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小説〜失われた時を求めて〜
1小説〜失われた時を求めて〜 投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月22日(金)17時26分29秒
*CAST*
加藤夏希
ほか。てれび戦士数名。
2投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月22日(金)17時28分46秒
―――どれだけ時が過ぎたんだろう。
生きてる心地。自分の意見。コトバ。
朝。光。小鳥のさえずり――。あの人への思い。

そのすべてを忘れてしまうような長い年月だった。
私は眠り続けた。そして今、記憶の汽車に私は乗ろうとしている。
3投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月22日(金)17時34分26秒
「2004年へ――。行って下さい。」
そういって私は記憶を探すたびに自分から乗りこんだのだった。

列車の車内にはたくさんの人間が居た。
つらい表情の子から楽しく周りと喋り行く子まで。
そんな中私はとても綺麗な顔立ちの少女の横に座ったのだった。

少女は蜜柑をひとつ手に取り手でむき始めた。
そして私の方に顔を向けて「食べますか――?」と笑みをうかべる。
一瞬――。私はその笑みにぞっとした。

絵心の知らぬひとならこれを純粋な子供の微笑みと捉えるであろう。
だがあきらかにそれは違っていた。まるで――。
冷たい。そう、マネキンの微笑みだったのだ。
4投稿者: 投稿日:2004年10月22日(金)17時35分59秒
5投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月22日(金)17時40分23秒
「ひとついただく。」
そういって私は蜜柑をうけとった。
彼女――近藤エマの冷たい手から。何があったのだろうか。
そこまで寒くない車内の中まるで死人のようにつめたい手をしていた。

「あなたはどこまで行くの?」
そういう質問に彼女はニコ、っと微笑んで2008年。と答えた。

「――。弟を探しに。弟はいい子でした。
 私は弟を助けたくて海に飛びこんだんです。
 でもそれ以来弟の行方はまったく聞くことができません。
 だからあの日に戻って。弟ともう一度しっかり話しておきたいのです。」

そういって少女はさっとペンダントの中の写真を見た。
少女とはあまり似ずくしゃっと笑う少年の顔があった。
6投稿者:がんばれ  投稿日:2004年10月22日(金)18時30分57秒
小説うまいね。
今までにない感じ
7投稿者:うまっ!  投稿日:2004年10月22日(金)18時32分17秒
がんばれ
8投稿者:なんとなく予想だけど  投稿日:2004年10月22日(金)18時36分19秒
この列車に乗った人はみんな死んでるの?
9投稿者:ゅぃ  投稿日:2004年10月22日(金)18時36分44秒
小説ゥマぃねェ(●^o^●)m
面白ぃ!!でェきたらァデェぃぃからァちーちゃんダシテェくださィ
これェからもがんばってェね
10投稿者:あげ  投稿日:2004年10月22日(金)20時24分29秒
   
11投稿者:UMAI  投稿日:2004年10月22日(金)20時30分20秒
   
12投稿者:あげ  投稿日:2004年10月22日(金)22時42分18秒
 
13投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月23日(土)00時24分58秒
ちょっと複雑なカンジの小説ですが、呼んでくれて本当にありがとう
ございます。
この小説を読んでみなさんの心の中がちょっとでもかわったら
すごくうれしいです。
14投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月23日(土)00時28分45秒
「2008年――。近藤エマさん、あなたですよ。」

車掌の言葉に少女はうなずき私にチラっと礼をすると、そのまま
列車を降りていった。
少しの付き合いではあったものの彼女には本当に不思議があった。
少しぬれた髪に冷たい体。この温かい列車からはどうも不釣り合いだった。

2008年か――。確かにメディアは進化し、たくさんの人々に
幸福をもたらした。しかし―――。
一方で子供達は精神障害に陥るものや自分の殻に閉じこもる傾向が
多くなった年。

この年でいったいあの少女は何をしようって言うんだろう――。
15投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月23日(土)00時33分44秒
「紫星!紫星!!」
エマは一生懸命森の中を走り回った。――もう時間がない。
午前9時まではあと15分。その間に何とか弟を探し出さなければ。

息を切らして疲れ果てたエマは水を求めに湖へむかった。
もうだめか。目的をはたせずに――。そう思っていると湖にただ一人
むかって座る少年を見つけた。―――やっぱり。間違いない。
それは紛れもなく弟、紫星の姿だった。

「ごめんなさい。ごめんなさい。」
そう泣きながら言う紫星にエマはそっと、探したんだから。と語りかけた。

「お母さんがやけどしたのは、僕のせいなんだ。僕がやかんを持ってる
 お母さんをつついたりしたから。お母さんは一生あの傷を持って生きて
 いかなければいけない。
 僕は。どうすればいいんだろう。」

エマはその瞬間すべてを悟った。
紫星は自分から逃げていたのだった。決して家出などではない。
そうわかるとエマはとっさに紫星をぶったのだった。
16投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月23日(土)00時38分11秒
「紫星がこんなことしてもお母さんは悲しむだけ。
 心配かけても、また傷つく人が増えるだけなの。」
エマの訴えに紫星はそれまで土をいじっていた手を止めた。
「お願いよ。お姉ちゃんとひとつ約束をしてちょうだい。」

そのエマのただならぬ雰囲気に呑まれた紫星はこくん。とうなずいた。
「お姉ちゃんがもしいなくなったら――。
 お母さんのそばにずっとついていてあげること。
 お姉ちゃんのかわりにお母さんを守ってあげるのよ。
 もう、人に頼ったりは絶対しない。そう約束するのよ――。」
エマはそういって微笑み、紫星は同時にこくん。とまたうなずいた。

ジャスト9時――タイムリミット。完了。
エマの姿が瞬く間に消え、驚く紫星のことは。言うまでもないだろう。
17投稿者:age  投稿日:2004年10月23日(土)16時24分54秒
  
18投稿者:今までにない感じの面白い  投稿日:2004年10月23日(土)16時45分10秒
 
19投稿者:afe  投稿日:2004年10月23日(土)17時49分57秒
 
20投稿者:おもろい  投稿日:2004年10月23日(土)17時52分18秒
がんばって!
21投稿者:切ない話やなぁ:  投稿日:2004年10月23日(土)17時53分09秒
 
22投稿者:AFE  投稿日:2004年10月23日(土)20時53分44秒
  
23投稿者: 投稿日:2004年10月24日(日)20時53分17秒
 
24投稿者:おれんじ  投稿日:2004年10月24日(日)20時55分31秒
小説うまいですね^^
今日始めて読んだのですが、凄くなんか引きこまれますww
これからも頑張って下さい。
25投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月24日(日)20時57分25秒
感想などいろいろありがとうございます。
この話は一応短編集で、夏希を中心にした列車に乗った人物の
短編を書いています。
26投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月24日(日)21時01分11秒
―――Act2 虚言症―――
「ねぇ、お姉さん。本当は起きてるんでしょ?
 こっち向いてよ――。」

やれやれ、こんなところにきてもナンパとはあるものなのか――。
そう思いながら私は目を開けた。
髪の毛を逆立てた一見美少年な男が立っていた。

「お姉さんはどこまでいくの?
 2004年でしょ?俺、運命だからお姉さんの行き先わかるんだよね。」

そういいながら男は私の切符を見ながら喋っていた。
「邪魔だ。消えろ。」

そういっていつもの呪文を唱えたが相変わらず効果は無い。
やれやれ。口説得の通じる奴かはわからないが説得するしかないようだ。
27投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月24日(日)21時05分28秒
「そもそも私が行く行き先をそなたに教える必要はないだろう?
 なぜ干渉したがるのだ?」

男は顔をゆがめた。もう少し――。もう少しでこの男を遠ざけることが
できるだろう。

その時。列車は急にとまった。

「つきました。2010年――。ド・ランクザン望さん。あなたですよ。」
男はニコ、っと笑い車掌に一礼をした。

「お姉さんともう少し話がしたかったけど――。
 俺にはやらなきゃいけないことがある。
 次に会ったとき、相手をしてあげるからね。」

そういって手をひらひらとこちらに振りながら男は走り去っていった。
28投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月24日(日)21時15分00秒
―――2010年に来て。俺にはやらなければいけないことがあった。
   ただ一人の愛する人に。本当の気持ちを伝えるために――。

「やぁ里穂、今日もかわいいね。相変わらず髪もサラサラだ。」
俺はいつも里穂に会ったらこういってしまう。
いや、里穂だけではない。女の子なら――。そう、みんなだ。

ただし。ただ一人を除いて。

「コラ変態。何やってんのよ。」
そういって俺の手を里穂の頭からどける少女。
それが篠原愛実だった。

「残念だけど愛実くんの剛毛にはさわる気がしないんだ。」
そういって俺はすぐ紳士を気取る。
本当の気持ちをいえないままに――。

嘘ばかりつくこの虚言症のために。
29投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月24日(日)21時26分48秒
2010年 10月10日――。タイムリミット02:00
恋をしたことが無いわけではなかった。
告白をした回数はてれび戦士の中では一番多かっただろう。
でも。今回だけは違う――。なぜか不安でたまらないんだ。

「つぐみ――。」
望がそこに降り立った時、愛実はもう眠っていた。
望は愛実のファーストネームを大事な宝物のように呟くと。
そっと愛実の頭を撫でた。

「すきの裏返し――。っていうのかな?こういうのは。
 俺は君に対してうそばかりついてきた。本当はすきなのにはねのける
 ような態度ばかりとって――。
 だから。これは最初で最後の正直だ。」
そういって望は優しく愛実の頬にキスをした。

「愛実――愛してる。」

愛実はふと寝返りを打って目が覚めた。
気のせいだったのか?望が自分に告白している夢を見ていた――。
幸せだった。そして今でも。頬には小さなぬくもりが残っていた。
30投稿者:ちょっとカンドー  投稿日:2004年10月24日(日)21時29分57秒
 
31投稿者: 投稿日:2004年10月24日(日)21時31分29秒
ドキ★ドキだっけ?あれかいてた人?多分違うだろうけど。
32投稿者: 投稿日:2004年10月24日(日)21時33分53秒
33投稿者:本当に  投稿日:2004年10月24日(日)21時46分21秒
ほかの小説と違う雰囲気を感じる
34投稿者:めっちゃ  投稿日:2004年10月24日(日)22時07分48秒
おもしろいよ!
切ない><
35投稿者:AGE  投稿日:2004年10月25日(月)07時48分36秒
  
36投稿者:プルースト?  投稿日:2004年10月25日(月)09時35分23秒
主人公はマルセル?
37投稿者:age  投稿日:2004年10月25日(月)19時30分45秒
   
38投稿者:この小説スキ  投稿日:2004年10月25日(月)20時46分19秒
かなり!!だからがんばれ♪
39投稿者:あげます  投稿日:2004年10月25日(月)21時22分37秒

40投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月25日(月)21時57分36秒
なんか、いろいろ感想くれて本当にありがとうございます。
ちょっと応援?みたいなのに感動しちゃいました。
41投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月25日(月)22時02分52秒
―――Act3 ハジマリ――――
「Happy birth〜♪Happy birth〜♪」
―――音痴だ。

さっきから後ろの席で歌っておる3人組。
いったい何の目的だか知らぬがうるさいことには変わりない。

―――周りに注意する様子もなし。また私の役回りか、
そう思いながら私は後ろをむいた。

「あ、お姉さんだぁ。ほら、二人ともいったでしょ?
 お姉さんなら絶対私たちの歌をしどうしてくれるよぉ。」

気の抜けた高い声で話す少女にたいして私はあっけにとられた。
ここまで自分に都合よく事をとらえることができるのか―――。と。
42投稿者: 投稿日:2004年10月25日(月)22時05分28秒
43投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月25日(月)22時11分05秒
「私たち、ヴィーナス&マースっていうグループ名までつけたんですよぉ。
 聞いてくれますか?」

こういうとき。断りきれないのが私の悪いところであって。
「別に良いが―。」
と返事をしてしまう自分にはつくづく情けなかった。

――とその時だ。列車はやはり例のごとく急に止まった。
まったく。運転の下手なやつだな。

「2020年です。
 橋本甜歌さん、ジョアンヤマザキさん、川崎樹音さん。」
そういわれるとその3人は立ち上がった。

「うっそぉ。もう発表?緊張だよぉ。」
さっきの少女がそういうなか、ほかの二人はやはり私に深々と礼をして
列車から降りていった。

―――Happy Birthday
  その言葉を私はもう何年間聞いていないだろうか。
44投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月25日(月)22時16分24秒
――2020年 9月20日 タイムリミット19:00

遠足には一緒に行こうね。みんなでお弁当を食べて。
みんなで卓也のお誕生日をお祝いするんだよ――。

井出卓也はてるてる坊主をまたひとつ作った。
明日は遠足だ。そして――俺の誕生日。
そう思いながら卓也は背伸びをして窓にてるてる坊主をつるした。

どうか――。雨が降りませんように。
絶対絶対。みんなで誕生日を迎えられますように。

そんな時だった。
庭に見えた人影に卓也は驚き、急いで窓を空けた。
45投稿者:2え  投稿日:2004年10月25日(月)22時22分35秒
2え
46投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月25日(月)22時30分20秒
「樹音、甜歌、ジョアン。
 どうしたの?遠足は明日だよ――」
その言葉に三人は笑顔でうなずいていた。

「卓也、一日早いけど。誕生日おめでとう!」
そういって甜歌は指をカチン、と鳴らした。

「今日はたいせつな日さ。happybirthday toyou♪」
3人の歌は決してうまいとはいえなかった。
しかし。卓也はこの歌に何か惹かれるものがあったのだった。
 
「私たちも14歳になりたかったよ。でも―――。
 卓也が楽しくこれからを過ごしてくれればそれでいい。
 ただお願いがあるの。」

その言葉を聴いて卓也はようやく三人の異変に気づいた。
―――腕が。右腕が茶色い。
   ただの怪我ではないだろう。まるで――そう、血が通っていなかったのだ。

47投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月25日(月)22時31分39秒
「ちょっと待てよ。3人とも――・・・」
卓也が心配そうな表情で見ていると3人はニコ、っと笑った。
大丈夫だから。とでも言うように。

―――私たちのコト、忘れないでね。
三人はそういってふ、と消えていった。
3つの勿忘草を残して―。
卓也は3人が言ったことばの意味を次の日の新聞をみるまで。
理解することができなかったのだ。

――君たちが教えてくれた花の名前。それは。
  町に埋もれそうな小さな勿忘草。―――ありがとう。
これからも。俺は俺を生きていく。
48投稿者:列車に乗ってる人たちが実は死人って  投稿日:2004年10月26日(火)00時09分28秒
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」みたいだね。
今度はボードレールのパロディ書いてよ。
49投稿者:age  投稿日:2004年10月26日(火)19時16分36秒
   
50投稿者:恋愛系のが一番好き  投稿日:2004年10月26日(火)19時18分33秒
また恋愛系書いてよ。
友情系よりそっちが好き
51投稿者:おもしろい  投稿日:2004年10月26日(火)19時56分28秒
激しく良小説
52投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月26日(火)20時49分40秒
あとから考えてみたら銀河鉄道の夜っぽいですね。
でも、ストーリーは違うのでご安心を。
恋愛はたまに織り交ぜていくとおもいます。
本当に見てくれた皆さん、ありがとうございます。
53投稿者:おもしろいー  投稿日:2004年10月26日(火)20時52分39秒
なんか引き込まれる感じww
54投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月26日(火)20時55分55秒
―――Act4 おくりもの―――
懐かしい音色。どこかで聞いたことのあるメロディー。
その音楽に私は少しあのころの生活を思い出した。

一つのことに夢中になっていたあの頃。
そして一人の人を愛したあの頃。少し悲観的な考えかもしれないが
幸せだった――・いまではそれも過去形でしかないのだ。

「それはなんと言う曲だ?お前が吹いておるのは。」
ハーモニカを吹いていた男は顔を上げた。

「故郷の空ですよ。」

―――故郷の空。
  心に響き渡る曲だ。そして何より彼の切ない音。
  それがあの頃の思いを私にもう一度よみがえらせた。
55投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月26日(火)21時02分32秒
「そのハーモニカ・・・。
 よくみたら傷ついているではないか――。」
私がそういって呪文をかけようとハーモニカを手に取ろうとすると彼はそれを
やさしく拒んだ。

「傷ついてていいんです。
 これが俺の歴史なんですから。
 過去は決して消せるものじゃない――。
 でも、前向きにひたむきに。それを見つめながら生きることもできますよ」
そういって男はやさしく笑った。

「2024年。堀江幸生さん―。お待たせいたしました。」
車掌はそう言って彼に帽子をさげた。

「短い間でしたが一緒に居て楽しかったです。
 ハーモニカをほめてくれたの。あなたが二人めだったから――。」
そういって彼は会釈をして小走りで列車をあとにした。
56投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月26日(火)21時13分13秒
「あんた、あたしと組まない?
 あんたのハーモニカ、気に入ったんだ。」
それが白木杏奈の、人生最初の告白シーンだった――。

――お願いよ幸生、眼を覚ましてよ!

2024年2月3日―タイムリミット20:20
「杏奈、杏奈?」
自分を呼ぶ声に杏奈ははっと目を覚ました。
いつの間に寝ていたんだろう?
そしてそこには今、自分の目の前で寝ていたはずの幸生がたっていた。

「幸生?どうしたの?もう、おきて大丈夫なの?」
しどろもどろに聞く杏奈の声に、幸生が頭をかきながら
「ん―。まぁ、いいんじゃね?」
と答えた。
57投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月26日(火)21時34分02秒
「杏奈に一つだけ渡したいものがあって。
 今日はここに来た。」
そう言って幸生はハーモニカを杏奈に手渡した。

「ちょっ―・どういうこと?幸生、嘘よね?
 これからも、Old Skyは解散しないよ?ずっと―。
 一緒に歌ってくれるって。そういったじゃない。」
杏奈の声は泣き声にも似ていた。すると幸生はハーモニカを吹き出した。

杏奈の中に。幸生の声が響いている。
「ずっと一緒に居るから。大丈夫。杏奈ならー。
 日本一、いや、世界一のシンガーになれるよ。」
そういって幸生は杏奈のほうをチラっと見た。
 
58投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月26日(火)21時36分22秒

――夕空晴れて 秋風吹き 月影落ちて 鈴虫なく
  思えば遠し 故郷の空 ああ我が夢 如何に叶おう 
杏奈は歌った。精一杯。
ありがとう幸生。これからは――もうずっと一緒なんだ。
私はなるよ―。世界一のシンガーに。
世界一のパートナーと一緒に―・・・

杏奈ははっと目を覚ました。
そしてそこにはさっきの苦しそうに病気と闘う顔とは見違える穏やかな
幸生の寝顔があった。
そして。杏奈の手にはしっかりとボロボロのハーモニカが握られていた。
59投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月26日(火)21時41分41秒
追伸。
上の故郷の空の歌詞は、ストーリーにあわせたいわゆる
少しの替え歌なので、本当の歌詞ではないです。
間違って覚えることのないように
60投稿者:芥川賞を贈りたい位  投稿日:2004年10月26日(火)23時00分06秒
感動しました
61投稿者:芥川賞よりか  投稿日:2004年10月27日(水)00時29分36秒
三島由紀夫賞を贈りたいね
62投稿者:幸生×杏奈  投稿日:2004年10月27日(水)13時25分18秒
泣きそーになった。なんかいいねこの二人
63投稿者:幸生と杏奈のやつと  投稿日:2004年10月27日(水)20時51分46秒
望と愛実のが好き
64投稿者:さあ次に列車に乗るのは  投稿日:2004年10月27日(水)20時57分27秒
誰だろう
65投稿者:糞小説の作者たちに  投稿日:2004年10月27日(水)21時19分00秒
この小説を読ませたい
66投稿者:その他てれび戦士ってことは  投稿日:2004年10月27日(水)21時20分09秒
卒業した人はでないんですか?
67投稿者:あげ―――  投稿日:2004年10月27日(水)21時49分21秒
  
68投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月27日(水)23時05分12秒
卒業戦士は今のところ予定にはありません。
すみません。
69投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月27日(水)23時08分54秒
―――Act4 カウントダウン―――
ガタン・・・
急に列車は止まりエンジンが逆回転し始めた。
それとほぼ同時に車掌の悲鳴が同じく聞こえた。

列車ジャック――?そう思ったがどうも違うようだ。

「どうもこの列車は遅すぎる。
 貸しなさい。私が運転します。」
博士風の男が車掌を脅迫しているようだ。

「ですが――。困ります。
 お客様には快適な列車生活を送ってほしいのですが
 かってに運転などは。」

こんなにも人が居れば一人くらいこういうやつが居るものだ。
私は立ち上がって彼の顔をじっと眺めた。
70投稿者:ゆっちゃんにこの小説を見て反省してほしい  投稿日:2004年10月28日(木)15時56分09秒
 
71投稿者:あげます  投稿日:2004年10月28日(木)21時50分32秒

72投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月29日(金)00時23分27秒
「お前。なんの目的かは知らぬがほかの乗客を考えろ。
 お前のための列車でないことくらい自分でもわかるであろう?」

前から思っていたことだがどうもこの列車の連中は自分から行動を起こすと
いうことを知らないらしい。
私だってこんな不気味な男に注意するなど本当はしたくないのだ――。

すると男はさらに不気味な笑い声を上げた。
「このような列車など我がタイムマシンに比べればカメ同然。
 時間距離が長すぎるのです。」

ならば自分のマシンで行けばいいではないか。
誰もがやはりそう思っただろう。

「こ、洸太レイシーさん。2030年につきました。これでよいのでしょう?」
車掌が恐る恐るきくと男は満足げに、そして不気味に行った。

「皆さん。私は今から過去を大きく変えます。
 もしかしたら。あなたたちの姿が今後消え行くかもしれない。
 なぜなら――私は地球を破壊するのですから。」
73投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月29日(金)00時28分22秒
「こいつうそつきだぜ?
 カガクカガクっていつも呪文のように唱えて。」
「そうそう、できもしないことを言うんじゃねーよ。」
私は―。地球上のあらゆるものにおびえていたのかも知れない。

―――2030年12月25日 タイムリミットPm19:00
配線OK。電源装置準備完了。
ついに―。この時がやってきたのだ。洸太は実感をかみしめた。

自分をいじめたあのいじめっ子も―。
そしていつもその自分をいじめっ子から守ってくれた―・・・
しかし私を裏切ったあの人も。

みんな一瞬で粉々になってしまうだろう。
このミサイル―m510にかかれば。
74投稿者:あげ  投稿日:2004年10月29日(金)17時34分20秒
 
75投稿者:なんか話が変な方向に・・・  投稿日:2004年10月29日(金)18時52分23秒

76投稿者:今回はまた  投稿日:2004年10月29日(金)20時14分56秒
一味違うかんじ
77投稿者:あげ  投稿日:2004年10月29日(金)21時30分30秒
 
78投稿者:どの話が好き?  投稿日:2004年10月29日(金)21時33分34秒
俺は幸生と杏奈
79投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月30日(土)00時30分32秒
「洸太くん、気にしちゃだめよ?
 あなたはきっと。今にすごい発明家になるんだから。」

自分に自信がなくなりかけていたとき、私はよく公園で太陽を見ていた。
何もかもを知っているのに何もいわずに輝き続けるそれを見て私はにくらしさ
すら感じていた。

里穂先輩――。里穂先輩。リホセンパイ。
私を受け入れてくれた唯一の人。
そして。初めてこの私が愛した人。

洸太は思い出に浸りながら息をついた。
コーヒーを入れ、爆破前のミサイルのすぐそばにそれを置いた。

地球爆破までどうせあと8分なんだ。
今までの地球をせいぜいみな、思い返すがいいんだ。
80投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月30日(土)00時36分44秒
過去に私は一度だけ人にラブレターをいうものを書いたことがある。
何を書けばいいかわからずにただ自分の知識をひけらかしながら愛を語った。

「Na原子を水に入れたように私の心はあなたに化学反応をする。」
そのような比喩しか浮かばない私だが。彼女を思う気持ちは天下一品のつもりであった。
だが――。里穂先輩は手紙の待ち合わせ場所には現れなかった。

―――コンナウラギリガドコニアルダロウ。

洸太はまた一口。コーヒーを飲んだ。
コーヒーを飲むことで人間の脳は覚醒状態に陥ることが多い。
たいていの場合自分の記憶は明白になりひどい時は実際以上の妄想が
働いていってしまうのだ。

無論。今の洸太にはそんな余裕はなかった。
地球の寿命のカウントダウンは。すでに2分をきっていた。
81投稿者:あげ  投稿日:2004年10月30日(土)10時09分11秒
  
82投稿者:この後どんなカタルシスが?!  投稿日:2004年10月30日(土)10時35分51秒
この小説読んでから今年の天てれ、特にドラマがすごい楽しみになった!
83投稿者:てれび戦士で悪役をつくってないから  投稿日:2004年10月30日(土)10時38分54秒
いいね
84投稿者:あげ  投稿日:2004年10月30日(土)10時40分43秒
Eね〜〜
85投稿者:洸太のやつ意外な展開でいい  投稿日:2004年10月30日(土)10時48分02秒
  
86投稿者:>1へ  投稿日:2004年10月30日(土)12時42分30秒
ここはみんなが天てれのことを話し合うとこで小説を書き込む場所ではないよ。いつかまえにここの管理人さんが「小説板に移動してください」という書き込みがあったのにいまだこのまま。他の人が迷惑している人もいるから無料HPで小説を作ってみんなに見せてあげて。
http://www.freepe.com/p.htmを開いて
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87投稿者:やだ  投稿日:2004年10月30日(土)13時23分57秒
ここで書いてよ気になるから
88投稿者:この小説イイ  投稿日:2004年10月30日(土)18時33分19秒
 
89投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月30日(土)20時23分51秒
ふと。洸太の目には自分の研究用のノートが目に入った。
タイムマシン、ワープ、そしてこのミサイルM50
すべてのデータを収めたものであった。
――地球の滅亡の前に。これだけは自分の手で消しておこう。
  私の。すべてをささげたものであったから。
洸太はそう言ってノートに手をかけた。

すると、ノートから一つの紙切れが転がってきた。
そこには。可愛い絵ときれいな字の手紙が挟み込まれていたのだった。

――レイシーくん。手紙、ありがとう。
  気持ち嬉しかったけど。場所にいけなくてごめんなさい。
  だけど、君の気持ちは絶対忘れたりしないから。。

ガクン、ガクン・・・。
洸太は足が震えたとともに床にへたりこんだ。

―――私はなんと言うカンチガイをしていたんだろう・・・

ふと時計を見ると。もう時間がない。地球滅亡までのカウントダウンは。
無常にも限りなく進んでいた。
90投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月30日(土)20時32分22秒
洸太は決意した。自分が万が一のためにミサイルについていた
自爆ボタンを押すことを。

自爆すればせいぜい自分ひとりが吹き飛ぶだけですむ。
なんとしても。洸太は里穂をたすけなければならなかった。

―――が。にもかかわらず。洸太はまたそのミサイルに細工をしていたのだった。
そして。刻一刻と迫っていたタイムリミットはついに限界に達していた。

「地球、みんな、里穂先輩。サヨナラ・・・・」
洸太の言葉と同時にミサイルはすごい轟音を発して爆発したのだった。

「里穂みて、あれ。何かしら?」
そういわれて里穂は空を見上げて驚いた。
ミサイルの自爆の煙によって。空には里穂の笑顔が描かれていたのだった。

里穂先輩。
私が初めて愛した人。
いままでも。そしてコレカラモ――――。
91投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月30日(土)20時37分08秒
はしがき。
今回のAct5は時間が長くかかってしまってすみません。
洸太のことを心情、ジレンマなどを含めて表現したかったのですが
結果的にこんな形になりました。
今後とも、暖かく見守ってくれればうれしいです。
本当に沢山の方、よんでくれてありがとうございます
92投稿者:あげあげあげ  投稿日:2004年10月30日(土)21時09分08秒
すごいね。
洸太を魅力的に書く小説ははじめてみた。
93投稿者:洸太万歳  投稿日:2004年10月30日(土)21時29分23秒
 
94投稿者:洸太がでてくる小説で  投稿日:2004年10月30日(土)22時06分45秒
こんなにいいの初めて
95投稿者:あげ  投稿日:2004年10月30日(土)22時10分41秒
 
96投稿者:洸太にちゃんとした役をあたえてくれてありがとう  投稿日:2004年10月30日(土)22時15分56秒
  
97投稿者:あげ  投稿日:2004年10月30日(土)22時24分27秒
あげ
98投稿者:age  投稿日:2004年10月30日(土)22時56分51秒
99投稿者:ff  投稿日:2004年10月31日(日)01時21分44秒
100投稿者:洸太のキャラも活きてるしちゃんと感動的な話になってる  投稿日:2004年10月31日(日)11時09分44秒

101投稿者:ip  投稿日:2004年10月31日(日)11時24分03秒
pi
102投稿者:あげ  投稿日:2004年10月31日(日)11時52分12秒
 
103投稿者:洸太  投稿日:2004年10月31日(日)18時01分58秒
あげ
104投稿者:エマと紫星のがかわいかった  投稿日:2004年10月31日(日)18時31分18秒
 
105投稿者:ちょーいい話><  投稿日:2004年10月31日(日)21時31分56秒
めっちゃ感動です><
106投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月31日(日)22時19分40秒
感想とか本当にありがとうございます。
自分の書いた話で感動してくれた人がいると思うとなんかうれしいです
ね。
では、小休止の後、Act6に入りたいと思います。
107投稿者:早く書いて!  投稿日:2004年10月31日(日)22時20分23秒
でもゆっくり休憩していいからね^^
108投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月31日(日)22時23分53秒
一人、一人と客が減っていくなかで私は一人考えていた。

――何かが・・・おかしい。
これまで降りていった人間は自分の目的があってここに来たのだ。
だが私にはその目的がない。
むしろ、記憶さえ消えかかっている。

早く――。早くしないと。
私は自分の存在すら見失ってしまうのではないか。

―――雪月花。
ただその言葉が私の頭から離れない。
何か。何か大切なものなんだろうが思い出そうとすると頭が急激に痛い。

―――急がなければ。
109投稿者:頑張ってください!  投稿日:2004年10月31日(日)22時24分24秒
みんなキャラが活きてて良いと思います!今まで見てきた小説の中で一番好きです!それに感動しました!
続き、楽しみにしてます。
110投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月31日(日)22時33分53秒
――Act6 Little Angel―――
あの博士気取りの男が列車を出てからどれだけたっただろうか?
列車もすっかり修復し走り始めたのだったが、なかなか次の駅にとまる
こともなく、客全体が疲労の色を見せていた。

――まぁ、もっとも。
  こんな私たちに疲労もなにもあったものじゃないが。

しかしそんな中。
一人凛として自分を持っている少女が居た。
どうやら周りの小さな子を呼び集めて紙芝居をしているらしい。

笑顔、振る舞い。すべてをとってかわいらしい。
最初に会った少女とは正反対の暖かい笑みを浮かべ、少女は次の
絵を描き始めた。
111投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月31日(日)22時38分38秒
――手伝おう。
私がそういうと少女は微笑み「ありがとうございます。」といった。

こんな事も嫌いではない。子供も泣かなければ好きだ。
それに私は何より。自分自身をしっかりもてているこの少女が
うらやましかったのかも知れない。

「不思議ですよね。
 子供たちに紙芝居をしていると自分まで落ち着いた気分になれるんです。
 童心に帰れるというか。まぁ、まだ子供なんですけどね。」
少女がそういったとたん。久々に列車が止まった。

「列車の復旧作業に時間をとられ、到着が遅れてしまってすみません。
 2021年でございます。伊倉愛美さん。」
その言葉に少女はポン、といすから飛び降りた。

「みんなゴメンね、紙芝居は今度の機会。
 またね。」
そういってずっと笑顔で。こちらを向きながら手を振っている彼女に
私はやはり憧れに似たうらやましさを感じていた。
112投稿者:ロマンス  投稿日:2004年10月31日(日)22時44分29秒
君は誰なんだ?
お願いだ。こっちを向いてくれよ―――。

バーンズ勇気の夢幻の意識はそこで途絶えた。
起きてみるといつもの殺風景なスタジオで。
缶コーヒーの空き缶が床に散らかっていた。

――またこの夢か。これで何回目だろう。
 そう思いながら勇気は一通の手紙を見ていた。

―――2021年5月3日 タイムリミット 14:00―――

「DEAR伊倉愛美ちゃん
 いつも手紙をありがとう。
 僕の歌をいつも聞いてくれて光栄だよ。
 これからも応援よろしくお願いします。」

それはアイドルであれば誰でも書くようなありきたりなファンレターだった。
しかし。それがバーンズ勇気が書いた。ということは愛美にとってとても
大切なことだったのだ。
113投稿者:ガンバレ〜  投稿日:2004年10月31日(日)23時23分45秒
愛美も勇気も好き。
応援してるよ
114投稿者:頑張れ!!  投稿日:2004年10月31日(日)23時48分49秒
この小説大好きです!!
115投稿者:あげてみたり  投稿日:2004年11月01日(月)01時28分32秒
  
投稿者 メール