用具室の女の子 著 河童 お題: トイレ 期限:一時間弱 容量:4.8kb 追記:全然要領無くてスマソ。 学校のトイレには、怖い話が付き物です。 「トイレの花子さん」 「赤いちゃんちゃんこ」 「赤マント青マント」 etc... この様に色々な物があります。 私の学校にあるお話を一つご紹介しましょう。 学校の一番奥にある扉。 二番目でも右から三番目でも無い何の変哲も無い一番奥の扉。 この扉の前で、 三回ノックしても、 三回廻っても、 呼んでも、 何も起きません。 中に入っても有るのは、ホース、デッキブラシ、雑巾、バケツ。 それらが無作為に置かれているだけです。 詰まり、用具室です。 前置きはこの辺にして置いて、本題に参りましょうか。 曇り空の夕方六時過ぎ。 女の子が一人忘れ物を取りに学校に戻ってきました。 ですが、思った通り、学校の鍵は掛けてあります。 困った女の子は、運動場の掃除をしている用務員さんに事情を説明すると、 用務員さんは、15分だけ鍵を開けてくれるそうです。 「用務員さんありがとう!」 女の子はお礼を言いました。 女の子は真っ直ぐに自分の教室に向かい忘れ物のリコーダーをカバンに入れます。 窓から空を見てみると今にも雨が降りそうな空模様。 カバンを背負って帰る準備を整えました。 すると、 ガラガラと言う音と共に黒い傘を持った小柄な男がコッチに向かってきます。 教師でも無い人がこの教室に来ると言う事に不信感を抱くのは当然です。 女の子は、不振に思いながら質問をしました。 「どうかしましたか?」 女の子の声は震えています。 すると、男は、ピタリ。と動きを止めました。 しかし、何も言わずにコッチを見ているだけ。 「どうかしましたか?」 消え入りそうな声でもう一度尋ねます。 やっぱり何も答えてくれません。 すると、「キリキリキリ」と、言う音が男のポケットから聞こえて来ました。 男は、クスクスと笑っています。 ついに、恐怖に耐え切れなくなった女の子は走り出しました。 男は、楽しむようにゆっくりと此方へ歩いてくるだけ。 安全な所へ。 安全な所へ。 ソレしか女の子の頭にはありません。 しかし、こういう時の心理と言うのは、不思議な物で普段男の人が来ない場所を見つけると、 其処に逃げるのが安全と思ってしまうそうです。 安易かも知れませんが、その場所が女子トイレ。 女の子は、用具室に目をつけました。 「ココならきっとあの人は気付かない。」 そう心の中で念じながら用具室に隠れました。 コツコツと足音が聞こえてきます。 音が響くと言うことが更に恐怖心を植え付ける。 コツコツ コツコツ コツ… 音が止まりました。 すると、バンバンと、扉を叩く音が聞こえてきます。 ですが、聞こえてくるのは隣の男子トイレから。 女の子は、扉を叩く音に完全に腰を抜かしてしまいました。 怖い。 怖い怖い怖い怖い怖い 恐い恐い恐い恐い恐い コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ ソレしか頭に浮かばないほどに恐怖に襲われています。 また、コツコツと言う音が廊下に響きます。 焦るでも無く、焦らすでもなく、一定のテンポで。 ですが、今回は一瞬で音が止みました。 隣の女子トイレの前で止まったのですから。 男は、きっと此処に女の子が居るのを確信していたのでしょう。 洗面台の蛇口から大量の水が出ている音が聞こえてくる。。 女の子の体は小刻みにプルプルと震えています。 ガリガリガリガリ 爪で扉を掻き毟る音が聞こえて来る。 何故、今度は叩かないんだろう? その行動が更に恐怖を増す。 ガリガリガリガリガリガリ 扉から扉へ移動する際の「フフフ」と言う吐き気を覚えるような笑いに女の子は耳を塞ぎます。 ですが、男は、詰まらなそうに咳をしてコツコツという聞きなれた音と共に 女子トイレを出て行きました。 余りの恐怖に女の子は、ガタガタと震える事しか出来ません。 震える事が仇になるとは誰が想像したでしょう。 震えがデッキブラシを伝って、カタカタと用具室の壁を何度も何度も打ち付ける。 その音を聞きつけたのか、 バタバタと五月蝿い位の音が此方に向かってきて勢い良く用具室の扉を バンバンと叩きます。 何度も何度も バンバンバンバン 耐え切れなくなった女の子は、「ゴメンナサイ…」と謝りました。 女の子は何もしていないのに。 一方的な恐怖から逃げていただけなのに。 「ゴメンナサイ」と。 すると、扉が、ゆっくりと開き、先ほどの男が此方をずっと見据えています。 しかし、女の子は恐くて顔が見れません。 黒い傘とカッターナイフが入ってるであろうポケットを見つめるだけで精一杯です。 男は何かを思いついたかの様にニヤリ。 笑いました。 女の子は訳も解らずガタガタと震えるだけ。 その後男は何度も何度も動かなくなった女の子を犯し続け、 達する度に女の子を執拗にカッターナイフできり続けました。 一時間たっても出てこない女の子を心配して、 様子を見に来てた用務員と、残業中の教師にその男は、取り押さえられました。 女の子は、案の定、息は無く。 ホースで手足を縛られ、口に血を拭き取ったであろう雑巾を捻じ込まれ、 バケツに絞ったであろう血を溜められた姿で発見された。 警察に連れて行かれる時に男は、一言。 「ゴメンナサイ」 と笑いながら言ったそうだ。 実は、この話には続きがあって、 この話を聞いた人は、話が終わった後に 「ゴメンナサイ」 と言う声が聞こえてくるそうです。 この話をするのは決まって黒い傘を持ってる人なのですから。