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■余り物、心。■
1■余り物、心。■ 投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)21時11分09秒


じっと見つめる眼が
まるで焼き尽くすかのように強くて
強くて強くて、
泣きそうになった。
2投稿者:こういうの好き!  投稿日:2003年10月03日(金)21時15分18秒
 
3投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)21時17分31秒
Vol,1 村娘

「ぉ…ねぇ…ちゃん…?」

無我夢中で走り回る私。
手を伸ばせばもうすぐ届くけれど届かない、歯痒い。
…ガシャーン!!!
はっと意識が戻れば手遅れ。
むくっと身体を起き上がらせると硝子が床に飛び散っているではないか。
木の床に散乱している硝子は見るも無残だった。
あーぁ。やっちゃった。
4投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)21時18分11秒
倒れ掛かるベットから見える景色は荒れもようの空だった。
家の硝子がみしみしと震えていて
風が唸っている。
雨。
5投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)21時18分53秒
硝子は光が無ければ輝けない。
今の硝子もただの透明だ。
落ちている硝子は光を失ってゆく宛ても無くここに存在(い)る。
なんて可哀想なんだろう。

希望を失った自分と照らし合わせる。
こんな私は卑怯だよね。

「馬鹿ユキコ。早く帰って来い。」
起きてからしばらく、私は何故かベットから離れられなかった。
6投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)21時19分45秒
Vol,2 空しさだけが、残ります

「♪今日は雨降り♪灰色空♪お仕事順調、順調!!」

朝早くからチヒロは傘をさして草むらを避けて歩いてた。
即興で作った歌は途中で音が合わなくなる。
肩には古ぼけたベージュ色の肩掛け袋。ショルダーバック…とも言えるのだが。
チヒロはぎゅっと肩にかけた袋をぎゅっと硬く硬く握り締めて歩いてく。
片時も緩める瞬間は無かった。
7投稿者:age  投稿日:2003年10月03日(金)21時46分13秒
8投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)22時43分40秒

すぐ近くは山。今にでも岩が落ちてきそうな様子。
それでも足取りは軽い。

それは何故?
9投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)22時44分08秒
こんこんっと木製扉を二度叩く。
よしっと気合を入れて肩にかけなおした。
肩に掛かっている袋の中身がずっしといきなり重くなる感触がした。

責 任 重 大 。


肩の重さは自分の心の鉛をつぎ込んでいるようで
自分を貶しているようで
空しい。
10投稿者:香苗  投稿日:2003年10月03日(金)22時44分41秒
「はぁい。」
チヒロははっとしたように上を向く。
すぅっと一呼吸置いて雨音に負けない声を出した。
「初めまして。私、チヒロと言います。
 今日、リュウイチ様からこのような物をお受け取りしておりますが、
 あなたはナナセ様で間違いないでしょうか…?」


11投稿者:面白いです!!  投稿日:2003年10月04日(土)09時51分15秒
ぅぉ〜vvこう言うのなんだか好きです!!(2さんに同意!
なんか神秘的…です。
12投稿者:俺も  投稿日:2003年10月04日(土)11時04分54秒
面白いと思うけど更新が結構遅いような。。
しかも台詞小説よりマシなのにコメが入らないのは何故?
13投稿者:ゆき  投稿日:2003年10月04日(土)19時45分33秒
好きです、これ。
14投稿者:age  投稿日:2003年10月05日(日)10時16分37秒
 
15投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)15時59分47秒
Vol,3 郵便さん

雨が降っている。
雨音が強くて、私の心の音も雨音に
かき消されそうだった――。

「リホ、起きてよ。」
ベットに潜り込んでるナナセに私は話し掛けた。
しかし、リホは一言も喋らずこっちも向きはしない。
16投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時00分10秒
あの男のせいだ…
リホは堕ちてしまった。あいつのせいで…。

両手いっぱいの白い粉は一時的に安らぎと癒しの効果を与えるけど
それを受け取ってはいけない事を
リホは分かっていたはず。
…止められなかった自分が
憎い。
悔しい。
17投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時01分47秒

こんこんっと扉が二回、ノックされた。
誰だろう…?こんな雨の日に。
リホを尋ねるとしたら、私と…
「はぁい」
18投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時02分24秒

ちょっと顔を下へ向けると私と同年齢くらいのちょっと背の低い
ポニーテールの女の子が深く帽子をかぶって手を差し出していた。

手の上には四角て真っ白い、封筒があった。
19投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時02分56秒
「初めまして。私、チヒロと言います。
 今日、リュウイチ様からこのような物をお受け取りしておりますが、
 あなたはナナセ様で間違いないでしょうか…?」
さっさっさっと丁寧に素早く話すその子…チヒロちゃんは…
私の眼を真っ直ぐ見て、
心に焼きつくほどだった。
20投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時03分31秒
「?」
あっと私は慌てたように言った。
「あ…あの、私、人違いです。ミ、ミサキです。
 ナナセさんならここから山を下ったところだけど?」
その子ははきょとんとした。
手紙をいそいそと肩にかけてあった袋の中に入れた。

その子は無言でくるりと後ろを向き雨が降っている中、
立ち去って行った。

「変な子…」
21投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時03分55秒

それにしてもあの子の眼…
私の心に
焼きついた。
シャッターが何回もきられて
頭に残る。
22投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時04分31秒
ッ…



「あれ…?リホは…――?」
まだその布団は、生暖かかった。
23投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時51分48秒
Vol,4 無言でその場を立ち去った

やばい…
やばすぎるよ…!!

雨の中を全速力で走る私は呼吸する音もまともにする間もなく、
とにかく走りつづけてる。
さっきのミサキさんが行った通りに山を下り続ける。

どうしよう…
やばいよ!!

その言葉だけが今の私の頭に浮かんでいた。
24投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時52分12秒

私のせいで…


25投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時52分46秒

山を下ると大きな屋敷みたいなのが有った。

地図を見てみるとしっかりと「ナナセ=イワイ」と書いてあった。

なんで最初っから地図を見なかったんだろう…と
昔の自分を恨むばかりだ。

「私のせいで…」

周りは森で、一軒だけぽつんと場違いな綺麗な屋敷。
はぁはぁと大きな呼吸と大きなため息が私の耳に聞こえる。
「あーぁ、服がびしょびしょ。」
周りの大きな雨音は自分の息でかき消されていた。
26投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時53分15秒

さっきの家とは違い、大きな門。大きな鐘も付いていた。

ピンポーン…――
鳴らしてからしばらくしても家からは出てこなかった。
そして何分か待つと女の子が出てきた。

「なに?」
女の子は髪が綺麗に小さく二つに結ばれてて
服を見ただけでもいかに裕福かが分かる。
しかし、私に向けられている目線は鬱陶しそうな、
人を見下しているような眼で、

第一印象は「最悪」。
27投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時53分59秒

「だから何?はやくしてよ。」
急かされたように言われるといそいそと手紙を見せると女の子に言った。

「初めまして。私、チヒロと言いますが貴方はナナセ様で間違いないでしょうか?」
早めにぱっぱ、ぱっぱと言うと女の子はコクリと頷いた。
「私がナナセよ?で、手紙を受け取れば良いんでしょ?」

顔がひきつった。
この女(アマ)…最悪…。
28投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時54分24秒

私の手に有った手紙をすぃっと取るとナナセさんは丁寧に開ける様子も無く
びりびりっと不快な音を立てて手紙をじろじろ見た。

「で、誰から?」
「ウィールシティからリュウイチ様からです。」
29投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時54分53秒

するとナナセの顔色が変わった。
手紙を急いで開くと目線が手紙一点に集中した。

手紙を持っている手は震えている。
その場所ではただ今雨音だけが響いて聞こえる。
30投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時55分17秒
「何よ!!あの男!!!!!!」
いきなり形相を変えてナナセはこちらに睨みついた。

どんっと扉を握り拳で叩くとこう言った。

「あいつに言っといて。
 『手紙はちゃんと届きました。』
 ってね。」
その時のナナセの睨み具合は
尋常でなかった。

31投稿者:香苗  投稿日:2003年10月05日(日)16時55分48秒

私はその場で突っ立て居ると「早く行って」と
ナナセに急かされたのでその場を立ち去った。


傘を差して、山の緩やかな登りを登り始める。

それにしてもさっきの子…どうしよう。
私が家を間違えてしまってあの子と眼があったその時から
カウントダウンは始まった。


――ア ノ 子 ガ 殺 サ レ ル――
32投稿者:なんか  投稿日:2003年10月05日(日)17時07分07秒
すごい面白いんだけど話が複雑でついていけない。。。
つまり七世が殺されるってことですか?
んで話を語ってるのはチヒロの視点からってことですか?
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