床だけが見ていた(仮)  私は床である。屋敷の主寝室の床である。  この屋敷は古い。明治に建てられ、その後の戦争を生き延びた。  建てられた当初は、ある華族の屋敷であった。しかし、その華族は私の上で首を吊った。  次の主人は戦争成金の貧相な男であった。しかし、その男は私の上で毒を飲んだ。  その後も何度も主人が替わり、その度に私の上で死んでいった。  やがてこの屋敷は「呪われた屋敷」と呼ばれ、なかなか買い手がつかなかった。  そしてある時、テレビ番組の企画の取材が来ることになった…… キャラクター 監督・伍藤将也(ゴトウマサナリ)  やらせっぽくないやらせ番組の得意な監督。屋敷の噂を聞きつけ、心霊番組を撮りに来た。  分かりやすい助平中年親父。 レポーター・桐島ユカ(キリシマユカ)  高学歴グラドル。人気がある。本当に「呪われた屋敷」と呼ばれていることを知らずに仕事を引き受けた。  伍藤のセクハラに困っている。 芸人・入山光太(イリヤマコウタ)  うるさいリアクション芸人。人気は無い。仕事以外ではまとも。  桐島に惚れているが、何も出来ずにいる。   スタッフ1(男性)・荻原(オギワラ) スタッフ2(女性)・萩原(ハギワラ) 他、カメラマン・音声など 床