特殊な受信方を使わなきゃいけない……やっぱ、素人さんは知らないか。
じゃあじゃあ一体どうしよう?念話の方法を他には知らないしなぁ……
人気のあるところにひたすら突撃?それとも信号弾?
どっちにしろリスキー過ぎる。危なすぎる。
「はぁ」
漏れるのは溜息。辛気臭いことだ。
面倒くさいというのもある。自分にも他人にもほんの少しイライラはしている。
でも一番大きいのは疲労感、徒労感。そして自分への嘲り。
腕壊して脚壊して結果がこれか。面白くも、楽しくもないじゃないか。

暴れてうさを晴らすほどの元気もなければ、割り切れるだけの要領もない。
ただただ疲れだけがおれに押し寄せる。
面倒だ。帰って寝たい。けど、彼女には恩がある。私には沽券がある。ならどうすべきだ?
考えろ、考えろ、何でもいい何かないのか?
当てもなければ、ターゲットの行動パターンだって知らない。お手上げだ。
歩いてればそのうちに会えるだろう。
そう楽観して、ブラブラ歩くことにする。
ベアトリーチェ君のもとへ戻るのも考えたが流石に何度も大怪我はしたくないしね。
それにそうしたら、えらく間抜けに見えるだろうし。

まったく、余計なところでプライドというのは発露するものだ。

206 名前:アレク ◆/OD//Ij0Fc [sage 自前1] 投稿日:2008/06/01(日) 15:22:33 0
>200
ベアトリーチェが軽く笑い声を立てたのを見ると、上げた両手を交互に見遣った。
我ながら些かオーバーリアクションであった、と反省したのだろう。
やや自嘲的な色を帯びた苦笑を顔に浮かべ、ゆっくりと両手を下ろした。


「お茶か、そいつは魅力的な提案だ。喜んで同道させてもらう事にしよう。
 しかし、危険というのはどういう……」

口にしかけた言葉を中断させたのは、背後で生じた轟音だった。
驚いて振り返ると、巨大菌類が倒壊する光景が認められる。
一見すると頑丈そうに見えたが、中身はそうでもなかったらしい。

「……おーけー、危険の意味は理解した」

他の生徒に倒されるのならまだしも、事故に巻き込まれてリスタート、というのはいかにも情けない。
そういった未来図は彼の望むところではなかったから、足早にベアトリーチェの後を追った。

彼女の足元に橋が出来ている事は判ったが、それがミミズで構成されていると気付くには少々の時間を要した。
そうと判ると、アレクは急に不安を表情に表した。

「重量オーバーで湿原に転落、なんて事にはならないで欲しいものだけど……」

ぼそぼそと独語して、ミミズの橋というものの強度に対する不安を口にしていた。
恐る恐るといった様子で、橋を渡ろうとしている。


「終わりの始まり、か」

臆病な慎重さと戦いながら、ベアトリーチェの言葉を口の中で繰り返した。
なるほど、形あるものはいずれ滅びる、とはよく言ったものだと思う。
或いは、万物は流転する、とか(この言葉の正しい使い方かどうかは判らないが)。
そこで彼の中で浮上した疑問は、何という事のないただの思い付きだった。

「一つの終幕を見届けたとして、その後はどうするんだい。
 ペンダント争奪ゲームはまだ終わっていないようだけど。
 もっとも、個人的には本来の目的たる『生徒・教師の交流・レクリエーション』に重きを置きたい気持ちがないわけじゃない」

207 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage 自前1 投下3] 投稿日:2008/06/01(日) 18:39:55 0
>187
>「いくら・・・精神世界とは言え、無責任すぎるとは思わない・・・みたいだね。」
怒りを含むラルヴァの言葉にヴァンエレンは反論することはなくそのかわりにニタリと口を歪めて返した。
もし問題があるのなら教頭や校長が自ら出張ってくると思うが、いまだに二人が訪れてこないため暗黙の了解は得られたということだ。
ヴァンがやったことは決して間違ったことではない、人間としてはともかくとして少なくとも魔に生きる者としては…。
ゆえに吸血鬼はラルヴァに負けたといえど高らかに笑ったのだ。
『その者、いかに猛威を振るい数多死すとも所詮は人間でしかない。
 最終的に勝つのは我ら地下に棲む魔物たちよ』

>201
穴から飛び降りてきたマオとクリスの両者はヴァンの損傷の様子を見て驚いたようだ。
確かに腹は槍に貫かれて片手が喪失していれば人間ならば死んでいるだろう。
>「おいクリス。頼む!さっき僕につかった回復魔法をかけてやってくれないか?」
「断腸の思いだ…」
どうやらまだ大丈夫のようだ…。
「回復魔法を使うよりもこのまま殺してくれたほうが復活も早くて楽そうだ」
死んでから近くのゴミ箱から復活するのならば、体力と魔力が半分になってしまうが手や穴もすべて完治した状態で復活できる。
確かにそのほうがクリスの手を煩わせることなく復活できるだろうが、マオやクリスが果たしてそれを許すかどうか…。
>『随分気前よく負けてやったものだなぁ』
突如耳のすぐ側から聞こえた震えるような地獄からの声。
マオやクリスには聞こえていないようなのでおそらくヴァンだけを対象とした念話だろう。
>『不思議そうな顔をしているな…。
>あのまま戦っていたら、確かに普通なら負けて当然だが。
>…なぜ狂うのを止めた?
>まあよい…この件はいずれ決着をつけよう』
そこで死王からの一方的な念話はパタりと終わりを告げた。

「あー、そうだ。
 もうひとつ効果的な回復の手段があったな。
 マオとクリスどちらでもいいのだが、血をくれないか?」
吸血鬼の生命維持における一番重要な吸血行動という案が最後に出てくるとは、ご先祖さまが見たらさぞや呆れさせてしまうことだろう。

208 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1投下74] 投稿日:2008/06/01(日) 19:00:52 0
>199>203
「あうっ」
> リリアーナがぽこんとエルザの頭を叩いた。
> 「エルザ、どうしてそんな意地悪するの?
>  ケオスさんは敵意がないことを示すために自分のペンダントを差し出したのよ。
>  私達を信頼してくれているのに、そんな態度で報いるのは良くないわ」
「だって、リリアーナ…」
> 「ケオスさんだけど、そんなに悪い人には見えないわ。
>  ねえ、アンディだって最初は怖かったけど、何だかんだ言ってずっと優しくしてくれたでしょ?
>  私は自分の事情があるから必死だけど、中にはお祭り感覚でこのイベントに参加してる人だって居るはずよ。
>  何でも信じるのは良くないけど、頭から疑ってかかるのも良くないと思うの」
「うう…」
> 「ペンダントはエルザが持ってて良いけど、ケオスさんの分まで今投下しちゃったら怒るからね」
エルザはしぶしぶ了承した。まるで本当に母親がわがままな娘をなだめているようだ。
エルザはケオスのペンダントだけを残し、5つのペンダントをゴミ箱に投下した。
ケオスにペンダントを提供してもらったのだから、エルザもケオスにそれなりに報いる必要があるだろう。
>「とりあえずここは寒いし、雪の降らないところに移動しない?」
> 「そうだね、取りあえず落ち着ける場所まで行こうか。」

「私は、エルザ。エルザ・フォン・ブラハントよ。よろしく。」
3人で校舎に向かって歩いている時、エルザはケオスに自己紹介をした。
エルザはリリアーナにまで聞こえないように気をつけながら、ケオスに囁いた。
「言っておくけど、まだあなたの事を完全に信用しているわけじゃないわ。
 口は悪いけど、私はまだアンディの方が…」
> 「アンディ、こっちこっち!!いろいろあってペンダント投下が遅れてごめん、怪我は無いかな?!」
リリアーナがそう言ったので、エルザは慌てて言葉を切った。
もしもあのまま『アンディの方が信用できるわ。』などと言ったら、
アンディ本人に何といってからかわれるか、知れたものではない。
「あら、アンディ元気そうね。なんならもう少し、ペンダントを捨てるのを待ったほうが楽しめたかしら?」
エルザは、できるだけ自分がアンディを嫌っているように聞こえるよう気をつけながらそう言った。
> 「―――― あれ?そのゴーストどうしたの?もしかしてアンディのお友達?」
エルザもまた、アンディに憑いている(ゴーストにふさわしい表現だろう)ステイシスに気づき、首をひねった。
「あれ?あなたどこかで会ったかしら?」
もしも、ステイシスが何か一言でも話せば、エルザはすぐに自分達を襲った生徒のリーダーだと気づくだろう。

209 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/06/01(日) 19:13:16 0
>204
> 「お〜ほっほっほ!私の勝利ですわ!!」
フリージアに抱きしめられたままのロックは、いつの間にか猫耳が引っ込み、
普通の(でもやっぱりアンポンタンな)ロックに戻っていた。
「う〜ん、まいった。俺の負けなのだ。」
ロックは負けを認めた。
「俺の敗因は――いや、フリージアの勝因かな?
 たった一つ、たった一つのシンプルな答えなのだ。
 お前は俺をときめかせた。」
ロックは体をもぞもぞと動かした。
「とりあえず、フリージア。いったん俺を降ろして欲しいのだ。」


フリージアから開放されたロックは、自分の首からペンダントを外した。
勝者であるフリージアに、自分のペンダントを渡すためだ。
「お前はやっぱりすごいよ!今度はもっとおもしろい勝負をしような!
 その時まで、俺はもっともっと強くなって、待っているからな!」
ロックはフリージアに改めて近づき、頼んだ。
「…とりあえず、フリージア。脱いで欲しいんだけど、駄目かな?」
フリージアにどう聞こえたかはともかく、ロックが脱いでほしいと言ったのは、フリージングドールスーツだ。
ロックは自分のペンダントを、できればフリージア本人の首に直接かけたいと思っているのだ。

210 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/06/01(日) 20:50:23 0
>196 >208

>「言っておくけど、まだあなたの事を完全に信用しているわけじゃないわ。
>口は悪いけど、私はまだアンディの方が…」
>「アンディ、こっちこっち!!いろいろあってペンダント投下が遅れてごめん、怪我は無いかな?!」
中庭に向かおうとアンドが歩いていると元気そうにアンドのことを呼びながら跳ねるリリアーナ達が見えてくる。
相変わらず元気そうだがいつもと一つ違ったのは知らない人物が1人いるということだ。
「俺のことより見知らぬ誰かさんなんか連れてどうしたんだ。
 なんか問題があったんじゃねえだろうな。少なくともエルザお嬢さんは信用してねぇみたいだぜ?」
そういい知らない男に殺気がこもった鋭い目を向ける・・・最も本気でどうにかしようなどと考えてなどいない。
一緒に行動しているという時点で『今』は敵対する気はないと分かっているからだ。

>「あら、アンディ元気そうね。なんならもう少し、ペンダントを捨てるのを待ったほうが楽しめたかしら?」
危機を脱し再開したというのにエルザの相変わらずの態度・・・
だがこういう言葉がもはやが当たり前になっているのかアンドは特に気を悪くする様子もなく、
むしろこういう言葉を待っていたようにエルザを見てニヤっと笑い軽口を叩く。
「おいおい冗談でもやめてくれ。余裕すぎてさっきのでも暇で暇でしょうがなかったんだぜ?
 あれ以上遅かったらすることなくて眠っちまっているところだ。」

>「―――― あれ?そのゴーストどうしたの?もしかしてアンディのお友達?」
話している(一方的な質問をくらっている)様子から仲が良いとでもとられたのだろうか?
「俺に友達なんて高尚なもんいると思うのかよ?てかお前さっき闇の中で
 目が利いていたんだったら気付かねぇか普通・・・」
見えていたにしてはかなり鈍いリリアーナに呆れるアンド。そんなときエルザが首をひねり聞く。
>「あれ?あなたどこかで会ったかしら?」
>「俺はステイシス。君達にやられた人たちのリーダー的存在だったって言えば分かるかな。」
エルザに自己紹介するステイシスを見てうんざりするアンド。
どうやら本気で嫌なのかエルザとリリアーナに言う。
「おい、ゴーストってどうにかして除去できねえのか?さっきからこいつうざったくて仕方ねえんだ。」



211 名前:クリス ◆zuDFbGiSHI [sage] 投稿日:2008/06/01(日) 20:55:52 0
吸血鬼の所に行くためマオと共に穴へと飛び込む。

飛び降りた先では血で染まった床に倒れこんでいる吸血鬼を見つけた。
奥の方に金、銀、白の影が見えたがあまり気にしないことにしよう。
>「……ヴァン!?」
>「お、おい大丈夫かヴァン?しっかりしろ…!!」
マオが驚くのも無理は無い。
右腕が無くなり、腹に穴が開いているのだ。
人間であったらすでに死んでいてもおかしくないだろう。
>「おいクリス。頼む!さっき僕につかった回復魔法をかけてやってくれないか?」
マオの問いに答えることはできない。
俺の回復魔法は自然治癒力の活性化
打撲や軽い切り傷などは治すことができても無くなった腕は治すことができない。
>「断腸の思いだ…」
せめて止血を、と思っていたら吸血鬼が口を開いた。
まだ話ができるあたり生命力の高さが伺われる。
>「回復魔法を使うよりもこのまま殺してくれたほうが復活も早くて楽そうだ」
「…」
マオがいろいろ吸血鬼に言っているが、否定することができない。
だが再度マオに回復するように言われたので、これ以上血が流れないよう傷口を活性化させ傷を塞ぐことにした。

右腕の傷口を塞ぎ終える頃、忘れていたかのように吸血鬼が話し始めた。
>「あー、そうだ。
 もうひとつ効果的な回復の手段があったな。
 マオとクリスどちらでもいいのだが、血をくれないか?」
「…なぜ先に言わないんだ。」
吸血鬼の言葉に少し呆れる。
もう少し早く言ってくれれば残り少ない魔力を使わずに済んだというのに!!
呆れている間にマオが率先して血をあげていた。
…これで治りきらずにマオも貧血になったらどうすんだよ。

212 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/06/02(月) 16:35:14 0
>202-203 >208
>「俺のことより見知らぬ誰かさんなんか連れてどうしたんだ。
> なんか問題があったんじゃねえだろうな。少なくともエルザお嬢さんは信用してねぇみたいだぜ?」
アンディは開口一番ケオスについて質問してきた。

「あ〜。その・・・・・問題はあったような無かったような・・・・・・ははは」^
今ペンダントをエルザに託したと告げたら、メラルの事も話さなければならない。
「中庭でたった今ペンダントを奪われました」なんて言ったら怒られるに決まってる。
「それは後でエ話すとして、アンディ、こちらケオスさん。成績優秀だからアンディも名前くらいは知ってるかな?
 ケオスさん、アンディは二十歳過ぎに見えるかもしれないけど、れっきとした学園の生徒だよ〜」
リリアーナは二人を紹介することで、話をそらせようとした。
「でね、ケオスさんとはさっきゴミ箱でばったり会ったの。ペンダント集めを手伝ってくれるんだって〜。
 さっき自分が手に入れたペンダントを、自分の分まで私達にくれたのよ。太っ腹よね〜」
そんな事を話しながら、リリアーナはアンディを自分の傘に無理やり入れた。

>「俺に友達なんて高尚なもんいると思うのかよ?てかお前さっき闇の中で
> 目が利いていたんだったら気付かねぇか普通・・・」
「え〜っ?私達は〜?」
リリアーナは唇を尖らせた。
だがどうも不満そうな理由は、闇の中で目が利かないといわれた件では無さそうだ。

リリアーナの質問はエルザの言葉に遮られた。
>「あれ?あなたどこかで会ったかしら?」
>「俺はステイシス。君達にやられた人たちのリーダー的存在だったって言えば分かるかな。」
リリアーナは一瞬申し訳なさそうな顔をしたが、謝るのは失礼だと気づきただ頷くにとどめた。
「そうだったの。よろしくね、ステイシス」
そう挨拶したものの、リリアーナは不思議そうにアンディとステイシスを見ていた。
どうして倒された相手がアンディと仲良くなったのか不思議だったのだが――――。
「あ、そっか」
リリアーナはぽんと手を叩いた。
「男の子っていいバトルをした相手とは仲良くなれるんだっけ。アンディったら照れてるのね」
アンディにとって不幸だったのは、リリアーナの「男の子の基準」が某男子生徒だった事だろう。

>「おい、ゴーストってどうにかして除去できねえのか?さっきからこいつうざったくて仕方ねえんだ。」
「ゴーストになった参加者は、戦闘が出来ないかわりに干渉もできないのよ」
それはつまり、ステイシスが自分の意志でアンディから離れない限り除去は不可能という意味だ。
「干渉できない代わりに戦いの影響も受けないわ。
 ゴースト化ルールの真の意味は、間近で上級者達の戦いを観戦するためのものだからね。
 まあ今はこうして話が出来るけど、戦闘中は姿も見えないし声も聞こえないわ。
 つまりアンディのお友達が、戦闘に巻き込まれてまた傷つくって事は無いわ。だから、安心してねっ♪」
リリアーナはアンディの背後にいるクレイシスに話し掛けた。
「リバースで手に入れたいものとかある?ゴーストじゃ無理だけど、私達なら持ち帰ることが出来るわ。
 言ってくれたら出来るだけ協力するからね〜」

中庭から校舎にたどり着いたリリアーナは、身体と傘の雪を払った。
「ロックとフリージアのバトルがどうなったかも気になるし、ちょっと急ごうか。
 エルザにケオスさん、暗いから足元に気をつけ――――きゃっ?!」
リリアーナは盛大にすっ転んだ。濡れた床が滑ったようだ。
「あはははは。・・・・あ、あれっ?そういえばゾンビとかアンデットの残骸が綺麗に消えてるね。
 私達と違って、倒されて一定時間過ぎると現実世界に戻されちゃうのかもね。あはははは」
リリアーナはずれたメガネを直しつつ、もっともらしいことを言った。
「そうだケオスさん、さっきのお話、移動しながら聞かせてもらっても良いかな〜?」
さっきの話とは、ケオスが協力してくれる理由と、ペンダントを手に入れるのに苦労しなかった話のことだ。

リリアーナは傍らのエルザにだけ聞こえるよう声を潜めた。
「エルザ、彼が敵じゃないってわかればいいんだよね?」


213 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【事前0所持0投下3】] 投稿日:2008/06/02(月) 17:50:13 O
>135 >204
体が重い。やたらと重い。
誰かが上に乗っかって、あたしを押しつぶそうとしているんだろうか。
不思議に思いながら目を開けて。
最初に見えたのは、見覚えのある修道服姿の少女の顔。
自称『永遠の15歳』の、あたしが育った孤児院の院長先生の顔。
>「これ、ミルクちゃんのために私が造った御守りなの。
>『本当に困ったら助けてあげて』って神様にしっかりお願いしてあるから、大事にしてね?
>あの人の造った学園だから、変なことは起きないけど、用心用心。ね?」
差し出すその手の中には、魔法学園に来るときにもらったのと同じ聖印が光っている。
ああ、そっか。あたしは昔の夢を見ているんだ。
魔法学園に来る前。まだ孤児院にいた時の夢を。

あいかわらずあたしの上に馬乗りになったまま、院長先生は言葉を続ける。
>「ミルクちゃんが破壊活動の言い訳するのも、もう八回目になるんだよねぇ」
今度は、あたしが修道服の呪いをかけられた時の台詞。
さすがに夢だけあって、状況が怪しい上に言葉も全然つながってない。
変なところに感心しているあたしの上、院長の後ろに、複数の光弾が浮かび始めた。
え?こんな展開は記憶にな……
>「少し、頭冷やそうか……」
それこそ虫けらでも見るような冷たい視線で、院長があたしに死の宣告を告げる。
す、少しって、殺す気満々じゃないですかー!!
逃げようにも叫ぼうにも、金縛りにあったのか指一本動かせないし!
目を閉じることもできないままに、無情にも無数の光弾が襲いかかってくる。


「うわああぁぁぁっっ!?」
もの凄い爆発音に耳を叩かれて、あたしは文字通り飛び起きた。
とっさにメギドラを自分の周りに範囲設定したけど、ちょっと落ち着いてみれば、周りに誰もいないのはすぐに分かる。
みんなリリアーナの護衛に出かけちゃったんだろう。
ここは、フリージアの造った雪の城の中で、あたしの育った孤児院じゃないのだ。
「なんだ…やっぱり夢だったのか…死ぬかと思った…」

氷の上に寝てたのにあんまり寒くなかったなと思ったら、よく見るとあたしの体に毛布がかけられている。
これ、リリアーナが持ってた毛布だよな。
「わざわざ体の下にまで毛布を巻き込んでくれるなんて、ほんとリリアーナって気がきくよね。
いい嫁を持ったロックがうらやましいわ…って、ん?」
暖かい塊が毛布の中でもごもご動いている。
引っ張り出してみると、それは一匹の黒猫だった。名前は確かルズだったはず。
「残って暖めてくれてたんだね。ありがとうルズ。
おかげで風邪引かずにすみそうだよ」
お礼代わりに、ルズの頭をなでなでしてみたら、なかなか良いさわり心地だった。

>「お〜ほっほっほ!私の勝利ですわ!!」
「うわ!なにこの声!?」
外から吹雪にも負けない高笑いが聞こえてきて、ぎょっとする。
慌ててルズを抱えたまま窓の外を見れば、大フリージアがロックを抱きしめて、勝利の高笑いをしている所だった。
雪の降りしきる中抱き合う、同年代の男女二人。
普通なら心温まる光景のはずなのに、なぜかそんな感情はちっともわいてこないぞ。
「ま、まぁともかくロック対フリージアは、順当にフリージアの勝ちっと。
戦う前からこうなるような気はしてたけどね」
それにしても、2人はどれくらいの時間戦ってたんだろうか。
悪夢のせいか疲れすぎてたからか、時間感覚がかなり狂っている。
「そうだ。ちょっとルズに聞きたいんだけど、あたしってどれくらい寝てたかな?
何も妨害がなければ、ゴミ箱に向かったリリアーナ達が、そろそろ戻ってきそうな気もするけど…」

214 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/06/02(月) 18:59:58 0
>210>212
>「俺はステイシス。君達にやられた人たちのリーダー的存在だったって言えば分かるかな。」
> 「そうだったの。よろしくね、ステイシス」
そう聞いた後、エルザは納得した顔をした。納得した後、エルザは笑った。
「いい気味だわ、ステイシス。…悪く思わないでよ。場合によっては、私達がゴーストになってたんだから。」

> 「あ、そっか」
> リリアーナはぽんと手を叩いた。
> 「男の子っていいバトルをした相手とは仲良くなれるんだっけ。アンディったら照れてるのね」
「ふ〜ん、そうだったの。よかったわね、アンディ。あなた達、お似合いよ?」
アンディにとって不幸だったのは、エルザもまた「男の子の基準」が某男子生徒だった事だ。
> 「おい、ゴーストってどうにかして除去できねえのか?さっきからこいつうざったくて仕方ねえんだ。」
> 「ゴーストになった参加者は、戦闘が出来ないかわりに干渉もできないのよ」
「そうね、残念だけど、あなたがステイシスに振られるしかなさそうね。」
エルザはおかしそうにくすくす笑った。
> 「干渉できない代わりに戦いの影響も受けないわ。
>  ゴースト化ルールの真の意味は、間近で上級者達の戦いを観戦するためのものだからね。
>  まあ今はこうして話が出来るけど、戦闘中は姿も見えないし声も聞こえないわ。
>  つまりアンディのお友達が、戦闘に巻き込まれてまた傷つくって事は無いわ。だから、安心してねっ♪」
「あら、それはかわいそうだわ!ステイシス君は戦っている勇ましいアンディを応援したいはずよ!あははっ♪」
エルザはたまらず吹き出した。


> 「そうだケオスさん、さっきのお話、移動しながら聞かせてもらっても良いかな〜?」
> さっきの話とは、ケオスが協力してくれる理由と、ペンダントを手に入れるのに苦労しなかった話のことだ。
> リリアーナは傍らのエルザにだけ聞こえるよう声を潜めた。
> 「エルザ、彼が敵じゃないってわかればいいんだよね?」
「う〜ん、まあね。」
エルザもひそひそとリリアーナに話した。
「何を考えているのかわからないままだと、気持ちが悪くてしょうがないわ。」
エルザはリリアーナを抱き寄せ、わざと流し目でケオスを見た。
「なんだったら、私達二人があんまり可愛かったから…なんて理由でもいいのよ?」

215 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1投下74] 投稿日:2008/06/02(月) 19:01:06 0
>214
名前欄訂正
ロックなのだ!→エルザ

216 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage] 投稿日:2008/06/02(月) 23:19:44 O
>208>210>212>214
取りあえず校舎に向かっているようだ。二人に続いて歩いていると
>「私は、エルザ。エルザ・フォン・ブラハントよ。よろしく。」
>3人で校舎に向かって歩いている時、エルザはケオスに自己紹介をした。
「よろしく。僕はケオス。ケオス・キョンサン。呼び方はエルザで大丈夫かな?」
大した進歩。自己紹介をしてもらえた。ホッとしたのも束の間
>エルザはリリアーナにまで聞こえないように気をつけながら、ケオスに囁いた。
「言っておくけど、まだあなたの事を完全に信用しているわけじゃないわ。
 口は悪いけど、私はまだアンディの方が…」
当然だがまだ信用までは至っていないようだ。不意に言葉が切れふと前を見ると、随分と年上そうな男が歩いてきた。
どうやらあの人がエルザの言うアンディなのだろう
>「俺のことより見知らぬ誰かさんなんか連れてどうしたんだ。
>なんか問題があったんじゃねえだろうな。少なくともエルザお嬢さんは信用してねぇみたいだぜ?」
>そういい知らない男に殺気がこもった鋭い目を向ける・・・最も本気でどうにかしようなどと考えてなどいない。
「…………フフ。」
殺意が籠ったアンディの視線をエルザの時と同じように受け流す。
いや、今回は少々違うようだ。ニコニコフェイスなのは変わらないのだが
「大丈夫。何をする気もないよ。」
「それくらいの殺気じゃ、ダメだよ。」
口には出さないが敵意の無い事と忠告の相反する意思が交ざった視線をアンディに向けている。非常に考えが読み辛いと言う印象を与えただろう。
>「それは後でエ話すとして、アンディ、こちらケオスさん。成績優秀だからアンディも名前くらいは知ってるかな?
>ケオスさん、アンディは二十歳過ぎに見えるかもしれないけど、れっきとした学園の生徒だよ〜」
そんな視線もリリアーナの言葉によって途切れた。
「こんばんは、ケオス・キョンサンです。アンディ、でいいのかな?よろしく。」
そういうケオスの眼には先ほど視線など微塵も無く、いつもの無料スマイルを向けていた。

217 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/06/02(月) 23:23:27 0
>207>211
>「断腸の思いだ…」
「ヴァン!?大丈夫か?」
喋れるということはどうやらまだ意識がないわけじゃないみたいだ。
「よし、待っていろヴァン。なんとかしてやるからな。」
僕はそういって励ましたがヴァンは痛みで苦しそうにしながら喋る。
>「回復魔法を使うよりもこのまま殺してくれたほうが復活も早くて楽そうだ」
確かにそうだ…ここはリバースなんだ。
別にいくら死んだってデメリットは初期体力と魔力が半分になるというぐらいしかない。
「で、でもじゃあ僕達がお前に止めを刺すっていうのか!?僕は…それは嫌だ。」

>これ以上血が流れないよう傷口を活性化させ傷を塞ぐことにした。
僕達を黙ってみていたクリスが傷口を塞ごうとさっきの魔法を使いはじめる。
きっと僕に言われたのでやむなく…だろう。クリスは実際乗り気じゃない。
僕もヴァンにはここで死んでもらって違う地点で合流したほうがいいということは分かっている。
でも僕には楽にさせてやることなんてできないし。
見殺しにするのでも強い生命力のせいで長く苦しみ続けるだろう…
「僕の勝手に付き合わせてごめんクリス……」
僕はクリスにあやまることぐらいしかできなかった。
そして右腕の傷口を塞ぎ終える頃…ヴァンがふと思い出したのか話し始める。

>「あー、そうだ。
>もうひとつ効果的な回復の手段があったな。
>マオとクリスどちらでもいいのだが、血をくれないか?」
な、なんだってぇー!!(AA略)いや、よく考えてみろ。
確かに映画とかの吸血鬼だって血を飲めばたちどころに回復するじゃないか!
「よし、そうと分かったら僕に任せておけ。」
映画とかでよくみる吸血シーンを思い出しながら僕は座り込み腕をヴァンの前に差し出す。
ヴァンの犬歯がゆっくりと腕に突き刺さり腕から血が流れていくのが分かる……
ちょっと痛いが我慢だ……
「…どうだヴァン?治りそうか?」
僕はそうヴァンに問いかけるが早くも胸の辺りの血が止まってきている。
どうやら効果があるということは確からしい。

しばらく立つと穴が空いていた胸は驚くほど良くなり
傷が塞がってきているのが分かる。まあ…それはいいことなんだが…
血を与え続けたためかなんだか視界がちょっとちらついてくる。
要するに貧血だ…これ以上吸われるとちょっとまずいかもしれない。
「……ヴァンもうそろそろいいか?流石に辛くなってきているんだが…」

218 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage 続き 自前0 所持0 投下0] 投稿日:2008/06/02(月) 23:23:49 O
>中庭から校舎にたどり着いたリリアーナは、身体と傘の雪を払った。
>「ロックとフリージアのバトルがどうなったかも気になるし、ちょっと急ごうか。
>エルザにケオスさん、暗いから足元に気をつけ――――きゃっ?!」
「大丈夫。僕より君こそ――」
>リリアーナは盛大にすっ転んだ。
「ハハ…どうやら、忠告が遅かったみたいだね。」
眉を八の字にして苦笑する。
照れ隠しなのだろうか
「そうだケオスさん、さっきのお話、移動しながら聞かせてもらっても良いかな〜?」
リリアーナは言い出す。丁度話す事のまとめも終わったのでゆっくりと喋りだす。
「うん、そうだね。じゃ、ペンダントについてだけど…
本当に苦労して手に入れた訳じゃないんだ。君達と会うちょっと前かな?五人くらいに囲まれて、逃げるついでにちょっと拝借したんだ。追いかけ回されるよりはペンダントを捨ててゴーストになって貰った方が楽だし。
ちょろまかしただけだから別に苦労した訳じゃ無いって事だよ。
ただ、ペンダントを棄てた時の得点は優勝を狙わない僕に取っては無駄だしもったいないしね。
君達なら必要としてるだろうと思ってプレゼントしたんだ。」
事もなさげに言うが結構ギリギリの事をしているのだ。
「次は協力する理由だったね。」
そこまで言うとエルザは
>「なんだったら、私達二人があんまり可愛かったから…なんて理由でもいいのよ?」
「ハハ、それは有りかも知れないな。うん、じゃあそれでいこうかな。」
冗談か本気か全く分からない微笑を浮かべる。
「ごめん、冗談だよ。ちゃんと言うと、君が優勝しないと困る事になるって言ったから。
早く終わりにしては欲しいけど適当な人が優勝して君が困る事態になるのは、ちょっと目覚めが悪くなりそうだからね。」
掛け値無しの本音だがリリアーナとエルザ、アンディは納得するのだろうか?

219 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage 【所持0】] 投稿日:2008/06/03(火) 13:03:34 0
>213
>「うわああぁぁぁっっ!?」
「あ〜れ〜?!」
ミルクが跳ね起きた勢いで、ルズは毛布ごと吹き飛ばされた。
(な、何が起こりましたの??)
真っ暗な毛布の中で出口を探していると、ふいに視界が開けた。

>「残って暖めてくれてたんだね。ありがとうルズ。
>おかげで風邪引かずにすみそうだよ」
「いいえ〜ミルク様、礼には及びませんわ〜。わたくしも色々役得でございました〜」
ルズはごろごろと喉を鳴らした。


>「お〜ほっほっほ!私の勝利ですわ!!」
>「うわ!なにこの声!?」
「まあ!フリージア女王様ですわ〜!」
>ミルクに連れられ窓の外を見ると、フリージアがロックを抱きしめて、勝利の高笑いをしている所だった。
>雪の降りしきる中抱き合う、同年代の男女二人。
>「くう〜なんて羨ましい!女王様、あんな男には勿体無さ過ぎる技ですわ〜!」
ルズはひたすら悔しがった。

>「ま、まぁともかくロック対フリージアは、順当にフリージアの勝ちっと。
>戦う前からこうなるような気はしてたけどね」
「まあ、フリージア女王様相手では当然なのですわ〜」
ルズはまるで自分の事のように誇らしげだ。

>「そうだ。ちょっとルズに聞きたいんだけど、あたしってどれくらい寝てたかな?
>何も妨害がなければ、ゴミ箱に向かったリリアーナ達が、そろそろ戻ってきそうな気もするけど…」
「エルザ様達ももうじき戻ってくると思いますわ〜。
 わたくしも少しうとうとしておりましたので、正確なところはわかりませんが〜。
 わたくしの腹時計では、さほど時間は経っていないはずですわ〜。多分まだ日付は変わっていないかと〜」
ルズはじっとミルクを見上げた。
「ただ、わたくしに言わせれば、睡眠は量より質なのですわ〜。ミルク様、お疲れは取れまして〜?
 もし回復がまだでしたら、わたくしの使い魔カプセルでお休みになります〜?」
ルズは胸元の鈴を前足でつついた。どうやらこの鈴が、彼女の使い魔カプセルのようだ。
「もっとも、ちょっとサラマンダーくさいかもしれませぬが〜」

ちなみにその頃の青サラマンダー。
「ち〜。ち〜」
少し離れたところで、ラルヴァを心配そうに見ていた。
傍に行きたいのだが、ラルヴァの使い魔が怖くて接近できないのだ。

さて、一方フリージア城の外では、ロックがフリージアと話をしている。
それを聞くともなしに聞いていたルズだったが・・・・・・・。
>「…とりあえず、フリージア。脱いで欲しいんだけど、駄目かな?」
(な、何ですと〜〜〜!!)
シャキーン!とルズの前足の爪が光った。
「だめに決まってますわ!このすかぽんたん!」
ばばばっと全身の毛を逆立てたかと思うと、ルズはあっという間にミルクの腕から飛び降りた。
「女王様のお手を煩わせるまでも無い、わたくしが天誅を食らわせてやりますわ〜!!!」

だが勢い込んで走り出したものの、ルズの闘志は城の扉に遮られてしまった。
なぜなら、猫の前足では扉を開けることが出来ないからだ!
「は、計りおったな〜!!」
ルズは悔しそうにがりがり扉を引っかいた。

220 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/06/03(火) 17:52:34 0
>216
>「うん、そうだね。じゃ、ペンダントについてだけど…
>本当に苦労して手に入れた訳じゃないんだ。君達と会うちょっと前かな?五人くらいに囲まれて、逃げるついでにちょっと拝借したんだ。
>ちょろまかしただけだから別に苦労した訳じゃ無いって事だよ。」
リリアーナはあんぐりと口をあけた。
さらっと流しているが、例え生徒相手とはいえ相手も魔法使い。そんなに簡単にペンダントが奪えたはずがない。
それを苦労していないと言い切れるあたり、ケオスは大物である。

「その武勇伝、ロックの耳に入れないほうが良いかも・・・・・・」
リリアーナはぽつりと呟いた。
ケオスは優勝を狙わない自分より、優勝したい理由のあるリリアーナにペンダントをプレゼントしたと付け加える。
言っている事はいちいちもっともで、どこにも矛盾も無い。
欲の無い人だな、とリリアーナは思った。
謙虚なところといい、無私なところといい、いつも笑顔なところといい・・・・・。
リリアーナは徳の高いお坊さんを想像していた。

>214 >218
>「何を考えているのかわからないままだと、気持ちが悪くてしょうがないわ。」
>エルザはリリアーナを抱き寄せ、わざと流し目でケオスを見た。
>「なんだったら、私達二人があんまり可愛かったから…なんて理由でもいいのよ?」
「エ、エルザったら〜!!突然何言い出すのよ〜!!」
顔を真っ赤にして一人あたふたした。
>「ハハ、それは有りかも知れないな。うん、じゃあそれでいこうかな。」
さらっと微笑むと、ケオスがエルザの言葉を受け流した。
>「ごめん、冗談だよ。ちゃんと言うと、君が優勝しないと困る事になるって言ったから。
>早く終わりにしては欲しいけど適当な人が優勝して君が困る事態になるのは、ちょっと目覚めが悪くなりそうだからね。」
リリアーナはじっとケオスの顔を見つめかえした。
そして抱きついたままのエルザに囁きかける。
「ねえエルザ、初めてケオスさんに会った時、彼が何て声をかけてきたか覚えてる?」
リリアーナは自分に回されたエルザの手をぽんぽんと叩いた。
「確かにつかみ所が無いかもしれないけど、そんなに悪い人には見えないわ。
 それに、もしエルザがケオスさんの立場だったら、ゴミ箱の前で自分のペンダントを渡せるものかしら?
 大丈夫よ、エルザ。これでも私、人を見る目だけはあるんだから」
もっともリリアーナにかかれば、闇の魔法使いでさえ「そんなに悪い人じゃなかった」となってしまうのだが。

リリアーナはケオスの手を両手で握ったかと思うと、ぶんぶんと上下に振り回した。
「ケオスさんありがとう、貴方ってすっごくいい人ね!」
他の二人はともかく、リリアーナはすっかりケオスを信じているようだ。
「アンディにエルザ、どうかな?協力してもらっても良いかな?何か他に聞きたいことはある?」

そういいつつ、リリアーナは再び傘を取り出した。
ここからはまた外に出て雪の中を歩く事になる。だがここまでくれば、フリージア城はあとすぐだ。
外は随分静かだが、ロックとフリージアはどうなったのだろうか?


221 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1投下74] 投稿日:2008/06/03(火) 19:04:00 0
>218>220
> 「エ、エルザったら〜!!突然何言い出すのよ〜!!」
> 「ハハ、それは有りかも知れないな。うん、じゃあそれでいこうかな。」
あたふたするリリアーナとは対照的に、エルザもケオスと一緒に笑った。
> 「ごめん、冗談だよ。ちゃんと言うと、君が優勝しないと困る事になるって言ったから。
> 早く終わりにしては欲しいけど適当な人が優勝して君が困る事態になるのは、ちょっと目覚めが悪くなりそうだからね。」
> リリアーナはじっとケオスの顔を見つめかえした。
> そして抱きついたままのエルザに囁きかける。
> 「ねえエルザ、初めてケオスさんに会った時、彼が何て声をかけてきたか覚えてる?」
「たしか…ゴミ箱の近くだから危ないって言っていたわね。
 彼ってやっぱりよくわからないわ。まだ敵か味方かわからない相手にそんな事を言うなんて。」
> 「確かにつかみ所が無いかもしれないけど、そんなに悪い人には見えないわ。
>  それに、もしエルザがケオスさんの立場だったら、ゴミ箱の前で自分のペンダントを渡せるものかしら?
>  大丈夫よ、エルザ。これでも私、人を見る目だけはあるんだから」
「いつか私も、“人を見る目”とやらを誰かさんからもらえたらいいけど…」


> 「アンディにエルザ、どうかな?協力してもらっても良いかな?何か他に聞きたいことはある?」
エルザは、わざとらしく首をかしげながらケオスに聞いた。
「そういえば、あなたは大丈夫なの?リリアーナの配った媚薬チョコレートを食べなかったの?」
少し間をおいて、エルザはさぞすまなさそうに口を押さえた。
「あっ!ごめんなさ〜い♪あなた、もしかしてリリアーナからチョコレートを貰わなかったのね!?
 ごめんね〜♪私ったらなんて残酷な事を聞いちゃったのかしら!」

エルザはひとしきりケオスをいじって満足したのか、
「まあ、そういうことなら協力させてあげない事もないわ。」
と言い、ケオスの手を握った。彼の体温を確かめるためだ。
「これから私達は吹雪の中を歩く事になるわ。あなた寒いのは平気なの?
 雪に凍えたあなたを、全裸で抱きあって暖めるなんて、私嫌よ?」

222 名前:ランド ◆4itHF4b6fw [sage] 投稿日:2008/06/03(火) 21:32:30 0
>212 >214 >216

>「こんばんは、ケオス・キョンサンです。アンディ、でいいのかな?よろしく。」
>そういうケオスの眼には先ほど視線など微塵も無く、いつもの無料スマイルを向けていた。
「よろしくケオス・・・アンディで構わないぜ。」
ケオスの爽やかなスマイルに答えるようにこんな表情ができたのかというほどの清々しい笑みを浮かべるアンド。
しかし心の奥底ではこれっぽっちも歓迎などしていないし
信頼もしていない。むしろ警戒すべき相手だと判断したからこそのこの態度なのかもしれない。

>「ゴーストになった参加者は、戦闘が出来ないかわりに干渉もできないのよ」
ゴーストには干渉できず離すにはゴースト自身が離れるしかない。
そういうリリアーナの言葉に溜息をつくアンド・・・
>「そうね、残念だけど、あなたがステイシスに振られるしかなさそうね。」
>「まあまあ、友達いないお前の友達になってやるから元気出せよ。あはははは。」
くすくすと笑うエルザと一緒に後ろでステイシスも笑い始める。
その態度に怒ったのかステイシスを捕まえようと腕を伸ばすがゴーストには干渉できない。
ただ空を切るのみである・・・諦めずになんとか干渉しようとしているアンドにリリアーナが追い討ちをかける。

> 「干渉できない代わりに戦いの影響も受けないわ。(中略)
>  つまりアンディのお友達が、戦闘に巻き込まれてまた傷つくって事は無いわ。だから、安心してねっ♪」
諦めたのかもはやステイシスに手を伸ばすのをやめるアンド・・・
勝ち誇ったかのような表情のステイシスを睨みつけるのがせいぜいだった。
>「あら、それはかわいそうだわ!ステイシス君は戦っている勇ましいアンディを応援したいはずよ!あははっ♪」
>「もちろん俺を倒した奴がそう簡単に負けていいわけない!安心しろ。
>戦闘中できないなら俺が今応援してやる。ふれ〜っ♪ふれ〜っ♪」
拭き出すエルザ。そしてエルザの言葉に悪乗りをしてチアリーディングの真似事をするステイシス。
「て、てめぇら・・・・・・・・・いつか絶対にぶっ殺すからな。」


>「ごめん、冗談だよ。ちゃんと言うと、君が優勝しないと困る事になるって言ったから。
>早く終わりにしては欲しいけど適当な人が優勝して君が困る事態になるのは、ちょっと目覚めが悪くなりそうだからね。」
ケオスが協力する理由を黙って見つめながら聞いているアンド。
さっきの自己紹介の時からのケオスの行動や仕草、雰囲気や発した言葉を思い返していく。
雲のように掴みにくい人間。浅はかなのかそれとももっと深い処で考えていることがあるのか・・・どっちか分からない。
そして筆舌すべきなのはケオスには執着心らしい執着心がないということ・・・
ペンダントに関しても特にケオスにとってはどうでもいいようだ。

ただ一ついえるのは、彼の態度からは虚偽のようなものが感じられない。
協力の理由に対してもそれは同じことで・・・
納得するわけではないが嘘をついているようにも思えない・・・
それがアンドが達した結論だった。
>「アンディにエルザ、どうかな?協力してもらっても良いかな?何か他に聞きたいことはある?」
「まあ、別にいいんじゃねえか?別に端から理由なんざなくても俺はかまわねぇよ。
 理由がなきゃダメなら俺はとっくにここにはいられねえだろうしな。」
リリアーナにそう返し校舎を出て外に向かうアンド。外は相変わらず吹雪いている。

>「これから私達は吹雪の中を歩く事になるわ。あなた寒いのは平気なの?
>雪に凍えたあなたを、全裸で抱きあって暖めるなんて、私嫌よ?」
「ほら、使うなら使いなケオス君よ。」
そういってアンドはいつの間にか手に持っていた男性用の黒いロングコートをケオスに投げ
女子寮の雪城の方向に進路を取り歩き始め、背後霊のステイシスも後を追っていく。

223 名前:ベアトリーチェ ◆DOKU7MAWbk [sage自前1 所持α(キサラ、レイド分含) 投下0] 投稿日:2008/06/03(火) 22:07:58 0
>206
「・・・ふふふ・・・幸運だったわ。
アレクシス・アガティオン、これはあなたのためなのよ・・・」
薄暗いラボの中、呟きをもらしながらベアトリーチェが湯を注ぐ。
その横に並ぶのは数種類の小瓶。
勿論隠し味を少々、などと可愛らしいものではない。
急須の中に手際よく薬品をふりかけ、湯呑と共にトレイに乗せてゆく。
まるで火サスの一場面のようだが、これがベアトリーチェのお茶の準備なのだ。

########################

「お待たせしてごめんなさい。」
ベアトリーチェが盆に茶器を乗せてアレクの元へと現われた。
湿原でアレクを誘ったあと、庭園に座らせ、ベアトリーチェはお茶の用意をしていたのだ。

腐食ガスのお陰で体裁のよいとはいえないが、形の残った椅子とテーブルに落ち着いた。
「もう夜だし、ちょっと冷えるから温かいお茶を用意したの。」
急須から茶碗にお茶を注ぐながらにこやかに対応。
その脳裏に描かれた恐るべき企みなど微塵も見せる事無く・・・。

「さっきの話だけれど、こうやって二人でお茶するのも交流ではなくて?
ここからの眺めはいいものよ。」
湯呑を差し出しながら視線で湿原の向こう側を指し示す。
湿原の向こう側は、腐海の崩壊の真っ最中だった。
毒を消費しきり、崩壊する巨大菌類。
体組織を砂と化し崩れていくのだが、その砂が僅かに光るのだ。
闇夜の中で徐々に広がっていく光の砂漠は幻想的なものだった。

「それで・・・一つの終幕は同時に一つの開幕でもあるのよ。
ちょっと早かったけれど、さっき湿原に沈んで言った【お友達】は、危険がないように避難したというわけ。」
そういいながらベアトリーチェも茶碗を傾ける。
同じ急須から注がれたその茶を・・・
そして、温まるわよ。とアレクにも茶を飲むように促すのであった。

ベアトリーチェの言葉通り、感染者達を石化して湿原に沈めたのは【避難】の意味合いが強い。
腐海が、毒の世界が消失した以上感染者達は生き残れない。
それ以上に、感染者となってしまう程度の者だと、この先簡単に死んでしまうからだ。
そう、儀式は時間短縮によって影響を受ける事はない。
ベアトリーチェが「早すぎる!」と危惧したのは儀式達成が早まった事により、淘汰が済む前に術が発動してしまう事だ。
リバースの中といえども誰も殺したくないのだ。
だから、簡単に殺されてしまうような弱い者は早めにゴーストになっていて欲しい。
自分が殺してしまわないように。

そういった意味では、ベアトリーチェの見立てはメラルの見立てに通じるところがあった。
二日目の朝には一割程度の本当の猛者しか生き残っていない、と。
それほどの猛者ならば、極限状態でも死ぬ事無く、その本性をみせてくれるはず。
だがもはや腐海の毒は消え、今更引き伸ばす事はできない。

・・・だから、偶然出会った一人でも、殺す事無く【避難】させたいと思うのも当然だろう。

テーブルに置かれた茶には石化の毒が入っている。
無味無臭無香料。
ベアトリーチェ自身は毒により石と化す事はないが、アレクは・・・
そう、ベアトリーチェは茶に仕込んだ毒によりアレクを石として【避難】させるつもりなのだ。

224 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/06/04(水) 07:07:30 P
>209>213>219
>「う〜ん、まいった。俺の負けなのだ。」
負けを認めるロック
>「俺の敗因は――いや、フリージアの勝因かな?
 たった一つ、たった一つのシンプルな答えなのだ。
 お前は俺をときめかせた。」
「ときめいたですって?」
ロックのときめいた発言にきょとんとするフリージア
なんのことやらサッパリである

>「とりあえず、フリージア。いったん俺を降ろして欲しいのだ。」
「そうですわね、私としたことが」
自分が勝利したと言うのならこのまま抱きかかえている理由は無い
フリージアはあっさりとロックを手放した

>「お前はやっぱりすごいよ!今度はもっとおもしろい勝負をしような!
 その時まで、俺はもっともっと強くなって、待っているからな!」
自分がつけていたペンダントをはずすロック
「次はどうなるかはわかりませんけど良くってよ!お〜ほっほっほっほ!!」

ロックはフリージアに近づいてこうのたまった
>「…とりあえず、フリージア。脱いで欲しいんだけど、駄目かな?」
「・・・・・・・!?」
一瞬いやらしい意味だと思ってしまったフリージア
だがよくよく考えてみるとそんなわけがないとわかった
フリージアは脱ぎたくても脱げないと説明しようとしたが
>「だめに決まってますわ!このすかぽんたん!」
>「女王様のお手を煩わせるまでも無い、わたくしが天誅を食らわせてやりますわ〜!!!」
と言う声が城の方から聞こえてきたので言うことが出来なかった
どうやらルズは何かを勘違いしているようだ
ふと城の方を見ると窓からミルクの姿が見える
どうやら一部始終をミルクとルズに見られていたようである
「・・・・・とりあえず城に戻りますわよロック」
何かを誤解されていたらたまらない早く誤解を解くため説明しなければ
そう思ったフリージアはロックにそう言うのであった


ペンダント自前1 所持2 投下1 魔力回復薬(青汁風味)

225 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage] 投稿日:2008/06/04(水) 16:32:57 O
>「よろしくケオス・・・アンディで構わないぜ。」
>ケオスの爽やかなスマイルに答えるようにこんな表情ができたのかというほどの清々しい笑みを浮かべるアンド。
>しかし心の奥底ではこれっぽっちも歓迎などしていないし
>信頼もしていない。むしろ警戒すべき相手だと判断したからこそのこの態度なのかもしれない。
自分は彼からの信頼は無い、直感的に思った
だが、時間はまだまだある。これからだろうと思い直すケオス
>リリアーナはケオスの手を両手で握ったかと思うと、ぶんぶんと上下に振り回した。
>「 ケオスさんありがとう、貴方ってすっごくいい人ね!」
振り回されながらもやはりケオスは笑っていた。
「ハハ、どうもありがとう。改めてよろしくお願いするよ、リリアーナ。」
ケオスはリリアーナの仲間になった!
しかし他の二人はどうだろうか?
>「アンディにエルザ、どうかな?協力してもらっても良いかな?何か他に聞きたいことはある?」
>「まあ、別にいいんじゃねえか?別に端から理由なんざなくても俺はかまわねぇよ。
>理由がなきゃダメなら俺はとっくにここにはいられねえだろうしな。」
>エルザは、わざとらしく首をかしげながらケオスに聞いた。
>「そういえば、あなたは大丈夫なの?リリアーナの配った媚薬チョコレートを食べなかったの?」
「………?」
ケオスは笑顔のまま頭から?マークを出した。
>少し間をおいて、エルザはさぞすまなさそうに口を押さえた。
>「あっ!ごめんなさ〜い♪あなた、もしかしてリリアーナからチョコレートを貰わなかったのね!?
>ごめんね〜♪私ったらなんて残酷な事を聞いちゃったのかしら!」
「どうやら、そうみたいだね。でもそれ、リリアーナのお手製でしょ?なら僕には勿体ないよ。」
本気でそう思っているようだ
>エルザはひとしきりケオスをいじって満足したのか、
>「まあ、そういうことなら協力させてあげない事もないわ。」
二人からの御墨付きを貰い晴れて仲間入りする事になった。
するとエルザは
>ケオスの手を握った。彼の体温を確かめるためだ。
>「これから私達は吹雪の中を歩く事になるわ。あなた寒いのは平気なの?
>雪に凍えたあなたを、全裸で抱きあって暖めるなんて、私嫌よ?」


226 名前:ケオス ◆8Ed0zD19u2 [sage 続き 自前0 所持0 投下0] 投稿日:2008/06/04(水) 16:34:25 O
>「ほら、使うなら使いなケオス君よ。」
>そういってアンドはいつの間にか手に持っていた男性用の黒いロングコートをケオスに投げ
「大丈夫。寒いのは得意でもないけど、苦手でも無いし。
それに、ほら、アンディからもこれ借りたし。」
アンディから貰ったコートを見せつつ微笑む。なんだかんだで二人とも案外優しいのかも知れない
「ありがとう、二人とも。優しいんだね。」
遂に見せた有料スマイル。
普段の二割増しの笑顔がキラキラと効果音つきにそりそうなくらい輝いている。
コートを着ると三人の後について行く。まだまだ仲間は居るのだろう。見知らぬ仲間たちに思いをはせる。

227 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage【事前0所持0投下3】] 投稿日:2008/06/04(水) 17:22:07 O
>219 >224
>「エルザ様達ももうじき戻ってくると思いますわ〜。
> わたくしも少しうとうとしておりましたので、正確なところはわかりませんが〜。
> わたくしの腹時計では、さほど時間は経っていないはずですわ〜。多分まだ日付は変わっていないかと〜」
「そっか…ありがと。思ったより寝てなかったみたいだね」
まだ眠いと思ったら、ほとんど寝てなかったのか。
どうせ今晩はここで過ごすつもりだったし、二度寝でもしよう。

>「ただ、わたくしに言わせれば、睡眠は量より質なのですわ〜。ミルク様、お疲れは取れまして〜?
> もし回復がまだでしたら、わたくしの使い魔カプセルでお休みになります〜?」
「あ、使い魔カプセル持ってるんだ。
それじゃあ、使わせてもらおうかな?」
寝た分少しは頭もスッキリしたけど、まだまだ本調子には程遠い。
イベントは明日も続くんだし、完全回復の機会を逃さない方がいいだろう。
>「もっとも、ちょっとサラマンダーくさいかもしれませぬが〜」
「大丈夫大丈夫。こんな状況だし、休ませてもらえるだけで感謝感激だよ。
中にサラマンダーが入ってて、うっかり大やけどとかは勘弁して欲しいけどね」
サラマンダーくさいってどんなだと思わないでもないが、恩人にツッコミ入れるのも気が引ける。
うっかり機嫌を悪くさせて、カプセル使うなとか言われても困るし。
でも使い魔カプセルって便利だよなー。あたしも使い魔でも造るか?
向いてないって言われたけど、頑張ればなんとか一匹くらいは…

>「…とりあえず、フリージア。脱いで欲しいんだけど、駄目かな?」
考え事をしていたのでロックの言葉を聞き流していたのに、衝撃的発言が耳に飛び込んできた。
「は!?脱ぐ!?何を!?服を!?」
>「だめに決まってますわ!このすかぽんたん!」
同じ感想を抱いたのか、ルズが素早くあたしの腕から飛び降りる。
いや、ちょっと待て。
いくらロックでも、戦い終わった後いきなり『服脱げ』なんて言うか?
でも他に脱ぐものって…フリージアは人形着てるらしいから、人形脱げって意味?
あれは確か脱ぐとき、爆発するんじゃなかったっけ?

>「女王様のお手を煩わせるまでも無い、わたくしが天誅を食らわせてやりますわ〜!!!」
意気込むルズは外に出ようと扉に走り寄るが、猫の身の悲しさ、ドアが開けられないようだ。
フリージアが何を脱ぐのか、あたしもちょっと気になって外を見てると、フリージアもこっちを見たようだ。
なんだろう。何かを言いたいように見える。
見てましたわね、私の勝ちですわよなのか、見ましたわね、消えてもらいますわよなのか。

>「は、計りおったな〜!!」
「ちょっと待って、猫の手じゃ無理だよ。今開けるからね。
その代わり、外に行く前にあたしをカプセルに入れて欲しいんだけど」
とりあえず、ガリガリ扉をひっかいているルズを助けるため、あたしは窓際を離れ入り口へ。
カプセル内なら万が一の時も、雪女フリージアに消される心配はないだろう。
扉を開けると、冷風が雪と一緒に入り込んできた。
「うわっ寒っ!つ、使い魔カプセルの件よろしく!」

228 名前:リリアーナ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/06/04(水) 18:58:52 0
>225-226 
>「まあ、別にいいんじゃねえか?別に端から理由なんざなくても俺はかまわねぇよ。
> 理由がなきゃダメなら俺はとっくにここにはいられねえだろうしな。」
アンディの言葉に、リリアーナが何度も頷いた。
エルザは・・・と見ると、かわいらしく小首を傾げている。
>「そういえば、あなたは大丈夫なの?リリアーナの配った媚薬チョコレートを食べなかったの?」
>「………?」
>ケオスは笑顔のまま頭から?マークを出した。
「わ〜!!いきなり何言い出すのよエルザ〜!!」
リリアーナは慌てふためいた。
詳しい事情を知らないケオスなら、リリアーナがチョコに一服もって男心を弄んだと誤解されても文句は言えない。
「いや、あれは本当に事故で!私は媚薬なんて使ってないから!」
>「あっ!ごめんなさ〜い♪あなた、もしかしてリリアーナからチョコレートを貰わなかったのね!?
> ごめんね〜♪私ったらなんて残酷な事を聞いちゃったのかしら!」
>「どうやら、そうみたいだね。でもそれ、リリアーナのお手製でしょ?なら僕には勿体ないよ。」
>ケオスは本気でそう思っているようだ
「・・・・・・・・・・・いえそんな・・・滅相もございません」

>221
>「これから私達は吹雪の中を歩く事になるわ。あなた寒いのは平気なの?
>雪に凍えたあなたを、全裸で抱きあって暖めるなんて、私嫌よ?」
「あら?それってエルザは、ケオスさんのピンチに身体を張って助けてあげるってことよね〜?」
うんうん、と頷くリリアーナはとても嬉しそうだ。
「一時はどうなる事かと思ったけど良かったわ〜。アンディもケオスさんのためにコートまで作ってくれてるし」
>「ありがとう、二人とも。優しいんだね。」
「わ〜後光よっ!後光がさしているわっ!」
ケオスの笑みを直視したリリアーナは、まぶしそうに目を細めた。

アンディはさっさとフリージアの城の方に歩き始めていた。
「わーアンディ、待ってってば〜!エルザ、あなたはケオスさんを傘に入れてあげてね!」
そう言うと、リリアーナはアンディを追って走り出した。

>メラルさん
追いつくまでの短い間に、リリアーナは指輪に魔力を込め急いでメラルに話し掛けた。
「メラルさん?ペンダントの処理は終わったんだけど、どこから地下に入ればいい?
 私は今食堂の跡地付近に居るんだけど、一番近いポイントを教えてくれる?」

>222
アンディに追いついたリリアーナは、彼の頭上に傘をかざした。
「アンディも私たちにばっかりコート作ってないで、自分の分のコートとかお洋服とか作れば良いのに」
剥き出しになってる足や腕がとても寒そうだ。
「なんて、ね。自分が出来ないのに簡単に言っちゃってごめんね。
 それと私、ちょっとヘマしちゃったの。皆と合流したら話すね」
ミルクはもう目が覚めただろうか?そろそろ吹雪の中に、フリージア城のシルエットが浮かび上がってきた。

ロックとフリージアはどうだっただろうか?
リリアーナは目を凝らした。
ここからはちょうど死角になっていて、二人がバトルを行っていた場所を見ることは出来ない。

ちょうどその時、城の死角から大きな人影と普通サイズの人影が現れた。
「ロック、怪我は無い?あの後バトルは―――― って!フリージアっ?!」
リリアーナはロックの背後から現れたフリージアの姿に絶句した。
「どうしたのよその大胆にえぐれた胸は!・・・・・・ねえ、ちゃんとバトルの決着はついた?」

229 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 投稿日:2008/06/04(水) 19:17:47 0
>227
>「ちょっと待って、猫の手じゃ無理だよ。今開けるからね。
>その代わり、外に行く前にあたしをカプセルに入れて欲しいんだけど」
「はっ!」
ルズはわれに返り、ミルクを見上げた。
「ええ、ええ。お安い御用ですわ!わたくしのサラマンダーは外出中ですから、心行くまでごゆるりと!」
扉を開けると、冷風が雪と一緒に入り込んできた。
>「うわっ寒っ!つ、使い魔カプセルの件よろしく!」
もしルズが冷静ならば、アンディ達が戻ってきた気づいただろう。
だが頭に血が上っている今の彼女が、周りの状況に気づくはずも無かった。

「もちろんですわミルク様。ですがそれはわたくしが埒をあけてからですわっ!」
聞いているようで聞いていないルズだった。
彼女は雪の中猛然と駆け出した。

「よくもよくもわたくしの女王様に無礼な真似をっ!白百合乙女の怒り思い知れっなのですわ〜!
 女王様、あなたのルズが参りましたわっ!とうっ!」
大きくジャンプしたルズは、天誅!とばかりにロックへ飛び掛った!

230 名前:ロックなのだ! ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1] 投稿日:2008/06/04(水) 20:51:28 0
>213>219>224>227
> 「・・・・・・・!?」
「どうしたのだ?フリージア?」
答えたのはフリージアではなかった。
> 「だめに決まってますわ!このすかぽんたん!」
> と言う声が城の方から聞こえてきた
「んあ?」
ロックは首をかしげた。
「スカポンタンって何なのだ?」
> 「女王様のお手を煩わせるまでも無い、わたくしが天誅を食らわせてやりますわ〜!!!」
「おおっ!何だか俺とバトルしたい奴が城の中にいるみたいだな!俺はわくわくしてきたのだ!」
> 「・・・・・とりあえず城に戻りますわよロック」
「ああ!」
ロックはいきいきしながら城の方へ歩き出したが、3歩進んだところで突然停止した。
誰かが、こちらに向かって近づく気配に気づいたからだ。ロックはペンダントを再び自分の首にかけた。

>228
その時、目の前にばったりと現れたのはリリアーナだった。
もしも、リリアーナであると気づくのにあと少しでも遅れていたら、ロックは彼女にとっつくところだった。
> 「ロック、怪我は無い?あの後バトルは―――― って!フリージアっ?!」
「俺ならいつだって大丈夫なのだ!」
リリアーナはすぐフリージアの方へ行ってしまった。
> 「どうしたのよその大胆にえぐれた胸は!・・・・・・ねえ、ちゃんとバトルの決着はついた?」

>229
> 「よくもよくもわたくしの女王様に無礼な真似をっ!白百合乙女の怒り思い知れっなのですわ〜!
>  女王様、あなたのルズが参りましたわっ!とうっ!」
「うわっ、なんだ!?」
何か黒いものが顔にぶつかり、ロックは混乱したが、顔にへばりついた“それ”をロックは苦もなく引っぺがした。
「な〜んだ、猫なのだ。さっき俺とバトルしたがってたのはお前だな?」
ロックはルズを仰向けに倒した。ロックの第二ラウンド開始である。
「お前はこうしてやるのだ。ほれほれ〜♪」
ロックはくしゅくしゅとルズのお腹をくすぐり始めた。

231 名前:エルザ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage自前1所持1投下74] 投稿日:2008/06/04(水) 21:24:51 0
>226>228
> 「ありがとう、二人とも。優しいんだね。」
「あなたが変な事しない限りはやさしいわ!」
エルザは顔を少し赤らめ、怒った様にそう言った。
> 「わ〜後光よっ!後光がさしているわっ!」
エルザはその通りだと思った。ケオスの有料スマイルは、
これまで見た誰の笑顔よりも輝いているかもしれない。

> アンディはさっさとフリージアの城の方に歩き始めていた。
> 「わーアンディ、待ってってば〜!エルザ、あなたはケオスさんを傘に入れてあげてね!」
> そう言うと、リリアーナはアンディを追って走り出した。
エルザは少し抵抗があるようだったが(決してケオスのせいではない)、
リリアーナの言葉に逆らうわけにもいかず、ケオスとあいあい傘をしてリリアーナを追った。
「………」
そこから先は、エルザは決して口を開こうとしなかった。寒いからである。
エルザは吹雪の寒さのせいで、舌が回らなくなっているのだ。
それでも、さっきよりは少しましかもしれない。
エルザが無理矢理、ケオスの手を握って歩いているからだ。エルザは時々、
『勘違いしないでよね!』といった視線をケオスにぶつけながら、凍える道を踏みしめた。


エルザ達は少し遅れてフリージア城に到着した。
すでにリリアーナが、何故か胸がえぐれてしまっているフリージアに何か話しかけている。
エルザは握り締めていたケオスの手を離し、かわりに傘を持たせた。
そして、エルザは不安そうに何かを探し始めた。エルザが探しているのはロックだ。
フリージアが健在である以上、彼女と戦っていたロックが負けてしまった可能性もある。
もしかしたら、ロックは死んでしまったのだろうか?エルザは雪の上に、彼のペンダントが落ちていないかと目を凝らした。

>「お前はこうしてやるのだ。ほれほれ〜♪」
…ロックはすぐに見つかった。エルザは心配して損をしたようだ。
ロックときたら、ルズをくすぐって遊んでいるではないか。
>「あ、痛たた!」
エルザは鋼のような拳をロックにお見舞いし、彼の襟首をえらい力で掴むと、そのままフリージア城の中まで引きずって行った。
フリージア城の入り口にはミルクがいた。
「た、だぃま。」
エルザは震える口でやっとそれだけ言い、ロックを適当に転がすと、ミルクがさっきまで使っていた毛布を被り、がたがたと震えた。

232 名前:アレク ◆/OD//Ij0Fc [sage 自前1] 投稿日:2008/06/04(水) 23:21:25 0
>223
「や、これはありがたい」

ベアトリーチェが茶を運んできたのを見ると、一度立ち上がって頭を下げた。
それから腰を下ろして、茶を注ぐ彼女の様子と立ち上る湯気を眺める。

夜中のお茶会に興じながら、ベアトリーチェの指が向く先へ目を遣る。
なるほど、彼女の言うとおりで、なかなか稀有な光景に思える。
桜は散り際が美しいというが、これもそれに準ずる魅力を保有しているに違いない。


「一つの開幕……どうやら、景色を眺めてお茶を飲むだけ、という事ではなさそうだ」

ベアトリーチェの言葉を繰り返し、アレクシスは一つ小さく頷いた。
そして、どうもどうも、と妙にへこへこしながら茶碗を受け取る。
一口二口、茶碗の中身を胃の中へ送り込みながら、彼は幾分か楽しげな表情を浮かべた。

彼女の【お友達】が受けた処置は、危険を回避するためのものであるらしい。
その危険というものが、具体的に何を指しているのか彼には理解が及ばなかった。
だがその危険とやらは、少なくとも退屈さを感じさせるものではないように思える。
次の一幕を、この目でしっかりと見て行きたいという気さえ起きてきている。

と、そこまで考えて彼は内心で苦笑せざるを得ない。
危険を避けてここまで逃走を重ねてきたのは、紛れもない自分ではないか。
その自分が、何の故あって危険に対して心を躍らせねばならないのか。

自分の心に整理をつけた彼の口調は、少しばかり諦観の色を帯びていた。

「……僕はね、どちらかというと喧嘩は嫌いだ。腕っぷしにはまったく自信がないしね。
 だけど、悪巧みは嫌いじゃないんだ。まったく度し難い事に」

彼が茶碗の中へ視線を落とすと、いつに間にか中身は空になっていた。

「二つばかり、身勝手なお願いをしたいと思う。
 一つは、君の悪巧みに一枚噛ませてもらいたい、という願いだ。
 いや、君の構想をして悪巧みと表するのはいささかどころではなく失礼なのだろうけど。
 他に適当な言葉が見当たらないものでね、容赦して頂きたい。
 それともう一つの願いなんだけど。
 お茶のおかわりをもらえないかな」

彼は手にした空の茶碗を、ひょいと軽く上げて見せた。
この時彼は、主治医の言った「恐らくは毒も効かんよ」という予測を、彼の預かり知らぬところで実証していたのである。

233 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage 自前1 投下3] 本日のレス 投稿日:2008/06/05(木) 18:51:31 0
>211>217
>「…なぜ先に言わないんだ。」
「す、すまぬ……」
回復魔法で治療を終えて傷口が塞がったときに出たヴァンの言葉がクリスをあきれさせてしまう。
わざわざ魔力を消費してまで治療に当たってくれたクリスに対して、申し訳ない気持ちになり伏せ目がちでヴァンが謝った。

>「よし、そうと分かったら僕に任せておけ。」
マオが正面に座って腕を上げてわざわざ血を吸いやすいような高さまで持ってきてくれる。
「ゴチになり申す」
片手が無いためいただきますの手を合わせるフリだけをして、目の前のご馳走に迷うことなくかぶりつく。
チクリとする痛さにマオは表情を若干歪めるが吸血しているヴァンからはその表情は伺えなく血を貪っている。
>「…どうだヴァン?治りそうか?」
マオの血が体内に流れてくるごとに力の漲りを感じ、あれだけひどい胸の傷もあっという間に再生されていって青白い肌に戻った。
二人にも服の穴からそのことがわかることだろう。
多くの血を失っていくマオはだんだんと貧血気味になっていき顔色も悪くなっていっている。
>「……ヴァンもうそろそろいいか?流石に辛くなってきているんだが…」
さすがにこれ以上は無理だと判断したのか、病み付きになりそうな吸血行動をやめて血で汚れた口をハンカチで拭う。
「すまぬな…私はもう大丈夫だ。
 苦労をかけたよ」
正座をして手を地につけて頭を下げて二人に自分の弱さが招いた事態を謝罪する。

マオとクリスの両者に謝罪したあとに正座をといて
「さて…また出鼻をくじかれてしまったわけだが。
 マオは貧血でクリスは魔力不足…状況としてはよろしくない」
どっちも某吸血鬼のせいだけどね。
「そこで私は考えたのだが、二人は一旦安全な場所で休息をとってもらう。
 その間に私は外でこぼれたペンダントを回収してしまうというのはどうだろう?」


ラルヴァとヴァンを監視していたニタニタ笑いの幽霊たちは死王が興味を失せたと同時に地下図書館のD階層に引っ込んでいく。
横たわるラルヴァをあざ笑っているのか、はたまた奥へと誘おうとしているのか…。
ラルヴァの上空をふわふわと浮遊しながら幽霊の集団が過ぎ去っていった。

234 名前:黒猫ルズ ◆7O/3IU/E7M [sage] 本日のレス 投稿日:2008/06/05(木) 19:07:24 0
>230-231
ルズはロックの顔に爪を立てようとしたが、相手に引っぺがされてしまった。
>「な〜んだ、猫なのだ。さっき俺とバトルしたがってたのはお前だな?」
「猫ではありませんわ!わたくしにはルズというれっきとした名前が――――」
>ロックはルズを仰向けに倒した。ロックの第二ラウンド開始である。
「お前はこうしてやるのだ。ほれほれ〜♪」
「なっ何を!ちょ・・・どこを触って・・・・・・・」
>ロックはくしゅくしゅとルズのお腹をくすぐり始めた。
「あーれー!誰か〜!助けて下さいまし〜!!」

救いの女神は突然現れた。
エルザだ。
>「あ、痛たた!」
>鋼のような拳をロックにお見舞いし、彼の襟首をえらい力で掴むと、そのままフリージア城の中まで引きずって行った。
「エルザ様感謝しますわ〜!!
 それにしてもセクハラですわ許せませんわっ!このこのこのこのっ!!」
ルズは怒りに任せて、ロックに爪を立てたり猫パンチを繰り出したり髪をぐしゃぐしゃにしたりした。
だが効果は今ひとつのようだ。

「ふぁえるくふぁふぁ〜。ふぉうふぇしふぁふぁ、ふふぁいふぁふぁふふぇふふぇふぃふぁふぁふぇ」
訳:「ミルク様〜。そうでしたわ、使い魔カプセルでしたわね」
はっと我に返ったルズはロックから口を放し、胸元の鈴型使い魔カプセルを前足で押した。
カプセルが起動し、淡く金色に輝いた。
「カプセルに入る準備が出来ましたら、いつでもわたくしにお声をかけてくださいまし〜」


235 名前:名無しになりきれ[sage] 本日のレス 投稿日:2008/06/05(木) 19:08:55 0
                                  
                                   
                               
                               
                            
                             
                            
                            
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