1 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 15:55:16 0
学園祭数日前、生徒達は全員同じ夢を見た。  
それは異常でもなんでもなく、学園長からの全校連絡。  
転入生と留学生、そして学園祭のためにフィジル島を訪れる来賓達の紹介だ。  
一通りの説明の後、生徒たちには、彼らを歓迎するように伝えられる。  

翌朝から早速実行委員会が組織され、エスコート役が選ばれる・・・  
エスコート役は文化祭を巡りつつ、フィジル島を案内するのだが、当然そこには騒動が・・・  
だがそれはイレギュラーでもイベントでもなんでもない、騒動こそがフィジル島の日常なのだから。  



――――   魔法少女達と冒険するスレ 14thシーズン   ―――― 
 
 


2 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 16:02:01 0
【スレのお約束】 
・決定リール&変換受けありです。 
(用語については、なな板TRPGまとめサイト「千夜万夜」参照) 
・コテ付き参加大歓迎。途中参加も初心者も悪役さんももちろん大大大歓迎! 
・名無しさんネタ投下ももちろん大歓迎。 
・拾えるネタは極力拾います。ただし自治、荒らし、ストーリーの破壊を狙うような投下は華麗にスルーです。 
・好きな時に好きなように投下してOKです。ただしチャット状態はついていけない場合があるので自重して下さい。 
・魔法学園が舞台ですが、参加資格は生徒、学校関係者限定というわけではありません。 
・版権キャラで登場する場合は、可能ならファンタジーテイストにアレンジして下さい。(原典があれば教えてね) 
 なお最強クラスのキャラで参加しても、必ずしも周りが最強認識してくれるとは限らないかも・・・です。 
・大切なのはスレを楽しむ気持ち、コテならなりきりとしてなりたっていることです。 
・もし何かわからない事があったら、避難所でお気軽にどうぞ。 

【過去ログ】 
魔法少女達と冒険するスレ 13thシーズン(前スレ) 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1220191150/
魔法少女達と冒険するスレ 12thシーズン
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1216128924/ 
魔法少女達と冒険するスレ 11thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1212635529/ 
魔法少女達と冒険するスレ 10thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1209637627/ 
魔法少女達と冒険するスレ 9thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1206966015/ 
魔法少女達と冒険するスレ 8thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205039545/ 
魔法少女達と冒険するスレ 7thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1203680942/ 
魔法少女達と冒険するスレ 6thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1198207423/ 
魔法少女達と冒険するスレ 5thシーズン 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190890101/ 
魔法少女と冒険するスレ 4thシーズン 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1185104132/ 
魔法少女達と冒険するスレ 3rdシーズン 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1181023531/ 
魔法少女達と冒険するスレ 2ndシーズン 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1173987357/ 
魔法少女と冒険するスレ 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1167716362/ 

3 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 16:02:42 0
【みんなの憩いの場(質問、打ち合わせ等はこちらでどうぞ) 】 
魔法少女達と冒険するスレ 第5避難所(現行) 
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1221208714
魔法少女達と冒険するスレ 第4避難所
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1209995600
魔法少女達と冒険するスレ 第3避難所(前スレ) 
http://etc7.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1205030171
魔法少女達と冒険するスレ 第2避難所 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1190274484
魔法少女と冒険するスレ避難所 
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1171556198
(旧避難所跡) 
http://yy32.kakiko.com/test/read.cgi/trpg/1119683611

各キャラクターのプロフィールやTRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ 
千夜万夜 
PC:http://verger.sakura.ne.jp/
携帯:http://verger.sakura.ne.jp/top/top.htm
千夜万夜代理投稿スレ:http://yy44.60.kg/test/read.cgi/figtree/1161001942/
千夜万夜さんにはアクセス規制の巻き添え等、書き込めない時の代理投稿依頼スレもあります。 
 自分で書き込めない場合は、代理投稿スレで代行をお願いしてみましょう) 



4 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 16:08:46 0
テンプレはこちらです。 

名前・ 
性別・ 
年齢・ 
髪型・ 
瞳色・ 
容姿・ 
備考・ 
(以下は任意解答欄) 
得意技・ 
好きな食べ物・ 
好きな偉人・ 
好きな生物・ 
嫌いな食べ物・ 
嫌いな金属・ 
今一番欲しい生物の毛・ 
保険に入りますか?・ 

【備考】 
全部埋める必要はありません。 
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。 
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。 
余り悩まず、気楽に行きましょう。 
ただ、今は学園が舞台なので、知り合いの度合いにあわせてある程度データを明かして下さると嬉しいです。 
(たとえばクラスメートなのに、どんな人なのか全く知らないのでは変ですから) 
それ以外の、たとえばキャラの過去などは、レスの中で徐々に明かして下さいね。 

※パラメーター遊び(任意)ご希望の方は、避難所でお知らせください。 



5 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 16:26:31 0
【学園についての説明】 

・舞台はファンタジー世界。フィジル島にある魔法学園が主な舞台です.。 
 フィジル島は「魔海域」と呼ばれる、法則を無視した魔の海域の中にあります。 
 (魔海域は、「法則を無視した潮流、乱気流」「突然の魔法無効旋風」 
 「召喚生物強制送還地帯」などが特に有名です) 
・一度学園に入学したら卒業(三等課程合格)まで島を出ることは叶いません。 
・学園は全寮制、男女共学です。 
・魔法学園の施設は西洋のお城のような外観をしています。 
・女子寮、男子寮は校舎と同じ敷地内にあります。食堂(カフェテリア)など、一部の施設は男女共通です。 
・女子寮内外には侵入者避けのトラップがあります。要注意。 
・校舎には校庭があります。 
・校舎の裏手には霧のかかった森があります。 森の奥深くには強力な魔物や貴重な生物が住んでいるという噂です。 
・森の奥深くには庭園があり、近くにはかつて新魔法研究の為に使われていたらしい施設がいくつもあります。 
 施設の中には何に使うのか分からない装置が置いてあります。 

※ 描写されていない施設等に関しては、整合性さえ保っていれば好きに設定投下してOKです ※ 
もし判断つかないときは、避難所でお問い合わせくださいね。

【薬物学課実験棟】 
校舎に併設された4階建ての建物です。
薬物学科に限らず、実験棟を持つ教科は少なくありません。

【招き猫広場】
名前のとおり巨大招き猫が置かれた広場。
招き猫の像はある種の音楽に反応して踊り出す、一種のゴーレムです。
現在は招き猫に首輪と鎖がつけられ、持ち去られないようになっています。

【図書館およびDレベル階層について】
・学園地下には広大な図書館があります。管理人はオルビア・ターナー先生です。 
・薄暗く本を読む時は上に持っていく、またはランプを貸してもらうという珍しい図書館です。 
・置いてある本は古今東西から集められたもので膨大です。 
・なお、一般生徒立ち入り禁止区域であるDレベル以下の階層には危険な本が多く保管されています。 
 地下にどれだけ広がっているのか不明の階層で、そこに在るのは全て魔本です。 
 本から漏れ出たモンスター、怪異現象が巻き起こっている世界でもあります。 
D階層入口には、人間には見慣れない魔性の霧が立ち込めています。 
先に進もうとするとイタズラ好きのゴースト共がいて邪魔しにくるらしいです。 
奥に進むにつれて霧はますます濃くなるので、自分の手も分からないほどの視界の悪い場所もあります。 
地下図書館D階層には吸血鬼の家があるらしいです。 
ただしターナーか吸血鬼自らの道案内でもない限りたどり着くのは困難です。 
ちなみにD階層の王は死王と呼ばれています。塩ではなく死王です。
外見は黒猫の姿をしています。

6 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 16:46:39 0
(参考資料) 
※一般生徒、教師用に発表された説明を基にしているため、事実と異なる部分があります 
 真実を知りたい方は過去ログ参照。 

【第一部】 
念願の試験にみんなで合格しました! 
これで卒業と喜んだのもつかの間・・・なんと私達、卒業までに受ける試験のうち一番最初の試験にパスしただけでした。 
学ぶべき事も、覚えなくてはならないことも山積み。 
卒業までの道のりは、まだまだ遠く険しいみたいです・・・。 

【第二部】 
闇の魔法使いマリアベルによる、学園襲撃事件の顛末です。 

幾つもの人格を持つマリアベルは、ある生徒に成りすまし学園内に侵入しました。 
マリアベルの人格のうちの一人は、学園内に大量の悪魔を召喚し、混乱に乗じて建物を破壊し塔へと再構築させました。 
襲撃の際殆どの生徒たちは転移ゲートから島の外へ避難しましたが、学園に残った生徒や教師もゼロではありませんでした。 
彼らは協力し、悪魔やマリアベルに戦いを挑みました。 
激戦の末、マリアベルは退けられ学園に平和が戻りました。 

事件直後にはさまざまな憶測が流れていました。 
マリアベルは何らかの儀式を学園で行おうとしたとも、何かを探していたとも囁かれていましたが、 
何れも噂の域を出ることはありませんでした。 
そんな噂も最近では聞かれなくなりました。事件の記憶は徐々に薄れつつあるようです。 

【第三部】 
魔法学園の日常編。 
夏休み明けの始業式の朝。なぜか猫化した女子生徒を人間に戻すべく奔走した友達&巻き添えを食らった方々のお話。 
果たして猫化した生徒は元の姿に戻る事ができるのでしょうか?

【第四部】 
始業式の翌日、ロック・ウィルは無断欠席をしました。 
お見舞いや成り行きでロックの部屋を訪ねた一同が見たのは、ロックではなく記憶をなくした見知らぬ少女でした。 
残された手がかりは、部屋に残されたメッセージと、少女が持っている一本の杖だけです・・・・。 
はたして少女の記憶は戻るのでしょうか? そして私達は、行方不明のロックを無事に見つけ出す事ができるのでしょうか? 

【第五部】
学園では生徒達の切磋琢磨のため、「リバース」という魔本の中で戦うイベントがあります。
ルールはいたって簡単。
参加者が所持しているペンダントを集め、配置された「ゴミ箱」に最も多く投下したものが優勝です。
なお今回のイベントでは、優勝者には特別に副賞としてとある女子生徒が贈呈されることになっていました。
はたして優勝の栄冠は誰の手に。
そして、不本意ながらも副賞にされてしまった女子生徒の運命は!

7 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:15:39 0
学園祭用パンフレット(抜粋)

・新規留学生、転入生は胸にピンクのリボンをつけています。
・来賓、および学園祭に招待された方は、胸に黄色のリボンをつけています。
・留学生、転入生、来賓の皆様には案内用スタッフがご同行いたします。
・案内用スタッフは腕、あるいは服のどこかに青い腕章をつけています。
 何か困ったことがあったら、お気軽にお声がけ下さい。
・学園祭と無関係な施設は関係者以外立ち入り禁止です。(寮、職員用施設及び実験室、森など)
・黄色いロープが張られた場所への立ち入りはご遠慮ください。

(後略)




8 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:18:29 0


テンプレは以上です。 




・・・・・・では、心行くまでお楽しみください。

9 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 18:38:07 0
(参考資料)
魔法少女シリーズの台詞集です。不定期更新。
レスを書くときの時系列整理によろしければご活用ください。
http://www32.atwiki.jp/mahousyoujo/pages/1.html

10 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 20:19:43 0
「おい、そこの地味な男。」
学園祭で盛り上がっている学園の一角にて、
地味目な男子生徒、ジミーはそう呼び止められ、ムカッとして振り向いた。
ジミーは自分が地味である事は自覚していたし、それを他人から指摘されるのは、
決して気持ちのいい事ではなかったからだ。
だからジミーは『俺の事を馬鹿にしてるのか!』と怒鳴るつもりだったのだ。
自分を呼び止めた少女の、その胸についたピンクのリボンを見るまでは。
>「俺の…おお!君は今日からこの学園に来た留学生だね?はじめまして、僕はジ…」
「場所を案内してくれ。」
彼を呼び止めた少女はジミーの言葉を遮った。
>「えっ?あ、いやごめん。青い腕章をつけた人がいるからその人に案内を頼んでよ。」
たしかに、ジミーには青い腕章がついていない。彼は案内用スタッフではないのだ。
しかし、ジミーの目の前にいる人民服の少女は、首を横に振る。
「別に難しい注文しているわけじゃねぇよ。トレーがどこにあるか知りたいだけだ。」
>「は?……トレー?ごめん、一体何の事か…」
少女は肩に担いだ槍を、イライラしたように少し揺らしながら言った。
「トレーだよ、トレー。お前が尻の穴から黒くて太い長物を垂れ流す場所が、どこにあるか教えろって言ってるんだ。」
>「ト、トイレの事かよ…(女子なんだから、もっと言い方ってもんがあるだろ。常識的に考えて…)
> トイレだったら、そっちの建物…校舎に入ってすぐ右の階段の横だよ。」
「そうか。」
>「あ、ところで僕の名前はジm…」
人民服の少女は、さっさと行ってしまった。
>「名前くらい名乗らせてくれよ…」
ジミーは地味な哀愁に包まれた。

「西方っておもしろいな。トレーが二種類もある。」
校舎に入った少女は、青い模様と、赤い模様がそれぞれの入り口の上に描かれたトイレの前に突っ立った。
「青い腕章をつけた奴が案内役だと言っていたな。なら、留学生用はこっちという事か。」
人民服の少女は、青い模様が描かれた方のトイレに入った。
そのトイレの中には、今だかつて見たことが無いすばらしい形をした便器があったが、少女は気にしなかった。
少女が必要としていたのは鏡だったからである。
「やっぱり、このリボン邪魔なんだよなぁ。」
少女は鏡を見ながら、胸についたピンクのリボンを外した。というのも、
ちょうど胸ポケットの位置にそのリボンがついていたため、タバコを取り出す際にいちいち邪魔になっていたのだ。
かといって、このリボンを外してしまうわけにも行かない。でなければ、自分が留学生である事を示せないからだ。
【Rebecca・Wong(レベッカ・ウォン)】
リボンには、彼女の西方における名前が記されていた。
「ここか?それともこっちか?いやいや、こっちの方が…」
レベッカは、何度もリボンを付けたり外したりしながら、一番いい場所を鏡を見ながら検討した。

数分後、レベッカは男子トイレから出てきた。

散々取り付ける場所を替えられたピンクのリボンは、最終的に彼女の股間に落ち着く事になったようである。
「さて、案内役はどこにいるんだ?」
レベッカが少し歩くと、案内役はすぐに見つかった。
案内用スタッフはわかりやすいように、腕、あるいは服のどこかに青い腕章をつけているのだ。
「おい、そこの案内役。」
レベッカはすぐにその人物を呼び止めた。
「俺の名前を言ってみろ。」

11 名前:魔法少女 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 21:45:21 0
テンプレ追加。

【学園生徒関連】 
・男子寮、女子寮は鏡像対象のつくりになっています。 
・女子寮には、生徒で結成された白百合騎士団という自警団がいます。 
・男子寮では、 隠密魔法戦隊というグループが人知れず暗躍しています。 
・三等過程合格者には指輪が与えられ、学園内の立ち入り禁止区画に出入り可能となります。 
 また、「ゲート」を使用し街へ出られるなど、一般生徒より優遇されます。 
・寮部屋に関しても一般生徒は大部屋ですが、三等課程卒業者以上になると個室が与えられます。 
・ただしカップルなど、当事者同士の間で合意があれば、特例として相部屋も認められます。 
・生徒での参加者は、基本的に三等過程卒業者以上とさせていただきます 

【カリキュラムについて】 
卒業までには幾つか試験があります。 
最初の試験(卒業試験という名称)に合格すると、三等課程合格という事になります。(第一部参照) 
・次に各分野を広く浅く学ぶ二等課程へ進学します。二等過程卒業すると、一等課程へ進学。 
・一等課程は二等課程で選択した分野を使った応用編。より実践的な分野を深く学びます。 
・なお、二等課程からは月一の割合で課題や指令が出されます。 


12 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:57:53 0
「下々の者よ!よく聞け!余の名はスクナ・ヒダノゴウ!
砂漠の王である。
庶民どもを統治する為に東方魔法学園で学んでおり、今回フィジル島魔法学園に留学に来た。
喜ぶが良い。諸君等に余の学友になる栄誉を授けよう!
とはいえ、畏れることは無いぞ?普段通りに生活していて良い。
でないと庶民の実態がわからぬでな!」

開口一番発せられた言葉がこれであった。
これは夢の中、学園長からの学園祭にくる転入生、留学生、来賓の紹介での一コマ。
スクナと名乗ったその男は金眼黒髪にハチマキ。
丈の短いベストにサラシ、ズボン、そして体の随所に巻かれる包帯。
腰に巻きつけている砂の入った瓶。
左二の腕には香炉の刺青、胸元には女の顔の刺青。
微妙に間違った砂漠の民の衣装を纏い、満面の笑みで自分を紹介した。

スクナの自己紹介はまだ続く。
「しかし!余の威光が諸君等を照らしてやれるのは日輪の輝く間だけ。
間違えぬように最初に言っておくのでよく見ておけ!」
そういうと、スクナは自分の左の二の腕に掘られた香炉の刺青に手を伸ばす。
驚いた事に、手はそのまま二の腕に入っていってしまった。

そして引き抜かれる手には香炉が握られており、左二の腕にあった香炉の刺青は跡形も無く消えていた。
「これは夜陰香炉と言い、一時的に夜にするアイテムである。
夜になるとどうなるか、見るが良い!」
その言葉と共に、香炉から漆黒の煙があふれ出す。
煙はたちまち辺りを覆いつくし、そこに【夜】が出現した。
闇夜に包まれながら、スクナの胸元に掘られた女の顔の刺青が広がっていくのが見えただろうか?

辺り一帯は夜の帳が落ち、ライトがつけられてスクナを浮かび上がらせる・・・
否、そこには既にスクナはいなかった。
スクナの代わりに、銀眼、黒髪ロングにリボン、衣装は変らぬが腹に巻かれていたサラシは胸を隠している。
左二の腕には鐘の刺青、胸元には男の顔の刺青。
香炉を片手に持った女が立っていた。

「ごめんなさい。ごめんなさい。カナブンよりごめんなさい!
スクナがとんでもない事を言っていますが、悪気は無いんです。
ただちょっと頭のイタイ子なんです。
どうか皆さん、仲良くしてやってください。」
開口一番頭を深々と下げて謝罪の言葉。
その後に漸く女の自己紹介が始まった。

名をツイナ・ヒダノゴウといい、スクナ・ヒダノゴウとは同一人物である、と。
自分達が太陽と月の運行に心身ともに影響を受け、昼夜で人物が入れ替わるニ身一体の種族だという事。
身に宿したアイテムで5分だけ夜や昼を作り出せる事。
そして、腰のつけた瓶を見せながら、瓶詰め砂漠を拾ってスクナは自分が砂漠の王だと思い込んでいるだけという事などを。

「あ、あの、お裁縫が少し出来ますので何かあったら言ってください。
どうぞよろしくお願いします。」
ツイナは最後にもう一度深々と頭を下げ、そこでスクナとツイナの紹介映像は終わったのであった。


13 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:58:56 0
文化祭の朝。
フィジル島最東端の岸壁。

朝焼けに照らされる二つの人影があった。
逆行で人物の特定はしにくいが、二人の会話は聞こえてくる。
「太陽が何もしなくともその輝きで隠れられないように、王たる気は意識せずとも周囲を萎縮させますわぁん。
それでは下々の実態を掴む事などできはしませんでしょう?」
「おお!?そうか?うむ、確かにの!」
「で・す・か・ら・・・こういったものを進呈しますわぁん。」
女のシルエットが男のシルエットに何かを差し出し、その効果を説明する。
男のシルエットは受け取りながらそれを聞く。

「成る程!バーサーカー将軍や徘徊ジェネラル方式か!
しかし何故じゃ?無料なのか?」
「あらぁん、いやだわぁん。王に貢献するのが下々の喜びですものぉん。」
「お、そうか?そうなのか!わっはっはっは!苦しゅうないぞ!」

一連のやり取りの後、男のシルエットは消えた。
そして朝日の中から出てきたのは・・・
不敵な笑みを浮かべたアルナワーズだった。

孔雀の羽で作られ、目玉模様をあしらわれた団扇で口元を隠しながらアルナワーズが校舎方面へと消えていった。

14 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 18:09:35 0
「ここだな・・・・・・」
学園祭で賑わう門の側で、一人の男が感慨深げに立っていた。
山高帽を目深に被っているため顔や年齢はよく分からない。
窮屈そうな上着に、だぶだぶのズボン。
大きすぎる靴は彼が歩くたびぱかぱかと音がした。
そして胸で揺れているのは黄色のリボン。
それには【Richard Roe】という名前が揺れていた。
そう、彼の名前はリチャード・ロウ。
学園長の夢では、中央からの客として名前だけ紹介されていた男だった。

ロウはまず招き猫広場に向かう事にしたようだ。
「なんだこれは、いつの間に」
ロウは招き猫の首輪をたっぷり3秒は眺めた後、呆れたように首を振った。
気を取り直し再び歩き出そうとしたロウの目の前を、青いワッペンをつけた生徒が通りかかる。
「ああ、そこの君」
ロウは案内係を呼び止めた。
声は意外と張りがある。もしかしたら若い男なのかもしれない。
「すまないが喉が渇いている。どこか休憩できるような場所を知らないか?」

15 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 20:29:29 0
人がごった返す廊下を、大きなトレイを持った少女が歩いていた。
通りすがりの生徒が彼女の後ろ姿を見てギョッとした後、笑いをかみ殺すかくすくす笑っている。
というのも彼女の背中には、
「美味しい紅茶とケーキの店、猫耳メイド喫茶は薬草学科2階にて絶賛営業中!!」
という文字が躍っていたからだ。

周りの反応に気づき、少女は居心地悪そうな顔で自分の姿を見下ろした。
彼女は濃紺のワンピースに、フリルのついた白いエプロンドレスをつけている。
同じく白いフリルの付いたカチューシャからは、黒い猫耳が生えていた。
(やっぱり似合ってないのかなあ?)
だったらこの姿を、『彼』に見られなくて良かったかもしれない。
大きなトレイを抱えた少女は、ずり落ちそうな腕章をなおすと一つため息をついた。
この猫耳メイドは、名をリリアーナという。

通りすがりの友達に何をしているのかと聞かれ
「今からターナー先生のところにティーカップを下げに行くの。」と答えた。
「もしも暇なら一緒に行かない?」
リリアーナは悪戯っぽく微笑むと、軽く相手に手招きをした。

>10
>「おい、そこの案内役。」 
「はい?」
反射的に振り返ったリリアーナは、相手の人物を見て思わず絶句した。
絶句したのは、何も彼女が異国の服や長い槍を持っているからではない。
彼女が転入生か新入生だと示すリボンが・・・その・・・股間に付けられているからだ。
>「俺の名前を言ってみろ。」 
「えと・・・・・・あの・・・・・・」
確か中つ国からの転入生だった筈だ。
だが焦っているためか、夢の中で聞いた名前を咄嗟に思い出すことが出来ない。
リリアーナは仕方なく、名前を確認するため相手の股間を凝視しなければならなかった。
「れ・・・れべっか・うぉん―――― レベッカ・ウォンさんね?」
リリアーナは姿勢を元に戻すと、恥ずかしさを誤魔化すようにレベッカに右手を差し出した。
「初めまして、私はリリアーナです。今回転入生のエスコート役をおおせつかっています。
 レベッカさん、どこか行ってみたい場所はありますか?」
そう言って握手を求めた後、リリアーナは少し逡巡した後小声でこう付け加える。
「あの・・・中つ国ではそういう場所にリボンをつける習慣があるの?
 こっちでは普通胸につけるんだけど・・・その・・・座った時とかに外れて刺さったら危なくない?」


16 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/10/28(火) 01:06:21 O
>「よーし、リハーサルもここら辺にしとこか。」
「うん、皆、お疲れ様!」
ここは学園祭の一角に設けられた特設ステージ会場。
ここではライブが行われるようだ。
ケオスは周りのメンバーの顔を見回す。
「でも、本当に僕でよかったの?ボーカルなんてポジション…」
>「何言ってんだよ、良いも何もこっちからお願いしたんだから。」
>「そうそう、折角ええ声しとるに歌わんなんて勿体ないわ。」
「はは、そんな事、無いよ。……それにしてもこの服…堅苦しいね。」
ケオスは自分の姿を確認して苦笑する。蝶ネクタイをしたケオスは絵に書いたような執事服を着ているのだ。かなり様になってるのは秘密だ!
>「大丈夫!めっさ、似合っとるから!」
>「ケオスは着慣れて無いだろ?本番までに慣れておいてほしいんだ。」
「うーん、そう言う事なら仕方無いか…」
と、ふと時計を気にするケオス。
「もうこんな時間…ごめん、じゃあ、言って来るよ。」
>「そういえば、ケオスは案内係だったな。」
>「本番、夕方からやからそれまでにはちゃんと戻って来てぇな?」
「分かった。じゃあ、また後で」
ケオスはメンバーと別れ、青い腕章を付ける。

17 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/10/28(火) 01:06:57 O
>「ああ、そこの君」
「え?」
しばらく学園内を回ったケオスは突如呼び止められる。
「あぁ、リチャード・ロウ、さんですね。」
黄色のリボンから名前を確認するといつもの無料スマイルを浮かべる。
>「すまないが喉が渇いている。どこか休憩できるような場所を知らないか?」
「そうですね……」
しばらく思案を巡らせ
「中庭などどうでしょうか?出店なども程よくあり、ベンチも設置されていた筈です。休憩するには最適な場所かと。」
「よろしければご案内致しますが…」
この対応、まるで本物の執事のようだ。

18 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/10/28(火) 17:33:48 O
学園祭の朝、あたしはユリと並んで校舎の近くを歩いていた。
あたしの腕には青い案内スタッフの腕章、ユリの腕にはプレスの腕章。
目的が違うはずなのに一緒に行動してるのは…実はやっぱり目的が似てるから。だった。
>>「砂漠の王様だよ王様!やっぱり、故国復興とか考えてるのかな!?」
「…あとから自己紹介した、ツイナの話聞いてなかったのか?
 あれは妄想で、スクナはただのアイタタな奴だって言ってたでしょうが」
だいたい砂漠の王様ってあたりからして胡散臭い。
あたしのイメージとしては、砂漠の王族はもっと宝石で着飾ってるものだし。
毒々トカゲのバジリスクも場所によっては砂漠の王とか言われてるらしいし。

>>「そんなの直接聞いてみなきゃ分からないじゃん!
 王様が本当で、ツイナが記憶喪失なだけかもしれないのにーっ!」
「まあ、それはそうかもしれないけど。
 王様探しをつき合えるのは、ピンクか黄色のリボン付けた人と会うまでだからね。
 こっちも仕事があるんだから」
案内用スタッフに選ばれたあたしだけど、もちろん無料でするつもりなんかない。
教頭にかけあって、実績に応じた報酬を貰う約束は取り付けてきている。
後はカモ…じゃなくて、扱いやすそうな来賓か転入生を探すだけだ。
>>「私だって出店の取材や、突撃イベント体験レポート書いたりしたいんだってば!」
言いながらデッキブラシをぶんぶか振り回すユリの目的は、当面は自称砂漠の王様を探すこと。
どうせなら2人で探した方が早いかと一緒に移動してるけど、これはあたしがカモを見つける方が早そうだ。

>>「アルナワーズ・ネットワークから、この辺りに王様がいるって聞いてたのに……見つけたーっ!!」
「うっそ!どこだよ!?」
あたしより目が良いユリは、スクナらしき人物を見つけたらしく、凄い速さですっ飛んでいく。
>>「はじめまして!王様!
 私、でいりぃ・ふぃじる突撃報道官のユリ・オオヤマです!
 さっそく質問なんですけど、ツイナさんの言ってたことは冗談ですよね!?
 スクナさんは間違いなく、砂漠の王様なんですよね!?」
あたしのフォローの届かない時に、いきなり核心に触れるなあぁぁぁ!!

19 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/10/28(火) 21:48:39 0
>15
> 「れ・・・れべっか・うぉん―――― レベッカ・ウォンさんね?」
案内役の少女がそう答えたので、レベッカはやっと西方での自分の名前が、
実際にどのように発音されるものなのかを知る事ができた。
「俺がレベッカ・ウォンだ。」
> 「初めまして、私はリリアーナです。今回転入生のエスコート役をおおせつかっています。
>  レベッカさん、どこか行ってみたい場所はありますか?」
> そう言って握手を求めた後、リリアーナは少し逡巡した後小声でこう付け加える。
> 「あの・・・中つ国ではそういう場所にリボンをつける習慣があるの?
>  こっちでは普通胸につけるんだけど・・・その・・・座った時とかに外れて刺さったら危なくない?」
「ああ?お前、股間を舐めてんのか?」
おそらく、リリアーナが誰かの股間を舐めた事など今まで無いと思われる。
「いいか?人間てのは、呼吸を通して宇宙のエネルギーを取り込んで生きてるんだ。
 そして、その宇宙のエネルギーが、体内で一番凝縮されているのが股間なんだぞ。
 中つ国にはかつてソン・ウーコンという、働かない最強の武術家がいたが、
 そいつはどんなに激しい戦いをしても、ズボンの股間部分が破ける事だけは無かったそうだ。
 これだけでも、股間がいかに大きなエネルギーをはらんでいるかがわかるだろう?。」
レベッカは、握手を求めて伸ばしていたリリアーナの手を取り、自分の股間へ押し当てた。
「どうだ?大きなエネルギーを感じるか?」
レベッカはリリアーナの手を離し、自分で自分の股間を押さえた。
「俺は感じるぞ。宇宙のエネルギーが、 み な ぎ っ て き た 。」
みなぎるレベッカは、リリアーナの頭を指差しながら言った。
「お前こそ、なんで卑しい獣の真似事みたいに、頭に作り物の耳をつけているんだ?」

リリアーナと心温まる交流(?)を深めたレベッカは、
行きたい場所として「西方の文化がよくわかる場所」をリクエストした。
「俺はフィジル島に来る前に、南島部(かつて西方の植民地だった)で西方の事をある程度は学んだが、
 どうもそれだけじゃ不十分だったみてぇだ。さっきもトレーが二つあって、どっちに入ったらいいか迷ったしな。
 だから、西方の文化が一番色濃いと、お前が思うところへ案内してくれ。」

20 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/10/28(火) 21:57:46 0
>18
>「はじめまして!王様!
> 私、でいりぃ・ふぃじる突撃報道官のユリ・オオヤマです!
> さっそく質問なんですけど、ツイナさんの言ってたことは冗談ですよね!?
> スクナさんは間違いなく、砂漠の王様なんですよね!?」

突撃取材はお手の物。
ユリが凄まじい速さで駆け寄ってインタビューを開始する。
その声に振り向いたのは・・・アルナワーズだった。
口元を団扇で隠しながら、楽しそうな視線を注ぐ。
しかし視線はアルナワーズだけのものではなかった。
団扇は孔雀の羽で作られており、その紋様に埋め込まれた目玉がぎょろりとユリとミルクを見つめていたのだ。

「あらぁん、学園一の情報通。肉弾派ジャーナリストのユリ・オオヤマ。
それから、冷徹な守銭奴だけど意外と人情話に弱いミルク・パウダーシュガーじゃない。」

ユリの目には確かにスクナが映っていたはずなのだが、見間違いだったのだろうか?
目の前にいるのはアルナワーズであり、変わらぬ表情と口調で更に言葉を続ける。
「エスコート指定受けていたのねぇん。
丁度いいわ。一緒に行きましょう。
あそこからいい匂い・す・る・し。
砂漠の王様の事についても話してあげてよ?」

にっこり微笑むその先には、焼き鳥の屋台があった。

21 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/10/28(火) 23:04:48 O
「あ〜…疲れたー。」
>「いらっしゃいませー。レイド先生、お客様ですよ。」
「う〜ん…面倒だなぁ…。」
>「何を言ってるんです、お客様は神様ですよ?」
「俺ぁ神様なんか嫌いだ〜。」
>「あの〜焼き鳥まだですか〜?」
>「あ、すいません。はい、どうぞ。」
「毎度ー。」
さて、既にお察しの人も居ると思うが、俺とエース先生は学園祭で焼き鳥の屋台を出している。
客の入りはまずまずと言ったところだ。
別に祭は嫌いじゃないし屋台を出すのも楽しいもんだけど…
物凄い疲れてるわけよ。
学園祭の前日にレオ先生と闘ったから。
もう全身筋肉痛…しんどい…。
「モグモグ…なかなか美味いよな〜この焼き鳥。」
>「僕がターナー先生に本を借りてタレを作ったんですよ?」
「……何か変な薬なんか入ってないだろうな…?」
>「…………。」
「意味深な沈黙だなおい。」
>20>「そんなことよりほら、またお客様が来そうですよ。焼き鳥の準備を。」
「へ〜い。」

22 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/28(火) 23:43:05 0
>17
「そうですね……」 
執事姿の生徒は、しばらく思案を巡らせた後にこやかに答えた。 
>「中庭などどうでしょうか?出店なども程よくあり、ベンチも設置されていた筈です。休憩するには最適な場所かと。」 
「ふむ・・・」
>「よろしければご案内致しますが…」 
「ああ、では若きバトラー殿、案内をお願いしようか」
ロウは鷹揚に頷き、執事服姿の案内役の先に立って歩き始めた。

「おお、そういえばわしはまだバトラー殿のお名前をお聞きしておりませんな。
 これは失礼した。お名前を伺ってもよろしいですかな?」
ロウは執事風の少年から名前を聞き出すと、それは良い名前ですな、と何度も頷いた。
「してケオス殿は、この学園に来られてもう随分長いのですかな?
 私は寡聞にしてこの学園の事はあまりよく分からないのだが・・・・・ケオス殿にとってこの学園はいかがですかな?」
ロウはそう口にした後、ケオスの反応を見てさらに付け加えた。
「ああ、そう堅苦しく思わんで下され。
 実はほれ、わしにもそろそろ入学を考える年齢の身内がおりましてな、
 これはいわゆる、学校選びのための「りさーち」のようなものでして」

>20-21
そろそろ中庭だ。ここにも屋台が軒を連ねているようだ。
屋台はどれも客もついており、それなりに賑わっているようだ。
「おお、これは実に食欲をそそる香りですな。ケオス殿、これはどの屋台のものですかな?」
どうやらロウは焼き鳥に興味を持ったようだ。
「もしよろしければ、ご馳走させてもらえんかの?
 いや実はわしは焼き鳥とやらを食したことが無くてな、正直どういう食べ物か見当もつかんのです。
 もしご迷惑でなければ、買い食いに付き合ってくださるとありがたいのだが」
そう言ってロウは、チップと焼き鳥代金を差し引いてもお釣りが来そうな金額を渡そうとする。


23 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/10/29(水) 16:37:16 O
>>20-21
なんとかユリに追いついたあたしは、微妙な部分を質問し始めたユリの襟首を引っ張って止める。
「すいません!ユリがいきなり失礼な事を……し…て」
スクナが機嫌悪くしていないかと心配して声をかけた時、相手が振り向いた。
無駄にゴージャスに孔雀の羽で作られた羽扇を片手に、楽しげにこちらを見るその顔は…
「げっ!アルナワーズ!?」

>「あらぁん、学園一の情報通。肉弾派ジャーナリストのユリ・オオヤマ。
>それから、冷徹な守銭奴だけど意外と人情話に弱いミルク・パウダーシュガーじゃない。」
だれが守銭奴だ、だれが。
>>「あ!アルナワーズだ!おはよー!
 あれー?おかしいな、確かに王様だと思ったのに…見間違えたかな?」
ユリは近くに王様がいないかとキョロキョロ周りを見回してるけど、当たり前だが見つからない。
あんな特徴ある格好のスクナとアルナワーズを見間違えるわけないだろ。
これは、アルナワーズお得意の幻術に釣られたか?

>「エスコート指定受けていたのねぇん。
>丁度いいわ。一緒に行きましょう。
>あそこからいい匂い・す・る・し。
>砂漠の王様の事についても話してあげてよ?」
アルナワーズの言うあそこを見れば、そこには焼き鳥の屋台が。
そこそこ繁盛しているらしく、他の客も入っている。
アルナワーズお勧めなら味に間違いはないだろう。
ただアルナワーズと一緒だと、何か厄介事に巻き込まれそうな気がするんだよなー。どうしよ。

>>「ほんとに!?よっし完璧!じゃあ焼鳥屋さんにしゅっぱ〜つ!!」
迷ってるうちに、ユリはさっさと焼き鳥屋に向かって歩き始めていた。
「…わかった。アルナワーズにはあたしも聞きたいことがあるし、一緒に行こう」
どこの策士だと言いたくなるような羽扇に埋め込まれた目を睨みつけながら、あたしも覚悟を決める。
目がギョロギョロ動くのを見ると、あれも何かのマジックアイテムのはず。
アルナワーズが何を考えてるか知らないが、話を聞けば分かることもあるだろう。たぶん。

>>「あ!レイド先生とエース先生発見!」
「レイド先生。こんな所で屋台をしてたんですか?」
焼き鳥屋台では、なんとレイド先生とエース先生が串を焼いていた。
アルナワーズの奴これも知ってたのか?
>>「レイド先生お勧めの美味しいところ三人分ほどお願いしまーす!!
 あ、そうそう先生。この焼き鳥の味の秘密ってなにかありますか?
 それから、屋台のアピールポイントなんかも、あわせて聞かせてください!」
ユリの興味がレイド先生の焼き鳥屋台に移ったので、 アルナワーズから話を聞くのは今がチャンスだ。
「さーて、それじゃあたしも聞かせてもらいましょうかアルナワーズ。
 あの自称砂漠の王のスクナって転入生と、あんたの間に何か関係あるの?
 手に持ってる怪しい扇子は何のマジックアイテム?
 今度は何を企んで暗躍してるのよ?」

24 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/29(水) 18:36:21 0
>19
>「ああ?お前、股間を舐めてんのか?」 
リリアーナはびっくりして、首を左右にぶんぶん振った。
>「いいか?人間てのは、呼吸を通して宇宙のエネルギーを取り込んで生きてるんだ。(中略)
 そいつはどんなに激しい戦いをしても、ズボンの股間部分が破ける事だけは無かったそうだ。 
 これだけでも、股間がいかに大きなエネルギーをはらんでいるかがわかるだろう?。」 
「え〜?!そのソンって人そもそも人間なの?・・・・・・・あ!でも言われてみれば・・・」
リリアーナは、先日のリバースで戦ったベアトリーチェの事を思い出していた。
彼女が超強力魔法でダメージを受けた時も、服の残骸はきえずに大事なところをしっかり隠していた。
(ずっと不思議に思ってたけど、あれも宇宙のエネルギーと関係してたのかも・・・)
そんなことを考えていたから、リリアーナは反応が遅れた。
>レベッカは、握手を求めて伸ばしていたリリアーナの手を取り、自分の股間へ押し当てた。 
>「どうだ?大きなエネルギーを感じるか?」 
リリアーナは熱いものにでも触ったかのようにぱっと手を引っ込めた。
「なななななななななな、何するんですかー!!」
リリアーナは真っ赤な顔をしてレベッカに抗議した。
>「俺は感じるぞ。宇宙のエネルギーが、 み な ぎ っ て き た 。」 
リリアーナはぽかんとしていたが、やがてだーっと滝のような涙を流した。
「レベッカさんって女の人だったんのね」
それにすごく変わっている。
それともレベッカが普通で、中つ国に行くと皆こんな感じなのだろうか?

みなぎるレベッカは、リリアーナの頭を指差しながら言った。 
「お前こそ、なんで卑しい獣の真似事みたいに、頭に作り物の耳をつけているんだ?」
「しっ、失礼ねっ!これは猫耳バンドって言うれっきとしたマジックアイテムなんだからっ!!」
きい〜っと拳を振り回して抗議したリリアーナだったが、ふいに真面目な顔になった。
「レベッカ、知ってるかもしれないけど、この学園には世界中からいろんな人々が集まっているわ。
 中には半人半獣みたいな、とても珍しい体質の人だっているの。
 だから、言葉には気をつけてね。
 あっ、もちろん悪気がないのは分かってるけど・・・・・・ね?」

レベッカはリリアーナに、「西方の文化がよくわかる場所」をリクエストした。 
>「俺はフィジル島に来る前に、南島部(かつて西方の植民地だった)で西方の事をある程度は学んだが、 
> どうもそれだけじゃ不十分だったみてぇだ。さっきもトレーが二つあって、どっちに入ったらいいか迷ったしな。 
> だから、西方の文化が一番色濃いと、お前が思うところへ案内してくれ。」 
リリアーナは腕組みをして考え込んだ。
猫耳メイド喫茶に連れて行こうかとも考えたのだが、西方の第一印象としてはあまりにアレである。
「うーん・・・・・・・じゃあ中庭を抜けて地下図書館に行かない?
 図書館には珍しい本が一杯よ。
 それに中庭には屋台がいっぱい出てるから、レベッカが知らない食べ物もいっぱいあると思うし」

レベッカと連れ立って歩きながら、リリアーナはふと疑問に思ったことを口にした。
「そういえばトレーって何のこと?西方じゃこれの事なんだけど」
リリアーナは手にもった銀色のトレイを指差した。

25 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/10/29(水) 20:44:52 O
>23>>「あ!レイド先生とエース先生発見!」
>「いらっしゃいませ〜。」
うぉっ!騒がしそうなメンバーが来たなぁおい…。
つーかミルクとユリの組み合わせは分かるが、そこにアルナワーズとは珍しい。
>「レイド先生。こんな所で屋台をしてたんですか?」
「ああ、ほとんどの教員は屋台を出してるよ。」
>>「レイド先生お勧めの美味しいところ三人分ほどお願いしまーす!!(中略)
 それから、屋台のアピールポイントなんかも、あわせて聞かせてください!」こいつはジャーナリストになるべくして生まれた人間だな…。
「あいよ、お勧めね…軟骨が良いかな〜?」
>「焼き鳥のタレは僕がターナー先生から本を借りて調合しました。塩は……営業秘密です(はあと」
「アピールポイントは…そうだな。交渉によっては結構安くなるよ。」
屋台で稼いだ金が俺達の懐に入って来る訳じゃないからな…。
「はいよ、鳥軟骨3人前お待ち。今回はサービスだ、持ってけ。」

26 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/10/29(水) 22:36:24 0
>24
> 「うーん・・・・・・・じゃあ中庭を抜けて地下図書館に行かない?
>  図書館には珍しい本が一杯よ。
>  それに中庭には屋台がいっぱい出てるから、レベッカが知らない食べ物もいっぱいあると思うし」
「食い物か。俺はどちらかといえばそっちの方が興味あるな。」
> レベッカと連れ立って歩きながら、リリアーナはふと疑問に思ったことを口にした。
> 「そういえばトレーって何のこと?西方じゃこれの事なんだけど」
> リリアーナは手にもった銀色のトレイを指差した。
「あ?それもトレーなのか?(西方の人間はこんなので用を足すのか。へえ。)
 俺が思っていた以上に、西方の文化は奥が深ーんだな。
 それにしても、お前は何でそんなものを持ち歩いているんだよ?」
まさかそれを今から(排泄的な意味で)使うんじゃないだろうな?と言おうとしたとたん、
レベッカは林の奥から小さな鳴き声を聞き、立ち止まった。
「……ちょっと待ってろ。」
レベッカは林の奥へ入っていった。

少しすると、レベッカは『ゆっくり拾ってね』と書かれたダンボール箱を持って帰ってきた。
レベッカはそのダンボール箱の中身をリリアーナにも見せた。
ダンボールの中には一つの小さな命が震えていた。それは生後何日も経っていないと思われる、
シベリアンハスキーの赤ちゃんだった。
「本当は3匹いたんだ。」
レベッカは、ダンボールの中に一匹しかいない子犬を見ながら言った。
食料も水も得られなかったせいで、子犬は肋骨が浮いて見える程痩せている。
それでも、いつか誰かが自分を迎えに来る事を疑っていないらしく、時折弱々しい鳴き声をあげるのだ。
「でも、駄目だった。他の2匹は既に死んでたんだ。おそらく何日も前にな。
 生き残ったこいつが病気にならないためには、他の2匹をダンボールの外へ捨てるしかなかった。」
レベッカはリリアーナを見た。
「今必要なのは、生き残った1匹に与える食べ物だ。死んだ2匹の犬に墓を作るのは後でいい。
 ここで頼りになるのはお前だけだ。力を貸してくれ、リー・リンチェイ。」
レベッカはリリアーナの名前を間違えた。

27 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/10/29(水) 22:42:52 0
>23
ユリがきょろきょろとスクナを探して見回す姿をアルナワーズはニヤニヤとしながら見ていた。
焼き鳥を食べると言う提案がすんなりと受け入れられ、ユリが駆けていく。
その後ろをゆっくりと着いていくアルナワーズ。

ユリが焼き鳥を注文している隙にミルクが覚悟を決めたような口調で問いかける。
>「さーて、それじゃあたしも聞かせてもらいましょうかアルナワーズ。
> あの自称砂漠の王のスクナって転入生と、あんたの間に何か関係あるの?
> 手に持ってる怪しい扇子は何のマジックアイテム?
> 今度は何を企んで暗躍してるのよ?」
その問いの意味がわからなかったのか、しばし首を傾げる。
しかし直ぐに表情を戻し、応えるのだ。
「自称だなんて無礼だわぁん。
企むも何も、アルナワーズは王の威光に触れて当然な行動をとっただけよぉん。
おほほほほほ!」
口元を団扇で隠しながら高笑いをするアルナワーズであった。

そうしていると、ユリが焼き鳥の乗った皿を持って帰ってきた。
それを見るや否や、焼き鳥の串を三本指の間に挟みこみ高らかに掲げる。
「あらぁん、ご苦労さまぁん。
やっぱり焼き鳥は塩よねぇん。
肉の旨味を十分に引き立てる塩こそ焼き鳥の王道だわ!
タレを持ってこなかっただなんて判っているわねぇん。褒めてあげる。
軟骨のコリコリ具合も最高!」
豪勢に三本一挙取りした割には食べるほうは一切れずつハムハムと微妙にみみっちい食べ方をしながら喜んでいた。

そんなアルナワーズを見ていたミルクは気付くであろうか?
団扇の内側には何やら映像と共に文字が浮かび上がっている事を。

28 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 01:02:49 O
>22
>「ああ、では若きバトラー殿、案内をお願いしようか」
「では、僭越ながらご案内させて頂きます。」
リチャードさんの先を歩き始める。
>「おお、そういえばわしはまだバトラー殿のお名前をお聞きしておりませんな。
>これは失礼した。お名前を伺ってもよろしいですかな?」
「これはこちらこそ失礼しました。
私、ケオス・キョンサンと申します。」
敬々しく頭を下げるケオス。
リチャードさんはしきりに良い名前だと誉めてくれ、ケオスも嬉しい気持ちになった。
>「してケオス殿は、この学園に来られてもう随分長いのですかな?
>私は寡聞にしてこの学園の事はあまりよく分からないのだが・・・・・ケオス殿にとってこの学園はいかがですかな?」
「えぇ、そうですね。長い部類に入ると思いますよ。
うぅーん、この学園は……」
>「ああ、そう堅苦しく思わんで下され。
>実はほれ、わしにもそろそろ入学を考える年齢の身内がおりましてな、
>これはいわゆる、学校選びのための「りさーち」のようなものでして」
「なるほど……この学園は面白い所ですよ。
日常の中で非日常が感じられると言うのでしょうか
騒ぎは日常茶飯事、とにかく居て飽きない所ですね。」
自分なりに学園について説明してみる。


29 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 01:05:19 O
>22>23>25
話をしながら歩いているといつの間にか中庭に着いていたようだ。
>「おお、これは実に食欲をそそる香りですな。ケオス殿、これはどの屋台のものですかな?」
「あぁ、これは焼き鳥の匂いですね。」
クンクンと鼻を鳴し、匂いの元を割り出す
>「もしよろしければ、ご馳走させてもらえんかの?
>いや実はわしは焼き鳥とやらを食したことが無くてな、正直どういう食べ物か見当もつかんのです。
>もしご迷惑でなければ、買い食いに付き合ってくださるとありがたいのだが」
「構いませんがそれ程の大金は頂けませんよ。」
苦笑を浮かべながら受け取ったお金の大半を返し、手元には焼き鳥が買える分のお金を残す。
「では、買いに行きましょうか。」
リチャードさんを連れ焼き鳥屋へと向かっていく
「レイド先生、エース先生、こんにちは。」
焼き鳥屋へ着くと折り目正しく挨拶をする
「すみません、ねぎまと軟骨、鳥皮につくねをお願いします。あぁ、ついでにレバーも」
注文を終えると先客たちに気付く。
「あ、ミルクにアルナワーズ、とたしかムリ・オオヤマさん、だったかな。こんにちは」
先客の三人にもしっかりと挨拶。……人の名前を少し間違えるのは最早愛嬌で済まされるレベルなのだろうか

30 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 17:27:24 O
>25 >27
>「あいよ、お勧めね…軟骨が良いかな〜?」
「軟骨!うわ〜美味しそう…」
食欲をかきたてる匂いと共に焼けていく焼き鳥に、ユリの目は釘付けになった。
>「焼き鳥のタレは僕がターナー先生から本を借りて調合しました。塩は……営業秘密です(はあと」
>「アピールポイントは…そうだな。交渉によっては結構安くなるよ。」
「ふむふむ。タレはターナー先生秘伝のタレで、塩は食べてのお楽しみ。
 交渉によっては安くなるので手持ちが少なくても安心…っと」
それでも手の方は、持っている手帳に聞いた情報を書き込んでいる。
この手帳の内容は『でいりぃ・ふぃじる』記者間で共有されている。
他の屋台やイベント情報と一緒に、レイドの屋台情報も『学園祭を百倍楽しめ!完全攻略本』に載せられる事だろう。

>「はいよ、鳥軟骨3人前お待ち。今回はサービスだ、持ってけ。」
「ほんと!?やったー!ありがとうレイド先生!!」
ユリはお辞儀をしてお礼を言い、三人前の軟骨串をもってアルナワーズとミルクの所に戻った。
「2人ともお待たせー!おすすめの鳥軟骨が、なんと!レイド先生のおごりだー!!」
>「あらぁん、ご苦労さまぁん。
>やっぱり焼き鳥は塩よねぇん。
>肉の旨味を十分に引き立てる塩こそ焼き鳥の王道だわ!
>タレを持ってこなかっただなんて判っているわねぇん。褒めてあげる。
>軟骨のコリコリ具合も最高!」
「わーい!褒めてもらっちゃったー!
 そうだよね、塩は最高だよね!
 でもタレもターナー先生の秘伝ブレンドみたいだし、後で食べてみたいなー。
 とりあえず、いっただっきまーす!!」
そう言ってユリは豪快に串にかぶりついた。

31 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 17:28:44 O
>25 >27-30
>「自称だなんて無礼だわぁん。
>企むも何も、アルナワーズは王の威光に触れて当然な行動をとっただけよぉん。
>おほほほほほ!」
「……は?あんたが?王の威光?」
ツッコミどころ満載な返事に、思わずオウム返しに言葉を出してしまった。
一人称が自分の名前な上に、王の威光に触れて当然の行動?
当然の行動ってなんだ?
あたしやユリと一緒に焼き鳥食べることか?
真面目に答えるとは思ってなかったけど、予想の斜め上の返事が返ってきたぞおい。

>「2人ともお待たせー!おすすめの鳥軟骨が、なんと!レイド先生のおごりだー!!」
「おごり!?さっすがレイド先生、話が分かる!!」
次の言葉を探してるうちにユリが焼き鳥持って帰ってきたので、質問は一時中断。
あたしにとっては、アルナワーズの返事より焼き鳥おごりの方が重大だ。

アルナワーズは意外にも焼き鳥の味にこだわりがあるようで、ユリを褒めながら一切れずつ食べている。
あたしも一口軟骨をかじってみると。
「わ、これは美味しい」
正直軟骨なんて歯触りを楽しむものだと思ってたけど、これは認識を改める必要がありそうだ。
使ってる鳥がいいのか軟骨自体の味が良く、それが塩の味と合わさって、何ともいえない絶妙の美味しさ。
これはアルナワーズが食べたがったのもわかる。
「ん…?」
美味しい屋台を教えてくれた事にお礼を言おうと、アルナワーズを見た時。
ちらりと持ってる団扇の裏側が見えた。
それは表の目玉ではなく、何かの映像と文字…だったような?
「アルナワーズ、ちょっとその団扇の裏見せ……」

>>「あーーっ!この味は!!」
いきなりユリが大声だして立ち上がったので、あたしの言葉はそれ以上続かなかった。
>>「レイド先生、エース先生、ありがとうございます!
 またこの塩の味に出会えるなんて思ってなかったよ!」
しかも塩がどうとか変なこと言い出すし。
「ちょっとユリ。いきなり何叫びだしてるのよ?塩がどうしたって?」
>>「これ!この塩!前にミルクにもらった死王の塩の味なんだってば!」
「なんだそんな事か……って、ちょっと待てーっ!
 あたし思いっきり食べちゃったじゃないかーっ!!」

安全確認のため慌ててレイド先生の所に行くと、そこには見知った人がいた。
>「あ、ミルクにアルナワーズ、とたしかムリ・オオヤマさん、だったかな。こんにちは」
「ケオス!?こんにちはなんだけど、今は先に確認したいことがあるんでごめん!」
ムリじゃなくてユリだよ!とか文句を言ってるユリの声を聞きながら、あたしはレイド先生に詰め寄った。
「レ、レイド先生!これは健康被害とか無い塩だよね!?ちゃんと安全確認してるよね!?」

32 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 18:12:45 0
レイドとエースが焼き鳥の屋台を営んでいるすぐ隣に焼きそばを売っている出店がある。
それこそが今回、とある理由で金を稼がなくてはいけなくなった吸血鬼が出している店だった。
鉄板の上を麺が踊って野菜が板上を彩り、テコでそれらを混ぜながら最終的に秘伝のソースを加えて軽く焼き上げる。
皿にうつして青海苔と紅しょうが、そしておまけの鰹節をのせてやれば魔者式焼きそばの出来上がり。

前に一度なぜか生きていた死王に食い物を作れと脅迫されて、作った焼きそばが好評でそれならばと店を出したのだ。
人間たちの味に対して果たして合うのだろうか?という疑問もあったのだが、食べている生徒の表情を見ると心配はないようだ。
ちなみに隣にいるレイドにはまだ気づかれていないようである。
それもそのはず三角巾とマスク、エプロンをして服装もおばちゃんに借りた清潔な白衣を着用しているからだ。
会ったときになにかしらの嫌がらせを懸念していたヴァンとしては、これは好都合といっていいのかもしれない。

「あれは、ミルクとユリと…アルナワーズ!」
三人はどうやら留学生を連れて学園の案内をしているようだが、この三人が揃うとものすごくいやな予感がしてしまう。
ミルクとユリについてはまだいいのだが、アルナワーズに関わるとロクなことに巻き込まれないので見つかるわけにはいかなくなった。
「今はなにもせず細々と嵐を乗り切ってくれた方がよいな…」
目的は隣のレイドの焼き鳥屋らしいので顔を見られないようにできる限り下を向いて、焼きそばを作ることに専念することにしたようだ。

>29
>「すみません、ねぎまと軟骨、鳥皮につくねをお願いします。あぁ、ついでにレバーも」
そうしているうちにケオスとリチャードがやってきたりと、どんどんヴァンにとっては思わしくない状況になっていくのだった。

33 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 19:48:52 0
>26
>「あ?それもトレーなのか?(西方の人間はこんなので用を足すのか。へえ。) 
> 俺が思っていた以上に、西方の文化は奥が深ーんだな。 
> それにしても、お前は何でそんなものを持ち歩いているんだよ?」 
「ああ、私、出前した分のティーセットを下げに行く途中だったから・・・・・・どうかしたの?」
リリアーナは突然立ち止まったレベッカに気づき、怪訝そうな顔をした。

>「……ちょっと待ってろ。」 
そう言って林に入ったレベッカは、手に『ゆっくり拾ってね』と書かれたダンボール箱を持って帰ってきた。 
中には子犬が一匹入っていた。ひどく衰弱している。
「ひどい・・・誰がこんなことを・・・」
リリアーナは厳しい顔でそう呟き、突然エプロンドレスを脱ぎ始めた。
>「本当は3匹いたんだ。」 
レベッカは、ダンボールの中に一匹しかいない子犬を見ながら言った。  
>「でも、駄目だった。他の2匹は既に死んでたんだ。おそらく何日も前にな。 
> 生き残ったこいつが病気にならないためには、他の2匹をダンボールの外へ捨てるしかなかった。」 
リリアーナは無言で頷き、優しくレベッカの背中を撫でた。
>「今必要なのは、生き残った1匹に与える食べ物だ。死んだ2匹の犬に墓を作るのは後でいい。 
> ここで頼りになるのはお前だけだ。力を貸してくれ、リー・リンチェイ。」 
「もちろんよレベッカ。ぜひとも私に協力させて!」
リリアーナは力強く頷くと、自分のエプロンドレスで衰弱した子犬をそっと包み込んだ。
(どうやらリー・リンチェイは異国の言葉だと勘違いしたようだ)
「じゃあ悪いけど中庭の散策は後でもいいかな?
 まずはこの子にミルクを飲ませなくちゃ。行きましょ!」
リリアーナはせかせかと歩き始めると、少し先の建物を指差した。
「実はあの二階で、私達のグループが模擬店をやってるの。
 猫と猫耳メイド――私みたいな格好の人よ――の両方で給仕する趣向の喫茶店なんだけどね。
 紅茶用にミルクも常備してるから、すぐに用意できると思うわ。
 本当は哺乳瓶かスポイドがあるといいんだけど・・・・・まあ何とかなるでしょ!」

猫耳メイド喫茶までたどり着いたら、リリアーナはすぐに子犬用に温かいミルクを用意するだろう。

34 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 19:57:07 O
>30>「ほんと!?やったー!ありがとうレイド先生!!」
「はっは。礼は要らんよ。」
>「レイド先生、次のお客様が来ますよ」
「結構来るな〜。」
>「レイド先生、エース先生、こんにちは。」
「お、ケオスか。いらっしゃい。」
>「いらっしゃいませ。」
ん?見知らぬ男性…黄色のリボンっつー事は招待客か。
>「すみません、ねぎまと軟骨、鳥皮につくねをお願いします。あぁ、ついでにレバーも」
「あいよ、少々お待ち〜。」
>31>>「あーーっ!この味は!!」
>>「レイド先生、エース先生、ありがとうございます!
 またこの塩の味に出会えるなんて思ってなかったよ!」
へ?どゆこと?
>「あ〜、バレてしまいましたか。」
>>「これ!この塩!前にミルクにもらった死王の塩の味なんだってば!」
「マジでか……。」
>「まさかバレるとは思いませんでしたよ。凄いですね、彼女の舌。」
>「レ、レイド先生!これは健康被害とか無い塩だよね!?ちゃんと安全確認してるよね!?」
「あ、当たり前じゃないっすか〜。なあ?」
>「はいどうぞ、今回はサービスです。持って行って下さい。」
エース先生は知らん顔でケオスに焼き鳥を渡していた…。
「…だ、大丈夫。今のところクレームは来てないから。」

35 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 20:58:24 P
「今日は待ちに待った文化祭ですわね」
誰も居ない方向に言葉をかける金髪の美女
「いったい誰に向かって喋ってるのお母さん」
それに突っ込むのは同じく金髪の美少年
お母さんと言うからには二人は親子なのだろうか?
確かに良く似ているが・・・それにしては母親の方が若すぎるような気がしてならない

「そんな細かいことはどうでもいいですわギズモちゃん
 それよりも猫メイド喫茶ですわ!リリアーナさんの所がやっているらしいんだけれど・・・・」
どうやら金髪の美女、もといフリージアは何か盛大に勘違いしているようだ

「お母さん・・・・猫耳メイド喫茶のメイドさんは猫じゃないよ」
冷静に突っ込むギズモ、それにしても人間語が上手くなったものである
以前はカタカナしか喋れなかったとは到底思えない流暢さだ

「こうしてはいられませんわ!
 急がないと席が埋まっちゃうかもしれませんわ!
 だって猫メイド喫茶なんですもの!!」
そんなギズモをガン無視して外に飛び出すフリージア

そういえばフリージアは氷魔法学科である
氷魔法学科の出し物はいったい何なのであろうか?
フリージアは手伝わないでいいのだろうか?

「お〜ほっほっほ!こんなこともあろうかと!こんなこともあろうかと!
 雪の精霊ユキダルマンにフリージングドールスーツを着せて影武者に仕立て上げていますわ!!」
いったい誰に説明しているのかは激しく謎であるがどうやら偽者を作って誤魔化しているらしい
多分すぐにばれると思うのだが・・・・

「ちょっと!お母さん!青い腕章忘れてるよ!!」
腕章を持ってフリージアの後を追いかけるギズモ
どうやらフリージアも案内係のようである
激しく不安である




(10分後・・・)

「・・・ええとおかしいですわねえ?猫メイド喫茶はここのはずですのに」
フリージアは何故か薬草学科とは正反対の方向にいた
実は方向音痴なのか?いや違う!これはリバース後遺症である!!
リバースの左右逆の世界に長く居たため方向感覚がおかしくなっているのだ
・・・・というのは冗談である
「よく見ると・・・・地図が逆でしたわ」
まさにお馬鹿である

その頃、賢いギズモちゃんはちゃんと猫耳メイド喫茶に辿り着いていた
「なんでお母さんが居ないの?」
だがしかしかかし居るはずのフリージアが居ない
「なんで?」
まさにギズモ涙目である

36 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 22:28:29 0
>30>31>29
三人で焼き鳥を満喫していると、ミルクが団扇の裏側を見せろと迫る。
「いや〜ん。何をするの?」
三本目の串を咥えつつアルナワーズが裏側を見せまいと抵抗していた時、突然ユリの叫びが響いた。
>「あーーっ!この味は!!」
突然の叫びの驚いて団扇を落としてしまうアルナワーズ。
落ちた団扇の裏側にはケオスの顔の映像と、簡単なプロフィールが映し出されていたのだが、直ぐに消えてしまった。
慌てて団扇を拾い上げるが、はめ込まれた目玉は閉じ、振ってもそれが開く事は無かった。
「な、なんてことを・・・!」
きっとミルクを睨みつけるように振り向いた時には既にミルクの姿はそこにあらず。
ユリと共に屋台のレイドに詰め寄っていた。

言葉の行き先を失い、二の句が出ないアルナワーズの前にケオスが現われた。
>「あ、ミルクにアルナワーズ、とたしかムリ・オオヤマさん、だったかな。こんにちは」
挨拶をしているのだが、ミルクはそれどころではない。
ので、代わってアルナワーズが相手をすることになる。

アルナワーズはケオスにビシッと串を突きつける。
「あなた、名前を間違えるとは失礼よぉん。
彼女はムリ・オオヤマではなく、ノリ、オオシタよ〜。
ちゃんと訂正しておきなさい。」
フンと息を撒き言い放つと、串をケオスが持つ皿の隅に置き踵を返す。
まるで「捨てて置け」と言わんばかりに。

>32
屋台でレイドに詰め寄っているミルクを一瞥し、隣の焼き側屋台へと歩いていく。
なにやら騒いでいるのをみて、関わるより先に腹を満たそうと判断したのだ。

「ヤキソバ大盛り肉玉ミックス・・・って・・・。」
ヴァンエレンを前に注文するその声が途中で途切れる。
下を向いてヤキソバを作るヴァンエレンをじっと凝視。
そして視線が屋台の隅々を巡っていく。
「店主・・・どういうことなのかしらぁ?」
ふつふつと浮かぶ怒りを押し殺したような声でヴァンエレンに問いかける。
と同時に、アルナワーズの手が屋台の中まで伸びてきてヴァンエレンの胸倉を掴む。

「ヤキソバを売っていながら芥子マヨネーズが無いとはどういうことぉん!
これだけの麺と、ソース、そして青海苔など揃っていながら芥子マヨネーズが用意されていないだなんて!
画龍点成・・・いいえ、これはもはやヤキソバへの冒涜じゃなくて!?」
信じられない事にアルナワーズの細腕はヴァンエレンを片手で持ち上げ、強引に屋台から引き摺り出そうとしていた。
いや、しかしそれ以前に、ヴァンエレンの腹の下数センチには熱々の鉄板灼熱地獄!

そんな事など全く意に介せず、アルナワーズは数センチの距離のヴァンエレンの顔に額を突きつけるように捲し立てるのであった。

37 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 22:31:23 0
>33
レベッカは、おもむろに槍を肩から下ろすと、
槍頭を正面に向けた状態で、それに跨った。
「俺の後ろに乗れ。」
いきなりそう言われても普通は戸惑うものだ。
なにしろ、跨る物が箒ではなく槍なのだから。
「わからないのか?こいつで空を飛ぶんだよ。」
槍で箒のように本当に空が飛べるのだろうか?
リリアーナがレベッカと同じように槍に跨った時、
その疑問は確信へと変わるはずだ。二人が乗った槍は、
猫耳メイド喫茶店のある建物の二階に向けて飛び立った。

「おい、開けろ。聞こえねえのか?」
レベッカは猫耳メイド喫茶店がある部屋の窓の外に滞空し、その窓をコンコン叩いた。
すると、リリアーナと同じような格好をした店員が窓を開けてくれた。
「リー、まずはお前から降りろ。」
レベッカは、できるだけ槍を窓際に近づけ、リリアーナを中に入れさせた。
リリアーナの腕の中には、エプロンドレスで包まれた子犬が納まっている。
この衰弱しきった子犬には、すぐに温かいミルクを与える必要があるだろう。
レベッカは、何事かと集まってきた猫耳メイド達に向かって吼えた。
「お前ら、乳を出せ。そして、搾れ。」
あんまりである。

「なあ、リーよ。悪いがその子犬、しばらくお前に任せてもいいか?
 俺は死んだこいつの兄弟2匹が、烏(カラス)なんかについばまれないうちに、
 ちゃんと土に埋めてやりたいんだ。」
レベッカはリリアーナにそう尋ねた。
リリアーナがYESと言えば、レベッカはすぐに、先程子犬を拾った林へ行くだろう。
あえてレベッカを引き止めておく理由が無ければ、だが。

38 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 23:37:26 0
>29-32 >36
>「では、買いに行きましょうか。」 
どうやら『ヤキトリ』はかなりリーズナブルな食べ物らしい。

>「レイド先生、エース先生、こんにちは。」 
ケオスが注文後、他の生徒達に挨拶している。
ロウはレイド、アルナワーズ、ミルクと言う言葉に反応したものの、
報道担当のユリやエースにはさほど興味を持たなかったようだ。
アルナワーズが団扇を落とした時、一瞬だけ感情が動いたようだが、
「ほうほう」と頷いただけで特に何も喋らなかった。
ロウは少し離れた位置で、レイド達の屋台の繁盛ぶりやケオスのやりとりをじっと見ていた。
ケオスから「騒ぎは日常茶飯事」と聞かされた時と同じ、なんとも微妙な表情で。

ケオスが皿を持って戻ってくるのを、ロウは柔和な笑顔で迎えた。
だがアルナワーズがなにやら隣の屋台で騒いでいるのに気づき、ひょこひょこと近寄っていく。
>「ヤキソバを売っていながら芥子マヨネーズが無いとはどういうことぉん! 
>これだけの麺と、ソース、そして青海苔など揃っていながら芥子マヨネーズが用意されていないだなんて! 
>・・・いいえ、これはもはやヤキソバへの冒涜じゃなくて!?」 
>アルナワーズは数センチの距離のヴァンエレンの顔に額を突きつけるように捲し立てるのであった。 

「これこれアルナワーズとやら、店主まで焼きそばの具にするおつもりか?」
ロウはおもむろにアルナワーズの後頭部にステッキで突いた。
当然、突かれたアルナワーズの頭部は前方に――――。
「その辺にしておくが良かろう。
 時にお主、『か弱き乙女』のわりには随分と力持ちではないか。
 さてはドーピングでもしておるのか?」
ロウはケオスから焼き鳥を受け取ると、のんびりと口にした。

39 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/10/31(金) 00:01:33 0
>>36
>「ヤキソバを売っていながら芥子マヨネーズが無いとはどういうことぉん!
>これだけの麺と、ソース、そして青海苔など揃っていながら芥子マヨネーズが用意されていないだなんて!
>画龍点成・・・いいえ、これはもはやヤキソバへの冒涜じゃなくて!?」
アルナワーズのヴァンエレンを引っ張る力は細見とは思えないほどのパワーだったようで、
ヴァンエレンの腹部がアツアツの鉄板に今にもつきそうになっている。もちろん触れたらただではすまない!
>「その辺にしておくが良かろう。
>時にお主、『か弱き乙女』のわりには随分と力持ちではないか。
>さてはドーピングでもしておるのか?」

「その通りだ!みっともないぞアルナワーズ!!」

屋台のまわりに響き渡る声、その主は……誰もが認める我らがエリート『マオ・ミゼット』である!!
しかもなんとどういうことか珍しく学校指定のブレザーにスカートという格好。
そして腕には「生徒会」という文字の入った輝く腕章をつけている。

「フフン、そう、もうお察しの通り今回僕は学園祭の秩序を守る生徒会委員の役割を任せられてね。」
そう、この僕マオ・ミゼットは今回お前やド三流リリアーナのようなどうしようもないトラブルメーカーに対処するために
わざわざ生徒会に志願してやったんだ!!お前たちから露呈した情報で僕はあれからいろんな奴に色々と恥ずかしめを受けたんだ。
へタレ吸血鬼と付き合っているだのなんだの……本当に我慢ならなかった。そのおかげ成績も落ちるし!
フッ……フッフッフッフ、まあいい、もう過ぎてしまったことだ。今から戻せといっても戻せない。
だから僕は自分なりに憂さ晴らしをさせてもらうだけだ!!

さてと、説明もできたところで僕は屋台や周りの状況を見る。
どうやらさっきの来客の言葉からも分かるようにアルナワーズが悪いのはすでに見えている。
なにはともあれせっかく巡ってきたチャンスだ。逃しはしない!
「さてアルナワーズ。学園祭中に喧嘩はご法度、それも勝手な言いがかりで一方的に店主に攻撃するなど言語道断」
クックック……しかしまさかいきなりアルナワーズが釣れるとは思っていなかったな。
この調子でいけばあのリリアーナも、いやそれどころか月刊フィジルだとか下らんものを発行している
ユリとかいう女にも難癖つけて奴らの学園祭を台無しにしてやれるかもしれない。
「というわけでアルナワーズ、悪いがお前にはペナルティが下されなければならない。
 秩序を乱す奴にはそれなりの罰をというやつだ、いいかな?」
さあて、どんなペナルティにしようか?こってり2時間ぐらい生徒会室でしぼるのもいいな。
少なくとも時間を無駄にしてやれるしテンションも下げれる。いやいっそ「危険人物」として今日一日僕がお目付け役で張り付くか?
こいつに張り付いていればリリアーナも釣りやすくなるだろうし……フッフッフ……あーもう!復讐って楽しいなぁ!

40 名前:リリアーナと猫と猫耳メイド ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/10/31(金) 20:22:36 0
>35
>「なんで?」 
>「ギズモとやら、フリージア女王様はどうなさいましたのー」
>「せっかく我ら猫メイドが女王様の接待をしようと思っていましたのにー」
>「釣れたのがグレムリンなんてあんまりですわー」
>「あんまりなのですわー」
>「フリージア女王様を今すぐ出しやがれ!なのですわ〜!」
涙目のギズモに、やさぐれた白猫と黒猫がじりじりと迫る!
危うしギズモ!

―――― だが救世主は、全く予想外の場所から現れた。

>37
「おい、開けろ。聞こえねえのか?」 
>レベッカは猫耳メイド喫茶店がある部屋の窓の外に滞空し、その窓をコンコン叩いた。 
>「リリアーナ!と・・・誰?」
>「ちょっとどうしたのよ、お客さんを連れてきたのならドアから入ってよ」

>「リー、まずはお前から降りろ。」 
「うん!ごめん皆、死にかけてる子犬を拾ったの。
 一刻を争う緊急事態だから、悪いけどここから入らせてね」
リリアーナは子犬を片手で支えながら、窓枠に手を伸ばした
「あらっ、ギズモじゃない!ちょっと手を貸してくれる?」
リリアーナはギズモに引っ張ってもらおうと、開いている方の手をギズモに伸ばした。

>「子犬?」
>「どういうこと?もしかして学園の中に捨てられてたってこと?」
レベッカは、何事かと集まってきた猫耳メイド達に向かって吼えた。 
>「お前ら、乳を出せ。そして、搾れ。」 
猫耳メイド達は真っ白になった後、口々に叫んだ。
>「モーこの子ったら!何てこと言うのよ〜」
>「モー信じられないっ!」
>「モー!何で子犬抱っこしてるリリアーナに言わないのよー」
「だーれーがー搾ろうにも掴みどころもないミニマムおっぱいすって〜!?」
くわっ!とリリアーナが吼えたが、子犬の弱々しい泣き声にハッと我に返る。
「今すぐこの子にミルクを飲ませたいの。
 確かミルクティー用の牛乳があったわよね?人肌に冷めたのってあるかな?」
リリアーナは哺乳瓶の代用品を見繕いながら、友人たちに頼んだ。
>「なあ、リーよ。悪いがその子犬、しばらくお前に任せてもいいか? 
> 俺は死んだこいつの兄弟2匹が、烏(カラス)なんかについばまれないうちに、 
> ちゃんと土に埋めてやりたいんだ。」 
「『リー』って?――――あ、いや何でもない。
 了解よレベッカ、子犬は責任持って預かるから、早く兄弟のところに行ってあげて。
 それと林に行くのなら、ピクシー達に気をつけてね!」
リリアーナはミルクを子犬に与えながら、レベッカを見送った。

「・・・・・ところでギズモ、フリージアはどうしたの?もしかして誰かを案内中?」

41 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/10/31(金) 23:32:47 0
>38
【それ】は突然やってきた。

丁度引き摺り出そうとして、ヴァンエレンの体が横一文字に伸びた時、その背中に生える蝙蝠の羽根に気付く。
思わず顔を上げ、羽根をまじまじと見ながら
「その羽根・・・あなタッ!!」
そう、その台詞の最中に。
>「これこれアルナワーズとやら、店主まで焼きそばの具にするおつもりか?」
穏やかな声と共に後頭部に走る衝撃。
ほんの一瞬前ならばヴァンエレンの顔にアルナワーズの頭突きがめり込むだけで済んだであろう。
しかし、この瞬間、アルナワーズの顔は僅かに上に向いていた。
そう、丁度ヴァンエレンの顔と相対するが如きその瞬間に。

その結果、アルナワーズの顔がヴァンエレンの顔にめり込む事になる。
文章にすれば思いがけないキス☆となるかもしれない。
しかし、実際の光景は、顔と顔と面が凹凸を無視して激突する衝撃映像他ならない。
その瞬間、一瞬だがアルナワーズの姿にノイズが走り、ぶれる。

コンマ数秒二人の顔は平らになりくっつき、その後反動では慣れていく。
離れていく顔と顔の間に虹のように鼻血の架け橋が広がっていった。
しかしそれでもヴァンエレンの胸倉を掴む手は離れることはなかった。

>「その辺にしておくが良かろう。
> 時にお主、『か弱き乙女』のわりには随分と力持ちではないか。
> さてはドーピングでもしておるのか?」
「いきなり後ろから襲うとだなんてぇっ!!!」
倒れそうになるところを何とか足を踏ん張り、反動を利用してそのまま振り返る。
当然その右手には屋台から引き出されたヴァンエレンを引きずっている。
引きずられたままのヴァンエレンは気付いたであろう。
アルナワーズから流れる鼻血が明らかにアルナワーズではない匂いがする事に。

>39
>「その通りだ!みっともないぞアルナワーズ!!」
ヴァンエレンを掴んだままリチャードに食って掛かろうとするアルナワーズを制する一喝があたりに響く。
現われたのは生徒会の腕章を嵌めたマオ・ミゼット!
意気揚々と秩序を乱すものに罰則を!と宣言するマオを見ながら、アルナワーズは呼吸を整える。

「フィジルの秩序を守る者!
迅速な行動、本当に見事だわ。
でもぉ、事実誤認があるようねぇん。」
そういいながら引き摺っていたヴァンエレンを軽々とマオへと投げつける。
更にリチャードを指差しながら言葉を続ける。

「まずはヤキソバ屋台を出しながらからしマヨネーズを用意しなかった店主の怠慢と冒涜。
そして後ろから襲うなどと言う卑怯な真似をしたあの男。
秩序を持って裁きなさい〜。
事実誤認の謝罪はその後でよろしくてよぉん。」
自分に非があるとは毛ほども感じていないのだろうか?
いや、もしかしたら実際にアルナワーズに非はないかも・・・
一部始終を見ていても思わずそう思ってしまいそうなほど、あまりにも堂々と、そして厳かに宣言するアルナワーズの姿があった。

が・・・鼻血を流しながらではイマイチ緊張感も保てないのであった。

##############################

そんなやり取りの最中、ミルクの脳裏に教頭の声が静かに流れる。
『実績に応じた報酬だからな。当然担当の客がトラブルを起こせばエスコーターの管理責任を問われて罰金だぞ?』
と。

42 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 15:37:48 O
>32 >34 >36 >38-39 >41
>「あ、当たり前じゃないっすか〜。なあ?」
>「はいどうぞ、今回はサービスです。持って行って下さい。」
>「…だ、大丈夫。今のところクレームは来てないから。」
「そんな適当な!食の安全ってのは早めの対処がぐえっ!!」
レイド先生へのあたしの抗議は、後ろからユリに服を引っ張られる事で語尾が変になった。
「いきなり首を絞めるな首を!危ないだろ!」
>>「大丈夫だってミルク。私前に死王の塩食べたことあるし!
 それに、レイド先生とエース先生が、考え無しに危険なもの出すわけ無いじゃん!」
…確かに、少し落ち着いてみればそんな気もする。
それに危険物なら、アルナワーズが無警戒で食べたりしないだろうし…
「…それもそうか。あはは、ごめんレイド先生。ちょっと取り乱しちゃった。
 お詫びにお金払うから、ももをタレ付きで一串ください」
>>「私は同じのを十串!」

レイド先生から焼き鳥を買って食べていると、いつ移動したのか、アルナワーズが騒ぎを起こしていた。
隣は焼きそばの屋台のようで、アルナワーズが焼いてる人を引き上げて文句を言っている。
なんか、アルナワーズがいつもとキャラが違うような……イメチェンでも目指してるのか?

>「これこれアルナワーズとやら、店主まで焼きそばの具にするおつもりか?」
そんなアルナワーズの頭を、ケオスが案内していた来賓らしき人物が後ろから突く。
当然顔を近づけていた2人の顔面はもっと近づくわけで。
「うわあれは痛い…」
>>「ねえねえ今の!もしかしてキスしちゃった!?」
「よく見えなかったけど、しててもマスク越しだから大丈夫だろ…」
顔面は豪快に打ったかもしれないけど。
アルナワーズは自業自得だが、相手は運が悪かったですねと言わざるをえない。
>>「それに、アルナワーズを突いた来賓の人は中央から来た人だよね!?
 よーし、早速突撃インタビューを敢行だ!それ行けーっ!!」
「あ、こらちょっと待…」
ユリを追おうとしたあたしは、その時登場した人物をみて足を止める。

43 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 15:38:40 O
>「その通りだ!みっともないぞアルナワーズ!!」
「げ。また面倒なのがきたなぁもう…」
大声を上げたマオは、いつもと違うブレザーにスカートの女らしい格好をしていた。
でも問題はそこじゃなくて、腕につけてる「生徒会」とかかれた腕章。
あたしは自慢じゃないが生徒会とはあまり仲が良ろしくない。
連中は、やれ不法金利だ取り立てが無茶苦茶だと、すぐ人の商売の邪魔をしにくるから。
貸す時に同意は得てるし、借りて返さないのは盗人と同じだから別にいいだろと言っても、聞いてくれないし。
マオの奴、いつの間に生徒会に入ったんだ?

「あーぁ、ここはユリに任せて、あたしもケオスみたいにカモを探しに行こうかな…」
ため息混じりにあたしが広がる混乱を眺めていたとき、急に教頭の声が頭の中に聞こえてきた。
『実績に応じた報酬だからな。当然担当の客がトラブルを起こせばエスコーターの管理責任を問われて罰金だぞ?』
「えぇっ!?ちょ…教頭!?」
あわてて前後左右を探してみたけど、それらしき人はいない。
念のため上下も確認したけど結果は同じだ。
魔法で見張ってたのか!?でもトラブルを起こしてるあたしの客って誰だよ!
騒ぎの方に目をやれば、中心にはどう見てもトラブルを起こしてるアルナワーズの姿が。
不可解な言動。衝撃でぶれる姿。最初ユリが見たスクナ。
これはもしかして…

「レイド先生、エース先生、焼き鳥美味しかったよ、ありがと。
 あたしは仕事が入ったからもう行くね」
レイド&エース先生にお礼を言い、あたしはアルナワーズの所に駆け寄った。
よく見れば、焼きそば屋台の店主はヴァンエレンのようでこれはラッキー。
場をうやむやにする口実が増えた。
「アルナワーズの言うとおりよマオ!
 あんたも生徒会の一員なら、喧嘩両成敗の原則を忘れたとは言わせないからね!
 とはいえ当事者の一人は来賓だし、罰則を適用するわけにもいかないでしょ。
 つまり、この場はお流れ!全員無罪!
 さ、アルナワーズ、口直しにあっちの屋台に行って何か食べよう。
 マオは恋人のヴァンエレンの屋台が、気になって仕方がないみたいだから」
あたしは言うだけ言ってアルナワーズの腕を引っ張り、歩きながらこっそり話しかけた。
「いくら何でも簡単にキレすぎじゃないの?
 もう少し寛容とか忍耐の精神を持って他人に接してよね! お う さ ま!」

44 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 15:40:28 O
>>38
ユリはミルクの側を離れると、大急ぎでリチャードの所に行った。
アルナワーズの奇妙な振る舞いも、登場したマオの口上も、ミルクの行動でさえ一切眼中になし。
取材対象を見つけたら、空気も含めて周りのことは気にも止めずに一直線なのがユリなのだ。

>>「はじめましてリチャード・ロウさん!ようこそ魔法学園の学園祭へ!
 私、学園新聞でいりぃ・ふぃじるの記者、ユリ・オオヤマです!
 早速ですけど、リチャードさんは中央から来たんですよね!?
 中央と言えば、このフィジル島が昔栄えたムウ大陸の中央にあった山だって事が、一部で有名ですよね!
 リチャードさんが来た中央とは、やっぱりムウ大陸の事なんですか!?
 学園に来た目的は、年に一度、学園祭の時に開けると噂のムウ大陸への道と関係があるんですか!?
 もしかして、リチャードさんはムウ大陸人の生き残りとか子孫とか!?」

45 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 19:34:50 0
>40
レベッカは再び槍に跨ったまま空を飛び、先程ダンボール箱に入った子犬を拾った林に舞い降りた。
しかし、そこにはもう、死んだ2匹の犬はいなかった。
「あー、遅かったか。」
どうやらあの子犬達は、レベッカが着くより早くカラスか何かの餌食になってしまったらしい。
レベッカは槍を肩に担ぐと、しごくがっかりした様子で腰をその場に下ろした。
「油で煮たら食えると思ったのによ。」
レベッカは死んだ2匹の子犬を置いていた場所を撫でた。
この時、レベッカは二人の妹の事を思い出していた。そして、140年前の文化革命の事も…

レベッカの手がふと止まった。
「足跡?あの子犬のか?」
ごく僅かにだか、芝生の上に小さな足跡がついているのを感じた。
しかし、それはありえないことだった。あの2匹の子犬は間違いなく…
>「でも、駄目だった。他の2匹は既に死んでたんだ。おそらく何日も前にな。
> 生き残ったこいつが病気にならないためには、他の2匹をダンボールの外へ捨てるしかなかった。」(>26
死んだ子犬が、歩いて足跡をつけることができるはずが無い。
しかし、待てよ…と、レベッカは思った。レベッカは、もう一度ダンボール箱に入った犬を拾ったときの事を思い出した。
>ダンボールの中には一つの小さな命が震えていた。それは生後何日も経っていないと思われる、
>シベリアンハスキーの赤ちゃんだった(>26
「生後何日も経っていない子犬が、どうして何日も前に死ぬことができたって言うんだよ。」
レベッカは腰を上げた。あの子犬を拾った時、その子犬から魔力は感じなかった。
そして、魔力を持たずして魔力に等しい力を発揮する種族を、レベッカは一つだけ知っていた。妖怪である。

レベッカは一刻も早くリリアーナの元へ戻らなければいけなかった。
しかし、彼女がくるりと振り返った先に、灰色のフード付きマントで全身を隠した何者かが立ちはだかった。
「誰だお前?」
>「……スカー…フェイス。」
マントの端に付いた黄色のリボンには、確かに【ScarFace(スカーフェイス)】と書かれていた。
スカーフェイスは突然、中つ国の言葉をしゃべってレベッカを驚かせた。
>「ネイガハイズイーチンプーデージウ(あの子はもう助からない。)」
レベッカも中つ国の言葉でスカーフェイスに尋ねた。
『どういう意味だ?』
スカーフェイスからは、魔力が一切感じられなかった。その理由を、既にレベッカは察していた。こいつも妖怪だ。
>『文化革命の再来なのだ。』


その頃、生き残った子犬は従順な態度でリリアーナからミルクを与えられていた。
リリアーナは気づくだろうか?その子犬の尻尾が徐々に長くなり、三又に裂けた事を?
リリアーナは感じただろうか?その子犬の尻尾が、彼女の足首に絡みつこうとしている事を?

46 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 20:29:03 0
>36
引き続き注文の入ったやきそばを焼きながら、隣に聞き耳をたてて状況を確認する。
誰かの名前を間違えているだとか、それを訂正するアルナワーズだとかで相変わらずやかましいことこの上ない。
>「ヤキソバ大盛り肉玉ミックス・・・って・・・。」
「あ、あやややややっ?!」
いま最も回避すべき相手がこちらの焼きそばに興味を示したようだ。
なにやらやきそば通のような注文の仕方だが、ふと途中から何かに気がついて声を途切れさせる。
そしてしばしありえないくらいにヴァンを凝視し、調味料やら屋台全体を視線が一周する。
>「店主・・・どういうことなのかしらぁ?」
もしかしなくても確実に怒ってらっしゃる。
対してその怒りにまったく身に覚えがなく、『はわわ』と困り果てるのだがアルナワーズの顔を見れないでいる店主。
我慢の限界を迎えたのか、鉄板を越えて伸びてきた腕がヴァンの胸倉を掴んで曰く
>「ヤキソバを売っていながら芥子マヨネーズが無いとはどういうことぉん!
>これだけの麺と、ソース、そして青海苔など揃っていながら芥子マヨネーズが用意されていないだなんて!
>画龍点成・・・いいえ、これはもはやヤキソバへの冒涜じゃなくて!?」
「(´・ω・`)知らんがな…ってか熱ぅ!下鉄板ですって!」
なんとアルナワーズご立腹の原因は一平ちゃん御用達の調味料であるからしマヨネーズがないという理由だった。
しかし両者の顔が近い…が、遠くならまだしも近くで見るものが二人がキスしようとしている図には見えないだろう。
目が血走ってやばいですもの…アルナワーズの目が。

>38
乱暴を働くアルナワーズをロウが止めに入る…が!
>「これこれアルナワーズとやら、店主まで焼きそばの具にするおつもりか?」
手持ちのステッキで後頭部を突っついた…結果、アルナワーズの顔は少し前方へ。
星を巡るよ 純情おおおぉ!
「マ、マスク越しのヤックデカルチャー…」
実際のところ顔と顔がくっついてしまっただけなのだが、ヴァンはそう割り切ることはできなかったようだ。
アルナワーズは激突したときに鼻を痛めてしまったようで、鼻血を壮大にぶちまけている。
それでも胸倉を掴んでいる手は離すことはなく、恐ろしいほどの腕力によってずるずると引きずられて屋台から出されてしまった。
「この…血の匂いは……アル…ズでは…な、い」
なにかを言い残してヴァンエレンは気を失ってしまった。

>39>41
生徒会の勲章を引っさげて威風堂々とマオが颯爽と登場し、店主に暴力を振るっているアルナワーズを一喝した。
>「さてアルナワーズ。学園祭中に喧嘩はご法度、それも勝手な言いがかりで一方的に店主に攻撃するなど言語道断」
>「というわけでアルナワーズ、悪いがお前にはペナルティが下されなければならない。
>秩序を乱す奴にはそれなりの罰をというやつだ、いいかな?」
正論でまくし立ててアルナワーズを悪として裁こうとするマオ、しかし相手はあのアルナワーズなので一筋縄ではいかぬはず。
>「まずはヤキソバ屋台を出しながらからしマヨネーズを用意しなかった店主の怠慢と冒涜。
>そして後ろから襲うなどと言う卑怯な真似をしたあの男。
>秩序を持って裁きなさい〜。
>事実誤認の謝罪はその後でよろしくてよぉん。」
アルナワーズとは神か悪魔か…。
ヴァンは軽々と宙に放り投げられ、咄嗟のことにマオは気絶している吸血鬼一匹の体重に潰されてしまった。
「ぐぎゅうぅ…はっ、これは一体?
 どうしたのだマオ!?」
あわわと状況を整理できずに慌てふためくヴァンはとりあえずマオを立ち上がらせる。

47 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 23:23:43 0
>43>45
ヴァンエレンを投げつけ仁王立ちして宣言した直後、ミルクが飛んできた。
> さ、アルナワーズ、口直しにあっちの屋台に行って何か食べよう。
> マオは恋人のヴァンエレンの屋台が、気になって仕方がないみたいだから」
ミルクは場を収めるようにヴァンエレンの下敷きになっているマオに言い終わると、アルナワーズの腕を引っ張って歩いていく。
「あの二人ってそういう仲なの?
秩序を司る者が私情に流されるとはもっての外だわ〜。」
ミルクの言葉を聞きアルナワーズが憤慨するが、引っ張られてしまい、その場に留まる事は出来なかった。

不本意ながらも引っ張られるまま歩いていると、歩きながらこっそりと話しかけられる。
>「いくら何でも簡単にキレすぎじゃないの?
>もう少し寛容とか忍耐の精神を持って他人に接してよね! お う さ ま!」
その囁きに思わず足を止めるアルナワーズ。
「あ・・あら?何の事かしらぁ?
私はどこにでもいる町娘、アルナワーズよ〜。」
一応言い訳するが、声はしどろもどろ。
それに目は泳いでいて定まらない。
この反応だけでも十分状況証拠となります。
本当にありがとうございます。

勿論それに気付かぬミルクでもなく、じっと見つめられ、アルナワーズはダクダクと汗を流す。
十分に動揺した後、覚悟を決めたのか、今度はアルナワーズがミルクの腕を引っ張って歩き出した。
校舎の影に入り、キョロキョロと辺りを見回した後、態度は一変する。

「うふふふ〜。雉も鳴かずば撃たれまいに〜。
まだ気付かれるわけにはいかないのよねぇん。
鋭すぎる自分を呪うがいいわ〜。」
アルナワーズは身構え、完全に臨戦態勢に入っている。
ユリとの組み手をしているであろうミルクには判るだろう。
その構えがそれなりに【できる】格闘の型である事を。
逆に言えば、【それなり】の域は出ない訳なのだが。

腰を深く落とし、ドンッと片足を踏み出す。
しかしただ踏み出したその足の威力は恐ろしく強力で、反動で足元の石畳が一枚浮かび上がる。
続けて流れるような動きで浮かび上がった石畳が胸まで来た瞬間、アルナワーズの掌打が炸裂した。
その結果、10cm四方の石の塊がミルクへと突き進む事になる。

「安心してぇん。
なにも取って食おうと言うわけじゃないの〜。
ただちょっと眠ってもらうだけよぉん。
その間ちょっとその顔を貸してもらうけどねぇん。」
迫る石畳の向こう側に、ニタリと笑うアルナワーズの顔が見えただろう。

48 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/02(日) 07:26:29 0
>45
a「学園内にダンボールに入れられて捨てられてたぁ?」
b「それっておかしくない?そもそも犬を飼ってる人って数が限られてるでしょう?」
c「じゃあキメラつくりに失敗して持て余したとか?」
a「それにしたって誰か気づくでしょう?」
猫耳メイド達は口々に疑問を口にしたが、店が混んできたため今は仕事に戻っている。

賑わう喫茶店の片隅で、リリアーナは仔犬をにミルクを飲ませていた。
「かわいいね〜チビちゃん」
そう言って、一心にミルクを飲んでいる仔犬の頭を撫でる。
「もし飼い主が見つからなかったら、うちに来ない?あ、でもアルは犬好きなのかな?」

どうやって同室の少女を説得しようかと考えていたリリアーナは、ふと足首に違和感を覚えた。
てっきり誰かのいたずらだと思ったリリアーナは、
「ちょっとルズ、それともスーなの?くすぐったいから止めて」と笑った。
>「え?リリアーナ、何かわたくしにご用ですの〜?」
衝立の向こうからひょいとルズが顔を出した。リリアーナは目をぱちくりさせた。
そのルズの顔が衝撃に強張る。
>「フギャ――――!!リリアーナ、その怪物から今すぐ離れるのですわ〜!!」
訳がわからないといった様子のリリアーナに、ルズが地団駄を踏みながら叫ぶ。
>「三ツ又の仔犬なんて聞いたことありませんわよ!!」
「・・・・・・え?」
驚いたリリアーナは仔犬を持ち上げようとし――――気づいた。
ありえないほど伸びた三ツ又の尻尾の先が、自分の足首に絡み付いていることに。
「きゃああああああっ?!」
猫耳メイド喫茶にリリアーナの悲鳴が響き渡った。

49 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/02(日) 16:55:17 O
>「ケオス!?こんにちはなんだけど、今は先に確認したいことがあるんでごめん!」
「???」
(何かあったのかな?随分慌てているけど)
その時ふと視線を向けるとアルナワーズは落とした団扇が…
(アレは……)
記憶の片隅から今見た物を引っ張りだそうとする。
が……
>「はいどうぞ、今回はサービスです。持って行って下さい。」
「あ、ありがとうごさいます。」
>「あなた、名前を間違えるとは失礼よぉん。
>彼女はムリ・オオヤマではなく、ノリ、オオシタよ〜。
>ちゃんと訂正しておきなさい。」
「あ、ああ……ごめん、アルナワーズ」
ここで違和感を感じるケオス。皿の隅に置かれた串を眺める。
そうこうしていても仕方無いのでリチャードさんの元に戻る。
「すみません、ごたついちゃっ――」
>「これこれアルナワーズとやら、店主まで焼きそばの具にするおつもりか?」
「流石にいきなりは不味いですよ、リチャードさん」
盛大に鼻血を噴出すアルナワーズを見ながらリチャードさんに焼き鳥を渡す。その騒ぎの中さらに…
>「その通りだ!みっともないぞアルナワーズ!!」
「うぅーん、マオまで来たみたいだね。」
騒がしくなって来た周りをニコニコしながら見ているケオス。
>「というわけでアルナワーズ、悪いがお前にはペナルティが下されなければならない。
>秩序を乱す奴にはそれなりの罰をというやつだ、いいかな?」
>「まずはヤキソバ屋台を出しながらからしマヨネーズを用意しなかった店主の怠慢と冒涜。
>そして後ろから襲うなどと言う卑怯な真似をしたあの男。
>秩序を持って裁きなさい〜。
>事実誤認の謝罪はその後でよろしくてよぉん。」
>(前略)つまり、この場はお流れ!全員無罪!
>さ、アルナワーズ、口直しにあっちの屋台に行って何か食べよう。
>マオは恋人のヴァンエレンの屋台が、気になって仕方がないみたいだから」
どうやらアルナワーズはミルクが連れて行ってしまった。当然嫌疑はリチャードさんにかかってくるだろう。


50 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/02(日) 16:56:35 O
しかし、先ほどのアルナーワーズの行動が腑に落ちないケオス。
リチャードさんに近付き
「すみませんが、少々気になる事があるのでこの場はお任せします。
焼き鳥でも食べつつ彼女を上手くあしらっておいてください。すぐに迎えに上がりますので」
リチャードさんにそれだけ伝えると床を蹴る音と共に姿を消すケオス。ケオスの向かう先は…

ミルクに迫る石の塊…
だがそれはミルクの横から現れた飛来物に当り共々砕け散る。
見れば同じ材質の岩畳であった。
「全く……悪戯も程々しておいた方がいいよ、アルナワーズ……
いや、そっくりさん?」
アルナワーズ?からは壁が死角となりその人物が見えないだろうがミルクからは横を向けばその人物の正体が分かるだろう。
「上手く化けたつもりだろうけど、所々詰めが甘かったね。
本物のアルナワーズなら僕と面識があるから僕の事を貴方なんて呼んだりしないよ。
それに、焼きそば屋での一件…あれはよくないよ。」
コツコツと靴音をならして近付いて来たのは先ほどバトラー、ケオスであった

51 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 00:52:32 0
>41
>「フィジルの秩序を守る者!
>迅速な行動、本当に見事だわ。
>でもぉ、事実誤認があるようねぇん。」
「なんだと……お前何を言って」
しかし途中で言葉を切る、それもそのはずなんとアルナワーズは
どこにそんな力があるのかその細腕で店主らしき人物をこっちに放り投げたのだ!
口を開けて驚いていたために避けることもかまえることもできず
顔も分からない店主に押し倒されるような形で潰れる僕!
「うぎゅー!お、重い……!!」
しかもどうやら店主は気絶し完全に脱力状態。
脱力した人間ほど重いものはない……

>「まずはヤキソバ屋台を出しながらからしマヨネーズを用意しなかった店主の怠慢と冒涜。
>そして後ろから襲うなどと言う卑怯な真似をしたあの男。
>秩序を持って裁きなさい〜。
>事実誤認の謝罪はその後でよろしくてよぉん。」
なんという言いよう……もはや厄介を遥かに通り越している。
ろくでもない奴だとは聞いていたがまさかここまでだとは……
「い、いい加減にしろ!!お前の方こそ僕の公務を妨害するような真似をして!!
 しかも芥子マヨネーズ如きで喧嘩を売るなど……!
 だいたい!芥子マヨネーズなど邪道だ!!お前こそ冒涜してるじゃないか!」

>46
>「ぐぎゅうぅ…はっ、これは一体?
>どうしたのだマオ!?」
あーだこーだ言っていると店主が意識を取り戻したようだ。
しかしなんで僕を名前を知っているんだ。顔も知らない……ん?
「ヴァンエレン!?……まさか店主って…」
嘘かとも思ったがどうやら本当にヴァンエレンらしい……復讐することに夢中で全く見てなかった。
それにしてもなんでやきそば屋の店主なんて吸血鬼がやってるんだ?
何はともあれ僕を起こしてくれたヴァンエレンにそれとなく礼を言ったあと僕はアルナワーズの方向に振り返る。

「さてと、話しを戻そう……」
思わぬ人間に驚いたがヴァンエレンと話している暇などない。
その時、近くの焼き鶏屋からミルクともう一人……復讐対象にも入っているユリが出てくる。
だがとりあえずここはユリへの復讐心は置いておいて、ミルクは使えるかもしれない。
「ミルク、良いところにきた。まあ聞いてくれ。このアルナワーズが芥子マヨネーズを
 ヴァンが用意しなかっただけで冒涜だとか言っているんだ。どう考えてもアレ≠ネ発言だとは思わないか?」
金が絡まなければまあまあ常識人のミルクだ。どう考えても非は向こう側にあるわけだし、
僕の言っていることは理解してくれるだろう。が、しかしミルクはとんでもないことを言い始める。
>「アルナワーズの言うとおりよマオ!
>あんたも生徒会の一員なら、喧嘩両成敗の原則を忘れたとは言わせないからね!
>とはいえ当事者の一人は来賓だし、罰則を適用するわけにもいかないでしょ。
>つまり、この場はお流れ!全員無罪!
なッ……ミルク!おまえ金でもつかまされたのか!?
>さ、アルナワーズ、口直しにあっちの屋台に行って何か食べよう。
>マオは恋人のヴァンエレンの屋台が、気になって仕方がないみたいだから」
「こ、恋人じゃない!!!ってか勝手に行くなーっ!とまれ、おい止まれ金人間!!」
しかし僕の静止など無視してさっさと突き進み。すぐに人ごみにまぎれて消えていってしまった。
くそう揃いも揃ってこんな奴らばかり!なんでだ?生徒会に入ればいろんなことが許されるんじゃなかったのか?
これじゃあせっかくの僕の努力も無駄じゃないか………しかし、そんなとき中年の来客が目に映る。
そうだ、そもそもこの客分が勝手な真似をしなければ………いや、当たるのはよそう。
多分見かねてやったことなのだろうし喧嘩両成敗な以上は罰則を与える必要はない。

「なんかお腹が減ったな……、焼きそば作ってくれないかヴァンエレン。そちらの客分にも出してあげろ」





52 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 09:49:41 P
>40
>「ギズモとやら、フリージア女王様はどうなさいましたのー」
>「せっかく我ら猫メイドが女王様の接待をしようと思っていましたのにー」
>「釣れたのがグレムリンなんてあんまりですわー」
>「あんまりなのですわー」
>「フリージア女王様を今すぐ出しやがれ!なのですわ〜!」
「あうあうあう」
ギズモピンチ!?
このままでは何されるかわかったものじゃない
下手をすれば女装させられて喫茶店の手伝いをさせられるかもしれない
多分すごく似合うけど男としてそれは避けなければならないだろう

「お、お母さ〜ん!!」
そこに現われた救世主
>「あらっ、ギズモじゃない!ちょっと手を貸してくれる?」
「ほえ!?」

なんだかんだでリリアーナの手伝いをすることになったギズモ
>「お前ら、乳を出せ。そして、搾れ。」
「僕、男の子だよ、出るわけ無いよ」
誰もギズモには聞いてないと思われるがとりあえずボケておくギズモ
別にお嬢様じゃないんだからボケなくても・・・

>「・・・・・ところでギズモ、フリージアはどうしたの?もしかして誰かを案内中?」
「え〜とね、え〜とね・・・わかんないの、猫喫茶に行くって言って走ってったから居ると思ったのに」
と意味も無くかわいこぶりっこして答えるギズモ
そんなに女の子にもてたいか!!

その頃フリージアは・・・・
「逆方向だったなんて・・・・こうしてはいられませんわ!!」
一生懸命に猫耳メイド喫茶に走っていた
到着まで多分15分から20分ほど掛かるだろう
「待ってなさいな猫ちゃんのフロンティア!!」


>45>48
犬の尻尾が3本に分かれて絡みつくのを見たギズモは
「頭が3個ある犬は見たことあるけど尻尾3本は珍しいね」
と気楽なことを言っている・・・・駄目だ!このグレムリン役に立たねえ!!

もしここに居るのがフリージアなら犬には容赦せずけちょんけちょんなのだが
生憎フリージアがここに到着するまで後15分は掛かる
誰がピンチを救えるのか?

53 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 16:42:29 O
>47 >49-50
>「あ・・あら?何の事かしらぁ?
>私はどこにでもいる町娘、アルナワーズよ〜。」
なんて適当な言い訳だ。
あたしの指摘を受けてアルナワーズ…じゃなくてスクナは明らかに動揺している。
嘘つくのが苦手なタイプなんだろうが、バレた時の言い訳ぐらいちゃんと考えておけと言いたい。
嘘つくなこのヤローという感情を込めてじっと見つめてやると、ようやくスクナは観念したようだった。
あたしの手を引っ張って校舎の陰の方に入り、キョロキョロ周囲に人目がないか確認する。
やれやれ、やっと正体を表す気になったか。

>「うふふふ〜。雉も鳴かずば撃たれまいに〜。
>まだ気付かれるわけにはいかないのよねぇん。
>鋭すぎる自分を呪うがいいわ〜。」
「え?ちょ、ちょっと何構えなんか取ってるのよ?
 別にあたしは、あんたの正体を言いふらしたいんじゃないってのに!」
こ、こいつ!この期に及んで口封じを考えるとは、なんつー往生際の悪い奴なんだ!

あたしから見る限り、アルナワーズの構えは隙があるようには見えない。
どうみても格闘で勝てるわけないよな…
でもメギドなんか使ってケガでもさせたら、教頭にお客を攻撃した罰で罰金とか言われそうだし…
迷っている間にも、どんとアルナワーズ型スクナが地面を踏み鳴らす。
衝撃で跳ね上げられた石畳が、流れるようなアルナワーズの動きの結果あたしの方に打ち出され…
>「安心してぇん。
>なにも取って食おうと言うわけじゃないの〜。
>ただちょっと眠ってもらうだけよぉん。
>その間ちょっとその顔を貸してもらうけどねぇん。」
「その説明で安心できるかーっ!」
迫る石の塊を避けもできずにあたしがツッコミを入れた時、助けは別の方角からやってきた。

校舎の表の方から飛んできた何かが、迫り来る石にぶつかって軌道をそらす。
地面に落ちたそれは、アルナワーズ型スクナが飛ばしたのと同じ石。
>「全く……悪戯も程々しておいた方がいいよ、アルナワーズ……
>いや、そっくりさん?」
声のする方に目をやれば、なぜか執事姿のままのケオスがこちらに歩いてきていた。
「ケオス!?助かった〜!」
いやいやいやでもちょっと待て。
そりゃ助かったけど、このまま放っといていいのか?
スクナはまだ気づかれるわけにはいかないなんて言って、口封じを考えるような奴だぞ?
どう考えてもケオスやみんなにバレてるし、ここで暴れられたらあたしが罰金払わなきゃならなくなる!

>「上手く化けたつもりだろうけど、所々詰めが甘かったね。
>本物のアルナワーズなら僕と面識があるから僕の事を貴方なんて呼んだりしないよ。
>それに、焼きそば屋での一件…あれはよくないよ。」
「あー!あー!あー!ちょーっとごめんケオス!こっちこっち!」
慌ててあたしはケオスの袖を引っ張って脇に連れて行く。
「助けてもらっといて本当にごめん!
 でもあたし教頭のせいで、あいつが暴れないように見張ってないと、罰金払わなきゃいけなくなったんだよ!
 お願いだからここはあいつがアルナワーズだって事にして見逃して〜っ!」

ケオスに必死で頼み込んだ後は、再びとんぼ返りで偽アルナワーズの所へ。
「いやー!お待たせアルナワーズ!
 さっきはちょっとした誤解から変なこと言っちゃってごめんね!
 ケオスも納得してくれたみたいだし、仲直りの印に校舎の方を一緒に回ろう校舎の方を!
 ほらほら、急いで急いで!」
マオ辺りが追いかけてきてまた厄介なことにならないうちにと、あたしはぐいぐいアルナワーズの背中を押した。
ううぅ、なんであたしがこんな事しなきゃいけないんだ!?
最初の予定では、今頃扱いやすい来賓か留学生を連れて、のんびり学園祭の案内をしてるはずなのに!
それもこれもみーんな教頭が罰金とか言い出すからだ!
くっそ〜っ!教頭の奴、うまくいったら報奨金ふんだくってやるから覚えてろよーっ!!

54 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 19:15:27 0
>48>52
> 猫耳メイド喫茶にリリアーナの悲鳴が響き渡った。
> もしここに居るのがフリージアなら犬には容赦せずけちょんけちょんなのだが
> 生憎フリージアがここに到着するまで後15分は掛かる
> 誰がピンチを救えるのか?
幸いにも、フリージアと同様に容赦なくこの犬をけちょんけちょんにできる人物が客として来ていた。
“彼女”は、リリアーナの足首に絡んでいる尻尾を踏みつけると、犬の顔を容赦なく蹴り上げた。
尻尾がブチチッ、と不気味な音をたて根元からちぎれると同時に、
蹴られた体のほうは宙を舞い、壁に叩きつけられる。
それでもなお恨みがましくリリアーナと“彼女”を睨むその目は、もはや従順な子犬の目ではなかった。
「化け物め!」
白百合騎士団の小隊長、ピッコロが吼えた。
「リリアーナ、怪我は無いか?ジャジャ、すぐに図書館にいるポロリに連絡するんだ!」
>「はい!」
一緒に来ていた白百合騎士団員の一人が元気よく応えた。
白百合騎士団員の真髄はチームプレイにある。
指揮を取るピッコロ、切り込み役のジャジャ、解析役のポロリがそろってはじめて真の力を発揮できるのだ。

>>『魔法使いは皆死すべし!』
子犬が突然叫んだ。しかし、ピッコロには意味がわからなかった。犬の言葉が中つ国の言葉だったからだ。
しかし、リリアーナは例え言葉の意味がわからなくとも、別の意味で驚きを禁じえないだろう。
その犬の声が、レベッカと同じ声だったのだから。
「ポロリはいつ来る!?」
>「早くて15分です!」
「時間が無い!ジャジャ、猫耳メイド達の保護が最優先だ!
 お前は魔法障壁を展開しつつメイド達を廊下まで避難させろ!リリアーナ、お前も一緒に…」
>「隊長、来ます!」
「何だと!?」
ピッコロは驚いた。子犬がいつの間にか3本の長い尻尾を再生させ、
光の矢のようなものを周りに多数展開していたからではない。
その一連の攻撃準備において、一切魔力を発していなかったからだ。
光の矢の一本がピッコロに向かって飛んだ。
「この程度の攻撃!…ぐはっ!?」
ピッコロは魔法障壁を展開した。しかし、光の矢はそんなものおかまいなしとばかりに、ピッコロの体を貫いたのだ。
ピッコロはがくりとその場に膝をついた。

55 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 19:49:24 O
>42>「そんな適当な!食の安全ってのは早めの対処がぐえっ!!」
>>「大丈夫だってミルク。(中略)
 それに、レイド先生とエース先生が、考え無しに危険なもの出すわけ無いじゃん!」
よし、ナイスフォローだユリ!
偉いぞ!
>「…それもそうか。あはは、ごめんレイド先生。(中略)
 お詫びにお金払うから、ももをタレ付きで一串ください」
>>「私は同じのを十串!」
「オッケー、少々お待ち下さいませ〜。」

>「またのお越しをお待ちしておりま〜す」
ミルク達に焼き鳥を渡し、少し休憩しようかと思い椅子に座る。
>36>38>39>41>46
「ふぅ、疲れた。……何やら隣が騒がしいな…。」
>「そういえば隣の焼きそばは、どこぞの吸血鬼がやっているみたいですよ。」
「マジ?全然気付かなかっ……なんかカオスな状況に…。」
>「うちの学園祭でカオスにならない年なんてありませんけどね。」
「それもそうか…。さて、エース先生少し店を任せても良いか?」
>「構いませんが、どこへ?」
「ちょっと野暮用…」
>「猫耳喫茶ですか?」
ぎくっ。何故分かったんだ。
「い、行ってきまーす。」
俺は逃げるようにその場を去った。

56 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 20:32:25 0
>41 >46 >51
>「流石にいきなりは不味いですよ、リチャードさん」 
「おお、焼き鳥とはこういう食べ物なのか!」
盛大に鼻血を噴出すアルナワーズを尻目に、ロウは嬉しそうにケオスから焼き鳥を受け取る。
>「いきなり後ろから襲うとだなんてぇっ!!!」 
「はっはっは、すまんすまん、ついうっかり」
ロウは少しも悪びれず、口ばかりの謝罪をした。

>44
そうしている間にマオという生徒会の生徒が増えててんやわんやの騒ぎになる。
騒ぎの原因の一端を担っているというのに、ロウは面白そうにその様子を見ていた。
アルナワーズに「後ろから襲う卑怯者」と詰られても全く堪えたそぶりは無い。
すっかり見物モードになっているロウのもとに、ユリが駆け寄ってきた。
ユリは挨拶もそこそこに、インタビューを始めた。
>「(中略)リチャードさんが来た中央とは、やっぱりムウ大陸の事なんですか!? 
> 学園に来た目的は、年に一度、学園祭の時に開けると噂のムウ大陸への道と関係があるんですか!? 
> もしかして、リチャードさんはムウ大陸人の生き残りとか子孫とか!?」 
「はっはっは、ユリ殿はいきなり質問攻めじゃのう」
ロウは顎を手でひと撫ですると、ケオスが買ってきてくれた焼き鳥の串を手にとった。
「わしがどこから来たかは、ご想像にお任せするぞ。
 まあそれはそれとして、ユリ殿は今ムウ大陸への道とおっしゃったかな?」

>50
そこでケオスがロウの元へ戻ってきたため、ロウは一旦口を閉じた。
>「すみませんが、少々気になる事があるのでこの場はお任せします。 
 焼き鳥でも食べつつ彼女を上手くあしらっておいてください。すぐに迎えに上がりますので」 
「おお、おお。気にせず行っておいで」
ロウは快くケオスを見送ると、再びユリに向き直った。
「ムウ大陸か・・・・・・・ユリ殿は物知りだのう。
 おお、そういえばこの学園には、古い言い伝えか歌が伝わっていたのではないかな?
 あれは宝への道を示すものだと聞いたことがあるが」
ロウはそこで思わせぶりに目配せすると、焼き鳥の串を左右に振った。
「ユリ殿は何か心当たりがあるようじゃの。ほっほっほ。ユリ殿のスクープ、楽しみにしておるぞ」

>46>51
>「なんかお腹が減ったな……、焼きそば作ってくれないかヴァンエレン。そちらの客分にも出してあげろ」 
「おお、すまんのうマオ君。おお、マオさんも一休みして、わしらと焼き鳥をご一緒しませんかのぅ?」
ロウはニコニコとマオを誘った。

>37
そのときふっと日が翳った。
ロウはなにげなく上空を見上げ、愕然とした表情を浮かべた。
そこには棒状のものにまたがり、空を飛ぶ二人分の人影があった。
だが問題は、片方はズボンだがもう片方はワンピースののような物を身に纏っていた事だ!!
ロウは槍が飛び去る姿を見送っていたものの、我に返ったとたんぶるぶると震え始めた。
「なんじゃあれは!あれではスカートの中が丸見えではないか!しかもあの格好・・・!!」

ロウはユリとマオ、ヴァンエレンに向き直ると、飛び去っていった箒を指差した。
「何と破廉恥な!!ユリ殿、アレは一体何なのじゃ?!」
何なのじゃと聞かれても抽象的過ぎて回りの人間にはさっぱりだろう。
だが少なくとも、ロウはかなりご立腹の様子だ!!
「ユリ殿!!」
ロウはものすごい剣幕でユリに問い掛けた。
「学園新聞のジャーナリストならご存知だろうか?
 他でもない、先日リバースで行われたイベントの事だ。
 優勝者にはリ・・・とある女子生徒を好きにしていいという副賞があったと聞いたが、それは真実か?」



57 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 23:17:04 0
>50>53
ミルクに向かっていた石畳が突如として爆発するのに偽アルナワーズの眉が歪む。
あれは障壁で粉砕された爆発の仕方ではない。
というより、ミルクが何らかの行動をとったようには見えない。
そうなれば考えられる事は第三者の介入。

だが、偽アルナワーズはそうは考えなかった。
自分が感知できない迎撃をミルクが行った。と考えたのだ。
偽アルナワーズからケオスの迎撃の姿は死角となって見えなかったので仕方がない。
「ちょっと手加減しすぎたかしらぁん?」
首をかしげながら呟いていると、、コツコツと足音が近づいてくる。

>「上手く化けたつもりだろうけど、所々詰めが甘かったね。
そこに現われたのは先ほどのバトラー、ケオス、だった。
その佇まい、その静けさからケオスの力量を肌で感じ取る偽アルナワーズ。
「あらぁん、どうしてこう面倒が起きるのかしら〜。
少々本気を出しちゃおうかしらねぇ!」
その言葉と共に、偽アルナワーズの周りに乾いた風が溢れ出す。
向き直り構えを取ったところで、ミルクがケオスの袖を引っ張って脇に連れて行く。
標的が脇に引っ込むと言う思わぬ出来事に力が抜ける偽アルナワーズ。

少しして戻ってきたミルクの態度は一変していた。
誤解していた事を話し、仲直りに一緒に校舎の方を回ろうとぐいぐいと背中を押す。
あまりの変りように頭の中は「???」となっている隙にそのまま押して連れて行かれてしまった。

「あらぁん、丁度いいわぁん。あそこに行きましょう?」
暫くミルクに押されていたが、校舎隅に立つ建物を見てアルナワーズは率先して歩き出した。
その先にあるのは学園付属博物館。
古今東西の歴史、史料が収められている図書館と並ぶ智の宝庫。
とはいえ、今は学園祭の熱気の為訪れるものも少なく、まるで別世界のような佇まいを見せていた。

博物館に入ると中は明るく整理されているのだが、気のせいか温度が1.2度低く感じる。
空間操作されている為、外見とはまったく別の広大な展示室が広がっている。
人でごったがえす外に比べ、ただ広い中にまばらと言うほどもいない人影がそう感じさせているのかもしれない。
その中を無尽の野を行くかのごとくずかずかと進んでいく偽アルナワーズ。

暫く行ったり来たりを繰り返し、漸く足をとめると、おもむろに口を開く。
「流石は博物館、いい品が揃っているわぁん。
ねえ、ミルク・アロマーピロー?
私、乗騎を持っていないから空を飛べないのよねぇん。
なにか私に相応しいものはないかしらぁん?」

58 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/04(火) 18:06:02 O
>46 >51 >56
>「わしがどこから来たかは、ご想像にお任せするぞ。
> まあそれはそれとして、ユリ殿は今ムウ大陸への道とおっしゃったかな?」
「そうなんです!私の今回の学園祭での目的はズバリ!
 ムウ大陸への道を発見すること!
 今まで何人もの先輩たちが叶えられなかった悲願を、今年こそ達成したいんです!
 もしかして、リチャードさんは何か手がかりを知ってるんですか!?」
リチャードの発言に何かを感じ取ったユリは、普段以上の集中力を発揮して次の言葉を待った。

>「ムウ大陸か・・・・・・・ユリ殿は物知りだのう。
> おお、そういえばこの学園には、古い言い伝えか歌が伝わっていたのではないかな?
> あれは宝への道を示すものだと聞いたことがあるが」
「古い言い伝えか歌…。あれかな?それともあれかな…
 あっ!宝への道を示す歌ってもしかして、『かごめかごめ』!?」
『かごめかごめ』は学園に古くから伝わる歌で、その古さのために作者も歌の意味も正確には伝わっていない。
誰かが死に行く呪いの歌か、宝の在処を示す歌かとの解釈が有力だが、謎を解明できた人がいないのだ。
そしてユリは、『かごめかごめ』は宝につながる歌だと堅く信じている。

>「ユリ殿は何か心当たりがあるようじゃの。ほっほっほ。ユリ殿のスクープ、楽しみにしておるぞ」
「はいっ!貴重な手掛かりをありがとうございます!
 よーし!絶対にムウ大陸への道を見つけてみせるぞーっ!!」
握り拳を天に突き上げ、空を見上げてユリは決意を新たにした。

>「なんかお腹が減ったな……、焼きそば作ってくれないかヴァンエレン。そちらの客分にも出してあげろ」
>「おお、すまんのうマオ君。おお、マオさんも一休みして、わしらと焼き鳥をご一緒しませんかのぅ?」
「あ、焼き鳥も美味しかったけど、ヴァンエレンの焼きそばもおいひいよ。
 リヒャードはんもはべたほうがむぐむぐ」
ユリはいつの間にか、ヴァンエレンが屋台で焼き置いていた焼きそばを食べている。
焼きそばを食べながらのユリの言葉は、意味は伝わるだろうが聞き取りにくいものだったろう。
「うーんおいひー!あ、これやひほばのおだいだよ」
変わらず口をむぐむぐさせながら、ユリがヴァンエレンに焼きそば代を支払ったとき、上空を誰かが通過した。
それは魔法学園では身近な光景だが、乗っている人間の片方が知り合いだったのを見てユリはぶんぶん手を振る。
「おーい!おーいってばー!」
だが急いでいたためか、相手はユリに気づかない。
お腹が空いていたんだねと勝手に納得したユリの興味が、手元の焼きそばに戻った時、リチャードが大声を上げた。

>「なんじゃあれは!あれではスカートの中が丸見えではないか!しかもあの格好・・・!!」
リチャードの豹変に、ユリは頭の中にハテナマークを浮かべる。
魔法学園では空を飛ぶことは普通のことで、どうしてリチャードがそんなに驚いているのか分からないのだ。
>「何と破廉恥な!!ユリ殿、アレは一体何なのじゃ?!」
「あぁ!リチャードさんはもしかして知らないのかな?
 私たちの魔法学園では、飛行魔法を使える生徒は、空を移動するのが普通なんだよ。
 ちなみに私はこのデッキブラ…」
>「ユリ殿!!」
見当違いの説明を始めたユリの言葉は、それどころではないリチャードに遮られる。

>「学園新聞のジャーナリストならご存知だろうか?
> 他でもない、先日リバースで行われたイベントの事だ。
> 優勝者にはリ・・・とある女子生徒を好きにしていいという副賞があったと聞いたが、それは真実か?」
「うん、本当。さっき上を飛んでいったリリアーナって娘の事だよ。
 リチャードさん詳しいんだね」
少しでも空気が読めれば、リチャードの豹変とリリアーナの関係に気づいたことだろう。
だがユリは空気の読めないアホの子だった。
「人気者のリリアーナを射止めようと、沢山の男子や女子が頑張ったんだよ!
 でもでも!ここにいるマオマオやヴァンエレンたち友達の活躍で、なんと優勝したのは本人のリリアーナ!
 リリアーナを狙う悪の陰謀は直前で粉砕されたんだ!」
芝居っ気たっぷりに話していたユリだが、ここで名案を思いついたのかポンと手を打った。
「そうだ!そのリリアーナは、今校舎の方で猫耳メイド喫茶を開いてるんだ!
 喫茶は男子に大人気だけどリリアーナには会えると思うから、直前話を聞きに行くのはどうかな!?」

59 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/04(火) 18:21:58 O
>57
>「あらぁん、丁度いいわぁん。あそこに行きましょう?」
「え?あそこ?」
今度はどこで騒ぎを起こすつもりだとげんなりするあたしの気も知らず、偽アルナワーズはずんずん歩いていく。
向かう先は学園附属博物館。
あたしはとっさに頭の中で学園イベント情報を思い返す。
大丈夫。ゲリライベントでも開かれてない限り、博物館でのイベント予定は無しだ。

思った通り、博物館の中はほとんど無人だった。
やれやれ、これで少なくともトラブルの心配はなくなったぞ。
行ったりきたりする偽物の後をついて、安心したあたしも久しぶりに館内を少し見て回る。
展示物は相変わらずの玉石混淆のカオスっぷり。
強力な魔道具と、その辺で掘り出してきたような土器が一緒に展示されてるのは、いつ見ても理解できない。
歴史的価値は同じくらいとは言ってもねえ…
あたしも土器を掘り出したら、博物館に売り飛ばすか。
そんな事を考えながら歩いていると、偽アルナワーズがぴたりと足を止めた。

>「流石は博物館、いい品が揃っているわぁん。
>ねえ、ミルク・アロマーピロー?
>私、乗騎を持っていないから空を飛べないのよねぇん。
>なにか私に相応しいものはないかしらぁん?」
「あたしの名前はミルク・パウダーシュガーだっての…
 最初ちゃんと言えてたんだから、それくらい覚えておいてよ…」
だいたい乗騎ってなんだ乗騎って。そんなのあたしだって持ってないぞ。
空飛べないならおとなしく、てくてく二本の足で地面を歩きやがれ。
よほどそう言ってやろうかと思って口を開けたとき、あたしの脳裏に閃くものがあった。
「あ。ふさわしい乗騎といえば、アルナワーズにぴったりのものがあったっけ。
 ほら、案内したげるからついてきてよ」


「…あったあった。これなんかいいんじゃない?」
不慣れな偽アルナワーズを導いて、あたしは目的の場所にやってきた。
それは、金色に輝く馬の像に引かれた金色の車。
車は別にケースに入れられているわけでもなく、誰もが乗って触れるように公開されている。
どうせ、誰も持ち出すどころか壊すことさえできないのだ。
この車は金ではなく、オリハルコンだかヒヒイロカネだかの魔法金属で出来ている。
実験してみたら、あたしの全力メギドラオンでも傷1つ付けられなかった。
しかも、この車の特徴はそれだけじゃない。

「この世界のどこかに昔ムウ大陸って所があってね。
 この車は、その国の王様が使って空を飛んでた車。
 どうも車自体が意志を持ってるみたいで、車に認められた者が乗らなきゃ1ミリも動かないんだってさ」
この博物館に車を持ち込んだのは学園長だ。
それも動かすというより空間移動で直接持ち込んだようで、現状見せ物以外には漬け物石にも使えない役立たず。
ただし見てる分にはゴージャスで素敵だから、博物館に来たらあたしはほとんどこの車の近くにいる。
今回来たのは単に、乗れなくて悔しがる自称王様を見たいだけだけどね。
自分が王の資格なんか無いと分かった時にどんな言い訳するか楽しみだわ。くくく。
「ま、でもいくらアルナワーズでも、さすがに王様の資格なんて無理だよねぇ。
 あっちに魔導工学科の生徒が作った飛行アイテムが展示されてるから、それを借りていこう。
 あれならだれでも乗れてそこそこ快適だから」

60 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/04(火) 20:37:45 0
>52 >54
>「頭が3個ある犬は見たことあるけど尻尾3本は珍しいね」 
「ちょ、ギズモ感心してないで助けてよ―――― っ!!」
>幸いにも、フリージアと同様に容赦なくこの犬をけちょんけちょんにできる人物が客として来ていた。 
>“彼女”は、リリアーナの足首に絡んでいる尻尾を踏みつけると、犬の顔を容赦なく蹴り上げた。 
>尻尾がブチチッ、と不気味な音をたて根元からちぎれると同時に、 
>蹴られた体のほうは宙を舞い、壁に叩きつけられる。 
「た・・・助かった・・・ありがとう!」
リリアーナは足首に絡み付いていた尻尾を振り落とし、彼女に礼を述べた。
そして壁に叩きつけられた『子犬だったもの』を見てぎくりとする。
こちらを睨みつけてくるそれは、先ほどまでリリアーナが抱いていた子犬とは全く別物だった。
「化け物め!」 
>白百合騎士団の小隊長、ピッコロが吼えた。 
>「リリアーナ、怪我は無いか?」
「はい、ピッコロさんのおかげでなんとか」
そう返事をして立ち上がろうとしたリリアーナは、自分の体の異変に気づき蒼白になった。
(た・・・立てない・・・?)

>>『魔法使いは皆死すべし!』 
「―――― えっ?」
リリアーナは衝撃を受けた。
子犬の言葉は分からない。分からないが――――
「何でレベッカさんと同じ声なのっ?!」
それとも、この子犬とレベッカとの間には何か関係があるのだろうか?
だがいつまでも他の事に気を取られている暇は無かった。
>「時間が無い!ジャジャ、猫耳メイド達の保護が最優先だ! 
> お前は魔法障壁を展開しつつメイド達を廊下まで避難させろ!リリアーナ、お前も一緒に…」 
「で、でもピッコロさん、私、足に全然力が入らなくて・・・・・・」
何とか逃げようと必死になっているのだが、足にまるで感覚が無いのだ。

>「隊長、来ます!」 
>「何だと!?」 
いつの間にか3本の長い尻尾を再生させた子犬は、光の矢のようなものを周りに多数展開していた。
子犬が光の矢を一本ピッコロに放った。だがピッコロならば十分に防げる筈だった。
そう――――普通の「魔法使い」の攻撃ならば。
>「この程度の攻撃!…ぐはっ!?」 
「きゃああああ!!ピッコロさんっ!!」
光の矢に体を貫かれたピッコロは、がくりとその場に膝をついた。
リリアーナは手近なテーブルを引き倒すと、その影に負傷したピッコロと自分の身を隠した。
「ピッコロさんが怪我したの!誰か、誰か助けて!!」

テーブルの影に隠れたリリアーナは、必死に考えを巡らせた。
「・・・・・・・どういうこと?ピッコロさんの魔法障壁は完璧だった筈なのに・・・。
 もしかしてあの光の矢には、魔法障壁が通用しないって言うの?」
一刻も早くピッコロには治療が必要だが、まずはこの窮地を切り抜ける事が先決だろう。
リリアーナはロックバスターを召喚し、テーブルの影から応戦した。
だが子犬を狙う事は出来ず、周囲に展開された光の矢を撃ち落とすことに集中していた。

また、子犬の殺戮宣言が言葉の壁で理解できなかったリリアーナは、テレパシーで子犬の説得を試みる。
『ねえ、私達はあなたに危害を加えたいなんて思ってないわ。
 あなたのご主人なら一緒に探してあげるから、もう攻撃するのは止めて!!
 私達はあなたの敵じゃないわ。』

61 名前: ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/04(火) 20:38:19 0
>55
一方。
猫耳メイド喫茶に行こうとしていたレイドの元に、猫耳メイド達が血相を変えて駆け寄ってきた。
「レイド先生、いきなり子犬の姿をした化け物が現れたんです!」
「今、白百合騎士団達が応戦してるんですけど・・・」
「そいつ魔法障壁が効かないんです!!おまけに魔法じゃない何かで攻撃してくるんです!!」
「まだ喫茶店の中に何人か残ってて・・・」」
「お願い、早く助けてあげて!」
「にゃーなのですわ〜!!」

62 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/11/04(火) 23:08:52 O
「可愛い教え子達の猫耳メイド姿なんて学園祭でしか見れないからな〜。
 アルテリオンには悪いけど、目の保養は必要だよな、うん。」
俺は少し罪悪感を感じながらも、一人で喫茶店へ足を進める。
「しかし…金が…教員は安くしてくれないか…ん?」
前方から猫耳メイド達が血相を変えて駆け寄ってくる。
「どうしたんだ?血相変えて。」
>「レイド先生、いきなり子犬の姿をした化け物が現れたんです!」
>「今、白百合騎士団達が応戦してるんですけど・・・」
>「そいつ魔法障壁が効かないんです!!おまけに魔法じゃない何かで攻撃してくるんです!!」
>「まだ喫茶店の中に何人か残ってて・・・」」
>「お願い、早く助けてあげて!」
>「にゃーなのですわ〜!!」
「あ、俺店に戻らないと…。」
そそくさと逃げようと来た道を戻ろうとする俺。
しかし…残念、メイド達にまわりこまれてしまった。
「分かった、お前達は他の先生にも連絡しといてくれ。」
それだけ告げると、俺は超ダッシュで現場に向かった。
>60現場に着くとそこには確かに尻尾が3本の子犬が。
「白百合騎士団が応戦してもこのザマか…厄介だな。
 召喚!グラビティ!」
俺は子犬に向けて2発の銃弾を撃った。

63 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/11/05(水) 18:31:00 0
>51
てんしゅ は しょうたい を あらわした!
>「ヴァンエレン!?……まさか店主って…」
ようやくマオは焼きそば屋の店主がヴァンエレンだということに気がついたようだ。
皆ももう気がついているようなので、これ以上コソコソしていても無駄だとわかって変装を解いた。
「今回の変装は自信があったのに…なぜバレたのだ?」
吸血鬼がガッカリしている隙にミルクはマオとアルナワーズのいざこざを喧嘩両成敗という名目で一件落着とした。
なかったことにという一方的にやられたほうのヴァンエレンにして見ればたまったものではない、がおそらく何か言ったところですべて流されるだけでだろう。

>43>56>58
>さ、アルナワーズ、口直しにあっちの屋台に行って何か食べよう。
>マオは恋人のヴァンエレンの屋台が、気になって仕方がないみたいだから」
>「こ、恋人じゃない!!!ってか勝手に行くなーっ!とまれ、おい止まれ金人間!!」
自然と声が荒くなってしまうマオだが、その制止を無視してミルクたちは他の屋台のほうへ行ってしまった。
>「なんかお腹が減ったな……、焼きそば作ってくれないかヴァンエレン。そちらの客分にも出してあげろ」
どこかお疲れのご様子のマオは焼きそばを注文し、やっと本業を思い出したヴァンが屋台へ戻っていく。
>「おお、すまんのうマオ君。おお、マオさんも一休みして、わしらと焼き鳥をご一緒しませんかのぅ?」
三人分の焼きそばを用意して、二人に手渡していき最後にユリに渡そうとしたときにはもう別の取り置きの焼きそばを頬張っていた。
>「あ、焼き鳥も美味しかったけど、ヴァンエレンの焼きそばもおいひいよ。
>リヒャードはんもはべたほうがむぐむぐ」
「毎度あり〜」
食べ物を口に含んで話すのはやめなさいとお母さんから教育を受けていなかったのだろうか?
そうツッコムべきなのだが、相手は大事なお客なのできっちりお代をいただいて感謝の返事を返す。

>「何と破廉恥な!!ユリ殿、アレは一体何なのじゃ?!」
アルナワーズが去ってからなんともほのぼのとした雰囲気に包まれていたのだが、空を見上げてリチャードが何かに怒っている。
>「学園新聞のジャーナリストならご存知だろうか?
>他でもない、先日リバースで行われたイベントの事だ。
>優勝者にはリ・・・とある女子生徒を好きにしていいという副賞があったと聞いたが、それは真実か?」
なんとここにおわす御仁は学園でも珍しい『頭が固い人種』のようだ。
人権を無視した事に憤激することは当然正しいはずなのだが…。
そんなことが日常茶飯事のこの学園に長いこといるとリチャードのほうが間違っているという感覚に陥ってしまう不思議。
>「人気者のリリアーナを射止めようと、沢山の男子や女子が頑張ったんだよ!
>でもでも!ここにいるマオマオやヴァンエレンたち友達の活躍で、なんと優勝したのは本人のリリアーナ!
>リリアーナを狙う悪の陰謀は直前で粉砕されたんだ!」
「いやぁ、それほどでもないぞ」
褒められたことに照れながら頭をポリポリとかいて「わはは」と笑い出して満面の笑顔になるヴァン。
>「そうだ!そのリリアーナは、今校舎の方で猫耳メイド喫茶を開いてるんだ!
>喫茶は男子に大人気だけどリリアーナには会えると思うから、直前話を聞きに行くのはどうかな!?」
どうやらユリたちはこれから猫耳メイド喫茶に行くような雰囲気なのだが、ヴァンはそのときに不意に悪寒に襲われることになる。
「うーむ、なんか嫌な予感がするのぉ〜」
はいフラグ来ました。
「まぁ、私は焼きそばを売るためにこの屋台から動くことはできないのだがな」

64 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/05(水) 22:15:52 O
>「ケオス!?助かった〜!」
「大丈夫?ミルク」
変わらぬ笑顔を携えてケオスはアルナワーズ?に向き直る。
>「あらぁん、どうしてこう面倒が起きるのかしら〜。
>少々本気を出しちゃおうかしらねぇ!」
「うん、僕としても、もう少しゆっくりと学園祭を楽しみたかったんだけどね。」
アルナワーズが構えるとケオスは構えこそとらないが四肢に力を込める。
今こそ、戦いの火蓋は切って落とされ……
>「あー!あー!あー!ちょーっとごめんケオス!こっちこっち!」
「?????」
と、ここでミルクからのタイムが入る。訳も分からず連れて行かれるケオス。
>「助けてもらっといて本当にごめん!
>でもあたし教頭のせいで、あいつが暴れないように見張ってないと、罰金払わなきゃいけなくなったんだよ!
>お願いだからここはあいつがアルナワーズだって事にして見逃して〜っ!」
「……うぅーん。」
ミルクからの申し出に少しばかり渋い顔をするが…
「ミルクがそこまで言うならね。じゃあ、彼の事は任せるよ。
しっかりとエスコートしてあげてね。」
ミルクを見送るケオスだったが思い出したように
「ああ、ちょっと待って、ミルク。」
一旦呼ぶ止め、胸ポケットからチケット二枚を取り出す。
「これ…僕が歌うライブのチケットなんだけど、もしよかったら彼と見に来て
このチケットがあれば最前列で見られるから。」
チケットを渡すと呼び止めてごめんと改めてミルクを見送る。

65 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/05(水) 22:16:49 0
>60>62
> リリアーナは手近なテーブルを引き倒すと、その影に負傷したピッコロと自分の身を隠した。
> 「ピッコロさんが怪我したの!誰か、誰か助けて!!」
>「ピッコロさん…ピッコロさーーん!!」
ジャジャはピッコロを助けたかったが、妖怪犬の放つ光の矢がそれを許さなかった。
ジャジャはその場に伏せて、かろうじてそれを回避した。
> 「・・・・・・・どういうこと?ピッコロさんの魔法障壁は完璧だった筈なのに・・・。
>  もしかしてあの光の矢には、魔法障壁が通用しないって言うの?」
>「ちくしょーっ!!」
ジャジャは妖怪犬に向かって椅子を投げつけたが、妖怪犬が長い尻尾の一本を振ると、
椅子は粉々に砕かれてしまった。ジャジャは錯乱し、
まるで自分が魔女である事を忘れたように手にしたものを次々と投げつけた。
どうやらジャジャは、リリアーナ以上にピッコロがやられた事がショックなようだ。

> また、子犬の殺戮宣言が言葉の壁で理解できなかったリリアーナは、テレパシーで子犬の説得を試みる。
> 『ねえ、私達はあなたに危害を加えたいなんて思ってないわ。
>  あなたのご主人なら一緒に探してあげるから、もう攻撃するのは止めて!!
>  私達はあなたの敵じゃないわ。』
リリアーナがテレパシーを送ると、妖怪犬はもがくように頭を振った。
どうやらこの犬は、テレパシーに対して苦痛を感じているようだ。

> 「白百合騎士団が応戦してもこのザマか…厄介だな。
>  召喚!グラビティ!」
> レイドは子犬に向けて2発の銃弾を撃った。
拳銃のサイトで狙うには小さい的である。
妖怪犬は、尻尾を床に叩きつけるようにして跳躍し、これをかわした。
そして、そのまま天井に尻尾の先を突き刺し、さながら蜘蛛のようにするすると移動する。
テーブルの陰に隠れていたリリアーナとピッコロであるが、今天井にいる妖怪犬からは丸見えである。
「…リリ……リリアーナ…」
ピッコロが弱々しく、リリアーナに話しかけた。
「ジャジャはどうなった?」
ジャジャは錯乱したまま、狂ったように物を投げまくっているが、天井の妖怪犬に有効なはずが無い。
「…これをジャジャに渡してくれないか?…頼む。」
ピッコロは、小さな丸い箱状の物をリリアーナに手渡した。しかし、ジャジャは錯乱しているので、
下手をすれば逆に攻撃される可能性すらある。
リリアーナはこの小さな箱をジャジャに渡せるだろうか?
あるいは、ここに居る者達が何かしらの方法で、妖怪犬を退ける事ができるだろうか?

66 名前:??? ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/05(水) 22:17:42 O
所変わって、ここは学園内某所

来賓や転入生、留学生のリボンも付けず辺りをキョロキョロと興味津津で見回す見慣れぬ白ゴスロリ幼女………
もとい、少女が居た。
「……!……!〜〜♪」
目にする物全てが物珍しいらしく興味引かれる物があるとあっちにフラフラ、こっちにフラフラしている。

フラフラと学園内を廻っていると
「……??」
騒ぎが起きている所へ着いてしまう。
そして、彼女は気付いてしまうのである。自分が知る匂いがその騒ぎの中心に居る事を…
「…リ、リ…アーナ…さ、ん?」
小さく片言でその匂いの主の名前を呟く。そして嬉しそうに瞳を輝かせ周りの制止も聞かず騒ぎの中心へと駆け出す。

そして…
「リ…」
そのまま…
「リ…」
勢いを殺さず…
「アーナ…」
リリアーナへと…
「…さん!」
fly〜〜〜!!!!
人間弾丸のような勢いでリリアーナに飛び込む少女
「リ、リアーナ…さん!リリ、アーナさん!」
そして甘えるようにリリアーナに頬擦りする少女
「あい、たかっ…た。」
いきなりうらやま…もとい、なれなれしい行為、リリアーナはどう反応するのだろうか?

67 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 00:08:14 0
>56 >58 >63
>「おお、すまんのうマオ君。おお、マオさんも一休みして、わしらと焼き鳥をご一緒しませんかのぅ?」
「……ではお言葉に甘えまして。せっかくお越し頂いた客分の誘いを断る訳にもいきません」
ヴァンエレンから焼きそばを受け取った後、客分への礼節をわきまえた受け答えをする僕、
名門の出でもある僕はそれなりに客分や目上の人間への言葉遣いはしっかりと教育を受けている。
そう、なんだかそこでモシャモシャ食べているユリだとかいうやつとは違う。
>「あ、焼き鳥も美味しかったけど、ヴァンエレンの焼きそばもおいひいよ。
>「リヒャードはんもはべたほうがむぐむぐ」
「口に何かもの入れて喋るんじゃない……」
口に入れたまま喋ってるユリに対して少し呆れる僕。
全く、女子ともあろうものが……どういう教育を受けてきたんだ?

しばらく焼きそばを口にしていると地面に影が映る。
上空を見上げると槍?に乗った二人組が通り過ぎて行った。
なにも驚くことはない……ただ一つのっているのがリリアーナなこと以外は……
驚きで声を上げようとしたら隣から僕よりも早く声が上がる!
>「何と破廉恥な!!ユリ殿、アレは一体何なのじゃ?!」
一体何を破廉恥と言っているのか僕は一瞬分からなかった。
だがリリアーナの服装を思い出して何を言わんとしているのか理解する。
>「学園新聞のジャーナリストならご存知だろうか?
>他でもない、先日リバースで行われたイベントの事だ。
>優勝者にはリ・・・とある女子生徒を好きにしていいという副賞があったと聞いたが、それは真実か?」
息巻く紳士……確かに女子を好きにしていい副賞などどうしようもないものだが……
まさかこんなまともな人物が居たとは……それが驚きだ。
もしかしたらこの人物はこの学園を内密に調査しにきたのかもしれないな。
>「人気者のリリアーナを射止めようと、沢山の男子や女子が頑張ったんだよ!
>でもでも!ここにいるマオマオやヴァンエレンたち友達の活躍で、なんと優勝したのは本人のリリアーナ!
>リリアーナを狙う悪の陰謀は直前で粉砕されたんだ!」
「まあ、僕はエリートだからな。あのリリアーナを優勝させるぐらいの力はあるのさ」
そういえばあの時もらったあの賞品……まだ開けてもいないな。
今度開けてみるか。もしかしたら使えるものが入ってるかもしれないし。

>「そうだ!そのリリアーナは、今校舎の方で猫耳メイド喫茶を開いてるんだ!
>喫茶は男子に大人気だけどリリアーナには会えると思うから、直前話を聞きに行くのはどうかな!?」
なんだと!?そうか、リリアーナはその猫耳メイド喫茶とかいういかがわしい響きの店で働いているのか。
通りで朝から難癖つけるために探していても見つからないわけだ。
まさか出し物に協力していたとは……よし、とりあえずここで一緒についていけば……ウフフフ
「よし、ヴァン!メイドなんちゃらに行くぞ!」
意気揚揚と立ちあがりガッツポーズを取る僕。
>「まぁ、私は焼きそばを売るためにこの屋台から動くことはできないのだがな」
なんだって!?……いや、でも確かに店を構えているなら放り出すわけにもいかない。
…それにむしろ冷静に考えればヴァンエレンはついてこないほうがいい。
そもそも色々と噂されたりしているんだ。所詮はリバースでの仲間だったというだけ、
別に現実で会ったりする必要なんてむしろ無いんだ……そうだ。
だいたいリバースの後は僕だって意図的に避けてたじゃないか……向こうも別に会いに来ないし。

「ん、分かった。じゃあここでお別れだなヴァンエレン。
 焼きそばなかなか美味しかった……まあ元気でな。」



68 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 00:30:16 0
****御伽噺****
昔々、砂漠を治める王様がいました。
王様は今日も宮殿でぐったりとしています。
「あぢー。この暑さは俺様に喧嘩売ってんのか?コンチキショーめ!」
王様は暑いのが大嫌いでした。
毎日自然に喧嘩売るようなことを叫びながら過ごしています。

ある時、王様はあまりの暑さにぶちきれました。
「あー!もー!やってらんねえ!こんなクソ砂漠は瓶に詰めて捨てちゃる!!
そんでもってドバッと雪降らしたらああ!!」
あまりの暑さに王様は砂漠を瓶に詰め、深い谷底に捨ててしまいました。
そして寒い風を呼び、雪を降らせまくりました。

王様は最初は喜んだのですが、雪が降ってみるとあまりの寒さにびっくりです。
砂漠に住む王様は雪国で暮らす術など持っていないのですから。
しかし気づいた時にはもう手遅れでした。
自然の摂理に逆らい、後先考えない王様は凍えて死んでしまいました。
そして元砂漠だった土地は豪雪地域へと変り、今ではヒダノゴウと呼ばれているとさ。

#######################################

>59
「あ〜れ〜!こ、これは〜!!」
ミルクに案内されて黄金の戦車の前に立った偽アルナワーズは思わず声を上げてしまった。
王様を自称していても所詮は赤貧の育ち。
目の前に鎮座する黄金の戦車に思わず目が眩んでしまったのだ。

わなわなと興奮に打ち震えながらミルクの説明を聞き入る。
ムー大陸の王が乗っていた意思を持つ戦車。
しかも黄金尽くし(と認識している)とくれば偽アルナワーズの興味をそそるには十分である。

しかし、元々偽アルナワーズが乗騎を欲しがったのは、割り当てられた部屋があまりにも高く、行き来が不便だからなのだ。
このサイズで校舎内を飛び回るには少々不便。
どうしたものかと考えているところに、ミルクが必殺の一言を繰り出した。
>「ま、でもいくらアルナワーズでも、さすがに王様の資格なんて無理だよねぇ。
まさに殺し文句。
偽アルナワーズはこれを言われて引き下がるほど人間は出来ていない。
「まってぇん。町娘のアルナワーズじゃ無理だと思うけどぉん、物は試しじゃない?」
魔道工学科展示室にいくふりをしたミルクの手首をがっしりと掴み、そのまま黄金の戦車に乗り込んだ。
手綱を手に取り引いてみるがびくとも動かない。
「・・・・?」
そのことが信じられないかのように首を傾げ、咳払い。
引っ張ったり押したりしてみるのだが、ピクリともしない。

「・・・・・・・・・」
暫く手綱と格闘したのち、戦車の上に沈黙が流れる。
「・・・仕方がないわねぇん。ミルク、驚かないでぇん。」
覚悟を決したように偽アルナワーズは自分のあごに手を当て、己の顔を剥いでいった。
そして完全に顔を剥ぎ終わった時、アルナワーズの姿は消え、代わりにスクナが現われた。
「ふははは!驚かして済まぬな。アルナワーズとは世を欺く仮の姿!
余はスクナ・ヒダノゴウ!砂漠の王である!」
驚くべき事に、スクナは未だミルクに正体がばれていないと思っていたのだ。
自分の変装は完璧→気付かれるわけが無い→ミルクは勘違いをしていた(自己申告付き)→やっぱりばれていない!
という、脳ミソお花畑全開なり論がスクナの中では成り立っていたのだ。

下々の者の実体を間近で見る為に、アルナワーズが幻術のかけられた仮面とデータ端末である鬼眼人名録を進呈したという事も付け加える。

69 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 00:30:25 0
「やはり偽りの姿ではイカンな。
王の真なる雄姿を間近で見られることを光栄に思うがいい!
ゆくぞ!はいやああ!」
高らかに宣言した後、スクナは手綱を引き絞る!
が・・・やはり黄金の戦車は動きはしない。
当然である。
スクナは王でもなんでもないのだから。
「うぬううう!このジャジャ馬め!王たる余に応えい!!」
ピクリとも動かない黄金の戦車にスクナは掛け声を上げて手綱を引いたり押したりし続ける。
うりゃ!そりゃ!と掛け声をかけながら格闘するスクナの懐から一冊の本が零れ落ちた。
それは手垢にまみれ、随分と年季の入った絵本だった。

「ぜーぜー・・・ん?それは、余の王たるを証明する文献ぢゃ。
ほれ、それに出てくる瓶詰め砂漠がこれぢゃ。」
数分間手綱と格闘した後、荒い息をしながら本を落としたことに気付いたスクナがミルクに説明する。
スクナの故郷、ヒダノゴウに伝わる民間伝承。
それは単なる御伽噺だが、雪解け水と共に流れてきた瓶詰め砂漠を拾ったことからスクナは自分が王の末裔であると思い込むようになったのだ。
指差す瓶詰め砂漠は良く見るとただ砂が詰まっているだけでなく、小さな宮殿のようなものもあり、太陽もあった。

しかし、スクナにとってのんびり話している場合ではないのだ。
【王の資格が無いと動かない黄金の戦車】に乗ってピクリトも動かないのであれば、それはスクナが王で無いと証明することになる。
まさにアイデンティティーの危機!
どんな手段を使ってでも動かさねば面子が立たない!
内心かなり焦っていたスクナだが、今の言葉に閃いた!

「さー、練習は終わりだ!そろそろ本気で行くぞおお!」
どう見ても今まで必死すぎるほど本気だったのだが、それでもミルクに言い聞かせるように宣言。
そしてそっと腰の瓶詰め砂漠の蓋に手を当てた。
途端に辺りに砂混じりの熱風が吹き荒れる。

瓶詰め砂漠には砂漠が一つ丸ごと入っている。
スクナはその蓋を僅かに緩める事により、砂漠の自然現象を利用できるのだ。
そう、つまりは、砂嵐を呼び出してその力で黄金の戦車を吹き飛ばし動かそうと言うのだった!

熱風はあたりに広がり渦を巻き吹き荒れる!
しかし、それでも黄金の戦車は動かない。
当然である。
この程度で動くのであれば、学園長はわざわざ空間ごと運んだりしなかっただろう。
「ぬああああ!う・ご・け・ええええええ!!!」
砂嵐となった熱風で視界が遮られる中、スクナの叫びが響く!

そしてそれは起こった。
砂嵐に吹き飛ばされたわけではない。
突如として黄金の馬が首を上げ、嘶きと共に力強く足を踏み出したのだ!
黄金の馬は戦車を引き空中を駆け、博物館の中を縦横に駆け回る。
そして急上昇をして、屋根を打ち破って大空へと飛び出した!

「わはははは!見よ!ミルク!余の雄姿を!!」
大空で手綱を握りながら隣にいるミルクに笑いかけるスクナ。
古代魔法金属で出来ている馬や戦車は屋根を打ち破っても傷一つつかないが、戦車の上で仁王立ちしていたスクナはそうは行かない。
頭から血を噴出していたが、とても幸せそうだった。

学園祭を楽しむ人々が空を見れば気付くだろう。
陽光に煌く黄金の戦車が砂塵の上を翔る様に空を飛んでいる事に。
そう、スクナの引き起こした砂嵐を足場にして黄金の戦車は空を飛んでいるのだ。

しかし、スクナの手綱に従っている様子も無く、乱高下を繰り返しデタラメに空を駆ける黄金の馬。
一体どこにいくのだろうか?

70 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 01:41:34 P
>60>61>62
>「ちょ、ギズモ感心してないで助けてよ―――― っ!!」
「自慢じゃないけどボクに戦闘力なんてないよ」
・・・・・本当に自慢じゃなかった


>「化け物め!」
どうやら相手は化け物らしい、とは言っても自分も人間からみれば化け物なのだが
「化け物にも良いのと悪いのとが居るけど・・・・
 リリアーナお姉ちゃんを襲うような悪い化け物なら殺っちゃっていいよね!答えは聞いてない!!」
と悪人に人権は無いみたいなことを言い出すギズモ
とは言うものの何度でも言うがギズモに戦闘力なんて皆無である


そのころのフリージアさん
「あんな所に尻尾の二本ある可愛い猫ちゃんがv」



大量の光の矢を放つ子犬
その光の矢は魔法障壁を突き抜けピッコロを負傷させる
ギズモは思った
「あれはまさか僕の超音波と同じ種族固有の特殊能力!?」
そんな機械しか壊せないものと一緒にされては子犬(仮)に迷惑である


>66
突然現れた少女はリリアーナに抱きついた
「誰!?」
突然現れた少女に困惑を隠せないギズモ
とりあえず今はそれどころではないと近くにあった石を
「食らえ!手動式メテオストライク!!」
と子犬(仮)に投げてみる
当たっても・・・まあたいしたダメージは無いだろうが注意ぐらいは引けるはずである



そのころのフリージアさん
「あvあんな所に天使の羽が生えた可愛い猫ちゃんがv」


フリージア到着(予定)まであと10分
某ガ〇プスなら600ターン後
多分・・・・間に合わない

71 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 16:38:51 0
>58 >63 >67
>「うん、本当。さっき上を飛んでいったリリアーナって娘の事だよ。 
> リチャードさん詳しいんだね」 
「なんということだ・・・まことであったか・・・・・・」
ロウは額を押さえ、がっくりと肩を落とした。
「して、その結果は?」
>「人気者のリリアーナを射止めようと、沢山の男子や女子が頑張ったんだよ! 
> でもでも!ここにいるマオマオやヴァンエレンたち友達の活躍で、なんと優勝したのは本人のリリアーナ! 
> リリアーナを狙う悪の陰謀は直前で粉砕されたんだ!」
ロウは額にあてていた手を外し、まじまじと目の前の生徒達を眺めた。 
>「いやぁ、それほどでもないぞ」 
>「まあ、僕はエリートだからな。あのリリアーナを優勝させるぐらいの力はあるのさ」 
「いやいや、実力があるのは当然だが、他人にあっさり栄誉を譲るなどそうそうできるものではない。
 こんな素晴らしい友人を持てて、リリアーナは幸せ者だな!
 いや、わしからもぜひ礼を言わせてくれ!」
ロウはマオの手を取り、ぶんぶんと上下に振った。
だがはっと我に返ったロウは慌てて咳払いをすると、
「いやその・・・・・・おお、この焼きそばという食べ物は実に素晴らしい。
 薦めてくれたマオ殿と、作ったヴァンエレン殿には礼を言いたい、と言う意味であってな」
苦しい言い訳をしていたロウだったが、そこでユリがタイミングよくポンと手を打った。

>「そうだ!そのリリアーナは、今校舎の方で猫耳メイド喫茶を開いてるんだ! 
> 喫茶は男子に大人気だけどリリアーナには会えると思うから、直前話を聞きに行くのはどうかな!?」 
「いや・・・それはその・・・」
ロウは急にうろたえると、歯切れの悪い口調で何かごにょごにょ言っている。
いっぽうマオは不敵な笑みを浮かべると勢いよく立ち上がった。
>「よし、ヴァン!メイドなんちゃらに行くぞ!」 
>「うーむ、なんか嫌な予感がするのぉ〜」 
>「まぁ、私は焼きそばを売るためにこの屋台から動くことはできないのだがな」 
>「ん、分かった。じゃあここでお別れだなヴァンエレン。 
 焼きそばなかなか美味しかった……まあ元気でな。」 
「何を仰るヴァンエレン殿。美しい女性の誘いを断るなど紳士の風上にもおけんぞ!!」
がしっとロウはヴァンエレンの腕を掴むと、アルナワーズと同じ手口で屋台から引っ張り出した。
「さあさあ、店のほうは優秀な使い魔達にお任せて、主殿はひと休みしようではないか。
 いい話を聞かせてくれたのと、美味しい焼きそばを作ってくれたお礼じゃよ、ほっほっほ」
ロウは有無を言わさず、ずるずるとヴァンエレンと引きずっていこうとする。
だがマオとユリはロウに続こうとはしなかった。
なぜなら、ロウが向かおうとした先は、リリアーナ達が飛び去ったのとは全く逆方向だったからだ。
「はて?ユリ殿、マオ殿。喫茶店に向かわれるのでは無かったですかな?」

そして、本当に猫耳メイド喫茶のある方角からは何やら騒がしいようだ。


72 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 18:48:31 0
>65
>「ちくしょーっ!!」 
「ジャ、ジャジャさんっ?!ちょっ・・・落ち着いて!!」
ピッコロが怪我をしたのがよっぽど衝撃的だったのだろう。
ジャジャは自分が魔女である事を忘れたように、手にしたものを次々と子犬に投げつけている。
リリアーナは何とか子犬を説得しようとしたが、子犬は苦しそうに頭を振るばかりだ。
(なんで?やっぱり人の言葉は通じないの?それともテレパシーが嫌なのかしら?)
では先ほどのあれは何なのだろう?リリアーナは訝しそうに眉を潜めた。

>62
>「白百合騎士団が応戦してもこのザマか…厄介だな。」
「レイド先生!やっぱり助けに来てくれたんですね!!」
リリアーナは嬉しそうに声を上げた。
>レイドは子犬に向けて2発の銃弾を撃ったが、犬は尻尾を床に叩きつけるようにして跳躍しかわした。
曲がる銃弾をかわすなど、並大抵の反射神経ではない。
攻撃をかわした子犬は天井に移動した。この位置からはリリアーナもピッコロも丸見えである。
(どうしよう・・・早くピッコロさんを連れて逃げないと・・・)

>70
焦るリリアーナに、ピッコロが掠れた声で呼びかけてきた。
>「ジャジャはどうなった?」 
「ジャジャさんは魔法じゃなく手当たり次第に物を投げて応戦してます。でもこのままじゃ・・・」
>「…これをジャジャに渡してくれないか?…頼む。」 
そう言ってピッコロは、小さな丸い箱状の物をリリアーナに手渡した。
「でもこのままじゃ、ピッコロさんが狙い撃ちに・・・
 ちょっとギズモ、種族固有の特殊能力ってさっきいったわよね?何て種族か知らない?」
はっきり言って無茶苦茶な相談である。

>66 >70
自分の名前を呼ばれた気がして、はっとリリアーナは振り向いた。
「ふぎゃふっ?!」
白いゴスロリ服の少女に体当たりされたリリアーナは床にキスをした。
さっきまでリリアーナがいた場所を、金色の矢が通過していった。
ざーっと血の気が引いたリリアーナに、女の子はすりすりと頬擦りしてくる。
>「あい、たかっ…た。」 
「え??あ、あなたは一体・・・・・・?」
ゴスロリ服に、一瞬ここにいない誰かを連想したリリアーナはぼうっとなったが、
すぐに我に帰り彼女を引き剥がした。
「と、とにかくあなた、ここは危ないわ、隠れなきゃ!!
 私が注意を引くから、あなたは大人しく隠れてるのよ?いいわね?」
言うなり、リリアーナは机を押し上げて元に戻した。
驚きの連続のためか少し休んだのが良かったのか、幸いにも彼女の足は回復していた。
少女はポーチをごそごそ漁っている。
「え?もしかしてあなた治癒魔法の心得があるの?」
リリアーナはもし可能なら、と前置きした上で、少女にピッコロの応急手当を頼んだ。

>「食らえ!手動式メテオストライク!!」 
「ナイスギズモ!レイド先生、援護よろしく!!」
ギズモが子犬の注意を引くと同時に、リリアーナは銀色のトレイをジャジャへ投げつけた。
音を立てて弾いた瞬間。リリアーナは室内にいる全員に向けてテレパシーで叫ぶ!
『ジャジャさん!【白百合騎士団心得の条!!!】』
ジャジャは骨の髄まで白百合騎士団の団員だ。
ならばきっと、いついかなるときでも「我命我ものと思わず・・・」と条文を復唱するに違いない。
また、子犬がテレパシーを嫌うなら、テレパシーを続けて使うことで攻撃の手を弱めさせる効果もあるはずだった。

リリアーナは大音量テレパシーで心得の条を読み上げつつ、ジャジャへと突進した。
「ジャジャさん!ピッコロさんの熱い想いを受け取ってー!!」
・・・・・・・何かちょっと違っている気がするが、リリアーナ本人は至って真面目だった。



73 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 22:04:23 0
「あーあ、ったくどこに行ったんだか。」
俺は今、校舎の一階をうろついている。
本来だったらすぐに見回りという名目で遊びに行っているところだったんだが、
>(クロウ、会長は見つかったか?)
(全然見つからねえよ。つーかスクワット大会に出てんじゃねーのか?)
>「ちょっと英雄になってくる。」
とか言って仕事を放り出した生徒会長を探す破目になっている。

「俺もバックレて遊びに行こうかな…」
と考えていたら、
>(生徒会本部より
 校舎二階の喫茶店にて異変が発生
 近くにいる役員は、至急現場に急行してくだs)
>リリアーナは室内にいる全員に向けてテレパシーで叫ぶ!
「ぬぉぉ、な、なんじゃこりゃぁ!!」
どこの誰だか知らないが、テレパシージャックをするとは、やりおる。
テレパシーの発生源は現場の近くのようだし、さっさと行きますか。

「…なに、これ、犬?」
現場についてみると、三又の子犬が暴れているのが見えた。
というかそこで応戦してんのレイド先生と白百合騎士団じゃねーか。
先生がいるなら楽そうだな。
まずは逃げ遅れている人たちを先に逃がしますか。

「ちょっと失礼するぞ。」
隣の教室に入って喫茶店の方の壁に近づき、魔法を唱える。
「distort space」
…よし、これくらい隙間を開ければ大丈夫だろう。
「生徒会だ。逃げ遅れた人たちはここを通って脱出してくれ。」

74 名前:ケオス&??? ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/07(金) 00:11:22 O
>72
>「え??あ、あなたは一体・・・・・・?」
「忘れ、ちゃっ…た?」
少女は悲しそうな顔から泣きそうな顔へとみるみるうちに変わっていった。
「リリアーナ、さん……忘れちゃ、た…私の、事……忘れ、ちゃ、た…」
その大きな瞳に涙を溜めながら悲しそうに呟く。
「わた、し…わ、たし……マ…」
>「と、とにかくあなた、ここは危ないわ、隠れなきゃ!!
>私が注意を引くから、あなたは大人しく隠れてるのよ?いいわね?」
名前を言おうとするが事態はそれどころではないようだ。
「……わか、た…おとな、しく…する。」
リリアーナに言われたように身を小さく丸めて身を潜める。
その時大好きな人物から言われた事を思い出す。
(何か困った事があったらコレに僕の名前を呼ぶんだよ。)
その人物から言われた物を取り出そうとポシェットを漁っていると
>「え?もしかしてあなた治癒魔法の心得があるの?」
「…で、きる。おーきゅう、しょちなら。」
力強く頷くと薬草とピンバッチを取り出す。
ピッコロと呼ばれた人の元へ行き
「ちょ、と…痛い……がまん、して?」
一言断りを入れる。
薬草を揉み患部にあてがいその上に手を置く。一旦呼吸を整え
「えっと…」
「かのもののからだよ、かつりょくをえてふたたびつくりだせ、かのもののからだを…てんかつしょう」
リリアーナやレイド、ルズからすれば見覚えのある淡い緑色の光が少女の両掌から溢れる。
しばらく患部に手を当てていたがふと、放す
「とり、あえず…大丈夫。」
傷口を見るとしっかりと傷口は閉まり、血も止まっていた。
しかし、完璧では無いため動けば傷口が開いてしまうだろう。
少女は取り出したピンバッチに語りかける
「ケ、オス…ケオス…ケオス…!」

再び視点はケオスへ戻る
リチャードさんの元へ戻ろうとしているケオスに声が届く
>「ケ、オス…ケオス…ケオス…!」
「どうかしたの?」
>「リ、リ、アーナさんが…たいへ、ん!けが、にんもいる」
ここまで聞くとケオスにも通信の向こう側の緊張感が伝わる
「待ってて、すぐに行くから。」
>「うん…!」
急ぎ自分の魔力が込められたピンバッチの位置に駆け出す

>「ジャジャさん!ピッコロさんの熱い想いを受け取ってー!!」
再び場面はメイド喫茶へ
頑張っているリリアーナに大きな声で
「がんば、て!すぐ、くる!ケオス、くる!!」

75 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/07(金) 17:55:18 O
>45 >68-69
>「まってぇん。町娘のアルナワーズじゃ無理だと思うけどぉん、物は試しじゃない?」
「そりゃ試すだけなら無料だからねぇ。時間もたっぷりある事だし、一度試してみようか」
こみ上げる笑いをこらえるのに苦労しながら、あたしも手を引かれるまま戦車に乗り込む。
偽物はとりあえず手綱を取ってみた。
何も起きない。
押そうが引こうが車が動くはずもない。
この戦車は時代に取り残されたまま、来もしない主人を永遠に待ち続けるしかないのだ。
いまさら動き出すはずもない。

>「・・・仕方がないわねぇん。ミルク、驚かないでぇん。」
しばしの沈黙(あたしは笑いを堪えるのに必死なだけだが)の後、偽物は急に自分の顔を剥ぎだした。
「いっ!?ちょっといきなり何を!?」
>「ふははは!驚かして済まぬな。アルナワーズとは世を欺く仮の姿!
>余はスクナ・ヒダノゴウ!砂漠の王である!」
演技じゃなく驚くあたしの前で、仮面を脱ぎ捨てたスクナは高らかに名乗りを上げた。
……驚きましたよいろいろ。
まだ正体バレてないと思いこんでいた事とか。
こんなにあっさり正体ばらして何のつもりだ、とか。
少しいじめすぎて頭が煮え立ったんだろうかと考えるあたしに、スクナが今までの事情を説明する。
やっぱりと言うべきか何と言うべきか、裏でアルナワーズが一枚かんでいたらしい。
マジックアイテムまで気前よく進呈して、そんなに学園祭を引っかき回したかったか、そうか。

>「やはり偽りの姿ではイカンな。
>王の真なる雄姿を間近で見られることを光栄に思うがいい!
>ゆくぞ!はいやああ!」
説明を終えた後、【諦めの悪い男】スクナは再び手綱を取る。
こいつ幻術を解いたのは、それで車が動くと思ったからだったのか…
アホの子だ。しかもただのアホじゃなくてユリ並みのアホの子だ。
あたしが呆れて奮闘するスクナを見ていると、ポロリとその懐から何かが落ちる。
ん?なんだあれ?
「ねえ。何か落としたわよ」

拾い上げてみると、それはやたらと古ぼけた一冊の絵本で。
さすがにスクナの無駄な努力を見続けるのも飽きてきてたあたしは、興味を引かれるままに本を開いた。
描かれていたのは砂漠の王様の御伽噺。
この手の話にありがちな、ツッコミ所満載の寓話。

>「ぜーぜー・・・ん?それは、余の王たるを証明する文献ぢゃ。
>ほれ、それに出てくる瓶詰め砂漠がこれぢゃ。」
スクナはそう言って、あたしに瓶を見せてくれた。
「ふーんどれどれ。…うわ、すご……」
砂が詰まった瓶の中には、小さな宮殿と太陽まで入っている。
それは、もしかしてあの御伽噺は本当にあった出来事かもしれない、と思わせるだけの物で。
あたしは思わずその瓶に見入ってしまった。

76 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/07(金) 17:56:11 O
>「さー、練習は終わりだ!そろそろ本気で行くぞおお!」
「え?練習っていやあんた…」
流石に最初から本気全開だっただろとも言えず口ごもっていると、スクナは砂漠入りの瓶に手をかける。
何をするつもりなのかは聞かなくても分かった。
だってさっきまで静かだった博物館に、いきなり砂嵐が吹き荒れたんだから!

「ぎゃーっ!!い、いきなりなにしてくれんのよあんたはーっ!?」
博物館の中は、展示品保存に最適な温度と環境に調整されてんだぞ!?
こんな所で砂漠なんぞ解放したらどうなるか、少し考えたら分かるだろうが!
そうこうしているうちにも、床の上にもケースの上にも砂がたまっていく。
きちんと固定していなかったらしい壷や掛け軸が、空を飛んで壁に叩きつけられる。
こ、これはあたしのせいじゃないよね?
全部全部あきらめの悪いスクナのせいだよね?

>「ぬああああ!う・ご・け・ええええええ!!!」
砂嵐の向こうでスクナが絶叫した直後、聞こえるはずのないいななきが聞こえた。
同時にがくんと車が動き出して、あたしは振り落とされないように必死でしがみつく。
「今度はいったい何をしたーっ!?」
スクナがお客様ということも忘れて噛みついて、あたしは見てしまった。
動かないはずの戦車が、動かないはずの馬に引かれて、空を自由に飛び回っているのを。
「う、うそ…本当に飛んでる…?」
何で?今まで誰が乗っても(多分あの学園長でも!)動かなかった戦車が動いてるの?
この戦車は王の資格がないと動かなくて、…それじゃあスクナは本物の王様って事!?
混乱する頭を整理しようとするうちに、戦車は急に天井に向かい走り出す。
慌てて頭を引っ込めれば、ドカンと天井を突き破って戦車は外へと飛び出した。
籠の中の捕らわれの鳥が外に飛び立つように。
淵に潜む龍が時を得て天に昇るように。

>「わはははは!見よ!ミルク!余の雄姿を!!」
頭から血を流しながらでも仁王立ちして高笑いするスクナは、最初よりも王様っぽく見えた。
…黄金の魔力って怖いなという事にしとくか。

しばらく砂塵の上を走る戦車からの眺めに心奪われていると、急に戦車は目標を定めたように動き出した。
「ねえ、どこか行きたい所があったの?」
てっきりスクナが戦車を操ってると思って聞いてみたら…え?もしかして、違う…の?
一直線に動く戦車は中庭近くの林に分け入り突き進む。
林の中には木に混じって二人分の人影が!
「ぎゃーっ!!ぶつかるぶつかる!そこの人早く避けてーっ!!」

77 名前:レイド ◆M07.CI9OF2 [sage] 投稿日:2008/11/07(金) 20:06:56 O
>65おいおい!マジかよ!
かわす?普通かわすか!?
なんつー身体能力だよ、あの犬っころ。
天井に尻尾をぶっ刺して移動する犬なんて生まれて初めて見たぜ。
さて、俺はこっからどうすりゃ良い?
あの犬を倒すのを優先すべきか?
それとも生徒全員を避難させるのが先か?
>73>「生徒会だ。逃げ遅れた人たちはここを通って脱出してくれ。」
ナイスタイミング!
これで生徒の安全は確保できたな。
「さ〜て、ちょっくら大人しくしてもら…」
>「ナイスギズモ!レイド先生、援護よろしく!!」
「あ、はい、がってんです。」
ちょっと動こうかと思ったけどリリアーナが何か良い案がありそうなので援護にまわりますか。
「そらよっ!くらえっ!」
ファイアーボールを2連射したあと、銃弾を5発発射する。
ファイアーボールはただの囮だ。
銃弾が1発でも当たればこっちのもんだからな。

78 名前:猫耳メイド[sage] 投稿日:2008/11/07(金) 20:20:35 0
>「生徒会だ。逃げ遅れた人たちはここを通って脱出してくれ。」 
「生徒会だ!」
「ああ、助かったわ!!」
逃げ遅れていた客や猫耳メイドが、クロウのあけた壁の隙間から脱出していく。
だが隣の部屋に逃げた猫耳メイド達は、クロウにも妖怪犬を何とかしてくれと言い始めた。
「生徒会の人お願い、あの犬を何とかしてよ」
「このままじゃ店が滅茶苦茶になっちゃうわ」
「クロウとやら、店を壊されては私達のクロウが水の泡ですのよ〜なんちゃって」




79 名前: ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/07(金) 22:11:36 0
>70>72>73>74>77
>「食らえ!手動式メテオストライク!!」
ギヅモ は 石 を 投げた。
妖怪犬 は 1 の ダメージ。
妖怪犬はくるりとギズモの方へ振り向き、口から酸を吐き出した。
今までの経緯から考えると、これも魔法障壁で防げない攻撃だと考える方が自然だろう。
> ギズモが子犬の注意を引くと同時に、リリアーナは銀色のトレイをジャジャへ投げつけた。
ジャジャ は 3 の ダメージ。
>「あうっ!?」
ジャジャはおでこにトレイを受け、引っくり返ってしまった。
> 『ジャジャさん!【白百合騎士団心得の条!!!】』
そうリリアーナがテレパシーを送ったとたん、倒れたジャジャがフィルムを巻戻すかのようにすっくと立ち上がった。
>「我命我ものと思わず・・・」
リリアーナのテレパシーは二重の意味で成功だった。ジャジャは白百合騎士団員としての本分を思い出し、
妖怪犬は、またしてもテレパシーに苦しみ、ギズモへの攻撃を中断したのだから。
> 「そらよっ!くらえっ!」
> ファイアーボールを2連射したあと、銃弾を5発発射する。
レイドの放った攻撃は、テレパシーに苦しむ妖怪犬に全てクリーンヒットした。
妖怪犬は天井から落ち、床に深い亀裂をつくりながら叩きつけられた。しかし、まだ死んではいない。
> 「ジャジャさん!ピッコロさんの熱い想いを受け取ってー!!」
>「ピッコロさんの想い…マジっすかーー!!(ムハーッ!)」
ジャジャは先程とは違う意味で異様なハイテンションとなり、リリアーナから“それ”を受け取った。
>「これは…ミニ電気ジャー!」
ジャジャはミニ電気ジャーを床でもがいている妖怪犬に向けた。ミニ電気ジャーから、強烈な魔力がほとばしる。
>「電気の力で、ふっくら・つやつやの…マ・センコー!!」
ミニ電気ジャーの蓋がパカッと開き、そこから光・熱・圧力が三位一体の極太ビームとなって放たれた。
部屋全体が、強烈なフラッシュに包まれ、その衝撃が部屋をガンガンと揺らした。

数秒後、そこに妖怪犬の姿は無かった。いや、そもそも部屋の半分ほどがなくなってしまったのだ。
マ・センコーは部屋を突き破り、建物自体にぽっかりと穴を開けてしまうほどの威力だったのだ。
猫耳メイド喫茶店のある建物の外にいた者は、極太ビームがぶっとんでいく様をありありと見ることができただろう。
猫耳メイド喫茶店へ急いでいた白百合騎士団員、ポロリもまたその中の一人だった。
>>「二人とも、やりすぎだわ。…今日は厄日ね。」

「よくやったぞ、ジャジャ。」
ジャジャはその声にびっくりして振り向いた。
「よくやった。」
ピッコロは噛締めるようにして、もう一度ジャジャをねぎらった。
>「ピッコロさーーん!!」
ジャジャは、謎の少女のおかげでなんとか回復したピッコロの胸の中に飛び込んだ。
「ピッコロさん!ピッコロさん!ピッコロさーん!」
>「泣くな、ジャジャ。もう終わったんだ。みんな、無事か!?」
ピッコロは部屋にいる者達にそう聞いた。

さて、あのマ・センコーの強烈なフラッシュの中で、この事実に気づいた者が果たしているだろうか?
妖怪犬が、マ・センコーに当たるより一瞬前に姿を消していたという事実に?
ピッコロは大変な勘違いをしているという事実に?
これは終わりではなく、始まりなのだ。

何の前触れもなく、ポポンと2匹の子犬の死体が部屋に落ちてきた。それらは風船のように膨らむと、
部屋にいる魔法使い達を皆殺しにすべく、大爆発を起こした。

80 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/07(金) 22:32:12 0
>76
> 「ぎゃーっ!!ぶつかるぶつかる!そこの人早く避けてーっ!!」
レベッカとスカーフェイスは、一直線に向かってくる金色の戦車を確認すると、
互いに中つ国の言葉を交わした。
>「チャースーシェンマ?」
「カンプトン、チンポー!」
>「ツァイチェン。」
スカーフェイスはどこかへと走り去り、レベッカは飛びのいて金色の戦車を避けた。

「おいおい、ずいぶんと激しいプレイが好きなんだな。」
レベッカは、戦車に若い男女の姿を見つけ、おもしろそうにそう言った。
「てめぇらのプレイはメテオストライクか?」
その後、戦車と何故か一緒の砂嵐に巻き込まれたレベッカは、口にたくさん砂が入ってしまった。
レベッカは口の中をショリショリさせながらつぶやいた。
「…しょっぺえ。」

81 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 00:16:12 0
>76
ミルクとスクナを乗せた黄金の馬車は天井に穴を開け大空へと飛び立っていった。
それと共に砂嵐も収まり、静けさを取り戻した館内には砂一粒も残されていなかった。
あれほど吹き荒れたにも拘らず・・・

上空に巻き起こる砂嵐の上を書ける黄金の馬車の上、スクナは高笑いを上げていた。
が、その内心はかなり焦っていた。
手綱を引こうが戻そうが全く反応がないのだ。
早い話、黄金の戦車を操縦できていないのだ。
それでも表情に出さないのは王の意地か安っぽいプライドか?

装甲しているうちに、戦車は突如として急降下を始める。
迫り来る中庭近くの林にスクナの顔が引きつる。
>「ねえ、どこか行きたい所があったの?」
ミルクがとなりで声を上げるが、それに応える余裕はない。

あらゆる攻撃を跳ね除ける硬度を持つ盾は、使いようによっては最強の鈍器にもなる。
この黄金の戦車もまさにその類のものだ。
このまま行けば最強の攻城槌と化して木々を打ち倒し大地に激突!
黄金の馬車はそれでも無事だろうが、乗っている自分達はそうは行かないだろうから。

「っふ!ぎぎぎぎ!!!」
あらん限りの力を込め手綱を引くが、びくともしない。
スクナは力がある方ではないが、呪布術で作った補助布筋という布を織り込んだ服を着ている為、信じがたい力を発揮できる。
しかしそれでも全く動く気配すらない。
「なあミルクよ。
ただ従わせるだけでなく、時には馬を自由にさせるという事も王の度量の一つとは思わぬか?」
穏やかな表情で隣のミルクに笑いかける。
しかしそれは『無理、どうにもならん』とスクナ流に言ったに過ぎない。
「アホかーーー!いや、アホだーーー!!」というミルクの心の叫びが聞こえてきそうだがそんな時間はもうない。

>80
>「ぎゃーっ!!ぶつかるぶつかる!そこの人早く避けてーっ!!」
ミルクの叫びに前を見れば二つの人影。
それに気付き反射的に手綱を思いっきり引くのだが、勿論どうにもなりません。
スカーフェイスが走り去り、レベッカが飛びのいた直後、黄金の戦車は地面へと着地した。
舞い上がる土ぼこりと共に吹き荒れる砂嵐が当たり一体を覆い尽くす。

>「てめぇらのプレイはメテオストライクか?」
「ふははは、こ、この程度を激しいプレイとは!単なる王の行進である!」
かなり動揺しつつもスクナは戦車の上からレベッカに応える。
そうしてもう一度腰の瓶詰め砂漠の蓋に手を当てると辺りに漂っていた熱風と砂は全て消えうせてしまった。
勿論レベッカの口の中の砂も。

この砂や熱風は単純な鉱物ではなく、珪素系生物。
一種の魔法生物である。
スクナが瓶詰め砂漠を扱うのは召喚術の一種と言えるのだから。

「ん?誰かと思えば、収録の時の・・・レベッカか。」
そう、スクナはレベッカとは面識があった。
来客・転入・留学生の紹介VTR撮影の時に一緒になっただけなので、顔見知りというほどではないが。
勿論名前を覚えているはずもなく、微妙な間はレベッカのリボンを読み取っていたのは言うまでもない。

「ミルク、大丈夫か?
もう一人はどこかへ言ったが、レベッカはちゃんと避けたから大丈夫だぞ。
これなるは余の従者、ミルク。
レベッカ、そちの従者は走り去ってしまったようだが・・・
どうだ?西方の祭りは楽しんでおるかな?」
密かに黄金の馬車に傷がないか確認しながらミルクとレベッカに声をかける。

82 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 00:22:58 0
>78
>「生徒会だ!」
>「ああ、助かったわ!!」
「あんまり長く持たないから早く移動しろよ。」
…よし、これで残ったのは戦う意思のある奴だけだな。
それにしてもあの犬は何なんだ?
誰かが研究していた生物にしてはおかしい気がする。

>「生徒会の人お願い、あの犬を何とかしてよ」
>「このままじゃ店が滅茶苦茶になっちゃうわ」
>「クロウとやら、店を壊されては私達のクロウが水の泡ですのよ〜なんちゃって」
「もちろん、それに少し壊れても修復していくさ。」
さて、まずは呼吸を整えないといけないな。
そして丹田(人体の急所、気の溜まり場)に気を集中させる。

だが、準備が完了する前に、
>79
>「電気の力で、ふっくら・つやつやの…マ・センコー!!」
「うおっ!まぶし!」
ミニ電気ジャーから放たれた極太ビームによってフラッシュに包まれ、衝撃により部屋がガンガン揺れる。

「…まじかよ。」
フラッシュで眩んだ目が、元通りに見えるようになると部屋が半分ほど無くなっているのが見えた。
「はぁ、また仕事が…」
生徒会長も探さなきゃいけないのにそのうえ仕事が増えるとか本当に勘弁してほしい。
時空科に所属しているから修復も仕事に入ってるんだよな。
「どうやって修復しようか。」
と思っていると二匹の子犬の死体が部屋に落ちてきた。
「ん、何だ?」
近くによって確認しようと思ったら風船のように膨らみ始めた。
このとき本能が警鐘を鳴らした!!
「座標指定!!
 separated room!!」
とっさに魔法を使い、死体の空間だけ隔絶したがはたして大爆発は防げるのだろうか?

83 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 17:22:12 O
>63 >67 >71
>「いや・・・それはその・・・」
「だーいじょうぶ!リリアーナは優しいから、忙しくてもちゃんと事情を説明してくれるって!」
ユリはリチャードの態度を、リリアーナの仕事の邪魔をしたくないのだと受け取った。
「ミルクー!?リチャードさんが猫耳メイド喫茶に行きたいって…?
 あれ?ミルクとアルナワーズはどこに行っちゃったんだろ?」
友達のミルクにもリチャードを説得してもらおうと姿を探すが、見つからない。
ここにきてようやく、猪突猛進娘ユリは、ミルクとアルナワーズがいなくなった事に気づいた。

>「よし、ヴァン!メイドなんちゃらに行くぞ!」
「ま、いいか。マオとヴァンエレンも一緒に行ってくれるから、リチャードさんも行こうよ!」
ミルクの事はあまり気にしない事にしたようで、マオの言葉をリチャードを説得するために使うユリ。
だが、ヴァンエレンの方は気乗りしない返事を返す。

>「まぁ、私は焼きそばを売るためにこの屋台から動くことはできないのだがな」
>「ん、分かった。じゃあここでお別れだなヴァンエレン。
> 焼きそばなかなか美味しかった……まあ元気でな。」
> 「何を仰るヴァンエレン殿。美しい女性の誘いを断るなど紳士の風上にもおけんぞ!!」
「そうだよ!マオマオをエスコートしないヴァンエレンなんてヴァンエレンじゃないよ!
 お店なんかあっちの店みたいに、使い魔に店番させておけばいいじゃない!」
ちなみにユリの言うあっちの店では、二足歩行するウサギ達が団子を丸めては屋台に並べている。

>「さあさあ、店のほうは優秀な使い魔達にお任せて、主殿はひと休みしようではないか。
> いい話を聞かせてくれたのと、美味しい焼きそばを作ってくれたお礼じゃよ、ほっほっほ」
「良かったねマオマオ!ヴァンエレンも一緒に行ってくれるってさ!
 せっかくヴァンエレンとつきあってるんだから学園祭は一緒に回らないとね!」
悪気無く思いを口に出しながらユリはマオの手を引っ張る。
>「はて?ユリ殿、マオ殿。喫茶店に向かわれるのでは無かったですかな?」
「もー、リチャードさん慌てすぎだよー!
 メイド喫茶はあっち!」
ユリがそう言って指さした窓ががしゃんと割れて、中から椅子が飛び出してきて下に落ちた。
近くにいた生徒たちから悲鳴が上がる。
「あれ?新手のアトラクションかな?」
首をひねるユリの持っている魔法の手帳が、着信を示す音を立てた。
見れば、『でいりぃ・ふぃじる』全記者への通達が新しく書かれている。

【2階薬草学科猫耳メイド喫茶で、怪生物襲撃の情報あり。
 なお、生徒会役員にも召集がかけられた模様。
 最寄りの記者は直ちに状況を確認されたし】

「あ!リリアーナ達の猫耳メイド喫茶を謎の怪生物が襲ってるって!
 マオマオは生徒会から何か連絡入ってる!?」
ユリがマオに確認を取ったとき、爆発音に続いて校舎の窓から極太ビームが発射された。
建物を突き破ったことから、かなり強力な攻撃であることがわかる。
直撃すればもちろんただではすまないだろう。

「スクープだーっ!みんな!私先に行ってるから、後はよろしく!」
言いたいことだけ言い終えると、ユリはデッキブラシに飛び乗って一直線に猫耳メイド喫茶を目指した。

84 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 17:25:18 O
>80-81
「ししし…死ぬかと思った……」
なんとか急停止した戦車の上であたしはぐったり。
こちとら魔法障壁も大したことないから、激突したらマジで死ぬとこだったぞ。
>「てめぇらのプレイはメテオストライクか?」
>「ふははは、こ、この程度を激しいプレイとは!単なる王の行進である!」
スクナと誰かさんの会話にもツッコムどころか、もう少しで轢く所だった人に謝る気にもなれないですはい。
うわしかも服砂だらけだし。
払っただけで落ちるかなぁこれ…
よたよたではあるけどなんとか立ち上がったとき、服に付いていた砂がパッと消えた。
「え?砂が…消えた?」
試しに服を払ってみたけど一粒の砂も落ちないし、周りにも砂は落ちていない。
幻覚?それとも砂漠を操る大魔法?

>「ん?誰かと思えば、収録の時の・・・レベッカか。」
当然だけど、あたしがそんな事をしているうちにも、スクナとレベッカなる人物の会話は続いている。
「スクナの知り合い?」
レベッカはこの辺りでは珍しい服装で、来賓か留学生なんだろう事はすぐ分かった。
でもリボンつけてないからどっちか……。……。
なんであんな所につけてるんだ地元の風習か?
もう1人の方は姿も見せないし…あれ?
「…って忘れてたーっ!どこかケガしてない!?
もう一人はもしかしてひいちゃった!?」
慌てて戦車の下をのぞき込んだ時、スクナが声をかけてきた。
>「ミルク、大丈夫か?
>もう一人はどこかへ言ったが、レベッカはちゃんと避けたから大丈夫だぞ。
>これなるは余の従者、ミルク。
>レベッカ、そちの従者は走り去ってしまったようだが・・・
>どうだ?西方の祭りは楽しんでおるかな?」

「あたしはなんとか大丈夫…って誰がいつあんたの従者になっ……!」
いや待て。
スクナはこんなでも、古代のアイテムに王様と認められる素質を持ってるみたいだ。
てことは、従者してれば他にもそれっぽいアイテムが手に入った時、分け前をかすめ取ってうはうは!?
あたしは軽く咳払いして今までのやり取りを誤魔化そうとしてから、レベッカにあいさつする。
「はじめまして、レベッカさん。
 あたしはミルク・パウダーシュガー。
 今はこちらにいるスクナ様の従者兼案内役やってます。
 さっきは急に車が暴走しちゃって…危ない目にあわせてごめんね。
 ケガがなかったみたいで良かったけど、お仲間の人には悪いことしちゃったかな…」
本当にケガがなくて良かったよな。
こんな間抜けな理由で人を殺したくないし、慰謝料の請求もされたくないし。
自己紹介して内心ホッとしていると、後ろから声がした。
>「ご注意ください王よ。その者は王化に服さぬ我らの敵の仲間です。」
聞いたことない声に振り返れば、そこにはスクナに語りかける黄金に輝く馬が。
「う、馬がしゃべってるっ!?」
いや。そりゃ古代魔法文明の遺物なんだから不思議じゃないけど!
しゃべれるんなら最初っからしゃべれよ!
それから敵って何だ敵って!?
>「王よ。戦うべきか否か、御命令を」

85 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 18:53:33 0
>71 >83
>「何を仰るヴァンエレン殿。美しい女性の誘いを断るなど紳士の風上にもおけんぞ!!」
普段言われない言葉に思わず顔が赤くなる僕、
しかしこの客分のヴァンエレンを連れ出そうとする強引とも言える態度がちょっと気になる……
さっきの誉め方もなんだかリリアーナと知り合いといった感じだったし。
>「さあさあ、店のほうは優秀な使い魔達にお任せて、主殿はひと休みしようではないか。
>いい話を聞かせてくれたのと、美味しい焼きそばを作ってくれたお礼じゃよ、ほっほっほ」
しかもヴァンエレンを引きずる客分の向う先はさっきリリアーナが向かっていった方向とは反対方向。
客分だからどこになにがあるか詳しくわかってないのか?
>「良かったねマオマオ!ヴァンエレンも一緒に行ってくれるってさ!
>せっかくヴァンエレンとつきあってるんだから学園祭は一緒に回らないとね!」
「ん?あ……ああ」
僕の手を引っ張るユリ、そうだった……このままではまずい。
ようやく噂も沈静化してだいぶ自分の周りが静かになってきたっていうのに、
このままではヴァンエレンと文化祭を回ってまた噂が再燃してしまう。
しかもこいつはジャーナリストを気取っているパパラッチ……
>「はて?ユリ殿、マオ殿。喫茶店に向かわれるんでは無かったですかな?」
>「もー、リチャードさん慌てすぎだよー!
>メイド喫茶はあっち!」
道を間違えるリチャードさんを誘導するユリを見ながら内心溜息をつく。
「僕は一人でいいんだが……そのほうが都合もいい」
呟きながらユリが指した先の窓を見ると、いきなり窓ガラスが割れて
中から椅子が下へと落下する。
「これは……!?」

驚いていると生徒会本部からテレパシーが入る。
>(生徒会本部より
>校舎二階の喫茶店にて異変が発生
>近くにいる役員は、至急現場に急行してください)
まさかまたリリアーナが何かしたんじゃないだろうな?
いや、むしろしてくれいたほうが僕としてはラッキーだ。
>「あ!リリアーナ達の猫耳メイド喫茶を謎の怪生物が襲ってるって!
>マオマオは生徒会から何か連絡入ってる!?」
「たった今連絡が入った、至急手の空いている生徒会員は喫茶店へ向かえとの……」
全部言い終わる前に今度はメイド喫茶の壁が破壊され極太ビームが伸びる!
どうやら本当に何か大きな問題が起こったようだ。
なにはともあれいますぐにでも向かわなければ!!
>「スクープだーっ!みんな!私先に行ってるから、後はよろしく!」
最短ルートを考えているとユリはそうそうにデッキブラシにまたがって飛んでいく。
「おい!!待て僕も!!……くそ、何か、何か足になるものはないのか!?」
周りを見ても特に役立ちそうなものはない……そうだ、ヴァンエレン!
あいつなら空を飛んで二階の喫茶店まで大幅にショートカットできる!
「ヴァンエレン!使い魔のコウモリを召喚して、
 僕をあの二階の喫茶店まで運んでくれ!!
 礼なら後でするから頼む!

86 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 19:26:36 0
>79 >82
ジャジャは異様なハイテンションで、ピッコロから託された包みをを受け取った。 
>「これは…ミニ電気ジャー!」 
>ジャジャはジャジャはミニ電気ジャーを床でもがいている妖怪犬に向けた。ミニ電気ジャーから、強烈な魔力がほとばしる。 
>「電気の力で、ふっくら・つやつやの…マ・センコー!!」 
>ミニ電気ジャーの蓋がパカッと開き、そこから光・熱・圧力が三位一体の極太ビームとなって放たれた。
リリアーナは目が眩んで何も見えなくなった。

>数秒後、そこに妖怪犬の姿は無かった。
それどころか、猫耳メイド喫茶の半分も無くなっていた。
「あは・・・・・あははははは・・・」

あまりの出来事に笑うしか出来なかったリリアーナだが、
>「泣くな、ジャジャ。もう終わったんだ。みんな、無事か!?」
というピッコロの言葉にようやく再起動した。
「あ・・・うん。皆が助けてくれたから私は平気。ホントにありがとね。
 ピッコロさんの方こそ動いても大丈夫なの?・・・・・・あ!そうだった!」
リリアーナは慌てて机の下に隠れている小さな女の子の所に移動した。
「あなた、怪我は無い?もう大丈夫よ」
リリアーナは女の子の目を覗き込むと、手を差し伸べた。
「さっきはピッコロさんを助けてくれてありがとう。
 ところで、ピッコロさんにつかった回復魔法ってケオスさんのと同じだったね?
 もしかしてケオスさんの妹か何か・・・・・・・」
じいっと見つめ返してくる瞳に、リリアーナはふと既視感を覚えた。
「えっと・・・前にどこかであった事ある・・・よね?」
リリアーナには見つめ返す仕草や、飛びついてくる感覚に何となく覚えがあった。
だが、初対面(?)の女の子に向かって「あなたはサラマンダーですか?」などと言えるはずもない。

リリアーナがもやもやしていると、女の子がすいっと横を向いた。
「あっ、ケオスさん!」
リリアーナはほっとした。
ケオスは急いで駆けつけたのだろうが、執事風の服には一分の隙もなかった。
「今日はマンダと一緒じゃないのね」
リリアーナはちらっと美少年に化けているギズモを見た。
(まさか・・・・・・・ねえ?)

>クロウがどうやって修復しようかと途方にくれている頃、リリアーナの頭上に突如何かが出現した。
「きゃっ?!し、死体いいぃぃぃいいっ?!」
周りの人間が確認しようとするが、死体は突然風船のように膨らみ始めた。 
「な、な、何?なんで膨らむのっ?!}
>「座標指定!! 
> separated room!!」 
クロウは咄嗟に魔法で死体の空間だけ隔絶してくれたようだ。だが――――。
「だめ!!膨張する圧力で隔絶空間がもたない!!皆、早くここから離れて!!」


87 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:06:03 0
>84
林の中、スクナは反り返るほど胸を張って大満足をしていた。
なぜならばミルクが自分の従者と認め、あまつさえ【様】付けで呼んだのだから。
ここだけの話し、と言うか少し考えればわかるのだが、東方魔法学園ではこのような扱いは受けたことはないのだから。

>「ご注意ください王よ。その者は王化に服さぬ我らの敵の仲間です。」
そんなスクナにかけられる声。
その声はこの場にいるレベッカのでもミルクのでもない。
しかし【王】と呼ばれたからには自分しかいないと思っているスクナが辺りをキョロキョロと見回すと、声の主は直ぐ後ろにいた。
なんと黄金の馬が喋っているのだ。
>「う、馬がしゃべってるっ!?」
スクナが驚きの声を上げる前にミルクが声を上げてくれたので、うろたえる様を見せずにすんだ。
どころではなく、いけしゃあしゃあと言い放つ。
「うろたえるな、ミルク。」
うろたえた自分に言い聞かせているのだが、それを誤魔化しなおかつ王の威厳を保つ。
まさに一石二鳥。
心の中で自分で自分を褒めていると、黄金の馬は更に続ける。
>「王よ。戦うべきか否か、御命令を」

黄金の馬はレベッカを王にまつろわぬ者として戦うか否かを聞いているのだ。
スクナにしてみればレベッカの正体も目的も知りはしない。
と言うか、ほぼ初対面。
流石に初対面の人間が平伏しないからといっていきなり攻撃!と言うほど暴君ではない。
かといって、「ちょwいきなり初対面を攻撃ってwwどんだけー?」などと応えては弱気と思われかねない。
少し考え、スクナは口を開く。

「黄金の馬よ。その忠節は見事。
じゃが、王下に服さぬといって即攻撃するようでは狭量この上ないわ。」
これぞ王足る言い回し!
結論を出しつつも威厳は損なわない!
と自画自賛しつつ黄金の馬に言い聞かせると、黄金の馬は恭しく頭を垂れる。
それを見てスクナの鼻の穴はぷっくりと開く。

騎乗していた時には全く操作できず不安だったのだが、黄金の馬は自分のいう事を聞いているではないか!と。

しかしそんな考えは粉々に砕かれるのだ!
**ガポ**
と言う音と共にスクナの視界が真っ暗になった。
そして突然引き上げられ、振り回されるような感覚。
傍から見ている図としては、黄金の馬がスクナの頭を咥えて振り回しているのだから当然な感覚なのだが・・・
>「我と王の会話に立ち入るとは無礼千万!」
ぶるんぶるんとまるで小枝のようにスクナを振り回す黄金の馬。

暫く振り回していたが、突如としてスクナを解放し、頭を垂れる。
>「・・・御意に」
大人しくなった黄金の馬にスクナはフラフラとした足取りで近づいていく。
「ふふふ、愛い奴め。じゃれおってからに。」
頭から血を噴出しながら黄金の馬の首をポンポンと叩く。
振り回されていたせいか、フィルターがかかっていて都合の悪い台詞は聞こえないのか?
どちらにしても、黄金の馬が自分のいう事を聞いたと思っているようだ。

「レベッカ、こやつは心配性での。
安心せよ。余は寛大なので安心するが良い。
ん?・・・西方の花火はまた派手じゃのう!」
レベッカに血まみれの顔で笑いかけていると、大きな爆発音が響く。
事の重要さなどさらさら感知もせずに、感心するように空を見上げた。

88 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 10:38:32 P
>79
溶解液を吐いて攻撃する妖怪犬
「なんとぉ!?」
必死で身をかわすギズモ
だが・・・・・
べちょ♪
「ぎゃあ!?僕の服が!お母さんから貰ったねこさんフードが!!」
少量ではあるがそれを浴びてしまいじわじわと解けていくギズモの服
自分まで融けてしまう前にと急いでそれを脱ぎ捨てるのであった
「はぁはぁ・・・・危なかった」
そのフードの下に着ていたのは背中に穴の大きく開いたTシャツと半ズボンという
いったい誰をターゲットにしているかわからないマニアックな服装であった

妖怪犬との戦いはどうなったか?
結果から言うとジャジャによるマ・センコーにより部屋が半壊し
突然落ちてきた犬の死骸が爆発した
>86
「だめ!!膨張する圧力で隔絶空間がもたない!!皆、早くここから離れて!!」
「え!?やばいの?ギズモウィィィング!!」
背中の羽を大きく広げ安全な場所に逃げようとするギズモ
どうやら背中の部分に穴が開いていたのはこの為の様である
決して趣味だからではないのだ!!

その頃フリージアさんは
「あとちょっとで着きますわね・・・・・ってなんですのこれ!?」
やっと見えてきた目的の建物がひどい有様になっているのを遠目で見て
あっと驚くフリージア
その直後である・・・・・・
チュド〜〜〜〜〜ン!!
「一体全体なんですのぉぉぉぉぉぉ!?」
目の前で突然爆発する建物を見て呆然と立ち尽くすのであった


「あ!お母さんだ!!お母さ〜ん!!!」
やっと目的地に着いたフリージアに思いっきり抱きつきという名のタックルをかますギズモ
「ぐふっ!?」
あっ・・・・鳩尾に入った
「い、一体全体何がありましたの?」
痛むお腹を押さえつつフリージアはギズモに何があったかと尋ねるのであった

89 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 14:13:42 O
机の下で小さくなって震えていると突如閃光が走る
「ち!?」
驚きの余りに素の声が出そうになり慌てて口を押さえる
>「あなた、怪我は無い?もう大丈夫よ」
しばらく震えていると手を差し延べられる
「う、ん…大丈夫……ケガ、ない。」
手を借り机の下から這い出て服についた埃を払う。
>「さっきはピッコロさんを助けてくれてありがとう。
>ところで、ピッコロさんにつかった回復魔法ってケオスさんのと同じだったね?
>もしかしてケオスさんの妹か何か・・・・・・・」
「へ…?うん、ケ、オスの、まほ…見て、おぼえた。」
すると嬉しそうに笑い
「ケオス、おぼえると、ほめ、てくれる…ほめて、もら、いたくて…がんば、た」
何と言う健気な少女……
>「えっと・・・前にどこかであった事ある・・・よね?」
「…?おかし、なリリ、アーナさん。ある、よ…い、ぱい」
リリアーナの様子に小首を傾げる。
ふと感じた匂いにはっ、とする少女。
「…ケオス!」
>「あっ、ケオスさん!」
「ごめんね、待たせちゃったみたいで。」
ケオス到着
少女はリリアーナの元を離れケオスに抱き付く。
ケオスも抱き付いてきた少女の頭を優しく撫でている。
「う、ん…ま、た。でも、さびしくなか、たよ、リリアーナ、さんいたから。」
「そう。」
リリアーナの方を向くケオス。
>「今日はマンダと一緒じゃないのね」
「???…あぁ、そういえばリリアーナ、知らなかったね。
じゃあ、改めて紹介するよ…と言っても本当はリリアーナも良く知っているんだけどね。」

90 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 14:15:30 O
そこまで言うと袖が引っ張られるケオス。少女が袖を引っ張っていたようだ。
「わた、し、おなまえ、言える。わた、しが言う。」
「そう?じゃあ、宜しく頼むよ。」
「う、ん……おひさ、しぶりです、リリアーナさん。わたし、マンダです。」
「よく出来ました。」
ケオスが頭を撫でるとマンダは嬉しそうにち〜♪と言った。
「…と言う訳なんだ。また改めてマンダを宜しくしてあげてね。」

ほんわかした時間はここでだった。
突如現れ、膨らみ始めた犬の死体に臨戦体制に入るケオス。
「みんな、逃げろ!!!!!!」
廊下に溜まっていた人だかりに力一杯叫ぶケオス。引っ付いているマンダもびくっとするようなものすごい声量だった。
「君も逃げて!多分破られる。マンダ、そのまま掴まってて!リリアーナ、僕の手に掴まって!」
生徒会の男子に逃げろと言った後、リリアーナに手を差し延べる。
リリアーナがしっかり掴んだ事を確認すると
「無影月歩」
三人の姿は教室の中から消えた。

三人が現れた場所、そこは中庭だった。
「流石にここまで離れれば……大丈夫?二人とも」


91 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:19:49 0
>67>71
準備して店を出した以上は焼きそばを売らねば採算が合わなくなって赤字になってしまう。
マオは納得してくれたみたいなのだが、そうはいかないのがユリとリチャード…そして魔法学園クォリティ。
>「何を仰るヴァンエレン殿。美しい女性の誘いを断るなど紳士の風上にもおけんぞ!!」
「はい?」
がっちりと逃がさんばかりに腕を掴んで強引に店からだらしなく引きずりだされる。
>「そうだよ!マオマオをエスコートしないヴァンエレンなんてヴァンエレンじゃないよ!
>お店なんかあっちの店みたいに、使い魔に店番させておけばいいじゃない!」
あっちの店…かわいらしいウサギの使い魔が団子を丸めて商品として出している店があるが、どうやらそれを真似しろということらしい。
>「さあさあ、店のほうは優秀な使い魔達にお任せて、主殿はひと休みしようではないか。
>いい話を聞かせてくれたのと、美味しい焼きそばを作ってくれたお礼じゃよ、ほっほっほ」
いざ行かん冥界への門…使い魔のコウモリたちはいつの間にか準備したのか、せっせと器用に焼きそばを生産している。
>「あれ?新手のアトラクションかな?」
向かおうとしていたメイド喫茶は椅子が落ちてきたりだの悲鳴だのとなんだか物騒な有様になっている。
「こ、これは、本当に大丈夫なのか?」
悪い予感が的中しそうで思わず冷や汗を流して心配になってきたヴァン。
>「あ!リリアーナ達の猫耳メイド喫茶を謎の怪生物が襲ってるって!
>マオマオは生徒会から何か連絡入ってる!?」
きっと恐ろしいUMAに違いないと、一人謎の怪生物を想像してしまう。
全身真っ黒い鎧のような外皮に覆われて頭部には長く伸びる触角、さらに『愚カモノ共ガ』と周囲を跳ね飛ばす馬鹿力。
「あわわ…えらいこっちゃ!」
>「スクープだーっ!みんな!私先に行ってるから、後はよろしく!」
ジャーナリスト魂に火がついたのか、待ちきれなくなったユリは一人デッキブラシに乗って飛翔する。
>「ヴァンエレン!使い魔のコウモリを召喚して、
>僕をあの二階の喫茶店まで運んでくれ!!
>礼なら後でするから頼む!」
これで後には引けなくなった。
「しょうがない、どうか生きて再びここを通らんことを…」
祈りにも似たヴァンのあきらめの呟きはこの先の不運を暗示させるものになってしまうのか?
残った使い魔を呼び出して、自身もコウモリに身を変えてマオとリチャードを乗せて空飛ぶ絨毯のように空を舞いユリを追いかける。


>86
教室に隣接するようにして使い魔たちが滞空する。
「一体なにがあったのだろうか?」
リチャードとマオの横にヴァン本体が半壊した教室を一望して唖然とした一言。
>「だめ!!膨張する圧力で隔絶空間がもたない!!皆、早くここから離れて!!」
リリアーナがなにやら叫んでいる…とその頭上に膨張しだす死体の姿があった。
「あー…これはなんともヤバイ雰囲気がするのだが?」

92 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:26:40 0
>86
よし、なんとか爆発する前に隔絶できたようだな。
あとは収まるまで持続させれば…
>「だめ!!膨張する圧力で隔絶空間がもたない!!皆、早くここから離れて!!」
ぬぉぉ!!なんだ、この圧力は!!
やべぇ、このままじゃ抑えきれねぇ!!

>90
>「君も逃げて!多分破られる。マンダ、そのまま掴まってて!リリアーナ、僕の手に掴まって!」
「え?ちょ、待t。」
俺、この魔法を使ってると動くに動けないんだけど!!
>「無影月歩」
「…おいてけぼりですか。そうですか。」

さて、どうしよう?
魔法を解いてすぐに逃げる?
いや、逃げる前に爆発に巻き込まれるだろう。
それも超至近距離にいるから確実だ。
じゃあ、狭間にでも送り込むか?
だめだ、フィジル島じゃ空間が安定しないからゲートみたいなマジックアイテムがないと無理だ。


…ちくしょう!!もう空間がもたねぇ!!

93 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 18:46:48 0
>81>84>87
> 「ん?誰かと思えば、収録の時の・・・レベッカか。」
> 「スクナの知り合い?」
「あーよ。レベッカ・ウォンだ。」
> そう、スクナはレベッカとは面識があった。
> 「…って忘れてたーっ!どこかケガしてない!?
> もう一人はもしかしてひいちゃった!?」
> 「ミルク、大丈夫か?
> もう一人はどこかへ言ったが、レベッカはちゃんと避けたから大丈夫だぞ。
> これなるは余の従者、ミルク。
> レベッカ、そちの従者は走り去ってしまったようだが・・・
> どうだ?西方の祭りは楽しんでおるかな?」
「わざわざそれを俺に言うためだけにこの騒ぎか?たいした王様だな。」
> 「はじめまして、レベッカさん。
>  あたしはミルク・パウダーシュガー。
>  今はこちらにいるスクナ様の従者兼案内役やってます。
>  さっきは急に車が暴走しちゃって…危ない目にあわせてごめんね。
>  ケガがなかったみたいで良かったけど、お仲間の人には悪いことしちゃったかな…」
「あれは俺の従者なんかじゃねーぞ。ただトレーの場所を聞かれてただけだ。
 走っていったのは、よっぽど股間に水が溜まってたせいだろ。気にすんな。」
その時、突然戦車を引いていた金の馬が口をきいた。
>「ご注意ください王よ。その者は王化に服さぬ我らの敵の仲間です。」
> 「う、馬がしゃべってるっ!?」
「ああ?敵って俺かよ。」
>「王よ。戦うべきか否か、御命令を」
> 少し考え、スクナは口を開く。
> 「黄金の馬よ。その忠節は見事。
> じゃが、王下に服さぬといって即攻撃するようでは狭量この上ないわ。」
「よう王様、話がわかるじゃねーか。俺はこれからすぐに猫耳メイド喫茶店に行かねーと。」
> **ガポ**
> と言う音と共にスクナの視界が真っ暗になった。
>「我と王の会話に立ち入るとは無礼千万!」
> ぶるんぶるんとまるで小枝のようにスクナを振り回す黄金の馬。
> 暫く振り回していたが、突如としてスクナを解放し、頭を垂れる。
>「・・・御意に」
> 大人しくなった黄金の馬にスクナはフラフラとした足取りで近づいていく。
> 「ふふふ、愛い奴め。じゃれおってからに。」
「可愛いのはおめーの方だよ。(笑)」
> 「レベッカ、こやつは心配性での。
> 安心せよ。余は寛大なので安心するが良い。
> ん?・・・西方の花火はまた派手じゃのう!」
> レベッカに血まみれの顔で笑いかけていると、大きな爆発音が響く。

>88
> 目の前で突然爆発する建物を見て呆然と立ち尽くすのであった
「ああ…俺の予定が変わっちまったな。猫耳メイド喫茶店が爆発したぞ、おい。」

94 名前:メラル ◆n/QamkW/HM [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 19:43:39 0
>>84
 唐突に、学園の方から手紙を咥えた氷製の鳥が飛んできて…
ミルクの上を旋回しながら降りてきて、手紙を"斥力球"で
ミルクの前に浮かべ、ミルクに投げ渡すと、氷の鳥は解けて消えてしまった。

手紙の封を切り、中身を見ると…そこには、ミルクにとっては
不運としか言いようがない内容が書かれていた。
ちなみに、文字は明らかに通常のインクなどは使われておらず、
正面から見ないと見えないように工夫されていた。
盗み見防止用という事だろうか。

=========================
(前略)
貴殿が展示品に搭乗し、博物館にて行った破壊活動にて負傷致しましたので、
その旨、及び後ほどお礼に伺う旨をお伝えしたく、書面にて連絡させて頂きます。
(中略)

追記

貴殿の行った破壊活動により、当家より学園に貸与しております
秘宝 霊氷の杖が破損した可能性があり、専門家による調査が済み次第
その結果をお伝え致しますので、その際は宜しくお願いします。
=========================

そして、ミルクが読み終わると同時に手紙は消えてしまった。
紙自体も特殊なマジックアイテムのようである。

実は、周囲にいる数々の小動物に紛れて白い毛並みのフェレットもどきが
その様子をそこそこの距離から覗き見し、手紙が消えると同時に
学園に向かっていったのだが…気付く者はいたかは定かではない。

=================================================================

一方、博物館…。メイド喫茶でそれ以上の事件が起きている事は知っていたが、
火事場泥棒が出ないとも限らない博物館を離れる訳にもいかないため、
白百合騎士団の第三部隊隊長に私信で伝えていた。
ちなみにこの第三部隊は、占術、マジックアイテムなどで
情報面、物理面共に女子寮の防御を固めてきた部門であり、
侵入者には容赦しないものの、第二部隊ほど極端な男性嫌悪の風潮はない。

自分の部屋の安全の為には寮自体も相応の安全性があった方がいいと
考え、家のコネを用いてまで騎士団が市販のマジックアイテムを
格安で仕入れられるようにと動いていたメラルにとって、
第三部隊は最も連絡がとりやすい部隊だったのだ。
そもそも、メイド喫茶での事件自体第三部隊から仕入れた情報である。

そして、連絡が終わると…メラルのすぐ近くにいた黒い毛並みのフェレットもどきが言った。
「まさか、下からあんな物が出てくるなんてね〜。
 でも、たいした怪我じゃなかったんじゃないの?掠り傷程度で。
 それに、あの杖…さっきご主人様が…教師クラスでも
 破壊どころか傷一つつけられるか怪しいって言ってたんじゃ…。」

「…講演会でもらった資料を台無しにされたんだもの。
 これ位の悪ふざけをしたって罰は当たらないでしょ?
 どうせ証拠は残らないし…ね。」

95 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 22:22:31 0
フィジル学園三階、そこにはフィジルの平和を守る生徒委員達の総本山。
我らが【生徒会室】がこのフロアには設けられている。
日夜多忙な生活を送り続ける彼ら生徒会役員たち。
除いてみるとそこには対応に追われる生徒会役員達が必至に動いている。
しかし、今日の生徒会本部はいつにもまして忙しい。

「中庭にて乱闘騒ぎ多発しています!」
『近くにいるものを向かわせろ!!喧嘩両成敗だぁ!!』
「一回の出し物の飲食店などにお金を払わず姿を消す客も確認されています」
『なにっ!?魔法を使って姿をくらましているのか・・・探知系を周囲に配置するんだぁっ!!』
「博物館で展示品がいくつか破損したようです」
「ええいっ!!人が足りん!!白百合騎士団にも応援を要請しろぉっ!!」

それもそのはず今日は文化祭。羽目を外しすぎたり悪乗りが過ぎるため、
様々な問題が生徒会に送られてくるのだ!!
そのため生徒会はいつだってフィジルの最前線であり、
いつだって人手不足なのだ!!

「大変です副会長!!」
『なに!?どうした!!何があったんだっ!!』
「二階メイド喫茶で謎の生物の襲撃を受けているとの報告です」
『よし!!近くにいる生徒会役員を向かわせるんだ!テレパシーを送れええ!!』
「「「了解!!」」」

そして生徒会役員に的確に命令をし副会長と呼ばれるこの人物
名前を【バン・クロード】!!伝統あるフィジル学園の生徒会の副会長である!!
今日も彼はフィジル生徒の熱き魂のために戦うのだ!!

「くっそー!なんでこんな時に生徒会長はどこかにいってしまうんだ!」
『この馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!』
「ぎょぼああああああああ!!」
響く怒号、轟く拳・・・・・・弱音を吐いた役員を殴り飛ばす副会長

「ぐふっ・・・な、なにを!?」
『生徒会長がなぜ遊びに行ったか・・・それが分からないのかっ!!
いいか!?生徒会長はいざ自分がいなくなっても、
生徒会を我々だけで機能させられるかどうか試しているんだ!!』
「はっ!?じゃ、じゃあ生徒会長は・・・!?」
『そうだ!!その生徒会長の真意を分かってやれなくてどうする!!
そんなんじゃあ生徒会役員の名が泣くぞぉ!!』

熱きメッセージに目を覚ましたのか殴り飛ばされた役員が副会長の手を握りしめる
「副会長!!俺・・・俺ぇ!!」
『ふっ・・・分かればいいんだ。
俺達生徒会会員が一人一人死力を尽くせばこんな困難など乗り切れる!!
これを機会に生徒会長に俺達の力を見せつけてやろうではないか!!
よぉしお前たちいっちょ気合い入れていれるぞぉぉ!!』
団員が全員立ち上がり副会長の元に集まる。
無駄が一切ない動きで生徒会員達は副会長と円陣を組んだ
『フィジル生徒会、行くぞぉっ!!』

「「「オーッ!」」」
『声が小さいっ!』
「「「オォーッ!!」」」
『まだぁまだぁ!!もっと大きくっ!!』
「「「オォー!!ったらオォー!!!」」」

副会長が来てから生徒会はいつだって熱血なのである!!



96 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 22:25:01 0
――ドガァァァァンッ!!――
爆発音が響き振動が建物を伝わる!!
円陣をすぐに解き持ち場に戻る生徒会員たち!
『今度はなんだ!?建物内か!?』
「監視カメラの映像こっちに回します!!」
生徒会室中央にある幻灯機から映像が映し出される。
そこには三又の犬と戦闘を行っている騎士団が放つマ・センコーの凄まじさがありありと映っていた。
『いけない!!これでは余計混乱を助長するだけだぁ!!現場にはだれがいる!?』
「現在クロウさんがメイド喫茶店を避難させています。それとマオさんが現在向かっているようです」
ぬぬぬっ!!と唸り椅子に座り込んで考えてしまう副会長。
すると映像に犬の死体が女子生徒の頭上に出現するのが映る。
それを見た副会長は冷や汗を流す。なぜかは分からないが嫌な予感がしたのだ。

『くっ!だが俺はここから動くわけには……』
「行ってください!!」
「副会長!クロウさんを、未だ残っている人たちを助けてやってください!!」
『お・・・お前たちっ!?しかし俺が居ないとだれも指令を出すやつが・・・』
「なに言ってるんですか!一人一人がベストを尽くすことを教えてくれたのは副会長でしょう!!
だから副会長も死力を尽くしてくださいよ!!副会長が椅子に座ったままだなんてのは似合わないですぜ!」
あちこちからかかる声に思わず涙を流す副会長。
今副会長の中の全米が感動し涙を流している!!

『ったくお前ら・・・言うようになりやがって・・・お前たちの気持ち受け取ったぁ!!』
涙を腕で拭い副会長は生徒会室の扉を勢いよく開ける!
生徒会と書かれた帽子を深くかぶりなおしクラウチングスタートのポーズを取る。

『加速っ!装置っ!!シュイーンッ!!!』
スタートを切った瞬間副会長は信じられないスピードで走りだす!
渡り廊下を突っ切り階段を一発で飛び降りる!
これぞ副会長の48の必殺技の一つ・・・・・・ウルトラ加速装置!
実際はただ身体強化を足だけに集中させているだけなのだが、
副会長曰く『加速装置には男の夢がある!』らしい。

そして本家本元の009さえ真っ青なスピードで現場にたどり着く。
『生徒会の者ですっ!!皆さんここは危険ですので避難してくださいっ!!』
避難するよう呼びかけながら野次馬の人ごみをかき分けていく。
そこには副会長の同志であるクロウの姿が!
どうやらクロウもあの子犬の死体に何か感じたのか、
空間魔法で子犬周辺を抑え込んでいるようだ。
しかし、ひとつ問題があるのはあまりの膨張なため、
クロウの空間魔法が今にもパリンと割れそうなことである。
『クロウ!!俺が来たからにはもう安心だぁぁぁぁ!!』
副会長はそのままクロウを抱えてそのままマ・センコーにより大きな穴が空いた元壁へと走りダイブする!
『うぉぉぉぉぉおおおおお!!副会長は伊達じゃあないっ!!』
後ろで豪快ともいえる爆発が起こりその飛び火を身に受けながらも、
二本の足で中庭の大地を踏みしめる!!

爆発と副会長の飛び降りに驚いている周りのギャラリー達。
(ここは御来賓の皆様を不安にさせてはいけないっ!!)
そう思った副会長はクロウを下ろし副会長は高らかに拳を突き上げて叫ぶ
『御来賓のみなさぁぁん!!!驚かせて申し訳なくおもっておりますっ!!
わたくし生徒会副会長ことバン・クロードの危機一髪ショウ!!ハラハラしてもらえたでしょうかぁっ!?』
その言葉に一度静かになったが次々と拍手が上がり湧き上がるギャラリーの人達・・・・・・
いつもいつも【騒動】が当たり前となっているフィジルだからこそできるごまかし方である!

『さあ皆様引き続き我らがフィジル学園祭をお楽しみくださいませぇぇっ!!』
≪こちら副会長!とりあえずは解決完了した!!至急メイド喫茶店の修復作業班を頼む!
 酷いなんてもんじゃあない状況だからな!!≫
全員に一礼をしたあと速やかにテレパシーを生徒会本部に送る副会長。
ただ熱いだけではなくそれなりにはできるのが副会長なのだっ!!

97 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 17:18:33 O
>87 >93-94
>「ああ?敵って俺かよ。」
いきなり敵呼ばわりされたレベッカは、当たり前だが不機嫌そうに見えた。
やば…ここでスクナが『そうか!』とか言って暴れ出したら、どうしよ…
スクナの屋台での無茶な行為を思い返して、ハラハラしながら見守っていると。
>「黄金の馬よ。その忠節は見事。
>じゃが、王下に服さぬといって即攻撃するようでは狭量この上ないわ。」
「さっすがスクナ様!話がわかる!」
寛大な物言いに感動した!
できればその寛大さをヴァンエレンの屋台でも示してほしかったけど!
>「よう王様、話がわかるじゃねーか。俺はこれからすぐに猫耳メイド喫茶店に行かねーと。」
レベッカもあたしと似たような感想を持ったようだけど、何故に猫耳メイド喫茶?
特殊な趣味の持ち主なのか?

>**ガポ**
ん?ガポってなんの音?
>「我と王の会話に立ち入るとは無礼千万!」
奇妙な音に振り向けば、なんと黄金の馬が、スクナの頭をくわえて軽々と振り回してるじゃないか!
「ちょっとちょっとそれ王様!それにその振り回し方は死ぬ!スクナが死ぬーっ!!」
慌てて制止したけど、それでも馬はスクナを放さない!
暴走の次は主人に噛みつきかよ!
もういやだこの暴れ馬ーっ!!

不意に。馬はスクナを解放しておとなしくなる。
>「・・・御意に」
「大丈夫!?スクナ!なんか頭から血が出てるけど!」
駆け寄ってみると、スクナの頭からどぱどぱ血が出てた。
大丈夫…じゃないよなこれ。回復しないとだめだよな。
あたし回復魔法とか苦手なんだけどなぁ…
超初歩の回復魔法でも使わないよりましかと考えていると、スクナはふらふら立ち上がって馬の側へ。
>「ふふふ、愛い奴め。じゃれおってからに。」
>「可愛いのはおめーの方だよ。(笑)」
「可愛いというかなんというか…」
あんな愛情表現なんぞ毎回されたら、飼い主の身が持たないだろ、常識的に考えて。
とりあえずケガはたいした事ないみたいだけど、従者とかちょっと早まったかも…
飼い馬にまでちゃんと認められてないみたいだもんなぁ。

スクナ様ってなんか言いにくいし…
ため息まじりに空を見上げれば、キラリと光る何かが目に入った。
それは、旋回しながら降りてくる一羽の氷で出来た鳥。
鳥はくわえていた手紙をあたしによこし、最初からいなかったように溶けて消え失せる。
手紙?これってやっぱりあたしあてだよな?
手紙じゃなくて口で言った方が速いと思うけど…どれどれ……?

98 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 17:19:31 O
>(前略) 貴殿が展示品に搭乗し、博物館にて行った破壊活動にて負傷致しましたので、
>その旨、及び後ほどお礼に伺う旨をお伝えしたく、書面にて連絡させて頂きます。 (中略)
>追記
>貴殿の行った破壊活動により、当家より学園に貸与しております
>秘宝 霊氷の杖が破損した可能性があり、専門家による調査が済み次第
>その結果をお伝え致しますので、その際は宜しくお願いします。
「な、な、な、な…何よこの手紙は〜っ!?」
あたしが破壊活動って、あの展示品を動かしたのはスクナで、あたしじゃないだろ!!
しかも負傷したお礼参り?杖が破損!?
負傷は日頃の鍛錬不足だろうし、あの程度で破損するような秘宝なんぞ展示しておくな!
「どこのどいつか知らんが、こんな手紙をあたしに送りつけるとは良い度胸してるなうふふふ…」
用は済んだとばかりに消えてしまった手紙を持っていた手を握りしめ、あたしは反撃を心に誓う。
送り主はだれだろうな…氷の鳥は確かメラルが使ってたと思うけど…
ま、送り主とは違っても、氷の術士なら横のつながりで分かる事もあるだろう。
まずはメラルと話し合いするのが事件解決の近道だな…

とそこまで考えたとき、大きな爆発音が響く。
> ん?・・・西方の花火はまた派手じゃのう!」
見れば、花火どころじゃなく校舎の一角が爆発している。
「あれのどこが花火に見えるのよ!?」
>「ああ…俺の予定が変わっちまったな。猫耳メイド喫茶店が爆発したぞ、おい。」
「留学生のあんたがなんで猫耳メイド喫茶の場所を知ってるのよ!?」
犯人はこいつ……じゃないな。
爆発がわかってたなら、仕掛けたところに行きたいなんて言わないだろうし。

「とにかく、予定を変更せずに一緒に猫耳メイド喫茶に来てもらうわよ。
 怪我人がでてたら救助に人手がいるしね。
 あ、王様は戦車を置いていって下さい。
 どうせ王様以外乗れないんですし、目立って質問責めにされたくないでしょ」
あ、スクナ様は言いにくくても王様ならスムーズに言えるな。
よし、今度からスクナを呼ぶのはこの呼び方に決定しよう。
なんて事を考えながら、あたしはとりあえず中庭目指して走り出した。

99 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 17:32:45 0
>91 >85 >83 
>「もー、リチャードさん慌てすぎだよー! 
 メイド喫茶はあっち!」 
「はっはっは、いや、すまんすまん」
>「僕は一人でいいんだが……そのほうが都合もいい」 
「そうかそうか。それはご希望に添えずすまなんだのう。
 いやはや、お若い人というのは本当に奥ゆかしいというか何と言うか――――おや」
ユリが指さした先の窓ががしゃんと割れ、中から椅子が飛び出してきて下に落ちた。
>「これは……!?」 
「はて・・・?フィジルの喫茶店ではたいそう変わった茶の入れ方をするのじゃのう」
>「あれ?新手のアトラクションかな?」 
>「こ、これは、本当に大丈夫なのか?」 

>「あ!リリアーナ達の猫耳メイド喫茶を謎の怪生物が襲ってるって! 
 マオマオは生徒会から何か連絡入ってる!?」 
「なんだと?!」
>「たった今連絡が入った、至急手の空いている生徒会員は喫茶店へ向かえとの……」 
>「あわわ…えらいこっちゃ!」 
そう言っている間に、爆発音に続いて校舎の窓から極太ビームが発射された。 
>「スクープだーっ!みんな!私先に行ってるから、後はよろしく!」 
>ユリはデッキブラシに飛び乗って一直線に猫耳メイド喫茶を目指した。
>「おい!!待て僕も!!……くそ、何か、何か足になるものはないのか!?」 
「うぬうう、こうしてはおれん!!」
明後日の方向へ一目散に走り出そうとしたロウの足を止めたのは、マオの一言だった。
>「ヴァンエレン!使い魔のコウモリを召喚して、僕をあの二階の喫茶店まで運んでくれ!!」
「事は一刻を争う、急いでくれ!!」
>「しょうがない、どうか生きて再びここを通らんことを…」 
ヴァンエレンは使い魔を呼び出し、マオとロウを乗せて空飛ぶ絨毯のように空を舞わせた。
自身もコウモリに身を変えユリを追いかける。
「ほう、これは便利だ!さあ急いでくれ」

>教室に隣接するようにして使い魔たちが滞空する。
>「一体なにがあったのだろうか?」 
「むっ、あのメイド姿は!!」

>86
>「だめ!!膨張する圧力で隔絶空間がもたない!!皆、早くここから離れて!!」 
>「あー…これはなんともヤバイ雰囲気がするのだが?」 
ヤバイどころの騒ぎではない。
「こら使い魔達、もっと窓際に寄るのだ!!逃げ遅れた者たちを助けなければ・・・ええい不甲斐ない!!」
ロウが使い魔達をしかりつけて催促しているが、勘のいい使い魔達は危険を察知し先に行こうとはしない。
そうしているうちに、リリアーナはケオス達と一緒に姿を消した。 
他の教師や生徒達も、それぞれうまく逃げ出せそうだ。
ロウは詰めていた息を吐くと、流れるような仕草でヴァンエレンの襟首を掴んだ。
「ヴァンエレン殿。漢の見せ所ですぞ」
ロウは満面の笑みを浮かべると、ヴァンエレンをマオとユリの真中あたりに放り出す。
「淑女達を守るのは紳士の本懐。それが美しい女性達なら尚更のこと。
 このリチャード、ヴァンエレン殿のお手並みとくと拝見といたしましょうぞ、ほっほっほ」

直後、猫耳メイド喫茶店は大爆発を起こした。

100 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 18:22:47 0
>86 >90 >92
>「君も逃げて!多分破られる。マンダ、そのまま掴まってて!リリアーナ、僕の手に掴まって!」 
>「え?ちょ、待t。」 
「大丈夫、あなたにはレイド先生がついてるわ!
 だから安心して、先生が必ずあなたを守ってくれるから」
レイドはフィジルでもアナザーゲートが使えるのだ。
かりに使えなかったとしても、この場にレイドがいる以上大丈夫だとリリアーナは考えていた。
学園祭は生徒のお祭りだ。
生徒からの依頼が無ければ、教師が表立って動くことは無いかもしれない。
だが生徒のピンチなら話は別だ。
リリアーナのときのように、必ずフォローしてくれるはずだ。
レイドならきっとこの危機から脱出するだけの時間を作るに違いない!

――――ならば、足手まといはここにいない方がいい。
こう判断したリリアーナは、差し出されたケオスの手を迷わず取った。
>「無影月歩」 
リリアーナ達は猫耳メイド喫茶から消えた。

三人が現れた場所、そこは中庭だった。 
>「流石にここまで離れれば……大丈夫?二人とも」 
「うん、お陰様で・・・・・・・でも」
リリアーナは、校舎から派手に上がっている煙を見てため息をついた。
「結構ひどい爆発だったみたいね。皆は大丈夫かな?
 それに、あの壊れ具合じゃ営業再開は当分先かもね」
心配そうに見上げてくるマンダに気づいたリリアーナは、笑顔を作りマンダの頭を撫でた。
「あっ、心配しないで!あの場にはレイド先生が残ってたから、きっと大丈夫。
 お店のほうも生徒会と時空科の人達がきっとがんばってくれるから!ねっ、ケオスさん」
リリアーナはそう言ってケオスに同意を求めた。
「そうだ、こうしてる場合じゃなかった。
 喫茶店がどうなったかも気になるけど、レベッカさんの話を聞かないと。
 あの子犬の言った言葉の意味はわからなかったけど、声が彼女と同じだったの。
 もしかしたら彼女、何か知ってるかもしれないわ。
 レベッカは子犬の死体を埋めに林に行ったの。もしかしたら同じように攻撃されてるかも!!」
リリアーナはレベッカと一緒に例の子犬を拾ったこと、林の中に子犬の死体が2体あったことを話した。
「あ・・・・・そういえば」
リリアーナはふと、レベッカノ話を聞いていて感じた違和感の正体に気づいた。
「ううん、何でもない。急ぎましょう!」
リリアーナは首を振ると、林に向かって走り始めた。
生まれて間もない子犬が捨てられていた。
同じ箱の中に、死後2、3日経過した子犬の死体があった。
この二つは完全に矛盾しているが、今それを今ケオスに話すのは躊躇われた。

リリアーナは話題を変えようとした。
「それにしてもマンダ、暫く見ないうちに本当にかわいくなっちゃって。服はお手製?
 でも、この姿で男子寮に出入りして大丈夫なの?」
男の子が放っておかないんじゃない?とリリアーナは冗談めかして言った。

>98
向こうから誰かが走ってくる。
誰か気がついたリリアーナは、手を振りながらも表情を引き締めた。
「ミルク、久しぶり!それと・・・・・今はスクナさん、でいいのかな?初めまして、リリアーナです」
リリアーナは挨拶もそこそこに、レベッカに向き直った。
「子犬の亡骸、見つかった?」

リリアーナは言うべきか言わざるべきか逡巡した後、重い口を開いた。
「『魔法使いは皆死すべし!』
 突然暴れだした子犬が、レベッカさんと同じ声で言った言葉なんだけど・・・・・・心当たりは無いかな?」


101 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 20:10:45 0
>98
> 「留学生のあんたがなんで猫耳メイド喫茶の場所を知ってるのよ!?」
「知ってちゃ悪いか?俺だってリーから聞いてさっき知ったばかりだよ。」
リーとはリリアーナの事である。
> 「とにかく、予定を変更せずに一緒に猫耳メイド喫茶に来てもらうわよ。
>  怪我人がでてたら救助に人手がいるしね。
>  あ、王様は戦車を置いていって下さい。
>  どうせ王様以外乗れないんですし、目立って質問責めにされたくないでしょ」
「そういうこった、王様。早く行こうや。」
3人は中庭へ移動した。

>100
> 誰か気がついたリリアーナは、手を振りながらも表情を引き締めた。
> 「ミルク、久しぶり!それと・・・・・今はスクナさん、でいいのかな?初めまして、リリアーナです」
> リリアーナは挨拶もそこそこに、レベッカに向き直った。
> 「子犬の亡骸、見つかった?」
「無くなってたよ。一足遅かったみてーだ。」
レベッカは胸ポケットからタバコを一本取り出すと、それを口にくわえた。
> リリアーナは言うべきか言わざるべきか逡巡した後、重い口を開いた。
> 「『魔法使いは皆死すべし!』
>  突然暴れだした子犬が、レベッカさんと同じ声で言った言葉なんだけど・・・・・・心当たりは無いかな?」
「おいおい、あれが子犬が暴れただけの騒ぎかよ?」
レベッカが壊れた建物を指差しながら言った。
「だいたい、魔法がかかっているならともかく、子犬が言葉を喋るわけが無いだろ。
 仮に子犬が喋ったとして、それが俺の声と瓜二つだったとしても、そいつはただの偶然だ。
 俺はさっきの子犬をたまたま拾っただけで、無関係なんだからな。」
レベッカは今度は裾のポケットからカードを一枚取り出した。
そのカードの角を軽くタバコの先に押し付けると、ポッと火がつく。
どうやら、そのカードには触れた物を発火させる魔法が込められているようだ。
「それとも何かい?あの子犬が俺と何か関係がある証拠でもあんのか?」

102 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 23:28:24 0
>96-101
爆発の後、ミルクとレベッカがネコミミ喫茶へ行くように促す。
馬を置いておくようにとも。
それを聞いたスクナは鼻で笑い黄金の馬に声をかける。
「ふっ、愚問だな。王たるもの下々の者に注目されるは宿命。
構わぬ、行くぞ!・・・しかし名前が無いと不便じゃな・・・。」
ミルクの忠告を無視して黄金の戦車に乗り込むが、黄金の馬は全く耳を貸しはしない。

黄金の戦車に乗り華々しく登場したかったのだが、一向に動きそうにない。
「どうした?名前なら後でつけてやるというに。」
やれやれ、といった台詞とは裏腹に、苦虫を噛み潰したような顔で戦車から降り、黄金の馬の顔を撫でようとすると。
>「下郎が!気安く触るな!」
突如として馬が立ち上がり、スクナは残像を残して林から消えた。

黄金の馬はスクナが正面に来た瞬間、前足でスクナを蹴り飛ばしたのだ。
あっという間にミルクとレベッカを抜きさって中庭に転がり落ちるスクナ。
「ぐ・・・ぐふううぅ・・・照れ屋じゃのう。仕方がない奴め。」
胸元に馬蹄型の後をつけながらもどこまでもポジティブなスクナだった。

>『御来賓のみなさぁぁん!!!驚かせて申し訳なくおもっておりますっ!!
>わたくし生徒会副会長ことバン・クロードの危機一髪ショウ!!ハラハラしてもらえたでしょうかぁっ!?』
中庭に着くと壁が吹き飛んだ校舎。
そして高らかに手を上げ叫ぶ副会長の姿があった。
「ぐああああ!なんという事じゃ!見逃したああ!!大損こいたわ!!」
ギャラリーから拍手が沸き起こる中、蹴られたダメージで未だ起き上がれないまま頭を抱えて叫ぶスクナ。

アレだけ派手な爆発音に、吹き飛んだ校舎。
これだけでも余程の事だったとは想像に難くない。

>『さあ皆様引き続き我らがフィジル学園祭をお楽しみくださいませぇぇっ!!』
その言葉を聞き、バネ仕掛けのように飛び起きる。
「こりゃ!お楽しみくださいではないわ!
こんな面白いベントをやるのであれば告知の一つもするのが道理と言うものであろう!
次の公演はいつどこでやるのだ!?」
よほど見逃したのが悔しかったのか、副会長に詰め寄り問い詰めるの。

問い詰めていると、ミルクとレベッカの方へリリアーナが手を振るのを見てスクナの追求が止まる。
「おお、アレはまさしく!」
先ほどまでの勢いも完全に消え、副会長から離れていった。

103 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 23:28:32 0
挨拶もそこそこにレベッカに子犬の話を切り出すリリアーナ。
それを偶然と応えるレベッカ。
そこまでは何の樹もなく聞いていたのだが、レベッカの応えは更に続く。
タバコに火をつけながら
>「それとも何かい?あの子犬が俺と何か関係がある証拠でもあんのか?」
その行動にスクナは眉をひそめる。

「レベッカよ、何をムキになっておるのだ?
それにタバコ。なんぞ隠したい事でもあるのか?」
タバコを吸う、これ自体は特に不自然な事ではない。
だが、このタイミングですうのが問題なのだ。
タバコを吸って落ち着く為、そして、顔を隠す為。
行動が心理的な要因を現している、と判断したのだ。

そうして、全てを見切ったと言わんばかりに言い放つ。
「残念だが余の前ではそのような事をしても無駄じゃ!
そうやって何かありげな小芝居をして気を引こうと言うのであろう。
残念だがアレはバン・クロウドなる者の危機一髪ショーとネタが割れておるわ。」
まさに自己投射!
自己顕示特の強いスクナはこうやって自分を演出し、目立つ事をいつも考えている。
故にレベッカも同じ事を考えていると決め付けてしまっているのだ。
それに、このままでは自分よりレベッカが目立ちそうなので早目に潰しておこうと言ういやらしい打算もあっての事なのだが。

レベッカの目論見を打破し(たと思い込み)、勝ち誇った表情でリリアーナに向き合う。
「ほうほうほうほう、やはりそなたがリリアーナか。」
まじまじとリリアーナを眺め、感心したように言葉を続ける。
「その方の名は東方まで鳴り響いておる。
まさに女神だな。
教徒ではないが、それでも魅入ってしまうほど見事ぢゃのう!」
見つめる先は胸の一点。
即ち、ここで言うリリアーナの鳴り響く名と言うのは、ヒンヌー教徒絡みであることは言うまでもない。

「で、先ほどの話。『魔法使いは皆死すべし!』。
危機一髪ショーはまだ続いておるのだな?
その台詞はまさにテロリストか革命家そのもの。
ならば余の出番であろう!
そういった反乱分子を叩き潰すのも王の醍醐味じゃからの!」
レベッカを目立たせるのを阻止した後は、当然自分が目立つ為の行動あるのみ!

爆発をショーだとすっかり信じ込んでいるので、リリアーナの言葉は参加型イベントの導入だと思ってしまっているのだ。
副会長の危機一髪ショーを見逃した以上、次回の公園を待ち構えるより、自分が参加してしまおうと言うのだ。

正体を隠して下々の実地の生活を見る、などという当初もお題目など遥か地平の彼方に消えてしまっているのであった。


104 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 23:49:56 0
策も時間も尽き、万事休すかと思ったその時

>96>99
>「クロウ!!俺が来たからにはもう安心だぁぁぁぁ!!」
「!!ふ、副会長!?なぜこんな所に!?」
副会長は本家本元の009さえ真っ青なスピードを保ったまま俺を抱え、外の中庭へとダイブした。
>「うぉぉぉぉぉおおおおお!!副会長は伊達じゃあないっ!!」
副会長の後ろでは限界を超えた隔絶空間が壊れ、爆発が広がっている。
まさに間一髪のタイミングである。
…断末魔のような叫び声が聞こえた気もするが、たぶん気のせいだろう。



>「御来賓のみなさぁぁん!!!驚かせて申し訳なくおもっておりますっ!!
  わたくし生徒会副会長ことバン・クロードの危機一髪ショウ!!ハラハラしてもらえたでしょうかぁっ!?」
俺をおろしてから、副会長は周囲の人達に向って叫ぶ。
>「さあ皆様引き続き我らがフィジル学園祭をお楽しみくださいませぇぇっ!!」
まったく、生徒会長も無茶苦茶な人だが副会長も引けを取らない位凄いな。
それで納得する環境も環境だが…
>102
>「こりゃ!お楽しみくださいではないわ!
 こんな面白いベントをやるのであれば告知の一つもするのが道理と言うものであろう!
 次の公演はいつどこでやるのだ!?」
気が付くと紹介にいた 自 称 砂漠の王様が他のイベントもないのかと聞いてきている。
本当はトラブルだったんだが、副会長の行為を台無しにしてはいけないな。
「ハハハ、これはドッキリでやらないといけない伝統g」
>「おお、アレはまさしく!」
「って、人の話はしっかり聞けぇぇぇ!!」
まったく、王様を名乗るならしっかりとしてほしいものだ。

自称王様を目で追うと、そこに被害に遭った喫茶店の衣装を着た女子生徒を一人見つけた。
確か彼女も最後あたりまで部屋に残っていたな。
彼女なら何か知っているかも知れない。
「副会長、あそこのメイド服の生徒ですが
 最後の方まで現場に残っていたので何か知っているかもしれません。」

副会長を連れつつ、リリアーナ達に近づいて訊ねてみることにした。
さっきの王様がいるけど、別にいいや。
「生徒会だけど、ちょっといいかな?
 喫茶店で起こったことについて何か知っていたら教えてほしいんだけど。」

105 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 07:48:48 O
「…こわか、た。」
言っているとおり余程怖かったのだろう、ケオスのくっついて離れないマンダ
>「うん、お陰様で・・・・・・・でも」
>「うん、…マンダももう大丈夫だから、ね。」
「…う、ん」
やっと安心したのかケオスから離れるマンダ。しかし、まだ袖は離さずにいた
>「結構ひどい爆発だったみたいね。皆は大丈夫かな?
>それに、あの壊れ具合じゃ営業再開は当分先かもね」
リリアーナの言葉を聞き心配そうにリリアーナを見つめるマンダ。
するとリリアーナは
>「あっ、心配しないで!あの場にはレイド先生が残ってたから、きっと大丈夫。
>お店のほうも生徒会と時空科の人達がきっとがんばってくれるから!ねっ、ケオスさん」
「うん、人の方はレイド先生もあの場にいてくれたし大した事は無いと思うよ。お店の方もすぐの再開は難しいだろうけど
生徒会の人や時空科の人が頑張ってくれるみたいだからなんとかなるんじゃないかな」
「………う、ん、き、と大丈夫だよ、ね。」
二人の言葉に安心した微笑みを見せるマンダ。

>「そうだ、こうしてる場合じゃなかった。
>喫茶店がどうなったかも気になるけど、レベッカさんの話を聞かないと。
>あの子犬の言った言葉の意味はわからなかったけど、声が彼女と同じだったの。
>もしかしたら彼女、何か知ってるかもしれないわ。
>レベッカは子犬の死体を埋めに林に行ったの。もしかしたら同じように攻撃されてるかも!!」
>リリアーナはレベッカと一緒に例の子犬を拾ったこと、林の中に子犬の死体が2体あったことを話した。
「子犬……ね。なるほど、そんな事があったんだ。」
と、ケオス
「こ、いぬ……こわい……」
と、マンダ。マンダの中ではすっかり子犬とは三又のあの姿がデフォになってしまったらしい
>「あ・・・・・そういえば」
「どうしたの?」
>「ううん、何でもない。急ぎましょう!」
「???」
「???」
様子のおかしいリリアーナに二人とも首を傾げる。
>「それにしてもマンダ、暫く見ないうちに本当にかわいくなっちゃって。服はお手製?
>でも、この姿で男子寮に出入りして大丈夫なの?」
服の事を褒められると嬉しそうに
「えへへ…いい、でしょ……ケオス、つく、てくれた。」

106 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 07:50:49 O
「本当は買って済ませようと思ったんだけど…
ほら、リリアーナにも前見せたオラクルを思い付きで使ったら見事にいい目が出てね。
それ以来お気に入りみたいなんだ。」
「ケオス、てづく、り…ケオス、の、プレゼント……たいせつなもの。」
>男の子が放っておかないんじゃない?とリリアーナは冗談めかして言った。
マンダはうっとりとしている。マンダがこんな状態なので次の質問はケオスが答えた
「……正直な所、かなり居たよ、そういう人達。
全員少し頭を冷やしてもらったけど…ね。」そういうと笑顔のままいつもの皮手袋(今は執事服に合わせるため白色に変わっている。)をはめ直す。
リリアーナから若干距離をとられたような気がして
「ふふ…冗談だよ。
今でも時々そういう人は来るけど、それを含めて仲良くやってるみたい。」
そんな話をしていると向こう側からミルクと紹介にあったスクナとレベッカがやってきた。
「ああ、ミルク。さっきぶり。スクナくんもさっきぶりでいいのかな?
で、初めましてケオス・キョンサンです。よろしくレベッカさん。」
「は、……じめまして…マンダ…です。」
人見知りしつつ自己紹介をするマンダ
挨拶を終えるとリリアーナに後をまかせる、ケオス
>「『魔法使いは皆死すべし!』
>突然暴れだした子犬が、レベッカさんと同じ声で言った言葉なんだけど・・・・・・心当たりは無いかな?」
>「それとも何かい?あの子犬が俺と何か関係がある証拠でもあんのか?」
>「レベッカよ、何をムキになっておるのだ?
>それにタバコ。なんぞ隠したい事でもあるのか?」
「スクナくんの言う通りだよ。レベッカさん。」
なだめるような口調で言うケオス。
「僕たちは始めからレベッカさんを疑っている訳じゃないんだ。
ただ気になる事もあるし、そういう事も含めて君の知恵を借りたいんだよ。」
マンダはケオスの後ろに隠れ頷いている。

107 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 07:51:58 O
>「その方の名は東方まで鳴り響いておる。
>まさに女神だな。
>教徒ではないが、それでも魅入ってしまうほど見事ぢゃのう!」
>見つめる先は胸の一点。
しばし話をしていた所、スクナはリリアーナを見つめていた
いや、正確にはある一点を
「………………」
気付いたケオスは硬貨一枚取り出す。
「ケオス?…ど、したの?」
「こうするの…」
硬貨を親指で弾く。指弾で打ち出された硬貨は狙い違わずスクナの額目掛けて飛んでいく
「人にはそれぞれ趣味や趣向があるけど、そうまじまじと見つめられて愉快な人は居ないんじゃないかな?
ね、王様?」
笑顔でさり気なく注意するケオス。

108 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 18:23:57 0
>101
>「だいたい、魔法がかかっているならともかく、子犬が言葉を喋るわけが無いだろ。 
 仮に子犬が喋ったとして、それが俺の声と瓜二つだったとしても、そいつはただの偶然だ。 
 俺はさっきの子犬をたまたま拾っただけで、無関係なんだからな。」 
>「それとも何かい?あの子犬が俺と何か関係がある証拠でもあんのか?」 
 リリアーナは何も言わなかった。ただ黙って、じっとレベッカを凝視しているだけだ。
そしてうん、と一つ頷くと、にっこりした。
「そっか、無関係なのね!うん、わかった!」

>103
>「レベッカよ、何をムキになっておるのだ? 
> それにタバコ。なんぞ隠したい事でもあるのか?」  
>「僕たちは始めからレベッカさんを疑っている訳じゃないんだ。 
>ただ気になる事もあるし、そういう事も含めて君の知恵を借りたいんだよ。」 
リリアーナも頷いた。
「さっき亡骸がなくなってたって言ったけど、何か足跡とか残ってなかった?
 実は喫茶店が爆発したのって、子犬の亡骸がいきなり二体現れて大爆発したのよね」
リリアーナは純粋にレベッカから話を聞きたいだけのようだ。

さらに何か言おうと口を開きかけたリリアーナだったが、折り悪くスクナが割って入った。
>「残念だが余の前ではそのような事をしても無駄じゃ! (中略)
 残念だがアレはバン・クロウドなる者の危機一髪ショーとネタが割れておるわ。」 
「副会長の・・・・・・危機一髪ショー?」
事情が飲み込めないリリアーナの上を、ひよことたくさんの?マークがぴよぴよ飛び回る。
「あれ?スクナさんってば何でそんなにボロボロなの?怪我を治療したほうが・・・・・・」
どこか休めるところはときょろきょろしていたリリアーナに、スクナは物珍しそうな視線を向けた。

>106-107
>「ほうほうほうほう、やはりそなたがリリアーナか。」 
「ええ、確かに私はリリアーナですけど・・・・・」
>「その方の名は東方まで鳴り響いておる。 
> まさに女神だな。 
> 教徒ではないが、それでも魅入ってしまうほど見事ぢゃのう!」 
「・・・・・・・は?女神?教徒??」
リリアーナの頭上を飛ぶ?マークがさらに増殖した。
彼女自身は、自分がヒンヌー教徒達に女神と祭り上げられていることを知らないのだ。
「申し訳ないのですが、何のことか私にはさっぱり・・・・・・」
 失礼ですが、どなたかとお間違えでは――――って、どこ見てるんですかー!!」
カッと赤面したリリアーナが文句を言い終わる前に、スクナの額に何かが飛んできた。
>「人にはそれぞれ趣味や趣向があるけど、そうまじまじと見つめられて愉快な人は居ないんじゃないかな? 
>ね、王様?」 
(ケオスさん、笑顔がものすごく恐いんだけど〜)
ケオスの迫力ある笑みに、リリアーナはすっかり怒るタイミングを逃してしまった。
どうでもいいが、先ほどの「少し頭を冷やしてもらった」人たちがどうなったか、何となく見えた気がする。

>「で、先ほどの話。『魔法使いは皆死すべし!』。 
> 危機一髪ショーはまだ続いておるのだな? 
> その台詞はまさにテロリストか革命家そのもの。 (中略)!」
「何ですって?スクナさん、あなた犬の言葉がわかるのねっ?
 教えて、あの犬は何ていったの?『魔法使いは皆死すべし!』ってどういう意味なのよー!!」
中つ国語が分からないリリアーナは手がかりを得たととばかりに、スクナをがくがく揺さぶった。 


109 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 18:25:45 0
>104 >96
リリアーナがスクナを問い詰めていると、人だかりの中から副会長とクロウが近づいてきた。
「あっ、クロウさん・・・だったっけ?無事でよかった・・・・・やだ副会長さん、背中が焦げてる!
 もしかして爆発に巻き込まれたんですか?」
リリアーナは回復が得意なケオスとマンダの方を見た。
クロウは尚も続きそうな言葉を軽く制し、用件を伝えた。
>「生徒会だけど、ちょっといいかな? 
> 喫茶店で起こったことについて何か知っていたら教えてほしいんだけど。」 
「ええ、それは構いませんが・・・・・・」
リリアーナは困ったような顔で、クロウの後ろにいる女子生徒達を見た。

>「お姫様抱っこよ!」
>「ええ、お姫様抱っこだったですわ!」
>「あれは紛れも無くお姫様抱っこでしたわね!」
>「副会長とクロウ様、なかなか絵になりましたわね!」
>「今後の展開どうなるのかしら〜」
>「まさかリリィとの三角関係?!泥沼ですわ〜楽しみなのわ〜」
>「「「「じ〜〜〜っ」」」」

「こ、ここじゃちょっと目立ちすぎますし、怪我してる人もいます。とりあえずどこかに座りませんか?」
リリアーナは開いているテーブル席を指差した。
「レベッカさん、西方の食べ物に興味あるでしょう?メニューの説明ならまかせて!
 いろいろあって遅くなっちゃったけど、何か一緒に食べましょうよ」
ね?とリリアーナはレベッカを誘った。

「――――というわけなんです」
リリアーナは、子犬を拾ったところから喫茶店が爆発するまでを手短に話した。
「多分私達が拾った生き物は、最初から子犬じゃなかったんですね。
 あの子犬は光の矢で攻撃してきたのですが、準備に一切魔力を発しなかったんです。
  光の矢も、ピッコロさんの魔法障壁を貫通ではなく通り抜けました。
 ――――今から考えれば随分不自然だったと思います。
 生まれて間もない飢えた子犬と、死後2,3日経った亡骸が一緒にあるだなんて。ね、レベッカさん」
リリアーナはレベッカにも同意を求めると、「あの犬は一体何者なのかな」と首を捻った。
「ねえレベッカさん、スクナさんの話だとあの子犬は中つ国の言葉を話してたらしいのね。
 そういう生き物の話って、中つ国で今までに聞いたこと無いかな?」


110 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 18:45:49 O
>85-86 >91 >99
>「座標指定!!
> separated room!!」
ユリが壁の大穴から猫耳メイド喫茶に飛び込んだのは、ちょうどクロウが子犬の死体を隔絶した時だった。
「でいりぃ・ふぃじる突撃報道部のユリ・オオヤマ参上!
 謎の怪生物がどうなったかと、どんな事があったのかを説明してください!」
>>「え?えと、リリアーナが連れてきた尻尾が三本ある子犬が、魔法障壁の効かない光の矢で攻撃してきて。
 その小犬は、近くにいたピッコロさんやレイド先生が撃退したんだけど…」
マイクを向けられて説明を始める猫耳メイドだが、説明は長く続かない。

>「だめ!!膨張する圧力で隔絶空間がもたない!!皆、早くここから離れて!!」
>>「キャー!キャー!助けてーっ!!」
「あ、ちょっと!まだ聞きたいことがあるんだってば!」
そんな制止でメイドが立ち止まるはずもなく、ユリもインタビューを断念せざるを得なかった。
仕方なく、ユリは後から追いついてきたマオたちの所に行き、聞いてきたことを説明する。
「リリアーナが連れてきた犬又が、魔法障壁の効かない攻撃で暴れ出したんだって。
 それは退治できたんだけど、何か危なそうだから早く離れた方が良いみたいだよ!」
ちなみに犬又は、尻尾が二本ある妖怪猫又から発想したユリの造語だ。

>「ヴァンエレン殿。漢の見せ所ですぞ」
ところがリチャードは逃げるのではなく、ヴァンエレンをユリとマオの真ん中に連れてくる。
>「淑女達を守るのは紳士の本懐。それが美しい女性達なら尚更のこと。
> このリチャード、ヴァンエレン殿のお手並みとくと拝見といたしましょうぞ、ほっほっほ」
「かっ……感動だーっ!!ありがとうヴァンエレン!
 これで爆発を限界突破の距離でスクープできるーっ!」
ヴァンエレンの気持ちも知らず素直に感動したユリは、素早くヴァンエレンの後ろに回った。
迫り来る敵の騎馬軍団に、味方を守るため、槍を手にして1人で立ち向かう漢の意地を見たような心境なのだ。
豪快な爆発が不幸な吸血鬼に襲いかかる!

111 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 20:07:14 0
>103>104>106>107>108>109
>「レベッカよ、何をムキになっておるのだ?
> それにタバコ。なんぞ隠したい事でもあるのか?」
「うるせえ。いちいち隠し事が無けりゃ一服できねえってか?冗談じゃねーよ。」
レベッカは発火用のカードをちぎって捨てた。カードはちぎれるとその効果を失う。
>「僕たちは始めからレベッカさんを疑っている訳じゃないんだ。
>ただ気になる事もあるし、そういう事も含めて君の知恵を借りたいんだよ。」
> リリアーナも頷いた。
> 「さっき亡骸がなくなってたって言ったけど、何か足跡とか残ってなかった?
>  実は喫茶店が爆発したのって、子犬の亡骸がいきなり二体現れて大爆発したのよね」
> さらに何か言おうと口を開きかけたリリアーナだったが、折り悪くスクナが割って入った。
>「残念だが余の前ではそのような事をしても無駄じゃ! (中略)
>  残念だがアレはバン・クロウドなる者の危機一髪ショーとネタが割れておるわ。」
> 事情が飲み込めないリリアーナの上を、ひよことたくさんの?マークがぴよぴよ飛び回る。
> 「あれ?スクナさんってば何でそんなにボロボロなの?怪我を治療したほうが・・・・・・」
「ほっておけ。ボロボロなのは頭の中だ。」

>「ほうほうほうほう、やはりそなたがリリアーナか。」
> 「ええ、確かに私はリリアーナですけど・・・・・」
その後、スクナはリリアーナの胸を凝視したため、ケオスにたしなめられた。
さらにスクナが中つ国の言葉を理解できたため、リリアーナはスクナをがくがく揺さぶって問い詰める事になる。
すなわち、『魔法使いは皆死すべし!』とはどういう意味なのか?
> リリアーナがスクナを問い詰めていると、人だかりの中から副会長とクロウが近づいてきた。
>「生徒会だけど、ちょっといいかな?
> 喫茶店で起こったことについて何か知っていたら教えてほしいんだけど。」
> 「レベッカさん、西方の食べ物に興味あるでしょう?メニューの説明ならまかせて!
>  いろいろあって遅くなっちゃったけど、何か一緒に食べましょうよ」
> ね?とリリアーナはレベッカを誘った。
「おう、でもちょっと待ってろ。」
レベッカはケオスとスクナの方へ振り返った。
「これで満足かよ?」
レベッカは何を思ったのか、上着を開き、豊かな乳房を露出させた。
もちろん、ケオスとスクナにしっかりと見えるようにである。
「これであいつらも後腐れが無いだろ。」
レベッカは上着を元に戻しながらリリアーナについて行った。

> リリアーナは、子犬を拾ったところから喫茶店が爆発するまでを手短に話した。
> 「ねえレベッカさん、スクナさんの話だとあの子犬は中つ国の言葉を話してたらしいのね。
>  そういう生き物の話って、中つ国で今までに聞いたこと無いかな?」
「さあ、(心当たりがありすぎて)わからねえな。」
レベッカはうーんと唸り、両手を組んで考え込んだ。レベッカは悩んでいた。
「(どのメニューが一番おいしいんだろうか?それが問題だ。)」

「ところで、当然その犬の死体は確認したんだろうな?…まあ、当然か。
 でなけりゃ、こんなところでゆっくり食事をとるはずがねえもんな。」
レベッカは、タバコを地面に擦りつけて消した。
「もしも俺がその子犬だったら、今こうして安心しきっている瞬間を狙うだろうよ。」

112 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 21:27:03 0
>99>110
振り返るとそれはそれは満面の笑みを浮かべるリチャードの姿があった。
>「ヴァンエレン殿。漢の見せ所ですぞ」
その笑みはいままで見ていたリチャード・ロウその人ではない…死神ってやつだ。
>「かっ……感動だーっ!!ありがとうヴァンエレン!
>これで爆発を限界突破の距離でスクープできるーっ!」
下された死刑宣告になすすべもなく、背負うものの重みをひしひしと感じながら変身を解いてリチャードから視線をはずす。
>「淑女達を守るのは紳士の本懐。それが美しい女性達なら尚更のこと。
>このリチャード、ヴァンエレン殿のお手並みとくと拝見といたしましょうぞ、ほっほっほ」


あぼ〜ん


メイド喫茶内が巨大な爆風に飲まれていった。
ユリ、リチャード、マオはあるモノを盾にして無傷、そしてそのあるモノは…。
両手を広げて爆風をすべて受けきって尚、仁王立ちを崩さなかった。
太陽の光の下というハンデを負った男が背負ったものは意地か、友情か、愛情か…。
その代償は正面全体が黒コゲて所々で煙が立ち上っている。
すべてが終わっての一瞬の静寂の後に、とうとう力が尽きたヴァンの使い魔は消えうせて自身の飛行もままならないまま落下した。
地面に当たる瞬間、吸血鬼は伝承の通り灰になってあたりを舞う。
これが吸血鬼の末路?これで終わり?なんてあっけないのだろう。
否、それは消滅を免れたたった一匹の蝙蝠がリチャードの肩にとまっていることで否定できる。

113 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 22:47:42 0
>って、どこ見てるんですかー!!」
スクナの視線に気付き赤面するリリアーナを見てスクナの目がカッと見開かれる。
「そちは凡人では持ちえぬ一個の完成された美を持つ者。それを誇れ!それが持てる者の特権である責務・・・」
と、切々と説いている最中、突如として硬化がスクナの額に飛来する。
だが硬化は命中する前に忽然とその姿を消してしまった。
>「人にはそれぞれ趣味や趣向があるけど、そうまじまじと見つめられて愉快な人は居ないんじゃないかな?
>ね、王様?」
笑顔でさりげなく注意するケオスをギロリと睨みつけるスクナ。
しかしその険しい目つきは一瞬。
直ぐに哀れみを持った眼に変り、諭すように言葉を続ける。

「貧乳・巨乳・美乳と様々な美はあれど、一つの到達点に達する美を隠すとはそれこそ冒涜と言うものであろうが!」
そう言い切ってしまった後、ハチマキがスクナの眼前にするすると伸びてくる。
先ほど放たれた硬貨が額に命中する寸前、ハチマキが勝手に動き出しそれを包み取ったのだ。
その先に包まれていたのは先ほどケオスが放った硬貨があった。
それを見た途端、スクナはにっこりと微笑み・・・
「おほんっ!まあ、何じゃな。確かに恥らう気持ちもあろうな。そなたの進言取り立ててやろう。
うん、見つめてすまなんだな。はっはっは。」
そういいながら上機嫌でハチマキに包まれていた金色の硬貨を懐にしまいこむ。
どうやらケオスの放った硬貨を賄賂と思っているらしい。

スクナにとっては庶民の賄賂を受け取るのも王の嗜みなのだ。
とはいえ、その根底には赤貧で育ってきた経験からくるものなのだが・・・
金に弱いのも、食べ物にやたら拘るのも全ては貧乏な生い立ち故の事なのだが、勿論スクナは認めはしない。

> 教えて、あの犬は何ていったの?『魔法使いは皆死すべし!』ってどういう意味なのよー!!」
中つ国の言葉を翻訳した途端、リリアーナが豹変した。
今までの態度から一転し、スクナを諤々と揺さ振るのだ。
「おわっわっ!いきなりなにを!?
【魔法使い皆死すべし!】は中つ国で起こった文化大革命のスローガンぢゃろ。
本にもなっておろうに・・・!」
揺さ振られながら訳もわからず応える。
スクナは中つ国の言葉がわかるわけではない。
が、【魔法使い皆死すべし!】【大躍進!】の二つのスローガンだけは原文で本に載っていて覚えていたのだ。

そこまで応えたところで副会長とクロウが現われ事情説明を求める。
リリアーナはそれに応える為にテーブルへと場所を移のだが、スクナはそれに着いて行く事はなかった。
いや、できなかった。
激しく揺さ振られた為に塞がりかけていた傷口が開いてダクダクと血が流れ始めていたのだから。

そんなところにレベッカが振り向き、
レベッカは何を思ったのか、上着を開き、豊かな乳房を露出させた。
人民服を着ていたときは全く判らなかったが、上着を開いて露出した乳房はまさに飛び出すロケットおっぱい!
ヒンヌー教徒でもキョニュリストでもないスクナだが、その目を奪うのに十分だった。

目を奪われたのは確かだが、一般的な男の反応とは別の反応をスクナは示していた。
スクナは男だが、夜になるとツイナと言う女になる。即ち、男でありながら女の視点も持っているのだ。
で、あるからして、レベッカの飛び出すロケットおっぱいに対して【美しい!】と目を奪われると共にもう一つの衝動が去来していた。
「いっっかあああん!
貴様!それだけの胸を奔放にさせていては取り返しのつかないことになるぞ!
ちゃんと形のあったブラをしないと形が崩れる!今すぐこれをぉぉおお!!」
レベッカの胸に突き進みながら、手首に巻かれた包帯があれよあれよと言う間にブラジャーに形を変えていく。
完成したブラジャーをレベッカに突きつけたところでスクナはついに倒れた。

度重なる怪我に、リリアーナのゆさぶりが止めを刺したのだ。
ダクダクと血を流しすぎたスクナは気を失い倒れた。
傍から見るとブラジャーを握り締めたまま鼻血を流しすぎて倒れた変態のように見えなくもなかったりした。
いや、変態にしか見えなかった。

114 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 23:16:54 0
>102 >104‐109 >111
ひとまず周りの目は誤魔化せたことに安心する副会長。
しかし、その時だった!謎の男が副会長の元へとやってくる!
もしや嘘だということがバレたのか・・・汗が額を流れ落ちる・・・
(ふっ・・・きたなぁ!!無論俺とて何の反論もないとは思ってない!!さぁ来るがいい!!)
>「こりゃ!お楽しみくださいではないわ!
>こんな面白いベントをやるのであれば告知の一つもするのが道理と言うものであろう!
>次の公演はいつどこでやるのだ!?」
しかし予想を大きく裏切り次のイベントを楽しみにする男に思わずズサーッ!!と
オーバーリアクションをする副会長!!しかし何はともあれ良かった。

 バ レ て な い !!

>「ハハハ、これはドッキリでやらないといけない伝統g」
>「おお、アレはまさしく!」
>「って、人の話はしっかり聞けぇぇぇ!!」
興味をいきなり失いどこかへとまたふらふら旅立っていく男に対してクロウが叫ぶが
副会長はいたって冷静にクロウの肩に手を置く。
『そう怒るな!それに俺達としても向こうが興味を失ってくれたほうがいい!』
暑苦しくなる場面と冷静になる場面を見極めらてこその副会長なのだ!
『さぁて、とりあえず何が起こったのか関係者に聴かないといけないな!
 どこかの過激派が行動を起こしているとも限らない!!いくぞクロウ!!
 俺達には学園の生徒と文化際を護るという使命があるのだぁ!!』
マンモス学校であり数多くの部活&宗教(!?)が存在しているフィジル学園において
少なからず過激派というのも存在しておりその存在には教師でさえ手を焼いているのだ!!
中でも過激派宗教集団であろうヒンヌー教とキョニリストの思想の違いからくる衝突は、
フィジルの長い歴史の中でも常になんらかの形で起こっており、生徒会の人間からは「果てなき戦いの環」とさえ呼ばれているのだ!
他にも自由を宣言し生徒会に反旗を翻すサークルなども数多く今回の爆発騒ぎの犯人など考えればきりがない!

>「副会長、あそこのメイド服の生徒ですが
>最後の方まで現場に残っていたので何か知っているかもしれません。」
『なに!?それは本当か!でかしたぞクロウ!よぉし早速事情聴取をしようではないかぁ!』
誰だ誰だと周りをキョロキョロ見回す副会長を連れていくクロウ。
すぐにそれらしきメイド服を着た女子生徒は見つかる!
>「あっ、クロウさん・・・だったっけ?無事でよかった・・・・・やだ副会長さん、背中が焦げてる!
>もしかして爆発に巻き込まれたんですか?」
『君があのメイド喫茶の従業員の一人か、もう安心だ!
 さっき俺が修復班を送るように本部に送っておいた!!
 たぶん2時間もすればまた営業が可能になるはずだぁ!!』
心配する言葉に全くかみ合ってない応答と熱いガッツポーズで返す副会長!
実際背中の服は一部分が燃えてどこかのドレスのように肩甲骨が見えている。
よって後ろから見るととても恥ずかしいことになっているのだがそんなこと副会長は気にしない!

>「生徒会だけど、ちょっといいかな?
>喫茶店で起こったことについて何か知っていたら教えてほしいんだけど。」
『そうだ!そうだったぁ!!・・・頼む!!
 君の力を俺達生徒会・・・いやこの学園祭を愛するものが必要としている!!』
歩み出てメイド姿の女子生徒の手を両手できつく握りしめる副会長!
握られたリリアーナは分かるだろう・・・・・・副会長の手の体温が異常に暑いことを!
ちなみにセクハラと思われるかもしれないが副会長にやましい気持ちなどいっさいない!!
それだけは弁護しておきたいと思う・・・・・・

>「こ、ここじゃちょっと目立ちすぎますし、怪我してる人もいます。とりあえずどこかに座りませんか?」
そう言われ初めて周りやいまここに集まっている人間が目に入る。
さっきからブラジャーを手にして倒れているスクナも放っておくわけにはいかない。
女子生徒の言うとおりどこかに腰を落ち着けて話した方がいいだろう。
『よぉぉし!!全員移動だぁぁぁああああああ!!クロウ!!怪我人を運ぶんだぁぁ!!』
暑苦しいほどに叫ぶ副会長・・・・・・遠くから見てる分にはいいが、
一緒にいるのはちょっと・・・それが副会長である!

115 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 23:17:42 0
>「――――というわけなんです」
今までの経緯を説明してくれるリリアーナ。
その説明はピラフをかっこみながら真剣に聞いている副会長!
『もぐもぐっ・・・もぐもぐ・・・ごっくんっ!!
 魔法使いは皆死すべし・・・か、』
口をピラフだらけにしながら腕を組み真剣な表情をする副会長。
>「多分私達が拾った生き物は、最初から子犬じゃなかったんですね。
>あの子犬は光の矢で攻撃してきたのですが、準備に一切魔力を発しなかったんです。
>光の矢も、ピッコロさんの魔法障壁を貫通ではなく通り抜けました。
>――――今から考えれば随分不自然だったと思います。
>生まれて間もない飢えた子犬と、死後2,3日経った亡骸が一緒にあるだなんて。ね、レベッカさん」

『ううむ!!光系の魔法は一点集中を取るために魔法障壁を崩しやすいが・・・
 詠唱破棄ともなれば威力がガクンと下がっちまう!
 しかも魔法使いは嫌悪しているような発言をしているってぇ事も考えると本気で魔法とは別系統かもしれないな!』

厄介だ!とも言わんばかりに唸り続ける副会長。
魔法使いは皆死すべし、それが本当だとしたら誰が標的になってもおかしくはない!
何の罪もない人間が無差別に傷つけられることこそ真に恐ろしいことだと副会長は理解していた。

>「ねえレベッカさん、スクナさんの話だとあの子犬は中つ国の言葉を話してたらしいのね。
>そういう生き物の話って、中つ国で今までに聞いたこと無いかな?」
「さあ、(心当たりがありすぎて)わからねえな。」
>「ところで、当然その犬の死体は確認したんだろうな?…まあ、当然か。
>でなけりゃ、こんなところでゆっくり食事をとるはずがねえもんな。」
>「もしも俺がその子犬だったら、今こうして安心しきっている瞬間を狙うだろうよ。」
途中から帽子を深くかぶり二人の会話を黙って聞いている副会長・・・・・・
腕を組み異様な重圧感を醸し出しているその様子、しかしよく見るとおわかりだろう。
「・・・・・・ぐう・・・・・・ぐう・・・」
お腹がいっぱいになって眠くなった副会長がお休みモードに入っていることが!!
そして安心しきって眠っている副会長に後ろから迫っている【何か】にも!!


116 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 01:13:39 0
>109>114
>「そうだ!そうだったぁ!!・・・頼む!!
 君の力を俺達生徒会・・・いやこの学園祭を愛するものが必要としている!!」
>「ええ、それは構いませんが・・・・・・」
ん、俺の後ろに何かあるのだろうか?

>「お姫様抱っこよ!」
>「ええ、お姫様抱っこだったですわ!」
>「あれは紛れも無くお姫様抱っこでしたわね!」
>「副会長とクロウ様、なかなか絵になりましたわね!」
>「今後の展開どうなるのかしら〜」
>「まさかリリィとの三角関係?!泥沼ですわ〜楽しみなのわ〜」
>「「「「じ〜〜〜っ」」」」

なるほど、これは後で手を打った方が良さそうだ。
…副会長の本命(偉人的な意味で)は会長のザックス先輩だ!!とでいりぃ・ふぃじるに匿名で投稿しておけばいいか。

>「こ、ここじゃちょっと目立ちすぎますし、怪我してる人もいます。とりあえずどこかに座りませんか?」
>「よぉぉし!!全員移動だぁぁぁああああああ!!クロウ!!怪我人を運ぶんだぁぁ!!」
「了解!!」
副会長に言われた通りに、怪我人を運ぼうと近づく。
>113
「…保健室に連れて行かなくて大丈夫なのか?」
でも、移動しないと話についていけなくなりそうだし…。
「まあ、近くに回復科の生徒が来たら回復してもらえばいいか。」

117 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 01:14:32 0
>111
>「――――というわけなんです」
>「もぐもぐっ・・・もぐもぐ・・・ごっくんっ!!
 魔法使いは皆死すべし・・・か、」
「副会長、まったく決まっていませんよ・・・」
にしても魔法使いは皆死すべし、か。
手がかりとしてメモに残しておくが、犯人は学園の関係者じゃなさそうだな。
>「多分私達が拾った生き物は、最初から子犬じゃなかったんですね。
 あの子犬は光の矢で攻撃してきたのですが、準備に一切魔力を発しなかったんです。
 光の矢も、ピッコロさんの魔法障壁を貫通ではなく通り抜けました。
  ――――今から考えれば随分不自然だったと思います。
  生まれて間もない飢えた子犬と、死後2,3日経った亡骸が一緒にあるだなんて。ね、レベッカさん」
「確かに子犬から魔力反応が一切見られなかった。
 しかし魔法障壁まで通り抜けるとは…」
>「ううむ!!光系の魔法は一点集中を取るために魔法障壁を崩しやすいが・・・
 詠唱破棄ともなれば威力がガクンと下がっちまう!
 しかも魔法使いは嫌悪しているような発言をしているってぇ事も考えると本気で魔法とは別系統かもしれないな!」
本当に魔法以外だと厄介かもしれない。
念のため武器の使用申請も考えておくか。
>「ねえレベッカさん、スクナさんの話だとあの子犬は中つ国の言葉を話してたらしいのね。
 そういう生き物の話って、中つ国で今までに聞いたこと無いかな?」
>「さあ、わからねえな。」
「そう、か。
 すまないな、せっかくの学園祭なのに時間をとらせてしまって。」
そう言って席を立とうとするとレベッカが確認を取ってきた。
>「ところで、当然その犬の死体は確認したんだろうな?…まあ、当然か。
 でなけりゃ、こんなところでゆっくり食事をとるはずがねえもんな。」
死体?
あの子犬はマ・センコーで消し飛んだと思うから確認しなくてもいいんじゃないか?
>「もしも俺がその子犬だったら、今こうして安心しきっている瞬間を狙うだろうよ。」
「おいおい、あの教室を半壊させたマ・センコーが使われたんだぞ。
 その後に二匹の子犬の死体が現れて・・・」
ん?なんかおかしいぞ。
マ・センコーが使われた後に何で二匹も子犬の死体が現れるんだ?

「まさか、な。」
正直まだ生きていました、なんて思いたくもない。
魔法障壁が効かないとか、危険が多いからな。



どうやらクロウも近づく【何か】にまだ気づいていないようだ。

118 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 17:05:57 O
>100-109 >111
校舎に向かってあたしが走っていると、頭上を軽々飛び越えてスクナが中庭に不時着した。
「ちょっとちょっと!いくら急いでるからってなんて飛び方してくるのよ!?」
変な落ち方をしたスクナに駆け寄れば、スクナの体には馬に蹴られた証拠の馬蹄跡がくっきり。
だから馬は置いてこいっていったのに…
>「ぐ・・・ぐふううぅ・・・照れ屋じゃのう。仕方がない奴め。」
「王様…あんまり無茶ばかりしてるとそのうち死にますよ。
 だいたい上に立つ人ってのは、もう少し行動に……」

>『御来賓のみなさぁぁん!!!驚かせて申し訳なくおもっておりますっ!!
>わたくし生徒会副会長ことバン・クロードの危機一髪ショウ!!ハラハラしてもらえたでしょうかぁっ!?』
>「ぐああああ!なんという事じゃ!見逃したああ!!大損こいたわ!!」
「副会長が危機一髪ショウ?」
副会長が何か演説を始めたので説教中断。
最近の生徒会のゲリライベントは、校舎を吹き飛ばしても許されるのか?
んなわけないよな。何か裏がありそうだ。

>『さあ皆様引き続き我らがフィジル学園祭をお楽しみくださいませぇぇっ!!』
「あ!ちょっと!」
副会長の演説を聞いてがばと跳ね起きたスクナは、副会長の所に詰め寄って何か文句を言ってるようだ。
もういいや。そのうち飽きるだろうし、あたしはメイド喫茶の方に先に行ってようっと。

>「ミルク、久しぶり!それと・・・・・今はスクナさん、でいいのかな?初めまして、リリアーナです」
>「ああ、ミルク。さっきぶり。スクナくんもさっきぶりでいいのかな?
>初めましてケオス・キョンサンです。よろしくレベッカさん。」
「久しぶりー!リリアーナ!ケオスはさっきぶりだね。
 こっちの女の子は?2人の知り合い?」
>「は、……じめまして…マンダ…です。」
「はじめましてマンダ。あたしはミルク、よろしくね…ってマンダ!?」
人間に変身できたのかよあのサラマンダー!
そりゃリリアーナに変身したりはしてたけど、びっくりしたなぁもう…

リリアーナはレベッカに聞きたいことがあるようで、小犬の死体がどうこうと話をしている。
…さっきレベッカが話してたリーってリリアーナのことか。
略しすぎだよ。これじゃトレーが何かも怪しくなってきたぞ。
>「『魔法使いは皆死すべし!』
> 突然暴れだした子犬が、レベッカさんと同じ声で言った言葉なんだけど・・・・・・心当たりは無いかな?」

>「おいおい、あれが子犬が暴れただけの騒ぎかよ?」(中略)
>「それとも何かい?あの子犬が俺と何か関係がある証拠でもあんのか?」
>「レベッカよ、何をムキになっておるのだ?
>それにタバコ。なんぞ隠したい事でもあるのか?」

>「僕たちは始めからレベッカさんを疑っている訳じゃないんだ。
>ただ気になる事もあるし、そういう事も含めて君の知恵を借りたいんだよ。」
>「さっき亡骸がなくなってたって言ったけど、何か足跡とか残ってなかった?
> 実は喫茶店が爆発したのって、子犬の亡骸がいきなり二体現れて大爆発したのよね」

事情がよくわからないあたしは、聞いた話で判断するしかないわけで。
とりあえずわかったことは、生徒会の説明が嘘八百だったって事。
犬の死体を投げ込んで爆発させるなんて、ショウの一言じゃ説明できません。
レベッカの関与は…微妙に疑わしいけど、林での発言から犯人ではなさそうだしなぁ。
>「残念だが余の前ではそのような事をしても無駄じゃ! (中略)
>残念だがアレはバン・クロウドなる者の危機一髪ショーとネタが割れておるわ。」
一方我らの王様は、すっかり副会長の大嘘を信じ込んでいるご様子。
>「あれ?スクナさんってば何でそんなにボロボロなの?怪我を治療したほうが・・・・・・」
>「ほっておけ。ボロボロなのは頭の中だ。」
「誰がうまいこと言えと…」
レベッカに何も言えないのが悲しいです。
出来ればユリと一緒に頭の中を治療してやってください。

119 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 17:07:13 O
>113-117
その後、ケオスと何か一悶着していた王様が話を元に戻したのに、リリアーナが飛びついた。
> 教えて、あの犬は何ていったの?『魔法使いは皆死すべし!』ってどういう意味なのよー!!」
>「おわっわっ!いきなりなにを!?
>【魔法使い皆死すべし!】は中つ国で起こった文化大革命のスローガンぢゃろ。
>本にもなっておろうに・・・!」
「ふーん、中つ国の文化大革命ねえ…聞いたことないなぁ。」
王様はなかなか博識であったようだ。
【魔法使い皆死すべし!】。
まあ聞くだけでテロリストのスローガンっぽい言葉ではある。
【魔法使い皆死すべし!】って事は、無差別殺人の宣告みたいなもの。
これは…交渉しだいでがっぽり稼げそうな事件だよな!
王様はまだあれがショーの一部だと思いこんでるみたいだし、上手くすれば事件解決に使えるかも。
成功すれば王様は名声、あたしは報奨金、生徒会は学園祭の平和を手に入れるってわけだ。

>「生徒会だけど、ちょっといいかな?
> 喫茶店で起こったことについて何か知っていたら教えてほしいんだけど。」
都合よく生徒会は向こうからやって来た。
あたしからすれば鴨がネギしょってやってきたようなものだ。
移動しようとするリリアーナに同意した時、レベッカが奇行を見せた。
>「これで満足かよ?」
「ひ、人前でいきなり何てことするんだあんたは!?」
2人とも見せた相手は男だぞ男!少しは恥じらいをもてよ!
どんな変態なんだこいつは痴女か!?
>「いっっかあああん!
>貴様!それだけの胸を奔放にさせていては取り返しのつかないことになるぞ!
>ちゃんと形のあったブラをしないと形が崩れる!今すぐこれをぉぉおお!!」
しかし変態は1人ではなかった。
王様はブラを握りしめたまま力つき、自分で作った血だまりに倒れ伏した。
こんなのを王として認めるとは…ムウ大陸文明ってよほど変な文明だったんだろうな…

>「…保健室に連れて行かなくて大丈夫なのか?」
「大丈夫大丈夫。王様は頑丈だし、ほら、止血もしておくから」
あたしは王様の手からブラジャー型包帯を取り上げて、頭に巻き付けておく。
見た目は変だが元は包帯だから多分問題ないだろ。
>「まあ、近くに回復科の生徒が来たら回復してもらえばいいか。」
助けに来た生徒会役員も納得したようで、王様をテーブル席まで連れて行って椅子に座らせてくれた。
その間に水を取ってきたあたしは、おもむろに気絶した王様の頭に水をぶっかける。
「おはようございます王様。よく眠れましたか?
 そろそろイベント攻略のヒントが出る、作戦会議が始まりますよ。
 王様も西方の食べ物でも食べながら参加するのはどうですか?」

>「――――というわけなんです」
リリアーナの説明の間、あたしは会話には加わらずに、ケーキバイキングを食べながら情報収集に努めていた。
事情が分からないのにいきなり交渉しても足元を見られるだけ。
まずは情報が欲しい。

>「もしも俺がその子犬だったら、今こうして安心しきっている瞬間を狙うだろうよ。」
>「おいおい、あの教室を半壊させたマ・センコーが使われたんだぞ。
話を聞きながら追加のケーキを頼もうと店員を探していた時、不意に視界に大量の光の矢が現れた。
矢の下にいるのは、こちらに向かって突撃してくる一匹の小犬。
>「まさか、な。」
「でっ!出たーっ!犬!犬がこっちに来てるーっ!!」
あたしの叫びと同時に、こちらに大量の光の矢が飛来する!

120 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 20:25:45 P
「斯く斯くで云々なんだよお母さん」
「なるほど斯く斯くで云々ですのね」
よくわかるようなわからない様な会話をする二人

「でその犬は『魔法使いは皆死すべし!』って」
「異国語なのに発音上手いですわねギズモちゃん・・・・」
どうやらギズモは言語能力が異状に高いグレムリンのようだ
「まあ意味は全然わかんないけどね」
褒められたので恥ずかしいそうに笑うギズモ

「どっちにせよ猫ちゃん喫茶は利用できないってことですわね」
「いやリリアーナお姉ちゃんは無事なのかとか・・・他にも色々聴くことがあるんじゃ」
どうしてそういう結論に達するのかわからないといった顔のギズモ
「リリアーナさんなら大丈夫でしょ。だって今までも色んなピンチがあったけど全て乗り越えてきたじゃないv」
「それもそうだねv」
とにぱっと笑うギズモ
不利な特徴であるショタコンが技能に付いていればすぐに落ちそうな笑顔である・・・・・がしかし
フリージアにはニコポ耐性EXが付いているのでまったく意味がなかった
「それより私お腹空きましたわ」
「じゃあどっか別のところに行こうよv」



此処は学園にあるホストクラブ、通称ホスト部・・・・ではなく
別の教室でやっている執事喫茶である
「バニラアイスでお願いねv」
と店員にデザートを注文をするフリージア
「わかりましたお嬢様」
注文を受け取ると店員は奥の方に行ってしまった
「で、なんで執事喫茶なの?」
「単なる私の趣味ですわv」
とにこやかにギズモの頭に何かを取り付けているフリージア
「で、なんで僕に猫耳付けてるの?」
「単なる私の趣味ですわv」

「・・・・・・・」

>119
>「でっ!出たーっ!犬!犬がこっちに来てるーっ!!」

「なんか外が騒がしいけど」
と外を見ようとするギズモ
「フィジルが騒がしいのは何時もの事ですわv」
と気にするまでも無いという風情のフリージア
「それよりバニラアイス遅くてよ!」
「申し訳ありません女王・・・・もといお嬢様!!」
「って、ミルクお姉ちゃんが犬に襲われてるよ!?」
「それを早く言いなさいな!!」
もしかして知り合いじゃなかったら見捨てるつもりだったのかフリージア



「ちょっとそこの人間の下僕哀れで卑しい犬っころ!この私、氷結姫フリージアがお相手いたしますわ!!」
わざわざ登ったのだろうか?何故か高いところから現われるフリージアであった

121 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 20:29:03 0
>111 >113-117 >119
>「おわっわっ!いきなりなにを!? 
> 【魔法使い皆死すべし!】は中つ国で起こった文化大革命のスローガンぢゃろ。 
> 本にもなっておろうに・・・!」 
「えっ、そうなの?スクナさんって物知りね」
リリアーナは素直に驚いた。
>「ふーん、中つ国の文化大革命ねえ…聞いたことないなぁ。」 
「ミルクさんも?そっか〜。。でも、お友達のユリさんなら詳しいかもしれないね」

生徒会のクロウと副会長は、リリアーナに事情を聞きたいと言って来た。
副会長の話では、壊された喫茶店も2時間後には復旧するらしい。
「ありがとうございます!ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします!」
リリアーナも嬉しそうに生徒会の面々に頭を下げた。

副会長に協力を要請されるとき手を握られ、リリアーナはちょっと赤くなった。
だが全く他意はないのが分かっているので、慌てたり手を引っ込めようとはしなかった。
まあこれほど熱く語れるのだから、副会長は大丈夫なのだろう。
あれほどの荒事をこなしているというのに、さすがは一等過程、といったところだろうか。

リリアーナはレベッカをテーブルに誘ったが、彼女は少し待つように言ってスクナ達の方を振り返った。
>レベッカは何を思ったのか、上着を開き、豊かな乳房を露出させた。 
>「これで満足かよ?」 
「っきゃああああああっ?!」
>「ひ、人前でいきなり何てことするんだあんたは!?」 
レベッカだけが平然とした顔で、上着を元に戻している。 
>「これであいつらも後腐れが無いだろ。」 
「そ、そういう問題じゃなーいっ!!
 いい、レベッカさん?女の子は好きな人以外にあられもない姿を見せちゃダメなんだからねっ!!」
リリアーナは真っ赤な顔で、レベッカに真剣に忠告をした。
まあこれほど説得力の無い言葉もないかもしれないが、本人はいたって真剣なのだった。

>「いっっかあああん! 
>貴様!それだけの胸を奔放にさせていては取り返しのつかないことになるぞ! 
>ちゃんと形のあったブラをしないと形が崩れる!今すぐこれをぉぉおお!!」 
あんぐりとしたリリアーナは、血だまりに倒れたスクナを見つめた。
「王様、それじゃカップ部分にメロンが入っちゃうよ?いくらなんでも大きすぎだと思うな〜」
残念!リリアーナはレベッカのロケットおっぱいを見逃してしまったようだ!
(まあ、そうでなければ、落ち着いて事情説明など出来なかっただろうが)

122 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 20:31:29 0
リリアーナは今までの事情を、その場にいる全員に話した。
副会長の話では、自分達の使う魔法とは別系統のものかもしれないとのことだった。
レベッカにも聞いてみたが、
>「さあ、わからねえな。」 
といったきり、黙り込んでしまった。
あまりに真剣な表情で考え込んでいるので、
「レベッカさん、このお団子美味しいよ?あそこのウサギさん達が作った月見団子なの。
 よかったら味見してみない?」
そういって、自分の皿をレベッカにすすめた。

>「そう、か。 
 すまないな、せっかくの学園祭なのに時間をとらせてしまって。」 
「とんでもない!こちらこそお役に立てないで申し訳ありません」
リリアーナは腕を組んでなにやら考え込んでいる副会長に頭を下げた。
返答は無い。
(きっと今後の対策を練っていらっしゃるのね!さすがだわ!)
まさかお休みタイム中だとは思いもしないリリアーナは、尊敬のまなざしを向けた。

「あ、そういえばクロウさんって、確かクリスさんとお友達だったわよね?
 最近なかなか姿を見かけないんだけど、クリスさんお元気なのかな?」
そのまま雑談に流れ込みそうな流れを、レベッカの一言が制した。
>「ところで、当然その犬の死体は確認したんだろうな?…まあ、当然か。 
 でなけりゃ、こんなところでゆっくり食事をとるはずがねえもんな。」 
お団子を飲み込もうとしたリリアーナがうっと喉を詰まらせた。
>「もしも俺がその子犬だったら、今こうして安心しきっている瞬間を狙うだろうよ。」 
>「おいおい、あの教室を半壊させたマ・センコーが使われたんだぞ。 
 その後に二匹の子犬の死体が現れて・・・」 

「〜〜〜!〜〜〜!!」
喉を押さえてじたばたするリリアーナの耳に、ミルクの切羽詰った叫びが届く!
>「でっ!出たーっ!犬!犬がこっちに来てるーっ!!」 
>あたしの叫びと同時に、こちらに大量の光の矢が飛来する。 
このままだと光るハリネズミになれること請け合いである!

果たして、我らがフリージアが登場まで生きのこれるだろうか?

123 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 23:43:46 0
>91 >99 >112
>「一体なにがあったのだろうか?」
「さあな、とりあえず普通じゃないことは明らかだ」
ヴァンに導かれメイド喫茶の近くまできてみると
ボロボロになった教室が見える。確かに一体何があったというんだ?
>「だめ!!膨張する圧力で隔絶空間がもたない!!皆、早くここから離れて!!」
聞き覚えのある叫び声……よく見てみると今の警鐘はリリアーナが鳴らしていたと分かる。
ふん、メイド服なんてフリフリしたものを着て……胸なんてないくせに!
おっと、そんなことを言っている場合じゃない。超絶お人よしのあいつがあんなことを言うなんて
もうすぐ何か起こるのかもしれない。
>「あー…これはなんともヤバイ雰囲気がするのだが?」
生きてる危険探知機のヴァンエレンもどうやら直観で危ないと感じたようだ。
ヴァンエレンは全然危険を回避できないくせに危険に敏感だからな。間違いないだろう。
>「こら使い魔達、もっと窓際に寄るのだ!!逃げ遅れた者たちを助けなければ・・・ええい不甲斐ない!!」
「リチャードさん、危険です!それに多分大丈夫です。一応あいつらも僕には遥か劣るとはいえ魔法使いですからね」
僕の名前をいつも間違える優等生アルツハイマーのケオスもいたし多分大丈夫だろう。
そう思った僕の予感は的中しリリアーナ達はケオスに連れられていったようだ。
他の生徒や教師の面々もおそらく大丈夫そうだな。リリアーナも離れろと言っていたしさっさと離れるか……

>「ヴァンエレン殿。漢の見せ所ですぞ」
しかしそこでリチャードがヴァンエレンを掴み投げ飛ばす!
ヴァンは僕とユリの真ん中を通過して丁度盾のような形に……
>「淑女達を守るのは紳士の本懐。それが美しい女性達なら尚更のこと。
>このリチャード、ヴァンエレン殿のお手並みとくと拝見といたしましょうぞ、ほっほっほ」
「ヴァ……ヴァンエレーンッ!!」
そして大爆発!!なんということかヴァンエレンは
両手を広げて爆風をすべて受け切っている!!
ちょっとカッコイイがヴァンエレンがこんなこと望んでやっているわけない!
あいつはこんなことやれるようなやつじゃないんだ!

全てが終わった後……燃え尽きたように何も言わずに立ちつくしているヴァンエレン。
いくら吸血鬼がタフっていってもこれ大丈夫なのか?
「お、おいヴァンエレン……だ、だいじょう……うわっあわわっ!」
ぴくりとも動かない感じのヴァンエレンの安否を気遣おうとしたらいきなり足場の使い魔が消えて地面に激突する!!
「ヴァンエレン!しっかり足場作って無いとダメ……じゃ…」
ぶつけたお尻をさすりながらヴァンエレンの方に向きなおった瞬間言葉が止まる。
なぜならヴァンエレンは地面に当たったと同時に灰になって中を舞ったからだ。
いきなりの超展開に言葉がなくなる……この前はリバースだったから蘇ることができた。
でも今回は……リアルだよねコレ?

もしかしてこれ本当に死んじゃったの?え?これでおしまい?
「お、お、お前!!なんてことしてくれるんだ!!」
客分だろうがなんだろうが関係ない!僕はリチャードに掴みかかる。
「ヴァンエレンは紳士なんかじゃない、ただの臆病者だ!
 それなのに無理矢理………させるから…」
そこまできてリチャードの肩に使い魔の蝙蝠を見つける。
僕はゆっくりと優しくそのコウモリを手で包み込む。

「ヴァンエレン……う……うぅ……うぇぇぇぇん!ヴァンエレーン!!」


124 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 07:37:22 0
>117>119>120>122
「ところでお前ら。さっきから『魔法使いは皆死すべし』を文化革命のスローガンだと言ってるが、
 あれは後年になって創作されたもので、厳密に言えば違ぇぞ。
 もっとも、そんな創作がされるくらい魔法使いがガンガン殺されたのは事実だがな。
 文化革命の真実はだ…」
> 「でっ!出たーっ!犬!犬がこっちに来てるーっ!!」
「うぉっ?マジかよ。ていうかでけーな、おい。」
大量の光の矢を引っさげて、妖怪犬が再び現れた。
それも、先程までの妖怪犬ではない。体は牛ほどの大きさになり、
長い尾はその数を6本にまで増やしていた。
目尻には赤いアイシャドーが入り、顔つきを余計不気味にしている。

さて、大変なのは何も知らない生徒達である。
なにしろ妖怪犬は魔力を持たないので感知できないし、
ましてやその犬の攻撃が魔法障壁を貫くと知る生徒はまだほとんどいない。
ある者は光の矢で貫かれ、ある者は強靭な尾で殴られ、投げられた。
また運悪く妖怪犬の前に立ってしまった者は、
その巨体から繰り出される体当たりにより体を壊された。
> 「ちょっとそこの人間の下僕哀れで卑しい犬っころ!この私、氷結姫フリージアがお相手いたしますわ!!」
西方の人間の言葉など、聞くわけが無い。魔法使いなら、なおさらである。

妖怪犬はまっすぐレベッカに向かって走ってきた。
しかし、何故かレベッカに向かって光の矢は飛ばなかった。
故にレベッカの側にいれば光の矢の被害は受けずにすんだだろう。
妖怪犬はレベッカに近づくと速度を緩め、彼女の前で止まった。
妖怪犬の後ろでは、これによる被害を受けた生徒達の苦痛の声が聞こえてくる。
妖怪犬は、またしても中つ国の言葉、そしてレベッカと同じ声で言った。
>『魔法使い狩りっておもしろいねー、お姉ちゃん(愛好)』
レベッカは、甘えるような仕草をする妖怪犬の鼻の頭をポンポンと叩いた。
そして、すこし後ろにさがりながら言った。
「チェンダ?(本当にそうか?)」
レベッカが肩から長家槍をおろし、槍頭を妖怪犬の眉間につきつけても、
妖怪犬はそれが戯れであるに違いないとばかりに6本の尻尾を振った。

125 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 19:30:00 0
>119
>「でっ!出たーっ!犬!犬がこっちに来てるーっ!!」
>「うぉっ?マジかよ。ていうかでけーな、おい。」
「本当に生きてんのかよ!!って、でか!!」
ミルクにいわれて見ると、大量の光の矢を放つ牛みたいな大きさの犬?が見えた。
「まずい!!」
今話していたメンバーと喫茶店で戦っていたメンバー以外あの犬が魔力を持っていないことを知らない。
その為、攻撃に気づかず倒れていく生徒が出てきた。
「っち、このままじゃ被害が拡大するばかりじゃねーか!!」
こうなったら無謀でも突っ込んで止めるしかねーか。

こちらに向かってくる犬に対し、こっちも近づき一気に間合いを詰める。
「これ以上の攻撃は許さん!!
 喰らえ、『鉄掌連拳』」
だが、攻撃が届く前に尻尾によって攻撃され、校舎の壁に叩きつけられてしまった。
「カハッ」
くっ、なんて攻撃だ。
意識が飛びかけたぞ。

>120
>「ちょっとそこの人間の下僕哀れで卑しい犬っころ!この私、氷結姫フリージアがお相手いたしますわ!!」
正面突破以外の方法を考えていると、上の方から声が聞こえてきた。
あの犬と戦うつもりか?
「気を、つけろ。あいつ、に魔法、障壁は効、かない。」
とぎれとぎれになりながら言葉を発するが、たぶん聞こえないだろう。

126 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 19:40:16 0
>110 >112 >123
灰になったヴァンエレンを目の当たりにしても、ロウは特に驚いたりはしなかった。
「凌ぎきられた暁にはイージスの盾とお呼びしようと思っていたが・・・残念じゃのう」
「お、お、お前!!なんてことしてくれるんだ!!」 
マオはロウに掴みかかってきた。
>「ヴァンエレンは紳士なんかじゃない、ただの臆病者だ! 
> それなのに無理矢理………させるから…」 
>そこまできてリチャードの肩に使い魔の蝙蝠を見つける。 
>僕はゆっくりと優しくそのコウモリを手で包み込む。 
>「ヴァンエレン……う……うぅ……うぇぇぇぇん!ヴァンエレーン!!」 

暫くその様子を見ていたロウだったが、やれやれ、といった風情でため息をついた。
「―――― ヴァンエレン殿は果報者。危うく命拾いなさったようじゃな」
そういって、マオの頭を撫でた。
「そんなに恋しいとあらば仕方あるまいて。
 そもそも、あの状況で逃げずに踏みとどまるとは余程のお人よしか大馬鹿者か・・・。
 いずれにしても闇の眷属には向いとらんのう。そうは思わんか?ユリ殿」

ロウはマオの抗議を手で制すると、ステッキで空に魔法陣を描いた。
「まあまあマオ殿、少し落ち着きなされ。
 ほれ、マオ殿がお持ちのそれ、そこに使い魔が残っておるではないか。
 これはつまりどういう事か、エリートのマオ殿はまだお分かりにならんかのう?ほっほっほ」
ロウはさらに懐からガラスの瓶を取り出し蓋を開けた。
そしてステッキで瓶を叩くと、風に散らされたはずの灰が見る見るうちに瓶へと吸い込まれていく。
「では ――――マオ殿、これでわしに貸し一つじゃよ?」
ロウはヴァンエレンの灰が入った瓶を閉めると、そのままマオに渡した。
「今から吸血鬼殿を復活させましょうぞ。。
 マオ殿、もし少しでも早く元の姿に戻したいのならば、この瓶にマオ殿の血を注いでくだされ。
 ではわしは儀式に必要な材料をそろえてくるとしようかの。ほっほっほ」

ロウが材料集めのために立ち寄ったのは、件の焼き鳥の屋台だった。
ロウは焼き鳥を焼いているエースに声を掛ける。
「すまぬが、この塩焼き鳥をあるだけいただこうかのう?ほれ、御代はここに」
ロウは金貨数枚をカウンターに置いて、ニコニコと待っている。

127 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 20:54:57 O
>「おほんっ!まあ、何じゃな。確かに恥らう気持ちもあろうな。そなたの進言取り立ててやろう。
>うん、見つめてすまなんだな。はっはっは。」
「そういうつもりじゃなかったんだけど…まあ、いいかな。」
仕舞われた金貨を見てスクナが勘違いしている事に気付くが特に反応は見せない。

話をしている所へ先ほどの生徒会員と風に聞こえた副会長がやってくる
>「あっ、クロウさん・・・だったっけ?無事でよかった・・・・・やだ副会長さん、背中が焦げてる!
>もしかして爆発に巻き込まれたんですか?」
>リリアーナは回復が得意なケオスとマンダの方を見た。
「……服が焦げただけみたいだね。身体の方は無傷、かすり傷一つ無いよ。」
そこへマンダが一言…
「あつ、くるしい…」
「こらこら、そういう事は言っちゃいけないよ。」
>「こ、ここじゃちょっと目立ちすぎますし、怪我してる人もいます。とりあえずどこかに座りませんか?」
取りあえず状況把握と情報をまとめるため落ち着く事にしたようだ。
みんなの後に続こうとしているケオスとマンダの前に一人の女性が現れた。…レベッカである。
「どうしたn――」
>レベッカは何を思ったのか、上着を開き、豊かな乳房を露出させた。
流石のケオスも唖然呆然、いつも笑顔で細くなっている目が大きく見開かれる。
一方マンダはレベッカの大きな胸を見て、自分の胸をペタペタと触った後
「まけ、た……」
がっくり、と肩を落とした。そして、ケオスに向かって
「ケオス!わた、し…むね、ほし……むね、おおきく、して?」
この言葉でケオスの何処かに飛ばされていた魂が戻ってくる。
「へ!?マ、マンダはまだまだこれから成長するから、だ、大丈夫だよ、うん」
若干声が裏返りつつ答えるケオス
この男をここまで狼狽させるとは……レベッカという女…やるな。
>リリアーナは今までの事情を、その場にいる全員に話した。
>副会長の話では、自分達の使う魔法とは別系統のものかもしれないとのことだった。
みんなで席につき、状況のまとめを行なった。
その間、ずっとだんまりを決め込んで紅茶をのんびり飲んでいるケオス
「……………」
マンダもケオスの横で大人しくパンを食べていた。

128 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 20:56:35 O
>「もしも俺がその子犬だったら、今こうして安心しきっている瞬間を狙うだろうよ。」
>「おいおい、あの教室を半壊させたマ・センコーが使われたんだぞ。
>その後に二匹の子犬の死体が現れて・・・」
どうやらレベッカの言った事が当たってしまったようだ。
「ふぅ………」
しかし、慌てる所か溜め息一つ吐いてから再び紅茶を飲む
ケオスとマンダに光の矢が迫る!
「ケオス…こ、わい。」
「心配しないで…すぐ終わるから。僕の背に乗って」
「う、ん。」
言われた通りケオスに背負われ、目をギュッと閉じるマンダ。
自分に当たりそうな矢を紙一重で躱していく。障壁が有効で無い事は先ほどの話し合いで分かっている。今頼れるのは己の身一つ
>「〜〜〜!〜〜〜!!」
「全く……危ないよ、リリアーナ。」
喉を押さえて慌てているリリアーナをケオスが見下ろしていた。
団子が喉を通り落ち着けばリリアーナにも異常が分かるだろう。
「だめだよ、この矢がどんな性質か分からないのに油断したら」
この矢とはどの矢だろうか。ケオスの視線の先を見ると………
リリアーナの前に出されたケオスの手の平から光の矢が突出ているのだ。
手の甲から入ってきた光の矢は手の平まで貫通し止まっている。もしケオスが止めていなければリリアーナに直撃コースであった。
「ごめん、マンダと怪我人を頼むよ。マンダ、降りて。」
「ち!?…ケ、オス!いたい!?それ、いた、い!?」
「大丈夫だから……ね。」
いや〜手の甲から矢が突出ている状況で大丈夫だと言われても納得できないんですが……
相変わらず笑顔のままのケオス。
「さて、と……っ!」
手から矢を引き抜く。
穴のあいた場所から血が滴る。
「…お祭の日くらい素直に楽しめないのかな……全く。
雅が解らない子犬だね。」
元子犬であった犬に歩み近付きながら一人呟く。
「リ、リアーナさん…ケオス、こわい……」
その光景を見ていたマンダはリリアーナに抱き付き震えている。
「…ケ、オス、おこ、てる。…き、と、みんなのたのしいじかん、いじわるされて…おこ、てる。」
ボキャブラリーの少なさの為、言葉が足りないが怒っている事を伝えたいようだ。

129 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 20:57:22 O
「…怪我人まで出して……」
ケオスの周囲に光球が一つ、また一つと現れる。
「…お店で暴れて……」
手の平に光球を集めるとひとまとまりになり、スイカ大の大きさになる
「…楽しい時間をぶち壊しにして……なにがしたいんだい?」
スイカ大光球から無数の光の矢が一斉に飛び出し謎の犬へと向かっていく。

130 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 22:14:53 0
>119 >125 >129
>「でっ!出たーっ!犬!犬がこっちに来てるーっ!!」
>「うぉっ?マジかよ。ていうかでけーな、おい。」
その瞬間!お休みモードだった副会長のスイッチがONになる!!
『来たなぁ・・・!これ以上被害を出さないためにも奴と戦うぞクロウ!!』
椅子から勢いよくジャンプし体操選手のように空中で一回転し子犬の地面へと立つ!!
着地によって土埃が舞う中、副会長は椅子の足をへし折り木刀へと瞬時に錬成する!
そして胸から油性ペンを取り出しキュッキュッと素早く木刀に書いた文字・・・・・・【生徒会!!】
『そこのお前!!魔法使いならここにいるぞ!!まず俺を殺しにかかってこいっ!!』
しかし副会長は失念していた!目の前の化け犬にはルールなどない。
ひたすらに何も知らない罪なき者たちを巻きこもうが構わないのだ!

副会長の言う決闘など化け犬からしたらただの戯言以下。
全くの誤算・・・・・・少しは話しが通じるかもしれないと思っていた副会長のミスだった!
このまま戦うこともできるが副会長としてまず周囲に目を配るべき!
木刀を放り投げ化け犬にやられた生徒達の元へとかけつける!

『おいしっかりしろ!!大丈夫か!?』
「うぐ・・・・・・何がどうなって・・・」
『安心しろ!もう大丈夫だ!今手当してやるからなっ!!』
倒れている生徒達に治癒魔法を使っていく副会長。
応急手当程度の軽い治癒魔法ではあるがないよりまし、といったものだろう。
一等過程の生徒はほとんどの魔法学科の単位を取らなければならず、
自然と治癒魔法も勉強しなければならないのが幸いした!
『クリス!!少しでいい!空間魔法で一般生徒と俺達を区分けできないか!?
 これ以上犠牲を俺は増やしたくない!!』

振り返るとクリスは勇敢にも化け犬に格闘で立ち向かおうとしていた!
しかし、人のリーチである腕や足とあの化け犬の勢いよく振るう六本の尾では話しにならない!
>「これ以上の攻撃は許さん!!
>喰らえ、『鉄掌連拳』」
『クロウ!!下がるんだ!!その位置は敵の制空権に入っているぞ!!』
>「カハッ」
『クロォォォォォウ!!!』
吹き飛ばされ息も絶え絶えなクロウを見て副会長の怒髪が天を衝く!!
フルフルと震える副会長・・・・・・そして大きく握りこぶしを作り化け犬に向かって叫ぶ!!
『お前の・・・・・・お前の血は何色だぁぁぁぁぁああ!!』
爆発したかのような赤い魔力が副会長の身を纏っていく。
それはまさに生徒会副会長の暑苦しさを集約させたような赤きオーラ!

『獣に道理はない・・・・・・俺達生徒会のいう秩序も、
 俺達の望む平穏もお前にとっちゃあ知ったことはないんだろう
 んなぁことは分かってる!!』
そこで一度深呼吸をし、副会長は大きくポーズをとりながら化け犬を指差す!!
『だから・・・・・・だから俺が裁く!!』
熱く燃える闘志をひっさげ、今副会長がゆく!!
燃えたぎる両の手を化け犬の向きに合わせ、そこから大量の炎が噴出する!!
『お前に苦しめられた者たちの痛みを知れぇぇぇええ!!』

副会長の炎とケオスの光の矢・・・・・・二つの怒れる闘志が化け犬に迫る!!


131 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 22:55:02 0
>119
> 王様も西方の食べ物でも食べながら参加するのはどうですか?」
「あー、そうするか。」
ブラジャー形の包帯を頭に巻きつけ、物理的に水も滴るいい(?)男になったスクナはボーとしながらミルクに応える。
テーブルに着き、運ばれてきたケーキをもちゃもちゃと食べている。
その表情はどこかしら気が抜けており、話を聞いているのだか聞いていないのだか判らなかった。

会話が進んでいる中、ミルクが叫び声をあげる。
>「でっ!出たーっ!犬!犬がこっちに来てるーっ!!」
「ん・・・?犬?獅子か狛犬みたいじゃな〜。」
ミルクの危機感全開の叫びにも拘らず、その反応はぼんやりとしたものだった。

>120>124>125>129>130
その後繰り広げられる阿鼻叫喚の光景。
あるものは光の矢に貫かれ、あるものは六本の尾に打ちのめされる。
幸いレベッカの近くの席に座っていた為、何の被害もないが、辺りはそれどころではない。

凄惨な光景に高みからフリージアの声が響き渡り、クロウはその足元にたたきつけられる。
生徒達をなぎ倒しながら迫る犬はレベッカの前で速度を緩め、止まった。
今までの攻撃とは打って変わり、まるで甘えるかのように尻尾を振りレベッカに擦り寄っている。
長槍を突きつけられようともその態度は変ってはいない。

そこへ迫るはケオスの放った無数の光の玉と副会長の噴出させた業火!
恐るべき高威力の魔法が炸裂したのだ。

そんな苛烈な戦いが繰り広げられる中、スクナは微動だにしていなかった。
現状が把握できていないかのような緩んだ表情で、ここに至って漸く口を開く。
「レベッカよ。ペットの躾は飼い主の責任じゃぞ?」
だが、その言葉にはまるで険がなく、犬の所業を責める様な響きもない。
レベッカに甘える姿を見て、犬をレベッカのペットだと思っているようだ。


さて、本来ならば、このような状況スクナにとってはとても【オイシイ】場面のはずなのだ。
いきなり現われ攻撃したのなれば問答無用で撃退して王の威光をここぞとばかりに高めるのに利用する!
なのだが、この緩み方、危機感のなさには訳がある。

スクナの本来の技能は呪布織り。
布目の織り成す模様はいわば魔法陣。
糸の無限配列で様々な効果を生み出すのだ。

レベッカの為に織り上げたブラジャーは、あらゆるモノにジャストフィットして形を崩さずばっちり谷間を作る。
それでいて圧迫する事なく、柔らかく包み込み、谷間の汗疹も防ぐ。
その着け心地たるや、安らぎを生む正に天女のブラ!

そんな天女のブラを頭に巻かれてはスクナとて穏やかな・・・
もとい、危機感もないボケボケになってしまうのも無理ないというものだった。

132 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/14(金) 07:26:50 0
>129>130>131
> 「レベッカよ。ペットの躾は飼い主の責任じゃぞ?」
「どーどー、王様。危ないから離れてような。
 ていうか俺達が犬のそばにいるのに攻撃するなっての。」
レベッカはGな王様を引っ張りながら妖怪犬から離れた。
さもなければ、ケオスの光の矢と、副会長の炎に巻き込まれるからだ。

妖怪犬に、まずケオスの光の矢が当たった。
>『!?殺そうとした!また私を殺そうとしたぁ!!』
妖怪犬が中つ国の言葉でそう叫んだ後、副会長の炎に包まれ姿が見えなくなった。
無論、この妖怪犬と対峙した事がある者は、この程度でこの犬が死ぬとは思わないだろう。
理屈はどうあれ、白百合騎士団の本気のマ・センコーをくらった上で、再びこうして姿を現したのだから。
炎の中から、6つの小さな塊が飛び出し、走り去った。
その小さな塊とは、異様に長い一本の尻尾をもつ子犬達だった。妖怪犬は、6つに体を分けたのだ。

さて、妖怪犬は学園祭を楽しむ生徒達を襲撃したが、その際死者を出すことはしなかった。
その理由をたった今知る事になるだろう。6匹の妖怪子犬達は、倒れている被害者達のまわりを走り回ったのだ。
こうなると妖怪犬を攻撃する事は難しくなる。なにしろ6匹に分離した事で的が小さくなったし、
下手をすれば倒れて動けない被害者の生徒達に攻撃が当たるかもしれないからだ。
近接戦闘をしかけるのは、(実際に試してみればすぐにわかるが)すばしっこい子犬に対してはナンセンスである。

6匹に分離した妖怪子犬達は、おのおのが光の矢を生成し、レベッカ以外の魔法使いに放った。
もうここまでくれば、レベッカと妖怪犬が無関係だと思う人間の方が少ないだろう。

133 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/14(金) 21:47:57 0
酸欠で死ぬか光の矢で死ぬか、という究極の選択を迫られていた時!
絶体絶命のリリアーナの前に守護天使が現れた。

>「全く……危ないよ、リリアーナ。」 
>リリアーナを庇ったため、ケオスの手の平から光の矢が突出ている。 
リリアーナは硬直した後、ごくんと団子を飲み込んだ。
「ちょ、手!ケオスさん手!完全に射抜かれてるよ!!」
>「ごめん、マンダと怪我人を頼むよ。マンダ、降りて。」 
リリアーナの言葉を制するように、ケオスがマンダを預けてきた。
心配そうなマンダを、ケオスが笑って安心させている。
>「さて、と……っ!」 
光の矢と肉が擦れる音に、マンダやリリアーナは鳥肌を立てた。
「ちょっと大丈夫なの?手、ちゃんと動くのっ?!」
リリアーナはポケットから清潔なハンカチを取り出し、止血のため傷に巻きつけた。
それ以上の手当てはケオスから放たれる無言のオーラが許さなかったのだ。

マン「リ、リアーナさん…ケオス、こわい……」 
その光景を見ていたマンダはリリアーナに抱き付き震えている。 
>「…ケ、オス、おこ、てる。…き、と、みんなのたのしいじかん、いじわるされて…おこ、てる。」 
リリアーナは宥めるようにマンダの青い髪を撫で、掠れた声で囁いた。
「うん、そうだね。あの犬はひどいね。何でこんな事、繰り返すんだろうね」
リリアーナはマンダの細い肩を両手で掴むと、自分の体からそっと剥がした。
「よく聞いてマンダ。皆あの犬に襲われて怪我して痛がってる。
 だから私達は、怪我をした人の手当てをしなきゃ。マンダも力を貸してくれるわよね?」
そう言うと、リリアーナはマンダを連れてけが人達の方へと向かった。

>『安心しろ!もう大丈夫だ!今手当してやるからなっ!!』 
>倒れている生徒達に治癒魔法を使っていく副会長。 
「副会長、私たちもお手伝いします!」
マンダとリリアーナも怪我人の治療にあたった。
だが術者も薬も治療道具もまったく足りない。これではろくな治療が出来ないだろう。

「ちょっとそこのあなた!そう、あなたよ!」
リリアーナはたまたま居合わせた黒いエプロンドレスの女子生徒を捕まえた。
「えーと。たしかルダリダさんだっけ?悪いけど治療薬が足りないのよ。
 ここなら保健室よりベアトリ薬局が近いからそこで薬を調達してくれない?」
リリアーナは紙にさらさらと何かを書き込んでいる。
「大丈夫大丈夫、詳しい事は全部このメモに書いてあるから!
 代金の請求はレオ先生にとも書いたから、ルダリダさんの懐が痛む事も無いわ。
 じゃあ頼んだわよ!怪我したみんなの命運、あなたに託したからねっ!」
リリアーナは憮然とした表情の生徒にメモを握らせると、ばしんと背を叩いて送り出した。
「じゃあマンダ、次はあっちの怪我人をお願い。くれぐれも気をつけてね」
そういい残し、リリアーナは吹き飛ばされたクロウの元へと急いだ。

ちょうどその時、騒ぎを聞きつけたのか、フリージアが颯爽と登場した。
だが妖怪犬は、副会長の時のように完全に無視している。
「クロウさん大丈夫?立てる?」
リリアーナは息も絶え絶えなクロウに肩を貸した。
>「気を、つけろ。あいつ、に魔法、障壁は効、かない。」 
クロウの呟きに、リリアーナははっとした。
「フリージア!そいつに魔法障壁は通じないわ!ついでに私たちの言葉もね!!」

134 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/14(金) 21:48:48 0
「幸い骨は折れてみたい。でも派手にぶつけたみたいね」
手早くクロウの視診を終えると、リリアーナは応急手当キットを取り出した。
「応急手当しか出来なくてごめんね」
治療を続けるリリアーナの視界に、妖怪犬と対峙するレベッカ達の姿が掠める。
犬はレベッカに甘えた様子を見せている。当のレベッカも、馬にするように犬の鼻先を軽く叩いている。
リリアーナはふとおかしなことに気づいた。
「クロウさん、スクナさんとレベッカさんの周りだけ光の矢が刺さってなくない?
 あれってスクナさんの王としてのオーラのせい――――なわけ無いか」
頭にブラジャーを巻いた姿に王の高貴さなどあるわけ無かった。
という事は、レベッカに原因があるに違いない。だが彼女は妖怪犬など知らないという。
という事はつまり――――。
「分かった!刷り込みだわ!!
 あの犬はレベッカさんのことをお母さんと刷り込まれたんだわ!!
 声がそっくりなのも、最初に彼女の声を聞いたからよ!きっとそうだわ!」

リリアーナが閃いている間にも、事態は悪い方へと動いていく。
妖怪犬に、まずケオスの光の矢が当たった。 
>『!?殺そうとした!また私を殺そうとしたぁ!!』 
妖怪犬がまた訳のわからない言葉を叫んだ後、副会長の炎に包まれ姿が見えなくなった。 
「また犬語――――じゃなかった、中つ国語!
 レベッカさん、今あの犬は何て言ったの・・・・・・・・うわっ?!」
>炎の中から、6つの小さな塊が飛び出し、走り去った。 
>妖怪犬は、6つに体を分けたのだ。 
>6匹の妖怪子犬達は、倒れている被害者達のまわりを走り回ったのだ。 

妖怪犬は皆が攻撃を躊躇うのをいいことに、再び光の矢を生成し始めた。
このままでは再びこの場にいる全員に危害が及ぶ。想像し、リリアーナは怒りに震えた。
そしてはっとした。喫茶店の中でテレパシーで説得したとき、妖怪犬の様子が明らかにおかしかった事に。
やらないよりは矢って後悔した方が良いだろう。
リリアーナはぐっと拳を握り締めると、目を閉じ、身を硬くした。
『や!め!な!さ――――――――――――っ!い!』
子犬全員がうるさくて身動き取れなくなれ!とばかりに、リリアーナは最大出力のテレパシーを送信した。

『君が!泣くまで!殴るのを!止めない!・・・・じゃなかった、テレパシーでの説得止めないんだからね!!
 だいたいこの学園には中つ国からの留学生だっているのよ!あの人よ、レベッカさん!!
 あの人は中つ国の言葉がわかるんだから、何か文句があるなら通訳してもらえば良いじゃない!!
 だいたい何?私たちがあなたに何をしたっていうの?
 何か気に入らない事があるならいきなり攻撃するんじゃなくて、はっきり言いなさいよ!
 皆をこんなひどい目に合わせるなんて許せないわ!
 もしかしてあなた達、『魔法使い達に死を』を実行しちゃおうとか思ってるんじゃないでしょうね?
 ここはフィジルよ、中つ国じゃないっていうの!! それに、そんな事して何の意味があるのよ!!』

そこまで言って、リリアーナのボキャブラリーが尽きた。
だがテレパシーを止めるわけにもいかない。
『えーとえーと、その・・・・ええい!一番リリアーナ、「私の彼は箒乗り」歌います!』
リリアーナは思いつきで次を繋げた。

『♪びゅーんびゅーん♪びゅーんびゅーん♪わたーしの彼は箒ー乗りー♪』
このままだとテレパシーでフルコーラスうたいそうな勢いだ。

135 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 08:25:35 P
>125>133
>「気を、つけろ。あいつ、に魔法、障壁は効、かない。」
>「フリージア!そいつに魔法障壁は通じないわ!ついでに私たちの言葉もね!!」
どうやらこの犬達の攻撃は魔法障壁では防げないらしい
「お〜ほっほっほっほ!魔法障壁が駄目なら氷の盾で防げばいいのよ!!」
とパンが無ければ御菓子を食べればいいのよみたいなことを言うフリージア
だがこれにはきちんとした根拠がある
フリージアのパリーンと割れる光子力バリア・・・もとい氷の盾は文字通り分厚い氷の壁であり
ファイヤーボールや魔力で生まれた炎には弱いという弱点もあるもの物理的な防御能力も兼ね備えている
だから魔法障壁では防げない攻撃も防げる可能性があるのだ

「さっきはよくもこの私を無視してくれましたわね!言葉が通じないのなら肉体でわからせてあげますわ!!」
とは言ったものの今、雪の結晶による攻撃をしてしまうと副会長の炎の呪文と相殺してしまうだろう
>132
副会長の炎の呪文が止んだ後、現われたのは6匹に分裂した子犬であった
「分裂した!?分身を攻撃すれば本体にまでダメージを負わせられるような魔法なんて私知らなくてよ!」
それは確かチェーン何とかという魔法なのだがこの場合は全部本体なのだろうから当てはまらないだろう

分裂した子犬たちは被害者を人質にするように周りを走り回る
これでは攻撃することが出来ない!!
どっかの魔導士なら死なない程度の火力で人質ごとふっとばすだろうがフリージアには無理だ・・・
無理だよね、無理だって言ってください!!

「これじゃあ攻撃できないよぉ!?」
とギズモは困惑している
「お〜ほっほっほっほ!これでも食らいなさいな!!」
だがそんなことは関係ねえとばかりに人質に遠慮なんかせず雪の結晶を大量に精製し犬に放とうとするフリージア
「お〜ほっほっほっほ!安心なさいな、当たっても体が凍って動けなくなるぐらいですわ!!」
そうフリージアが作り出したのは相手の体を切り裂く氷の結晶ではなく相手を凍らせて動きを止める雪の結晶である

「ちょっと待って!リリアーナお姉ちゃんが何かやろうとしてるよ!!」
何かを感じ取りフリージアを止めるギズモ
>134
リリアーナはテレパシーによる説得を行おうとしているようだが
はたして上手くいくのだろうか?

「リリアーナさんが駄目だったら遠慮なく行かせていただきますわよ」
雪の結晶を維持しつつ犬の様子を伺うフリージア
「私が楽しみにしていた猫ちゃん喫茶を壊した罪・・・死なない程度にお仕置きしてあげなきゃ気がすみませんわ」
どうやらリリアーナが説得に成功しても痛い目にあわせるのは確定事項らしい
「あれ?ぶっ殺さないの?」
それを意外そうな顔で尋ねるギズモであった


136 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 14:48:14 0
>131>132
言われてみれば確かに矢が刺さっていない。でも、
「さすがにあの様子で王の威厳はないだろ。」
第一王様というのは自称だったはずだ。

>「分かった!刷り込みだわ!!
  あの犬はレベッカさんのことをお母さんと刷り込まれたんだわ!!
  声がそっくりなのも、最初に彼女の声を聞いたからよ!きっとそうだわ!」
「なんでやねん!!鳥ならまだしも犬に刷り込みなんて起きるか?」
>129>130
リリアーナの迷推理に思わず突っ込みを入れるが、その間にケオスと副会長の怒りの攻撃が炸裂する。
>『!?殺そうとした!また私を殺そうとしたぁ!!』
>「また犬語――――じゃなかった、中つ国語!
  レベッカさん、今あの犬は何て言ったの・・・・・・・・うわっ?!」
炎の中から六匹の子犬が現れ、倒れている被害者たちの周りを走り回る。
「っち!!これじゃあ迂闊に攻撃できねぇ!!」
何か、何か有効な方法はないのか?

辺りを見てみるが、木刀が見つかったくらいだ。
「誰のか知らんが少し借りるぞ!!」
足に魔力を集中、さらに内養功の効果で加速し木刀をつかむ。
「うおぉぉりゃぁぁぁぁぁ!!」
そして木刀で飛来してくる光の矢をことごとく防ぐ。
何本かは木刀に刺さっているけどいいや。

しばらく動きながら光の矢を防いでいると、犬の動きが何かに苦しむような感じで鈍り始めた。
よし!!今ならいける。
「いくぞ!!ジッチャン直伝『天地両断』」
大地を踏みしめ思いっきり飛び上り、近くの子犬に対し木刀(光の矢付き)を振り下ろす。
そして着地と同時に木刀(光の矢付き)を横へと払った。

137 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 15:48:21 O
>112 >123 >126
小犬の起こした爆発は、ユリが思っていたよりも強力だった。
だが、その炎と風の猛威をヴァンエレンはすべて防ぎきる。
「スゴー!!」
ユリはそんなヴァンエレンに感心しながら、爆発の被害を手帳に書き留めた。
>「お、おいヴァンエレン……だ、だいじょう……うわっあわわっ!」
「おおっとっと!」
急に足場となっていたヴァンエレンの使い魔が消え、ユリは慌ててデッキブラシをつかむ。
ふわふわと飛行魔法を使って降りながら見れば、地面に当たる瞬間にヴァンエレンが灰となった所だった。

>「ヴァンエレン!しっかり足場作って無いとダメ……じゃ…」
「あー!ヴァンちゃんが灰になっちゃったー!!」
驚いたユリは急いで地面に降り立つ。
「えーっと、灰になった吸血鬼って、どうやって復活するんだったかな…」
ユリは急いで手帳に何事か書き込み、飛び散ったヴァンエレンの灰を集め始めた。

>「そんなに恋しいとあらば仕方あるまいて。(中略)
> いずれにしても闇の眷属には向いとらんのう。そうは思わんか?ユリ殿」
「もちろん!ヴァンちゃんは身体は闇の眷属でも、心はマオマオといつも一緒のフィジルの住人だからね!」
えっへんと自分のことのように胸をはってから、ようやくマオの手の中にいるコウモリに気づいく。
「あ。これってヴァンちゃんの使い魔?それとも本人かな?」
そう言って、しゃべらないかとコウモリをツンツン指で突っついた。

リチャードは飛び散ったヴァンエレンの灰を魔法で集め、儀式に必要な材料をそろえてくると言って立ち去ろうとする。
>「ユリ殿はどうなさるおつもりかのう?」
「私は一度『でいりぃ・ふぃじる』本部に戻って連絡を入れてきまーす。
 それではみなさん!また会う日までさよーならー!」
ひらりとデッキブラシに乗って飛び去りかけたユリだが、何を思ったかUターンしてマオの所に戻ってきた。
「これ、信頼できる情報筋から集めた、ヴァンちゃん復活の儀式の方法だよマオマオ!
 ヴァンちゃんが復活したら私がお礼言ってたって伝えてね!じゃ!」
手帳から一枚紙片をちぎり取り、マオに押しつけてから今度こそ本部に戻っていくユリ。
渡された紙片には、ユリの言う『信頼できる情報筋』からの情報が書かれている。

Q・友達の吸血鬼が灰になっちゃった!
  復活の儀式って、灰と水を混ぜ合わせてよくねるで合ってたかな?
A・ ささやき いのり えいしょう ねんじろ!
A・灰と血に加えて、アンデッド属性の素材も混ぜないとダメだよ
A・棺桶に灰を戻して34〜26秒待つ(10秒で復活する個体もいるらしい)
A・灰を三つに分け、それぞれを風に散らし、土に埋め、川に流す

138 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 19:51:28 0
>137
「ユリ殿はもう行かれたようじゃの。マオ殿、準備は出来ましたかな?」
ロウが大量の焼き鳥と飲み物をもってマオの所へ戻ってきた。
ロウはマオをテーブルに座らせると、目の前に買って来たらしいハーブティを置く。
「ほほう、記者だけあってユリ殿は情報収集力は並々ならぬものがあるのう。
 今日はこの一番目と二番目を使いましょうぞ」

ロウは自分の前にはアイスティーのカップを置いた。
だがマオの分はともかく、ロウのアイスティーは飲むためのものではない。
「では、そろそろ始めましょうかな」
ロウは大量の焼き鳥を次々アイスティーに浸し始めた。
だが別に乱心したわけではない。
「あの焼き鳥屋、超高級な塩を使っておりますな。
 アンデット属性の塩の実物などわしも初めて見ましたぞ。
 じゃがまあ、さすがに塩だけ分けてくれというのでは怪しすぎるのでな
 ほれ、こうして紅茶の中へ儀式に必要な成分を抽出しているわけじゃよ。ほっほっほ」

「さて、こちらの仕込みはこれで完了じゃ。
 次は、この灰にカップの中身を混ぜてかき混ぜるのじゃ。少しづつな」
ロウは灰に紅茶だったものを注ぐと、アイスティーについていたマドラーで混ぜるよう言った。
「混ぜにくいならこれを使ってくれても構わんぞい」
そういってロウが差し出したのは、先刻使った焼き鳥のうちの一本だった。

「マオ殿、終ったらこちらに来てくだされ。儀式を始めましょうぞ」
そう言ってロウは、マオを中庭の隅へといざなった。
人が集まる屋台から離れているため、このあたりは人通りもまばらだった。

ロウは空中に杖で魔法陣を描いた。すると、足元に四角い箱が出現した。
「本当は棺桶がよいのじゃが、あいにく場所を知らんのでな。
 ちなみにこれは、電子レンヂと呼ばれるマジックアイテムじゃ。
 ささ、マオ殿。この中にヴァンエレン殿の灰が詰まった瓶を入れてくだされ。
 そして蓋を閉めたら、横のつまみを回してスタートボタンを押すのじゃ!」
成功すれば電子レンヂが爆発し、ヴァンエレンは復活を果たす筈である。
「さあマオ殿、ヴァンエレン殿のために祈り念じてくだされ。
 吸血鬼殿が無事にマオ殿の元へかえってこれるようにとの。ほっほっほ」

果たして、我らがヴァンエレンは無事復活できるのだろうか?

139 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 20:01:19 O
>120-122 >124-125 >127-136
>「うぉっ?マジかよ。ていうかでけーな、おい。」
こちらに走ってくる犬は、よく見れば牛サイズで尾が六本。
目尻に赤いアイシャドー。
誰だよ襲ってきたのが小犬とか言ったの!
てか絶対犬っぽい別の生物だろあの生き物!
飛びくる光の矢は、何も知らない生徒達の張った障壁をすり抜けてその身体を傷つける。
別の生徒は尻尾で、あるいは巨体の体当たりではね飛ばされる。
どのみちあたしの障壁なんか意味ないけど、本当に障壁突き抜ける攻撃かよ。
正直疑ってかかってたけどこれはちょっとまずいかも…


>『クロォォォォォウ!!!』熱血副会長の叫ぶ方を見れば、クロウがお化け犬の尻尾で校舎の壁に叩きつけられていた。
げげげ、これはちょっとどころじゃないくらいピンチ…
周りに生徒がいるからあたしのメギドは使えないし、早く逃げた方がいいかな…
>「ちょっとそこの人間の下僕哀れで卑しい犬っころ!この私、氷結姫フリージアがお相手いたしますわ!!」
「フリージア!?どこにいるの!?」
キョロキョロ見回すと、なぜか一際高いところからこちらに叫ぶフリージアの姿が。
「なんでそんな高い所にいるんだ!?下に降りてこい下にーっ!!」
>「フリージア!そいつに魔法障壁は通じないわ!ついでに私たちの言葉もね!!」
>「お〜ほっほっほっほ!魔法障壁が駄目なら氷の盾で防げばいいのよ!!」
「だから下に降りてきて氷の盾で防いで欲しいんだよーっ!!」
ダメだー!この状況じゃフリージアの助けは期待できん!

「王様!ちゃっちゃとこの場を離れますよ!王様ーっ!」
腑抜けた顔でボケーッとしているスクナを揺さぶっているうちに、お化け犬はレベッカの前に止まる。
光の矢で攻撃されたらスクナを盾にせざるを得ないと考えるあたしだけど、なぜか犬はレベッカを攻撃しなかった。
いや、むしろ仲良さそうに話しかけてるような…
レベッカもレベッカで普通に話しかけてるし…
間違いなくこいつら知り合いだよな…

あたしがレベッカへの疑念を強めているうちにも、周りの生徒は反撃を始めていた。
ケオスと副会長の放つ攻撃が巨大犬に迫る。
>「レベッカよ。ペットの躾は飼い主の責任じゃぞ?」
「なんでそんなに急にキャラ変わってんのよ!?
 しっかりしろ お う さ ま―――っ!!」
>「どーどー、王様。危ないから離れてような。
> ていうか俺達が犬のそばにいるのに攻撃するなっての。」
どこに問題があるのか全く分からないけど、完全にキャラが変わっちゃった王様。
その緊迫感ゼロの王様を、危ないからと避難させるレベッカ。
やっぱりレベッカは、少なくとも敵じゃないんだ。
あたしの見ている前で、ケオスと副会長の攻撃が犬の巨体に直撃する。
倒した?あれだけの攻撃が当たれば、少なくとも無傷じゃないはず…

炎の中、犬はまた何事か叫ぶ。
>「また犬語――――じゃなかった、中つ国語!
> レベッカさん、今あの犬は何て言ったの・・・・・・・・うわっ?!」
炎の中から飛び出したのは六匹の犬。
六匹の犬は、それぞれ苦しむ被害者たちの近くを走りながら、光の矢を打ち出す。
でもその矢は決してこちらには飛んでこない。
たぶん、正確に言えば、レベッカの所には飛んでこない。
急に苦しみだした犬にクロウが切りかかるのを見ながら、あたしはレベッカに近寄った。
「で、レベッカ?何か弁明する事はないわけ?
 さっきあんたは、犬はたまたま拾っただけで無関係って言ってたわね。
 でも、犬と仲良くお話して、すこしも攻撃の的にならないで。
 あんたと犬が関係あるって状況証拠が、山積みになってきてるんだけど?
 ペットかどうか知らないけど、あの犬を止めないと連帯責任であんたが損害賠償を払う事になるわよ」

140 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/16(日) 09:10:53 0
>132
>「どーどー、王様。危ないから離れてような。
「ああ〜・・余のプリン・アラ・モ〜ドがぁ〜。」
名残惜しそうな声を残し、レベッカに引きずられていくスクナ。
そして起こる大爆発。
ケオスの光の矢と副会長の炎が妖怪犬を包み込んだのだ。

レベッカに引きずられてこの場を離れるのがもう少し遅かったらスクナもあの爆炎の中にいたであろう。
そう考えると身震いもする、筈なのだが、そうは考えていなかった。
考えるのはプリン・アラ・モードの事のみ!
赤貧育ちは伊達じゃない!
食べ物やお金の大切さは身に刻み込まれているのだ。

名残惜しそうに爆炎に突き出していた手からは一本の包帯が伸びている。
六つに分裂した妖怪犬が爆炎から飛び出した後、するすると引き抜かれる包帯。
その先にはプリン・アラ・モードが包まれていた。

無事に戻ったプリン・アラ・モードを手に満足気なスクナ。
周囲は修羅場と化しているのだが、まるで眼中にないかのように。

>ペットかどうか知らないけど、あの犬を止めないと連帯責任であんたが損害賠償を払う事になるわよ」
「ま〜、そうポンポン言うものではないぞ?
ほれ、可哀想に、余のプリン・アラ・モ〜ドもぷるんぷるん震えてしまっておるわ。
ペットの不始末は飼い主の不始末ではあるが、力なき者が倒れるのも自然の摂理。
ここは一つ余のプリンを分けてしんぜるから落ち着くが良いぞ?」
レベッカに詰め寄るミルクにプリンを一掬い差し出しながら満足気に微笑みかけるのであった。

天女ブラのお陰でどこまでも間の抜けた格好とヘボヘボな脳ミソになっているのだが、それでもどこかしら王である意識は残っていたようだ。
自分では大岡裁き!のつもりなのだ。

141 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/16(日) 17:22:21 0
>126 >137
>「――――ヴァンエレン殿は果報者。危うく命拾いなさったようじゃな」
「ぐすっ……なにを言ってるんだ?灰になって散ったのが見えなかったのか?」
言っていることがいまいち分からず僕はリチャードの訊く。
そして急に頭をなでてきたリチャードの手を払いのけながら宙に舞っている灰を見つめる。
だいたい、こいつがヴァンエレンにあんな無茶させなかったら死ななかったんだ。
「なにが果報者だ!おまえが殺したくせによくそんなこと言えもんだ!!」
もう我慢ならない!客分だろうが雷で焦がしてやる!
しかし、リチャードは僕の顔の前に手を出しステッキで魔方陣を描いた。
>「まあまあマオ殿、少し落ち着きなされ。
>ほれ、マオ殿がお持ちのそれ、そこに使い魔が残っておるではないか。
>これはつまりどういう事か、エリートのマオ殿はまだお分かりにならんかのう?ほっほっほ」
「……あ、ああもちろん分かってるさ。僕はエリートだからな」
頭に?マークしか浮かばないがとりあえず仕方ないので相槌を打っておく。
どうやら何か考えがあるみたいだからひとまずここは何もせずに見ていることにする。
リチャードは何やらガラス瓶を取り出し蓋を開け、散っている灰を瓶へと吸い込ませて蓋をする。
>「では ――――マオ殿、これでわしに貸し一つじゃよ?」
瓶を僕に渡し一つ貸しだという、ヴァンエレンを僕たちの前に放り出さなければ
そもそもこんな死んでないというのに!怒りでギリギリと奥歯を鳴らす。

>「今から吸血鬼殿を復活させましょうぞ。。
>マオ殿、もし少しでも早く元の姿に戻したいのならば、この瓶にマオ殿の血を注いでくだされ。
>ではわしは儀式に必要な材料をそろえてくるとしようかの。ほっほっほ」
「え!?復活できるのか!?………フッ、ま、まあ最初から分かっていたけどな。
 まあ僕はエリートだから…!そんなこと分からないはずないだろ?
 さっき泣いたのもまあ主人として少しは悲しんでやらないとあいつも浮かばれないと思っただけさ。
 そ、そう!それに泣いておいたほうが後で復活したときにこう感動の再会というかそういうのを演出できると
 思っただけで決して本心から言ってたわけではなくて、大体この学校においてあの程度のことなど(ry」
とりあえず恥ずかしさを隠すために色々と言いながら自分の指を噛み血を瓶に入れる。

>「私は一度『でいりぃ・ふぃじる』本部に戻って連絡を入れてきまーす。
>それではみなさん!また会う日までさよーならー!」
どうやらユリは用事ができたようでデッキブラシにまたがり、
どこかに飛んで…いくと思ったらこっちに戻ってくる。
>「これ、信頼できる情報筋から集めた、ヴァンちゃん復活の儀式の方法だよマオマオ!
>ヴァンちゃんが復活したら私がお礼言ってたって伝えてね!じゃ!」
どうやらヴァンエレンを復活させる情報を置きにきたらしい。
手帳の一枚をちぎり僕に渡してくる。まああいつは好きじゃないがもらっておいてやるか。
「ありがとう。ヴァンエレンにもお前が礼を言っていたと伝えておく」
飛んでいくユリに礼をいい渡されたメモ用紙に目を通していく。
…………なんだかえらく簡単なのもあるんだが本当にこれ
信頼できる情報筋とかいうのから引っ張ってきたものなのかな?

142 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/16(日) 17:23:43 0
>138
>「ユリ殿はもう行かれたようじゃの。マオ殿、準備は出来ましたかな?」
紙に書いてあった方法でどれが一番信憑性が高いのか考えていると
リチャードが返ってくる、飲み物とつまみなのか焼き鶏を大量に持って……
くっ……こんなやつ信用すべきじゃなかった。

僕が雷を掌に作り出しているとリチャードは僕をテーブルに座らせる。
そして何かを置く、なんだこれは……この香り…ハーブティー?
とりあえず出されたから口にする。温かく広がるハーブの香りがとても気持ちをリラックスさせて……
「ってそうじゃなくて!!なんで大量の焼き鶏なんだ!?」
こんなものでダマされるか!なんで焼き鶏なんて買ってきたのか問いただしてやる!
>「ほほう、記者だけあってユリ殿は情報収集力は並々ならぬものがあるのう。
>今日はこの一番目と二番目を使いましょうぞ」
ん?どうやら本気で復活させる気なのか?……しかし大量の焼き鶏と飲み物で、
一体何ができるっていうんだ。だいたいしかも一番と二番の方法を選んでいるし。
というかこのリチャードという人物、どんどん怪しさが増していくぞ……
今度は飲むわけでもなくアイスティーを今度は自分の元へと置いてそこに焼き鶏を浸し始めるし。

「あうぅ、だめだこんなやつに任していてはヴァンエレンは……」
にこにこしながら焼き鶏をアイスティーに浸し続けるリチャード。
それを見てうなだれる僕。僕はもう限りなく絶望の淵に追いやられていた。
>「あの焼き鳥屋、超高級な塩を使っておりますな。
>(中略)
>ほれ、こうして紅茶の中へ儀式に必要な成分を抽出しているわけじゃよ。ほっほっほ」
「な、なんだって!!ってことはその塩……死王の……」
酷いことを聞いてしまった!だがそれが本当なら確かに
アンデットの素材だからさっき渡された復活のためのキーアイテムとなりうる!
……紅茶やタレなど余計な成分がかなり多くはいっているのは気になるが。



143 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/16(日) 17:24:42 0
>「さて、こちらの仕込みはこれで完了じゃ。
>次は、この灰にカップの中身を混ぜてかき混ぜるのじゃ。少しづつな」
「よ、よし分かった!混ぜればいいんだな?」
灰と僕の血と焼き鶏のタレとアイスティーの謎の混合物を
僕はアイスティのマドラーでかき混ぜていく……灰などが入っているためかなかなか混ざりにくい。
>「混ぜにくいならこれを使ってくれても構わんぞい」
その様子を見ていたのか焼き鶏を差し出すリチャード。
死王の塩を増やすという意味でも僕は焼き鶏を受け取り瓶の中につっ込みかき混ぜていく。

>「マオ殿、終ったらこちらに来てくだされ。儀式を始めましょうぞ」
なんだかいろいろと混ざりすぎて群青色の謎の気持ち悪い液体になった。
ま、まあほどよく混ざったには違いないので瓶の蓋を閉めてリチャードについていく。
屋台から離れたところまで来るとリチャードは魔法陣から謎の四角い箱を召喚する。
>「本当は棺桶がよいのじゃが、あいにく場所を知らんのでな。
>(中略)
>そして蓋を閉めたら、横のつまみを回してスタートボタンを押すのじゃ!」
「電子レンヂ?……よく分からないけどこれに入れればいいんだな?」
なんだかよく分からない箱の中にさっきの群青色の気持ち悪い液体を置き、蓋を閉める。
「それで、このつまみを回してスタートボタンを押せばいいんだな?」
スタートを押すと謎のジジジジジという音が鳴りながら中の瓶がゆっくりと回りはじめる。
しかしこれはどういう原理で動いているんだろうか……マジックアイテムなら
僕もコレクションで結構集めているがこんなのは見たことがない……
>「さあマオ殿、ヴァンエレン殿のために祈り念じてくだされ。
>吸血鬼殿が無事にマオ殿の元へかえってこれるようにとの。ほっほっほ」
「え?……あ、ああ分かった!念じればいいんだな」
リチャードの言葉で我にかえり電子レンヂから目を離し手を組み祈る。
――――ジジジジジッ!!
さっきからこの電子レンヂとかいうのの始動音が五月蠅いが今は集中、集中だ……
(……ヴァンエレン、なんだか変な噂も流れていてあれからほとんど会ってなかったけど)
――――ジジジジジジジ!!
「あーもううるさい!!とにかくヴァンエレン!おまえは僕の下僕なんだ!
 僕が一番ヴァンエレンをうまく使えるんだ!!
 どんな形でもいいからとりあえず黄泉還れヴァンエレーン!」
あまりのうるささに祈るのをやめ大声で叫ぶ!!
その時!電子レンヂが爆発し煙の中から何かが現れた!! 

144 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/16(日) 18:48:20 0
>134>135>136>139>140
> 『や!め!な!さ――――――――――――っ!い!』
> 子犬全員がうるさくて身動き取れなくなれ!とばかりに、リリアーナは最大出力のテレパシーを送信した。
リリアーナの発したテレパシーはやはり有効だった。
妖怪子犬達は苦しみ、先程のように素早く動くことができなくなった。
> 「いくぞ!!ジッチャン直伝『天地両断』」
クロウの攻撃が一匹の子犬に直撃した。残りは5体である。
クロウの後ろから来た一匹が、苦しみながらも尻尾を振り回し、背中を叩いた。
しかし、その一匹もフリージアの放った雪の結晶で凍ってしまった。残り4体。
例え的が小さく、人質のまわりに居ても、素早さを失った子犬を魔法で狙撃する事は、
2等過程の生徒であれば造作も無いことだった。
このまま順調に子犬を駆逐できるかと思われたが…

> 「で、レベッカ?何か弁明する事はないわけ?
>  さっきあんたは、犬はたまたま拾っただけで無関係って言ってたわね。
>  でも、犬と仲良くお話して、すこしも攻撃の的にならないで。
>  あんたと犬が関係あるって状況証拠が、山積みになってきてるんだけど?
>  ペットかどうか知らないけど、あの犬を止めないと連帯責任であんたが損害賠償を払う事になるわよ」
レベッカはそれどころではなくなっていた。
「ちょ、待て、俺それどころじゃねーし。」
実はリリアーナが子犬にテレパシー攻撃を開始したとたん、レベッカも子犬と一緒に苦しみだしたのだ。
> 『♪びゅーんびゅーん♪びゅーんびゅーん♪わたーしの彼は箒ー乗りー♪』
リリアーナがテレパシーで歌い始めた時、我慢の限界をこえたレベッカの目がカッと開いた。
そのとたん、魔力に敏感な者はレベッカの魔力が上がったことに気づくだろう。レベッカは魔力を隠していたのだ。
「ゴージャス、デリシャス、デカルチャー!」
そう叫びながらレベッカは、『自分の箒に♪お熱なの〜♪』と歌うより前にリリアーナに走りより、彼女の頭を叩いた。
リリアーナはテレパシーを中断せざるおえなくなるだろう。

「は〜、やっと落ち着いた。で、ミルクなんの話だったか?
 俺とお前と王様で3Pする話だったか?」
レベッカはのんきにそう言った。もちろん、テレパシーが無くなって元気になったのはレベッカだけではない。
妖怪子犬達が、再び光の矢で猛威をふるい始めたのだ。しかし、先程とは明らかに違う事が一つだけあった。それは…
「どぅあ?ああ?うぇええ?」
レベッカの頭にグサリと光の矢が突き刺さった。そう、今度はレベッカまでもが攻撃対象になってしまったのである。
理由は簡単だ。レベッカは先程まで魔力を隠していたが、今はそれを開放している。
妖怪犬から、一人前の魔法使いと認知されたのである。
「性欲を持て余す…」
レベッカは最後に一言そう言うと、仰向けにバタンキュ〜と倒れてしまった。

145 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/16(日) 22:20:41 0
>144
ミルクとレベッカを仲裁しようとプリンを一掬い差し出すスクナであったが、事態はそれど頃ではなくなった。
いや、元々それどころではない状況なのだが・・・。
リリアーナのテレパシーに苦しみだしたレベッカが目を見開きリリアーナの方へと走っていってしまったからだ。

> 俺とお前と王様で3Pする話だったか?」
リリアーナの頭を叩きテレパシーを中断させたレベッカが戻ってきて暢気そうに口走る。
勿論その意味がわからないほどスクナは子供ではない。
ボヘボヘの脳ミソでもそのくらいは判るのだ。
「そういう話じゃったのか!積極的じゃのう。
女の口からそこまで言わせておいて恥をかかせるわけにも行くまい。
余としても吝かではないしの!」
顔をにやつかせながらも食べ終わってプリンアラモードの器をテーブルに置き、術式を展開させていく。

両手に巻かれた包帯がするすると解かれていき、あれよと言う間に天蓋付きベッドが中庭に作られていく。
勿論サイズはキングサイズ。
ベッドが出来上がったところで、レベッカがバタンキュ〜と倒れこむ。
>「性欲を持て余す…」
勿論妖怪犬の光の矢を頭に受けて倒れたのだが、タイミングと場所だけにスクナはそうは思わなかった。

その後も光の矢は次々と飛来するのだが、天蓋からベッドを覆う幕に突き刺さるのみで貫かれる事はなかった。
「レベッカは、せっかちじゃな!
ほれ、ミルク。待たせては悪いし、我らも行こうぞ。
即席ではあるが回転機能もあるぞよ〜。」
周囲の状況もお構い無に鼻の下を伸ばしながらミルクの手を引きベッドへと入ろうとするのであった。

146 名前:ヴァンエレン・ブランカート ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/11/16(日) 23:53:15 0
「ヴァンちゃんや。
 おきなさい」
草原の上でアホ面浮かべながらクソ気持ちよさそうに寝ているヴァン。
太陽がテッカテカの中でのことなので、これは夢の中のことなのだろうが…へんちくりんな動物がいたりしていささか理解に苦しむ。
寝ぼけ眼で立ち上がるヴァンが見たものは…やけにマッチョでパンツ一丁の妖精さんだった。
「あ、あ…変態だぁああぁぁ!」
「落ち着きなさい、っていうか引かないで!」
逃げまどうヴァンをはぁはぁと息遣いを荒くしながら飛びながら追いかけていく様はまさに地獄絵図。
「わたくし本日ヴァンちゃんの未来を占うために参りました!だから逃げないで!」
その言葉を聞いて逃げる足がピタリと止まり、ギギギと音を立てて首を妖精に向ける。
「ほ、本当なのだな?
 では妖精よ…私の未来を占ってくれ!」
「ではさっそく……うわぁ」
意気揚々と鼻息を荒くして妖精は占いをして…その結果に完全に引いていた。
「私の未来に一体なにがあったぁ!?」
「いや、うん…生きていればそのうちイイコトモアルヨ…たぶん」
最後が棒読みになるくらいに絶望的な未来…はっきり言って想像ができない。
そんなのいやだぁぁぁという魂の叫びが木霊して、どうやらこの夢は終わりを迎えた。

>137>138>143
ユリはヴァンちゃん復活の儀式を前にして『でいりぃ・ふぃじる』本部に戻るといってデッキブラシに乗って空を駆けていってしまった。
残されたマオとリチャードが焼き鳥のタレ(死王の塩入り)とヴァンの灰、さらにはマオの血を混ぜて吸血鬼復活を試みている。
『ねればねるほど色が(ry
青色なんちゃらと名がつきそうなほどの不自然な色になった液体が生成された。
そして儀式は最終段階に入り、リチャードは四角い電子レンジというものを召喚した。
>「さあマオ殿、ヴァンエレン殿のために祈り念じてくだされ。
>吸血鬼殿が無事にマオ殿の元へかえってこれるようにとの。ほっほっほ」
マオはただヴァン復活を祈ってスタートボタンを押すと、音を立てながら液体入りの瓶が回り始める。
>「あーもううるさい!!とにかくヴァンエレン!おまえは僕の下僕なんだ!
>僕が一番ヴァンエレンをうまく使えるんだ!!
>どんな形でもいいからとりあえず黄泉還れヴァンエレーン!」
ドカーーーーーーン!
終わりと同時に電子レンジは爆発して、モクモクと黒い煙が立ち上る。
そして煙から飛び出してきたちっこい物体、そいつがマオの足に抱きついて顔をうずめている。
「うー」
怖い夢を見てしまって涙目になっているちっちゃいヴァンエレンでした。
ぎゅっ、と掴んで決して離さないで何も言わずにじっとマオとリチャードを交互に見比べている。

147 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 17:02:10 0
>143 >146
>「あーもううるさい!!とにかくヴァンエレン!おまえは僕の下僕なんだ! 
>僕が一番ヴァンエレンをうまく使えるんだ!! 
>どんな形でもいいからとりあえず黄泉還れヴァンエレーン!」 
> ドカーーーーーーン! 
>終わりと同時に電子レンジは爆発して、モクモクと黒い煙が立ち上る。 
中から飛び出してきたのは、小さな子供だった。
涙目の子供は、マオの足に抱きついて顔をうずめている。 
>「うー」 
ぎゅっ、と掴んで決して離さないで何も言わずにじっとマオとリチャードを交互に見比べている。 

ロウは自分の上着をヴァンエレンの肩にかけてやった。
「とりあえず着替えは必要ですなあ」
「さて吸血鬼殿、お名前とお年をいえますかな?
 それと、今までにどんなことが起きたか覚えていらっしゃいますかな?」
ロウはヴァンエレンの返事を聞いた後、ほうほう、と頷いた。

「どうやらヴァンエレン殿は、相当魔力を消耗しておったようですな。
 やはり使い魔蝙蝠も一緒に電子レンヂに放り込むべきだったかのう?
 まあ今となっては手遅れというところでしょうな、これは申し訳ない、ほっほっほ」
謝罪している割には、申し訳なさのカケラもない口調だ。
「まあ今は少ない魔力でやりくりする魔力節約モードのようなものですな。
 やがて魔力が戻れば、本来の姿に戻れるでしょうぞ。
 まあこれでヴァンエレン殿とマオ殿は晴れて主従の間柄ですな。やはり吸血鬼には枷・・・・・いやいや。
 お二方、末永くお幸せにですな、ほっほっほっほ」

そこまで話したロウは、ふと露店の立ち並ぶ向こう側――――中央あたりがやたら騒がしい事に気づいた。
「なんじゃ?やけに騒がしいのう。さては新しいアトラクションでも始まったかの?」
アトラクションにしては、悲鳴や怒号、何かが壊れるような音ばかり聞こえてくる。
なにやら物々しい雰囲気だ。


148 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 18:59:25 O
>140 >144-145
>「ちょ、待て、俺それどころじゃねーし。」
リリアーナがテレパシーで犬を説得し、犬が苦しみだしたのと同時に、なぜかレベッカも苦しみだした。
確かにリリアーナの大声テレパシーはうるさいけど、そんなに苦しむようなものじゃない。
演技…って感じじゃない苦しみかただけど…
あの犬と同じような特殊感覚持ちなのか?
>「ま〜、そうポンポン言うものではないぞ? (中略)
>ここは一つ余のプリンを分けてしんぜるから落ち着くが良いぞ?」
「食べかけプリンなんかいりません。
 というか、この状況でなんでそんなに落ち着いていられるんですか」
いくらなんでも変わりすぎだよな王様…
ぶっ倒れるまでは普通っぽかったのに…
なにがまずかったんだ?レベッカの胸か?頭に乗せたブラか?

あたしがボケボケ王様の相手をしていると、苦しんでいたレベッカが急に走り出した。
「あ!ちょっとどこに…!」
>「ゴージャス、デリシャス、デカルチャー!」
「あぁ―――っ!?」
なんと!レベッカの奴はリリアーナの頭を殴って、犬を苦しめていたテレパシーを中断させやがったのだ!
あまりに突然の利敵行為に、あたしが口をパクパクさせていると。
レベッカはすっきりした顔で戻ってきて言った。
>「は〜、やっと落ち着いた。で、ミルクなんの話だったか?
> 俺とお前と王様で3Pする話だったか?」
「言ってねーよそんな話!いつ誰がそんな事言ったよ!?」
>「そういう話じゃったのか!積極的じゃのう。(中略)
>余としても吝かではないしの!」
「そんな事は言ってないって言ってるでしょうが!
 こらレベッカ!あんたのせいで話がややこしく…!」
何を勘違いしたかベッドを作り出した王様を止めるためレベッカに怒鳴ったとき、レベッカの頭に光の矢が突き刺さる!
>「どぅあ?ああ?うぇええ?」
「え?ええええぇ!?」
な、なんで!?なんでいきなり犬に攻撃されてんのよ!?
>「性欲を持て余す…」
レベッカはそう言ったっきり倒れてしまった。
イミフな言葉にツッコミたい所だけど、あれは重傷だよね!?
ひょっとして、ひょっとしたら、これってまずいかも!?
>「レベッカは、せっかちじゃな!
>ほれ、ミルク。待たせては悪いし、我らも行こうぞ。
>即席ではあるが回転機能もあるぞよ〜。」
「……っ!! ア ホ な こ と 考えるな―――――っ!!!」
あたしは王様の手を振り払い、怒りにまかせて鉄拳を頭に振り下ろす!
何が回転機能だ何が!
ベッドなんぞ回転させてる暇があったら頭を回転させてろ!頭を!!

怒りを静めるためにゼハゼハ肩で息をしていると、ボスボス変な音がしてるのに気づいた。
見れば、天蓋から降りる幕に次々突き刺さる光の矢が。
こ、これはベッドを王様が作ってなかったら大変なことになってたような。
「うわわわ。このベッドって消えたり壊れたりしないんでしょうね!?」
急いでベッドに上がると、レベッカがまだ倒れてた。
う…。何か手当をした方がいいよなやっぱり…
シーツでも巻きつけるべきか?いや、もっと良いものがあったぞ。
「王様、ちょっと包帯貸してもらいますよ」
あたしはスクナの頭からブラ型包帯をむしり取り、レベッカの頭に巻き付ける。
相変わらず変態にしか見えない手当の仕方。
でもレベッカって変態っぽいからいいよね?

ベッドの外では、4体の犬が走り回りながら光の矢を撃ち込んでいる。
あの動きさえ封じれば楽に倒せそうなのに!
「そうだ王様。さっき包帯を伸ばしてプリン掴んでましたよね?
 あんな感じで、犬の動きを封じられないんですか?」

149 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 23:15:39 0
>148
>「……っ!! ア ホ な こ と 考えるな―――――っ!!!」
「ぐふうう!?な、殴ったね?親父にも蹴られた事しかないの・・・に・・・。」
ベッドに引き入れようとしたところでミルクの堪忍袋の緒が切れた。
鉄拳を頭に振り下ろされたスクナは意味不明な言葉と共にレベッカに続きスクナもベッドに倒れこむ。

ミルクがブラ型包帯をレベッカの頭に巻きつけている其の背後で異変は起こっていた。

スクナの頭には大きなタンコブができており、煙を上げている。
その煙は天蓋に溜まり、急速に形を整えていく。
大きな槍を手に携える勇ましい女武者の姿へと。
「予兆精霊!百旗丸推参!
ベタ流オヤクソク術奥義其の弐!H・A・N・A・O・T・O・K・O!!」
突然現われた百旗丸は槍を力いっぱいスクナへと投げつけた。
倒れているスクナに槍を避ける術もなく、胸を貫かれる。
スクナを串刺しにした槍の柄からは旗が広がった。
そう、槍に串刺しにされたのではなく、旗を突き立てられたのだ。

その一連の出来事を見届けた百旗丸は満足気に頷くと形を崩し消えていった。
同時に旗も消え、貫かれたはずのスクナには傷一つも残ってはいなかった。

>「そうだ王様。さっき包帯を伸ばしてプリン掴んでましたよね?
> あんな感じで、犬の動きを封じられないんですか?」
ミルクの声に反応し、カッと目を見開いたスクナがバネ仕掛けのように起き上がる。
「余に手を上げ諌めるとは・・・
喜べミルク。お前を余の妃にしてやろう。
これからは王などと呼ばずスクナと呼び捨ててもよいぞ?いや、むしろ呼び捨ててくれ。」
ミルクの手を握り熱い眼差しをじっと送り一方的な愛の告白(?)をぶち上げるのであった。
ちなみに、諌めるというのは、このような状況でふざけるな、というミルクの意図とはかけ離れ、3Pなんて嫉妬に狂いまくり!と解釈されている事は言うまでもない。

ここで解説しよう。
スクナのこの態度の豹変は殴られて喜ぶ特殊性癖があったというわけではない。
東方には様々なオヤクソクという名の絶対法則がある。
その中の一つが、【権力者は権力に怯まず諌める女に惚れる】と言うものがある。
もはやインプリンティングにも近いその法則はスクナといえども逃れる術はないのだ。

天女のブラがはずれ、更にはミルクに惚れた状態のスクナは先程とは違ってやる気に漲っていた。
ただでさえ人の話を聞かず見栄っ張りなのに、それに一層輪をかけた状態になっているのだ。
「まあまあ、皆まで言うな!わかっておる!
力無き者が倒れるは自然の摂理なれど、そういう者どもも導くのが王たる役目よ!」
何がわかっているかは謎だが、口を開こうとするミルクの言葉を強引に遮りベッドから出て行く。

「いよぉし!ミルクよ!余のカッコいい所をしっかり目に焼き付けておけ!
犬どもを拘束するのは素早くて骨だが、逆に考えればこれでもよいはずであろう?」
両手両足を広げ立つスクナのそこかしこから無数の包帯が放たれる。
が、勿論素早い動きの犬を捉えるには至らない。
いや、至らなくていいのだ。
元々犬を捕らえるつもりはない。

包帯は周囲に倒れ呻く生徒達をミイラの如く包み撒いていく。
「そおおおりゃ!これぞ王の道よ!」
周囲の倒れた生徒達を包み込むと、地引網の如くスクナが包帯を引っ張りベッド周辺へと集めたのだ。

「さあ者ども、存分にやるが良い!」
人質状態になっていた生徒達は一箇所に集められ、妖怪犬の周りには何もなくなった。
天高く掲げた手を厳かに振り下ろし、高らかに宣言するのであった。

150 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 23:17:03 0
>144-145
>リリアーナの発したテレパシーはやはり有効だった。 
>妖怪子犬達は苦しみ、先程のように素早く動くことができなくなった。 
>クロウの攻撃が一匹の子犬に直撃した。残りは5体である。 
>クロウの後ろから来た一匹が、苦しみながらも尻尾を振り回し、背中を叩いたが 
>その一匹もフリージアの放った雪の結晶で凍ってしまった。残り4体。 
このまま順調に行けばじき全部の子犬をやっつけられそうだったけど、そうは問屋が卸さないのである。

ちなみにリリアーナが歌っているのは、伝説の歌姫の曲だ。
なんでもこの歌姫は歌で戦争を終らせたらしいが、もちろんリリアーナにそんな力はない。
単に妖怪犬がテレパシーを苦手としているだけである。
『やーさーしくー♪そっと♪さらって欲ーしいー♪彼と一緒にー♪ラブ飛行ー♪』
>「ゴージャス、デリシャス、デカルチャー!」 
『アイラービューユー・・・・ふぎゃっ?!』
レベッカはものすごい勢いで走ってきたかと思うと、その勢いのままリリアーナの頭を叩いた。
「なっ・・・・・何で〜〜〜〜〜ッ!!』
リリアーナは涙目でしゃがみこむと、叩かれた痛みが通り過ぎるのを待った。
だが待ってくれないのは、妖怪犬である。

リリアーナが立ち直る頃には、元気を取り戻した妖怪犬がまた光の矢を山ほど出現させていた。
そして、地味に効くテレパシー攻撃を仕掛けてきたリリアーナをこのまま見逃してくれる筈もなかった。
「嫌――――っ!こっち見ないで来ないで狙わないでキャ―――― ッ!!」
このままでは周りの負傷者まで巻き添えにしてしまう!
そう考えたリリアーナはじりじりと後ずさりした後、くるりと背を向けに全力で逃げ出した。
「わーん!副会長さーん!クロウさんにフリージア!!レイド先生〜!ケオスさーん!
 お願いだから誰か助けてーっ!!」
そうは言ったものの、負傷したクロウのフォローにはきっと副会長だろう。
マンダも治療を施している以上、今のリリアーナを助けられる人間はそう多くはなかった。
だが、ある程度的がリリアーナに絞られれば、その分攻撃を読みやすくなる。
リリアーナにとっては飛んだ災難だが、あながち悪い事ばかりでもなかった。

>140  >148
視界の隅にいきなりベッドルームが出現した。
リリアーナは、ベールは矢を完全に貫通してない事に気づいた。
リリアーナは早速天蓋つきベッドに逃げ込もうとしたんだ。
「お願い、かくまって!!――――キャアアアアッ?!
 あ、頭に矢が突き刺さってるううう?!レベッカさんしっかり!しっかりして!!」

リリアーナは大声でケオスを呼んだ。
 ケオスさん!!ケオスさん来て!!レベッカさんが頭を撃たれたっ!!」
正しい救命措置を取るためには、ケオスの治癒能力が必要だった。

「ミルク、レベッカさんの息はまだある?ああ、止血はこのブラでやったのね」
リリアーナはちょっと複雑そうな顔をしたが、今はもめるよりも治療が先だと考えたようだ。
「レベッカさんがんばって、今すぐにケオスさんが来てくれるからねっ!!」

リリアーナはレベッカを励ますと、ミルクに向かってこういった。
「ごめん、私実はテレパシー使ったせいか、妖怪犬に目の仇にされてるみたいなんだよね〜。ははは
 もしものときはよろしくね、ミルク」
まったくもって笑い事ではない。


151 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 23:48:58 0
>144-145
>リリアーナの発したテレパシーはやはり有効だった。 
>妖怪子犬達は苦しみ、先程のように素早く動くことができなくなった。 
>クロウの攻撃が一匹の子犬に直撃した。残りは5体である。 
>クロウの後ろから来た一匹が、苦しみながらも尻尾を振り回し、背中を叩いたが 
>その一匹もフリージアの放った雪の結晶で凍ってしまった。残り4体。 
このまま順調に行けばじき全部の子犬をやっつけられそうだったけど、そうは問屋が卸さないのである。

ちなみにリリアーナが歌っているのは、伝説の歌姫の曲だ。
なんでもこの歌姫は歌で戦争を終らせたらしいが、もちろんリリアーナにそんな力はない。
単に妖怪犬がテレパシーを苦手としているだけである。
『やーさーしくー♪そっと♪さらって欲ーしいー♪彼と一緒にー♪ラブ飛行ー♪』
>「ゴージャス、デリシャス、デカルチャー!」 
『アイラービューユー・・・・ふぎゃっ?!』
レベッカはものすごい勢いで走ってきたかと思うと、その勢いのままリリアーナの頭を叩いた。
「なっ・・・・・何で〜〜〜〜〜ッ!!』
リリアーナは涙目でしゃがみこむと、叩かれた痛みが通り過ぎるのを待った。
だが待ってくれないのは、妖怪犬である。

>140  >148 
リリアーナが立ち直る頃には、元気を取り戻した妖怪犬がまた光の矢を山ほど出現させていた。
そして、地味に効くテレパシー攻撃を仕掛けるリリアーナをこのまま見逃してくれる筈もなかった。
「嫌――――っ!こっち見ないで来ないで狙わないでキャ―――― ッ!!」
このままでは周りの負傷者まで巻き添えにしてしまう!
そう考えたリリアーナはじりじりと後ずさりした後、くるりと背を向けに全力で逃げ出した。
「わーん!副会長さーん!クロウさんにフリージア!!レイド先生〜!ケオスさーん!
 お願いだから誰か助けてーっ!!」
そうは言ったものの、負傷したクロウのフォローにはきっと副会長が入るに違いない。
そしてマンダは今怪我人に治療を施している。
今のリリアーナを助けられる人間はそう多くはなかった。
だが、ある程度的が搾られていれば、その分攻撃を読みやすくなる。
リリアーナにとってはとんだ災難だが、あながち悪い事ばかりでもなかった。

リリアーナの視界のすみで、レベッカが突然倒れた。
その直後、なんの脈絡もなく天蓋つきベッドが出現した。
「な、何アレ・・・・・」
レベッカの体は天蓋つきベッドの中に吸い込まれて見えなくなった。
リリアーナはふと、ベッドの天蓋に当たる矢は完全に貫通してない事に気づいた。
こうなるとリリアーナの行動選択は一つしかない。
「お願い、かくまって!!」

ベッドに飛び込んだリリアーナは、頭にブラジャー型の包帯を巻きつけているレベッカに気づいた。
そこからにょっきりと生えているのは――――
「キャアアアアッ?!レベッカさんの頭に矢が突き刺さってるううう?!
 レベッカさんしっかり!しっかりして!!
 ケオスさん!!ケオスさん来て!!レベッカさんが頭を撃たれたっ!!」
リリアーナは大声でケオスを呼んだ。
一刻も争う重症の場合、ケオスの治癒魔法がなんとしても必要だったのだ。

「レベッカさんがんばって、今すぐにケオスさんが来てくれるからねっ」
リリアーナはレベッカの手を握り励ますと、気遣わしげに天蓋の外に目を向ける。
リリアーナと入れ違いに出て行ったスクナは、外で何事かを高らかに宣言していた。

「レベッカさんの応急処置したの、ミルクさんなのね。ありがと」
リリアーナはいつになく神妙な顔で、ベッドの上に座るミルクに声を掛けた。
「あの・・・・・・その、私実はテレパシー使ったせいか、妖怪犬に目の仇にされてるみたいなの。
 それで、もし巻き添えで攻撃されたらごめんね」

152 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/18(火) 00:19:13 0
>146 >147
「うわぁ……なんかこれ大丈夫なのか?」
爆発音がして黒い煙が立ち上る。
これは成功なのだろうか、それとも失敗しちゃったのか?
判断に困っていると黒い煙の中から謎の小さい物体が出てくる。
「ん?なんだこれ……」
よく見てみると僕の足に抱き着いて顔をうずめているのは子供のようだ。
>「うー」
……もしかして、いやもしかしなくてもヴァンエレン!?
ええぇぇぇ!?なんでこんな小さくなってるんだ!?
いや、でも服を着てないことを考えると子供の姿で復活してよかったかもしれないが……

>「とりあえず着替えは必要ですなあ」
そういい裸のヴァンエレンに上着をかけてやるリチャード。
しかし、なんでこんなのになってしまったんだろうか?
やっぱり紅茶だとか焼き鶏のタレだとかがまずかったのか?

>「どうやらヴァンエレン殿は、相当魔力を消耗しておったようですな。
>やはり使い魔蝙蝠も一緒に電子レンヂに放り込むべきだったかのう?
>まあ今となっては手遅れというところでしょうな、これは申し訳ない、ほっほっほ」
「どうせあの紅茶とか不純物ばかり入れたからだ……全く」
リチャードに文句を言いながら足にしがみついているヴァンエレンの体を持ち上げ
優しく抱っこする。こうみるとずいぶんとかわいらしくなっちゃったものだ。
>「まあ今は少ない魔力でやりくりする魔力節約モードのようなものですな。
>(中略)
>お二方、末永くお幸せにですな、ほっほっほっほ」
やれやれ……まあ仕方ない。しばらく魔力が戻るまで僕が面倒みててやるか。
……ん?ちょっとまて今なんて言った?主従関係?
「……なんだってぇぇ!?」
ちょっと待ってくれ。名門のミゼット家の長女が吸血鬼と正式に主従関係!?
それは家名的にどうなんだろうか、いくらヴァンエレン本人は人畜無害でも、
でも一般的に吸血鬼とそんな間柄だなんていくらなんでも怪しすぎる。
「いや、でも待てよ?僕とヴァンエレンが主従関係なんだよな?」

そうだ、僕はこの年で吸血鬼を自らの隷属としているんだ。
闇の生物でありノスフェラトゥ(不死)と呼ばれているあの伝説の吸血鬼!
それを従えているとはやっぱり僕は才能に満ち満ちたエリートということだな!
「ふふふ……よしヴァンエレン。これからはお前は正式に僕のものだ」
抱いている小さくなったヴァンエレンの顔を覗き込みニヤリと笑う僕。
ヴァンエレンには僕の顔がどう映っているのかは分からないが
身震いしているところを見るとこき使われることでも思っているのかな?ふふふ……

>そこまで話したロウは、ふと露店の立ち並ぶ向こう側――――中央あたりがやたら騒がしい事に気づいた。
>「なんじゃ?やけに騒がしいのう。さては新しいアトラクションでも始まったかの?」
確かに見てみるとなにやら騒がしい。気になるな……
「よし、ヴァンも復活したことだしいってみるか」
そして僕は騒がしい方へと足を向かわせる。

「なんだこれは……」
中央につくとあたりは騒然なことになっていた。
一角の店で光の矢を放つ犬が何匹も走り回り
けが人の数も見る限り相当な数いる。店のまわりも混乱し全員逃げたりするので必至だ。
よく見ると同じ生徒会のメンバーであるクロウと副会長のバン・クロード。
更にはリリアーナやケオスなどの姿まで見える。とりあえず僕はヴァンエレンを抱えたまま
副会長の元まで走る。状況を聞かねば話にならないからだ。
「副会長、これはいったいどうしたんですか?もしかしてさっきの爆破と関係しているんですか?」


153 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/18(火) 20:00:00 P
>139>144
「油断大敵ですわよ犬っころ!」
クロウを襲おうとする犬を高所から雪の結晶をズババババーンと投げつけ氷の彫像にしてしまうフリージア
「お〜ほっほっほ!!私に掛かればこんなものですわ!感謝しなさいな・・・・え〜とまあ誰だっていいですわ!」
と上機嫌なフリージアさん
たかが一匹凍らせたぐらいでいちいちオーバーである

「お〜ほっほっほ!ミルクさん今から降りますわよ!いやぁぁぁぁぁ!!」
フリージアは高いところから飛び降りると
くるくるシュピンと空中で3回転してから地面に着地した
「何で回る必要があるの?」
思わず突っ込むギズモ
「格好いいからですわ!!」
はっきりと言い切るフリージア
「さあどっからでも掛かってらっしゃいな!!この氷結姫フリージアが相手になりますわよ」

>149
>「さあ者ども、存分にやるが良い!」

「人質が居なくなったからにはこっちのものですわ!」
とは言うものの此処でフリージアがフリージングディストラクションを使ってしまうと
とんでもない被害が周りに出てしまうだろう
かといって格闘戦に持ち込もうとしても相手がすばやいため捕らえられるとは思えない
「お〜ほっほっほっほ!まずはその足を封じさせてもらいますわ!!」
とおもむろに地面を殴りつけるフリージア
「雪と氷の精霊よ我が姉妹達よフリージア・ノクターンの名において命ずる
 我が敵を足止めせよ!(精霊語)」
フリージアは霜柱の枷(フリージングバインド)の呪文を唱えた
どうやらフリージアは相手の動きを封じるつもりらしい
浮いている相手なら影響は無いだろうが相手は足で移動する獣型の生き物だ
地面から突然霜柱が生えれば動きが鈍くなるはずだ
ちなみに槍状に尖らせた霜柱を地面から生やす霜柱の槍(フリージング・ランス)と言う技もあるのだが
あまりにもグロイ事になるので自己封印中である
「お〜ほっほっほっほ!私の呪文が攻撃呪文だけと思わないことですわね!!」
相手の動きが鈍くなればこっちのものだと氷結根を生み出し敵ににじり寄るフリージア

「お母さんが頭を使った!?」
知恵を使う職業である魔法使いなのに頭が悪いと思われているフリージアさんが頭を使ったことに驚くギズモ
まったくもって失礼な話である





154 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/18(火) 23:20:53 0
>132 >134
ケオスの光の矢と副会長の炎の噴出。
これで学園の脅かす化け犬は消え去るはずだった!
しかし、そうは事がうまくいかないのが世の常。
超常現象の塊とも言えるフィジルならなおのことそうだった!!

化け犬は炎を受けながらも長い一本の尾を持つ6匹の犬となり、
悠々と飛び出てくる!しかも副会長の怒りは結果として
化け犬は負傷者たちのまわりを動きながら光の矢を放ってくる!!
そう!半分被害者を人質にとられたことと同じになったのだ!!

『くっ!!卑劣な!!これでは手が出せん!!』

黙ってみているしかない副会長・・・このままでは事態が悪化するのは分かっている。
かといって負傷者や一般の魔法使いを危険にさらすわけにもいかない。
真っ直ぐな人間ほどこういう攻撃には弱いものだ!
>「お〜ほっほっほっほ!これでも食らいなさいな!!」
『君!やめるんだ!負傷者にもあたる可能性があるっ!!』
構わず攻撃を始めようとするフリージアを止める副会長。
しかし、このままではいずれこっちがやられる・・・そんなことはすでに分かっていた!
何も出来ない自分に腹がたち拳を握りしめる副会長・・・しかしその時高らかにテレパシーが響く!

>『や!め!な!さ――――――――――――っ!い!』
その言葉に一瞬この店にいるすべてが止まる!
>『君が!泣くまで!殴るのを!止めない!・・・・じゃなかった、テレパシーでの説得止めないんだからね!!
>(略)
>ここはフィジルよ、中つ国じゃないっていうの!! それに、そんな事して何の意味があるのよ!!』
熱をこめながら語るリリアーナ。この状況で交渉など何を考えているのか!?
ましてや相手は獣・・・言葉を解さぬ者に幾分の効果があるというのか?
だが、その中で一人副会長は涙を流し感動していた。
『・・・なんという女性だ!力で我々が押さえつけようする最中でも言葉で戦おうとするなんて!?』
常人の感覚から遥かにずれている副会長にはこの時リリアーナが聖女に見えたことだろう!
苦しんでいる化け犬を完全に無視し今度は歌を歌い始めるリリアーナを見つめる副会長。
『おお・・・ヤック、デカルチャー!!』
どうやらリリアーナの歌は化け犬を苦しめる効果だけでなく
副会長をゼントラーディ化する効果も含まれているようだ。
今や完全に副会長は燃え盛るバトルモードからラブ&ピースモードへと変っていた!

>144 >150 >152
>『アイラービューユー・・・・ふぎゃっ?!』
『ハッ!!一体俺は何をしていたんだ・・・・・・!?そうだこうしちゃあいられない!
 早くあの化け犬を止めないと皆が危ないんだぁ!!』
テレパシーの歌が止みやっと正気に戻った副会長。
>「副会長、これはいったいどうしたんですか?もしかしてさっきの爆破と関係しているんですか?」
声の主の方向へと振りむくとそこには最近生徒会に入った期待の新人であるマオの姿!!
女性の少ない生徒会では実力とは違った意味で戦力になる貴重な人材だ!
『マオ君じゃあないか!!よく来てくれた!!悪いが早速手を・・・んん!?』
その時副会長はマオが抱いている子供に目がいく・・・
普通いきなり女性が子供を抱えて現れたら色々と考えるものだ。
『まさか!!そんな!?・・・・・・いや、ありえないことじゃあない!
 そうか・・・その年で子供が・・・・・・何かあったら俺に言ってほしい!
 できる限り力になろう!!』
ベッドのまわりで暴れている化け犬そっちのけで、
マオの両肩を力強く掴み真っ直ぐな瞳を向ける副会長!
完全に勘違いなのだがそんなことは知らずに今日も副会長は突き進む!

155 名前:ヴァンちゃん ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/11/19(水) 18:11:07 0
>147>152
>「さて吸血鬼殿、お名前とお年をいえますかな?
>それと、今までにどんなことが起きたか覚えていらっしゃいますかな?」
まだ少し警戒している吸血鬼にリチャードは自分の上着を着せて、優しい口調でヴァンエレンに質問をする。
それによっていくらか警戒を解いた幼子はおずおずとした口調で「ボク、ヴァンエレン…」と答えはじめた。
「としは…う〜、わかんない」
自分の年について頭をひねって考えてみるがまったく覚えがなくて、結局わからないことを告げる。
『今までどんなことが起きたのか』ということにも同様でただ「うーん」と頭を傾げるだけだった。

>「まあ今は少ない魔力でやりくりする魔力節約モードのようなものですな。
>やがて魔力が戻れば、本来の姿に戻れるでしょうぞ。
>まあこれでヴァンエレン殿とマオ殿は晴れて主従の間柄ですな。やはり吸血鬼には枷・・・・・いやいや。
>お二方、末永くお幸せにですな、ほっほっほっほ」
なにか聞き捨てならぬ言葉が聞こえてきたようだが、そんなことよりもものめずらしく立ち並ぶ露店をキョロキョロと見回しているのに夢中になっている。
なので、聞こえているはずもなく…そのことは愚かマオと主従関係になってしまったことさえ気がつかないでいる。
>「ふふふ……よしヴァンエレン。これからはお前は正式に僕のものだ」
そう言われているヴァンはあさっての方向を向いて、物欲しげにわたあめなる菓子を見つめていた。
「ほえー」
魔物としての本能はどうやらこんな幼い頃から皆無だったようだ。

>154
マオに抱えられながら着いた先、中庭中央の露店に何匹もいる犬が闘争本能むき出しで走り回っている。
ケガをした生徒や店の崩れ具合からして、その暴れっぷりは普通の犬とは到底思えなかった。
>「副会長、これはいったいどうしたんですか?もしかしてさっきの爆破と関係しているんですか?」
あきらかに異常な事態と判断したマオは状況を居合わせた生徒会の副会長に尋ねる。
>『まさか!!そんな!?・・・・・・いや、ありえないことじゃあない!
>そうか・・・その年で子供が・・・・・・何かあったら俺に言ってほしい!
>できる限り力になろう!!』
どうやらマオの子供だと勘違いしてしまったようだが、暴れ犬そっちのけでなんとも男らしいことを言いながら力強くマオの肩を掴んだ。
穢れ無き男 副会長、その瞳はまっすぐで誰よりも男らしい人物だった。

さて、さっきから静かなヴァンちゃんはというと…。
とろんとした眼をこすると、こっくりこっくりと寝そうで寝れない状況が続いている。
「すー すー」
こんな騒がしいのだが眠気のほうが勝ってしまって、目蓋を閉じてとうとう眠りの世界に入ってしまった。

156 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/19(水) 18:19:07 O
>149 >151 >153
>「余に手を上げ諌めるとは・・・
>喜べミルク。お前を余の妃にしてやろう。
>これからは王などと呼ばずスクナと呼び捨ててもよいぞ?いや、むしろ呼び捨ててくれ。」
倒れていたスクナは、起きあがるとあたしの手を取り、また妙な事を言い始める。
妃が呼び捨て…ってそれがなんであたしになるんだ!?
「は!?いきなり何を…」
>「まあまあ、皆まで言うな!わかっておる!
>力無き者が倒れるは自然の摂理なれど、そういう者どもも導くのが王たる役目よ!」
「いや本当に大丈夫なんで…ってうわっ!?」
>「お願い、かくまって!!」
スクナが、絶対わかってなさそうな事を言いながら出て行くのを止める前に、リリアーナが中に駆け込んできた。
スクナが何するか気になるけど、レベッカのケガをリリアーナに見てもらった方が良いかもしれない。

「リリアーナ!ちょうど良い所に来てくれた!
 レベッカが頭にケガしたんだけど、回復できない!?」
>「キャアアアアッ?!レベッカさんの頭に矢が突き刺さってるううう?!
レベッカの様子を見たリリアーナは、悲鳴を上げてケオスを呼んだ。
やっぱり矢も抜いておいた方が良かったか…

>「いよぉし!ミルクよ!余のカッコいい所をしっかり目に焼き付けておけ!
>犬どもを拘束するのは素早くて骨だが、逆に考えればこれでもよいはずであろう?」
外ではスクナが、なぜかあたしにカッコいい所を見てろと言いながら、ケガをした生徒を回収している。
ナイスアイデアと言いたいところ何だけど…なぜカッコいい所を見せようとする。
まさか本気であたしに惚れたとか言い出すんじゃないだろうな。

>「さあ者ども、存分にやるが良い!」
>「お〜ほっほっほっほ!まずはその足を封じさせてもらいますわ!!」
スクナの号令に応えて、さりげなく二つ名をパワーアップさせてたフリージアが魔法を使った。
すぐに地面は白い霜柱に覆われて、犬たちの動きは鈍くなる。
>「お母さんが頭を使った!?」
…お母さん?
なんかフリージアと一緒にいる男の子が、妙な事を口走ったような…
…ま、詮索は後回しにして、王様とフリージアがくれた好機を有効活用しますか!
「これでどうだ!メギド!」
フリージアやクリスから離れた位置にいた犬を狙って、メギドを撃ち込む。

>「レベッカさんの応急処置したの、ミルクさんなのね。ありがと」
あたしがメギドを撃ち込んで時に、リリアーナがやけに神妙な顔で声を掛けてきた。
>「あの・・・・・・その、私実はテレパシー使ったせいか、妖怪犬に目の仇にされてるみたいなの。
> それで、もし巻き添えで攻撃されたらごめんね」
確かに犬たちの狙いは、無差別ではなくこのベッドに集中し始めたようで。
うっかりするとこの場所も危ないかもしれない。
でも、ま。なんとかなるよな。
「どうせあの犬は無差別にみんなを攻撃してたし、気にすることないって。
 スクナやフリージアやケオスもいるし、こんな時には頼りになる生徒会の連中も来てる。
 後腐れの無いようにここで犬を退治できるよ。
 それより、リリアーナの魔法でレベッカをもうちょっと治療できない?
 頭に矢が刺さったままってのは見てるだけで痛そうだし」

157 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/19(水) 18:41:56 0
147>152 
>「よし、ヴァンも復活したことだしいってみるか」 
マオはそう言って騒ぎの方角へ向かった。
当然ロウも後を追ったのだが、中庭から逃げる生徒達に流されてしまった!

気が付くとロウは見覚えの無い場所まで人ごみに流されてしまっていた。
ロウは近くにいた女子生徒に声をかけてみる。
「そこなお人、マオ殿と言うお名前の生徒をご存知ですかな?
 実はずっと案内してもらっていたんじゃが、はぐれてしまってのう」
>「ナオトノって、ナオトのこと?だったらそっちに向かったわよ」
「これはどうも、有難うございます」
そう言ってロウは通りすがりの少女が差し示した方角に急いだ。
だが残念!その先にあるのは中庭ではなく博物館だ!!

「はて、ここはどこかのう?」
ロウは博物館の中に入っていった。
「ああ、もし、そこのお方。
 ひとつおたずねしたいのじゃが、ネコミミメイドキッサとやらがある建物はここですかのぅ?」
ロウは展示室前に置かれた受付でたずねてみた。

158 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/19(水) 20:21:32 0
>149>151>153>156
フリージアが足止めした子犬は、ミルクのメギドにより蒸発した。
仕留めたのは3体、残る妖怪犬は1体のみである。
その1体は、地を駆けることに利が無いと悟り、先程レイドの銃弾を交わしたように、
尻尾を地面に叩きつけるようにして跳躍した。
向かったのは、リリアーナが逃げ込んだ、王様のベッドの天蓋である。
天蓋に張り付いた子犬はリリアーナ、スクナ、ミルクからは死角となる。
それをいい事に、子犬は尻尾の先を槍のように構え、ブスブスと天蓋を突き破りながら、
3人を串刺しにしようとした。子犬は執拗に魔力をめがけてその尻尾を突き立てる。
>>『お前らなんか死んじゃえバインダー!』

その時、どこからとも無く灰色のフード付きマントで全身を隠した何者かが走ってきた。
その者の胸には、黄色いリボンと共にスカーフェイスという名前が刻まれている。
スカーフェイスは、手にヒョウタンを持っていた。スカーフェイスはヒョウタンの詮をはずし、
大きな声で叫びながら跳躍した。向かったのは、やはり王様のベッドの天蓋の上、妖怪犬である。
>「ファン・メイファ!!(黄美華!!)」
その声に妖怪犬が応えた。
>>「トゥイ!(はい!)」
スカーフェイスはベッドの天蓋を軽々と飛び越え、地面に着地した。
魔力を使わずにこれだけの跳躍をした事も驚くべき事かもしれないが、
ベッドの外に居た者はさらに驚いたかもしれない。
スカーフェイスが妖怪犬とすれ違った瞬間、妖怪犬の姿が消えてしまったのだから。
それはまるで、スカーフェイス自体に吸い込まれたかのようだった。
スカーフェイスは何かを確かめるようにヒョウタンを振った後、ゆっくりと詮をした。

>「みんな、大丈夫か?」
スカーフェイスが発したのは、少し下手だが、西方の言葉だった。
スカーフェイスは奇妙な者だった。
まず、その声は人間らしくない、いやにキーキーと高い声だった。
そして、ヒョウタンを握るその手は、死体のような色だった。
妖怪犬と同様に、一切の魔力が感じられないのも特徴の一つだ。
そして何よりも奇妙なのは、スカーフェイスの言葉が、口からではなく、お腹のあたりから聞こえることだった。
>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。
> あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」
スカーフェイスはそう言って謙遜した。確かに表向きは、妖怪犬から皆を守った行動のように見える。
>「すまんが容姿を見せる事だけは勘弁してくれんかのう?およそ人様に見せれるような容姿をしとらんとて。」
顔も見せずに話をする事が無礼であるとは心しているらしく、スカーフェイスはそう言って許しを請うた。

159 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/19(水) 23:28:58 0
>153>156>158
人質状態になっていた生徒達さえいなくなれば心置きなく強力な魔法を振るうことができる。
一帯に霜柱の枷が出現し、妖怪犬の動きを封じたところでミルクのメキドが炸裂。
三体の妖怪犬が核熱の炎に飲み込まれた。
それを見たスクナは喜んで振り返る。
「どーよ!余の力を見たか?
それにしてもそなたのえげつない攻撃も見事ぢゃのう!
さすが我が妃となる女。まさに羅刹!」
満面の笑みでベッドを覗き込んでいると、突如として天蓋を破り太い槍が降ってくる。
生き残った妖怪犬が天蓋に張り付いて攻撃しているのだが、死角となってそうとは判らない。
ただ判るのは、恐るべき攻撃がミルクたちに迫っているという事だった。

「いっかあああん!
皆の者!余の妃を守れ!!」
そういうや否やスクナは包帯を操作し、ミイラ状態の生徒達を次々とベッドの中へ放り込む。
勿論身を挺してミルクを守らせる為に、だ。

槍で貫かれるのが早いか、肉の盾とされたミイラたちに圧殺されるのが早いか競争になるところで救いの主は現われた。
スカーフェイスが天蓋の上を飛び越えざまに妖怪犬をひょうたんに吸い込んだのだ。
勿論ベッドを覗き込んでいるスクナにそれを知る術はない。
スカーフェイスの訛りのある声をかけられて漸くベッドにミイラを放り込むのを辞めたのだった。

>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。
> あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」
「うむ、どうやら犬どもはすべからく退治できたようぢゃの。
はっはっはっは!
皆の者大儀であった!良き余興じゃったわ!
よし!一件落着したところで祝言を挙げるとするか!」
高笑いと共に振り返ると、ベッドは山盛りのミイラでミルクの姿を見つけることはできなかった。


160 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/20(木) 02:55:55 0
>153 >156
スクナの機転により魔法が使えるようになった一行。
>フリージアが足止めした子犬は、ミルクのメギドにより蒸発した。
>相手の動きが鈍くなればこっちのものだと氷結根を生み出し敵ににじり寄るフリージア。

「さすがはフリージア女王様なのですわ〜ん!」
 そこにしびれるぅあこがれるぅなのですわ〜」
どこからともなしに姦しい声が聞こえてきた。

「とうっ!!」
なぜか高い場所からニ回転半宙返りして地面に激突したのは、一匹の黒猫だった。
ちなみに黒猫ルズは喋る猫だ。
「あいたたたた、なかなか女王様のようには行かないのですわ〜」
ルズは元養いサラマンダー達の元へと颯爽と・・・・・いや、厳密にはふらふらした足取りで走る!

>136 >128
「マンダ、しっ、暫く見ないうちに随分可愛いくなったじゃありませんの・・・・・・。
 毛並みも良いし、大事に可愛いがってもらって・・・・・・・はっ!今はそれどころでは無いのですわ〜!
 こらマンダ、早くこちらの生徒会役員の傷を治して差し上げるのですわ〜!」
ルズは前足でクロウの背中を指し示した。
そこは先ほど彼が妖怪犬の尻尾で打たれた部分だ。
「フィジルで暮らすなら生徒会に恩を売りつけて損はないのですわ〜マンダも覚えておくのですわ〜!
 まあこの程度のケガ、本来なら舐めとけば十分でしょうけど!ほーほっほっほ!!」

>158
そうこうしているうちに子犬は残り一匹になった。
子犬は天高く舞い上がったかと思うと、尻尾を槍のようにしてテントに刺さった。
「フー!!ナゴー(訳ぎゃ――――止めるのですわ!!)」
ルズは妖怪犬の言葉がわからなかった。が、猫語で相手を止めようとした。
そうででないと、このままでは中の人間が串刺しになってしまう!

だがそんな時、突然現れたフードの男が妖怪犬を消してしまった!
>「みんな、大丈夫か?」 
>スカーフェイスが発したのは、少し下手だが、西方の言葉だった。 
「皆様今のをご覧になりまして〜?あの男、魔法も使わずに妖怪犬を消滅させましたわ〜!!」
ルズはクロウの頭によじ登ると、ひそひそと内緒話を始めた。
>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。 
> あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」 
「あらあら、何かイイ人っぽくありませんこと〜?でも・・・・・・」
ルズは鼻の頭にしわを寄せて、こう続けた。
「あのスカーフェイスって方、本当に人間の殿方なのですわね〜?
 それにしてはなんだか変な匂いがするのですわ〜。皆様はどうお感じになられますこと〜?」
聞かれてもマンダはともかく、ケオスやクロウは困るだろう。
ルズの嗅覚は人間のそれとはかなり違うからだ。

黙って鼻をヒクヒクさせていたルズは、ふと思い出したかのようにクロウの額を肉球でピタピタした。
「とにかくここでは天蓋の中がどうなったかも良く分からないのですわ〜。もう少し近づくのですわ〜」
周りから見ると、クロウは黒猫の帽子をかぶったように見えるに違いない。
「にゃ〜んvごろにゃーご(はあと)」
ルズはフリージアと目が合ったとたん、ゴロゴロ喉を鳴らしながら可愛らしく鳴いた。

161 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/20(木) 03:34:11 0
>156
>「どうせあの犬は無差別にみんなを攻撃してたし、気にすることないって。 
> スクナやフリージアやケオスもいるし、こんな時には頼りになる生徒会の連中も来てる。 
> 後腐れの無いようにここで犬を退治できるよ。」
「ミルク・・・・・・うん、ありがと」
>「それより、リリアーナの魔法でレベッカをもうちょっと治療できない? 
> 頭に矢が刺さったままってのは見てるだけで痛そうだし」 
その言葉にリリアーナの顔がかすかに曇った。
「・・・ケオスさん遅いわね。矢が刺さった場所が場所だけに手が足りた状態で治療したかったんだけど・・・。
 外の惨状じゃこちらにまで手が回らないのかもしれないわね」

>158-159
リリアーナは意を決したように一つ頷くと、ミルクの目をまっすぐに見つめ返した。
「ミルク、あの魔法はもう使えないの。
 でも安心して!ミルクが手を貸してくれるなら私にも何とか出来るわ。悪いけど頼めるかな?」

「じゃあミルク、レベッカを押さえててくれる?」
リリアーナは慎重な手つきでレベッカの頭に刺さった矢を抜いた。
「うん、この傷の深さと角度なら何とかなるかも・・・」
リリアーナは血を拭いながら傷の具合を検分すると、一番治癒効果の高い薬を傷口にすり込んだ。
リリアーナがブラジャー包帯を巻きなおしていると、ふとレベッカのまぶたがかすかに動いたように見えた。
「あっ、レベッカさん気が付いた?・・・大丈夫?ここがどこだか分かる?」

レベッカに気を取られていたリリアーナは、天井から危険が迫ってるなど気づきもしなかった。
>「いっかあああん! 
>皆の者!余の妃を守れ!!」 
>そういうや否やスクナは包帯を操作し、ミイラ状態の生徒達を次々とベッドの中へ放り込む。 
「え?ちょっとスクナさん、一体何を・・・・・・止めっ・・・・・ふぎゅっ!!」
リリアーナはレベッカを庇おうとしたが、真上に振ってきたミイラに押しつぶされてしまった。

>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。 
> あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」 
>「うむ、どうやら犬どもはすべからく退治できたようぢゃの。(中略)
>よし!一件落着したところで祝言を挙げるとするか!」 

スクナが一件落着とばかりに高笑いしつつ振り返る。
>が、ベッドは山盛りのミイラでミルクの姿を見つけることはできなかった。 
やがてミイラの山の下から、包帯に巻かれていない腕が出てきた。
「むぐー!!むー!!」
助けを求めるようなくぐもった声と共に手はバタバタ動いている。
だがそんな動きが止まるのも時間の問題だろう。

162 名前:フリージア ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/21(金) 12:21:03 0
>158>159>160
>「すまんが容姿を見せる事だけは勘弁してくれんかのう?およそ人様に見せれるような容姿をしとらんとて。」
>「うむ、どうやら犬どもはすべからく退治できたようぢゃの。
はっはっはっは!
皆の者大儀であった!良き余興じゃったわ!
よし!一件落着したところで祝言を挙げるとするか!」
「お〜ほっほっほ!なんだかよくわからないけどとにかくよし!ですわ!!」
とりあえず妖怪犬の脅威は去ったようなので一安心するフリージア
「本当に終わったのかな?」
それに対する疑問を投げ掛けるギズモ
「お〜ほっほっほ!さっきこの人が吸い込んだんだから大丈夫ですわ」
どうやって吸い込んだのかは激しく謎であるがとにかく脅威は消えたのだとフリージアは言う
「いったいどうやって吸い込んだのかなあ?」
それに対し別の疑問を投げかけるギズモ
「さあ?服の下が異空間ゲートになってるとかじゃなければ
 何かマジックアイテムでも使ったのでなくて?」
それに対して適当に答えを返すフリージアであった

>「あのスカーフェイスって方、本当に人間の殿方なのですわね〜?
 それにしてはなんだか変な匂いがするのですわ〜。皆様はどうお感じになられますこと〜?」
「私は別に彼が人間でなくても別に関係ありませんわ。私、ゴブリンとコボルト以外は差別しないことにしてますの」
何でその組み合わせが駄目なのかは謎である
「ヴァンエレンさんとか僕とか居るしねv」
と自分が人間じゃないことを急にアピールしだすギズモ
そのヴァンエレンがちっちゃくなってるとはさすがのギズモも思うまい

>「にゃ〜んvごろにゃーご(はあと)」
「じゃあ一安心したところで猫ちゃん喫茶に・・・ってこの状態じゃ無理ですわね」
ルズをなぜなぜしながら回りを見渡すフリージア
なんかもう色々とボロボロである
「まずは掃除かしら?」
と胸の谷間から箒と魔導書を取り出すフリージア
いったい胸の谷間がどうなっているのか激しく謎である
「え〜と踊る箒の呪文は・・・・あったこれですわね」
どうやら初めて使う魔法のようである・・・・・不安だ
「ええと二回ウインクをして人差し指を振る・・・お料理の魔法と同じやり方ですわね」
どうやら家事系呪文の基本動作は同じ様だ
「果たして踊る箒の呪文は成功するのだろうか?」
と何故かナレーター調の口調で話すギズモ
「え〜と呪文は・・・・っと」
何だか時間が掛かりそうだ
「キキーモラさんキキーモラさんこの現状を何とかしてちょうだいな!」
かなりアバウトな呪文なのだが果たして大丈夫なのだろうか?

163 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/21(金) 17:00:10 O
>158-159 >161-162
回復魔法の使い手、ケオスがまだ来ていない事を気にしていたリリアーナが、あたしの方に向き直った。
>「ミルク、あの魔法はもう使えないの。
> でも安心して!ミルクが手を貸してくれるなら私にも何とか出来るわ。悪いけど頼めるかな?」
「まあそりゃ出来ることなら手伝うけど…何すればいいの?
>「じゃあミルク、レベッカを押さえててくれる?」
「わかった」
リリアーナは手慣れた様子でレベッカを治療する。
あたしも少しは治療方でも勉強しておくべきなんだろうか。
でもなー。苦手なんだよなー治療関係の魔法は。

>「どーよ!余の力を見たか?
>それにしてもそなたのえげつない攻撃も見事ぢゃのう!
>さすが我が妃となる女。まさに羅刹!」
「あたしは妃になる、なんて一言も言ってないですけど。
 それにどこがえげつない攻撃ですか。
 あれは正当防衛の範囲内の攻撃です。
 そんな事より犬は全滅…」
させたんですかとつなげるはずの言葉は、天井から落ちてきた槍みたいな何かに遮られた。
ぶっとい槍はすぐ上に引き上げられたけど、こちらを串刺しにしようとまた落ちてくる。
「な、なに!?今のなに!?」
慌ててその場を離れたけど、槍は執拗にこちらを狙って攻撃してくる。
よく見れば、攻撃してくるのは槍じゃなくて尻尾だった。
あんのイヌっころ、天井に登って上から攻撃してやがるなーっ!

>「いっかあああん!
>皆の者!余の妃を守れ!!」
スクナはなにか思いついたのか、包帯でぐるぐる巻きになった生徒をベッドの中にポイポイ投げ込み始めた。
投げ込まれる生徒に当たった尻尾の動きが、かなり鈍くなる。
のはいいんだけど。
>「え?ちょっとスクナさん、一体何を・・・・・・止めっ・・・・・ふぎゅっ!!」
「ぎゃーっ!見境無くミイラを放り込んでくるなバカーッ!ぐけっ!!」
足下ふかふかベッドの上じゃ自由に逃げ出すこともできず、あたしは飛んでくるミイラの下敷きになる。
声を聞くにリリアーナも同じような目にあってるようで。
これじゃ逃げられないし、圧死か串刺し死するしかないだろ!
少しは助ける味方のことも考えろバカ王様!

>「みんな、大丈夫か?」
けれども、圧死も串刺しも止めの一撃もなかなかやってこなくて。
代わりに聞こえてきたのは、随分なまりのある声。
だれだろう?聞いたことのない声だけど…
>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。
> あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」
>「うむ、どうやら犬どもはすべからく退治できたようぢゃの。(中略)
>よし!一件落着したところで祝言を挙げるとするか!」
>「お〜ほっほっほ!なんだかよくわからないけどとにかくよし!ですわ!!」
「…とりあえず誰か助けて…」
もうツッコミを入れる気力も失せて、ミイラの山から上半身を出したあたしは力なくつぶやいた。
学園長の友達も、妖怪犬だけじゃなくてスクナからも守ってくれたら良かったのに…

164 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/22(土) 14:31:15 0
>158-159 >162
>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。 
  あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」 
>「うむ、どうやら犬どもはすべからく退治できたようぢゃの。 
>よし!一件落着したところで祝言を挙げるとするか!」 
>「お〜ほっほっほ!なんだかよくわからないけどとにかくよし!ですわ!!」 

皆が盛り上がっているところ、ルズがスカーフェイスに声をかけた。
「とりあえず御礼を言うのですわ〜。わたくしはルズと申しますわ〜。
 ありがとうございます、えーと・・・スカーフェイス様」
ルズはリボンについていた名前を読み上げた。
声からすると男なのだが、まだ顔を見たわけではないのと来客と言う事で対応は丁寧だ。
>「わたくし達を子も同然と仰ってくださったお心に甘えて、
> ここはひとつ怪我人の治療にも手を貸してくださいませんこと〜?」
ルズはしれっと図々しいことを口にした。
『来客にトラブルを悟らせないようにする。』
そんな生徒会の涙ぐましい努力など、馬鹿猫ルズが知る由も無かった。

フリージアはスカーフェイスが何であろうと気にしないようだ。
むしろゴブリンとコボルトだけは区別しているということにルズは驚く。
>「ヴァンエレンさんとか僕とか居るしねv」
>「かく言うわたくしも猫みたいなものですけれど〜。っていうかあなた誰ですの〜?
 わたくしのフリージア女王様に随分と気安い態度じゃありませんこと〜」
フリージアに頭を撫でられ上機嫌だったルズだが、ギズモの気安い様子にちょっと嫉妬したようだ。

ルズがギズモに絡んでる頃、フリージアはなにやら箒に呪文をかけていた。
>「果たして踊る箒の呪文は成功するのだろうか?」 
「ちょっと何を無視してますの!まったく無礼な野郎なのですわ〜ムキー!!」
>「キキーモラさんキキーモラさんこの現状を何とかしてちょうだいな!」 
フリージアは踊る箒の魔法を発動した。
箒は即座に命令を実行した!

165 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/22(土) 14:33:23 0
>163-164 >159 
魔法をかけられた箒はミルクとリリアーナが埋もれているミイラの山に突っ込んだ。
そして竜巻のように回転し、生徒達の体を舞い上げ、整然と並べ始める。
「た・・・助かった〜。ミルクさん、大丈夫だった?」
リリアーナはベッドから跳ね起きると、ミルクとレベッカの無事を確認した。
そしてやたらと機嫌のいいスクナの姿を見るなり、顔から表情全てが抜け落ちた。
リリアーナは無言のまま靴を脱ぐと、スクナに向けて思いっきり投げつけた。
「好きな女の子くらい体を張ってでも自分で守りなさいよ!!
 しかも怪我して動けない生徒達を盾にするですって?王どころか人の道にもとる行為よ、この外道!
 あなた自分の事を王様だって公言してるそうね?
 でも今のあなたじゃ王は王でも、そんな心意気じゃ玉座よりギロチン台の上がお似合いよ!!
 他人を犠牲にして安全なところでふんぞり返ってたあなたなんかより、
 体を張って皆を守ろうとした副会長達のほうが、ずっとずっと立派だし尊いわ!!」
皆が全力を出せたのは、スクナが怪我人を避難させたからなのだが・・・・・・。
その後の行動が原因で、リリアーナの頭からはすっかり抜け落ちてしまっていた。

肩で息をしていたリリアーナだったが、はっと我にかえり慌てて周りを見回した。
「あれ・・・・・・・?ところであの子犬達はどこへ消えたの?」


166 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/22(土) 17:29:12 0
>「何があったかは詳しくはわからんが、そう怒ってやりなさんな。
> そもそも悪いのはメイファじゃ。」
スカーフェイスが、スクナに怒ったリリアーナにそう言った。
ところで、いきなメイファと言われても誰の事かわからないだろう。
>「ファン・メイファ(黄美華)。中つ国の妖怪の一人じゃ。
> お前さんが“子犬”と言ったまさにあれの事じゃよ。あれはまだ幼い妖怪だが、
> とても強力な妖怪の血筋をもつ者じゃ。被害がこの程度で済んだのは幸いとしか言いようが無いぞい。」
スカーフェイスがそのファン・メイファを消した事は他の者が説明したので、あえて説明する必要も無かった。
スカーフェイスは、今度は中つ国の言葉で喋った。
>『さて、メイリンや。怪我人の手当てをしてやろうぞ。侠胆中(薬の名前)を出すが良い。』

スカーフェイスは、整然と並べられた生徒達の周りを回り、
その一人一人に小瓶に入った水薬を少しずつ飲ませていった。
レベッカもその中の一人だった。レベッカは外傷こそ消えていたが、まだ目覚める様子は無かった。
>「これはキョータンチューという薬じゃ。打ち身と呪いの特効薬じゃが、生憎切り傷には効かん。
> 包帯を取替え、傷口を消毒してから包帯を巻きなおしてやると良い。
> 残念ながらこの指はあまり器用ではないから、どうか他の者がすると良い。」

スカーフェイスは一通り水薬を飲ませ終わると、自分の考えを話し始めた。
>「さて、ここで問題なのが、どうしてメイファがこのフィジル島の魔法学園に現れたかじゃ。
> 動機はこの際どうでも良い。中つ国にはいまだに魔法使いを嫌う妖怪が多いからのう。
> それよりも問題なのは、何故この島に入り込む事ができたのかじゃ。
> この島に外部から無断で立ち入る事がどれほど難しいかは、あえて説明せずともわかるじゃろう?
> 内通者がいたのか?それとも何か特別な方法があるのか?
> いずれにせよ、わしはそれを確かめておかねばならん。
> ルズという名の賢き猫よ。わしは今すぐにここの学園長と話をしなければなるまい。
> 故に君に道案内を頼みたい。わしは、その役目は君に適任だと思う。」
スカーフェイスはルズに道案内を頼んだ。
ところで、スカーフェイスも来賓客の一人であるから、たしかに案内スタッフならばそれに応えなければならない。
しかし、ルズは案内スタッフの一人なのだろうか?
あるいはスカーフェイスを案内するのに、もっと適した者がいるかもしれない。

167 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/22(土) 22:49:32 0
中庭にフリージアとスクナの高笑いが響き渡る中、踊る箒が猛烈な勢いで掃除を始める。
それを見たスクナは目を丸くする。
「おお!見事ぢゃ!
これならどこへ嫁にいっても問題ないのう!」
ミイラ状態の生徒達が生前と並べられていく中で、背後の猛烈な怒気に気付きふと振り返ると・・・
スクナの視界は暗闇に包まれた!
リリアーナの靴がスクナの顔面に直撃したのだ。

ケオスの鋭い硬貨すら自動で受け止めたというのに、リリアーナの投げつけた靴はクリーンヒット。
ハチマキはいったい何をしていたのか?
と、問われれば、ハチマキはスクナの額にはなかったと答えるほかない。
スクナの呪布術は布を媒体にした術であり、体中に巻いているとはいえ有限なのだ。
倒れた生徒を残さずミイラにし、更にはキングサイズの天蓋付きベッドまで作ったとなれば全ての布を総動員してしまうのも仕方がない事。
そんなわけで、顔面に一撃を受けたスクナはそのまま硬直してしまった。

浴びせかけられるリリアーナの怒声。
それを宥めるスカーフェイス。

それらを暗闇の中で聞いていたが、そんなものは耳には入っていなかった。
一連のやり取りが終わった頃、漸くスクナの顔面に張り付いていたリリアーナの靴がポロリと剥がれ落ちる。
その隙間から出てくるのはやはり予兆の精霊百旗丸!
「予兆精霊!百旗丸推参!
ベタ流オヤクソク術奥義其の弐!H・A・N・A・O・T・O・K・O!!」
ミルクの時と同様に、巨大な旗を投げつけ、スクナはまたしてもなす術もなく頭を貫かれるのであった。

頭を貫いた旗が消えると、スクナは凄まじい勢いでスカーフェイスから薬を受け取るリリアーナの背後に回り肩を抱く。
「リリアーナよ、そなたは考え違いをしておるぞ。
物事には優先順位があるのだ。
ミルクは王たるもの自分の体を労わるのも勤めと言った。
であるから、余は体を張るわけには行かなかったのだ。
それに生徒達を包む包帯は回復を促進させ、外部からの攻撃にも耐性を持つ繭のようなもの。
その証拠に天蓋からの槍に当たった者はおっても貫かれたものはおらぬであろう?
王たるもの臣民を考え無に使い捨てるような真似はせぬわ。
じゃが、リリアーナが体を張れというのであればそなたを守る為ならば余は体を張ろうではないか!」
最優先で守るべきミルクを圧殺しかけた事は当然考慮には入っていない。
熱っぽい視線をリリアーナに送りながら今回の行動の真意を語り、堂々と体を張って守る宣言をする。

そして更に肩を抱く手に力を増しながら言葉を続ける。
「余にここまで啖呵を切ったのはミルク以来じゃ!
良かろう!そちも妃にしてやろうではないか!
なに、案ずるな!王たるもの後宮を持つのは定めぢゃからの!
さあ、ミルク!皆が参列しておる!三人でお披露目といこうではないか!」
ぐったりしているミルクも呼びかけ、促すその先には・・・
整然とミイラの並ぶ中庭は、式典というよりどう見てもしたい安置所です。本当にありがとうござ(ry

168 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 16:52:09 O
>>164-167
なすすべもなく寝転がっていると、重しのようにのしかかっていたミイラ生徒達が急にいなくなった。
見れば、誰が使った魔法か箒が生徒達を巻き上げ、綺麗にならべ始めている。
>「た・・・助かった〜。ミルクさん、大丈夫だった?」
「ありがと……なんとか潰されずにすんだ……」
味方の攻撃で死にそうになるなんて間抜けな話だよなほんと…

よいしょとベッドの上に立ち上がれば、ずらり並んだミイラはまるで学者が墓荒らしに行った後のよう。
なんかすごい光景だと思って見ていると、リリアーナがいきなり自分の靴をスクナの顔面に投げつける!
「ちょ、ちょっと!?どうしたのリリアーナ!?」
>「好きな女の子くらい体を張ってでも自分で守りなさいよ!!(中略)
> 体を張って皆を守ろうとした副会長達のほうが、ずっとずっと立派だし尊いわ!!」
まったくそのとうりで反論の余地もありません。
フォローしようにも言葉が思いつかないんですが、こんな時従者はどうしたらいいんですか?
>「あれ・・・・・・・?ところであの子犬達はどこへ消えたの?」
「あー!そうそう、犬ね犬!
 学園長の友達が吸い込んだってフリージアが言ってけど、その友達ってどこにいるんだろうねぇ!」

>「何があったかは詳しくはわからんが、そう怒ってやりなさんな。
> そもそも悪いのはメイファじゃ。」
話題を変えようとわざとらしくキョロキョロしていると、それらしき人物がリリアーナに話しかけてきた。
全身を灰色のローブに隠した、怪しさ大爆発のその姿。
しかもやけにキーキー高い声は頭の位置じゃなく、お腹の辺りから聞こえてくる。
夜道で出会ったらほとんどの人が、変質者か怪物だと考えるだろう。
学園長の古い友人と聞いてなきゃあたしだってそう思う。
でも学園長の古い友人って事は、あたしが育った孤児院の院長先生と同じで変わっててもおかしくない。
院長先生なんか何年たっても見た目は小さいままだもんな…
黄色のリボンについた名前はスカーフェイス。
聞いたこと無い名前だけどそれより、メイファってなんだ?
「あの。すいませんスカーフェイスさん、メイファってなんのことですか?」
>「ファン・メイファ(黄美華)。中つ国の妖怪の一人じゃ。(中略)
> とても強力な妖怪の血筋をもつ者じゃ。被害がこの程度で済んだのは幸いとしか言いようが無いぞい。」
中つ国の妖怪…か。
確かに、魔法障壁が効かない攻撃をバンバンされたら、障壁を頼りにしてる生徒は大変だろう。
でも幼い妖怪であれって成体はどんだけ強烈な魔物なんだ…

169 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 16:52:56 O
>「さて、ここで問題なのが、どうしてメイファがこのフィジル島の魔法学園に現れたかじゃ。(中略)
一通り怪我人達を治療し終わったスカーフェイスさんは、危惧している点を語り始める。
もし学園の防衛システムに穴があったら?
そんでもってそこからメイファの成体が入ってきてたら?
確かに学園長や教頭に伝えておいた方が良い話だ。

> 故に君に道案内を頼みたい。わしは、その役目は君に適任だと思う。」
スカーフェイスさんがルズにそう言ったとき、ピンとあたしの頭に追加収入獲得法が閃いた。
「スカーフェイスさん、良かったらあたしが学園長室までご案内します。
ちょうど学園長室に行く用事を思い出したので」
スカーフェイスさんを学園長室まで連れて行けば、当然案内スタッフの仕事ポイントがアップするはず。
報酬も少しは増えるだろう、いや増えなきゃ困る。
ついでに博物館を壊した理由を説明して、脅迫状の送り主に先手を打てば一石二鳥だ。

一緒にスクナを連れて行って言い訳の材料にしようと思い、どこにいるかと探してみれば。
何を狂ったか王様はリリアーナを口説き始めてました。
だめだこいつはやくなんとかしないと。

>「余にここまで啖呵を切ったのはミルク以来じゃ!(中略)
>さあ、ミルク!皆が参列しておる!三人でお披露目といこうではないか!」
見てるだけで疲れるスクナの行動にげんなりしてると、王様はさらに御披露目とか寝ぼけたことを言い出した。
「慎んでお断りします。
 あたしは誰にでもすぐに、結婚しようなんて言う人はタイプじゃないので。
 しかも神に仕えるシスターとしては、結婚も簡単に出来ませんし」
後半は真っ赤なウソだけど、断り文句としては便利な言葉。
修道服が役に立つ数少ない機会だから、有効に活用しよう。
「それより王様。得の高い王になるには、困っている人を助けるのは必須条件です。
 スカーフェイスさんが困っているようですから、学園長室までご案内しましょう。
 ついでに王様が動かした戦車の説明を学園長にしないといけませんから」

170 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 21:05:56 0
>166-169
>「あー!そうそう、犬ね犬! 
> 学園長の友達が吸い込んだってフリージアが言ってけど、その友達ってどこにいるんだろうねぇ!」 
「学園長の友達?そうだったの?」
リリアーナが驚いたタイミングで、灰色のフードを着た男性が話し掛けてきた。
>「何があったかは詳しくはわからんが、そう怒ってやりなさんな。 
  そもそも悪いのはメイファじゃ。」 
スカーフェイスは皆を襲ったファン・メイファンという妖怪について話し始めた。
スカーフェイスがそのファン・メイファを消した事はフリージアが話していたので、彼がもう一度説明する事は無かった。

>スカーフェイスは、整然と並べられた生徒達の周りを回り、 
>その一人一人に小瓶に入った水薬を少しずつ飲ませていった。 
「あっ、スカーさん私もお手伝います!」
リリアーナはスカーフェイスに手伝いを申し出た。
>「これはキョータンチューという薬じゃ。打ち身と呪いの特効薬じゃが、生憎切り傷には効かん。 
> 包帯を取替え、傷口を消毒してから包帯を巻きなおしてやると良い。 
> 残念ながらこの指はあまり器用ではないから、どうか他の者がすると良い。」 
「はい、お任せください!それにしてもすごいお薬ですね、初めて見ました」

>スカーフェイスは一通り水薬を飲ませ終わると、自分の考えを話し始めた。 
>「さて、ここで問題なのが、どうしてメイファがこのフィジル島の魔法学園に現れたかじゃ。 (中略)
>  ルズという名の賢き猫よ。わしは今すぐにここの学園長と話をしなければなるまい。 
>  故に君に道案内を頼みたい。わしは、その役目は君に適任だと思う。」 
賢き猫と呼ばれたルズは、ふにゃ〜んと笑み崩れた。
>「あら〜ん、それほどでもありませんわ〜。ええ、ええ!
 僭越ながらそのお役目、このルズが命に代えても・・・」
>「スカーフェイスさん、良かったらあたしが学園長室までご案内します。 
> ちょうど学園長室に行く用事を思い出したので」 
「果たして見せます・・・・・・・にゃにゃっ?!」
ミルクに割り込まれルズは驚いた。
いや、それより何より、あの守銭奴のミルクがタダで動くだなんて!!
ルズは慌ててミルクの肩に飛び乗り耳打ちした。
>「ちょっとミルク様、案内してスカーフェイス様から小銭を稼ごうとか思ってるんじゃありませんこと〜?
> 学園の名前に傷がつきますから今回はおやめくださいまし〜!!」

171 名前:リリアーナと黒猫 ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 21:06:33 0
ルズがミルクと小声で話しているうちに、リリアーナはスカーの薬を預かったままだった事を思い出した。
「スカーさん、これ、お返ししますね!
 それにしてもスカーさん、メイファの子供を一瞬で消すなんてすごいです!
 私感動しました。・・・・・でもどうやって消したんですか?!」

リリアーナが目を輝かせてスカーに質問をしていると、不意に背後から肩を抱かれた。
「きゃっ?!なっ、何?!」
リリアーナは慌てて振り解こうとするが、スクナはリリアーナが思ったより力が強かった。
>「リリアーナよ、そなたは考え違いをしておるぞ。 (中略) 
 それに生徒達を包む包帯は回復を促進させ、外部からの攻撃にも耐性を持つ繭のようなもの。 
 その証拠に天蓋からの槍に当たった者はおっても貫かれたものはおらぬであろう? 
 王たるもの臣民を考え無に使い捨てるような真似はせぬわ。」
リリアーナは眉間にしわを寄せてじっと彼の話を聞き入ってきた。
あまりに自信満々で語られると、何となく正しく聞こえてくるから不思議だ。
「た、たとえそれが本当でも、怪我人をあんなにあんなにぽいぽい投げること無いじゃないの・・・
 皆貫かれなかったにしても、ミルクも私もレベッカも潰されそうになったんだから・・・・・・」
リリアーナはそう言って唇を尖らせた。先程よりも随分口調が和らいだようだ。
だがそれも次の爆弾発言を聞くまでだった。
>「じゃが、リリアーナが体を張れというのであればそなたを守る為ならば余は体を張ろうではないか!」 
「・・・・・・はあっ?!」
>「余にここまで啖呵を切ったのはミルク以来じゃ! 
>良かろう!そちも妃にしてやろうではないか! 
なに、案ずるな!王たるもの後宮を持つのは定めぢゃからの! 
さあ、ミルク!皆が参列しておる!三人でお披露目といこうではないか!」 
>「慎んでお断りします。(中略)」
「私も!私もお断りします!!私にはもう好きな人が・・・じゃなくて!!
 ととととにかく!あなたと結婚なんて絶対!ありえません!!」
リリアーナは真っ赤な顔で肩にまわされた手を振り解くと、ささっとフリージアの背後に隠れた。

>「見事に玉砕しましたわね〜」
ルズはしみじみそう言うと、慰めるようにポンとスクナの足を叩いた。
「まあそう力を落とす事は無いのですわ〜。
 フリージア女王様とあなたでは、最初から勝負は見えているのですわ〜」
ルズが慰めだか爆弾だかを口にしていると、ミルクがスクナに声をかけた。
>「それより王様。(中略) 
> ついでに王様が動かした戦車の説明を学園長にしないといけませんから」 
「ねえミルク、さっきの戦車ってもしかして博物館の奴?一体どうやって動かしたの?」
別行動の前に、リリアーナはミルクに疑問をぶつけてみた。


>「というわけでスカーフェイス様、わたくしとミルク様とその他が学園長室までご案内しますわ〜。
 他の皆様方はどうなさいますの〜?私でよければ伝言などもお引き受けいたしますわよ〜?」
ルズはケオスや生徒会役員達を見渡し、今後どうするかを確認した。
「あっ、私は残るわ」
リリアーナは手を上げ、続けた。
「怪我した皆が心配だし、何より今私はレベッカさんの案内役だからね。
 ところでスクナさん、あなたが巻いてくれた包帯はどうすれば巻きなおせるのかな?」

172 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 21:43:30 0
>156 >158-159
『おっと!!すまないがマオ君!君の子供のことについては
 後でじっくりと話しあおう!!大丈夫!!安心してくれっ!』
色々と横道にそれたがやっとこさ自らの使命を全うできる。
副会長は3匹にまで減った子犬達から生徒達を守らなければならない。
急いで振り返ると状況は凄まじいことになっていた。
リリアーナ達がいるベッドの天蓋に張り付き攻撃をしているではないか。

『くっ!いかんあのままではっ!!こうなったらやるしかなぁぁいっ!!』
体全体に魔力を滾らせ両手を広げる副会長・・・・・・
しかし、副会長が何かをしようとする前にスクナが恐ろしいことをなし始める。
>「いっかあああん!
>皆の者!余の妃を守れ!!」
なんと!周りの生徒を肉の盾にしようと、
ベッドの中にミイラ状態の生徒を放りこみ始めたのだ。
もちろん、貫かれたら重症、いや、
それどころか本当に死もありえるかもしれない。
『な、ば、馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
止めようと走る副会長!だが間に合いそうにもない。

だが、救いは唐突に現れた!!謎の灰色ローブの男。
スカーフェイスと書いてある黄色いリボンを胸につけ副会長を飛び越すように跳躍し、
そしてそのまま灰色ローブの男に吸い込まれるように化け犬は消えてしまった。
何者なのだろうか?いやそんなことは副会長には関係なかった。
ただ目の前の人物は生徒達を救ってくれた。それだけで十分だった。

>「みんな、大丈夫か?」
『危ないところを助けていただいてありがとうございました!!』
>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。
>あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」
『ならばなおさら礼を言わなければならない!
 子を守るのが親の務めならば、親を尊ぶのは子の務め!!』
ガッツポーズを取ったあと深く頭を下げる副会長。

>159 >161 >162-165
『さてと、ミイラ化した生徒達を助けなくはならないな!』
スカーフェイスに感謝の言葉も言ったことだし、
とりあえず凄い状態になっているベッドをどうにかしないといけないと思った副会長。
何か使える魔法はないかと考えているとフリージアが何やら考えを持っているようだ。
>「キキーモラさんキキーモラさんこの現状を何とかしてちょうだいな!」
ちょっと・・・といわずかなり怪しいがとりあえず呪文を紡いでいくフリージア。
『なるべく早く頼む!!』
その言葉通りかどうかは分からないが箒にかけている呪文は即座に命令を実行し、
ミイラの山につっ込みうまい具合に生徒達を整然と並べることに成功する!
とりあえず死傷者は出なかったようで安心した副会長。
スクナが生徒達を盾にした時はどうなることかと思ったのだろう。

そうなると今度は沸々とスクナへの怒りが湧いてくる。
基本的に差別もせずなるべく平和的解決を目指している副会長だったが、
この度のスクナの行動には怒りの沸点など遥かに通り越していた。
この状態でスクナの方を向くということがどういうことか副会長は分かっていた。
おそらく直視した瞬間全力でぶん殴って曲がった根性を叩きなおすだろう。
そう、分かっていたからこそ副会長はゆっくりとスクナの方に向きなおった。



173 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 21:45:16 0
そして案の定、いや、はしゃいでいるスクナを見て
予想していた怒りなど遥かに超えた憤激ともいえる感情が爆発した!!
『スクナァッ!!お前という野郎はぁぁぁ!!』
しかし、そんな副会長を止めたのはリリアーナだった。
靴を投げつけるリリアーナを見てなんだか唖然としてしまったのだ。
>「好きな女の子くらい体を張ってでも自分で守りなさいよ!!
>(略)
>体を張って皆を守ろうとした副会長達のほうが、ずっとずっと立派だし尊いわ!!」
しばらく呆然としていた副会長だったが、リリアーナの言ったことは、
概ね副会長の言いたいことと同じであり、結果として副会長の怒りは鎮まったのだ。

>166‐171
>「というわけでスカーフェイス様、わたくしとミルク様とその他が学園長室までご案内しますわ〜。
>他の皆様方はどうなさいますの〜?私でよければ伝言などもお引き受けいたしますわよ〜?」
ルズの問いかけに副会長は迷うことなく答える!
『俺達、生徒会役員はスカーフェイス殿の言ったとおり怪我人を看る!!
 さっきは力及ばずだったからな。せめて怪我の手当ぐらいさせてもらおうっ!』
本人の意思を無視し勝手にクロウとマオを入れてしまっている副会長だった。

174 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage まずは一つ目] 投稿日:2008/11/24(月) 23:12:12 0
>144>153
「よし!!一匹撃退!!」
木刀による攻撃で一匹倒すことに成功するが、敵も甘くはなかった。
「っ!!やばっ!!」
一匹倒して気が緩んだ時に、背中に攻撃を受ける。
このまま追撃をくらいそうになるのだが、
>「油断大敵ですわよ犬っころ!」
どうやら上の方にいた生徒が凍らせてくれたらしい。
おかげで追撃を受けずに済んだようだ。

>「お〜ほっほっほ!!私に掛かればこんなものですわ!感謝しなさいな・・・・え〜とまあ誰だっていいですわ!」
後でお礼を言っておきたいが、今は現状を解決することが優先だ。
そう思って立とうとするのだが、
「いてっ」
腰をやられたみたいだ。
応急手当だからダメージが蓄積されたか。

悪いことはさらに重なるもの、動けないのに犬の動きがまた元通りになってしまった。
「くそっ、先に被害者を避難させるべきだったか!!」
だが、今動けない俺ができることは魔法でサポートをするくらい。
しかも爆発を抑える為かなりの魔力を消費した状態である。
「あーもう!!どうすりゃいいんだよ!!」

>149
何をするべきか光の矢を防ぎながら考えていると、
>「そおおおりゃ!これぞ王の道よ!」
突然伸びてきた包帯が被害者たちを一か所に集めていく。
>「さあ者ども、存分にやるが良い!」
「ナイスサポート!!」
さっきまで倒れていた自称王様が被害者たちを避難させてくれたみたいだ。
これなら広範囲魔法も使える。

>「お〜ほっほっほっほ!まずはその足を封じさせてもらいますわ!!」
>「これでどうだ!メギド!」
「・・・俺の出る幕じゃねーな。」
俺から離れた所にいる犬の3匹が今の攻撃で倒されたようだ。
「今のうち動けるようにするか。」
動けなければ攻撃はできない。
手が空いている今のうちに気を腰に集中させてなんとか動けるようにしないといけない。
そのために最後の一匹がリリアーナ達に攻撃していることに気付かなかった。

>158>160
>「ファン・メイファ!!(黄美華!!)」
>「トゥイ!(はい!)」
「?・・・なんだ?」
立てるようになった頃、灰色のフード付きマントを纏った男が現れて犬を消してしまった。
>「みんな、大丈夫か?」
>「危ないところを助けていただいてありがとうございました!!」
…副会長、声、でかすぎ。
>「皆様今のをご覧になりまして〜?あの男、魔法も使わずに妖怪犬を消滅させましたわ〜!!」
「・・・なぜ俺の頭に乗るんだ?
 ってそんなことより、誰だ?」
姿恰好があまりにも怪しい
それに学園長の紹介にこんな人いたっけ?

175 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 23:16:49 0
ミルクとリリアーナに手痛く肘鉄を食らったのだが、この程度でへこんでいるようならばスクナなどやってはいない!
常に脳内お花畑全開!
スクナフィルターにより全てはポジティブに変換されるのだ!
「フィジルの女とは慎み深い事よのう!
そこな男もそんな顔をするでない。
犬は消え去り、余は代えがたき女を得た!祝うが良いぞ!」
辺りの惨状もミルクの呆れもリリアーナと副会長の怒りも何のその。
あたりの迷惑顧みず己の道を突き進むのだ!

「ふふふ、所詮は猫畜生に人の恋事は判るまい。
猫ゆえの無知を責めはせぬぞ?」
慰めるように足をポンポンと叩くルズの首根っこを摘み晴れやかな顔で振り返る。
「包帯なら安心せい、もはや回復効果のある包帯と変らぬはず。普通に解けるはずじゃて。」
そういうスクナの襟元からは大きな蚕が顔を出しており、使い切った包帯を補充すべく糸を吐き出していた。

「神であろうが、他の男であろうが、人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られるのが相場!
さあ行こうぞ!
学園長の元へ行き公認カップルになるのだ!
来たれ!黄金の戦車よ!」
スカーフェイスを案内するという部分はすっかり抜け落ち、ミルクとリリアーナと共に学園長室へ行こうと呼びかけるのであった。
その呼びかけに応えるかのように、ドドドドド!という勇ましい足音が近づいてくる。
勿論その音は中庭の林に置いてきていた黄金の戦車!
凄まじい勢いでやってきた黄金の戦車はそのままスピードを緩める事無く駆け抜けていく!
勿論スクナを跳ね飛ばし、そのまま宙を舞い博物館のほうへと消えていった。

一方、跳ね飛ばされたスクナは・・・
「恋とは素晴らしいのう!まるで宙を飛んでいるような気分じゃああああ!!!」
断末魔にドップラー効果を効かせながら遥か空へと吹き飛んでいくのであった。


176 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage 二つ目] 投稿日:2008/11/24(月) 23:24:18 0
>160
>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。
 あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」
>「ならばなおさら礼を言わなければならない!
 子を守るのが親の務めならば、親を尊ぶのは子の務め!!」
>「あらあら、何かイイ人っぽくありませんこと〜?でも・・・・・・」
>「あのスカーフェイスって方、本当に人間の殿方なのですわね〜?
 それにしてはなんだか変な匂いがするのですわ〜。皆様はどうお感じになられますこと〜?」
「警戒するに越したことはなさそうだな。」
獣の嗅覚は人の感覚よりも確かな時が多い。
用心した方が良さそうだ。

>162
>「とにかくここでは天蓋の中がどうなったかも良く分からないのですわ〜。もう少し近づくのですわ〜」
「・・・額を叩くな。」
少しくらいなんだから自分で歩けっての。
>「にゃ〜んvごろにゃーご(はあと)」
>「じゃあ一安心したところで猫ちゃん喫茶に・・・ってこの状態じゃ無理ですわね」
「ここから離れるときはぜひこの猫を連れて行ってくれ・・・」
正直に言うと今すぐ別の所へ連れて行ってもらいたいが、そうはいかないみたいだ。

>164
>「すまんが容姿を見せる事だけは勘弁してくれんかのう?およそ人様に見せれるような容姿をしとらんとて。」
>「うむ、どうやら犬どもはすべからく退治できたようぢゃの。
 (中略)
 よし!一件落着したところで祝言を挙げるとするか!」
>「とりあえず御礼を言うのですわ〜。わたくしはルズと申しますわ〜。
 ありがとうございます、えーと・・・スカーフェイス様」
「来賓の方なのに、ご迷惑をおかけしてすみません。」
…一応リボンはあるみたいだな。
外部との交流が盛んになれば、その分侵入者も増えるから警戒したのだが、いらぬ気苦労だっただろうか。
でも姿を見られたくないっていうのは少し気になるな。

>165
>「わたくし達を子も同然と仰ってくださったお心に甘えて、
 ここはひとつ怪我人の治療にも手を貸してくださいませんこと〜?」
ここで多くのけが人がいることを思い出す。
しかし、治療に入る前に事は起こった。
>「好きな女の子くらい体を張ってでも自分で守りなさいよ!!
 (中略)
 体を張って皆を守ろうとした副会長達のほうが、ずっとずっと立派だし尊いわ!!」
そこの自称王様に対しリリアーナが不満を爆発させている。
・・・結構迫力があるな。

>166
>「あれ・・・・・・・?ところであの子犬達はどこへ消えたの?」
>「あー!そうそう、犬ね犬!
 学園長の友達が吸い込んだってフリージアが言ってけど、その友達ってどこにいるんだろうねぇ!」
>「何があったかは詳しくはわからんが、そう怒ってやりなさんな。
 そもそも悪いのはメイファじゃ。」
メイファ?聞きなれない言葉だな。

>「あの。すいませんスカーフェイスさん、メイファってなんのことですか?」
ミルクも疑問に思ったのか、先に質問をしてくれた。
>「ファン・メイファ(黄美華)。中つ国の妖怪の一人じゃ。
 お前さんが“子犬”と言ったまさにあれの事じゃよ。あれはまだ幼い妖怪だが、
 とても強力な妖怪の血筋をもつ者じゃ。被害がこの程度で済んだのは幸いとしか言いようが無いぞい。」
「ジッチャンの言っていた物の怪みたいなものか?」
気功もそうだが、東方には魔法に似て非なるものがあるらしい。
そのうち妖術は物の怪がよく使うとジッチャンが言っていたはずだ。

177 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage 三つ目] 投稿日:2008/11/25(火) 00:29:09 0
>170
メイファについての説明をすると、別の地方の言葉で何かを話して治療に入った。
>「あっ、スカーさん私もお手伝います!」
>「これはキョータンチューという薬じゃ。打ち身と呪いの特効薬じゃが、生憎切り傷には効かん。
 包帯を取替え、傷口を消毒してから包帯を巻きなおしてやると良い。
 残念ながらこの指はあまり器用ではないから、どうか他の者がすると良い。」
ちょっとその薬欲しいな。
やっぱり背中が痛いし。

>「はい、お任せください!それにしてもすごいお薬ですね、初めて見ました」
>「さて、ここで問題なのが、どうしてメイファがこのフィジル島の魔法学園に現れたかじゃ。
 (中略)
 故に君に道案内を頼みたい。わしは、その役目は君に適任だと思う。」
「確かに、物質ならば転送で輸送できるが生物はゲートを使わない限り難しいな。」
けれども本当に信用していいのだろうか?
俺にはまだ、頭上の猫が言ったことが気になる。

>「あら〜ん、それほどでもありませんわ〜。ええ、ええ!
 僭越ながらそのお役目、このルズが命に代えても・・・」
>「スカーフェイスさん、良かったらあたしが学園長室までご案内します。
 ちょうど学園長室に行く用事を思い出したので」
>「果たして見せます・・・・・・・にゃにゃっ?!」
頭上の猫が引き受けようとすると、ミルクが案内することを申し出た。

>「ちょっとミルク様、案内してスカーフェイス様から小銭を稼ごうとか思ってるんじゃありませんこと〜?
 学園の名前に傷がつきますから今回はおやめくださいまし〜!!」
確かに、普段の噂から儲けを考えている可能性もあるが…
「人数が多くても困ることはないだろ。
 別にいいんじゃないのか?」
正直一人に案内させるのは不安がある。
だったら複数で行った方が、問題があった時に対処できるだろう。

…途中で色ボケ男がいろいろやらかしているが、敢えて割愛させてもらう。

>171>175
>「というわけでスカーフェイス様、わたくしとミルク様とその他が学園長室までご案内しますわ〜。
 他の皆様方はどうなさいますの〜?私でよければ伝言などもお引き受けいたしますわよ〜?」
伝言、か
こんな事がまた起こっても安心できるように抑制の解除でも・・・
いや、これは自分で言うべきだな。
>「あっ、私は残るわ」
>「怪我した皆が心配だし、何より今私はレベッカさんの案内役だからね。
 ところでスクナさん、あなたが巻いてくれた包帯はどうすれば巻きなおせるのかな?」
誰かが治療に専念してくれるのは非常にありがたいな。
その分生徒会も多くの仕事をこなせるし。
>「包帯なら安心せい、もはや回復効果のある包帯と変らぬはず。普通に解けるはずじゃて。」
「へぇ、結構便利なんだな。」
クリスの場合金属系が専門だからな。
他のマジックアイテムを作ってる奴を紹介してもらおうかな。

178 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage これで最後!!] 投稿日:2008/11/25(火) 00:30:09 0
>173
>「俺達、生徒会役員はスカーフェイス殿の言ったとおり怪我人を看る!!
 さっきは力及ばずだったからな。せめて怪我の手当ぐらいさせてもらおうっ!」
と思っていたら副会長が勝手に役員を残すことにしている。
「俺、手当とか苦手なんだけど…」
でも、今の副会長だと全く聞いてくれなさそうだ。

すると今度は色ボケの自称王様が行動を開始する。
>「神であろうが、他の男であろうが、人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られるのが相場!
 さあ行こうぞ!
 学園長の元へ行き公認カップルになるのだ!
 来たれ!黄金の戦車よ!」
そう呼びかけると、林の方から何かの足音が聞こえてくる。
「何で博物館に置いてあったものが動いているんだ!!」
正直驚きを隠せない。
確か王の素質がないと動かないと言われた戦車のはずなのだが、
「まさか、本当に王の資質が?」
そう思ったのもつかの間、黄金の戦車は王様を思いっきり跳ね飛ばして博物館の方に駆けていった。
「自分で馬に蹴られてどうする…」
というか、王の資質と正反対のものを持っているんじゃないのか?
>「恋とは素晴らしいのう!まるで宙を飛んでいるような気分じゃああああ!!!」
「・・・いったいなんだったんだ?」

後片付けをする為に戦闘の跡を見ると、氷漬けの犬や俺が木刀で叩いた犬が転がっていた。
「こいつらがまた動きだしても面倒だな。」
まだとどめを刺していなかったし、一応隔離はしておくか。
「座標指定
 separated room」
これでよし、っと。
あとは、
(えー、こちらクロウ。 
 騒ぎの原因となった生物を確保したので、何人か中庭に向かわせてくれ。)
生徒会本部にも、連絡完了。
「ってあれ?マオ、いつの間に来ていたんだ?」
ここでやっとマオが来ていたことに気づく。
そして、マオが連れている子供にも、
「ん、その子供はどうしたんだ?」

179 名前:ケオス&マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/25(火) 00:47:22 O
犬も消え一区切りついたケオスはマンダと合流し治療組に回っていた
スカーフェイスと言う人物も気になるが今は患者が優先されている。

>「あのスカーフェイスって方、本当に人間の殿方なのですわね〜?
>それにしてはなんだか変な匂いがするのですわ〜。皆様はどうお感じになられますこと〜?」
「あのひと、な、だか、へなにおい……
かいだ、ことのないにおい。」
「うん、変わった人…って言うか正体がわからない……
注意しておく必要はあるんじゃないかな。」
ルズの質問に患者を見ながら答える
ただ、今のところは助けてくれた恩人であるので特に言及はしないようだ。
>「これはキョータンチューという薬じゃ。打ち身と呪いの特効薬じゃが、生憎切り傷には効かん。
>包帯を取替え、傷口を消毒してから包帯を巻きなおしてやると良い。
>残念ながらこの指はあまり器用ではないから、どうか他の者がすると良い。」
治療をしながらも話を聞いているケオス
「キョータンチェー……なんだったかな…
何処かで聞いたような気もする」
どうやら彼は治療の手伝いもしてくれるようだ。
ケオスは薬の名前に反応し、首を傾げるが特に害はなさそうだ
>「というわけでスカーフェイス様、わたくしとミルク様とその他が学園長室までご案内しますわ〜。
>他の皆様方はどうなさいますの〜?私でよければ伝言などもお引き受けいたしますわよ〜?」
「僕達は生徒会の人たちとここに残るよ。
今は安定していても何が起こるかは分からないからね。
それでいい、マンダ?」
「わたし、ルズさんについて、きたい…」
しばし頭を悩ますケオス。
「…だめ?」
「いや、いいよ。ルズに会うのも久し振りだろうしね。ここは僕に任せてルズの御手伝いをしてきて。」
「う、ん!」
許可が出たマンダはクロウの頭に乗っているルズを抱き上げる
「ルズ、さん。おひさ、しぶりです。さ、きはちゃんと、あいさつできなく、てごめん、なさい。」
しっかりと挨拶できなかった事が余程気掛かりだったらしい。少しションボリとした顔をした後
「ルズ、さん、あいたか、た…!」
ルズを抱き締め喜ぶマンダ

そんな光景を見届けたケオスは
「ルズ、マンダを頼むよ。」
一言挨拶を入れ、次は生徒会の方へ行き副会長へ
「と言う訳で、僕は残らせてもらうよ。副会長さんは治療も出来るみたいだけど…君やミオは大丈夫?」
クロウやなぜだか子供を抱いているマオに向かって問い掛ける

180 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/11/25(火) 18:58:31 P
>165166
>「ちょっと何を無視してますの!まったく無礼な野郎なのですわ〜ムキー!!」
「ふっふっふ!あるときは謎の美少年、またあるときは悪魔羽付きにゃんこ、そしてその実体は!!」
ともったいぶって正体を明かそうとするギズモ
「なにやってますのギズモちゃん?」
あっさりと正体を言うフリージア
「ちょっお母さん!」
色々と台無しにされたため突っ込むギズモ
「お〜ほっほっほ!どうせ後でわかるんだから一緒でしょv」

問題なく発動する魔法
箒はあっという間に生徒を片付けるとフリージアの手元に戻った
「お〜ほっほっほっほ!初めて使ったのにここまで上手くいくなんてさすが私ですわ」
自画自賛とは正にこの事である
「え〜と・・・・用事が終わったら報酬として牛乳を一杯精霊に渡す事・・っと」
ギズモは魔道書の続きを音読する
「お〜ほっほっほ!抜かりはありません事よ当然用意済みですわ!!」
とフリージアは胸の谷間から瓶入りの牛乳を取り出し
「ありがとうねキキーモラさんv」
ぽーんと空中に放り投げた
「ちょ!?」
あっと驚くギズモちゃん
空中に投げられた牛乳瓶は空中で静止し
中身がどんどん消えて行く
「なかなかいい飲みっぷりですわね・・・・」
精霊図鑑に載っていた犬顔のメイドが漢らしいポーズで牛乳を一気飲みのを何故か連想するフリージア
いやフリージアにはキキーモラなんて自分の属性に関係ない精霊なんて見えないのだが・・・・

>171>175>178
フリージアの後ろに隠れるリリアーナ

>「まあそう力を落とす事は無いのですわ〜。
 フリージア女王様とあなたでは、最初から勝負は見えているのですわ〜」
「・・・・何だか誤解を招きそうな言い方ですわね」

>「神であろうが、他の男であろうが、人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られるのが相場!
さあ行こうぞ!
学園長の元へ行き公認カップルになるのだ!
来たれ!黄金の戦車よ!」

「・・・・・あ、跳ねられた」
>「自分で馬に蹴られてどうする…」
自分の戦車に跳ねられて飛んで行くスクナ
「そういえばこういうとき東方ではタマヤーって言うってお母様の友達が言ってましたわ」
「そうなの?タマヤー!!」
「カギヤーですわ!」


181 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/25(火) 20:27:59 0
>169>170>171
> >「あら〜ん、それほどでもありませんわ〜。ええ、ええ!
>  僭越ながらそのお役目、このルズが命に代えても・・・」
> 「スカーフェイスさん、良かったらあたしが学園長室までご案内します。
> ちょうど学園長室に行く用事を思い出したので」
> 「果たして見せます・・・・・・・にゃにゃっ?!」
> ミルクに割り込まれルズは驚いた。
> >「というわけでスカーフェイス様、わたくしとミルク様とその他が学園長室までご案内しますわ〜。(略)」
>「そうか、そうか。さすがにあ奴の教え子じゃ。礼儀と親切をわきまえておるわい。」
スカーフェイスが感心したように言った。
>「ところで、先程吹き飛んだ君達の友人(>175)は大丈夫かのう?」

>179
>「物の怪か…たしかにあやつらも妖怪じゃが、
> わしが思うに中つ国と東方では文化からして違うに、妖怪もまた…
> おっと、失礼した。先程の少年(>176)はあの場所に残ったのじゃったかな?」
スカーフェイスはうっかり、マンダにそう話しかけた。
学園長室までの移動は意外ともたついた。
スカーフェイスが、食べ物の露店の前で時々立ち止まってしまうからだ。その度にスカーフェイスは、
>「メイリン!」
と叫び、思い出したようにまた足を動かし始めるといった調子だった。
それでも、なんとか学園長室まで辿りつく事ができた。
スカーフェイスが扉をノックしようと近づくと、扉は待っていたようにひとりでに開いた。
その奥で、飴色になるまでよく磨かれたマホガニーの机と、椅子に腰掛ける学園長の姿が見える。

例えば、部屋というものにはその主特有の臭いが満ちているものである。
そして、学園長室にもまた独特の臭いが満ちていた。“冷たい怒り”である。
>「友よ、またお目にかかれるとはなんと喜ばしいか!」
学園長は、最低限の礼儀として椅子から立ち上がったが、その顔に歓迎の色は無かった。
>>「友か…スカーフェイスよ、次に口にする言葉を慎重に選ぶが良いぞ。
>> これからも我々と変わらぬ友情を育みたいのであればな。」
今世紀史上、おそらくは最強の魔法使いは、
スカーフェイスの対応しだいによっては“本気”を出すことすら辞さないようだ。
しかし、何故スカーフェイスに対して学園長は怒っているのだろうか?

182 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/25(火) 23:32:06 0
>154 >158-169
なんだか分からないが相当大変な事になっていることは間違いないようだ。
現に副会長が現場に来ているなんて普通は他の人間が引きとめるのに……
>『マオ君じゃあないか!!よく来てくれた!!悪いが早速手を・・・んん!?』
「はい!分かりました……どうかしたんですか?」
言葉を止めて副会長は僕の抱いているヴァンを凝視する。
いや、もはや睨んでいるといってもいいほど見つめている。
この人…悪い人じゃないんだかこういうオーバーリアクション気味な態度が、
欠点といえば欠点だな……
>『まさか!!そんな!?・・・・・・いや、ありえないことじゃあない!
>そうか・・・その年で子供が・・・・・・何かあったら俺に言ってほしい!
>できる限り力になろう!!』
「副会長……全然違いますよ」
肩をがっしり掴んでくる副会長。この人はいつもこうだから苦手だ。
僕とは決定的に、というか一般人の感覚とはどこかズレている。
「えーとヴァンエレン。ほらお前も副会長に事の経緯を言ってやれ」
>「すー すー」
ヴァンエレンに聞くが反応がない、見てみると眼をとじ寝息を立てていた。
だ、だめだこいつ。本当に記憶も思考もすべて幼児に退行してる!
起こすとぐずりそうな気がするし……ああ、なんて厄介なんだろうか。

それにこんなこと話している場合じゃあないんじゃないのか?
なんだか分からないけどあの犬暴れまわってるじゃないか。
「ま、まあとりあえず僕の事は置いておいて…」
>『おっと!!すまないがマオ君!君の子供のことについては
>後でじっくりと話しあおう!!大丈夫!!安心してくれっ!』
……どうやら副会長も我に返ったようだ。暴れている犬たちに向かって走っていく。
「……しかしさっぱり状況が分からないな、どうしようかヴァンエレン」
何やら叫んでベッドの方へと走っていく副会長を見て、
加勢してもよいのか分からなかったのでヴァンエレンに聞いてみる。
が、当然幼子のように眠りについているヴァンエレンからは反応はない。
「お前いつになったら戻るんだ?このままじゃ自由に動くこともままならないぞ」
実際、僕が暴れている犬と戦っている副会長や他の人間の加勢に易々と行けないのもヴァンエレンがいるからだ。
抱いたままじゃヴァンエレンが危険だし、荷物のようにどこかに置くわけにもいかない。

黙って見ていると怪しすぎる灰色のローブの男が現れ犬を文字通り消し去ってしまう。
>「お礼など必要ないぞ。わしはここの学園長の古くからの友人でな。
> あ奴の生徒であれば、わしの子供も同然だわい。子を守るのは親の務めじゃとて。」
などと言っているが、正直あんな術や魔法は見たことがないし、人物としてはかなり怪しい。
それにあの灰色ローブの男が言った中つ国の言葉にあの犬たちの返事。
もちろん僕は中つ国など言ったことがないから内容は分からないが、
もしかしたら自分でけしかけておいて自分で窮地を脱してあたかも救ったかのように見せているとも限らないんだ。



183 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/25(火) 23:33:11 0
>170-180
その後もスカーフェイスの話を聞き続けて
やっとだんだんと状況がつかめてきた。
どうやらあのメイド喫茶の爆発もすべてメイファという妖怪の仕業だったということだ。
「よく東洋や東方には神秘の力があると言われているからな」
しかし、魔法障壁が効かないということは熟練された魔法使い以外には驚異そのものだな。
さてと、とりあえず騒ぎは一件落着したようだし僕はどこかに行くとするか。
>「俺達、生徒会役員はスカーフェイス殿の言ったとおり怪我人を看る!!
>さっきは力及ばずだったからな。せめて怪我の手当ぐらいさせてもらおうっ!」
僕がこの場を離れようと思って歩き始めたら盲目熱血一直線の副会長が
勝手に僕たちを残す采配を下してしまった。
「そんなこと言われても僕はそういうのできないんだが……」
ぼそっと言ってみるが無駄だろう、今副会長は熱血モードだ。

なんか近くでは黄金の戦車に跳ね飛ばされている
頭の危ないやつもいるしなんなんだこのシュールすぎる状況は……
ヴァンエレンもこんなんだし溜息しかでない。
とりあえずヴァンエレンを抱えながら
>「ってあれ?マオ、いつの間に来ていたんだ?」
「ん?ついさっきここで騒ぎが起こっていたのを見てな。
 まあエリートの僕の力など使うまでもなく収まったようだが」
>「ん、その子供はどうしたんだ?」
話しているとふいにクロウの目が僕の抱いている子供に行く。
やっぱりというかなんというか、目立つといったら目立っちゃうんだろうなー
「あー、話せば長くなってしまうんだが……簡単に言うとヴァンの子供」
しかし、全て喋る前に向こうからいけすかないケオスが歩いてくる。
>「と言う訳で、僕は残らせてもらうよ。副会長さんは治療も出来るみたいだけど…君やミオは大丈夫?」
「まああんまり得意な方じゃ……ってだからミオじゃない!!マオだ!!
 なんなんだお前は一体!毎回毎回間違えてー!
 あれか?好きな子をいじめるみたいな感覚なのか?
 でも僕は全っ然嬉しくない!!そういうことしてると友達いなくなっても知らないからな!!」
僕も友達が居ないというのは置いておいてとりあえずケオスに噛みつく。
「…まあいいや、とにかく僕は今この子供の面倒見なくちゃいけないから
 治療や手当はケオス、お前に僕の代わり任せた。そのために残ってきたんだろ?」

184 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/26(水) 16:33:23 O
>170-171 >175 >178-179
>「ねえミルク、さっきの戦車ってもしかして博物館の奴?一体どうやって動かしたの?」
「あたしも驚いたんだけど、王様…スクナが資質を認められたみたいで…ね」
>「神であろうが、他の男であろうが、人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られるのが相場!(中略)
>来たれ!黄金の戦車よ!」
リリアーナに説明している間に、勘違い王スクナがタイミング良く戦車を呼んでくれた。
>「何で博物館に置いてあったものが動いているんだ!!」
驚きの声が上がるのもごもっとも。
あたしだっていまだに信じられないんだから。
「ほら、信じられないだろうけどこの通り、スクナが呼べば戦車が……って、あ」
ズドドドと爆走してきた戦車は進路にいたスクナを跳ね飛ばし、そのままどこかに走り去っていった。
>「恋とは素晴らしいのう!まるで宙を飛んでいるような気分じゃああああ!!!」
跳ね飛ばされたスクナは、危機感の無いことを言いながらどこか遠くに吹き飛んでいく。
……。ま、死んではいないみたいだしいいか。
もしかしたら戦車も、気を利かせて学園長の所までスクナをぶっ飛ばしてくれたのかもしれないし。

>「というわけでスカーフェイス様、わたくしとミルク様とその他が学園長室までご案内しますわ〜。
> 他の皆様方はどうなさいますの〜?私でよければ伝言などもお引き受けいたしますわよ〜?」
>「そうか、そうか。さすがにあ奴の教え子じゃ。礼儀と親切をわきまえておるわい。」
「いや〜それほどでも」
スカーフェイスさん、なかなか良い人だよな。
学園長の古い友人って言ってたからそりゃそうか。
もしかしたら院長先生こと、シスター・ハマルティアとも知り合いかもね。

>「ところで、先程吹き飛んだ君達の友人(>175)は大丈夫かのう?」
「王様は馬に頭を噛まれて振り回されても生きてるくらい頑丈なので大丈夫です。
 それより、怪我人は残ったみんなが見てくれるみたいだから、そろそろ行きましょう。
 学園長室までそんなに時間はかかりませけど」
そう言って出発したものの、結局学園長室までは結構な時間が必要になった。
スカーフェイスさんが、お腹が空いているのか食べ物の屋台前につくたびに立ち止まるから。
しかもそのたびに。
>「メイリン!」
とか謎のかけ声を出して歩き出すし。
お腹がすいてるんなら何か買ったげた方がいいんだろうか?
請求書を学園長にまわせるなら買ってあげるんだけどなー。

到着した学園長室の入り口は、相変わらずの自動ドア。
ノックもいらなかった所を見ると、旧友の来訪は予測済みなのかな。
とかのんきに考えてたんだけど。部屋に入って最初に感じたのは違和感だった。
いつもの暖かみある雰囲気じゃなくて、これは……もしかして学園長…怒ってる?
でもなんで?スカーフェイスさん、学園長の古い友人じゃなかったの?
>「友よ、またお目にかかれるとはなんと喜ばしいか!」
対するスカーフェイスさんの態度はさっきまでと変わりなく。
それでも、学園長の表情も雰囲気も、怒りが解ける気配はない。
>>「友か…スカーフェイスよ、次に口にする言葉を慎重に選ぶが良いぞ。
>> これからも我々と変わらぬ友情を育みたいのであればな。」
うあこれはまずい……。
もしかして友達は友達でもダメな方の友達か……。
あたしはさりげなくルズとマンダを近くに引き寄せながら、恐る恐る学園長に聞いてみた。
「えーっと、学園長…。
 実はさっき、メイファとか言う怪物に襲われてた所をスカーフェイスさんに助けてもらったんですが…
 お二人はどんな…えー……お知り合いなんですか?」

185 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/26(水) 16:36:45 O
でいりぃ・ふぃじる本部には『逆転昔話!〜歴史の矛盾に異議あり〜』と書かれた看板が掲げられている。
中に入って目につくのは、壁にかけられたパネルやタペストリー。
積み上げられた童話に寓話に神話などの解説書や奇書珍書。
それら、博物館や図書館から借りだされた多くの展示物は、独自の解説付きで区分ごとに分けられていた。
部屋の一角はカーテンで仕切られていて、現在のでいりぃ・ふぃじるの活動は、そのスペースで行われている。
中では次々に届く情報を元に、今後の行動について激論が繰り広げられていた。
と言っても、他の生徒は出払っているのでユリと編集長の間でだけなのだが。

「猫耳メイド喫茶の爆発なんかホントにすごい威力だったんだから!
 これはきっと魔法学園への大規模テロ計画だよ!
 早くみんなに放送で警告しないと被害者がどんどん増えちゃう!」
>「う〜む。それはそうですが、そうすると副会長の演説が問題ですなぁ。
> あの嘘は学園祭のお客様をパニックにしないための作戦だったに違いありません。
> 慌てて報道すれば、生徒会の苦労を無にしかねませんぞ」
「でもでも!そんな事を言っているうちにも被害は広がってるんだってば!」
そう言ってユリが指差す黒板には、他の報道員からの連絡が次々と自動で書き込まれていく。
その中にはもちろん、中庭近くで犬型モンスターの襲撃があり、複数の負傷者がでた事も含まれていた。

ふ〜むと何事か黒板を眺めて考えていた編集長は、新たに増えた情報を見てユリに声をかける。
>「どうやら生徒会以下有志のみなさんの活躍で、中庭の騒ぎは収まったようですぞユリくん。
> 中庭のことは近くにいる報道員にお任せして、ユリくんには緊急にこちらの取材を頼みたいですぞ」
編集長が指示棒を伸ばして指し示した場所には、博物館からの情報が書き込まれている。
【博物館内で破壊活動の疑いあり。現在、動かずの黄金戦車が行方不明中】
「ええーっ!?動かない戦車がなんで行方不明なのさ!?」
>「ムウ大陸への道が開けると言われる文化祭の日に動かずの戦車が行方不明。
> これは犬の襲撃と同じく重大事件ですぞ。
> 後のことは我輩に任せ、ユリくんは即刻博物館に飛んで下され!」
下された指令に、驚いていたユリもビシッと背筋をただして敬礼を返す。
「わかりました!不肖ユリ・オオヤマ、早速博物館に情報収集に向かいます!」

ユリがデッキブラシに飛び乗って出発した後、魔法学園の敷地内に編集長の声で放送が聞こえた。
>『あーあー、おほん。
> こちらはでいりぃ・ふぃじる編集部であります。
> 現在、一部の場所で魔法障壁が無効になる不具合が発生しておるようです。
> 原因が判明するまでは、魔法障壁を過信して無茶をされないように注意してくだされ。
> 以上、でいりぃ・ふぃじるからの、学園祭を楽しむワンポイントアドバイスをお送りしましたぞ』

186 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/26(水) 20:54:44 0
>180
>箒はあっという間に生徒を片付けるとフリージアの手元に戻った 
何でも使役の報酬は牛乳をいっぱい精霊に渡す事らしい。
>「お〜ほっほっほ!抜かりはありません事よ当然用意済みですわ!!」 
そういってフリージアは胸の谷間に手を突っ込んだ。
「い、いけませんわ女王様!そんな・・・こんな公衆の面前で!!!!!」
ルズは鼻血を噴きながらフリージアを阻止しようとした。
>「ありがとうねキキーモラさんv」 
だが、フリージアが取り出したのは特大の牛乳瓶だった。
「で、ですよね〜」
ルズは地面と仲良くなりながら、だーっと涙を流した。

>175-178
>「ふふふ、所詮は猫畜生に人の恋事は判るまい。 
 猫ゆえの無知を責めはせぬぞ?」 
「むきー!!気安く触るんじゃないのですわ〜!!
 しかも無知ですって?!抱きたい猫ランキング殿堂入りのわたくしによくもよくもよくも〜!!」
ルズはキーッと怒ったが、彼女の埒をあけたのはルズ本人ではなく金色の馬であった。
>「・・・・・あ、跳ねられた」 
>「自分で馬に蹴られてどうする…」 
「人の恋路を邪魔するからですわ〜。いい気味なのですわ〜」
・・・・・・ルズはとことん男性に無関心であった。

>179
>「わたし、ルズさんについて、きたい…」 
スカーフェイスから誉め言葉を頂いていたルズの耳が、ぴくっとマンダのほうに動いた。
>許可が出たマンダはルズを抱き上げる 
>「ルズ、さん。おひさ、しぶりです。さ、きはちゃんと、あいさつできなく、てごめん、なさい。」 
「別に気にすることは無いのですわ〜所詮あなたはお嫁に出した子ですもの〜」
つーんとそっぽを向いたルズだが、マンダがしょんぼりしたのを見て挙動不審になる。
「べべべ別に挨拶しなかったくらいで謝る事無いのですわ〜!
 嫁に出したとはいえ、わたくしがあなたの養い親だった事に変わりは無いのですわ〜」
>「ルズ、さん、あいたか、た…!」 
「わたくしもですわ〜」
ルズもごろごろ喉を鳴らすと、マンダに小さな頭を摺り寄せる。
「頭のリボンはご主人様に結んでもらったのですわね〜。
 マンダが幸せそうでわたくしも嬉しいのですわ〜」
>「ルズ、マンダを頼むよ。」 
ルズは分かってる、というように前足を上げてみせた。

>181 >184 >185
学園長室までの間、ルズはとても口数が少なかった。
それはスカーフェイスやミルクやマンダの話を聞き入っていた事もある。
だが主因は、謎の掛け声を上げるスカーフェイスをじっと観察していたからかもしれない。
「そう言えば、妖怪犬を消したときも同じ掛け声をしてましたわね」
誰に言うでもなく、ルズはぽつりと呟いた。
>魔法学園の敷地内に編集長の声で放送が聞こえた。 
「あら〜ん、さすがはでいりぃ・ふぃじる、仕事が速いのですわ〜。
 パニックにならないようにという生徒会の意図を汲み、なおかつ的確な警告なのですわ〜。
 これで、万が一の被害が少しでも減ればよいのですけれど〜」
確かに妖怪犬は中庭で姿を消した。だが、リリアーナやレベッカの話ではもともと3匹いたという。
そのうちの二匹は死んでいたらしいが、死体は姿を消していた。
用心しておくにこした事は無い。

学園長室に到着した一行を迎えたのは、冷たい怒りを湛えた学園長だった。
親しげな挨拶を行うスカーフェイスの言葉を耳にしても、学園長の態度は軟化しなかった。
ミルクはルズを抱いたマンダを庇うようにさりげなく近くに引き寄せた。
>「実はさっき、メイファとか言う怪物に襲われてた所をスカーフェイスさんに助けてもらったんですが… 
> お二人はどんな…えー……お知り合いなんですか?」 
「怪我をした生徒の治療もしてくださっていましたわ〜。えーと・・・マンダ、なんて薬でしたかしら〜?」

187 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/27(木) 00:46:08 0
>175
>「包帯なら安心せい、もはや回復効果のある包帯と変らぬはず。普通に解けるはずじゃて。」 
>「へぇ、結構便利なんだな。」 
「あの包帯回復効果もあるの?じゃあ、悪いけどもう少し分けてもらってもいいかな?」
リリアーナはそういうなり、スクナの蚕が吐き出していたものの一部を頂戴した。

生徒会のメンバーはここに残り、怪我人の治療や後始末に当たるようだ。
メンバー以外のケオスもマンダをルズに預け、怪我人の治療に当たるとのことだった。

そして、さっきミルクの会話に出ていた戦車とは、やはり博物館に展示されていた金色の戦車の事らしい。
>「ほら、信じられないだろうけどこの通り、スクナが呼べば戦車が……って、あ」 
だが戦車は主を天高く跳ね飛ばしたかと思うと、そのまま爆走して行ってしまった。
スカーフェイスがスクナを心配していたようだが、ミルクは
>「王様は馬に頭を噛まれて振り回されても生きてるくらい頑丈なので大丈夫です。」とにべも無い。
「すごい勢いで跳ね飛ばされたけど、本当に大丈夫なのかな〜?」
リリアーナは心配そうにスクナが星になった方角の空を眺めていた。

>178-179
スカーフェイス達は学園長室に向かった。
そしてクロウは、戦闘不能になった妖怪犬――――メイファ達を隔離している。
「これでひとまず安心・・・・・・かな?
 副会長、怪我人の搬送の手配はどうなっているんでしょう?」
もしベッドが不足するようなら、どこかの部屋を代用するか拡張する必要があるかもしれない。
「保健室に全員収容しきれるようならいいんだけど・・・」
とりあえず怪我人を無事保健室に運ぶまでは、この場を離れる事は出来ないだろう。

「まだ治療を受けていない怪我人の方はいらっしゃいませんか〜!!」
リリアーナはスクナから分けてもらった包帯と水薬(スカーフェイスに返し損ねたのだ)を手に、
大声で呼びかけている。
「そういえば副会長やクロウさん、お怪我は無かったですか?
 クロウさんはメイファに背中叩かれていましたよね?ちゃんと治療しておかないと・・・」
リリアーナはクロウの方を振り返った。

メイファの隔離が終わったクロウは、今はマオに話し掛けていた。
「・・・・・・何でマオマオは子供連れなんでしょう?」
しかも子供のおくるみには、黄色いリボンがついている。
(となると、あの子自身が来客ってことよね?)
実はおくるみ代わりの上着は借り物なのだが、そんな事情をリリアーナが知るよしも無かった。

マオ達にケオスが合流し一言二言話していたようだが、突然マオが怒り始めた。
リリアーナはびっくりして、マオ達の方へと移動した。
>「まああんまり得意な方じゃ……ってだからミオじゃない!!マオだ!! 
>なんなんだお前は一体!毎回毎回間違えてー! (中略)
> でも僕は全っ然嬉しくない!!そういうことしてると友達いなくなっても知らないからな!!」 

>183
「マオマオ、一体どうしたの?そんなに大声出すと、抱っこしてるその子が起きちゃうわよ?」
リリアーナはひょいとマオが抱っこしている子供の顔を覗き込んだ。
「あら、可愛い!でもマオマオ、この子いったいどうしたの?
 私、どこかで会ったような気がするんだけど・・・・・・」
リリアーナは子供を見て何か考え込んでいたようだが、ふと違和感に気づき驚いた顔をした。
「あらやだ、その子もしかしてすっぽんぽんなの?
 だったら風邪を引かないうちに、何か着せた方がいいんじゃない?」

身を起こしたリリアーナは、今度はクロウをちょいちょいと手招きした。
「クロウさん、背中はどう?良かったらスカーさんの薬、少し飲んでおかない?」
リリアーナはあーん、とでも言うように、クロウの前に水薬を差し出してきた。

188 名前:マンダ ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/27(木) 10:30:13 O
>「わたくしもですわ〜」
>ルズもごろごろ喉を鳴らすと、マンダに小さな頭を摺り寄せる。
「ケ、オス、やさしい……でも、ルズさん、も、やさしい。」
頬擦り返し嬉しそうに笑う。
>「頭のリボンはご主人様に結んでもらったのですわね〜。
>マンダが幸せそうでわたくしも嬉しいのですわ〜」
>「ルズ、マンダを頼むよ。」
>ルズは分かってる、というように前足を上げてみせた。
「ケオス、やさしい…でもケオス、ちょ、と、かほご…」
ケオスから充分離れた後ポツリとこぼす
「でも、そんな、ケオスも、好き…」
自分で言って自分で恥ずかしがり、顔を赤くし髪が青く光る

学園長室へと入るといつもの穏和な学園長は居らず居たのは冷たい怒りを纏った学園長であった
>ミルクはルズを抱いたマンダを庇うようにさりげなく近くに引き寄せた。
空気の違いを察したマンダはミルクの後ろに隠れる。
>「実はさっき、メイファとか言う怪物に襲われてた所をスカーフェイスさんに助けてもらったんですが…
>お二人はどんな…えー……お知り合いなんですか?」
>「怪我をした生徒の治療もしてくださっていましたわ〜。えーと・・・マンダ、なんて薬でしたかしら〜?」
「うん、た、しかキョー…タン……チェー
おじいちゃん、こわい……おこらない、で……」
それだけ学園長に伝えると再びサッとミルクの後ろに隠れる

189 名前:メラル ◆n/QamkW/HM [sage] 投稿日:2008/11/27(木) 16:19:33 0
>>185

ユリが博物館近くまで来ると…メラルが進路を遮り、立ち塞がった。
そのまま突撃して来ても対処できるように、
大量の斥力球を盾にするようにして。

そして…声をかけてきた。
「今博物館は封鎖中よ。どうせ白百合騎士団も重要参考人が
 一人いる事しか知らないでしょうし…少なくとも貴方には
 何も教えてくれないと思うわ。騎士団からすれば貴方も
 当事者の可能性があると考えざるを得ないでしょうし。
 最悪、貴方が今までの行動を根掘り葉掘り聞かれる羽目になるわ。」

そこまで言って、一息つく。…メラルが体を殆ど動かしていないのに、
何故か頭の黒い帽子が小刻みに動いている。
メラルがため息をついて帽子を取ると、頭には何も変な所はなかった。
しかし、帽子の中に何が入っているかまでは…見えなかっただろう。

「どうせ何があったのか知りたいんでしょ?
 ならミルクの所に連れて行きなさい。そうすれば…
 全て明らかになるわ。まず間違いなくね。」

言った後も、、メラルはしきりに帽子の中を覗いて
何か細工をしている素振りを見せる・・・が、
帽子の付近のごく一部だけに濃密な霧を発生させて
ユリに帽子が見えないよう徹底しているため覗くのは難しいだろう。


190 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/27(木) 21:40:16 0
>189
博物館前で話すメラルとユリ。
その二人は突然の風に驚くだろう。
風が強いわけではない。
いや、風というより、空気の壁、という形容が一番高いだろうか?
それが緩やかに二人を圧迫し始めているのだ。

その直後、届く音は勇壮なる蹄の音。
***ドドドドド****と音が近づいてくる。
見やると黄金の戦車が博物館に向かい一直線に突進してきているのだ。
その速さ以上に圧迫感。
それが空気の流れる事を許さず押し出すかのように壁と成して突き進む!

黄金の戦車は一切の干渉を受け付けぬかの勢いで二人の脇を駆け抜けていった。
事実、立ちふさがる博物館の壁を突き抜け、中へと入っていった。
博物館の中では混乱する白百合騎士団の声が響き渡っている。
黄金の戦車は周囲の騒動を歯牙にもかけずもとの台座に戻り、嘶きを一つ残して以前のように彫像と化したのだが、中での出来事。

メラルとユリの近くには黄金の戦車が残した一陣の風と共に、小さな物が転がり落ちていた。
それはアルナワーズの顔を模した仮面。
口と眼窩は空虚に何もないが、それでもぎょろりと見つめられたかのような錯覚を覚えるだろう。
しかしてそれは錯覚ではなかった。
アルナワーズの仮面は持ち主もないまま言葉を紡ぐ。
「はぁ〜い。ユリ。面白いものを持ってきたの。
これで貸し一つ。でもぉ、これは多分、貸し五つくらいに膨れ上がると思うわ〜。
そ・れ・か・ら・・メラル〜。折角のお祭りなんだから楽しまなきゃダメよぉん。」
そういい残すとアルナワーズの顔を模した仮面は気配を立ち、ただの仮面になっていた。

その仮面の下には・・・スクナの持っていた御伽噺の本が横たわっていた。

黄金の戦車がスクナを轢いた際に、仮面と本がスクナの懐から零れ落ち、戦車に乗っていたのだ。

一方、スクナだが、跳ねられ宙を舞い、校舎上層の壁のシミになっていた。
一部発見した生徒からは、一種の前衛芸術と思われ、救助の手を差し伸べられる事はなかった。

191 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/28(金) 00:30:32 0
>184>186>188
> 「えーっと、学園長…。
>  実はさっき、メイファとか言う怪物に襲われてた所をスカーフェイスさんに助けてもらったんですが…
>  お二人はどんな…えー……お知り合いなんですか?」
>>「古い友人じゃ。」
学園長はそっけなく答えた。その時、スカーフェイスが声を荒げた。
>「メイファは妖怪じゃ。怪物などという下卑た下等生物と一緒にするでない!」

> 「怪我をした生徒の治療もしてくださっていましたわ〜。えーと・・・マンダ、なんて薬でしたかしら〜?」
> 「うん、た、しかキョー…タン……チェー
> おじいちゃん、こわい……おこらない、で……」
>>「そうか、そうか。」
学園長はマンダに優しい顔でそう言った。怒っているとはいえ、小さな子供を恐がらせるのはよくない。
>>「この魔法学園では、自らの行いによって起こったあらゆる結果に対して、誰しもが責任を負わなければならん。」
何故かミルクの方を見ながら学園長が言った。次に学園長は、スカーフェイスの方へ顔を向けた。
>>「君がメイファを見逃した落ち度を五分と見よう。そして、君がメイファに傷つけられた生徒達を助けた事を五分と見よう。」
学園長は、スカーフェイスを許すような発言をした。しかし…
>>「しかし、ファン・メイファは別じゃ。“下卑た下等生物”の真似をして生徒達を傷つけた以上、
>> こちらもそれ相応の対応をさせてもらうしかない。例え、君の娘であろうとな。」
スカーフェイスは、一歩後ろにたじろいだ。手に持っているヒョウタンの中には、メイファが納まっているはずである。
>「頼む!それだけは勘弁してくれんか!?メイファはわしの後を継ぐことができる唯一の妖怪なのじゃ!
> 今後決してこのような事は起こさせたりはせん!だから、許してくれ!」
学園長の顔を見る限り、スカーフェイスの言葉だけでは許してくれそうになさそうだ。

192 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/11/28(金) 18:24:07 0
 

193 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/28(金) 19:07:56 0
>学園長の顔を見る限り、スカーフェイスの言葉だけでは許してくれそうになさそうだ。 
ルズは一歩前に出ると、何とか二人をとりなそうとした。
「学園長、確かにメイファとやらが生徒達を傷つけたのは事実ですわ〜。
 ですが、それのみで相手を断罪するのは学園長らしからぬご判断なのですわ〜。
 ねえミルク様にマンダ、お二人もそうは思いませんこと〜?」

次にルズはスカーフェイスにたずねた。
「とりあえず妖怪メイファ側のいい分も聞いてみてはいかがでしょう〜?
 スカーフェイス様、メイファとやらはなぜこんな事をしでかしたのです〜?
 何かお心当たりはございませんの〜?」

194 名前:ヴァンちゃん ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/11/28(金) 21:52:58 0
>183>187
>「まああんまり得意な方じゃ……ってだからミオじゃない!!マオだ!!
>なんなんだお前は一体!毎回毎回間違えてー!
>あれか?好きな子をいじめるみたいな感覚なのか?
>でも僕は全っ然嬉しくない!!そういうことしてると友達いなくなっても知らないからな!!」
幼児化したヴァンエレンが眠りについてから少しして、安らかなる眠りは抱いたマオの絶叫により妨げられることになる。
マオマオの大喝によって少し寝づらそうにひとつ身じろぎするが起きる様子はなかった。
>「マオマオ、一体どうしたの?そんなに大声出すと、抱っこしてるその子が起きちゃうわよ?」
赤子を抱いているマオはあまりに目立ってしまっていたようで、近くにいたリリアーナが寄ってきて話しかけてくる。
>「あら、可愛い!でもマオマオ、この子いったいどうしたの?
>私、どこかで会ったような気がするんだけど・・・・・・」
この姿は仮の姿…しかし正体は、いつも貧乳と呼んでリリアーナを怒らせているへっぽこ吸血鬼『ヴァンエレン』なのだ!
どこかで会ったとかそんなレベルではなく毎朝食堂で顔を合わせています。
しかも、いまよりも年が上の姿だが、子供にされてしまったときにも会っているのである。

「う〜」
まぬけな声をあげて目をごしごしとさすりながら起き出したヴァンちゃん。
「おろして〜」
もぞもぞと体を動かしマオを見上げて、降りたいことをマオに知らせる。
>「あらやだ、その子もしかしてすっぽんぽんなの?
>だったら風邪を引かないうちに、何か着せた方がいいんじゃない?」
「へくちっ」
リリアーナが言ったそばからクシャミをして、かけられたリチャードの上着を掴んでブルブルと震えている。
「う〜、さむいぃ」
このままでは風邪を引いてしまうので、使い魔を複数呼び出して自身の周りに纏わせて服に変化させるつもりのようだ。

ボワンと間抜けな音とともに煙が立ち上り、上着とズボンとさらにマフラーと手袋を装備したヴァンちゃんの姿が。
寒さがなくなって快適なのか、嬉しそうに笑顔ではしゃいでいる。
そんな中、ふとリリアーナと目が合った。
「ナイチチ?」

195 名前:リチャード・ロウ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/28(金) 21:56:28 0
ネコミミキッサの場所について尋ねたロウに、受付係は案内図を差し出しながらにこやかに答えた。
>「猫耳メイド喫茶は薬草学科2階になっております。
 ただし現在は生徒会とのコラボレーションショーの後片付けのため休止中です。
 営業開始は一時間後ですし、その間、博物館をご見学なさってはいかがでしょう?」
「ほうほう、そうかそうか」
>「現在学園祭特別展は公開中です。
 『逆転昔話!〜歴史の矛盾に異議あり〜』などはいかがでしょう?」
ちなみに常設展は公開を中止している。
黄金の戦車に破壊された壁などを、関係者が必死で修復中なのだ。
受付係はそんな事情はおくびにも出さず、にこにこと博物館内の地図を指で示した。

結局ロウはネコミミメイドキッサが再開するまでの間、博物館で時間を潰す事にしたようだ。
「・・・・・・・」
受付係はロウをにこやかに送り出した後、隠してあった連絡用アイテムを手にとった。
「こちら受付。招待客用のリボンを持たない不審者を発見しました。」

―――― いずれ生徒会役員達にはテレパシーで、報道関係者には手帳に新着情報が届くだろう。
内容はこうだ。
《博物館で来客を装った不審人物を発見》

196 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/28(金) 22:43:04 0
>193
> 「とりあえず妖怪メイファ側のいい分も聞いてみてはいかがでしょう〜?
>  スカーフェイス様、メイファとやらはなぜこんな事をしでかしたのです〜?
>  何かお心当たりはございませんの〜?」
>「おお、そうじゃ!是非娘の言い分を聞いて欲しい!『メイリン、ヒョウタンの蓋を開けるのじゃ!』」
中つ国の言葉を最後に喋ったスカーフェイスを、学園長が止めた。
>>「落ち着くのじゃ牛魔王!」
牛魔王とは、どうやらスカーフェイスの事を指しているようだ。
ちなみに牛魔王とは、中つ国のとある物語に出てくる架空の妖怪の名前である。
>>「勘違いしてはならん。これはメイファ一人を罰して済む話ではないのじゃぞ?
>> メイファは強力な妖怪じゃが、まだまだ子供じゃ。
>> その子供が易々とフィジル島に入ってこられた理由を突き止めなければならん。
>> さもなければ、我々はいまだかつて無い危機に瀕する事になる。」
>「何を想定しておるのじゃ?」
スカーフェイスが尋ねた。
>>「第三次文化革命じゃ。」
学園長はそうつぶやいた。

>>「メイファの言い分はもちろん聞くべきじゃと思う。しかし、ここでメイファを開放するのは危険すぎる。
>> 共にソーシュー(中つ国の地名)のメイレンを訪ねよう。メイレンならばメイファをなだめる事など造作も無かろう。
>> いや、もしかするとフィジル島へ行く方法をメイファに教えたのはメイレンかもしれんぞ?」
>「メイレンが?」
どうやら、メイレンも妖怪の一人のような感じである。
学園長はスカーフェイスと、メイファをそのメイレンのところへ連れて行くつもりのようだ。
>>「友よ、メイリンをこの学園に残しておくが良い。メイファ以外の妖怪も侵入している可能性がある。
>> メイリンならばそれを制する事ができるじゃろうて。」
学園長はおもむろにそんな事を言った。しかし、メイリンとは誰の事だろうか?

197 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 02:12:35 O
>「まああんまり得意な方じゃ……ってだからミオじゃない!!マオだ!!
>なんなんだお前は一体!毎回毎回間違えてー!
>あれか?好きな子をいじめるみたいな感覚なのか?
>でも僕は全っ然嬉しくない!!そういうことしてると友達いなくなっても知らないからな!!」
「ごめん、ごめん、また間違えちゃったね。」
失敗失敗、と頭をかく
「マオに手を出したら旦那さんが怖そうだからね
闇の眷属と事構えるなんて考えたくないよ。」
皆さんは分かっておられるだろうがこの一連の流れ、わざとである
最近になりマオをいじると面白い事に気がついたようだ
>「マオマオ、一体どうしたの?そんなに大声出すと、抱っこしてるその子が起きちゃうわよ?」
>「あら、可愛い!でもマオマオ、この子いったいどうしたの?
>私、どこかで会ったような気がするんだけど・・・・・・」
「あぁ、リリアーナ。その子、マオの子供なんだってね。」
この男、いけしゃあしゃあとよく口の回る事である。
>「あらやだ、その子もしかしてすっぽんぽんなの?
>だったら風邪を引かないうちに、何か着せた方がいいんじゃない?」
「本当だ。……うーん、ちょっと待っててね。」
服を着ていない事に気付くとオラクルの準備に入る
「良い目が出て欲しいね。いくよ…
精霊からの祝言と贈物を……オラクル」
うん?ちょっと待て。なんか呪文ちがくないか?
しかし、いつも通りに現れる光のテロップ
そこに表示されたのは

《いたずらし隊( ■ー■)キラーン》

「ごめん、はずれ目だ……」

《今日のペナルティは……》
《服の入れ替え》

「嫌な目だな……」

《ターゲットはケオスと…………》

「焦らすね。」

《リリアーナ!!おめでとう!》

「僕とリリアーナって…………」
状況を確認してみよう今のケオスの服装は執事服。対するリリアーナは猫耳メイド服…

198 名前:ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 02:14:00 O
「不味い……非常に不味いよ。」

《では入れ替えのターイム》

光のテロップが地上に降り煙となる。
煙となったテロップはケオスとリリアーナを覆い隠す。
やがて煙が晴れ、テロップに戻る
「ごめん、リリアーナ…巻き込む事になっちゃって…」
謝りつつ現われたのは……
猫耳をつけメイド服を着たケオスと蝶ネクタイをしめ執事服を着たリリアーナであった。
しかも、この騒ぎの中ヴァンエレンはとっくに自分で服を作っていたのである。

《この魔法の効果時間は三時間。それまではどうやっても脱げません。ワースゴイ、サスガセイレイ
これもお祭りの一環だと思って楽しんで頂戴。ソコニシビレルアコガレル》

「………………」
笑顔が素敵なメイドケオスの額に血管が浮いて見えるのは幻では無い
しかし、自業自得……大きなため息と共に肩を落とす。
「ごめんね…リリアーナ。本当にごめん…」

199 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage しばらく投下が深夜になりそう…] 投稿日:2008/11/29(土) 03:45:56 0
>183
>「あー、話せば長くなってしまうんだが……簡単に言うとヴァンの子供」
「は?」
えーと、今何て言ったんだ。
あの吸血鬼の子供?
子供なんていたっけ?
もしかして隠し子か?
いや、そんなわけないか。

>179
>「と言う訳で、僕は残らせてもらうよ。副会長さんは治療も出来るみたいだけど…君やミオは大丈夫?」
吸血鬼の子供について考えていたら、ケオスから治療ができるかを聞かれた。
「いや、治療は得意じゃない。
 でもやることは他にもあるからな。
 そっちをやらせてもらうよ。」
本当にひどい状態だからな…
本部から別の役員が来るまである程度のことはやらないと。
>「まああんまり得意な方じゃ……ってだからミオじゃない!!マオだ!!
 なんなんだお前は一体!毎回毎回間違えてー!
 あれか?好きな子をいじめるみたいな感覚なのか?
 でも僕は全っ然嬉しくない!!そういうことしてると友達いなくなっても知らないからな!!」
「名前くらいで怒りすぎだ。子供が起きるぞ。」
名前を間違えられたことがよっぽど気に食わなかったのか、マオはかなり怒っていた。

>「ごめん、ごめん、また間違えちゃったね。」
「またって、そんなに間違えているのかよ。」
>「マオに手を出したら旦那さんが怖そうだからね
闇の眷属と事構えるなんて考えたくないよ。」
…間違いない。こいつ、確信犯だ。
まあ、面白そうだから別にいいか。

>187
>「…まあいいや、とにかく僕は今この子供の面倒見なくちゃいけないから
 治療や手当はケオス、お前に僕の代わり任せた。そのために残ってきたんだろ?」
>「マオマオ、一体どうしたの?そんなに大声出すと、抱っこしてるその子が起きちゃうわよ?」
どうやらさっきの声でリリアーナがこっちに気づいたようだ。
>「あら、可愛い!でもマオマオ、この子いったいどうしたの?
 私、どこかで会ったような気がするんだけど・・・・・・」
「ん、そうなのか?
 マオが言うには吸血鬼の子供らしいが。」
にしてもこんな様子ではとてもじゃないが闇の眷族とは言い難いな。

>「あらやだ、その子もしかしてすっぽんぽんなの?
 だったら風邪を引かないうちに、何か着せた方がいいんじゃない?」
>「本当だ。……うーん、ちょっと待っててね。」
どうやら服の方はケオスが何とかしてくれるみたいだな。
そう思っていたらリリアーナが俺を手招きしてきた。

200 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage 役員の名前募集中!!] 投稿日:2008/11/29(土) 03:47:01 0
>198
>「クロウさん、背中はどう?良かったらスカーさんの薬、少し飲んでおかない?」
「ああ、今は気功を使って何とか動いてるよ。
 でも、仕事に支障が出ても嫌だから少しもらうよ。」
そう言ってリリアーナから水薬を受け取る。
すると、
>「不味い……非常に不味いよ。」
突然出てきた煙がリリアーナとケオスを覆い隠した。
>「ごめん、リリアーナ…巻き込む事になっちゃって…」
そして煙から出てきたのは…
「何?これ?」
執事服を着たリリアーナとメイド服を着たケオスだった。

>《この魔法の効果時間は三時間。それまではどうやっても脱げません。ワースゴイ、サスガセイレイ
 これもお祭りの一環だと思って楽しんで頂戴。ソコニシビレルアコガレル》
「うわ、三時間もそのままなのかよ。」
正直女装はいい思い出が全くない。
生徒会が漢だらけなのと、平均よりも低い身長が災いして
去年裏ミスコン(又の名を女装コンテスト、学園側非公認)に生徒会代表で出されたからな…

>194
>「ごめんね…リリアーナ。本当にごめん…」
「…なんというか、ドンマイ。」
もうこれ以外かける言葉が見つからない。
吸血鬼の子供も自分で服を出しちゃったしな…
>「ナイチチ?」
だが、リリアーナの災難はこれでとどまらず、強烈な一言が浴びせられた。



>「副会長!!クロウ!!手伝いに来たぞぉぉぉぉぉ!!」
しばらくすると、叫びながらこちらに近づいてくる青ジャージが見えた。
青ジャージを持っていないマオには気づいていないみたいだな。
「あれ?お前一人だけか?」
複数来るように言ったはずなのだが、来たのは一人だけだった。
>「皆は他の作業で手一杯だ。
  でも、俺が来たからには大丈夫!!
  俺が全部解決してやるぜ!!」
何で生徒会には無駄に暑苦しいのが多いんだろう…
思わず溜息をついちまったよ。
「じゃあ、隔絶している犬を分析班に渡すのを頼む。
 あと、喫茶店の修復も大体進んで手の空いてる奴がいるだろうからこっちに回しといてくれ。」

201 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 11:12:04 0
>197 >198
>「名前くらいで怒りすぎだ。子供が起きるぞ。」
「う……で、でも違うんだ、だってこいついっつもいっつも……」
なだめてきたクロウ。でもお前は分かってない。分かってないんだ!
>「ごめん、ごめん、また間違えちゃったね。」
「白々しい……」
頭を掻いてるケオスを見て僕は呟く。
どうせ謝っても改善する気なんてないんだ……!
>「マオに手を出したら旦那さんが怖そうだからね
>闇の眷属と事構えるなんて考えたくないよ。」
「別にあいつとはなんでもない!ひ、人聞き悪いこと言うな!」
次から次へと僕のからかうケオスの言葉を顔を火照らせながら僕は必至に否定する。

>187 >194 >197-200
>「マオマオ、一体どうしたの?そんなに大声出すと、抱っこしてるその子が起きちゃうわよ?」
どうやらリリアーナも気になったのかこっちにやってくる。
>「あら、可愛い!でもマオマオ、この子いったいどうしたの?
>私、どこかで会ったような気がするんだけど・・・・・・」
ヴァンの顔を覗き込みどうしたのかと言ってくるリリアーナ。
さっきは途中で中断されて説明できなかったから一から説明してやろうと
口を開いたとたん、またケオスの口から状況を混乱させるような言葉が…
>「あぁ、リリアーナ。その子、マオの子供なんだってね。」
「そ、そんなこと一言も言った覚えなんてない!
 だいたい僕に子供がいるわけないだろ!」
全く、こいつ子供がどうやってできるのか知ってるのか?
鍋に子供の元入れたからできるわけじゃないんだぞ!

>「う〜」
そうこうしているとまぬけな声をあげて起きたヴァンエレン。
リリアーナやクロウの言ったように僕が起こしちゃったんだろうか?
>「おろして〜」
もぞもぞと体を動かしてこっちを見上げてくるヴァンエレン。
言われたとおりゆっくりとヴァンエレンを地面に下ろす。
>「あらやだ、その子もしかしてすっぽんぽんなの?
>だったら風邪を引かないうちに、何か着せた方がいいんじゃない?」
リリアーナに言われてリチャードからもらった上着以外、
何も身につけてないことに今気がついた。
でも吸血鬼だし風邪だとかひくんだろうか?
>「へくちっ」
どうやらくしゃみをしているところを見ると体温調節は自力でできないらしい。
寒そうに体を震わせているヴァンエレンを見てて可哀想になってくる。
「どうにかできないか?」
しかし、ケオス達の方を向くと入れ替えタイムのテロップが。
そしてテロップは地上に降りると同時に煙となりリリアーナとケオスを覆い尽くす。
煙が晴れたとき、僕の前に衝撃の光景が……

202 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 13:46:04 0
>「ごめん、リリアーナ…巻き込む事になっちゃって…」
謝るケオスはメイド服に包まれ、唖然としているリリアーナは執事服を身にまとっている。
「………………」
もはやなんて言葉をかけたらいいのかすら分からない。
しかも下を見ればすでにヴァンエレンは自らで服を調達する始末。
>「ナイチチ?」
しまいにはリリアーナに凄まじい攻撃を加えるヴァンエレン(ミニ)
「リリアーナ……フッ、まあ子供は素直だからな。嘘は言えないのさ。」
自分のとリリアーナの平原を見比べて僕は鼻で笑い、
上機嫌にはしゃいでるヴァンエレンを抱っこする。
「それにナイチチでも平原でもそれなりにマニアもつくだろう、
 そう悲観することじゃないさ。」

その後生徒会の人間が一人走ってくる。どうやら手伝いにきたようだ。
呼ばれてないところを見ると僕は認識されてないみたいだ……
思ってみれば僕も青ジャージを着る必要があるんだろうか?
「副会長、僕もあの青ジャージを着る必要はあるんでしょうか?」
分からないので素直に副会長に疑問をぶつけることにした
「そういえば副会長、僕も青ジャージは着用するべきなんでしょうか?」  

203 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 13:49:30 O
>>189-190
一直線に最速で最短距離で博物館を目指すユリの前に、直撃コースでメラルが立ちふさがった。
「おおっとっと!」
メラルが斥力球を大量に配置しているのを見たユリは、斥力の力を利用して無事急停止に成功する。
「も〜!飛び出すと危ないよメラル〜!
 あ。それよりさ、博物館から黄金の戦車が行方不明になったらしいんだよね。
 今から博物館に入れそうかな?」
>「今博物館は封鎖中よ。どうせ白百合騎士団も重要参考人が一人いる事しか知らないでしょうし…(中略)
> 最悪、貴方が今までの行動を根掘り葉掘り聞かれる羽目になるわ。」
「重要参考人!ねえねえそれ誰!?誰!?」
最初のキーワードに反応し、後半部分を無視してメラルに尋ねるユリは、不自然な帽子の動きに気づいた。
んん?と見直すユリの前で、メラルはため息をついて帽子を取る。
当然といえるが、頭には帽子を動かせそうな猫耳の類はついていない。

>「どうせ何があったのか知りたいんでしょ?
> ならミルクの所に連れて行きなさい。そうすれば…
> 全て明らかになるわ。まず間違いなくね。」
「ほんとに!?よーし分かった!
 ちょっと待ってね、すぐに居場所を調べるから!!」
メラルの言葉に喜ぶユリは、遠話の水晶球を取り出し、魔力を込めて大声で呼びかける。
「ミルクー!今どこにいるのーっ!?」
>「学園長室だよ!今取り込み中だから後にしろ!」
帰ってきた返事は、慌てたような怒ったようなそんな声だった。
反応はともかく、得られた情報に満足したユリはメラルに言う。
「学園長にいるんだってさ!
 早速ミルクに会いに行って、一緒にムウ大陸の謎を解き明かそう!」
ユリは、メラルもムウ大陸の事を調べているのだと勝手に勘違いしていた。
目を輝かせてメラルを見、そしてまた帽子に興味を引かれる。
「ねえねえ、その帽子なんだけどさ、さっき動いてなかった?」
メラルが隠そうとするのも気にせず、気の向くままに帽子をのぞこうとする。

204 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 13:50:19 O
「むむむっ!?」
迫る空気の壁に気づいたユリが見ると、なんと探し求めた黄金戦車が走り寄ってくるではないか!
「うわっ!凄い!ほんとに走ってるっ!それ行けっ!!」
捕まろうとダイブしたユリの指先をかすめ、黄金戦車は壁に穴を開けて博物館に入っていった。

「うう〜アイタタタタ……失敗失敗……」
うつ伏せに倒れていたユリがもそもそ起きあがってきた。
体についた汚れを払い、メラルを見る。
「誰も乗ってなかったよね、あの戦車。
 一体どうして動き出したのかな…あれ?なんだろこれ?
 アルナワーズの顔?」
落ちていたアルナワーズの顔をした仮面を拾い上げると、仮面は言葉を話し始める。
>「はぁ〜い。ユリ。面白いものを持ってきたの。(中略)
>そ・れ・か・ら・・メラル〜。折角のお祭りなんだから楽しまなきゃダメよぉん。」

「アルナワーズだ!さっきぶり〜!
 あれ?気配が消えちゃったけど、もう通信切っちゃったのかな?
 ねえねえメラル、これって通信アイテムだよね?」
仮面をひっくり返してユリは、その下にある本に気づいた。
本の中には、砂漠の王様に関する御伽噺が記されている。

「こっ!これはっ!やっぱりスクナは本物の王様だったんだ! 黄金戦車を動かしたのはきっとスクナなんだよ!
 重要アイテムをありがとうアルナワーズ!」
新たに得た情報から結論を導き出したユリは、メラルに向き直る。
「ミルクも何か知ってるのかな!?
 急いで学園長に行こうメラル!」
メラルも空を飛べる事を知っているユリは、デッキブラシに飛び乗って再び空の人になった。

学園長室には窓から入るのが最速なのだが、尊敬する人の部屋に突撃するほどユリもお馬鹿ではない。
大きく校舎を飛び越えて、窓→廊下→学園長室ルートを選択したユリは、いつもと違う校舎のシミにきづく。
「ごめーんメラル!ちょっと用事ができたから、先に学園長室に行っておいてね!」
メラルに声をかけて校舎のシミに近づくと、それはやはり人だった。
しかもユリアイの見立てに狂いはなく、スクナだった。

「やっぱり王様だーっ!はじめまして王様!
 私はでいりぃ・ふぃじる突撃報道部のユリ・オオヤマです!
 早速なんですが、博物館にあった黄金の戦車を動かしたのは、やっぱり王様なんですか!?
 それから、こんな所で何をしてるんですか!?
 やっぱり高い所からみんなを見守ってるんですか!?」
スクナが空を飛べない事を知らないユリは、矢継ぎ早に質問を始めた。

205 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 18:21:31 O
>191 >193 >196
>>「古い友人じゃ。」
学園長のお返事は、それはそれは素っ気ないものだった。
いや古い友人なのは知ってるんだけど。
聞きたかったのは、なんでその友人を歓迎する気がないんですかって事なんですが。
でも聞き直すのも空気読めてないようでイヤだしな、どうしよ……
>「メイファは妖怪じゃ。怪物などという下卑た下等生物と一緒にするでない!」
「あ、すみません!そんな意味で言ったわけじゃないんですが……」
急にスカーフェイスさんが声を荒げたので、あたしは慌てて謝った。
正直妖怪と怪物がどう違うのか分からなかったが、気を悪くしたのなら謝っておいたほうがいい。
なにしろ謝るだけなら無料なのだ。
しかし怪物が下等生物ねえ。
怪物には、存在だけなら高等な奴がごろごろいそうなもんだけど……
行動が下等なら怪物決定だけど、あのメイファって犬の行動が高等とは思えなかったけどなぁ……

>>「この魔法学園では、自らの行いによって起こったあらゆる結果に対して、誰しもが責任を負わなければならん。」
マンダに優しく笑いかけていた学園長は、なぜか意味ありげにこちらを見ながら話し出す。
なんだなんだ、もしかして博物館の一件も知ってるのか?
それなら分かりますよね。あれはスクナと戦車が悪いんです。
あたしはただの被害者で、巻き込まれただけなんですよ。

心中弁解を準備しているうちに、学園長はスカーフェイスさんを見た。
>>「君がメイファを見逃した落ち度を五分と見よう。そして、君がメイファに傷つけられた生徒達を助けた事を五分と見よう。」
>>「しかし、ファン・メイファは別じゃ。“下卑た下等生物”の真似をして生徒達を傷つけた以上、
>> こちらもそれ相応の対応をさせてもらうしかない。例え、君の娘であろうとな。」
>「頼む!それだけは勘弁してくれんか!?メイファはわしの後を継ぐことができる唯一の妖怪なのじゃ!
> 今後決してこのような事は起こさせたりはせん!だから、許してくれ!」
って、ええええぇぇぇ?!
君の娘って、メイファとスカーフェイスさん親子だったの!?
だからさっき怪物呼ばわりされて怒ったのかよ!
それにそれじゃあ、メイファのとても強力な妖怪の血筋ってあんたの血筋かい!

さすがに声に出すわけにもいかないので内心ツッコミを入れてると、ルズが前に進み出る。
>「学園長、確かにメイファとやらが生徒達を傷つけたのは事実ですわ〜。(中略)
> ねえミルク様にマンダ、お二人もそうは思いませんこと〜?」
「そうそう。そりゃそうです。
 周囲から見ればただの破壊活動でも、本人にはどうしようもない状況だったって事例もありますから」

206 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 状況は明日] 投稿日:2008/11/29(土) 18:24:34 O
>「とりあえず妖怪メイファ側のいい分も聞いてみてはいかがでしょう〜?
> スカーフェイス様、メイファとやらはなぜこんな事をしでかしたのです〜?
> 何かお心当たりはございませんの〜?」
>「おお、そうじゃ!是非娘の言い分を聞いて欲しい!『メイリン、ヒョウタンの蓋を開けるのじゃ!』」
>>「落ち着くのじゃ牛魔王!」
またまた中つ国語で謎のかけ声を出すスカーフェイスさんを、学園長は慌てて制止した。
でも牛魔王ってなんだ?
学園長みたいな役職名かなにかか?

>>「勘違いしてはならん。これはメイファ一人を罰して済む話ではないのじゃぞ?(中略)
>> さもなければ、我々はいまだかつて無い危機に瀕する事になる。」
>「何を想定しておるのじゃ?」
>>「第三次文化革命じゃ。」
文化革命って、レベッカや王様も言ってたな……中つ国で魔法使いがたくさん殺されたって。
つまりは、その。
妖怪とやらが魔法使いを殺しにこの島に入ってきてるって事か!?

>>「友よ、メイリンをこの学園に残しておくが良い。メイファ以外の妖怪も侵入している可能性がある。
>> メイリンならばそれを制する事ができるじゃろうて。」
慌ただしくメイレンなる人物の所に行くことを決めた学園長が、スカーフェイスさんにメイリンを残すように助言した。
……メイリンって名前だったのか。
「あの」
>「ミルクー!今どこにいるのーっ!?」
声をかけようとした時、懐の遠話の水晶球からユリの大声が響き渡った。
あのバカ大事な時に!
「学園長室だよ!今取り込み中だから後にしろ!」
最低限の答えを返して通信を切断する。
「すいません、友達から急に連絡が入っちゃって……
 後でよーく言い聞かせますから許してやってください」
あははと笑って誤魔化そうとしてから、本題に入る。
「メイリンさんが残るのなら、あたしが案内役を引き受けますよ。
 学園に慣れてる人の案内があった方が、妖怪の襲撃があっても対処しやすいでしょうし。
 ただ、あたし文化革命の事はよく知らないんで、教えられる範囲で教えてもらえれば助かるんですが……」

207 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 23:07:35 0
>204
壁に叩きつけられて数秒後、スクナは目を覚ましていた。
にも拘らず、校舎の壁のシミのように張り付いたままでいるのには訳がある。
叩きつけられた衝撃で体が動かないからだ。

さてどうしようかと考えていると、ぐんぐんと近づいてくる人影が一つ。
勿論その主はユリ・オオヤマ!
間近にくるとまくし立てるように質問を始めるユリにスクナの顔も引き吊気味だ。
流石に愛馬に跳ねられて壁のシミになっていましたなどとは言えない。

動けるようになるまではまだ少しかかりそうだ。
何とかこの場を切り抜けるために、スクナの脳ミソはフル回転していた。
「ふふふ、王の宿命とはいえ変装をやめた以上仕方があるまい。」
こうやってインタビューされるのも満更ではなさそうにフーと息をつく。

「ユリと申したか。はじめてではないぞ?
そちは気付かぬだろうが、中庭でも会っておるわ。
焼き鳥塩は旨かったのう。」
質問には答えず、何気ない言葉を並べて一旦区切るのは勿論時間稼ぎだ。
体力の回復と誤魔化す為の言い訳を考え続けている。
そして閃いた!
閃いてしまえば後は忘れないうちに言い切ってしまうのみ。

「うむ、確かに黄金の戦車は余が動かした。
中々愛い奴でのう!
まあ、眺めがいいところを見つけたから今は放っておるのぢゃ!
しかし!余はフィジルに来て運命の出会いをしたのぢゃ!」
黄金の戦車の件とここに張り付いている件を誤魔化す為に、ここでスクナは一気に仕掛ける!
何とか動くようになった左手を壁からはがし、すっと小指を見せる。
そこには赤い糸が二本垂れ下がっていた。

「聞いて驚け!余はフィジルにて妃となる女と出会ったのだ!」
高らかに宣言をし、説明を加える。
運命の出会いをしたのだが、女達は慎み深く別行動をとることになった。
しかも片方の女は何やらただならぬ状況に置かれているらしい。
ただ女とくっついているより、ピンチになった時に颯爽と現われ救うのが恋のロマン!
今はこうやって、様子見をしている、というわけだ、と。

スクナの指に垂れる赤い糸によく耳を澄ませば、かすかにミルクの声が聞こえてくる。
> ただ、あたし文化革命の事はよく知らないんで、教えられる範囲で教えてもらえれば助かるんですが……」
赤い糸は密かにミルクとリリアーナの肩辺りに付けられており、糸電話の要領で音声が拾えるのだ。

一通り説明を終え、締めくくりにスクナは口を開く。
「恋のイベントの裏にはこういう地道な努力も必要という事ぢゃて。かっかっか!」
高らかに笑っているが、明らかにストーカーの盗聴行為です。本当にあり(ry

208 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 00:51:05 0
>194 >197-202
>「あぁ、リリアーナ。その子、マオの子供なんだってね。」 
>「ん、そうなのか? 
> マオが言うには吸血鬼の子供らしいが。」 
>「そ、そんなこと一言も言った覚えなんてない! 
> だいたい僕に子供がいるわけないだろ!」 

「え〜と?マオマオの子供だけどマオマオが産んだわけじゃない吸血鬼の子供?」
リリアーナの頭の上に?マークとひよこがピヨピヨ飛びまわっている。
彼女は暫くうんうん悩んでいたが、やがてぽんと手を叩いた。
「分かった!その子はヴァンエレンの連れ子で、マオマオはマオママになる予行練習中ってことね!」

服を着ていない子供に同情したケオスは、服を出す魔法の準備をし始めた。
その間にリリアーナは、クロウに水薬を飲ませる。

>「ごめん、はずれ目だ……」
「は?はずれって何の話?」
事情を飲み込めないリリアーナをよそに、ケオスの頭上のテロップは次々文字を映し出す。
>《ターゲットはケオスと…………》 
ドコドコドコドコ、とどこからとも無くドラムのような音が聞こえてくる。
>《リリアーナ!!おめでとう!》 
>「不味い……非常に不味いよ。」 
>《では入れ替えのターイム》 
「ええ―――― っ!ちょっと待って―――― っ!!」
ぼわん、とリリアーナとケオスは煙に覆われた。

>「ごめん、リリアーナ…巻き込む事になっちゃって…」 
>謝りつつ現われたのは…… 
>猫耳をつけメイド服を着たケオスと蝶ネクタイをしめ執事服を着たリリアーナであった。 

>《この魔法の効果時間は三時間。それまではどうやっても脱げません。ワースゴイ、サスガセイレイ 
>これもお祭りの一環だと思って楽しんで頂戴。ソコニシビレルアコガレル》 
リリアーナは大口を開けてぽかんとしている。
>「うわ、三時間もそのままなのかよ。」 
「あはは・・・あははははは・・・・・・・」
もう笑うしかなかった。
>笑顔が素敵なメイドケオスの額に血管が浮いて見えるのは幻では無いようだ。
>「ごめんね…リリアーナ。本当にごめん…」 
>「…なんというか、ドンマイ。」 
ケオスすまなさそうな声と心底同情するクロウに、はっとリリアーナは我に帰った。
「あっいいのよ、気にしないで。
 でも私は執事服でもまあ良いけど・・・・・・・ケオスさんは苦しくない?その・・・色々と」
一応メイド服はフリーサイズなのだが、男性が着用する前提で仕立てられていない。
それ以前の問題で、メイド服を喜んで着たがる男性はあまりいない。
「その格好、知り合いに見られたら困るよね?私の友達に頼んで、お化粧で別人にしてもらおうか?」
――――念のため言っておくが、リリアーナにはまるで悪気はない。

209 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 00:51:48 0
自分の服の事で周囲がえらい事になっているのも知らず、子供は一人はしゃいでいる。
肩を落としていたリリアーナはふと子供と目が合った。
>「ナイチチ?」 
「―――――――― !!」
ゴゴゴゴゴ!とリリアーナの背後からすさまじい恕気が噴出した!
「・・・・・・・・・ボク?だぁれが洗濯板で平原でマニア向けのナイチチですってえ?」
>「リリアーナ……フッ、まあ子供は素直だからな。嘘は言えないのさ。」 
>自分のとリリアーナの平原を見比べて僕は鼻で笑い、 
>上機嫌にはしゃいでるヴァンエレンを抱っこする。 

つうこんの いちげき!
リリアーナ は 9999 の ダメージを うけた!

>「それにナイチチでも平原でもそれなりにマニアもつくだろう、 
> そう悲観することじゃないさ。」 

がっくりとその場に膝をつくリリアーナ。
ぐうの音も出ない。完敗である。
「マオマオの胸には夢が詰まってる。けど、私のだって希望を与えてるんだからね・・・・・.」
友達がかけてくれる慰めの言葉を、リリアーナはぽつりと呟いた。
ちなみに意味はよく分かっていない。
ただ、それは割と的を射た言葉なのだが――――知らぬは本人ばかりなり、である。

>魔法学園の敷地内に編集長の声で放送が聞こえた。 
>『(略) こちらはでいりぃ・ふぃじる編集部であります。 
> 現在、一部の場所で魔法障壁が無効になる不具合が発生しておるようです。 (後略)』
「すごい、さすがは生徒会、仕事が速いですね!もしかして副会長のご指示ですか?」
どうにか立ち直ったリリアーナは、放送を聞いて感心する事しきりだった。
これならパニックになることなく参加者全員が警戒を怠らない事になる。

>しばらくすると、叫びながらこちらに近づいてくる青ジャージが見えた。 
>「あれ?お前一人だけか?」 
>「皆は他の作業で手一杯だ。 
>  でも、俺が来たからには大丈夫!! 
>  俺が全部解決してやるぜ!!」 
青ジャージの生徒はクロウから仕事を引き継いだようだ。
リリアーナは今にもずり落ちそうなシャツを気にしながら、遠慮がちに声をかけた。
「副会長、怪我人の搬送先はいつものように保健室横の予備室でよろしいですよね?
 人員が少ないみたいだし、私も怪我人を運ぶのをお手伝いします」
リリアーナはそう言うと、近くに転がっていたままのレベッカの槍を拾おうとした。
「お、重・・・・・・・きゃっ?!」
長すぎるズボンの裾に足を取られたリリアーナは、バランスを崩しその場に倒れこみそうになった。

この分だと少々お直しが必要らしい。

210 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 01:23:32 0
>196 >205-206
学園長もスカーフェイスも自分たちに全ての事情を明かす気はないようだ。
頭上で交わされる会話を聞きながら、ルズはそんな風に考えていた。
ただ、いくつかわかった事がある。

・メイファはスカーフェイスの娘で跡取であること
・メイファもスカーフェイスは妖怪らしいこと
・妖怪は怪物を見下していること
・学園長は第三次文化革命(魔法使い大量殺戮)を危惧していること
・メイファ以外の妖怪も侵入していても、メイファならそれを制する事が可能なこと
・ スカーフェイス=牛魔王
・メイファの言い分を聞くためにソーシュー(中つ国の地名)のメイレンを
 学園長とメイファとスカーフェイスの3人が訪問すること
・メイレンはメイファを宥める事が出来るが、もしかしたら今回の黒幕かもしれないこと

そこまで考えていたところで、いきなり場の空気を読まず女子生徒の大声が響き渡った。
ミルクが一言二言で通信を切り、途切れた話の先を促している。

>「メイリンさんが残るのなら、あたしが案内役を引き受けますよ。 
> 学園に慣れてる人の案内があった方が、妖怪の襲撃があっても対処しやすいでしょうし。 
> ただ、あたし文化革命の事はよく知らないんで、教えられる範囲で教えてもらえれば助かるんですが……」 
ルズも大いに頷いた。
「それとわたくし、メイファとそっくりな声を聞いた事があるのですが・・・・・・。
 同じ声の持ち主って、単なる偶然でしょうか〜?
 失礼ながら、スカーフェイス様とメイファはあまり声質が似ているとは思えませんが〜」


211 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 03:59:57 0
>176-179
>「これでひとまず安心・・・・・・かな?
>副会長、怪我人の搬送の手配はどうなっているんでしょう?」
『大丈夫だっ!どうやらさっきクロウがテレパシーで中庭によこすようにいっていた!
 しかし一般生徒である君たちに心配をさせてしまって申し訳ない!
 いや、むしろ感謝している!君たちがいてくれて助かった!』
>「保健室に全員収容しきれるようならいいんだけど・・・」
『なぁに!場所がなくなったら生徒会室もある。
 なんだったら寮の俺の部屋を使ってくれても構わんさっ!』
リリアーナを心配させないように胸を叩き力強い言葉を放つ副会長。
流石に自室を保険室代わりに使うのは少しやりすぎな気もするが必要とあらば
副会長は喜んで自室をけが人のために与えるだろう。

>「そういえば副会長やクロウさん、お怪我は無かったですか?
>クロウさんはメイファに背中叩かれていましたよね?ちゃんと治療しておかないと・・・」
『俺は大丈夫だ、クロウの方を見てやってくれ!』
先ほどの爆発からも奇跡的に背中のジャージを燃やされただけの副会長。
自分のことはいいからクロウを頼むとリリアーナに告げる。

>「・・・・・・何でマオマオは子供連れなんでしょう?」
『人間っていうのは色んな事を背負っているものだ!
 マオ君にだって俺には想像もつかない様な苦労をしているんだろう!!』
さっきからずっとマオには子供がいると思っている副会長。
思い込んだらそのまま一直線で突っ走る!それが副会長である!

>187>197-199
>「ん、そうなのか?
>マオが言うには吸血鬼の子供らしいが。」
『な、なんだってぇぇぇぇぇぇええ!!』
クロウの言葉に絶叫する副会長。おそらく凄まじい想像をしているに違いない。
『何という事だ。吸血鬼は俗に闇に住まうものとも言われる邪悪な種族。
 その吸血鬼との子供、そうか・・・やはりマオ君は相当に過酷な人生を送っているようだ』
もはや真実や勝手な推測が混ざりに混ざり、
どんどん真実から遠ざかっていっている副会長……
『しかも衣服すら買ってやれないような状態とは・・・くうっ!!
 生徒会員であるマオ君の子供ならば俺の子供でもある!!
 こうなったら俺が父親になってやるしかなぁぁぁい!!』
果てしない勘違いの末、完全に関係ないというのに
とうとう父親になって責任まで取ろうとしはじめる副会長

>200 >202 208-209
副会長が決意を固めている横では吸血鬼の子供のために
ケオスが服を出そうとオラクル発動したはいいが悪い目にあたったようで
罰ゲームとも言えるリリアーナとの服のチェンジに悶絶していた。
>《この魔法の効果時間は三時間。それまではどうやっても脱げません。ワースゴイ、サスガセイレイ
>これもお祭りの一環だと思って楽しんで頂戴。ソコニシビレルアコガレル》
>「ごめんね…リリアーナ。本当にごめん…」
『精霊って奴は基本的に適当だからな!祭事だからそう気を落とすな!!
 …問題はサイズか。まあ俺に任せておけ!』
そういい副会長はケオスのキチキチのメイド服を上から下へと舐めるように見ていく。
そして包帯を手に取るとスルスルと10メートルぐらい伸ばし手刀で切り取る。
『ようはちょいと伸ばしちまえばいってことだぁぁぁぁあ!!』
包帯を手に素早くケオスの周りを回りぐるぐる巻きにする副会長。
そして床に手を置くと魔法陣が浮かび上がり光がケオスを包んでいく。
『どおりゃあああああああ!!!燃えろ俺のコスモォォ!!』
光が消えたとき、ケオスの着ていたメイド服は確かにサイズがなおっていた。
そう、サイズはなおっている。なおっているのだが……
ところどころ包帯で繋いである非常にチグハグなものになってしまっていた。
『・・・やはり同じ素材じゃないと無理があった!!すまない!!!』


212 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 04:01:04 0
>魔法学園の敷地内に編集長の声で放送が聞こえた。
>『(略) こちらはでいりぃ・ふぃじる編集部であります。
> 現在、一部の場所で魔法障壁が無効になる不具合が発生しておるようです。(後略)』
そうしていると放送部からアナウンスがかかる。
>「すごい、さすがは生徒会、仕事が速いですね!もしかして副会長のご指示ですか?」
『いや、俺じゃあない!だがこの声!・・・あいつめ、俺の意図を察してくれたか!』
少し嬉しそうに放送に耳を傾けている副会長。
どうやら副会長は編集長とも顔なじみのようだ。

>「副会長!!クロウ!!手伝いに来たぞぉぉぉぉぉ!!」
こっちに向かってくる生徒が一人、服装を見ると生徒会の人間であることが分かる。
おそらくクロウが先ほどテレパシーで求めた応援であろう。
『山田!山田じゃあないかぁ!!よく来てくれたっ!!』
がっちりと山田と肩を掴み合う副会長。
>「あれ?お前一人だけか?」
『案ずるなクロウ!!山田は我が生徒会の中でも相当な熱血漢!
 何時どんな時でも全力を出せる男だぁ!!できるな?山田!』
>「皆は他の作業で手一杯だ。
>でも、俺が来たからには大丈夫!!
>俺が全部解決してやるぜ!!」
『その意気だ山田ぁ!!よぉし!!気合入れるためにあれいくかあ!?』
>「分かりました副会長!!」
するといきなり二人とも激しい拳と蹴りの応酬を始める!

『天上天下!!』
「唯我独尊!!」
『生徒会の道は修羅の道!!』
「けれどもゆけと言うのなら!!」
『『賭けてみせよう!!漢道っ!!』』

『ふっ・・・・・・また一段と腕を上げたな山田!』
「何を仰る!まだまだ副会長には追いつけません!」
そして熱い握手を交わしたあと大声で笑い合う二人・・・
もはやこれは違う世界ではないのかと思うぐらいに暑苦しい展開だ!
>「じゃあ、隔絶している犬を分析班に渡すのを頼む。
>あと、喫茶店の修復も大体進んで手の空いてる奴がいるだろうからこっちに回しといてくれ。」
『頼んだぞ山田!!』
>「任せておいてください!!必ずや!!」



213 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 04:01:55 0
>「そういえば副会長、僕も青ジャージは着用するべきなんでしょうか?」
『ああっ!!そうだった忘れていた!!マオ君に渡さなければならないものがあったんだ!!』
そういいごそごそと後ろから出したもの、それはピンク色でラメが施され、
さらには胸にマオとビーズでデコレーションしてあるジャージ上下一式だった。
「男子と同じジャージじゃあ味気ないからな!!俺が特別に作ってきた!!
 いや、ここはあえてブルマで!!とも考えたんだが今後寒くなってくるからな!!
 ブルマは夏に履いてもらうとしよう。さあ早速着てくれ!!」
さあさあとデコジャージを渡す副会長、その目は輝きに満ち満ちている!

そうしていると遠慮がちに副会長にリリアーナが声をかける
>「副会長、怪我人の搬送先はいつものように保健室横の予備室でよろしいですよね?
>人員が少ないみたいだし、私も怪我人を運ぶのをお手伝いします」
『っと!そうだった怪我人を運ばなくちゃあいけない!!
 すまないな、本来なら我々だけでやらなくてはならないんだが・・・
 好意に甘えてしまうということは・・・まだまだ俺も弱いな』
しかし、やはりブカブカの執事服では無理があったようでリリアーナは裾に足を取られ倒れこみそうになる。
『危ない!!』
倒れこみそうになるリリアーナの体を支える副会長。
『そんな格好じゃあ危険だ!こっちへ・・・』
リリアーナの手を引き椅子を一つ手に取ると座らせる。
そしてカウンターの方からピンを幾つか探し持ってきて、
リリアーナのズボンの裾上げをする副会長。
『ところでリリアーナ君。突然だが生徒会に入ってみる気ってのはないか!?
 ここまで手伝ってくれるその優しさ、それにさっきの最後まで相手との対話を諦めない姿勢。
 まさしく俺の理想としている姿だ。そう!!俺は君に惚れたっ!!』

214 名前:メイリン ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 19:02:24 0
>206>210
> 「すいません、友達から急に連絡が入っちゃって……
>  後でよーく言い聞かせますから許してやってください」
>>「構わんとも。」
学園長はそういって少し笑った。
> 「メイリンさんが残るのなら、あたしが案内役を引き受けますよ。
>  学園に慣れてる人の案内があった方が、妖怪の襲撃があっても対処しやすいでしょうし。
>  ただ、あたし文化革命の事はよく知らないんで、教えられる範囲で教えてもらえれば助かるんですが……」
>>「おお、それは助かる。是非そうして欲しい。メイリンも西方は初めてじゃろう?ゆっくり見学させると良い。」
学園長はスカーフェイスに向けてそう話した。スカーフェイスがメイリンなのだろうか?
> 「それとわたくし、メイファとそっくりな声を聞いた事があるのですが・・・・・・。
>  同じ声の持ち主って、単なる偶然でしょうか〜?
>  失礼ながら、スカーフェイス様とメイファはあまり声質が似ているとは思えませんが〜」
>「そりゃそうじゃろう!わしは男じゃぞ!?」
スカーフェイスは何を馬鹿なといった調子でそう言ったが、
なにしろマントで隠れているのだから、スカーフェイスが男だとしても見た目でわかるわけが無い。
>>「牛魔王、友よ、そろそろ姿を見せてはどうじゃ?先刻の会話で、お主が妖怪であることは皆承知しておる。
>> 今さら容姿を隠しても仕方が無かろう。それにメイリンを紹介せねばならん。」
>「…仕方ないのう。できれば他人に見せたくは無かったが…。」
スカーフェイスはマントを脱ぎ、その姿をさらした。

マントの下から現れたのは、歳は16程、中つ国の衣装を身にまとい、
黒い髪と黒い瞳、どう見ても“少女”であった。
>「諸君、紹介しよう。わしのもう一人の娘、メイリンじゃ。」
少女は決して口を開かず、その声は彼女のお腹の辺りから聞こえてくる。
少女は、お腹の辺りに手を突っ込み、中から小さい何かを取り出した。それは眼球だった。
>「そして、わしがスカーフェイスこと、牛魔王じゃ。」
そう、この目玉の親父こそがスカーフェイスなのだ。そして、皆がスカーフェイスだと思っていた体は、
スカーフェイスを運んでいた彼の娘、メイリンなのである。
>>「ミルクよ。申し訳ないが、わしらはこの問題をなるべく早く解決しておく必要がある。
>> 文化革命については、魔法史のヘレン先生に聞くか、誰か中つ国の人間に聞くがよい。」
>「残念ながらメイリンは西方の言葉がわからない。失礼じゃが、ミルクとやら。中つ国の言葉をご存知か?」
>>「友よ、心配には及ばん。ミルクは良き友人を持っておる。中つ国の言葉を語り、文化革命の真実を知る者をな。」
>「うむ、それならば安心じゃ。」
メイリンは目玉の親父とヒョウタンを学園長に渡した。
二人はこれからすぐに中つ国へ行くのだろう。
>「娘達をよろしく頼むぞ。」
スカーフェイスはミルク達にそう言った。

215 名前:メイリン ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 19:06:33 0
名前・ ファン・メイリン・ゲロロ(黄美鈴・げろろ)
性別・ 女
年齢・ 見た目は16歳くらい
髪型・ 黒いセミロングヘヤー
    左目の部分が髪の毛で隠されている。
瞳色・ 黒色
容姿・ 中つ国の伝統的な意匠の服を装備している。(チャイナドレスではない)
    両腕と両足だけ死体のような色をしている。
    スタイルは一言で言うとつるぺったん。
備考・ 中つ国の大陸部出身の半妖怪。
    生まれた時から四肢と視力が無く、また口をきくこともできなかった。
    義肢と心眼によりそれらのハンディキャップを補っているが、
    言葉を喋ることだけは未だにできない。
得意技・ “業”を招く程度の能力
好きな食べ物・ 熊(手の部分は特においしい…らしい。)
好きな生物・ 熊(手の部分は特にry)
嫌いな食べ物・ 冷や飯

【備考】
ゲロロ(げろろ)
 人間の里のとある医者が、メイリンの体を不憫に思い、つくった義肢である。
 これは当時人間の里で起きた戦によって死んだ子供達の死体を材料としており、
 子供達の命を奪った“業”を招く事ができる。

スカーフェイス(本名:黄件、愛称は牛魔王)
 黄美鈴の父親の妖怪である。度重なる戦いによって徐々に体を欠損し、
 今は眼球に小妖精の四肢をくっつけたような姿になってしまった。
 ちなみに瞳色はメイリンと同様に黒色である。
 “目玉の親父”と呼ぶのは禁止である。

その他スカーフェイスのアイテム
 スカーフェイスのアイテムは、もはや本人が使えなくなったため、
 代わりにメイリンが使うことが多い。

216 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 23:53:45 0
>211 >213
『危ない!!』 
倒れこみそうになるリリアーナの体を支える副会長。 
「あ、あの・・・・副は折り曲げておけば本当に大丈夫ですから・・・・・・」
あたふたするリリアーナの手を引き、副会長は椅子を一つ手に取り座らせた。 
>そしてカウンターの方からピンを幾つか探し持ってきて、 
>リリアーナのズボンの裾上げをする副会長。 
服が脱げないのでリリアーナが直すのは大変だと気づいたのだろう。
副会長は大柄な体を丸めて、せっせとズボンの裾上げをしていてくれる。
あまりに申し訳なくてリリアーナは一人アワアワしていたが、
言い争うだけ時間の無駄なことを悟り、厚意に甘える事にしたようだ。

(副会長って、ホントに何でも出来る人なんだな・・・・・・)
自分よりはるかに器用に動く指先を見つめながら、リリアーナは改めて感嘆のため息をついた。
もしかしたらマオのデコジャージも、魔法でなく副会長が一針一針縫ったのかもしれない。
デコジャージを見せられたマオの衝撃は察するに余りあるが、
副会長の真心だけはまっすぐ伝わっていれば良いな、とリリアーナは思う。

メイド服と包帯を練成されたのを目の当たりにしたとき、ショックが無かったといえば嘘になる。、
だがケオスの事を第一に思えば、それも当然の事だと思えるのだ。
(ホント、悪い人じゃないんだけどな・・・・・・)
それでもデコジャージは才能の無駄遣いだと思ってしまう。
(熱血漢ってどうしてこう皆センスが独創的なのかしら?)

副会長の行動の一つ一つが、次第に私服がアロハな熱血漢の姿にダブってくる。
(だいたいあの馬鹿は何で学園祭に戻ってこないのよ〜!!
 そ、そりゃ課題もあのひとも大切なのは分かるけど・・・・・。
 カップルはみーんなイベントで盛り上がってるのに〜)
リリアーナは赤い帽子をじっと凝視しながら、一人百面相をしていた。

>『ところでリリアーナ君。』
「は、はいっ?!」
リリアーナはびくっと立ち上がろうとして、危うく椅子から転げ落ちそうになった。
>『突然だが生徒会に入ってみる気ってのはないか!? 
> ここまで手伝ってくれるその優しさ、それにさっきの最後まで相手との対話を諦めない姿勢。 
> まさしく俺の理想としている姿だ。そう!!俺は君に惚れたっ!!』 

リリアーナはポカンと口をあけたまま固まっていたが、内容を理解したとたん耳まで赤くなった。
「あ・・・・・あの・・・・・その・・・・・・・・
 ふくかいちょ・・・・・・・・そんな・・・・・・こ、困ります・・・私・・・・・・」
リリアーナは消え入りそうな声でそれだけ口にすると、
茹蛸のような顔で、救いの手を求めるようにぐるりと周りを見回した。

どうも副会長とリリアーナとの間では、何かとんでもない誤解がありようだ。

217 名前:クロウ ◆g0xlG2TIME [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 00:02:59 0
>202>209>213
>「そういえば副会長、僕も青ジャージは着用するべきなんでしょうか?」
>「ああっ!!そうだった忘れていた!!マオ君に渡さなければならないものがあったんだ!!」
そう言って副会長が取り出したのは、
「はぁ・・・、こんなジャージ、よっぽどの物好きじゃないと着ないだろ。」
思わずため息をつきたくなるほど装飾されたピンクのジャージだった。

>「男子と同じジャージじゃあ味気ないからな!!俺が特別に作ってきた!!
 いや、ここはあえてブルマで!!とも考えたんだが今後寒くなってくるからな!!
 ブルマは夏に履いてもらうとしよう。さあ早速着てくれ!!」
「あー、無理に着る必要はないぞ。
 俺もこういう行事じゃない限り着ないし。
 生徒会でも服装は基本的に自由だからな。」
常に青ジャージ着用なんて、俺は嫌だからな!!

>「副会長、怪我人の搬送先はいつものように保健室横の予備室でよろしいですよね?
 人員が少ないみたいだし、私も怪我人を運ぶのをお手伝いします」
>「っと!そうだった怪我人を運ばなくちゃあいけない!!
 すまないな、本来なら我々だけでやらなくてはならないんだが・・・
 好意に甘えてしまうということは・・・まだまだ俺も弱いな」
「手伝ってもらえるのはありがたいんだが、その服装で大丈夫か?」
やっぱり、リリアーナとケオスの体格差で、服がぶかぶかで動きづらそうだ。
ケオスの方も、副会長が直すまできつそうだったからな。

>「お、重・・・・・・・きゃっ?!」
>「危ない!!」
「ああ、言わんこっちゃない。」
槍を持とうとして、ズボンの裾に引っかけたらしい。
槍でけがをする前に副会長が助けたからよかったけどな。

>216
>「そんな格好じゃあ危険だ!こっちへ・・・」
>「あ、あの・・・・服は折り曲げておけば本当に大丈夫ですから・・・・・・」
どうやらリリアーナの着ている服を手直しするつもりのようだ。
その方がこっちも安心できるな。
>「ところでリリアーナ君。突然だが生徒会に入ってみる気ってのはないか!?
 ここまで手伝ってくれるその優しさ、それにさっきの最後まで相手との対話を諦めない姿勢。
 まさしく俺の理想としている姿だ。そう!!俺は君に惚れたっ!!」
>「あ・・・・・あの・・・・・その・・・・・・・・
 ふくかいちょ・・・・・・・・そんな・・・・・・こ、困ります・・・私・・・・・・」
「副会長、勧誘は重要ですが今はやることがあるでしょう?」
女子は少ないから入ってほしいが、今は怪我人を保健室に運ぶことが先だ。
幸い、怪我人の人数も7人くらいだしなんとか運べそうだな。

「じゃあ、俺は二人運ぶからあとは頼む。
 それと、山田、その犬まだ生きているだろうから気をつけろよ。」
>「ああ、大丈夫だ。
  また動きだしても俺が倒してやるぜ!!」
そんな問題じゃないんだけどな。

「自信が用心しておけ。
 一応知ってる限りの特徴を書いて渡しておく。」
メモの一枚にに魔法障壁が効かないことや、妖怪であること等を書き込んで山田に渡す。
「じゃあ、そろそろ保健室に向かうか。」
そう言って俺は近くにいる二人を担ぎあげた。

218 名前:猫耳ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 00:36:41 O
>「………………」
>「何?これ?」
「あまり、見ないで欲しいな…」
流石にいくらケオスでも恥ずかしいだろうこれは
>「あっいいのよ、気にしないで。
>でも私は執事服でもまあ良いけど・・・・・・・ケオスさんは苦しくない?その・・・色々と」
「うん、大丈夫とは言い難い状況だけどね……」
苦笑しつつ改めて確認する
丈の合わないスカート、苦しい胸元、サイズの合わない肩口、いくら細身と言ってもとても動き辛そうだ
>「その格好、知り合いに見られたら困るよね?私の友達に頼んで、お化粧で別人にしてもらおうか?」
「そうしてもらおうかな。バレたら流石にまずいしね。」
「もう、ね、リリアーナのお店の手伝いでもなんでもするよ。」
最早、ヤケクソ気味のケオスであった。そこへ
>『精霊って奴は基本的に適当だからな!祭事だからそう気を落とすな!!
>…問題はサイズか。まあ俺に任せておけ!』
「なんとか出来るの?」
>『ようはちょいと伸ばしちまえばいってことだぁぁぁぁあ!!』
>包帯を手に素早くケオスの周りを回りぐるぐる巻きにする副会長。
>そして床に手を置くと魔法陣が浮かび上がり光がケオスを包んでいく。
「それだけでもやってくれるとありがたいよ。」
>『どおりゃあああああああ!!!燃えろ俺のコスモォォ!!』
そして完成したのは
>光が消えたとき、ケオスの着ていたメイド服は確かにサイズがなおっていた。
>そう、サイズはなおっている。なおっているのだが……
>ところどころ包帯で繋いである非常にチグハグなものになってしまっていた
>『・・・やはり同じ素材じゃないと無理があった!!すまない!!!』
「……ありがとう。……とても嬉しいよ。」
焼け石に水のようだった。この状況だけでも充分奇妙なのに服自体も奇妙な事になってしまった
もう笑うしかないなこれは……
「はは……」
渇いた笑うを見せるケオス
せめて猫耳だけはどうにかならないかと手を伸ばすが猫耳カチューシャは根を生やしたように取れる事はなかった


219 名前:猫耳ケオス ◆0K.vsut5nQ [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 00:38:23 O
>『こちらはでいりぃ・ふぃじる編集部であります。
>現在、一部の場所で魔法障壁が無効になる不具合が発生しておるようです。(略)』
流石でいりぃ・ふぃじる。報告関係なら完璧である。
「これならいきなり負傷者が増えると言う事は無いかもね。」
何時までも大人しくしている訳にはいかない
どうやら負傷者を保険室に運ぶようである
ケオスも手伝うことにする
三人程背負い上げるケオス。その衝撃で一人目覚める
>「あれ?君は?」
「僕は…………」
素直に名前を言える筈が無い
「私は…ケ……」
>「ケ……?」
「ケ……ケ………」
困った。
困ったケオスは助けを求めるようにリリアーナの方を向いた

220 名前:ユリ ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 17:59:53 O
>207
>「ユリと申したか。はじめてではないぞ?
>そちは気付かぬだろうが、中庭でも会っておるわ。
>焼き鳥塩は旨かったのう。」
「あれ?中庭で焼き鳥塩を食べたのは、ミルクとアルナワーズなんだけど。
 ミルクはずっと一緒にいたから本人だし……あーっ!
 じゃあじゃあ!アルナワーズに変装してたんだ!
 全然気づかなかったーっ!!」
まったくスクナの変装を怪しんでいなかったユリは、びっくりした。
ユリの脳内に新しく、王様は変装が得意との新情報が書き加えられる。

>「うむ、確かに黄金の戦車は余が動かした。(中略)
しかし!余はフィジルに来て運命の出会いをしたのぢゃ!」
「えーっ!?相手は!?相手は誰なんですか!?」
黄金戦車を動かした事実を認めるのに続く発言に、ユリは飛びついた。
話をすり替えられた事にはまるで気づいていない。
スクナの説明を聞きながら赤い糸に耳を近づけると。
> ただ、あたし文化革命の事はよく知らないんで、教えられる範囲で教えてもらえれば助かるんですが……」
「えーっ!ミルクが運命の人なんだ!!
 こっ、これは後で独占インタビューしないと!!」
>「恋のイベントの裏にはこういう地道な努力も必要という事ぢゃて。かっかっか!」
「なるほど!さすが王様!
 恋の花を咲かせるには努力が必要なんですね!」
ミルクが盗聴の事実を知れば激怒しただろうが、スクナの説明に感心するユリはそこまで考えが至らなかった。

「じゃあこっちの赤い糸は、もう1人の運命の人とつながってるんだね。
 どれどれ、誰なんだろー?」
許可も取らずに耳をもう1つの赤い糸に近づけるユリ。
その耳に聞こえてきたのは、予想を斜めに上回る声だった。
聞こえてきたのは、学園でトップに近い位置をキープし続けるケオスの声。
女ですらない点に普通なら疑う所だが、ユリの頭のなかにはある言葉が浮かんでいた。
BLという言葉である。
ユリはさらに感動してスクナを見た。
「王様すごい!すごすぎる!
 ミルクはともかく、運命の人がこんな秀才だなんて!
 どんな出会いが2人の間にあったんですか!?
 相思相愛でゴールイン間近ですか!?」

221 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 18:43:23 O
>210 >214
>「おお、それは助かる。是非そうして欲しい。メイリンも西方は初めてじゃろう?ゆっくり見学させると良い。」
学園長はなぜかスカーフェイスさんにそう呼びかけた。
スカーフェイスに牛魔王にメイリン。
どれが正しい呼び名なんだ?
それに、一緒に行くって言ってたのにゆっくり見学って……どういう事?

> 「それとわたくし、メイファとそっくりな声を聞いた事があるのですが・・・・・・。
>  同じ声の持ち主って、単なる偶然でしょうか〜?
>  失礼ながら、スカーフェイス様とメイファはあまり声質が似ているとは思えませんが〜」
>「そりゃそうじゃろう!わしは男じゃぞ!?」
ルズの質問に当然そうに返すスカーフェイスさん。
や、そういう意味で聞いたんじゃないと思うんですが……
上手くごまかされてるんだろうかこれは?
>>「牛魔王、友よ、そろそろ姿を見せてはどうじゃ?先刻の会話で、お主が妖怪であることは皆承知しておる。
>> 今さら容姿を隠しても仕方が無かろう。それにメイリンを紹介せねばならん。」
>「…仕方ないのう。できれば他人に見せたくは無かったが…。」
しぶしぶといった感じでマントを脱いだその姿は。
……予想と違いすぎる……。
絶対犬か牛の頭が乗ってるんだと思ってたのに……
それに、これが他人に見せたくない姿だとは思えない。
もしやスカーフェイスさん、女装癖があるとか言い出すんじゃないだろうな……

>「諸君、紹介しよう。わしのもう一人の娘、メイリンじゃ。」
驚いて言葉も出ないあたしだったけど、さらなる驚きの言葉がスカーフェイスさんから出てきた。
不思議な事にその言葉が発せられた時も、メイリンの口は閉じられたままだ。
「え、と。この人がメイリン……って事は、スカーフェイスさんは?」
メイリンはお腹の辺りに手をやって、眼球のようなものを取り出す。
>「そして、わしがスカーフェイスこと、牛魔王じゃ。」
「え。ええぇぇぇっ!?」
真実を知って二度びっくり。
メイリンメイリン言ってたのは、かけ声じゃなくて指令だったのかよ!

>>「ミルクよ。申し訳ないが、わしらはこの問題をなるべく早く解決しておく必要がある。
>> 文化革命については、魔法史のヘレン先生に聞くか、誰か中つ国の人間に聞くがよい。」
>「残念ながらメイリンは西方の言葉がわからない。失礼じゃが、ミルクとやら。中つ国の言葉をご存知か?」
「中つ国の言葉ですか?
 シーサンヤオチューとかチューレンポートンとかなら知ってますけど、日常会話はちょっと……」
中つ国発祥のゲーム用語知ってる程度でで日常会話は無理です。はい。
>>「友よ、心配には及ばん。ミルクは良き友人を持っておる。中つ国の言葉を語り、文化革命の真実を知る者をな。」
>「うむ、それならば安心じゃ。」
「中つ国を語って、文化革命の真実を知る友人…?
 あ、なるほど、わかりました」
一瞬だれの事だと思ったけど、少し考えればすぐ答えが出た。
レベッカの事を言ってるに違いない。
>「娘達をよろしく頼むぞ。」「わかりました。お任せください」
娘達か。やっぱりレベッカもスカーフェイスさんの娘なのかな。
声が同じなのは三つ子だからだったりして。

学園長とスカーフェイスさんが退室した後、あたしはメイリンに自己紹介することにした。
「それじゃ、中つ国語を話せるレベッカの所に行きましょうかメイリン。
 あたしの名前はミルクで、こちらはルズとマンダ。よろしくね」
言葉が通じないので身振りも入れてあいさつしてから、あたしはレベッカの所に戻ることにした。

222 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 19:22:14 0
時間は、少し遡る。

>218
ケオスの服を、副会長がサイズ直しをしてくれた。
だが練成材料の問題で、ところどころ包帯で繋いである非常にチグハグなものになってしまった。
>『・・・やはり同じ素材じゃないと無理があった!!すまない!!!』 
>「……ありがとう。……とても嬉しいよ。」 
>渇いた笑いを見せるケオス 

「そ、そんなに気を落とさないで。似合ってるわよ、猫耳バンド。
 男のネコミミが大嫌いなレイド先生にさえ見つからなければ命の危険も無いし!
 ・・・そう言えば、レイド先生どうしたのかな?
 多分ピッコロさん達を爆発から逃がしてくれたんだと思うんだけど・・・・・・」
二人に付き添っていったのなら、保健室に行けば再会できるだろうか?

>フリージア
リリアーナはギズモと何か話しているフリージアを手招きした。
「悪いんだけど、このメイド服をフリージアの色彩魔法で何とかならないかな?
 それと、ケオスさんが女装してるってことばれないようにしてあげたいの。
 もしマンダが今のケオスさんを見て、ショックで人間不信になると困るしね。
 例の魔法のメイクアップセット、今日は持ってる?
 お化粧で別人に見せたいんだけど・・・・・・何とかできそうかな?」

>217
>「副会長、勧誘は重要ですが今はやることがあるでしょう?」 
頭がぼうっとしていたリリアーナは、クロウの言葉にはっと我に返った。
副会長の告白(?)のショックが大きすぎて、少し現実逃避をしていたようだ。
クロウの言葉を聞いたリリアーナは、ああ、そうだったの!とばかりに手を打った。
「なあーんだ!勧誘!勧誘だったのね〜。そっか、そうよねー!!
 むしろそれ以外に何があるって言うのって感じよね、私ったらホントにあはははは!」

>218-219
怪我人を運ぶ前に、クロウは山田に生徒達を襲った妖怪犬の特徴を申し送りしていた。
ケオスは怪我人を運ぶため、彼らに手を貸している。
そのうちの一人が目覚めたらしく、ケオスに名前をたずねていた。
そう言われても素直に名前を名乗れるわけも無い。
>「私は…ケ……」 
>「ケ……?」 
「ケ・・・ケイトさん!そう!その子はケイトさんっていうのよ!
 夏休み後に転校してきたんだけど、彼女大人しいから影が薄いって言うか、目立たなくて」
この説明なら、『ケイト』が転入生のリボンをつけていなくても問題無いはずだ。
「その・・・皆と早く馴染めるように、ケイティを学園祭のイベントに参加させたのよ。
 そうだったわよね、クロウさん?」
そう言ってリリアーナは怪我人を担ぎ上げたクロウに目配せした。

「納得できたところで保健室に移動しましょ。少しでも早く治して学園祭を楽しまなくっちゃ!
 あっ、大丈夫よケイティは女の子だけど力持ちだから、あなたを落っことしたりしないわ。
 ・・・・・・でも、さすがに3人は多いかもしれないわね」
「ケイティ、無理しないでフリージアや副会長さん達にも手伝ってもらいましょうよ!
 それとクロウさん。怪我人を早く休ませたいのは分かるけど、
 あなた自身も怪我してさっき薬飲んだばかりなんだから、無理しちゃ駄目よ。
 私は、怪我したみんなの荷物を保健室まで運ぶ事にするね!」
そう言ってリリアーナは、キキーモラがまとめてくれていた怪我人の荷物や上着を拾った。

>201
「あっマオマオ!結局そのジャージにお着替えするの?
 だったらその間、私が隠し子吸血鬼さんを見てようか?」



223 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 19:48:43 0
その時、レベッカが目を覚ました。(といっても目が細いのでわかりにくいが)
そして、周りの光景を見渡したとき、彼女は何を感じただろうか?
屋外ベッド、
包帯でぐるぐる巻きにされた生徒達、
服が入れ替わったケオスとリリアーナ、
マオのデコジャージ…
レベッカはそれら全ての様子を一言で表現した。
「そうか、お前らは変態だったんだな。」

224 名前:黒猫ルズ ◆jntvk4zYjI [sage 何というニアミス] 投稿日:2008/12/01(月) 19:57:04 0
>214 >221
>「そりゃそうじゃろう!わしは男じゃぞ!?」 
「そういう意味じゃありませんわ〜!!」
質問をあっさりかわされたルズは思わず地団駄を踏んだ。
だが、ルズはそれ以上スカーフェイスを問いただす事が出来なかった。
なぜなら、マントをとったスカーフェイスの姿は、それほど衝撃的なものだったのだ。

>「諸君、紹介しよう。わしのもう一人の娘、メイリンじゃ。」 
不思議な事にスカーフェイスの言葉が発せられた時も、メイリンの口は閉じられたままだ。 
>「え、と。この人がメイリン……って事は、スカーフェイスさんは?」 
「こ・・・これもしかして腹部が喋るという伝説の腹話術?!
 すごいのですわ〜わたくし初めてみたのですわ〜!」
大興奮するルズをよそに、メイリンはお腹の辺りに手をやって、眼球のようなものを取り出す。 
>「そして、わしがスカーフェイスこと、牛魔王じゃ。」 
>「え。ええぇぇぇっ!?」 
「ええええええええ〜!!」
ミルク同様ルズも二度・・・いや、三度ビックリしてしまった。
多分マンダも同じように感じていたに違いない。・・・・・・状況がわかっていれば、の話だが。

学園長達はメイリンをミルクに託した後、中つ国へ旅立っていった。
「いつ頃学園長が戻られるのか、うっかり聞きそびれてしましたわね〜。
 それにしてもメイリン様達がいるというのに、あの凶暴なメイファだけが後継者とは・・・・・・。
 いやはや、スカーフェイス様もなかなか複雑な人間関係をお持ちのようですわね〜」

>「それじゃ、中つ国語を話せるレベッカの所に行きましょうかメイリン。 
 あたしの名前はミルクで、こちらはルズとマンダ。よろしくね」 
「にゃ〜ん。ごろにゃーん」
ミルクに紹介され、ルズはメイリンの足に体をすり寄せた。
たとえ言葉は通じなくとも、猫の愛情表現なら万国共通のはずだからだ。

「ところで、今頃レベッカ様はどちらにいらっしゃるのかしら〜。
 怪我をしていたから保健室でしょうか〜?」

225 名前:フリージア&ギズモ ◆cOOmSNbyw6 [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 21:45:13 P
>222>223
>「そうか、お前らは変態だったんだな。」
「なんでそうなるの!!」
一人突っ込むギズモ・・・・きっと彼は突っ込みを入れないと死ぬ病に掛かっているに相違ない

>「悪いんだけど、このメイド服をフリージアの色彩魔法で何とかならないかな?
  それと、ケオスさんが女装してるってことばれないようにしてあげたいの。
  もしマンダが今のケオスさんを見て、ショックで人間不信になると困るしね。
  例の魔法のメイクアップセット、今日は持ってる?
  お化粧で別人に見せたいんだけど・・・・・・何とかできそうかな?」

「色を変えてもメイド服はメイド服じゃない?」
メイド服の色を変えることについて疑問を投げかけるギズモ
「大丈夫!全部の色を同じ色で統一すればメイド服には見えませんことよ・・・多分」
自身なさげなフリージア
「・・・・・そうですわ!服じゃなくて肌の色を変えればいいのよ!そうすれば誰もケオスさんだって判りませんわ!!」
逆転ホームラン的な発想をするフリージア
「ジルベリア人みたいに青白くするの?」
それに対して自分のような肌の色にするのかと質問するギズモ
「それだったら私が何かしたって丸分かりだから逆に南方人の様に色黒にしちゃいましょv」
とケオスの肌の色を魔法で一時的に変えることにしたフリージア
「あと魔法のメイクアップセットですわよね?こんな事もあろうかと!こんな事もあろうかとばっちり用意してありますわ!!」
胸の谷間に腕を突っ込んで化粧道具を取り出すフリージア
・・・・本当はギズモを女装させて遊ぶために用意していたなんて口が裂けても言えない
「大事な事なので二回言いました」
その事実にまったく気が付いていない幸せなギズモ

「さあ!見せて差し上げますわ!アルティメットメイクアップと言うものを!!」
それっぽいポーズをして化粧道具を構えるフリージア
「プロじゃなくてもプロっぽいメイクが出来る魔法の化粧道具なんだからそんなに気合入れなくても・・・・」
呆れたように突っ込むギズモ
「雰囲気の問題ですわ!雰囲気の!さあケオスさん覚悟を決めなさい!
 お母様のお友達もこういってましたわ・・・・美少年はいつか女装する運命にあるって
 行きますわよ!アルティメットメイクアップ!!」
どう考えてもその人は貴腐人ですどうもありがとうございました

(10分後)
「まあ私に掛かればこんなものですわねv」
さすがはマジックアイテム・・・素人がやったとは思えない完成度だ
「ケオスさんは男・・・ケオスさんは男・・ケオ(ry」
その完成度にギズモは何だかやばい状態になっている




>「ケイティ、無理しないでフリージアや副会長さん達にも手伝ってもらいましょうよ!
  それとクロウさん。怪我人を早く休ませたいのは分かるけど、
  あなた自身も怪我してさっき薬飲んだばかりなんだから、無理しちゃ駄目よ。
  私は、怪我したみんなの荷物を保健室まで運ぶ事にするね!」
「お〜ほっほっほ!私に任せなさいな!空飛ぶ雪の結晶に乗せれば3人ぐらいまでなら大丈夫ですわ!!」
すごいのかすごくないのか微妙な搭載量である

226 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 21:52:20 0
>221
ミルクと繋がった赤い糸を通し、学園長室のやり取りが伝わってくる。
どうやら話は纏まったようだ。
それはスクナの思い描く危機の襲来ではなく、丸く収まるような形で。
「ぬ〜。機会を逸したか。
いや、これは態よく学園長が島外に連れ出さるという更なる危機への序章と考えれば・・・。」
スクナはピンチにかっこよく登場するというシュチュエーションを諦めきれず、妄想に走ったようだった。

>219
ちっと舌打ちをしていると、もう一本の赤い糸からも声が漏れ出てくる。
それは中庭での会話の様子。
ケオスの声が聞こえてくるが、周囲の音も一緒に拾うのでスクナは気にも留めていなかった。
が、ユリはすっかりケオスがその相手だと思い込んでいる。
>「王様すごい!すごすぎる!
> ミルクはともかく、運命の人がこんな秀才だなんて!
> どんな出会いが2人の間にあったんですか!?
> 相思相愛でゴールイン間近ですか!?」
「そうか!秀才なのか!余の見る目に間違いはなかった!
勿論相思相愛ぢゃ!王の寵愛を受けることほどの幸せはあるまい!」
微妙な食い違いしながら会話が成立するユリとスクナ。
そんな二人の間に衝撃の言葉が伝わる。
音源が離れている為、聞こえてきたのは微かな音だったが、スクナは聞き逃さなかった。

> まさしく俺の理想としている姿だ。そう!!俺は君に惚れたっ!!』
> ふくかいちょ・・・・・・・・そんな・・・・・・こ、困ります・・・私・・・・・・」

スクナの高笑いが詰まったように途切れる。
あまりの衝撃に思わず思考停止してしまったが、それも一瞬の事。
我に返ると同時にスクナの額に太い血管が浮かび当たってくる。
「な・・・なぁにぃ〜?やっちまったなあ!!!」
張り付いていた壁から無理やり体を引き剥がすと、スクナは飛んだ!
もはやユリの存在も目に入っていない。
布を広げ、ムササビのように滑空していく。


場所は変り中庭。

「蒼天に日輪の輝く限り!余は不屈!不死身!不可抗力!」
中庭にスクナの叫び声が響き渡る。
上手く三段オチで締めたかったのだが、スクナのボキャブラリーでは意味不明な三段締めが精一杯。

だが、その声の主はいない。
直後、轟音と共に何かが振ってきて土煙が舞い上がる。

土煙がはれ、そこに現われたのはスクナだった。
「くぅおら、そこな男!!
余の妃を誘惑するとは万死に値する!
今!ここで!決闘を申し込む!!」
ビシッと副会長を指差し高らかに宣言するスクナの左腕にはケオスの肩が抱かれていた。

リリアーナのメイド服の肩口に付けられた糸を手繰ってきたので、当然といえば当然の結果なのだが・・・
なんとも締まらない光景であるには間違いない。

227 名前:マオ ◆wYjEoXUBzo [sage] 投稿日:2008/12/01(月) 23:58:49 0
>209 >211-213 >217
>『ああっ!!そうだった忘れていた!!マオ君に渡さなければならないものがあったんだ!!』
そういって嬉しそうに後ろからごそごそと出したもの……
それはジャージだった。でもただのジャージじゃない。
「うわぁ……」
出されたジャージを見た瞬間思わず僕は引いてしまった。
なぜならラメに色んなビーズ類でマオと書いてある凄まじいジャージだったからだ。
これはもう痛いとかそういうレベルのものじゃない!!
こんなの着てたら僕はおかしい人としか思われない!
>「男子と同じジャージじゃあ味気ないからな!!俺が特別に作ってきた!!
>いや、ここはあえてブルマで!!とも考えたんだが今後寒くなってくるからな!!
>ブルマは夏に履いてもらうとしよう。さあ早速着てくれ!!」
やましい気持ちなんて一切ない輝いた目で言ってくる副会長。
や、やめてくれ!!そんな目で見られたらどうやって断っていいのか分からなくなっちゃう!
「い、いやあの……その……ありがとうございます」
ダメだ、結局僕は断ることはできずに受け取ってしまう。
くそうっ!まだ悪意があったり故意的にやってくれたほうが、
よっぽど断りやすいのに!なんだってこんなもの本気で作って渡してくるんだ!

>「副会長、怪我人の搬送先はいつものように保健室横の予備室でよろしいですよね?
>人員が少ないみたいだし、私も怪我人を運ぶのをお手伝いします」
>『っと!そうだった怪我人を運ばなくちゃあいけない!!
>すまないな、本来なら我々だけでやらなくてはならないんだが・・・
>好意に甘えてしまうということは・・・まだまだ俺も弱いな』
リリアーナと副会長が話している間僕はずっと渡されたデコレーションされた
ジャージを見続けていた……着ようか着るまいか……それが問題なんだ。
>「あー、無理に着る必要はないぞ。
>俺もこういう行事じゃない限り着ないし。
>生徒会でも服装は基本的に自由だからな。」
「わ、分かってはいるよ。でもあんな風に渡されたら……」
だから副会長は嫌なんだ。ケオスみたいな故意的にやる奴なら怒れるんだが、
副会長は本気で何の嫌味もなくやってくるから…僕が一番苦手なタイプだ。
しかもこれを着なかったらもしかしたら生徒会を辞めさせられるかもしれない。
なんだかんだで副会長は生徒会でbQなんだ。しかも信頼も結構厚いみたいだし。

>222
その後も保険室に運ぶという会話がなされている間、
ずっとどうしようか考え続けていた僕。
エリートであるというプライドと副会長の厄介すぎる真心の間で葛藤を繰り返す。
>「あっマオマオ!結局そのジャージにお着替えするの?
>だったらその間、私が隠し子吸血鬼さんを見てようか?」
「…………わ、分かった」
リリアーナの言葉に意を決してヴァンエレンを預け、
とりあえず近くのトイレに向かう。トイレの個室に入りブレザーとスカートを脱ぎ、
もらったセンス溢れすぎて常人には理解できないピンクジャージを着る。
「……なんか気持ち悪いぐらいサイズがぴったりなんだけど
 作る際にまさか個人情報だとか調べてはいないよな?」
あまりのピッタリフィット感に僕は少し恐ろしさを感じた。
「さて、とりあえず意外と着心地は悪くないが……」
問題は今僕はどんな人間になっているのかだ、見なければ気にしなくていいが、
ここは勇気を出し御手洗いの鏡の正面に立つ。
「…………………」
中央にビーズで書かれたマオの文字、なんだか光が反射して輝いているラメ。
ああ、全てが悪い意味で独創的すぎる……というかこれじゃ色モノだ……
「一体、僕はどこに向かっているんだろう。ちょっと前まではエリートで
 凡人には近づけないほどの威光を放っていたというのに、
 今では常人に避けられるような格好をしている。」
今までの栄光と現在の状況を照らし合わせなんだか涙が出てくる。
「母様……父様……僕は一体……」


228 名前:ヴァンちゃん ◆u1rU/e.jL2 [sage] 投稿日:2008/12/02(火) 20:02:59 0
遠くの国からやってきた♪
ヘタレのヴァンちゃんは♪
山越え谷越え今日も行く♪

ケオスとリリアーナの衣装が交換されてしまってさあ大変。
リリアーナは執事服を
そしてケオスはふりふりのメイド服に早変わり。
おお、ネタよ。
であえであえ。

>202>209
>「・・・・・・・・・ボク?だぁれが洗濯板で平原でマニア向けのナイチチですってえ?」
リリアーナは心無い吸血鬼の一言により黒い悪魔がおいで召されました。
そのあまりに邪悪なオーラを放つリリアーナに吃驚してしまい、涙ぐみながらマオの後ろに隠れて貧乳の化身の様子を伺っている。
>「それにナイチチでも平原でもそれなりにマニアもつくだろう、
>そう悲観することじゃないさ。」
マオの言うとおり現にとある宗教に『神』認定されている。
その信仰ぶりはマニアどころではなく、信者が熱狂するあまりカルト教団と化している。
本人はあまり知らないことなのだが、信者がとある呪術者に依頼して胸が薄くなる呪いをかけているのだという黒い噂もちらほらと存在する。
とまあ、このあたりのアングラちっくな話題は数えたらキリがないので省略する。

>213>222>227
マオはどうにも生徒会副会長と件の男臭いジャージを着るの着ないので話あっている。
「ぎふぅー」
つまらなそうにその様子を眺めているヴァちゃんは口を尖らせて、不満そうな様子を前面に出してとても不機嫌だ。
あえてブルマとも考えていた、となにやら夢を語っているようだがデコジャージを取り出してそれを勧めている。
>「い、いやあの……その……ありがとうございます」
やはり本来なら熱血系が着るジャージを着用するのは抵抗があるマオだが、副会長の強い押しもあって断りきれず着ることに…。
>「あー、無理に着る必要はないぞ。
>俺もこういう行事じゃない限り着ないし。
>生徒会でも服装は基本的に自由だからな。」
クロウの無理に着なくてもいいと言うのだが、もしかしたら生徒会を辞めさせられるかもということでとりあえず着る覚悟を決めたようだ。
辞めさせられるかも…というのはないとは思うのだが、おそらく副会長は着ないことを知ったらショックを受けることだろう。

>「あっマオマオ!結局そのジャージにお着替えするの?
>だったらその間、私が隠し子吸血鬼さんを見てようか?」
このときビクっと体を震わせてヴァンは恐る恐るリリアーナのほうを見る。
さきほどの禁句によって鬼神降臨した姿が目に焼きついて、ヴァンの心の深くに恐怖を植えつけてしまっているのだ。
「うー!うー!」
必死にいやいやするのだが、どうにも自分のことでいっぱいのマオは近くのトイレに行ってしまった。

「ぁわわ…」
ヴァンにとっては悲しいことに鬼神さまと一緒になってしまった。
「い…いじめる?」
物陰に隠れながらそっとリリアーナを警戒しながら涙ながらに出た一言。

229 名前:リリアーナ ◆jntvk4zYjI [sage] 投稿日:2008/12/02(火) 23:59:45 0
マオからヴァンを預かったリリアーナは、
「じゃあ、マオママが戻るまでお姉ちゃんと待ってようね」とにっこりした。
>「い…いじめる?」
>物陰に隠れながらそっとリリアーナを警戒しながら涙ながらに出た一言。
シマリスのようなヴァンエレンの態度にリリアーナは目をぱちくりさせていたが、やがて
「いじめないよう」
と手を左右に振った。
だがきっとヴァンエレンから見れば、彼女はアライグマくんのように凶暴に映っているに違いない。

>225
>「まあ私に掛かればこんなものですわねv」
リリアーナは、フリージアが手がけたメイクの素晴らしさに感動した。
「すごいわ、さすがフリージア!!
 これなら誰もケイティがケオスさんだって気づか・・・・ゲフンゲフン」
リリアーナは慌てて口を押さえた。
メイクと色彩魔法は完璧だが、大声でばらしては元も子もない。
「ケイティ、小麦色の肌がアルみたいでとってもエキゾチックよ。
 お化粧も似合ってるし、これならきっと誰もケイティがケオスさんだなんて気づかないわ!」
良かったね、と笑うリリアーナに、これっぽっちも悪気は無い。

>「ケオスさんは男・・・ケオスさんは男・・ケオ(ry」
「ギズモだめよ、今のケオスさんはケイティっていう女の子だから!」
リリアーナは小声でギズモの発言を訂正した。

>227
>「お〜ほっほっほ!私に任せなさいな!空飛ぶ雪の結晶に乗せれば3人ぐらいまでなら大丈夫ですわ!!」
「そっか!皆で手分けすれば速いよね!じゃあそろそろ行きましょうか。
 ・・・・・・それにしてもマオマオ遅いね〜。どうしたんだろう?」

>226
その時、突然空から声が降ってきた!
>「蒼天に日輪の輝く限り!余は不屈!不死身!不可抗力!」
「え?何?何が始まるの?」

>直後、轟音と共に何かが振ってきて土煙が舞い上がる。

>土煙がはれ、そこに現われたのはスクナだった。
>「くぅおら、そこな男!!
>余の妃を誘惑するとは万死に値する!
>今!ここで!決闘を申し込む!!」
>ビシッと副会長を指差し高らかに宣言するスクナの左腕にはケオスの肩が抱かれていた。

リリアーナは目をぱちくりさせていたが、はっと我に返り思いきり叫んだ。
「ちょっとスクナさん、ケイティに何するのよ!!今すぐ離れなさいよね!!」
容姿こそフリージアの努力で別人になったものの、胸にはまだ詰め物をしていない。
それ以前に、男性と女性では骨格が違う。
何かの弾みでより密着することになれば、ケイティが男だとばれてしまうかもしれないのだ!!

>223
>「そうか、お前らは変態だったんだな。」
「ちっがーう!!・・・・・ってあれ?レベッカさん目がさめたの?いつの間に。
 でも良かった〜! なかなか目を覚まさないから心配していたの。
 まだどこか痛いところは無い?保健室に行こうと思うんだけど、歩けそう?」

レベッカに話し掛けていると、視界の隅を何かキラキラしたものが掠めた。
「マオマオ、着替えたのn―――― うおっまぶし!」
なにげなくマオのほうを見たリリアーナは、あまりの輝きに目が眩んでしまった!

230 名前:副会長 ◆KF6oKebCxk [sage] 投稿日:2008/12/03(水) 01:38:03 0
>216
>「あ・・・・・あの・・・・・その・・・・・・・・
>ふくかいちょ・・・・・・・・そんな・・・・・・こ、困ります・・・私・・・・・・」
『そうか・・・・・・君ならいい役員になれると思ったんだが。
 分かった!俺も男だ!すっぱり君のことは諦めよう!
 ・・・よし!これで大丈夫裾上げ完了だ!!』
勘違いしているリリアーナの言葉をそのままNOと受け取った副会長は
潔くすぱっと諦め裾上げを終わらせる。
>「副会長、勧誘は重要ですが今はやることがあるでしょう?」
『まあそう言うな!!ちょっと裾上げついでに誘っただけの話だ!』

>217
>「自信が用心しておけ。
>一応知ってる限りの特徴を書いて渡しておく。」
『いいか山田、もしお前の前に化け犬が現れたらまず俺達に連絡を入れるんだ!
 くれぐれも一人で相手をしようなんて思うなよ?勇気と無謀は違うっ!!』
クロウからのメモを受け取った山田に釘をさしておく副会長。
>「じゃあ、そろそろ保健室に向かうか。」
『ああ、そうしよう!まず保険室に預けないと俺達も思うように動けないからなぁ!!』
そして二人を担ぎあげるクロウ、ケオスが三人ほど担いでいるので自然と残りは二人。
あまった二人をヒョイッと担ぎあげる。
>「ケイティ、無理しないでフリージアや副会長さん達にも手伝ってもらいましょうよ!
>それとクロウさん。怪我人を早く休ませたいのは分かるけど、
>あなた自身も怪我してさっき薬飲んだばかりなんだから、無理しちゃ駄目よ。
>私は、怪我したみんなの荷物を保健室まで運ぶ事にするね!」
『そうだな!!そもそも生徒会でない人間の方が重労働を強いられるのは間違っている!!
 二人俺に渡してくれ!大丈夫4人ぐらいなら何とかなる!!』
そしてケオスから二人ほど受け取って計四人を両肩で担ぐ副会長。

>226
その時だった。謎の声が空から降ってきたのは!
>「蒼天に日輪の輝く限り!余は不屈!不死身!不可抗力!」
しかもその内容はなんとも意味不明な三段締め共に
何かが地面へと降り立ち土埃が舞いあがる。
土煙が口と鼻に入らないように手で押さえる副会長。
『だれだ!?』
土煙がはれ、そこに現れたのはスクナ。そうあの自称王であった。
>「くぅおら、そこな男!!
>余の妃を誘惑するとは万死に値する!
>今!ここで!決闘を申し込む!!」
なにやらスクナもリリアーナと同じ勘違いをしているらしく。妃と取られたと激怒し副会長に決闘を叩きつける。
しかも服が入れ替わってるとも知らずにケオスの肩を左手で抱いている。
『面白い!!よくは分からないが男が決闘を申し込んだ以上、背負うべきものがあると見たぁ!!!
 俺で良かったら相手になってやろう!!・・・と言いたいところだ。
 だが俺には怪我人を保険室に届けるという大きな使命があるっ!!
 悪いが後でにしてくれ、なんだったらケイティの背負っているけが人を運んじゃあくれないか!?』

>227>229>
>「そうか、お前らは変態だったんだな。」
『無事だったか!頭に刺さっていたから一番重症かと思ったが、
 そんなことは全然なかったな!!だが一応のことちゃんと保険室に行った方がいい!』
変態だと言われようが素直にレベッカの生還を喜ぶ副会長。
するとトイレの方からキラキラした服装のマオが現れる。
>「マオマオ、着替えたのn―――― うおっまぶし!」
あまりの輝きに目がかすんでしまったリリアーナ。
無理もない、全身ラメにビーズやいろんな加工を施しているのだから。
そしてこれを作って与えた副会長はというと、瞳から大粒の涙を流し感動していた。
『おおっ!!素晴らしい!マオ君!・・・いやマオ!!
 これで今日からお前も俺達と苦楽を共にする真の仲間になった!!
 今俺の中の全米が拍手喝采しているぅぅぅううう!!』

231 名前:ミルク ◆9DoC6dU6XQ [sage 状況は明日まとめて] 投稿日:2008/12/03(水) 18:25:58 O
>222-230
>「ところで、今頃レベッカ様はどちらにいらっしゃるのかしら〜。
> 怪我をしていたから保健室でしょうか〜?」
「そうかもしれないけど、案外まだゆっくりしていってるかもね。
 一度ユリに知ってるかどうか聞いてみるよ。
 知ってればラッキー、知らないんならその時考えよう」
ルズにそう答えてから、あたしは取り出した遠話の水晶に魔力を込める。
「ユリ、聞こえる?
 留学生のレベッカが今どこにいるかって知らない?
 リリアーナ達と一緒だったんだけど」

>>「おー!ミルクおめでとー!!
>> さっきはごめんね。メラルからミルクの居場所を聞かれちゃってさー」
なぜかユリの奴は、おめでとーなんて返事を返してきた。
それに、メラルがあたしを探してる?
ちょうど良いや、あたしもメラルに聞きたいことあるし。
「おめでとうってなによおめでとうって。
 それよりレベッカとかリリアーナの居場所は知ってるの?知らないの?」
>>「あ、リリアーナ達?まだ中庭の方にいるよ。
>> どこかに行きそうな感じだけど、合流するなら急げば間に合うんじゃないかな?」
「わかったありがと。
 メラルに次出合ったら、あたしも聞きたい事あるから探してるって言っといて」
とりあえず必要な事は聞いたし、おめでとうの理由を聞くのはまた今度でいいや。
そう思って、あたしはユリとの会話を終わらせる。
「リリアーナ達まだ中庭にいるってさ。
 レベッカも多分一緒だろうから、急いで合流しに行こう」


「なんなんだこれは……」
中庭についたあたしは思わず絶句。
キラキラの服を着たマオに執事服のリリアーナ。
怪我人の中にはミイラ男みたいな人。
見たこと無い猫耳メイドの肩に手を回したスクナ。
あたし罰ゲーム会場に紛れ込んだんじゃないだろうな……
いやまあともかく、あきれてる場合じゃない。
聞いたことはちゃんと伝えないと。
「はーい、みんなちょっと注目ー!
 学園長とスカーフェイスさんは、事件の背後関係を調べに出かけたみたいです。
 で、こちらはスカーフェイスさんの娘のメイリンさん。
 さっきの襲撃みたいな妖怪絡みの事件に対応するため、残ってくれました。
 ただし、西方の言葉は分からないので、中つ国語で話すか身振りで会話する必要があるそうです」
ここまで言ってからあたしはお目当てのレベッカを探す。
いたいた。無事に目を覚ましたみたい。
というか、無事に起きあがれたみたい。
「で、レベッカに通訳をお願いしたいと思うんだけど、いい?
 それから、お願いばかりで悪いけど、文化革命の真実についても解説してもらえないかな?
 『魔法使いみな死すべし!』って、結局どんな考えなの?」

232 名前:レベッカ ◆jWBUJ7IJ6Y [sage] 投稿日:2008/12/03(水) 20:08:33 0
>226>229>230
> 「ちっがーう!!・・・・・ってあれ?レベッカさん目がさめたの?いつの間に。
>  でも良かった〜! なかなか目を覚まさないから心配していたの。
>  まだどこか痛いところは無い?保健室に行こうと思うんだけど、歩けそう?」
> 『無事だったか!頭に刺さっていたから一番重症かと思ったが、
>  そんなことは全然なかったな!!だが一応のことちゃんと保険室に行った方がいい!』
「あーよ。心配すんな、かすり傷だ。」
レベッカは、ケオスの肩を抱くスクナに言った。
「ていうか、お前らホモだったのかよ。許せる。」

>231
> 「はーい、みんなちょっと注目ー!(略)」
そうこうするうちに、ミルクがメイリンをつれてやってきた。
「よう、メイリン。アモーレ(愛してるぜ)。」
レベッカはメイリンに声をかけたが、メイリンは何も答えなかった。
> 「で、レベッカに通訳をお願いしたいと思うんだけど、いい?
>  それから、お願いばかりで悪いけど、文化革命の真実についても解説してもらえないかな?
>  『魔法使いみな死すべし!』って、結局どんな考えなの?」
「さっきも言ったが、それは後年の創作だ。文化革命の目的は、流入する西方圏の文化を一掃し、
 本来の中つ国の文化を見直す事にある。魔法なんてのは西方文化の代表みたいなもんだから、相当目の敵にされたのよ。
 …っとまあ、これが文化革命の表向きの真実だ。ところで、ミルクよ。 どっかで3P や ら な い か ?」
や ら な い わ 。
「落ち着けミルク。要はそれくらいプライバシーの保護される場所でなけりゃ、軽々しく言えねーって事よ。
 140年前の中つ国で起こった文化革命の裏の真実をよ。」

「そうだ、メイリン。この団子うまいらしいぞ。食ってみろよ。」
レベッカは、メイファが襲撃する前に座っていたテーブルの上の月見団子を勧めた。
メイファが何故かレベッカを避けて攻撃したため、きれいに残っていたのだ。
メイリンは月見団子を一口食べると、突然だらだらと目から涙をこぼした。
「…おいおい、うまいからって泣くことないだろ。」
そう言われたメイリンは、ぴたっと泣き止んだ。
「…お前って本当に素直だよな。」

233 名前:スクナ・ヒダノゴウ ◆2MENutira2 [sage] 本日のレス 投稿日:2008/12/04(木) 00:02:17 0
>229
>「ちょっとスクナさん、ケイティに何するのよ!!今すぐ離れなさいよね!!」
>「ていうか、お前らホモだったのかよ。許せる。」
ビシッと決めたスクナにリリアーナの声が突き刺さる。
ここに至って漸くスクナは自分が肩を抱いている人物がリリアーナでない事に気がついた。
「ぬお?誰だそちは!何故リリアーナの服を着ておる!」
リリアーナとは似ても似つかぬケオスに驚きながら肩から手を離すと、リリアーナの手を取った。
骨格も胸もしっかり男なのだが、そこまで気が回らなかったのだ。
なにより、フリージアのミラクルメイクアップ術の為、ケオスと思うどころか男とすら思わなかったのだ。
それゆえレベッカの言葉の意味に一瞬???となったのだが、状況の混迷さと優先順位ゆえに聞き流されて深く考える事はなかった。

「全く女の戯れは可愛い事じゃのう。安心せい、余の寵愛を受けるのはそちに間違いない!」
軽く息をつきリリアーナの手を取りその薬指に糸を結び付けていく。
その顔が妙ににやけているのは、ケイティの肩を間違って抱いた時に投げつけられたリリアーナのキツイ言葉だった。
勿論本来の意図は女装を発覚させない為ではあるが、そんなことに気付く由もない。
すっかり嫉妬に駆られた言葉と、上機嫌になっているのだ。

そこへ現われたマオの姿に目を晦ますリリアーナ。
だが、スクナはマオの形容しがたい姿を目の当たりにして思わず立ち上がっていた。
「おおお!素晴らしい!どこのブランドのモデルぢゃ!
フィジルにこれほどの美的感覚を持つものがいるとは!!
っは!いかん、今はそれどころではない。
そのほう、後で話を聞かせてもらうぞ。」
マオを絶望の淵の追いやった副会長ジャージだが、スクナには最先端ファッションに見えたらしい。
感嘆の賛辞を送るが、本来の目的を思い出して副会長へと振り返る。

しかし党の副会長といえば、
>『面白い!!よくは分からないが男が決闘を申し込んだ以上、背負うべきものがあると見たぁ!!!
> 俺で良かったら相手になってやろう!!・・・と言いたいところだ。
> だが俺には怪我人を保険室に届けるという大きな使命があるっ!!
> 悪いが後でにしてくれ、なんだったらケイティの背負っているけが人を運んじゃあくれないか!?』
ただ言われただけでは耳を貸すことはなかっただろう。
しかし怪我人を数人背負っての言葉だと、その重みも違ってくる。
先程リリアーナに怪我人の扱いについて謗られたばかりで、スクナといえどもここで無茶をとうせる事はなかった。
「む〜、仕方があるまい。貸せい。
では保健室へと案内するがよい。その後決闘ぢゃ!
ええい!その服を讃えるのは余も我慢しておるのぢゃ!後回しにせんか!!」
ケオスの担ぐ怪我人を半ば強引に担ぐと副会長へ保健室へ案内するように促すのであった。

怪我人を担いでいるところにミルクがメイリンを連れて現われ、文化革命について話す様にレベッカに問いかける。
レベッカとのやり取りをしているのを所々聞いていたが、この状態ではそれもままならない。
「おお、ミルク。再び敢えて嬉しいぞ。
しかし今は立て込んでおるでな。3Pはもうしばし待っておれ。
さあ、はよう案内せんか!」
王とは多忙なのだ!とポーズを取りながらミルクに一声かけて副会長に再度保健室へ案内するように促した。

魔法少女達と冒険するスレ 14thシーズン

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