1 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/24(日) 23:05:51 0
表題の通り。

一日一回進行を目指してます。
プレイヤーキャラの設定は自由でプレイ中の追加、変更可能。変更したくなった時点でその内容を
書き込んでください。

舞台はおおまかな西洋中世です。FFっぽく竜騎士とチョコボ騎兵がいます。魔法が使えます。
また呪術などや得体の知れない魔法なども使えます。

参加者さんを3名まで募集してます。
進行は参加者さんのレスが一巡したらGMが纏めを貼って、場面を進行させていく形を取ります。

スレの歴史
ネットゲーム実況板 → 卓上ゲーム板 → なりきりネタ板(今ここ)

2 名前:◆HIMAGj.Xns [] 投稿日:2008/08/24(日) 23:07:32 0
終了

3 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/08/24(日) 23:08:57 0
糞スレ乙

4 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/24(日) 23:10:25 0
プレイを検討してる方の質問を受付中です。

お一人様の希望があってGMがキャラを理解したと思った時点で一日一回の更新を開始。

プレイヤーは先着順で3名様まで募集しています。

プレイヤーキャラクター(PC)は
どのようなキャラでも結構です。国王、傭兵団長、修道院長、竜騎士、墨家などなど。


5 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/24(日) 23:20:33 0
こちらが卓上ゲームでのスレ

PC対王
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1143472050/

こちらがネットゲーム実況でのスレ

ネ実TRPGスレ2.1くらい
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1219549429/



6 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/24(日) 23:48:28 0
卓ゲ板から移動、参加表明。
TRPG専科なんですが、FF世界把握してなくても参加できますかね?
あと、過去ログは読破必須ですか?

7 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/24(日) 23:49:54 0
2chでTRPGやろうとするやつは幾つも見てきたけど、成功したのを見たことはないな。

8 名前: ◆p.Lf5waXdg [sage] 投稿日:2008/08/24(日) 23:55:37 0
参加表明
PC「シャルル」は曽祖父より代々刑吏をつとめる家の長男であり現役執行人
王より任命されている家業に誇りをもっており、自分の職業が社会的に呪われていることを疑問に思っている
こんな感じでおk?
大丈夫なら導入書くよー

9 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 00:27:49 0
>>6 過去ログはあるんですが、読破する必要無いです。

一応●持ってる方のために貼っときます。
TRPG再び
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/ogame/1215232951/

FF世界は作ごとに変わるので、把握しておくべきことは
1 スクエアエニックスの著作物だから、オリジナルに敬意をもとうってことです。
具体的にはFF11というMMO(多人数でやるオンラインネットゲーム)がありまして、ここは
ネットとの連動がある程度大きいです。そこら関連での資料がネットに沢山ありますが、あまり
時折は参照しつつ独自路線で行きたいです。
 
2 とりあえず魔法がある。TRPG的な投射して相手を攻撃する魔法があります。これは適性が
あれば学べます。戦場で役に立ちます。戦場で使われています。

3 GMは戦争の話がとても好きです。戦争はいざ戦うまでの準備がとても大事だと思っています。


10 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 00:32:21 0
>>8 参加有難うございます。
導入は、山の上にある修道院にPCが来た目的と設定などをどうぞ。

ちなみに
設定はある程度弾けていても大丈夫です。戦闘ができる、戦闘のための段取りができるキャラだと
とても嬉しいです。
 或いは単独行動ができるキャラという感じでしょうか。

11 名前:シャルルPL ◆p.Lf5waXdg [sage] 投稿日:2008/08/25(月) 01:26:51 0
「頼みます、頼みます!」
修道院の風見を狂わさんばかりの音響は、どうやら暗青色のフードの男の声であるらしかった。
「トリを一頭お借りしたい、身の証はこれに!」
うずくまった巨大な乗用走鳥の嘴を荒っぽくひとつ撫でてから、男は王室紋章の刻印された剣を掲げる。

刑吏シャルルは、焦っていた。
二日後に辺境で執行される処刑に、責任者の自分が遅れるなどとはあってはならぬことだからだ。
その上原因が、父より度々不調を指摘されている壮齢の愛鳥の怪我とあっては、一つの申し開きも無い。
代々の家長が守ってきたこの仕事の誇りを自分の感傷で穢すことになるよりは、ここで喉を潰して、のこり半生を不具として過ごす以上の望みは無いと思う。

「王の遣い!」 「王の遣いだぞ!」


============
*30代前半の既婚男性
*拷問や処刑に関する技能と知識を持っています
*同じ作りの長剣を二振りと、簡単な医薬品を持っています

12 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/25(月) 01:58:51 0
>8に倣ってキャラ概要だけ。

PC「クライン」、小さな地方領を治める騎士、三十代手前
亡き妻の墓参のため縁の修道院へ立ち寄った帰り、旧知の院長より
書状を預かり(少し遠回りだが)帰路なので配達を引き受けた
武術そこそこ、知識そこそこ、魔術からっきし門外漢

導入はのちほど。






13 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 03:47:40 0
なんか自称GMの一人芝居を見てるかのようだ

14 名前:シャルルPL ◆p.Lf5waXdg [] 投稿日:2008/08/25(月) 12:27:57 0
これは・・

魔法役居なくたってなんともないぜ

15 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/25(月) 12:41:14 0
前衛だけじゃまずいんかいな?
こちら導入まだですし、GM判断次第では多少設定差し替えます。
魔法騎士ってやっすい気がするからやりたくないんだけど…
これから夜勤なんで、また深夜。

16 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/25(月) 12:42:37 O
IRCでやれよ

17 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/25(月) 12:42:46 0
魔法はTRPGだとシステムごとに大きく違うというか、特色を出しやすいところだと思います。

ノンシステムだとGMがなに考えているか分からないうちは選択しにくいというか、魔法しか
使えないキャラをプレイしようとしてGMと考えが違うと何も出来ずに終わる懸念があるのを回避した。

という感じではないかと想像しています。

戦場で敵に投げつける魔法については、
使用する魔法を選択 投射行動 投射対象の対抗呪文選択と発動+抵抗判定 投射効果の判定と適用
って流れはおおまかに則っていこうと思ってます。

あと、アデプトというか念能力者も演じにくいでしょうね。

だから、基本的にPCの行動は全て成功するって方向でいこうかと思います。その方が演じたいキャラを
演じられますから。

18 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/25(月) 12:44:27 0
ちなみに展開的にはPCの魔法使いはいなくても大丈夫です。

それとPCの設定変更は書き込んでさえ頂ければ、いつでも可能です。
戦闘中でも導入でも、台詞を口にしている最中でも。

19 名前:シャルルPL ◆p.Lf5waXdg [sage] 投稿日:2008/08/25(月) 22:10:14 0
>>15
水さしたようでスマナイ。変えて欲しいってわけじゃないんだ
というかこういう流れになったならもう変えないで不器用な編成でぜひ行きたいw
こっちは、接触した相手の精神をなだめる位の魔法くらいを考えてます。

20 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/26(火) 01:04:29 0
略地図から読める以上に、道のりは長かった。
臨む目的地──件の修道院は、山上に在るようだ。
年寄りばかりの古僧院では、書状を出すのも楽ではないのだろう。
知己たる老院長の笑顔を思い出し、私は苦笑した。
彼は、あれでなかなか老練だ。
「どうやら、一杯食わされたかな」
だが、恨み言を言うには当たるまい。
不意の墓参にも、亡き妻の墓は常に清められ、優しき野花がたえる事はない。
その心づくしへの返礼と思えば良い。

馬も疲れている。今宵は宿坊で、一夜の宿を乞う事になるだろう。
所領に戻るのが遅れるが、まあいい。
妻に先立たれて以来、仕事ばかりの我が身を案じ、少しは気散じに勤めれれよと、
留守を勤める家令や弟にもやかましく言われている事だ。
いい土産話の種になるかもしれない。

「さあ、もう少しだ。頼んだぞ」
愛馬の首筋を軽く叩き、私は手綱を引いた。


------------------------------
・三十代目前、やもめ
・従騎士経験もあるため、単独で野営できる程度の経験は積んでいます
・装備は軽装(革鎧程度)、長剣、短刀、長弓。盾なし。手斧は野営具一式の中。

21 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/26(火) 01:04:43 0
導入をば。

>18
了解、では設定は変更なしの方向でー
誰か魔法使いPCで入りたいと思うぐらいの流れになれば
一番いいんですがさてさて

>19
オーライ、このまま行ってみませう
こちらは知識はあるけど実践からきし(SWでいうセージあり、ソーサラーなし)の路線で。

22 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/26(火) 19:56:19 0
これまでの経過
シャルル >>11
クライン >>12 >>20

本日の場面
>>11
とはいえ、処刑すべき相手は既に死んでいるのだが。皇帝は大公の生皮を剥ぎ藁を詰め辺境各地で処刑
ショーを行っている。シャルルは急病に倒れた伯父の代役として見事大公の首を刎ねる役目を命じられた
わけだ。
 帝国が内乱から回復したことを告げる、生々しい祝祭を司る大事な役目である。継ぎ目だらけの大公の
首を一閃で断ち切るはずの長剣は研ぎ澄まされた刃を鞘の中で光らせている。
 風見鶏を見上げた彼は、黒雲の底に一瞬、青い空がみえ、星が輝いたのを見た。

( ?! 死兆星…… )

惑う間もなく、修道院の門塔の鉄格子門がきしむように上に上がり始め、しわがれた声がする。
「若いの、お入りなさい」

23 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/26(火) 20:08:42 0
>>20
http://jp.youtube.com/watch?v=3p0f17JVTsw

目指す修道院は渡しを見下ろす対岸の小高い山の上に鎮座していた。黒雲が西の山脈から強い雨を運んでくる。
夕刻で修道院の門塔には明かりがともるのが見える。

さてと、クラインは考え込む。夕方に水深の分からぬ川を馬に渡らせるべきだろうか。
しかし、此岸でこのまま待てば、人馬ともども雨に濡れたままで夜を過ごすことになるだろう。
川岸まで道は続いている。向こう岸にも川からあがれそうな場所はあるが、流れはこころなしか早く見える。

とはいえ、明日まで待てば川は山脈の雨水を集めて膨れあがるのではあるまいか。

24 名前:シャルルPL ◆p.Lf5waXdg [sage] 投稿日:2008/08/26(火) 22:49:31 0
>>GM
なかなかやるw
いざアウフヘーベン

>>クラインPL
我々PL間でパスあってもいいかな?


以下続き
=================
「ありがたい!
 だが時間がないのだ
 トリか、馬か、足を貸して頂きたい!
 王の遣いでバク・タクゥへ向かわねばらない!」

一気にまくしたてると、下を向いていた長剣をくるりと掲げ、切っ先の刻印を見よがしにする。
修道院を前にあまりにも冒涜的な振る舞いであるが、我を忘れていたわけでもない。
シャルルにとり、王より賜った役目・ベフロワ家の誇りは、ほとんど何にも優先するのだ。

「ベフロワだ!みなまで言わずとも、これで分かろう!
 妨ぐるならば、この剣がいずれ何処に落ちるかわからぬぞ!」

25 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/27(水) 02:08:38 0
>23
躊躇せず河を渡ります。
河の手前で野営すれば、そこそこの備えのある自分はともかく、
雨に濡れた愛馬が動けなくなってしまうかもしれないので。

渡河の妨げとなる装備は馬の背に積み、馬を下りて手綱を引き、
馬の先に立って安全を確かめながら進みます。
水につかる事になるだろうので、早々に休める場所まで行かなければ、
自分が先にダウンしてしまうでしょうが…

「私とお前に、神の御加護があらん事を。さて、あとは人事を尽くすのみだ」


-----------------------------------
>>シャルルPL
シナリオが進んでから考えませう<PC間パス
シナリオ無関係の小ネタから始めるもまた一興。

26 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/27(水) 22:04:47 0
経緯
シャルル >>11 GM>>22 >>24
クライン >>12 GM>>23 >>25

本日の場面
「お若いの、お気持ちは分かるが、修道会にも会則という決まりごとがあるのですじゃ。
まずはそのトリを休めなくてはなるまいて。中にお入りなさい」

ようやくのことで、鉄格子は持ち上がります。門塔のアーチは途中で折れ曲がり向こうはみえず、
足元の石段には土を盛って傾斜をつけてあります。壁はさだかにはみえませんが、黒ずんだ石が
そこかしこに見えます。

「夕餉の時間ですじゃ。厩に案内しよう。しばし待たれよ」

そのとき、アーチに快活なリズムの音がこだましたかと思うと、奥からトリウマが飛び出してきます。
背には細身の者が跨り、シャルルの脇を駆け抜けていこうとしています。

27 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/27(水) 22:14:29 0
>>25
 みれば河原には大きめの石や流木なども転がっています。手ごろなものを杖にし、暗くなる一方の水面に
突き刺しては底を探り、手綱を緩やかに握りつつ、馬にそっと囁きながら一歩一歩、川を渡ります。

水は思ったよりも深くはありません。膝下くらいでしょうか。が、やがて底の深さが一定せず、やがて膝の皿が
隠れるようになり、途中、足がどうしてもつかぬところでは流れが速くなっており、ヒヤッとします。
 馬の首に体を預けるようにして、水中の飛び石を渡るように大またで跳ねるように淵を越えると、今度は
砂底です。足元の砂が流れては長靴の縫い目から流れ込むのが皮膚で感じられます。足を長く置いていると
足裏の砂がたちどころに流れ去っていくのが分かります。

 そこから対岸までは幸いになだらかな傾斜で、砂洲にあがり、そこを伝って岸に登ることができました。

自分が濡れたのは膝上までで、乗馬用の長靴に多少水が入るだけで済んだようです。馬は水しぶきを浴びた
のを体を震わせて、水滴を弾き飛ばしています。

28 名前:シャルルPL ◆p.Lf5waXdg [sage] 投稿日:2008/08/27(水) 23:50:50 0
>>26より)

自分の恫喝に怯えることも・激昂も見せず飄々と告げる老人に、なにか調子を失う。
「・・かたじけない!」
そそくさと右手の剣を鞘に収めて背負いに戻し、シャルルは手綱と鞍を引きつけてうずくまった走鳥を起こす。
脱臼の様子痛々しい愛鳥の右脚を見遣ると、修道院へ恫喝を行った毒気はすっかり消えてしまっていた。

気付くと、空は夕焼けを終えて重い表情を見せ始めている。弱くない雨にもやっと気付く。
いま発っても、すぐに山道は進めなくなるだろう。今日は夕餉を馳走になって、明日の早くに発つべきだろうか。
自分の無茶で脚を傷めたクエクエにマッサージの一つもしてやりたい。
真っ黒な羽毛の中で白くなっている二箇所のうち尾でないほう、首の付け根を撫でてやると、走鳥はくるくるとのどを鳴らして喜んだ。

そのとき、アーチに快活なリズムの音がこだましたかと思うと、
門へ踏み入らんとするシャルルと入れ替わる様に、猛烈な勢いでトリウマが一頭駆けて来る。
いい脚だ。
しかし雨の降る日暮の山道に、どこへ向かうというのだ。
正面にベフロワの剣をおいて、如何なるつもりであるのか。
「おい爺さん、あれ以外にもトリは居るんだろうな!」

口を衝いた言葉は自分でも意外なものであったが、それが改めての結論であると気付くのに瞬間は必要なかったし、老人の返答を待つ余裕も最早無かった。
往かせるわけにはいかない。

「王意だ!そのトリウマを徴発する!」
鞍の脇より一束の縄を担ぎ、シャルル・ベフロワは再び身構えていた。

===========
*“クエクエ”はシャルルの走鳥の愛称。「首(cou)と尻尾(queue)だけ白くなっているから」とシャルルの父親が名づけたものです。

PLのつぶやき:
ああ、俺のシャルルがどんどん乱暴者みたくなってゆくよ。

29 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/28(木) 01:30:02 0
>27
乗馬の蹄や馬具、積み荷に異常がない事を確認したのち、
装備を元通り身につけ、再び騎乗して山頂を目指します。

「思ったほどの時間は取られなかったが、急がねばなるまい。
 もう少しの辛抱だ、頑張ってくれ」


--------------------------------------------------
どの辺の修道院をイメージしておけばよいものか…
山頂とはいえメテオラほどではないだろうし、
丘陵地帯ってほど穏やかな地形でもなさそうな。


30 名前:シャルルPL ◆p.Lf5waXdg [sage] 投稿日:2008/08/28(木) 01:44:38 0
>>29
>修道院の様子
互いに、度が過ぎない程度に線を引いていって
それを受けて許容した世界をまた紡ぎあう、そういった手法でやっていけるゲームじゃないかな。
けっこう頼もしいGMだと思うw
先に提案したPC間パスというのも、自分のRPレスで相手へのアクションをおこし
相手方にそれを含んだRPレスを期待する というつもりのものでした。

31 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/28(木) 22:20:50 0
経緯
シャルル >>11 GM>>22 >>24 GM>>26 >>28
クライン >>12 GM>>23 >>25 GM>>27 >>29

>>28
トリウマはそのまま止らなかった。騎手は身をトリのタテガミに埋め、トリはアーチの幅一杯に翼を
広げるなり羽ばたかせたかと思うや、走鳥の頭上を滑るように飛び越した。

着地するトリの上で騎手が手を振る。口元から白い歯が見える。

頭上の穴からは
「あっ、なりませんぞ。もう夜ですぞ」としわがれ声が慌て叫ぶのが聞こえる。

振り返ったシャルルには斜面をものともせず、軽やかに下っていく騎鳥の姿が映った。

32 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/28(木) 22:33:33 0
>>29
ざっと肌を触った限りでは、馬の脚にも異常は見られません。蹄鉄にも弛みは無く、問題は低温だけ。
と、夕闇の中、修道院の門塔の前の斜面を黒い点が下るのが見えます。馬かトリか。馬にしては
跳ねるような動きが時折混じるのでトリでしょう。

そのうちに風が収まり、かわりに雨脚がやや強くなってきます。夜の到来とあわせて斜面は見えなくなります。
夕闇から夜へのこの頃合いでは足元もおぼつかないほどです。月や星の明かりはすっかり雨雲に
遮られ、ただ、馬と自分の足だけをたよりに夜道を修道院へと進みます。



33 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/28(木) 22:40:04 0
修道院の山についてはこの画像をイメージしています。

http://en.wikipedia.org/wiki/Image:The_palace_of_Maharaja_Gulab_Singh%2C_on_the_banks_of_Chenab%2C_Jammu%2C_mid_19th_century.jpg

メテオラはこれですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:MeteoHgTria.jpg


34 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/08/29(金) 01:42:53 0
>>33
どちらも見えません

35 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/29(金) 03:27:27 0
渡河に思うほどの時間を取られなかったのは幸いだが、宵闇が濃い。
荷駄からカンテラを外し、手探りに火口箱を取り出して明かりを点す。
頬に当たる雨粒が勢いを増してきたようだ。外套を着重ね、再び騎乗した。

明かりを高く掲げる。足下は照らせるが、これでは速度を出すのは難しい。
気ははやるが、道を踏み外さないほどに歩みをゆるめ、私は門塔を見上げた。
先程見えた影は、修道院のトリだろうか? もう日も暮れたものを。
空は黒雲におおわれ、月明かりすらない。
先を急ごう。あと小半時ばかりはかかるだろうか。


------------------------------------
>30
成る程成る程
遭遇してからが勝負ですが…なかなか会えないなあw

>33
メテオラまでは行きませんが、丘陵地帯というほど緩くもないですね。
山岳地ぐらい?


自分で命名しておいて何だが、どっかで聞いた名前だと思ったら、
騎士でクラインってアップルちゃんじゃないか…
フルネームは決めてないけどどうしよう。
もういっそ開き直ってルーチェを名乗ってやろうかw

36 名前:シャルルPL ◆p.Lf5waXdg [sage] 投稿日:2008/08/29(金) 23:02:33 0
>>31
「あれきりです」
呆気にとられているシャルルは、老人の言葉がはじめ理解できなかった。

「いや申し訳ない。まともなトリは、あれきりでしてな」


シャルルは、担ぎ上げたロープをトリの鞍へ戻し
交換に食料嚢を背負ってから、感情をこめない声で老人へ、というよりは
先刻まで今宵一晩の恩を賜ろうとしていた修道院へいくつかの旨を告げた。
自分の走鳥の一時管理と保護はすでに院の義務であるということ
また、これとバク・タクゥでの大公処刑の結果次第では
王の遣いたる者に対する院の振る舞いを、重大な叛意として報告するつもりであるということ。

まだ姿を目にもしていない老人の反応を待たず
処刑執行人は、跳ね返りで泥にまみれたマントをきつく纏って歩き出していた。

=================
>>34
飛べば見える

>>35
に、にげてー!

37 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/30(土) 19:02:44 0
経緯
シャルル >>11 GM>>22 >>24 GM>>26 >>28 >>31 >>36
クライン >>12 GM>>23 >>25 GM>>27 >>29 >>32 >>35

>>35
ようやく山の斜面下まで辿り着きましたが、登る口が良く分からず、しばし山裾で考え込みます。

山裾を巡るように左手に回る踏み跡があるような気もしますが、今ひとつはっきりとしません。
もう一つは門塔の頭を目指してそのまま直線であがる道ですが、雨に濡れた岩肌で馬が脚を滑らさない
とも限らない。
 と、上のほうから声がします。

「そこに居られるか。さきほど川を渡っているのが見えたが一人か?」

凛とした若い声です。

38 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/08/30(土) 19:11:49 0
>>36
 歩みだした背後で今度はなにやらのんびりした声がします。
「あれま、信じまっただよ。まったく、坊さんも人が悪い。トリなんぞまだおるだよ」

 さらに別なダミ声が
「まぁ、あと2週間もすれば豪勢な軍鶏鍋が食べられなぁな。おまえ、よけーな口はきくなや」

 先の声が
「はぁ、あのお方も首の骨折っちまわないか心配だで」

 ダミ声はそれに構わず、
「さて、金玉を抜くべか。今のままじゃ筋が張ってて煮るのに手間がかからぁ」 

しわがれ声は
「ところで、お若いの。実はこの修道院もバク・タクゥとも呼ばれる地にありますぞ、
ついでにいうと、お家の伯父は今、こちらの宿坊に滞在されておりますなぁ」

と、遠くからは気のせいかもしれませんが、遠吠えが聞こえたような気がします。
雨越しゆえ、確実にそうだとは言いきれませんが。

39 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/08/31(日) 02:31:59 0
人の通わぬ地でもなかろうに、道らしき道がないとは。
山道はこちら側ではないのだろうか。山裾を巡ってみるべきか?
短慮すべきではないが、もたもたすれば徒に消耗するばかりだ。

上から声が振ってきたのは、そんな逡巡の最中だった。
カンテラを掲げるが、闇と雨とに遮られ、相手の姿形は定かではない。

「然り、僧院の御方か?
 所用あって参ったが、この雨に道を見出せず難渋している。
 山頂への道はいずこか、誘導いただければありがたい」


----------------------------------
>36
短慮は止しときますw
フルネームはもうちょい保留。

40 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/01(月) 17:20:22 0
シャルルのPL様が復帰するまで、クラインさんのほうの話を進めちゃったもんだろうか。
大きなプロバイダでアクセス規制に掛かったところあるのかしら。

41 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/01(月) 22:17:26 0
TRP系スレのまとめサイト
http://verger.sakura.ne.jp/

代理投稿スレもあるよ

42 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/01(月) 22:34:37 0
>40
遭遇地点まで進めた方が、かえって話が早いかもしれませんな。
なかなか修道院まで辿り着けないよw

43 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/01(月) 22:45:40 0
実は既にシナリオの事件が発生する舞台に既に二人とも上がっているのであったという展開を希望。

修道院の門前でスーパーNPCを待つのが今回のシナリオの骨子なのです。


44 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/02(火) 00:00:02 0
合流しないとシナリオ進まないのかと思ってたw
道理でなかなか目的地につかないなと。
そういう事でしたら、ぼちぼち参りましょう。

45 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/03(水) 15:12:40 0
それではシャルルさんPLの復帰を待ちつつ進みます。
お忙しいときもあるでしょうし、こういうときは進みながら待つのが良いでしょう。
経緯
シャルル >>11 GM>>22 >>24 >>26 >>28 >>31 >>36 >>38
クライン >>12 GM>>23 >>25 >>27 >>29 >>32 >>35 >>37 >>39
*****************************************************
>>39

と、カンテラの灯りで光る雨滴の幕の向こうで、岩がごそりと動きます。雨が降り始めなのに地滑りかと
はっとして身構えると、岩は上へと伸び上がり、さらに両脇が腕を差し伸べるように持ち上がり、いつの
間にか人の形となって、こちらを見下ろしています。岩の肌の巨人といったところでしょうか。顔は表情に
乏しく、ただカンテラの光で陰影が生じているのみです。馬はあまりのことに足を止め、いななきもせず
じっと岩の巨人をみています。

顔の下あたりにかすかな割れ目があり、どうやら口のようで、なにか風が吹き出るような音がします。

46 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/03(水) 23:06:11 0
一瞬、疲労と冷えのために幻覚を見たのかと思った。
だが起き上がったトロールはまごうことなく眼前に、のそりと立っている…
…馬が驚いて棒立ちにならなかっただけ、運が良かったのかもしれない。

しばしの後、私は漸く次の言葉を口にした。
「今し方私に話しかけたのは…貴公…か?」


-----------------------------------

セ、セージチェックセージチェック(´Д`;)
PLとPCの知識が噛み合わないのはこういう時困ったもんです。

47 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/05(金) 02:18:38 0
経緯
シャルル >>11 GM>>22 >>24 >>26 >>28 >>31 >>36 >>38
クライン >>12 GM>>23 >>25 >>27 >>29 >>32 >>35 >>37 >>39 >>45 >>46

>>46
岩の巨人はかすかにうめき声をあげながら腕や腰をゆっくりと動かし、クラインのことなど気にかけぬ
そぶりです。

 やがて、片足を持ち上げては爪先で不器用にあたりを探っては下ろし、一歩ごとに体をよろめかせながら
闇の奥へと歩き出します。口から洩れる声は雨の中、歌っているようにも唸っているようにも途切れ途切れに
聞こえてきます。

斜面の上からは雨越しにまた若いよく通る声が聞こえてきます。

「今、そちらに参る。道案内して進ぜよう」

48 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/05(金) 11:40:22 0
岩巨人そのものはクラインの見た事も聞いた事もないモンスターだった、って事かな。
アクションは夜勤の後で。行ってきます。


49 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/05(金) 12:11:30 0
経緯
シャルル >>11 GM>>22 >>24 >>26 >>28 >>31 >>36 >>38
クライン >>12 GM>>23 >>25 >>27 >>29 >>32 >>35 >>37 >>39 >>45 >>46

>>48
古老の言い伝えで聞いた覚えが有りますが見るのは初めてです。なんでも非業の死を遂げたり
事故死したり、処刑された者の魂が石に作用して口を利くようになったり、人の形をとって
動いたりすることがあるとか。夜見かけることがあり、岩を食べると信じられています。

人に無害かどうか、人を攻撃するのか、などについては言い伝えは触れていません。たぶん、そこまで
確かめた者がこれまでいないか、いたとしても口伝を残すことが無かったのでしょう。

50 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/05(金) 17:42:17 0
閑話休題

ちょっと面白い砦。築山なのか天然の地形を利用したのか。塔のところに向かって登るみたいですね。
http://wikimapia.org/#lat=27.5488777&lon=76.712991&z=18&l=7&m=a&v=2

これがイラクだと光景が変わります。
http://wikimapia.org/#lat=36.3744764&lon=42.4537897&z=18&l=7&m=a&v=2
岩肌がじかにでてます。

51 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/06(土) 00:49:01 0
岩の巨人が雨中へ姿を消すまでの間、私は唖然とその背を見送っていた。

幼い日に聞いたのは乳母のお伽噺だったか、吟遊詩人の物語でだったか。
このようなものがうろうろしているとは、院長の口からは聞き及ばなかったが…
気配が遠のいてはじめて我に返り、私は頭上へカンテラを掲げた。
驚きに失せた感覚が戻り、体の冷えが感じられる。
今度こそは人の子であればよいが。
まさか妖精、魔物の類ではあるまい。こんな雨の宵とはいえ…

52 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/06(土) 00:52:04 0
>50
TRPG用イメージを固める小道具も電脳化したもんですな<wikimapia
見やすさに問題があるとはいえ、
簡単に同じ倍率で各地の史跡が比較できるのは興味深いかぎりです。

53 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/06(土) 01:46:17 0
経緯
シャルル >>11 >>22 >>24 >>26 >>28 >>31 >>36 >>38
クライン >>12 >>23 >>25 >>27 >>29 >>32 >>35 >>37 >>39 >>45-49 >>51

>>51 
カンテラの灯りの描くおぼろげな光はなおのこと弱まりつつもあたりを照らします。
斜面の上にはどうやら道があるのか、下ってくる気配がします。

やがて、光の輪にぬっとトリウマが姿をみせます。続いてマントを羽織った細身の人物が
鳥の背後から光の輪に踏み込みます。この人物は手に細身の杖を持っています。

クラインの風体を一目で見て取るなり、一言「ついて参られよ」 そう発してトリの首を抱くように
向きを変えさせさっさと歩き始めます。

54 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/07(日) 02:05:46 0
ひとまず、夜の魔に遭わずには済んだ。
安堵したがゆえの一呼吸の遅れ、こちらが名乗るのを待たず、
導き手は先へ立って進み始めた。

急ぎ手綱を取って、後を追う。
名乗りそびれたが、隠者に騎士の作法を求める方が無茶であろう。
この雨中、馬上で名乗るのも非礼に当たるかもしれない。
到着してからでも遅くはないと思い直し、私は前を行く相手の背に向かい、
無難な質問を投げた。
「難儀をしていたところ、案内いたみいる。
 ときに、先程の岩の巨人は一体…?
 害はなさなかったが、この地にはあのようなものがいるのか。聞いた事はないが」

55 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/07(日) 09:44:33 0
経緯
シャルル >>11 >>22 >>24 >>26 >>28 >>31 >>36 >>38
クライン >>12 >>23 >>25 >>27 >>29 >>32 >>35 >>37 >>39 >>45-49 >>51 >>53-54

>>54 

「岩の巨人?」と鸚鵡返しに案内は聞き返し、しばし考え込んだふうでしたが、聞いたことは
ありませんねと首を振ります。
 どうやら、案内はさきほどの巨人を見なかったようです。夜間で高地から斜面下を覗き込む
のはきつい上に、雨が降っているためなおさら見えにくく、かつ音も聞こえなかったのでしょう。

しかし、修道院でも様々な怪異の話は伝えられているそうで、古い写本や年代記にも
様々な記述があると話します。

56 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/08(月) 01:43:12 0
「かような場所で語っても、夢物語のようにしか聞こえぬだろう事だが」
トリウマに続き、注意深く馬を歩かせながら、私はゆっくりと言葉を選んだ。
「つい今し方、巨大な岩の巨人が起き上がるのを見たのだ。
 一瞬は、貴殿の言葉をてっきりそれが発したものかと思い違った」
先程の自分の狼狽ぶりを思い出し、私は苦笑した。
「この地をおとなうのは初めての事だが…
 かような古の地では、こんな雨の夜には怪異に遭うものなのかもしれない。
 好機があれば──身を休めてのちの事だが──、
 かかる古い写本を紐解いてみたいものだ」




57 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/08(月) 07:36:18 0
>>56
「さようでしたか」と案内は再び、沈黙してややあって
「石が動く、話すというのは、どのような兆しかまこと不思議なことです」とひとりごちます。

「なるほど、私は石の巨人の化身なのか、それともこの地が何かに感応したのか、
はたまた、人の知らぬ自然の驚異なのか、さぞ驚かれたことでしょう」

「古い写本や年代記は司書のところに後ほど案内いたしましょう。門塔の一室に集められております。
なんでも都から来た方が読みたいと所望されておられるとかで、院中で古い文字の書かれたものを
集めたのです」

「しかし、その前に体を温めなくてはなりませんね。珍しい風呂をお眼に掛けられると思います」

58 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/08(月) 21:46:40 0
「湯浴みができるとはありがたい。宿坊をお借りできればありがたい事と思っていました。
 しかしかような地に都からの客人とは…どちらか貴人にゆかりの墓所が?
 さもなくば、蔵書で知られた地でもありましたか。寡聞にして存じ上げぬが」


------------------------------------------

山中の雨の夜は地の文の描写がしづらくて辛い…
そろそろ間が持たなくなってきました。

59 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/09(火) 02:32:49 0
>>58
案内は振り返り不思議そうにクラインをみやり、
「都から典獄がこられたのです。なんでも大公の遺骸を使って処刑を民にみせるとか」

「てっきり、ご自分の眼で確かめに来られたかと思っておりましたが。それにしても雨天の夕暮れ時に
川を渡るとは思い切ったことをなさいました」

そう言い交わしているうちに修道院の門塔のアーチに掲げられた灯りが見え、トリウマ、案内、馬上の
クラインは修道院の中に入ります。

「暖炉の前でお待ちになるとよろしいでしょう。風呂の調子を見てまいります」 そう案内は言い残して
門塔の一室の扉の前まで案内して足早に去ってきます。

60 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/10(水) 02:48:28 0
扉を押し開くと、簡素な暖炉では静かに火が燃えていた。
濡れた外套を脱ぎ、腰をかがめて火をかきおこと、炭がはぜてぱちりと音をたてた。
夜が更けて雨は更に勢いを増したようだが、室内の空気は乾いており、
おどる火影を見つめるうちに神経は静まれば、先程垣間見た石の巨人も、
みな疲れと冷えの見せた幻覚だったかのように思えてくる。

院長に逗留の礼を申し述べるべきところだが、もう夜も遅い。
修道院の朝課が早い事、他に客人のある事を考えれば、明日にすべきかもしれない。
──そこまで考えて、先程の案内人の言葉をふと思い起こした。

『都から典獄がこられたのです。なんでも大公の遺骸を使って処刑を民にみせるとか』

各地で行われている、見せしめの禍々しい刑罰については聞き及んでいる。
平和な辺境の民草にとっては遠い噂話に過ぎないものだったが、
田舎騎士とはいえ、それなりの広さの領を封ぜられ、それを治める立場として、
国を統べる王の度を超した厳格さは、耳に快いものではない。

願わくば、王の厳格な刑罰が残虐な嗜好を示すものではなく、
厳正な審判を示すものであらんことを。

天におわす神に祈りを捧げ、私は嘆息した。
湯浴みの前に、厩を改めさせてもらおう。
愛馬が十分な世話を受け、落ち着いた様を目にすれば気も休まるだろう。
──雨がやんだなら、早々に領地に戻るべきかもしれない。

61 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/10(水) 02:50:46 0
名前欄にPC名入れ忘れてたのに今頃気がついたw

とうとう目的地に着いちゃいましたが、シャルルPLさん大丈夫かな。
卓ゲは巡回するけど、なりきりは巡回コースに入ってないとか、
専ブラで巡回登録するつもりで忘れたとか、自分もたまにやるからなあ…

62 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/10(水) 20:02:55 0
>>61 どうしましょう。ネットゲーム実況→卓上ゲーム→なりきり とスレが移動しており
最近卓上では板移転があったばかりで、連絡はなかなかつきにくいかもしれません。

自分としてはこのままのペースで進めつつ復帰を待つのが一番良いように思います。
急病に伏せていたとか、他で冒険していてまた合流したとか、いろいろやりようはありますし、
シナリオ的にもいつ、どこで合流しても大丈夫な感じです。

63 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/10(水) 21:54:05 0
スレの残りもまだまだ余裕ですし、当面それで行きますか。
素ボケor迷子の可能性を考えて、一回ぐらい誘導かけたいけど
メン募の空気じゃなじられて終わりそうだ。
まだ序盤ですが、読んでよさげなら参戦しませんか?って感じで
追加募集かけながら誘導でギリギリ、ってとこですかね。

ところで今更ながら、>11>22が盛大に矛盾してるのに気がついた。
整合性取るロールが思いつかなくて、頭抱えてるんじゃなけりゃいいんですが。


64 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/10(水) 22:49:32 0
>>63 

追加募集は今から書き込んでみます。

矛盾点については、ちょっとどこか分からず困惑していますが
後から書いたほうが優先ってことでお願いします。



65 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/10(水) 23:02:41 0
◇オンラインセッション・メン簿スレ23◇
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1219748551/369

募集してきました。参加検討されている方との
質疑応答は 卓上ゲーム板の PC対王 のスレを使おうと思います。


66 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/10(水) 23:43:30 0
参加してくださる方増えるといいですね。
現状でも充分楽しいんですが、この板の標準を知らないんで
二人じゃスレ占有してるようでいたたまれなくて。

質疑応答、PC対王スレが使いづらいようならこちらでも結構ですよ。
どうせシャルルさん待ちもありますし、少々流れ止まっても問題ないと思うんで。

67 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/11(木) 01:08:54 0
>>66 今シャルルさん関係の経緯で矛盾点に気付きましたが、
でもこのまま行きます。後戻りを始めるとずっとそこから離れられない
ことを懸念しています。

募集は反応がまだ薄いようですが、このまま土曜くらいまで
待ちましょうか。

68 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/11(木) 01:29:27 0
元々チャットセッション募集用のスレですからね。
BRPG用のスレもあるにはあるんだけど、過疎もいいとこで募集用のスレでもなし。
2chでBRPGって時点で、けっこう度胸が居るからなあ。

週末まで応募がなければ、このままやってみましょう。
ちゃっくり再開して下さい。

69 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/14(日) 01:54:34 0
さて連休ですね。ということで週末になりましたので再開。
シャルルさんキャラは大雑把にクラインさんと行動を共にする感じで動かして
行けばいざ、登場のとき困らないと思います。

>>60
やがて、扉をほとほとと叩く音がし、日焼けた顔の男がランタンを手に立っています。

「風呂が入れるようになったのでお迎えにあがりましただ」
男はニコッと笑ってクラインを手招きします。

廊下をすたすた歩き、門塔の出口で壁に掛けられていたなにやら
固い茎の植物で編んだ傘を手渡し、顎のところで結んで見せてクラインにも
一つ手渡します。

そして雨の中、幕壁に設けられた木製の棚の下へと案内しながらクラインに
聞いてきます。

「騎士さんはどこから来ただね?」

70 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/15(月) 00:45:59 0
>69
「夜半に済まぬが、よろしく頼む」
この僧院の助修士だろうか、男の木訥な物言いが温かかった。
所領では見ない、変わった材質の雨具も物珍しい。
「旧街道沿いの修道院──聖ヨハンナの──より、こちらへの書状を預かって参った。
 当家縁の僧院だが、辺鄙な場所とて修道士も、寄進者も多くはない。
 都市の学院へ学僧を修学させている事もあって、知己の老院長の他には
 老修道士と、助修士が数人いるばかりだ。
 書状一通のために──何の書状かは知らぬが──伝書士を出すゆとりはないのだろう。
 体よく使われてしまったよ」
老院長のすっとぼける様を想像し、私はくつくつと笑った。


------------------------------------------------
修道院の内部構造ってどんなんだっけ、と思って
手の届く範囲内の漫画をひっくり返してみたら、
近いのは修道士ファルコと辺境警備ぐらいだったw
世界観離れすぎてて参考にならないw

71 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/15(月) 01:54:21 0
http://picasaweb.google.com/lh/view?q=meteora&uname=ansabnis&psc=G&cuname=ansabnis&filter=1#

とりあえずメテオラ修道院や聖アトス山が参考になると思います。
聖アトスのほうは多少俗化というか、近代化している点もあるようで
中世風の石積み壁の上に近代的なサッシ窓の建屋が乗っている
ように見えるものもあります。

youtubeにもやはり写真集などがあげられています。麓には町が広がっている
のでそこを拠点に観光客が登っているようですね。ツアーのコースにも組み込まれて
いるようです。

72 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/16(火) 00:11:23 0
>71
ワインよりハーヴを管理してそうなイメージですな<山岳修道院
知らなかったら砦?と思うような
石造りの古めかしい建造物をイメージしてます

73 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/16(火) 01:03:00 0
>>70

日焼け顔の男も問わず語りに、
「おらは、姫様のところの下人をやってるだ。まぁ、修道院の仕事もやるし、
姫様のトリの世話もするしで大変なときもあるが、お気楽にやらせてもらっていただ」

そういい、言葉をぽつぽつついで大要で以下のようなことを語ります。

「騎士さんでなく、領主様だったのだなぁ。んじゃ、風呂に先客がいても
大丈夫じゃろうか? 都から来た典獄さんが怪我の養生にいいってことで
最近は長風呂しているんだ。風呂を気に入ってくれたみたいでおらはうれしいだ」

木棚はところどころ木材が折れて垂れ下がっていたりしておりますが、
まぁまぁ、雨風を凌いでくれます。

そうこうしているうちに大きめの庵めいた建物の前まで着くと、男は前室に
案内してくれ、ここで服を脱いであちらの籠に入れるといいこと、金属の物は
熱を帯びるので付けていかないほうがいいこと、砂時計があるから時間を計ると
楽しいこと、この木の枝で背中をこすると気持ちが良いことなどをもごもご教えて
呉れ、部屋に一応夜食を用意しておくといって去ります。

銭湯の柘榴口のように低く、横に細い入り口からは白い蒸気が前室まで
流れてきます。誰かが中で気分良く鼻歌を歌っているようです。

74 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/16(火) 01:19:43 0
>>72 砦や城に付属していた教会が規模を拡大して、そのうちに
城の領主が去ったので、手広く使っている感じです。

中世だと金目の物がありますし、実際に領主をかねていたりも
したでしょうから、大きいんでしょう。

メテオラの場合は、麓に宿坊とかありそうなものですが。

75 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/17(水) 00:48:25 0
施設は、想像していた蒸し風呂様のものよりも大がかりだった。
保養地でもあるまいに、かような土地には変わった備えがあるものだ。
物珍しさに中を伺う間に、幾つか気がかりな言葉を聞き流したが
急ぎ呼び戻してただすほどの事もないだろう。

身分を多少に誤解されたようなのも引っかかったが、
正規の使者でもない、たかだか伝書士の代行だ。
騎士位と地方領主の分限を講釈してみてもはじまるまい。
大した問題ではなかろうと思い直し、私は湯殿へ向かった。

旅装を解き、装身具と短剣を外して籠に片付ける。
「失礼する」
間口をくぐると、快い熱気が肌を打った。


----------------------------------------

砂時計 アンティークでイメージ検索してみましたが、
色々と凝ったものがあるものですな。
セッションの時限イベント計るのに使ったら受けそうだw

76 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/18(木) 10:00:01 0
>>75

中は温かい光が満ちています。左奥隅に大きな人型のようなものが
鎮座しており、どうやらその人型が熱気を放射しているようです。

室内の壁際には寝椅子代わりに、叩き締められた土があり、その一つに
浅黒い肌の男が左腕を大事に抱えるようにして座っています。

男は入ってきたクラインのほうへ顔を向けて、かすかにうなずくように
挨拶し

「熱さはこれで丁度いいですかな?」 と問い、隅の人型を指して、
「あれの調整にはコツがいりますぞ、遠慮なく申し付けられよ」と続けます。

77 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/18(木) 23:51:24 0
先客の直裁な物言いに、私は微笑した。
「かような浴場ははじめてだが、実に快適だ…田舎騎士の身とて、
 何も知らず申し訳ない。お気遣いいたみいる」
体を心地よく蒸す熱い蒸気に、芯まで冷えていた体がみるみるほぐれてゆく。
 先程伝書士として当地に到着した、地方領主のクライン・G・トーラスと申す。
 失礼でなければ、御名を伺いたいが」

このような場で名乗るなどついぞない事だが、
旅の地という事と、この浴室の快適さとで、
率直なやりとりは、何ら不自然なく感じられた。 

78 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/19(金) 21:30:33 0
>>77
「これは失礼、かりそめの湯殿の主として、こちらから名乗るのが当然で
ありましたな。

 私は、カージャール・ベフロワ、典獄を皇帝にしてこの地の王から
命じられている一族の者です。こたびは、はるばる都から、民の心を
鎮めるため、王の言葉を広めに参った次第」

とはいえ、この地は初めてではないのです。若いうちは放浪しましてな、
軍旅で騎馬弓手としてかなり前に参ったことがござる。まこと麗しい地ですな。
湖水は凛とし、夏の沼地を渡る風は蓮の花の匂いを運んでくれる。

しかし、こたびの務めがあるがゆえ、なかなか気が重いこともあります」

79 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/19(金) 21:31:41 0
>>77
「これは失礼、かりそめの湯殿の主として、こちらから名乗るのが当然で
ありましたな。

 私は、カージャール・ベフロワ、典獄を皇帝にしてこの地の王から
命じられている一族の者です。こたびは、はるばる都から、民の心を
鎮めるため、王の言葉を広めに参った次第」

とはいえ、この地は初めてではないのです。若いうちは放浪しましてな、
軍旅で騎馬弓手としてかなり前に参ったことがござる。まこと麗しい地ですな。
湖水は凛とし、夏の沼地を渡る風は蓮の花の匂いを運んでくれる。

しかし、こたびの務めがあるがゆえ、なかなか気が重いこともあります」

80 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/19(金) 21:32:26 0
二重投稿失礼しました(汗。





81 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/20(土) 23:11:31 0
「成程、勅命の責を担う御身では、御役目が済むまで気が抜けませぬな
 …湯浴みも希な気散じの場ですか」
他愛ない世間話に相槌を打ちながら、私はふと思いついた。
この地に縁しいなら、あるいは…
「ときに、御存知ありませんか、実は、先程随分と変わったものを目にしました。
 翌朝にでも、院長に面会の際、聞いてみるつもりでいたのですが」
初対面の相手にでも、くだけた場ならばこそ気楽に話せる事がある。
先程の怪異について、私は典獄殿に一部始終を詳らかに語って聞かせた。


-----------------------------
>80
ドンマイ


82 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/21(日) 07:35:16 0
>>81 カージャールは話を大変興味深そうに聞き、しばらく考え込みます。

「古い戦場をさまよう物の怪の類かもしれませんなぁ。内乱のおりは
ここでも戦闘があったということです。

 或いは、この地に古くから居る魑魅魍魎の類かもしれませぬ。
岩が人の体をなして、歩くとはまことに面妖なことです。

 ちなみに皇帝陛下もこのような話はお好きですぞ。よくお伽役に
このような話を集めて来いと言われては領内の各地を巡らせております」

 と話し、もう一つ合点がいったことがあると言い、の貴公を案内した若者は、
院内にある塔に住まう姫君だろうと言います。さきほど姫君のお付の者が
覗きに来て、良く分からない挨拶をしていったので何かと思っていたが、
クラインが入ってきて今の話をしたので合点がいったということです。

83 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/09/21(日) 21:52:45 0
何やってるの?w

84 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/21(日) 22:10:24 0
>83
掲示板セッション(BRPG)。
よかったら参加しない?

85 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/09/21(日) 22:44:43 0
>>84
うーん
遠慮しとくw
BRPGなんてないだろ

86 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/21(日) 23:30:30 0
>85
>BRPGなんてないだろ
幾ら何でもそりゃあんまりだよ
そりゃこの板では馴染まない単語だろうけどさ…

BRPGについて語るスレ
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1042013097/l50



87 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/21(日) 23:34:33 0
開拓者というのはそういうものだよ。
それぞれいたにある土壌というものがあるし。
今は耕している最中だからこういう反応も一つの現状として受け入れていきましょ。

88 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/09/21(日) 23:43:48 0
>>86
そういうのTRPGっていうんだよ

89 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/22(月) 03:15:19 0
耳新しい話題に虚を突かれ、私は些か面食らった。
院内の塔に姫君が住んでいるとは、一体どのような事情だろう。
尼僧院預かりの姫君ならば珍しくもないが
(事実、亡き妻もそういった育ちの淑女の一人であったが)、
この修道院に併設された尼僧院があるのだろうか。
或いは、何か訳有りなのだろうか。
夜間にトリウマを出し、旅人の水先案内をつとめるとは、
なかなかに豪胆な姫のようではあるが──

世話になったとはいえ、見知らぬ女性の事情に踏み込むのははばかられ、
私は注意深く話の矛先を変えた。
「成程、そう言えばここへ案内してくれた者が、彼の姫のトリウマの世話役と、
 ──あの者とは別に従者がいるのですか」


-----------------------------------------

アクション補足:「良くわからない挨拶」について仔細を尋ねてみます。

>>88
せめて貼ったスレの>1を見てくれいw
BBS-RPG(掲示板セッション)の略ですよ。卓ゲ板でもあまり使われないけど。
TRPGは言わずと知れたテーブルトークロールプレイングゲーム。
卓ゲはTRPG板とよく勘違いされるけど、実は非電源系全般だったり。

>>87
前向きな意見ありがとう。

90 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/09/22(月) 15:59:22 0
じゃあここにあるTRPGスレは何なの?

91 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 16:29:41 O
>>90
なりきりキャラ同士の掛けあいから発展したキャラクター分担型合作小説
ゲームとしてのテーブルトークとは似ているようでまったくの別物

92 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 16:52:26 0
まあTRPGとの共通因子もあるし
きくたけ2時間で世界の危機リプや水野キウイリプみたいな
判定の殆ど無いTRPGとは明確な差異が見つけにくいやねw

93 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 17:20:30 0
そういうカスTRPGとは一緒にしてほしくないなぁ

94 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 18:05:20 O
>>93
楽しみ方は人それぞれ
自分の範疇外だからと貶めるのは心卑しきこったな

95 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/22(月) 19:16:56 0
この板のやり方は不如意だが、板TOPに
「スレに問題があると思っても、当該スレで抗議などせず、自治スレ等で先に話し合って合意を取るか、
淡々と削除or移転依頼を出しましょう」と明記されてるんだから
ここで議論おっぱじめるのはやめて欲しいなあ。
「TRPGとはこういうもの」って話題は、荒れるので卓ゲ板で禁止事項になってるぐらいで
(延々水掛け論するためだけの、スタンダードスレというネタスレがあるぐらい)
このスレ全部消費しても確実に結論は出ないんだよ。


96 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 19:35:05 0
ちゃっかり構っちゃうあたり、このスレって厨房だけで構成されてるんだろうね

97 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/09/22(月) 20:29:00 0
そこは郷にいっては郷に従え、でしょ

98 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/22(月) 21:58:32 0
>>90 なりきりネタとTRPGどちらだといわれると困っちゃうくらいのところに
ノンシステムは位置しています。
 どちらかというとあるべき筋を発見していく作業で、小説の舞台を借りて
登場人物の動きを自分の筆先で再演するようなところが大きいかもしれません。

 なので、この板に来たのは正しい。そう確信している次第でございます。

新たな参加者は大歓迎です。具体的には竜騎士を演じてくださる方がいると
大変嬉しいです。
 

99 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/22(月) 22:39:04 0
もうちょっと力抜けよ。まだ若いんだろ?

100 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/09/23(火) 00:12:07 0
あと一年ROMったほうが良くなかったかw?

101 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/23(火) 00:32:40 0
間借りさせてもらってる身としては耳に痛いなw
ローカルルールには反しない範囲でやっていくから大目に見てやって。
そんでよかったら参加して。

102 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 02:28:25 0
>>89 

「姫の従者の数は知らぬが、先ほど中を覗いていった奴は
良く見かける。たぶん、古くからのお付の者なのだろう。

良く分からない挨拶というのは、何でもこの風呂にあと一人
人が入れるだろうかとか、いや来るとは決まっていないのだが
良かったら同席はだめであろうかとか、そのようなことをもごもご
言っておったので、鷹揚にあと十人は入れる、何ならお主も
どうだと答えておいた次第だ。

そもそもなぜ姫がこの修道院にいるかについてだが、
俺も詳しいことは知らないというか、読んで想像している最中だが、
昔は城に付属する教会だったものが次第に拡張し、一方で城のほうは
分割相続で次第次第にこのあたりの領主全員の共同持分ということに
なったようだ。
 だから、姫君が住んでいるのは城の塔で、その敷地内にここの
修道院があるという建前のようだ」。

とカージャールは答え、ところでこの辺の領主はどのような感じなのだと
と尋ねてきます。

 

103 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/24(水) 10:32:12 0
>102

「ほう、言わば元々塔が主城で、僧院の方が間借りの身という事ですか」

これまで腑に落ちなかったものが、典獄殿の推論で漸く合点できた。
先刻寺男と思った者が姫君の従者であったのは意外だが、
かような片田舎では、スマートな近侍より、ああいった
木訥で生真面目な者の方が、いっそ似付かわしいかもしれない。

「して…さて、我が領についてのお尋ねか。田舎騎士の所領、
 耳の楽しみとなるほど変わった話の種もありはしませぬが」
乞われるまま、私は領の様を語った。

騎士位は曾祖父の代からであり、所領もその頃拝領したこと。
都の華やかさとは無縁だが、幸い農地は豊潤で肥沃とあって、
分相応には富裕な暮らしであること。
砦や兵舎も形だけは備わっているが、領民は専ら農民であり、
外敵も主に野党や狼という、平穏な土地であること。
トリウマはおらず、馬が数頭、活躍するのも専ら所領の見回りと、
秋の狩猟時ぐらいという牧歌的な暮らしぶり。
領主の館とはいえ、爵位を持たない辺境騎士とあって、
自分と弟の他は、先代より仕える家令、几帳面な家政婦、
料理人に馬丁、小間使いと下男が数人いるばかりの
簡素な暮らしであること。
亡き妻との間に子はなく、数人いた侍女は愛妻の死後、
全て妻の生家へ返したこと──

これだけ他人と話すのは、何年ぶりか。
浴室の湯気の中の気安さで、問われない事までも
幾らか話したかもしれない。

------------------------------------

先代も騎士=一代限りではない、所領を持つ騎士って、
wikiによるとナイト爵って言うんですな。
(貴族ではないので、爵の字を当てるのは厳密には間違いらしい)
参考 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A8%8E%E5%A3%AB

あまり細かい事は設定してないんで、
補足が必要なら中の人質問でお答えします。

104 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 22:32:20 0
一度刺激を受けたこのスレが復活するのは難しいだろね

105 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/09/25(木) 00:30:01 0
刺激って何じゃらほい

106 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/09/25(木) 19:28:58 0
うんこ

107 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 01:12:27 0
>>103
 カージャールはそれを聞き、にこっと笑うものの、どう話したものか
いささかいいよどみます。

 やがておもむろに
「なるほど、豊かな土地で人心も安定し、まことに素晴らしい。
しかし、この地でも内乱があったことは事実ではあるし、なかなか
都とこの地を結びつける拠り所を探すのは骨が折れるのですよ。

 そこで伺いたいのだが、この地に所領のある領主として
王とは、皇帝とはなんであろうか。はたまた、皇帝のために剣を執った
者たちはこの地でいかなる処遇を受けているのだろうか」

 
 「陛下は帝国の隅々に至るまで、その平和な統治が及ぼされるのを
願っておられる。そして、その意思をどのような形にするか、あらゆる地方を
いかに結びつけて一つの帝国という形にするのか、それに携わる者を見出す
ことも、この小身に課せられた使命なのです。どうか気を悪くしないで
頂きたい」 

108 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:17:48 0
>>107
その問いは、思いもよらないと言うより、むしろ考えた事もないものであった。
だが、驚きとともに、しぜんと微笑が浮かんだのは、
その答えがまた「考えるまでもないもの」でもあったからだろう。

「先の問いについては、答えるのは容易いこと。
 貴族位を持たない世俗騎士にとって、王とは主君、皇帝とは君主、
 仕えるべき主を持ってこその騎士なれば、陛下こそがかの王、我が君。
 それ以外の答えがあるでしょうか?」

109 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:17:54 0
「気分を害するようなお尋ねではありませぬが、
 さて、後の問いへの答えは、少々難しいところですな。
 他領については、まつりごとにあずからぬ辺境騎士の身、所領を離れる事も滅多なく、
  さほど存じませぬが…
 先の内乱の折、主君の招集に騎馬鎧を携え参上した際、
 我らのごとき下級騎士が、忠誠に対する所領の保証、相応の報酬で満足するのとは異なり、
 高貴な方々には、そうとは限らぬ方も多少いらっしゃるように…お見受けしました。
 いえ、…失礼ながら、典獄殿とは違い、上つ方については滅多な事を申し上げられぬ身。
 父祖の家訓に、騎士たるもの、臣下の分限を守り、噂事には口を慎むべしともあります。
 失礼、少々のぼせたようです。そろそろ宿坊へ引き取らせていただいた方がよさそうだ」


110 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/26(金) 02:28:54 0
流石に長くなったので二分割。
更に長くなっちゃいますが、中の人補足。
内乱について、>22以降ほとんど情報がないので設定のしようがないっすw

伝書士スタンスで、この修道院〜縁の修道院〜所領、と騎馬数日の距離置きましたが、
帝国がどのくらいの規模で、どんな機構か解らないのでどーにもこーにもw
世ファンタジーっぽく、
皇帝:帝国 >諸王・諸公:各国 > 領主:各地方 > 騎士:各領 の構造でいいのかな?
大公が諸王・諸公ランク、クラインのロードが領主ランクと考えれば、
ロードが皇帝についたか、大公側だったとしてもうまく立ち回って参戦前に内乱終わったかで、
招集はされたけど戦場に出る前に内乱収まったか、出たけど運良く生きて帰ったか、
そんなとこじゃないかと思います。
騎士ですから招集かかれば弟ともどもいざ鎌倉するでしょうが…

FF知ってればもうちょいスパンと設定できたのかなあ。すんません。

111 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 00:01:58 0
>>110 FFのことは全然知らなくて大丈夫です。なんとなくトリウマがいて
時々クリスタルが出てくればOK。

内乱と帝国の大きさについては曖昧なままで、こちらから設定を作っちゃう
前にどうしたいのか伺ってみました。

=============================================================

>>108, >>109
カージャールはそれを最後の台詞を聞き
「ながながとお引止めしてすまなかった。そうそう、石の巨人の話は
大変面白かった。おかげで古文書を読む楽しみが増えた」と言い、

「この修道院は朝方は霧に囲まれ、夜は石の巨人が彷徨うとは
なんとも見かけによらぬ要害なのだな」と呟きます。

クラインが湯殿から出ると雨はあがり、夜空には風で吹き千切れたような
雲が星の下を流れています。来るときは気付かなかった踏み石伝いに
宿坊に戻るとあたりの山から遠吠えが響いてきます。

112 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 00:40:44 0
湯殿を離れると、明かりはほのかな星明かりばかりだったが
部屋へ戻るていどには難なく歩けた。
鐘楼にかかる星がまたたいているところからみて、
明日も天候はかんばしくないかもしれない。帰途につけるとよいが…
秋の夜風が頬をさす。外套の肩布をかき合わせ、私は足を速めた。
疾く床に就くとしよう。


-----------------------------------
>111
設定は地の文でも補足でも、適当に出してくだすってよござんす。
人数多いとき設定過多だと掛け合いがつらいですが、マンツーマン状態ですし、
レスのラリーでワールドガイド削り込むのも一興かと。

113 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/28(日) 00:01:03 0
>>112
門塔の部屋に戻ると、寝床が整えられ、小さな折り畳み卓の上には
小瓶に入った酒と堅焼きのビスケットが皿に盛られおり、チーズが
添えられています。

 そして、卓上には石版も置かれており、明日の朝課に来る場合は
食堂で食べるよう手配すること、来ない場合は部屋に持ってくることが
書かれています。
 また、古文書については上の階の部屋に集めてあるので、いつでも
見れるよう話しておく旨も記されており、修道院長が最後に署名しています。

114 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/28(日) 00:55:10 0
>113
石版を手に取り、私はつい微笑した。
不意の客でありながら、これほどの心遣いが受けられるとは、
雨中の渡河時には夢にも思わなかったことだ。
果たして従卒時代の私には、これだけ細やかな心配りができていただろうか。

石筆を手に取り、朝課におもむく旨を書き記す。
たまの旅先だ、物珍しい経験の一つもできれば、土産話の種になるだろう。
ついでに旅荷を解き、手持ちの羊皮紙に、伝書の使いで当地に赴いた事、
帰りはあと数日遅れる事を書き記す。
予定より帰りが遅れる事を、所領に知らせておくべきだろう。
伝書鳩の一羽もいるものなら、明日借用を頼み込んでみよう。
ペンをしまい、私は明かりを消した。





115 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 09:12:18 0
>>114

その晩、クラインは夢を見ます。

場面はきれぎれで互いに脈絡もないものですが

竜の背に乗って暗雲が覆う空の下で、夜の山脈の上を飛ぶ

狼となって峰で遠吠えを交わすもの

鷹となって、鳥の群れ目掛けて急降下するもの

そして、山の谷間を重い足取りで彷徨うもの

などです。

奇妙な夢に驚き眼を覚ますと、暖炉の炭がうっすらと赤く、
その光に照らされて窓を閉ざす板戸の隙間から霧が室内に
漂っています。まだ、夜のようです。朝課の時間までは間が
あるでしょう。


116 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 12:44:43 0
>115
覚醒するまでは、少し時間がかかった。
寝床の中でしばし、奇妙な夢を反芻した後、
私は体を起こし、暖炉に歩み寄った。
ひんやりとした床が素足を冷やす。
火かきを取り、炭をかきおこす。
火がおこりはじめるのを確認してから、
窓の板戸をわずかに引き開けた。
白い霧が流れ込んでくる。夜明けが近いのだろう。
窓を閉め、私は再び床に就いた。
朝課の鐘が聞こえるまで、もうひと眠りりできるだろう。

117 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/09/29(月) 15:38:50 0
>>116

眠りにつくとまたも夢を見ます。

大きな蜘蛛になって岩だらけの斜面を長い足で探りつつ登っていくもの

水となって、とある岩山に降り注ぎ地面に染み透ってやがては麓から
流れ出すもの

麗しい顔に若々しい手をした青年となって、松の下で夜月を眺めて
一人で弦をかき鳴らすもの

そして、

どこからの礼拝堂の祭壇で花嫁を迎える若者の姿で夢は終わります。

目覚めると朝課の鐘が低く高く鳴っています。どうやら鐘楼は門塔の門の
上あたりにあるようで、アーチに低く反響し、建物の石もかすかに歌うように
震えているかのようです。

118 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/09/30(火) 02:02:22 0
>117
板戸の隙間から、薄明かりが差し込んでいる。
不可思議な夢の余韻を追い払うように、私は疾く身を起こし衣服を整えた。
少し早めに部屋を出た方が良いだろう。
食堂の所在は知らないが、朝課に向かう修道士たちの波に着いて行けばよい。
宿坊の扉を押し開くと、すがしい大気がさっと頬を打った。
靴の踵が石敷きの回廊にひっそりと響く。
見上げれば、薄青い明けの空にとりどりの色の雲が吹き散らされている。
風はあるが、昨夜のごとき雨にはなるまい。

119 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/02(木) 00:35:34 0
>>118 門塔を出て回廊を進むうちに様々な人々が低い声で囁き交わしながら
三々五々に連れ立って歩いていく中に混じります。あたりはうっすらと靄がかって
いますが、周りの人々は老若男女様々でで、どうみても村人の風体の者が多い
のです。

中には、頭頂をを剃った修道士もいます。老年の修道士の中には頑健な体格の
村人に背負われて首元から数珠をさげて呟くように歌っている者もいます。

 やがて、食堂に着きます。内部では村人や修道士が椅子と卓を用意したり
巨大な振り香炉に炭と香を入れたり、祭壇に布をかぶせたりと忙しげに
働いています。

 そういえば、かすかにパンを焼く匂いもしてきます。


#クラインさんが泊まっている場所は門塔の中の一室そのままでもいいですし
回廊に面した宿坊でもいいです。

120 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/02(木) 21:54:23 0
山上の僧院だというのに、朝から俗人の姿が多い。
礼拝日なのか、それとも巡礼者たちだろうか?

村人が背負った老僧を下ろそうとしているのに気づき、
私は椅子を引いて手を貸した。


---------------------------------

宿坊の場所は、特に決めなくても問題なさそうなのでまあ適当に。
到着したのが遅かったし、門塔の方かな。

121 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/03(金) 16:36:40 0
>>120

老僧は、おぉありがたいと呟き、クラインの手を握り締めて感謝します。
村人らも修道士ら僧服の者を手伝って、やがて、巨大な振り香炉を
動かそうと礼拝堂の天井から下がっている綱に鈴なりになってとりつき、
力を合わせて引っ張っています。

鐘に調子をあわせて引っ張ると香炉は次第に弾みをつけて礼拝堂を埋めた
信徒たちの頭上を揺れ、やがてはほとんど天井に達するまでの勢いで
行き来します。

お堂の中を香が漂い、祭壇脇で先唱する修道士たちにあわせて村人も
歌い始めます。

クラインが何気なくあたりを見渡すと、昨晩の湯殿の主も敬虔な表情で
村人に混じり歌っています。

その数列前には若い細身の少女がいます。どうやら昨晩斜面を案内した
姫君でしょう、脇にはお付の爺といった風体で蒸し風呂まで案内してくれた
男が付き添っています。

122 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/03(金) 22:44:11 0
巨大な振り香炉 の下りの参考です。

http://jp.youtube.com/watch?v=2QFd_55El1I
http://jp.youtube.com/watch?v=iE_r6XhB4VE

123 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/04(土) 00:22:08 0
>121
振り子の動きにつれて、天井へ煙がたちのぼり、
香草の芳香が室内を満たす。
物珍しさに目を奪われるうち、視線の先に知った顔を見つけ、
傍らの老僧に失礼、と声をかけて私はその席を去った。
信徒の歌のたまたげにならぬよう、ゆっくりと人の間をぬって
目的の場所まで移動する。

典獄殿の方が私に気づき、少し眉を上げて微笑んだ。
私は無言で頷き返し、彼の隣に立った。
しばし黙して、振り動く香炉を仰ぐ。
天窓から朝日が差し込み、すがしくのぼる煙を照らしていた。

--------------------------------------

>122
香炉でかっ!てか動くのはやっ!
綱切れたら大惨事だとか、いらん事が心配になりますな。

124 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/04(土) 01:37:23 0
>>123 やがて、香炉の振りも次第に小さくなり、最後に僧服の男が素早い
身のこなしで横に体を流しながら取っ手を握り、踵を軸に回して勢いを
殺して止めます。

 祭壇では司祭が朝の挨拶をし、会衆がこれに応じて儀式が始まります。
まず、此処の所の天気、続いて、近くの市での物の値段の動き、そして、
暦の上での月の動き、都での噂、それから一段と改まったような声の調子で
最近の狼の群れの活動、そして、本日、修道会が行う仕事について
噛み砕いて教会の言葉を使わずに説明し、信徒の参加を呼びかけると
いった具合です。

 その間に、古ぼけた木箱が会衆の間を巡っています。一同はたもとに
手を入れてはなにがしか中に入れているようです。

 脇をみるとカージャールも懐から無造作に金を取り出して手に握って
います。

=============================================================

動画を見ていて分からない点は、上部をもちあげて香炉に香を入れるのは
いいんですがその後、上部を下げたあとどうやって固定しているか、
それから、炭をどの程度入れるのか、オルガンの配置(音楽とぴったり
一致しているから動きを逐一見える位置に演奏台があるはず)
歌い手はマイクを使っているようですが、これは位置を確認できました。身廊と
袖廊が交差してできる四角形の角のところで歌っています。尼さん用の席が
あるようで、歌ったあとに戻るのがみえる動画があります。

面白いのは、フラッシュをどんどん焚いている点です。どうも日本の鉄趣味のような
規律は無いようで。 

125 名前:通りすがり[sage] 投稿日:2008/10/04(土) 12:17:18 0
建物作り付けのオルガンならどこかの壁に面して(多分ちょっと高いところに)鍵盤がある筈で
奏者の前が一部鏡になってて後というか堂内の状況が見えるようになってる筈
コンサートホールもそんな感じだよね

鍵盤ユニット?を移動可能なタイプだったりそもそも電子楽器だったりしたら
どこに置くかは自由なので何とも言えないけど

126 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/05(日) 23:37:02 0
朝課で金銭が必要になるとは予想外だったが、
幸いと言おうか、元よりさしたる額は持たない路銀の袋は懐にある。
隣に倣い、銀貨を一枚──生憎小銭は切らしていた──木箱に入れた。
宿泊費と思えば、親切に報いるには足りないほどだ。
何より、この界隈の諸事情が耳に入ったのはありがかった。

-----------------------------------------

必要以上の現金は持ち歩いていないと思います。
荷物ばらせば金貨一枚ぐらい縫い付けてある、程度。

127 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 09:10:55 0
>>126

宙に漂っていた香の煙もいつしか信徒たちの上に降りかかり、一同は声を揃えて
神を讃える言葉を歌い上げます。早朝の快活な空気の中、儀式は終わり、
人々はあちこちで固まっては談じたり、修道士を囲んでいろいろ話をしています。

みていると、どうやら修道士にいろいろ問いを発し、修道士がそれに答えると
一同で横から意見を挟みつつまた修道士に問うという具合です。

自分もそういう群れに混じりつつ、四方に目を配っていると
中にあちこちの群れを行き来しているのに、信徒からはどうも芳しい反応が得られぬ
修道士がいるのに気付きます。

ふとみると、若姫君と典獄はさきほど手を貸した老僧のほうへと歩いていき挨拶を交わし、
そこに祭壇の前から恰幅のよい修道士が合流するのがみえます。

128 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/07(火) 22:08:44 0
散会に至ってはじめて、まだ院長への面会の段取りを取っていない事に思い至った。
昨夜からのあれこれで危うく失念しかかっていたが、この修道院を来訪したのも
そもそもは伝書士の真似事を引き受けたからだ。
今は書状を携えていないが、誰か修道士をつかまえて面会を申し込む旨伝言してもらうもよし、
これだけ和やかな朝課だ、或いはまだ座の中に院長がおいでやもしれない。
修道士と信徒の問答に耳を楽しませながら、私は手空きの修道士を呼び止めた。


-------------------------------------------

お茶挽きしている修道士を呼び止め、伝書士として到着し昨夜から宿坊にいる事を話して、
院長に面会を申し込みたいと告げます。

129 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/08(水) 13:34:02 0
>>128

修道士は呼び止められると不思議そうにクラインをみて
「あれっ? 前にもお話しましたっけ? 言って置くけど危険ですよ」と言い出します。

続いてクラインの反応にはお構い無しに礼拝堂(西向きに玄関があります)の戸口を
指し、

「あの山なんですがね、今朝も言われてましたが狼が出ます。確かに村の跡は
ありますが大丈夫ですか?」と畳み込むように問いかけてきます。

そこではじめてクラインの服装が他の信徒と異なることに気付き首をかしげ
クラインを不思議そうに見ます。

そして、クラインの話を聞いて、ならばこちらへどうぞと祭壇の方へ先導します。



130 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/08(水) 22:10:54 0
>129
一瞬、自分の耳か頭がどうかなったのかと思った。
甚だ見当違いの発言に、著しく面くらいはしたものの、誰かと間違われたものとみなし、
私は差し当たって彼の先導に従った。
祭壇へと向かいつつ、追って尋ねてみる。
「どなたかとお間違いのようだが、西の山に何か?」



131 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/10/09(木) 03:31:31 0
ちょっと興味が湧いたが今から流れを追うのは大変だw

132 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/09(木) 20:48:47 0
>131
基本一日一レスだからそれほど進むの速くないよ
是非とも追いついて参加してくれw

133 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/10(金) 10:46:57 0
>>131 参加してくださるなら嬉しいです。参加の際はトリップをお願いします。

>>130

若い修道士
「失礼、俗人の方が修道院の仕事を手伝ってくださるのかと思ったのですよ。
ずいぶん前から延び延びになってる仕事なのです。」と一気にしゃべり、
ここで声を潜めて

「正直、引き受け手がいないのも無理はありませんが」 と付け足します。

「西の山に行って土地の現状を確かめて、花火を打ち上げる場所を作って
戻るだけなんですがね、狼が昼間から徘徊するありさまで、危険なのです」

そうして、祭壇のところで祭器の片付けなどをしている修道士たちのところにつき
礼服を羽織った年長の者のところへ若い修道士は進んでいきます。

134 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/11(土) 03:18:10 0
>133
彼の話は要領を得なかったが、断片的な情報以外にも、
少なくとも一つの疑問を解消してはくれた。
会衆が彼に寄らないのは、どうやらこの話下手のためらしい。

彼に続いて祭壇へ向かった私の方へ、祭司がふと顔を向けた。
足を止め、私は目礼した。
「失礼、昨夜こちらへ泊めていただいた御礼を院長殿に申し上げたい。
 それから、伝書士として持ち参った書状をお持ちしたいのだが」

135 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/11(土) 10:14:03 0
>>133

目礼に応じて、祭司はゆっくりと向き直り、クラインの話を聞きます。

「さて、そういうお話ならば、一同で伺うと致しましょう。手紙の中身に
よっては一同で知り置いたほうが良いこともありそうだ」

そういい、若い修道士にクラインを参事会室へ案内するよう申し付けます。

「祭器を片付けたら参ります。それまで暫くお待ちになっていてくだされ」

ここで頭を下げてまた祭壇の布の上の品を片付けに戻ります。

136 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/11(土) 21:19:56 0
>>135
かの修道士に書状は宿坊にある旨を告げ、
彼を伴って私は一度部屋へ戻った。
旅荷から略装を出し、簡易に服装を整える。
書状を携え、私は彼に従い参事会室へ向かった。


-------------------------------------
書状の中身は何なんでしょうね?
修道院へ立ち寄る動機付けにしただけで、
実は内容なんか皆目考えてないんですが。

137 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/11(土) 22:51:38 0
>>136 参事会室には全部で十数人ほどの様々な人々がおり、
中には若姫、そのお付の爺、朝課の前に挨拶した老僧など見知った顔もいました。

さきほどの祭司に油皮の包みをわたすと、蝋燭で軽く封をあぶり柔らかくしてから
開けて書状を取り出します。面白いことに羊皮紙でなく軽く布ではない何か、
たぶん話に聞く紙に書かれています。

祭司はざっと書面を眺めてから蝋燭に満遍なくかざし、一同は黙ってそのしぐさを
眺めていますが、やがて、読み始めます。

「同じく修道の道にあるはらからに書状を送ります。
この書状を持参したる者は我らが修道院を多年にわたり影に日向に援助
されてきた一族の頭領たる方で、大変信用が置ける御仁です。

貴院の現状についてはこちらの一同も大変心を悩ませております。
よろしくこの方と相談くださるよう。

なお、羊の群れについては道中滞りなく旅を続けているとの連絡が届いております。
貴院にも鳩は飛んで来ておると思いますが、念のため

 皇帝陛下の御世を讃えつつ、神の忠実な僕たる修道士これを記す」

138 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/12(日) 19:42:19 0
>>137

──あの古狸め。
表情は取り繕いつつも、内心私は苦笑した。
使える者は騎士でも使えのちゃっかり者かと思えば、いやはやそれどころか。

老院長の独断ではあるまい。茶目っ気のある老爺だが、
差し出がましい謀り事を企む男ではない。
出立前、常にもまして口やかましく『充分な骨休めを』と繰り返した弟の顔を思い出し、
私は座に聞こえないよう、そっと舌打ちをした。
全くやってくれる、あのやんちゃ者め。
まんまとしてやられたのは癪に障るが、そこまでして私に気張らしさせたかったなら、
ここまで手の込んだ真似を仕組んだ手前、領主代行はきっちり勤めるだろう。
おせっかいな若造だが、あれで生真面目なところもある。

「剣にかけて、書状の文面に偽りなき事、誓って申し上げる。
 しかし、急な話とあって、こちらの現状とやらを未だ伺っておりませぬ。
 拝命前に、仔細をお聞かせ願えればありがたく存じます」

毒喰らわば皿までだ。とことんまで付き合ってやるとしよう。

139 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/10/12(日) 22:04:56 0
学生さんかい?

140 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/14(火) 19:47:50 0
>>138

祭司は考え込み、助け舟を求めるかのように一同を見渡し、クラインに向き直ります。

「今に至る経緯はとても複雑ではありますが、当山が逼迫した状況にあるのは
確かです。
 この場には様々な立場の者がいるゆえ、これは全員が力をあわせて難局を
乗り切ろうという意志の表れであり、まこと神の仲立ちともいうべきものなのですが、
都から戦を逃れてきた方から、当地の谷から身を寄せて居られる方までおいでです。

今大きな問題は我々はできるだけ沢山の人を平和のうちに受け入れたいと存じて
いますが、なかなかこれが難しい状況になりつつあるということです。

もちろん、修道会からも様々な援助を頂いているし、そのほか各方面へ手を尽くしては
おりますが、なかなかこれといった道が開けておりません」

参事たち一同は時折、うなづいたり、真剣な顔で聞いています。

141 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/14(火) 23:59:01 0
>140
殊勝に頷きながらも、私は訝しく思いを巡らせた。
気のせいだろうか、随分と持って回った言い回しだ。
高山の修道僧という事を差し引いても、妙に奥歯にものの挟まった物言いなのは何故だろう。
あまり微妙な事情では、立場上参画するのが難しくなるが…
思い過ごしならばよいのだが。
「どうぞ、御遠慮なく率直に仰っていただきたい。
 長滞在できぬ身ではありますが、一騎士として、可能な限りお力になる所存です」

142 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/15(水) 00:00:32 0
>139
私あてかな? 
準夜勤が多いのでレスが不規則になりがちですが、一応社会人ですよ。

143 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/16(木) 13:07:10 0
>>141 祭司はクラインの率直な申し出を聞いて物悲しそうに目を伏せます。

「実情については、おいおい皆から聞けるかと思います。私からも
何かあることに耳にお入れするようにいたしましょう。

さて、何をお願いすべきなのか、正直なところいかなる助けでもありがたい
のです。

例えば、御領地のあたりで騎士が集まるような機会はございましょうか?
もちろん、内戦からこの方、なかなか当山のあたりではそのような催し、交流も
途絶えがちかと承っております」

祭司はどのように切り出すべきか迷っているようです。参事たちはクラインを
みたり、じっと卓に眼を伏せたりなどしていますが、一様に緊張しています。

***************************************************************

>>139 同じく社会人です。

144 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/16(木) 21:45:23 0
>>143
「仰る意味がよく解りませんが…」
祭司の更に遠回しな物言いは、殊更に私を面食らわせた。
「腕に覚えのある兵士が必要だというお話か。
 私領の騎士は私と弟のみですが、係累を頼れば妻の家系にはそれなりの人数が、
 まだ、従騎士時代の縁故や、──お話によっては、お仕えするロードに申し上げれば
 兵の十名ばかりはお借りできないでもないが」


--------------------------------------------
クラインの騎士位はさほど高くありませんから、
借りられるのは従騎士以下の私兵ですね。
知り合いの騎士総動員して十名弱+それぞれの配下で小隊規模にはなるでしょうが
部下でなく知己の域を出ませんので、それなりにシビアに報酬を出す必要が生じます。
(騎士道精神をくすぐるような釣り餌があればまた話は別)


145 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/18(土) 01:53:23 0
>>144

「さよう、我ら一同、兵を望んでおります。しかし、この世で剣を振るう兵ではなく、
我らの心をまとめ、受け止める、いわば神の御遣わしとでも申しましょうかな。
我らの窮地を知り、これに手を差し伸べる方を待望しておるのです。

冬を越せるだけのものを我らは手に入れねばなりません。もちろん皆努力は
しております。修道士も俗人も揃って仕事に励んでおりますぞ。

だが、それだけではこころもとないのです。いや、残念ながらそれだけでは
賄えないかもしれませぬ。

そこで、騎士の方々おのおのにおすがりしたい次第です」

146 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/10/18(土) 01:56:02 0
DS版FF3から来たんですが
オニオンシールド大量にあるんでここに埋めときますね

147 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/19(日) 01:34:24 0
>>145
難解な言い回しは、聖域住まいの者の常のようだ。
だが、ようやく話の筋が読めてきた。
朝課にごった返していた人の群れは、巡礼ではなく避難民だったようだ。しかし──
「民が困窮している…というお話ならば、入り用なのは戦士ではない。
 なれば、騎士領への嘆願のための急使をお探しか?
 私が適任と仰るなら承りますが」
居並ぶ参議を、老僧を、そして若姫を私はちらと見やった。澄んだ瞳と目線が合った。
「冬を越すため寄り頼むならば、騎士団より国王の方がより頼もしい後ろ盾のはず」
典獄カージャール・ベフロワ殿にひたと目を据え、私は言葉を継いだ。
「使者に据えるならば、この場には、私以上に適任の方がおられるものを」


148 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/19(日) 01:36:15 0
GMとマンツーマンの進行って、なんか思い出す思い出すと思ったら
あれだ、PBMの個別リアクションだ。
金払ってまでやりたがった人も多かったというのに…贅沢な時代になったもんだ。

>>146
ごめん、FFネタわかんない!

149 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/19(日) 10:01:38 0
>>146 FF3のリメイクといいますが、実際にはゲームシステムとかどうなんでしょうね。
スクエアのプロデュースするリメイクで新世代のゲームの作り手が増えているんだろうか。

たまねぎ剣士はFF3だったか忘れました。4だったような気もします。
FFは3をちょっとだけやって風水士のつくりの細かさに感動した覚えがあります。
地形によって行使する魔法、術が変化するのはとても驚きでした。

オニオンシールドとかは忘れました。だからどのような意図が込められているのか
察することができません。すみませぬ。

>>148 きわめて廉価かつほぼ確実に動く基盤があることが大きいと思います。
プレイバイメールと違って多数の意志決定を捌き、歴史を作る主体、集団が無いので
そこらは御容赦下さい。今でも雑誌などでやってたり、サイトもありますね。有料のところで
いろいろあるかと思います。学園物などで見かけた覚えが。

150 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/19(日) 10:09:59 0
>>147 

祭司はその言を聞くや遮るような勢いで返答します。

「地元の方々、特に騎士や領主の方々は力を合わせて行動することになれて
いらっしゃいます。我々など到底およぶものではありません。ですから、
つわものを率いる方々も勿論歓迎いたします」。

カージャールは敬虔そうにかしこまり眼を伏せて一連のやりとりを隅のほうで
聞いていましたが、最後の台詞を聞くと居心地悪そうに身を揺らし、

「私がどのように力を尽くすべきかは私自身が知っている。これは上からの力、
命令ではなく地元の発意と努力であってこそ、継続、いやこの事態が長引くことは
誰も望んではおらんのだが、実りも大きかろうと存じる。それゆえ、貴卿こそが
ふさわしいと思う」と静かな声で話します。

そしてつけくわえるように
「私としては都からの力を引き出すには、この地方と都とを正しく取り結ぶ必要がある
とみている。その上でこの修道会の活動は本部ともどもなかなか先見の明があると
称賛を惜しまない次第だ」

151 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/19(日) 23:45:50 0
>>150
各々の言葉を反芻しつつ、私はゆっくりと口を開いた。
「仰る事はあいわかった。──確かに、御所望には沿えるものと思う。されど」
めまぐるしく思い巡らし、言葉を選びあぐねて徒然に指で卓上を打つ。
こつこつという音は、静かな室内に思いの外響いた。
「信ある者に任せてあるとはいえ、王の許しなく任された私領を離れ、
 聖域に長逗留するのは障りがある。そこで、如何だろう」
一同を見回し、私は一言一言を噛みしめるよう語りかけた。
「この地の実情を書状にしたため、この地にて助成申し上げたい旨、我が君に申し上げようと思う。
 許しをいただけるまでの間はこの地に留まり、現状の取りまとめにつとめる口実ができる。
 私以上の適任者を遣わしていただけるとあらば、把握した実情を申し継いでのち出立すればよい。
 奏上に当たっては、祭司殿、他、御一同からの陳情文を沿えていただければ、
 より易く許しを得られる見込みがあると見るが」
如何だろうか、と尋ね聞き、私は言葉を切った。

幸い所領の祭りも済んだばかり、この時期はまだ狼の出没も少ない。
差し当たって領主代行の任はあのやんちゃ者に責を取らすとして、
領を接する叔父と義父には、留守中を宜しく頼む旨、報せておかねばなるまい。

152 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/19(日) 23:47:44 0
>149
PBMのようにきっちり世界観を作り込むのは難しい反面、
即興劇のようにその場その場で舞台を展開していけるのがBRPGの醍醐味ですね。
これで人数が多いとジャグリングのような愉しみがあるのですが、
一対一なのでバドミントンやってるような緊迫感がありますw

最後三行は深くお気になさらず。
留守はなんとかなるだろう、ぐらいの意です。

153 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 03:15:03 0
>>151

祭司はそれでは直ちに陳情文を書きましょうといい、一同もうなずき立ち上がります。
どうやらこれでお開きのようで、一同は頭をさげて祭司がなにやら祈祷文を唱えると
参事たちはそれぞれ低い声で話しながら退出していきます。

クラインも退出しようかとあたりをみていると、外から子どもたちが飛び込んできます。

「司祭様、ワシが出ました。飛んでます」と息せき切って子どもは話し、祭司の服の
裾をつかんで外へ引っ張っていこうとしています。

片隅では典獄が渋面を作ったかとおもうとまた敬虔な表情に戻り、十字を切るのが眼に入ります。

祭司はクラインの方を向いて、それでは後ほど部屋までお届けに参りましょうといいながら
あわただしく礼拝堂の外へと引っ張られていきます。

154 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/22(水) 21:43:06 0
>153
ここはひとたび宿坊に戻るべきだろう。
伝書士としての責務を果たした後は速やかに出立するつもりでいたものが、
思わぬ方へ事態が転がったものだ。
まずは書状の草案を推敲するにしても、この事態にどこから手をつけたものか、
迷いながらも立ち上がり、私はふと思い直した。

この土地では鷲の類は珍しいのか、祭司はよほど子供たちに慕われているのか、
避難民に家族連れは多いのか、俗人が多く居て、修道院の日課には障りはないのか。
把握する事は幾らでもある。
まずは手近から手をつけても悪くはあるまい。
回廊を戻るのは後に回し、私は祭司らに続いて表へと出た。

155 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/23(木) 03:50:05 0
>>154 礼拝堂の外で子どもたちに混じって空を見上げると、青空の中、
翼を全く羽ばたかせず、ゆっくりと旋回しているワシがいます。

周りに比較できるものは無いのではっきりとは分からないのですが、普通の
ワシよりも翼が大きいように感じます。

祭司について出てきた参事たちもこれをみて、口々に鳩がまた使えなくなったなとか、
伝令も狼の危険がなどと囁いています。

典獄カージャールも同じくワシを見上げていましたが、誰へとも無く、これは
私は古文書読みに戻ったほうがいいでしょうなと呟き、クラインのほうへ軽く挨拶して
暫く古文書を集めてある部屋に篭ると告げます。

祭司はその後姿を見送り、ややあって、クラインに伝書士をお願いされてさぞ
面食らったでしょうが、ご覧の通り、鳩が使えぬ時が多いのですと申し訳なさそうに
話します。

156 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/24(金) 00:20:19 0
>>155
大空を常に舞う鷲の姿は、実に勇壮だった。
これが鷹狩りの場ならば、賛辞を尽くして讃えただろう。

…難民が生じる土には、それなりの理由がある、というところか。
早文ひとつもままならぬとは、この先思いやられる。
どのみち一度、近間の街道沿いまで往復せねばならないだろうが、
長い目で見れば、腕に覚えのある従者の一人は確保した方がよいだろう。
見習いに出ている係累にでも当たるか、ロードの私兵をお借りするか。
頭の中のメモに一つ懸案事項を増やして、
私は一旦、宿坊へと足を戻した。

157 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/24(金) 00:39:36 0
二箇所も誤植ってた。いかんいかん。

×早文 ○速文
×生じる土 ○生じる土地

158 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/24(金) 15:04:00 0
>>156 宿坊へと回廊を抜けようとしたとき、厩のほうでなにやら騒がしいようです。
どうやら人が罵り合っているような甲高い興奮した声が聞こえます。
なにやら喧嘩をしているような修道院にはふさわしくない雰囲気が伝わってきます。

クラインの現在の位置
厩の裏手を抜けて門塔に戻ることもできるし、厩を覗いて戻ることもできる位置にいます。

回廊の先には典獄がいて同じく厩の状況に注目しているようです。
このほか、僧服を纏っていない若者ら複数が回廊二階や地階で日を浴びてたむろ
していたりします。騒ぎには気付いているようです。

どうも回廊にたむろしているこれらの若者は礼拝堂での朝課ではみかけなかった顔ぶれ
です。修道院にいる俗人全員が出席したわけではないようです。

159 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/25(土) 00:56:23 0
>>158
即座に向きを変え、私は厩の方へと急いだ。半ば駆け足で、騒ぎの場へと急ぐ。
「失礼する、…道をあけていただきたい」
様子を伺う人々をかき分け、苛立だしさを隠しもせず私は声を上げた。
「馬を驚かすのはよせ、一体何事だ」


-------------------------------------

乗ってきた馬は軍馬なので、少しぐらいの騒ぎでは
神経質にならないと思います。たぶん。
他の馬やトリウマはどうか知らない。


160 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/26(日) 22:28:51 0
>>159

厩の前には大勢の若者が輪をなしており、輪の中心から声が聞こえてきます。
人をかきわけて前まで出ると、二人の若者が互いにつかみかからんばかりの様相で
向き合い、罵り合っています。

 一方の若者は身なりが大層良く、どうやら都のものらしきアクセントで絶え間なく
相手を愚弄しています。もう一方も身なりはよいのですが、都の風にはみえません。
口はさほど達者ではないようで、次第に同じ文句を繰り返したり、相手をただ
睨みつけたりなどしています。

 周りの若者もどうやら都の者と地元の者と別れているようです。


161 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/27(月) 21:49:53 0
>>160
「即刻止めたまえ、何の騒ぎだ!」
言の葉荒く割って入り──弟の不調法を見咎める時のように──
あえて居丈高に、私は二人を押し退けた。
体ごと諍いを押し留め、まずは地元民とおぼしき青年を振り向いて短く、口早に諭す。
「女子供や年寄りの飢えが案じられているこのような時に、いい若者が何の揉め事だ。
 恥を知りたまえ」
彼を陰に隠すように立ちはだかり、もう一人の方へ向き直る。こちらは、こうはいくまい。
「ロード・メビウス旗下の騎士、クライン・G・トーラス」
略式に型通り名乗り、言を厳に問う。
「幼い頃にしかるべき師父から礼儀を教わらなかったようだな。
 神の家で諍いを起こすとは、どのような言い分があっての事だ。申し述べよ」

162 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/29(水) 02:21:11 0
>>161

 地元らしき青年はクラインを見つめ返しますが、抗わずに大人しく引き下がります。
内心ほっとしているようなふしもあり、クラインが地元の騎士と知り自分の味方を
してくれると当て込んでるのかもしれません。

一方、都の青年はクラインの名乗りをうけてきょとんとしますが即座に
「名乗られるのは自重されたい。この山では少なくとも都から来た者は皆
仮の名で暮らしていることはご存知だとばかり思っていた」と答えます。

周りの若者たちはこの言を聞いても特に反対するような雰囲気ではありません。
地元の若者たちもこの点では同じです。

続いて、都の青年は「みなと馬上槍試合について話していたところ、この者が
割り込んできて(とここで、嫌そうに地元の青年のほうへあごをしゃくります)
礼法すら知らないことが露わとなったのだ。それをやんわりと指摘しても鈍感にも
気付かぬ有様。仕方なく私がその旨話したところ、侮辱だのなんのという口論沙汰
となってしまったのです」と素早く機先を制して話します。

163 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/29(水) 23:46:43 0
>>162
若い者の常とはいえ、時と場合を弁えぬ
くだらない理由の小競り合いに、私は思わず頭を抱えたくなった。

しかし言うまい。おのが若き頃を考えれば責めるにはあたらぬ。
気がかりな言葉も聞いたが、それは後回しだ。
とにかく、これ以上の混乱は御免被る。

「事情はあいわかった」
溜息をつきたい内心を表に出さぬよう表情を殺し、私は淡々と続けた。
「細かな事情はともあれ、貴殿は相応の教養と武勇を誇り、
 人前で他者を評価できるほど礼法、英知にも長け、
 この時、この場でもめていられるほど暇もあるようだ。

 ロードへの急使が要るが、院長よりの預かり事ゆえ、この地を離れるわけにはいかぬ。
 狼、夜盗の危険を考えれば、避難民を徴用するわけにもいかぬ。
 貴殿が適任であると、院長に奏上するとしよう。
 暇と活力を余して喧嘩をはじめるほど血気盛んな若者なら、旅路の危険にひるみはすまい。
 若し一人旅が不安ならば、仲間を誘いたまえ。貴重な馬と労働力を従者にさくゆとりはない。
 時間が惜しい、書状を書き終わったならすぐに出立してもらう。
 遅くて明朝だ、至急支度をするように」

 




164 名前:モーグリ[sage] 投稿日:2008/10/30(木) 01:10:24 0
クポ!

165 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 01:53:23 0
>>164 たしかFFXIで出て来ると聞いています。
聞いた話では冒険者の住まいを管理したり、街中にいたりする便利なNPCで
宙に浮かんでいるとか。ということは旅立ちを祝うってくらいの意味
なんでしょうか。

>>163 都の青年は眼をしばたたかせ、何か言おうとしたのを呑み込み、
やおら、言い争っていた地元の青年を指して、
「その者が同道して道案内をする条件で承ろう。なにぶんにこの地方の
地理風俗には慣れぬ。使者の口上なら勤まろうが、辿り着くまでに
手間がかかっては物の役に立たぬであろう」とこたえます。

そして、地元の青年に向かい、

「では、我らの流儀でトリの世話をするのを許されよ。都の技を
見たければ見てても構わん。いずれにせよ、この方から書状を受け取る
ときは一緒に行かねばならんだろう」とずけずけ言い、厩に入っていきます。
地元の青年はあっけにとられていますが、好奇心が勝ったのか、屋根を
くぐり、都の青年が消えたほうへと行きます。

周りの都の若者たちも続いて入っていくなどし、人垣はばらけていきます。
地元の若者たちもあちらこちらへと散らばっていきます。


166 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/10/30(木) 21:25:09 0
>>165
大方の者が散ったのを確認し、私は踵を返した。
厩をおとない、愛馬や他のトリの様子を簡単に確認する。
さほどの騒動でもなかったせいだろう、神経質になっているものはなかった。

トリを前に何やら話しているふうの彼らの後ろを素通りし、
わたしは回廊へと戻った。
若い者は無謀でもあるが、その分勢いがある。
年長者がやかましく言うより、任の重みと危険を肌で味合わせた方が和解も早かろう。
無事任を果たした暁には、彼とて使者としてロードにそれなりの覚えを得られようし、
そうともなれば平民相手に小競り合いを起こしている暇もあるまい。

それはそうとして、私には私の責務がある。
こうこの地に不案内では、奏上文を書くのもままなるまい。
文面の推敲に入る前に、この地の概略を頭に入れた方がよかろうと思い直し、私は足を止めた。
なまじこの地に馴染んだ者よりは、他の土地から来て見聞を広めている
先人に尋ね聞いた方が理解が早い。
…古文書室はどこだろうか。

167 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 00:35:35 0
土・日と旅行なので、次にレスできるのは月曜になります。

168 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/01(土) 22:13:37 0
>>166 厩にいたトリの中には一頭、脚を痛めているものがいたことが印象に残ります。

さて、古文書を集めてある一室を探して門塔に入ると、丁度中から礼拝堂でクラインを
祭壇のところへと案内した若い修道士が出てきます。布袋を担いでいますが、中から
焼きたてのパンの匂いが漂ってきます。どうやら、昼飯をどこかに届けにいくところ
なのでしょう。
 典獄が古文書を集めてある部屋をクラインが訪ねると、身軽に裾を翻して、快活な
足取りで奥へと向かいます。

 案内された先は一つ階をあがった隅塔の中の部屋です。
もともとは書写室なのでしょうが、今は書写台も誦唱台も様々な文書が積み上げられて
います。カージャールは窓際に書見台を置いて谷の光景を見ながら、のんびりと
折本を捲っています。その足元では砂盤で子どもが数人、字の練習をしています。



169 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/03(月) 21:22:38 0
>>168
「典獄殿」
声を掛けると、彼はこちらを向き、腰を上げかけた。
そのままでと手で制し、その辺りの文書を適当に退けて空いた腰掛けを窓辺に寄せる。
窓を背に掛け──あえてそうしたのは、日の当たる場所で相手の表情を
とくと確かめる必要が感じられたからだった──私は、差し向かいに腰を下ろした。
「調べ物の最中にお邪魔して申し訳ない。 ロードへの奏上文に手を着ける前に、
 この地において、一日の長のある貴殿にご鞭撻いただきたい事がある。
 暫く、お時間をいただけまいか」


------------------------------------

自分で選択しといて何ですが、冒険者の言動に比べると
騎士の儀礼ばった行動ってのはまだるっこしいですね。


170 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/04(火) 16:44:58 0
>>169 

典獄
「どうぞどうぞ。時間なら有り余るほどあるし、史料もご覧の通りある。
この修道院ばかりでなく、修道会の歴史も編纂できそうなくらいだ。
ちなみに今読んでるのは地元の伝説集だが、これもなかなか面白い。
ところどころ書いた僧の宗教的解釈が入るがそのおかげで視点が
一定しているともいえる。

で、何についてお尋ねかな。できる限り誠実に答えさせて頂こう」

そういう足元では子ども達が熱心に砂盤に字を書いています。どうやら
字の練習に夢中なようで、お手本の字や単語を熱心に写しています。

171 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/04(火) 23:06:44 0
>>170
「快いお答えいたみいる、…その『誠意』を頼らせていただこう」
まずは、先程の厩前での出来事を、私はつぶさに語った。

「地元の若者については、まだ理解の及ぶ事。
 土地を失い流れてきた中には、老いた親を置いて都へ出る事もままならない者もいるでしょう。
 しかし、あの都の青年達は? 富裕層の、おそらくは騎士級の者が何故この僧院に?
 かまをかけてみれば案の定、騎乗をたしなみとする者が当たり前にいて、
 なぜこの地では伝書士にも不自由しているのか?
 人手があるなら、うら若い姫君が夜半案内に出る危険を冒す必要もないはず。
 都から来た者が多くいるとは、彼らに対し名乗るべきではないとはどういう事なのか。

 …何かがちぐはぐなのです。先程の件にしても、騒ぎを収め損ねたならば、
 私はこの先、当院から乞われた民のとりまとめに障りをきたしかねなかった。
 僧侶達が隠し立てしているとまでは言いますまい、所詮は世俗を離れた僧院の参議、
 世俗騎士に対しはかるべき気回しに気づいていないという事もありうる。
 故に、世知に長けた貴殿に伺うのです。
 一体この僧院は、どういった事態にあるのかと」

ひといきに問い、私はひた相手を見据える。
窓の外、ひとむれの鳥が羽音を立てて空へ舞った。

172 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 00:38:56 0
>>171
 典獄はしばし考えを整理しているふうでしたが、ややあって答えます。

「あぁ、歴史ではなく現状についてお尋ねなのだな。なるほど。知る限りでお答えいたそう。
まず都の者だが、どうやらかなり家柄の良い者もいるようだ。また、この修道院は長いこと
逃れてきた者も受け入れており、どうやら互いに名を知れば流血沙汰となる間柄の家系
もいるようだ。それゆえ名は名乗らないのが慣例となっておるようだ。
 
 そもそも、都からこの修道会が人を受け入れているのは、当山が物見遊山がてらの
巡礼と冬に篭って内省する場として内乱前から受け入られており、宿坊を整えていた
からのようだ。この点に関しては参事たちの中には宿坊の先達という役職で参加している
僧がいたほどだ。従って、宿坊ごとに伝手がある貴族がそれぞれ子女を送るなどして
逃れさせたのであろう。

 次に若姫だが、本人の気性ゆえとというのが一番正しい答えとなろう。姫自身が気さく
であり、この山で育ち、鳥に慣れているため夜に登り口の案内をするのも適任という
ことなのであろう。これについては私の憶測も混じっているがまずそういった事情であろう。
姫の血筋もまた面白いがそれはまた後ほどにいたそう。

 そして伝書士だが、この辺りには実にたちの悪い狼が出るのだ。正直、そなたが単身で
この山まで参ったことがむしろ私には驚きであった。それゆえ昨晩は事情を探ろうと色々伺った次第だ」

窓の外では群れは飛び立ったもののたちどころにちりぢりに岩陰や門塔の窪みなどに
散った気配です。さきほどの鷲がまた上空にいたのに驚いたものとみえます。

173 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/06(木) 20:48:46 0
>>172
「…と、あれば」
しばしの瞑目。熟考ののち、私は口を開いた。
「辺境に引きこもって長いにも関わらず、人を見る目が衰えて居なかった事を喜ぶべきなのでしょうな
 ──私が思う以上の危険を知っていて尚、あの若者は伝書士を引き受けたのだから」
片目を開く。微笑が返ってきた。
「続けて二・三、…彼ら貴族の子弟を受け入れるに当たって、相応の寄進はあるはずだが、
 当地の糧食は如何に?…当地でまかなえる以上の客人を受け入れるはずはないが、
 元はまかなえていたものが、難民の流入で採算が合わなくなったものか、
 戦により実りが見込めず、穀物が高騰して買い入れがままならなくなったか」
徒然に、こつこつと指で窓枠を打つ。
「如何な身の上を伏せるならいとはいえ、都からの富裕層が多く滞在していながら、
 冬を越すための寄進を募る伝手がなく、土地の騎士に指揮を依頼しようというのは」
ことこの件については本来、まず姫君の伝手を疑問の対象にするところだが、
無闇な詮索は礼にもとる。いずれ機会を待って、直にお伺いすべきだろう。
「彼ら都よりの客は、冬の到来前に当地を引き上げるという事でしょうかな?」

一度言葉を切り、相手の顔を見て、私は苦笑した。
「いずれにせよ、当院からの依頼、期待に応えずして当地を去る事はできますまいが、
 …これだけ危険な地において、かすり傷一つ追わずこの場にいるからには、
 既に我が身は天に借りがあるという事でしょうから」

174 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/07(金) 13:28:03 0
>>173
「しかし、あの若者には気をつけたほうがいいかもしれぬ。狼の群れを恐れぬ大胆さ
ゆえなのか、それともわたしが若さをやっかんでいるだけなのかはなんとも判然と
しないのだが。

 食料については元々はそれぞれの宿坊で賄うことになっていたようだ。
この山がややこしいのは地元領主の共同持分と修道会本部の持分、宿坊それぞれの
持分、財を成した僧の永久供養持分などが建物や畑ごとに入り混じっておる。
もっとも、史料ばかりに頼った話だから実態は村々を巡らんと分からんのだがなぁ。
狼が実に恨めしいものだ。
 
 それゆえ、山全体として食料がどの程度あるかは実は誰も知らないのだ。
参事会では漠然と窮状にあることでは意見が一致しているが、いざ互いの実情を
明かすとなると躊躇っている次第だ。

 そもそも、参事会を主宰するあの祭司ですら、院長として認められているわけ
ではなく、持ち回りで主宰を務める、いわば副院長といったところにすぎん。

 そなたに頼み込むのがやたらと回りくどかったのも、皆の意表をつきつつも合意
できるであろう線を必死に考えて言葉を選んでおったのだろう」

175 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 01:22:23 0
>>174
「貴殿にお伺いしたのは正解だったようだ」
苦笑いを噛みつつ、私は答えた。
「実情がそれでは、院長や参事を訪ね回ろうと、正答に辿り着かず堂々巡りだったでしょうから。
 ひとたび把握すれば、後は実直に調査あるのみですが、裏を知ると知らぬとでは大違いなのですよ。
 故に辺境の治世でも村々の古老との折り合いが一義、こればかりは世俗隔世を問いませんな。
 彼らの本心を言えば、いっそ聖騎士の派遣でも乞いたいところかもしれませんが、
 …いずれにせよ、ロードの裁可を待つ他ないでしょう。

 伝令については、こればかりは人事を尽くし、天命を待つ他ないでしょう。
 備えを多くしてトリウマの足を鈍らせるより、当家縁の僧院を経由する道をと思っています。
 経路を考えればやや遠回りになるが、まずはあたう限り急いで危険の大きいあたりを抜け、
 度拵えを調えなおしてから安全な街道を行く方が、結果としてより確実なはず。
 僧院の備蓄への補填は当家に乞わせれば済む事、どのみち家への報せもやらねばならぬ。
 家のやんちゃ者と仕組んで、うまうまと私をこの地へ送り込んでくれた古狸にも、
 これで一言ぐらいは皮肉を返してやれるでしょうから」

典獄殿が不可思議そうに目をまたたくのを見つつ、私は再び苦笑した。

176 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 06:36:09 0
>>175
「いや、本来、私が言うべきではないのだがあえて他の参事の話も聞いたほうが
よいと思う。もっとも参事というものがはっきり定まっているわけではないのだが。

いずれにせよ、軍勢や宗教者で解決できる問題ではなく、パンと寝る場所を
作り出せる世の中、つまり経世済民の術が必要なのだろう。だが、狼が
それを妨げておる。

実際、地方地方で実情は異なるし、村ごとにいろいろ事情があるのだろうし、
この山のような寄り合い所帯はそういった事情の切れ端が集まって複雑に
渦巻いておるのだろう。

快刀乱麻の一閃で解決できるような良策があればよいのだが、なかなかな
ことでは見いだせまい。

そういった中で、解決に努力してくれる地元の騎士というのは大変に得難い
存在なのだ。

お家にも色々事情がおありのようだが、私としても骨身を惜しまずそなたを
支えたい所存だ」。

と、カージャールの裾を子どもが引いています。みるまでもなく子供のおなかが
なり、表情は空腹を訴えています。

177 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 21:58:29 0
>>176
気持ちは沈んだが、この場で溜息はつきたくなかった。
「派閥事情が救世の妨げになっている事で、参事を責められる身ではありませんな…
 私とて所詮辺境領主、所領が疎かになるとの御咎めあれば、この地を去らねばならぬ身」
立ち上がり、席を作るために移動した書物を元に戻す。
「先ずはロードの認可を得るべく、奏上文に全力を尽くすといたします。
 無論、取りまとめに当たっては、院長をはじめ民に至るまで余さず聞き取りが必要ですが、
 まずは貴殿の助力をお約束いただけた事を感謝せねば」

返礼を述べ、席を辞す前に、私は振り返り、一つ言い足した。
「騎士の端くれとして、一つだけ異見を述べておくべきなのでしょうな…
 群狼の害に大して、軍勢は大いに役立つものです、あくまで私見ですが」

178 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/09(日) 22:04:51 0
何も起こらなければ、さっくり奏上文を書きに戻る予定。
羊皮紙に文書したためるのって、どのぐらい時間かかるものなんでしょうね。


他で出す機会もなさそうなので、ここでちょろっと補足。
修道院があるんだから修道騎士団や聖騎士がいてもよさげな世界観ですが、
正教方面はさて置き、クラインは多分土着宗教も信奉してると思います。
RPG舞台の世界って、大概多神教だし、オーディンにも祈るけどトールにも、ぐらいのゆるい宗教観で。
君主に仕える騎士として、この修道院と同路線の僧院に通ってはいますが、
それとは別に、武人として地域神の戦乙女を信仰してます。
どっちかと言えば精霊信仰の延長線かな? 装備に手斧が入ってるのはその名残り。

179 名前:近隣の林[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 22:33:31 0
ベア「ひまだね」
バーサーカー「ひまだね」
マンドレイク「冒険者こないね」
・・・
ベア「雨降りそうだよ」
バーサーカー「ほんとだ」
マンドレイク「帰ろっか」

180 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/10(月) 00:49:42 0
>>177
「ここの群狼を狩り立てるには軍勢よりは狩人、あるいは罠猟師こそが必要だと考えている。
もちろん、軍勢が動けばすぐにでも街道の通行は可能になるはずだが、その軍勢に
先立って道普請に橋架けがむしろ必要かもしれん。

 いずれにせよ、冬支度の時期に軍勢が都からこの地まで来るのは期待できまいし、
期待すべきでもないし、さらに言えばここの若者達もなかなかの健児ではあるのだ」。

 去り際にふと外をみるとトリウマが斜面を下って川へと向かうのが見えます。
1羽ではなく、2羽、斜面の岩づたいに弾むように斜面を下っています。

さらによく窓際に寄れば、狭い道や切り通しを飛びはねて川へと向かっていく姿が
確かめられます。背には騎手がそれぞれ1名乗っています。

 

 


181 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/11(火) 01:10:54 0
>>180
典獄殿の質問には答えずただ笑みを返し、私は部屋を辞した。

軽騎兵の借用にせよ、猟師の徴用にせよ、
ロードの裁可を待たずしては取らぬ狸の皮算用でしかない。
何よりもまず、正規の認可を得ること、この地の実情を把握すること、
この際何よりも優先すべきなのはその二つだった。

宿坊へと足を向けながら、あのトリウマの乗り手はさきほどの青年たちであろうか、
或いは姫君であろうか、とふと思った。
昨夜、それとは知らず姫君の案内を受けてこの僧院に足を踏み入れたのが、
もう何日も前の事のように感じられる。
岩の怪異、夜半の蒸し風呂、不可解な夢、薫香に満ちた朝課と、
立て続けに珍奇な体験をしたためだろう。

静かな辺境とは何と隔たった地である事か、
そう言えば今のこの地は、辺境の私領より、或いは大所帯なのではあるまいかと、
とりとめのない思いを巡らしつ、私は静かな宿坊へ戻った。

182 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 04:00:29 0
>>181
 門塔の一室に戻り主君への手紙を書き始めてしばらくすると、扉を叩く音がします。
扉を開けると、若い修道士が立っており、封書を渡してくれます。

中身をクラインが問うと院長からの手紙とのことで、修道士は中身は知らないと
答えます。
 



183 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/12(水) 14:43:43 0
>>182
私は首を傾げた。
言づてならば、私を呼び出した方が早そうなものだが、この方が話が早いのだろうか。
陳情書の草稿ではなく、私個人あての手紙である事を確認したのち、封を切った。


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気の早い話ですが、このスレ一本でちょうど1シナリオ終わるかな?
うまく完走できたら、BRPGログとして卓ゲに報告してきれいに終了できるかな。

184 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/13(木) 03:30:53 0
>>183
 修道士は一礼して去ります。扉を閉ざし部屋に戻り封を切ると
中からは簡単に描かれた地図が現れます。

紙にこの修道院のある山をざっと手書きで書いてあり、みたところ
門塔から回廊を通って、林を過ぎて外郭幕壁を抜けたところから
赤いインクで線が引かれており、崖下のあたりで×印が打たれて終わっています。

地図の下には「今宵、深夜課の前にお待ちする」と一言かかれています。

署名はありません。

#スレ1本で十分に終わります。イベントを一つ起こすタイミングを計っている
感じです。それへの対応次第ではあっさりおわるはず。でも、別な形で
イベントを起こしたほうがいいかもと悩んでいます。
 いずれにせよ、吟遊詩人っぽくならないようきちんとやれればと
思っています。
 

185 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/14(金) 00:14:13 0
>>184
手紙の意図が読めず、私は首を傾げた。
この取り込み時に、一体何用あっての、門外での待ち合わせだというのか。
よほど内密の話があるとしても、他に幾らも場所はありそうなものだ。
私一人ならばまだ良い。
年配の院長が供も連れずという事はなかろうが、護衛を連れての話でもあるまい。
万一の事があっては、私一人の責では済むまい。

用向きはともかく、せめて危険のない場所に変更してもらわずばなるまい。
訝しさにペンを置き、私は部屋を出て先程の修道士を探した。

186 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 10:19:13 0
>>185

部屋を出ると廊下の先の部屋から丁度、探していた若い修道士が姿をみせて
隣の部屋へとゆき、扉を叩いています。

先ほどは気にもとめませんでしたが、手には籠を持ち、中に手紙らしき紙束が
幾つか入っているようです。集配と配達の係りなのでしょうか。

クラインが見ているのに気付くと目礼をしてそのまま扉が開くのを待っています。

187 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2008/11/15(土) 11:07:20 0
チョコレート

188 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 12:20:26 0
>>186
「相済まぬが、そちらの後でもう一度、私の方へ戻ってもらえまいか。
 こちらからも一通、使いを頼みたい」
相手が頷くのを待ち、私は部屋へ引っ込んだ。

荷から羊皮紙の小片を探し、急ぎ書き付ける。
「御用向き申し受けた、しかし夜間に危険の多い外での待ち合わせは障り多く、
 余人を入れぬにしても他の場所にて承りたい、変更先を伝えられたし K・T」


189 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/15(土) 12:22:37 0
>>184
マンツーマンで充分フォローはいただいてますし、吟遊だとは思いませんよー。
むしろ、自分のためだけに作られたゲームブックをプレイしている感じです。
ファンタージエンの端っこで遊んでるようだと言うと流石に言い過ぎかなw

>187
流石にこの世界観だとないような気がするなあ…
チョコレートもコーヒーも、相当時代が下がってからのものだし。
普及してたら、強壮剤として特に戦場で活用されたでしょうね。

190 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 01:45:36 0
>>188 修道士はクラインの手元を見るとも無しにみていますが、受け取ると懐から
印を取り出し、燭台の蝋燭をつかって封をし一礼して去ります。

さて時刻は昼過ぎです。外は冬を前にして天気も良く、谷間から吹き上がる風も
冷たくはありません。斜面をさきほどのトリウマのうちの一騎でしょうか、
駆け上がってくるのがみえます。目を凝らすともう一騎はかなり水を開けられている
ようで、遅れています。

速度からすると、川の手前まで往復してきたのでしょうか。

##
>>189 果てしない物語でしたっけ。なつかしいです。鏡の中の鏡には未だに
寓意されているものが分からないものもあります。砂漠の部屋で擦れ違い
続ける花嫁と花婿の話が思い出されます。

191 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 22:26:25 0
昨日は宵にかけて天候が急変したが、今日はこのまま好天が保つだろうか。
河越えの事もある、伝書士を出立させるのは明朝になるだろうが…保ってほしいものだ。
急使に悪路を行かせたくはない。
机に戻り、私はペンを取った。
先ずは、経緯を簡易に──院長の陳情文とかぶる事だろうが──記す。


──上記の理由により、参議一同より土地の騎士としての助力嘆願を受けた次第。
群狼の害、辺境の当領の比にあらず、きたる寒さと飢えの窮状を奏上する伝令も窮する様。
当地への慈悲を賜りたく、急使申し上げる。
聖域のため、荒野の危険を問わぬ屈強の伝令を貸与いただきたく、
また、当地のならい、身分家柄を知らぬ貴族諸氏に対し、我が分が不相応とあれば、
相応の官吏を派遣いただきたく、代任到着の際には、速やかに現状を申し継ぐべく、
認可あるまで、当地にて難民の実情の調査にあたる所存。
冬の到来まで時の猶予少なく、伝令の危険、また当地の実情については
お送りする伝令二名の口よりお伝え申し上げる、云々。
自領を離れ、聖域に留まる事情かくの如し。


高貴な女性の所在について、一筆申し添えるべきかどうかを、瞬時、私は迷った。

192 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 22:29:07 0
『愚直であれ、クライン』

思い出したのは、もう二十年ばかりも前のこと。
ロードの旗下催された、大規模な馬上試合の地で、
御婦人の名誉のためと親友に嘆願され助勢した決闘のために謹慎処分を受け、
時が時とて一晩のみで免牢されたもの、その御婦人が夫のある身だった事を
父に叱責されてはじめて知り、赤面狼狽する私に、
騒ぎを聞きつけ、渋面の父に事の次第を聞いて呵々大笑した若き日のロードが、
私と親友に対し、賜った御言葉だった。

「この生真面目さ、紛れもなくそなたに似たものであろう、騎士グロス=トーラス。
 よいクライン、小賢しくあるよりはいっそ愚直であれ、
 木訥であるを以て、辺境騎士の面目とするがよい」
 樫には樫、柳には柳、取り替えがきかぬからこそ、それぞれに好ましい」

私の生真面目さも、親友の軽妙さもそれぞれに好ましいと、ロードは仰ったものだ。
──そう言えば、彼は元気で居るだろうか。
父がみまかってすぐ領主位を継いだ私とは裏腹に、妾腹の末子の身とて、気軽に領を出て、
女領主の婿におさまったとも、竜騎士になったとも、聞くのは噂ばかりだが、
もし彼がここにいたなら──
即時出た結論に、私は思わず吹き出しそうになった。
──もし彼が当地にいたなら、迷わず姫君の塔をおとなっていたに違いない。年も弁えず。

時には、過去の友情が心を温める。
滑稽な事を考えたため、気持ちがほぐれ、私はくだくだしい弁明をやめ、文書の結びにただ、こう付け加えた。


忠誠をこめて
愚直なる樫 クライン=トーラス


193 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/17(月) 22:33:08 0
長いので二分割。
折角マンツーマンですので、たまにはプラリア調でおまけエピつけてみました。
弟や亡父もそうですが、ロードや親友についても設定は一切考えておりません。
スレイヤーズの「郷里のねーちゃん」程度の小ネタとお考え下さい。

鏡の中の鏡とは懐かしい。思わず読み返してしまいました。
イマジネーションでは『婚礼の客は踊る炎でした』と『老船乗りは吹き止まぬ風に…』が
ツートップなんですが、マイベストは『教室では雨が…』のドラマティックな幕切れです。
はてしない物語といい、あの完成された不完全さが大好きだ。

194 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/20(木) 01:45:40 0
>>191-192

クラインが書き上げた頃、扉を叩く音がしあけると、朝課のあとの参事会で
司会をつとめた祭司が立っています。

手には柘榴と柿の入った果物籠を持ち、届けに来たと話してくれます。

明日の天候のことを話題にすると、祭司は考えて、恐らくは晴れるでしょうが
朝方は霧が出来るかもしれないと述べます。谷間と川から霧が出て
向こうの山も見えなくなるほどだそうです。

195 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/20(木) 22:51:00 0
>>194
そう言えば、今朝も霧が出ていたと、私は漸く思い出した。
霧が晴れる前に、山を下りるのは無理がある。
出立は朝課の後になるだろうか。予め彼らに知らせておくべきだろう。
まずは籠を受け取り、私は彼に椅子を勧めた。
「もし宜しければ、少しでもこの地についてお伺いしたいのですが」
蝋封を済ませた書状を簡単に取り片付け、相手が椅子に掛けるのを待って、
再度腰を下ろす。
「貴族の子弟と地元の青年、 二人を伝書士として徴用しましたが、
 ロードへの嘆願に当たり、仔細の説明は彼らに委任するつもりなのです。
 何分、私自身が彼ら以上にこの地の事情に疎いので…
 事前に予め念押ししておくべき点、逆に戒めておくべき事柄があるでしょうか」

196 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/21(金) 00:41:03 0
祭司は二人の青年の話を聞き、いぶかしげな表情をみせます。

「徴用された二人の若者が仮に私が思っている者であればですが、
両者ともに気をつけたほうがよろしいでしょう。

この山の事情については大変入り組んでおります。なにからお話したら
よいものやら。ご質問を頂ければお答えするというかたちのほうが
頭に入りやすいと存じますが、どうでしょう?」


197 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/22(土) 01:51:11 0
>>196
「是非とも、詳しくお伺いしましょう」
祭司の言葉に驚きはしたが、不思議と納得するところもあった。
充分な時間がない中、満足な情報を得ぬまま先を急ごうとする事で、
とりこぼしている何かがあるだろう事を、漠然とは感じていたからだろう。
改めて姿勢を正し、祭司に向き合う。
「未だ伺っていませんでしたが、まずは御名を、
 そして、仰った青年達について、それぞれの立ち位置を含め詳しく」
彼らの外見の特徴を思い出せる限り述べ、
私は彼の話の先を待った。

198 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/23(日) 11:32:13 0
>>197
祭司はモンと名乗り、話し始めます。
「まずこの山と都との関係について触れておく必要があるでしょう。
この山にはある聖者が眠る地という伝説があり、昔から都の老若男女が
参詣することはあり、さらに長く逗留される方もおられたようです。
いにしえの皇帝の血筋の方のお手になる書なども伝えられております。
都の人士や風俗に親しむことも多く、一方、都人の中にはこちらへ
移り住まれた方も多かったそうです。

 それゆえでしょうか、内乱が始まって都にも争乱が及ぶに従い
都からこちらへ逃れる方も多かったのです。
あの都の青年もそのようにしてこの山に来た方の一人です」

 ここで祭司はまた考えて言葉を選び、
「一方、地元の青年がこの山に来る理由は、トリウマの魅力でしょう。
山に来ればウマに乗れるだけでも楽しみですし、仲間ができれば
自然と足繁く来るというものです。もっとも最近は狼が盛んに活動
するようになり、なかなか顔を出す者も少なくなったとか聞いており
ますが、お話の者はいわば常連といったところでしょう」

199 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/23(日) 20:57:35 0
>>198
「つまり、都の青年達の一部も言わば避難民の一部であり、
 地元の青年達は遊びのために来ているという事ですか」

ならば先程外を走ってゆくのを見たのは彼らか。
典獄殿が彼らを健児と讃えたのは、それを指しての事かもしれない。
しばし考え、私は質問をついだ。

「彼ら…都からの青年たちの人数…おおよそで結構ですので、
 そして彼らの何割がいずれ下山する巡礼客であり、
 何割が冬が到来してもとどまる避難民かは容易にわかりますか?
 そして、彼らに気をつけた方がよいとは、どういう事でしょう」

200 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 02:48:46 0
>>199
「まず都から来た青年達、つまり青年を含む一家がはるばるこの山まで来て
逗留している理由についてですが、これについてはそれぞれの宿坊に尋ねる
ほかありますまい。
 よろしければ後ほど案内いたしましょう。宿坊とはこの山への巡礼行を世話し
案内し、送る院でして、幾つかございます。中には名前だけ残っているような
ものもありますし、山の外に色々と伝手を持っておるところもございます。

地元の青年については、これもまたそれぞれ事情があります。内乱ゆえ
浮き立つところもありましょうし、また、修道院としてもともと技能を伝承していく面
もありますし、谷の司教もここで儀式や祈祷をあげて地元の者たちを迎える
ことなどもありますしで、けして閉ざされたものでもありません。

また、さきほどの宿坊によっては地元から若者を借りて、様々な仕事を
して頂いているところもございます。

仕事を待つ意味で足繁く山に来る者もおるのです」

「それゆえ、都から来た青年の人数については、各宿坊に問い合わせをしないと
分かりませぬ。同じくどの程度が留まる意向であり、どの程度が去る意向で
あるかもです。私としては全員の心を合わせて解決策を見出せるよう少しでも
努力をしておるつもりです」


201 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 21:55:31 0
>>200
「何と…言いましょうか」
話の内容を真剣に吟味しつつも、ほろ苦い笑いがこぼれた。
「この地は、多様な派閥の寄り合いというよりは、
 一人一人異なった事情を持つ人間の集まりですな。
 おおまかに区分して問題を捉えようとしても、
 細かに砕けて一つ一つ指の間からこぼれ落ちてしまうようだ。
 …して、自分には未だ解りかねているのですが、
 伝書士として徴用した彼ら二人に、気をつけた方がよいこととは?
 何か、それぞれに込み入った事情でもあるのですか」

202 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 23:06:28 0
>>201 「率直な話、人によっては貴公もこの山の複雑な蜘蛛の網に危うく近づいている
のではないかと見る者もおるでしょう。
 それゆえ、回った話し方をしたり、そもそも話題に触れるのを避ける向きもあります。

両名についての話もその類の者があえて避ける、或いは逆に好んで話する、と
いったものではないのですが、ともかく即断は慎まれるようお願いしたいのです」

 ここで、しばし天を仰ぐかのようなしぐさをみせて、祭司モンは考えますが
意を決したように
 「ところで、卿は狼を退治された経験がおありですか。晩秋の餓狼を退治する
秘訣はなにかご存知有りませんか?」と問うてきます。

203 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/25(火) 22:01:57 0
>>202
この地の人々の持って回った言い回しにも慣れたが、
こうも意味ありげにはぐらかされ続けると、やや疲れてくる。
直截に止め立てするほどさしせまった決断を下したわけではないなら、
いっそ裁可を受けるまで、成り行きに任せておくかと少々投げやりな気にもなった。
その裁可を受けるための急使なのだから、本末転倒な気がしないでもないが…

「狼退治は、実りに乏しい秋の後に限って辺境の風物詩ですが、
 ここ十数年、不作だった試しがないので秘訣といえるほどの秘訣もありませんな。
 何分、小さな領とて、充分な人手も割けないもので、
 領を接する叔父や義父ら、縁故の土地と合同で行うのが常です。
 騎士が共同で指揮を取り、可能な限りの人数を動員して大掛かりに行います。
 所領はゆるやかな丘陵ですので、起伏の多いこの地とは在りようも異なるでしょう」

204 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/26(水) 05:10:00 0
>>203
 クラインの返事をきいて、モンは目をしばたたかせています。

「で、そちらでは群狼が人の通行を妨げ、この山で起きているように
あらゆることに影を落とすなどということはおありですかな?」

 「いわば、この山は都とこの谷との間で宙吊りになっておるのです。
谷に足をつけようとすれば、都から人が来る。都を向けば、谷が
気分を害し、腹を立てる」。

 わたしとしては、クライン殿がこの地へこの時期に来られたことは
神が遣わされたに等しいと思っております。それゆえに、あの若者二人
には注意をされるようお願いしたいのです。

205 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/26(水) 20:16:31 0
>>204
私は首を振った。
「正直のところ、馬で数日もかからないこの地で、
 これほど群狼の害が甚だしい事には驚かされています。
 元々、何もないのが特徴というほど辺境の平野で、幾らか肥沃な土地を拓き、
 次第に農地が増えて小村を成したのが興りという所領ですから。
 隣領もはずれの深い森に近いあたりでは、旅人が狼に襲われる事もままありますが、
 少なくとも騎士領では、獣が人の行き来の妨げになる事はありませんよ」
ところで、と言葉を継ぎ、溜息をつきたいほどなのを堪え、辛抱強く促す。
「気をつけよ気をつけよと仰せられても、何がどう問題なのかが明らかにならねば、
 注意のしようがない。彼らは明朝には出立させる予定なのです。
 私の判断に誤りがあるならば、ただしていただいて何ら差し支えない、
 はっきりと仰ってはいただけませんか」

206 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/27(木) 02:18:25 0
>>205

「そこまでおっしゃられるのなら申しましょう。どうかクライン殿にのみという
ことでお願い致します。

実は、当地を荒らす群狼は人狼ではないかという噂があり、私どもは
打ち消そうと必死になっておる次第です。確かに被害がでているだけに
厄介でして、人狼の疑いを掛けられているのが、他ならぬ件の若者二人
なのです。

もちろん、単なる噂には過ぎません。しかし、両名とも群狼に気兼ねする
ことなく、山の外を行き来していたり、遠出をしていたりするとあっては
確かに噂の的になるのもやむをえないところがあるのです。

私としては若衆として皆に溶け込むよう計らおうとしておるのですが、
なかなか難しいのです」

207 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/28(金) 00:35:43 0
>>206
「言い控えられるのも無理からん風聞ですな」
不安にかられた難民の流言と一笑に伏せるものならよいが、
そうでないから悩ましいのだろう。
この地に着くなり怪異の洗礼にさらされた身としても、
彼らの苦心を言下に切り捨てられないものがある。

「にしても、事もあろうに人狼とは…吟遊詩の語りに聞いた事はありますが、
 こうして身に迫った話として耳にするのははじめてです。
 邪悪な魔の支配を受け、月の満ちと共に姿、魂ともに強大な狼と化して
 人の子の心を失い人畜を襲う、とか…子供だましの御伽噺とばかり思っていましたが。

 それ以上の事は寡聞にして存じませぬが、この地には何か、
 そういった風聞がたつような伝承、言い伝えの類いでもあるのでしょうか。
 また、彼らの身元はそういった噂を打ち消すに足らないものなのですか。
 地元の者ならば親兄弟が知れていれば容易いこと、
 身元を伏している彼もまた、知人縁者の一人の証言もあれば容易いだろうものを」

208 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/28(金) 02:04:15 0
>>207
「人狼がいるかいないかなどは所詮、伝説迷信の類です。
群狼をどうにかしないかぎり、いずれまた根も葉もない噂が
飛び交うことになるかと存じます。

 たしかにこの山には修道会が来る以前はなにやら崇められている
祠があったと聞いておりますが、それも随分昔のことです。

 このような事情がなければ喜んでその跡などを案内するのですが。
都からの巡礼ももとはその祠を見物し、ゆっくりと湯浴みすること
などでだいぶ流行ったようです。

 伝説を伝えるのは良きことですが、この場合は、噂を語る者の
真意をどうにかつかみ、そこに答えねばならないと自戒しております」

「ではありますが、内乱の余波をどう受け止めていけばよいのか手探り
の状態です。この冬を安全に越せればと願っております」

209 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/29(土) 18:38:34 0
>>208
「確かに、差し当たっての問題は人狼より群狼ですな」
祭司殿が人狼を迷信と断じたのは、差し当たって明るい材料と言えた。
「噂好きな者は、幾らもいるもの、出所を詮議してみたとて、
 流言に惑わされる者がいる限り、所詮堂々巡りにしかなりますまい。
 それより、つまらぬ噂より先に取り合うべき事を目の前に置いて、
 浮き足立つ者を抑えにかかる方が効果的かと──この冬を無事、越すためには」
そこまで論じて、ふと首を傾げる。
「しかしモン殿、人狼を伝説迷信の類とお思いなら、
 なぜそこまでじゅうじゅう、かの若者たちに気をつけよなどと仰せになるのか。
 たかだか噂ならば、彼らが無事つとめを果たし、トリウマを駆って戻れば、
 それこそ取り合う者もなくなろうものを「」

210 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 07:40:36 0
>>209
「人狼の噂を口にする者は、人狼が人の姿のまま襲うことも頭では
思い描いているのでしょう。
 食料の不安があり、先行きが見えぬことで噂がはびこっております。

確かにクライン殿のおっしゃるとおり、無事手紙が届けられ、手が差し伸べられれば、
或いはさらに都に戻ることができれば、さらにさらに都で昔どおりの暮らしができる
望みがみえれば二人は大した扱いをうけることでしょう。

それに対して、山からの使者に両名を使わないことで得られる利点は想像の翼を
広げる余地はさほどないのも事実です。

群狼にしても我らの頭上を時折舞う鷲にしても、何者かの作為と感じるのは
山の者皆が怯えている現れなのかもしれませぬ。

作為であるならば、その者がいっそ姿を現せばまだ怯えずに済むものなのですが、
果たしてそのときはどのようになっておることか」

ここでモンはため息をつき、

「しかし、いずれにせよ使者を立てる以外に拙僧にもこれといった案はないのです。
ただ人選でどのような波風が立つのかと、ついつい愚痴をこぼしに来た、そんな
ところなのかもしれませぬ」

211 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/11/30(日) 23:57:38 0
>>210
「陰であれこれ囁かれるより、対面して愚痴られる方がまだしもというもの」
自然と笑みが出たが、それはむしろ安堵のためのものだった。
「人はかんばしくない事実であっても、知っている方が知らぬよりましな判断を下すもの。
 それはこの私とて例外ではありません」
改めて背筋を伸ばし、私は軽く頭を下げた。
「正直、ここまで思わせぶりばかりにあい、疑念にかられかけていた。
 直截にお話いただき、心より御礼申し上げます」

祭司殿が会釈を返すのを待ち、追って事問う。
「最後に一つ…急使の件とは別にお伺いいたしますが、
 この地の実情を把握するにあたり、他に私が面会しておくべきと
 祭司殿が思われる方があれば、お名前を伺えせんか」

212 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/02(火) 07:29:04 0
>>211
「やはりまずは参事会の面々にお会いなさるのが良いでしょう。
もちろん、この山に集う者はそれぞれ語るべき言葉を持っておりますが、
それを聞く立場にあるものどもですから、実情を即座に把握するには
まずはお会いになるのがよろしいと存じます。

 それぞれの宿坊や工房などで仕事に一段落つけて憩い、
四方山話に興じておる頃合いでしょう。

 よろしければ案内いたしましょうかの?」

 モンはそういって腰を浮かしかけます。



213 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/03(水) 00:56:47 0
>>212
「では是非」
腰を上げながら、ふと書き上げた机上の書状に目をとめ、
私は先程の待ち合わせについて思い巡らせた。
伝書士の彼らには出立前に面会しておきたいが、
それは霧が晴れるまでの間で済ませられる。
夜間の待ち合わせまでは差し当たって手空きだが…
何かを取りこぼしているように思えるのは、
今朝から慌ただしい時間が続いたせいか。

時間が許すなら、夜が来る前にもう一度、典獄殿にお会いしよう。
彼と交わす言葉は、私のまとまらぬ思考を整理してくれる。
お持ちいただいた籠から柿を取り、小袋につけて、
私は祭司殿と共に部屋を出た。


-------------------------------------

ポケットがない時代、財布やハンカチってどこにしまってたんでしょうね。

214 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/03(水) 02:23:28 0
>>188
>>213
祭司は意外にも身軽に立ち上がり、クラインを案内しようと扉を開けます。
すると、窓から廊下へと風が入り込み、さっと冷たく肌をなでて部屋の空気と
ともに流れ出ます。

 クラインが手にしてる柿をみて、モンは、おや、腹を満たすだけのものは
用意しておりますものをといささか慌てた調子でいい、なんなら厨房によって
菓子を見繕いましょうかと体を巡らしながら、クラインを導きます。

#財布やハンカチをしまう場所
袖にたくしこんだり、ふところに入れたり、靴に入れたり、帽子にいれて
頭に載せたりでしょうか。ちょっと思いつきませんが。

215 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/04(木) 00:07:49 0
>>214
連れだって回廊を行く道筋、私は苦笑しつつ弁明した。
「後程、典獄カージャール殿を訪うつもりだったのですが、
 彼は幼児に懐かれる方らしく、先程まといついていた子供が
 空腹の様に、少なからず良心が咎めたのですよ。

 干し栗の一つも携えていればよかった、と思った矢先、
 折良く差し入れをいただき、先程の件に懲りて早速、持ち出してまいったわけです。
 小手先の菓子でなく、抜本からの政策で対策を打つべき身とは弁えていても、
 ああいった幼い者の悲しそうな顔はやはり、心が痛むものです」


-----------------------------------------
帽子という発送は流石になかったwww
ある程度身分が上がると、召使いに荷物持たせるのがステータスでしょうが
庶民はやっぱり懐や腰でしょうかね。
絵札なんかでよく、中世の召使いがサンタよろしくずだ袋背負って歩いてますが、
鞄やリュックの原型がいつごろできたのか、調べてみると面白いのかも。

216 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/04(木) 23:37:17 0
>>215
 門塔を出て、幕壁の歩哨回廊の下を過ぎ、回廊に入り、礼拝堂の前を過ぎると
前方に人の背丈の倍は優にある高さの生垣があり、その中ほどにアーチが設けられて
います。

 幕壁は2階に分かれており、地面の階は横仕切りを石ヴォールトで繋いで2階の木床を
支え、外に面した壁には狭間があり、午後の陽が差し込んでいます。2階は壁が鋸歯状に
連なり、同じく狭間が開けられています。1階の狭間は縦に長い長方形で大きめ、2階のは
同じく縦に長い長方形ですが、やや細めです。

 回廊では女子どもに若者も入り混じって石畳に干してあった藁を取り込んだり、
張り巡らされた綱に翻っていた洗濯物を取り込むなどしています。 

 広場に面した1階の一室は間仕切りがなく、滑車に釣瓶が吊るされているほか、
回廊中央の中庭には屋根の掛けられた貯水池があり、縁には階段が設えられており
水中には炭が沈められています。

217 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/04(木) 23:46:44 0
中の人よりお知らせ。
金曜日から日曜日まで、三日間留守のためレスできません。

そこでGMにお願い。
>216含め、ここまで出てきた修道院の間取り、構造を、
概略図でいいので図解してはいただけませんか…
正直、呼び出し場所と修道院の位置関係もイメージできてない状態で、
これだけ動き回る場所が広くなると
ぼちぼちせこい脳味噌のキャパシティが限界…

ミステリーじゃないので精密な図面は必要ありませんが、
主翼・東棟西棟A館B館とか、朝課このへん、書庫このへんぐらいの
おおざっぱな図をいただけるとPL大変助かります。

うpろだは、TRPG板のこれぐらい流れが遅いやつを。
http://taku_kanban.at.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/clip.cgi?
わがまま言って申しわけないですが、よろしくお願いします。

218 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/05(金) 07:29:27 0
>>217 連絡有難うございます。

お絵かきソフトは持って居ないのでペイントで頑張ってみます。


219 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/07(日) 21:08:22 0
修道院見取り図はちょっとおまちください。

220 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/08(月) 22:01:43 0
了解しましたー
見取り図が上がってからじっくり推敲してレスします

221 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/10(水) 23:44:30 0
http://f53.aaa.livedoor.jp/~hatena/up/img/1147.bmp

こちらに貼り付けました。あちこち線が消えてるところがあります。
厩の位置、湯屋の位置などが抜けています。

見えていない範囲、知らない範囲は一応書いていないと思います。

222 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/11(木) 22:15:50 0
>>221
垣間見る生活風景を興深く眺めながら、私はふと祭司殿に話しかけた。
「元より聖域はある種の城塞と言えましょうが、
 これだけの民を擁していれば、既に街の趣がありますね。
 院内に伝書士が行き来しているのも、成る程と頷けます。
 ところで先程、トリウマが外の斜面を行くのが見えましたが、
 彼らは地元の青年たちですか。
 この近郊の人里については、寡聞にして存じませんが」


------------------------------------------

やっと情景が絵画的に頭に入るようになった…!
どうもありがとうございます。画像は保存しました。

223 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/14(日) 03:04:51 0
>>222
モン
「伝書士は、なんというか院の修道士の数も増えましてなぁ。それで
いろいろ仕事を作ってる面もあるのです。その割には修道院でやるべき
書写やら教典編纂やらは全然手付かずですし、世俗の方々を案内
する仕事で手一杯ではあります。

トリウマについては、見ておらなんだので分かりませんが
昼で山のそばでしたら、今でも乗り出す者はおります。ですが、
そうやる者も少なくなってきておりますし、やはり先刻話した若者
かもしれませぬ。

近郊の人里というとすぐ西の山に村がありましたが、今はこちらの山に
村人が越して来ております。狼の害のせいですな」

224 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/14(日) 22:08:49 0
>>223
「成程」
ありそうな話だ。
──口に出すべき事ではないと思ったので口には出さなかったが、
まさに王城の人事に聞かれるとおりの事象だと思った。
勲功に対し与えられる身分役職が、戦のない世に余剰となり、
身分が身分を、役職が役職を必要として不毛なループを繰り返す。
幸い、私領はそういった現象を引き起こすほどの規模ではないが、
人と物資が豊富にあるというのは、治める者と治められる者双方にとって、
必ずしも幸福な事ではないのかもしれない。

「後程、当地の正確な地図──可能なかぎり大きなものを拝見したいものです」
近隣の地形、人の流れと狼の害について、詳しい証言を集め、
ひと目にわかるよう、図にまとめておくべきだろう。
心中の覚え書きに一つ追書きをし、しばし無言で、私は祭司殿について行った。

225 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/14(日) 22:22:31 0
>>224

生垣のアーチをくぐると屋根の大きな建物が密に植えられ手入れの良い畑や植物園
の間に幾つも立ち並んでおり、その一つへとモンは向かっていきます。

途中の大木には枝からいくつもホタテの殻や色とりどりのガラスの小瓶が吊るされ
風になぶられてかすかに音を立てています。

モンが説明するところでは、巡礼が奉納したもので風にはためく度にお祈りの文句を
唱えるのと同じ効があると信じられているそうです。

さて、目指していた建物の入り口でモンはクラインを差し招くように身振りし、先に
入るよう伝えます。

226 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/16(火) 00:13:45 0
>>225
聖域に足を踏み入れる事自体がまれとは言え、
見聞きするものひとつひとつが目新しい。
小瓶の音に聞き入り、足を止めていた私は、
祭司殿に差し招かれてわれにかえり、建物の戸口をくぐった。


227 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/12/16(火) 01:16:48 0
「ふたりともがまんづよいね」
「ね」

228 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/16(火) 05:32:02 0
>>226

建物の外見からして、豪農の本家の造りをそのまま修道院の宿坊に転じたもの
のようでしたが、中の造りもたがわずやはり農家の風で、入ってすぐのところでは
トリウマや牛が囲いに繋がれており、農具が壁際に渡された棒に掛かっています。

さて、訪れる相手はというと、かまどの周りに藁を敷き、フェルトや敷布を重ねた山
の上に数名の男性が座って、話しています。荒い古された修道衣をまとって
いなければ農夫とみまごう風貌です。クラインとモンが入ってきたのをみて、
かまどに掛けられていた鉄瓶を素手で握り、厚手の椀に注いで渡してくれます。

229 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/16(火) 05:33:02 0
>>227 

卓上ゲーム板からお越しですね。クラインさんのプレイヤーさんには
本当に長く付き合いいただいており感謝しています。ありがとうございます。

230 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/16(火) 22:36:31 0
>>228
直截な応対に、一瞬面くらいはしたが、
所領の老農夫たちを思わせる打ち解けた態度に、知らず笑みがこぼれた。
「これはどうも、突然お邪魔して申し訳ない」
初対面として名乗るべきか、それとも先程の会合で顔を合わせただろうか?
咄嗟には思い出ず、紹介を期待して、ちらとモン祭司殿へ目線を走らせた。


---------------------------------------
>229
そういやもう1シーズン以上やってるのか。
マンツーマンでのラリーだとスレの進みがまったりなんで、
そんなに経ったとも思わずにいました。

>>227
GMもPLも呑気だから結構続いてますw
卓ゲでときどき和む定番ネタだけど、
実はその会話レスの元ネタ、知らなかったりする。

231 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/18(木) 16:02:39 0
>>230
モンは左から順に、ゲルフ兄弟の兄と弟、カーギの父と息子、ハッカの跡継ぎだと
紹介し、もらった湯呑みを飲み干して、持参した干し柿を配り、鉄瓶から継ぎ足します。

一同は干し柿を食べつつ、美味いとか、味がいいとか口々に呟いては
うなずきあったり、前こんなにおいしい柿を食べたのはいつだったかなど
話しています。

##
たぶん、何かのゲームかライトノベルなんじゃないかと思うんですが
どうなんでしょう。

232 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/19(金) 00:48:22 0
>>231
簡易に過ぎる紹介ゆえ、彼らが参議会でどのような位置を占めているのか、
紹介の意図をはかりかねたが、まずは口を差し挟まず、
私はしばし彼らの話に聞き入った。
無闇に話の腰を折るより、成り行きに任せ耳を傾けた方が、
話の要旨を掴みやすい事もあるだろう。


----------------------------

元ネタは知りませんが、なんだか可愛いやりとりで、卓ゲで見かけるたび
ピクシーが二匹でちこちこ会話しているような連想をしていますw

233 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/19(金) 06:43:47 0
>>232

モンはクラインの様子をみて
「この方々はこうみえても(ここで一同はどっと笑います)、
参事会に連なる一族の重鎮(農夫然とした一人が胸を張ってみせ、
また一同は笑い転げる)といったところでしてなぁ。つまり、
参事を支える屋台骨とでも申せましょうかの」

さすがに褒め過ぎられて照れたのかカーギ父が、いやいやと手を振り
「元々は農家で宿を巡礼に貸したのが縁でこうして、修道院と関係を
持つにいたったと聞いていますぞ。ですから、難しいことは一切分からんが
なんとか仲良くやっておりますわい」と話し、一同は口々に同意し呟きます。

234 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/20(土) 14:21:55 0
>>233
陽気な一同につりこまれ、ついつい私も笑顔になった。
「これはこれは、御紹介いたみいる」
笑いながらも、軽く頭を下げる。
「糧食は越冬の要、なるほど、屋台骨との紹介に偽りはありますまい。
 元々は農夫…ということは、近郊の農村の御出自か。
 ちょうど道すがら、モン殿に近郊の村落について伺っていたところだが」


235 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/21(日) 23:21:25 0
PCリカバリでトリップキーが消えたので、ちょっとテスト。
まあ忘れたら忘れたで、毎日地道にプレイ続ければ当人証明できそうですが…

236 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/21(日) 23:44:56 0
>>234
「騎士殿。さよう出自を辿れば我らは農家の出で、今は労働で神に奉仕する
修道士をしております。もっとも随分前の先祖からの話ではありますがのぅ」
とカーギ父は答え、またずずぅと白湯をすすります。

>>235
PC御無事でしたか。トリップ確認ありがとうございます。

237 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/23(火) 01:28:01 0
>>236
「方々とは、実のある話ができるようにお見受けする」
ひとたび椀を置き、私は口火を切った。
「率直なところ、腹の探りあいには少々飽いていたところです。
 この際、直裁に本題を申し上げる事にしましょう。

 この度の当地からの御申し出、土地の騎士としてお力添えしたいのは山々なれど、
 ロードより所領を授けられているこの身、主君の御意向に沿わぬとあれば、
 それを蹴ってまで聖地に留まる事はできぬのです。
 されど、我がロード、メビウス卿は慈悲心篤い方、たとえ裁可が下りぬとしても、
 必ずや私に代わる官吏をお遣わしになるはず。
 となれば、私が勅命を得て当地の取りまとめにあたるか、代人が来るかはさて置き、
 現状を把握し、当地の実情と、諸派閥の要望をはっきりさせておきたいのです。

 カーギの父君、ゲルフ兄弟、ならびにハッカの継嗣殿。
 当地のため、あたう限り力を尽くす所存なれど、全ての立場の者の満足する形があるなら、
 それはとうに実現されていただろう事。
 実際には、必ずしも貴殿たちの望む形では、事が進まぬやもしれぬ。
 されど、ひとつだけお約束できるのは、決して弱い者が踏みつけにされる事のないよう、
 全力を賭して当たらせていただくという事。
 この先、この地の全ての派閥が可能な限り歩み寄れるべく、力を尽くすため、
 どうか、お力添え願いたい」

238 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/23(火) 23:41:16 0
>>237
カーギ父はそれを聞き、しばし考え込んでいますが、やがて答えます。

「騎士殿。我らの祖先は単なる農民で偶々巡礼に軒先を貸しただけの縁から
この山に結びついております。思うに、我らの祖先が自ら選んだのではなく、
この山に宿る地霊のようなものが祖先を選び、導いたのでありましょう。

そして、その導きをもたらしたのは、我らの祖先がこの山の土を耕し、この山から
湧き上がる水を飲み、この山の下に骨を埋めたからでありましょう。
つまり、この山に留まり、恩を受け、山の一部となる者であるからこそ、
縁をえたのでありましょう。

従って、我らはこの山と騎士殿、御身の縁がいかようであるかを見定めて
いかようにいたそうかと思っておりました。 

左様、我らそれぞれに事情はござりますぞ、ですが、まず騎士殿とこの山の
皆を馴染ませる機会を頂ければと思うのです。恐らくは騎士殿の下さる決断は
我らばかりか、この谷の衆のこの先を大きく左右するものとなりましょう。

いずれにせよ、羊の群れが数日先のところまで来て居る様子。我らがこのように
のんびりと世間話に興じておられるのも冬に入るまでにどれだけ機会がある
ことか」

239 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/12/24(水) 08:19:31 0
クライン=GMというのは最初からバレバレ

240 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/24(水) 20:54:39 0
>>238
「力強い御言葉いたみいります」
朴訥だが二心のない意見の一言一言を噛み締め、
私は深々と頭を下げた。
「差し当たって、明朝にもロード宛の急士を出立させる手筈ですが、
 他にもなすべき事は山とあります。
 空いた人手があれば、お貸しいただければありがたいのですが…」


---------------------------------------

金曜日より年末まで、旅行のためレスできない可能性大です。
(トリップメモっていくので、1・2回ぐらいは可能かも)
その場合、その後のレスは年明けになるかもしれません。

241 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/24(水) 20:55:46 0
>>239
文章のスタイルとかが似て見えるのかな?
さらっと見ると似て感じるかもだけど、よく見るとレスの癖違うよ。
1on1でラリーしてるうちに文体その他が近くなってくってのはあるかも。


つうか、一人でこれだけ続けられたらいっそ尊敬するよ…

242 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/24(水) 21:35:59 0
>>240

すると一同はうなづきあって、クラインをみ
「わしらでよければ、お手伝いいたしましょうとも。
できれば早いほうがありがたいのだが、いつ仕事を始められますか?」

と今にも腰を上げて取り掛かろうというような気配です。

##
金曜以降忙しくなり、年明けになるとのこと了解です。
本年はどうも長々とお付き合い戴きありがとうございます。
来年も是非よろしくお願い致します。

>>239
証明はできないのですがクラインさんのプレイヤーと別人です。

243 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/25(木) 23:45:28 0
>>242
「これは頼もしい限りだ」
少し笑って、私は指折りつつ数え上げた。
「やる事は幾らもあります。何はともあれ、先ずは人員の把握。
 どのような事ができるどのような者が、どこに何人要るかをはっきりさせること。
 次いで、何をどのように調べるかの優先順位を決め、人手を割り振ること。

 差し当たっては、当地にどれだけの頭数がどのように居住しているのか、
 そして、糧食や物資は全てでどれだけあるかを詳しく調べる事でしょうな。
 この先、何がどれだけ必要になってくるのか、割り出さなくてはお話にならない。

 調査の過程で、有用な人材のだぶつきがある事がはっきりするならば、
 余剰な人手を他へまわす事もはっきりしてくるでしょうが、
 こればかりは正式な認可なしには手をつけられません。
 他所者が当地の人事に口を差し挟む事を、好ましからず思う方もいるでしょうから」

大雑把に解説を済ませ、私は一同を見回して尋ねた。
「まずはこちらに属する方を数え上げ、誰がどのような作業に従事しているか、
 他へ割けるゆとりがどれだけあるかだけでも報せていただきたい。
 作業の先を考えれば、それらを書き留める書紙が必要なところですが…
 誰か、書記として私の補佐のできる方にあてはありませんか」


------------------------------------------

そういや、同一人物証明ってのは割合簡単ですが
完璧な別人証明ってのはかなり難しいんですな。
ある意味、悪魔の証明?

244 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2008/12/26(金) 10:57:53 0
やっぱ同一人物か

245 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/26(金) 11:32:11 0
>>243

カーギ父は浮かしかけていた腰をおろし、驚きます。
「騎士殿は、大変なことをなさろうとしておられるが、まずはお知り頂きたいことが
ござる。
 いわばこの山は修道院の寄り合いのようなもので、モン殿にはその寄り合い所帯
をまとめる役を皆から一致してお願いされており、さらにそのモン殿はその仕事
の力添えを騎士殿にお頼みしている次第、とわれらはうけとめております。

 かようであるからして、まずはそれぞれの院、というか宿坊それぞれに事情があることを
どうぞお含み戴きたいのだ。
 
 そのような数は我らの一人として知らぬし、知ることはないものだし、
知ったとてなんのお役に立ちましょう。

 むしろ、山で皆でする作業の指揮を騎士殿にとって戴き、皆への顔繋ぎをまず
してはどうかと思っておったのですが、いかがなものか、騎士殿のご意見を
承りたいのです」

246 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/26(金) 11:33:11 0
>>244
クラインさんプレイヤーとGMは別人です。

247 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/27(土) 00:45:04 0
>>245
「失敬、少々説明のしようが悪かったようだ」
少しばかり失笑し、私は言い添えた。
「実際のところ、問題なのは滞在者の頭数『そのもの』を把握する事ではない。
 寄り合い所帯それぞれがどれだけの客員を抱えているかそのものは、
 其々の所帯で把握していれば済む事なのだ。
 どれだけの頭数に対しどれだけの物資があり、どれだけ剰余しまた不足しているか、
 それらに対し、どれだけの人手を割いてどのように当たっているか、
 …要は、人、物資ともに何が足り、何が不足しているか、
 それがこの山全体でどうなっており、何をどうする必要があるのか、
 大雑把に把握するところから始めたい、そう言うつもりだったのだが。
 …例えば、このように」
かまどのから拾った墨片を蝋石代わりに、私は薪の木片へ書き付けた。
『騎士C・T 戦士/文官 過客(宿坊) 路銀些少 騎馬1 糧食なし(食客)』
「これは戦地式だが、当地でここまで仔細に調査する必要はない」
『成人・男1 戦士/文官 宿坊』
「これで、荒事と書士の両方に駆り出せる者が一人いる、と判る…
 典獄カージャール殿あたりだと、こうなるかな?」
『成人・男1 文官 宿坊』

「しかしまあ、要はこの山全体の寄り合い所帯がしっくりとかみ合い、
 冬を越せるだけの物資が循環する…もしくは、何らかの方法で不足分を補充する、
 という目的が果たせればよいわけだ」
薪片をぽいと火床へ投げ入れ、私は首を振った。
「何より総体の把握を優先し、それが済まねば事を起こせぬというのは、
 戦場と領地を生きる場とする騎士の悪い癖かもしれないな。
 何も、このやり方に固執する必要ではない。
 顔繋ぎを恃み、作業の指揮に入る事でことが滑らかに運ぶというなら、
 そこから手を付ける事に依存はないが」
再び一同の方へ振り向く。
「派閥其々の内へ踏み込もうというつもりはないのだ。その点だけは御理解いただきたい」

248 名前: ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2008/12/27(土) 00:57:28 0
留守が長くなるので、長レスついでに補足。
最初に「戦場式」で書いてみせたのはいわゆるPC式データ(PC名、スキル等)、
その後略式で書いて見せたのがNPCデータ(性別、人数ぐらいですね)だと思って下さい。

現場指揮を取るなら、現場人員と物資を把握してから話を進めたいけど、
その辺、人員を派遣する各派閥の長が把握していれば
それを受けて必要な作業に取り掛かるだけでいいので、
必ずしもクライン自身が全NPCデータを把握する必要はない、という事を言ってます。


それと>246にちょいマジレス。
この板に間借りさせていただいてる都合、住人さんのレスには極力マジレス返してますが、
匿名掲示板で悪魔の証明要求してくる手合いは流石にスルーしていいんじゃないかなあ。
自分とGMが個別にfushianasanして見せようが、外部チャットで同時発言してみせようが、
いや他作他演だ!BBSのは同一人物だ!と言われりゃ手に負えんわけで。
腐っても卓ゲ住人のきれっぱし、こっちょり聖マルクをリスペクトしていたりするんで、
この板住人さんが「本当に」別人なのか知りたい、というなら
セッション終了時にでも打ち上げがてらぷちオフでほ〜ら別人ですよ〜、ぐらいやってもかまわんですが、
2chでこのテの悪魔の証明求める人種がそうゆうのに応じるとはとても思えんいな。

つーかぶっちゃけ、この板版の空回り君だったら憑かれるのが怖いんで、関わりたくないっす。


では行ってきまーっす。
出先の宿からスレチェックするゆとりがあったらレスします。

249 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2008/12/27(土) 08:02:13 0
>>247
ここでモンが割って入ります。

「カーギ殿のお話も分かるし、また参事会でみなの手前快諾して頂いた騎士殿
のお立場も当然分かります。

それぞれの宿坊の細かい事情は当然あるでしょうし、かといってクライン殿に
すれば数が分からなくてはいろいろと案を練ることもできますまい。

そこで、まずはモンが与っておる宿坊のほうで様々な数をとりまとめてクライン殿に
お伝えし、どのようにご活用頂けるか皆さんに見ていただくというのはいかがですかな?」

カーギ父はちょっと一同と顔を合わせていますが、やがて、
「モン殿、モン殿には日頃からこまごまとした仕事をお頼みしておるし、余人ならば
なかなか首を縦には振らぬものも進んでなさっておいでだ。ではあるが、主のいない
宿坊とはいえ、既に客人は到来されてこの山で過ごされておるし、その宿坊にたまたま
招かれたがゆえに、重い負担を背負わされるというのはどうであろうか?」

##
確かに証明するのはできない以上、書き癖などで別人と見分けて頂くほか
無いかもしれません。スレは様々な板を点々としてきておりまして、どの板の方
なのか正直分かりませぬ。今後は関わらないようにいたします。

250 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/01(木) 01:16:09 0
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。



251 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/02(金) 02:20:43 0
>>249
「いや、そうではなく」
話がすらすら運ばないのが、もどかしいのを通り越していっそおかしく、
苦笑を噛み殺しながら、根気よく先を続けた。

「何も、宿坊に滞在する者すべてを労働力として徴用しようというのではなく、
 この地に、どのような人材がどれだけの数あるか、
 把握してから立案したいと述べたにすぎないのだが…」

腹の探り合いや、もって回った言い回し抜きに、率直に話が進められるのはありがたいが、
その分、言わんとする事を伝えるのに時間がかかる。
こればかりは、誤解のないよう丹念に伝え述べる他はない。
 
「私の理解に誤りがなければ、取りまとめを依頼されている問題は、
 避難者の頭数に対し糧食がとぼしいため、来たる冬に対する備えに不安がある、
 また、その不足がどの程度なのかすら把握できていないため、
 派閥の寄り合いを取りまとめ、解決に当たってほしいという話でした。
 ならば、まず、糧食を要する頭数がどの程度あり、糧食がどの程度あるのか、
 それを把握して問題の程度をはっきりさせねばなりますまい。

 その調査にあたり、『解決にあたって、必要とあらば助力をいとわない人材がどの程度あるのか』をも
 一度に把握してしまおうと思ったにすぎません。
 提供できる労力がないならそれでよし、協力する意図がないならそれでもよし。

252 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/02(金) 02:22:09 0

 事態が思う以上に深刻であり、僧院の労働力のみならず、ありったけの人手をかき集めねば
 冬に間に合わぬ、という場合、借りられる手を借りて総力戦で挑むか、
 他に当てのある者の移動をすすめ、頭数を減らすか?
 最悪、そこまで考えておかねばならぬと思ったからこそ、事前調査を求めたのです。
 それほどの大事ではなかったという時、内々の事情を暴かれた気まずさが先にたつ、と
 不安を感じる者があまりに多いなら、他のやり方を考えましょう。
 常に最悪の事態を想定してかからずにはおれぬのも、戦士の悪癖のひとつ。
 対案がおありなら、強いてこのやり方を押し通そうとは思いません。

 ただ、誰一人不満のない手だてというものは存在しないもの、
 歩み寄る線を探っている間に、時が尽きたという事だけは勘弁願いたいものですが」

穏健な者を相手にすれば率直な話し合いができず、腹を割って話せる相手は、話の理解が遅い。
騎士同士のように、打てば響くというわけにはいかない。
だからこそ、埋もれた人材があればいち早く確保したいのだが…


------------------------------------------
年末年始分、一気に進めようとしたら長かったので二分割。

あけましておめでとうございます。
旅疲れでダウンしてましたが、どうにか回復。今年もよろしくお願いします。

253 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/03(土) 02:07:56 0
>>251-252
モンと入れ替わるようにカーギ父が話します。

「騎士殿が軍隊のことに通じておるのはまことに嬉しいことなれど、
我らは家に縛られておりますし、家族や一族単位で物事を進めておりますで、
そこを飛び越えるのは些か難しいのです。

修道院-宿坊-各一族、家族-夫婦-個人といった具合にあえていえば
連なっており、修道院は宿坊と話し、宿坊は各一族の家長と話し、一族の中には
立ち入らないのです。

人手が必要であれば、今夕、礼拝堂にて人手を募ってはどうでありましょうか。
もちろん、わしらも一族から有為の者を出しましょうし、モン殿のほうでも
当てがあるでありましょう。なんにせよ、ここにいる我らは騎士殿のことをこうして
存じもうしあげる機会を得たわけですが、山にいる全員にとってはまだまだ、
いわば雲の上のお方なのです」。

254 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/04(日) 21:03:42 0
>>253
「良き助言を賜り感謝します」
手詰まりの感のあった案が思いもよらぬ方から拓け、
ほっと安堵して私は微笑んだ。
「世俗騎士は往々にして聖騎士を頑固者と呼ばわるが、
 これでは騎士気質が一様に頑固と笑われても弁明できませんな。
 一度思索に詰まると、なかなか切り替えができないものです。
 方々の方が、よほど柔軟な思考をお持ちのようだ。
 紹介くださったモン殿に感謝せねばなるまい」
ひとたび腰を上げ、私はカーギ殿に手を差し出した。
「ありがたく助言に沿わせていただこう。
 高みに陣取るつもりはないのですが、
 領外の民と近しく接する機会がないため、なかなか距離の取りようがつかめないのです。
 当地からの依頼に沿うためには、多くの人々に親わしく感じてもらいたいもの、
 より易く近しくなれるよう、宜しければ是非、御助力願いたい」

255 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 00:22:15 0
>>254
カーギ父「とりあえずここにいる者全員はお手伝いすることになりましょう。

さて、騎士殿には失礼をいたします。

夕方の祈りの前にわしらは堀を浚って、羊を迎え入れる準備をせねば
なりません。場合によっては明日、一度水を入れ替えるかもしれませんが、
たぶん、そこまでおおごとにはならんでしょう。だが、回廊の中庭の貯水池には
井戸から水を注ぎ足さねばならんでしょう」。

そういうと一同は立ち上がり、礼をしてクラインのことを伺います。

#
現在、スレ容量は172KB。こちらの板の容量限界はどのくらいでしょうか。

256 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 00:32:55 0
>>255
ちょうどよい潮時と見て、私はモン殿へ軽く頷いた。
「では、これにてお暇を。
 私も伝書士を依頼した二人に、明日の出立時刻について早々に伝えておきたいところ」
彼らにじゅうじゅう礼を述べ、私は彼らの房を後にした。


------------------------------------------
板を問わず、容量は512kb(実質500kb強)です。
このペースなら、文字レスで容量オーバーはそうそうないでしょう。

257 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 05:18:16 0
>>256 
モンは頭を垂れて見送り、カーギ父らとともに農具を取り、堀浚いに
加わるようです。

表では、温かな日差しの中、あちらこちらに藁が広げて干されている
ところです。色合いと匂いからするとすでに一度は干したものをもう一度
外に出して広げているといったところでしょうか。

さて、伝書士を頼んだ若者はというと、一人は藁干しに加わっています。
宿坊の納屋から藁を小走りに抱えては竿のところまで行き、手早く掛け渡して
は戻っていきます。

258 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:05:06 0
>>257
作業に区切りがつくのを待ち、目の合った彼に軽く手を挙げると、彼は機敏に駆けてきた。
書状は書きあがっており、明朝、霧が晴れるのを待って出立してほしい旨を伝えた後、
私は二・三尋ねた。
「ところで、先程はごたごたに紛れて聞き忘れたが、 
 君たちの名は──通称で構わないのだが──なんというのかな。
 それから、使者を頼む都合、君たちがどこの宿坊の泊まりかを知っておきたいのだが──
 障りがあるなら、用があるとき、誰に頼めば連絡がつくかだけでも構わない。
 カーギ殿のところの誰かでいいのだろうか」


---------------------------------------------
クラインが>247で言っていたのは、つまりこういう事です。
どこに誰がいるかを把握しておかないと、誰それに頼みごと、という時、
どこへ誰を呼びにやればいいのやらわからないわけです。

259 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/09(金) 01:30:00 0
>>258 
若者はナウと名乗り、都から来た青年はタスカと呼ばれていると話します。
そして、
「よろしければですが、只今から出立すれば1日分、早く書状をお届け
出来ると思います」とおずおずと申し出ます。

そして、クラインの気色をうかがい
「なんでしたら、私が先行する形で途中どこかでもう一人と落ち合っても
良いかと思います」と、続けます。声は落ち着いてはいるのですが
クラインにどう切り出してよいのか分からないけど、なんとか勇気を振り絞って
申し出たというところでしょうか。

260 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/09(金) 21:42:12 0
>>259
咄嗟の思わぬ申し出に逡巡はしたが、考えながら、私は答えを返した。
「君と彼がそれでいいなら、出立は私の裁量で決められると思う──
 既に、院長より書状はいただいているのだから。
 しかし、これから出立するとして、夜明かしの当てはあるのか?
 人里に出る前に日が暮れては、狼をしのぐ手立ても難かろう。
 君が先行して先から迎えを寄越すなり、何なり考えがあるというならそれもよいが、
 急ぐと共に、確実を期したい使者なのだ。
 あまり危ない真似をしてほしくはないが──考えがあるなら、臆さず申し述べてみたまえ。
 判断するのは、話を聞いてからでも遅くはあるまい」

261 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/10(土) 07:55:30 0
>>260
ナウ「騎士殿、よろしければですが、私一人で先行させて頂ければと思います。
地元の者にしか知られていない道がありますし、その道であれば狼など
恐れる必要は有りません」と一気にまくしたて、

続けて、言ったものかどうか迷いながら
「正直、都の者のトリウマの扱い方はみておられぬのです」とボソッと洩らし、
もらしたことが恥でもあるかのように顔をうつむけます。

262 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/11(日) 01:55:19 0
>>261
しばしの沈黙。
言葉たらずの感はあるが懸命な台詞を、とくと反芻する。
「私に思い違いがあるならば、正してほしいのだが」
考え考え、ゆっくり言葉を続けた。

「トリウマの扱いについて、彼と意が合わぬので、同行したいと思われない、
 危険のない道を知っているので、彼より一足先に出立したい…という事なのかな、
 もしそうだとすれば」
きつい言い様と取られぬよう、心がけて易しい言葉で、穏やかに続ける。
「もしそうならば、君に代わる案内者を誰か、探さなければならない。
 本来、使者として行くべきなのは、代行なら当院の修道士か、せめて助修士が望ましいのだ。
 だが、私自身にはここで一日一時間を惜しんでするべき事があり、
 修道士や助修士では、途中狼に襲われる恐れがある。
 だからこそ、狼の襲撃に備えて騎士格の彼を選んだ。
 君にはあくまで、土地の道を知らない彼のための道案内として付いてもらいたかったのだ。

 彼とうまくいかないなら、この話を断ってもかまわない。
 君には、無理をして引き受けなければならない義務はない。
 しかし、使者としてロードに面会し、口上を述べるのは彼に任せるとしても、
 案内人としてだけでなく、この土地の若者に同行を頼みたいのだ。
 我がロードは、私の書状とは別に、土地の者の言葉での訴えを聞く事を望まれるだろうから。
 断っても構わないのだが、他に、君の知人で、適当な代理を紹介してもらえないかな。
 できればこの近辺の生まれで、ある程度この土地に詳しく、
 狼と戦えずともトリウマを駆って逃れるだけの技と度胸のある者を。
 そして彼、タスカと、そりが合わないまでも同行を忍耐できる者を」






263 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/11(日) 01:57:01 0
推敲終わらないうちに送信したら変な空白がw

どうにか読めそうなので、一箇所だけ訂正します
× 使者として行くべきなのは、代行なら
○ 使者として行くべきなのは私、代行なら

264 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 00:52:37 0
クライン=GM

265 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/12(月) 01:23:28 0
>>262
ナウ
「騎士殿、どうか思い上がりをお許しください。私はただ、確実に騎士殿の書状を
お届けしたかったのです」と力なく呟き、頭を垂れます。

そして、言葉を続けるかどうか迷うように、或いは言葉を掛けられるのを待つか
のようにじっとクラインの言葉を待っているようです。

丁度、後ろの宿坊からカーギ父とモンの一行が出てきます。道具を手に濠へと
向かうようで、クラインに気付いて全員で頭を下げます。

266 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 10:25:21 0
いやGMとPL両方自演しておいてこんなぐずぐずまだるっこしい展開にはできないだろ
これが自演ならある意味神w

267 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/01/12(月) 17:37:41 0
一体一で

268 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/13(火) 00:27:25 0
>>265
項垂れた姿が、ふと所領の留守を預けた弟を思い出させた。
両親亡き後、父に代わって保護者となった私に叱責されるたび、
こうしてしょぼくれていたのを思い出す。
カーギ殿たちの方へ軽く会釈を返し、私は傍らの石垣に掛けた。
「道端で何だが、ひとまず掛けたまえ」
彼が傍に転がっていた馬草桶を引っくり返し、腰を下ろすのを待って、
考え考え、殊更に易い言葉を選んで、ゆっくり言葉をつむぐ。
「君を叱ったわけではないのだ。 たった今言ったばかりだが、
 君には、不快な思いを我慢してまで、この使者を引き受けなければならない理由はない。
 本来、院長殿に相談したうえで、もっとも適した者を選ぶべきところを、
 たまたま厩前に居合わせた君達に頼んだのは、私のひとり考えなのだから。

 ただ、彼、タスカが自ら、喧嘩相手だった君を指名してきたのは、
 君に何か、私の知らない見所があるからということはないかな。
 従者としてこき使うつもりなら、彼に食って掛かる勢いのある者を選びはすまい。
 道中いさかいを起こした挙句、君に置いていかれては面目丸潰れだろうから。

 どうしても彼に譲ってもらいたいところがあり、
 君の言葉で説得する自信がないなら、私から彼にかけあってもいい。
 できるかできないかはともかく、まずは話してみないか?」


----------------------------------------------
>266
言ってやってくれ言ってやってくれ。
真の吟詠がどんなんだか、卓ゲに御招待して御笑覧いただきたいよ。 

269 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/13(火) 01:27:32 0
>>268
ナウは緊張した面持ちでぽつぽつ話します。
「騎士殿が去られたあと、彼とトリウマで川まで勝負をしたのです。
確かに私は敗れたことは認めなければなりますまい。
 ですが、彼はトリウマをまるで道具であるかのように責め立てて
走らせるのです。あれでは長い道中、到底持ちますまい」。

 それに、と言葉をついで
「二人きりになったところで、群狼の噂を持ち出したのですが、
取り合おうともしないのです。ただ、道案内せよと言わんばかりで
どうにもとりつくシマがないのです」。

「騎士殿、彼には別に都への使者をお命じになり、私に本領への
使者をお任せくださいませんか? 一人で行くほうが確実だと
思えてならないのです」。

270 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/14(水) 01:36:27 0
>>269
「…成程」
彼の先程からの態度より、薄く思ってみないではなかった事実を耳にして、
出立前に把握できた事を喜ぶと同時に、不快を感じたのもまた事実だった。

「君に間違いなく単騎で使命をはたす自身があり、
 私と院長に対し、それを請け負う者がいるなら──君の仲間以外でだ──
 できない相談ではない。どのみち、所領を経由する使者も必要なところだ。
 しかし、彼に案内をつけぬわけにもいかない。
 誰か、代わって従者となれる者にあてはあるだろうか。
 トリウマを駆る腕は君ほどでなくとも──いっそ、君に劣るほどでもかまわない、
 堅実で忍耐強く、いっそ頑固なほど忠実に義理を果たす者を」


271 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/14(水) 02:30:27 0
ちょっと情報の把握に自信なくなってきたので、現状整理。
縮尺もへったくれもない略地図描いてみたんですが、冒頭からの流れで
http://kjm.kir.jp/pc/?p=68267.gif
赤をクライン所領からの移動ルートとして、灰色の古が縁の僧院、山の上の古が現在地、
茶が街道(馬車がすれ違えるのが太線、細いのは馬ならどうにかって程度の巡礼路)、
黄色がロードの所領(伝書士目的地)と、こんなイメージでいます。
(青は両隣の騎士所領、上が親戚んちで下が嫁の実家)
緑の部分は森林で突っ切るのまず無理、所領周囲の小規模集落や農地は全省略。

クラインが知ってるルートは山おりて赤ルートを逆行、途中からメイン街道、で、
僧院まで強行軍、そこで一泊してトリウマ替えてまた突っ走る、って想定でした。
(クラインの所領へは、縁の僧院に指示出して、急がない使者を別途調達、と)

山の逆側にも麓村落への巡礼路があるようですので、
ナウはそっち側から画面左側通ってゴールまで一直線のルートがあるから
そっちを一人で行く、と主張していたんだろうと思うんですが、
都=ゴール、本領=クラインち、と思っていいのかな。
タスカにはロード行きの正規使者をやらせて、ナウにはクライン私領への私用使者、でおk?
どっか勘違いしてましたら訂正よろしく。


272 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/14(水) 02:36:37 0
>>271
もいっちょ補足。
不快感というのは、ナウに対してじゃなく、やっぱりそうか、ってかマジかよ、
道中トラブル起こされるよりはマシだけどまいっちゃったねおい、ってな事を言ってます。
請け負う者云々っていうのは、一人で生かせて途中死なれても困っちゃうので、
若者の安請け合いじゃなく、ちゃんとそれだけの実力がありますよってな事を
保障してくれる大人(ぶっちゃけナウの宿坊の長)は誰かいな、って事。

タスカについては、都(帝都の方)から単騎来たとはとうてい思えないので、
来る時は巡礼路から来るなり従者連れてくるなりしたんだろうけど、
今回は僧院からロード所領へ直行してもらわなきゃいけないんで
誰か土地の者を案内につけたいんですね。
単に移動するだけなら、騎士一人で問題ないとクラインは思ってるんで、
道知ってます、って騎士が立候補したら、そっちへ鞍替えしてもいいぐらいです。

273 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/15(木) 01:13:37 0
http://lovestube.com/up/src/up4455.bmp
今考えている地図をUPしました。

支流が幾つも流れ込んでいる大河があり、クラインとメビウスの谷、修道院の谷はそれぞれ
別。クラインの嫁の実家と縁故の僧院を対岸にし、都を遥か遠くとしました。

ナウが単身の通ることを考えているルートはクラインやメビウスの谷へ山岳地帯を抜ける道
だと思われます。

クラインが通ってきたルートは黒い線で川とあちこちで交わりながら、川沿いに進んだり
ときおり川から離れたりする道です。

274 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/15(木) 01:27:15 0
>>270
クラインの言葉を聞くなり、
「騎士殿、そういうことでしたらば、私に文字を教えてくださった師父が居られます。
きっと薦めていただけるはずです」と請け合いますが、ふと顔をゆがめて
「しかし、騎士殿の心配されているとおり、タスカを案内する乗り手が今ひとつ
居りませぬ」と気付き、
 「彼の取り巻きにおれば良いのですが、地元の者では私の知る限り、
任を果たせる乗り手がおるとは思えませぬ」と話します。

#ナウはクラインの果たすべき所命をよく知らず、タスカが都からこの地に来ている
理由も定かには知りませぬ。都への使者とは羊の群れが下ってくる、この国の
内乱を収めて皇帝がいる都のことです。 

275 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/15(木) 22:48:56 0
>>274
「…ふむ」
眉を寄せると、彼は不安げな目を向けた。君が問題なのではないと、
軽く頭をふっておいて、一つ一つの事項を鑑みる。
彼、ナウを急使として所領へ先発させる。──問題はない。
騎士級のタスカを卿への正規使者とし、群狼の害に抗する。──問題はない。
二人が同行できない、これが大問題だ。
ナウを先に出立させ、代わる案内人を据えるとして、その口実をどうするか、
タスカの面目を潰さず、トリウマの酷使を避けるには──

ふっと天啓が閃いた。
私は勢いよく立ち上がる。驚いたナウが私を見上げた。
「ナウ、君の言うとおり、今夜じゅうに出立してもらう事にしようと思う。
 急ぎ支度を整え、師父に私を引き合わせてくれたまえ。
 私は書庫で地図を借りる。準備が整ったなら来てくれ。
 君に寄ってもらうところがあるので、場所を詳しく教えたいのだ」

ナウが駆け去るのを見送り、私は足早に書庫へと向かった。

すっかり失念していた。あるではないか、最適手が。
今宵面会する院長の一存で徴用でき、忍従深く、土地に通じ、地理に詳しい。
気位の高い都の青年にも意見できる、騎士が敬意を払うだけの地位。
──元貴族、とはいかないかもしれないが、元役人、元文官、或いは元従者、
トリウマを駆り使者を果たせる者の一人二人はいるはずだ。
若者でなくとも構わない。安全の面では、護衛としてタスカがいるし、
トリウマをゆっくり走らせる口実ともなる。院長の代理人として、ただ同行するだけでいいのだ。
ナウとは所領で合流すればいい。

振って沸いた使命でも、彼らは否やとは言うまい。
血族も財産も枷としない神の民。早朝命を受ければ、昼には出立できる。
危険を賭した徒歩での巡礼さえ、彼らは恐れはしないのだ。



276 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/15(木) 22:51:25 0
>>273
わかりやすい地図ありがとうございます。
シナリオに説得力が出るしわかりやすいけど、何つーか手痛いところを突かれたw
指し手考えるのに頭をひねりました。

今回の使者はロード宛なわけで、
ナウが都あての使者と言っているのは、単純な早とちりと思っておけばいいのかな?

277 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/16(金) 21:36:50 0
書庫ではカージャールが一人、文書の山を整理し、より分けているところです。
入ってきたクラインをみても手を休めようともせず、古文書をざっとみては
素早く他に移るといった感じで忙しそうにしています。

昼前に出て行くときに子どもがいた辺りには今は床の上に砂盤が重ねて
積まれているきりです。

278 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/16(金) 22:53:36 0
>>277
「お忙しいところを度々失礼する、典獄殿」
棚にざっと目を走らせてはみたが──当然のことながら──
目当てのものがどこにあろうものやら、見当すらつかない。
「この近隣の、できるだけ新しい地図を探しているのだが、
 どこにあろうかご存知ないだろうか」

279 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/17(土) 01:24:40 0
>>278
カージャール
「地図か。軍で参謀連中が使うようなものはないが、修道士の道中図のような
ものなら幾つか有るが」
といって、脇の山から慣れた手つきで素早く古文書の山を分けて
地図を取り出します。

修道院を中心にあちこちの地点への方角と掛かる日数が書かれたもので、
図のまんなかにある修道院から放射線が幾つも伸び、ところどころ放射線の先端の点
通しが結ばれていたり、波線で区切られていたりします。

おそらくは波線は川や渡し、あるいは天候によっては通れぬ難所を意味するのでしょう。

280 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/17(土) 23:24:46 0
>>279
「充分です、御親切に」
地図の描きこみを指で辿り、要所を脳裏に呼び起こし道程を思い起こす。
わかりづらいようなら手持ちの紙片に略図を描き写してもいいが、
どうやらその必要はなさそうだった。
「ときに」
ふと顔を上げ、典獄殿に言問う。
「当院の巡回祭司、もしくはそれに類する身分の修道士で、
 トリウマを操れる者を御存知ありませんか。
 ロードへの伝書士に案内者としてついてもらいたいので、
 院長より他薦してもらうつもりではいるのですが」


281 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/18(日) 00:43:09 0
>>280
 カージャールはちょっと考えを巡らせているようでしたが、
「恐らくはおらんのでしょうなぁ」と応じます。

 おやと理由を尋ねたいふうなのをは予期していたのか、続けて
「狼の群れに巡回の祭司が襲われて、連絡が途絶えがちになったと
聞いていますぞ。怪我は大したことがなかったらしいが、そのまま
村に留まり、こちらには戻ってきておらなんだとか」。

 そして、ため息をついてみせ、かく言う私も狼に閉じ込められて
いるようなものだがと嘆じます。

「今見せた絵図にしても実際に現地に行けば色々と分かろうものだ、
この谷は若い頃騎馬弓手として通ったことがあったが懐旧の情に浸る
というゆとりがどうもなく、てこうして窓辺で外をみている有様だ」。

 ともかく群狼の害が収まらぬことには修道士達はこの山の外には
出たがらないだろう、というのがカージャールの推測のようです。

282 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 12:26:58 0
雀A「狼ってみたことある?」
雀B「ないよ。本物もライカンスロープも」
雀C「まあ我々雀って人里で生活するもんだしね」
雀D「頭の黒いネズミ、と同じようなレトリックかと思った」
雀E「この世界だと多くは黒じゃなくて茶とか金とかだろうけどね」

283 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/18(日) 23:18:07 0
>>281
「成程、」
あながち予想できない答えでもなかった。
まだ明かりの入る窓に写字台を寄せ、広げた地図を留めつける。
「正規の巡回司祭がないなら、臨時の代任を乞う他ないでしょうな。
 この度は騎士相当の護衛がつくし、任ぜられた者が不安を唱えるなら
 護衛を増員してでも、此度の使者は出さなければならない。
 巡回司祭が出せず、典獄殿が当地に留め置きになるほどの群狼の害、
 駆け込み訴えがあれば、冬の到来を憂う前に対処もかなったのでしょうが
 …この内乱の後では、対応が遅れたのも致し方ない事。
 むしろ、この機に何としても上への訴えを通さねばなりませんな。
 道を見失った巡礼や、先を急ぐあまり噂話を聞き落とした旅人が
 人知れず命を落とすばかりでしょうから」

------------------------

>282
この世界、探せば白だの銀だの赤も探せばいるかもしれないな。
狼というより狐の話みたいだけど。

284 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/18(日) 23:42:49 0
>>283
 「左様ならば、我が甥が昨夕到着している。使ってはくれないか?」
 いや、道案内はもちろん無理だが、護衛にはなるだろうし、この山に
篭ってわしと史料漁りというのも若い身にはこたえるだろうと、言い訳がましく
つけくわえ、となると他に乗り手はと案じていますが、いい考えも思いつかぬ
ようです。

 そして、クラインが先の台詞に特に反対の意を示さなかったならば、
 「この塔の上階に奴ならおる」と天井を指差します。

 書庫というか、カージャールが修道院のあちこちから史料を集めてきた塔は
壁が厚く、内部に上下の階を連絡する階段が通っています。

##
>>282
 狼について詳しい方ですね。私は未だに剥製と動物園でしか見たことが
ありません。一度、狼や狐狩りは実地を見てみたいものです。
日の名残、戦争と平和、などで登場するんですが今ひとつな感じです。

285 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/19(月) 23:37:13 0
>>284
「ありがたい御申し出だ、願ってもない事です」
安堵から微笑し、私は典獄殿へ頷いてみせた。
「夕刻前に人と面会し、所領への急使を出しますが、小一時間で片付く所要のはず。
 そちらに障りがないなら、その後すぐにでも上がらせていただきます」


---------------------------

動物園なんて何年も行ってないなあ…
国産は絶滅したから論外として、海外行けば生きてる狼も見られるかもですが
下手すっと命と引き換えの見聞になりそうだ。
混血の狼犬ならどっかで飼われてるかもしれませんね。
どのくらいでっかいのか、一生一度ぐらい見てみたいもんです。

286 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/20(火) 22:47:12 0
>>285
カージャールも甥に任せられる仕事がみつかり、ほっとしているようです。

さて、となると甥を行かせる以上はいよいよ案内役が欲しいですなぁ、と呟き
小首をかしげます。そのまま良い思案も無いといった様子で、史料の山から
道中図や村絵図などを引っ張り出しては、クラインの居領のある谷への
道のりを探しているようです。

「これはやはり、一度、河を渡る必要があるかもしれませんなぁ。山中を抜けられれば
良いのだが」
 


287 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 00:08:43 0
>>286
「経路については、当人に目的地の所在を説明した上で確認を取ります。
 少なくとも、この時間に出立して群狼を逃れる自信があり、
 それなりの人物にその保障を受けるだけの実力があるなら
 何らかの翻案はあるでしょう」
典獄殿の覗く小地図より、補足に用いられそうな近隣図を拾いながら私は答えた。
「案内者については、この後院長にお目にかかる予定があるので、
 その際、適任者について推薦を受けたいと考えています。
 若い護衛二人を信任するまったき信仰心と適切に導く英知があれば、
 長幼と地位は問いません。
 騎士にとっては、聖職者は敬意を払って接するべき相手ですから」

288 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 23:19:17 0
 ふとカージャールは思い立ったようすで、可愛い甥御に私も手紙を
もたせてさしつかえないか、とクラインに尋ねてきます。
 我らが家などもともと木っ端役人も良いところだが、お主の仕える
貴族とあらば、是非挨拶を申し上げておきたいのだと、理由を説明し、
もちろん、クライン殿の手紙に連署し多少添えて書く程度でも構わない
のだと言い添えます。

 と、ここで書庫となっているこの読誦室の扉をほとほとと叩く音が
聞こえます。遠慮がちに何者かが叩いては耳を澄まし、また叩くといった
ていです。

289 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/21(水) 23:58:58 0
>>288
書庫の扉をわざわざノックするのは、彼以外あるまい。
戸口へどうぞと声を掛け、扉のあく間に、私は典獄殿へ頷き帰した。
「ロード宛の書簡には既に印蝋を施してしまいましたが、
 今宵出立させる急使の他に、正規の伝書士を明朝立たせる予定です。
 正規の書状は、院長の書と共にそちらへ持たせますので、
 明朝までに書き上げていただければ充分かと。
 甥ご殿に持たせるのも宜しいでしょう」


290 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/23(金) 09:11:48 0
>>289
 扉を開けると、杖をついた老爺が背筋を伸ばして立っています。その後ろには
先ほどの青年ナウが厚手の外套を羽織った格好でかしこまって控えています。

老爺は中に一歩入るなり懐かしいといった様子で思わずあたりを見渡し、
文書の山をみてにこっと笑い、それからカージャールに体を向けてふかぶかと
おじぎします。

291 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/24(土) 01:31:10 0
>>290
予想した通り、ノックの主は彼と師父殿であった。
本来、彼の紹介を待つところだろうが、ここで正規の礼を乞うのは無理があろう。
目のあった彼に軽く頷きかけ、私は進み出て自分から名乗り、手を差し出した。
「御足労かたじけない。土地の騎士、クライン・トーラスと申します」

292 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/25(日) 01:33:15 0
>>291
 カージャールに続いてふかぶかとクラインにも老爺はお辞儀し、差し出された手を
しっかりと握り、じっと目を覗き込みます。握った感触は手は大きく骨ばっており、
握力はまだまだ強く皮膚はざらざらとひび割れていることを伝えます。

 そして、低い声で、
「ナウに読み書きを教えた者で、修道士のヌガと申します。修道士にも色々あるの
ですが郷士程度に思っていただければ幸いです」と挨拶します。

「なにやら、ナウに御用を申し付けられるとか。学芸のことは恥ずかしながらかろうじて
読み書き計算が出来る程度ですが、トリウマの腕ならば確かな者です」と言い添え
カージャールとクラインを等分に見ています。

293 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/25(日) 23:52:58 0
>>292
「然り、彼には我が主君、メビウス卿への伝書士を案内してもらう予定でした。
 本来、明日の朝を待って二騎で出立のはずが、諸事情により
 今日のうちに、単騎出立してもらう手筈となたtのです。
 いかな土地の若者とはいえ、今から日のあるうちに群狼圏を抜けられるものか、
 彼自身には自信ある様なれど、それが若さゆえの無謀か、確固とした自負か、
 私自身とは初対面ゆえ、彼をよく知る方の保障を伺いたくお呼びたてした次第です。
 判断を誤り、若人をあたら死なせては彼の縁者に申し訳が立ちませぬゆえ」

先に窓辺へ立ち、写字台を片寄せて、彼を手招く。
「こちらへ、目的地の確認と、おおよそでいいので予定経路を聞いておきたい。
 明日出立ならロードの城へ直行してもらうはずだったのだが、
 正規の使者に先発するなら、私の所領へ寄って貰いたいのだ」


------------------------------------
僧院の地図に勝手な書き込みはできないので、
地図に適当なピンを留め付け、目的地や経路の目印として使っています。

294 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:40:04 0
>>293
 羊皮紙や紙の地図にピンを刺そうとしているのをみて、カージャールが
綺麗に磨かれた木片や小石を貸してくれます。

 ナウはヌガの背中でかしこまっていましたが、クラインに招かれると
進み出て大まかな経路を地図の上で指し示します。どうやら南方の山中を
通り抜けるつもりのようです。
 一方、ヌガはナウの後ろについて進み、地図を覗き込む彼を見守っている
様子です。
 ややあって、群狼は確かに難題ではありますが、是非行かねばならぬ
ことなのでありましょう、ナウならば無事通り抜けられましょうと話します。


295 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/27(火) 23:29:17 0
>>294
彼の指す地図より凡その地形を拾い、知らぬ道ではあるが、
経路を説明する言葉に迷いがないこと、
私の指す所領への道筋に不案内のない様を見て取ってのち、私は頷いた。
「師父の言葉を信ずるとしましょう。
 ナウ、我が領への道行に問題がなければ、すぐ出立してくれ。
 私は一度宿坊へ、留守を預かる弟宛の書状を取って来る。
 君はトリウマを鐘楼前へ」
師父ヌガへ丁重に礼を尽くし、典獄殿へは後程と挨拶して、
私はひとたび、書庫から宿坊へと戻った。
流し書いた書状の文末に一言、二言書き足し、簡易に封を施す。
家人宛の書状なら、これでよい。
書状を携え、私は急ぎ門楼へ向かった。


--------------------------------

「南方」の山中という事は、僧院→クライン領への直行ルート、
だろうと解釈してます。
誤解がありましたら訂正お願いします。補足で充分ですので。

296 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:20:28 0
>>295
 ナウは既に門の外にトリウマを繋いであると答え、早速外へと飛び出していきます。
ヌガはカージャールの書斎と化している書庫をさっと眺め渡して一礼しその後に続きます。
教え子の門出を見送るつもりなのでしょう。

 鐘と通路の鉄格子の揚降機のある部屋は、門塔の地階を貫く通路の真上にあり、
修道院の中からはみえにくい壁の間際にどうやらトリウマを繋いであるようです。

##
ルートについては、修道院→クライン領へ直線とまではいかずとも、大河のほとりに出ず
南方の山中を越えていく道筋を指していました。詳しい説明はしていませんでしたが、
ヌガも見守っていました。
 



297 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:34:25 0
>>296
書状を手に門楼を出ると、冷たい風がさっと顔を打った。
日はまだ明るいが、空の青にすこし深みが増している。

彼が書状を荷に仕舞うのを待ち、細々とした注意を加えて、
最後に弟に宜しくと肩を叩き、私は彼が騎乗するのを見守った。

-----------------------
ルート了解です。

298 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/29(木) 23:35:38 0
>>297
 ナウは注意を一言も聞き漏らすまいと緊張した顔つきでいましたが、それも終わると
ヌガに挨拶し、最後にクラインにお辞儀をするとトリウマを引いて岩だらけの斜面を
下っていきます。

 ヌガはそれを見守っていますが、やがてクラインの方を向き問いかけます。

「騎士殿は大任を参事会で授かったと聞いておりますが、どのように果たされるの
ですかな?」

299 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/01/30(金) 11:41:02 0
>>298
「さて、どのように果たしたものですかな」
斜面を駆け下るトリウマを見送り、一人ごちるよう呟いてのち、
ヌガ師父へ向き、私はすこし苦笑した。

「最初から手をつけて、最後まで済んだら終わり、といけばよいのですが、
 実際のところはなかなか、吟遊詩のようにはいかぬものです。

 今日一日、かなう限りの顔触れに目通り願いましたが、
 その大任の大任たる程度がどれほどなのか、正確には誰も知らぬ様、
 調べようにも、動かせる人材がどれほどあるのか把握ならぬ呈。
 事を起こす前に備えを把握するのが習いの騎士としては歯がゆい程です。
 ここは聖域、戦場のようにはいかぬ事、この一日で痛感いたしました。

 必要に応じて有用な人材を徴用できれば話は早いのでしょうが、
 一介の騎士がロードの裁可なしに聖域でうかつな振る舞いもできず…、
 今日面会した方々より、まずは人々と直に言葉を交わし知り合うべきと、
 お引き合わせを約束いただきましたゆえ、まずはそこからですな。
 …或いはロードより正規の官吏が派遣されるやもしれず、
 引き渡す現状の取りまとめのみにて私の分限は終わるかもしれませんが、
 当院さえ立ち行くようになるなら、それで一向に構わないのですよ。

 まずは彼に追って明日、正規の使者を間違いなく出立させる事…
 そうそう、その使者の案内者に面通しする手筈でした。
 一度書庫へ戻らねばなりません」

300 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/01/31(土) 20:13:59 0
>>299
 ヌガはそれを聞いて心配そうな表情になります。
「なるほど。それは大変でしょうなぁ。この山ではなかなか簡単にことが運ばぬ
ように出来ておるようで。お手伝いの話ですが、私でよろしければお力に
なりましょう。書記もできますし、少々の力仕事ならばまだまだ若いものに
引けはとりませぬ」

 そして、クラインが門塔に入る戸口のところで、礼をし、ヌガは
自分の今の住まいは高木立の向こう、宿坊の連なった奥にある瞑想室の一つだと
告げ、クラインが中に姿を消すのを見送ろうと待っています。

301 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/01(日) 01:46:37 0
>>300
「ありがたいお申し出です。
 書記を早いうちに望んでいたところ、渡りに舟とは正にこの事。
 ヌガ殿が宜しければ明日にでも改めて」
すじばった手をかたく握って礼を伝え、門楼で一度足を止めて、
振り向き、佇む老師父に会釈して、私は来た回廊へ立ち戻った。

書庫へと戻り、扉を押し開けて、薄く夕暮れの色がおりはじめた室内へ声をかける。
「失礼、カージャール殿。
 使者を出立させて参ったが…甥御殿の都合は宜しいだろうか」


-------------------------------

NPCもけっこういい人数になってきましたね。
むさい男ばかりなのもあいまって、何となく戦国シュミレーションを連想w
今更な愚痴ですが、シャルルさんが参加してたら、使者一発で決まって
ナウ以降のNPC一人も登場しなかったんだろうなあ。

302 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/03(火) 00:13:26 0
>>301
カージャールは書庫の中を整頓していたところでしたが、振り返り、
上に居るだろう、案内するといいざま、階段へと向かい手招きします。
塔の厚い壁の中に石を積んで踏み段が続いていますが、正直かなり狭く
高さも身を屈めて進む具合です。

途中踊り場もなく、灯りも無いため往生しますがようやく扉の前に辿り着きます。
カージャールが叩くと鈍い音が響きます。返事がすぐあり内側に開かれ、
典獄に続いて首をすくめるようにして中に入ると、下の書庫と比べるとわずかに
狭いもののなかなか快適そうな部屋です。

甥のシャルルは一人、剣を振るって武術の稽古をしていたようです。
伯父に向かってぞんざいに椅子を剣の先で指し、続いてきたクラインをみて
別の椅子を指し、ついでに卓上の果物を指します。

##
ナウはどうだったでしょうね。結構な主要人物になるかなぁ。一応都市に近いし
自給自足していますし、宿屋的なところもあるので一通りの職業は出て来るはずです。

303 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 01:16:39 0
>>302
無口なのか、横柄なのか?
咄嗟にははかりかねたが興味深くも思い、
私は典獄殿に倣って椅子に掛けた。
書庫を出て戻るまで、多少の時間はあったが
その間に典獄殿がこの狭い階段を往復し、
甥御殿に話をつけたとは考え難い。

目の合った典獄殿に軽く頷き、目で促して、
まずは彼の紹介を待った。

304 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/04(水) 21:24:30 0
>>303
カージャールが紹介をしている間に、シャルルは剣を卓にもたせかけ
派手な袖で軽く汗をぬぐい、脇卓の椅子にかけたあった上着を手早く羽織ります。

そして紹介が終わると同時にクラインに目礼し、同じ卓の椅子を引き
カージャールの脇に着席し、卓上の小刀を取るや手早く柿を剥き
クラインに勧めます。

動作は素早いのですが、礼儀作法にのっとった身のこなしというよりは
ただそうするのが当り前だからそうしているとでもいったふうです。

顔つきはいたって平然としており、感情の動きは見られません。

305 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/05(木) 00:40:43 0
>>304
重要な追加
カージャールはまず甥をクラインに紹介し、ついでクラインを年長であるからと
言い置いてシャルルに紹介しています。

306 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/02/05(木) 00:50:46 0
儒教者キターw

307 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/05(木) 02:00:56 0
>>304
彼の寡黙さをいっそ可笑しく思いながら、
私は手短に事情を説明した。

「かような理由から、ナウとタスカ両者を同行させるのは障りがあると判じ、
 所領への使いと先払いを名目とするつもりで、ナウを先に出立させた。
 タスカに対しては、今夜院長と面会し、代わる案内者を要請するとともに
 口裏合わせを依頼しようと思う。
 即ち、上の意向で僧院より正規の使者を立てるはこびとなり、
 足回りの遅い使者への群狼の不安から、タスカに加えいま一人護衛を足し、
 戦いにおいては心もとないナウは所領への使いにふりかえた…と。

 院長が腹芸に応じていただければ、後は私が言葉を尽くすのみ、
 聖職者と年長者に敬意を払うのは元より騎士のならい、タスカも否やとは言うまい。

 その護衛の任に君が適任とて、カージャール殿より御紹介いただいたのだが、
 どうだろう、受けてはもらえまいか」


----------------------------------
>307
年長者の優先は騎士道と儒教に共通していますが、
違いを出すとき、一番手っ取り早いのは女の扱いですね。
女性に「仕える」という概念は儒教にないものなんで、
騎士入ったキャラ立てにはてっとり早い手だったりします。

身分ある淑女に礼節を尽くす事は代わりありませんが、
同等の身分の女性に男性が跪くってのはこちら特有の文化ですな。

308 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/02/05(木) 02:22:56 0
なんか場面が移るみたいだし、飛び入りして良い?
初心者だから長文とか無理かもだけど大丈夫?

309 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/05(木) 20:17:48 0
>>308
GMさんさえよければ大歓迎!

310 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/05(木) 22:24:26 0
>>308 歓迎いたします。トリップをとってレスをお願いします。

キャラ作成にあたってのお願い
修道院の外の人物が望ましいです。
竜騎士だとGMが喜びます。
トリウマに乗れる人物で戦闘をこなせる者もなかなか良いです。
性別は男女問わず。


311 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/06(金) 19:00:15 0
了解です。
女キャラ分が足りなさそうなんで女の子をやろうと思います。
GMが竜騎士スキーみたいなんでジャンプの描写に挑戦してみようと思いますが実はFFは4と5とTくらいしか分かりませんw
魔法を使いたいんだけどFFっぽい魔法限定ですか?

ジョブ:竜騎士でアビリティ:魔法とかそんな感じで行こうと思います。

312 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/06(金) 19:46:48 0
>>311 ごめんなさい。竜騎士というのは自分でジャンプして上空から逆さ落としに
攻撃する能力はあってもなくてもよいのですが、基本は空を飛び、鱗が生えており、
なんらかのブレスを吐ける能力を有する化け物に跨って行き来する騎士のことです。

魔法についてはなんでもありです。FFっぽくなくてもよろしいです。
従って魔法の体系もFFに拘る必要はないのです。もちろんイメージソースとして
FFやDQを援用することは大変良いことかと思います。

レスでざっとキャラの紹介とお名前と修道院に来た理由などを書いて頂ければ
今現在の進行状態から参加可能です。

313 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/06(金) 22:15:12 0
>>312
FFの竜騎士ってそういうのなんだ…
竜騎士=ドラゴンライダーだと思ってたw

折角ですから、>311さんの新キャラが入るまで進行ちょっと待ちましょうか。
キャラや状況を整理したり、まとめておく事は幾らもありますし。

314 名前:通りすがり[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 23:27:21 0
竜騎士という名前ではあるけど
乗れる竜が出てこないですねえ>FF3とか

1ターン目でジャンプして画面の外に出て(画面外では敵の攻撃を一切受けない)
次かその次のターンに画面内に落ちながら効果のいくらか高い攻撃、
という独特の行動パターンと、
ドラゴンなんとかという名の専用装備が使える事が特徴の、へんなジョブでした・・・

315 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/06(金) 23:33:32 0
>>313 了解です。>>311さんのキャラが入るまで待ちます。

http://images.google.com/images?hl=en&q=dragonrider&btnG=Search+Images&gbv=2

ドラゴンライダーは色々画像があります。乗り手は女性も多いのかな。ドラゴンランス戦記
でキティアラがブルードラゴンに乗ってました。

316 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/07(土) 00:35:25 0
世界観がFFっぽいだけで竜騎士は一般的な奴なんですね(笑)
ハイウインド姓決定かーとか思ってました。
了解しました。そっちの方がいいのでそれで行きます。
モンスターメーカーとかロードス島とか大好きです。←そう言う世代

経歴は魔法使いをやっていたんだけど、ひょんな事から竜と交流が出来て
竜騎士として引っ張ってこられた竜騎士見習いロリババアでお願いします。
魔法はガープスっぽいA「干乾びろー」B「パーになれー」⇒相打ちで2人ともばたっ。とか言う渋い感じのが好きです。

※普通に考えると神秘とは言え技術の集大成である魔法よりも希少幻獣と心を通わせる竜騎士の方が希少性が高いと思うので

外見年齢17、8くらい。実年齢はまだ考えても居ません。魔法で若さを保っています。
名前はメティス。竜の名前はテティス。
休暇中で森に薬草摘みに出ていた所を巻き込まれるとかそんな感じでどうでしょう?

317 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/07(土) 06:06:21 0
>>316 大体のところは了解しました。参加しやすいようにスレをちょっとまとめて
設定を抜き出したりして、肉付けしやすいようやってみます。
 導入については結果として修道院のある山の門塔の前に辿り着ければ
良いので、付近の森で希少な薬草の標本採集でも構わないかと思います。

ところで、乗っている竜の大きさはどのくらいを考えておられますか?

よろしければもう登場しても構いません。何か付け足すことがあればおいおい
付加していったり、無かったことにしていったりしてやっていきましょう。

マスターはもう15年くらいまえにFF3をやったきりなのであまりFFのことは知らないのです。
当時はファイナルファンタジーがこう発展するとは想像もつきませんでした。ネットじゃ
モザイクでエロ画像云々の頃だったんですね。モデムでKB単位で速度を測ってたり
してたころだったみたいです。

モンスターメーカーはカードゲームをしたことがあります。聖騎士団とか日本物の奴とか。
後にTRPGになったり、ボードゲームになったと聞きます。

318 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/08(日) 02:03:36 0
プライベートで突発的に予定が入っちゃったんで遅れました。ごめんなさい。

多分若い竜なんじゃないかな?
竜に引かれて俗世に戻ってきて今見習いなので、まだ人一人を乗せられるくらいとかそんな感じでしょう。
魔法使いが俗世のしがらみに付き合おうと判断するくらいだから血統として希少なんだと思います。
あんまり竜の種類とか詳しくないからブランクにしておきます。

FFもDQもすごい広がりを見せてますね。コンピュータRPGってあんまり好きでもないんですごい勢いで置いていかれていますがw
(召喚獣で有名なバハムートも改とか零式とか訳の分からない事になっている模様)

モンスターメーカー(めんどくさいので以下モンメ)はカードもやったしTRPGもやりましたが入ったのは小説からでした。
「ドラゴンライダー」っていう本です。
モンメのドラゴンライダーは竜を卵から育て一生を共にする設定で、意識を共有できる特殊能力があるみたいです。
世界によって色んな設定が付くものですね。
知りませんでしたがちょっと調べた所2002年に改定新版が出ているようなので興味があればどうぞ。
(古本でゲットできれば上下あわせて200円です)

以下、導入。

/*/


星空の青・竜騎士団の宿舎たる竜洞に近くには名も無き森がある。
何しろ馬鹿でかいだけの森で何がある訳でもない、近隣の村の者は「竜の森」と呼んでいたし騎士団の人間は「近くの森」と呼んでいた。
海辺の良き魔女とも呼ばれた事もある彼女、竜騎士見習い・メティスは非番の日はそこで霊薬の材料を採取して回るのが常だった。
藪の中に分け入ってフェイク・フェアリーリングを採取すると慣れた手つきでカゴに放り込む。
ちなみに護衛をしてくれると親切についてきた先輩とははぐれた。
子供じゃあるまいし、迷わずに帰る方法くらい持っているだろうと放置する事にする。
毎回、そうやって扱っては烈火の如く怒られるのだがお菓子でも渡しておけば良いとか考えている彼女を見て、2人の間柄を推察していただきたい。


/*/


設定確定:
メティスは獣対策の装備・指輪型の発動体、採取用のカゴを持っている。
メティスは先輩と霊薬の採取に来ていたがはぐれた。これはいつもの事である。
フェイク・フェアリーリング:まるで妖精の輪の様に円を描いて自生する植物。霊薬の材料。
星空の青・竜騎士団:近くに森がある竜洞を拠点とする竜騎士団。詳細不明。


近くに竜騎士が住んでいるから竜の森。特に特徴がないとたいてい安直過ぎる名前が付きます。
先輩の名前、性別はブランクのままです。
この世界って竜騎士の身分って決まりごとが有ったりしますか?

319 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/09(月) 00:02:12 0
>>319
 
 気になる噂がある。西の辺境に”始原の泥海”のようなものが噴出し、人が触れると結晶となり
想念や情念を写し取って竜の骨となり、やがては人を取り込んで肉と皮となり、竜を生み出すのだと
いう。
 確かに自分も似た方法で海辺を襲った災厄を竜の形とし、引き換えに一切を失い、未だに
失われたままのものもあるゆえ、分からぬ話ではない。

 だとすれば西方には人を竜に変える何かが潜んでいることになる。しかし、それはメティスの
仕事ではない。恐らくは以前の彼女のような者、傷を負い、公然とそれを唱え、もがいている者が
担うことになるのだろう。今は束縛から離れて自由なのだ。川で泳ごうが、森で野草を採ろうが
気の向くままに暮らし、竜を育てればよい。

 仮に西方へ竜を連れてその泥に浸せば、いかなることが生じるであろうか? そのような
発想は彼女の想像の彼方にあった。

320 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/09(月) 01:11:06 0
>>319
竜騎士の地位、身分の決まりごと

騎士団で騎士と言えば、竜に乗れる騎士身分の者を指す方向でどうでしょうか。
西の辺境では騎士が乗り物に使う一つが竜なのでしょう。つまり地勢と得手不得手に
あわせてウマ、トリウマ、竜、その他いろいろに乗ったり歩いたりするのです。

321 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/09(月) 03:54:29 0
竜騎士は騎士の一形態なんですね? ではこの辺を治めている領主の設定とかもいずれ必要そうですね。
見習い扱いなので早々出てこないとは思いますが、評判くらいは知っておきたいです。

あと、竜の存在についての認識にズレがあるようなので、定義を作っておきましょう。
問題があればこのレスを蹴ってください。書き直します。

ちなみに私はガンダムとかも大好きです。
MPLSとかニュータイプとかドラゴンプリーストとかみんなしねばいいのに(笑)


/*/

>319
一般的に、竜と言うのはそれだけで脅威だ。鋼鉄の槍を通さぬ硬い鱗、力強い鉤爪、すべてを噛み砕く顎、勢いをつけて飛んでくる尻尾。
精霊達の加護を持っており、十分に成長した竜は様々なブレスを吐いてくる。
間違いなく、この世界のもう一つの最強種族である。
人間が集団を作り、技術を磨き上げる事で獲得したその戦闘能力を、唯の一代で、唯の一個体で成し遂げてしまう。
人間が滅ぼされてしまわないのは竜が技術を獲得しないのと、竜に心があり人間と共存する道があるからに他ならない。

人間が竜と化す秘宝があるのならば人族の繁栄は、瞬く間に竜化した人間達に取って代わられてしまうに違いない。
それは恐怖である。
人の心は竜のそれと比べて非常に弱く、且つ脆い。
竜の力を手に入れた人間が我々を駆逐して君臨しないとは誰が保障できるだろう?
世界に君臨しようと邪な野心を抱いた人間が、竜の力を手に入れようと思わないとは誰が保障できるだろう?
そんな事を考えるのは竜騎士見習い・メティスの仕事ではない。仕事では無いのだが、海辺の良き魔女としては憂慮すべき問題ではある。
俗世に染まろうとも、他に仕事が出来ようとも、人の本質は中々変らないと言う一例であろう。

【泥海に竜を浸せば】などと言う仮定は彼女にとってどうでも良い事であった。
ただ彼女は、竜に対する愛情と、研究者としての自分に心が引き裂かれそうな想いを抱えていた。




設定確定:
メティスは自分が海辺の良き魔女であった事を忘れておらず、風の噂で聞いた“始原の泥海”の対策について考えている。
現在メティスが研究している霊薬は竜を殺すためのもの。
他の治療の霊薬などと一緒にいくつか試作品が出来ているが素人には扱えないようにしてある。


/*/

具体的に言うと「!調合」が必要。って書こうとしてGMがFF5やって無い事に気が付いた(爆)
ガープスのドラゴンキラーの霊薬が爬虫類に効くらしいので、効果実験は多分トカゲを使っています。

人の技術を手に入れた竜って竜格闘術とか作りそうだよね。
うわ、ワクワクしてきた(笑)

322 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/09(月) 21:35:54 0
>>321
まず、折角のレスを蹴ることはしません。が、定義について地方とか人による解釈の違いで
進めてしまうことはあると思います。話の流れが大きく矛盾してキャラが行動を考える時に
困るのでなければ正すとかそういうことは考えなくて良いかと思います。

竜の形態、存在、定義については
”人が良く分からないもの かつ 強大なもの かつ 人の目に触れることがあるもの 
かつ 飛行するもの”で起源については色々あるらしいということにしようかと思います。
形態については、たとえば機械のようなものも可能です。
http://www.nasa.gov/centers/dryden/images/content/86360main_EC03-0085-3_small.jpg
http://cdn.globalaircraft.org/media/img/planes/lowres/proteus_1.jpg

この話は内乱を終えたばかりの帝国が舞台であちこちに諸侯が割拠し王国があり、その上に
都の皇帝がいて統べる形です。各王国の文化や社会は大きく異なります。
従って、竜に対する扱いも騎士団を結成し維持できる地域と、西の辺境などでは又異なります。
騎士が乗るものともきまっていないわけです。

MPLSとかドラゴンプリーストについては初耳でよく知りませぬ。ガンダムは初代をちらっとみて
アニメ映画になったのを何度か見たことがあるのとゼータガンダムとダブルゼータガンダムを
途中まで見たきりです。従ってイメージソースとして援用される場合、GMが反応できなくとも
どうぞお気になさらずに。レスの中で書かれている範囲でできるだけ読み取って対応します。

調合についても同様です。昔のログインで読んだきりなんですが、ウルティマのように
ファイアボールを使うのに黒色火薬と同様の配合を木炭、硫黄、硝石でやるとか、そういう話だろうと
推し量っています。ドラゴンを殺せる秘薬の研究については了解しました。少女が隠し持てるくらいの
分量みたいですね。

323 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/09(月) 23:59:52 0
>>322
吹いた。そしてウルザの飛行機械(MTGのアーティファクトクリーチャー、分からなかったら語感から推測よろ)とかを思い出した。
まぁ、うちの騎士団は古式ゆかしい幻獣としての竜の竜騎士団でお願いします。
普通は騎乗できるものじゃないと

共通認識作成の為に分からないといわれた用語をとりあえず通り一遍で説明しておきます。

MPLS:ブギーポップシリーズに出てきた超能力者。
人間に成り代わって世界に君臨する存在だとして巨大な組織にマークされている。
よく、物語の主人公がこの認定を受けて始末されたり狙われたりする。

ドラゴンプリースト:ソードワールドに出てきた竜を信仰する異教徒。
最終的に竜へと進化する事を目的としているらしい。
力を手に入れるためには何でもやるのでやっかい。

ニュータイプ:ガンダム(宇宙世紀限定)に出てきた宇宙に適応した人類の革新。
ニュータイプ信仰が存在するものの、距離を越えて正しく物事を理解できると言うそれだけの能力。
地球連邦の高官は人類がニュータイプに取って代わられると言う恐怖からスペースノイドを迫害している。

324 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/10(火) 01:14:18 0
>>323 原則的に定義とかで困ったら一歩下がって共通点を抜き出して纏める感じで
考えています。用語について知ってたのはニュータイプだけです。安彦良和の
ファーストガンダムが今漫画になってて読み返している感じです。あの漫画が無かったら
二度とガンダムは読まなかったかもしれません。

>>321
と、脳裏に竜洞の居室の画像が浮かび上がった。何物かが扉の下に手紙を差し込んで
去っていく気配を感じたのだ。森の草原にいる自分の肉体を想念は離れ、手紙へと意識を
集中させる。
 見慣れぬ字だと感じる。書かれている内容は分からぬが、なにやら不吉なものを感じる。


325 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/10(火) 01:41:52 0
世界の魔術面がどんどんできあがってきましたね。
見ててわくわくします。

メカニックなドラゴン、と聞いて最初に連想したのがFSSだったんですが
ぐぐってもぐぐっても幼生とMHしか出てこない…傑作デザインなのに。
原作中断して5年経ってるからなあ…

326 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/10(火) 02:48:57 0
>>323
ウルザという人がマジッグザギャザリングのフレーバーとして登場していて
その人が設計改良に携わった羽ばたき飛行機械ということみたいですね。
http://magiccards.info/scans/en/10e/336.jpg

オーニソプターですね。谷甲州の果てしなき索敵にこういう感じの話が
出てきます。もちょっと植物よりです。他にも小説で読んだ覚えがあるんですが
忘れた。

327 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/11(水) 00:03:16 0
http://automaticflowers.ne.jp/fss/index.html

>>325 サイトがあることを知りました。昔読んだきりでしたが設定が緻密なんですね。

328 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/11(水) 04:28:07 0
>324
意識の一部が切り替わった。分割複数処理が始まる。
脳裏に浮かんだ映像から遅発連動を仕掛けていた遠見の魔法が働いたのだと分かった。
手紙を投函した人間は分からない。
魔法使いの本質は探究者であるからしていくつもの言語を習得しているメティスであったが、そこに書かれていた未知の言語であった。
法則性を見出して、既に習得している言語から意味を拾い集めてみようと思ったが、
よっぽど辺境で使われている言語か、もしくは歴史の裏で使われているような秘匿されるべき言語なのだろうと中りをつけた。
もう一つ分割して言語理解の魔法を掛けようかと思ったが寮の自室まで波動を飛ばすのは難しいと判断。
結局、今日は帰ることにした。
いやな予感とか、不吉な感じ、などと言う非理論的なものには頼りたくなかったのだが、悪条件が重なりすぎていた。
「不信人物が」「未知の言語で」「海辺の良き魔女に」「正規の方法を避けて」「手紙を送った」
これらを総合してリスクマネージメントを行うと「早く帰ったほうが良い」と言う結論が出る。
この身には無限にも等しい時間があるわけだし今の研究も明日明後日に結果を出さなければならない訳でもない。

「やれやれ」

1人つぶやくと、メティスは荷物を片付けると竜洞へと足を向けた。




設定確定:
メティスは研究者肌で古い知識を溜め込む為に多くの言語を習得している。ついでに読書好き。
メティスは勘とか運命とかジンクスの類を信用していない。

/*/


いくつもの系統の魔法、魔物、竜がいても良い様なので、メティスの魔法はガープス式で行きます。
メテオストライクとかギガフレアとかメドローアとか派手な魔法は他の人にやってもらってください。

329 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/12(木) 02:21:12 0
>>328 一旦帰るとなると、自ずと意識は謎の手紙へと向かい、焦燥感すらこみあげてくるのであった。
焦るがゆえに心は独りでに様々な術式や魔術理論を越えて、未知の手紙とその送り主へと向かう。
それにともない魔力が一人でに体を満たし、溢れるのを感じる。マナの遍在と局在、無限の一で
説明する理論はお手の物だが、実際の行使となるとまた別なのだ。ただ手紙に引かれゆくのを感じ、
手紙の主へと想念は向かう。

心のうちに果てしない草原が浮かび上がる。眠る少女の肌のように滑らかでなだらかに隆起し
その上を風に乗って竜と化して過ぎ去っていく。文字通り風となり、竜と自分の区別も風と自分の
区別も無い境地。そして眼下に羊の大群が現れる。背のやたらに高い巨人たちが羊の群れを
導いているかのようだ。大またに羊の上を越えては棒で方向を示し、犬たちとともに群れを率いていく。
送り主の姿はきっとこの羊飼いに相違あるまい。すると、見慣れぬ文字が一人でに踊りだし
意味を成そうと列を乱しては整列し、閃光を発しては囁き始める。

・ ・ ・ 西の辺境へ ・ ・ ・ 魔女の杖よ 我らの上空を守りたまえ ・ ・ ・
暗闇の底にありて、敵を悩まし、白昼にありて空を争い、
我らの上にその血を注げ

我らの道は都から遠く、化外の地へと向かえど
魔女の翼は我らが上にはばたかん

心臓のまぢかに竜テティスの鼓動を感じる。恐らくはメティスの精神が西へと向けられたことを
感じ、旅の予感におののいたのだろう。旅支度をするならばまずは・・・

330 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/12(木) 02:31:56 0
>>328 魔法について
ガープスだと前提呪文を幾つも習得して強力な呪文をマスターしたりするんでしたっけ。
MPは精神力だったかな。系列とか系統は基本だけだとそんなに分類は細かく
なかったかな。グリモアを昔買ったのでちょっと見返してみます。英語なんで時間が
掛かりますがなんとかなるかな。

派手目の攻撃魔法はあまり使わないということで今のところ受けてみました。
呪術師とか素朴な魔法とかに近いものを理論で制御したり、高度化させたりする研究者、
まじない女とも交流し、研究論文も書けるような人としてみてます。

イメージソースとして制約が必要なことはあるかもしれませんが、特定のシステムとか
発動体とかは拘らなくても大丈夫です。通常のTRPG以上に時間が掛かっているわけ
だからリピートのための工夫をアイテムをいろいろ階級分けして揃える必要も無いですし、
マスターがNPCと対抗させるときもPCがうまく知恵と勇気と少しの魔法で切り抜ける形で
行こうと思ってます。

331 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/14(土) 01:38:16 0
メティスさんのプレイヤー様へ
お忙しいのだと思います。月曜の夜までお待ちしようと思います。
それまでにレスが無い場合、進行させてしまいますのでご了承ください。

月曜以降でしたらレスがつけられる場合は短いレスでよろしいので
トリップつきで返信をお願いいたします。

332 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/14(土) 04:20:45 0
なな板ルールを考慮するとなりきらないと板違いになってしまう事に気が付きました。
よって今回の分から、1人称で記述します。


/*/


>329
っ!!
危なかった。この海辺の良き魔女を支配しかねない魔力に嫌な汗が流れるのを自覚する。
蓋を開けてみれば何の事は無い手紙と言うアイテム自体がトラップだったのだ。
《白昼夢》のような幻覚系ではない。むしろ《示唆》のような暗示系の魔法だと思われる。

術者は私をよほど調べたに違いない。
未知の言語への興味。私が名声にこだわっている事。私が私の神秘に対して警戒心を持っている事。
もしかすると私の今の研究テーマについても知っている可能性を考慮せねばならない。
確かに手紙の文面は私に助力を冀う文面であった。これは相手がこちらに好意的かどうかと言う問題では無い。プライドの問題だ。
よかろう、テティス。
我らを利用しようと言う輩がどんな結末を迎えるのかと言うのを理解させてやらねばなるまい。


/*/


申し訳ないです。
偶に、予告なく1日、2日レスが出来なくなる事があります。
そんな頻度では起こらない筈なので、私が居ないとゲームの進行が滞ると判断された場合、決定リールでキャラを動かしていただいて
構いません。

魔女と言う単語は、元々よく分からない力を行使する相手に対する恐れが含まれていました。
(そりゃ、10mはなれた所から《奴隷》!−10で抵抗してとか、やられるのは普通に怖いと思います)
魔法と言う神秘はやはり秘匿されるべきであり、切り札の一種として使われるべきであり、使わずに済むのならそれに越した事は無いと思います。
興味を持って魔法を行使してしまったと言う演出であったとしたなら後出しでチャイした結果になってしまいますが、私のキャラクターの神秘の秘匿にご協力ください(笑)

333 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/14(土) 08:28:05 0
>>332 行使するのではなく、いつの間にか行使してしまうのが魔法やまじないなのです。
理論と実地の食い違いがあったほうが理論開拓の余地が大きいと思うのですが。

手紙自体はトラップでも魔法発動の仕掛けがあるわけでも無いと意図していましたが
折角ですから変えましょう。できるだけ早くクラインさんのキャラと合流させるのが狙いなので
多少強引な展開になるかもしれません。

334 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/14(土) 21:22:05 0
>>332

寮についた。自室の扉が見えぬところで立ち止まり考える。
果たして何が待ち受けているであろうか。

「トラップ」。
「謎の人物」が「未知の言語」で「正規の方法を避けて」送りつけてきた「手紙」。

ならば扉自体にも何か細工がされているのであるまいか?

寮の廊下には人影は無い。固い草で編まれた敷物で足音は吸収され、夜で
あろうと響かぬゆえ静寂そのもの。

と、後ろかすかな気配を感じて振り返ると、同僚が扉口に立っている。
メティスを見るなり、ふところから手紙を取り出し、副長から頼まれたと言い、
そそくさと渡して戻っていく。

335 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/15(日) 13:20:12 0
>334

気の良い同僚が深夜でもないのに世間話もなく去って行った。
今日はおかしな事ばかりが続く。
帰り道に待ち伏せて文句を言ってくる同僚と会えなかった。
アレは、私の保護者を自称しており、私が集団行動を乱す事にお小言をぶつけて来るのを趣味にしている節がある。
理論的ではないのだが、アレが私を見つけ出してお小言を言わない(もしくは言えない)と言うのがにわかに信じられなく、小骨の刺さったような感覚に苛まれた。
これが一つ。

忙しい副長に比べて比較的に手の空いている先輩方がそくささと帰っていくのがおかしい。
星空の青・竜騎士団は少数精鋭であるだ。少数精鋭と言えば聞こえはいいが、そもそも竜が少なく、竜を乗りこなせるものも少ない。
元々無頼の私に礼儀作法を仕込んで騎士に取り立てねばならないほど成り手が少ない。
集団が小集団になればなるほどそのつながりは強固になるというのは真理で、空を共感できる相手や、竜の悩みに相談になれる相手は貴重だ。
いつでも、誰もがテティスとうまくやっている私に、愚痴をぶつけてくるのが常だった。
これが一つ。

そもそも面識のない人間が私の部屋まで来て手紙を投函するではなく、ドアの隙間から差し入れた事。
何故彼は手紙を投函できた? 何故誰も彼に会わなかった?
竜騎士と言うのは貴重だ。だからこそ竜騎士団は保護されており関係者以外の宿舎への立ち入りは出来ないようになっているはずだ。
(1人で森をほっつき歩く私がお小言をもらうのも当然の話なのでアレのしつこさも特に許している)
これが一つ。


―敵の魔法は騎士団そのものを影響下に入れているのでは無いだろうか?


扉、建屋、手紙、場合によっては私すらも魔法の影響下にある可能性がある。
私はいくつかの対抗魔法を放棄して広域に対して《魔力探知》を仕掛けた。
普段の魔力分布と比較することでいま、この騎士団にどんな魔法の影響が起きているのか分かるに違いない。


設定確定:
竜騎士団は希少なので少数精鋭。宿舎防衛用の騎士団が併設されている。


/*/

>333
>いつの間にか行使してしまうのが魔法やまじないなのです。

年齢不詳ロリババアが制御できない力ってそもそも技術として確立出来ないと思いますw<魔法
最近のコミックみたいに魔法と言う名の超常バトルものをやりたいんじゃないですが不確か過ぎる手段は、手段として成立しないと思います。
魔法が制御しにくい物であるとしても、魔法を研究する専門家が魔法の暴発に対してまったく対策を取っていないと言うのは考えにくく
「いつの間にかドラグスレイブ撃っちまったぜへへ」(極論)みたいな話をやり始めたら魔法使いは俗世に染まらないのではなくただの迫害対象であると言わざるを得ないでしょう。

研究者の存在理由は利便性、発展性の追及だと思われていますが、私はまず安全性を確保する所にその存在意義があると考えます。


追記:後出しで謎の男がこの宿舎に入って来た事へ疑問を書いていますが、別に物語り進行上おかしいと言っている訳じゃなくって単に魔法を使うための伏線クリアです。
謎の男の演出と言ってもいいでしょう。よくよく聞いてみれば許可を受けて入ってきてるかもしれませんし。

336 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/15(日) 13:48:01 0
>>335
<<魔力探知>> 強大な魔力が身を浸し、ゆっくりと波のように周囲にある物を満たし、まさぐっては
その先へ、その物が繋がる別な物へと波及し、それも満たし、やがて波を打ち返してはメティスの問いに
答える。

だが、繋がりの無いもの、そこにあると知らぬものは当然探れぬ。自分が知っており、あると
分かっており、その動き方を弁えているもの。それしかこの魔法では探れぬ。

<<星空の青・竜騎士団>>を守る魔法はメティスの<<魔力探知>>発動を知り、しばし首を
かしげてるようだったが、害をなす意図は無いことを知り、平常と変わらぬことを伝え返してきた。

すると、謎の人物は魔力をこめた罠をもはや仕掛けてないのだろうか? はてさて、そもそも
この寮のメティスの部屋にいったいどうやってたどり着いたのだろう? 疑問は膨らむ。
些細な出来事、偶然の出来事だけでも猜疑心を働かせるには十分だ。

##火山や地震の専門家は予知をまともにできてるとは言いがたいですが、理論はありますし、
観測もしていると思います。もちろん地震や火山の噴火を制御するのは将来的には目標
なのでしょうけど。魔法は人智を超えているから魔法なのだと思いますがどうでしょうか。
暴発という概念は当然あるでしょうし、それを防ぐというより流れを安全に向けられる対象を
作り出すのはありでしょう。強大な流れを逸らし、一時的に留めおき、あるいはぶつけあって
力を別な方向へ向けるような話です。

謎の人物は男性なのか、そもそも人間なのか目下不明です。

337 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/15(日) 22:46:34 0
>>333
合流急がなくてかまいませんよー。
お休み貰ったつもりで、読み物として楽しんでます。

338 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/17(火) 02:37:35 0
>>337 お言葉に甘えて急な展開は控えていこうと思います。

339 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/20(金) 00:55:57 0
閑話休題

某スレを見ていて動画が多数あがっていることを知りました。
イギリスのポーツマスに王立武器博物館というのがあるらしいです。
ロンドンにある帝国戦争博物館とはまた別らしいのですが調べておらず。

たしかカティサークもポーツマスに保存展示されていませんでしたっけ。
昨年か一昨年に火災がありましたが復旧してるのかな。

両手剣での戦闘を頭上から撮影した動画
http://www.youtube.com/watch?v=sawobOLnW8A

メティスさんプレイヤー様をお待ちしています。週末くらいまでお待ちしようかと思います。
それでいらっしゃなければクラインさんのほうの筋を進めつつお待ちする形が良いかと
思います。


340 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/24(火) 01:16:32 0
>>307
 シャルルは最初、興味深そうに聞いていましたが終わりまで聞くころには
なにやら熱が冷めたようなふうで卓上の果物をとり、器用にナイフで剥いて
クラインとカージャールにまた差し出します。

 「使者は急いでいるのは分かる。だが、ナウなる若者でも十分役目が
勤まるようにも思え、正直屋上にさらに屋を架す感がぬぐえぬ」
とひとりごちつつ、

 クラインを向き直り、
「ところで、この山の姫君が里に戻られる話は聞いておられるかな?」と
水を向けてきます。

##
メティスさんのプレイヤー様をお待ちしています。クラインさん側の筋がどのような
進行であっても書き込みができるときにレスを下さいませ。

341 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/25(水) 00:33:21 0
>>340
軽く首を振って差し出された果物を辞し、私は続けた。
「いや、初耳だ。
 だが若し事実なら、これだけ問題が山積している当地で冬を越すより、
 人里へ戻られる方が間違いなかろうと思う」

あの姫君のことだ、護衛の一団が迎えに来るわけでもなかろうが、
トリウマを駆っての事であろうと、姫君が当地を去るなら、
或いは──姫目当てに当地に逗留している若い貴族の数人も
当地を去れば、その分懸念の材料が減ろうというものだ。
ロード宛の書状にしたためた一文をたださねばならぬと気づき
内心舌打ちしたが、それはいまここで詮議すべき事ではない。

「君の言葉にも一理ある。
 だが、既にナウは出立しており、正規の使者が追って出立するものとして
 事は動きはじめているのだ。
 護衛については、使者の人選によっては、増員不要という事もありうる。
 しかし、若くはない、あるいは馬の扱いに不慣れな使者ならば、
 護衛が多くて困るという事はあるまい。
 事実、君の叔父君自身、群狼によって留めおかれており、
 私が無傷で到着した事さえ、天の恩寵との言葉を受けているのだから。
 ──シャルル殿、私は討論のためにここへ来たのではない。
 回答を聞かせてもらえまいか。護衛を受けてもらえるのや否やを」

342 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/25(水) 00:39:22 0
カージャールの台詞を>172>281から引いてます。

>GM
大変今更ですが、メティスさんに支障のない範囲で、
進行をGM裁量で巻いてくださって結構です。

卓ゲと違って時間制限がないので、PCのアクションは
フラグらしきものを片っ端から回収していく事になりますし、
その全部にリアクションいただいていると、話がさっぱり進みません。
(個人的にはそれでも構わないのですが)
必要な情報が出尽くしたなと思ったら、「その話し合いの後〜」とか
「その夜〜」とか「翌朝〜」とか、一気に時間を進めてくださってOKです。
拾い忘れたネタで不可欠なものがあれば、回想で挟むという手もありますんで。

343 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/25(水) 00:53:24 0
>>341
 シャルルはクラインを正面からみつめ、言葉の裏を考えるような表情をして
覗き込んできます。

 「なるほど、お急ぎなのは分かる。使者の序列についてはそのタスカと
話し合うことにいたそう」といい、伯父カージャールに向かってさてこの話はこれで
よろしいかと念を押し、「クライン殿が異存なければ姫君の元に伺候し、
夕課に参りたいのだが、ご同道されるかな?」と問うてきます。

 カージャールは甥の発言を聞いて鳩鉄砲をくらったような表情をしてみせますが
今は落ち着いてかすかに微笑んでいるようなふうで、同じくクラインを伺っています。

>>342
 このシナリオはいくつか終わりの形を考えているんですが、シナリオ内の時間で
明日の夜明け、昼過ぎあたりに終わる可能性が今のところ高そうです。
 メティスさんの参加とクラインさんの筋への絡みはいつでも可能です。

344 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/26(木) 00:45:21 0
>>343
「そうさせていただこう」
頷いて腰を上げ、改めて承諾に感謝を述べて、握手を交わし、
私は席を立った。
典獄殿にも改めて例を述べ、共に部屋を出る。
姫君が当地を辞すとあらば、事実を確認した上、
凡その日取りを伺っておきたいものだ。
不確かな情報を書き送っては、ロードの信頼を損ねかねない。


-----------------------------------

タイムスケジュール了解です。
ゆったり進めてよさそうですね。

345 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/26(木) 01:41:45 0
>>344
 狭い螺旋階段を降り、書庫を抜けて隅塔から門塔の本体に入り、階段を下りて戸口から
抜けると外は少々肌寒く感じます。
 大回廊の手前にある濠に人が集まっています。トリウマの体を洗ったり、底をさらったり
しているようです。祭司モンや宿坊のカーギ父子、それに師父ヌガなどの姿も見えます。
 これまでこの山で見かけた人数からすると多少、人手が少ない感はありますが、
さてはて一家から一人程度が加わっているものでしょうか。

  

346 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/26(木) 01:48:43 0
メティスさんへ

書き込みを再開されるのをお待ちしています。

ついては独自設定についてお願いがあります。
世界設定のうち、キャラの身に属さない点についてはGMにおまかせください。
キャラの設定についてはどのような設定の追加、変更でも大丈夫なのですが、
世界については、今、修道院がある山のそばで大きく変化がありそうな設定が
追加されるとなかなか対応が難しくなります。

竜騎士団や併設されている守護のための騎士団は戦力的に強大ゆえ
これまで存在を織り込んでいなかっただけに多少扱いかねるのを懸念していました。
そのため、舞台の西方の辺境から離れた地にあるとして受け止めています。

魔法については、キャラと世界の中間にあるものだと思います。
幸いTRPGと違って戦士と魔法使いの戦闘時の活躍の度合いを調整する必要もないです
から、特定のTRPGシステムを流用する必要は無いです。むしろ、使う前に説明さえ
して頂ければオリジナルの魔法がうれしいです。

347 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/26(木) 23:41:12 0
>>345
暫し足を止め、回廊から場の人々を眺めた。
今朝の私にはただ俗人の群れとしか見えなかっただろうものが、
今は名を知る知人と、その縁者たちと見える。
明日出立する使者達がロードより如何な回答を持ち帰るかは
神ならぬ身には知る由もないが、その返答を待つまでの間、
彼らのうち何人と知り合う事になるだろうか。
或いはこの地を離れる頃には、彼ら全てを領地の民同様、
近しく感じるようになっているかもしれない。

目の会ったモン殿に軽く目礼で答え、私はカージャール殿の後に続いた。

348 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/27(金) 00:00:21 0
>>347
と、その立働く人の中に、細身の青年らしき者の姿が見えます。身に着けているものは
明らかに修道着ではありません。この山では老若男女とも修道士の着古したものを
重ね着などしている者が多いようですが、どうやら身にあわせて仕立てたものを着こなして
います。
 動きはきびきびとしており、いかにも野良仕事に慣れている風情です。
そういえば脇に老人がいるのですが、姫君に礼拝のときつきしたがっていた爺のようです。

349 名前:通りすがり[sage] 投稿日:2009/02/27(金) 00:17:35 0
雀A「しょくーん!いよいよゲーム内時間の明日が決戦だ!」
雀一同「おーー!」
雀B「で狼の正体は○○○でいいんだよねっ!」
雀C「えーっ、△△△じゃないの!?」
雀D「いやいや□□□でしょう」
雀E「ちょ、それじゃPC負けちゃうよ!」
雀F「いざとなったら我々が使い捨てNPCとして加勢するのさ」
雀G「隠れた敵からの不意打ちを偶然PCの代わりに受けて倒れたり」
雀H「雀サイズだけどね」
雀I「重要な情報を偶然PCにぶちまけたり」
雀J「雀語だけどね」

350 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/27(金) 23:14:35 0
>>348
──いや、まさか。
一瞬我が目を疑ったが、ほっそりした体つきに覚えがある。
「シャルル殿」
先へ行く彼に声をかける。
無言で振り向く彼と目を合わせ、彼は私に倣って視線を走らせ、かの人へ目を留めた。
「──私の見間違いだろうか」
敢えて明言を避けた。
万が一にも違っていたなら、高貴な女性を侮辱したとの非難を免れ得ない。


>349
いつも和むなあ…元ネタはわからないんだけど。
なり板の定番ネタかな?何となく五竜亭っぽいw

351 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/27(金) 23:35:34 0
先頭をずんずん歩いていたシャルルは怪訝そうに振り返り、クラインが横ざまを向いているのに
つられてそちらへ視線を走らせます。

前をゆっくり歩いていたカージャールも甥とともにみて、ややあって
「どうやら、われらが伺候しようという姫君はお忙しいようですな」とつぶやきます。

ついでクラインのほうを振り返り、いかがいたそうかとでも聞きたそうに見ています。

#貴顕が土木工事の類に従事した例は十字軍の聖王ルイが知られていると思います。
なんでも自ら土を運んだような話だったと思う。聖地に遠征に行って城を作ったり、
エジプトで捕虜になったり、南仏に出撃基地として都市を作ったり、忙しい王様
だったみたいです。



352 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/28(土) 00:43:25 0
ごーめーんーなーさーいー、忙しくてPCの前に戻ってくる事が出来ませんでした。
おかげでここ数日の謎が解けたのは皮肉が利いていますが。

>「魔法」と言う単語について
提案なんですが用語を分離しましょう。
現在、ファンファンファンマシー(「魔法よ魔法、出ておいで」と言うあれです)の如く、行使する方法も、その結果起こっている事象も同じ「魔法」と言う言葉が使われています。
これが違和感の正体だと考えます。
例えを出しましょう。地殻活動そのものは制御できませんが、それによって発生する地熱は(水蒸気、温泉などの形で)利用できる訳です。
地熱発電技術も温泉も火山活動観測も地震予知技術も、大雑把に言えば「地球のマグマについての学問」からの派生技術です。
「マグマ」と「地熱発電」は別のものですね?

魔法とは魔を扱う方法で技術を指します。(「道」「術」「導」も同じです)
wikiに因ると明治頃、仏法と対の意味で作られた言葉らしいのですが、魔術とか細分化した用語が出来てからは総合的な意味合い的な地位にいるようです。
そこで私も今後はメティスの行使する魔法を扱う技術を魔術と呼称し、メティスは魔術師であると定義します。
(メティスの魔は極められたスキルなので。また一般名称は「海辺の良き魔法使い」のままです。一般的には魔術師も魔道士も区別が付かないため、総合的な名詞が当てが割られます)

一般的な魔法は「妖精」「精霊」「悪魔」「天使」「神様」などと言った超常的な存在から力を借りたり使役したりして力を引き出す
事が一般的です。
「魔素」そのものを直接行使するタイプの魔法は存在しますが、仮想人格を与える場合はやはり「魔法」と呼称するべきではないでしょう。
「魔精」?「エレメント」?広義では「クリーチャー」と呼称するのが正しいと思います。
なにか適当な名前を付けてあげてください。

PS魔法をシステム依存させているのは魔法の神秘の上限を作っておく為です。
極論で話すと「相手を一瞬で凍り漬けにする。相手は死ぬ」とか「魔王の力を借りた破壊光線を打ち込む。あたり一面吹っ飛ぶ」とか「アクシズ大の隕石が降って来る。みんな死ぬ」みたいな魔法はクラインさんの作風を大きく壊すでしょうし私もいやです。
出来ないものは出来ないと初めっから上限を掛けておかないと多分私が色々暴走する事になると思われるので。
その代わり理論面でオリジナリティを出して行きます。即興魔法でやれそうな範囲ですがオリジナルの魔法もやっていきます。
ガープスはご存知のようなので距離修正とか同時発動とかその辺の制限がある事だけ頭に入れて置いていただければ大丈夫だと思います。

現実の魔法も魔女術とかブードゥーとか黒魔術とか陰陽術とかやれる事に向き不向きがありますしNPCが使う魔法はまったく別のものでも構わないと思いますよ。(同門が来て貰ったら困るとか言ってる訳じゃないです)

>西の辺境の場所について
政治的な話があるから首都に近い場所には無いんじゃないかな?って位しか考えていませんでした。
西方の辺境って言うからにはきっとここから遠い場所にあるに違いないと勝手に思ってましたが確かに現在地からの距離の設定はまだブランクですね。
竜の速度が速いので遠くに設定しちゃいましょう。 現代人が日本縦断で徒歩5ヶ月位らしいので徒歩で一ヶ月くらいなら700km位かな?
竜(ティティスはもっと遅い)の巡航速度を旅客機の半分くらいと想定して500km/h…やべえ、飛行機が早すぎるw
えーっとセスナ機の巡航速度が200〜300km/hくらいじゃなかったかな?
一般の成人竜の巡航速度を150km/h。ティティスの最大巡航速度を100km/hと設定しましょう。
(地上最強の生命体も現代科学の前には勝てないらしい。その代わり戦闘速度は出せる設定にしてあげたいなぁ)
で、一日で往復できない程度の距離…徒歩で2ヶ月と言う表記を使おうと思いますがどうでしょう?

353 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/02/28(土) 00:44:17 0
>336

魔法では異変に気がつけなかった。
魔法と言うものを盲信している訳では無いのだが用心しすぎて何も出来なくなるよりはかまうまい。
私は自室の鍵を開けると、当たり前のようにドアが開いた。
いつも通りの少女趣味に偽装された自室が目に入る。
過剰なまでにフリルであしらったベットもアーガイルチェックのカーテンも変化は無い。
よく同僚が不法侵入して奪っていく(もちろんそのたびに取り返すのだが)リボンで飾り立てたお人形達も特に触られている形跡すらない。
多少個人的な趣味も入っているがこう言った複雑なあしらいの方が魔術的な仕掛けを隠しやすい。
例えばレースの模様に見せかけたルーンとか。
泥棒避けのトラップが作動した形跡は無い…「相手はドアから手紙を放り込んだだけだし当たり前か」と納得する。
私の部屋に投函した手紙はどうやらあの魔法を発動させる事が狙いだったらしく、もう魔力の残りカスしか感じ取れない。

まずは副長からの手紙とやらを開けてみる事にする。

/*/

さて、次は明日(実際は今日の朝)のゲームの準備だ。

354 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/28(土) 02:39:38 0
>>352 竜の巡航速度、戦闘速度について

戦闘速度については第二次世界大戦直前くらいの時期の複葉機、単葉機で
コクピットの窓(風防)が完全に閉まらないもの、つまり開放式の奴で時速500kmを下回る程度
は出たようです。開放式風防の例が以下の動画です。この機種の次に出てきたI-16あたりが
たぶん開放式から密閉式へと移り変わる最後の代だったんでしょうか。

ということで風の圧力に抗して人間が呼吸したり、戦闘したりできる速度上限がたぶん500kmあたり
前後じゃないかと思います。竜もいろいろあるでしょうけど、人間が背中に乗ってるときは
あまりそれ以上の速度を出さないということにしましょう。どんだけ実際に速度を出せるかは
やってみないとわからないということで。

I-153チャイカ
http://www.youtube.com/watch?v=YVBHHIGNcBI

http://en.wikipedia.org/wiki/Polikarpov_I-16

巡航速度について
これは竜が腹ごしらえをして、のんびり長旅をしていった場合の一日あたりの飛翔距離くらいの
意味合いととらえます。したがって騎士団の竜の場合、何を食べているのかと食べ物のありかを
知っているのかが大きな制約要素となるでしょう。近場についてはどこに野生の羊なり、あるいは
草食ならば餌場があるか竜も人も知ってるでしょうから合理的に経路を選択し大きな距離を
移動できると思います。遠くなればそうはいかず、餌の探索行動で時間をとられたり、逆に食いだめ
による体重増加などで飛翔速度が低下するなど様々な妨害要素が生じます。また、竜以外の
獰猛な肉食獣、たとえばグリフォンなどの縄張りに踏み込んでしまう可能性もあります。
単純に巡航速度を定義するのはちょっと避けておきたいです。

355 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/28(土) 03:12:29 0
>>352 魔法について

魔術、魔法、魔法使い、魔術師を区別する話についてはおおむね分かったかと思います。

ファンファンファーマシーは以下でよいでしょうか? これは知りませんでした。
http://www.toei-anim.co.jp/lineup/tv/mifapu/

地殻活動と地熱発電の話は結局魔法は地殻運動なのか、地熱発電なのかという問題に
なりますが、両者であるということでどうでしょうか。

人智を超えたものを分析して力が働いていると仮定したり、何らかの手段を用いて測定したり、
制御あるいは激発させる手段を工夫したりすることは魔術の範囲であり、実際に謎の現象を
生起させるのは魔法の範囲であるということで今のところ考えています。

システムについては制約にこだわることで話が行き詰まる可能性さえなければなんでも良いです。
ただ、TRPGそのままの場合は同じグループで複数回、ある程度の期間を遊ぶのを支えるために
作られていると思います。掲示板で長期間やりとりしていくのにそのまま持ち込む必要は必ずしも
ないかと思います。

356 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/02/28(土) 05:17:13 0
>>353

”星空の青・竜騎士団”副長からの手紙

メティス殿、ご息災のことと存じる。さて礼儀作法は抜きにして本題をお伝えする。
われら騎士団に助けを乞う者が参った。正確に言えばこたびの内乱で我らが騎士団と
隊を合流することとなった別な騎士団への依頼なのだが、義務も承継したと考える
べきであろうし、なにより悩める者、救いを求める者に手を差し伸べぬのは騎士の本分
にもとろう。

詳細については今夕、団長の居室にて直々にお伝えいたしたい。
なお、依頼の内容にかかわらずお受けする意向であれば旅支度を整えることを
強くお勧めする。長旅となるであろうと思われる依頼ゆえ。
お受けする場合はさらに直々に依頼の主とお引き合わせいたし会食の席を
設けたく思う。

メティス殿へ

 ”真実は解放する”   騎士団副長コルヌ 拝

357 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/02/28(土) 23:22:48 0
>>351
さて、どうしたものか。
カージャール殿と、次いでシャルル殿と視線が合った。
ふと、にこりともせぬ彼の朴念仁ぶりが可笑しくなる。
「さても、片付けられる事から早々に片付けてしまいたいものだ。
 御取り込みの御様子だが、一言御挨拶差し上げるぐらいはかまうまい」
上着を取り、少し驚いた風体のカージャール殿にお預けして、腕をまくる。
「いまお忙しいなら、後程お伺いする旨だけでもお伝えしようと思う。
 汚れ仕事など、従騎士の頃以来だが…貴殿はどうする、シャルル殿」

358 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/01(日) 02:51:14 0
カージャールは「まるで夏の沼地に咲く蓮の花のようなお姿ですな」と感想を述べ
たまたま近くを通りかかった少年にクラインと自分の上着を渡し、「陛下に従い
この谷で野営地の濠を掘ってから早幾年月もたちもうした」と感慨深げにつぶやきます。

シャルルは一言うめき、自分のなりを見下ろしてまたなにやら強い調子で呟きますが
同じく少年に帯剣、上着と預けます。

少年は驚いていますが、カージャールが胸の隠しからなにやら菓子のようなものを
渡すとにっこり笑い、かたわらで見守っていた子供の一団へと駆けていきます。
興奮して高い声で叫んでいるため聞き取れはしませんが、菓子を持った手を掲げて、自慢げ
です。

359 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/03(火) 00:18:16 0
>>358
咄嗟の反応というものは、人の知らぬ面を教えてくれる。
存外若々しい判断の典獄殿に驚きつつも笑み、
仏頂面ながらも腹をくくった様のシャルル殿に軽く微笑みかけて、
私は腕を捲り上げた。
長靴の革紐を留め直し、泥を跳ね散らさぬよう注意して濠に滑り入る。

鋤を借りて泥土をさらい、詰めた麻袋の口を括って土嚢に詰む。
暫く作業を続けるうち汗がにじみ、風の冷たさが心地よく感じられてきた。
作業の要領をつかみ、ゆとりができてきて、
最初に目礼したのみだった姫君と目が合ったのをしおに、ようやく口を開く。

「このような場所で失礼いたします…どうも変わった場でばかりお目にかかるようです。
 なかなか改まって昨夜の御礼を申し上げられませんが、
 差し支えなければ、後程衣服をあらためて御挨拶をと」

泥につかっての口上になったが、貴婦人らしからぬ仕事に手馴れたふうのこの姫は、
それを見咎めはすまいという確信があった。


--------------------------------

なんかこの姫、某蟲めづる姫で脳内再生されるなあw

360 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/03(火) 02:27:31 0
>>359
姫はかすかに微笑んでお辞儀し、手を休めず働き続けます。
その後ろでは爺も慣れた手つきで底の泥をさらっては箕笊(みのざる)に入れるのを
繰り返しています。

麻袋はどうやら水気が抜けるまでそのまま濠端に並べておくようで、積み上げたあたりは
水たまりとなり、泥をこねたようになっています。夜はかなり寒いですがまだ凍るには
早い時期です。明日も晴天であれば乾くでしょう。

やがて濠の水草も全て掻き寄せ終わり、泥も足が立つところはほぼ掻き出し終わった
ところで、一同は余った麻袋に腰を掛け水差しで手を洗い、藁で足を拭き子供がついで
回る熱い茶を飲みます。

ここで辺りを見回すと、麻袋や麻布、藁縄や棒材などが集められており、みたところ足場でも
組むのだろうかといった感じです。

361 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/03(火) 02:30:12 0
>>360 特にモデルは考えていなかったです。運動神経が良くて小柄細身で
よく働くヒロインというのはいわれてみると少ないんでしょうか。

話の進行次第ではあと二人くらいは女の主要人物が出るはずなんですが
きちんと性格が描き分けられるかどうか分かりません。

362 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/04(水) 00:13:46 0
>>361
茶の熱さにほっとしつつ、足元を見下ろすと靴革が留め金まで泥にまみれていた。
乾いてから落とした方が早かろうと、諦め半分に顔を上げる。
見回すと、あちらこちらに知った顔が散見できた。

-------------------------
>361
運動神経のいいヒロイン、小柄細身のヒロイン、よく働くヒロインは
それぞれいる気がしますが全部合わせるとあまり思い当たりません。
働くヒロインがあまりいないせいでしょうか。

363 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/04(水) 01:51:02 0
>>362
のどを潤したところで、修道着の上に白い衣を羽織った侍祭らが一同の中を回って
聖餅を祭器から配ります。門塔の鐘が鳴り始め、夕課の開始を祭司モンが告げ、
一日の労働の感謝を神に祈り、今宵が平穏であれと願います。

一同はモンの祈りにあわせてその場で立ち上がり濠と回廊を背にして立つモンを
見、聖典の章句を唱えます。

##
働くヒロインというと、働きマン を思い出します。ヒロインっていうにはちょっと
違うのかな。等身大物、実感物ってところでしょうか。でも盛り込まれているエピソードは
雑誌記者物から借用して換骨奪胎してって印象もあるかな。

364 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/04(水) 22:03:19 0
平穏な休息への祈りに唱和しつつ、私は慌しかった今日の日を思い起こしていた。
さても、今日の働きはまだ終わってさえいない。
カーギ殿に顔触れを頼み、姫君に挨拶し、タスカにシャルル殿の同行を伝え、
仕上げは変更を依頼した面会場所で、院長に使者の件を申し述べて、
適任者の斡旋を受けなければならない。
忙しい一日の入りの後は、忙しい宵の星がのぼる。

斉唱が終わり、侍祭らが祭器を取り片付けはじめるのを見てとって、
私は目でカーギ殿の姿を探した。


---------------------
働くヒロイン…とりあえず見回した本棚で一番最初に目に付いたのが
竹本泉の「はたらきもの」だったw
等身大でよく働くヒロイン、でぱっと出てくるのは和田慎二かな。
小柄というとちょっと違う気がするけど。

365 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/05(木) 02:31:44 0
>>364 西部劇なら働くヒロインが多数出てくることに気づきました。
あとは史劇とは違うんでしょうけど、七人の侍もヒロインが働いている場面があると
思います。といっても働く場面は出てくるんだけど、それが具体的にどう筋や
主人公と絡むのかは結構難しいですね。007とかだと毎回、自立した女性が今度こそ
出て来るって話になるんですが。

メティスさん、大丈夫でしょうか。お忙しいのだと思いますが、ご無事であるかだけでも
レスしてくださると助かります。

366 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/05(木) 02:41:39 0
>>364 カーギ父はカーギ子とともに敬虔な表情で祈っていましたが、クラインが近づくのをみると
「騎士殿、骨折り痛み入ります」と頭を下げます。

つづいて、子が父の背後で促すかのように首を巡らしみると、祭司モンの周りに朝課のあとで
集まった参事たちが人々の間から三々五々姿をみせてなにやら挨拶をするなどしています。

「さてさて、騎士殿の御前ではありますが、これからいささか厄介ごとが控えております。
お耳を汚すようなことが無ければ良いのですが」とカーギ父は言い、騎士殿はモン殿の賓客でも
あるし、おそらく招かれるでしょうなぁと気遣うような声で言い添えます。

367 名前:メティスの中の人[sage] 投稿日:2009/03/05(木) 08:19:53 O
すいません、規制がかかりました。解けるまでお待ち下さい

368 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/03/05(木) 22:53:24 0
つ【代理投稿】
ttp://yy44.kakiko.com/test/read.cgi/figtree/1161001942/

369 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/05(木) 23:11:44 0
>>367 お待ちしています。

>>368 ありがとうございます。差し支えない範囲でこちらに投稿して頂ければ転載して
進められると思います。ラウンジ板、ラウンジクラシックなどにも代理投稿スレがあると
思います。ご参考までにどうぞ。

370 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/06(金) 00:31:27 0
>>366
「時間の許す限りは」
頷きつつも、賓客と評された事が少々引っかかったが、あえて咎めなかった。
いずれの陣営にも肩入れせぬ身だからこそ、この地に留まっているのだ。
今更つまらぬ誤解を生じもするまい。
「後程、幾つか些事が控えております。
 あまり遅くまではお付き合いできぬが、それでも宜しければ」


------------------------------
>365
言われてみれば多いですね<西部劇ヒロイン
小柄、働き者、運動神経良しと来ると…一番に出てくるのがローラ、
次点がミリアム=トッド。年と読書層が知れるなあ…

>367
大丈夫ですか?規制早く解けるといいですね。

代理投稿スレなんてあるのか…確かにこの板、
投稿が途切れると進行に支障をきたすスレが多そうだ。
板によって色々面白い土壌があるもんですねえ。

371 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/06(金) 02:27:49 0
>>370
カーギ父はしばし言いよどみ、やがて意を決したように
「実はそれがしには不肖の甥がおりまして、その者の今後を本日、これから
決めることになりそうなのです」と告白します。

カーギの子息はその間も他の参事会員のほうをじっと注視しています。

周りでは濠浚いを終えた人々が回廊へと戻っていったり、子供が遊ぶのを遠めに
見ながら立ち話に興じたりなどしています。
 
遊んでいる子供の中には藁を拾い数本まとめて即席の剣に見立てて剣闘の
まねごとに興じたり、或いは棒材にまたがって馬やトリウマに仕立てて駆け回ったりと
なかなか元気な子から、泥で絵を描いたり、藁で引き合ったりなど様々です。

##
ローラは知ってたんですが、ミリアム=トッドは知りませんでした。調べてみます。

372 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/06(金) 23:12:49 0
>>371
「先程こちらから依頼申し上げた手間、お伺いしたいところですが…」
言いよどみ、泳がせた視線の先、先程の子供がシャルル殿に剣を返していた。
手招き、駆け寄ってきた少年から上着を受け取り、ふと気づいて、
代わりに部屋から持ってていた柿を手の上に置いた。
笑顔を輝かせ、仲間の下へ戻っていく少年を眺めつつ、
カーギ殿を振り向き、注意深く付け加える。
「部外者の立会いが不都合であらば、遠慮するところ。そちらの御都合のままに」


--------------------------------

ミリアム=トッドはひかわきょうこの少女漫画「時間をとめて待っていて」のヒロインです。
前作「荒野の天使ども」では騎兵隊エンドもありましたし、
少女漫画畑の西部劇ものでは出色の出来かと。


373 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/07(土) 01:47:01 0
>>372
「ならば、我らがあちらに集う参事会員の元に参ってから、しばらくしたら騎士殿が参られるが
良かろうかと存じます。なにぶんにも簡単には説明できぬことゆえ、いや、簡単に説明は
できるのだが、騎士殿は先入見が無い分かえって公平に判断できるかと存じる次第です」と
カーギ父は要領を得ぬことを話し、「なにぶん、他の会員や主だった者に紹介するには
時期が悪くなり申した。これも不肖の甥ゆえのご面倒です。まこと申し訳ない」と
子息とともに礼をしたあと、他の参事たちのもとへ人々と
挨拶を交わしつつ進んでいきます。

##
ひかわきょうこの漫画は全然知らなかったです。今度漫画喫茶で探してみます。
それと報告です。
3月28日に東京の新宿御苑でネ実板のオフが開かれます。たぶん参加することになります。
当日、および翌日は都内あちこちを見物して回ろうかと思っています。


374 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/08(日) 00:15:36 0
>>373
話の流れは解らないながら、ひとまず頷き、わたしはその場に留まった。
顔を上げれば、深い蒼の天に一番星が瞬いている。
大気が冷えてきた。タスカは、無事山中を抜けただろうか。

しばしあって、目の合った参事の一人が軽く頷いてみせたのをしおに、
私は彼らの元へ歩みをすすめた。


----------------------------
オフ会了解です。
忘れそうなので、直前にまたひとことレスいただければ助かります。

375 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/08(日) 01:41:39 0
>>374 クラインが合流したのを潮に参事会員や宿坊の主だった者たちは
回廊の控え壁と山の縁を綴る胸壁の間を抜けて湯屋の前を通り、礼拝堂の
参事会室へと向かいます。

歩いている最中、一同は低い声でささやき交わしますが、いまひとつ何を
話しているかは聞こえません。深刻そうな表情をしている者もおれば、
つとめて気にしない風を装っている者もおり、無表情で黙り込んでいる者も
いるといった具合で、おおよそ新顔あるいは馴染みの無い騎士を相手に
礼を尽くすといった雰囲気からは程遠いものです。カージャールもまた
できるだけ表情を殺していますが、こちらはやや面白がっているような気配も
あります。シャルルは姫君の近くに行こうかと迷っているようですが、爺が
付き添っているため諦めたようで、胸壁を興味深げに眺めながら一同に
ついていきます。

##
はい、28日が近くなったらスレで再度報告いたします。

376 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/08(日) 23:52:14 0
>>375
誰かに事情を尋ねてみようかとも思ったが、
カーギ殿の心中をおもんばかり、それはやめておいた。
事情を知らぬままに渦中に飛び込む事には、今日一日で慣れてしまった。
元より、私が口を出す事ではないようだ。
曇りなき目で成り行きを見守るのも悪くはないだろう。

典獄殿にやや近く、若人たちには距離を置いて、私は一同に付き従った。

377 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/09(月) 02:50:42 0
>>376

参事会室の中は朝方と違い、向かい合う壁際に椅子の列が並べられ
座った者は向こうの壁にいる者と顔を向き合わせることになります。

正面には聖典が置かれた台があり、その向こうに祭壇がしつらえられ、
赤い布が全体を覆っています。

燭台が天井から吊り下げられ、ゆっくりと揺れています。どうやら今さきほど
準備したのでしょう。

#
メティスさんの規制が早く解けることを願っています。お待ちしています。

378 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/09(月) 23:25:30 0
>>377
此度は部外者である事を思い、私は諸氏が席に着くのを待って
典獄殿の並び、やや戸口に近い末座に腰をおろした。

そういえば今夜、院長と面会する予定があったのをふと思い出す。
このあとつかまえられれば話が早いのだが、そう考えて姿を探し、
そっと参事席の方へ視線をやった。

------------------------

修道士ファルコのマティアス裁判をちょっと連想。
ちょうど>>376の描写そのまんまな室内でした。

379 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/10(火) 00:57:10 0
>>378

祭司モンは特に祭服をまとっていないためちょっと見つけるのに手間取りますが、
向かいの祭壇近くの前列にかしこまって座っています。

一同は低くささやき声を交わしていますが、全員が席を決め着席すると
モンは立ち上がり、祈祷を始め、理性に限りある人に神が力添えをし、邪を正し、
正義を顕してくれるよう文句を唱えます。

やがて全員が起立すると、神の像が運ばれてきて、祭壇の向こうの壁に
掛けられ、続いて末席側の入り口から、手かせをはめられた者が入場します。

簡単に氏名と身分をモンが確かめたあと、別な修道士が立ち上がり、
若者を見据えます。

#
修道士ファルコは読んだ記憶があるんですが、筋を失念していました。



380 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/03/10(火) 06:35:09 0
>356

#ご迷惑をおかけしました。本日より復帰します。
#代理投稿のスレッドとかあるんですね。大体、避難所を作ってそっちで連絡を取ったり、書き込みが無いと「ああ、規制だね」
#みたいな暗黙の了解みたいなパターンが多かったんで気が付きませんでした。
#次からは利用させてもらいます。

手紙にざっと目を通し、ため息をついた。なんだか包囲網という言葉が連想される。
そんなにも私じゃないとダメなのだろうか?
強要されると逆らいたくなるのが人情なのだとは思うのだが、ここはお世話になっているコルヌ副団長の顔を立てて依頼を受ける事にする。
理論武装完了。
ああ、よっぽどの事が無い限りテティスも嫌がらないとは思うのだがお伺いを立ててみようか?

私は取って来た霊薬の材料を分類する作業を後回しにしてテティスの顔を見に行く事にした。

381 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/10(火) 23:18:39 0
>>379
PCアクションでなく、PLとしてちょっとGMにお願い。

この席、クラインはオブザーバーとして見学しているので、
よほどの事がなければ座ってみているだけです。
アクションするにしても、かなり小刻みになってしまいます。
卓ゲでなら、たとえば不思議の国のアリスの導入部なら

「穴に落ちた」「下を見ます」「何も見えない」「周りを見ます」
「棚があってジャムのビンが」「取って開けます」「中は空でした」
ってやりとりもテンポがよく楽しいものですが、
これをBRPGでやるとレスはともかく日数がかかりすぎますw
「穴に落ちた、なかなか底につかない。
 ゆっくり落ちていて、周りをみると棚にジャムのビンが」
ぐらいまで1レスでやっていただけると助かります。
ちょっとぐらい長くなっても、それはそれで。
御一考お願いします。

ついでに、これはどうでもいい事ですが、
>378できょろきょろしてたのは、院長いないかなーって事でしたw

382 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/11(水) 00:25:28 0
>>380 お帰りなさいませ。
千夜万夜代理投稿スレ
http://yy44.kakiko.com/test/read.cgi?bbs=figtree&key=1161001942
を専用ブラウザでお気に入りにいれてありますので、次は対応できます。
このほか、避難所として使いたい場所があればお気軽にどうぞ。

>>381 はい、もうちょっと描写を長めにしてみます。



383 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/11(水) 00:42:49 0
>>380
ちょっと探すと、テティスは洞窟の前の小川で水に前脚を浸しては鱗に振り掛けて
身づくろいをしています。時折、鼻穴から煙が吹き出すのは機嫌が良い証拠です。
羽をパタパタ広げたり、尻尾を振って水を背中にふりかぶせたり、童心に返ったように
楽しんでいる様子です。

傍らの草地では竜騎士を守る騎士団の兵が木にだらしなくもたれ掛って様子を
ぼんやり見ていましたが、メティスが近づいてたのに気づきあわてて姿勢を正します。

384 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/11(水) 00:57:44 0
>>379 続き

立ち上がった修道士は部屋の中央に進み出て祭壇に一礼し、声を張り上げて
述べ始めます。

「カーギの宿坊の甥にして修道士キリマよ。そなたの罪状を申し述べる。心して聞け。
そなたは修道士の身でありながら、神のために祈り、働く本分を忘れ、怠り、騎士の
ごとき行いに身をやつしたことをまず前段として強く指弾せざるをえない。
 だが、今日お集まりの方に了解されておられようから、この点についてはあえて
くどくどとは申すまい。まずは胸中にて強く反省されるがよかろう。

 さて、そなたが院長を殺害した件についてだ。そなたが手を下したことは
明らかである。この点について争うのであれば、証人が複数いるとだけ言っておこう」

ここまで一気に言い切り、この検事役の修道士はまたも手かせをはめられた若者を
ひたと見据えます。
 一同はざわざわとざわめき、クラインの脇にいた修道士らしき者がささやきかけてきます。
「・・・(騎士殿、大変なときにいらしたものですのぅ。まこと滞在には良からぬ時であいすまぬ
ことです)・・・」

385 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/11(水) 23:56:24 0
>>384
寝耳に水の大事であったが、他の出席者に大きな同様は見られない。
隣席者の言葉に軽く片眉をあげて応じ、黙して続くことばを待つ間も、
心中をさまざまな疑問が浮遊していた。

いつ、どうして、どのように。
今日一日、騒ぎが起きた様子はなく、鐘楼の鐘も鳴っていない。
…或いは、ことは今朝の参事会で会った院長の事ではなく、
ことが起きたのは私の到着前、先代の院長についての事件ではあるまいか。

しかし、この裁きの場が設けられることが前もって決まっていたなら、
カーギ殿がこの時間に私との約束を入れるはずもない。
ではやはり、今朝面会したのが生きた院長を見た最後となったのか。
午後に遣った面会日時変更の報せも、当人は読まず終いになったのだろうか?

聖域の人事には、王すら口出しできない。
裁きが殺人ならば官吏の手が入る事もあるだろうが、
院長の後任は参事会が決める事になるだろう。
これからこの地はどうなるのか、王への奏上はどうしたものか。

現在の事、先の事、様々な思いが心中をめまぐるしく去来していた。


----------------------------
>>382
ありがとうございました!

>>380
お帰りなさい。
PCの合流、今から楽しみにお待ちしてます。

386 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/03/12(木) 03:04:03 0
>383

元々地上の権威とは無関係であった私には、敬意とか礼儀などと言うものにも無関係であったし、相手にも求める事はなかった。
ちゃんと仕事をしてくれていれば問題は無いのだが一般的に騎士と言う者は必要な項目らしい。
だからこそいつまでたっても私の身分から「見習い」の文字が抜けないのだとも言える。
空気を吸うかのように王に頭を垂れない人間に騎士を名乗らせるほど騎士称号も安くないのだ。
慌てて姿勢を正す騎士達が見習いの私に敬意を払うのは私の経歴を知っている故に実力を評価しての行動であろう。
そうでなくてはこんな礼儀の身に付かない小娘の事など、気に掛けるはずも無い。
「問題ありません」の報告にねぎらいの言葉をかけると水浴びを楽しむテティスに寄り添った。

「ふふふ、ご機嫌じゃないか。
 こちらは厄介ごとが舞い込んできてどうしてやろうか悩んでいるのに」

テティスは私が構ってやる時に、体を動かす事はけしてしない。
下手に擦り寄ろうものなら、人間なんて吹き飛ばしてしまう事を理解しているゆえの行動だ。
だから油断していると吹き飛ばされそうな鼻息で抗議の意を伝えてくる。
心で繋がっている私達だが、お互いにこうして意思表示をする事を好んだ。

「怒るなよ。久しぶりにお前と空の旅をしようと言うのは悪くないさ。お前がそれを望んでいるのも分からなくは無いんだ。
 けれど陰謀の匂いがぷんぷんとしてね。もしかするならお前の生まれに関する事が絡んでいるのかもしれない。
 旅の行き先が西の果てだと言うのも気に掛かる」

設定確定:
メティスがいつまでも騎士見習いなのは礼儀作法で赤点をもらっているため。
装備変更:
鎧下、杖型の発動体、指輪型の発動体

387 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/13(金) 23:52:25 0
>>385
検事役の修道士はクラインが忙しく考えをまとめ、糸口を探そうとしている間も朗々と
罪状を訴えています。

内容をざっとまとめるとどうやら3ヶ月まえに先の修道院長が殺害され、その下手人は
宿坊カーギの甥にして修道士キリマとして罪を悔い改め神と対面させるため、今まで
閉じ込めていたというものです。

やがて、前列に座る若い修道士に合図し、膝の上の白い布包みにくるまれていた
物を掲げて、検事は断言します。

「これぞ、キリマが居室に所持していた剣なり」。そして剣身に手を当てて、刃先の一点を示し
ここに欠けがあるのを御覧頂きたい、と述べ、祭司モンに手渡します。モンはじっくりと
確かめて脇のものに渡し、順繰りに剣を一同は実見しています。

388 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/14(土) 00:00:35 0
>>386 メティスはテティスの言を聞き、面白げに鼻から煙を噴き出させてみせ、
旅に出るのを喜んでいるかのようです。

喉のあたりの鱗がかすかに鳴り、人間であれば笑っているかのようなかすかな
音に聞こえます。

メティスの体調は万全で、羽のつやも良く、爪もきちんと磨かれ、精神も十分に
くつろいでいながら、鋭敏であるのがみてとれました。

389 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/14(土) 10:04:30 0
>>387 続き

やがてさきほど囁いた修道士が不調法に剣を扱い、鍔元の峰先を不思議そうに撫でてみせ、
意外と鋭くないのですなぁとつぶやき、首をかしげて燭台の明かりに刃先を光らせてみて、
また首をかしげ、果てには腰の袋から自分の小刀を取り出して刃先を比べるなどしています。

ひとしきりながめては、またかざすといった体で、まだ半数以上の者が剣をみていないこと
などおかまいなしといった風情です。

と、いきなり興味を失ったわけでもないのでしょうが、丁寧に白布に包むとクラインに柄を先に
渡し、どうも剣にはとんとうとくてと弁解めいてまた囁きかけてきます。

390 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/16(月) 00:01:32 0
>>389
立会いに過ぎぬ身に検分が求められたのは正直心外だったが、
どうせ居合わせたのだからと、剣を取り覆いを払った。

仔細を知らぬ身では何が求められているとも解らぬが、
先入観なしにとカーギ殿の言葉もあったことだ。
経緯はともあれ、殺害されたのが先の院長であるなら、
今日約束が重なり、この場に列する羽目になったのも
甥を思っての事かというのは勘繰りに過ぎるだろうが…

剣そのものは、ありふれた長刀のようだ。
剣のひらをかえし、刃を検分する。


---------------------------

役人の知識があるわけではないので、
平凡な一騎士としての、戦闘経験に照らし合わせての検分ですね。
刃の欠け方とか、(三ヶ月前のですが)血糊による曇りとか。
現在、特に注意して何かを見るという事はないので、
後で経緯を聞いて、気がつく事があったらチェック、でしょうか。
(証拠品は普通、検察の証言の後じゃないかって気がするなー)

391 名前: ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/03/17(火) 03:09:15 0
>388

テティスと別れて宿舎へと歩く私は

心配していた通りテティスはやる気のようだ。
竜族の傾向として自信過剰な部分が有る。
テティスもその例に洩れず、好戦的な訳ではないものの、誰に売られた喧嘩を買っても負けるはずが無いと考えている節がある。
慎重すぎる性格傾向を持っている私と足して割れば丁度いいくらいだ。
この場合、実際に足して割ってみるのなら依頼は受けるが油断はしないというあたりが落としどころだろう?

相手が私を指名してきた理由は何だろう?
テティスはまだ若い竜だし、魔法使いと言うのも探せばいく人でも出てくる。
つまり私に対する希少性と言うのは竜と魔法使いの組み合わせと言う部分にあるのでは無いだろうか?
特に相棒の竜に魔術を付与して運用するのは私くらいでは無いだろうか?

確かに、竜に対する魔法の研究においては私は他の追随を許さないだろう。
実際の竜を研究できる環境下にあり、竜に魔術を施した経験があり、竜を殺す霊薬を作っている魔法使いと言うのはこの世に何人もいないはずだ。
古来から竜族は、人間の隣人として、友として、そして絶対的な敵として存在してきた。
それなりに技術が進んだ現在においても、戦争における火力で竜一匹を超える存在は確認されていない。
依頼人は、竜をどうにかしたいのだろうか?
それなら副団長が対外的に見習いと言う事になっている私を指名するという事も一応説明が付く。
竜を相手にするのなら最低限の火力は用意しておきたい。
内乱の後始末で2人3人と派遣していられるような余裕の無い今、副団長が私を指名したと言う人選は間違っていない訳だ。

あんな手紙を送って来る事ができる魔法使い(ルーン使いを想定)が手を焼く竜の問題と言うのはさてどんなものだろう。
私は会食までの時間を旅の準備に当てることとした。

392 名前:代理 ◆E8SH72vKdY [sage] 投稿日:2009/03/18(水) 16:48:18 0
>390
剣は徒歩立ちの者が使うにはやや剣身が長いように感じられます。柄の先は環になっており、
そこに細い鎖を編みこんである帯が通されており、環玉と止め玉で先端の腕輪の大きさを
調整できるようになっています。帯には文字が縫い取られており、
”太陽を仰ぎ見つ我は戦う 月の下我は眠る 地の隅々まで我らは征く”と読めます。

柄を握って持ってみたところ、掌の中にちょうど重心がくる感じです。

刃は切先から拳三つ分程度までは綺麗に磨いてありますが、その中ほどに欠けた部分が
あります。刃先はさほど鋭くありません。鍔元までの磨かれていない部分は素手で持っても
手が切れることはないでしょう。血糊のようなものは見当たりません。

さきほど囁いてきた修道衣の者はクラインが颯爽と剣を検分するさまを興味を隠しかねると
いったていで見て、しきりと感嘆しているようです。場が場でなければ拍手をして褒めちぎり
かねない勢いです。

中央では検事役が若い修道士に死体の役をやらせて、いかに深夜、門塔の院長の部屋で
凶行にキリマが及んだか、熱弁を振るっています。






>392 さて、では旅路の情報を少しでも手に入れるため書庫で司書達を質問攻めにしようか。
それとも、テティスの好物を見つけるため地元の市に使いでも出そうか。
はたまた、自身の旅支度をまずは整えるとしようか。

そういえば、副団長から蔵にある品は何でも使っていいと言われていたのを思い出す。
西の辺境に持っていけば役に立ちそうなもの、或いは本来は西の辺境に返すべきな品は
なにか収められていないだろうか。

それにしても、扉の下に差し込まれていた手紙がみせた幻は一体なんだったのだろうか。
羊の群れに巨人の羊飼いとは、まるで伝説の一つ目巨人のようだが、はて洞窟に閉じ込められる
とでもいうのだろうか。




##
>391 裁判はもうちょっと原始的というか中世的で法による秩序の回復、関係の断絶と修復、
神を介しての和解が主眼です。少女の体に潜む悪霊を祓魔師がえらい苦労をして追い払うのと
似てるかも。いまはやりの修復司法ってやつでしょうか。なので科学的に陪審団の前で証拠を調べたり
証人を呼んだりってのはたぶんやらないです。

393 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/18(水) 22:28:44 0
>>392
検事の熱弁がひと段落するのを待ち、私は挙手して席を立った。
「検証中失敬する、発言と質問を許されたい。
 殺人に用いられたものは、この刀剣で間違いないのだろうか?

 つまらない疑問だが、他に武器がなかったならともかく、
 短刀で足りる事に、わざわざこのような目立つ代物を持ち出したというのが腑に落ちないのだ。
 狭い室内でこの剣を用いるなら、もっともありうるのは刺殺だが、ならば柄まで鮮血に塗れるはず。
 よもや、事件の後、わざわざ剣を磨いたわけではないだろう。
 何故、これが凶器と断じられたのかを伺いたい」


---------------------

予想よりちょい昔の裁きなんですね。納得しました。


394 名前:代理投稿スレ493[sage] 投稿日:2009/03/22(日) 18:54:42 0
>>393

クラインが起立したのをみて、一同はいっせいに注目し、発言を聞くやざわめき立ちます。
検事役の修道士は、ざわめきが収まるのを待つ間、助手役の者たちとなにやら耳打ちを
交わしていますが、やがてクラインに向き直って応じます。

「騎士殿、院長の傷の中からお手元の剣の欠片が見つかったのです、
これは何よりの証拠と思われますが、如何に?」

続いて、被害者の傷を説明し、夜間、蝋燭の明かりでなにやら書き物をしていた
ところ、背後から後頭部に鋭い刃物で打撃を受けたものだと述べます。

そして助手役に布に包まれた金属の欠片を皆に示させて、クラインのもとへと運ばせます。

395 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/22(日) 20:03:26 0
>>394
破片を手に取り、剣の欠損に継ぎ合わせてみる。
一致はする。だが、どうにも腑に落ちない。
「この破片は刃のなかばから欠け落ちたようだが…」
破片を置き、再び剣を取る。
「華奢な剣ではあるが、ひと一人斬り殺すには足るように見える。
 これが磨かれていない大剣ならまだわかるのだ。
 鎧を割る大剣を打ち下ろす際、骨を打って剣が欠けることはままあるのだから。だが」
刃の根元で手のひらをかるく打つ。金属の鈍重な感触が肌をうつ。
「欠けているのは、磨かれていない部分ではなく、磨かれた刃だ。
 ここで斬り殺したなら、刃が欠け落ちるとは思いがたいのだが…
 元からひびが入っていたならいざ知らず」
破片の断面からそれを読み取ろうにも、あいにくと鍛冶の心得はない。
首を傾げつつも、私はひとたび剣を置いた。
「まあ、全くありえない事とは言い切れないが」


---------------------------

剣の描写がポールウエポンか変形版レイピアのようでしたので、
グレートソードの強打じゃあるまいし、斬撃で欠けるような刃かね?
とコメントしたわけです。
専門職ではないので、それ以上突っ込む事はできませんが。


396 名前:代理投稿スレ500[sage] 投稿日:2009/03/22(日) 22:10:40 0
>>395
すると、祭司モンの脇に居た修道士が立ち上がり、
「騎士殿の疑問も確かに一理ある。刃先が欠けていたとあれば確かに凶行に使われたので
あろうが、なぜわざわざ自分の家のものと分かるもので事に及ぶというのであろうか。
神も照覧あれ、われらは平和と秩序の回復を希求していること、これは疑いがない。

院長が息を引き取った場に居合わせたキリマを疑う向きは確かにあろうが、彼は
この3ヶ月間、真摯に神と対峙し敬虔に祈りをささげてまいったと聞いている。
ならばわれらもそれ相応の報いをもって応じるべきではあるまいか」と述べ立てます。

##
剣については以下が元ネタでした。長刀と書くべきでした。
儀礼用のため切っ先から半ばよりすこし先までしか刃をつけていないのです。
刀身にエッチングで色々文様や標語が書かれていたりするのだと思いますが、
エッチングはどうかと思ったので、帯に書かれていることにしました。
http://www.militarysabers.com/marine-officer-sword-certified.html

397 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/23(月) 22:42:23 0
>>396
「此度、私は同席するのみの部外者だが」
躊躇はしたが、わけもわからずこのまま座すのみというのも如何なものかと思い、
私は思い切って進言した。
「ひとたびは彼に釈明を求めてはどうかと思われる」

----------------

なるほど、儀礼刀でしたか。
だったらなんでこんなもんがあるんだと突っ込む方が先だったなw
もう進行してしまったので、このまま進めます。

くどいようですが、クラインは本来、縁の僧院(司祭一人、助修士数人程度)に
相応しいレベルの辺境領主で、騎士ではあるもの貴族ですらありません。
元々、貴族がゾロゾロ巡礼に来ているような僧院に関わる分際ではないので、
事情を知らないまま院内の裁きに首を突っ込んだりはしません。
(騎士として見過ごせない事態ならまた話は別ですが)
情報が出ないと、出るまで傍観というリアクションしかかけようがないので、
1レスあたり、もう少しまとまった量の情報をお願いします。

398 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/03/24(火) 00:41:22 0
>>397
クラインの言に、一呼吸置いて全員をさっと見渡した後、祭司モンのかたわらの修道士は賛同の意を表し
ます。するとあちこちからぶつぶつと声が上がりますが、どうやらしいて反対する声はないです。

中央でやり取りを聞いていた検事役もこれに同意するしぐさでキリマを向いて
身振りで話すよう促します。

キリマは予想外の展開にも戸惑っているのか多少声音が落ち着かずふらつきますが
自分の身に掛けられた嫌疑をきっぱりと否定し、事件の当日に院長の部屋を深夜に訪れたのは
都への留学の相談と推薦状の受け取り、宿坊が担っている仕事の調整などがあって院長に呼ばれた
ためだと語ります。

儀礼刀については、元々はキリマの宿坊(カーギの宿坊ではなく)に伝来するものに相違は無いこと、
だが、自分は下手人ではないことを誓うのみであり、神の裁きにすがるほか無いと述べます。

検事役はこれを聞き終わるとクラインのほうへ向きを変え
「ここで我々が考慮すべきなのは修道士の身でありながら剣の技にかまけた者がどのような
境遇に陥るかということです。ご一同に置かれてはキリマが今更ながら神の元にたどり着いたことで
寛恕すべきと思うかもしれませぬ。だが、大罪は大罪ですぞ」と念を押します。

続いて、モンの傍らの修道士へと今度は顔を向け
「修道士ならば当然、神の法により裁かれる。これは皆が了解しておることと思いますが、
さて、何か反論すべき旨はありますかな」と多少挑発的にまくしたてます。

すると、相手は「御説もっともなれど、ではあるが、俗人であっても剣を振るい戦に加わることも
珍しくない世ではある。ましてや背後からの一撃ならば亡き院長がいかにご壮健であったとはいえ、
抵抗する暇も無かったであろうし、下手人も練達の者とも限るまい。我等にとって必要なのは
この山の平和の回復であろう。この裁判がそのために資することが一同揃っての願いであると
承知している」と切り返します。

どうやら議論はこの線で平行しているようで、あちこちでの囁きや耳打ちも次第にはばかりの
無いものになるかと思えば、遠くでは身じろぎもせず聞いているようで実は眠りほうけている
かのようなやからもあるといった有様です。


399 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/24(火) 22:49:38 0
>>398
しばし瞑目する。
目を開いたとき、腹は決まっていた。
「修道士殿」
静かに手を挙げ、私は発言を求めた。
「この聖域において、神の意志が行われ、『平和の回復』が得られんがため、
 しばしの間、『被疑者』への質問を許されたい」
返事を待たず、すっと立ち上がって検事の正面に立ち、宜しいか、と言問う。
部外者として許される線ぎりぎりの強硬な姿勢に、気圧された相手が頷くのを待ち、
感謝を述べて、私はキリマの前に立った。

「君に質問する前に、ひとつ言い置く事がある。私の目を見なさい」
こちらを見上げる目には、やや憔悴の色が見える。
「私は騎士だ。神の家のありようを知らず、修道士の道を知らない。
 だが、領主として、人を治め、導くために必要な事を知っている。
 キリマ、君は前院長を殺めていない、と言ったな」
困惑したように、だがはっきりと、彼は頷いた。
「信頼のない者同士の言葉のやりとりは、空虚な言葉遊びにしかならない。
 会話に意味を持たせるものは、言葉をやりとりする者同士の『信頼』だ。
彼の目をしっかと見据え、私ははっきりと告げた。
「神の意志を行い、この山の平和を回復せんがため、この場に必要なものは、
 君の言葉を信じた上で、事実を質す姿勢のように思う。
 ──私は、君の言葉を信じよう。
 君自身の言葉で真実を述べたまえ。
 その日、君がどのように行動し、何を見、聞いたのかを。」

やや言葉をひそめ、短く囁く。
「混乱しているようだが、無実を明かしたければ、
 何一つ言い落としのないよう、しかと思い出すのだ。
 私が君のために得た釈明の好機は、ただ一度だけなのだから」 


400 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/24(火) 22:51:57 0
>>398
代理の方へ

代理投稿ありがとうございます。
トリップは、そのままコピペすると◆が白化けしてしまうので、
つけなくて結構です。ちゃんとわかりますよ。


GMへ
「質問を許された間」だけの一時的な弁護人ポジションに立候補した、
と思って下さい。

401 名前:GM ◇tlyr3v7qik[sage] 投稿日:2009/03/28(土) 00:56:22 0
「騎士殿、私、キリマは院長の側使いを務めておりました。それは私にとっては
院長の謦咳(けいがい)に日頃から接し、ご鞭撻を受ける上で大層ありがたい仕事でした。

さて、あの夜、院長が私を呼ばれたのは例によって翌日の朝課で山の信者一同に
お頼みする仕事の調整、呼び触れ役や助手の指名と宿坊主への連絡などに加えて
都の本部に学僧見習いに応募する手続きの話を前々から頂いておりましたので
その相談もあったのだと思います。

そこでいつものように宿坊を廻り、院長宛の書付と伝言を承り、小回廊により、乙女の塔の
馬屋で爺から言伝を承って院長の部屋に参りましたところ 、なんと院長が大怪我を負い、
虫の息となっておられたのです」

キリマは思い出すように記憶を辿り、自分の立場を振り返るように話していましたが
ここで声色が変わり、語尾が震え始めます。

「部屋中に血が飛び散り、書き物机の端には刀が突き立てられておりました。思わず
手にしていた書付を放り出し、師を助け起こそうとし温かいもので手が濡れたことを
覚えております。度を忘れ取り乱してしまい、皆を呼ぶのを忘れていたのだと今になって
思い至ります。慌てて敷き具を体の下に支えるように入れ、口元を拭いあとはただ手を握り
聖母を称える文句をただ何度も唱えるばかりでした」

ここまで言い終わるとキリマは顔を下に向け、頬には涙が伝っています。

##本日28日はネ実板で開かれるオフに参加するため次にレスできるのは週明けとなるかと
思います。ご了承下さい。


402 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/03/29(日) 23:13:15 0
>401
室内を沈黙が満たす。誰かが遠慮がちに咳払いをした。
数人が黙祷するのを見、しばし待った後、更に追って質問する。
「その夜、君が院長に呼ばれた事を知っている者はいるか。
 君が部屋へ向かう姿を見たというだけでもかまわない。
 また、君と事切れた院長とを、最初に見つけた者は誰か。
 許されるなら、追って話を聞きたいが…」
恐らく室内に居るだろう。
見回しながらふとある事に気づき、私は振り向いた。
「また、刀剣についても聞いておきたい。
 君個人のものではないようだが、日頃は如何に管理されていたのか。
 君が武事に終始していたとの証言があったが、あの拵えでは鍛錬には向かない。
 まさか、日頃から携えていたわけでもないだろう」


----------------------
お留守承知いたしました。楽しんでらして下さい。
お帰りをお待ちしております。

403 名前:GM(代理) ◇tlyr3v7qik[sage代理投稿gt;gt;533] 投稿日:2009/04/02(木) 01:43:41 0
「連絡役は主に私が命じられておりましたから、当夜も当然そのように思っていた者は
多かったと思います。また、あちこちの宿坊を巡っておりますし、門塔から宿坊まで大回廊を
抜けることもありますから暗闇とはいえ人目につくことはあったかと思います」とここで一呼吸置き、

「院長が息を引き取られてしばらくすると戸口に祭司モン殿が立っておられました。
モン殿が最初に来られた方だと思います」と言います。

また、刀剣についてはキリマの宿坊伝来のもので、日頃は側使いとして割り当てられた部屋の壁に
掛けてあったこと、武芸の鍛錬は別に剣や木剣で行っていたと述べます。

#
ネ実オフ(花見オフ)の翌日は、ティンタジェル、アバロンを見学してまいりました。
色々と懇切に教えてくださり大変参考になりました。実際に剣術の試合をみて実のところ、
勝敗が一瞬でつくものでよく分からなかったのですが構えですとか、試合の運びなどは少しでも
分かるようになったかなぁと思います。竹刀と違って振り方が全然違うし、技も知らないうちは
眼が付いていかないのです。技と構え、動作などが分かればもっとより分かるようになると思います。


404 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/02(木) 22:02:21 0
>>403
刀剣が普段置かれていた部屋の位置と、院長の部屋の位置を確認し、
刀剣が机に突き立てられていた事を第一発見者のモン殿に確認したのち、
私は剣を手に、室内の同席者へ問いかけた。
「彼が自室から院長のもとへ辿りつくまでのあいだ、
 その姿を目にした方がこの場に居るなら挙手を願いたい。
 彼は移動の際、この刀剣を手にしていただろうか?」
剣を寝かせ、起こし、また体に添わすようにと持ち替えて
その場の一同に見せながら、説明を加える。
「このように、携行するにはやや目立つ代物だ。
 彼の顔も見えないほどの暗闇だったならいざ知らず、
 シルエットから誰かが見てとれるほどの灯りのもとなら、
 手に持った長物を誰一人見なかったはずはないと思うが…」

-------------------------

オフお疲れ様でした。アバロンいいなあ…
以前参加したSF大会で、居合いのデモンストレーションを見学しましたが
やはり真剣の迫力と存在感はただごとじゃないですね。
そのあとで見たプロの居合いショーが(ショーとしては素晴らしかったんですが)
しょぼく見えてがっかりしたもんです。

405 名前:GM(代理) ◇tlyr3v7qik[sage代理投稿gt;gt;536] 投稿日:2009/04/03(金) 01:41:43 0
>>404
すると目撃をした者として参事会室に居るうち、かなりの者が立ち上がったり挙手するなどします。
クラインが見分けられるところでは、若姫やその爺、モン、モンの傍らの修道士、カーギの父と子息、
>>231で出てきたゲルフ兄弟、ハッカの跡継ぎなどがいます。

そして、全員を見渡しますがキリマが剣を携えていたと述べる者は一人もいません。

カーギが説明するところではこの儀礼刀は故宝庫にしまわれていたのが、やがてカーギの宿坊の壁に
掛けられるようになり、その後キリマが長じるにしたがってキリマの居室に盾とともに安置されるように
なったのだそうです。キリマは拘置されるまでは院長と続き部屋、つまり隣室でかつ廊下を経由せずとも
間の壁に戸口が設けられている部屋に控えており、四六時中院長の所用を果たしていたとモンが
説明します。

#
アバロン、ティンタジェルはちょっとどちらでお呼びしていいのか分からないのですが
講師の方は立て続けに試合をこなしたあとで鎖帷子を脱ぐと全身から汗が吹き出ておりました。
眼を慣らすのに剣道とかやる以前にもうちょっと自分で基礎体力つけたいなぁとそれをみて
感じました。上下のフェイントの切り替えや間合いに入ったとたんの打撃とか、装甲の重さを
全く感じさせない素早さなので感心しました。


406 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/04(土) 00:11:00 0
>>405
ちょっとPLレベルで確認をば。

>>403のレスで、キリマ個室と院長室は距離があるのかな、と思い
目撃者を募ったのですが、>>405からすると個室と院長室は続き間、
誰にも見られず私室の剣を持って行き来できるっぽい。
となると、名乗り出た目撃者が見た丸腰のキリマは
キリマがあちこちの宿坊へお使いしていた姿であって、
帯剣姿を目撃されず院長を殺害する事は可能だった。でOKかな?

407 名前:GM(代理) ◇tlyr3v7qik[sage代理投稿gt;gt;538] 投稿日:2009/04/04(土) 04:11:16 0
>>406 基本的にはここまでの話では、その通りになります。

キリマは続き部屋に常日頃控えており、院長から指示を受けて各宿坊や回廊、乙女の塔などを
回って書付や伝言を貰って院長の部屋まで戻ってくるのが夜の日課でした。

門塔の本塔、つまり付属の円塔でない本体の部屋はいずれも廊下に面しているので
門塔内に当時、いた人物でキリマが外出しているのを把握している者であれば誰でも
院長の部屋まで人に見咎められずに行くことができたでしょう。

とはいえ、夜間ですから山の誰でも門塔まで人目につかずにゆくことはできたでしょうし、
そうすれば院長の部屋まで行くことも可能であったでしょう。


408 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/05(日) 19:05:43 0
刀剣の在り処についての物証は、キリマに不利と言えた。
彼がやったとも、他者がやったとも断定できない。
なれば、先程からの事勿れな議事では、
彼が犯人と断定されようのは目に見えている。
こちらからの論証は諦め、私は次手へと移った。
「カージャール殿、少々お願いしたい事が」
典獄殿に拠り願い、必要なものを取り揃える。
質疑が長引くのを咎めるような視線を感じないではなかったが、
私は敢えてそ知らぬふりをした。
キリマの無実を信じるとひとたび誓した以上、騎士の誓約に同じ。
これ以上打つ手なしと断じられるまでは、全力を尽くす義務があった。


書庫より取り寄せた院内の地図を適当な反古へざっと写して写字台に貼り、
証人たちがキリマを目撃した場所と時刻とを記していく。
精密な時刻がわからずとも、彼の足取りを追えば、凡その刻限は知れた。
最後に、モン殿に証言を願い、現場に踏み入れた時刻を記した。


------------------------------------

>407
了解しました。

凶器の入手手段からの無罪証明が不可能っぽいので、
タイムテーブルの作成に移ったわけです。
正確な時間はわからなくても、自室を出た時間からはじめて、
各宿坊を回り、院長室に戻るまでの足取りを大雑把に追います。
キリマが犯行直後の第一発見者であり、
モンがほぼ直後に第二発見者となっているところから逆算して、
キリマが犯人とすれば犯行時間が切迫している事を洗い出し、
真犯人が犯行に割けた時間を洗い出そうとしているわけです。
(モンの現場到着が院長の死後すぐだったのはラッキーでした。
 数時間後とかだったらどうしようかと思った)

409 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/07(火) 01:14:51 0
>>408 キリマの足取りは時折、宿坊の間を往復したりすることもあったり、院長の部屋まで
一度戻るなどしているものの、当日の夕課と夕食の後しばらくしてから始まり、深夜に
終わっています。確かに正確な刻限は鐘突き役の修道僧が星を見ないと分からないのですが
宿坊の者たちも大体の感覚で時間を計っているようでおおむね正確ではあります。
もっとも側使いの者が連絡に回ってきたあとは朝課までとっとと寝てしまうような話を
する向きもあります。

生きている院長を最後に目撃した者も証言を集めている過程で分かってきます。
どうやら祭司モンと>>281で登場する襲われた巡回祭司に若姫付きの爺で
4人でなにやら盤上遊戯をしつつ、四方山話に興じていたということです。

明かりがあまり届かぬ隅のほうでは舟を漕ぐ者もいる一方、検事役は苛立ちを
押さえようともせずクラインをみやり、モンとその傍らの修道士は時折耳打ちをし、
カーギはただ黙想をするかのように沈黙を保ち、子息は時々あたりを鋭い眼つきで
見回しています。

そうこうしているうちにモンが立ち上がり、検事役の修道士のところへ行き何やら
談じだします。そして二人してクラインのほうを見やってはまた何事か言葉を
交わしています。

410 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/07(火) 22:51:15 0
>>409
自分に許された時間が残りわずかと悟り、
私は最後の質問を、生前の院長の目撃者へとかけた。
「さて、ここまで調べて未だわからないのは、
 はたして彼、キリマに前院長を殺害するまでの理由があったか、ということ。
 学僧として他舎へ赴く話が出ていたともありますが、
 なれば尚更、身を慎むべき時期であった事は火を見るよりもあきらか。
 生前の院長が何か、彼に関わる事を口にしなかったか、何か覚えは」

学僧の口を取り消す話が出ていたとあれば、いっそキリマには不利になる。
たとえそうとしても、評決の糸口となるものを一つでも多く掴みたかった。


--------------------------
規制解除かな?
お帰りなさい。

411 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/09(木) 10:40:14 0
>>410
すると、キリマが顔をあげてモンのほうをちらっと見やります。これにモンはキリマを睨み付けん
ばかりの勢いでみつめかえし、モンの席の傍らの修道士が立ち上がって発言します。

「クライン殿、騎士殿のお尋ねはまことにもっともである。さりながら検事役殿は証人を
まだあかされては居られない。この場に居られない兄弟たちもおることでもあり、
我らが裁判を通じて平和を回復し、和を求めるにはいささか道のりが長いであろうことは
今日の審議を通じて明らかになったかと思う。明日は祭日に向けて全員で準備をするのが
慣わしの日となろうし、今宵はもはや遅い。

この場ではひとまずキリマを引き続きこの山にて神に向かい合わせるよう取り計らって
おき、続きは祭日が明けた後といたすべきではないかと存じる。いかがであろうか」

場は緊張した雰囲気から一挙に弛緩したような、それでいてクラインの発言を伺うような
雰囲気となり、検事役の修道士もあえて反対をせずあたりの者をみるともなく見ている
といった風情です。

##
ようやく規制解除されました。

412 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/10(金) 00:11:33 0
>>411
「異論のあろうはずもない」
結論が急がれているわけではないのだ。
ここまで流れを引けただけで、初手としては上々と言えた。
「質問に時間を割かせていただけた事に、心より感謝する。
 当地の平穏を呼び戻すための試みが正しく成功に導かれんことを」
キリマの肩口に手を置くと、彼の視線が私を見上げた。
「苦難の道だが、信じて待ちたまえ。真実が証されることを。
 神が見ておられる」
小さく頷いた彼の肩を軽く叩き、私は席に戻った。


-------------------------

規制解除おめでとうございます。

413 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/11(土) 01:30:29 0
>>412 修道衣に包まれたキリマの肩は意外にもしっかりしており、筋肉がそれなりについています。
蝋燭の明かりとはいえ、間近で見た限りでは憔悴こそしているものの健康ではあるようです。

ただ、視線はクラインを避けているのか床の一点をじっと見たきりで叩かれたときはっと顔をあげるも
またすぐに落とすといった調子です。

クラインが席に戻ると傍らの修道士は感服してやまないといった調子でクラインを見ています。
そのうちに一同は祭司モンの音頭のもと、儀礼の章句を唱えはじめ、やがて検事役を先頭に
キリマは退出します。続いてモンやその他の者も立ち上がるのをみて、一同も雑然と体を伸ばすように
立ち、なにやら低い声で言い交わしながら部屋を出て行きます。

414 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/11(土) 01:43:14 0
>>413 クラインも立ち上がり歩き出すといつのまにか傍らに典獄カージャールが並び問いかけて
きます。今日の審判というか審議でクライン殿は何か得られたかな、と揶揄するような調子で
続けて、「確かに記録では色々と神の法や修道士に対する処罰の話は読んでいたが、実際に
見聞きするとなると違いますな」とひとりごとめきつつも、クラインの意を伺うかのように呟きます。

さらには、それにしても祭日に実家に若姫が戻ることになるんでしょうかな、これはまた
色々と調べてみると面白そうですな。若者ならばさっそく最後の伺候とあいなるのでしょうが、
どうも本の虫がうずくようで早速、記録をあたってみるとしましょうかなぁとのんびり話しつつも、
早くも心は書庫となった読誦室へとはやっている様子です。

話題の主の若姫といえば、審議の間中、一言も言わずただ爺に証言をさせているのみ
でした。モンの後に続いて部屋を出たようでしたが、終始、なんとも影の薄いままで、むしろ
息を潜めているかのような振る舞いだったように感じられます。

415 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/11(土) 23:42:14 0
>414
典獄殿の言葉に頷くともなく頷き、なかば上の空で私は部屋を出た。
引っかかる事があるような気もするが、あまりに色々を一度に見聞きしたため、
自分でも思考の整理がついていかない。
ともかく予定はこなそうとひとたびは宿坊へ戻りかけたが、
思い直し私は再びきびすを返した。
カーギ殿に問いただすべき事が幾つかあった。

-------------------------
旅行のため明日は不在です。
次のレスは月曜以降になります。

416 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/04/12(日) 09:00:09 0
にっこり

417 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/13(月) 23:10:38 0
>>415 さて、カーギは子息とともに退室しておりました。まださほど遠くまでは行っていないでしょう。
そこでクラインが挨拶をするとカージャールは返事もそこそこに足を速めて門塔へと歩み去っていきます。

礼拝堂の参事会室から回廊の外側を通り、幕壁と回廊の間、控え壁の間を抜ける道は参事たちが
パラパラいたもののクラインが道を引き返す頃合にはもはや人の気配もなく、あたりはただ星が
またたき、時折流れの速い雲がよぎっていくきりです。

と、音も無く何かが頭上を過ぎ去っていきます。思わず首を巡らしてみると、星明かりに照らされた回廊の
壁を背景に控え壁や飛び梁の上を鳥が飛んでいったようです。夕暮れ時に出る蝙蝠よりは大きく
感じますので、おそらくは梟の類でしょうか。

さて、湯殿の前を過ぎ高木立の門をくぐるとあちこちの宿坊の戸口から光が漏れているのが見えます。
どうやら少なくとも今日は遅くまで起きている様子です。カーギの宿坊も同じく光が漏れており、中からは
人の気配がします。

418 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/15(水) 00:02:39 0
>>417
扉を静かに叩き、私は声を掛けた。
「夜分に失礼する。カーギ殿はいらっしゃるか」

時間を取らせるつもりはなかったが、
既に姫君に伺候するには遅すぎる時刻だった。
先程の書使か姫の従者を介し、口上のみを伝えるにとどめるべきだろう。
タスカに面会できるか否かは、彼が明日に備えて早々と休んだか否か次第だ。
院長への面会は…そういえば、先程の申し入れへの返答を受けていない。
返信を受けるのに間に合うよう宿坊へ戻らなければ、
そう思いを巡らせつつ、私は中の返事を待った。

419 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/16(木) 00:48:09 0
>>418 内側でゴトゴト音がし、やがて扉が内へと開き、カーギが顔を覗かせて
「騎士殿、よくいらっしゃいました」と応じます。

中に入るとカーギの父と子息、ゲルフの兄と弟、ハッカの跡継ぎらに見知らぬ顔も
混じって火を囲んでいます。

一同はなにやら魚介の串を炉辺から取ったり、厚い木椀に鍋の中身をよそって
クラインに差出し、口々によくぞいらっしゃったと挨拶します。

やがてカーギの父が実は今、ちょうど騎士殿のことを話しておったところです。
と切り出します。

420 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/16(木) 22:07:26 0
>419
「宿坊にて受け取るべき信書がありますので」
御厚情のみお受けします、と礼を述べ、私は食を辞した。
「御存知のとおり、事情を知らぬ身にて、いまだ解らぬ事の方が多い様ですが。
 何か話の種になるような事がありましたか」

421 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/16(木) 22:51:52 0
>>420 いえ、四方山話の種などではなく、甥のことでクライン殿がなさったことについて一同で
語り合っていたところなのですとカーギ父は顔色を改めて答えます。

甥が下手人ということはありえぬとここにいる一同は思っておりますが、かといってそれを
強引に主張したところで他に下手人が出てこぬ限り犯人扱いされるのは変わりがありませぬ。
それに、当人は疑いが降りかかったこと自体を罪にも感じ、苦にもしているようで、それが
不憫でなりません。なんとかならないものだろうかと案じております。

一同はこの言葉を聴いて考え込み、また深く思いにふけるといったていで慰めようと言葉を
発しようとする者もあるものの、今一つどう声をかけていいものやらといった様子です。

しばらくしてまたカーギ父が、それにしても騎士殿に内輪の心配事をもらすとはこれは申し訳ない。
面目ないことでしたな。時に明日は祭日の準備となりますが騎士殿はどうされますかと
尋ねてきます。

422 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/17(金) 22:59:55 0
>>421
「明日は明日のこと、残る所要をこなしてから考えるつもりです」
夕刻よりのちの予定が思いのほかにずれたため、
急ぎ信書の返事を受けに戻る予定であることを簡潔に伝え、私は言葉を継いだ。
「キリマ殿についての質疑は、むしろ部外者だからこそできたこと。
 貴殿らへことさらに肩入れするつもりは元よりなく、
 ただ自らがかつて立てた騎士の誓いにより、無実を訴える者を見過ごせなかった次第」
お気になさるな、といなし、そこで口調を改めて一言、申し述べた。

「肩入れするつもりはない、と前もって申し上げたのは、
 年長者である貴殿に一言、苦言を申さねばならなかった故。
 元より私は、甥御殿の裁きの場に立ち会うつもりはなく、仔細すら知らず、
 貴殿よりの申し出で、当地の民への面通しを願う約束をいただき、
 あの場に立ち寄ったがため、行きがかりで立会っただけのこと。
 聞けば、今日不意に裁きの日時が繰り上がった御様子もなく、
 また今この場で、予定が潰れた事をそちらから詫びられる御様子もない。

 咎めだてしようというのではありません。
 だが、聖地においても、騎士は常に騎士の作法で動くのです。
 貴殿がこの宿坊を束ねる方だからこそ、しかと心得ていただきたい。
 相手が誰であれ、貴族は言うに及ばず、騎士・戦士の類を相手に、
 言の葉を違えることがいかにうかつかということを」
相手の血統、面目と誇りを傷つける事になりかねないのだから、と言い添え、
私は言葉を切った。


------------------------------

スレも長く続いてるので、なかなか全体を読み返す事はできず、
同じキャラ相手に言葉遣いが変わってる部分があるかもですが、
そこはまあご愛嬌で。
雰囲気優先って事で。

423 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/04/18(土) 18:57:56 0
ひっそりage

424 名前:GM ◆tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/04/18(土) 22:15:15 0
>>422 「騎士殿、わたしらにとっても今日裁判なり裁きなりがあるとは寝耳に水のことでありました」と
カーギ父は弁解し、その脇に控える子息が、思うにモン殿が師父ヌガ殿と話しておりましたから、それで決めた
のでありましょうと言い添えます。

カーギ父は子息の言を聞いてはっと気づいたふうで
「そういえば騎士殿はナウを送り出したそうですな」と確認を求めてるように問い返し、
実に適任の者を選んだものです。ヌガ師も珍しく表に出てきて皆と挨拶しておりましたと思い返します。
いずれにせよ、明日から祭日の準備となるゆえ、皆も心を開いて騎士殿の知己を得ようとこの山の者から
参ってくるでありましょうと言い足します。

##
口調についてはかなり山の衆の言い方が入り混じっているなぁと反省しています。

425 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/19(日) 23:11:41 0
>>424
「私にとっては、当地を訪れてより、
 見聞きするもの何もかもが寝耳に水ですが」
苦笑しつつも、非礼が意図せずしてのことと理解し、
それ以上の言及はやめておいた。
「ナウを急使としたのも、行きがかり上のこと、立場上、ヌガ殿に適性を問いはしましたが。
 明日の祭祀についても何も知らぬ身ですが、事がすんなり運べばそれでよし、
 終わりよければ、のつもりで今は動く事にします」
遅くなりますので、と断り、私はその場を辞した。


-----------------------

無理に統一しようとして進行が滞るのも何ですし、
この際、雰囲気優先という事で。

426 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/04/21(火) 21:33:44 0
>>425 するとカーギ父子が扉をあけて見送ってくれ、子息のほうはランプを手に門塔まで
送ると申し出てくれます。クラインがうなずいた場合、土間にあった身の丈ほどもある木の棒を
拾い上げて父が素早く火を写したランプを手渡されるとクラインの先にたってとっとと歩き始めます。

ランプの傘の金属は土間の明かりを鈍く照り返し、紋様なのかそれとも古ぼけたための
傷なのか複雑な影を長く引いて壁に大きく映ります。

クラインが断った場合、ランプを貸すと申し出てくれます。

いずれにせよ、外は人の通りも途絶え、あちこちの建物からただ静かに人の声が漏れ聞こえる
ような気配がするものの、ひっそりとしています。

と、幕壁と回廊の間を抜ける控え柱の連なる小路まで来たときです。向こうのほうから
明かりが左右に規則正しく揺れながら近づいてきます。人とすればかなりの早足ということに
なるでしょう。石が転々と飛び石状に連なるとはいえ、こうも暗くては足元もなかなかおぼつかない
ものですが、向こうからくる明かりは速度を落とさずに迫ってきます。カーギの宿坊への行きに
梟が頭上を飛んでいたのもこのあたりです。

427 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/21(火) 21:39:19 0
>>426
見送りを断り、借りたランプを下げて宿坊へと急ぐ。

小路を近づく明かりに、脇へ退くか声を掛けるか一瞬とまどったたが、
先方が思いのほか急ぎの様子なのを見て取り、
私は敢えて声をかけず、代えて手にしたランプを高く掲げた。


-------------------------

代理投稿の方御苦労様です&GM再規制御愁傷様です。

手っ取り早い誰何と衝突回避と思って下さい<掲げランプ

428 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/04/23(木) 23:28:09 0
>>427 掲げたランプの光の向こう、闇の中から近づく明かりは速度を落とし切れ切れに人の話し声が
聞こえます。やがてまた明かりは進みだし、壁や控え柱などで照り返されたおぼろな光に人影が
二人みえて止まります。

と、そのうちやや大きめの影が動き出し、ランプを肩の高さまでもちあげます。
映し出されたのはやや影が濃いせいか、険しい顔の祭司モンです。

「夜分、ここを歩かれているということは湯殿においでになられた方かな」と柱を左手にして
たたずむクラインに話しかけます。モンの後ろではもう一人の影がひっそりと付き従うように
動いています。

429 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/24(金) 23:05:31 0
>>428
知己とあらば話は早い。ランプを下げ、私は呼ばわった。
「モン殿、私だ。所要でカーギ殿を尋ね、
 人を待つため宿坊に戻るところ。
 思わぬところでお会いしたものだ」

--------------------------

この板規制多いんですねえ…御愁傷様です。

430 名前:GM ◇tlyr3v7qik[sage 代理投稿gt;562 ] 投稿日:2009/04/25(土) 15:48:24 0
>>429 モンはクラインの声を聞いて、おぉと安堵してか声を漏らし、背後の者に向かって
差し招きます。と、人影は二つに分かれてランプの光に顔が照らされるところまで進みます。
一人は背の高い細身の男性、もう一人は若姫です。気のせいか背の高い男性と若姫は
体つきやら顔つきが似ているように感じられます。

モンは二人に向かい、「山の礼法で失礼いたします。こちらが山に逗留頂き、万事相談させて
頂いている隣谷の騎士殿です」とクラインのことを話し、続いてクラインに
「この山の城を治めておられる家の次女でおられる方で、マルト殿。そしてこちらが
その甥御でクリスタ殿」と紹介します。二人はクラインの面前へと進み出て、気さくに手を
差し出します。

「殿は我らが山の客人に当たるのですね。これは失礼しました。我らは御覧の通り幼く
物も知らぬやまがつゆえ、いつのまにか無礼を働いてしまったようです。是非、我らにも
お時間を割いて頂ければ嬉しく存じます」と弟御はすらすらと述べ立て、その姉たる若姫は
そっと眼を伏せて同意の印にかすかにうなずいて見せます。

##
どうもありがとうございます。今回はどのくらい規制が続くことかと興味が尽きません。

431 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/26(日) 00:28:45 0
>>430
「メヴィウス卿旗下の騎士、クライン・トーラス。お初にお目にかかります」
状況が状況とて、略式ではあるが型どおり挨拶を済ませたのち、
私は宿坊へ伝書士が来る予定である事を簡単に説明した。
「お二方にはお言葉をいただき光栄至極ですが、今宵は人との約束もあり、
 後日、改めてお目にかかる事をお許しいただければ恐悦に存じます」
慌しく場を辞す非礼を詫びて、私はその場を後にした。


432 名前:GM ◇tlyr3v7qik[sage 代理投稿gt;568 ] 投稿日:2009/04/27(月) 04:05:25 0
>>431 伝書士の話を聞いてモンは怪訝さを隠せない様子で尋ねます。
「その伝書士というのは、当院の修道士の者に違いないでしょうが、夕課のあとには
手紙を届けることはめったにしませんぞ。夕課のあとは、今我らがしているように
明日の仕事を取り決めるため連絡に歩くことはあっても手紙を出すことはせんでしょう」

だが、殿が特に頼まれたということもあるでしょうし、仕事熱心な者もおりますからと
やや口調を改めてつぶやき、夜はくれぐれも注意されますようといい終えます。

何事もなければ、三人は会釈してクラインが来た方向へと歩み去ってゆきます。

433 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/27(月) 23:23:57 0
>>432
助言に礼を述べ、帰路を戻りつつ、自然と急ぎ足になる。
夕課前から宿坊には戻っていないのだ。
よもや待っているはずもないが、知らぬとはいえ無駄足を踏ませたかもしれない。

ほぼ小走りに、宿坊まで馳せ戻る。
回廊はひっそりと静まり返っていた。

434 名前:GM(代理) ◇tlyr3v7qik[sage代理投稿gt;gt;572] 投稿日:2009/04/28(火) 01:19:47 0
>>433 幕壁に面した回廊の尖頭窓はどれも暗く、控え柱と飛び梁に遮られた空も星が
時折隠されるため明かりはただ手にしているランプのみ。ところどころの飛び石は
心なしが夜露で湿りはじめたのか、足元がすべるように感じます。

とまた頭上を何物かが飛ぶ気配がして見上げると、フクロウが翼を広げ音もなく
飛び梁に止まります。眼は手元の明かりを反射してきらめき、あたかも人のように
クラインのほうを見ています。

クラインが動かない場合、このフクロウは梁から控え柱、控え柱から幕壁の
連続アーチの控え支えへと、次第に下へと飛び移り、やがてクラインのすぐ脇、
磨かれた石球が錐状に積み上げられた上に飛び移り、一方の翼を広げ何かを
指すようなしぐさをしてみせます。

435 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/04/28(火) 23:53:05 0
>>434
これほどに近く、生きているフクロウをはじめて見る。
野生の禽獣にしては、奇妙に人馴れしている。
急いではいたが、物珍しさに気を取られ、私は猛禽の姿に見入った。

436 名前:GM ◇tlyr3v7qik[sage 代理投稿583] 投稿日:2009/04/30(木) 07:13:06 0
>>435 呼吸でかすかに揺らめくランプの明かりの中、フクロウはクラインを見つめ返し、低く
啼いたかと思うと脚を持ち上げては蹴爪で石球の天辺をつつきます。にぶく光をはねかえすのは
脚を覆う毛のせいでしょうか。

 また一声啼いたかと思うと翼を広げて、闘牛士がマントを翻すかのように音も無くはためかせた
と思いきや宙に体を蹴り出し、翼のある猫のように飛び梁へと宙を翔け、脚を上にしてさかさまに
ぶら下がります。目の前をよぎるとき体毛に覆われた脚先が鈍く光ります。蹴爪の上のところに
何か光るものがあるようです。

 そのまま見上げていると足元で囁くような音がします。みれば、四角錐に積み上げられた石球の
天辺に小さな人影のようなものが座っています。そして次々と石球の間から同じく小人の人影が
現れては路地を門塔のほうへと歩き出します。

437 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/01(金) 00:18:45 0
>>436
我が目を疑った。
この地を訪れたその夜に──昨夜の話だ、あろう事か!──
巨大な怪異に見舞われはしたが、今度は小人とは。
見間違いかとランプを近づけたが、消えうせるものでもなく、
点々と移動する小さな人影が床を滑った。

ランプを掲げ、踏み潰さぬよう、気をつけながら門塔へと歩む。
伝書士の事も、不可思議な梟の事も、一時脳裏からは消えていた。

438 名前:GM(代理) ◇tlyr3v7qik[sage代理投稿gt;gt;588] 投稿日:2009/05/03(日) 01:51:46 0
>>584 ありがとうございました。
ひっそりとTRPG掲示板プレイしてます
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1219586751/
に代理投稿をお願いいたします。

>>437 小さな人影は次々とランプの光を過ぎり、門塔、射手回廊(幕壁)、大回廊、乙女の塔にはさまれた
広場へと向かっていきます。クラインにはまったく頓着せず、まるで坂道の上で豆俵をぶちまけたように
路地のいたるところ、飛び石の影や幕壁の射手狭間の中や、荒い仕上げのままほって置かれた切り石
などから影が次々と繰り出していき、路地を埋め尽くします。

ついには足の届くところ全てが人影で埋まり、文字通り足の踏み場も無くなります。

と、なにやら人にあらざるような気配を感じてランプをかざすと広場の中に大きな人影が見えます。
大石を幾つか無造作に積み上げたような形で、でたらめに手足を振り回しては広場をあちこち
動き回り、動き回りながらも、形が膨れ上がり背が伸び、さらに腕を伸ばし、また胴体から新たに
腕が伸びてはうごめかしています。


439 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/03(日) 23:56:28 0
>>438
身動きを取るに取れず、足元を埋め尽くす小人に呆然としたが、
あまりの異様さに夢かうつつか自身が持てなくなり、
私はそっと屈んで小人のひとりをつまみ上げた。
手のひらに乗せて、よく見てみたくなったのだ。

広場の異様に気づいたのはそのときだった。
何事かと思いつつも、歩み寄ろうとすれば小人を踏みつけにしてしまう。
完全に立ち往生し、私は途方にくれた。

440 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿gt;610] 投稿日:2009/05/05(火) 10:36:09 0
>>439
明かりを地に近づけて照らすと、粘土の塊に細かい砂をまぶしたような作りのものや、
砂辺で型抜きして作ったようなものが、転がったり歩いたり走ったりしながら流れをなして
広場へと進んでいきます。

流れの中に指を差し入れると、夜露で湿った砂の肌触りが手のひらにあり、あたかも
砂でできた川に手を差し入れている気分です。これが夏や残暑の厳しい夜であれば
心地よかったことでしょうが、秋も終わりの頃合となっては手はあっという間に冷えて
鳥肌が立つ思いです。 

さて、摘み上げようとしてもなかなか引っかからず、手の甲を地のくぼみにつけて相手が
手のひらに乗ったところをすかさず包み込みながら持ち上げると小人を捕らえることが
できました。始めは手のひらの上でぐるぐる動き回りますが、そのうちにじっと動かなくなり
指で囲われた空間の中で上を見上げるような仕草をして立っています。かすかに
声を発しているような気もしますが、定かには分かりません。

一方、広場では巨人の体に異変が生じます。腕にも脚にも見える分岐が盛り上がり、太く
なったかと思うと本体から切り離され、しばらくその場で揺らいでいますがやがてクライン
のいる方へと近づいてきます。

441 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/05(火) 22:57:41 0
>>440
この小人、そして眼前の巨人の正体が何なのか、知る由もなかった。
吟遊詩に聞く地精だろうか。だとしても、今この場をどう乗り切れるでもない。
小人を地に下ろし、唯一身に着けていた短刀を抜いて、私は身構えた。
こればかりの装備で抗せられる相手とも見えない。
太刀打ちできないとあらば、逃げるほかないだろう。
退くためには、小人を踏み砕くのもやむなしと覚悟するほかなかった。

442 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿gt;622] 投稿日:2009/05/08(金) 06:15:22 0
地に下ろされた小人は、まるで子供に摘み上げられて迷子になった蟻のようにしばらく
クラインの足元をうろうろしていますがやがて、広場に向かう波に飲み込まれて去っていきます。

一方、小人の流れに逆らうように巨人は悠々と近づいてきます。広場に屹立するものよりは
はるかに小さいのですが人の背丈の倍くらいはあるでしょうか。

せめて人はいないのかと見回しても、門塔にも大回廊にも明かりは見えません。広場を
横切った向こうの乙女の塔、その高いところにある窓覆いからかすかに光が漏れている
ような気配はしますが、救いを求めるあまり、幻を見ているのかもしれません。

さて、いよいよ巨人は眼前に聳え立ち、しばらくそのままじっとしていますが、やがて胴の
脇から手が突き出してきたかと思うとみるみるうちに腕を伸ばし、しばらく頼りなげに左右に
振っていますが、そのうちになんとか人のしぐさに似せたといったふうに手をクラインへと
差し伸ばしてきます。顔の前に広がる手は分厚く、円盾を何枚か重ねて腕先に括りつけた
といったさまです。


443 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/09(土) 01:29:42 0
>>442
眼前にさだかになったその奇怪な姿を目にして、
ようやく私の脳裏に、ひとつの単語が意味を結んだ。
…ゴーレム。
ただしいかどうかはわからない。吟遊詩に伝え聞いた知識でしかない。
だが、目の前の物体──物体だ、確かに!──は、確かにそれと合致する。
生命なき土塊より成り、人間に似、魔法に使役される。
但し、それが正しければ──やんぬるかな──武器では倒せない恐れがある。
まして、このような短刀ごときでは。
身を低く構え、私は注意深く身構えた。
一撃入れて駄目なら、何としても退かねばならない。
あの巨体に当てられれば、まぐれ当たりとてただではすまない。


--------------------------------
退却先は、迷う事なく宿坊です。
バトルアックスだけでも装備できれば多少はマシだろうので。

444 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/05/09(土) 23:54:56 0
>>443
ランプを傍らの石球が積み上げられた上に置き、低く短刀を構えたクラインのまえに
巨人は言葉も無く立ち、ときおり体をよじるようにしたり、突き出した手をゆらめかせます。

そのうちにまた胴の脇が盛り上がり、やがてもう一本腕が肩口から生え出します。こちらの
腕はだらっと伸びてゆき、手の先は地面に触れ、そのまま手の平をじかに着けて静止
します。

クラインと、この猿臂のゴーレムが対峙する間を相変わらず小人たちが津波のように
流れていきます。ランプの明かりに照らされて、小川のせせらぎ、或いは
湖の砂辺に打ち寄せる白波のように視野の隅で波をなして動いています。

クラインは猿臂の手と腕、そして足の位置を良く見定め、このゴーレムがどのように足を運び
手を振るうのか素早く思いを巡らします。果たして人と同様に関節を持ち、筋肉と腱でつながり
骨で動作する代物なのでしょうか。

そのとき、犬笛のような低い音が耳に届きます。音源はどこかと眼前の砂巨人から視線を
外さぬようにしつつ耳を澄まします。門塔で聞いた鐘の音のように反響しているものの、広場
の中央にいる巨人が発しているもののようです。

足元を洗う小人の群れの波にもいつの間にか異変が生じています。これまでは広場へと
向かっていたのが、向きが逆転して路地へと流れ込んできています。ランプの灯心の具合は
そろそろつまんでやらねばならぬのでしょう、光は頼りげなくチラつき始めています。

445 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/10(日) 20:43:02 0
>>444
灯りが失われる前に、打開策を見出さねばなるまい。
突き出した手を睨み、低く構える。
小人の群れの流れは、もはや眼中になかった。


------------------------------

攻撃が通らなかった場合、
可能ならランプ引っつかんで退却します。

446 名前::GM ◇tlyr3v7qik[sage 千夜万夜代理投稿スレ 635 ] 投稿日:2009/05/12(火) 06:20:03 0
>>445
突き出した手の揺れの周期を計り、低い構えでいざ短刀を繰り出します。
霜の降りそうな夜とて、筋肉が冷えていたにもかかわらず、自分でも驚くほど
滑らかに足は動き、たちどころに猿臂をくぐり間合いに入り込みます。

潜り込んだ刹那、下から腕を斬り上げ、そのまま勢いを流さず肘と膝を胴に打ち込むと
腕は半ばを吹き飛ばされ、砂でできた胴はもろくも崩れ、おおきく傾ぎます。

背後では一声、ふくろうが鳴き、見事な技を称賛するかのようです。

しかし、運命のいたずらか、よろめき傾いだまま差し伸ばした腕先が石球の山の上の
ランプに当たり、向こう側へと叩き落してしまいます。

雲に時折遮られる星明りの下、猿臂のゴーレムは地につけた腕を支えに身をよじり
揺らしていますが、特にクラインに反撃するような素振りはありません。

447 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/14(木) 23:07:34 0
>>446
ささやかな灯明を失い、かろうじて陰影が判じられる闇の中、
私はゴーレムと向き合った。

思いの他、もろい。このまま打ち込めば、あるいは。
しかし、この暗がりでは、相手の動きを見切る事すらままならない。

しばしの逡巡。次第に暗がりに目が慣れてきたが、
闇夜の戦闘に勝利を確信できるほどでもない。
眼前のゴーレムに、向かってくるふうはない。
──どうする?

迷いはしたが、先程遭遇した貴人を思い、腹は決まった。
私以外に、この異形に遭遇する者がいないとは言い切れないのだ。
長引かせては、身体が冷えるばかり。
軸腕に狙いを定め、ゴーレムに向かって私は地を蹴った。


--------------------

戦闘を続行します。
視界が悪いので、一撃を狙わずしっかり狙いを定めてヒットアンドアウェイで。
打撃点が低いのでクリティカルを狙わず、回避優先でちみちみ削っていきます。

448 名前:GM ◇tlyr3v7qik[sage 千夜万夜代理投稿スレ651] 投稿日:2009/05/16(土) 07:24:53 0
>>447 地を蹴ろうとするその寸前にまたしても異変が生じていることに気づきます。
ゴーレムの腕、腕先と揺らぎに眼をすえているうちに、視野の隅でなにかが光っているのに
気づいたのです。

光は足元を今も抜けていく小人たちの波と周期をあわせては揺らめいているように思えます。

これは一体どうしたことなのか。だが逡巡する間もなく、一閃を当てようとしたとき、
ひと際強い光が横顔に当たり、広場の方角だと判断する間もなく白く照らし出された一帯の
光景の中で、轟音が達します。

光の源はたちどころに上空へと翔け登ってゆき、辺りの建物が照り返しで強く闇から浮き上がり
陰影を濃くし、そしてまた闇の中へと溶け込んでゆきます。

山の上空では星のように、或いは闇の巨人がかざす松明のように打ち上げられた何物かが
白々と煌きます。流れゆく雲にも反射し、まるで山全体が奈落の底から突然舞台の上に押し上げられた、
といったふうです。

さすがに隣の谷から山越しにこの光が見えるとは思えませんが、この谷であればかなりの距離から
でもこの光はみえるでしょう。


449 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/18(月) 00:04:49 0
>>448
PLです。
GM、お願いですから情報はまとめ出しして下さいorz
戦闘中、攻撃アクションかけたところで状況変化して攻撃対象の描写がないと
リアクションの取っかかり探すのがすごくつらいです。


450 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/05/18(月) 01:41:24 0
がんがれー

451 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/05/18(月) 21:49:17 0
にぃ

452 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/05/18(月) 22:49:03 0
>>449
クラインの眼前では猿臂のゴーレムが相変わらず身を左右に揺らし、ときおり不安定になるのか
よじるような動きをみせています。一当て目で、中ほどの、人であれば肘に近いあたりをごっそりと
吹き飛ばされたほうの腕は大きく湾曲し、手先はランプを倒したときのまま石球の山の上にありますが、
肩口に近いほうは脇にだらんと垂れ下がり、ぐずぐずに熔けた飴細工や、ロクロ回しに失敗した
陶土のようです。

一方、支えとしている軸腕は気のせいか多少太さを増したように感じられますが、相変わらず
手の平を地面に押し付けたままでじっと動きません。

上空では、広場から打ちあがった星のような光を放つものがゆらゆらと漂いながら降りてきます。
星に照らし出された広場を縁取るように燐光を発する小人たちがあちこちで群れをなし、
巨人はその中央で上空にいる何かを差し招くかのように手を上へ、雲のほうへと伸ばしています。

ここで気づくのは広場にあったはずの土嚢や棒材などが綺麗に片付けられて脇に寄せられている
ことです。また、門塔の入り口の前にも眼前にいるのと同じようなゴーレムが陣取っています。
ここからは見えませんが、おそらくは大回廊の土橋のあたりにも別なのがいるのかもしれません。

453 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/18(月) 23:26:16 0
二体目のゴーレムに気づいた瞬間、困惑のあまり眩暈がした。
一体だけでも手に負えないというのに、他にもいたとは。
光と轟音──よもや、祭の祝花火でもあるまい系線─には、他にも気づいた者がいるだろう。
何事かと起きだして来た者がゴーレムに遭遇するかもしれない。

決着を諦め、私は駆け出した。
誰であれ、一番に見つけた者をつかまえ、大事を報せるよう言わねばならない。


--------------------------

事故に遭遇、渋滞が発生する前に先頭車両を捕まえて110番通報を依頼、
ついでに交通整理を頼んで自分は現場へUターン…ってアクションですな。
ダッシュした方は、PL現在地がちょっとわかりづらくなってきたんでPC任せですが
もっとも人に遭遇する可能性が大きい方向へ、って事で。

454 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/05/21(木) 00:18:10 0
>>453
短刀をかざして牽制しつつ距離をとり、さっと身を翻して、ランプを拾うや後方へと駆け出します。
ランプの明かりがついているのか確認する暇もありませんが、昨晩から何度も通ったおかげで
大体のところは分かっています。控え柱や控え壁の根に躓いたり、ましてや壁石に体を
打ち付けるなどということはありません。

走り出してほどなくして、前からランプが激しく揺れながら近づくのが見えます。いささか早口で
はばかることもなく発せられた声など、複数の者が口々に喋り散らしながらおっとり刀で駆けつけて
来るのでしょう。

背後から追ってくる気配はありません。もっともゴーレムのようなものが人と同様の気配を
発するなどということがあるのかは分かりませんが。

455 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/22(金) 00:15:15 0
>>454
前方に人の気配をみとめ、ようやく人心地がした。
ランプを掲げようとして、ようやくそれが消えている事に気づく。
やむなく、大声を上げて私は呼ばわった。
「誰でも構わない、早くここへ!」

----------------------------
補足
相手が既に顔見知りの誰かなら、広場へ戻りながら
事の次第(貴人二人と別れた後)をかいつまんで説明すると思います。

456 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/05/22(金) 23:11:23 0
>>455 発した声に引き寄せられるようにばらばらとランプが駆け寄ってきます。
その間にも上空を漂う星は谷の口のほうへとゆっくりと流れて行っているのでしょうか、
光は淡く、かすかとなり、眼は暗闇とランプになれはじめ、視界が戻ってきます。

近づく人声の中には聞きなれた祭司モンの声が混じっています。泡を食った調子で
熱を帯び、盛んにしゃべりたてては相手が誰であろうとはばからずに論じたてている
とでもいったふうです。

そして、クラインに近づくなり、「騎士殿、ご無事でしたか。一体この光はどうしたのです。
一体何がおきているのでありましょう?」と早口で問いたてます。

一行のほかの者は手にまちまちに得物となるような木の棒などを持ち、修道衣を
頭から被っただけで駆けつけたといったふうです。クラインを囲む勢いで、なおも
三々五々と人は増えています。

モンは自ずと集まった衆を代表するかたちとなってしまったのに気づき、ようやく気を
取り直して、またなにやら発声しかかったところで、またまた広場から轟音がします。
先ほどのと同じく、強い光を発する何かが上空へとかけのぼっていき、一行を白く
闇の底に浮き上がらせます。思わず顔を上げ言葉も無く、まぶしそうに光を皆は
見上げるばかりです。


457 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/23(土) 23:08:31 0
>>456
「モン祭司か、ありがたい」
見知った顔があった事に安堵し、説明のため口をひらきかけた途端、
後方より再び轟音が轟いた。
「…百聞は一見にとも言う。見ていただいた方が早いだろう。
 先程、私が広場で遭遇したとてつもないものを」
モン殿を差し招き、彼に続き他の者が歩きはじめるのを待ち、
私は再び口を開いた。
「正直、どう説明すれば理解してもらえるか、皆目検討もつかない。
 私自身、己が目で見たのでなければとうてい信じられまい。
 片がつくまで場を離れるべきではなかったのだが、
 一人では手に負えないように見て逃れてきたのだ」
何を見た、とまで話が進まぬ間に、足早に戻った道ははや
広場へと到着していた。


458 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage] 投稿日:2009/05/25(月) 00:26:00 0
>>457
大回廊と幕壁、射手回廊の間の路地を抜け広場に差し掛かるあたりには
とさきほどのゴーレムの影が見えます。

広場は不思議な燐光に満ち、上空の光が淡くなり谷の口へと風にのって
流れていくにつれて、広場を囲む建物の石が全て光を放っているようにも
感じられます。

猿臂のゴーレムは今は身じろぐのをやめ、両手を横に広げて、通せんぼを
しています。片手の指先は控え壁に、もう一方の手の指先は射手回廊の
控え柱に接しており、通路全体を塞いでいます。

モンはこの光景をみて、思わず絶句しておりますが、なんとか気を取り直して
「これは、本当にご無事でようございました」と呟きつつ、「さて、どうしたものか」
と思わず洩らしたそのとき、頭上はるかで何か獣のようなものが吼え轟きます。

一同が顔をあげると、上空の光をさっと大きな黒い影がよぎり、谷の口へと
向かいます。何であろうかと思案する間も無く次の影がまた同じく頭上を過ぎり
やはり谷の口、クラインが昨夕に渡った大河のほうへと向かいます。

459 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/25(月) 23:08:51 0
>>458
「この地を訪うて一日で、もはや多少の事では動じぬようになったが」
夜空を照らす光、その光を横切る影を見上げつつ、
誰に言うともなしに私は呟いた。
「ここまで豪快な怪異に遭っては、もはや意見の延べようもない。
 差し当たって広場の障害を取り除くつもりでいたが、
 もはやそれどころの騒ぎでもないように見える。さて」

モン司祭を振り向き、私は問うた。
「まずはこの騒ぎに起き出した宿坊の客人が、
 危険に遭わぬようはからう方がよいだろう。
 あの様を見てこの道を行こうとする者はもはや居るまいが、
 他へもこの異変を知らせ、収拾をはかった方がいい。
 モン殿、まずは誰か、院長に報せをと」

460 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/05/26(火) 23:35:05 0
>>459
モンは気を取り直したように周りの者に命じかけて、はっとと留まります。
「クライン殿、院長殿は、その」と、上空を漂い流れる光を指して、「あの星の流れてゆくあたり、
つまり、川の中州のあるあたりの向かい岸に居りましょう」と話し、殿がご存知とは驚きました
と言い添えます。

一方、モンを囲む者は言いつけられずのを待たず、バラバラと後方に駆け出してゆきます。
おそらくは大回廊や宿坊へと状況を伝えに戻るのでしょう。

クラインとモン、そして数名はゴーレムの腕が届かぬあたりで対峙しています。

頭上を過ぎ去っていった獣が放つものなのか、谷の入り口、川の上空あたりでは、火花や炎が
時折飛び交うのが見えます。

461 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/27(水) 22:24:39 0
>>460
「いま何と言われた?」
我が耳を疑い、私は尋ね返した。
「このような時間に一体、何用でそのような場所へ」

思いもよらぬ話の運びにまどいつつも、状況を読もうと改めて周囲を見回す。
このまま朝までここでゴーレムと睨みあっているわけにもいかない、
さりとてこの状況をどう打破したものか。

-------------------------
PLおねがい
できれば、そろそろ広場周辺の現在図が欲しいです。

462 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿691] 投稿日:2009/05/29(金) 23:54:18 0
広場の現状図
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org75481.bmp.html

>>461
モンは早口で、「クライン殿、院長は都からお越しになるのです」といい、周囲の者にも
聞こえるように「殿はよくぞご存知でしたなぁ。感服しました」と繰り返します。

大河が流れているあたり、谷の口ではこの間も時折、強い光が空を走っては消え、
或いは突如、閃光が放たれては雲間を照らし、大きな翼の生き物が雲の照り返し
の間を飛び去り、あるいは雲へと突き進み姿を隠すのが見えます。

数はさほど多くありません。ひょっとしたら一対一なのかもしれません。
雲から山の稜線、場合によってはそれよりもはるかに低い位置でも閃光は
発せられているようです。大回廊の影のこの位置からでは良く見て取れませんが、
乙女の塔の上や門塔の最上階であればもう少しはっきりみえるでしょう。

今は広場中央のゴーレムも、眼前の猿臂のゴーレムもじっと静止しています。広場を縁取る
石が燐光を放っているほかはこれらのゴーレムさえいなければごく平凡な光景のはずです。

一方、クラインやモンたちの頭上では、大回廊の上層階にある小さな連窓の窓覆いが
そっと除けられているような、そんな人の気配がします。今のところ叫び声や人が室内で
騒ぎ立てるような音は聞こえません。

向かいの門塔では、広場に面する背の高い尖頭窓は光を発さず、扉も閉まったままです。
人が起きていたとしても、室内を暗くしたままで広場を伺っているのでしょうか。

463 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/30(土) 22:24:14 0
>>462
「祭司殿、落ち着かれよ」
要領を得ぬ話にやや苛立ちを感じるも、
この状況下ではやむをえぬことと己に言い聞かせる。
静かな聖域に住まう祭司が、かような怪異に慣れている方がどうかしている。
「気ははやるが、このままでは強硬突破もままならぬ。
 急ぎ宿坊へ戻り武具を持ち戻るゆえ、
 その間、危険に近づく者なきよう、しばしこの場を封鎖されたい。
 あるいは馳せ参じる騎士格の若人がいるやもしれないが、単騎で動いては混乱が増す。
 功を焦らず、留まり待つよう言い含められよ。
 あたう限り疾く戻るゆえ、宜しくはかられたい」
噛んで含めるように言い置いて、私は駆け出した。


--------------------------
画像ファイルが流れたのか、既に見られませんでした。

何事もなければ、最短時間で武具防具を身につけて戻ります。
スレ冒頭で指定したとおり、フルプレートではなく旅装用の軽装備なので
戦力としては弱いですが、その分装備を整える時間は短く済むかと。

464 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/05/30(土) 23:14:43 0
広場の現状図
http://www.death-note.biz/up/f/51467.bmp

>>463
モンはクラインの言を聞き、戸惑った顔をし、ついでやや落ち着きを取り戻したのか
「騎士殿、こうなっては騎士殿を頼りとするばかりです」と周囲の眼もあればこそ、
すがりつかんばかりの勢いで哀願します。

クラインが駆け去ると背後ではモンが、騎士殿の支度をお手伝いせよと周囲の誰へともなく
叫び、ばらばらとついて駆けて来る足音がします。

さて大回廊と射手回廊、幕壁の間を抜ける小路を再三、クラインが駆けていくと前方に
光が現れ近づいてきます。回廊で上空の光は遮られてはいますが、光を掲げて声高く
話ながら近づいてくる人影には見覚えがあります。カーギの宿坊で昼間に会った
宿坊の主たちです。手に手に木の棒などを持ち、クラインを見つけるなり、大きく手を振って
騎士殿、一体何事でしょうや、と口々に叫びます。

465 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/05/31(日) 23:01:51 0
>>464
現状図を見てPL頭抱えてます。
これだとどう頑張っても装備取りに戻れないんじゃ?
クラインが泊まってるのは鐘楼エリアですよね?
現状図見るまでレス待てばよかったな。

無理なら無理で、装備取りに戻ろうとした部分はキャンセルして
アクションかけなおしますがどうしましょう。

466 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/06/01(月) 00:19:18 0
GMから特に通行不能のコメント無いし
大回廊-土橋-馬屋-射手回廊
ぐらいでススワタリだかコダマだかの隙間を伝って移動できる事にしちゃえよw
いまさら経路再検討とかキャンセルとかマンドクセ


467 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/01(月) 06:16:42 0
>>465
GM発言 装備は今、門塔の鐘楼付近の宿泊している部屋にあります。
取りに行くことは多少手間を掛ければ可能ではあります。

例えば、射手回廊、幕壁のあたりですとか丁寧な図面を用意していないのですが
ここを渡っていくこともできます。門塔に入る口は探す必要がなおもありますが。

或いはこの山の頂上部を囲む城壁に門塔以外に出入り口がありえるのかも
しれませぬ。この場合、山の外から門塔に入る手立てを探す必要が生じますが。

さらに言えば武器はクライン殿の携えているもの以外にもこの山にはあるやも
しれませぬ。

とりあえず射手回廊の立面図、というか構造図を描けるかやってみます。なにしろ道具が
ペイントしかないので不自由極まる上に、絵心が無く、絵を描いた経験がないため
成功するかは分かりませぬ。


468 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/01(月) 21:54:45 0
では、通行不可能なわけではないという事で
行動キャンセルはせずこのまま行きます。

469 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/01(月) 22:03:52 0
>>464
「よいところへ参られた」
急ぎ駆け寄り、私はごく手短に、かいつまんで現況を説明した。
「ゴーレムの出現がなにびとの仕業で、何をなそうとしているかの詮議は後回しだ。
 この怪異に抗しうる充分な手が揃うまでは、除こうと無駄に危険を冒すより、
 まず年寄り子供が危険に遭う事のないよう、場の封鎖を優先せねばならぬ。
 モン殿が報せを走らせてはいるが、人手がなく心もとない次第、
 急ぎ合流して、ともに事に当たってもらいたい。

 私の感触では 除けぬ相手ではないが、要らぬ怪我人を出したくない。
 宿坊の装備を取り急ぎ戻るゆえ、それまで警戒を頼む。
 小半時とはかからぬ、ともかく若い者に無理をさせぬように。
 怪異はゴーレムのみではないのだから。
 決して無理はせず、異変があらば迷わず引いてくれ。
 間違っても、一部始終を見届けようと留まる者のないように」


470 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿16] 投稿日:2009/06/02(火) 07:10:33 0
GM発言
3Dの透視図はちょっと無理でした。とりあえず立面図をUPしました。
http://www.death-note.biz/up/f/51676.bmp

>>469
宿坊の主たちはクラインの話を聞き、背後にいる猿臂のゴーレムをみるや、それぞれ指差して
驚嘆し、ついで口々に承知したと叫びそれぞれ精一杯の速さで駆け散ってゆきます。

と思いきや、そのうちの一人がふと振り返るや走り寄ってきて、
「ところで、殿はどうやって門塔の部屋に戻られるのです?」、そしてあの大きな代物をどう
されるのかと尋ねます。


471 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/02(火) 22:59:03 0
>>470
一瞬躊躇したが、彼らが早まった真似をすまいという確信に近い思いから、
私はそれを告げた。
「あのゴーレムは、どうも見目の割にもろいようだ。 
 動きが鈍いこともあり、護身用の短剣でも、かろうじて太刀打ちできた。
 小さいものなら、或いは鈍器で叩き潰す事ができるやもしれない。
 あの巨体は、…まあ、装備を整えてから考えよう。
 流石に、この軽装であの前に立とうとは思わない」
振る光の照らす広場を見やり、一人ごつように付け加える。
「門塔へは…まあ、どうにか戻れよう。
 若い頃ほど易々とはゆくまいが」

-------------------------

戻りルートを突っ込まれるとは思わなかったw
素直に考えれば、現在地が射手回廊のあたりとして、
このまま馬屋と幕壁の間を突っ走って差し掛け小屋まで抜け、
小屋前のゴーレム脇を抜けられそうなら強行突破、
無理っぽければ差し掛け小屋を乗り越えて階段側へ飛び降りる、でしょうか。
シーフスキルも持たない騎士のやるこっちゃありませんが、
何せ革鎧すらつけていない軽装ですから、何とかなるかなと。

472 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 千夜万夜代理投稿19] 投稿日:2009/06/04(木) 18:45:47 0
>>471 
クラインの言を聞くや、相手は口を半ば開けてわずかな間言葉を探しますが、
たちどころに決断し、

「殿、殿さえよろしければ故宝庫に行かれては?」と申し出ます。

「騎士のならいをとんと存ぜぬ山がつゆえ、このような申し出てをして
お時間をとらせては申し訳なく思いますが」

「ですが、武器が何かしら見つかりましょう」

頭上の光で見ると、相手はカーギの父です。子息はあたりに見当たりませぬ。
さきほど駆けていった中にいたような覚えがあります。

一方、谷の口から時折轟く音や光は次第に間隔が間遠となっています。今は
大回廊や礼拝堂の影でよくは見えませんが、ひょっとしたら一方が優位を占めた
のかも分かりません。


473 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/05(金) 01:01:48 0
>>472
一瞬の後、意味を解して尋ね返した。
「つまり、この近辺に武具が置かれているとおぼしき場があると?」
勢い込んで問いただす。
「なれば、急ぎ場所をお教えいただきたい。
 この事態だ、寸刻が惜しい。
 宿坊への通路を突破するより確実とあらば、願ってもないこと」


---------------------------

できれば、先日の地図でどの辺りか、図解でなくてもいいので軽く教えて下さい。

474 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/05(金) 05:20:27 0
GM発言
山にある既知の施設について大雑把な位置を記した概念図をUPしました。
http://www.death-note.biz/up/f/51946.bmp
実際にはもっと色々こまごまとした建物があったりしますし、形状などは
細かいところで違うとは思いますが、山上で移動場所を考えるのには
これで役に立つとおもいます。

>>473
カーギがもどかしげに説明したところでは、故宝庫は大礼拝堂前の
高木立を抜けて宿坊の間を縫って進んだ先にあるようです。

「殿、ご案内いたしましょう」と返事も待たずに湯屋の後ろへとカーギ父は駆け出します。
道々、話すところでは山や宿坊の村に隠棲したり、或いは旅先で亡くなったり、はたまた
いっとき山で過ごした記念に品を置くなどして自然自然と色々な物が集まったのを
皆で使えるようにとのことで、まとめて置いてある場所だということです。

さてそうこうしているうちになにやら畑の畝の間を走りぬけ、木立を抜け、低い幕壁を横に
控えたあたりに背の低い建物が現れます。カーギ父はあれですといい走り寄ります。

GM発言
大抵の武具、武器、防具は揃います。年代物ですがしっかりと手入れされています。
中には家紋やら紋章やらがついているものもあります。ということで、次のレスでどんな武具を
見つけて身につけたり、試してみたりしたかを教えてくださいませ。
このほか、古い家財道具も置いてあります。白い布が掛けられており丁寧に保存して
あることが伺えます。


475 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/06(土) 23:10:16 0
>>474
扉を押し開け、カーギ殿の掲げた灯りを頼りに中をあらためる。
「かたじけない」
短く礼を述べ、即、防具を求めに走る。
真っ先に探したのは盾だった。
ドラゴンのブレスでも相手取ろうというなら知らず、長大な騎士盾では回避の妨げにしかなるまい。
巨大なゴーレムの一撃を易々と止められるはずもないのだ。
受け止めるよりは受け流すべきと考え、円形盾からもっとも堅固なものを選ぶ。
「カーギ殿、すまぬが頼む」
次を探す手元を空けるため、渡した盾を受け取り、
カーギ殿は手にした灯りを壁の灯り台へ掛けた。
続いてスーツ・アーマーの列を素通りする。
馬上試合ではあるまいし、足回りを鈍重にするだけだ。そもそも、寸法が合うかどうかもわからない。
敵が刃物を帯びていない以上、鎖帷子や竜鱗鎧も不要。
旅戦士の置き形見でもあろうか、冒険者が着けるようなバンデッド・メイルの中に
身体に合うものを見出した。
視界を考えクロース・ヘルメットは避け、オープン・ヘルムから作りのしっかりしたものを一つ、
作りは簡易だが軽量の手甲、足甲を取り出した。
そして武器、…刀剣の種類は多かったが、ふと目を留めたのは使い込まれた戦斧。
取り上げれば、程よい重量感が不思議と掌に馴染んだ。


-----------------------------------

選択装備

武具: バトルアックス
防具: ラウンドシールド
     バンデッド・メイル、オープン・ヘルメット、ゴーントレット、グリーヴ
バトルアックスは1H2Hどちらもいけるものを片手持ち、
防具はいずれも無紋、動きの妨げにならない冒険者スタイルで体格に合うものです。

476 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿gt;gt;31] 投稿日:2009/06/07(日) 09:07:54 0
>>475
選び終えて振り返るとカーギ父も手槍を何本か選んでは壁に立てかけ、
背に円盾を二つ三つ背負い、頭に羊毛の詰め物がしてある鉢状の被り物を
いくつか重ねてかぶっています。

クラインが防具を着込むのをカーギ父は手伝い、支度が整ったとみるや
手槍を一まとめにし小脇に抱え、年を感じせぬ足取りで元気良く駆け出します。

来たときと別な道をカーギ父は選び、宿坊のほうへと向かおうとしているようです。

477 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/06/07(日) 14:00:26 0
クライン=GM

478 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/06/07(日) 19:32:54 0
>477
そのネタ秋田。違うのキボン

479 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/07(日) 19:38:31 0
>>478
当人としては、同一人物の別人格だと面白い気がする

480 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/08(月) 19:22:17 0
多くは問わず、カーギ殿の後に続き駆けながら──鎧戦斧の重さがあるとはいえ、
彼もまた装備を抱えているため、ついてゆくのに苦労はなかった──、
私は声をはりあげ彼へ呼ばわった。
「一刻が惜しい、いまのうち申し上げておこう。
 腕に覚えのある戦士騎士の増援がなかったなら、
 まず先程手負いにした一体から手をつける。
 腕さえ斬り落とせば、再生するようだが速度は速くない、
 貴殿らで充分叩き潰せると思う。
 あの巨体へは、他が片付いてから手をかける。
 他の戦士の応援が到着していればよいのだが」


-----------------------

茶々だけ入れてレス忘れて寝てた。いかんいかん。
ゲームのコマンドでいうところの、「HPが少ない敵を優先」ってやつです。

481 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 05:21:52 0
>>480 
カーギ父は宿坊のあたりに若い衆を集めてある、武器の腕前は分からないが
キリマとともに武芸の稽古をしていた者も混じっていると話します。

さて、宿坊の並ぶ裏手、色々な小屋やら囲いやらがあるあたりまで来ると
ざわめきが聞こえてきます。多数の者が集まり話したり、駆けたり、
しているような空気です。ただ、子供らしき声は聞こえてきません。

カーギ父はそれと知ってか知らずかそのまま無造作に道を選び
駆け続けています。

上空では今も時折、門塔と大回廊の間の広場から、白々と夜空を
照らす光球が駆けあがってゆき、谷の口へと流れてゆきます。

その谷口では時折、火柱が雲の間から見えますが、以前のような激しさは
感じられません。あちこちの雲からふと、火の粉のように降り落ちるものが
見えるといった感じです。恐らくは一方が他方を避けて雲の間に隠れ潜んで
おり、他方はそれを見つけ雲間から追い出そうとしているのでしょう。

482 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/06/09(火) 23:14:18 0
ディアルガとパルキアが暴れてるんですねわかります>上空

483 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/09(火) 23:34:25 0
>>481
随所の異変が気になったが、まずはゴーレムの排除が先だ。
異変に気づいて来た者がいればよいが、よもやこの事態を予測する者はおるまい。
戦力になりそうな顔触れを思い巡らせてはみるが、現在確実な手勢は
今のところ、宿坊の若い者だけと覚悟すべきだろう。
降る光を頼りに広場が眼前と知り、私は戦斧を握りなおした。


------------------------------

GM、いつもお願いしていますが情景描写だけだと
こちらも心理描写だけでアクション終わっちまいます…
別にかまわんですが、展開が間延びするかと。

>482
何じゃらほいと思ってぐぐったらポケモンかw
このスレ、荒らしにくる奴はまあどこの板にもおるわな、と思ってスルーしてるが
荒らさずレスしてる人はこのスレ読んでるんかいな?
読み手がいれば楽しいが、オリジナルTRPGでけっこな長文だし、
剣と魔法の世界モノならこの板、大勢で回してるスレが幾らもありそうだが。


484 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/10(水) 05:21:32 0
>>483
カーギ父はそのまま宿坊が立ち並ぶ一角へと駆けて行きます。後ろに
クラインが付いてくることを疑うどころか、必死になって無我夢中で駆けていると見え、
勝手知ったる裏庭とばかりに家畜の囲いやら小屋の間を縫うように急ぎます。

ふと右手をみると畑の縁を巡る藪の先に見覚えのある高木立が白々と降る光を
背景に連なり、その向こうに大礼拝堂の正面玄関の上にそびえる尖塔が見えます。
右手に折れて畑の脇を辿れば大回廊と大礼拝堂の入り口あたりに出られそうです。

正面をみるとカーギの背中はごく近くです。大声で話せば届くところを駆けています。


GM発言:
ここで選択肢があります。
A)カーギ父にこのままついて行き宿坊の並ぶ前へと出る
B)カーギ父とはここで別れて広場へと急ぐ
C)上記のいずれでもない

情景描写について
今後は選択肢をはっきりさせるようもう少し心がけます。シナリオ内の時間で明日の昼前には
終わりそうな勢いで今のところ進んでおります。

>>482 ポケモンの映画などで出てくると聞いた覚えがあります。

485 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/10(水) 22:45:58 0
>484
ここを抜けた方が早いのではないか。
ちらとかすめた考えに、私はカーギ殿を見遣った。
並んで駆けているとはいえ、荷を抱えている彼と、
慣れたものより軽い装備に身を包んだ私とではわけが違おうが…
問題は、所詮昨夜当地に着いたばかりの私には、
これが抜け道か否か見極められぬ、という事だ。
「カーギ殿!」
声を張り上げると、彼は走りながら見返った。
「ここから抜けたが早いように見えるが、どうだろう。
 近道ならば、突っ切って行こうと思うが如何なものか!?」


---------------------------

御配慮いたみいります。何せ1on1BRPG、自由度100%ですから、
グラランシーフでもやってりゃもうちょいやりたい放題なんでしょうが、
PCを作り込みながら話を進めると、堅実コース一辺倒になりがちです。
テニスのラリーのようにレスを噛み合わせていくのが面白いんで、
放っておけばGMの掌から出ない範囲でちまっとまとまって終わりでしょうね。
選択式というのはありがたいです。行動指針にできて。

今回はC、Bはやめとけ(土地の者の意見的な意味で)と言われたらA、
問題なければBってとこでしょうか。

486 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/06/11(木) 01:31:45 0
あげ

487 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/06/13(土) 02:20:38 0
>>483
元々リプレイ読み専で、この板でも基本は読み専たまに茶々
だから巡回するスレが1つ2つ3つ増えたってどうこうないっすよw
他のTRPGスレも読むけどここもTRPGスレだから読む。
面白い展開や意外な展開や茶々入れる隙があればすごく嬉しいし、
そうでなくても何か読む物があればそれだけで嬉しいw

488 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/13(土) 05:23:20 0
>>485
カーギ父は「ここも確かに抜けられますぞ」といい、そちらへ行こうとして
はっとし、「しかし、騎士殿。槍持ちが必要でございましょう。若いのなら
うちの宿坊の前に愚息が集めておるはずですぞ」と付け足します。

「もちろん、それがしは盾持ちでも、お馬のくつわ取りでも草鞋持ちでも
なんでも致しましょうが、手槍を脇で構えるのはやはり若いものが向いて
おりましょう」

カーギ父はわずかな人数でゴーレムと対するのを不安がり危ぶんで
居るのか、或いは子息や若い衆を当てにしているのか、そのへんの事情は
分かりませんが、裏道のことはどうやら頭から抜け落ちていたようなそぶりです。

そのとき、頭上を流れる雲が白々と又照らし出されます。光球が何かの加減で
これまでより強力な光を放ったのかと上空を見上げますが、そうではありません。
一筋の光が矢のように雲まで伸び、地上の一点を中心に旋回しては遠くの雲を
次々と照らしては巡ります。巡る周期は一定で、いわば巨人が覆いで向きを
絞り込んだランタンを腕を差し上げては、かかとを軸に体を回して遊んでいる
ような感じです。

489 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/14(日) 00:06:41 0
>>488
「大事ない、カーギ殿」
話を合点し、私はかぶりを振った。
「あのでかぶつはともかく、他の2体が相手であれば、私一人でも充分互せる。
 人が相手の戦場なら知らず、相手があのような異形とあらば、
 手勢は欲しいが、欠いては戦えないという事はないのだ。
 大物に取り掛かるまでに来てもらえれば問題ない。
 貴殿はこのまま宿坊へ向かい、装備を整えて合流してもらいたい。
 私はこのまま裏道を抜けよう。道中無事で、後程お目にかかる」

言い置いて軽く盾を掲げ、私は駆け出した。


----------------------
結果的に選択肢Bになりました。


>487
成程納得。この板にもROM住人はいらっしゃるんですな。
個人的には、レス甲斐のある茶々は大歓迎です。

490 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 22:31:59 0
>>489
カーギ父は、クラインに手槍を一本渡し、くれぐれもご無事でといい、宿坊の前の通りへと駆け出します。

夜ではありますが、上を流れる雲の照り返しで道ははかどります。すぐに高木立のところに辿りつきます。
日中通っていたときに気づいていたのですが、この高木立は木の根元のあたりは大小様々な石を
集めて土堤の表に貼り付けてあり、堤の上には太い樹木が枝を絡ませて並んでいます。

簡単に抜けるには左手、宿坊前の通りへとそれて、そこだけ木を抜いてある門までいくか、或いは
右手へと木立沿いを進み、故宝庫へゆくときに通り抜けた湯屋の裏手のあたりを目指してゆくことに
なりそうです。

ちなみに、左手の門のあたりには人や獣の気配がします。複数の人物が立ち話をしているような
感じでしょうか。大礼拝堂から木立を抜けてすぐのところは少々開けていましたから、そのあたりに
いるのかと思われます。

谷の口の上空の様子はこの位置からは木立や宿坊の建物などに遮られて分かりません。しかし、
相変わらず上空を円い光が雲に大きく輪を描くように巡っています。


491 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/18(木) 00:12:28 0
>>489
早駆けしつつ、盾の裏へ受け取った手槍を止める。
思えば単騎、こうして馬も駆らず走るのは、従騎士以前、
父の使いで、狩荷に忘れた矢帯を取りにやられて以来か。
あれよりはや十年、思えば遠くへ来たものよ。

降る光を頼りに、農道を駆け抜け、土堤で右へと折れる。
行きに辿った道を逆へ、一度辿った湯屋への道をあてに駆けた。
それなりの距離を駆けているが、まだ息は上がらない。
所領に篭ってからも鍛錬は怠っていないが、それ以上に、
騎士装備より軽く負担の少ない鎧武具の軽さがあった。


---------------------------
次のレスあたりで広場へ戻るかな?

492 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/19(金) 05:50:57 0
>>491
湯屋の裏手で木立を抜けると、大回廊と射手回廊の間の小路には
修道士たちが何人か立っており、広場に入るあたりにこちらも相変わらず
猿臂のゴーレムがのそっと立っています。

修道士の中には棒を手にしている者もいますが、特にゴーレムと対峙する
わけでもなく、遠巻きにして眺めつつ首を寄せ合って話し合ったり、
話し合いの輪から抜けてはまたゴーレムを眺めたり、やおら小路を駆け出して
大回廊や礼拝堂のほうへと向かったりと、およそ秩序だった動きはありません。

クラインがその中を軽やかに駆けてゆくと、一同はある者は顔を背け、また
ある者は顔を伏せ、ある者は混乱と動揺もあらわに見送り、またある者は
ただ呆然と道を開けるなど、おおよそ厳格な規律と自制を旨として
しかるべき神の徒とは思えない有様です。

祭司モンはその中にあって、ゴーレムの側に踏みとどまり、時折
駆け寄ってくる者と抑えた声で会話を交わすなどしていますが、どうにも打つ手は
無いようです。

493 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/19(金) 23:47:12 0
>>492
差し当たり、怪我人がいないらしきことに安堵しつつ、
モン殿の姿を認め、彼が約束を果たしてくれたことを心中、深く感謝した。
「あいすまぬモン殿、只今戻った!」
右往左往する修道士らの間をかまわず駆け抜ける。
「後程宿坊より増援が参る、腕に覚えがないなら下がられよ!
 無為に怪我をする必要はない!」
呼吸を整えつつ駆ける速度を速め、モン殿の脇を駆け抜けて、
そのまま先程の敵へと向かう。
「モン殿、皆を下げてもらいたい!
 増援がくるまで、他を庇うゆとりはない!」
ひとこと叫び、返事を待たず戦斧を抜き放つ。
こたびは退かぬ。気合一閃、私は戦斧を振り下ろした。


----------------------
戦闘突入。
基本は手足を狙って戦闘能力を殺ぐ→叩き潰すコースですが、
まずは単騎でどこまでやれるか小手調べ。
慣れない装備で、どの程度戦えるか、自分自身をチェックです。

494 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/21(日) 22:09:03 0
GM確認
武装は>>475 >>491にあり。

>>493
戦斧は狙いあやまたず、ゴーレムの左肘に当たり、あたかも水面に櫂を入れるように
突き立ち、ほとんど抵抗も感じぬまま中を断ち進み、やすやすと下まで突き抜けます。

ゴーレムは打撃の衝撃で左にかしぎ、続いて右腕を背中に回し、背後の地面につけて
なんとかふらつきを支えていますが、今にも崩れ落ちそうです。

一方、音もないまま切り離された左臂は、斧で切られた断面を上にして
幹だけ残った枯れ木かのように斜めにかしいで立ち、手の平は巨大な根のように
地面をつかんでいます。

続いて第二撃を左胴に打ち込もうとしたとき、頭上を何か赤い明るいものが飛び過ぎます。
乙女の塔の方向から馬屋を越えて、谷の上流へと火の粉を撒き散らしながら、飛び去って
ゆき、やがてひと際明るく輝いたかと思うと炸裂し、丸い球状の光となりあたりを照らします。

火球の源はと、乙女の塔の向こうをみやると、黒い大きな影が二つゆっくりと羽ばたきながら
迫ってきます。二頭は上下に並んで飛んでいるようです。

495 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/06/22(月) 01:08:47 0
雀A「しょくーん!とうとう戦闘だよ!」
雀B「いやあ、とうとうここまで来たねえ」
雀C「うんうん。よくぞここまで辿り着いたよね」
雀D「見守ってきた甲斐があったというもんだよね」
雀E「って我々には何も見えないけどね」
雀F「夜だもんね」
雀G「鳥だもんね」

496 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/22(月) 23:03:09 0
>494
──来た。
何物かは判らぬが、先刻よりの派手な騒ぎから見ても、
強大なものが諫っているのは違いない。
何かは知らぬ。知りようもない。
構っているゆとりもない。今問題なのは──
「モン殿!」
前方のゴーレムを警戒しつつも叫ぶと、後方より応じる声があった。
返答は炸裂音に紛れたが、聞こえていることは間違いない。
「皆を礼拝堂へ! ここは何が起こるかわからぬ!
 戦闘に加わらぬ者を下がらせ、避難を促してもらいたい!
 この上余人を庇うゆとりはない!」

構え直した戦斧に総身の力を乗せ、横薙ぎに振るう。
狙いはあやまたず、刃はゴーレムは両脚を斬り潰した。
安定を欠いた手負いのゴーレムがゆっくりと揺らぎ、
潰れた粘土細工のように崩れ落ちる。
ひと呼吸つき、振り向いて、私は付け加えた。
「宿坊よりの応援が来たなら、こちらの援護より先、馬屋を頼むと伝えてくれ!
 この騒ぎに驚いたトリウマが逃げだし暴走しようものなら、
 混乱はと危険はこのうすのろの比ではない!」

返事は待たず、残骸と化した粘土細工の傍を駆け抜け、
次の標的──差し掛け小屋前のゴーレムへ向かう。
馬屋の中の愛馬は気になったが、それどころでないことは解っている。
正体の知れぬ上空の存在より、今は眼前の敵に専念せねばならなかった。


-----------------------------------
>495
梟なら良かったのにねw

497 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/22(月) 23:07:35 0
一カ所ナチュラルにやっちゃったな
×刃はゴーレムは両脚を斬り潰した
○刃はゴーレムの両脚を斬り潰した

498 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/06/24(水) 21:31:45 0
>>496
クラインの叫びに応じて背後ではバタバタと足音がし、湯屋のほうへと遠ざかってゆきます。
駆け去った者の中にモンが含まれているかはともかくとして、あたりは奇妙なほど静まり
かえり、馬屋の中のトリウマや馬のなきごえ一つしません。

馬屋の前に差し掛かったあたりで、左手の乙女の塔の方角からやってくるなにものかの
姿ははっきり見えるようになります。

二頭、上下に並んで飛んでいるのは先ほどから変わりありません。上のがここいらの谷で
よくみる姿の竜で、下を飛んでいるのも恐らく同じく竜なのでしょう。

上の竜はときおり、口元あたり滴のように火をしたたらせては前へと火球を放ちます。
下の竜は、上から落ちてくる火滴を避けようともせずただ前へと飛び続けています。

下の竜はどこか怪我をしているのかもしれません。

さて、差し掛け小屋前のゴーレムは背後から迫るクラインに気づかないのか、ただその場に
立ち尽くしています。

広場中央の長身で聳え立つゴーレムは相変わらず光を頭部から放ち、箒のように雲間を
輪を描いて照らし続けており、こちらも動く気配はみえません。
 

499 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/24(水) 23:14:30 0
>>498
──ドラゴン。
幼い頃、吟遊詩に聞いた事はあった。
若い頃、旅の空にかいま見た、と思った事もあった。
だがこれほど近くで。眼前に見るのは。

眼前のゴーレムが動かないのを視認し、ひとたび馬屋の壁まで退いた。
壁を背に、上空を、眼前を、そして周囲を注視する。
修道士たちは、あらかた退避したようだ。
この騒ぎで、よもや無為にさ迷い出てくる者もおるまい。
宿坊の者たちはどうしただろう。

咄嗟に判断をはかりかね、深呼吸をついて気を落ち着ける。
この場の危険は如何程か。自らのなすべき事は何か。
自らのなせる限界を読み間違えれば、徒に身の危険を招く。


--------------------

情報収集タイム。SWでいうところのセージチェック。
ドラゴンのサイズ、形状(要するにLvと戦力…)、距離を確認。
他の戦士か、宿坊の増援が来るまでちょっと様子見アクション。
流石にドラゴン2匹の真下でゴーレムと殴り合いやろうとは思わん…
絵的にはかっこいいけど。

500 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿gt;gt;69] 投稿日:2009/06/26(金) 07:30:43 0
>>499
乙女の塔の方角から飛んでくる竜
上の個体
翼は横に細長く、滑空しておりほとんど羽ばたかない。頭上を通過するときに判明するが胴体も細長く
先端は尻尾と胴体の区別がつかない。頭部は扁平の三角錐で複眼らしいものが幾つかついているが
不明。口は狐のように細長く、かすかに開けてよだれのように火を滴り落としている。手は胴体から
直角に横に伸びており、関節部が複数ある。先端は指あり。

そうじて、巨大なイモリやヤモリの類の肩に細長い翼がついたものが飛んでいるといった具合。
鱗は金属の光沢あり。翼の前のあたりに大人が一人乗っている。この者は鎧をまとっているように
みえる。腹の前になにか大きなものが別に乗っているが正体は不明。

下の個体
翼は4枚あり、甲冑のように硬い覆い殻のような翼と、内側に納められるであろう薄めの翼がともに
羽ばたいているがうち1枚は折れている。頭部は猟犬に似ており、大きな耳を後ろに伏せている。胸元
から綱帯を回し鞍に黒い外套の者が顔を伏せて乗っている。胴は上の個体と比べて太く、脚は下に
伸び先に鉤爪あり。動作は鈍く、疲労や負傷をうかがわせる。

ゴーレムの位置
広場中央に巨躯のもの一つ。頭部から光を発する。盛んに吊光球?を飛ばしていたのもこれ。
大回廊前の堀にかかる土橋の前に一つ。さきほど倒した猿臂のものに類似。
門塔の差し掛け小屋の前に一つ。猿臂のものと比べて少々脚が長いがその他の点では類似。

小人
広場の縁、大回廊、乙女の塔、射手回廊、門塔などの広場に面する縁に密集し青白い燐光を発している。
特に動くような気配は無い。

門塔 広場に面した大薔薇窓に人影あり。

乙女の塔 扉口は開いているが中の活動は不明。

大回廊 かすかに人声が聞こえる気がする。しかし、今クラインは緊張状態にありまわりの時間の流れが
遅く感じられるような状況ゆえ、人の声などは積極的に注意を向けねばたぶん入ってこないであろう。

501 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/27(土) 22:17:41 0
>>500
二体の飛竜の通過のあおり、巻き起こった疾風が砂塵を撒き上げた。
円盾を眼前にかざし、目を細めて上空を睨む。
乱舞した燐光に眩まされ、はっきりと視認できたわけではないが、
二体ともに、背に人とおぼしき者を騎せているように見受けられた。
竜騎士だろうか? しかし何故、かような場所に。

警戒をはらいつつ、馬屋の角まで移動したが、
眼前のゴーレムにはなお、動く様子はない。
そもそもこれは何者により、何故にこの場に据えられたのか?
差し掛け小屋を背にするかたち、戦斧を構えたまま、
私はゆっくり二体目の際へと回り込んだ。


----------------------------

移動再開。差し掛け小屋前のがでかいので逆光にならない程度に、
壁を背にしてエンカウント。
にしても、戦闘ラウンドって気がしないなあ…
どっちかというと構造物破壊ロールって感じだ。

502 名前:GM[sage] 投稿日:2009/06/29(月) 23:49:44 0
>>501

二頭の飛竜はクラインが身を寄せた馬屋の上を過ぎ去り、ゆるやかに左に旋回し
背後から大河へと谷上から吹く風を受ける態勢となります。恐らくはもう一度旋回して
来るのでしょう。

さて、門塔の前のゴーレムです。
クラインが背後を回りこむように近づき、いよいよ戦斧で踏み込める間合いにまで入ろうか
というとき、前触れも無くゴーレムがみじろぎしたかと思うや旋回し向き直ります。

思わぬ形で間合いに入ったものの、そのまま無頓着に進んでくる相手の勢いを逆用し
足を刈るように斧を人間で言えば膝下に叩き付けます。

そして巨体の転倒を予期してそのまま門塔の階段けと駆け進み、距離をとって振り返ると
見事ゴーレムは地に音もなく崩れ落ちています。

一方、大回廊の前の濠に掛かる土橋の前に居たゴーレムも動き出しています。階段上から
見守るうちにも、濠際へと進み腕を水中へと差し伸べ、やがて頭部がゆっくりと回転し始めます。
そして、まるで水芸のようにあたりに水しぶきを撒き散らします。

飛竜の羽ばたきで夜露が吹き飛び、乾いていた広場の地面はたちまちのうちに湿っていきます。

503 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/06/30(火) 22:35:25 0
>502
あと二体。

予想外にのろく、脆い代物だったのは好都合だが、
頭上の飛竜をどうしたものか。判断に余る事態と言えた。
聖域を訪うたものが、気づけば怪異の見本市のただ中だ。

濠で解せぬ真似をしている一体も気がかりだが、
眼前の巨体をどうしたものか。
膝裏から斬りつけるより他ないだろうが…
先二体と変わらぬ鈍重さなら何とかなろうとは思うが、
ちょっとした灯台を斬り倒そうという騒ぎだ。

間合いをはかり、私は上空を旋回してくる飛竜を仰ぎ見た。


---------------------------------
でかい方がエンカウント可な距離、並サイズは乱戦エリア外、
飛竜が旋回してくるまで数ラウンドってところかな?
3ラウンドぐらいありそうなら、回り込んで斬りかかります。


504 名前:GM[sage] 投稿日:2009/07/02(木) 20:08:59 0
>>503
飛竜は心なしか頭上を過ぎ去ったときよりも、さらに速度を緩めて門塔の向こう側を
谷の口のほうへと飛んでいます。二頭ともこの速度のままであれば再度広場の上に
来るまでの間に残る二つのゴーレムのうちいずれかを始末する余裕はあるでしょう。

そう判断し、頭部を旋回させ光を今も放ち続けている巨人へと迫ります。

巨人の頭部は門塔の頂きよりも高いですが、胴や脚は細く、細長く伸びる街道松のような
風体に感じられます。近づいてみると胴部のあちこちに空洞があり、その中を風が
通り抜けてかすかに音を立てています。

地面に付けた腕や胴はところどころ三角柱を組み合わせたような造りで、各所に夜露と
もう一体のゴーレムが撒く水に濡れてきらきら光るものが見えます。

構造を察するに、土や石くれや砂を寄せ集めて木組みの上に糸や木の皮を巻き付け
粘土で貼り付けたような巨大なカカシのようなものかもしれません。これまで倒した
2体は腕も脚も斧で断ち割った断面は全部砂でしたが、造りが多少異なるのでしょう。

そのような細かな分析が頭によぎるのも一瞬でためらうことなく、クラインは胴を支える三角柱
に戦斧を叩き付けます。すると表面の砂や粘土の層はえぐれはじけ飛びますが、中の柱は
なんと斧に一瞬持ちこたえ、柄を握る手に固い反響を返してきます。が、それも本当にわずかな
間のことで次の瞬間、柱の上のほうで接合部が外れたような音がし、斧の刃があたった部分は
くの字に折れ曲がりへこみます。

巨人の体のあちこちで風鈴や鈴がなるような音がし、構造物がかしぐような音がしますが、
依然として立っています。

一方、大回廊と幕壁の間の小路のほうからばたばたとなにやら駆けてくる音がします。

505 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/02(木) 23:25:51 0
>>504
飛竜が戻るまでにけりをつけるべきか、一瞬惑ったが、
この鈍重さなら手に負えぬ事はあるまいと思い直し、
視線はゴーレムに向けつつ、馬屋を背に注意深く回り込んだ。

宿坊の寄せ手ならばよし、そうでないならば
万が一にも庇う者なくこの場には立たせられない。


----------------------------

駆けてくる音と、ゴーレムの間に割ってはいるように移動。
濠際のゴーレムには一応注意はしてますが、
それほど危機感は感じていません。
動きがトロいので。

のろいし脆いし、いきなり反撃してこなければ毀せると思っていますが
単騎なのと飛竜が気がかりなのとで、慎重にやってるってとこです。

506 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿gt;gt;88] 投稿日:2009/07/03(金) 20:46:02 0
>>505 もう一体のゴーレムは左腕を濠の水に突っ込んだまま濠端をゆっくり動き、相変わらず
頭部からは水を撒き続けています。撒くといっても水溜りになるほどではなく、広場の土や砂に
しみこみ、埃が立つのを抑える程度のようです。

巨体のゴーレムの裾を足先に注意しつつ素早く回り込む間にふと門塔に眼を走らせると
薔薇窓のところの人影は姿を消しています。

さて、小路のほうからはトリウマが、続いてもう一頭、トリウマ、そしてわらわらと人が出てきます。
先頭のトリウマに跨るのは、細身の青年、次のトリウマには若姫が乗っています。
白い照り返しの光の中をトリウマにまかせて駆けてくる様子は場違いと思えるほどのんびりと
しています。

一方、二頭の飛竜は門塔の向こうを廻りきり、乙女の塔の先からまた、この山めがけて向かい風を
受けながら近づいてきます。上の飛竜は今度は火球を放つことなく、時折翼や尻尾をふるっては
下の竜との位置関係を保とうとしているようです。下の竜は、ときおり逸れるような動きを
みせつつも一直線に乙女の塔すれすれの高さのところを飛んできます。

507 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/03(金) 21:16:27 0
>>506
戻り来る飛竜を気にかけつつも、ひとたび巨人を仰ぎ、
駆け来るトリウマの方へ、私は退いた。
巨大なゴーレムの様は変わらず、こちらへ向き直るふうもない。

「姫君、御注意を…頭上に飛竜が」
声高く呼ばわりつつも、不思議と神経が凪ぐ。
取り乱した様子のない若姫の姿は不思議と、
見る者をほっとさせるものがあった。


----------------------------

トリウマの一行とゴーレムの間に入る状態で、
トリウマの方へやや後退。

508 名前:GM ◇tlyr3v7qik[sage 代理投稿gt;gt;92] 投稿日:2009/07/05(日) 21:54:43 0
>>507
クラインの声を聞いて若姫とその弟はトリウマを降り、かたわらのモンや修道士に
手綱を渡してそのまま進んできます。

>>430
若姫マルトは眼前の巨大なゴーレムを見、続いて旋回し終えて直線に迫る竜を見て
「殿、あの上の竜は我らが義兄が日頃乗るものに見えます」と話しかけます。

さらに、弟クリスタが眼前の巨躯を指差し、
「そして、これは我らが明日から祭礼の準備で作ろうという厄除けの道の神に
似ております」と続けます。

「しかし、あの下を飛ぶ竜は一体、何者でありましょう?」
そして、モンのほうを振り返り、発言を促しますが、モンは黙って首を振り
ただ知らぬと身振りで示そうとしているかのようです。

この間も、濠端のゴーレムは律儀に水を撒き、埃をしずめあたりの空気を清め
続けています。また、門塔の入り口、光の当たらぬあたりには人の気配がします。

さらに射手回廊と大回廊の間の小路からは今も人が駆けて来る音が聞こえます。


509 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/05(日) 22:17:04 0
>>508
「…姫、」
ひとたび口を開いて閉じ、また開き、瞬時空白となった思考をとりまとめて、
私は漸く言葉をついだ。
「飛竜の片方が義兄殿と、…いえそれはともかく、その後何と申されました、
 この巨体が厄除けの形代と?」
ひとたび振り返り、振り仰ぎ、まだ向き直る。
「何か御存知と仰せならば、お教えいただきたい。
 このゴーレムの群れは、小人は、降る光は一体何なのです。
 先程より当地の者すら誰一人この正体を知らず、
 混乱をきたしていたところ。
 騒ぎに紛れ、怪我人が出なかったのが不思議なほどだというものを」

気配と足音があったのは、その時だった。

510 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/07/07(火) 06:03:32 0
>>509
クラインが若姫に問いただしたのを横から柔らかく弟が受け答えます。

「道の神という言葉は些か奇妙であり、ご信仰に差し支えあるので
あればどうぞご容赦下さい。我らは明日からの祭礼の準備で門塔の城門前、
つまり、あちらの崖下に、ちょうどこのような人形を木を骨組みにし、
藁で覆い、道具を揃え、立たせるのが慣わしなのです」

「確かに眼前のこの巨躯は似ております。ただ、門塔の前ではなく、山の上、
門をくぐったこの広場になぜ現れたのかは分かりませぬ」

「山の者が戸惑ったのも無理はありませぬ。これまで谷の向こうで狼が遠吠えし、
谷間を怪異が巡るといった話はあっても、この山の上でかくも大勢の前で
起きるとは誰一人思っておりませんでしたから」

「小人や光がなぜ生じたのか、いや生じたというべきかは分かりませんが
ともかくこのような姿をとっているのかは、この山自体がなにかに感応しておる
現れのようなものかもしれませぬ」

「それにしても、兄上が夜闇の中、竜に乗り、谷間を飛び回っているとは
思いがけないことでした」

ここで、小路からカーギの子息など宿坊の主たちが武器を手に現れ、あたりを
見回し、クラインをみつけるや駆け寄ってきます。


511 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/07(火) 23:40:06 0
>510
軽く手を挙げ、呼び声に応える。
呼ばわるまでもなく、彼らは一散に駆け寄ってきた。
姫君の姿をみとめ、彼らが口々に呼びかけるのをよそに、
差し当たり、見知った顔に語りかけた。
「2体ばかり斬り倒してはみたが、思うほど厄介な代物ではなさそうだ。
 そこな灯台は、」
突っ立ったままの巨体を差し言いかけたところで、
ふと雷光のように閃いた思惟に、私は言いよどんだ。
「…灯台、なのではないか?」
「は?」
問い返され、ほとんど直感的に、まとまらぬ思考を口に出す。
「…いや、…本当に『道具』なのではないかと思ったのだ。
 先程斬り倒したものにしても、あまりに手応えがなかった」
壕端、水を撒き続ける一体に目をやり、半ば一人ごつように私は続けた。
「これほどの異変を引き起こす『もの』に産み出されたものが、
 悪意をもって作り出されたならば、もっと手こずらされたはず。
 途方もない言い草ではあるが、まるで…幼稚と言えば聞こえが悪いが、
 無思慮無分別な、或いは世知を欠いた魔術の使い手が、
 時場所柄も考えず、送り込んだ魔術道具…のようだ」
呆気にとられた視線にあい、言い訳がましく付け加える。
「何者かが作り出したものだと仮定しての話、だが」


------------------------------

マジックユーザーの適当な訳が思い当たらない…
魔法使いや魔術師以外で何かなかろうか。遣い手、かな?

512 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/07/09(木) 21:45:41 0
>>511
カーギ父や子息をはじめとする宿坊の主たちはクラインの言を聞いて
あっけにとられ、戸惑ったように互いに顔をみあわせます。

やがてその一人が
「殿、つまり何者かが、我らが山に灯台のようなものを突然呼び出した
ということでしょうか?」と遠慮がちにたずねます。

「となれば、その呼び出した者とは一体、誰なのでありましょう?」

我らの中にそのような強大な魔を呼び起こせるようなものがいるとは
到底信じられませぬ。この声はその場にいる全員の思いを代弁したもので
あったとみえて、口々に一同は自分の考えを話し始めます。
そんな中にいつの間にかシャルルが苦虫を噛み潰したような顔をして
混じり、例によってその伯父カージャールは興味深げにあたりの会話を
聞いています。


513 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/10(金) 01:09:17 0
>>512
「理に適った説明が能うわけではないのだ」
予想できた反応とはいえ、紡ぐ言葉を探しあぐね、私は嘆息した。
「だが誓って、今日の日中、ここでこの巨像を見掛けた覚えはない。
 否、例え夕暮れとて、かようなものがこの場にあったならば、
 大変な騒ぎになったろうことは想像に難くない」
『灯台』を見やる。先程と変わらず、何ら動くそぶりは見せない。
「何時かどのようにか、これがこの場に忽然と現れたとするならば、
 人知を超える魔力によるものであると解釈するほかない。
 私とて詳しく知るわけではないのだ。ただ、魔術の遣い手には、
 錬金、召還、そうした名で呼ばれる、無から有を導き出す術を
 たくみに操る者がいるとか」
『水撒き』の方にも、やはり代わりはない。
「だが、それが何者かは、今詮議すべき事ではあるまい。
 人に害を加えぬ者ならば、急ぎあれらを排除する必要はない。
 先に対処すべきは──」
夜空を見上げる。二頭の飛竜は今や、頭上近くに迫りつつあった。
「──あれのようだ。一方については、姫君らが御存知との事だが」

514 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/07/12(日) 23:04:22 0
>>513
クラインの言葉が終わるや否や一陣の風を巻き起こしつつ竜が頭上を過ぎてゆきます。
前のときより、より大きく細部までみてとることができ、その姿に気おされたように群集の中には
身を屈めたり、座り込んだり、身じろぎ、或いは思わず後ずさる者もいる始末です。

さて、夜空を覆うがような竜の姿がようやく谷上へと向かうと、クラインと若姫、その弟御へと
眼を向ける者、或いはクラインやモン、それに宿坊の主たちを交互に見やるもの、相変わらず
盛んに何事か弁じたてる者、やにわに小路や門塔へと駆け出す者と様々です。

その中で弟御はクラインをかすかに笑うような顔つきでみやっていますが、
「騎士殿、問題は兄上の竜に押されているほうの竜ですね」と同意を得るまでもないといった
ふうに尋ねてきます。

ここらでは見かけぬたぐいの竜ゆえ、見当もつきませぬ、けれど夜通し、谷間を飛ぶ
ために来たのではありませんでしょう。どうしたものでしょうね。軽薄にすら聞こえる口調で
平然といいのけ、またしてもクラインを見ます。


515 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/07/12(日) 23:43:12 0
おもしろそうやなぁ

次からは混ぜてもらいたひ

516 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/12(日) 23:49:46 0
>>514
「どうすると申されても、天駆ける竜をどうこうする手段はありませぬな」
羽を持たぬ身にて、と言い添えて肩をすくめ、
私は知己らの方へ向き直った。

「モン殿、礼拝堂へ報せの者を送られたい。
 ゴーレムは今のところ無害なれど、今宵の異変は先が知れず、
 無事収まるまでは避難先に留まるように、と。
 皆心細い思いをしているだろう。
 まず今は無事と知らせて安心させ、休ませるように」
続けて、宿坊の主らへ采配を出す。
「貴殿らの身内に危険はあるまいが、万一を考え、
 夜が明けるまでは年寄り、女子供を外へ出さぬように。
 各宿坊に報せを、また二人一組で通路を封じ、
 異変があればすぐさま他へも知らせて欲しい。
 手に空きがあれば、礼拝堂へ毛布や寝具を。
 この季節、年配の修道士には寒さがこたえる者も多かろう」
各人が頷くのを待ち、再び振り仰いで言葉を告ぐ。
「追われる竜が問題だ、というのはある意味正論ですな。
 よもや兄君が敷地内へ竜を追い落とすはずはなかろうものの、
 まかり間違って人のある場所へ墜落されては大惨事だ」
相手が如何ともしようのない上空にあるのが、何とも歯痒い。
「モン殿より院長殿が外と聞き、無事を確認にいくつもりでいたが、
 これではこの場を離れられぬ…誰を代わりに立てたものか」


---------------------------------
代わりは外へ出る方ではなく、残る方。
外より中の方が安全と見たので、自分は斥候に出るつもりでいます。

よくよく考えりゃこの話、秋口の設定でしたね。
この夏超えたら季節に追いつきますな。

517 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/12(日) 23:50:41 0
>>515
いっそGMのOK貰って飛び入りで混ざっちゃったらどうだ
活躍の余地はまだまだあるぞ

魔法知識持ちかマジックユーザーが欲しいよw

518 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/07/13(月) 00:06:59 0
>>517
キャラシとメイキングルールさえあれば作ってくるよ

GMがOk出せばね

519 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/13(月) 10:41:56 0
>>518
設定枠ないからフリーメイキングだよ
世界観も削り出しだからアバウトでおk
ただこのスレの過去ログ読破すんのがしんどいかも

520 名前:GM[sage] 投稿日:2009/07/13(月) 16:41:47 0
>>515 >>517
次はイラク戦争物かアフガニスタン戦争物を考えていますので
中世ファンタジー物なら、今回今から参加されるのはいかがでしょうか。

プレイヤーとGMに一番必要なのは筆力ではなくて、各種の摩擦を楽しむ
姿勢と設定や書き方の矛盾を許容して推測する遊び方ができるかだと
思います。

キャラと進め方についてですが
基本的にプレイヤーは自分のキャラを行動させます。GMは大抵の行動を成功
させて返してきます。行動が通らないのはGMが事前に考えている筋や世界、
NPCを守るためにしている場合、或いはPCを未知の危険から守るためにしている場合、
などが多いです。
 GMが描写とか風景叙述だけでレスを返してくる理由は、キャラによってはこの
タイミングで行動すると有利である場合、あるいは事前に伏線を埋め込むと
後々使えるであろうと推定している場合などがありえます。

魔法についてはGMは些か独特です。基本的に各種魔法そのものが擬人的な人格を持ち
魔法の使い手と感応し、独立して判断して、世界と作用します。魔法とは周囲の事物に
擬人的な人格を付与し、剥奪する、或いは新たな事物を世界から切り出し、還元する
作用です。ではありますが、一方である程度体系化された魔術も存在します。

こういう設定なのは魔法に数値や体系を与えると、世界設定が大きく馬鹿げたものに
なりがちだからです。例えばある王国の町並みが人口数万もいないのに、周囲5kmとか10km
とかあって、端から端まで3kmもあったらおかしいです。盗聴とか精密攻撃とかの魔法に
射程を与え、距離延伸の魔法を添えると往々にしてそういうことが起きます。なので魔法に限らず
数値を持ち込むものは嫌いです。要するにプレイヤーにしてもGMにしても自由な展開を妨げる
要因になりがちだし、数字同士の整合性を取るのに労力をとられるのが嫌いなのです。
竜の翼の大きさがさしわたしで何メートルあるかとか、体重はどのくらいかとか、プレイヤーによって
感覚が異なりますが、その結果どの程度の飛行能力があるかの判断が変わってきます。
つまり、GMとプレイヤーの間で摩擦の原因になります。なのでできれば避けたいです。

まぁ、このあたりは数字が無いからはっきりした判断ができないっていう考え方もあるんですが
世界が全て整っているわけじゃないので、数字だけが先行して世界が作られるのは苦手なのです。

521 名前:GM[sage] 投稿日:2009/07/13(月) 16:43:49 0
キャラメイキングについて

キャラは人間です。
位置は今現在、物語の舞台となっている山(門塔、乙女の塔、修道院、宿坊などなど)か、
大河の向こうの”羊”とともにいるか、或いはそのいずれかに極めて近い距離にいます。
性別と年齢、所持品、技能は自由です。

参考までに考えられる類型として
修道士、労働修士、歓喜力行の村人(谷間の村々から労働を捧げにきた敬虔な者)、宿坊の職人、
癒し手、修道会本部の事務官僚や使者、
宿坊の先達(都などや各地から物見遊山の参拝旅行者を案内する役目)
宿坊や回廊に滞在している貴族や平民、
付近の修道院(都などからの経路に点在)の者、
街道巡察使の先触れ、物見(ものみ)、手下、
街道強盗、噺家(はなしか)、山師、木地師、贋金作り、煽動家、大河を下る筏師(いかだし)、
精霊使い、探検家、吟遊詩人、各種芸人などなどがあります。

いずれにせよ、キャラメイキングよりはどのような筆法で話を進めるかのほうが重要かと思います。
プレイヤーはPCに判断させ、行動をとる。GMはPCの判断と動機を推定し、NPCと世界を動かす。
これだけでなんとか話を進めている、RPGを回していくようにしています。
魔術や武術はPCが行動を宣言し、GMができるだけその宣言が意図しているものをPCに有利な
ように判断して実現させてゆく形です。

522 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/14(火) 21:56:27 0
GM、そちらはそちらとして話は進めませんか
と呟いてみる

523 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/07/14(火) 22:28:26 0
とりあえずこのスレは様子見で次からトライしてみゆ
と話しかき乱した張本人が

524 名前:GM ◇tlyr3v7qik の代理[sage] 投稿日:2009/07/14(火) 22:42:56 0
>>518さんへ のんびり進みながらお待ちしようかと思います。参加されるのを楽しみにしております。
>>522 それでは再開いたします。
********************************************************************************

>>516
祭司モンはクラインの声に気を取り直したようで、周囲の修道士らに騎士殿のお言葉の通り致そうと
声を張り上げて申し伝えます。
すると、修道士たちはある者は門塔へ、別な者は大回廊へ、別な者は大回廊と射手回廊の間の
小路へとそれぞれ駆け出します。

一方、若姫の弟御はクラインのほうを向き、
「しかし、追われているほうの竜はどこか怪我を負っておりましょう。そのまかり間違っての
一大事になりかかっている気がしてなりませぬ」といい、「考えてみれば、夜に竜が見知らぬところに
着地するにはもってこいの舞台を整えてあるようなものですね」と一帯を見回して同意を求めるふう
でもなくつぶやきます。

そうまで言っておきながら、しかし、大河のほとりか、あぁ、中州に降りるということも考えられますし、
これは騎士殿にお供して夜にトリを走らせるのも一興かとさらに案じて見せます。

その、背後では典獄カージャールが甥にのんびり何か話しかけています。甥は肩をこわばらせ、
一瞬動きが止まりますが、カージャールに身振りでうながされて祭司モンのほうへと向かいます。

525 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/16(木) 00:46:06 0
>>524
「兄君の心積りは推し量るすべもありませぬが」
気遣わしく飛竜らを見遣り、私は呟いた。
「堕ちてくるなら、人目のあるうちであって欲しいものですな。
 広場より人を下げ、連絡通路は封じた。
 今、この灯の中へというなら、被害はまだしも軽微に食いとどめられようものを」
背後のやりとりを見るともなく見遣り、
私は何気なくモン祭司へ声をかけた。
「そう言えば先程、院長のおわす場に心当たりがあるとか何とか。
 無事を確認しようにも、所在が解らずば徒労に終わる。
 仔細をお聞かせ願いたいが」


526 名前:GM ◇tlyr3v7qik [sage 代理投稿gt;gt;135] 投稿日:2009/07/17(金) 22:51:48 0
>>525

「クライン殿、院長はまさに竜が争っていたあたり、つまり大河の向こうか中洲に居られたはずですが
正直、大事が気遣われます。ではありますが、下の竜がここに降りるとなれば、若姫の兄上の竜も
その上に留まることになりましょう。そして、谷間をこの光が照らしている限り、山から外に出るのも
ままならぬかと思います」と答え、弟御と若姫を気遣わしげにみます。

そこへ、カージャールがのんびりと
「つまり、我々の今後は兄上のお心づもり次第ということらしいですなぁ」と口を挟んできます。
「この灯台が我々にとって、味方かどうかはわからねど、今のところは我々を追い詰めるように
役立っているようで」とここで、やはり弟御と若姫に顔を向けて、これは失礼しましたな、とぬけぬけと
いいます。

弟御は、それを制して、正直、私にも兄上の考えていることは分かりませぬと答え、上空の二頭を
見上げます。

下の竜に乗る者は黒衣をまとい、身を伏せています。上の竜はそれより遠いですが、乗り手の腹の
前が不自然に膨らんでいるのが分かります。或いは子供かなにかを前に抱えているのかもしれませぬ。

そういえば、今晩は昨晩と異なり、狼の遠吠えは聞こえてきませぬ。


527 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/17(金) 23:27:57 0
>>526
「この灯が我々の妨げと仰せられるか?…否、
 私には寧ろ、これはいま必要なように見受けられる」
上空を眺め遣りつつ、ゆっくりと戦斧を下ろす。
「上空の勝負の行方がどうあれ、我々には手出しがならぬ。
 行く末を見届けるにも、明かりは是非に要る。
 現状ならば堕とすには、視界のきくこの場を選ぶだろう。
 塔や礼拝堂に突っ込まれるより、ましというもの」
貴人らの心中をおもんばかり、どちらがどちらを追い落とすにしても、と
付け加えるのは避けた。
「谷へ院長を捜索に出るにつけても同じ。
 探しに出るにも戻るにも、明かりはあった方が良い。
 この明かりを目にかの飛竜が追ってくるというなら、いっそ迎え撃てばよい。
 ここでこうして、口を開けて見上げているより余程ましというもの。
 否、兄君が追い手であるうちは、探索に出る者を追い回す間などあるまい」

私は彼の人となりを知らぬ。名すらも存じ上げぬ。
だが、人品卑しからぬ貴人らがここにこうしている事から見て、
無茶をなす人柄でなかろう事は容易に想像がつく──
見物人の上へ飛竜を落とすような無茶な人物なら、それを知って
誰に忠告するでもなく成り行きを見物するのは大馬鹿者だ──まさか!
見識ある人物なら、人の眠る棟へ竜を堕とす──或いは落ちる──よりは、
視界のきく開けた場所を選ぶだろう。

「各々方、広場を離れられよ──上空の乗り手のために、
 そう、門塔の陰に退かれるのがよい」
「貴殿は」
「谷へ。院長の身にもしものことあらば、一刻の猶予もならぬ。
 慣れぬトリウマよりは、愛馬で行こう。馬屋のカンテラを借り行く。
 シャルル殿、姫君らを頼む。飛竜が堕ちたならば、勝者の援護を」
短く問うたシャルル殿の傍らを通るついで、軽く肩を叩き、
姫君らには聞こえぬよう、私は低く耳打ちした。
「──或いは救護を。兄君の勝利を祈ることだ」


-------------------------------

灯台ゴーレムが邪魔だ、という発言の真意がわからない…
モンの発言は門を出るのが見えたら飛竜に狙われる、
という意味に取りましたが、カージャールの台詞はどういう意味だろう。

528 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/07/20(月) 14:15:40 0
がんばれ!

529 名前:GM ◇tlyr3v7qik代理[sage] 投稿日:2009/07/20(月) 16:20:16 0
カージャールはかすかに笑いを含んだ顔でクラインをみ、
「さりとて、我が身は帝の道具にして財産。みすみず泥人形ごときに潰されるわけには
いかぬ」といい、御身とてそれは同じこと、修道会の祭司や参事会から依頼を受けたならば
御身を大切にせねばなりますまい、と言い切ります。

「ではあるが、クライン殿が門塔から外に出て、谷間を大河まで下るというのであれば
お供したく存じる。上の竜に乗る者について意見を違えているとはいえ、何かの動きがあらば
下の竜で伏せている黒衣の者よりも、上で背筋を立てて乗る者が応じてくるのは明白であろうし、
この山に竜が下りるのを避けたいと思うならば、谷を動いて多少なりともひきつけられるか
試みてみるのも良かろう。ひょっとすれば、何かの拍子に下の竜の者が気を取り直して立場を
逆転することもあろうし。どこにいようとこの光だ。上空から丸見えなのは変わらん」。

弟御はこのやり取りを聞いて、自分も行くべきではあるまいかと申し出、
この山で使僧をしておる身ゆえ、都から任じられて下ってこられた院長をお迎えするべき立場
にあると話します。

モンはそれを聞いて顔色を変えて、まず若姫を見、何も言わぬをみて、反対だと口にします。
山で預かる貴人を危険に晒すことなど到底考えられぬ、どうぞ今のうちに安全なところへと
すがるように説得にかかっています。


530 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/20(月) 20:04:00 0
>529
「その参事会よりの依頼をこなすため、今宵院長に面会するつもりでいたのだが」
カージャール殿に、というよりは自分自身に聞かせるように、
私はぽつりと呟いた。
「思わぬ事の成り行きになったものよ」
戦斧を腰帯に留めつつ、典獄殿を向き一言、釘を刺した。
「御同行はありがたいが、幾度も述べたとおり、今宵の怪異は先が読めぬ。
 万一の場合、お守りするとは約しがたい。何かあらば、単独で逃げられよ」
馬屋へ足を向けつつ、肩越しにモン殿へ、更に一言言い添えた。
「…という事だ。貴人の御身が大事なら、全力あげて説得されよ。
 院長を捜すだけでも一手間、余人をお守りする余力はない。
 まして、襲う怪異は人の貴賤をおもんばかってはくれぬ」


-----------------------

特に何もなければ、とっとと馬に鞍をつけて外へ出ます。
あと>527補足、門塔の陰へ退避しなさいと言ったのは、
万一の場合、門の中へも外へも門塔内へも逃げられるから。

531 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/20(月) 22:52:04 0
連休利用してスレ通し読みしたら、
言葉遣いは思ったほど破綻してなかったけど
誤字脱字がシャレにならんほど多かった…
個人的には>>491にorz
十年って何だ、二十年だ二十年

NPCも結構いい人数になってきましたね
スレの最後にリストでみたいものだw


532 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/07/22(水) 20:24:28 0
>>530
「精々、足を引っ張らないよう頑張るといたしましょう。なに、これでも若い頃はこの谷にも
騎馬弓手として来たものだ」といい、カージャールは弓を取ってくると言うや門塔のなかへ
走り込んでゆきます。

一方、これまで弟御を立てて、控えめに過ごしてきた若姫が
「弟が行くのは無理とあらば、私が参りましょう」と言うや、颯爽とトリウマをひき
馬屋へと向かいます。

モンはこれを聞き、頭を抱え込みますが、もはや止め立てする気力も湧かないといった
ふうで、天を仰ぐ様です。

若姫の弟は姉の後姿を慌てて追いますが、あまりのことに気おされたのか、足取りに余裕が
みられません。

533 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/23(木) 23:55:55 0
>>532
典獄殿の言葉にふと思い立ち、私は続いて、門塔へ駆け込んだ。
出口で再び鉢合わせ、怪訝な顔をした彼に、宿坊より持ち出した
持参の長弓を軽く掲げてみせる。
「野外で飛び道具がないのは心許ないもの、あって困る事はありますまい」

広場のゴーレム二体に、変わった様子はない。
上空の飛竜にも依然、大きな変化は見えぬ。
馬屋前で姫と若君に合流し、モン殿の説得が功を奏さぬ様を見て、
私は首を横に振った。
「姫、お心映えは御立派だが、無理を申されては困ります。
 先程も申し上げた。今宵のこの異変、外にどのような怪異があるか、
 無事院長を見いだし、戻ると断言したいが、それすら判らぬのです。
 万一の事あらば、上空の兄君がどう御覧になるか?
 抑えている相手を放り出し、救援に来るゆとりがあるや否や、
 よしんばあったとして、そのために相手を取り逃がす事になれば?
 とうていお許し申し上げられぬ。必要なのは速い駆け手ではなく、
 我が身と味方を守れる戦士です。
 どうぞ御冷静に。弟君と共にお残り下さい」

----------------------------
姫君が同意した場合、そのまま外へ。
同意しなかったらそのとき次第。

534 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/07/25(土) 00:00:25 0
>>533
若姫は破顔一笑し、腕前ならば確かだし、なにより山から川への道を案内するのは
自分を置いてほかあるまいというや、トリウマにまたがり、門塔の下の城門への
通路へと駆け込んでゆきます。

そして、手を振り、お二方にとっても、私が同行すればきっと役立つと思いますと
快活に叫び、そのまま通路を進みます。

カージャールはあっけにとられて若姫の後姿をみていますが、夜毎に山の外を
出歩かれるとはまこと、この谷の貴人は健脚で良い乗り手ですなぁと感嘆してみせ
クラインの言を待ちます。

一方、灯台のゴーレムに変化が現れます。頭部の光が旋転をやめたかと思うと
門塔のほうへと歩き出し、全身の皮膚が光を放ちます。

そして、広場の地面には乙女の塔の脇から馬屋の前まで太い光の線が現れます。

535 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/25(土) 21:28:29 0
>>534
「…誠に」
他に答えようもなく、漫然と典獄殿に応じ、引き出した愛馬に跨って
急ぎ姫を追おうとした、その矢先の異変だった。
「カージャール殿!」
短く警告を発し、だが返答を待たず、急ぎ手綱をうって、門塔へ駆け込む。
門塔の前に居座られては…姫君を先に立たせたまま門を塞がれては、
まずいどころの話ではない。
門へ駆け込みつつ、ちらと肩越しに後方を見遣る。
光線の正体は気になったが、今更逃げ遅れた者もあるまい。
後はシャルル殿に任せ、私は鉄砲な貴人を追った。


----------------------------------
言い遅れましたが、規制解除おめでとうございます。
クリスタの描写がないのは出遅れたかな?

536 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/07/27(月) 02:20:16 0
>>535 
門塔の上から広場の光景をみる者があれば、このような情景です。

カージャールが慌ててトリウマの首を巡らせ、両腰脇と背中それぞれつけた矢入れもそのままに
トリの脚爪の上に踵を乗せ、そのまま掛けさせて通路へと潜りこもうとしています。

その向こうでは祭司モン、典獄の甥にして典獄のシャルル、弟御クリスタがなにやら言葉を
交わしています。

その時、広場の地面が光り、一同は下から照らされたのに驚き、身を揺るがせ、慌てて門塔と
馬屋の陰へと顔を伏せながら走りこんでゆきます。

さて、通路では若姫が背後のただらなぬ雰囲気を察したのか、虫の知らせか、下り坂の通路で
曲がりざまふと背後に視線をやった瞬間、異変があったのを気づきあわてて、トリウマを
翻させ、馬に跨った貴人二人がすれ違え、荷車を押し引きしてあげられるくらいの幅しかない
この通路で壁も使い、向きを変え、そのまま広場へと戻ろうとします。

若姫の正面からはクラインが馬を急がせて走らせており、その背後にはカージャールがトリウマ
の首を抱き、脚に乗りかかったまま続いてきます。


###
解除までご迷惑をおかけしました。

537 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/27(月) 20:49:05 0
>>536
門路へ駆け込むと同時、トリウマをこちらへ向けた姫と鉢合わせた。
すんでのところでお互い手綱を引き、衝突を回避しきる。
馬の首に羽毛が触れるほどの距離。
この寒空に、胴着の下、じっとりと嫌な汗をかいた。
後から駆け込んできたカージャール殿がこれまた慌ててトリウマを止め、
私は愛馬ごと、前後からトリウマに蒸されるような有様になった。

姫がトリウマのきびすを返した理由は問うまでもない、
三人団子に固まったまま、一様に振り向き広場を見遣る。
この期に及んで何が起こったというのか?
知己らの姿は見あたらない。どうやら逃げおおせたらしいのは、
ひとまず安心材料と言えた。

-------------------
いつ規制にかかるかはわかりませんから、お互い様です。
代理投稿して下さった方に感謝。
ゴーレムの現在地が欲しかったなあ…
視界は通っているものとして処理しました。



538 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/07/28(火) 23:35:02 0
>>537
若姫は小声で取り乱したことをクラインとカージャールにわびつつも、気ははやっているようで
広場に弟の姿を確かめようとし、やがて左手のほう、馬屋の陰に認めて安心します。

門塔の通路前、三人の頭上で灯台のゴーレムは霧笛のような叫び声を放ち、
左肩、胸、右肩に小さな、しかし極めて明るい灯りがともり、乙女の塔の右手の空へと
光を放ちます。

その光の線の上を滑るかのように、甲鞘を一杯に広げきり、薄羽根を震わせて
竜がゆっくりと降りてきます。どちらかの羽根の調子が悪いのか、時折ぎごちなく
左右に振れたり、光の線から外れそうになったりするもののしずしずと下降してきます。

一方、その後上方では若姫の兄上が乗るらしき竜が、細長い翼を広げ、かすかに
高度をさげて尾いてきます。下の竜との位置関係を保ち、常に後上方を占有するよう
に動いているようです。

濠端にいたゴーレムは小回廊の脇、乙女の塔の逆側の脇で待ち構えています。

小路に逃げ込んだ者たちも静まり返り、ただ頭上の二頭の竜を瞳を凝らしてみあげる中、
下の竜の羽根音、細かく振動する大きな羽虫のような音が風に乗って聞こえてきます。
どこかを怪我しているのか時折、うなり声のような変調をきたすことはあれど、次第に
音は大きくなり、やがて竜の翼が送る風が向かい風を圧し、一同の衣服をそよがせます。

こうして、下の竜は今、長弓の射程内に入り込んでいます。羽根のたてる風こそあるものの
慣れた者であれば確実に矢を届かせ、或いは狙ったところに突き立てることもできるでしょう。

上の竜は矢頃(やごろ)よりは遠く、上空にいますが、追い風ゆえ風を計算して射れば
矢は達するかもしれませぬ。二頭ともこれまでになく地上、この山に近づいています。

539 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/29(水) 23:14:22 0
>>538
端近を幸い、前方の典獄殿を手甲で軽く突き、無言で促す。
言葉は交わさず、静かに馬を進め、我々は広場に臨んだ。
背負った長弓を外し、矢筒より矢を抜き取り、
まとめた手綱をたぐり込んで、拍車のみで馬を促す。
ゆっくりと進む馬上で、油断なく矢をつがえ、
降りくる飛竜に油断なく目を配りつつ、私は進み出た。


------------------------
まだ射ません。
近距離なら手綱を使わず進める状態にして、
馬に乗ったまま弓を射られる体勢。

540 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/07/30(木) 23:10:52 0
>>539
「我ら、竜の前に寄り集い、その眼を見返さんとす。されば、この良き日に我が腕(かいな)に
力を与えよ」とカージャールは典礼の一節を唱え、同じく弓を準備し、クラインとは若姫を
挟んで向こう側にトリウマを並べ、背に跨ります。

下の竜はしずしずと高度を下げて近づいてきます。が、乙女の塔の脇、山の頂上部を囲む壁の
直前で異変が生じます。谷間を山沿いに風が突然吹き上げたのか、竜の片翼が突然、巨人の手で
摘み上げられたかのように持ち上がり、体を大きく傾げます。体を傾け、捻りながらも竜は前進を
続けますが、さらにもう一度突風が横合いから吹いたのか、薄羽根が完全に付け根を軸に
ねじれてしまい、そのまま、体は一回転し、地上を背にする形となります。

突然のことに、竜の背に伏せっていた黒衣の人物は一たまりもなく、哀れ落馬ならぬ落竜し
地面へと落ちてゆきます。

一方、竜はそのままの態勢でしばらくもがくようにしたかと思うと、尾を乙女の塔にたたきつけるように
巻き付け、その反動で回転しながら両脚を上に向けたまま上空へと体を放り上げます。

抛りあがった先は、なんとしたことか、上の竜の細長く広げられた翼で、避ける間もなく
こちらの竜も態勢を崩して、高度を見る間に失い始めます。

541 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/07/31(金) 01:14:27 0
PL突っ込み。

飛竜上のNPCが落下していきます…という振りに対し
戦士系PCがアクションかけるのは非常に厳しいんですが…
魔術師系なら落下制御なり何なりで1アクション可能でも、
並騎士が数メートル以上の落下対象をフォローするのは無理っす。
赤ん坊や幼児ならいざ知らず、大人受け止めようとしたら
こっちが馬もろとも潰れます。
矢を射るのも無意味、飛竜に近寄るなど自殺行為。

もう1レス追加おねがいしますGM。

542 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/01(土) 00:33:33 0
>>541
GM発言
それではもう少し話を進めてみます。

>>540
黒衣の裾がひるがえり、雨に濡れた土間の三和土(たたき)に月光が差し込んだように光を放つ
広場のてりかえしのなか、怪鳥のごとく両手両足を広げた人影は、落ちてゆく風圧でムササビのように
衣をまとわりつかせ、一瞬ふわりと浮かびあがり、静止したかのように空に留まります。

だが、空に留まっているように思えたのは、気が付いたときは馬を駆り立てて、まるで空気が止まっている
ように、あたかも水の中を歩ませるかのように時の流れに逆らい、全力で疾走させているからかも
しれません。

見つめるのはただ、黒衣の人影のみですが、傍らでは同じく若姫とカージャールがトリウマを走らせている
ことをクラインは信じて止みません。

その信頼の思いに応えたのか、左手でトリウマが体を大きく揺らしたかと思うや、斜め上へと飛び上がり、
羽ばたきで体を浮かせ気味に支えつつ、地面を蹴り加速してウマを抜いてゆき最後に大きく羽ばたきます。
背に人を乗せていないことに驚愕したころには、走鳥は黒衣の影に空中で追いつき、一瞬、背と翼で
人を受け止めたかに思えますが、バランスを崩してよろめき、人影はまたも空中に投げ出されます。

いま、クラインの眼前、馬首の少し右手上空には手足を脈絡もなく広げ切った黒衣の人が浮かんでいます。

543 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/01(土) 23:30:44 0
>>542
間に合うか。
思考を巡らすゆとりはなかった。
疾走する馬上、鐙に足を踏みしめてやや腰を浮かせ、
手綱を払って、両腕を広げつつ馬首を右へきる。
真下へ滑り込みつつ体を沈め、衝撃を殺すよう、全身をばねに、
ちょうど投げ出された方向へ体ごと追う形で、
私は堕ちたる竜騎手を受け止めた。

鐙が長靴裏に食い込み、次の瞬間、鞍へ叩き付けられるように腰を落とす。
愛馬は甲高い嘶きを上げたが、かろうじて棒立ちにならずにいてくれた。
激しくきらせた呼吸と、喉から飛び出さんばかりに鳴る鼓動に、
時の流れが戻るのを知る。
冷や汗がどっと流れた。まとまらぬ思考をそのままに、
私は天の恩寵に感謝の祈りを捧げた。


-----------------------

何とか受け止めてくれというネタふりと受け取ったッ!
そうか、トリウマというものがあったか…
FF疎いもんで、イメージわかなかったです。

544 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/02(日) 23:23:14 0
>>543

腕の中の黒衣の人物は小柄で、とりたてて特徴もない者です。今は眼を閉じたまま
あえぐような息遣いを繰り返しています。体は力が抜け切り、手先が震えているのか、
それとも風のせいなのか、細かく裾がゆれています。

瞬時にこれらを見てとり、ウマを右回りに巡らせているとき、頭上で獣のような吼え声が
響きます。

なにか巨大なものが絡み合い、もつれ合いながら、頭上から迫ってきます。まるで
空が落ちるかのように、或いは火の星が火の粉を撒き散らしながら地上に落ちるがの
ように。翼を広げた竜の姿は視野を覆わんばかりでまるで、地面が浮き上がり、竜に
吸い込まれるような心地がします。

かたわらで視野の隅では、トリウマがゆっくりと羽ばたき、脚を盛んに空に踏み出して
横倒しの態勢から元に戻ろうとし、脚を交差させては斜め前へと進んでゆきます。

545 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/03(月) 19:41:37 0
>544
思考するより早く、刹那、強く拍車を入れる。
手綱を拾う間もあらばこそ、たてがみを掴んで馬上に身を伏せ、
ひと跳ね、ふた跳ねもせぬ間、背後で轟音と振動が鳴り響いた。
広場の端近くまでひといきに突っ切り、
馬が歩みをゆるめてようやく、身を起こし、背後を見遣る。

もがくトリウマの背に姿はなかったようだが、
姫君はいずこに、典獄殿は。
無事な姿を求め、私は声をあげ呼ばわった。


--------------------
状況チェック。
広場全体の描写をいただけると大変ありがたく。

546 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/04(火) 23:08:21 0
>>545
クラインの背後では重々しいはばたきの音がし、大気が震え、やがて地震のような震えが二度、広場を震わせます。

そんな中、クラインの声に初めに反応して顔をのぞかせたのは、馬屋の陰から祭司モン、典獄の甥にして典獄シャルル、
若姫の弟御クリスタです。続いて、小路からは手に手に長柄の農具を握り締めた宿坊の主たち。

彼らは全員、脅えたり驚いたりはしているものの、無事だったようです。

ですが、典獄カージャールはそうでもなかったようで、広場と大回廊の間の濠端に体を伸ばして横たわり、
脇では若姫がトリウマから気遣うように降りて介抱しようとしています。

乙女の塔では窓に明かりが点り、中から人影が出てきます。

そして、広場中央には負傷した二頭の竜がごく近距離でにらみ合っています。一方の竜は背に
人を乗せたまま。もう一方の竜の背は空です。

547 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/07(金) 00:46:23 0
>546
言葉を発する間も惜しみ、腿に当たった手綱を手探りに拾う。
典獄殿の身が案じられたが、ひとたび門塔側を回り込み、
先程毀したゴーレムの残骸脇を駆け抜けて、馬屋前へ着けた。
「シャルル殿」
顔を上げた彼へ、腕の中にあった竜騎手を投げ渡す。
「済まぬが頼む」
驚きつつも、咄嗟に受け止めたのは流石と言えた。
必要なのが手当であれ、警戒であれ、彼なら事無く対処するだろう。
「モン殿、クリスタ殿をあちらへ、」
目で促し、頷いた祭司殿が宿坊の主らの方へ貴人の背を押すのを見て取って、
渡しは彼らの方へ呼ばはった。
「典獄殿と姫を安全な場所へ!
 危険があれば盾となる、急ぎ医師を」
返答を待たず、再び手綱を引いた。
乗り手の心は、そのまま馬に伝わる。
気を落ち着け、私は軽く愛馬の首を叩いた。
「頼むぞ、アルタクス」
落ち着いた歩み、対峙する飛竜に少し間を取り、私は馬を止めた。
相手がどれほどの驚異なのかは知らぬ。
だが、この場を退くわけにはいかなかった。

-------------------------
距離10mぐらい(馬でそのラウンドにエンカウントできる距離)。
飛竜ってワイバーンクラスだと思っておけばいいんですかね?
クラインのレベルはSWだとファイター4か、せいぜい5ぐらい。
ついでに愛馬命名、アルタクス。

もし戦闘ラウンドに入るなら、以前うpいただいた広場見取り図に
全員の現在地を入れていただけるとありがたいです。

548 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/10(月) 00:56:01 0
>>547
現在の状況は以下の図の通りです。
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/26024.bmp

カージャールのトリウマも倒れた主人の脇に控えています。若姫は物陰からこわごわ
覗いている宿坊の主たちを手招きし、傍らにはモンが駆けつけてその場にあった
長棒や藁むしろをくみあわせてカージャールを運ぼうと取り掛かっています。

シャルルは竜騎手の体を抱え込んで馬屋の背後、射手回廊の矢狭間へと運び、石造りの
長いすに横たえさせます。竜騎手の息遣いは荒く、いまだに人事不省な模様です。

クラインの正面にいる飛竜は、翼の差し渡しと、頭から尾の先までの長さこそ長いものの
胴部は下から見上げていたとき感じるほど大きいものではありません。今は両の翼を畳み込み、
背にまたがる人はじっとクラインたちの動きを見守りつつ、腹の前で腕を動かしています。

 すると、人影の腹になにやら頭が飛び出し、地面へと降り立ちます。四足を前郭につけて
たったその獣は狼です。狼はあたりのことに頓着もせず、天を仰いで叫びをあげ、その声の尾
は広場、この山、そして周りの峰峰へとこだまします。

#
竜はワイバーン相当の印象です。多少口が細長くてよだれが火の粉となること、射程の長い
ブレスを吐くことが変わっている点です。

549 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/10(月) 23:18:47 0
>548
今宵の怪異は留まるところを知らぬ。
新たな矢を抜き、長弓につがえつつ、私は声を上げた。
「馬上より失礼いたす。竜騎士殿、若姫マルト殿の兄君とお見受けする。
 昨夜よりこの地に滞在する騎士クライン・トーラスと申す。
 お教えいただきたい。この事態は一体何事か?
 先程より聖域上で派手な花火を上げていたのは貴公か。
 あれなる竜騎手は、この飛竜は、この聖域に仇為す者か?
 そしてその獣は。貴殿の味方なのか?」

-----------------------------------
ブレス吹き来やがったーッ!!!
いいとこ群狼戦だと思って魔力防御甘く見てたw
いずれにしても純戦士じゃ火炎防御は紙ですけども…

550 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/11(火) 20:21:22 0
>>549
クラインの言を聞き、竜騎士は飛竜から降り立ち、無造作にクラインのほうへ歩み寄ってきつつ
応えます。
「しかり、わたしはマルトの兄にあたる。名はキツバだ。さて、クライン殿、この山に今夜
参ったのは他でもない。山の法に従い、山の法を執り行い、もって、この谷の平穏を永らえ
させるためだ」

そして、門塔の傍らにたたずむ灯台ゴーレムの巨体を指して
「あれなるものは、この山の地霊が自然と今宵のさまよえる旅人に感応したのであろう。
このような形態をとるとは意外ではあるが、それにはあちらの竜騎士も関わっておろう」

続けて、背後にいる下の竜を指し
「あの竜は今宵、我と我が騎竜に仇をなすこととなった。経緯については彼の竜騎士の立場
もあろう。ともかく、我は勝利し、彼は破れ、我は彼をこの山に追い詰めて落とした」

最後に、傍らを歩む狼を指して
「このオオイヌは我らが一族の祖霊である」といい、これで全て答えたかなと尋ねてきます。



551 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 00:50:45 0
>550
「御説明いたみいる」
睨み合う飛竜を眼前においての、あまりな無造作さに──それだけの
能力を持つがゆえと見はしたが──或いは使役精霊への信頼からか、
 面食らいながらも、続く怪異に感覚が麻痺しつつあるのが
 我ながら情けなくもあった──私は言問うた。
「して、山の法に従い、山の法を執り行い、この谷の平穏を
 永らえさせるため──この飛竜と乗り手、如何なさるおつもりか。
 ゴーレムについては実害がないとみなし、灯明代わりに放置しているが、
 そこな飛竜はまさか、馬屋に繋ぎ置くわけにもいくまい。
 如何様にか調伏されようというなら微力ながら助力いたすが、
 御自身で、或いは危険がないというなら、
 この場はお任せして、私は外へ急がねばならぬ。
 当地の院長がこの奇異の中、事もあろうに外においでだと聞くがゆえ」

552 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/13(木) 21:30:28 0
>>551
 「あの竜にしても、我が竜にしても今晩はすっかりくたびれたし、怪我もしている。まさか
仮の宿を焼き払うほど酔狂な育ちもしておらんだろう。大事無い」

 「で、その院長とはなにかな、おおかた、都から下ってきた者であろう。だが、そもそもこの山には
司る者がおる。修道会の都合など知ったことではない。それもケリをつけねばならん用向きの一つなのだ」

 そう問答をしていると、乙女の塔の戸口に何者かが現れ、二頭の飛竜の方へと
向かいます。

 「ところで、クライン殿、さきほど騎上からみたところでは、そなたこの山の者共に指図をして
おられたが。よもや、修道会とのつながりをもたれておられるのかな?」 

553 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/14(金) 00:47:22 0
>552
「指揮を執っていたのは確かだが」
鐙を踏み込み、地へと降り立つ。
このような場合ゆえと、馬上より言問うた非礼を短く詫び、私は言葉を継いだ。
「見てのとおり今、この場にて武器を取り、危険に抗し得る者の中で、
 指示を出し慣れているのが私だったというだけのこと。
 よもやとお尋ねの意味については、残念ながら理解しかねる。
 何しろ、思わぬ成り行きで当院の客となったのが昨夜の事ゆえに」
自分でも信じがたいが、とのぼやきは心中に留めておいた。
「しかしながら、当地の事情に疎かろうとも、過客にすぎずとも、
 助けを求む者あらば応えて立つのが騎士のつとめ。
 山の民であろうと、都の民であろうと、面識ある者の安否が案ぜられるなら
 見過ごすわけにはいかぬのが騎士の道」
それが僧侶であろうと、姫君であろうと、農夫の子であろうとも、とつけ加え、
私は再び手綱を繰った。
「飛竜にもはや危険がないと確約いただいたからには、
 ただちにこの場を辞し、探索に出る事にいたす。
 あこな灯台が、夜道の助けになろう間に」

-----------------------------
何もなければこのまま外へ。
司祭・役人・戦士・貴人と指揮を執りうる顔触れが揃っているので、
後は放っぽっといても大丈夫だろうという判断です。

554 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/16(日) 22:59:07 0
>>553
「今一度尋ねたい。その院長という者の個人に用があるのか、それとも院長という肩書きに用があるのか」
と竜騎手のキツバは問いただし、
「仮に肩書きだけに用があるのであれば、今晩にもこの山の院長は改まる、いや、改まるのではなく
正式に任じられるのだ、他ならぬ私の手によって」と言葉を継ぎます。

そもそも、戦乱も終わり、都には帝がおられるというのに、この山だけ騒がしいままであってはいかんだろう、
修道会の者どもは未だに戦乱のままの気分のようだが、と門塔をみやって言い放ちつつ、キツバは
さらに問います。

「クライン殿はこの大きな街道松のような岩人形に見覚えがおありかな?」 そして、明日にもなれば実物を
御覧になれよう、私も久方ぶりに見てきたばかりだと述懐してオオカミの頭を撫でます。

灯台ゴーレムは相変わらず光の輪を周囲の山々を順繰りに照らし、今は時折、狼の遠吠えが聞こえます。
濠端で水を撒いていたゴーレムがまた動き出し、今度は黒衣の者が乗っていた竜のほうへと向かいます。

その竜の傍らでは乙女の塔から出てきた人物、遠めには最初の晩に湯屋に案内した爺らしく見えます、が
きびきびとした動作で世話をしています。

555 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/17(月) 21:57:23 0
>554
「岩の巨人の事を仰せなら」
つとめて静かに、私は口を開いた。
「この地を訪れて、はじめに遭遇したのがそれのようだ。
 先のお尋ねについては、その両者とお答えしよう。
 公人としての彼には、今宵面会の約束があった」
とうに刻限は過ぎたが、と断って先を継ぐ。
「私人としての彼については、先程申し上げた通り。
 ひとが身を案ずる知己である以上、安否は確認せねばならぬ。
 彼がこの地の長をはずされ、たたびとに過ぎぬとしても、
 たとえ、何らかの罪に問われて地位を追われるものであろうとも。

 ──そう、我がロードがこの場においでなら、こう仰ったことだろう。
 罪人であろうとも、無為に狼の牙にかけさせるべきではない。
 ひとたびは身柄を確認し、裁きを与えるまでが君主の務めだ、と」
よしんば狼の牙を逃れたならば、務めを怠ったものとなると
己に厳しいロードなら仰っただろうが、それは口にはしなかった。
仮定の話でそこまで告げては、暗に貴人を咎めたと取られかねない。
「──探索に出ます。失礼を」
丁重に礼を取り、私はその場を後にした。


-------------------------
門を出た後は、見つかるまで探索→保護して連れ戻しますが、
必要ないシーンはばんばん省略して下さって結構です。

556 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/18(火) 23:26:43 0
>>555
それを聞くとキツバは首をかしげ、不思議そうにクラインの後姿に話します。
「その岩人形のことは知らなかったが、おそらく伝説に登場する岩人が近いかもしれん。
私が言っているのは今晩、散々梃子摺らせられた羊飼いどものことだ。

あるいはあちらの竜ともども、そなたが言う院長を守るつもりでいたのかもしれんな。
こちらとしては谷の口に竜がいるとあっては出向かねばならないまでのことだったが」

そして、

「いずれにせよ、貴公は都から下ってきた修道会の者に知己があるとは、一目置かねば
ならんな。これは快く門を開けねばなるまい。そうそう、門を出れば面白い光景が
見られるかも知れぬ。心して行かれよ」といい、濠端でカージャールの手当てをしている
若姫のほうへと声は遠ざかります。

557 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/18(火) 23:41:21 0
>557
多少引っかかりを感じたが、細かな誤解をただすには
そもそも私の知識がなさすぎた。
差し当たりなすべき事を考え、ただ無言で会釈を返して
私は早々に馬上へ戻った。

岩人。聞き及んだ事があるように思える。
座して動かずば巨岩と見まごう外見、
強靱な生命力と怪力に比して、知能の低い魔物だというが。
人里離れた山中にのみ存在するという…
この地も、人里離れた山中に違いはないが。

とりとめもない事を思い巡らしつつ、
こたびは気を落ち着けて、私は門を出た。

----------------------

指輪物語は未読なので、卓ゲ板住人らしく
手堅くSW系トロールのイメージで固めました。

558 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/19(水) 02:14:04 0
>>557
門を背に谷底や、遠くの稜線下を見回すと、そこかしこに灯火が瞬き列を成して動いています。
ときおり、オオカミが遠吠えを交わすなかでこれほど多くの人が村の外を歩いていると、驚くほど
の数です。

山腹を辿る道は、今も灯台ゴーレムが廻す光の照り返しのおかげでか、はっきりと見て取れます。
山裾のあたりにも、灯火が瞬いており、どうやらこちら目指して登って来る者がいるようです。

クラインがこのまま降りると狭い山腹の道で行き交うことになりそうです。速度からして相手は徒歩。
耳を澄ませば話し声が聞こえるような気もします。夜間で多少明るい空を背景にしていますから
先方からクラインの姿はたぶん見えていることでしょう。

##
岩人はとくに姿などは決めていませんでしたが、ハーンワールドに登場する奇妙な生物が
近いかもしれません。確か日中は無生物だが、夜になると命を宿し斜面を歩き回るんだったかな。
それとも日中は動作が鈍いのだったか。

559 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/20(木) 22:13:25 0
>>558
道行きの距離と道幅、人々の群れの人数と速度をざっと見てとり、
私は手綱を引いて道を駆け下りた。

さいしょの灯火と遭遇する少し手前、道幅に幾らかゆとりのある箇所で
アルタクスを止め、可能な限り崖側に身を寄せる。
登り来る人影がこちらを見上げ、灯火を掲げるのに頷きかけ、
狭い道で人馬とすれ違う彼らに、馬上から手を差し伸べて手助けした。
「門は開いているが、気をつけて登ってゆかれよ。
 このような夜中に、一体いかなる道行きか?」

560 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/20(木) 22:29:12 0
>>559

列の先頭にいた者がすれ違うクラインを振り返って答えます。
「お山でなにやら異変が生じているようなので、急いで西の村から駆けつけて参りました。
それがし、この谷で巡回祭司をしておる者でございます」。

そこまで答えて、巡回祭司はクラインに問います。
「お山で一体何事が起きているのでしょうや?」

一行は十数名でみたところ成人男子ばかり、手に手に棒や農具などを担ぎ
松明を手にしています。巡回祭司を名乗るこの者は見たところでは、特にどこかを
怪我しているといった仕草はしていません。

クラインと大河を結ぶ経路上にはこの一行のほかに明かりはありませんが、谷の上流方向
の山肌や谷底のあちこちに明かりが見えます。

561 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/20(木) 23:49:57 0
>>560
咄嗟の返答に詰まったが、門内の顔触れを思い、
手に余る問答は丸投げしても差し障りなかろう、との回答がすぐに出た。
あれだけの人材があるのだ。私が何もかも仕切る必要はない。
「何が起きているのかは、その目で確かめた方がよかろう。
 驚くようなものを目にするだろうが、危険はない。
 だが、人手はあって困るものではない。
 これより下山するより、行って手を貸すのが良いだろう。
 慌てる必要はない、気をつけて行くように」
思えば、叩き毀したゴーレムの残骸もそのままに門を出たのだ。
「それはそうと、先程火球が飛び交っていた谷を通った者はないか。
 人を探しにそちらへ行くのだが」

562 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/22(土) 01:17:14 0
>>561

巡回祭司は、クラインの返答を聞いて声音がやや落ち着いたようで
「西の村の上を火球が何回か飛びかいましたが」とこたえ、こちらへ行かれるのかと
谷の口、大河のほうを指差し、クラインが馬上でうなずくと、
あちらからは来ておりませぬと述べ、逆方向の山腹に輝く明かりに向かって
西の村はあの辺ですと指差します。

そこではっと気づき、殿、狼に気をつけられよ、馬上とはいえ、この地の狼は
大変危険ですぞ。我らも今晩はこの異変ゆえ出て参りましたが、お聞きの通り
あちらこちらの峰峰で狼どもが吼え交わしておりますゆえ。

クラインは鷹揚にうなづき、巡回祭司に礼を言うと、片手をあげて一同に挨拶し、
通り過ぎるのを待ってまた馬を走らせます。

夜道ではありますが、山腹から山裾へと繋がる口も道沿いに辿ると容易に抜け、
やがて大河のほとり、つい昨夕に暗くなる中、渡った大河のほとりまで来ます。

大河の対岸には広々とした中洲が広がっています。



563 名前:名無しになりきれ[] 投稿日:2009/08/22(土) 18:55:45 O
ageときますよ ウフフ

564 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/22(土) 22:15:05 0
>562
「あちら側だな」
指し手に指し手を添えて方角を入念に確認し、
「あい解った、お互い道中気をつけるとしよう」
軽く手を挙げ、礼を述べて路を駆け下りて行った。


黒々とした水面を前に、鞍の帯に差した松明を引き抜く。
山上から漏れくる明かりをわずかな頼りに炎をともし、
高く掲げて周囲を照らした。
魔法の火とはいえ、あれだけ大量の火球が飛び交ったのだ、
痕跡が残っていないとは考え難い。
少しでも手掛かりをと、闇に目を凝らし、
河川の傍、ゆっくり馬を進めた。

------------------------
探索開始。
レンジャー技能は恐らく大した事ないです。
SWレベルだとせいぜい3ぐらい?

565 名前:GM[sage] 投稿日:2009/08/24(月) 00:13:49 0
広場の現状図
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org75481.bmp.html

>>461
モンは早口で、「クライン殿、院長は都からお越しになるのです」といい、周囲の者にも
聞こえるように「殿はよくぞご存知でしたなぁ。感服しました」と繰り返します。

大河が流れているあたり、谷の口ではこの間も時折、強い光が空を走っては消え、
或いは突如、閃光が放たれては雲間を照らし、大きな翼の生き物が雲の照り返し
の間を飛び去り、あるいは雲へと突き進み姿を隠すのが見えます。

数はさほど多くありません。ひょっとしたら一対一なのかもしれません。
雲から山の稜線、場合によってはそれよりもはるかに低い位置でも閃光は
発せられているようです。大回廊の影のこの位置からでは良く見て取れませんが、
乙女の塔の上や門塔の最上階であればもう少しはっきりみえるでしょう。

今は広場中央のゴーレムも、眼前の猿臂のゴーレムもじっと静止しています。広場を縁取る
石が燐光を放っているほかはこれらのゴーレムさえいなければごく平凡な光景のはずです。

一方、クラインやモンたちの頭上では、大回廊の上層階にある小さな連窓の窓覆いが
そっと除けられているような、そんな人の気配がします。今のところ叫び声や人が室内で
騒ぎ立てるような音は聞こえません。

向かいの門塔では、広場に面する背の高い尖頭窓は光を発さず、扉も閉まったままです。
人が起きていたとしても、室内を暗くしたままで広場を伺っているのでしょうか。

566 名前:名無しになりきれ[sage] 投稿日:2009/08/24(月) 00:16:54 0
すいません間違えました……

567 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/24(月) 00:47:54 0
>>564
クラインが松明を掲げるとほどなく、対岸の中洲の葦の茂みのあたりから、水鳥が飛び立ち
鳴き交わしながら上空を旋回し、どこへともなく飛び去ります。

その鳥の羽ばたきの気配がしたあたり、葦原となっているあたりの向こうにいつの間にか
大きな影、細長くひょろっと伸びた街道松のようなものが立っています。

影はそのまま、水辺に来て、ほとんど水音もさせぬまま、クラインのほうへと渡ってきます。

山上の明かりと水表の照り返しで見る限り、脚がとてつもなく長い人のような影です。

水面から高く脚を差し上げてはまた、降ろし、底につけては、もう一方の足を持ち上げて、
まるで拍子をとっているように大また小またに重心を移し変えながら、クラインの面前まで来るや

「こんばんは、どちらに参られますか」と朗らかに問いかけてきます。

568 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/24(月) 00:53:20 0
>>565-566 5月29日の投稿ですね。随分懐かしく感じます。
>>566 いえいえ、どうぞ御気になさらずに。

569 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/24(月) 18:52:33 0
>567
「今し方私に話しかけたのは…貴公…か?」
口にした後、同じ言葉を昨夜発した事に気づきいたが、
流石にこたびは姫君の声ではあるまい。
「人を探しているのだが…
 先程ここで火球が飛び交っていたのを見ただろうか」
誰何もなく言問う自分の場慣れがもの悲しかったが、正体を問うたところで、
理解の及ばぬ怪異の一端をまた引き当てるだけ、という
確信がはっきりとあった。


-----------------------
>566
ドンマイ
いったい何をどうしたらそんな誤爆がw

570 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/25(火) 01:06:20 0
>>569

脚長の人物は、そうですとも、というや松明の明かりの中に進み出ます。みると手には
細長い杖のようなものを持ち、それで川底を探っていたようです。

「火球というか、火を吐く主どもが随分、このあたりを飛び交っておりました。
おかげで、今晩は羊をあちらこちらと探したり、あちらの山へと連絡に参ったりと夜なべ仕事
になりそうです」

この人物は、あぁ、とここで一息いれて、なおも続け、
「お人をお探しなのですね。どのようなお方でしょうなぁ。あるいは我ら一行のどなたかの
御家人なのですか?」と尋ねてきます。

571 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/25(火) 21:36:58 0
>>570
「山頂の修道院の院長なのだが…」
松明を掲げ、目線を合わせんと見上げたが、
確信が実感に変わっただけに終わった。
「当方は昨夜当地を訪れたばかりで、右も左も解らぬ有様。
 山頂も異変に見舞われ、他にさける手もなしとて降りてきたのはいいが、
 彼がどこにいるかも皆目検討がつかぬのだ」
今朝わずかに言葉を交わしたのみではあるが、
思い出せる限りの人相風体を伝え、私は乞うた。
「思い当たりがあるなら教えていただけまいか。
 私は辺境の地方領主、名をクライン・G・トーラスと申す」

572 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/26(水) 23:33:21 0
>>571
脚長の人物はクラインの話す特徴を聞いていますが、はてと首を傾げ、

我々の一行には、あの山(と、灯台ゴーレムの明かりを指して)に赴任なさる院長
が居られますが、殿の言われている方とは違うようです。しかし、目上の者に聞けば
何か分かるかもしれません。

しかし、私は今から山に登らねばならんのです。ちょっとした用向きがありましてと
ここで言いよどみ、しかし、中洲をこのまままっすぐ行けばすぐにも他の者に会えましょう、
と続けます。

そして、杖で体を支えるやぐっとしならせて、脚を河から抜き出し、大またに岸にあがります。

岸に上がるとわかるのですが、この人物は竹馬の上に乗っています。体が大きく見えるのは
重たげな外套を背負っており、体の前には色々な物を紐でぶら下げています。そして、頭にも
大きく尖った帽子を被り、顔面は羊毛を叩き締めて作ったようなもので覆っています。

竜騎士が言っていた面白いものとは、このような人物のことだったのでしょうか。

573 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/27(木) 22:55:09 0
>527
「忙しいところを呼び止めて済まぬ、心より感謝する」
風体が祭を旅する道化を思わせると思ったが、
無論のこと、口には出さなかった。
闇へと消える彼の後ろ姿を見送った後、
名前も聞かなかった事に気づく。
まあいい。山頂へ向かうと言っていた。
いずれ再び会うだろう。
再び松明を掲げ、ほの暗い中州を照らしつつ、
私は彼が指した方向へと馬を進めた。

574 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/29(土) 01:11:37 0
竹馬に乗った道化は細長い杖をふるって別れの挨拶をし、山のほうへと
進んでゆきます。

さて、クラインが中洲を進んでゆくと、川風が吹いているにもかかわらず
何か焦げ臭い匂いが一面に漂うところに出ます。

松明の明かりでは良く分からないのですが、あたりの草や川原の木などが
焦げているようです。鬼火がときどき川底になる原の雑草や川原の藪の上を
転げまわっては焦がしたような感じでしょうか。

そのあたりを過ぎると、砂洲に囲まれたあたりがちょっとした崖になっていて
島状の台地を囲んでいます。おそらく洪水のときなどは島として水面上に
残るのでしょう。

この台地には大きな木が何本も生えており、見通しが利きません。
そして、崖に登るあたりに先ほどのと似た竹馬に乗った道化が居て、あたりを
見回しています。

575 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/08/29(土) 23:54:04 0
>>574
馬の歩みを緩め、そこここを丹念に照らしては
人の痕跡を伺うが、さしたる成果はない。
幾度か声を上げ呼ばはってはみたが、
応えるものは──少なくとも人の声は──なかった。
二人目の『道化』を認め、灯火を掲げる。
「失礼いたす、人を探している。
 先程貴殿の連れに会い、こちらへの道を示され来たのだが、
 この辺りで上の僧院の僧服をまとった者を見なかっただろうか」

576 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/08/31(月) 00:18:27 0
>>575
竹馬に乗った道化は、僧服をまとう者とは、つまり修道会の方のことでしょうや、と問い返し
クラインの服装をみて、どこかの御家中の方が迎えにこられたのでしょうか、と続けます。

いずれにせよ、貴賓としてもてなすべき方とみえます、この坂をおあがり下さい。
馬はお預かりしましょう。ただし、明日朝には河のどちらの岸に渡るか選ばねばなりませぬゆえ、
今晩だけのお預かりになりましょう。

そう道化は言い、クラインが坂、というか河水でときどき洗われるためか粘土質の土が
露出している崖道の手すり代わりにと、細長い杖を差し掛け渡します。

577 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/09/01(火) 20:45:25 0
>576
「誤解があるようだ」
修道会の者を探している事にたがいはないのだが、と言添え、
私は差し出された手懸りを固辞した。
「この谷へ夜半、探索に降りてきたのは、
 先程の火球騒ぎで負傷でもしていないかと、
 案ぜられている身の安全を確すため。
 こちらに探す者がいるなら面会し、なければ他を探さねばならぬ。
 いずれにせよ、その後は迅速に山頂へ戻り、
 知己らを安心させねばならぬ。
 悠長にこの場へ留まるいとまはないのだ」
お気遣いはありがたく思うが、と詫び、
心当たりはないだろうかと、私は改めて問うた。

578 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 投稿日:2009/09/02(水) 20:41:08 0
>>577
相手は、そうでしたかとうなづき、一応、私も修道会の者ということにはなっていますが
詳しいことはと、坂の上、木立の中を指して、あちらにいる目上の者にお尋ね下さいと返事します。

なにぶん、夕方になってから中洲にわたり、この場所をみつけて、仮の宿とした次第で
行き届いていませんが、それでもなんとかもてなすぐらいはできましょうし、ご質問に答えられる
者もおりましょう。

一応、聖職にあずかる者もおりますから、修道会のなじみであれば、消息などは答えられましょう。
しかし、今、このあたりで我らが修道会の者は、あちらの山と、この中洲、そして川のあちら岸に
留まっている者ぐらいでしょうから、お探しの方のもとに或いは辿りついたのかもしれませぬし。

そういうと、今度は長い杖を手の平に握り、指を立て、大体の場所を指し示します。


579 名前:クライン ◆TylbjQlM0g [sage] 投稿日:2009/09/03(木) 21:12:28 0
>>578
「御案内いたみいる」
大凡の案内を受けた後、彼に礼を述べ、私は先を急いだ。

日中、待ち合わせの連絡をやった時には、
よもや当人に面会するのがかくも困難であろうとは思いもしなかった。
何やら、例によって私の与り知らぬ事情が動いているらしき以上
面会そのものが無意味な事に終わるかもしれないが、
ひとたび約した以上、礼を果たさぬわけにはいかぬ。

先の薄暗がりへ松明を高く掲げ、慎重に馬を進める。


---------------------------
自分でプレイしておいて何ですが、ローフルの騎士って頑固だなあ…
これでも結構融通きくように作った方なんですが。

580 名前:GM ◆7HJblQjUuMRu [sage] 本日のレス 投稿日:2009/09/04(金) 00:52:52 0
>>579
竹馬の道化は馬を軽やかに駆って楽々と、赤土が剥き出しで滑る坂を越えさせたのを
みて驚いたような反応を示します。

それを尻目に島の木立の中を進むと、木の枝を使って布を広げ、地に押し固めた羊毛の布を
敷いたしつらえの仮宿が設けられており、敷布の上には数人が座って談じているのが
見えます。

クラインが馬で近づくのをみて、彼らは立ち上がり、敷布の端に並び、中央の者が
声を掛けてきます。

「馬上のお方、どちらに参られますか? 我らはあちらの山に向かう修道士でございます。
よろしければ、我らの客としてひと時お過ごし下さい」

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明日と明後日は上京するため、レスが多少遅れるかもしれませぬ。ご了承下さい。


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