日本大麻の品種について 戦前の文献によると、日本大麻の主な品種は赤木種、白木種、青木種の三種がある。(最近支那麻事情によると、)白木種が原種であり、風土環境により漸次変化していったとしている。また、白木種は主として下都賀郡が産地で、赤木種は上都賀郡が産地である(どちらも現在の栃木県鹿沼市)。また、大麻の研究によれば、栃木県以外の地方は大抵栃木県から種子を移入している。栃木県以外の地方在来種で主なものは岩手県や、広島県の大田苧種と野州白木種の二種、大分県は日田麻と大山麻(ほぼ赤木種)がある。 1.赤木種 発芽時の胚は濃い紫色で、成長するにつれて茎の色は淡くなる。けれども茎の稜角にあたる部分その先端部分は紫色で、葉っぱは濃い緑色である。 生育は緩慢で晩熟である。繊維は強靭でやや粗剛であるが歩留まりがよく、漁具用ロープに用いられる。 2.青木種(白木種の一種) 発芽時の胚は紫色又は淡い紫色で、成長するにつれて茎の色は完全に緑色になる。茎の稜角にあたる部分その先端部分はわずかに紫色で、葉っぱは緑色である。成長は迅速であるが、晩熟の傾向がある。 繊維は淡い黄褐色で光沢に富み、弾力に優れていることから用途は広く使われる。 3.白木種 発芽時の胚は淡い紫色で、成長するにつれて茎の色は黄緑色になる。茎の稜角にあたる部分その先端部分は黄緑色で、葉っぱは淡い緑色である。成長は。 繊維は細く銀白色で光沢がもっともよいが、弾力は最も劣っている。歩留まりは少ないが、織物の原料としては最適である。