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サスペンス小説〜灰色の正義
1サスペンス小説〜灰色の正義 投稿者: 投稿日:2006年01月19日(木)14時04分59秒
主人公 ?橋郁哉

    木村遼希
    藤田ライアン
    笠原拓巳

    村田ちひろ(友情出演)
2投稿者: 投稿日:2006年01月19日(木)14時12分23秒
〜東京家庭裁判所〜

「何?集団強盗?」
 吉田がデカイ声で言った
 向こうの審議室には、四人の少年たちが座っている
 彼らの罪状が、集団強盗であった
「まだ小学生やろ、世も末やな・・・
 それで、なに盗んだんや?」
 吉田が、調書を覗き込む
「どうやら、たまごっちですね」
 係官が答える
「たまごっちって、昔はやったあれか?」
「最近、また人気なんですよ」
3投稿者: 投稿日:2006年01月19日(木)14時18分19秒
 たんなる窃盗ではなかった
 何しろ、盗まれた数がハンパじゃない
 三日前の夜中、あるおもちゃ屋の倉庫に忍び込んだ彼らは、警備員を外に
誘い出し、その隙に3万個ものたまごっちを盗んでいた・・・
「でも、血糊を使って怪我してるフリして警備員を誘い出したり、手の込ん
だ事をしてるわりに、やっぱり小学生なんですかね、いつも近所で遊んでい
たから、警備員が顔を覚えてて、すぐにつかまったんです」
 係官が、そう補足した
「彼ら、万引きの常習犯だったみたいですよ
 今年に入ってからも、派手にやってたみたいです」
「それで、わざわざ、裁判所まで連れてこられたのか」
4投稿者: 投稿日:2006年01月19日(木)14時20分40秒
 警察が言っても反省しないから、裁判所に送ってきたと言うわけだ
 今の少年法では、小学生はブチ込めない
 しかし、鑑別所送りにすることぐらいは検討できる
「とにかく、説教のひとつもして、被害者に謝罪でもさせればいいんですけ
どね」
「そうやな・・・」
 そういって、吉田は審議室に入った
5投稿者: 投稿日:2006年01月19日(木)14時22分10秒
おち
6投稿者:おっ!?新作!?  投稿日:2006年01月19日(木)15時25分06秒
頑張れよ!
7投稿者:@さん登場じゃん  投稿日:2006年01月19日(木)16時19分33秒
卓公里のやつすっごいおもしろかったから
超期待してる!男の子だったらDSかと思ったりして
8投稿者:@さんがライアンをだしてくれてる  投稿日:2006年01月19日(木)16時59分34秒
うれしいよ〜
9投稿者:期待してるよ  投稿日:2006年01月19日(木)20時18分55秒
あげ〜
10投稿者:今度は遼希が主役か  投稿日:2006年01月20日(金)06時50分37秒
頑張れ!
11投稿者:新作頑張れ!  投稿日:2006年01月20日(金)12時10分18秒
  
12投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)12時42分49秒
〜東京家庭裁判所・第四審議室〜

 吉田が部屋に入ると、四人の少年が吉田を見た
 いや、一人だけうつむいたままの少年がいた
 主犯格と思われる、高橋郁哉だった…
「さて、じゃあ、みんな自分の名前を言ってもらおうかな」
 少年のたちの真正面に、吉田が座った
「あ、あの…木村遼希です…」
「藤田ライアン…」
「笠原拓巳です…」
 四人のうち、三人は答えた
 しかし、一番右端にいる郁哉だけは、そっぽを向いたまま答えなかった
「きみは、名前は?」
「なんだよ、どうせその紙に書いてあるんだろ!」
13投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)12時49分43秒
 ム…と、吉田はいきなりキレそうになったが、なんとかこらえた
 一人だけ、反省の色が見えないヤツがいた…
「君は、高橋郁哉君だね?
 君たちは、三日前の夜中、おもちゃ屋の倉庫から、たまごっちを盗んだね?」
「わかってるなら聞くなよ」
 やたらと反抗的な態度で、郁哉が言った
 吉田の額に、大きく血管が浮き出ている
 捜査官の立場でなかったら、ビンタの1発や2発じゃ済まさないとこだが…
「どうして、そんなことをしたんだい…?
 きかせてくれないかな…?」
 表面上は穏やかに、吉田が聞いた
「そんなもん、アンタには関係ないだろ!」
 吉田の血管は、いまにもはちきれんばかりだった
「それは困るなぁ、おじさんは、これが仕事なんだ…
 じゃあ、あれだけたまごっちを盗んで、どうするつもりだったんだい?」
 まさか、小学生があんなに大量のたまごっちを売りさばけるわけがないし
あれを、どうするつもりだったのかもわからない
「ふん、別に理由なんかないさ
 盗みたかったから盗んだんだよ!」
14投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)12時55分46秒
 ブチブチっと、音が聞こえそうなくらいの勢いで、吉田の血管がキレた
「こんのクソガキ!
 お前、自分のしたことがわかっとんのか!
 これは立派な強盗罪や!
 ホンマやったら、10年は食らい込むトコやぞ!」
 吉田が、デカい声で怒鳴った
 遼希やライアンが震え上がるほど
 だが、郁哉はかまわず、さらに反抗する
「なんだよ!、大人だからって偉そうにいうなよ!
 お前だって公務員だろ!
 人の税金で生活してるくせに!、ウチは高額納税者だぞ!」
「そんなもん、知るか!
 お前ら、反省の色が見えんかったら、一生ここにブチ込んどくぞ!」
 子供相手にムキになって怒鳴り散らす吉田
 だが、そのときになって、審議室のドアが開き、検事部長が現れた
 吉田の直属の上司である
15投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)12時58分44秒
「なんだね、吉田君、大きな声を出して
 廊下にまで響いているじゃないか」
 えらそうな顔して、検事部長が吉田をたしなめる
「しかしですね、部長、この子達は…」
「いいんだよ、先ほど、被害者とこの子達の父親との間で示談が成立した」
「え!?」
 意外な言葉に、吉田が声を失った
「どうして…!?」
「とにかく、その子達は家に帰すように
 わかったな!」
 キツく念を押されて、吉田は渋々了承した
16投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時01分55秒
〜家庭裁判所・検事控え室〜

「くそ、納得いかん!」
 子供たちを帰した後で、吉田が不満をもらした
「どうやら、圧力がかかったようですね
 あの高橋郁哉という少年の父親は、ある大物政治家の後援会会長の息子ら
しいです
 きっと、その筋から圧力があったんでしょう」
 係官が言った
 考えてみれば、ただ少年たちを帰すことを伝えるだけなら、わざわざ検事
部長がでてくることはなかった
 おそらく、「くれぐれも間違いがないように…」とでも言われて、検事部
長が出てきたのだろう
17投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時04分03秒
「ふん、なんやそれは、この国の法倫理はどうなっとるんや!」
 吉田は、とにかく当たりたいものに当り散らした
「そんなこと、僕にいわれても…」
「ああ、憎らしい!
 こんなことになるんやったら、最初から一発やっとけばよかったんや!」
18投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時09分44秒
〜翌日・都立小学校・体育館裏〜

「だから言っただろう、大した事ないって」
 一人だけ高い石段に座って、郁哉が言った
「結局、警官も検事も、公務員なんだ
 オレのパパには逆らえないんだよ!」
 郁哉が息巻いて、遼希、ライアン、拓巳に言った
「ねえ…、また、やるの…?」
 おそるおそる、遼希が言った…
「当たり前だろ、なんだよ、お前ビビってんのか!?」
 郁哉が、震えながら立っている遼希に言った…
「だって…、また捕まったら…僕たち…」
「何言ってるんだよ!、昨日だって大丈夫だったろ!
 そんなこというんなら、遼希、明日から仲間外れだぞ!」
「そ、そんなぁ…」
 郁哉に仲間はずれにされたら、クラスの全員からイジメられる
 遼希はそれ以上、郁哉には逆らえなかった
19投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時12分43秒
「じゃ、じゃあ、次は何するの…?」
 今度は、ライアンが聞いた
「ふん、また強盗じゃつまらないからな…
 次は、もっとデカいことをやるんだ!」
 政治家が演説でもするように、郁哉が言った
「もっとデカいことって…?」
 おびえた目で、拓巳が聞く
「フフフ。それはなぁ…」
 郁哉が、三人にそれぞれ耳打ちする…
「ええ!!!!」
「そ、そんな」
「ぼ、ボク…、そんなことできないよ!」
20投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時15分48秒
 三人が、いっせいに反対する
「なんだよ!、ビビるんじゃないよ!
 それとも何か!
 おまえたち、明日から仲間はずれでもいいんだな!」
「そ、それは…」
 郁哉が三人をにらみつける
「じゃあ、決まりだな
 みんな、用意しとけよ!
 拓巳は金属バット、遼希はゴルフクラブ
 ライアンは…なんでもいいや!
 遅れるなよ!」
「う、うん…」
 そういって、三人は帰っていった…
21投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時21分08秒
〜海山商事・株式会社〜

「ふん、ここか…」
 結局、怒りが収まらなかった吉田は、郁哉の父親の会社にまで来てしまっ

 一言だけでも、自分の不満をブチまけたかったし、吉田は郁哉に再犯の可
能性があると考えていた
 海山商事は、日本でも有数の商社で、郁哉の父はこの会社の専務である
 そんな人物に、いきなり会おうというのだから、吉田もムチャである
22投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時26分57秒
「あの〜、すいません、高橋さんにお会いしたいんですけど…」
 受付嬢に、吉田が言った
「どちらの高橋でしょう」
 にこやかに、受付嬢が聞き返す
「いえ、こちらで専務をなさってる高橋さんで…」
「専務の…、高橋でございますか…?」
 いきなり役員を呼び出したことに、明らかに受付嬢が不審がっている…
「失礼ですが…、お約束はおありでしょうか?」
「いえ…、約束はないんですが…
 私こういうもので…」
 そういうと、吉田は名刺を差し出した…
「東京家庭裁判所…捜査係官…」
 その肩書きをみた途端、受付嬢の感情は、不審から警戒へと変わっていく
「息子さんの件でちょっとお話がありまして…
 ちょっとお時間をいただければと…」
「少々お待ちください」
 受付嬢が、内線をかけた
23投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時28分44秒
「はい、はい、わかりました…」
 そういって、受付嬢は受話器を置いた
「高橋がお会いになるそうです…
 こちらへどうぞ…」
 受付嬢が、エレベーターまで案内する…
 そのまま、エレベーターを使って専務室までいった…
24投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時38分05秒
〜海山商事・専務室〜

「困りますね、会社に来られては…」
 そういいながら、郁哉の父親は応接テーブルに着いた
「失礼は承知の上です
 ただ、一言いわせていただきたいんです
 父親としては、息子さんを庇われることは当然のことと思います
 しかし、あんまり甘やかすのは、息子さんのためにはなりません」
 吉田が言った
 父親は、いかにもくだらないという感じで、真面目に聞いてはいない
「どういうことですかね」
 しらばっくれるつもりさえないらしい
 彼の中では、アレはすでに終わったことなのだ
「あなたの息子さんがやったことは、レッキとした犯罪です
 いくら示談が成立したといっても、彼がやったことは変わりません
 このままでは、彼は自分のやったことの重大さもわからず、また同じこと
を繰り返すかもしれません」
25投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時43分36秒
 少し脅しを加えていっているつもりだが、父親はまったく気にする様子も
ない
「滅多なことは口にしないことですな
 息子は、難しい時期なんです
 まあ、私も仕事が忙しくて、あまり家に帰らないことがあるから、そうい
うことは妻に任せてますがね
 ちゃんと言うことは言いますよ」
 父親の目は、真剣の真逆だった
 どうでもいい世間話としか…いや、それ以下の話だと思っているようだ
「じゃあ、もし、彼が同じことをしたらどうするんです!」
 語気を強めて、吉田が言った
「ふん、何を根拠に、息子が同じことをやると言うんです
 これ以上、馬鹿な話には付き合ってられませんな…」
 そういうと、彼は内線をつなげた
「お客様のお帰りだ、お車を用意しときなさい」
 秘書に、それだけ伝えると、タバコに火をつけた
「結構です、歩いて帰ります!」
 馬鹿らしくなって、吉田は席を立った
26投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時45分12秒
「あの親にして、あの子ありやな!」
 怒りを撒き散らしながら、東京の街を足早に歩き回る
「しかし…」
 吉田の胸の中に、イヤな予感がしていた…
 なんとなく、これだけで終わらないような気がしていたのである…
27投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時49分52秒
〜都立小学校〜

 吉田は、その足で郁哉の学校へと向かった
 もう生徒たちは帰っている
 郁哉には会えなかったが、担任の話は聞けた…
「そうですか…
 郁哉君…去年までは、とっても明るくて活発ないい子だったんですけど…」
 そういいながら、若い女の担任がため息をついた
「なにか、理由があるんですか?」
「いいえ、わかりません
 今年になってから、突然、おかしくなったというか
 私に反抗するようになって、女の子を泣かせたり、万引きを繰り返したり
 きっと、私が若い女だから、なめられてるんですわ…」
 そういって、担任は自分を責めた
28投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)13時53分09秒
 郁哉の家は、かなり裕福だった
 父と母、弟の四人家族
 祖父母とは離れて暮らしているが、誰かが死んだりしたこともない
 夫婦仲も、それほど悪いわけではないようだ
 しかし、一見して家庭に問題がないようでも、そこにどんな事情があるか
は、部外者にはわからないことも多い…
29投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時00分19秒
 ガラガラ…

 そのとき、教室の扉が開いた
「あ、先生…」
 その声に、吉田は聞き覚えがあった
「あら、遼希君、どうしたの?忘れ物?」
 その声の主は、郁哉と一緒に強盗をやった木村遼希だった
「やあ、遼希君…」
「あ…、昨日の…」
 遼希の顔色が変わる…
 あきらかに、会いたくない人にあったときの顔だ
30投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時04分22秒
「いいところで会ったね…
 ちょうどいい、話を聞こうか…」
 そういうと、吉田は無理やり遼希を連れ去った

「…それで、君たちは郁哉君に言われて、強盗をやったんやな…?」
「はい…」
 遼希が、力弱く答えた
 やはり、あの強盗事件は、郁哉が主導して行ったものだった
「君たちの学校は、一年生のときからの持ち上がりらしいね
 君たちは、ずっと、同じクラスにいたんだね?」
「そうです…」
 小さい声で、遼希が言った
 注意しなければ、聞き落としてしまいそうだ
31投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時10分07秒
「じゃあ、どうして彼が、こんなことをしようと言い出したのか、知ってる
かい?」
 吉田が聞いた
 去年までの郁哉は、素直で明るい生徒だったらしい
 それが、どうして集団強盗などやるまでになったのか?
「わかりません…
 今年に入ってから、あいつ…性格が変わったみたいに乱暴になって…
 あいつに逆らったら、何されるかわからないから、みんないいなりになっ
て…
 最初のうちは、万引きくらいだったけど、どんどん金額とか盗むものとか
もエスカレートしていって…」
 結局、遼希もなぜ郁哉があんなふうになったのかは知らなかった
 そのあと、いくらか質問したが、これといって重要と思える証言も聞けな
かった…
32投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時19分16秒
「あの…僕、もう帰っていいですか?」
 遼希が言った
 これ以上聞いても、たいした話は聞けないだろう…
「ああ、いいよ…
 しかしなぁ…、なぁ〜んか納得いかないんだよな〜
 なんか、彼がまた重大な事件を起こしそうで…」
「………!?」
 その言葉を聴いた瞬間、遼希がビクっと反応した
「どうしたの…?」
 あきらかに、遼希の様子がおかしい
「い、いえ…なんでも…それじゃ!」
 そういうと、遼希はあわてて帰っていった…
「なんや…?」
 吉田は、遼希の様子が普通じゃないことに気づいた
 これは、自分の勘が当たるかもしれない…
 吉田の悪い予感が、ますます強くなった…
33投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時27分44秒
〜郁哉の部屋〜

「何だよ、あのヘボ捜査官に会ったのかよ!」
 携帯で、郁哉が言った
 相手は、遼希だ
「まさか、あのこと、しゃべったんじゃないだろうな」

(い、言ってないよ…)
 電話口でも、遼希は震えている

(ねえ、やめようよ、こんなこと
 絶対、まずいって…)
「ふざけんなよ!、いまさらやめられるかよ!」

(でも、これって、殺人だよ!
 いくら郁哉のお父さんでも…)

「てめえ!、誰に向かって口聞いてんだよ!
 仲間はずれにされたいのか!!!」
34投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時30分03秒
(そ、それは…)
「いいか、これは絶対にやるんだよ!
 もし裏切ったらどうなるか、わかってんだろうな!」

(う…うん…)
「わかったら、くだらない電話してくるんじゃねえよ!」

 一方的に怒鳴りつけて、郁哉は携帯を切った
 そのまま、ベッドに寝転がる…

 いったい、彼はなにをたくらんでいるのか…?
35投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時33分20秒
〜東京都・渋谷区・道玄坂〜

 ラブホテルが密集しているこのあたり
 吉田は、自宅に戻る途中だった
 吉田は、この春に京都から転任してきたばかり
 嫁と三人の子供がいる

 吉田の仕事は、夜遅い
 家に帰っても、子供たちは寝ているだろう
 すでに終電もなくなっている
 吉田は、急ぎ足で帰宅の途についていた…
 そのときである…
「…!?、あれは…」
 吉田の目に、ある男が飛び込んだ
 昼間に会ったばかりの、郁哉の父親だった
 しかも、女連れである…
36投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時38分32秒
(どうみても、奥さんじゃないよな…)
 吉田は、物陰に隠れて様子を伺った
 女は、ピッタリと父親にくっついている…
(化粧は濃いが…かなり若い娘や…
 20代…イヤ、まさか…10代…?)
 もし、10代だとしたら、これは大変なことである
 いまや、東京都条例は厳しく改正され、深夜に未成年を連れ回すだけでも
大変な処罰を受けるのだ…
 二人は、そのままホテルに入っていった…
 これで、間違いない…
「郁哉君の父親は…援助交際をやってたんや…」
 吉田の胸に、急に不安が襲ってきた
 もしも、このことが郁哉の非行の原因と関係があるなら…必ず、大変な事
が起こる
 吉田は、知らず知らずのうちに、自宅とは反対方向に走って行った
37投稿者: 投稿日:2006年01月20日(金)14時38分42秒
落ち
38投稿者:レッド行け〜!頑張れレッド!  投稿日:2006年01月20日(金)20時52分34秒
そうか@の小説はレッドさんが主役だ!
39投稿者:悪役は郁哉か?  投稿日:2006年01月21日(土)06時41分02秒
@の小説ではレッドが大活躍だね
40投稿者:あげ  投稿日:2006年01月21日(土)08時47分02秒
 
41投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)11時43分39秒
〜東京都・渋谷区・クラブZONE〜

 このクラブは、若者が夜な夜な集まっては明け方まで騒いでいるクラブだ
 吉田のような中年には、あまりに似合わない店である
 吉田は、この渋谷界隈での援助交際の事情に詳しい娘を探していた
 いつも、大体このクラブにいる
「おった…」
 何度か、吉田が尋問したことがある少女
 もう、一年近く家には帰ってないらしい
 彼女なら、郁哉の父親の事を知っているかもしれない
42投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)11時49分19秒
「何、私はもう、ワルい事はしてないよ…」
 うっとうしそうに吉田に答える少女
「今日は、そういうんじゃない…
 この男のこと、なんか知らんか…?」
 そういうと、吉田は郁哉の父親の写真を見せた
「あれ?これタカのオジサンじゃん」
 やはり、この界隈では有名らしい
「有名なオジサンだよ、お金もたくさんくれるし…
 この変でウリやってる娘は、みんな知ってるよ…」
 やはり…吉田の思ったとおりだった
 昨日や今日、援助交際をやっていたんじゃない
 かなりの常習者のようだ
「なに、吉田サン、このオジサンのこと調べてんの?
 やめといた方がいいと思うなぁ…
 このオジサン、なんでも有名な政治家の後援会の会長だとかで、もしも、
援助交際が見つかっても、簡単にモミ消せるって言ってたもん」
43投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)11時54分15秒
「そうらしいな…
 なんか、それ以外のことは知らんか?
 誰かとトラブルを起こしたとか…?」
 さらに吉田が聞いた
「全然、お金の払いもいいし、その辺のダサいオジサンとも違うから、評判
は悪くなかったよ
 でも、ちょっとロリコン気味でさ、大人しめの中学生とかが好みだった
くらいだよ」
 そんなので評判がよくても仕方ないと思うが…
「そうか、わかった、ありがとう…
 それから…」
「いい加減、家に帰ったらどうだ?でしょ、イヤよ、私はあの家には、絶対
帰らない…」
 そういうと、少女は店に戻っていった
「郁哉君の父親は、援助交際の常習者だった…
 もし、これを彼が知っていたとしたら…」
 吉田は、結局、その夜も家に帰ることはできなかった…
44投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)11時59分35秒
〜翌日・都立小学校前の公園〜

 朝、元気よく登校する生徒たち
 学校の前の公園の門の陰に、郁哉たち四人の姿があった…
「よし、まだいる…」
 郁哉が言った…
 公園のベンチに、新聞を布団代わりにかけた浮浪者風の男が寝ていた
 一ヶ月ほど前から、この公園に住み着き、それ以来、子供たちはこの公園
で遊べなくなってしまった…
「ねえ、本当にやるの…?」
 震えた声で、遼希が聞いた
「何度も同じ事を言わせるなよ
 あんなのの一人や二人、どうってことないだろ!」
「でも…」
 郁哉以外の四人は、明らかに腰が引けている
「お前たち、オレの言うことが聞けないのかよ」
「そ、そんなんじゃないけど…」
 郁哉に強く言われると、三人はなにも言えなかった
45投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)11時59分51秒
「今日の夜の九時だ
 用意しといた武器を持って、ここに集合だ
 わかったな!」
「はい…」
 沈んだ声で、三人は了承した…
46投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時06分43秒
〜放課後・都立小学校〜

「遼希君…」
 一人で帰っていた遼希を、吉田が呼び止めた
「な、なんですか…」
 明らかに、吉田の顔を見て狼狽した様子だ…
 何か、隠し事があるに違いない…
 吉田は直感した
「気になっていたんだよ
 前に君に話を聞いたときも、何か重要な隠し事があったみたいでね…」
「…!?」
 遼希の顔色が変わった
 やはり、何かを隠しているのだ…
「君たちは、また何か事件を起こそうとしてるんじゃないのか…?
 それも、郁哉君に強要されて!」
 スバリ!と吉田が言った
「そ、そんな…、な、なにを言うんですか…
 ぼ、僕たちは…」
「その慌てぶりが、何よりの証拠や
 次は、なにをやろうというんや!」
47投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時11分03秒
 吉田が、遼希に迫った
「僕…僕は…」
 今にも泣き出しそうな声で、遼希が言った
「言うてみるんや
 オレが、なんとかしたるから、手遅れにならんうちに!」
 さらに、吉田が迫った
 遼希は、ついに口を割った…
「な、なんやて!!」
 あいた口が塞がらないほどの衝撃が、吉田を襲った!!
「そ、それはレッキとした殺人やないか!
 彼は、そんなことをやろうとしてたんか!!!」
 その内容は、吉田が想像していた以上のものだった
 それは、恐るべき殺人計画だった
「なんで、そんな計画に乗ったんや!
 一歩間違ったら、君も殺人者になってしまうところやったんやぞ!」
48投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時14分59秒
 デカい声で怒鳴り散らす吉田
「だって、アイツに逆らったら…」
 そういって、遼希は泣き出した…
 どうやら、相当脅かされているようだ…
「ったく、確かに郁哉君が怖いかもしれん
 けど、そんな計画は何があっても突っぱねなアカン!
 とにかく、君は他の二人に連絡して、絶対に今日は家を出んように!」
「は、はい…」
 そういうと、遼希は逃げるように走っていった…
「あのクソガキ…
 なんちゅうことを考えとるんや…
 あぶなく、大変な事件が起こるところやった…」
 吉田の勘が当たっていた
 もう少し遅ければ、取り返しのつかないことになっていた…
「ああ、また今日も帰れんわ…」
 そういいながら、学校をあとにした
49投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時18分48秒
〜夜九時・都立小学校前の公園〜

「くそ…、何やってるんだよ!」
 金属バットを握り締めた郁哉
 いくら待っても、遼希たちは現れない…
 携帯にかけても、つながらなかった
「さては、ビビって逃げたな…
 明日、学校でとっちめてやる!」
 そういって、郁哉は公園の方を見た…
 公園のベンチで、またあの浮浪者が寝ている
 郁哉の計画では、四人がそれぞれ武器を用意して、あの浮浪者を攻撃する
てはずになっていた…
 四人がかりなら、大人相手でも負ける気はしなかった
 しかし、今は郁哉一人…
 どうすべきか、郁哉は悩んだ…
50投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時21分29秒
 相手が寝ているとはいえ、一人で大人を相手にするのは大変だ…
 最初の一撃が外れたら…

 今日は、もうやめにしようか…?

 郁哉の脳裏に、その考えが浮かんだ…
 しかし…
「ダメだ!、どうしてもやらなきゃならないんだ!」
 郁哉は、無理やり、その考えを振り払った…

 そうだ!、相手はたかが浮浪者一人じゃないか!
 寝こみを襲うんだ!、絶対に大丈夫だ!
 コイツがこの公園に来てから、みんな公園で遊べなくなった…!
 オレは、オレは正しいことをするんだ!

 郁哉は、バットを握り締め、浮浪者に近づいていった…
51投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時23分41秒
 あと五歩…あと四歩…

 浮浪者に近づくにつれ、郁哉の息遣いが荒くなっていく…
 郁哉の心臓は、破裂寸前まで高鳴っている…

 ビビるな…オレはやれる やれるんだ…

 郁哉は、バットを構えた
 そして、それを浮浪者めがけて…
「そこまでや!」
52投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時26分30秒
「……!?」
 突如、話しかけられた郁哉は、慌てて公園の入り口を振り返る
 そこには、吉田が一人で立っていた
「こんな時間に金属バットを持って、何する気や?
 野球の練習するには、もう遅い時間やで」
 そういいながら、吉田が近づいてくる
「な、なんでココが…
 そうか、アイツらが言ったんだな
 裏切り者め!!」
 そういって、バットを吉田に向けた
「来るな、来たら、このバットで…」
「なにをするつもりや?」
 あくまで冷静に、吉田が言った
「き、決まってるだろ、殺すんだ!、お前を!」
53投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時30分52秒
 そういいながらも、郁哉の足は震えている
「君にはムリや、さあ、そのバットを渡すんや」
 そういって、手を差し伸べる吉田
「く、来るなぁ!!!」
 郁哉は、思いっきりバットを振り回した
「やむを得んな!」
 吉田は、飛び交ってくるバットを避けながら、郁哉の間合いに入り込んだ
「くそ〜」
 郁哉は、バットを両手に持ち替え、吉田の頭めがけて、思いっきり振り下
ろした
「あ!!!!」
 しかし、吉田はそれをかわすと、次の瞬間には郁哉の手首を手刀で打ち、
バットを叩き落とした
54投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時33分45秒
「くそ〜」
 郁哉は、あたりをキョロキョロと見渡す
 しかし、武器になりそうなものは、何も落ちてはいなかった
「さあ、話を聞かせてもらおうか
 なんで、こんなことを思いついたんや」
 郁哉との距離を縮めながら、吉田が話し出した
「うるせえよ!、お前には関係ないだろ!」
 郁哉がわめく
「関係ないはないやろ
 オレは裁判所の捜査官やで、君が事件を起こしたら、オレの仕事が増える
んや」
55投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時37分16秒
 さらに近づきながら、吉田が言った
「…実は、オレは君のお父さんに会いにいったんや
 けど、まったく相手にしてくれんかった
 ただ、オレは、その後で君のお父さんのヒミツを知ってしもうたんや」
「…!?」
 郁哉の顔色が変わった…
 やはり、あのことを、郁哉は知っているのだろう
「ひょっとしたら、そのことが君に…」
「うるさい!うるさいうるさいうるさ〜い!
 そんなもの、関係ない!
 オレは、ちひろ姉ちゃんが…」
 そこまでいって、郁哉は慌てて口を閉じた…
「ちひろ…、誰や、それは?
 その娘が、この事件に関係してんのか?」
 吉田が、郁哉に迫った
56投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時39分34秒
 二人の間に、異様な緊迫感が走る
 ちひろという少女が、いったい、どう関係しているのであろう?
「う〜ん…なんだよ、さっきからうっせぇなぁ…」
 そのとき、ベンチで寝ていた浮浪者が起き出してしまった
「ち、この場を見られるとマズイ…
 こうなれば…!」
 吉田は、郁哉のボディーに一発、当身を食らわせた
 郁哉の意識は、そこで途絶えた
 吉田は、郁哉を抱えると、一目散に逃げ出した…
57投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時44分46秒
〜翌日・東京家庭裁判所〜

「わかりましたよ、吉田さん」
 ちひろという少女の事を調べていた係官が、吉田に報告した
「村田ちひろ、去年まで郁哉君の家庭教師をしていたみたいなんです
 成績優秀で、剣道でも個人の大会で優勝しています」
 そういって、吉田に村田ちひろのプロフィールを見せた
 中学生らしい、写真とともに、彼女の情報が載っている…
 しかし、そのプロフィールの最後には…
「去年の暮れに…自殺!?」
 そう、彼女は、去年の暮れに自宅のマンションの屋上から飛び降り、自殺
していた
「そうなんです、しかも…
 警察が調べたところ、遺書なども見つかってなかったし、友人にも彼女が
自殺する素振りはなかったというんです…
 警察も、事件の可能性があるということで、調査しようとしたんですが、
なぜか、そのまま自殺と断定され、捜査は打ち切られているんです」
「なに…?」
58投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時50分42秒
 人間が、理由もなく自殺するはずはない
 自殺の理由がハッキリしない限りは、警察は捜査を続けるものである
 それなのに、一方的に自殺と断定され、捜査は打ち切られている…
「つまり、何者かが圧力をかけ、この事件を自殺で処理した…」
 そうなってくれば、誰が圧力をかけたのかが見えてくる…
 そんな圧力をかけられるのは、郁哉の父を置いて、他にいないだろう…
「郁哉君の父親と、このちひろという少女の間に、なにかがあったんや…
 それを知った郁哉君は、そのショックから非行を繰り返すようになった」
 だんだんと、この事件が見えてきた…
「郁哉君は、どうしてる?」
 吉田が聞いた
「今は、目覚めて朝飯を食ってます…」
 係官が答える
「よし、すぐに審議室に通してくれ…
 どうしても、彼に答えてもらわなアカン…」
「わかりました…」
 係官が、部屋を出て行った…
 吉田は、一人で考えにふけった…
59投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時51分54秒
 援助交際の常習者の父親、謎の自殺を遂げた少女
 そして、非行を繰り返し、殺人未遂まで犯した少年…

 パズルのピースが、そろい始めていた…
60投稿者: 投稿日:2006年01月21日(土)12時52分08秒
おち
61投稿者:おめー!  投稿日:2006年01月21日(土)15時31分50秒
どこまで宣伝行ってるんだよ!
62投稿者:おもしろいよ  投稿日:2006年01月21日(土)22時13分25秒
あげ
63投稿者:あげ??  投稿日:2006年01月21日(土)22時33分02秒
はやくかいてぇ〜!!
はやく読みたいから!!
うちは、この小説大すきやぁ〜!!
64投稿者:楽しみにしてます!  投稿日:2006年01月22日(日)07時29分57秒
あげ
65投稿者:中々いいよ  投稿日:2006年01月22日(日)09時22分18秒
age
66投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)11時46分00秒
〜東京家庭裁判所・第四審議室〜

「待たせたね…」
 郁哉の顔を見ながら、吉田が言った
 郁哉は、あきらかに敵意を抱いた視線を吉田に投げかける
「そう怒るなや、上手い具合に、昨日は誰も目撃者がおらんかった…
 これで、事件にはならん…
 ただ、俺は気になるんや、なんで君があんなことをしようと思ったのか…
 そして、昨日、君がヒントをくれた…」
 そういって、ちひろの資料を郁哉の前にだした…
 郁哉の顔色が、まざまざと青くなる…
「もちろん、知っているね?
 村田ちひろ…去年まで、君の家庭教師だった…」
 吉田は、郁哉の顔を観察する
 あきらかに、動揺しているのがわかる
67投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)11時49分14秒
「…郁哉君、オレはな、いままでたくさんの罪を犯した少年たちを見てきた
 その中にはな、外見だけではまったく普通の少年もおった
 人間は、外から見ただけでは何もわからんのや
 もし君が、なにか心にのしかかっているものがあったら、それを話してほ
しい
 僕は、絶対に力になる…」
 そういって、郁哉の目を見た…
 しばらくすると、郁哉の目から、涙がこぼれだした…
「僕は、知ってしまったんだ…
 あの日のことを…」
68投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)11時50分32秒
昼飯食ってきます
69投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時22分51秒
「あの日というと、ちひろちゃんが自殺した時のことだね…?」
 吉田が聞くと、郁哉はうなずいた
「ちひろ姉ちゃんが、自殺するわけがない
 ちひろ姉ちゃんは、お医者さんになって、病気の人をたくさん治したいっ
ていつも言ってたんだ…
 精華女子に入るために勉強も忙しかったのに、いつもオレに勉強を教えて
くれてた…
 そんなちひろ姉ちゃんが、自殺するはずがない…
 そう思って…、僕は、父さんのパソコンに細工をした…」
 その細工とは、オートコンプリートをオンにすることだった
 そのまま父が使えば、パスワードがパソコンに記憶される
「そして、オレは父さんのパソコンの、秘密の日記帳を開いたんだ…」
70投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時27分32秒
〜一年前の深夜・郁哉の家〜

 郁哉と母は、実家に泊まりに行き、この日は郁哉の父が一人で家にいたこ
とになっている…

 郁哉の父は、郁哉がいないことを隠して、ちひろを家に呼び出した…
 そして…

「やめてください!!!!」
「いいじゃないか…、ほんのちょっと遊んでみるつもりで…
 君だって、そういうことに興味はあるんだろ?」
 いやがるちひろに、父は無理やり抱きついていった
 よほど手馴れているのか、剣道をやってるちひろにも抵抗ができなかった
「君がウチにくるたびに、もうムラムラしていたんだよ…
 いいじゃないか、お小遣いもあげるよ…
 精華女子にいきたいなら、僕が口を利いてあげてもいい…」
71投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時30分53秒
 郁哉の父は、援助交際の常習者で、一種のロリコンだった
 じぶんの家をたびたび訪れていた郁哉に、いつも欲情していたのだ
 そして、それが今夜爆発した…

 郁哉の父は、手早くちひろを脱がせていった…
「やめてください!!、お願い、やめてぇぇぇぇぇx!!!!!!!」
 ちひろの声は、だれもいない家の中で、闇に消えていった…

 三日後、ちひろは自宅のマンションから飛び降りた…
 遺書も何も残っていなかったが、自殺と断定された
 そこには、無論、郁哉の父の圧力があったのだ…
72投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時31分47秒
71の二行目、郁哉じゃなくちひろですね
間違えました
73投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時37分12秒
「………」
 吉田は、黙ってそれを聞いていた…
 ある程度、予測はしていたが、まったくそのとおりだった
「父さんは、○○党の最大派閥の長の後援会の会長なんです
 だから、ちひろ姉ちゃんは自殺ってことになって、捜査は全部打ち切られ
た…」
 郁哉は、相当ちひろを慕っていたようだ…
 自分が実の姉のように慕っていた少女が、自分の実の父親にレイプされ…
自殺した…
 そんなことを知ったら、非行に走ってしまうのも無理はなかった…
「事情はよくわかったよ…
 でもね、君が犯罪者になっても、どうしようもないじゃないか
 ちひろちゃんは、君が犯罪者になってしまうことを喜ぶと思うかい…?」
 吉田が言った…
 吉田が言うことは理屈としては正しいだろう…
 だが、郁哉には、それを解決する方法がなかったのだ…
74投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時39分39秒
「わかってるよ!、そんなこと…!
 でも…でも…!!」
 郁哉は、そのまま悔しがるように泣き出した

 たとえ、警察に通報しても、父親は簡単にモミ消してしまうだろう
 郁哉には、どうすることもできなかった…
 何の力もない自分が、許せなかったのだ…
 郁哉は、そのまま泣き続けた…
75投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時44分52秒
〜東京家庭裁判所・控え室〜

「ふぅ〜…」
 そういって、吉田は椅子の背もたれに寄りかかった
 なんとも気の重い事件だった…
 郁哉は、自分の父親を犯罪者として告発することはできなかった…
 あれでも、自分と血のつながった、レッキとした父親なのだ…
 できれば、父親が自分から罪を認めてくれればいいのだが…
 まあ、それは金輪際ありえない話だろう
 彼は、この程度の事件なら、いくらでもモミ消せるのだ

 しかし、このままでは、郁哉の心は取り返しのつかないほど傷ついてしま
うだろう…
 そうなれば、今度は本当に殺人が起こるかもしれない…
 吉田だって、四六時中郁哉に張り付いている訳にはいかないのだ
76投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時49分07秒
 そのころ、ちょうどテレビでは、郁哉の父が後援会の会長をやっていると
いう政治家の話をやっていた
 もう、何代も前から政治家の家計で、本人は警察庁のキャリア出身だ
 ○○党の最大派閥の会長を務め、閣僚の経験もある
 超がつく大物政治家である…
 たしか、HK学園出身のはずだが…
「あの…」
 不意に、ドアの方から女の子の声がした
「里穂ちゃん…!」
 そこにいたのは、以前の事件でいろいろと協力してもらった、飯田里穂だ
った
「あ…吉田さん、コンニチハ…」
 そういって、里穂は吉田に頭を下げた…
77投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時53分45秒
「よくきてくれたね、今日はなにか…?」
 吉田が聞く
 池袋駅前であった、同級生殺害事件…
 あれ以来、里穂はたびたびこの裁判所を訪れていた
「はい…これを…」
 里穂は、白い封筒に入った手紙を吉田に渡した…
 それは、いま保護観察処分となり、更生教育を受けている公輝への手紙だ
った
 更生施設に手紙を出すと、かならず係員が中身をチェックする
 しかし、あんまり手紙の中身を読まれるのは気持ちいいものじゃない
 吉田は、里穂に代わって、手紙を公輝に渡す役をやっていた…
 もちろん、これはイケナイことである
 バレたら、とんでもないことになるが、それでも吉田は引き受けた
 公輝を更生させるには、どうしても里穂の力が必要だと思ったからだ
78投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)13時59分16秒
「わかった…、ちゃんと渡しておくよ…」
 吉田は、その手紙を受け取り、大事に机にしまった
 ふと見ると、里穂は書店の袋を持っている
 買った本の中には、司法試験の手引きや、問題集があった…
「里穂ちゃん、司法試験を受けるの…?」
 里穂はHK学園の中等部の二年生だ
 HK学園は、大学まで一貫教育である
 HK学園にも法学部があるから、単位をしっかりとれば、司法試験を受けら
れる
「はい…、公輝の事件で、吉田さんには大変お世話になりましたから…
 まだ、判事になるか弁護士になるかはわかりませんけど…
 私も、吉田さんみたいに、心に傷を持った人とか、そういう人の力になり
たいと思ったんです…」
 以前の事件では、吉田は一晩中池袋の街を駆け回って、公輝の心を開かせ

 そのお陰で、公輝は刑事罰を免れたのだ…
「そう…、里穂ちゃんなら、きっといい検事になれるよ…」
79投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時04分18秒
 テレビでは、相変わらず、件の政治家が九月の選挙に向けて準備に入った
だの、ニュースを繰り返している
 だが、そんなものは、どうでもよかった
 じぶんの心が、里穂には通じた
 それが嬉しかった…

(郁哉君にも、オレの気持ちが通じるとエエんやけどな…)

 そんなことを考えながら、ふと、里穂のHK学園の制服が目に入った
 ブレザースタイルの制服は、制服マニアの中でも、高値で取引されている
という話を、どこかで聞いたことがあった…
 なんとなく、吉田の頭に、ある予感が浮かんできた…

 ひょっとすれば、郁哉の心を開けるかもしれない、ある手が…
「じゃあ、私はこれで…」
 里穂は、この控え室を出ようとした…
「ちょっと待って!」
 吉田は、里穂を引きとめた
 郁哉の心を開かせるには、里穂の協力が必要だったからだ…
80投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時09分34秒
〜東京都・新宿区・道玄坂〜

 クラブ裏の路地で、HK学園の制服を着た里穂が立っていた
 この辺りは、人通りが少ないらしい…
「ほ、本当に来たんだね…?」
「………!?」
 急に話しかけられた里穂
 驚いて振り向くと、そこには鼻の下を伸ばした郁哉の父が立っていた
「驚いたよ、まさかHK学園の中等部の娘が、あんなサイトにいるなんて…」
 里穂は、郁哉の父が援助交際に利用していた出会い系サイトにアクセスし
郁哉の父と、ここで会う約束を取り付けたのだ
81投稿者:勇気がある  投稿日:2006年01月22日(日)14時11分00秒
すごい
82投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時15分25秒
「〜…、じゃあ、先にフリマンからお願いします」
 吉田が書いた台本の通り、里穂はしゃべった
「わかってるよ、もちろん、ホテルではまだ別料金だからね…」
 そういって、郁哉の父は里穂に二万円を渡した
 渡すときに、イヤらしく里穂の手を撫で回して…
「じゃ、じゃあ、さっそく…
 もうホテルはすぐソコだよ…」
 ヤバイ妄想をしながら、郁哉の父が行った
 遠くからは、吉田たちが見張っているはずだが…
「さあ、行こう…」
 そういって、郁哉の父は里穂を連れ去った…
83投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時22分06秒
〜ラブホテル・ラブムース〜

 里穂にとっては、初めて来るラブホテルだった…
 いかにも怪しげな照明と、なんで必要なのかわからない回転ベッド
 小さな自販機には、ナゾの大人のおもちゃや、スケベローションが売られ
ている
 郁哉の父が、このラブホテルを使うことは、すでにリサーチ済みだった
 吉田たちは、先回りして、このラブホテルで待機しているはずだった
 すでに気づいているだろうが、吉田の作戦は、里穂をおとりにして、父の
援助交際の決定的な現場を押さえようというものだった…
 
(でも、現場を押さえても、どうせ政治家に圧力をかけさせて、罪を逃れる
だけだと思うけど…)

 そう思いながらも、里穂は吉田に言われたとおり、父の携帯から、そこに
登録されている援助交際の相手のデータを自分の携帯に取り込んでいった
 幸い、郁哉の父もドコモの携帯だったので、赤外線通信で簡単に取り込め
84投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時24分24秒
「なぁ〜、しずくちゃんも一緒に入ろうよ〜」
 しずくちゃんというのは、万が一のために使っている里穂の偽名だった
「え〜、私、そんなのイヤ〜」
 なるべく軽そうなノリで、里穂が答えた
「いいじゃない〜、追加料金でもいいからさ〜」
 どうして、男はこんなにもスケベなんだろう
 わざわざ金を払ってまで、こんなことをしたいと思うのだろうか?
85投稿者:age  投稿日:2006年01月22日(日)14時24分43秒
フリマンってなんですか??
86投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時28分41秒
「さあ、じゃあ、やろうか…」
 バスローブを羽織ったまま、父は風呂から出てきた
「ちょ、ちょっと待ってよ、カラオケでも…」
 里穂は、さすがにヤバイと思った
 この部屋には、窓がない
 逃げるには、ドアからしかないのだ
 だが、そのドアは塞がれている
「何を言ってるんだい…、さあ、服を脱いで…
 イヤ、そのままでいい…
 こっちへおいで…」
「イヤ!、やめて!」
 里穂が振り払おうとする
 だが、その仕草は、ただ郁哉の父を興奮させるだけだった
「いいよ〜、暴れられたほうが盛り上がるからねぇ〜」
 調子に乗りまくりの父は、無理やり里穂の腕をつかんだ
 やはり、相当なれているのだろう、里穂は力が入らなくなる
 このままでは、ヤラれてしまう!!!
87投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時28分59秒
フリマン…二万円のこと
88投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時33分56秒
「そこまでや!!!!」
 いよいよというタイミングで、吉田が部屋の扉を開けた
 部下の係官と、そして郁哉も一緒だった
「なんだ、お前らは!!!」
 驚いた父が振り返る
「まだ気づかんのかい!
 その娘は、オレが仕掛けた罠や
 HK学園の制服は人気があるが、HK学園に援助交際をするような娘はおらん
 アンタなら、絶対に食いついてくると思ったわ」
 そういって、係官がもっていたカメラを受け取った
「今までのやり取りは、全部記録してある
 都条例違反及び強制猥褻…
 その他、ざっと10以上の罪状がアンタにかかっとる」
 そういって、吉田が里穂を父親から引き離した
89投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時36分45秒
「貴様、なんのつもりで…」
 怒りをにじませながら、父親が言った
「まだわからんのか、この子はな、アンタのやったことに気づいてたんや
 アンタが援助交際の常習者であることも、そして、郁哉君の家庭教師やっ
た村田ちひろを暴行し、自殺に追いやったことも」
 村田ちひろ…
 その名前を聞いた瞬間、父親の顔色が変わった
「し、知らん、そんな話…」
「しらばっくれても無駄や」
 そういうと、吉田は一枚のディスクを取り出した
90投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時43分08秒
「この中には、あんたがパソコンで書いてた日記の中身が入っとる
 郁哉君に言うて、あんたのパソコンから落としてきてもらったんや」
 郁哉は、歯を食いしばって状況を見つめていた…
 父のやったことは、到底許されることではない
 だから、せめて罪を認めて、それを償ってほしかった

 しかし…

「貴様ら…、私にこんなことをして、ただで済むと思ってるのか!」
 やはり、父は考えていた通りの反応を見せた
「私を誰だと思ってるんだ!
 ○○党衆議院議員、山田康雄の後援会の会長をやっているんだぞ…
 貴様も法曹界にいる人間だ、私がその気になれば、貴様を懲戒解雇するこ
とも、どこかの離れ小島へ飛ばすこともできるんだぞ!!!」
 そういって、郁哉の父は息巻いた
 警察庁に太いパイプを持つ彼なら、吉田を沖ノ鳥島あたりへ飛ばすことも
できる
 あそこも、一応東京都である…
91投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時46分11秒
 吉田だって、三人の子持ち
 京都の実家には、祖父母も存命だ…
 吉田自身はどうなろうと構わないかもしれないけど、そうなると、イヤで
も家族を巻き込んでしまう

 里穂も、郁哉も、係官も、息を呑んで吉田を注視する…
 だが、吉田はそんなことは気にしていなかった…
「里穂ちゃん、もうすぐニュースの時間や…
 テレビをつけてくれんか?」
「え…!?、はい…」
 吉田に言われ、里穂はテレビをつけた
92投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時53分34秒
 続いてのニュースです

 ○○党の最大派閥・曲水会の会長を務める山田康雄氏は、先ごろ、九月の
衆議院選挙に向け、後援会の会長をフクダ電気工業の社長である益田氏を就
任させることを発表いたしました…

「!!!!!?、なにぃ!!!!!!!??
 どういうことだ!!!!」
 父は、テレビにしがみついた
 山田康雄の後援会の会長は、自分のはずである
 もし変わるにせよ、自分になんの相談もなく変わるはずもない
 彼には、なにが起こったのかわからなかった
「オレがタレ込んだんや
 アンタの後援会の会長が、援助交際で捕まりかけている
 すでに検察も動き出し、逮捕は時間の問題や…てな
 あのセンセイも、前の選挙では苦労したからな、ここで余計な問題を起こ
したくなかったんやろ、あっさり、あんたを後援会の会長から外してくれた
ワ」
93投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)14時57分05秒
「バカ…な…」
 郁哉の父は、絶句した
 これで、彼の後ろ盾は完全になくなったのだ…
 このことが公になれば、彼は完全に失墜してしまうだろう
「ま、待ってくれ…
 頼む、見逃してくれ…
 金も払う、イヤ、あんたを検事局長にでも推薦してもいい…
 だから…」
 もはや、彼は生ける屍となっていた…
 先ほどまでの強気の態度から一変し、いまは哀れなほど床に頭をこすり付
けている…
 あまりに情けなさ過ぎる…その態度から、吉田も目をそむけた…
94投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時00分10秒
「もう、やめてくれよ…父さん…」
 郁哉が、絞るような声でいった…
「郁哉…、なにを言ってるんだ…父さんは…」
 自分の息子にさえ、媚びるような態度で言った
 もはや、彼はただの亡者と同じだった
「父さん!、父さんは、自分のしたことがわかってるの!
 父さんのせいで、ちひろ姉ちゃんは死んだんだ!
 せめて…、せめて…自分の罪を認めてよ…!
 ちひろ姉ちゃんに、ゴメンって…一言でも言ってよ!」
 そういって、郁哉は泣き崩れた…
 数時間後、父は警察へと出頭
 今までの、自分の罪を、すべて白状した…
95投稿者:age  投稿日:2006年01月22日(日)15時03分26秒
この小説をわたしのHPにのせてもいいですか??
96投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時06分24秒
〜翌日・東京家庭裁判所・控え室〜

「ふぅ〜、いやぁ、大変だったね
 里穂ちゃんが協力してくれてよかったよ、でも、公輝君にはナイショにし
ておいてくれよ、何言われるかわからないから」
「はい」
 笑いながら、里穂が答えた
 里穂にとっては、何もかもが初めての体験だった
 まるで、映画の世界に飛び込んだかのようだった…
「でも、お父さんの秘密を知った郁哉君が非行に走るのはわかりますけど、
それでも、なぜ殺人まで思い立ったんでしょう?」
 里穂が聞いた
 たしかに、郁哉が非行に走った原因は明らかだが、それにしても殺人まで
犯そうとするだろうか…?
「まあ、人間の気持ちの難しいトコロやろうなぁ…
 郁哉君には、父のやったことに対する怒りが、モチロンあった
 だが、同時に父親に対する敬慕の気持ちもあったんや」
 いくら許しがたい犯罪を犯したとしても、それでも、やはり父は父なので
ある
97投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時06分39秒
いいですけどね
98投稿者:95  投稿日:2006年01月22日(日)15時07分43秒
ありがとぉ!!
〜赤い記憶〜もいいですかぁ??
99投稿者:もぅ終わっちゃった!!  投稿日:2006年01月22日(日)15時10分58秒
 
100投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時13分10秒
「彼は、犯罪者として父親を告発することもできなかった。郁哉君は、自分
が犯罪を犯すことで、父親に自分のしたことが、どんなに悪いことか知らせ
たかったんや
 けど、彼の父は、簡単な犯罪はいくらでもモミ消せる
 そこで、彼は自分の犯罪をエスカレートさせていったんや
 万引きから強盗へ、強盗から殺人へとな…」
 郁哉は、自分が殺人者として捕まれば、父が自分のしたことを反省して、
自首してくれるんじゃないかと考えたわけだ…
 そんな時に、自分の学校の近くの公園に、浮浪者が住み着いた
 子供たちが、公園で遊べなくなった
 浮浪者だから、どうせ家族もいないだろう…
「それが、彼に悪魔の心を宿らせてしまったんや…」
101投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時13分32秒
いいけど
102投稿者:>95  投稿日:2006年01月22日(日)15時15分38秒
そのサイト貼ってな!
103投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時18分30秒
「なんだか、悲しい事件ですね…」
 里穂が言った
 郁哉は、自分が慕っていたちひろが死んだことが、自分の父のせいだと知
った
 郁哉は、それを知ってから、ずっと自分を責めていたのだろう
「もしも、彼の父が、おとなしく自首してくれていれば、彼もあんなに問題
は起こさなかっただろうね…」
 そう吉田が言ったとき、控え室のドアが開いた
 係官が、郁哉を連れてきていた…
「どうだい…、落ち着いたかい…?」
 吉田が問いかけた
 目が真っ赤にはれている…一晩中、泣き明かしたのだろう…
「さて、強盗も、それ以前の万引きも、一応、示談という形で決着はついて
いる…
 殺人未遂の容疑もあるんだが…、被害届もないから、それも罪に問えない
 よって、君を釈放する…」
「はい…」
 郁哉は、それだけを答えた
104投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時24分29秒
 そうはいうものの、彼はこれからどうなるのだろうか?
 父親は逮捕されてしまったし…
 もう、東京にはいれないかもしれない…
「君の犯したことは、少々イビツだが、間違ってはいないかもしれない
 君の立場を思えば、ああするしかなかったとも言える…
 しかし、君は、絶対にやってはいけないことをやってしまっている…
 なにかわかるかい…?」
 吉田が聞いた
 確かに、郁哉には同情できる点が多々ある
 しかし、絶対にやっていけないこととは…?
「それはね、自分の友達を巻き込んでしまったからだよ…
 これは、君自身の問題で、遼希君たちは関係なかった…
 君は、ひょっとしら、友達を殺人者にしてしまうところだったんだ…」
「あ…!?」
 吉田に言われて、ようやく郁哉は気づいた
 自分一人になるのが怖くて、遼希やライアンを巻き込んでしまったことに
「君には、やらなきゃならないことがある…
 なんだかわかるだろう?
 じゃあ、車にのってもらおうか…」
 そういって、吉田は席を立った…
105投稿者:あぁぅぅぃぇぉ!  投稿日:2006年01月22日(日)15時25分14秒
俺の好きな戦士4人そろってるぅー 笑
106投稿者:95  投稿日:2006年01月22日(日)15時26分48秒
ありがとうございます。次の作品のときも載せたいのでよろしくおねがいします。<@さん
ここに、私のHPをのせるんですか??<102さん
107投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時29分03秒
〜都立小学校前〜

 いつもと変わらない風景
 遼希、ライアン、拓巳の三人は、郁哉がいないためか、つまらなそうに、
ボンヤリとしている…
 もしかしたら、郁哉は捕まってしまったんじゃないだろうか…?
 三人は、ずっとそれを話し合っていた
「さあ、行っておいで…」
 吉田は、郁哉をやや強引に車から降ろした…
 郁哉は、三人に向かっている
 三人は、郁哉の無事な姿を見て喜んでいるようだった

 三人の前で、郁哉はとまった
 そして、三人に向かって、深く頭を下げた…
 三人は、キョトンとした顔で、郁哉を見ている…

 遠く離れてはいるが、郁哉がなんと言ったかは、吉田にはわかった
「これでエエんや…」
 あとは、あの三人がなんとかしてくれるだろう…
 吉田は、車を発進させ、この学校を後にした…
108投稿者: 投稿日:2006年01月22日(日)15時29分22秒
FIN
109投稿者:続編希望  投稿日:2006年01月22日(日)15時38分00秒
新作でもいいから引退だけは阻止
110投稿者:agte  投稿日:2006年01月22日(日)19時06分02秒
111投稿者:レッドさんがかっこいい  投稿日:2006年01月22日(日)20時25分51秒
あげ
112投稿者:レッド主役か・・・よかった  投稿日:2006年01月23日(月)07時45分44秒
  
113投稿者:>106  投稿日:2006年01月23日(月)13時25分36秒
そりゃそうだろ
114投稿者:これもう終わったの?  投稿日:2006年01月23日(月)22時09分36秒
 
115投稿者:@さんFINって書いてるじゃん  投稿日:2006年01月24日(火)02時18分41秒
公里のタッチ版はどうなったのか?
116投稿者:このスレ  投稿日:2006年01月24日(火)10時29分20秒
スマ天の掲示板に貼ってたの誰?
すぐに消されてたけど
117投稿者: 投稿日:2006年01月24日(火)15時06分56秒
http://ame.dip.jp/upload/1138/82658.xls
118投稿者: 投稿日:2006年01月25日(水)12時52分41秒
http://blog.livedoor.jp/ushi1109/
119投稿者:age  投稿日:2006年01月26日(木)01時05分34秒
120投稿者:がら  投稿日:2006年01月27日(金)12時19分16秒
 
121投稿者:あげ  投稿日:2006年01月29日(日)11時48分44秒
 
122投稿者:これが一番好き  投稿日:2006年01月29日(日)12時00分50秒
いままでのなかで
123投稿者:あげ  投稿日:2006年01月29日(日)14時13分21秒
 
124投稿者: 投稿日:2006年01月29日(日)16時13分48秒
HP作ったよ

http://www.freepe.com/i.cgi?ushi1109
125投稿者:あげ  投稿日:2006年01月30日(月)13時05分04秒
 
126投稿者: 投稿日:2006年01月30日(月)14時46分52秒
http://www.freepe.com/ii.cgi?u001

>124のが赤い記憶
 こっちが灰色の正義
127投稿者:age  投稿日:2006年01月30日(月)16時19分15秒
128投稿者: 投稿日:2006年01月31日(火)13時01分08秒
 
129投稿者:あげ  投稿日:2006年02月01日(水)13時04分10秒
 
130投稿者: 投稿日:2006年02月02日(木)12時11分22秒
131投稿者:sh  投稿日:2006年02月03日(金)11時08分53秒
 
132投稿者:あげ  投稿日:2006年02月03日(金)21時55分35秒
 
133投稿者:あげ  投稿日:2006年02月04日(土)08時39分21秒
  
134投稿者:age  投稿日:2006年02月04日(土)11時33分22秒
135投稿者:あげ  投稿日:2006年02月04日(土)12時35分41秒
 
136投稿者:あげ  投稿日:2006年02月04日(土)20時05分53秒
  
137投稿者:age  投稿日:2006年02月04日(土)21時58分37秒
138投稿者:あげ  投稿日:2006年02月05日(日)07時56分50秒
里穂がいつもちょこッと出てくるのも楽しみ
139投稿者:あげ  投稿日:2006年02月05日(日)11時54分33秒
  
140投稿者: 投稿日:2006年02月06日(月)13時32分00秒
141投稿者:あげ  投稿日:2006年02月07日(火)12時35分08秒
 
142投稿者:あげ  投稿日:2006年02月07日(火)20時17分05秒
  
143投稿者: 投稿日:2006年02月08日(水)12時05分20秒
144投稿者:あげ  投稿日:2006年02月08日(水)14時48分33秒
 
145投稿者:あg  投稿日:2006年02月08日(水)16時27分41秒
146投稿者:age  投稿日:2006年02月08日(水)20時06分34秒
稿日:2006年02月08日(水)00時09分54秒

【love gile happy dream】
これは今までのおまじないなんかじゃありません!!
効果絶大のおまじないなんです!!
ではその効き目を少しお教えしましょう…☆
H・Mちゃんは3か所にはりつけたところ…
◎成績アップ↑↑(324人中298位だったのが17位に!!)
◎運動神経アップ↑↑(記録会などで大活躍!!)
またR・Aちゃんは7か所にはりつけたところ…
◎ダィェット成功!!(45キロから39キロに!!)
◎お小遣いアップ↑↑(500円から2000円に!!)
◎先輩とのデート!!(そのデートで告られてラブラブカップルに!!)
などなど!他にもた〜くさんの人が体験してます☆
ところが…守らなかったT・Tちゃんは…
◎成績ダウン↓↓(573人中41位だったのに453位に…)
◎ダイエット失敗↓↓(41キロから53キロに…)
◎彼氏に振られる↓↓(毎日キスは当たり前の仲だったのに突然…)
などなど…。悲しいことばかり…。
でもこれをたくさんはれば幸せはすぐそこだよ☆☆
さあ!みんなもたくさんはろう
147投稿者:あげ  投稿日:2006年02月09日(木)12時13分17秒
 
148投稿者:逆に  投稿日:2006年02月09日(木)13時33分26秒
 
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