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○●○小説:音色の声○●○
1
○●○小説:音色の声○●○
投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)15時05分01秒
こんにちわw
ちょっと前までここで小説書いてました。
でも色々忙しくて来れなくなっちゃったんですが…
今日はすることがなく、小説が書きたくなったのでスレ立てちゃいました。
自己満ですが読んでくれたら嬉しいです。
2投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)15時07分46秒
何でだろう。この音だけは胸に響くんだ。
温かくてどこか懐かしくて…
なぜか落ち着くんだ。
辛いとき寂しいとき、聞くだけでほっとする。
これは君のチカラ?
それとも俺の勘違い?
どっちでも良いよ。ただ俺は聞きたいんだ。
3投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)15時16分10秒
「あー。マジ暇。」
放課後、部活も行かずやることもなく
ただ屋上で寝っ転がってる俺。
暇なら部活行けばって話なんだけど…面倒くさい。
入部早々、先輩に意見を言った俺はもう省かれ状態。
俺は正しいことを言っただけなのに、いきなり呼び出し。
殴られ蹴られ…しまいにはカツアゲ。
そりゃ行く気も失せる。
弱い先輩なんかの言うことなんか聞いてられるわけない。
家帰ったってやることなんかないし
屋上でただボンヤリと過ごす毎日。
4投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)15時22分20秒
仕方ない。今日は天気も良いし、下校時間まで寝ることにしよう。
目を瞑り、もうすぐ意識が飛ぶ―――…
ちょうどそんなとき、小さいけどすごく綺麗な音がした。
今まで生きてきた中で聞いたことないような音。
「ピアノ――…?」
一応ピアノはやってたから、ピアノの音くらい俺にだって分かる。
でも俺はあんな音出せない。
いやあんな綺麗な音、出せる奴なんか少ないだろう。
俺の足はいつの間にか音楽室に向かっていた。
5投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)15時39分05秒
俺の足が止まったのは第二音楽室の前。
ここは2,3年生が使う教室だから俺は入ったことがない。
ピアノは好きだから、誰が弾いてるのか興味はある。
だけど、やっぱり開けにくいよな。
弾いてるとこを邪魔されたら俺だって嫌だし。
「今日はここで聞いてるか」
俺はドアに寄りかかり、目を瞑り静かにピアノの音を楽しんだ。
一体、誰が弾いてるんだろう。
こいつと一緒にピアノが弾けたら、きっと楽しいだろうな―――
6投稿者:
age
投稿日:2007年01月21日(日)15時40分58秒
7投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)15時48分42秒
「あの大丈夫ですか?」
「え…」
俺の意識が戻り、目を開けると目の前に女の子が立っていた。
ああ。もしかして俺、寝てたのかな。
あまりにも心地よい音色だったし…
もうピアノの音も止んでいた。
「あっ良かった。倒れてたから息してないのかと思った」
「ああ。心配かけてごめん」
女の子はニコッと笑い、音楽室のドアを閉めた。
「もう下校時間ですよ」
「あ、あの……ピアノ弾いてたのって君?」
8投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)18時32分58秒
女の子は俺の顔を見たと同時に、俺の口を塞いだ。
「黙って!!」
「んー!!ん!」
「あっごめん…」
女の子は俺の口から手を外した瞬間、俺は大きく息を吸った。
俺、何か気にさわること言ったか?
あんなに焦るなんて……俺の中に疑問が残る。
「さっきまでピアノ弾いてたのは私だよ」
「やっぱり。でも何で“黙って”って言ったんだよ」
「ここじゃなんだし、歩きながら話すよ」
俺と女の子は音楽室を離れ、外に向かって歩き出した。
9投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)18時57分24秒
「自己紹介が遅れたね。私は1組の伊倉愛美」
「俺は永島謙二郎。3組だよ」
1組の子か。1組には知り合いもいないし
伊倉のことも知らなかったわけだ。
下駄箱に着いたとき、伊倉は話し始めた。
「私ね、いつも放課後あそこでピアノを弾いてるの。先生が貸してくれるんだ」
「へぇ。でも何でさっき“黙って”って…」
伊倉は寂しいような悲しいような顔で笑った。
「クラスの人達にピアノ弾けるってこと知られたくないから…」
あんなにピアノの音が綺麗で上手いのに、どうしてそんなに悲しそうに笑うんだろう。
10投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)19時04分41秒
「じゃあね永島くん」
学校の通学路になっている大きな十字路。
ここで伊倉とはお別れだ。
でも何も言わずに別れのはなぜか出来なかった。
「あのさ明日もピアノ弾いてる!?」
「うん。弾いてるけど…」
「じゃあ明日も行くから。じゃあな」
伊倉の返事は聞かずに俺は歩き始めた。
“行っても良いか”じゃなくて“行くから”
どうしても行きたいんだ。
あんなに綺麗で落ち着く音色、また聞きたいから。
そのときは分からなかったけど…もっと他に理由があったのかもしれない。
11投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)19時10分37秒
「おはよー謙二郎」
「おう。」
クラスのやつはよく俺に話しかけてくる。
いつも俺が一人でいるからだろう。
別に一人でも良いのに。
授業なんか耳に入っていない。
右から入って左から出るそんな感じだ。
でも伊倉のピアノは違う。
どちらの耳から入っても出るなんてことはない。
ずっと耳に残ってるんだ。
伊倉のこと全然知らないけど、きっと良い奴なんだと思う。
12投稿者:
age
投稿日:2007年01月21日(日)19時39分17秒
続き待ってます
13投稿者:
期待あげ
投稿日:2007年01月21日(日)19時43分11秒
頑張って
14投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)19時49分53秒
「おい謙二郎。そろそろ部活行きなよ」
同じクラスの郁哉は毎日、俺を部活に行かせようとする。
別に仲良くはない。ただ小学校からの腐れ縁なだけ。
こいつは部活の怖さを知らないんだ。
俺だってあのとき先輩に意見なんか言わなかったら―――…
やめよ。過去はもう元には戻らな。
「うるさい。俺に関わるなよ」俺の心配なんかしなくて良い。
アイツは自分のことだけ考えて部活やってれば良いんだ。
俺はチャイムが鳴ったの聞き、教室から出た。
早く…早く聞きたい。そう心が騒ぐ
しかし、音楽室には鍵がかかっており誰がいる気配はない。
15投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)19時51分42秒
12さん13さん、あげてくれてありがとうございますw
頑張って書いていきます!!!!
間違え
過去はもう元には戻らない
でした
すいません…
16投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月21日(日)19時57分17秒
17投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)19時58分29秒
なんだ。まだ来てないのか。
早く伊倉のピアノ、聞きたかったのに―――
「くそっ!」拳でドアを思いっきり叩いた。
何でこんなにイライラするんだ。
いつもの数倍、心がザワザワして落ち着かない
「何やってるの永島くん」
フッと後ろを向くと鍵を手にした伊倉が立っていた。
もしかして今の見られた??
「早いね?」
「まぁ…早く終わったからさ」
「良かったら今日は中入って」
伊倉に続いて教室に入った。
なんだろう。心が少し落ち着いた。
18投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)20時04分28秒
伊倉は慣れた手つきでピアノや楽譜を用意していく。
俺はもっとのんびり、ゆっくりしてるせいか
伊倉の用意の時間はすごく早かった。
「永島くんも物好きよね。放課後にピアノなんか聞きに来るなんて」
「いや…暇だし、ピアノ好きだしさ」
ピアノは好きだけど―――…最近は全然弾いてないな。
触れてもいない。いつからだっけ?
こんなにピアノの音を奏でなくなったのは。
「ピアノ好きなの?」
「うん。習ってるし」
「男の子なのに珍しいね」
そうだ。小さい頃は男なのにピアノ習わされて嫌だったっけ?
それでもやっぱりピアノが好きだった。
19投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)20時09分34秒
「伊倉はピアノ好き?」
伊倉は昨日とは違う優しい顔をして言った。
「うん大好き。私、よく人見知りして友達いなかったから余計にね」
「そっか」
そんなにピアノが弾けるならもっと友達出来ると思うけど。
でも口には出さない。
伊倉にとっては余計なことだと思うし。
それにこの顔、壊したくなかった。
「じゃあ弾くね」
「うん」
伊倉が弾いているのはショパンだ―――
20投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)20時12分21秒
俺もこの曲が好きでよく弾いてたっけ。
懐かしいな―――
気持ちが落ち着いてほっとする。
イライラがドンドン消えていった。
これは伊倉のピアノのチカラなのかな?
だとしたらすごい。
こんな綺麗な音色が出せるなんて…
この俺が優しい気持ちになれる。
伊倉はどんな顔をして弾いてるんだろう。
ふと思い、見た伊倉の横顔は輝いていて音色と同じくらい綺麗だった。
「ど、どうかな?」
21投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)20時39分22秒
「あっすごい綺麗…だった」
このままずっと聞いていたかったのが本音。
でもいつ終わったか全然分からなかった。
そのくらい伊倉とピアノに集中してたのかな。
「あはは。ありがと!」
伊倉はそのあともたくさんの曲を弾いていた。
明るい曲だったり、暗めのバラードだったり
俺は聞いていただけなのに、すごく楽しかった。
「ねぇ永島くんは部活やってないの?」
「一応やってる…」
先輩と部活は大嫌いだけど、陸上は嫌いじゃないからやめられなかった。
行かないなら早く退部すれば良いのにね。
ピアノもそう。全然やらないのにピアノをやめることは出来ない。
22投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)20時44分52秒
「一応?何部なの??」
「陸部。まぁ先輩も部活も大嫌いだから行かないけどね」
なんか冷たかったかな。
伊倉怒ったかも。来るなって言われるかな……
「ふーん。そうなんだ」
以外にも伊倉の反応は普通だった。
あれ?何でこんなに不安だったんだろう……
出ていけって言われたら廊下や屋上で聞けばいいのに。
「でも退部しないってことは陸上が好きなんだね?」
「え……うん。多分そう」
伊倉は俺の心を読んでるみたいだ。
俺の思ってることを分かっている。なんだか不思議だなあ―――……
23投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)20時49分45秒
「伊倉は何部なの?」
「私は…入ってないよ。ピアノやりたいから」
「へぇ……相当好きなんだ」
そこまで好きになれて練習することが出来るなんて羨ましいな。
俺は飽きっぽいから無理だな。
だから俺はこんな綺麗な音、出せないのかな。
「さてそろそろ帰りますか」
「あっそうだな…」
伊倉と話してると時間たつのが早い。
24投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)21時02分26秒
「永島くんにも見つかると思うよ」
「何が?」
伊倉は俺に満面の笑みを見せた。
「すごく好きで一番やりたいこと!」
それだけ言って伊倉は帰っていった。
何で伊倉は分かったんだろう。
俺が一番やりたいことが見つからないこと、
伊倉を羨ましいと思ったこと
俺、伊倉に言ってないよな?
本当に不思議な奴。
伊倉は心が読めるのか、それともただ素直で純粋なのか分からない。
でも一緒にいるとほっとする。
25投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)21時17分58秒
昨日は全然眠れなくて、今日はいつもより早く学校に向かった。
こんなに早く学校行ったことなんかないし…
授業中、寝ようかな―――…。
「あれ?永島くん!!」
「伊倉……おっす」
俺が呼ぶと伊倉は一生懸命に走ってきた。
なんかその姿がまた俺を和ませた。
「今日早いね?いつも遅いでしょ」
「うん。なんか眠れなくてさ」
「そっか。眠そうだもんね」
そんな会話を楽しんでいた。
アイツが見てるとも知らずに―――
26投稿者:
ほのぼのしてすごくいい
投稿日:2007年01月21日(日)21時20分27秒
こういう小説大好きです
頑張ってください!
27投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)21時36分35秒
ありがとうございますww
ほのぼのとはよく言われます(笑
頑張りますのでヨロシクお願いします!
28投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)21時44分23秒
「け………ろ。おい謙二郎!」
「あっ郁哉かよ。驚かせるなよ」
本当に驚いた。今、俺何考えてたんだっけ。
先生の話なんか全然聞いていなかった。
もう耳に何かが詰まっているかのように、何も入ってこなかった。
頭の中にはそうあの音。
伊倉のピアノの音色―――
俺、伊倉のピアノにハマっているのかもしれない。
いやピアノだけ……?
「なぁ今日、1組の伊倉愛美と登校してたよな?」
「まぁ一応…」
29投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)21時49分47秒
一瞬、郁哉の顔が暗くなった気がするのは気のせいか?
「それがなんだよ」
「伊倉と仲良いのか?」
「別に関係ないだろ。関わるなって言っただろ」
郁哉を睨み、教室を出た。
いつもと同じ……じゃなかった。
いつも不安そうに俺を見てるのに
さっきの郁哉の目は俺を憎む目だった。
なんだ。すごく胸騒ぎがする。
いつか何かが起こる気がする。俺の周りの何かが壊れる気がする。
俺は早足で音楽室に向かった。
30投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)21時56分27秒
今日は音楽室は開いていた。
「いらっしゃい」
「おう。」
俺はイスに座り、伊倉のピアノを聞いていた。
目を瞑ると色んな光景が浮かんだ。
ああそうか。伊倉のピアノの音は歌詞が出てくる。
ただの音のはずなのに誰かが歌っているみたいだ。
優しい声で耳に残る歌。
これって音色の声なのかな…
俺が弾くピアノには声なんてない。
31投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)22時34分43秒
「永島くん、起きて!!」
「……んっ俺寝てた!?」
「ぐっすり」
せっかく伊倉のピアノ聞いてたのに…一日無駄にした気分。
それにしても子守歌みたいで心地よかったな。
「今日の曲、そんなにダメだった?」
「いや…伊倉のピアノの音ってさ、綺麗過ぎて歌に聞こえるんだ。
ただの音なのに、優しくて透き通るような声で耳に残る歌だった」
俺、何でこんな本気で語ってんだ?
人に本音を言ったの初めてかも知れない―――
「そんなこと言われたの初めてだよ。ありがと…」
「いや…別に。」
32投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)22時43分09秒
何だろう顔が熱い―――…風邪でも引いたかな。
「歌かぁ。想像力豊かだね」
「そうかな。ただ音色の声みたいだなって思ったんだよ」
この数日間で分かったよ。
伊倉は心からピアノを弾いてるから、こんなに綺麗な音が出せるんだ。
「音色の声かぁ……永島くんが心が綺麗だから、音色の声が聞こえるんだよ」
「違うよ。俺が弾くピアノには声なんかない。」
俺のピアノには心がないからだ。
前にお母さんが言ってた。ピアノは弾いた人の心が表れるって……
分かった気がするよ。
33投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月21日(日)22時47分37秒
「じゃあさ今度は、永島くんのピアノ聞かせてよ」
「えっ!!!?」
伊倉の前でピアノを弾く?
絶対恥をかくに決まってる。もう何年も弾いていないんだ…
指使いもおかしいだろうし、音だって汚い。
そんな音、伊倉には聞かせられないよ。
「無理だよ」
「嫌。絶対に弾いてもらうから」
そう言って伊倉はまた帰っていった。
見かけによらず頑固なんだ…
「本当に不思議な奴」
伊倉のああいうところ、みんなにも見せればいいのに。
34投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月21日(日)23時30分03秒
いい感じ
35投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月22日(月)13時18分50秒
あげありがとうございますw
――――――――――――――
それから俺はかならずと言っていいほど、放課後は音楽室に入り浸っていた。
ただ伊倉のピアノが聞きたくて…
いつの間にか寝てることもあるけど、伊倉は何も言わずに弾き続けてくれる。
俺にとって一番、居心地がいい場所になっていた。
「謙二郎!!」
ちょうど教室のドアを開けようとしたとき
郁哉に呼び止められた。
最近は全然喋りかけてこなかったくせに…
またしつこく部活のことか?
でも今日は違った。郁哉の表情は真剣そのものだ。
36投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月22日(月)13時25分02秒
「謙二郎、最近どこに行ってんだ?」
「別にお前に関係ないだろ」
それだけ言い、教室を出ようとしたが
「待てよ。まだ話は終わってないだろ?」郁哉に腕を掴まれてしまった。
いつもの雰囲気ではなかった。
郁哉は何かに焦っているようにも見える。
「もしかして…伊倉の所に行ってるのか?」
嫌でも体は反応してしまう。
何でアイツには分かってしまうんだろう。
だけど伊倉のピアノの音は誰にも聞かせたくなかった。
「勝手な想像してんなよ」
37投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月22日(月)13時35分24秒
俺は思いっきり音を立ててドアを閉めた。
こんなクラスにいる意味なんかない。
良い子ちゃんばっかの真面目クラス。俺が一番嫌いなタイプだ。
そう。だから郁哉も嫌い。
早くクラス替えすれば良い。
「伊倉、いるか?」
音楽室まで走ってきたが、やっぱりいつもの時間よりは遅くなった。
夏でもないのに汗がスゴい。こんなに汗かいたのは久しぶりだ。
「今日は遅かったんだね………そんな汗かいてどうしたの!?」
伊倉はポケットからハンカチを出し、俺の頬を拭いた。
俺の顔はまだまだ熱い。余計に熱くなった気もした。
38投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月22日(月)13時41分52秒
「遅くなったから走ってきたんだよ」
「そんな走ることないのに」
せっかく走ってきたのに…。ちょっとショックだった。
走りたかったんだ。
1分1秒でも長くピアノが聞きたかった。
俺はそうとうコイツのピアノの歌声に依存している。
「でも嬉しい。ありがとう」
女はずるい。笑顔一つで許したくなる。
「あっハンカチ汚して悪い…」
「良いよ別に。あげる」
「えっごめん」
伊倉のハンカチはいかにも女の子が持ってそうな柄だった。
俺はハンカチも大事にポケットにしまった。
39投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月22日(月)15時49分02秒
40投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月22日(月)22時13分18秒
41投稿者:
あげえ
投稿日:2007年01月22日(月)22時19分27秒
おもろい
42投稿者:
age
投稿日:2007年01月23日(火)22時57分19秒
43投稿者:
age
投稿日:2007年01月24日(水)22時18分42秒
44投稿者:
あgw
投稿日:2007年01月26日(金)16時07分13秒
45投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月27日(土)16時41分04秒
皆さん、あげありがとうございますw
――――――――――
「ねぇ私、永島くんのピアノ聞きたい」
伊倉はピアノをやめ、俺に近付いて言うもんだから
俺はイスから転げ落ちた。
「何言ってんだよ」
「良いじゃん。一回くらい聞かせてよ」
いくらコイツのお願いでも俺の下手なピアノなんか聞かせられない。
俺は伊倉から目をそらした。
それでも伊倉は諦めずに目を合わせてきた。
「お願い!!!!」
仕方ないか…
46投稿者:
age
投稿日:2007年01月27日(土)16時55分10秒
47投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月28日(日)10時41分42秒
「分かったよ。」
俺は伊倉がいつも座ってる席に初めて座った。
久々に触る鍵盤はなんだか温かくて…
なぜか安心出来たんだ。
伊倉はというと、いつも俺が座ってるイスに座り
俺の顔や手から目を離そうとしなかった。
俺はいつもあそこから、ここに座っている伊倉を見てたんだ―――…
「何弾いてくれるの??」
伊倉の目は期待に満ちあふれていて
目が“早く弾いて”と言ってるようだった。
またその目が俺を焦らせる。
48投稿者:
age
投稿日:2007年01月28日(日)10時47分26秒
49投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月28日(日)11時05分02秒
俺がまず弾き始めたのは、“ハノン”だ。
俺はもう相当ピアノを弾いていないからブランクがある。
ブランクがあるやつは指の練習が大事
小さい頃、よく言われていた言葉。
ハノンが弾き終わった後、俺はショパンの“仔犬のワルツ”を弾いた。
小さい頃、俺が大好きだった曲。
ピアノが大嫌いだったはずなのに、この曲だけは毎日弾いていた。
だから今でも覚えてるのかな―――
「あっショパンの曲だね。私もショパンの曲、大好きなんだ―――…」
そういえば初めて伊倉のピアノを聞きに来たときも
ショパンの曲を弾いてたっけ??
50投稿者:
ちさの
投稿日:2007年01月28日(日)11時10分18秒
「知ってた?私が毎日弾いてる曲はね、全部ショパンの曲だったってこと」
「えっまじ??」
全然知らなかった。すごく難しそうな曲だなとは思っていたけど
まさか全部ショパンの曲だなんて……
題名が分かる曲なんて一つもなかった。
それでも聞いていてドンドン好きになった。少しなら弾ける曲も出来たよ。
「それくらいショパンが大好きなの」
嬉しそうに楽しそうにショパンの話をする伊倉を見て
俺もショパンが弾きたくなった。
いやショパンだけじゃない。もっとたくさん色んな曲を―――
「永島くん、すごく上手だったよ!!」
51投稿者:
あげ
投稿日:2007年01月28日(日)14時35分50秒
52投稿者:
age
投稿日:2007年01月31日(水)15時04分09秒
53投稿者:
age
投稿日:2007年02月01日(木)20時15分51秒
54投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月03日(土)10時28分29秒
55投稿者:
age
投稿日:2007年02月03日(土)16時49分58秒
56投稿者:
age
投稿日:2007年02月04日(日)12時42分02秒
57投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月06日(火)01時36分53秒
58投稿者:
age
投稿日:2007年02月08日(木)20時03分21秒
59投稿者:
あ
投稿日:2007年02月08日(木)20時11分17秒
げ
60投稿者:
age
投稿日:2007年02月10日(土)17時43分31秒
61投稿者:
age
投稿日:2007年02月10日(土)19時58分42秒
62投稿者:
age
投稿日:2007年02月11日(日)13時56分03秒
63投稿者:
s
投稿日:2007年02月13日(火)14時08分23秒
64投稿者:
age
投稿日:2007年02月13日(火)20時50分45秒
65投稿者:
あげ
投稿日:2007年02月26日(月)19時16分35秒
66投稿者:
age
投稿日:2007年02月27日(火)17時11分20秒
67投稿者:
あ
投稿日:2007年02月27日(火)20時56分24秒
げ
68投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月02日(金)21時04分00秒
69投稿者:
age
投稿日:2007年03月03日(土)20時40分48秒
70投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月03日(土)22時06分10秒
71投稿者:
age
投稿日:2007年03月11日(日)13時02分59秒
72投稿者:
ちさのサンに・・・
投稿日:2007年03月11日(日)21時44分12秒
お願いします。
続き書いて下さい!!
ふみやとけんじろうとまなみが大好きなので、
すごくおもしろいです。
お願いします。
73投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月13日(火)07時14分03秒
74投稿者:
きなこ
投稿日:2007年03月14日(水)00時00分57秒
とても面白いです!!
更新してください。
75投稿者:
あげ
投稿日:2007年03月15日(木)20時41分07秒
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